JP2019094455A - 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用 - Google Patents

未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2019094455A
JP2019094455A JP2017226427A JP2017226427A JP2019094455A JP 2019094455 A JP2019094455 A JP 2019094455A JP 2017226427 A JP2017226427 A JP 2017226427A JP 2017226427 A JP2017226427 A JP 2017226427A JP 2019094455 A JP2019094455 A JP 2019094455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unvulcanized rubber
adhesion
water
inorganic powder
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017226427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6999379B2 (ja
Inventor
元 杉本
Hajime Sugimoto
元 杉本
賢治 武市
Kenji Takechi
賢治 武市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd filed Critical Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2017226427A priority Critical patent/JP6999379B2/ja
Publication of JP2019094455A publication Critical patent/JP2019094455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6999379B2 publication Critical patent/JP6999379B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

【課題】防着性と崩壊性が同時に優れる未加硫ゴム用防着剤組成物と、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用して行われる防着処理された未加硫ゴムの製造方法を提供する【解決手段】水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である、未加硫ゴム用防着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用に関する。
ゴム製品の生産加工工程において、未加硫ゴムを次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵することがあり、この場合にゴムの密着を防止する目的で密着防止剤(防着剤)が使用されている。
防着剤としては、無機粉末と界面活性剤を主成分とする防着剤が広く用いられており、一般に、これらは水分散液の形態でゴム表面に塗布し乾燥させることが行われている。無機粉末としては、ベントナイトなどの水膨潤性無機粉末が一般的に使用される。水膨潤性無機粉末は水中で膨潤し微粒子になることから、ゴムへの付着性に優れる。しかし、微粒子となるために乾燥時の粒子間の凝集力が強く、乾燥固化物の硬さは著しく増大する。
この対策として、乾燥固化物の崩壊性を向上させた防着剤が開発されているが、上記問題を解決し、防着剤に要求される各特性を十分に満たす防着剤はこれまでにない。
特許文献1では、造膜性を有する水溶性高分子と陰イオン活性剤または非イオン活性剤とからなる防着用組成物が開示されている。この防着用組成物は無機粉体を使用しないことを特徴としており、乾燥固化物の形成を抑制できる。しかし、十分な防着性能を発揮させるためには、高濃度で使用することが必要であり、その場合、水溶性高分子の保水性が著しく高くなり、防着剤組成物を塗布した後の乾燥工程に時間がかかり、生産性を悪化させる。
特許文献2では、ベンナイト以外の特定の無機粉体を主体とし、乾燥固化物の崩壊性を向上させたゴム用密着防止剤が開示されている。しかし、水膨潤性無機粉末を主体としない防着剤では付着性に劣るため、十分な防着性を得るには高濃度で使用する必要がある。高濃度となると、乾燥固化物の崩壊性が向上したとしても、ゴムへの異物となる防着剤塊の形成リスクが増大してしまう。
以上のように、崩壊性を向上させた防着剤が特許文献1、2に示されているが、同時に、十分な防着性を満たすものはない。
特開昭62−32127号公報 特開平14−363532号公報
本発明の目的は、防着性と崩壊性が同時に優れる未加硫ゴム用防着剤組成物と、その未加硫ゴム用防着剤組成物を使用して行われる防着処理された未加硫ゴムの製造方法と、を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水膨潤性無機粉末とでんぷんと界面活性剤を必須とし、水膨潤性無機粉末とでんぷんの重量比が特定の割合で含み、水膨潤性無機粉末の重量割合が特定量含む未加硫ゴム用防着剤組成物であれば、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である。
前記防着剤組成物の不揮発分に対する前記でんぷん(B)の重量割合が3〜60重量%であると好ましい。
前記水膨潤性無機粉末(A)がベントナイト、サポナイト及びヘクトライトから選ばれる少なくとも1種であると好ましい。
水非膨潤性無機粉末をさらに含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水非膨潤性無機粉末(A)の重量割合が15〜50重量%であると好ましい。
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、防着処理された未加硫ゴムの製造方法であって、水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物を水に分散させる分散液調整工程(I)と、
前記分散液を15〜50℃に調温して、表面温度が50℃以上である成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程(II)と、を含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である。
本発明の未加硫ゴムシートは、上記未加硫ゴム用防着剤組成物が付着してなる。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、防着性と崩壊性に優れる。
また、本発明の未加硫ゴムの製造方法では、本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物を用いるために、良好な防着性により作業性が向上し、高い崩壊性によりゴム製品の不良が低減できる。
〔未加硫ゴム用防着剤組成物〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、水膨潤性無機粉末とでんぷんと界面活性剤を含む防着剤である。以下、下記成分を詳しく説明する。
〔水膨潤性無機粉末(A)〕
水膨潤性無機粉末(A)は、本発明に必須の成分であり、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液にチキソトロピー性を付与しゴムへの付着性を向上させ、防着性を発揮する。
防着剤組成物の水分散液はゴムへの処理時は短時間で表面へ広がることが求められ、処理後は液ダレせずに表面へ保持されることが望まれる。そのため、防着剤の水分散液には適度なチキソトロピー性が要求される。
本発明で使用する水膨潤性無機粉末(A)は、水を吸収し体積が増大する性質を持つ無機粉末をいう。具体的には、ACC法により測定される膨潤度が2ml/2gを超える無機粉末をいう。ACC法について、以下に説明する。25℃のイオン交換水100mlを入れた100ml容メスシリンダーに、試料2gをメスシリンダーの内壁に付着しないように入れる。このとき、先に加えた試料がほとんど沈降した後に、次の試料を加えるようにして、約10回に分けて入れる。全試料を入れた後、メスシリンダーに蓋をして24時間静置し、容器内に堆積した試料の見掛け容積を読み取り、この容量を膨潤度(ml/2g)とする。
前記水膨潤性無機粉末(A)としては例えば、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライト、パイデライト、ノントロナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸が挙げられ、これらは天然物でも良いし合成物でも良い。前記水膨潤性無機粉末(A)は、1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、前記水膨潤性無機粉末(A)は、防着剤の防着性の観点から、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライトが特に好ましい。
また、水膨潤性無機粉末(A)は、不純物として結晶質シリカを含有することがあるが、結晶質シリカは親水性が低く分散性が悪いため、その含有量は、なるべく少ないことが好ましい。結晶質シリカとしては、石英、クリストバライト、トリジマイト、コーサイト、ステイショバライト等が挙げられる。
結晶質シリカ含有量は、水膨潤性無機粉末を100重量%としたときに、
1)20重量%未満、2)10重量%未満、3)5重量%未満、4)2.5重量%未満、5)1重量%未満、6)0.5重量%未満、7)0.25重量%未満、8)0重量%の順で好ましい(前に記載したものよりも、後で記載したものの方が好ましい。)。
20重量%以上であると、水膨潤性無機粉末の分散性が悪化し、ゴム表面への付着が不均一となるので防着性が低下する。
水膨潤性無機粉末の結晶質シリカの重量割合は、粉末X線結晶回折により測定する。測定値が検出限界未満である時は0重量%とした。
また、水膨潤性無機粉末の平均粒子径については、特に限定はないが、未加硫ゴムへの付着性等を考慮すると、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜40μm、最も好ましくは0.1〜30μmである。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合は、1〜40重量%である。さらに好ましくは3〜38重量%、特に好ましくは5〜36重量%、最も好ましくは、7〜34重量%である。水膨潤性無機粉体(A)の重量割合が1重量%未満では付着性が悪化し、40重量%を超えると崩壊性が悪化する。なお、本発明における不揮発分とは、処理剤を110℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいい、測定方法については、後述する。
〔でんぷん(B)〕
でんぷん(B)は、本発明に必須の成分であり、防着性を向上させる。また、防着剤組成物の水分散物が乾燥して塊になる際、水膨潤性無機粉末の凝集を抑制し、塊の硬度を下げ崩壊性を向上させる。
前記でんぷん(B)としては、特に限定はないが、たとえば、小麦でんぷん、コーンスターチ、ばれいしょでんぷん、かんしょでんぷん、タピオカでんぷん、サゴでんぷん、酸化でんぷん、酢酸でんぷん、燐酸でんぷん、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、陽性でんぷん、シアノエチル化でんぷん、ジアルデヒドでんぷん、燐酸化でんぷん等が挙げられ、1種又は2種以上を含んでもよい。これらの中でも、小麦でんぷん、コーンスターチ、ばれいしょでんぷん、かんしょでんぷん、タピオカでんぷん、サゴでんぷんが、本願効果を発揮する点から、好ましい。
でんぷん(B)は水に懸濁し加熱すると、でんぷん粒子が吸水して膨潤する。加熱を続けると最終的にはでんぷん粒子が崩壊し、ゲル状に変化する。この現象を糊化という。このとき、でんぷん懸濁液は白濁した状態から透明になり、急激に粘度が増す。粒子が最大限膨潤した時、粘度が最大となり、粒子の崩壊により粘度は低下する。
でんぷん(B)が防着剤組成物に含まれると、防着剤組成物が水分散液としてゴムに処理される際、高温のゴム表面ででんぷん粒子が糊化して粘度が増し付着性が向上するため、防着性が良くなる。
糊化開始温度はでんぷん(B)の種類によって異なるが、ゴムへの付着性の観点から50℃以上が好ましく、52.5℃以上がより好ましく、55.0℃以上がさらに好ましい。糊化開始温度の好ましい上限値は95℃である。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分に対するでんぷん(B)の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは3〜60重量%である。さらに好ましくは5〜58重量%、特に好ましくは7〜56重量%、最も好ましくは、9〜54重量%である。でんぷん(B)の重量割合が少ないと崩壊性が悪化し、多過ぎると乾燥性が悪化する。
また、でんぷん(B)の平均粒子径については、特に限定はないが、未加硫ゴムへの付着性等を考慮すると、好ましくは0.1〜200μm、より好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは0.1〜40μm、最も好ましくは0.1〜30μmである。
〔界面活性剤(C)〕
界面活性剤(C)は、本発明に必須の成分であり、防着剤組成物の分散を補助する成分であり、未加硫ゴムに対して「濡れ」を補助する成分である。界面活性剤が本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物に含まれていることによって、未加硫ゴムへの濡れ性が向上することで、より均一に未加硫ゴム表面に被膜化できる。
本発明で用いられる界面活性剤は、特に限定はないが、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等から選ばれるものであればよく、1種または2種以上を含んでいてもよい。好ましくは、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の両方を含んでいると、防着剤組成物の分散性とゴムへの付着性が向上してよい。
非イオン界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキルアミン;脂肪酸アルカノールアミド;ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド;ポリオキシアルキレン硬化ひまし油;ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アルキルグリセリンエーテル;ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル;アルキルポリグルコシド;ショ糖脂肪酸エステル;オキシエチレンーオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na等の長鎖スルホコハク酸塩;オレオイルザルコシンNa、ラウロイルザルコシンNa等のN‐アシルサルコシン塩;ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムモノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、たとえば、2−ウンデシル−N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤;2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系両性界面活性剤;N−ラウリルグリシン、N−ラウリルβ−アラニン、N−ステアリルβ−アラニン等のアミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分に対する界面活性剤(C)の重量割合については、特に限定はないが、好ましくは1〜30重量%である。さらに好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは1〜20重量%、最も好ましくは、1〜15重量%である。界面活性剤の重量割合が1重量%未満では分散性や濡れ性が悪化することがあり、30重量%超では分散液の泡立ちが大きくなる。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、上記で説明した成分以外に、下記成分をさらに含有していてもよい。
〔水非膨潤性無機粉末〕
水非膨潤性無機粉末は、未加硫ゴム表面に付着し、未加硫ゴム間の密着を防止したり、未加硫ゴム間の摩擦を軽減したりする成分である。
本願において、水非膨潤性無機粉末とは、水中で体積変化の小さい無機粉末をいう。具体的には、ACC法により測定される膨潤度が2ml/2g以下の無機粉末をいう。
水非膨潤性無機粉末としては、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;カオリン、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト等のケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;非晶質シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物;ベンガラ;カーボンブラック;グラファイト等が挙げられる
水非膨潤性無機粉末は、防着性の観点から、炭酸塩、ケイ酸塩が好ましく、1種又は2種以上を含んでいてもよい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物が水非膨潤性無機粉末をさらに含む場合、本願発明の効果を奏する観点から、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水非膨潤性無機粉末の重量割合が15〜50重量%であると好ましく、17〜48重量%がより好ましく、19〜46重量%がさらに好ましい。
〔金属石鹸〕
金属石鹸は水への溶解度が低く、疎水性が非常に高い。そのため、水中では粒子同士に疎水性相互作用が働き、粘性を付与し、防着剤組成物の付着性を向上させる。
金属石鹸としては、特に限定は無いが、たとえば、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、トリオクタデカン酸アルミニウム、ジオクタデカン酸アルミニウム、モノオクタデカン酸アルミニウム、オクタデカン酸カルシウム、オクタデカン酸亜鉛、オクタデカン酸マグネシウム、オクタデカン酸バリウム等からなる粒子が挙げられ、1種または2種以上を併用してもよい。
〔水溶性高分子〕
水溶性高分子は未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に粘性を付与し、未加硫ゴム表面への付着性を向上させる成分である。
水溶性高分子としては、特に限定はないが、たとえばマンナン;アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類;タラカントガム、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、ブリティッシュガム、グルコマンナン、ジェランガム、タラガム、ローカストビーンガム、カラギーナン等の天然ガム類;ポリアクリル酸ソーダ;ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;水溶性アクリル樹脂;水溶性ウレタン樹脂;水溶性メラミン樹脂;水溶性エポキシ樹脂;水溶性ブタジエン樹脂;水溶性フェノール樹脂等が挙げられる。
〔多価アルコール〕
多価アルコールは未加硫ゴム表面に付着し、未加硫ゴム間に潤滑性を付与し、未加硫ゴム間の摩擦を軽減する成分である。
多価アルコールとしては特に限定はないが、たとえば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース等が挙げられ、1種又は2種以上を併用してもよい。
〔消泡剤〕
消泡剤としては、たとえば、ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコー等のシリコーン系消泡剤;ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチル等の脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール3−ヘプチルセロソルブノニルセロソルブ3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フオスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミン等のアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウム等の硫酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレン系消泡剤;鉱物油等が挙げられる。
〔防腐剤〕
防腐剤としては、たとえば、チアゾール、2−メルカプトチアゾール等のチアゾール類;メチレンビスチオシアネート、アンモニウムチオシアネート等のチオシアネート類;o−ベンゾイックスルフィミド、フェニルマーキュリック−o−ベンゾイックスルフィミド等のスルフィミド類;メチルジメチルチオカルバメート、エチルジエチルジチオカルバメート等のアルキルジアルキルチオカルバメート類;テトラメチルチラウムスルフィド、テトラエチルチラウムスルフィド等のチラウムスルフィド類;テトラメチルチラウムジスルフィド、テトラエチルチラウムジスルフィド等のチラウムジスルフィド類;フェリックジエチルジチオカルバメート、リードジメチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;o−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルフォンアニリド等のスルファミド類;1−アミノナフチル−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸等のアミノスルホン酸類;ペンタクロロフェノール、o−フェニルフェノール等のフェノール類及びこれらのアルカリ金属塩類;;テトラクロロ−p−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン等の塩化キノン類;ジニトロカプリルフェニルクロトネート、ジニトロ−o−クレゾール等のニトロ基含有化合物類;1,3,5−トリヒドロキシエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリエチルヘキサハイドロ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン類;フェニルマーキュリックフタレート、o−ヒドロキシフェニルマーキュリッククロライド等の有機水銀化合物;p−アミノアゾベンゼン、ジフェニルアミン等のアミン類;シンナムアニリド等のアミド類;1,3−ジヨード−2−プロパノール等のヨウ素含有化合物等が挙げられる。
〔水〕
水は、水道水、イオン交換水、蒸留水等のいずれでもよい。水の硬度の観点からは、水が軟水であると、品質管理の観点から好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤は、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0であり、本願効果を奏する観点から、0.4〜1.9が好ましく、0.5〜1.8がより好ましく、0.6〜1.7がさらに好ましい。
本発明の未加硫ゴム用防着剤のpHは7〜12であり、本願効果を奏する観点から、7.2〜11.8が好ましく、7.4〜11.6がより好ましく、7.6〜11.4がさらに好ましい。
未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液の粘度(測定温度:20℃、不揮発分の重量割合が2重量%)としては、特に限定されないが、好ましくは100mPa・s以下、ハンドリングのし易さを考慮すると、さらに好ましくは90mPa・s以下、特に好ましくは80mPa・s以下、最も好ましくは70mPa・s以下である。また、粘度(測定温度:20℃)の下限値は0mPa・s超である。未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液の粘度(測定温度:20℃)が、100mPa・s超であると、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液の流動性が悪化しハンドリング性に欠ける場合がある。
〔未加硫ゴム用防着剤の製造方法〕
本発明の未加硫ゴム用防着剤の製造方法については、水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)、界面活性剤(C)、さらにその他の成分等を混合する工程を含むものであれば、混合順序や使用する混合設備等について特に限定はない。未加硫ゴム用防着剤は、たとえば、リボン型混合機等の粉体混合機に各成分を順次添加し、混合することで製造することができる。
未加硫ゴム用防着剤は、通常、粉体である。
〔防着処理された未加硫ゴムの製造方法(1)〕
本発明の防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、上記未加硫ゴム用防着剤組成物を、未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む。ここで、未加硫ゴムは、成形加工されたものであるとよい。
処理工程では、ウェット法、すなわち、未加硫ゴム用防着剤組成物として水が配合された水分散液を用いる方法が好ましい。
ウェット法で処理工程を行う場合、未加硫ゴム用防着剤組成物(水分散液)をスプレーする方法や、細流にてゴムに吹き付ける方法や分散液中に浸漬する方法等が挙げられる。水分散液中に浸漬する方法では、均一に未加硫ゴム用防着剤組成物を付着させることができるため好ましい。
水分散液の温度については、防着剤組成物の付着性の観点から、10℃〜50℃に設定されると好ましい。より好ましくは12.5℃〜47.5℃、特に好ましくは15℃〜45℃である。10℃以下では、水分散液の粘度が高くなりハンドリング性が悪くなる。50℃以上であるとゴムの冷却効果が悪くなる。
未加硫ゴムの温度については、防着剤組成物の付着性の観点から、50℃以上に設定されると好ましい。より好ましくは55℃以上、特に好ましくは60℃以上である。50℃以下では、でんぷんの糊化が効率的に生じず、付着性が悪化す
る場合がある。
次いで、水分散液を付着後に未加硫ゴムを乾燥する工程を実施してもよい。乾燥の方法としては、特に限定はないが熱風機やブローヒーターにより熱風を送ることで強制的に乾燥させる方法であると、コストが安くてよい。
当該水分散液の濃度は、良好な防着性と崩壊性を発揮しやすい観点から、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜7.5重量%がより好ましく、0.1〜5.0重量%がさらに好ましい。0.01重量%未満では、防着性が悪化する可能性があり、10重量%超では、乾燥性が悪化する可能性がある。
処理工程では、ドライ法、すなわち、水が配合されていない未加硫ゴム用防着剤組成物を用いる方法を行ってもよい。
このようにして製造された、防着処理された未加硫ゴムでは、次の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴム同士の密着を防止することができる。
〔防着処理された未加硫ゴムの製造方法(2)〕
防着処理された未加硫ゴムの製造方法は、水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物を水に分散させる分散液調整工程(I)と、前記分散液を15〜50℃に調温して、表面温度が50℃以上である成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程(II)とを含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である。
(分散液調整工程(I))
水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を含む未加硫ゴム用防着剤組成物は、通常、粉体として調整する。
0〜50℃の水に、未加硫ゴム用防着剤組成物を投入する。
所定量投入後、10分〜60分攪拌し、水分散液を調整する。
当該水分散液の濃度は、良好な防着性と崩壊性を発揮しやすい観点から、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜7.5重量%がより好ましく、0.1〜5.0重量%がさらに好ましい。0.01重量%未満では、防着性が悪化する可能性があり、10重量%超では、乾燥性が悪化する可能性がある。
(分散液処理工程(II))
分散液調整工程で得られた分散液の処理時の調温温度は、防着性と崩壊性の観点から、10℃〜50℃であり、より好ましくは12.5℃〜47.5℃、特に好ましくは15℃〜45℃である。
分散液処理工程で処理する未加硫ゴムの表面温度は50℃以上であり、防着性と崩壊性の観点から、55℃以上がより好ましく、60℃以上が特に好ましい。
好ましい上限値は180℃である。
分散液は、分散液処理工程(II)前に、10分以上攪拌し、均一にすると好ましい。攪拌しない場合には、分散液は、24時間は安定性を保つことができる。
〔未加硫ゴムシート〕
本発明の未加硫ゴムシートは、上記未加硫ゴム用防着剤組成物が付着してなる。未加硫ゴム用防着剤組成物が付着しているので、積み重ねて貯蔵する場合に、未加硫ゴムシート同士が密着し難い。
未加硫ゴムシートのゴム原料としては、天然ゴム(NR)や各種合成ゴム等が特に限定なく用いられる。合成ゴムの具体例としては、例えば、スチレンブタジエン共重合ゴム(SBR),ポリイソプレンゴム(IR),ポリブタジエンゴム(BR),アクリルニトリルブタジエン共重合ゴム(NBR),エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、未加硫ゴムシートには、炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,含水ケイ酸アルミニウム等の含水ケイ酸塩,二酸化チタン,酸化亜鉛等の白色充填剤や、カーボンブラック等の黒色充填剤等の他、通常、ゴム原料に配合される加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤等が必要に応じた配合組成で配合される。
本発明の未加硫ゴムシートの製造方法としては、ゴム原料およびその他原料を混合してシート化する工程を含む。混合する方法としては、60〜180℃に調温したバンバリーミキサーやオープンロールを用いるとよく、各原料の混合順序については、特に限定はない。混合後、ロールまたは押出機によって所定の厚みの未加硫ゴムシートを作製する。
以下に、本発明を実施例及び比較例を示して具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例における各物性の評価は、以下のようにして行った。
[防着性]
45℃に調温した未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液に対して、100℃に加熱したNR/BR試験片(天然ゴム/ブタジエンゴム;厚み0.5cm×縦5cm×横3cm)を浸漬して直ちに引き上げる。浸漬させたゴム試験片を2枚作製し、風乾したら重ね合わせ、1000kg/mの荷重をかけ40℃の恒温槽に24時間放置する。恒温槽から取出した試験片を室温まで空冷し、引張り試験機を用いて100mm/minの速度下で剥離抗力(N/cm)を測定した。剥離抗力が小さいほど剥がしやすく、防着性が高い。評価基準は次の通りであり、剥離抗力が2N/cm未満の場合を合格とした。
剥離抗力が1N/cm以下:防着性は非常に良好(容易に未加硫ゴム同士を剥がすことができる、指標は◎)
剥離抗力が1N/cm超2N/cm未満:防着性は良好(負荷なく未加硫ゴム同士を剥がすことができる、指標は○)
剥離抗力が2N/cm以上3N/cm以下:防着性は不良(未加硫ゴム同士を剥がす時の負荷が大きく、防着性が低い、指標は△)
剥離抗力が3N/cm超:防着性が非常に不良(ゴム同士が密着して剥離が困難である。防着性が非常に低い、指標は×)
[崩壊性]
未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を濃縮乾固し、10mm角の乾燥固化物を作製した。各乾燥固化物についてデュロメーターで硬さを測定し、数値が70未満の場合を合格とした。
数値が60未満:崩壊性は非常に良好(乾燥固化物は容易に崩壊する、指標は◎)
数値が60以上70未満:崩壊性は良好(乾燥固化物は崩壊する、指標は○)
数値が70以上80未満:崩壊性は不良(乾燥固化物はやや崩壊し難い、指標は△)
数値が80以上または測定不可:崩壊性は非常に不良(乾燥固化物は崩壊しにくい、指標は×)
〔未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度〕
未加硫ゴム用防着剤組成物A(g)をアルミシートに秤取し、110℃で0.5時間保った後の恒量に達した残留物の質量を測定すると、B(g)であった。但し、A(g)は2〜3gの範囲であった。その不揮発分濃度を下式にしたがって算出した。
未加硫ゴム用防着剤組成物の不揮発分濃度(wt%)=(B/A)×100
〔未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液の粘度の測定〕
測定装置として、ブルックフィールド型粘度計(BL型、東機産業株式会社製)を用いて20℃、60rpm、ローターNo.1の条件下で測定した。
(実施例1)
ベントナイト1(結晶性シリカ含有量4重量%)16g、カオリン30g、炭酸カルシウム10g、コーンスターチ(平均粒子径:16μm、糊化開始温度:70℃)30g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10g、POE(3)トリデシルエーテル4gを、この順に電動卓上型粉砕機に添加して、30秒間の撹拌を2回行い、粉末状の未加硫ゴム用防着剤を得た。
次いで、500ml容プラスチック製ビーカーに水道水294gを入れ、次いで上記未加硫ゴム用防着剤組成物を6g加え、マグネネチックスターラーを使用し均一に分散させ、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液(2重量%濃度)を得た。
得られた水分散液は黄白色、pH10.0、粘度5mPa・s(20℃、B型粘度計)であった。
得られた水分散液を用いて、防着性、崩壊性を評価した。評価の結果は表1に示すとおりで、防着性および崩壊性に優れた。
(実施例2〜8)
実施例2〜8では、表1に示すように組成を変更した以外は、実施例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得て、評価した。評価の結果は表1に示すとおりで、防着性および崩壊性に優れた。
Figure 2019094455
(比較例1)
ベントナイト1(結晶性シリカ含有量4重量%)80g、カオリン10g、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10gを均一に混合して、未加硫ゴム用防着剤組成物を得た。
次いで、水道水98gに上記防着剤組成物を2g加え、水中に均一分散させて、未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得た。得られた水分散液を用いて、防着性、崩壊性を評価した。評価の結果は表2に示すとおりで、十分な崩壊性を示さなかった。
(比較例2〜7)
比較例2〜7では、表2に示すように組成を変更した以外は、比較例1と同様にして未加硫ゴム用防着剤組成物の水分散液を得て、評価した。その結果を表2にそれぞれ示す。
比較例2〜7では、実施例と比較して、防着性及び崩壊性のいずれかの課題が達成されていなかった。
上記実施例および比較例において、POE(n)とはポリオキシエチレン(オキシエチレンの繰返し単位数:n)、POP(n)とはポリオキシプロピレン(オキシプロピレンの繰り返し単位数:n)を意味する。
Figure 2019094455
本発明の未加硫ゴム用防着剤組成物は、未加硫ゴム製品の生産加工工程に用いられ、未加硫ゴムを次の成型や加硫等の工程に移行するまでの間、積み重ねて貯蔵する場合にゴムの密着を防止することができる。その際、防着剤の乾燥固化物の崩壊性が良好であり、ゴム製品の不良の低減が可能となる。

Claims (7)

  1. 水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物であって、
    前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、
    前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である、未加硫ゴム用防着剤組成物。
  2. 前記防着剤組成物の不揮発分に対する前記でんぷん(B)の重量割合が3〜60重量%である、請求項1に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  3. 前記水膨潤性無機粉末(A)がベントナイト、サポナイト及びヘクトライトから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  4. 水非膨潤性無機粉末をさらに含み、前記防着剤組成物の不揮発分に対する水非膨潤性無機粉末の重量割合が15〜50重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物を、成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程を含む、未加硫ゴムの製造方法。
  6. 防着処理された未加硫ゴムの製造方法であって、
    水膨潤性無機粉末(A)、でんぷん(B)及び界面活性剤(C)を必須に含む未加硫ゴム用防着剤組成物を水に分散させる分散液調整工程(I)と、
    前記分散液を15〜50℃に調温して、表面温度が50℃以上である成型加工された未加硫ゴムの表面に付着させる処理工程(II)と、を含み、
    前記防着剤組成物の不揮発分に対する水膨潤性無機粉末(A)の重量割合が1〜40重量%であり、
    前記水膨潤性無機粉末(A)と前記でんぷん(B)との重量比(A/B)が0.3〜2.0である、防着処理された未加硫ゴムの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の未加硫ゴム用防着剤組成物が付着してなる、未加硫ゴムシート。
JP2017226427A 2017-11-27 2017-11-27 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用 Active JP6999379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017226427A JP6999379B2 (ja) 2017-11-27 2017-11-27 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017226427A JP6999379B2 (ja) 2017-11-27 2017-11-27 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019094455A true JP2019094455A (ja) 2019-06-20
JP6999379B2 JP6999379B2 (ja) 2022-01-18

Family

ID=66972697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017226427A Active JP6999379B2 (ja) 2017-11-27 2017-11-27 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6999379B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535725A (en) * 1976-07-05 1978-01-19 Hitachi Ltd Oil transformer
JPS575700A (en) * 1980-06-12 1982-01-12 Asahi Chemical Ind Processed starch
JP2002363532A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Bridgestone Corp ゴム用密着防止剤
WO2009123102A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭化成ケミカルズ株式会社 崩壊性に優れる加工澱粉粉末及びその製法
JP2010247864A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 未加硫ゴム用防着剤パック
JP2013209658A (ja) * 2013-05-20 2013-10-10 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 未加硫ゴム用防着剤組成物
JP2014095010A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 未加硫ゴム用防着剤組成物
WO2017164171A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS535725A (en) * 1976-07-05 1978-01-19 Hitachi Ltd Oil transformer
JPS575700A (en) * 1980-06-12 1982-01-12 Asahi Chemical Ind Processed starch
JP2002363532A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Bridgestone Corp ゴム用密着防止剤
WO2009123102A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭化成ケミカルズ株式会社 崩壊性に優れる加工澱粉粉末及びその製法
JP2010247864A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 未加硫ゴム用防着剤パック
JP2014095010A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 未加硫ゴム用防着剤組成物
JP2013209658A (ja) * 2013-05-20 2013-10-10 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 未加硫ゴム用防着剤組成物
WO2017164171A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液

Also Published As

Publication number Publication date
JP6999379B2 (ja) 2022-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5997012B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
Rajasekar et al. Development of nitrile butadiene rubber–nanoclay composites with epoxidized natural rubber as compatibilizer
Surya et al. The comparison of alkanolamide and silane coupling agent on the properties of silica-filled natural rubber (SMR-L) compounds
JP5554506B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤パック
JP5312714B2 (ja) 含浸処理炭酸カルシウム、その製造方法、ポリマー組成物及びポリマー前駆体組成物
JP5964012B2 (ja) 表面処理重質炭酸カルシウム、その製造方法、及び該炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物
Alneamah et al. Study of thermal stability of nitrile rubber/polyimide compounds
JP2009161667A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物および防着処理された未加硫ゴムの製造方法
JP2009084491A (ja) シリカ含有天然ゴム組成物の製造方法及びそれによって得られるシリカ含有天然ゴム組成物
JP2009249533A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
US8183307B2 (en) Crosslinkable substances based on organosilicon compounds
WO2017164171A1 (ja) 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液
WO2017199853A1 (ja) タイヤ用フィラー、タイヤ用ゴム組成物、タイヤ、タイヤ用フィラーの製造方法、および、凝集抑制剤
JP2019094455A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP6704710B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
JP2006307226A (ja) 流動性の架橋可能なポリオルガノシロキサン材料及びその製造方法
JP6851809B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
JP5675891B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
JP6408326B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
JP5997004B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物
JP7163124B2 (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用
US11267985B2 (en) Anti-tack formulation of high solids content, diluted anti-tack formulation and method of use of diluted anti-tack formulation
JP2023144369A (ja) 未加硫ゴム用防着剤組成物及びその利用
WO2018207939A1 (ja) 未加硫ゴム用防着剤および未加硫ゴム用防着剤水分散液
JP2017031296A (ja) 未加硫ゴム用防着剤及びその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6999379

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150