JP2019095337A - 物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体 - Google Patents
物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】蓋体の破損を低減することのできる物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】本発明の物理量センサーは、基板と、前記基板に支持されているセンサー素子と、前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を有し、前記蓋体は、前記基板側に凸部を有し、前記凸部は、前記基板の平面視で、前記センサー素子と重ならないように配置され、前記基板と離間しているか、または接合されることなく接触している。【選択図】図2
Description
本発明は、物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体に関するものである。
例えば、特許文献1には、基板と、基板に支持されたセンサー素子と、基板との間にセンサー素子を収納するように基板に接合された蓋体と、を有する物理量センサーが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の物理量センサーでは、例えば、外力に起因して生じる応力によって蓋体が撓み易く、蓋体が破損し易いという問題があった。
本発明の目的は、蓋体の破損を低減することのできる物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の物理量センサーは、基板と、
前記基板に支持されているセンサー素子と、
前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、前記基板の平面視で、前記センサー素子と重ならないように配置され、かつ、前記基板と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする。
これにより、凸部によって蓋体の基板側への撓み変形が低減される。そのため、蓋体の過度な変形が低減され、蓋体の破損を効果的に低減することができる物理量センサーとなる。
前記基板に支持されているセンサー素子と、
前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、前記基板の平面視で、前記センサー素子と重ならないように配置され、かつ、前記基板と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする。
これにより、凸部によって蓋体の基板側への撓み変形が低減される。そのため、蓋体の過度な変形が低減され、蓋体の破損を効果的に低減することができる物理量センサーとなる。
本発明の物理量センサーでは、前記蓋体は、前記基板側の主面に開口し、その内側に前記センサー素子の少なくとも一部が配置されている凹部を含み、
前記凸部は、前記凹部の底面に設けられていることが好ましい。
これにより、凸部を簡単に形成することができる。
前記凸部は、前記凹部の底面に設けられていることが好ましい。
これにより、凸部を簡単に形成することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部は、前記基板と離間していることが好ましい。
これにより、意図しない凸部の基板への貼り付きを低減することができる。
これにより、意図しない凸部の基板への貼り付きを低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部と前記基板との離間距離は、前記センサー素子と前記凹部の底面との離間距離よりも小さいことが好ましい。
これにより、蓋体が基板側に向けて撓み変形すると、凹部の底面がセンサー素子と接触する前に、凸部が基板に当接し、蓋体のそれ以上の撓み変形が低減される。そのため、センサー素子の破損を低減することができる。
これにより、蓋体が基板側に向けて撓み変形すると、凹部の底面がセンサー素子と接触する前に、凸部が基板に当接し、蓋体のそれ以上の撓み変形が低減される。そのため、センサー素子の破損を低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部と前記基板との離間距離は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
これにより、凸部と基板とを十分に離間させることができると共に、蓋体の撓み変形を十分に小さくすることができる。そのため、蓋体の破損をより効果的に低減することができる。
これにより、凸部と基板とを十分に離間させることができると共に、蓋体の撓み変形を十分に小さくすることができる。そのため、蓋体の破損をより効果的に低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部と前記基板との離間距離は、10μm以上20μm以下であることが好ましい。
これにより、凸部と基板とを十分に離間させることができると共に、蓋体の撓み変形を十分に小さくすることができる。そのため、蓋体の破損をより効果的に低減することができる。
これにより、凸部と基板とを十分に離間させることができると共に、蓋体の撓み変形を十分に小さくすることができる。そのため、蓋体の破損をより効果的に低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記基板と前記蓋体との間に位置し、前記基板と前記蓋体とを接合する接合部材を含み、
前記接合部材によって、前記凸部と前記基板との間に隙間が設けられていることが好ましい。
これにより、隙間を簡単に形成することができる。
前記接合部材によって、前記凸部と前記基板との間に隙間が設けられていることが好ましい。
これにより、隙間を簡単に形成することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部は、前記蓋体側から先端側に向かうに従って横断面積が漸減しているテーパー部を含むことが好ましい。
これにより、凸部と基板との接触面積を小さくすることができ、凸部と基板との貼り付きを効果的に低減することができる。
これにより、凸部と基板との接触面積を小さくすることができ、凸部と基板との貼り付きを効果的に低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部は、前記基板と対向している先端面に溝部が設けられていることが好ましい。
これにより、凸部と基板との接触面積を小さくすることができ、凸部と基板との貼り付きを効果的に低減することができる。
これにより、凸部と基板との接触面積を小さくすることができ、凸部と基板との貼り付きを効果的に低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記凸部の前記基板と対向している先端面に機能性膜が設けられていることが好ましい。
これにより、例えば、機能性膜として撥水性の膜を用いることで、凸部と基板との貼り付きを効果的に低減することができる。
これにより、例えば、機能性膜として撥水性の膜を用いることで、凸部と基板との貼り付きを効果的に低減することができる。
本発明の物理量センサーでは、前記蓋体に複数の前記凸部が配置されていることが好ましい。
これにより、蓋体の撓み変形を効果的に低減することができる。
これにより、蓋体の撓み変形を効果的に低減することができる。
本発明の物理量センサーは、基板と、
前記基板に固定されている固定部を含むセンサー素子と、
前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、平面視で、前記固定部と重なって配置され、かつ、前記固定部と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする。
これにより、凸部によって蓋体の基板側への撓み変形が低減される。そのため、蓋体の過度な変形が低減され、蓋体の破損を効果的に低減することができる物理量センサーとなる。
前記基板に固定されている固定部を含むセンサー素子と、
前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、平面視で、前記固定部と重なって配置され、かつ、前記固定部と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする。
これにより、凸部によって蓋体の基板側への撓み変形が低減される。そのため、蓋体の過度な変形が低減され、蓋体の破損を効果的に低減することができる物理量センサーとなる。
本発明の物理量センサーは、基板と、
前記基板に支持されているセンサー素子と、
前記基板に支持され、平面視で前記センサー素子と重ならないように配置されている構造体と、
前記基板との間に前記センサー素子および前記構造体を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、
を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、平面視で、前記構造体と重なり、かつ、前記構造体と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする。
これにより、凸部によって蓋体の基板側への撓み変形が低減される。そのため、蓋体の過度な変形が低減され、蓋体の破損を効果的に低減することができる物理量センサーとなる。
前記基板に支持されているセンサー素子と、
前記基板に支持され、平面視で前記センサー素子と重ならないように配置されている構造体と、
前記基板との間に前記センサー素子および前記構造体を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、
を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、平面視で、前記構造体と重なり、かつ、前記構造体と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする。
これにより、凸部によって蓋体の基板側への撓み変形が低減される。そのため、蓋体の過度な変形が低減され、蓋体の破損を効果的に低減することができる物理量センサーとなる。
本発明の物理量センサーでは、前記構造体は、平面視で、前記センサー素子の少なくとも一部を囲むように配置されていることが好ましい。
これにより、例えば、構造体をグランドに接続することで、構造体をシールド電極として利用することができ、センサー素子に混入する外乱を遮断することができる。
これにより、例えば、構造体をグランドに接続することで、構造体をシールド電極として利用することができ、センサー素子に混入する外乱を遮断することができる。
本発明の物理量センサーデバイスは、本発明の物理量センサーと、
回路素子と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイスが得られる。
回路素子と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイスが得られる。
本発明の物理量センサーデバイスでは、前記物理量センサーおよび前記回路素子を収納しているパッケージを含むことが好ましい。
これにより、物理量センサーおよび回路素子を保護することができる。
これにより、物理量センサーおよび回路素子を保護することができる。
本発明の物理量センサーデバイスは、本発明の物理量センサーと、
前記物理量センサーを覆っている樹脂パッケージと、を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイスが得られる。
前記物理量センサーを覆っている樹脂パッケージと、を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイスが得られる。
本発明の複合センサーデバイスは、本発明の物理量センサーである第1物理量センサーと、
前記第1物理量センサーとは異なる物理量を検出する第2物理量センサーと、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い複合センサーデバイスが得られる。
前記第1物理量センサーとは異なる物理量を検出する第2物理量センサーと、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い複合センサーデバイスが得られる。
本発明の複合センサーデバイスでは、前記第1物理量センサーは、角速度を検出可能なセンサーであり、
前記第2物理量センサーは、加速度を検出可能なセンサーであることが好ましい。
これにより、利便性の高い複合センサーデバイスとなる。
前記第2物理量センサーは、加速度を検出可能なセンサーであることが好ましい。
これにより、利便性の高い複合センサーデバイスとなる。
本発明の慣性計測装置は、本発明の物理量センサーと、
前記物理量センサーの駆動を制御する制御回路と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い慣性計測装置が得られる。
前記物理量センサーの駆動を制御する制御回路と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い慣性計測装置が得られる。
本発明の移動体測位装置は、本発明の慣性計測装置と、
測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信する受信部と、
受信した前記衛星信号に基づいて、前記受信部の位置情報を取得する取得部と、
前記慣性計測装置から出力された慣性データに基づいて、移動体の姿勢を演算する演算部と、
算出された前記姿勢に基づいて前記位置情報を補正することにより、前記移動体の位置を算出する算出部と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の慣性計測装置の効果を享受でき、信頼性の高い移動体測位装置が得られる。
測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信する受信部と、
受信した前記衛星信号に基づいて、前記受信部の位置情報を取得する取得部と、
前記慣性計測装置から出力された慣性データに基づいて、移動体の姿勢を演算する演算部と、
算出された前記姿勢に基づいて前記位置情報を補正することにより、前記移動体の位置を算出する算出部と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の慣性計測装置の効果を享受でき、信頼性の高い移動体測位装置が得られる。
本発明の携帯型電子機器は、本発明の物理量センサーと、
前記物理量センサーが収容されているケースと、
前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、
前記ケースに収容されている表示部と、
前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い携帯型電子機器が得られる。
前記物理量センサーが収容されているケースと、
前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、
前記ケースに収容されている表示部と、
前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い携帯型電子機器が得られる。
本発明の携帯型電子機器では、衛星測位システムを含み、
ユーザーの移動距離や移動軌跡を計測することが好ましい。
これにより、より利便性の高い携帯型電子機器となる。
ユーザーの移動距離や移動軌跡を計測することが好ましい。
これにより、より利便性の高い携帯型電子機器となる。
本発明の電子機器は、本発明の物理量センサーと、
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の物理量センサーと、
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする。
これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の移動体では、エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステムの少なくとも何れかのシステムを含み、
前記制御部は、前記検出信号に基づいて、前記システムを制御することが好ましい。
これにより、システムを精度よく制御することができる。
前記制御部は、前記検出信号に基づいて、前記システムを制御することが好ましい。
これにより、システムを精度よく制御することができる。
以下、本発明の物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーの平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1に示す物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図である。図4は、センサー素子に印加する電圧を示す図である。図5は、図1に示す物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図である。図6は、図1に示す物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図である。図7は、図1に示す物理量センサーに応力が加わった状態を示す断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーの平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1に示す物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図である。図4は、センサー素子に印加する電圧を示す図である。図5は、図1に示す物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図である。図6は、図1に示す物理量センサーが備えるセンサー素子の平面図である。図7は、図1に示す物理量センサーに応力が加わった状態を示す断面図である。
なお、説明の便宜上、各図には互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している。また、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、各軸方向の矢印先端側を「プラス側」、基端側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上」、Z軸方向マイナス側を「下」とも言う。また、図1で見た状態(Z軸方向から見た状態)を「平面視」と言う。
図1に示す物理量センサー1は、X軸まわりの角速度ωx、Y軸まわりの角速度ωyおよびZ軸まわりの角速度ωzを検出することのできる3自由度角速度センサーである。このような物理量センサー1は、パッケージ10と、パッケージ10に収納された3つの夫々機能の異なるセンサー素子4、5、6と、を有している。これらセンサー素子4、5、6のうち、センサー素子4で角速度ωxを検出し、センサー素子5で角速度ωyを検出し、センサー素子6で角速度ωzを検出する。なお、センサー素子の数は、特に限定されず、少なくとも1つのセンサー素子を有していればよい。
図1および図2に示すように、パッケージ10は、基板2と、基板2の上面20に接合された蓋体3と、を有している。基板2としては、例えば、アルカリ金属イオンを含むガラス材料(例えば、パイレックスガラス(登録商標)、テンパックスガラス(登録商標)のような硼珪酸ガラス)で構成されたガラス基板を用いることができる。また、蓋体3としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。ただし、基板2および蓋体3の構成材料としては、特に限定されず、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板等を用いることができる。
なお、基板2と蓋体3との接合方法としては、特に限定されず、基板2や蓋体3の材料によって適宜選択すればよいが、例えば、陽極接合、プラズマ照射によって活性化させた接合面同士を接合させる活性化接合、ガラスフリット等の接合材による接合、基板2の上面20および蓋体3の下面30に成膜した金属膜同士を接合する拡散接合等が挙げられる。本実施形態では、ガラスフリット39(低融点ガラス)を介して基板2と蓋体3とが接合されている。
パッケージ10の収納空間Sは、気密空間であり、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが封入され、減圧状態、特に真空状態または真空に近い状態となっていることが好ましい。これにより、粘性抵抗が減り、センサー素子4、5、6を効率的に駆動させることができる。ただし、収納空間Sの環境については、特に限定されず、例えば、大気圧状態であってもよい。
また、基板2の上面20には、凹部21x、21y、21zが形成されている。凹部21xは、センサー素子4と平面視で重なって配置され、センサー素子4と基板2との接触を防止する逃げ部として機能する。また、凹部21yは、センサー素子5と平面視で重なって配置され、センサー素子5と基板2との接触を防止する逃げ部として機能する。また、凹部21zは、センサー素子6と平面視で重なって配置され、センサー素子6と基板2との接触を防止する逃げ部として機能する。
なお、図示しないが、基板2の上面20には複数の溝が形成され、これらの溝にはセンサー素子4と電気的に接続された複数の配線、センサー素子5と電気的に接続された複数の配線、センサー素子6と電気的に接続された複数の配線と、が配置されている。また、各配線は、パッケージ10の外側に位置する接続パッドPと電気的に接続されている。そのため、接続パッドPを介してセンサー素子4、5、6との電気的な接続が可能となる。
次に、パッケージ10に収納されているセンサー素子4、5、6について簡単に説明する。これらセンサー素子4、5、6は、例えば、基板2の上面20に陽極接合され、リン(P)、ボロン(B)、砒素(As)等の不純物がドープされたシリコン基板を、ドライエッチング法(特にボッシュ法)を用いてパターニングすることで形成することができる。ただし、センサー素子4、5、6の構成材料や形成方法は、特に限定されず、例えば、シリコン基板以外の半導体基板から形成してもよいし、ウェットエッチングでパターニングしてもよい。
まず、角速度ωxを検出可能なセンサー素子4について説明する。なお、以下では、Z軸方向からの平面視で、センサー素子4の中心Oxと交わり、X軸方向に延びる直線を「仮想直線αx」とも言う。
図3に示すように、センサー素子4は、仮想直線αxに対して対称である。また、センサー素子4は、仮想直線αxの両側に配置された2つの駆動部41A、41Bを有している。駆動部41Aは、櫛歯状の可動駆動電極411Aと、櫛歯状をなし可動駆動電極411Aと噛み合って配置された固定駆動電極412Aと、を有している。同様に、駆動部41Bは、櫛歯状の可動駆動電極411Bと、櫛歯状をなし可動駆動電極411Bと噛み合って配置された固定駆動電極412Bと、を有している。固定駆動電極412A、412Bは、それぞれ、凹部21xの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。
また、センサー素子4は、駆動部41Aの周囲に配置された4つの固定部42Aと、駆動部41Bの周囲に配置された4つの固定部42Bと、を有している。そして、各固定部42A、42Bは、凹部21xの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。また、センサー素子4は、各固定部42Aと可動駆動電極411Aとを連結する4つの駆動ばね43Aと、各固定部42Bと可動駆動電極411Bとを連結する4つの駆動ばね43Bと、を有している。
また、センサー素子4は、駆動部41Aと仮想直線αxとの間に位置する検出部44Aと、駆動部41Bと仮想直線αxとの間に位置する検出部44Bと、を有している。検出部44Aは、板状の可動検出電極441Aで構成されている。同様に、検出部44Bは、板状の可動検出電極441Bで構成されている。また、凹部21xの底面には、可動検出電極441Aと対向する固定検出電極71xと、可動検出電極441Bと対向する固定検出電極72xと、が配置されている。物理量センサー1の駆動時には、可動検出電極441Aと固定検出電極71xとの間に静電容量Cxaが形成され、可動検出電極441Bと固定検出電極72xとの間に静電容量Cxbが形成される。
また、センサー素子4は、検出部44A、44Bの間に配置された2つの固定部451、452を有している。固定部451、452は、それぞれ、凹部21xの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。また、センサー素子4は、可動検出電極441Aと固定部42A、451、452とを連結する4つの検出ばね46Aと、可動検出電極441Bと固定部42B、451、452とを連結する4つの検出ばね46Bと、を有している。また、センサー素子4は、可動駆動電極411Aと可動検出電極441Aとを接続する梁47Aと、可動駆動電極411Bと可動検出電極441Bとを接続する梁47Bと、を有している。以下では、可動駆動電極411A、可動検出電極441Aおよび梁47Aの集合体を「可動体4A」とも言い、可動駆動電極411B、可動検出電極441Bおよび梁47Bの集合体を「可動体4B」とも言う。
例えば、図4に示す電圧V1を可動体4A、4Bに印加し、図4に示す電圧V2を固定駆動電極412A、412Bに印加すると、これらの間に作用する静電引力によって、可動体4Aと可動体4BとがY軸方向に逆相で振動する(駆動振動モード)。このように、可動体4Aと可動体4BとがY軸方向に逆相で振動している状態で、センサー素子4に角速度ωxが加わると、コリオリの力により、可動検出電極441A、441BがZ軸方向に逆相で振動し、この振動に伴って静電容量Cxa、Cxbがそれぞれ変化する(検出振動モード)。そのため、静電容量Cxa、Cxbの変化に基づいて、角速度ωxを求めることができる。
また、図3に示すように、センサー素子4は、その中央部に位置し、「H」形状をなすフレーム48を有している。また、センサー素子4は、固定部451とフレーム48とを接続するフレームばね488と、固定部452とフレーム48とを接続するフレームばね489と、を有している。また、センサー素子4は、フレーム48と可動検出電極441Aとを接続する接続ばね40Aと、フレーム48と可動検出電極441Bとを接続する接続ばね40Bと、を有している。
また、センサー素子4は、駆動振動モードでの可動体4A、4Bの振動状態を検出するためのモニター部49A、49Bを有している。モニター部49Aは、可動検出電極441Aに配置された櫛歯状の可動モニター電極491Aと、櫛歯状をなし可動モニター電極491Aと噛み合って配置された固定モニター電極492A、493Aと、を有している。同様に、モニター部49Bは、可動検出電極441Bに配置された櫛歯状の可動モニター電極491Bと、櫛歯状をなし可動モニター電極491Bと噛み合って配置された固定モニター電極492B、493Bと、を有している。また、固定モニター電極492A、493A、492B、493Bは、それぞれ、凹部21xの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。
物理量センサー1の駆動時には、可動モニター電極491Aと固定モニター電極492Aとの間および可動モニター電極491Bと固定モニター電極492Bとの間に静電容量Cxcが形成され、可動モニター電極491Aと固定モニター電極493Aとの間および可動モニター電極491Bと固定モニター電極493Bとの間に静電容量Cxdが形成される。駆動振動モードでは、可動体4A、4BがY軸方向に振動するため、それに伴って、静電容量Cxc、Cxdがそれぞれ変化する。そのため、静電容量Cxc、Cxdの変化に基づいて、可動体4A、4Bの振動状態を検出することができる。
次に、角速度ωyを検出可能なセンサー素子5について説明する。なお、以下では、Z軸方向からの平面視で、センサー素子5の中心Oyと交わり、Y軸方向に延びる直線を「仮想直線αy」とも言う。また、センサー素子5は、Z軸まわりに90°回転して配置されていること以外は、前述したセンサー素子4と同様の構成である。
図5に示すように、センサー素子5は、仮想直線αyに対して対称である。また、センサー素子5は、仮想直線αyの両側に配置された2つの駆動部51A、51Bを有している。駆動部51Aは、櫛歯状の可動駆動電極511Aと、櫛歯状をなし可動駆動電極511Aと噛み合って配置された固定駆動電極512Aと、を有している。同様に、駆動部51Bは、櫛歯状の可動駆動電極511Bと、櫛歯状をなし可動駆動電極511Bと噛み合って配置された固定駆動電極512Bと、を有している。固定駆動電極512A、512Bは、それぞれ、凹部21yの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。
また、センサー素子5は、駆動部51Aの周囲に配置された4つの固定部52Aと、駆動部51Bの周囲に配置された4つの固定部52Bと、を有している。そして、各固定部52A、52Bは、凹部21yの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。また、センサー素子5は、各固定部52Aと可動駆動電極511Aとを連結する4つの駆動ばね53Aと、各固定部52Bと可動駆動電極511Bとを連結する4つの駆動ばね53Bと、を有している。
また、センサー素子5は、駆動部51Aと仮想直線αyとの間に位置する検出部54Aと、駆動部51Bと仮想直線αyとの間に位置する検出部54Bと、を有している。検出部54Aは、板状の可動検出電極541Aで構成されている。同様に、検出部54Bは、板状の可動検出電極541Bで構成されている。また、凹部21yの底面には、可動検出電極541Aと対向する固定検出電極71yと、可動検出電極541Bと対向する固定検出電極72yと、が配置されている。物理量センサー1の駆動時には、可動検出電極541Aと固定検出電極71yとの間に静電容量Cyaが形成され、可動検出電極541Bと固定検出電極72yとの間に静電容量Cybが形成される。
また、センサー素子5は、検出部54A、54Bの間に配置された2つの固定部551、552を有している。固定部551、552は、それぞれ、凹部21yの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。また、センサー素子5は、可動検出電極541Aと固定部52A、551、552とを連結する4つの検出ばね56Aと、可動検出電極541Bと固定部52B、551、552とを連結する4つの検出ばね56Bと、を有している。また、センサー素子5は、可動駆動電極511Aと可動検出電極541Aとを接続する梁57Aと、可動駆動電極511Bと可動検出電極541Bとを接続する梁57Bと、を有している。以下では、可動駆動電極511A、可動検出電極541Aおよび梁57Aの集合体を「可動体5A」とも言い、可動駆動電極511B、可動検出電極541Bおよび梁57Bの集合体を「可動体5B」とも言う。
例えば、図4に示す電圧V1を可動体5A、5Bに印加し、図4に示す電圧V2を固定駆動電極512A、512Bに印加すると、これらの間に作用する静電引力によって、可動体5Aと可動体5BとがX軸方向に逆相で振動する(駆動振動モード)。このように、可動体5Aと可動体5BとがX軸方向に逆相で振動している状態で、センサー素子5に角速度ωyが加わると、コリオリの力により、可動検出電極541A、541BがZ軸方向に逆相で振動し、この振動に伴って静電容量Cya、Cybがそれぞれ変化する(検出振動モード)。そのため、静電容量Cya、Cybの変化に基づいて、角速度ωyを求めることができる。
また、図5に示すように、センサー素子5は、その中央部に位置し、「H」形状をなすフレーム58を有している。また、センサー素子5は、固定部551とフレーム58とを接続するフレームばね588と、固定部552とフレーム58とを接続するフレームばね589と、を有している。また、センサー素子5は、フレーム58と可動検出電極541Aとを接続する接続ばね50Aと、フレーム58と可動検出電極541Bとを接続する接続ばね50Bと、を有している。
また、センサー素子5は、駆動振動モードでの可動体5A、5Bの振動状態を検出するためのモニター部59A、59Bを有している。モニター部59Aは、可動検出電極541Aに配置された櫛歯状の可動モニター電極591Aと、櫛歯状をなし可動モニター電極591Aと噛み合って配置された固定モニター電極592A、593Aと、を有している。同様に、モニター部59Bは、可動検出電極541Bに配置された櫛歯状の可動モニター電極591Bと、櫛歯状をなし可動モニター電極591Bと噛み合って配置された固定モニター電極592B、593Bと、を有している。また、固定モニター電極592A、593A、592B、593Bは、それぞれ、凹部21yの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。
物理量センサー1の駆動時には、可動モニター電極591Aと固定モニター電極592Aとの間および可動モニター電極591Bと固定モニター電極592Bとの間に静電容量Cycが形成され、可動モニター電極591Aと固定モニター電極593Aとの間および可動モニター電極591Bと固定モニター電極593Bとの間に静電容量Cydが形成される。駆動振動モードでは、可動体5A、5BがX軸方向に振動するため、それに伴って、静電容量Cyc、Cydがそれぞれ変化する。そのため、静電容量Cyc、Cydの変化に基づいて、可動体5A、5Bの振動状態を検出することができる。
次に、角速度ωzを検出可能なセンサー素子6について説明する。なお、以下では、Z軸方向からの平面視で、センサー素子5の中心Ozと交わり、Y軸方向に延びる直線を「仮想直線αz」とも言う。
図6に示すように、センサー素子6は、仮想直線αzに対して対称である。また、センサー素子6は、仮想直線αzの両側に配置された2つの駆動部61A、61Bを有している。駆動部61Aは、櫛歯状の可動駆動電極611Aと、櫛歯状をなし可動駆動電極611Aと噛み合って配置された固定駆動電極612Aと、を有している。同様に、駆動部61Bは、櫛歯状の可動駆動電極611Bと、櫛歯状をなし可動駆動電極611Bと噛み合って配置された固定駆動電極612Bと、を有している。固定駆動電極612A、612Bは、それぞれ、凹部21zの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。
また、センサー素子6は、駆動部61Aの周囲に配置された4つの固定部62Aと、駆動部61Bの周囲に配置された4つの固定部62Bと、を有している。そして、各固定部62A、62Bは、凹部21zの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。また、センサー素子6は、各固定部62Aと可動駆動電極611Aとを連結する4つの駆動ばね63Aと、各固定部62Bと可動駆動電極611Bとを連結する4つの駆動ばね63Bと、を有している。
また、センサー素子6は、駆動部61Aと仮想直線αzとの間に位置する検出部64Aと、駆動部61Bと仮想直線αzとの間に位置する検出部64Bと、を有している。検出部64Aは、櫛歯状の可動検出電極641Aと、櫛歯状をなし可動検出電極641Aと噛み合って配置された固定検出電極642A、643Aと、を有している。同様に、検出部64Bは、櫛歯状の可動検出電極641Bと、櫛歯状をなし可動検出電極641Bと噛み合って配置された固定検出電極642B、643Bと、を有している。また、固定検出電極642A、643A、642B、643Bは、それぞれ、凹部21zの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。物理量センサー1の駆動時には、可動検出電極641Aと固定検出電極642Aとの間および可動検出電極641Bと固定検出電極643Bとの間に静電容量Czaが形成され、可動検出電極641Aと固定検出電極643Aとの間および可動検出電極641Bと固定検出電極642Bとの間に静電容量Czbが形成される。
また、センサー素子6は、検出部64A、64Bの間に配置された2つの固定部651、652を有している。固定部651、652は、それぞれ、凹部21zの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。また、センサー素子6は、可動検出電極641Aと固定部62A、651、652とを連結する4つの検出ばね66Aと、可動検出電極641Bと固定部62B、651、652とを連結する4つの検出ばね66Bと、を有している。また、センサー素子6は、可動駆動電極611Aと可動検出電極641Aとを接続する梁67Aと、可動駆動電極611Bと可動検出電極641Bとを接続する梁67Bと、を有している。以下では、可動駆動電極611A、可動検出電極641Aおよび梁67Aの集合体を「可動体6A」とも言い、可動駆動電極611B、可動検出電極641Bおよび梁67Bの集合体を「可動体6B」とも言う。
例えば、図4に示す電圧V1を可動体6A、6Bに印加し、図4に示す電圧V2を固定駆動電極612A、612Bに印加すると、これらの間に作用する静電引力によって、可動体6Aと可動体6BとがX軸方向に逆相で振動する(駆動振動モード)。このように、可動体6Aと可動体6BとがX軸方向に逆相で振動している状態で、センサー素子6に角速度ωzが加わると、コリオリの力により、可動検出電極641A、641BがY軸方向に逆相で振動し、この振動に伴って静電容量Cza、Czbがそれぞれ変化する(検出振動モード)。そのため、静電容量Cza、Czbの変化に基づいて、角速度ωzを求めることができる。
また、図6に示すように、センサー素子6は、その中央部に位置し、「H」形状をなすフレーム68を有している。また、センサー素子6は、固定部651とフレーム68とを接続するフレームばね688と、固定部652とフレーム68とを接続するフレームばね689と、を有している。また、センサー素子6は、フレーム68と可動検出電極641Aとを接続する接続ばね60Aと、フレーム68と可動検出電極641Bとを接続する接続ばね60Bと、を有している。
また、センサー素子6は、駆動振動モードでの可動体6A、6Bの振動状態を検出するためのモニター部69A、69Bを有している。モニター部69Aは、可動検出電極641Aに配置された櫛歯状の可動モニター電極691Aと、櫛歯状をなし可動モニター電極691Aと噛み合って配置された固定モニター電極692A、693Aと、を有している。同様に、モニター部69Bは、可動検出電極641Bに配置された櫛歯状の可動モニター電極691Bと、櫛歯状をなし可動モニター電極691Bと噛み合って配置された固定モニター電極692B、693Bと、を有している。また、固定モニター電極692A、693A、692B、693Bは、それぞれ、凹部21zの底面から突出したマウント(図示せず)の上面に接合され、基板2に固定されている。
物理量センサー1の駆動時には、可動モニター電極691Aと固定モニター電極692Aとの間および可動モニター電極691Bと固定モニター電極692Bとの間に静電容量Czcが形成され、可動モニター電極691Aと固定モニター電極693Aとの間および可動モニター電極691Bと固定モニター電極693Bとの間に静電容量Czdが形成される。駆動振動モードでは、可動体6A、6BがX軸方向に振動するため、それに伴って、静電容量Czc、Czdがそれぞれ変化する。そのため、静電容量Czc、Czdの変化に基づいて、可動体6A、6Bの振動状態を検出することができる。
以上、物理量センサー1の全体構成について説明した。次に、蓋体3の構成について詳細に説明する。図2に示すように、蓋体3は、その下面30に開放する凹部31を有しており、この凹部31がセンサー素子4、5、6を収納する収納空間Sの一部を形成している。また、蓋体3は、凹部31の底面311(図2中の上面)から基板2側(下方)に向けて突出する柱状の凸部32を有している。凸部32の先端面321(図2中の下面)は、蓋体3の下面30(ガラスフリット39との接合面)と面一(図2中の上下方向の同一の高さ)となっている。ただし、凸部32の先端面321は、蓋体3の下面30よりも上側(すなわち凹部31内)に位置していてもよいし、下面30よりも下側に位置していてもよい。
また、凸部32は、Z軸方向に沿ってほぼ一定の横断面積を有する柱状をなしている。また、図1に示すように、凸部32の横断面形状は、略正方形である。ただし、凸部32の形状としては、特に限定されず、例えば、凸部32の横断面形状は、円形、楕円形、半円形、三角形、長方形、平行四辺形等の正方形以外の四角形、五角形以上の多角形等、いかなる形状であってもよい。
また、図1および図2に示すように、凸部32は、Z軸方向からの平面視で、センサー素子4、5、6のいずれともと重ならないように配置されている。これにより、凸部32とセンサー素子4、5、6との接触が防止され、凸部32がセンサー素子4、5、6の駆動を阻害したり、センサー素子4、5、6がダメージを受けたりすることを低減することができる。また、図2に示すように、凸部32は、その先端面321が基板2の上面20に接触しないように、基板2と離間して配置されている。すなわち、凸部32の先端面321と基板2の上面20との間には、隙間S1が形成されている。このような凸部32を設けることで、例えば、図7に示すように、上方から加わる応力Fによって蓋体3が下方に撓み変形しても、変形の初期段階で凸部32の先端面321が基板2の上面20に当接し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。すなわち、凸部32は、応力Fによる蓋体3の撓み変形のストッパーとしての機能を発揮する。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。また、蓋体3がセンサー素子4、5、6に接触し、センサー素子4、5、6がダメージを受けてしまうことを低減することもできる。
なお、凸部32の先端面321がガラスフリット39を介して基板2の上面20に接合された構成であっても、本実施形態と同様に蓋体3の過度な変形を低減することができる。しかしながら、凸部32の先端面321が基板2の上面20に接合されていると、その分、基板2と蓋体3との接合面積が増えるため、基板2と蓋体3との熱膨張係数の差に起因してパッケージ10に生じる熱応力が大きくなる。そのため、センサー素子4、5、6に伝わる熱応力が増大し、センサー素子4、5、6の角速度検出特性(特に温度特性)が低下する。これに対して、本実施形態のように、凸部32の先端面321が基板2の上面20から離間していれば、基板2と蓋体3との接合面積が増加しないため、上述した熱応力を小さく抑えることができる。そのため、センサー素子4、5、6に伝わる熱応力の増大を効果的に低減することができ、センサー素子4、5、6の角速度検出特性(特に温度特性)の低下を効果的に低減することができる。
このような凸部32の位置としては、特に限定されないが、蓋体3の外周部(外周壁)よりも内側が好ましく、特に、収納空間Sの中央部であるのが好ましい。これにより、蓋体3の下方への撓み変形を効果的に低減することができる。なお、本実施形態では、図1に示すように、凸部32は、Z軸方向からの平面視で、センサー素子4、5、6を避ける様にこれらの間に位置し、収納空間Sのほぼ中央に位置している。
また、図2に示すように、凸部32の先端面321と基板2の上面20との離間距離D1は、センサー素子4、5、6の上面と凹部31の底面311との離間距離D2よりも小さい。すなわち、D1<D2である。これにより、蓋体3が下方に向けて撓み変形すると、底面311がセンサー素子4、5、6と接触する前に、凸部32の先端面321が基板2の上面20に当接し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。そのため、より確実に、蓋体3とセンサー素子4、5、6との接触を低減することができる。離間距離D1としては、特に限定されないが、例えば、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。これにより、先端面321と上面20とを十分に離間させることができると共に、蓋体3の撓み変形を十分に小さく抑えることができる。そのため、蓋体3やセンサー素子4、5、6の破損をより効果的に低減することができる。
ここで、前述したように、パッケージ10の外周部において、基板2と蓋体3との間にはガラスフリット39が存在しており、このガラスフリット39を介して基板2と蓋体3とが接合されている。また、凸部32の先端面321は、蓋体3の下面30(ガラスフリット39との接合面)と面一となっている。そのため、ガラスフリット39がその厚み分の隙間S1を形成している。このことから、ガラスフリット39は、基板2と蓋体3とを接合する接合部材として機能すると共に、凸部32の先端面321と基板2の上面20との間に隙間S1を形成するためのスペーサーとして機能すると言える。このような構成によれば、基板2と蓋体3とを接合する際に隙間S1が同時に形成されるため、物理量センサー1の製造工程の簡略化を図ることができる。また、例えば、ガラスフリット39の厚さを制御することで、離間距離D1を調整することができるため、離間距離D1の寸法精度が向上する。
以上、物理量センサー1について説明した。このような物理量センサー1は、前述したように、基板2と、基板2に支持されているセンサー素子4、5、6と、基板2との間にセンサー素子4、5、6を収納するように基板2に接合されている蓋体3と、を含んでいる。また、蓋体3は、基板2側に凸部32を含んでいる。また、凸部32は、基板2の平面視で、センサー素子4、5、6と重ならないように配置され、かつ、基板2(上面20)と離間している。これにより、例えば、蓋体3が基板2に撓み変形しても、変形の初期段階で凸部32が基板2に当接(接触)し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。また、蓋体3がセンサー素子4、5、6に接触し、センサー素子4、5、6がダメージを受けてしまうことを低減することもできる。また、凸部32を基板2から離間させることで、意図せずに、凸部32が基板2に貼り付いてしまうことを低減することができる。
また、前述したように、蓋体3は、下面30(基板2側の主面)に開口し、その内側にセンサー素子4、5、6の少なくとも一部が配置されている凹部31を含んでいる。そして、凸部32は、凹部31の底面311に設けられている。これにより、例えば、エッチング(ドライエッチング、ウェットエッチング)等によって、蓋体に凸部32を簡単に形成することができる。
また、前述したように、凸部32と基板2との離間距離D1は、センサー素子4、5、6と凹部31の底面311との離間距離D2よりも小さい。これにより、蓋体3が基板2側に向けて撓み変形すると、底面311がセンサー素子4、5、6と接触する前に、凸部32の先端面321が基板2の上面20に当接し、蓋体3のそれ以上の撓み変形が低減される。そのため、より確実に、蓋体3とセンサー素子4、5、6との接触を低減することができる。
また、前述したように、凸部32と基板2との離間距離D1は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることが好ましい。これにより、凸部32と基板2とを十分に離間させることができると共に、蓋体3の撓み変形を十分に小さく抑えることができる。そのため、蓋体3やセンサー素子4、5、6の破損をより効果的に低減することができる。
また、前述したように、物理量センサー1は、基板2と蓋体3との間に位置し、基板2と蓋体3とを接合するガラスフリット39(接合部材)を含んでいる。そして、ガラスフリット39によって、凸部32と基板2との間に隙間S1が設けられている。このような構成によれば、基板2と蓋体3とを接合する際に隙間S1が同時に形成されるため、物理量センサー1の製造工程の簡略化を図ることができる。また、例えば、ガラスフリット39の厚さを制御することで、離間距離D1を調整することができるため、離間距離D1の寸法精度が向上する。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。図9ないし図11は、それぞれ、図8に示す凸部の変形例を示す断面図である。なお、図8ないし図11は、それぞれ、図2と同様に、図1中のA−A線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32の形状が異なること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図8では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図8に示すように、本実施形態の凸部32は、その先端部に、蓋体3側から先端側に向かうに従って横断面積が漸減しているテーパー部322を含んでいる。特に、本実施形態では、先端部が球状に丸み付けされている。これにより、例えば、前述した第1実施形態と比較して、基板2との接触時に凸部32の先端部分が欠け難くなり、凸部32の破損を効果的に低減することができる。また、例えば、前述した第1実施形態と比較して、凸部32と基板2との接触面積が減少するため、凸部32と基板2との接触時に、凸部32がそのまま基板2に貼り付いてしまう所謂「スティッキング」の発生を効果的に低減することもできる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、テーパー部322の形状は、本実施形態に限定されず、いかなる形状であってもよい。例えば、図9に示すように、テーパー部322は、錐形(例えば、円錐形、三角錐形、四角錐形、五角形以上の錐形等)であってもよい。また、図10に示すように、テーパー部322は、錐台形(例えば、円錐台形、三角錐台形、四角錐台形、五角形以上の錐台形等)であってもよい。また、図11に示すように、凸部32の軸方向の全域がテーパー部322となっていてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図12は、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。図13は、図12に示す凸部の変形例を示す断面図である。なお、図12および図13は、それぞれ、図2と同様に、図1中のA−A線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32の形状が異なること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第3実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図12では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図12に示すように、本実施形態の凸部32は、基板2と対向している先端面321に溝部323が設けられている。特に、本実施形態では、先端面321に複数の溝部323が形成されており、複数の溝部323は、それぞれ、Y軸方向(同じ方向)に沿って延在し、X軸方向に等ピッチで配置されている。これにより、例えば、前述した第1実施形態と比較して、凸部32と基板2との接触面積が減少する。そのため、凸部32と基板2との接触時に、凸部32がそのまま基板2に貼り付いてしまう「スティッキング」の発生を効果的に低減することができる。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、溝部323の構成は、本実施形態の構成に限定されず、いかなる構成であってもよい。例えば、図13に示すように、溝部323は、先端面321の外周に環状に形成されていてもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図14は、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。なお、図14は、図2と同様に、図1中のA−A線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32の先端面321に機能性膜35が配置されていること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第4実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図14では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図14に示すように、本実施形態の物理量センサー1は、凸部32の基板2と対向している先端面321に機能性膜35が設けられている。本実施形態では、機能性膜35として、撥水性を有する膜を用いている。この場合、機能性膜35は、例えば、ダイアモンドライクカーボン(DLC)で構成することができる。このように、先端面321に撥水性の機能性膜35を配置することで、例えば、前述した第1実施形態と比較して、凸部32が基板2から離れやすくなるため、スティッキングの発生を効果的に低減することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、機能性膜35の機能や構成材料は、本実施形態のものに限定されない。例えば、機能性膜35として、表面に微小な凹凸が形成されている膜を用い、凸部32と基板2との接触面積を減少させてスティッキングの発生を低減する構成となっていてもよい。また、機能性膜35として絶縁膜を用い、蓋体3と基板2との絶縁状態を維持する構成となっていてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図15は、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーの平面図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、複数の凸部32が配置されていること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第5実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図15では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図15に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、蓋体3に複数の凸部32が配置されている。このように、蓋体3に複数の凸部32を配置することで、蓋体3の下方への撓み変形をより効果的に低減することができる。そのため、蓋体3の過度な変形がより効果的に低減され、蓋体3の破損をより効果的に低減することができる。また、蓋体3がセンサー素子4、5、6に接触し、センサー素子4、5、6がダメージを受けてしまうことをより効果的に低減することもできる。特に、本実施形態では、複数の凸部32が収納空間Sの全域に散らばって配置されている。そのため、蓋体3のどの部分に応力が加わっても、蓋体3の撓み変形をより確実に低減することができる。本実施形態では、複数の凸部32が各センサー素子4、5、6の周囲を囲むように配置されているが、複数の凸部32の配置は、特に限定されない。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、凸部32の数や配置は、本実施形態のものに限定されない。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第6実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図16は、本発明の第6実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。なお、図16は、図2と同様に、図1中のA−A線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32が基板2と接触していること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第6実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図16では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図16に示すように、本実施形態の凸部32は、その先端面321が基板2の上面20に接触している。ただし、先端面321は、基板2の上面20に接合(接着固定)されていない。すなわち、凸部32は、基板2(上面20)に接合されることなく、基板2から離間可能に接触している。そのため、蓋体3に加わる応力によっては、凸部32は、基板2から離間するし、基板2に対して摺動もする。このような構成によっても、蓋体3の下方への撓み変形を効果的に低減することができる。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。また、蓋体3がセンサー素子4、5、6に接触し、センサー素子4、5、6がダメージを受けてしまうことを効果的に低減することもできる。
なお、本実施形態では、凸部32が基板2と接触しているだけで、接合はされていないので、基板2と蓋体3との接合面積は増加しない。そのため、基板2と蓋体3との熱膨張係数の差に起因してパッケージ10に生じる熱応力を小さく抑えることができる。これにより、センサー素子4、5、6に伝わる熱応力の増大を効果的に低減することができ、センサー素子4、5、6の角速度検出特性(特に温度特性)の悪化を効果的に低減することができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第7実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図17は、本発明の第7実施形態に係る物理量センサーの平面図である。図18は、図17中のB−B線断面図である。図19は、図17中のC−C線断面図である。図20は、図17中のD−D線断面図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32の配置が異なること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第7実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図17ないし図20では、それぞれ、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図17に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、凸部32は、Z軸方向からの平面視で、センサー素子4、5、6と重なるように複数配置されている。さらに、図18ないし図20に示すように、凸部32は、センサー素子4、5、6の基板2に固定(接合)されている部分である固定部Aと重なって配置されている。また、凸部32の先端面321は、固定部Aの上面と離間しており、これらの間に隙間S1が形成されている。このような構成では、蓋体3が下方へ撓み変形すると、凸部32の先端面321が固定部Aの上面に接触し、蓋体3のそれ以上の撓み変形が低減される。
ここで、固定部Aとは、センサー素子4であれば、凹部21xから突出したマウントMxの上面に接合されている部分、すなわち固定部42A、42B、固定部451、452、固定駆動電極412A、412Bの基部、固定モニター電極492A、493A、492B、493Bの基部である。また、センサー素子5であれば、凹部21yから突出したマウントMyの上面に接合されている部分、すなわち固定部52A、52B、固定部551、552、固定駆動電極512A、512Bの基部、固定モニター電極592A、593A、592B、593Bの基部である。また、センサー素子6であれば、凹部21zから突出したマウントMzの上面に接合されている部分、すなわち固定部62A、62B、固定部651、652、固定駆動電極612A、612Bの基部、固定検出電極642A、643A、642B、643Bの基部、固定モニター電極692A、693A、692B、693Bの基部である。これら固定部Aは、マウントが下方から支持しているため、蓋体3が撓み変形して凸部32が固定部Aに接触すれば、蓋体3のそれ以上の撓み変形が低減される。
なお、本実施形態では、図18に示すように、センサー素子4の固定部451、452と重なるように凸部32が配置され、図19に示すように、センサー素子5の固定部551、552と重なるように凸部32が配置され、図20に示すように、センサー素子6の固定部651、652と重なるように凸部32が配置されている。ただし、凸部32の数や配置は、特に限定されず、他の固定部Aと重なるように配置されていてもよい。
また、凸部32の先端面321と固定部Aの上面との離間距離D3としては、特に限定されないが、例えば、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。これにより、先端面321と固定部Aとを十分に離間させることができ、これらの意図しない接触(センサー素子4、5、6と蓋体3との意図しない導通)を効果的に低減することができる。そのため、センサー素子4、5、6の駆動特性の変動を効果的に低減することができる。また、蓋体3の撓み変形を十分に小さく抑えることができ、蓋体3の破損をより効果的に低減することができる。
なお、蓋体3が撓み変形して凸部32が固定部Aに接触した際に、センサー素子4、5、6と蓋体3とが導通しないように、凸部32の先端面321および固定部Aの上面の少なくもと一方に絶縁膜を配置することが好ましい。
以上のように、本実施形態の物理量センサー1は、基板2と、基板2に固定されている固定部Aを含むセンサー素子4、5、6と、基板2との間にセンサー素子4、5、6を収納するように基板2に接合されている蓋体3と、を含んでいる。また、蓋体3は、基板2側に凸部32を含んでいる。そして、凸部32は、平面視で、固定部Aと重なって配置され、固定部Aと離間している。これにより、例えば、蓋体3が基板2に撓み変形しても、変形の初期段階で凸部32が基板2に当接(接触)し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。
このような第7実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第8実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図21は、本発明の第8実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。なお、図21は、図18と同様に、図17中のB−B線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32が固定部Aと接触していること以外は、前述した第7実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第8実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第7実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図21では、前述した第7実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図21に示すように、本実施形態の凸部32は、その先端面321が固定部Aの上面に接触している。ただし、先端面321は、固定部Aの上面に接合(接着固定)されていない。すなわち、凸部32は、固定部Aに接合されることなく固定部Aから離間可能に接触している。そのため、蓋体3に加わる応力によっては、凸部32は、固定部Aから離間するし、固定部Aに対して摺動もする。このような構成によっても、蓋体3の下方への撓み変形を効果的に低減することができる。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。なお、図21では、説明の便宜上、センサー素子4の固定部Aについて図示しているが、センサー素子5、6についても同様に凸部32が固定部Aと接触している。
本実施形態では、センサー素子4、5、6と蓋体3との導通(電気的な接続)を防止するために、固定部Aと凸部32との間に絶縁膜38を配置している。すなわち、本実施形態では、凸部32は、絶縁膜38を介して間接的に固定部Aと接触している。ただし、絶縁膜38を省略し、凸部32が直接、固定部Aと接触していてもよい。なお、絶縁膜38は、凸部32の先端面321に配置されていてもよいし、固定部Aの上面に配置されていてもよいし、両方に配置されていてもよい。
このような第8実施形態によっても、前述した第7実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、本実施形態では、全ての凸部32が固定部Aと接触しているが、これに限定されず、一部の凸部32は、前述した第7実施形態のように、固定部Aと離間していてもよい。すなわち、固定部Aに接触している凸部32と、固定部Aから離間している凸部32と、が混在していてもよい。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第9実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図22は、本発明の第9実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。なお、図22は、図2と同様に、図1中のA−A線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、さらに構造体8を有し、凸部32が構造体8と重なるように配置されていること以外は、前述した第1実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第8実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図22では、前述した第1実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図22に示すように、本実施形態の物理量センサー1は、センサー素子4、5、6と共に収納空間Sに収納された構造体8を有している。構造体8は、Z軸方向からの平面視で、センサー素子4、5、6と重ならないようにして基板2の上面20に接合されている。このような構造体8は、例えば、シリコン基板からセンサー素子4、5、6と一括して形成することができる。ただし、構造体8の構成材料や形成方法は、特に限定されない。
凸部32は、Z軸方向からの平面視で、構造体8と重なって配置されている。また、凸部32の先端面321は、構造体8の上面と離間しており、これらの間に隙間S1が形成されている。このような構成では、蓋体3が下方へ撓み変形すると、凸部32の先端面321が構造体8の上面に接触し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。また、蓋体3がセンサー素子4、5、6に接触し、蓋体3やセンサー素子4、5、6がダメージを受けてしまうことを低減することもできる。
また、凸部32の先端面321と構造体8の上面との離間距離D4は、センサー素子4、5、6の上面と凹部31の底面311との離間距離D2よりも小さい。これにより、蓋体3が下方に向けて撓み変形すると、底面311がセンサー素子4、5、6と接触する前に、凸部32の先端面321が構造体8の上面に当接し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。そのため、より確実に、蓋体3とセンサー素子4、5、6との接触を低減することができる。離間距離D4としては、特に限定されないが、例えば、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。これにより、凸部32と構造体8とを十分に離間させることができると共に、蓋体3の撓み変形を十分に小さく抑えることができる。そのため、蓋体3やセンサー素子4、5、6の破損をより効果的に低減することができる。
以上のように、本実施形態の物理量センサー1は、基板2と、基板2に支持されているセンサー素子4、5、6と、基板2に支持され、平面視でセンサー素子4、5、6と重ならないように配置されている構造体8と、基板2との間にセンサー素子4、5、6および構造体8を収納するように基板2に接合されている蓋体3と、を含んでいる。また、蓋体3は、基板2側に凸部32を含んでいる。そして、凸部32は、平面視で、構造体8と重なり、かつ、構造体8と離間している。これにより、例えば、蓋体3が基板2に撓み変形しても、変形の初期段階で凸部32が構造体8に当接(接触)し、蓋体3のそれ以上の下方への撓み変形が低減される。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。また、蓋体3がセンサー素子4、5、6に接触し、蓋体3やセンサー素子4、5、6がダメージを受けてしまうことを低減することもできる。
このような第9実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第10実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図23は、本発明の第10実施形態に係る物理量センサーが有する凸部を示す断面図である。なお、図23は、図2と同様に、図1中のA−A線断面図に相当する図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、凸部32が構造体8と接触していること以外は、前述した第9実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第10実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第9実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図23では、前述した第9実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図23に示すように、本実施形態の凸部32は、その先端面321が構造体8の上面に接触している。ただし、先端面321は、構造体8の上面に接合(接着固定)されていない。すなわち、凸部32は、構造体8に接合されることなく構造体8から離間可能に接触している。そのため、蓋体3に加わる応力によっては、凸部32は、構造体8から離間するし、構造体8に対して摺動もする。このような構成によっても、蓋体3の下方への撓み変形を効果的に低減することができる。そのため、蓋体3の過度な変形が低減され、蓋体3の破損を効果的に低減することができる。
このような第10実施形態によっても、前述した第9実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
次に、本発明の第11実施形態に係る物理量センサーについて説明する。
図24は、本発明の第11実施形態に係る物理量センサーの平面図である。
本実施形態に係る物理量センサー1では、構造体8の構成が異なること以外は、前述した第9実施形態に係る物理量センサー1と同様である。なお、以下の説明では、第11実施形態の物理量センサー1に関し、前述した第9実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図24では、前述した第9実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
本実施形態の物理量センサー1では、構造体8は、平面視で、センサー素子4、5、6を囲むように配置されている。具体的には、図24に示すように、構造体8は、3つの開口81x、81y、81zを有しており、開口81xの内側にセンサー素子4が配置され、開口81yの内側にセンサー素子5が配置され、開口81zの内側にセンサー素子6が配置されている。このような構造体8は、例えば、グランド(固定電位)に接続されており、センサー素子4、5、6への外乱の混入を遮断するシールド電極として機能する。そのため、物理量センサー1の角速度検出精度が向上する。なお、構造体8としては、特に限定されず、例えば、センサー素子4、5、6の少なくとも1つの少なくとも一部を囲むように配置されていればよい。
このような第11実施形態によっても、前述した第9実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第12実施形態>
次に、本発明の第12実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
次に、本発明の第12実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
図25は、本発明の第12実施形態に係る物理量センサーデバイスを示す断面図である。
図25に示すように、物理量センサーデバイス5000は、物理量センサー1と、半導体素子5900(回路素子)と、を有している。なお、物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のいずれのものも用いることができる。
半導体素子5900は、ダイアタッチ材DA(接合部材)を介して蓋体3の上面に接合されている。また、半導体素子5900は、ボンディングワイヤーBW1を介して、物理量センサー1の接続パッドPと電気的に接続されている。半導体素子5900には、例えば、センサー素子4、5、6に駆動電圧を印加する駆動回路や、センサー素子4、5、6からの出力に基づいて角速度ωx、ωy、ωzを検出する検出回路や、検出回路からの信号を所定の信号に変換して出力する出力回路等が必要に応じて含まれている。
ここで、半導体素子5900を蓋体3の上面に接合する工程では、接合をより確実に行うために半導体素子5900を蓋体3へ押し付ける。この際に加わる応力によって蓋体3が基板2側へ撓み変形するが、前述したように蓋体3には凸部32が設けられており、この凸部32によって蓋体3の撓み変形が低減される。そのため、半導体素子5900の接合時に加わる応力による蓋体3の破損を効果的に低減することができる。
以上、物理量センサーデバイス5000について説明した。このような物理量センサーデバイス5000は、物理量センサー1と、半導体素子5900(回路素子)と、を含んでいる。そのため、物理量センサー1の効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイス5000が得られる。
<第13実施形態>
次に、本発明の第13実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
次に、本発明の第13実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
図26は、本発明の第13実施形態に係る物理量センサーデバイスを示す断面図である。
本実施形態に係る物理量センサーデバイス5000では、さらにパッケージ5100を有していること以外は、前述した第12実施形態に係る物理量センサーデバイス5000と同様である。なお、以下の説明では、第13実施形態の物理量センサーデバイス5000に関し、前述した第12実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図26では、前述した第12実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
図26に示すように、物理量センサーデバイス5000は、物理量センサー1および半導体素子5900(回路素子)を収納しているパッケージ5100を含んでいる。そのため、パッケージ5100によって物理量センサー1および半導体素子5900を衝撃、埃、熱、湿気(水分)等から好適に保護することができる。
パッケージ5100は、キャビティ状のベース5200(基板)と、ベース5200の上面に接合された蓋体5300と、を有している。ベース5200は、その上面に開口する凹部5210を有している。また、凹部5210は、ベース5200の上面に開口する第1凹部5211と、第1凹部5211の底面に開口する第2凹部5212と、を有している。
一方、蓋体5300は、板状であり、凹部5210の開口を塞ぐようにしてベース5200の上面に接合されている。このように、蓋体5300によって凹部5210の開口を塞ぐことで、パッケージ5100内に収納空間S2が形成され、この収納空間S2に物理量センサー1および半導体素子5900が収納されている。なお、ベース5200と蓋体5300との接合方法としては、特に限定されず、本実施形態では、シームリング5400を介したシーム溶接を用いている。
収納空間S2は、気密封止されている。収納空間S2の雰囲気としては、特に限定されないが、例えば、物理量センサー1の収納空間Sと同じ雰囲気となっていることが好ましい。これにより、仮に収納空間Sの気密性が崩壊し、収納空間S、S2が連通してしまっても、収納空間Sの雰囲気をそのまま維持することができる。そのため、収納空間Sの雰囲気が変化することによる物理量センサー1の検出特性の変化を低減することができ、安定した検出特性を発揮することができる。
ベース5200の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の各種セラミックスを用いることができる。また、蓋体5300の構成材料としては、特に限定されないが、ベース5200の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース5200の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金を用いることが好ましい。
ベース5200は、収納空間S2内(第1凹部5211の底面)に配置された複数の内部端子5230と、底面に配置された複数の外部端子5240と、を有している。各内部端子5230は、ベース5200内に配置された図示しない内部配線を介して、所定の外部端子5240と電気的に接続されている。
そして、凹部5210の底面に、ダイアタッチ材DAを介して物理量センサー1が固定されており、さらに、物理量センサー1の上面に、ダイアタッチ材DAを介して半導体素子5900が配置されている。そして、ボンディングワイヤーBW1を介して物理量センサー1と半導体素子5900とが電気的に接続されており、ボンディングワイヤーBW2を介して半導体素子5900と内部端子5230とが電気的に接続されている。
<第14実施形態>
次に、本発明の第14実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
次に、本発明の第14実施形態に係る物理量センサーデバイスについて説明する。
図27は、本発明の第14実施形態に係る物理量センサーデバイスを示す断面図である。
図27に示すように、物理量センサーデバイス5000は、ベース基板5500と、ベース基板5500上に設けられた物理量センサー1と、物理量センサー1とベース基板5500とを電気的に接続するボンディングワイヤーBWと、物理量センサー1を覆う樹脂パッケージ5600と、を有している。ここで、物理量センサー1としては、前述した各実施形態のいずれのものも用いることができる。
ベース基板5500は、物理量センサー1を支持する基板であり、例えば、インターポーザー基板である。このようなベース基板5500の上面には複数の接続端子5510が配置されており、下面には複数の実装端子5520が配置されている。また、ベース基板5500内には、図示しない内部配線が配置されており、この内部配線を介して、各接続端子5510が、対応する実装端子5520と電気的に接続されている。このようなベース基板5500の上面にダイアタッチ材DA(接合部材)を介して物理量センサー1が接合されている。そして、接続端子5510と接続パッドPとがボンディングワイヤーBWを介して電気的に接続されている。なお、ベース基板5500としては、特に限定されず、例えば、シリコン基板、セラミック基板、樹脂基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板等を用いることができる。
また、樹脂パッケージ5600は、物理量センサー1を覆っている。これにより、物理量センサー1を水分、埃、衝撃等から保護することができる。樹脂パッケージ5600としては、特に限定されないが、例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、トランスファーモールド法によって形成することができる。ここで、トランスファーモールドの際、樹脂が高圧で注入されるため、この際に加わる応力によって蓋体3が基板2側へ撓み変形するが、前述したように蓋体3には凸部32が設けられ、この凸部32によって蓋体3の撓み変形が低減される。そのため、トランスファーモールド時に加わる応力による蓋体3の破損を効果的に低減することができる。
以上のような物理量センサーデバイス5000は、物理量センサー1と、物理量センサー1を覆っている樹脂パッケージ5600と、を含んでいる。そのため、物理量センサー1の効果を享受でき、信頼性の高い物理量センサーデバイス5000が得られる。また、樹脂パッケージ5600によって物理量センサー1を衝撃、埃、熱、湿気(水分)等から好適に保護することができる。
<第15実施形態>
次に、本発明の第15実施形態に係る複合センサーデバイスについて説明する。
次に、本発明の第15実施形態に係る複合センサーデバイスについて説明する。
図28は、本発明の第15実施形態に係る複合センサーデバイスを示す平面図である。図29は、図28に示す複合センサーデバイスの断面図である。
図28および図29に示すように、複合センサーデバイス4000は、ベース基板4100と、ベース基板4100の上面にダイアタッチ材DA(樹脂接着剤)を介して取り付けられた半導体素子4200(回路素子)と、半導体素子4200の上面にダイアタッチ材DAを介して取り付けられた加速度センサー4300(第2物理量センサー)および角速度センサー4400(第1物理量センサー)と、半導体素子4200、加速度センサー4300および角速度センサー4400を覆う樹脂パッケージ4500と、を有している。加速度センサー4300は、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の加速度をそれぞれ独立して検出可能な3軸加速度センサーであり、例えば、静電容量型のセンサーを用いることができる。また、角速度センサー4400は、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の角速度をそれぞれ独立して検出可能な3軸角速度センサーであり、例えば、前述した各実施形態の物理量センサー1を適用することができる。
ベース基板4100は、その上面に複数の接続端子4110を有し、その下面に複数の外部端子4120を有している。各接続端子4110は、ベース基板4100内に配置された図示しない内部配線等を介して対応する外部端子4120と電気的に接続されている。そして、このようなベース基板4100の上面に半導体素子4200が配置されている。
半導体素子4200は、加速度センサー4300および角速度センサー4400を駆動させる駆動回路、加速度センサー4300からの出力に基づいてX軸方向の加速度、Y軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度をそれぞれ独立して検出する加速度検出回路、角速度センサー4400からの出力に基づいてX軸まわりの角速度、Y軸まわりの角速度およびZ軸まわりの角速度をそれぞれ独立して検出する角速度検出回路、加速度検出回路および角速度検出回路からの信号を所定の信号に変換して出力する出力回路等が、必要に応じて含まれている。
このような半導体素子4200は、ボンディングワイヤーBW3を介して加速度センサー4300と電気的に接続され、ボンディングワイヤーBW4を介して角速度センサー4400と電気的に接続され、ボンディングワイヤーBW5を介してベース基板4100の接続端子4110と電気的に接続されている。そして、このような半導体素子4200の上面に、加速度センサー4300と、角速度センサー4400と、が並んで配置されている。
以上、複合センサーデバイス4000について説明した。このような複合センサーデバイス4000は、前述したように、角速度センサー4400(第1物理量センサー)と、角速度センサー4400とは異なる物理量を検出する加速度センサー4300(第2物理量センサー)と、を含んでいる。これにより、異なる種類の物理量を検出することができ、利便性の高い複合センサーデバイス4000となる。特に、本実施形態では、第1物理量センサーは、角速度を検出可能な角速度センサー4400であり、第2物理量センサーは、加速度を検出可能な加速度センサー4300である。そのため、例えば、モーションセンサー等に好適に利用することができ、極めて利便性の高い複合センサーデバイス4000となる。
なお、加速度センサー4300および角速度センサー4400の配置としては、特に限定されず、例えば、加速度センサー4300および角速度センサー4400が、半導体素子4200を間に挟むようにして、ベース基板4100の上面に取り付けられていてもよい。このような構成とすることで、複合センサーデバイス4000の低背化を図ることができる。
<第16実施形態>
次に、本発明の第16実施形態に係る慣性計測装置について説明する。
次に、本発明の第16実施形態に係る慣性計測装置について説明する。
図30は、本発明の第16実施形態に係る慣性計測装置の分解斜視図である。図31は、図30に示す慣性計測装置が有する基板の斜視図である。
図30に示す慣性計測装置2000(IMU:Inertial Measurement Unit)は、自動車や、ロボットなどの運動体(被装着装置)の姿勢や、挙動(慣性運動量)を検出する慣性計測装置である。慣性計測装置2000は、3軸の加速度センサーと、3軸の角速度センサーと、を備えた、いわゆる6軸モーションセンサーとして機能する。
慣性計測装置2000は、平面形状が略正方形の直方体である。また、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に固定部としてのネジ穴2110が形成されている。この2ヶ所のネジ穴2110に2本のネジを通して、自動車などの被装着体の被装着面に慣性計測装置2000を固定することができる。なお、部品の選定や設計変更により、例えば、スマートフォンや、デジタルカメラに搭載可能なサイズに小型化することも可能である。
慣性計測装置2000は、アウターケース2100と、接合部材2200と、センサーモジュール2300と、を有し、アウターケース2100の内部に、接合部材2200を介在させて、センサーモジュール2300を挿入した構成となっている。また、センサーモジュール2300は、インナーケース2310と、基板2320と、を有している。
アウターケース2100の外形は、前述した慣性計測装置2000の全体形状と同様に、平面形状が略正方形の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴2110が形成されている。また、アウターケース2100は、箱状であり、その内部にセンサーモジュール2300が収納されている。
インナーケース2310は、基板2320を支持する部材であり、アウターケース2100の内部に収まる形状となっている。また、インナーケース2310には、基板2320との接触を防止するための凹部2311や後述するコネクター2330を露出させるための開口2312が形成されている。このようなインナーケース2310は、接合部材2200(例えば、接着剤を含浸させたパッキン)を介してアウターケース2100に接合されている。また、インナーケース2310の下面には接着剤を介して基板2320が接合されている。
図31に示すように、基板2320の上面には、コネクター2330、Z軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340z、X軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の加速度を検出する加速度センサー2350などが実装されている。また、基板2320の側面には、X軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340xおよびY軸まわりの角速度を検出する角速度センサー2340yが実装されている。なお、これらセンサー2340z、2340x、2340y、2350として、物理量センサー1を適用することができる。
また、基板2320の下面には、制御IC2360が実装されている。制御IC2360は、MCU(Micro Controller Unit)であり、不揮発性メモリーを含む記憶部や、A/Dコンバーターなどを内蔵しており、慣性計測装置2000の各部を制御する。記憶部には、加速度および角速度を検出するための順序と内容を規定したプログラムや、検出データをデジタル化してパケットデータに組込むプログラム、付随するデータなどが記憶されている。なお、基板2320にはその他にも複数の電子部品が実装されている。
以上、慣性計測装置2000について説明した。このような慣性計測装置2000は、前述したように、物理量センサーとしての角速度センサー2340z、2340x、2340yおよび加速度センサー2350と、これら各センサー2340z、2340x、2340y、2350の駆動を制御する制御IC2360(制御回路)と、を含んでいる。これにより、本発明の物理量センサーの効果を享受でき、信頼性の高い慣性計測装置2000が得られる。
<第17実施形態>
次に、本発明の第17実施形態に係る移動体測位装置について説明する。
次に、本発明の第17実施形態に係る移動体測位装置について説明する。
図32は、本発明の第17実施形態に係る移動体測位装置の全体システムを示すブロック図である。図33は、図32に示す移動体測位装置の作用を示す図である。
図32に示す移動体測位装置3000は、移動体に装着して用い、当該移動体の測位を行うための装置である。移動体としては、特に限定されず、自転車、自動車(四輪自動車およびバイクを含む)、電車、飛行機、船等のいずれでもよいが、本実施形態では四輪自動車として説明する。移動体測位装置3000は、慣性計測装置3100(IMU)と、演算処理部3200と、GPS受信部3300と、受信アンテナ3400と、位置情報取得部3500と、位置合成部3600と、処理部3700と、通信部3800と、表示部3900と、を有している。なお、慣性計測装置3100としては、例えば、前述した慣性計測装置2000を用いることができる。
慣性計測装置3100は、3軸の加速度センサー3110と、3軸の角速度センサー3120と、を有している。演算処理部3200は、加速度センサー3110からの加速度データおよび角速度センサー3120からの角速度データを受け、これらデータに対して慣性航法演算処理を行い、慣性航法測位データ(移動体の加速度および姿勢を含むデータ)を出力する。
また、GPS受信部3300は、受信アンテナ3400を介してGPS衛星からの信号(GPS搬送波。位置情報が重畳された衛星信号)を受信する。また、位置情報取得部3500は、GPS受信部3300が受信した信号に基づいて、移動体測位装置3000(移動体)の位置(緯度、経度、高度)、速度、方位を表すGPS測位データを出力する。このGPS測位データには、受信状態や受信時刻等を示すステータスデータも含まれている。
位置合成部3600は、演算処理部3200から出力された慣性航法測位データおよび位置情報取得部3500から出力されたGPS測位データに基づいて、移動体の位置、具体的には移動体が地面のどの位置を走行しているかを算出する。例えば、GPS測位データに含まれている移動体の位置が同じであっても、図33に示すように、地面の傾斜等の影響によって移動体の姿勢が異なっていれば、地面の異なる位置を移動体が走行していることになる。そのため、GPS測位データだけでは移動体の正確な位置を算出することができない。そこで、位置合成部3600は、慣性航法測位データ(特に、移動体の姿勢に関するデータ)を用いて、移動体が地面のどの位置を走行しているのかを算出する。なお、当該判定は、三角関数(鉛直方向に対する傾きθ)を用いた演算によって比較的簡単に行うことができる。
位置合成部3600から出力された位置データは、処理部3700によって所定の処理が行われ、測位結果として、表示部3900に表示されるようになっている。また、位置データは、通信部3800によって外部装置に送信されるようになっていてもよい。
以上、移動体測位装置3000について説明した。このような移動体測位装置3000は、前述したように、慣性計測装置3100と、測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信するGPS受信部3300(受信部)と、受信した衛星信号に基づいて、GPS受信部3300の位置情報を取得する位置情報取得部3500(取得部)と、慣性計測装置3100から出力された慣性航法測位データ(慣性データ)に基づいて、移動体の姿勢を演算する演算処理部3200(演算部)と、算出された姿勢に基づいて位置情報を補正することにより、移動体の位置を算出する位置合成部3600(算出部)と、を含んでいる。これにより、前述した慣性計測装置2000の効果を享受でき、信頼性の高い移動体測位装置3000が得られる。
<第18実施形態>
次に、本発明の第18実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第18実施形態に係る電子機器について説明する。
図34は、本発明の第18実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図34に示すモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1100は、本発明の電子機器を適用したものである。パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106と、により構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。また、パーソナルコンピューター1100には、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1110(制御部)と、が内蔵されている。物理量センサー1としては、例えば、前述した各実施形態のもののいずれかを用いることができる。
このようなパーソナルコンピューター1100(電子機器)は、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1110(制御部)と、を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第19実施形態>
次に、本発明の第19実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第19実施形態に係る電子機器について説明する。
図35は、本発明の第19実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図35に示す携帯電話機1200(PHSも含む)は、本発明の電子機器を適用したものである。携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。また、携帯電話機1200には、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1210(制御部)と、が内蔵されている。
このような携帯電話機1200(電子機器)は、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1210(制御部)と、を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第20実施形態>
次に、本発明の第20実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第20実施形態に係る電子機器について説明する。
図36は、本発明の第20実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
図36に示すデジタルスチールカメラ1300は、本発明の電子機器を適用したものである。デジタルスチールカメラ1300は、ケース1302を備え、このケース1302の背面には表示部1310が設けられている。表示部1310は、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。そして、撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押すと、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、デジタルスチールカメラ1300には、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1320(制御部)と、が内蔵されている。物理量センサー1は、例えば、手振れ補正に用いられる。
このようなデジタルスチールカメラ1300(電子機器)は、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御回路1320(制御部)と、を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述した実施形態のパーソナルコンピューターおよび携帯電話機、本実施形態のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル端末、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、移動体端末基地局用機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ネットワークサーバー等に適用することができる。
<第21実施形態>
次に、本発明の第21実施形態に係る携帯型電子機器について説明する。
次に、本発明の第21実施形態に係る携帯型電子機器について説明する。
図37は、本発明の第21実施形態に係る携帯型電子機器を示す平面図である。図38は、図37に示す携帯型電子機器の概略構成を示す機能ブロック図である。
図37に示す腕時計型の活動計1400(アクティブトラッカー)は、本発明の携帯型電子機器を適用したリスト機器である。活動計1400は、バンド1401によってユーザーの手首等の部位(被検体)に装着される。また、活動計1400は、デジタル表示の表示部1402を備えると共に、無線通信が可能である。上述した本発明に係る物理量センサー1は、加速度を測定する加速度センサー1408や角速度を計測する角速度センサー1409として活動計1400に組込まれている。
活動計1400は、加速度センサー1408および角速度センサー1409が収容されたケース1403と、ケース1403に収容され、加速度センサー1408および角速度センサー1409からの出力データを処理する処理部1410と、ケース1403に収容されている表示部1402と、ケース1403の開口部を塞いでいる透光性カバー1404と、を備えている。また、透光性カバー1404の外側にはベゼル1405が設けられている。また、ケース1403の側面には複数の操作ボタン1406、1407が設けられている。
図38に示すように、加速度センサー1408は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の加速度を検出し、検出した3軸加速度の大きさおよび向きに応じた信号(加速度信号)を出力する。また、角速度センサー1409は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々の角速度を検出し、検出した3軸角速度の大きさおよび向きに応じた信号(角速度信号)を出力する。
表示部1402を構成する液晶ディスプレイ(LCD)では、種々の検出モードに応じて、例えば、GPSセンサー1411や地磁気センサー1412を用いた位置情報、移動量、加速度センサー1408や角速度センサー1409などを用いた運動量などの運動情報、脈拍センサー1413などを用いた脈拍数などの生体情報、もしくは現在時刻などの時刻情報などが表示される。なお、温度センサー1414を用いた環境温度を表示することもできる。
通信部1415は、ユーザー端末と図示しない情報端末との間の通信を成立させるための各種制御を行う。通信部1415は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機や、USB(Universal Serial Bus)等の通信バス規格に対応したコネクターを含んで構成される。
処理部1410(プロセッサー)は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部1410は、記憶部1416に格納されたプログラムと、操作部1417(例えば操作ボタン1406、1407)から入力された信号とに基づき、各種の処理を実行する。処理部1410による処理には、GPSセンサー1411、地磁気センサー1412、圧力センサー1418、加速度センサー1408、角速度センサー1409、脈拍センサー1413、温度センサー1414、計時部1419の各出力信号に対するデータ処理、表示部1402に画像を表示させる表示処理、音出力部1420に音を出力させる音出力処理、通信部1415を介して情報端末と通信を行う通信処理、バッテリー1421からの電力を各部へ供給する電力制御処理などが含まれる。
このような活動計1400では、少なくとも以下のような機能を有することができる。
1.距離:高精度のGPS機能により計測開始からの合計距離を計測する。
2.ペース:ペース距離計測から、現在の走行ペースを表示する。
3.平均スピード:平均スピード走行開始から現在までの平均スピードを算出し表示する。
4.標高:GPS機能により、標高を計測し表示する。
5.ストライド:GPS電波が届かないトンネル内などでも歩幅を計測し表示する。
6.ピッチ:1分あたりの歩数を計測し表示する。
7.心拍数:脈拍センサーにより心拍数を計測し表示する。
8.勾配:山間部でのトレーニングやトレイルランにおいて、地面の勾配を計測し表示する。
9.オートラップ:事前に設定した一定距離や一定時間を走った時に、自動でラップ計
測を行う。
10.運動消費カロリー:消費カロリーを表示する。
11.歩数:運動開始からの歩数の合計を表示する。
1.距離:高精度のGPS機能により計測開始からの合計距離を計測する。
2.ペース:ペース距離計測から、現在の走行ペースを表示する。
3.平均スピード:平均スピード走行開始から現在までの平均スピードを算出し表示する。
4.標高:GPS機能により、標高を計測し表示する。
5.ストライド:GPS電波が届かないトンネル内などでも歩幅を計測し表示する。
6.ピッチ:1分あたりの歩数を計測し表示する。
7.心拍数:脈拍センサーにより心拍数を計測し表示する。
8.勾配:山間部でのトレーニングやトレイルランにおいて、地面の勾配を計測し表示する。
9.オートラップ:事前に設定した一定距離や一定時間を走った時に、自動でラップ計
測を行う。
10.運動消費カロリー:消費カロリーを表示する。
11.歩数:運動開始からの歩数の合計を表示する。
このような活動計1400(携帯型電子機器)は、物理量センサー1と、物理量センサー1が収容されているケース1403と、ケース1403に収容され、物理量センサー1からの出力データを処理する処理部1410と、ケース1403に収容されている表示部1402と、ケース1403の開口部を塞いでいる透光性カバー1404と、を含んでいる。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
また、前述したように、活動計1400は、GPSセンサー1411(衛星測位システム)を含み、ユーザーの移動距離や移動軌跡を計測することができる。そのため、利便性の高い活動計1400が得られる。
なお、活動計1400は、ランニングウォッチ、ランナーズウォッチ、デュアスロンやトライアスロン等マルチスポーツ対応のランナーズウォッチ、アウトドアウォッチ、および衛星測位システム、例えばGPSを搭載したGPSウォッチ、等に広く適用できる。
また、上述では、衛星測位システムとしてGPS(Global Positioning System)を用いて説明したが、他の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用してもよい。例えば、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1または2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augmentation System)を利用してもよい。
<第22実施形態>
次に、本発明の第22実施形態に係る移動体について説明する。
次に、本発明の第22実施形態に係る移動体について説明する。
図39は、本発明の第22実施形態に係る移動体を示す斜視図である。
図39に示す自動車1500は、本発明の移動体を適用した自動車である。この図において、自動車1500は、エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステムの少なくとも何れかのシステム1510を含んでいる。また、自動車1500には、物理量センサー1が内蔵されており、物理量センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量センサー1の検出信号は、制御装置1502に供給され、制御装置1502は、その信号に基づいてシステム1510を制御することができる。
このような自動車1500(移動体)は、物理量センサー1と、物理量センサー1から出力された検出信号に基づいて制御を行う制御装置1502(制御部)と、を有している。そのため、前述した物理量センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。また、自動車1500は、エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステムの少なくとも何れかのシステム1510を含み、制御装置1502は、検出信号に基づいて、システム1510を制御する。これにより、システム1510を精度よく制御することができる。
なお、物理量センサー1は、他にも、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
また、移動体としては、自動車1500に限定されず、例えば、飛行機、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)、二足歩行ロボット、ドローン等の無人飛行機等にも適用することができる。
以上、本発明の物理量センサー、物理量センサーデバイス、複合センサーデバイス、慣性計測装置、移動体測位装置、携帯型電子機器、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、物理量センサーが角速度を検出する構成について説明したが、物理量センサーが検出する物理量としては、特に限定されず、例えば、加速度、圧力等であってもよい。また、前述した実施形態では、物理量センサー1がX軸まわりの角速度、Y軸まわりの角速度およびZ軸まわりの角速度を検出できる構成について説明したが、これに限定されず、これらのうちの1つまたは2つを省略してもよい。また、物理量センサーは、種類の異なる複数の物理量(例えば、角速度と加速度)を検出できるようになっていてもよい。
1…物理量センサー、10…パッケージ、2…基板、20…上面、21x、21y、21z…凹部、3…蓋体、30…下面、31…凹部、311…底面、32…凸部、321…先端面、322…テーパー部、323…溝部、35…機能性膜、38…絶縁膜、39…ガラスフリット、4…センサー素子、4A、4B…可動体、40A、40B…接続ばね、41A、41B…駆動部、411A、411B…可動駆動電極、412A、412B…固定駆動電極、42A、42B…固定部、43A、43B…駆動ばね、44A、44B…検出部、441A、441B…可動検出電極、451、452…固定部、46A、46B…検出ばね、47A、47B…梁、48…フレーム、488、489…フレームばね、49A、49B…モニター部、491A、491B…可動モニター電極、492A、492B、493A、493B…固定モニター電極、5…センサー素子、5A、5B…可動体、50A、50B…接続ばね、51A、51B…駆動部、511A、511B…可動駆動電極、512A、512B…固定駆動電極、52A、52B…固定部、53A、53B…駆動ばね、54A、54B…検出部、541A、541B…可動検出電極、551、552…固定部、56A、56B…検出ばね、57A、57B…梁、58…フレーム、588、589…フレームばね、59A、59B…モニター部、591A、591B…可動モニター電極、592A、592B、593A、593B…固定モニター電極、6…センサー素子、6A、6B…可動体、60A、60B…接続ばね、61A、61B…駆動部、611A、611B…可動駆動電極、612A、612B…固定駆動電極、62A、62B…固定部、63A、63B…駆動ばね、64A、64B…検出部、641A、641B…可動検出電極、642A、642B、643A、643B…固定検出電極、651、652…固定部、66A、66B…検出ばね、67A、67B…梁、68…フレーム、688、689…フレームばね、69A、69B…モニター部、691A、691B…可動モニター電極、692A、692B、693A、693B…固定モニター電極、71x、71y、72x、72y…固定検出電極、8…構造体、81x、81y、81z…開口、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1108…表示部、1110…制御回路、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1208…表示部、1210…制御回路、1300…デジタルスチールカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1320…制御回路、1400…活動計、1401…バンド、1402…表示部、1403…ケース、1404…透光性カバー、1405…ベゼル、1406…操作ボタン、1407…操作ボタン、1408…加速度センサー、1409…角速度センサー、1410…処理部、1411…GPSセンサー、1412…地磁気センサー、1413…脈拍センサー、1414…温度センサー、1415…通信部、1416…記憶部、1417…操作部、1418…圧力センサー、1419…計時部、1420…音出力部、1421…バッテリー、1500…自動車、1502…制御装置、1510…システム、2000…慣性計測装置、2100…アウターケース、2110…ネジ穴、2200…接合部材、2300…センサーモジュール、2310…インナーケース、2311…凹部、2312…開口、2320…基板、2330…コネクター、2340x、2340y、2340z…角速度センサー、2350…加速度センサー、2360…制御IC、3000…移動体測位装置、3100…慣性計測装置、3110…加速度センサー、3120…角速度センサー、3200…演算処理部、3300…GPS受信部、3400…受信アンテナ、3500…位置情報取得部、3600…位置合成部、3700…処理部、3800…通信部、3900…表示部、4000…複合センサーデバイス、4100…ベース基板、4110…接続端子、4120…外部端子、4200…半導体素子、4300…加速度センサー、4400…角速度センサー、4500…樹脂パッケージ、5000…物理量センサーデバイス、5100…パッケージ、5200…ベース、5210…凹部、5211…第1凹部、5212…第2凹部、5230…内部端子、5240…外部端子、5300…蓋体、5400…シームリング、5500…ベース基板、5510…接続端子、5520…実装端子、5600…樹脂パッケージ、5900…半導体素子、A…固定部、BW、BW1、BW2、BW3、BW4、BW5…ボンディングワイヤー、D1、D2、D3、D4…離間距離、DA…ダイアタッチ材、F…応力、Mx、My、Mz…マウント、Ox、Oy、Oz…中心、P…接続パッド、S…収納空間、S1…隙間、S2…収納空間、V1、V2…電圧、αx、αy、αz…仮想直線、θ…傾き、ωx、ωy、ωz…角速度
Claims (26)
- 基板と、
前記基板に支持されているセンサー素子と、
前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、前記基板の平面視で、前記センサー素子と重ならないように配置され、かつ、前記基板と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする物理量センサー。 - 請求項1において、
前記蓋体は、前記基板側の主面に開口し、その内側に前記センサー素子の少なくとも一部が配置されている凹部を含み、
前記凸部は、前記凹部の底面に設けられている物理量センサー。 - 請求項1または2において、
前記凸部は、前記基板と離間している物理量センサー。 - 請求項3において、
前記凸部と前記基板との離間距離は、前記センサー素子と前記凹部の底面との離間距離よりも小さい物理量センサー。 - 請求項4において、
前記凸部と前記基板との離間距離は、5μm以上40μm以下である物理量センサー。 - 請求項5において、
前記凸部と前記基板との離間距離は、10μm以上20μm以下である物理量センサー。 - 請求項3ないし6のいずれか一項において、
前記基板と前記蓋体との間に位置し、前記基板と前記蓋体とを接合する接合部材を含み、
前記接合部材によって、前記凸部と前記基板との間に隙間が設けられている物理量センサー。 - 請求項1ないし7のいずれか一項において、
前記凸部は、前記蓋体側から先端側に向かうに従って横断面積が漸減しているテーパー部を含む物理量センサー。 - 請求項1ないし8のいずれか一項において、
前記凸部は、前記基板と対向している先端面に溝部が設けられている物理量センサー。 - 請求項1ないし9のいずれか一項において、
前記凸部の前記基板と対向している先端面に機能性膜が設けられている物理量センサー。 - 請求項1ないし10のいずれか一項において、
前記蓋体に複数の前記凸部が配置されている物理量センサー。 - 基板と、
前記基板に固定されている固定部を含むセンサー素子と、
前記基板との間に前記センサー素子を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、平面視で、前記固定部と重なって配置され、かつ、前記固定部と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする物理量センサー。 - 基板と、
前記基板に支持されているセンサー素子と、
前記基板に支持され、平面視で前記センサー素子と重ならないように配置されている構造体と、
前記基板との間に前記センサー素子および前記構造体を収納するように前記基板に接合されている蓋体と、
を含み、
前記蓋体は、前記基板側に凸部を含み、
前記凸部は、平面視で、前記構造体と重なり、かつ、前記構造体と離間しているか、または離間可能に接触していることを特徴とする物理量センサー。 - 請求項11において、
前記構造体は、平面視で、前記センサー素子の少なくとも一部を囲むように配置されている物理量センサー。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
回路素子と、
を含むことを特徴とする物理量センサーデバイス。 - 請求項15において、
前記物理量センサーおよび前記回路素子を収納しているパッケージを含む物理量センサーデバイス。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーを覆っている樹脂パッケージと、を含むことを特徴とする物理量センサーデバイス。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーである第1物理量センサーと、
前記第1物理量センサーとは異なる物理量を検出する第2物理量センサーと、
を含むことを特徴とする複合センサーデバイス。 - 請求項18において、
前記第1物理量センサーは、角速度を検出可能なセンサーであり、
前記第2物理量センサーは、加速度を検出可能なセンサーである複合センサーデバイス。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーの駆動を制御する制御回路と、
を含むことを特徴とする慣性計測装置。 - 請求項20に記載の慣性計測装置と、
測位用衛星から位置情報が重畳された衛星信号を受信する受信部と、
受信した前記衛星信号に基づいて、前記受信部の位置情報を取得する取得部と、
前記慣性計測装置から出力された慣性データに基づいて、移動体の姿勢を演算する演算部と、
算出された前記姿勢に基づいて前記位置情報を補正することにより、前記移動体の位置を算出する算出部と、
を含むことを特徴とする移動体測位装置。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーが収容されているケースと、
前記ケースに収容され、前記物理量センサーからの出力データを処理する処理部と、
前記ケースに収容されている表示部と、
前記ケースの開口部を塞いでいる透光性カバーと、
を含むことを特徴とする携帯型電子機器。 - 請求項22において、
衛星測位システムを含み、
ユーザーの移動距離や移動軌跡を計測する携帯型電子機器。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする電子機器。 - 請求項1ないし14のいずれか一項に記載の物理量センサーと、
前記物理量センサーから出力された検出信号に基づいて制御を行う制御部と、
を含むことを特徴とする移動体。 - 請求項25において、
エンジンシステム、ブレーキシステムおよびキーレスエントリーシステムの少なくとも何れかのシステムを含み、
前記制御部は、前記検出信号に基づいて、前記システムを制御する移動体。
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