JP2019096942A - ファクシミリ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後に被呼局識別信号を送出するようにして、IPネットワーク側が発呼局ファクシミリ識別信号及び/又は被呼局識別信号を検出してQoS制御を確実に開始することができ、IPネットワーク経由で高品質のファクシミリ通信を行うことができるようにする。【解決手段】呼出信号を検出して受信を開始するファクシミリ装置であって、送信側のファクシミリ装置が送出する発呼局ファクシミリ識別信号を検出する検出手段と、該検出手段が発呼局ファクシミリ識別信号を検出した後、所定期間をおいて被呼局識別信号を送出する送出手段と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、ファクシミリ装置に関するものである。
近年、IP(Internet Protocol)ネットワークを利用したIP電話が広く普及してきている。IP電話は、音声をIPパケットとして送る技術(VoIP:Voice over Internet Protocol)を利用した通話手段である。このようなIPネットワークやIP電話の整備及び普及を背景として、IPネットワークに接続されたファクシミリ装置が増加し、IPネットワークを経由したファクシミリ通信が増加してきている。
従来の公衆電話回線網を利用したファクシミリ通信では、必要な伝送路上の帯域が保証されているので、通信障害があまり発生しなかった。しかし、IPネットワーク内では、転送されるパケットの通信速度が一定とは限らず、ネットワーク混雑や障害によって、転送されるパケットの受信側への到着タイミングに差(ゆらぎ)が発生する。このようなゆらぎの度合いが大きかったり、IPネットワーク内でのパケット消失(パケットロス)が発生したりすると、受信側では、送信側の音声を正しく復元することができない場合があり、音声信号に瞬断が発生したものとして再生される。IPネットワークのゆらぎやパケットロスによって発生した音声信号の瞬断は、ファクシミリ通信において通信障害発生の原因となる。
IPネットワーク上の通信において、ある特定の通信のために、帯域を予約したり、パケットに優先度を付けたりして、特定の通信に対して一定の通信速度を保証するための技術として、QoS(Quality of Service)がある。手順信号や画像信号にリアルタイム性が必要であり、また、パケットロス等による瞬断に弱いファクシミリ通信に対して、QoS制御を行うIPネットワークも多く存在する。ファクシミリ通信に対してQoS制御が行われれば、帯域保証や優先制御が行われるので、前述のようなパケットの遅延や消失による通信障害が発生しなくなる。
IPネットワーク側は、ファクシミリ通信に対してQoS制御を行う場合に、受信側のファクシミリ装置が最初に送出するCED信号や送信側のファクシミリ装置が最初に送出するCNG信号の検出をもって、QoS制御開始のトリガとするのが一般的である。
一方、送信側のファクシミリ装置は、CED信号を検出するとCNG信号の送出を停止するのが一般的である。しかし、IPネットワーク側は、CNG信号のみをQoS制御のトリガとしている場合、CNG信号の停止が早過ぎると、CNG信号を検出することができないときがある。これにより、IPネットワーク側はQoS制御を行うことができず、パケットの遅延や消失による通信障害が発生するという問題がある。
そこで、IPネットワーク側のQoS機能を動作させるべく、信号の送出タイミングを制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、IPネットワーク側がQoS制御のトリガとしているCNG信号の送出タイミングを、送信側のファクシミリ装置において制御するようになっている。
しかしながら、前記従来の技術においては、送信側のファクシミリ装置が送出するCNG信号と受信側のファクシミリ装置が送出するCED信号とが衝突し、IPネットワーク側でCNG信号を正しく検出することができず、IPネットワーク側のQoS機能が動作しない場合がある。
また、IPネットワーク側がCED信号のみをQoS制御のトリガとしている場合には、同様な理由によって、IPネットワーク側でCED信号を正しく検出することができず、IPネットワーク側のQoS機能が動作しない場合がある。
本発明は、前記従来の問題点を解決して、発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後に被呼局識別信号を送出するようにして、IPネットワーク側が発呼局ファクシミリ識別信号及び/又は被呼局識別信号を検出してQoS制御を確実に開始することができ、IPネットワーク経由で高品質のファクシミリ通信を行うことができるファクシミリ装置を提供することを目的とする。
そのために、本発明のファクシミリ装置においては、呼出信号を検出して受信を開始するファクシミリ装置であって、送信側のファクシミリ装置が送出する発呼局ファクシミリ識別信号を検出する検出手段と、該検出手段が発呼局ファクシミリ識別信号を検出した後、所定期間をおいて被呼局識別信号を送出する送出手段と、を備える。
本発明によれば、ファクシミリ装置においては、発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後に被呼局識別信号を送出するようになっている。これにより、IPネットワーク側が発呼局ファクシミリ識別信号及び/又は被呼局識別信号を検出してQoS制御を確実に開始することができ、IPネットワーク経由で高品質のファクシミリ通信を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置が接続されたネットワークの概略構成図である。
図において、11A〜11Dは本実施の形態における非音声端末としてのファクシミリ装置であり、ファクシミリ通信が可能な装置であればいかなる種類の装置であってもよく、例えば、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を併せ持つ複合機等であってもよいが、ここでは、一般的なファクシミリ装置であるものとして説明する。また、ファクシミリ装置11A〜11Dを統合的に説明する場合には、ファクシミリ装置11として説明する。
図に示される例において、ファクシミリ装置11A及び11Bは、公衆電話回線網15にファクシミリ通信可能に接続されている。該公衆電話回線網15は、加入電話回線交換網であって、一義的には、電話機等の音声端末を接続し、回線交換方式で送信側と受信側の音声端末を接続して音声データを授受するためのネットワークである。なお、前記公衆電話回線網15に接続されるファクシミリ装置11は、いくつであってもよいが、ここでは、ファクシミリ装置11A及び11Bが前記公衆電話回線網15に接続されているものとする。
また、ファクシミリ装置11C及び11Dは、それぞれ、VoIPルータ18A及び18Bを介して、IPネットワーク16にファクシミリ通信可能に接続されている。該IPネットワーク16は、インターネットや大多数の商用ネットワークで稼動し、パケットを中継する通信プロトコルであるインターネット・プロトコル・スイート(Internet Protocol Suite)を利用して相互接続されたコンピュータネットワークである。VoIPルータ18A及び18Bは、それぞれ、ファクシミリ装置11C及び11DとIPネットワーク16とを接続し、ファクシミリ装置11C及び11Dから送信された音声信号をアナログ−デジタル変換し、符号化してパケットに分割し、IPネットワーク16へ送信する。また、該IPネットワーク16から送信されたパケット信号を組み立てて復号化し、デジタル−アナログ変換して、音声信号としてファクシミリ装置11C及び11Dへ送信する。なお、VoIPルータ18A及び18Bを統合的に説明する場合には、VoIPルータ18として説明する。また、前記IPネットワーク16に接続されるファクシミリ装置11は、いくつであってもよいが、ここでは、ファクシミリ装置11C及び11Dが前記IPネットワーク16に接続されているものとする。
そして、公衆電話回線網15とIPネットワーク16とは、VoIPゲートウェイ17を介して、接続されている。該VoIPゲートウェイ17は、公衆電話回線網15から送信された音声信号をアナログ−デジタル変換し、符号化してパケットに分割し、IPネットワーク16へ送信する。また、該IPネットワーク16から送信されたパケット信号を組み立てて復号化し、デジタル−アナログ変換して、音声信号として公衆電話回線網15へ送信する。これにより、公衆電話回線網15及びIPネットワーク16に接続されたファクシミリ装置11は、相互にファクシミリ通信を行うことができる。
前記VoIPゲートウェイ17及びVoIPルータ18は、IPネットワーク16上でのファクシミリ通信に対して、QoS制御を行うために被呼局である受信側のファクシミリ装置11が最初に送出するCED信号、及び/又は、発呼局である送信側のファクシミリ装置11が最初に送出するCNG信号を検出し、QoS制御開始のトリガとする。ここで、CED信号は、被呼局を識別するため被呼局識別信号とも呼ばれ、2100〔Hz〕のトーン信号である。また、CNG信号は、発呼局が非音声端末であることを示す発呼局ファクシミリ識別信号で、1100〔Hz〕のトーン信号である。
次に、前記ファクシミリ装置11の構成について説明する。
図2は本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
図に示されるように、ファクシミリ装置11は、CPU21、ROM22、RAM23、読取装置24、印刷装置25、通信装置26及び操作表示装置27を有する。なお、各装置は通信回線としてのシステムバス28を介して通信可能に接続されている。
CPU21は、中央処理装置であって、ファクシミリ装置11全体の制御を行う。
システムバス28は、ファクシミリ装置11を構成するハードウェアを制御する。
ROM22は、記憶装置であり、CPU21によって実行されるソフトウェアであるプログラムをあらかじめ格納する。該プログラムには、後述されるフローチャートで説明する動作をファクシミリ装置11に実行させるソフトウェアも含まれている。
RAM23は、記憶装置であり、CPU21によるプログラムの実行時に発生するデータを記憶する。
読取装置24は、CCD等の画像読取素子を利用した一種のスキャナ装置であり、原稿の画像を読み取ってドットイメージデータに変換する。
印刷装置25は、インクジェット方式、電子写真方式、感熱記録方式等の画像形成方式によって印刷用紙等の媒体に画像を形成する一種のプリンタ装置であり、ファクシミリ通信で相手先のファクシミリ装置11から受信した画像データ等をハードコピーとして出力する。
通信装置26は、モデム(変復調装置)、NCU(網制御装置)等を含み、ファクシミリ伝送制御手順による手順データや画像データを変復調し、相手先のファクシミリ装置11との間でデータの授受を行う。ファクシミリ装置11A及び11Bは、通信装置26を介して、公衆電話回線網15に接続され、ファクシミリ装置11C及び11Dは、通信装置26を介して、VoIPルータ18A及び18Bに接続されている。
操作表示装置27は、液晶表示装置等の表示装置及びスピーカ等の音響装置を含み、CPU21から入力される表示信号の指示に従って表示装置の画面上に、各種の操作ボタン、画像の状態、各機能の動作状況等のファクシミリ装置11の状態を表示したり、音響装置から音声出力を行う。また、操作表示装置27は、操作に必要な数字キー(テンキー)、スタートキー、ファンクションキー、カーソルキー等の各種の操作キーを備える。
次に、前記構成のファクシミリ装置11を制御機能の観点から見た構成について説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の制御機能の構成を示すブロック図である。
図において、30は、ファクシミリ装置11の各部の動作を制御する制御部であって、ROM22に含まれ、CPU21によって実行されるソフトウェアである。そして、制御部30は、システム制御部31、操作表示制御部32、読取制御部33、印刷制御部34、画像データ処理部35、ファクシミリ制御部36、CNG検出部37、CED送出部38及びタイマ監視部39を含んでいる。
システム制御部31は、システムとしてのファクシミリ装置11内における各資源の管理を行い、制御プログラムの起動や調停を行う。
操作表示制御部32は、操作表示装置27を制御し、ユーザインターフェイスを実行する。
読取制御部33は、読取装置24を制御し、原稿の読み取りに関する一連の動作を実行する。
印刷制御部34は、印刷装置25を制御し、ファクシミリ受信画像やファクシミリ装置11に関する各種帳票類を印刷する一連の動作を実行する。
画像データ処理部35は、ファクシミリ符号化データの圧縮及び/又は伸長処理、並びに、ファクシミリ符号化データをパーソナルコンピュータ等の情報処理端末で表示可能なビットマップ画像ファイル等へ変換する変換処理を実行する。
ファクシミリ制御部36は、通信装置26を介して、公衆電話回線網15及び/又はVoIPルータ18との間で呼の確立と開放処理、並びに、ファクシミリ装置11同士の間でのITU−T勧告T.30に準拠したファクシミリ伝送制御手順及びファクシミリ画像の授受を実行する。
CNG検出部37は、発呼局ファクシミリ識別信号を検出する検出手段であって、ファクシミリ制御部36によって受信時に起動され、通信装置26を制御し、CNG信号の検出を行う。
CED送出部38は、被呼局識別信号を送出する送出手段であって、ファクシミリ制御部36によって受信時に起動され、通信装置26を制御し、CED信号又はANSam信号の送出を行う。該ANSam信号は、被呼局を識別するため被呼局識別信号の一例であり、2100〔Hz〕を15〔Hz〕で振幅変調したトーン信号である。
タイマ監視部39は、ファクシミリ制御部36によってCNG検出処理と同時に起動され、CNG信号が送出されない場合にファクシミリ受信の機会損失を防止する目的で、CNG信号を未検出の状態が所定時間以上継続しているか否かを計測する。
このように、本実施の形態において、ファクシミリ装置11は、公衆電話回線網15又はVoIPルータ18からの呼出信号を検出して受信を開始する装置であって、送信側のファクシミリ装置11が送出する発呼局ファクシミリ識別信号を検出するCNG検出部37と、CNG検出部37が発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後、被呼局識別信号を送出するCED送出部38と、を備える。
そして、CED送出部38は、CNG検出部37が発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後、次の発呼局ファクシミリ識別信号を検出するまでの時間に被呼局識別信号を送出する。なお、所定回数は複数である。
また、ファクシミリ装置11は、発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後、次の発呼局ファクシミリ識別信号を検出するまでの時間を計測するタイマ監視部39を備える。
さらに、発呼局ファクシミリ識別信号を検出することができない場合、呼出信号を検出して受信を開始してから所定時間が経過すると、CED送出部38は被呼局識別信号を送出する。
次に、前記構成のファクシミリ装置11の動作について説明する。
図4は従来の技術における通信障害が発生する過程を示すシーケンス図、図5は本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置を使用して通信障害を回避する過程を示すシーケンス図、図6は本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置のファクシミリ通信時の動作を示すフローチャートである。
比較のために、「背景技術」の項で説明した従来の技術において、通信障害が発生する過程を説明する。図4は、ファクシミリ通信を開始した場合に、IPネットワーク16側としてのVoIPゲートウェイ17及び/又はVoIPルータ18がCNG信号を検出することができなかったために発生する通信障害の過程を、送信/受信信号の様子から時系列的に示している。
送信側のファクシミリ装置11は、回線を捕捉し、受信側のファクシミリ装置11の電話番号をダイヤルする。ダイヤル終了後、送信側のファクシミリ装置11は、任意のタイミングでCNG信号を送出する。
受信側のファクシミリ装置11は、公衆電話回線網15又はVoIPルータ18からの呼出信号を検出すると、任意のタイミングで回線を捕捉し、CED信号を送出し、その後、DIS信号を送出する。該DIS信号は、デジタル識別信号であって、受信側のファクシミリ装置11の機能を送信側のファクシミリ装置11に伝えるための信号である。
なお、各信号は、ITU−T勧告T.30によって、以下の(1)〜(3)のように規定されている。
(1)CNG信号:周波数1100〔Hz〕±38〔Hz〕のトーン信号であり、信号送出時間0.5秒±15〔%〕、送出間隔3秒±15〔%〕の繰り返し。
(2)CED信号:周波数2100〔Hz〕±15〔Hz〕のトーン信号であり、信号送出時間2.6秒以上4.0秒以下。
(3)CED信号とDIS信号の送出間隔:75±20ミリ秒。
(1)CNG信号:周波数1100〔Hz〕±38〔Hz〕のトーン信号であり、信号送出時間0.5秒±15〔%〕、送出間隔3秒±15〔%〕の繰り返し。
(2)CED信号:周波数2100〔Hz〕±15〔Hz〕のトーン信号であり、信号送出時間2.6秒以上4.0秒以下。
(3)CED信号とDIS信号の送出間隔:75±20ミリ秒。
ここで、「背景技術」の項で説明した従来の技術においては、送信側のファクシミリ装置11がCNG信号の送出を停止するタイミングを、CED信号を検出したタイミングではなく、DIS信号のフラグ又はフレームを検出したタイミングに切り替えている。そのため、図4に示されるように、CNG信号がCED信号及びDIS信号と衝突し、IPネットワーク16側、すなわち、VoIPゲートウェイ17及び/又はVoIPルータ18は、CNG信号を検出することができず、QoS制御を開始することができない。これにより、パケットの遅延や消失による音声信号の瞬断等が発生し、通信障害が発生する。なお、図4において、CED信号及びDIS信号内の模様の付いた部分は、音声信号上で発生した瞬断等を表している。
これに対し、本実施の形態においては、図5に示されるように通信が行われるので、VoIPゲートウェイ17及び/又はVoIPルータ18はQoS制御を開始することができ、通信障害の発生が回避される。
図5において、送信側のファクシミリ装置11は、回線を捕捉し、受信側のファクシミリ装置11の電話番号をダイヤルする。ダイヤル終了後、送信側のファクシミリ装置11は、任意のタイミングでCNG信号の送出を開始する。
受信側のファクシミリ装置11は、公衆電話回線網15又はVoIPルータ18からの呼出信号を検出すると任意のタイミングで回線を捕捉し、CNG信号待ちタイマを起動し、CNG信号の検定を開始する。そして、CNG信号を所定回数検出した後、又は、CNG信号を検出してから一定時間経過した後に、CNG信号の送出間隔(3秒±15〔%〕)内に収まるようにCED信号を送出する。すなわち、最初のCNG信号を検出した後、所定期間をおいてCNG信号の送出間隔内に収まるようにCED信号を送出する。これにより、IPネットワーク16側、すなわち、VoIPゲートウェイ17及び/又はVoIPルータ18は、CNG信号及び/又はCED信号を検出することができ、QoS制御を開始することができる。そして、それ以降のファクシミリ通信が正常に行われる。なお、図5に示されるDCSは、DIS信号によって受信側のファクシミリ装置11の機能が伝えられた送信側のファクシミリ装置11が、実際に利用する機能を受信側のファクシミリ装置11に伝えるための信号である。
次に、本実施の形態における受信側のファクシミリ装置11がファクシミリ通信を開始する際の動作を説明する。この場合、受信側のファクシミリ装置11の動作は、制御部30によって制御され、前記ファクシミリ装置11に着信があることを伝える公衆電話回線網15又はVoIPルータ18からの呼出信号を検出した場合に開始される。
まず、ステップS1で、ファクシミリ制御部36は回線捕捉処理を実行する。該回線捕捉処理によって、送信側のファクシミリ装置11と受信側のファクシミリ装置11との間で通信路が確立される。
続いて、ステップS2で、ファクシミリ制御部36は、タイマ監視部39にCED送出待ちタイマの起動を実行させる。すると、タイマ監視部39はCED送出待ちタイマによる計測を実行する。そして、CED送出待ちタイマが満了すると、タイマ監視部39は、CED送出待ちタイマの満了をファクシミリ制御部36に通知する。
ここで、前記CED送出待ちタイマが計測する時間、すなわち、満了となるまでの時間は、回線捕捉から正常に信号検出が可能となるまでの回線安定時間と、CNG信号の1サイクル時間(信号送出時間の最大値+送出間隔の最大値)との合計であって、本実施の形態においては、
0.5秒+0.575秒+3.45秒=4.525秒
であるものとする。なお、前記回線安定時間は、システム及び回線環境によって変動するため、ユーザによる変更が可能なシステム設定値とすることが望ましい。
0.5秒+0.575秒+3.45秒=4.525秒
であるものとする。なお、前記回線安定時間は、システム及び回線環境によって変動するため、ユーザによる変更が可能なシステム設定値とすることが望ましい。
続いて、ステップS3で、ファクシミリ制御部36は、CNG検出部37にCNG信号検定の開始を実行させる。すると、CNG検出部37は、CNG信号の検定処理を実行し、CNG信号を検出すると、ファクシミリ制御部36へCNG信号の検出を通知する。そして、CNG検出部37は、ファクシミリ制御部36からCNG検定終了の指示を受けるまで、CNG信号の検定処理を継続する。
続いて、ステップS4で、ファクシミリ制御部36は、CNGを検出したか否かを判断する。これにより、ファクシミリ制御部36は、ステップS3で開始されたCNG検出部37が実行するCNG信号検定処理の結果を判定する。そして、CNG信号を検出した場合にはステップS5に進み、CNG信号を検出していない場合にはステップS9に進む。
ステップS5で、ファクシミリ制御部36は、CNG検出回数がシステムで規定した回数以上であるか否かを判断する。これにより、ファクシミリ制御部36は、CNG検出部37によって行われたCNG信号の検出回数を判定する。ここで、前記規定した回数、すなわち、所定回数は1以上であればいくつであってもよく、本実施の形態においては、回線捕捉後、IPネットワーク16側が確実にCNG信号を検出することができるように、2であるものとする。そして、CNG検出回数が規定した回数以上である場合にはステップS6に進み、CNG検出回数が規定した回数未満である場合にはステップS9に進む。
ステップS6で、ファクシミリ制御部36は、タイマ監視部39にCED送出待ちタイマの停止を実行させる。
また、ステップS9で、ファクシミリ制御部36は、タイマ監視部39にCED送出待ちタイマが満了であるか否かを判断させる。すなわち、タイマ監視部39は、ステップS2で起動させたCED送出待ちタイマの計測時間が満了したか否かを判断する。そして、満了している場合にはステップS6に進み、満了していない場合にはステップS4に戻り、以降の動作を繰り返す。
続いて、ステップS7で、ファクシミリ制御部36は、CNG検出部37にCNG信号検定の停止を実行させる。
最後に、ステップS8で、ファクシミリ制御部36によって起動されたCED送出部38は、CEDの送出を実行する。具体的には、CED送出部38は、システム設定に従って、CED信号又はANSam信号を送出する。
これにより、制御部30は、フローチャートに示されるようなファクシミリ通信を開始する際の処理を終了し、通常のファクシミリ受信処理へ移行する。
なお、本実施の形態においては、ステップS5でCNG信号の検出回数を判定しているが、IPネットワーク16側でCNG信号の検出が十分可能な時間経過後としてもよい。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 ファクシミリ制御部36は回線捕捉処理を実行する。
ステップS2 ファクシミリ制御部36はタイマ監視部39にCED送出待ちタイマの起動を実行させる。
ステップS3 ファクシミリ制御部36はCNG検出部37にCNG信号検定の開始を実行させる。
ステップS4 ファクシミリ制御部36はCNGを検出したか否かを判断する。CNGを検出した場合はステップS5に進み、CNGを検出していない場合はステップS9に進む。
ステップS5 ファクシミリ制御部36はCNG検出回数がシステムで規定した回数以上であるか否かを判断する。CNG検出回数がシステムで規定した回数以上である場合はステップS6に進み、CNG検出回数がシステムで規定した回数未満である場合はステップS9に進む。
ステップS6 ファクシミリ制御部36はタイマ監視部39にCED送出待ちタイマの停止を実行させる。
ステップS7 ファクシミリ制御部36はCNG検出部37にCNG信号検定の停止を実行させる。
ステップS8 ファクシミリ制御部36によって起動されたCED送出部38は、CEDの送出を実行する。
ステップS9 ファクシミリ制御部36はタイマ監視部39にCED送出待ちタイマが満了であるか否かを判断させる。CED送出待ちタイマが満了している場合はステップS6に進み、CED送出待ちタイマが満了していない場合はステップS4に戻る。
ステップS1 ファクシミリ制御部36は回線捕捉処理を実行する。
ステップS2 ファクシミリ制御部36はタイマ監視部39にCED送出待ちタイマの起動を実行させる。
ステップS3 ファクシミリ制御部36はCNG検出部37にCNG信号検定の開始を実行させる。
ステップS4 ファクシミリ制御部36はCNGを検出したか否かを判断する。CNGを検出した場合はステップS5に進み、CNGを検出していない場合はステップS9に進む。
ステップS5 ファクシミリ制御部36はCNG検出回数がシステムで規定した回数以上であるか否かを判断する。CNG検出回数がシステムで規定した回数以上である場合はステップS6に進み、CNG検出回数がシステムで規定した回数未満である場合はステップS9に進む。
ステップS6 ファクシミリ制御部36はタイマ監視部39にCED送出待ちタイマの停止を実行させる。
ステップS7 ファクシミリ制御部36はCNG検出部37にCNG信号検定の停止を実行させる。
ステップS8 ファクシミリ制御部36によって起動されたCED送出部38は、CEDの送出を実行する。
ステップS9 ファクシミリ制御部36はタイマ監視部39にCED送出待ちタイマが満了であるか否かを判断させる。CED送出待ちタイマが満了している場合はステップS6に進み、CED送出待ちタイマが満了していない場合はステップS4に戻る。
このように、本実施の形態においては、受信側のファクシミリ装置11が、回線捕捉後にCED信号の送出開始を遅延させ、CNG信号とCED信号との衝突を回避することによって、IPネットワーク16側でCNG信号の検出が可能となるので、CNG信号のみをQoS制御のトリガとしているIPネットワーク16であっても、QoS制御を適切に実行することができる。
また、受信側のファクシミリ装置11が、CNG信号の送出間隔時間内に収まるようにCED信号を送出するので、IPネットワーク16側でCED信号の検定が可能となり、CED信号のみをQoS制御のトリガとしているIPネットワーク16であっても、QoS制御を適切に実行することができる。
これにより、ファクシミリ通信の品質を維持することができるという効果がある。
なお、本実施の形態においては、ファクシミリ装置11に適用した場合について説明したが、ファクシミリ通信機能を備えた複合機にも適用することができる。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、ファクシミリ装置に利用することができる。
11、11A、11B、11C、11D ファクシミリ装置
37 CNG検出部
38 CED送出部
39 タイマ監視部
37 CNG検出部
38 CED送出部
39 タイマ監視部
Claims (8)
- 呼出信号を検出して受信を開始するファクシミリ装置であって、
送信側のファクシミリ装置が送出する発呼局ファクシミリ識別信号を検出する検出手段と、
該検出手段が発呼局ファクシミリ識別信号を検出した後、所定期間をおいて被呼局識別信号を送出する送出手段と、
を備えることを特徴とするファクシミリ装置。 - 前記所定期間とは、発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出するまでの期間である請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 前記送出手段は、前記検出手段が発呼局ファクシミリ識別信号を所定回数検出した後、次の発呼局ファクシミリ識別信号を検出するまでの時間に被呼局識別信号を送出する請求項2に記載のファクシミリ装置。
- 前記所定期間とは、所定時間の経過である請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 前記発呼局ファクシミリ識別信号はCNG信号である請求項1〜4のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
- 前記被呼局識別信号はCED信号である請求項1〜5のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
- 前記被呼局識別信号はANSam信号である請求項1〜5のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
- 前記発呼局ファクシミリ識別信号を検出することができない場合、前記呼出信号を検出して受信を開始してから所定時間が経過すると、前記送出手段は被呼局識別信号を送出する請求項1〜7のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
Priority Applications (1)
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JP2017222550A JP2019096942A (ja) | 2017-11-20 | 2017-11-20 | ファクシミリ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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