JP2019103084A - 磁気抵抗効果デバイス - Google Patents

磁気抵抗効果デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2019103084A
JP2019103084A JP2017235226A JP2017235226A JP2019103084A JP 2019103084 A JP2019103084 A JP 2019103084A JP 2017235226 A JP2017235226 A JP 2017235226A JP 2017235226 A JP2017235226 A JP 2017235226A JP 2019103084 A JP2019103084 A JP 2019103084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
high frequency
signal line
frequency signal
magnetic member
effect element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017235226A
Other languages
English (en)
Inventor
直通 出川
Naomichi Degawa
直通 出川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2017235226A priority Critical patent/JP2019103084A/ja
Priority to US16/208,191 priority patent/US10680165B2/en
Publication of JP2019103084A publication Critical patent/JP2019103084A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/10Magnetoresistive devices
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • G11C11/161Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect details concerning the memory cell structure, e.g. the layers of the ferromagnetic memory cell
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • G11C11/165Auxiliary circuits
    • G11C11/1673Reading or sensing circuits or methods
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/18Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using Hall-effect devices
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/19Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using non-linear reactive devices in resonant circuits
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/329Spin-exchange coupled multilayers wherein the magnetisation of the free layer is switched by a spin-polarised current, e.g. spin torque effect
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/201Filters for transverse electromagnetic waves
    • H01P1/203Strip line filters
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/80Constructional details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/215Frequency-selective devices, e.g. filters using ferromagnetic material
    • H01P1/218Frequency-selective devices, e.g. filters using ferromagnetic material the ferromagnetic material acting as a frequency selective coupling element, e.g. YIG-filters
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/80Constructional details
    • H10N50/85Magnetic active materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Microwave Amplifiers (AREA)

Abstract

【課題】磁場印加機構として用いられる磁性部材と高周波信号線路との間に存在する、キャパシタンス成分を小さくすることが可能な磁気抵抗効果デバイスを提供する。【解決手段】本発明の磁気抵抗効果デバイス100は、第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとの間にスペーサ層101Cが配置されるように、積層されてなる磁気抵抗効果素子101と、積層方向Lに平行な方向における、磁気抵抗効果素子101の一方の側に配された高周波信号線路102と、磁気抵抗効果素子101から見て、高周波信号線路102より一方の側に遠い位置に配された磁性部材103と、を備え、磁性部材103が、高周波信号線路102との対向面103Aにおいて、高周波信号線路102から離間する方向Dに凹んでいる凹部103Bを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を利用した磁気抵抗効果デバイスに関する。
近年、携帯電話等の移動通信端末の高機能化に伴い、無線通信の高速化が進められている。通信速度は使用する周波数の帯域幅に比例するため、通信に必要な周波数バンドが増加し、それに伴って、移動通信端末に必要な高周波フィルタの搭載数も増加している。また、新しい高周波用部品への応用が期待されるスピントロニクスの分野の研究が、盛んに行われている。その中で注目されている現象の一つに、磁気抵抗効果素子によるスピントルク共鳴現象がある(非特許文献1参照)。
例えば、磁気抵抗効果素子に交流電流を流すのと同時に、磁場印加機構を用いて静磁場を印加することにより、磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁化に強磁性共鳴を起こすことができ、強磁性共鳴周波数に対応した周波数で周期的に、磁気抵抗効果素子の抵抗値が振動する。また、磁気抵抗効果素子の抵抗値は、磁気抵抗効果素子の磁化自由層に高周波磁場を印加することによっても、同様に振動する。磁気抵抗効果素子に印加される静磁場の強さによって、強磁性共鳴周波数は変化し、一般的にその共鳴周波数は数〜数十GHzの高周波帯域に含まれる。
特許文献1では、磁気抵抗効果素子に印加する磁場の強さを変えることにより、強磁性共鳴周波数を変化させる技術が開示されており、この技術を利用した高周波フィルタのようなデバイスが提案されている。
特開2017−63397号公報
Nature、Vol.438、No.7066、pp.339−342、17 November 2005
特許文献1では、磁気抵抗効果素子に磁場を印加するための磁場印加機構の例として、電磁石型、ストリップライン型が挙げられているが、その詳細な構成については開示されていない。磁気抵抗効果素子に磁場を印加する方法として、一般的には、ヨーク等の磁性部材から発生する磁場を、磁気抵抗効果素子に印加する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ヨークと高周波信号線路との間に存在するキャパシタンス成分により、デバイスとしての高周波特性が劣化してしまう虞があることが、本発明者の研究によって分かっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、磁場印加機構として用いられる磁性部材と高周波信号線路との間に存在する、キャパシタンス成分を小さくすることが可能な、磁気抵抗効果デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る磁気抵抗効果デバイスは、第1強磁性層と第2強磁性層との間にスペーサ層が配置されるように、積層されてなる磁気抵抗効果素子と、積層方向に平行な方向における、前記磁気抵抗効果素子の一方の側に配された高周波信号線路と、前記磁気抵抗効果素子から見て、前記高周波信号線路より前記一方の側に遠い位置に配された磁性部材と、を備え、前記磁性部材が、前記高周波信号線路との対向面において、前記高周波信号線路から離間する方向に凹んでいる凹部を有している。
(2)上記(1)に記載の磁気抵抗効果デバイスの前記磁性部材において、前記高周波信号線路との対向面のうち、凹んでいない領域の少なくとも一部が、前記積層方向に平行な方向からの平面視において、前記磁気抵抗効果素子と重なっていることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイスの前記積層方向に平行な方向において、前記凹部の最深部と前記高周波信号線路との距離が、前記磁性部材と前記高周波信号線路との最短距離の2倍以上であることが好ましい。
本発明の磁気抵抗効果デバイスでは、磁場印加機構を担う磁性部材が、高周波信号線路との対向面において、高周波信号線路から離間する方向に凹んでいる領域、すなわち、局所的に、高周波信号線路との距離が長くなっている領域を有する。そのため、高周波信号線路と磁性部材との間に存在するキャパシタンス成分のうち、この領域に存在する分については、距離の増加に対応した小さいものとなる。したがって、本発明の磁気抵抗効果デバイスでは、全体として、高周波特性の劣化を抑えることができる。
本発明の第一実施形態に係る、磁気抵抗効果デバイスの構成を模式的に示す断面図である。 (a)〜(c)本発明の第一実施形態に係る、磁気抵抗効果デバイスの構成例を模式的に示す平面図である。 (a)〜(c)本発明の第一実施形態に係る、磁気抵抗効果デバイスの他の構成例を模式的に示す平面図である。 本発明の第一実施形態の変形例1に係る、磁気抵抗効果デバイスの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果デバイスを適用した、高周波デバイスの回路の構成例を示す図である。
以下、本発明について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100の構成例を、模式的に示す断面図である。磁気抵抗効果デバイス100は、少なくとも、磁気抵抗効果素子(MR素子)101と、高周波電流が流れる高周波信号線路102と、磁性部材(第1磁性部材)103と、を備えている。磁気抵抗効果デバイス100は、高周波信号線路102から発生する磁場(高周波磁場)、および磁性部材103から発生する磁場(静磁場)が、磁気抵抗効果素子101に印加されるように構成されている。
磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとの間にスペーサ層(非磁性層等)101Cが配置されるように、積層されてなる。第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとは、一方が磁化固定層として機能し、他方が磁化自由層として機能する。この場合、磁化固定層の磁化の向きに対して磁化自由層の磁化の向きが相対的に変化する。第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとは、保磁力が互いに異なっており、磁化固定層として機能する層の保磁力の方が磁化自由層として機能する層の保磁力よりも大きい。第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bの厚さは、1〜10nm程度とすることが好ましい。
第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bの一方を磁化自由層とし、他方を磁化固定層とする場合、磁化自由層の方が、磁化固定層よりも、高周波信号線路102との距離が短くなるように配置されることが好ましい。
第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bは、互いに保磁力が異なるように、強磁性を有する公知の材料、例えば、Cr、Mn、Co、Fe、Ni等の金属、およびこれらの金属を1種類以上含む強磁性合金等から選択される材料からなる。また、第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bは、これらの金属と、B、C、およびNのうち、少なくとも1種類以上の元素とを含む合金(具体的には、Co−FeやCo−Fe−B)等からなる場合もある。
また、より高い出力を得るためには、CoFeSi等のホイスラー合金を用いることが好ましい。ホイスラー合金は、XYZの化学組成をもつ金属間化合物を含む。Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属、または、Xと同じ元素であり、Zは、III族からV族の典型元素である。ホイスラー合金としては、例えば、CoFeSi、CoMnSiやCoMn1−aFeAlSi1−b等が挙げられる。
磁化固定層として機能する強磁性層(磁化固定層)の磁化を固定するために、磁化固定層に接するように反強磁性層を付加してもよい。また、結晶構造、形状などに起因する磁気異方性を利用して磁化固定層の磁化を固定してもよい。反強磁性層には、FeO、CoO、NiO、CuFeS、IrMn、FeMn、PtMn、CrまたはMnなどを用いることができる。
スペーサ層101Cには、非磁性の材料を用いることが好ましい。スペーサ層101Cは、導電体、絶縁体もしくは半導体によって構成される層、または、絶縁体中に導体によって構成される通電点を含む層によって構成されている。
例えば、スペーサ層101Cが絶縁体によって構成される場合は、磁気抵抗効果素子101はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)効果素子となり、スペーサ層101Cが金属によって構成される場合は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)効果素子となる。
スペーサ層101Cとして絶縁材料を適用する場合、AlまたはMgO等の絶縁材料を用いることができる。第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとの間にコヒーレントトンネル効果が発現するように、スペーサ層101Cの膜厚を調整することで高い磁気抵抗変化率が得られる。TMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層101Cの厚さは、0.5〜3.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層101Cが導電材料によって構成される場合、Cu、Ag、Au又はRu等の導電材料を用いることができる。GMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層101Cの厚さは、0.5〜3.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層101Cが半導体によって構成される場合、ZnO、In、SnO、ITO、GaO又はGa等の材料を用いることができる。この場合、スペーサ層101Cの厚さは、1.0〜4.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層101Cとして、絶縁体中の導体によって構成される通電点を含む層を適用する場合、AlまたはMgOによって構成される絶縁体中に、CoFe、CoFeB、CoFeSi、CoMnGe、CoMnSi、CoMnAl、Fe、Co、Au、Cu、AlまたはMgなどの導体によって構成される通電点を含む構造とすることが好ましい。この場合、スペーサ層101Cの厚さは、0.5〜2.0nm程度であることが好ましい。
磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bの両方ともを磁化自由層とし、2つの磁化自由層とこれら2つの磁化自由層の間に配置されたスペーサ層を有する磁気抵抗効果素子とすることもできる。この場合、第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bは、互いの磁化方向が相対的に変化可能である。一例として、2つの磁化自由層同士が、スペーサ層を介して磁気的に結合した磁気抵抗効果素子を挙げることができる。より具体的には、外部磁場が印加されない状態で2つの磁化自由層の磁化の方向が互いに反平行になるように、2つの磁化自由層同士がスペーサ層を介して磁気的に結合する例が挙げられる。
高周波信号線路102は、磁気抵抗効果素子101の積層方向Lに平行な方向における磁気抵抗効果素子101の一方の側(図1では磁気抵抗効果素子101より上側)に配され、所定の方向に延在する。高周波信号線路102の延在方向は、積層方向Lに平行な方向、積層方向Lと交差する方向のいずれを含んでいてもよい。
高周波信号線路102の本数が限定されることはなく、1本であってもよいし、複数本であってもよい。複数本である場合、高周波信号線路102は、それぞれから発生する高周波磁場が磁気抵抗効果素子101の位置で強め合うように、配置されることが好ましい。
磁気抵抗効果素子101の積層方向Lの両端には、それぞれ、線路106、107が接続されている。線路106および線路107の少なくとも一方を介して、磁気抵抗効果素子101に電流又は電圧が印加される。また、線路106および線路107の少なくとも一方は、磁気抵抗効果素子101から出力される信号を伝える。例えば、磁気抵抗効果素子101には、線路106および線路107を介して直流電流又は直流電圧が印加される。また、例えば、信号線路107は、磁気抵抗効果素子101から出力される信号(高周波電流または高周波電圧)を伝える。
磁気抵抗効果素子101への通電性を高める上で、磁気抵抗効果素子101の両端に、電極が設けられていることが好ましい。ここでは、磁気抵抗効果素子101の積層方向における上端に設けられた電極を上部電極108、下端に設けられた電極を下部電極109と呼ぶ。線路106、線路107、上部電極108および下部電極109の材料としては、例えば、Ta、Cu、Au、AuCu、Ru、Al等の導電性を有するものを用いることができる。
磁性部材103は、磁気抵抗効果素子101に対して静磁場を印加するための、磁場印加機構として機能する部材である。磁性部材103は、磁気抵抗効果素子101から見て、高周波信号線路102より、磁気抵抗効果素子101の一方の側に遠い位置に配されている。つまり、高周波信号線路102、磁性部材103のいずれも、積層方向Lに平行な方向における、磁気抵抗効果素子101の同じ一方の側に配されているが、磁性部材103と磁気抵抗効果素子101との積層方向Lに平行な方向の距離は、高周波信号線路102と磁気抵抗効果素子101との積層方向Lに平行な方向の距離より大きい。
磁性部材103は、高周波信号線路102との対向面103Aにおいて、高周波信号線路102から離間する方向Dに凹んでいる凹部103Bを有している。凹む方向Dについては、当該対向面103Aに対して垂直な方向に限定されない。ここでいう対向面103Aとは、最も高周波信号線路102側に位置する磁性部材103の最表面を含む平面を意味している。この対向面103Aには、凹部103Bの開口面が含まれるが、凹部103Bの内表面(内壁面、内底面)は含まれない。
凹部103Bの底部103Dは、具体的には、例えば対向面103Aから100nm以上内側に凹んでいることが好ましい。積層方向Lに平行な方向において、凹部103Bの底部103Dと高周波信号線路102との距離dは、磁性部材103と高周波信号線路102との最短距離dの1.1倍以上であることが好ましい。ここでいう最短距離dおよび距離dは、積層方向Lに平行な方向成分の距離である。また、積層方向Lに平行な方向において、凹部103Bの底部103Dの最深部と高周波信号線路102との距離は、磁性部材103と高周波信号線路102との最短距離dの2倍以上であることが好ましい。凹部103Bには、酸化アルミニウムや酸化シリコン等の非磁性の絶縁体が充填されていることが好ましい。
図1では、磁性部材103として軟磁性体(ヨーク)を用いる場合について例示しており、磁性部材103の凹部103Bで囲まれた凹んでいない部分103Cの周囲に、コイル104が巻かれている。この例では、コイル104は金属パターンを渦巻き状に巻回させたスパイラルコイルの例を示しており、ここでは、コイル104の奥行き部分の図示を省略している。この場合、コイル104に流す電流値を調整することにより、磁気抵抗効果素子101に印加される静磁場の大きさを変化させることができる。
なお、図1では、磁性部材103の凹んでいない部分103Cの周囲に、コイル104が巻かれている例を示しているが、コイル104は、磁性部材の他の部分に巻かれていてもよい。
磁性部材103を軟磁性体とする場合には、その材料として、Fe、NiおよびCoのうちの少なくとも1つを含む金属又は合金等の軟磁性材料(一例として、NiFe合金やCoFe合金等)を用いることができる。
磁性部材103としては硬磁性体(磁石)を用いてもよく、その場合には、図1のように磁性部材103の周囲にコイルを巻いてもよいし、巻かなくてもよい。磁性部材103として硬磁性体を用いる場合には、その材料として、CoPt合金、FePt合金、CoCrPt合金等を用いることができる。また、上記した軟磁性材料にIrMn等の反強磁性体を磁気的に結合させ、軟磁性材料の磁化の方向を固定したものも、磁性部材103として用いることができる。その場合には、図1のように磁性部材103の周囲にコイルを巻いてもよいし、巻かなくてもよい。
図2(a)、(b)は、図1に示す磁気抵抗効果素子101を、積層方向L(図1に示すL側またはL側)に平行な方向から平面視した場合の構成例を示すものである。ここでは、磁気抵抗効果素子101として、第1強磁性層101A、第2強磁性層101B及びスペーサ層101Cの3つの層が重なっている部分のみを示している。
磁性部材103において、高周波信号線路102との対向面103Aのうち、凹んでいない部分103Cがどの領域に含まれている場合であっても、後述する本実施形態の効果を得る上では有効である。ただし、図2(a)に示すように、当該平面視において、凹んでいない部分103Cの少なくとも一部が、磁気抵抗効果素子101と重なる領域に含まれている(磁気抵抗効果素子101と重なっている)場合には、磁性部材103と磁気抵抗効果素子101との距離dの小さい部分が形成され、この部分において、磁気抵抗効果素子101に印加される磁場が強まるため、好ましい。
磁気抵抗効果素子101に印加される磁場を強める上では、当該平面視において、磁気抵抗効果素子101のうち、磁性部材103の凹んでいない部分103Cと重なる領域の面積が大きいほど好ましく、図2(b)に示すように、磁気抵抗効果素子101の全領域が磁性部材103の凹んでいない部分103Cと重なっていれば最も好ましい。
図2(b)では、当該平面視において、磁性部材の凹んでいない部分103Cが磁気抵抗効果素子101を包含し、磁性部材の凹んでいない部分103Cの周縁部が、磁気抵抗効果素子101の周縁部の外側にある場合の構成を例示している。この場合、磁性部材103の凹んでいない部分103Cから発生する磁場のうち、端部の影響を受けていない一様な磁場だけを磁気抵抗効果素子101に印加させることができるため、好ましい。
図2(c)は、積層方向Lに平行な方向からの平面視において、磁性部材103の凹んでいない部分103Cと高周波線路102とが重なっていない場合の構成を例示している。この場合には、磁気抵抗効果素子101が磁性部材103の凹んでいない部分103Cの少なくとも一部と重なり、高周波信号線路102が、磁性部材103の凹んでいない部分103Cと重ならないように構成することができる。つまり、高周波信号線路102の全体が磁性部材103の凹んでいない部分103Cと重ならないように、磁性部材103を配置し、高周波信号線路102の全体にわたって、磁性部材103との距離を広げることができる。したがって、当該平面視において、磁性部材103の凹んでいない部分103Cと高周波線路102とが重なっている場合よりも、高周波線路102と磁性部材103との間のキャパシタンス成分を小さくすることができる。
図3(a)〜(c)は、図1に示す磁気抵抗効果素子101を、積層方向L(L側またはL側)から平面視した場合の他の構成例を示すものである。磁性部材の凹んでいない部分103Cが、図3(a)では磁気抵抗効果素子101の一部と重なっており、図3(b)では磁気抵抗効果素子101の全部と重なっている。
凹部103Bは、磁性部材103と高周波信号線路102との間に存在するキャパシタンス成分を小さくするためのものである。存在するキャパシタンス成分は、図1の視点で言うと高周波信号線路102の直上、すなわち、当該平面視において磁性部材103と高周波信号線路102とが重なる領域において大きく、この領域から離れるにつれて小さくなってゆく。したがって、図3(a)、(b)に示すように、磁性部材103と高周波信号線路102とが重なる領域から離れた領域においては、磁性部材103に凹部103Bを有していなくてもよい。
図3(c)では、当該平面視において、高周波信号線路102の大部分が、磁性部材103の凹んでいない部分103Cと重なっている。すなわち、高周波信号線路102の大部分にわたって、図1の視点で言うと直上の磁性部材103が凹部103Bを有していない。このような場合であっても、同図に示すように、高周波信号線路102と重なっていない(図1の視点で言うと斜め上の)磁性部材103がわずかでも凹部103Bを有していれば、全く凹部103Bを有していない場合に比べ、キャパシタンス成分を減少させる効果を得ることができる。
磁性部材と高周波信号線路との間に存在するキャパシタンス成分の影響によって、磁性部材と高周波信号線路との間に高周波電流が流れる経路ができるため、このキャパシタン成分が大きいと磁気抵抗効果デバイスの高周波特性が劣化することがある。例えば、高周波信号線路を流れる高周波電流の一部が、磁性部材側に分流してしまい、磁気抵抗効果素子に印加される高周波磁界の強度が低下することがある。そのため、磁気抵抗効果デバイスを例えば後述する高周波フィルタに適用する場合には、高周波フィルタの通過特性が劣化することがある。
これに対し、本実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100では、磁場印加機構を担う磁性部材103が、高周波信号線路102との対向面103Aにおいて、高周波信号線路102から離間する方向Dに凹んでいる凹部103B、すなわち、局所的に、高周波信号線路102との距離が長くなっている領域を有する。そのため、高周波信号線路102と磁性部材103との間に存在するキャパシタンス成分のうち、この領域に存在する分については、距離の増加に対応した小さいものとなる。したがって、本実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100では、全体として、上述した高周波特性(例えば通過特性)の劣化を抑えることができる。
(変形例1)
図4は、本実施形態の変形例1に係る磁気抵抗抵抗効果デバイス110の構成例を、模式的に示す断面図である。第一実施形態と同じ箇所は、同じ符号で示している。磁気抵抗効果デバイス110は、磁気抵抗効果素子101を挟んで第1磁性部材103と反対側に、第2磁性部材105が配されている。第1磁性部材103と第2磁性部材105とは、コイル104の外周部より外側の領域において、直接または他の磁性部材を介して連結されていることが好ましい。
図4では、磁気抵抗効果素子101および高周波信号線路102が、2つの磁性部材(第1磁性部材103、第2磁性部材105)で挟まれている場合について例示しているが、高周波信号線路102は、2つの磁性部材に挟まれていない場合もある。第2磁性部材105以外の構成は、上述した実施形態の構成(図1)と同様である。第2磁性部材105の材料としては、第1磁性部材103の材料として例示したものと同様のものを用いることができる。第2磁性部材105の材料は、第1磁性部材103の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
この場合、第2磁性部材105が配されていることにより、第1磁性部材103から発生する磁束の多くが、この第2磁性部材105に向かって延び、その途中にある磁気抵抗効果素子101を貫通する。その結果として、磁気抵抗効果素子101に対してさらに強い磁場が印加されることになり、その分、第1磁性部材103と高周波信号線路102との距離をさらに広げることができる。したがって、第1磁性部材103と高周波信号線路102との間に存在するキャパシタンス成分をさらに減らすことができる。
(適用例)
図5は、上記磁気抵抗効果デバイス100を適用した、高周波デバイス120の回路の一例を示している。高周波デバイス120は、磁気抵抗効果素子101と、高周波信号線路102と、第1磁性部材(磁場印加機構)103と、直流印加端子121とを備える。高周波デバイス120は、第1のポート122から信号が入力され、第2のポート123から信号を出力する。なお、上述した磁気抵抗効果素子、高周波信号線路、第1磁性部材とともに、他の回路素子等が組み込まれた高周波デバイス120を総称して、磁気抵抗効果デバイスと呼ぶことがある。
<磁気抵抗効果素子、磁場印加機構>
磁気抵抗効果素子101と第1磁性部材103には、一例として、上述の第一実施形態にかかる磁気抵抗効果デバイス100の構成を満たすものが用いられる。本適用例では、第1強磁性層101Aが磁化固定層として機能し、第2強磁性層101Bが磁化自由層として機能する例で説明する。
第1磁性部材103を用いて、出力信号の周波数を設定することができる。出力信号の周波数は、磁化自由層として機能する第2強磁性層101Bの強磁性共鳴周波数によって変化する。第2強磁性層101Bの強磁性共鳴周波数は、第2強磁性層101Bにおける有効磁場によって変化する。第2強磁性層101Bにおける有効磁場は、外部磁場(静磁場)の影響を受ける。そのため、第1磁性部材103から第2強磁性層101Bに印加する外部磁場の大きさを変えることで、第2強磁性層101Bの強磁性共鳴周波数を変えることができる。
<第1のポート及び第2のポート>
第1のポート122は、高周波デバイス120の入力端子である。第1のポート122は、高周波信号線路102の一端に対応する。第1のポート122に交流信号源(図示略)を接続することで、高周波デバイス120に交流信号(高周波信号)を印加することができる。高周波デバイス120に印加される高周波信号は、例えば、100MHz以上の周波数を有する信号である。
第2のポート123は、高周波デバイス120の出力端子である。第2のポート123は、磁気抵抗効果素子101から出力される信号を伝える出力信号線路125の一端に対応する。出力信号線路125は、図1に示した線路107に対応する。
<高周波信号線路>
図5における高周波信号線路102は、一端が第1のポート122に接続されている。また、高周波デバイス120は、高周波信号線路102の他端が基準電位端子124を介して基準電位に接続されて用いられる。図5では、基準電位としてグラウンドGに接続している。グラウンドGは、高周波デバイス120の外部に付設されるものとすることができる。第1のポート122に入力される高周波信号とグラウンドGとの電位差に応じて、高周波信号線路102内に高周波電流が流れる。高周波信号線路102内に高周波電流が流れると、高周波信号線路102から高周波磁場が発生する。磁気抵抗効果素子101の第2強磁性層101Bには、この高周波磁場が印加される。
<出力信号線路、線路>
出力信号線路125は、磁気抵抗効果素子101から出力された信号を伝播する。磁気抵抗効果素子101から出力される信号は、第2強磁性層101Bの強磁性共鳴を利用して選択された周波数の信号である。図5における出力信号線路125は、一端が磁気抵抗効果素子101に接続され、他端が第2のポート123に接続されている。すなわち、出力信号線路125は、磁気抵抗効果素子101と第2のポート123とを繋ぐ。
また、電源126、出力信号線路125、磁気抵抗効果素子101、線路127、グラウンドGによる閉回路を構成する部分と、第2のポート123との間の出力信号線路125(一例として、インダクタ129の出力信号線路125への接続箇所と第2のポート123との間の出力信号線路125)には、コンデンサを設けてもよい。当該部分にコンデンサを設けることで、第2のポート123から出力される出力信号に、電流の不変成分が加わることを避けることができる。
線路127は、一端が磁気抵抗効果素子101に接続されている。線路127は、図1に示した線路106に対応する。また、高周波デバイス120は、線路127の他端が基準電位端子128を介して基準電位に接続されて用いられる。図8では線路127を、高周波信号線路102の基準電位と共通のグラウンドGに接続しているが、その他の基準電位に接続してもよい。回路構成を簡便にするためには、高周波信号線路102の基準電位と線路127の基準電位とは共通していることが好ましい。
各線路及びグラウンドGの形状としては、マイクロストリップライン(MSL)型やコプレーナウェーブガイド(CPW)型を適用することが好ましい。マイクロストリップライン(MSL)型やコプレーナウェーブガイド(CPW)型を適用する場合、線路の特性インピーダンスと、回路系のインピーダンスとが等しくなるように、線路幅やグラウンド間距離を設計することが好ましい。このように設計することによって、線路の伝送損失を抑えることができる。
<直流印加端子>
直流印加端子121は、電源126に接続され、磁気抵抗効果素子101の積層方向に直流電流又は直流電圧を印加する。本明細書において直流電流とは、時間によって方向が変化しない電流であり、時間によって大きさが変化する電流を含む。また、直流電圧とは、時間によって方向が変化しない電圧であり、時間によって大きさが変化する電圧も含む。電源126は、直流電流源であってもよいし、直流電圧源であってもよい。
電源126は、一定の直流電流を発生可能な直流電流源であってもよいし、一定の直流電圧を発生可能な直流電圧源であってもよい。また、電源126は、発生する直流電流値の大きさが変化可能な直流電流源であってもよいし、発生する直流電圧値の大きさが変化可能な直流電圧源であってもよい。
磁気抵抗効果素子に印加される電流の電流密度は、磁気抵抗効果素子の発振閾値電流密度よりも小さいことが好ましい。磁気抵抗効果素子の発振閾値電流密度とは、磁気抵抗効果素子の磁化自由層として機能する強磁性層の磁化が、一定周波数および一定の振幅で歳差運動を開始し、磁気抵抗効果素子が発振する(磁気抵抗効果素子の出力(抵抗値)が一定周波数及び一定の振幅で変動する)閾値となる電流密度を意味している。
直流印加端子121と出力信号線路125との間には、インダクタ129が配設されている。インダクタ129は、電流の高周波成分をカットし、電流の不変成分を通す。インダクタ129により磁気抵抗効果素子101から出力された出力信号(高周波信号)は第2のポート123に効率的に流れる。また、インダクタ129により、電流の不変成分は、電源126、出力信号線路125、磁気抵抗効果素子101、線路127、グラウンドGで構成される閉回路を流れる。
インダクタ129には、チップインダクタ、パターン線路によるインダクタ、インダクタ成分を有する抵抗素子等を用いることができる。インダクタ129のインダクタンスは10nH以上であることが好ましい。
<高周波デバイスの機能>
高周波デバイス120に第1のポート122から高周波信号が入力されると、高周波信号に対応する高周波電流が高周波信号線路102内を流れる。高周波信号線路102内を流れる高周波電流により発生する高周波磁場が、磁気抵抗効果素子101の第2強磁性層101Bに印加される。
磁化自由層として機能する第2強磁性層101Bの磁化は、高周波信号線路102により第2強磁性層101Bに印加された高周波磁場の周波数が、第2強磁性層101Bの強磁性共鳴周波数に近い場合に大きく振動する。この現象が、強磁性共鳴現象である。
第2強磁性層101Bの磁化の振動が大きくなると、磁気抵抗効果素子101における抵抗値変化が大きくなる。例えば、直流印加端子121から、一定の直流電流が磁気抵抗効果素子101に印加される場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値変化は、上部電極108と下部電極109との間の電位差の変化として、第2のポート123から出力される。また、例えば、直流印加端子121から一定の直流電圧が磁気抵抗効果素子101に印加される場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値変化は、上部電極108と下部電極109との間を流れる電流値の変化として第2のポート123から出力される。
すなわち、第1のポート122から入力された高周波信号の周波数が、第2強磁性層101Bの強磁性共鳴周波数に近い周波数である場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が大きく、第2のポート123から大きな信号が出力される。これに対し、高周波信号の周波数が、第2強磁性層101Bの強磁性共鳴周波数から外れている場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が小さく、第2のポート123から信号がほとんど出力されない。すなわち、高周波デバイス120は、特定の周波数の高周波信号を選択的に通過させることができる高周波フィルタとして機能する。
<他の用途>
また、上記適用例では、高周波デバイス120を高周波フィルタとして用いる場合を提示したが、高周波デバイス120はアイソレータ、フェイズシフタ、増幅器(アンプ)等の高周波デバイスにも適用することができる。
高周波デバイス120をアイソレータとして用いる場合には、第2のポート123から信号を入力する。第2のポート123から信号を入力しても、第1のポート1から出力されることはないため、アイソレータとして機能する。
また、高周波デバイス120をフェイズシフタとして用いる場合は、出力される周波数帯域が変化する場合において、出力される周波数帯域の任意の1点の周波数に着目する。出力される周波数帯域が変化する際に、特定の周波数における位相は変化するため、フェイズシフタとして機能する。
また、高周波デバイス120を増幅器として用いる場合には、電源126から印加する直流電流又は直流電圧を所定の大きさ以上にする。このようにすることで、第1のポート122から入力される信号より、第2のポート123から出力される信号が大きくなり、増幅器として機能する。
上述のように、高周波デバイス120は、高周波フィルタ、アイソレータ、フェイズシフタ、増幅器等の高周波デバイスとして機能させることができる。
図5では磁気抵抗効果素子101が一つである場合を例示したが、磁気抵抗効果素子101は複数あってもよい。この場合、複数の磁気抵抗効果素子101は、互いに並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよい。例えば、強磁性共鳴周波数の異なる磁気抵抗効果素子101を複数利用することで、選択周波数の帯域(通過周波数帯域)を広くすることができる。また、一つの磁気抵抗効果素子100からの出力信号を出力する出力信号線路125で発生した高周波磁場を、別の磁気抵抗効果素子101に印加する構成としてもよい。このような構成にすると、出力される信号が複数回に渡ってフィルタリングされるため、高周波信号のフィルタリング精度を高めることができる。
また、直流印加端子121は、インダクタ129とグラウンドGとの間に接続されてもよいし、上部電極108とグラウンドGとの間に接続されてもよい。
また、上記適用例におけるインダクタ129にかえて、抵抗素子を用いてもよい。この抵抗素子は、抵抗成分により電流の高周波成分をカットする機能を有する。この抵抗素子は、チップ抵抗またはパターン線路による抵抗のいずれであってもよい。この抵抗素子の抵抗値は、出力信号線路125の特性インピーダンス以上であることが好ましい。例えば、出力信号線路125の特性インピーダンスが50Ωであり、抵抗素子の抵抗値が50Ωである場合は、45%の高周波電力を抵抗素子によりカットすることができる。また、出力信号線路125の特性インピーダンスが50Ωであり、抵抗素子の抵抗値が500Ωである場合は、90%の高周波電力を抵抗素子によりカットすることができる。この場合でも、磁気抵抗効果素子101から出力された出力信号を、第2のポート123に効率的に流すことができる。
また、上記適用例において、直流印加端子121に接続される電源126が、電流の高周波成分をカットすると同時に、電流の不変成分を通す機能を有する場合、インダクタ129は無くても良い。この場合でも、磁気抵抗効果素子101から出力された出力信号を第2のポート123に効率的に流すことができる。
また、上記適用例において、磁気抵抗効果デバイス100にかえて、変形例1で説明した磁気抵抗効果デバイス110を適用しても良い。
100、110・・・磁気抵抗効果デバイス
101・・・磁気抵抗効果素子
101A・・・第1強磁性層
101B・・・第2強磁性層
101C・・・スペーサ層
102・・・高周波信号線路
103・・・磁性部材(第1磁性部材)
103A・・・対向面
103B・・・凹部
103C・・・凹んでいない部分
103D・・・底部
104・・・コイル
106、107・・・線路
108・・・上部電極
109・・・下部電極
105・・・磁性部材(第2磁性部材)
120・・・高周波デバイス
121・・・直流印加端子
122・・・第1のポート
123・・・第2のポート
124・・・基準電位端子
125・・・出力信号線路
126・・・電源
127・・・線路
128・・・基準電位端子
129・・・インダクタ
D・・・高周波信号線路から離間する方向
、d・・・距離
L・・・積層方向

Claims (3)

  1. 第1強磁性層と第2強磁性層との間にスペーサ層が配置されるように、積層されてなる磁気抵抗効果素子と、
    積層方向に平行な方向における、前記磁気抵抗効果素子の一方の側に配された高周波信号線路と、
    前記磁気抵抗効果素子から見て、前記高周波信号線路より前記一方の側に遠い位置に配された磁性部材と、を備え、
    前記磁性部材が、前記高周波信号線路との対向面において、前記高周波信号線路から離間する方向に凹んでいる凹部を有していることを特徴とする磁気抵抗効果デバイス。
  2. 前記磁性部材において、前記高周波信号線路との対向面のうち、凹んでいない領域の少なくとも一部が、前記積層方向に平行な方向からの平面視において、前記磁気抵抗効果素子と重なっていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  3. 前記積層方向に平行な方向において、前記凹部の最深部と前記高周波信号線路との距離が、前記磁性部材と前記高周波信号線路との最短距離の2倍以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイス。
JP2017235226A 2017-12-07 2017-12-07 磁気抵抗効果デバイス Pending JP2019103084A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017235226A JP2019103084A (ja) 2017-12-07 2017-12-07 磁気抵抗効果デバイス
US16/208,191 US10680165B2 (en) 2017-12-07 2018-12-03 Magnetoresistance effect device having magnetic member with concave portion

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017235226A JP2019103084A (ja) 2017-12-07 2017-12-07 磁気抵抗効果デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019103084A true JP2019103084A (ja) 2019-06-24

Family

ID=66697323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017235226A Pending JP2019103084A (ja) 2017-12-07 2017-12-07 磁気抵抗効果デバイス

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10680165B2 (ja)
JP (1) JP2019103084A (ja)

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3523092B2 (ja) * 1998-11-18 2004-04-26 Tdk株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US6466419B1 (en) 2000-03-31 2002-10-15 Seagate Technology Llc Current perpendicular to plane spin valve head
US6700760B1 (en) 2000-04-27 2004-03-02 Seagate Technology Llc Tunneling magnetoresistive head in current perpendicular to plane mode
US7280325B1 (en) 2004-03-31 2007-10-09 Western Digital (Fremont), Llc Ferromagnetic structure including a first section separated from a ferromagnetic layer by an electrically conductive nonmagnetic spacer and a second section elongated relative to the first section in at least one dimension
JP4189502B2 (ja) 2005-09-16 2008-12-03 国立大学法人九州大学 磁性多層膜ドットを用いた高周波デバイス
US7929258B2 (en) 2008-01-22 2011-04-19 Seagate Technology Llc Magnetic sensor including a free layer having perpendicular to the plane anisotropy
US8395867B2 (en) 2009-03-16 2013-03-12 Dimitar Velikov Dimitrov Magnetic sensor with a recessed reference layer assembly and a front shield
JP5546895B2 (ja) * 2009-04-30 2014-07-09 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置およびその製造方法
JP6738612B2 (ja) 2015-03-16 2020-08-12 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス
US9906199B2 (en) 2015-03-16 2018-02-27 Tdk Corporation Magnetoresistive effect device
US20180309046A1 (en) * 2015-09-30 2018-10-25 Tdk Corporation Magnetoresistive effect device
US9948267B2 (en) * 2016-02-23 2018-04-17 Tdk Corporation Magnetoresistive effect device
JP2017153066A (ja) 2016-02-23 2017-08-31 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス
US10608309B2 (en) 2017-04-27 2020-03-31 Tdk Corporation Magnetoresistance effect device and high-frequency device
JP2019033159A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス及び高周波デバイス
US10559412B2 (en) * 2017-12-07 2020-02-11 Tdk Corporation Magnetoresistance effect device
JP2019179902A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス
JP2019179901A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
US10680165B2 (en) 2020-06-09
US20190181332A1 (en) 2019-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107104181B (zh) 磁阻效应器件
JP6738612B2 (ja) 磁気抵抗効果デバイス
US10957962B2 (en) Magnetoresistive effect device
US10439592B2 (en) Magnetoresistance effect device and high frequency device
US20180316077A1 (en) Magnetoresistance effect device and high-frequency device
US10885934B2 (en) Magnetoresistance effect device with shaped high-frequency signal line overlapping magnetoresistance effect element
US10756257B2 (en) Magnetoresistance effect device
JP2017153066A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
US10984938B2 (en) Magnetoresistance effect device
JP6511531B2 (ja) 磁気抵抗効果デバイス
CN106559039B (zh) 磁阻效应器件
JP6717137B2 (ja) 共振素子、共振器および磁気抵抗効果デバイス
JP7087587B2 (ja) 磁気抵抗効果デバイス
US10818990B2 (en) Magnetoresistance effect device and magnetoresistance effect module
US10680165B2 (en) Magnetoresistance effect device having magnetic member with concave portion
JP7091783B2 (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2019103085A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2019103086A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2019186270A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2019186280A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2018186266A (ja) 磁気抵抗効果デバイス及び高周波デバイス
JP2018107703A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP6642726B2 (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2017157581A (ja) 磁気抵抗効果デバイス
JP2019134409A (ja) 磁気抵抗効果デバイス及び磁気抵抗効果モジュール