JP2019099688A - 断熱遮熱コーティング組成物及び断熱遮熱塗料 - Google Patents

断熱遮熱コーティング組成物及び断熱遮熱塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱中空構造フィラーや遮熱性無機紛体の配合量を減らすことで、塗膜密着性に優れ、かつ塗膜強度が高く塗膜のひび割れが生じにくい、断熱機能と遮熱機能を併せ持つコーティング組成物及び塗料の提供。【解決手段】生体由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物。配合物として生物由来ナノファイバー、膨潤性層状無機化合物を含む断熱機能及び遮熱機能を有するコーティング組成部とこれらのコーティング組成物を含む断熱遮熱塗料。生物由来のナノファイバーが好ましくはセルロースナノファイバー(CNF)及びキチンナノファイバー(ChNF)である、コーティング組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、断熱機能と遮熱機能を併せ持つ備えるコーティング組成物に関し、特にアスペクト比の高い生物由来ナノファイバーを構成成分とすることで、塗膜割れが起こりにくい塗膜形成に優れる断熱機能と遮熱機能を併せ持つコーティング組成物およびコーティング組成物を含む断熱遮熱塗料に関する。
近年では省エネへの関心が高まっており、特に都市部を中心に問題となっているヒートアイランド現象の効果的防止策として、建築物の屋根や外壁等の外装面に断熱性や遮熱性を有する塗料を塗装することで、断熱性や遮熱性を有する塗膜を形成し、室温の上昇を抑えることが考えられている。ここで、断熱性とは、伝導、対流や放射による熱移動を少なくする性質をいい、遮熱性とは、日射を反射することによって、輻射による外部からの熱の流入を遮る性質をいう。
断熱塗料は、熱伝導を抑える機能を有する成分を配合した塗料である。熱伝導を抑える機能を有する構成成分として、内部に空気層を有する中空粒子を合成樹脂エマルジョンに分散配合した塗料が開示されている(特許文献1,2)。
遮熱塗料は、赤外線領域、特に近赤外領域(波長:780nm〜2500nm)を効果的に反射して、輻射による温度上昇を抑える機能を有する成分を配合した塗料である。輻射による温度上昇を抑える機能を有する成分として、酸化チタンやシリカ、酸化鉄等の着色含量を添加した合成樹脂エマルジョンに分散配合した塗料が開示されている(特許文献3,4)。
また、中空部分を有する粒子を赤外線反射性粉体で表面を被覆することで、断熱機能と遮熱機能を併せ持つ塗料についても開示されている(特許文献5)。
一方で、環境への配慮、資源枯渇の恐れが少ないことからセルロース、キチン等の生物由来材料(バイオマス)からセルロースナノファイバー(CNF)、キチンナノファイバー(ChNF)を得て、これらを利用することについても盛んに研究がなされている。また、建築材料において、木材(杉、ひのき)は、ガラス、漆喰、石膏等の無機材料に比べて熱伝導率が低いことが知られている。
しかしながら、セルロースナノファイバー(CNF)、キチンナノファイバー(ChNF)を、断熱機能を有する成分とした断熱塗料、遮熱機能を有する成分とした遮熱塗料は、いずれも開示されていない。
特開2002−105385号公報 特開2009−108222号公報 特開2002−012825号公報 特開2015−124360号公報 特開2014−233844号公報
また、特許文献1〜5で開示され断熱塗料及び遮熱塗料は、断熱性、遮熱性を向上させるため、熱伝導を抑える機能を有する構成成分や輻射による温度上昇を抑える機能を有する成分の構成比率が高く、また主剤である合成エマルジョン樹脂との相互作用が弱いため、塗膜の密着性が低下し、塗膜が脆弱となるため塗膜にひび割れが生じるという課題がある。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、環境への配慮、資源枯渇の恐れが少ないセルロース、キチン等の生物由来材料(バイオマス)から得られる生物由来ナノファイバー、具体的には、セルロースナノファイバー(CNF)、キチンナノファイバー(ChNF)が断熱特性、遮熱特性に優れることを見出した。
そして、熱伝導を抑える機能を有する公知成分、輻射による熱伝導を抑える機能を有する公知の成分に、生物由来ナノファイバーを配合することで、塗膜密着性に優れ、かつ塗膜強度が高く塗膜のひび割れが生じにくい、断熱機能と遮熱機能を併せ持つ塗料を提案することができ、上記課題を解決することができた。
具体的には、以下の態様により解決できる。
(態様1) 生物由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物である。
生物由来ナノファイバーは、水との親和性が高いため水分散性に優れ、アスペクト比が高いためナノファイバーが折り重なって網目構造を形成することで、ナノレベルの空隙を含む塗膜形成が容易であるからである。この特性により、セルロースナノファイバー(CNF)、キチンナノファイバー(CNF)のみで形成した塗膜は、その熱伝導率(W/m・k)が、CNFで0.128、ChNFで、0.107、0.109と優れた断熱特性を示すからである。
(態様2) 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物である。
膨潤性層状無機化合物は、溶媒(特に、水)で膨潤させることで、水との親和性が高い生物由来ナノファイバーと嵌入構造を形成することができ、塗膜強度と可撓性を向上できるからである。さらに、上述した生物由来ナノファイバーによる網目構造由来のナノレベルの空隙による断熱機能、塗膜密着性に優れ、かつ塗膜強度が高い塗膜を形成できるからである。
(態様3) 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーと断熱性中空構造フィラーからなる断熱機能を有するコーティング組成物である。
膨潤性層状無機化合物は、溶媒(特に、水)で膨潤させることで、水との親和性が高い生物由来ナノファイバーと嵌入構造を形成することができ、塗膜強度と可撓性を向上できるからである。さらに、上述した生物由来ナノファイバーによる網目構造由来のナノレベルの空隙による断熱機能により、熱伝導を抑える機能を有する成分である断熱性中空構造フィラーの含有量を抑えることができ、塗膜密着性に優れ、かつ塗膜強度が高い塗膜を形成できるからである。
(態様4) 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーからなる遮熱機能を有するコーティング組成物である。
膨潤性層状無機化合物は、溶媒(特に、水)で膨潤させることで、水との親和性が高い生物由来ナノファイバーと嵌入構造を形成することができ、塗膜強度と可撓性を向上できるからである。さらに、生物由来ナノファイバーが膨潤性層状無機化合物と嵌入構造を形成することにより、膨潤性層状無機化合物の層間が広がり、赤外線等の反射を増大させることにより輻射による温度上昇を抑えることができて遮熱機能が付与され、遮熱機能を有するコーティング組成物となるからである。
(態様5) 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーと遮熱性無機粉体からなる遮熱機能を有するコーティング組成物である。
膨潤性層状無機化合物は、溶媒(特に、水)で膨潤させることで、水との親和性が高い生物由来ナノファイバーと嵌入構造を形成することができ、塗膜強度と可撓性を向上できるからである。さらに、上述した生物由来ナノファイバーが膨潤性層状無機化合物と嵌入構造を形成することにより、膨潤性層状無機化合物の層間が広がり、赤外線等の反射を増大させることにより輻射による温度上昇を抑えるという遮熱機能により、輻射による温度上昇を抑える機能を有する成分である酸化チタン等の無機粉体の含有量を抑えることができ、塗膜密着性に優れ、かつ塗膜強度が高く塗膜のひび割れが生じにくくなるからである。
(態様6) 樹脂成分、膨潤性層状無機化合物、生物由来ナノファイバー、断熱性中空構造フィラー及び遮熱性無機粉体を主成分とする断熱遮熱塗料である。
上述した断熱機能を有する断熱性コーティング組成物と、遮熱機能を有する遮熱性コーティング組成物とを、樹脂成分に分散することで、断熱機能と遮熱機能を供に有する断熱遮熱塗料とすることができるからである。
断熱機能と遮熱機能を併せ持つ生物由来ナノファイバーに熱伝導を抑える機能を有する公知成分、輻射による温度上昇を抑える機能を有する公知の成分を配合することで、塗膜密着性に優れ、かつ塗膜強度が高く塗膜のひび割れが生じにくい、断熱機能と遮熱機能を併せ持つ塗料を提供することができる。
本発明を実施するための態様を以下に説明する。ただし、記載した実施態様に限定されるものではない。
本発明の第1の実施態様は、生物由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物である。生物由来ナノファイバーについて、以下に説明する。
1.生物由来ナノファイバー
近年、物質をナノメートルレベルまで微細化し、物質が持つ従来の性状と異なる新たな物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。ナノファイバーは、直径が1〜100nmで、長さが直径の100倍以上ある繊維をいい、従来の繊維と比べて優れた特性を有する。具体的には、比表面積が大きく、吸着性能、接着力、分子認識性が優れるという超比表面積特性、繊維径が光の波長400〜700nmより小さいため乱反射が少なく透明性が優れるというナノサイズ特性、分子配向性が高いため強度に優れるという分子配列特性である。とりわけ、環境への配慮、資源枯渇の恐れが少ないセルロース、キチン等の生物由来材料(バイオマス)から得られるバイオナノファイバー、具体的には、セルロースナノファイバー(CNF)、キチンナノファイバー(ChNF)が注目されている。本発明は、バイオナノファイバー、すなわちセルロースナノファイバー(CNF)、キチンナノファイバー(ChNF)の断熱特性に注目して断熱機能と遮熱機能を有する断熱性コーティング組成物、遮熱性コーティング組成物、およびこれらを含む断熱遮熱塗料としたものである。以下に説明する。
(1−1)セルロースナノファイバー(CNF)
本発明のコーティング組成物と断熱遮熱塗料を構成するセルロースナノファイバー(CNF)は、パルプ繊維などのセルロース系原料を機械的な処理により解繊することにより得ることができる。機械的処理のみでセルロースナノファイバーを製造する場合、多数回の機械的処理が必要となり、エネルギー消費が非常に大きくなる。そのため、機械的な処理の前に、酸化処理やエステル化処理などを施す方法が検討されている。中でも、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(TEMPO)と次亜塩素酸ナトリウムとを用いてパルプを酸化する方法(特開2008−1728号公報,特開2010−235679号公報参照)が後工程の機械的処理を効果的に低減できるとして採用されている。
セルロースナノファイバー(CNF)は、強度、弾性、熱安定性等に優れることから、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の基材、クロマトグラフィー分析機器の充填材、樹脂及びゴムの配合用充填剤等の工業用途として利用されている。また、口紅、粉末化粧料、乳化化粧料等の化粧品の配合剤の用途にも利用されている。さらには、水系分散性に優れているため、食品、化粧品、塗料等の粘性保持剤、食品原料生地の強化剤、水分保持剤、食品安定化剤、低カロリー添加物、乳化安定化助剤などの多くの用途における利用が期待されている。
しかしながら、断熱特性に着目した用途については開示されていない。
(1−2)キチンナノファイバー(ChNF)
本発明のコーティング組成物と断熱遮熱塗料を構成するキチンナノファイバー(ChNF)は、エビ、カニをはじめとして、昆虫、貝、キノコにいたるまで、極めて多くの生物に含まれるキチン(生物由来材料)を原料として、機械的な処理により解繊処理することにより得ることができる。ここで、キチンとは、N-アセチル-D-グルコサミンが鎖状に長く(数百から数千)つながった繊維構造を有するアミノ多糖である。
生物由来キチンの形態は、繊維状、粒状などの任意の形態であってもよい。甲殻類、昆虫類またはオキアミの殻及び外皮などから採取加工したものである。なお、本発明においては、キチンをアルカリ処理してアセチル基を除いたキトサンを用いることができる。
キチンナノファイバーの製造方法においては、(a)脱蛋白処理及び脱灰処理を行ったキチン含有生物由来の材料、(b)脱蛋白処理及び脱灰処理及び脱アセチル化処理を行ったキチン含有生物由来の材料、のように解繊処理を効率的に行うための前処理を行った生物由来の材料が好ましい。また、前処理を行った市販の精製キチン・キトサンを用いることができる。
解繊処理は、脱蛋白・脱灰処理されたキチンナノファイバーを弱酸(pH3〜4)処理後、石臼式摩砕器、高圧ホモジナイザー、凍結粉砕装置などの機械的解繊処理が採用されている。
生物由来ナノファイバーの解繊処理方法としては、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類の分散液を一対のノズルから70〜250MPaの高圧で噴射させた噴射流を互いに衝突させて粉砕する湿式粉砕法(特開2005−270891号公報参照)、バイオマスの分散流体を100〜240MPaで高圧噴射して衝突用硬質体に衝突させて粉砕する高圧噴射法(特開2011−056456号公報参照)が開示されている。
しかしながら、上述した機械的な解繊処理では、いずれも生物由来ナノファイバーへの負荷、エネルギー損失が大きく、必ずしもナノファイバーとしての特性(超比表面積特性、ナノサイズ特性、分子配列特性)に優れた細く、長く、均質なナノファイバーを低エネルギーかつ低コストで得ることができなかった。
このため、解繊処理を旋 回液流式マイクロバブル発生装置により生じたマイクロバブルの存在下で行うことが開示されている(特開2017−94218号公報参照)。旋回流式マイクロバブル発生装置では、気液発生槽の内部の旋回により、旋回による剪断力とマイクロバブルが同時に相乗的に作用する。このため、解繊処理に旋回流マイクロバブル発生装置により生じたマイクロバブルを使用することで、低エネルギーかつ低コストで効率よく、超比表面積特性、ナノサイズ特性、分子配列特性に優れ、細く、長く、均質なバイオナノファイバーを得ることができる。
本発明の第2の実施態様は、膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物である。生物由来ナノファイバーについては上述したとおりである。以下、膨潤性層状無機化合物について説明する。
(1−3)エレクトロスピニング法ナノファイバー
本発明には、アスペクト比が高く、折り重なって網目構造を形成することでナノレベルの空隙を塗膜中に形成できるナノファイバーであって、塗膜形成が容易なものであれば、生物由来ナノファオバーに限定されるものではない。具体的には、エレクトロスピニング法により製造されたナノファイバーがある。
エレクトロスピニング法は、20kV程度の高電圧をノズルに加え、そこから噴霧される高分子溶液に電圧を印加させることによりナノファイバーを製造する方法である。素材の選択幅が広がる特徴がある。エレクトロスピニング法により製造可能なナノファイバーの素材としては、天然資源由来素材(例えば、ポリ乳酸、セルロース、キトサン、シルクフィブロイン、コラーゲン)、石油資源由来素材(例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレタン)がある。
2.膨潤性層状無機化合物
膨潤性層状無機化合物は、単位結晶層が積層した構造を有し、層間に溶媒(特に水)を配位又は吸収することにより膨潤又は劈開する性質を示す無機化合物である。このような無機化合物としては、膨潤性の含水ケイ酸塩、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなど)、バーミキュライト群粘土鉱物(バーミキュライトなど)、カオリン型鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイトなど)、フィロケイ酸塩(タルク、パイロフィライト、マイカ、マーガライト、白雲母、金雲母、テトラシリリックマイカ、テニオライトなど)、ジャモン石群鉱物(アンチゴライトなど)、緑泥石群鉱物(クロライト、クックアイト、ナンタイトなど)などが例示できる。これらの膨潤性層状無機化合物は、天然物でも合成物でもよい。これらの層状無機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
膨潤性層状無機化合物は、生物由来ナノファイバーとの密着性、相互作用性を両立させる点から、微粒子化処理されているのが好ましい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物は、通常、板状又は扁平状であり、平面形状は特に制限されず、無定形状などであってもよい。微粒子化処理された膨潤性層状無機化合物の平均粒子径(平面形状の平均粒子径)は、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μm程度である。
これらの膨潤層状無機化合物のうち、スメクタイト群粘土鉱物、特にベントナイトの主成分であるモンモリロナイトが好ましい。以下に説明する。
(2−1)モンモリロナイト
モンモリロナイトは、水と接触すると、層間陽イオンと水分子が水和し、単位層間の距離が増加する膨潤性を有する。この膨潤による単位層間の距離の増加が、生物由来ナノファイバーの層間嵌入を促してコーティング組成物の相互作用性、製膜性に寄与すると考えられる。特に、層間陽イオンとしてNaイオンを多く含むモンモリロナイトは、Naイオンによる単位層同士の電気的引力が弱いため、水に分散させると単位層間の距離が4nm以上にも広がるためより好ましい。
(2−2)その他
本発明では、膨潤性層状無機化合物に添加剤として、水溶性高分子を用いることができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体を好適に用いることができる。
本発明の第2の実施態様におけるコーティング組成物に占める配合量としては、膨潤性層状無機化合物の固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%であり、生物由来ナノファイバーの固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%である。
本発明の第3の実施態様は、膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーと断熱性中空構造フィラーからなる断熱機能を有するコーティング組成物である。生物由来ナノファイバー、膨潤性層状無機化合物については上述したとおりである。以下、断熱性中空構造フィラーについて説明する。
3.断熱性中空構造フィラー
断熱性中空構造フィラーは、赤外線反射性を有するとともに、断熱性を付与する成分である。断熱性中空構造フィラーを含有することにより、太陽光等による赤外線を反射するとともに、外部の温度等を断熱し、被膜層の温度上昇を抑制することができるため、コーティング組成物の膨れ、剥れ等を防止することができる。
断熱性中空構造フィラーとしては、例えば、中空セラミックビーズ、中空樹脂ビーズ等が挙げられる。中空セラミックビーズを構成するセラミック成分としては、例えば、珪酸ソーダガラス、非結晶性珪酸(シリカ)、球状珪酸(球状シリカ)、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、カーボン、アルミナ、シラス、パーライト、黒曜石等が挙げられる。中空樹脂ビーズを構成する樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
断熱性中空構造フィラーの形状としては、球形、楕円球形、偏平球形等が挙げられる。
断熱性中空構造フィラーは中空構造を有するものであり、その構造に着目すると開気泡型中空粒子と閉気泡型中空粒子に分類される。このうち本発明では、閉気泡型中空粒子が好適である。閉気泡型中空粒子を用いた場合は、気泡中への樹脂成分等の侵入を防止することができるため、高い断熱性能を発揮することができる。閉気泡型中空粒子の内部構造は、粒子1個当たり1個の中空を有する単一中空型であってもよいし、粒子1個当たり2個以上の中空を有する多中空型であってもよい。
断熱性中空構造フィラーの中空部分には通常、気体が充填されているが、中空部分が真空であるものを使用することも可能である。中空部分に充填可能な気体としては、例えば、空気、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、フッ素化塩素化炭化水素、揮発性モノマー等が挙げられる。このうち空気が好適である。
断熱性中空構造フィラーの平均粒子径は通常0.1〜200μm、好ましくは1〜150μmである。平均粒子径がこのような範囲であることにより、平滑性が高い塗膜を形成することができる。
断熱性中空構造フィラーの密度は通常0.01〜1g/cm、好ましくは0.01〜0.5g/cmである。密度がこのような範囲であることにより、断熱性、軽量性等を高めることができる。
本発明の第3の実施態様におけるコーティング組成物に占める配合量としては、膨潤性層状無機化合物の固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%であり、生物由来ナノファイバーの固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%であり、断熱性中空構造フィラーの固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%である。
本発明の第4の実施態様は、膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーからなる遮熱機能を有するコーティング組成物である。膨潤性層状無機化合物、生物由来ナノファイバーについては、上述した通りである。
本発明の第4の実施態様におけるコーティング組成物に占める配合量としては、膨潤性層状無機化合物の固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%であり、生物由来ナノファイバーの固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%である。
本発明の第5の実施態様は、膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーと遮熱性無機粉体からなる遮熱機能を有するコーティング組成物である。膨潤性層状無機化合物、生物由来ナノファイバーについては、上述した通りである。以下、遮熱性無機粉体について説明する。
4.遮熱性無機粉体
本発明における遮熱性無機粉体とは、近赤外線(波長領域780〜2500nm)を効率的に反射することができる粒子のことをいう。
このような遮熱性無機粉体としては、例えばJR−1000(テイカ株式会社製)、CR−97、R−630(以上、石原産業株式会社製)等の酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型も含む)、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウム、酸化珪素、シリカ(非結晶性シリカも含む)、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、アルミナ、ジオキサンバイオレット(クラリアント社製)、酸化鉄レッド(バイエル社製)、シアニングリーン(東洋インキ株式会社製)、キナクリドンバイオレット(クラリアント社製)、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムが効果的に近赤外線を反射することができるため好適に用いることができる。
上記以外にも遮熱性無機粉体として、近赤外線を反射する着色顔料を使用してもよい。このような着色顔料としては、例えば、酸化鉄、黄酸化鉄、アンチモン・スズ酸化物、アルミフレーク、鱗片状アルミ、コバルトブルー、リトポン、硫化鉛等;フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、アゾ系、ペリノン系、ペリレン系、インジゴ/チオインジゴ系、ジオキサジン系、メチン/アゾメチン系、イソインドリノン系、ジケトピロロピロール系等の有機顔料;ダイヤモンドブラック、グラファイト、フラーレン、グラフェン、アニリンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ケイソウ土、消石灰、石膏、ベントナイト、クレー、雲母、粘土鉱物、鉄、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛、フェライト、ステンレス鋼、酸化クロム、酸化コバルト、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛、亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデン等が挙げられる。前記例示した遮熱性無機粉体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
後述する遮熱塗料として用いる場合は、塗料中における遮熱性無機粉体の分散安定性を向上させる観点から、遮熱性無機粉体に表面処理を施してもよい。このような表面処理の代表例としては、シランカップリング剤による表面処理が挙げられる。シランカップリング剤としては、特に限定されず、シランにビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メルカプト基、イソシアネート基、スルフィド基等の官能基を有するものが挙げられる。
遮熱性無機粉体として酸化チタンと着色顔料とを併用する場合、遮熱性無機粉体100質量%中の着色顔料の含有量は、10〜100質量%であることが好ましく、20〜95質量%であることがより好ましく、30〜90質量%であることが特に好ましい。
本発明の第4の実施態様におけるコーティング組成物に占める配合量としては、膨潤性層状無機化合物の固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%であり、生物由来ナノファイバーの固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%であり、遮熱性無機粉体の固形分濃度は、10〜90wt%、好ましくは10〜50wt%、さらに好ましくは20〜40wt%である。
本発明の第5の実施態様は、樹脂成分、膨潤性層状無機化合物、生物由来ナノファイバー、断熱性中空構造フィラー及び遮熱性無機粉体を主成分とする断熱遮熱塗料である。
5.樹脂成分
本発明の断熱遮熱塗料は、水系エマルジョン塗料である。近年、大気中への揮発性有機化合物の放出などによる環境問題を回避するために、水溶性樹脂、エマルジョンなどの水分散型樹脂を含有する水系塗料が用いられている。本発明の塗料組成物において、使用される樹脂に関しては特に制限はなく、用途、要求品質等から、適した樹脂が選定される。好適な例としては、水溶性樹脂及び/または水分散型樹脂で、その種類としては、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの混合系や変性もしくは共重合系等が挙げられる。以下、水溶性樹脂、水分散型樹脂、分散剤について具体例を挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
(5−1)水溶性樹脂
水溶性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂がある。
水溶性樹脂として好適に用いられるポリエステル樹脂は、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット等)及び多塩基酸(例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸等)を樹脂原料として用いて得られる。
水溶性樹脂として好適に用いられるアクリル樹脂は、ビニル系モノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、シクロヘキシル、ステアリル等のアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸の2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、分子量1000以下のポリエチレングリコール等のヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸またはメタクリル酸のアミド類またはそれらのアルキルエーテル類、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等)を樹脂原料として、有機過酸化物(例えば、アシルパーオキシド類(例えば、過酸化ベンゾイル)、アルキルヒドロパーオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロパーオキシド、p−メタンヒドロパーオキシド)、ジアルキルパーオキシド類(例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド)等)を開始剤とする公知の溶液重合法等によって、容易に得ることができる。
水溶性樹脂として好適に用いられるポリウレタン樹脂は、ポリオール(例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等)とポリイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等)を原料として付加重合することによって、容易に得ることができる。
(5−2)水分散型樹脂
水分散型樹脂としては、スチレン−アクリル系樹脂がある。スチレン単量体と芳香族または芳香族系以外のアクリル系単量体を単独もしくは2種以上を乳化重合して合成する。
スチレン系単量体は、スチレン骨格を有する単量体を意味する。スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。スチレン系単量体は、ベンゼン環にメチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシル基、アシル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子などの官能基が存在していてもよい。スチレン系単量体のなかでは、塗膜の耐候性を高める観点から、スチレンが好ましい。
芳香族系アクリル単量体としては、例えば、アラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アラルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレートなどの炭素数が7〜18のアラルキル基を有するアラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族単量体以外のアクリル系単量体の具体例としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、カルボニル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体、エポキシ基含有単量体などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(5−3)分散剤
分散剤としては、界面活性剤または樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性に分類され、要求特性に応じて適宜好適な種類、配合量を選択して使用することができる。好ましくは、樹脂型分散剤である。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルなどが挙げられ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類があり、具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4−アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)−ドデシルブロマイド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩などが挙げられる。
ノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテルなどが挙げられ、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等などが挙げられる。
界面活性剤の選択に際しては1種類に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤など、2種以上の界面活性剤を併用して使用することも可能である。その際の配合量は、それぞれの活性剤成分に対して前述した配合量とすることが好ましい。好ましくは、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の併用が良く、アニオン性界面活性剤としては、ポリカルボン酸塩、ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンフェニルエーテルが好ましい。
樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン;ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル;不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ポリエステル系樹脂、変性ポリアクリレート系樹脂、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系樹脂等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
6.配合比
本発明の断熱遮熱塗料を構成する(a)樹脂成分、(b)膨潤性層状無機化合物、(c)生物由来ナノファイバー、(d)断熱性中空構造フィラー及び(e)遮熱性無機粉体の配合比は、(a)樹脂成分を100重量部としたとき、(b)膨潤性層状無機化合物は、30〜200重量部、(c)生物由来ナノファイバーは、30〜150重量部、(d)断熱性中空構造フィラーは、30〜100重量部、(e)遮熱性無機粉体は、50〜100重量部である。
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本発明を実施例に限定するものと解してはならない。
表1は、断熱機能を有するコーティング組成物に関する実施例(生物由来ナノファイバーを構成成分とするコーティング組成物)と比較例(生物由来ナノファイバーを構成成分としないコーティング組成物)をまとめたものである。
表2は、遮熱機能を有するコーティング組成物に関する実施例(生物由来ナノファイバーを構成成分とするコーティング組成物)と比較例(生物由来ナノファイバーを構成成分としないコーティング組成物)をまとめたものである。
表3は、本発明の断熱機能と遮熱機能とを併せ持つ遮熱断熱塗料を実施例とし、市販品A(断熱セラミック塗料 日進産業社製)を比較例としてまとめたものである。
7.断熱性評価
(7−1)熱伝導率の測定
実施例、比較例において得られた試験品を用い、非定常法細線加熱法にて熱伝導率を測定した。測定機器としては、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)を用いた。結果を表1及び表3に示す。
8.遮熱性評価
(8−1)近赤外日射反射率の測定
実施例、比較例で示す構成成分からなる塗膜を形成した試験品をJIS K 5675(屋根用高日射反射率塗料)に従って近赤外日射反射率を測定した。結果を表2及び表3に示す。
(8−2)塗膜の表面裏面温度差の測定
実施例、比較例で示す構成成分からなる塗膜シートを形成した試験品につき、表面(塗膜シート表面)と裏面(塗膜シート裏面)との温度差を求めた。表面温度は、赤外線電灯を表面から30cmの距離に設置し、表面に設置した温度センサーにより、赤外線電灯照射後0min〜120minの温度を測定した。裏面温度は、塗膜シート裏面に設置した温度センサーにより、赤外線電灯照射後0min〜120minの温度を測定した。赤外線電灯(赤外線電球R127E26 100/110V−125W 旭光電機社製)、温度センサー(シートカップル熱電対C080 チノー社製)を用いた。結果を表2に示す。
(8−3)鋼板塗膜の表面裏面温度差の測定
本測定は、断熱箱の上部に載置した塗膜形成金属板の表面温度と断熱箱の内部温度との測定差を測定するものであり、塗膜を形成した屋根表裏面の温度差をモデル測定するものである。
具体的には、発泡体で成形された断熱容器(縦480mm×横430mm×高さ210mm)の上面に金属板(ボンデ鋼板 200mm×300mm 厚み0.8mm)が載置できる開口部を設けた試験装置を用いた。実施例、比較例で示す構成成分からなる塗膜を金属板(ボンデ鋼板 200mm×300mm 厚み0.8mm)上に形成した試験品を前記試験装置の開口部に載置した。
塗膜形成金属板の表面温度(塗膜面温度)は、赤外線電球(アイ赤外線IR100−110V375WRH 岩崎電機社製)を塗膜面から33cmの距離に設置し、表面に設置した温度センサー(TP−01 YFE社製)により、前記赤外線電球照射後0min〜90minの温度を測定した。
内部温度は、発泡体容器の内側の中心(底面から9cmの高さ)に配置した温度センサー(TP−01 YFE社製)により、赤外線電球(アイ赤外線IR100−110V375WRH 岩崎電機社製)照射後0min〜90minの温度を測定した。結果を表3に示す。
9.製膜性
実施例、比較例で示す構成成分からなる塗膜について、塗膜形成性(塗面に塗膜を形成できる)と塗膜安定性(乾燥塗膜に割れが生じない)を以下の基準から評価したものである。
○ 塗膜形成性と塗膜安定性のいずれもある
△ 塗膜形成性はあるが、塗膜安定性がない
× 塗膜形成性がない
10.引張強度測定
実施例、比較例で示す構成成分からなる塗膜について、塗膜をJISK7139 ダンベル型試験片 タイプA22による試験片とし、材料強度試験機(5581 インストロン社製)を用いて、引張速度10mm/minで塗膜引張強度(MPa)を測定した。
<実施例1−1>
生物由来ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(SFo−20002 スギノマシン社製;1wt%溶液)350gをガラス板上に塗工して、膜厚0.27mmの塗膜を形成した。その後、塗膜を乾燥条件(23℃,RH50%)で3日間乾燥させ、塗膜試験品(実施品1−1)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.107であり、製膜性は「○」判定であった。
<実施例1−2>
生物由来ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(大村塗料社製;1wt%溶液)350gを<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品1−2)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.109であり、製膜性は「○」判定であった。
<実施例1−3>
生物由来ナノファイバーとしてセルロースナノファイバー(WMa−10002 スギノマシン社製;1wt%溶液)350gを<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品1−3)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.128であり、製膜性は「○」判定であった。
<実施例1−4>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品1−4)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.262であり、製膜性は「○」判定であり、塗膜引張強度は、23.4MPaであった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 3.15g
生物由来ナノファイバー キチンナノファイバー(SFo−20002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 35g
断熱性中空構造フィラー 無
<実施例1−5>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品1−5)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.196であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 2.98g
生物由来ナノファイバー キチンナノファイバー(SFo−20002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 17.5g
断熱性中空構造フィラー パーライト(太平洋パーライト 太平洋マテリアル社製) 0.35g
<実施例1−6>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品1−6)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.114であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 2.8g
生物由来ナノファイバー キチンナノファイバー(SFo−20002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 35g
断熱性中空構造フィラー パーライト(太平洋パーライト 太平洋マテリアル社製) 0.35g
<実施例1−7>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品1−7)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.120であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 2.8g
生物由来ナノファイバー キチンナノファイバー(大村塗料社製;1wt%溶液) 35g
断熱性中空構造フィラー パーライト(太平洋パーライト 太平洋マテリアル社製) 0.35g
<比較例1−1>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品1−1)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.269であり、製膜性は「△」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 3.15g
生物由来ナノファイバー 無
断熱性中空構造フィラー パーライト(太平洋パーライト 太平洋マテリアル社製) 0.35g
<比較例1−2>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品1−2)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.168であり、製膜性は「△」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 2.8g
生物由来ナノファイバー 無
断熱性中空構造フィラー パーライト(太平洋パーライト 太平洋マテリアル社製) 0.7g
<比較例1−3>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品1−3)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.564であり、製膜性は「△」判定であり、皮膜引張強度は、5.6MPaであった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 3.15g
生物由来組成物 セルロース粉末(38μm 400メッシュ通過 和光純薬工業社製) 0.35g
断熱性中空構造フィラー 無
<比較例1−4>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品1−4)を製作した。熱伝導率(W/m・K)は、0.783であり、製膜性は「△」判定であり、皮膜引張強度は、6.7MPaであった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 3.5g
生物由来ナノファイバー 無
断熱性中空構造フィラー 無
<実施例2−1>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品2−1)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、5.8であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 モンモリロナイト(クニピアF クニミネ工業社製) 3.15g
生物由来ナノファイバー セルロースナノファイバー(WMa−10002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 35g
遮熱性無機粉体 無
<実施例2−2>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品2−2)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、5.9であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 2.8g
生物由来ナノファイバー セルロースナノファイバー(WMa−10002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 35g
遮熱性無機粉体 酸化チタン(R−38L 堺化学工業社製) 0.35g
<実施例2−3>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品2−3)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、4.2であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 2.8g
生物由来ナノファイバー キチンナノファイバー(SFo−20002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 35g
遮熱性無機粉体 酸化チタン(R−38L 堺化学工業社製) 0.35g
<実施例2−4>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(実施品2−4)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、4.7であり、近赤外日射反射率(%)は、82であり、製膜性は「○」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 2.1g
生物由来ナノファイバー セルロースナノファイバー(WMa−10002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 35g
遮熱性無機粉体 酸化チタン(R−38L 堺化学工業社製) 1.05g
<比較例2−1>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品2−1)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、2.2であり、近赤外日射反射率(%)は、30であり、製膜性は「△」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 3.5g
生物由来ナノファイバー 無
遮熱性無機粉体 無
<比較例2−2>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品2−2)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、2.2であり、近赤外日射反射率(%)は、75であり、製膜性は「△」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 3.15g
生物由来ナノファイバー 無
遮熱性無機粉体 酸化チタン(R−38L 堺化学工業社製) 0.35g
<比較例2−3>
以下の構成成分を水50gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で分散液を調製した。調製した分散液を<実施例1−1>と同様の条件で塗工、乾燥して、塗膜試験品(比較品2−3)を製作した。表面裏面温度差(℃)は、7.8であり、製膜性は「△」判定であった。
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 2.8g
生物由来ナノファイバー 無
遮熱性無機粉体 酸化チタン(R−38L 堺化学工業社製) 0.7g
<実施例3−1>
(1)塗料分散液の調製
以下の構成成分を水100gに加え、撹拌条件(3000rpm,3min)で塗料分散液を調製した。
Ac−St系水分散型樹脂 55wt%水溶液(ボンコートCG DIC社製) 22g
膨潤性層状無機化合物 (クニピアF クニミネ工業社製) 12g
生物由来ナノファイバー キチンナノファイバー(SFo−20002 スギノマシン社製;1wt%溶液) 400g
断熱性中空構造フィラー パーライト(太平洋パーライト 太平洋マテリアル社製) 4g
遮熱性無機粉体 酸化チタン(JR−1000 テイカ社製) 8g
(2)塗膜製作
ボンデ鋼板上に、調製した塗料分散液を塗布量170g/mで塗工し、乾燥条件(23℃,RH50%)で3日乾燥して、鋼板塗膜試験品(実施品3−1)を制作した。膜厚は、0.335mmであった。
(3)断熱性と遮熱性評価
鋼板塗膜の表裏面温度差は、9℃(表面温度46℃,裏面温度37℃)であり、熱伝導率(W/m・K)は、0.100であった。
<比較例3−1>
(1)塗膜製作
ボンデ鋼板上に、市販品(GAINA 日進産業製)を塗布量290g/mで塗工し、乾燥条件(23℃,RH50%)で3日乾燥して、鋼板塗膜試験品(比較品3−1)を制作した。膜厚は、0.325mmであった。
(2)断熱性と遮熱性評価
鋼板塗膜の表裏面温度差は、9℃(表面温度46℃,裏面温度37℃)であり、熱伝導率(W/m・K)は、0.201であった。
<比較例3−2>
ボンデ鋼板のみについて測定した鋼板の表裏面温度差は、15℃((表面温度62℃,裏面温度47℃)であった。
本発明は、断熱遮熱塗料の分野において利用可能である。

Claims (6)

  1. 生物由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物。
  2. 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーからなる断熱機能を有するコーティング組成物。
  3. 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーと断熱性中空構造フィラーからなる断熱機能を有するコーティング組成物。
  4. 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーからなる遮熱機能を有するコーティング組成物。
  5. 膨潤性層状無機化合物と生物由来ナノファイバーと遮熱性無機粉体からなる遮熱機能を有するコーティング組成物。
  6. 樹脂成分、膨潤性層状無機化合物、生物由来ナノファイバー、断熱性中空構造フィラー及び遮熱性無機粉体を主成分とする断熱遮熱塗料。
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