JP2019098607A - 型内発泡成形体用金型及びその利用 - Google Patents

型内発泡成形体用金型及びその利用 Download PDF

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Shinya Nakakuki
信也 中岫
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剛 梅谷
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Abstract

【課題】別駒型を介して蒸気室からの熱を成形室内の発泡粒子へ早く伝え、別駒型に対応する成形部分の成形性を向上させる。【解決手段】本発明の型内発泡成形体用金型(101)は、少なくとも貫通孔(2a)内に、蒸気室(A)と連通する空間である蒸気滞留室(4a)を備え、別駒型(3a)は、突出部(10a)を有し、蒸気滞留室(4a)の空間を構成する内壁の少なくとも一部は、別駒型(3a)である。【選択図】図1

Description

本発明は型内発泡成形体用金型、及び型内発泡成形体用金型を備える型内発泡成形体用金型装置を用いた型内発泡成形体の製造方法に関する。
従来、型内発泡成形体の一部を内側に窪んだ形状に成形することができる、突出部を有する別駒型を備える型内発泡成形体用金型が知られている。
例えば、特許文献1には、凸金型部が、保持部と連なる部分を形成する少なくとも1つの駒型部を備え、前記駒形部が、蓋金型部に対して着脱自在に構成されている金型装置が開示されている。
実用新案登録第3201494号公報
しかしながら、本願発明者らが鋭意検討したところ、例えば、特許文献1に記載のような従来技術では、蓋金型部及びビスを介して別駒部に熱が伝わるため熱伝導性が悪いことがわかった。熱伝導性が悪いことにより、駒形部の形状が薄肉爪形状等の複雑な形状である場合、及び蒸気室側からキャビティCA側に向かう方向において、駒形部の長さが長い場合等に、充填不良及び表面伸び不良が発生し、発泡合成樹脂体の成形性(美麗性)が悪くなるという問題があることが明らかとなった。
本発明の一態様は、蒸気室からの熱が別駒型を介して成形室内の発泡粒子へ早く伝わるため、別駒型に対応する成形部分の成形性(美麗性)を向上することができる型内発泡成形体用金型を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る型内発泡成形体用金型は、蒸気室側と成形室側との間を貫通する貫通孔を有する金型本体と、前記貫通孔に挿入される別駒型と、少なくとも前記貫通孔内に、前記蒸気室と連通する空間である蒸気滞留室と、を備え、前記別駒型は、前記金型本体の成形面から突出する突出部を有し、前記蒸気滞留室の空間を構成する内壁の少なくとも一部は、前記別駒型であることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、蒸気室からの熱が別駒型を介して成形室内の発泡粒子へ早く伝わるため、別駒型に対応する成形部分の成形性(美麗性)を向上することができるという効果を奏する。
(a)は、本発明の実施の形態1に係る型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 本発明の実施の形態1〜8に係る型内発泡成形体用金型を蒸気室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例1としての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例2としての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例3としての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)〜(d)はそれぞれ、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられ得る別駒型の構成例を示し、成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例4としての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)及び(c)はそれぞれ、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられ得る別駒型の構成例を示し、成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例5としての係る型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例6としての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態1の変形例7としての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 本発明の実施の形態2に係る型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る型内発泡成形体用金型を蒸気室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態3に係る型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 (a)は、本発明の実施の形態3の変形例Iとしての型内発泡成形体用金型の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す型内発泡成形体用金型に備えられた別駒型を成形室側から見た平面図である。 本発明の実施の形態4に係る型内発泡成形体の製造方法に用いる型内発泡成形体用金型装置の構成を示す断面図である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。図1の(a)は、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成を示す断面図である。図1の(b)は、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の別駒型3aを成形室B側から見た平面図である。図1の(a)は、別駒型3aが図1の(b)のa−a断面になるように切った型内発泡成形体用金型の断面図である。図2は、型内発泡成形体用金型101を蒸気室A側から見た平面図である。
図1の(a)に示すように、型内発泡成形体用金型101は、金型本体1aと、別駒型3aと、固定板5aと、締結部材6aとを備えている。金型本体1aは、蒸気室A側と成形室B側との間を貫通する貫通孔2aを有し、別駒型3aは、当該貫通孔2aに挿入されている。金型本体1aは、凹型であっても凸型であってもよい。型内発泡成形体用金型101は、貫通孔2a内に、蒸気室Aと連通する空間である蒸気滞留室4aを備えている。型内発泡成形体用金型101は固定型であっても移動型であってもよい。
本明細書では、金型本体1aにおける蒸気室A側から成形室B側へ向かう方向を厚さ方向とし、図1の(a)に示す断面において当該厚さ方向に垂直な方向を幅方向とする。なお、厚さ方向は、貫通孔2aが延びる方向(別駒型3aの挿入方向)であるともいえる。また、本願明細書における「厚さ」は、上記厚さ方向の寸法を意味する。
別駒型3aは、突出部10aと、薄肉部11aと、柱部12aとを備えている。突出部10aは、別駒型3aが貫通孔2aに挿入されたとき、金型本体1aの成形面から突出した部分である。型内発泡成形体用金型101を用いた成形方法においては、金型本体1aの成形面及び別駒型3aにおける突出部10aの形状に対応した形状の成形体が製造される。すなわち、別駒型3aの突出部10aは、成形室Bを構成する壁の一部を形成する部分である。なお、別駒型3aの数は特に限定されず、複数であってもよい。
突出部10aは、図1の(a)に示すように、型内発泡成形体用金型101を用いて製造した型内発泡成形体が薄肉爪形状(アンダーカット形状)となるように対応した形状を有しており、図1の(b)に示すように、成形室B側から見ると、正方形である。なお、突出部10aの成形室B側から見た形状は、特に限定されない。
より具体的には、突出部10aは、薄肉部11aとの連結箇所に括れ部分10xを有する。括れ部分10xは、薄肉部11aよりも幅が狭くなっているとともに、薄肉部11aから遠ざかるに従い幅広となるように形成された斜面を有する。なお、本発明の型内発泡成形体用金型が備える別駒型は、突出部10aのように薄肉爪形状(アンダーカット形状)となるように対応した形状を有していても有していなくてもよいが、有していることが好ましい。従来技術によれば、薄肉爪形状(アンダーカット形状)となるように対応した形状を有する別駒型を備える型内発泡成形体用金型である場合、成形時または製造後の成形体が割れ易くおよび欠け易いという問題が顕著であった。しかしながら、本実施形態において、別駒型3aのように薄肉爪形状(アンダーカット形状)となるように対応した形状を有する別駒型を備える型内発泡成形体用金型である場合、充分に成形体に熱を伝えることができることにより成形体の融着が促進されることから、別駒型に対応する成形部分の成形性(美麗性)を向上することができるという効果を奏する。それゆえ、本実施形態の薄肉爪形状(アンダーカット形状)となるように対応した形状を有する別駒型を備える型内発泡成形体用金型は、従来技術の課題を顕著に改善することができる。
薄肉部11aは、突出部10aと柱部12aとの間の部分であり、成形室Bと蒸気滞留室4aまでの間に設けられている。薄肉部11aは、成形室Bと蒸気滞留室4aとを仕切る仕切部として機能するといえる。すなわち、薄肉部11aは、別駒型3aにおける貫通孔2aに挿入された部分のうち、突出部10aに連結した部分である。
型内発泡成形体用金型101では、貫通孔2a内に、別駒型3aを壁の一部とする蒸気滞留室4aが設けられている。このため、別駒型3aにおける貫通孔2aの挿入部分の厚さは、蒸気滞留室4aが占める空間の分だけ寸法が削減される。それゆえ、型内発泡成形体用金型101では、貫通孔2aの厚さ方向の寸法よりも小さい薄肉部11aが形成される。
柱部12aは、成形室B側の薄肉部11aから蒸気室A側へ向かって延びる柱形状を有し、貫通孔2aの側壁と間隔を空けて離間するように設けられている。柱部12aは、固定板5aを固定する締結部材6aを支持する支持部として機能する。例えば締結部材6aがボルトである場合、柱部12aには、締結部材6aを支持するためのねじ穴が設けられている。
蒸気滞留室4aを構成する内壁の一部は、別駒型3aである。より具体的には、蒸気滞留室4aを構成する内壁には、貫通孔2aの側壁、薄肉部11aにおける蒸気室A側の面、及び柱部12aの側壁が含まれる。
固定板5aは、別駒型3aにおける柱部12aの蒸気室A側の端部に接触し、かつ、貫通孔2aの対向する2つの端部間を横断するように設けられている。また、例えば締結部材6aがボルトである場合、固定板5aにおける柱部12aとの接触部には、締結部材6aが挿入されるねじ穴が設けられている。
締結部材6aは、固定板5aと柱部12aとを締結する部材であり、例えば、ボルトである。締結部材6aによる締結によって、別駒型3aは、金型本体1aに固定される。すなわち、別駒型3aは金型本体1aに対して可動しない。なお、締結部材6aの数は特に限定されない。
ここで、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101では、蒸気滞留室4aは、蒸気室Aと連通している。図1及び2に示すように、固定板5aは、蒸気滞留室4aを完全に閉塞するのではなく、蒸気室Aと連通するように蒸気滞留室4aを覆っている。すなわち、図2に示す平面図において(蒸気室A側から見て)、別駒型3aに、固定板5aにより覆われていない領域が存在する構成となっている。これにより、蒸気が蒸気滞留室4aに入り、別駒型3aへ直接熱が伝わる。固定板5aの大きさ、厚さ及び形状は、別駒型3aを金型本体1aに固定することができ、かつ、蒸気が蒸気滞留室4aに入り込むことができれば特に限定されない。
型内発泡成形体用金型101では、蒸気滞留室4aの空間を構成する内壁の一部は、別駒型3であり、より具体的には、薄肉部11aの蒸気室側の面及び柱部12aの側壁、並びに貫通孔2aの内壁である。そして、蒸気滞留室4aは、貫通孔2a内に設けられ、蒸気室Aと連通しているので、蒸気室Aの蒸気は、蒸気滞留室4aに流入する。
このように貫通孔2a内に形成された蒸気滞留室4aにより、別駒型3aは、ボルトなどにより金型と隙間なく別駒型が取り付けられた従来の構成と比較して、蒸気室A側と成形室B側との間の厚さが肉薄となる薄肉部11aを有する。さらに、蒸気室Aと連通する蒸気滞留室4aを構成する内壁の少なくとも一部は別駒型3aである。このため、蒸気滞留室4aに滞留している蒸気からの熱は、別駒型3aに直接伝導する。このように、型内発泡成形体用金型101は、従来の構成よりも蒸気室A側と成形室B側との間の厚さが肉薄となる薄肉部11aを有する別駒型3aに蒸気の熱が直接伝導する構成になっている。それゆえ、従来の構成と比較して、蒸気室Aからの熱が別駒型3aを介して成形室B内の発泡粒子へ早く伝わる。その結果、別駒型3aに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
また、薄肉部11aの厚さは、蒸気室A側から成形室B側へ向かう方向において、好ましくは、貫通孔2aの長さの0%を超え、70%以下であり、さらに好ましくは貫通孔2aの長さの30%以上、60%以下であり、特に好ましくは貫通孔2aの長さの40%以上、50%以下である。このような厚さとすることにより、蒸気滞留室4aの蒸気からの熱が薄肉部11aを介して成形室Bへ伝わりやすくなる。
また、別駒型3aには、蒸気滞留室4aと成形室Bとの間を連通する蒸気孔13aが設けられていてもよい。これにより、蒸気滞留室4a内の蒸気は、蒸気孔13aを通過して成形室Bに流入する。それゆえ、成形室Bに流入した蒸気が成形室B内の発泡粒子にあたるので、発泡粒子に熱が早く伝わる。
蒸気孔13aは、厚さ方向と平行となるように設けられていることが好ましい。これにより、蒸気滞留室4aから成形室Bへの蒸気の流れがスムーズになる。
また、蒸気孔13aは、厚さ方向と平行となるように、薄肉部11aに設けられていることが好ましい。この場合、厚さ方向における蒸気孔13aの長さは、薄肉部11aの厚さと同一である。この構成では、ボルトなどにより金型と隙間なく別駒型が取り付けられた従来の構成に蒸気孔を設けた場合と比較して、蒸気孔13aの長さが短くなるので、蒸気孔13a内の清掃が容易となる。但し、突出部10aや括れ部分10x等の形状に応じて、成形性を考慮しつつ、蒸気孔13aは厚さ方向と非平行に設けること、あるいは枝分かれさせて設けることが可能である。
また、金型本体1a、別駒型3a、固定板5a、及び締結部材6aの素材は、所定の強度及び熱伝導性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、真鍮、及びステンレス等が挙げられる。別駒型3aの素材は、金型本体1aの強度よりも高い強度を有する素材であることが好ましい。これにより、薄肉部11aの厚さを金型本体1aよりも薄くすることができるため、蒸気室Aからの熱が別駒型3aを介して成形室B内の発泡粒子へ早く伝わるため、別駒型に対応する成形部分の成形性を向上することができる。また、締結部材6aの素材として、熱伝導率の良い素材を適宜選択することでも、別駒型3aに対応する成形部分の成形性を向上することができる。
型内発泡成形体用金型101において、固定板5aと金型本体1aとは別々の部材であるが、固定板5aが金型本体1aと一体化していてもよい。しかしながら、金型本体1aを製作する作業性の観点から、固定板5aと金型本体1aとは別々の部材であることが好ましい。
(変形例1)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成の変形例について説明する。図3の(a)は、変形例1としての型内発泡成形体用金型102の構成を示す断面図である。図3の(b)は、図3の(a)に示す型内発泡成形体用金型102に備えられた別駒型3bを成形室B側から見た平面図である。図3の(a)は、別駒型3bが図3の(b)のb−b断面になるように切断した型内発泡成形体用金型102の断面図である。
図3の(a)及び(b)に示されるように、変形例1の型内発泡成形体用金型102は、別駒型3bの構成が図1の(a)及び(b)に示す別駒型3aと異なる。別駒型3bの突出部10bは、別駒型3bが貫通孔2aに挿入されたとき、金型本体1aの成形面から突出した部分である。薄肉部11bは、突出部10bと柱部12aとの間の部分であり、成形室Bと蒸気滞留室4aまでの間に設けられている。別駒型3bの突出部10bの形状は、別駒型3aの突出部10aのようなアンダーカット形状ではない。すなわち、突出部10bにおける薄肉部11bとの連結部分には、括れ部分10xが形成されていない。
図3の(a)及び(b)に示される別駒型3bの形状であっても、別駒型3bに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
(変形例2)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成の他の変形例について説明する。図4の(a)は、変形例2としての型内発泡成形体用金型103の構成を示す断面図である。図4の(b)は、図4の(a)に示す型内発泡成形体用金型103に備えられた別駒型3cを成形室B側から見た平面図である。図4の(a)は、別駒型3cが図4の(b)のc−c断面になるように切断した型内発泡成形体用金型103の断面図である。
図4の(a)及び(b)に示されるように、変形例2の型内発泡成形体用金型103は、別駒型3cの突出部10cの形状が図1の(a)及び(b)に示す別駒型3aと異なる。別駒型3cの突出部10cの形状は、アンダーカット形状であり、成形室B側が球形状である。
図4の(a)及び(b)に示される別駒型3cの形状であっても、別駒型3cに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
(変形例3)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図5の(a)は、変形例3としての型内発泡成形体用金型104の構成を示す断面図である。図5の(b)〜(d)はそれぞれ、図5の(a)に示す型内発泡成形体用金型104に備えられ得る別駒型3dの構成例を示し、成形室B側から見た平面図である。図5の(a)は、図5の(b)、(c)または(d)に示す別駒型3dのd−d断面、e−e断面、またはf−f断面になるように切断した型内発泡成形体用金型104の断面図である。
図5の(a)に示すように、変形例3の型内発泡成形体用金型104は、突出部10dが3つの断面矩形突出部20aを備える点で、図1の(a)及び(b)に示す別駒型3aと異なる。これら3つの断面矩形突出部20aは、薄肉部11cから独立して突出するように設けられており、厚さ方向に沿った断面形状が、薄肉部11cから金型本体1bの成形面に対して垂直に延びる矩形形状となっている。なお、断面矩形突出部20aの数は、3つに限定されない。
以降、図5の(a)に示す断面を有する型内発泡成形体用金型104に備えられ得る別駒型3dの構成について説明する。例えば、図5の(b)に示されるように、成形室B側から見て、3つの断面矩形突出部20aはそれぞれ円形状となっていてもよい。この場合、別駒型3dは、棒状の断面矩形突出部20aを3つ備えている。また、図5の(c)に示されるように、別駒型3dは、棒状の断面矩形突出部20aを3つ有する列が2つ並列した構成であってもよい。図5の(c)に示される構成では、棒状の断面矩形突出部20aが6つ設けられている。また、図5の(d)に示されるように、成形室B側から見て、3つの断面矩形突出部20aはそれぞれ矩形形状となっていてもよい。この場合、別駒型3dは、3つの板状の断面矩形突出部20aが互いに平行になるように設けられた構成である。図5の(d)に示される構成では、3つの板状の断面矩形突出部20aによりフィン構造が構成されている。
図5の(a)〜(d)に示される別駒型3dの形状であっても、別駒型3dに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
(変形例4)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図6の(a)は、変形例4としての型内発泡成形体用金型105の構成を示す断面図である。図6の(b)及び(c)はそれぞれ、図6の(a)に示す型内発泡成形体用金型105に備えられ得る別駒型3eの構成例を示し、成形室B側から見た平面図である。図6の(a)は、図6の(b)または(c)に示す別駒型3eのg−g断面、またはh−h断面になるように切断した型内発泡成形体用金型105の断面図である。
図6の(a)に示すように、変形例4の型内発泡成形体用金型105は、別駒型3eにおける突出部10eの幅方向の側面に凹部21a及び凸部22aが設けられている点が、図1の(a)及び(b)に示す別駒型3aと異なる。別駒型3eの突出部10eは、別駒型3eが貫通孔2aに挿入されたとき、金型本体1aの成形面から突出した部分である。薄肉部11dは、突出部10eと柱部12aとの間の部分であり、成形室Bと蒸気滞留室4aまでの間に設けられている。別駒型3eでは、突出部10eにおける薄肉部11dとの連結部分の幅方向の寸法は、薄肉部11dの幅方向の寸法と同じになっている。凹部21aは、厚さ方向に沿った断面形状が、半円状に窪んだ形状である。また、凸部22aは、厚さ方向に沿った断面形状が、半円形状となっている。なお、図6の(a)に示された構成では、凹部21a及び凸部22aの数は2つである。しかし、凹部21a及び凸部22aの数は2つに限定されない。
以降、図6の(a)に示す断面を有する型内発泡成形体用金型105に備えられ得る別駒型3eの構成について説明する。例えば、図6の(b)に示されるように、凸部22aは4つ設けられており、成形室B側から見て、それぞれが半円形状であってよい。この場合、凸部22aは、半球形状である。また、図6の(b)に示された構成では、図6の(a)に示す凹部21aも設けられている(不図示)。この場合、凹部21aは、半球状に窪んだ形状となっている。また、図6の(c)に示されるように、2つの凸部22aはそれぞれ、成形室B側から見て、矩形形状であってよい。この場合、凸部22aは、半円柱形状である。また、図6の(c)に示された構成では、図6の(a)に示す凹部21aも設けられている(不図示)。この場合、凹部21aは、半円柱状に窪んだ形状となっている。
図6の(a)〜(c)に示される別駒型3eの形状であっても、別駒型3eに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
また、蒸気孔13cは、厚さ方向と平行となるように、薄肉部11dおよび突出部10eに設けられていることが好ましい。この場合、厚さ方向における蒸気孔13cの長さは、薄肉部11aの厚さと突出部10の厚さとの和と同一である。この構成では、ボルトなどにより金型と隙間なく別駒型が取り付けられた従来の構成に蒸気孔を設けた場合と比較して、蒸気孔13cの長さが短くなるので、蒸気孔13c内の清掃が容易となる。また、蒸気孔13cは、さらに、幅方向と平行となるように枝分かれさせて、突出部10eに設けられていてもよい。
(変形例5)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図7の(a)は、変形例5としての型内発泡成形体用金型106の構成を示す断面図である。図7の(b)は、図7の(a)に示す型内発泡成形体用金型106に備えられた別駒型3fを成形室B側から見た平面図である。図7の(a)は、図7の(b)に示す別駒型3fのi−i断面になるように切断した型内発泡成形体用金型106の断面図である。
図1の(a)及び(b)に示す本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101において、蒸気滞留室4aは、少なくとも貫通孔2a内に形成され、蒸気室Aと連通する空間を有していれば特に限定されない。変形例5の型内発泡成形体用金型106は、図7の(a)及び(b)に示されるように、蒸気滞留室4cの構成が図1の(a)及び(b)に示す構成と異なる。
蒸気滞留室4cは、貫通孔2a内から突出部10fにまで延びている。変形例5の型内発泡成形体用金型106では、金型本体1aの成形面よりも内側の空間にまで蒸気室Aの蒸気が流入することになる。
また、変形例5の型内発泡成形体用金型106では、蒸気滞留室4cを構成する内壁の一部である別駒型3fの構成が図1の(a)及び(b)に示す構成と異なる。まず、柱部12bは、突出部10fの成形室B側の先端にまで延び、突出部10fと連結している。そして、仕切壁11eは、貫通孔2aの側壁に沿って形成される。別駒型3fの突出部10fは、別駒型3fが貫通孔2aに挿入されたとき、金型本体1aの成形面から突出した部分である。突出部10fは、内部に蒸気滞留室4cが形成された中空構造を有しており、成形面を有する。
仕切壁11eは、蒸気滞留室4cと成形室Bとを仕切る壁であり、その一部は、突出部10fを構成する。
突出部10fの成形面には、凹部21c、21d、及び21e、並びに凸部22c、22d、及び22eが設けられている。図7の(b)に示すように、成形室B側から見ると、凹部21c及び凸部22cは「A」の文字、凹部21d及び凸部22dは「B」の左右反転文字、凹部21e及び凸部22eは「C」の左右反転文字を形成している。このように、突出部10fの成形面には、文字、絵等の意匠が施されてもよい。
図7の(a)及び(b)に示される別駒型3fの形状であっても、別駒型3fに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
(変形例6)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図8の(a)は、変形例6としての型内発泡成形体用金型107の構成を示す断面図である。図8の(b)は、図8の(a)に示す型内発泡成形体用金型107に備えられた別駒型3gを成形室B側から見た平面図である。図8の(a)は、図8の(b)に示す別駒型3gのj−j断面になるように切断した型内発泡成形体用金型107の断面図である。
図8の(a)及び(b)に示されるように、変形例6の型内発泡成形体用金型107は、別駒型3gの突出部10gの形状が図1の(a)及び(b)に示す別駒型3aと異なる。
図8の(a)及び(b)に示される別駒型3gの形状であっても、別駒型3gに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
(変形例7)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型101の構成において、図1の(a)及び(b)に示す構成のさらに他の変形例について説明する。図9の(a)は、変形例7としての型内発泡成形体用金型108の構成を示す断面図である。図9の(b)は、図9の(a)に示す型内発泡成形体用金型108に備えられた別駒型3hを成形室B側から見た平面図である。図9の(a)は、図9の(b)に示す別駒型3hのk−k断面になるように切断した型内発泡成形体用金型108の断面図である。
図9の(a)及び(b)に示されるように、変形例7の型内発泡成形体用金型108は、別駒型3hの突出部10hの形状が図1の(a)及び(b)に示す別駒型3aと異なる。
図9の(a)及び(b)に示される別駒型3hの形状であっても、別駒型3hに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図10は、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型109の構成を示す断面図である。図11は、型内発泡成形体用金型109を蒸気室A側から見た平面図である。
図10及び図11に示されるように、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型109は、金型本体1cと固定板5bとが一体化している点が実施の形態1と異なる。すなわち、金型本体1cは、固定板5bを組み込んだ構成となっている。図11に示されるように、固定板5bには、蒸気滞留室4dと蒸気室Aとを連通する連通孔16が設けられている。蒸気室A内の蒸気は、この連通孔16を介して蒸気滞留室4dへ流入する。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図12の(a)は、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型110の構成を示す断面図である。図12の(b)は、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型110に備えられた別駒型3iを成形室B側から見た平面図である。図12の(a)は、別駒型3iが図12の(b)のl−l断面になるように切った型内発泡成形体用金型110の断面図である。
図12の(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る型内発泡成形体用金型110は、成形室B側に窪んだ凹部14aが形成されている点が実施の形態1と異なる。凹部14aは、蒸気室A側が開放した構成になっており、蒸気室Aと連通している。型内発泡成形体用金型110において、蒸気滞留室4eを構成する内壁は、凹部14aの内壁である。
蒸気滞留室4eを形成する凹部14aは、貫通孔2d内に設けられている。このため、別駒型3iにおける貫通孔2aの挿入部分の厚さは、蒸気滞留室4eが占める空間の分だけ寸法が削減される。それゆえ、型内発泡成形体用金型110では、貫通孔2dの厚さ方向の寸法よりも小さい薄肉部11aが形成される。凹部14aは、蒸気滞留室4eが少なくとも貫通孔2d内に形成され、蒸気室Aと連通する空間であるように構成されていれば特に限定されない。
本実施形態によれば、蒸気室Aから蒸気滞留室4eへ流入した蒸気からの熱は、別駒型3iの薄肉部11aを介して成形室B内の発泡粒子へ早く伝わる。その結果、別駒型3iに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
また、別駒型3iは、図1の(a)及び(b)に示す実施の形態1のような、締結部材6aによる固定板5a及び柱部12aの締結により金型本体1aに固定される構成ではない。図12の(a)及び(b)に示されるように、別駒型3iは、締結部材6bにより金型本体1bに締結固定されている。別駒型3iには、金型本体1bにおける蒸気室A側の外面に締結固定するための固定部15aが設けられている。この固定部15aは、凹部14aから貫通孔2d外へ、金型本体1bにおける蒸気室A側の外面に沿って延在した構成となっている。
(変形例I)
本実施形態に係る型内発泡成形体用金型110の構成において、図12の(a)及び(b)に示す構成の他の変形例について説明する。図13の(a)は、変形例Iとしての型内発泡成形体用金型111の構成を示す断面図である。図13の(b)は、図13の(a)に示す型内発泡成形体用金型111に備えられた別駒型3jを成形室B側から見た平面図である。図13の(a)は、別駒型3jが図13の(b)のm−m断面になるように切断した型内発泡成形体用金型111の断面図である。
変形例Iの型内発泡成形体用金型111は、図13の(a)及び(b)に示されるように、別駒型3jの凹部14bの構成が図12の(a)及び(b)に示す構成と異なる。
凹部14bは、貫通孔2e内から突出部10jにまで延びている。これにより、凹部14bの内壁によって形成された蒸気滞留室4fは、貫通孔2e内から突出部10jにまで延びている。変形例Iの型内発泡成形体用金型111では、金型本体1eの成形面よりも内側の空間にまで蒸気室Aの蒸気が流入することになる。
また、変形例Iの型内発泡成形体用金型111では、別駒型3jの突出部10jの構成及び薄肉部11aを有していない構成が図12の(a)及び(b)に示す構成と異なる。凹部14bが突出部10jにまで延びているため、薄肉部を有していない。すなわち、突出部10jは、内部に蒸気滞留室4fが形成されているとともに、その成形面は凹部14bによって構成されている。
図13の(a)及び(b)に示される別駒型3jの形状であっても、別駒型3jに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
〔実施の形態4;型内発泡成形体の製造方法〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法では、実施の形態1〜3に係る型内発泡成形体用金型101〜111の何れか(以下、単に本型内発泡成形体用金型と記す)を用いている。図14は、本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法に用いる型内発泡成形体用金型装置140の概略構成を示す断面図である。
図14に示されるように、型内発泡成形体用金型装置140は、固定型である凹型120と、移動型である凸型130とを備えている。型内発泡成形体用金型装置140では、凹型120と凸型130とが型閉じされることにより、成形室Bが形成される。フレーム150に凹型120を設置することにより、蒸気室A1が形成されている。蒸気室A1には、成形室Bへ供給するための水蒸気が流入する。また、フレーム160に凸型130を設置することにより蒸気室A2が形成されている。蒸気室A2には、成形室Bへ供給するための水蒸気が流入する。フレーム150及び160は、蒸気弁151及び161並びにドレン弁152及び162を備えていることが好ましい。フレーム150及び160が蒸気弁151及び161を備えていることにより、蒸気室A1及びA2に蒸気を供給することができる。フレーム150及び160がドレン弁152及び162を備えているため、蒸気弁から蒸気を蒸気室A1及びA2に供給するときに、蒸気室A1及びA2に圧力が掛かる状態または掛からない状態に調整することができる。
図14に示された構成では、凹型120が固定型であり、凸型130が移動型であった。本実施形態にて使用される型内発泡成形体用金型装置140は、この構成に限定されず、例えば、凹型120が移動型であり、凸型130が固定型である構成であってもよい。
本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、成形室Bを形成する凹型120及び凸型130を用いており、凹型120及び凸型130のうち少なくとも一方の金型に対して、本型内発泡成形体用金型を採用している。
なお、図14において、成形室Bに発泡粒子を充填する充填機、蒸気室A1あるいはA2に蒸気を供給するための蒸気配管及びドレン配管、蒸気室A1あるいはA2から成形室Bに水蒸気を供給する(通す)ために金型本体に設けられる蒸気孔(コアベント、キリ穴、スリット等)、水蒸気を供給した後に金型を冷却するための冷却水を噴霧する冷却水供給ノズル、凹型120と凸型130を型開きした後に得られた型内発泡成形体を型から取り出すための離型ピン等については図示していないが、従来公知のものを適宜必要な箇所に使用することができる。
また、本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、成形室Bに発泡粒子を充填する充填工程と、成形室Bへ向かって第1方向から成形室Bへ水蒸気を供給し加熱する第1加熱工程と、第1方向と反対方向の第2方向から成形室Bへ水蒸気を供給し加熱する第2加熱工程と、を含む。本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、第1加熱工程の前に予備加熱工程をさらに含んでいてもよく、第2加熱工程の後に、両面加熱工程と、冷却・取り出し工程とをさらに含んでいてもよい。
以下、充填工程、予備加熱工程、第1加熱工程、第2加熱工程、両面加熱工程、及び冷却・取り出し工程について、さらに詳述する。
(充填工程)
充填工程では、固定型及び移動型から形成される成形室Bに発泡粒子を充填する。
型内発泡成形体用金型装置140は、上述のように、凹型120と凸型130とを型閉じすることにより、成形室Bが形成される。充填工程では、成形室Bにポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を充填する。なお、この発泡粒子は予め内部に無機ガス等を圧入し内圧を高めてもよいし、内圧が付与されていない大気圧の発泡粒子を用いてもよい。また、空気などのガス圧力で発泡粒子を圧縮しながら成形室Bに充填してもよく、従来公知の方法で充填すればよい。
発泡粒子を構成する基材樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びスチレン改質ポリオレフィン系樹脂(オレフィン改質ポリスチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。この中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることにより、耐割れ性、緩衝性、耐薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率、リサイクルが容易となる点から好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン共重合体等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、高密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂等が挙げられ、より具体的には、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体等が挙げられる。また、なお、前記共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
発泡粒子の製造方法は、特に制限は無く、従来公知の製造方法を挙げることができる。一例としては、製造する発泡粒子がポリオレフィン系樹脂発泡粒子であれば、国際公開特許公報WO2009/075208や特開2006−117842号公報等に開示されている製造方法が挙げられる。また、製造する発泡粒子がポリスチレン系樹脂発泡粒子であれば、特開2003−201360号公報や特開2014−118474号公報や国際公開特許公報WO2015/137363等に開示されている製造方法が挙げられる(該特許文献中には、「予備発泡粒子」として記載されている)。また、製造する発泡粒子がスチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡粒子であれば、特開2008−239794号公報や国際公開特許公報WO2016/152243等に開示されている製造方法が挙げられる。しかし、発泡粒子の製造方法は、これらの製造方法に限定されるものではない。
このようにして得られる発泡粒子には、適宜、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等の添加剤を従来公知の方法により含有あるいは被覆させることができる。また、発泡粒子の粒径は、特に限定されず、例えば、1mm〜10mmであればよいが、成形室Bへの充填性の観点からは、1mm〜5mmが好ましく、1mm〜3mmがより好ましい。
発泡粒子の発泡倍率としては、特に限定されず、例えば、3倍〜90倍であってもよいが、機械的強度や成形性の観点からは、5倍〜60倍が好ましく、5倍〜45倍がより好ましい。
このような発泡粒子は、例えば、(株)カネカ製エペラン−PP、エペラン−XL等として市販されており、容易に入手可能である。
(予備加熱工程)
予備加熱工程では、フレーム150及び160の蒸気弁151及び161、並びに、ドレン弁152及び162を開け、それぞれの蒸気弁から水蒸気を供給することにより、蒸気室A1及びA2内に存在する空気を追い出すと共に、型内発泡成形体用金型装置140と、フレーム150及び160とを加熱する。
(第1加熱工程、及び第2加熱工程)
第1加熱工程または第2加熱工程では、蒸気室A1またはA2に0.04〜0.40MPa(G)程度の水蒸気を供給することにより、発泡粒子を加熱発泡、融着させる。これにより、発泡粒子を型内発泡成形した型内発泡成形体が成形される。
第1加熱工程にて水蒸気加熱する金型は、凹型120、凸型130の何れか一方であり、第2加熱工程にて水蒸気加熱する金型は、凹型120及び凸型130のうち第1加熱工程にて加熱していない金型である。例えば、第1加熱工程では、フレーム150の蒸気弁151及びフレーム160のドレン弁162を開け、フレーム160の蒸気弁161及びフレーム150のドレン弁152は閉じておき、フレーム150の蒸気弁151から蒸気室A1に水蒸気を送り込み、第1方向から成形室Bへ水蒸気を供給し加熱する。そして、第2加熱工程では、フレーム160の蒸気弁161及びフレーム150のドレン弁152を開け、フレーム150の蒸気弁151及びフレーム160のドレン弁162は閉じておき、フレーム160の蒸気弁161から蒸気室A2に水蒸気を送り込み、第2方向から成形室Bへ水蒸気を供給し加熱する。この場合、第1方向は、凹型120側から成形室Bへ向かうX方向である。また、第2方向は、凸型130側から成形室Bへ向かうY方向である。
凹型120及び凸型130の両方の金型に対して、本型内発泡成形体用金型を採用している場合、第1加熱工程及び第2加熱工程それぞれの開始時間は、特に限定されない。第1加熱工程及び第2加熱工程は同時進行していてもよい。
一方、凹型120及び凸型130の何れか一方の金型に対して、本型内発泡成形体用金型を採用している場合、第1加熱工程及び第2加熱工程の開始時間を同時にするのではなく、それぞれの加熱工程の開始時間をずらすことが好ましい。この場合、(a)第1加熱工程と第2加熱工程とについて、開始時間をずらし、第1加熱工程と第2加熱工程とを同時進行してもよい。また、(b)第1加熱工程と第2加熱工程との何れか一方の加熱工程を先に開始し、当該工程を終了後に、残りの他方の加熱工程を開始してもよい。特に図14に示す型内発泡成形体用金型装置140を使用する場合、上記(b)のように第1加熱工程及び第2加熱工程を行う。
第1加熱工程の開始時間が第2加熱工程の開始時間よりも前である場合、第1加熱工程では、本型内発泡成形体用金型を採用した金型と異なる金型側から成形室Bへ向かう第1方向から成形室Bへ蒸気を流してもよい。そして、第2加熱工程では、本型内発泡成形体用金型を採用した金型側から成形室Bへ向かう第2方向から成形室Bへ蒸気を流してもよい。すなわち、凹型120及び凸型130のうち、本型内発泡成形体用金型を採用した金型と異なる金型側から先に水蒸気を成形室Bへ供給し、その後、本型内発泡成形体用金型を採用した金型側から水蒸気を成形室Bへ供給してもよい。例えば、図14に示されるように、凹型120及び凸型130のうち凹型120に対して本型内発泡成形体用金型を採用した場合、第1加熱工程では、凸型130の蒸気室A2に水蒸気を送り込み、凸型130側から成形室Bへ向かう第1方向から成形室Bへ水蒸気を供給する。そして、第2加熱工程では、凹型120の蒸気室A1に水蒸気を送り込み、凹型120側から成形室Bへ向かう第2方向から成形室Bへ水蒸気を供給する。この場合、第1方向はY方向であり、第2方向はX方向である。
本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法では、上述のように、本型内発泡成形体用金型を採用した金型とは逆方向であるY方向から先に成形室Bを加熱しても、美麗に成形することが可能である。従来の別駒型を使用した製造方法では、別駒型を含まない金型側から加熱するよりも、別駒型を含む金型側から先に成形室を加熱した方が、成形性が良好であった。しかし、本本型内発泡成形体用金型を用いた本実施形態に係る製造方法では、従来の方法と異なり、別駒型を含まない金型側から加熱しても成形性が良好である。
また、第1加熱工程の開始時間が第2加熱工程の開始時間よりも前である場合、第1加熱工程では、本型内発泡成形体用金型を採用した金型側から成形室Bへ向かう第1方向から成形室Bへ蒸気を流してもよい。そして、第2加熱工程では、本型内発泡成形体用金型を採用した金型と異なる金型側から成形室Bへ向かう第2方向から成形室Bへ蒸気を流してもよい。すなわち、凹型120及び凸型130のうち、本型内発泡成形体用金型を採用した金型側から先に水蒸気を成形室Bへ供給し、その後、本型内発泡成形体用金型を採用した金型と異なる金型側から水蒸気を成形室Bへ供給してもよい。例えば、図14に示されるように、凹型120及び凸型130のうち凹型120に対して本型内発泡成形体用金型を採用した場合、第1加熱工程では、凹型120の蒸気室A1に水蒸気を送り込み、凹型120側から成形室Bへ向かう第1方向から成形室Bへ水蒸気を供給する。そして、第2加熱工程では、凸型130の蒸気室A2に水蒸気を送り込み、凸型130側から成形室Bへ向かう第2方向から成形室Bへ水蒸気を供給する。この場合、第1方向はX方向であり、第2方向はY方向である。
本実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法では、上述のように、本型内発泡成形体用金型を採用した金型と同じ方向であるX方向から先に成形室Bを加熱しても、美麗に成形することが可能である。
(両面加熱工程)
両面加熱工程では、フレーム150及び160の蒸気弁151及び161を開け、フレーム150及び160のドレン弁152及び162を閉じて、蒸気弁151及び161それぞれから水蒸気を供給することにより、成形室Bに充填された発泡粒子の表面が軟化するまで、十分温度を上昇させて、発泡粒子同士を最終的に融着せしめ、一定形状の発泡樹脂型内発泡成形体とする。
(冷却・取り出し工程)
冷却・取り出し工程では、冷却水供給ノズルから冷却水を噴霧し、型内発泡成形体用金型装置140を冷却した後、型内発泡成形体用金型装置140を開き、発泡樹脂型内発泡成形体を取り出す。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(まとめ)
本発明の実施形態に係る型内発泡成形体用金型101は、蒸気室A側と成形室B側との間を貫通する貫通孔2aを有する金型本体1aと、前記貫通孔2aに挿入される別駒型3aと、少なくとも前記貫通孔2a内に、前記蒸気室Aと連通する空間である蒸気滞留室4aと、を備え、前記別駒型3aは、前記金型本体1aの成形面から突出する突出部10aを有し、前記蒸気滞留室4aの空間を構成する内壁の少なくとも一部は、前記別駒型3aである。
上記の構成によれば、貫通孔2a内に形成された蒸気滞留室4aにより、別駒型3aは、ボルトなどにより金型と隙間なく別駒型が取り付けられた従来の構成と比較して、蒸気室A側と成形室B側との間の厚さが肉薄となる薄肉部11aを有する。さらに、上記の構成によれば、蒸気室Aと連通する蒸気滞留室4aを構成する内壁の少なくとも一部は別駒型3aである。このため、蒸気滞留室4aに滞留している蒸気からの熱は、別駒型3aに直接伝導する。それゆえ、従来の構成と比較して、蒸気室Aからの熱が別駒型3aを介して成形室B内の発泡粒子へ早く伝わる。その結果、上記の構成によれば、別駒型3aに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
本発明の実施形態に係る型内発泡成形体用金型101は、前記別駒型3aは、前記成形室A側から前記蒸気室B側へ向かって延びる柱部12aを有し、前記蒸気滞留室4aの空間を構成する内壁の一部は、前記柱部12aの側壁及び前記貫通孔2aの内壁である構成であってもよい。
これにより、別駒型3aに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
さらに、本発明の実施形態に係る型内発泡成形体用金型101は、前記蒸気室Aと連通するように前記蒸気滞留室4aを覆う固定板5aと、前記固定板5aと前記柱部12aとを締結する締結部材6aと、を備えた構成であることが好ましい。
これにより、別駒型3aを金型本体1aに固定することができる。なお、固定板5aは、金型本体1aと別体であってもよいし、金型本体1aに組み込まれた一体構成であってもよい。
また、本発明の実施形態に係る型内発泡成形体用金型110は、前記別駒型3iは、前記成形室B側へ窪んだ凹部14aを有し、前記蒸気滞留室4eの空間を構成する内壁は、前記凹部14aの内壁である構成であってもよい。
これにより、別駒型3iに対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
本発明の実施形態に係る型内発泡成形体用金型101は、前記別駒型3aは、蒸気室A側から成形室B側へ向かう方向において、前記貫通孔2aの長さの0%超、70%以下である薄肉部11aを有することが好ましい。
これにより、蒸気滞留室4aの蒸気からの熱が薄肉部11aを介して成形室Bへ伝わりやすくなる。
本発明の他の実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、成形室Bを形成する固定型(凹型120)及び移動型(凸型130)を用いた型内発泡成形体の製造方法であって、前記成形室Bに発泡粒子を充填する充填工程と、前記成形室Bへ向かって第1方向から前記成形室Bを水蒸気加熱する第1加熱工程と、前記第1方向と反対方向の第2方向から前記成形室Bを水蒸気加熱する第2加熱工程と、を含み、前記固定型又は前記移動型の少なくとも一方の金型は、上述の型内発泡成形体用金型101〜111の何れかである。
上記の構成によれば、別駒型に対応する成形部分の成型性(美麗性)が向上する。
本発明の他の実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、前記固定型(凹型120)及び前記移動型(凸型130)の両方の金型は、上述の型内発泡成形体用金型101〜111の何れかであり、前記第1加熱工程の開始時間は、前記第2加熱工程の開始時間よりも前である、構成であってもよい。
本発明の他の実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、前記固定型(凹型120)又は前記移動型(凸型130)の何れか一方の金型のみに上述の型内発泡成形体用金型101〜111の何れかを採用し、前記第1加熱工程の開始時間は、前記第2加熱工程の開始時間よりも前であり、前記第1加熱工程では、前記型内発泡成形体用金型101〜111を採用した金型と異なる金型側から前記成形室Bへ向かう第1方向から前記成形室Bへ蒸気を流す、構成であってもよい。
また、本発明の他の実施形態に係る型内発泡成形体の製造方法は、前記固定型(凹型120)又は前記移動型(凸型130)の何れか一方の金型のみに上述の型内発泡成形体用金型101〜111の何れかを採用し、前記第1加熱工程の開始時間は、前記第2加熱工程の開始時間よりも前であり、前記第1加熱工程では、前記型内発泡成形体用金型101〜111を採用した金型側から前記成形室Bへ向かう第1方向から前記成形室Bへ蒸気を流す、構成であってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されて解釈されるべきではない。
(実施例1)
固定型の凹型I及び移動型の凸型Iからなる型内発泡成形体用金型装置Iを用いて、型内発泡成形体Iを製造した。前記凹型Iは、突出部の形状が薄肉爪形状である、図1及び図2に示すような別駒型3aを32個備える型内発泡成形体用金型であった。凹型の貫通孔の長さは1.2cmであり、当該別駒型の薄肉部は、蒸気室側から成形室側へ向かう方向において、0.5cmであった。即ち、凹型が備えている別駒型は、貫通孔の長さの42%の薄肉部を有しており、凹型は蒸気滞留室を有していた。前記凸型Iは、別駒型3aを32個備える型内発泡成形体用金型であった。凸型の貫通孔の長さは1.2cmであり、当該別駒型の薄肉部は、蒸気室側から成形室側へ向かう方向において、0.5cmであった。即ち、凸型が備えている別駒型は、貫通孔の長さの42%の薄肉部を有しており、凸型は蒸気滞留室を有していた。
成形室に発泡ポリプロピレン((株)カネカ製、エペランPP)を充填した。その後、凹型側から凸型側に0.18MPa(G)で蒸気を流して加熱した。続いて、凸型側から凹型側に0.18MPa(G)で蒸気を流して加熱して、型内発泡成形体Iを得た。
(実施例2)
固定型の凹型I及び移動型の凸型IIからなる型内発泡成形体用金型装置IIを用いて、型内発泡成形体IIを製造した。前記凸型IIは、別駒型を備えていなかった。型内発泡成形体用金型装置Iの代わりに型内発泡成形体用金型装置IIを用いた以外は実施例1と同様にして型内発泡成形体IIを得た。
(実施例3)
型内発泡成形体用金型装置IIを用いて、型内発泡成形体IIIを製造した。実施例1と同様にして成形室に発泡ポリプロピレンを充填した。その後、凸型側から凹型側に0.18MPa(G)で蒸気を流して加熱した。続いて、凹型側から凸型側に0.18MPa(G)で蒸気を流して加熱して、型内発泡成形体IIIを得た。
(比較例1)
固定型の凹型II及び移動型の凸型IIIからなる型内発泡成形体用金型装置IIIを用いて、型内発泡成形体IVを製造した。前記凹型IIは、別駒型3aと突出部の形状は同一である別駒型3kを32個備える型内発泡成形体用金型であった。凹型の貫通孔の長さは1.5cmであり、当該別駒型の薄肉部は、蒸気室側から成形室側へ向かう方向において、1.5cmであった。即ち、凹型が備えている別駒型は、貫通孔の長さの100%の薄肉部を有しており、凹型は蒸気滞留室を有していなかった。前記凸型Iは、別駒型3kを32個備える型内発泡成形体用金型であった。凸型の貫通孔の長さは1.5cmであり、当該別駒型の薄肉部は、蒸気室側から成形室側へ向かう方向において、1.5cmであった。即ち、凸型が備えている別駒型は、貫通孔の長さの100%の薄肉部を有しており、凸型は蒸気滞留室を有していなかった。型内発泡成形体用金型装置Iの代わりに型内発泡成形体用金型装置IIIを用いた以外は実施例1と同様にして型内発泡成形体IVを得た。
(比較例2)
固定型の凹型II及び移動型の凸型IIからなる型内発泡成形体用金型装置IVを用いて、型内発泡成形体Vを製造した。型内発泡成形体用金型装置Iの代わりに型内発泡成形体用金型装置IVを用いた以外は実施例1と同様にして型内発泡成形体Vを得た。
(比較例3)
型内発泡成形体用金型装置IIの代わりに型内発泡成形体用金型装置IVを用いた以外は実施例3と同様にして型内発泡成形体VIを得た。
実施例1〜3、及び比較例1〜3の型内発泡成形体I〜VIについて、別駒型に対応する凹型成形面及び凸型成形面の美麗性を、下記の評価基準により目視評価した。結果を表1に示す。
別駒型に対応する凹型成形面及び凸型成形面の美麗性の評価基準
◎:欠粒(1粒以上発泡粒子が欠けている状態)なし、粒間(発泡粒子間に隙間が生じている状態)なし、別駒型の薄肉爪形状対応部分が綺麗に転写されている
○:欠粒なし、粒間あり
×:欠粒あり、粒間あり
Figure 2019098607
表1の結果から、蒸気室側から成形室側へ向かう方向において、貫通孔の長さの42%である薄肉部を有する別駒型を備える型内発泡成形体用金型装置I,IIを用いると、貫通孔の長さの100%である薄肉部を有する別駒型を備える型内発泡成形体用金型装置III,IVを用いるよりも、より美麗に成形することができることが分かった。また、実施例3の結果より、別駒型を備えていない凸型側から別駒型を備えている凹型側に蒸気を流して加熱してから、凹型側から凸型側に蒸気を流して加熱する方法であっても、美麗に成形することができることが分かった。
本発明は、型内発泡成形体の製造に利用することができる。
1a〜1e 金型本体
2a〜2e 貫通孔
3a〜3j 別駒型
4a〜4f 蒸気滞留室
5a,5b 固定板
6a,6b 締結部材
10a〜10j 突出部
11a〜11d,11f 薄肉部
12a,12b 柱部
13a〜13f 蒸気孔
101〜111 型内発泡成形体用金型
120 凹型(固定型)
130 凸型(移動型)
A 蒸気室
B 成形室

Claims (9)

  1. 蒸気室側と成形室側との間を貫通する貫通孔を有する金型本体と、
    前記貫通孔に挿入される別駒型と、
    少なくとも前記貫通孔内に、前記蒸気室と連通する空間である蒸気滞留室と、を備え、
    前記別駒型は、前記金型本体の成形面から突出する突出部を有し、
    前記蒸気滞留室の空間を構成する内壁の少なくとも一部は、前記別駒型である、型内発泡成形体用金型。
  2. 前記別駒型は、前記成形室側から前記蒸気室側へ向かって延びる柱部を有し、
    前記蒸気滞留室の空間を構成する内壁の一部は、前記柱部の側壁及び前記貫通孔の内壁である、請求項1に記載の型内発泡成形体用金型。
  3. 前記蒸気室と連通するように前記蒸気滞留室を覆う固定板と、
    前記固定板と前記柱部とを締結する締結部材と、を備えた、請求項2に記載の型内発泡成形体用金型。
  4. 前記別駒型は、前記成形室側へ窪んだ凹部を有し、
    前記蒸気滞留室の空間を構成する内壁は、前記凹部の内壁である、請求項1に記載の型内発泡成形体用金型。
  5. 前記別駒型は、蒸気室側から成形室側へ向かう方向において、前記貫通孔の長さの0%超、70%以下である薄肉部を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の型内発泡成形体用金型。
  6. 成形室を形成する固定型及び移動型を用いた型内発泡成形体の製造方法であって、
    前記成形室に発泡粒子を充填する充填工程と、
    前記成形室へ向かって第1方向から前記成形室を水蒸気加熱する第1加熱工程と、
    前記第1方向と反対方向の第2方向から前記成形室を水蒸気加熱する第2加熱工程と、を含み、
    前記固定型又は前記移動型の少なくとも一方の金型は、請求項1〜5の何れか1項に記載の型内発泡成形体用金型である、型内発泡成形体の製造方法。
  7. 前記固定型及び前記移動型の両方の金型は、請求項1〜5の何れか1項に記載の型内発泡成形体用金型であり、
    前記第1加熱工程の開始時間は、前記第2加熱工程の開始時間よりも前である、請求項6に記載の型内発泡成形体の製造方法。
  8. 前記固定型又は前記移動型の何れか一方の金型のみに請求項1〜5の何れか一項に記載の型内発泡成形体用金型を採用し、
    前記第1加熱工程の開始時間は、前記第2加熱工程の開始時間よりも前であり、
    前記第1加熱工程では、前記型内発泡成形体用金型を採用した金型と異なる金型側から前記成形室へ向かう第1方向から前記成形室へ蒸気を流す、請求項6に記載の型内発泡成形体の製造方法。
  9. 前記固定型又は前記移動型の何れか一方の金型のみに請求項1〜5の何れか一項に記載の型内発泡成形体用金型を採用し、
    前記第1加熱工程の開始時間は、前記第2加熱工程の開始時間よりも前であり、
    前記第1加熱工程では、前記型内発泡成形体用金型を採用した金型側から前記成形室へ向かう第1方向から前記成形室へ蒸気を流す、請求項6に記載の型内発泡成形体の製造方法。
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