JP2019107967A - 車両のステアリング制御方法及び制御装置 - Google Patents

車両のステアリング制御方法及び制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライバ操作による車両挙動への影響を抑えつつ、外乱入力時に車両に発生する横揺れを低減すること。【解決手段】前輪タイヤ12R,12Lを転舵する転舵アクチュエータ7を備える。この車両のステアリング制御装置において、車両に発生する横加速度を検出する横加速度センサ35と、横加速度センサ35からの横加速度センサ値を入力し、転舵アクチュエータ7に対して駆動指令を出力する転舵コントローラ22と、を備える。転舵コントローラ22は、横加速度センサ値のうち周波数がフィルタ閾値以上の高周波成分を外乱横G成分として抽出するフィルタ22gと、フィルタ22gを通過する外乱横G成分を抽出すると、外乱横G成分を打ち消す方向に前輪タイヤ12R,12Lへ転舵力を加える転舵力制御により転舵アクチュエータ7を駆動するキャンセル電流変換部22hと、を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、タイヤを転舵する転舵アクチュエータを備える車両のステアリング制御方法及び制御装置に関する。
従来、操舵ハンドルの操作とこの操作に応じてヨーレイトとの関係を表していて予め設定された目標伝達特性を実現する目標横加速度を演算する。この目標横加速度と実横加速度を用いた制御(フィードフォワード制御+フィードバック制御)により目標転舵角を演算する車両の操舵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−214987号公報
しかしながら、従来装置は、ハンドル角を入力する横Gコントローラに対して実横加速度をフィードバックし、横Gコントローラにより演算された目標転舵角(転舵指令角)に基づき、転舵角サーボ及び転舵アクチュエータを経由してタイヤを転舵する構成である。このため、実横加速度の発生に対するタイヤ転舵に応答遅れが発生するし、角度の次元による転舵角制御となり、直接、横G(力)を打ち消すことができない。この結果、横風などの早い外乱入力時に車両に発生する横揺れが低減できず、乗り心地が悪化する、という問題がある。
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、ドライバ操作による車両挙動への影響を抑えつつ、外乱入力時に車両に発生する横揺れを低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示は、タイヤを転舵する転舵アクチュエータを備える。
この車両のステアリング制御方法において、車両に発生する横加速度を検出する。
横加速度センサ値のうち周波数が所定周波数以上の高周波成分を外乱横加速度成分として抽出する。
外乱横加速度成分を抽出すると、外乱横加速度成分を打ち消す方向にタイヤへ転舵力を加える転舵力制御により転舵アクチュエータを駆動する。
上記のように、外乱横加速度成分として抽出された高周波成分を、直接に転舵アクチュエータへフィードバックする転舵力制御を採用したことで、ドライバ操作による車両挙動への影響を抑えつつ、外乱入力時に車両に発生する横揺れを低減することができる。
実施例1のステアリング制御方法及び制御装置が適用されたステアリング・バイ・ワイヤ方式による前輪ステアリングシステムを示す全体図である。 実施例1のステアリング制御方法及び制御装置が適用された転舵コントローラの詳細構成を示す制御ブロック図である。 比較例での横加速度情報を用いて転舵アクチュエータの転舵角制御を実行するステアリング制御系を示す制御ブロック図である。 実施例1での横加速度情報を用いて転舵アクチュエータの転舵力制御を実行するステアリング制御系の概要を示す制御ブロック図である。 車体に加わる外乱による車体横揺れ作用を示す車体横揺れ説明図である。 車体とタイヤを質量とする減衰付き主振動系及び副振動系のうち副振動系であるタイヤに転舵力と転舵角を加えた状態を示す振動モデル図である。 転舵アクティブマスダンパーのON/OFFによる車体の横揺れの大きさ(作用反作用による横G/転舵力)の周波数特性を示す周波数特性比較図である。 車体の横揺れの大きさ(遠心力による横G/転舵角)の周波数特性を示す周波数特性図である。 実施例1でのタイヤ転舵時における横G発生作用を示す作用説明図である。 実施例1の横風などで横方向に外乱入力を受けたときの横揺れ抑制作用を示す作用説明図である。 実施例2のステアリング制御方法及び制御装置が適用された転舵コントローラの詳細構成を示すブロック構成図である。 実施例2の転舵コントローラにて実行される外乱による横揺れを抑制するステアリング制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3のステアリング制御方法及び制御装置が適用された転舵コントローラの詳細構成を示すブロック構成図である。 実施例3の転舵コントローラにて実行される外乱による横揺れを抑制するステアリング制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本開示による車両のステアリング制御方法及び制御装置を実現する最良の実施形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1におけるステアリング制御方法及び制御装置は、ハンドル操作系とタイヤ転舵系とが機械的に分離可能とされ、タイヤ転舵系に転舵アクチュエータを備えるステアリング・バイ・ワイヤ方式(SBW方式)のシステムを装備する車両に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「転舵コントローラの詳細構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のステアリング制御方法及び制御装置が適用されたステアリング・バイ・ワイヤ方式による前輪ステアリングシステムを示す。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
前輪ステアリングシステムのステアリング系は、図1に示すように、ハンドル操作系とタイヤ転舵系とがステアリングクラッチ1により機械的に分離可能とされる。このステアリングクラッチ1は、第1ステアリングシャフト5の下端部と、第2ステアリングシャフト6の上端部と、の間の位置に介装された電磁クラッチである。反力コントローラ21からの通電により解放され、ハンドル操作系側の第1ステアリングシャフト5とタイヤ転舵系側の第2ステアリングシャフト6とが切り離される。反力コントローラ21からの通電を遮断すると、ハンドル操作系側の第1ステアリングシャフト5とタイヤ転舵系側の第2ステアリングシャフト6とが締結される。
ハンドル操作系は、ステアリングクラッチ1が解放されるSBW制御時に切り離され、タイヤ転舵系と独立して動作する。ハンドル操作系には、ステアリングホイール2と、コラムシャフト3と、反力モータ4と、第1ステアリングシャフト5と、を有する。
ステアリングホイール2は、コラムシャフト3の上端部に結合固定され、ドライバによるハンドル操作力をコラムシャフト3に入力する。
反力モータ4は、コラムシャフト3の下端部に設けられ、ステアリングホイール2を握ってハンドル操作するドライバに対し、路面からの転舵反力に相当する反力トルクを与える。
タイヤ転舵系は、ステアリングクラッチ1の解放されるSBW制御時に切り離され、ハンドル操作系と独立して動作する。タイヤ転舵系には、第2ステアリングシャフト6と、転舵アクチュエータ7と、ピニオンシャフト8と、ステアリングギアユニット9と、タイロッド10R,10Lと、ナックルアーム11R,11Lと、前輪タイヤ12R,12Lと、を備えている。
転舵アクチュエータ7は、電動モータによる転舵モータであり、転舵コントローラ22からの指令電圧により発生したモータトルクを減速ギアで増大してピニオンシャフト8に伝える。ここで、減速ギアは、例えば、モータ軸に設けられたピニオンと、ピニオンシャフト8に設けられたウォームギアにより構成される。なお、転舵アクチュエータ7には、ピニオン角度センサ32と、モータ電流センサ33とが設けられる。
ピニオンシャフト8は、転舵アクチュエータ7の減速ギアに連結され、ステアリングギアユニット9に転舵力を入力する。このピニオンシャフト8の途中位置には、ピニオントルクを検出するトルクセンサ34が設けられる。ここで、トルクセンサ34は、トーションバーの両端部における角度を検出し、両角度差(=捩れ角度)によりピニオンシャフト8に作用するトルクを検出する。トーションバーの直径は、トルク入力により検出可能な捩れ角度が発生するように、ピニオンシャフト8のシャフト径より小径に形成される。
ステアリングギアユニット9は、ピニオンシャフト8と、ラックギアシャフト13と、ギアハウジング14と、を有して構成され、ピニオンシャフト8の回転運動をラックギアシャフト13の直線運動に変換する。ラックギアシャフト13の両端部には、それぞれ左右のタイロッド10R,10Lが連結される。
ナックルアーム11R,11Lは、左右の前輪タイヤ12R,12Lが装着されるタイヤホイールの中心軸位置に設けられ、アーム端部の位置に左右のタイロッド10R,10Lに連結される。即ち、ラックギアシャフト13が車幅方向の左方向に直線運動すると、左右の前輪タイヤ12R,12Lが左旋回方向に転舵する。一方、ラックギアシャフト13が車幅方向の右方向に直線運動すると、左右の前輪タイヤ12R,12Lが右旋回方向に転舵する。
前輪ステアリングシステムの制御系は、図1に示すように、SBWコントロールモジュール20を備えている。SBWコントロールモジュール20は、ステアリングクラッチ1の締結/解放制御と反力モータ4の駆動制御を行う反力コントローラ21と、転舵アクチュエータ7の駆動制御を行う転舵コントローラ22と、を有する。反力コントローラ21と転舵コントローラ22は、情報交換可能な通信線23により接続されている。
反力コントローラ21は、ステアリングホイール2の角度を検出するハンドル角センサ30、反力モータ4のモータ出力を検出するモータ出力センサ31等からの検出情報に加え、通信線を介して他のコントローラから取り込まれる情報を入力する。そして、入力情報に基づく制御機能として、SBW制御時に反力モータ4によりステアリングホイール2に対し操舵反力を与える操舵反力制御機能と、ステアリングクラッチ1の締結/解放を制御するクラッチ制御機能と、を有する。
ここで、「操舵反力制御機能」とは、ステアリングクラッチ1が解放状態のSBW制御時、ハンドル角、転舵アクチュエータ7のモータ角度及びモータ電流、車速に基づいて、タイヤ反力相当の操舵反力を演算し、反力モータ4を駆動する機能をいう。
「クラッチ制御機能」とは、システム作動時、且つ、キースイッチON時に、ステアリングクラッチ1を解放する。キースイッチOFF時、又は、システム異常によるマニュアルモード時、又は、EPSモード時、又は、保護モード時に、ステアリングクラッチ1を締結する機能をいう。
なお、ステアリングクラッチ1が締結されるEPSモード時には、転舵アクチュエータ7をアシストモータとして用いる。即ち、トルクセンサ34からのピニオントルクに応じたアシスト力指令により転舵アクチュエータ7を駆動し、ドライバによるハンドル操作力にアシスト力を加える。
転舵コントローラ22は、転舵アクチュエータ7のピニオン角度センサ32及びモータ電流センサ33、ピニオントルクを検出するトルクセンサ34、車体の横G及びヨーレイトを検出する横Gセンサ35及びヨーレイトセンサ36等からの検出情報を入力する。そして、入力情報に基づく制御機能として、転舵指令舵角を演算する転舵指令舵角演算機能と、実転舵角を転舵指令舵角に一致させる転舵角サーボ制御機能と、転舵アクチュエータ7への実電流を指令電流に一致させる転舵電流サーボ制御機能と、を有する。
ここで、「転舵指令舵角演算機能」とは、SBW制御時、そのときのハンドル角と目標ステアリングギア比に基づいて転舵指令舵角を演算する機能をいう。なお、「転舵指令舵角演算機能」については、反力コントローラ21により実行し、演算結果を転舵コントローラ22にて受け取るようにしても良い。また、ドライバによるハンドル操作の負担を軽減させる運転支援車両であって、運転支援走行中、シャシコントロールモジュール24から補正転舵角が入力されると、補正転舵角を加えて転舵指令舵角を演算する。さらに、ドライバによるハンドル手放し操作が可能である自動運転車両であって、自動運転走行中、シャシコントロールモジュール24から目標転舵角が入力されると、目標転舵角を転舵指令舵角とする。
「転舵角サーボ制御機能」とは、転舵指令舵角と実転舵角の差分を演算し、転舵角差分に応じた転舵アクチュエータ7への転舵指令電流を演算する機能をいう。「転舵電流サーボ制御機能」とは、転舵指令電流と実電流の差分(指令電流)を演算し、電流差分に応じた転舵アクチュエータ7への指令電圧を演算する機能をいう。なお、「転舵角サーボ制御機能」の出力側に、横風や路面凹凸等による早い外乱入力時、横Gセンサ値に応じた転舵力を前輪タイヤ12R,12Lに加えることで、外乱入力による車両の横揺れを抑える車両挙動抑制機能を追加している。
[転舵コントローラの詳細構成]
図2は、実施例1のステアリング制御方法及び制御装置が適用された転舵コントローラ22の詳細構成を示す。以下、図2に基づいて転舵コントローラ22の詳細構成を説明する。
転舵コントローラ22は、図2に示すように、ピニオン角換算部22aと、第1減算器22bと、転舵角サーボ22cと、加算器22dと、第2減算器22eと、転舵電流サーボ22fと、フィルタ22gと、キャンセル電流変換部22hと、を備えている。
ピニオン角換算部22aは、転舵アクチュエータ7のピニオン角度センサ32からのピニオン角度を入力する。そして、ピニオン角度とそのときの目標ステアリングギア比に基づいてハンドル角換算値を演算し、第1減算器22bへ出力する。
第1減算器22bは、ハンドル角センサ30からの実ハンドル角を入力する。そして、実ハンドル角とピニオン角換算部22aからのハンドル角換算値のハンドル角差分値を転舵角サーボ22cへ出力する。
転舵角サーボ22cは、第1減算器22bからのハンドル角差分値を入力する。そして、ハンドル角差分値とそのときの目標ステアリングギア比に基づいて、ハンドル角差分値の変化に素早く追従するサーボ転舵角を転舵電流に変換し、加算器22dへ出力する。
加算器22dは、転舵角サーボ22cからの転舵電流と、キャンセル電流変換部22hからのキャンセル電流とを入力する。そして、転舵電流とキャンセル電流との合計電流を減算器22eへ出力する。
減算器22eは、加算器43からの合計電流と、転舵アクチュエータ7に設けられたモータ電流センサ33からのモータ電流とを入力する。そして、合計電流からモータ電流を差し引いた差分を指令電流とし、転舵電流サーボ22fへ出力する。
転舵電流サーボ22fは、減算器22eからの指令電流を入力する。そして、入力される指令電流の変化に素早く追従するサーボ電流を指令電圧に変換し、転舵アクチュエータ7に出力する。
フィルタ22gは、高周波数成分のみを通すハイパスフィルタであり、車両に設けられた横Gセンサ35からの横Gセンサ値を入力する。そして、入力される横Gセンサ値のうち周波数が第1閾値以上の高周波成分を外乱横G成分として抽出し、キャンセル電流変換部22hへ出力する。
ここで、「第1閾値」は、ドライバのハンドル操作により車両に発生する横Gの低周波数成分を分離し、早い外乱入力により車両に発生する横Gの高周波数成分を、外乱横G成分として横加速度センサ値から抽出する値に設定する。即ち、ハンドル操作⇒タイヤ転舵⇒タイヤ横力発生⇒横G発生による応答性は、車両特性により3Hz以下である(普通の車両は1〜2Hzがピーク)。一方、外乱(横風や路面凸凹等)により発生する横Gのうち、乗り心地を悪化させる振動周波数成分は10Hz以上である。よって、フィルタ閾値の第1閾値は、ハンドル操作による横Gの発生を阻害せずに、乗り心地を悪化させる周波数成分を抽出する周波数(例えば、10Hz程度)に設定される。
キャンセル電流変換部22hは、フィルタ22gからの外乱横G成分を入力する。そして、外乱横G成分を打ち消す方向に前輪タイヤ12R,12Lへ加える外乱キャンセル力(=転舵力)を、転舵アクチュエータ7へのキャンセル電流に変換し、加算器22dへ出力する。
ここで、外乱キャンセル力は、F(力)=m(質量)×α(加速度)の関係を用い、外乱横G成分に所定の係数(質量換算係数)を掛け合わせ、外乱横G成分を外乱による車両作用させる転舵力のプロファイル波形に変換する。つまり、外乱キャンセル力は、転舵アクチュエータ7から前輪タイヤ12R,12Lへ加える転舵力(タイヤを押す力)の反作用(車両を押す力)により実現されるため、外乱による横Gセンサ値と同じ方向に作用させる力になる。
次に、作用を説明する。
実施例1の作用を、「比較例でのステアリング制御作用」、「実施例1でのステアリング制御作用」、「転舵アクティブマスダンパーによる横揺れ低減作用」、「転舵時ステアリング制御作用と外乱入力時ステアリング制御作用」に分けて説明する。
[比較例でのステアリング制御作用]
比較例での転舵アクチュエータを制御するステアリング制御系は、図3に示すように、ステアリングホイールと、横Gコントローラと、転舵角サーボと、転舵アクチュエータと、タイヤと、車両と、を有するものとする。
この比較例では、横Gコントローラに、ドライバ操作によるハンドル角と横加速度センサによる実横Gが入力される。そして、横Gコントローラにおいて、ドライバ操作によるハンドル角に基づいて予め設定された目標伝達特性を実現する目標横Gが作成され、目標横Gと実横Gの差により転舵指令角が作成される。転舵角サーボにおいて、横Gコントローラからの転舵指令角と実転舵角を入力し、実転舵角が転舵指令角に追従するように転舵アクチュエータに転舵角指令を出力する。
しかし、比較例のように、車両に発生する実横Gを、横Gコントローラに対してフィードバックする転舵角制御を行うと、下記に列挙する課題が生じる。
(a) ハンドル角による目標横Gの演算と、目標横Gと実横Gによる転舵指令角の演算を実行した後、転舵アクチュエータの駆動を行うため、演算の遅れが発生する。
(b) 横Gコントローラを用いた転舵角制御にすると、角度(転舵角)の次元となり、直接、力の次元である横Gを打ち消すことができない。即ち、転舵アクチュエータは力を発生する。横Gも加速度αなので、力の次元(F=m×α)である。
この結果、外乱による車両挙動の抑制を素早くできず、乗り心地が良くない。特に、横風などの早い外乱に対して車両(車体)の横揺れを低減することができないため、乗り心地が悪化する。
[実施例1でのステアリング制御作用]
上記比較例の課題に対し、実施例1での転舵アクチュエータ7を制御するステアリング制御系は、図4に示す基本制御構成を有するものになる。つまり、ステアリングホイール2と、転舵角サーボ22cと、転舵アクチュエータ7と、フィルタ22gと、タイヤ12R,12Lと、車両と、横加速度センサ35と、を有する。
この実施例1では、横加速度センサ35により検出された実横Gが転舵アクチュエータ7に直接入力される。よって、下記に列挙するように、比較例の課題が解消される。
(A) 実横Gを転舵アクチュエータ7に直接入力するため、演算の遅れが発生しない。
(B) 転舵アクチュエータ7に直接入力される横Gは力の次元であり、転舵力制御になるため、直接、横Gセンサ値の全周波数域で横G(力)を打ち消すことができる。
このように、転舵アクチュエータ7に直接、実横Gをフィードバックすることで、応答遅れなく、外乱による車両挙動の抑制を素早くできる。それにより、車両の横揺れ(乗り心地)が向上する。ただし、全周波数域の実横G成分を転舵アクチュエータ7に直接入力する構成とすると、クリアすべき下記の課題がある。
ドライバのハンドル操作による車両の動きなのか、外乱(横風等)による車両の動きなのかは車両挙動(横G等)からは判別できない。よって、全周波数域の実横G成分を転舵アクチュエータ7に直接入力する構成とすると、ドライバのハンドル操作による車両の動きを阻害してしまうことになる。
そこで、全周波数域の実横G成分のうち、フィルタ22gを介して高周波数成分のみを転舵アクチュエータ7に直接入力する構成を採用した。このフィルタ22gは、ドライバのハンドル操作による周波数成分か外乱による周波数成分かを判別し、かつ、ドライバのハンドル操作による車両の動きを分離し、その動きを打ち消すような信号を反映しない機能を有する。また、外乱による車両の動きを認識してその信号を通すことで、外乱を素早く打ち消す機能を有する。
この結果、ドライバのハンドル操作による車両の動きに全く悪影響を与えず、早い外乱が入力したとき、車両に発生する横揺れ挙動を低減できる。
[転舵アクティブマスダンパーによる横揺れ低減作用]
先ず、図5に示すように、外乱(横風、路面荒れ等)により車体が車幅方向に揺らされると、車両の乗員にとって乗り心地が悪くなる。よって、走行中に外乱が入力したときの乗り心地を向上することが要求されている。この要求に対し、現状における揺れ低減方策を眺めると、車両上下方向の揺れ低減方策としては、エアーサスペンションや電制ショックアブソーバや駆動力増減制御等が提案されている。しかし、走行中に外乱が入力したとき、車幅方向の揺れを有効に低減して乗り心地を向上する方策については、有効な方策が提案されていないのが実情である。
そこで、本発明者は、転舵アクチュエータを有するステアリング系に、アクティブマスダンパー(Active Mass Damper:AMD)の考え方を適用する点に着目した。そして、車体の横揺れ低減方策として、転舵力制御によるアクティブマスダンパーによる方策(以下、“転舵アクティブマスダンパー”と呼ぶ。)を採用した。以下、“転舵アクティブマスダンパー”による横揺れ低減作用を、図6〜図8に基づいて説明する。
“転舵アクティブマスダンパー”は、車体の横揺れに対して転舵アクチュエータを転舵力発生器として作用させることで車体の横揺れそのものを低減でき、かつ、アクティブ制御により力の大きさや周波数帯域を自由に設定できるメリットを有する。なお、振動を抑制するマスダンパーとして“動的吸振器”が知られているが、この“動的吸振器”は、特定の共振周波数域でのみ振動を抑制するものであり、しかも、発生している振動量を低減するものではない点で“転舵アクティブマスダンパー”とは相違する。
即ち、車体とタイヤの振動モデルは、図6に示すように、タイヤと路面、及び、タイヤと車体は、それぞれバネと減衰器により連結されたものとなる。この振動モデルのタイヤに転舵力発生器である“転舵アクティブマスダンパー(AMD)”を追加すると、タイヤに加える転舵力の反作用により車体を押す力が発生し、車体を押す力が車体の横揺れ力を打ち消す力となり、車体の横揺れ力を低減する。なお、実施例1でのAMDは、横Gを検出する横Gセンサ35と、センサの出力を受けアクチュエータを駆動させるドライバ(転舵コントローラ22)と、力を発生させる転舵アクチュエータ7と、その力を受ける質量(前輪タイヤ12R,12L)から構成される。
よって、“転舵アクティブマスダンパー(AMD)”による車体の横揺れの大きさ(作用反作用による横G/転舵力)の周波数特性は、図7に示すように、AMDがオフのときは実線特性となるが、AMDがオンになると点線特性まで車体の横揺れが低下する。しかも、車体の横揺れ低下周波数域は、遅い周波数域から早い周波数域までの全域になる。この車体の横揺れ低下作用により、上記(B)の「転舵力制御になるため、直接、横Gセンサ値の全周波数域で横G(力)を打ち消すことができる。」ということが裏付けられる。
一方、ドライバのハンドル操作によりタイヤを転舵して旋回走行すると、図6に示すように、タイヤに加えられる転舵角によりタイヤと路面との間で発生する転舵抵抗力が、タイヤ及びサスペンションを介して車体に伝達される。つまり、車体の横揺れの大きさは、車体に作用する遠心力と転舵角制御による転舵抵抗力とによって決まる。
よって、車体の横揺れの大きさ(遠心力による横G/転舵角)の周波数特性は、図8に示す実線特性となり、ドライバのハンドル操作による周波数域と重なる遅い周波数域でのみ車体の横揺れが発生する。このため、仮に低周波数域で“転舵アクティブマスダンパー(AMD)”をオンにすると、ハンドル操作に基づく車両の動きを阻害することになる。このハンドル操作に基づく車両の動きを阻害する作用により、ドライバのハンドル操作による車両の動きを分離するフィルタが必要であることが裏付けられる。
[転舵時ステアリング制御作用と外乱入力時ステアリング制御作用]
まず、ドライバのハンドル操作による転舵時ステアリング制御作用を説明する。ハンドル操作⇒タイヤ転舵⇒タイヤ横力発生⇒横G発生による応答性は、車両特性により3Hz以下である。このように、ドライバのハンドル操作によるタイヤ転舵時においては、横Gセンサ値の周波数が低く、フィルタ22gを通過することなく、タイヤ転舵による実横Gの発生は、“転舵アクティブマスダンパー”としてタイヤに加える転舵力に反映されない。
このため、左右の前輪タイヤ12R,12Lを左に転舵すると、図9に示すように、転舵が開始される一瞬は前輪タイヤ12R,12Lを右に押し出すので反作用として、車両は左に力を受けて動き、左への横Gが発生する。しかし、転舵が開始される一瞬を過ぎた後、車両に加わる旋回遠心力により右への横Gが大きく発生すると、実横Gが発生してもタイヤ転舵力に反映されないことで、右への大きな横Gにしたがって車体が傾く挙動を示す。
よって、ドライバのハンドル操作による転舵時には、“転舵アクティブマスダンパー”をオフとし、低周波数域による実横Gの発生が前輪タイヤ12R,12Lに加える転舵力に反映されないことで、車両挙動に全く悪影響を与えない。
次に、早い外乱が入力されたときの外乱入力時ステアリング制御作用を説明する。外乱(横風や路面凸凹等)により発生する横Gのうち、乗り心地を悪化させる振動周波数成分は10Hz以上の高周波数域である。このように、早い外乱の入力時においては、横Gセンサ値の周波数が高いためにフィルタ22gを通過し、外乱入力による実横Gの発生が“転舵アクティブマスダンパー”としてタイヤ転舵に反映される。このため、横風等により車両の右横方向に力を受け、右方向に高周波数の横Gが発生すると、図10に示すように、車両に右向きの横G(力)が発生する。これに対し、右向きの早い外乱周波成分を打ち消すモータトルク(=転舵力)が転舵アクチュエータ7に発生し、右向きへの転舵力が前輪タイヤ12R,12Lに加わる。この右方向へ前輪タイヤ12R,12Lを押す力の反作用として、左方向へ車両を押す力が発生する。
つまり、前輪タイヤ12R,12Lに対して右方向へ押す転舵力を作用させると、一瞬押し返そうとする慣性力(前輪タイヤ12R,12Lの質量が慣性を持つために現れる見かけの力)により、左方向へ車両を押す力が発生する。そして、慣性力を利用する作用/反作用であるため、前輪タイヤ12R,12Lが路面に接地しているときは勿論のこと、仮に前輪タイヤ12R,12Lが路面から浮き上がっていても、右方向へ押す転舵力を作用させると左方向へ車両を押す力が発生する。
よって、車両に発生する右向きの横G(力)と前輪タイヤ12R,12Lでの左方向へ車両を押す力が打ち消し合い、車両に発生する右向きの横Gが減少し、車両の横揺れが抑制される。このため、走行中、外乱入力による意図しない車両挙動のみが抑えられ、乗り心地が良くなる。なお、横Gセンサ値の高周波数領域のみで“転舵アクティブマスダンパー”を効かせることで、直進走行中や旋回走行中に外乱の入力が無い限り、本来の車両挙動に影響を与えることはない。さらに、SBW制御時には、ステアリングクラッチ1の解放によりハンドル操作系とタイヤ転舵系とが切り離されている。このため、高周波数で転舵アクチュエータ7により前輪タイヤ12R,12Lへ転舵力を加えても、ステアリングホイール2の動きに出ない。
次に、効果を説明する。
実施例1における車両のステアリング制御方法及び制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) タイヤ(前輪タイヤ12R,12L)を転舵する転舵アクチュエータ7を備える。
この車両のステアリング制御方法において、車両に発生する横加速度を検出する。
横加速度センサ値のうち周波数が所定周波数(フィルタ閾値)以上の高周波成分を外乱横加速度成分(外乱横G成分)として抽出する。
外乱横加速度成分(外乱横G成分)を抽出すると、外乱横加速度成分(外乱横G成分)を打ち消す方向にタイヤ(前輪タイヤ12R,12L)へ転舵力を加える転舵力制御により転舵アクチュエータ7を駆動する(図10)。
このため、ドライバ操作による車両挙動への影響を抑えつつ、外乱入力時に車両に発生する横揺れを低減する車両のステアリング制御方法を提供することができる。
(2) 所定周波数(フィルタ閾値)は、ドライバのハンドル操作による低周波数成分を横加速度センサ値から分離し、早い外乱入力により車両に発生する横加速度の高周波数成分を、外乱横加速度成分(外乱横G成分)として横加速度センサ値から抽出する第1閾値に設定する(図2)。
このため、(1)の効果に加え、ドライバ操作による車両挙動に影響を与えることなく、横風などの早い外乱入力により車両に発生する横揺れを低減することで、ドライバ操作時の違和感防止と、早い外乱入力時の乗り心地向上とを両立させることができる。
(3) 転舵アクチュエータ7を搭載するステアリング方式は、ハンドル操作系とタイヤ転舵系とが機械的に分離しているステアリング・バイ・ワイヤ方式である(図1)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、転舵アクチュエータ7によりタイヤ(前輪タイヤ12R,12L)へ加える転舵力の大きさが制限されないことで、外乱入力により車両に発生する横揺れを有効に低減することができる。即ち、ステアリングクラッチ1が切り離されているSBW制御中、高周波数で転舵アクチュエータ7によりタイヤ(前輪タイヤ12R,12L)へ転舵力を加えたとしても、ステアリングホイール2の動きには全く出ないことによる。
(4) タイヤ(前輪タイヤ12R,12L)を転舵する転舵アクチュエータ7を備える。
この車両のステアリング制御装置において、車両に発生する横加速度を検出する横加速度センサ35と、横加速度センサ35からの横加速度センサ値を入力し、転舵アクチュエータ7に対して駆動指令を出力する転舵コントローラ22と、を備える。
転舵コントローラ22は、横加速度センサ値のうち周波数が所定周波数(フィルタ閾値)以上の高周波成分を外乱横加速度成分(外乱横G成分)として抽出するフィルタ22gと、フィルタ22gを通過する外乱横加速度成分(外乱横G成分)を抽出すると、外乱横加速度成分(外乱横G成分)を打ち消す方向にタイヤ(前輪タイヤ12R,12L)へ転舵力を加える転舵力制御により転舵アクチュエータ7を駆動する転舵力指令変換部(キャンセル電流変換部22h)と、を有する(図2)。
このため、ドライバ操作による車両挙動への影響を抑えつつ、外乱入力時に車両に発生する横揺れを低減する車両のステアリング制御装置を提供することができる。
実施例2は、転舵コントローラに操作判定部と閾値設定部を追加し、ドライバのハンドル操作有無によりフィルタ閾値を異ならせて設定する例である。
まず、構成を説明する。
以下、実施例2の構成を「転舵コントローラの詳細構成」、「ステアリング制御処理構成」に分けて説明する。なお、「全体システム構成」については、実施例1の図1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
[転舵コントローラの詳細構成]
図11は、実施例2のステアリング制御方法及び制御装置が適用された転舵コントローラ22の詳細構成を示す。以下、図11に基づいて転舵コントローラ22の詳細構成を説明する。
転舵コントローラ22は、図11に示すように、ピニオン角換算部22aと、第1減算器22bと、転舵角サーボ22cと、加算器22dと、第2減算器22eと、転舵電流サーボ22fと、フィルタ22g’と、キャンセル電流変換部22hと、操作判定部22iと、閾値設定部22jと、を備えている。ここで、フィルタ22g’、操作判定部22i、閾値設定部22j以外の構成については、実施例1と同様である。
フィルタ22g’は、高周波数成分のみを通すハイパスフィルタであり、車両に設けられた横Gセンサ35からの横Gセンサ値と、閾値設定部22jからのフィルタ閾値を入力する。そして、フィルタ閾値として第1閾値が入力されると、横Gセンサ値のうち周波数が第1閾値以上の高周波成分を外乱横G成分として抽出し、キャンセル電流変換部22hへ出力する。フィルタ閾値として第2閾値(<第1閾値)が入力されると、横Gセンサ値のうち周波数が第2閾値以上の高周波成分を外乱横G成分として抽出し、キャンセル電流変換部22hへ出力する。
操作判定部22iは、ハンドル角センサ30からのハンドル角とモータ出力センサ31からのモータ出力を入力する。そして、下記の操作判定方法(1)〜(3)の何れかに基づいてドライバのハンドル操作の有無を判定し、判定結果を閾値設定部22jに出力する。ここで、「ハンドル操作有り」とは、ドライバによりステアリングホイール2を動かしている状態をいい、「ハンドル操作無し」とは、保舵や手放しによりドライバによりステアリングホイール2を動かしていない状態をいう。
操作判定方法(1)は、ハンドル角の時間微分演算によりハンドル角速度を求め、ハンドル角速度が、所定の判定閾値以上であるとドライバのハンドル操作有りと判定し、所定の判定閾値未満であるとドライバのハンドル操作無し(保舵含む)と判定する。
操作判定方法(2)は、反力モータ4の出力分と慣性を考慮(モデル化)し、ドライバの入力を分離する。
I・θ^2=Tm+Td
但し、I:ハンドル慣性、θ:ハンドル角(θ^2:ハンドル角加速度)、Tm:モータ出力、Td:ドライバ入力トルク
そして、ドライバ入力トルクTdが、所定の判定閾値以上であるとドライバのハンドル操作有りと判定し、所定の判定閾値未満であるとドライバのハンドル操作無し(保舵含む)と判定する。
操作判定方法(3)は、ドライバからの入力トルクを検出するトルクセンサからの入力トルク値が、所定の判定閾値以上であるとドライバのハンドル操作有りと判定し、所定の判定閾値未満であるとドライバのハンドル操作無し(保舵含む)と判定する。なお、操作判定方法(3)は、電動パワーステアリング方式(EPS方式)のステアリングシステムのように、コラムシャフトにドライバからの入力トルクを検出するトルクセンサを備えるシステムに適用可能である。
閾値設定部22jは、操作判定部22iからのドライバのハンドル操作の有無判定結果を入力する。そして、ドライバのハンドル操作有りとの判定結果を入力すると、横Gセンサ値から周波成分を分離するフィルタ閾値を第1閾値に設定する。ドライバのハンドル操作無しとの判定結果を入力すると、横Gセンサ値から周波成分を分離するフィルタ閾値を第1閾値より低い周波数側による第2閾値に設定する。
ここで、「第1閾値」は、実施例1と同様に、ドライバのハンドル操作により車両に発生する横Gの周波数成分か、早い外乱により車両に発生する横Gの周波数成分か、を判別する周波数値(例えば、10Hz程度)で与えられる。一方、「第2閾値」は、例えば、運転支援走行シーンや自動運転走行シーンにおいて、保舵操作や手放し操作のときに遅い外乱入力による車両の揺れも抑えつつ、ドライバによる咄嗟のハンド操作介入に備えておく周波数(例えば、3Hz程度)に設定される。
フィルタ42cは、横Gセンサ50からの横Gセンサ値と、閾値設定部42bにより設定されたフィルタ閾値と、を入力する。そして、フィルタ閾値を超える高周波数域の横Gセンサ値を通過させるハイパスフィルタ作用により横Gセンサ値の高周波成分を分離し、分離した横Gセンサ値の高周波成分を外乱横G成分として抽出する。
[ステアリング制御処理構成]
図12は、実施例2の転舵コントローラ22にて実行されるステアリング制御処理流れを示す。以下、外乱による横揺れを抑制するステアリング制御処理構成をあらわす図12の各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の起動周期により繰り返し実行される。
ステップS1では、車両に作用する横加速度を検出する横Gセンサ50からの横Gセンサ値を検出し、ステップS2へ進む。
ステップS2では、ステップS1での横Gセンサ値の検出に続き、ドライバによるハンドル操作の有無を判定する。ハンドル操作有りと判定された場合はステップS3へ進み、ハンドル操作無しと判定された場合はステップS4へ進む。このハンドル操作の有無判定は、操作判定部22iにより実行される。
ステップS3では、ステップS2でのハンドル操作有りとの判定に続き、横Gセンサ値から高周波成分を分離して抽出するフィルタ閾値を、基準値による第1閾値に設定し、ステップS5へ進む。このフィルタ閾値の設定は、閾値設定部22jにより実行される。
ステップS4では、ステップS2でのハンドル操作無しとの判定に続き、横Gセンサ値から高周波成分を分離して抽出するフィルタ閾値を、第1閾値より低い周波数の第2閾値に設定し、ステップS5へ進む。このフィルタ閾値の設定は、閾値設定部22jにより実行される。
ステップS5では、ステップS3又はステップS4でのフィルタ閾値の設定に続き、横Gセンサ値と設定されたフィルタ閾値を用い、フィルタ22g’にて、横Gセンサ値をドライバ操舵による周波数成分と外乱による周波数成分に分離し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5でのドライバ操舵による周波数成分と外乱による周波数成分との分離に続き、抽出された外乱周波数成分(=外乱横G成分)があるか否かを判断する。YES(外乱周波数成分有り)の場合はステップS7へ進み、NO(外乱周波数成分無し)の場合は終了へ進む。
ステップS7では、ステップS6での外乱周波数成分有りとの判断に続き、転舵アクチュエータ7へ(外乱を打ち消す向きで)横G換算値を出力し、終了へ進む。なお、「横G換算値」とは、外乱周波数成分(=外乱横G成分)を、外乱を打ち消す向きの力に換算した値をいう。
次に、作用を説明する。
[ドライバ操作の有無によるステアリング制御作用]
フィルタ閾値を1つの値に固定してしまうと、ドライバのハンドル操作による車両挙動と、早い外乱入力による車両挙動とを判別する値に設定することになる。このため、運転支援走行シーンや自動運転走行シーンなどで保舵を含みハンドル操作が無いとき、遅い外乱入力による車両挙動を抑えたいという要求があるにもかかわらず、遅い外乱入力による車両挙動を抑えることができない。そして、フィルタだけの構成であるとドライバのハンドル操作による車両挙動であるのか、遅い外乱入力による車両挙動であるのかを判別できない。
これに対し、実施例2では、ドライバのハンドル操作の有無を判定する操作判定部22iと、操作判定部22iからの判定結果を入力してフィルタ閾値を設定する閾値設定部22jと、を有する構成を採用した。ここで、閾値設定部22jは、ドライバのハンドル操作有りとの判定結果を入力するとフィルタ閾値を第1閾値に設定し、ドライバのハンドル操作無しとの判定結果を入力するとフィルタ閾値を第1閾値より低い周波数側の第2閾値に設定する。
即ち、SBW制御中、ドライバによるハンドル操作有りのときは、図12のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→ステップS6→ステップS7→終了という流れが繰り返される。このため、フィルタ閾値が基準値である第1閾値に設定される。よって、“転舵アクティブマスダンパー”が効いて転舵アクチュエータ7により打ち消す外乱周波数成分が、実施例1と同様に、全周波数成分から第1閾値以下のドライバ操舵周波数成分を除いて得られる高周波数成分とされる。
一方、SBW制御中、ドライバによるハンドル操作無しのときは、図12のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→終了という流れが繰り返される。このため、フィルタ閾値が第1閾値よりも低い周波数側の第2閾値に設定される。よって、“転舵アクティブマスダンパー”が効いて転舵アクチュエータ7により打ち消す外乱周波数成分が、ハンドル操作有りのときに比べて低周波数域まで拡大された拡大周波数成分とされる。
この結果、ドライバによるハンドル操作を阻害しないハンドル操作無しのとき、遅い外乱入力から早い外乱入力までの広い周波数範囲の外乱入力に対して横揺れによる車両挙動を抑えることができる。なお、他の作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2における車両のステアリング制御方法にあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(5) ドライバによるハンドル操作の有無を判定する(図12のS2)。
ハンドル操作有りと判定された場合は、所定周波数(フィルタ閾値)を第1閾値に設定する(図12のS3)。
ハンドル操作無しと判定された場合は、所定周波数を第1閾値に比べて低周波数側の第2閾値に設定する(図12のS4)。
このため、ドライバによるハンドル操作を阻害しないハンドル操作無しのとき、遅い外乱入力から早い外乱入力までの広い周波数範囲の外乱入力に対して横揺れによる車両挙動を抑え、さらに乗り心地を向上させることができる。
実施例3は、実施例2の転舵コントローラに旋回直進判定部を追加し、ドライバのハンドル操作有無に旋回/直進判定を加え、フィルタ閾値を異ならせて設定する例である。
まず、構成を説明する。
以下、実施例3の構成を「転舵コントローラの詳細構成」、「ステアリング制御処理構成」に分けて説明する。なお、「全体システム構成」については、実施例1の図1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
[転舵コントローラの詳細構成]
図13は、実施例3のステアリング制御方法及び制御装置が適用された転舵コントローラ22の詳細構成を示す。以下、図13に基づいて転舵コントローラ22の詳細構成を説明する。
転舵コントローラ22は、図13に示すように、ピニオン角換算部22aと、第1減算器22bと、転舵角サーボ22cと、加算器22dと、第2減算器22eと、転舵電流サーボ22fと、フィルタ22g’と、キャンセル電流変換部22hと、操作判定部22iと、閾値設定部22j’と、旋回直進判定部22kと、を備えている。ここで、閾値設定部22j’、旋回直進判定部22k以外の構成については、実施例2と同様である。
旋回直進判定部22kは、ヨーレイトセンサ36からのヨーレイトセンサ値を入力する。そして、入力されるヨーレイトセンサ値が、旋回直進判定閾値以下であれば直進と判定し、旋回直進判定閾値を超えていると旋回と判定し、判定結果を閾値設定部22j’に出力する。
閾値設定部22j’は、操作判定部22iからのドライバのハンドル操作の有無判定結果と、旋回直進判定部22kからの直進/旋回判定結果を入力する。そして、旋回であるとの判定結果を入力すると、ハンドル操作の有無にかかわらず、横Gセンサ値から周波成分を分離するフィルタ閾値を第1閾値に設定する。直進であり、かつ、ハンドル操作の有りとの判定結果を入力すると、横Gセンサ値から周波成分を分離するフィルタ閾値を第1閾値に設定する。直進であり、かつ、ハンドル操作無しとの判定結果を入力すると、横Gセンサ値から周波成分を分離するフィルタ閾値を第1閾値より低い周波数側による第2閾値に設定する。
[ステアリング制御処理構成]
図14は、実施例3の転舵コントローラ22にて実行されるステアリング制御処理流れを示す。以下、外乱による横揺れを抑制するステアリング制御処理構成をあらわす図14の各ステップについて説明する。なお、ステップS21〜ステップS27の各ステップは、図12のステップS1〜ステップS7の各ステップに対応するので設定を省略する。
ステップS28では、ステップS21での横Gセンサ値の検出に続き、旋回中か直進中かを判定する。旋回と判定された場合はステップS23へ進み、直進と判定された場合はステップS22へ進む。この旋回/直進判定は、旋回直進判定部22kにより実行される。
次に、作用を説明する。
実施例3の作用を、「旋回中のステアリング制御作用」、「直進中のドライバ操作の有無によるステアリング制御作用」に分けて説明する。
[旋回中のステアリング制御作用]
実施例2のように、ドライバのハンドル操作の有無判定のみでフィルタ閾値を設定すると、低μ路での旋回走行時であっても、ハンドル操作が無いと判定されると、フィルタ閾値が第2閾値まで下げられる。よって、低μ路旋回走行中、遅い外乱入力があっても転舵アクティブマスダンパーを効かせて転舵力により横G変化を打ち消そうとする。しかし、路面が低μ路であるためにタイヤの路面グリップ力が低く、タイヤに転舵力を加えると余計に曲がりにくい量までタイヤを切りこんでしまう。この結果、低μ路旋回走行における旋回挙動が不安定になってしまう。
これに対し、実施例3では、車両が旋回中であるか直進中であるかを判定し、車両が旋回中であると判定された場合は、ハンドル操作の有無にかかわらず、フィルタ閾値を第1閾値に設定するようにした。
即ち、SBW制御中、走行態様が旋回であると、図14のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS28→ステップS23→ステップS25→ステップS26→ステップS27→終了という流れが繰り返される。このため、フィルタ閾値が基準値である第1閾値に設定される。よって、転舵アクティブマスダンパーが効いて転舵アクチュエータ7により打ち消す外乱周波数成分が、実施例1と同様に、全周波数成分から第1閾値以下のドライバ操舵周波数成分を除いて得られる高周波数成分とされる。
このように、旋回中、ハンドル操作の有無にかかわらず、フィルタ閾値を第1閾値に設定することで、転舵アクティブマスダンパーを効かせる周波数領域が拡大されず、特に、低μ路旋回走行における旋回挙動安定性が確保される。
[直進中のドライバ操作の有無によるステアリング制御作用]
旋回/直進での“転舵アクティブマスダンパー”を効かせることによる乗り心地向上効果を比較すると、旋回中は、旋回横Gやヨーレイトによる車両挙動を伴うため、乗員にとって乗り心地向上代を体感しにくい。一方、直進中は、旋回横Gやヨーレイトによる車両挙動を伴わないため、乗員にとって乗り心地向上代を体感し易い。つまり、直進中の方が旋回中に比べてドライバ感度が高くなる。
これに対し、実施例3では、車両が直進中であり、かつ、ハンドル操作有りと判定された場合は、フィルタ閾値を第1閾値に設定する。一方、車両が直進中であり、かつ、ハンドル操作無しと判定された場合は、フィルタ閾値を第1閾値に比べて低周波数側の第2閾値に設定するようにした。
即ち、SBW制御での直進中、ドライバによるハンドル操作有りのときは、図14のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS28→ステップS22→ステップS23→ステップS25→ステップS26→ステップS27→終了という流れが繰り返される。このため、フィルタ閾値が基準値である第1閾値に設定される。よって、“転舵アクティブマスダンパー”が効いて転舵アクチュエータ7により打ち消す外乱周波数成分が、実施例1と同様に、全周波数成分から第1閾値以下のドライバ操舵周波数成分を除いて得られる高周波数成分とされる。
一方、SBW制御での直進中、ドライバによるハンドル操作無しのときは、図14のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS28→ステップS22→ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS27→終了という流れが繰り返される。このため、フィルタ閾値が第1閾値よりも低い周波数側の第2閾値に設定される。よって、“転舵アクティブマスダンパー”が効いて転舵アクチュエータ7により打ち消す外乱周波数成分が、ハンドル操作有りのときに比べて低周波数域まで拡大された拡大周波数成分とされる。
この結果、直進中であって、ドライバによるハンドル操作を阻害しないハンドル操作無しのとき、遅い外乱入力から早い外乱入力までの広い周波数範囲の外乱入力に対して横揺れによる車両挙動を抑えることができる。なお、他の作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3における車両のステアリング制御方法にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(6)車両が旋回中か直進中かを判定する(図14のS28)。
車両が旋回中であると判定された場合、ハンドル操作の有無にかかわらず、所定周波数(フィルタ閾値)を第1閾値に設定する(図14のS28→S23)。
このため、上記(5)の効果に加え、旋回中、ハンドル操作無しであっても“転舵アクティブマスダンパー”を効かせる周波数領域が拡大されず、低μ路旋回走行における旋回挙動の安定性を確保することができる。
(7) 車両が直進中であり、かつ、ハンドル操作有りと判定された場合は、所定周波数(フィルタ閾値)を第1閾値に設定する(図14のS28→S22→S23)。
車両が直進中であり、かつ、ハンドル操作無しと判定された場合は、所定周波数(フィルタ閾値)を第1閾値に比べて低周波数側の第2閾値に設定する(図14のS28→S22→S24)。
このため、(6)の効果に加え、直進中で、かつ、ハンドル操作無しのとき、遅い外乱入力から早い外乱入力までの広い周波数範囲の外乱入力に対して横揺れによる車両挙動を抑えられ、乗り心地向上代を乗員が体感することができる。
以上、本開示の車両のステアリング制御方法及び制御装置を実施例1〜3に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、フィルタ閾値を固定値により与える例を示し、実施例2,3では、フィルタ閾値を2段階で切り替える例を示した。しかし、フィルタ閾値としては、条件判断により3段階以上に切り替える例であっても良いし、さらに、条件判断により無段階に切り替える例であっても良い。
実施例1〜3では、本開示のステアリング制御方法及び制御装置を、ハンドル操作系とタイヤ転舵系とが機械的に分離可能とされ、タイヤ転舵系に転舵アクチュエータを備えるステアリング・バイ・ワイヤ方式のシステムを装備する車両に適用する例を示した。しかし、本開示のステアリング制御方法及び制御装置は、タイヤ転舵系に2つの転舵アクチュエータを備えるステアリング・バイ・ワイヤ方式のシステムを装備する車両に適用しても良い。この場合、“転舵アクティブマスダンパー”を効かせるときの転舵力は、2つの転舵アクチュエータで分担する。
本開示のステアリング制御方法及び制御装置は、ステアリングクラッチが無く、ハンドル操作系とタイヤ転舵系とが機械的に分離されているステアリング・バイ・ワイヤ方式のシステムを装備する車両に適用しても良い。さらに、ドライバによるステアリング操作時、ドライバのハンドル操作力をアシストする転舵アクチュエータを備える電動パワーステアリング方式(EPS方式)のシステムを装備する車両に対しても適用することができる。要するに、転舵力をタイヤに加える際、転舵力の伝達損失が少なくて制御応答性を確保できる位置に転舵アクチュエータを備える車両であれば適用できる。
1 ステアリングクラッチ
2 ステアリングホイール
3 コラムシャフト
4 反力モータ
5 第1ステアリングシャフト
6 第2ステアリングシャフト
7 転舵アクチュエータ
8 ピニオンシャフト
9 ステアリングギアユニット
10R,10L タイロッド
11R,11L ナックルアーム
12R,12L 前輪タイヤ
20 SBWコントロールモジュール
21 反力コントローラ
22 転舵コントローラ
22a ピニオン角換算部
22b 第1減算器
22c 転舵角サーボ
22d 加算器
22e 第2減算器
22f 転舵電流サーボ
22g,22g’ フィルタ
22h キャンセル電流変換部(転舵力指令変換部)
22i 操作判定部
22j,22j’ 閾値設定部
22k 旋回直進判定部
35 横Gセンサ
36 ヨーレイトセンサ

Claims (7)

  1. タイヤを転舵する転舵アクチュエータを備える車両のステアリング制御方法において、
    前記車両に発生する横加速度を検出し、
    横加速度センサ値のうち周波数が所定周波数以上の高周波成分を外乱横加速度成分として抽出し、
    前記外乱横加速度成分を抽出すると、外乱横加速度成分を打ち消す方向にタイヤへ転舵力を加える転舵力制御により前記転舵アクチュエータを駆動する
    ことを特徴とする車両のステアリング制御方法。
  2. 請求項1に記載された車両のステアリング制御方法において、
    前記所定周波数は、ドライバのハンドル操作による低周波数成分を横加速度センサ値から分離し、早い外乱入力により車両に発生する横加速度の高周波数成分を、外乱横加速度成分として横加速度センサ値から抽出する第1閾値に設定する
    ことを特徴とする車両のステアリング制御方法。
  3. 請求項1又は2に記載された車両のステアリング制御方法において、
    前記転舵アクチュエータを搭載するステアリング方式は、ハンドル操作系とタイヤ転舵系とが機械的に分離しているステアリング・バイ・ワイヤ方式である
    ことを特徴とする車両のステアリング制御方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載された車両のステアリング制御方法において、
    ドライバによるハンドル操作の有無を判定し、
    前記ハンドル操作有りと判定された場合は、前記所定周波数を第1閾値に設定し、
    前記ハンドル操作無しと判定された場合は、前記所定周波数を前記第1閾値に比べて低周波数側の第2閾値に設定する
    ことを特徴とする車両のステアリング制御方法。
  5. 請求項4に記載された車両のステアリング制御方法において、
    前記車両が旋回中であるか直進中であるかを判定し、
    前記車両が旋回中であると判定された場合は、前記ハンドル操作の有無にかかわらず、前記所定周波数を第1閾値に設定する
    ことを特徴とする車両のステアリング制御方法及び制御装置。
  6. 請求項5に記載された車両のステアリング制御方法において、
    前記車両が直進中であり、かつ、前記ハンドル操作有りと判定された場合は、前記所定周波数を第1閾値に設定し、
    前記車両が直進中であり、かつ、前記ハンドル操作無しと判定された場合は、前記所定周波数を前記第1閾値に比べて低周波数側の第2閾値に設定する
    ことを特徴とする車両のステアリング制御方法。
  7. タイヤを転舵する転舵アクチュエータを備える車両のステアリング制御装置において、
    前記車両に発生する横加速度を検出する横加速度センサと、
    前記横加速度センサからの横加速度センサ値を入力し、前記転舵アクチュエータに対して駆動指令を出力する転舵コントローラと、を備え、
    前記転舵コントローラは、
    横加速度センサ値のうち周波数が所定周波数以上の高周波成分を外乱横加速度成分として抽出するフィルタと、
    前記フィルタを通過して外乱横加速度成分を抽出すると、外乱横加速度成分を打ち消す方向にタイヤへ転舵力を加える転舵力制御により前記転舵アクチュエータを駆動する転舵力指令変換部と、を有する
    ことを特徴とする車両のステアリング制御装置。
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