JP2019105425A - オイルクーラ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器内部の流路構成設定の自由度向上及び熱交換効率の向上を図る。【解決手段】熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置にある第1コアプレート6aは、第1オイル通過穴25の周囲に、コアプレート対角線に沿った環状に連続する長円形状のボス部55が形成されている。第1コアプレート6aの上方に隣接する第2コアプレート7aは、ボス部55に対応する位置に、ボス部57を有している。第1コアプレート6aに第2コアプレート7aを重ね合わせると、ボス部55とボス部57とが接合され、これらコアプレート間のボス部55、57の内側に、オイル通流部58が形成される。熱交換部2をコアプレート積層方向に貫通するオイル戻し通路24は、オイル通流部58を介して第1オイル経路11aを構成する中間オイル流路群12bと連通している。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油等の冷却に用いられるいわゆる多板積層型のオイルクーラに関する。
近年自動車では、エンジン用のオイルの熱交換器のほか、変速機用のオイルの熱交換器や、ハイブリッド車両ではモータ冷却用のオイルの熱交換器等、様々なオイルを冷却するため1車両で多数の熱交換器が使用される場合がある。
また、熱の有効利用の観点から1媒体でも多系統の回路を有する等、様々な熱交換器が搭載されることが多くなってきている。
例えば、特許文献1には、油配管の簡素化、スペースの有効利用等、搭載性向上を目的とし、熱交換部となるプレート積層体内で、2種の被冷却媒体と1種の冷媒との間で熱交換を行う熱交換器が開示されている。
特許文献1の熱交換器は、プレート積層体内に、冷媒が流れる第1流体通路と、被冷却媒体が流れる互いに独立した第2流体通路及び第3流体通路と、が形成されている。第2流体通路は、プレート積層体の上層側に形成されている。第3流体通路は、プレート積層体の下層側に形成されている。
プレート積層体に導入された冷媒は、プレート積層体の積層方向(プレートが積み重なる方向)に沿って流れた後、プレート積層体の積層方向と直交する方向で流れの向きを変え、その後プレート積層体の積層方向に沿って流れてプレート積層体から排出される。つまり、第1流体通路は、プレート積層体内で分岐し、上層側の第2流体通路と熱交換を行う複数の上層側通路部と、下層側の第3流体通路と熱交換を行う複数の下層側通路部と、が並列に接続された構成となっている。
特開昭62−202997号公報
しかしながら、プレート積層体のプレート間に流体通路を形成する特許文献1に開示されるような熱交換器においては、プレート積層体内に1系統の冷却媒体の流路と、2系統の被冷却媒体の流路とをそれぞれ独立した状態で形成する必要があり、プレート積層体内に形成される流路構成が制約を受ける虞がある。
また、特許文献1に開示される従来の熱交換器においては、交換熱量を大きくした場合、積層するプレート数を増やすことになる。しかしながら、積層するプレート数を増やすほど圧力損失が低下し、プレート間を流れる流体の流速は低下するため、積層するプレート数を多くしたからといって必ずしもその数に見合う交換熱量上昇の効果を期待することはできない。
このように、従来の熱交換器にあっては、熱交換器内部の流路構成設定の自由度向上及び熱交換効率の向上を図る上で更なる改善の余地がある。
そこで、本発明は、多数のコアプレートを積層し、各々の間にプレート間オイル流路とプレート間冷媒流路とを交互に構成した熱交換部を有するオイルクーラにおいて、第1のオイルが導入される第1オイル導入口と、上記第1のオイルが排出される第1オイル排出口と、第2のオイルが導入される第2オイル導入口と、上記第2のオイルが排出される第2オイル排出口と、冷媒が導入される冷媒導入口と、上記冷媒が排出される冷媒排出口と、上記熱交換部をコアプレート積層方向に貫通する流体通路と、を有し、上記プレート間オイル流路及び上記流体通路によって、上記第1オイル導入口から上記第1オイル排出口に至る第1オイル経路が形成され、上記プレート間オイル流路によって、上記第1オイル経路から独立し、上記第2オイル導入口から上記第2オイル排出口に至る第2オイル経路が形成され、上記プレート間冷媒流路によって、上記冷媒導入口から上記冷媒排出口に至る冷媒経路が形成され、上記第1オイル経路は、上記第1のオイルが上記熱交換部内をコアプレート積層方向に直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつ全体としてコアプレート積層方向に流れるように形成され、上記流体通路は、上記熱交換部のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレートの形状を一部変更して形成されたオイル通流部を介して第1オイル経路と連通することを特徴としている。
本発明によれば、流体通路を利用して第1オイル経路を形成することで、第1オイル導入部と第1オイル排出部をコアプレート積層方向の片側の端部に集約したり、両側に分けたりすることが、第2オイル経路や冷媒経路の制約を受けることなく容易に実施可能となる。
また、第1オイル経路は、熱交換部内をコアプレート積層方向に直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつ全体としてコアプレート積層方向に流れるように形成されているので、流速の低下を抑制しつつ少ないコアプレートの数で第1のオイルと冷媒との間に大きな交換熱量を確保することができる。
すなわち、熱交換部内の流路構成設定の自由度と熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
本発明の第1実施例におけるオイルクーラの分解斜視図。 本発明の第1実施例におけるオイルクーラの平面図。 図2のA−A線に沿った断面図。 図2のB−B線に沿った断面図。 フィンプレートの一部を拡大して示した斜視図。 本発明の第2実施例におけるオイルクーラの分解斜視図。 本発明の第2実施例におけるオイルクーラの平面図。 図7のA−A線に沿った断面図。 図7のB−B線に沿った断面図。 本発明の第3実施例におけるオイルクーラの分解斜視図。 本発明の第3実施例におけるオイルクーラの平面図。 図11のA−A線に沿った断面図。 図11のB−B線に沿った断面図。 本発明の第4実施例におけるオイルクーラの分解斜視図。 本発明の第4実施例におけるオイルクーラの平面図。 図15のA−A線に沿った断面図。 図15のB−B線に沿った断面図。 本発明の第4実施例のオイルクーラの要部を模式的に示した説明図。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1の姿勢を基準として、「上」、「下」、「頂部」、「底部」等の用語を用いるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の第1実施例のオイルクーラ1の分解斜視図である。図2は本発明の第1実施例のオイルクーラ1の平面図である。図3は、図2のA−A線に沿った断面図である。図4は、図2のB−B線に沿った断面図である。
熱交換器であるオイルクーラ1は、互いに独立した2系統のオイルの流れを1系統の冷媒の流れで冷却するものであって、例えば、車両に搭載される内燃機関のエンジンオイルと、車両に搭載される変速機のトランスミッションオイルと、を冷却するものである。
オイルクーラ1は、第1のオイル及び第2のオイルと、冷媒としての冷却水との熱交換を行う熱交換部2と、熱交換部2の上面に取り付けられる比較的厚肉で板状の頂部プレート3と、熱交換部2の下面に取り付けられる比較的厚肉で十分な剛性を有する板状の底部プレート4と、から大略構成されている。
熱交換部2は、基本的な形状が共通の多数の第1コアプレート6と多数の第2コアプレート7とを交互に積層し、第1コアプレート6と第2コアプレート7との間に、プレート間オイル流路9とプレート間冷却水流路10(プレート間冷媒流路)とを交互に構成したものである。プレート間オイル流路9は、コアプレート積層方向(上下方向)に沿った流路の高さが所定の高さを有し、プレート間冷却水流路10のコアプレート積層方向に沿った流路の高さよりも高くなるよう設定されている。換言すれば、第1コアプレート6及び第2コアプレート7は、プレート間オイル流路9及びプレート間冷却水流路10のコアプレート積層方向に沿った流路の高さがそれぞれ所定の高さとなるように設定されている。
オイルクーラ1においては、図3、図4に示すように、熱交換部2内に8つのプレート間オイル流路9と7つのプレート間冷却水流路10が形成されている。
図示例では、第1コアプレート6の下面と第2コアプレート7の上面との間にプレート間オイル流路9が構成され、第1コアプレート6の上面と第2コアプレート7の下面との間にプレート間冷却水流路10が構成される。各プレート間オイル流路9には、それぞれ略正方形のフィンプレート8が配置される。
また、この第1実施例のオイルクーラ1においては、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置に、中間プレート5が挟み込まれている。
中間プレート5は、後述するオイル通流部58内をオイルが円滑に流れるように、オイル通流部58のコアプレート積層方向に沿った通路高さが、プレート間オイル流路9と同等の高さとなるよう挟み込まれるものである。
なお、図1においては、第1コアプレート6、第2コアプレート7及びフィンプレート8の数を一部省略して図示している。
多数の第1、第2コアプレート6、7、頂部プレート3、底部プレート4、多数のフィンプレート8及び中間プレート5は、ロー付けによって互いに接合され一体化されている。詳しくは、これらの各部品は、アルミニウム合金の基材の表面にロー材層を被覆したいわゆるクラッド材を用いて形成されており、各部を所定の位置に仮組付した状態で炉内で加熱することにより、一体にロー付けされる。
なお、熱交換部2の最上部及び最下部に位置する第1コアプレート6及び第2コアプレート7は、頂部プレート3や底部プレート4との関係から、熱交換部2の中間部に位置する一般的な第1コアプレート6や第2コアプレート7とは多少異なる構成となっている。
図1におけるフィンプレート8は、模式的に描かれたものであって、例えば図5に示すようなオフセット型コルゲートフィンとして形成されている。
すなわち、フィンプレート8は、1枚の母材を一定ピッチ毎に矩形ないしU字形に折り曲げてなるコルゲートフィンであり、特にある幅毎に、半ピッチずつコルゲートの位置がずれたオフセット型コルゲートフィンからなっている。
オイルクーラ1は、コアプレート積層方向の片側の端部である上端に、第1のオイルを導入する第1オイル導入口としての第1オイル導入部17と第1のオイルを排出する第1オイル排出口としての第1オイル排出部18を有している。
また、オイルクーラ1は、コアプレート積層方向の片側の端部である上端に、冷却水を導入する冷媒導入口としての冷却水導入部19と冷却水を排出する冷媒排出口としての冷却水排出部20を有している。
第1オイル導入部17、第1オイル排出部18、冷却水導入部19及び冷却水排出部20は、略正方形の頂部プレート3の4隅に形成されている。
詳述すると、第1オイル導入部17と第1オイル排出部18は、頂部プレート外縁に位置するとともに、当該頂部プレート中心を挟んで対称となる頂部プレート対角線上に形成されている。また、冷却水導入部19及び冷却水排出部20は、頂部プレート外縁に位置するとともに、当該頂部プレート中心を挟んで対称となる頂部プレート対角線上に形成されている。なお、冷却水導入部19及び冷却水排出部20は、第1オイル導入部17及び第1オイル排出部18とは異なる頂部プレート対角線上に形成されている。
また、頂部プレート3には、第1オイル導入部17と第1オイル排出部18とが位置する対角線上に沿って、外側(上側)に向かって凸となるよう凹まされた通路部3aが形成されている。通路部3aは、熱交換部2の最上部に位置する第1コアプレート6との間に、後述するオイル戻し通路24の上端と、第1オイル排出部18とを繋ぐオイル通流用の空間を形成するものである。
そして、オイルクーラ1は、コアプレート積層方向の片側の端部である下端に、第2のオイルを導入する第2オイル導入口としての第2オイル導入部21と第2オイルを排出する第2オイル排出口としての第2オイル排出部22を有している。
第2オイル導入部21及び第2オイル排出部22は、底部プレート4に形成されている。
第2オイル導入部21及び第2オイル排出部22は、略正方形の底部プレート中心を挟んで対称となる第1底部プレート対角線上に位置している。
底部プレート4は、第2オイル導入部21及び第2オイル排出部22の周囲をシール可能な図示せぬガスケット等を介して図示せぬシリンダブロック等に取り付けられる。
なお、図1中の41は、冷却水導入部19に接続される冷却水導入管であり、図1中の42は、冷却水排出部20に接続される冷却水排出管である。
また、図1中の43は、第1オイル導入部17に接続される第1オイル導入管であり、図1中の44は、第1オイル排出部18に接続される第1オイル排出管である。
第1コアプレート6及び第2コアプレート7は、アルミニウム合金の薄い母材をプレス成形したものであって、全体として略正方形をなし、3つのオイル通過穴15と2つの冷却水通過穴16とを有している。
オイル通過穴15は、コアプレート中央に位置する第1オイル通過穴25と、第1オイル通過穴25を挟んで対称となるコアプレート対角線上に位置する一対の第2オイル通過穴26と、からなっている。
第1オイル通過穴25は、熱交換部2をコアプレート積層方向に貫通して第1オイル排出部18と連通する流体通路としてのオイル戻し通路24(図3、図4を参照)を構成するものである。すなわち、オイル戻し通路24は、コアプレート6、7の中央に形成された貫通穴である第1オイル通過穴25を利用して構成されたものである。
第2オイル通過穴26は、コアプレート外縁に位置している。
冷却水通過穴16は、コアプレート外縁に位置するとともに、当該コアプレート中心を挟んで対称となるコアプレート対角線上に形成された第1冷却水通過穴31と第2冷却水通過穴32とからなっている。なお、冷却水通過穴16は、オイル通過穴15とは異なるコアプレート対角線上に形成されている。
熱交換部2内において、第1冷却水通過穴31は、冷却水導入部19の直下に位置している。熱交換部2内において、第2冷却水通過穴32は、冷却水排出部20の直下に位置している。
また、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置にある第1コアプレート6aは、一対の第2オイル通過穴26が形成されておらず、代わりに円筒状の凸部27が形成されている。換言すれば、凸部27は、第2オイル通過穴26を閉塞したものとみなすこともできる。
凸部27は、第2オイル通過穴26が形成される位置の一方にのみ形成されたものであって、コアプレート積層方向の上方側に向かって凸となっている。また、この凸部27を有する第1コアプレート6aは、第1冷却水通過穴31及び第2冷却水通過穴32の周囲に後述するボス部38が形成されていない。
さらに、凸部27を有する第1コアプレート6aは、第1オイル通過穴25の周囲に、コアプレート対角線に沿った環状に連続する長円形状のボス部55が形成されている。ボス部55は、一端が凸部27を有する第1コアプレート6aの4隅の1つの近傍に位置し、他端が凸部27を有する第1コアプレート6aの第1オイル通過穴25を内側に含むように形成されている。
ボス部55は、プレス成形等により形成されるものであり、プレート間冷却水流路10側へ突出するように一段高く形成されている。つまり、ボス部55の内周側は、ボス部55に対して相対的に凹んだ凹部56となっている。
熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置にある第2コアプレート7aは、一対の第2オイル通過穴26の内の一方が閉塞されてオイル閉塞部28となっている。また、オイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aは、オイル閉塞部28によって閉塞されていない第2オイル通過穴26の周囲には、後述するボス部35が形成されていない。
オイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aは、凸部27を有する第1コアプレート6aの上方に隣接するものであって、ボス部55に対応する位置に、ボス部57を有している。
ボス部57は、一端がオイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aの4隅の1つの近傍に位置し、他端がオイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aの第1オイル通過穴25を内側に含むように形成されている。
ボス部57は、プレス成形等により形成されるものであり、プレート間冷却水流路10側へ突出するように一段高く形成されている。
そして、凸部27を有する第1コアプレート6aにオイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aを重ね合わせると、ボス部55とボス部57とが接合され、これらコアプレート間のボス部55、57の内側に、オイル通流部58が形成される。つまり、オイル通流部58は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置にあるプレート間冷却水流路10a内に形成されている。
なお、この第1実施例において、オイル通流部58が形成されるコアプレート積層方向の中間位置にあるプレート間冷却水流路10aは、コアプレート積層方向に沿った流路の高さがプレート間オイル流路9と略同じ高さとなっている。
オイル通流部58は、コアプレート対角線上に形成され、コアプレート6、7間の外縁からコアプレート中央まで連続している。
詳述すると、オイル通流部58は、熱交換部2内にあっては、一端が第1オイル通過穴25と連通し、他端が隣接する上方の第2コアプレート7aの一対の第2オイル通過穴26の一方と連通している。
また、図1、図3における29は、オイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aの上方に位置する第2コアプレート7の一対の第2オイル通過穴26の一方を閉塞したオイル閉塞部である。
この第1実施例において、凸部27、オイル閉塞部28は、第1オイル排出部18の直下に位置している。また、オイル閉塞部29は、第1オイル導入部17の直下に位置している。
ここで、中間プレート5は、全体として略正方形をなし、第1オイル通過穴25、1つの第2オイル通過穴26、第1冷却水通過穴31及び第2冷却水通過穴32を有している。なお、中間プレート5の第2オイル通過穴26の周囲には、後述するボス部35は形成されていない。
図3に示すように、熱交換部2内は、オイル閉塞部28、29と中間プレート5によって、8つあるプレート間オイル流路9が、上側の2つのプレート間オイル流路9からなる上方側オイル流路群12aと、中央の2つのプレート間オイル流路9からなる中間オイル流路群12bと、下側の4つのプレート間オイル流路9からなる下方側オイル流路群12cとに分けられている。
また、熱交換部2内には、オイル閉塞部28と中間プレート5によって、第1のオイルが流れる第1オイル経路11aと、第2のオイルが流れる第2オイル経路11bとが形成される。
なお、図3中の矢印はオイルの流れを示しており、実線が第1オイル経路11aを示し、破線が第2オイル経路11bを示している。
中間オイル流路群12bと下方側オイル流路群12cとは、オイル閉塞部28及び中間プレート5によって互いに隔絶されている。つまり、第1オイル経路11aと第2オイル経路11bとは、熱交換部2内において互いに独立したオイル経路となっている。
第1オイル経路11aは、第1オイル導入部17から第1オイル排出部18に至る第1のオイルの流れる経路である。
第2オイル経路11bは、第2オイル導入部21から第2オイル排出部22に至る第2のオイルの流れる経路である。
第1オイル経路11aは、主として、上方側オイル流路群12aと、中間オイル流路群12bと、オイル戻し通路24と、通路部3aと、によって構成されている。
第1オイル経路11aにおいては、オイル閉塞部29により、第1のオイルが熱交換部2内をコアプレート積層方向に直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつ全体としてコアプレート積層方向に流れるようになっている。すなわち、第1オイル導入部17から流入した第1のオイルは、上方側オイル流路群12aを図3における左から右に流れ、その後中間オイル流路群12bを図3における右から左に流れている。
第2オイル経路11bは、主として、下方側オイル流路群12cによって構成されている。
第2オイル経路11bにおいては、4つのプレート間オイル流路9が互いに並列の関係となっている。
図4に示すように、熱交換部2内には、7つあるプレート間冷却水流路10によって、1つの冷却水流路群13(冷媒流路群)が構成される。
冷却水流路群13内のプレート間冷却水流路10同士は互いに並列に接続されている。つまり、熱交換部2内において、7つのプレート間冷却水流路10は、互いに並列に接続された状態となっている。冷却水流路群13は、冷却水導入部19から導入された冷却水を冷却水排出部20から排出するものである。つまり、冷却水導入部19から冷却水流路群13を経て冷却水排出部20に至る図4中に矢示する冷却水の流れる経路が冷却水経路14(冷媒経路)に相当する。
冷却水導入部19から導入された冷却水は、熱交換部2内をコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変え、反対側の冷却水排出部20から排出される。
第1コアプレート6では、各第2オイル通過穴26の周囲がボス部35としてプレート間冷却水流路10側へ突出するように一段高く形成されているとともに、第1、第2冷却水通過穴31、32の周囲がボス部38としてプレート間オイル流路9側へ突出するように一段高く形成されている。また、第1コアプレート6では、第1オイル通過穴25の周囲がボス部36としてプレート間冷却水流路10側及びプレート間オイル流路9側の双方へそれぞれ突出するように一段高く形成されている。
第2コアプレート7では、第1、第2冷却水通過穴31、32の周囲がボス部38としてプレート間オイル流路9側へ突出するように一段高く形成されているとともに、各第2オイル通過穴26の周囲がボス部35としてプレート間冷却水流路10側へ突出するように一段高く形成されている。また、第2コアプレート7では、第1オイル通過穴25の周囲がボス部36としてプレート間冷却水流路10側及びプレート間オイル流路9側の双方へそれぞれ突出するように一段高く形成されている。
従って、これら第1コアプレート6と第2コアプレート7とを交互に組み合わせることで、第1コアプレート6と第2コアプレート7との間に、プレート間オイル流路9とプレート間冷却水流路10となる一定の間隔が保持される。
第1コアプレート6における第2オイル通過穴26周囲のボス部35は、隣接する一方の第2コアプレート7の第2オイル通過穴26周囲のボス部35に各々接合されている。これにより、上下2つのプレート間オイル流路9が互いに連通するとともに、両者間のプレート間冷却水流路10から隔絶される。従って、多数の第1コアプレート6と第2コアプレート7とが接合された状態では、基本的には、多数の第2オイル通過穴26を介して各プレート間オイル流路9同士が互いに連通するとともに、全体として熱交換部2内をオイルがコアプレート積層方向に流通可能となっている。
第2コアプレート7における第1、第2冷却水通過穴31、32周囲のボス部38は、隣接する一方の第1コアプレート6の第1、第2冷却水通過穴31、32周囲のボス部38に各々接合されている。これにより、上下2つのプレート間冷却水流路10が互いに連通するとともに、両者間のプレート間オイル流路9から隔絶される。従って、多数の第1コアプレート6と第2コアプレート7とが接合された状態では、多数の第1、第2冷却水通過穴31、32を介して各プレート間冷却水流路10同士が互いに連通するとともに、全体として熱交換部2内を冷却水がコアプレート積層方向に流通可能となっている。
第1コアプレート6における第1オイル通過穴25周囲のボス部36は、隣接する上下の第2コアプレート7の第1オイル通過穴25周囲のボス部36に各々接合されている。
第2コアプレート7における第1オイル通過穴25周囲のボス部36は、隣接する上下の第1コアプレート6の第1オイル通過穴25周囲のボス部36に各々接合されている。
従って、多数の第1コアプレート6と第2コアプレート7とが接合された状態では、各第1オイル通過穴25と各ボス部36とによって熱交換部2をコアプレート積層方向に貫通するオイル戻し通路24が構成される。オイル戻し通路24は、第1コアプレート6と第2コアプレート7の間のプレート間オイル流路9に直接連通していない。
また、第1コアプレート6及び第2コアプレート7には、プレート間冷却水流路10側へ突出する多数の突起部45が形成されている。
プレート間オイル流路9に挟み込まれるフィンプレート8は、5箇所に、3つのオイル通過穴15及び2つの冷却水通過穴16にそれぞれ対応する開口部46が開口形成されている。各開口部46は、対応するボス部35、36、38に対し若干の余裕を有するように、各通過穴15、16よりも大きく形成されている。
このようなオイルクーラ1においては、熱交換部2をコアプレート積層方向に貫通するオイル戻し通路24がコアプレート積層方向の中間位置のコアプレート間に形成されたオイル通流部58を介して第1オイル経路11aを構成する中間オイル流路群12bと連通している。換言すれば、オイル戻し通路24は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレート6a、7aの形状を一部変更して形成されたオイル通流部58を介して第1オイル経路11aと連通している。
そのため、第1オイル導入部17と第1オイル排出部18をコアプレート積層方向の片側の端部に集約したり、両側に分けたりすることが、第2オイル経路11bや冷却水経路14の制約を受けることなく容易に実施可能となる。
また、第1オイル経路11aは、熱交換部2内をコアプレート積層方向に直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつ全体としてコアプレート積層方向に流れるように形成されているので、流速の低下を抑制しつつ少ないコアプレート6、7の数で第1のオイルと冷却水との間に大きな交換熱量を確保することができる。
すなわち、オイルクーラ1においては、熱交換部2内の流路構成設定の自由度と熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
オイル戻し通路24が熱交換部2の偏った位置に設定されると、オイル通流部58が長くなり、通路抵抗が増加する虞がある。
しかしながら、第1実施例のオイル戻し通路24は、熱交換部2の中央に位置するため、熱交換部2内の流路構成設定の自由度を確保しつつ、オイル通流部58の流路長を短くすることができる。
以下、本発明に他の実施例について説明する。なお、上述した第1実施例と同一の構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6〜図9を用いて、本発明の第2実施例のオイルクーラ60について説明する。
図6は、本発明の第2実施例のオイルクーラ60の分解斜視図である。図7は本発明の第2実施例のオイルクーラ60の平面図である。図8は、図7のA−A線に沿った断面図である。図9は、図7のB−B線に沿った断面図である。
熱交換器である第2実施例のオイルクーラ60は、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同一構成となっているが、中間プレート5が省略されている。
また、第2実施例のオイルクーラ60においては、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置の第1コアプレート6aに、ボス部55及び凸部27が形成されていない。
従って、第2実施例においては、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置の第1コアプレート6aにオイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aを重ね合わせると、ボス部57が第1コアプレート6の上面に接合され、これらコアプレート間のボス部57の内側に、オイル通流部61が形成される。つまり、オイル通流部61は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置にあるプレート間冷却水流路10a内に形成されている。
第2実施例のオイルクーラ60においては、中間プレート5及びボス部55が省略されているので、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置に位置するオイル通流部61のコアプレート積層方向に沿った通路高さが、第1実施例のオイル通流部58に比べて低く、プレート間冷却水流路10と同等の高さとなっている。
オイルクーラ60において、オイル戻し通路24は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレート6a、7aの形状を一部変更して形成されたオイル通流部61を介して第1オイル経路11aと連通している。
このような第2実施例のオイルクーラ60においても、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、オイルクーラ60においては、熱交換部2内の流路構成設定の自由度と熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
また、オイル戻し通路24は、熱交換部2の中央に位置するため、熱交換部2内の流路構成設定の自由度を確保しつつ、オイル通流部61の流路長を短くすることができる。
図10〜図13を用いて、本発明の第3実施例のオイルクーラ70について説明する。
図10は、本発明の第3実施例のオイルクーラ70の分解斜視図である。図11は本発明の第3実施例のオイルクーラ70の平面図である。図12は、図11のA−A線に沿った断面図である。図13は、図12のB−B線に沿った断面図である。
熱交換器である第3実施例のオイルクーラ70は、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同一構成となっているが、中間プレート5が省略されている。そして、中間プレート5が省略された代わりに、凸部27を有する第1コアプレート6aの板厚が他のコアプレート6、7に比べて厚肉になっている。
すなわち、第3実施例のオイルクーラ70は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置の第1コアプレート6aが相対的に厚肉となることで、この厚肉となった第1コアプレート6aを用いて形成されるオイル通流部71のコアプレート積層方向に沿った通路高さを、プレート間オイル流路9のコアプレート積層方向に沿った通路高さと同等の高さとすることができる。
この第3実施例のオイル通流部71は、上述した第1実施例のオイル通流部58と同様に、凸部27を有する第1コアプレート6aにオイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aを重ね合わせことで形成される。詳述すると、凸部27を有する第1コアプレート6aにオイル閉塞部28を有する第2コアプレート7aを重ね合わせ、ボス部55とボス部57とが接合され、これらコアプレート間のボス部55、57の内側に、オイル通流部71が形成される。つまり、オイル通流部71は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置にあるプレート間冷却水流路10a内に形成されている。
オイルクーラ70において、オイル戻し通路24は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレート6a、7aの形状を一部変更して形成されたオイル通流部71を介して第1オイル経路11aと連通している。
このような第3実施例のオイルクーラ70においても、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、オイルクーラ70においては、熱交換部2内の流路構成設定の自由度と熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
また、オイル戻し通路24は、熱交換部2の中央に位置するため、熱交換部2内の流路構成設定の自由度を確保しつつ、オイル通流部71の流路長を短くすることができる。
図14〜図18を用いて、本発明の第4実施例のオイルクーラ80について説明する。
図14は、本発明の第4実施例のオイルクーラ80の分解斜視図である。図15は本発明の第4実施例のオイルクーラ80の平面図である。図16は、図15のA−A線に沿った断面図である。図17は、図15のB−B線に沿った断面図である。図18は、本発明の第4実施例のオイルクーラ80の要部を模式的に示した説明図である。
熱交換器である第4実施例のオイルクーラ80は、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同一構成となっているが、中間プレート5が省略されている。
第4実施例のオイルクーラ80は、第1実施例の9つのプレート間オイル流路9と8つのプレート間冷却水流路10を有している。
つまり、第4実施例のオイルクーラ80は、第1実施例のオイルクーラ1に対して、中間オイル流路群12bと下方側オイル流路群12cとの間にプレート間オイル流路9が1つ追加された構成となっている。そして、この追加された中間位置プレート間オイル流路9aを介して、中間オイル流路群12bとオイル戻し通路24とが連通している。
詳述すると、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置となる中間位置プレート間オイル流路9aを構成する第1コアプレート6a及び第2コアプレート7aには、中間オイル流路群12bとオイル戻し通路24とを連通させるオイル通流部81が形成されている。
オイル通流部81は、図14及び図18に示すように、第1コアプレート6a及び第2コアプレート7aの第1オイル通過穴25の周囲に形成されたボス部36の一部を切り欠いて形成されている。
第1コアプレート6aのボス部36の切り欠き位置と第2コアプレート7aのボス部36の切り欠き位置は、同じ位置である。
なお、第1コアプレート6aのボス部36と第2コアプレート7aのボス部36のいずれか一方の一部を切り欠いて、オイル通流部81とすることも可能である。
この第4実施例にオイルクーラ80においては、第1オイル経路11aが、主として、上方側オイル流路群12aと、中間オイル流路群12bと、中間位置プレート間オイル流路9aと、オイル戻し通路24と、通路部3aと、によって構成されている。
また、このオイル通流部81は、図16、図18に示すように、中間位置プレート間オイル流路9aへのオイルの流入口となる第2オイル通過穴26に対してボス部36の裏側となる部分を切り欠いて形成されている。
また、図14、図16における82は、オイル通流部81を有する第1コアプレート6aの上方に隣接する第2コアプレート7の一対の第2オイル通過穴26の一方を閉塞したオイル閉塞部である。
また、図14、図16における83、84は、オイル通流部81を有する第1コアプレート6aとの間に中間位置プレート間オイル流路9aを形成する第2コアプレート7の一対の第2オイル通過穴26をそれぞれ閉塞したオイル閉塞部である。
この第4実施例において、オイル閉塞部82、84は、第1オイル排出部18の直下に位置している。また、オイル閉塞部83は、第1オイル導入部17の直下に位置している。
オイルクーラ80において、オイル戻し通路24は、熱交換部2のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレート6a、7aの形状を一部変更して形成されたオイル通流部81を介して第1オイル経路11aと連通している。
このような第4実施例のオイルクーラ80においても、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、オイルクーラ80においては、熱交換部2内の流路構成設定の自由度と熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
また、オイル通流部81を介して第1のオイルがオイル戻し通路24に流れ込む際には、図18に矢示するように、中間位置プレート間オイル流路9aのフィンプレート8内をボス部36を回り込むように流れることになる。
そのため、中間位置プレート間オイル流路9aにおいて、第1のオイルがオイル通流部81に到達するまでの流路長が相対的に長くなり、中間位置プレート間オイル流路9aにおける第1のオイルの熱交換効率を向上させることができる。
1…オイルクーラ
2…熱交換部
3…頂部プレート
3a…通路部
4…底部プレート
6…第1コアプレート
7…第2コアプレート
8…フィンプレート
9…プレート間オイル流路
10…プレート間冷却水流路
11a…第1オイル経路
11b…第2オイル経路
12a…上方側オイル流路群
12b…中間オイル流路群
12c…下方側オイル流路群
13…冷却水流路群
14…冷却水経路
15…オイル通過穴
16…冷却水通過穴
17…第1オイル導入部
18…第1オイル排出部
19…冷却水導入部
20…冷却水排出部
21…第2オイル導入部
22…第2オイル排出部
24…オイル戻し通路
25…第1オイル通過穴
26…第2オイル通過穴
27…凸部
28…オイル閉塞部
29…オイル閉塞部
31…第1冷却水通過穴
32…第2冷却水通過穴
45…突起部
46…開口部
55…ボス部
56…凹部
57…ボス部
58…オイル通流部

Claims (5)

  1. 多数のコアプレートを積層し、各々の間にプレート間オイル流路とプレート間冷媒流路とを交互に構成した熱交換部を有するオイルクーラにおいて、
    第1のオイルが導入される第1オイル導入口と、
    上記第1のオイルが排出される第1オイル排出口と、
    第2のオイルが導入される第2オイル導入口と、
    上記第2のオイルが排出される第2オイル排出口と、
    冷媒が導入される冷媒導入口と、上記冷媒が排出される冷媒排出口と、
    上記熱交換部をコアプレート積層方向に貫通する流体通路と、を有し、
    上記プレート間オイル流路及び上記流体通路によって、上記第1オイル導入口から上記第1オイル排出口に至る第1オイル経路が形成され、
    上記プレート間オイル流路によって、上記第1オイル経路から独立し、上記第2オイル導入口から上記第2オイル排出口に至る第2オイル経路が形成され、
    上記プレート間冷媒流路によって、上記冷媒導入口から上記冷媒排出口に至る冷媒経路が形成され、
    上記第1オイル経路は、上記第1のオイルが上記熱交換部内をコアプレート積層方向に直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつ全体としてコアプレート積層方向に流れるように形成され、
    上記流体通路は、上記熱交換部のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレートの形状を一部変更して形成されたオイル通流部を介して上記第1オイル経路と連通することを特徴とするオイルクーラ。
  2. 上記流体通路は、上記コアプレートの中央に形成された貫通穴を利用したものであることを特徴とする請求項1に記載のオイルクーラ。
  3. 上記オイル通流部は、上記熱交換部のコアプレート積層方向の中間位置のコアプレートに形成された凹部によって、上記熱交換部のコアプレート積層方向の中間位置の一対のコアプレート間に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のオイルクーラ。
  4. 上記流体通路は、上記貫通穴の周囲に形成されたボス部を隣接する上下のコアプレートの中央に形成された貫通穴の周囲に形成されたボス部と接合することで形成され、
    上記オイル通流部は、上記貫通穴の周囲に形成されたボス部の一部を切り欠いて形成されることを特徴とする請求項2に記載のオイルクーラ。
  5. 上記オイル通流部は、当該オイル通流部が位置するプレート間オイル流路への上記第1のオイルの流入口に対して上記貫通穴の周囲に形成されたボス部の裏側となる位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のオイルクーラ。
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