JP2019106686A - 電子機器、およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮影者によるカメラの把持領域を判定した上で動作制限および停止の制御を行うことを可能にし、把持領域に応じた最適な温度制御を提供することを提供すること。【解決手段】 回転可能なヒンジ機構により支持された表示ユニット(110)を有する撮像装置(100)であって、前記表示ユニット内に第一の姿勢検知手段(31)と、撮影者の接眼有無を検知する接眼検知手段(114)と、複数の温度計と、前記第一の姿勢検知手段と前記接眼検知手段による出力結果から、前記撮像装置の把持領域を判定する把持部判定手段とを有し、前記把持部判定手段による判定結果と、前記温度計の出力結果から、前記撮像装置の動作制限および停止制御を行うことを特徴とする構成とした。【選択図】 図4

Description

本発明は、電子機器およびその制御方法に関し、特に撮像装置(カメラ)の外装温度を検知して動作制限等を行うことで、外装温度が高くなり過ぎないように温度を制御する方法に関する。
近年のカメラは多機能化が進んでおり、高精細な画像生成機能や動画記録機能の搭載により、各電気部品が消費する電力は処理能力に応じて増加する傾向となっている。
高精細な画像を連続撮影していると、継続する放電電流により電力の高い電気素子である例えば撮像センサや画像処理回路が発熱し、熱のあおりを受けてカメラ本体(撮像装置)の外装温度も上昇する。発熱によって外装温度が上昇すると、撮影者にとって不快感が生じるため、カメラの動作を制限もしくは停止する必要がある。
そのような課題に対して、特許文献1では、外部装置を装着可能なカメラにおいて、カメラ内部に設けた温度センサによりカメラの外装温度と相関のある温度を検出し、カメラの動作制限を行う技術が開示されている。
特開2015−41912号公報
特許文献1では、装着可能な外部装置ごとにカメラ動作を制限する動作制御温度を記憶しておき、装着された外部装置に対応する動作制御温度でカメラの動作を制限する。しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、撮影者によるカメラの把持領域によらず外装温度に応じて動作制限を行っている。そのため、撮影者が把持している部分においてはそれほど発熱しておらず操作可能な状態であってもカメラの動作が制限されてしまうため、撮影者が好適に操作可能な時間が不必要に短くなってしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、ユーザによる電子機器の把持領域を判定した上で動作制限および停止の制御を行うことで、不要な動作制限を少なくすることが可能な電子機器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、温度を検出する複数の温度検出手段と、前記複数の温度検出手段のうち、判定に用いる温度検出手段を決定する決定手段と、前記決定手段により判定に用いると決定された温度検出手段のいずれかの出力が所定以上の場合に動作を制限する制限手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザによる電子機器の把持領域を判定した上で動作制限および停止の制御を行うことで、不要な動作制限を少なくすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の外観斜視図 本発明の第1の実施形態に係るカメラの構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施形態に係る外装ユニットを外した状態のカメラ本体の構成例を示す図 本発明の第1の実施形態に係るバリアングルユニットの分解斜視図 本発明の第1の実施形態に係るジャイロセンサのX軸周りの検出原理を示す図 本発明の第1の実施形態に係るジャイロセンサのY軸周りの検出原理を示す図 本発明の第1の実施形態に係るカメラ動作時の各温度計の出力値の例を示すグラフ 本発明の第1の実施形態に係るカメラ本体の把持姿勢例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る表示ユニットの回転角度と撮影者の把持姿勢およびカメラの動作制限対象とする温度計の相関図 本発明の第2の実施形態に係るジャイロセンサのキャリブレーションの例を示すフローチャート
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器である撮像装置(カメラ)の外観斜視図であり、図1(a)はカメラ正面側(被写体側)から見た斜視図である。図1(b)および図(c)はカメラ背面側(撮影者側)から見た斜視図である。
電子機器であるカメラ本体100(撮像装置)は、光学ユニット、現像処理部、画像処理部などを備え、被写体像から画像を生成する。カメラ本体100には、撮影画像等を確認可能な表示ユニット110が設けられている。
上面外装カバー101は、カメラ本体100を覆う外装カバーである。
閃光ユニット103は、撮影時に、得られた測光結果から被写体光が所定の輝度よりも低いと判断されると、閃光ユニット103はモーターにより駆動され発光位置まで移動して発光し、被写体を照射する。通常、電源がOFFの状態では収納位置に保持されている。
レリーズボタン104は、カメラ本体100へ撮影指示を出すためのボタンであり、レリーズボタン104を押し込むことでカメラ本体100内の各手段を駆動させて撮像動作を実行させる。
電子ダイヤル105は、カメラ本体100の撮影設定のためのダイヤルであり、電子ダイヤル105が操作することで、露出設定など任意の撮影パラメータの設定が可能である。
ISO感度設定ボタン106は、ISO感度設定のための設定ボタンであり、ISO感度設定ボタン106を操作することでISO感度条件を設定することが可能である。
主電源スイッチ107は、上面外装カバー101に設けられている。主電源スイッチ107がON位置へ操作されると、後述するカメラマイコンが所定のシーケンスによりカメラを起動する。
撮影モードダイヤル108を操作することにより、撮影モードの選択が可能である。撮影モードが選択されると、選択された撮影モードに対応したシャッタースピードと絞りとの組み合わせを決定するプログラム線図を設定する。
グリップ109は、ユーザがカメラ本体100を把持しやすくするためのグリップである。本実施形態においては、カメラ本体100の右側に設けられている。
右耳環116Rおよび左耳環116Lは、不図示のストラップを取り付けるための金属環である。
図1(b)はカメラ背面側(撮影者側)から見た斜視図である。表示ユニット110は、例えば3.0インチ程度のTFT液晶パネルなどから構成されており、撮影画像等が表示される表示面111aと背面111bとを有している。
ファインダ112は、カメラ本体100の上方に設けられており、撮影者はファインダ112を通して被写体像を直接確認することが可能である。
収納部113には、撮影画像を記録するためのCompactFlash(CF)カードやSDカードなどの外部メモリ(不図示)を格納する。
表示ユニット110は、ヒンジ機構115によって、カメラ本体100に対して開閉および回転方向に回動可能に結合(支持)されていて、カメラ本体100に対する姿勢を水平又は垂直方向に変更することが可能である。撮影者が、カメラ本体100を握った状態で表示ユニット110の回動動作ができるように、ヒンジ機構115は、グリップ109とは反対側であるカメラ本体100の左側に設けられる。
図1(c)はカメラ本体100の表示ユニット110を開いた状態を後方(撮影者側)から見た斜視図である。表示ユニット110が第一の回転中心軸Aにより回転し、且つ表示面111aが前方(被写体側)を向いている状態である。この状態で、さらに第二の回転中心軸Bにより回転をさせることで、撮影者はより自由なアングルにて撮影を行うことが出来る。
接眼検知センサ114は、撮影者の近接を検知するセンサである。表示ユニット110に対してファインダ112を挟んだ反対側に設置される。接眼検知センサ114は、撮影者がファインダ112を使用しているとき、その撮影者の近接を検出できる位置であれば設置位置は図1に示す構成例に限定されない。本実施形態においては、赤外線LEDおよびフォトダイオードを1パッケージに実装した電子部品により構成されており、一般に入手可能な電子部品である。物体の近接を検知できる構造であれば、部品構成・検知手法は問わない。
領域122は、カメラ本体100の背面側の各種操作部材が設けられている背面側の操作部材領域である。領域123は、背面側の中央領域である。
本実施形態に係る撮像装置は、第一の回転中心軸A、第二の回転中心軸Bの回動可能である。第一の回転中心軸Aの回転角度は図1(b)の状態を0°とし、そこから矢印a方向に角度を増加させ、0°〜180°が回動範囲となる。第二の回転中心軸Bの回転角度は図1(c)の状態を0°とし、そこから矢印b方向に角度を増加させ、0°〜270°が回動範囲となる。
以下、図2を参照して本発明の実施例に係る撮像装置の構成例について詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ(撮像装置)の構成例を示すブロック図である。
カメラマイコン10は、不図示のバスを介してユーザからの操作による指示や検出回路からの検知結果を受けてカメラ本体100全体の制御を行い、撮像や画像処理、映像出力、などを実行する。CPU(コンピュータ)、メモリ(ROM、RAM)を有し、CPUはメモリからロードしたコンピュータプログラムに従い、カメラ本体100の各機能ブロックの制御およびそのために必要な演算を行う。なお、本実施形態において、カメラマイコン10は、カメラ本体100の各検出回路から取得した情報などに基づいて、撮像の際に撮影者(ユーザ)によってカメラ本体100が把持されている把持部を判定する。
閃光制御回路11は、閃光ユニット103を制御し、所定のタイミングで発光させ被写体に適切な光を照射させる。
操作検出回路12は、操作部材が操作されたことを検出する。カメラマイコン10は、操作検出回路12がカメラ本体100に対する操作を検出すると対応する設定を行う。例えば、撮影モードダイヤル108が操作され撮影モードが選択されると、選択された撮影モードに対応したシャッタースピードと絞りとの組み合わせを決定するプログラム線図を設定する。また、電子ダイヤル105が操作されると露出補正などの設定を行い、ISO感度設定ボタン106が操作されたことに応じてISO感度条件を設定する。
撮影条件制御回路13は、レリーズボタン104が第一の位置まで押し込まれること(撮影準備指示)に応じて、適切な撮影パラメータを決定する。例えば、操作検出回路12によりレリーズボタン104の押下が検出されると、ファインダ112の近辺に設けられた不図示の測光センサにより被写体光を測光して、適切なシャッタースピードと絞り値を決定する。また、例えば、撮像した画像から適切なフォーカス位置やホワイトバランス値などを算出する。
モーター制御回路14は、操作検出回路12によるレリーズボタン104が第二の位置まで押し込まれたことが検知されること(撮影指示)に応じて、ミラーユニット20を所定の位置に退避させ、不図示のシャッター羽根を開放する。その後、所定の時間でシャッター羽根(不図示)を遮光状態とする。
撮像素子駆動回路15は、撮像素子を駆動させて撮像素子に結像した被写体像を光電変換して電子データとして取得する。
データ処理回路16は、撮像素子で光電変換されて取得した電子データに対して、所定の増幅、変換、補正などのデータ処理を施し、撮影画像データを生成する。
記録処理回路17は、生成された撮影画像データを外部メモリ(不図示)に記録する。
再生処理回路18は、撮影者(ユーザ)により画像再生ボタンが操作されると、カメラ背面側に設けられた表示ユニット110に、外部メモリに保存されている撮影画像を表示させる。
温度検出回路19は、カメラ本体100の所定位置に設けた複数の温度計T1〜T6に接続され、取得した温度計T1〜T6の検出結果をカメラマイコン10に出力する。温度検出の詳細は後述する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る外装ユニットを外した状態のカメラ本体の構成例を示す図である。図3(a)はカメラの外装ユニットを外した状態のカメラ本体をカメラ背面側から見た図、図3(b)および図3(c)はカメラ背面側から見た斜視図である。
メインベース50は、カメラ本体100の骨格となる部材であり、材料は樹脂などによって形成される。メインベース50には、制御基板54が固定されている。
制御基板54はプリント配線板(PWB:Printed Wired Board)であり、カメラマイコン10をはじめとする図2に示した各種電気回路(検出回路、制御回路、処理回路)の多くが実装されている。また、制御基板54にはジャイロセンサ31が配置されている。
ジャイロセンサ31は、カメラ本体100の姿勢を検知することが可能な姿勢検知手段である。ジャイロセンサによるカメラの姿勢検知の原理は公知の技術であるため、詳細は省略する。
カメラ本体100には複数の温度計が配置されている。本実施形態においては、T1〜T6の合計6個の温度計を配置している。カメラ本体100の温度計T1は不図示のストラップを取り付けるための金属環である右耳環116Rの温度を測定可能であり、フレキシブル基板56に実装されている。フレキシブル基板56は、制御基板54に接続されており、温度計T1の出力は、制御基板54に実装されているカメラマイコン10に接続される。
温度計T2および温度計T3は、共に制御基板54に実装されている。温度計T2は、カメラ本体100の背面側の各種操作部材を設けている領域122の温度を測定可能である。温度計T3は、表示ユニット110を開いた状態におけるカメラ本体100の背面の中央領域である領域123の温度を測定可能である。また、それぞれの温度計の出力は、温度計T1の出力と同様に、カメラマイコン10に接続される。
温度計T4は、カメラ本体100の上部に設けた閃光ユニット103の側面領域である閃光ユニット領域103aの温度を測定可能であり、フレキシブル基板58に実装されている。フレキシブル基板58は、制御基板54に接続されており、温度計T1〜T3の出力と同様に、制御基板54に実装されているカメラマイコン10に接続される。
温度計T5は、右耳環116Rと同様に、不図示のストラップを取り付けるための金属環である左耳環116Lの温度を測定可能であり、フレキシブル基板59に実装されている。フレキシブル基板59は、制御基板54に接続されており、温度計T1〜T4の出力と同様に、制御基板54に実装されているカメラマイコン10に接続される。
温度計T6は、図3(b)に示した三脚座124の温度を測定可能である。三脚座124は、SUSなどからなるプレート125と一体に形成されており、カメラ本体100を不図示の三脚に取り付ける際に使用する。図3(c)はプレート125を取り外した状態を示しており、温度計T6は、フレキシブル基板57に実装される。フレキシブル基板57は制御基板54に接続されており、温度計T1〜T5の出力と同様に、制御基板54に実装されているカメラマイコン10に接続される。
次に、本発明の実施形態における表示ユニット110の内部にジャイロセンサを配置する構成について図4を用いて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係るバリアングルユニットの分解斜視図である。
TFT前面カバー126は、TFT117やその他部品を収納する部材であり、材質はPCなどの樹脂材料である。
TFTフレーム118は、TFT117や電子部品が実装された制御基板などを保持する部材であり、材質はステンレスなどの金属材料である。TFTフレーム118はヒンジ機構115にビス(不図示)で固定され、回動に合わせて姿勢が変化する。119はTFT117やその他部品を収納するTFT背面カバーであり、材質はPCなどの樹脂材料である。
制御基板120は、TFT117の表示に関する制御を行う。TFT基板120は細線同軸ケーブル121によってヒンジ機構115内を経由して、カメラ本体100のMPUと電気的に接続される。
細線同軸ケーブル121は、ヒンジ機構115の回転動作によって外力が加わらないように、第二の回転中心軸Bの延長線上に配置する。そのため、細線同軸とコネクタを介して接続するTFT基板120も第二の回転中心軸Bの延長線上に配置する。
表示ユニット110内のジャイロセンサ30は、MPUと電気的に接続する必要がある為、TFT基板120上に配置する。ジャイロセンサ30は、表示ユニット110の姿勢を検知することが可能な姿勢検知手段である。
次に、本発明の実施形態における表示ユニット110の角度検出原理について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係るジャイロセンサのX軸周りの検出原理を示す図である。
図5(a)はカメラ本体100と表示ユニット110の姿勢を示す図である。図5(b)は表示ユニット110のジャイロセンサ30(第一のジャイロセンサ)とカメラ本体100の第二のジャイロセンサ31(第二のジャイロセンサ)の出力値の模式図である。カメラ本体100のジャイロセンサ31のX軸CXは光軸Cと平行で、カメラ本体100から被写体側に向かう方向を正とする。また、CX軸はX軸回転に対するカメラ本体100の基準となる軸である。表示ユニット110のジャイロセンサ30のX軸VXはTFT117に鉛直で、TFT117の表示方向を正とする。表示ユニット110のジャイロセンサ30のX軸周りの検出角度ωxは、カメラ本体100のX軸回転の基準であるCX軸に対してジャイロセンサ30のX軸VXが成す角度である。つまり、カメラ本体100に対する表示ユニット110の回転角度である。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るジャイロセンサのY軸周りの検出原理を示す図である。
図6(a)はカメラ本体100と表示ユニット110の姿勢を示す図であり、図6(b)は表示ユニット110のジャイロセンサ30とカメラ本体100のジャイロセンサ31の出力値の模式図である。カメラ本体100のジャイロセンサ31のY軸CYは光軸Cと平行で、カメラ本体100から被写体側に向かう方向を正とする。また、CY軸はY軸回転に対するカメラ本体100の基準となる軸である。表示ユニット110のジャイロセンサ30のY軸VYはTFT117に鉛直で、TFT117の表示方向を正とする。表示ユニット110のジャイロセンサ30のY軸周りの検出角度ωyは、カメラ本体100のY軸回転の基準であるCY軸に対して、表示ユニット110のジャイロセンサ30のY軸VYが成す角度である。つまり、カメラ本体100に対する表示ユニット110の開閉角度である。
ここで、図7はカメラ動作時、例えば動画撮影時における各温度計の出力値を示すグラフの一例である。曲線1〜6はそれぞれ温度計T1〜T6の出力値であり、Tsはカメラ動作を停止させる温度である。t1〜t6はそれぞれ曲線1〜6と温度計T1〜T6の交点における時間であり、すなわち、各温度計の出力値が動作停止温度に達する時間を示している。いずれかの温度計が、所定のTsを超えた場合に、カメラの操作を制限する。
次に図8を参照して、接眼検知センサ114の出力結果および表示ユニット110の回転動作による第一のジャイロセンサ30の出力結果と、カメラ本体100の動作制限対象とする温度計との関係を説明する。
撮影者がカメラ本体100を把持する姿勢として、カメラ本体100を横位置として表示ユニット110を使用して撮影する姿勢(図8(a))と、カメラ本体100を横位置としてファインダ112を使用して撮影する姿勢(図8(b))がある。また、図8(c)のように、カメラ本体100を縦位置に回転させて撮影する姿勢となる場合もある。
図8(b)のように、ファインダ112を使用した撮影姿勢の場合、撮影者がカメラ本体100を把持する領域として、右耳環116R、背面操作部材領域122、左耳環116L、三脚座124の計4箇所が想定される。従って、カメラの動作制限に使用する温度計は、それぞれの把持領域の近傍の温度計T1、T2、T5、T6とし、それ以外の温度計T3、T4は動作制限に使用する温度計の対象外とすることができる。なお、図8(b)のようにファインダ112を使用した撮影姿勢か否かは、例えば、接眼検知センサ114により接眼が検出されたことに基づいて判定することが可能である。
また、図8(c)のような縦位置撮影の場合、撮影者がカメラ本体100を把持する領域として、右耳環116R、背面操作部材領域122、閃光ユニット領域103a、左耳環116L、三脚座124の計5箇所が想定される。従って、カメラの動作制限に使用する温度計は、それぞれの把持領域の近傍の温度計T1、T2、T4、T5、T6とし、それ以外の温度計T3は動作制限に使用する温度計の対象外とすることができる。図8(c)のような縦位置撮影か否かは、例えば、カメラ本体100のジャイロセンサ31によりカメラ本体が横位置に対して90°回転していることに基づいて判定可能である。
図8(a)のような横位置撮影の場合には、複数の姿勢および把持領域が想定される。横位置撮影の場合のカメラの動作制限に使用する温度計について、図9を用いて説明する。なお図9における撮影者によるカメラの把持領域を示す図においては、簡略化のため表示ユニットはすべて閉じた状態で表している。
撮影者(ユーザ)が図8(a)の撮影姿勢で撮影を行う場合、表示ユニット110の回転角度として5つのパターンが考えられ、本実施形態においてそれぞれ把持姿勢1〜5とする。
・把持姿勢1:表示ユニット110の第一の回転中心軸Aの回転角度および第二の回転中心軸Bの回転角度が共に0°であり、表示ユニット110の表示面111aが撮影者に対向している状態
このとき、撮影者によるカメラ本体100の把持領域は、右耳環116R、背面操作部材領域122、左耳環116L、三脚座124の計4箇所である。従って、カメラの動作制限の使用する温度計は、それぞれの把持領域に対応した温度計T1、T2、T5、T6となる。
・把持姿勢2:表示ユニット110の第一の回転中心軸Aの回転角度が0°〜180°および第二の回転中心軸Bの回転角度が0°であり、表示ユニット110の表示面111aが被写体に対向している状態
このとき、撮影者によるカメラ本体100の把持領域は、右耳環116R、背面操作部材領域122、背面中央領域123、三脚座124の計4箇所である。従って、カメラの動作制限の使用する温度計は、それぞれの把持領域に対応した温度計T1、T2、T3、T6となる。
・把持姿勢3:表示ユニット110の第一の回転中心軸Aの回転角度が180°および第二の回転中心軸Bの回転角度が0°〜90°であり、表示ユニット110の表示面111aが上側に向かって被写体に対向している状態
このとき、撮影者によるカメラ本体100の把持領域は、右耳環116R、背面操作部材領域122、三脚座124の計3箇所である。従って、カメラの動作制限の使用する温度計は、それぞれの把持領域に対応した温度計T1、T2、T6となる。
・把持姿勢4:表示ユニット110の第一の回転中心軸Aの回転角度が180°および第二の回転中心軸Bの回転角度が90°〜180°であり、表示ユニット110が開いた状態で表示面111aが被写体に対向している状態
このとき、撮影者によるカメラ本体100の把持領域は、右耳環116R、背面操作部材領域122、背面中央領域123、左耳環116L、三脚座124の計5箇所である。従って、カメラの動作制限の使用する温度計は、それぞれの把持領域に対応した温度計T1、T2、T3、T5、T6となる。
・把持姿勢5の場合、表示ユニット110の第一の回転中心軸Aの回転角度が180°および第二の回転中心軸Bの回転角度が180°〜270°であり、表示ユニット110の表示面111aが下側に向かって被写体に対向している状態
このとき、撮影者によるカメラ本体100の把持領域は、右耳環116R、背面操作部材領域122、背面中央領域123、三脚座124の計4箇所である。従って、カメラの動作制限の使用する温度計は、それぞれの把持領域に対応した温度計T1、T2、T3、T6となる。
例えば、把持姿勢1と把持姿勢2とを比較した場合、前述の図7に示すような温度計の出力値を仮定すると、把持姿勢1の場合には最も早くカメラの動作停止に達する時間はt5となり、把持姿勢2の場合はt3となる。従来は把持姿勢によらず、いずれかの温度計が閾値を超えた場合にカメラの動作制限がされていた。一方、本実施形態によれば、把持姿勢2よりも把持姿勢1の場合の方が、カメラの動作停止に達する時間、すなわちカメラの撮影時間が長くなる。把持姿勢に応じてカメラ動作制限の判定をする温度計を選択することで、不要にカメラの動作制限がされることを低減できる。
以上説明したように、本実施例において、表示ユニット110に設けた第一のジャイロセンサ30による回転角度の出力結果より、撮影者によるカメラ本体100の把持領域を判定し、カメラの動作制限に使用する温度計を決定する。これにより、制御すべき温度計を明確にすることで最適なカメラ動作制御が可能となり、撮影者(ユーザ)操作に影響のない領域の温度上昇により動作制限をされることを低減させて、撮影者にとっての使い勝手を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、カメラ本体100の電源ON時におけるカメラ本体100と表示ユニット110のキャリブレーション(初期位置設定)の方法について図10を用いて説明する。具体的には、カメラ本体100と表示ユニット110が所定の位置関係にあるときのジャイロセンサ30、ジャイロセンサ31の出力を初期値としてキャリブレーションを行う。
図10は、本発明の第1の実施形態に係るジャイロセンサのキャリブレーションの例を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、カメラマイコン10のCPU(コンピュータ)によって、各処理ブロックを制御し実行される処理手順を図示したものである。CPU(コンピュータ)が有するメモリ(ROM、RAM)に格納されているプログラムを展開し、CPU(コンピュータ)が実行することにより実現される。
本フローは、カメラ本体100の電源オン(ON)になったときに開始される。ステップS1の電源オン(ON)操作でカメラの動作を開始する。
ステップS2で、カメラ本体100の姿勢情報を取得するために、表示ユニット110のジャイロセンサ30とカメラ本体100のジャイロセンサ31の検出が開始される。
ステップS3で、カメラ本体100のジャイロセンサ31のキャリブレーション(初期位置設定)を行う。すなわち、そのときのジャイロセンサ31の出力を基準値として設定する。
ステップS4では、表示ユニット110が開き状態かどうかを判定する。表示ユニット110が閉じ状態(S4でNO)であれば、ステップS5に移行し、表示ユニット110が開き状態(S4でYES)であれば、ステップS6に移行する。
ステップS5では、表示ユニット110のジャイロセンサ30のキャリブレーション(初期位置設定)を行う。すなわち、表示ユニット110がカメラ本体に対して閉じられた状態であるときの、ジャイロセンサ30の出力を基準値として設定する。その後、ステップS9へ進む。
一方、ステップS6へ進んだ場合には、表示ユニット110を閉じるよう、撮影者(ユーザ)に対してディスプレイへの表示などの手段を用いて報知する。
その後、ステップS7に移行し、一定時間が経過したか否かを判断する。一定時間を経過していない場合は(S7でNO)S4に戻り、一定時間が経過する、又は、表示ユニット110が閉じられるまで、ステップS4〜S7を繰り返す。表示ユニット110が閉じられずに、一定時間が経過した場合(S7でYES)には、ステップS8へ進む。
次のステップS8では、制限対象とする温度計を設定する。すなわち、カメラ本体100と表示ユニット110の位置関係が所定の状態にならず、ジャイロセンサ30又はジャイロセンサ31の基準となる出力値が取得できない場合は、すべての温度計を制限対象の温度計として設定する。この場合は、このあと、ジャイロセンサ30、31によるカメラ本体100と表示ユニット110の位置関係に応じた把持領域の判定と、制限対象の温度計の変更を行わない。その後、ステップS9へ進む。
ステップS9は、撮影待機状態である。ここで本フローチャートを終了する。その後は、ジャイロセンサのキャリブレーションができなかった場合(第2の実施形態でステップS8へ進んだ場合)は全ての温度計を、そのほかの場合は第1の実施形態で説明した把持姿勢の検出結果に基づいて制限対象とされた温度計を、監視する。そして、監視している温度計の出力が所定以上になったときはカメラの動作制限を行う。
以上、本実施形態によれば、ジャイロセンサの基準値を設定して、バリアングルの閉開状態を正しく判定することができるようになる。また、ジャイロセンサの基準値が決まらない場合に、正しい把持姿勢が判定できず、誤った温度計を制限対象の温度計として設定されてしまうことを防ぐことができる。なお、本実施形態では、キャリブレーションの処理は、電源ONされたタイミングで実行したが、これに限られない。例えば、表示ユニット110が開状態から閉状態になったときに、本処理を実行してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上記実施形態に限定されるものではなく、対象となる回路形態により適時変更されて適応するべきものである。例えば、上述した実施形態で、撮像装置として説明したカメラは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに適用でき、また撮像装置に限らず他の電子機器にも適用することができる。
また、本実施形態に係る撮像装置を構成する各手段および撮像装置の制御方法の各ステップは、コンピュータのメモリなどに記憶されたプログラムが動作することによっても実現できる。このコンピュータプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
30 ジャイロセンサ
110 表示ユニット
115 ヒンジ機構
117 TFT
118 TFTフレーム
119 TFT背面カバー
120 TFT基板
121 細線同軸ケーブル
126 TFT前面カバー

Claims (10)

  1. 温度を検出する複数の温度検出手段と、
    前記複数の温度検出手段のうち、判定に用いる温度検出手段を決定する決定手段と、
    前記決定手段により判定に用いると決定された温度検出手段のいずれかの検出結果が所定の温度以上の場合に動作を制限する制限手段と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 前記決定手段は、ユーザにより把持されている領域の近傍にある温度検出手段を判定に用いる温度検出手段とする、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 本体に対して水平および垂直の少なくともいずれかの方向に回動可能な表示ユニットと、
    本体の姿勢を検知する第1の姿勢検知手段と、
    前記表示ユニットの姿勢を検知する第2の姿勢検知手段と、をさらに有し、
    前記決定手段は、前記第1の姿勢検知手段の検知結果、又は、前記第1の姿勢検知手段および前記第2の姿勢検知手段の検知結果に基づいて、判定に用いる温度検出手段を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. ファインダと、
    前記ファインダにユーザの近接があるか否かを検出する接眼検知センサと、をさらに有し、
    前記決定手段は、前記接眼検知センサの検知結果に基づいて、判定に用いる温度検出手段を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
  5. 前記第1および第2の姿勢検知手段は、ジャイロセンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
  6. 前記第1および第2の姿勢検知手段の基準値を取得する取得手段、をさらに有し、
    前記取得手段は、機器の電源がオンされたときに、前記第1および第2の姿勢検知手段の値を基準値として取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
  7. 前記表示ユニットの本体に対する閉状態を検出する検出手段と、
    前記取得手段は、前記表示ユニット閉状態になったときに、前記第1および第2の姿勢検知手段の値を基準値として取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
  8. 温度を検出する複数の温度検出手段を有する電子機器の制御方法であって、
    前記複数の温度検出手段のうち、判定に用いる温度検出手段を決定するステップと、
    判定に用いると決定された温度検出手段のいずれかの検出結果が所定の温度以上の場合に動作を制限するステップと、
    を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
  9. 請求項8に記載の各ステップをコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記載したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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