JP2019108759A - 排泥排出促進装置及び地盤改良工法 - Google Patents
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- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
Abstract
Description
その際に、基本的に噴射する固化材スラリーの量に相当する原位置土(例えば粘土)と固化材スラリー(セメントミルク等)から成る粘性の高い排泥が、固化材噴射ロッド11の外周面とボーリング孔Hの内周面との間の円環状の空間(クリアランス)で構成される排泥排出経路を介して、地上側に排出される(矢印B)。
排泥排出経路が閉塞すると、図10に示す様に、固化材噴射ロッド11からの噴射圧力が、周辺地盤を介して地上側に作用して(図10の矢印D)、地面(例えば舗装面)の隆起が発生する。
地面の隆起を防止するため、排泥排出経路が排泥や異物(粘土塊、木片等)により閉塞すると、固化材噴射ロッド11からの固化材の噴射を中断し、固化材噴射ロッド11を引き上げ、閉塞箇所Cに対して水を噴射して閉塞状態を解除してから、施工を再開することが行われている。しかし、固化材噴射ロッド11からの固化材の噴射を中断すると、地中固結体の品質が低下してしまうので、固化材の噴射を中断することは出来る限り避けたい。また、閉塞箇所Cの閉塞状態を解除するのに大量の水を噴射するので、その水の分だけ排泥量が増加してしまうという問題が生じる。
前記固化材噴射ロッド(11)とは別体に構成されており、
先端(地中側端部)に流体(例えば、エア、水等)を噴射する噴射口(1A)を有する噴射管(エア管1)と、流体供給源に連通する流体供給口(2A:例えば、エア供給口)を備え、
下端部が改良天端(KA)よりも上方に位置するように軸方向寸法が設定されており、
前記噴射管(1)の前記噴射口(1A)から流体を排泥排出経路(DR)内に噴射し流体流とし、前記排泥流に前記流体流を付加することを特徴としている。
前記流体流の噴射方向について、固化材噴射ロッド(11)軸半径方向が固化材噴射ロッド(11)周り略接線方向である前記噴射管(1)を備えた排泥排出促進装置であることを特徴としている。
前記流体流の噴射方向について、固化材噴射ロッド(11)軸方向は、噴射する流体が液体の場合、地盤改良装置(100)側(例えば、鉛直地下方向を除く方向)である前記噴射管(1)を備えた排泥排出促進装置であることを特徴としている。
或いは、本発明において、ボーリング孔(H)の地上側端部にガイドパイプ(21)を配置すれば、本発明の排泥排出促進装置(10)はガイドパイプ(21)の地上側端部からガイドパイプ(21)内部に延在する様に配置される。排泥排出促進装置(10)の噴射口(1A)の位置は、ガイドパイプ(21)内にあっても、ガイドパイプ(21)を外れた位置にあってもよい。
また本発明の前記排泥排出促進装置(10)において、前記噴射管(1)の噴射口(1A)の断面積は、噴射口(1A)以外の断面積よりも小さくすることが出来る。
さらに本発明の前記排泥排出促進装置(10)において、前記噴射管(1)の本数は、固化材噴射ロッド(11)の径の大小に応じて数を増減させて配置される様に構成することが出来る。また、高圧噴射撹拌工法における改良体の削孔径、固化材の単位時間当たり噴射量または改良体深さ方向の単位長さ当たりの噴射量、さらにガイドパイプ(21)径などの大小に応じて噴射管(1)の本数を増減させて配置される様に構成することが出来る。
また本発明の前記排泥排出促進装置(10)において、前記噴射管(1)の長さは、改良体の造成最下端深度と改良体造成長さから設定され、固化材を噴射している深度に応じて排泥排出促進に効果のある長さに調整することが出来る。
前記固化材噴射ロッド(11)とは別体に構成され、先端(地中側端部)に流体(例えば、圧縮エア、水等)を噴射する噴射口(1A)を有する噴射管(1)と、流体供給源に連通する流体供給口(2A:例えば、圧縮エア供給口)を備え、下端部が改良天端(KA)よりも上方に位置するように軸方向寸法が設定され、
前記噴射管(1)の前記噴射口(1A)から流体を排泥排出経路(DR)内に噴射し流体流とし、前記排泥流に前記流体流を付加する排泥排出促進装置(10)を前記ボーリング孔(H)の地上側端部の領域に配置し、
排泥が地上側へ排出される際に、前記流体供給源、前記流体供給口(2A)、前記噴射管(1)を介して前記噴射口(1A)から流体を噴射し排泥の排出を促進することを特徴とする地盤改良工法である。
排泥が地上側へ排出される際に、前記流体供給源、前記流体供給口、前記エア管を介して前記噴射口から流体を噴射し排泥の排出を促進させる地盤改良工法である。
排泥が地上側へ排出される際に、前記流体供給源、前記流体供給口、前記エア管を介して前記噴射口から流体を噴射し排泥の排出を促進させる地盤改良工法である。
また、前記噴射管の本数は、固化材噴射ロッド(11)の径の大小に応じて数を増減させて配置される。
また本発明の地盤改良工法の当該排泥排出促進装置において用いられる前記噴射管(1)は、その噴射口(1A)の断面積は噴射管(1)管体の断面積よりも窄める(小さくする)ことが出来る。
また、前記噴射管(1)の長さは、改良体の造成最下端深度と改良体造成長から設定され、固化材を噴射している深度に応じて排泥排出促進に効果のある長さに調整できる。
これに対し、本発明の排泥排出促進装置から流体を噴射・添加した場合、この高い粘性の排泥流に排泥排出促進装置からの流体流が加わる(流体添加後排泥)ことで、流れを加速させる効果と例えば流体を空気などとした場合、流体添加後排泥の見かけの粘性は従来の排泥より小さくなることにより排泥の排出促進効果を発揮する。
本発明における排泥排出促進装置(10)は前記固化材噴射ロッド(11)とは別体に構成され、下端部が改良天端(KA)よりも上方に位置するように軸方向寸法が設定されており、前記噴射管(1)の噴射口(1A)からの流体流の噴射方向において、固化材噴射ロッド(11)軸半径方向が固化材噴射ロッド(11)周りで略接線方向を向くように各噴射管の噴射口が製作されてボーリング孔に設置される。
すなわち、流体の固化材噴射ロッド(11)軸半径方向の噴射が半径方向外側に向けておらず、略接線方向に向け噴射される。噴射管(1)自体は、ボーリング孔(H)内面と固化材噴射ロッド(11)外面で形成(または、ガイドパイプの内面と固化材噴射ロッド外面で形成)される円環状空間にあるため、固化材噴射ロッド(11)周りの略接線方向への噴射とは、この円環中で円環に沿って放射されることを意味し、図1(B)に示す様に噴射口(1A)は一様な接線方向を向くため、前記の流体添加後排泥は旋回流を形成する。旋回流にすることにより、流体添加後排泥に作用する遠心力と半径方向の圧力勾配がつり合い、過度な半径方向力の発生を防止できる。この現象は、オーバルトラックを走っている自転車のバンクと遠心力のつり合いの例で説明できる。ただし、排泥排出促進装置(10)の噴射口(1A)位置が、排泥排出経路(DR)でガイドパイプ内にある場合など、各噴射管で必ずしも一様な接線方向に向く必要はない。
すなわち、前記の鉛直地下方向を除く方向とは、図5のFに示すような向きを示し、噴射方向に管軸方向ベクトルが地上側を向く方向を示している。
噴射する流体が液体の場合、未固結状態の改良体に噴射した流体が混入してしまい、改良体の品質低下を招く恐れがあるため、前記のように地盤改良装置(100)側(例えば、鉛直地下方向を除く方向)に向けて噴射するように設定している。
一方、噴射する流体が気体の場合は、固化材噴射ロッド(11)軸方向については、噴射の方向性を問う必要がない。噴射する流体が気体の場合には、明らかに排泥に対し比重が小さいので、浮力による作用が期待でき、前記噴射管(1)の噴射口(1A)の噴射方向を鉛直地下方向に向けたとしても、噴射された流体は地上側に向くからである。
前記噴射管(1)の噴射口(1A)の噴射方向は、排泥の地上への排出促進のためには、地上側に向けた方が望ましいが、本発明の排泥排出促進装置がボーリング孔(H)内面と固化材噴射ロッド(11)外面で形成(または、ガイドパイプの内面と固化材噴射ロッド外面で形成)される円環状空間に円滑に挿入され、十分な排泥排出促進効果を発揮させるように噴射口(1A)の形状を決める必要がある。
上記のように、噴射流体に方向性を持たせることで、排泥排出促進効果を発揮することができ、円滑な排泥排出を行い、排泥の滞留及び閉塞の発生、これに伴うトラブル発生を防止することができる。
本発明において、前記噴射管(1)を複数備え、複数の噴射管(1)同士の間隔を保持するスペーサ(3)を配置すれば、スペーサ(3)により噴射管(1)が半径方向内方に移動して、その間隔が小さくなることが防止される。また、半径方向外側への移動に対しても同様に、その間隔が大きくなることを防止できる。そのため、排泥の地上側への流出は阻害されず、排泥の滞留及び閉塞を惹起することが防止される。
また、複数の噴射管(1)同士の間隔を保持するスペーサ(3)を配置することにより、排泥排出促進装置の断面中央に所定の円柱状の空間を確保でき、この空間に固化材噴射ロッド(11)が円滑に挿入・離脱できる。
高圧噴射撹拌工法の改良体の造成深度は、例えば深い立坑の底盤改良など、改良体の造成最下端深度が深いが改良体造成長さは短い場合や、液状化地盤の改良など改良体の最下端深度も深く改良体造成長さも長い場合など様々である。これらの条件に適合するように排泥排出促進装置は、噴射管(1)の長さを調整して対応する。
基本的には、噴射管(1)の下端位置を改良体天端より地上側に位置するように設定する噴射管の長さに調整し、排泥排出促進装置自体が改良体内に入ることがないように設定する。しかし、改良体造成長さが長い場合は、改良体天端深度のみで噴射管の長さを決めると、改良体最下端深度付近の造成を行っている時は、固化材噴射している深度と噴射管の噴射口の深度の間に開きが有りすぎて排泥排出を円滑に行えない場合が想定され、この場合、深さ方向に例えば2段階で改良し、第1段階では噴射管を長くして改良体造成を行い、第2段階で噴射管を短くして、残りの上部改良体造成を行う、多段階の施工を行う必要もある。
すなわち、噴射管の長さは改良体の造成最下端深度(または改良体の天端深度)と改良体造成長さに応じて、排泥排出促進効果を最適となるように調整できることが望ましい。
図1(A)、(B)において全体を符号10で示す排泥排出促進装置は、4本のエア管1(噴射管)、エア供給基部2、スペーサ3(補強板)を有している。
図示の実施形態では、エア管1は地中側端部(図1(A)では下端)の噴射口1Aから高圧の圧縮エア(流体)を噴射する。エア管1の地上側端部(図1(A)では上端)は、エア供給基部2に設けられたエア供給口2Aに接続される。エア供給口2Aは、エア管1と対応して4個設けられている。
エア管1は、ここでは管構造で示しているが、所定の耐圧性能を満足するチューブでもよく、材質は鋼鉄金属製を基本とするが、硬質ゴムなどでもよい。
明確には図示されないが、図示の実施形態では、エア管1は、エア供給口2Aとの接続部近傍でエア供給基部2の内壁に固定されている。
エア供給基部2には、円周方向で等間隔に4個のエア供給口2Aが半径方向外方に向けて突出する様に設けられており、例えばネジにより、エア供給口2Aはエア供給基部2に固定されている。エア供給口2Aも、排泥排出促進装置10を設置した際に、地上側に位置する。
排泥排出促進装置10には、地上側の図示しない流体供給源(例えば、コンプレッサ)からエア供給口2Aを介して、圧縮エアが供給される。
図示の実施形態では、エア管1の噴射口1Aから噴出する流体は高圧の圧縮エアであるが、圧縮エア以外の気体、水等の液体、その他の流体を使用することが出来る。
排泥排出促進装置10を設置した際に、エア管1は下方、すなわち地中側に向かって延在し、エア管1の最外側は、削孔されたボーリング孔H(図2参照)の内壁近傍に位置する。
そして、図2に示す実施形態では、エア管1の下端近傍は、ボーリング孔Hの内壁面に沿って、且つ、斜め上方に向かって立ち上がる様に湾曲しており、その先端部が開口して噴射口1Aを構成する。ここで、エア管1の噴射口1Aは、そこから噴射される流体の噴射方向は、固化材噴射ロッド11の軸半径方向について外側である放射方向(法線方向)に向かない様に設定されている。すなわち、流体の噴射によってボーリング孔Hの孔壁を崩壊させないように半径方向は、略接線方向となるように設定している。
また、前記のエア管1の下端近傍における、エア管1の先端形状と、噴射口1Aにおける噴射流体流の固化材噴射ロッド11の軸方向は、以下に記載するように噴射する流体で変えており、噴射口1Aによる噴射流体の方向に伴って、エア管1と噴射口1Aの形状は異なってくることとなり、前記のように湾曲した形状もあり、噴射口1Aを含むエア管1が略直線状ともなる。
排泥排出促進装置10を設置した際に、エア管1の噴射口1Aの流体流噴射方向において、固化材噴射ロッド11軸方向は、噴射する流体が液体の場合は、地盤改良装置100側(例えば、鉛直地下方向を除く方向)を向く様に設定されているのは、
エア管1の噴射口1Aの流体流噴射方向が鉛直地下方向を向いていると、噴射された流体流が排泥流の円滑な排出をかえって妨げる恐れがあることによる。これに対し、噴射する流体が気体の場合、前記噴射口1Aの流体噴射方向が鉛直地下方向に向いていたとしても、気体である流体流に鉛直地下方向とは反対の地上側への浮力が働くため、排泥流の円滑な流れを妨げず、排泥の円滑な排出を促進できる。
エア管1の噴射口1Aの断面積は、例えば潰し加工を施す等により、エア管1のその他の部分における断面積よりも小さく設定されている。エア管1の噴射口1Aの断面積を小さく設定することにより、噴射されるエアの速度を増加させることが出来ると共に、エアを噴射しない際に、噴射口1Aからエア管1内に異物が侵入することが防止出来るからである。
図示されていないが、エア管保持部3Aには、スペーサ3がエア管1に沿って軸方向に移動することを防止する機構が備えられている。
スペーサ3を配置することにより、4本のエア管1が円周方向及び半径方向における相互の間隔を保持することが出来る。そのため、エア管1が円周方向及び半径方向に移動して、エア管1同士の間隔が小さくなることが防止される。それにより、エア管1同士の間隔が小さくなり、排泥の地上側への流出を阻害することが防止され、排泥の滞留及び閉塞の恐れを小さくすることが出来る。
排泥排出促進装置10において、スペーサ3を省略することも可能である。また、スペーサ3の個数は単数でも良く、3個以上であっても良い。
図1では排泥排出促進装置10のエア管1は4本設けられているが、エア管1の本数は施工環境等に応じて4本以外の複数本にしても良いし、或いは1本のみにすることも可能である。エア管1の本数の決定に際して、固化材噴射ロッド11の径寸法が大きい場合はエア管1の本数を多くし、固化材噴射ロッド11の径寸法が小さい場合はエア管1の本数を少なくすることも考えられる。
図4で示す様に、高圧噴射撹拌の地盤改良工法では、削孔されたボーリング孔Hの内部に挿入された固化材噴射ロッド11(二重管ロッド、多重管ロッド)から固化材を噴射しつつ、固化材噴射ロッド11を回転或いは回動しつつ軸方向に移動して(上昇させて或いは下降させて)改良体(K:図4)を造成する。改良体Kの造成の際に、固化材と原位置土と異物を含む排泥がボーリング孔H内の排泥排出経路DR(図4、図5参照)を経由して地上側の排泥吐出口2Bより排出される。
図2で示す様に、排泥排出促進装置10は、当該排泥が地上側に排出されるのを促進するために、ボーリング孔Hの地上側端部の領域に配置される。ここで、排泥排出促進装置10は固化材噴射ロッド11とは別体に構成されている。
エア供給口2Aに接続された4本のエア管1は、地中側(図2では下側)に向かって延在しており、エア管1の最外側はボーリング孔Hの内壁面に近接して配置されている。
図示の実施形態ではエア管1を4本設けているが、図2においては2本のエア管1のみを示す。また、図1を参照して説明した様に排泥排出促進装置10はスペーサ3を備えているが、図2においてはスペーサ3の図示を省略している。
エア管1の下端近傍は、ボーリング孔Hの内壁に沿う様に、斜め上方に向かって立ち上がり、その先端部(開口)が噴射口1Aを構成している。
図示の実施形態では、排泥排出促進装置10は、ボーリング孔H内の地上側端部に配置されているガイドパイプ21の内部で延在する様に配置され、エア管1の噴射口1Aからの流体はガイドパイプ21内の排泥排出経路DR(図4、図5)で噴射される。
ただし、図示はされていないが、排泥排出促進装置10の下端部をガイドパイプ21の下端部(位置P)よりも下方に位置させて、排泥排出経路DRを構成することも可能である。
ガイドパイプ21については、図6を参照して後述する。
排泥排出促進装置10をボーリング孔H内に配置した後に、仮想線で示す固化材噴射ロッド11から固化材を噴射して、改良体K(図2参照)を造成する。
図3においても、スペーサ3、ガイドパイプ21の図示は省略している。
ボーリング孔H内に排泥排出促進装置10が配置された後、ボーリング孔Hの内部に挿入されている固化材噴射ロッド11から固化材を噴射し(固化材の噴流を符号Jで示す)、固化材噴射ロッドを回転或いは回動しつつ軸方向に移動して(例えば、矢印Aで示す様に上昇して)、改良体Kを造成する。その際に、固化材と原位置土を含む排泥が、排泥排出経路DR(図4、図5)を包含するボーリング孔Hを経由して地上側の排泥吐出口2Bより排出される。
図5において、ボーリング孔H内に配置された排泥排出促進装置10により、排泥の地上側への排出が促進される。排泥が地上側へ排出される際に、図示しない前記流体供給源(例えば、コンプレッサ)を駆動し、前記流体を排泥排出促進装置10に供給する(矢印F0)。供給された流体は、エア供給口2A、エア管1を介して、エア管1の噴射口1Aから排泥排出経路DRを包含するボーリング孔H内に噴射される(矢印F)。図5においても、スペーサ3、ガイドパイプ21の図示は省略されている。そして、ガイドパイプ21の下端部が符号Pで示されている。
ここで、噴射口1Aからの流体の噴射は、改良体造成に際して継続的または断続的に実行される。
粘性の高い地盤で発明者が実験したところ、固化材噴射モニターを含む固化材噴射ロッド11の径が100mm、ボーリング孔Hの径が200mmでエア管1を4〜6本とし、排泥排出促進装置10の噴射口1Aから噴射される流体は圧縮空気を用い、流体供給装置のコンプレッサーの元圧で0.7〜1.0MPaで噴射し、流体噴射量は10〜15m3/分として、良好な排泥排出を行うことができた。
排泥が地上側に向かって排泥排出経路DRを流れる際に、エア管1の噴射口1Aから流体が噴射され(矢印F)、噴射された流体は地上側に上昇する。図示の実施形態では、流体を斜め上方に噴射されるので、噴射された流体はらせん状の旋回流を形成して上昇する。
噴射された流体の流れ(流体流:噴射されたエアが上昇する流れ)が排泥流に付加されることで排泥が連行され、排泥が地上側に排出されることが促進される。そのため、改良体造成の際に発生した中に異物(例えば木片や粘土塊等)が存在しても、排泥を排出(上昇)する流れが保持され、異物と排泥は地上側へ上昇して排出され、排泥排出経路DRが閉塞することが防止(抑制)される。
換言すると、図示の実施形態によれば、エア管1の噴射口1Aと排泥が閉塞し易い領域の相対的な位置関係に拘らず、閉塞し易い領域(例えば、ガイドパイプ21の下端位置P直下の箇所)における粘土塊や異物が地上側に移動することが促進され、排泥の滞留及び閉塞が防止される。
また、図1を参照して上述した様に、エア管1の噴射口1Aの断面積はエア管1の噴射口1A以外の断面積よりも小さく設定されている。そのため、噴射口1Aから噴射される流体の噴射速度を増加すると共に、流体が噴射されない場合に、噴射口1Aを介してエア管1内に異物が侵入することを防止出来る。
噴射された圧縮エア等がボーリング孔Hの半径方向外方の領域に侵入した場合には、圧縮エア(空気)の圧力により、ボーリング孔Hの半径方向外方の領域が地上で隆起して、地表面の舗装を破壊してしまう等の不都合を生じてしまう(図10参照)。
また、固化材噴射ロッド11からのエア噴射の深度が深く、地下水位よりも下方(地中側)からエアを吐出すると、噴射されたエアが地下水を連行して、排泥量が増加してしまうという不都合が存在する。
そのため、前記ボーリング孔Hの半径方向外方の領域に侵入した流体の圧力により、ボーリング孔Hの半径方向外方の領域が隆起して、地表面の舗装を破壊してしまう等の不都合を生じる可能性は極めて小さくなる。
図3、図4では、図6(A)の様に、ボーリング孔Hの内部に配置されたガイドパイプ21の内側に、排泥排出促進装置10が配置される。そして、図2を参照して上述した様に、ガイドパイプ21は、排泥排出促進装置10の下端部より下方であって、改良体Kの改良天端KAよりも上方の位置まで延在している。
排泥排出促進装置10をガイドパイプ21内に配置することにより、前述した様に、エア管1の噴射口1Aからの噴射される高圧圧縮エアがボーリング孔Hの半径方向外方の領域に侵入してしまう恐れが減少する。
ピット20を設ける場合、ボーリング孔Hの地上側端部がピット20の底部に連通しており、排泥排出促進装置10はピット20の底部からボーリング孔H内に配置される。
ボーリング孔Hの地上側端部にピット20を設けることにより、排出された排泥を図示しない排泥収納施設に移動させる際に、当該排泥を一時的にピット20に貯蔵することが出来る。
図7(A)において、下方(取付時における地中側)に向けて延在するエア管1の下端近傍の側面に、水平方向に向けて吐出口1Bが設けられている。
図7(B)では、下方(取付時に地中側、図7で下方)に向けて延伸したエア管1の下端近傍の側面に、所定の軸方向長さに亘ってスリット状の吐出口1Cが形成されている。
前記のように、図7(A)、(B)ではエア管1の噴射口1Aの形状の例として小管状の1Bならびにスリット状の1Cを例示しているに過ぎず、噴射方向や噴射断面積を特定するものではない。
図7(D)では、エア管1は下端近傍において接線方向に且つ水平方向に折れ曲がり、折れ曲がった部分の側面に、所定長さに亘って延在するスリット状の吐出口1Eが形成されている。
前記のように、図7(C)、(D)ではエア管1の噴射口1Aの形状の例として符号1Dの多孔状の噴射口ならびに符号1Eの長スリット状の噴射口を例示しているに過ぎず、折れ曲がり角度や噴射方向や噴射断面積を特定するものではない。
ここで、図7(E)で示す様に、エア管1を一端部(図7(E)では下端部)に向かって先細った形状の管材で構成し、細い径側の端部(図7(E)では下端部)の開口が噴射口1Fを構成する場合も存在する。
図8において、排泥排出促進装置10−1のエア管1−1の吐出口は、異なる軸方向位置において、2段に設けられている。すなわち、図8において、下方(取付時における地中側)に延在し、軸方向長さの異なるエア管1−1、1−2が、それぞれ2本ずつ設けられている。エア管1−1同士、或いはエア管1−2同士は、エア供給基部2の円周方向において隣り合って配置されるが、エア管1−1、1−2をエア供給基部2の円周方向において交互に配置しても良い。
エア管1−2はエア管1−1よりも下方まで延在されており、エア管1−2の吐出口1A―2はエア管1−1の吐出口1A−1よりも下方に位置している。
図8の変形例の排泥排出促進装置10−1は、軸方向の長さの異なるエア管1−1、1−2をそれぞれ2本ずつ有しているが、それ以外の本数としても良い。また、エア管1−1とエア管1−2の本数が異なっていても良い。
例えば、排泥排出促進装置10−1のエア管1−1の吐出口1A−1を排泥が閉塞し易い領域(例えば、ガイドパイプ21を配置した位置の直下の領域)の上方に位置させ、エア管1−2の吐出口1A−2を排泥が閉塞し易い領域の下方で改良体Kの改良天端KAよりも上方に位置させることが出来る。
図8の変形例におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図7の実施形態と同様である。
例えば、図示の実施形態において排泥排出促進装置10のエア管1の長さは一定であるが、(例えば、エア管にネジ機構を設けて)エア管の長さを可変にする様に構成することが可能である。
また、図示の実施形態では、排泥排出促進装置10の4本のエア管1から流体を噴射しているが、一部のエア管1(例えば、2本のエア管1)から液体である水を噴射し、他のエア管1(残りの2本のエア管1)からは気体である圧縮エアを噴射する様に構成することも可能である。
さらに図示の実施形態では、排泥排出促進装置10のエア管1から常時(継続的に)流体を噴射して排泥排出経路DRが閉塞してしまうことが防止しているが、例えば、排泥排出経路DRが閉塞した時のみ、流体を噴射して閉塞を解消する様に構成することも可能である。
それに加えて、噴射口1Aを介してエア管1内に異物が侵入することも防止するため、エア管1の噴射口1A近傍の領域に逆止弁を設けることも可能である。
1A・・・噴射口(吐出口)
2・・・エア供給基部
2A・・・エア供給口
2B・・・排泥吐出口
3・・・スペーサ
10・・・排泥排出促進装置
11・・・固化材噴射ロッド(二重管ロッド、多重管ロッド)
20・・・ピット
21・・・ガイドパイプ
DR・・・排泥排出経路
H・・・ボーリング孔
K・・・改良体
KA・・・改良天端
Claims (11)
- 削孔されたボーリング孔の内部に挿入された固化材噴射ロッドから固化材を噴射しつつ、固化材噴射ロッドを回転或いは回動しつつ軸方向に移動して改良体を造成する際に、固化材と原位置土を含む排泥が地上側へ排出される排泥流が流れ易くするために前記ボーリング孔の地上側端部の領域に配置される排泥排出促進装置において、
前記固化材噴射ロッドとは別体に構成されており、
先端に流体を噴射する噴射口を有するエア管と、流体供給源に連通する流体供給口を備え、
下端部が改良天端よりも上方に位置するように軸方向寸法が設定されており、
前記エア管の前記噴射口から流体を排泥排出経路内に噴射し流体流とし、前記排泥流に前記流体流を付加することを特徴とする排泥排出促進装置。 - 前記流体流の噴射方向において、固化材噴射ロッド軸半径方向が固化材噴射ロッド周り略接線方向である請求項1の排泥排出促進装置。
- 前記流体流の噴射方向において、固化材噴射ロッド軸方向は、噴射する流体が液体の場合、地盤改良装置側である請求項1、2の何れかの排泥排出促進装置。
- 前記エア管を複数備え、複数のエア管同士の間隔を保持するスペーサを配置する請求項1〜3の何れか1項の排泥排出促進装置。
- 前記エア管の本数を、固化材噴射ロッドの径の大小に応じて数を増減させて配置する請求項1〜4の何れか1項の排泥排出促進装置。
- 前記エア管の噴射口の断面積は、噴射口以外の前記エア管の流路断面積よりも小さい請求項1〜5の何れかの排泥排出促進装置。
- 前記エア管には、前記エア管の流路内に排泥が逆流することを防止するための逆止弁機能を有する請求項1〜6の何れか1項の排泥排出促進装置。
- 前記エア管の長さは、改良体の造成最下端深度と改良体造成長から設定され、固化材を噴射している深度に応じて排泥排出促進に効果のある長さに調整できる請求項1〜7の何れか1項の排泥排出促進装置。
- 削孔されたボーリング孔の内部に挿入された固化材噴射ロッドから固化材を噴射しつつ、固化材噴射ロッドを回転或いは回動しつつ軸方向に移動して改良体を造成する際に、固化材と原位置土を含む排泥が地上側へ排出される排泥流が流れ易くする排泥排出促進方法において、
前記固化材噴射ロッドとは別体に構成され、先端に流体を噴射する噴射口を有するエア管と、流体供給源に連通する流体供給口を備え、下端部が改良天端よりも上方に位置するように軸方向寸法が設定され、
前記エア管の前記噴射口から流体を排泥排出経路内に噴射し流体流とし、前記排泥流に前記流体流を付加する排泥排出促進装置を前記ボーリング孔の地上側端部の領域に配置し、
排泥が地上側へ排出される際に、前記流体供給源、前記流体供給口、前記エア管を介して前記噴射口から流体を噴射し排泥の排出を促進することを特徴とする地盤改良工法。 - 前記流体流の噴射方向において、固化材噴射ロッド軸半径方向が固化材噴射ロッド周り略接線方向である様に構成されている排泥排出促進装置を前記ボーリング孔の地上側端部の領域に配置し、
排泥が地上側へ排出される際に、前記流体供給源、前記流体供給口、前記エア管を介して前記噴射口から流体を噴射し排泥の排出を促進させる請求項9の地盤改良工法。 - 前記流体流の噴射方向において、固化材噴射ロッド軸方向は、噴射する流体が液体の場合、地盤改良装置側である様に構成されている排泥排出促進装置を前記ボーリング孔の地上側端部の領域に配置し、
排泥が地上側へ排出される際に、前記流体供給源、前記流体供給口、前記エア管を介して前記噴射口から流体を噴射し排泥の排出を促進させる請求項9、10の何れかの地盤改良工法。
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