JP2019103186A - 電動モータ - Google Patents
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Description
特許文献1に記載のモータ装置は、回転軸を介してコンミテータに接続されるアーマチュアと、回転軸の一端を回転自在に支持するモータケースと、回転軸の他端を回転自在に支持するエンドケースと、を備えた構成であって、モータケース上にはブラシホルダが取り付けられる。
ブラシは、ブラシホルダ上のブラシケース内においてコンミテータの径方向に沿いスライド自在に設けられている。そして、ブラシは、ブラシホルダの後部に形成されたスリットを通じて、押圧ばねにより押圧される。
押圧ばねは、ブラシホルダのベース上に立設された支持突起に支持されている。そして、押圧ばねの一端部に形成された押圧部が、ブラシホルダのスリットに入り込むことで、ブラシ後部に接触して、このブラシをコンミテータに向けて押圧する。
このとき、上記モータ装置では、押圧ばねが仮保持状態となるので、ブラシが押圧されずにコンミテータから離間した状態となる。このため、着磁作業中に、コンミテータとの間で不要なスパークを発生させることが防止される。
このとき、作業状況によっては、押圧ばね一端の押圧部がスリットに入り込んでしまい、着磁作業中にブラシホルダを押圧してしまうことがある。このような事態を防止するために、押圧ばねの装着方向からスリットの入口を覆うように爪部が設けられている。そして、押圧ばねを仮保持状態とするに際し、押圧ばね一端の押圧部が爪部の外側面を滑り降りることで、ブラシホルダのスリットに入り込むことなく、仮保持位置にまで案内される。
そして、このような構造のブラシホルダでは、スリットと重なるように爪部が位置することで、アンダーカット構造になってしまう。その結果、金型の構成が複雑となり製造コストが上昇するという不具合が発生する可能性があった。
本発明の電動モータでは、アーマチュアに給電を行うためのブラシが保持されたブラシホルダを備え、前記ブラシホルダは、ベース部と、前記ベース部上に設けられ、前記アーマチュアのコンミテータに向かってスライド移動自在に前記ブラシを収納する開口部が形成されているホルダ本体と、前記コンミテータに向かって前記ブラシを押圧するための押圧部を有するコイル状のトーションスプリングと、前記ベース部に立設され、前記トーションスプリングのコイル部が挿通される柱状のガイド部と、前記ホルダ本体に形成され、前記ブラシを前記コンミテータに向けて押圧するために前記押圧部が導入される導入部と、前記ホルダ本体の前記導入部よりも前記ベース部側に設けられ、前記押圧部の仮止めが可能な仮止め部と、前記ホルダ本体に設けられ、前記ベース部の反対側から前記ガイド部に挿通した前記トーションスプリングの押圧部を、前記導入部を越えて前記仮止め部にまでに案内する侵入防止部と、を備え、前記侵入防止部は、前記ブラシの前記スライド移動方向から視て前記ホルダ本体の前記開口部及び前記導入部と重ならない位置に設けられていることを特徴とする。
一方、トーションスプリングの押圧部を仮保持状態にする仮止め部は、ホルダ本体の導入部からベース部に至る範囲に設けられる。このため、仮止め部の位置を適宜設定することで、仮保持状態時に意図せず、トーションスプリング一端の押圧部がホルダ本体の導入部に入り込むことを未然に防止できる。
さらに、侵入防止部が、ブラシ本体内におけるブラシのスライド移動方向から視てホルダ本体の開口部及び導入部と重ならない位置に設けられている。このため、ブラシホルダがアンダーカット構造とならず、金型において、簡易なスライドコア構造でホルダ本体の開口部及び導入部を形成することが可能になる。その結果、金型の構造を簡素化でき、製造コストが低減できる。
これにより、仮止め部で仮止めされた後のトーションスプリングの押圧部が、開口を経由して侵入防止部の案内溝に案内される。さらに、侵入防止部の案内溝を通じてホルダ本体の導入部にまで案内される。
すなわち、侵入防止部の案内片を通じて、仮止め部で仮止めされたトーションスプリングの押圧部をホルダ本体の導入部に円滑に案内することができる。
図1は、減速機付きの電動モータ1の外観を示す斜視図である。図2は、減速機付きの電動モータ1の部品構成を示す斜視展開図である。
これらの図に示す減速機付きの電動モータ1(以下、単に電動モータ1という)は、例えば、車両のパワーウィンドウ装置等に用いられるものである。電動モータ1は、ケーシング10と、ケーシング10の一端側に設けられたモータ部30と、モータ部30に連結され、ケーシング10内に収容された減速機部60と、を備えている。
図2に示すように、ケーシング10は、その一面側に減速機部60を収容する収容凹部11を有している。
収容凹部11は、その底面11bに、後述する回転軸61を収容する軸収容溝12と、ウォームホイール63等を支持する第1軸13と、ドライブギア66等を支持する第2軸14と、を備えている。
また、ケーシング10の外周部には、モータ部30の一部を収容するモータ収容部16が形成されている。ケーシング10の天面部10tには、図1に示すように略板状のカバー8が嵌め込まれる段部19が形成されている。
図3は、電動モータ1のカバーを取り外した状態を示す斜視図である。この図に示すように、電動モータ1のケーシング10には、アーマチュア32、コンミテータ35、軸受67A,67Bが設けられた回転軸61が組み込まれる。
また、図2及び図3に示すように、モータ部30としては、例えば、ブラシ付直流モータなどが用いられている。モータ部30は、ヨーク31と、アーマチュア32と、コンミテータ35と、一対のブラシ43を保持したブラシホルダ40と、コネクタ部材50(図1参照)と、を備えている。
また、図3に示すように、アーマチュア32は、アーマチュアコア33と、アーマチュアコア33の外周に巻線が巻装された複数のアーマチュアコイル34と、を有している。コンミテータ35は略円柱状をなし、アーマチュア32とともに回転軸61に外嵌固定されている。
図4は、モータ部30を構成するブラシホルダ40の箇所を示す斜視図である。
この図に示すブラシホルダ40は、略板状のサポートプレート41と、サーミスタ42と、コンミテータ35のセグメント35s(図2参照)に摺接する一対のブラシ43(図8、図9参照)と、を備えている。
また、サポートプレート41のベース部41a上には、ブラシ43を収納するホルダ本体としての略角筒状のブラシケース41cが対向するように2組設置されている。
各ブラシケース41cは、コンミテータ35を挟み且つこのコンミテータ35の回転軸61と直交する方向(矢印A1−A2方向)に沿ってブラシ43をスライド自在に支持するものであって、対向側に形成されたケース開口部(図示無し)を通じてブラシ43をコンミテータ35に接触可能とする。また、各ブラシケース41cの後部には、ブラシ43を収容空間に挿入するためのホルダ開口部41dが設けられている。
また、ブラシケース41cの一側部には、トーションスプリング44の押圧部44c(後述する)が挿通されるスリット状の導入部47が形成されている。
トーションスプリング44は、鋼線が螺旋状に巻き回されたコイル部44aと、コイル部44aを形成する鋼線の両端部がコイル部44aから接線方向に延びる当接部44b及び押圧部44cとを有している。
トーションスプリング44は、サポートプレート41の各ベース部41aの表面に直交する矢印B1−B2方向に立設された柱状のガイド部45に、そのコイル部44aが挿通可能に設けられている。
なお、ベース部41aに立設された柱状のガイド部45について、図中下側の基端側を矢印B1方向で示し、先端側を矢印B2で示す。
また、トーションスプリング44の押圧部44cは、コイル部44aの他端側に設けられるものである。トーションスプリング44の押圧部44cは、スリット状の導入部47の内側に挿入された場合に、ブラシケース41cに保持されたブラシ43の後端部43bを、ブラシケース41cから内方に突出する矢印A1方向に押圧する。これにより、ブラシ43がコンミテータ35の外周面に形成されたセグメント35sに摺接する。
ブラシホルダ40には、図4、図8(A)〜(C)及び図9(A)〜(C)に示すように、ブラシケース41cの導入部47へのトーションスプリング44の侵入を防止する侵入防止部70と、トーションスプリング44を仮止めする仮止め部71と、が設けられている。
この案内片70aでは、サポートプレート41のベース部41aの反対側(矢印B2側)からガイド部45に挿通したトーションスプリング44の押圧部44cを、導入部47を越えて仮止め部71にまでに案内する。
また、導入部47のスリット入口部47aは、ブラシケース41cのホルダ開口部41dと隣接するように位置している。
なお、図8で示すトーションスプリング44の押圧部44cの仮止め解除は、図5〜図7に示されている、コネクタ部材50に設置された解除突起55により行うが、これについては後述する。
また、図8で示す仮止め位置へのトーションスプリング44の移動は、作業者の手作業等で行なう。
このとき、侵入防止部70の案内片70aは、ブラシケース41cの導入部47へと通じるスリット入口部47aを覆うように設けられているので、トーションスプリング44の押圧部44cがブラシケース41cの導入部47に入り込むことを防止し、電動モータ1の着磁作業を確実に行わせることができる。
これにより、ブラシケース41c内のブラシ43が、トーションスプリング44の押圧部44cにより矢印A1方向に押圧されて、コンミテータ35の外周面に形成されたセグメント35sに摺接可能な状態となる。
図5は、ケーシング10(図1、図2参照)に装着されたコネクタ部材50を示す図である。このコネクタ部材50は、フレーム部51と、コネクタ受け部52と、を一体に備えたものである。コネクタ部材50は、図6及び図7で示すように電動モータ1のケーシング10に連結される。
図1に示すように、フード52a内には、コネクタに設けられたハーネス側端子(図示無し)に電気的に接続される端子部材54の一端部が保持されている。
このようなコネクタ部材50のコネクタ受け部52に、図示しない外部電源に接続されたハーネスのコネクタ(図示無し)を接続することにより、外部電源の電力をモータ部30に供給できる。
そして、コネクタ部材50では、ブラシホルダ40に矢印B2方向から装着された場合に、解除突起55の押圧解除端55mが、ベース部41aに形成された貫通孔48を経由して、仮止め部71に仮止めされたトーションスプリング44の押圧部44cを押し上げる。これにより、トーションスプリング44の押圧部44cは、仮止め部71での仮止め状態が解除され、侵入防止部70の案内溝70bを経由して、ブラシケース41cの導入部47に移動される。
図2、図3に示すように、減速機部60は、回転軸61と、ウォームギア62と、ウォームホイール63と、ピニオンギア64と、スパーギア65と、ドライブギア66と、を備えている。このような減速機部60は、収容凹部11内に収容されている。
係合プレート部64aの外周部には、径方向外側に突出する略扇形状の係合凸部64kが、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
このピニオンギア64には、ケーシング10に形成された第1軸13が挿入される軸挿入孔64hが形成されている。ピニオンギア64は、第1軸13を軸挿入孔64hに挿入することで、第1軸13回りに回転自在に支持される。
ウォームホイール63の径方向中央には、その中心軸方向に貫通する挿通孔63hが形成されている。さらに、挿通孔63hの周囲には、径方向外側に向かって窪み、ピニオンギア64の係合凸部64kが係合する略扇形状の係合凹部63kが、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
ウォームホイール63は、ピニオンギア64が挿通孔63hに挿入されることで、ピニオンギア64と一体に第1軸13回りに回転自在に支持されている。
スパーギア65の径方向中央には、ウォームホイール63と同様、その中心軸方向に貫通する挿通孔(図示無し)が形成される。そして、この挿通孔の周囲に、略扇形状の係合凹部(図示無し)が、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
プレート部66aにおいて、ギア部66gと反対側には、スパーギア65の係合凹部(図示無し)に係合する係合突起(図示無し)が突設されている。
また、ドライブギア66には、ケーシング10に形成された第2軸14が挿入される軸挿入孔66hが形成されている。これにより、スパーギア65及びドライブギア66は、第2軸14回りに回転自在に設けられている。
電動モータ1のモータ部30を駆動させると、回転軸61、及びウォームギア62を介してウォームホイール63が回転する。すると、ウォームホイール63とともに、ドライブギア66が回転し、ドライブギア66のギア部66gから、車両用窓を昇降動作させる駆動力を出力することができる。
ここで、減速機部60は、ウォームギア62とウォームホイール63との噛み合い、ピニオンギア64とスパーギア65との噛み合いによって、2段階に減速される。
そして、このような侵入防止部70により、トーションスプリング44を仮保持状態にするに際して、トーションスプリング44一端の押圧部44cがブラシケース41cの導入部47に入り込むことを確実に防止できる。
図10(A)、及び図10(B)に示すように、金型81には、孔形状(ブラシケース41cのホルダ開口部41dや導入部47)を抜くためのスライドコア82が設置される。
その際、スライドコア82は、前述のように侵入防止部70がスリット入口部47aと重ならない位置にあることで、アンダーカット構造になっていない。すなわち、ブラシホルダ40では、侵入防止部70が、ブラシ43のスライド移動方向(矢印A1−A2方向)から視てスリット入口部47aと重ならない位置にあることで、金型80,81内の簡易なスライドコア82により、ブラシケース41cのホルダ開口部41dや導入部47を形成することができる。その結果、金型の構造を簡素化でき、製造コストが低減できる。
これにより、仮止め部71で仮止めされた後のトーションスプリング44の押圧部44cが、開口を経由して侵入防止部70の案内溝70bに案内される。さらには、この案内溝70bを通じてブラシケース41cの導入部47にまで案内される。
すなわち、侵入防止部70の案内片70a及び案内溝70bを通じて、仮止めが解除された後のトーションスプリング44の押圧部44cを、ブラシケース41cの導入部47に円滑に案内することができる。
例えば、上記電動モータ1は、例えば、車両のパワーウィンドウ装置等に用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ワイパーモータ、サンルーフ、電動シート等、さまざまな電動機の駆動源として電動モータ1を使用することができる。
Claims (4)
- アーマチュアに給電を行うためのブラシが保持されたブラシホルダを備え、
前記ブラシホルダは、
ベース部と、
前記ベース部上に設けられ、前記アーマチュアのコンミテータに向かってスライド移動自在に前記ブラシを収納する開口部が形成されているホルダ本体と、
前記コンミテータに向かって前記ブラシを押圧するための押圧部を有するコイル状のトーションスプリングと、
前記ベース部に立設され、前記トーションスプリングのコイル部が挿通される柱状のガイド部と、
前記ホルダ本体に形成され、前記ブラシを前記コンミテータに向けて押圧するために前記押圧部が導入される導入部と、
前記ホルダ本体の前記導入部よりも前記ベース部側に設けられ、前記押圧部の仮止めが可能な仮止め部と、
前記ホルダ本体に設けられ、前記ベース部の反対側から前記ガイド部に挿通した前記トーションスプリングの押圧部を、前記導入部を越えて前記仮止め部にまでに案内する侵入防止部と、
を備え、
前記侵入防止部は、前記ブラシの前記スライド移動方向から視て前記ホルダ本体の前記開口部及び前記導入部と重ならない位置に設けられていることを特徴とする電動モータ。 - 前記仮止め部は、前記導入部よりも前記ベース部側に位置する前記ブラシホルダのホルダ本体壁面上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 前記侵入防止部は、前記ホルダ本体から突出するように案内片が設けられており、該案内片の内側には、前記仮止め部を臨むように開口が位置し、かつ該仮止め部で仮止めされたトーションスプリングの押圧部を前記導入部に案内するための案内溝が設けられていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の電動モータ。
- 前記ブラシへの給電用のコネクタ部材を備え、
前記コネクタ部材は、前記トーションスプリングの押圧部が前記仮止め部に仮止めされている状態を解除して、該押圧部を前記ホルダ本体の導入部に案内する解除部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動モータ。
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JP2010061957A (ja) * | 2008-09-03 | 2010-03-18 | Nidec Sankyo Corp | 雌型コネクタ、モータケース、モータユニットおよびモータケースの製造方法 |
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