JP2019105006A - 張り子状成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙パルプ原料として少なくとも感熱記録紙を用いても、成形体の変色すなわち感熱記録紙の発色のない張り子状成形体を提供する。【解決手段】上記課題は、紙パルプ原料に少なくとも感熱記録紙を用いた張り子状成形体において、該成形体の表面に消色層を有する張り子状成形体によって達成される。【選択図】なし
Description
本発明は、縁起ものとして知られているだるま等の紙パルプ材で構成された張り子状成形体に関するもので、より詳しくは感熱紙を紙パルプ原料としても生地が黒ずまない張り子状成形体に関するものである。
張り子状の紙パルプ成形体の成形方法としては、張抜用木型の表面全体に、小紙片を一枚ずつ順次膠等の糊で貼り合わせ、適当な強度が得られる厚みとした後に天日乾燥し、二つ割りしてから中から木型を抜き取り、割れ目を紙と糊で継ぎ合わせ、起き上がり小法師やだるまであれば更に底部にヘッタと呼称される重りを装着して生地となし、この生地表面に胡粉等で下地塗装を行なった後、適宜の彩色塗装を施す方法が知られている。
また、張り子状成形体作製用張抜木型を縦断した片方ずつの表面と同じ形状の表面を、網または多数細孔板で成形した抄型の、外部から内部に、紙パルプを混入してある液体を通して上記抄型の表面に紙パルプを層着させ、上記抄型に層着したままの状態で紙パルプを乾燥した後に、抄型内部の気圧を加圧して紙パルプの層を抄型から離脱することにより張り子状成形体の片方ずつの殻を製造した後に、両片方を合わせる張り子状成形体の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、成形面部を濾過透水性金網とし、該成形面の背後から減圧吸引するようにしただるま製造用型枠を頭部成形部が上になるように原料懸濁液中に浸漬して減圧吸引し、該型枠内に原料懸濁液を注入するだるまの製造法が開示されている(特許文献2参照)。また、上下割型の合わせ部を一方に傾斜せしめて形成し、上下割型のそれぞれの合わせ面板に形成面を形成する透水性材料よりなる凹状の型を設け、かつ上下合わせ面板に複数個の通水孔を設けて上下割型空間部を連通せしめ、割型の合わせ部の傾斜方向の一側面に蝶番を、相対する一方の側面に懸濁液の吸入口を、及び下型に真空吸引管と連結する孔を設けた成形体製造用型が開示されている(特許文献3参照)。これらの、所謂雌型からの張り子状成形体の作製方法では、更に上記懸濁液の吸入口に乾燥装置を挿着して粗乾燥すること等も行なわれている。
紙パルプ材を原料としない張り子状成形体として、プラスチック材を押出成形するなどの方法により、外観の優美さや立体緻密性を発現でき、しかも短時間・安価で張り子状成形体を製造することはできるが、庶民信仰の対象としての張り子状だるまは古くから紙パルプ材で成形されて親しまれ、民芸的な味わいを求められることと相俟って、少なくとも張り子状だるまに関しては依然として紙または天然の紙類似材料によるものが大半である。
張り子状の紙パルプ成形体は、張り子状生地成形後に胡粉等の白色塗装や彩色が施されることもあり、後加工でもたらされる端材(製品化工程等で発生する切りくず)、古紙(利用目的を果たして不要となった紙)や故紙(製品欠点等があり、未使用のまま廃棄される紙)等が紙パルプ原料として専ら利用される。勿論、上記端材、古紙及び故紙等、その多くは元の紙製品や段ボール等にリサイクルされるが、製紙品の中には禁忌品として一般的にはリサイクルされないものもある。
その禁忌品の中に感熱記録紙(例えば、特許文献4、5参照)がある。感熱記録紙は、紙の表面に熱で発色する特殊薬品が塗工されており、そのきれいな印字と、印字スピード、インクの補充がいらないメンテナンスフリーの機能により、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等のレジ用紙、感熱ファクシミリや、電気、ガス等の検針票等、様々な用途で使用されている。ところが、この感熱記録紙を上記の紙パルプ原料とすると、湿紙状態の成形体の作製までは問題なかったとしても、その後成形体を加熱乾燥させると、上記特殊薬品が発色し、黒ずんだ成形体となってしまう。そこで、自然乾燥等、上記特殊薬品が発色しない温度域で乾燥すれば良いが、感熱記録紙そのものと異なり、張り子状成形体の大きさにもよるが一般に乾燥紙厚は数mm以上を要するので、乾燥しきるまでに相当の時間を要するという問題があった。
従来、禁忌品としてリサイクルされなかった感熱記録紙を再生利用することは、資源の節減等からも有意義であるが、発色を恐れて自然乾燥していては生産性が悪く、かといって加熱乾燥により成形体表面が発色してしまっては商品価値が低下する。
したがって、本発明の課題は、本来であれば成形体原料の感熱記録紙が発色する温度で乾燥させても成形体表面が黒ずまない張り子状成形体とその製造方法を提供することにある。
したがって、本発明の課題は、本来であれば成形体原料の感熱記録紙が発色する温度で乾燥させても成形体表面が黒ずまない張り子状成形体とその製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者は上記課題を鋭意検討した結果、感熱記録紙を用いた張り子状成形体の表面に消色層を有する張り子状成形体により上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、紙パルプ原料に少なくとも感熱記録紙を用いた張り子状成形体において、該成形体の表面に消色層を有する張り子状成形体によって上記課題が解決される。
すなわち、紙パルプ原料に少なくとも感熱記録紙を用いた張り子状成形体において、該成形体の表面に消色層を有する張り子状成形体によって上記課題が解決される。
本発明の張り子状本体は、型枠上に、少なくとも感熱記録紙を紙パルプ原料とする紙層を形成し、次いでその表面に消色層を設けた後、加熱乾燥する張り子状成形体の製造方法により、加熱温度が本来感熱記録紙が発色する温度であっても、生地の色のままの張り子状成形体を製造することができる。当該消色層はスプレー塗布法にて設けることが好ましい。
本発明により、張り子状成形体の原料に感熱記録紙を用い、その発色温度域で成形体を乾燥しても成形体が発色することなく、短時間で乾燥させることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の張り子状成形体は、少なくとも感熱記録紙を紙パルプ原料とする。
本発明に係る感熱記録紙は、紙支持体上に熱により発色する感熱記録層を少なくとも有する記録紙である。このような感熱記録材料には、何れも感熱ヘッドによる印加エネルギーで呈色反応を生じるような組合せが知られており、例えば通常無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せ、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物の組合せ、無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体とイソシアナート化合物の組合せ、金属化合物と配位化合物の組合せ、ジアゾニウム塩とカプラーの組合せ等が挙げられるが、発色濃度、発色し易さ、発色の制御のし易さ等の点で、上記電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せの感熱記録材料が最も入手し易く、本発明に好ましく用いることができる。
本発明の張り子状成形体は、少なくとも感熱記録紙を紙パルプ原料とする。
本発明に係る感熱記録紙は、紙支持体上に熱により発色する感熱記録層を少なくとも有する記録紙である。このような感熱記録材料には、何れも感熱ヘッドによる印加エネルギーで呈色反応を生じるような組合せが知られており、例えば通常無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せ、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物の組合せ、無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体とイソシアナート化合物の組合せ、金属化合物と配位化合物の組合せ、ジアゾニウム塩とカプラーの組合せ等が挙げられるが、発色濃度、発色し易さ、発色の制御のし易さ等の点で、上記電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せの感熱記録材料が最も入手し易く、本発明に好ましく用いることができる。
本発明の張り子状成形体に係る感熱記録紙は、紙パルプからなる支持体上に少なくとも感熱記録層を有するものである。本発明に係る感熱記録紙は離解して紙パルプとなし、それを張り子状成形体に成形するので、木材パルプや非木材(木材繊維を利用する針葉樹及び広葉樹以外の、繊維利用植物及びそれが含有する植物繊維)パルプ以外の合成紙やセラミック紙は勿論、合成樹脂ラミネート紙もたとえ分類上紙に属していてもそれが支持体として用いられた感熱記録紙は本発明に係る紙パルプ原料として用いない。
また、支持体が紙パルプからなるも感熱記録層を有さない、感熱記録紙以外の、従来公知の上質紙(ノンコーテッド紙)、情報記録紙、印刷用塗工紙等、及び紙パルプそのものは、従来よりリサイクル可能であり、本発明の目的である禁忌品の利用促進とは相反するものの、本発明の張り子状成形体に係る紙パルプ原料として、感熱記録紙と併用することは差し支えない。尚、本発明に係る紙パルプとして具体的には、針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイトパルプ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒または晒化学パルプ、あるいはGP、RMP、TMP、CTMP等の機械パルプ、あるいはコットンパルプ、リンターパルプ、液体アンモニア処理パルプ、マーセル化パルプ、撥水化、耐水化、硬化、カール化の何れかの処理の少なくとも一つを施したパルプ等、公知の木材パルプ、非木材パルプが挙げられる。
本発明に好ましく用いられる感熱記録紙における、無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体(以下、染料前駆体と記載する)の具体例としては、下記に挙げるもの等がある。
黒系の染料前駆体としては、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−(4−トルイジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−(4−n−ブチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
黒系の染料前駆体としては、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−4−トルイジノ)−6−メチル−7−(4−トルイジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−(4−n−ブチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
また、赤系の染料前駆体としては、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)テトラクロロフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ−8−ベンジルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−アセチル−N−メチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−プロポキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[c]フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エトキシエチル−N−エチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ピロリジルアミノ−7−メチルフルオラン、3−エチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム等が挙げられる。
また、青系の染料前駆体としては、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ペンチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヒドロキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジクロロアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブロモアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジアリルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−プロポキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ブトキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−n−ヘキシルオキシアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−メチルシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジ−メトキシシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ピロリジルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2,3−ジエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(3−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−アリル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−クロロインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−ブロモインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−プロピルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エトキシインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−4,5,6,7−テトラクロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−ニトロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(1−エチル−4−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチルアミノ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−クロロ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブロモ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ブチル−2−インドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、
3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−n−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エトキシ−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−フェニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ヘプチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−n−ノニル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリド等が挙げられる。
また、緑系の染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−(N−フェニル−N−メチル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−(N−メチル−N−フェニル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−(N−メチル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−プロピル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシ−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチルエトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−アニリノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−アニリノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−(4−シクロヘキシルアニリノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,7−ビス(ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等が挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して用いられている。
また、本発明に好ましく用いられる感熱記録紙における電子受容性化合物は、加熱により上記染料前駆体を発色させる化合物(顕色剤と呼ばれる)であり、その具体例としては下記に挙げるもの等がある。
酸性白土、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン等の粘土物質、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,3−ビス〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス〔3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、4−〔2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−〔3−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニル〕ウレア、ビス(4−トシルアミノカルボキシアミノフェニル)メタン、n−ブチル−4−(3−p−トルエンスルホニル)ウレイドベンゾエート、n−ブチル−3−(3−p−トルエンスルホニル)ウレイドベンゾエート、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−4−tert−ブチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して用いられている。
本発明に好ましく用いられる感熱記録紙の感熱記録層には、以上の主要成分に加えて、公知のバインダー、熱溶融化合物、保存性改良剤、界面活性剤等が添加されていても良い。
感熱記録層のバインダーとしては、通常水溶性高分子化合物または水分散性樹脂が用いられている。その具体例としては、例えば澱粉類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、リン酸基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性樹脂が挙げられる。
感熱記録層のバインダーとしては、通常水溶性高分子化合物または水分散性樹脂が用いられている。その具体例としては、例えば澱粉類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、スルホン酸基変性ポリビニルアルコール、リン酸基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン等の水分散性樹脂が挙げられる。
また、熱溶融化合物は、十分な発色感度を得るための増感剤として用いられ、例えば、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、p−トルエンスルホンアミド、N−ステアリル尿素、ジフェニルスルホン、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α′−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンジルパラベン、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、4,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、サリチルアニリド等公知の熱溶融化合物が挙げられる。
また、保存性改良剤は、発色画像部の保存性を高めるために用いられ、例えば、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、
1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N′−ビス(2−ナフチル)−1,4−フェニレンジアミン、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ、4−{{4−{4−{4−[〔4−(1−メチルエトキシ)フェニル〕スルホニル]フェノキシ}ブトキシ}フェニル}スルホニル}フェノール、ジフェニルスルホン架橋型化合物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等を添加することができる。
また、本発明に好ましく用いられる感熱記録紙の感熱記録層には、各種顔料が添加されていても良い。その具体例としては、珪藻土、タルク、カオリン、焼成カオリン、軟質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト等の白色無機顔料等公知の顔料が挙げられる。
更に、耐スティッキング性向上のために使用されているステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等のワックス類を、耐水性を持たせるために各種の硬膜剤、架橋剤を、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、界面活性剤、蛍光染料、着色染料、ブルーイング剤等を含有されていても良い。
その他、耐光性を向上させるために酸化防止剤、紫外線吸収剤を含有させることができる。酸化防止剤の例としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びスルフィド系酸化防止剤等が挙げられる。また、紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の有機化合物、及び酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化セリウム等の無機物が挙げられる。
本発明に好ましく用いられる感熱記録紙の感熱記録層上には、耐スティッキング性の向上、スクラッチ傷の防止、耐水性の向上、感熱発色画像の耐可塑剤性や耐薬品性の向上等を目的として保護層が設けられていても良い。
保護層には、感熱記録層に用いられるバインダーの具体例として記述したバインダーが用いられていても良い。また、バインダーの耐水性を促進させるため、エポキシ基を持つ化合物やジルコニウム塩類等の硬化剤、架橋剤を含有したものであっても良い。
更に、筆記性、プリンタ走行性を向上させるため、珪藻土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー等の有機顔料が含有されていても良い。
その他の保護層には、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスタードワックス等のワックス類が、またジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、濡れ剤、消泡剤、蛍光染料、紫外線吸収剤等が含有されていても良い。
保護層には、感熱記録層に用いられるバインダーの具体例として記述したバインダーが用いられていても良い。また、バインダーの耐水性を促進させるため、エポキシ基を持つ化合物やジルコニウム塩類等の硬化剤、架橋剤を含有したものであっても良い。
更に、筆記性、プリンタ走行性を向上させるため、珪藻土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー等の有機顔料が含有されていても良い。
その他の保護層には、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスタードワックス等のワックス類が、またジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、濡れ剤、消泡剤、蛍光染料、紫外線吸収剤等が含有されていても良い。
次に、本発明に係る消色層について説明する。
本発明に係る消色層は、紙パルプ原料に少なくとも感熱記録紙を用いた張り子状成形体の表面に設ける。
本発明に係る消色層には、従来公知のアミジン類、アミド類、イミダゾリン類、イミダゾール類、グアニジン類、グリコール類、脂肪族アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ピリジン類、ポリエーテル類、モルホリン類等の消色剤を用いることができる。
消色剤として、具体的には、ポリエーテル及びポリエチレングリコール誘導体(特公昭50−17867号公報、特公昭50−17868号公報)、グアニジン誘導体(特公昭51−29024号公報)、アミンまたは第四級アンモニウム塩(特開昭50−18048号公報)、ピペリジン誘導体(特開昭64−82986号公報)、ビスフェノール類の酸化アルキレン化合物(特開昭54−139741号公報)、テレフタル酸の酸化エチレン付加物(特開昭55−25306号公報)、長鎖1,2−グリコール(特開昭55−27217号公報)、グリセリン脂肪酸エステル(特開昭55−113593号公報)、尿素誘導体(特開昭55−139290号公報)、直鎖グリコールの酸化アルキレン付加物(特開昭55−152094号公報)、モルホリン誘導体(特開昭56−40588号公報)、脂肪族及び芳香族カルボン酸のジ置換アミド化合物(特開昭61−120792号公報、特開昭61−169277号公報)等が知られている。本発明において、消色剤は単独または二種以上を併用しても良い。
本発明に係る消色層は、紙パルプ原料に少なくとも感熱記録紙を用いた張り子状成形体の表面に設ける。
本発明に係る消色層には、従来公知のアミジン類、アミド類、イミダゾリン類、イミダゾール類、グアニジン類、グリコール類、脂肪族アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ピリジン類、ポリエーテル類、モルホリン類等の消色剤を用いることができる。
消色剤として、具体的には、ポリエーテル及びポリエチレングリコール誘導体(特公昭50−17867号公報、特公昭50−17868号公報)、グアニジン誘導体(特公昭51−29024号公報)、アミンまたは第四級アンモニウム塩(特開昭50−18048号公報)、ピペリジン誘導体(特開昭64−82986号公報)、ビスフェノール類の酸化アルキレン化合物(特開昭54−139741号公報)、テレフタル酸の酸化エチレン付加物(特開昭55−25306号公報)、長鎖1,2−グリコール(特開昭55−27217号公報)、グリセリン脂肪酸エステル(特開昭55−113593号公報)、尿素誘導体(特開昭55−139290号公報)、直鎖グリコールの酸化アルキレン付加物(特開昭55−152094号公報)、モルホリン誘導体(特開昭56−40588号公報)、脂肪族及び芳香族カルボン酸のジ置換アミド化合物(特開昭61−120792号公報、特開昭61−169277号公報)等が知られている。本発明において、消色剤は単独または二種以上を併用しても良い。
消色層を設けるためには、消色剤が液状であればそのまま、あるいは水を包含する適当な溶媒に溶解した溶液または分散媒に分散させた分散液により張り子状成形体の表面に塗設することが好ましい。溶媒または分散媒は、水または水に可溶な低沸点有機溶媒が好ましく、低沸点有機溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等の低級アルコールが好ましい。溶液または分散液には消色剤のほか、分散助剤、濡れ性改良剤、浸透剤等の各種界面活性剤、防腐剤、防黴剤、着色剤、地肌隠蔽剤等を併用しても良い。
上記消色剤は、上記特許によれば、感熱記録層における染料前駆体と電子供与性化合物(顕色剤)の合計質量に対し概ね0.1〜20質量%程度、より好ましくは0.5〜6質量%程度の範囲で用いられることが記載されている。しかしながら、本発明では感熱記録層中の染料前駆体や顕色剤が不明の感熱記録紙を用いること、及び後述する張り子状成形体の製造方法にもよるが、感熱記録紙または感熱記録層若しくは感熱記録紙由来の紙パルプが必ずしも張り子状成形体の表面に局在するわけではないので、消色剤の使用量は一概に決められない。そこで、本発明においては、消色層中の消色剤の含有量を変えて夫々の張り子状成形体の表面に形成させ、本来感熱記録紙が発色する温度以上で乾燥させた際に、安定的に発色しない消色剤含有量を採用する。
最後に、本発明の張り子状成形体の製造方法並びに該成形体への消色層の形成方法について説明する。
まず、張り子状成形体の製造方法としては、型枠上に、少なくとも感熱記録紙を紙パルプ原料とする紙層を形成する方法が挙げられる。更に、少なくとも感熱記録紙を離解せずに用いる乾式法と水に離解して用いる湿式法とに大別される。
まず、張り子状成形体の製造方法としては、型枠上に、少なくとも感熱記録紙を紙パルプ原料とする紙層を形成する方法が挙げられる。更に、少なくとも感熱記録紙を離解せずに用いる乾式法と水に離解して用いる湿式法とに大別される。
本発明でいう乾式法とは、型枠の表面全体に適宜の大きさに裁断した感熱記録紙を糊剤で積層させて紙層を形成する方法である。ポリエーテル及びポリエチレングリコール誘導体等、上記中には消色作用と結着性とを有する消色剤があるので、そのような消色剤を糊剤として若しくは従来公知の糊剤と混合併用して用いても良い。本方法はその後型枠ごと自然乾燥し、二つ割りしてから中から型枠を抜き取り、割れ目を紙と糊で継き合わせる方法が一般的であるが、型枠の加熱に問題なければ紙層ごと加熱乾燥しても発色を防止することができる。
また、本発明でいう湿式法とは、少なくとも感熱記録紙を離解して紙料となし、透水性型枠の紙層形成面と反対面から減圧吸引することで該型枠上に紙層を形成する方法である。このような形成方法に好ましく用いられる成形装置としては、特開昭52−154441号公報に記載の如く、ヒンジで分割回動可能に支持して割型構造になっているものが挙げられる。割型構造の場合、紙パルプスラリー供給口を分断する構造が好ましく、張り子状形成体がだるま形状であれば、正面と背面を分断する構造が好ましい。また、該装置の減圧吸引口は紙パルプスラリー供給口からなるべく離れた位置に配置する方が好ましく、成形装置が大型な場合は減圧吸引口は複数設けても良い。特に割型構造の場合は、構造体の夫々に減圧吸引口を1つ以上設けても良い。
本発明に用いる型枠における濾過透水性金網は、金網すなわち金属製の網でなくても差し支えなく、プラスチック製、ブロンズ製、ステンレス製等の何れも用いることができるが、耐久性、所望の形状を得るための立体形状加工性、減圧吸引における耐変形性に勘案し、適宜決定すれば良い。耐久性及び耐変形性からはステンレス製が好ましい。また、金網の目開きは0.08〜1mmが好ましく、0.2〜0.8mmがより好ましく、0.3〜0.6mmが更に好ましい。金網は二重以上に重ねて用いても良く、重ねて用いる場合には夫々の材質や目開きは異なっていても良い。例えば、複雑な立体形状の発現及び表面性を重視する場合は、内側(紙層形成側)には目開きの小さい金網及びまたは立体加工しやすい軟らかい金網を用い、外側には脱水性を妨げることなく、減圧吸引による内側の金網の変形を防止し得る目開きが大きく及びまたは硬い金網等の構成を挙げることができる。更に、割型構造に用いる場合、夫々の金網の材質や目開きは異なっていても良い。
上記のような型枠を用いた場合の張り子状成形体の製造方法としては、該型枠内に少なくとも感熱記録紙由来の紙料を供給して製造する。型枠内への紙料の供給方法は、(イ)供給口を上にして減圧吸引しつつ若しくは紙料供給後に減圧吸引し、型枠内で所望の厚み(湿紙状態)になるまで紙料を供給し続ける方法、(ロ)特開昭52−126374号公報に記載の如く、予め調成した紙料を入れた容器中に、張り子状成形体の特定部位が上になるように若しくは供給口を横また下にして浸漬し、所望の厚み(湿紙状態)になるまで減圧吸引した後、容器内より抜去する方法、(ハ)金網面に紙料を吹き付けるなどして供給する方法等が挙げられる。
上記(イ)の方法は、紙層形成中は成形装置全体を振動させるか型枠内の紙料を攪拌するなどして、厚みの厚薄むらを抑制することが望ましい。(ロ)の方法についても、紙層形成中は成形装置全体を振動させるか、容器内の紙パルプスラリーを攪拌するなどして、厚みの厚薄むらを抑制することが好ましい。(ハ)の方法については、殊に成形装置が割型構造であれば、割型させて夫々別個に紙層形成させ、適宜厚み(湿紙状態)を調整したり、複雑な立体形状部分には異なった量または性状の紙料を供給しても良い。尚、「異なった性状」とは、ろ水度、紙パルプ原料種、スラリー組成、パルプ色調等の何れかが異なることをいう。また、割型させて夫々別個に紙層形成させる場合は、所望により嵌合面に糊剤を供給し、嵌合させた後に乾燥させることが好ましい。上記方法により型枠内で所望の厚み(湿紙状態)が得られた後は、紙料の供給を断って適宜時間減圧吸引を続けることが好ましい。
次いで、張り子状成形体の表面に消色層を設ける。
張り子状成形体の表面に消色層を設けるタイミングとしては、(a)湿紙状態で型枠脱着前に消色層を設ける方法、(b)型枠から紙層を脱着させても形状変形が実質起こらない程度に感熱記録紙の発色温度未満で乾燥させ、型枠脱着後に消色層を設ける方法が挙げられる。消色層が設けられた張り子状成形体は感熱記録紙の発色温度以上の加熱乾燥が可能(当該温度で乾燥しても発色しない意)であるが、(a)方法は型枠上で消色層を設けるので、脱着せず型枠ごと加熱乾燥しても、型枠から脱着後に加熱乾燥しても何れでも良い。しかしながら、(a)の状態や(b)であっても成形体への水分吸収量が多い状態、すなわち張り子状成形体自体が水分を多く含んだ状態で急速に乾燥させると、成形体が不均一に乾燥収縮してその表面に縮緬状の皺(所謂ひじわ)が誘発することがあるので、注意を要する。
張り子状成形体の表面に消色層を設けるタイミングとしては、(a)湿紙状態で型枠脱着前に消色層を設ける方法、(b)型枠から紙層を脱着させても形状変形が実質起こらない程度に感熱記録紙の発色温度未満で乾燥させ、型枠脱着後に消色層を設ける方法が挙げられる。消色層が設けられた張り子状成形体は感熱記録紙の発色温度以上の加熱乾燥が可能(当該温度で乾燥しても発色しない意)であるが、(a)方法は型枠上で消色層を設けるので、脱着せず型枠ごと加熱乾燥しても、型枠から脱着後に加熱乾燥しても何れでも良い。しかしながら、(a)の状態や(b)であっても成形体への水分吸収量が多い状態、すなわち張り子状成形体自体が水分を多く含んだ状態で急速に乾燥させると、成形体が不均一に乾燥収縮してその表面に縮緬状の皺(所謂ひじわ)が誘発することがあるので、注意を要する。
消色層を設ける方法としては、(甲)筆、刷毛、ペイントローラー等を用いて消色剤あるいは消色剤を含有する溶液または分散液を張り子状成形体に塗布する方法、(乙)スプレー、シャワー等により消色剤あるいは消色剤を含有する溶液または分散液を噴霧して塗布する方法、(丙)消色剤あるいは消色剤を含有する溶液または分散液中に張り子状成形体を浸漬する方法等を挙げることができる。また、消色層は所望により、張り子状成形体の内側・外側両表面に設けても良いし、胡粉がけ、化粧塗り等何らかの装飾を施す側の表面のみでも良い。
これらの消色層を設ける方法のうち、(甲)方法は作業効率に勘案し張り子状成形体の形状に合わせて塗布手段の選択(変更)が必要となる場合があったり、上記(a)方法に適用すると、成形体表面が毛羽立つ場合があったりするが、張り子状成形体の形状がより複雑である場合に適する。(乙)方法は液の飛散に配慮する必要があるが、より複雑な形状へも対応可能で迅速・均一に消色層を形成できる。(丙)方法は張り子状成形体の大きさに合わせた浸漬容器と、それに見合った消色剤あるいは消色剤を含有する溶液または分散液の量、及び張り子状成形体の片面のみに消色層を設ける場合は浮力及び液の浸透による張り子状成形体の変形に配慮する必要があり、また上記(a)方法に適用すると、成形体が型枠から脱着したり成形体表面から紙パルプが落剥したりする可能性があるが、作業時間に優れる。以上の如く、全ての点において優れる方法はないが、作業効率(作業時間)及び消色層の均一性の点で(乙)方法が好ましい。勿論、張り子状成形体の部分により(甲)ないし(丙)方法を適宜組み合わせて消色層を設けても良いし、(丙)方法は、例えば片面ずつとか何回かに分けて行なっても良い。
最終的に、適宜の方法で張り子状成形体を成形、適宜の方法で消色層を塗設、適宜の方法で乾燥させた後は、所望によりヘッタ(重り)を装着し、胡粉等の下塗りや着色塗液による化粧がけ、文字や図形の描画等を施しても良い。
以下に実施例を挙げてより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において「部」及び「%」とあるのは特に断らない限り「固形分質量部」及び「質量%」を示す。
〈消色層形成用塗液1〉
4,4′−ジチオジモルホリン20部、5%ポリビニルアルコール水溶液40部、水20部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μmとなるまで粉砕した。
この分散液100部に水50部を添加して撹拌し、消色層形成用塗液1とした。
4,4′−ジチオジモルホリン20部、5%ポリビニルアルコール水溶液40部、水20部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μmとなるまで粉砕した。
この分散液100部に水50部を添加して撹拌し、消色層形成用塗液1とした。
〈消色層形成用塗液2〉
N,N′−チオジ−ε−カプロラクタム20部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μmとなるまで粉砕し、消色層形成用塗液2とした。
N,N′−チオジ−ε−カプロラクタム20部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μmとなるまで粉砕し、消色層形成用塗液2とした。
〈消色層形成用塗液3〉
イソフタロイル−ビス(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミド20部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μmとなるまで粉砕し、消色層形成用塗液3とした。
イソフタロイル−ビス(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミド20部、10%ポリビニルアルコール水溶液20部、水60部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が1μmとなるまで粉砕し、消色層形成用塗液3とした。
〈消色層形成用塗液4〉
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート50部、5%メチルセルロース水溶液25部、水110部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が2μmとなるまで粉砕した。
この分散液100部、10%ポリビニルアルコール水溶液100部、水70部を混合、撹拌し、消色層形成用塗液4とした。
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート50部、5%メチルセルロース水溶液25部、水110部を混合し、サンドグラインダーを用いて平均粒子径が2μmとなるまで粉砕した。
この分散液100部、10%ポリビニルアルコール水溶液100部、水70部を混合、撹拌し、消色層形成用塗液4とした。
実施例1
水を張ったバット中に浸漬させておいた木質パルプを含む湿紙式不織布の小片を木製の張抜用型枠の全面を被覆するように貼り付け、更にその上から水性糊を付着させた故紙の感熱記録紙の小紙片を一枚ずつ重ね合わせ、適当な強度が得られる厚みとした後、消色層形成用塗液1を張り子状成形体の表面全面に刷毛を用いて塗布した。
次に、ヒートガンを用いて180℃の弱風で乾燥させたが、張り子状成形体は発色せず、白いままで乾燥できた。
水を張ったバット中に浸漬させておいた木質パルプを含む湿紙式不織布の小片を木製の張抜用型枠の全面を被覆するように貼り付け、更にその上から水性糊を付着させた故紙の感熱記録紙の小紙片を一枚ずつ重ね合わせ、適当な強度が得られる厚みとした後、消色層形成用塗液1を張り子状成形体の表面全面に刷毛を用いて塗布した。
次に、ヒートガンを用いて180℃の弱風で乾燥させたが、張り子状成形体は発色せず、白いままで乾燥できた。
比較例1
実施例1と同様にして故紙の感熱記録紙の小紙片を適当な強度が得られる厚みまで貼り合わせた張り子状成形体を作製した。
次に、ヒートガンを用いて180℃の弱風で乾燥させたところ、張り子状成形体は黒く発色した。
実施例1と同様にして故紙の感熱記録紙の小紙片を適当な強度が得られる厚みまで貼り合わせた張り子状成形体を作製した。
次に、ヒートガンを用いて180℃の弱風で乾燥させたところ、張り子状成形体は黒く発色した。
実施例2
感熱記録紙の古紙と紙製のタマゴトレー(紙製モールドトレー)を乾燥質量で2:1の割合で混合して離解し、濃度1%の紙パルプスラリーを得た。
張り子状成形体作製用張抜木型を縦断し、その一方の凸面に金網を押し付け、張抜木型様に金網を成形した。これをパイプ連結孔を有する台上に固定し、パイプ連結孔にパイプを連結させ、更にパイプのパイプ連結孔とは反対側に吸引ポンプを接続させた。
バットに上記紙パルプスラリーを充満させ、緩く攪拌した中に上記金網を浸漬させ、吸引ポンプで吸引しながら金網に紙パルプを適度な厚みになるまで層着させた後、金網をバットから取り出し、水分が吸引されなくなるまで吸引を続けた。
消色層形成用塗液2を充満した別のバットに、吸引を続けながら金網上の紙パルプ表面が全面浸かるように浸漬させ、直ちに引き上げて数分間自然乾燥させた後、金網から張り子状成形体を脱着させることなく、ヒートガンを用いて180℃の弱風で乾燥させた。
乾燥後に金網から張り子状成形体を脱着して表面を観察したところ、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より灰色が濃くなったが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
感熱記録紙の古紙と紙製のタマゴトレー(紙製モールドトレー)を乾燥質量で2:1の割合で混合して離解し、濃度1%の紙パルプスラリーを得た。
張り子状成形体作製用張抜木型を縦断し、その一方の凸面に金網を押し付け、張抜木型様に金網を成形した。これをパイプ連結孔を有する台上に固定し、パイプ連結孔にパイプを連結させ、更にパイプのパイプ連結孔とは反対側に吸引ポンプを接続させた。
バットに上記紙パルプスラリーを充満させ、緩く攪拌した中に上記金網を浸漬させ、吸引ポンプで吸引しながら金網に紙パルプを適度な厚みになるまで層着させた後、金網をバットから取り出し、水分が吸引されなくなるまで吸引を続けた。
消色層形成用塗液2を充満した別のバットに、吸引を続けながら金網上の紙パルプ表面が全面浸かるように浸漬させ、直ちに引き上げて数分間自然乾燥させた後、金網から張り子状成形体を脱着させることなく、ヒートガンを用いて180℃の弱風で乾燥させた。
乾燥後に金網から張り子状成形体を脱着して表面を観察したところ、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より灰色が濃くなったが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
実施例3
特開昭48−4143号公報に記載の如き、張り子状成形体作製用張抜木型を縦断した片方と同じ形状の表面を金網で成形し、パイプ連結孔を有する台上にこの抄型を固定した。バットに底面中心部に上下動可能なパイプを配置し、上記抄型を上方に向けてパイプ上部にパイプ連結孔を連結固定し、もう一端のパイプ下部に吸引ポンプを連結した。上記抄型をバットの底面まで下降させ、実施例2で調成した紙パルプスラリーを充満させ、吸引ポンプで吸引しながら抄型の凸面に紙パルプを適度な厚みになるまで層着させた後、抄型を上昇させて紙パルプスラリー中から露出させ、その状態で水分が吸引されなくなるまで吸引を続けた。
吸引終了後、スプレーガンを用いて消色層形成用塗液1を張り子状成形体の凸面全面に満遍なく吹き付け、数分間自然乾燥させた後、抄型内部の気圧を加圧して抄型から湿潤状態の張り子状成形体を脱着させ、高温乾燥機に入れて乾燥させた。
その結果、実施例2と同様に、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は黒ずんだが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
特開昭48−4143号公報に記載の如き、張り子状成形体作製用張抜木型を縦断した片方と同じ形状の表面を金網で成形し、パイプ連結孔を有する台上にこの抄型を固定した。バットに底面中心部に上下動可能なパイプを配置し、上記抄型を上方に向けてパイプ上部にパイプ連結孔を連結固定し、もう一端のパイプ下部に吸引ポンプを連結した。上記抄型をバットの底面まで下降させ、実施例2で調成した紙パルプスラリーを充満させ、吸引ポンプで吸引しながら抄型の凸面に紙パルプを適度な厚みになるまで層着させた後、抄型を上昇させて紙パルプスラリー中から露出させ、その状態で水分が吸引されなくなるまで吸引を続けた。
吸引終了後、スプレーガンを用いて消色層形成用塗液1を張り子状成形体の凸面全面に満遍なく吹き付け、数分間自然乾燥させた後、抄型内部の気圧を加圧して抄型から湿潤状態の張り子状成形体を脱着させ、高温乾燥機に入れて乾燥させた。
その結果、実施例2と同様に、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は黒ずんだが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
実施例4
だるま形状の正面と背面で上下二分割する上下割型の夫々の合わせ面板に成形面部を金網とし、割型の合わせ部の一方のだるま形状の頭部側にヒンジを、相対する他方の側面に割型を跨いで紙パルプスラリーの吸入口を、及びだるま形状の背後から減圧吸引可能に構成した張り子状成形体製造用型枠を用いた。
実施例2で調成した紙パルプスラリーを緩く攪拌した中に上記型枠を浸漬し、減圧吸引して金網に紙パルプを堆積させた。吸入口からの観察により紙パルプが厚い部分が10mm程度堆積したら型枠を引き上げ、金網から湿潤状態の成形体を脱着しても成形体の変形が起こらなくなるまで減圧吸引を続けた。
減圧吸引終了後、抄型から湿潤状態の張り子状成形体を脱着させ、霧吹きを用いて消色層形成用塗液3を張り子状成形体の表面全面に満遍なく吹き付け、数分間自然乾燥させた後、高温乾燥機に入れて乾燥させた。
その結果、実施例2と同様に、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は黒ずんだが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
だるま形状の正面と背面で上下二分割する上下割型の夫々の合わせ面板に成形面部を金網とし、割型の合わせ部の一方のだるま形状の頭部側にヒンジを、相対する他方の側面に割型を跨いで紙パルプスラリーの吸入口を、及びだるま形状の背後から減圧吸引可能に構成した張り子状成形体製造用型枠を用いた。
実施例2で調成した紙パルプスラリーを緩く攪拌した中に上記型枠を浸漬し、減圧吸引して金網に紙パルプを堆積させた。吸入口からの観察により紙パルプが厚い部分が10mm程度堆積したら型枠を引き上げ、金網から湿潤状態の成形体を脱着しても成形体の変形が起こらなくなるまで減圧吸引を続けた。
減圧吸引終了後、抄型から湿潤状態の張り子状成形体を脱着させ、霧吹きを用いて消色層形成用塗液3を張り子状成形体の表面全面に満遍なく吹き付け、数分間自然乾燥させた後、高温乾燥機に入れて乾燥させた。
その結果、実施例2と同様に、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は黒ずんだが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
実施例5
実施例4で用いた張り子状成形体製造用型枠を用い、実施例4と同様にして湿潤状態の成形体を形成し、抄型から湿潤状態の張り子状成形体を脱着させた後にエアドライヤーで冷風乾燥させた。
この張り子状成形体に、スプレーガンを用いて消色層形成用塗液4を張り子状成形体の表面全面に満遍なく吹き付けた後、ヒートガンを用いて成形体表面の水分が蒸発するまでは50℃の弱風で、水分が蒸発してからは200℃の風で乾燥させた。
その結果、実施例4と同様に、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は黒ずんだが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
実施例4で用いた張り子状成形体製造用型枠を用い、実施例4と同様にして湿潤状態の成形体を形成し、抄型から湿潤状態の張り子状成形体を脱着させた後にエアドライヤーで冷風乾燥させた。
この張り子状成形体に、スプレーガンを用いて消色層形成用塗液4を張り子状成形体の表面全面に満遍なく吹き付けた後、ヒートガンを用いて成形体表面の水分が蒸発するまでは50℃の弱風で、水分が蒸発してからは200℃の風で乾燥させた。
その結果、実施例4と同様に、消色層を形成させていない張り子状成形体の凹面側は黒ずんだが、消色層を形成させた張り子状成形体の凸面側は発色せず、紙パルプ原料に用いたタマゴトレーの元の色より白い状態で乾燥できた。
Claims (3)
- 紙パルプ原料に少なくとも感熱記録紙を用いた張り子状成形体において、該成形体の表面に消色層を有する張り子状成形体。
- 型枠上に、少なくとも感熱記録紙を紙パルプ原料とする紙層を形成し、次いでその表面に消色層を設けた後、加熱乾燥することを特徴とする張り子状成形体の製造方法。
- スプレー塗布にて消色層を設ける請求項2記載の紙張り子状成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017238797A JP2019105006A (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | 張り子状成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017238797A JP2019105006A (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | 張り子状成形体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019105006A true JP2019105006A (ja) | 2019-06-27 |
Family
ID=67061729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017238797A Pending JP2019105006A (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | 張り子状成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019105006A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020246495A1 (ja) | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 国立大学法人東京工業大学 | 複数の蛍光色素を結合させたペプチドを用いるホモジニアス免疫測定法 |
-
2017
- 2017-12-13 JP JP2017238797A patent/JP2019105006A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020246495A1 (ja) | 2019-06-05 | 2020-12-10 | 国立大学法人東京工業大学 | 複数の蛍光色素を結合させたペプチドを用いるホモジニアス免疫測定法 |
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