JP2015141111A - テラヘルツ波出力装置、テラヘルツ波出力方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

テラヘルツ波出力装置、テラヘルツ波出力方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】テラヘルツ波の出力を向上させる。【解決手段】テラヘルツ波出力装置(1)は、第1のテラヘルツ波(MB)及び第2のテラヘルツ波(SB)を互いに異なる方向に出射する出射手段(101)と、第1のテラヘルツ波の照射領域(103)の少なくとも一部に第2のテラヘルツ波が照射されるように、第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更手段(310,320)と、第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、光路変更手段により変更された第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、第1光路長及び第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御手段(310,320)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば通信や分析に用いられるテラヘルツ波を出力するテラヘルツ波出力装置、テラヘルツ波出力方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野に関する。
テラヘルツ波は、例えばレーザやマイクロ波等の一般的な電磁波と比べると出力が低いため、出力を向上させることが望まれている。例えば特許文献1では、放射アンテナ材料のエネルギーギャップを1.42eV以上とし、波長が800nmより短いレーザを使用することで、テラヘルツ波の放射強度を上げるという技術が提案されている。また特許文献2では、LTGaAs(低温成長GaAs)だけの放射アンテナに対してアバランシェ増倍層を設けることで、キャリアの増倍を促進させるという技術が提案されている。
特開2006−145372号公報 特開2006−313803号公報
上述した特許文献1及び2に記載されている技術は、いずれもテラヘルツ波を発生させる素子自体の材料や構造を変えることで放射強度を向上させようとするものである。しかしながら、テラヘルツ波素子自体を変更する方法は、例えばテラヘルツ波素子を部品の一部として使用するユーザ側では利用できないという技術的問題点を有している。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、テラヘルツ波の出力を効果的に向上させることが可能なテラヘルツ波出力装置、テラヘルツ波出力方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するテラヘルツ波出力装置は、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更手段と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更手段により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御手段と、を備える。
上記課題を解決するテラヘルツ波出力方法は、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段を備えるテラヘルツ波出力装置によるテラヘルツ波出力方法であって、前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更工程と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更工程により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御工程と、を備える。
上記課題を解決するコンピュータプログラムは、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段を備えるテラヘルツ波出力装置を制御するコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更工程と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更工程により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御工程とを前記コンピュータに実行させる。
上記課題を解決する記録媒体は、上述したコンピュータプログラムが記録されている。
実施例に係るテラヘルツ波計測装置の構成を示す概略図である。 実施例に係るテラヘルツ波計測装置におけるテラヘルツ波発生素子周辺の構成を示す概念図(その1)である。 実施例に係るテラヘルツ波計測装置におけるテラヘルツ波発生素子周辺の構成を示す概念図(その2)である。 実施例に係るテラヘルツ波計測装置におけるサブビーム調整動作の流れを示すフローチャートである。
<1>
本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置は、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更手段と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更手段により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御手段と、を備える。
本実施形態のテラヘルツ波出力装置によれば、その動作時には、例えば、光伝導アンテナ(PCA:Photo Conductive Antenna)や共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)等として構成される発生素子を含んでなる出射手段から、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波が出射される。なお、第1のテラヘルツ波及び第2テラヘルツ波は、1つの出射手段から互いに異なる方向に出射されるテラヘルツ波である。
出射手段から出射された第2のテラヘルツ波は、光路変更手段により光路が変更される。具体的には、第2のテラヘルツ波は、第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に照射されるように光路が変更される。このため、照射領域全体で見た場合、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波の両方が照射される領域が少なくとも部分的に存在することになる。尚、光路変更手段は、例えばテラヘルツ波の光軸に対する角度が変更可能なミラーやプリズム、凹面鏡等によって実現できる。
他方で、第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長、及び光路変更手段により変更された第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長の少なくとも一方は、光路長制御手段によって制御される。即ち、光路長制御手段は、第1光路長、第2光路長、或いは第1光路長及び第2光路長の両方を制御可能とされている。第1光路長及び第2光路長は、第1光路長と第2光路長との差(以下、適宜「光路長差」と称する)に基づいて制御される。例えば、第1光路長及び第2光路長は、光路長差がテラヘルツ波の波長の所定倍数になるように制御される。尚、光路長制御手段は、例えばテラヘルツ波の光軸に対する位置が変更可能なミラーやプリズム、凹面鏡等によって実現できる。
上述した構成によれば、所望の照射領域に対して第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波の両方を照射することができる。これにより、例えば光路長差が波長の整数倍となるように制御すれば(即ち、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波の位相を互いに強め合うように調整すれば)、照射領域に照射されるテラヘルツ波の強度を高めることができる。即ち、第1のテラヘルツ波又は第2のテラヘルツ波を単独で照射するだけでは得られない強度を得ることができる。或いは、光路長差を半波長分ずれた状態に制御すれば(即ち、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波の位相を互いに弱め合うように調整すれば)、照射領域に照射されるテラヘルツ波の強度を低くすることもできる。
以上説明したように、本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置によれば、テラヘルツ波の光路を変更すると共に光路長を制御することで、照射されるテラヘルツ波の強度を適切なものに調整できる。
<2>
本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置の一態様では、前記光路長制御手段は、前記第1光路長と前記第2光路長との差が、前記第1のテラヘルツ波及び前記第2のテラヘルツ波の波長の整数倍となるように制御する。
この態様によれば、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波が互いに強め合うため、強度の高いテラヘルツ波を照射することが可能となる。従って、例えばテラヘルツ波を利用した通信装置や分析装置における強度不足等に起因する不具合の発生を回避できる。
<3>
本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置の他の態様では、前記光路長制御手段は、前記第1光路長と前記第2光路長との差を、周期的に変動させるように制御する。
この態様によれば、強度が周期的に変動するテラヘルツ波を出力することが可能となる。なお、光路長差の周期的な変動は、例えば光路長制御手段である光学部材(例えば、ミラー等)を、ピエゾ素子やボイスコイルモータ等により振動させることで実現できる。
<4>
本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置の他の態様では、前記光路変更手段及び前記光路長制御手段は、第1のテラヘルツ波又は第2のテラヘルツ波の光軸に対する角度及び位置が調整可能な光学部材として一体的に構成されている。
この態様によれば、光学部材の光軸に対する角度を変更することで、第2のテラヘルツ波の光路を変更することが可能である。また、光学部材の光軸に対する位置を変更することで、第1又は第2のテラヘルツ波の光路長を制御できる。従って、光路変更手段及び光路長制御手段を別々の部材として設ける必要がなく、コストの低減や装置構成の簡単化が実現できる。
<5>
本実施形態に係るテラヘルツ波出力方法は、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段を備えるテラヘルツ波出力装置によるテラヘルツ波出力方法であって、前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更工程と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更工程により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御工程と、を備える。
本実施形態に係るテラヘルツ波出力方法によれば、上述したテラヘルツ波出力装置と同様に、照射されるテラヘルツ波の強度を適切なものに調整できる。
なお、本実施形態に係るテラヘルツ波出力方法においても、上述した本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
<6>
本実施形態に係るコンピュータプログラムは、第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段を備えるテラヘルツ波出力装置を制御するコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更工程と、前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更工程により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御工程とを前記コンピュータに実行させる。
本実施形態に係るコンピュータプログラムによれば、上述したテラヘルツ波出力装置及びテラヘルツ波出力方法と同様に、照射されるテラヘルツ波の強度を適切なものに調整できる。
<7>
本実施形態に係る記録媒体は、上述したコンピュータプログラムが記録されている。
本実施形態に係る記録媒体によれば、記録されたコンピュータプログラムを実行することにより、テラヘルツ波出力装置から照射されるテラヘルツ波の強度を適切なものに調整できる。
本実施形態に係るテラヘルツ波出力装置の作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。
以下では、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下では、本発明のテラヘルツ波出力装置が、テラヘルツ波を利用して測定対象物の画像を取得するテラヘルツ波計測装置に適用された場合について説明する。
<1:装置構成>
初めに、図を参照しながら、本実施例のテラヘルツ波計測装置1の構成について説明する。ここに図1は、本実施例に係るテラヘルツ波計測装置の構成を示す概略図である。
図1において、本実施例のテラヘルツ波計測装置1は、テラヘルツ波を測定対象物であるサンプル500に照射すると共に、サンプル500から反射したテラヘルツ波を検出する。
テラヘルツ波は、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後の周波数領域(つまり、テラヘルツ領域)に属する電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。テラヘルツ領域は、様々な物質が固有の吸収スペクトルを有する周波数領域である。従って、テラヘルツ波計測装置1は、サンプル500から反射された照射されたテラヘルツ波を利用して、サンプル500のイメージング処理等を実行できる。
本実施例のテラヘルツ波計測装置1は、コントローラ10と、テラヘルツ波発生素子101と、半球レンズ102と、コリメートレンズ103と、テラヘルツ波検出素子201と、超半球レンズ202と、集光レンズ203と、ビームスプリッタ300と、THz用レンズ400とを備えて構成されている。
コントローラ10は、テラヘルツ波計測装置1の各部の動作を制御するものとして構成されている。なお、本実施例のコントローラ10は特に、放射制御部11と、検出部12と、イメージング部13と、サブビーム制御部14とを備えている。
放射制御部11は、テラヘルツ波検出素子101において適切な強度のテラヘルツ波を発生させるよう放射制御を行う。
検出部12は、テラヘルツ波検出素子201において生成される検出信号を入力とし、入力された検出信号に対して各種処理を実行すると共に、その結果を出力可能に構成されている。
イメージング部13は、検出部12からの出力に基づいて、テラヘルツ波が放射されるサンプル500のイメージング処理を実行する。なお、イメージング処理については、既知の方法を適宜利用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
サブビーム制御部14は、テラヘルツ波発生素子101から発生されるテラヘルツ波のうち、サブビーム(即ち、主たるメインビームを除くビーム)の光路及び光路長を制御する。サブビーム制御部14によって実行される具体的な処理内容については、後に詳述する。
テラヘルツ波発生素子101は、例えば光伝導アンテナ(PCA)や共鳴トンネルダイオード(RTD)として構成されており、テラヘルツ波を発生する。
半球レンズ102は、例えば高抵抗シリコン等を含んで構成されるレンズであり、テラヘルツ発生素子101と密着するように設けられ、テラヘルツ波の取り出し効率を向上させる機能を有している。
コリメートレンズ103は、例えばテラヘルツ波透過性樹脂等により構成されており、テラヘルツ波発生素子101で発生されたテラヘルツ波が、半球レンズ102を介して照射される位置に配置されている。コリメートレンズ103は、テラヘルツ波発生素子101側から照射されたテラヘルツ波を平行光とする。
テラヘルツ波検出素子201は、テラヘルツ波発生素子101と同様に、例えば光伝導アンテナや共鳴トンネルダイオードとして構成されている。テラヘルツ波検出素子201は、検出したテラヘルツ波の強度に応じた検出信号を出力可能である。
超半球レンズ202は、例えば高抵抗シリコン等を含んで構成されるレンズであり、テラヘルツ検出素子201と密着するように設けられている。超半球レンズ202は、検出面でのスポットを縮小することで、検出信号を増大させる機能を有している。ただし、レンズ202の形状は超半球に限るものではなく、例えば半球レンズとしてもよい。
集光レンズ203は、例えばテラヘルツ波透過性樹脂等により構成されており、サンプル500において反射されたテラヘルツ波を、テラヘルツ波検出素子201(及び超半球レンズ202)に向けて集光する。
ビームスプリッタ300は、テラヘルツ波発検出素子101側から照射されるテラヘルツ波と、テラヘルツ波検出素子201側に照射すべきテラヘルツ波とを分離する。ビームスプリッタ300は、例えばハーフミラーとして構成され、テラヘルツ波発検出素子101側から照射されるテラヘルツ波を透過する一方で、テラヘルツ波検出素子201側に照射すべきテラヘルツ波を反射するように設けられる。
THz用レンズ400は、例えばテラヘルツ波透過性樹脂等により構成されており、サンプル500に放射するテラヘルツ波を集光する機能を有すると共に、サンプル500で反射されたテラヘルツ波をコリメートする機能を有している。
なお、本実施例に係るテラヘルツ波計測装置1は、サンプル500において反射されるテラヘルツ波を検出する、所謂反射型のテラヘルツ波出力装置である。またテラヘルツ波計測装置1は特に、ビームスプリッタ300を有することで、テラヘルツ波発生器側及びテラヘルツ波検出器側の光学系が一体的に構成されている。
ただし、本発明を適用可能なテラヘルツ波出力装置は上述した構成に限られず、例えば異なる光学系を有するテラヘルツ波出力装置にも適用可能である。具体的には、テラヘルツ波出力装置は、例えばビームスプリッタ300を有さない反射型テラヘルツ波出力装置として構成されてもよい。或いは、テラヘルツ波出力装置は、透過型のテラヘルツ波出力装置として構成されてもよい。
<2:サブビーム制御>
次に、サブビーム制御部14により制御されるテラヘルツ波発生素子101周辺の構成について、図2及び図3を参照して説明する。ここに図2及び図3は夫々、実施例に係るテラヘルツ波計測装置におけるテラヘルツ波発生素子周辺の構成を示す概念図である。なお、図2及び図3では、説明の便宜上、図1で示した半球レンズ102を省略している。
図2において、テラヘルツ波発生素子101aは、光伝導アンテナ(PCA)として構成されている。テラヘルツ波発生素子101aは、励起用レーザ光を図中の左側から照射することで、図中の右側にテラヘルツ波のメインビームMBを出射する。この際、テラヘルツ波発生素子101aは、メインビームMBの出射方向とは反対方向に、サブビームSBを出射する。即ち、テラヘルツ波発生素子は、異なる方向に2つのビーム(テラヘルツ波)を出射する。なお、ここでのメインビームMBは、本発明の「第1のテラヘルツ波」の一例であり、サブビームSBは、本発明の「第2のテラヘルツ波」の一例である。
テラヘルツ波発生素子101aから出射されたメインビームMBは、コリメートレンズ103に照射される。他方で、サブビームSBも、第1ミラー310及び第2ミラー320の各々によって反射され、コリメートレンズ103に照射される。即ち、メインビームMB及びサブビームSBは、テラヘルツ波発生素子101aからの出射方向は異なるものの、同じコリメートレンズ103に照射される。なお、ここでのコリメートレンズ103は、本発明の「照射領域」に相当する。
第1ミラー310及び第2ミラー320の各々は、サブビームSBの光軸に対する角度が調整可能とされており、角度の調整によりサブビームSBの光路を変更することが可能である。即ち、ここでの第1ミラー310及び第2ミラー320は、本発明の「光路変更手段」の一例として機能する。なお、第1ミラー310及び第2ミラー320は、サブビームSBを反射可能なものとして構成されればよく、例えばプリズムや凹面鏡として構成されてもよい。
更に第1ミラー310及び第2ミラー320の各々は、サブビームSBの光軸に対する位置を調整可能とされており、位置の調整によりサブビームSBの光路長を変更することが可能である。即ち、ここでの第1ミラー310及び第2ミラー320は、本発明の「光路長制御手段」の一例としても機能する。ただし、「光路変更手段」として機能する光学部材と、「光路長制御手段」として機能する光学部材とは必ずしも一体的に構成されるものでなくともよく、それぞれ別体として構成されても構わない。
図3において、テラヘルツ波発生素子101bは、共鳴トンネルダイオード(RTD)として構成されている。テラヘルツ波発生素子101bからは、コリメートレンズ103に向けて(即ち、図中の右側に向けて)メインビームMBが出射される。他方で、サブビームSBは、図中の左上方に向けて出射される。
このような角度でサブビームSBが出射される場合、「光路変更手段」及び「光路長制御手段」の一例として設けられる光学部材は、第3ミラー330だけで済む。即ち、サブビームSBが斜め方向に出射されるため、図2に示したように2つのミラー(即ち、第1ミラー310及び第2ミラー320)を設けずとも、サブビームSBの光路をコリメートレンズ103側に変更できる。このように、ミラーの数は特に限定されるものではなく、メインビームMBとサブビームSBとの出射角度の差等に基づいて適宜決定すればよい。従って、例えば3つ以上のミラーを配置しても構わない。ミラーの数を増加させると、装置構成が複雑化する分、調整マージンを広げることができる。
<3:処理説明>
次に、上述したサブビーム制御時に実行される具体的な処理について、図4を参照して説明する。ここに図4は、実施例に係るテラヘルツ波計測装置におけるサブビーム調整動作の流れを示すフローチャートである。なお、以下では、図2に示した構成を前提に説明を進めるものとする。
図4において、本実施例に係るテラヘルツ波計測装置1によれば、サブビーム制御時には、先ずテラヘルツ波発生素子101aからのテラヘルツ波の照射が開始される(ステップS101)。そして、テラヘルツ波発生素子101aから照射されるテラヘルツ波のうち、サブビームSBの光路が、メインビームMBに合わせて変更される(ステップS102)。具体的には、サブビーム制御部14からの指令により第1ミラー310及び第2ミラー320の角度が変更され、サブビームSBの照射領域がメインビームMB照射領域に重なるように制御される。
サブビームSBの光路が変更されると、続いてサブビームSBの光路長が制御される(ステップS103)。サブビームSBの光路長の制御時には、テラヘルツ波検出素子201において検出される検出信号の強度が監視され、検出信号の強度が最大でない場合には(ステップS104:NO)、サブビームの光路長の制御が続行される。即ち、サブビームSBの光路長の制御は、検出信号の強度が最大(言い換えれば、出力されるテラヘルツ波の強度が最大)となるまで繰り返し実行される。
なお、メインビームMB及びサブビームSBは、同一のテラヘルツ波発生素子101aにおいて発生したものであるので、出射方向は互いに異なるものの、同一の周波数である。このため、メインビームMBとサブビームSBの光路長差を波長の整数倍とすれば、互いの位相が揃い、メインビームMBとサブビームSBは互いに強め合う。これにより、出力されるテラヘルツ波の強度を高めることが可能である。他方で、メインビームMBとサブビームSBとの光路長差を半波長分ずらせば、互いの位相が逆向きとなり、メインビームMBとサブビームSBは互いに弱め合う。これにより、出力されるテラヘルツ波の強度を弱めることも可能である。
ちなみに、ここではサブビームSBの光路長を変更することで、メインビームMBとサブビームSBとの光路長差を制御しているが、メインビームMBの光路長を変更することでも、メインビームMBとサブビームSBとの光路長差を制御可能であることは言うまでもない。よって、例えばメインビームMBの光路長を変更する光学部材が「光路長制御手段」の一例として設けられてもよい。
検出信号の強度が最大とされると(ステップS104:YES)、強度変調モードがONとなっているか否かが判定される(ステップS105)。なお、ここでの強度変調モードとは、出力するテラヘルツ波の強度を所定の周期で変動させるモードである。
強度変調モードがONである場合(ステップS105:YES)、例えばピエゾ素子やボイスコイルモータ等により、第1ミラー310及び第2ミラー320の少なくとも一方が振動させられる。これにより、第1ミラー310及び第2ミラー320の位置は所定の周期で変動する。従って、サブビームSBの光路長も振動に合わせて変化し、結果として出力されるテラヘルツ波の強度も所定周期で変動することになる。なお、強度変調モードがOFFである場合(ステップS105:NO)、第1ミラー310及び第2ミラー320は振動されない。
以上説明したように、本実施例のテラヘルツ波計測装置1によれば、サブビームSBの光路及び光路長を変更することで、照射されるテラヘルツ波の強度を適切なものに調整できる。従って、テラヘルツ波計測装置1において好適な計測を実現できる。
なお、上述した実施例においては、サブビームSBが1つだけ発生する場合について説明したが、サブビームSBが複数発生する場合であっても、夫々の光路及び光路長を変更することで、同様の効果を得ることができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うテラヘルツ波出力装置、テラヘルツ波出力方法、コンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 テラヘルツ波計測装置
10 コントローラ
11 照射制御部
12 検出部
13 イメージング部
14 サブビーム制御部
101 テラヘルツ波発生素子
102 半球レンズ
103 コリメートレンズ
201 テラヘルツ波検出素子
202 超半球レンズ
203 集光レンズ
300 ビームスプリッタ
310 第1ミラー
320 第2ミラー
330 第3ミラー
400 THz用レンズ
500 サンプル
MB メインビーム
SB サブビーム

Claims (7)

  1. 第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段と、
    前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更手段と、
    前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更手段により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御手段と、
    を備えることを特徴とするテラヘルツ波出力装置。
  2. 前記光路長制御手段は、前記第1光路長と前記第2光路長との差が、前記第1のテラヘルツ波及び前記第2のテラヘルツ波の波長の整数倍となるように制御することを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波出力装置。
  3. 前記光路長制御手段は、前記第1光路長と前記第2光路長との差を、周期的に変動させるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のテラヘルツ波出力装置。
  4. 前記光路変更手段及び前記光路長制御手段は、第1のテラヘルツ波又は第2のテラヘルツ波の光軸に対する角度及び位置が調整可能な光学部材として一体的に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のテラヘルツ波出力装置。
  5. 第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段を備えるテラヘルツ波出力装置によるテラヘルツ波出力方法であって、
    前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更工程と、
    前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更工程により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御工程と、
    を備えることを特徴とするテラヘルツ波出力方法。
  6. 第1のテラヘルツ波及び第2のテラヘルツ波を互いに異なる方向に出射する出射手段を備えるテラヘルツ波出力装置を制御するコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記第1のテラヘルツ波の照射領域の少なくとも一部に前記第2のテラヘルツ波が照射されるように、前記第2のテラヘルツ波の光路を変更する光路変更工程と、
    前記第1のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第1光路長と、前記光路変更工程により変更された前記第2のテラヘルツ波の照射領域までの光路長である第2光路長との差に基づいて、前記第1光路長及び前記第2光路長の少なくとも一方を制御する光路長制御工程と
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  7. 請求項6に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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