以下に、本願に係る基板処理装置および基板処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る基板処理装置および基板処理方法が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る基板処理装置の構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。また、図2は、第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
基板処理装置1は、半導体ウェハやガラス基板等の基板(以下、ウェハWと記載する)の下面を水平に吸着保持する2つの吸着パッド10と、この吸着パッド10から受け取ったウェハWの下面を水平に吸着保持するスピンチャック11と、上面が開口した筐体13と、ウェハWの上面の洗浄処理を行う第1洗浄部17と、ウェハWの下面の洗浄処理を行う第2洗浄部18とを備える。
なお、ウェハWの上面および下面の少なくとも一方には回路が形成されている。ここでは、ウェハWの上面に回路が形成されているものとする。
図1に示すように、2つの吸着パッド10は、細長の略矩形状に形成されており、ウェハW下面の周縁部を保持できるように、平面視においてスピンチャック11を挟んで略平行に設けられている。各吸着パッド10は、当該吸着パッド10より長い略矩形状の支持板14によりそれぞれ支持されている。支持板14は、駆動機構(図示せず)により水平方向(図1のX軸方向)および上下方向(図1のZ軸方向)に移動自在な枠体15によりその両端部を支持されている。
枠体15の上面には、上部カップ16が設けられている。上部カップ16の上面には、ウェハWの直径より大きな径の開口部が形成されており、この開口部を介して基板処理装置1の外部に設けられた搬送機構と吸着パッド10との間でウェハWの受け渡しが行われる。
図2に示すように、スピンチャック11は、シャフト20を介して駆動機構21に接続される。スピンチャック11は、駆動機構21により回転および上下動自在となっている。
スピンチャック11の周囲には昇降機構(図示せず)により昇降自在な、たとえば3つの昇降ピン22が設けられている。これにより、昇降ピン22と、基板処理装置1の外部に設けられた搬送機構(図示せず)との間でウェハWの受け渡しを行うことができる。
筐体13の底部には、洗浄液を排出するドレン管40と、基板処理装置1内に下方向の気流を形成し、且つ当該気流を排気する排気管41とが設けられている。
次に、第1洗浄部17および第2洗浄部18の構成について説明する。図2に示すように、第1洗浄部17は、第1洗浄体171と、第1支柱部材172と、第1駆動部173とを備える。
第1洗浄体171は、ウェハWの上面に押し当てられる部材である。第1洗浄体171は、たとえば、多数の毛束で構成されたブラシである。第1洗浄体171の下面すなわちウェハWとの接触面は、たとえばウェハWの上面よりも小さい円形状を有する。なお、第1洗浄体171は、スポンジであってもよい。
第1洗浄体171の上面には、第1支柱部材172が設けられる。第1支柱部材172は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って延在し、一端部において第1洗浄体171を支持する。
第1支柱部材172の他端部には、第1駆動部173が設けられる。第1駆動部173は、第1支柱部材172を鉛直軸まわりに回転させる。これにより、第1支柱部材172に支持された第1洗浄体171を鉛直軸まわりに回転させることができる。
第1洗浄部17は、アーム70によって水平に支持される。アーム70には、スピンチャック11に保持されたウェハWの上面に対して洗浄用流体を供給する洗浄ノズル70aが、第1洗浄部17に隣接して設けられる。洗浄用流体としては、たとえば純水が用いられる。
アーム70には、第1洗浄体171のウェハWへの押し当て力を検知する荷重検知部75が設けられる。荷重検知部75は、たとえばロードセルである。
アーム70は、移動部71に接続される。移動部71は、水平方向(ここでは、X軸方向)に沿って延在するレール72に沿ってアーム70を水平移動させる。また、移動部71は、アーム70を鉛直方向(Z軸方向)に沿って昇降させる。
第2洗浄部18は、第2洗浄体181と、第2支柱部材182と、第2駆動部183とを備える。
第2洗浄体181は、ウェハWの下面に押し当てられる部材である。第2洗浄体181は、たとえば、多数の毛束で構成されたブラシである。第2洗浄体181の上面すなわちウェハWとの接触面は、たとえばウェハWの上面よりも小さい円形状を有する。なお、第2洗浄体181は、スポンジであってもよい。
第2洗浄体181の下面には、第2支柱部材182が設けられる。第2支柱部材182は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って延在し、一端部において第2洗浄体181を支持する。
第2支柱部材182の他端部には、第2駆動部183が設けられる。第2駆動部183は、第2支柱部材182を鉛直軸まわりに回転させる。これにより、第2支柱部材182に支持された第2洗浄体181を鉛直軸まわりに回転させることができる。
第2洗浄部18は、アーム80によって水平に支持される。アーム80には、吸着パッド10またはスピンチャック11に保持されたウェハWの下面に対して洗浄用流体を供給する洗浄ノズル80aが、第2洗浄体181に隣接して設けられている。洗浄用流体としては、たとえば純水が用いられる。
アーム80は、移動部81に接続される。移動部81は、水平方向(ここでは、Y軸方向)に沿って延在するレール82に沿ってアーム80を水平移動させる。また、移動部81は、アーム80を鉛直方向(Z軸方向)に沿って昇降させる。
アーム80は、たとえば図示しない駆動部によって水平方向(X軸方向)に沿って伸縮する。これにより、アーム80は、第2洗浄部18および洗浄ノズル80aをX軸方向すなわち第1洗浄部17の移動方向と同じ方向に沿って移動させることができる。
アーム80には、第2洗浄体181のウェハWへの押し当て力を検知する荷重検知部85が設けられる。荷重検知部85は、たとえばロードセルである。
以上の基板処理装置1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、たとえばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理装置1におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種駆動装置や移動装置などの駆動系の動作や各種ノズルを制御して、基板処理装置1における洗浄処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、たとえばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部200にインストールされたものであってもよい。
次に、基板処理装置1におけるウェハWの洗浄処理について説明する。図3は、基板処理装置1による一連の洗浄処理の手順を示すフローチャートである。また、図4および図5は、搬入処理の動作例を示す図であり、図6〜図8は、下面洗浄処理の動作例を示す図であり、図9〜図13は、両面洗浄処理の動作例を示す図である。
図3に示すように、基板処理装置1では、まず、搬入処理が行われる(ステップS101)。搬入処理では、図4に示すように、基板処理装置1の外部に設けられた搬送機構90によりウェハWが上部カップ16の上方に搬送される。つづいて、昇降ピン22が上昇して、ウェハWが昇降ピン22に受け渡される。このとき、吸着パッド10はその上面が第2洗浄体181の上面よりも高い位置で待機し、スピンチャック11はその上面が第2洗浄体181の上面より低い位置まで退避している。その後、昇降ピン22が下降して、図5に示すように、ウェハWが吸着パッド10に受け渡されて吸着保持される。
つづいて、下面洗浄処理が行われる(ステップS102)。下面洗浄処理では、まず、図6に示すように、ウェハWを保持した吸着パッド10を支持板14および上部カップ16とともに水平方向(ここでは、X軸方向)に移動させる。これにより、スピンチャック11がウェハWの外周部に近い場所に配置され、第2洗浄部18がウェハWの中央部に近い場所に配置された状態となる。
つづいて、図7に示すように、たとえば、移動部81(図2参照)を用いて第2洗浄部18を上昇させることにより、第2洗浄体181をウェハWの下面に押し当てる。このとき、移動部81は、第2洗浄体181のウェハWへの押し当て力が所望の値となるように、第2洗浄部18を上昇させる。第2洗浄部18を上昇させる距離は、たとえば荷重検知部85の検知結果に基づいて決定することができる。ここでは、第2洗浄部18を上昇させることとしたが、吸着パッド10を下降させることによってウェハWの下面を第2洗浄体181に押し当ててもよい。また、第2洗浄部18を上昇させつつ、吸着パッド10を下降させてもよい。
その後、洗浄ノズル80a(図1参照)からウェハWの下面への純水の供給を開始する。また、第2洗浄体181の回転を開始する。
第2洗浄部18によるウェハW下面の洗浄は、吸着パッド10によるウェハWの移動と移動部81による第2洗浄部18の移動との組み合わせにより進行する。たとえば、図8に示すように、第2洗浄体181に対して2つの吸着パッド10間をY軸方向に沿って往復移動させ、第2洗浄体181の移動方向が切り替わる際に第2洗浄体181の直径以下の距離だけ吸着パッド10をX軸負方向に移動させる。これにより、スピンチャック11によって吸着保持される領域を含むウェハWの中央領域Aが第2洗浄体181によって洗浄される。その後、第2洗浄体181の回転を停止し、洗浄ノズル80aからの純水の供給を停止する。
つづいて、両面洗浄処理が行われる(ステップS103)。両面洗浄処理では、まず、図9に示すように、吸着パッド10を移動させてウェハWの中央部をスピンチャック11の上方に位置させた後、吸着パッド10によるウェハWの吸着を解除し、スピンチャック11を上昇させることにより、吸着パッド10からスピンチャック11へウェハWを受け渡す。
また、図10に示すように、移動部71(図2参照)を用いて第1洗浄部17をウェハWの中央上方に位置させた後、第1洗浄部17を下降させて第1洗浄体171をウェハWの上面に押し当てる。このとき、移動部71は、第1洗浄体171のウェハWへの押し当て力が所望の値となるように、具体的には、第2洗浄体181のウェハWへの押し当て力と同一の値となるように、第1洗浄部17を下降させる。第1洗浄部17を下降させる距離は、たとえば荷重検知部75の検知結果に基づいて決定することができる。
ここでは、第1洗浄部17および第2洗浄部18の両方について、ウェハWへの押し当て力が所望の値となるように荷重検知部75,85の検知結果に基づく圧力制御を行うこととしたが、第1洗浄部17および第2洗浄部18のうち一方については、圧力制御を行わず、予め決められた高さ位置に配置された状態を維持する位置制御を行うようにしてもよい。たとえば、第1洗浄部17については予め決められた高さ位置に第1洗浄体171が配置された状態を維持しつつ、第2洗浄部18のウェハWへの押し当て力が所望の値となるように荷重検知部85の検知結果に基づいて第2洗浄部18の高さ位置を調整してもよい。これにより、第1洗浄部17および第2洗浄部18のうち一方の圧力制御のみで、ウェハWの上面および下面を同一の押し当て力で洗浄することが可能となるため、押し当て力の調整を容易化することができる。
つづいて、図11に示すように、駆動機構21を用いてスピンチャック11を回転させることによってウェハWを回転させる。また、洗浄ノズル70aからウェハWの上面への純水の供給を開始するとともに、第1洗浄体171の回転を開始する。そして、移動部71を用いて第1洗浄体171を水平方向(X軸正方向)に移動させる。これにより、ウェハWの上面の中央領域が第1洗浄体171によって洗浄される。なお、ウェハWおよび第1洗浄体171を回転させた後で、第1洗浄体171をウェハWに押し当てるようにしてもよい。
第2洗浄体181は、ウェハWの中心からレール72(図1参照)に沿った方向にずれた位置で停止しているものとする。すなわち、第2洗浄体181は、平面視において第1洗浄体171の進路と重なる位置に配置される。
つづいて、図12に示すように、第1洗浄体171と第2洗浄体181とが平面視において重なる位置に第1洗浄体171が到達すると、洗浄ノズル80a(図1参照)からウェハWの下面への純水の供給を開始するとともに、第2洗浄体181の回転を開始する。そして、図13に示すように、第1洗浄体171と第2洗浄体181とが平面視において重なり合った状態が維持されるように、第1洗浄体171と第2洗浄体181とをウェハWの外周部に向けて同一の速度で同一の方向(X軸正方向)に水平移動させる。つまり、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同期して水平移動させる。
第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同期して水平移動させる間、第1洗浄体171のウェハWへの押し当て力は、第2洗浄体181のウェハWへの押し当て力と同一となるように調整される。このため、第1洗浄体171に押されてウェハWが下方に撓んだり、第2洗浄体181に押されてウェハWが上方に撓んだりすることを防止することができる。
第1洗浄体171および第2洗浄体181がウェハWの外周部に到達すると、第1洗浄体171および第2洗浄体181の回転を停止し、洗浄ノズル70a,80aからの純水の供給を停止する。また、第1洗浄体171および第2洗浄体181をウェハWから退避させる。
なお、洗浄ノズル70aからの純水の供給を停止するタイミングは、洗浄ノズル80aからの純水の供給を停止した後であることが好ましい。これにより、ウェハW下面から回路形成面であるウェハWの上面への純水の回り込みを抑制することができる。ただし、これに限らず、洗浄ノズル70a,80aからの純水の供給を同時に停止することとしてもよい。
つづいて、乾燥処理が行われる(ステップS104)。乾燥処理では、スピンチャック11を高速で回転させてウェハWに付着している純水を振り切ることによってウェハWを乾燥させる。
その後、搬出処理が行われる(ステップS105)。搬出処理では、搬入処理(ステップS101)とは逆の順序でウェハWが搬送機構90に受け渡される。これにより、1枚のウェハWについての一連の洗浄処理が終了する。
このように、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、第1洗浄部17および第2洗浄部18を同期して水平移動させることによってウェハWの上面および下面の両方を同時に洗浄する両面洗浄処理を行うこととした。
これにより、ウェハWの上面とウェハWの下面とを別個に洗浄する場合と比べ、ウェハWをより強い押し当て力で洗浄することができる。この点について図14および図15を参照して説明する。図14は、ウェハWの下面のみを洗浄する場合の例を示す図であり、図15は、ウェハWの両面を同時に洗浄する場合の例を示す図である。
図14に示すように、たとえば、第2洗浄部18を用いてウェハWの下面のみを洗浄する場合、第2洗浄体181をウェハWに押し当てることで、ウェハWが第2洗浄体181から逃げる方向に撓んでしまうため、ウェハWに強い力を加えることが難しい。これは、第1洗浄体171を用いてウェハWの上面のみを洗浄する場合も同様である。
また、第2洗浄部18を用いてウェハWの下面のみを洗浄する場合、第2洗浄体181をウェハWに押し当てることで、ウェハWに上向きの力が加わるため、ウェハWがスピンチャック11から外れてしまうおそれがある。したがって、第2洗浄体181の押し当て力は、スピンチャック11の吸着力による制約を受けることとなる。つまり、スピンチャック11からウェハWが外れない程度の押し当て力に制限される。このような理由から、ウェハWの下面を強力に洗浄することは特に困難である。
これに対し、第1の実施形態に係る基板処理装置1では、第1洗浄部17と第2洗浄部18とでウェハWを挟み込むことで、ウェハWを上方および下方の両方向から押し付けることとした。これにより、第1洗浄部17がウェハWを押し下げる力と第2洗浄部18がウェハWを押し上げる力とを互いに打ち消し合うことができる。このため、ウェハWを撓ませることなく、また、スピンチャック11の吸着力による制約を受けることなく、第1洗浄部17および第2洗浄部18の押し当て力を高く設定することが可能となる。たとえば、ウェハW上面に与えることが許容される力(たとえば膜を削り過ぎない圧力)またはウェハW上面の洗浄を効果的に行うことができる力に応じて決定される第1洗浄体171の押し当て力にウェハW下面の押し当て力を合わせることで、スピンチャック11の吸着力による制約を考慮して決定される押し当て力よりも強い押し当て力でウェハWの下面を強力に洗浄することができる。
このように、第1の実施形態に係る基板処理装置1によれば、単一の洗浄体を用いてウェハWの一方の面のみを洗浄する場合と比較して、ウェハWを強力に洗浄することができる。
また、第1の実施形態に係る基板処理装置1によれば、ウェハWの上面および下面を同時に洗浄することにより、たとえば、ウェハWの一方の面を洗浄した後、反転機構を用いてウェハWの表裏を反転した後で、他方の面の洗浄を行う場合と比較して、ウェハWの両面を洗浄するのに要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態に係る基板処理装置1では、たとえば、平面視において第1洗浄体171と第2洗浄体181とが完全に重なった場合、具体的には、第1洗浄体171の回転中心と第2洗浄体181の回転中心とが平面視において一致した場合に、第2洗浄体181を第1洗浄体171と同期して水平移動させる。これにより、第1洗浄体171の回転中心と第2洗浄体181の回転中心とがずれた状態で第1洗浄体171と第2洗浄体181とを水平移動させる場合と比べてウェハWの撓みをより確実に抑制することができる。
第1洗浄体171が受ける力は、第1洗浄体171がウェハWの中心側にずれていると、第1洗浄体171の位置がずれていないときよりも低くなり、外周側にずれている場合には、第1洗浄体171の位置がずれていないときよりも高くなる。そこで、制御部200は、荷重検知部75(図2参照)の検知結果に基づいて、第1洗浄体171の位置ずれを検出してもよい。第2洗浄体181についても同様であり、制御部200は、荷重検知部85の検知結果に基づき、第2洗浄体181の位置ずれを検出することが可能である。
第1洗浄体171のウェハWとの接触面のサイズと第2洗浄体181のウェハWとの接触面のサイズとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。たとえば、ウェハWの回路形成面は、回路が形成されていない面と比べてソフトに洗浄されることが望まれる場合がある。このような場合、ウェハWの回路形成面である上面を洗浄する第1洗浄体171の接触面のサイズを、第2洗浄体181の接触面のサイズよりも大きくしてもよい。接触面のサイズを大きくすることで、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同じ力でウェハWに押し当てた場合であっても、ウェハWの上面にかかる単位面積当たりの力を下面にかかる単位面積当たりの力よりも小さくすることができる。したがって、ウェハWの上面を下面よりもソフトに洗浄することができる。また、ウェハWの下面を洗浄する第2洗浄体181の接触面のサイズを、第1洗浄体171の接触面のサイズよりも大きくしてもよい。接触面のサイズを大きくすることで、より短い時間で対象面を洗浄することができる。また、接触面のサイズを大きくすることで、より少ない移動量でウェハWの洗浄対象部を洗浄することができることから、駆動部(たとえばレール72,82等)を小型化することができる。したがって、基板処理装置1を小型化することができる。
また、ウェハWの回路形成面をソフトに洗浄したい場合、ウェハWの回路形成面である上面を洗浄する第1洗浄体171を、第2洗浄体181よりも柔らかい素材で形成することとしてもよい。第1洗浄体171を柔らかい素材で形成することで、回路形成面に傷を付けにくくすることができるため、ウェハWの上面を下面よりもソフトに洗浄することができる。
また、ここでは、平面視において第1洗浄体171と第2洗浄体181とが完全に重なった場合、言い換えれば、第1洗浄体171の回転中心と第2洗浄体181の回転中心とが平面視において一致した場合に、第2洗浄体181を第1洗浄体171と同期して移動させることとした。しかし、第1洗浄体171と第2洗浄体181との同期を開始させるタイミングは、上記の例に限定されない。この点について図16および図17を参照して説明する。図16および図17は、第1洗浄体171と第2洗浄体181との同期を開始させるタイミングの他の例を示す図である。
上述した例では、第1洗浄体171がX軸正方向に沿って移動していき、平面視において第1洗浄体171の回転中心R1が第2洗浄体181の回転中心R2と一致した時点で、第2洗浄体181を第1洗浄体171と同期して移動させることとした。しかし、第1洗浄体171と第2洗浄体181との同期は、第1洗浄体171のウェハWとの接触面と第2洗浄体181のウェハWとの接触面とが平面視において重複している期間内に開始されればよい。
したがって、たとえば図16に示すように、第1洗浄体171のX軸方向への移動によって第1洗浄体171の接触面の一部と第2洗浄体181の接触面の一部とが重なり合った後、第1洗浄体171の回転中心R1と第2洗浄体181の回転中心R2とが平面視において一致する前に、第2洗浄体181を第1洗浄体171と同期して移動させてもよい。また、図17に示すように、第1洗浄体171の接触面と第2洗浄体181の接触面とが重なり合っている間であれば、第1洗浄体171の回転中心R1と第2洗浄体181の回転中心R2とが平面視において一致した後に、第2洗浄体181を第1洗浄体171と同期して移動させてもよい。
また、第2洗浄体181の接触面は、平面視において必ずしも第1洗浄体171の接触面と重複していることを要しない。この点について図18を参照して説明する。図18は、第2洗浄体181が第1洗浄体171と重複する位置の他の例を示す図である。
図18に示すように、ウェハWが中心軸Cまわりに一回転する間に第1洗浄体171とウェハWの上面とが接触する領域(以下、接触領域Bと記載する)と、第2洗浄体181のウェハWとの接触面とが平面視において重複した状態が維持されるように、第2洗浄体181を第1洗浄体171と同期して水平移動させてもよい。この場合であっても、第2洗浄部18がウェハWを押し上げる力を、第1洗浄部17がウェハWを押し下げる力によって弱めることができる。このため、ウェハWを撓ませることなく、また、スピンチャック11の吸着力による制約を受けることなく、第2洗浄部18の押し当て力を高く設定することが可能となる。
この場合の両面洗浄処理の例について図19〜図21を参照して説明する。図19〜図21は、両面洗浄処理の他の動作例を示す図である。
たとえば、図19に示すように、第1洗浄体171をウェハWのX軸正方向側の端部の上面に接触させ、第2洗浄体181をウェハWのX軸正方向側の端部の下面に接触させる。つづいて、第1洗浄体171および第2洗浄体181を回転させて、第1洗浄体171および第2洗浄体181をウェハWのX軸負方向側の端部に向けてX軸負方向に沿って同一の速度で移動させる。これにより、第2洗浄体181は、平面視において接触領域Bと重複した状態を維持しながら移動する。
つづいて、図20に示すように、スピンチャック11と干渉する手前の位置で第2洗浄体181の移動および回転を停止させる。一方、第1洗浄体171については引き続き移動を継続させる。これにより、第1洗浄体171と第2洗浄体181との同期は解除される。
つづいて、図21に示すように、第1洗浄体171がX軸負方向側へさらに移動して、第2洗浄体181と接触領域Bとが平面視において再び重複すると、第2洗浄体181を回転させ、第1洗浄体171と同一の速度で且つ第1洗浄体171とは反対方向に第2洗浄体181を移動させる。これにより、第2洗浄体181は、再び、平面視において接触領域Bと重複した状態を維持しながら移動する。その後、第1洗浄体171がウェハWのX軸負方向側の端部に到達するとともに、第2洗浄体181がウェハWのX軸正方向側の端部に到達した場合に、第1洗浄体171および第2洗浄体181の回転を停止して、両面洗浄処理を終える。
上述してきたように、第1の実施形態に係る基板処理装置1は、スピンチャック11(保持部の一例)と、第1洗浄体171と、アーム70、移動部71およびレール72(第1移動機構の一例)と、第2洗浄体181と、アーム80、移動部81およびレール82(第2移動機構の一例)と、制御部200とを備える。スピンチャック11は、ウェハW(基板の一例)を保持する。第1洗浄体171は、スピンチャック11に保持されたウェハWの上面に接触してウェハWの上面を洗浄する。アーム70、移動部71およびレール72は、第1洗浄体171を水平移動させる。第2洗浄体181は、スピンチャック11に保持されたウェハWの下面に接触してウェハWの下面を洗浄する。アーム80、移動部81およびレール82は、第2洗浄体181を水平移動させる。制御部200は、移動部71およびアーム80を制御して、ウェハWの上面に接触させた第1洗浄体171とウェハWの下面に接触させた第2洗浄体181とを同期して水平移動させる両面洗浄処理を実行する。
たとえば、制御部200は、スピンチャック11に保持されたウェハWを厚み方向から見た平面視において、第1洗浄体171のウェハWの上面との接触面と第2洗浄体181のウェハWの下面との接触面とが重複した状態を維持しつつ第1洗浄体171と第2洗浄体181とを水平移動させる処理を両面洗浄処理として実行する。
これにより、たとえば、第1洗浄部17がウェハWを押し下げる力と第2洗浄部18がウェハWを押し上げる力とを互いに打ち消し合うことができるため、ウェハWを撓ませることなく、また、スピンチャック11の吸着力による制約を受けることなく、第1洗浄体171および第2洗浄部18の押し当て力を高く設定することが可能となる。したがって、第1の実施形態に係る基板処理装置1によれば、第1洗浄体171および第2洗浄体181を用いてウェハWを強力に洗浄することができる。
また、基板処理装置1は、第1洗浄体171を鉛直軸まわりに回転させる第1駆動部173と、第2洗浄体181を鉛直軸まわりに回転させる第2駆動部183とをさらに備え、制御部200は、第1駆動部173による第1洗浄体171の回転中心と第2駆動部183による第2洗浄体181の回転中心とを一致させた状態で、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを水平移動させる処理を両面洗浄処理として実行する。これにより、第1洗浄体171の回転中心と第2洗浄体181の回転中心とがずれている場合と比べてウェハWの撓みをより確実に抑制することができる。
また、制御部200は、両面洗浄処理において、第1洗浄体171のウェハWの上面への押し当て力と第2洗浄体181のウェハWの下面への押し当て力とが同一の大きさとなるように、移動部71または移動部81の少なくとも一方を制御して、第1洗浄体171および第2洗浄体181の少なくとも一方の高さ位置を調整する。このように、第1洗浄体171のウェハWの上面への押し当て力と第2洗浄体181のウェハWの下面への押し当て力とを同一の大きさとすることで、たとえば、第1洗浄体171の押し当て力が第2洗浄体181の押し当て力を上回ることで、ウェハWが下方に撓んだり、第2洗浄体181の押し当て力が第1洗浄体171の押し当て力を上回ることで、ウェハWが上方に撓んだりすることを抑制することができる。
また、基板処理装置1は、第1洗浄体171のウェハWの上面への押し当て力または第2洗浄体181のウェハWの下面への押し当て力を検知する荷重検知部75,85をさらに備える。そして、制御部200は、第1洗浄体171および第2洗浄体181のうち一方を予め決められた高さ位置に配置し、第1洗浄体171および第2洗浄体181のうち他方の高さ位置を荷重検知部75,85の検知結果に基づいて調整する。これにより、押し当て力の調整を容易化することができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、上部カップ16の高さを一定に保った状態で下面洗浄処理(ステップS102)と両面洗浄処理(ステップS103)とを行うこととしたが、下面洗浄処理と両面洗浄処理とで上部カップ16の高さを変えてもよい。かかる場合について図22および図23を参照して説明する。図22は、下面洗浄処理における上部カップ16の高さ位置を示す図であり、図23は、両面洗浄処理における上部カップ16の高さ位置を示す図である。
たとえば、図22に示すように、第2の実施形態に係る基板処理装置1Aは、上部カップ16と独立して支持板14を昇降させる昇降機構45を備える。昇降機構45は、たとえば、支持板14を支持する支柱部材46と、支柱部材46を昇降させる駆動部47とを備える。
基板処理装置1Aでは、下面洗浄処理において、昇降機構45を用いて支持板14を上昇させることにより、上部カップ16の高さ位置をH1に設定する。上部カップ16の高さ位置とは、吸着パッド10またはスピンチャック11に吸着保持されたウェハWの上面を基準とした場合の上部カップ16の高さ位置をいう。高さ位置H1は、ウェハWの下面から上面への純水等の回り込みを抑制することのできる位置である。
つづいて、基板処理装置1Aでは、上部カップ16の高さ位置をH1よりも高いH2に設定した後で、両面洗浄処理が行われる。すなわち、上部カップ16の高さ位置をH2に変更した後で、洗浄ノズル70aからウェハWの上面への純水の供給が開始される。高さ位置H2は、回転する第1洗浄体171から飛散する純水等が上部カップ16の外部へ飛散することを抑制することのできる高さ位置である。上部カップ16の高さ位置の変更は、たとえば、スピンチャック11の高さ位置を調整することにより行うことができる。
このように、基板処理装置1Aは、下面洗浄処理時と両面洗浄処理時とでウェハWを基準とする上部カップ16の高さ位置を変更してもよい。これにより、たとえば下面洗浄処理時におけるウェハWの上面への純水等の回り込みや両面洗浄処理時における上部カップ16外への純水等の飛散を抑制することができる。
(第3の実施形態)
上述した各実施形態では、基板処理装置1,1Aが、洗浄ツールとして、第1洗浄部17および第2洗浄部18を備える場合の例について説明したが、他の洗浄ツールを備えていてもよい。かかる点について図24を参照して説明する。図24は、他の洗浄ツールの例を示す図である。
図24に示すように、第3の実施形態に係る基板処理装置1Bは、第1洗浄部17および第2洗浄部18以外に、たとえば、ブラシやスポンジ等の洗浄体を用いてウェハWの端部を洗浄する第3洗浄部30、ウェハWの下面に向けて洗浄用流体を供給する第4洗浄部31、ウェハWの上面に向けて洗浄用流体を供給する第5洗浄部32等を備えていてもよい。基板処理装置1Bは、これら複数の洗浄ツールの中から、対象とするウェハWの種類に応じて最適なツールを選択して用いることができる。
たとえば、下面洗浄処理において、第2洗浄部18に加えて、第4洗浄部31を用いてウェハWの下面を洗浄してもよい。また、両面洗浄処理において、第1洗浄部17に加えて、第5洗浄部32を用いてウェハWの上面を洗浄してもよい。このように、複数種の洗浄ツールで同時に洗浄することで、洗浄時間を短縮することができる。また、たとえば、第1洗浄体171または第2洗浄体181によって浮き上がったゴミ等を第4洗浄部31または第5洗浄部32を用いて効率的に除去することができる。また、両面洗浄処理を終えた後に、第4洗浄部31および第5洗浄部32を用いてリンス処理を行い、その後、乾燥処理を行うようにしてもよい。
第4洗浄部31および第5洗浄部32は、たとえば2流体ノズルである。2流体ノズルとしての第4洗浄部31および第5洗浄部32は、洗浄液をミスト化してウェハWに吹き付ける。なお、第4洗浄部31および第5洗浄部32は、2流体ノズルに限らず、洗浄液を吐出する通常のノズルであってもよい。
また、基板処理装置1Bは、除去性能がそれぞれ異なる複数の第1洗浄部17を備えていてもよい。たとえば、高い除去性能が要求される場合には、除去能力の高い第1洗浄体171を持つ第1洗浄部17を使用したり、上面を極力傷つけずに洗浄したい場合には、柔らかい第1洗浄体171を持つ第1洗浄部17を使用したりすることができる。同様に、基板処理装置1Bは、除去性能がそれぞれ異なる複数の第2洗浄部18を備えていてもよい。
このように、基板処理装置1Bは、第1洗浄部17および第2洗浄部18以外の洗浄ツールを備えていてもよい。
(第4の実施形態)
上述した実施形態では、両面洗浄処理において、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同期させてウェハWの両面を同時に洗浄することとしたが、第2洗浄体181と同期させる洗浄ツールは、第1洗浄体171に限定されない。かかる点について図25を参照して説明する。図25は、第4の実施形態に係る両面洗浄処理の動作例を示す図である。
図25に示すように、第4の実施形態に係る基板処理装置1Cは、たとえば、洗浄ツールとして、第2洗浄部18と第5洗浄部32とを備える。第5洗浄部32は、2流体ノズルである。
第4の実施形態に係る基板処理装置1Cは、両面洗浄処理を第2洗浄部18と第5洗浄部32とを同期させて行う。具体的には、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同期させる場合と同様であり、図25に示すように、第5洗浄部32の吐出位置と第2洗浄体181の接触面とが平面視において重複する位置に第5洗浄部32が到達した場合に、第2洗浄体181を回転させるとともに、第5洗浄部32と同一の速度で同一の方向(X軸正方向)に水平移動させる。
第4の実施形態に係る基板処理装置1Cによれば、第2洗浄部18がウェハWを押し上げる力を、第5洗浄部32から供給されるミスト状の洗浄液がウェハWを押し下げる力によって弱めることができる。このため、ウェハWを撓ませることなく、また、スピンチャック11の吸着力による制約を受けることなく、第2洗浄部18の押し当て力を高く設定することが可能となる。なお、第2洗浄部18および第5洗浄部32を用いた両面洗浄処理においても、上部カップ16の高さ位置を下面洗浄処理時における高さ位置H1よりも高い位置に設定することが望ましい。これにより、第5洗浄部32から供給されたミスト化された洗浄液が上部カップ16外に飛散することを抑制することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、ウェハWの上面を洗浄する洗浄ツールと、ウェハWの下面を洗浄する洗浄ツールとを用いて両洗浄ツールを洗浄する処理について図26を参照して説明する。図26は、ツール洗浄処理の動作例を示す図である。
たとえば、図26に示すように、第5の実施形態に係る基板処理装置1Dは、第1洗浄部17と第2洗浄部18とを備える。かかる基板処理装置1Dは、吸着パッド10およびスピンチャック11にウェハWが吸着保持されていない場合、たとえば、搬出処理(ステップS105)後、次のウェハWの搬入処理(ステップS101)が行われる前に、ツール洗浄処理を行う。
具体的には、基板処理装置1Dは、第1洗浄体171のウェハWとの接触面と、第2洗浄体181のウェハWとの接触面とを接触させた状態で、第1洗浄体171および第2洗浄体181を回転させる。また、基板処理装置1Dは、洗浄ノズル70aから第2洗浄体181に向けて純水を供給する。これにより、第1洗浄体171の接触面と、第2洗浄体181の接触面とを同時に洗浄することができる。このとき、第1洗浄体171は、第2洗浄体181の回転方向と逆方向に回転させることで、第1洗浄体171の接触面および第2洗浄体181の接触面をより強力に洗浄することができる。
ツール洗浄処理は、上記の例に限定されない。たとえば、第3の実施形態に係る基板処理装置1Bは、第5洗浄部32から第2洗浄体181の接触面に向けて洗浄用流体を供給することによって第2洗浄体181の接触面を洗浄するツール洗浄処理を行ってもよい。また、基板処理装置1Bは、第4洗浄部31から第1洗浄体171の接触面に向けて洗浄用流体を供給することによって第1洗浄体171の接触面を洗浄するツール洗浄処理を行ってもよい。
(第6の実施形態)
上述した各実施形態では、両面洗浄処理において、第1洗浄部17と第2洗浄部18とを一部同期させる場合の例について説明したが、第1洗浄部17と第2洗浄部18とを完全に同期させることも可能である。かかる点について図27〜図30を参照して説明する。図27は、第6の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。図28は、第6の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す縦断面図である。また、図29および図30は、第6の実施形態に係る両面洗浄処理の動作例を示す図である。
図27および図28に示すように、第6の実施形態に係る基板処理装置1Eは、ウェハWの周縁部を把持する複数の把持部23を備えた環状の保持部24と、保持部24の外周側において保持部24と同心円状に配置された環状の固定部25と、保持部24と固定部25との間に配置された環状の軸受26とを備える。
固定部25は、たとえば上部カップ16Eの内壁に固定される。保持部24は、軸受26を介して固定部25に回転可能に支持される。軸受26は、たとえば、ボールベアリングである。
また、基板処理装置1Eは、保持部24の周面に架け渡されたベルト27とベルト27を介して保持部24を回転させる駆動部28とを備える。ベルト27は、たとえば、上部カップ16Eの側面に形成された開口部161を介して上部カップ16Eの外部に引き出されて駆動部28に接続される。
また、図27に示すように、第6の実施形態に係る第2洗浄部18は、アーム80Eによって水平に支持される。アーム80Eは、移動部81Eに接続される。移動部81Eは、水平方向(ここでは、X軸方向)に沿って延在するレール82Eに沿ってアーム80Eを水平移動させる。また、移動部81Eは、アーム80Eを鉛直方向(Z軸方向)に沿って昇降させる。
第6の実施形態に係る基板処理装置1Eは、搬入処理(ステップS101)の後、下面洗浄処理(ステップS102)を行うことなく、両面洗浄処理(ステップS103)を開始する。図29に示すように、第6の実施形態に係る両面洗浄処理では、第1洗浄体171をウェハWの上面の中央部に押し当てるとともに、第2洗浄体181をウェハWの下面の中央部に押し当てる。その後、駆動部28を用いて保持部24を回転させることによってウェハWを回転させる。また、第1洗浄体171および第2洗浄体181を回転させる。なお、ウェハW、第1洗浄体171および第2洗浄体181を回転させた後で、第1洗浄体171および第2洗浄体181をウェハWに押し当てるようにしてもよい。
つづいて、図30に示すように、第1洗浄体171と第2洗浄体181とをウェハWの外周部に向けて同一の速度で同一の方向(X軸正方向)に水平移動させる。これにより、ウェハWの上面の全面が第1洗浄体171によって洗浄されるとともに、ウェハWの下面の全面が第2洗浄体181によって洗浄される。
このように、第6の実施形態に係る基板処理装置1Eは、ウェハWの下面の中央部にスピンチャック11が存在しないため、第2洗浄体181の移動をウェハWの下面の中央部から開始させることができる。したがって、第6の実施形態に係る基板処理装置1Eによれば、両面洗浄処理において第1洗浄体171と第2洗浄体181とを完全に同期させることができる。
なお、ここでは、両面洗浄処理をウェハWの中央部から開始することとしたが、両面洗浄処理は、ウェハWの一方(たとえば、X軸負方向側)の端部から開始してもよい。すなわち、第1洗浄体171および第2洗浄体181をウェハWの一方の端部から他方の端部へ向けて同一の速度で移動させてもよい。
また、ここでは、ベルト27を用いて保持部24を回転させる場合の例について示したが、保持部24を回転させる方法は、上記の例に限定されない。たとえば、ギアボックスを用いて保持部24を回転させてもよい。また、ウェハWの外周を保持する保持プレートと、保持プレートの下部に接続されるシャフトと、シャフトを回転させる駆動部とを備え、保持プレートおよびシャフトを上下に貫通する貫通孔を設け、かかる貫通孔に第2洗浄体181を支持するアームを挿通させて、第2洗浄体181をウェハWと保持プレートとの間に配置させた構成としてもよい。この構成によれば、シャフトに干渉することなく第2洗浄体181をウェハWの中央部から外周部まで移動させることができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第1洗浄体171および第2洗浄体181の他の構成例について説明する。一例として、第2洗浄体181の他の構成例を図31〜図33に示す。図31は、第7の実施形態に係る第2洗浄体の構成を示す斜視図である。また、図32は、第7の実施形態に係る第2洗浄体の構成を示す縦断面図である。また、図33は、第7の実施形態に係る第2洗浄体をウェハWに押し当てた状態を示す図である。
図31に示す第7の実施形態に係る第2洗浄体181Fは、洗浄体としての機能に加えて、ウェハWの下面を研磨する研磨体としての機能も有する。
具体的には、図31に示すように、第2洗浄体181Fは、たとえば発泡ウレタンや不織布などからなる研磨面50aを有する研磨部材50と、たとえばポリビニルアルコールやポリプロピレン、ナイロンといった伸縮自在な材料からなる洗浄部材51と、研磨部材50及び洗浄部材51を支持する支持部材52と、を有している。研磨部材50の研磨面50aは、たとえばウェハWの直径よりも小さくなるように形成された、たとえばウェハWの四分の一程度の直径の略円環形状の環状部材50bの上面に、発砲ウレタンや不織布で形成されたシートを張り付けることで構成されている。なお、図31では、研磨部材50の形状の一例として、所定の幅を有する円弧状の研磨面50aが所定の間隔を空けて同心円状に8つ設けられた状態を描図している。
洗浄部材51は、たとえば扇形に形成され、円環状の研磨部材50の内側に当該研磨部材50と同心円をなすように複数配置されている。なお、図31では、扇形に形成された4つの洗浄部材51が研磨部材50の内側に配置された場合の一例を示している。
研磨部材50及び洗浄部材51における支持部材52と反対側の面は、それぞれウェハWと対向して設けられた研磨面50aと洗浄面であり、たとえば図32に示すように、洗浄部材51の洗浄面51aは、研磨部材50の研磨面50aよりも上方に突出するように形成されている。したがって、第2洗浄体181FをウェハWの下面に近づけると、先ず洗浄部材51がウェハWの下面と接触する。そして、洗浄部材51は伸縮自在な材料により構成されているため、洗浄部材51がウェハWに接触した後も第2洗浄体181FをウェハW側に押圧することで、たとえば図33に示すように、洗浄部材51が押し縮められて研磨部材50もウェハWの下面と接触し、ウェハWの研磨処理が行えるようになる。
このように、第2洗浄体181Fは、研磨体としての機能を有していてもよい。この場合、たとえば、図33に示すように、研磨部材50をウェハWの下面に接触させた状態で第2洗浄体181Fを回転させることにより、ウェハWの下面を研磨することができる。また、その後、第2洗浄体181Fを僅かに下降させるなどしてウェハWの下面に洗浄部材51のみが接触した状態としたうえで、第2洗浄体181Fを回転させることにより、ウェハWの下面を洗浄することができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、洗浄体と研磨部とを個別に備えた基板処理装置の構成について図34〜図36を参照して説明する。図34は、第8の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す側面図である。また、図35および図36は、ウェハWと洗浄体および研磨体と回転板とを示す平面図である。
図34に示すように、第8の実施形態に係る基板処理装置1Gは、たとえば円板よりなり、吸着パッド10またはスピンチャック11に保持されたウェハWと対向するように設けられた面状体をなす回転板101と、この回転板101の上に設けられた洗浄体6Aおよび研磨体6Bとを備える。回転板101は、その下面側に設けられた旋回軸102を介して駆動機構103により鉛直軸まわりに回転自在に構成される。旋回軸102は、回転板101の中心に設けられる。したがって、平面視において回転板101の中心と旋回軸102の中心とが揃い、この中心が旋回中心O1となる。この例では、回転板101と旋回軸102と駆動機構103とにより旋回機構が形成されている。
図35に示すように、回転板101はその半径r1が、ウェハWの半径r2よりも小さくなるように設定されている。また、ウェハWの下面の中央部を含む領域を洗浄するときには、ウェハWが吸着パッド10に保持されて水平移動するが、旋回軸102はこのウェハWの移動領域内に設けられている。つまりウェハWの下面の中央部を含む領域を洗浄するときには、旋回軸102はウェハWに重なって位置するように配置されている。さらに平面視において、回転板101の旋回軸102と、スピンチャック11のシャフト20とが、水平方向(X軸方向)に沿って並ぶように設けられている。
洗浄体6Aおよび研磨体6Bは、たとえば円柱状のブラシよりなり、駆動軸111A,111Bを介して駆動機構112A,112Bに接続される。駆動機構112A,112Bは、回転板101上に設けられ、洗浄体6Aおよび研磨体6Bを昇降及び鉛直軸周りに回転させる。
洗浄体6Aおよび研磨体6Bは、回転板101上に互いに横方向に離れて配置されている。また、洗浄体6Aおよび研磨体6Bは、ウェハWがスピンチャック11により保持されて回転しているときに一方向に旋回することにより、これら洗浄体6Aおよび研磨体6Bの両方でウェハWの下面の中央部以外の全ての領域を洗浄および研磨できるように配置されている。一方向に旋回するとは、回転板101の旋回軸102からスピンチャック11のシャフト20を見て左側及び右側のうちの一方側この例では左側に位置する洗浄体6Aが他方側この例では右側に向かって旋回して移動することをいう。
この例では、平面視において、スピンチャック11に保持されたウェハWに対して、洗浄体6Aが中央にあるときに研磨体6Bが周縁に位置し、研磨体6Bが中央にあるときに洗浄体6Aが周縁に位置するように設けられている。周縁に位置するとは、スピンチャック11に保持されたウェハWの外縁を洗浄(研磨)できるように洗浄体6Aおよび研磨体6Bが位置し、中央に位置するとは、スピンチャック11の回転中心O2と旋回中心O1とを結んだ直線L上を洗浄(研磨)できるように洗浄体6Aおよび研磨体6Bが位置することをいう。図35は、洗浄体6Aが周縁にあり、研磨体6Bが中央にある状態を示し、図36は、洗浄体6Aが中央にあり、研磨体6Bが周縁にある状態を示している。
こうして左側に位置する洗浄体6Aが右側に向かう旋回の開始時には、研磨体6Bが、回転板101の旋回軸102とスピンチャック11のシャフト20とを結ぶ直線L上に位置し、旋回の終了時には、洗浄体6Aが直線L上に位置することとなる。さらに回転板101の半径r1はウェハWの半径r2よりも短いことから、洗浄体6Aおよび研磨体6Bの旋回半径は、ウェハWの半径r2よりも短くなる。旋回半径とは、洗浄体6Aおよび研磨体6Bの中心と回転板101の旋回中心O1を結ぶ線の長さをいう。
このように、洗浄体6Aと研磨体6Bとは、第7の実施形態に係る第2洗浄体181Fのように一体的に設けられる場合に限定されず、個別に設けられてもよい。
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について図37〜図39を参照して説明する。まず、第9の実施形態に係る基板処理装置の構成例について図37を参照して説明する。図37は、第9の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す平面図である。
図37に示すように、第9の実施形態に係る基板処理装置1Hは、第1洗浄部17Hを備える。
第1洗浄部17Hは、第1洗浄体171Hを備える。第1洗浄体171Hは、たとえば2流体ノズルである。かかる第1洗浄体171Hは、図示しない気体供給源から供給される気体と、図示しない液体供給源から供給される液体とを混合することにより、気体と液体とが混合した混合流体をウェハWの上面に吐出する。なお、気体供給源から供給される気体は、たとえば、窒素などの不活性ガスである。また、液体供給源から供給される液体は、たとえば、純水である。
第1洗浄部17Hは、アーム70Hによって水平に支持され、アーム70Hは、移動部71Hに接続される。移動部71Hは、水平方向(ここでは、Y軸方向)に沿って延在するレール72Hに沿ってアーム70Hを水平移動させる。
また、第9の実施形態に係る基板処理装置1Hにおいて、第2洗浄部18を支持するアーム80は、旋回部81Hに接続され、旋回部81Hは、アーム80を鉛直軸まわりに旋回させる。なお、基板処理装置1Hは、第1の実施形態に係る基板処理装置1と同様に、アーム80を水平移動させる移動部81を備える構成であってもよい。
次に、第9の実施形態における下面洗浄処理について図38を参照して説明する。図38は、第9の実施形態における下面洗浄処理の動作例を示す図である。
図38に示すように、第9の実施形態において、第2洗浄部18によるウェハW下面の洗浄は、吸着パッド10(図37参照)によるウェハWの移動と旋回部81Hによる第2洗浄部18の旋回移動との組み合わせにより進行する。具体的には、制御部200Hは、第2洗浄体181を回転させるとともに、一方(たとえば、Y軸正方向)への旋回移動と他方(たとえば、Y軸負方向)への旋回移動とを所定回数繰り返す。また、制御部200Hは、吸着パッド10によりウェハWをX軸負方向へ移動させる。これにより、中央領域Aが第2洗浄体181によって洗浄される。
次に、第9の実施形態に係る両面洗浄処理について図39を参照して説明する。図39は、第9の実施形態における両面洗浄処理の動作例を示す図である。
図39に示すように、制御部200Hは、両面洗浄処理において、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とが離れる方向に第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とを水平移動させる。
第1洗浄体171Hの吐出位置と第2洗浄体181の回転中心とが平面視において重複しない場合、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181との距離が近いと、第2洗浄体181によるウェハW下面の洗浄が適切に行われないおそれがある。これは、第1洗浄体171Hから吐出される混合流体の圧力によってウェハWが撓むことで、ウェハWが第2洗浄体181から部分的に浮いてしまうためである。したがって、第1洗浄体171Hの吐出位置と第2洗浄体181の回転中心とが平面視において重複しない場合、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とはできるだけ離した方がよい。
そこで、第9の実施形態では、両面洗浄処理において、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とが離れる方向に第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とを水平移動させることとした。これにより、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とが近づくことがないため、混合流体の圧力によるウェハWの撓みによってウェハWが第2洗浄体181から部分的に浮くことが抑制される。したがって、第2洗浄体181によるウェハW下面の洗浄を適切に行うことができることから、第2洗浄体181を用いてウェハWを強力に洗浄することができる。
具体的には、制御部200Hは、まず、スピンチャック11を回転させることによってウェハWを回転させる。また、制御部200Hは、ウェハWの外周部よりも径方向内側、且つ、ウェハWの中心よりも後述する第1洗浄体171Hの移動方向(ここでは、Y軸負方向)側にシフトした位置に第2洗浄体181を配置する。なお、この位置は、上述した下面洗浄処理の終了時における第2洗浄体181の位置であってもよい。その後、制御部200Hは、第2洗浄体181をウェハWの下面に接触させた状態で、洗浄ノズル80aからウェハW下面への純水の供給を開始するとともに、第2洗浄体181を回転させる。
つづいて、制御部200Hは、旋回部81Hを制御することにより、ウェハWの中心よりも第1洗浄体171Hの移動方向の反対側(ここでは、Y軸正方向側)にシフトした位置におけるウェハWの外周部まで第2洗浄体181を旋回移動させる。そして、制御部200Hは、第2洗浄体181がウェハWの外周部に到達すると、旋回部81Hによる第2洗浄体181の旋回移動を停止させて、第2洗浄体181をその場で一定時間回転させる。
また、制御部200Hは、移動部71Hを制御することにより、第1洗浄体171HをウェハWの中央上方に配置させ、第1洗浄体171HからウェハW上面の中心に混合流体を吐出させる。そして、制御部200Hは、第2洗浄体181が少なくともウェハWの中心よりも第1洗浄体171Hの移動方向の反対側(ここでは、Y軸正方向側)に移動した後のタイミングで、移動部71Hを制御することにより、第1洗浄体171HをウェハWの中心よりもY軸負方向の外周部まで移動させる。これにより、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とが近づくことなく両面洗浄処理を実行することができる。
上述したように、第9の実施形態に係る基板処理装置1Hは、保持部(一例として、スピンチャック11)と、第1洗浄体171Hと、第1移動機構(一例として、アーム70H、移動部71H、レール72H)と、第2洗浄体181と、第2移動機構(一例として、アーム80および旋回部81H)と、制御部200Hとを備える。保持部は、基板(一例として、ウェハW)を保持する。第1洗浄体171Hは、保持部に保持された基板の上面および下面のうち一方の面(一例として、上面)に流体(一例として、混合流体)を吐出することによって一方の面を洗浄する。第1移動機構は、第1洗浄体171Hを水平移動させる。第2洗浄体181は、保持部に保持された基板の上面および下面のうち他方の面(一例として、下面)に接触して他方の面を洗浄する。第2移動機構は、第2洗浄体181を水平移動させる。制御部200Hは、第1移動機構および第2移動機構を制御して、一方の面に対して流体を吐出している第1洗浄体171Hと下面に接触させた前記第2洗浄体とを同期して水平移動させる両面洗浄処理を実行する。
具体的には、制御部200Hは、両面洗浄処理において、第1移動機構および第2移動機構を制御して、第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とが離れる方向に第1洗浄体171Hと第2洗浄体181とを水平移動させる。
したがって、第9の実施形態に係る基板処理装置1Hによれば、混合流体の圧力によるウェハWの撓みの影響を受けにくくすることができることから、第2洗浄体181を用いてウェハWを強力に洗浄することができる。
なお、ここでは、第1洗浄体171Hを用いてウェハWの上面を洗浄し、第2洗浄体181を用いてウェハWの下面を洗浄する場合の例を示したが、第1洗浄部17Hを用いてウェハWの下面を洗浄し、第2洗浄体181を用いてウェハWの上面を洗浄してもよい。
また、ここでは、第1洗浄体171HをY軸負方向側に移動させる場合の例を示したが、第1洗浄体171Hの移動方向はこれに限定されず、たとえば、Y軸正方向側に移動させてもよい。この場合、制御部200Hは、第2洗浄体181を、ウェハWの中心よりもY軸方向正方向側にシフトした位置からウェハWの中心よりもY軸負方向側にシフトした位置におけるウェハWの外周部まで移動させればよい。
また、ここでは、第1洗浄体171Hが気体と液体との混合流体を吐出する2流体ノズルである場合の例を示したが、第1洗浄体171Hは、ウェハWに対して流体を供給するものであればよく、必ずしも2流体ノズルであることを要しない。
(変形例)
上述した実施形態では、両面洗浄処理の開始後、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同期させるまでの間、すなわち、第1洗浄体171がウェハWの中央部を洗浄している間、第2洗浄体181を停止させておくこととした。しかし、これに限らず、第1洗浄体171がウェハWの中央部を洗浄している間、第2洗浄体181を用いてウェハWの下面を洗浄してもよい。
また、上述した実施形態では、第1洗浄体171および第2洗浄体181をウェハWと同じ方向に回転させることとしたが、第1洗浄体171および第2洗浄体181をウェハWと逆方向に回転させてもよい。また、上述した実施形態では、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを同じ方向に回転させることとしたが、第1洗浄体171と第2洗浄体181とを逆方向に回転させてもよい。第1洗浄体171および第2洗浄体181の回転速度は、ウェハWの回転速度と同じであってもよいし、ウェハWの回転速度より遅くてもよいし、ウェハWの回転速度より速くてもよい。また、第1洗浄体171および第2洗浄体181は、必ずしも回転させなくてもよい。
また、上述した実施形態では、第1洗浄体171および第2洗浄体181をレール72,82に沿って直線的に移動させることとしたが、たとえば、鉛直軸まわりに旋回する第1旋回アームに第1洗浄体171を支持させるとともに、鉛直軸まわりに旋回する第2旋回アームに第2洗浄体181を支持させることにより、第1洗浄体171および第2洗浄体181を円弧状に移動させてもよい。この場合、第1旋回アームおよび第2旋回アームの旋回中心の位置を一致させることで、第1洗浄体171および第2洗浄体181の移動を同期させることができる。
また、上述した実施形態では、両面洗浄処理を行う場合の例について説明したが、たとえばウェハWの種類によっては、下面洗浄処理のみ行ってもよい。両面洗浄処理を行わず下面洗浄処理のみを行う場合、ウェハWの上面側への純水等の回り込みを抑制するため、両面洗浄処理を行う場合と比べてウェハWの回転数を低くしてもよい。また、両面洗浄処理を行わずにウェハWの上面の洗浄のみを行ってもよい。
ここで、ウェハWの両面洗浄処理は、回路形成面と回路が形成されていない面の洗浄に限定されない。たとえば、ウェハWの少なくとも一方が回路形成面に貼り合わされた部材であってもよい。その場合は、回路を保護する保護部材またはウェハ同士が接合した接合ウェハなどがある。また、回路が形成される前のウェハWであってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。