JP2019101791A - 路線逸脱検出機、管理サーバーおよび路線逸脱検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、路線逸脱を管理できる路線逸脱検出機、管理サーバーおよび路線逸脱検出方法を提供することにある。【解決手段】本発明に係る車両に搭載される路線逸脱検出機は、所定の運行系統に応じた複数の地点情報とその通過順序とを含む路線情報を記憶する記憶部と、現在地を取得して地点情報と照合し現在地が含まれる地点を特定する地点特定部と、地点の通過した順番が通過順序を守っていない場合に逸脱を判定する逸脱判定部と、逸脱と判定されると逸脱を報知する逸脱報知部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、路線逸脱検出機、管理サーバーおよび路線逸脱検出方法の技術に関するものである。
「経由地仮想ライン設定手段と、通過判定手段と、を備え、経由地が、経路である道路から分岐ノードを経て経由地であるエリアに入り、合流ノードによって経由地であるエリアから道路に戻る構成である場合、経由地仮想ライン設定手段は、道路側の第1のリンクまたはリンク群における所定の位置を第1ポイントとし、経由地であるエリア内の第2のリンクまたはリンク群における所定の位置を第2ポイントとし、第1ポイントと第2ポイントを結び、経由地であるエリアを区分する線分を経由地仮想ラインとして設定し、通過判定手段は、車両が経由地仮想ラインを通過したか否かによって経由地の通過を判定する」技術が、特許文献1に記載されている。
上記のような技術では、路線が固定されている路線バスでの管理が考慮されていない。路線バスでは、運行系統に応じて所定のバス停を設定時刻通りに通過順序に応じて経由せねばならず、さらには路線逸脱時に勝手に復帰してはならず、管理者へ報知して指示を仰ぐ必要がある等の制約がなされる場合がある。路線逸脱の検出と、管理者への報知は運転者に任されており、運転者が運行系統を誤解している場合等には、路線逸脱の検出が遅れることもある。
本発明の目的は、路線逸脱を管理できる路線逸脱検出機、管理サーバーおよび路線逸脱検出方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係る路線逸脱検出機は、所定の運行系統に応じた複数の地点情報とその通過順序とを含む路線情報を記憶する記憶部と、現在地を取得して上記地点情報と照合し現在地が含まれる地点を特定する地点特定部と、上記地点の通過した順番が上記通過順序を守っていない場合に逸脱を判定する逸脱判定部と、逸脱と判定されると逸脱を報知する逸脱報知部と、を備えることを特徴とする。
本願発明によれば、路線逸脱を管理できる路線逸脱検出機、管理サーバーおよび路線逸脱検出方法を提供することが可能となる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下に、本発明に係る車載機とサーバー装置とを含む路線逸脱管理システムについて、図面を参照して説明する。なお、図1〜図11は、路線逸脱管理システム1の全ての構成を示すものではなく、理解容易のため、適宜、構成の一部を省略して描いている。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
図1に、本発明に係る実施形態を適用した路線逸脱管理システムの構造を示す。本発明に係る実施形態を適用した路線逸脱管理システム1においては、路線逸脱検出機である車載機100および管理サーバーとなるサーバー装置300の制御の一部に、アプリケーションソフトウェアによる制御が含まれる。また、車載機100においては、アプリケーションソフトウェアの機能は、車載機100のOS(Operating System)等の管理下で動作するアプリケーションソフトウェアプログラムによりハードウェアが制御されて実現されるものとする。一方で、サーバー装置300においては、アプリケーションソフトウェアの機能は、サーバー装置300のOS等の管理下で動作するアプリケーションソフトウェアプログラムによりハードウェアが制御されて実現されるものとする。
車載機100は、車両または路線バスに搭載されて路線逸脱検出機として用いられ、各種のソフトウェアを実行可能な情報処理装置である。なお、車載機100は、本実施形態においては、OSを備え、複数のソフトウェア等のコンテンツをウェブブラウザ等において使用可能であり、並列してアプリケーションソフトウェア等のコンテンツを実行することも可能であるものとするが、これに限られず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで実現されてもよい。ただし、車載機100は、車載の状態で使用される専用の装置に限られず、パーソナルコンピューターやスマートフォン、タブレット端末等の各種の独立動作可能な装置であってもよい。その一方で、一般的には路線バスには大量の電子機器類が搭載されていることもあり、車載機100はシンプルな構成のものが求められる場合がある。そのような場合には、記憶容量や処理能力に制限がかかる場合も多くあり、地図情報を記憶する記憶容量を持てない場合を想定すべきである。そのため、本発明ではそのような車載機100を想定し、地図情報を記憶していないものとする。
車載機100は、記憶部110と、制御部120と、通信部130と、タッチパネル140と、ディスプレイ150と、を含んで構成される。記憶部110には、路線情報111と、系統情報112と、進行度113と、が含まれる。制御部120には、入力制御部121と、画面制御部122と、初期化処理部123と、地点特定部124と、逸脱判定部125と、逸脱報知部126と、進行度管理部127と、路線情報更新部128と、の処理部が含まれる。
路線情報111は、所定の運行系統に応じた複数の地点情報とその通過順序とを含む。具体的には、路線情報111は、車載機100の搭載されている車両が担う路線上の複数の地点を特定する複数の地点情報を含む。他の路線についても複数の地点情報を含んでいることが望ましいが、必ずしも必要ではない。
図4は、路線情報のデータ構造例を示す図である。路線情報111(後述する路線情報(マスタ)311も同様)は、運行系統を特定する系統コード111aごとに、当該系統に含まれる地点(基準点)の管理番号111b、緯度111c、経度111d、半径111e、進行度111fを含む。管理番号111bは、運行系統における通過順を示すものであるため、通過順が早いものほど小さい管理番号が振られる必要がある。また、連接する地点の管理番号111bの増加量は所定以下である必要がある。特定された地点の管理番号の増加量が所定以上である場合に逸脱と判定されるためである。例えば、経由地点を経由せずに通過順が後の地点に先に到達した場合には、特定された当該通過順が後の地点の管理番号は直前の地点の管理番号から急激に増えるため、逸脱と判定される。
緯度111c、経度111dは、基準点を特定する座標である。半径111eは、基準点の近傍の範囲を特定する情報である。本実施形態では、基準点の特定は座標の完全一致に限られず、近傍の範囲に含まれる地点を許容する。すなわち、実際には座標の誤差や、取得タイミングによるズレ、走行速度による誤差等、各種の誤差が含まれることも考慮して、基準点の近傍についても基準点と同様の扱いを行う。具体的には、基準点から所定の半径を有する円内を近傍とみなす。なお、これに限られず、例えば所定の近傍の範囲を座標の範囲によって特定するようにしてもよいが、その場合には必要なデータ量あるいは演算量が大きくなるおそれがある。
進行度111fは、運行系統の始点から終点までを一律に扱うのではなく、区分して扱う場合に用いる進行度を特定する情報である。路線バスでは、同一地点であっても、ある地点に到達したのが正当な順序であるのか、それとも経路の逸脱であるのか、を判定する必要があるケースが発生する。このために、有効な進行度に属する地点のみ特定しそれ以外は特定しない制御を要することがある。例えば、あるロータリーの出入り口が一つしかない場合等には、その出入りの二度、同一の地点が特定される場合がある。
この場合において、当該同一の地点(ロータリーの出入り口)は運行系統上で複数回登録される必要があるが、それぞれを進行度が異なる(例えば、ロータリーへ入る場合には進行度「1」、出る場合には進行度「2」とする)ようにすることで、実際にはほぼ同一の地点であってもあたかも別地点のように扱うことができるため、逸脱を判定できるようになる。
この場合においては、ロータリーの中で有効な進行度の範囲が切り替わるように設定する(例えば、ロータリー内のある地点を通過することで進行度「1」の地点を無効化して「2」の地点を有効化する)ことで、ロータリーへ入る際と出る際では有効な進行度を異ならせることができるため、同一地点であっても別の地点として扱うことが可能となる(ロータリーの入り口で「進行度2」のロータリー出口として地点を特定され逸脱と判定されてしまうことを防げる)。
図1の説明に戻る。系統情報112は、車載機100が搭載されている車両の運行系統を特定する情報である。通常、路線バスは運行系統(路線の始点、終点、経由道路等の相違に応じて予め定められた経路を有する単位)ごとに識別可能な番号や名称等が与えられて管理される。そして、繁忙や車両の不具合や管理上の理由等から、車両は一時的には必ずいずれかの運行系統に属して運行される。ただし、別時刻には別の運行系統で運行される等、一定とは限らず流動的に配置される。そのため、当該車両がどの運行系統に属するのかが特定される必要がある。系統情報112は、現時点で当該車両がどの運行系統に属するのかを特定する情報といえる。
進行度113は、上述のように、有効となっている進行度を示す情報である。進行度113は、進行度管理部127により、路線上の進行状況に応じて適宜変更される。
入力制御部121は、タッチパネル140あるいは図示しないハードウェアキーからの入力を受け付ける。画面制御部122は、ディスプレイ150への画面表示を制御する。初期化処理部123は、運行監視処理の初期化を行う。具体的には、使用される変数の初期化等である。
地点特定部124は、現在地を取得して路線情報111の地点情報と照合し現在地が含まれる地点を特定する。例えば、地点特定部124は、所定の(例えば、3秒あるいはそれ未満の)間隔でGPS(Global Positioning System)あるいはGLONASS(Global Navigation Satellite System)、準天頂衛星システム等の衛星を用いた測位システムにより座標を取得し、当該座標が路線情報111のうち有効な進行度に属するすべての基準点およびその近傍のいずれに属するか特定することで、地点の管理番号を特定する。
逸脱判定部125は、通過した順番が通過順序を守っていない場合等、正常でない場合に逸脱を判定する。なお、逸脱判定部125は、地点特定部124が、現在地が路線情報に含まれない地点であると特定した場合にも、逸脱と判定する。ただし、地点特定部124が現在地を取得できない場合には、逸脱判定部125は逸脱と判定しない。
逸脱報知部126は、逸脱判定部125により逸脱と判定されると逸脱を報知する。その具体的な報知の方法としては、運転者に対して、すなわちディスプレイ150の画面表示または音声あるいはその両方により逸脱を運転者に報知する。ただし、これに限られず、逸脱報知部126は、携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)等のネットワークを介した通信部130を介して他の装置であるサーバー装置300へ逸脱した車両、逸脱を検出した時刻、現在位置等を報知する。あるいは、逸脱報知部126は、サーバー装置300を介して、運行管理者と運転者の間で肉声による通話を開始するようにしてもよい。
進行度管理部127は、路線上の進行状況に応じて進行度113を適宜変更する。具体的には、予め定められた条件満足(例えば、同一進行度の最後の地点通過を検知する等)により、進行度管理部127は進行度113をインクリメントする。
路線情報更新部128は、逸脱判定部125により逸脱と判定されると、路線情報111を外部の装置から受信して更新する。具体的には、路線情報更新部128は、逸脱判定部125により逸脱と判定されると、サーバー装置300から送信される代替路線情報312を受信し、路線情報111を更新する。これにより、路線情報更新部128は、路線逸脱の場合にその後どう進むべきか(迂回路により目的地を目指すか、別の路線に合流するか、逸脱地点へ戻るか)の情報を得ることができる。
通信部130は、携帯電話網(LTE)、あるいは無線LAN(WiFi:登録商標)等を介してサーバー装置300と通信を行う。タッチパネル140は、静電式あるいは感圧式のセンサを用いて、タッチ入力されたパネル上の位置を特定することができる。ディスプレイ150は、例えば有機EL(Electro Luminescence)や液晶等の表示デバイスである。ディスプレイ150上にタッチパネル140を組み込むことで、表示画面上の表示物へのタッチ入力を検出することが可能となっている。
サーバー装置300は、インターネット等のネットワークを介して車載機100と通信可能に接続される。サーバー装置300は、いわゆるコンピューターサーバー装置であり、記憶部310と、制御部320と、通信部330と、を備える。
記憶部310には、路線情報(マスタ)311と、代替路線情報312と、が格納される。制御部320には、逸脱報知受信部321と、逸脱提示部322と、通話部323と、プロファイル管理部324と、が含まれる。
路線情報(マスタ)311および代替路線情報312は、図4に示した路線情報111と同様のデータ構造を有するため、重複する説明は割愛する。
逸脱報知受信部321は、サーバー装置300からみた外部の装置である車載機100から逸脱を報知されると、逸脱した車両、逸脱を検出した時刻、現在位置等を受信する。
逸脱提示部322は、サーバー装置300からみた外部の装置である車載機100の逸脱を提示する。具体的には、逸脱提示部322は図示しない運行管理システムに逸脱の事実を通知して運行管理者に提示する。
通話部323は、逸脱と判定された車両について、サーバー装置300からみた外部の装置である車載機100と音声通話を開始させ、運行管理者と運転者との肉声による会話を可能とする。
プロファイル管理部324は、逸脱と判定された車両について、サーバー装置300からみた外部の装置である車載機100に対して、該当する運行系統に関する代替路線情報312を送信する。なお、代替路線には、逸脱した位置および時刻、現在位置等に応じてさまざまなバリエーションがありうる。そのため、プロファイル管理部324は、適切な代替路線、すなわち逸脱と判定された車両がその後とるべき進路を選択して送信する。
通信部330は、車載機100と通信を行う。また、通信部330はインターネットに接続されている他の装置(運行管理システム等)とも通信を行う。
図2は、車載機のハードウェア構造例を示す図である。車載機100は、入力受付装置101と、演算装置102と、通信装置103と、主記憶装置104と、外部記憶装置105と、音声出力装置106と、表示装置107と、GPS装置108と、これらをつなぐバス109と、を含んで構成される。
入力受付装置101は、ハードウェアボタンやタッチパネル等の各種入力装置である。演算装置102は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
通信装置103は、携帯電話網や、無線ネットワーク等を介して、他の装置と通信経路を確立し情報を送受信するネットワークモジュール等の装置である。
主記憶装置104は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
外部記憶装置105は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、その他各種の不揮発性記憶媒体に情報を書き込み、あるいは不揮発性記憶媒体から所定の情報を読み出す装置である。
音声出力装置106は、音声情報を受け付けて音声に変換して出力する、いわゆるスピーカーである。
表示装置107は、例えば液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示出力を行う装置である。GPS装置108は、GPSによる測位を行い、座標情報を出力する装置である。なお、GPS装置108は、GPSに限らず、衛星からの情報による測位装置であればよく、GLONASS、準天頂衛星システムみちびき、北斗等の他の測位装置であってもよいし、これらを複合させて即位するものであってもよい。
上記した制御部120の各機能部、すなわち入力制御部121、画面制御部122、初期化処理部123、地点特定部124、逸脱判定部125、逸脱報知部126、進行度管理部127、路線情報更新部128は、演算装置102が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、主記憶装置104には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、上記した記憶部110は、主記憶装置104あるいは外部記憶装置105により、タッチパネル140は、入力受付装置101により、ディスプレイ150は、表示装置107により、通信部130は、通信装置103により、それぞれ実現される。
なお、上記した各構成要素は、車載機100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。車載機100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、制御部120の各機能部は、CPUに限らずハードウェア(ASIC、GPU(Graphics Processing Unit)など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
図3は、サーバー装置300のハードウェア構造例を示す図である。サーバー装置300は、入力受付装置301と、演算装置302と、通信装置303と、主記憶装置304と、外部記憶装置305と、音声出力装置306と、表示装置307と、これらをつなぐバス309と、を含んで構成される。
入力受付装置301は、ハードウェアボタンやタッチパネル等の各種入力装置である。演算装置302は、例えばCPUなどの演算装置である。
通信装置303は、携帯電話網や、無線ネットワーク等を介して、他の装置と通信経路を確立し情報を送受信するネットワークモジュール等の装置である。
主記憶装置304は、例えばRAMなどのメモリ装置である。
外部記憶装置305は、例えばハードディスクやSSD、その他各種の不揮発性記憶媒体に情報を書き込み、あるいは不揮発性記憶媒体から所定の情報を読み出す装置である。
音声出力装置306は、音声情報を受け付けて音声に変換して出力する、いわゆるスピーカーである。
表示装置307は、例えば液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等の表示出力を行う装置である。
上記した制御部320の各機能部、すなわち逸脱報知受信部321、逸脱提示部322、通話部323、プロファイル管理部324は、演算装置302が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、主記憶装置304には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
また、上記した記憶部310は、主記憶装置304あるいは外部記憶装置305により、通信部330は、通信装置303により、実現される。
なお、上記した各構成要素は、サーバー装置300の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。サーバー装置300の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、制御部320の各機能部は、CPUに限らずハードウェアにより構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
[動作の説明]次に、運行監視処理に関する全体の流れの動作について説明する。図5は、運行監視処理の流れを示す図である。運行監視処理は、車載機100の起動時あるいは路線走行終了後の、初期画面表示時に開始される。
まず、入力制御部121は、系統設定の入力があったか否かを判定する(ステップS001)。具体的には、入力制御部121は、系統のID等、系統を特定する情報の入力を受け付けたか否かを判定する。入力が無い(ステップS001にて「No」の)場合には、運行監視処理を終了させる。
系統設定の入力があった場合(ステップS001にて「Yes」の場合)には、初期化処理部123は、初期化処理を行う(ステップS002)。具体的には、初期化処理部123は、路線情報111のうち、入力された系統を特定する情報に応じた情報を読み出して進行度に応じた基準点の配列のバッファA[i]に設定し、各種の変数やメモリの初期化処理、GPSの取得開始処理、等を行う。
そして、地点特定部124は、地点検知処理を行う(ステップS003)。具体的には、地点特定部124は、所定の(例えば、3秒あるいはそれ未満の)間隔でGPSあるいはGLONASS、準天頂衛星システム等の衛星を用いた測位システムにより座標を取得し、当該座標が路線情報111のうち有効な進行度に属するすべての基準点およびその近傍のいずれに属するか特定することで、地点の管理番号を特定する。
そして、逸脱判定部125は、経路逸脱判定処理を行う(ステップS004)。具体的には、逸脱判定部125は、車両が通過した順番が通過順序を守っていない場合等、正常でない場合に逸脱を判定する。なお、逸脱判定部125は、地点特定部124が、現在地が路線情報に含まれない地点である場合にも、逸脱と判定する。ただし、地点特定部124が現在地を取得できない場合には、逸脱判定部125は逸脱と判定しない。
そして、入力制御部121は、ステップS001に制御を戻す。
以上が、運行監視処理の流れである。運行監視処理によれば、運行系統に応じて路線情報を設定し、現在地を路線上でトレースし、逸脱を検出し、運転者および管理者へ報知することができる。
図6は、地点検知処理の流れを示す図である。地点検知処理は、運行監視処理のステップS003において開始される。
地点特定部124は、GPSデータ取得を試みる(ステップS101)。具体的には、地点特定部124は、測位データをGPS装置108に要求する。
そして、地点特定部124は、測位に成功したか否かを判定する(ステップS102)。GPS装置108は、測位が正常に成功した場合には測位した緯度経度の座標値を出力するが、そうでない場合には位置が不明である旨の情報を出力する場合がある。そのため、地点特定部124は、緯度経度の座標値が正常に得られた場合には成功、そうでない場合には成功ではないとする。失敗の場合(ステップS102にて「No」の場合)には、地点特定部124は、連続未測位回数をインクリメントして(ステップS103)、制御をステップS101へ戻す。
測位に成功した場合(ステップS102にて「Yes」の場合)には、地点特定部124は、進行度に応じた地点データのバッファA[i]のi番目の地点とGPSデータの緯度経度とを用いて地点間距離を算出する(ステップS104)。
そして、地点特定部124は、A[i]の地点との地点間距離は、A[i]のi番目の地点に設定された近傍を示す半径以内か否かを判定する(ステップS105)。すなわち、地点特定部124は、現在地がA[i]地点の基準点またはその近傍にあるか否かを判定する。半径以内ではない場合(ステップS105にて「No」の場合)には、地点特定部124は、iをインクリメントして(ステップS106)、制御をステップS104へ戻す。
A[i]の地点との地点間距離が、A[i]のi番目の地点に設定された近傍を示す半径以内である場合(ステップS105にて「Yes」の場合)には、地点特定部124は、地点データのバッファA[i]の管理番号を候補地点として記憶させる(ステップS107)。
そして、地点特定部124は、進行度に応じた地点データのバッファA[i]の配列数がiに等しいか否か判定する(ステップS108)。配列数がiに等しくない場合(ステップS108にて「No」の場合)には、地点特定部124は、iをインクリメントして(ステップS106)、制御をステップS104へ戻す。
配列数がiに等しい場合(ステップS108にて「Yes」の場合)には、現在の進行度に応じた全地点との照合を終えているため、地点特定部124は、地点検知処理を終了させる。
以上が、地点検知処理の流れである。地点検知処理によれば、測位した現在地が、路線情報に含まれるどの地点情報に近いか、候補を抽出することができる。
図7は、経路逸脱判定処理の流れを示す図である。経路逸脱判定処理は、運行監視処理のステップS004において開始される。
まず、逸脱判定部125は、連続未測位回数は所定以上か否か判定する(ステップS201)。具体的には、逸脱判定部125は、地点検知処理のステップS103においてインクリメントされた連続未測位回数がある場合に、その値が所定(例えば、10)以上であるか否かを判定する。
連続未測位回数が所定以上である場合(ステップS201にて「Yes」の場合)には、逸脱判定部125は、進行度「j」に含まれる候補地点の中で最小の地点を現状位置とし連続未測位回数をゼロクリアする(ステップS202)。これはつまり、現状位置が不明な状態から脱した状態であるため、有効な進行度の中で最も早い段階において到着する地点の候補を暫定的な現状の位置として採用し、経路からの逸脱とは判定しない。
そして、逸脱判定部125は、後述するβが存在する場合には、βの管理番号の地点を現状の位置に採用し、連続経路逸脱回数をゼロクリアする(ステップS203)。なお、βが存在しない場合には、逸脱判定部125は、連続経路逸脱回数をゼロクリアするに留める。
連続未測位回数が所定以上でない場合(ステップS201にて「No」の場合)には、逸脱判定部125は、候補地点から現状の位置以上となる管理番号を抽出し、そのうちの最小値をβと特定する(ステップS204)。なお、逸脱判定部125は、候補地点がない場合には、ステップS206へ制御を進める。
そして、逸脱判定部125は、βは現状の位置より所定以上(例えば、5以上)大きい管理番号か否かを判定する(ステップS205)。βが現状の位置の管理番号よりも所定以上大きい管理番号ではない場合(ステップS205にて「No」の場合)には、逸脱判定部125は、制御をステップS203へ進める。
βが現状の位置の管理番号よりも所定以上大きい管理番号である場合(ステップS205にて「Yes」の場合)には、逸脱判定部125は、連続経路逸脱回数をインクリメントする(ステップS206)。
そして、逸脱判定部125は、連続経路逸脱回数は所定以上であるか否かを判定する(ステップS207)。連続経路逸脱回数は所定以上でない場合(ステップS207にて「No」の場合)には、逸脱判定部125は、経路逸脱判定処理を終了させる。
連続経路逸脱回数が所定以上である場合(ステップS207にて「Yes」の場合)には、逸脱判定部125は、経路逸脱であると判定し、逸脱報知部126に逸脱を報知させる(ステップS208)。
以上が、経路逸脱判定処理の流れである。経路逸脱判定処理によれば、現状位置を候補から絞り、管理番号に大幅な飛躍が見られる場合には経路逸脱と判定し報知処理を行うことができる。なお、報知処理は上述のとおり、車両の運転者に報知するか、サーバー装置300を介して運行管理者に報知するか、あるいはその両方か、を業務要件に応じて実施可能である。
図8は、経路逸脱判定処理の出力の例を示す図である。経路逸脱判定処理の出力例である画面400は、車載機100のディスプレイ150に表示される画面である。画面400には、経路逸脱を運転者に報知するためのメッセージが含まれたポップアップ401が表示される。メッセージは、例えば「警告!! 経路を逸脱しました 復旧指示を確認してください」等、経路逸脱の報知と、次のアクションを促すものであることが望ましい。
以上が、本発明に係る実施形態を適用した路線逸脱管理システム1である。路線逸脱管理システム1によれば、路線逸脱の検出と報知を速やかに行うことができる。さらには、GPSの測位不良等の場合であれば路線逸脱としないことで、誤検出を回避できる。
図9〜図11は、それぞれ路線逸脱が無い例、路線逸脱を検出する例、誤検出を回避する例を示す図である。
図9は、正常進行順の場合の運行監視処理の処理例を示す図である。ここでは、正常進行順として、停留所A501、B502、C503の順に進む路線500の例を示す。なお、停留所Aから停留所Cへは停留所Bのあるロータリーを経由せずに到達する経路があり、停留所Bはロータリーに入ることで到達できるものとする。
また、路線500には複数の管理地点521〜541が含まれ、管理地点521〜541のそれぞれは基準点(円の中心点)および近傍の範囲(円の半径)を有する。また、管理地点528の近傍の範囲を示す円の半径528rと管理地点540の近傍の範囲を示す円の半径540rに示されるように、それぞれの円の半径は異なっていてもよい。周囲に細街路等の間違いやすい道路がない場合や高速道路等では、円の半径は大きく設定することが可能となり、間違いやすい道路が近傍にある場合には、円の半径は小さく設定して細かに管理地点を設けることができ、一律に近傍の範囲を設定するよりも正確性を高めることができる。
図9の例では、車両は路線500に設定されたとおりの順番で管理地点521〜管理地点541を通過しており、GPSの測位に失敗することも無い例が示されている。このような場合には、車載機100は逸脱を検出することはない。
図10は、異常進行順の場合の運行監視処理の処理例を示す図である。つまり、路線逸脱を検出する例といえる。図10の例では、車両は路線500から逸脱して、ロータリーの出入り口となる交差点504を右折して停留所A501から停留所C503に至る経路550を走行してしまっている。そのため、停留所B502に寄ることができていない。このような経路550を走行する場合には、図9を参照すると交差点504において管理地点539に属したタイミングで逸脱を検出できるのが望ましい。すなわち、管理番号に大幅な飛躍が見られた場合に逸脱であると検出することが理にかなっており、本実施形態の車載機100はそのように逸脱を検出することができる。
図11は、みなし正常進行順の場合の運行監視処理の処理例を示す図である。みなし正常進行順とは、実際の進行は正常であるため問題ないが、システムの動作としては路線逸脱を検出してしまうおそれがある場合に、これを正常な進行とみなして扱うという意味である。図11ではこのような典型例として、停留所A501の次に交差点504において停留所B502方面へ進行したにもかかわらず、その付近でGPSが未測位状態となり、停留所Bを巡って再度交差点504へ進入するまで未測位状態が続き、その後は停留所C503に到着するまで正常に測位できた場合の経路560の例を示している。
このような場合には、実際に走行した経路は正常な路線500と差異はないが、検出された地点のデータとしてはあたかも停留所A501から交差点504で右折して停留所C503に到達した経路550を走行したかのように見えるデータが得られる。そのため、GPS未測位の区間が連続して所定以上あった場合(ステップS103でカウントした連続未測位回数が所定以上か否か判定するステップS201の処理で「Yes」となる場合)には、逸脱と判定せず、それ以前の逸脱を問わないようにしている。これにより、本来正常であるべきみなし正常進行順の場合についても、逸脱を誤検出せず、適切に逸脱の監視を行うことができる。
以上が、実施形態に係る路線逸脱管理システム1、路線逸脱検出装置である車載機100、サーバー装置300および路線逸脱検出方法である。上記の実施形態によれば、路線逸脱を管理できる路線逸脱検出機、管理サーバーおよび路線逸脱検出方法を提供することができる。
ただし、本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
1・・・路線逸脱管理システム、100・・・車載機、110・・・記憶部、111・・・路線情報、112・・・系統情報、113・・・進行度、120・・・制御部、121・・・入力制御部、122・・・画面制御部、123・・・初期化処理部、124・・・地点特定部、125・・・逸脱判定部、126・・・逸脱報知部、127・・・進行度管理部、128・・・路線情報更新部、130・・・通信部、140・・・タッチパネル、150・・・ディスプレイ、300・・・サーバー装置、310・・・記憶部、311・・・路線情報(マスタ)、312・・・代替路線情報、320・・・制御部、321・・・逸脱報知受信部、322・・・逸脱提示部、323・・・通話部、324・・・プロファイル管理部、330・・・通信部
Claims (10)
- 所定の運行系統に応じた複数の地点情報とその通過順序とを含む路線情報を記憶する記憶部と、
現在地を取得して前記地点情報と照合し現在地が含まれる地点を特定する地点特定部と、
前記地点の通過した順番が前記通過順序を守っていない場合に逸脱を判定する逸脱判定部と、
逸脱と判定されると逸脱を報知する逸脱報知部と、
を備えることを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記地点情報には、基準点および該基準点の近傍の範囲を特定する情報が含まれ、
前記地点特定部は、前記現在地が前記基準点または前記近傍の範囲に含まれる場合に前記現在地が含まれる地点を特定する、
ことを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記逸脱判定部は、前記現在地が前記地点情報に含まれない場合にも逸脱と判定する、
ことを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記逸脱判定部は、前記現在地が取得できない場合には逸脱と判定しない、
ことを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記逸脱報知部は、音声または画面表示により逸脱を報知する、
ことを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記逸脱報知部は、ネットワークを介して他の装置へ逸脱を報知する、
ことを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記地点情報には進行度が対応付けられ、
所定の地点を通過すると前記進行度を所定の値に設定する進行度管理部を備え、
前記地点特定部は、前記現在地を前記進行度に応じた前記地点情報と照合する、
ことを特徴とする路線逸脱検出機。 - 請求項1に記載の路線逸脱検出機であって、
前記逸脱判定部により逸脱と判定されると前記路線情報を外部の装置から受信して更新する路線情報更新部、
を備えることを特徴とする路線逸脱検出機。 - 路線を管理する管理サーバー装置であって、
所定の運行系統に応じた複数の地点情報とその通過順序とを含む路線情報と、前記運行系統に応じた別の地点情報と通過順序である代替路線情報と、を記憶する記憶部と、
外部の装置から逸脱の報知を受け付ける逸脱報知受信部と、
前記外部の装置の逸脱を提示する逸脱提示部と、
該外部の装置へ前記代替路線情報を送信するプロファイル管理部と、
を備える管理サーバー装置。 - 路線逸脱検出機による逸脱検出方法であって、
前記路線逸脱検出機は、
所定の運行系統に応じた複数の地点情報とその通過順序とを含む路線情報を記憶する記憶部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、
現在地を取得して前記地点情報と照合し現在地が含まれる地点を特定する地点特定ステップと、
前記地点の通過した順番が前記通過順序を守っていない場合に逸脱を判定する逸脱判定ステップと、
逸脱と判定されると逸脱を報知する逸脱報知ステップと、
を実施することを特徴とする路線逸脱検出方法。
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