JP2019099462A - ソフトカプセル製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
ゼラチンは、温度変化により可逆的にゾル・ゲル変化すること、皮膜形成能に優れると共に形成された皮膜の機械的強度が高いこと、体内で崩壊又は溶解し易いこと、それ自体が栄養的価値を有し、体内に吸収され易いこと等、皮膜基剤としての利点を多く有しており、ソフトカプセルとして最も普及している。
しかし、ゼラチンソフトカプセルは、時間の経過と共に硬化して、崩壊性が低下する。また、カプセルの内包物にビタミンCやアントシアニンなどのポリフェノール化合物が含有されている場合には、カプセルの硬化がさらに促進される。その結果、胃における崩壊時間の遅延を引き起こし、極端な場合には胃でカプセルが崩壊しない場合もある。
一般的には、ソフトカプセルを構成するゼラチン皮膜に種々の物質を添加するものである。例えば、クエン酸の添加(特許文献1)、ポリグルタミン酸の配合(特許文献2)、イノシトール6リン酸の配合(特許文献3)、低分子量ゼラチンの配合(特許文献4)、グリセリンと還元水飴の配合(特許文献5)などがある。
特許文献6には、中鎖脂肪酸トリグリセライドとジペプチド甘味料とメントールを配合してソフトカプセルの硬化を抑制することが記載されている。
特許文献7には、ポリフェノールを内包するソフトカプセルにおいて、さらに内容物に還元糖を配合することで、ソフトカプセルの硬化が抑制できることが記載されている。
特許文献8には、アントシアニン、プロアントシアニジン、プロシアニジンのいずれかを含む内包物にエクオールを添加することで、ソフトカプセルの硬化が抑制できることが記載されている。
特許文献9には、内包物がポリフェノール類を含有する場合、内容物にポリフェノール類とともに、界面活性剤としてレシチン、及び抗酸化剤としてビタミンEを配合することによりソフトカプセルの硬化を抑制できることが記載されている。
本発明は、ビタミンCを含む内容物による、ゼラチンを主成分とするソフトカプセル皮膜の硬化を抑制し、崩壊遅延の抑制されたソフトカプセル製剤を提供することを課題とする。
(1)ゼラチンを主成分とするカプセル皮膜に、ビタミンCとアンペロプシンを内包するソフトカプセル製剤。
(2)アンペロプシンが藤茶抽出物由来であることを特徴とする(1)に記載のソフトカプセル製剤。
(3)アンペロプシンを有効成分とするゼラチンを主成分とするソフトカプセル皮膜の崩壊遅延抑制剤。
すなわち、乾燥させた藤茶の枝葉部を含水エタノールで抽出した抽出物を濃縮し、例えば多孔性樹脂(DIAION HP−20)を用いたカラムクロマトグラフィーにかけ、80容量%含水メタノールで溶出される分画にアンペロプシンが得られる。これを逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶により、さらに精製することができる。精製されたアンペロプシンは、試薬としても販売されており、これを用いることもできる。
乾燥した藤茶の葉又は茎の粉砕物又は粉末を抽出原料とし、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより得ることができる。
また、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して30〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して10〜40質量部、多価アルコールの場合は水10質量部に対して10〜90質量部添加することが好ましい。
したがって、上記の藤茶から抽出しアンペロプシンの濃度を高めた抽出物も本発明の組成物として使用可能である。
・試料溶液の調製
試料(抽出物)約20mgを精秤し、蒸留水を加えて超音波処理して溶解し、正確に50mLとする。この溶液2mLを50mLに正確に希釈し、試料溶液とする。
・標準溶液の調製と検量線作成
標準品(Dihydromyricetin SIGMA−ALDRICH社製)2.00mgを精秤し、100%アセトニトリルを適量加えて超音波処理して溶解し、さらにアセトニトリルを加えて正確に25mLとし、アンペロプシン標準原液80μg/mLを調製する。この標準原液を蒸留水にて正確に5倍希釈して、16μg/mLアンペロプシン標準溶液を調製する。HPLCへの注入量を10、20、40μLとし、アンペロプシンのピークに基づいて検量線を作成する。
・HPLC測定条件
下記表1の条件に設定する。
このカプセル崩壊遅延発生のメカニズムは、明らかではない。
ビタミンCによるゼラチンソフトカプセル皮膜の崩壊遅延を抑制するためには、ソフトカプセル内容物中のアンペロプシンの含有比率が重要である。ビタミンCを含む内容物当たり、アンペロプシンを0.01〜5質量%配合することが、ビタミンCによるゼラチンソフトカプセル皮膜の崩壊遅延を抑制するために好ましい。
<試験例>
1.試験方法
図1に試験方法の概略を示す。以下この図に沿って説明を行う。
1)ソフトカプセル皮膜の調製
水60gにグリセリン15gを混合したものに、ゼラチン35gを添加後、ゼラチンが膨潤するまで室温放置した。その後、ゼラチンが溶解するまで加温撹拌してゼラチン溶解液を得た。溶解液を脱泡後、φ90mmのシャーレに8g注ぎ、皮膜を形成させた。皮膜は水分値が約9%になるまで、室温で乾燥させた。
その後、シャーレからはがし、13mm×13mmの正方形に裁断したものをソフトカプセル皮膜として本試験に用いた。
ソフトカプセルの内容液として、中鎖脂肪酸トリグリセライド:ココナードMT(花王株式会社製)にミツロウを加え、加温溶解させ、この溶液を室温で放冷させた。ついで、この溶液に、アンペロプシン及びビタミンCを加え、ホモミキサーにて均一に混合した。これをソフトカプセル内容液とした。
なおアンペロプシンとして、市販の藤茶抽出物(アンペロプシン32質量%含有品:丸善製薬株式会社製)を用いた。
スクリュー瓶に内容液10gを採取し、これに裁断したゼラチンシートを入れ、密栓後50℃で1週間保存した。
その後、ゼラチンシートを取り出し、このゼラチンシートの崩壊性を崩壊試験器により確認した。なお崩壊性試験は試験液に37℃の水を用いて行い、ゼラチンシートが崩壊した時間を測定した。
表2に試験に用いたソフトカプセル内容液の組成を示した。
試験結果を下記の表2に示した。
アンペロプシンの類似の構造を有するポリフェノールである緑茶カテキンを用いて試験を行った。
1.試験方法
試験例と同様にゼラチンソフトカプセル皮膜を用いて同様の条件で試験を行った。
ソフトカプセルの内容液として、中鎖脂肪酸トリグリセライド:ココナードMT(花王株式会社製)にミツロウを加え、加温溶解させ、この溶液を室温で放冷させた。ついで、この溶液に、緑茶カテキン及びビタミンCを加え、ホモミキサーにて均一に混合した。これをソフトカプセル内容液とした。
なお緑茶カテキンとして、市販の緑茶抽出物(サンフェノン30S−OP:太陽化学株式会社製、トータルポリフェノール30質量%以上含有、カテキン20質量%以上含有)を用いた。
試験結果を下記の表3に示した。
Claims (3)
- ゼラチンを主成分とするカプセル皮膜に、ビタミンCとアンペロプシンを内包するソフトカプセル製剤。
- アンペロプシンが藤茶抽出物由来であることを特徴とする請求項1に記載のソフトカプセル製剤。
- アンペロプシンを有効成分とするゼラチンを主成分とするソフトカプセル皮膜の崩壊遅延抑制剤。
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MINTEL GNPD ID NO.1570570, vol. 検索日:2019年12月4日, JPN6019049305, June 2011 (2011-06-01), ISSN: 0004619089 * |
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