JP2019099202A - 注出口構造、内容物収納容器、内容物収納容器と外装容器との組合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の内容物充填量を確保できる注出口構造、内容物収納容器、内容物収納容器と外装容器との組合体及びその製造方法を提供する。【解決手段】注出口構造10は、内部に係止部116が設けられた第1円筒状部材11と、第1円筒状部材11の内部に挿入されて係止部116と係止可能な被係止部122と、第1円筒状部材11の先端から延出する延出部120とを有する第2円筒状部材12と、を備える。第1円筒状部材11は、その内周壁から内側に突出し中央に延出部120が挿通可能な貫通孔114が設けられた環状の内側周縁部115を更に有し、係止部116は内側周縁部115の上表面に設けられた突起部である。第2円筒状部材12は内側周縁部115と当接するフランジ部121を更に有し、被係止部122は、フランジ部121に設けられており、上記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部である。【選択図】図2
Description
本開示の実施形態は、注出口構造、内容物収納容器、内容物収納容器と外装容器との組合体及びその製造方法に関する。
従来、工業薬品分野、医薬品分野、化粧品分野等における流動性内容物の保管や輸送に、アルミニウム、スチール、ステンレス、ファイバーボード等で作られた外装容器の内部に内容物収納容器を配置してなる、内容物収納容器と外装容器との組合体(以下、「組合体」と略す場合がある)が広く使用されている。
例えば、下記特許文献1には、開口部を有する外装容器と、該外装容器の内部に配置された内容物収納容器とを備える組合体が開示されている。内容物収納容器は、内容物を収納するための袋体と、該袋体と接合されると共に外装容器の開口部に装着される注出口とを有する。このように構成された組合体では、注出口が接合された袋体を外装容器の内部に挿入した後に、注出口を回転して該注出口の外ねじと外装容器の開口部の内ねじとを螺合させることにより、注出口が開口部に装着されている。
しかし、この特許文献に記載の組合体において、開口部が外装容器の天板部の中央部からずれて偏った位置に配置されており、注出口を外装容器の開口部に装着する際に、注出口の螺合回転に伴って袋体も回転し、袋体が外装容器の内壁面と接触して捩れてしまう。袋体が捩れた状態のままであると、袋体の膨らましが阻害されるので、袋体の膨らましが不十分になる。その結果、内容物の充填量が低下し、所望の内容物充填量を確保し難い問題があった。
本開示の実施形態は、上記の点に鑑みてなされたものであり、所望の内容物充填量を確保できる注出口構造、内容物収納容器、内容物収納容器と外装容器との組合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本開示の実施形態に係る注出口構造は、内周壁から内側に突出して中央に貫通孔が設けられた環状の内側周縁部を有する第1筒状部材と、前記貫通孔に挿通されて前記第1筒状部材の先端から前記第1筒状部材の外側に延出する延出部と、前記内側周縁部と当接するフランジ部とを有する第2筒状部材と、を備えることを特徴としている。
本開示の一実施形態に係る注出口構造において、前記第1筒状部材は、内部に設けられた係止部を更に有し、前記第2筒状部材は、前記係止部と係止可能な被係止部を有することが好ましい。
本開示の一実施形態に係る注出口構造において、前記係止部及び前記被係止部の一方は突起部であり、他方は前記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部であることが好ましい。
本開示の一実施形態に係る注出口構造において、前記係止部は、前記内側周縁部の上表面に設けられた突起部であり、前記被係止部は、前記フランジ部に設けられ、前記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部であることが好ましい。
また、本開示の一実施形態に係る注出口構造において、前記被係止部は、前記フランジ部に設けられた突起部であり、前記係止部は、前記内側周縁部に設けられ、前記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部であり、前記第1筒状部材の前記貫通孔は、前記第2筒状部材の前記フランジ部及び前記被係止部が通り抜ける形状とされていることが好ましい。
また、本開示の一実施形態に係る注出口構造において、前記第2筒状部材の前記延出部に着脱可能に装着される第3筒状部材を更に備えることが好ましい。
本開示の実施形態に係る内容物収納容器は、内容物を収納する袋体と、前記袋体と接合され、前記袋体の内部と連通する上述の注出口構造と、を備え、前記袋体は、前記第2筒状部材の前記延出部を取り囲むように前記延出部の外周壁に接合されていることを特徴としている。
本開示の実施形態に係る内容物収納容器は、内容物を収納する袋体と、前記袋体と接合され、該袋体の内部と連通する上述の注出口構造と、を備え、前記袋体は、前記第3筒状部材を取り囲むように前記第3筒状部材の外周壁に接合されていることを特徴としている。
本開示の実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体は、開口部を有する外装容器と、前記注出口構造の前記第1筒状部材が前記開口部に着脱可能に装着され、前記袋体が前記外装容器の内部に配置される上述の内容物収納容器と、を備えることを特徴としている。
本開示の一実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体において、前記第1筒状部材及び前記第2筒状部材の少なくとも一方に着脱可能に装着される蓋部材を更に備えることが好ましい。
本開示の一実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体において、前記蓋部材は、前記第2筒状部材を閉塞する内蓋と、前記第1筒状部材を閉塞する外蓋と、を有することが好ましい。
本開示の実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法は、開口部を有する外装容器と、前記注出口構造の前記第1筒状部材が前記開口部に着脱可能に装着され、前記袋体が前記外装容器の内部に配置される上述の内容物収納容器と、を備える内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法であって、前記第1筒状部材を前記外装容器の前記開口部に装着する第1工程と、前記第2筒状部材の前記延出部に接合されるとともに折り畳まれた前記袋体を、前記第1筒状部材の内部から前記外装容器の内部に挿入し、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる第2工程と、前記袋体の内部に気体を供給して前記袋体を膨らませる第3工程と、を含むことを特徴としている。
本開示の実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法は、開口部を有する外装容器と、内容物を収納する袋体と前記袋体と接合される上述の注出口構造とを有する内容物収納容器と、を備える内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法であって、前記延出部で前記袋体と接合された前記第2筒状部材における前記フランジ部及び前記被係止部を下側から前記貫通孔を通り抜けて前記第1筒状部材の内部に挿入する第1工程と、折り畳まれた前記袋体を前記外装容器の前記開口部から前記外装容器の内部に挿入し、前記第2筒状部材及び前記袋体が前記第1筒状部材と接触しないように前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部に当接させずに浮かせた状態で、前記第1筒状部材を前記開口部に装着した後に、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる第2工程と、前記袋体の内部に気体を供給して前記袋体を膨らませる第3工程と、を含むことを特徴としている。
本開示の実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法は、開口部を有する外装容器と、前記注出口構造の前記第1筒状部材が前記開口部に着脱可能に装着され、前記袋体が前記外装容器の内部に配置される上述の内容物収納容器と、を備える内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法であって、前記第2筒状部材を前記第1筒状部材の内部に挿入し、前記袋体と接合された前記第3筒状部材を前記第2筒状部材の前記延出部に装着する第1工程と、折り畳まれた前記袋体を前記外装容器の前記開口部から前記外装容器の内部に挿入し、前記第2筒状部材、前記第3筒状部材及び前記袋体が前記第1筒状部材と接触しないように前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部に当接させずに浮かせた状態で、前記第1筒状部材を前記開口部に装着した後に、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる第2工程と、前記袋体の内部に気体を供給して前記袋体を膨らませる第3工程と、を含むことを特徴としている。
本開示の一実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法において、前記第1筒状部材は内部に設けられた係止部を更に有し、前記第2筒状部材は前記係止部と係止可能な被係止部を有しており、前記第2工程において、前記第2筒状部材の前記被係止部を前記第1筒状部材の前記係止部と係止させるように、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させることが好ましい。
本開示によれば、所望の内容物充填量を確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。また、以下の説明では、上下方向、上側、下側は、注出口構造の通常の使用状態、例えば注出口構造の第1円筒状部材が本体部とフランジ部を有する場合に、そのフランジ部を上(天)側、本体部を下(地)側に配置した状態を基準にする。
<注出口構造の第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る注出口構造を示す分解斜視図であり、図2は第1実施形態に係る注出口構造を示す断面図であり、図3は第1実施形態に係る注出口構造の第1円筒状部材を示す平面図であり、図4は第1実施形態に係る注出口構造の第2円筒状部材を示す平面図である。本実施形態の注出口構造10は、内容物を収納する袋体に接合されるとともに、該袋体が外装容器の内部に配置される際に外装容器の開口部に装着されて、内容物の充填及び排出に用いられる構造である。
図1は第1実施形態に係る注出口構造を示す分解斜視図であり、図2は第1実施形態に係る注出口構造を示す断面図であり、図3は第1実施形態に係る注出口構造の第1円筒状部材を示す平面図であり、図4は第1実施形態に係る注出口構造の第2円筒状部材を示す平面図である。本実施形態の注出口構造10は、内容物を収納する袋体に接合されるとともに、該袋体が外装容器の内部に配置される際に外装容器の開口部に装着されて、内容物の充填及び排出に用いられる構造である。
この注出口構造10は、外側に配置される第1円筒状部材11と、該第1円筒状部材11の内部で保持されるとともに一部が第1円筒状部材11の外側に延出する第2円筒状部材12とを備えている。第1円筒状部材11は、円筒状の本体部110と、該本体部110の上端と連結されて径方向の外側に突出する円環状のフランジ部111とを有する。本体部110の外周壁には、後述する外装容器3の開口部3aに装着して固定するための外ねじ112が設けられている。また、本体部110内周壁のうちの上端部及びフランジ部111の内周壁には、後述する蓋部材の外ねじと螺合可能な内ねじ113が設けられている。
図2に示すように、本体部110の外周壁であって外ねじ112とフランジ部111との間には、Oリング13が嵌められている。このOリング13は、第1円筒状部材11が外装容器3の開口部3aに装着される際に、第1円筒状部材11と開口部3aとの間の密閉性を高めるための構造である。
第1円筒状部材11は、該第1円筒状部材11の内周壁から内側に突出し、中央に第2円筒状部材12の延出部120(後述する)が挿通可能な貫通孔114が設けられた円環状の内側周縁部115を更に有する。内側周縁部115は、本体部110の内周壁のうち内ねじ113が設けられた部分よりも下側に配置され、その底面が本体部110の底面と同じ高さになるように形成されている(図2参照)。なお、内側周縁部115は、必ずしもその底面が本体部110の底面と同じ高さになるように形成される必要がなく、例えばその底面が本体部110の底面よりも高い位置になるように形成されても良い。
内側周縁部115の上表面には、複数(ここでは、8つ)の突起部116が設けられている。これらの突起部116は、平面視で略矩形状に形成され、内側周縁部115の周方向に沿って等間隔で配置されている(図3参照)。突起部116は特許請求の範囲に記載の「係止部」に相当するものであり、以下の説明において該突起部を係止部116とする。
一方、第2円筒状部材12は、第1円筒状部材11の貫通孔114に挿通されて第1円筒状部材11の先端(すなわち、下端)から第1円筒状部材11の外側に延出する円筒状の延出部120と、該延出部120の上端と連結されて径方向の外側に突出する円環状のフランジ部121とを有する。延出部120は、第2円筒状部材12が袋体と接合される際に、袋体の上縁部と接合する部分である。フランジ部121の外径は、第1円筒状部材11の本体部110の内径より小さく、且つ内側周縁部115と当接できる大きさになっている。
また、フランジ部121には、第1円筒状部材11の突起部116を嵌め込み可能な嵌め込み部122が複数(ここでは、8つ)設けられている。これらの嵌め込み部122は、第1円筒状部材11の突起部116の配置位置に合わせてフランジ部121の周方向に配置されている(図4参照)。上下方向において、嵌め込み部122の深さは、上述の係止部(すなわち、突起部)116の高さと同じであっても良く、係止部116の高さより大きくなっても良い。嵌め込み部122は特許請求の範囲に記載の「被係止部」に相当するものであり、以下の説明において該嵌め込み部を被係止部122とする。なお、本実施形態での「嵌め込み部」は、凹部、溝部、切り欠き部、窪み部、孔、スリット等を含むものとする。
第1円筒状部材11及び第2円筒状部材12は、金属製であっても良く、樹脂製であっても良い。特に外装容器3の開口部3aが金属製の場合、第1円筒状部材11は開口部3aに直接装着されるので、強度及び耐摩耗性を高めるために金属製であるのが好ましい。また、後述するように第2円筒状部材12の延出部120の一部がフィルム部材によって形成された袋体と熱溶着により接合される場合、第2円筒状部材12は樹脂製であるのが好ましい。
このように構成された注出口構造10では、第2円筒状部材12はそのフランジ部121が第1円筒状部材11の内側周縁部115と当接することで、内側周縁部115に保持されている。そして、第1円筒状部材11の係止部116が第2円筒状部材12の被係止部122と係止することにより、第1円筒状部材11に対する第2円筒状部材12の位置を精度良く且つ容易に決めることができるとともに、第1円筒状部材11に対する第2円筒状部材12の回転を規制することができる。
また、第1円筒状部材11と第2円筒状部材12とが異なる部材であるので、例えば該注出口構造10を螺合回転して外装容器3の開口部3aに装着する際に、第1円筒状部材11を開口部3aに装着した後に、第2円筒状部材12を第1円筒状部材11内に挿入して両者を組み立てても良く、或いは第1円筒状部材11と第2円筒状部材12とを組み立てた状態で開口部3aに装着しても良い。
従って、例えば注出口構造10の第2円筒状部材12が接合された袋体を外装容器3の内部に挿入する場合、第1円筒状部材11を螺合回転して外装容器3の開口部3aに装着し、その後に該第1円筒状部材11の貫通孔114から袋体を挿入し、第1円筒状部材11の係止部116と第2円筒状部材12の被係止部122とを係止させることで、第2円筒状部材12の位置を固定することができる。第2円筒状部材12の位置が固定されると、該第2円筒状部材12に接合された袋体の位置も決められる。
そして、第1円筒状部材11の螺合回転時に、第2円筒状部材12及び袋体20は第1円筒状部材11に対して独立した状態にあるので、第1円筒状部材11の螺合回転による影響を受けない。このため、従来のように注出口の回転による袋体の回転を防止することができるので、袋体が外装容器の内壁面と接触して捩れる現象を抑制でき、袋体を充分に膨らませることができる。その結果、所望の内容物充填量を確保することができる。
また、第1円筒状部材11と第2円筒状部材12とを組み立てた状態で袋体を外装容器3の開口部3aから外装容器3の内部に挿入し、その後に第2円筒状部材12及び袋体を第1円筒状部材11と接触しないように第2円筒状部材12のフランジ部121を第1円筒状部材11の内側周縁部115に当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11を螺合回転して開口部3aに装着し、第1円筒状部材11の係止部116と第2円筒状部材12の被係止部122とを係止させることにより、第2円筒状部材12の位置を固定することができる。第2円筒状部材12の位置が固定されると、該第2円筒状部材12に接合された袋体の位置も決められる。
この場合、第2円筒状部材12及び袋体が第1円筒状部材11と接触しないように第2円筒状部材12のフランジ部121を第1円筒状部材11の内側周縁部115に当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11を螺合回転して開口部3aに装着する。すなわち、第1円筒状部材11の螺合回転時に、第2円筒状部材12及び袋体20は第1円筒状部材11に対して独立した状態にあるので、第1円筒状部材11の螺合回転による影響を受けない。このため、従来のように注出口の回転による袋体の回転を防止することができるので、袋体が外装容器の内壁面と接触して捩れる現象を抑制でき、袋体を充分に膨らませることができる。その結果、所望の内容物充填量を確保することができる。
なお、第1円筒状部材11の係止部及び第2円筒状部材12の被係止部は、上述した内容に限定されない。例えば係止部及び被係止部の数は上述した8つに限らずに、一つ以上であれば良い。そして、係止部及び被係止部の数をそれぞれ1つとした場合には、第1円筒状部材11に対して第2円筒状部材12の位置選択が一つしかないため、複数の場合と比べて第2円筒状部材12の位置及び該第2円筒状部材12に接合される袋体の位置を決め易くなる。特に、袋体の幅方向が外装容器の直径方向と一致するように該袋体を外装容器3の内部に配置させたいとき、それに合わせて係止部及び被係止部の配置箇所を1つ設定すれば、作業者が迷うことなく係止部と被係止部とを係止するだけで外装容器3内における袋体の配置位置を容易に決定することができる。ここで、「袋体の幅方向」は、袋体の上縁部の延び方向を指す。
なお、係止部及び被係止部が複数の場合、例えば袋体が外装容器内に配置される際にその幅方向が外装容器の直径方向と一致できる被係止部122と係止部116との係止位置に目印等を付けることにより、作業者が該目印に従って係止部と被係止部とを係止するだけで、外装容器内における袋体の配置位置を容易に決定することができる。
また、第1円筒状部材11の係止部及び第2円筒状部材12の被係止部の形状については様々な変形例が考えられる。以下、図5〜図7を参照して第1円筒状部材11の係止部の変形例のみを説明するが、第2円筒状部材12の被係止部は係止部に合わせた形状になるので、ここで被係止部の説明を省略する。
図5に示す変形例では、第1円筒状部材11Cの係止部116Cは、円柱状を呈しており、内側周縁部115の上表面に立設されるとともに、内側周縁部115の周方向に沿って等間隔で配置されている。
図6に示す変形例では、第1円筒状部材11Dの係止部116Dは、平面視で両端が細くなる楕円形状を呈しており、内側周縁部115の上表面に立設されるとともに、内側周縁部115の周方向に沿って等間隔で配置されている。そして、係止部116Dにおける本体部110の内周壁に隣接する円弧部分は、本体部110の内周壁と連結されている。
図7に示す変形例では、第1円筒状部材11Eの係止部116Eは、平面視で略三角形状を呈しており、内側周縁部115の上表面に立設されるとともに、内側周縁部115の周方向に沿って等間隔で配置されている。
また、注出口構造の第1円筒状部材は必ずしもフランジ部111を有する必要がなく、例えば図23に示すように、注出口構造10Cの第1円筒状部材11Gはフランジ部を有さずに、本体部110のみによって形成されても良い。
<注出口構造の第2実施形態>
図8は第2実施形態に係る注出口構造を示す断面図であり、図9は第2実施形態に係る注出口構造の第1円筒状部材を示す平面図であり、図10は第2実施形態に係る注出口構造の第2円筒状部材を示す平面図である。本実施形態に係る注出口構造10Aは、第2円筒状部材12Aの被係止部122Aが突起部であり、第1円筒状部材11Aの係止部116Aが突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部である点において第1実施形態と異なっている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
図8は第2実施形態に係る注出口構造を示す断面図であり、図9は第2実施形態に係る注出口構造の第1円筒状部材を示す平面図であり、図10は第2実施形態に係る注出口構造の第2円筒状部材を示す平面図である。本実施形態に係る注出口構造10Aは、第2円筒状部材12Aの被係止部122Aが突起部であり、第1円筒状部材11Aの係止部116Aが突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部である点において第1実施形態と異なっている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
具体的には、第2円筒状部材12Aのフランジ部121の外周壁には、フランジ部121の外側に向けて突出する複数(ここでは、8つ)の突起部が設けられている。これらの突起部は第2円筒状部材12Aの被係止部122Aを構成する。図10に示すように、被係止部122Aは、平面視で略三角形状を呈しており、フランジ部121の周方向に沿って等間隔で配置されている。
これに対応し、第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aには、被係止部122Aを嵌め込み且つ係止可能な嵌め込み部が複数形成されている。この嵌め込み部は、第1円筒状部材11Aの係止部116Aを構成しており、被係止部122Aを支持する支持底部を有するように形成されている。また、第1円筒状部材11Aの貫通孔114Aは、フランジ部121及び被係止部122Aが通り抜ける形状を有するように形成されている(図9参照)。
このように構成された注出口構造10Aでは、第2円筒状部材12Aを第1円筒状部材11Aの上側から該第1円筒状部材11Aの内部に挿入しても良く、或いは第1円筒状部材11Aの下側から該第1円筒状部材11Aの内部に挿入しても良い。そして、第1円筒状部材11Aの下側から第2円筒状部材12Aを挿入する場合、フランジ部121及び被係止部122Aを第1円筒状部材11Aの貫通孔114Aの形状に合わせた状態で該貫通孔114Aを通り抜け、その後に係止部116Aの配置位置に合わせて第2円筒状部材12Aを回転し、係止部116Aの支持底部に被係止部122Aを載置すれば該被係止部122Aを係止部116Aと係止できる。
本実施形態の注出口構造10Aによれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られるほか、貫通孔114Aがフランジ部121及び被係止部122Aが通り抜ける形状を有するように形成されているので、第2円筒状部材12Aが第1円筒状部材11Aの下側からでも第1円筒状部材11Aの内部に挿入することができる。これによって、使用ニーズ等に応じて第1円筒状部材11Aの上側から第2円筒状部材12Aを挿入したり、下側から挿入したりすることにより、注出口構造10Aの応用性を高めることができる。
なお、本実施形態に係る第1円筒状部材の係止部及び第2円筒状部材の被係止部の形状についても様々な変形例が考えられる。例えば図11に示すように、第1円筒状部材11Fの係止部116Fは、実施形態で述べた係止部116Aの数よりも更に増やしても良い。
<注出口構造の第3実施形態>
図12は第3実施形態に係る注出口構造を示す断面図である。本実施形態に係る注出口構造10Bは、第3円筒状部材14を更に備える点において第1実施形態と異なっている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
図12は第3実施形態に係る注出口構造を示す断面図である。本実施形態に係る注出口構造10Bは、第3円筒状部材14を更に備える点において第1実施形態と異なっている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
具体的には、第3円筒状部材14は、内部に第2円筒状部材12を挿入できるように形成されている。第3円筒状部材14の内周壁には、第2円筒状部材12の外周壁に形成された外ねじ124と螺合可能な内ねじ141が設けられている。この第3円筒状部材14は、内ねじ141と第2円筒状部材12の外ねじ124との螺合によって、第2円筒状部材12の下端部に外装されている。
このように構成された注出口構造10Bによれば、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られるほか、第3円筒状部材14を更に備えるので、第2円筒状部材12に代えて第3円筒状部材14に袋体を接合することができる。例えば、袋体と接合された第3円筒状部材14を第2円筒状部材12に装着することで、注出口構造10Bと袋体とを連結することができる。
<内容物収納容器の第1実施形態>
図13は第1実施形態に係る内容物収納容器を示す正面図である。内容物収納容器2は、柔らかいフィルム部材によって形成された矩形状の袋体20と、該袋体20の上縁部20aの中央部を通る中心軸Lからずれた(外れた)位置に設けられた上述の注出口構造10とを備えている。注出口構造10は、第2円筒状部材12の延出部120の一部が袋体20の上縁部20aに内挿された状態で、熱溶着により袋体20の上縁部20aに接合されている。
図13は第1実施形態に係る内容物収納容器を示す正面図である。内容物収納容器2は、柔らかいフィルム部材によって形成された矩形状の袋体20と、該袋体20の上縁部20aの中央部を通る中心軸Lからずれた(外れた)位置に設けられた上述の注出口構造10とを備えている。注出口構造10は、第2円筒状部材12の延出部120の一部が袋体20の上縁部20aに内挿された状態で、熱溶着により袋体20の上縁部20aに接合されている。
袋体20は、外袋22aを構成するフィルムと内袋22bを構成するフィルムとを重ね合わせた多重フィルム22を、内袋22b同士が対向するように重ね合わせて合計4枚とし、その四辺をヒートシールすることにより形成されている。そのため、袋体20の四周に沿ってヒートシール部21が形成されている。
なお、本実施形態では、袋体20は多重フィルム22を内袋22b同士が対向するようにして積層し、四辺をヒートシールしてヒートシール部21を形成することにより得られるが、これに限定されるものではなく、例えば、多重フィルム22を内袋22b同士が対向するようにして折り曲げた後、重なり合った外周辺の三辺をヒートシールして形成しても良い。また、ヒートシール部21の内縁各部は、その内縁が弧状となるよう形成しても良い。これによって、角部に内容物が残存し難い構造となる。また、袋体20は必ずしも多重フィルムから構成する必要はなく、袋体20のフィルム構成は内容物や量に応じて適宜選定できる。
なお、上述のように袋体20は2枚の多重フィルム22を重ね合わせ、周縁をヒートシールしてヒートシール部21を形成することにより得られる。この場合、袋体20は上縁部20aと、底縁部20bと、2つの側縁部20cとを有する矩形状を有している。また上縁部20aは1本の上縁ヒートシール部21aを含み、底縁部20bは1本の底縁ヒートシール部21bを含み、各側縁部20cはそれぞれ1本の側縁ヒートシール部21cを有し、これら上縁ヒートシール部21aと、底縁ヒートシール部21bと側縁ヒートシール部21cとによりヒートシール部21が構成されている。
また、袋体20の上縁部20aは、上述のように1本の上縁ヒートシール部21aを含むように形成されているが、所定の間隔で離れた2本以上の上縁ヒートシール部21aを含むように形成されても良い。そして、1本の上縁ヒートシール部21aを含むように形成された場合は、2本以上の上縁ヒートシール部21aを含む場合と比べて、ヒートシール部による袋体20の収納空間減少への影響が少ないため、所望の内容物充填量を容易に確保することができる。一方、2本以上の上縁ヒートシール部21aを含むように形成された場合は、1本の上縁ヒートシール部21aを含む場合と比べて、上縁部20aを比較的軟質材料で形成することができる。
なお、本発明の技術を実施するに際しては、多重フィルム22は外袋22aと内袋22bとを重ね合わせて構成する2層構造に限定されることはなく、1枚以上の中袋を更に有する3層構造としても良く、内袋22bあるいは外袋22aのみからなる単層構造としても良い。
以上のように構成された内容物収納容器2は、上述した注出口構造10を備えるため、上述した注出口構造10と同じ作用効果を得られる。
<内容物収納容器の第2実施形態>
図14は第2実施形態に係る内容物収納容器を示す正面図である。本実施形態に係る内容物収納容器2Aは、注出口構造10に代えて注出口構造10Aを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。このように構成された内容物収納容器2Aは、上述した注出口構造10Aを備えるため、上述した注出口構造10Aと同じ作用効果を得られる。
図14は第2実施形態に係る内容物収納容器を示す正面図である。本実施形態に係る内容物収納容器2Aは、注出口構造10に代えて注出口構造10Aを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。このように構成された内容物収納容器2Aは、上述した注出口構造10Aを備えるため、上述した注出口構造10Aと同じ作用効果を得られる。
<内容物収納容器の第3実施形態>
図15は第3実施形態に係る内容物収納容器を示す正面図である。本実施形態に係る内容物収納容器2Bは、注出口構造10に代えて注出口構造10Bを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。
図15は第3実施形態に係る内容物収納容器を示す正面図である。本実施形態に係る内容物収納容器2Bは、注出口構造10に代えて注出口構造10Bを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。
図15に示すように、第3円筒状部材14は、袋体20の上縁部20aに内挿された状態で熱溶着により袋体20の上縁部20aに接合されている。袋体20は、第3円筒状部材14を介して注出口構造10Bと連結されている。このように構成された内容物収納容器2Bは、上述した注出口構造10Bを備えるため、上述した注出口構造10Bと同じ作用効果を得られる。
<内容物収納容器と外装容器との組合体の第1実施形態>
次に、内容物収納容器と外装容器との組合体(以下、「組合体」と略する)の実施形態を説明する。図16は第1実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体を示す模式断面図であり、図17は開口部、注出口構造、内蓋及び外蓋の関係を示す部分断面図である。本実施形態の組合体1は、天板に開口部3aが1つ設けられた金属製又は樹脂製の外装容器3と、該外装容器3の内部に収納された上述の内容物収納容器2とを備えている。
次に、内容物収納容器と外装容器との組合体(以下、「組合体」と略する)の実施形態を説明する。図16は第1実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体を示す模式断面図であり、図17は開口部、注出口構造、内蓋及び外蓋の関係を示す部分断面図である。本実施形態の組合体1は、天板に開口部3aが1つ設けられた金属製又は樹脂製の外装容器3と、該外装容器3の内部に収納された上述の内容物収納容器2とを備えている。
ここで、外装容器3としてはペール缶、ドラム缶、一斗缶、キャニスター缶、コンテナ等が挙げられる。ペール缶については、いわゆる天板取り外し式ラグタイプ、天板取り外し式バンドタイプ、天板固着式のいずれであっても良い。ドラム缶については、タイトヘッドドラム缶でも良く、オープンヘッドドラム缶であっても良い。なお、本実施形態では、タイトヘッドドラム缶の例を示す。
すなわち、外装容器3は、円筒状の胴体31と、該胴体31の両端を密閉する底板32及び天板33とを有する。上述の開口部3aは、円筒状を呈しており、外装容器3の天板33を平面視した際の天板33の中心を通る中心軸からずれた位置に配置され、天板33から上側に突出するように形成されている。開口部3aの内周壁には、注出口構造10における第1円筒状部材11の外ねじ112と螺合可能な内ねじ34が設けられている。
注出口構造10は、第1円筒状部材11の外ねじ112と、開口部3aの内周壁に設けられた内ねじ34とを螺合させることで、該開口部3aの内部に装着されている。このとき、フランジ部111が開口部3aの上端と当接されている。一方、内容物収納容器2の袋体20は、外装容器3の内部に配置されている。
また、組合体1は注出口構造10を密閉する蓋部材4を更に備えている。図17に示すように、蓋部材4は、第2円筒状部材12の内部を閉塞する内蓋40と、第1円筒状部材11の内部を閉塞する外蓋41とを有する。内蓋40は、略円柱状を呈しており、比較的小さく形成れた小径部401と、小径部401の上端と連結されるとともに比較的大きく形成された大径部402とからなる。
小径部401は、第2円筒状部材12の延出部120及びフランジ部121の内部に挿入できる外径を有する。小径部401の外周壁には、Oリング44を嵌め込むためのOリング溝401aが設けられている。Oリング44は、内蓋40と第2円筒状部材12との間の密閉性を高めるための構造である。一方、大径部402は、第2円筒状部材12のフランジ部121と当接できる外径を有する。該大径部402とフランジ部121との間には、内蓋40と第1円筒状部材11との間の密閉性を高めるためのOリング43が配置されている。
外蓋41は、円板状を呈しており、内蓋40の上側に配置されている。外蓋41の外周壁には、第1円筒状部材11に設けられた内ねじ113と螺合可能な外ねじ410が設けられている。
以上のように構成された組合体1は、上述した注出口構造10と同じ作用効果を得られるほか、開口部3aに装着された注出口構造10が蓋部材4によって密閉されているので、内容物収納容器2に内容物が充填される際に内容物のリーク(すなわち、内容物の漏れ)を防止することができる。従って、外装容器3の内部に配置された内容物収納容器2の袋体20に内容物を充填された状態で保管や輸送をする際に、万一にも内容物収納容器2が破損して内容物が外装容器3内に漏れ出したとしても、外装容器3の外部へ漏れ出るのを防ぐことが可能になる。
なお、注出口構造の第1円筒状部材は、上述したように必ずしもフランジ部111を有する必要がなく、例えば図23に示すように第1円筒状部材11Gは本体部110のみによって形成されても良い。このような構造を有する注出口構造10Cが外装容器3の開口部3aに装着される場合、本体部110の外周壁と開口部3aとの間にOリング13が嵌められることで、第1円筒状部材11Gと開口部3aとの間の密閉性を高めることができる。
<内容物収納容器と外装容器との組合体の第2実施形態>
図18は第2実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体を示す模式断面図である。本実施形態の組合体1Aは、内容物収納容器2に代えて内容物収納容器2Aを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。このように構成された組合体1Aは、上述した内容物収納容器2Aを備えるため、上述した内容物収納容器2Aと同じ作用効果を得られる。
図18は第2実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体を示す模式断面図である。本実施形態の組合体1Aは、内容物収納容器2に代えて内容物収納容器2Aを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。このように構成された組合体1Aは、上述した内容物収納容器2Aを備えるため、上述した内容物収納容器2Aと同じ作用効果を得られる。
<内容物収納容器と外装容器との組合体の第3実施形態>
図19は第3実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体を示す模式断面図である。本実施形態の組合体1Bは、内容物収納容器2に代えて内容物収納容器2Bを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。このように構成された組合体1Bは、上述した内容物収納容器2Bを備えるため、上述した内容物収納容器2Bと同じ作用効果を得られる。
図19は第3実施形態に係る内容物収納容器と外装容器との組合体を示す模式断面図である。本実施形態の組合体1Bは、内容物収納容器2に代えて内容物収納容器2Bを備える点において上述の第1実施形態と異なっている。このように構成された組合体1Bは、上述した内容物収納容器2Bを備えるため、上述した内容物収納容器2Bと同じ作用効果を得られる。
<内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法の第1実施形態>
次に、図20を参照して本実施形態に係る組合体1の製造方法を説明する。組合体1の製造方法は、注出口構造10の第1円筒状部材11を外装容器3の開口部3aに装着する第1工程と、袋体20を第1円筒状部材11の内部を経由して外装容器3の内部に挿入し、第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させる第2工程と、袋体20の内部に気体を供給して袋体20を膨らませる第3工程と、を含む。
次に、図20を参照して本実施形態に係る組合体1の製造方法を説明する。組合体1の製造方法は、注出口構造10の第1円筒状部材11を外装容器3の開口部3aに装着する第1工程と、袋体20を第1円筒状部材11の内部を経由して外装容器3の内部に挿入し、第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させる第2工程と、袋体20の内部に気体を供給して袋体20を膨らませる第3工程と、を含む。
第1工程では、まず、袋体20に注出口構造10の延出部120を接合してなる内容物収納容器2を作製する。次に、内容物収納容器2の袋体20を第1円筒状部材11の貫通孔114に挿入できるサイズまで折り畳む。例えば、袋体20が縦方向(すなわち、上下方向)に細長状になるように、該袋体20を縦方向及び横方向における所定の折曲線に沿って折り畳む。
続いて、注出口構造10の第1円筒状部材11のみを外装容器3の開口部3aに装着する(図20(a)参照)。この場合、第1円筒状部材11を開口部3aに対して回転させることで、第1円筒状部材11の外ねじ112を開口部3aの内ねじ34と螺合させる。そして、第1円筒状部材11の外ねじ112と開口部3aの内ねじ34との螺合は、第1円筒状部材11のフランジ部111が開口部3aの上端と当接するまで行われる。
第2工程では、細長状に折り畳まれた袋体20を第1円筒状部材11の貫通孔114を経由して外装容器3の内部に挿入する(図20(b)参照)。袋体20の挿入後、第2円筒状部材12の被係止部122を第1円筒状部材11の係止部116と係止させるように、第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させる。このとき、袋体20が外装容器3内で展開される際にその幅方向が外装容器3の直径方向と一致できる第2円筒状部材12の配置位置に合わせて、被係止部122と係止部116との係止が行われる。
第3工程では、袋体20の内部に窒素ガスやクリーンドライエアーを供給し(図20(c)矢印参照)、外装容器3内で袋体20を膨らませる。このとき、袋体20は、供給された窒素ガスやクリーンドライエアーによって徐々に膨らみ、外装容器3の内壁面に密着するまで充分に膨らむ。袋体20を充分に膨らませた後に、内蓋40を第2円筒状部材12に装着し、更に外蓋41を第1円筒状部材11に装着して注出口構造10を密閉する。これによって、組合体1の製造が完了する。
本実施形態の組合体1の製造方法によれば、第1円筒状部材11を外装容器3の開口部3aに装着した後に、該第1円筒状部材11の貫通孔114から袋体20を挿入し、第1円筒状部材11の係止部116と第2円筒状部材12の被係止部122とを係止させるように第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させることで、第2円筒状部材12の位置を固定することができる。そして、第2円筒状部材12の位置が固定されると、該第2円筒状部材12の延出部120に接合された袋体20の位置も決められる。
そして、開口部3aへの装着に伴う第1円筒状部材11の螺合回転時に、第2円筒状部材12及び袋体20は第1円筒状部材11に対して独立した状態にあるので、第1円筒状部材11の螺合回転による影響を受けない。このため、従来のように注出口の回転による袋体の回転を防止することができるので、袋体が外装容器の内壁面と接触して捩れる現象を抑制でき、袋体を充分に膨らませることができる。その結果、所望の内容物充填量を確保することができる。
<内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法の第2実施形態>
次に、図21を参照して本実施形態に係る組合体1Aの製造方法を説明する。組合体1Aの製造方法は、袋体20と接合された第2円筒状部材12Aを下側から第1円筒状部材11Aの内部に挿入する第1工程と、袋体20を外装容器3の開口部3aを経由して外装容器3の内部に挿入し、第2円筒状部材12A及び袋体20が第1円筒状部材11Aと接触しないように第2円筒状部材12Aのフランジ部121を第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aに当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11Aを開口部3aに装着した後に、第2筒状部材12Aのフランジ部121を第1筒状部材11Aの内側周縁部115Aと当接させる第2工程と、袋体20の内部に気体を供給して袋体20を膨らませる第3工程と、を含む。
次に、図21を参照して本実施形態に係る組合体1Aの製造方法を説明する。組合体1Aの製造方法は、袋体20と接合された第2円筒状部材12Aを下側から第1円筒状部材11Aの内部に挿入する第1工程と、袋体20を外装容器3の開口部3aを経由して外装容器3の内部に挿入し、第2円筒状部材12A及び袋体20が第1円筒状部材11Aと接触しないように第2円筒状部材12Aのフランジ部121を第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aに当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11Aを開口部3aに装着した後に、第2筒状部材12Aのフランジ部121を第1筒状部材11Aの内側周縁部115Aと当接させる第2工程と、袋体20の内部に気体を供給して袋体20を膨らませる第3工程と、を含む。
第1工程では、まず、袋体20に注出口構造10Aの延出部120を接合してなる内容物収納容器2Aを作製する。続いて、袋体20を外装容器3の開口部3aに挿入できるサイズまで折り畳む。続いて、袋体20と接合された第2円筒状部材12Aのフランジ部121及び被係止部122Aを第1円筒状部材11Aの下側から貫通孔114Aを通り抜けて第1円筒状部材11Aの内部に挿入する。次に、係止部116Aの配置位置に合わせて第2円筒状部材12Aを回転し、係止部116Aの支持底部に被係止部122Aを載置して該係止部116Aと係止する。これによって、第2円筒状部材12Aは第1円筒状部材11Aに位置固定される(図21(a)参照)。
第2工程では、まず、折り畳まれた袋体及び第2円筒状部材12Aを外装容器3の開口部3aから外装容器3の内部に挿入する(図21(b)参照)。続いて、第2円筒状部材12A及び袋体20が第1円筒状部材11Aと接触しないように第2円筒状部材12Aのフランジ部121を第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aに当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11Aを螺合回転して開口部3aに装着する。なお、ここでの「接触しない」とは、例えば手や工具等で第2円筒状部材12Aを上げる(図21(c)矢印F2参照)ことで、第2円筒状部材12Aのフランジ部121が第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aとの接触状態から脱することを意味しており、第1円筒状部材11Aの螺合回転に伴って袋体20が回転しない程度であれば、第2円筒状部材12Aのフランジ部121が第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aと少し接触する状態も含まれる。
続いて、第2円筒状部材12Aの被係止部122Aを第1円筒状部材11Aの係止部116Aと係止させるように第2筒状部材12Aのフランジ部121を第1筒状部材11Aの内側周縁部115Aと当接させることにより、第2円筒状部材12Aを第1円筒状部材11Aに固定させる。
第3工程では、袋体20の内部に窒素ガスやクリーンドライエアーを供給し、外装容器3内で袋体20を膨らませる。このとき、袋体20は、供給された窒素ガスやクリーンドライエアーによって徐々に膨らみ、外装容器3の内壁面に密着するまで充分に膨らむ。袋体20を充分に膨らませた後に、内蓋40を第2円筒状部材12Aに装着し、更に外蓋41を第1円筒状部材11Aに装着して注出口構造10Aを密閉する。これによって、組合体1Aの製造が完了する。
本実施形態の組合体1Aの製造方法によれば、第2円筒状部材12A及び袋体20が第1円筒状部材11Aと接触しないように第2円筒状部材12Aのフランジ部121を第1円筒状部材11Aの内側周縁部115Aに当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11Aを螺合回転して開口部3aに装着するので、袋体20は第1円筒状部材11Aの螺合回転による影響を受けない。これによって、従来のように注出口の回転による袋体の回転を防止することができるので、袋体が外装容器の内壁面と接触して捩れる現象を抑制でき、袋体を充分に膨らませることができるので、所望の内容物充填量を確保することができる。
<内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法の第3実施形態>
次に、図22を参照して本実施形態に係る組合体1Bの製造方法を説明する。組合体1Bの製造方法は、第2円筒状部材12を第1円筒状部材11の内部に挿入し、袋体20に接合された第3円筒状部材14を第2円筒状部材12の延出部120に装着する第1工程と、折り畳まれた袋体20を外装容器3の開口部3aから外装容器3の内部に挿入し、第2円筒状部材12、第3円筒状部材14及び袋体20が第1円筒状部材11と接触しないように第2円筒状部材12のフランジ部121を第1円筒状部材11の内側周縁部115に当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11を開口部3aに装着した後に、第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させる第2工程と、袋体20の内部に気体を供給して袋体20を膨らませる第3工程と、を含む。
次に、図22を参照して本実施形態に係る組合体1Bの製造方法を説明する。組合体1Bの製造方法は、第2円筒状部材12を第1円筒状部材11の内部に挿入し、袋体20に接合された第3円筒状部材14を第2円筒状部材12の延出部120に装着する第1工程と、折り畳まれた袋体20を外装容器3の開口部3aから外装容器3の内部に挿入し、第2円筒状部材12、第3円筒状部材14及び袋体20が第1円筒状部材11と接触しないように第2円筒状部材12のフランジ部121を第1円筒状部材11の内側周縁部115に当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11を開口部3aに装着した後に、第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させる第2工程と、袋体20の内部に気体を供給して袋体20を膨らませる第3工程と、を含む。
第1工程では、まず、第3円筒状部材14を袋体20と接合させる。続いて、袋体20を外装容器3の開口部3aに挿入できるサイズまで折り畳む。続いて、第2円筒状部材12を第1円筒状部材11の内部に挿入し、袋体20と接合された第3円筒状部材14を第2円筒状部材12の延出部120に装着する(図22(a)参照)。
第2工程では、まず、折り畳まれた袋体20を外装容器3の開口部3aから外装容器3の内部に挿入する(図22(b)参照)。続いて、第2円筒状部材12、第3円筒状部材14及び袋体20が第1円筒状部材11と接触しないように第2円筒状部材12のフランジ部121を第1円筒状部材11の内側周縁部115に当接させずに浮かせた状態で第1円筒状部材11を螺合回転して開口部3aに装着する。ここでの「接触しない」とは、例えば手や工具等で第2円筒状部材12を上げる(図22(c)矢印F3参照)ことにより第2円筒状部材12のフランジ部121が第1円筒状部材11の内側周縁部115との接触状態から脱することを意味しており、第1円筒状部材11の螺合回転に伴って袋体20が回転しない程度であれば、第2円筒状部材12のフランジ部121が第1円筒状部材11の内側周縁部115と少し接触する状態も含まれる。
続いて、第2円筒状部材12の被係止部122を第1円筒状部材11の係止部116と係止させるように第2筒状部材12のフランジ部121を第1筒状部材11の内側周縁部115と当接させることにより、第2円筒状部材12を第1円筒状部材11に固定させる。
第3工程では、袋体20の内部に窒素ガスやクリーンドライエアーを供給し、外装容器3内で袋体20を膨らませる。このとき、袋体20は、供給された窒素ガスやクリーンドライエアーによって徐々に膨らみ、外装容器3の内壁面に密着するまで充分に膨らむ。袋体20を充分に膨らませた後に、内蓋40を第2円筒状部材12に装着し、更に外蓋41を第1円筒状部材11に装着して注出口構造10を密閉する。これによって、組合体1Bの製造が完了する。
本実施形態の組合体1Bの製造方法によれば、第2円筒状部材12、第3円筒状部材14及び袋体20が第1円筒状部材11と接触しないように第2円筒状部材12を第1円筒状部材11から浮かせた状態で第1円筒状部材11を螺合回転して開口部3aに装着するので、袋体20は第1円筒状部材11の螺合回転による影響を受けない。これによって、従来のように注出口の回転による袋体の回転を防止することができるので、袋体が外装容器の内壁面と接触して捩れる現象を抑制でき、袋体を充分に膨らませることができるので、所望の内容物充填量を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1,1A,1B 内容物収納容器と外装容器との組合体
2,2A,2B 内容物収納容器
3 外装容器
3a 開口部
4 蓋部材
10,10A,10B,10C 注出口構造
11,11A,11C,11D,11E,11F,11G 第1円筒状部材
12,12A 第2円筒状部材
14 第3円筒状部材
40 内蓋
41 外蓋
110 本体部
111,121 フランジ部
114,114A 貫通孔
115,115A 内側周縁部
116,116A,116C,116D,116E 係止部
120 延出部
122,122A 被係止部
2,2A,2B 内容物収納容器
3 外装容器
3a 開口部
4 蓋部材
10,10A,10B,10C 注出口構造
11,11A,11C,11D,11E,11F,11G 第1円筒状部材
12,12A 第2円筒状部材
14 第3円筒状部材
40 内蓋
41 外蓋
110 本体部
111,121 フランジ部
114,114A 貫通孔
115,115A 内側周縁部
116,116A,116C,116D,116E 係止部
120 延出部
122,122A 被係止部
Claims (15)
- 内周壁から内側に突出して中央に貫通孔が設けられた環状の内側周縁部を有する第1筒状部材と、
前記貫通孔に挿通されて前記第1筒状部材の先端から前記第1筒状部材の外側に延出する延出部と、前記内側周縁部と当接するフランジ部とを有する第2筒状部材と、
を備えることを特徴とする注出口構造。 - 前記第1筒状部材は、内部に設けられた係止部を更に有し、
前記第2筒状部材は、前記係止部と係止可能な被係止部を有する請求項1に記載の注出口構造。 - 前記係止部及び前記被係止部の一方は突起部であり、他方は前記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部である請求項2に記載の注出口構造。
- 前記係止部は、前記内側周縁部の上表面に設けられた突起部であり、
前記被係止部は、前記フランジ部に設けられ、前記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部である請求項2又は3に記載の注出口構造。 - 前記被係止部は、前記フランジ部に設けられた突起部であり、
前記係止部は、前記内側周縁部に設けられ、前記突起部を嵌め込み可能な嵌め込み部であり、
前記第1筒状部材の前記貫通孔は、前記第2筒状部材の前記フランジ部及び前記被係止部が通り抜ける形状とされている請求項2又は3に記載の注出口構造。 - 前記第2筒状部材の前記延出部に着脱可能に装着される第3筒状部材を更に備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の注出口構造。
- 内容物を収納する袋体と、
前記袋体と接合され、前記袋体の内部と連通する請求項1〜5のいずれか一項に記載の注出口構造と、
を備え、
前記袋体は、前記第2筒状部材の前記延出部を取り囲むように前記延出部の外周壁に接合されていることを特徴とする内容物収納容器。 - 内容物を収納する袋体と、
前記袋体と接合され、該袋体の内部と連通する請求項6に記載の注出口構造と、
を備え、
前記袋体は、前記第3筒状部材を取り囲むように前記第3筒状部材の外周壁に接合されていることを特徴とする内容物収納容器。 - 開口部を有する外装容器と、
前記注出口構造の前記第1筒状部材が前記開口部に着脱可能に装着され、前記袋体が前記外装容器の内部に配置される請求項7又は8に記載の内容物収納容器と、
を備えることを特徴とする内容物収納容器と外装容器との組合体。 - 前記第1筒状部材及び前記第2筒状部材の少なくとも一方に着脱可能に装着される蓋部材を更に備える請求項9に記載の内容物収納容器と外装容器との組合体。
- 前記蓋部材は、前記第2筒状部材を閉塞する内蓋と、前記第1筒状部材を閉塞する外蓋と、を有する請求項10に記載の内容物収納容器と外装容器との組合体。
- 開口部を有する外装容器と、前記注出口構造の前記第1筒状部材が前記開口部に着脱可能に装着され、前記袋体が前記外装容器の内部に配置される請求項7に記載の内容物収納容器と、を備える内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法であって、
前記第1筒状部材を前記外装容器の前記開口部に装着する第1工程と、
前記第2筒状部材の前記延出部に接合されるとともに折り畳まれた前記袋体を、前記第1筒状部材の内部から前記外装容器の内部に挿入し、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる第2工程と、
前記袋体の内部に気体を供給して前記袋体を膨らませる第3工程と、
を含むことを特徴とする、内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法。 - 開口部を有する外装容器と、内容物を収納する袋体と前記袋体と接合される請求項5に記載の注出口構造とを有する内容物収納容器と、を備える内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法であって、
前記延出部で前記袋体と接合された前記第2筒状部材における前記フランジ部及び前記被係止部を下側から前記貫通孔を通り抜けて前記第1筒状部材の内部に挿入する第1工程と、
折り畳まれた前記袋体を前記外装容器の前記開口部から前記外装容器の内部に挿入し、前記第2筒状部材及び前記袋体が前記第1筒状部材と接触しないように前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部に当接させずに浮かせた状態で、前記第1筒状部材を前記開口部に装着した後に、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる第2工程と、
前記袋体の内部に気体を供給して前記袋体を膨らませる第3工程と、
を含むことを特徴とする、内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法。 - 開口部を有する外装容器と、前記注出口構造の前記第1筒状部材が前記開口部に着脱可能に装着され、前記袋体が前記外装容器の内部に配置される請求項8に記載の内容物収納容器と、を備える内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法であって、
前記第2筒状部材を前記第1筒状部材の内部に挿入し、前記袋体と接合された前記第3筒状部材を前記第2筒状部材の前記延出部に装着する第1工程と、
折り畳まれた前記袋体を前記外装容器の前記開口部から前記外装容器の内部に挿入し、前記第2筒状部材、前記第3筒状部材及び前記袋体が前記第1筒状部材と接触しないように前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部に当接させずに浮かせた状態で、前記第1筒状部材を前記開口部に装着した後に、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる第2工程と、
前記袋体の内部に気体を供給して前記袋体を膨らませる第3工程と、
を含むことを特徴とする、内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法。 - 前記第1筒状部材は内部に設けられた係止部を更に有し、前記第2筒状部材は前記係止部と係止可能な被係止部を有しており、
前記第2工程において、前記第2筒状部材の前記被係止部を前記第1筒状部材の前記係止部と係止させるように、前記第2筒状部材の前記フランジ部を前記第1筒状部材の前記内側周縁部と当接させる請求項12〜14のいずれか一項に記載の内容物収納容器と外装容器との組合体の製造方法。
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