JP2019098695A - 断熱ボード製造装置及び断熱ボードの製造方法 - Google Patents

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敬 榊原
晋一 金子
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晋一 金子
慎一 岩田
Shinichi Iwata
慎一 岩田
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Abstract

【課題】断熱ボードの製造にあたり、熱成型による硬化工程に代えて、紫外線(UV)照射によるスピーディーな硬化工程を導入することで、生産能力の向上と、低価格化を実現させるバランス型の断熱ボード製造装置及びその製造方法を提供すること。【解決手段】断熱ボード製造装置10を、少なくとも、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させた無機繊維からなる基材12を所定速度で搬送するベルトコンベア14と、ベルトコンベア14上方に対面するよう配置され、ベルトコンベア14に搬送される基材12を上方から任意の圧力で押圧可能な透明の強化ガラスからなる基材押圧部16と、基材押圧部16に押圧された状態で、ベルトコンベア14に搬送される基材12に対し、基材押圧部16を通して上方からUVを照射するUV照射部18を備え、基材12が、UV照射部18からのUVの照射によってUV硬化することにより断熱ボードが製造されるものとした。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線(UV)を利用して基材を硬化させることにより断熱ボードを製造する製造装置及びその製造方法に関するものである。
従来から、断熱ボードの製造工程では、一般的に、その一部の工程において、ガラス繊維等にフェノール樹脂を含侵させ、熱成型用プレスを使用して焼成させるといった手段が採用されている。しかし、その欠点は、熱硬化時間が長いことから生産能力が低く、また、エネルギー消費量が大きくなってしまい、生産コストが高くなってしまうところにあるとされている。
また、従来の熱成型技術により、住宅、建材、航空機、新幹線、そして自動車といったものに適用される、多種多様な断熱材のニーズに対応してきてはいるが、断熱材に求められる性能も年々変化してきているため、さらなる技術革新が望まれてきている。
ところで、近年、上記の断熱材に求められる性能は、主に、軽量化、耐火性(不燃性)、加工性、不揮発性、そして、低価格というものであるが、断熱材のニーズは、矛盾が多く、例えば、耐火性を求め、耐火処理を行うと、耐火材量そのものが重いため、重量が大きくなってしまう。つまり、軽量化と耐火性というのは矛盾するものである。
また、耐火性があると、おのずと硬さが生じるため、加工性が悪くなってしまい、またさらに、加工性を良くしようとすると、有機溶剤が必要となり、不揮発性との間で矛盾が生じてしまう。そこで、あらゆる矛盾を解消すべく、バランス型のマルチ断熱材を開発するとともに、その生産能力の向上と、低価格化を実現させることが求められてきている。
ところで、近年では、紫外線(UV)を照射するLEDを用いて、部材に紫外線を照射し、硬化させるという技術が用いられている。例えば、特許文献1には、紫外線を照射するLEDを用いて紫外線硬化部材に紫外線を照射して硬化させる紫外線照射装置であって、前記紫外線硬化部材に対向し、所定数のLEDが単一LEDの配置領域より狭領域の間隔で行列状に配置され、少なくとも異なる行及び列のLEDとの間の領域にLEDの頭部が視認できる大きさの孔部が所定数形成された対向LED基板と、前記対向LED基板と所定数重ね配置され、所定数のLEDが、少なくとも当該対向LED基板に形成された孔部より前記紫外線硬化部材に対向される位置に配置された後段LED基板と、を有することを特徴とする紫外線照射装置が開示されている。
特許第5178268号公報
上述の通り、従来の断熱ボード等の製造では、熱硬化時間が長いことから生産能力が低く、また、エネルギー消費量が大きくなってしまうことから、生産コストが高くなってしまう。さらに、断熱ボード等の耐火性を上げるためには、断熱ボードを厚くする必要があるが、その場合、基材の内部までしっかりと硬化させることが難しい。
そこで、本発明は、上述の問題を解決するために、断熱ボードの製造にあたり、熱成型による硬化工程に代えて、紫外線(UV)照射によるスピーディーな硬化工程を導入することで、生産能力の向上と、低価格化を実現させるバランス型の断熱ボード製造装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
上述の課題に対応するため、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、少なくとも、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させた無色透明の無機繊維からなる基材を所定速度で搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベア上方に対面するよう配置され、当該ベルトコンベアに搬送される基材を上方から任意の圧力で押圧可能な透明の強化ガラスからなる基材押圧部と、前記基材押圧部に押圧された状態で、前記ベルトコンベアに搬送される基材に対し、前記基材押圧部を通して上方からUVを照射するUV照射部とを備え、前記基材が、前記UV照射部からのUVの照射によってUV硬化することにより断熱ボードが製造されることを特徴とする断熱ボード製造装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の断熱ボード製造装置であって、前記UV照射部は、上下所定範囲で移動可能となっており、且つ、UV照射装置を載置する複数の載置部を有し、当該複数の載置部のうちから、任意の載置部に前記UV照射装置を載置することができるよう構成されていることを特徴としている。
そして、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の断熱ボード製造装置であって、前記基材押圧部は、上下所定範囲で移動可能となっており、前記基材の厚さに応じて、当該基材の押圧の調整を行うことを特徴としている。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1〜3何れか1項記載の断熱ボード製造装置であって、前記無機繊維は、グラスウール、ロックウール、セラミックブランケット、カーボン繊維のうち、何れか、又は、これらの任意の組み合わせからなるものであることを特徴としている。
次に、請求項5記載の発明は、少なくとも、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させた無色透明の無機繊維からなる基材を所定速度でベルトコンベアにより搬送し、前記ベルトコンベア上方に対面するよう配置された透明の強化ガラスにより前記ベルトコンベアに搬送される基材を上方から任意の圧力で押圧し、前記強化ガラスにより押圧された状態で、前記ベルトコンベアに搬送される基材に対し、前記強化ガラスを通して上方からUVを照射し、当該基材をUV硬化させることで断熱ボードを製造する断熱ボードの製造方法である。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の断熱ボードの製造方法であって、前記基材に対するUVの照射は、上下所定範囲で移動可能となっており、且つ、備えられた複数の載置部のうちから、任意の載置部に載置されるUV照射装置によって行われることを特徴としている。
そして、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の断熱ボードの製造方法であって、前記強化ガラスは、上下所定範囲で移動可能となっており、前記基材の厚さに応じて、当該基材の押圧を調整することを特徴としている。
さらに、請求項8記載の発明は、請求項5〜7何れか1項記載の断熱ボードの製造方法であって、前記無機繊維は、グラスウール、ロックウール、セラミックブランケット、カーボン繊維のうち、何れか、又は、これらの任意の組み合わせからなるものを用いることを特徴としている。
本発明によると、断熱ボードの製造にあたり、生産能力の向上と、低価格化を実現させたバランス型の断熱材、特に、軽量で耐火性等の高い断熱ボードを製造することが可能となる。
本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す正面図である。 本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す右側面図である。 本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る断熱ボードの製造方法の実施形態を示すフローである。
本発明に係る断熱ボード製造装置及び断熱ボードの製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す正面図、図2は、本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す右側面図、図3は、本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す平面図、そして、図4は、本発明に係る断熱ボード製造装置の実施形態を示す斜視図を表している。また、図5は、本発明に係る断熱ボードの製造方法の実施形態を示すフローである。なお、符号については、10が断熱ボード製造装置、12が基材、14がベルトコンベア、16が基材押圧部、18がUV照射部、20がUV照射装置、22が載置部を示している。
まず、本実施形態における断熱ボード製造装置10は、図1〜4に示すように、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させた無色透明の無機繊維からなる基材12を所定速度で搬送するベルトコンベア14と、ベルトコンベア14上方に対面するよう配置され、ベルトコンベア14に搬送される基材12を上方から任意の圧力で押圧可能な透明の強化ガラスからなる基材押圧部16と、基材押圧部16に押圧された状態で、ベルトコンベア14に搬送される基材12に対し、基材押圧部16を通して上方からUVを照射するUV照射部18を備え、基材12が、UV照射部18によるUVの照射によってUV硬化することによって断熱ボードが製造されるものである。
また、本実施形態においては、基材12の無機繊維は、グラスウール、ロックウール、セラミックブランケット、そして、カーボン繊維のうちの何れか、又は、これらを任意に組み合わせたものを用いる。さらに、本実施形態においては、光重合開始剤には、IRG184、熱重合開始剤には、AIBNを用いる。なお、本実施形態は、紫外線(UV)による光重合開始剤(IRG184)の反応熱を熱重合開始剤(AIBN)が受けて炭素ラジカルを発生させるものであるため、厚みのある基材12であっても、UV照射部18によるUVの照射よって、その内深部まで効果的にUV硬化させることができるようになるわけである。
また、例えば、仮に、紫外線を通さない基材12であっても、本実施形態によれば、上記の通り、紫外線(UV)による光重合開始剤(IRG184)の反応熱を熱重合開始剤(AIBN)が受けて炭素ラジカルを発生させるものであるため、基材12の極めて効果的なUV硬化が可能となるわけである。また、基材12を紫外線が透過しやすい材料を用いるのは好ましく、繊維径が細いほど、特に、3μ〜4μのものを用いるのが良い(例えば、マグ・イゾベール社のWR500、RR2425、RR2450、RR24100、同等品など)。
続いて、基材12には、本実施形態における断熱ボード製造装置10のベルトコンベア14に搬送させる前工程で、紫外線(UV)硬化剤として、少なくとも、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させておく。なお、モノマー、オリゴマーは、新中村化学工業(株)のTMMT、又は、DICのユニディック4205を採用するのが好ましい。なお、光重合開始剤であるIRG184は、樹脂溶液に対して1%添加することで、厚み方向の紫外線吸収幅を持たせることができる。また、含侵方法は、従来から採用されている方法を用いれば良い。
さらに、光重合開始剤を含んだ樹脂溶液は、希釈溶剤により所定濃度まで希釈させることで、含侵するための粘度を低くすることができ、また、断熱ボードの製造原価を大幅に抑えることができる。この希釈溶剤には、MEK(メチルエチルケトン)を用いるのが良く、モノマー/オリゴマーに対して最大20%以下の希釈率にする。なお、断熱ボード(断熱材)としての適度な希釈率は約10%である。
さらに、樹脂溶液には、発泡剤としての役割も持つ熱重合開始剤であるAIBNが含まれているため、UV照射による反応熱が180度まで上昇すると、その熱で窒素を揮発させ発泡する。そして、十分に発泡してから硬化するため、体積に対する重量が下がり、結果、軽量な断熱ボードが製造される。つまり、従来のフェノール樹脂による熱硬化させた断熱ボードでは、100×100のサイズで20gのところ、本実施形態によれば、100×100のサイズで20gと同等ではあるが、従来の製造装置や製造方法により製造される断熱ボードに比して、硬さと合成を兼ね備えた軽量の断熱ボードが製造できるわけである。
なお、AIBNの発泡温度は、160度程度であるが、発泡する前に硬化しないように、重合禁止剤を樹脂溶液に所定量配合しておくことで、硬化前に発泡するように調整するのが好ましい。また、樹脂溶液に、別途、発泡剤を混合させておくと、より十分な発泡が生じるため、一層、断熱ボードの軽量化が望める。なお、発泡剤には、イソシアヌレート、ヘキサン、ブタン等を採用するのが好ましい。
次に、基材12は、図1や図3に示すように、作業者によって、ベルトコンベア14に載せられ、図1、3中、右から左(矢印の方向)へと、UVの照射領域(UV照射部18によりUVが照射される領域)に向かって所定速度で搬送されていく(図5中、ステップ1)。その際、ベルトコンベア14上方に対面して配置されている透明の強化ガラスからなる基材押圧部16が、基材12を上方から任意の圧力で押圧する(図5中、ステップ2)。なお、基材押圧部16の周囲には、テフロン(登録商標)シートがベルトコンベア14の搬送方向に基材押圧部16対して摺動可能に巻回されており、押圧した基材12がスムースに搬送されるように構成されている。
本実施形態においては、テフロン(登録商標)シートには、東レ株式会社製のルミラーS10を用いるが、同等品であれば、その他のテフロン(登録商標)シートを用いてもかまわない。なお、採用するテフロン(登録商標)シートは、紫外線が80%以上透過し、耐熱性が200度、引張強度が215MPaの条件を満たすものを用いるのが良い。
ここで、基材押圧部16は、図1に示すように、上下所定範囲で移動可能となっており、基材12の厚さに応じて、基材12の押圧の調整を行うようになっている(本実施形態においては、厚さ5mm〜100mmまで調整可能)。なお、樹脂溶液を含侵させた基材12は、ベルトコンベア14に搬送される前工程で、乾燥脱水処理を施しておく。
続いて、上方から基材押圧部16により押圧され、ベルトコンベア14により、UV照射領域へと搬送されてきた基材12に対して、UV照射部18が、紫外線透過率の高い透明の強化ガラスからなる基材押圧部16を通して、UVを照射していく(図5中、ステップ3)。そして、UV照射により硬化された基材12は、図4に示すように、ベルトコンベアの下流に断熱ボードして排出される(図5中、ステップ4)。
なお、UV照射部18についても、図1に示すように、上下所定範囲で移動可能となっており、基材12に対するUVの照射量等を調整するといったことができるようになっている。また、緊急時のために、UV照射部18と基材12との間に、遮蔽板が差し込めるようにしておくのが好ましい(図示せず)。本実施形態においては、UV照射部18には、ランダムに波長が出るように、メタルハライドランプを採用しているが、このUV照射部18を消すと、UVランプの特性上、劣化の原因となるからである。よって、このUV照射部18には、LEDのUVランプを用いるのが良い。
つまり、本実施形態では、上記の紫外線(UV)硬化剤(樹脂溶液)を含浸させた基材12に紫外線を照射することで、光重合開始剤が発生するイオンをモノマーやオリゴマーと重合(光重合反応)させることによって、このモノマーやオリゴマーがポリマーに変化し、その結果、紫外線硬化樹脂が、液体状態から固体状態へと変化(硬化)するというものである。
さらに、本実施形態では、ベルトコンベア14の搬送速度を所定速度にすることによって、効果的に基材12のUV硬化が行えるようにする。具体的には、照射時間については、開裂するためには、同じ箇所を3秒間UV照射する必要があるため、照射ブース(ベルトコンベア14上でのUV照射区間)のレール方向で1mとすれば、搬送速度は、最大で0.33m/秒(19.8m/分)と設定する。なお、搬送速度が、上記最大の場合、UV照射部18の上下移動調整にて、基材12に対する照射距離を一番近くしておくのが良く。一方で、搬送速度を遅くする場合には、UV照射部18と基材12の距離は大きくするのが良い。
ところで、断熱ボードの耐火性能を上げるためには、水酸化アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、塩化アルミニウム、ヘキサメタリンサンソーダ、ワラストナイト、リン酸アルミニウムなどの白色の粉末を添加剤として樹脂溶液に添加しておく。例えば、水酸化アルミニウムを添加しておくと、紫外線(UV)硬化工程において、反応熱により、水酸化アルミニウムが、アルミナに変化し、このアルミナが基材の表面に付着することで、断熱ボードの耐火性能を上げることができる。また、PP付きのアルミガラスクロスや、PP付きのALYなどのフェーシング材をUV照射後の反応熱で熱融着し、貼り合わせることもできる。これは、不燃材などの輻射熱の評価には効果的なものとなる。
また、樹脂溶液の材料は、粘度が高いため、事前に、酢酸ブチル、トルエン、メタノールなどの希釈剤で希釈しておくのが望ましい。つまり、これらを用い、基材12の深部まで樹脂溶液が到達できるように希釈するわけである。樹脂溶液を希釈剤(酢酸ブチル、トルエン、メタノール)で、約10%に希釈し、光重合開始剤は樹脂溶液に対して、1%に希釈するのが好ましい。また、基材12に対して、希釈した樹脂溶液を重量で6%含浸させるのが良い。
またさらに、断熱ボードの機械的強度を上げるためには、シランカップリング剤等を添加剤として樹脂溶液に添加しておくのが良い。また、基材12に樹脂溶液を含侵させる前に、予め、樹脂溶液に界面活性剤などを添加しておくことが好ましい。
また、本実施形態では、UV照射部18は、UV照射装置20を載置する複数の載置部22を有しており、この複数の載置部22のうちから、任意の載置部22にUV照射装置20を載置することができるようになっている。このような構成となっているため、基材12の状態に応じて、適切な位置からUVを照射することができる。例えば、上記の通り、開裂するためには、同じ箇所を3秒間UV照射し続ける必要があるため、ベルトコンベア14のレール方向に縦一列となるように配置するのが基本となるが、その組み合わせは、UV照射強度、UV照射距離と搬送速度の条件出しでパターン化しておく。
なお、UV照射装置20には、ランプの劣化が少なく、長期間使用できるLEDメタルハライドランプを用いることが好ましい。さらに、基材押圧部18は、上記の通り、紫外線透過率の高い材質のものが良く、特に、石英ガラスによるものを用いるのが好ましい。
このように、基材12に対して、UVを照射するものであるため、基材12の深くまで含侵されている樹脂溶液を硬化させることができ、そのため、従来の焼成プレスによる方法では難しかった厚みのある基材12の硬化も可能となる。また、ベルトコンベア14上を所定速度で搬送させる間に硬化させるものであることから、スピーディーな硬化が可能となり、所定時間における生産能力は、現行の熱成型プレスによる生産よりも15倍程度の生産性が見込まれる。そして、UV照射装置20にLEDメタルハライドランプを用いれば、エネルギー消費量も大幅に抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、UV照射部18が、基材12の同じ箇所に対して、3秒間UVを照射することを条件とするため、例えば、照射に要する距離と硬化に要する距離を合わせて7mとすれば、搬送速度最大で、3秒/m照射するため、完全に硬化するまで21秒となる(基材12の厚さにより変わる)。つまり、ラインスピードを上げれば、その分だけ、UVの照射距離を延ばすことになるが、生産枚数を上げるためには、UV照射部18を増設するだけで済むことになるため、増設費用を抑えることが可能となる。実際は、硬化に要する距離は、上記より短くなるため、完全に硬化するまでの時間はさらに早くなる(5mならば、15秒程度)。
上記の通り、本実施形態における断熱ボード製造装置及び断熱ボードの製造方法によれば、従来の熱成型プレスによる断熱ボードの製造の欠点である熱硬化時間が長いことによる生産能力の低下、また、エネルギー消費量増大による、生産コストの向上を抑えることができる。
さらに、断熱ボード等の耐火性を上げるために、断熱ボードを厚くする場合でも、基材12の内部までしっかりと硬化させることができる。そして、断熱材に求められる主要な性能である、軽量化、耐火性(不燃性)、加工性、不揮発性が得られ、そして、低価格も実現することが可能となる。
10 断熱ボード製造装置
12 基材
14 ベルトコンベア
16 基材押圧部
18 UV照射部
20 UV照射装置
22 載置部

Claims (8)

  1. 少なくとも、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させた無機繊維からなる基材を所定速度で搬送するベルトコンベアと、
    前記ベルトコンベア上方に対面するよう配置され、当該ベルトコンベアに搬送される基材を上方から任意の圧力で押圧可能な透明の強化ガラスからなる基材押圧部と、
    前記基材押圧部に押圧された状態で、前記ベルトコンベアに搬送される基材に対し、前記基材押圧部を通して上方からUVを照射するUV照射部と、
    を備え、前記基材が、前記UV照射部からのUVの照射によってUV硬化することにより断熱ボードが製造されることを特徴とする断熱ボード製造装置。
  2. 前記UV照射部は、上下所定範囲で移動可能となっており、且つ、UV照射装置を載置する複数の載置部を有し、当該複数の載置部のうちから、任意の載置部に前記UV照射装置を載置することができるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の断熱ボード製造装置。
  3. 前記基材押圧部は、上下所定範囲で移動可能となっており、前記基材の厚さに応じて、当該基材の押圧の調整を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の断熱ボード製造装置。
  4. 前記無機繊維は、グラスウール、ロックウール、セラミックブランケット、カーボン繊維のうち、何れか、又は、これらの任意の組み合わせからなるものであることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の断熱ボード製造装置。
  5. 少なくとも、光重合開始剤、熱重合開始剤、そして、モノマー及び/又はオリゴマーを含んだ樹脂溶液を含侵させた無機繊維からなる基材を所定速度でベルトコンベアにより搬送し、
    前記ベルトコンベア上方に対面するよう配置された透明の強化ガラスにより前記ベルトコンベアに搬送される基材を上方から任意の圧力で押圧し、
    前記強化ガラスにより押圧された状態で、前記ベルトコンベアに搬送される基材に対し、前記強化ガラスを通して上方からUVを照射し、当該基材をUV硬化させることで断熱ボードを製造する断熱ボードの製造方法。
  6. 前記基材に対するUVの照射は、上下所定範囲で移動可能となっており、且つ、備えられた複数の載置部のうちから、任意の載置部に載置されるUV照射装置によって行われることを特徴とする請求項5記載の断熱ボードの製造方法。
  7. 前記強化ガラスは、上下所定範囲で移動可能となっており、前記基材の厚さに応じて、当該基材の押圧を調整することを特徴とする請求項5又は6記載の断熱ボード製造装置。
  8. 前記無機繊維は、グラスウール、ロックウール、セラミックブランケット、カーボン繊維のうち、何れか、又は、これらの任意の組み合わせからなるものを用いることを特徴とする請求項5〜7何れか1項記載の断熱ボードの製造方法。
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