JP2019095232A - 水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より正確かつ画一的に水質異常の度合を診断することができる水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法を提供することを目的とする。【解決手段】発電プラントに設けられる水質診断システムであって、発電プラントにおける水循環系1に設けられ、循環する水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測部3と、水循環系1に設けられ、循環する水のpH値を計測するpH計測部4と、水質異常の度合を診断する制御装置5と、を備え、制御装置5は、水循環系1におけるpH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値と、水循環系1における水質異常の度合を示す予め設定された複数のランクと、複数のランクにそれぞれ対応する基準値からの乖離範囲とが格納された記憶部と、電気伝導率計測部3及びpH計測部4による計測結果と、記憶部に格納された乖離範囲とに基づいて、計測結果のランクを判定するランク判定部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法に関するものである。
発電プラントでは、ボイラやタービンを含む水循環系の各構造物及び配管等を構成する鉄や銅等を含む金属材料の腐食を抑制するため、水循環系に流れる水の溶存酸素を極力零に保つとともに、アンモニア等を用いて弱アルカリ性に維持している。アンモニア等を添加する水処理は、水循環系における復水系から給水系へ送水される際に行われている。
水循環系における水質の異常(例えば、pH値低下等)は、水循環系を構成する構造物等の金属材料の腐食を引き起こすため、発電プラントでは、定期的に水質診断を行っている。一般的には、発電プラントの水質診断は、水質診断員が定期的に計器の値を読み取り、読み取った値を手動で分析することによって、管理基準値の範囲との比較や経時的変化を確認することで良否の判断が行われている。さらに各計測値や各分析値は、不純物や異物の混入で値が変化することもあり、種々の要因が重なった各計測値や各分析値の変動がある場合もある。このため、水質異常の診断には、専門的知識を必要とし、また、個人の判断差が含まれてしまい、水質異常を画一的に判断することが困難であった。
特許文献1では、過去に発生した事象(監視計器データ等)をデータベースシステムに蓄積しておき、ある事象が発生した場合に、データベースシステムに蓄積されたデータを参照することが記載されている。
しかしながら、発電プラントにおける水質をより的確に判断するためには、従来のように、それぞれの測定や分析項目において別々に水質診断を行うだけでは不十分であることが判ってきた。また、一方では水質異常を見逃してしまった場合には、水循環系に腐食等が生じ、ボイラ蒸発管漏洩やタービン性能低下等といった大きな問題を引き起こす危惧があるため、水質異常の判断に当たり、水質の測定値や分析値が異常とする傾向等も画一的に判断できることが望まれている。
例えば、別々の測定値である水のpH値と電気伝導率は、アンモニア濃度に基づいて相関関係を有している。つまり、水質調整のための意図的な操作によって電気伝導率が低下したとしても、pH値も該相関関係に従って変化していれば、水質に異常がない(有害な不純物が含まれていない)という特性を利用する水質評価方法の活用を発見するに至った。すなわち、pH値及び電気伝導率が、予め算出されている相関関係に基づく基準値から逸脱していなければ、他の不純物等の混入はなく水質には問題がないということが推定される。よって、水質をより的確かつ画一的に判断するために、測定項目の相関関係を考慮して、水質異常の診断を行うことができることを発見するに至った。
ここで、水質異常の傾向等を画一的に認識するためには、水質異常の度合を正確に診断することが必要である。測定項目の相関関係を考慮して、水質異常の診断を行うにあたり、水質異常の度合についても正確かつ画一的に診断することで、水質悪化を事前に認識することができ、発電プラントへの影響を最小限に抑えることができる。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、より正確かつ画一的に水質異常の度合を診断することのできる水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法を提供することを目的とする。
本発明の幾つかの実施形態は、発電プラントにおける水循環系に設けられ、循環する水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測部と、前記水循環系に設けられ、循環する水のpH値を計測するpH計測部と、水質異常の度合を診断する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記水循環系におけるpH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値と、前記水循環系における水質異常の度合を示す予め設定された複数のランクと、前記複数のランクにそれぞれ対応する前記基準値からの乖離範囲とが格納された記憶部と、前記電気伝導率計測部及び前記pH計測部による計測結果と、前記記憶部に格納された前記乖離範囲とに基づいて、前記計測結果のランクを判定するランク判定部と、を備える水質診断システム。
上記のような構成によれば、電気伝導率計測部及びpH計測部による計測結果を、pH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値からの乖離範囲に基づいて、水質異常の度合を判定することとしたため、pH値のみ又は電気伝導率のみでは正確に判断できなかった水質異常についても、効果的に判断することができる。すなわち、通常は水質異常の基準範囲にあるかを優先して確認を行うpH値には変動が少なく異常が認められない場合でも、水質に敏感に反応する電気導電率の変動を組み合わせることで、水質異常の有無を効果的に判断することができる。また、電気伝導率計測部及びpH計測部による計測結果を、水質異常の度合を示す複数のランクに分けることとしたため、計測者の技量に依ることなく、正確かつ画一的に水質異常の判断を行うことが可能となる。また、水質異常を正確に判断することができるため、水質悪化による発電プラント全体への影響(例えば、ボイラ蒸発管漏洩、タービン性能低下等)を効果的に防止することができる。
上記水質診断システムにおいて、前記制御装置は、複数の前記計測結果のそれぞれに対応した前記ランク判定部による判定結果を用い、前記判定結果における前記複数のランクの度数分布状態に応じて、前記水循環系における水質異常の度合を総合的に判定する総合判定部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、複数のランクに対する度数分布状態に応じて、水質異常の度合を総合的に判定することとしたため、所定期間に判定した電気伝導率計測部及びpH計測部の各計測結果に対する各ランク結果が、例えば、水循環系を流れる水の濃度差(例えば、アンモニア濃度差)によって電気抵抗率の各測定結果がばらついたとしても、各ランクの度数分布から、誤差範囲内と判断できるランクの度数が多い状態であれば、重度の異常ではなく問題なしとする総合判断を行うので、確度の高い総合判定を行うことができる。
上記水質診断システムにおいて、前記制御装置は、前記総合判定部による総合判定結果に応じて、総合判定に用いた前記電気伝導率計測部及び前記pH計測部の値とは異なる値に対して、予め設定された条件を満たすか否かを判定することにより、前記総合判定結果の原因を推定する原因推定部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、総合判定部により判定された総合判定結果となり得る原因を、総合判定結果に用いた値と異なる値に対して、予め設定された条件を満たすか否かを判定することで、自動的に推定することが可能となる。このため、特に、総合判定結果が高い水質異常を示す場合であっても、正確かつ迅速に、原因を推定することができるので、プラントの異常を早期に発見することができる。
上記水質診断システムにおいて、前記水循環系に設けられ、循環する水の酸電気伝導率を測定する少なくとも1つの酸電気伝導率計測部を備え、前記原因推定部は、前記総合判定結果が高い水質異常を示す場合に、前記酸電気伝導率計測部からの計測結果が予め設定された閾値以上であるか否かを判定し、肯定判定である場合に、前記総合判定結果の原因として海水漏洩を推定することとしてもよい。
上記のような構成によれば、総合判定結果が高い水質異常を示す場合であっても、酸電気伝導率計測部の計測結果が予め設定された閾値以内か否かに基づいて、原因推定が自動的に行われることで、該水質異常の原因が海水漏洩によるものか否かを迅速に推定することができる。
上記水質診断システムにおいて、前記総合判定結果と前記原因推定部によって推定された前記総合判定結果に対応する原因とを表示する表示部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、発電プラントの運転者は、容易に、総合判定結果とその原因を認識することが可能となるので、プラントの異常を早期に発見して対応することができる。
上記水質診断システムにおいて、シミュレーション装置を備え、前記制御装置は、前記総合判定結果に対して推定される原因及び水質異常に関連する計測結果を前記シミュレーション装置に送信する通信部を備え、前記シミュレーション装置は、前記通信部より取得した情報と、シミュレーションモデルおよび/または蓄積された過去のデータとに基づいて、漏洩リーク量及びリーク時間を算定し、前記発電プラントにおける漏洩汚染範囲を導出することとしてもよい。
上記のような構成によれば、発電プラントの運転員は容易に汚染範囲を認識することができる。発電プラントでは、水質異常の発生に対して、今後の追加調査内容と処置内容、スケジュール等の対策の計画を迅速に提案して、早期に適切に発電プラントの健全性を回復することが容易になる。
本発明の幾つかの実施形態は、ボイラと、蒸気タービンと、復水器と、上記水質診断システムと、を備えた発電プラントである。
本発明の幾つかの実施形態は、発電プラントにおける水循環系に設けられた電気伝導率計測部及びpH計測部と、前記水循環系におけるpH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値と前記水循環系における水質異常の度合を示す予め設定された複数のランクと前記複数のランクにそれぞれ対応する前記基準値からの乖離範囲とが格納された記憶部を有する制御装置と、を備えた水質診断システムの水質診断方法であって、循環する水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測工程と、循環する水のpH値を計測するpH計測工程と、前記電気伝導率計測工程及び前記pH計測工程による計測結果と、前記記憶部に格納された前記乖離範囲とに基づいて、前記計測結果のランクを判定するランク判定工程と、を有する水質診断方法である。
本発明によれば、より正確かつ画一的に水質異常の度合を診断することができるという効果を奏する。
〔第1実施形態〕
以下に、幾つかの実施形態に係る水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る水質診断システムを備えた発電プラントにおける水循環系1の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る水循環系1は、蒸気系と、復水系と、給水系と、電気伝導率計測部3と、pH計測部4と、制御装置5とを主な構成として備えている。
以下に、幾つかの実施形態に係る水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る水質診断システムを備えた発電プラントにおける水循環系1の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る水循環系1は、蒸気系と、復水系と、給水系と、電気伝導率計測部3と、pH計測部4と、制御装置5とを主な構成として備えている。
なお、蒸気系は、ボイラ6及びタービン7(蒸気タービン)を備えて構成され、復水系は、復水器8、復水ポンプ9、復水脱塩装置10、及びグランド蒸気復水器11を備えて構成され、給水系は、低圧ヒータ12、脱気器13、給水ポンプ14、及び高圧ヒータ15を備えて構成されている。本実施形態における水循環系1では、ボイラ6、タービン7、復水器8、復水ポンプ9、復水脱塩装置10、グランド蒸気復水器11、低圧ヒータ12、脱気器13、給水ポンプ14、高圧ヒータ15の順に接続され、各装置を介して水(および蒸気)が循環している。
蒸気系では、給水系から供給された給水をボイラ6での熱交換で蒸気に変え、タービン7を回転駆動している。具体的には、まず、ボイラ6において、燃料の燃焼発熱と熱交換することで、給水系から供給された高圧の給水を蒸発させて高温高圧の蒸気を生成する。なお、ボイラ6は、貫流方式、自然循環方式及び強制循環方式等のいずれの方式についても適用可能である。そして、高温高圧の蒸気はタービン7に供給され、タービンブレードを回転駆動する。タービン7では、高圧タービンや低圧タービンによってボイラ6から供給された蒸気のもつ熱エネルギーを力学的なエネルギーに変換する。そして、タービンブレードに対する蒸気の作用によって発生した回転トルクを用いて、図示しない発電機等を回転駆動して発電をする。タービン7で仕事を終えた蒸気は、復水系における復水器8へ供給される。
復水系では、タービン7で仕事を終えた蒸気を、再度ボイラ6及びタービン7へ供給できるように復水させる。具体的には、復水器8において、復水器8内に設けた冷却管に冷却水を流し、タービン7からの排気蒸気と冷却管を流れる冷却水との間で熱交換を行わせ、排気蒸気を凝縮させ復水させる。そして、復水ポンプ9によって、復水された水を復水脱塩装置10へ送水する。復水脱塩装置10では、復水器8によって復水された水を浄化する。復水には、系統内で発生した金属イオンや塩素などの不純物が微量ながら含まれており、これらの不純物は、ボイラ6を構成する伝熱管の腐食発生などの障害を引き起こす可能性がある。このため、復水脱塩装置10では、アニオン樹脂やカチオン樹脂を用いて脱塩処理が行われる。なお、タービン7の軸シール部分などに使用されるグランド蒸気は、グランド蒸気復水器11にて凝縮され復水される。復水系の処理が完了すると、復水は給水として給水系に供給される。
給水系では、復水系から供給された給水を高温高圧状態にして、ボイラ6の蒸発系へ供給する。復水系から供給された給水は、低圧ヒータ12によって、例えば約150℃まで加熱される。加熱された給水は、脱気器13へ供給され、給水中に溶存する酸素や炭酸ガスなどの非凝縮ガスが除去される。脱気された給水は、給水ポンプ14によって圧送され、高圧状態の給水は、高圧ヒータ15によって、さらに例えば約250℃まで加熱され、蒸発しない状態でボイラ6に供給される。
水循環系1において、上記の循環が繰り返し行われる。なお、水循環系1の構成は、上記の構成に限られず、あらゆる方式に適用可能である。
電気伝導率計測部3は、水循環系1に設けられ、循環する水の電気伝導率を計測する。具体的には、電気伝導率計測部3は、ボイラ6に対して給水流れの上流側に配置されている。電気伝導率計測部3によりボイラ6に供給される給水の電気伝導率を計測することによって、給水の水処理薬品濃度(pH値調整用)等を監視することができる。なお、電気伝導率(Specific Conductivity:SC)は後述する酸電気伝導率と区別してSCと併記されてもよい。電気伝導率SCとは、断面積1cm2の電極が距離1cm離れて相対しているときに、電極間にある溶液が持つ電気抵抗[Ω・cm]の逆数に相当する。つまり、電気伝導率計測部3では、所定面積の電極が所定距離だけ離れて配置されており、この間に給水が流れている状態で電極間に電圧を印可することで、電極間に流れる電流を検出し、電気伝導率を算出している。
pH計測部4は、水循環系1に設けられ、循環する水のpH値を計測する。具体的には、pH計測部4は、ボイラ6に対して給水流れの上流側に配置されている。通常は、給水は、各機器の腐食等を防ぐために、弱アルカリ性(例えば、pH9〜10程度)に維持されている。pH計測部4によりボイラ6に供給される給水のpH値を計測することによって、給水が弱アルカリ性に維持されているか否かを監視することができる。
本実施形態では、電気伝導率計測部3及びpH計測部4は、ボイラ6に対して給水流れの上流側に配置されているが、これは、特にボイラ6及びタービン7に供給される給水の水質診断を行い、ボイラ6及びタービン7の腐食を抑制するためである。しかしながら、電気伝導率計測部3及びpH計測部4の配置位置は、上記位置に限定されず、適宜変更及び追加が可能である。
制御装置5は、電気伝導率計測部3及びpH計測部4の計測結果を用いて、水質異常の度合を診断する。
制御装置5は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等かを備えている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
図2は、制御装置5が備える機能を示した機能ブロック図である。図2に示されるように、制御装置5は、記憶部21と、ランク判定部22と、総合判定部23とを備えている。
記憶部21は、水循環系1における水質異常の度合を示す予め設定された複数のランクと、水循環系1におけるpH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値と、複数のランクにそれぞれ対応する基準値からの乖離範囲とが格納されている。記憶部21に格納されている情報の本実施形態における一例を図3に示す。なお、本実施形態では、各測定値の計測誤差を考慮して、基準値との乖離範囲に応じてランクは例えば5段階(ランクa〜e)に分けられている場合について説明するが、ランクの階数は適宜変更可能である。
ランクは、水質異常の度合を表すための予め設定された階級であり、例えば、図3に示すようにランクaからランクeに分けられていて、測定値毎に判断される。本実施形態では、ランクaとは、水質異常の度合が最も低いランクであり、図3に示すように、問題なく、現在の運転状態を維持できることを示していて、例えば計測誤差範囲内となる。ランクbとは、水質異常の度合が2番目に低いランクであり、基準内であるが、若干の異常値が認められる場合があることを示している。ランクcとは、水質異常の度合が中間のランクであり、若干の異常値が認められる場合があり、定期的に確認する必要があることを示していて、例えばJIS規格などの公的規格基準値以内で許容される上限レベルとなる。ランクdとは、水質異常の度合が2番目に高いランクであり、深刻な異常値が認められることを示している。ランクeとは、水質異常の度合が最も高いランクであり、多くの深刻な異常値が認められ、早期の対策が必要であることを示していて、例えばユニット停止しての対策が必要なレベルとなる。つまり、水循環系1における水質の診断結果が、水質異常の度合が高いランク(特に、ランクe)である場合には、早期の対応が必要であること示している。
基準値とは、水循環系1において水処理のため(腐食を防ぐため)に添加して管理しているアンモニア濃度に基づく、pH値及び電気伝導率の相関関係から算出される。pH値及び電気伝導率の相関関係は、以下の近似式で表すことができる。
[数1]
pH=0.43×ln(SC)+9.6 (1)
pH=0.43×ln(SC)+9.6 (1)
式(1)におけるSCとは、電気伝導率[mS/m]を示している。式(1)では、ある電気伝導率[mS/m]において推定されるアンモニア濃度と同じ濃度のアンモニアによるpH値(理論値)を算出することができる。式(1)で表されるpH値及び電気伝導率の相関関係の近似線(基準値)を基準線として、図4の実線で示す。例えば、式(1)において、電気伝導率が1[mS/m]のときには、pH値(理論値)として9.6が算出される。これは、電気伝導率が1[mS/m]から推定されるアンモニア濃度と、pH9.6から推定されるアンモニア濃度とが同じ値となることを示している。つまり、pH値及び電気伝導率の計測結果が、式(1)で表される近似線(基準値)上もしくは計測誤差範囲で近傍にある場合、水循環系1における水には、水処理のために添加したアンモニア以外の不純物等の混入は極少なく、水質に異常がないと推定される。一方で、pH値及び電気伝導率の計測結果が、式(1)で表される近似線(基準値)から大きく離れている場合には、水処理のために添加したアンモニア以外のなんらかの影響で、水質が悪化していることを示している。なんらかの影響とは、例えば、海水漏洩(海水混入)や、有機物混入等である。
複数のランクにそれぞれ対応する基準値からの乖離範囲は、式(1)で表されるpH値及び電気伝導率の相関関係の基準値からの乖離状態に応じて規定されている。例えば、図3及び図4に示されるように、ランクaの乖離範囲は、基準値±0.05以内に設定される。また、ランクbの乖離範囲は、(基準値±0.05を超えて)基準値±0.1以内に設定される。また、ランクcの乖離範囲は、(基準値±0.1を超えて)基準値±0.15以内に設定される。また、ランクdの乖離範囲は、(基準値±0.15を超えて)基準値±0.2以内に設定される。また、ランクeの乖離範囲は、基準値±0.2以上に設定される。このように、基準値からの乖離範囲をランクに分けて規定することで、pH値及び電気伝導率の計測結果と、水質異常の度合とを画一的に対応づけることができる。なお、乖離範囲は上記に限定されず、適宜変更可能である。
なお、図4には、例えば定期メンテナンスからの期間を区切り、期間T1(例えば0年から1.5年)、期間T2(例えば1.5年から2.5年)、期間T3(例えば2.5年から3.5年)のそれぞれの期間に取得したpH値及び電気伝導率の計測結果をプロットした例を示している。期間T1におけるpH値及び電気伝導率の計測結果は、多少ばらついているものの、ランクeと判定される計測結果はない。しかし、経年経過に従って、pH値はばらつき範囲があまり変化せず、電気伝導率が大きく低下することで、期間T2では、ランクeと判定される計測結果が増え、期間T3では、ランクeと判定される計測結果が約半数を占める状態となっている。つまり、経年変化に従って、pH値はばらつき範囲があまり変化しないために、pH値のみの計測では見過ごしていた水質異常が、電気伝導度との基準値との乖離状態を把握することで、期間がT1からT2,T3へと推移するに従い水質が基準値から逸脱していることが確認できる。つまり、図4の例では、pH計の異常または水循環系に対して、pH値には影響を及ぼさないが、電気伝導率にのみ影響を及ぼす不純物が混入した可能性があることを示している。このように、pH値及び電気伝導率の相関関係の基準値からの乖離に着目することによって、pH値からでは把握が難しかった水質異常を正確に判断することができる。
なお、図4の例のように、電気伝導率が低下したとしても、pH値も低下しており、基準値からあまり逸脱しなく計測誤差内の乖離状態であれば、水処理のために添加するアンモニア添加量の意図的な操作であり、アンモニア以外の不純物は極少ないということとなり、水質には問題がない、または、アンモニア添加設備の異常が考えられる。このため、pH値のみ又は電気伝導率のみを別々に分析しただけでは水質異常を正確に把握することはできず、pH値及び電気伝導率の相関関係を基準として水質診断を行うことが重要である。
ランク判定部22は、電気伝導率計測部3及びpH計測部4による計測結果と、記憶部21に格納された乖離範囲とに基づいて、計測結果のランクを判定する。具体的には、ランク判定部22は、所定期間毎(例えば、1時間毎)に電気伝導率計測部3及びpH計測部4から計測結果を取得し、該計測結果と、記憶部21に格納されている乖離範囲とを照合する。そして、該測定結果が含まれている乖離範囲に対応するランクを判断する。このように、各計測結果に対して水質が正常であることを示す基準値に対する乖離範囲に応じて、水質異常の度合をランクとして対応させることで、画一的に水質異常の度合を決定することができる。
なお、ランク判定部22は、計測結果が発電プラントの運転状態に影響されないように、運転状態が定常状態となっている場合に電気伝導率計測部3及びpH計測部4による計測結果を取得することとしてもよい。定常状態とは、例えば、プラント出力が90%以上の定格運転を行っている状態である。このように、発電プラントの運転状態を規定して定常状態における計測結果を用いることで、計測結果のばらつきを抑制することができる。
総合判定部23は、複数の計測結果のそれぞれに対応したランク判定部22による判定結果を用い、判定結果における複数のランクに対応する度数分布状態に応じて、水循環系1における水質異常の度合を総合的に判定する。具体的には、総合判定部23は、所定期間内(例えば、所定期日から1ヶ月)に計測された電気伝導率計測部3及びpH計測部4による各計測結果に対して判定されたランク結果を取得し、取得した複数のランク(例えばランクa〜ランクe)に対する度数分布状態を算出する。また、総合判定部23には、図5に示されるように、複数のランク(例えばランクa〜ランクe)に対する度数分布基準に応じて総合判定A〜Eが予め設定されていて、水質異常の度合いが指定の期間の状態をもとに総合的に判断できる。本実施形態における総合判定Aにおけるランクの度数分布基準とは、例えばランクaが90%以上であり、かつ、ランクd及びeが0%の状態であり、問題なく現在の運転状態を維持できることを示していている。また、総合判定Bにおけるランクの度数分布基準とは、例えばランクa及びbが80%以上であり、かつ、ランクd及びeが0%の状態であり、運転継続可能であるが若干の異常値が認められる場合があることを示している。総合判定Dにおけるランクの度数分布基準とは、例えばランクa及びbが0%であり、かつ、ランクd及びeが80%以上であり、かつ、ランクeが20%未満の状態であり、水質異常の度合が2番目に高く深刻な異常値が認められる場合がありメンテナンスの準備が必要である。総合判定Eにおけるランクの度数分布基準とは、例えばランクeが20%以上の状態であり、水質異常の度合が最も高く多くの深刻な異常値が認められ、早期のメンテナンス対策が必要であることを示している。なお、総合判定Cは、総合判定A、B、D、E以外の場合であり、水質異常の度合が中間のランクであり、若干の異常値が認められる場合があり、定期的に確認する必要があることを示している。なお、総合判定部23における総合判定の階級数及び度数分布基準は、上記の階級(A〜E)及び度数分布基準に限定されず、適宜変更が可能である。
次に、上述のランク判定部22によるランク判定処理について図6を参照して説明する。図6に示すフローは、所定の制御周期(例えば、1時間毎)で繰り返し実行され、所定期日から例えば1ヶ月間単位での各計測結果に対して判定されたランク結果(例えばランクa〜ランクe)を計測日時で識別して蓄積する。
まず、ランク判定部22は、電気伝導率計測部3及びpH計測部4による計測結果を取得する(S101)。そして、取得した計測結果が、ランクaの乖離範囲内(基準値±0.05以内)であるか否かを判定する(S102)。取得した計測結果が、ランクaの乖離範囲内であれば(S102のYES判定)、計測結果をランクaと判定する(S103)。
取得した計測結果が、ランクaの乖離範囲内でなければ(S102のNO判定)、取得した計測結果が、ランクbの乖離範囲内(基準値±0.1以内)であるか否かを判定する(S104)。取得した計測結果が、ランクbの乖離範囲内であれば(S104のYES判定)、計測結果をランクbと判定する(S105)。
取得した計測結果が、ランクbの乖離範囲内でなければ(S104のNO判定)、取得した計測結果が、ランクcの乖離範囲内(基準値±0.15以内)であるか否かを判定する(S106)。取得した計測結果が、ランクcの乖離範囲内であれば(S106のYES判定)、計測結果をランクcと判定する(S107)。
取得した計測結果が、ランクcの乖離範囲内でなければ(S106のNO判定)、取得した計測結果が、ランクdの乖離範囲内(基準値±0.2以内)であるか否かを判定する(S108)。取得した計測結果が、ランクdの乖離範囲内であれば(S108のYES判定)、計測結果をランクdと判定する(S109)。
取得した計測結果が、ランクdの乖離範囲内でなければ(S108のNO判定)、計測結果をランクeと判定し(S110)、処理を終了する。上記の制御は、所定の制御周期で繰り返し実行され、計測結果と対応する複数のランク(ランクa〜ランクe)は、計測日時で識別して記憶部21に格納される。
そして、総合判定部23は、所定期間内(例えば、1ヶ月)に計測された電気伝導率計測部3及びpH計測部4による各計測結果に対して判定されたランク(例えばランクa〜ランクe)を記憶部21から取得し、取得した複数のランクに対する度数分布状態に応じて総合判定(例えばA〜E)を行う。なお、総合判定の結果は、発電プラントが備えるディスプレイ等に表示され、発電プラントの運転に通知される。
以上説明したように、本実施形態に係る水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法によれば、電気伝導率計測部3及びpH計測部4による各計測結果を、pH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値からの乖離範囲に基づいて、水質異常の度合を判定することとしたため、pH値のみ又は電気伝導率のみでは正確に判断できなかった水質異常についても、効果的に判断することができる。また、電気伝導率計測部3及びpH計測部4による計測結果を、水質異常の度合を示す複数のランク(例えばランクa〜ランクe)に分けることとしたため、計測者の技量に依ることなく、正確かつ画一的に水質異常の判断を行うことが可能となる。また、水質異常を正確に判断することができるため、水質悪化による発電プラント全体への影響(例えば、ボイラ蒸発管漏洩、タービン性能低下等)を効果的に防止することができる。
また、複数のランク(例えばランクa〜ランクe)に対する度数分布状態に応じて、水質異常の度合を総合的に判定(例えばA〜E)することとしたため、指定の期間の状態をもとに総合的に異常の有無を高い確度で判断できる。例えば所定期間に判定した電気伝導率計測部3及びpH計測部4の各計測結果に対する各ランク結果が、例えば、水循環系1を流れる水の濃度差(例えば、アンモニア濃度差)によって電気抵抗率の各測定結果がばらついたとしても、ランクa〜ランクeの度数分布からランクaの度数が多い状態であれば、重度の異常ではなく問題なしとする総合判断:Aを行う。すなわち、各測定値に判断する各ランクの度数をもとにした確度の高い総合判定を行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法について説明する。上記第1実施形態における制御装置5は、電気伝導率計測部3及びpH計測部4の計測結果を用いて、水質異常の度合を診断していたが、本実施形態では、制御装置5は、上記第1実施形態の処理に加えて、水質異常の原因を推定する。以下、本実施形態に係る水質診断システムについて、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法について説明する。上記第1実施形態における制御装置5は、電気伝導率計測部3及びpH計測部4の計測結果を用いて、水質異常の度合を診断していたが、本実施形態では、制御装置5は、上記第1実施形態の処理に加えて、水質異常の原因を推定する。以下、本実施形態に係る水質診断システムについて、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態における水質診断システムでは、図7に示すように、第1実施形態の計測部とは別に他の計測部として、酸電気伝導率計測部17と、ボイラ6水のpH値を測定するボイラ水pH計測部18と、塩素濃度計測部19と、ナトリウム濃度計測部20とを備える。また、本実施形態における制御部は、図8に示すように、原因推定部24を備えている。
また、記憶部21には、pH計測部4の校正履歴と、推定される水質異常の原因と、推定される原因を確認するための確認項目とが格納されている。pH計測部4の校正履歴とは、pH計測部4を校正した校正日時である。また、推定される水質異常の原因と、推定される原因を確認するための確認項目とは、本実施形態では例えば、図9のようなテーブルでその一部が代表的に表される。なお、本実施形態では、記憶部21には、例えば、水質に異常がある総合判断を行った総合判定D及びEの場合に推定される原因等が格納されているものとする。
水質異常(総合判定D又はE)が判定された場合であって、pH計測部4による計測結果の平均値が基準値よりも低い場合には、pH計測部4の異常または弱アルカリ性に維持されていた水質が悪化(酸性傾向へ推移)したことを示している。このため、記憶部21には、pH計測部4の異常または水質が酸性傾向へと推移した原因として推定される各原因(pH計測部4の校正不良、海水漏洩、有機物混入、塩素漏洩)が格納されている。また、水質異常(総合判定D又はE)が判定された場合であって、pH計測部4による計測結果の平均値が基準値よりも高い場合には、pH計測部4の異常または弱アルカリ性に維持されていた水質が悪化(更にアルカリ性傾向へ推移)したことを示している。このため、記憶部21には、pH計測部4の異常または水質が更にアルカリ性傾向へ推移した原因として推定される各原因(pH計測部4の校正不良、ナトリウム漏洩)が格納されている。また、記憶部21には、上記原因のうち、より可能性が高い原因を推定するための確認項目(C1〜C6)がそれぞれの原因に対して格納されている。
酸電気伝導率計測部17は、復水器8出口、ボイラ6入口付近、タービン7入口付近、の少なくとも1箇所に設置される。酸電気伝導率は、水素イオン型に変換した強酸性陽イオン交換樹脂層を通過させて水循環系1を流れる水からアンモニウムイオン等の揮発性物質を除去し、除去後の水について電気伝導率を計測している。
ボイラ水pH計測部18は、ボイラ6に設置され、ボイラ6水におけるpH値を計測している。ボイラ6の一例としてドラム型ボイラの場合は、ドラム内のボイラ6水におけるpH値を計測している。
ボイラ水pH計測部18は、ボイラ6に設置され、ボイラ6水におけるpH値を計測している。ボイラ6の一例としてドラム型ボイラの場合は、ドラム内のボイラ6水におけるpH値を計測している。
塩素濃度計測部19は、復水系における復水脱塩装置10の上流側及び給水系において少なくとも1つ設けられる。塩素濃度計測部19では、純水装置(図示せず)などの外部から給水されて水循環系1に流れる水の塩素濃度を測定する。
ナトリウム濃度計測部20は、復水系における復水脱塩装置10の上流側及び給水系において少なくとも1つ設けられる。ナトリウム濃度計測部20では、純水装置(図示せず)などの外部から給水される水循環系1に流れる水のナトリウム濃度を測定する。
ナトリウム濃度計測部20は、復水系における復水脱塩装置10の上流側及び給水系において少なくとも1つ設けられる。ナトリウム濃度計測部20では、純水装置(図示せず)などの外部から給水される水循環系1に流れる水のナトリウム濃度を測定する。
原因推定部24では、総合判定部23による総合判定結果に応じて、総合判定結果に用いた値と異なる値に対して、予め設定された条件を満たすか否かを判定することにより、自動的に総合判定結果の原因を推定する。具体的には、原因推定部24は、記憶部21に格納されている水質異常の各原因に対する確認項目を読み出し、確認項目に記載された条件を満たすか否かを判定し、条件を満たす場合に、該確認項目に対応する原因を推定結果として出力する。
次に、上述の原因推定部24による原因推定処理の具体例について、図9を参照して説明する。なお、図9に示される原因及び確認項目は一部についての一例であり、原因及び確認項目は適宜設定できる。
なお、以下では、原因推定部24で行われる具体的な処理を、各確認項目別に説明するが、各原因推定処理は、逐次処理又は並列処理によって実行される。
なお、以下では、原因推定部24で行われる具体的な処理を、各確認項目別に説明するが、各原因推定処理は、逐次処理又は並列処理によって実行される。
水質異常(総合判定D又はE)が判定され、総合判定を行った所定期間内(例えば、所定期日から1ヶ月)に計測されたpH計測部4による計測結果の平均値が基準値よりも低い場合に、原因推定部24は、水質異常の原因を推定するために、記憶部21より、各確認項目C1−C4を読み出す。そして、総合判定結果に用いた値と異なる値に対して、各確認項目に記載された条件が満たされるか否かを判定し、原因を推定する。
原因推定部24は、確認項目C1を記憶部21から読み出した場合に、pH計測部4の校正履歴を参照して所定期間(例えば、1ヶ月)以内に校正が行われたか否かを判定する。そして、所定期間以内に校正が行われていないと判定された場合には、手分析との値を比較するなどで、pH計測部4の劣化状況が確認された際には、水質異常の原因として、pH計測部4の校正不良をと原因を推定する。
また、原因推定部24は、確認項目C2を記憶部21から読み出した場合に、酸電気伝導率計測部17の計測結果を取得し、計測結果が予め設定された閾値以内か否かを判定する。そして、酸電気伝導率計測部17の計測結果が予め設定された閾値以内でないと判定された場合には、海水が浸入して微量の塩化水素(HCl)が発生しているとして、水質異常の原因として、海水漏洩を推定する。なお、確認項目C2における閾値とは、水循環系1を流れる水に許容される塩類濃度が考慮された酸電気伝導率として設定される。海水漏洩の発生箇所を確認するには、酸電気伝導率計測部17は、復水器8出口、ボイラ6入口付近、タービン7入口付近に設置して、その計測結果を比較することが好ましい。
また、原因推定部24は、確認項目C3を記憶部21から読み出した場合に、pH計測部4及びボイラ水pH計測部18の計測結果を取得し、pH計測部4の計測結果とボイラ水pH計測部18の計測結果との差が予め設定された閾値以内か否かを判定する。そして、pH計測部4の計測結果とボイラ水pH計測部18の計測結果との差が予め設定された閾値以内でないと判定された場合には、水質異常の原因として、有機物混入を推定する。水循環系1において、外部から供給する工業用水などから有機物が混入した場合には、温度上昇によって有機物が分解されて微量の酸が発生する可能性が高い。このため、例えばボイラ6より上流側に設けられたpH計測部4とボイラ6に設けられたボイラ水pH計測部18とのpH値を用いて局所的な差を比較することによって、有機物混入による酸発生を検知することができる。確認項目C3における閾値とは、温度上昇によって有機物から酸が発生したと想定される場合に許容される酸発生量に対応するpH値として設定される。
また、原因推定部24は、確認項目C4を記憶部21から読み出した場合に、塩素濃度計測部19の計測結果を取得し、塩素濃度計測部19の計測結果が予め設定された閾値以内か否かを判定する。そして、塩素濃度計測部19の計測結果が予め設定された閾値以内でないと判定された場合には、水質異常の原因として、純水装置(図示せず)などからの微量の塩素漏洩を推定する。イオンクロマトグラフィなどから微量の塩素成分濃度を確認して原因を確定する。なお、確認項目C3における閾値とは、水循環系1を流れる水に許容される塩素の濃度として設定される。
一方で、水質異常(総合判定D又はE)が判定され、総合判定を行った所定期間内(例えば、所定期日から1ヶ月)に計測されたpH計測部4による計測結果の平均値が基準値よりも高い場合に、原因推定部24は、水質異常の原因を推定するために、記憶部21より、各確認項目C5−C6を読み出す。そして、各確認項目に記載された条件が満たされるか否かを判定し、原因を推定する。
原因推定部24は、確認項目C5を記憶部21から読み出した場合に、pH計測部4の校正履歴を参照して所定期間(例えば1ヶ月)以内に校正が行われたか否かを判定する。そして、所定期間以内に校正が行われていないと判定された場合には、手分析との値を比較するなどで、pH計測部4の劣化状況が確認された際には、水質異常の原因として、pH計測部4の校正不良と原因を推定する。なお、確認項目C5は、確認項目C1と同一である。
また、原因推定部24は、確認項目C6を記憶部21から読み出した場合に、ナトリウム濃度計測部20の計測結果を取得し、ナトリウム濃度計測部20の計測結果が予め設定された閾値以内か否かを判定する。そして、ナトリウム濃度計測部20の計測結果が予め設定された閾値以内でないと判定された場合には、水質異常の原因として、純水装置(図示せず)などからの微量のナトリウム漏洩を推定する。イオンクロマトグラフィなどから微量のナトリウム成分濃度を確認して原因を確定する。なお、確認項目C6における閾値とは、水循環系1を流れる水に許容されるナトリウムの濃度として設定される。
このように、原因推定部24では、水質異常を示す総合判定D又はEが判定された場合に、総合判定結果に用いた値と異なる値に対して、記憶部21から、推定される原因とその確認項目を読み出し、各確認項目に記載の条件に基づいて可能性の高い原因を推定する。推定された原因は、発電プラントが備えるディスプレイ等に表示され、発電プラントの運転員に通知される。これにより、正確かつ迅速に、原因を推定することができるので、プラントの異常を早期に発見することができる。
なお、総合判定結果とその原因を発電プラントの運転員に通知する際には、例えば、図10に示すようなマップ画像をディスプレイに表示してもよい。なお、図10に示すマップは、横軸が総合判定結果を示しており、縦軸が酸電気伝導率を示している。マップ上の右上ほど各水質異常の原因の注意レベル(影響度)が高いことを示している。記憶部21に格納されている水質異常の原因は、予め設定された閾値に従ってマップ上に配置されている。そして、総合判定結果及び原因推定結果に応じて、各水質異常の原因に対応する計測値の現状値を◎印などで示すことで、注意レベルと原因を容易に視覚的に素早く通知することができる。なお、図10の例では、総合判定Eが判定され、原因として海水漏洩が推定された場合の計測値を現状値として示している。各原因及び注意レベル等は、適宜変更可能である。
また、総合判定結果や総合判定結果に対して推定される原因、図10に示すマップ、水質異常に関連する計測結果、発電プラントの運転状態等は、例えばインターネット等を介して通信装置(図示なし)により遠隔地の中央制御所等に設置されたコンピュータ(シミュレーション装置)へと送信され、表示させてもよい。なお、コンピュータは発電プラントに設けられてもよい。また、水質異常に関連する計測結果とは、例えば、各計測部(電気伝導率計測部3、pH計測部4、酸電気伝導率計測部17、ボイラ水pH計測部18、塩素濃度計測部19、ナトリウム濃度計測部20等)から得た計測結果である。コンピュータでは、通信装置より取得した情報(例えば、総合判定結果、総合判定結果に対して推定される原因、発電プラントの運転状態等)に応じて、例えばシミュレーションモデルおよび/または過去から蓄積されたデータ(電気伝導率計測部3及びpH計測部4の計測結果)等を用い、漏洩リーク量やリーク時間を算定し、発電プラントにおける海水漏洩汚染範囲を算出して、マップ表示してもよい。なお、シミュレーションモデルとは、発電プラントの仮想モデルであり、各パラメータ(例えば、電気伝導率計測部3の計測結果等)に応じて仮想モデルをコンピュータ上で仮想動作させることが可能とされている。また、過去から蓄積されたデータとは、発電プラントにおいて実際に漏洩リークが発生した場合における、各計測データ(電気伝導率計測部3など各計測部の計測結果と漏洩リーク等が関連づけられたデータ)である。この発電プラントにおける海水漏洩汚染範囲のマップは、通信装置(図示せず)により発電プラントの制御室に送信され、海水漏洩汚染範囲を可視化して示すことで、発電プラントの運転員は容易に汚染範囲を認識することができる。発電プラントでは、水質異常の発生に対して、今後の追加調査内容と処置内容、スケジュール等の対策の計画を迅速に提案して、早期に適切に発電プラントの健全性を回復することが容易になる。
以上説明したように、本実施形態に係る水質診断システム、発電プラント、及び水質診断方法によれば、総合判定部23により判定された総合判定結果となり得る原因を自動的に推定することが可能となる。このため、特に、総合判定結果が高い水質異常を示す場合であっても、正確かつ迅速に、原因を推定することができる。また、水質異常の原因を迅速に認識することができるため、早期の対応を行うことが期待できる。
本開示は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。なお、各実施形態を組み合わせることも可能である。
1 :水循環系
3 :電気伝導率計測部
4 :pH計測部
5 :制御装置
6 :ボイラ
7 :タービン
8 :復水器
9 :復水ポンプ
10 :復水脱塩装置
11 :グランド蒸気復水器
12 :低圧ヒータ
13 :脱気器
14 :給水ポンプ
15 :高圧ヒータ
17 :酸電気伝導率計測部
18 :ボイラ水pH計測部
19 :塩素濃度計測部
20 :ナトリウム濃度計測部
21 :記憶部
22 :ランク判定部
23 :総合判定部
24 :原因推定部
3 :電気伝導率計測部
4 :pH計測部
5 :制御装置
6 :ボイラ
7 :タービン
8 :復水器
9 :復水ポンプ
10 :復水脱塩装置
11 :グランド蒸気復水器
12 :低圧ヒータ
13 :脱気器
14 :給水ポンプ
15 :高圧ヒータ
17 :酸電気伝導率計測部
18 :ボイラ水pH計測部
19 :塩素濃度計測部
20 :ナトリウム濃度計測部
21 :記憶部
22 :ランク判定部
23 :総合判定部
24 :原因推定部
Claims (8)
- 発電プラントにおける水循環系に設けられ、循環する水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測部と、
前記水循環系に設けられ、循環する水のpH値を計測するpH計測部と、
水質異常の度合を診断する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記水循環系におけるpH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値と、前記水循環系における水質異常の度合を示す予め設定された複数のランクと、前記複数のランクにそれぞれ対応する前記基準値からの乖離範囲とが格納された記憶部と、
前記電気伝導率計測部及び前記pH計測部による計測結果と、前記記憶部に格納された前記乖離範囲とに基づいて、前記計測結果のランクを判定するランク判定部と、
を備える水質診断システム。 - 前記制御装置は、複数の前記計測結果のそれぞれに対応した前記ランク判定部による判定結果を用い、前記判定結果における前記複数のランクの度数分布状態に応じて、前記水循環系における水質異常の度合を総合的に判定する総合判定部を備える請求項1に記載の水質診断システム。
- 前記制御装置は、前記総合判定部による総合判定結果に応じて、総合判定に用いた前記電気伝導率計測部及び前記pH計測部の値とは異なる値に対して、予め設定された条件を満たすか否かを判定することにより、前記総合判定結果の原因を推定する原因推定部を備える請求項2に記載の水質診断システム。
- 前記水循環系に設けられ、循環する水の酸電気伝導率を測定する少なくとも1つの酸電気伝導率計測部を備え、
前記原因推定部は、前記総合判定結果が高い水質異常を示す場合に、前記酸電気伝導率計測部からの計測結果が予め設定された閾値以上であるか否かを判定し、肯定判定である場合に、前記総合判定結果の原因として海水漏洩を推定する請求項3に記載の水質診断システム。 - 前記総合判定結果と前記原因推定部によって推定された前記総合判定結果に対応する原因とを表示する表示部を備えた請求項3または4に記載の水質診断システム。
- シミュレーション装置を備え、
前記制御装置は、前記総合判定結果に対して推定される原因及び水質異常に関連する計測結果を前記シミュレーション装置に送信する通信部を備え、
前記シミュレーション装置は、前記通信部より取得した情報と、シミュレーションモデルおよび/または蓄積された過去のデータとに基づいて、漏洩リーク量及びリーク時間を算定し、前記発電プラントにおける漏洩汚染範囲を導出する請求項4または5に記載の水質診断システム。 - ボイラと、
蒸気タービンと、
復水器と、
請求項1から6のいずれか1項に記載の水質診断システムと、
を備えた発電プラント。 - 発電プラントにおける水循環系に設けられた電気伝導率計測部及びpH計測部と、前記水循環系におけるpH値及び電気伝導率の相関関係に基づく基準値と前記水循環系における水質異常の度合を示す予め設定された複数のランクと前記複数のランクにそれぞれ対応する前記基準値からの乖離範囲とが格納された記憶部を有する制御装置と、を備えた水質診断システムの水質診断方法であって、
循環する水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測工程と、
循環する水のpH値を計測するpH計測工程と、
前記電気伝導率計測工程及び前記pH計測工程による計測結果と、前記記憶部に格納された前記乖離範囲とに基づいて、前記計測結果のランクを判定するランク判定工程と、
を有する水質診断方法。
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