JP2019101179A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱される定着回転体に圧接する加圧回転体の周面に付着した水分を吸収して除去する吸水機能をより長期に持続可能な定着装置を提供すること。【解決手段】加圧ローラー63の周面に位置Pで接触して加圧ローラー63の周面に付着した水分Wを吸収する吸水ローラー67と、吸水ローラー67の周面を加熱して吸水ローラー67が吸収した水分を蒸発させる吸水ローラー加熱部68を設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、記録シート上の未定着画像を定着させる定着装置および画像形成装置に関する。
プリンターなどの画像形成装置は、加熱手段により加熱される定着ローラーや定着ベルトなどの定着回転体に加圧ローラーなどの加圧回転体を押圧して、定着回転体と加圧回転体との間に定着ニップを形成し、その定着ニップに記録シートを通紙して、記録シート上のトナーなどの未定着画像を加熱、加圧により定着する定着装置を備える。
記録シートとして吸湿した用紙を用いる場合、その用紙が定着ニップを通過する際、用紙に含有されている水分が定着ニップで蒸発し、発生した水蒸気が定着ニップの外に出たときに水滴層として加圧回転体の周面に付着することがある。
含水量が多い用紙ほど蒸発する水分が多くなり、加圧回転体の周面に付着する水滴層の水分量が増える。加圧回転体の回転により周面に付着した水滴層が再度、定着ニップに至り、用紙と加圧回転体間に介在すると、用紙と加圧回転体間の摩擦力が低下する。この摩擦力の低下により、用紙の搬送スリップが生じ易くなる。用紙の搬送スリップは、用紙搬送に支障を来たす。
そこで、特許文献1には、加圧回転体の周面に吸水性フェルトを板ばねにより圧接させ、加圧回転体の周面に付着した水分を除去する定着装置が開示されている。
特開2000−221813号公報
特許文献1の構成では、吸水性フェルトに吸収された水分の量が容量に達して、水分を吸収できない状態に至ると、以降、上記の搬送スリップを防止できなくなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、加圧回転体に付着した水分を吸収する機能をより長期に持続可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明に係る定着装置は、加熱手段により加熱される定着回転体とこれに圧接する加圧回転体との間に形成される定着ニップに記録シートを通過させて、当該記録シート上の未定着画像を熱定着する定着装置であって、前記加圧回転体の周面に接触しつつ回転する、吸水性を有する吸水回転体と、前記吸水回転体に吸水されている水分を蒸発させる蒸発手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記蒸発手段は、前記吸水回転体の周面に熱を付与する熱源を含むとしても良い。
ここで、前記熱源は、前記加圧回転体の周面と前記吸水回転体の周面の両方に接触しつつ回転する金属ローラーであるとしても良い。
ここで、前記加圧回転体の回転方向において前記吸水回転体と前記金属ローラーとがこの順に隣接配置されているとしても良い。
また、前記加圧回転体の回転方向において前記金属ローラーと前記吸水回転体とがこの順に隣接配置されているとしても良い。
さらに、前記吸水回転体の回転方向は、前記加圧回転体の周面と接触している第1位置で前記加圧回転体とは逆方向であり、前記金属ローラーの回転方向は、前記加圧回転体の周面と接触している第2位置で前記加圧回転体と同方向であるとしても良い。
また、前記加圧回転体と前記金属ローラーと前記吸水回転体のうち、前記加圧回転体の周面の離型性が最も優れており、前記吸水回転体の周面の離型性が最も劣っているとしても良い。
さらに、前記蒸発手段は、前記吸水回転体の周面に風を当てるブロワーであるとしても良い。
また、前記加圧回転体と前記吸水回転体とが離間する離間状態から接触する接触状態に切り換え可能な切換手段と、吸湿している記録シートが前記定着ニップを通過する際に当該記録シートに含まれている水分が蒸発して前記加圧回転体の周面に水滴が付着する状態になると想定される所定条件が満たされると、前記切換手段に、前記加圧回転体と前記吸水回転体とを前記離間状態から前記接触状態に切り換えさせる切換制御手段と、をさらに備えるとしても良い。
ここで、前記所定条件は、装置周辺または装置内が所定温度以上かつ所定湿度以上の高温高湿環境であること、前記加圧回転体の温度が一定値以上の高温になったこと、および、前記記録シートに定着すべき未定着画像の印字率が所定値以上であることの少なくとも一つであるとしても良い。
ここで、前記定着回転体と前記加圧回転体を回転させる駆動手段と、前記定着回転体の温度を検出する検出手段と、前記駆動手段と前記加熱手段を制御して、ジョブの実行指示を受け付ける前には、前記定着回転体と前記加圧回転体の回転を停止させつつ前記加熱手段の加熱を停止させるスタンバイになり、ジョブの実行指示を受け付けると前記スタンバイから、前記定着回転体を定着に要する定着温度に至るまで昇温させるウォームアップに遷移し、前記ウォームアップ終了後には前記定着回転体の温度を前記定着温度に維持しつつ前記定着回転体と前記加圧回転体を回転させてジョブを実行し、ジョブ終了に伴って前記スタンバイ状態に戻る状態制御手段と、前記加圧回転体の温度を推定する推定手段と、をさらに備え、前記所定条件には、前記加圧回転体の温度が一定値以上の高温になったことが含まれ、前記推定手段は、ジョブの実行指示を受け付けた時点では、前回のジョブ終了時から現在までの経過時間と前記ジョブ終了時における前記加圧回転体の推定温度とに基づき前記加圧回転体の現在の温度を第1温度として推定し、前記ウォームアップ終了時では、前記ウォームアップ中における前記加圧回転体の単位時間当たりの昇温率を前記ウォームアップの開始から終了までに要した時間に乗算した温度と、前記第1温度とを足し合わせた第2温度を前記加圧回転体の現在の温度と推定し、前記ウォームアップ後のジョブ実行中に前記定着ニップを第1の記録シートが通っている通紙中には、前記第2温度から、前記通紙中における前記加圧回転体の単位時間当たりの降温率を前記通紙開始からの経過時間に乗算した温度を差し引いた第3温度を前記加圧回転体の現在の温度と推定するとしても良い。
ここで、前記推定手段は、ジョブ実行中において前記第1の記録シートが前記定着ニップを通過後、これに続く第2の記録シートが前記定着ニップに至るまでの空回転中では、前記第1の記録シートが前記定着ニップを抜けた時点における前記加圧回転体の推定温度を第4温度とした場合、当該第4温度に、前記空回転中における前記加圧回転体の単位時間当たりの昇温率を前記空回転開始からの経過時間に乗算した温度を足し合わせた第5温度を、前記加圧回転体の現在の温度と推定するとしても良い。
また、前記吸水回転体の周面に対して接触と離間が切り換え可能なクリーニング部材と、前記定着ニップを通過した記録シートの累積枚数が所定枚数よりも少ない場合、前記クリーニング部材を前記吸水回転体の周面から離間させ、前記累積枚数が所定枚数に達すると、前記クリーニング部材を前記吸水回転体の周面に接触させて前記吸水回転体の周面をクリーニングさせるクリーニング制御手段と、を備えるとしても良い。
さらに、前記吸水回転体を前記金属ローラーに近づく方向に付勢する付勢手段と、前記加熱手段の加熱と前記吸水回転体の回転を制御して、前記吸水回転体の周面をクリーニングするクリーニング制御手段と、を備え、前記未定着画像は、トナーからなるトナー像であり、前記吸水回転体の周面は、弾性体であり、前記クリーニング制御手段は、前記定着ニップを通過した記録シートの累積枚数が所定枚数に達し、かつ前記加圧ローラーの周面温度が前記トナーの軟化点よりも所定値低い低温の場合、前記加熱手段による加熱を停止しつつ前記吸水回転体を回転させるとしても良い。
本発明に係る画像形成置は、搬送される記録シート上に形成された未定着画像を定着させる定着部を備える画像形成装置であって、前記定着部として、上記の定着装置を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、吸水回転体の周面に吸収された水分を蒸発手段により蒸発させることができるので、吸水回転体による吸水機能をより長期に持続可能になる。
実施の形態1に係るプリンターの全体の構成を示す概略正面図である。 プリンターの全体制御部の構成を示すブロック図である。 プリンターの定着部の構成を示す図である。 実施の形態2に係る定着部の構成を示す図である。 実施の形態2に係る定着部の変形例の構成を示す図である。 実施の形態3に係る定着部の構成と制御の仕組みを示す図である。 吸水ローラーの位置を切り換える位置切換制御の内容を示すフローチャートである。 実施の形態4に係る定着部の構成を示す図である。 温度推定制御の内容を示すフローチャートの一部である。 温度推定制御の内容を示すフローチャートの残りの部分である。 温度推定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 実施の形態5に係る定着部の構成と制御の仕組みを示す図である。 クリーニング制御の内容を示すフローチャートの一部である。 クリーニング制御の内容を示すフローチャートの残りの部分である。 実施の形態6に係る定着部の構成と制御の仕組みを示す図である。 実施の形態6に係るクリーニング制御の内容を示すフローチャートである。 クリーニング処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型のカラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)に適用した場合を例にして説明する。
〔実施の形態1〕
(1)プリンターの構成
図1は、プリンター1の構成を示す概略正面図である。
同図に示すように、プリンター1は、画像形成部3、中間転写部4、給送部5、定着部6、全体制御部7および操作パネル8などを備えている。
プリンター1は、ネットワーク(例えば、LAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてカラーのトナー像を形成し、形成したトナー像を記録シートへ転写してカラー画像を形成する。
画像形成部3は、作像部3Y、3M、3C、3Kと露光部10を有する。
作像部3Kは、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム31と、その周囲に配設された帯電部32、現像部33、およびクリーナー34などを有しており、感光体ドラム31上にブラック(K)色のトナー像を作像する。
作像部3Y、3M、3Cは、作像部3Kと基本的に同様の構成であり、同図では符号が省略されている。作像部3Yは、イエロー(Y)色のトナー像を作像し、作像部3Mは、マゼンタ(M)色のトナー像を作像し、作像部3Cは、シアン(C)色のトナー像を作像する。なお、上記では、感光体ドラム31を像担持体として用いる構成としたが、これに限られず、例えば感光体ベルトなどを用いることもできる。
中間転写部4は、作像部3Y〜3Kよりも上に配置される中間転写ベルト41に加えて、駆動ローラー42、従動ローラー43、作像部3Y〜3Kのそれぞれごとに対応して配された一次転写ローラー44、二次転写ローラー45などを有している。
中間転写ベルト41は、駆動ローラー42と、従動ローラー43と、4本の一次転写ローラー44とに張架されて矢印Bで示す方向に周回駆動される。
一次転写ローラー44は、作像部3Y〜3Kごとに、中間転写ベルト41を介して感光体ドラム31に対向配置されている。二次転写ローラー45は、中間転写ベルト41を介して駆動ローラー42に対向配置されている。
露光部10は、作像部3Y〜3Kよりも下に配置され、全体制御部7からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のための光ビームLy、Lm、Lc、Lkを作像部3Y〜3Kごとに、帯電部32により帯電された感光体ドラム31に向けて発し、感光体ドラム31を照射して露光走査する。この露光走査により、作像部3Y〜3Kの各感光体ドラム31上に静電潜像が形成される。
作像部3Y〜3Kごとに、感光体ドラム31上の静電潜像は、現像部33の現像剤により現像されることにより、当該作像部に対応する色のトナー像が感光体ドラム31上に形成され、そのトナー像が一次転写ローラー44により中間転写ベルト41に一次転写される。この際、各色の作像動作は、トナー像が中間転写ベルト41上の同位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。
なお、一次転写の際に、感光体ドラム31上のトナー像のうち、中間転写ベルト41に転写されずに感光体ドラム31上に残ってしまった残留トナーは、クリーナー34により感光体ドラム31上から除去される。
給送部5は、記録シート、ここでは用紙Sを収容する給紙カセット51と、給紙カセット51内の用紙Sを搬送路53上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラー52と、繰り出された用紙Sを二次転写ローラー45が中間転写ベルト41に接している二次転写位置46に送り出すタイミングをとって用紙Sを搬送するタイミングローラー54などを備えている。
タイミングローラー54は、中間転写ベルト41上に多重転写されたY〜K色のトナー像が二次転写位置46に搬送されるタイミングに合わせて、用紙Sを二次転写位置46に搬送する。そして、用紙Sが二次転写位置46を通過する際に、二次転写ローラー45により中間転写ベルト41上のトナー像が用紙S上に二次転写される。
二次転写位置46でトナー像が二次転写された用紙Sは、定着部6に搬送される。
定着部6は、二次転写位置46よりも上に配置され、二次転写ローラー45により搬送されて来る用紙S上のトナー像(未定着画像)を加熱、加圧により熱定着する。定着部6を通過した用紙Sは、排出ローラー55により機外に排出され、排紙トレイ56に収容される。
操作パネル8は、ユーザーがプリンター1の前に立ったときに操作し易い位置、ここでは装置本体2の上面の装置正面側の位置に配されており、ユーザーからの各種ジョブの実行指示を受け付けるキー、実行すべきジョブの選択入力を受け付ける選択キー、使用される用紙のサイズや種類などを含む各種情報の入力を受け付けるキーなどを有する。操作パネル8で受け付けられた情報は、全体制御部7に送られる。
(2)全体制御部の構成
図2は、全体制御部7の構成を示すブロック図である。
同図に示すように全体制御部7は、通信インターフェース(I/F)部7a、CPU7b、ROM7c、RAM7dなどを備え、それぞれが相互に通信を行うことができる。
通信I/F部7aは、ネットワーク、例えばLANと接続するためのLANカード、LANボードといったインターフェースであり、ネットワークを介して接続される外部の端末装置と通信を行う。
CPU7bは、外部の端末装置からネットワークを介して送られて来るプリントジョブや操作パネル8から送られて来る情報に基づき、作像部3Y〜3K、露光部10、中間転写部4、給送部5、定着部6を制御して、プリントジョブを円滑に実行させる。また、定着部6の定着ベルト61(後述)の温度を定着に必要な温度(定着温度)に維持する温調制御を行う。
ROM7cには、作像部3Y〜3Kなどの各部の制御に必要なプログラムが格納され、そのプログラムがCPU7bにより読み出される。RAM7dは、CPU7bのワークエリアとして用いられる。
(3)定着部6の構成
図3は、定着部6の構成を示す図であり、図3では、定着部6を図1に示す姿勢から時計回りに90°回転させた姿勢に変更した上で、用紙Sが定着ニップ69を通過している様子を示している。
同図に示すように定着部6は、無端状の定着ベルト61(定着回転体)と、加熱ローラー62と、加圧ローラー63(加圧回転体)と、定着ヒーター64(ベルト加熱手段)と、押圧パッド65と、ベルト温度検出センサー66と、吸水ローラー67(吸水回転体)と、吸水ローラー加熱部68(蒸発手段)を備える。
定着ベルト61は、加熱ローラー62と押圧パッド65により張架され、矢印E方向に回転する加圧ローラー63に従動して、矢印D方向に周回走行する。定着ベルト61は、例えばPI(ポリイミド)樹脂などからなる基層の上にSi(シリコーン)ゴムなどの弾性層が積層されてなる。
加熱ローラー62は、定着ベルト61の内周面に接触し、円筒状の芯金の表面にシリコーンゴムなどの弾性層が積層されてなる。
加熱ローラー62の軸方向(紙面垂直方向)の長さは、搬送される用紙Sの幅よりも少し長くなっている。この軸方向に長尺であることについては、定着ベルト61、加圧ローラー63、定着ヒーター64、押圧パッド65、吸水ローラー67、吸水ローラー加熱部68について同じである。
加熱ローラー62の軸方向両端部は、定着部6のフレーム(不図示)に回転自在に支持されており、定着ベルト61に従動して矢印Dh方向に回転可能である。
定着ヒーター64は、棒状の例えば1000Wのハロゲンヒーターであり、円筒形状の加熱ローラー62に内挿されている。定着ヒーター64から発する熱は、加熱ローラー62に伝えられる。
押圧パッド65は、定着ベルト61の内周面に接触する面の横断面形状が円弧状であり、定着ベルト61を挟んで加圧ローラー63とは反対側の位置に配されており、定着ベルト61を加圧ローラー63に押圧するように定着部6のフレームに支持されている。
押圧パッド65は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)などの耐熱性の樹脂から構成される。押圧パッド65の、定着ベルト61の内周面との接触面には、低摩擦性のコートが施されている。
ベルト温度検出センサー66は、定着ベルト61の温度を検出するサーミスターであり、温度検出結果を全体制御部7に送る。
加圧ローラー63は、ベルト周回経路の外側であり、定着ベルト61を挟んで、ベルト周回経路の内側に位置する押圧パッド65とは反対側の位置に配されている。加圧ローラー63は、鉄製の中実の芯金63aの表面にシリコーンゴムなどの弾性層63bとPFAチューブなどの表層63cがこの順に積層されてなる。
加圧ローラー63は、軸方向両端部が定着部6のフレームに回転自在に支持かつ定着ベルト61を介して押圧パッド65に近づく方向にバネなどの付勢部材(不図示)により常時、付勢されている。この付勢力により、加圧ローラー63が定着ベルト61を介して押圧パッド65を押圧して、加圧ローラー63が定着ベルト61の表面(外周面)に圧接する領域(定着ニップ)69が形成される。同図では、用紙Sが定着ニップ69を通っている間(通紙中)の様子を示しており、用紙Sが通過した後には、加圧ローラー63が定着ベルト61の表面に直に接した状態になる。加圧ローラー63は、駆動モーター59からの回転駆動力により矢印E方向に回転駆動される。
用紙Sが定着ニップ69を通過していない状態で、加圧ローラー63が矢印E方向に回転すると、加圧ローラー63の回転駆動力が定着ニップ69で圧接されている定着ベルト61に伝わり、定着ベルト61が矢印D方向に従動して周回走行しつつ加熱ローラー62が定着ベルト61に従動回転する。
これと並行して、定着ヒーター64が通電されると、定着ヒーター64から発せられた熱が加熱ローラー62から定着ベルト61に伝わり、定着ベルト61の周回走行により定着ニップ69に至る。これにより、定着ヒーター64からの熱が定着ニップ69に供給される。
定着ベルト61の温度が定着温度(例えば、170℃)に達してから用紙Sが定着ニップ69を通過することで、用紙S上の未定着のトナー像が加熱、加圧により用紙S上に定着される。
全体制御部7のCPU7bは、プリントジョブ実行中に定着ベルト61の温度が定着温度を超えると、定着ヒーター64をオフして加熱を停止させ、再度、定着温度を下回ると、定着ヒーター64をオンして加熱を開始することを繰り返す温調制御を行う。これにより、定着ベルト61の温度が定着温度に安定して維持される。
吸水ローラー67は、加圧ローラー63の周面に接触するローラーであり、芯金671の表面に吸水層672が設けられてなり、加圧ローラー63の回転に従動して矢印F方向に回転する。芯金671には、例えば鉄などからなる中実軸が用いられ、軸方向両端部が定着部6のフレームに回転自在に支持されている。なお、バネなどの付勢部材の付勢力により常時、吸水ローラー67が加圧ローラー63の周面に圧接されるとしても良い。
吸水層672には、耐熱性の連続気泡体で構成された樹脂などからなるスポンジ状またはフェルト状のものが用いられる。吸水性を有する材料であれば良く、例えば綿、羊毛などからなる織布、不織布や、吸水性ポリマーなどの多孔性無機材料を用いても良い。
吸水ローラー67を設けるのは、上記のように吸湿した用紙Sが定着ニップ69を通過する際、用紙Sに含有している水分が定着ニップ69の熱で蒸発し、その水蒸気が定着ニップ69を出た直後に水滴Wとなって加圧ローラー63の周面に付着した場合にその水滴Wを吸収して、加圧ローラー63の周面から除去するためである。
特に、用紙S上における形成画像の印字率(1枚の用紙Sの表面Saの全体面積におけるトナー像の形成領域の比率)が大きい、具体的には80%以上の場合、表面Sa全体のほとんどをトナー像が占めることから、用紙Sから発する水蒸気は、表面Sa側ではそのトナー像に遮蔽されてほとんど外に出られず、その代わりに裏面Sb側から多く外に出て、加圧ローラー63の周面に触れて水滴Wとなって付着し易い。
加圧ローラー63の周面に付着している水滴Wの水分量が少ない状態であれば、吸水ローラー67による吸収、除去が行われ易い。ところが、用紙Sに含有している水分量が多いために発生する水蒸気が多くなったり、吸湿した用紙Sが連続搬送されたりした場合に、吸水ローラー67の周面に付着する水滴Wの量が次第に多くなってくると、吸収が追いつき難くなり、やがて、吸水ローラー67が吸収した水分量が容量に至ると、これ以降、吸水できない状態になる。そうなると、加圧ローラー63の周面と用紙S間に水滴層が介在することによる搬送スリップが生じ易くなる。
そこで、本実施の形態では、吸水ローラー67を配置するだけではなく、さらに吸水ローラー67の水分を蒸発させるための吸水ローラー加熱部68を設けている。
吸水ローラー加熱部68は、吸水ローラー67の近傍に配置され、蒸発用ヒーター681と、蒸発用ヒーター681からの熱を反射して吸水ローラー67に向かわせる反射部材682とを備える。蒸発用ヒーター681は、例えばハロゲンヒーターが用いられ、不図示の電源からの電力供給により発熱する。蒸発用ヒーター681からの熱が吸水ローラー67の周面に伝わり、吸水ローラー67に吸収された水分が蒸発することにより、吸水ローラー67の含水量が低減する。
具体的には、加圧ローラー63の周面上の水滴Wは、吸水ローラー67が加圧ローラー63に接触している接触位置Pで吸水ローラー67の周面に吸収される。吸水ローラー67の周面は、接触位置Pのみで加圧ローラー63の周面に接している。このため、吸水ローラー67の周面のうち、周方向において加圧ローラー63と接触している領域以外の非接触領域は、吸水ローラー67の周辺の空気に直に触れることになる。
吸水ローラー67の周面のうち、接触位置Pで水分を吸収した周面部分が接触位置Pを通過後、再度、接触位置Pに至るまでの間に亘って、吸水ローラー67の周辺の空気に触れることにより、吸収した水分が自然蒸発される。また、水分を吸収した周面部分が吸水ローラー加熱部68と対向する領域Q(周方向に位置HとGの間の領域)を通過する際に、蒸発用ヒーター681の熱により水分が気化される。自然蒸発に加えて、蒸発器である吸水ローラー加熱部68の熱により吸水ローラー67の水分の蒸発がさらに促進される。
このような吸水ローラー67および吸水ローラー加熱部68を設ける構成(実施例)と、吸水ローラーを設けるが吸水ローラー加熱部を設けない構成(比較例)のそれぞれについて搬送スリップの発生の有無を確認するための実験を行った。
実験条件は、次の通りである。プリンターを高温高湿環境下(温度30℃、湿度85%)に長時間放置した後、A4サイズの用紙を1枚ずつ順番に5000枚、通紙して、それぞれの用紙に印字率80%の画像をプリントするジョブを行う。なお、プリントは、給紙カセットからN(奇数)枚目の用紙Sと(N+1)枚目の用紙Sを連続通紙後、15秒を経過してから、(N+2)枚目の用紙Sと(N+3)枚目の用紙Sに対する連続通紙を開始することを繰り返し行う間欠通紙方法により行われた。また、プリント対象の用紙Sは、高温高湿環境下の長時間の放置により吸湿しており、水分量計の計測で8〜9%の水分が含まれているものが用いられた。
比較例の場合、プリント枚数が1500枚目に至ると、用紙Sと加熱ローラー64間に搬送スリップが生じ始め、1900枚目に至ると、スリップする量が大きくなって用紙Sが定着ニップ69で搬送できなくなってしまい、ジャム(紙詰まり)が生じた。
本実験では、間欠通紙により、(N+1)枚目の用紙Sが定着ニップ69を通過後、15秒間経過してから(N+2)枚目の用紙Sが定着ニップ69に至るようになっている。従って、この15秒間は、加圧ローラー63と定着ベルト61が回転しつつ定着ニップ69には用紙Sが存在しない時間になる。用紙Sが定着ニップ69に存在しない状態で加圧ローラー63と定着ベルト61が回転することを空回転という。
この空回転中でも、上記の温調制御により定着ベルト61は、定着温度(ここでは170℃)で維持されるため、定着ベルト61の熱が定着ニップ69において加圧ローラー63に伝わり、加圧ローラー63の温度が上昇する。
空回転の終了後、(N+2)枚目と(N+3)枚目の各用紙Sが連続して定着ニップ69を通っている間には、加圧ローラー63の熱がその2枚の用紙Sにある程度奪われるが、次の空回転の実行により、再度、定着ベルト61の熱が加圧ローラー63に伝わることが繰り返され、ジョブ実行中に加圧ローラー63の温度が徐々に上がっていく。
加圧ローラー63の温度が上がっていくに伴って、用紙Sに含有されている水分の蒸発量が増えていき、加圧ローラー63の周面に付着する水分量が増えていく。加圧ローラー63の周面上の水分は、吸水ローラーにより吸収されるが、加圧ローラー63の周面上の水分量が増えるほど、吸水ローラーの吸水が追いつかなくなり、吸水機能が低下していく。吸水機能が低下した状態が長く続くと、または吸水量が吸水ローラーの容量に達すると、加圧ローラー63の周面上における水滴層の水分量がさらに増加して、定着ニップ69において用紙Sと加圧ローラー63間に水滴層が介在するようになる。
用紙Sと加圧ローラー63間に水滴層が介在すると、用紙Sと加圧ローラー63間の摩擦力が低下し、加圧ローラー63による用紙Sに対する搬送力も低下して、用紙Sの搬送スリップが生じ易くなり、やがて搬送できなくなるジャムに至る。
これに対し、実施例の構成では、吸水ローラー加熱部により吸水ローラーが加熱され、その熱が吸水ローラーに吸収された水分を蒸発させるので、吸水ローラーの吸水機能が長期に亘って低下することがない。これにより、加圧ローラー63の周面上の水分量が増えても、その水分を吸水ローラーで十分に吸収することができる。実施例の場合、プリント枚数が5000枚目を超えても搬送スリップが生ぜず、用紙Sのジャムが発生しないことが確認された。実施例の構成において、実験条件のうち印字率を100%に変更した別の実験を行った結果、同様に用紙Sのジャムが発生しないことも確認された。
以上、説明したように本実施の形態では、吸水ローラー67に含有されている水分を加熱により蒸発させる吸水ローラー加熱部68を備えるので、単に吸水ローラーを設ける比較例の構成よりも、吸水ローラー67の吸水機能を長期に亘って維持でき、定着ニップ69における用紙Sの搬送スリップによるジャムの発生を防止することができる。
上記では、吸水ローラー加熱部68による吸水ローラー67の加熱を何時行うかについて、特に言及しなかったが、例えば吸水ローラー67の回転中、具体的には加圧ローラー63の回転駆動開始から終了までの間とすることができる。加圧ローラー63の回転駆動は、ジョブ実行中(空回転中を含む)に行われるが、ジョブ実行中以外、例えばウォームアップ中に行われる場合もある。ここでウォームアップは、プリンター1の電源オンを契機に定着ヒーター64による定着ベルト61の加熱が開始された後、定着ベルト61の温度が定着温度まで昇温して、プリントが可能なレディ状態に至るまでの動作をいう。
また、吸水ローラー67の加熱をプリンター1への電源オン時とすることもできる。さらに、高温高湿環境下にある場合と印字率が一定値(例えば、50%)以上の画像に対するプリントを含むジョブ実行の場合のうち一方または両方の場合とすることもできる。
なお、ジョブが終了してから次のジョブが開始されるまでの期間(ジョブ非実行時)には、加圧ローラー63の回転駆動が停止され、定着ヒーター64がオフされて、定着ベルト61の加熱が停止される。次のジョブを実行する際には、加圧ローラー63の回転駆動が再開され、定着ヒーター64のオンにより定着ベルト61が定着温度まで昇温される。これにより、定着が可能になる。ジョブ非実行時に加圧ローラー63の回転駆動が停止されつつ定着ヒーター64がオフされている状態をスタンバイという。スタンバイの解除に伴って定着ベルト61が定着温度まで昇温される動作もウォームアップに含まれる。スタンバイ、ウォームアップ、ジョブ実行などの各種状態(モード)の切り換えは、状態制御手段として機能する全体制御部7により実行される。
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1では、吸水ローラー67に含まれる水分を加熱により蒸発させる蒸発手段として、電力供給により発熱する蒸発用ヒーター681を熱源に用いる構成例を説明したが、本実施の形態2では、蒸発用ヒーター681に代えて、加圧ローラー63に接触した状態で回転する金属ローラーを熱源としており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
図4は、実施の形態2に係る定着部6の構成を示す図である。
同図に示すように、実施の形態2に係る定着部6は、加圧ローラー63の周面に接触するローラーとして、吸水ローラー67に加えて金属ローラー201を備えている。
金属ローラー201は、加圧ローラー63の周囲であり、加圧ローラー63と吸水ローラー67との接触位置Pよりも回転方向(矢印E方向)下流側かつ定着ニップ69よりも回転方向上流側の位置Uで加圧ローラー63の周面に接触しつつ、吸水ローラー67の周面とも位置Rで接触する位置に配置されている。
金属ローラー201は、熱伝導性の良い例えばアルミニウム、ステンレス、鉄などの材料からなり、その回転軸211が定着部6のフレームに回転自在に支持される。吸水ローラー67は、駆動モーター210の駆動力を受けて、矢印J方向に回転駆動される。
加圧ローラー63、金属ローラー201、吸水ローラー67の周面の離型性の関係は、加圧ローラー63が最も優れ、吸水ローラー67が最も劣るという関係になっており、加圧ローラー63の周面に付着した水滴Wがより効果的に吸水ローラー67に吸収される。
加圧ローラー63が矢印E方向に回転駆動されつつ吸水ローラー67が矢印J方向に回転駆動されると、金属ローラー201が加圧ローラー63と吸水ローラー67のそれぞれから回転力を受けて、矢印I方向に従動回転する。なお、加圧ローラー63と吸水ローラー67との接触位置Pにおいて、加圧ローラー63の回転方向と吸水ローラー67の回転方向は逆(カウンター)方向になるが、加圧ローラー63と金属ローラー201との接触位置Uにおいては、加圧ローラー63の回転方向と金属ローラー201の回転方向とは同方向になる。
加圧ローラー63には、定着ニップ69において定着ベルト61の熱が伝わっており、加圧ローラー63に伝わった熱は、加圧ローラー63に位置Uで常時接触している金属ローラー201にも伝わる。加圧ローラー63の温度は、ジョブ実行中にある程度高い温度、例えば80℃〜100℃程度まで上昇する。この加圧ローラー63の昇温に伴って、熱伝導性の高い金属ローラー201も昇温する。
一方、吸水ローラー67も位置Pで加圧ローラー63に接触しているが、樹脂製のスポンジなどからなる吸水ローラー67は、金属ローラー201よりも熱伝導性が高くないので、金属ローラー201よりも温度が上がることはない。
このような構成において、プリント実行中に加圧ローラー63の周面上に付着した水滴Wは、接触位置Pで吸水ローラー67の周面に吸収される。吸水ローラー67の周面のうち、接触位置Pで水分を吸収した部分(周面部分)は、吸水ローラー67の矢印J方向の回転に伴って、金属ローラー201との接触位置Rに向かう。その周面部分が接触位置Rに至るまでの間に、吸収されている水分が自然蒸発する。その周面部分が接触位置Rに至ると、金属ローラー201の周面に接触する。
金属ローラー201は、加圧ローラー63の熱により、吸水ローラー67よりも高い温度まで昇温しており、その温度差が金属ローラー201から吸水ローラー67への熱の移動、つまり金属ローラー201による吸水ローラー67の加熱を生じさせる。この加熱により、吸水ローラー67の周面部分に吸収されている水分が蒸発する。この水分の蒸発による気化熱により、金属ローラー201の周面温度が低下する。
水分が蒸発した吸水ローラー67の周面部分が接触位置Rを通過後、再度、加圧ローラー63との接触位置Pに至ると、加圧ローラー63の周面に付着している水滴Wが吸収される。また、気化熱により温度が下がった加圧ローラー63の周面部分が再度、定着ニップ69に至ると、用紙Sを介して定着ベルト61の熱を受け取るが、温度が低下している分、昇温が抑制される。定着ベルト61の温度が定着温度に維持されている状態で、加圧ローラー63の温度が低いよりも高い方が用紙Sから蒸発する水分が多くなるので、加圧ローラー63の昇温が抑えられることにより、以降、加圧ローラー63の周面に付着する水滴Wの水分量が抑制される。
吸水ローラー67が1回転する度に、水滴Wの吸収、水分の自然蒸発、金属ローラー201(熱源)の熱による水分の蒸発、再度の水滴Wの吸収が繰り返される。
このように吸水ローラー67の水分を蒸発させるための熱源として、加圧ローラー63の熱を受ける金属ローラー201を用いる構成にすれば、吸水ローラー67を加熱するヒーターへの電力供給が不要になり、消費電力の増加を防止しつつ加圧ローラー63周面の水滴Wの除去による搬送スリップを防止することができる。
なお、上記では、加圧ローラー63の回転方向に沿って吸水ローラー67と金属ローラー201をこの順に配置する構成例を説明したが、配置順はこれに限られない。例えば、図5に示すように加圧ローラー63の回転方向に沿って金属ローラー201と吸水ローラー67をこの順に配置する構成とすることもできる。
この構成の場合、プリント実行中に加圧ローラー63の周面上に付着した水滴Wの一部の水分が接触位置Uで金属ローラー201の周面に付着する。金属ローラー201は、加圧ローラー63の熱によりある程度の高い温度になっているので、金属ローラー201に付着した水分のうち一部が吸水ローラー67との接触位置Rに向かう間に自然蒸発する。自然蒸発せずに金属ローラー201の周面に残った水分は、接触位置Rで吸水ローラー67の周面に吸収される。
一方、加圧ローラー63の周面上に付着した水滴Wのうち、接触位置Uで金属ローラー201の周面に付着せずに、加圧ローラー63の周面に残った水分は、接触位置Uを通過後、吸水ローラー67との接触位置Pで吸水ローラー67に吸収される。
吸水ローラー67の周面のうち、接触位置Pで水分を吸収した部分(周面部分)は、吸水ローラー67の回転に伴って、金属ローラー201との接触位置Rに向かう。その周面部分が接触位置Rに至るまでの間に、吸収されている水分が自然蒸発する。その周面部分が接触位置Rに至ると、金属ローラー201の周面に接触する。
金属ローラー201は、回転方向に接触位置UからRまでの範囲で水分が自然蒸発する際の気化熱により徐々に周面温度が低下するが、接触位置Rでは依然、吸水ローラー67よりも高い温度になっている。このため、接触位置Rにおいて金属ローラー201による吸水ローラー67の加熱が生じ、吸水ローラー67の周面に吸収されている水分の蒸発が促進される。吸水ローラー67の周面のうち、吸水ローラー67の回転方向に接触位置Rから加圧ローラー63との接触位置Pまでの間は、吸水ローラー67の周面に吸収されている水分の自然蒸発の領域になる。吸水ローラー67の回転により、吸水ローラー67が再度、接触位置Pで加圧ローラー63の熱を受けることで、接触位置Rとこれ以降の間で蒸発し切れなかった水分の蒸発がさらに促進される。
〔実施の形態3〕
上記実施の形態2では、吸水ローラー67が加圧ローラー63の周面に常時接触している構成例を説明したが、本実施の形態3では、吸水ローラー67が加圧ローラー63に対して圧接、離間を切換可能な構成としており、この点で実施の形態2と異なっている。
図6は、実施の形態3に係る定着部6の構成と制御の仕組みを示す図である。
同図に示すように吸水ローラー67は、加圧ローラー63の周面から離間している離間位置(実線で示す位置)と圧接している圧接位置(破線で示す位置)との間を移動自在に定着部6のフレームに支持されている。
吸水ローラー67は、圧接位置に位置しているときに、加圧ローラー63の回転と同期して駆動モーター210の駆動力により矢印J方向に回転駆動される。一方、吸水ローラー67が離間位置に位置しているときには、駆動モーター210が動作せず、駆動モーター210の駆動力が吸水ローラー67に伝達されないようになっている。吸水ローラー67が離間位置に位置しているときに加圧ローラー63が回転駆動されると、加圧ローラー63の回転力が金属ローラー201を介して吸水ローラー67に伝わり、その駆動力により吸水ローラー67が金属ローラー201に従動回転する構成になっている。この構成は、例えば駆動モーター210から吸水ローラー67に駆動力を伝達する伝達経路上にワンウェイクラッチを挿入することにより行える。このような構成は、後述の実施の形態4以降について同様である。
吸水ローラー67の離間位置と圧接位置間の切り換えは、吸水ローラー接離機構220とこれを制御する吸水制御部7eが担当する。
吸水ローラー接離機構220は、例えばカム機構である。具体的には、吸水ローラー67に、加圧ローラー63から離れる方向の付勢力をバネ(不図示)で常時与えつつ、吸水ローラー67の芯金671(回転軸)にカム(不図示)を接触させて、そのカムをモーター(不図示)で回転させる。カムの回転角を変えることにより、バネの付勢力に抗して吸水ローラー67を離間位置から圧接位置まで前進させ、または圧接位置から離間位置まで後退させることができる。なお、吸水ローラー67の位置を切り換え可能な切換手段であれば良く、例えば直動モーターにより吸水ローラー67を離間位置と圧接位置との間を移動させる機構を用いることもできる。
吸水制御部7eは、印字率取得部7hが取得した印字率を示す情報と、加圧ローラー63の周面の温度を検出するローラー温度検出センサー202の検出結果と、プリンター1周辺の温湿度を検出する環境センサー203の検出結果とに基づき、吸水ローラー67を離間位置と圧接位置のいずれに位置させるかを判断し、その判断した位置への切り換えを吸水ローラー接離機構220に指示する(切換制御手段)。吸水ローラー接離機構220は、吸水制御部7eから指示された位置に吸水ローラー67を移動させる。
このように吸水ローラー67を離間位置と圧接位置とに切り換え可能にするのは、次の理由による。
すなわち、加圧ローラー63の周面上に付着した水滴Wを吸収するためには、吸水ローラー67を加圧ローラー63に接触させる必要があるが、その接触により吸水ローラー67が徐々に摩耗していき、摩耗の程度が大きくなると吸水機能が低下し易くなる。また、定着ベルト61の熱が加圧ローラー63を介して吸水ローラー67に奪われ易くなる。
一方で、ジョブ実行中に定着ニップ69を通過している用紙Sの水分が蒸発して加圧ローラー63の周面に水滴Wが付着し易いのは、例えば(a)〜(c)の場合がある。
(a)印字率が大きい場合、(b)プリンター1の周辺が高温高湿のために用紙Sが吸湿し易い場合、(c)加圧ローラー63が一定値(例えば145℃)以上の高温になっているために定着ニップ69において用紙Sから水蒸気が生じ易い場合である。
しかし、これらの(a)〜(c)以外の場合には、加圧ローラー63の周面に水滴Wがほとんど付着しない、または付着してもその量が少ないことから搬送スリップまでには至らないことが多い。
従って、加圧ローラー63の周面に水滴Wが付着し易い条件を満たす、例えば(a)〜(c)の場合、吸水ローラー67を加圧ローラー63に圧接することにより、加圧ローラー63の周面上の水滴Wを吸収、除去して搬送スリップを防止でき、その条件を満たさない場合、吸水ローラー67を加圧ローラー63から離間することにより、吸水ローラー67の周面の摩耗の進行を停止させて、吸水ローラー67の長寿命化を図れる。
また、吸水ローラー67を加圧ローラー63から離間することで、定着ベルト61の熱が加圧ローラー63を介して吸水ローラー67に奪われなくなり、朝一番などの電源オンからのウォームアップにおいて、定着ヒーター64への供給電力を増加することなく、定着ベルト61の昇温時間の短縮、つまりウォームアップ時間の短縮を図れ、プリンター1の消費電力に余裕が出て節電に寄与できるからである。
なお、吸水ローラー67は、通常、ホーム位置である離間位置に位置しており、上記の条件を満たす場合に接触位置に移動するが、プリント終了後にはホーム位置に戻るように制御される。上記の条件を満たしていない場合、例えばウォームアップ中には、吸水ローラー67が離間位置に位置するので、昇温中の定着ベルト61の熱が加圧ローラー63を介して吸水ローラー67に移ることがなく、吸水ローラー67への熱損失がない分、昇温時間の短縮化を図れる。
環境センサー203は、プリンター1の周辺または装置内の温湿度(周辺環境)を検出可能な位置、例えば給紙カセット51の周辺に配置されている。
吸水制御部7eと印字率取得部7hは、全体制御部7に設けられている。
印字率取得部7hは、実行すべきプリントジョブの画像データのうち、1枚の用紙Sごとに、その用紙に対する1ページ分のデータから印字率を取得する。具体的には、画像データにページごとの印字率の情報が付加されている場合にはその情報を読み出す。また、付加されていない場合には、ユーザーにより操作パネル8から入力された印字率の情報を受け付けるとしても良い。さらに、1枚の用紙Sの表面Saの全面に相当する1ページ領域を多数個の画素に分割し、分割した全画素数に対して、形成すべきトナー像の領域を構成する画素数がどれだけの割合になるかを計算し、その計算結果を百分率で示した値を1枚の用紙Sに形成される画像の印字率として取得する。
図7は、吸水ローラー67の位置を切り換える位置切換制御の内容を示すフローチャートであり、この位置切換制御は、ジョブ実行中に1枚ずつ順に搬送される用紙Sごとにその用紙Sが定着ニップ69に至る直前のタイミングで繰り返し実行される。
同図に示すように環境センサー203の現在の検出結果を取得する(ステップS1)。取得した検出結果から現在の環境が高温高湿環境であるか否かを判断する(ステップS2)。高温高湿環境とは、装置周辺または装置内の温度、湿度が所定温度(例えば30℃)以上で所定湿度(例えば70%)以上の場合をいう。
現在の環境が高温高湿環境ではないと判断すると(ステップS2で「No」)、吸水ローラー67を離間位置に移動させて(ステップS8)、当該制御を終了する。
一方、高温高湿環境であることを判断すると(ステップS2で「Yes」)、搬送中の用紙Sに形成される画像の印字率Crを取得する(ステップS3)。取得した印字率Crが所定値Z1(例えば、50%)以上であるか否かを判断する(ステップS4)。印字率Cr<所定値Z1であることを判断すると(ステップS4で「No」)、ステップS8に進む。
印字率Cr≧所定値Z1であることを判断すると(ステップS4で「Yes」)、加圧ローラー63の周面の現在温度Txを取得する(ステップS5)。この取得は、ローラー温度検出センサー202の検出値を受信することにより行われる。
取得した加圧ローラー63の現在温度Txが所定値Z2(例えば、140℃)以上であるか否かを判断する(ステップS6)。温度Tx<所定値Z2の関係であることを判断すると(ステップS6で「No」)、ステップS8に進む。
温度Tx≧所定値Z2であることを判断すると(ステップS6で「Yes」)、吸水ローラー67を圧接位置に移動させて(ステップS7)、当該制御を終了する。
これにより、ジョブ実行中に1枚ずつ搬送される用紙Sごとに吸水ローラー67を離間位置と圧接位置の一方から他方に切り換えることができ、長期間に亘って搬送スリップを防止しつつ吸水ローラー67の吸水機能を維持することが可能になる。
なお、上記では位置切換制御を1枚の用紙Sが搬送されるごとに実行するとしたが、これに限られず、例えばジョブ単位でも良い。一のジョブが複数枚の用紙Sに対するプリントを行うものの場合、複数枚のうち1枚でもその用紙Sに形成すべき画像の印字率Crが所定値Z1以上になれば、印字率Cr≧所定値Z1の関係を満たすとすることができる。
また、上記では、吸湿している用紙Sが定着ニップ69を通過する際に用紙Sに含まれている水分が蒸発して加圧ローラー63の周面に水滴Wが付着する状態になると想定される所定条件として、(a)高温高湿環境、(b)印字率Cr≧所定値Z1、(c)加圧ローラー温度Tx≧所定値Z2という3つの条件の全てを満たす場合に吸水ローラー67を離間位置から圧接位置に遷移させるとしたが、これに限られない。例えば、いずれか一つまたは2つの条件を満たした場合に圧接位置への遷移を行う構成をとることもできる。加圧ローラー温度Txを定着ニップ69近傍で検出する構成とすることもできる。
また、所定条件は、上記の(a)〜(c)に限られず、別の条件、例えば用紙Sの含水率が所定値以上の場合を含むとすることもできる。具体的には、用紙Sの含水率を検出する水分計を設け、水分計の検出値が所定値以上の多くの水分を含む用紙Sが通紙される場合に、圧接位置への遷移を行う構成とすることができる。
〔実施の形態4〕
上記実施の形態3では、加圧ローラー63の周面の現在温度Txをローラー温度検出センサー202により実測するとしたが、本実施の形態4では、ローラー温度検出センサー202を用いずに、現在温度Txを推定する構成としており、この点で実施の形態3と異なっている。
図8は、実施の形態4に係る定着部6の構成を示す図である。
同図に示すように全体制御部7は、加圧ローラー温度推定部301を有する。加圧ローラー温度推定部301は、次のようにして加圧ローラー63の周面の現在温度Txを推定して、推定した温度を吸水制御部7eに通知する。
図9〜図11は、加圧ローラー温度推定部301による温度推定制御の内容を示すフローチャートである。
図9に示すように、スタンバイ状態のときに(ステップS21)、プリント要求の有無を判断する(ステップS22)。スタンバイとは、上記のようにジョブ非実行時に加圧ローラー63の回転駆動が停止されつつ定着ヒーター64がオフされている状態である。
プリント要求があると(ステップS22で「Yes」)、前回のプリント終了から現在までの経過時間T3とプリント終了時の推定温度Bに基づき加圧ローラー63の現在温度A(第1温度)を推定して保持する(ステップS23)。ここで、経過時間T3は、後述のステップS39でプリント終了を契機に起動されるタイマーTm3が計時する時間である。推定温度Bは、後述のステップS34、S35、S38の処理が実行された時点での加圧ローラー63の推定温度Bであり、プリント終了時の推定温度として用いられる。現在温度Aの推定は、次の方法で行われる。
すなわち、プリンター1は、上記のようにプリント終了に伴って定着ヒーター64がオフされるスタンバイ状態に遷移し、スタンバイ状態でプリント要求を受け付けると、スタンバイが解除されて定着ヒーター64がオンされるウォームアップを経てプリントが実行される構成になっている。スタンバイ状態では定着ヒーター64がオフされ、加圧ローラー63の温度が放熱等によりプリント終了時から徐々に低下していく。本実施の形態では、プリント終了からスタンバイ状態に遷移した以降に加圧ローラー63の温度が単位時間に何度下がっていくかが降温率として予め実験などにより求められている。
この降温率をαとすると、経過時間T3に降温率αを乗算すれば、プリント終了時からの加圧ローラー63の低下温度Tαが判るので、前回のプリント終了時の推定温度Bから低下温度Tαを差し引くと、現在の推定温度Aを算出することができる。なお、算出された推定温度Aを示すデータは、不図示の不揮発性の記憶部に記憶され、プリント要求があった時点における加圧ローラー63の現在温度Txとみなして用いられる。
駆動モーター59の駆動力により加圧ローラー63の回転を開始するとともに、定着ヒーター64の加熱により定着ベルト61の加熱を開始する(ステップS24)。加圧ローラー63の回転開始に伴って定着ベルト61の周回走行が開始される。このステップS24の実行がウォームアップの開始になる。
ウォームアップの開始を契機にタイマーTm1を起動してカウントを開始し(ステップS25)、ウォームアップが終了したか否かを判断する(ステップS26)。ウォームアップ終了の判断は、ベルト温度検出センサー66により検出される定着ベルト61の温度が定着温度まで昇温したことを判断することにより行われる。
ウォームアップの終了を判断すると(ステップS26で「Yes」)、保持されている推定温度AとタイマーTm1の現在のカウント値T1に基づき加圧ローラー63の現在温度Bを推定して保持する(ステップS27)。この推定は、次の方法で行われる。
すなわち、ウォームアップ中における定着ベルト61の昇温により加圧ローラー63の温度が単位時間に何度上がっていくかが昇温率として予め実験などにより求められている。この昇温率βを、カウント値T1(ウォームアップの開始から終了までに要した時間)に乗算すれば、加圧ローラー63が昇温した温度Tβが判る。この温度Tβをプリント要求時の推定温度A(第1温度)に加算すれば、ウォームアップ終了時における加圧ローラー63の推定温度B(第2温度)を算出することができる。例えば、昇温率β=7℃/秒、時間T1=15秒、推定温度A=20℃であれば、推定温度B=125℃になる。この推定温度Bを示すデータは、上記の記憶部内において推定温度Aとは別の領域に記憶され、加圧ローラー63の現在温度Txとみなして用いられる。
ウォームアップ終了後、温調制御に遷移されると(ステップS28)、タイマーTm1を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS29)、ステップS30に進む。
ステップS30では、1枚目の用紙Sが定着ニップ69に到達しているか否かを判断する。この判断は、現在、用紙Sが給紙カセット51から定着ニップ69までの搬送路53上のどの位置を搬送しているかを、搬送路53に沿って所定の間隔を開けて設けられた複数個の用紙検出センサー(不図示)の検出結果をモニターすることにより行われる。
ウォームアップ後のプリントジョブ実行中において、1枚目の用紙Sが定着ニップ69に到達していることを判断すると(ステップS30で「Yes」)、ステップS32に進む。一方、1枚目の用紙Sが定着ニップ69に到達していないことを判断すると(ステップS30で「No」)、温度推定処理(ステップS31)を実行後、ステップS32に進む。温度推定処理については、後述する。
ステップS32では、タイマーTm2を起動してカウントを開始する。このカウント開始は、定着ニップ69への用紙Sの通紙開始(用紙Sの搬送方向先端が定着ニップ69に入り始めるとき)を契機に行われる。
そして、図10に示すように、タイマーTm2のカウント値T2が所定値T5(例えば10秒)以下であるか否かを判断する(ステップS33)。
カウント値T2≦所定値T5であれば(ステップS33で「Yes」)、保持している推定温度Bを1秒ごとに2℃減算した温度(第3温度)に更新する(ステップS34)。
定着ニップ69を通紙中の用紙Sに加圧ローラー63の熱が少しずつ奪われていくことから、通紙中における加圧ローラー63の降温率γをここでは2℃/秒として、加圧ローラー63の推定温度Bを1秒単位で2℃ずつ低い温度に更新していく。
定着ニップ69への用紙Sの通紙開始からの経過時間が進むに連れて1秒ごとに推定温度Bが更新され、その更新ごとに推定温度Bが上書き保存されることにより、保持している推定温度Bがその都度書き換わる。この書き換わった推定温度Bが加圧ローラー63の現在温度Txとみなして用いられる。このことは、以降の推定温度Bの更新に同様に適用される。例えば、プリント動作が5秒間継続している場合、現在の推定温度Bは、125℃−(5秒×2℃/秒)=115℃になる。
プリント要求が複数枚の用紙Sを1枚ずつ順に給紙搬送してプリントを行うジョブの場合には、1枚目の用紙Sが定着ニップ69を通過後、2枚目以降の各用紙Sも定着ニップ69を順に通過していくことになる。
プリント終了ではない場合(ステップS35で「No」)、給紙タイミング設定が延長されているか否かを判断する(ステップS36)。給紙タイミング設定の延長とは、給送部5による用紙Sの給紙、搬送のタイミングを通常よりも遅らせる処理をいう。
具体的には、通常、ジョブ実行中には用紙Sを1枚ずつ順に一定間隔で給紙、搬送して各用紙Sに対するプリントを実行する。ところが、例えばある用紙Sに対する形成画像の画像データが膨大であるために画像処理に要する時間がかかり、その用紙Sに対する作像動作が通常時よりも遅れて開始される場合がある。このような作像動作の遅れが生じると、その遅れ分、給送部5による用紙Sの給紙、搬送タイミングも通常時よりも遅らせる必要が生じる。この遅れが給紙タイミング設定の延長になる。給紙タイミング設定の延長は、全体制御部7によりジョブ実行中に1枚の用紙Sごとにその用紙Sの給紙直前に必要か不要かが決められる。
給紙タイミング設定が延長されていないことを判断すると(ステップS36で「No」)、ステップS33に戻り、カウント値T2>所定値T5になるまで、ステップS33〜S36を繰り返し実行する。これにより、加圧ローラー63の推定温度Bが1秒ごとに2℃ずつ下がった温度に更新されていく。
プリントジョブ終了ではなく(ステップS35で「No」)、給紙タイミング設定が延長されていない場合に(ステップS36で「No」)、カウント値T2>所定値T5になったことを判断すると(ステップS33で「No」)、推定温度Bの更新を停止して(ステップS37)、ステップS35に進む。以降、プリントジョブの終了が判断されるまで、推定温度Bの更新が停止される。カウント値T2が所定値T5を超えると、推定温度Bの更新を停止するのは、次の理由による。
すなわち、1枚目の用紙Sが定着ニップ69に到達後、ジョブ実行中にある程度の時間を経過すると、加圧ローラー63の降温が止まり、ある温度で安定することが予め判っている。そこで、その安定温度に至ると想定される時間(上記例では10秒)を所定値T5として事前に設定しておき、時間T5の経過時以降では推定温度Bの更新を停止することで、加圧ローラー63の推定温度Bがその安定温度よりも低い温度に推定されることを避けて、推定の精度を高めることができるからである。例えば、プリント動作が11秒間継続すると、所定値T5(=10秒)で更新が停止されることから、推定温度Bは、125℃−(10秒×2℃/秒)=105℃になる。
プリントジョブの終了を判断すると(ステップS35で「Yes」)、タイマーTm2を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS38)、タイマーTm3を起動して、次のプリント要求(ステップS22)までの経過時間T3の計時を開始して(ステップS39)、ステップS21に戻る。なお、タイマーTm3は、次のプリント要求があった時点で停止され、そのカウント値が経過時間T3としてステップS23で利用される。その後、タイマーTm3のカウント値が0にリセットされる。
一方、給紙タイミング設定が延長されていることを判断すると(ステップS36で「Yes」)、タイマーTm2を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS40)、タイマーTm1を起動して、給紙タイミング設定の延長開始からの経過時間のカウントを開始する(ステップS41)。そして、保持している推定温度Bを1秒ごとに2℃加算した温度に更新する(ステップS42)。この更新は、次の理由により行われる。
すなわち、給紙タイミング設定が延長されている間でも、その延長の解除により次に給紙、搬送される用紙Sに対する定着を実行できるように、定着ベルト61と加圧ローラー63の回転と定着ベルト61の温調制御が継続される。定着ニップ69に用紙Sが通紙されていない状態なので、上記の空回転動作になり、定着ベルト61の熱が加圧ローラー63に伝わって、空回転中に加圧ローラー63の温度が徐々に上がっていく。この加圧ローラー63の温度の昇温率をここでは2℃/秒として、加圧ローラー63の推定温度Bを1秒単位で2℃ずつ高い温度に更新するものである。
例えば、プリントジョブの実行中において、1枚目の用紙Sの次に通紙されるべき2枚目の用紙Sに対して給紙タイミング設定の延長が適用された場合、1枚目の用紙Sが定着ニップ69を抜けた時点の推定温度B(第4温度)を基準に1秒単位で2℃ずつ高い温度に更新されていく。この更新は、推定温度Bが後述の上限Tcに至った後を除き、当該延長が解除されて2枚目の用紙Sが定着ニップ69に到達するまでの間、継続される。具体的に、1枚目の用紙Sが定着ニップ69を抜けた時点における推定温度Bを125℃、延長開始時から現在までの経過時間を10秒とすると、10秒経過時の推定温度B(第5温度)は145℃に更新される。
推定温度Bが上限Tcに達していないか否かを判断する(ステップS43)。ここで、上限Tcは、空回転中に加圧ローラー63の温度が上昇すると想定したときの最高値である。加圧ローラー63の周面のうち、周方向に定着ベルト61との圧接位置である定着ニップ69以外のほとんどの領域が周囲空間に接しており、加圧ローラー63の回転中に放熱が促進される。このため、加圧ローラー63の温度は、定着ベルト61の温度(=定着温度)までは上がらず、大体、10℃程度低い温度に落ち着くことが予め判っている。そこで、本実施の形態では、上限Tcが160℃に予め設定されている。
推定温度B<上限Tcであることを判断すると(ステップS43で「Yes」)、給紙再開、つまり給紙タイミング設定の延長が解除されたか否かを判断する(ステップS44)。給紙再開ではないことを判断すると(ステップS44で「No」)、ステップS42に戻る。推定温度B<上限Tcであり、給紙再開でもない場合、ステップS42〜S44が繰り返し実行され、推定温度Bが1秒間に2℃ずつ上がった温度に更新されていく。
推定温度B≧上限Tcになったことを判断すると(ステップS43で「No」)、推定温度Bの更新を停止して(ステップS45)、ステップS44に進む。以降、給紙再開が判断されるまで、推定温度Bの更新が停止される。例えば、給紙タイミングの延長開始時の推定温度Bが125℃、延長開始から現在までの経過時間が50秒とすると、推定温度Bが上限Tcに達した以降は、更新が停止されるので、推定温度Bが160℃になる。
給紙再開を判断すると(ステップS44で「Yes」)、タイマーTm1を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS46)、ステップS30に戻る。
図11は、温度推定処理(ステップS31)のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。同図に示すようにタイマーTm1を起動してカウントを開始する(ステップS51)。そして、保持している推定温度Bを1秒ごとに2℃加算した温度に更新する(ステップS52)。この更新は、上記のステップS42における給紙タイミング設定の延長の場合と同様に、空回転時の加圧ローラー63の昇温に対応するために実行される。
すなわち、温度推定処理(ステップS31)は、図9に示すステップS30において用紙Sが定着ニップ69に到達していないと判断された場合に実行されるが、その用紙Sに対する定着を実行できるように定着ベルト61と加圧ローラー63の回転と定着ベルト61の温調制御が継続される(空回転)。この空回転中に加圧ローラー63の温度が徐々に上がっていく。この加圧ローラー63の昇温率をここでは2℃/秒として、加圧ローラー63の推定温度Bを1秒単位で2℃ずつ高い温度に更新する。
推定温度Bが上限Tcに達していないか否かを判断する(ステップS53)。この上限Tcは、上記のステップS43における上限Tcと同じ温度である。
推定温度B<上限Tcであることを判断すると(ステップS53で「Yes」)、定着ニップ69に用紙Sが到達しているか否かを判断する(ステップS54)。未だ到達していないことを判断すると(ステップS54で「No」)、ステップS52に戻る。
推定温度B<上限Tcであり、定着ニップ69に用紙Sが到達していない場合、ステップS52〜S54が繰り返し実行され、推定温度Bが1秒間に2℃ずつ上がった温度に更新されていく。
推定温度B≧上限Tcになったことを判断すると(ステップS53で「No」)、推定温度Bの更新を停止して(ステップS55)、ステップS54に進む。以降、定着ニップ69への用紙Sの到達が判断されるまで、推定温度Bの更新が停止される。
定着ニップ69に用紙Sが到達していることを判断すると(ステップS54で「Yes」)、タイマーTm1を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS56)、ステップS32に戻る。
上記のようにジョブ実行中における加圧ローラー63の現在温度Txを、用紙Sが定着ニップ69を通過中や通過していないときなどの時点時点で推定、更新することにより、ローラー温度検出センサー202を用いなくても、加圧ローラー63の昇温による生じる用紙Sの搬送スリップを防止でき、ローラー温度検出センサー202を備える構成よりも低コスト化を実現できる。
〔実施の形態5〕
上記実施の形態3では、吸水ローラー67の周面をクリーニングすることについて特に言及していなかったが、本実施の形態5では、そのクリーニングを所定の条件が満たされた場合に実行する構成としており、この点で実施の形態3と異なっている。
図12は、実施の形態5に係る定着部6の構成と制御の仕組みを示す図である。
同図に示すように定着部6には、クリーニングブレード501が設けられている。
クリーニングブレード501は、加圧ローラー63から離間した状態の吸水ローラー67の周面をクリーニングするクリーニング部材であり、耐熱性を有するシリコーンゴムで構成され、不図示の金属製の保持部材により、離間位置に停止している吸水ローラー67の周面と接触する接触位置(実線で示す位置)と離間する離間位置(破線で示す位置)との間を移動自在に定着部6のフレームに支持されている。
クリーニングブレード501の接触位置と離間位置間の切り換えは、クリーニング接離機構502とこれを制御するクリーニング制御部7fが担当する。
クリーニング接離機構502は、例えば、上記の吸水ローラー接離機構220と同様のカム機構が用いられる。なお、クリーニングブレード501の位置を切り換え可能な機構であれば良く、例えば直動モーターを用いることもできる。
クリーニング制御部7fは、過去から現在までの間にプリントされた用紙Sの累積枚数(累積プリント枚数)を記憶している累積プリント枚数記憶部7iを有し、現に記憶されている累積プリント枚数Paの大きさに基づき、クリーニングブレード501を離間位置と接触位置のいずれに位置させるかを判断し、その判断した位置をクリーニング接離機構502に指示する。クリーニング接離機構502は、クリーニング制御部7fから指示された位置にクリーニングブレード501を移動させる。
このようにクリーニングブレード501を離間位置と接触位置とに切り換え可能にするのは、次の理由による。
すなわち、金属ローラー201は、加圧ローラー63の周面に常時接触しながら回転しており、金属ローラー201の周面には、定着ニップ69を通過する用紙Sから加圧ローラー63を介して金属ローラー201に移って来たトナー粒子や紙粉などが付着していることが多い。このトナー粒子などが接触位置Rを介して吸水ローラー67の周面に長期間に亘って少しずつ移っていくに伴って、吸水ローラー67の周面上に蓄積されていく。
吸水ローラー67の周面上に蓄積されたトナー粒子などの量が多くなると、吸水ローラー67の周面がトナー粒子などで覆われたようになり、吸水ローラー67の吸水機能が低下してしまう。
吸水ローラー67の周面に蓄積されたトナー粒子などをクリーニングブレード501で掻き取って除去すれば、吸水機能を維持できるが、吸水ローラー67の周面に常時、クリーニングブレード501を接触させておくと、吸水ローラー67の周面とクリーニングブレード501の両方が徐々に摩耗していき、短寿命化に繋がるおそれが生じる。
定着ニップ69を通過した用紙Sの累積枚数が多くなるほど、定着ニップ69から加圧ローラー63、金属ローラー201を介して吸水ローラー67の周面に移って蓄積されるトナー粒子や紙粉などの量が多くなり、吸水機能の低下が進むことになる。
そこで、本実施の形態では、累積プリント枚数Paが所定枚数Pbに達するまでの間には、クリーニングブレード501を吸水ローラー67から離間させ、所定枚数Pbに達すると、離間位置に位置する吸水ローラー67の周面にクリーニングブレード501を接触させてクリーニングするクリーニング制御を実行する。これにより、吸水ローラー67とクリーニングブレード501の長寿命化を図りつつ、吸水ローラー67の吸水機能の維持が可能になる。
図13、図14は、クリーニング制御部7fによるクリーニング制御の内容を示すフローチャートである。
図13に示すように、スタンバイ状態のときにプリント要求があり(ステップS71、S72で「Yes」)、プリント動作が行われると(ステップS73)、定着ニップ69を通過する用紙Sの枚数(プリント枚数)Qaをカウントする(ステップS74)。定着ニップ69を用紙Sが通過したことの判断は、例えば搬送路53上において定着ニップ69よりも用紙搬送方向下流側に用紙Sを検出する用紙検出センサーを配置して、そのセンサーによる用紙Sの有無の検出結果に基づき行うことができる。
プリント終了までの間、プリント枚数Qaのカウントを継続し(ステップS73〜S75)、プリント終了を判断すると(ステップS75で「Yes」)、現在の累積プリント枚数Paに、カウントしたプリント枚数Qを加算した値を新たな累積プリント枚数Paとして更新する(ステップS76)。ここでは、累積プリント枚数記憶部7iに現に記憶されている累積プリント枚数Paが新たな累積プリント枚数Paの値に上書き保存される。
更新後(現在)の累積プリント枚数Paが所定枚数Pb以上であるか否かを判断する(ステップS77)。この所定枚数Pbは、吸水ローラー67の吸水機能が搬送スリップを生じさせる程度まで低下していないと想定される累積プリント枚数Paの範囲の上限値、例えば10000枚として予め実験などにより決められる。
累積プリント枚数Pa<所定枚数Pbであれば(ステップS77で「No」)、ステップS71に戻って、ステップS71以降の処理を実行する。
プリント終了後に累積プリント枚数Pa≧所定枚数Pbになっていれば(ステップS77で「Yes」)、プリント許否フラグを1に設定する(ステップS78)。ここで、プリント許否フラグとは、外部の端末装置などからのプリント要求を受け付けた場合に、そのプリントの実行を許可するか禁止するかを示すフラグであり、「0」が許可、「1」が禁止を示している。プリント許否フラグを1に設定して、プリント実行を禁止するのは、プリントの非実行中に吸水ローラー67のクリーニング制御を実行するためである。なお、プリント終了後なので、吸水ローラー67はホーム位置である離間位置に戻っている。
定着ヒーター64の加熱により定着ベルト61の加熱を開始後、温調制御を実行し(ステップS79)、加圧ローラー63の回転を開始する(ステップS80)。加圧ローラー63の回転により、離間位置に位置する吸水ローラー67に金属ローラー201を介して加圧ローラー63の回転力が伝達されて、吸水ローラー67が金属ローラー201に従動回転する。
吸水ローラー67のクリーニング制御の実行に際し定着ベルト61の温調制御を行うのは、吸水ローラー67をある程度の温度まで昇温させることにより、吸水ローラー67の周面に蓄積されているトナー粒子を軟化または溶融させて、クリーニングブレード501で掻き取り易くするためである。本実施の形態では、画像形成に供されるトナーの軟化点が例えば75℃〜110℃の範囲内のものが用いられる。なお、トナーの軟化点は、例えば「フローテスターCFT−500」((株)島津製作所社製)により測定することができ、特許第4923819号公報や第5293274号公報などに詳しい。
そして、加圧ローラー63の温度Tfを取得する(ステップS81)。加圧ローラー63の温度Tfが所定温度Tg(例えば130℃)以上になると(ステップS82で「Yes」)、クリーニングブレード501を離間位置から接触位置に切り換えて、吸水ローラー67の周面に圧接させる(ステップS83)。なお、この圧接の時点では、プリントが終了しているので、吸水ローラー67は、ホーム位置である離間位置に位置している。
所定温度Tgは、吸水ローラー67の周面に蓄積されているトナー粒子が軟化するのに必要な温度として予め実験などにより決められる。本実施の形態では、加圧ローラー63の温度Tfが130℃まで昇温すると、吸水ローラー67の周面温度が約100℃程度まで上昇するようになっており、吸水ローラー67の周面に蓄積されているトナー粒子が軟化溶融した状態になってクリーニングブレード501による掻き取りが行われ易くなる。
クリーニングブレード501の吸水ローラー67の周面への圧接開始からタイマーTm4を起動してカウントを開始させる(ステップS84)。そのカウント値T4が所定値T6に達すると(ステップS85で「Yes」)、クリーニングブレード501を接触位置から離間位置に切り換えて、吸水ローラー67の周面から離間させる(ステップS86)。所定値T6は、クリーニングブレード501が吸水ローラー67の周面に圧接してから離間するまので間の時間に相当し、クリーニングブレード501による吸水ローラー67の周面のクリーニング時間になる。時間T6は、クリーニングブレード501が吸水ローラー67の周面に圧接してから吸水ローラー67が1回転以上、回転するのに要する時間、例えば5秒などが予め実験などにより決められる。
タイマーTm4を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS87)、定着ベルト61の加熱を停止後、加圧ローラー63の回転を停止させ(ステップS88)、累積プリント枚数記憶部7iに現に記憶されている累積プリント枚数Paを0にリセットした後(ステップS89)、プリント許否フラグを0に設定し直して(ステップS90)、ステップS71に戻る。プリント許否フラグが0に設定されることによりプリントの実行が許可され、以降、要求されたプリントが実行される。
このように累積プリント枚数Paが所定枚数Pbに達する度に、クリーニングブレード501による吸水ローラー67の周面のクリーニングが1回実行されるので、吸水ローラー67の吸水機能の維持による搬送スリップを防止でき、クリーニングブレード501が吸水ローラー67の周面に常時圧接される構成よりもクリーニングブレード501と吸水ローラー67を長寿命化できる。
上記では、吸水ローラー67が離間位置に位置しているときに加圧ローラー63の回転力で吸水ローラー67を従動回転させるとしたが、これに限られず、例えば駆動モーター210を動作させて吸水ローラー67を回転駆動させる構成をとることもできる。
また、吸水ローラー67の周面をクリーニングするクリーニング部材としてクリーニングブレード501を用いるとしたが、クリーニング可能なものであればブレード状のものに限られず、例えば棒状のローラーを用いることもできる。なお、クリーニングブレード501と吸水ローラー67との接触による摩耗が吸水機能や寿命にほとんど影響を与えないような場合には、クリーニングブレード501が吸水ローラー67の周面に常時接触する構成をとることもできる。
〔実施の形態6〕
上記実施の形態5では、吸水ローラー67の周面をクリーニングするクリーニングブレード501を設ける構成例を説明したが、本実施の形態6では、クリーニングブレード501を設けずに、吸水ローラー67の周面のクリーニングを簡易的に行える構成としており、この点で実施の形態5と異なっている。
図15は、実施の形態6に係る定着部6の構成と制御の仕組みを示す図である。
同図に示すように定着部6には、クリーニングブレードが設けられておらず、吸水ローラー67は、実施の形態5のものよりも周面が柔らかい弾性材料が用いられている。また、吸水ローラー67を金属ローラー201に近づく方向に押し付けて圧接する付勢力を付与するバネなどの付勢手段(不図示)が設けられており、金属ローラー201との接触位置Rにおける吸水ローラー67のローラー部分67bでは、金属ローラー201の周面に沿って凹状に窪んだ形状になっている。
また、クリーニング制御部7jが、クリーニング制御の際に、加圧ローラー63を回転駆動させる駆動モーター59の回転を制御する構成になっている。
図16は、クリーニング制御部7jによるクリーニング制御の内容を示すフローチャートであり、このクリーニング制御は、不図示のメインルーチンから一定の時間間隔ごと(例えば1秒ごと)にコールされることにより繰り返し実行される。
同図に示すように、累積プリント枚数Paが所定枚数Pb以上であるか否かを判断する(ステップS101)。Pa<Pbの場合(ステップS101で「No」)、クリーニング制御が不要として、リターンする。
Pa≧Pbの場合(ステップS101で「Yes」)、クリーニング制御が必要として、ステップS102以降において、プリントの非実行中にクリーニング制御を実行する。
まず、プリント要求があった場合(ステップS102で「Yes」)、プリント動作が行われ(ステップS103)、プリント終了を判断すると(ステップS104で「Yes」)、リターンする。
この後、クリーニング制御を再度実行したときに、プリント要求がないときには(ステップS102で「No」)、現在の加圧ローラー63の温度Tfを取得し(ステップS105)、加圧ローラー63の温度Tfが所定温度Tjよりも低いか否かを判断する(ステップS106)。所定温度Tjは、例えば40℃であり、トナー粒子が固形化する(溶融または軟化しない)範囲の温度、具体的にはトナーの軟化点(例えば75℃程度)よりも所定値(例えば35℃)低い温度である。
Tf≧所定温度Tjであれば(ステップS106で「No」)、リターンする。この後、クリーニング制御を再度実行したときに、Tf<所定温度Tjであるが(ステップS106で「Yes」)、スタンバイ状態でなければ(ステップS107で「No」)、リターンする。
Tf<所定温度Tjであり(ステップS106で「Yes」)、スタンバイ状態であれば(ステップS107で「Yes」)、クリーニング処理(ステップS108)を実行して、リターンする。
図17は、クリーニング処理(ステップS108)のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。同図に示すように、スタンバイ状態において(ステップS111)、プリント許否フラグを1に設定する(ステップS112)。なお、スタンバイ状態(プリント終了後)なので、定着ヒーター64がオフ(加熱停止)、加圧ローラー63が駆動停止しており、吸水ローラー67がホーム位置である離間位置に戻っている。
駆動モーター59を制御して加圧ローラー63の回転を開始させる(ステップS113)。加圧ローラー63の回転により、離間位置に位置する加圧ローラー63も回転を開始するが、この回転開始直前の停止時点では、加圧ローラー63の温度Tfが所定温度Tj、例えば40℃よりも低く、吸水ローラー67の温度は、所定温度Tjよりも低い低温になっている。
加圧ローラー63の回転停止中かつ低温の吸水ローラー67の周面のうち、図15に示すように金属ローラー201との接触位置Rにおける周面部分67bでは、凹状に窪んだ形状になっている。この凹状に窪んだ周面部分67bの周方向両端部67d,67eでは、円周とは異なる凸状に角張った形状に変形している。
現在、吸水ローラー67の温度が低温であることから、吸水ローラー67の周面に蓄積されているトナー層は、軟化または溶融状態ではなく、周面部分67bに蓄積されているトナー層が凹状に窪んだ形状で固まった状態になっており、周方向両端部67d,67eに蓄積されているトナー層が凸状に角張った形状で固まった状態になっている。
このような状態で、吸水ローラー67の回転が開始されると、吸水ローラー67の周面のうち、回転開始直前に金属ローラー201と接していた周面部分67bと両端部67d、67eの形状が回転開始に伴って変形し始める。
この変形に伴って、その周面部分67bと両端部67d、67eに蓄積されていたトナー層もその周面部分67bと両端部67d、67eと同様の形状に変形しようとするが、トナー層は、その時点では固着しており、吸水ローラー67のように柔らかくない。このためトナー層は、吸水ローラー67の変形に追随できず、吸水ローラー67の回転力が吸水ローラー67の周面からトナー層を剥がすせん断力になり、吸水ローラー67の周面からトナー層が剥がれ落ちる。これが、吸水ローラー67のクリーニングになる。
加圧ローラー63の回転開始からタイマーTm5を起動してカウントを開始させる(ステップS114)。そのカウント値が所定値、ここでは10秒に達すると(ステップS115で「Yes」)、加圧ローラー63の回転を停止させる(ステップS116)。これにより、吸水ローラー67のクリーニングが10秒間実行されることになる。
続いて、タイマーTm5を停止してカウント値を0にリセットし(ステップS117)、現在の累積プリント枚数Paを0にリセットした後(ステップS118)、プリント許否フラグを0に設定し直して(ステップS119)、リターンする。
このようにクリーニングブレードを設けなくても、吸水ローラー67の周面のクリーニングを実行することができる。クリーニングにより吸水ローラー67の周面から剥がれ落ちたトナー粒子が金属ローラー201の周面に付着していた場合、次回のジョブ実行時に定着ベルト61が加熱されつつ加圧ローラー63が回転すると、金属ローラー201から加圧ローラー63に移り、加圧ローラー63の熱により溶融または軟化した状態で定着ニップ69を通過する用紙Sの裏面Sbに移り、肉眼では判別できない程度の汚れとして排出される。
上記では、離間位置に位置する吸水ローラー67が加圧ローラー63に従動回転するとしたが、これに限られず、例えば駆動モーター210の駆動力により吸水ローラー67を回転駆動させる構成とすることもできる。吸水ローラー67が加圧ローラー63に従動回転する構成でも、駆動モーター210の駆動力により回転駆動される構成でも、クリーニング制御部7jが、加圧ローラー温度Tf<所定温度Tjの関係を満たす低温時に、定着ヒーター64(加熱手段)による加熱を停止しつつ吸水ローラー67を回転させることで吸水ローラー67の周面をクリーニングするクリーニング制御手段として機能する。
なお、クリーニング性能は、クリーニングブレード501で直接、吸水ローラー67の周面上のトナー粒子などを掻き取る構成の方が良いので、本実施の形態6では、吸水ローラー67の周面が弾性体、具体的には金属ローラー201への圧接により金属ローラー201の周面の円弧形状に沿って窪んだ形状に変形する柔らかい材料(金属ローラー201の周面よりも剛性が低い材料)で形成され、低温時にトナー層が凸状に角張った形状で固まり、吸水ローラー67の回転開始によりその固まったトナー層が割れて周面から剥がれ落ちるような構成に適用できる。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、吸水ローラー67に含まれる水分を加熱により蒸発させるとしたが、蒸発(気化)させることが可能であれば、加熱に限られない。例えば、吸水ローラー加熱部68に代えて、吸水ローラー67の周面、具体的には図3に示す位置HとGの間の領域Qに風を吹き付ける送風機(ブロワ―)を蒸発手段として配置する構成をとることもできる。
また、吸水ローラー67の周面のうち加熱する領域または風を吹き付ける領域は、領域Qに限られない。例えば、吸水ローラー67が加圧ローラー63に接する接触位置Pから180°回転した位置(接触位置Pから半回転した位置)としたり、その位置から回転方向に接触位置Pまでの領域内のいずれかの部分としたりすることもできる。吸水ローラー67が1回転する間において接触位置Pで加圧ローラー63の周面上に付着している水分を吸収してから半回転するまでの間にその水分を自然蒸発させ、半回転後に加熱または風を吹き付けることで蒸発をより促進することができる。
(2)上記実施の形態では、定着回転体としての定着ベルト61を挟んでベルト周回経路の内側に、定着ベルト61を加熱する加熱手段としての定着ヒーター64を配置するとともに、ベルト周回経路の外側に、定着ベルト61に圧接する加圧回転体としての加圧ローラー63を配置する構成例を説明したが、これに限られない。加熱手段により加熱される定着回転体とこれに圧接する加圧回転体との間に形成される定着ニップに記録シートを通過させて、当該記録シート上の未定着画像を熱定着する定着装置であれば良い。
例えば、定着ベルト61に代えて定着ローラーを用いる構成とすることができる。また、加圧ローラー63を駆動側、定着ベルト61を従動側としたが、これに限られない。例えば、定着ベルト61を駆動側、加圧ローラー63を従動側とした場合に搬送スリップが生じるような構成であれば適用できる。
さらに、定着ヒーター64に代えて、定着ベルト61に電磁誘導発熱層を設けつつ定着ベルト61の周辺に励磁コイルを配置し、励磁コイルから発する磁束により定着ベルト61の電磁誘導発熱層を発熱させる電磁誘導加熱方式をとることもできる。さらに、加圧ローラー63に代えてベルト状の加圧回転体を用いることもでき、また、加圧回転体側にもこれを加熱するヒーターなどの熱源が設けられていても良い。
また、吸水回転体として、芯金671に吸水層672が設けられてなる吸水ローラー67を設ける構成例を説明したが、これに限られず、例えば吸水層672を有するベルト状の回転体を吸水回転体として用いる構成をとることもできる。
(3)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られず、定着装置およびこれを備える画像形成装置一般に適用できる。画像形成装置としては、カラー画像形成を実行可能なものやモノクロ画像形成のみが実行可能なものに適用でき、またプリンターに限られず、例えば複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等の画像形成装置に適用できる。
各部材の材料や大きさ、上記の温度、湿度、時間などの各数値は一例であり、装置構成に応じて適した材料、温度、湿度、時間等が予め決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしてもよい。本発明の効果を得られる範囲で、定着部などの各部の機構や各部材を別の機構や別の形状の部材に代えて適用することとしても良い。
本発明は、記録シート上のトナー像などの未定着画像を熱定着する定着装置に広く適用することができる。
1 プリンター
6 定着部
7 全体制御部
7e 吸水制御部
7f,7j クリーニング制御部
7h 印字率取得部
61 定着ベルト
63 加圧ローラー
64 定着ヒーター
67 吸水ローラー
68 吸水ローラー加熱部
69 定着ニップ
201 金属ローラー
202 ローラー温度検出センサー
203 環境センサー
220 吸水ローラー接離機構
301 加圧ローラー温度推定部
501 クリーニングブレード
502 クリーニング接離機構
681 蒸発用ヒーター
S 記録シート

Claims (15)

  1. 加熱手段により加熱される定着回転体とこれに圧接する加圧回転体との間に形成される定着ニップに記録シートを通過させて、当該記録シート上の未定着画像を熱定着する定着装置であって、
    前記加圧回転体の周面に接触しつつ回転する、吸水性を有する吸水回転体と、
    前記吸水回転体に吸水されている水分を蒸発させる蒸発手段と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記蒸発手段は、前記吸水回転体の周面に熱を付与する熱源を含むことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記熱源は、前記加圧回転体の周面と前記吸水回転体の周面の両方に接触しつつ回転する金属ローラーであることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記加圧回転体の回転方向において前記吸水回転体と前記金属ローラーとがこの順に隣接配置されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記加圧回転体の回転方向において前記金属ローラーと前記吸水回転体とがこの順に隣接配置されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記吸水回転体の回転方向は、前記加圧回転体の周面と接触している第1位置で前記加圧回転体とは逆方向であり、
    前記金属ローラーの回転方向は、前記加圧回転体の周面と接触している第2位置で前記加圧回転体と同方向であることを特徴とする請求項4または5に記載の定着装置。
  7. 前記加圧回転体と前記金属ローラーと前記吸水回転体のうち、前記加圧回転体の周面の離型性が最も優れており、前記吸水回転体の周面の離型性が最も劣っていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記蒸発手段は、前記吸水回転体の周面に風を当てるブロワーであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  9. 前記加圧回転体と前記吸水回転体とが離間する離間状態から接触する接触状態に切り換え可能な切換手段と、
    吸湿している記録シートが前記定着ニップを通過する際に当該記録シートに含まれている水分が蒸発して前記加圧回転体の周面に水滴が付着する状態になると想定される所定条件が満たされると、前記切換手段に、前記加圧回転体と前記吸水回転体とを前記離間状態から前記接触状態に切り換えさせる切換制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記所定条件は、
    装置周辺または装置内が所定温度以上かつ所定湿度以上の高温高湿環境であること、前記加圧回転体の温度が一定値以上の高温になったこと、および、前記記録シートに定着すべき未定着画像の印字率が所定値以上であることの少なくとも一つであることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  11. 前記定着回転体と前記加圧回転体を回転させる駆動手段と、
    前記定着回転体の温度を検出する検出手段と、
    前記駆動手段と前記加熱手段を制御して、ジョブの実行指示を受け付ける前には、前記定着回転体と前記加圧回転体の回転を停止させつつ前記加熱手段の加熱を停止させるスタンバイになり、ジョブの実行指示を受け付けると前記スタンバイから、前記定着回転体を定着に要する定着温度に至るまで昇温させるウォームアップに遷移し、前記ウォームアップ終了後には前記定着回転体の温度を前記定着温度に維持しつつ前記定着回転体と前記加圧回転体を回転させてジョブを実行し、ジョブ終了に伴って前記スタンバイ状態に戻る状態制御手段と、
    前記加圧回転体の温度を推定する推定手段と、をさらに備え、
    前記所定条件には、前記加圧回転体の温度が一定値以上の高温になったことが含まれ、
    前記推定手段は、
    ジョブの実行指示を受け付けた時点では、前回のジョブ終了時から現在までの経過時間と前記ジョブ終了時における前記加圧回転体の推定温度とに基づき前記加圧回転体の現在の温度を第1温度として推定し、
    前記ウォームアップ終了時では、前記ウォームアップ中における前記加圧回転体の単位時間当たりの昇温率を前記ウォームアップの開始から終了までに要した時間に乗算した温度と、前記第1温度とを足し合わせた第2温度を前記加圧回転体の現在の温度と推定し、
    前記ウォームアップ後のジョブ実行中に前記定着ニップを第1の記録シートが通っている通紙中には、前記第2温度から、前記通紙中における前記加圧回転体の単位時間当たりの降温率を前記通紙開始からの経過時間に乗算した温度を差し引いた第3温度を前記加圧回転体の現在の温度と推定することを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記推定手段は、
    ジョブ実行中において前記第1の記録シートが前記定着ニップを通過後、これに続く第2の記録シートが前記定着ニップに至るまでの空回転中では、
    前記第1の記録シートが前記定着ニップを抜けた時点における前記加圧回転体の推定温度を第4温度とした場合、当該第4温度に、前記空回転中における前記加圧回転体の単位時間当たりの昇温率を前記空回転開始からの経過時間に乗算した温度を足し合わせた第5温度を、前記加圧回転体の現在の温度と推定することを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記吸水回転体の周面に対して接触と離間が切り換え可能なクリーニング部材と、
    前記定着ニップを通過した記録シートの累積枚数が所定枚数よりも少ない場合、前記クリーニング部材を前記吸水回転体の周面から離間させ、前記累積枚数が所定枚数に達すると、前記クリーニング部材を前記吸水回転体の周面に接触させて前記吸水回転体の周面をクリーニングさせるクリーニング制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記吸水回転体を前記金属ローラーに近づく方向に付勢する付勢手段と、
    前記加熱手段の加熱と前記吸水回転体の回転を制御して、前記吸水回転体の周面をクリーニングするクリーニング制御手段と、を備え、
    前記未定着画像は、トナーからなるトナー像であり、
    前記吸水回転体の周面は、弾性体であり、
    前記クリーニング制御手段は、
    前記定着ニップを通過した記録シートの累積枚数が所定枚数に達し、かつ前記加圧ローラーの周面温度が前記トナーの軟化点よりも所定値低い低温の場合、前記加熱手段による加熱を停止しつつ前記吸水回転体を回転させることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 搬送される記録シート上に形成された未定着画像を定着させる定着部を備える画像形成装置であって、
    前記定着部として、請求項1〜14のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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