本発明においては、レール削正装置であって、削正すべきレールの長さが短い場合に、削正時間を短くすることができるレール削正装置を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づくレール削正装置1は、図1〜図5に示されるように構成され、ベース部5と、ベース部5に着脱自在に設けられた2つのセンサユニット70と、ベース部5に設けられ、削正ユニット100を摺動させるための摺動用機構部80と、ベース部5に対して摺動する削正ユニット100と、制御装置170とを有している。
ここで、ベース部5は、枠状を呈する枠状部10と、枠状部10に設けられたセンサユニット取付部32と、枠状部10の下端に設けられた車輪取付部40a〜40dと、各車輪取付部40a〜40dに設けられた車輪42a〜42dと、枠状部10に取り付けられたクランプ50、52と、軌陸車のアームの先端に取り付けるためのアーム取付部60とを有している。
枠状部10は、一対のレールに跨って設置される左枠部12及び右枠部22と、左枠部12と右枠部22間に設けられた平行横部30と、平行横部30の底面に固定された板状部31とを有している。
左枠部(左支持体部)12は、縦方向に設けられた柱状(略柱状としてもよい)の柱状部(左側柱状部)14と、柱状部14に対して固定された直角横部(左側横部)16と、柱状部14と直角横部16間に固定された補強部18とを有している。直角横部16は、柱状部14に対して直角方向に設けられ、レール削正装置1をレールに設置した際に、レールに対して直角方向に設けられる直角横部本体16aと、直角横部本体16aの柱状部14とは反対側の端部から下方に連設された縦方向部16bとを有している。縦方向部16bは、柱状部14と平行に形成されている。また、補強部18は、柱状部14の直角横部16側の側面の上端領域と直角横部本体16aの上面における縦方向部16b側(柱状部14側と反対側としてもよい)の端部領域間に固定されている。つまり、補強部18は、柱状部14及び直角横部本体16aに対して傾斜して設けられ、補強部18は、縦方向部16b側にいくほど直角横部本体16aとの距離が短くなるように傾斜している。柱状部14と直角横部本体16aと縦方向部16bと補強部18は、断面四角形状の直線状の柱状部材により形成されている。
右枠部(右支持体部)22は、左枠部12と左右対称に形成され、右枠部22は、縦方向に設けられた柱状(略柱状としてもよい)の柱状部(右側柱状部)24と、柱状部24に対して固定された直角横部(右側横部)26と、柱状部24と直角横部26間に固定された補強部28とを有している。直角横部26は、柱状部24に対して直角方向に設けられ、レール削正装置1をレールに設置した際に、レールに対して直角方向に設けられる直角横部本体26aと、直角横部本体26aの柱状部24とは反対側の端部から下方に連設された縦方向部26bとを有している。縦方向部26bは、柱状部24と平行に形成されている。また、補強部28は、柱状部24の直角横部26側の側面の上端領域と直角横部本体26aの上面における縦方向部26b側(柱状部24側と反対側としてもよい)の端部領域間に固定されている。つまり、補強部28は、柱状部24及び直角横部本体26aに対して傾斜して設けられ、補強部28は、縦方向部26b側にいくほど直角横部本体26aとの距離が短くなるように傾斜している。柱状部24と直角横部本体26aと縦方向部26bと補強部28は、断面四角形状の直線状の柱状部材により形成されている。
平行横部30は、柱状部14と柱状部24間に設けられ、直線状の四角筒状を呈しており、横方向に設けられた底面部30aと、底面部30aの正面側(Y1側)の端部から連設され、底面部30aに対して直角に形成された正面部30bと、底面部30aの背面側(Y2側)の端部から連設され、底面部30aに対して直角に形成された背面部30cと、正面部30bと背面部30cの上端間に設けられ、底面部30aに対して平行に設けられた上面部30dとを有している(図4参照)。平行横部30は、レール削正装置1をレールに設置した際には、直線状のレールに対して平行(略平行としてもよい)に設けられる。
板状部31は、平行横部30の長手方向に沿って平行横部30の長手方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。なお、平行横部30と板状部31とで横方向部29が構成される。
センサユニット取付部32は、図4、図5に示すように、平行横部30の正面部30bに取り付けられたシート35と、シート35の正面側の面に設けられた板状部36と、板状部36をシート35に固定するためのボルト37とを有している。
シート35は、略直方体状(略立方体状、ブロック形状としてもよい)を呈し、シート35の一方の面にはねじ穴(雌ねじ穴としてもよい。他においても同じ)が設けられている。このシート35は、正面部30bに溶接等により固定されている。このシート35は、正面部30bに左右方向に間隔を介して設けられ、板状部36をシート35に取り付けることから、少なくとも板状部36の両側の端部領域の位置に設けられている。
板状部36は、横長の板状を呈し、シート35の正面側の面に接した状態で設けられている。つまり、板状部36には、ボルト37を挿通するための穴部が設けられ、該穴部に挿通したボルト37をシート35のねじ穴に螺合して締め付けることにより板状部36がシート35に固定される。板状部36は、板状を呈し、上下方向に設けられている。つまり、板状部36の正面側の面と背面側の面は、縦方向には上下方向を向いているとともに、横方向には左右方向を向いていて、正面部30bの正面側の面と平行に設けられている。これにより、板状部36は、正面部39bの正面側の面(横方向部29の正面側の側面)に対して間隔を介して設けられている。この板状部36は、センサユニット70を着脱自在に取り付けるために用いられる。
車輪取付部40aは、縦方向部16bの下端に設けられた横材部40a−1と、横材部40a−1の下面から下方に間隔を介して設けられた一対の縦材部40a−2、40a−3と、一対の縦材部40a−2、40a−3間に設けられた軸部41aとを有している。また、車輪42aは、車輪取付部40aの軸部41aに回転可能に設けられている。
車輪取付部40bは、車輪取付部40aと略同一の構成であり、車輪取付部40bは、柱状部14の下端に設けられた横材部40b−1と、横材部40b−1の下面から下方に間隔を介して設けられた一対の縦材部40b−2等と、一対の縦材部40b−2等の左側面側(X1側)の端部間に設けられたクランプ取付け用縦材部(図示せず)と、一対の縦材部40b−2等間に設けられた軸部41bとを有している。一対の縦材部40b−2等とクランプ取付け用縦材部とで略コ字状に形成されている。つまり、車輪取付部40bは、車輪取付部40aの構成に対してクランプ取付け用縦材部がさらに設けられている。また、車輪42bは、車輪取付部40bの軸部41bに回転可能に設けられている。
車輪取付部40cは、車輪取付部40aと同一の構成であり、車輪取付部40cは、縦方向部26bの下端に設けられた横材部40c−1と、横材部40c−1の下面から下方に間隔を介して設けられた一対の縦材部40c−2、40c−3と、一対の縦材部40c−2、40c−3間に設けられた軸部41cとを有している。また、車輪42cは、車輪取付部40cの軸部41cに回転可能に設けられている。
車輪取付部40dは、車輪取付部40bと左右対称に形成され、車輪取付部40dは、柱状部24の下端に設けられた横材部40d−1と、横材部40d−1の下面から下方に間隔を介して設けられた一対の縦材部40d−2、40d−3と、一対の縦材部40d−2、40d−3の右側面側(X2側)の端部間に設けられたクランプ取付け用縦材部(図示せず)と、一対の縦材部40d−2、40d−3間に設けられた軸部41dとを有している。また、車輪42dは、車輪取付部40dの軸部41dに回転可能に設けられている。
車輪取付部40a、40bは、左側車輪取付部に当たり、車輪取付部40c、40dは、右側車輪取付部に当たり、車輪42a、42bは、左側車輪に当たり、車輪42c、42dは、右側車輪に当たる。
また、クランプ50は、車輪取付部40bのクランプ取付け用縦材部の左側面側に取り付けられており、クランプ50は、レール削正装置1をレールに設置した際に、レールに着脱自在となっている。また、クランプ52は、車輪取付部40dのクランプ取付け用縦材部の右側面側に取り付けられており、クランプ52は、レール削正装置1をレールに設置した際に、レールに着脱自在となっている。クランプ52は、クランプ50と同一の構成となっている。クランプ50、52は、レール削正装置1をレールに固定するためのものである。
また、アーム取付部60は、平行横部30の上面における長手方向(左右方向)の中央位置に設けられている。
なお、左枠部12と車輪取付部40a、40bと車輪42a、42bとクランプ50とで左ベース部5Aが構成され、右枠部22と車輪取付部40c、40dと車輪42c、42dとクランプ52とで右ベース部5Bが構成される。左ベース部5Aと右ベース部5Bは、左右方向に間隔を介して設けられ、横方向部29は、左ベース部5Aと右ベース部5B間に左右方向に設けられ、一方のレールの上方に配置される。
また、センサユニット70は、センサ72と、センサ72を支持するセンサ支持部74と、センサ支持部74を板状部36に固定するための蝶ボルト(固定具)76とを有している。センサ72は、削正ユニット100の接近を検知するためのセンサであり、具体的には、近接センサにより構成され、削正ユニット100における支持部本体110の横板部112の端部がセンサ72の下方に位置すると、削正ユニット100の接近を検知する。
センサ72に用いられる近接センサとしては、例えば、高周波発振型の近接センサが用いられ、検出コイルにより高周波磁界を発生させ、金属性の検出物体が近づくと検出物体に誘導電流が流れ、誘導電流による検出コイルのインピーダンスの変化が検出されるので、検出物体としての横板部112(後述)は金属製となっている。なお、センサ72は、近接センサの代わりに、光電センサを用いてもよい。
センサ72は、センサ支持部74における横板部74aの穴部に挿通した状態で取り付けられている。例えば、センサ72は、略円柱形状のセンサ本体72aと、カラー72b−1、72b−2を有し、カラー72b−1がセンサ本体72aの周面に固定されるとともに、横板部74aの上面に固定され、カラー72b−2がセンサ本体72aの周面に固定されるとともに、横板部74aの下面に固定されることにより、センサ72が横板部74aに固定されている。センサ72の軸線の方向は、横板部74aの面の垂線の方向となっている。
また、センサ支持部74は、センサ支持部本体74−1と、センサ支持部本体74−1に固定されたナット(センサ支持部用被螺合部材)74−2とを有している。
センサ支持部本体74−1は、細長長方形状の板状部材を折曲してなる形状を呈し、横板部(第1横板部)74aと、横板部74aの背面側の端部から上方に横板部74aに対して直角(略直角としてもよい)に形成された縦板部(第1縦板部)74bと、縦板部74bの上端から背面側に縦板部74bに対して直角(略直角としてもよい)に形成された横板部(第2横板部)74cと、横板部74cの背面側の辺部から下方に横板部74cに対して直角(略直角としてもよい)に形成された縦板部(第2縦板部)74dと、縦板部74dの下端から縦板部74dの方向に対して傾斜して形成された傾斜板部74eとを有している。
横板部74a、74cと縦板部74b、74dと傾斜板部74eは、いずれも方形状の平板状を呈し、特に、縦板部74bは、縦長長方形状を呈し、横板部74cは、横長長方形状を呈している。縦板部74bと縦板部74dは、互いに平行(略平行としてもよい)に形成され、縦板部74bと縦板部74d間の間隔は、板状部36の厚みと同一であるか又は板状部36の厚みよりも若干大きく形成されている。傾斜板部74eは、縦板部74dの下端から下方に行くほど背面側に行くように(つまり、縦板部74bとの距離が長くなるように)縦板部74dの方向に対して傾斜している。この傾斜板部74eが設けられていることにより、センサ支持部74を板状部36に取り付ける際に、板状部36を縦板部74bと縦板部74d間に挿入するのが容易となる。
横板部74aには、センサ72を配置するための円形の開口部が設けられ、該開口部の直径は、センサ本体72aの直径以上の大きさであり、カラー72b−1、72b−2の外径よりも小さく形成されている。縦板部74b、74dには、蝶ボルト(センサ支持部用螺合部材)76の軸部(第3軸部)を挿通するための穴部が設けられている。つまり、縦板部74bの穴部と縦板部74dの穴部とは、左右方向及び上下方向に同じ位置に設けられている。
また、ナット74−2は、縦板部74dの背面側の面に溶接等により固定して設けられ、ナット74−2におけるねじ穴の位置は、縦板部74dの穴部に一致している。
また、蝶ボルト76における軸部は、縦板部74b、74dの穴部に挿通するとともに、ナット74−2に螺合する。蝶ボルト76の軸部には、雄ねじ溝が設けられている。
センサユニット70を板状部36に取り付けて固定するには、蝶ボルト76を縦板部74b側から縦板部74bの穴部と縦板部74dの穴部に挿通するとともにナット74−2に螺合した状態で、縦板部74bと縦板部74d間の隙間に板状部36の上側領域を配置させ、蝶ボルト76を締めることにより蝶ボルト76の頭部(第3頭部)(軸部から連設された頭部)とナット74−2間の長さが小さくなって縦板部74bと縦板部74dの間隔が小さくなるので、縦板部74bと縦板部74dで板状部36を挟んだ状態となり、センサ支持部本体74−1が板状部36に固定される。以上のようにして、センサユニット70を板状部36にしっかりと固定することができる。なお、センサ支持部本体74−1が板状部36に固定された状態では、蝶ボルト76の軸部が板状部36の上端に接するが、蝶ボルト76の軸部と板状部36の上端との間に隙間を設けた状態でセンサ支持部本体74−1を板状部36に固定してもよい。縦板部74b、74dの穴部に挿通するとともにナット74−2に螺合した蝶ボルト76の軸部は、縦板部74b、74dの面に対して垂直(略垂直としてもよい)な方向となり、センサユニット70を板状部36に固定した状態では、蝶ボルト76の軸部は、正面部30bの正面側の面に対して垂直方向(略垂直方向としてもよい)となる。
また、センサ支持部74を板状部36に掛止する際に、縦板部74bの背面側の面が板状部36の正面側の面と対向して、縦板部74bの背面側の面が板状部36の正面側の面に接するので、縦板部74bが板状部36と平行(略平行としてもよい)になり、センサ72の軸線の方向を鉛直方向(略鉛直方向としてもよい)とすることができ、削正ユニット100の接近を正確に検知することができる。なお、板状部36の正面と背面が水平面に対して直角方向を向いておらず、わずかに水平面に対して傾斜していても、板状部36が左右方向に設けられていることにより、センサ72の軸線の方向を少なくとも左右方向に対して直角の方向とできるので、削正ユニット100の接近を正確に検知することができる。
センサユニット70を板状部36に取り付けて固定した状態では、センサ72の軸線(中心軸)J(図4参照)は横板部74aの面に対して垂直方向となっている。センサ72の軸線とは、センサ72が高周波発振型の近接センサのように磁界を利用するものの場合には、該磁界の軸線(中心線)であるといえる。
なお、センサ支持部74において、縦板部74b(特に、縦板部74bの上端領域)と横板部74cと縦板部74dとで、板状部36の上端に掛止する掛止部(フック部としてもよい)74Aが構成される。
また、摺動用機構部80は、板状部31の底面に設けられた摺動用レール82と、削正ユニット100を摺動させるためのチェーンユニット90を有している。
摺動用レール(左右方向摺動用レール)82は、板状部31の長手方向に沿って板状部31の長手方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。つまり、摺動用レール82は、横方向部29の長手方向の一方の端部から他方の端部にまで形成されている。
また、チェーンユニット90は、枠状部10に対して回転可能に固定された一対のスプロケット92、93と、該一対のスプロケット92、93間に巻回されたチェーン94と、スプロケット93を回転させるためのモータ(摺動用モータ)98を有している。一対のスプロケット92、93における一方のスプロケット92は、枠状部10の右側面側の端部側に設けられ、他方のスプロケット93は、枠状部10の左側面側の端部側に設けられている。また、チェーン94は、周回移動するように上側の移送路と下側の移送路を有し、チェーン94の一方の端部(スプロケット92を経た下側の移送路の端部)は、補強部116Aに固定され、チェーン94の他方の端部(スプロケット93を経た下側の移送路の端部)は、補強部116Bに固定されている。
モータ98が駆動することにより、一対のスプロケット92、93が回転して、チェーン94が周回移動し、チェーン94が周回移動することにより支持部本体110が移動する(つまり、削正ユニット100が移動する)。モータ98は、正逆回転可能であり、モータ98の回転方向は、制御装置170により制御される。
また、削正ユニット100は、摺動用レール82に吊り下げた状態で摺動用レール82に沿って摺動可能に設けられた支持部105と、支持部105に対して上下方向に移動可能に設けられたモータユニット130と、モータユニット130を支持部105に対して上下方向に移動させるための上下動機構部140と、モータユニット130に連結ユニット150を介して接続して設けられたモータユニット160と、モータユニット130とモータユニット160を連結する連結ユニット150とを有している。
支持部105は、摺動用レール82に対してスライド可能に取り付けられたレールブロック(左右方向摺動部)107と、レールブロック107の下面に固定された支持部本体110を有している。
支持部本体(第2支持部本体)110は、レールブロック107の下面に固定された板状の横板部112と、横板部112の正面側の端部から下方に連設され、横板部112に対して直角をなす縦板部114と、横板部112の下面と縦板部114の背面側の面に取り付けられ、略L字状を呈する補強部116Aと、横板部112の下面と縦板部114の背面側の面に補強部116Aと間隔を介して取り付けられ、略L字状を呈する補強部116Bと、縦板部114の背面側の面に設けられ、モータユニット130を上下方向にスライドさせるためのレール120と、縦板部114の背面側の面に設けられ、モータユニット130を上下方向にスライドさせるためのレール122とを有している。
横板部112は、近接センサであるセンサ72の検出対象となるので、金属製である。縦板部114には、連結部146を挿通するための穴部が設けられている。なお、この穴部の上下方向の長さは、少なくとも、連結部146が上下動する範囲分の長さに設定されている。レール(上下方向摺動用レール)120、122は、互いに平行に設けられ、上下方向(横板部112の下面に対して直角の方向)に設けられている。レール122は、レール120の左側面側に間隔を介して設けられている。なお、レールブロック107は、横板部112の上面に一対設けられている。
また、モータユニット(第1モータユニット)130は、レール120に対して摺動するレールブロック(上下摺動部)132と、レール122に対して摺動するレールブロック(上下摺動部)133と、2つのレールブロック132、133に固定された支持部134と、支持部134に固定されたモータ(第1モータ)136と、モータ136に取り付けられた研削部(第1研削部)138とを有している。レールブロック132、133と支持部134により、レール120、122に沿って摺動可能に設けられた支持ユニット131が構成される。
支持部134は、平面視略コ字状の板状を呈し、レールブロック132、133に固定された板状部(第1支持部板部)134aと、板状部134aの右側面側(X2側)の端部から背面側に連設された板状部134bと、板状部134aの左側面側(X1側)の端部から背面側に連設された板状部(第2支持部板部)134cとを有している。モータ136は、板状部134bの背面側の面に固定され、モータ136の回転軸136aの軸線Jは、上下方向(レール120、122と同じ方向)となっている。なお、モータ136の回転軸136aの先端には、研削部138を取り付けるための円形の板状部136bが設けられている。なお、板状部134cは、右側面側の面(平面)と左側面側の面(平面)とを有している。すなわち、板状部134cは、一対の面(平面)を有し、該一対の面は左右方向に面して設けられ、一対の面における一方の面は右側面側に面し、他方の面は左側面側に面している。
なお、モータユニット130は、レールブロック132、133がレール120、122に沿って摺動することにより上下方向に移動するので、モータユニット130は、上下方向に円滑に移動することができる。
研削部138は、板状部136bに取り付けられ、板状部136bに固定された研削砥石固定部138aと、研削砥石固定部138aに接着して固定された研削砥石138bとを有している。研削砥石固定部138aは、ゴム等の弾性体により形成されている。研削砥石固定部138aと研削砥石138bは、円環形状の板状を呈している。この研削部138は、レールの上面を研削するためのものであり、研削部138の底面をレールの上面に接する状態で、研削部138を回転させることにより、レールの上面が研削される。つまり、研削部138の底面(研削砥石138bの研削砥石固定部138aとは反対側の面)が研削部138の研削面となり、該研削面は平面状であり、研削部138の研削面の方向に対して、モータ136の回転軸136aの軸線J1は垂線をなす。
また、上下動機構部140は、支持部本体110の縦板部114の正面側に回転可能に設けられたハンドル141と、ハンドル141を回転させることにより回転するピニオン(図示せず)と、ピニオンを収納するハウジング142と、ピニオンと歯合しピニオンの回転により回転するシャフト143と、シャフト143の下端に設けられたボス144と、ボス144の下端に設けられたスプリング145と、スプリング145の下端に固定して設けられるとともに、支持部134における板状部134aに固定して設けられた連結部146とを有している。ハウジング142は、支持部147に支持され、支持部147は、縦板部114に固定されている。これにより、ハンドル141を回転させることにより、シャフト143が上下動し、スプリング145を介して連結部146が上下動するので、支持部134が上下動する。ハンドル141の回転方向に従い、支持部134が上方向又は下方向に移動する。ボス144とスプリング145と連結部146とで、「シャフト143と支持ユニット131を連結する第2連結ユニット」が構成される。
また、連結ユニット150は、板状部134cに着脱自在に固定される連結部152と、板状部134cの上端から連設された連結部154と、連結部154に挿通されたボルト156と、連結部152に固定されるとともに、ナット157を介してボルト156に支持された角度調整用板部158とを有している。
連結部152は、角度調整用板部158の板部本体158−1から右側面側に突出した連結部本体152aと、連結部本体152aと板状部134cを介して反対側に配置される押え板152bと、押え板152bと連結本体152aとで板状部134cを挟んだ状態で固定するボルト(第2螺合部材)153とを有している。ボルト153の軸部には、雄ねじ溝が設けられていて、ボルト153の軸部は、連結部本体152aと螺合する。この連結部152は、前後に一対設けられていて、例えば、一対の連結部本体152aは、角度調整用板部158の右側面側の面に前後方向に間隔を介して設けられている。
すなわち、連結部本体152aは、略直方体を呈し、角度調整用板部158の右側面側の面に溶接等により固定されている。連結部本体152aの右側面側の面には、ねじ穴が上下2箇所に形成されている。
また、押え板152bは、ボルト153の軸部が挿通可能な穴部を有した板状部材であり、上下2箇所に穴部が設けられている。
なお、板状部134cには、上下方向に縦長の開口部が形成されていて、該開口部にボルト153の軸部が挿通可能となっている。
連結部本体152aの前後方向の幅と押え板152bの前後方向の幅は、縦長の開口部の前後方向の幅よりも長く形成され、これにより、連結部本体152aと押え板152bとで板状部134cを挟んだ状態で、押え板152bの穴部に挿通するとともに縦長の開口部に挿通したボルト153を連結部本体152aに螺着して締め付けることにより、連結部本体152aを板状部134cに固定することができる。
また、連結部(螺合部材支持部)154は、板状部134cの上端から上方に伸びた板状の縦方向部154aと、縦方向部154aの上端から左側面側に湾曲した湾曲部154bと、湾曲部154bから横方向に形成された先端部154cとを有し、先端部154cにはボルト(螺合部材)156を挿通する穴部が設けられている。先端部154cの穴部にボルト156が挿通された状態では、ボルト156の頭部が先端部154cに支持され、ボルト156の軸部が下方に垂下した状態となる。なお、ボルト156の軸部には、雄ねじ溝が設けられていて、ボルト156の軸部は、ナット157と螺合する。縦方向部154aは、板状部134cの上端に溶接等により固定されている。なお、連結部154が設けられていることにより、ボルト153による締め付けが弱い場合(つまり、ボルト153による連結部152の板状部134cへの固定が弱い場合)でも、モータユニット160が下方に移動してしまうのを防止することができる。
また、角度調整用板部158は、板部本体158−1と、板部本体158−1の上端から連設され横方向に設けられた取付部(被螺合部材取付部)158−2とを有している。板部本体158−1は、上下方向及び前後方向に設けられ、略横長長方形状を呈しているが、上方に突出した突状部158−1aを有し、取付部158−2は、突状部158−1aの上端から連設されている。なお、角度調整用板部158は、右側面側の面(平面)と左側面側の面(平面)とを有している。すなわち、角度調整用板部158は、一対の面(平面)を有し、該一対の面は左右方向に面して設けられ、一対の面における一方の面は右側面側に面し、他方の面は左側面側に面している。また、板部本体158−1は、モータ支持部162の先端軸162bを配置するための複数のガイド穴(先端軸用開口部)159a−1〜159a−5と、モータ支持部162の基端軸162aを配置するための穴部(基端軸用開口部)159bを有し、穴部159bは、横方向に形成された穴部本体(開口部本体)159b−Aと、穴部本体から下方に突出して形成された複数(具体的には、5つ)の溝部159b−a〜159b−eとを有し、溝部には、基端軸162aが配置される。ガイド穴159a−1〜159a−5のいずれを選択するかにより溝部が決定され、ガイド穴159a−1を選択する場合には、溝部159b−aを選択し、ガイド穴159a−2を選択する場合には、溝部159b−bを選択し、ガイド穴159a−3を選択する場合には、溝部159b−cを選択し、ガイド穴159a−4を選択する場合には、溝部159b−dを選択し、ガイド穴159a−5を選択する場合には、溝部159b−eを選択する。
溝部とガイド穴の選択により、研削部166の研削面166b−1の向きについて異なる向きを得ることができ(つまり、研削面166b−1は、左右方向に向いた状態で前後方向に異なる向きとなる)、該研削面166b−1の向きを調整することができる。つまり、研削部166の向きを調整することにより、研削面166b−1の向きが調整される。また、ガイド穴159a−1〜159a−5における各ガイド穴は、円弧状(略円弧状としてもよい)に形成されていて、円弧状における円弧は、対応する溝部の中心を中心点とする円弧となっている。これにより、1つのガイド穴に先端軸162bを配置し、1つの溝部に基端軸162aを配置した状態で、先端軸162bをガイド穴に沿ってスライドさせることにより、研削部166の研削面166b−1の向きを異ならせることができる。つまり、ガイド穴の円弧状の方向に沿った先端軸162bの位置を調整することにより、研削部166の研削面166b−1の向きが調整される。つまり、研削部166の向きを変化(調整としてもよい)させることにより、研削面166b−1の向きが変化(調整としてもよい)する(つまり、研削面166b−1は、左右方向に向いた状態で前後方向の向きが変化する)。
取付部158−2の上面には、ナット(被螺合部材)157が固定され、取付部158−2におけるナット157のねじ穴に対応した位置には開口部が設けられ、ナット157に螺合したボルト156が取付部158−2よりも下方に突出するようになっている。なお、ボルト156を回転させることにより、ナット157のボルト156における相対位置が変化するので、モータユニット160のモータユニット130に対する上下方向の位置を微調整することができる。
つまり、ボルト156を回転させてモータユニット160の上下方向の位置を調整した後に、ボルト153を締め付けることにより、モータユニット160が、連結部152を介してモータユニット130に固定される。
連結部152と、連結部154と、ボルト156と、ナット157により「角度調整用板部と支持ユニットを連結する連結部」が構成される。
また、モータユニット(第2モータユニット)160は、角度調整用板部158に取り付けられたモータ支持部162と、モータ支持部162に固定されたモータ(第2モータ)164と、モータ164に取り付けられた研削部(第2研削部)166とを有している。モータユニット160は、連結ユニット150を介してモータユニット130と左右方向に並んで設けられている(配設されているとしてもよい)。つまり、モータユニット130とモータユニット160は、連結ユニット150を介して左右方向(左右両側としてもよい)に配設されている。
モータ支持部162は、穴部159bの溝部に配置するための基端軸162aと、ガイド穴159a−1〜159a−5に配置するための先端軸162bと、基端軸162aと先端軸162b間に設けられた支持部本体162cとを有している。基端軸162aと先端軸162bは、ともに、支持部本体162cに固定された本体部162−1と、該本体部162−1に着脱自在に取り付けるための取付部162−2とを有し、該取付部162−2は、ボルトと、ボルトの軸部が挿通するワッシャー及びカラー(円環板状のカラー)とを有し、該本体部162−1(つまり、基端軸162aにおける本体部162−1及び先端軸162bにおける本体部162−1)には、ボルトが螺合するための穴部が設けられている。ボルトの軸部をワッシャー、カラー、角度調整用板部158の順に挿通して、基端軸162aの本体部162−1の穴部や先端軸162bの本体部162−1の穴部に螺合してボルトを締めることにより、モータ支持部162が角度調整用板部158に取り付けられる。つまり、モータ支持部162が角度調整用板部158に取り付けられた状態では、基端軸162aと先端軸162bにおいて、該取付部162−2と本体部162−1とは、角度調整用板部158を介して反対側に位置する。支持部本体162cは、略板状を呈している。
また、モータ164は、支持部本体162cの左側面側の面に固定され、モータ164の回転軸164aの先端には、研削部166を取り付けるための円形の板状部164bが設けられている。
研削部166は、研削部138と同様の構成であり、板状部164bに取り付けられ、板状部164bに固定された研削砥石固定部166aと、研削砥石固定部166aに接着して固定された研削砥石166bとを有している。研削砥石固定部166aは、ゴム等の弾性体により形成されている。研削砥石固定部166aと研削砥石166bは、円環形状の板状を呈している。この研削部166は、レールの上側の角部を研削するためのものであり、研削部166の底面をレールの上側の角部に接する状態で、研削部166を回転させることにより、レールの角部が研削される。つまり、研削部166の底面(研削砥石166bの研削砥石固定部166aとは反対側の面)が研削部166の研削面となり、該研削面は平面状であり、研削部166の研削面の方向に対して、モータ164の回転軸164aの軸線J2は垂線をなす。
また、制御装置170は、レール削正装置の動作を制御するものであり、操作スイッチ(図示せず)の操作によりモータ98が駆動され、削正ユニット100が移動している場合に、センサ72により削正ユニット100の接近が検知されると、モータ98の回転方向を逆転させる制御を行なう。つまり、センサ72により削正ユニット100の接近が検知されると、削正ユニット100が他のセンサ72の側に移動するように、モータ98の回転方向を逆転させる。また、制御装置170は、操作スイッチの操作によりモータ136とモータ164を回転させる。
上記構成のレール削正装置1の使用方法について説明する。まず、軌陸車のアームの先端をアーム取付部60に接続して、アームの先端にレール削正装置1を取り付ける。なお、アームの先端には、回転装置(図示せず)が設けられていて、回転装置を駆動することにより、アーム取付部60を回転させることができる。つまり、アーム取付部60を図1におけるP1の方向やP2の方向に回転させることができる。これにより、レール削正装置1を鉛直方向の軸線を中心に回転させることができる。
そして、軌陸車をレール上を走行させて、レールの削正箇所の場所まで移動する。なお、軌陸車を道路上を走行させて、レールの削正箇所の場所まで移動してもよい。
その後、レール削正装置1をレールR上に配置する。つまり、一方のレールR上に車輪42aと車輪42cを配置し、他方のレールR上に車輪42bと車輪42dを配置させる。なお、車輪42a〜42dは、径が小さいことから、レールR上を走行するためのものではなく、レール削正装置1をレールR上に設置するためのものであるといえる。
レール削正装置1のレールR上への配置が完了したら、クランプ50、52をレールRに固定して、レール削正装置1をレールRに固定させる。
次に、一対のセンサユニット70をレールRの削正範囲を含む範囲の両側の端部に配置する。つまり、一対のセンサユニット70をセンサユニット取付部32の板状部36に掛止して取り付けるが、レールRの削正範囲に対応した設定範囲の一方の端部に対応する位置(該一方の端部の上方の位置)に一方のセンサユニット70を取り付け、該設定範囲の他方の端部に対応する位置(該他方の端部の上方の位置)に他方のセンサユニット70を取り付ける。削正範囲や設定範囲は、レールRに沿った範囲であり、設定範囲の決め方としては、削正ユニット100がある移動方向に移動して、センサ72により削正ユニット100の接近が検知された際に、移動方向における後側の研削部が削正範囲よりも移動方向における前側にあるようにする。なお、レールRの削正範囲とは、レールRの継ぎ目において、上方に突出した部分についてのレールRに沿った方向の範囲である。なお、センサユニット70を板状部36に取り付ける際には、掛止部74Aを板状部36に掛止した状態で蝶ボルト76を締めて板状部36に固定する。
つまり、図1、図6におけるセンサユニット70Aについては、削正ユニット100がA方向に移動して、センサユニット70Aにおけるセンサ72Aにより削正ユニット100の接近が検知された際に、移動方向における後側の研削部138が削正範囲よりもA方向における前側(つまり、左側面側(X1側))にあるようにする。つまり、削正ユニット100がA方向に移動してセンサ72Aにより削正ユニット100の接近が検知された際には、研削部138が削正範囲を通過しているようにする。なお、センサユニット70Aにおいては、横板部112の左側面側の端部がセンサ72Aの下方位置に到達した場合に、センサ72Aにより削正ユニットが接近したことが検知される。
また、図1、図6におけるセンサユニット70Bについては、削正ユニット100がB方向に移動して、センサユニット70Bにおけるセンサ72Bにより削正ユニット100の接近が検知された際に、移動方向における後側の研削部166が削正範囲よりもB方向における前側(つまり、右側面側(X2側))にあるようにする。つまり、削正ユニット100がB方向に移動してセンサ72Bにより削正ユニット100の接近が検知された際には、研削部166が削正範囲を通過しているようにする。なお、センサユニット70Bにおいては、横板部112の右側面側の端部がセンサ72Bの下方位置に到達した場合に、センサ72Bにより削正ユニットが接近したことが検知される。
なお、図6の例では、センサ72Aにより削正ユニット100の接近が検知された際に(この位置にある削正ユニット100を削正ユニット100Aとする)、研削部138の右側面側の端部位置と削正範囲の左側面側の端部位置が一致するが、削正ユニット100Aの研削部138の右側面側の端部が間隔を介して削正範囲の左側面側の端部の左側面側にあるようにしてもよい。
同様に、、図6の例では、センサ72Bにより削正ユニット100の接近が検知された際に(この位置にある削正ユニット100を削正ユニット100Bとする)、研削部166の左側面側の端部位置と削正範囲の右側面側の端部位置が一致するが、削正ユニット100Bの研削部166の左側面側の端部が間隔を介して削正範囲の右側面側の端部の右側面側にあるようにしてもよい。
このように、設定範囲の長さ(つまり、センサ72Aとセンサ72Bの横方向の長さ)は、削正範囲の長さが長い場合には長くなり、削正範囲の長さが短い場合には短くなる。
また、上下動機構部140により研削部138の上下位置を調整して、研削部138の下面がレールRの上面に接するようにし、また、モータユニット160におけるモータ支持部162の基端軸162aと先端軸162bの位置を調整することにより、研削部166の向き(レールRの上面に対する角度)を調整する(つまり、研削部166の研削面の向きを調整する)。なお、上下動機構部140による研削部138の上下位置の調整に際しては、ハンドル141を回転することにより行なう。また、モータユニット160のモータユニット130に対する上下方向の位置を調整するには、連結部152を板状部134cに固定するためのボルト153を緩めた状態で、ボルト156を回転させることによりモータユニット160の上下位置を調整した後に、ボルト153を締め付ける。
なお、削正作業を行うに当たって、削正ユニット100が2つのセンサの間の位置にない場合には、削正ユニット100を2つのセンサの間の位置に移動させておく。つまり、センサ72Aの右側面側に横板部112の左側面側の端部があり、センサ72Bの左側面側に横板部112の右側面側の端部があるようにする。
以上のように、削正作業のための準備が完了したら、削正ユニット100による削正作業を行う。削正作業においては、モータ98を駆動するとともに、モータ164、136を駆動する。すると、モータ98が駆動することにより削正ユニット100が横方向に移動し、削正ユニット100が横方向に移動しながら研削部138、166によりレールRの研削が行われる。
つまり、削正ユニット100は、停止した状態から予め定められた方向(A方向とB方向のうち予め定められた方向)に研削部138、166によりレールRを研削しながら移動し、センサ72により削正ユニット100の接近が検知されるまで該方向に移動する。例えば、予め定められた方向がA方向の場合には、まず、A方向に削正ユニット100が移動する。
そして、一方のセンサ72により削正ユニット100の接近が検知されると、制御装置170は、その検知結果に従い、モータ98の回転方向を逆方向として、削正ユニット100が折り返して移動するようにする。例えば、削正ユニット100がA方向に移動し、センサ72Aにより削正ユニット100の接近が検知されたら、モータ98の回転方向が反転して、削正ユニット100の移動方向が反転されて、削正ユニット100はレールRを研削しながらB方向に移動する。なお、移動方向が反転する際も、研削部138、166は回転したままである。
そして、削正ユニット100は、研削部138、166によりレールRを研削しながら反転された移動方向に移動していき、他方のセンサ72により削正ユニット100の接近が検知されると、制御装置170は、その検知結果に従い、モータ98の回転方向を逆方向として、削正ユニット100が折り返して移動するようにする。例えば、削正ユニット100がB方向に移動し、センサ72Bにより削正ユニット100の接近が検知されたら、モータ98の回転方向が反転して、削正ユニット100の移動方向が反転されて、削正ユニット100はレールRを研削しながらA方向に移動する。なお、移動方向が反転する際も、研削部138、166は回転したままである。
以上のように、削正ユニット100は、一方のセンサ72による検知に基づく移動方向の反転と、他方のセンサ72による検知に基づく移動方向の反転とが繰り返されて、レールRの研削を行なう。
そして、削正作業が完了したら、モータ98の駆動を停止して削正ユニット100の移動を停止させるとともに、モータ136、164の駆動を停止して研削部138、166による削正を停止する。
また、ある削正作業が完了した際に、削正したレールについて他の削正範囲があり、該他の削正範囲が削正ユニット100の移動可能範囲内にある場合には、レール削正装置1を移動することなく、一対のセンサユニット70の板状部36への取付け位置を変えて、削正作業を行う。削正ユニット100の移動可能範囲とは、摺動用レール82において、削正ユニット100が最も右側面側に位置する場合の削正ユニット100の位置と、削正ユニット100が最も左側面側に位置する場合の削正ユニット100の位置との間の範囲であり、削正ユニット100が左右方向に最大限の長さ摺動できる場合の削正ユニット100の右側面側の端部位置と左側面側の端部位置の間の範囲である。
また、ある削正作業が完了した際に、削正したレールについて他の削正範囲があり、該他の削正範囲が削正ユニット100の移動可能範囲外にある場合には、軌陸車によりレール削正装置1を他の削正範囲の場所に移動させて、削正作業を行なう。
また、一対のレールのうち、削正したレールの反対側のレールを削正する場合には、軌陸車のアームの先端に設けられた回転装置を駆動させて、レール削正装置1を鉛直方向の軸線を中心に回転させて、反対側のレールの上方に削正ユニット100を位置させた上で削正作業を行なう。
以上のように、本実施例のレール削正装置1によれば、レールに沿った削正範囲の長さに応じて一対のセンサ72間の長さを調整することができ、削正範囲の長さ(つまり、レールにおける削正すべき範囲(レールに沿った範囲)の長さ)が短い場合には、一対のセンサ72間の長さを短く設定できるので、削正作業を短い時間で行なうことができる。つまり、削正ユニット100が削正ユニット100の移動可能範囲分の長さを往復動しなくてもよいので、その分削正作業を短時間で行うことができる。
また、枠状部10は、左枠部12と、右枠部22と、平行横部30と、板状部31により構成され、比較的簡易な構成により枠状部10が構成されているので、低コストで枠状部10を構成することができ、結果として、レール削正装置1を低コストで製造することができる。
なお、上記の説明において、センサユニット取付部32は、平行横部30の正面側の側面に設けられているとしたが、平行横部30の背面側の側面に設けられる構成としてもよい。この場合でも、削正ユニット100における支持部本体110の横板部112の端部がセンサ72の下方に位置すると、削正ユニット100の接近が検知される。
また、削正ユニット100は、図1〜図3に示す構成に対して前後対称(左右方向を向いた中心面を介して前後対称)の構成としてもよい。つまり、上下動機構部140は、図1〜図3においては、削正ユニット100における正面側(Y1側)に設けられているが、削正ユニット100における背面側(Y2側)に設けてもよい。
また、削正ユニット100は、図1〜図3に示す構成に対して左右対称(前後方向を向いた中心面を介して左右対称)の構成としてもよい。特に、削正ユニット100の構成を左右対称の構成としてもよい。
なお、図2は、図1のWに示す位置における要部断面図であり、右枠部22、車輪取付部40d、車輪42d、制御装置170等の構成は省略して描かれている。図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向である。
次に、実施例2のレール削正装置について説明する。実施例2のレール削正装置は、実施例1のレール削正装置1と略同様の構成であるが、削正ユニットの構成が異なる。
すなわち、実施例2における削正ユニット100’は、図7〜図9に示すように構成され、支持部105と、支持部105に対して上下方向に移動可能に設けられたモータユニット200と、モータユニット200を支持部105に対して上下方向に移動させるための上下動機構部140とを有している。
ここで、支持部105の構成は、実施例1における支持部105と同様の構成であり、摺動用レール82に対してスライド可能に取り付けられたレールブロック107と、レールブロック107の下面に固定された支持部本体110を有している。レールブロック107と支持部本体110の構成は、実施例1と同様であるので、詳しい説明を省略する。
モータユニット200は、ユニット本体230と、ユニット本体230を支持するユニット本体支持部210と、ユニット本体230をユニット本体支持部210に対して回動させるための油圧シリンダ270とを有している。
ユニット本体支持部210は、レール120に対して摺動するレールブロック212と、レール122に対して摺動するレールブロック213と、レールブロック212、213に固定された支持部本体220とを有している。
支持部本体220は、レールブロック212、213に固定された板状部222と、板状部222のX2側(右側面側)の端部に溶接等により連設され、板状部222に対して直角をなす板状部224と、板状部224のX2側の面にボルトにより取り付けられた板状部226と、板状部226にボルトにより固定されたピン227とを有している。
板状部222は、上下方向及びX1−X2方向に形成された板状部材であり、X2側には、油圧シリンダ270との干渉を防止するための切欠部222aが設けられている。また、板状部222のX1側(左側面側)の下側は、斜めに形成されている。つまり、板状部222は、五角形に切欠部222aを設けた形状の板状を呈している。また、板状部224は、図7に示すように、五角形の板状を呈している。
また、板状部(取付け用部材)226は、上下方向及びY1−Y2方向に形成された板状部材であり(つまり、板状部226は、板状部222に対して直角方向に設けられている)、板状部222を介してY2側及びY1側に突出して形成され、略方形状に対してY2側において上方に突出するとともにY1側において下方に突出する形状を呈している。つまり、板状部226においては、油圧シリンダ270のキャップ276を取り付けるために、Y2側において上方に突出した突状部226aが設けられ、また、油圧シリンダ270のロッドヘッド274aを摺動させるための開口部226−2を設けるために、Y1側において下方に突出した突状部226bが設けられている。
また、この板状部226には、ボルト284b(ボルト284bは、モータ固定部支持部240の支持部本体242に固定されている)に固定されたローラフォロアを摺動させるための開口部(第1摺動路)226−1と、ボルト282b(ボルト282bは、モータ固定部支持部240の支持部本体242に固定されている)に固定されたローラフォロアを摺動させるための開口部(第2摺動路)226−2が設けられ、油圧シリンダ270のロッド274が伸縮することにより、ローラフォロアが開口部226−1に沿って摺動するとともに、ローラフォロアが開口部226−2に沿って摺動する。
開口部226−1、226−2は、それぞれ、同一幅の帯状を呈し、両側の端部は半円状に形成されており、開口部226−1と開口部226−2は、油圧シリンダ270のロッド274が伸張することにより研削砥石262bの研削面262b−1がY2側に向いていき、X1−X2方向から視認した際に、研削面262b−1と水平方向とがなす角度α(図10参照)が、ロッド274が伸張するに従い大きくなるようになっている。つまり、開口部226−1と開口部226−2は、ともに略円弧状の帯状に形成され、X1側から視認した際に、開口部226−1は、Y2側の端部からY1側に向けて上側に向けて形成され、Y1側の端部領域では、下方に向けて形成されており、開口部226−2は、Y2側の端部からY1側に向けて下側に向けて形成されている。なお、開口部226−1がなす円弧の中心点(つまり、曲率中心)は開口部226−1よりも高さ方向において下側にあり、開口部226−2がなす円弧の中心点(つまり、曲率中心)は開口部226−2よりも高さ方向において下側にある。なお、第1摺動路としての開口部226−1は、開口部の代わりに、板状部226のX2側に設けられた溝状部とし、この溝状部に沿ってローラフォロアが摺動する構成としてもよい。
また、ピン227は、油圧シリンダ270のキャップ276に挿通され、ピン227には、キャップ276の抜けを防止するためのプレート228aと、プレート228aをピン227に固定するためのボルト228bが設けられている。
なお、レールブロック212、213と、板状部222、224とで「上下方向摺動用レールに沿って摺動する支持ユニット211」が構成される。また、板状部226は、支持ユニットに取り付けられた取付け用部材となる。
また、ユニット本体230は、モータ固定部250を支持するためのモータ固定部支持部240と、モータ260を固定するためのモータ固定部250と、モータ260と、モータ260に取り付けられた研削部262とを有している。
モータ固定部支持部240は、板状の支持部本体242と、支持部本体242の上端から連設された連結部244とを有している。
ここで、支持部本体242は、略方形状の板状を呈し、支持部本体242のX1側の面には、ボルト284bとボルト282bが固定されている。支持部本体242は、板状部226のX2側に板状部226に沿って設けられている。なお、支持部本体242のX2側(モータ固定部250側)の面には、モータ固定部250の本体部252を固定するためのボルト252dを取り付けるためのねじ穴が設けられている。
また、支持部本体242には、ボルト282bが固定され、該ボルト282bには、開口部226−2内を摺動するローラフォロア(第2摺動部材)(図示せず)と、ローラフォロアのX1側に設けられたシャフト(図示せず)と、該シャフトとボルト282bの頭部間に設けられたプレート282aとが固定されている。なお、該シャフトには、ロッドヘッド274aが回転可能に取り付けられ、該シャフトがロッドヘッド274aに挿通されている。
また、支持部本体242には、ボルト284bが固定され、該ボルト284bには、開口部226−1内を摺動するローラフォロア(第1摺動部材)(図示せず)と、ローラフォロアのX1側に設けられ、ローラフォロアとボルト284bの頭部の間に設けられたリテーナ284aとが固定されている。なお、第1摺動部材としてのローラフォロアは、開口部226−1内を摺動し、第2摺動部材としてのローラフォロアは、開口部226−2内を摺動するので、2つのローラフォロアは、左右方向に対する直角の方向に互いに間隔を介して設けられているといえる。
なお、ボルト282bとボルト284bは、支持部本体242において前後均等の位置に設けられ、すなわち、ボルト282bの取付け位置と支持部本体242の下端間の長さとボルト284bの取付け位置と支持部本体242の下端間の距離は同じであり、ボルト282bの取付け位置と支持部本体242のY1側の辺部間の長さとボルト282bの取付け位置と支持部本体242のY2側の辺部間の長さも同一となっている。
また、連結部244は、支持部本体242の上端から上方に伸びた板状の縦方向部244aと、縦方向部244aの上端からX2側に湾曲した湾曲部244bと、湾曲部244bから横方向に形成された先端部244cとを有し、先端部244cにはボルト246を挿通する穴部が設けられている。先端部244cに設けられた穴部には、ボルト(螺合部材)246が挿通され、ボルト246の頭部が先端部244cにより支持されて、ボルト246の軸部(頭部から連設された軸部)が下方に垂下した状態となっている。なお、ボルト246は頭部と頭部から連設された軸部を有し、軸部には雄ねじ溝が設けられていて、ボルト246の軸部は、ナット256と螺合する。
また、ボルト246の軸部には、モータ固定部250のナット256が螺合されている。該ナットは、先端部244cの下側に設けられている。なお、連結部244が設けられていることにより、ボルト252dによる締め付けが弱い場合(つまり、ボルト252dによる本体部252の支持部本体242への固定が弱い場合)でも、モータ固定部250が下方に移動してしまうのを防止することができる。
また、モータ固定部250は、板状の本体部252と、本体部252の上端に固定され、本体部252の上辺に沿って横方向に設けられた板状のナット固定部254と、ナット固定部254の上面に固定されたナット(被螺合部材)256とを有している。ナット256には、ねじ穴が設けられている。なお、本体部252とナット固定部254とで、固定部本体251が構成される。
ここで、本体部252には、上側に方形状の切欠部252aが設けられ、本体部252は、全体に凹状を呈している。つまり、本体部252は、切欠部252aの下端よりも高さ方向において下側の基端部252−1と、基端部252−1の上端から連設された突状部252−2、252−3とを有し、突状部252−2と突状部252−3の間に切欠部252aが配置されている。
本体部252には、前後の両側に上下方向にボルト(第2螺合部材)252dを挿通するための長穴状の穴部(縦長の開口部)252b、252cが設けられ、穴部252bと穴部252cは互いに平行に設けられている。穴部252b、252cの幅は、ボルト252dの頭部の径よりも小さく形成され、ボルト252dを締めることにより、本体部252を支持部本体242に固定することができる。なお、穴部252b、252cは、上下方向に長く形成されているので、ボルト246を回転させてモータ固定部250のモータ固定部支持部240に対する上下位置が変化した場合でも、4つのボルト252dに対する穴部252b、252cの上下方向の位置が変化し、4つのボルト252dを締めることにより、モータ固定部250をモータ固定部支持部240に固定することができる。ボルト252dは、頭部と頭部から連設された軸部を有し、軸部には、雄ねじ溝が設けられていて、ボルト252dの軸部は、支持部本体242のねじ穴に螺合する。
また、ナット固定部254は、Y1−Y2方向に伸びた板状を呈し、突状部252−2の上端と突状部252−3の上端に接して固定されている。ナット固定部254におけるX1−X2方向の幅は、本体部252のX1−X2方向の幅よりも大きく形成され、ナット固定部254のX2側の端部と本体部252のX2側の端部間のX1−X2方向の長さは、ナット固定部254のX1側の端部と本体部252のX1側の端部間のX1−X2方向の長さよりも長く形成されている。つまり、ナット固定部254のX1−X2方向の中心は、本体部252のX1−X2方向の中心よりもX2側にあり、ナット固定部254は、本体部252に対してX2側にずれて設けられている。このナット固定部254には、ナット固定部254に固定されたナット256のねじ穴に対応した位置に開口部が設けられ、ナット256に螺合したボルト246がナット固定部254よりも下方に突出するようになっている。
なお、ボルト246を回転させることにより、ナット256のボルト246における相対位置が変化するので、モータ固定部250のモータ固定部支持部240に対する上下位置が変化し、モータ260の上下方向の位置を微調整することができる。
また、モータ260は、本体部252のX2側の面に固定されている。つまり、本体部252のX1側から挿通されたボルト(図示せず)により、モータ260が本体部252に固定されている。モータ260の回転軸260aの軸線Jは、本体部252のX2側の面と平行であり(つまり、Y1−Y2方向から視認した場合に、軸線Jは上下方向を向いている)、穴部252b、252cの方向(長手方向)と平行となっている。つまり、回転軸260aの軸線Jは、本体部252の支持部本体242に対する移動方向(穴部252b、252cを介した移動方向)と平行となっている。なお、モータ260の回転軸260aの先端には、研削部262を取り付けるための円形の板状部260bが設けられている。
なお、モータユニット200は、レールブロック212、213がレール120、122に沿って摺動することにより上下方向に移動するので、モータユニット200は、上下方向に円滑に移動することができる。
研削部262は、板状部260bに取り付けられ、板状部260bに固定された研削砥石固定部262aと、研削砥石固定部262aに接着して固定された研削砥石262bとを有している。研削砥石固定部262aは、研削砥石固定部138aと同様の構成であり、研削砥石262bは、研削砥石138bと同様の構成である。すなわち、研削砥石固定部262aは、ゴム等の弾性体により形成されている。研削砥石固定部262aと研削砥石262bは、円環形状の板状を呈している。この研削部262は、レールを研削するためのものであり、研削部262の研削面(研削砥石固定部262a側とは反対側の面)262b−1をレールに接する状態で、研削部262を回転させることにより、レールが研削される。つまり、研削部262の底面(研削砥石262bの研削砥石固定部262aとは反対側の面)が研削部262の研削面となり、該研削面は平面状であり、研削部262の研削面の方向に対して、モータ260の回転軸260aの軸線Jは垂線をなす。
また、上下動機構部140は、実施例1の上下動機構部140と同様の構成であり、支持部本体110の縦板部114の正面側に回転可能に設けられたハンドル141と、ハンドル141を回転させることにより回転するピニオン(図示せず)と、ピニオンを収納するハウジング142と、ピニオンと歯合しピニオンの回転により回転するシャフト143と、シャフト143の下端に設けられたボス144と、ボス144の下端に設けられたスプリング145と、スプリング145の下端に固定して設けられるとともに、支持部本体220の板状部222に固定して設けられた連結部146とを有している。ハウジング142は、支持部147に支持され、支持部147は、縦板部114に固定されている。これにより、ハンドル141を回転させることにより、シャフト143が上下動し、スプリング145を介して連結部146が上下動するので、支持部本体220が上下動する。ハンドル141の回転方向に従い、支持部本体220が上方向又は下方向に移動する。ボス144とスプリング145と連結部146とで、「シャフト143と支持ユニット131を連結する第2連結ユニット」が構成される。
また、油圧シリンダ270は、シリンダチューブ272と、シリンダチューブ272に対して伸張又は縮退するロッド274と、シリンダチューブ272の基端側に設けられたキャップ276とを有し、キャップ276のシリンダチューブ272側とは反対側の端部はリング状に形成され、該リング状部分にピン227が挿通されている。つまり、キャップ276は、ピン227に対して回転自在となっている。なお、油圧シリンダ270は、板状部226を介してモータ260の反対側に設けられている。
また、ロッド274の先端には、リング状のロッドヘッド274aが設けられ、このロッドヘッド274aには、シャフトが挿通されている。つまり、ロッドヘッド274aは、シャフトに対して回転自在となっている。なお、油圧シリンダ270には、作動油を供給するための油圧ポンプ(図示せず)が接続されている。
油圧シリンダ270を駆動して、ロッド274を伸張させるに従い、研削面262b−1が水平方向に対して傾斜していき(つまり、水平方向に対する角度αが大きくなっていく)。例えば、図7の状態において、ロッド274を伸張させると、図10に示す状態となる。一方、ロッド274を縮退させるに従い、研削面262b−1が水平方向に対して傾斜した向きから水平方向に近づいていく(つまり、水平方向に対する角度αが小さくなていく)。つまり、ロッド274を徐々に伸縮させることにより研削面262b−1の角度を徐々に変化させることができる。研削面262b−1は、ロッド274を伸縮させることにより、左右方向に向いた状態で、前後方向の向きが変化する。以上のようにして、研削面262b−1の傾き(研削面262b−1の向きとしてもよい)が調整される。つまり、研削部262の向きを変化(調整としてもよい)させることにより、研削面262b−1の向きが変化(調整としてもよい)する。
削正ユニット100’におけるモータユニット200は、上記のように構成されているので、ロッド274が最も縮退した状態では、研削面262b−1は水平方向(例えば、横板部112の下面と平行な方向)であるが、ロッド274が伸張するに従い、研削面262b−1の傾き(水平方向に対する傾き)大きくなって、レールRの角部R1を研削できるようになっている。なお、ここでいう水平方向とは、ベース部5の設置面における方向であり、車輪42a〜42dの下端がなす平面の方向が水平方向となる。
なお、実施例2のレール削正装置において、削正ユニット100’以外の構成は実施例1のレール削正装置と同様であり、ベース部5と、センサユニット70と、摺動用機構部80と、制御装置170の構成は実施例1と同様であるので、詳しい説明を省略する。
実施例2のレール削正装置の使用方法は、実施例1と略同様であり、軌陸車のアームの先端にレール削正装置を取り付けた状態で、軌陸車をレール上を走行させて、レールの削正箇所の場所まで移動し、レール削正装置をレール上に配置する。そして、クランプ50、52をレールに固定して、レール削正装置をレールに固定する。
次に、一対のセンサユニット70をレールの削正範囲を含む範囲の両側の端部に配置する。センサユニット70の配置の方法は、実施例1の場合と略同様であり、一対のセンサユニット70をセンサユニット取付部32の板状部36に掛止して取り付けるが、レールRの削正範囲に対応した設定範囲の一方の端部に対応する位置(該一方の端部の上方の位置)に一方のセンサユニット70を取り付け、該設定範囲の他方の端部に対応する位置(該他方の端部の上方の位置)に他方のセンサユニット70を取り付ける。削正範囲や設定範囲は、レールRに沿った範囲であり、設定範囲の決め方としては、削正ユニット100’がある移動方向に移動して、センサ72により削正ユニット100’の接近が検知された際に、研削部262が削正範囲よりも移動方向における前側にあるようにする。なお、センサユニット70を板状部36に取り付ける際には、掛止部74Aを板状部36に掛止した状態で蝶ボルト76を締めて板状部36に固定する。
つまり、図11におけるセンサユニット70Aについては、削正ユニット100’がA方向に移動して、センサユニット70Aにおけるセンサ72Aにより削正ユニット100’の接近が検知された際に、研削部262が削正範囲よりもA方向における前側(つまり、左側面側(X1側))にあるようにする。つまり、削正ユニット100’がA方向に移動してセンサ72Aにより削正ユニット100’の接近が検知された際には、研削部262が削正範囲を通過しているようにする。なお、センサユニット70Aにおいては、横板部112の左側面側の端部がセンサ72Aの下方位置に到達した場合に、センサ72Aにより削正ユニットが接近したことが検知される。
また、図11におけるセンサユニット70Bについては、削正ユニット100’がB方向に移動して、センサユニット70Bにおけるセンサ72Bにより削正ユニット100’の接近が検知された際に、研削部262が削正範囲よりもB方向における前側(つまり、右側面側(X2側))にあるようにする。つまり、削正ユニット100’がB方向に移動してセンサ72Bにより削正ユニット100’の接近が検知された際には、研削部262が削正範囲を通過しているようにする。なお、センサユニット70Bにおいては、横板部112の右側面側の端部がセンサ72Bの下方位置に到達した場合に、センサ72Bにより削正ユニットが接近したことが検知される。
なお、図11の例では、センサ72Aにより削正ユニット100’の接近が検知された際に(この位置にある削正ユニット100’を削正ユニット100A’とする)、研削部262の右側面側の端部位置と削正範囲の左側面側の端部位置が一致するが、削正ユニット100A’の研削部262の右側面側の端部が間隔を介して削正範囲の左側面側の端部の左側面側にあるようにしてもよい。
同様に、図11の例では、センサ72Bにより削正ユニット100’の接近が検知された際に(この位置にある削正ユニット100’を削正ユニット100B’とする)、研削部262の左側面側の端部位置と削正範囲の右側面側の端部位置が一致するが、削正ユニット100B’の研削部262の左側面側の端部が間隔を介して削正範囲の右側面側の端部の右側面側にあるようにしてもよい。
また、研削作業を行う前に、研削面262b−1の上下方向の高さや傾き(水平方向に対する角度)を調整する。
つまり、研削面262b−1の上下方向の高さを調整するには、上下動機構部140においてハンドル141を回転することにより行い、研削部262の向きを調整して研削面262b−1の向きを調整するには、油圧シリンダ270を駆動させて、ロッド274を伸縮させる。
例えば、油圧シリンダ270を駆動させて研削面262b−1の向きを調整し、その後、上下動機構部140により研削面の上下位置を調整する。なお、研削面262b−1の上下位置を微調整する場合には、ボルト252dを緩めた状態でボルト246を回転させることによりモータ固定部250のモータ固定部支持部240に対する上下位置を調整した後に、ボルト252dを締め付けて、モータ固定部250をモータ固定部支持部240に固定させる。なお、削正作業を行うに当たって、削正ユニット100’が2つのセンサの間の位置にない場合には、削正ユニット100’を2つのセンサの間の位置に移動させておく。
以上のように、削正作業のための準備が完了したら、削正ユニット100’による削正作業を行う。削正作業においては、モータ98を駆動するとともに、モータ260を駆動する。すると、モータ98が駆動することにより削正ユニット100’が横方向に移動し、削正ユニット100’が横方向に移動しながら研削部262によりレールRの研削が行われる。
つまり、削正ユニット100’は、停止した状態から予め定められた方向(A方向とB方向のうち予め定められた方向)に研削部262によりレールRを研削しながら移動し、センサ72により削正ユニット100’の接近が検知されるまで該方向に移動する。例えば、予め定められた方向がA方向の場合には、まず、A方向に削正ユニット100’が移動する。
そして、一方のセンサ72により削正ユニット100’の接近が検知されると、制御装置170は、その検知結果に従い、モータ98の回転方向を逆方向として、削正ユニット100’が折り返して移動するようにする。例えば、削正ユニット100’がA方向に移動し、センサ72Aにより削正ユニット100’の接近が検知されたら、モータ98の回転方向が反転して、削正ユニット100’の移動方向が反転されて、削正ユニット100’はレールRを研削しながらB方向に移動する。なお、移動方向が反転する際も、研削部262は回転したままである。
そして、削正ユニット100’は、研削部262によりレールRを研削しながら反転された移動方向に移動していき、他方のセンサ72により削正ユニット100’の接近が検知されると、制御装置170は、その検知結果に従い、モータ98の回転方向を逆方向として、削正ユニット100’が折り返して移動するようにする。例えば、削正ユニット100’がB方向に移動し、センサ72Bにより削正ユニット100’の接近が検知されたら、モータ98の回転方向が反転して、削正ユニット100’の移動方向が反転されて、削正ユニット100’はレールRを研削しながらA方向に移動する。なお、移動方向が反転する際も、研削部262は回転したままである。
以上のように、削正ユニット100’は、一方のセンサ72による検知に基づく移動方向の反転と、他方のセンサ72による検知に基づく移動方向の反転とが繰り返されて、レールRの研削を行なう。
そして、削正作業が完了したら、モータ98の駆動を停止して削正ユニット100’の移動を停止させるとともに、モータ260の駆動を停止して研削部262による削正を停止する。
以上のように、本実施例のレール削正装置によれば、レールに沿った削正範囲の長さに応じて一対のセンサ72間の長さを調整することができ、削正範囲の長さ(つまり、レールにおける削正すべき範囲(レールに沿った範囲)の長さ)が短い場合には、一対のセンサ72間の長さを短く設定できるので、削正作業を短い時間で行なうことができる。つまり、削正ユニット100’が削正ユニット100’の移動可能範囲分の長さを往復動しなくてもよいので、その分削正作業を短時間で行うことができる。
また、枠状部10は、左枠部12と、右枠部22と、平行横部30と、板状部31により構成され、比較的簡易な構成により枠状部10が構成されているので、低コストで枠状部10を構成することができ、結果として、レール削正装置を低コストで製造することができる。
また、ロッド274を伸縮させることにより研削面262b−1の向きを調整することができ、特に、ロッド274を徐々に伸縮させることにより研削面262b−1の向き(つまり、角度)を徐々に変化させることができるので、研削面262b−1の向きを細かく調整することができ、レールRの角部R1をきめ細かく削正することができる。
なお、センサユニット取付部32は、平行横部30の正面側の側面に設けられているとしたが、平行横部30の背面側の側面に設けられる構成としてもよい。つまり、板状部36を背面部39cの背面側の面(横方向部29の背面側の側面)に対して間隔を介して設けた構成としてもよい。この場合でも、削正ユニット100’における支持部本体110の横板部112の端部がセンサ72の下方に位置すると、削正ユニット100’の接近が検知される。
また、削正ユニット100’は、図7〜図9に示す構成に対して前後対称(左右方向を向いた中心面を介して前後対称)の構成としてもよい。つまり、上下動機構部140は、図7〜図9においては、削正ユニット100’における正面側に設けられているが、削正ユニット100’における背面側に設けてもよい。
また、削正ユニット100’は、左右対称(前後方向を向いた中心面を介して左右対称)の構成としてもよい。特に、削正ユニット100’の構成を左右対称の構成としてもよい。
なお、図7、図10は、図1(削正ユニット100を削正ユニット100’に置き換えたとした場合の図1)のWに示す位置における要部断面図であり、図9は、図1のW’に示す位置における要部断面図であり、右枠部22、車輪取付部40d、車輪42d、制御装置170等の構成は省略して描かれている。図面において、Y1−Y2方向は、X1−X2方向に直角な方向である。