JP2019093333A - 籾摺選別機 - Google Patents

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Abstract

【課題】混合米タンク下方の渡し樋において混合米と分離された異物の機外排出を円滑に行わせる装置を提供する。【解決手段】機体左右一側に籾摺装置、中央に風選部、左右他側に揺動選別装置を配置した籾摺選別機において、揺動選別装置に多段の揺動選別板14と混合米を揺動選別板14に分配供給する分配用受樋15を備え、分配用受樋15に混合米と異物Dとを分離する異物選別板20を設け、異物選別板20と側部の異物排出口21との間に異物貯留部51を形成し、異物貯留部51の異物Dに向けてエア噴出するエア噴出手段52を設ける。また、エア噴出を間欠的に行うよう構成し、エア噴出の噴出タイミングを揺動選別装置の傾斜揺動の上死点到達時、到達直前又は到達直後に設定する。【選択図】図6

Description

本発明は、籾摺装置からの摺出米を受ける混合米タンクと多段構成の揺動選別板に設けられる分配搬送装置に関するものである。
従来籾摺選別機において、混合米タンクの排出口下方に設ける渡し樋に、藁くず等の長尺異物を選別分離する分離体を構成し、この分離体の終端にストローラックを設けて、揺動選別板の傾斜揺動によって、分離選別された長尺異物を機外に排出できる構成がある(特許文献1)。
特開2010−29792号公報
特許文献1の構成によると、長尺異物の移動は、ストローラックによる傾斜揺動によるものであるから、長尺異物が過剰堆積すると適正な機外排出が困難となり、作業中断等の恐れがある。
この発明は、上記に鑑み、混合米タンク下方の渡し樋において分離された異物の機外排出を円滑に行わせようとする。
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
請求項1に係る発明は、機体左右一側に籾摺装置2、中央に風選部3、左右他側に揺動選別装置6を配置した籾摺選別機において、前記揺動選別装置6に多段の揺動選別板14と混合米を前記揺動選別板14に分配供給する分配用受樋15を備え、前記分配用受樋15に混合米と異物Dとを分離する異物選別板20を設け、前記異物選別板20と側部の異物排出口21との間に異物貯留部51を形成し、前記異物貯留部51の異物Dに向けてエア噴出するエア噴出手段52,54を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エア噴出手段52,54によるエア噴出を間欠的に行うよう構成し、エア噴出の噴出タイミングを前記揺動選別装置6の傾斜揺動の上死点到達時、到達直前又は到達直後に設定した。
請求項1に記載の発明により、分配用受部15の斜め上下の往復揺動運動を伴って、異物貯留部51において、異物Dはある一定以上の堆積をもって側部の異物排出口21から排出が行えるものである一方、異物Dの量によっては過剰堆積を来し易いが、エアノズル52やエア筒54のようなエア噴出手段をもって、側部の異物排出口21へ向けたエア噴出により異物Dの排出を促進でき、過剰の異物堆積を防止して円滑な異物Dの処理を行える。
請求項2に記載の発明によれば、揺動上死点の到達時、上死点到達直前又は上死点到達直後、即ち上死点近傍において、異物Dは異物排出口21から排出される量が多い傾向となるが、この排出量が多い時期に合わせて噴出タイミングに設定することで効果的な排出を行える。
籾摺選別機の正面側斜視図(a)および背面側斜視図(b) 籾摺選別機の内部構成の正面図 揺動選別板の選別分布状況 揺動選別装置の正面図(a)および側面図(b) 籾玄米分離体の斜視図 混合米分配用受樋の正面図 異物受の分解斜視図(a)および要部側面図(b) 伝動状態及び圧搾空気分配接続状態を示す図 混合米移送樋及び混合米昇降機の平断面図(a)および混合米移送樋及び第2エアノズル装着状況を示す背断面図(b) 図9(a)A−Aで示す混合米昇降機の下部の断面図 異なる例の混合米分配用受樋の正面図(a)およびエア筒斜視図(b) さらに異なる例の混合米分配用受樋の正面図 エアノズルへの接続ホース配索を示す正面図(a)、左側面図(b)及び混合米移送樋の昇降機接続部の平面図(c)
本発明の実施の形態につき、図面に基づき説明する。
まず、本発明の適用対象である籾摺選別機の全体について説明する。
籾摺選別機1は、図1の正面側斜視図(a)および背面側斜視図(b)に示すように、機体正面側左端の籾摺装置2と、籾殻ダクト3aを備える風選部3と、その後部に配置の混合米昇降機4および混合米タンク5と、この混合米タンク5を後部に受ける前後に長い揺動選別装置6と、その側方の仕上米昇降機7とを備えて構成される。
籾摺選別機1の内部構成は、図2の正面図に示すように、籾を収容する籾ホッパ2aをロール型籾摺装置2の上方に配置し、この籾摺装置2から脱ぷ穀粒を風選部3により風選処理して分離した籾殻を籾殻ダクト3aから排出するとともに、風選穀粒(籾と玄米との混合米)を混合米昇降機4により混合米タンク5に貯留し、この混合米を供給調節可能な混合米タンク5から、揺動選別装置6の選別始端部H側に供給し、この揺動選別装置6の左右方向の揺動動作によって揺上げ側に玄米を比重選別し、この玄米の選別領域Aに合わせて選別終端側Tに可動玄米仕切板8を配置することによって選別玄米を仕切り、仕上米昇降機7に至る排出路9を経て仕上玄米として排出する(図3)。
その一方で、揺動選別装置6の揺下げ側に選別される籾は、その籾領域Bに合わせて可動籾仕切板10を配置することにより、籾領域Bの選別籾をスロワ11に至る再籾摺路12を経て再び籾摺装置2に還元供給し、残余の混合米領域Cに選別される混合米は、混合米昇降機4に至る再選別路13を経て再び揺動選別装置6に循環供給する。このようにして、籾摺作業の進行とともに玄米を選別して玄米領域Aから仕上米昇降機5によって仕上玄米として排出する。
揺動選別装置6について詳細に説明する。図4の正面図(a)および側面図(b)に示すように、前後に長い揺動選別板14を両側板14a,14bによって多段に固定した選別部と、その上部背面側で混合米を受けて各揺動選別板14に分配供給する分配用受部15からなる混合米分配部とを一体に構成し、揺下側となる左の側板14aには、籾領域Bの選別籾を再籾摺路12に導く籾玄米分離体16を備える。
揺動選別装置6を構成する多段構成の揺動選別板14は、それぞれに選別用の凹部14cを多数形成しており、全体を左右方向の右側が高く傾斜するとともに選別始端側Hの後端部を高くして分配用受樋15から混合米を受けつつ左右に傾斜揺動することにより、それぞれの前端部を選別終端側Tとして穀粒が比重選別される。揺動選別板14の揺上げ側には玄米層の玄米領域A、揺下げ側には籾層の籾領域B、中間部には混合米層の混合米領域Cが形成される。
そして、揺動選別装置6の揺動選別板14毎に籾領域Bの選別終端側Tの側部に籾領域Bの籾を取り出す籾案内口17を設け、該籾案内口17の側方に対向する位置に、箱型状の籾玄米分離体16を側板14aを介して取付ける。籾玄米分離体16には各揺動選別板14それぞれの籾領域Bの籾が籾案内口17を通過して流入し、そこで籾に混じる玄米を分離し、前記再籾摺路12に籾を案内し、再選別路13に玄米を案内する構成である。
籾玄米分離体16内には、籾に混じる玄米を漏下する網目体である目抜孔を多数形成した多孔板16aを揺動選別板14の段数分設ける。各多孔板16aの下方には、それぞれ漏下選別された玄米を受ける玄米案内板16bを設ける。すなわち、多孔板16aと玄米案内板16bを上下方向に交互に配置する構成である。
玄米案内板16bの玄米排出側には、各玄米案内板16bから排出した玄米が一括して通過案内する玄米案内通路18を設け、この玄米案内通路18を前記再選別路13に連通する。また、各段の多孔板16aを漏下しなかった籾を一括して通過案内する籾案内通路19を設け、籾案内通路19と再籾摺路12を連通する。
この実施の形態の玄米案内通路18は玄米案内板16bの側方に配置し、籾案内通路19は多孔板16aの前側に配置している。
各多孔板16aと玄米案内通路18とを籾仕切壁16Sで仕切り、玄米案内板16bと玄米案内通路18は連通する構成とし、各多孔板16aと籾案内通路19とを連通し、玄米案内板16bと籾案内通路19とを玄米仕切壁16Gで仕切る構成である。すなわち、多孔板16a、玄米案内板16b、籾案内通路19、玄米案内通路18、籾仕切壁16S、玄米仕切壁16Gが籾玄米分離体16の箱体内に設けられている。
多段の揺動選別板14毎に設けた籾案内口17から籾領域Bの籾が籾玄米分離体16の多孔板16aに流入する。多孔板16aにより混入している玄米が漏下し、多孔板16a上に残った籾は籾仕切壁16Sにより玄米案内通路18への流入を阻止されつつ籾案内通路19に流入し、再籾摺路12に落下して案内される。また、多孔板16aを漏下した玄米は玄米案内板16bに落下して供給され、玄米仕切壁16Gにより籾案内通路19への流入を阻止されつつ玄米案内通路18に入り、落下して再選別路13に案内される。本構成により、籾領域Bから取り出された籾に混じる玄米を各段毎の選別によって滞留無しに精度良く選別することができる。
この場合において、籾玄米分離体16を側板14aの外側に沿って設け、前後方向に長い多孔板16aによる長い選別行程を形成することにより籾と玄米の選別精度を向上することができるため、籾摺装置2に戻る玄米量が低減し、二度摺りによる肌ずれ玄米の量を低減することができる。また、選別された玄米は再選別路13を介して迅速な再選別処理が可能となる。
また、各玄米案内板16bは、籾案内口17の多孔板16aの下方で玄米を玄米案内通路18側に送出する傾斜角度を設けることにより、多孔板16aから受けた漏下選別穀粒が迅速に案内されて滞留のない効率のよい再選別が可能となる。また、多孔板16aは揺動選別板14と平行する姿勢で設けており、揺動選別板と同様に前後方向に前下がり傾斜する構成のため、籾を円滑に籾案内通路19に排出できる。
また、玄米案内通路18の下端に揺動選別板14の下方を傾斜して設ける再選別連通部18aを接続し、再選別連通部18aと再選別路13に連通することにより、籾案内通路19の後方に再選別連通部18aを設けることとなり、籾玄米分離体16で分離した籾と玄米のそれぞれの搬送行程を簡潔に構成することができる。
前記分配用受樋15は、混合米タンク5の下方に設けられ、混合米タンク5からの混合米を広幅に形成した移送樋部15aを経て多段揺動選別板14の背面側から各段に分配する分配樋14dに供給するものである。図6の部分矢視図を含む透視正面図に示す分配用受樋15には、混合米に混在する長尺異物Dを分離するため、目抜孔20aを形成した受部多孔板20を横姿勢に設け、その排出端に臨んで長尺異物Dを側方に排出するための異物排出口21を形成している。受部多孔板20の排出端から異物排出口21までの間には、混合米を漏下して最上段の揺動選別板14に供給する目抜孔22aを形成した選別部多孔板22を設ける。目抜孔22aは少なくとも受部多孔板20の排出端側に全幅に亘って形成する。受部多孔板20からほぼ大部分の混合米は移送樋部15aに漏下し分配樋14dに向け移送されるもので、該移送樋部15aには移送ラックを適宜に形成してもよい。分配用受樋15の揺下側には前記分配樋14dから各段の揺動選別板14への流入量が均一化できるように流量調節用の均し弁23を設ける。また、後続の選別部多孔板22は短区間であるが異物排出口21に向けやや上り傾斜として長尺異物Dの移送を遅らせながら残留する混合米を漏下させるものである。
上記構成の受部多孔板20は、混合米タンク5から受けた混合米を揺動動作によって下方の混合米流下板15aに漏下することによって各揺動選別板14に分配供給し、また、受部多孔板20に残留された混合米中の長尺異物Dは揺動によってその終端側に移送される。この長尺異物Dは更に選別部多孔板22に移動し、長尺異物Dに混じる混合米を漏下して最上段の揺動選別板14に供給する一方、長尺異物Dは、異物排出口21から排出される。したがって、受部多孔板20と選別部多孔板22とによる簡易な構成により、藁屑等の長尺異物Dを順次排出することができる。
この場合において、最上段の揺動選別板14と対向する位置に選別部多孔板22を配置することにより、特段の案内部材を要することなく、混合米を揺動選別板14に供給することができる。また、選別部多孔板22は、異物排出口21まで昇り傾斜に形成することにより長尺異物Dの移動が抑制されて混合米を確実に漏下することができる。
異物排出口21からの長尺異物Dを受ける異物受21Dは、図7の分解斜視図(a)および要部側面図(b)に示すように、異物排出口21の直下位置で揺動選別板14の背面側を覆う外装カバー24の張出部24aに形成した開口に開放可能に受板部24bを設けて構成する。すなわち、受板部24bが外装カバー24の一部を形成している。
この異物受21Dは、蝶番等により受板24bを開放可能に軸支することにより、閉鎖時は外部からの異物侵入を防止するとともに、混合米分配部に受けた混合米から分離された長尺異物Dを異物排出口21から受けて貯留する。この貯留異物Dは、機体の側方位置で受板部24bを回動して開放操作することにより、受板部24bが傾斜ガイドとなって機外に落下排出されることから、作業者が貯留異物Dに触れることなく、下方配置の収容部材(図示せず)に収容することができる。
この場合において、張出部24aに形成した開口を囲む仕切24cを設けることにより、受板部24bに受けた異物Dの散乱を防止することができる。
モータ25による籾摺選別機各部の伝動構成(図8)は、モータ25から第1ベルト26を介して籾摺装置2の籾摺ロール2a,2bを軸支するロール軸2cを伝動し、このロール軸2cから第2ベルト27を介して、摺出米移送棚28揺動軸28a、混合米昇降機4連動軸4a、二番ラセン29軸、及び揺動選別装置6連動軸等を伝動する。前記昇降機4連動軸4aから第3ベルト30を介して、混合米昇降機4連動軸4aと、混合米ラセン31軸を伝動し、前記二番ラセン29軸から第4ベルト32を介して、吸引ブロワ3bのファン3c軸を伝動し、前記揺動選別装置6連動軸6aから第5ベルト33を介して揺動クランク軸6bを伝動し、第6ベルト34を介して仕上米昇降機7軸を伝動する形態である。
次いで、図9,10に基づき、混合米移送構成と残米処理構成について説明する。前記混合米ラセン31は、混合米移送樋35内に配置され、前記籾摺装置2の摺出米移送棚28から流下する摺出米と前記再選別路13の混合米を受けて前記混合米昇降機4に移送する構成としている。複数のバケット4b,4b…を無端ベルト4cに装着し、上下のプーリ4u,4d間に巻回した混合米昇降機4は、籾摺選別機1の機体後部であって、風選部3の後方に立設される。そして、前記混合米移送樋35の移送終端側を混合米昇降機4の下端側に接続している。この混合米移送樋35の接続部35aは、前記バケット4b,4b…の穀粒掬い上げ側(下降工程側)に固定され、混合米移送樋35内を混合米ラセン31の回転で移送された混合米は、混合米昇降機4の下端側壁への連通開口部から昇降機4の下部に流下案内される構成としている。
混合米移送樋35の搬送方向に沿って開閉弁36を備え、混合米移送樋35の底部を開閉可能に構成され、この移送樋35の底部にたまる残米を排出できる。開閉弁36の下方には、排出された残米を受ける残米受部としての残米受ボックス37を備える。
なお、混合米昇降機4は、籾摺選別機1の機体に対して前記第2ベルト27の配設空間をおいて後方に、即ち機体背面を覆う背面カバー38よりも適宜間隔後方に立設されており、混合米移送樋35の前記接続部35aである移送樋終端側も機体よりも後方に位置するものとなっており、前記混合米移送樋35に設ける底部開口及びこれに対応する開閉弁36は、機体内側の区間に配設される構成である。
そして、前記混合米昇降機4の下部に第1エアノズル40を配置している。第1エアノズル40は図9,10に示すように、前記混合米移送樋35を接続する側とは反対側の側壁に取り付けるもので、該第1エアノズル40の噴風方向(ハ)は、混合米昇降機4の底部に向かう斜め下方方向に設定されている。そして、エア噴出は間欠的に行う構成とされ、その噴出タイミングは、前記無端ベルト4cに取り付けられたスクレーパ4sが混合米昇降機4の底面を通過するタイミングに合わせている。このように構成すると、エア噴出されるとスクレーパ4sに衝突して混合米の吹き上げ効果を助長でき、ひいてはバケット4bによる掬い上げ効率を向上できる。
なお、この第1エアノズル40には、籾摺選別機1機体前方に設置したコンプレッサ41から圧搾空気が接続ホース42を介して供給される構成である。
上記のように、第1エアノズル40を設けるものであるから、籾摺選別運転終了後に混合米昇降機4の底部の残米をノズルからのエア噴出によって跳ね上げ、バケット4b,4b…による掬い上げを効率良く行える。
また、前記混合米移送樋35の混合米昇降機4との接続部35aに第2エアノズル43を設けている。第2エアノズル43は、混合米移送樋35の上壁部に装着され、ノズル噴風方向を混合米ラセン31による移送方向(ロ)とは逆の移送上手方向に向けて設けてある。なお、第2エアノズル43の支持体44は、ベースプレート44aとノズル装着面44bを有した上方膨出状部44cとからなり、混合米移送樋35の接続部35a上壁部に形成した孔部に対応させて装着している。ノズル装着面44bは水平面と角度αを有して第2エアノズル43の噴風方向(イ)を決定している。
このように、第2エアノズル43を設けるから、籾摺選別運転終了後、混合米ラセン31と混合米昇降機4を駆動させた状態で、開閉弁36を開き、第2エアノズル43からエア噴出させることにより、混合米移送樋35の移送終端側に移送されようとする混合米を開閉弁36による開口部から残米受ボックス37に回収できる。混合米移送樋35の接続部35aには開閉弁36を構成しないものであるから、第2エアノズル43による移送方向とは逆の方向に残米をエア噴出によって開閉弁36の存在する箇所へ移動させることができ、残米を可及的に少なくできる。
さらに、前記混合米移送樋35の始端側に混合米移送方向に向けて第3エアノズル45、仕上米昇降機7の下部に第4エアノズル46を設ける。第3エアノズル45は、混合米移送樋35内の残米の開閉弁36から下方への排出を促進する。また、機体前面に装着する点検用蓋47を利用して装着するから、点検交換作業を容易に行える。ベースプレート48aとノズル装着面48bを有した支持部48を装着している。そして、第4エアノズル46は、仕上米昇降機7の底部の残米を跳ね上げてバケットの掻き揚げ効率を高める。
次に、前記分配用受樋15の長尺異物Dの側部の異物排出口21からの排出を促進すべく設けるエア噴出手段について説明する。図6に示すように、前記分配用受樋15にはカバー15bを備え、該カバー15bには混合米タンク5の排出口下方にのぞむ受入口15cを形成している。受部多孔板20の移送終端部から側部の異物排出口21の間にあって長尺異物Dを移送する補助移送板としての選別部多孔板22の上方に、穀粒等飛散防止板50を垂下状に設けている。なお、この飛散防止板50は、その下辺で長尺異物Dの偏在を是正して幅方向に均分化する機能を併せ有する。さらに、選別部多孔板22の上面に形成される異物貯留部51において堆積する長尺異物Dに対し、前記異物排出口21に向けて斜め上方からエア噴出する第5エアノズル52を設ける。この第5エアノズル52は前記カバー15bに支持体53を介して装着され、噴出方向52jを前記異物排出口21に向けているため、特に異物排出口21手前に移送される長尺異物Dに向けエア噴出され、異物排出口21からの排出を促進できる。なお、エア噴出によって異物排出口21近傍の長尺異物Dを拡散できるので選別部多孔板22の揺動と相まって長尺異物Dのほぐし効果を生じ、混在する混合米の漏下を促進できる。特にエア噴出を受けて飛散する混合米は、飛散防止板50に衝突して選別部多孔板22に落下できる。
上例では、排出補助手段として単一のエアノズル52を用いたが、幅方向に複数のエアノズルを配設してもよく、また図11に示すように、多数の噴口54aが形成され一端からエア噴出する構成としたエア筒54を配設する構成としてもよい。エア筒54の長さを選別部多孔板22の全幅にわたるよう形成している。エア筒54のエア噴出方向54jは異物排出口21に向けている。
エア噴出手段としてのエアノズル52やエア筒54を設ける場合には、エア噴出を間欠的に行う方が、長尺異物Dの吹き上げほぐし効果の点で優れ排出促進に都合がよい。また、この間欠噴出のタイミングを、揺動選別装置6の揺動運動に連動させると効果的である。すなわち、分配用受樋15は揺動選別板14と一体に構成され同期して揺動下死点から揺動上死点の間を斜め上下に揺動(ニ)しているが、前記噴出のタイミングを揺動選別装置6の傾斜揺動の上死点到達時、到達直前又は到達直後に設定するものである。揺動上死点から下死点側への揺動切り替わりの時点及びその前後において、長尺異物Dは異物排出口21から排出される量が多い傾向となるが、この排出量が多い時に合わせて間欠噴出タイミングを設定することで効果的な排出を行え、選別部多孔板22の上面の異物貯留部51への長尺異物Dの過剰堆積を防ぐことができる。なお、エア噴出を間欠的に行う構成は、後述のエアバルブを電気的にオン、オフできる構成として、設定タイマ信号や揺動選別装置6の揺動位置検出手段からの検出信号に基づいてオン出力させ、エアを間欠的に噴出できる構成としている。
本実施例において、受部多孔板20の終端部から異物排出口21までの移送を選別部多孔板22による構成としたが、選別部多孔板22に代替して長尺異物Dを貯留できる無孔の底板22aの構成としてもよい。無孔の底板22aとしても、有孔の選別部多孔板22と同様に、揺動運動(ニ)と相まって底板22aの上部に形成される異物貯留部51の長尺異物Dを異物排出口21に向けて移送可能である。無孔の底板22aとする場合には、特開2010−29792号公報のように、異物排出口21を経た後に長尺異物Dに残る混合米を分離処理する構成を付加する。
前記のように、分配用受部15の斜め上下の往復揺動運動(ニ)を伴って、選別部多孔板22(又は底板22a)上の異物貯留部51に到達する長尺異物Dは、ある一定以上の堆積をもって異物排出口21からの排出が行えるものである一方、異物の量によっては過剰堆積を来し易いが、エアノズル52やエア筒54のようなエア噴出手段をもって、異物排出口21へ向けたエア噴出により異物排出口21から長尺異物Dの排出を促進でき、ひいては過剰の上記堆積を防止して円滑な長尺異物Dの処理を行える。
また、エア噴出は間欠的に行わせ、そのタイミングを揺動上死点近傍に設定することによって、前記の効果を奏するものであるが、過剰堆積を検出する手段、例えば静電容量センサ55、を選別部多孔板22の下面に設けることで精度良く過剰堆積状態を検出でき、この検出後過剰堆積が解消されるまでエアの間欠噴出を継続する構成とすることができる。
図12に示す構成は、エア筒54´の異なる構成例を示す。多数の噴口54´aのエア噴州の向き54´jを前記飛散防止板50の下方近傍に向けている。長尺異物Dの移動方向とは逆向きに噴風することによって、飛散防止板50を潜り抜けて堆積しようとする長尺異物Dの分散化を図ることができる。なお、エア筒53´によるエア噴出の間欠噴出タイミングは揺動下死点近傍に設定するとよい。このように設定すると、揺動上死点に向け長尺異物Dを揺り上げ直前でエア噴出によって吹き上げるため堆積状態を崩すことができ、長尺異物Dの過剰供給に対しても有効に幅方向に分散化でき、過剰堆積の偏在を防止できる。
前記コンプレッサ41は籾摺選別機1機体の前側に設置するなどし、機体正面側の前面カバー59に、このコンプレッサ41にエアフィルタ60、エアバルブ61を直列に接続する。エアの供給停止を切り替えるエアバルブ61に2つに分岐して第1接続ホース42a、第2接続ホース42bを接続し、このうち、第1接続ホース42aは、途中分岐部を介して前記第3エアノズル45及び第4エアノズル46に接続される。一方第2接続ホース42bは、機体背面に延長されて前記第1エアノズル40及び第2エアノズル43、第5エアノズル52(又はエア筒54,54´)に接続している。
2 籾摺装置
3 風選部
6 揺動選別装置
14 揺動選別板
15 分配用受樋
20 異物選別板
21 異物排出口
51 異物貯留部
52 第5エアノズル(エア噴出手段)
54 エア筒(エア噴出手段)
D 長尺異物(異物)

Claims (2)

  1. 機体左右一側に籾摺装置(2)、中央に風選部(3)、左右他側に揺動選別装置(6)を配置した籾摺選別機において、前記揺動選別装置(6)に多段の揺動選別板(14)と混合米を前記揺動選別板(14)に分配供給する分配用受樋(15)を備え、前記分配用受樋(15)に混合米と異物(D)とを分離する異物選別板(20)を設け、前記異物選別板(20)と側部の異物排出口(21)との間に異物貯留部(51)を形成し、前記異物貯留部(51)の異物(D)に向けてエア噴出するエア噴出手段(52,54)を設けたことを特徴とする籾摺選別機。
  2. 前記エア噴出手段(52,54)によるエア噴出を間欠的に行うよう構成し、エア噴出の噴出タイミングを前記揺動選別装置(6)の傾斜揺動の上死点到達時、到達直前又は到達直後に設定した請求項1に記載の籾摺選別機。
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