JP2019094455A - 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
防着剤としては、無機粉末と界面活性剤を主成分とする防着剤が広く用いられており、一般に、これらは水分散液の形態でゴム表面に塗布し乾燥させることが行われている。無機粉末としては、ベントナイトなどの水膨潤性無機粉末が一般的に使用される。水膨潤性無機粉末は水中で膨潤し微粒子になることから、ゴムへの付着性に優れる。しかし、微粒子となるために乾燥時の粒子間の凝集力が強く、乾燥固化物の硬さは著しく増大する。
この対策として、乾燥固化物の崩壊性を向上させた防着剤が開発されているが、上記問題を解決し、防着剤に要求される各特性を十分に満たす防着剤はこれまでにない。
特許文献2では、ベンナイト以外の特定の無機粉体を主体とし、乾燥固化物の崩壊性を向上させたゴム用密着防止剤が開示されている。しかし、水膨潤性無機粉末を主体としない防着剤では付着性に劣るため、十分な防着性を得るには高濃度で使用する必要がある。高濃度となると、乾燥固化物の崩壊性が向上したとしても、ゴムへの異物となる防着剤塊の形成リスクが増大してしまう。
以上のように、崩壊性を向上させた防着剤が特許文献1、2に示されているが、同時に、十分な防着性を満たすものはない。
前記水膨潤性無機粉末(A)がベントナイト、サポナイト及びヘクトライトから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
水非膨潤性無機粉末をさらに含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水非膨潤性無機粉末(A)の重量割合が15〜50重量%であると好ましい。
前記分散液を15〜50℃に調温して、表面温度が50℃以上である成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程(II)と、を含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である。
また、本発明の未加硫ゴムの製造方法では、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物を用いるために、良好な防着性により作業性が向上し、高い崩壊性によりゴム製品の不良が低減できる。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水膨潤性無機粉末とでんぷんと界面活性剤を含む防着剤である。以下、下記成分を詳しく説明する。
水膨潤性無機粉末(A)は、本発明に必須の成分であり、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液にチキソトロピー性を付与しゴムへの付着性を向上させ、防着性を発揮する。
防着剤組成物の水分散液はゴムへの処理時は短時間で表面へ広がることが求められ、処理後は液ダレせずに表面へ保持されることが望まれる。そのため、防着剤の水分散液には適度なチキソトロピー性が要求される。
前記水膨潤性無機粉末(A)としては例えば、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライト、パイデライト、ノントロナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸が挙げられ、これらは天然物でも良いし合成物でも良い。前記水膨潤性無機粉末(A)は、1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、前記水膨潤性無機粉末(A)は、防着剤の防着性の観点から、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライトが特に好ましい。
結晶質シリカ含有量は、水膨潤性無機粉末を100重量%としたときに、
1)20重量%未満、2)10重量%未満、3)5重量%未満、4)2.5重量%未満、5)1重量%未満、6)0.5重量%未満、7)0.25重量%未満、8)0重量%の順で好ましい(前に記載したものよりも、後で記載したものの方が好ましい。)。
20重量%以上であると、水膨潤性無機粉末の分散性が悪化し、ゴム表面への付着が不均一となるので防着性が低下する。
水膨潤性無機粉末の結晶質シリカの重量割合は、粉末X線結晶回折により測定する。測定値が検出限界未満である時は0重量%とした。
でんぷん(B)は、本発明に必須の成分であり、防着性を向上させる。また、防着剤組成物の水分散物が乾燥して塊になる際、水膨潤性無機粉末の凝集を抑制し、塊の硬度を下げ崩壊性を向上させる。
でんぷん(B)が防着剤組成物に含まれると、防着剤組成物が水分散液としてゴムに処理される際、高温のゴム表面ででんぷん粒子が糊化して粘度が増し付着性が向上するため、防着性が良くなる。
また、でんぷん(B)の平均粒子径については、特に限定はないが、未加硫ゴムへの付着性等を考慮すると、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜40μm、最も好ましくは0.1〜30μmである。
界面活性剤(C)は、本発明に必須の成分であり、防着剤組成物の分散を補助する成分であり、未加硫ゴムに対して「濡れ」を補助する成分である。界面活性剤が本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれていることによって、未加硫ゴムへの濡れ性が向上することで、より均一に未加硫ゴム表面に被膜化できる。
本発明で用いられる界面活性剤は、特に限定はないが、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等から選ばれるものであればよく、1種または2種以上を含んでいてもよい。好ましくは、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の両方を含んでいると、防着剤組成物の分散性とゴムへの付着性が向上してよい。
両性界面活性剤としては、たとえば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、上記で説明した成分以外に、下記成分をさらに含有していてもよい。
水非膨潤性無機粉末は、未加硫ゴム表面に付着し、未加硫ゴム間の密着を防止したり、未加硫ゴム間の摩擦を軽減したりする成分である。
本願において、水非膨潤性無機粉末とは、水中で体積変化の小さい無機粉末をいう。具体的には、ACC法により測定される膨潤度が2ml/2g以下の無機粉末をいう。
水非膨潤性無機粉末としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;カオリン、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト等のケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;非晶質シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物;ベンガラ;カーボンブラック;グラファイト等が挙げられる
水非膨潤性無機粉末は、防着性の観点から、炭酸塩、ケイ酸塩が好ましく、1種又は2種以上を含んでいてもよい。
金属石鹸は水への溶解度が低く、疎水性が非常に高い。そのため、水中では粒子同士に疎水性相互作用が働き、粘性を付与し、防着剤組成物の付着性を向上させる。
金属石鹸としては、特に限定は無いが、たとえば、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、トリオクタデカン酸アルミニウム、ジオクタデカン酸アルミニウム、モノオクタデカン酸アルミニウム、オクタデカン酸カルシウム、オクタデカン酸亜鉛、オクタデカン酸マグネシウム、オクタデカン酸バリウム等からなる粒子が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性高分子は未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に粘性を付与し、未加硫ゴム表面への付着性を向上させる成分である。
水溶性高分子としては、特に限定はないが、たとえばマンナン;アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類;タラカントガム、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ブリティッシュガム、グルコマンナン、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラギーナン等の天然ガム類;ポリアクリル酸ソーダ;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;水溶性アクリル樹脂;水溶性ウレタン樹脂;水溶性メラミン樹脂;水溶性エポキシ樹脂;水溶性ブタジエン樹脂;水溶性フェノール樹脂等が挙げられる。
多価アルコールは未加硫ゴム表面に付着し、未加硫ゴム間に潤滑性を付与し、未加硫ゴム間の摩擦を軽減する成分である。
多価アルコールとしては特に限定はないが、たとえば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース等が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。
消泡剤としては、たとえば、ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコー等のシリコーン系消泡剤;ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール3−ヘプチルセロソルブノニルセロソルブ3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フオスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミン等のアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウム等の硫酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレン系消泡剤;鉱物油等が挙げられる。
防腐剤としては、たとえば、チアゾール、2−メルカプトチアゾール等のチアゾール類;メチレンビスチオシアネート、アンモニウムチオシアネート等のチオシアネート類;o−ベンゾイックスルフィミド、フェニルマーキュリック−o−ベンゾイックスルフィミド等のスルフィミド類;メチルジメチルチオカルバメート、エチルジエチルジチオカルバメート等のアルキルジアルキルチオカルバメート類;テトラメチルチラウムスルフィド、テトラエチルチラウムスルフィド等のチラウムスルフィド類;テトラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウムジスルフィド等のチラウムジスルフィド類;フェリックジエチルジチオカルバメート、リードジメチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;o−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルフォンアニリド等のスルファミド類;1−アミノナフチル−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸等のアミノスルホン酸類;ペンタクロロフェノール、o−フェニルフェノール等のフェノール類及びこれらのアルカリ金属塩類;;テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン等の塩化キノン類;ジニトロカプリルフェニルクロトネート、ジニトロ−o−クレゾール等のニトロ基含有化合物類;1,3,5−トリヒドロキシエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン類;フェニルマーキュリックフタレート、o−ヒドロキシフェニルマーキュリッククロライド等の有機水銀化合物;p−アミノアゾベンゼン、ジフェニルアミン等のアミン類;シンナムアニリド等のアミド類;1,3−ジヨード−2−プロパノール等のヨウ素含有化合物等が挙げられる。
水は、水道水、イオン交換水、蒸留水等のいずれでもよい。水の硬度の観点からは、水が軟水であると、品質管理の観点から好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤の製造方法については、水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)、界面活性剤(C)、さらにその他の成分等を混合する工程を含むものであれば、混合順序や使用する混合設備等について特に限定はない。未加硫ゴム用防着剤は、たとえば、リボン型混合機等の粉体混合機に各成分を順次添加し、混合することで製造することができる。
未加硫ゴム用防着剤は、通常、粉体である。
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。ここで、未加硫ゴムは、成形加工されたものであるとよい。
処理工程では、ウェット法、すなわち、未加硫ゴム用防着剤組成物として水が配合された水分散液を用いる方法が好ましい。
ウェット法で処理工程を行う場合、未加硫ゴム用防着剤組成物(水分散液)をスプレーする方法や、細流にてゴムに吹き付ける方法や分散液中に浸漬する方法等が挙げられる。水分散液中に浸漬する方法では、均一に未加硫ゴム用防着剤組成物を付着させることができるため好ましい。
水分散液の温度については、防着剤組成物の付着性の観点から、10℃〜50℃に設定されると好ましい。より好ましくは12.5℃〜47.5℃、特に好ましくは15℃〜45℃である。10℃以下では、水分散液の粘度が高くなりハンドリング性が悪くなる。50℃以上であるとゴムの冷却効果が悪くなる。
る場合がある。
処理工程では、ドライ法、すなわち、水が配合されていない未加硫ゴム用防着剤組成物を用いる方法を行ってもよい。
このようにして製造された、防着処理された未加硫ゴムでは、次の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴム同士の密着を防止することができる。
防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物を水に分散させる分散液調整工程(I)と、前記分散液を15〜50℃に調温して、表面温度が50℃以上である成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程(II)とを含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である。
水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を含む未加硫ゴム用防着剤組成物は、通常、粉体として調整する。
0〜50℃の水に、未加硫ゴム用防着剤組成物を投入する。
所定量投入後、10分〜60分攪拌し、水分散液を調整する。
当該水分散液の濃度は、良好な防着性と崩壊性を発揮しやすい観点から、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜7.5重量%がより好ましく、0.1〜5.0重量%がさらに好ましい。0.01重量%未満では、防着性が悪化する可能性があり、10重量%超では、乾燥性が悪化する可能性がある。
分散液調整工程で得られた分散液の処理時の調温温度は、防着性と崩壊性の観点から、10℃〜50℃であり、より好ましくは12.5℃〜47.5℃、特に好ましくは15℃〜45℃である。
分散液処理工程で処理する未加硫ゴムの表面温度は50℃以上であり、防着性と崩壊性の観点から、55℃以上がより好ましく、60℃以上が特に好ましい。
好ましい上限値は180℃である。
分散液は、分散液処理工程(II)前に、10分以上攪拌し、均一にすると好ましい。攪拌しない場合には、分散液は、24時間は安定性を保つことができる。
本発明の未加硫ゴムシートは、上記未加硫ゴム用防着剤組成物が付着してなる。未加硫ゴム用防着剤組成物が付着しているので、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴムシート同士が密着し難い。
また、未加硫ゴムシートには、炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,含水ケイ酸アルミニウム等の含水ケイ酸塩,二酸化チタン,酸化亜鉛等の白色充填剤や、カーボンブラック等の黒色充填剤等の他、通常、ゴム原料に配合される加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤等が必要に応じた配合組成で配合される。
本発明の未加硫ゴムシートの製造方法としては、ゴム原料およびその他原料を混合してシート化する工程を含む。混合する方法としては、60〜180℃に調温したバンバリーミキサーやオープンロールを用いるとよく、各原料の混合順序については、特に限定はない。混合後、ロールまたは押出機によって所定の厚みの未加硫ゴムシートを作製する。
45℃に調温した未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に対して、100℃に加熱したNR/BR試験片(天然ゴム/ブタジエンゴム;厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬して直ちに引き上げる。浸漬させたゴム試験片を2枚作製し、風乾したら重ね合わせ、1000kg/m2の荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置する。恒温槽から取出した試験片を室温まで空冷し、引張り試験機を用いて100mm/minの速度下で剥離抗力(N/cm)を測定した。剥離抗力が小さいほど剥がしやすく、防着性が高い。評価基準は次の通りであり、剥離抗力が2N/cm未満の場合を合格とした。
剥離抗力が1N/cm以下:防着性は非常に良好(容易に未加硫ゴム同士を剥がすことができる、指標は◎)
剥離抗力が1N/cm超2N/cm未満:防着性は良好(負荷なく未加硫ゴム同士を剥がすことができる、指標は○)
剥離抗力が2N/cm以上3N/cm以下:防着性は不良(未加硫ゴム同士を剥がす時の負荷が大きく、防着性が低い、指標は△)
剥離抗力が3N/cm超:防着性が非常に不良(ゴム同士が密着して剥離が困難である。防着性が非常に低い、指標は×)
未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を濃縮乾固し、10mm角の乾燥固化物を作製した。各乾燥固化物についてデュロメーターで硬さを測定し、数値が70未満の場合を合格とした。
数値が60未満:崩壊性は非常に良好(乾燥固化物は容易に崩壊する、指標は◎)
数値が60以上70未満:崩壊性は良好(乾燥固化物は崩壊する、指標は○)
数値が70以上80未満:崩壊性は不良(乾燥固化物はやや崩壊し難い、指標は△)
数値が80以上または測定不可:崩壊性は非常に不良(乾燥固化物は崩壊しにくい、指標は×)
未加硫ゴム用防着剤組成物A(g)をアルミシートに秤取し、110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物の質量を測定すると、B(g)であった。但し、A(g)は2〜3gの範囲であった。その不揮発分濃度を下式にしたがって算出した。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度(wt%)=(B/A)×100
測定装置として、ブルックフィールド型粘度計(BL型、東機産業株式会社製)を用いて20℃、60rpm、ローターNo.1の条件下で測定した。
ベントナイト1(結晶性シリカ含有量4重量%)16g、カオリン30g、炭酸カルシウム10g、コーンスターチ(平均粒子径:16μm、糊化開始温度:70℃)30g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10g、POE(3)トリデシルエーテル4gを、この順に電動卓上型粉砕機に添加して、30秒間の撹拌を2回行い、粉末状の未加硫ゴム用防着剤を得た。
次いで、500ml容プラスチック製ビーカーに水道水294gを入れ、次いで上記未加硫ゴム用防着剤組成物を6g加え、マグネネチックスターラーを使用し均一に分散させ、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液(2重量%濃度)を得た。
得られた水分散液は黄白色、pH10.0、粘度5mPa・s(20℃、B型粘度計)であった。
得られた水分散液を用いて、防着性、崩壊性を評価した。評価の結果は表1に示すとおりで、防着性および崩壊性に優れた。
実施例2〜8では、表1に示すように組成を変更した以外は、実施例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得て、評価した。評価の結果は表1に示すとおりで、防着性および崩壊性に優れた。
ベントナイト1(結晶性シリカ含有量4重量%)80g、カオリン10g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10gを均一に混合して、未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
次いで、水道水98gに上記防着剤組成物を2g加え、水中に均一分散させて、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得た。得られた水分散液を用いて、防着性、崩壊性を評価した。評価の結果は表2に示すとおりで、十分な崩壊性を示さなかった。
比較例2〜7では、表2に示すように組成を変更した以外は、比較例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得て、評価した。その結果を表2にそれぞれ示す。
比較例2〜7では、実施例と比較して、防着性及び崩壊性のいずれかの課題が達成されていなかった。
上記実施例および比較例において、POE(n)とはポリオキシエチレン(オキシエチレンの繰返し単位数:n)、POP(n)とはポリオキシプロピレン(オキシプロピレンの繰り返し単位数:n)を意味する。
Claims (7)
- 水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、
前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、
前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である、未加硫ゴム用防着剤組成物。 - 前記防着剤組成物の不揮発分に対する前記でんぷん(B)の重量割合が3〜60重量%である、請求項1に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
- 前記水膨潤性無機粉末(A)がベントナイト、サポナイト及びヘクトライトから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
- 水非膨潤性無機粉末をさらに含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水非膨潤性無機粉末の重量割合が15〜50重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物を、成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む、未加硫ゴムの製造方法。
- 防着処理された未加硫ゴムの製造方法であって、
水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物を水に分散させる分散液調整工程(I)と、
前記分散液を15〜50℃に調温して、表面温度が50℃以上である成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程(II)と、を含み、
前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、
前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である、防着処理された未加硫ゴムの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物が付着してなる、未加硫ゴムシート。
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