JP7091783B2 - 磁気抵抗効果デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を利用した磁気抵抗効果デバイスに関する。
近年、携帯電話等の移動通信端末の高機能化に伴い、無線通信の高速化が進められている。通信速度は使用する周波数の帯域幅に比例するため、通信に必要な周波数バンドが増加し、それに伴って、移動通信端末に必要な高周波フィルタの搭載数も増加している。また、新しい高周波用部品への応用が期待されるスピントロニクスの分野の研究が、盛んに行われている。その中で注目されている現象の一つに、磁気抵抗効果素子によるスピントルク共鳴現象がある(非特許文献1参照)。
例えば、磁気抵抗効果素子に交流電流を流すのと同時に、磁場印加手段を用いて静磁場を印加することにより、磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁化に強磁性共鳴を起こすことができ、強磁性共鳴周波数に対応した周波数で周期的に、磁気抵抗効果素子の抵抗値が振動する。また、磁気抵抗効果素子の抵抗値は、磁気抵抗効果素子の磁化自由層に高周波磁場を印加することによっても、同様に振動する。磁気抵抗効果素子に印加される静磁場の強さによって、強磁性共鳴周波数は変化し、一般的にその共鳴周波数は数~数十GHzの高周波帯域に含まれる。
特許文献1では、磁気抵抗効果素子に印加する磁場の強さを変えることにより、強磁性共鳴周波数を変化させる技術が開示されており、この技術を利用した高周波フィルタのようなデバイスが提案されている。
特開2017-63397号公報
Nature、Vol.438、No.7066、pp.339-342、17 November 2005
特許文献1では、磁気抵抗効果素子に磁場を印加するための磁場印加手段の例として、電磁石型、ストリップライン型が挙げられているが、その詳細な構成については開示されていない。磁気抵抗効果素子に磁場を印加する方法として、一般的には、ヨーク等の磁性部材やコイルから発生する磁場を磁気抵抗効果素子に印加する方法が考えられる。
ここで、磁気抵抗効果素子に電流又は電圧を印加するため、又は、磁気抵抗効果素子から出力される信号を伝えるために、素子の上端及び下端には線路(導電性を高める目的等で磁気抵抗効果素子の上端及び下端にそれぞれ電極が設けられることがあるが、以下では、この電極も含めて当該線路を「電極配線」という)が接続される。
図1は、磁気抵抗効果素子近傍の構成を模式的に示す断面図である。
図1(a)に示すヨーク(磁性部材)102は、基部102Aの磁気抵抗効果素子101側に突出部102Bを備える構成である。符号106はコイルであり、磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層101A、第2強磁性層101B、スペーサ層101Cを含んでなる。電極配線107及び電極配線108は、磁気抵抗効果素子101の上端及び下端に接続され、電極配線107及び電極配線108の少なくとも一方を介して、磁気抵抗効果素子101に電流又は電圧が印加される。また、電極配線107及び電極配線108の少なくとも一方は、磁気抵抗効果素子101から出力される信号を伝える。
ここで、磁気抵抗効果素子101にかかる磁場を大きくするためには、図1(b)に示すように、磁性部材102に近い側の電極配線107を薄く形成することによって、磁性部材102(この図の構成では、突出部102B)と磁気抵抗効果素子101(この図の構成では、第1強磁性層101A)との間隔dを縮めることが好ましい。しかしながら、電気抵抗(以下、単に「抵抗」ということがある)は断面積に反比例することから、電極配線107を薄くすると電極配線107の抵抗が大きくなってしまい、高周波特性が劣化してしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、磁気抵抗効果素子への大きな強度の磁場印加と電極配線の低抵抗化が両立された磁気抵抗効果デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る磁気抵抗効果デバイスは、第1強磁性層と第2強磁性層との間にスペーサ層が配置されるように、積層してなる磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に配され、前記磁気抵抗効果素子に磁場を印加する第1磁場印加手段と、前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に接続された第1電極配線と、を備え、前記第1電極配線は、積層方向から平面視して、前記磁気抵抗効果素子と重なる位置に配置される第1の重畳部分と、前記磁気抵抗効果素子と重ならない位置に配置される第1の非重畳部分とからなり、前記第1の非重畳部分において、前記第1の重畳部分の厚みよりも厚い肉厚部を有し、前記積層方向において、前記第2強磁性層から第1強磁性層へ向かう向きを上側、その逆向きを下側としたときに、前記肉厚部は、前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面より下側の厚みが前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面の反対側の面より上側の厚みよりも厚い。
ここで、「第1強磁性層側に接続された第1電極配線」とは、第1強磁性層に直接接続された場合と他の層を介して間接的に接続された場合の両方含む。
(2)上記(1)に記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記第1電極配線は、互いに厚みが異なる部分間で厚みが漸次近づいて連結されていてもよい。
(3)上記(1)又は(2)のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記積層方向から平面視して前記第1磁場印加手段と重ならない領域において、前記第1電極配線と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが前記第1電極配線よりも厚い第1パッド部を備えてもよい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記磁気抵抗効果素子の前記第2強磁性層側に配され、前記磁気抵抗効果素子に磁場を印加する第2磁場印加手段と、前記磁気抵抗効果素子の前記第2強磁性層側に接続された第2電極配線と、を備え、前記第2電極配線は、積層方向から平面視して、前記磁気抵抗効果素子と重なる位置に配置される第2の重畳部分と、前記磁気抵抗効果素子と重ならない位置に配置される第2の非重畳部分とからなり、前記第2の非重畳部分において、前記第2の重畳部分の厚みよりも厚い肉厚部を有し、前記肉厚部は、前記第2の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面より上側の厚みが前記第2の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面の反対側の面より下側の厚みよりも厚くてもよい。
ここで、「第2強磁性層側に接続された第2電極配線」とは、第2強磁性層に直接接続された場合と他の層を介して間接的に接続された場合の両方含む。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記積層方向から平面視して前記第2磁場印加手段と重ならない領域において、前記第2電極配線と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが前記第2電極配線よりも厚い第2パッド部を備えてもよい。
本発明の磁気抵抗効果デバイスでは、磁気抵抗効果素子への大きな強度の磁場印加と電極配線の低抵抗化が両立することができる。
磁気抵抗効果素子近傍の構成を模式的に示す断面図であり、(a)は電極配線が厚い場合であり、(b)は、電極配線が薄い場合である。 本発明の第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100の構成例を模式的に示す断面図である。 図2に示した磁気抵抗効果デバイス100の磁気抵抗効果素子近傍を拡大した断面模式図である。 図3で示した磁気抵抗効果デバイス100において、第1電極配線の形状の変形例を示す断面模式図である。 本発明の第実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス00の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス00の構成例を、模式的に示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス400の構成例を、模式的に示す断面図である。 本発明の磁気抵抗効果デバイスを適用した、高周波デバイスの回路の構成例を示す図である。 本発明の磁気抵抗効果デバイスを適用した、高周波デバイスの回路の他の構成例を示す図である。 本発明の磁気抵抗効果デバイスを適用した、高周波デバイスの回路の他の構成例を示す図である。 本発明の磁気抵抗効果デバイスを適用した、高周波デバイスの回路の他の構成例を示す図である。 本発明の磁気抵抗効果デバイスを適用した、高周波デバイスの回路の他の構成例を示す図である。
以下、本発明について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第一実施形態」
図2は、第一実施形態にかかる磁気抵抗効果デバイスの構成例を模式的に示す断面模式図であり、要部の拡大図も図示している。図3は、図2に示した磁気抵抗効果デバイスの磁気抵抗効果素子近傍の断面模式図である。但し、図3では、図2に示した構造を一部省略している。
図2に示す磁気抵抗効果デバイス100は少なくとも、磁気抵抗効果素子101(MR素子)と、磁場印加手段20(第1磁場印加手段22、第2磁場印加手段24)と、第1電極配線7と、第2電極配線8と、を備える。なお、電極配線7、8は要部拡大図にのみ図示している。
磁気抵抗効果デバイス100は、磁場印加手段20から発生する磁場(静磁場)が、磁気抵抗効果素子101に印加されるように構成されている。
なお、高周波電流が流れる高周波信号線路をさらに備え、この高周波信号線路から発生する磁場(高周波磁場)も、磁気抵抗効果素子101に印加されるように構成されてもよい。
以下、図の説明において、磁気抵抗効果素子101の積層方向をz方向、z方向と垂直な平面の面内方向のうち任意の方向をx方向、x方向及びz方向のいずれとも直交する方向をy方向とする。
<磁気抵抗効果素子>
磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとの間にスペーサ層(非磁性層等)101Cが配置されるように、積層されてなる。第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとは、一方が磁化固定層として機能し、他方が磁化自由層として機能する。例えば、第1強磁性層101Aが磁化自由層として機能し、第2強磁性層101Bが磁化固定層として機能する。この場合、磁化固定層の磁化の向きに対して磁化自由層の磁化の向きが相対的に変化する。第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとは、保磁力が互いに異なっており、磁化固定層として機能する層の保磁力の方が磁化自由層として機能する層の保磁力よりも大きい。第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bの厚さは、1~10nm程度とすることが好ましい。
第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bは、互いに保磁力が異なるように、強磁性を有する公知の材料、例えば、Cr、Mn、Co、Fe、Ni等の金属、およびこれらの金属を1種類以上含む強磁性合金等から選択される材料からなる。また、第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bは、これらの金属と、B、C、およびNのうち、少なくとも1種類以上の元素とを含む合金(具体的には、Co-FeやCo-Fe-B)等からなる場合もある。
また、より高い出力を得るためには、CoFeSi等のホイスラー合金を用いることが好ましい。ホイスラー合金は、XYZの化学組成をもつ金属間化合物を含む。Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属、または、Xと同じ元素であり、Zは、III族からV族の典型元素である。ホイスラー合金としては、例えば、CoFeSi、CoMnSiやCoMn1-aFeAlSi1-b(0≦a≦1、0≦b≦1)等が挙げられる。
磁化固定層として機能する強磁性層(磁化固定層)の磁化を固定するために、磁化固定層に接するように反強磁性層を付加してもよい。また、結晶構造、形状などに起因する磁気異方性を利用して磁化固定層の磁化を固定してもよい。反強磁性層には、FeO、CoO、NiO、CuFeS、IrMn、FeMn、PtMn、CrまたはMnなどを用いることができる。
スペーサ層101Cには、非磁性の材料を用いることが好ましい。スペーサ層101Cは、導電体、絶縁体もしくは半導体によって構成される層、または、絶縁体中に導体によって構成される通電点を含む層によって構成されている。
例えば、スペーサ層101Cが絶縁体によって構成される場合は、磁気抵抗効果素子101はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magnetoresistance)効果素子となり、スペーサ層101Cが金属によって構成される場合は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)効果素子となる。
スペーサ層101Cとして絶縁材料を適用する場合、AlまたはMgO等の絶縁材料を用いることができる。第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bとの間にコヒーレントトンネル効果が発現するように、スペーサ層101Cの膜厚を調整することで高い磁気抵抗変化率が得られる。TMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層101Cの厚さは、0.5~3.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層101Cが導電材料によって構成される場合、Cu、Ag、Au又はRu等の導電材料を用いることができる。GMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層101Cの厚さは、0.5~3.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層101Cが半導体によって構成される場合、ZnO、In、SnO、ITO、GaO又はGa等の材料を用いることができる。この場合、スペーサ層101Cの厚さは、1.0~4.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層101Cとして、絶縁体中の導体によって構成される通電点を含む層を適用する場合、AlまたはMgOによって構成される絶縁体中に、CoFe、CoFeB、CoFeSi、CoMnGe、CoMnSi、CoMnAl、Fe、Co、Au、Cu、AlまたはMgなどの導体によって構成される通電点を含む構造とすることが好ましい。この場合、スペーサ層101Cの厚さは、0.5~2.0nm程度であることが好ましい。
磁気抵抗効果素子101は、第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bの両方ともを磁化自由層とし、2つの磁化自由層とこれら2つの磁化自由層の間に配置されたスペーサ層を有する磁気抵抗効果素子とすることもできる。この場合、第1強磁性層101Aと第2強磁性層101Bは、互いの磁化方向が相対的に変化可能である。一例として、2つの磁化自由層同士が、スペーサ層を介して磁気的に結合した磁気抵抗効果素子を挙げることができる。より具体的には、外部磁場が印加されない状態で2つの磁化自由層の磁化の方向が互いに反平行になるように、2つの磁化自由層同士がスペーサ層を介して磁気的に結合する例が挙げられる。
<磁場印加手段>
図2に示す磁場印加手段20は、第1磁場印加手段22と第2磁場印加手段24と支持部113を備える。第1磁場印加手段22は、磁気抵抗効果素子101の第1強磁性層101A側に配されており、第2磁場印加手段24は、磁気抵抗効果素子101の第2強磁性層101B側に配されている。第1磁場印加手段22は、第1磁性部材102とコイル106とを備える。第2磁場印加手段24は第2磁性部材104を備える。コイル106は突出部102Bの周囲に巻回されている。コイル106は磁束を誘起し、誘起された磁束は突出部102Bに集中し、対向する第2磁性部材104に向かう磁場を形成する。図2では、コイル106は、突出部102Bの周囲に渦巻き状に巻回されたスパイラルコイルである。図2では、コイル106はz方向に1層としたが、2層以上に積層してもよい。
図2に示す磁場印加手段20では、第2磁性部材104とコイル106を備えるが、いずれか一方を、又は、両方を備えなくてもよい。また、図2に示す磁場印加機構20では、支持部113を備えるが、支持部113を備えなくてもよい。
また、図2に示すに示す第1磁場印加手段22では、第1磁性部材102は、基部102Aの素子側端面102Aaから突出する突出部102Bを備えているが、突出部102Bを備えなくてもよい。
また、第1磁場印加手段22(第1磁性部材102)と同様に、第2磁性部材104が磁気抵抗効果素子101側に突出する突出部を備えていてもよいし、さらに第2磁場印加手段24が第2磁性部材104(例えば突出部)に巻回されたコイルを備えていても良い。
また、第1磁場印加手段22として、第1磁性部材102をコイルに替えた構成としてもよい。
また、第2磁場印加手段24として、第2磁性部材104をコイルに替えた構成としてもよい。
第1磁性部材102、支持部113及び第2磁性部材104は、磁性体により構成されている。第1磁性部材102及び第2磁性部材104には、例えば、Fe、Co、Ni、NiとFeの合金、FeとCoの合金、またはFeとCoとBの合金などを用いることができる。コイル106は、導電性の高い配線パターンからなり、例えば銅、アルミニウム等を用いることができる。
第1磁性部材102は、素子側端面102Aaから突出する突出部102Bを備える。図2に示す第1磁性部材102は、突出部102Bと基部102Aとからなる。基部102Aは、第1磁性部材102の主要部であり、図2ではxy面内方向に延在している部分である。
支持部113は、第1磁性部材102と第2磁性部材104とを繋ぐ部分であり、磁場の流れを安定化させるための部分である。突出部102Bは、その表面から磁束線が流れ出る又はその表面に磁束線が流れ込む部分である。また突出部102Bから流れ出る磁束線又は流れ込む磁束線は、第1磁性部材102及び第2磁性部材104から磁化自由層に印加される磁束線の主を担う。ここで「主を担う」とは、磁場の強度(磁束密度)の観点で主を担うことを意味する。
突出部102Bは、一つに限られず複数あってもよい。図2に示す例においては、素子側端面102Aaは、基部102Aの第2磁性部材104側の面である。素子側端面102Aaの形状は問わない。
第2磁性部材104は、第1磁性部材102との間に磁気抵抗効果素子101を挟む位置に配設されている。
<第1磁性部材>
第1磁性部材102は、磁気抵抗効果素子101に対して静磁場を印加するための、第1磁場印加手段として機能する部材であり、磁気抵抗効果素子101の第1強磁性層101A側に配されている。
図2に示す例では、第1磁性部材102は、水平断面(積層方向Lに対して直交する断面)の面積が一定である基部102Aと、基部102Aの磁気抵抗効果素子101側に配設され、基部102Aの水平断面積よりも小さな水平断面積を有する素子側部分102Bとからなる。
基部の代表的な形状としては例えば、円柱状、楕円柱状、角柱状のものが挙げられる。
また、素子側部分の形状は基部の水平断面積よりも小さな水平断面積を有するものであり、その限りにおいて特に限定はされない。素子側部分の形状が、基部の最も磁気抵抗効果素子側に配置する面から階段状に突出する形状の場合(本明細書において、かかる形状の素子側部分を「突出部」という。)、その代表的な形状としては例えば、円柱状、楕円柱状、角柱状、半月柱状のものが挙げられる。
基部102Aと突出部102Bとは、一体であってもよいし、別体であってもよい。
突出部102Bは、複数の突出部分が突出方向に積み重ねられてなる多段構造(例えば、異なる直径の円柱群が、直径が大きい順に基部102A側から積み重ねられてなる多段構造)を有してもよい。
突出部は、突出方向に直交する面の断面積が連続的に変化するものでもよいし、そのような断面積が連続的に変化する部分と、図2に示すような、突出方向に直交する面の断面積が一定の突出部分とからなるものでもよい。
第1磁性部材102の材料としては、軟磁性体、硬磁性体のいずれであってもよい。図2では、第1磁性部材102として軟磁性体(ヨーク)を用いる場合について例示しており、突出部102Bの周囲に、磁気抵抗効果素子に磁場を印加するためのコイル106が巻かれている。この例では、コイル106は金属パターンを渦巻き状に巻回させたスパイラルコイルの例を示しているが、コイル106の種類については限定されない。ここでは、コイル106の奥行き部分の図示を省略している。また、コイル106に流す電流値を調整することにより、磁気抵抗効果素子101に印加される静磁場の大きさを変化させることができる。第2磁性部材104の材料についても第1磁性部材102と同様なものを適用することができる。
なお、図2では、突出部102Bの周囲にコイル106が巻かれている例を示しているが、コイル106は、第1磁性部材102の他の部分に巻かれていてもよい。第2磁性部材104についても第1磁性部材102と同様な構造を適用してもよく、その際にコイルの有無や配置についても第1磁性部材102と同様なものを適用できる。
第1磁性部材102を軟磁性体とする場合には、その材料として、Fe、NiおよびCoのうちの少なくとも1つを含む金属又は合金等の軟磁性材料(一例として、NiFe合金やCoFe合金等)を用いることができる。第2磁性部材104の材料についても第1磁性部材102と同様なものを適用できる。
第1磁性部材102を硬磁性体とする場合には、図2のように第1磁性部材102の周囲にコイル106を巻いてもよいし、巻かなくてもよい。第1磁性部材102として硬磁性体を用いる場合には、その材料として、CoPt合金、FePt合金、CoCrPt合金等を用いることができる。また、上記した軟磁性材料にIrMn等の反強磁性体を磁気的に結合させ、軟磁性材料の磁化の方向を固定したものも、第1磁性部材102として用いることができる。その場合には、図2のように第1磁性部材102の周囲にコイルを巻いてもよいし、巻かなくてもよい。第2磁性部材104についても第1磁性部材102と同様な構造を適用してもよく、その際にコイルの有無や配置についても第1磁性部材102と同様なものを適用できる。
<高周波信号線路>
高周波信号線路を第1電極配線7及び第2電極配線8とは別に設けてもよい。積層方向Lからの平面視において、高周波信号線路は、磁気抵抗効果素子101の一部または全部と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。高周波信号線路の本数が限定されることはなく、1本であってもよいし、複数本であってもよい。複数本である場合、高周波信号線路は、それぞれから発生する高周波磁場が磁気抵抗効果素子101の位置で強め合うように、配置されることが好ましい。
<電極配線>
磁気抵抗効果素子101の積層方向Lの両端すなわち、第1強磁性層101A、第2強磁性層101Bにそれぞれ、第1電極配線7、第2電極配線8が直接接続されている。第1電極配線7及び第2電極配線8は他の層を介して間接的に第1強磁性層101A、あるいは、第2強磁性層101Bに接続されてもよい。
第1電極配線7および第2電極配線8の少なくとも一方を介して、磁気抵抗効果素子101に電流又は電圧が印加される。また、第1電極配線7および第2電極配線8の少なくとも一方は、磁気抵抗効果素子101から出力される信号を伝える。例えば、磁気抵抗効果素子101には、第1電極配線7および第2電極配線8を介して直流電流又は直流電圧が印加される。また、例えば、第1電極配線7が磁気抵抗効果素子101から出力される信号(高周波電圧または高周波電流)を伝える構成を採用することで、第1電極配線7が低抵抗化されたことによる高周波特性の劣化が防止される。一方、第1電極配線7が磁気抵抗効果素子101に入力される信号(高周波電圧または高周波電流)を伝える構成を採用することで、第1電極配線7が低抵抗化されたことによる高周波特性の劣化が防止される。
第1電極配線7及び第2電極配線8の材料としては、例えば、Ta、Cu、Au、AuCu、Ru、Al等の導電性を有するものを用いることができる。
<第1電極配線>
第1電極配線7は、積層方向Lから平面視して、磁気抵抗効果素子101と重なる位置に配置された重畳部分(第1の重畳部分)7Aと、磁気抵抗効果素子101と重ならない位置に配置された非重畳部分(第1の非重畳部分)7Bとからなる。
非重畳部分7Bには、重畳部分7Aの厚みdよりも厚い厚みDを有する肉厚部7b1が備えられている。図3に示す例では、非重畳部分7Bは、肉厚部7b1と、重畳部分7Aと同じ厚みの部分7b2とからなる。
ここで、積層方向Lにおいて、第2強磁性層101Bから第1強磁性層101Aへ向かう向きLuを上側、その逆向きLdを下側としたときに、肉厚部7b1は、重畳部分7Aの磁気抵抗効果素子101側の面S1より下側の厚みDが重畳部分7Aの磁気抵抗効果素子101側の面の反対側の面S2より上側の厚みDよりも厚い。
肉厚部7b1は一つでも複数でもよい。また、肉厚部7b1の厚みは同じ厚みであっても厚みが変動しても構わない。
第1電極配線7に肉厚部7b1があることで、第1電極配線7の低抵抗化が可能となる。さらには、肉厚部7b1は、重畳部分7Aの磁気抵抗効果素子101側の面S1より下側の厚みDが重畳部分7Aの磁気抵抗効果素子101側の面の反対側の面S2より上側の厚みDよりも厚くされるので、第1磁場印加手段22を磁気抵抗効果素子101に近接させることができる。すなわち、磁気抵抗効果素子への大きな強度の磁場印加と第1電極配線7の低抵抗化を可能にしている。
なお、第1電極配線7の下側への延在部分(厚みD1部分)は、第2電極配線8の下側の面を超えないものとすることが好ましい。第2磁場印加手段24が磁気抵抗効果素子101に近接するのを妨げることを回避するためである。
図3に示す肉厚部7b1は矩形の凸部であるが、肉厚部7b1の形状は低抵抗化及び高磁場印加の目的を果たすことができる限り、特に限定はされない。
図4は、図3で示した磁気抵抗効果デバイス100において、第1電極配線の形状の変形例を示す断面模式図である。
図4に示す磁気抵抗効果デバイス100’の第1電極配線7’では、第1の重畳部分7Aを挟んで両側に、第1の非重畳部分7B、7B’を有する。また、第1の非重畳部分7B、7B’のそれぞれにおいて、第1の重畳部分7Aよりも厚い肉厚部7b1、7b1’を有する。さらに、肉厚部7b1’は肉厚部7b1と同様に、下側の厚みが上側の厚みよりも厚い。
「第二実施形態」
図5は、第二実施形態にかかる磁気抵抗効果デバイス200の構成例の磁気抵抗効果素子近傍の断面模式図である。図5に示す例では、磁場印加手段20(第1磁場印加手段22、第2磁場印加手段24)として特に磁性部材を例に挙げずに説明する。
磁気抵抗効果デバイス200は、第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100で示した構成に加えてまず、積層方向Lから平面視して第1磁場印加手段22と重ならない領域において、第1電極配線17と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが第1電極配線17よりも厚い第1パッド部120を備える点が異なる。図4に示す例では、第1パッド部120は積層方向Lに延在している。
第1パッド部120は、積層方向Lの端面の少なくとも一部が露出しており、外部接続用ワイヤ又はバンプをボンディングするボンディング用パッドとして用いたり、また、製造工程中の検査において、その第1パッド部にプローブ(検査針)を当てて検査を行うことができる。
第1パッド部120の形状は、上記目的を果たす限り、特に限定はされない。
第1パッド部120の機能に基づくと、第1パッド部120の平面視のサイズは限定するものではないが、例えば、平面視が円形状である場合、その直径を例示すると、50μm~150μm程度であり、また、その厚み(積層方向Lの厚さ)は限定するものではないが、例示すると、2μm~50μm程度である。
第1パッド部120の材料としては、例えば、Ta、Cu、Au、AuCu、Ru、Al等の導電性を有するものを用いることができる。
また、磁気抵抗効果デバイス200も、第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100が備える第1電極配線7と同様に、第1電極配線17は磁気抵抗効果素子101と重なる位置に配置された重畳部分(第1の重畳部分)17Aと、磁気抵抗効果素子101と重ならない位置に配置された非重畳部分(第1の非重畳部分)17Bとからなるものである。一方、肉厚部を2種類備える点が異なり、非重畳部分17Bは、重畳部分17Aと同じ厚みの部分17b2と、重畳部分17Aの厚みdよりも厚い厚みDを有する肉厚部17b1の他に、肉厚部17b1と部分17b2との間に連結部17b3を備える。連結部17b3により、第1電極配線17は、互いに厚みが異なる肉厚部17b1と部分17b2との間で厚みが漸次近づいて連結される。連結部17b3も重畳部分17Aの厚みdよりも厚い肉厚部である。
厚さが漸次変わって肉厚部17b1と部分17b2とを連結する連結部17b3を有する構成の場合には、連結部17b3を備えず厚さが急峻に変わる場合に比べて、高周波信号の伝達のロスが低減するという効果を奏する。
一方、連結する部分17b3は有さずにその部分を最も厚い部分とした構成とした場合には、低抵抗範囲が広くなるという効果を奏する。
「第三実施形態」
図6は、第三実施形態にかかる磁気抵抗効果デバイス300の構成例の磁気抵抗効果素子近傍の断面模式図である。図6に示す例では、磁場印加手段20(第1磁場印加手段22、第2磁場印加手段24)として特に磁性部材を例に挙げずに説明する。
磁気抵抗効果デバイス300は、第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100で示した構成に対して、第2電極配線18が第1電極配線と同様に、非重畳部分18Bに肉厚部18b1を備える点が異なる。
すなわち、第2電極配線18は、積層方向Lから平面視して、磁気抵抗効果素子101と重なる位置に配置された重畳部分(第2の重畳部分)18Aと、磁気抵抗効果素子101と重ならない位置に配置された非重畳部分(第2の非重畳部分)18Bとからなる。
非重畳部分18Bには、重畳部分18Aの厚みdよりも厚い厚みDを有する肉厚部18b1が備えられている。図5に示す例では、非重畳部分18Bは、肉厚部18b1と、重畳部分18Aと同じ厚みの部分18b2とからなる。
肉厚部18b1は、重畳部分18Aの磁気抵抗効果素子101側の面S3より上側の厚みDが重畳部分18Aの磁気抵抗効果素子101側の面の反対側の面S4より下側の厚みDよりも厚い。
肉厚部18b1は一つでも複数でもよい。また、肉厚部18b1の厚みは同じ厚みであっても厚みが変動しても構わない。
第2電極配線18に肉厚部18b1があることで、第2電極配線18の低抵抗化が可能となる。さらには、肉厚部18b1は、肉厚部18b1は、重畳部分18Aの磁気抵抗効果素子101側の面S3より上側の厚みDが重畳部分18Aの磁気抵抗効果素子101側の面の反対側の面S2より下側の厚みDよりも厚くされるので、第2磁場印加手段24を磁気抵抗効果素子101に近接させることができる。すなわち、磁気抵抗効果素子への大きな強度の磁場印加と第2電極配線18の低抵抗化を可能にしている。
なお、第2電極配線18の上側への延在部分(厚みD1部分)は、第1電極配線7の上側の面を超えないものとすることが好ましい。第1磁場印加手段22が磁気抵抗効果素子101に近接するのを妨げることを回避するためである。
図6に示した例では、第2電極配線18の構成は、第1電極配線7の構成と同様にしたが、互いに異なる構成(形状、厚み、材料等)にしてもよい。
「第四実施形態」
図7は、第四実施形態にかかる磁気抵抗効果デバイス400の構成例の磁気抵抗効果素子近傍の断面模式図である。
磁気抵抗効果デバイス400は、第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100で示した構成に加えて、積層方向Lから平面視して第1磁性部材102と重ならない領域において、第1電極配線7と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが第1電極配線7よりも厚い第1パッド部120、及び、第2電極配線18と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが第2電極配線18よりも厚い第2パッド部130を備える点が異なる。第1パッド部120は、図4に示したものと同様である。図6に示す例では、第1パッド部120及び第2パッド部130は積層方向Lに延在している。
第2パッド部130は、積層方向Lの端面の少なくとも一部が露出しており、第1パッド部120と同様な機能を有するものであり、外部接続用ワイヤ又はバンプをボンディングするボンディング用パッドとして用いたり、また、製造工程中の検査において、その第2パッド部にプローブ(検査針)を当てて検査を行うことができる。
第2パッド部130の形状や材料も、第1パッド部120と同様なものを適用できる。
磁気抵抗効果デバイス400は、第三実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス300と同様な構成の第1電極配線7及び第2電極配線18を備える。
第三実施形態、第四実施形態において、第2電極配線18は、第二実施形態の第1電極配線17と同様に、互いに厚みが異なる肉厚部18b1と部分18b2との間で厚みが漸次近づいて連結される構成であってもよい。
第一実施形態~第四実施形態において、第1電極配線及び第2電極配線はいずれも、厚みDに相当する部分はなくてもよい(すなわち、D=0)。
(適用例1)
図8は、上記磁気抵抗効果デバイス100を適用した、高周波デバイス250の回路の一例を示している。磁気抵抗効果デバイス100を、他の実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス200、300、400に置き換えてもよい。なお、上述した磁気抵抗効果素子、電極配線、高周波信号線路、第1磁性部材、第2磁性部材、支持部、コイルとともに、他の回路素子等が組み込まれた高周波デバイス250を総称して、磁気抵抗効果デバイスと呼ぶことがある。高周波デバイス250は、磁気抵抗効果素子101と、磁場印加手段20と、高周波信号線路103と、直流印加端子119とを備える。高周波デバイス250は、第1のポート150から信号が入力され、第2のポート121から信号を出力する。
<磁気抵抗効果素子、磁場印加手段>
磁気抵抗効果素子101、磁場印加手段20には、一例として、上述の第一実施形態にかかる磁気抵抗効果デバイス100の構成を満たすものが用いられる。本適用例1では、第2強磁性層101Bが磁化固定層として機能し、第1強磁性層101Aが磁化自由層として機能する例で説明する。後述する適用例2~5についても同様である。
磁場印加手段20を用いて、出力信号の周波数を設定することができる。出力信号の周波数は、磁化自由層として機能する第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数によって変化する。第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数は、第1強磁性層101Aにおける有効磁場によって変化する。第1強磁性層101Aにおける有効磁場は、外部磁場(静磁場)によって変えることができる。そのため、磁場印加手段20から第1強磁性層101Aに印加する外部磁場の大きさを変えることで、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数を変えることができる。
<第1のポート及び第2のポート>
第1のポート150は、高周波デバイス250の入力端子である。第1のポート150は、高周波信号線路103の一端に対応する。第1のポート150に交流信号源(図示略)を接続することで、高周波デバイス250に交流信号(高周波信号)を印加することができる。高周波デバイス250に印加される高周波信号は、例えば、100MHz以上の周波数を有する信号である。
第2のポート121は、高周波デバイス250の出力端子である。第2のポート121は、磁気抵抗効果素子101から出力される信号を伝える出力信号線路122の一端に対応する。出力信号線路122は、図1に示した線路8に対応する。
<高周波信号線路>
図8における高周波信号線路103は、一端が第1のポート150に接続されている。
また、高周波デバイス250は、高周波信号線路103の他端が基準電位端子123を介して基準電位に接続されて用いられる。図8では、基準電位としてグラウンドGに接続している。グラウンドGは、高周波デバイス250の外部に付設されるものとすることができる。第1のポート150に入力される高周波信号とグラウンドGとの電位差に応じて、高周波信号線路103内に高周波電流が流れる。高周波信号線路103内に高周波電流が流れると、高周波信号線路103から高周波磁場が発生する。磁気抵抗効果素子101の第1強磁性層101Aには、この高周波磁場が印加される。
<出力信号線路、線路>
出力信号線路122は、磁気抵抗効果素子101から出力された信号を伝播する。出力信号線路122及び上部電極109は、図3に示した第1電極配線7に対応する。磁気抵抗効果素子101から出力される信号は、磁化自由層として機能する第1強磁性層101Aの強磁性共鳴を利用して選択された周波数の信号である。図8における出力信号線路122は、一端が上部電極109を介して磁気抵抗効果素子101に接続され、他端が第2のポート121に接続されている。すなわち、図8における出力信号線路122は、磁気抵抗効果素子101と第2のポート121とを繋ぐ。
また、電源127、出力信号線路122、磁気抵抗効果素子101、線路124、グラウンドGによる閉回路を構成する部分と、第2のポート121との間の出力信号線路122(一例として、インダクタ125の出力信号線路122への接続箇所と第2のポート121との間の出力信号線路122)には、コンデンサを設けてもよい。当該部分にコンデンサを設けることで、第2のポート121から出力される出力信号に、電流の不変成分が加わることを避けることができる。
線路124は、一端が下部電極110を介して磁気抵抗効果素子101に接続されている。線路124及び下部電極110は、図3に示した第2電極配線8に対応する。また、高周波デバイス250は、線路124の他端が基準電位端子126を介して基準電位に接続されて用いられる。図8では線路124を、高周波信号線路103の基準電位と共通のグラウンドGに接続しているが、その他の基準電位に接続してもよい。回路構成を簡便にするためには、高周波信号線路103の基準電位と線路124の基準電位とは共通していることが好ましい。
各線路及びグラウンドGの形状としては、マイクロストリップライン(MSL)型やコプレーナウェーブガイド(CPW)型を適用することが好ましい。マイクロストリップライン(MSL)型やコプレーナウェーブガイド(CPW)型を適用する場合、線路の特性インピーダンスと、回路系のインピーダンスとが等しくなるように、線路幅やグラウンド間距離を設計することが好ましい。このように設計することによって、線路の伝送損失を抑えることができる。
<直流印加端子>
直流印加端子119は、電源127に接続され、磁気抵抗効果素子101の積層方向に直流電流又は直流電圧を印加する。本明細書において直流電流とは、時間によって方向が変化しない電流であり、時間によって大きさが変化する電流を含む。また、直流電圧とは、時間によって方向が変化しない電圧であり、時間によって大きさが変化する電圧も含む。電源127は、直流電流源であってもよいし、直流電圧源であってもよい。
電源127は、一定の直流電流を発生可能な直流電流源であってもよいし、一定の直流電圧を発生可能な直流電圧源であってもよい。また、電源127は、発生する直流電流値の大きさが変化可能な直流電流源であってもよいし、発生する直流電圧値の大きさが変化可能な直流電圧源であってもよい。
磁気抵抗効果素子101に印加される電流の電流密度は、磁気抵抗効果素子101の発振閾値電流密度よりも小さいことが好ましい。磁気抵抗効果素子の発振閾値電流密度とは、磁気抵抗効果素子の磁化自由層として機能する強磁性層の磁化が、一定周波数および一定の振幅で歳差運動を開始し、磁気抵抗効果素子が発振する(磁気抵抗効果素子の出力(抵抗値)が一定周波数及び一定の振幅で変動する)閾値となる電流密度を意味している。
直流印加端子119と出力信号線路122との間には、インダクタ125が配設されている。インダクタ125は、電流の高周波成分をカットし、電流の不変成分を通す。インダクタ125により磁気抵抗効果素子101から出力された出力信号(高周波信号)は第2のポート121に効率的に流れる。また、インダクタ125により、電流の不変成分は、電源127、出力信号線路122、磁気抵抗効果素子101、線路124、グラウンドGで構成される閉回路を流れる。
インダクタ125には、チップインダクタ、パターン線路によるインダクタ、インダクタ成分を有する抵抗素子等を用いることができる。インダクタ125のインダクタンスは10nH以上であることが好ましい。
<高周波デバイスの機能>
高周波デバイス250に第1のポート150から高周波信号が入力されると、高周波信号に対応する高周波電流が高周波信号線路103内を流れる。高周波信号線路103内を流れる高周波電流により発生する高周波磁場が、磁気抵抗効果素子101の第1強磁性層101Aに印加される。
磁化自由層として機能する第1強磁性層101Aの磁化は、高周波信号線路103により第1強磁性層101Aに印加された高周波磁場の周波数が、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数に近い場合に大きく振動する。この現象が、強磁性共鳴現象である。
第1強磁性層101Aの磁化の振動が大きくなると、磁気抵抗効果素子101における抵抗値変化が大きくなる。例えば、直流印加端子119から、一定の直流電流が磁気抵抗効果素子101に印加される場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値変化は、上部電極109と下部電極110との間の電位差の変化として、第2のポート121から出力される。また、例えば、直流印加端子119から一定の直流電圧が磁気抵抗効果素子101に印加される場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値変化は、下部電極110と上部電極109との間を流れる電流値の変化として第2のポート121から出力される。
すなわち、第1のポート150から入力された高周波信号の周波数が、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数に近い周波数である場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が大きく、第2のポート121から大きな信号が出力される。これに対し、高周波信号の周波数が、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数から外れている場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が小さく、第2のポート121から信号がほとんど出力されない。すなわち、高周波デバイス250は、特定の周波数の高周波信号を選択的に通過させることができる高周波フィルタとして機能する。
<他の用途>
また、上記適用例では、高周波デバイス250を高周波フィルタとして用いる場合を提示したが、高周波デバイス250はアイソレータ、フェイズシフタ、増幅器(アンプ)等の高周波デバイスにも適用することができる。
高周波デバイス250をアイソレータとして用いる場合には、第2のポート121から信号を入力する。第2のポート121から信号を入力しても、第1のポート1から出力されることはないため、アイソレータとして機能する。
また、高周波デバイス250をフェイズシフタとして用いる場合は、出力される周波数帯域が変化する場合において、出力される周波数帯域の任意の1点の周波数に着目する。
出力される周波数帯域が変化する際に、特定の周波数における位相は変化するため、フェイズシフタとして機能する。
また、高周波デバイス250を増幅器として用いる場合には、電源127から印加する直流電流又は直流電圧を所定の大きさ以上にする。このようにすることで、第1のポート150から入力される信号より、第2のポート121から出力される信号が大きくなり、増幅器として機能する。
上述のように、高周波デバイス250は、高周波フィルタ、アイソレータ、フェイズシフタ、増幅器等の高周波デバイスとして機能させることができる。
図8では磁気抵抗効果素子101が一つである場合を例示したが、磁気抵抗効果素子101は複数あってもよい。この場合、複数の磁気抵抗効果素子101は、互いに並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよい。例えば、強磁性共鳴周波数の異なる磁気抵抗効果素子101を複数利用することで、選択周波数の帯域(通過周波数帯域)を広くすることができる。また、一つの磁気抵抗効果素子100からの出力信号を出力する出力信号線路122で発生した高周波磁場を、別の磁気抵抗効果素子101に印加する構成としてもよい。このような構成にすると、出力される信号が複数回に渡ってフィルタリングされるため、高周波信号のフィルタリング精度を高めることができる。
(適用例2)
図8で示した高周波デバイス250は、高周波信号線路103からの高周波磁場を第1強磁性層101Aに印加することで駆動するタイプのものであったが、高周波デバイスは、このタイプに限られない。図9は、高周波信号線路に流れる高周波電流を磁気抵抗効果素子101に印加することによって、駆動するタイプの高周波デバイス260の回路の一例を示している。上述した図8に示す高周波デバイス250と同様の構成については、同様の符号を付す。後述する適用例3~5についても同様である。
高周波デバイス260は、磁気抵抗効果素子101と、磁場印加手段20と、直流印加端子119と、入力信号線路128と、出力信号線路129とを備える。入力信号線路128及び上部電極109は、図3に示した第1電極配線7に対応する。出力信号線路129及び下部電極110は、図3に示した第2電極配線8に対応する。入力信号線路128は、第1のポート150と上部電極109の間の配線であり、出力信号線路129は、第2のポート121と下部電極110との間の配線である。
高周波デバイス260は、第1のポート150から信号が入力され、第2のポート121から信号を出力する。図9に示す高周波デバイス260では、磁気抵抗効果素子101の積層方向Lに高周波電流を流すことで生じるスピントランスファートルクにより、第1強磁性層101Aの磁化が振動する。入力される高周波信号が、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数(この場合、磁気抵抗効果素子101のスピントルク共鳴周波数ともいう)と同じである場合、第1強磁性層101Aの磁化は大きく振動する。第1強磁性層101Aの磁化が周期的に振動することで、磁気抵抗効果素子101の抵抗値が周期的に変化する。
図9に示すように、直流電流が磁気抵抗効果素子101の中を磁化自由層から磁化固定層の方向に流れるように、直流印加端子119から直流電流又は直流電圧を印加する場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値は高周波電流と同位相で周期的に変化する。このため、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が大きいほど、第2のポート121から大きな出力信号(出力電力)が得られる。
つまり、第1のポート150から入力された高周波信号の周波数が、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数に近い周波数である場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が大きく、第2のポート121から大きな信号が出力される。これに対し、高周波信号の周波数が第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数から外れている場合は、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が小さく、第2のポート121から信号がほとんど出力されない。すなわち、高周波デバイス260も、特定の周波数の高周波信号を選択的に通過させる高周波フィルタとして機能させることができる。
また、直流電流が磁気抵抗効果素子101の中を磁化固定層から磁化自由層の方向に流れるように、直流印加端子119から直流電流又は直流電圧を印加する場合には、磁気抵抗効果素子101の抵抗値は高周波電流から180°ずれた位相で周期的に変化する。この場合、磁気抵抗効果素子101の抵抗値の変動量が大きいほど、第2のポート121からの出力信号(出力電力)が小さくなるようにすることもできる。この場合、高周波デバイス260を、特定の周波数の高周波信号を選択的に遮断する高周波フィルタとして機能させることができる。
高周波デバイス260は、高周波デバイス250と同様に、フェイズシフタ、増幅器等の高周波デバイスとして機能させることもできる。
(適用例3)
例えば、図10に示すように、第1のポート150と基準電位端子123に接続された高周波信号線路160が、磁気抵抗効果素子101に接続された下部電極110又は上部電極109を兼ねてもよい。図9は、高周波信号線路160が、磁気抵抗効果素子101に接続された上部電極109を兼ねる高周波デバイス270の模式図である。高周波信号線路160及び上部電極109は、図4に示した第1電極配線7’に対応する。高周波信号線路122及び下部電極110は、図4に示した第2電極配線8に対応する。この場合、高周波信号線路160内を流れる高周波電流により高周波信号線路160から発生し磁気抵抗効果素子101(第1強磁性層101A)に印加される高周波磁場を利用して、第1強磁性層101Aの磁化を振動させることができる。また、高周波信号線路160から印加され、磁気抵抗効果素子101の積層方向Lに流れる高周波電流により生じるスピントランスファートルクを利用して第1強磁性層101Aの磁化を振動させてもよい。また、高周波信号線路160の上部電極に相当する部分を流れる高周波電流の流れる向きと直交する方向に生じるスピン流によるスピンオービットトルクを利用して、第1強磁性層101Aの磁化を振動させてもよい。つまり、これら高周波磁場、スピントランスファートルクおよびスピンオービットトルクのうち少なくとも1つを利用して、第1強磁性層101Aの磁化を振動させることができる。
高周波デバイス270は、高周波デバイス250と同様に、高周波フィルタ、フェイズシフタ、増幅器等の高周波デバイスとして機能させることができる。
上記適用例1~3において、直流印加端子119は、それぞれインダクタ125とグラウンドGとの間に接続されてもよいし、上部電極109とグラウンドGとの間に接続されてもよい。
また、上記適用例1~3におけるインダクタ125にかえて、抵抗素子を用いてもよい。この抵抗素子は、抵抗成分により電流の高周波成分をカットする機能を有する。この抵抗素子は、チップ抵抗またはパターン線路による抵抗のいずれであってもよい。この抵抗素子の抵抗値は、出力信号線路122、129の特性インピーダンス以上であることが好ましい。例えば、出力信号線路122、129の特性インピーダンスが50Ωであり、抵抗素子の抵抗値が50Ωである場合は、45%の高周波電力を抵抗素子によりカットすることができる。また、出力信号線路122、129の特性インピーダンスが50Ωであり、抵抗素子の抵抗値が500Ωである場合は、90%の高周波電力を抵抗素子によりカットすることができる。この場合でも、磁気抵抗効果素子101から出力された出力信号を、第2のポート121に効率的に流すことができる。
また、上記適用例1~3において、直流印加端子119に接続される電源127が、電流の高周波成分をカットすると同時に、電流の不変成分を通す機能を有する場合、インダクタ125は無くても良い。この場合でも、磁気抵抗効果素子101から出力された出力信号を、第2のポート121に効率的に流すことができる。
(適用例4)
以上では、本発明の磁気抵抗効果デバイスをフィルタとして用いる場合について例示したが、本発明の磁気抵抗効果デバイスは、磁気抵抗効果素子に直流電流を印加することにより、磁化自由層の磁化に振動が発生するスピントルク発振効果を利用した、発振器にも適用可能である。図11は、本発明の磁気抵抗効果デバイスを発振器として適用した、高周波デバイス280の回路の構成例を示す図である。適用例1~3と同じ箇所については、同じ符号で示している。
高周波デバイス280では、磁気抵抗効果素子101に直流電流を印加した際に発生するスピントルクにより、磁化自由層として機能する第1強磁性層101Aの磁化が振動(発振)する。このとき、磁気抵抗効果素子101から、第1強磁性層101Aの強磁性共鳴周波数に対応した高周波電圧が発生し、磁気抵抗効果素子101に接続された第2のポート(出力ポート)121側の高周波信号線路131に、磁気抵抗効果素子101から出力される高周波電流が流れる。図7の例では、直流入力端子119側の線路132にインダクタ125が接続され、高周波信号線路131にコンデンサ133が接続されている。高周波信号線路131及び上部電極109は、図3に示した第1電極配線7に対応する。線路136及び下部電極110は、図3に示した第2電極配線8に対応する。
(適用例5)
また、本発明の磁気抵抗効果デバイスは、磁気抵抗効果素子に高周波電流(交流電流)を印加した際に直流電圧が発生するスピントルクダイオード効果を用いた整流器や検波器にも適用可能である。図12は、本発明の磁気抵抗効果デバイスを整流器として適用した、高周波デバイス290の回路の構成例を示す図である。適用例1~3と同じ箇所については、同じ符号で示している。
高周波デバイス290では、磁気抵抗効果素子101に、第1のポート(入力ポート)120から交流電流(高周波電流)が印加され、第1のポート(入力ポート)120側の高周波信号線路134を流れる高周波電流が磁気抵抗効果素子101に印加された際に、磁気抵抗効果素子101から直流電圧が発生し、線路135を介して第2のポート(出力ポート)121から直流電圧が出力される。図12の例では、高周波信号線路134にコンデンサ133が接続され、線路135にインダクタ125が接続されている。高周波信号線路134及び上部電極109は、図3に示した第1電極配線7に対応する。線路136及び下部電極110は、図3に示した第2電極配線8に対応する。
7、17 第1電極配線
7A、17A 重畳部分
7b1、17b1、17b3、18b 肉厚部
8、18 第2電極配線
8A、18A 非重畳部分
20 磁場印加手段
100、200、300、400 磁気抵抗効果デバイス
101 磁気抵抗効果素子
101A 第1強磁性層
101B 第2強磁性層
101C スペーサ層
102 第1磁性部材
102A 基部
102B 突出部
104 第2磁性部材
120 第1パッド部
130 第2パッド部
S1 重畳部分の磁気抵抗効果素子側の面
S2 重畳部分の面S1と反対側の面
S3 重畳部分の磁気抵抗効果素子側の面
S4 重畳部分の面S3と反対側の面

Claims (5)

  1. 第1強磁性層と第2強磁性層との間にスペーサ層が配置されるように、積層してなる磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に配され、前記磁気抵抗効果素子に磁場を印加する第1磁場印加手段と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に接続された第1電極配線と、を備え、
    前記第1電極配線は、積層方向から平面視して、前記磁気抵抗効果素子と重なる位置に配置される第1の重畳部分と、前記磁気抵抗効果素子と重ならない位置に配置される第1の非重畳部分とからなり、
    前記積層方向から平面視して前記第1磁場印加手段と重なる範囲における前記第1の非重畳部分において、前記第1の重畳部分の厚みよりも厚い肉厚部を有し、
    前記積層方向において、前記第2強磁性層から第1強磁性層へ向かう向きを上側、その逆向きを下側としたときに、前記肉厚部は、前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面より下側の厚みが前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面の反対側の面より上側の厚みよりも厚い、
    磁気抵抗効果デバイス。
  2. 第1強磁性層と第2強磁性層との間にスペーサ層が配置されるように、積層してなる磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に配され、前記磁気抵抗効果素子に磁場を印加する第1磁場印加手段と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に接続された第1電極配線と、を備え、
    前記第1電極配線は、積層方向から平面視して、前記磁気抵抗効果素子と重なる位置に配置される第1の重畳部分と、前記磁気抵抗効果素子と重ならない位置に配置される第1の非重畳部分とからなり、
    前記第1の非重畳部分において、前記第1の重畳部分の厚みよりも厚い肉厚部を有し、
    前記積層方向において、前記第2強磁性層から第1強磁性層へ向かう向きを上側、その逆向きを下側としたときに、前記肉厚部は、前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面より下側の厚みが前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面の反対側の面より上側の厚みよりも厚く、
    前記積層方向から平面視して前記第1磁場印加手段と重ならない領域において、
    前記第1電極配線と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが前記第1電極配線よりも厚い第1パッド部を備える、
    磁気抵抗効果デバイス。
  3. 第1強磁性層と第2強磁性層との間にスペーサ層が配置されるように、積層してなる磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に配され、前記磁気抵抗効果素子に磁場を印加する第1磁場印加手段と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第1強磁性層側に接続された第1電極配線と、を備え、
    前記第1電極配線は、積層方向から平面視して、前記磁気抵抗効果素子と重なる位置に配置される第1の重畳部分と、前記磁気抵抗効果素子と重ならない位置に配置される第1の非重畳部分とからなり、
    前記第1の非重畳部分において、前記第1の重畳部分の厚みよりも厚い肉厚部を有し、
    前記積層方向において、前記第2強磁性層から第1強磁性層へ向かう向きを上側、その逆向きを下側としたときに、前記肉厚部は、前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面より下側の厚みが前記第1の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面の反対側の面より上側の厚みよりも厚く、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第2強磁性層側に配され、前記磁気抵抗効果素子に磁場を印加する第2磁場印加手段と、
    前記磁気抵抗効果素子の前記第2強磁性層側に接続された第2電極配線と、を備え、
    前記第2電極配線は、積層方向から平面視して、前記磁気抵抗効果素子と重なる位置に配置される第2の重畳部分と、前記磁気抵抗効果素子と重ならない位置に配置される第2の非重畳部分とからなり、
    前記第2の非重畳部分において、前記第2の重畳部分の厚みよりも厚い肉厚部を有し、
    前記第2の非重畳部分における前記肉厚部は、前記第2の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面より上側の厚みが前記第2の重畳部分の前記磁気抵抗効果素子側の面の反対側の面より下側の厚みよりも厚い、
    磁気抵抗効果デバイス。
  4. 前記積層方向から平面視して前記第2磁場印加手段と重ならない領域において、
    前記第2電極配線と電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続できるように厚さが前記第2電極配線よりも厚い第2パッド部を備える、
    請求項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  5. 前記第1電極配線は、互いに厚みが異なる部分間で厚みが漸次近づいて連結されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
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