JP2019092333A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】系統に地絡等の事故を生じても、動作を継続することを可能にする電力変換装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る電力変換装置は、直列接続された複数の単位変換器を含む電力変換器と、前記複数の単位変換器のそれぞれのために分散された位相を有するキャリア信号を生成するキャリア分散部を含む制御装置と、を備える。前記キャリア分散部は、前記複数の単位変換器のうち隣接して接続された単位変換器に対しては、360°を前記複数の単位変換器の個数で除した値よりも大きい位相シフト量を有する前記キャリア信号を生成する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
交流を直流に変換し、あるいは直流を交流に変換する電力変換装置がある。このような電力変換装置では、たとえば基幹系の電力網に用いるために大容量化が望まれている。
自己消弧形の半導体スイッチング素子を用いることによって小型化をはかりつつ、大容量化を実現することができる電力変換方式として、モジュラーマルチレベルコンバータ(Modular Multilevel Converter、以下、MMCという。)の実用化が進められている。
このような大容量の電力変換装置を基幹となる電力系統等で用いる場合には、交流側や直流側に地絡等の事故を生じた場合であっても、運転を継続することが求められる。
MMCは、多数の単位変換器(以下、セルという。)をカスケードに接続、つまり直列に接続して、高電圧の入出力を可能にしている。MMCは、連系している交流系統に地絡等が生じ、多数のセルのうちのいくつかに過大な電圧が印加された場合に、そのセルをバイパスすることによって動作を継続する。さらに多数のセルに過電圧が印加された場合には、過電圧保護機能によってMMCの動作を停止させて、装置を保護する。また、複数のセルの電圧が所定の値に満たない場合にも、MMCの動作を停止させて装置を保護する。
一方で、一旦動作停止したMMCを再起動させるには、すべてのセルのコンデンサを所定値まで放電または充電する必要があり、停止期間が長時間にわたるおそれがある。
特開2011−24390号公報
実施形態は、系統に地絡等の事故を生じても、動作を継続することを可能にする電力変換装置を提供する。
実施形態に係る電力変換装置は、直列接続された複数の単位変換器を含む電力変換器と、前記複数の単位変換器のそれぞれのために分散された位相を有するキャリア信号を生成するキャリア分散部を含む制御装置と、を備える。前記キャリア分散部は、前記複数の単位変換器のうち隣接して接続された単位変換器に対しては、360°を前記複数の単位変換器の個数で除した値よりも大きい位相シフト量を有する前記キャリア信号を生成する。
本実施形態では、制御装置が、複数の単位変換器のそれぞれのために分散された位相を有するキャリア信号を生成し、PWM変調器に供給するキャリア分散部を含み、このキャリア分散部は、前記複数の単位変換器のうち隣接して接続された単位変換器の位相シフト量が、360°を前記複数の単位変換器の個数で除した値よりも大きい前記キャリア信号を生成する。そのため、隣接して接続された単位変換器が同時に同じ程度の電圧が印加されることがないので、電力変換器の動作を継続することができる。
図1(a)は、第1の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。図1(b)は、図1(a)の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。 主回路給電ペアを例示するブロック図である。 第1の実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。 第1の実施形態の電力変換装置の動作を説明するための模式的な波形図である。 比較例の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。 比較例の電力変換装置の動作を説明するための模式的な波形図である。 第2の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。図1(b)は、図1(a)の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の電力変換装置10は、電力変換器20と、制御装置50と、を備える。電力変換装置10は、交流端子21a〜21cを介して、交流系統1に接続される。この例のように、電力変換装置10は、変圧器2を介して交流系統1に接続されてもよい。たとえば、交流系統1は、三相または単相の50Hz若しくは60Hzの電源、負荷および交流送電線を備える構成とすることができる。電力変換装置10は、直流系統3に接続される。直流系統3は、たとえば直流送電線等を含む。
電力変換装置10は、交流系統1と直流系統3との間に接続されて、双方向の電力変換を行うことができる。
電力変換器20は、三相交流の各相に対応した単位アーム22を含む。単位アーム22は、直流端子21d,21e間で直列に接続されレグを形成する。
直流端子21d,21e間で直列に接続される単位アーム22には、変圧器24がそれぞれ直列に接続されている。変圧器24に代えてバッファリアクトルを接続してもよい。
単位アーム22は、カスケードに接続された、つまり、直列接続された単位変換器(以下、セルという。)30を含む。セル30は、単位アーム22あたり1個以上あればよいが、以下では、M個直列接続されているものとする(Mは2以上の整数)。
図1(b)に示すように、セル30は、端子31a,31bを含む。セル30は、端子31a,31bによって、他のセル30等と接続される。セル30は、スイッチ部32と、主回路給電部34と、ゲート制御回路36と、ゲート駆動回路35と、を含む。主回路給電部34は、スイッチ部32に接続されており、スイッチ部32から給電されてゲート制御回路36およびゲート駆動回路35等の電源を生成する。ゲート制御回路36およびゲート駆動回路35は、主回路給電部34からの電力供給によって動作し、制御装置50から出力されるゲート信号にしたがって、ゲート駆動信号を生成する。
スイッチ部32は、スイッチング素子32aと、ダイオード32bと、コンデンサ32cと、を含む。スイッチング素子32aは、自己消弧型の半導体素子である。スイッチング素子32aは、直列に2個接続されている。
ダイオード32bは、還流ダイオードである。2個のダイオード32bは、直列に接続されているスイッチング素子32aにそれぞれ逆並列に接続されている。
コンデンサ32cは、直列に接続された2個のスイッチング素子32aに並列に接続されている。
なお、図示しないが、各セル30は、コンデンサ32cの両端のセル電圧Vcellを検出する電圧検出器を有しており、電圧検出器によって検出されたセル電圧Vcellは制御装置50に供給される。
以下では、上述したようなハーフブリッジ構成のセル30を用いたMMCについて説明するが、セルをフルブリッジ構成とし、すべてのセルをフルブリッジ構成に置き換えてももちろんよい。
制御装置50は、セル電圧Vcellや交流電流、直流電圧を検出して、これらにもとづいてゲート信号を生成し、電力変換器20に供給する。後に詳述するように、制御装置50は、キャリア分散機能を有するキャリア分散部52を含み、セル電圧Vcellや交流電流、直流電圧にもとづいて生成された電圧指令値と、キャリア分散部52によって生成されたキャリア信号とを比較して、PWM制御を行う。この際に、キャリア信号は、直列に接続されたセル数Mにもとづいて設定された位相シフト量で、位相がシフトされる。このように、本実施形態の電力変換装置10では、位相シフトPWM制御方式にしたがって、電力変換制御を行う。
図2は、主回路給電ペアを例示するブロック図である。
本実施形態の電力変換装置10では、主回路給電ペア40は、隣接して直列に接続されている2つのセル30U,30Lを含む。電力変換装置10では、主回路給電ペア40を組む一方のセル30Uまたは30Lの主回路給電部34Uまたは34Lが故障しても、他方のセル30Lまたは30Uの主回路給電部34Lまたは34Uによって、ゲート制御回路36U,36Lおよびゲート駆動回路35U,35Lに電力供給することができる。そのため、主回路給電ペア40のいずれのセル30U,30Lの動作を継続させることができる。
図2に示すように、高電位側のセル30Uは、スイッチ部32Uと、主回路給電部34Uと、ゲート制御回路36Uと、ゲート駆動回路35Uと、を含む。低電位側のセル30Lは、スイッチ部32Lと、主回路給電部34Lと、ゲート制御回路36Lと、ゲート駆動回路35Lと、を含む。スイッチ部32U,32L、ゲート制御回路36U,36Lおよびゲート駆動回路35U,35Lは、それぞれ同等の回路である。したがって、セル30U,30Lは同等のセルである。
主回路給電部34U,34Lは、それぞれ絶縁された4系統の電源を出力することができる。このうち、主回路給電部34Uの2つの電源系統は、自らのゲート制御回路36Uおよびゲート駆動回路35Uにそれぞれ給電される。主回路給電部34Uの他の2つの電源系統は、隣接するセル30Lのゲート制御回路36Lおよびゲート駆動回路35Lにそれぞれ供給される。
主回路給電部34Lの2つの電源系統は、自らのゲート制御回路36Lおよびゲート駆動回路35Lにそれぞれ給電される。主回路給電部34Lの他の2つの電源系統は、隣接するセル30Uのゲート制御回路36Uおよびゲート駆動回路35Uにそれぞれ供給される。
高電位側のセル30Uの主回路給電部34Uの電源供給が停止した場合には、ゲート制御回路36Uおよびゲート駆動回路35Uは、低電位側のセル30Lの主回路給電部34Uから電源の供給を受けることができる。同様に、低電位側のセル30Lの主回路給電部34Lの電源供給が停止した場合には、ゲート制御回路36Lおよびゲート駆動回路35Lは、高電位側のセル30Uの主回路給電部34Uから電源の供給を受けることができる。
電力変換装置10は、セル30ごとに過電圧保護機能や低電圧保護機能を有している。セル30U,30Lにおいて、過電圧や低電圧の状態が検出された場合には、ロウサイド側のスイッチング素子32aを常時オンさせることによってセル30U,30Lの両端を短絡する。このようにバイパスされたセルでは、コンデンサ電圧が自然放電し、そのセルの主回路給電部は、コンデンサから電力供給を受けることができないので、上述のように、電源系統を切り替えて、そのセル30のバイパス状態を維持して、電力変換装置10の動作を継続する。
主回路給電ペア40を組まないセル30が多数バイパスされた場合には、適切な制御ができないおそれがあるため、電力変換装置10は動作を停止する。過電圧や低電圧の状態が除去された後に、電力変換装置10は再起動することができる。
このようにすることによって、電力変換装置10は、多数のセル30のうちいくつかがバイパス状態となっても、動作を継続することができる。なお、セル電圧Vcellの過電圧や低電圧によって、電力変換装置10の動作を停止するバイパス個数は任意に設定することができる。
主回路給電ペア40を組む2つのセル30U,30Lのいずれも過電圧や低電圧の状態となった場合には、2つのセル30U,30Lのゲート制御回路36U,36Lおよびゲート駆動回路35U,35Lのいずれにも制御電源を供給できず、バイパス状態を維持できなくなるため、電力変換装置10は動作を停止する。
このようにすることによって、電力変換装置10は、複数のセル30がバイパス状態になっても、バイパス数が少なければ動作を継続し、隣接して配置されたセル30に事故が生じた場合には、すみやかに動作を遮断して、不具合が拡大することを防止することができる。
図3は、本実施形態の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
本実施形態の電力変換装置10では、位相シフトPWM制御を用いるが、シフト量決定のための基準位相を複数にして、隣接するセル30のためのキャリア信号の位相が大きく異なるように設定する。
図3に示すように、制御装置50は、キャリア分散部52とPWM変調部56(1)〜56(M)とを含む。キャリア分散部52およびPWM変調部56(1)〜56(M)は、単位アーム22ごとに設けられている。PWM変調部56(1)〜56(M)は、たとえば比較器である。
キャリア分散部52は、位相シフトPWM制御のために位相シフトされたキャリア信号を生成して、PWM変調部56(1)〜56(M)に供給する。生成されるキャリア信号φ1,φ2,…,φMは、単位アーム22内のM個のセルに対応するように生成される。たとえば、M個のセル30のうち電位が高い側のセル30からキャリア信号φ1,φ2,…,φMがそれぞれ用いられる。
この例では、キャリア分散部52は、基準信号生成部53と、加算器54(2)〜54(M)と、キャリア信号生成部55(1)〜55(M)と、を含む。
基準信号生成部53は、基準となる位相を有する基準信号D1を生成する。基準信号生成部53は、隣接するセルのための位相シフトのための位相差Δφ1を生成する。位相差Δφ1を有するセル30は、主回路給電ペア40を組んでいる。位相差Δφ1は、たとえば基準信号D1の位相に対して+180°(π[rad])である。基準信号生成部53は、位相シフトのための位相差Δφ2を生成する。Δφ2は、たとえば180°/Mである。
基準信号D1は、キャリア信号生成部55(1)に入力されて、たとえば三角波のキャリア信号φ1に変換される。
基準信号D1の位相データは、加算器54(2)に入力され、位相差Δφ1が加算された位相シフト信号D2に変換される。位相シフト信号D2は、キャリア信号生成部55(2)に入力され、キャリア信号φ1の位相とΔφ1(=180°)だけ位相シフトされたキャリア信号φ2に変換される。
基準信号D1の位相データは、加算器54(3)に入力され、位相差Δφ2が加算される。位相差Δφ2が加算された位相にもとづいて、位相シフト信号D3が生成される。位相シフト信号D3は、キャリア信号生成部55(3)に入力され、キャリア信号φ1の位相とΔφ2(=180°/M)だけ位相シフトされたキャリア信号φ3に変換される。
位相シフト信号D2の位相は、加算器54(4)に入力され、位相差Δφ2が加算される。位相差Δφ2が加算された位相にもとづいて、位相シフト信号D4が生成される。位相シフト信号D4は、キャリア信号生成部55(4)に入力される。位相シフト信号D4は、位相シフト信号D2からΔφ2(=180°/M)だけ位相がシフトされており、基準信号D1からは、さらにΔφ1(=180°)位相がシフトされている。
つまり、基準信号生成部53が位相差Δφ1として180°を出力する場合には、奇数の添え字を有する位相シフト信号は、180°/Mずつ異なる位相を有する。偶数の添え字を有する位相信号同士も、180°/Mずつ異なる位相を有する。奇数と偶数との間では、さらに180°異なる位相を有する。
このように位相シフトされたキャリア信号φ1〜φMは、交流電流の検出値がそれぞれの指令値に一致し、各コンデンサ電圧がバランスするように生成された電圧の指令値Ec1〜EcMと、PWM変調部56(1)〜56(M)によってそれぞれ比較され、セル30のスイッチング素子を駆動するゲート信号をそれぞれ生成する。
本実施形態の電力変換装置10の動作について説明する。
図4は、本実施形態の電力変換装置の動作を説明するための模式的な波形図である。
図4では、隣接するセル30のセル電圧Vcellの時間変化が示されている。図4の隣接するセル30は、主回路給電ペア40を組んでいる。
図4に示すように、セル電圧Vcellは、系統電圧の周期を有するほぼ正弦波状のリップルを有する。このリップルは、キャリア信号に応じた位相を有している。そのため、隣接するセルのキャリア信号の位相が180°離れている場合には、リップルの山と谷との位相はほぼ一致する。
各セル30のセル電圧Vcellは、過電圧あるいは低電圧を監視されている。各セル30の過電圧検出値Vovは、たとえば通常の値の150%等に設定されている。低電圧検出値Vuvは、たとえば通常の値の50%等に設定されている。各セル30のセル電圧Vcellが過電圧検出値Vovを超えたり、低電圧検出値Vuvを下回ったりした場合には、制御装置50の過電圧や低電圧の保護機能が動作する。これらの保護機能は、保護すべきセル30のロウサイド側のスイッチング素子32aを常時オンとすることによって実現される。つまり、過電圧や低電圧保護機能が動作した場合には、そのセル30は、「バイパス」される。残ったセル30は、引き続き動作することができ、電力変換装置10は、動作を継続する。
たとえば、交流系統1に地絡等の事故が発生した場合に、セル電圧Vcellが上昇することがある。図4の時刻t1において、交流系統1の地絡事故が発生し、セル30のセル電圧Vcellが上昇すると、それに隣接するセル30や、近傍のセル30のセル電圧Vcellも上昇する。
本実施形態の電力変換装置10では、隣接するセル30のリップル電圧は、ほぼ逆位相となるので、これらのセル電圧Vcellにおいて、同じ程度の電圧上昇を生じた場合には、その一方のセル30のセル電圧Vcellは、過電圧検出値Vovを超えても、他方のセル30のセル電圧Vcellは、過電圧検出値Vovを超える確率を下げることができる。隣接するセル30は主回路給電ペア40を組んでおり、いずれか一方のセル30がバイパスされるので、電力変換装置10は、動作を継続することができる。
本実施形態の電力変換装置の効果について、比較例の電力変換装置と比較しつつ説明する。
図5は、比較例の電力変換装置の一部を例示するブロック図である。
図5に示すように、比較例の電力変換装置では、制御装置150は、基準信号生成部153と、加算器54(2)〜54(M)と、キャリア信号生成部55(1)〜55(M)と、を含む。
基準信号生成部153は、基準となる位相を有する基準信号D1を生成する。基準信号生成部153は、位相シフトのための位相差Δφ1’を生成する。位相差Δφ1’は360°/Mである。
基準信号D1の位相は、位相差Δφ1’だけ位相シフトされ、位相シフト信号D2’が生成される。位相シフト信号D2’は、キャリア信号生成部55(2)によってキャリア信号φ2’に変換される。同様にして、各位相シフト信号D3’〜DM’が生成され、各位相シフト信号D3’〜DM’は、キャリア信号φ3’〜φM’にそれぞれ変換される。隣接するセル30は、1周期分を単位アーム内のセル30の個数Mで除した位相差Δφ1’で位相シフトPWM制御される。
図6は、比較例の電力変換装置の動作を説明するための模式的な波形図である。
図6に示すように、比較例の電力変換装置においては、隣接するセルのリップルの位相差は、Δφ1’(=360°/M)である。Mが大きい場合には、Δφ1’は十分小さくなる。そのため、時刻t1’において事故発生等によるセル電圧Vcell上昇が生じた場合には、隣接するセル30のいずれのセル電圧Vcellも過電圧検出値Vovを超えてしまう可能性が高い。隣接するセルが主回路給電ペア40を組んでいる場合には、時刻t1’以降で、比較例の電力変換装置は、過電圧保護機能によって動作を停止する。
交流系統の地絡事故等は、基幹系の送電網では、落雷等によって地絡事故等を生じ、事故の状態が重大である場合には、適切に電力変換装置を事故から保護する必要がある。一方で、落雷等による軽微で一時的な事故状態は頻繁に生じうるものであり、電力変換装置がその保護機能によって頻繁に停止するのでは、送電網の安定性が損なわれるおそれがある。
本実施形態の電力変換装置10では、隣接するセル30の位相シフト量が1周期をセル個数Mで除した値よりも十分大きく設定されている。そのため、セル電圧Vcellが通常の値よりも上昇したり、低下したりした場合であっても、隣接するセル30がともに過電圧検出値や低電圧検出値に達することが少なくなる。したがって、電力変換器20を適切に過電圧や低電圧状態から保護しつつ、電力変換器20の動作を継続することができる電力変換装置10が実現される。
上述では、隣接するセル30の位相差は十分に大きければよく、180°に限らない。位相差の設定精度等に応じて、たとえば120°〜240°のように設定してもよい。あるいは、360°を4分割して、隣接するセルの位相差を90°とし、4つのグループごとに90°/Mだけの位相差を付与するようにしてもよい。また、位相差については、厳密にたとえば180°等とする必要はなく、175°および185°のように任意の値に設定し、それぞれのグループで位相差を175°/M、185°/Mのように設定してもよい。
(第2の実施形態)
上述した実施形態の場合には、過電圧等によってバイパスされたセル30を除いた状態で、そのまま電力変換器20の動作を継続させたが、本実施形態では、バイパスされたセル30を除いた新たなセル数にもとづいて、グループごとの位相差を再計算する。バイパスされた単位アーム内では、残ったセル数にもとづいて再計算された位相差によって位相シフトPWM制御が行われる。
図7は、本実施形態に係る電力変換装置を例示するブロック図である。
図7に示すように、本実施形態の電力変換装置210は、電力変換器20と、制御装置250と、を備える。電力変換器20は、上述の他の実施形態の場合と同じである。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
制御装置250は、位相差再計算部257を含む。位相差再計算部257は、単位アーム22ごとに、バイパスされていない動作可能なセル数M’を入力して、このセル数M’にもとづいて、位相差Δφ2’を再計算する。上述した他の実施形態の場合をあてはめると、グループ化のための位相差Δφ1を180°の場合には、Δφ2’=180°/M’=180°/(M−m)である。ここで、mは、バイパスされたセル数である。
本実施形態の電力変換装置210では、位相差再計算部257は、単位アームごとの動作可能なセル数のデータを有している。位相差再計算部257は、過電圧等によってバイパスされたセルが発生するごとに、動作可能なセル数のデータを更新する。位相差再計算部257は、更新された動作可能なセル数のデータにもとづいて、位相差Δφ2’を計算して、基準信号生成部53に計算結果のデータを供給する。
基準信号生成部53では、再計算された位相差Δφ2’にもとづいて各種信号を生成し出力する。
本実施形態の電力変換装置210の効果について説明する。
いずれかのセルがバイパスされた場合には、キャリアの位相が近いセルの電圧がわずかずつ上がる。しかし、上述の他の実施形態の場合ででは、隣接するセルのキャリア位相差は大きく離れて設定されている。キャリアの位相が遠いセルの電圧を上げても、アームの電圧を部分的に上昇させる効果にはならず、平均値制御によって電圧が低くなるセルも生ずる。
本実施形態の電力変換装置では、一部のセルがバイパスされた後に、位相差Δφ2’を再計算して適用して、セル電圧出力の抜けを補正するので、一部のセルの電圧が上がることはなく、全体がバランスして上昇することになる。したがって、バイパス後に十分な値の電圧の補償を行うことができる。
以上説明した実施形態によれば、交流系統に地絡等の事故を生じても、過電圧や低電圧保護機能によって停止することなく、動作を継続することを可能にする電力変換装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 交流系統、2 変圧器、3 直流系統、10 電力変換装置、20 電力変換器、22 単位アーム、24 変圧器、30 単位変換器(セル)、32 スイッチ部、34 主回路給電部、35 ゲート駆動回路、40 主回路給電ペア、50 制御装置、52 キャリア分散部、53 基準信号生成部、210 電力変換装置、250 制御装置、257 位相差再計算部

Claims (6)

  1. 直列接続された複数の単位変換器を含む電力変換器と、
    前記複数の単位変換器のそれぞれのために分散された位相を有するキャリア信号を生成するキャリア分散部を含む制御装置と、
    を備え、
    前記キャリア分散部は、前記複数の単位変換器のうち隣接して接続された単位変換器に対しては、360°を前記複数の単位変換器の個数で除した値よりも大きい位相シフト量を有する前記キャリア信号を生成する電力変換装置。
  2. 前記複数の単位変換器のそれぞれは、
    コンデンサと、
    前記コンデンサを充放電する2以上のスイッチング素子と、
    前記2以上のスイッチング素子を駆動するゲート駆動回路と、
    前記コンデンサに蓄積されたエネルギによって前記ゲート駆動回路に電力を供給する給電回路と、
    を含み、
    前記複数の単位変換器うちの1つの単位変換器が、自己の前記給電回路から給電できないときには、前記複数の単位変換器のうち隣接して接続された他の単位変換器の給電回路から電力の供給を受ける請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御装置は、前記電力変換器の動作を遮断する保護機能を含み、
    前記1つの単位変換器または前記他の単位変換器のうちのいずれか一方に過大な電圧が印加され、または、過少な電圧が印加された場合には、
    前記保護機能は、前記電力変換器の動作を継続する請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記複数の単位変換器のうちの各単位変換器に、過大な電圧が印加され、または過少な電圧が印加された場合には、
    前記制御装置は、その前記単位変換器をバイパスする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電力変換装置。
  5. 前記キャリア分散部は、前記複数の単位変換器のうちバイパスされた前記単位変換器を除いた残りの単位変換器の数にもとづいて、前記位相シフト量を設定する請求項4記載の電力変換装置。
  6. 前記位相シフト量は、120°〜240°である請求項1〜5のいずれか1つに記載の電力変換装置。
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