JP2019105649A - 異物検出装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】テラヘルツ波を利用して、対象物に含まれる異物を効率的に検出することが可能な異物検査装置及び方法を提供する。【解決手段】テラヘルツ波を対象物に向けて照射する照射手段101と、対象物50を透過したテラヘルツ波を反射する反射手段20と、対象物及び反射手段で反射されたテラヘルツ波を受信する受信手段108と、受信手段の出力から、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を、検出対象信号として特定する特定手段301と、特定された検出対象信号に基づいて、対象物に含まれる異物を検出する検出手段302と、を備える。照射手段によって照射されるテラヘルツ波の焦点は、反射手段に設定されている。【選択図】図2
Description
本発明は、テラヘルツ波を利用して、対象物に含まれる異物を検出する異物検出装置及び方法の技術分野に関する。
近年、テラヘルツ波イメージングの研究開発が活発化しており、例えば非破壊検査等への応用に期待が寄せられている。非破壊検査の一例として、テラヘルツ波を透過する第1部位及びテラヘルツ波を反射する第2部位からなる容器内に対象物を入れ、テラヘルツ波の該容器からの反射波を解析することによって得られる断層画像等から対象物に異物が含まれているか否かを検査する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術のように、対象物で反射されたテラヘルツ波を利用する測定方法では、対象物に異物が含まれている場合、該異物によって、検出されるテラヘルツ波が微弱となってしまう。このため、異物検査の検出精度が低下するという技術的問題点がある。特許文献1に記載の技術のように、テラヘルツ波を反射する容器を利用する場合であっても、照射されるテラヘルツ波の焦点が適切でなければ、反射されたテラヘルツ波を効率的に検出することが困難である。このため、テラヘルツ波を反射する容器を用いたとしても、異物検査の検出精度を高めることは困難である。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、テラヘルツ波を利用して、対象物に含まれる異物を効率的に検出することが可能な異物検査装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の異物検出装置は、上記課題を解決するために、テラヘルツ波を対象物に向けて照射する照射手段と、前記対象物を透過したテラヘルツ波を反射する反射手段と、前記対象物及び前記反射手段で反射されたテラヘルツ波を受信する受信手段と、前記受信信号の出力から、前記反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を、検出対象信号として特定する特定手段と、前記特定された検出対象信号に基づいて、前記対象物に含まれる異物を検出する検出手段と、を備え、前記照射手段によって照射される前記テラヘルツ波の焦点は、前記反射手段に設定されている。
本発明の異物検出方法は、上記課題を解決するために、テラヘルツ波を対象物に向けて照射する照射手段と、前記対象物を透過したテラヘルツ波を反射する反射手段と、前記対象物及び前記反射手段で反射されたテラヘルツ波を受信する受信手段と、を備える異物検出装置における異物検出方法であって、前記受信信号の出力から、前記反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を、検出対象信号として特定する特定工程と、前記特定された検出対象信号に基づいて、前記対象物に含まれる異物を検出する検出工程と、を備え、前記照射手段によって照射される前記テラヘルツ波の焦点は、前記反射手段に設定されている。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
(異物検出装置)
本発明の異物検出装置に係る実施形態について説明する。
本発明の異物検出装置に係る実施形態について説明する。
実施形態に係る異物検出装置は、照射手段、反射手段、受信手段、特定手段及び検出手段を備えて構成されている。
照射手段は、テラヘルツ波を対象物に向けて照射する。ここで、テラヘルツ波とは、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後の周波数領域(即ち、テラヘルツ領域)に属する電磁波である。照射されたテラヘルツ波は、その一部が対象物で反射され、その他の部分が対象物を透過して反射手段に到達する。
反射手段は、例えばアルミニウム板等のテラヘルツ波に対して比較的高い反射率を有する部材を用いて構成されている。反射手段に到達したテラヘルツ波は、該反射手段により反射される。
受信手段は、対象物で反射されたテラヘルツ波及び反射手段で反射されたテラヘルツ波を受信する。受信手段は、受信したテラヘルツ波に応じた受信信号を出力する。
ここで、本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、対象物にテラヘルツ波を照射し、該対象物に含まれる異物からの反射波を検出する場合、異物の反射率によっては異物からの反射波が弱くSN比が低下する。このため、異物検知の精度が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、特定手段により、受信手段の出力から、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が、検出対象信号として特定される。ここで特に、本実施形態では、照射されるテラヘルツ波の焦点が、反射手段に設定されている。このため、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の信号強度(即ち、振幅)は比較的高くなる。
検出手段は、特定手段により特定された検出対象信号に基づいて、対象物に含まれる異物を検出する。ここで、異物が対象物に含まれている場合、テラヘルツ波の一部が異物で反射されることにより、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の信号強度が低下する。従って、上述の如く、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を検出対象信号として特定すれば、例えばその信号強度の強弱により対象物に異物が含まれているか否かを判定することができる。
以上の結果、実施形態に係る異物検出装置によれば、テラヘルツ波を利用して、対象物に含まれる異物を効率的に検出することができる。
実施形態に係る異物検出装置の一態様では、特定手段は、先ず、異物を含まない対象物にテラヘルツ波が照射された場合の受信手段の出力から、テラヘルツ波に係る時間波形を予め取得する。ここで、予め取得されるテラヘルツに係る時間波形には、対象物で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形及び反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が含まれる。
そして、特定手段は、今回の受信手段の出力から、予め取得された時間波形に基づいて、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を、検出対象信号として特定する。
受信手段の出力からは、例えば、対象物で反射されたテラヘルツ波、特に、異物で反射されたテラヘルツ波、に係る時間信号も得られる。異物を含まない対象物に対してテラヘルツ波が照射された場合、受信手段の出力から得られるテラヘルツ波に係る時間波形では、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が顕著に現れる。
異物を含まない対象物にテラヘルツ波が照射された場合のテラヘルツ波に係る時間波形を予め取得しておけば、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の、例えば出現タイミングや波形等を特定することができる。このため、今回の受信手段の出力から反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を、検出対象信号として特定することができる。
この態様では、特定手段は、上記予め取得された時間波形に基づいて、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が出現する期間を特定し、今回の受信手段の出力から、該特定された期間を含む所定期間内に出現する時間波形を、検出対象信号として特定してよい。
このように構成すれば、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形を、検出対象信号として、比較的容易にして特定することができる。
反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が出現する期間は、例えば対象物の厚み等によって多少変化する。このため、「所定期間」は、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の出現タイミングが多少ずれたとしても、該時間波形を検出可能なマージンを、例えば上記特定された期間の前後に持たせることにより設定すればよい。
この所定期間内に出現する時間波形を、検出対象信号として特定する態様では、当該異物検出装置は、対象物と反射手段との間の距離を取得する距離取得手段を更に備え、特定手段は、距離取得手段により取得された距離に基づいて、所定期間の始期及び終期のうち少なくとも一方を変更してよい。
尚、「対象物と反射手段との間の距離」は、例えば距離センサ等の何らかのセンサにより特定され、該センサからの出力信号を取得することにより取得されてもよいし、当該異物検出装置のユーザが入力することにより取得されてもよい。
或いは、この所定期間内に出現する時間波形を、検出対象信号として特定する態様では、当該異物検出装置は、照射手段及び受信手段と、反射手段との位置関係を、反射手段の反射面に沿う方向に相対的に変更する相対位置変更手段を更に備え、特定手段は、照射手段及び反射手段間の距離と受信手段及び反射手段間の距離との合計距離が最大となる場合の反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形と、該合計距離が最小となる場合の反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形と、を特定可能なように所定期間の始期及び終期のうち少なくとも一方を変更してよい。
或いは、この所定期間内に出現する波形を、検出対象信号として特定する態様では、当該異物検出装置は、対象物の厚み情報を取得する厚み情報取得手段を更に備え、特定手段は、取得された厚み情報に基づいて、対象物のうち厚みが最大の部分を透過した後に反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形と、対象物のうち厚みが最小の部分を透過した後に反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形と、を特定可能なように所定期間の始期及び終期のうち少なくとも一方を変更してよい。
実施形態に係る異物検出装置の他の態様では、検出手段は、異物を含まない対象物を透過し反射手段で反射されたテラヘルツ波が受信手段により受信された場合に、特定手段により特定された検出対象信号の振幅を基準として、該特定手段により今回特定された検出対象信号の振幅が所定割合以下であることを条件に、今回の対象物に異物が含まれると判定する。
この態様によれば、対象物に異物が含まれているか否かを比較的容易にして判定することができ、実用上非常に有利である。
(異物検出方法)
本発明の異物検出方法に係る実施形態について説明する。
本発明の異物検出方法に係る実施形態について説明する。
実施形態に係る異物検出方法は、テラヘルツ波を対象物に向けて照射する照射手段と、対象物を透過したテラヘルツ波を反射する反射手段と、対象物及び反射手段で反射されたテラヘルツ波を受信する受信手段と、を備える異物検出装置における異物検出方法である。
当該異物検出方法は、特定工程及び検出工程を備えている。特定工程では、受信手段の出力から、反射手段で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が、検出対象信号として特定される。検出工程では、特定された検出対象信号に基づいて、対象物に含まれる異物が検出される。ここで、照射手段によって照射されるテラヘルツ波の焦点は、反射手段に設定されている。
実施形態に係る異物検出方法によれば、上述した実施形態に係る異物検出装置と同様に、テラヘルツ波を利用して、対象物に含まれる異物を効率的に検出することができる。尚、実施形態に係る異物検出方法においても、上述した実施形態に係る異物検出装置の各種態様と同様の各種態様を採ることができる。
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る実施例を、図面に基づいて説明する。
<第1実施例>
(異物検出装置の構成)
実施例に係る異物検出装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、第1実施例に係る異物検出装置の要部を示す図である。図2は、第1実施例に係る異物検出装置の構成を示す概略構成図である。
(異物検出装置の構成)
実施例に係る異物検出装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、第1実施例に係る異物検出装置の要部を示す図である。図2は、第1実施例に係る異物検出装置の構成を示す概略構成図である。
本実施例に係る異物検出装置は、所謂反射型のテラヘルツ波異物検出装置である。図1において、異物検出装置1は、テラヘルツ波送受信部10、反射部20、トリミング部301及び異物検出部302を備えて構成されている。
被測定試料50は、テラヘルツ波送受信部10と反射部20との間に配置される。尚、図1では、被測定試料50は反射部20と接するように配置されているが、被測定試料50は反射部20から間隔をあけて配置されていてもよい。
テラヘルツ波送受信部10は、被測定試料50に向けてテラヘルツ波を照射すると共に、被測定試料50で反射されたテラヘルツ波及び反射部20で反射されたテラヘルツ波を受信する。以降、「反射されたテラヘルツ波」を、適宜「反射光」と称する。
本実施例では特に、テラヘルツ波送受信部10から照射されるテラヘルツ波の焦点は、反射部20上に設定されている。また、反射部20は、例えばアルミニウム板等の比較的反射率の高い部材により構成されている。
被測定試料50に異物51が含まれない場合、テラヘルツ波送受信部10により受信された反射光に起因する受信信号では、反射部20からの反射光に起因する信号強度(振幅)が顕著に現れる。他方で、被測定試料50に異物51が含まれている場合、異物51によりテラヘルツ波が反射されるので、反射部20に到達するテラヘルツ波が減少し、反射部20からの反射光に起因する信号強度も低下する。
従って、反射部20からの反射光に起因する信号強度を、被測定試料50に異物51が含まれない場合の反射部20からの反射光に起因する信号強度と比較すれば、異物51の有無を検出することができる。
ところで、受信信号には、反射部20からの反射光に起因する信号の他に、例えば被測定試料50からの反射光に起因する信号も含まれている。このため、反射部20からの反射光に起因する信号が特定されなければ、異物検出が正しく行われないおそれがある。
そこで本実施例では、トリミング部301により、受信信号のうち、反射部20からの反射光に起因する信号波形が現れる期間に相当する受信信号が切り出される。異物検出部302は、トリミング部301から出力された信号(つまり、切り出された受信信号)の強度に基づいて、被測定試料50に異物51が含まれているか否かを判定する。
次に、異物検出装置1の構成について、図2を参照して説明を加える。
テラヘルツ波のパルス幅は、サブピコ秒のオーダである。このため、テラヘルツ波の時間波形を直接的に検出することが困難である。そこで、当該異物検出装置1では、公知のポンプ・プローブ法を用いて、テラヘルツ波の時間波形を間接的に検出している。
図2において、レーザ発振部11は、レーザ部111、光学遅延部112及びビームスプリッタ113を備えて構成されている。
レーザ部111は、サブピコ秒オーダ以下の超短パルスレーザ光を繰り返し出力可能である。当該異物検出装置1の動作時に、レーザ部111から出射されたパルスレーザ光は、ビームスプリッタ113により、ポンプ光とプローブ光とに分けられる。
ポンプ光は、テラヘルツ送受信部10のテラヘルツ波発信部101に照射される。他方、プローブ光は、光学遅延部112を介して、テラヘルツ送受信部10のテラヘルツ波受信部108に照射される。尚、光学遅延部112には、公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。
テラヘルツ送受信部10は、テラヘルツ波発信部101、シリコンレンズ102、コリメートレンズ103、ビームスプリッタ104、対物レンズ105、コリメートレンズ106、シリコンレンズ107及びテラヘルツ波受信部108を備えて構成されている。
テラヘルツ波発信部101は、例えばGaAs(Gallium Arsenide)等により形成された半導体基板上にダイポールアンテナ等を有する光伝導アンテナを備えるテラヘルツ波発生素子(図示せず)を備えている。
光伝導アンテナの中央部にはギャップ部が形成されており、該ギャップ部にバイアス電圧が印加された状態で、該ギャップ部にポンプ光が照射されると、光励起により半導体中にキャリアが生成され、サブピコ秒オーダの電流が発生する。この結果、発生した電流の時間微分に比例した振幅を有するパルス状のテラヘルツ波が放射される。つまり、本実施例に係るテラヘルツ波発生素子は、光伝導性アンテナ(Photo Conductive Antenna:PCA)である。
テラヘルツ波発信部101のテラヘルツ波発生素子により発生されたテラヘルツ波は、シリコンレンズ102、コリメートレンズ103、ビームスプリッタ104及び対物レンズ105を介して、被測定試料50に照射される。ここで特に、テラヘルツ波発信部101から照射されるテラヘルツ波の焦点は、反射部20上に設定されている。
被測定試料50又は反射部20からの反射光は、対物レンズ105、ビームスプリッタ104、コリメートレンズ106及びシリコンレンズ107を介して、テラヘルツ波受信部108に入射する。
テラヘルツ波受信部108は、テラヘルツ波発生素子と同様の構成を有するテラヘルツ波検出素子(図示せず)を備えている。つまり、テラヘルツ波検出素子も、光伝導性アンテナである。
テラヘルツ波検出素子に、光学遅延部112を介したプローブ光が入射すると、テラヘルツ波検出素子の半導体中にキャリアが生成される。この結果、キャリアが生成された瞬間にテラヘルツ波検出素子に入射した反射光の振幅に比例した電流が発生する。テラヘルツ波受信部108は発生した電流を、例えばI−V変換部(図示せず)により電流電圧変換し、受信信号として出力する。
制御・信号処理部30は、トリミング部301、異物検出部302、信号増幅部303、変調信号生成部304、ロックイン検出部305、画像処理部306及びスキャナ駆動部307を備えて構成されている。
テラヘルツ波受信部108から出力された受信信号は、信号増幅部303において増幅され、ロックイン検出部305において公知のロックイン検出が行われる。変調信号生成部304は、ロックイン検出に用いられる参照信号を生成して、ロックイン検出部305に対して出力すると共に、該参照信号に基づいて変調されたバイアス電圧をテラヘルツ波発信部101のテラヘルツ波発生素子に印加する。
ロックイン検出の結果、被測定試料50からの反射光及び反射部20からの反射光、更に、異物51が被測定試料50に含まれている場合は該異物51からの反射光各々の時間波形が取得される。
反射光(即ち、テラヘルツ波)の時間波形の取得は、走査機構12によるテラヘルツ波送受信部10の駆動と共に実行される。走査機構12の動作は、スキャナ駆動部307によって制御される。スキャナ駆動部307は、更に、走査位置を示す情報を画像処理部306に出力する。
走査機構12は、テラヘルツ波送受信部10を、反射部20の反射面に沿って平面的に駆動する。走査機構12には、公知の各種態様を適用可能であるので、その詳細についての説明は割愛する。尚、走査機構12は、テラヘルツ波送受信部10に代えて、反射部20を駆動させてもよい。
画像処理部306は、ロックイン検出部305により取得された反射光の時間波形のうち、トリミング部301により切り出された時間波形を、一旦記憶装置等(図示せず)に格納した上で、各種データ処理を行う。そして、画像処理部306は、各種データ処理の結果を用いて、被計測試料50のイメージング画像を生成する。
尚、テラヘルツ波発生素子及びテラヘルツ波検出素子には、上述した光伝導性アンテナに限らず、例えば共鳴トンネルダイオード(Resonant Tunneling Diode:RTD)等も適用可能である。共鳴トンネルダイオードを用いる場合、レーザ発振部11を設けなくてよいので、異物検出装置の小型化を図ることができる。
(異物検出方法)
次に、上述の如く構成された異物検出装置1における異物検出方法について説明する。
次に、上述の如く構成された異物検出装置1における異物検出方法について説明する。
被測定試料50の異物検出に先立ち、異物が含まれていないことが予めわかっている基準試料が、テラヘルツ波送受信部10と反射部20との間に配置される。次に、基準試料に対して、テラヘルツ波送受信部10からテラヘルツ波が照射され、ロックイン検出部305により反射光の時間波形が取得される。
ここで、基準試料にテラヘルツ波が照射された場合の反射光の時間波形は、例えば図3(a)に示すように、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が顕著に現れる。これは、反射部20が、例えばアルミニウム板等の比較的高反射率の部材により構成されていること、及び、テラヘルツ波送受信部10から照射されるテラヘルツ波の焦点が反射部20上に設定されていること、に起因している。
尚、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の振幅が最大となるように、対物レンズ105等の位置を調整することにより、テラヘルツ波の焦点位置が反射部20上に設定される。
トリミング部301は、上記取得された反射光の時間波形のピークを検出し、該検出されたピークを、反射部20で反射されたテラヘルツ波の時間波形のピークであるとする。そして、トリミング部301は、上記検出されたピークが現れる時刻t0を含む所定期間(ここでは、時刻t1〜時刻t2)をトリミング範囲として設定する。トリミング部301は、該設定されたトリミング範囲を記憶する。
尚、時刻t1を、時刻t0からどの程度前の時刻とするか、及び、時刻t2を、時刻t0からどの程度後の時刻とするかは、例えば実験等により最適値を求め、該求められた値をトリミング部301のメモリ等に予め格納しておき、時刻t0が特定された際に、該格納された値を参照して決定すればよい。
異物検出部302は、トリミング部301により検出された反射部20で反射されたテラヘルツ波の時間波形のピークの振幅を、基準振幅として記憶する。
被測定試料50の異物検出が行われる場合、該被測定試料50は、基準試料が配置されていた位置に配置される。ここで特に、本実施例では、テラヘルツ波送受信部10から照射されるテラヘルツ波の焦点が反射部20上に設定されているので、被測定試料50を交換する度に、照射されるテラヘルツ波の焦点位置を調整する必要がないため、比較的速やかに被測定試料50の異物検出を開始することができる。
次に、被測定試料50に対して、テラヘルツ波送受信部10からテラヘルツ波が照射され、ロックイン検出部305により反射光の時間波形が取得される。
トリミング部301は、取得された反射光の時間波形のうち、トリミング範囲内の時間波形を切り出す。異物検出部302は、トリミング部301により切り出された時間波形の振幅を取得し、該取得された振幅と基準振幅とを比較して、被測定試料50に異物51が含まれているか否かを判定する。
ここで、被測定試料50に異物51が含まれている場合に、ロックイン検出部305により取得される反射光の時間波形には、例えば図3(b)に示すように、異物51で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークと、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークとが現れる。
このとき、何らの対策も採らなければ、ロックイン検出部305により取得された反射光の時間波形から、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークを特定する処理を実施しなければならない。そして、該ピークを特定する処理は、走査点毎に実施しなければならず、異物検出に係る処理負荷が比較的重くなる。
他方で、本実施例では、トリミング部301により切り出された時間波形には、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが含まれているので、上記のようなピークを特定する処理を実施する必要がない。また、画像処理部306や異物検出部302は、トリミング部301により切り出された時間波形のみを処理すればよいので、処理するデータ量を低減することができる。この結果、本実施例に係る異物検出装置1によれば、異物検出に係る処理負荷を軽減することができる。
また、反射部20ではなく被測定試料50にテラヘルツ波の焦点を合わせ、反射光の時間波形を取得する場合、例えば図3(c)に示すように、被測定試料50に異物51が含まれていたとしても、テラヘルツ波の焦点を異物51に合わせることはできないので、異物51で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の信号強度は比較的弱い。つまり、時間波形のSN比が比較的低く、異物検出の信頼性が低下する可能性がある。
他方で、本実施例では、上述の如く、異物検出部302により、トリミング部301により切り出された時間波形の振幅と基準振幅とが比較されることにより、被測定試料50に異物51が含まれているか否かが判定される。切り出された時間波形の振幅が小さくなるほど、基準振幅との差は大きくなる。つまり、異物51でテラヘルツ波が反射されると、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の振幅は比較的小さくなるが、基準振幅との差が大きくなるので、結果として異物51が含まれているか否かを比較的容易に判定することができる。また、反射部20で反射されるテラヘルツ波に係る時間波形の振幅が比較的大きい場合は、該時間波形のSN比が比較的大きいので、基準振幅との差を求める際の誤差が小さくなる。従って、この場合も異物51が含まれているか否かを比較的容易に判定することができる。
次に、本実施例に係る異物検出装置1が実行する異物検出処理について、図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
図4において、基準試料が配置された後に、テラヘルツ波送受信部10は、基準試料に対してテラヘルツ波を照射する(ステップS101)。続いて、テラヘルツ波送受信部10は、基準試料又は反射部20で反射されたテラヘルツ波を受信して、受信信号を出力する。
制御・信号処理部30のロックイン検出部305は、受信信号に基づいて反射光の時間波形を取得する。トリミング部301は、該取得された時間波形から、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる時刻を特定する(ステップS102)。
次に、トリミング部301は、上記特定された時刻を含む所定期間をトリミング範囲として設定する(ステップS103)。続いて、トリミング部301は、設定されたトリミング範囲を記憶し、異物検出部302は、トリミング部301により検出された反射部20で反射されたテラヘルツ波の時間波形のピークの振幅を、基準振幅として記憶する(ステップS104)。
図5において、被測定試料50が配置された後に、テラヘルツ波送受信部10は、被測定試料50に対してテラヘルツ波を照射する(ステップS201)。制御・信号処理部30のスキャナ駆動部307は、走査機構12を制御してテラヘルツ波送受信部10を所定の走査点に移動させる(ステップS202)。
テラヘルツ波送受信部10は、被測定試料50又は反射部20で反射されたテラヘルツ波を受信して、受信信号を出力する。制御・信号処理部30のロックイン検出部305は、受信信号に基づいて反射光の時間波形を取得する。トリミング部301は、該取得された反射光の時間波形のうち、トリミング範囲内の時間波形を切り出す。異物検出部302は、トリミング部301により切り出された時間波形の振幅を取得する(ステップS203)。
異物検出部302は、取得された振幅と基準振幅とを比較する(ステップS204)。続いて、異物検出部302は、比較結果としての、例えば基準振幅に対する取得された振幅の割合が、所定値以下であるか否かを判定する(ステップS205)。
比較結果が所定値以下であると判定された場合(ステップS205:Yes)、異物検出部302は、被測定試料50に異物51が含まれていると判定し(ステップS206)、判定結果を、例えばメモリ等に格納する(ステップS208)。他方、比較結果が所定値より大きいと判定された場合(ステップS205:No)、異物検出部302は、被測定試料50に異物51が含まれていないと判定し(ステップS207)、判定結果を格納する(ステップS208)。
次に、制御・信号処理部30は、所定の走査領域の全領域を走査したか否かを判定する(ステップS209)。全領域を走査したと判定された場合(ステップS209:Yes)、異物検出装置1は、処理を終了する。他方、全領域を走査してないと判定された場合(ステップS209:No)、上述したステップS202の処理が実施される。
本実施例に係る「所定値」は、被測定試料50に異物51が含まれているか否かを決定する値であり、予め固定値として、又は、何らかの物理量若しくはパラメータに応じた可変値として設定されている。このような所定値は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば様々な材質、様々な厚さの異物が、被測定試料を模した物体に含まれている場合の、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークの振幅と、基準信号との比較結果に基づいて求めればよい。
本実施例に係る「反射部20」、「テラヘルツ波発信部101」、「テラヘルツ波受信部108」、「トリミング部301」及び「異物検出部302」は、夫々、本発明に係る「反射手段」、「照射手段」、「受信手段」、「特定手段」及び「検出手段」の一例である。本実施例に係る「スキャナ駆動部307」及び「走査機構12」は、本発明に係る「相対位置変更手段」の一例である。本実施例に係る「被測定試料50」及び「基準試料」は、本発明に係る「対象物」の一例である。
<テラヘルツ波送受信部の変形例>
テラヘルツ波送受信部10は、例えば図6に示すような光学系を有していてよい。図6において、テラヘルツ波発信部101により発生されたテラヘルツ波は、シリコンレンズ102、コリメートレンズ103及び対物レンズ151を介して、被測定試料50に照射される。被測定試料50又は反射部20からの反射光は、対物レンズ152、コリメートレンズ106及びシリコンレンズ107を介して、テラヘルツ波受信部108に入射する。図6に示す光学系でも、テラヘルツ波発信部101から照射されるテラヘルツ波の焦点は、反射部20上に設定されている。
テラヘルツ波送受信部10は、例えば図6に示すような光学系を有していてよい。図6において、テラヘルツ波発信部101により発生されたテラヘルツ波は、シリコンレンズ102、コリメートレンズ103及び対物レンズ151を介して、被測定試料50に照射される。被測定試料50又は反射部20からの反射光は、対物レンズ152、コリメートレンズ106及びシリコンレンズ107を介して、テラヘルツ波受信部108に入射する。図6に示す光学系でも、テラヘルツ波発信部101から照射されるテラヘルツ波の焦点は、反射部20上に設定されている。
このように構成すれば、図2に示した光学系に比べて光学部材は増えるが、ビームスプリッタを配置する必要がないため、照射されるテラヘルツ波のパワー損失を低減することができる。
<制御・信号処理部の変形例>
制御・信号処理部30は、図7に示すように構成されていてもよい。図7において、制御・信号処理部30は、変調信号生成部304(図2参照)に代えて、バイアス信号生成部354を、ロックイン検出部305(図2参照)に代えて、帯域制限フィルタ部355を、備えて構成されている。
制御・信号処理部30は、図7に示すように構成されていてもよい。図7において、制御・信号処理部30は、変調信号生成部304(図2参照)に代えて、バイアス信号生成部354を、ロックイン検出部305(図2参照)に代えて、帯域制限フィルタ部355を、備えて構成されている。
バイアス信号生成部354は、所定のバイアス電圧をテラヘルツ波発信部101(図2参照)のテラヘルツ波発生素子に印加する。テラヘルツ波受信部108(図2参照)から出力された受信信号は、信号増幅部303において増幅され、帯域制限フィルタ355において帯域制限が行われる。
このように構成すれば、ロックイン検出を用いずに、テラヘルツ波の発信及び受信が可能である。この結果、回路の簡素化を図ることができ、消費電力を削減することができる。
<第2実施例>
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第2実施例について、図8及び図9を参照して説明する。第2実施例では、トリミング範囲の設定方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第2実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図8及び図9を参照して説明する。
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第2実施例について、図8及び図9を参照して説明する。第2実施例では、トリミング範囲の設定方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第2実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図8及び図9を参照して説明する。
第2実施例では、図8に示すように、異物検出装置1のテラヘルツ波送受信部10と反射板20との間の距離が、走査位置によって変化する。尚、図8は、反射部20が傾いていることを認識できるように、反射部20の傾きを誇張している。
例えばテラヘルツ波送受信部10と反射板20との間の距離が0.15mm変化すると、反射部20で反射されたテラヘルツ波がテラヘルツ波送受信部10に到達する時間は、1ピコ秒早くなる又は遅くなる。
このため、トリミング範囲が設定される際に、反射部20上の1点で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形からトリミング範囲が決定されてしまうと、走査に伴い、テラヘルツ波送受信部10と反射部20との間の距離が変化する場合に、異物検出結果の信頼性が低下する可能性がある。
そこで本実施例では、トリミング部301が基準試料を用いてトリミング範囲を設定する際に、例えば走査開始位置及び走査終了位置等、少なくとも2点において、反射部20上で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形が取得される。トリミング部301は、取得された複数の時間波形各々について、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークを特定して、該ピークが現れる時刻を特定する。
トリミング部301は、特定されたピークが現れる時刻のうち最も早い時刻(図9における時刻t3に相当)から、トリミング範囲を設定するために、例えばメモリ等に予め格納されている値だけ前の時刻(図9における時刻t5に相当)を、トリミング範囲の始期として設定する。また、トリミング部301は、特定されたピークが現れる時刻のうち最も遅い時刻(図9における時刻t4位相当)から、トリミング範囲を設定するために、例えばメモリ等に予め格納されている値だけ後の時刻(図9における時刻t6に相当)を、トリミング範囲の終期として設定する。
尚、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる最も早い時刻及び最も遅い時刻を求める際に、例えば公知の外挿法や内挿法等の数学的手段が用いられてもよい。
本実施例に係る異物検出装置1では、上述の如くトリミング範囲が設定されるので、異物検出結果の信頼性の低下を防止することができる。
尚、異物検出装置1のテラヘルツ波送受信部10と反射板20との間の距離が走査位置によって変化することに起因して、テラヘルツ波の焦点位置が反射部20上からずれることにより異物検出の精度が低下することを防止するために、焦点位置が常に反射部20上となるように、テラヘルツ波送受信部10の走査位置に応じてテラヘルツ波の焦点位置が調整されるようにしてもよい。
具体的には例えば、走査開始位置及び走査終了位置等、少なくとも2点において、反射部20上で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形の振幅が最大となる対物レンズ105の位置を調べ、これを記憶する。次に、該少なくとも2点における対物レンズ105の位置に基づいて、これらの点の中間位置における対物レンズ105の位置を算出する。そして算出結果に基づき、テラヘルツ波送受信部10の走査位置に応じて対物レンズ105の位置を変化させるようにすればよい。
このような方法により、異物検出装置1のテラヘルツ波送受信部10と反射板20との間の距離が走査位置によって変化することに起因する異物検出結果の信頼性の低下を防止することができる。
<第3実施例>
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第3実施例について、図10及び図11を参照して説明する。第3実施例では、トリミング範囲の設定方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第3実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図10及び図11を参照して説明する。
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第3実施例について、図10及び図11を参照して説明する。第3実施例では、トリミング範囲の設定方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第3実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図10及び図11を参照して説明する。
第3実施例では、図9に示すように、被測定試料50の厚みが、走査位置によって変化する。尚、図10は、被測定試料50の厚みが変化していることを認識できるように、厚みの変化を誇張している。
空気層と被測定試料とではその屈折率が互いに異なる。被測定試料50の厚みが変化すると、テラヘルツ波送受信部10から照射されたテラヘルツ波が伝播する空気層の距離及び被測定試料の距離が変化することになる。この結果、反射部20で反射されたテラヘルツ波が、テラヘルツ波送受信部10に到達する時間に揺らぎが生じる。
このため、トリミング範囲が設定される際に、反射部20上の1点で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のみからトリミング範囲が決定されてしまうと、異物検出結果の信頼性が低下する可能性がある。
そこで本実施例では、基準試料を用いてトリミング範囲が設定された後、被測定試料50の異物検出処理が開始される前に、制御・信号処理部30は、被測定試料50の厚み情報を取得する。尚、厚み情報は、例えばレーザを用いた測定方法等の公知の測定方法の測定結果であってもよいし、当該異物検出装置1のユーザが入力した被測定試料50の厚み情報であってもよい。
トリミング部301は、取得された厚み情報に基づいて、被測定試料50の最大厚みと最小厚みとの差を求める。トリミング部301は、該求められた差に起因する、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる時刻の変化量を求める。トリミング部301は、設定されたトリミング範囲の始期を、該求められた変化量だけ前に補正する(図11における時刻t9に相当)と共に、設定されたトリミング範囲の終期を、該求められた変化量だけ後に補正する(図11における時刻t10に相当)。
この結果、被測定試料50の最も薄い部分p2(図10参照)を透過して、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる時刻t7(図11参照)も、被測定試料50の最も厚い部分p3(図10参照)を透過して、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる時刻t8(図11参照)も、補正後のトリミング範囲に含まれることとなる。
本実施例に係る異物検出装置1では、上述の如くトリミング範囲が設定されるので、異物検出結果の信頼性の低下を防止することができる。
尚、本実施例に係る「制御・信号処理部30」は、本発明に係る「厚み情報取得手段」の一例である。
<第4実施例>
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第4実施例について、図12及び図13を参照して説明する。第4実施例では、トリミング範囲の設定方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第4実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図12及び図13を参照して説明する。
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第4実施例について、図12及び図13を参照して説明する。第4実施例では、トリミング範囲の設定方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第4実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図12及び図13を参照して説明する。
第4実施例では、被測定試料50は、例えば粉体物等の厚みを任意に変更可能な物体である。被測定試料50は、例えばベルト等の間に厚みが一定になるように挟み込まれている。被測定試料50が、例えば図中の左から右に向かって移動することにより、該被測定試料50の異物検出が実行される。
本実施例では、図12に示すように、被測定試料50と反射部20とが間隔をあけて配置されているので、位置h1で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる時刻t12(図13参照)と、反射部20上(位置h2)で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークが現れる時刻t13(図13参照)との間隔は、比較的長い。
尚、図13における時刻t11に現れる波形は、図12における位置h0で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形である。
そこで、制御・信号処理部30は、被測定試料50と反射部20との間の距離dを取得する。尚、距離dは、例えばレーザを用いた測定方法等の公知の測定方法により取得されてもよいし、当該異物検出装置1のユーザが入力することにより取得されてもよい。
トリミング部301は、基準試料を用いてトリミング範囲を設定する際に、先ず、反射部20で反射されたテラヘルツ波に係る時間波形のピークを特定して、該ピークが現れる時刻(図13における時刻t13に相当)を特定する。
トリミング部301は、特定されたピークが現れる時刻から、距離dをテラヘルツ波が伝播する時間だけ前の時刻と、該特定されたピークが現れる時刻から、トリミング範囲を設定するために、例えばメモリ等に予め格納されている値だけ前の時刻と、の間に、トリミング範囲の始期を設定する。尚、トリミング部301は、特定されたピークが現れる時刻から、トリミング範囲を設定するために、例えばメモリ等に予め格納されている値だけ後の時刻(図13における時刻t15に相当)を、トリミング範囲の終期として設定する。
尚、本実施例に係る「制御・信号処理部30」は、本発明に係る「距離取得手段」の一例である。
<第5実施例>
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第5実施例について説明する。第5実施例では、テラヘルツ波の時間波形の取得方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第5実施例について、第1実施例と重複する説明を省略し、基本的に異なる点についてのみ説明する。
本発明の異物検出装置及び異物検出方法に係る第5実施例について説明する。第5実施例では、テラヘルツ波の時間波形の取得方法が一部異なる以外は、上述した第1実施例と同様である。よって、第5実施例について、第1実施例と重複する説明を省略し、基本的に異なる点についてのみ説明する。
上述した第1実施例から第4実施例では、ロックイン検出部305(図2参照)により反射光の時間波形が取得された後、トリミング部301により該取得された時間波形から所定のトリミング範囲の時間波形が切り出されている。
第5実施例では、制御・信号処理部30は、予め設定されたトリミング範囲のみ、テラヘルツ波送受信部10のテラヘルツ波受信部108(図2参照)から出力される受信信号を取得(即ち、サンプリング)する。
具体的には、当該異物検出装置1で用いられているポンプ・プローブ法では、光学遅延部112(図2参照)によりプローブ光に付与される光学遅延量と、反射光の時間波形を時間軸上にプロットした場合の時間とは密接に関係している。そこで、制御・信号処理部30は、設定されたトリミング範囲に該当する、光学遅延部112によりプローブ光に付与される光学遅延量のときのみ、テラヘルツ波受信部108から出力される受信信号を取得する。
尚、トリミング範囲の設定方法には、第1実施例に記載の方法に限らず、第2実施例から第4実施例のいずれの方法も適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う異物検出装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…異物検出装置、10…テラヘルツ波送受信部、11…レーザ発振部、12…走査機構、20…反射部、30…制御・信号処理部
Claims (1)
- 照射手段から対象物に照射され、且つ、前記対象物を透過した電磁波を反射電磁波として反射する反射手段と、
予め取得した異物を含まない前記対象物を透過した前記反射電磁波と、測定対象である前記対象物を透過した前記反射電磁波とに基づいて、前記対象物に含まれる異物を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする検出装置。
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Citations (4)
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-
2019
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