JP2006042706A - 植物育成用のfe光源および該fe光源を用いる植物工場 - Google Patents

植物育成用のfe光源および該fe光源を用いる植物工場 Download PDF

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Abstract

【課題】
微発熱によって栽培植物に近接できる植物育成用のFE光源を提供し、さらにこのFE光源を適用した栽培植物の完全人工光型や太陽光併用型の植物工場ならびに植物栽培用ハウスを提供する。
【解決手段】
植物育成用のFE光源は、放射光が波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光であるかまたは波長380〜700nmの可視光を放射し、内面に蛍光体を塗布した透明電極である陽極と、該陽極に対向配置する電子放出の陰極と、陽極および電子放出の陰極を囲み込んで内部を真空状態に封入した透光カバー材とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、微発熱であるので栽培植物に近接できる植物育成用のFE(Field Emission、電界放出)光源に関し、このFE光源を用いて栽培植物の光合成を行う完全人工光型や太陽光併用型の植物工場ならびに植物栽培用ハウスに関する。
近年、食に対する消費者の安全志向および健康志向の高まりとともに、常に病原菌や害虫の侵入に晒される開放型の土耕に代わって、太陽光によらず人工光源による光合成を利用する閉鎖型である完全人工光型の植物工場が注目されている。この種の植物工場の一例として、該植物工場の天井壁および側壁が、太陽光を遮断する不飽和ポリエステル樹脂を主体とするFRP製のパネル体で構成するものが存在する。内部の生育室または育苗室内には栽培ベッドを配置し、栽培ベッドの上面側に光照射する照明装置を設置し、一方、栽培ベッドの下側面に向かって液肥を噴出するための液肥供給装置を設置する。この場合、栽培ベッドはV字形に傾斜して並置され、該栽培ベッドに設けた開孔に栽培植物の幼苗が保持され、裏面側から液肥をその根に向かって吹き掛けるとともに、表面側からその葉に向かって人工光を照射する。
この種の植物工場の照射装置には、例えば、特開昭63−240731号、特許第2950911号、特開平5−137457号および特開平8−266152号に開示するように、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、水銀ランプ、昼光色蛍光灯、高演色性蛍光灯などを使用する。反射板付きのランプは、栽培植物の上端から100〜200cm程度離し、天井からコ−ドによって吊り下げたり、傾斜した栽培ベッドの面と平行に長尺の蛍光灯を水平方向に配列している。
これらのランプや蛍光灯は比較的高輝度である反面、植物工場の天井や壁が断熱性の高い材料で覆われているため、該ランプから放射される発熱を適宜に除去しないと、この放射熱で栽培植物に葉焼けなどが発生して商品品質の低下を招いてしまう。このため、ランプを栽培植物より1〜2m上方に離すうえに、植物工場には空調設備が必須である。このため、天井付近にランプ用空間を設け、ランプと栽培植物とを隔離して熱対流を阻止したり、ウオータジャケットを取り付けてランプからの発熱を水に吸収させる設備を付設すると、植物工場の建設費は非常に高価になる。こうした熱対策を採用しても、特に夏期には空調の電気代が急増して工場のランニングコストが非常に嵩むことになり、採算性の向上に障害となり、農業経営の成立を困難にする要因となっている。
また、このランプは点光源であり、この光源から栽培ベッドまでの距離は、場所によって遠近の差が生じ、同じ栽培ベッド上において照度分布に違いが発生する。また、水平に配置した長尺の蛍光灯であると栽培植物の育成当初は照度分布がほぼ均等になっても、栽培植物の生育には個体差があるから、生育が進捗するにつれて栽培植物の高さが異なり、受ける光量にバラツキが生じてくる。従来の照明装置では、全ての栽培植物が生育に最適な照度の1万8千ルクスを受けることができず、栽培ベッドの幅や形状などを適当に選択しても、生長の遅い植物群は光源から遠いことでいっそう生長が遅くなり、生長が早い植物群は光源に近くなっていっそう生長が早くなる。特開昭63−240731号では、蛍光灯の位置を順次移動させることによって栽培植物の上端との距離を常に1〜10cmに保っているが、通常の蛍光灯では栽培植物の生育に照度が不足するうえに、このような近距離では栽培植物が葉焼けしやすい。
特開昭63−240731号公報 特許第2950911号公報 特開平5−137457号公報 特開平6−106229号公報 特開平8−266152号公報
ランプや蛍光灯の発熱問題に対して、特開平6−106229号は、発光ダイオード(LED)を光源として使用している。このLED光源は、他の放電管型光源のような輝線スペクトルの混入がなく、赤外領域のエネルギ放射を殆ど含まないことにより、温度管理に要するランニングコストを大幅に低減し、植物工場の小型化が可能になる。この反面、LED光源は、未だに照射光の照度が不十分であり、植物工場の主照明としては使用できず、補光装置として試験的に実施されているにすぎず、強引に主照明にすると設置数が膨大になってコスト高になってしまう。
本発明者は、LED光源に代わるものとして、特開2000−260300号などにおいて、電界放出(Field Emission)による電子線励起発光が微細加工技術の発展によって可能となり、高輝度の照明機器として既に実用化されていることを知った。本発明者は、この照明機器を植物工場における植物育成に適用することにより、高輝度でありながら微発熱の植物育成用の光源として利用するに至ったものである。
本発明は、従来の放電管型光源およびLED光源に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、微発熱であって電気料金が非常に安く、夏期に冷暖房費が軽減できる植物育成用のFE光源を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、赤色光および青色光を含む混合光を照射することにより、栽培植物の味と香りおよび栄養分が優れている補光用のFE光源を提供することである。本発明の別の目的は、実質的に垂直方向に多段構成にすることにより、必要な敷地面積に対する生産性が遙かに高くなる完全人工光型および太陽光併用型の植物工場を提供することである。本発明のさらに別の目的は、栽培植物の生育をほぼ均等にできる植物栽培用ハウスを提供することである。
本発明に係る植物育成用のFE光源は、放射光が波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光であるかまたは波長380〜700nmの可視光である。本発明のFE光源は、内面に蛍光体を塗布した透明電極である陽極と、該陽極に対向配置する電子放出の陰極と、陽極および電子放出の陰極を囲み込んで内部を真空状態に封入した透光カバー材とを備える。透光カバー材には、1対の接続端子を固定し、両端子はリード線を介して陽極および電子放出の陰極と接続する。
本発明のFE光源では、電子放出の陰極において、多数のダイヤモンド超微粒子を絶縁基板上に分散配置し、先端が尖鋭な非晶質炭素の微小エミッタをダイヤモンド超微粒子相互間に形成していると好ましい。また、本発明のFE光源は、赤外領域のエネルギ放射を含まない微発熱の光源であり、太陽光併用型の植物工場における補光用として太陽光の60〜80%の輝度を有するか、または完全人工光型の植物工場における照明灯として太陽光と同等の輝度を有すると好ましい。
本発明に係る完全人工光型の植物工場は、太陽光を遮断した断熱・密閉性であり、水平または傾斜させた栽培ベッドの上方に、天井パネルを栽培ベッドと平行に配列している多段構成である。この植物工場は、波長380〜700nmの可視光を放射する多数個のFE光源を天井パネルに適宜の間隔で配置するとともに、該天井パネルから昇降可能に吊り下げ、栽培植物群の生育に応じて個々のFE光源を上下方向に移動させる。
本発明に係る太陽光併用型の植物工場は、天井および周壁を透光資材で構成することで太陽光を利用し、水平または傾斜させた栽培ベッドの上方に、天井パネルをほぼ水平に配列している複数段または多段構成である。この植物工場は、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光を放射する多数個のFE光源を天井パネルに適宜の間隔で配置するとともに、該天井パネルから昇降可能に吊り下げ、日照不足の補充または局部的な生育遅れの発生の際などに個々のFE光源を下降させる。太陽光併用型の植物工場は、採光用の窓から太陽光が十分に取り入れる場合に採用する。栽培ベッドを垂直方向に多段に配置すると、大半の栽培ベッドが上方向または横隣りの栽培ベッドの日陰になってしまうから、このような場所では完全人工光型の植物工場と同様の方法で育成することを要する。
本発明の植物工場は、完全人工光型および太陽光併用型のいずれであっても、用いるFE光源は栽培ベッドの横幅に相当する長さに並べた点光源であってもよい。この場合に、複数本の点光源を栽培ベッドの長手方向に沿ってほぼ平行且つ上下動可能に並置すればよい。
本発明に係る植物栽培用ハウスは、天井および周壁を透光資材で構成することで太陽光を利用し、ハウス内に土壌で畝を形成して栽培植物を育成し、比較的高いアーチ型などの天井を有する。本発明の植物栽培用ハウスは、複数の畝と平行に支持レールを取り付け、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光を放射するFE光源を各支持レールと平行移動且つ昇降可能に吊り下げ、日照不足の補充または局部的な生育遅れの発生の際などに各FE光源を下降させ、目的の栽培植物群に近接させて光照射する。
本発明に係るFE光源は、いわゆる電界放出方式である薄型のランプであり、赤外領域のエネルギ放射を殆ど含まない微発熱且つ高輝度の光源である。このFE光源は、一般に平坦なフラット型であり、その平面形状は例えば円形、四角形、楕円形である。このFE光源は、厚みが数十mm以下の小型化が可能であり、このような薄型であると、比較的に低い電圧で、室温の真空中に電子を電界放出することができ、消費電力の節減が可能となり、温度上昇も非常に少ない。電界放出方式であるFE光源は、一般に、蛍光体を塗布した陽極と、該陽極に対向配置する電子放出の陰極と、陽極および電子放出の陰極を取り囲み内部が真空状態の透光カバー材とから構成する。電子放出の陰極はコールドカソードとも称する。この透光カバー材は、無色または有色の透明であっても乳白色のような半透明であってもよい。
好適なFE光源として、電子放出の陰極が、絶縁基板上に多数分散配置されたダイヤモンド超微粒子と、該絶縁基板上でダイヤモンド超微粒子相互間に形成された微小エミッタとを備えたものが例示できる。この際に、均一の膜厚のエミッタ膜を絶縁基板の全面に連続的に形成して電子放出の陰極を構成すると、該陰極と対向配置の陽極との間に生じる電界の強度は均等になり、平行な電極板において正電荷と負電荷とがそれぞれ一様に分布し、電気力線は電極の表面に垂直となる。
陰極から電子が放出される際に必要なエネルギは電界強度に比例し、この電界強度が一様であると、単位面積当たりの電界強度は超微小面積において相対的に小さくなる。単位面積当たりの電界強度が低いと電子の放出が不十分になるため、電界強度が一様のときに電子放出を良好に行うには、陽極と陰極との間の印加電圧を非常に高くしなければならない。印加電圧が低くても電子放出を高くするには、単位面積当たりの電界強度を大きくする必要があり、単位面積を通過する電気力線の本数つまり電束密度を高くすればよい。
このため、絶縁基板上に微小エミッタを形成し、該微小エミッタは、絶縁基板上で多数個を可能な限り均等間隔で稠密に形成することを要し、微小エミッタの高密度配置とともに、隣接の微小エミッタ相互は電気的に絶縁状態でなければならない。各微小エミッタは、その周囲が絶縁体で囲まれるとともに、絶縁体の幅が小さいことが好ましく、この条件を満たす素材のひとつがダイヤモンド超微粒子である。ダイヤモンド超微粒子は、絶縁基板上に超高密度且つ均一分散の状態で成長させればよい。ダイヤモンド超微粒子を単粒子の状態で成長させることにより、例えば、各4個の隣接ダイヤモンド超微粒子が相互に接触し、4個のダイヤモンド超微粒子で囲まれた隙間が生じる。この隙間において微小エミッタを絶縁基板上に形成すると、微小エミッタは、その周囲をダイヤモンド超微粒子で囲まれ、隣接の微小エミッタ間は絶縁状態を保つ。つまり、ダイヤモンド超微粒子は、隣接する微小エミッタ間で絶縁体であるとともに、多数の微小エミッタのマトリックスアレイ配置の間隔規制体として機能する。
絶縁基板上で高密度且つ均一に形成した多数の微小エミッタにより、電子放出サイト密度の高密度化を達成できる結果、均一な膜厚のエミッタ膜を絶縁基板の全面に形成する場合と比べて、単位面積当たりの電界強度が非常に大きい微小エミッタを得ることができる。つまり、陽極から延びてくる電気力線の多数を均等分散させるのではなく、微小エミッタに集中させる。微小エミッタに電気力線を集中させ、その表面の単位面積当たりの電界強度を増幅することにより、陽極と陰極との間に印加する電圧を比較的低くしても、電子の放出を容易化でき、放出電流密度の高密度化を達成できる。
この微小エミッタはその先端が尖鋭であると、単位面積当たりの電界強度の増幅がより効果的になる。また、この微小エミッタが非晶質炭素からなると、導電性がきわめて高くなり、電子の移動性能が良好であるために電子放出を効率良く行わせ、さらに耐久性が高く、厳しい使用環境下でも長寿命である。したがって、比較的低い電圧で電子放出を有効に行わせ、FE光源の薄型化を促進することが可能となる。電子放出の陰極から多量に放出された電子は、陽極において蛍光体に衝突し、該蛍光体を発光させることになり、電子放出が高効率であるので輝度も高くなり、赤外領域のエネルギ放射を殆ど含まずに微発熱で高輝度となる。
本発明のFE光源は、リード線を介して陽極および電子放出の陰極と接続する1対の接続端子を透光カバー材に固定することにより、光源コネクタに対して着脱自在であるから容易に交換可能である。また、FE光源の透光カバー材の下面に磁石を固着すると、磁力によって光源コネクタに装着でき、磁力の利用によってワンタッチ着脱の機能を損なうことなく、薄型のFE光源の装着の際の結合強度を十分に大きくできる。
本発明のFE光源は、通常、厚みが数十mm以下の小型であり、このような薄型であると低電圧で室温の真空中に電子を電界放出でき、微発熱であるので消費電力の節減が可能となるうえに、自然放冷しやすく且つ温度上昇も非常に少ない。このFE光源は、図1、図4から図6に例示するように、独立したランプタイプのほかに、パネル状に多数個を集積することも可能であり、図8に示すように、点光源として栽培ベッドの横幅に相当する長さに並列させてもよい。
本発明のFE光源において、陽極における蛍光体の素材に応じて、放射する光の波長が異なるため、植物育成の目的に応じて蛍光体の素材を選択すればよく、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光であるかまたは波長380〜700nmの可視光を放射させればよい。波長640〜690nmの赤色光は、植物の光合成反応によるエネルギ生産に用いられ、波長420〜470nmの青色光は、強光反応による屈光性および伸長抑制に用いられる。
多数個のFE光源を使用する育成環境では、各FE光源が少なくとも赤色光または青色光のいずれかのピーク波長を有する光を放射すれば、各々光を放射するFE光源を適宜組み合わせ、植物工場全体としてこれらの光が混在する育成環境を得ることができる。このFE光源は、例えば、陽極における蛍光体の素材を2種以上混合または積層することにより、赤色光および青色光の2つのピーク波長を有する混合光を放射することが可能である。混合光を放射するFE光源を用いると、植物工場や植物栽培用ハウスにおいて理想的な育成環境を得ることができる。
FE光源の放射光構成を設定するに際し、太陽光について測定した。2004年5月24日の高知市長岡町のナス畑において、各時刻における青色光と赤色光の輝度を表1に示し、380〜690nmの可視光線の輝度を表2に示す。また、図11は、12時59分におけるナスの葉の反射光を分析したグラフであり、その反射輝度は22.60であった。
Figure 2006042706
Figure 2006042706
また、表3は、2004年6月14日の高知市長岡町のホウレン草畑において、各時刻における青色光と赤色光の輝度を示し、表4には380〜690nmの可視光線の輝度を示す。また、図12は、13時7分におけるホウレン草の葉の反射光を分析したグラフであり、その反射輝度は27.05であった。
Figure 2006042706
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例えば、表3の13時9分において、太陽光中に青色光は分光放射輝度17.18(11.88%)、赤色光は分光放射輝度19.49(13.47%)存在し、合わせて25.35%になり、両光は全太陽光中の約1/4である。FE光源によって、赤青色光の分光放射輝度の合計輝度36.67(単位W/s r・m・nm)を与えれば、太陽光とほぼ同等の育成機能を持つことが実験によって判明した。一般に、蛍光体には、青・赤色光のそれぞれにその機能を最も強く持っている波長が存在し、これをピーク波長と称して青色光が450nm、赤色光が660nmである。ピーク波長が450nmの蛍光を発する蛍光体で太陽光の青色の育成機能領域である分光放射輝度17.18を出し、且つピーク波長660nmの蛍光を発する蛍光塗料で太陽光の赤色の育成機能領域である分光放射輝度19.49を出すから、赤青色光合計で輝度36.67を出せば、太陽光並みの育成機能が優れた光源となる。
太陽光の赤・青色光それぞれの育成機能領域の輝度は、各波長の育成機能の平均値であるのに対し、ピーク波長を発光する蛍光体で作った光は、レーザー光線のような単一波長つまりピーク波長のみの光とは異なり、ある程度の近似波長が混在している。この傾向を持つ蛍光のピークを、太陽光の赤・青色光の育成機能領域の積分値である輝度19.49または輝度17.18にまで拡大させると、近似波長の裾野が育成機能領域をはみ出してしまう。各波長の育成機能のみを重視すれば、ピーク波長から外れた波長を有することは不経済と判断できる。しかし、栽培植物の味、香りおよび栄養分を含めてバランスの良い育成を行うならば、赤と青の単一光だけでは不十分であることが周知であるから、ピーク波長から外れた波長の光を含むことも有益であることが実験によって判明した。
ピーク波長の赤・青色光と太陽光の平均波長との育成機能の差は、例えば、ピーク波長から外れた波長の光を含めると、太陽光の同一の範囲の育成機能よりも平均して約60%強くなることが判明した。したがって、FE光源の赤色光の輝度を11.70(19.49×60%)、青色光の輝度を10.31(17.18×60%)、合計で輝度が22.0であると、太陽光とほぼ同一の育成機能を持つことになる。
栽培植物は、それぞれ光合成飽和光強度を持っている。栽培植物ごとの光合成飽和光強度を調べ出し、その時のピーク波長の蛍光の育成機能領域の輝度を下記の方法によって決定すればよい。太陽光併用型の植物工場および植物栽培用ハウスでは、FE光源を主に日照不足の補充を目的とする補光用であるから、実験によって、その目的に応じて所定の輝度の70%前後、つまり60〜80%を照射すると、従来のランプなどとは比較にならない高い育成力を発揮することが判明した。
輝度決定方法として、
1.専門書によって栽培植物の旬の季節と光合成飽和光強度(照度)を調べ出す。
2.旬の季節の光合成飽和光強度になった時に、太陽光の放射輝度を測定する。但し、旬の季節から外れていると多少の誤差はあるが、本目的には大した影響は与えない。
3.太陽光の420〜470nm(青色光)の分光放射輝度と、640〜690nm(赤色光)の分光放射輝度とを測定し、その合計値を算出する。
4.蛍光体における赤色光および青色光が、太陽光の同一の範囲の育成機能よりも約60%強いと仮定し、前項3で求めた赤・青色光の分光放射輝度を修正する。
5.目的に応じて照射割合を決める。例えば、日照不足の補充であれば、前項4で求めた値の60〜70%とする。冬期における朝夕の日長時間の延長を目的とするならば、70〜80%が望ましい。
完全人工光型の植物工場で使用するFE光源は、波長700nmを超える近赤外線領域をカットしたスペクトルを用いる。その理由は、FE光源は植物に近接させて設置するので、熱線である近赤外線領域が含まれると植物が日焼けを起こすため、近赤外線領域を避けなければならない。但し、図11と図12を参照すると、近赤外線域の690〜670nmにおいて、ナスとホウレン草の葉が光を反射せずに吸収していることが明瞭に表れ、この傾向は全ての草本植物の葉について存在する。さらに、透過光についても、透過光量が640〜670nmに次いで小さくなっているので、植物が必要であるから吸収しているものと判断し、完全人工光型の植物工場で用いるFE光源には、波長700nmまでのスペクトルを有する。
このFE光源は、完全人工光型ないし太陽光併用型の植物工場または植物栽培用ハウスにおいて、通常、天井パネルなどから上下動可能に取り付ける。この天井パネルは、垂直方向に多段構成の植物工場において、水耕ベッドである栽培ベッドの上方に平行に設置しても、該パネルの代用として上方の栽培ベッドの下側を利用しても、最上段の栽培ベッドは植物工場の天井近傍に達するので天井を利用してもよい。FE光源の取り付けには、単にコード、チェーン、紐、ロープ、針金を手動で昇降可能に吊り下げるだけでなく、傾斜設置の栽培ベッドについて、該ベッドの平面に対して鉛直方向に連結アーム、フレキシブルアームやクランクなどで機械式に斜め上下動可能に配置する構成などでもよい。FE光源は、所望に応じて、栽培ベッドの長手方向に対して前後および左右方向にも移動可能であるため、その数が栽培植物に比べて少なくても目的の栽培植物群に近接させることが可能である。
このFE光源は、微発熱であるので、図4から図6に示すように個々の栽培植物から2〜4cmの距離に近接させることができ、一般にこの近接配置は手動によって行う。この近接配置は、FE光源に距離センサを搭載することで自動制御することも可能である。このFE光源は、印加電圧を変更することによって照射光量を増減し、送電をオン・オフして明暗周期を短くすることで増収効果を得ることも容易であり、これらはいずれもコンピュータ管理によって自動化できる。
本発明に係るFE光源は、高輝度であって植物育成に適した光量を有するうえに、微発熱であるので常に栽培植物に近接配置することができ、長時間点灯しても従来よりも照明および冷房に要する電気料金を相当に削減できる。本発明のFE光源を用いると、植物工場における夏期の冷房に要する電気代などで工場のランニングコストの負担が少なくなり、採算性が向上して農業経営の成立が十分に可能となり、植物工場の普及が急速に進展する。本発明のFE光源は、栽培植物に近接配置しても、該FE光源は微発熱であるので栽培植物の葉焼け発生を抑制できる。
本発明に係るFE光源は、太陽光併用型の植物工場および植物栽培用ハウスで赤色光および青色光を適宜に含む混合光を放射し、完全人工光型の植物工場で波長380〜700nmの可視光を放射し、且つ明暗周期などを短くすることにより、少なくとも味について旬の露地栽培植物に近づけることができ、生育期間の点においても短期間の栽培が可能となる。味に関して、特に旨味領域では、光合成による炭酸固定およびデンプン生成の糖度が寄与することが知られている。本発明のFE光源の近接配置および照射光量の増減などは、コンピュータ管理によって自動制御することも可能である。
本発明に係る完全人工光型および太陽光併用型の植物工場は、植物育成用のFE光源を用いることによって小型化を達成してコンパクトな設備になり、所望に応じて栽培植物の生長や特定の植物の生理を精密に制御できる。この植物工場では、照射光の照度を局部的に調整することにより、葉菜類の栽培植物が部分的に育成が遅れることを防いで全体をほぼ均一に生育させるとともに、照度、照射時間、明暗周期などを変更して他の野菜に好適な育成環境に変更することも可能である。この植物工場において、天井パネル高さは、栽培植物の最大草丈程度を確保すればよく、レタス、サラダ菜であれば約20cm程度であり、栽培ユニットを何層にも積み重ねることができ、スペースを立体的に有効活用し、床面積の数十倍の栽培面積を確保でき、理論的には、FE光源で照射する栽培ベッドは、際限なく積み重ねることができる。
本発明の完全人工光型および太陽光併用型の植物工場では、FE光源が微発熱で栽培植物に近接でき、該FE光源によって垂直方向に多段構成が可能になる。例えば、千坪の土地を購入して六百坪の植物工場を建て、栽培ベッドが20段では耕作面積が12000坪、30段であれば18000坪になり、従来の六百坪の植物工場と比べると生産性が遙かに高くなって売上げ収入が増加する。多段構成の植物工場は、従来では植物工場の建設費が栽培ハウスと比較して非常に高価であり、その減価償却費が栽培コストに反映する問題があったのに対し、コンパクトな設備で遙かに高い売上げ収入によって減価償却費の比率が低下し、栽培植物の生産コストも相対的に低くなる。
垂直方向に多段構成の植物工場では、FE光源が微発熱であることにより、天井付近にランプ用空間を設けなくてもよく、ウォータジャケットを取り付ける必要もない。この植物工場は、FE光源が微発熱であることで冷房費の低減に加え、微発熱のFE光源によって多段構成を実現して増量生産することで、その栽培植物1株当たりの冷房費はいっそう安くなり、垂直に重ねる段数に比例して生産コストが飛躍的に低下する。この植物工場は、低い生産コストで高い売上げ収入を達成するので、投下資本の回収を短期間で完了できる。本発明により、農地を持たない企業が農産物業界へ新規に参入しても、経営の見通しが十分に立つようになり、特に太陽光併用型の植物工場の普及を急速に促進するという利点もある。
また、本発明に係る植物栽培用ハウスには、放射光が波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光である複数個のFE光源を上下動可能に取り付け、この補光の目安は、一般に照度で5000ルクス程度であればよい。この植物栽培用ハウスは、雨や曇天時の日照不足または冬期における朝夕の日長時間の延長の際に、個々のFE光源を手動または機械的に下降させて光照射する。この植物栽培用ハウスでは、FE光源からの熱対流が発生しないので、天井付近にランプ用空間を設けずに空間を有効利用でき、ランプ発熱を水に吸収させるウオータジャケットなどの設備を付設する必要もない。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明のFE光源1(図1)は、厚みが15mmの薄型の円形であり、該FE光源の透光カバー材2の背面から1対の接続端子3,3が突出している。接続端子3,3により、FE光源1はコネクタ5に対して着脱自在であり、該コネクタをコード6などを介して昇降可能とする。
FE光源1における電子放出の陰極7では、図示しないけれども、絶縁基板としてのガラス基板上にダイヤモンド超微粒子が多数個稠密に配置され、各4個のダイヤモンド超微粒子で囲まれた領域に微小エミッタがガラス基板上に形成されている。微小エミッタは、非晶質炭素で構成され、各微小エミッタの先端は尖鋭である。陰極7において、きわめて多数の微小エミッタをガラス基板上に高密度且つ均一に形成し、電子放出サイト密度の高密度化を達成する。陽極8からの電気力線は、その多数を均等分散させずに微小エミッタに集中させることにより、陽極8と陰極7との間の印加電圧を比較的に低くしても電子の放出が容易であり、電流密度が非常に高くなる。
FE光源1において、陰極7の微小エミッタから多量に放出される電子は、陽極8において蛍光体10に衝突し、該蛍光体を発光させる。したがって、FE光源1は、電子放出がきわめて高効率であるため、その輝度がきわめて優れている。
図2に示す植物工場12は、垂直方向に多段構成の完全人工光型であり、例えば、全体を断熱性の高い材料14で覆った3組の多段ブロック16からなり、各ブロックの間の空間は作業者が移動する通路である。多段ブロック16において、長手方向に若干傾斜する水耕ベッドである栽培ベッド18と、該ベッドの上方に平行に配置する天井パネル20とを架台22によって上下方向に6組配列し、該天井パネルには多数個のFE光源1を昇降可能に取り付ける(図4から図6参照)。用いるFE光源1は、波長380〜700nmの可視光を放射する。
各栽培ベッド18は、長手方向に若干傾斜するけれども、傾斜方向は上下において交互に反対向きである。この結果、最上方の栽培ベッド18内の培養液は、該ベッドの下端近傍の開口部24から直下の栽培ベッド18に滴下し、各栽培ベッド18内を流れて最下方の栽培ベッド18の開口部24からタンク26へ流出する。この培養液は、ポンプ28によってタンク26から最上方の栽培ベッド18の上端近傍へ送り込む。したがって、培養液は、上下配置の各栽培ベッド18内を常に循環している。
例えば、栽培ベッド18が長さ2700mm、幅900mmである場合、縦横300mmの方形内に栽培植物の幼苗を1本植え付け、ベッド全体で27本植え付ける。一方、天井パネル20において、前記方形の中心に相当する上方位置にFE光源1のコード支持具30a,30b(図4)などを取り付けるため、該支持具も全体で27個である。FE光源1は450mm間隔程度で配列すればよいから、天井パネル20には約5本をコード支持具30a,30bなどにほぼ等間隔になるように取り付ける。FE光源1は、支持具30a,30bなどにおいて手動によって適当なコード位置で固定することによって高さ調整でき、取付ける支持具30a,30bなどを変更すると、栽培ベッド18に対して前後および左右方向に位置変更できる。
栽培ベッド18について、水耕ベッドにおける各栽培植物の生育状況を図4から図6で説明し、天井パネル20は上方のベッド18’の直下に位置する。栽培植物の幼苗を栽培ベッド18に植え付け、図4において、その上端から距離h1つまり2cm上方にFE光源1を配置すると、該FE光源の直下の栽培植物32は発育が良好であるけれども、該光源から離れた栽培植物34は発育が遅れてくる。このため、図5に示す中期生育段階において、FE光源1の取り付けを支持具30aから30bに変更し、その上端から距離h2つまり4cm上方にFE光源1を配置すると、植物34の生育が良好になり、次第に植物32を凌駕するようになる。図6に示す最終生育段階において、FE光源1の取り付けを支持具30bから30aに戻し、その上端から距離h3つまり2〜4cm上方にFE光源1を配置すると、植物32の生育が再び良好になり、FE光源1の下端面から距離h3つまり2〜4cmに達する。図6において、距離h4は、栽培植物の収穫時における最も背高の位置から2〜4cm高くなるように定め、栽培ベッド18の上面と水平パネル20の下面との間隔にほぼ相当する。
図4から図6において、各FE光源1は、コード支持具30a,30bなどによって高さ位置および前後左右位置を変更でき、この位置変更は、コードを支持具30a,30bなどのフック(図示しない)に手で掛け、さらにクリップ(図示しない)に挟むことによって行う。FE光源1において、吊り下げ用コードを電源コード6(図1)と別に設置すると安全性の点で好ましい。また、各FE光源1に距離センサを搭載し、さらに小型の電動モータや油圧シリンダなどを設置することで自動制御することも可能である。
植物工場12は、栽培ベッド18を20段以上さらに30段に積み上げてもよく、この場合には栽培植物の生産性が遙かに高くなって売上げ収入が増加する。この植物工場は、全体を覆う材料14の全部または要部を透光資材で構成すれば、太陽光を部分的に利用する太陽光併用型の植物工場とすることも可能である。垂直方向に積み上げた多段の栽培ベッドを、隣接する多段の栽培ベッドと適宜連結させていくと、摩天楼のように高く配列することも可能である。この際に、屋根や壁については、最外周における多段の栽培ベッドの上面から柱を且つ側面から水平に鋼材を適宜伸ばし、その先端に屋根や壁を取り付ければよい。
図7に示す太陽光併用型の植物工場36は、その天井壁および側壁(図示しない)に赤外線カットフィルタのガラス板を用い、該ガラス板は380〜780nmの可視光線は透過させるが、赤外線は殆ど透過させない。内部の生育室や育苗室内において、栽培ベッド38をV字形に傾斜させて並置することで実質的に2段構成であり、該栽培ベッドと平行に格子状の天井パネル40を配列する。栽培ベッド38には、その全面に分散して開孔(図示しない)を設け、各開孔において栽培植物の幼苗39を保持し、裏面側から液肥をその根に向かって吹き掛け、表面側からその葉に向かって光照射する。例えば、2枚の栽培ベッド38,38の間に液肥供給装置41を設置し、該供給装置からベッド下側面に向かって液肥を噴出させ、且つ栽培ベッド38の表面側においてFE光源42を天井パネル40に設置する。
栽培ベッド38へ光照射する補光用の照明装置として、天井パネル40において、栽培ベッド38の全面に設けた幼苗用開孔と対向するように格子に開口部(図示しない)を設け、各開口部のいくつかにFE光源42の連結アーム44を嵌入またはねじ込む。各FE光源42は、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光を放射する。FE光源42の連結アーム44は剛性であり、幼苗39に向かって斜めにFE光源42を支持し、天井パネル40の開口部に挿入するとFE光源42に電気が流れるように構成する。幼苗39が生長するにつれて連結アーム44を開口部に深く挿入していけば、FE光源42を幼苗39に常に近接させることができる。
図8において、栽培ベッド45は、完全人工光型または太陽光併用型の植物工場のいずれにも適用できる。用いるFE光源は栽培ベッド45の横幅に相当する長さに並べた5個の点光源46である。栽培ベッド45は例えば長さ2400mm、幅900mmであり、栽培植物48の列を長手方向に150mmずつ離して交互に2本または3本植え付け、各栽培植物を幅方向に300mm離す。この間隔は、栽培植物の種類に応じて変える。5個の点光源46の列は、長手方向に450mmずつ離して5列設置し、おのおのの列を栽培植物48の列の上方に位置させる。
栽培ベッド45は、栽培植物48の生長とともに図8の左方向へ移動することが可能であり、栽培植物48が栽培ベッド45の右端から左端に達すると生育が完了する。点光源46の列は、手動によって適当なコード位置で固定することによって高さ調整でき、取付ける支持具(図示しない)を変更すると、栽培ベッド45に対して前後方向に位置変更でき、栽培ベッド45上の栽培植物に近接させて生育を促進できる。また、点光源46の列は、各列ごとまたは全列を同時に移動させ、この移動はプーリとモータによって自動化が可能である。
各栽培植物48について、栽培ベッド45上で幅方向および縦方向の両端に位置する植物は、中央部分に位置する植物に比べて照射光量が少なくなり、その生育が遅れる傾向があるため、点光源46の全列を自動化によって昇降させても、各点光源46について部分的な微調整を行うと好ましい。点光源46を手動で個別に上下動できるように構成すると、栽培植物48をいっそう均一に育成することが可能になる。
一方、栽培ベッド45が固定しているならば、栽培植物48の生長の不均一を解消するため、点光源46が幅方向中央で縦方向の両端を除く植物48の直上にあるときは約5cm上方に位置させ、縦方向の両端の植物48の直上ならば約2cm上方とし、他の位置の点光源46は植物上方の3〜4cmを適宜選定する。こうした位置設定は、点光源46をこまめに上昇させる手間は掛かるが、栽培植物48をいっそう均一に育成することが可能になる。
個々の点光源46の位置設定とともに、点光源46の列は図8の位置から左方向へ150mmさらに150mm移動して左端位置まで達したら、図8の右方向に150mmさらに150mm右方向へ移動して図8の位置に戻り、この動作を繰り返して育成が完了する。例えば、図8の位置で1日保持すれば左方向へ150mm移動した場所も保持日数1日であり、さらに150mm左方向へ移動させると光源46は図8の左端位置に至り、この時の保持日数は2倍の2日である。このように図8の位置で育成開始すれば、育成開始の保持日数を基準にして図8の位置と左端位置とで保持日数を2倍にし、光源列を左右移動させながら上昇させて生育完了に至る。
図9および図10は、FE光源56をハウス栽培に用いた例を示し、植物栽培用ハウス58では栽培植物としてメロン、トマト、ナス、キュウリ、ピーマンなどを栽培できる。植物栽培用ハウス58は、天井および周壁をガラスやビニルなどの透光資材で構成して育成に太陽光を利用する。植物栽培用ハウス58内では、土壌で複数の畝60を形成して栽培植物62を育成し、棟パイプ64、主骨パイプ、ホロパイプなどでアーチ型天井を構成する。複数本の棟パイプ64は、ハウス58の長手方向に沿って設置し、複数の畝60と平行に延びる。
この実施例では、棟パイプ64を支持レールとして利用し、FE光源56は、支持レールを取り付けたコード支持具66から昇降可能に吊り下げる。各FE光源56は、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光を放射する。支持具66は、支持レールに沿って前後方向に移動可能であり、該支持具のフックやクリップ(いずれも図示しない)にFE光源56のコード68を引っ掛け、該FE光源の高さおよび前後方向位置を調整する。FE光源56は、日照不足の補充または局部的な生育遅れの発生の際などに、目的の栽培植物群に近接させて光照射する。
本発明に係るFE光源を拡大して示す概略断面図である。 本発明に係る完全人工光型の植物工場を例示する概略断面図である。 図2に示す植物工場の多段ブロックの要部を示す概略側面図である。 水耕栽培における植物の初期生育段階を示す部分側面図である。 水耕栽培における植物の中期生育段階を示す部分側面図である。 水耕栽培における植物の最終生育段階を示す部分側面図である。 完全人工光型の植物工場の他の例を示す部分正面図である。 FE光源を栽培ベッドの横幅に相当する長さに並べた例を示す概略平面図である。 本発明に係る植物栽培用ハウスを例示する概略横断面図である。 図9に示す植物栽培用ハウスの要部を示す概略水平断面図である。 ナスの葉の反射光を分析したグラフである。 ホウレン草の葉の反射光を分析したグラフである。
符号の説明
1 FE光源
2 透光カバー材
3,3 接続端子
5 コネクタ
6 コード
7 陰極
8 陽極
10 蛍光体

Claims (7)

  1. 放射光が波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光であるかまたは波長380〜700nmの可視光であるFE光源であって、内面に蛍光体を塗布した透明電極である陽極と、該陽極に対向配置する電子放出の陰極と、陽極および電子放出の陰極を囲み込んで内部を真空状態に封入した透光カバー材とを備え、透光カバー材に1対の接続端子を固定し、両端子はリード線を介して陽極および電子放出の陰極と接続する植物育成用のFE光源。
  2. 電子放出の陰極において、多数のダイヤモンド超微粒子を絶縁基板上に分散配置し、先端が尖鋭な非晶質炭素の微小エミッタをダイヤモンド超微粒子相互間に形成している請求項1記載のFE光源。
  3. 赤外領域のエネルギ放射を含まない微発熱の光源であり、太陽光併用型の植物工場における補光用として太陽光の60〜80%の輝度を有するか、または完全人工光型の植物工場における照明灯として太陽光と同等の輝度を有する請求項1記載のFE光源。
  4. 太陽光を遮断した断熱・密閉性であり、水平または傾斜させた栽培ベッドの上方に、天井パネルを栽培ベッドと平行に配列している多段構成の植物工場であって、波長380〜700nmの可視光を放射する多数個のFE光源を天井パネルに適宜の間隔で配置するとともに、該天井パネルから昇降可能に吊り下げ、栽培植物群の生育に応じて個々のFE光源を上下方向に移動させる完全人工光型の植物工場。
  5. 天井および周壁を透光資材で構成することで太陽光を利用し、水平または傾斜させた栽培ベッドの上方に、天井パネルをほぼ水平に配列している複数段または多段構成の植物工場であって、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光を放射する多数個のFE光源を天井パネルに適宜の間隔で配置するとともに、該天井パネルから昇降可能に吊り下げ、日照不足の補充または局部的な生育遅れの発生の際などに個々のFE光源を下降させる太陽光併用型の植物工場。
  6. FE光源は栽培ベッドの横幅に相当する長さに並べた点光源であり、複数個の点光源を栽培ベッドの長手方向に沿ってほぼ平行且つ上下動可能に並置する請求項4または5記載の植物工場。
  7. 天井および周壁を透光資材で構成することで太陽光を利用し、ハウス内に土壌で畝を形成して栽培植物を育成し、比較的高いアーチ型などの天井を有する植物栽培用ハウスであって、複数の畝と平行に支持レールを取り付け、波長640〜690nmの赤色光と波長420〜470nmの青色光との混合光を放射するFE光源を各支持レールと平行移動且つ昇降可能に吊り下げ、日照不足の補充または局部的な生育遅れの発生の際などに各FE光源を下降させ、目的の栽培植物群に近接させて光照射する植物栽培用ハウス。
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