JP2019100601A - 希釈冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】混合室の軸の位置がずれにくく、分析装置に適用しやすい希釈冷凍機を提供する。【解決手段】混合室42と接続される分留配管50と、気体の3Heが流れる分岐配管21Aを有する配管部材21と、分留配管50と同軸方向であり、配管部材21から混合室42に向かう方向に開口する第1の端部22Aと第1の端部22Aと同一方向に開口する第2の端部22Bとを有する第1の配管22と、真空容器10内と真空容器10外とにわたって配置される第2の配管23と、互いの伸縮により生じる伸縮力を打ち消し合うように配置される一対のベローズ24,25と、を備え、一対のベローズ24,25のうちいずれか一方が分岐配管21Aと第1の配管22の第1の端部22Aとを接続し、一対のベローズ24,25のうち残る一方が第1の配管22の第2の端部22Bと第2の配管23とを接続する、希釈冷凍機1。【選択図】図1

Description

本発明は、希釈冷凍機に関する。
ヘリウムガスの同位体(He及びHe)の物理的性質を利用する希釈冷凍機が知られている(特許文献1及び非特許文献1)。希釈冷凍機はHe及びHeを液化し、混合室内でHeをHeに連続的に希釈することで、0.1K程度の極低温を達成している。特許文献1に記載の希釈冷凍機のように、従来の希釈冷凍機はGM冷凍機等の機械式冷凍機を用いて数K程度までHeを予冷したのちに、混合室にHeを供給している。
希釈冷凍機は一般に大型である。図2は従来の希釈冷凍機の構成を示す模式図である。
図2に示す希釈冷凍機101は、真空容器110と第1の輻射シールド120と第2の輻射シールド130と第3の輻射シールド140と第1の熱交換器126と第2の熱交換器127と混合室142と分留配管150とを有する。さらに第1の輻射シールド120の上端にはフランジ120Bが設けられ、第2の輻射シールド130の上端にはフランジ131が設けられている。希釈冷凍機101では、機械式冷凍機を用いてフランジ120B及びフランジ131を4〜40K程度に冷却することで、第1の輻射シールド120内と第2の輻射シールド130内と第3の輻射シールド140内とをこの順で段階的に冷却している。そして、希釈冷凍機101は混合室142の近傍のコールドヘッドで極低温を達成する。
ところが機械式冷凍機は、ヘリウムガスの圧縮及び膨張を周期的に繰り返すことから、必然的に振動が発生してしまう。希釈冷凍機を用いて電子顕微鏡等の分析装置の検出器を冷却する場合、機械式冷凍機の振動がコールドヘッドを介して分析装置に伝播すると、分析装置の分析精度及び分析感度が損なわれてしまうおそれがある。例えば、希釈冷凍機で数ミリ角のX線検出器を冷却する場合、X線検出器の位置が1mmずれただけでも試料の蛍光X線を検出できなくなり、X線検出器の位置を再調整する必要が生じる。
さらに、希釈冷凍機101は、図2に示すように、鉛直方向の同軸上に延在する複数の輻射シールドを貫くように分留配管150が鉛直方向に配置される構造を採用しているため、大型である。希釈冷凍機101において機械式冷凍機の振動の除去を目的として、除振装置を併用する場合にあっては、装置構成がさらに大型化するため、従来の希釈冷凍機にあっては分析装置への適用が困難であった。
そこで、非特許文献1には機械式冷凍機の振動による分析装置への影響を低減するため、機械式冷凍機を用いてHeを予冷する予冷ユニットと、予冷されたHeの液体を希釈する希釈冷凍機とを備える分離型の希釈冷凍機が開示されている。図3は分離型の希釈冷凍機の構成を説明するための模式図である。
図3に示す希釈冷凍機201は、真空容器210と第1の輻射シールド220と第2の輻射シールド230と第3の輻射シールド240と第1の熱交換器226と第2の熱交換器227と混合室242と分留配管250とを有する。真空容器210は、第1の支持体211と第1の輻射シールド220とを収容する。第1の支持体211は第1の輻射シールド220を真空容器210内で固定している。第1の輻射シールド220は、配管部材221と、ベローズ223と、第1の熱交換器226と、第2の熱交換器227と、第2の支持体229とを収容する。希釈冷凍機201では、機械式冷凍機で4〜40K程度に予冷された冷媒が流れる図示略の冷媒供給ラインとフランジ220B及びフランジ231との間で熱交換することで、第1の輻射シールド220内と第2の輻射シールド230内と第3の輻射シールド240内とを段階的に冷却している。
希釈冷凍機201は小型化を目的として、第1の輻射シールド220内で分留配管250が折り返されている構造を採用している。具体的には分留配管250は配管部材221の部分で折り返され、分留配管250と離間して配置されるベローズ223と接続されている。これにより、希釈冷凍機201では装置の小型化が達成されている。
希釈冷凍機201では、配管取出口212が図示略のポンプと接続されている。そのため、ヘリウムガスは混合室242から分留配管250と配管部材221とベローズ223とをこの順で経由して、真空容器210外に排気されたのち、図示略の循環ユニットを経由して混合室242に再供給される。
希釈冷凍機201においては、第1の輻射シールド220内の温度は40K程度であるのに対し、真空容器210外の温度が常温(300K程度)である。そこで、第1の輻射シールド220内と真空容器210外との温度差に起因する配管の熱収縮に対処するために、希釈冷凍機201はベローズ223を採用している。これにより、第1の輻射シールド220内と真空容器210外との温度差があってもベローズ223が温度差に応じて伸縮するため、真空容器210内の構造の安定化が図られていた。
特開2001−304709号公報
伊藤琢司及び山中良浩、「走査透過型電子顕微鏡搭載用の小型無冷媒希釈冷凍機」、大陽日酸技報、No.33(2014).
しかしながら、希釈冷凍機201にあっては、ベローズ223内を真空引きしてヘリウムガス排気すると、ベローズ223内の圧力変動が大きく、排気の度にベローズ223がさらに伸縮を繰り返すことになる。具体的には、ベローズ223の伸縮により図3に示すようにベローズ223が斜めに歪む場合がある。
ベローズ223が斜めに歪むことや、伸縮を繰りかえすことによって、第1の支持体211、配管部材221及び第2の支持体229に負荷が断続的に加わる可能性がある。
さらに第1の支持体211及び第2の支持体229にあっては、固定に必要な強度を備え、かつ熱侵入を抑えるためにガラス強化繊維(FRP)、ポリイミド樹脂系の固定部品を使用することが望ましい。しかし、希釈冷凍機201の小型化にともない、第1の支持体211及び第2の支持体229を配置できる空間に制約ができ、分岐配管221A,221Bの太さ及び厚さが制限される。そのため、真空になったときのベローズ223の伸縮による応力に耐えうる剛性を第1の支持体211及び第2の支持体229で確保しにくく、第1の支持体211及び第2の支持体229の位置が動きやすい。その結果、分析装置の使用中に混合室242の軸の位置を調整しても、ベローズ223の伸縮に起因して、混合室242の軸が調整した位置からずれてしまう可能性もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、混合室の軸の位置がずれにくく、分析装置に適用しやすい希釈冷凍機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 液体のHeと液体のHeとを含む混合液に液体のHeを希釈する混合室を備える希釈冷凍機であって、前記混合室を収容する真空容器と、前記混合室と接続される分留配管と、前記真空容器の内側の空間内で前記分留配管と接続されるとともに、前記混合液から分離されたヘリウムガスが流れる分岐配管を有する配管部材と、前記配管部材から前記混合室に向かう方向と平行な方向に開口する第1の端部と前記第1の端部と同一方向に開口する第2の端部とを有する第1の配管と、前記真空容器の側面に形成される配管取出口を介して前記真空容器内と前記真空容器外とにわたって配置される第2の配管と、互いの伸縮により生じる伸縮力を打ち消し合うように配置される一対のベローズと、を備え、前記一対のベローズのうちいずれか一方が前記分岐配管と前記第1の配管の第1の端部とを接続し、前記一対のベローズのうち残る一方が前記第1の配管の第2の端部と前記第2の配管とを接続する、希釈冷凍機。
[2] 前記第1の配管が前記第1の端部及び前記第2の端部と結ぶ配管部分を有し、前記第1の端部と前記配管部分との接続部分の角度と、前記第2の端部と前記配管部分との接続部分の角度とがいずれも直角である、[1]の希釈冷凍機。
[3] 前記第2の配管が前記一対のベローズのうちいずれか一方と同軸方向に延在する配管部分を有する、[1]又は[2]の希釈冷凍機。
本発明の希釈冷凍機は、混合室の軸の位置がずれにくく、分析装置に適用しやすい。
本発明を適用した実施形態に係る希釈冷凍機の構成の一例を示す模式図である。 従来の希釈冷凍機の構成を示す模式図である。 分離型の希釈冷凍機の構成を説明するための模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態の希釈冷凍機について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
以下、本発明を適用した一実施形態である希釈冷凍機1の構成について説明する。
図1は、希釈冷凍機1の構成の一例を示す模式図である。希釈冷凍機1は真空容器10と、第1の輻射シールド20と、第2の輻射シールド30と、第3の輻射シールド40と、分留配管50とを備える。
以下に希釈冷凍機1のその他の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
本実施形態では、真空容器10は鉛直方向に延在する断熱容器である。真空容器10は、例えば真空断熱部材で構成することができる。
真空容器10は本体上部10Aと、トップフランジ10Bと、本体下部10Cとを有する。トップフランジ10Bの中央部には貫通穴H1が形成されている。貫通穴H1には第1の輻射シールド20が挿入される。トップフランジ10Bは、本体上部10Aと本体下部10Cとの間でフランジ接合等の手法により固定されている。
真空容器10の本体上部10A及び本体下部10Cの形状は、例えば円筒形状とすることができる。この場合、本体上部10Aの外径は例えば、170〜200mmとすることができ、本体下部10Cの外径は170〜200mmとすることができ、真空容器10の鉛直方向の高さは650〜750mmとすることができる。
真空容器10は、内側の空間内に第1の支持体11と、第2の配管23の一部と、第1の輻射シールド20とを収容する。
第1の支持体11は、トップフランジ10Bと後述するフランジ20Bとの間で固定されている。これにより第1の支持体11はフランジ20Bを介して第1の輻射シールド20を真空容器10内で固定できる。
真空容器10の本体上部10Aの下方側の側面には配管取出口12が形成されている。配管取出口12を介して真空容器10内から真空容器10外に第2の配管23が取り出される。真空容器10の外部では第2の配管23が図示略のヘリウム循環ユニットと接続されている。循環ユニットとしては、真空ポンプと、ヘリウムガスを再度希釈冷凍機1に供給するための循環ラインとを備える形態であれば特に限定されない。
本実施形態では、第1の輻射シールド20は真空容器10の延在方向と同じ方向に延在する容器である。第1の輻射シールド20は、例えば銅、アルミニウム等の高熱伝導率の部材で構成することができる。
第1の輻射シールド20は、本体上部20Aと、フランジ20Bと、本体中部20Cと、フランジ20Dと、本体下部20Eとを有する。
フランジ20Bには貫通穴H2及び貫通穴H3が形成されている。貫通穴H2には第2の輻射シールド30が挿入され、貫通穴H3には第2の配管23が挿入される。フランジ20Bは、本体上部20Aと本体中部20Cとの間でフランジ接合等の手法により固定されている。
本体中部20Cは、トップフランジ10Bに形成された貫通穴H1を介して、真空容器10内に挿入されている。
フランジ20Dには貫通穴H4が形成されている。貫通穴H4には第2の輻射シールド30が挿入される。フランジ20Dは、本体中部20Cと本体下部20Eとの間でフランジ接合等の手法により固定されている。
本体下部20Eは下端が真空容器10の底面よりも上方に位置するように配置されている。
第1の輻射シールド20の本体上部20A、本体中部20C及び本体下部20Eの形状は、例えば、円筒形状とすることができる。この場合、本体上部20Aの外径は、例えば、160〜180mmとすることができ、本体中部20Cの外径は70〜100mmとすることができ、本体下部20Eの外径は140〜160mmとすることができ、第1の輻射シールド20の鉛直方向の高さは600〜700mmとすることができる。
第1の輻射シールド20は、内側の空間内に配管部材21と、第1の配管22と、第2の配管23の一部と、第1のベローズ24と、第2のベローズ25と、第1の熱交換器26と、第2の熱交換器27と、フランジ28と、第2の支持体29と、第2の輻射シールド30を収容する。配管部材21、第1の配管22、第2の配管23、第1のベローズ24、第2のベローズ25については後述する。
第1の熱交換器26は、フランジ20Bの上側に固定されている。例えば第1の熱交換器26においては、フランジ20Bと図示略の機械式冷凍機によって40K程度に予冷された冷媒が流れる図示略の第1の冷媒供給ラインとの間で熱交換が行われる。これによりフランジ20Bが40K程度に冷却される。
第2の熱交換器27は、フランジ28と後述するフランジ31との間で固定されている。例えば、第2の熱交換器27では、フランジ31と図示略の機械式冷凍機によって4K程度に予冷された冷媒が流れる図示略の第2の冷媒供給ラインとの間で熱交換が行われる。これによりフランジ31が4K程度に冷却される。なお、本実施形態では第2の熱交換器27が分留配管50と配管部材21と一体化した構造として構成されている。
フランジ28には貫通穴H5が形成されている。貫通穴H5の周囲に第2の熱交換器27が配置されている。
フランジ28は第2の支持体29によって支持されている。第2の支持体29はフランジ20Bの上側に固定されている。これによりフランジ28は第2の熱交換器27を第1の輻射シールド20内で固定できる。第2の支持体29は熱伝導率が低いFRPで構成することが好ましい。これによりフランジ20Bとフランジ28との間の温度差が保たれやすくなる。
本実施形態では40K程度に予冷された冷媒が流れる図示略の第1の冷媒供給ラインとフランジ20Bとの間で熱交換が行われる。そのため第1の輻射シールド20の温度は、40K程度の低温に保たれる。
第2の輻射シールド30は、内側の空間内に第3の輻射シールド40を収容する。本実施形態では、第2の輻射シールド30は第1の輻射シールド20の延在方向と同じ方向に延在する容器である。第2の輻射シールド30は、例えば銅、アルミニウム等の高熱伝導率の部材で構成することができる。
第2の輻射シールド30は、本体上部30Aと、フランジ30Bと、本体下部30Cとを有する。
本体上部30Aの上端はフランジ31を介して第2の熱交換器27の下端に固定されている。本体上部30Aはフランジ20B,20Dにそれぞれ形成された貫通穴H2及び貫通穴H4に挿入されている。
フランジ30Bには貫通穴H6が形成されている。貫通穴H6には第3の輻射シールド40が挿入される。フランジ30Bは、本体上部30Aと本体下部30Cとの間でフランジ接合等の手法により固定されている。
本体下部30Cは、下端が第1の輻射シールド20の本体下部20Eの底面よりも上方に位置するように配置されている。
第2の輻射シールド30の本体上部30A及び本体下部30Cの形状は、例えば、円筒形状とすることができる。この場合、本体上部30Aの外径は、70〜90mmとすることができ、本体下部30Cの外径は120〜140mmとすることができ、第2の輻射シールド30の鉛直方向の高さは430〜480mmとすることができる
フランジ31には貫通穴H7が形成されている。貫通穴H7には分留配管50が挿入される。
貫通穴H7に分留配管50が挿入された状態において、4K程度に予冷された冷媒が流れる図示略の第2の冷媒供給ラインとフランジ31との間で熱交換が行われる。その結果、第2の輻射シールド30内の温度は、4.2K程度の低温に保たれる。
第3の輻射シールド40は、内側の空間内に混合室42を収容する。本実施形態では、第3の輻射シールド40は第2の輻射シールド30の延在方向と同じ方向に延在する容器である。第3の輻射シールド40は、例えば銅、アルミニウム等の高熱伝導率の部材で構成することができる。
第3の輻射シールド40は本体上部40Aと、フランジ40Bと、本体下部40Cとを有する。
本体上部40Aは、フランジ30Bに形成された貫通穴H6に挿入されている。
フランジ40Bには貫通穴H8が形成されている。貫通穴H8には分留配管50が挿入される。フランジ40Bは本体上部40Aと本体下部40Cとの間でフランジ接合等の手法により固定されている。
本体下部40Cは、下端が第2の輻射シールド30の本体下部30Cの底面よりも上方に位置するように配置されている。
第3の輻射シールド40の本体上部40A及び本体下部40Cの形状は、例えば、円筒形状とすることができる。この場合、本体上部40Aの外径は、例えば、55〜75mmとすることができ、本体下部40Cの外径は90〜110mmとすることができ、第3の輻射シールド40の鉛直方向の高さは258〜308mmとすることができる。
本体上部40Aの上端はフランジ41を介して分留配管50と固定されている。フランジ41には貫通穴H9が形成されている。貫通穴H9には分留配管50が挿入される。ここで分留配管50の内部には、フランジ41の位置に図示略の分留室が配置されている。図示略の分留室内では液体のHeと液体のHeとを含む混合液の液面が形成されている。この状態において、分留配管50内を減圧することにより、分留配管50内が1K程度まで冷却される。その結果、分留配管50と接触するフランジ41及び第3の輻射シールド30の温度が1K程度の低温に冷却される。
混合室42は液体のHeと液体のHeとを含む混合液に液体のHeを希釈する容器である。
混合室42内には図示略のヘリウム供給ラインを介して、第2の熱交換器27、図示略の分留室、分留配管50内であって分留室の下部に配置された図示略の第3の熱交換器を経由することでさらに冷却された液体のHeが供給される。これにより混合室42内では液体のHeを含むHe濃厚相と、液体のHeと液体のHeとを含む混合液であるHe希薄相とが形成されている。He濃厚相はHe希薄相の上側に形成される。
第3の輻射シールド40内は、気体のHeを減圧することにより1K以下の温度となるように冷却されている。このため混合室42内温度は、冷却の初期段階では1K程度となる。混合室42内ではHe濃厚相に含まれるHeがHe希薄相に溶け込む際の希釈反応が発生することで吸熱されてさらに混合室42内が冷却され、混合室42内の温度は0.1K程度の極低温となる。
分留配管50は混合室42と接続される配管である。本実施形態では分留配管50の下端が混合室42と接続され、上端が配管部材21と貫通穴H5の周囲で接続されている。分留配管50はフランジ28によって第1の熱交換器27と固定されている。この状態において、分留配管50は第2の輻射シールド30及び第3の輻射シールド40と同軸方向に延在し、第1の輻射シールド20内と第2の輻射シールド30内と第3の輻射シールド40内とに配置される。
配管部材21は第1の輻射シールド20内で分留配管50と接続されるとともに、第1の分岐配管21Aと第2の分岐配管21Bとを有する。
第1の分岐配管21Aは混合室42内の混合液から分離されたヘリウムガスが流れる配管である。第1の分岐配管21Aは、配管部材21の側方から分岐したのち、分留配管50と軸方向と平行な方向に折り曲げられている。第1の分岐配管21Aは混合室42から配管部材21に向かう方向に開口する端部21aを有する。第1の分岐配管21Aは端部21aで第1のベローズ24と接続される。第2の分岐配管21Bは、分留配管50と同軸方向に延在する配管である。
第1のベローズ24と第2のベローズ25とは、互いの伸縮により生じる伸縮力を打ち消し合うように配置される一対のベローズ24,25である。一対のベローズ24,25は伸縮管であれば特に限定されない。ただし、一対のベローズ24,25はいずれも金属ベローズであることが好ましい。
第1のベローズ24は、第1の分岐配管21Aと後述する第1の配管22の第1の端部22Aとを接続する。これにより、第1の分岐配管21Aと第1の配管22とが連通する。
第2のベローズ25は、後述する第1の配管22の第2の端部22Bと後述する第2の配管23の主配管23Aとを接続する。これにより、第1の配管22と第2の配管23とが連通する。
第1の配管22は、分留配管50に沿って配管部材21から混合室42に向かう方向と平行な方向に開口する第1の端部22Aと、第1の端部22Aと同一方向に開口する第2の端部22Bと、第1の端部22Aと第2の端部22Bとを結ぶ配管部分22Cとを有する。第1の配管22は第1の端部22Aで第1のベローズ24と接続されているとともに、第2の端部22Bで第2のベローズ25と接続されている。これにより第1のベローズ24の伸縮方向が第2のベローズ25の伸縮方向と平行となる。
本実施形態では第1の端部22Aと配管部分22Cとの接続部分の角度と、第2の端部22Bと配管部分22Cとの接続部分の角度とがいずれも直角となるように、配管部分22Cが第1の端部22A及び第2の端部22B接続されている。これにより、分留配管50と第2の配管23との間の距離を一定に保持しやすくなる。
本実施形態では第2の配管23が貫通穴H3に挿入されている。これにより、第2の配管23は、真空容器10の本体上部10Aの下方側の側面に形成される配管取出口12を介して真空容器10内と真空容器10外とにわたって配置される。
第2の配管23は主配管23Aと、湾曲部23Bと、取出配管23Cとを有する。
主配管23Aは上端で第2のベローズ25と接続されているとともに、下端で湾曲部23Bと接続されている。これにより、第2の配管23の熱収縮を第2のベローズ25が吸収できる。
本実施形態では主配管23Aが第2のベローズ25と同軸方向に延在する配管部分である。これにより、第2のベローズ25の伸縮方向が第2の配管23と同軸方向と一致し、第2のベローズ25が第2の配管23の熱収縮を吸収しやすくなる。
湾曲部23Bは主配管23Aと取出配管23Cとの間に配置されている。取出配管23Cは配管取出口12に挿入されるとともに、分留配管50の延在方向と直交する方向に延在する配管である。これにより、主配管23A内を流れるヘリウムガスが湾曲部23Bを経由し、取出配管23Cから真空容器10の外部に排気される。
本実施形態では一対のベローズ24,25は、第1のベローズ24及び第2のベローズ25の伸縮方向が平行となるように離間して配置される。これにより、一対のベローズ24,25内の圧力変動に伴い、一対のベローズのうちいずれか一方のベローズが伸縮しても残る一方のベローズが伸縮し、互いの伸縮により生じる伸縮力を打ち消し合っている。
次に、以上説明した構成を備える希釈冷凍機1の運転方法の一例について説明する。まず、第1の熱交換器26と第2の熱交換器27と図示略の分留室とにより段階的に1K程度にまで冷却された液体のHeが、図示略のヘリウム供給ラインによって混合室42内に供給される。混合室42内ではHe希薄相の上側にHe濃厚相が形成されている。混合室42内ではHe濃厚相に含まれる液体のHeをHe希薄相に連続的に希釈することで、0.1K程度の極低温が達成される。
分留配管50内の図示略の分留室には、液体のHeと液体のHeとを含む混合液の液面があり、ヘリウムが気液平衡状態となっている。分留配管50内の気相側では分留配管50内には、主に液体のHeと液体のHeとを含む混合液から分離した気体のHeが流れている。分離されたヘリウムガスは、図示略の循環ユニットによって分留配管50内から第1の分岐配管21A、第1のベローズ24、第1の配管22、第2のベローズ25、第2の配管23をこの順に経由して真空容器10外に排気される。
(作用効果)
本明細書で既に述べたように、図3に示すような従来の希釈冷凍機201にあっては、ヘリウムガスを排気するために、ベローズ223内を真空引きすると、配管部材221を介して第1の支持体211及び第2の支持体229に負荷がかかってしまうという問題があった。
さらに、希釈冷凍機の混合室に数ミリ角程度の検出器を配置して使用する場合、検出器の位置を1ミリ以下の単位で調整することが必要である。従来の希釈冷凍機にあってはベローズ223等の配管の減圧及び熱収縮に伴い、装置内部の配管等が縮み、その結果生じる応力によって支持体がゆがむことがあった。この場合、検出器の位置がずれて分析ができなくなり、検出器の位置を再調整する必要があった。
本実施形態の希釈冷凍機1によれば、一対のベローズ24,25を備えるため、一対のベローズ24,25のそれぞれに生じる伸縮力を互いに打ち消し合うように伸縮できる。よって、第2の配管23内を真空引きしてヘリウムガスを分留配管50内の気相から排気し、一対のベローズ24,25内で圧力が変動しても、配管部材21に歪みなどの負荷がかからず、第1の支持体11及び第2の支持体29に負荷がかからない構造になる。
本実施形態の希釈冷凍機1によれば、一対のベローズ24,25が伸縮を繰り返しても第1の支持体11及び第2の支持体29に負荷がかかりにくく、混合室42の軸の位置が変わりにくいため、分析装置の信頼性を大きく向上させることができる。さらに、分析装置を用いた測定中に検出器の位置を再調整する頻度も低減される。
希釈冷凍機1では第1の分岐配管21Aと第1の配管22と第2の配管23とで一本の分留配管が構成されており、第1の配管22の部分で前記一本の分留配管が日本語の「コ」の字型を形成するように折り曲げられているため、鉛直方向の高さが従来品と比較して小型化されている。よって、分析装置と接続しやすく、搬送も容易である。したがって希釈冷凍機1は分析装置に適用しやすい。
希釈冷凍機1は一対のベローズ24,25を備えるため、熱収縮により第2の配管23が収縮しても歪みが生じにくい。よって、希釈冷凍機1によれば、一本のベローズを使用する場合に比べて組立時の自由度が向上する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。
例えば、本実施形態の希釈冷凍機1は、機械式冷凍機を用いてHeを予冷する予冷ユニットと組み合わせて用いてもよい。この場合においては、機械式冷凍機で予冷した冷媒が流れる冷媒供給ラインを利用して、上述した第1の冷媒供給ラインでフランジ20Bを第2の冷媒供給ラインでフランジ31を冷却してもよい。
1,101,201…希釈冷凍機、10,110,210…真空容器、11,211…第1の支持体、12,212…配管取出口、20,120,220…第1の輻射シールド、21,121,221…配管部材、22…第1の配管、23…第2の配管、24…第1のベローズ、25…第2のベローズ、26,126,226…第1の熱交換器、27,127,227…第2の熱交換器、28…フランジ、29,229…第2の支持体、30,130,230…第2の輻射シールド、31,131,231…フランジ、40,140,240…第3の輻射シールド、41…フランジ、42,142,252…混合室、50,150,250…分留配管、H1〜H9…貫通穴。

Claims (3)

  1. 液体のHeと液体のHeとを含む混合液に液体のHeを希釈する混合室を備える希釈冷凍機であって、
    前記混合室を収容する真空容器と、
    前記混合室と接続される分留配管と、
    前記真空容器の内側の空間内で前記分留配管と接続されるとともに、前記混合液から分離されたヘリウムガスが流れる分岐配管を有する配管部材と、
    前記配管部材から前記混合室に向かう方向と平行な方向に開口する第1の端部と前記第1の端部と同一方向に開口する第2の端部とを有する第1の配管と、
    前記真空容器の側面に形成される配管取出口を介して前記真空容器内と前記真空容器外とにわたって配置される第2の配管と、
    互いの伸縮により生じる伸縮力を打ち消し合うように配置される一対のベローズと、
    を備え、
    前記一対のベローズのうちいずれか一方が前記分岐配管と前記第1の配管の第1の端部とを接続し、
    前記一対のベローズのうち残る一方が前記第1の配管の第2の端部と前記第2の配管とを接続する、希釈冷凍機。
  2. 前記第1の配管が前記第1の端部及び前記第2の端部と結ぶ配管部分を有し、
    前記第1の端部と前記配管部分との接続部分の角度と、前記第2の端部と前記配管部分との接続部分の角度とがいずれも直角である、請求項1に記載の希釈冷凍機。
  3. 前記第2の配管が前記一対のベローズのうちいずれか一方と同軸方向に延在する配管部分を有する、請求項1又は2に記載の希釈冷凍機。
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