JP2019104956A - スパッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜対象の面内において、スパッタ粒子の到達量のばらつきを抑えることを可能としたスパッタ装置を提供する。【解決手段】電源52に接続されたターゲット21を搬送方向D1に沿って揺動させるカソード揺動部20と、ターゲット21の表側に位置し、ターゲット21と対向する貫通孔16aを有したシールド16と、ターゲット21の表側で搬送方向D1に成膜対象Sを搬送しながら、貫通孔16aを通じて、ターゲット21と成膜対象Sとを対向させる搬送部15と、ターゲット21の裏側に位置し、シールド16に対する搬送方向D1の位置を固定され、かつ、搬送方向D1における位置が、搬送方向D1における貫通孔16aの位置と重なる磁気回路30とを備える。ターゲット21が備える第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとが、搬送方向D1に並び、かつ、貫通孔16aを通じて共に成膜対象Sと対向する状態を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、スパッタ装置に関する。
搬送方向に沿って搬送されている成膜対象に対して所定の薄膜を形成するスパッタ装置が知られている。こうしたスパッタ装置は、搬送方向に沿って成膜対象を搬送する搬送部と、成膜対象と対向する領域に位置するターゲットと、ターゲットに対して成膜対象側とは反対側に位置する磁気回路とを備えている。磁気回路は、ターゲットに対して成膜対象側とは反対側において搬送方向に沿って揺動し、これにより、ターゲットのなかで成膜対象と対向する面の全体に、ターゲットをスパッタするための磁場を形成する(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−345335号公報
ところで、上述したスパッタ装置では、ターゲットから放出されたスパッタ粒子が飛行する方向を制限するために、ターゲットと成膜対象との間、言い換えればターゲットと搬送部との間に金属製のシールドが配置される。シールドは、ターゲットと成膜対象とが対向する方向においてシールドを貫通する貫通孔を有し、スパッタ粒子は、貫通孔を通って成膜対象に到達する。シールドの電位は、接地電位に設定され、この場合には、ターゲットを含むカソードに対して、シールドがアノードとして機能する。
ここで、薄膜が形成されるときには、上述したように磁気回路が揺動することから、磁気回路の揺動に伴って、揺動方向において、貫通孔を区画するシールドの開口縁と磁気回路との距離が変わる。しかも、開口縁と磁気回路との間の距離が短いほど、ターゲットの被スパッタ面に形成されるプラズマの密度が高くなる傾向を有する。さらには、開口縁と磁気回路との間の距離が短いほど、ターゲットから放出されたスパッタ粒子のなかで、シールドによって成膜対象への飛行が遮られるスパッタ粒子の割合が大きくなる。
このように、揺動方向における磁気回路の位置に応じて、スパッタ粒子の放出量や、放出されたスパッタ粒子のなかで成膜対象に到達するスパッタ粒子の割合が変わる。そのため、成膜対象の面内において到達するスパッタ粒子の量にばらつきが生じやすくなる。
本発明は、成膜対象の面内において、スパッタ粒子の到達量のばらつきを抑えることを可能としたスパッタ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのスパッタ装置は、電源に接続されたターゲットを第1方向に沿って揺動させる揺動部と、前記ターゲットの表側に位置し、前記ターゲットと対向する貫通孔を有したアノードと、前記ターゲットの表側で前記第1方向に成膜対象を搬送しながら、前記貫通孔を通じて、前記ターゲットと前記成膜対象とを対向させる搬送部と、前記ターゲットの裏側に位置し、前記アノードに対する前記第1方向の位置を固定され、かつ、前記第1方向における位置が、前記第1方向における前記貫通孔の位置と重なる磁気回路とを備える。前記ターゲットは、第1ターゲット部材と、前記第1ターゲット部材とは異なる組成を有した第2ターゲット部材とを備え、前記第1ターゲット部材と前記第2ターゲット部材とが、前記第1方向に並び、かつ、前記貫通孔を通じて共に前記成膜対象と対向する状態を有する。
スパッタ装置では、磁気回路の第1方向に沿って、互いに異なる組成を有した複数のターゲット部材を並べ、これらのターゲット部材をスパッタすることによって、各ターゲット部材から放出されるスパッタ粒子によって薄膜を形成することができる。こうしたスパッタ装置において、成膜対象の面内においてスパッタ粒子の到達量にばらつきが生じてしまうと、各ターゲットから放出されたスパッタ粒子のなかで、成膜対象に到達するスパッタ粒子の量にばらつきが生じる。結果として、薄膜における組成を所望の値とすることが難しくなる。
この点で、上記構成によれば、第1方向において貫通孔を区画する開口縁に対する磁気回路の位置が変わらないため、ターゲットの付近に生成されるプラズマの密度が変わりにくい。これにより、磁気回路に対するターゲットの位置が変わることに伴って、ターゲットのなかでスパッタされる部位が変わっても、ターゲットの被スパッタ面の周りに生成されるプラズマの密度が変わることが抑えられる。また、ターゲットから放出されたスパッタ粒子のなかで、成膜対象への到達がアノードによって遮られる割合は、薄膜の形成が行われている間にわたって、ほぼ一定に保たれる。それゆえに、成膜面の面内において、スパッタ粒子の到達量がばらつくことが抑えられる。ひいては、第1ターゲット部材と第2ターゲット部材とを含むターゲットを用いた場合において、薄膜における組成を所望の値とすることが容易となる。
上記スパッタ装置において、前記揺動部、および、前記搬送部の駆動を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加が行われている間において、前記成膜対象が前記ターゲットと対向する領域を最初に通過する間にわたって、前記揺動部に前記第1ターゲット部材および前記第2ターゲット部材のいずれか一方が前記磁気回路と対向する状態に維持させてもよい。
上記構成によれば、ターゲットのスパッタによって成膜対象に形成される薄膜において、成膜対象に接する層である初期層に、第1ターゲット部材由来のスパッタ粒子あるいは第2ターゲット部材由来のスパッタ粒子が含まれる確実性を高めることができる。
上記スパッタ装置において、前記揺動部、および、前記搬送部の駆動を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加が行われている間において、前記成膜対象が前記ターゲットと対向する領域を最後に通過する間にわたって、前記揺動部に前記第1ターゲット部材および前記第2ターゲット部材のいずれか一方が前記磁気回路と対向する状態に維持させてもよい。
上記構成によれば、ターゲットのスパッタによって成膜対象に形成される薄膜において、成膜対象に接する面とは反対側の面である表面に、第1ターゲット部材由来のスパッタ粒子あるいは第2ターゲット部材由来のスパッタ粒子が含まれる確実性を高めることができる。
上記スパッタ装置において、前記揺動部の駆動を制御する制御部をさらに備え、前記第1ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第1時間であり、前記第2ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第2時間であり、前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加が行われている間において、前記第1時間と前記第2時間とが互いに異なるように、前記揺動部に前記ターゲットを揺動させてもよい。
上記構成によれば、第1時間に対する第2時間の比によって、所定の期間あたりにターゲットから成膜対象に向けて放出される第1ターゲット部材由来のスパッタ粒子と、第2ターゲット部材由来のスパッタ粒子との割合を変えることができる。
上記スパッタ装置において、前記揺動部の駆動を制御する制御部をさらに備え、前記第1ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第1時間であり、前記第2ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第2時間であり、前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加の開始から終了までの間に、前記第1時間および前記第2時間の少なくとも一方が、複数の長さの間で変わるように、前記揺動部にターゲットを揺動させてもよい。
上記構成によれば、第1時間および第2時間の少なくとも一方が複数の長さの間で変わることによって、ターゲットに電圧が印加されている間に、所定の期間あたりにターゲットから成膜対象に向けて放出される第1ターゲット部材由来のスパッタ粒子と、第2ターゲット部材由来のスパッタ粒子との割合を変えることができる。これにより、成膜対象に形成された薄膜の厚さ方向における複数の位置の間において、各位置における組成を互いに異ならせることができる。
上記スパッタ装置において、前記ターゲットが拡がる平面と対向する平面視において、前記第1ターゲット部材のなかで前記第1方向において前記第2ターゲット部材と隣り合う端面が第1端面であり、前記第2ターゲット部材のなかで前記第1方向において前記第1ターゲット部材と隣り合う端面が第2端面であり、前記ターゲットの厚さ方向から見て、前記第1端面と前記第2端面とが重なっていてもよい。
上記構成によれば、第1方向において第1ターゲット部材と第2ターゲット部材との間に隙間が形成されないため、第1ターゲット部材と第2ターゲット部材の間の隙間に位置する他の部材がスパッタされることが抑えられる。
第1実施形態のスパッタ装置を上面視した構成をスパッタ装置の成膜対象とともに示すブロック図。 第1実施形態のスパッタ装置が備えるスパッタチャンバを上面視した構成を成膜対象とともに示すブロック図。 第1実施形態のスパッタ装置が備えるターゲットと磁気回路との構成を示す平面図。 第1実施形態のスパッタチャンバが備えるターゲットの一部構成を示す平面図。 第1実施形態のスパッタチャンバが備えるターゲットの一例における一部構成を示す断面図。 第1実施形態のスパッタチャンバが備えるターゲットの他の例における一部構成を示す断面図。 第1実施形態のスパッタチャンバの制御方法の一例を説明するためのブロック図。 第1実施形態のスパッタチャンバの制御方法の一例を説明するためのブロック図。 第1実施形態のスパッタチャンバの制御方法の一例を説明するためのブロック図。 第1実施形態のスパッタチャンバが成膜対象に形成する薄膜の一例を成膜対象とともに模式的に示す断面図。 第1実施形態のスパッタ装置における作用を説明するための作用図。 第1実施形態のスパッタ装置における作用を説明するための作用図。 第1実施形態のスパッタ装置における作用を説明するための作用図。 第2実施形態のスパッタ装置におけるスパッタチャンバの構成を示す斜視図。 スパッタチャンバが成膜対象に形成する薄膜の他の例を成膜対象とともに模式的に示す断面図。
[第1実施形態]
図1から図13を参照してスパッタ装置の第1実施形態を説明する。以下では、スパッタ装置の構成、スパッタチャンバの構成、ターゲットの構成、および、スパッタ装置の作用を順に説明する。
[スパッタ装置の構成]
図1を参照してスパッタ装置の構成を説明する。
図1が示すように、スパッタ装置10は、搬出入チャンバ11およびスパッタチャンバ12を備え、2つのチャンバは、1つの方向である搬送方向D1に沿って並んでいる。搬出入チャンバ11は、キャリアCに固定された成膜前の成膜対象Sを搬入し、成膜面Ssに所定の薄膜が形成された成膜後の成膜対象Sを搬出する。成膜対象Sは、例えば、各種の樹脂から形成された樹脂基板、シリコン基板、または、ガラス基板などである。
搬出入チャンバ11とスパッタチャンバ12との間には、ゲートバルブ13が位置している。ゲートバルブ13が開くことによって2つのチャンバが連通され、ゲートバルブ13が閉じることによって2つのチャンバの間での通気が遮断される。
各チャンバは排気部14を備え、各排気部14は、その排気部14が搭載されたチャンバが区画する空間の圧力を所定の圧力まで減圧する。各排気部14は、例えばポンプとバルブとを含んでいる。スパッタ装置10は、搬送方向D1に沿って延びる搬送部15を備え、搬送部15は、搬送方向D1におけるスパッタ装置10の一端から他端までにわたって延びている。搬送部15は、キャリアCに固定された成膜対象Sをほぼ鉛直方向に沿うように立たせた状態で、搬送方向D1に沿って搬送する。搬送部15は、スパッタチャンバ12にて薄膜の形成が行われている間において、搬送方向D1に沿ってキャリアCを複数回往復させる。
搬送部15は、例えば、搬送方向D1に沿って延びるレールと、レールに沿って所定の間隔を空けて並ぶローラーと、ローラーを回転させるモーターとを含んでいる。モーターがローラーを回転させることによって、レールに位置するキャリアCが、搬送方向D1に沿って搬送される。
スパッタチャンバ12は、シールド16、カソード20、および、磁気回路30を備えている。シールド16は、カソード20から放出されたスパッタ粒子の飛行する方向を規制する。シールド16は、アノードの一例である。カソード20は、カソード20に含まれるターゲットがスパッタされることによって、カソード20から放出されたスパッタ粒子によって、成膜対象Sの成膜面Ssに所定の薄膜を形成する。カソード20は搬送方向D1に沿って揺動する。磁気回路30は、ターゲットのなかで、成膜対象Sと対向する被スパッタ面に、ターゲットをスパッタするための磁場を形成する。磁気回路30は、搬送方向D1に直交する方向である高さ方向D3に沿って磁場を揺動させる。高さ方向D3は、成膜対象Sの成膜面Ssとほぼ平行である。カソード20、磁気回路30、および、成膜対象Sは、搬送部15が成膜対象Sをスパッタチャンバ12内で搬送している間に、カソード20と磁気回路30とが対向する方向である対向方向D2に沿って、一列に並ぶ状態を有する。
スパッタ装置10は、スパッタ装置10の駆動を制御する制御部10Cをさらに備えている。制御部10Cは、ゲートバルブ13、排気部14、搬送部15、カソード20を揺動させるカソード揺動部、および、磁気回路30を揺動させる磁気回路揺動部などの駆動を制御することによって、スパッタ装置10に成膜対象Sに対する成膜を行わせる。
こうしたスパッタ装置10では、制御部10Cがスパッタ装置10を制御することによって、搬出入チャンバ11の搬入したキャリアCが、搬出入チャンバ11からスパッタチャンバ12に搬送される。そして、キャリアCがスパッタチャンバ12内において搬送方向D1に沿って往復されている間に、スパッタチャンバ12においてターゲットがスパッタされ、これにより、成膜対象Sの成膜面Ssに所定の薄膜が形成される。成膜後の成膜対象Sが固定されたキャリアCは、搬送方向D1に沿ってスパッタチャンバ12から搬出入チャンバ11に搬送され、搬出入チャンバ11からスパッタ装置10の外部に搬出される。
なお、スパッタ装置10は少なくともスパッタチャンバ12を備えていればよい。また、スパッタ装置10は、搬送方向D1におけるスパッタチャンバ12の上流に位置する前処理チャンバや、搬送方向D1におけるスパッタチャンバ12の下流に位置する後処理チャンバなどの他のチャンバを備えてもよい。
[スパッタチャンバの構成]
図2および図3を参照して、スパッタチャンバ12の構成をより詳しく説明する。図2は、スパッタチャンバ12の概略構成を示している。
図2が示すように、スパッタチャンバ12は真空槽41を備え、真空槽41は、成膜対象Sを収容し、かつ、ターゲット21の被スパッタ面が露出する成膜空間を区画する。真空槽41の区画する成膜空間は、排気部14によって所定の圧力にまで減圧される。図2では、図示の便宜上、成膜空間内にカソード20と磁気回路30とが収容されているが、カソード20および磁気回路30のうち、少なくともターゲット21の被スパッタ面が真空槽41内に露出していればよく、それ以外は真空槽41の外部に位置してもよい。
スパッタチャンバ12は、カソード揺動部51と電源52とを備えている。カソード揺動部51は、電源52に接続されたターゲット21を搬送方向D1に沿って揺動させる。ターゲット21が備える面のなかで、成膜対象Sと対向する面が被スパッタ面、言い換えれば表面であり、表面とは反対側の面が裏面である。スパッタチャンバ12は、ターゲット21の表側に位置するシールド16を備えている。シールド16は、ターゲット21と対向する貫通孔16aを有している。
シールド16は、対向方向D2において、ターゲット21と搬送部15との間に位置している。シールド16は金属製であり、シールド16の電位は接地電位である。搬送方向D1において、貫通孔16aの幅は、ターゲット21の幅とほぼ等しいが、ターゲット21の幅よりも小さくてもよいし、ターゲット21の幅よりも大きくてもよい。
搬送部15は、搬送方向D1に沿って成膜対象Sを搬送しながら、貫通孔16aを通じて、ターゲット21と成膜対象Sとを対向させる。磁気回路30は、ターゲット21の裏側に位置し、シールド16に対する搬送方向D1の位置を固定されている。搬送方向D1における磁気回路30の位置は、搬送方向D1における貫通孔16aの位置と重なっている。すなわち、対向方向D2から見て、磁気回路30と貫通孔16aとが重なっている。
ターゲット21は、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとを備えている。第2ターゲット部材21Bは、第1ターゲット部材21Aとは異なる組成を有している。第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとは、搬送方向D1に沿って並び、かつ、貫通孔16aを通じて共に成膜対象Sと対向する状態を有している。各ターゲット部材の主成分は、金属の単体であってもよいし、複数の金属元素を含む合金であってもよいし、金属化合物であってもよい。金属化合物は、例えば、酸化物であってもよいし、窒化物であってもよい。
カソード20は、さらに、ターゲット21が固定される金属製のバッキングプレート22を備えている。電源52はバッキングプレート22に接続され、これにより、電源52がターゲット21に接続される。電源52がバッキングプレート22に電圧を印加することによって、ターゲット21に電圧が印加される。
カソード20は、さらにバッキングプレート22に固定された浮遊部23を備えている。浮遊部23は、ターゲット21が拡がる平面と対向する平面視において、ターゲット21における縁の全体を取り囲む環状を有している。なお、浮遊部23は、ターゲット21が拡がる平面と対向する平面視において、ターゲット21の縁の周りにおける一部のみに位置してもよい。浮遊部23の形成材料には、絶縁物を用いることができる。絶縁物には、例えば、各種の樹脂、または、各種のセラミックスを用いることができる。
ターゲット21の電位は、シールド16が有する貫通孔16aに対する相対位置によって変わり、これにより、ターゲット21に印加される電圧の大きさも変わる。浮遊部23は、浮遊部23の周りにおける電位に合わせて浮遊部23の電位を変える。そのため、ターゲット21が搬送方向D1に沿って揺動するとき、浮遊部23がターゲット21において生じる電位の変化における一部を担うため、ターゲット21における電位の変動が緩和される。
それゆえに、金属製のシールド16に対して同じく金属製のバッキングプレート22の位置がバッキングプレート22の揺動に伴い変わっても、ターゲット21の周りに位置する浮遊部23の電位が浮遊電位であるために、バッキングプレート22に固定されたターゲット21に印加される電圧の大きさが変わることが抑えられる。なお、ターゲット21に印加される電圧の変動は、被スパッタ面の周りに形成されるプラズマの状態を変動させる。しかしながら、搬送方向D1でのターゲット21の位置を変えることは、搬送方向D1でのシールド16に対する磁気回路30の位置を変えることよりも、プラズマの状態の変動が小さくて済む。また、カソード20は、浮遊部23を備えていなくてもよい。
磁気回路30は、第1磁石31、第2磁石32、および、ヨーク33を備えている。第1磁石31は棒状を有し、第2磁石32は、第1磁石31を取り囲む環状を有している。第1磁石31および第2磁石32は、ヨーク33に固定されている。スパッタチャンバ12は、磁気回路揺動部53をさらに備え、磁気回路揺動部53は、磁気回路30を高さ方向D3に沿って揺動させる。
磁気回路30は、成膜対象Sの成膜面Ssに沿う方向のなかで、搬送方向D1と直交する高さ方向D3に沿って揺動する。搬送方向D1における磁気回路30の位置は、スパッタチャンバ12に対して固定されている。これに対して、成膜対象Sは、搬送方向D1に沿って搬送部15によって搬送される。そのため、磁気回路30のなかで、成膜対象Sに対向する部位は、搬送部15による成膜対象Sの搬送に伴って変わる。言い換えれば、成膜対象Sに対する磁気回路30の相対位置は、成膜対象Sが搬送方向D1に沿って搬送されることによって変わる。
スパッタチャンバ12では、磁気回路30のなかで成膜対象Sと対向する部位が成膜対象Sの搬送によって変わる一方で、磁気回路30は、搬送方向D1と直交する方向に沿って揺動する。そのため、磁気回路30の揺動によって成膜対象Sに対する磁気回路30の揺動速度が変わることが抑えられる。しかも、搬送方向D1と直交する高さ方向D3において、ターゲット21においてスパッタされる範囲、ひいてはスパッタ粒子が飛行する範囲を拡張し、かつ、ターゲット21から放出されるスパッタ粒子の密度におけるばらつきが抑えられる。結果として、成膜対象Sの搬送される方向において成膜対象Sに形成される膜の厚さにばらつきが生じることが抑えられる。また、ターゲット21が局所的にスパッタされて、ターゲット21の使用効率が下がることが抑えられる。
スパッタチャンバ12は、ガス供給部54をさらに備え、ガス供給部54は、真空槽41が区画する成膜空間内に、プラズマを生成するためのガスを所定の流量で供給する。ガス供給部54は例えばマスフローコントローラーであり、スパッタ装置10の外部に位置するボンベに接続されている。
スパッタチャンバ12では、ガス供給部54が成膜空間へのガスの供給を開始した後に、電源52がバッキングプレート22に電圧を印加することによって、真空槽41内にプラズマが生成される。そして、プラズマ中のイオンによってターゲット21の被スパッタ面がスパッタされることによって、成膜対象Sの成膜面Ssに所定の膜が形成される。
カソード揺動部51および磁気回路揺動部53は、例えば、対象物を揺動させるための動力を発生する動力部と、動力を対象物まで伝達する伝達部とを備えている。なお、カソード揺動部51の対象物はカソード20であり、磁気回路揺動部53の対象物は磁気回路30である。
伝達部は、例えば、各対象物の移動する移動方向に沿って延びるねじ軸と、ねじ軸に噛み合い、かつ、対象物に固定されたナットとを含み、動力部は、例えばねじ軸を回転させるモーターである。モーターは、第1回転方向と第1回転方向とは逆の方向である第2回転方向とにねじ軸を回転させる。各揺動部では、モーターがねじ軸を第1回転方向に回転させることによって、対象物が移動方向に沿って移動し、モーターがねじ軸を第2回転方向に回転させることによって、対象物が、移動方向に沿って、ねじ軸が第1回転方向に回転するときとは逆向きに移動する。なお、カソード揺動部51における移動方向は搬送方向D1であり、磁気回路揺動部53における移動方向は高さ方向D3である。
制御部10Cは、各揺動部が含む動力部に電気的に接続している。制御部10Cは、動力部の駆動を制御するための制御信号を動力部に出力し、動力部は、制御信号に応じて駆動される。
図3は、対向方向D2から見た磁気回路30、ターゲット21、および、成膜対象Sを示している。また、図3は、磁気回路30の揺動する範囲と、ターゲット21の揺動する範囲とを示している。なお、図3では、図示の便宜上、磁気回路30、ターゲット21、および、成膜対象S以外の部材の図示が省略されている。
図3が示すように、対向方向D2から見て、搬送方向D1における所定の位置にて、ターゲット21と成膜対象Sとが重なり、かつ、磁気回路30とターゲット21とが重なる。より詳しくは、対向方向D2から見て、成膜対象Sが搬送方向D1に沿って搬送される範囲における一部において、ターゲット21が搬送方向D1に沿って揺動する範囲が重なる。これにより、対向方向D2から見て、ターゲット21と成膜対象Sとが重なる。また、対向方向D2から見て、ターゲット21が搬送方向D1に沿って揺動する範囲の少なくとも一部にて、磁気回路30とターゲット21とが重なる。
高さ方向D3において、ターゲット21の長さは、成膜対象Sの長さよりも長い。成膜対象Sの高さ方向D3における全体に対してスパッタ粒子を到達させる上では、高さ方向D3において、ターゲット21の長さは、成膜対象Sの長さよりも長いことが好ましい。
高さ方向D3において、磁気回路30の長さは、ターゲット21の長さよりも長い。高さ方向D3において、ターゲット21の被スパッタ面の全体に磁場を形成する上では、高さ方向D3において、磁気回路30の長さは、ターゲット21の長さよりも長いことが好ましい。磁気回路30の長さがターゲット21の長さより短い場合には、磁気回路30は、高さ方向D3においてターゲット21の全体に重なる範囲で、高さ方向D3に沿って揺動することが好ましい。
[ターゲットの構成]
図4から図6を参照して、ターゲット21の構成をより詳しく説明する。図4は、ターゲット21が拡がる平面と対向する平面視におけるターゲット21の平面構造を示している。また、図5は、ターゲット21の一例において、搬送方向D1に沿って延び、かつ、ターゲット21が拡がる平面に直交する面に沿うターゲット21の断面構造を示している。図6は、ターゲット21の他の例において、搬送方向D1に沿って延び、かつ、ターゲット21が拡がる平面に直交する面に沿うターゲット21の断面構造を示している。
図4が示すように、ターゲット21が拡がる平面と対向する平面視において、第1ターゲット部材21Aのなかで搬送方向D1において第2ターゲット部材21Bと隣り合う端面が第1端面21Aeであり、第2ターゲット部材21Bのなかで搬送方向D1において第1ターゲット部材21Aと隣り合う端面が第2端面21Beである。ターゲット21の厚さ方向から見て、第1端面21Aeと第2端面21Beとが重なっている。
図5が示すように、ターゲット21の一例において、第1ターゲット部材21Aの端面のなかで、第2ターゲット部材21Bに面する端面が第1端面21Aeである。第1端面21Aeは、高さ方向D3に沿って延びる平面である。第1ターゲット部材21Aが拡がる平面と、第1端面21Aeとが形成する角度が傾斜角θである。すなわち、第1端面21Aeは、傾斜面である。
第2ターゲット部材21Bの端面のなかで、第1ターゲット部材21Aに面する端面が第2端面21Beである。第2端面21Beは、高さ方向D3に沿って延びる平面である。第2ターゲット部材21Bが拡がる平面と、第2端面21Beとが形成する角度が傾斜角θであり、傾斜角θは、第1端面21Aeにおける傾斜角θと等しい。すなわち、第2端面21Beは、傾斜面である。第2端面21Beは、高さ方向D3の全体にわたって第1端面21Aeと平行である。
図6が示すように、ターゲット21の他の例において、バッキングプレート22に固定される面が裏面21Rであり、裏面21Rとは反対側の面が表面21Fである。第1端面21Aeは、ターゲット21の裏面21Rを含み、かつ、ターゲット21の厚さ方向における中央よりも裏面寄りにおいて第2ターゲット部材21Bに向けて突き出た第1突部Ae1を含む。第1突部Ae1は、第1端面21Aeにおける高さ方向D3の全体に位置している。
第2端面21Beは、ターゲット21の表面21Fを含み、かつ、ターゲット21の厚さ方向における中央よりも表面寄りにおいて第1ターゲット部材21Aに向けて突き出た第2突部Be1を含む。第2突部Be1は、第2端面21Beにおける高さ方向D3の全体に位置している。
これらのターゲット21によれば、搬送方向D1において第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとの間に隙間が形成されないため、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bの間の隙間に位置する他の部材がスパッタされることが抑えられる。上述したカソード20では、第1ターゲット部材21Aおよび第2ターゲット部材21Bの両方がバッキングプレート22に固定されているため、搬送方向D1において2つのターゲット部材間の隙間が、バッキングプレート22のスパッタを生じさせることが抑えられる。
[スパッタチャンバの制御方法]
図7から図9を参照して、スパッタチャンバ12の制御方法の例を説明する。なお、図7から図9では、図示の便宜上、シールド16の構造、および、磁気回路30の構造として、搬送方向D1と対向方向D2とに沿って広がる平面に沿う断面構造が示されている。制御部10Cは、例えば、以下のようにスパッタチャンバ12の駆動を制御することができる。
制御部10Cは、電源52によるターゲット21への電圧の印加が行われている間において、以下のように搬送部15の駆動およびカソード揺動部51の駆動を制御することができる。すなわち、制御部10Cは、成膜対象Sがターゲット21と対向する領域を最初に通過する間にわたって、カソード揺動部51に第1ターゲット部材21Aおよび第2ターゲット部材21Bのいずれか一方が対向方向D2において磁気回路30と重なる状態に維持させることができる。
また、制御部10Cは、電源52によるターゲット21への電圧の印加が行われている間において、以下のように搬送部15の駆動およびカソード揺動部51の駆動を制御することができる。すなわち、制御部10Cは、成膜対象Sがターゲット21と対向する領域を最後に通過する間にわたって、カソード揺動部51に第1ターゲット部材21Aおよび第2ターゲット部材21Bのいずれか一方が対向方向D2において磁気回路30と重なる状態に維持させることができる。
例えば、図7が示すように、ターゲット21のなかで、第1ターゲット部材21Aのみが対向方向D2において磁気回路30と重なっているときには、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子のみが、成膜対象Sに向けて飛行する。この状態において、ターゲット21に対する電圧の印加の開始から終了までの間に、搬送部15が、ターゲット21と対向する領域を成膜対象Sに最初に通過させる。これにより、薄膜の初期層として第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子から形成される初期層を形成することができる。
こうした制御方法によれば、例えば、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子から形成された初期層が、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子から形成された初期層と比べて成膜対象Sに対する密着性が高い特性を有する層であれば、成膜対象Sと薄膜との密着性を高めることができる。
あるいは、ターゲット21に対する電圧の印加の開始から終了までの間に、搬送部15が、ターゲット21を対向する領域を成膜対象Sに最後に通過させる。これにより、薄膜のなかで、成膜対象Sに接する面とは反対側の面である表面として、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子から形成される表面を形成することができる。
こうした制御方法によれば、例えば、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子から形成される表面が、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子から形成される表面に比べて、薄膜を覆う膜に対する密着性が高い特性を有するときには、薄膜とこの薄膜を覆う膜との密着性を高めることができる。
また、図8が示すように、ターゲット21のなかで、第2ターゲット部材21Bのみが対向方向D2において磁気回路30と重なっているときには、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子のみが、成膜対象Sに向けて飛行する。この状態において、ターゲット21に対する電圧の印加の開始から終了までの間に、搬送部15が、ターゲット21と対向する領域を成膜対象Sに最初に通過させる。これにより、薄膜の初期層として第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子から形成される初期層を形成することができる。
こうした制御方法によれば、例えば、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子から形成された初期膜が、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子から形成された初期層と比べて成膜対象Sに対する密着性が高い特性を有する層であれば、成膜対象Sと薄膜との密着性を高めることができる。
あるいは、ターゲット21に対する電圧の印加の開始から終了までの間に、搬送部15が、ターゲット21を対向する領域を成膜対象Sに最後に通過させる。これにより、薄膜の表面として、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子から形成される表面を形成することができる。
こうした制御方法によれば、例えば、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子から形成される表面が、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子から形成された表面に比べて、薄膜を覆う膜に対する密着性が高い特性を有するときには、薄膜とこの薄膜を覆う膜との密着性を高めることができる。
このように、上述した制御方法によれば、ターゲット21のスパッタによって成膜対象Sに形成される薄膜において、成膜対象Sに接する層である初期層に、第1ターゲット部材21A由来のスパッタ粒子あるいは第2ターゲット部材21B由来のスパッタ粒子が含まれる確実性を高めることができる。または、ターゲット21のスパッタによって成膜対象Sに形成される薄膜において、表面に、第1ターゲット部材21A由来のスパッタ粒子あるいは第2ターゲット部材21B由来のスパッタ粒子が含まれる確実性を高めることができる。
これに対して、図9が示すように、ターゲット21のなかで、各ターゲット部材の一部が、対向方向D2において磁気回路30と重なっているときには、各ターゲット部材に由来するスパッタ粒子が、成膜対象Sに向けて飛行する。そのため、成膜対象Sには、第1ターゲット部材21Aに含まれる元素と、第2ターゲット部材21Bに含まれる元素との両方を含む層が形成される。
しかも、搬送方向D1における磁気回路30に対するターゲット21の相対位置によって、ターゲット21から放出される全スパッタ粒子において、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子が占める割合と、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子が占める割合とを変えることができる。言い換えれば、各ターゲット部材のなかで、対向方向D2において磁気回路30と重なる面積が大きいほど、各ターゲット部材から放出されるスパッタ粒子が多くなる傾向を有する。そのため、搬送方向D1における磁気回路30に対するターゲット21の位置を変えることによって、すなわち搬送方向D1に沿ってターゲット21を揺動させることによって、成膜対象Sに形成される薄膜における組成を変えることができる。
このように、本実施形態のスパッタ装置10によれば、図7から図9を用いて先に説明した磁気回路30に対するターゲット21の位置を用いることによって、1つのターゲット21を用いるのみによって、互いに異なる組成を有した複数種の薄膜を形成することができる。また、1つの薄膜においても、厚さ方向における互いに異なる複数の位置において、各位置における組成を互いに異ならせることもできる。
また、制御部10Cは、スパッタチャンバ12の駆動を以下のように制御してもよい。第1ターゲット部材21Aが磁気回路30と対向する状態に維持される時間が第1時間であり、第2ターゲット部材21Bが磁気回路30と対向する状態に維持される時間が第2時間である。制御部10Cは、電源52によるターゲット21への電圧の印加が行われている間において、第1時間と第2時間とが互いに異なるように、カソード揺動部51にターゲット21を揺動させることができる。
こうした制御方法によれば、第1時間に対する第2時間の比によって、所定の期間あたりにターゲット21から成膜対象Sに向けて放出される第1ターゲット部材21A由来のスパッタ粒子と、第2ターゲット部材21B由来のスパッタ粒子との割合を変えることができる。さらには、第1時間に対する第2時間の比を複数の値の間で変えることによって、1つのターゲット21を用いて、成膜対象Sに向けて放出される第1ターゲット部材21A由来のスパッタ粒子と、第2ターゲット部材21B由来のスパッタ粒子との割合を複数の割合の間で変えることができる。
また、制御部10Cは、電源52によるターゲット21への電圧の印加の開始から終了までの間に、第1時間および第2時間の少なくとも一方が、複数の長さの間で変わるように、カソード揺動部51にターゲット21を揺動させることができる。
こうした制御方法によれば、第1時間および第2時間の少なくとも一方が複数の長さの間で変わることによって、以下の効果を得ることができる。すなわち、ターゲット21に電圧が印加されている間に、所定の期間あたりにターゲット21から成膜対象Sに向けて放出される第1ターゲット部材21A由来のスパッタ粒子と、第2ターゲット部材21B由来のスパッタ粒子との割合を変えることができる。これにより、成膜対象Sに形成された薄膜の厚さ方向における複数の位置の間において、各位置における組成を互いに異ならせることができる。
なお、図7から図9の各々を参照して先に説明したターゲット21の状態を、1つの状態から他の状態に変える、すなわち、搬送方向D1に沿ってターゲット21を揺動させるときには、ターゲット21は、貫通孔16aを通じて成膜対象Sと対向した状態であってもよいし、成膜対象Sと対向しない状態であってもよい。
また、搬送方向D1におけるターゲット21の位置は、成膜対象Sがターゲット21と対向する領域を1回以上通過する間にわたって同じ位置に固定されてもよいし、固定されなくてもよい。すなわち、ターゲット21は、成膜対象Sがターゲット21と対向する領域を通過する間において、搬送方向D1に沿って揺動してもよい。
[スパッタチャンバによって形成される薄膜]
図10を参照して、スパッタチャンバ12によって成膜対象Sに形成される薄膜を説明する。
図10が示すように、スパッタチャンバ12によれば、成膜対象Sに形成される薄膜TFとして、複数の金属元素を含む合金から構成された薄膜を形成することができる。こうした合金製の薄膜TFの一例として、酸化インジウムスズ(ITO)膜を挙げることができる。ITO膜を形成するときには、第1ターゲット部材21Aとして酸化インジウム(In)ターゲット部材を用い、かつ、第2ターゲット部材21Bとして酸化スズ(Sn)ターゲット部材を用いることができる。
例えば、成膜対象SにITO膜を形成するときには、成膜対象Sに接する初期層として、初期層よりもITO膜の表面寄りに位置する表面側層よりも酸化スズが含まれる割合が大きい初期層を形成することが好ましい。これにより、初期層における酸化スズの割合が、表面側層よりも小さいITO膜と比べて、ITO膜を結晶化するためにITO膜を加熱する時間を短くすることができる。
合金製の薄膜TFの一例として、タングステンドープ酸化インジウム(Indium Tungsten Oxide:IWO)膜を挙げることができる。IWO膜を形成するときには、第1ターゲット部材21AとしてInターゲット部材を用い、第2ターゲット部材21Bとしてタングステン(W)ターゲット部材を用いることができる。IWOの焼結体であるターゲットを形成することが難しいため、IWO膜を単一のIWOターゲットを用いたスパッタ法によって形成することも難しい。これに対して、本実施形態におけるスパッタ装置10によれば、IWOターゲットよりも形成が容易であるInターゲット部材とWターゲット部材とを準備することによってIWO膜を形成することができる。
[スパッタ装置の作用]
図11から図13を参照してスパッタ装置10の作用を説明する。なお、図11から図13では、図示の便宜上、図7から図9と同様にシールド16の構造、および、磁気回路30の構造として、搬送方向D1と対向方向D2とに沿って広がる平面に沿う断面構造が示されている。
図11が示すように、対向方向D2において、第1ターゲット部材21Aの一部と、第2ターゲット部材21Bの一部とが、磁気回路30に重なっている。これにより、ターゲット21に対してバッキングプレート22とは反対側において、第1ターゲット部材21Aのなかで、対向方向D2において磁気回路30と重なる部分に漏洩磁場が形成され、第2ターゲット部材21Bのなかで、対向方向D2のなかで磁気回路30と重なる部分に漏洩磁場が形成される。こうした漏洩磁場によりターゲット21の近傍にプラズマが生成されることで、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとの両方が、スパッタされる。
各ターゲット部材のスパッタによって各ターゲット部材から放出されたスパッタ粒子は、シールド16の貫通孔16aを通じて成膜対象Sに向けて飛行する。これにより、成膜対象Sの成膜面Ssには、第1ターゲット部材21Aを構成する元素と、第2ターゲット部材21Bを構成する元素との両方を含む薄膜TFが形成される。
図12が示すように、搬送方向D1に沿ってターゲット21を揺動させることにより、ターゲット21のなかで、対向方向D2において磁気回路30と重なる部分を変える。例えば、2つのターゲット部材のなかで、第2ターゲット部材21Bのみが、対向方向D2において磁気回路30と重なるように、搬送方向D1におけるターゲット21の位置を変える。このとき、搬送方向D1における磁気回路30の位置は変わらないため、搬送方向D1における磁気回路30と、シールド16の貫通孔16aを区画する開口縁との距離は変わらない。そのため、ターゲット21から成膜対象Sに向けて放出されるスパッタ粒子は、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子に変わる一方で、第2ターゲット部材21Bに対してバッキングプレート22とは反対側に形成されるプラズマの密度は、ターゲット21が揺動する前から変わりにくい。
これにより、磁気回路30に対するターゲット21の位置が変わることに伴って、ターゲット21のなかでスパッタされる部位が変わっても、被スパッタ面の周りに生成されるプラズマの密度が変わることが抑えられる。また、ターゲット21から放出されたスパッタ粒子のなかで、成膜対象Sへの到達がシールド16によって遮られる割合は、薄膜TFの形成が行われている間にわたって、ほぼ一定に保たれる。それゆえに、成膜面Ssの面内において、スパッタ粒子の到達量がばらつくことが抑えられる。ひいては、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとを含むターゲット21を用いた場合において、合金の薄膜を形成するときには、薄膜における組成を所望の値とすることが容易となる。
これに対して、図13が示すように、磁気回路30が揺動する構成では、磁気回路30の揺動に伴って、搬送方向D1において、貫通孔16aを区画するシールド16の開口縁と磁気回路30との距離が変わる。しかも、開口縁と磁気回路30との間の距離が短いほど、ターゲット21の被スパッタ面に形成されるプラズマの密度が高くなる傾向を有する。さらには、開口縁と磁気回路30との間の距離が短いほど、ターゲット21から放出されたスパッタ粒子のなかで、シールド16によって成膜対象Sへの飛行が遮られるスパッタ粒子の割合が大きくなる。
このように、搬送方向D1における磁気回路30の位置に応じて、スパッタ粒子の放出量や、放出されたスパッタ粒子のなかで成膜対象に到達するスパッタ粒子の割合が変わる。そのため、成膜対象Sの面内において到達するスパッタ粒子の量にばらつきが生じやすくなる。しかも、薄膜TFの組成を所望の組成とする上で、各ターゲット部材から放出されるスパッタ粒子の量における変動、および、スパッタ粒子のなかで成膜対象Sへの飛行が遮られる割合の変動を考慮する必要がある。それゆえに、薄膜における組成を所望の値とすることが難しい。
以上説明したように、スパッタ装置の第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)成膜面Ssの面内において、スパッタ粒子の到達量がばらつくことが抑えられる。ひいては、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとを含むターゲット21を用いた場合において、合金の薄膜を形成するときには、薄膜における組成を所望の値とすることが容易となる。
(2)ターゲット21のスパッタによって成膜対象Sに形成される薄膜において、成膜対象Sに接する層である初期層に、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子あるいは第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子が含まれる確実性を高めることができる。
(3)ターゲット21のスパッタによって成膜対象Sに形成される薄膜において、成膜対象Sに接する面とは反対側の面である表面に、第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子あるいは第2ターゲット部材21Bに材由来するスパッタ粒子が含まれる確実性を高めることができる。
(4)第1時間に対する第2時間の比によって、所定の期間あたりにターゲット21から成膜対象Sに向けて放出される第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子と、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子との割合を変えることができる。
(5)第1時間および第2時間の少なくとも一方が複数の長さの間で変わることによって、ターゲット21に電圧が印加されている間に、所定の期間あたりにターゲット21から成膜対象Sに向けて放出される第1ターゲット部材21Aに由来するスパッタ粒子と、第2ターゲット部材21Bに由来するスパッタ粒子との割合を変えることができる。これにより、成膜対象Sに形成された薄膜TFの厚さ方向における複数の位置の間において、各位置における組成を互いに異ならせることができる。
(6)搬送方向D1において第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとの間に隙間が形成されないため、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bの間の隙間に位置する他の部材がスパッタされることが抑えられる。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・第1ターゲット部材21Aおよび第2ターゲット部材21Bの各々は、ターゲット21の厚さ方向から見て、第1端面21Aeと第2端面21Beとが重ならない形状を有してもよい。例えば、第1ターゲット部材21Aおよび第2ターゲット部材21Bは、第1端面21Aeと第2端面21Beとが、ターゲット21の表面に対してほぼ垂直な方向に沿って延び、かつ、第1端面21Aeと第2端面21Beとが接していてもよい。
あるいは、第1端面21Aeおよび第2端面21Beの形状に関わらず、搬送方向D1において、第1端面21Aeと第2端面21Beとの間に隙間が位置してもよい。この場合には、第1端面21Aeと第2端面21Beとの間の隙間が、第1ターゲット部材21Aおよび第2ターゲット部材21Bが共に貫通孔16aと対向することを可能とする大きさであればよい。
こうした構成であっても、上述した(1)から(5)に準じた効果を得ることはできる。
[第2実施形態]
図14および図15を参照して、スパッタ装置の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べてスパッタチャンバの構成、および、こうしたスパッタチャンバを用いて形成することが好ましい薄膜の構成が異なる。そのため以下では、これら第2実施形態における第1実施形態の相違点を詳しく説明する。これに対して、第2実施形態において第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同一の符号を付すことによって、その詳細な説明を省略する。
[スパッタチャンバの構成]
図14を参照してスパッタチャンバの構成を説明する。
図14が示すように、スパッタチャンバ60は、ほぼ円筒状の回転ドラム61を備えている。回転ドラム61は、搬送部の一例である。回転ドラム61は、回転ドラム61の中心軸Aを回転の中心として回転する。回転ドラム61の外周面61Sは、中心軸Aに沿って延びる矩形状を有した複数の支持面61Ssから構成されている。各支持面61Ssは、複数の成膜対象Sを支持することが可能に構成されている。各支持面61Ssは、例えば、支持面61Ssが有する粘着性によって成膜対象Sを支持する構成でもよいし、成膜対象Sが嵌る溝を有してもよい。
回転ドラム61の径方向における回転ドラム61の外側には、回転ドラム61の一部と対向するターゲット21が位置している。ターゲット21は、中心軸Aに沿って延びる板状を有している。回転ドラム61の接線方向のなかの1つの方向が第1方向の一例である。成膜対象Sは第1方向に沿って搬送され、かつ、ターゲット21は、第1方向に沿って揺動する。
回転ドラム61の径方向において、回転ドラム61とターゲット21との間にはシールド16が位置している。回転ドラム61の径方向において、ターゲット21に対してシールド16とは反対側には、磁気回路30が位置している。
なお、図14では省略されているが、スパッタチャンバ60は、第1実施形態のスパッタチャンバ12と同様に、カソード揺動部51、電源52、磁気回路揺動部53、および、ガス供給部54を備えている。また、回転ドラム61は真空槽41内に収容され、かつ、ターゲット21の被スパッタ面は、真空槽41が区画する成膜空間に露出している。
こうしたスパッタチャンバ60では、各成膜対象Sに薄膜が形成されるとき、回転ドラム61が中心軸Aを回転の中心として複数回回転する。これにより、各成膜対象Sは、ターゲット21と対向する領域を、回転ドラム61の回転数と同じ回数だけ第1方向に沿って通過する。各成膜対象Sがターゲット21と対向する領域を通過するときに、ターゲット21から放出されたスパッタ粒子が、各成膜対象Sに向けて飛行する。
そのため、各成膜対象Sには、回転ドラム61の回転数に応じた厚さを有する薄膜が形成される。また、第1ターゲット部材21Aが磁気回路30と対向しているときに、回転ドラム61が各成膜対象Sにターゲット21の前を通過させることによって、成膜対象Sには、第1ターゲット部材21Aから放出されたスパッタ粒子による薄膜が形成される。これに対して、第2ターゲット部材21Bが磁気回路30と対向しているときに、回転ドラム61が各成膜対象Sにターゲット21の前を通過させることによって、成膜対象Sには、第2ターゲット部材21Bから放出されたスパッタ粒子による薄膜が形成される。
さらには、第1ターゲット部材21Aと第2ターゲット部材21Bとが共に磁気回路30と対向しているとき、成膜対象Sには、第1ターゲット部材21Aから放出されたスパッタ粒子と、第2ターゲット部材21Bから放出されたスパッタ粒子とを含む薄膜が形成される。
[スパッタチャンバによって形成される薄膜]
図15を参照して、スパッタチャンバ60によって成膜対象Sに形成される薄膜TFの構成を説明する。
図15が示すように、スパッタチャンバ60によれば、成膜対象Sに形成される薄膜TFとして、第1層TFaと第2層TFbとが交互に形成された多層膜を形成することができる。第1層TFaは、第1ターゲット部材21Aから放出されたスパッタ粒子による層であり、第2層TFbは、第2ターゲット部材21Bから放出されたスパッタ粒子による層である。
しかも、スパッタチャンバ60によれば、第1層TFaと第2層TFbとの間に、第1層TFaを構成する元素と、第2層TFbを構成する元素とを含む中間層を形成することができる。こうした中間層によれば、中間層を有しない構成と比べて、薄膜TFが有する膜特性や、薄膜TFを構成する第1層TFaと第2層TFbとの間の密着性などを高めることが可能にもなる。
なお、こうした薄膜TFの一例として、第1層TFaが酸化ニオブ(Nb)層であり、第2層TFbが二酸化シリコン(SiO)層である薄膜TFを挙げることができる。薄膜TFは、反射防止膜として機能する。この場合、第1ターゲット部材21AとしてNbターゲット部材またはNbターゲット部材を用い、かつ、第2ターゲット部材21BとしてSiターゲット部材またはSiOターゲット部材を用いることができる。第1ターゲット部材21AがNbターゲット部材であるとき、および、第2ターゲット部材21BがSiターゲット部材であるときには、真空槽内に供給されるガスが、酸素を含有するガスであればよい。
なお、上述した第2実施形態は以下のように適宜変更して実施することができる。
・第2実施形態は、上述した第1実施形態の変形例における構成と組み合わせて実施することができる。すなわち、ターゲット21の厚さ方向から見て、第1端面21Aeと第2端面21Beとが重ならない形状を有してもよい。
・第2実施形態のスパッタチャンバ60を用いて、第1実施形態にて説明した薄膜TF、すなわち、第1ターゲット部材21Aを構成する元素と、第2ターゲット部材21Bを構成する元素との両方を含む合金製の薄膜を形成することもできる。
・第1実施形態のスパッタチャンバ12を用いて、第2実施形態にて説明した薄膜TF、すなわち、第1層TFaと第2層TFbとが交互に積層された多層膜を形成することもできる。
10…スパッタ装置、10C…制御部、11…搬出入チャンバ、12,60…スパッタチャンバ、13…ゲートバルブ、14…排気部、15…搬送部、16…シールド、16a…貫通孔、20…カソード、21…ターゲット、21A…第1ターゲット部材、21Ae…第1端面、21B…第2ターゲット部材、21Be…第2端面、21F…表面、21R…裏面、22…バッキングプレート、23…浮遊部、30…磁気回路、31…第1磁石、32…第2磁石、33…ヨーク、41…真空槽、51…カソード揺動部、52…電源、53…磁気回路揺動部、54…ガス供給部、61…回転ドラム、61S…外周面、61Ss…支持面、Ae1…第1突部、Be1…第2突部、C…キャリア、S…成膜対象、Ss…成膜面、TF…薄膜、TFa…第1層、TFb…第2層。

Claims (6)

  1. 電源に接続されたターゲットを第1方向に沿って揺動させる揺動部と、
    前記ターゲットの表側に位置し、前記ターゲットと対向する貫通孔を有したアノードと、
    前記ターゲットの表側で前記第1方向に成膜対象を搬送しながら、前記貫通孔を通じて、前記ターゲットと前記成膜対象とを対向させる搬送部と、
    前記ターゲットの裏側に位置し、前記アノードに対する前記第1方向の位置を固定され、かつ、前記第1方向における位置が、前記第1方向における前記貫通孔の位置と重なる磁気回路と、を備え、
    前記ターゲットは、第1ターゲット部材と、前記第1ターゲット部材とは異なる組成を有した第2ターゲット部材とを備え、前記第1ターゲット部材と前記第2ターゲット部材とが、前記第1方向に並び、かつ、前記貫通孔を通じて共に前記成膜対象と対向する状態を有する
    スパッタ装置。
  2. 前記揺動部、および、前記搬送部の駆動を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加が行われている間において、前記成膜対象が前記ターゲットと対向する領域を最初に通過する間にわたって、前記揺動部に前記第1ターゲット部材および前記第2ターゲット部材のいずれか一方が前記磁気回路と対向する状態に維持させる
    請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 前記揺動部、および、前記搬送部の駆動を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加が行われている間において、前記成膜対象が前記ターゲットと対向する領域を最後に通過する間にわたって、前記揺動部に前記第1ターゲット部材および前記第2ターゲット部材のいずれか一方が前記磁気回路と対向する状態に維持させる
    請求項1に記載のスパッタ装置。
  4. 前記揺動部の駆動を制御する制御部をさらに備え、
    前記第1ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第1時間であり、前記第2ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第2時間であり、
    前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加が行われている間において、前記第1時間と前記第2時間とが互いに異なるように、前記揺動部に前記ターゲットを揺動させる
    請求項1に記載のスパッタ装置。
  5. 前記揺動部の駆動を制御する制御部をさらに備え、
    前記第1ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第1時間であり、前記第2ターゲット部材が前記磁気回路と対向する状態に維持される時間が第2時間であり、
    前記制御部は、前記電源による前記ターゲットへの電圧の印加の開始から終了までの間に、前記第1時間および前記第2時間の少なくとも一方が、複数の長さの間で変わるように、前記揺動部にターゲットを揺動させる
    請求項1に記載のスパッタ装置。
  6. 前記ターゲットが拡がる平面と対向する平面視において、前記第1ターゲット部材のなかで前記第1方向において前記第2ターゲット部材と隣り合う端面が第1端面であり、
    前記第2ターゲット部材のなかで前記第1方向において前記第1ターゲット部材と隣り合う端面が第2端面であり、
    前記ターゲットの厚さ方向から見て、前記第1端面と前記第2端面とが重なっている
    請求項1から5のいずれか一項に記載のスパッタ装置。
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