JP2019097496A - 固形調味食品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保形性を損なうことなく、あらゆるユーザーに対して一見して割り易そうな印象を与え、使用時に積極的に分割したいとの心証を抱かせ得るような新規の形状を有し、且つ、実際に分割することが非常に容易である固形調味食品およびその製造方法を提供すること。【解決手段】第1面S1とその反対側の第2面S2を持った塊状の立体形状を有する固形調味食品に対し、第1面および第2面のうちの少なくとも一方の面に当該固形調味食品を割るためのV字溝10を設ける。該V字溝のV字の内側の角度は、20度〜130度であり、当該固形調味食品の高さHに占める、該V字溝の深さD(該V字溝が両方の面に設けられる場合は、両V字溝の深さの合計)の割合が、6%〜50%である。【選択図】図1

Description

本発明は、固形調味食品およびその製造方法に関する。
調味料や飲食品の粉末原料を、プレス装置などにより圧縮成形した固形調味食品(固形型調味料および固形型飲食品を含む)は、吸湿性が低く、輸送効率に優れ、さらにはユーザーがその使用量を容易に把握できる点等において、優れた特徴を有している。
従来の固形調味食品は、通常、一回分の調理または一人分の調理に適した量の粉末原料が、塊状の立体形状(例えば、直方体や立方体など)となるように圧縮成形される。例えば、鍋料理用では、一人分の出汁の量に適した直方体状の固形調味食品が知られており、調理すべき鍋料理の量(人数分)に合せて、必要な数の固形調味食品を所定量の水や湯に浸漬し溶解させて、目的の量の出汁を作ることができるようになっている。同様に、洋風の煮込み料理などの用途においても、調理一回分のコンソメスープの量に適した直方体状の固形調味食品が知られている。
特開2015−202073号公報
しかしながら、本発明者らが、上記のような固形調味食品を用いた調理について詳細に検討したところ、次の問題が存在していることがわかった。該問題とは、従来の一般的な固形調味食品は、調理時に水(湯を含む)などに浸漬し、溶解(または分散)させて用いられるところ、該固形調味食品は高圧での圧縮成形を経て調製されるため、密度が高く水の浸漬を妨げる結果、本来的には水(湯)に溶解(または分散)するものでありながら、水中で崩壊して全体が溶けるまでに比較的長い時間を要し、調理時間の短縮化の障害になっているという問題である。
本発明者らのさらなる検討によれば、固形調味食品の溶解性(または崩壊性)を高める手段の一つとして、低圧での圧縮成形が用いられ得る。しかし、かかる手段は溶解性を改善し得るものの、固形調味食品の保形性が低下し、その結果、輸送時に商品が摩損してしまう等、別の課題を生じてしまう。
一方、医薬品などの成形剤の崩壊性を高めるための崩壊剤が知られている。実際に、炭酸塩を崩壊剤として固形調味食品に適用した報告も存在する(例えば、特許文献1)。しかし、崩壊剤を固形調味食品に適用して好ましい易崩壊性を得るためには、味への影響やコストの増加などの新たな課題を惹起し得る場合がある。また、糖の溶融を利用する方法なども報告されているが、かかる方法を用いる場合には、加湿・乾燥・加熱といった製造工程を別途必要とし、製造プロセスが複雑化してしまう等の問題がある。
また、本発明者らは、全く別の観点において溶解性の問題を改善するアプローチとして、固形調味食品の成分や構造等に改善を加えることにより溶解性を高めるのではなく、固形調味食品の使用前にユーザーに、ナイフなどの切断用調理具により、これを分割・切断等させることよって、その表面積を増大させ、これにより溶解性の問題を改善するといったアプローチを検討した。しかし、摩損の防止等の観点から比較的高い硬度を付与されている固形調味食品は、通常、容易には分割することができず、特に、ナイフ等の刃物の使用を促す場合にはユーザーを危険に曝してしまう場合がある。
かかる状況に鑑み、本発明の目的は、保形性を損なうことなく、溶解性や崩壊性を高めることが可能な固形調味食品およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、従来、割るという概念がなかった堅固な塊状の固形調味食品であっても、その表面に特定の深さおよび角度を有する溝を付与すれば、高い保形性を有しながらも、ユーザーに対して一見して分割し易そうな印象を与え、積極的に分割したいとの心証を抱かせ、さらに手によって割ることも容易であることを見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を進めることによって本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]塊状の立体形状を有する固形調味食品であって、
前記立体形状は、第1面とその反対側の面である第2面とを少なくとも有し、
第1面および第2面のうちの少なくとも一方の面には、当該固形調味食品を割るためのV字溝が設けられ、
前記V字溝のV字の内側の角度は、20度〜130度であり、かつ、
(I)該V字溝が第1面および第2面のうちの一方だけに設けられる場合には、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、該V字溝の深さDの割合が、6%〜50%であり、
(II)該V字溝が第1面および第2面のうちの両方に設けられる場合には、両V字溝は、表裏で互いに対応する位置に設けられ、かつ、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、各V字溝のそれぞれの深さd1、d2の合計(d1+d2)の割合が、6%〜50%である、
前記固形調味食品。
[2]第1面および第2面のうちのV字溝が設けられる面において、該V字溝がその面の中央部を通過する位置に設けられる、[1]記載の固形調味食品。
[3]前記塊状の立体形状が、直方体状である、[1]または[2]記載の固形調味食品。
[4]1個当たりの容積が、1cm〜15cmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の固形調味食品。
[5]1個当たりの重量が、3g〜15gである、[1]〜[4]のいずれかに記載の固形調味食品。
[6]木屋式硬度計を用いて測定した当該固形調味食品の硬度が、5N〜500Nである、[1]〜[5]のいずれかに記載の固形調味食品。
[7]粉末原料が圧縮成形されてなるものである、[1]〜[6]のいずれかに記載の固形調味食品。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の固形調味食品の製造方法であって、
製造すべき固形調味食品の外形である塊状の立体形状を定める臼と上型と下型とを用いて、粉末原料を前記固形調味食品へと圧縮成形する粉末圧縮成形工程を有し、
前記臼の型面、上型の型面および下型の型面のうちの少なくとも一つの型面には、前記固形調味食品のV字溝を形成するための、該V字溝の形状に対応する稜線状突起が設けられている、
前記製造方法。
[9]粉末圧縮成形工程における圧縮成形時の成形圧力が、5〜300MPaであることを特徴とする、[8]記載の製造方法。
背景技術の説明で述べたとおり、従来の固形調味食品は、一回分の調理または一人分の調理に適した量の粉末原料を、塊状の立体形状へと圧縮成形したものであり、個々の固形調味食品の量は、調理に必要な最小単位である。よって、ユーザーには、個々の固形調味食品を割る必要性が無く、個々の固形調味食品を割るという発想や概念が無い。また、固形調味食品は硬く小さいので、実際に割ることも困難であった。
しかしながら、本発明の固形調味食品(以下、「当該固形調味食品」ともいう)は、表面積を増加させることを目的として、適切な形状と寸法を持ったV溝が付与されているので、固形調味食品を分割するという発想を持たないユーザーであっても、一見しただけで、分割できそうな印象を持ち、積極的に分割したいとの欲求を抱き、実際に手で割っても、非常に割り易いものとなっている。
よって、当該固形調味食品は、その外見的特徴に基づきユーザーによる分割を促すことができ、これにより調理時の表面積が増大し、その結果として、低溶解性の問題を改善することができる。また、本発明の固形調味食品では、V溝の角度θ1と深さhが適切に設定されているので、ユーザーが割り易い形状でありながらも、高い保形性を有するものとなっており、輸送時の摩損を最小限に抑えることができる。
図1は、本発明の固形調味食品の態様を例示する斜視図である。図1(a)は、1つの面だけにV字溝が設けられた態様を例示する図であり、図1(b)は、2つの面にV字溝が設けられた態様を例示する図である。 図2は、本発明の固形調味食品を、V字溝の進行方向(溝に沿った方向)に沿った方向から見た、V字溝のV字の形状を例示した部分拡大図である。 図3は、本発明の製造方法の一態様を説明する図であって、本発明の固形調味食品を製造するための圧縮成形型の態様を例示する図である。図3(a)は、下型によってV字溝を形成するよう構成された圧縮成形型の断面図である。同図は、型内で粉末材料を圧縮成形した状態を表している。図3(b)は、臼の型面(貫通孔の内面)によってV字溝を形成するよう構成された圧縮成形型の斜視図である。図3(b)では、臼の貫通孔の開口プロフィールを見せるために、上型と下型と臼とを別個に示している。 図4は、崩壊性試験の結果を示す図である。 図5は、実施例3の試験に供した、各種形状を有する固形調味食品の外観を示す図である。 図6は、本発明の実施例3における、試料を割るための試験法を示す図である。ハッチングは領域を区別するために施している。 図7は、実施例3の試験に供した、各種形状を有する固形調味食品を分割後の外観を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.固形調味食品
図1に態様例を示すように、本発明の固形調味食品は、塊状の立体形状を有する。図1の例では、塊状の立体形状は、高さH、幅W1、奥行W2の寸法を持った直方体である。同図に示すように、該塊状の立体形状は、第1面S1とその反対側の面である第2面S2とを少なくとも有し、該第1面S1および第2面S2のうちの少なくとも一方の面には、当該固形調味食品を割るためのV字溝が設けられる。V字溝は、図1(a)に示すように、第1面および第2面のうちの一方だけに設けられてもよいし、図1(b)に示すように、第1面および第2面のうちの両方に設けられてもよい。図1(a)では、説明のための例として、V字溝10が第1面S1に設けられた場合を示しているが、第1面を第2面に置き換えることができる。即ち、図1(a)は、互いに反対側の面として位置する2つの面のうちの一方の面にV字溝が設けられた態様を示す図でもある。
V字溝のV字の内側の角度(θ、θ1、θ2)は、20度〜130度である。また、該V字溝の深さは、当該固形調味食品の寸法に対して次のように限定される。
(I)図1(a)に示すように、第1面S1および第2面S2のうちの一方だけにV字溝10が設けられる場合には、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、該V字溝の深さDの割合((D/H)×100)は、6%〜50%が好ましい。
(II)図1(b)に示すように、第1面S1および第2面S2のうちの両方にV字溝が設けられる場合には、両V字溝11、12は、互いに協同して、当該固形調味食品を割るため溝として作用し得るように、表裏で互いに対応する位置に設けられ、かつ、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、各V字溝のそれぞれの深さd1、d2の合計の割合((d1+d2)/H))×100)は、前記(I)の場合と同様、6%〜50%が好ましい。なお、ユーザーに割りたくなる心証を与え得るとの観点からは、(d1/H)×100および(d2/H)×100は、いずれも6%以上であることが好ましい。
以上の構成によって、本発明の目的が達成される。
(塊状の立体形状)
本発明でいう塊状の立体形状とは、該立体形状の任意の姿勢に対して、互いに直交する3次元方向(x、y、z)を設定したとき、該3次元方向についてのそれぞれの最大寸法(X1、Y1、Z1)が、それぞれに他の寸法の30〜250%程度以内であるような形状である。即ち、本発明でいう塊状の立体形状とは、過度に細長い棒状の形状や過度に薄い板状の形状などの割れやすい形状を除いた形状である(即ち、市販のカレールウや板チョコレート等は含まれない)。具体的な塊状の立体形状としては、直方体状(側面が底面に垂直な平行六面体の形状)、多角柱状、円柱状、だ円柱状、角錐台状、多角錐台状、円錐台状、多面体、その他の異形の形状が例示される。立方体状は、直方体状に含まれる形状であって、各辺の長さが互いに等しい形状である。
塊状の立体形状が、図1に示すような直方体状であって、かつ、該直方体状の各辺の方向に前記3次元方向(x、y、z)を一致させた場合、各辺の長さ(高さH、幅W1、奥行W2)は、それぞれに他の辺の長さの30〜250%程度以内であることが好ましい。
上記した種々の立体形状に含まれる平面(直方体状などにおける6面、円柱状における円形の2面など)は、外側に向かって膨らんだ曲面であってもよい。また、頂部や辺には適宜の面取りや丸みが加えられてもよい。これらの立体形状の中でも、粉体を硬く堅固に圧縮成形することができ、圧縮成形金型の製造コストが安価であり、面に均一に圧力をかけることができる点からは、直方体状や円柱状などが好ましい形状として挙げられる。一態様において、直方体状の形状は、1枚の包装紙によって包装する場合には、機械による自動の包装操作が容易であり、かつ、製品の周囲に無駄なスペースが生じない点で、より好ましい形状である場合がある。
(第1面と第2面)
また、本発明でいう塊状の立体形状は、第1面とその反対側の面である第2面とを少なくとも有し、これらの面にV字溝が形成される。例えば、塊状の立体形状が直方体状の場合には、第1面と第2面は、3対の互いに平行な2面のうちの1対の面であり、塊状の立体形状が円柱状の場合には、第1面と第2面は、互いに平行な2つの円形の端面である。
(塊状の立体形状の寸法)
塊状の立体形状の大きさ(各部の寸法)は、特に限定はされないが、例えば、直方体状の場合には、図1(a)、(b)に示した直方体状の高さH、幅W1、奥行W2の各寸法は、8mm〜30mmが例示される。より具体的には、従来のV字溝を有しない商品では、鍋料理の出汁を作るための固形調味食品の直方体状の高さ、幅、奥行の各寸法は、8mm〜25mm程度であり、具体的な製品例では、高さHが8mm〜18mm程度、幅W1が15mm〜20mm程度、奥行W2が20mm〜25mm程度である。また、洋風料理のスープの旨味ベースとして使用される固形調味食品では、直方体状の高さ、幅、奥行の各寸法は、10mm〜25mm程度であり、具体的な製品例では、高さHが9mm〜12mm程度、幅W1が15mm〜20mm程度、奥行W2が20mm〜25mm程度である。これら従来の固形調味食品にV字溝を形成する場合、従来の固形調味食品の高さ、幅、奥行のうちの1以上の寸法を、V字溝の分だけ増加させてもよい。
(V字溝の深さ)
上記のとおり、第1面S1および第2面S2のうちの一方だけにV字溝10が設けられる場合には、当該固形調味食品の高さHに占める、該V字溝の深さDの割合((D/H)×100)は、6%〜50%が好ましく、より好ましくは15%〜50%であり、特に好ましくは、20%〜40%である。
また、第1面S1および第2面S2のうちの両方にV字溝が設けられる場合には、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、各V字溝のそれぞれの深さd1、d2の合計の割合((d1+d2)/H))×100)は、前記の場合と同様、6%〜50%であり、より好ましくは15%〜40%であり、特に好ましくは、15%〜30%である。
((D/H)×100)または((d1+d2)/H))×100)が6%未満であると、使用者が割りやすそうという印象を持ちにくいため好ましくなく、また、50%を超えると安定した製造あるいは輸送中の保形性で課題が生じると考えられるため好ましくない。
図1(b)に示すように、第1面S1および第2面S2の両方にV字溝が設けられる場合、各V字溝のV字の内側の角度θ1、θ2は、互いに同じでなくともよく、各V字溝の深さd1、d2も、互いに同じでなくともよいが、ユーザーがどちらの面をみても同様の印象を受ける点からは、各V字溝の内側の角度θ1、θ2、および、各V字溝の深さd1、d2は、互いに同じであることが好ましい。
(V字溝の位置)
V字溝は、該溝が形成される第1面および/または第2面(以下、これらの面を「溝形成面」とも呼ぶ)の任意の位置に設けられてもよいが、当該固形調味食品を均等に2分割する点からは、溝形成面の中央部を通過する直線に沿って設けられることが好ましい。溝形成面の中央部とは、各形状の図心が位置する部分であって、例えば、該溝形成面の外周形状が直角四辺形である場合には、対角線の交点であり、該溝形成面の外周形状が円形である場合には、該円形の中心点である。図1(a)の例では、V字溝の溝幅wの中点を通過し、かつ、該溝形成面(第1の面)S1内において該溝の進行方向を向いた直線が、溝形成面の中央部を通過する直線である。
該溝形成面の外周形状が直角四辺形である場合、図1(a)、(b)に示すように、V字溝の進行方向が溝形成面の外周の一辺に平行であることが好ましく、とりわけ短辺に平行であることが好ましく、これによりユーザーはより分割し易そうな印象を受ける。
V字溝が第1面および第2面のうちの一方だけに設けられる場合、両方の面に設けられる場合に比べて、該溝は、より深く、幅がより大きい溝となり得る。よって、V字溝がより大きい切れ込みになることによって、割れそうであるという印象をユーザーに与え得る点では、V字溝が第1面および第2面のうちの一方だけに設けられる態様がより好ましい態様である。また、V字溝が第1面および第2面のうちの一方だけに設けられる態様は、図3(a)に示すように、杵型に稜線状突起を設けてV字溝を形成する方式の成形型では、そのような稜線状突起を持った杵型が1つでよく、金型の製造コストが抑制される点でも好ましい態様である。
V字溝が第1面および第2面の両方に設けられる場合、該V字溝が当該固形調味食品を割るための溝として機能するためには、両面のそれぞれのV字溝は、表裏で互いに対応する位置に設けられる。例えば、図1(b)の態様において、第1の面S1に形成されたV字溝11の溝幅の中点を通過しかつ該溝の進行方向を向いた直線を、第2の面S2に投影すると、第2の面S2に形成されたV字溝12の溝幅の中点を通過しかつ該溝の進行方向を向いた直線に一致する。
(V字溝の幅)
溝形成面におけるV字溝の幅は、そのV字溝の幅の方向についての該溝形成面の外形寸法よりも小さいことが好ましい。例えば、図1(a)の例では、V字溝の幅wは、第1面S1の外周形状である直角四辺形(長方形や正方形)の幅方向の一辺の長さW1よりも小さいことが好ましい。これにより、溝形成面には平面が残るので、使用者が平易に固形調味食品を割ることができる。従って、好ましい態様では、溝形成面の外形寸法W1に占める、V字溝の幅wの割合は限定されないが、例えば、1%〜99.9%、1%〜99%、1%〜80%、1%〜70%、1%〜60、1%〜50%、1%〜40%、2%〜40%、3%〜40%、4%〜40%とすることができ、5%〜40%、5%〜39%、5%〜38%、5%〜37%、5%〜36%、5%〜35%、5%〜34%、5%〜33%、5%〜32%、5%〜31%、5%〜30%程度がより好ましく、5%〜29%、5%〜28%、5%〜27%、5%〜26%、5%〜25%程度がさらに好ましい。溝形成面が直角四辺形以外の形状の場合にも、その溝形成面の最大の外形寸法などを考慮して、V字溝の幅を適宜決定してよい。
(高さH)
第1面と第2面とによって定められる高さHは、第1面と第2面が互いに平行な平面である場合には、それら2つの平面の間の距離である。また、第1面と第2面のうちの一方が、図2(a)に例示するような、外界に向かって凸状に膨れた曲面(球面や円柱面など)である場合には、高さHは、該曲面のピーク点k1と、裏面との間の距離としてもよい。また、第1面と第2面のうちの両方が外界に向かって凸状に膨れた曲面である場合には、高さHは、両方の曲面のピーク点同士の間の距離としてもよい。図2(a)に例示するように、曲面のピーク点k1をV字溝10が通過する場合、該ピーク部分は、該V字溝の進行方向に直角な断面において、該V字溝が無いと仮定した場合の設計上の点(溝の中心線mと曲面S1との交点)であってもよい。この場合、V字溝の深さDは、ピーク点k1からV字溝の底の頂点までの距離として、作図上で求めてもよい。
(V字の内側の角度)
図2(b)は、当該割線錠剤を、上面の長軸を含みかつ短軸に垂直な平面で切断したときに表れるV字溝の断面を部分的に拡大した図である。同図に示すように、V字溝の断面形状は、概ねV字形であって、その内側の角度θは、20度〜130度であり、使用者が積極的に分割したいとの心証を抱かせ得る点からは、該角度θは、25度〜90度がより好ましく、26度〜60度が特に好ましい。該角度θが20度よりも小さいと、製造工程で線や亀裂が入ったような欠陥とみなされるリスクがあり、また、杵型に設けられる稜線状突起が鋭利になり、寿命が短くなるという問題も生じる。一方、該角度θが130度よりも大きいと、溝という認識が低下する可能性がある。
図2(b)に示すように、V字溝の断面形状であるV字形の最も底の部分(V字の頂点部分とも呼ぶ)は、鋭く折り返した先端とはせず、適度に微小な半径R20を持った丸みを設けてもよい。これにより、V字の頂点における過剰な応力集中が抑制され、また、V字の頂点における適度な圧縮力を得ることもでき、当該固形調味食品の適度な保形性が得られる。また、杵型に設けられる稜線状突起の先端が鋭利な刃物状となることが避けられ、杵型の稜線状突起の先端の寿命がより長くなる。この場合のV字溝の深さDは、溝形成面から半径R20の丸みの先端までの距離としてよい。
また、図2(b)に示すように、溝形成面とV字溝との境界部分には、杵型に設けられる稜線状突起の機械的強度を増大させるために、適度に微小な半径R21を持った丸みを設けてもよい。
1つの溝形成面には、1つのV字溝が形成されることが好ましいが、当該固形調味食品の寸法によっては、複数のV字溝を平行に設けてもよい。また、V字溝は、第1面および第2面以外の面にさらに追加的に設けてもよい。また、第1面および第2面に対して、該面に形成されたV字溝と交差(例えば、直交)するように、さらなるV字溝を追加的に設けてもよい。これらのような追加的なV字溝は、当該固形調味食品を主たるV字溝に沿って割った後、さらに細かく割るために利用することができる。
(当該固形調味食品の容積)
当該固形調味食品1個当たりの容積は、本発明の所望の効果を得られる限り特に限定されないが、通常、1cm〜15cmであり、製造時および使用時の取り扱い易さの観点から、好ましくは2cm〜10cmであり、より好ましくは、3cm〜8cmであり、特に好ましくは3.5cm〜8cmである。かかる範囲に含まれる、比較的容積の小さい調味食品は、輸送時等における摩損が生じない程度に保形性を高めるために硬度を高める必要があり、その結果、分割することが非常に困難であることが一般的である。
(当該固形調味食品の重量)
当該固形調味食品1個当たりの重量は、本発明の所望の効果を得られる限り特に限定されないが、通常、3g〜15gであり、製造時および使用時の取り扱い易さの観点から、好ましくは、4g〜12gであり、より好ましくは、5g〜11gであり、特に好ましくは、5g〜10gである。
(当該固形調味食品の硬さ)
また、本発明の固形調味食品の硬さ(硬度)は、固形調味料に使用する原材料や製造方法により適宜変わり得るものの、本発明の固形調味食品を打錠成形(粉末圧縮成形)により調製する場合、硬度は、5N〜500Nが好ましく、より好ましくは、10N〜300Nであり、特に好ましくは、15N〜200Nである。硬度が前記の範囲を下回ると保形性に課題が生じやすく、前記の範囲を上回ると打錠圧が高く安定生産に支障を来したり、溶けにくくなったりするので好ましくない。
本明細書において、「硬さ(硬度)」とは、木屋式硬度計を用いて測定した破壊強度を意味する。木屋式硬度計の測定では、基盤上に配置した被験体を、円柱状等の加圧用アタッチメントによって押圧し、該被験体に押圧による割れが発生したときの荷重を測定し、該荷重がその被験体の硬さを示す指標として用いられる。木屋式硬度計による測定の利点は、規定の試験片を作製することなく、最終の製品そのままを試験し得る点にある。
本明細書においては、「硬さ」は、前記木屋式硬度計の測定原理に従った木屋式デジタル硬度計(株式会社藤原製作所製 型番KHT−40N、加圧用アタッチメントの形状(直径5mmの円柱状))を用い、該円柱状の加圧用アタッチメントの円形端面(直径5mmの円形)を当該固形調味食品に接触させ荷重をかけて押圧し、割れが発生したときの荷重の値をいう。
前記木屋式デジタル硬度計を用いて硬さ(破壊強度)を測定するに際して、当該固形調味食品の表面のうち、加圧用アタッチメントの円形端面によって押圧すべき領域(押圧領域)は、押圧してもV字溝による応力集中の影響を受け難い領域(即ち、当該固形調味食品の材料自体の破壊強度を測定し得る領域)であり、かつ、該押圧領域の反対側の領域(裏面の領域)が、前記木屋式デジタル硬度計の基盤面によって十分に支持できるような領域(曲面であってもよい)であることが好ましい。そのような押圧領域としては、図1(a)に例示するように、面S1のうちV字溝が占める領域以外の領域の中央に位置する円形の領域S31が挙げられる。尚、面S1のうちV字溝が占める領域以外の領域が狭く、押圧領域として適当でない場合には、V字溝のV字形状が現れる面S3のうち、周囲の縁部から十分に離れた位置などであってもよい。
本発明の固形調味食品の組成は、本発明の所望の効果を得られる限り特に限定されないが、一態様において、粉体原料の割合が通常60重量%以上であり、良好な流動性が得られることから、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、更に好ましくは85重量%以上であり、最も好ましくは90重量%以上である。
本発明の固形調味食品に含まれ得る成分は、本発明の所望の効果を得られる限り特に限定されないが、例えば、本発明の固形調味食品が固形タイプの鍋料理出汁用の調味料として提供される場合、当該固形調味食品には、糖類、食塩、酸味料、醤油、味噌、エキス類、うま味調味料、香味野菜、香辛料、タンパク質加水分解物、賦形剤、炭酸塩、有機酸等が含まれ得る。
本発明の一態様において、当該固形調味食品は、粉末原料を金型とプレス装置等によって圧縮成形してなる粉末圧縮成形食品であり得る。そのような粉末圧縮成形食品としては、例えば、固形タイプのコンソメ(直方体状)、固形タイプの鍋料理出汁用の調味料(直方体状)、固形タイプのブイヨン(立方体)などが例示され得るがこれらに限定されない。なお、当該固形調味食品が粉末圧縮成形により調製される態様においては、以下の「2.固形調味食品の製造方法」の項において詳述する。
2.固形調味食品の製造方法
本発明の固形調味食品は、基本形状を粉末圧縮成形法によって形成し、その後、V字溝を切削によって形成するという方法によって製造されてもよいが、圧縮成形型による一回の粉末圧縮成形工程によって、V字溝を持った固形調味食品を製造する方法が好ましい。
よって、本発明の製造方法は、図3(a)に一様態を示すように、臼Qと、上型P1と、下型P2とを用いて、粉末原料を固形調味食品1へと圧縮成形する粉末圧縮成形工程を有する。図3(a)の例では、臼Qは、製造すべき固形調味食品1の外周面(図1(a)、(b)における面S3、S4とそれらの反対側の面)を定める型面Q10を、貫通孔の内面として有する型であり、下型P2は、いわゆる下杵型として臼Qの前記貫通孔内に入り込み、上型P1と協働して、型内の粉末原料を圧縮成形して、当該固形調味食品を製造する型構成となっている。上型P1は、圧縮成形時に臼Qの貫通孔の上側の開口を塞ぎ、下型P2からの押圧力を受ける板状物(加圧板)である。該上型P1は、圧縮成形時以外では、臼Qの貫通孔の上側の開口を塞がないように移動するよう構成され、これにより、型内に粉末材料を投入することが可能になっている。また、下型P2の型面P20には、本発明の固形調味食品のV字溝が形成されるように、該V字溝の形状に対応する稜線状突起P21が設けられている。このような粉末圧縮成形を行う成形型を用いた本発明の製造方法により、本願発明の固形調味食品を効率よく製造することが可能である。
図3(a)に示す型構成の変形態様として、上型P1が、下型P2と同様に、上杵型として臼Qの貫通孔内に入り込み、上下の杵型によって粉末原料を圧縮成形する型構成であってもよい。図3(a)の例では、下型P2にV字溝の形状に対応する稜線状突起P21が設けられているが、上型P1の型面に設けられていてもよく、V字溝の態様によっては、上型P1、下型P2の両方の型面に稜線状突起が設けられていてもよい。
また、図3(b)の態様では、臼Q’の型面(貫通孔の内面)Q10’に稜線状突起Q11が設けられており、該臼Q’の貫通孔の開口にV字溝のV字のプロフィールが現れている。図3(b)の態様では、図3(a)の態様と同様、上型P1’が加圧板であり、下型P2’が臼Q’の貫通孔内にぴったりと入り込んで摺動し得るプロフィールを持った下杵型となっている。下型P2’の側面には、臼Q’の稜線状突起Q11を受入れるV字溝P22が設けられている。平板状の上型P1’は、下型P2’と同様、臼Q’の貫通孔内にぴったりと入り込んで摺動し得るプロフィールを持った上杵型であってもよい。
前記稜線状突起におけるV字状断面の頂点の角度θ11は、20度〜130度であり、上記したV字溝のV字の内側の角度θと同じ角度であり、該角度θを参照することができ、該稜線状突起P21の型面P20からの高さh1もまた、上記したV字溝の深さDと同じ寸法であり、該深さDを参照することができる。よって、該稜線状突起は、固形調味食品の寸法に対して次のように限定される。
(i)稜線状突起が上型の型面、下型の型面、および、臼の型面のうちの一面だけに設けられる場合(即ち、図1(a)に示すように、固形調味食品のV字溝が片側だけである場合)には、圧縮成形時における型内の各型面によって定められる固形調味食品の高さHに占める、該稜線状突起の高さh1の割合は、6%〜50%である。
(ii)稜線状突起が上型の型面、下型の型面、および、臼の型面のうち、向かい合った2面に設けられる場合(即ち、図1(b)に示すように、固形調味食品のV字溝が両側である場合)には、両稜線状突起は、互いに対応する位置に設けられ、かつ、圧縮成形時における型内の各型面によって定められる固形調味食品の高さHに占める、各稜線状突起のそれぞれの高さの合計の割合が、6%〜50%である。
臼、上型、下型の各型面の寸法、とりわけ、図3(a)、(b)に例示される稜線状突起の断面に現れるV字の内側の角度θ11、稜線状突起の高さh1は、上記した固形調味食品のそれぞれの寸法を参照することができる。
本発明の製造方法に用いられる圧縮成形機(プレス装置)は、固形調味食品を圧縮成形できる装置であれば特に限定されず、例えば、単発式竪型成形機または連続式ロータリー成形機等、医薬品などにおける錠剤の打錠に用いられる粉末圧縮成形機が利用可能である。また、圧縮方法も特に限定されず、予圧後に本圧を行う2段階の圧縮方法を用いてもよいし、本圧1段階の圧縮方法を用いてもよい。杵も特に制限されず、上杵と下杵の両方で圧縮させる方法を用いてもよいし、上杵もしくは下杵のどちらか片側のみで圧縮する方法であってもよい。
本発明の製造方法において、粉末原料の圧縮成形時の成形圧力は、本発明の製造方法による所望の効果が得られる限り特に限定されないが、成形圧力(圧縮圧)は通常5MPa(51kgf/cm)〜300MPa(3059kgf/cm)であり、好ましくは5MPa〜110MPaであり、より好ましくは10〜70MPaであり、さらにより好ましくは20〜60MPaである。
本発明の製造方法において製造される固形調味食品1個当たりの容積、重量、硬さ等は、上記した「1.固形調味食品」と同様である。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
以降に示す配合およびサイズを有し、さらにその一面に様々な角度および最大深さの溝を有する固形調味食品を調製し、これらの溝が、当該固形調味食品の保形性や崩壊性(溶解性)、当該固形調味食品の外観に与える印象、実際の割り易さ等に対してどのような影響を与えるかにつき検討した。
[本発明の固形調味食品の調製]
具体的な製造工程は、以下のとおりである。下表の配合の粉末原料・油脂を、混合機アペックスミキサWB−5(大平洋機工株式会社製)等の混合機でよく混合した。得られた混合物を、所望の角度および最大深さの溝を成形し得る稜線状突起を型面に有する杵型を設置したラボ打錠シミュレーターS−100(市橋精機(株)社製)の臼中へ投入し、その後圧縮成形することで溝を有する固形調味食品を調製した。なお、表中の数値の単位は、「重量%」である。
[実施例1]保形性に与える影響の検討
配合2の原料、および、その一面に角度60度、最大深さ3mmのV字溝が生じ得る杵型を使用して圧縮成形を行い、溝を有する略直方体状の固形調味食品を調製した。成形金型の型構造は、図3(a)に示すとおりである。なお、調製された該固形調味食品のサイズは縦19mm×横24mm×高さ11〜17mmの直方体状である。また、配合3の原料を用いて、同様に、その一面に角度60度、最大深さ5mmの溝を有する固形調味食品を調製した。上記調製した2種類の固形調味食品について第十六改正日本薬局方の「錠剤の摩損度試験法」に準じて摩損度試験を行い、その保形性に与える影響を検討した。具体的には次の通りである。錠剤摩損度試験器(有限会社システムステージ東京製錠剤摩損度計)に、試料(溝を有する固形調味食品)を1個入れ、25rpmにて2分間回転・落下させた後、略直方体状の試料から欠け落ちた重量を測定し、摩損度を算出した。摩損度が15%以下であれば商品化可能な保形性を有すると考えられる。各固形調味食品の高さ、打圧、および摩損度試験の結果を以下の表2に示す。なお、形成圧力の数値は、キューブ1個または複数個の平均値である。
表2に示されるとおり、角度60度、最大深さ3mmまたは角度60度、最大深さ5mmの溝を有する固形調味食品は、いずれも溝を有さない対照と比較して同等程度の摩損度を有した。従って、これらの溝を有する固形調味食品は、商品化可能な程度の保形性を有することが示された。
[実施例2]崩壊性に与える影響の検討
実施例1において調製した溝を有する固形調味食品(配合1、配合2)を、その溝を利用して2つに割り、180gの水に投入した後、IH調理器にて加熱し、崩壊時間を測定した。加熱はステンレス製鍋を用いて、IH調理器(三洋電機(株)IC−D1(W))の「中火」で実施した。目視にて、試料が完全に崩壊したと認識されるまでの時間を測定した。結果を図4に示す。
図4に示されるとおり、配合1および配合2のいずれの配合においても、溝を利用して2分割した試料は、溝のない試料と比較して大幅に崩壊時間が短縮された(配合1:162秒の短縮、配合2:95秒の短縮)。なお、溝を有する試料を、分割せずに試験に供した場合は、溝を有さない試料と同等の崩壊時間を示し、また、加熱中に溝の部分で分離することもなかった(データは示さず)。
[実施例3]外観および割り易さの検討
上述した製法に従って、様々な形状の溝を有する固形調味食品を作製した(比較例1、2、本発明品1〜9、図5)。調製した11種類の試料について、溝の有無および形状が固形調味食品にもたらす影響を、「割り易そうな印象を与えるか否か(外観)」、「実際に割り易いか否か(割れ)」、および、「今後、使用時に積極的に割りたいと思うか否か(使用意向)」の3種の観点から評価した。評価は、外観の評価においては5名の専門パネルにより、また、割れ、および使用意向については、3名の専門パネルにより、以下の基準を用いて評価した。
<外観>
1 まったく割り易くなさそう
2 あまり割り易くなさそう
3 どちらでもない
4 やや割り易そう
5 とても割り易そう
<割れ>
1 まったく割り易くない
2 あまり割り易くない
3 どちらでもない
4 やや割り易い
5 とても割り易い
<使用意向>
1 まったく割らないと思う
2 あまり割らないと思う
3 どちらでもない
4 時々割ると思う
5 毎回割ると思う
また、溝を有する固形調味食品の割り易さに関して、上記官能評価に加えて、デジタルフォースゲージ(日本電産シンポ株式会社製、型式:FGJN−20)を使用して、キューブを2つに割るときにかかる物理的な力の大きさを測定した(定量評価)。具体的な測定工程は次の通りである。図6に示すように、測定対象の試料(固形調味食品1)を、溝10が上側となるような姿勢にて、かつ、該試料1の半分がはみ出すように上下2枚の金属板110、120およびスペーサー130により把持する。金属板からはみ出した部分に、デジタルフォースゲージ200をあて、真下に押す。徐々に押し込む力を大きくしていき、試料が割れるときの試料の上面にかかっている力の大きさを測定する。測定値のばらつきを考慮して、各溝形状に対してn=5以上で測定を行い、最大値と最小値以外の3つのデータの平均を算出した。結果を表3−1および表3−2に示す。また、固形調味食品を2分割したときの写真を図7に示す。なお、形成圧力の数値は、キューブ1個または複数個の平均値である。
表3−1および表3−2に示されるとおり、溝を有さない試料は、外観や使用意向などのユーザーに与える印象が極めて低く、且つ、実際にも非常に割りにくいものであったが、一方で、特定の深さおよび角度を有する溝を備えた試料は、官能評価において好ましい評価となり、且つ、定量評価においても、物理的に割り易いことが証明された。加えて、これらの試料はいずれも良好な摩損度を示し、これは、これらの試料がいずれも商品化可能な程度の保形性を有することを示す。
また、図7で示されるとおり、溝のない試料は均等に分割することができなかったが、最大深さが2mm以上の溝を有する試料においては、溝に沿って均等に分割することが可能であった。
本発明によれば、高い保形性を有し、且つ、非常に割り易い固形調味食品を提供することができるため、食品の製造分野において極めて有用である。

Claims (9)

  1. 塊状の立体形状を有する固形調味食品であって、
    前記立体形状は、第1面とその反対側の面である第2面とを少なくとも有し、
    第1面および第2面のうちの少なくとも一方の面には、当該固形調味食品を割るためのV字溝が設けられ、
    前記V字溝のV字の内側の角度は、20度〜130度であり、かつ、
    (I)該V字溝が第1面および第2面のうちの一方だけに設けられる場合には、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、該V字溝の深さDの割合が、6%〜50%であり、
    (II)該V字溝が第1面および第2面のうちの両方に設けられる場合には、両V字溝は、表裏で互いに対応する位置に設けられ、かつ、第1面と第2面とによって定められる高さHに占める、各V字溝のそれぞれの深さd1、d2の合計(d1+d2)の割合が、6%〜50%である、
    前記固形調味食品。
  2. 第1面および第2面のうちのV字溝が設けられる面において、該V字溝がその面の中央部を通過する位置に設けられる、請求項1記載の固形調味食品。
  3. 前記塊状の立体形状が、直方体状である、請求項1または2記載の固形調味食品。
  4. 1個当たりの容積が、1cm〜15cmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固形調味食品。
  5. 1個当たりの重量が、3g〜15gである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固形調味食品。
  6. 木屋式硬度計を用いて測定した当該固形調味食品の硬度が、5N〜500Nである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固形調味食品。
  7. 粉末原料が圧縮成形されてなるものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固形調味食品。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の固形調味食品の製造方法であって、
    製造すべき固形調味食品の外形である塊状の立体形状を定める臼と上型と下型とを用いて、粉末原料を前記固形調味食品へと圧縮成形する粉末圧縮成形工程を有し、
    前記臼の型面、上型の型面および下型の型面のうちの少なくとも一つの型面には、前記固形調味食品のV字溝を形成するための、該V字溝の形状に対応する稜線状突起が設けられている、
    前記製造方法。
  9. 粉末圧縮成形工程における圧縮成形時の成形圧力が、5〜300MPaであることを特徴とする、請求項8記載の製造方法。
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