JP2019108087A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ内面に吸音材を接着するにあたって、熱伝導部材の追加により高速耐久性の改善を図ると共に、熱伝導部材の剥離の発生を防止することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備え、タイヤ内面10に吸音材11を接着した空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面10と吸音材11との間に挿入された熱伝導部材12と、タイヤ内面10と熱伝導部材12との間に介在する第一の粘着層14と、熱伝導部材12と吸音材11との間に介在する第二の粘着層15とを有し、第二の粘着層15の厚さBに対する第一の粘着層14の厚さAの比A/Bが1.1〜150の範囲にあり、熱伝導部材12が吸音材11の貼り付け領域から突出して配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、熱伝導部材の追加により高速耐久性の改善を図ると共に、熱伝導部材の剥離の発生を防止することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、騒音を発生させる原因の一つにタイヤ内部に充填された空気の振動による空洞共鳴音がある。この空洞共鳴音は、タイヤを転動させたときにトレッド部が路面の凹凸によって振動し、トレッド部の振動がタイヤ内部の空気を振動させることによって生じるものである。
このような空洞共鳴現象による騒音を低減する手法として、タイヤとホイールのリムとの間に形成される空洞部内に吸音材を配設することが提案されている。より具体的には、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に帯状の吸音材を接着することが行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、空洞共鳴音を低減するためにタイヤ内面に吸音材を接着した場合、高速走行に伴って空気入りタイヤの発熱が増大した際に、吸音材の断熱効果によりトレッド部からタイヤ空洞部内への放熱が阻害され、トレッド部に熱が蓄積される傾向がある。このようにして空気入りタイヤの温度が高くなると、その高速耐久性が低下するという問題がある。
これに対して、タイヤ内面と吸音材との間にシート状の熱伝導部材を設置し、熱伝導部材を吸音材の貼り付け領域から外側に延在するように配置し、熱伝導部材に吸音材から突き出した放熱部を形成することが行われている(例えば、特許文献3参照)。このような熱伝導部材を構成する材料として、例えば、金属箔や樹脂層を用いた場合、熱伝導部材が走行時の繰り返し変形や応力に対応することができず、タイヤと熱伝導部材との間で剥離が生じるという問題がある。
特開2002−67608号公報 特開2005−138760号公報 特開2016−137882号公報
本発明の目的は、タイヤ内面に吸音材を接着するにあたって、熱伝導部材の追加により高速耐久性の改善を図ると共に、熱伝導部材の剥離の発生を防止することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、タイヤ内面に吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、前記タイヤ内面と前記吸音材との間に挿入された熱伝導部材と、前記タイヤ内面と前記熱伝導部材との間に介在する第一の粘着層と、前記熱伝導部材と前記吸音材との間に介在する第二の粘着層とを有し、該第二の粘着層の厚さBに対する前記第一の粘着層の厚さAの比A/Bが1.1〜150の範囲にあり、前記熱伝導部材が前記吸音材の貼り付け領域から突出して配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面と吸音材との間には熱伝導部材が挿入され、その熱伝導部材は吸音材の貼り付け領域から突出して配置されているので、高速走行に伴って空気入りタイヤで発生した熱が熱伝導部材に伝達されてタイヤ空洞部内へ放熱される。そのため、タイヤ内面に吸音材を接着した場合であっても、空気入りタイヤの高速耐久性を改善することができる。また、第二の粘着層の厚さBに対する第一の粘着層の厚さAの比A/Bが1.1〜150の範囲にあり、第一の粘着層が第二の粘着層よりも厚くなるように構成されるので柔軟性に優れており、走行時のタイヤの繰り返し変形や応力による熱伝導部材への影響を緩和させることができる。これにより、熱伝導部材の損傷や剥離を防止し、空気入りタイヤの荷重耐久性を改善することができる。
本発明では、第一の粘着層の厚さAは0.1mm〜3.0mmであることが好ましい。第一の粘着層を設けるにあたって、重量の増加と放熱性の低下を抑制しながら、十分な柔軟性を確保することができる。
本発明では、第二の粘着層の厚さBは0.03mm〜0.07mmであることが好ましい。第二の粘着層を設けるにあたって、重量の増加による転がり抵抗の悪化を抑制しながら、十分な粘着性を確保することができる。
本発明では、熱伝導部材のタイヤ幅方向の長さは吸音材のタイヤ幅方向の長さの110%〜200%であることが好ましい。熱伝導部材を配置するにあたって、重量の増加を抑制しながら、タイヤ空洞部内への放熱量を十分に確保することができる。
本発明では、熱伝導部材の熱伝導率は5.0W/(m・K)以上であることが好ましい。熱伝導性の優れた熱伝導部材を用いることで、放熱効果を改善することができる。
本発明では、熱伝導部材は金属箔から構成されていることが好ましい。これにより、高い熱伝導率を確保することができ、放熱効果を十分に得ることができる。
本発明では、第一の粘着層はシーラント材から構成することができる。これにより、シーラント材の有する粘着性によりタイヤ内面に対して接着することができると共に、パンクシール性を得ることができる。
本発明では、熱伝導部材の厚さは0.001mm〜0.15mmであることが好ましい。熱伝導部材を配置するにあたって、熱伝導部材の面外曲げ応力に対する耐久性の低下を抑制しながら、十分な放熱効果を得ることができる。
本発明では、熱伝導部材は少なくともタイヤ幅方向の端部に切り込みを有することが好ましい。熱伝導部材の伸縮性が乏しい場合、熱伝導部材がタイヤの変形に追従できずタイヤ内面から剥離し易くなる。しかしながら、熱伝導部材のタイヤ幅方向の端部に切り込みを設けることにより、熱伝導部材がタイヤの変形に追従し易くなり、タイヤ内面に対する接着性を改善することができる。
本発明では、熱伝導部材は少なくともタイヤ幅方向の端部において立体構造を有することが好ましい。熱伝導部材のタイヤ幅方向の端部を立体構造とすることにより、熱伝導部材の放熱効果を更に高めることができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの一例を示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す赤道線断面図である。 本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材を示す斜視図である。 本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材を示す断面図である。 本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材を示す展開図である。 本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材の変形例を示す斜視図である。 本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材の他の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの変形例を示す子午線断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。 図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図3〜図5はそのタイヤ内面に接着された吸音材及び熱伝導部材を示すものである。図3〜図5において、Tcはタイヤ周方向であり、Twはタイヤ幅方向である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
一対のビード部3の間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
上記空気入りタイヤにおいて、図1〜図5に示すように、タイヤ内面10のトレッド部1に対応する領域には、タイヤ周方向に沿って1枚の帯状の吸音材11が接着されている。吸音材11の貼り付け領域は、吸音材11がタイヤ内面10に対して当接する面の全域である。吸音材11は、連続気泡を有する多孔質材料から構成され、その多孔質構造に基づく所定の吸音特性を有している。吸音材11の多孔質材料としては発泡ポリウレタンを用いると良い。
タイヤ内面10と吸音材11との間には、タイヤ周方向に延在するシート状の熱伝導部材12が設置されている。この熱伝導部材12は吸音材11の貼り付け領域から突出して配置され、熱伝導部材12には吸音材11から突き出した放熱部12Aが形成されている。なお、放熱部12Aは熱伝導部材12の幅方向の両側に設けることが望ましいが、このような放熱部12Aは熱伝導部材12の幅方向の片側だけに配置するようにしても良い。
タイヤ内面10と熱伝導部材12との間及び熱伝導部材12と吸音材11との間には、それぞれタイヤ周方向に延在する粘着層13が挿入されており、その粘着層13により両者が互いに接着されている。この粘着層13は、タイヤ内面10と熱伝導部材12との間に介在する第一の粘着層14と、熱伝導部材12と吸音材11との間に介在する第二の粘着層15から構成されている。第一の粘着層14は第二の粘着層15よりも厚くなるように構成される。更に詳しくは、図4に示すように、第一の粘着層14の厚さを厚さAとし、第二の粘着層15の厚さを厚さBとするとき、厚さBに対する厚さAの比A/Bが1.1〜150の範囲にあるように構成される。
このような粘着層13として、ペースト状粘着剤や両面接着テープを用いることができる。特に、基材を含まない粘着剤からなる両面接着テープが好ましく、その場合には、タイヤの放熱を阻害することがなく、粘着層13の厚さを薄く構成することが可能である。また、粘着層13を構成する粘着剤の種類として、例えば、アクリル系粘着剤を用いることができる。このような粘着層13を構成する第一の粘着層14と第二の粘着層15は、互いに同質の粘着剤から構成しても良く、或いは、第一の粘着層14を熱伝導性に優れた粘着剤から構成し、第二の粘着層15を通常の粘着剤から構成しても良い。なお、基材とは粘着剤を支持する支持体である。
上述した空気入りタイヤでは、タイヤ内面10と吸音材11との間には熱伝導部材12が挿入され、その熱伝導部材12は吸音材11の貼り付け領域から突出して配置されているので、高速走行に伴って空気入りタイヤで発生した熱が熱伝導部材12に伝達されてタイヤ空洞部内へ放熱される。そのため、タイヤ内面10に吸音材11を接着した場合であっても、空気入りタイヤの高速耐久性を改善することができる。また、第二の粘着層15の厚さBに対する第一の粘着層14の厚さAの比A/Bが1.1〜150の範囲にあり、第一の粘着層14が第二の粘着層15よりも厚くなるように構成されるので柔軟性に優れており、走行時のタイヤの繰り返し変形や応力による熱伝導部材12への影響を緩和させることができる。これにより、熱伝導部材12の損傷や剥離を防止し、空気入りタイヤの荷重耐久性を改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、第一の粘着層14をシーラント材から構成しても良い。シーラント材としては任意の粘着性組成物を使用することができる。このように第一の粘着層14としてシーラント材を用いることで、シーラント材の有する粘着性によりタイヤ内面10に対して接着することができると共に、パンクシール性を得ることができる。
また、第一の粘着層14の厚さA(図4参照)は0.1mm〜3.0mmであることが好ましい。第一の粘着層14を設けるにあたって、重量の増加と放熱性の低下を抑制しながら、十分な柔軟性を確保することができる。第一の粘着層14の厚さAが0.1mmよりも小さいと第一の粘着層14の柔軟性が低下し、逆に3.0mmよりも大きいと柔軟性は確保されるものの重量が過度に増加し、放熱性が低下してしまう。
更に、第二の粘着層15の厚さB(図4参照)は0.03mm〜0.07mmであることが好ましい。第二の粘着層15を設けるにあたって、重量の増加による転がり抵抗の悪化を抑制しながら、十分な粘着性を確保することができる。第二の粘着層15の厚さBが0.03mmよりも小さいと粘着性が低下し、逆に0.07mmよりも大きいと重量が増加して転がり抵抗が悪化してしまう。
上記空気入りタイヤにおいて、熱伝導部材12のタイヤ幅方向の長さL2は、吸音材11のタイヤ幅方向の長さL1の110%〜200%の範囲にあると良い。このとき、第一の粘着層14のタイヤ幅方向の長さは、熱伝導部材12のタイヤ幅方向の長さL2と同等に構成されている。熱伝導部材12を配置するにあたって、重量の増加を抑制しながら、タイヤ空洞部内への放熱量を十分に確保することができる。この熱伝導部材12のタイヤ幅方向の長さL2が吸音材11のタイヤ幅方向の長さL1の110%よりも小さいと放熱量を十分に確保することができず、逆に吸音材11のタイヤ幅方向の長さL1の200%を超えると重量が過度に増加してしまう。
上記空気入りタイヤにおいて、熱伝導部材12の熱伝導率は5.0W/(m・K)以上であることが好ましい。一般的なゴムの熱伝導率は0.1〜0.2W/(m・K)であり、熱伝導性を有しない通常のアクリルの熱伝導率は0.2W/(m・K)である。このような熱伝導性に優れた熱伝導部材12を用いることで、空気入りタイヤで発生した熱が伝達され易くなり、タイヤ空洞部内へ放熱効果を十分に得ることができる。熱伝導率はASTM E1530の規定に基づいて算出される。
特に、熱伝導部材12は金属箔から構成されていることが好ましい。金属箔の材料としてはアルミニウムが好ましく、アルミ箔の熱伝導率は160W/(m・K)である。このように熱伝導部材12として金属箔を用いることで、高い熱伝導率を確保することができ、放熱効果を十分に得ることができる。
また、熱伝導部材12の厚さt(図4参照)は0.001mm〜0.15mmであることが好ましい。熱伝導部材12を配置するにあたって、熱伝導部材12の面外曲げ応力に対する耐久性の低下を抑制しながら、十分な放熱効果を得ることができる。熱伝導部材12の厚さtが0.001mmよりも小さいと放熱性が低下し、逆に0.15mmよりも大きいと面外曲げ応力に対する耐久性が低下することになる。
図6は本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材の変形例を示すものである。図6において、熱伝導部材12は少なくともタイヤ幅方向の端部に複数個の切り込み16を有している。このように熱伝導部材12のタイヤ幅方向の端部に切り込み16を設けた場合、熱伝導部材12がタイヤの変形に追従し易くなり、熱伝導部材12のタイヤ内面10に対する接着性を改善することができる。なお、切り込み16を設けるにあたって、その切り込み16を熱伝導部材12の幅方向の全域にわたって形成し、熱伝導部材12をタイヤ周方向に分割することも可能である。
図7は本発明の空気入りタイヤの内面に接着された吸音材及び熱伝導部材の他の変形例を示すものである。図7において、熱伝導部材12は少なくともタイヤ幅方向の端部において立体構造を有している。つまり、熱伝導部材12のタイヤ幅方向の端部には切り込み部分を折り曲げて加工された複数個のフィンからなる立体放熱部17が形成されている。このように熱伝導部材12のタイヤ幅方向の端部を立体構造とすることにより、熱伝導部材12のタイヤ幅方向の端部からの放熱効果を更に高めることができる。なお、熱伝導部材12のタイヤ幅方向の端部をタイヤ周方向に引き伸ばして皺を形成することで立体構造としても良い。
図8は本発明の空気入りタイヤの変形例を示すものである。本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの変形例を示すものである。図8に示す空気入りタイヤは、吸音材11の貼り付け枚数が異なる以外は図1の空気入りタイヤと同じ構造を有する。具体的に、図1〜7に示す実施形態では、タイヤ内面10のトレッド部1に対応する領域において、タイヤ周方向に沿って1枚の帯状の吸音材11を接着されているが、図8に示す実施形態では、タイヤ周方向に沿って複数枚(図8では2枚)の帯状の吸音材11が接着されている。熱伝導部材12はこれら吸音材11の貼り付け領域から突出して配置されている。即ち、放熱部12Aは熱伝導部材12のタイヤ幅方向の中央部及び両端部の3箇所に存在する。この場合、吸音材11のタイヤ幅方向の長さL1は、2枚の吸音材11のタイヤ幅方向外側に位置するそれぞれの端部の間の長さである。
タイヤサイズ275/35R20で、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域にタイヤ周方向に沿って吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面と吸音材との間に挿入された熱伝導部材と、タイヤ内面と熱伝導部材との間に介在する第一の粘着層と、熱伝導部材と吸音材との間に介在する第二の粘着層とを有し、熱伝導部材が吸音材の貼り付け領域から突出して配置され、第一の粘着層の厚さA、第二の粘着層の厚さB、厚さAと厚さBとの比A/B、吸音材のタイヤ幅方向の長さL1に対する熱伝導部材のタイヤ幅方向の長さL2の比率(L2/L1×100%)を表1のように設定した実施例1〜5のタイヤを製作した。
比較のため、吸音材をタイヤ内面に接着する接着層(表1では第一の粘着層とする)が吸音材から突出しておらず、熱伝導部材を備えていないこと以外は実施例1と同じ構造を有する従来例のタイヤを用意した。また、第一の粘着層の厚さA及び厚さAと厚さBの比A/Bが異なること以外は実施例1と同じ構造を有する比較例のタイヤを用意した。
なお、比較例及び実施例1〜5において、熱伝導部材として熱伝導率が160W/(m・K)のアルミ箔(厚さ0.01mm)を使用した。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、高速耐久性、荷重耐久性(剥離)及び荷重耐久性(走行距離)を評価し、その結果を表1に併せて示した。
高速耐久性:
各試験タイヤをそれぞれリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧220kPa、荷重6.6kN、初期速度150km/hの条件でドラム試験機にて走行試験を開始し、10分毎に速度を5km/h増加させ、タイヤのトレッド部に故障が発生した際の速度を調べ、その結果を表1に示す。この速度が大きいほど、高速耐久性が優れていることを意味する。
荷重耐久性(剥離):
各試験タイヤをそれぞれリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧250kPa、走行速度80km/h、走行距離2600km、荷重8.3kNから80km走行毎に荷重を10%増加させる条件でドラム試験機にて走行試験を実施した後、吸音材、粘着層及び熱伝導部材の各接着面における剥離の有無を目視により確認した。
荷重耐久性(走行距離):
各試験タイヤをそれぞれリムサイズ20×9.5Jのホイールに組み付け、空気圧250kPa、走行速度80km/h、初期荷重8.3kNの条件でドラム試験機にて走行試験を開始し、80km走行毎に荷重を10%増加させ、吸音材、粘着層及び熱伝導部材のいずれかの接着面に剥離が発生した際の走行距離を測定した。評価結果は、比較例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど荷重耐久性(走行距離)が優れていることを意味する。
Figure 2019108087
この表1から判るように、従来例との対比において、実施例1〜5はいずれも高速耐久性が改善されていた。また、比較例との対比において、実施例1〜5はいずれも荷重耐久性(剥離)及び荷重耐久性(走行距離)が改善されていた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
10 タイヤ内面
11 吸音材
12 熱伝導部材
12A 放熱部
13 粘着層
14 第一の粘着層
15 第二の粘着層
16 切り込み
17 立体放熱部

Claims (10)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、タイヤ内面に吸音材を接着した空気入りタイヤにおいて、
    前記タイヤ内面と前記吸音材との間に挿入された熱伝導部材と、前記タイヤ内面と前記熱伝導部材との間に介在する第一の粘着層と、前記熱伝導部材と前記吸音材との間に介在する第二の粘着層とを有し、該第二の粘着層の厚さBに対する前記第一の粘着層の厚さAの比A/Bが1.1〜150の範囲にあり、前記熱伝導部材が前記吸音材の貼り付け領域から突出して配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第一の粘着層の厚さAが0.1mm〜3.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第二の粘着層の厚さBが0.03mm〜0.07mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記熱伝導部材のタイヤ幅方向の長さが前記吸音材のタイヤ幅方向の長さの110%〜200%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記熱伝導部材の熱伝導率が5.0W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記熱伝導部材が金属箔から構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第一の粘着層がシーラント材から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記熱伝導部材の厚さが0.001mm〜0.15mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記熱伝導部材が少なくともタイヤ幅方向の端部に切り込みを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記熱伝導部材が少なくともタイヤ幅方向の端部において立体構造を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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