JP2019104770A - 押出ラミネート用樹脂組成物及びラミネートフィルム - Google Patents

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【課題】従来よりも幅広いシール温度幅を有する押出ラミネート用樹脂組成物及びラミネートフィルムを提供する。【解決手段】示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線が2つ以上の吸熱ピークを有し、全融解熱量に対する最も高温側の吸熱ピークの融解熱量の割合が20〜40%であり、昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線が3つ以上のピークを有し、全体のピーク面積に対する最も高温側のピーク面積の割合が13〜40%であることを特徴とする押出ラミネート用樹脂組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、押出ラミネート用樹脂組成物及びそれをラミネート層に用いたラミネートフィルムに関する。
従来、基材層の上に中間層やシーラント層を積層させて得られるラミネートフィルムは、液体、粘体、並びに繊維及び粉体等の固形物を充填し、ヒートシールされることで、洗剤、調味料等の各種液体包装や、菓子、医薬品等のその他一般的な包装に利用されている。そのため、ラミネートフィルムには、ヒートシール性及び包装される内容物に応じた耐熱性が要求される。
ラミネートフィルムのヒートシール性や耐熱性を改善するために、例えば、特許文献1には、基材層、中間層及びシーラント層が積層され、中間層に特定のポリエチレン樹脂組成物を用いた包装用フィルムの製造方法が記載されている。また、例えば、特許文献2には、2種類以上のエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体及び、高圧法低密度ポリエチレンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体組成物を含むシーラント用樹脂組成物が記載されている。また、例えば、特許文献3には、シーラント層、中間層及び基材層の3層を有する積層体からなり、シーラント層及び中間層が、それぞれ特定のMFR、密度、温度上昇溶離分別(TREF)特性を満たすポリエチレン樹脂組成物を含む樹脂組成物からなる包装用フィルムが記載されている。
特開2015−145091号公報 特開2016−191012号公報 特開2016−190450号公報
しかしながら、特許文献1に記載された包装用フィルムは、樹脂だまり等高温でのシール不良の開始温度が低いという問題がある。また、特許文献2は、シーラント層樹脂に関する記載のみであり、仮に特許文献2に記載のシーラント用樹脂組成物を中間層に用いた場合、充填適正は確実に悪くなり、高温側でのシール不良開始温度が低いという問題がある。また、特許文献3に記載の包装用フィルムは、低温シール性が劣るという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、従来よりも幅広いシール温度幅を有する押出ラミネート用樹脂組成物及びラミネートフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、示差走査型熱量(DSC)測定及び昇温溶出分別(TREF)測定によって得られたそれぞれのピークが特定の条件に当てはまる押出ラミネート用樹脂組成物を用いることにより、従来よりも幅広いシール温度幅を実現できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線が2つ以上の吸熱ピークを有し、全融解熱量に対する最も高温側の吸熱ピークの融解熱量の割合が20〜40%であり、昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線が3つ以上のピークを有し、全体のピーク面積に対する最も高温側のピーク面積の割合が13〜40%であることを特徴とする押出ラミネート用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、基材層と、前記押出ラミネート用樹脂組成物からなるラミネート層とを備えることを特徴とするラミネートフィルムに関する。
以上のように、本発明によれば、従来よりも幅広いシール温度幅を有する押出ラミネート用樹脂組成物及びラミネートフィルムを提供することができる。
実施例1で測定したTREFの微分溶出曲線である。 実施例2で測定したTREFの微分溶出曲線である。 実施例3で測定したTREFの微分溶出曲線である。 比較例1で測定したTREFの微分溶出曲線である。 比較例2で測定したTREFの微分溶出曲線である。
本発明に係る押出ラミネート用樹脂組成物は、示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線が2つ以上の吸熱ピークを有する。本明細書における示差走査型熱量(DSC)測定は、後述する実施例に記載した方法による測定と定義することができる。さらに、DSC曲線における融解熱量に関して、全融解熱量に対する最も高温側の吸熱ピークの融解熱量の割合が20〜40%であり、25〜30%であることが好ましい。全融解熱量に対する最も高温側の吸熱ピークの融解熱量の割合が20〜40%であると、充填可能な温度範囲が広くなる点に優れる。
また、本発明に係る押出ラミネート用樹脂組成物は、昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線が3つ以上のピークを有する。また、得られたピークのうち、最も高温側のピークは、85〜95℃の間にあることが好ましい。本明細書における昇温溶出分別(TREF)測定は、後述する実施例に記載した方法による測定と定義することができる。さらに、微分溶出曲線における全体のピーク面積に対する最も高温側のピーク面積の割合が13〜40%であり、20〜35%であることが好ましい。全体のピーク面積に対する最も高温側のピーク面積の割合が13〜40%であると、充填可能な温度範囲が広くなる点に優れる。
押出ラミネート用樹脂組成物の示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線における融解熱量、及び昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線におけるピーク面積は、以下に示す、押出ラミネート用樹脂組成物の配合物であるエチレン・α−オレフィン共重合体、及び低密度ポリエチレンの物性や配合量によって、上記の範囲に調節することが可能である。
(エチレン・α−オレフィン共重合体)
エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜8のα−オレフィンとを共重合して得られるポリマーである。3〜30の炭素原子を有するα−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドコセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−アイコセン〔sic〕、1−ドコセン〔sic〕、1−テトラコセン〔sic〕、1−ヘキサコセン〔sic〕、1−オクタコセン〔sic〕及び1−トリアコンタセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、又は2種類以上を併用することができる。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法としては、特に限定されず、チーグラー触媒、メタロセン触媒等の公知の触媒を用いて、例えば気相重合反応、液相重合反応等の方法により製造することができる。中でも、メタロセン触媒を用いることにより所望の物性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を容易に製造することができるため好ましい。メタロセン触媒は、周期律表第4族の遷移金属からなるメタロセン化合物を有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物により活性化させたもの等、公知の触媒を用いることができる。
押出ラミネート用樹脂組成物の示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線における融解熱量、及び昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線におけるピーク面積を上記のように調整するためには、例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体として、以下に示すような物性を有する低密度のエチレン・α−オレフィン共重合体と高密度のエチレン・α−オレフィン共重合体とを混合する方法等が挙げられる。
(エチレン・α−オレフィン共重合体の密度)
上記低密度のエチレン・α−オレフィン共重合体の密度としては、0.890〜0.910g/cmが好ましく、0.895〜0.907g/cmがより好ましい。密度が0.890g/cm未満では高温側のシール不良開始温度が低くなる傾向にあり、0.910g/cmを超えると低温シール性が損なわれる傾向にある。
また、上記高密度のエチレン・α−オレフィン共重合体の密度としては、0.931〜0.945g/cmが好ましく、0.933〜0.943g/cmがより好ましい。密度が0.931g/cm未満では高温側のシール不良開始温度が低くなる傾向にあり、0.945g/cmを超えると低温シール性が損なわれる傾向にある。
(エチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR))
上記低密度のエチレン・α−オレフィン共重合体の190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)は、12〜32g/10分であることが好ましく、13〜30g/10分であることが特に好ましい。メルトフローレート(MFR)が12g/10分未満では低温シール性が損なわれ、32g/10分を超えると高速充填可能な温度範囲が狭まる傾向にある。
また、上記高密度のエチレン・α−オレフィン共重合体の190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)は、1〜14g/10分であることが好ましく、2〜12g/10分であることがより好ましく、4〜8g/10分であることが特に好ましい。メルトフローレート(MFR)が1g/10分未満では低温シール性が損なわれる傾向にあり、14g/10分を超えると高速充填可能な温度範囲が狭まる傾向にある。
(低密度ポリエチレン)
低密度ポリエチレンは、詳しくは、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(以下、「高圧法低密度ポリエチレン」又は「LDPE」という場合がある。)とも称される。低密度ポリエチレンは、溶融弾性が高く、特に押出ラミネート加工時のネックインの改良に多く用いられる。本発明において、低密度ポリエチレンは、後述する物性が得られるように、単独で、又は2種類以上を併用することができる。
(低密度ポリエチレンの密度)
また、低密度ポリエチレンの密度としては、0.916〜0.935g/cmが好ましく、0.917〜0.934g/cmがより好ましく、0.918〜0.932g/cmが特に好ましい。密度が上記範囲であることにより、低密度ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体とブレンドした際、低温シール性を阻害しないため好ましい。
(低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR))
低密度ポリエチレンの190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)は、1〜10g/10分であることが好ましく、1〜8g/10分であることがより好ましく、2〜6g/10分であることが特に好ましい。メルトフローレート(MFR)が上記範囲であることにより、押出加工性(樹脂圧力、モーター負荷)や成形加工性(ネックイン)を改良することができるため好ましい。
本発明の押出ラミネート用樹脂組成物は、上記示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線における融解熱量、及び昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線におけるピーク面積を調整するために、上記低密度のエチレン・α−オレフィン共重合体を50〜70重量部、上記高密度のエチレン・α−オレフィン共重合体を10〜30重量部、上記低密度ポリエチレンを10〜30重量部含むことが好ましく、上記低密度のエチレン・α−オレフィン共重合体を55〜65重量部、上記高密度のエチレン・α−オレフィン共重合体を15〜25重量部、上記低密度ポリエチレンを20〜30重量部含むことがより好ましい。
本発明において、押出ラミネート用樹脂組成物の各成分の混合方法、混合装置、混合設備については特に制限はなく、公知の単軸押出機(混練機)、二軸押出機(混練機)、二軸押出機と単軸押出機(混練機)を直列に接続したタンデム型混練装置、カレンダー、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダー等の装置等を用いることができる。この際、必要に応じて各種添加剤を使用することもできる。
添加剤としては、例えば、過熱劣化防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、結晶造核剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、分散剤、スリップ剤、過酸化物、有機又は無機充填剤、蛍光増白剤、顔料等を挙げることができる。添加剤の含有量としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、押出ラミネート用樹脂組成物全体の0.5重量%以下が好ましく、0.1重量%以下がより好ましい。
また、本発明の押出ラミネート用樹脂組成物は、メルトフローレート(MFR)が5〜12g/10分という優れた特性を備えている。メルトフローレートは、加工性を表す指標である。本明細書におけるメルトフローレートの値は、後述する実施例に記載した方法で測定した結果と定義することができる。具体的には、メルトフローインデクサを用いて、JIS K7210に準拠してメルトフローレート試験を行った結果である。
本発明の押出ラミネート用樹脂組成物は、低温シール性を阻害せず、適度なコシ感のあるフィルムであるため、以下に示す通り、基材層に押出ラミネートすることで、特にラミネートフィルムの中間層であるラミネート層として好適に用いることができる。本発明の押出ラミネート用樹脂組成物をラミネート層として中間層に用いることで、シールバーからの熱をシーラント層へ確実に伝達でき、幅広いシール温度幅を有することができるため有用である。
(ラミネートフィルム)
本発明の押出ラミネート用樹脂組成物を基材層に押出ラミネートすることで、本発明のラミネートフィルムが得られる。本発明のラミネートフィルムにおいて、基材層に用いられる基材としては、上質紙、クラフト紙等の紙、アルミニウム箔等の金属箔、セロファン、織布、不織布、高分子重合体のフィルム等が挙げられる。高分子重合体のフィルムとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル等のビニル共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン7、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ポリメタキシリレンアジパミド等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート等のフィルムを挙げることができる。更に、上記フィルムは、単独でも、2種類以上を併用してもよく、また、基材の種類によっては、延伸加工を行ったものでもよい。特に、一軸又は二軸延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリエチエンテレフタレートフィルム、延伸ポリスチレンフィルム等も用いられる。更に、上記基材上にポリ塩化ビニリデンやポリビニルアルコール等をコーティングしたものや、アルミ、アルミナやシリカ、又はアルミナ及びシリカの混合物を蒸着した基材を用いてもよい。液体や粘体の包装材料としては、二軸延伸ナイロンフィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、又はそれら基材上にシリカやアルミナを蒸着したものが多く用いられる。
押出ラミネート用樹脂組成物を基材層に押出ラミネートする際は、基材表面の接着性をよくするために、予め基材上にコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理等の表面処理を行うことができる。さらに、接着性増強等のために、予め基材上にアンカーコート剤を塗布してから積層するのが好ましい。アンカーコート剤としては、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系のもの等が挙げられる。
また、本発明のラミネートフィルムは、本発明の押出ラミネート用樹脂組成物を含む層を中間層として、さらにシーラント層等の他の層を積層することも可能である。
シーラント層としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、無延伸PP(CPP)等が用いられる。
ラミネートフィルムにシーラント層を設ける方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出法、サンドイッチラミネート法、共押出法等が挙げられる。ドライラミネーション等に使用するフィルムは、上記エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂を用いてカレンダー法、空冷インフレーション法、水冷インフレーション法、Tダイ成形法等、任意の方法で製造することができる。
ラミネートフィルムの厚みについては、特に制限はなく、内容物や用途等に応じて適宜決定すればよいが、具体的には、ラミネートフィルム全体の厚みが40〜120μm、基材層の厚みが10〜40μm、本発明の押出ラミネート用樹脂組成物を含むラミネート層の厚みが20〜40μm程度が好ましい。
本発明のラミネートフィルムは、従来よりも幅広いシール温度幅を有するので、種々の包装材、例えば食品包装材、医療用包装材、エンジンオイル等の工業材料包装材等として、好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
まず、本実施例で用いた測定方法を示す。
[メルトフローレート(MFR)]
JIS K7210(190℃、2.16kg荷重)に準じて測定した。
[密度]
JIS K7112に準じて測定した。
[融点、融解熱量、融解熱量比:示差走査型熱量(DSC)測定]
JIS K7121に準じ、TAインスツルメントジャパン社製Q20型DSCを用いてアニール速度5℃/分(0℃まで)、融点測定時10℃/分の昇温速度で測定した。得られたDSC曲線で吸熱ピークのトップ部を融点とした。吸熱ピークは、明確なピークだけでなく、ショルダーピークも含む。また、吸熱ピークが2つ以上存在する場合は、それぞれのピークのトップ部の温度を読み取り、各ピークの融点とした。融解熱量は、装置付属の解析ソフトより算出し、吸熱ピークが2つ以上ある場合は、ピークとピークの間の凸部で分割し、融解熱量を算出した。2つ以上の吸熱ピークの場合は、融解熱量比を算出した。融解熱量比は、融解熱量の総和に対する各ピークの融解熱量の割合とした。
[昇温溶出分別(TREF)の測定]
カラム温度の降下速度は、試料に含まれる結晶性成分の各温度における結晶化に必要な速度に、また、カラム温度の上昇速度は、各温度における溶出の溶解が完了し得る速度に調整する必要があり、このようなカラム温度の冷却速度および昇温速度は、予備実験をして決定した。測定条件は次のとおりである。
装置:CFC2型クロス分別クロマトグラフ(Polymer Char)
GPCカラム:昭和電工社製 shodex HT−806M×3本
溶離液:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
カラム温度:140℃
(カラム校正)
サンプル濃度:120mg/30mL
注入量:0.5mL
流量:1.0mL/min
結晶化速度:1℃/分
[TREFのデータ解析]
TREF測定によって得られた各溶出温度における溶出成分のクロマトグラムは、装置付属のデータ処理プログラムにより処理され、総和が100%となるように規格化された溶出量が求められた。さらに、溶出温度に対する積分溶出曲線が計算され、この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線を求めた。本実施例のピークは、ショルダーを示すピークも含む。また、複数のピークを有する場合、それぞれのピークとピークの間の谷部を境界としそれぞれのピーク面積を算出した。
[充填適正評価]
液体自動充填包装機を用いて次の条件で液体を充填した。
包装形態:三方シール
縦シール温度:185℃
横シール温度:170℃から195℃
縦シール圧力:120kPa
横シール圧力:300kPa
袋寸法:75mm幅×100mmピッチ
充填物:水30℃
充填量:20g
充填速度:25m/min
[耐圧試験条件]
耐圧試験機を用いて100kgで1分間荷重をかけ、破袋やシール後退により水漏れの有無を確認した。
[評価基準]
発泡等の横シール外観が良好であり、耐圧試験で破袋や水漏れがない場合を○とし、それ以外は×と評価した。
(実施例1)
[樹脂組成物の作製]
表1に示す、メタロセン触媒を用いて気相法プロセスで重合して得られたパウダー状のエチレン・1−ヘキセン共重合体(A)(LLDPE(A))及びエチレン・1−ヘキセン共重合体(B)(LLDPE(B))、並びに高圧重合法で得られた低密度ポリエチレン(C)(LDPE(C))を重量比率(A):(B):(C)=50:30:20で含むポリマーと、酸化防止剤としてBASF社製イルガノックス1076とイルガフォス168を各1000ppm、さらに、中和剤としてステアリン酸カルシウムを500ppm配合し、適度な混練を与えるセグメント組み合わせの45mm三条二軸押出機(池貝鉄鋼製)を用いて200℃設定で溶融混練して実施例1に係る押出ラミネート用樹脂組成物のペレットを50kg得た。樹脂組成物の各物性の測定結果を表1に示す。
[積層体の作製]
前記押出ラミネート用樹脂組成物のペレットを65mmφのシングル押出ラミネーター(住友重機械モダン製)を用いて、ダイ幅700mm、ダイス直下温度300℃、引取速度80m/minの条件で厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡製N2102)に、大日精化製のイソシアネート系アンカーコート剤(2710A/2710C/酢酸エチルを1対2対10の割合)で混合した溶液をアンカーコートロールにて塗工し、ラミネート部にてオゾンを吹きつけながら、上記押出ラミネート用樹脂組成物を厚み25μmになるように押出量を調整し、中間層としてラミネートした。さらに、中間層をラミネートした面に、上記成形機にて宇部丸善ポリエチレン製、032EB(MFR10g/min、密度0.902g/cm)をダイス直下温度280℃、引取速度80m/min、厚み25μmをラミネート加工し、シーラント層を積層することで、評価用ラミネートフィルムを得た。ラミネートフィルムの充填適正評価の結果を表1に示す。
(実施例2、3)
各成分を表1に示す値に変えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2、3に係る押出ラミネート用樹脂組成物及び評価用ラミネートフィルムを得た。各物性の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
メタロセン触媒を用いて気相法プロセスで重合して得られたパウダー状のエチレン・1−ヘキセン共重合体に、高圧重合法で得られたLDPE、及び酸化防止剤としてBASF社製イルガノックス1076とイルガフォス168を各1000ppm、さらに中和剤としてステアリン酸カルシウムを500ppm配合し、適度な混練を与えるセグメント組み合わせの45mm三条二軸押出機(池貝鉄鋼製)を用いて200℃設定で溶融混練して比較例1に係る押出ラミネート用樹脂組成物のペレットを50kg得た。その後、比較例1に係る押出ラミネート用樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で評価用ラミネートフィルムを得た。各物性の測定結果を表1に示す。
(比較例2)
メタロセン系触媒より得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体の代わりにチーグラー・ナッタ触媒を用いて得られたエチレン・1―オクテン共重合体を用いて、(C)成分を表1に示す値に変えたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る押出ラミネート用樹脂組成物のペレットを得た。その後、比較例2に係る押出ラミネート用樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で評価用ラミネートフィルムを得た。各物性の測定結果を表1に示す。
Figure 2019104770
表1より、実施例の押出ラミネート用樹脂組成物を用いて製造されたラミネートフィルムは、比較例の押出ラミネート用樹脂組成物を用いて製造されたラミネートフィルムよりも幅広いシール温度幅を有していることが分かる。

Claims (3)

  1. 示差走査型熱量(DSC)測定により得られたDSC曲線が2つ以上の吸熱ピークを有し、全融解熱量に対する最も高温側の吸熱ピークの融解熱量の割合が20〜40%であり、
    昇温溶出分別(TREF)測定により得られた微分溶出曲線が3つ以上のピークを有し、全体のピーク面積に対する最も高温側のピーク面積の割合が13〜40%であることを特徴とする押出ラミネート用樹脂組成物。
  2. エチレン−αオレフィン共重合体、及び低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1記載の押出ラミネート用樹脂組成物。
  3. 基材層と、請求項1又は2記載の押出ラミネート用樹脂組成物からなるラミネート層とを備えることを特徴とするラミネートフィルム。
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