以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1A〜図1Cは実施の形態1にかかる光源装置1の構成を示す図であり、図1Aは光源装置1を−z方向に見たときの構成を、また、図1Bは光源装置1を図1Aのy方向に見たときの構成を、図1Cは光源装置1を図1Aのx方向に見たときの光束の像を示している。
図1Aにおいて光源装置1は、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第一の反射ミラー501と、二つの反射面である第一反射面611と第二反射面612のなす角度が直角となる第一のプリズム610と、二つの反射面である第一反射面621と第二反射面622のなす角度が直角となる第二のプリズム620を備える。ここで、第一の反射ミラー501は、第一の反射部材の一例であり、第一のプリズム610、および第二のプリズム620は、直交するよう斜めに配置された第一反射面と第二反射面の二つの反射面を有する折り返し反射部材の一例である。
第一のレーザー光源ユニット100は、半導体レーザー素子110と集光レンズ120とから構成された半導体レーザー光源130、及び半導体レーザー素子140と集光レンズ150とから構成された半導体レーザー光源160が、2つずつ一定の間隔(x方向及びz方向の間隔が同ピッチ)で2次元状に4個(2×2)、アレイ状に配置されて構成されている。
第二のレーザー光源ユニット200は、半導体レーザー素子210と集光レンズ220とから構成された半導体レーザー光源230、及び半導体レーザー素子240と集光レンズ250とから構成された半導体レーザー光源260が、2つずつ一定の間隔(第一のレーザー光源ユニット100と同じピッチ)で2次元状に4個(2×2)、アレイ状に配置されて構成されている。
すなわち、第一のレーザー光源ユニット100と第二のレーザー光源ユニット200との半導体レーザー光源の配置は、実質的に同一となっており、これら第一、第二のレーザー光源ユニット100、200は、その出射方向+y、−y方向で互いに対向するように配置されている。
第一のレーザー光源ユニット100の半導体レーザー素子110、140から広がり角をもって出射された光は、対応する集光レンズ120、150により、それぞれ集光され、略平行な光束131、161に変換される。
第二のレーザー光源ユニット200の半導体レーザー素子210、240から広がり角をもって出射された光は、対応する集光レンズ220、250により、それぞれ集光され、略平行な光束231、261に変換される。
集光レンズ120、150を透過した光束131、161と、集光レンズ220、250を透過した光束231、261とは、x方向とz方向に広がり角を有しており、z方向の広がり角がx方向の広がり角よりも大きくなる様に半導体レーザー素子110、140、210、240は配置されている。
第一のレーザー光源ユニット100と第二のレーザー光源ユニット200は、図1Aに示すように、互いに対向する様に配置され、それぞれの半導体レーザー光源の光軸がx方向に下記の式1を満たす距離Lだけシフトした位置に配置されている。
ここで、tは第一の反射ミラー501の厚みを示し、θは光束の第一の反射ミラー501への入射角度を示し、nは第一の反射ミラー501の屈折率を示す。
第一の反射ミラー501は、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200からの出射光に対して斜め(本実施の形態では入射角45°)に配置され、入射光を反射する反射領域511、512、513、514と、入射光を透過する透過領域515、516とを有する。反射領域511、512、513、514は、それぞれ対応する半導体レーザー素子110、140、210、240の光軸上に配置されている。
第一のレーザー光源ユニット100から出射された光束131は、第一の反射ミラー501の反射領域511で反射され、光束161は反射領域512で反射される。
第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231は、第一の反射ミラー501の反射領域513で反射され、第二のプリズム620に入射する。第二のプリズム620に入射した光は、第二のプリズム620の内部で第一反射面621と第二反射面622とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第一の反射ミラー501の透過領域515に当たる位置に光軸がy方向にシフトされた状態で反射される。第二のプリズム620によって反射された光束231は第一の反射ミラー501の透過領域515を透過する。
また、第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束261は、第一の反射ミラー501の反射領域514で反射され、第一のプリズム610に入射する。第一のプリズム610に入射した光は、第一のプリズム610の内部で第一反射面611と第二反射面612とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第一の反射ミラー501の透過領域516に当たる位置に光軸がy方向にシフトされた状態で反射される。第一のプリズム610によって反射された光束261は第一の反射ミラー501の透過領域516を透過する。
第一の反射ミラー501を透過した光束231、261は、第一のレーザー光源ユニット100から出射され、第一の反射ミラー501の反射領域511、512で反射された光束131、161に対して、−y方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分シフトした位置に配置される。即ち、第二のレーザー光源ユニットからの複数の出射光の一部は、第一のレーザー光源ユニットからの出射光の光路間に挟まれる位置に配置される。
このように、第一のレーザー光源ユニット100からの各出射光に対して第二のレーザー光源ユニット200からの各出射光の光路が半ピッチ分シフトするようにして、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200からの出射光を合成したので、光源装置1から出射される出射光の密度は、1つのレーザー光源ユニットからの出射光の密度の2倍になる。
第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231、261は、第一の反射ミラー501と、第一、第二のプリズム610、620で反射され、第一の反射ミラー501の反射領域513、514と、透過領域515、516を透過する。そのため、図1Cに示す第一の反射ミラー501の透過領域を透過する際の光束231、261のスポット形状231a、261aのy方向の径が大きくなると、反射領域513、514、又は第一の反射ミラー501の端部で光束がケラレてしまう可能性がある。尚、図1Cにおいて、反射領域511に形成されたスポット形状131aは光束131のスポット形状を、反射領域512に形成されたスポット形状161aは光束161のスポット形状を、それぞれ表している。
本実施の形態では、第一の反射ミラー501の透過領域515、516の形状がz方向に長く形成されているので、第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231、261のz方向の広がり角がx方向の広がり角よりも大きくなる方向に、半導体レーザー素子210、240が配置されている。そのため、光束231、261がそれぞれ透過領域515、516に入射する際には、それぞれの光束のスポット形状231a、261aは、z方向に長くy方向に短い楕円形状となる。これにより、光束231、261が、第一の反射ミラー501の反射領域、又は端部でケラレることを防いでいる。
(実施の形態2)
図2A〜図2Dは実施の形態2にかかる光源装置2の構成を示す図であり、図2Aは光源装置2を−z方向に見たときの構成を、また、図2Bは光源装置2を図2Aのy方向に見たときの構成を、図2Cは光源装置2を図2Aの−y方向に見たときの構成を、図2Dは光源装置2を図2Aのx方向に見たときの光束の像を示している。尚、図2A〜図2Dにおいて、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付している。
図2Aにおいて光源装置2は、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第一の反射ミラー502と、折り返し反射ミラー710とを備える。折り返し反射ミラー710は、第一反射ミラー711と、第二反射ミラー712と、第一反射ミラーと第二反射ミラー712とのなす角度が直角となる様に保持する保持機構713とを備える。ここで、第一の反射ミラー502は、第一の反射部材の一例、折り返し反射ミラー710は、2枚のミラーとそれを直交する位置関係に支持する機構部材からなる折り返し反射部材の一例である。
第一、第二のレーザー光源ユニット100、200は、実施の形態1の場合と同様に、それぞれ4つの半導体レーザー光源が一定の間隔(ピッチ)で2次元状に4個(2×2)がアレイ状に配置されて構成されている。また、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200は、その出射方向+y、−y方向で互いに対向するように配置されている。
第一のレーザー光源ユニット100から出射された光束131、161と第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231、261とは、x方向とz方向に広がり角を有している。但し、後述する第一の反射ミラー502の反射領域及び透過領域の形成方向を考慮して、実施の形態2では実施の形態1と異なり、x方向の広がり角がz方向の広がり角よりも大きくなる様に半導体レーザー素子110、140、210、240は配置されている。
第一の反射ミラー502は、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200からの出射光に対して斜め(本実施の形態では入射角45°)に配置され、光を反射する反射領域521、522、523、524と、入射光を透過する透過領域525、526とを有する。反射領域521〜524は、それぞれ対応する半導体レーザー素子110、140、210、240の光軸上に配置されている。透過領域525は、第一の反射ミラー502の+z方向側であって反射領域521、523と第一の反射ミラー502の端部との間に位置し、透過領域526は、第一の反射ミラー502の−z方向側であって反射領域521、523と反射領域522、524との間に位置する。
第一のレーザー光源ユニット100から出射された光束131、161は、図2C、図2Dに示すように、第一の反射ミラー502の反射領域521、522で反射され、−x方向に出射される。
第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231、261は、図2Bに示すように、第一の反射ミラー502の反射領域523、524で反射され、折り返し反射ミラー710に入射する。折り返し反射ミラー710に入射した光束231、261は、折り返し反射ミラー710の内部で第一反射ミラー711と第二反射ミラー712とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第一の反射ミラー502の透過領域525、又は透過領域526に当たる位置に光軸がz方向にシフトされた状態で反射される。折り返し反射ミラー710によって反射された光束231、261は第一の反射ミラー502の透過領域525、又は透過領域526を透過する。
具体的には、第二のレーザー光源ユニット200の+z方向側に配置された半導体レーザー光源230、260からの光束231、261は、折り返し反射ミラー710によって−z方向側にシフトされて第一の反射ミラー502の−z方向側に配置された透過領域526を透過する。また、第二のレーザー光源ユニット200の−z方向側に配置された半導体レーザー光源230、260からの光束231、261は、折り返し反射ミラー710によって+z方向側にシフトされて第一の反射ミラー502の+z方向側に配置された透過領域525を透過する。
第一の反射ミラー502の透過領域525を透過した光束231、261は、図2Cに示すように、反射領域521で反射された光束131、161に対して+z方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分シフトした位置に配置される。同様に、第一の反射ミラー502の透過領域526を透過した光束231、261は、反射領域522で反射された光束131、161に対して+z方向に半ピッチ分シフトした位置に配置される。言い換えると、第一の反射ミラー502の透過領域526を透過した光束231、261は、反射領域521で反射された光束131、161と反射領域522で反射された光束131、161とにz方向に挟まれた位置に配置される。
このように、第一のレーザー光源ユニット100からの各出射光に対して第二のレーザー光源ユニット200からの各出射光の光路をシフトさせて、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200からの出射光を合成したので、光源装置1から出射される出射光の密度は、1つのレーザー光源ユニットからの出射光の密度の2倍になる。
第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231、261は、第一の反射ミラー502と折り返し反射ミラー710で反射された後、第一の反射ミラー502の端と反射領域521、523とに挟まれた透過領域525、及び反射領域521、523と反射領域522、524とに挟まれた透過領域526を透過する。そのため、図2Dに示すように、第一の反射ミラー502を透過する際の光束231、261のスポット形状231a、261aが、z方向に長い場合、反射領域521〜524、又は第一の反射ミラー502の端とで光束231、261がケラレてしまう可能性がある。尚、図2Dにおいて、反射領域522、522のスポット形状131a、161aは、光束131、161のスポット形状をそれぞれ表している。
本実施の形態では、第一の反射ミラー502の透過領域525、526の形状がz方向に短く形成されているので、第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231、261のx方向の広がり角がz方向の広がり角よりも大きくなる方向に、半導体レーザー素子210、240は配置されている。そのため、光束231、261が透過領域525、526に入射する際には、光束231、261のスポット形状231a、261aは、y方向に長くz方向に短い楕円形状となる。これにより、光束231、261が、反射領域521〜524、又は第一の反射ミラー502の端でケラレることを防いでいる。
(実施の形態3)
図3A、図3Bは実施の形態3にかかる光源装置3の構成を示す図であり、図3Aは光源装置3を上面から見たときの構成を、また、同図3Bは光源装置3を側面から見た(図3Aのy方向に見た)ときの構成を示している。尚、図3A、図3Bにおいて、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付している。
図3Aにおいて光源装置3は、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第三のレーザー光源ユニット300と、第四のレーザー光源ユニット400と、第一の反射ミラー510と、第二の反射ミラー520と、二つの反射面である第一反射面611と第二反射面612のなす角度が直角となる第一のプリズム610とを備える。ここで、第一の反射ミラー510は、第一の反射部材の一例であり、第二の反射ミラー520は、第二の反射部材の一例である。また、第一のプリズム610は、直交する二つの反射面を有する折り返し反射部材の一例であり、本実施の形態では、y方向に4個並置されている。
第一のレーザー光源ユニット100は、半導体レーザー素子110と集光レンズ120とから構成された半導体レーザー光源130が一定の間隔(等ピッチ)で2次元状に16個(4×4)がアレイ状に配置されて構成されている。
第二のレーザー光源ユニット200は、半導体レーザー素子210と集光レンズ220とから構成された半導体レーザー光源230が一定の間隔(第一のレーザー光源ユニット100と同じ等ピッチ)で2次元状に16個(4×4)がアレイ状に配置されて構成されている。
すなわち、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200との半導体レーザー光源の配置は、実質的に同一となっており、これら第一、第二のレーザー光源ユニット100、200は、その出射方向+y、−y方向で互いに対向するように配置されている。
第三のレーザー光源ユニット300は、半導体レーザー素子310と集光レンズ320とから構成された半導体レーザー光源330が一定の間隔(第一のレーザー光源ユニット100と同じ等ピッチ)で2次元状に16個(4×4)がアレイ状に配置されて構成されている。
第四のレーザー光源ユニット400は、半導体レーザー素子410と集光レンズ420とから構成された半導体レーザー光源430が一定の間隔(第一のレーザー光源ユニット100と同じ等ピッチ)で2次元状に16個(4×4)がアレイ状に配置されて構成されている。
すなわち、第三のレーザー光源ユニット300と第四のレーザー光源ユニット400の半導体レーザー光源の配置は、実質的に同一となっており、これら第三、第四のレーザー光源ユニット300、400が、その出射方向が+y、−y方向で互いに対向するように配置されている。第三、第四のレーザー光源ユニット300、400は、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200に対して、z方向に、半導体レーザー光源の配置ピッチの半分の高さだけシフトした位置に配置されている。
第一のレーザー光源ユニット100の半導体レーザー素子110から広がり角をもって出射された光は、対応する集光レンズ120により集光され、略平行な光束131に変換される。
第二のレーザー光源ユニット200の半導体レーザー素子210から広がり角をもって出射された光は、対応する集光レンズ220により集光され、略平行な光束231に変換される。
第三のレーザー光源ユニット300の半導体レーザー素子310から広がり角をもって出射された光は、対応する集光レンズ320により集光され、略平行な光束331に変換される。
第四のレーザー光源ユニット400の半導体レーザー素子410から広がり角をもって出射された光は、対応する集光レンズ420により集光され、略平行な光束431に変換される。
集光レンズ120を透過した光束131と、集光レンズ220を透過した光束231と、集光レンズ320を透過した光束331と、集光レンズ420を透過した光束431と、は、x方向とz方向に広がり角を有しており、z方向の広がり角がx方向の広がり角よりも大きくなる様に半導体レーザー素子110、210、310、410は配置されている。
第一のレーザー光源ユニット100と第二のレーザー光源ユニット200は、図3Aに示すように、互いに対向する様に配置され、光束がx方向に下記の式2を満たす距離L1だけ光軸間でシフトした位置に配置されている。
ここで、t1は第一の反射ミラー510の厚みを示し、θ1は光束の第一の反射ミラー510への入射角度を示し、n1は第一の反射ミラー510の屈折率を示す。
第三のレーザー光源ユニット300と第四のレーザー光源ユニット400は、互いに対向する様に配置され、光束がx方向に下記の式3を満たす距離L2だけ光軸間でシフトした位置に配置されている。
ここで、t2は第二の反射ミラー520の厚みを示し、θ2は光束の第二の反射ミラー520への入射角度を示し、n2は第二の反射ミラー520の屈折率を示す。
また、本実施の形態においては、t1=t2、θ1=θ2、n1=n2であり、L1=L2となっている。
第一の反射ミラー510は、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200からの出射光に対して斜め(本実施の形態では入射角45°)に配置され、入射光を反射する反射領域517(図3Bにおいてグレーで塗りつぶされた領域、図3Aでは省略)と、入射光を透過する透過領域518とを有する。反射領域517は、それぞれ対応する半導体レーザー素子110、210の光軸上に配置され、第一の反射ミラー510の+y方向側の面と−y方向側の面にそれぞれ16箇所形成されている。
第二の反射ミラー520は、第三、第四のレーザー光源ユニット300、400からの出射光に対して斜め(本実施の形態では入射角45°)に配置され、入射光を反射する反射領域527(図3Bにおいてグレーで塗りつぶされた領域、図3Aでは省略)と、入射光を透過する透過領域528とを有する。反射領域527は、それぞれ対応する半導体レーザー素子310、410の光軸上に配置され、第二の反射ミラー520の+y方向側の面と−y方向側の面にそれぞれ16箇所形成されている。
第一の反射ミラー510の+y方向側の反射領域517と第二の反射ミラー520の+y方向側の反射領域527とは、図3A及び図3Bに示すように、y方向の同じ位置に配置され、z方向には半導体レーザー光源の配置ピッチの半分の高さだけシフトした位置に配置されている。第一の反射ミラー510の−y方向側の反射領域517と第二の反射ミラー520の−y方向側の反射領域527との関係も同様である。
第一のレーザー光源ユニット100から出射された光束131は、第一の反射ミラー510の+y方向側に形成された反射領域517で反射され、−x方向に出射される。
第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231は、第一の反射ミラー510の−y方向側の反射領域517で反射され、第二の反射ミラー520の透過領域528を透過し、第一のプリズム610に入射する。このように第二の反射ミラー520は、第一の反射ミラー510で反射された第二のレーザー光源ユニット200からのレーザー光が、第一のプリズムに至る間に配置されている。第一のプリズム610に入射した光束231は、第一のプリズム610の内部で第一反射面611と第二反射面612とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第二の反射ミラー520の透過領域528と第一の反射ミラー510の透過領域518に当たる位置に光軸がy方向にシフトされた状態で反射される。第一のプリズム610によって反射された光束231は第二の反射ミラー520の透過領域528を透過し、第一の反射ミラー510の透過領域518を透過する。
第一の反射ミラー510を透過した光束231は、図3Aに示すように、第一のレーザー光源ユニット100から出射され第一の反射ミラー510の反射領域517で反射された光束131に対して、−y方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。
このようにして、第一のレーザー光源ユニット100から出射されたレーザー光が第一の反射ミラー510に反射されて進む光路と、第二のレーザー光源ユニット200から出射されたレーザー光が第一の反射ミラー510、及び第一のプリズム610で反射さられた後に進む光路は、互いに並行で、かつ進行方向が同じになるように、2つのレーザー光源ユニットからのレーザー光が合成される。
第三のレーザー光源ユニット300から出射された光束331は、第二の反射ミラー520の+y方向側に形成された反射領域527で反射され、第一の反射ミラー510の透過領域518を透過する。このとき、光束331は、図3Bに示すように、第一のレーザー光源ユニット100から出射され第一の反射ミラー510の反射領域517で反射された光束131に対して、+z方向に半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。
第四のレーザー光源ユニット400から出射された光束431は、第二の反射ミラー520の−y方向側に形成された反射領域527で反射され、第一のプリズム610に入射する。第一のプリズム610に入射した光は、第一のプリズム610の内部で第一反射面611と第二反射面612とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第二の反射ミラー520の透過領域528と、第一の反射ミラー510の透過領域518に当たる位置に光軸がy方向にシフトされた状態で反射される。第一のプリズム610によって反射された光束431は第二の反射ミラー520の透過領域528を透過し、第一の反射ミラー510の透過領域518を透過する。
第一の反射ミラー510を透過した光束431は、図3Aに示すように、第三のレーザー光源ユニット300から出射され第二の反射ミラー520の反射領域527で反射された光束331に対して、−y方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。また、光束431は、図3Bに示すように、第二のレーザー光源ユニット200から出射され第一の反射ミラー510を透過した光束231に対して、+z方向に半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。
このようにして、第三のレーザー光源ユニット300から出射されたレーザー光が第二の反射ミラー520に反射されて進む光路と、第四のレーザー光源ユニット400から出射されたレーザー光が第二の反射ミラー520、及び第一のプリズム610に反射された後に進む光路は、互いに並行、かつ進行方向が同じになるように、2つのレーザー光源ユニットからのレーザー光が合成される。
これにより、1つの光源装置を構成するレーザー光源ユニットのレーザー配置密度が4倍になる様、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第三のレーザー光源ユニット300と、第四のレーザー光源ユニット400とから出射された光束を合成配置することができる。
(実施の形態4)
図4A、図4Bは実施の形態4にかかる光源装置4の構成を示す図であり、図4Aは光源装置4を上面から見たときの構成を、また、図4Bは光源装置4を側面から見た(図4Aのy方向に見た)ときの構成を示している。尚、図4A、図4Bにおいて、実施の形態3と同一の構成要素には同一の符号を付している。
図4Aにおいて光源装置4は、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第三のレーザー光源ユニット300と、第四のレーザー光源ユニット400と、第一の反射ミラー510と、第二の反射ミラー520と、二つの反射面である第一反射面631と第二反射面632のなす角度が直角となる第三のプリズム630とを備える。ここで、第一の反射ミラー510は、第一の反射部材の一例であり、第二の反射ミラー520は、第二の反射部材の一例である。また、第三のプリズム630は、直交する二つの反射面を有する折り返し反射部材の一例であり、本実施の形態では、z方向に2個並置されている。
本実施の形態では、実施の形態3と異なり、使用されるプリズムのサイズが大きく、また、第一〜第四のレーザー光源ユニット100〜400と、第一、第二の反射ミラー510、520との配置関係が異なっている。以下の説明で詳述するが、第一〜第四のレーザー光源ユニットは、図4Bに示すように、高さ方向(z方向)で、各々の半導体レーザー光源の位置が揃うように配置される。第一〜第四のレーザー光源ユニットの上の2段のレーザー光源からのレーザー光が上段の第三のプリズム630に入反射され、第一〜第四のレーザー光源ユニットの下の2段のレーザー光源からのレーザー光が下段の第三のプリズム630に入反射される。
実施の形態4では実施の形態3と異なり、光束131、231、331、431の広がり角は、x方向の広がり角がz方向の広がり角よりも大きくなる様に半導体レーザー素子110、210、310、410が配置されている。
第一の反射ミラー510は、第一、第二のレーザー光源ユニット100、200からの出射光に対して斜め(本実施の形態では入射角45°)に配置され、入射光を反射する反射領域517(図4Bにおいてグレーで塗りつぶされた領域、図4Aでは省略)と、入射光を透過する透過領域518とを有する。反射領域517は、それぞれ対応する半導体レーザー素子110、210の光軸上に配置され、第一の反射ミラー510の+y方向側の面と−y方向側の面にそれぞれ16箇所形成されている。
第二の反射ミラー520は、第三、第四のレーザー光源ユニット300、400からの出射光に対して斜め(本実施の形態では入射角45°)に配置され、光を反射する反射領域527(図4Bにおいてグレーで塗りつぶされた領域)と、入射光を透過する透過領域528とを有する。反射領域527は、それぞれ対応する半導体レーザー素子310、410の光軸上に配置され、第二の反射ミラー520の+y方向側の面と−y方向側の面にそれぞれ16箇所形成されている。
第一の反射ミラー510の+y方向側の反射領域517と第二の反射ミラー520の+y方向側の反射領域527とは、図4A及び図4Bに示すように、y方向に半ピッチ分シフトした位置に配置され、z方向には同じ位置に配置されている。第一の反射ミラー510の−y方向側の反射領域517と第二の反射ミラー520の−y方向側の反射領域527との関係も同様である。
第一のレーザー光源ユニット100から出射された光束131は、第一の反射ミラー510の+y方向側の反射領域517で反射され、−x方向に出射される。
第二のレーザー光源ユニット200から出射された光束231は、第一の反射ミラー510の−y方向側の反射領域517で反射され、第二の反射ミラー520の透過領域528を透過し、第三のプリズム630に入射する。第三のプリズム630に入射した光束231は、第三のプリズム630の内部で第一反射面631と第二反射面632とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第二の反射ミラー520の透過領域528と、第一の反射ミラー510の透過領域518に当たる位置に光軸がz方向にシフトされた状態で反射される。第三のプリズム630によって反射された光束231は第二の反射ミラー520の透過領域528を透過し、第一の反射ミラー510の透過領域518を透過する。
第一の反射ミラー510を透過した光束231は、第一のレーザー光源ユニット100から出射され第一の反射ミラー510の反射領域517で反射された光束131に対して、z方向にシフトした位置に配置される。実施の形態4では、図4Bに示すように、光束231は全体として、光束131に対して、+z方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。
このようにして、第一のレーザー光源ユニット100からの複数の各出射光に対して、第二のレーザー光源ユニット200からの複数の各出射光が、+z方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。そして、第一のレーザー光源ユニット100から出射されたレーザー光が第一の反射ミラー510に反射されて進む光路と、第二のレーザー光源ユニット200から出射されたレーザー光が第一の反射ミラー510、及び第三のプリズム630に反射された後に進む光路とは、互いに並行、かつ進行方向が同じになり、2つのレーザー光源ユニットからのレーザー光が合成される。
第三のレーザー光源ユニット300から出射された光束331は、第二の反射ミラー520の+y方向側の反射領域527で反射され、第一の反射ミラー510の透過領域518を透過する。光束331の光路は、図4Aに示すように、第一の反射ミラー510の反射領域517で反射された光束131に対して、+y方向に半ピッチ分シフトされた位置となる。
第四のレーザー光源ユニット400から出射された光束431は、第二の反射ミラー520の−y方向側の反射領域527で反射され、第三のプリズム630に入射する。第三のプリズム630に入射した光束431は、第三のプリズム630の内部で第一反射面631と第二反射面632とで2回反射することにより、入射した際の光軸と平行であり、かつ第二の反射ミラー520の透過領域528と、第一の反射ミラー510の透過領域518に当たる位置に光軸がz方向にシフトされた状態で反射される。第三のプリズム630によって反射された光束431は、第二の反射ミラー520の透過領域528を透過し、第一の反射ミラー510の透過領域518を透過する。
第一の反射ミラー510を透過した光束431は、図4Bに示すように、第三のレーザー光源ユニット300から出射され第二の反射ミラー520の反射領域527で反射された光束331に対して、z方向にシフトした位置に配置される。また、光束431は、図4Aに示すように、第二のレーザー光源ユニット200から出射され第一の反射ミラー510を透過した光束231に対して、+y方向に半ピッチ分シフトした位置に配置される。
このようにして、第三のレーザー光源ユニット300からの複数の各出射光に対して、第四のレーザー光源ユニット400からの複数の各出射光が、+z方向に半導体レーザー光源の配列ピッチの半ピッチ分だけシフトした位置に配置される。そして、第三のレーザー光源ユニット300から出射されたレーザー光が第二の反射ミラー520に反射されて進む光路と、第四のレーザー光源ユニット400から出射されたレーザー光が第二の反射ミラー520、及び第三のプリズム630に反射された後に進む光路とは、互いに並行、かつ進行方向が同じになり、2つのレーザー光源ユニットからのレーザー光が合成される。
これにより、実施の形態3と同様に、1つの光源装置を構成するレーザー光源ユニットのレーザー配置密度が4倍になる様、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第三のレーザー光源ユニット300と、第四のレーザー光源ユニット400とから出射された光束を合成配置することができる。
(実施の形態5)
図5は実施の形態4にかかる光源装置4を使用した投写型画像表示装置5の構成を示している。
画像形成素子として、TNモードもしくはVAモードであって、画素領域に薄膜トランジスタを形成したアクティブマトリクス方式の透過型の液晶パネルを用いている。
光源装置4は、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第三のレーザー光源ユニット300と、第四のレーザー光源ユニット400と、第一の反射ミラー510と、第二の反射ミラー520と、第三のプリズム630で構成されている。以上は、本開示の実施の形態4の光源装置4であるので、その重複説明は省略する。実施の形態5では半導体レーザー素子に青色半導体レーザーが用いられ、光源装置4は青色光を出射する。
実施の形態5の投写型画像表示装置5は、レンズ10と、レンズ11と、拡散板12、ダイクロイックミラー13、コンデンサレンズ14、反射膜と蛍光体層21を形成したアルミニウム基板22とモーター23から構成される蛍光体基板20、1/4波長板30、コンデンサレンズ31、拡散層32、反射板33、第1のレンズアレイ板40、第2のレンズアレイ板41、偏光変換素子42、重畳用レンズ43とを備える。これらは光源装置4とともに照明装置を構成する。投写型画像表示装置5は、さらに、青反射のダイクロイックミラー51、緑反射のダイクロイックミラー52、反射ミラー54、56、57、リレーレンズ53、55、フィールドレンズ61、62、63、入射側偏光板64、65、66、液晶パネル67、68、69、出射側偏光板70、71、72、赤反射のダイクロイックミラーと青反射のダイクロイックミラーから構成される色合成プリズム73、及び投写レンズ75を含む。液晶パネルは、光変調素子の一例であり、レンズ10から入射側偏光板64、65、66のそれぞれの光路が、光源装置4からの光を、被照明領域(液晶パネル67、68、69の光入射面)に導く導光部であり、液晶パネル67、68、69は、被照明領域に配置される。
光源装置4から出射された光束は、レンズ10によって集光され、レンズ11によって、略平行な光束に戻された後、拡散板12を透過する。拡散板12は、ガラス製で、表面の微細な凹凸形状により光を拡散する。ダイクロイックミラー13は、拡散板12を透過した光束を2方向に分離する光分離素子である。
ダイクロイックミラー13のカットオフ波長は、光源装置4から出射される青色光の波長とほぼ等しくなるように設定されており、光源装置4から出射される光のうち、S偏光の光に対し高反射の特性を有し、P偏光の光に対し高透過の特性を有する。さらに、緑および赤の色光を透過する。
拡散板12を透過した光束のS偏光の成分はダイクロイックミラー13によって反射され、コンデンサレンズ14によって蛍光体層21上に集光され、蛍光体層21を励起する。拡散板12は、蛍光体層上に集光されるスポット光の径が、所望の径となるよう光を拡散させる。
蛍光体基板20は蛍光体層21と、アルミニウム基板22と、モーター23から構成されている。蛍光体層21はアルミニウム基板22と、モーター23とを備えた、回転制御可能な円形基板上に円環状に形成されている。蛍光体層21は、青色光により励起され、緑、赤成分を含んだ黄色光を発光するCe付活YAG系黄色蛍光体から形成されている。この蛍光体の結晶母体の代表的な化学組織はY3Al5O12である。
蛍光体基板20を回転させることにより、励起光による蛍光体層21の温度上昇が抑制される。これにより、蛍光変換効率を安定的に維持させることができる。
蛍光体層21で生じた緑と赤の蛍光はコンデンサレンズ14に入射し、反射膜側に発光する光は反射膜で反射された後にコンデンサレンズ14に入射する。発生した蛍光はコンデンサレンズ14によって略平行な光に変換され、ダイクロイックミラー13を透過する。
拡散板12を透過した光のP偏光の成分は、ダイクロイックミラー13を透過する。その後に光のP偏光の成分は、1/4波長板30を透過し、コンデンサレンズ31によって拡散層32上に集光される。拡散層32は、薄板のガラス表面に、微細な凹凸形状を形成したものである。反射板33は、誘電体膜やアルミニウムなどの反射膜で構成されたものである。拡散層32は入射光を拡散させることで、光強度分布を良好に均一化するとともに、レーザー光のスペックルノイズを解消させる。
拡散層32に照射された光は拡散層32によって拡散されるとともに反射板33によって反射され、コンデンサレンズ31によって平行な光束に変換され、1/4波長板30を透過することによりS偏光の光に変換され、ダイクロイックミラー13により反射される。これにより、ダイクロイックミラー13により反射された青の光束は、蛍光体層21で生じ、ダイクロイックミラー13を透過した赤と緑の光束と合成され、白色光となる。
ダイクロイックミラー13で合成された白色光は、複数のレンズ素子から構成される第1のレンズアレイ板40に入射する。第1のレンズアレイ板40に入射した光束は多数の光束に分割される。分割された多数の光束は、複数のレンズから構成される第2のレンズアレイ板41に収束する。第1のレンズアレイ板40のレンズ素子は液晶パネル67、68、69と相似形の開口形状である。第2のレンズアレイ板41のレンズ素子は第1のレンズアレイ板40と液晶パネル67、68、69とが略共役関係となるようにその焦点距離を決めている。第2のレンズアレイ板41から出射した光は偏光変換素子42に入射する。偏光変換素子42は、偏光分離プリズムと1/2波長板により構成され、蛍光体層21からの自然光を一つの偏光方向の光に変換する。蛍光光は自然光であるため、自然光はひとつの偏光方向に偏光変換されるが、青色光はS偏光の光で入射するため、P偏光に変換される。偏光変換素子42からの光は重畳用レンズ43に入射する。重畳用レンズ43は第2のレンズアレイ板41の各レンズ素子からの出射した光を液晶パネル67、68、69上に重畳照明するためのレンズである。
重畳用レンズ43からの光は、色分離素子である青反射のダイクロイックミラー51、緑反射のダイクロイックミラー52により、青、緑、赤の色光に分離される。緑の色光はフィールドレンズ61、入射側偏光板64を透過して、液晶パネル67に入射する。青の色光は反射ミラー57で反射した後、フィールドレンズ62、入射側偏光板65を透過して液晶パネル68に入射する。赤の色光はリレーレンズ53、55や反射ミラー54、56を透過屈折および反射して、フィールドレンズ63、入射側偏光板66を透過して、液晶パネル69に入射する。
3枚の液晶パネル67、68、69は映像信号に応じた画素への印加電圧の制御により入射する光の偏光状態を変化させ、それぞれの液晶パネル67、68、69の両側に透過軸を直交するように配置したそれぞれの入射側偏光板64、65、66および出射側偏光板70、71、72を組み合わせて光を変調し、緑、青、赤の画像を形成する。出射側偏光板70、71、72を透過した各色光は色合成プリズム73により、赤、青の各色光がそれぞれ赤反射のダイクロイックミラー、青反射のダイクロイックミラーによって反射し、緑の色光と合成され、投写レンズ75に入射する。投写レンズ75に入射した光は、スクリーン(図示せず)上に拡大投写される。
本実施の形態5の光源装置4は、実施の形態4で説明したように、出射されるレーザー光束の密度を上げることができるので、複数の固体光源を用いて小型に構成され、長寿命で、高輝度な投写型表示装置を実現できる。また、画像形成素子には、時分割方式ではなく偏光を利用する3枚の液晶パネルを用いているため、カラーブレイキングがなく色再現が良好で、明るく高精細な投写画像を得ることができる。また、3つのDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)素子を用いた場合よりも、全反射プリズムが不要で、色合成用のプリズムが45度入射の小型プリズムになるため、投写型画像表示装置が小型に構成できる。
画像形成素子として、透過型の液晶パネルを用いたが、反射型の液晶パネルを用いて構成してもよい。反射型の液晶パネルを用いることにより、より小型で高精細な投写型表示装置が構成できる。
本実施の形態5では光源として、青色レーザーと蛍光体を用いたが、赤色、緑色、青色のレーザー光源を用いて構成してもよい。赤色、緑色、青色のレーザー光源を用いることで、より色域の広い投写型画像表示装置が構成できる。
(実施の形態6)
図6は、本開示の実施の形態6にかかる第2の投写型画像表示装置6を示す。画像形成素子として、3つのDMDを用いている。
光源装置4は、第一のレーザー光源ユニット100と、第二のレーザー光源ユニット200と、第三のレーザー光源ユニット300と、第四のレーザー光源ユニット400と、第一の反射ミラー510と、第二の反射ミラー520と、第三のプリズム630で構成されている。以上は、本開示の実施の形態4の光源装置4であるので、その重複説明は省略する。実施の形態6では半導体レーザー素子に青色半導体レーザーが用いられ、光源装置4は青色光を出射する。
実施の形態6の投写型画像表示装置6は、レンズ10と、レンズ11と、拡散板12と、ダイクロイックミラー15と、コンデンサレンズ14と、蛍光体基板20と、第五のレーザー光源ユニット500と、レンズ35と、反射ミラー36と、拡散板37と、レンズ38と、集光レンズ45と、ロッド46と、リレーレンズ80と、反射ミラー81とを備える。これらは光源装置4とともに照明装置を構成する。蛍光体基板20は、反射膜と蛍光体層21を形成したアルミニウム基板22と、モーター23とから構成される。投写型画像表示装置6は、さらに、フィールドレンズ82と、全反射プリズム83と、カラープリズム84と、DMD87、88、89と、投写レンズ75とを含む。DMD87、88、89は、光変調素子の他の例であり、レンズ10からカラープリズム84までの光路が、光源装置4からの光を、被照明領域(DMD87、88、89の光入射面)に導く導光部であり、DMD87、88、89は、被照明領域に配置される。
光源装置4から出射された光束は、レンズ10によって集光され、レンズ11によって、略平行な光束に戻された後、拡散板12を透過する。拡散板12は、ガラス製で、表面の微細な凹凸形状により光を拡散する。
ダイクロイックミラー15は光源装置4からの青色光を透過し、赤と緑を反射する特性を有する。
光源装置4から出射され、拡散板12を透過した光束は、ダイクロイックミラー15を透過し、コンデンサレンズ14によって蛍光体層21上に集光され、蛍光体層21を励起する。拡散板12は、蛍光体層上に集光されるスポット光の径が、所望の径となるよう光を拡散させる。
蛍光体基板20は蛍光体層21と、アルミニウム基板22と、モーター23から構成されている。蛍光体層21はアルミニウム基板22と、モーター23とを備えた、回転制御可能な円形基板上に円環状に形成されている。蛍光体層21は、青色光により励起され、緑、赤成分を含んだ黄色光を発光するCe付活YAG系黄色蛍光体から形成されている。この蛍光体の結晶母体の代表的な化学組織はY3Al5O12である。
蛍光体基板20を回転させることにより、励起光による蛍光体層21の温度上昇が抑制される。これにより、蛍光変換効率を安定的に維持させることができる。
蛍光体層21で生じた緑と赤の蛍光はコンデンサレンズ14に入射し、反射膜側に発光する光は反射膜で反射された後にコンデンサレンズ14に入射する。発生した蛍光はコンデンサレンズ14によって略平行な光に変換され、ダイクロイックミラー15で反射される。
第五のレーザー光源ユニット500は、第一〜第四のレーザー光源ユニット100〜400と同様に青色の半導体レーザー素子と、集光レンズとから構成された半導体レーザー光源と、一定の間隔で2次元状に4個(2×2)がアレイ状に配置されて構成されている。第五のレーザー光源ユニット500から出射された光束はレンズ35によって集光され、反射ミラー36で反射され、拡散板37を透過し、レンズ38によって略平行な光に変換される。拡散板37は、ガラス製で、表面の微細な凹凸形状により光を拡散する。拡散板37は入射光を拡散させることで、光強度分布を良好に均一化するとともに、レーザー光のスペックルノイズを解消させる。
レンズ38によって略平行光に戻された第五のレーザー光源ユニット500から出射された青色光はダイクロイックミラー15を透過し、蛍光体層21から生じた赤と緑の光と合成され、白色光となる。
ダイクロイックミラー15によって合成された白色光は、集光レンズ45に入射し、ロッド46へ集光する。ロッド46への入射光はロッド内部で複数回反射することにより、光強度分布が均一化され出射する。ロッド46からの出射光はリレーレンズ80により集光され、反射ミラー81で反射した後、フィールドレンズ82を透過し、全反射プリズム83に入射する。全反射プリズム83は2つのプリズムから構成され、互いのプリズムの近接面には薄い空気層90を形成している。空気層90は臨界角以上の角度で入射する光を全反射する。フィールドレンズ82からの光は全反射プリズム83の全反射面で反射されて、カラープリズム84に入射する。
カラープリズム84は3つのプリズムからなり、それぞれのプリズムの近接面には青反射のダイクロイックミラー85と赤反射のダイクロイックミラー86が形成されている。カラープリズム84の青反射のダイクロイックミラー85と赤反射のダイクロイックミラー86により、青、赤、緑の色光に分離され、それぞれの色光はDMD87、88、89に入射する。DMD87、88、89は映像信号に応じてマイクロミラーを偏向させ、投写レンズ75に入射する光と、投写レンズ75の有効外へ進む光とに反射させる。DMD87、88、89により反射された光は、再度、カラープリズム84を透過する。カラープリズム84を透過する過程で、分離された青、赤、緑の各色光は合成され、全反射プリズム83に入射する。全反射プリズム83に入射した光は空気層90に臨界角以下で入射するため、透過して、投写レンズ75に入射する。このようにして、DMD87、88、89により形成された画像光がスクリーン(図示せず)上に拡大投写される。
光源装置は、複数の固体光源で構成され、高効率で良好なホワイトバランスの白色光を出射するため、長寿命で、高輝度な投写型画像表示装置を実現できる。また、画像形成素子にDMDを用いているため、液晶を用いた画像形成素子と比べて、耐光性、耐熱性が高い投写型画像表示装置が構成できる。さらに、3つDMDを用いているため、色再現が良好で、明るく高精細な投写画像を得ることができる。
光源として、青色レーザーと蛍光体を用いたが、赤色、緑色、青色のレーザー光源を用いて構成してもよい。赤色、緑色、青色のレーザー光源を用いることで、より色域の広い投写型表示装置が構成できる。