JP6993862B2 - オイルクーラ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油等の冷却に用いられるいわゆる多板積層型のオイルクーラに関する。
近年自動車では、エンジン用のオイルの熱交換器のほか、変速機用のオイルの熱交換器や、ハイブリッド車両ではモータ冷却用のオイルの熱交換器等、様々なオイルを冷却するため1車両で多数の熱交換器が使用される場合がある。
また、熱の有効利用の観点から1媒体でも多系統の回路を有する等、様々な熱交換器が搭載されることが多くなってきている。
例えば、特許文献1には、油配管の簡素化、スペースの有効利用等、搭載性向上を目的とし、熱交換部となるプレート積層体内で、2種の被冷却媒体と1種の冷媒との間で熱交換を行う熱交換器が開示されている。
特許文献1の熱交換器は、プレート積層体内に、冷媒が流れる第1流体通路と、被冷却媒体が流れる互いに独立した第2流体通路及び第3流体通路と、が形成されている。第2流体通路は、プレート積層体の上層側に形成されている。第3流体通路は、プレート積層体の下層側に形成されている。
プレート積層体に導入された冷媒は、プレート積層体の積層方向(プレートが積み重なる方向)に沿って流れた後、プレート積層体の積層方向と直交する方向で流れの向きを変え、その後プレート積層体の積層方向に沿って流れてプレート積層体から排出される。つまり、第1流体通路は、プレート積層体内で分岐し、上層側の第2流体通路と熱交換を行う複数の上層側通路部と、下層側の第3流体通路と熱交換を行う複数の下層側通路部と、が並列に接続された構成となっている。
特開昭62-202997号公報
しかしながら、この特許文献1に開示される熱交換器においては、2系統の被冷却媒体を1つの熱交換器で熱交換することから冷媒が流れる第1流体通路が冷媒導入口と冷媒排出口の間で互いに並列となる流路を多数形成する構成となっている。そのため、プレート積層体内を流れる冷媒の流速が低下し、被冷却媒体との熱交換の効率が低下するという問題がある。
本発明のオイルクーラは、多数のコアプレートを積層し、各々の間にプレート間オイル流路とプレート間冷媒流路とを交互に構成した熱交換部を有するものであって、第1のオイルが導入される第1オイル導入口と、上記第1のオイルが排出される第1オイル排出口と、第2のオイルが導入される第2オイル導入口と、上記第2のオイルが排出される第2オイル排出口と、冷媒が導入される冷媒導入口と、上記冷媒が排出される冷媒排出口と、を有している。上記プレート間オイル流路によって、上記第1オイル導入口から上記第1オイル排出口に至る第1オイル経路と、上記第1オイル経路から独立し、上記第2オイル導入口から上記第2オイル排出口に至る第2オイル経路が形成される。上記プレート間冷媒流路によって、上記冷媒導入口から上記冷媒排出口に至る冷媒経路が形成される。上記冷媒経路は、上記第1オイル経路内の第1のオイルを冷却する上流側の第1冷媒経路と、上記第2オイル経路内の第2のオイルを冷却する下流側の第2冷媒経路と、が直列に接続された構成となっている。さらに、オイルクーラは、上記第2冷媒経路をバイパスする第1バイパス通路と、上記第1バイパス通路を開閉する第1制御弁と、を有している。オイルクーラは、上記第1冷媒経路をバイパスするバイパス通路と、上記バイパス通路を開閉する制御弁と、を有してもよい。
本発明によれば、第1冷媒経路及び第2冷媒経路を流れる冷媒の流速低下が抑制される。つまり、冷媒導入口における冷媒の流速に対して、第1冷媒経路内における冷媒の流速低下及び第2冷媒流路内における冷媒の流速低下を抑制できる。
そのため、第1オイル経路内の第1のオイルと第1冷媒経路内の冷媒との熱交換の効率の低下を抑制できるとともに、第2オイル経路内の第2のオイルと第2冷媒経路内の冷媒との熱交換の効率の低下を抑制できる。
また、第1冷媒経路を流れる冷媒の流量及び第2冷媒経路を流れる冷媒の流量は、冷媒導入口から導入された冷媒の流量と等しくなるので、第1冷媒経路及び第2冷媒経路を流れる冷媒の流量を確保できる。
そのため、第1オイル経路内の第1のオイルと第1冷媒経路内の冷媒との熱交換の効率の低下を抑制できるとともに、第2オイル経路内の第2のオイルと第2冷媒経路内の冷媒との熱交換の効率の低下を抑制できる。
本発明の第1実施例におけるオイルクーラの分解斜視図。 本発明の第1実施例におけるオイルクーラの平面図。 図2のA-A線に沿った断面を模式的に示す説明図。 図2のB-B線に沿った断面を模式的に示す説明図。 フィンプレートの一部を拡大して示した斜視図。 本発明の第2実施例のオイルクーラの概略を模式的に示した説明図。 本発明の第3実施例のオイルクーラの概略を模式的に示した説明図。 本発明の第4実施例のオイルクーラの概略を模式的に示した説明図。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1の姿勢を基準として、「上」、「下」、「頂部」、「底部」等の用語を用いるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の第1実施例におけるオイルクーラ1の分解斜視図である。図2は本発明の第1実施例におけるオイルクーラ1の平面図である。図3は、図2のA-A線に沿った断面図である。図4は、図2のB-B線に沿った断面図である。
熱交換器であるオイルクーラ1は、互いに独立した2系統のオイルの流れを1系統の冷媒の流れで冷却するものであって、例えば、車両に搭載される内燃機関のエンジンオイルと、車両に搭載される変速機のトランスミッションオイルと、を冷却するものである。
オイルクーラ1は、第1のオイルとしてのエンジンオイル及び第2のオイルとしてのトランスミッションオイルと、冷媒としての冷却水との熱交換を行う熱交換部2と、熱交換部2の上面に取り付けられる比較的厚肉の第1、第2頂部プレート3a、3bと、熱交換部2の下面に取り付けられる比較的厚肉の第1、第2底部プレート4a、4bと、から大略構成されている。
熱交換部2は、基本的な形状が共通の多数の第1コアプレート6と多数の第2コアプレート7とを交互に積層し、第1コアプレート6と第2コアプレート7との間に、プレート間オイル流路9とプレート間冷却水流路10(プレート間冷媒流路)とを交互に構成したものである。
第1実施例のオイルクーラ1においては、図3、図4に示すように、熱交換部2内に9つのプレート間オイル流路9と8つのプレート間冷却水流路10が形成されている。
図示例では、第1コアプレート6の下面と第2コアプレート7の上面との間にプレート間オイル流路9が構成され、第1コアプレート6の上面と第2コアプレート7の下面との間にプレート間冷却水流路10が構成される。各プレート間オイル流路9には、それぞれ略正方形のフィンプレート8が配置される。
なお、図1においては、第1コアプレート6、第2コアプレート7及びフィンプレート8の数を一部省略して図示している。
多数の第1、第2コアプレート6、7、第1頂部プレート3a、第2頂部プレート3b、第1底部プレート4a、第2底部プレート4b、多数のフィンプレート8は、ロー付けによって互いに接合され一体化されている。詳しくは、これらの各部品は、アルミニウム合金の基材の表面にロー材層を被覆したいわゆるクラッド材を用いて形成されており、各部を所定の位置に仮組付した状態で炉内で加熱することにより、一体にロー付けされる。
なお、熱交換部2の最上部及び最下部に位置する第1コアプレート6及び第2コアプレート7は、第2頂部プレート3bや第2底部プレート4bとの関係から、熱交換部2の中間部に位置する一般的な第1コアプレート6や第2コアプレート7とは多少異なる構成となっている。
図1におけるフィンプレート8は、模式的に描かれたものであって、例えば図5に示すようなオフセット型コルゲートフィンとして形成されている。
すなわち、フィンプレート8は、1枚の母材を一定ピッチ毎に矩形ないしU字形に折り曲げてなるコルゲートフィンであり、特にある幅毎に、半ピッチずつコルゲートの位置がずれたオフセット型コルゲートフィンからなっている。
オイルクーラ1は、コアプレート積層方向(上下方向)の片側の端部である上端に、第1のオイルを導入する第1オイル導入口としての第1オイル導入部17と第1のオイルを排出する第1オイル排出口としての第1オイル排出部18を有している。
また、オイルクーラ1は、コアプレート積層方向の片側の端部である上端に、冷却水を導入する冷媒導入口としての冷却水導入部19と冷却水を排出する冷媒排出口としての冷却水排出部20を有している。
第1オイル導入部17、第1オイル排出部18、冷却水導入部19及び冷却水排出部20は、略正方形の第1頂部プレート3aの4隅に形成されている。
詳述すると、第1オイル導入部17と第1オイル排出部18は、第1頂部プレート外縁に位置するとともに、当該第1頂部プレート中心を挟んで対称となる第1頂部プレート対角線上に形成されている。また、冷却水導入部19及び冷却水排出部20は、第1頂部プレート外縁に位置するとともに、当該第1頂部プレート中心を挟んで対称となる第1頂部プレート対角線上に形成されている。なお、冷却水導入部19及び冷却水排出部20は、第1オイル導入部17及び第1オイル排出部18とは互いに異なる第1頂部プレート対角線上に形成されている。
そして、オイルクーラ1は、コアプレート積層方向の片側の端部である下端に、第2のオイルを導入する第2オイル導入口としての第2オイル導入部21と第2オイルを排出する第2オイル排出口としての第2オイル排出部22を有している。
第2オイル導入部21及び第2オイル排出部22は、略正方形の第1底部プレート中心を挟んで対称となる第1底部プレート対角線上に形成されている。
なお、図1中の41は、冷却水導入部19に接続される冷却水導入管であり、図1中の42は、冷却水排出部20に接続される冷却水排出管である。
また、図1中の43は、第1オイル導入部17に接続される第1オイル導入管であり、図1中の44は、第1オイル排出部18に接続される第1オイル排出管である。
第1コアプレート6及び第2コアプレート7は、アルミニウム合金の薄い母材をプレス成形したものであって、全体として略正方形をなし、2つのオイル通過穴15と3つの冷却水通過穴16とを有している。
オイル通過穴15は、コアプレート外縁に位置するとともに、当該コアプレート中心を挟んで対称となるコアプレート対角線上に形成されている。
オイル通過穴15のうちコアプレート積層方向で、熱交換部2の上方側に位置するものが、第1のオイルが通過する第1オイル通過穴25となっている。
オイル通過穴15のうちコアプレート積層方向で、熱交換部2の下方側に位置するものが、第2のオイルが通過する第2オイル通過穴26となっている。
また、コアプレート積層方向の中間位置にて隣接する第2コアプレート7と第1コアプレート6は、一対のオイル通過穴15の双方が塞がれてオイル閉塞部28となっている。
つまり、プレート間オイル流路9のうち、コアプレート積層方向で、オイル閉塞部28より上方側に位置するものによって、第1のオイルが流れる第1オイル経路11aが構成される。また、プレート間オイル流路9のうち、コアプレート積層方向で、オイル閉塞部28より下方側に位置するものによって、第2のオイルが流れる第2オイル経路11bが構成される。
第1オイル経路11aは、プレート間オイル流路9のうちコアプレート積層方向で熱交換部2内の上方側に位置する5つのプレート間オイル流路9によって形成される。第1オイル経路11aは、第1オイル導入部17から第1オイル排出部18に至る第1のオイルの熱交換部2内の流路である。
第1オイル経路11aにおいては、5つのプレート間オイル流路9が互いに並列の関係となっている。
第2オイル経路11bは、プレート間オイル流路9のうちコアプレート積層方向で熱交換部2内の下方側に位置する4つのプレート間オイル流路9によって形成される。第2オイル経路11bは、第2オイル導入部21から第2オイル排出部22に至る第2のオイルの熱交換部2内の流路である。
第2オイル経路11bにおいては、4つのプレート間オイル流路9が互いに並列の関係となっている。
第1オイル経路11aと第2オイル経路11bは、熱交換部2内において互いに独立したオイル経路である。つまり、第1オイル経路11aと第2オイル経路11bは、熱交換部2内において互いに連通していない。換言すると、第2オイル経路11bは、第1オイル経路11aを形成するプレート間オイル流路9以外のプレート間オイル流路9によって形成されている。
図3に示すように、第1オイル導入部17から導入された第1のオイルは、熱交換部2内をコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変え、第1オイル排出部18から排出される。
また、第2オイル導入部21から導入された第2のオイルは、熱交換部2内をコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変え、第2オイル排出部22から排出される。なお、図3中の矢印はオイルの流れを示しており、実線が第1オイル経路11aを示し、破線が第2オイル経路11bを示している。
第1オイル排出部18から排出される第1オイル経路11aで熱交換された第1のオイルは、例えば変速機に供給される。
そして、第2オイル排出部22から排出される第2オイル経路11bで熱交換された第2のオイルは、例えば、内燃機関(エンジン)全体の冷却や潤滑を行うオイルとして、メインギャラリー(図示せず)から各部に供給される。
冷却水通過穴16は、コアプレート中央に位置する第1冷却水通過穴31と、オイル通過穴15を挟んで対称となるコアプレート対角線上に位置する一対の第2冷却水通過穴32とからなっている。なお、冷却水通過穴16は、オイル通過穴15とはコアプレート対角線上に形成されている。
第1冷却水通過穴31は、熱交換部2をコアプレート積層方向に貫通する冷却水戻し通路24を構成するものである。
冷却水戻し通路24は、下端が第2底部プレート4bの底部長穴52(後述)を介して熱交換部2の最下部の一対の第2冷却水通過穴32の一方と連通し、上端が第2頂部プレート3bの頂部長穴49(後述)を介して第1頂部プレート3aの冷却水排出部20と連通している。
また、一対のオイル通過穴15の双方が塞がれてオイル閉塞部28となっている第1コアプレート6の上方に位置する一枚の第1コアプレート6は、一対の第2冷却水通過穴32のうち冷却水導入部19側が塞がれて冷却水閉塞部30aとなっている。コアプレート積層方向の最上部にある第1コアプレート6は、一対の第2冷却水通過穴32の冷却水排出部20側が塞がれて冷却水閉塞部30bとなっている。
これら冷却水閉塞部30a、30bにより、8つあるプレート間冷却水流路10が、上側の4つのプレート間冷却水流路10からなる第1冷媒経路13aとしての上流側冷却水流路群12aと、下側の4つのプレート間冷却水流路10からなる第2冷媒経路13bとしての下流側冷却水流路群12bとに分けられている。
そして、上流側冷却水流路群12aと、下流側冷却水流路群12bとは直列に接続される。各冷却水流路群内のプレート間冷却水流路10同士は実質的には互いに並列に接続されている。
つまり、冷却水導入部19から冷却水排出部20に至る熱交換部2内の冷却水経路13(冷媒経路)は、上流側冷却水流路群12aと下流側冷却水流路群12bとが直列に接続された構成となっている。
図4に示すように、冷却水導入部19から導入された冷却水は、コアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつコアプレート積層方向に流れて熱交換部2の最下部に至り、冷却水戻し通路24を介して冷却水排出部20から排出される。なお、図4中の矢印は冷却水の流れを示している。
冷却水導入部19から導入された冷却水は、上流側冷却水流路群12a、下流側冷却水流路群12bを経て冷却水排出部20へ至る冷却水経路13(冷媒経路)を通って熱交換を行う。つまり、第1オイル導入部17から熱交換部2に導入された第1のオイルは、上流側冷却水流路群12aを流れる冷却水と熱交換を行い、第1オイル排出部18から排出される。第2オイル導入部21から熱交換部2に導入された第2のオイルは、下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水と熱交換を行い、第2オイル排出部22から排出される。
第1コアプレート6では、各オイル通過穴15の周囲がボス部35としてプレート間冷却水流路10側へ突出するように一段高く形成されているとともに、第2冷却水通過穴32の周囲がボス部38としてプレート間オイル流路9側へ突出するように一段高く形成されている。また、第1コアプレート6では、第1冷却水通過穴31の周囲がボス部36としてプレート間冷却水流路10側及びプレート間オイル流路9側の双方へそれぞれ突出するように一段高く形成されている。
第2コアプレート7では、第2冷却水通過穴32の周囲がボス部38としてプレート間オイル流路9側へ突出するように一段高く形成されているとともに、各オイル通過穴15の周囲がボス部35としてプレート間冷却水流路10側へ突出するように一段高く形成されている。また、第2コアプレート7では、第1冷却水通過穴31の周囲がボス部36としてプレート間冷却水流路10側及びプレート間オイル流路9側の双方へそれぞれ突出するように一段高く形成されている。
従って、これら第1コアプレート6と第2コアプレート7とを交互に組み合わせることで、第1コアプレート6と第2コアプレート7との間に、プレート間オイル流路9とプレート間冷却水流路10となる一定の間隔が保持される。
第1コアプレート6におけるオイル通過穴15周囲のボス部35は、隣接する一方の第2コアプレート7のオイル通過穴15周囲のボス部35に各々接合されている。これにより、上下2つのプレート間オイル流路9が互いに連通するとともに、両者間のプレート間冷却水流路10から隔絶される。従って、多数の第1コアプレート6と第2コアプレート7とが接合された状態では、基本的には、多数のオイル通過穴15を介して各プレート間オイル流路9同士が互いに連通するとともに、全体として熱交換部2内をオイルがコアプレート積層方向に流通可能となっている。
第2コアプレート7における第2冷却水通過穴32周囲のボス部38は、隣接する一方の第1コアプレート6の第2冷却水通過穴32周囲のボス部38に各々接合されている。これにより、上下2つのプレート間冷却水流路10が互いに連通するとともに、両者間のプレート間オイル流路9から隔絶される。従って、多数の第1コアプレート6と第2コアプレート7とが接合された状態では、多数の第2冷却水通過穴32を介して各プレート間冷却水流路10同士が互いに連通するとともに、全体として熱交換部2内を冷却水がコアプレート積層方向に流通可能となっている。
第1コアプレート6における第1冷却水通過穴31周囲のボス部36は、隣接する上下の第2コアプレート7の第1冷却水通過穴31周囲のボス部36に各々接合されている。
第2コアプレート7における第1冷却水通過穴31周囲のボス部36は、隣接する上下の第1コアプレート6の第1冷却水通過穴31周囲のボス部36に各々接合されている。
従って、多数の第1コアプレート6と第2コアプレート7とが接合された状態では、各第1冷却水通過穴31と各ボス部36とによって熱交換部2をコアプレート積層方向に貫通する冷却水戻し通路24が構成される。冷却水戻し通路24は、第1コアプレート6と第2コアプレート7の間のプレート間オイル流路9に直接連通していない。
また、第1コアプレート6及び第2コアプレート7には、プレート間冷却水流路10側へ突出する多数の突起部45が形成されている。
プレート間オイル流路9に挟み込まれるフィンプレート8は、5箇所に、2つのオイル通過穴15及び3つの冷却水通過穴16にそれぞれ対応する開口部46が開口形成されている。各開口部46は、対応するボス部35、36、38に対し若干の余裕を有するように、各通過穴15、16よりも大きく形成されている。
熱交換部2の上面には、上述したように、第1、第2頂部プレート3a、3bが積層されている。
第1頂部プレート3aには、上述したように、第1オイル導入部17、第1オイル排出部18、冷却水導入部19及び冷却水排出部20が形成されている。
略正方形の第2頂部プレート3bには、頂部オイル貫通穴47a、47b、頂部冷却水貫通穴48及び頂部長穴49が形成されている。
頂部オイル貫通穴47aは、熱交換部2の最上部に位置する第1コアプレート6の第1オイル通過穴25の一方と第1頂部プレート3aの第1オイル導入部17とを連通させる。
頂部オイル貫通穴47bは、熱交換部2の最上部に位置する第1コアプレート6の第1オイル通過穴25の他方と第1頂部プレート3aの第1オイル排出部18とを連通させる。
頂部冷却水貫通穴48は、熱交換部2の最上部に位置する第1コアプレート6の一対の第2冷却水通過穴32の一方と第1頂部プレート3aの冷却水導入部19とを連通させる。
頂部長穴49は、熱交換部2の最上部に位置する第1コアプレート6の第1冷却水通過穴31と第1頂部プレート3aの冷却水排出部20とを連通させる。
熱交換部2の底面には、上述したように、第1、第2底部プレート4a、4bが積層されている。
第1底部プレート4aには、上述したように、第2オイル導入部21と第2オイル排出部22が形成されている。
略正方形の第2底部プレート4bには、底部オイル貫通穴51a、51b及び底部長穴52が形成されている。
底部オイル貫通穴51aは、熱交換部2の最下部に位置する第2コアプレート7の第2オイル通過穴26の一方と第1底部プレート4aの第2オイル導入部21とを連通させる。
底部オイル貫通穴51bは、熱交換部2の最下部に位置する第2コアプレート7の第2オイル通過穴26の他方と第1底部プレート4aの第2オイル排出部22とを連通させる。
底部長穴52は、熱交換部2の最下部に位置する第2コアプレート7の第1冷却水通過穴31と第2冷却水通過穴32の一方とを連通させる。
第1底部プレート4aは、第2オイル導入部21及び第2オイル排出部22の周囲をシール可能な図示せぬガスケット等を介して図示せぬシリンダブロック等に取り付けられる。
このような第1実施例のオイルクーラ1は、第1オイル導入部17から導入されたオイルと熱交換を行う上流側冷却水流路群12aと、第2オイル導入部21から導入されたオイルと熱交換を行う下流側冷却水流路群12bと、が直列に接続された構成となっている。換言すれば、上流側冷却水流路群12aを流れた冷却水が全て下流側冷却水流路群12bに流れ込む構成となっている。
これによって、上流側冷却水流路群12aと下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水の流速低下が抑制される。つまり、冷却水導入部19における冷却水の流速に対して、上流側冷却水流路群12a内における冷却水の流速低下及び下流側冷却水流路群12b内における冷却水の流速低下を抑制できる。
そのため、第1オイル経路11a内の第1のオイルと上流側冷却水流路群12a内の冷却水との熱交換の効率の低下を抑制できるとともに、第2オイル経路11b内の第2のオイルと下流側冷却水流路群12b内の冷却水との熱交換の効率の低下を抑制できる。
また、上流側冷却水流路群12aを流れる冷却水の流量及び下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水の流量は、冷却水導入部19から導入された冷却水の流量と等しくなるので、上流側冷却水流路群12a及び下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水の流量を確保できる。
そのため、第1オイル経路11a内の第1のオイルと上流側冷却水流路群12a内の冷却水との熱交換の効率の低下を抑制できるとともに、第2オイル経路11b内の第2のオイルと下流側冷却水流路群12b内の冷却水との熱交換の効率の低下を抑制できる。
以下、本発明に他の実施例について説明する。なお、上述した第1実施例と同一の構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図6を用いて、本発明の第2実施例のオイルクーラ60について説明する。図6は、第2実施例のオイルクーラ60の概略を模式的に示した説明図である。図6において、実線で示す矢印は冷却水の流れを示している。
熱交換器である第2実施例のオイルクーラ60は、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同一構成となっているが、下流側冷却水流路群12bをバイパスする第1連通路61と、第1連通路61に配置された第1制御弁62と、を有している。第1制御弁62は、第1連通路61を開閉するものである。
第2実施例においては、第1連通路61が下流側冷却水流路群12bをバイパスする第1バイパス通路に相当する。第1連通路61は、具体的には、熱交換部2の最上部に位置する第1コアプレート6の冷却水閉塞部30bを第2冷却水通過穴32に変更したものである。
このような第2実施例のオイルクーラ60においても上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同様の作用効果を得ることができる。
また、第2実施例のオイルクーラ60においては、第1制御弁62を開弁することによって、相対的に流路抵抗の少ない第1連通路61を冷却水が流れやすくなり、下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水の流量が相対的に低下させることができる。つまり、第2オイル導入部21から導入される第2のオイルに冷却水との間で熱交換を行う必要がないような状況では、第1制御弁62を開弁することで、下流側冷却水流路群12bへの冷却水の供給を実質的に停止することが可能となる。
また、第1制御弁62の開度を調整し、第1連通路61を流れる冷却水の流量を調整することで、第2オイル経路11bを流れる第2のオイルの熱交換量を調整することができる。
なお、第2実施例においては、第1連通路61を他の第2冷却水通過穴32に比べて小径の穴としてオリフィス状に形成してもよい。
図7を用いて、本発明の第3実施例のオイルクーラ70について説明する。図7は、第3実施例のオイルクーラ70の概略を模式的に示した説明図である。図7において、実線で示す矢印は冷却水の流れを示している。
熱交換器である第3実施例のオイルクーラ70は、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同一構成となっているが、第2底部プレート4bに形成された第2連通路71と、第2連通路71に配置された第1制御弁72と、を有している。第1制御弁72は、第2連通路71を開閉するものである。
第2連通路71は、第2底部プレート4bに形成された第2の底部長穴であり、一端が底部長穴52と連通し、他端が熱交換部2の最下部に位置する第2コアプレート7の第2冷却水通過穴32の他方と連通したものである。換言すれば、熱交換部2の最下部に位置する第2コアプレート7の一対の第2冷却水通過穴32と連通するように底部長穴52を延長した際の延長部分が第2連通路71に相当する。
第3実施例においては、下流側冷却水流路群12bをバイパスする第1バイパス通路が第2連通路71によって構成されている。
このような第3実施例のオイルクーラ70においては、上述した第2実施例のオイルクーラ60と略同様の作用効果を得ることができる。
図8を用いて、本発明の第4実施例のオイルクーラ80について説明する。図8は、第4実施例のオイルクーラ80の概略を模式的に示した説明図である。図8において、実線で示す矢印は冷却水の流れを示している。
熱交換器である第4実施例のオイルクーラ80は、上述した第1実施例のオイルクーラ1と略同一構成となっているが、冷却水閉塞部30aが形成された第1コアプレート6において、冷却水閉塞部30aの位置が第1実施例とは反対側の位置に形成されている。つまり、冷却水導入部19の直下にある第2冷却水通過穴32を介して、冷却水導入部19に導入された冷却水を第2底部プレート4bの底部長穴52まで直接導入させることが可能となっている。
さらに、冷却水閉塞部30aを有する第1コアプレート6よりもコアプレート積層方向で上方側に位置する第1コアプレート6の冷却水導入部19の直下にある第2冷却水通過穴32に上流側制御弁81が配置されている。上流側制御弁81は、第2冷却水通過穴32を開閉するものである。上流側制御弁81を閉じることで、当該位置の第2冷却水通過穴32が塞がれた状態となる。
これにより、上流側冷却水流路群12aにおいては、図8に示すように、冷却水がコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつコアプレート積層方向に流れることになる。
また、冷却水閉塞部30aを有する第1コアプレート6よりもコアプレート積層方向で下方側に位置する第1コアプレート6の冷却水導入部19の直下にある第2冷却水通過穴32に下流側制御弁82が配置されている。下流側制御弁82は、第2冷却水通過穴32を開閉するものである。下流側制御弁82を閉じることで、当該位置の第2冷却水通過穴32が塞がれた状態となる。
これにより、下流側冷却水流路群12bにおいては、図8に示すように、冷却水がコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつコアプレート積層方向に流れることになる。
この第4実施例においては、下流側冷却水流路群12bにおいて冷却水導入部19の直下にある第2冷却水通過穴32の集合体である下流側貫通通路83が第1バイパス通路に相当し、下流側制御弁82が第1制御弁に相当する。また、上流側冷却水流路群12aにおいて冷却水導入部19の直下にある第2冷却水通過穴32の集合体である上流側貫通通路84が第2バイパス通路に相当し、上流側制御弁81が第2制御弁に相当する。
上流側制御弁81及び下流側制御弁82の双方を閉弁すると、冷却水導入部19から導入された冷却水は、上流側冷却水流路群12aをコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつコアプレート積層方向に流れた後、下流側冷却水流路群12bをコアプレート積層方向と直交する方向で流れの向きを変えてUターンしつつコアプレート積層方向に流れる。
上流側制御弁81及び下流側制御弁82の双方を開弁すると、冷却水導入部19から導入された冷却水は、上流側冷却水流路群12a及び下流側冷却水流路群12bをバイパスして冷却水排出部20から排出される。
上流側制御弁81を閉弁し、下流側制御弁を開弁すると、冷却水導入部19から導入された冷却水は、上流側冷却水流路群12aを流れた後、下流側冷却水流路群12bをバイパスして冷却水排出部20から排出される。
上流側制御弁81を開弁し、下流側制御弁を閉弁すると、冷却水導入部19から導入された冷却水は、上流側冷却水流路群12aをバイパスした後、下流側冷却水流路群12bを流れて冷却水排出部20から排出される。
このような第4実施例のオイルクーラ80においては、上述した第1実施例のオイルクーラ60と略同様の作用効果を得ることができる。
また、上流側制御弁81と下流側制御弁82の閉弁と開弁を組み合わせてことで、第1オイル排出部18から排出される第1のオイルの温度と、第2オイル排出部22から排出される第2のオイルの温度を状況に応じた最適な温度に制御することが可能となる。
さらに、上流側制御弁81を開弁することで、上流側冷却水流路群12aを流れる冷却水の流量が相対的に低下させることができる。つまり、第1オイル導入部17から導入される第1のオイルに冷却水との間で熱交換を行う必要がないような状況では、上流側制御弁81を開弁することで、上流側冷却水流路群12aへの冷却水の供給を実質的に停止することが可能となる。
そして、上流側制御弁81の開度を調整し、上流側冷却水流路群12aを流れる冷却水の流量を調整することで、第1オイル経路11aを流れる第1のオイルの熱交換量を調整することが可能となる。
また、下流側制御弁82を開弁することで、下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水の流量が相対的に低下させることができる。つまり、第2オイル導入部21から導入される第2のオイルに冷却水との間で熱交換を行う必要がないような状況では、下流側制御弁82を開弁することで、下流側冷却水流路群12bへの冷却水の供給を実質的に停止することが可能となる。
そして、下流側制御弁82の開度を調整し、下流側冷却水流路群12bを流れる冷却水の流量を調整することで、第2オイル経路11bを流れる第2のオイルの熱交換量を調整することが可能となる。
1…オイルクーラ
2…熱交換部
3a…第1頂部プレート
3b…第2頂部プレート
4a…第1底部プレート
4b…第2底部プレート
6…第1コアプレート
7…第2コアプレート
9…プレート間オイル流路
10…プレート間冷却水流路
11a…第1オイル経路
11b…第2オイル経路
12a…上方側冷却水流路群
12b…下方側冷却水流路群
13…冷却水経路
13a…第1冷媒経路
13b…第2冷媒経路
15…オイル通過穴
16…冷却水通過穴
17…第1オイル導入部
18…第1オイル排出部
19…冷却水導入部
20…冷却水排出部
21…第2オイル導入部
22…第2オイル排出部
24…オイル戻し通路
25…第1オイル通過穴
26…第2オイル通過穴
28…オイル閉塞部
30a…冷却水閉塞部
30b…冷却水閉塞部
31…第1冷却水通過穴
32…第2冷却水通過穴

Claims (3)

  1. 多数のコアプレートを積層し、各々の間にプレート間オイル流路とプレート間冷媒流路とを交互に構成した熱交換部を有するオイルクーラにおいて、
    第1のオイルが導入される第1オイル導入口と、
    上記第1のオイルが排出される第1オイル排出口と、
    第2のオイルが導入される第2オイル導入口と、
    上記第2のオイルが排出される第2オイル排出口と、
    冷媒が導入される冷媒導入口と、
    上記冷媒が排出される冷媒排出口と、を有し、
    上記プレート間オイル流路によって、上記第1オイル導入口から上記第1オイル排出口に至る第1オイル経路と、上記第1オイル経路から独立し、上記第2オイル導入口から上記第2オイル排出口に至る第2オイル経路が形成され、
    上記プレート間冷媒流路によって、上記冷媒導入口から上記冷媒排出口に至る冷媒経路が形成され、
    上記冷媒経路は、上記第1オイル経路内の上記第1のオイルを冷却する上流側の第1冷媒経路と、上記第2オイル経路内の上記第2のオイルを冷却する下流側の第2冷媒経路と、が直列に接続された構成となっており、
    上記第2冷媒経路をバイパスする第1バイパス通路と、
    上記第1バイパス通路を開閉する第1制御弁と、を有することを特徴とするオイルクーラ。
  2. 上記第1冷媒経路をバイパスする第2バイパス通路と、
    上記第2バイパス通路を開閉する第2制御弁と、を有することを特徴とする請求項1に記載のオイルクーラ。
  3. 多数のコアプレートを積層し、各々の間にプレート間オイル流路とプレート間冷媒流路とを交互に構成した熱交換部を有するオイルクーラにおいて、
    第1のオイルが導入される第1オイル導入口と、
    上記第1のオイルが排出される第1オイル排出口と、
    第2のオイルが導入される第2オイル導入口と、
    上記第2のオイルが排出される第2オイル排出口と、
    冷媒が導入される冷媒導入口と、
    上記冷媒が排出される冷媒排出口と、を有し、
    上記プレート間オイル流路によって、上記第1オイル導入口から上記第1オイル排出口に至る第1オイル経路と、上記第1オイル経路から独立し、上記第2オイル導入口から上記第2オイル排出口に至る第2オイル経路が形成され、
    上記プレート間冷媒流路によって、上記冷媒導入口から上記冷媒排出口に至る冷媒経路が形成され、
    上記冷媒経路は、上記第1オイル経路内の上記第1のオイルを冷却する上流側の第1冷媒経路と、上記第2オイル経路内の上記第2のオイルを冷却する下流側の第2冷媒経路と、が直列に接続された構成となっており、
    上記第1冷媒経路をバイパスするバイパス通路と、
    上記バイパス通路を開閉する制御弁と、を有することを特徴とするオイルクーラ。
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