JP6872063B1 - 栽培設備、及び植物の栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物内に配置された栽培棚における各段の植物に太陽光をより適切に入射させることが可能な栽培設備を提供する。
【解決手段】建築物の内部に配置され、上下に並べた複数の栽培器を備える複数の栽培棚12と、建築物の天井部に配置され、太陽光を反射させて建築物の内部に導く複数の反射板20と、反射板20の傾きを変える駆動機構と、駆動機構を制御して反射板20の傾きを調整する制御装置と、を備える。栽培棚12の間には通路Tが設けられ、反射板20は、所定枚数の反射板20からなる反射板ユニット40を含む。通路T及び通路Tを挟んで隣り合う栽培棚12が位置する対象エリアAと、上下方向において重なる位置に配置された反射板ユニット40を対象ユニット42とした場合に、対象ユニット42の反射板20にて反射された太陽光が対象エリアA内の通路Tで交差するように、制御装置が対象ユニットの反射板の傾きを調整する。
【選択図】図7

Description

本発明は、建築物内で植物を栽培するために用いられる栽培設備に係り、特に、建築物内に取り込まれた太陽光を利用して植物を栽培する栽培設備に関する。また、本発明は、上記の栽培設備を用いて建築物内で植物を栽培する栽培方法にも関する。
建物及びビニールハウス等の建築物において植物を栽培する場合に、建築物の天井部で太陽光を採光し、太陽光を利用して植物を栽培することがある。また、採光量を調整するためにルーバ等の反射板を建築物の天井部に設け、太陽光を反射板にて反射させて建物内に導く場合がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の建築物は、植物を栽培する温室であり、透光性の屋根体の下方に、太陽光を上方から植物に照射するための鏡面を有する複数の反射板を所定間隔毎に配置した反射装置を有する。反射板自体は、回転可能に支持され、植物に照射する太陽光の反射角を調整可能となるように構成されている。
実全昭60−018762号公報
植物を栽培する建物内において、例えば多段型の栽培棚を複数配置し、それぞれの栽培棚において各段上で植物を栽培することがある。このような構成の下で特許文献1に記載の反射装置を用いようとすると、各栽培棚においてより上段で栽培される植物には太陽光が照射される一方で、より下段で栽培される植物には太陽光が照射され難くなる可能性がある。このように同じ栽培棚であっても、段が異なると、植物に照射される光の量(光量)が変化し、段間での照射量の違いが、各段で栽培される植物の生育量及び品質にも影響を及ぼす虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、建築物内に配置された栽培棚において各段の植物に太陽光をより適切に照射することが可能な栽培設備を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、上記の栽培設備を利用して栽培棚内の各段で植物を良好に栽培することができる栽培方法を提供することをも目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の栽培設備は、建築物の内部で植物を栽培するために利用される栽培設備であって、建築物の内部に配置され、上下に並べた複数の栽培器を備える複数の栽培棚と、建築物の天井部に配置され、太陽光を反射させて建築物の内部に導く複数の反射板と、各々の反射板の傾きを変えるための駆動機構と、駆動機構を制御して反射板の傾きを調整する制御装置と、を備え、建築物の内部において栽培棚の間には通路が設けられ、複数の反射板は、所定枚数の反射板からなる反射板ユニットを含み、通路及び通路を挟んで隣り合う二つの栽培棚が位置する対象エリアと、上下方向において重なる位置に配置された反射板ユニットを対象ユニットとした場合に、対象ユニットの反射板にて反射された太陽光が対象エリア内の通路で交差するように、制御装置が駆動機構を制御して対象ユニットの反射板の傾きを調整することを特徴とする。
上記のように構成された本発明の栽培設備によれば、通路及び通路を挟んで隣り合う二つの栽培棚が位置するエリア(対象エリア)では、対象エリアと上下に重なる位置に配置された反射板ユニット(対象ユニット)の各反射板にて反射された太陽光が対象エリア内の通路で交差するようになる。これにより、各栽培棚において、より下方の段にて栽培される植物にも太陽光が届くようになり、栽培棚における段間での照射量の均一化を図ることができる。
以上のように、本発明の栽培設備により、建築物内に配置された栽培棚において、各段の植物に太陽光を適切に照射させることができる。
また、本発明の栽培設備において、制御装置は、対象ユニットの反射板の傾きが1日における太陽光の入射角度の変化に追従するように駆動機構を制御するとよい。かかる構成によれば、日中の各時点での太陽光の入射角度に応じて反射板の傾きを適切に調整することができる。
また、本発明の栽培設備において、制御装置は、対象ユニットの反射板にて反射された太陽光の交差位置が上下方向において栽培棚の中間位置よりも上方に位置するように、駆動機構を制御して対象ユニットの反射板の傾きを調整すると、より好適である。かかる構成によれば、通路内に入り込んだ太陽光が栽培棚の中間位置よりも下側で広がり、建築物内に配置された栽培棚における各段の植物(特に、より下方の段で栽培される植物)に対して、より一層効率よく太陽光を照射させることができる。
また、本発明の栽培設備において、制御装置は、対象ユニットをなす所定枚数の反射板のそれぞれにて反射された太陽光が対象エリア内の通路で焦点を結ぶように、駆動機構を制御して対象ユニットの反射板の傾きを調整すると、さらに好適である。かかる構成によれば、対象ユニットを構成する所定枚数の反射板の各々にて反射された太陽光が対象エリアの通路内に入り込む。これにより、対象エリアにて通路を挟んで隣り合う二つの栽培棚のそれぞれにて栽培される植物に対して、太陽光をさらに効率よく照射させることができる。
また、対象エリア内において通路を挟んで隣り合う二つの栽培棚の各々に、対象ユニットの反射板にて反射された太陽光を更に反射させて、対象エリア内の二つの栽培棚の各々の内側へ導く栽培棚側反射板が設けられてもよい。かかる構成によれば、対象ユニットの反射板にて反射されて通路内に入り込んだ太陽光を、当該通路の両脇に位置する各栽培棚の内側へ導くことができ、各栽培棚において栽培される植物に太陽光を効率よく照射させることができる。
なお、上記の構成において、栽培棚側反射板がハーフミラーによって構成されてもよい。この場合、栽培棚反射板によって、反射板にて反射された太陽光(反射光)を栽培棚に照らすとともに、反射板によって遮られる位置にある栽培棚あるいは別の反射板にも光を届かせることができる。この結果、複数の栽培棚全体において光量の均一性を高めることができる。
また、本発明の栽培設備において、反射板の傾きは、第1の傾きから第2の傾きまでの範囲で変化してもよい。ここで、複数の反射板の各々の傾きが第1の傾きであるとき、反射板間の間隔が最大となり、複数の反射板の各々の傾きが第2の傾きであるとき、反射板間の間隔が最小となる場合において、反射板間の間隔の最小値は、100mm以下であるとよい。かかる構成によれば、建築物の内部に導いた太陽光が建築物の外側に向かうのを抑え、太陽光をより効率よく利用することができる。
また、本発明の栽培設備において、複数の栽培棚の各々は、所定方向に沿って長く延び、反射板は、栽培棚の長手方向に沿って延びているとよい。かかる構成であれば、栽培棚の間、つまり通路内により多くの太陽光を入射させることができる。この結果、建築物内に導いた太陽光を、一段と効率よく利用することができる。
また、各反射板において建築物の外側を向く表面の反射率が50%以上であると、好適である。
また、前述の課題を解決するために、本発明の植物の栽培方法は、上述したいずれかの栽培設備を用いて建築物の内部で植物を栽培することを特徴とする。このような栽培方法によれば、建築物内に配置された栽培棚において、各段の植物に対して、太陽光をより適切に照射することができる。
本発明によれば、建築物内に配置された栽培棚における各段の植物に、太陽光をより適切に入射させることができる。すなわち、栽培棚における上方の段にて栽培される植物、及び、下方の段にて栽培される植物のそれぞれに、太陽光を照射させることができ、段間での照射量の均一化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る栽培設備が利用される建築物内部の構造を示す模式断面図である。 複数の栽培棚と複数の反射板とを示す斜視図である。 複数の栽培棚と複数の反射板とを示す平面図である。 複数の栽培棚と複数の反射板とを示す側面図である。 反射板の模式平面図である。 栽培設備の制御系統を示すブロック図である。 対象エリアの構成を示す拡大図である。 太陽光の入射角度が10°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が20°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が30°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が40°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が50°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が60°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が70°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が80°である場合の反射光の光路を示す図である。 太陽光の入射角度が90°である場合の反射光の光路を示す図である。 栽培棚の最上段及び下方の段での、日中における太陽光の照射量の推移を示す図である。
本発明の一実施形態(以下、本実施形態という。)に係る栽培設備、及び、植物の栽培方法について、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
また、図示の都合上、一部の図面では、図中の機器を簡略化しており、例えば、図1〜4では、栽培棚12が備える支柱等を省略した上で各栽培棚12を図示している。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<<栽培設備の基本構成>>
本実施形態に係る栽培設備(以下、栽培設備10)の基本構成について説明する。栽培設備10は、図1に示すように、建築物B内において植物Pを栽培するために利用される設備である。植物Pは、建築物B内で栽培可能な野菜又は果樹等の可食植物、あるいは生花等の鑑賞用植物である。
建築物Bは、壁及び屋根によって内部空間が囲まれた建築物であり、例えば、植物工場のような建物(建築物)、植物栽培用のコンテナボックス、又はビニールハウス及びガラスハウスのような温室用建物等が該当する。以下では、植物工場のような建物を建築物Bとして挙げて説明することとする。
建築物Bは、内部空間の上部に天井部を有する。天井部は、例えば建築物Bの屋根裏に位置する空間である。建築物Bの屋根は、図1に示す構造のように水平な屋根でもよく、傾斜屋根でもよい。また、建築物Bの屋根には、太陽光を建築物Bの内部に取り込むために、ガラス窓又は透光フィルム等に覆われた開口等からなる採光部Brが設けられている。なお、ビニールハウスのように屋根全体が透光フィルム等によって構成されたものであってもよい。
なお、建築物Bの天井高さについて言えば、天井高さが低すぎると、建築物B内における単位面積あたりの生産性が低下し、天井高さが高すぎると、建築物Bの建設コストが高くなる。このことを考慮すると、建築物Bの天井高さは、2m〜20mであるのがよく、好ましくは3m〜12mであるのがよく、より好ましくは4〜8mであるのがよい。
栽培設備10は、採光部Brから建築物B内に取り込まれた太陽光と、後述する照明器16から照射される人工光と、を併用して建築物B内で植物Pを栽培するための設備である。栽培設備10は、図1に示すように、建築物Bの内部に配置された複数の栽培棚12と、建築物Bの天井部に配置された複数の反射板20とを有する。
複数の栽培棚12は、一般的な植物工場等で利用される栽培棚と同様のものであり、詳しくは多段型の栽培棚である。本実施形態において、複数の栽培棚12は、図1に示すように建築物Bの内部空間に一定間隔で並べられている。より詳しく説明すると、建築物Bの床面のうち、上下方向において採光部Brと重なる領域の上に複数の栽培棚12が並べられている。建築物B内に配置される栽培棚12の台数は、特に限定されないが、少なくとも二台以上であればよい。
栽培棚12が並べられている方向(以下、第1方向)において栽培棚12の間には通路Tが形成されている。通路Tは、第1方向において隣り合う二つの栽培棚12の間に位置する空間であり、栽培設備10を用いて植物Pを栽培する栽培者(作業者)が通過するだけの幅を有する。通路Tの幅は、狭すぎると、栽培棚12の保守性が低下し、また、通路T内に案内される光量も低下し、反対に通路Tの幅が長すぎると、建築物Bにおける単位面積あたりの生産性が低下する。このことを考慮すると、通路Tの幅は、300mm〜4000mmであるとよく、好ましくは900mm〜3000mmであるとよく、より好ましくは1200mm〜2400mmであるとよい。
なお、本実施形態では、通路Tの幅が栽培棚12の棚幅(第1方向での長さ)よりも短くなっている。
複数の栽培棚12の各々は、上下方向に並べたn枚(nは2以上の自然数)の棚板14を備え、各段の棚板14上には栽培器30が載置されている。栽培器30は、例えば、植物Pを支持する培地を収容する定植用の容器であり、具体的には、面視で略矩形形状のトレーによって構成される。栽培器30内に収容される培地は、土耕栽培の場合には土壌が該当し、水耕栽培の場合には水又は養液が該当する。
なお、各栽培棚12では、n枚の棚板14のすべてに栽培器30が載置されている形態には限定されず、n枚の棚板14のうちの一部の棚板、例えば、最下段の棚板14には栽培器30が載置されていなくてもよい。
また、本実施形態において、各栽培棚12は、図2及び3に示すように、水平方向において第1方向と直交する方向(所定方向に該当し、以下、第2方向という。)に長く延びている。つまり、各栽培棚12におけるn枚の棚板14のそれぞれは、平面視で第2方向に長く延びている。各棚板14上には複数の栽培器30が第2方向に沿って並べられている。なお、第2方向は、南北方向でもよく、東西方向でもよく、あるいは、その中間の方向でもよい。
各栽培棚12の棚幅(第1方向での長さ)に関して言うと、棚幅が短すぎると、建築物B内における単位面積あたりの生産性が低下し、棚幅が長すぎると、栽培棚12の取り扱い性が低下する。このことを考慮すると、棚幅は、600mm〜4000mmであるとよく、好ましくは900mm〜3000mmであるとよく、より好ましくは1200m〜2400mmであるとよい。
また、各栽培棚12の全長(第2方向における長さ)に関して言うと、全長が短すぎると、栽培棚12における単位面積あたりの栽培効率が低下し、全長が長すぎると、栽培棚12の設備保守が困難になる。このことを考慮すると、各栽培棚12の全長は、1m〜1000mであるとよく、好ましくは2m〜200mmであるとよく、より好ましくは5m〜100mmであるとよく、特に好ましくは10m〜50mであるとよい。
なお、各栽培棚12は、第2方向において必ずしも連続したものでなくてもよく、断片化された小型の棚を第2方向において間隔を空けながら複数並べることで一つの栽培棚12を構成してもよい。
また、各栽培棚12には、図1に示すように、棚板14上の栽培器30にて栽培される植物Pに対して光(人工光)を照射する照明器16が設けられている。照明器16は、例えば、栽培棚12において上から2段目以降の棚板14の下面に取り付けられた光源を有し、主に、光源の直下位置にある棚板14上で栽培される植物Pに対して光を照射する。照明器16が有する光源としては、無機又は有機のLED(Light Emitting Diode)又はレーザー等の半導体発光素子、蛍光灯、水銀灯、希ガスランプ、無電極ランプ等の放電管、白熱灯等のフィラメント発光機、放射光又は蛍光等のエネルギー遷移によるもの等が利用可能である。
照明器16は、夜間のように、栽培棚12の内部(具体的には、上から2段目以降の各棚板14上の空間)に十分な太陽光が照射されない時間帯に点灯される。一方、日中のように、太陽光を十分に取り込める時間帯には、消費電力を削減する観点から照明器16の点灯数を減らすようにするのが好ましい。
第1方向における各栽培棚12の両端部には、図1に示すような栽培棚側反射板18が配置されている。栽培棚側反射板18は、第1方向において通路T側に張り出した状態で栽培棚12に取り付けらえており、図1に示すように上下方向において棚板14の間に配置されている。
なお、一つの栽培棚12において、栽培棚側反射板18は、必ずしも棚板14の間のスペース毎に設けられていなくてもよく、例えば、上下方向において栽培棚12の中間位置よりも下方に数個設けられている構成でもよい。
それぞれの栽培棚側反射板18は、図1に示すように棚板14から離れるほど上方に向かうように傾斜している。各栽培棚側反射板18の傾斜角度は、配光効率の観点から、それぞれの上下方向における配置位置に応じて適切に決めるのが好ましい。具体的には、下側の栽培棚側反射板18の傾斜角度は、略45度であるとよく、上側の栽培棚側反射板18の傾斜角度は、より大きい角度であるとよい。
また、本実施形態において、栽培棚側反射板18は、ハーフミラーからなり、その上面に入射された光の一部を反射し、一部の光を透過させるように構成されている。これにより、例えば、栽培棚側反射板18の上方から栽培棚側反射板18に対して入射された光(具体的には太陽光)の一部は、反射されて、その隣に位置する栽培棚12の内側に向かい、入射光の残りは、栽培棚側反射板18を透過して下方に向かう。
複数の栽培棚12の上方に配置された複数の反射板20は、建築物Bの天井部にて、採光部Brを通過した太陽光を反射させて建築物Bの内部に導く。複数の反射板20は、採光部Brの直下位置に配置されて、第1方向において、採光部Brの一端位置から他端位置に亘る範囲に一定間隔で並べられている。
各反射板20は、ルーバのような可動羽板部材からなり、傾きが可変となるように構成されている。反射板20の傾きは、水平方向に対する反射板20の傾きであり、第1の傾きから第2の傾きまでの範囲で変化する。ここで、第1の傾きは、各反射板20が採光部Brに対して略垂直となるときの傾きであり、換言すると反射板20が全開状態であるときの傾きである。第2の傾きは、各反射板20が採光部Brに沿っているとき(略平行となるとき)の傾きであり、換言すると反射板20が全閉状態であるときの傾きである。
また、本実施形態では、図2に示すように、複数の反射板20の各々が第2方向に沿って長く延びている。つまり、複数の反射板20の各々は、各反射板20の長手方向が栽培棚12の長手方向に沿い、厳密には平行又は略平行となった状態で建築物Bの天井部に配置されている。このように反射板20の長手方向が栽培棚12の長手方向と平行又は略平行であることで、各反射板20にて反射された太陽光を栽培棚12間の通路T内へ適切に導くことができる。
ところで、本実施形態では、栽培棚12の設置台数に応じた枚数の反射板20が設けられている。具体的に説明すると、通路T及び通路Tを挟んで隣り合う二つの栽培棚12に対して、所定枚数の反射板20が設けられている。
より詳しく説明すると、第1方向において一つの通路Tを挟んで隣り合う二つの栽培棚12の中央同士の間に位置するエリア(詳しくは、後述の対象エリアA)と上下方向において重なる位置には、M枚の反射板20のセットが存在する(例えば、図7参照)。
M枚の反射板20は、第1方向において一定間隔で連続して並び、反射板ユニット40をなしている。反射板ユニット40は、複数の反射板20を複数の構成単位(セット)に分けたときの一単位に相当する。つまり、建築物Bの天井部に配置された複数の反射板20は、複数の反射板ユニット40により構成されることになる。
一つの反射板ユニット40に含まれる反射板20の枚数Mについては、2以上の任意の自然数に設定することができる。なお、図1〜4及び7では、一例として、反射板20の枚数Mが4枚であるケースを図示している。
栽培設備10は、また、図5に示す駆動機構22と、図6に示す制御装置26とを有する。駆動機構22は、各反射板20の傾きを変えるための機構であり、それぞれの反射板20の傾きを個別に変えることができる。駆動機構22は、可動型のルーバの傾きを変える一般的なメカ機構のものである。
駆動機構22の一例を挙げると、複数の反射板20の各々が、長手方向両端部に設けられた支持軸22aによって建築物Bの天井部に回転自在に支持されており、支持軸22aには不図示のギアが取り付けられている。駆動機構22は、反射板20毎に用意されたモータ24を備えており(図6参照)、モータ24が回転すると、その回転力が不図示のギア輪列を介して、上記のモータ24と対応する一つの反射板20の支持軸22aに取り付けられたギアに伝達される。これにより、上記のモータ24と対応する一つの反射板20の支持軸22aがモータ24の回転量に応じた量だけ回転する結果、当該反射板20の傾きが変更される。
なお、駆動機構22は、上記の機構に限定されるものではなく、反射板20の傾きを変更することができれば、上記以外の機構でもよい。
制御装置26は、駆動機構22を制御して各反射板20の傾きを調整する。制御装置26は、反射板20毎に設けられたモータ24の各々の回転を制御する制御回路26A、及び制御信号を生成するプロセッサ26Bによって構成される。本実施形態において、制御装置26は、各反射板20の傾きの変化が太陽の日周運動と連動するように駆動機構22を制御する。
具体的に説明すると、プロセッサ26Bが、建築物Bの設置地点の緯度及び経度並びに日付等から1日における太陽の高度の変化、すなわち入射角度の変化を算出する。そして、プロセッサ26Bは、各時点での太陽光の入射角度に基づいて制御信号を生成し、制御回路26Aが当該制御信号に従って反射板20毎のモータ24を制御する。このような制御の下、日中の時間帯には、太陽光の入射角度の変化に追従するように各反射板20の傾きが調整される。
なお、制御装置26による各反射板20の傾き調整の詳細については、後述することとする。
本実施形態では、以上までに説明してきた栽培設備10を利用して建築物B内で植物Pを栽培し、詳しくは、太陽光と照明器16からの人工光を併用し、建築物B内に設置された複数の栽培棚12の各々の上段及び下段において植物Pに光を照射して植物Pを所定の生育状態まで成長させる。
また、建築物B内には、上述した栽培棚12、複数の反射板20、駆動機構22及び制御装置26の他に、例えば、太陽光及び照明器16からの光によって上昇した室内温度を下げるために冷房設備が設置されてもよい。設置する冷房設備の冷却能力については、真夏の日中に太陽光を建築物B内に取り込んだ際の温度上昇と、照明器16を全点灯した場合の温度上昇とを加算して冷却負荷(フル負荷)を想定し、そのフル負荷よりも1割程度低い冷凍能力に設定すればよい。この場合において、太陽光が取り込める日中には照明器16を消灯することで建築物B内の冷凍負荷を下げることができ、冷凍能力が上記の仕様で設定された冷房設備でも十分に賄うことが可能である。また、冷房設備の冷凍能力をより低く設定することで、設備コスト及び消費電力を削減することができる。
<<反射板ユニットの詳細構成について>>
次に、反射板ユニット40の詳細構成として、反射板ユニット40をなすM枚の反射板20の特徴、及び、反射板20間の間隔等について説明する。
反射板ユニット40をなすM枚の反射板20の各々は、良好に太陽光を反射するものであればよく、少なくとも各反射板20において建築物Bの外側を向く表面(以下、外側表面という。)が高反射率の面であり、具体的には、外側表面の反射率の下限が50%以上であればよく、好ましくは70%以上であるのがよく、より好ましくは80%以上であるのがよい。ここで、反射率は、公知の反射率測定装置(例えば、日本分光社製V−700等の分光光度計)によって測定可能な数値である。
また、反射板20は、片面反射型でもよいし、あるいは両面反射型でもよい。片面反射型の反射板20を用いる場合には、反射板20において採光部Brとは反対側の部分を放射率反射板によって構成するのが好ましい。この場合、放射率が比較的に高い放射率反射板を用いれば、建築物B内から放熱させることができ、反対に、放射率が高い放射率反射板を用いれば、建築物B内を保温することができる。
また、反射板20の反射方式は、鏡面反射でもよく、あるいは拡散反射でもよく、これらの組み合わせでもよい。鏡面反射式の反射板20の材質としては、例えば、アルミニウム、銀、金、チタン及びステンレス等の金属、あるいは屈折率の異なる材料の層を多数積層してなる誘電体多層膜、並びに屈折率1.6以上の材料等が好ましい。拡散反射式の反射板20の材質としては、酸化チタン、酸化亜鉛若しくは硫酸バリウム等の粉体からなる塗膜が形成されたもの、テフロン(登録商標)、紙及び微細気泡板等が好ましい。具体的には、ユポ・コーポレーション社製のユポ(登録商標)、及び古河電工社製のMCPET等が挙げられる。
また、反射板20は、太陽光の一部を透過させることができる透光性材料によって構成されてもよい。かかる構成は、日中の時間帯に建築物Bの内部の明るさを万遍なく上げることができるという効果が得られるので好ましい。なお、光の透過は、直線透過でもよく、拡散透過でもよく、あるいは、これらの組み合わせでもよい。
また、反射板20の表面は、耐久性の観点から保護コート又は保護板に覆われているのがよい。
一つの反射板ユニット40における反射板20の枚数Mに関して言うと、枚数Mが少なすぎると、通路T内に導入される光の量(照射量)が下がり、枚数Mが多すぎると、各反射板20の傾きを変更する機構が複雑となる。このことを考慮すると、反射板20の枚数Mは、2〜20枚であるのがよく、好ましくは3〜15枚であるのがよく、より好ましくは4〜10枚であるのがよい。
反射板ユニット40では、通路T内により多くの光を導き入れる理由から、各反射板20の長手方向が栽培棚12の長手方向、すなわち第2方向に沿った状態で各反射板20を配置するのが好ましい。また、各反射板20が南北方向に沿って長いと、通路T内に導入される光の量をより増やすことができる。他方、各反射板20が東西方向に沿って長いと、朝夕の太陽高度が低くなる時間帯において栽培棚12よりも外側に向かう光の量が増えてしまう。以上の点を踏まえると、各反射板20が南北方向に沿って長い方がより好ましい。
また、各反射板20が南北方向に長い場合、北半球に設置された建築物Bでは、各反射板20を栽培棚12よりも南側にはみ出し、南半球に設置された建築物Bでは、各反射板20を栽培棚12よりも北側にはみ出して配置するのが好ましい。このような構成であれば、太陽高度が低くなる冬季において、各反射板20にてより多くの太陽光(厳密には、太陽光の反射光)を栽培棚12側に導くことが可能となる。
各反射板20の長手方向長さについては、短すぎると、光を導く効果が低下し、長すぎると、設備コストが嵩むことになる。この点を考慮すると、各反射板20の長手方向長さは、0.1m〜20mであるのがよく、好ましくは0.5m〜10mであるのがよく、より好ましくは1〜5mであるのがよい。
各反射板20の幅(短手方向長さ)については、短すぎると、構造が複雑になるために組立工数が増えたり機器故障が増えたりする可能性があり、長すぎると、きめ細かな配光制御が難しくなる。この点を考慮すると、各反射板20の幅は、10mm〜50000mmであるのがよく、好ましくは50mm〜100mmであるのがよく、より好ましくは100mm〜500mmであるのがよく、特に好ましくは100mm〜300mmであるのがよい。
なお、反射板20の幅は、栽培棚12の横幅、及び栽培棚12間の通路Tの横幅に応じて決めてもよく、通路Tの横幅よりも短くするのが好ましく、また、栽培棚12の横幅の1/2以下であるのがより好ましい。
反射板20の間隔は、複数の反射板20の各々の傾きが第1の傾きであるとき、すなわち開状態であるときに最大となり、複数の反射板20の各々の傾きが第2の傾きであるとき、すなわち閉状態である時に最小となる。そして、複数の反射板20の各々の傾きが第2の傾きである場合には、採光部Brの全面を反射板20によって塞いで遮光可能とするのが好ましい。そのような観点では、各反射板20の傾きが第2の傾きである場合の反射板20間の間隔、すなわち反射板20間の間隔の最小値は、100mm以下であるとよく、好ましくは50mm以下であるとよく、より好ましくは20mm以下であるとよい。
なお、日射量が少ない時間帯及び日射量がない夜間には、複数の反射板20の各々の傾きを第2の傾きにし(すなわち、全閉状態とし)、採光部Brの全面を複数の反射板20によって塞いで遮光すればよい。これにより、建築物B内の光(具体的には、照明器16が発する人工光)を採光部Brの手前位置で反射させることができ、光が採光部Brから建築物Bの外に漏れるのを防止することができる。また、建築物Bの内外で遮熱することができる。他方、反射板20間の間隔が広くなり過ぎると、上記の効果が得られ難くなる。
また、複数の反射板20の各々の傾きが第2の傾きであるとき、第1方向において隣り合う反射板20同士が重なり合っても(オーバーラップしても)よい。この場合には、建築物Bの内外でより確実に遮光することができ、また、各反射板20の傾きが第1の傾きになった際には、より多くの太陽光を建築物B内に導くことができる。ここで、オーバーラップ部分の長さ(重ね幅)については、1000mm以下であるのがよく、500mm以下であるのが好ましく、300mm以下であるのがより好ましい。
複数の反射板20の各々は、上下方向において同一の位置に配置されているが、互いに異なる位置に配置されてもよい。ただし、上下方向において、各反射板20の配置位置(高さ)は、栽培棚12の最上位置(例えば、最上段の棚板14の位置)よりも上方であるのが好ましい。各反射板20の配置位置が栽培棚12の最上位置に近付き過ぎると、通路T内への配光分布が悪化し、栽培棚12の最上位置から離れ過ぎると、建築物Bの高さが過度に高くなり、地震及び台風等に対する建築物B(耐性)が低下する。この点を考慮すると、上下方向における各反射板20の配置位置と栽培棚12の最上位置との間の距離は、200mm〜50000mmであるのがよく、好ましくは400mm〜3000mmであるのがよく、より好ましくは600mm〜2000mmであるのがよい。
<<各反射板の傾き調整について>>
本実施形態では、前述したように、制御装置26が駆動機構22を制御して複数の反射板20の各々の傾きを個別に調整する。また、本実施形態では、制御装置26による傾き調整が反射板ユニット40を単位として行われる。つまり、本実施形態の制御装置26は、複数の反射板20を構成する複数の反射板ユニット40の各々を傾き調整の対象とし、各反射板ユニット40をなすM枚の反射板20のそれぞれの傾きをまとめて調整する。
複数の反射板ユニット40のそれぞれは、図7に示すように、一つの対象エリアAと対応しており、その対象エリアAの直上位置にある。対象エリアAとは、第1方向において隣り合う二つの栽培棚12の中央位置の間に位置するエリアであり、当該エリア内には一つの通路Tが存在する。そして、制御装置26は、各反射板ユニット40の直下に位置する対象エリアA内の通路T内に太陽光が導かれるように、当該各反射板ユニット40をなすM枚の反射板20のそれぞれの傾きを調整する。
以下、制御装置26による各反射板20の傾き調整について詳細に説明する。以下では、説明を分かり易くするために、一つの対象エリアA及び当該対象エリアAと上下方向に重なる一つの反射板ユニット40(具体的には図7に示す対象エリアAと反射板ユニット40)に着目し、その反射板ユニット40を「対象ユニット42」と呼び、対象ユニット42における各反射板20の傾き調整について説明することとする。
なお、以下に説明する内容は、言うまでもなく、各対象エリアA及び各対象エリアAと上下に重なる反射板ユニット40の組み合わせのいずれに対しても適用され得る。
制御装置26は、日中、対象ユニット42をなすM枚の反射板20の各々の傾きを、日中の太陽高度の変化と連動するように調整する。つまり、制御装置26は、図8A〜8Iに示すように、対象ユニット42の各反射板20の傾きを1日における太陽光の入射角度の変化に追従するように駆動機構22を制御する。
図8A〜8Iは、それぞれ、対象ユニット42の各反射板20にて反射された太陽光(反射光)の光路についてのシミュレーション結果を示す図であり、太陽光の入射角度を10〜90度の範囲で10度ずつ変化させたときの図である。図8A〜8Iの各図において、縦軸は、上下方向における位置を反射板20の回転中心からの距離(単位はmm)で表しており、縦軸の+1000mmが建築物Bの天井位置に相当し、−7000mmが建築物Bの床位置に相当する。横軸は、第1方向における位置を通路Tの中央位置からの距離(単位はmm)で表しており、横軸の両端は、第1方向における対象エリアAの両端位置と対応している。
なお、図8A〜8Iの各図では、対象エリアA内に存在する二つの栽培棚12のそれぞれの半幅部分を太線にて模式的に図示しており、また、説明の都合上、図中の各栽培棚12では、最上段の棚板14(図中、符号14Uが付された棚板14)を、それ以外の部分から分離させている。
本実施形態では、単位時間(例えば、1時間)あたりの太陽光の入射角度の変化をΔθとした場合に、制御装置26が、単位時間あたりにΔθ/2に相当する調整量にて各反射板20の傾きを調整する。Δθ/2の精度は、Δθを100としたときに、30以上70以下であるのがよく、好ましくは40以上60以下であるのがよく、より好ましくは45以上55以下であるのがよい。
また、制御装置26は、日中の各時点において、対象ユニット42の各反射板20にて反射された太陽光(以下、単に反射光という。)が対象エリアA内の通路Tに導かれるように、対象ユニット42の各反射板20の傾きを調整する。より詳しく説明すると、制御装置26は、各反射板20からの反射光が対象エリアA内の通路Tで交差するように、駆動機構22を制御して対象ユニット42の各反射板20の傾きを調整する。これにより、反射光が通路Tの下側まで導かれるようになり、栽培棚12においてより下側の段まで反射光が届くようになる(図8A〜図8I参照)。
ここで、「反射光が対象エリアA内の通路Tで交差する」とは、対象ユニット42における少なくとも2枚の反射板20にて反射された太陽光(反射光)の光路が通路T内の一地点で交差することを意味する。
また、本実施形態において、制御装置26は、対象ユニット42をなすM枚の反射板20の各々からの反射光が対象エリアAの通路Tで焦点を結ぶように、駆動機構22を制御して対象ユニット42の反射板20の傾きを調整する。これにより、反射光をより多く対象エリアA内の通路Tに導き入れ、栽培棚12の下方の段における太陽光の照射量を効果的に増やすことができる。
ここで、「M枚の反射板20の各々からの反射光が対象エリアA内の通路Tで焦点を結ぶ」とは、図8A〜8Iに示すように、M枚の反射板20のそれぞれにて反射された太陽光(反射光)の光路がすべて通路T内の一地点で交差することを意味する。
以上のように、本実施形態では、可動型の反射板20によって太陽光を建築物B内へ良好に導き入れることができ、反射板20の傾きを調整することにより、複数の栽培棚12の各々において下方の段まで太陽光(反射光)が届くようになる。
より詳しく説明すると、建築物Bの天井部に反射板20が設置されておらず採光部Brのみが設けられている場合、太陽の高度が比較的高くなる時間帯(例えば、太陽が南中高度にある時間帯)では、太陽光の入射角度が90度近くになるので、採光部Brを通過した太陽光が通路Tの下方まで進み、各栽培棚12の下方の段にまで届くようになる。
一方、太陽光の入射角度が比較的に小さくなる時間帯では、採光部Brを通過した太陽光が通路Tの下方まで到達せず、太陽光の大半が栽培棚12の上段(特に、最上段)に照射される。かかる状況は、栽培棚12間の間隔(すなわち、通路Tの幅)が狭く、例えば栽培棚12の棚幅よりも小さい場合に顕著に現われる。その場合には、建築物B内に取り込まれる太陽光のうちの半分以上が栽培棚12の最上段に照射され、通路T内に照射される太陽エネルギーが入射量の半分を下回る。
これに対して、建築物Bの天井部(具体的には、採光部Brの下方位置)に可動型の反射板20を設置すれば、建築物B内に取り込まれた太陽光を栽培棚12の下方の段まで照射させ易くなる。また、一つの対象エリアAに対して複数の反射板20を設置して各反射板20の傾きを個々に調整することで、各反射板20からの反射光を、対象エリアA内の通路Tに導き易くなり、より効果的に栽培棚12の下方の段まで太陽光(反射光)を照射することができる。
さらに、本実施形態では、一つの対象エリアAと上下方向に重なる反射板ユニット40(つまり、対象ユニット42)をなすM枚の反射板20の各々の傾きを調整する際に、反射光が対象エリアA内の通路Tで交差し、詳しくは焦点を結ぶように調整する。この結果、より多くの反射光が通路Tの下方に導入され、より一層効果的に、栽培棚12の下方の段まで太陽光(反射光)を照射することができる。
さらにまた、本実施形態では、図8A〜図8Iに示すように、対象ユニット42の各反射板20からの反射光の交差位置(厳密には、焦点を結ぶ位置)が上下方向において栽培棚12の中間位置よりも上方に位置するように、制御装置26が駆動機構22を制御して対象ユニット42の各反射板20の傾きを調整する。これにより、対象ユニット42の各反射板20で反射された太陽光が、通路T内において、交差位置から下方に向かうにつれて、栽培棚12の内側に入り込むようになる。この結果、より一段と効果的に、栽培棚12の下方の段まで太陽光(反射光)を照射することができる。
また、本実施形態では、1日における太陽光の入射角度の変化に追従するように対象ユニット42の各反射板20の傾きを随時調整する。このように太陽光の入射角度の変化を考慮して各反射板20の傾きを調整することにより、日中の各時間において、栽培棚12の下方の段まで効果的に太陽光(反射光)を照射することができる。
さらに、本実施形態では、対象エリアA内において通路Tを挟んで隣り合う二つの栽培棚12の各々の端部に栽培棚側反射板18が設けられている。そして、栽培棚側反射板18によって、対象ユニット42の反射板20にて反射された太陽光を更に反射させて、上記二つの栽培棚12の各々の内側へ導くことができる。これにより、栽培棚12の下方の段では、さらに効果的に太陽光(反射光)を照射することができる。
なお、栽培棚側反射板18による上記の効果は、早朝及び夕方のような太陽光の入射角度が比較的小さくなる時間帯、及び、反射光が栽培棚12の外側に漏れ出るような状況等において特に有効である。
以上までに説明してきた反射板20の傾き調整により、建築物B内に設置された複数の栽培棚12の各々において、上段から下段に亘って太陽光を良好に照射することができる。この結果、図9に示すように、日中に建築物B内に取り込まれる太陽エネルギーの半分以上を栽培棚12の下方の段に照射することができる。図9は、ある日の日中(具体的には、朝6時から夕方18時までの時間帯)における、栽培棚12の最上段及び下方の段での太陽光の照射量の推移を示す図である。なお、図9の縦軸は、1日における日照量を40分間隔で表しており、詳しくは、1日の総日照量に対する割合を示しており、図中の各棒グラフの値を足し合わせると、1になる。
そして、年間を通して、栽培棚12の上段及び下段の間で太陽光(反射光)の照射量が均一化するように反射板20の傾き調整を実施するのが好ましい。
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明の栽培設備及び植物の栽培方法について、具体例を挙げて説明したが、上述した実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられ得る。
上述した実施形態では、栽培棚12の内側まで太陽光(反射光)を行き亘らせる目的で、第1方向における栽培棚12の両端部に栽培棚側反射板18を配置したが、これに限定されるものではない。つまり、栽培棚12の両端部に栽培棚側反射板18が設けられていない構成であってもよい。
また、上述した実施形態では、対象ユニット42をなすM枚の反射板20の各々にて反射した太陽光(反射光)が対象エリアA内の通路Tで焦点を結ぶように、各反射板20の傾きを調整することとした。ただし、これに限定されるものではなく、対象ユニット42をなすM枚の反射板20の各々にて反射した太陽光(反射光)が焦点を結ばず、対象エリアA内の通路Tにおいて複数の箇所で交差するように各反射板20の傾きを調整してもよい。
10 栽培設備
12 栽培棚
14 棚板
14U 最上段の棚板
16 照明器
18 栽培棚側反射板
20 反射板
22 駆動機構
22a 支持軸
24 モータ
26 制御装置
26A 制御回路
26B プロセッサ
30 栽培器
40 反射板ユニット
42 対象ユニット
A 対象エリア
B 建築物
Br 採光部
P 植物
T 通路

Claims (10)

  1. 建築物の内部で植物を栽培するために利用される栽培設備であって、
    前記建築物の内部に配置され、上下に並べた複数の栽培器を備える複数の栽培棚と、
    前記建築物の天井部に配置され、太陽光を反射させて前記建築物の内部に導く複数の反射板と、
    各々の前記反射板の傾きを変えるための駆動機構と、
    前記駆動機構を制御して前記反射板の傾きを調整する制御装置と、を備え、
    前記建築物の内部において前記栽培棚の間には通路が設けられ、
    複数の前記反射板は、所定枚数の前記反射板からなる反射板ユニットを含み、
    前記通路及び前記通路を挟んで隣り合う二つの前記栽培棚が位置する対象エリアと、上下方向において重なる位置に配置された前記反射板ユニットを対象ユニットとした場合に、前記対象ユニットの前記反射板にて反射された太陽光が前記対象エリア内の前記通路で交差するように、前記制御装置が前記駆動機構を制御して前記対象ユニットの前記反射板の傾きを調整する、栽培設備。
  2. 前記制御装置は、前記対象ユニットの前記反射板の傾きが1日における前記太陽光の入射角度の変化に追従するように前記駆動機構を制御する、請求項1に記載の栽培設備。
  3. 前記制御装置は、前記対象ユニットの前記反射板にて反射された太陽光の交差位置が上下方向において前記栽培棚の中間位置よりも上方に位置するように、前記駆動機構を制御して前記対象ユニットの前記反射板の傾きを調整する、請求項1又は2に記載の栽培設備。
  4. 前記制御装置は、前記対象ユニットをなす所定枚数の前記反射板のそれぞれにて反射された太陽光が前記対象エリア内の前記通路で焦点を結ぶように、前記駆動機構を制御して前記対象ユニットの前記反射板の傾きを調整する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の栽培設備。
  5. 前記対象エリア内において前記通路を挟んで隣り合う二つの前記栽培棚の各々に、前記対象ユニットの前記反射板にて反射された太陽光を更に反射させて、前記対象エリア内の二つの前記栽培棚の各々の内側へ導く栽培棚側反射板が設けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の栽培設備。
  6. 前記栽培棚側反射板がハーフミラーによって構成されている、請求項5に記載の栽培設備。
  7. 前記反射板の傾きは、第1の傾きから第2の傾きまでの範囲で変化し、
    複数の前記反射板の各々の傾きが前記第1の傾きであるとき、前記反射板間の間隔が最大となり、
    複数の前記反射板の各々の傾きが前記第2の傾きであるとき、前記反射板間の間隔が最小となり、
    前記反射板間の間隔の最小値は、100mm以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の栽培設備。
  8. 複数の前記栽培棚の各々は、所定方向に沿って長く延び、
    前記反射板は、前記栽培棚の長手方向に沿って延びている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の栽培設備。
  9. 前記反射板において前記建築物の外側を向く表面の反射率が50%以上である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の栽培設備。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の栽培設備を用いて建築物の内部で植物を栽培する、植物の栽培方法。
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