JP2019108417A - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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恵理 高尾
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拓実 若林
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定之 小林
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Abstract

【課題】剛性・強度および靭性のバランスに優れた衝撃吸収部材を提供すること。【解決手段】少なくとも(A)ポリアミド樹脂および(B)脂肪族ポリエステルを配合してなる樹脂組成物を成形してなる衝撃吸収部材であって、ISO−527に準拠して測定した前記樹脂組成物の引張降伏強度が(A)ポリアミド樹脂の引張降伏強度の85%以上であることを特徴とする衝撃吸収部材。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂および脂肪族ポリエステルを配合してなるポリアミド樹脂組成物を成形してなる、剛性および靭性のバランスに優れた衝撃吸収部材に関するものである。
近年、歩行者および搭乗者保護の観点から、自動車内外装用途を中心に衝撃吸収部材の開発が進んでいる。また、自動車用途以外にも、衝突、衝撃、落下から人や内蔵物を保護する容器、例えば機械システム、電気システムなどに用いられる容器用途においても衝撃吸収部材の開発が進んでいる。
これらの衝撃吸収部材には、従来、主として金属が用いられていたが、近年では軽量化の観点から樹脂化も盛んに検討されている。衝撃吸収部材は、構造体の一部を構成するため、衝撃吸収性はもちろんのこと、衝撃に対する変形量を抑える必要があり、剛性も要求される。そのため、外部から受けた衝撃エネルギーを少ない変形量で吸収することができる材料が要求されている。
ポリアミドは、剛性、靭性などの機械的性質や熱的性質に優れるなど、エンジニアリングプラスチックとしては好適な性質を有していることから、その射出成形品が各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などの用途に広く使用されている。一方で、ポリアミドを衝撃吸収部材に用いるためには、靭性が不十分であることから、ポリアミドの靭性をさらに改良する方法が求められる。
ポリアミド樹脂の靭性を改良する方法として、オレフィン系エラストマーやゴム状のコア層をガラス状樹脂のシェル層で覆ったコアシェル型化合物を配合することが知られている。オレフィン系エラストマーを配合する技術としては、例えば、ポリアミド樹脂からなる連続相と、該連続相に分散されたα、β−不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンからなる粒子状の分散相とからなるポリアミド樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。コアシェル型化合物を配合する技術としては、例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレートを芯とし、その上にポリオルガノシロキサンからなる第一層及びポリアルキル(メタ)アクリレートからなる第二層を有する多層構造重合体粒子に、ビニル系単量体をグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体と、熱可塑性樹脂からなる耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、テレフタル酸単位を含有するジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1、8−オクタンジアミン単位を含有するジアミン単位とからなるポリアミド樹脂、並びにコアシェル構造を有する樹脂微粒子からなるポリアミド樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)が提案されている。また、ポリアミド、及びシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物を主成分とする重合性成分を反応させて得られるゴム強化樹脂、カルボキシル基及び/またはその官能性誘導基が分子中に導入された変性ポリε−カプロラクトンを含有することを特徴とするポリアミド系樹脂組成物(例えば特許文献4参照)、ポリカーボネート樹脂及びポリアミド樹脂よりなる樹脂組成物にポリカプロラクトン及びエポキシ官能基をもつ重合体からなる混合物を配合してなる熱可塑性樹脂組成物(例えば特許文献5参照)も提案されている。
一方、ポリアミド樹脂の衝撃強度と靭性を改良する方法として、ポリロタキサンの添加による手法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
特開平9−31325号公報 特開平5−339462号公報 特開2000−186204号公報 特開平4−45150号公報 特開平7−62206号公報 国際公開第2016/167246号
樹脂組成物を各種用途、特に自動車構造材料に適用する場合には、剛性と靭性の両立が必要となる。特許文献1〜4に開示された樹脂組成物は、オレフィン系エラストマーやコアシェル型化合物、ゴム強化樹脂を配合することにより、耐衝撃性や靭性は向上するものの、剛性や強度が低下する課題があった。また、特許文献5に開示された樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂を混合するため結晶性が低下し、強度が低下する課題があった。

一方で、特許文献6に示されるように、ポリロタキサンの添加により、剛性と靭性を併せ持ったポリアミドを得ることができたが、衝撃吸収部材に用いるためには更なる靭性の向上が求められている。
本発明は、上記背景技術の課題に鑑み、剛性・強度および靭性のバランスに優れた、ポリアミド樹脂組成物を成形してなる衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
1.少なくとも(A)ポリアミド樹脂および(B)脂肪族ポリエステルを配合してなる樹脂組成物を成形してなる衝撃吸収部材であって、ISO−527に準拠して測定した前記樹脂組成物の引張降伏強度が(A)ポリアミド樹脂の引張降伏強度の85%以上であることを特徴とする衝撃吸収部材。
2.前記樹脂組成物が、樹脂組成物100重量部に対して、(A)ポリアミド樹脂が80重量部以上99.9重量部以下であり、かつ(B)脂肪族ポリエステルが0.1重量部以上20重量部以下であることを特徴とする1項記載の衝撃吸収部材。
3.(B)脂肪族ポリエステルが、ポリ(ε−カプロラクトン)であることを特徴とする1または2項のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
4.前記樹脂組成物が(A)ポリアミド樹脂を主成分とする海相および(B)脂肪族ポリエステルを主成分とする島相からなる海島構造を有し、かつ前記島相の平均直径が10μm以下であることを特徴とする、1〜3項のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
5.脂肪族ポリエステルの数平均分子量が2,000以上であることを特徴とする1〜4項のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
(ここでの数平均分子量はテトラヒドロフランを移動相とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で分析した、標準ポリメタクリル酸メチルの分子量に対する相対的な分子量を示す)。
本発明によれば、剛性・強度と靭性のバランスに優れた衝撃吸収部材を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)ポリアミド樹脂
本発明における(A)ポリアミド樹脂は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸の残基を主たる構成成分とする。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを2種以上配合してもよい。
(A)ポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリテトラメチレンセバカミド(ナイロン410)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリペンタメチレンセバカミド(ナイロン510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリキシリレンセバカミド(ナイロンXD10)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン5T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン12T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。ここで、「/」は共重合体を示し、以下同じである。
本発明の樹脂組成物において、(A)ポリアミド樹脂の融点は150℃以上300℃未満が好ましい。融点が150℃以上であれば、耐熱性を向上させることができる。一方、融点が300℃未満であれば、樹脂組成物製造時の加工温度を適度に抑え、(B)脂肪族ポリエステルの熱分解を抑制することができる。
ここで、本発明におけるポリアミド樹脂の融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ポリアミドを、溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度と定義する。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とする。
150℃以上300℃未満に融点を有するポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)およびこれらの共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
本発明のポリアミド樹脂の重合度に特に制限はないが、ポリアミド濃度0.01g/mLの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が1.5〜5.0の範囲であることが好ましい。相対粘度がこのような好ましい範囲にあることにより、ポリアミドの成形加工性が良く、得られる成形品の靭性、剛性、耐摩擦性、耐疲労特性、耐クリープ性が良くなる傾向にある。
(2)脂肪族ポリエステル
本発明における脂肪族ポリエステルは、ラクトンから得られる脂肪族ポリエステル、炭素数4以上の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル、および脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルからなる群から選ばれる脂肪族ポリエステルである。
上記のような脂肪族ポリエステルのうち、ラクトンから得られる脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)が挙げられる。炭素数4以上の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸から得られる脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(α−ヒドロキシ酸)のようなポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシペンタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシオクタン酸)、ポリ(4−ヒドロキシブタン酸)、ポリ(4−ヒドロキシペンタン酸)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(4−ヒドロキシオクタン酸)などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから得られる脂肪族ポリエステルとしては、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレートなどが挙げられる。また、これらの脂肪族ポリエステルは共重合体であってもよく、共重合体としては、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)などが挙げられる。これら脂肪族ポリエステルのうち、好ましくはポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)が挙げられ、より好ましくはポリ(ε−カプロラクトン)が例示できる。これら好ましい脂肪族ポリエステルはポリアミド樹脂との相溶性が高く、これら好ましい脂肪族ポリエステルを用いることにより、得られる樹脂組成物の剛性および靭性が高くなる傾向にある。
本発明の樹脂組成物を構成する脂肪族ポリエステルの分子量は、特に制限はないが、その数平均分子量(Mn)の下限は2,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましい。また上限としては1,000,000以下であることが好ましく、500,000以下であることがより好ましい。脂肪族ポリエステルの分子量がこれら好ましい範囲であることにより、ポリアミド樹脂との相溶性が高く、脂肪族ポリエステルの特性が発現しやすい傾向にあるため好ましい。なお、ここでの数平均分子量は、テトラヒドロフランを移動相とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で分析した、標準ポリメタクリル酸メチルの分子量に対する相対的な分子量を示す。
(3)樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、少なくとも上記(1)項記載の(A)ポリアミド樹脂、および上記(2)項記載の脂肪族ポリエステルを配合してなる樹脂組成物であって、ISO−527に準拠して測定した樹脂組成物の引張降伏強度が(A)ポリアミド樹脂の引張降伏強度の85%以上であることを特徴とする。衝撃吸収エネルギー量は引張試験における強伸度積が指標に用いられる。従って、上記の如く、引張降伏強度が(A)ポリアミド樹脂の85%以上である樹脂組成物を衝撃吸収部材に用いた場合、小さい変位で大きな衝撃エネルギーを吸収可能となる。これは、自動車部品などスペースにシビアでありながら衝撃吸収を必要とする衝撃吸収部材に用いることができるため望ましい材料である。樹脂組成物の引張降伏強度としては、(A)ポリアミド樹脂の87%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましく例示できる。このような好ましい範囲にあることにより、本発明の衝撃吸収部材はより小さい変位で大きな衝撃エネルギーを吸収できる傾向となるため望ましい。なお、ここでの引張試験は、ISO―527−2−5Aダンベルを用い、ISO−527に準拠して引張試験機オートグラフAG−20kNX(島津製作所社製)により、クロスヘッド速度100mm/分の条件で実施した。樹脂組成物の引張降伏強度を(A)ポリアミド樹脂の引張降伏強度の85%以上とするための方法は、そのような樹脂組成物が得られる限り制限されないが、たとえば、後述のように樹脂組成物100重量部に対し、(A)ポリアミド樹脂を80重量部以上99.9重量部以下、(B)脂肪族ポリエステルを0.1重量部以上20重量部以下配合してなる樹脂組成物を用いることが挙げられる。
本発明に用いられる樹脂組成物は、少なくとも上記(1)項記載の(A)ポリアミド樹脂、(2)項記載の脂肪族ポリエステルを配合してなる樹脂組成物であることが好ましい。樹脂組成物における(A)ポリアミド樹脂の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して、(A)ポリアミド樹脂が80重量部以上99.9重量部以下であり、好ましくは90重量部以上99.9重量部以下である。さらに(B)脂肪族ポリエステルの配合量は、樹脂組成物100重量物に対して、(B)脂肪族ポリエステルが0.1重量部以上20重量部以下であり、好ましくは0.1重量部以上10重量部以下である。ポリアミド樹脂および脂肪族ポリエステルの配合量がこれら範囲にあることにより、得られる樹脂組成物は脂肪族ポリエステル配合の効果を発現しつつ、ポリアミドの剛性・強度、熱特性が維持できる傾向にあるため好ましい。
本発明の樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂を主成分とする海相、(B)脂肪族ポリエステルを主成分とする島相を有する、海島構造を有することが好ましい。ここでの主成分とは、当該相において、80重量%以上を占める成分を指す。樹脂組成物の特性は、相分離構造やその相サイズにも影響を受けることが知られている。2種以上の成分からなり、相分離構造を有する樹脂組成物は、それぞれの成分の長所を引き出し、短所を補い合うことにより、各成分単独の場合に比べて優れた特性を発現する。本発明の樹脂組成物は、このような海島構造を有することにより、破壊時のクラック進展が抑制され、靭性をより向上させることができる。すなわち、応力集中により形成されたクラックは、(A)ポリアミド樹脂を主成分とする海相を伝播するが、(B)脂肪族ポリエステルを主成分とする島相が存在することにより、クラックが比較的柔軟な島相に誘導され、ここで応力が分散されるため、クラックの伝播が抑制される。
海島構造において、島相の平均直径は0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。島相の平均直径が0.01μm以上であると、相分離構造に由来する特性がより効果的に発揮され、靭性をより向上させることができる。また、島相の平均直径は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。島相の平均直径が10μm以下であると、破壊時のクラック進展の抑制効果がより効果的に発現し、靭性をより向上させることができる。また、柔軟な脂肪族ポリエステルの相を小さくすることにより、剛性をより向上させることができる。
本発明の樹脂組成物における海島構造の島相の平均直径は、電子顕微鏡観察により、以下の方法により求めることができる。一般的な成形条件において、樹脂組成物の相分離構造および各相の大きさは変化しないことから、本発明においては、樹脂組成物を成形して得られる試験片を用いて相分離構造を観察する。まず、射出成形により得られる短冊形試験片の断面方向中心部を1〜2mm角に切削し、リンタングステン酸/オスミウムで(A)ポリアミド樹脂を染色した後、ウルトラミクロトームにより−196℃のもとで0.1μm以下(約80nm)の超薄切片を切削し、透過型電子顕微鏡用サンプルを得る。海島構造の島相の平均直径を求める場合、前述の透過型電子顕微鏡用サンプルについて、正方形の電子顕微鏡観察写真に島相が50個以上100個未満存在するように、倍率を調整する。かかる倍率において、観察像に存在する島相から無造作に50個の島相を選択し、それぞれの島相について直径と短径を測定する。その直径と短径の平均値を各島相の直径とし、測定した全ての島相の直径の平均値を島相の直径とする。なお、島相の直径および短径とは、それぞれ島相の最も長い直径および最も短い直径を示す。
島相の平均直径が前述の好ましい範囲にある海島構造は、例えば、(A)ポリアミド樹脂、(B)脂肪族ポリエステルの配合量を前述の好ましい範囲にすることにより得ることができる。(B)脂肪族ポリエステルの配合量が少ないほど島相の平均直径は小さくなる傾向にあり、(B)脂肪族ポリエステルの配合量が多いほど島相の平均直径は大きくなる傾向にある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに充填材、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂、各種添加剤などを配合することができる。
充填材を配合することにより、得られる成形品の強度、剛性をより向上させることができる。充填材としては、有機充填材、無機充填材のいずれでもよいし、繊維状充填材、非繊維状充填材のいずれでもよい。これらを2種以上配合してもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。これらは、エチレン/酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により、被覆または集束されていてもよい。繊維状充填材の断面形状としては、円形、扁平状、まゆ形、長円形、楕円形、矩形などが挙げられる。
非繊維状充填材としては、例えば、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母などの膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換されていてもよい。有機オニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。
ポリアミド以外の樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
各種添加剤の具体例としては、銅化合物以外の熱安定剤、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などを挙げることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量は、ポリアミドの特徴を十分に活かすため、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して10重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましい。
銅化合物以外の熱安定剤としては、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系化合物、リン系化合物、メルカプトベンゾイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、有機チオ酸系化合物などの硫黄系化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はないが、溶融状態で混練する方法や、溶液状態で混合する方法等が挙げられる。反応性向上の点から、溶融状態で混練する方法が好ましい。溶融状態で混練する溶融混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機などの多軸押出機、二軸単軸複合押出機などの押出機や、ニーダーなどが挙げられる。生産性の点から、連続的に製造可能な押出機が好ましく、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機がより好ましい。
以下、二軸押出機を用いて本発明の樹脂組成物を製造する場合を例に説明する。(B)脂肪族ポリエステルの熱劣化を抑制し、靱性をより向上させる観点から、最高樹脂温度は、300℃以下が好ましい。一方、最高樹脂温度は、(A)ポリアミド樹脂の融点以上が好ましい。ここで、最高樹脂温度とは、押出機の複数ヶ所に均等に設置された樹脂温度計により測定した中で最も高い温度を指す。
また、樹脂組成物の押出量は、(A)ポリアミド樹脂および(B)脂肪族ポリエステルの熱劣化をより抑制する観点から、スクリュー回転1rpm当たり0.01kg/h以上が好ましく、0.05kg/h以上がより好ましい。一方、(A)ポリアミド樹脂と(B)脂肪族ポリエステルの混練をより促進し、前述の海島構造をより容易に形成する観点から、スクリュー回転1rpm当たり1kg/h以下が好ましい。ここで、押出量とは、押出機から1時間あたりに吐出される樹脂組成物の重量(kg)を指す。
このようにして樹脂組成物は、通常公知の方法で成形することができ、シート、フィルムなどの各種成形品を得ることができる。成形方法としては、例えば、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、プレス成形などが挙げられる。
(4)衝撃吸収部材
本発明の上記樹脂組成物は、衝撃吸収に適した荷重−変位曲線を有することから、特にスペースやコストにシビアでありながら衝撃吸収を必要とする衝撃吸収材に用いることができる。具体的には、移動用機器部材、携帯用機器部材、建築用部材として好ましく用いられ、特に好ましくは自動車部品を挙げることができる。移動用機器とは、例えば車両、船舶、自転車などであり、携帯用機器部材とは、コンピューター関連部品、VTR部品、テレビ部品、コンパクトディスク、DVDなどの音声・映像機器部品、携帯電話関連部品、カメラ、時計などであり、建築用部材とは、例えば土木建築物の壁、屋根、天井材関連部品、窓材関連部品、断熱材関連部品、床材関連部品、免震・制振部材関連部品、ライフライン関連部品、雨戸、ガードレール、イスなどである。自動車部品としては特に限定されないが、例えばバンパー、フェンダー、ガーニッシュ、ドアパネル、ルームパネル、フロントグリル、ランプハウジング、スポイラー、グリルエプロンカバーフレーム、ドアハンドル、ドアモール、リアフィニッシャー、ホイールカバー、ホイールキャップ、ピラー、サイドメンバー、安全ベルト部品、インストルメントパネル、エアバック周辺部品、ドアパッド、コンソールボックス、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、フードルーバーなどを挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これらは例示的なものであって限定的なものではない。各実施例、比較例に用いた原料、および評価方法を下記する。
<ポリアミド樹脂>
ナイロン6樹脂(東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM1010)、η=2.70、融点225℃、アミド基濃度10.5mmol/g
ここで、上記溶液粘度ηは、98%濃硫酸の0.01g/mL溶液を用いて25℃にて測定した。また、融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ポリアミドを溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度とした。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とした。
<脂肪族ポリエステル>
ポリカプロラクトン(a):シグマアルドリッチ社製ポリカプロラクトン、数平均分子量10,000の直鎖状ポリカプロラクトン
ポリカプロラクトン(b):シグマアルドリッチ社製ポリカプロラクトン、数平均分子量80,000の直鎖状ポリカプロラクトン。
<相構造の形態および島相の平均直径>
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間真空乾燥に処し、射出成形機(HAAKE製Minijet)を用いて、シリンダー温度:250℃、金型温度:80℃の条件で射出成形することにより、厚さ2.0mmのISO527−2−5Aダンベルを作製した。
本ダンベル試験片から一部を切り出し、ライカ製ウルトラミクロトーム(EMUC7)を用い、ダイヤモンドナイフにより約2mm×約1mmの断面観察用サンプルを作製した。作製したサンプルを、モルホロジーに十分なコントラストが付くよう、リンタングステン酸/オスミウムを用いて染色後、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−7100)により、加速電圧100kVとして、観察用サンプルの断面の相構造を観察し、相分離構造の形態を確認した。片方の成分を主成分とする海相の中に、もう片方の成分を主成分とする相が粒子状に形成した島相とが存在する、海島構造が観察されたか否かを確認した。
前記海島構造を形成しているサンプルにつき、それぞれ島構造の平均直径を以下の方法で求めた。正方形の電子顕微鏡観察写真に島構造が50個以上100個未満存在するよう、適切な倍率に調整した。かかる倍率において、観察像に存在する島構造から無造作に50個の島構造を選択し、それぞれの島構造について直径と短径を測定した。直径と短径の平均値を各島構造の直径とし、測定した全ての島構造の直径の平均値を島構造の直径とした。
<剛性・靭性(引張破断伸度、引張降伏強度)>
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間真空乾燥に処し、射出成形機(HAAKE製Minijet)を用いて、シリンダー温度:250℃、金型温度:80℃の条件で射出成形することにより、厚さ2.0mmのISO527−2−5Aダンベルを作製した。このダンベル試験片について、ISO―527に準拠して引張試験機オートグラフAG−20kNX(島津製作所社製)により、クロスヘッド速度100mm/分で引張試験を行い、引張破断伸度および引張降伏強度を測定した。
(実施例1〜4、比較例1〜4)
ポリアミド樹脂とポリカプロラクトンを表1、2に示す組成となるように配合して、プリブレンドし、シリンダー温度:230℃、スクリュー回転数:200rpmに設定した小型混練機(HAAKE製MiniLab)へ供給し溶融混練した。溶融混練後、押出されたガットをペレタイズし、得られたペレットを用いて前記方法により評価した。なお、ポリアミド樹脂の引張降伏強度は、比較例1で測定した値を用いた。
Figure 2019108417
Figure 2019108417
実施例1〜4と比較例1との比較により、ポリアミドにポリカプロラクトンを配合することにより、ポリカプロラクトンを配合しない場合と比較して強度を保ちながら、靭性に優れていることが分かる。一方で、比較例2との比較より、樹脂組成物におけるポリカプロラクトンが20重量部を超えると得られる樹脂組成物の強度が低下することがわかる。また、比較例3、4より特許文献4,5に記載の処方ではポリアミド樹脂と比較して強度が大幅に低下していることがわかる。
以上の結果より本発明の樹脂組成物は強度の低下なく靭性が大幅に改善していることから、衝撃吸収部材に用いた際に、小さい変位でも大きな衝撃エネルギーを吸収することが可能であり、例えば自動車部材などスペースが限られる部分に用いられる衝撃吸収部材用途に望ましいことが分かる。

Claims (5)

  1. 少なくとも(A)ポリアミド樹脂および(B)脂肪族ポリエステルを配合してなる樹脂組成物を成形してなる衝撃吸収部材であって、ISO−527に準拠して測定した前記樹脂組成物の引張降伏強度が(A)ポリアミド樹脂の引張降伏強度の85%以上であることを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 前記樹脂組成物が、樹脂組成物100重量部に対して、(A)ポリアミド樹脂が80重量部以上99.9重量部以下であり、かつ(B)脂肪族ポリエステルが0.1重量部以上20重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収部材。
  3. (B)脂肪族ポリエステルが、ポリ(ε−カプロラクトン)であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
  4. 前記樹脂組成物が(A)ポリアミド樹脂を主成分とする海相および(B)脂肪族ポリエステルを主成分とする島相からなる海島構造を有し、かつ前記島相の平均直径が10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
  5. 脂肪族ポリエステルの数平均分子量が2,000以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の衝撃吸収部材。
    (ここでの数平均分子量はテトラヒドロフランを移動相とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で分析した、標準ポリメタクリル酸メチルの分子量に対する相対的な分子量を示す)。
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