JP2019093635A - フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化反応不良による独立気泡率と圧縮強度と脆性の悪化とを引起すこと無く発泡体内部の色の経時変化を改善する。【解決手段】フェノール樹脂発泡体積層板ではフェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に面材が配されている。フェノール樹脂発泡体において密度は10kg/m3以上70kg/m3以下であり、独立気泡率が80%以上である。フェノール樹脂発泡体の切断面の色彩値X(L1*、A1*、B1*)と100℃で24時間加熱した後に切断したフェノール樹脂発泡体の切断面の色彩値Y(L2*、A2*、B2*)との色差ΔE={(L2*−L1*)2+(A2*−A1*)2+(B2*−B1*)2}1/2が20.0以下である【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂発泡体積層板およびその製造方法に関する。
レゾール型フェノール樹脂を原料とした酸硬化型フェノール樹脂発泡体積層板は、有機樹脂発泡体積層板のなかでも、特に難燃性、耐熱性、低発煙性、寸法安定性、耐溶剤性、加工性に優れている事から、例えば金属サイディング等の外壁材、間仕切りパネル等の内壁材の他、天井材、防火扉、雨戸等など、各種建築材料として広く使用されている。
しかし、フェノール樹脂発泡体積層板は、製造日から日が経つにつれて発泡体内部が変色しやすく、異なる製造日のフェノール樹脂発泡体積層板を施工現場で切り出して併用する際に、切断面に色差があり外観を損なうという問題があった。
レゾール型フェノール樹脂の色の経時変化機構は複雑であるが、例えば、レゾール型フェノール樹脂中のメチロール化フェノールの酸化縮合によって生成する、ジメチロールジフェノキノンがその要因となり得る事が知られている。このような色の経時変化を抑制する手段として、フェノール樹脂のフェノール性水酸基に他の置換基を修飾する方法(特許文献1)や、酸化防止剤(例えば、特許文献2、3に記載の物質が挙げられる)を添加する方法が知られている。
しかしながら、これらの方法をレゾール型フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法に適用すると、硬化反応不良による独立気泡率、圧縮強度、脆性の悪化など、物性上の問題が発生する場合があった。また、反応条件の過酷化や工程数の増加といった、製造困難性が増すことも課題であった。
特開2004−269753号 特開2001−192373号 特開平10−81876号
本発明は、上述した諸問題を引き起こすことなく発泡体内部の色の経時変化を改善したフェノール樹脂発泡体積層板を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、フェノール樹脂発泡体積層板の製造工程において、合成工程、中和保持工程、発泡前工程での酸素濃度を特定量以下に低減することにより、発泡体内部の色の経時変化を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]
フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に面材が配されたフェノール樹脂発泡体積層板であって、前記フェノール樹脂発泡体は、密度が10kg/m3以上70kg/m3以下、独立気泡率が80%以上であり、フェノール樹脂発泡体の切断面の色彩値X(L1*、A1*、B1*)と100℃で24時間加熱した後に切断したフェノール樹脂発泡体の切断面の色彩値Y(L2*、A2*、B2*)との色差ΔE={(L2*−L1*)2+(A2*−A1*)2+(B2*−B1*)21/2が20.0以下であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体積層板。
[2]
塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[3]
以下の(I)〜(III)の工程における酸素濃度が、いずれも5%以下であることを特徴
とする、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
(I)フェノール類とホルムアルデヒド類とを用いてフェノール樹脂を合成する合成工程
(II)合成工程により製造したフェノール樹脂のpHを7.5以下となるまで中和した時
点から、混練工程において発泡性フェノール樹脂組成物を構成する全ての原料を添加した時点までの間、フェノール樹脂を保管する中和保持工程
(III)発泡性フェノール樹脂組成物を複数の吐出ノズルにより分配および拡幅して走行する下面材上に吐出し、上面材で被覆する発泡前工程
本発明によれば、発泡体内部の色が経時的に変化しにくいフェノール樹脂発泡体積層板を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板は、硬化反応によって形成されたフェノール樹脂中に、多数の気泡が分散した状態で存在するフェノール樹脂発泡体と、当該フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に設けられた面材とを備える。また、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、その発泡体の内部の経時的な色の変化が小さく、異なる製造日のフェノール樹脂発泡体積層板同士の併用においても色差が無く、外観上問題とならない。さらに、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、独立気泡率が高く、優れた長期断熱性能を有している。加えて、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板は、機械的強度にも優れ、断熱用途に好適に使用することができる。なお、本実施形態における厚み方向とは、発泡体積層板の三辺のうち最も短い辺の寸法を指す。本実施形態における厚み方向は、通常、発泡体積層板の製造時に下面材上の発泡性フェノール樹脂組成物が発泡して成長する方向であり、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の厚みは、20mm以上を対象とする。
また、フェノール樹脂発泡体積層板は、これを単体で使用する他、外部部材と接合させて様々な用途に用いられている。外部部材の例としては、ボード状材料、シート状・フィルム状材料、などがある。ボード状材料としては、普通合板、構造用合板、パーティクルボード、OSB、などの木質系ボード、および、木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード、フレキシブルボード、ミディアムデンシティファイバーボード、ケイ酸カルシウム板、ケイ酸マグネシウム板、火山性ガラス質複層板などが好適である。また、シート状・フィルム状材料としては、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、無機質充填ガラス繊維不織布、ガラス繊維不織布、紙、炭酸カルシウム紙、ポリエチレン加工紙、ポリエチレンフィルム、プラスチック系防湿フィルム、アスファルト防水紙、アルミニウム箔(孔あり・孔なし)などが好適である。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体の密度は、10kg/m3以上70kg/m3以下であり、好ましくは15kg/m3以上50kg/m3以下、より好ましくは20kg/m3以上40kg/m3以下である。密度が10kg/m3以上であると、厚み方向の圧縮強さなどの機械的強度の低下が抑制され、発泡体の取扱い時に破損しにくくなる。また、フェノール樹脂発泡体内部への空気の拡散量が少なくなり、発泡体内部の色の経時変化が抑制できる。密度が70kg/m3以下であると、樹脂部の伝熱が増大して断熱性能が低下する恐れがなくなる。なお、フェノール樹脂発泡体の密度は、主に発泡剤の割合、硬化条件の変更により所望の値に調整できる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、80%以上であり、より好ましくは90%以上である。独立気泡率が80%以上であると、フェノール樹脂発泡体中の発泡剤の、空気との置換が抑制されて、断熱性能の低下が抑制できる。また、連通気泡からの空気の置換量が少なくなり、発泡体内部の色の経時変化が抑制できる。なお、フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、例えば、発泡核剤の添加量、硬化条件などの変更により所望の値に調整できる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、20μm以上200μm以下であることが好ましく、より好ましくは40μm以上150μm以下である。平均気泡径が20μm以上であると、気泡壁の厚さがある程度の範囲におさまり、気泡壁の肉厚化による密度上昇が抑制され、その結果、樹脂部の伝熱が増大して断熱性能が低下することを防止できる。また、平均気泡径が200μm以下であると、輻射による熱伝導を増加させることがなく、断熱性能の低下を防止できる。なお、フェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、例えば、発泡核剤の添加量、硬化条件などの変更により所望の値に調整できる。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体の切断面の100℃で24時間の加熱処理前後の色差ΔEは、20.0以下であり、より好ましくは16.0以下であり、さらに好ましくは14.0以下である。色差ΔEが20.0以下であると、フェノール樹脂発泡体積層板の発泡体内部の色の経時変化を抑制することができる。なお、色差ΔEの評価方法は、後述する実施例において具体的に説明される。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、例えば、フェノール樹脂、界面活性剤、発泡剤、発泡核剤、及び酸性硬化剤を含む発泡性フェノール樹脂組成物から製造される。なお、発泡性フェノール樹脂組成物は、任意に、上記以外の成分を含有していてもよい。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法において特に重要な点は、製造中にフェノール樹脂あるいは発泡性フェノール樹脂組成物中へ酸素が混入することを防ぐことにある。フェノール樹脂あるいは発泡性フェノール樹脂組成物中への酸素混入量が多いと、製造したフェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体中の酸素混入量が多くなる。その酸素がフェノール樹脂発泡体中のメチロール化フェノールの酸化縮合を経時的に引き起こし、発泡体内部の色の経時変化が大きくなる。本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、後述するように、合成工程、中和保持工程、混練工程、発泡前工程、予成形工程、本成形工程を少なくとも含む。鋭意検討の結果、少なくとも合成工程、中和保持工程、発泡前工程において酸素濃度を低減することで、フェノール樹脂発泡体積層板の発泡体内部の色の経時変化を抑制できることを見出した。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法の、各製造工程における酸素濃度の低減手段は、とくに限定されないが、例えば、各製造工程にて使用する装置内部を酸素以外のガスで置換する方法が挙げられる。この場合、使用するガスの種類としては、防爆の観点からは、窒素、アルゴンなどの不活性ガスが好ましい。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法の合成工程、中和保持工程、発泡前工程における酸素濃度は、5%以下であり、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、とりわけ好ましくは1%以下である。酸素濃度が5%以下であると、各工程においてフェノール樹脂あるいは発泡性フェノール樹脂組成物中への酸素混入量を減らすことができる。なお、各工程における酸素濃度の評価方法は、後述する実施例において具体的に説明される。
(合成工程)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、フェノール類とホルムアルデヒド類とを用いてフェノール樹脂を合成する合成工程を少なくとも含む。
フェノール樹脂としては、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物によって合成するレゾール型フェノール樹脂を用いる。レゾール型フェノール樹脂を、フェノール類とアルデヒド類とを原料としてアルカリ触媒により40〜100℃の温度範囲で加熱して合成する。また、必要に応じてレゾール型フェノール樹脂の合成時もしくは合成後に、尿素等の添加剤を添加してもよい。尿素を添加する場合は予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をレゾール型フェノール樹脂に混合することがより好ましい。
フェノール樹脂の合成時のフェノール類対アルデヒド類の出発モル比は1:1から1:4.5の範囲内が好ましく、より好ましくは1:1.5から1:2.5の範囲内である。
ここで、本実施形態においてフェノール樹脂合成の際に好ましく使用されるフェノール類は、フェノール自体、及び他のフェノール類であり、他のフェノール類の例としては、レゾルシノール、カテコール、o−、m−及びp−クレゾール、キシレノール類、エチルフェノール類、p−tertブチルフェノール等が挙げられる。また、2核フェノール類も使用できる。
また、アルデヒド類は、アルデヒド源となり得る化合物であればよく、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド自体、及び他のアルデヒド類やその誘導体を用いることが好ましい。他のアルデヒド類の例としては、グリオキサール、アセトアルデヒド、クロラール、フルフラール、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
なお、フェノール樹脂に添加する添加剤としては、上述の尿素以外に、ジシアンジアミドやメラミン等が挙げられる。
本実施形態の合成工程で使用する設備は、合成工程において、フェノール樹脂の合成に使用する各種原料およびフェノール樹脂が接触する気体部分の酸素濃度を低減する機能を備えている。その手段はとくに限定されないが、例えば、設備上部に気体の排出口を、設備下部には気体の流入口を備え、下部より設備内へ酸素以外の気体を流通させることにより内部の酸素を排出口より追い出すことを可能とする構造、が挙げられる。
(中和保持工程)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、合成工程により製造したフェノール樹脂に酸を添加してpHが7.5以下となった時点から、後述する混練工程において発泡性フェノール樹脂組成物を構成する全ての原料を添加した時点までの間、フェノール樹脂を保管する中和保持工程を少なくとも含む。
中和保持工程におけるフェノール樹脂に添加する酸は任意であるが、例えば、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びそれらの水和物が挙げられる。当該酸の添加量は、その種類により異なり、パラトルエンスルホン酸一水和物を使用する場合には、合成工程完了時の反応液100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
中和保持工程中のフェノール樹脂のpHは、5.0以上7.5以下である。
中和保持工程におけるフェノール樹脂の温度は、70℃以下が好ましい。
中和保持工程の終点は、後述する混練工程において発泡性フェノール樹脂組成物を構成する全ての原料を添加した時点である。
中和保持工程の期間は、10日以下が好ましく、より好ましくは7日以下、さらに好ましくは5日以下である。保持工程の期間が10日以下であれば、フェノール樹脂中の酸素混入量を低減することができる。
本実施形態の中和保持工程で使用する設備は、中和保持工程において保管中のフェノール樹脂が接触する気体部分の酸素濃度を低減する機能を備えている。その手段はとくに限定されないが、例えば、設備上部に気体の排出口を、設備下部には気体の流入口を備え、下部より設備内へ酸素以外の気体を流通させることにより内部の酸素を排出口より追い出すことを可能とする構造、が挙げられる。
なお、本実施形態の中和保持工程では、合成したフェノール樹脂の水分量を調節する目的で、必要に応じて、減圧脱水によりフェノール樹脂中の水分を蒸発させる脱水工程を設けても構わない。脱水工程におけるフェノール樹脂の温度は、フェノール樹脂の酸化を抑制する観点から、70℃以下が好ましい。
(混練工程)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、合成工程、中和保持工程を経たフェノール樹脂を、界面活性剤、酸性硬化剤、発泡剤および発泡核剤とともに混練して発泡性フェノール樹脂組成物を得る混練工程を少なくとも含む。なお、発泡性フェノール樹脂組成物に含まれる界面活性剤、発泡剤及び発泡核剤は、フェノール樹脂に予め添加しておいてもよいし、酸性硬化剤と同時に添加してもよい。また、混練工程で使用する設備内の酸素濃度は、低い方がより好ましい。
界面活性剤としては、フェノール樹脂発泡体の製造に一般に使用されるものを使用できるが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的であり、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキレンオキサイドとヒマシ油との縮合物、アルキレンオキサイドと、ノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合生成物、アルキルエーテル部分の炭素数が14〜22のポリオキシエチレンアルキルエーテル、更にはポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリアルコール類等が好ましい。これらの界面活性剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量については特に制限はないが、フェノール樹脂100質量部に対して0.3質量部以上10質量部以下の範囲で好ましく使用される。
発泡剤は、特に限定されないが、炭化水素(HC類)、ハイドロフルオロカーボン(HFC類)、塩素化ハイドロフルオロオレフィン、非塩素化ハイドロフルオロオレフィン、および、塩素化炭化水素等を用いることが好ましい。オゾン層の破壊を防ぐ観点から、炭化水素およびハイドロフルオロカーボン等を用いることが好ましい。とりわけ、地球温暖化係数が小さいことから、炭化水素を使用することがより好ましい。また、フェノール樹脂発泡体積層板の断熱性能をより向上させる観点からは、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
炭化水素としては、炭素数が3〜7の環状または鎖状のアルカン、アルケン、アルキンが好ましく、具体的には、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン、等を挙げることができる。その中でも、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンのペンタン類及びノルマルブタン、イソブタン、シクロブタンのブタン類が好適に用いられる。また、ハイドロフルオロカーボンとしては、ハイドロフルオロプロペン、ハイドロクロロフルオロプロペン、ハイドロブロモフルオロプロペン、ハイドロフルオロブテン、ハイドロクロロフルオロブテン、ハイドロブロモフルオロブテン、ハイドロフルオロエタン、ハイドロクロロフルオロエタン、ハイドロブロモフルオロエタン等を挙げることができる。
塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(例えば、ハネウェルジャパン株式会社製、製品名:Solstice(商標)LBA)などが挙げられる。また、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(例えば、ハネウェルジャパン株式会社製、製品名:Solstice(商標)1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンなどが挙げられる。
ここで、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの発泡剤中の含有割合は、環境負荷を増加させることなく所望の断熱性能を発現させるために、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、60質量%以上であるとなお好ましい。
塩素化炭化水素としては、炭素数が2〜5の直鎖状または分岐状の塩素化脂肪族炭化水素を使用し得る。結合している塩素原子の数は、限定されるものではないが、1〜4が好ましく、塩素化脂肪族炭化水素としては、例えば、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリドなどが挙げられる。これらのうち、クロロプロパンであるプロピルクロリド、イソプロピルクロリドがより好ましく用いられる。
なお、これら発泡剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよく、任意に選択できる。
発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、フェノール樹脂との相性や、発泡・硬化過程でのロスによりばらつきがあるが、フェノール樹脂100質量部に対して3.0質量部以上11.5質量部以下であることが好ましく、4.0質量部以上9.5質量部以下であることがより好ましい。フェノール樹脂に対する発泡剤の量が3.0質量部以上であると密度が高くなりすぎず、好ましい。また、フェノール樹脂に対する発泡剤の量が11.5質量部以下であると、密度が低くなりすぎず、好ましい。
発泡核剤としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの、発泡剤よりも沸点が50℃以上低い低沸点物質を添加することができる。また、固体発泡核剤として、水酸化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、炭酸カルシウム粉、タルク、はくとう土(カオリン)、珪石粉、珪砂、マイカ、珪酸カルシウム粉、ワラストナイト、ガラス粉、ガラスビーズ、フライアッシュ、シリカフューム、石膏粉、ホウ砂、スラグ粉、アルミナセメント、ポルトランドセメント等の無機粉、及び、フェノール樹脂発泡体の粉砕粉のような有機粉を添加することもできる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
発泡核剤の発泡剤に対する添加量は、発泡剤の量を100質量%として、0.1質量%以上0.4質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上0.4質量%以下であることがより好ましい。発泡核剤の添加量が0.1質量%未満であると、不均一な発泡が起こりやすく、平均気泡径が大きくなり過ぎるため好ましくない。また、発泡核剤の添加量を0.4質量%超とすると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡が促進されすぎるため、面材へ発泡性フェノール樹脂組成物が滲みこみ難くなり、面材がフェノール樹脂発泡体から剥がれやすくなるため好ましくない。
酸性硬化剤は、発泡性フェノール樹脂組成物を硬化できる酸性の硬化剤であればよく、酸成分として有機酸を含有する。有機酸としては、アリールスルホン酸、或いは、これらの無水物が好ましい。アリールスルホン酸およびその無水物としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等、および、それらの無水物が挙げられ、これらを一種類で用いても、二種類以上組み合わせてもよい。なお、本実施形態では、硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、サリゲニン(o−メチロールフェノール)、p−メチロールフェノール等を添加してもよい。また、これらの硬化剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒で希釈してもよい。
酸性硬化剤の使用量は、その種類により異なり、パラトルエンスルホン酸一水和物60質量%とジエチレングリコール40質量%との混合物を使用する場合には、フェノール樹脂と、界面活性剤との合計100質量部に対して、好ましくは8質量部以上20質量部以下、より好ましくは10質量部以上15質量部以下で使用される。
(発泡前工程、予成形工程、本成形工程)
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法には、レゾール合成工程、中和保持工程、混練工程の後に、上記発泡性フェノール樹脂組成物を複数の吐出ノズルにより分配および拡幅して走行する下面材上に吐出し上面材で被覆する発泡前工程と、上下面材で被覆された発泡性フェノール樹脂組成物を上下方向から均して成形する予成形工程と、予成形工程の後に発泡および硬化を進めつつ板状に成形する本成形工程を、少なくとも含む。
フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に配される面材としては、可撓性を有する面材(可撓性面材)が用いられる。使用される可撓性面材としては、主成分がポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等からなる不織布及び織布や、クラフト紙、ガラス繊維混抄紙、水酸化カルシウム紙、水酸化アルミニウム紙、珪酸マグネシウム紙等の紙類や、ガラス繊維不織布のような無機繊維の不織布等が好ましく、これらは混合(または積層)して用いてもよい。中でも、得られるフェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥離し母材のみを利用する場合には、剥離後に廃棄可能な安価な紙類が好ましい。これら面材は、通常ロール状の形態で提供されている。更に、可撓性面材としては、難燃剤等の添加剤を混練したものを用いても構わない。なお、面材とフェノール樹脂発泡体との接着方法は特に限定されるものではなく、フェノール樹脂発泡体が面材表面で熱硬化する際の固着力によるものや、エポキシ樹脂等の接着剤を使用したものでも構わない。
発泡前工程とは、ノズルにより吐出された発泡性フェノール樹脂組成物が走行する下面材に接触した時点から、予成形工程にて発泡性フェノール樹脂組成物が上下方向から見て均される直前までの時点を言う。発泡前工程において発泡性フェノール樹脂組成物を吐出する為に使用する吐出ノズルの単位吐出幅あたりの本数は、40本/m以下が好ましく、より好ましくは30本/m以下、さらに好ましくは20本/m、とりわけ好ましくは15本/m以下である。単位吐出幅あたりの吐出ノズルの本数が40本/m以下であると、各ノズルから走行する下面材上に吐出された帯状の発泡性フェノール樹脂組成物(以下、「ビード」という)の太さが細くなりすぎないため、発泡性フェノール樹脂組成物と酸素との接触面積が低減でき、発泡性フェノール樹脂組成物中の酸素混入量を低減することができる。
また、発泡剤に塩素化ハイドロフルオロオレフィンや非塩素化ハイドロフルオロオレフィンなどの極性の高い物質を使用する場合、これら発泡剤のフェノール樹脂との相溶性の高さに起因して、発泡前工程における発泡性フェノール樹脂組成物は粘度が低下しやすい。発泡性フェノール樹脂組成物が低粘度化する場合、発泡性フェノール樹脂組成物の初期の発泡が遅れ気味となり、このため、樹脂組成物体積が減少し、酸素との接触面積が増大することにより、発泡性フェノール樹脂組成物中に酸素が混入しやすくなる。これらの理由から、発泡剤に塩素化ハイドロフルオロオレフィンや非塩素化ハイドロフルオロオレフィンなどの極性の高い物質を使用する場合には、発泡前工程における酸素濃度を低減することは、発泡体内部の色の経時変化を抑制したフェノール樹脂発泡体積層板を製造する上で重要である。
本実施形態の発泡前工程で使用する設備は、発泡前工程において発泡性フェノール樹脂組成物が接触する気体部分の酸素濃度を低減する機能を備えている。その手段はとくに限定されないが、例えば、発泡前工程設備全体(発泡前工程で走行する下面材、上面材部分、および発泡性フェノール樹脂組成物の吐出部)がアクリル板等で密閉され、かつその密閉空間の上部には気体の排出口を、下部には気体の流入口を備え、下部より空間内へ酸素以外の気体を流通させることにより内部の酸素を排出口より追い出すことを可能とする構造、が挙げられる。
予成形工程においては、スラット型ダブルコンベアを利用する方法や、金属ロールもしくは鋼板を利用する方法、さらには、これらを複数組み合わせて利用する方法等、製造目的に応じた種々の方法が挙げられる。このうち、例えば、スラット型ダブルコンベアを利用して成形する場合には、上下の面材で被覆された発泡性フェノール樹脂組成物をスラット型ダブルコンベア中へ連続的に案内した後、加熱しながら上下方向から圧力を加えて、所定の厚みに調整しつつ、発泡及び硬化させ、板状に成形することができる。
本成形工程においては、無端スチールベルト型ダブルコンベアまたはスラット型ダブルコンベア、もしくはロール等を用いる方法が挙げられる。また、本成形工程の滞留時間は、発泡及び硬化反応を行わせる主工程であることから、5分以上2時間以内とすることが好ましい。滞留時間が5分以上であると発泡と硬化を十分促進させることができる。また、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡および硬化がある程度終了すると、得られるフェノール樹脂発泡体積層板の特性は、ほとんど変化しない。このため、滞留時間が2時間以内であるとフェノール樹脂発泡体積層板の生産効率を高めることができる。
以下に、実施例および比較例によって本説明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例および比較例で使用したフェノール樹脂A〜Fの調製方法について説明する。
(フェノール樹脂A〜Fの調製)
<合成工程>
事前に、反応器の内圧が上がらないように反応器上部に気体の排出口を設けた上で、反応器内の酸素濃度が表1に示す値となるまで、反応器下部より窒素ガス(純度;99.9体積%以上)を内部に流通させて置換した。次に、反応器に52質量%ホルムアルデヒド水溶液(52質量%ホルマリン)3500kgと99質量%フェノール(不純物として水を含む)2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。そして50質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えながら昇温して、反応を行わせた。オストワルド粘度が60センチストークス(60×10−6m2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を570kg(ホルムアルデヒド仕込み量の15モル%に相当)添加した。
<中和保持工程>
次に、事前に、保持タンクの内圧が上がらないように保持タンク上部に気体の排出口を設けた上で、保持タンク内の酸素濃度が表1に示す値となるまで、保持タンク下部より窒素ガス(純度;99.9体積%以上)を内部に流通させて置換した。その後、反応器から保持タンクへ合成工程にて作製した反応液を移液した。そして、反応液を30℃まで冷却した後に、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液でpHを6.3に中和した。この液を、直ちに真空脱水機によって60℃で脱水処理を施し、水分率および40℃における粘度を測定したところ、水分率は7.8質量%であり、粘度は21000mPa・sであった。こうして得られた液を、1℃に温調した上で4日間保管した。
次に、実施例および比較例におけるフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法について説明する。
(実施例1〜13、比較例1〜7)
<混練工程>
各フェノール樹脂100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体(BASF製、プルロニックF−127)を3.0質量部、表2に示す組成の発泡剤を6.8質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.3質量%添加し、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%との混合物13質量部を添加してなる発泡性フェノール樹脂組成物を、混合機のミキシングヘッドに供給した。
<発泡前工程>
次に、事前に、アクリル板で密閉された発泡前工程設備の内圧が上がらないように、密閉空間の最上部に気体の排出口を設けた上で、発泡前工程設備内の酸素濃度が表2に示す値となるまで、密閉空間の最下部より窒素ガス(純度;99.9体積%以上)を内部に流通させて置換した。その後、ミキシングヘッドで混練した発泡性フェノール樹脂組成物を、マルチポート分配管を通して、移動する下面材上に、発泡性フェノール樹脂組成物の吐出部全幅が1000mmとなるように40kg/hrの流量で吐出した。分配部は先端に32か所のノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。なお、上下面材には、ガラス繊維混抄紙(目付量140g/m2)、あるいは旭化成株式会社製のポリエステル不織布であるエルタスE05030(目付量30g/m2)を、表2に示すように使用した。
<予成形工程、本成形工程>
事前に本成形工程で使用するスラット型ダブルコンベアの内圧が上がらないように、コンベアの最上部に気体の排出口を設けた上で、本成形工程設備内の酸素濃度が表2に示す値となるまで、コンベア内へ窒素ガス(純度;99.9体積%以上)を流通させて置換した。次に、前工程を経て、上下面材で被覆された発泡性フェノール樹脂組成物を、上面材上方より、フリーローラーにて予成形を行った。なおフリーローラーの高さは、吐出直後のビードの厚み(面材の走行方向に対して垂直方向の高さ)の2/3となる位置に調節した。その後、上下の面材で挟み込まれるようにして、83℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアへ導入され20分の滞留時間で硬化させた後(本成形工程)、110℃のオーブンで3時間キュアして厚み50mmのフェノール樹脂発泡体積層板を得た。なお、スラット型ダブルコンベアでは、上下方向から面材を介して適度に圧力を加えることで板状に成形した。
Figure 2019093635
Figure 2019093635
実施例、比較例中の各評価項目は、以下の方法で測定した。
(1)酸素濃度
合成工程、中和保持工程、発泡前工程、本成形工程に関して、設備上部に設けられた気体の排出口に酸素濃度検知計(イチネンジコー社製、GBL−OX−AX)を設置し、酸素濃度を測定した。
(2)水分率
フェノール樹脂中の水分量は、カールフィッシャー水分計MKA−510(京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
(3)粘度
回転粘度計(東機産業(株)製、R−100型、ローター部は3°×R−14)を用い、40℃で3分間安定させた後の測定値をフェノール樹脂の粘度とした。
(4)密度
20cm角のフェノール樹脂発泡体積層板を試料とし、この試料から面材を取り除いた後、JIS K7222に従い、質量と見かけ容積を測定して求めた。
(5)独立気泡率
ASTM−D−2856に従い、測定した。具体的には、フェノール樹脂発泡体積層板より面材を取り除いた後、直径35mm〜36mmの円柱形試料をコルクボーラーで刳り貫き、高さ40mm以下となるよう切り揃えた後、空気比較式比重計(東京サイエンス社製、1,000型)の標準使用方法により試料容積を測定した。その試料容積から、試料質量とフェノール樹脂の密度から計算した壁(気泡やボイド以外の部分)の容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけの容積で割った値を、フェノール樹脂発泡体の独立気泡率とした。ここで、フェノール樹脂の密度は1.3kg/Lとした。
(6)平均気泡径
平均気泡径は、JIS K6402に記載の方法を参考に、以下の方法で測定した。フェノール樹脂発泡体積層板の厚み方向のほぼ中央を表裏面に平行に切削して得た試験片の切断面を50倍に拡大した写真を撮影し、得られた写真上にボイドを避けて9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数に準じて測定したセル数を各直線で求め、それらの平均値で1800μmを割った値を平均気泡径とした。
(7)色差
10cm角のフェノール樹脂発泡体積層板を試料とし、厚み方向中央部より2cmの厚みで切り出して、10cm×10cm×2cmの試料1を得た。この際に切り出した2つの切断面(10cm×10cm)の色彩値の平均値X(L1*、A1*、B1*)を、色彩色差計(コニカミノルタ社製、CR−410)を用いて測定した。次に、試料1を100℃に加熱されたオーブンに24時間入れた。その後、試料1をオーブンより取り出し、厚み方向の中央でさらに切り分けて、試料2および試料3を得た。この際に切り分けたそれぞれの切断面(10cm×10cm、試料2および試料3より各1面ずつ)の色彩値の平均値Y(L2*、A2*、B2*)を、上述の色彩色差計を用いて測定した。そして、色彩値X、Yから、その色差ΔE={(L2*−L1*)2+(A2*−A1*)2+(B2*−B1*)21/2を算出した。

Claims (3)

  1. フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に面材が配されたフェノール樹脂発泡体積層板であって、前記フェノール樹脂発泡体は、密度が10kg/m3以上70kg/m3以下、独立気泡率が80%以上であり、フェノール樹脂発泡体の切断面の色彩値X(L1*、A1*、B1*)と100℃で24時間加熱した後に切断したフェノール樹脂発泡体の切断面の色彩値Y(L2*、A2*、B2*)との色差ΔE={(L2*−L1*)2+(A2*−A1*)2+(B2*−B1*)21/2が20.0以下であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体積層板。
  2. 塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  3. 以下の(I)〜(III)の工程における酸素濃度が、いずれも5%以下であることを特徴
    とする、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
    (I)フェノール類とホルムアルデヒド類とを用いてフェノール樹脂を合成する合成工程
    (II)合成工程により製造したフェノール樹脂のpHを7.5以下となるまで中和した時
    点から、混練工程において発泡性フェノール樹脂組成物を構成する全ての原料を添加した時点までの間、フェノール樹脂を保管する中和保持工程
    (III)発泡性フェノール樹脂組成物を複数の吐出ノズルにより分配および拡幅して走行する下面材上に吐出し、上面材で被覆する発泡前工程
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