JP2019103452A - 植物栽培システムおよび植物栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物栽培システムにおいて、省エネルギー化を図る。【解決手段】栽培空間内で植物を栽培する植物栽培システム100は、植物に光を照射するLED光源15と、栽培空間内に配置される反射板と、栽培空間内に配置される光量子センサ16と、光量子センサ16によって検出された光強度に基づいて、LED光源15から植物に直接照射される直接光の光強度と、反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光強度の合計が所定値に維持されるようにLED光源15の照射強度を制御する光強度制御装置18とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、植物栽培システムおよび植物栽培方法に関する。
従来より、屋内でレタス等の植物を栽培する方法が知られている。例えば、特許文献1には、発光ダイオードを人工光源として使用した植物の栽培方法が開示されている。
特開2012−55202号公報
ところで、一般的に現状の植物工場の生産コストの3割から4割が電力コストと云われており、生産コストを大幅に低減するためには、照明による電力エネルギーを削減することが非常に重要である。
本発明は、こうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、省エネルギー化を図ることのできる植物栽培システムおよび植物栽培方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の植物栽培システムは、栽培空間内で植物を栽培する植物栽培システムであって、植物に光を照射する光源と、栽培空間内に配置される反射板と、栽培空間内に配置される光強度検出装置と、光強度検出装置によって検出された光強度に基づいて、光源から植物に直接照射される直接光の光強度と、反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光強度の合計が所定値に維持されるように光源の照射強度を制御する制御装置とを備える。
光強度検出装置は、光合成有効光量子束密度を検出する光量子センサであり、制御装置は、光量子センサによって検出された光合成有効光量子束密度に基づいて、光源から植物に直接照射される直接光の光合成有効光量子束密度と、反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光合成有効光量子束密度の合計が所定値に維持されるように光源の照射強度を制御してもよい。所定値は、植物の光合成速度が飽和になる光強度である光飽和点に設定されてもよい。
植物が植え付けられる栽培パネルをさらに備えてもよい。栽培パネルの表面は光源からの光を反射するよう形成されてもよい。
栽培パネルは栽培空間の底面に配置され、反射板は栽培空間の側面および天井の少なくとも一方に配置され、光源は栽培空間の天井に配置され、光強度検出装置は栽培空間の天井に配置されてもよい。
本発明の別の態様は、植物栽培方法である。この方法は、栽培空間内で植物を栽培する植物栽培方法であって、光源を用いて植物に光を照射するステップと、栽培空間内に配置された反射板を用いて光源からの光を反射するステップと、栽培空間内の光強度を検出するステップと、検出された光強度に基づいて、光源から植物に直接照射される直接光の光強度と、反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光強度の合計が所定値に維持されるように光源の照射強度を制御するステップとを備える。
光強度の検出ステップでは、光合成有効光量子束密度を検出し、照射強度の制御ステップでは、検出された光合成有効光量子束密度に基づいて、光源から植物に直接照射される直接光の光合成有効光量子束密度と、反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光合成有効光量子束密度の合計が所定値に維持されるように光源の照射強度を制御してもよい。所定値は、植物の光合成速度が飽和になる光強度である光飽和点に設定されてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、植物栽培システムおよび植物栽培方法において、省エネルギー化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る植物栽培システムの構成を説明するためのブロック図である。 本実施形態に係る栽培棚の構成を説明するための概略斜視図である。 栽培パネルの一例を示す図である。 図4(a)および(b)は、本発明の実施形態に係る植物栽培システムの栽培空間内における、LED光源からの照射光の光路を説明するための図である。 本実施例のシミュレーションで用いた栽培環境条件を示す図である。 定植工程における植物の生育過程と、それに応じて調整されたLED光源の照射強度を示す図である。 栽培植物の投影面積と株重量の関係の一例を示す図である。 本実施例のシミュレーション結果と比較例のシミュレーション結果を比較した図である。 消費電力量のシミュレーション条件を示す図である。 本実施例および比較例に係る消費電力量のシミュレーション結果を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る植物栽培システム100の構成を説明するためのブロック図である。植物栽培システム100は、栽培室23内に配置された栽培棚10を備える。栽培室23は、外部環境の影響を断熱パネル等で遮断した半閉鎖空間である。
図2は、本実施形態に係る栽培棚10の構成を説明するための概略斜視図である。図2に示す栽培棚10は、高さ方向に複数の棚を有するラックの各棚に構成される。
図2に示すように、栽培棚10は、ラックの上下2枚の棚板11,11’の間に形成される。栽培棚10は、下側の棚板11’の上面上に配置される養液プール12と、養液プール12上に配置される栽培パネル13と、上側の棚板11の下面上に設けられる天井面部材14と、棚板11,11’の間の空間を囲うように配置される複数の反射板17とを備える。図2は、栽培棚10の内部を図示するために、前面の反射板を外した状態を示す。
本実施形態の栽培棚10では、栽培パネル13を底面、反射板17を側面、天井面部材14を天井とした栽培空間20が形成されており、栽培空間20内で植物22の栽培が行われる。
図3は、栽培パネル13の一例を示す図である。栽培パネル13は、発泡スチロール板30に複数の植物を植え付けるための孔31を形成したものである。複数の孔31は、所定のピッチPで形成される。植物の生育過程に応じて、異なるピッチPを有する栽培パネル13が用いられてよい。例えば、育苗の際にはピッチP=60mmの育苗パネルを用い、その後にピッチP=200mmの定植パネルに定植する。栽培パネル13の表面は、光を反射するよう形成される。例えば、栽培パネル13の表面素材が反射性のものであってもよいし、栽培パネル13の表面に反射材が塗布されてもよいし、栽培パネル13の表面が反射板で覆われてもよい。
図1に示すように、植物栽培システム100は、LED光源15と、光量子センサ16と、光強度制御装置18と、調光装置19とを備える。LED光源15および光量子センサ16は、栽培棚10に形成される栽培空間20内に配置される。具体的には、LED光源15および光量子センサ16は、図2に示すように栽培空間20の天井面部材14に設けられる。天井面部材14の表面は、光を反射するよう形成される。例えば、天井面部材14の表面に反射材が塗布されてもよいし、天井面部材14の表面が反射板で覆われてもよい。
LED光源15は、栽培空間20内の植物22に光を照射する人工光源である。LED光源15の照射強度は、調光装置19により調整される。LED光源15は、赤色LED光源および青色LED光源を備え、赤色照明および青色照明を同時に照射する明期と、照射しない暗期とを交互に実施する。栽培空間20内に配置される人工光源は、光強度の調節可能な光源であればLED光源に限定されず、例えばLD(レーザダイオード)、CCFL(冷陰極蛍光管)、蛍光灯等であってもよい。
光量子センサ16は、栽培空間20内の光強度を検出する。光強度制御装置18は、光量子センサ16で検出された光強度に基づいて、調光装置19を介してLED光源15の照射強度を制御する。この光強度制御装置18による照射強度の制御については後述する。
植物栽培システム100はさらに、図1に示すように、養液タンク40と、液循環装置41と、液状態制御装置42と、液調整装置43と、循環液量制御装置44とを備える。
養液タンク40は、植物22を植物の生長に必要な養液を貯蔵するものであり、栽培棚10の養液プール12と接続されている。液循環装置41は、栽培棚10の養液プール12と養液タンク40との間で養液を循環させる。循環液量制御装置44は、液循環装置41を介して養液の循環液量を制御する。液状態制御装置42は、養液タンク40に接続された液調整装置43を介して、EC値、pH値、水位などの養液の状態を制御する。
植物栽培システム100はさらに、図1に示すように、CO供給装置45と、CO濃度制御装置46とを備える。CO供給装置45は、栽培室23内にCOガスを供給する。CO濃度制御装置46は、栽培棚10の栽培空間20内のCO濃度が所定の値となるよう、CO供給装置45によるCOガスの供給量を制御する。
植物栽培システム100はさらに、図1に示すように、室内空調装置47と、温度/湿度制御装置48とを備える。温度/湿度制御装置48は、栽培棚10内の温度および湿度が所定の値になるよう、室内空調装置47を介して栽培室23内の温度および湿度を制御する。
図4(a)および(b)は、本発明の実施形態に係る植物栽培システムの栽培空間20内における、LED光源15からの照射光の光路を説明するための図である。図4(a)は、栽培パネル13に植物が存在しない状態を示す。図4(b)は、栽培パネル13に植えられた植物22が収穫可能な程度まで成長し、植物22の葉が隙間無く栽培パネル13の表面を覆っている状態を示す。
本実施形態において、栽培時に植物が受ける光強度の目安は光合成有効光量子束密度(PPFD:Photosynthetic Photon Flux Density)を用いる。PPFDの単位はμmol m-2 s-1である。PPFDは、光合成に有効な波長の単位面積・単位時間あたりの光量子数を表している。植物において、光化学反応はクロロフィルが一定の波長(エネルギー)をもつ光量子を電子に変換する工程から始まる。したがって光合成は波長(エネルギー)に依存せず、光量子数に依存する。そのため、光合成量を表す光強度としてPPFDが適している。栽培空間20内のPPFDを測定するために、本実施形態では栽培空間20内に光量子センサ16を配置している。光量子センサ16を用いて測定されるPPFDは、栽培時に植物が受けるPPFDと等価とみなすことができる。本実施形態では、栽培空間20内の天井面部材14に光量子センサ16を設置しているが、植物22によって覆われない位置であれば光量子センサ16の設置位置は特に限定されず、例えば側面の反射板17に設置されてもよい。
本実施形態では、栽培空間20の側面には反射板17が配置されており、さらに栽培パネル13および天井面部材14の表面は光を反射するよう形成されている。従って、図4(a)に示すように栽培パネル13に植物が存在しない場合、LED光源15から照射された光が反射板17、栽培パネル13、天井面部材14等で反射するので、光量子センサ16を用いて測定されるPPFDは、LED光源15からの直接光のPPFDと、反射光のPPFDの合計となる。なお、LED光源15に笠が設けられている場合などは、LED光源15からの直接光は光量子センサ16に入射しない可能性がある。このような場合、光量子センサ16を用いて測定されるPPFDは、反射光のPPFDのみとなる。
一方、図4(b)に示すように植物22によって栽培パネル13の表面が覆われている場合、栽培パネル13に向かう光は植物22によって吸収されるので、栽培パネル13からの反射光は殆ど無くなり、光量子センサ16を用いて測定されるPPFDは、ほぼLED光源15からの直接光のPPFDのみとなる(上述のようにLED光源15に笠が設けられている場合などは、光量子センサ16を用いて測定されるPPFDはほぼ無くなる)。従って、図4(a)に示すように栽培パネル13に植物22が存在しない場合のPPFDは、図4(b)に示すように栽培パネル13の表面が植物22によって覆われている場合のPPFDよりも大きくなる。例えば所定の条件では、LED光源15の出力が同じであっても、栽培パネル13に植物22が存在しない場合のPPFDは、反射率にもよるが栽培パネル13の表面が植物22によって覆われている場合のPPFDの2倍程度となる。すなわち、反射光分のPPFDは、直接光分のPPFDの等倍に相当する。これは、反射光が1次反射のみに制限されないことによる。
このように、栽培空間20内のPPFDは、植物22の生育状態に応じて大きく変化する。その一方で、植物には光合成速度が飽和になる光強度である光飽和点が存在する。すなわち、光飽和点を超える光強度を与えている場合、植物の光合成に寄与しない余剰の光強度を与えていることになる。
例えば、一般にレタスの光飽和点は100〜160μmol m-2 s-1とされている。そこで、LED光源15からの直接光のPPFDが一律に140μmol m-2 s-1となるようにLED光源15の照射強度を制御した場合、定植直後の植物22は、直接光のPPFDである140μmol m-2 s-1に加えて、反射光によるPPFDを受けることになるので、光飽和点を大きく超える過剰なPPFDを受けていることになる。
そこで、本実施形態に係る植物栽培システム100では、光強度制御装置18は、光量子センサ16によって検出されたPPFDに基づいて、LED光源15から植物22に直接照射される直接光のPPFDと、反射板17等で反射した後に植物22に照射される反射光のPPFDの合計が所定の光飽和点に維持されるようにLED光源15の照射強度を制御する。光飽和点は、栽培する植物22の種類に応じた所定値に設定される。例えば植物22がレタスの場合には光飽和点は140μmol m-2 s-1に設定されてよい。
直接光によるPPFDは、LED光源15の特性や印加電圧および電流によって予め求めることができる。光量子センサ16で検出されるPPFDは、直接光によるPPFDと反射光によるPPFDを合計した値であるので、光量子センサ16で検出されるPPFDから直接光によるPPFDを引くことで反射光によるPPFDを瞬時に導出し、フィードバック制御を行うことにより、植物22の生育状態に合わせたLED光源15の照射強度の制御を行うことが可能となる。
このようにLED光源15の照射強度を制御した場合、定植直後でまだ植物22が小さいときには反射光のPPFDが大きくなるので、所定の光飽和点を満たすのに必要なLED光源15の照射強度は小さくなる。一方、植物22収穫間近で植物22が大きいときには反射光のPPFDが小さくなるので、所定の光飽和点を満たすのに必要なLED光源15の照射強度は大きくなる。本実施形態のように、植物22の生育状態に応じて、直接光のPPFDと反射光のPPFDの合計が所定の光飽和点に維持されるようにLED光源15の照射強度を制御することにより、光合成に十分な光を植物22に与えつつ、植物22に余剰なPPFDを与えることを避けることができる。言い換えると、LED光源15の照射強度を必要最低限にすることができるので、植物栽培システム100の省エネルギー化を図ることができる。
次に、本実施形態に係る植物栽培システム100の実施例について説明する。ここでは、栽培環境条件を設定してシミュレーションを行った。図5は、本実施例のシミュレーションで用いた栽培環境条件を示す。図5には、栽培空間20の温度、湿度、CO濃度、養液のEC値、pH値の条件が示されている。定植は、横82cm長さ10.4m(面積85280cm)の栽培パネル13に20cmピッチで230株を植えることとした。
図6は、本実施形態に係る植物栽培システム100のシミュレーション結果を示す表である。図6は、14日間の定植工程における植物22の生育過程と、それに応じて調整されたLED光源15の照射強度を示す。
栽培植物の成長度合いは一般に株重量で評価するが、栽培時に栽培植物の重量を連続して監視することは難しいため、ここでは、植物22の葉の水平投影面積を用いて植物22の成長を評価する。植物22の葉の水平投影面積は、栽培空間20内にカメラを設置することで容易に連続監視が可能である。図7は、栽培植物(フリルレタス)の投影面積と株重量の関係の一例を示す。図7に示すように、栽培植物の投影面積と株重量との間には正の相関関係があることが分かる。
図6のシミュレーション結果に戻るが、栽培日数に応じて1株あたりの平均葉投影面積および葉投影面積が増大しており、植物22が順調に成長していることが分かる。なお、13日目と14日目で葉投影面積が85280cmで一定となっているのは、栽培パネル13の面積が85280cmであり、それ以上葉投影面積は大きくならないためである。また、図6には、栽培パネル13の面積(85280cm)に対する葉投影面積の占有率(葉投影面積/パネル面積)が記載されている。例えば定植工程の1日目では、パネル面積に対する葉投影面積の占有率は10%であり、13日目には100%となっている。葉投影面積の占有率が100%とは、栽培空間20を天井側から見たときに、栽培パネル13の表面がすべて植物22の葉で覆われている状態である。
本シミュレーションでは、LED光源15からの直接光のPPFDと反射光のPPFDの合計が140μmol m-2 s-1となるようにLED光源15の照射強度を制御している。その結果、図6に示すように、LED光源15の照射強度は、例えば定植工程の1日目では67μmol m-2 s-1とされている。植物22が成長するにつれて反射光のPPFDが小さくなるので、直接光と反射光の合計PPFDが140μmol m-2 s-1に維持されるようにLED光源15の照射強度が増加されていることが分かる。例えば、葉投影面積の占有率が23%の定植工程の5日目ではLED光源15の照射強度は73μmol m-2 s-1とされ、葉投影面積の占有率が65%の定植工程の10日目ではLED光源15の照射強度は98μmol m-2 s-1とされている。葉投影面積の占有率が100%になった定植工程の13日目と14日目では、反射光のPPFDが無くなるので、LED光源15の照射強度は140μmol m-2 s-1とされている。
図8は、本実施例のシミュレーション結果と比較例のシミュレーション結果を比較した図である。比較例では、植物22の生育状態に拘わらず、LED光源15の照射強度を一律に140μmol m-2 s-1に制御した。
図8において、横軸は定植工程における栽培日数(日)を表し、左縦軸は光源の照射強度(μmol m-2 s-1)を表している。図8には、本実施例および比較例に係る栽培日数に対するLED光源15の照射強度の変化が示されている。図8から分かるように、照射強度が140μmol m-2 s-1で一定に制御されている比較例に対し、本実施例では、定植工程の1日目においては照射強度は比較例の半分以下(67μmol m-2 s-1)に制御され、栽培日数の経過とともに徐々に140μmol m-2 s-1に近づくよう制御されている。
図8の右縦軸は、累積PPFDを表す。累積PPFDとは、定植工程初日からのLED光源15の照射強度を累積したものである。図8には、本実施例および比較例に係る栽培日数に対する累積PPFDの変化が示されている。図8では、累積PPFDの単位がμmol m-2 s-1×14×60×60とされている。これは、PPFDは平方メートル・秒あたりの数値であるので、累積PPFDを求める場合、1日の照射時間(秒)を乗じる必要があるためである。ここでは1日の照射時間を14時間としたので、14(時間)×60(分)×60(秒)=50400を乗じている。図8から分かるように、本実施例の累積PPFDは比較例の累積PPFDよりも少なくて済むことが変わる。例えば定植工程14日間の本実施例の累積PPFDは1302×50400≒6.6×10であり、比較例の累積PPFD(1960×50400≒1.0×10)よりも30%以上少なくて済む。
次に、消費電力量のシミュレーションについて説明する。図9は、消費電力量のシミュレーション条件を示す。ここでは、日産3万株の植物工場を想定する。栽培植物の収穫までの育成工程は、発芽工程2日、緑化工程5日、育苗工程14日、定植工程14日である。LED光源15としては青色LEDと赤色LEDを用い、照射時間は1日あたり16時間とした。総養液プール数は、発芽工程を除く各工程の合計で4090とした。
図10は、本実施例および比較例に係る消費電力量のシミュレーション結果を示す。比較例のシミュレーションでは、青色LEDおよび赤色LEDの最大PPFD160μmol m-2 s-1(電力35W)に対して、一律に140μmol m-2 s-1の直接光が照射されるようにした。ここでは、COP(Coefficient Of Performance)=5とし、冷房による消費電力量を照明による消費電力量の20%とした。この場合、比較例における1日の消費電力量は38mWhとなった。栽培植物の重量を収穫時一株100gとすると、1kWhの電力量で栽培植物78gの収穫効率が得られることになる。
本実施例のシミュレーションでは、LED光源からの直接光のPPFDと反射光のPPFDの合計が光飽和点の140μmol m-2 s-1となるようにLED光源の照射強度を調整した。ここでも、COP=5とし、冷房による消費電力量を照明による消費電力量の20%とした。この場合、本実施例における1日の消費電力量は26mWhとなり、上記比較例に対して33%の省電力が達成されている。また、栽培植物の重量を収穫時一株100gとすると、1kWhの電力量で栽培植物117gの収穫効率が得られることになり、上記比較例に対して1.5倍の収穫効率が達成されている。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 栽培棚、 11、11’ 棚板、 12 養液プール、 13 栽培パネル、 14 天井面部材、 15 LED光源、 16 光量子センサ、 17 反射板、 18 光強度制御装置、 19 調光装置、 20 栽培空間、 22 植物、 23 栽培室、 30 発泡スチロール板、 31 孔、 40 養液タンク、 41 液循環装置、 42 液状態制御装置、 43 液調整装置、 44 循環液量制御装置、 46 濃度制御装置、 47 室内空調装置、 48 温度/湿度制御装置、 100 植物栽培システム。

Claims (8)

  1. 栽培空間内で植物を栽培する植物栽培システムであって、
    植物に光を照射する光源と、
    前記栽培空間内に配置される反射板と、
    前記栽培空間内に配置される光強度検出装置と、
    前記光強度検出装置によって検出された光強度に基づいて、前記光源から植物に直接照射される直接光の光強度と、前記反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光強度の合計が所定値に維持されるように前記光源の照射強度を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする植物栽培システム。
  2. 前記光強度検出装置は、光合成有効光量子束密度を検出する光量子センサであり、
    前記制御装置は、前記光量子センサによって検出された光合成有効光量子束密度に基づいて、前記光源から植物に直接照射される直接光の光合成有効光量子束密度と、前記反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光合成有効光量子束密度の合計が所定値に維持されるように前記光源の照射強度を制御することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培システム。
  3. 前記所定値は、植物の光合成速度が飽和になる光強度である光飽和点に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の植物栽培システム。
  4. 前記植物が植え付けられる栽培パネルをさらに備え、
    前記栽培パネルの表面は前記光源からの光を反射するよう形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の植物栽培システム。
  5. 前記栽培パネルは前記栽培空間の底面に配置され、
    前記反射板は前記栽培空間の側面および天井の少なくとも一方に配置され、
    前記光源は前記栽培空間の天井に配置され、
    前記光強度検出装置は前記栽培空間の天井に配置されることを特徴とする請求項4に記載の植物栽培システム。
  6. 栽培空間内で植物を栽培する植物栽培方法であって、
    光源を用いて植物に光を照射するステップと、
    前記栽培空間内に配置された反射板を用いて前記光源からの光を反射するステップと、
    前記栽培空間内の光強度を検出するステップと、
    検出された光強度に基づいて、前記光源から植物に直接照射される直接光の光強度と、前記反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光強度の合計が所定値に維持されるように前記光源の照射強度を制御するステップと、
    を備えることを特徴とする植物栽培方法。
  7. 前記光強度の検出ステップでは、光合成有効光量子束密度を検出し、
    前記照射強度の制御ステップでは、検出された光合成有効光量子束密度に基づいて、前記光源から植物に直接照射される直接光の光合成有効光量子束密度と、前記反射板で反射した後に植物に照射される反射光の光合成有効光量子束密度の合計が所定値に維持されるように前記光源の照射強度を制御することを特徴とする請求項6に記載の植物栽培方法。
  8. 前記所定値は、植物の光合成速度が飽和になる光強度である光飽和点に設定されることを特徴とする請求項6または7に記載の植物栽培方法。
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