JP2019102744A - 積層型半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間配線に必要な面積を縮小し、集積密度の高い積層型半導体装置を提供する。【解決手段】複数の集積回路層が積層された積層型半導体装置において、少なくとも一つの前記集積回路層は、前記集積回路層の表面から第1の配線層(最上層配線層)に接続する第1の接合電極と、前記集積回路層の裏面から第2の配線層(最下層配線層)に接続する第2の接合電極を備え、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極とは同軸上に配置されており、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極を、層間配線として用いることを特徴とする。同一構造を有する集積回路層を複数積層することもできる。【選択図】図1

Description

本発明は、積層型半導体装置に関し、特に、半導体基板(チップ)を接合して積層する積層型半導体装置に関する。
近年、ロジック回路やメモリ等、各種の半導体デバイスにおいて高密度化の要求が高まり、積層技術による集積化が注目されている。また、イメージセンサにおいても、画素数やダイナミックレンジを向上させるために、信号処理回路を3次元集積回路で実現することが提案されている(非特許文献1)。
トランジスタを含む回路基板を積層する積層型半導体装置において、積層方向の接続手段としては、TSV(Through-Silicon Via:シリコン貫通電極)を用いたものが広く知られている(非特許文献2)。TSVは、通常300〜500μm程度の厚さを有する回路基板を貫通させるため、アスペクト比の高い貫通孔を作製しても、そのサイズは一般に直径3μm以上となってしまう。この電極サイズは一般的なトランジスタのサイズよりも大きいため、通常、TSVは回路エリアの外側(たとえばチップの周辺部)に配置し、多数のトランジスタを有するブロックごとに1つのTSVを接続して、層間の信号を伝達している。
これまでの積層型半導体装置ではTSVによる積層配線が主流であったが、さらなる高密度化には、別基板に形成した単体のトランジスタあるいは少数のトランジスタからなる回路ユニットどうしを層間接続することが望ましい。TSVでは上述のように電極サイズが大きいため、このような高密度な配線を行うには適していない。
TSVに代わる手段として、SOI(Silicon on Insulator)基板上のトランジスタの拡散層に対して裏面配線を形成する方法が提案されている(特許文献1)。これは、SOI基板にトランジスタ等の回路素子を形成後、SOI構造の支持基板(半導体基板)を層間絶縁層(埋め込み絶縁層)の下面まで研磨等により除去し、その後、層間絶縁層にスルーホールを開口し、トランジスタの拡散層に直接接続する裏面配線を形成する技術である。微細な電極で層間配線を実現できるため、高密度化に有効な技術と言える。しかし、裏面配線を形成するために、薄いシリコンの拡散層にダメージを与えずに、層間絶縁層に裏面から穴を開ける工程は、通常の半導体加工技術と比べて難しく、歩留まり良く生産可能な普及した技術とはなっていない。また、ソース・ドレインには裏面配線を接続できるが、ゲートの裏面はトランジスタのチャネルがあるためゲートには裏面配線を接続できないという欠点がある。
これに対して、SOI基板上のトランジスタの拡散層に対してではなく、トランジスタを配線する金属層に対して、表面又は裏面から電極(接合電極)を形成し、これを層間の接続配線として上下の層(基板)を接続する方法も考えられる。この場合は、特許文献1に記載の方法に比べれば、層間の接続配線がトランジスタの外側にあるため、層間配線エリアが必要となるが、従来のTSVに比べれば、シリコン基板を貫通せずに金属層までSiO2に穴を形成すれば良いため、開口径を小さくすることができ、全体として集積密度を高くすることが可能となる。電極の形成方法を通常のトランジスタの配線に用いる方法と同じにできるため、トランジスタのプロセスノードによるが、電極を10nm〜1μmのオーダーまで小さくすることも可能になる。
図13に、この接合電極を用いた従来の積層型半導体装置とその製造方法を示す。図13(A)は、第1基板100と第2基板120をFace-to-Face接合(デバイス面とデバイス面の貼り合わせ)した図である。第1基板(チップ)100は、半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。第1基板100では、ゲート電極107に接続電極108を介してゲート電極配線109が設けられている。MOSトランジスタ及び各配線層は絶縁層111で覆われており、ゲート電極配線109には、デバイス表面から接合電極112が形成されている。
第2基板(チップ)120は、第1基板と同様に、半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。第2基板120は、ゲート電極107に接続するゲート電極配線109を有すると共に、ドレイン(又はソース)104に接続電極108を介してソース・ドレイン配線110が設けられており、デバイス表面から絶縁層111を貫通して、ソース・ドレイン配線110に達する接合電極113が形成されている。そして、第1基板100の接合電極112と、第2基板120の接合電極113とを位置合わせして、第1基板100と第2基板120とをデバイス面同士で接合している。なお、ここで「接合」とは、接着剤等を介在させずに基板を密着して一体化させる技術であり、貼り合わせ技術と呼ぶこともある。
図13(B)は、第3基板140を積層する準備段階を示す。第2基板120の半導体基板101を裏面側からCMP(chemical mechanical polishing:化学機械研磨)又はエッチング等を利用して除去し、積層型半導体装置における単層の集積回路層120’を形成する。露出した層間絶縁層102と絶縁層111をエッチングしてゲート電極配線109に達する接続孔を形成する。接続孔の位置は、例えばソース・ドレイン電極110の反対側(図で右側)とする。この接続孔に電極材料を埋め込んで、ゲート電極配線109と接続する裏面側の接合電極114を形成する。
第3基板140は、第2基板120と同様に、半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。第3基板140は、ゲート電極107に接続するゲート電極配線109を有すると共に、ドレイン(又はソース)104に接続電極108を介してソース・ドレイン配線110が設けられており、デバイス表面から絶縁層111を貫通して、ソース・ドレイン配線110に達する接合電極113が形成されている。
図13(C)は、第3基板140を、第1基板100及び集積回路層120’とからなる積層半導体装置に貼り合わせた状態を示す。ここでは、集積回路層120’の裏面側接合電極114と、第3基板140の接合電極113とを位置合わせして、第3基板140のデバイス面と集積回路層120’の裏面とを接合しており、いわゆる、Face-to-bottom接合(デバイス面と裏面の貼り合わせ)を行っている。
図13(D)は、第4基板160を積層する準備段階を示す。第3基板140の半導体基板101を裏面側から除去し、積層型半導体装置における単層の集積回路層140’を形成する。そして集積回路層120’と同様に、露出した層間絶縁層102と絶縁層111をエッチングしてゲート電極配線109に接続する裏面側の接合電極114を形成する。なお、ゲート電極配線109はソース・ドレイン配線110の反対側に延びるため、接合電極114の位置は、第2基板の集積回路層120’とは反対側(図で左側)になる。
第4基板160は、第2、第3基板と同様に、半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103に、ソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。トランジスタに接続するゲート電極配線109、ソース・ドレイン配線110が設けられており、デバイス表面から、ソース・ドレイン配線110に達する接合電極113が形成されている。
図13(E)は、第4基板160を、第1基板100、集積回路層120’及び集積回路層140’とからなる積層半導体装置に貼り合わせた状態を示す。ここでは、集積回路層140’の裏面側接合電極114と、第4基板160の接合電極113とを位置合わせして、第4基板100のデバイス面と集積回路層140’の裏面とを接合しており、いわゆる、Face-to-bottom接合を行っている。このような工程を経て、第1基板〜第4基板からなる積層型半導体装置が製造される。
特公平5−39345号公報
M.Goto et.al, " Pixel-Parallel 3-D Integrated CMOS Image Sensors With Pulse Frequency Modulation A/D Converters Developed by Direct Bonding of SOI Layers", IEEE Transaction on electron devices, (2015年), Vol.62, No.11, pp.3530-3535 傳田精一,「3次元チップ積層のためのシリコン貫通電極(TSV)の開発動向」, 表面技術, (2007年), Vol.58, No.12, pp.712-718
図13に示すような従来の積層型半導体装置において、2層の積層であれば、トランジスタの表面どうしを対向させるFace-to-face 接合を用いることができ、この場合には、接合電極をトランジスタの真上に配置することができるため、高集積化が可能である。しかし、3層目以降の接合には、トランジスタの裏面と表面を対向させるFace-to-bottom接合が必要になる。ここで、4層目までの接合において、トランジスタの周囲に複数の接合電極を配置する必要があるため、多数の接合電極エリア(層間配線エリア)ができてしまい、集積密度が低くなってしまうという問題がある。
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、層間配線に必要な面積を縮小し、集積密度の高い積層型半導体装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る積層型半導体装置は、複数の集積回路層が積層された積層型半導体装置において、少なくとも一つの前記集積回路層は、前記集積回路層の表面から第1の配線層に接続する第1の接合電極と、前記集積回路層の裏面から第2の配線層に接続する第2の接合電極を備え、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極とは同軸上に配置されており、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極を、層間配線として用いることを特徴とする。
また、前記積層型半導体装置は、前記第1の配線層が、前記集積回路層の表面に最も近い上層配線層であり、前記第2の配線層が、前記集積回路層の裏面に最も近い下層配線層であることが望ましい。
また、前記積層型半導体装置は、同一構造を有する複数の前記集積回路層が積層されていることが望ましい。
また、前記積層型半導体装置は、前記集積回路層がトランジスタを含み、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極は、前記トランジスタの入力及び出力に接続していることが望ましい。
また、前記積層型半導体装置は、前記集積回路層がインバータを含み、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極は、前記インバータの入力及び出力に接続していることが望ましい。
また、前記積層型半導体装置は、前記集積回路層がパルス信号をカウントするカウンタ回路を含み、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極は、前記カウンタ回路のパルス信号の入力及び出力に接続していることが望ましい。
また、前記積層型半導体装置は、前記カウンタ回路がパルス周波数変調型A/D変換回路を構成しており、前記カウンタ回路の前記パルス信号は、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極により前記集積回路層の積層方向に伝送され、前記カウンタ回路の出力ビット値は、前記集積回路層の面内方向に読み出されることが望ましい。
本発明における積層型半導体装置によれば、層間配線に必要な面積を縮小し、各回路基板(層)の集積密度を高くすることができる。
第1の実施形態の積層型半導体装置とその製造方法を示す図である。 第2の実施形態の積層型半導体装置とその製造方法を示す図である。 第2の実施形態の積層型半導体装置の平面図の例である。 第3の実施形態における信号処理回路を説明するための回路図である。 第3の実施形態におけるカウンタ層の平面図の例である。 第3の実施形態におけるカウンタ層の積層構造を示す図である。 第3の実施形態の積層型半導体装置を示す図である。 第3の実施形態の積層構造を構成するチップの元となるチップの平面図である。 第3の実施形態における信号処理回路の別の積層構造を示す図である。 第3の実施形態におけるカウンタ層の別の平面図の例である。 第3の実施形態におけるカウンタ層の別の積層構造を示す図である。 第3の実施形態におけるカウンタ層の更に別の積層構造を示す図である。 従来の積層型半導体装置とその製造方法を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の積層型半導体装置とその製造法を図1に示す。第1の実施形態は、トランジスタの多段接続回路を構成した例である。
図1(A)は、第1基板(チップ)100と第2基板(チップ)120をFace-to-face 接合した状態を示しており、図13(A)と同じ構造である。すなわち、第1基板100は、半導体基板101に酸化シリコン層等の層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。なお、MOSトランジスタは半導体素子の一例であって、任意の半導体素子を集積回路要素として形成することができる。また、半導体島領域もシリコンに限られず、III−V族半導体等、任意の半導体材料を用いることができる。第1基板100では、ゲート電極107に接続電極108を介してゲート電極配線109が設けられている。接続電極108と配線層109とを別部材とせずに、同一の配線材料で一体的に形成してもよい。配線材料としては、アルミニウム(Al)や銅(Cu)、銅合金等、集積回路の内部配線に利用できる任意の材料を用いることができる。ソース・ドレイン領域104には、図示しない電源配線及び出力配線が形成され、必要に応じて他の半導体素子と接続されている。MOSトランジスタ及び各配線層は例えば、酸化シリコン等の絶縁層111で覆われており、デバイス表面からゲート電極配線109に接続する接合電極112が設けられている。
接合電極112は、例えば、デバイス表面側からゲート電極配線109に達するビアホール(接続孔)を形成し、これを導電材料で埋めることによって作製される。酸化シリコン等からなる絶縁層と金属等からなる配線層との選択エッチングの技術は、半導体製造プロセスとして確立しており、絶縁層111のエッチングをゲート電極配線109で止めてアスペクト比の高いビアホールを正確に形成することができる。さらに、ゲート電極配線109上を覆う絶縁層111を薄くすることにより、ビアホールの開口径をより小さくすることができる。導電材料は、銅(Cu)や金(Au)等、導電性が高く、密着性・接続性が良好な金属を用いることが望ましい。また、接合電極112と配線層109との間は、必要に応じてバリア金属層を形成しても良い。他の接合電極・接続電極と配線層との間についても同様である。
第2基板120は、第1基板100と同様に、半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。なお、MOSトランジスタは半導体素子の一例であって、任意の半導体素子を集積回路要素として形成することができる。第2基板120は、ゲート電極107に電気的に接続するゲート電極配線109を有すると共に、ドレイン(又はソース)領域104に接続電極108を介して、又は接続電極と一体的に形成されたソース・ドレイン配線110が設けられており、デバイス表面から絶縁層111を貫通して、ソース・ドレイン配線110に達する接合電極113が形成されている。接合電極113の製造工程は、接合電極112の製造工程と同様である。なお、他方のソース(又はドレイン)領域104には、図示しないソース・ドレイン配線(電源配線等)が設けられている。第1基板100と同様に、配線材料としては、アルミニウム(Al)や銅(Cu)、銅合金等、集積回路の内部配線に利用できる任意の材料を用いることができ、接合電極113は、銅(Cu)や金(Au)等、導電性が高く、密着性・接続性が良好な金属を用いることが望ましい。
そして、第1基板100の接合電極112と、第2基板120の接合電極113とを位置合わせして、第1基板100の表面(デバイス面)と第2基板120の表面(デバイス面)とをFace-to-face接合している。なお、この接合方法は、常温での接合や加熱しての接合、電圧を印加しながらの接合処理等、一般的な半導体基板の貼り合わせ技術を適用することができる。接合処理の前に、プラズマ処理等を行って基板表面を清浄化しても良い。これにより、第1基板100のMOSトランジスタのゲート電極と、第2基板120のMOSトランジスタのソース領域とが、接合電極を介して電気的に接続される。
図1(B)は、第3基板200を積層する準備段階を示す。第2基板120の半導体基板101を裏面側からCMP又はエッチング等を利用して除去し、積層型半導体装置における単層の集積回路層120’を形成する。裏面側より、露出した層間絶縁層102と絶縁層111をエッチングしてゲート電極配線109に達するビアホールを形成する。ビアホールの形成にあたっては、配線層109の配線材料(金属)と絶縁層102,111の絶縁材料(酸化シリコン等)とのエッチング選択性の高いドライエッチングを行うことが望ましい。ビアホールの位置、すなわち接合電極の位置は、例えばソース・ドレイン配線110の反対側(図で右側)とする。このビアホールに電極材料(銅、金等)を埋め込んで、ゲート電極配線109と接続する裏面側の接合電極114を形成する。
第3基板200は、3層の配線層を有するものとして説明する。なお、配線層は2層以上あればよく、また、配線設計の自由度を高くするために、5〜6層の配線層を有することもできる。配線材料としては、アルミニウム(Al)や銅(Cu)、銅合金等、集積回路の内部配線に利用できる任意の材料を用いることができる。第3基板200は、第2基板120と同様に、半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。なお、MOSトランジスタは半導体素子の一例である。第3基板200は、第1配線層(最下層配線)を利用して、ゲート電極107に接続するゲート電極配線109が形成され、また、第3配線層(最上層配線)を利用して、ドレイン(又はソース)領域104に接続するソース・ドレイン配線110が形成されている。なお、他方のソース(又はドレイン)領域104には、任意の配線層を用いて図示しないソース・ドレイン配線(電源配線等)が設けられている。第3配線層であるソース・ドレイン配線110とソース(又はドレイン)領域104との接続は、その間に、接続電極108、第1配線層115、第2配線層116等を適宜介在させて、ビアホール形成時のアスペクト比や電極配線の平坦性等を調整することができる。
第3基板200においては、多層配線を利用するため、ゲート電極配線109とソース・ドレイン配線110とを重ねて配置することができ、トランジスタの同じ側(図では右側)に接合電極領域(層間配線エリア)を配置することができる。第3基板200の表面(デバイス面)からソース・ドレイン配線110に達するビアホールを形成し、電極材料となる金属を埋め込んで接合電極113を形成する。ソース・ドレイン配線110は、第3配線層(最上層配線)を利用しているため、デバイス表面から浅い位置(例えば、1〜5μm)にあり、ビアホールの深さを浅くでき、その開口径を通常の配線層間ビアホールと同程度に小さくすることができる。なお、第3基板200の接合電極113の位置は、集積回路層120’の裏面側の接合電極114と位置合わせできるように、平面的に同じ位置とすることが望ましい。接合電極113は、他の接合電極と同様に、銅(Cu)や金(Au)等、導電性が高く、密着性・接続性が良好な金属を用いることが望ましい。
図1(C)は、第3基板200を、第1基板100及び集積回路層120’からなる積層半導体装置に貼り合わせた状態を示す。ここでは、集積回路層120’のゲート電極107と電気的に接続する裏面側接合電極114と、第3基板200のソース(ドレイン)領域104と電気的に接続する接合電極113を位置合わせして、第3基板200のデバイス面と集積回路層120’の裏面とを接合し、Face-to-bottom接合を行っている。この接合方法においても、前述したとおり、清浄化後の圧着処理や加熱処理等、一般的な半導体基板の貼り合わせ技術を適用することができる。この接合により、第2基板からなる集積回路層120’のMOSトランジスタのゲート電極と、第3基板200のMOSトランジスタのソース(ドレイン)領域104とが、接合電極113,114を介して接続される。
図1(D)は、第4基板201を積層する準備段階を示す。第2基板120と同様に、第3基板200の半導体基板101を裏面側から除去し、積層型半導体装置における単層の集積回路層200’を形成する。そして集積回路層120’と同様に、露出した層間絶縁層102と絶縁層111をエッチングしてビアホールを形成し、導電材料で埋めることによりゲート電極配線109に接続する裏面側の接合電極114を形成する。集積回路層200’のゲート電極配線109は、第1配線層(最下層配線)を利用しており、さらに半導体基板101が除去されているため、集積回路層200’の裏面に近い位置(例えば、1〜5μm)にある。このため、裏面から形成するビアホール(接続孔)の深さを浅くでき、その開口径を通常の配線層間ビアホールと同程度に小さくすることができる。また、ゲート電極配線109の引き出し部はソース・ドレイン配線110の引き出し部と重ねて配置されており、表面側の接合電極113と裏面側の接合電極114の位置を基板平面において同じ位置に、すなわち、両接合電極を同軸上に形成することができる。これにより、上下の基板との接続位置を例えば平面図で一箇所にすることができ、半導体回路の集積密度を向上させることができる。
第4基板201は、第3基板200と同様に、3層の配線層を有している。なお、配線層は2層以上あればよく、また、配線設計の自由度を高くするために、5〜6層の配線層を有することもできる。半導体基板101に層間絶縁層102を介して形成された半導体島領域(シリコン層)103を有し、該半導体島領域に形成されたソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107で構成されたMOSトランジスタを備えている。なお、トランジスタは半導体素子の一例である。第3基板200と同様に、第1配線層(最下層配線)を利用して、ゲート電極107に接続するゲート電極配線109が形成され、また、第3配線層(最上層配線)を利用して、ドレイン(又はソース)領域104に接続するソース・ドレイン配線110が形成されている。なお、他方のソース(又はドレイン)領域104には、任意の配線層を用いて図示しないソース・ドレイン配線(電源配線等)が設けられている。第3配線層であるソース・ドレイン配線110とソース(又はドレイン)領域104との接続は、その間に、接続電極108、第1配線層115、第2配線層116等を適宜介在させて良い。第3基板200と同様に、第4基板201においても、ゲート電極配線109とソース・ドレイン配線110の引き出し線を重ねて配置することができ、トランジスタの同じ側(図では右側)に接合電極領域を配置することができる。第4基板201の表面(デバイス面)からソース・ドレイン配線110に達するビアホールを形成し、電極材料となる金属を埋め込んで接合電極113を形成する。接合電極113は、銅(Cu)や金(Au)等、導電性が高く、密着性・接続性が良好な金属を用いることが望ましい。なお、第4基板201の接合電極113の位置は、集積回路層200’の裏面側の接合電極114と平面的には同じ位置とすることが望ましく、結果として、集積回路層200’(第3基板200)の接合電極113と同じ位置とする。したがって、第4基板201は、第3基板200と同一の構造・レイアウトとすることができる。
図1(E)は、第4基板201を、第1基板100、集積回路層120’及び集積回路層200’とからなる積層半導体装置に貼り合わせた状態を示す。ここでは、集積回路層200’のゲート電極107に接続する裏面側接合電極114と、第4基板201のソース(ドレイン)領域104に接続する接合電極113とを位置合わせして、第4基板201のデバイス面と集積回路層200’の裏面とを接合し、Face-to-bottom接合を行っている。この接合方法においても、前述したとおり、プラズマ処理や加熱処理等、一般的な半導体基板の貼り合わせ技術を適用することができる。このような工程を経て、第1基板〜第4基板にそれぞれ形成されたMOSトランジスタが多段接続された回路を含む、積層型半導体装置が製造される。
このように、従来、トランジスタ1個あたり複数の接合電極エリアが必要であったのに対して、第3基板以降は各層の接合電極が同軸上に配置されるから、実質的に1個の接合電極エリアに面積の削減が可能となり、回路の高密度化が可能となる。
なお、本実施形態では、ゲート電極配線109を第1配線層(最下層配線)とし、ソース・ドレイン配線110を第3配線層(最上層配線)としたが、この層配置に限る必要はない。しかし、一般に上側の基板(半導体層)との接合電極113が接続する配線層を、集積回路層の表面に最も近い上層配線層或いは表面近傍の上層配線層とし、下側の基板(半導体層)との接合電極114が接続する配線層を、集積回路層の裏面に最も近い下層配線層或いは裏面近傍の下層配線層とすることが望ましい。このような配線層を選択することにより、集積回路層(200)の表面又は裏面から接続する各配線層までの絶縁層の厚さを薄くすることができ、ビアホールの径を小さくし、接合電極の面積を縮小することができる。また、表面側接合電極が接続する上層配線と、裏面側接合電極が接続する下層配線との間の中間配線層を、接合電極の配置にかかわらず、平面的に自由にレイアウトすることができ、配線設計の自由度が向上する。
また上述のとおり、本発明の積層型半導体装置によれば、表面と裏面の接合電極が同軸上に配置され、平面的に同じ位置で上下の垂直方向配線が可能なため、図1の第3基板200と第4基板201のトランジスタの構造からも分かるように、同一構造の半導体基板または半導体チップを繰り返し接続することで多段の回路(例えば、多段のトランジスタ増幅回路)を構成できる。このため、多層の回路を構成する際に、層数分のレイアウト設計をする必要がなく設計時間を短縮できるとともに、同一の半導体基板または半導体チップを用いるため、製造コストを大幅に削減することが可能となる。本実施形態では、1層目と2層目はFace-to-face接合に適した構造とし、3層目以降はFace-to-bottom接合に適した構造としたが、1層目の代わりにトランジスタを形成しないシリコン基板などを用いて接合を行い、2層目以降は全て同じレイアウトの層を接続することでも、多段の回路を構成してもよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の積層型半導体装置とその製造法を図2に示す。本発明の第2の実施形態は、インバータを多段に連結した回路(インバータチェーン)を含む積層型半導体装置である。
図2(A)は、第1のCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)インバータを備える第1基板(チップ)300と、第2のCMOSインバータを備える第2基板(チップ)350とを、Face-to-face 接合した状態を示している。各基板(集積回路層)あたりp型MOSトランジスタとn型MOSトランジスタとからなるCMOSインバータ1個が配置されている。なお、各基板は、インバータ以外の他の回路素子を備えていてもよい。
第1基板300は、半導体基板101に酸化シリコン層等の層間絶縁層102を介して形成された2つの半導体島領域(シリコン層)103を有し、一方の半導体島領域103にはn型の不純物が導入されてn型ソース・ドレイン領域104が形成され、他方の半導体島領域103にはp型の不純物が導入されてp型ソース・ドレイン領域105が形成されている。各半導体島領域103上に、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107が設けられ、n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタが構成される。なお、半導体島領域はシリコン層に限られず、III−V族半導体等、任意の半導体材料を用いることができる。
本実施例では、各基板は、3層の配線層を有するものとして説明する。なお、配線層は2層以上あればよく、また、配線設計の自由度を高くするために、5〜6層の配線層を有することもできる。配線材料としては、アルミニウム(Al)や銅(Cu)、銅合金等、集積回路の内部配線に利用できる任意の材料を用いることができる。
第1基板300では、n型MOSトランジスタのn型ドレイン領域104と、p型MOSトランジスタのp型ドレイン領域105とが、接続電極108を介してソース・ドレイン配線110で接続されており、更に、デバイス面側からソース・ドレイン配線110に接続する接合電極113が設けられている。また、n型MOSトランジスタのn型ソース領域104と、p型MOSトランジスタのp型ソース領域105には、図示しない配線層を介して、電源電圧が印加されている。n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタのそれぞれのゲート電極107は、ゲート電極配線109により接続されている。ゲート電極配線109は、図示しない配線に接続され、ゲート入力信号が加えられる。ゲート電極配線109と、ソース・ドレイン配線110に接続する接合電極113とは、平面的には位置をずらして形成することができる。なお、図ではソース・ドレイン配線110が第1配線層を利用して形成されているが、浅い接合電極113とするために、第1基板300のソース・ドレイン配線110を第3配線層(最上層配線)で構成してもよい。
第2基板350は、第1基板300と同様に、半導体基板101に酸化シリコン層等の層間絶縁層102を介して形成された2つの半導体島領域(シリコン層)103を有し、一方の半導体島領域103には、n型ソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107からなるn型MOSトランジスタが形成され、他方の半導体島領域103には、p型ソース・ドレイン領域105と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107からなるp型MOSトランジスタが形成されている。なお、半導体島領域はシリコン層に限られず、III−V族半導体等、任意の半導体材料を用いることができる。
第2基板350では、n型MOSトランジスタのn型ドレイン領域104と、p型MOSトランジスタのp型ドレイン領域105とが、接続電極108を介して第1配線層(最下層配線)からなるソース・ドレイン配線110で接続されており、更に、ソース・ドレイン配線110は、例えばMOSトランジスタの側部(図で右側)に引き出される。また、n型MOSトランジスタのn型ソース領域104と、p型MOSトランジスタのp型ソース領域105には、図示しない配線層を介して、電源電圧が印加される。n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタのそれぞれのゲート電極107は、第3配線層(最上層配線)を利用したゲート電極配線109により接続されている。ゲート電極107とゲート電極配線109との接続は、その間に、接続電極108、第1配線層115、第2配線層116等を適宜介在させて、ビアホール形成時のアスペクト比や電極配線の平坦性等を調整することができる。また、接続電極108と各配線層115,116,109等とを同一の配線材料で一体的に形成してもよい。
MOSトランジスタ及び各配線層は例えば、酸化シリコン等の絶縁層111で覆われており、ゲート電極配線109には、デバイス表面から接合電極112が形成されている。接合電極112は、銅(Cu)や金(Au)等、導電性が高く、密着性・接続性が良好な金属を用いることが望ましい。配線層109と接合電極112との間は、必要に応じてバリア金属層を形成しても良い。
そして、第1基板300の接合電極113と、第2基板350の接合電極112とを位置合わせして、第1基板300の表面(デバイス面)と第2基板350の表面(デバイス面)とをFace-to-face 接合している。なお、この接合方法は、前述したとおり、加熱処理等、任意の一般的な半導体基板の貼り合わせ技術を適用することができる。この接合により、第1基板300のインバータ出力が、接合電極112,113を介して、第2基板350のインバータの入力端(ゲート電極107)に印加される。
図2(B)は、第3基板400を積層する準備段階を示す。第2基板350の半導体基板101を裏面側からCMP又はエッチング等を利用して除去し、積層型半導体装置における単層の集積回路層350’を形成する。露出した層間絶縁層102と絶縁層111をエッチングしてソース・ドレイン配線110に達するビアホール(接続孔)を形成する。エッチングにあたっては、配線層109の配線材料(金属)と絶縁層102,111の絶縁材料(酸化シリコン等)とのエッチング選択性の高いドライエッチングを行うことが望ましい。集積回路層350’のソース・ドレイン配線110は、第1配線層(最下層配線)を利用しており、さらに半導体基板101が除去されているため、集積回路層350’の裏面に近い位置(例えば、1〜5μm)にある。このため、裏面から形成するビアホール(接続孔)の深さを浅くでき、その開口径を通常の配線層間ビアホールと同程度に小さくすることができる。ビアホールの位置は、ソース・ドレイン配線110の引き出し部(図で右側)とする。このビアホールに電極材料(銅、金等)を埋め込んで、MOSトランジスタのドレイン領域104、105と接続する裏面側の接合電極117を形成する。この状態において、ゲート電極107に接続する接合電極112がインバータの入力となり、ドレイン領域104,105に接続する接合電極117がインバータの出力として機能するから、単層の集積回路層350’が一段分のインバータを構成する。
第3基板400は、第2基板350と同様に、半導体基板101に酸化シリコン層等の層間絶縁層102を介して形成された2つの半導体島領域(シリコン層)103を有し、一方の半導体島領域103には、n型ソース・ドレイン領域104と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107からなるn型MOSトランジスタが形成され、他方の半導体島領域103には、p型ソース・ドレイン領域105と、ゲート絶縁膜106と、ゲート電極107からなるp型MOSトランジスタが形成されている。このn型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタが接続されて、CMOSインバータを構成する。
第3基板400では、n型MOSトランジスタのn型ドレイン領域104と、p型MOSトランジスタのp型ドレイン領域105とが、接続電極108を介して第1配線層(最下層配線)からなるソース・ドレイン配線110で接続されており、更に、ソース・ドレイン配線110は、例えばMOSトランジスタの側部(図で右側)に引き出される。この引き出し位置は、第2基板350における引き出し位置と平面的に同一位置であることが望ましい。そして、n型MOSトランジスタのn型ソース領域104と、p型MOSトランジスタのp型ソース領域105には、図示しない配線層を介して、電源電圧が印加される。n型MOSトランジスタとp型MOSトランジスタのそれぞれのゲート電極107は、第3配線層(最上層配線)を利用したゲート電極配線109に電気的に接続されている。ゲート電極107とゲート電極配線109との接続は、その間に、接続電極108、第1配線層115、第2配線層116等を適宜介在させて、ビアホールのアスペクト比や平坦性等を調整しても良く、また、接続電極108と各配線層115,116,109とを同一の配線材料で一体的に形成してもよい。ゲート電極配線109は、例えばMOSトランジスタの側部(図で右側)に引き出される。ソース・ドレイン配線110とゲート電極配線109は異なる配線層であるため、重ねて配置することができ、ゲート電極配線109の引き出し位置は、ソース・ドレイン配線110の引き出し位置と平面的に同一位置とする。更にこの引き出し位置は、第2基板350における引き出し位置と同じであることが望ましい。
MOSトランジスタ及び各配線層は例えば、酸化シリコン等の絶縁層111で覆われており、ゲート電極配線109の引き出し位置に対して、デバイス表面から接合電極112を形成する。ゲート電極配線109は、第3配線層(最上層配線)を利用しているため、デバイス表面から浅い位置(例えば、1〜5μm)にあり、ビアホールの深さを浅くでき、その開口径も小さくすることができる。接合電極112は、銅(Cu)や金(Au)等、導電性が高く、密着性・接続性が良好な金属を埋め込んで接合電極112を形成する。配線層109と接合電極112との間は、必要に応じてバリア金属層を形成しても良い。
この後、第2基板350の接合電極117と、第3基板400の接合電極112とを位置合わせして、積層型半導体装置の集積回路層350’の裏面(層間絶縁層102)に対して、第3基板400の表面(デバイス面)を接合する。すなわち、Face-to-bottom接合を行う。なお、この接合方法は、前述したとおり、加熱処理等、任意の一般的な半導体基板の貼り合わせ技術を適用することができる。この接合により、第2基板からなる単層の集積回路層350’のインバータ出力が、接合電極117,112を介して、第3基板400のインバータの入力端(ゲート電極107)に印加される。
図2(C)は、第3基板400を、第1基板300及び集積回路層350’からなる積層半導体装置に貼り合わせ、第3基板400の半導体基板101を除去して単層の集積回路層400’とし、接合電極117を形成後、さらに、第4基板410を貼り合わせた状態を示す。図示のとおり、この第4基板410は、第3基板400と同一構造を備えている。
ここでは、集積回路層350’のソース・ドレイン配線110に接続する裏面側接合電極117と、第3基板400のゲート電極配線109に接続する接合電極112とが位置合わせされ、第3基板(集積回路層)400’において表面側接合電極112と裏面側接合電極117とが同軸上に配置されており、さらに、集積回路層400’の裏面側接合電極117と、第4基板410の表面側接合電極112とが位置合わせされるから、この積層型半導体装置の層間配線(垂直方向配線)の位置は、第2基板以降は全て平面的に同じ位置となり、層間配線による面積の無駄がなく、高集積化を実現することができる。
そして、このような積層型半導体装置により、上側のインバータの出力(ドレイン出力)信号が、接合電極(層間配線)を介して下側のインバータ(ゲート電極)に入力され、CMOSインバータの直列回路を構成することができる。このように、単層の集積回路層あたり1つのインバータを構成し、これを多段に積層することで、任意の段数のインバータ回路が容易に実現できる。また、第3基板以降の基板構造を全て共通にすることができ、チップの設計も省力化できる。
なお、第2の実施形態では、ゲート電極配線109を第3配線層(最上層配線)とし、ソース・ドレイン配線110を第1配線層(最下層配線)としたが、この層配置に限る必要はない。しかし、上側の基板(半導体層)との接合電極112が接続する配線層を、集積回路層の表面に最も近い上層配線層或いは表面近傍の上層配線層とし、下側の基板(半導体層)との接合電極117が接続する配線層を、集積回路層の裏面に最も近い下層配線層或いは裏面近傍の下層配線層とすることにより、表面又は裏面から接続する各配線層までの絶縁層の厚さを薄くすることができ、ビアホールの径を小さくし、接合電極の面積を縮小することができる。また、表面側接合電極が接続する上層配線と、裏面側接合電極が接続する下層配線との間の中間配線層を、接合電極の配置にかかわらず、平面的に自由にレイアウトすることができ、配線設計の自由度が向上する。
図3は、図2で示したCMOSインバータ回路の平面図の例であり、特に、第3基板400の上面図の例を示す。トランジスタのドレイン領域104,105に接続するソース・ドレイン配線110と、ゲート電極107に接続するゲート電極配線109は、平行にトランジスタ領域の外側(図面右側)まで引き出され、且つ、同じ位置に接合電極112,117が形成されている。なお、トランジスタのソース領域104,105には、それぞれ接続電極108を介して又は直接、インバータの電源配線(図示せず)が接続される。
図2の断面図においては、ゲート電極107に電気的に接続される中間層の配線層115とソース・ドレイン領域104,105に電気的に接続される配線層110が一部重なって見えるが、平面的にはそれぞれを独立の配線として配置できるため、実際には分離した配線となっている。第1の実施形態と同様に、最上位の配線と最下位の配線に対して平面的に同じ位置に、すなわち、同軸上に接合電極112,117を形成することにより、CMOSインバータ1個あたり1個分の接合電極エリアで上下のCMOSインバータと接続することができ、集積度の高い積層型半導体装置が製造できる。また、同一の半導体基板または半導体チップを繰り返し接続することで多段の回路を構成できるため、設計時間を短縮できるとともに製造コストを大幅に削減することが可能となる。デジタル回路ではCMOSインバータ、フリップフロップ、NAND回路などのユニットを繰り返す構造が多用されるため、本製造方法が有効である。本実施例では、CMOSインバータとしたが、メモリセル1個あるいは複数個に対して層間配線を行う用途等においても、1つのユニット(メモリセル)に対して接合電極を単一にできるため、高密度化に寄与する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態として、本発明をイメージセンサ等に用いられる多層の信号処理回路に適用した例について説明する。
動画用イメージセンサとして、各画素内にA/D変換回路を備え、光電変換した信号を全画素並列に出力することができる画素並列信号処理方式のイメージセンサが提案されている。画素並列信号処理イメージセンサは、従来の列並列信号処理イメージセンサの欠点である走査線数とフレームレートのトレードオフを解消することができるため、将来の高性能イメージセンサの有力な候補として研究が進められている。中でも、非特許文献1に記載のイメージセンサは、1ビット型A/D変換回路(1bitADC)と称される回路を搭載しており、入力可能な光量がフォトダイオードの蓄積容量で制限されないため、イメージセンサのダイナミックレンジを格段に向上することができるとされている。
図4に1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)を用いた信号処理回路(信号読み出し回路)を示す。読み出し回路は、光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)10と、リセット電圧VRSTをフォトダイオード10の電極に印加するためのリセットトランジスタ(TR)20と、インバータ回路(インバータ・チェーン)30と、カウンタ40とにより構成される。インバータ回路30は、反転回路であるインバータ(Inv_1、Inv_2,・・・Inv_n)が奇数段接続された多段反転回路であり、フォトダイオード10の電圧検出ノード(NPD)11の電位が初段のインバータ(Inv_1)に入力される。インバータ回路30の出力は、A/D変換回路の出力(ADC_OUT)として、カウンタ40に入力されるとともに、リセットトランジスタ20のゲート電極に印加される。カウンタ40は、1ビット型A/D変換回路出力(ADC_OUT)のパルス数をカウントして、例えば16ビットのカウンタ出力として出力する。各カウンタ41〜56はパルスをカウントしてビット値を出力する。1つのカウンタを経るとパルス数が半分になり、直列に接続して多ビットのカウンタ回路を構成できる。
動作は以下のようになる。フォトダイオード(PD)10の電位がリセット(≒VRST)された状態で、初段のインバータ(Inv_1)の入力がHighで出力がLow、2段目のインバータ(Inv_2)の出力がHigh、最終段のインバータ(Inv_n)の出力、すなわちA/D変換回路出力(ADC_OUT)がLowであり、リセットトランジスタ(TR)20がオフ(OFF)状態になっている[初期化状態]。フォトダイオード10に光が入射すると、光電変換により生成した電子がフォトダイオード10内に蓄積して、フォトダイオード10の電極(電圧検出ノードNPD)11の電位が下がる。電圧検出ノード(NPD)11の電圧が初段のインバータ(Inv_1)の反転しきい値電圧に達するとインバータ(Inv_1)の出力がHighに反転し、各インバータの出力が順次反転して、A/D変換回路出力(ADC_OUT)がHighとなる。すると、リセットトランジスタ20がオン(ON)状態になり、フォトダイオード10の電極にリセット電圧VRSTが印加され、フォトダイオード10が再度リセットされる。すると、初段のインバータ(Inv_1)の入力がHigh、A/D変換回路出力(ADC_OUT)がLowになり、初期状態に戻る。
このように、フォトダイオード(PD)10に光が入射すると、奇数段のインバータが直列接続したインバータチェーン30がHighとLowを交互に出力し、光量に比例した数のパルス信号を出力する。このパルス信号を、後段に接続したnbit(図では16bit)のカウンタで数え、1フレーム期間ごとに各ビットのカウンタ出力を読み出して、nbitのデジタル値を出力する。図4の信号処理回路を、パルス周波数変調型A/D変換回路と呼ぶこととする。
このような画素並列の信号処理回路をイメージセンサに適用するために、平面的にアレイ配置すると、主にカウンタ回路の面積が大きいことが理由で、画素が小さくできず、解像度が低下してしまう。非特許文献1では、1bitあたりのカウンタ回路の面積が計算されており、0.2μmプロセスで9.5μm角、20nmプロセスでは1μm角であるとされている。このように、カウンタ面積はプロセステクノロジーに依存するが、近年のイメージセンサの画素サイズが3μm角以下であることを考えると、このような画素並列の信号処理回路では、フォトダイオード(PD)、インバータチェーン、カウンタ回路は別々の基板に分けて形成して積層し、面積を削減することが求められる。さらに、nbitのカウンタ回路を複数の層に分けることが望ましい。上記のような考えに基づいて、画素並列信号処理イメージセンサを積層型半導体装置で実現する際の層構成を、図4に破線で示す。ここでは、16bitのカウンタを搭載しており、カウンタ回路は4bitごとに層を分割する。すなわち、A/D変換回路は、フォトダイオード(PD)[1層目(最上層)],インバータチェーン[2層目]、カウンタ1〜4bit[3層目]、カウンタ5〜8bit[4層目]、カウンタ9〜12bit[5層目]カウンタ13〜16bit[6層目]で層を分割し、この6層の基板(チップ)が積層されて、3次元集積回路(積層型半導体装置)として構成される。なお、カウンタ回路40をどのように分割して多層化するかは、積層数や一画素(単位センサ)あたりの面積等の設計条件によって適宜決定することができ、例えば、各層あたり1bit〜9bitに設定できる。
信号処理回路を実現するためのカウンタ層(チップ)の平面図の例を図5に示す。この平面図は、イメージセンサのカウンタ回路のうち、例えば、カウンタ1bit〜4bitを備える集積回路層(チップ)501の配置を示す。なお、16bitのカウンタ回路を構成するためには、このような層を4層積層する。
3次元集積回路の1層目(表面)の画素アレイに対応して、カウンタアレイが配置されており、各画素(単位センサ)に対応する位置の単位回路領域にカウンタ群61が設けられている。この例では、カウンタ群61は、1〜4bitの4つのカウンタ41〜44からなる4bitカウンタである。各画素(ここでは16画素)に対応するカウンタ群61がアレイ状に形成されている領域をカウンタエリア60と呼ぶこととする。このカウンタエリア60の面積は、1層目の画素エリアの面積にほぼ等しい。
各カウンタ群61の4bit分の出力は、1フレーム期間ごとに、垂直走査回路70と水平走査回路73により選択されて読み出される。垂直走査回路70の走査ライン71で一行分のカウンタを選択すると、垂直信号線72には該当する行のカウンタの信号が出力される。次に、水平走査回路73で垂直信号線72を順次選択して、X−Yアドレス方式で出力信号線74からカウンタアレイの信号を順次出力する。なお、図5では簡単のため各信号線を1本の線で図示しているが、実際には4bit分あるので、4本の配線が並列に配置される。また、出力パッド75については、4本の配線に対応して4つのパッド75が設けられており、カウンタエリア60の外側に配置される。したがって、各カウンタの出力ビット値は、各層の面内方向に読み出され、カウンタエリア60の外側で外部に取り出される。また、この回路構成により、異なる単位回路領域内に設けられ、異なる画素(信号源)に属するカウンタ群61の出力が、各層に設けられた信号線74や出力パッド75を共有することができる。なお、このような各画素共通の読み出し回路を用いるのは、画素ごとにカウンタ出力(出力ビット値)をTSV(貫通電極)等を用いて特定の出力層に伝送すると、各画素16本の貫通電極を形成するために大きな層間配線エリアが必要となり、回路面積を縮小することができないからである。
図6は、積層構造で信号処理回路(16bitのカウンタ回路)を実現した例を示す図である。図6(A)は、4層あるカウンタ層(チップ)を積層した時の平面図であり、図6(B)は、その積層のイメージ図である。
各画素のカウンタ回路の1〜4bitカウンタを集積したチップ501と、5〜8bitカウンタを集積したチップ502と、9〜12bitカウンタを集積したチップ503と、13〜16bitカウンタを集積したチップ504が積層されている。各チップのカウンタエリアは、図5で説明した平面構造を有しており、各カウンタ群61の出力を垂直走査回路70と水平走査回路73で走査して、出力パッド75から順次出力する。このとき、カウンタが配置された層は、カウンタエリアの基板レイアウトを同一とすることができる。図6(B)のようにチップのサイズを少しずつ異なるようにする、あるいは同一サイズのチップを水平方向にずらして積層することで、各層に設けられた出力パッド75上には、上層のチップが重ならないように配置することができる。
この結果、4層計16個の出力パッド75を上面に露出させて、ワイヤーボンディングなどを用いてチップの外に取り出して、信号を出力できる。なお、各層の垂直走査回路70と水平走査回路73は同じタイミングで動作すると、同じ画素に関連するカウンタの出力ビットを同時に読み出すことができる。この16bit分の出力を合成して、一画素の出力信号として読み出すことができる。
以上のように、図6の信号処理回路では、各層で確定したbit値(カウンタ出力)を面内方向(水平方向)に読み出し、画素エリア(カウンタエリア)の外側で外部に取り出すことにより、画素内にカウンタ出力用の貫通電極を配置する必要がなくなるため、画素を縮小して解像度を高めて、画素並列信号処理が可能となる。なお、各カウンタを動作させるパルス信号は、カウンタ群61の領域内に設けられた積層方向の接続配線により伝送される。
次に、積層型イメージセンサの各カウンタ層501〜504のデバイス構造について説明する。カウンタ間のパルス信号の伝送に、第1、第2の実施形態と同様の接続配線構造を適用できる。
従来、積層型半導体装置で利用されていたTSVは、シリコン基板を貫通することから一般にその直径が大きく、またTSVの近傍ではトランジスタの電流変化が発生するため、TSV周囲にはトランジスタを配置することのできないKOZ(Keep-out Zone)領域を設ける必要があることが知られている。このため、カウンタ回路の層間接続にTSVを用いた場合には、TSV領域を含めたカウンタ1bit分の面積が大きくなり、さらに、回転対称性を保つために全てのカウンタ面積はTSV領域を含めたカウンタ1bit分の面積と等しくする必要があるため、画素の面積が大きくなってしまう問題がある。これを解決するために、本発明によりカウンタ層を積層し、イメージセンサの信号処理回路を構成した。
図7に、本発明の第3の実施形態の積層型半導体装置として、信号処理回路のデバイス構造の例を示す。ここではカウンタ層における1画素(単位センサ)に対応する単位回路領域(カウンタ群)の構造を示しており、図7(A)が断面構造のイメージを示し、図7(B)、(C)が図4の3層目、4層目に対応するカウンタ層の平面図(レイアウト)のイメージを示している。
図7(B)、(C)から明らかなように、画素に対応する単位回路領域にカウンタ群61,62が配置され、各カウンタ群は例えば4bitのカウンタを有する。各カウンタ間の配線はnbit目カウンタのパルス出力(入力の半数になったパルス列)を(n+1) bit目に入力することにより、多ビットのカウンタ動作が可能となる。なお、図7では、各bitカウンタのカウンタ出力(ビット値)をカウンタエリア外に取り出すための配線は省略している。
1bitあたりのカウンタは同一の構成であるため、画素に対応する単位回路領域を均等に分けるように(ここでは4等分に)配置し、連続するbitのカウンタが隣接するように配置する。たとえば、第3層のチップ501に形成されるカウンタ1〜4bitを図7(B)のように配置し、矢印のように、カウンタ1bit41→カウンタ2bit42→カウンタ3bit43→カウンタ4bit44とパルス出力を直列接続する。また、第4層のチップ502に形成されるカウンタ5〜8bitを図7(C)のように配置し、矢印のように、カウンタ5bit45→カウンタ6bit46→カウンタ7bit47→カウンタ8bit48とパルス出力を直列接続する。
図7(A)は、SOI(Silicon On Insulator)構造80を有し、1〜4bitのカウンタを備える層(チップ)501の下に、同様のSOI構造80を有し5〜8bitのカウンタを備える層(チップ)502を配置して、カウンタを接続する例を示している。ここでは、入力信号を受けるトランジスタ81でその層の初段のカウンタを代表させ、出力信号を次の層に伝送するトランジスタ82でその層の終段のカウンタを代表している。トランジスタ81,82は、例えば、FDSOI(fully depleted silicon on insulator:完全空乏型SOI)基板に形成したトランジスタである。
上層のA/D変換回路(図示せず)とカウンタ1bit41(81)との間、及びカウンタ4bit44(82)とカウンタ5bit45(81)の間は、図7(A)のように、接合電極や内部配線等を用いて接続される。デバイス面に露出する接合電極83は例えば第3配線層(最上層配線)84と接続し、適宜接続電極や中間配線層等を介してトランジスタ81のゲート電極85(カウンタ41の入力端子)に接続している。すなわち、接合電極83は、図示しない上側のチップの裏面の接合電極と接続して入力信号を受け、その信号をトランジスタ81の入力端子85に伝送する。一方、トランジスタ82のドレイン領域86(カウンタ44の出力端子)は、適宜接続電極を介して第1配線層(最下層配線)87に接続し、さらに下層配線87は、裏面の埋め込み酸化膜層88を貫通する接合電極89に接続して、チップ501の裏面に出力端子として露出する。各接合電極の作製方法は、第1及び第2の実施形態で説明した方法と同様であって良い。ここで、接合電極83と接合電極89は、同軸上に、すなわち、チップの平面で同一位置に形成される。断面図に示すように、5〜8bitのカウンタを備える層(チップ)502を同一のデバイス構成とし、各接合電極の位置を一致させることにより、層間接続に必要な面積を縮小できる。
なお、図7(B)(C)では、信号の流れを見易くするため、各カウンタ回路の周囲にスペースを作り、信号の流れを示す矢印を記入するとともに、接合電極83(89)の位置をカウンタ1bit41とカウンタ4bit44の中間としたが、接合電極は任意の位置に引き出し配線によって配置してもよい。現実の回路では4分割されたカウンタ領域全体にカウンタ回路41〜48が形成されており、隣接するカウンタ回路間に所定幅のスペースはないから、接合電極83(89)はカウンタ群61,62内の接合電極の形成スペースが確保できるいずれかの位置に配置される。この構造により、チップ501のトランジスタ82の出力端子86からの出力パルス信号を、チップ501の最下層配線87、接合電極89、チップ502の接合電極83、及び最上層配線84を介して、チップ502のトランジスタ81の入力端子85に伝送することができ、カウンタの直列接続が可能となる。図7の積層型半導体装置は、第1及び第2の実施形態で説明した製造プロセスを適宜採用して実現することができる。
各層において、上の層から信号を受ける部分は最上位の配線層上に接合電極を形成し、下の層へ信号を伝達する部分は最下位の配線層の裏面から接合電極を形成する。表面と裏面の接合電極は平面的には同じ位置に配置し、両接合電極が同軸上にあるとする。このようにすることで、1個分の接合電極エリアで4bitずつのカウンタを接続することが可能となる。本発明では、基板の表面・裏面に配線層に接続する接合電極(金属電極)を形成する工程は通常の半導体製造工程と同じであるので、製作が容易である。また、トランジスタの外側に垂直配線(接合電極)の領域を必要とするが、TSVとは異なり、シリコン基板を貫通する穴ではなくSiO2に穴を形成するため、通常のトランジスタの配線に用いる方法と同様に垂直配線を形成することができる。トランジスタのプロセスノードによるが、接合電極のサイズを10nm〜1μmのオーダーまで小さくすることが可能になり、面積の増大を最小限に留めることができる。
なお、上側の基板(半導体層)との接合電極83が接続する配線層を、集積回路層の表面に最も近い上層配線層或いは表面近傍の上層配線層とし、下側の基板(半導体層)との接合電極89が接続する配線層を、集積回路層の裏面に最も近い下層配線層或いは裏面近傍の下層配線層とすることが望ましい。このような配線層を選択することにより、SOI構造の集積回路層80の表面又は裏面から接続する各配線層までの絶縁層の厚さを薄くすることができ、ビアホールの径を小さくし、接合電極の面積を縮小することができる。
ここで、全部で16bit分のカウンタを4bitずつに層を分ける場合、各層のカウンタ回路自体は同一であるので、各層の回路及び層間配線を同一のレイアウトで形成し、上下のチップを同じ位置関係で接続できれば、カウンタ層(チップ)501〜504において同一の回路パターンを共用することが可能となる。したがって、1つのウェハからカウンタ層の基板(チップ)を多数形成できる。
図8は、図6及び図7に示した実施例の積層構造を構成するチップ501〜504の元となるチップ500の平面図を示したものである。上述したように、1〜4bitカウンタの回路構成(基板レイアウト)と、例えば5〜8bitカウンタの回路構成を同一とすることができるから、共通の回路構造を有するチップ500を準備し、チップのサイズを少しずつ異なるように、点線部分(501’〜503’)でダイシングするか、又はそのまま使用するかにより、4つのチップ501〜504を作製することができる。なお、出力信号線74と出力パッド75は、どの点線部分でダイシングしてもチップ外縁に出力パッド75が配置されるよう、図8のように、チップ500上に複数位置に準備しておくと良い。
図9は、図4の信号処理回路の別の積層構造を示す図である。図9は、カウンタ層(チップ)を4層と、走査回路層を積層したときの積層のイメージを示している。
各画素のカウンタ回路の1〜4bitカウンタを集積したチップ501と、5〜8bitカウンタを集積したチップ502と、9〜12bitカウンタを集積したチップ503と、13〜16bitカウンタを集積したチップ504は、それぞれカウンタエリア外に出力パッド75を備えており、且つ、その出力パッド75の位置が互いに異なっている。例えば、各カウンタ層(チップ)501〜504は、各層のレイアウトが図6と同様であって、チップサイズが同じであるチップを使用することができる。
図9では、各層の出力信号(ここでは各層4本)を貫通電極3で下層に伝えて、最下層の走査回路層505で16本を選択してシリアル変換して出力信号線4から読み出すことができる。各層の出力パッド75は、カウンタエリアの外側に引き出されており、この場合の貫通電極は、画素エリア(カウンタエリア)の外に配置されるため、画素のサイズに影響を与えることはない。
この実施例では、あるいは、最下層の走査回路層505を設けずに、4層目のチップ504のカウンタ回路の周辺部に、16本の信号をシリアル変換して読むための走査回路を設けることもできる。
図10にカウンタ層(チップ)の平面図の別の例を示す。図10は、垂直走査回路70のみを用い、水平走査回路を使用しない信号処理回路である。
この平面図は、イメージセンサのカウンタ回路のうち、例えば、カウンタ1〜4bitを備える層(チップ)511の配置を示す。3次元集積回路の1層目(表面)の画素アレイに対応して、カウンタアレイが配置されており、各画素(単位センサ)に対応する位置の単位回路領域にはカウンタ群61が設けられている。この例では、カウンタ群61は、1〜4bitの4つのカウンタ41〜44からなる4bitカウンタである。図5と同様に、カウンタアレイが形成されている領域がカウンタエリア60である。
各カウンタ群61の4bit分の出力は、1フレーム期間ごとに、水平走査回路を用いずに、垂直走査回路70により選択されて読み出される。垂直走査回路70の走査ライン71で一行分のカウンタを選択すると、垂直信号線72には該当する行のカウンタの信号が出力される。垂直信号線72に読み出された出力信号は、垂直信号線72に対応する各出力パッド75に出力され、列ごとの並列出力として取り出すことができる。なお、図では簡単のため各信号線を1本で図示しているが、実際には4bit分あるので、4本の配線が並列に配置される。また、出力パッド75については、1列(4本)の配線に対応して4つのパッド75が設けられており、全体では4列のカウンタ列に対して計16(4×4)個設けられている。なお、出力パッド75は、カウンタエリア60の外側に配置され、各カウンタの出力ビット値は、各層の面内方向に読み出され、カウンタエリア60の外側で外部に取り出される。また、この回路構成により、異なる単位回路領域内に設けられ、異なる画素(信号源)に属するカウンタ群61の出力が、各層に設けられた垂直信号線72や出力パッド75を共有することができる。なお、走査ライン71と信号線72は、行と列の配置を入れ換えることもできる。
図11は、図4の信号処理回路を実現する別の積層構造を示す図である。図11は、図10のカウンタ層(チップ)を4層積層した時の平面図である。
図11は、各画素のカウンタ回路の1〜4bitカウンタを集積したチップ511と、5〜8bitカウンタを集積したチップ512と、9〜12bitカウンタを集積したチップ513と、13〜16bitカウンタを集積したチップ514とを積層した様子を示している。各チップのカウンタエリアは、図10で説明した平面構造を有しており、各カウンタ群61の出力を垂直走査回路70で走査して、複数の垂直信号線72に対応する出力パッド75から並列的に出力する。このとき、カウンタが配置された層は、基板レイアウトが同一方向の配置で積層することとなる。図7のチップのサイズを少しずつ異なるようにすることで、各層に設けられた出力パッド75上には、上層のチップが重ならないように配置することができる。
この結果、各層16個、4層で計64個の出力パッド75を上面に露出させて、ワイヤーボンディングなどを用いてチップの外に取り出して、信号を出力できる。なお、各層の垂直走査回路70は同じタイミングで動作すると、同じ画素に関連するカウンタ出力を同時に読み出すことができ、さらに同じ行の画素の出力を各列から同時に並列出力として読み出すことができる。
また、このように垂直走査回路70により出力信号を各列から並列出力として読み出す構造のチップの場合も、図9と同じように垂直信号線72の出力を貫通電極3で下層に伝えて、最下層から読み出すこともできる。図11において、カウンタを集積したチップ511〜514は、それぞれカウンタエリア外に出力パッド75を備えており、且つ、その出力パッド75の位置が互いに異なっている。よって、例えば各出力パッド75の位置で、各層の出力信号(ここでは各層4×4本)を貫通電極3で下層に伝えて、最下層の走査回路でシリアル変換して出力信号線4から読み出すことができる。
なお、図10、図11のカウンタ回路の場合も、垂直方向の接続配線は、図7に示した接合電極によって実現される。
図12は、図4の信号処理回路の更に別の積層構造を示す図である。図12は、カウンタ層(チップ)を4層積層したときの積層のイメージを示しており、各画素のカウンタ回路の1〜4bitカウンタを集積したチップ521と、5〜8bitカウンタを集積したチップ522と、9〜12bitカウンタを集積したチップ523と、13〜16bitカウンタを集積したチップ524とを積層した様子を、透明な斜視図で表わしている。
各チップのカウンタエリアの配置は共通であるが、走査回路の構造が層により異なっている。すなわち、垂直走査回路70と水平走査回路73は最下層のチップ524にのみ配置し、垂直走査回路70の出力線(走査ライン出力信号)を貫通電極76で各チップ521〜523の行を選択する走査ライン71に接続し、また、水平走査回路73の出力線(スイッチ選択信号)を貫通電極77で各チップ121〜123の各垂直信号線72を選択するスイッチに接続する。この構成により、各チップの同じ位置にある各カウンタ群61を同じタイミングで駆動することができ、さらに、走査回路の数を低減することができる。
なお、図12では、出力パッド75の配置は特に限定されておらず、例えば、図6に示すようにチップごとに位置をずらしてワイヤーボンディングで引き出す手段や、図9に示すようにチップごとに位置をずらして貫通配線により最下層から出力する手段等を、適宜採用することができる。なお、図12では、垂直走査回路70と水平走査回路73は最下層のチップ124に配置したが、各走査回路を貫通電極76,77で接続可能であれば、4つのカウンタ層(チップ)のいずれか1つの層にあれば良い。また、4つのカウンタ層(チップ)の2層に走査回路を形成し、各走査回路が2層ずつ制御を行うこともできる。なお、図12のカウンタ回路の場合も、垂直方向の接続配線は、図7に示した接合電極によって実現される。
以上、図5乃至図12の積層型半導体装置の構造により、カウンタ回路に用いる各層のウェハを、同じマスクプロセスで製造したものを用いることができるため、コスト・工程数の増大を回避することができる。また、ウェハの積層枚数を変えるだけで、イメージセンサに対して必要なbit数を自由に選択できる。
なお、第3の実施形態ではイメージセンサを例として説明したが、上述した信号処理回路はアレイ型圧力センサや指紋センサなど、微細な領域ごとに信号処理をする必要のあるセンサや、一般的な集積回路にも適用できる。信号処理回路としては、パルス周波数変調型A/D変換回路に限らず、シングルスロープ型、逐次比較型、サイクリック型、デルタシグマ型、パイプライン型などのA/D変換回路にも適用できる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
10 フォトダイオード
20 リセットトランジスタ
30 インバータ回路
40 カウンタ回路
41〜56 カウンタ
60 カウンタエリア
61〜64 カウンタ群
70 垂直走査回路
71 走査ライン
72 垂直信号線
73 水平走査回路
74 出力信号線
75 出力パッド
76,77 貫通電極
80 SOI構造
81、82 トランジスタ
83 接合電極
84 上層配線
85 入力端子
86 出力領域
87 下層配線
88 酸化膜層
89 接合電極
100,120,140,160 基板(チップ)
101 半導体基板
102 層間絶縁層
103 半導体島領域
104,105 ソース・ドレイン領域
106 ゲート絶縁膜
107 ゲート電極
108 接続電極
109 ゲート電極配線
110 ソース・ドレイン配線
111 絶縁層
112,113,114 接合電極
115,116 電極配線
117 接合電極
200,201,300,350,400,410 基板(チップ)
500〜524 チップ(カウンタ層)

Claims (7)

  1. 複数の集積回路層が積層された積層型半導体装置において、
    少なくとも一つの前記集積回路層は、前記集積回路層の表面から第1の配線層に接続する第1の接合電極と、前記集積回路層の裏面から第2の配線層に接続する第2の接合電極を備え、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極とは同軸上に配置されており、
    前記第1の接合電極と前記第2の接合電極を、層間配線として用いる積層型半導体装置。
  2. 請求項1に記載の積層型半導体装置において、
    前記第1の配線層は、前記集積回路層の表面に最も近い上層配線層であり、前記第2の配線層は、前記集積回路層の裏面に最も近い下層配線層であることを特徴とする、積層型半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の積層型半導体装置において、
    同一構造を有する複数の前記集積回路層が積層されていることを特徴とする、積層型半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層型半導体装置において、
    前記集積回路層はトランジスタを含み、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極は、前記トランジスタの入力及び出力に接続していることを特徴とする、積層型半導体装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層型半導体装置において、
    前記集積回路層はインバータを含み、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極は、前記インバータの入力及び出力に接続していることを特徴とする、積層型半導体装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層型半導体装置において、
    前記集積回路層はパルス信号をカウントするカウンタ回路を含み、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極は、前記カウンタ回路のパルス信号の入力及び出力に接続していることを特徴とする、積層型半導体装置。
  7. 請求項6に記載の積層型半導体装置において、
    前記カウンタ回路はパルス周波数変調型A/D変換回路を構成しており、
    前記カウンタ回路の前記パルス信号は、前記第1の接合電極と前記第2の接合電極により前記集積回路層の積層方向に伝送され、
    前記カウンタ回路の出力ビット値は、前記集積回路層の面内方向に読み出されることを特徴とする、積層型半導体装置。
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