JP7026468B2 - フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法に関し、更に詳しくは、断熱性能が良好でありながら、曲げ強さを向上し、反りが少ないフェノール樹脂発泡体積層板及びその製造方法に関する。
レゾール型フェノール樹脂を原料とした酸硬化型フェノール樹脂発泡体は、燃え難く、煙の発生が少なく、しかも断熱性も良好なところから、従前より、例えば金属サイディング等の外壁材、間仕切りパネル等の内壁材の他、天井材、防火扉、雨戸等の建材に使用されている。また、酸硬化型フェノール樹脂発泡体は、建材用や工業プラント用の保冷・保温材としても広く使用されている。
ここで、フェノール樹脂発泡体の製造時に使用する発泡剤としては、環境問題の観点から、近年、炭化水素系発泡剤が採用されてきている。そして、断熱性能の更なる向上の観点からは、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を発泡剤の構成成分とすることが望ましい。
しかし、これらの発泡剤は、レゾール型フェノール樹脂との親和性が高すぎるため、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含む発泡剤を使用して得られる発泡体では、特に独立気泡率が低下傾向となり、気泡径も大きくなりやすい(すなわち、フェノール樹脂発泡体の厚み方向中心部の密度が低下しやすい)。更に、フェノール樹脂発泡体の厚み方向の密度差、特に厚み方向表層部と中心部の密度差が大きくなりやすいことから、十分な曲げ強さを発現し難い。合わせて、特に厚みの大きい製品の場合には、この密度分布差のために、水平スライス切断して厚み方向に多枚取りすることも困難であった。
また、硬化に比べて、発泡が遅れる傾向となるため、厚み方向上下スキン層の硬化状態、すなわち、密度差が生じやすくなり上下表層間で熱履歴が異なることで、反りが発生しやすいという問題があり、改善が望まれていた。なお、反りは、より加熱された側を凸として反りやすくなるため、製造時に、より加熱される側である下面材側が縮み難く、下側に凸となりやすい。またこの反りの影響によっても、厚み方向に多枚取りすることが困難となっていた。
これに対して、フェノール樹脂発泡体の厚み方向に密度差の少ない発泡体を得るために、発泡性フェノール樹脂組成物を分配及び拡幅する分配管を備えるフェノール樹脂発泡板の製造方法において、分配管で静的混合器によって混合し、吐出させる製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献2では、ハロゲン化不飽和炭化水素を含み、気泡の平均アスペクト比を所定範囲内に収めつつ、反り等の外観が改善されたフェノール樹脂発泡板の提案がなされている。特許文献3には、発泡工程における上下コンベアに温度差を付けることで、赤外線照射試験による反り量が7mm未満となる、ハロゲン化不飽和炭化水素の1種である1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと炭化水素を含有するフェノール樹脂発泡体が提案されている。
国際公開第2014/133023号 特開2017-75314号公報 特許第6159468号公報
しかし、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含む発泡剤を用いたフェノール樹脂発泡体について本発明者が鋭意研究を行ったところ、特許文献1に記載の製造方法を採用するのみでは、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含む発泡剤とレゾール型フェノール樹脂との親和性が高すぎることにより、吐出初期の発泡性が不足し、特に厚み方向中心部に対して厚み方向上下スキン層部の硬化状態差が生じやすくなるために、厚み方向表層部と中心部の密度差は解消せず、更にはフェノール樹脂発泡体の厚み方向に反りを生じやすいことがわかった。
また、特許文献2においては、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含む発泡剤を用いた場合の特徴的な発泡及び硬化現象を改善するための、フェノール樹脂発泡体積層板の製造上の工夫は一切なされておらず、更には、反りについては「変形の抑制性」の一部として外観評価のみに留まっており、定量評価はなされておらず、厚み方向において表層部と中心部の密度差の改善ならびに反り抑制は不十分である。特許文献2の実施例に記載された製造方法にて実施したところ、その反りのレベルは目標を達成するには至らないことも確認できた。
特許文献3においては、第1面材(下面材)に接するコンベアと第2面材(上面材)に接するコンベアの温度差を4℃以上付けることを特徴とした技術であるが、加熱炉内では雰囲気温度は一般的に混合均一化されやすく、長時間安定的に4℃以上の温度差を付けることは技術的に極めて難易度が高いことがわかった。更に、反りの評価は、赤外線照射試験によるものであるが、赤外線照射前の反りは、本願規定の測定方法によると2.5mm以上と大きくなり、更なる改善が求められていた。また、一般に発泡体の厚み方向における密度は、表層部は高く内層部は低くなるが、特許文献3の技術では、「厚み方向中心部密度に対するスキン層密度」が大きくなるため、厚み方向における表層部と中心部の密度差は解消されず、板全体としての曲げ強さが不十分となることがわかった。
すなわち、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含む発泡剤を用いた場合において、フェノール樹脂発泡体の厚み方向における表層部と中心部の密度差を少なくし、曲げ強度を低下させず、更には、フェノール樹脂発泡体の上下スキン層の密度差を低減し、反りを改善することが求められてきた。
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく更に検討を重ねたところ、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を発泡剤として用いる場合において、発泡核剤量ならびに発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する際の樹脂組成物温度を各々適正化し、特定の予成形工程温度条件の下、初期の厚み方向の予成形のタイミングを早期適正化することで、フェノール樹脂発泡体積層板の曲げ強さを高めつつ、更には厚み方向の反りを低減させることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]~[6]を提供する。
[1]フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に面材が配されたフェノール樹脂発泡体積層板であって、前記フェノール樹脂発泡体は、密度が15kg/m3以上50kg/m3以下、独立気泡率が85%以上、平均気泡径が70μm以上220μm以下であり、かつ、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが4.5kg/m3であって、スキン層密度が34kg/m3以上であり、かつ、中心部密度Dcとスキン層密度Da(D1とD2の平均密度)が式(2)を満たすことを特徴とするフェノール樹脂発泡体積層板。
D2-D1<A (1)
1.3<Da/Dc<2.0 (2)
[2]上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが3.5kg/m3であることを特徴とする、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[3]前記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの発泡剤中の比率が30質量%以上である、[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[4]前記面材が紙を含有することを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[5]フタル酸系化合物を含有することを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
[6]フェノール樹脂、界面活性剤、及び塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する発泡剤と、有機酸を含有する酸性硬化剤とを含む発泡性フェノール樹脂組成物を、混合機を用いて混合する工程と、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程と、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させつつ上面材上から予成形を行う工程と、を含み、発泡性フェノール樹脂組成物は、発泡核剤を前記発泡剤に対して0.35質量%以上0.65質量%以下の割合で含み、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃以上50℃以下であり、前記混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程において、吐出してから5秒以上60秒以内に予成形を行うことを特徴とする、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
本発明によれば、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有するフェノール樹脂発泡体積層板であって、曲げ強さに優れ、反りが少ない、フェノール樹脂発泡体積層板を得ることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に則して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
<フェノール樹脂発泡体積層板>
本実施形態におけるフェノール樹脂発泡体積層板(以下、「発泡体積層板」という場合がある。)は、硬化反応によって形成されたフェノール樹脂硬化体中に、多数の気泡が分散した状態で存在するフェノール樹脂発泡体と、当該フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に設けられた面材とを備える積層体である。そして、本実施形態の発泡体積層板は、独立気泡率が高く、優れた長期断熱性能を有している。また、本実施形態の発泡体積層板は、上下面材を剥離して得られる母材の厚み方向の曲げ強さにも優れていることから、例えば面材を剥離してなる母材の状態で、難燃性および断熱性に優れる建材などとして使用することもできる。更に、本実施形態の発泡体積層板は、反りが低減されているので、厚み方向に多枚取りすることも可能である。なお、本実施形態における「厚み方向」とは、発泡体積層板の三辺のうち最も短い辺の寸法を指し、通常、発泡体積層板の製造時に下面材上の発泡性フェノール樹脂組成物が発泡して成長する方向であり、本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板の厚みは、15mm以上を対象とする。
また、フェノール樹脂発泡体積層板は、これを単体で使用する他、外部部材と接合させて様々な用途に用いられている。外部部材の例としては、ボード状材料およびシート状・フィルム状材料の1およびその組み合わせがある。ボード状材料としては、普通合板、構造用合板、パーティクルボード、OSB、などの木質系ボード、および、木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード、フレキシブルボード、ミディアムデンシティファイバーボード、ケイ酸カルシウム板、ケイ酸マグネシウム板、火山性ガラス質複層板などが好適である。また、シート状・フィルム状材料としては、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、無機質充填ガラス繊維不織布、ガラス繊維不織布、紙、炭酸カルシウム紙、ポリエチレン加工紙、ポリエチレンフィルム、プラスチック系防湿フィルム、アスファルト防水紙、アルミニウム箔(孔あり・孔なし)などが好適である。
<フェノール樹脂発泡体>
本実施形態のフェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体の密度は、15kg/m3以上50kg/m3以下であり、好ましくは20kg/m3以上40kg/m3以下である。密度が15kg/m3以上であると圧縮強度、曲げ強さ等の機械的強度が確保でき、発泡体の取り扱い時に破損が起こることを回避することができる。一方、密度が50kg/m3以下であると、樹脂部の伝熱が増大しにくいため、断熱性能を保つことができる。なお、フェノール樹脂発泡体の密度は、主に、発泡剤の割合、発泡性フェノール樹脂組成物の温度、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程における予成形のタイミング、更には、発泡剤の添加量と酸性硬化剤として用いられる有機酸の添加量との比、温度や滞留時間等の硬化条件などの変更により所望の値に調整できる。
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、85%以上であり、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。独立気泡率が85%未満であると、フェノール樹脂発泡体中の発泡剤が空気と置換して長期の断熱性能が低下する傾向が生じるという懸念がある。なお、フェノール樹脂発泡体の独立気泡率は、例えば、発泡核剤の添加量、発泡剤の添加量と酸性硬化剤として用いられる有機酸の添加量との比などの変更により所望の値に調整できる。
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、好ましくは70μm以上220μm以下であり、より好ましくは70μm以上200μm以下、更に好ましくは、70μm以上180μm以下である。平均気泡径が70μm以上であると、発泡体の密度が高くなることを抑制でき、反り難くなる。この結果、発泡体における樹脂部の伝熱割合を低減できるため、フェノール樹脂発泡体の断熱性能を確保することができる。また、逆に平均気泡径が220μmを超えると、輻射による熱伝導率が増加するようになり、発泡体の断熱性能が低下するおそれがある。なお、フェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、例えば、フタル酸系化合物の配合量、発泡核剤の添加量、発泡剤の添加量と酸性硬化剤として用いられる有機酸の添加量との比などの変更により所望の値に調整できる。
そして、フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体は、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、例えば、フェノール樹脂と、界面活性剤と、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する発泡剤と、発泡核剤と、有機酸を含有する酸性硬化剤とを含む発泡性フェノール樹脂組成物から製造される。なお、発泡性フェノール樹脂組成物は、任意に、上記以外の成分、例えばフタル酸系化合物等を含有していてもよい。
フェノール樹脂としては、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物によって合成するレゾール型フェノール樹脂を用いる。レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを原料としてアルカリ触媒により40~100℃の温度範囲で加熱して合成する。また、必要に応じてレゾール型フェノール樹脂の合成時、もしくは合成後に尿素等の添加剤を添加してもよい。尿素を添加する場合は予めアルカリ触媒でメチロール化した尿素をレゾール型フェノール樹脂に混合することがより好ましい。合成後のレゾール型フェノール樹脂は、通常過剰な水分を含んでいるので、発泡に際し、発泡に適した水分量に調整する。また、フェノール樹脂には、脂肪族炭化水素または高沸点の脂環式炭化水素、或いは、それらの混合物や、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の粘度調整用の希釈剤、その他必要に応じてマテリアルリサイクル粉体や添加剤を添加することもできる。
なお、フェノール樹脂と相溶性の高い可塑剤の添加は、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含む発泡剤を使用した場合には、フェノール樹脂の粘度が下がりすぎるため、発泡が十分に起きないので、添加は好ましくない場合もある。しかし、可塑剤の添加は可塑化効果を発揮してセル膜に柔軟性を付与し、厚み方向中心部の気泡径の粗大化及び独立気泡率の低下を抑制し得ると共に、曲げ強度を高めることもできる。中でもフタル酸系化合物は、特にその効果が高い。
本実施形態で使用するフタル酸系化合物は、前記フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上3質量部以下、更に好ましくは、0.1質量部以上1質量部以下の割合で配合される。添加する可塑剤の量が少なすぎると、可塑化効果が発現せず、得られるフェノール樹脂発泡体積層板の独立気泡率が低下するとともに、平均気泡径も大きくなる。一方、可塑剤の添加量が多すぎると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡が促進され難くなり、得られるフェノール樹脂発泡体積層板の発泡体の密度が高くなりやすく、更にコスト高となり好ましくない。なお、フェノール樹脂発泡体中のフタル酸系化合物は、後述するガスクロマトグラフィー/質量分析測定において同定し、含量を測定することができる。
フタル酸系化合物としては、特に制限されることなく、従来から公知のものが適宜に選択されて使用され得る。具体的には、フタル酸系化合物としては、例えばフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル等を挙げることができ、これらは、単独で用いられても、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。なお、これら例示のフタル酸系化合物の中でも、フタル酸ジオクチル(DOP)にあっては、厚み方向上下面材間への充填性に優れた発泡性フェノール樹脂組成物が得られるところから、特に好適に使用できる。
フェノール樹脂の合成時のフェノール類対アルデヒド類の出発モル比は1:1から1:4.5の範囲内が好ましく、より好ましくは1:1.5から1:2.5の範囲内である。
ここで、本実施形態においてフェノール樹脂合成の際に好ましく使用されるフェノール類は、フェノール自体、及び他のフェノール類であり、他のフェノール類の例としては、レゾルシノール、カテコール、o-、m-及びp-クレゾール、キシレノール類、エチルフェノール類、p-tertブチルフェノール等が挙げられる。また、2核フェノール類も使用できる。
また、アルデヒド類は、アルデヒド源となり得る化合物であればよく、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド自体、及び他のアルデヒド類やその誘導体を用いることが好ましい。他のアルデヒド類の例としては、グリオキサール、アセトアルデヒド、クロラール、フルフラール、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なお、フェノール樹脂には、添加剤として尿素、ジシアンジアミドやメラミン等を加えてもよい。本明細書において、これらの添加剤を加える場合、「フェノール樹脂」とは添加剤を加えた後のものを指す。そして、本明細書では、「フェノール樹脂」に対して界面活性剤およびフタル酸系化合物を添加したものを「フェノール樹脂組成物」と称し、「フェノール樹脂組成物」に対して発泡剤、発泡核剤および酸性硬化剤を添加して発泡性および硬化性を付与したものを「発泡性フェノール樹脂組成物」と称する。また、フェノール樹脂発泡体形成後の樹脂部分を「フェノール樹脂硬化体」と称する。
フェノール樹脂及びフェノール樹脂組成物の40℃における粘度は、好ましくは5,000mPa・s以上100,000mPa・s以下であり、より好ましくは7,000mPa・s以上50,000mPa・s以下であり、さらに好ましくは9,000mPa・s以上40,000mPa・s以下である。また、フェノール樹脂及びフェノール樹脂組成物の水分量は1.5質量%以上30質量%以下が好ましい。
発泡性フェノール樹脂組成物に含まれる界面活性剤、発泡剤及び発泡核剤は、フェノール樹脂に予め添加しておいてもよいし、酸性硬化剤と同時に添加してもよい。
界面活性剤としては、フェノール樹脂発泡体の製造に一般に使用されるものを使用できるが、中でもノニオン系の界面活性剤が効果的であり、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体であるアルキレンオキサイドや、アルキレンオキサイドとヒマシ油との縮合物、アルキレンオキサイドと、ノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合生成物、アルキルエーテル部分の炭素数が14~22のポリオキシエチレンアルキルエーテル、更にはポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系化合物、ポリアルコール類等が好ましい。これらの界面活性剤は単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量については特に制限はないが、フェノール樹脂100質量部に対して0.3質量部以上10質量部以下の範囲で好ましく使用される。
発泡剤は、構成成分として、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの内の少なくとも一種を含有する。ここで、塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(例えば、製品名:Solstice(商標)LBA)などが挙げられる。更に、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(例えば、製品名:Solstice(商標)1234ze)、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンなどが挙げられる。なお、これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、発泡剤は、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィン以外の構成成分、例えば炭化水素などを含んでいてもよい。
上述した塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの発泡剤中の含有割合は、環境負荷を増加させることなく所望の断熱性能を発現させるために、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、60質量%以上であるとなお好ましい。
発泡剤は、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィン以外の他の発泡剤をさらに含んでもよい。他の発泡剤としては、特に限定されず、例えば、塩素化脂肪族炭化水素や炭化水素、更には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン等の化学発泡剤等が挙げられる。これらの発泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。
塩素化脂肪族炭化水素としては、炭素数が2~5の直鎖状または分岐状のものを用いることができる。結合している塩素原子の数は、限定されるものではないが、1~4が好ましく、塩素化脂肪族炭化水素としては、例えば、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリドなどが挙げられる。これらのうち、クロロプロパンであるプロピルクロリド、イソプロピルクロリドがより好ましく用いられる。
炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができる。炭化水素としては、例えば、イソブタン、ノルマルブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。これらの炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。
発泡性フェノール樹脂組成物中の発泡剤の量は、発泡剤の種類、フェノール樹脂との相性や、温度、滞留時間等の発泡・硬化条件によりばらつきがあるが、フェノール樹脂及び界面活性剤との合計100質量部に対して、10質量部以下であり、4.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上9.0質量部以下であることがより好ましい。フェノール樹脂及び界面活性剤の合計100質量部当たりの発泡剤の量が4.5質量部未満の場合、フェノール樹脂発泡体の密度が高くなりすぎる。また、フェノール樹脂及び界面活性剤の合計100質量部当たり10質量部を超える量の発泡剤を添加すると低密度となり、フェノール樹脂発泡体を適度な強度を有する密度とすることができない上に、気泡壁面が割れやすくなり独立気泡率が低下しやすくなる。
本実施形態においては、フェノール樹脂発泡体の製造に発泡核剤を使用することが重要である。発泡核剤としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの、発泡剤よりも沸点が50℃以上低い低沸点物質を添加することができる。また、固体発泡核剤として、水酸化アルミニウム粉、酸化アルミニウム粉、炭酸カルシウム粉、タルク、はくとう土(カオリン)、珪石粉、珪砂、マイカ、珪酸カルシウム粉、ワラストナイト、ガラス粉、ガラスビーズ、フライアッシュ、シリカフューム、石膏粉、ホウ砂、スラグ粉、アルミナセメント、ポルトランドセメント等の無機粉、及び、フェノール樹脂発泡体の粉砕粉のような有機粉を添加することもできる。これらは、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
発泡核剤の発泡剤に対する添加量は、発泡剤の量を100質量%として、0.35質量%以上0.65質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。発泡核剤の添加量が0.35質量%未満であると、不均一な発泡が起こりやすく、発泡性フェノール樹脂組成物が初期に発泡し難くなるために、上スキン層密度D2と下スキン層密度差D1の差が、大きくなり、反りやすくなる。また、発泡核剤の添加量を0.65質量%超とすると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡が促進されすぎるため、発泡性フェノール樹脂組成物が初期に発泡しやすくなり、平均気泡径が大きくなりやすく、それにより、スキン層密度Daと中心部密度Dcの比(Da/Dc)が大きくなる。
酸性硬化剤は、フェノール樹脂組成物を硬化できる酸性の硬化剤であればよく、酸成分として有機酸を含有する。有機酸としては、アリールスルホン酸、或いは、これらの無水物が好ましい。アリールスルホン酸およびその無水物としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、置換フェノールスルホン酸、キシレノールスルホン酸、置換キシレノールスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等、および、それらの無水物が挙げられ、これらを一種類で用いても、二種類以上組み合わせてもよい。なお、本実施形態では、硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、サリゲニン(o-メチロールフェノール)、p-メチロールフェノール等を添加してもよい。また、これらの硬化剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の溶媒で希釈してもよい。
酸性硬化剤の使用量は、その種類により異なり、パラトルエンスルホン酸一水和物60質量%とジエチレングリコール40質量%との混合物を使用する場合には、フェノール樹脂と、界面活性剤と、フタル酸系化合物との合計100質量部に対して、好ましくは8質量部以上20質量部以下、より好ましくは10質量部以上15質量部以下で使用される。
フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に配される面材としては、可撓性を有する面材(可撓性面材)が用いられる。使用される可撓性面材としては、主成分がポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等からなる不織布及び織布や、クラフト紙、ガラス繊維混抄紙、水酸化カルシウム紙、水酸化アルミニウム紙、珪酸マグネシウム紙等の紙類や、ガラス繊維不織布のような無機繊維の不織布等が好ましく、これらは混合(または積層)して用いてもよい。中でも、得られるフェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥離し母材のみを利用する場合には、剥離後に廃棄可能な安価な紙類が好ましい。これら面材は、通常ロール状の形態で提供されている。更に、可撓性面材としては、難燃剤等の添加剤を混練したものを用いても構わない。なお、面材とフェノール樹脂発泡体との接着方法は特に限定されるものではなく、フェノール樹脂発泡体が面材表面で熱硬化する際の固着力によるものや、エポキシ樹脂等の接着剤を使用したものでも構わない。また、紙を主成分とする面材使用時には、硬化反応で発生する水分が抜けにくいことから、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの内の少なくとも一種を含有する発泡剤を用いた場合に、曲げ強さが低下しやすく、フェノール樹脂発泡体積層板の反りが起きやすい。
そして、本実施形態のフェノール樹脂発泡体の上スキン層D1と下スキン層D2は、式(1)を満たすことを特徴としている。
D2-D1<A (1)
Aの値は4.5kg/m3であることが好ましく、より好ましくは、4.0kg/m3であり、更に好ましくは、3.5kg/m3である。Aが、4.5kg/m3以上になると、フェノール樹脂発泡板積層板が、その厚み方向に反りやすくなるので、好ましくない。
本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、スキン層密度Da(D1とD2の平均密度)が、35kg/m3以上であることが望ましい。より好ましくは、40kg/m3以上であり、更に好ましくは、45kg/m3以上である。Daが35kg/m3未満であると、スキン層の強度が不十分となり、取り扱い時に、ボード表面に欠けや破損等を生じる。また、フェノール樹脂発泡体積層板の取り扱い性を考慮すると、Daは一般的に80kg/m3以下である。
また、本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、スキン層密度Daと中心部密度Dcが、式(2)を満たすことを特徴とする。
1.3<Da/Dc<2.0 (2)
Da/Dcが2.0以上であると、曲げ強さが不十分となる。また、Da/Dcは一般的に1.0以上となるが、平均気泡径を良好な範囲とするフェノール樹脂発泡体積層板を得るためには、1.3以上であることが望ましい。
<フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法>
次に、上述したフェノール樹脂発泡体積層板の製造方法について説明する。
フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法は、上述した発泡性フェノール樹脂組成物を混合機にて混合する混合工程と、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する吐出工程と、下面材上に吐出したフェノール樹脂組成物からフェノール樹脂発泡体積層板を製造する発泡体積層板製造工程とを備える連続製造方式を採用することが可能である。
連続製造方式においては、下面材上に吐出したフェノール樹脂組成物を上面材で被覆した後、発泡及び硬化させながら上下方向から均すように予成形し、その後、発泡及び硬化を進めつつ板状に成形していく。
連続製造方式において、予成形工程において予成形や成形を行う方法としては、スラット型ダブルコンベアを利用する方法や、金属ロールもしくは鋼板を利用する方法、さらには、これらを複数組み合わせて利用する方法等、製造目的に応じた種々の方法が挙げられる。このうち、例えば、スラット型ダブルコンベアを利用して成形する場合には、上下の面材で被覆された発泡性フェノール樹脂組成物をスラット型ダブルコンベア中へ連続的に案内した後、加熱しながら上下方向から圧力を加えて、所定の厚みに調整しつつ、発泡及び硬化させ、板状に成形することができる。
下面材上に吐出する発泡性フェノール樹脂組成物の温度は、30℃以上50℃以下であることが好ましい。
発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃未満であると発泡性フェノール樹脂組成物が初期に発泡し難くなるために、上スキン層密度D2と下スキン層密度差D1の差が、大きくなり、反りやすくなるため、好ましくない。一方発泡性フェノール樹脂組成物の温度が50℃を超えると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡が促進されすぎるため、発泡性フェノール樹脂組成物が初期に発泡しやすくなり、セル径が大きくなりやすく、それにより、スキン層密度Daと中心部密度Dcの比(Da/Dc)が大きくなる。温度が50℃以上でさらに高くなると、ボイドも多くなるので注意が必要である。なお、下面材上に吐出する発泡性フェノール樹脂組成物の温度は、ミキシングヘッドの温調水温度や流量、更にはミキシングヘッドの回転数等の調整によって行うことができる。
下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させつつ上面材上から予成形を行う工程は、40℃以上60℃以下とすることが望ましい。40℃未満であると、予成形工程での発泡の促進効果が十分得られないため、得られたフェノール樹脂発泡体積層板は厚み方向に反りやすくなる。また、60℃を超えると、厚み方向内部発熱の影響を受けて厚み方向中心部温度が高くなりやすい。これにより、厚み方向中心部の気泡径が大きくなりやすく、スキン層密度Daと中心部密度Dcの比(Da/Dc)が大きくなりやすい。温度が60℃以上でさらに高くなると、気泡径も粗大化しやすくボイドが多くなるので注意が必要である。
混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程において、吐出してから5秒以上60秒以内に予成形を行うことが望ましい。予成形を行うのが吐出してから5秒未満であると、予成形工程での発泡の促進効果が十分得られないため、得られたフェノール樹脂発泡体積層板の発泡体は、スキン層密度Daと中心部密度Dcの比(Da/Dc)が大きくなる。一方、吐出してから60秒を超えて予成形を行うと、上スキン層D1と下スキン層D2の密度差が生じやすく、厚み方向に反りやすくなる。
予成形工程に続き、本成形工程及び後硬化工程を設け、段階的に昇温させることが重要である。予成形工程に続く本成形工程の加熱温調条件は、65℃以上100℃以下であることが望ましい。該区間において、無端スチールベルト型ダブルコンベアまたはスラット型ダブルコンベア、もしくはロール等を用いて本成形を行うことができる。また、本成形工程の滞留時間は、発泡及び硬化反応を行わせる主工程であることから、5分以上2時間以内とすることが好ましい。滞留時間が5分以上であると発泡と硬化を十分に促進させることができる。また、フェノール樹脂組成物の発泡及び硬化がある程度終了すると、得られるフェノール樹脂発泡板の特性はほとんど変化しない。このため、滞留時間が2時間以内であるとフェノール樹脂発泡板の生産効率を高めることができる。なお、コンベアを用いる際には、上下のコンベア温度差は4℃未満とする。
予成形工程及び本成形工程の温調区間を経て加熱温調した後に、後硬化工程を適用することがより好ましい。後硬化工程の温度は、90℃以上120℃以下であることが好ましい。90℃未満であると、発泡板中の水分が放散しにくくなり、120℃を超えると、製品の独立気泡率が低下し製品の断熱性能が低下する。後硬化工程の温調区間を設けることで、最終成形した後に、フェノール樹脂組成物中の水分を放散させることができる。
フェノール樹脂発泡体積層板の曲げ強さは、好ましくは10N/cm2以上であり、より好ましくは15N/cm2以上であり、さらに好ましくは20N/cm2以上であり、特に好ましくは30N/cm2以上である。なお、曲げ強さの上限は特に限定されないが、通常100N/cm2以下である。このように曲げ強さの高いフェノール樹脂発泡体は、例えば、後述する「フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法」中に記載する手法で作製することができる。
なお、曲げ強さは、フェノール樹脂発泡体の密度との相関性が強いので、フェノール樹脂発泡体の密度(kg/m3)に対する曲げ強さ(N/cm2)の比Xは、好ましくは0.40以上であり、より好ましくは0.60以上であり、さらに好ましくは0.85以上である。
すなわち、鋭意検討を行った結果、発泡性フェノール樹脂組成物は、発泡核剤を前記発泡剤に対して0.35質量%以上0.65質量%以下の割合で含み、下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃以上50℃以下であり、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程において、吐出してから60秒以内に予成形を行うことで、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの内の少なくとも一種を使用した場合でも、気泡径を微細化でき、曲げ強さを低下させずに、反りを発生させない、フェノール樹脂発泡体積層板を得ることを見出した。
以下に、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<フェノール樹脂Aの合成>
反応器に52質量%ホルムアルデヒド(52質量%ホルマリン)水溶液3500kgと99質量%フェノール(不純物として水を含む)2743kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50質量%水酸化ナトリウム水溶液を反応液のpHが8.7になるまで加えた。反応液を1.5時間かけて85℃まで昇温し、その後オストワルド粘度が110センチストークス(=110×100-62/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を400kg添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50質量%水溶液を、pHが6.3になるまで添加した。得られた反応液を薄膜蒸発機によって濃縮処理し、粘度及び水分量を以下の方法で測定した。その結果、水分量は7.7質量%であり、粘度は20,700mPa・sであった。これをフェノール樹脂Aとする。
<水分量>
フェノール樹脂A中の水分量は、カールフィッシャー水分計MKA-510(京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
<粘度>
回転粘度計(東機産業(株)製、R-100型、ローター部は3°×R-14)を用い、40℃で3分間安定させた後の測定値をフェノール樹脂Aの粘度とした。
<フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法>
(実施例1)
フェノール樹脂A100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50%ずつ含有する組成物を3.0質量部の割合で混合した。これをフェノール樹脂組成物とする。上記界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド40質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン60質量%の混合物6.8質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.50質量%、更に、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を10質量部添加し、20℃に温調した回転数可変式のミキシングヘッドに供給した。混合し、得られた発泡性フェノール樹脂組成物をマルチポート分配管にて分配し、移動する下面材上に供給した。なお、混合機(ミキサー)は、特開平10-225993号に開示されたものを使用した。即ち、混合機の上部側面に、フェノール樹脂A及び発泡核剤を含む発泡剤の導入口があり、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に酸性硬化剤の導入口を備えている混合機を使用した。攪拌部以降は発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するためのノズルに繋がっている。即ち、混合機は、酸性硬化剤導入口までを混合部(前段)、酸性硬化剤導入口~攪拌終了部を混合部(後段)、攪拌終了部~ノズルを分配部とし、これらにより構成されている。分配部は先端に複数のノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。
また、マルチポート分配管の吐出口には、発泡性フェノール樹脂組成物の温度を検出できるように熱電対が設置してあり、ミキシングヘッドの回転数は350rpmに設定した。このときの下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度は45℃であった。下面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物は、60℃に温調された予成形工程に導入され、30秒後に、上面材上方より、フリーローラーにて予成形を行った。予成形は、吐出時のフロス高さの2/3となる高さにロールをセットし調節した。その後、二枚の面材で挟み込まれるようにして、83℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアに導入され(本成形工程)、15分の滞留時間で硬化させた後、110℃のオーブンで2時間キュアさせ(後硬化工程)、厚み50mmのフェノール樹脂発泡体積層板を得た。なお、面材としては、可撓性面材である上下面材を共にガラス繊維混抄紙(目付量140g/m2)を使用した。
そして、得られたフェノール樹脂発泡体積層板の特性(フェノール樹脂発泡体の密度、独立気泡率、平均気泡径、曲げ強さ、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの種類及び発泡剤中の比率、フタル酸系化合物の有無、並びに、Da、D1、D2及びDcを以下の方法によって評価した。
<フェノール樹脂発泡体の密度>
20cm角のフェノール樹脂発泡体積層板を試料とし、この試料から面材を取り除いた後、JIS K7222に従い質量と見かけ容積を測定して求めた。
<フェノール樹脂発泡体の独立気泡率>
ASTM-D-2856に従い測定した。具体的には、フェノール樹脂発泡体積層板より面材を取り除いた後、直径35mm~36mmの円柱形試料をコルクボーラーで刳り貫き、高さ30mm~40mmに切り揃えた後、空気比較式比重計(東京サイエンス社製、1,000型)の標準使用方法により試料容積を測定した。その試料容積から、試料質量とフェノール樹脂硬化体の密度から計算した壁(気泡やボイド以外の部分)の容積を差し引いた値を、試料の外寸から計算した見かけの容積で割った値を独立気泡率とした。ここで、フェノール樹脂硬化体の密度は1.3kg/Lとした。
<フェノール樹脂発泡体の平均気泡径>
平均気泡径は、JIS K6402に記載の方法を参考に、以下の方法で測定した。
フェノール樹脂発泡体積層板の厚み方向のほぼ中央を表裏面に平行に切削して得た試験片の切断面を50倍に拡大した写真を撮影し、得られた写真上にボイドを避けて9cmの長さ(実際の発泡体断面における1,800μmに相当する)の直線を4本引き、各直線が横切った気泡の数に準じて測定したセル数を各直線で求め、それらの平均値で1,800μmを割った値を平均気泡径とした。
<フェノール樹脂発泡体の曲げ強さ>
曲げ強さは、JIS A 9511に従い測定した。
なお、曲げ強さは、フェノール樹脂発泡体の密度(kg/m3)との相関性が強いので、フェノール樹脂発泡体の密度(kg/m3)に対する曲げ強さ(N/cm2)の比Xとして評価を行った。
<フェノール樹脂発泡体中の塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの解析>
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体中に塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンが含まれているか否かは以下の方法により確認することができる。
まず、解析対象となる化合物の標準ガスを用いて、以下のGC/MS測定条件における保持時間を求める。続いて、フェノール樹脂発泡体積層板から面材を剥がして得たフェノール樹脂発泡体の試料10gと、金属製ヤスリとを10L容器(製品名:テドラーバック)に入れて密封し、窒素5Lを注入した。そして、テドラーバックの上からヤスリを使って試料を削り、試料を細かく粉砕した。続いて、81℃に温調された温調機内にテドラーバックを10分間入れた。テドラーバック中で発生したガスを100μL採取し、以下に示すGC/MS測定条件にて分析した。塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定を行った。
[GC/MS測定条件]
GC/MSの測定は以下のように行った。
ガスクロマトグラフはアジレント・テクノロジー社製のAgilent7890型を用い、カラムはジーエルサイエンス社製InertCap 5(内径0.25mm、膜厚5μm、長さ30m)を用いた。キャリアガスはヘリウムを用い、流量は1.1mL/分とした。注入口の温度は150℃、注入方法はスプリット法(1:50)とし、試料の注入量は100μLとした。カラム温度はまず-60℃で5分間保持し、その後50℃/分で150℃まで昇温し、2.8分保持した。
質量分析計は日本電子社製のQ1000GC型を用いた。イオン化方法:電子イオン化法(70eV)、スキャン範囲:m/Z=10~500、電圧:-1300V、イオン源温度:230℃、インターフェイス温度:150℃の条件で質量分析を行った。
<フェノール樹脂発泡体中のフタル酸系化合物の解析>
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体中にフタル酸系化合物が含まれているか否かは以下の方法により確認することができる。
フェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体部分から採取した試料1gを粉砕し、メタノール(150mL)にてソックスレー抽出を行う(7時間)。エバポレーターにて40℃で濃縮乾固させた後、真空乾燥(常温、30分間)を行う。乾燥質量を測定した後、メタノール5mLに溶解し、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)測定を行う。GC/MS測定条件は、以下の通りとした。
GC装置;Agilent Technologies 7890A
注入口温度;320℃
カラム;DB-1MS(30m×0.25mmφ)、液相厚0.25μm
カラム温度;40℃(5分保持)、20℃/分昇温、320℃(11分保持)
MS装置;Agilent Technologies 5975C MSD
イオン源温度;230℃
インターフェイス温度;300℃
イオン化方法;電子イオン化法
<Da、D1、D2の測定>
フェノール樹脂発泡体積層板を長さ75mm、幅75mm、厚みはそのままにして切り出し、その切り出した試料について、両表層面の面材を手で丁寧に剥離した後、一方の面材を剥離した面(表層面)を起点に、5~6mm間隔でスライスを行い、表層側から1つ目のスライス片の密度を測定し、D1とした。同様にして、反対面の面材を剥離した面(表層面)を起点に、5~6mm間隔でスライスを行い、表層側から1つ目のスライス片の密度を測定し、D2とした。Daは、以下の式(3)によって求めた。密度は質量と見かけ容積から求めた。密度は、各々、3辺の寸法を測定することで体積を求め、スライス重量を前期記体積で除した値とした。なお、Daをスキン層密度と定義する。
Da=(D1+D2)/2 (3)
<Dcの測定>
フェノール樹脂発泡体積層板の両表層の面材を手で丁寧に剥離した後、一方の面材を剥離した面(表層面)を起点に、厚み方向に、5~6mm間隔で全てのスライス片が6mm以下となるまでスライスを繰り返す。スライス片が奇数個であった場合には、厚み方向の中央に位置するスライス片について、密度の測定を行い、求めた密度をDcとする。また、スライス片が偶数個であった場合には、厚み方向中央に位置する2つのスライス片の各々に関して密度を測定した後平均値を求め、得られた密度をDcとする。密度は、D1、D2同様に、質量と見かけ容積から求めた。
<反り評価>
1000mm×1000mmの大きさに切り出したフェノール樹脂発泡体積層板の両表層の面材を丁寧に剥離しフェノール樹脂発泡体とした後、厚み方向を含まない面における一つの対角頂点間に糸を張り、糸からフェノール樹脂発泡体表面に垂線を下した時の最大距離を読み取り、記録する。更にもう一方の対角頂点間にも糸を張り同様に測定し記録する。上下反転させ同様の測定を行い、これら4つの測定値のうち、最も大きな値を、反り値と定義する。なお、対角頂点間に糸を張った際、糸が直線とならなかった場合には、反り値は算出しない(フェノール樹脂発泡体が上に凸の状態で上側を測定した場合には対角線間の糸は直線とはならない)。反り値は、2.5mm未満であることが好ましく、1mm未満であったものをA、1mm以上2.5mm未満であったものをB、2.5mm以上であったものをCとして評価した。
(実施例2)
発泡核剤である窒素を発泡剤に対して0.36質量%添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例3)
発泡核剤である窒素を発泡剤に対して0.44質量%添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例4)
発泡核剤である窒素を発泡剤に対して0.65質量%添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例5)
下面材に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度を、30.5℃とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例6)
下面材に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度を、49.9℃とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例7)
予成形工程の滞留時間を、6.0秒とした以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例8)
予成形工程の滞留時間を、60.0秒とした以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例9)
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド60質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン40質量%の混合物6.3質量部とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例10)
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてシクロペンタン25質量%と1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン75質量%の混合物5.4質量部とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例11)
上下面材を共に、旭化成株式会社製のポリエステル(PET)不織布である、エルタスE05030(目付量30g/m2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例12)
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、フタル酸系化合物としてフタル酸ジ-n-オクチル(和光純薬工業株式会社製;DOP)を0.5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(実施例13)
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、フタル酸系化合物としてフタル酸ジ-n-オクチル(和光純薬工業株式会社製;DOP)を3.0質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(比較例1)
攪拌部以降は、国際公開第2014/133023号の図6に示すように、A~Dの4段階の分配路(分配路は流れ方向配管部2、幅方向配管部3及び分岐部4で形成)からなる分配管10が接続され、16本の吐出口5まで分配させる吐出方式とし、下面材上に吐出し(静的ミキサー6は、B~Dの3段階の分配路の各流れ方向配管部2内で分岐部4の直前に配置され、B~Dの各ジャケット部を18℃に温調)し、更に予成形工程の滞留時間を0秒(40℃~60℃の予成形工程を設けない)とし、上下面材を共に、旭化成株式会社製のポリエステル(PET)不織布である、エルタスE05030(目付量30g/m2)とした以外は実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(比較例2)
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソペンタン50質量%とZ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン50質量%の混合物6.8質量部とし、発泡核剤を添加せず、また、予成形工程の滞留時間を0秒(40℃~60℃の予成形工程を設けない)とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
(比較例3)
界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソペンタン50質量%とE-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン50質量%の混合物6.8質量部とし、発泡核剤を添加せず、また、予成形工程の滞留時間を0秒(40℃~60℃の予成形工程を設けない)とし、更に上面材と下面材に接するコンベア温度を、各々、66℃及び70℃とした以外は、実施例1と同様にして、フェノール樹脂発泡体積層板を得た。
実施例1~13及び比較例1~3で得られたフェノール樹脂発泡体積層板の特性の評価結果を、表1にまとめた。
Figure 0007026468000001
表1より、実施例1~13で得られたフェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体は、比較例1~3で得られたフェノール樹脂発泡体積層板のフェノール樹脂発泡体と比較して、厚み方向における表層部と中心部の密度差を少なくし、曲げ強度を低下させず、更には、フェノール樹脂発泡体の上下スキン層の密度差を低減し、反りを改善できていることがわかる。

Claims (6)

  1. フェノール樹脂発泡体の少なくとも上下面に面材が配されたフェノール樹脂発泡体積層板であって、前記フェノール樹脂発泡体は、密度が15kg/m以上50kg/m以下、独立気泡率が85%以上、平均気泡径が70μm以上220μm以下であり、1000mm×1000mmの大きさに切り出した前記フェノール樹脂発泡体積層板を用いた反り評価による反りが2.5mm未満であり、かつ、塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有し、上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが4.5kg/mであって、スキン層密度が34kg/m以上であり、かつ、中心部密度Dcとスキン層密度Da(D1とD2の平均密度)が式(2)を満たすことを特徴とするフェノール樹脂発泡体積層板。
    |D2-D1|<A (1)
    1.3<Da/Dc<2.0 (2)
  2. 上スキン層密度D1と下スキン層密度差D2の関係式である式(1)において、Aが3.5kg/mであることを特徴とする、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  3. 前記塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンの発泡剤中の比率が30質量%以上である、請求項1又は請求項2に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  4. 前記面材が紙を含有することを特徴とする、請求項1~3いずれか1項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  5. フタル酸系化合物を含有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体積層板を製造する方法であって、
    レゾール型フェノール樹脂、界面活性剤、及び塩素化ハイドロフルオロオレフィン及び非塩素化ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される少なくとも一種を含有する発泡剤と、有機酸を含有する酸性硬化剤とを含む発泡性フェノール樹脂組成物を、混合機を用いて混合する工程と、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程と、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させつつ上面材上から予成形を行う工程と、を含み、発泡性フェノール樹脂組成物は、発泡核剤を前記発泡剤に対して0.35質量%以上0.65質量%以下の割合で含み、前記下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物の温度が30℃以上50℃以下であり、前記混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出する工程において、吐出してから5秒以上60秒以内に予成形を行い、前記予成形の温度は40℃以上60℃以下であることを特徴とする、フェノール樹脂発泡体積層板の製造方法。
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