JP7026468B2 - フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、硬化に比べて、発泡が遅れる傾向となるため、厚み方向上下スキン層の硬化状態、すなわち、密度差が生じやすくなり上下表層間で熱履歴が異なることで、反りが発生しやすいという問題があり、改善が望まれていた。なお、反りは、より加熱された側を凸として反りやすくなるため、製造時に、より加熱される側である下面材側が縮み難く、下側に凸となりやすい。またこの反りの影響によっても、厚み方向に多枚取りすることが困難となっていた。
D2-D1<A (1)
1.3<Da/Dc<2.0 (2)
[2]上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが3.5kg/m3であることを特徴とする、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[3]前記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの発泡剤中の比率が30質量%以上である、[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[4]前記面材が紙を含有することを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[5]フタル酸系化合物を含有することを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[6]フェノール樹脂、界面活性剤、及び塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する発泡剤と、有機酸を含有する酸性硬化剤とを含む発泡性フェノール樹脂組成物を、混合機を用いて混合する工程と、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程と、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させつつ上面材上から予成形を行う工程と、を含み、発泡性フェノール樹脂組成物は、発泡核剤を前記発泡剤に対して0.35質量%以上0.65質量%以下の割合で含み、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃以上50℃以下であり、前記混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程において、吐出してから5秒以上60秒以内に予成形を行うことを特徴とする、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板(以下、「発泡体積層板」という場合がある。)は、硬化反応によって形成されたフェノール樹脂硬化体中に、多数の気泡が分散した状態で存在するフェノール樹脂発泡体と、当該フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に設けられた面材とを備える積層体である。そして、本実施形態の発泡体積層板は、独立気泡率が高く、優れた長期断熱性能を有している。また、本実施形態の発泡体積層板は、上下面材を剥離して得られる母材の厚み方向の曲げ強さにも優れていることから、例えば面材を剥離してなる母材の状態で、難燃性および断熱性に優れる建材などとして使用することもできる。更に、本実施形態の発泡体積層板は、反りが低減されているので、厚み方向に多枚取りすることも可能である。なお、本実施形態における「厚み方向」とは、発泡体積層板の三辺のうち最も短い辺の寸法を指し、通常、発泡体積層板の製造時に下面材上の発泡性フェノール樹脂組成物が発泡して成長する方向であり、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の厚みは、15mm以上を対象とする。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体の密度は、15kg/m3以上50kg/m3以下であり、好ましくは20kg/m3以上40kg/m3以下である。密度が15kg/m3以上であると圧縮強度、曲げ強さ等の機械的強度が確保でき、発泡体の取り扱い時に破損が起こることを回避することができる。一方、密度が50kg/m3以下であると、樹脂部の伝熱が増大しにくいため、断熱性能を保つことができる。なお、フェノール樹脂発泡体の密度は、主に、発泡剤の割合、発泡性フェノール樹脂組成物の温度、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程における予成形のタイミング、更には、発泡剤の添加量と酸性硬化剤として用いられる有機酸の添加量との比、温度や滞留時間等の硬化条件などの変更により所望の値に調整できる。
また、アルデヒド類は、アルデヒド源となり得る化合物であればよく、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド自体、及び他のアルデヒド類やその誘導体を用いることが好ましい。他のアルデヒド類の例としては、グリオキサール、アセトアルデヒド、クロラール、フルフラール、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なお、フェノール樹脂には、添加剤として尿素、ジシアンジアミドやメラミン等を加えてもよい。本明細書において、これらの添加剤を加える場合、「フェノール樹脂」とは添加剤を加えた後のものを指す。そして、本明細書では、「フェノール樹脂」に対して界面活性剤およびフタル酸系化合物を添加したものを「フェノール樹脂組成物」と称し、「フェノール樹脂組成物」に対して発泡剤、発泡核剤および酸性硬化剤を添加して発泡性および硬化性を付与したものを「発泡性フェノール樹脂組成物」と称する。また、フェノール樹脂発泡体形成後の樹脂部分を「フェノール樹脂硬化体」と称する。
D2-D1<A (1)
Aの値は4.5kg/m3であることが好ましく、より好ましくは、4.0kg/m3であり、更に好ましくは、3.5kg/m3である。Aが、4.5kg/m3以上になると、フェノール樹脂発泡板積層板が、その厚み方向に反りやすくなるので、好ましくない。
1.3<Da/Dc<2.0 (2)
Da/Dcが2.0以上であると、曲げ強さが不十分となる。また、Da/Dcは一般的に1.0以上となるが、平均気泡径を良好な範囲とするフェノール樹脂発泡体積層板を得るためには、1.3以上であることが望ましい。
次に、上述したフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法について説明する。
発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃未満であると発泡性フェノール樹脂組成物が初期に発泡し難くなるために、上スキン層密度D2と下スキン層密度差D1の差が、大きくなり、反りやすくなるため、好ましくない。一方発泡性フェノール樹脂組成物の温度が50℃を超えると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡が促進されすぎるため、発泡性フェノール樹脂組成物が初期に発泡しやすくなり、セル径が大きくなりやすく、それにより、スキン層密度Daと中心部密度Dcの比(Da/Dc)が大きくなる。温度が50℃以上でさらに高くなると、ボイドも多くなるので注意が必要である。なお、下面材上に吐出する発泡性フェノール樹脂組成物の温度は、ミキシングヘッドの温調水温度や流量、更にはミキシングヘッドの回転数等の調整によって行うことができる。
なお、曲げ強さは、フェノール樹脂発泡体の密度との相関性が強いので、フェノール樹脂発泡体の密度(kg/m3)に対する曲げ強さ(N/cm2)の比Xは、好ましくは0.40以上であり、より好ましくは0.60以上であり、さらに好ましくは0.85以上である。
反応器に52質量%ホルムアルデヒド(52質量%ホルマリン)水溶液3500kgと99質量%フェノール(不純物として水を含む)2743kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を反応液のpHが8.7になるまで加えた。反応液を1.5時間かけて85℃まで昇温し、その後オストワルド粘度が110センチストークス(=110×100-6m2/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を400kg添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.3になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、粘度及び水分量を以下の方法で測定した。その結果、水分量は7.7質量%であり、粘度は20,700mPa・sであった。これをフェノール樹脂Aとする。
フェノール樹脂A中の水分量は、カールフィッシャー水分計MKA-510(京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
回転粘度計(東機産業(株)製、R-100型、ローター部は3°×R-14)を用い、40℃で3分間安定させた後の測定値をフェノール樹脂Aの粘度とした。
(実施例1)
フェノール樹脂A100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50%ずつ含有する組成物を3.0質量部の割合で混合した。これをフェノール樹脂組成物とする。上記界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド40質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン60質量%の混合物6.8質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.50質量%、更に、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を10質量部添加し、20℃に温調した回転数可変式のミキシングヘッドに供給した。混合し、得られた発泡性フェノール樹脂組成物をマルチポート分配管にて分配し、移動する下面材上に供給した。なお、混合機(ミキサー)は、特開平10-225993号に開示されたものを使用した。即ち、混合機の上部側面に、フェノール樹脂A及び発泡核剤を含む発泡剤の導入口があり、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に酸性硬化剤の導入口を備えている混合機を使用した。攪拌部以降は発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するためのノズルに繋がっている。即ち、混合機は、酸性硬化剤導入口までを混合部(前段)、酸性硬化剤導入口~攪拌終了部を混合部(後段)、攪拌終了部~ノズルを分配部とし、これらにより構成されている。分配部は先端に複数のノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。
また、マルチポート分配管の吐出口には、発泡性フェノール樹脂組成物の温度を検出できるように熱電対が設置してあり、ミキシングヘッドの回転数は350rpmに設定した。このときの下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度は45℃であった。下面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物は、60℃に温調された予成形工程に導入され、30秒後に、上面材上方より、フリーローラーにて予成形を行った。予成形は、吐出時のフロス高さの2/3となる高さにロールをセットし調節した。その後、二枚の面材で挟み込まれるようにして、83℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアに導入され(本成形工程)、15分の滞留時間で硬化させた後、110℃のオーブンで2時間キュアさせ(後硬化工程)、厚み50mmのフェノール樹脂発泡体積層板を得た。なお、面材としては、可撓性面材である上下面材を共にガラス繊維混抄紙(目付量140g/m2)を使用した。
20cm角のフェノール樹脂発泡体積層板を試料とし、この試料から面材を取り除いた後、JIS K7222に従い質量と見かけ容積を測定して求めた。
ASTM-D-2856に従い測定した。具体的には、フェノール樹脂発泡体積層板より面材を取り除いた後、直径35mm~36mmの円柱形試料をコルクボーラーで刳り貫き、高さ30mm~40mmに切り揃えた後、空気比較式比重計(東京サイエンス社製、1,000型)の標準使用方法により試料容積を測定した。その試料容積から、試料質量とフェノール樹脂硬化体の密度から計算した壁(気泡やボイド以外の部分)の容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけの容積で割った値を独立気泡率とした。ここで、フェノール樹脂硬化体の密度は1.3kg/Lとした。
平均気泡径は、JIS K6402に記載の方法を参考に、以下の方法で測定した。
フェノール樹脂発泡体積層板の厚み方向のほぼ中央を表裏面に平行に切削して得た試験片の切断面を50倍に拡大した写真を撮影し、得られた写真上にボイドを避けて9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数に準じて測定したセル数を各直線で求め、それらの平均値で1,800μmを割った値を平均気泡径とした。
曲げ強さは、JIS A 9511に従い測定した。
なお、曲げ強さは、フェノール樹脂発泡体の密度(kg/m3)との相関性が強いので、フェノール樹脂発泡体の密度(kg/m3)に対する曲げ強さ(N/cm2)の比Xとして評価を行った。
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体中に塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンが含まれているか否かは以下の方法により確認することができる。
まず、解析対象となる化合物の標準ガスを用いて、以下のGC/MS測定条件における保持時間を求める。続いて、フェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥がして得たフェノール樹脂発泡体の試料10gと、金属製ヤスリとを10L容器(製品名:テドラーバック)に入れて密封し、窒素5Lを注入した。そして、テドラーバックの上からヤスリを使って試料を削り、試料を細かく粉砕した。続いて、81℃に温調された温調機内にテドラーバックを10分間入れた。テドラーバック中で発生したガスを100μL採取し、以下に示すGC/MS測定条件にて分析した。塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定を行った。
[GC/MS測定条件]
GC/MSの測定は以下のように行った。
ガスクロマトグラフはアジレント・テクノロジー社製のAgilent7890型を用い、カラムはジーエルサイエンス社製InertCap 5(内径0.25mm、膜厚5μm、長さ30m)を用いた。キャリアガスはヘリウムを用い、流量は1.1mL/分とした。注入口の温度は150℃、注入方法はスプリット法(1:50)とし、試料の注入量は100μLとした。カラム温度はまず-60℃で5分間保持し、その後50℃/分で150℃まで昇温し、2.8分保持した。
質量分析計は日本電子社製のQ1000GC型を用いた。イオン化方法:電子イオン化法(70eV)、スキャン範囲:m/Z=10~500、電圧:-1300V、イオン源温度:230℃、インターフェイス温度:150℃の条件で質量分析を行った。
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体中にフタル酸系化合物が含まれているか否かは以下の方法により確認することができる。
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体部分から採取した試料1gを粉砕し、メタノール(150mL)にてソックスレー抽出を行う(7時間)。エバポレーターにて40℃で濃縮乾固させた後、真空乾燥(常温、30分間)を行う。乾燥質量を測定した後、メタノール5mLに溶解し、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)測定を行う。GC/MS測定条件は、以下の通りとした。
GC装置;Agilent Technologies 7890A
注入口温度;320℃
カラム;DB-1MS(30m×0.25mmφ)、液相厚0.25μm
カラム温度;40℃(5分保持)、20℃/分昇温、320℃(11分保持)
MS装置;Agilent Technologies 5975C MSD
イオン源温度;230℃
インターフェイス温度;300℃
イオン化方法;電子イオン化法
フェノール樹脂発泡体積層板を長さ75mm、幅75mm、厚みはそのままにして切り出し、その切り出した試料について、両表層面の面材を手で丁寧に剥離した後、一方の面材を剥離した面(表層面)を起点に、5~6mm間隔でスライスを行い、表層側から1つ目のスライス片の密度を測定し、D1とした。同様にして、反対面の面材を剥離した面(表層面)を起点に、5~6mm間隔でスライスを行い、表層側から1つ目のスライス片の密度を測定し、D2とした。Daは、以下の式(3)によって求めた。密度は質量と見かけ容積から求めた。密度は、各々、3辺の寸法を測定することで体積を求め、スライス重量を前期記体積で除した値とした。なお、Daをスキン層密度と定義する。
Da=(D1+D2)/2 (3)
フェノール樹脂発泡体積層板の両表層の面材を手で丁寧に剥離した後、一方の面材を剥離した面(表層面)を起点に、厚み方向に、5~6mm間隔で全てのスライス片が6mm以下となるまでスライスを繰り返す。スライス片が奇数個であった場合には、厚み方向の中央に位置するスライス片について、密度の測定を行い、求めた密度をDcとする。また、スライス片が偶数個であった場合には、厚み方向中央に位置する2つのスライス片の各々に関して密度を測定した後平均値を求め、得られた密度をDcとする。密度は、D1、D2同様に、質量と見かけ容積から求めた。
1000mm×1000mmの大きさに切り出したフェノール樹脂発泡体積層板の両表層の面材を丁寧に剥離しフェノール樹脂発泡体とした後、厚み方向を含まない面における一つの対角頂点間に糸を張り、糸からフェノール樹脂発泡体表面に垂線を下した時の最大距離を読み取り、記録する。更にもう一方の対角頂点間にも糸を張り同様に測定し記録する。上下反転させ同様の測定を行い、これら4つの測定値のうち、最も大きな値を、反り値と定義する。なお、対角頂点間に糸を張った際、糸が直線とならなかった場合には、反り値は算出しない(フェノール樹脂発泡体が上に凸の状態で上側を測定した場合には対角線間の糸は直線とはならない)。反り値は、2.5mm未満であることが好ましく、1mm未満であったものをA、1mm以上2.5mm未満であったものをB、2.5mm以上であったものをCとして評価した。
発泡核剤である窒素を発泡剤に対して0.36質量%添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡核剤である窒素を発泡剤に対して0.44質量%添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
発泡核剤である窒素を発泡剤に対して0.65質量%添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
下面材に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度を、30.5℃とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
下面材に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度を、49.9℃とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
予成形工程の滞留時間を、6.0秒とした以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
予成形工程の滞留時間を、60.0秒とした以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド60質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン40質量%の混合物6.3質量部とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてシクロペンタン25質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン75質量%の混合物5.4質量部とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
上下面材を共に、旭化成株式会社製のポリエステル(PET)不織布である、エルタスE05030(目付量30g/m2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、フタル酸系化合物としてフタル酸ジ-n-オクチル(和光純薬工業株式会社製;DOP)を0.5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、フタル酸系化合物としてフタル酸ジ-n-オクチル(和光純薬工業株式会社製;DOP)を3.0質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
攪拌部以降は、国際公開第2014/133023号の図6に示すように、A~Dの4段階の分配路(分配路は流れ方向配管部2、幅方向配管部3及び分岐部4で形成)からなる分配管10が接続され、16本の吐出口5まで分配させる吐出方式とし、下面材上に吐出し(静的ミキサー6は、B~Dの3段階の分配路の各流れ方向配管部2内で分岐部4の直前に配置され、B~Dの各ジャケット部を18℃に温調)し、更に予成形工程の滞留時間を0秒(40℃~60℃の予成形工程を設けない)とし、上下面材を共に、旭化成株式会社製のポリエステル(PET)不織布である、エルタスE05030(目付量30g/m2)とした以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソペンタン50質量%とZ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン50質量%の混合物6.8質量部とし、発泡核剤を添加せず、また、予成形工程の滞留時間を0秒(40℃~60℃の予成形工程を設けない)とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソペンタン50質量%とE-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン50質量%の混合物6.8質量部とし、発泡核剤を添加せず、また、予成形工程の滞留時間を0秒(40℃~60℃の予成形工程を設けない)とし、更に上面材と下面材に接するコンベア温度を、各々、66℃及び70℃とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
Claims (6)
- フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に面材が配されたフェノール樹脂発泡体積層板であって、前記フェノール樹脂発泡体は、密度が15kg/m3以上50kg/m3以下、独立気泡率が85%以上、平均気泡径が70μm以上220μm以下であり、1000mm×1000mmの大きさに切り出した前記フェノール樹脂発泡体積層板を用いた反り評価による反りが2.5mm未満であり、かつ、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが4.5kg/m3であって、スキン層密度が34kg/m3以上であり、かつ、中心部密度Dcとスキン層密度Da(D1とD2の平均密度)が式(2)を満たすことを特徴とするフェノール樹脂発泡体積層板。
|D2-D1|<A (1)
1.3<Da/Dc<2.0 (2) - 上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが3.5kg/m3であることを特徴とする、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
- 前記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの発泡剤中の比率が30質量%以上である、請求項1又は請求項2に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
- 前記面材が紙を含有することを特徴とする、請求項1~3いずれか1項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
- フタル酸系化合物を含有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板を製造する方法であって、
レゾール型フェノール樹脂、界面活性剤、及び塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する発泡剤と、有機酸を含有する酸性硬化剤とを含む発泡性フェノール樹脂組成物を、混合機を用いて混合する工程と、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程と、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させつつ上面材上から予成形を行う工程と、を含み、発泡性フェノール樹脂組成物は、発泡核剤を前記発泡剤に対して0.35質量%以上0.65質量%以下の割合で含み、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃以上50℃以下であり、前記混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程において、吐出してから5秒以上60秒以内に予成形を行い、前記予成形の温度は40℃以上60℃以下であることを特徴とする、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
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JP2017160431A (ja) | 2016-03-07 | 2017-09-14 | 積水化学工業株式会社 | フェノール樹脂発泡体 |
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