JP2019092262A - 電線の接続構造 - Google Patents

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Daisuke Miyagawa
大亮 宮川
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Abstract

【課題】少ない部品点数で電線と相手導体部材とを分離可能に、かつ、直線状に固定できる電線の接続構造を提供する。【解決手段】単芯の導体21を有する電線11と、導体21の延在方向に対して直交する導体端面25から延在方向に沿って延出して導体21よりも小外径で形成された小径延出部13と、導体21の延在方向に対して直交する方向へ曲げられた小径延出部13の延出先端に雄ねじが形成された雄ねじ締結部15と、接続端末29が平板状に形成されるとともに雄ねじ締結部15が挿通される締結穴35が穿設され、この締結穴35に雄ねじ締結部15が挿通されると同時に接続端末29の平板先端面33が導体端面25に当接する相手電線17と、締結穴35を貫通した雄ねじ締結部15に螺合して小径延出部13と相手導体部材の接続端末29を固定するナットと、を備えた電線の接続構造。【選択図】図1

Description

本発明は、電線の接続構造に関する。
例えば車両に搭載される電線は、種々の構造で接続される。特許文献1に開示されたシールドフラットケーブル及びその接続構造では、平角導体の端末部に貫通孔が形成され、この貫通孔に通したネジが、接続相手となる接続部の孔に螺着される。螺着は、一般的にネジにナットを螺合して行われる。
また、特許文献2に開示された導電線及びその配索構造では、単芯線電線の端部に導体露出部が形成され、撚線電線の端部に素線露出部が形成される。導体露出部には圧潰部が形成され、素線露出部には各素線同士が溶着された接合ブロック部が形成される。そして、圧潰部と接合ブロック部とは、重ね合わせた状態で超音波溶接機によって接合される。
特開2011−113928号公報 特開2016−58137号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のシールドフラットケーブル及びその接続構造は、ネジ(ボルト)とナットを用いるため、部品点数の多い接続構造となる。また、導体の端末部と、接続相手とを接続するときに、貫通孔に通したネジを中心に、導体の端末部と接続相手とが相対回転し、導体の端末部と接続相手とを直線状に接続しにくいという問題がある。
一方、特許文献2の導電線及びその配索構造は、部品点数は少ないが、圧潰部と接合ブロック部とが重ね合わせた状態で超音波接合機によって接合されるため、容易に接続部を分離できないという問題がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、少ない部品点数で電線と相手導体部材とを分離可能に、かつ、直線状に固定できる電線の接続構造を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 単芯の導体を有する電線と、前記導体の延在方向に対して直交する導体端面から前記延在方向に沿って延出して前記導体よりも小外径で形成された小径延出部と、前記導体の延在方向に対して直交する方向へ曲げられた前記小径延出部の延出先端に雄ねじが形成された雄ねじ締結部と、接続端末が平板状に形成されるとともに前記雄ねじ締結部が挿通される締結穴が穿設され、前記締結穴に前記雄ねじ締結部が挿通されると同時に前記接続端末の平板先端面が前記導体端面に当接する相手導体部材と、前記締結穴を貫通した前記雄ねじ締結部に螺合して前記小径延出部と前記相手導体部材の前記接続端末を固定するナットと、を備えることを特徴とする電線の接続構造。
上記(1)の構成の電線の接続構造によれば、電線の導体端面に形成された小径延出部の延出先端における雄ねじ締結部が、相手導体部材の接続端末に形成された締結穴に嵌入される。相手導体部材は、締結穴に雄ねじ締結部が嵌入されると、この雄ねじ締結部を介して電線と連結状態となり、導体端面から離反する方向の移動が規制される。同時に、相手導体部材は、接続端末の平板先端面が、電線の導体端面に面接触した状態で当接する。相手導体部材と電線とは、締結穴に雄ねじ締結部が嵌入され、かつ、平板先端面が導体端面に当接されることにより、雄ねじ締結部を中心とする相対回転が規制され、直線状に位置決めされる。また、電線は、導体端面から延出した小径延出部の延出先端に雄ねじ締結部が形成されるので、相手導体部材と締結するためボルトやネジが不要となる。そして、電線と相手導体部材とは、ナットを締結解除し、雄ねじ締結部を締結穴から抜脱すれば、容易に分離が可能となる。
(2) 上記(1)に記載の電線の接続構造であって、前記導体が、アルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする電線の接続構造。
上記(2)の構成の電線の接続構造によれば、導体がアルミニウム又はアルミニウム合金であることにより、円柱形状の導体端末に、切削加工によらず、例えばプレスやすえ込み鍛造等によって小径延出部の形成が可能となる。例えばすえ込み鍛造により小径延出部を形成することによって、無駄な切削屑が生じず、材料コストの増大を抑制できる。また、すえ込み鍛造等が可能となることにより、導体端面と小径延出部との異径接続部の接続強度低下を抑制できる。
(3) 上記(1)または(2)に記載の電線の接続構造であって、前記平板先端面が、前記導体端面の直径部に当接することを特徴とする電線の接続構造。
上記(3)の構成の電線の接続構造によれば、例えば接続端末の幅が導体端面の直径と略同一の場合、円形状の導体端面の直径部(最大幅部)には、矩形状の平板先端面の全体を当接させることが可能となる。即ち、平板先端面は、直径部以外の他の部分で導体端面に当接する場合に比べ、最大面積で導体端面に当接することができる。これにより、雄ねじ締結部を中心とする平板先端面と導体との相対回転をより確実に規制することができるようになる。
(4) 上記(1)〜(3)の何れか1つに記載の電線の接続構造であって、前記平板先端面が当接する前記導体端面は、前記小径延出部が延出する前記導体端面よりも前記小径延出部の延出方向と反対側に平行に後退して形成されていることを特徴とする電線の接続構造。
上記(4)の構成の電線の接続構造によれば、導体端面には、段部が形成される。段部を境に、小径延出部の延出する導体端面(前方側導体端面)が電線の前方側に位置し、平板先端面の当接する導体端面(後方側導体端面)が電線の後方側に位置する。そこで、この前方側導体端面と後方側導体端面とを接続する直交面は、導体の延在方向に沿う平坦な締結座面となる。この構成によれば、相手導体部材は、締結穴に嵌入した雄ねじ締結部にナットが締め付けられると、この締結座面に接続端末の平板先端面に隣接する直交平面が密着する。これにより、電線と相手導体部材とは、接触面積を拡大して通電面積を大きく確保することができる。
本発明に係る電線の接続構造によれば、少ない部品点数で電線と相手導体部材とを分離可能に、かつ、直線状に固定できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る電線の接続構造を表す斜視図である。 図1に示した電線及び相手導体部材の軸線に沿う縦断面図である。 図1に示した電線及び相手導体部材の分解斜視図である。 図3に示した電線の製作工程を表した手順説明図である。 図3に示した相手導体部材における接続端末の製作工程を表した手順説明図である。 (a)は、四角柱形状に形成された小径延出部を備えた変形例に係る電線の斜視図、(b)は平角導体を用いた変形例に係る相手導体部材の斜視図である。 電気接続箱に設けられた端子部としての変形例に係る相手導体部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る電線の接続構造を説明する図であり、(a)は電線の小径延出部を示す斜視図、(b)は(a)に示した電線が相手導体部材に接続された状態を示す斜視図である。 小径延出部が導体端面の下部から延設された変形例に係る電線の作用を説明する図である。 導体端面が前方側導体端面と後方側導体端面とからなる本発明の第3実施形態に係る電線の接続構造を表す縦断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る電線の接続構造を表す斜視図、図2は図1に示した電線11及び相手電線17の軸線に沿う縦断面図、図3は図1に示した電線11及び相手電線17の分解斜視図である。
本実施形態に係る電線の接続構造は、図1及び図2に示すように、電線11と、電線11の導体端面25に形成された小径延出部13と、小径延出部13の延出先端に形成された雄ねじ締結部15と、電線11に接続される相手導体部材である相手電線17と、雄ねじ締結部15に螺合するナット19と、を主要な構成として有する。
電線11は、単芯の導体21を有する。本実施形態において、導体21は、アルミニウムやアルミニウム合金製の導体である。導体21は、長尺の円柱形状に形成されている。導体21の外周には、絶縁被覆23が設けられている。導体21は、アルミニウム又はアルミニウム合金を選択することにより、後述するすえ込み鍛造等を容易とすることができる。この他、導体21には、銅や銅合金等の他の導電性金属が用いられてもよい。
小径延出部13は、図3に示すように、導体21の延在方向に対して直交する導体端面25から延在方向に沿って延出している。この小径延出部13は、導体21の外径よりも小さい外径で形成されている。本第1実施形態において、小径延出部13は、例えばすえ込み鍛造等により円柱形状に形成される。
雄ねじ締結部15は、小径延出部13の延出先端に形成される。雄ねじ締結部15は、小径延出部13が導体21の延在方向に対して直交する方向へ曲げられた部分に雄ねじ27を有して形成される。雄ねじ27は、小径延出部13が曲げられる前に形成されても、小径延出部13が曲げられた後に形成されてもよい。本実施形態において、雄ねじ締結部15は、小径延出部13の延出先端に雄ねじ27が形成された後、雄ねじ形成部分の近傍が導体21の延在方向に対して直交する方向に曲げられる。
図4は図3に示した電線11の製作工程を表した手順説明図である。
雄ねじ締結部15を有する電線11を製造するには、図4に示すように、先ず、電線11の端部から所定長さの絶縁被覆23を除去し、円柱形状の導体21のみを露出させる。この導体露出長W1は、例えばすえ込み鍛造を行う際に必要となるグリップダイスと、パンチによって押しつぶされる被加工部分を含む合計長となる。すえ込み鍛造等では、潰される被加工部分の体積と、潰されて成形された後の小径延出部13の体積とが等しくなる。従って、すえ込み鍛造等による小径延出部13の成形は、材料に無駄がなく、大量生産に適する。
小径延出部13が形成された後、小径延出部13の延出先端に雄ねじ27を螺刻する。その後、雄ねじ27の形成長よりも先端から長い位置を折り曲げ位置として、小径延出部13を導体21の延在方向に対して直交する方向に曲げる。これにより、L字形状の雄ねじ締結部15を有した電線11の製造が完了する。
なお、図6(a)に示す電線11Aのように、小径延出部13は、円柱形状の他、四角柱形状で形成してもよい。この場合、延出先端における雄ねじ27の形成部分は、予め円柱形状とすることが好ましい。延出基部が四角柱形状に形成された小径延出部13によれば、相手電線17の後述する接続端末29との接触面積を拡大して通電面積を大きく確保することが可能となる。
相手電線17は、図3に示すように、接続端末29が四角形の平板状に形成される。本第1実施形態において、相手導体部材における接続端末29は、相手電線17の導体31によって形成される。導体31は、電線11の導体21と同一の外径を有する長尺の円柱形状で形成される。接続端末29は、導体31の延在方向に沿って2辺が平行となる正方形または長方形の平板状となる。従って、接続端末29の平板先端面33は、導体31の延在方向に直交する矩形平面となっている。
なお、本実施形態に係る相手導体部材は、相手電線17のような電線に限定されない。相手導体部材としては、後述するように、端子であってもよい。
相手電線17の接続端末29には、雄ねじ締結部15の挿通される締結穴35が、板面の略中央部で板厚方向に貫通して穿設されている。相手電線17は、この締結穴35に雄ねじ締結部15が挿通されると同時に、接続端末29の平板先端面33が、電線11の導体端面25に面接触した状態で当接する。そして、雄ねじ締結部15と締結穴35とは、締結穴35に僅かなクリアランスで挿入(嵌入)される寸法関係(嵌め合い)となっている。
図5は、図3に示した相手電線17における接続端末29の製作工程を表した手順説明図である。
接続端末29を有する相手電線17を製造するには、図5に示すように、先ず、相手電線17の端部から所定長さの絶縁被覆23を除去し、円柱形状の導体31のみを露出させる。この導体露出長W2は、平板状の接続端末29をプレスや鍛造を行う際に必要となる被加工部分を含む合計長となる。プレス等により平板状に形成された接続端末29には、締結穴35が穿設される。締結穴35は、雄ねじ締結部15が嵌入する内径で形成される。なお、締結穴35は、導体31を平板状に成形する際にブランキング等により同時に穿設してもよい。これにより、接続端末29を有した相手電線17の製造が完了する。
なお、本実施形態に係る相手導体部材の導体は、上述した本第1実施形態の円柱形状の導体31に限定されない。相手導体部材の導体は、例えば図6(b)に示すような平角導体37であってもよい。この場合においても、平角導体37の端部には、締結穴35が穿設された平板状の接続端末29が形成される。
図7はボックス39に設けられた端子部41としての変形例に係る相手導体部材の斜視図である。
上記第1実施形態では、相手導体部材が円柱形状の導体31や平角導体37を有する電線である場合を例示したが、本発明に係る電線の接続構造は、図7に示すように、相手導体部材が分岐ボックスや端子ボックス(端子台を含む)等の電気接続箱であるボックス39に設けられた端子部41であってもよい。この場合においても、相手導体部材としての端子部41には、締結穴35が穿設された平板状の接続端末29が形成される。
上記のようにして雄ねじ締結部15が形成された電線11と、平板状の接続端末29が形成された相手電線17(又は端子部41)とは、図3(又は図7)に示すように、雄ねじ締結部15が接続端末29の締結穴35に挿入される。締結穴35を貫通した雄ねじ締結部15の雄ねじ27には、ナット19が螺合される。ナット19は、雄ねじ27に締め付けられることにより、小径延出部13と相手電線17(又は端子部41)の接続端末29とを固定する。この際、接続端末29の平板先端面33が、導体端面25に当接状態となって連結される。
なお、電線11と相手電線17(又は端子部41)とは、接続後、絶縁被覆23が除去されて露出した導体21及び導体31、並びに小径延出部13、接続端末29、ナット19が、不図示の絶縁テープや熱収縮チューブ等に覆われて電気的に絶縁されることが望ましい。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本第1実施形態に係る電線の接続構造では、図1〜図3に示したように、電線11の導体端面25には、導体21の延在方向に沿って小外径の小径延出部13が延出して形成される。この小径延出部13の延出先端には、導体21の延在方向に対して直交する方向へ曲げられた雄ねじ締結部15が形成されている。雄ねじ締結部15は、相手導体部材である相手電線17の平板状に形成された接続端末29に形成された締結穴35に嵌入される。
相手電線17は、締結穴35に雄ねじ締結部15が嵌入されると、この雄ねじ締結部15を介して電線11と連結状態となり、導体端面25から離反する方向の移動が規制される。同時に、相手電線17は、接続端末29の平板先端面33が、電線11の導体端面25に面接触した状態で当接する。相手電線17と電線11とは、締結穴35に雄ねじ締結部15が嵌入され、かつ、平板先端面33が導体端面25に当接されることにより、雄ねじ締結部15(雄ねじ27の軸線)を中心とする相対回転(図1中、矢印方向の回転)が規制され、直線状に位置決めされる。
また、電線11は、導体端面25から延出した小径延出部13の延出先端に雄ねじ締結部15が形成されるので、相手電線17と締結するためのボルトやネジが不要となる。そして、電線11と相手電線17とは、ナット19を締結解除し、雄ねじ締結部15を締結穴35から抜脱すれば、容易に分離が可能となる。
また、本第1実施形態に係る電線の接続構造では、導体21がアルミニウム又はアルミニウム合金であることにより、電線11における円柱形状の導体端末に、切削加工によらず、プレスやすえ込み鍛造によって小径延出部13の形成が可能となる。例えばすえ込み鍛造により小径延出部13を形成することによって、無駄な切削屑が生じず、材料コストの増大を抑制できる。また、すえ込み鍛造等が可能となることにより、導体端面25と小径延出部13との異径接続部の強度低下を抑制できる。
図8は本発明の第2実施形態に係る電線の接続構造を説明する図であり、(a)は電線11Bの小径延出部13を示す斜視図、(b)は(a)に示した電線11Bが平角導体37に接続された状態を示す斜視図である。
本発明に係る電線の接続構造では、上記第1実施形態における電線11のように、小径延出部13が導体端面25の中心に配置されていなくてもよい。本第2実施形態に係る電線の接続構造は、図8に示すように、電線11Bの小径延出部13が導体端面25の中心よりも上側に位置しており、円形状の導体端面25の直径部(最大幅部)に、平角導体37における矩形状の平板先端面33の全体を当接することが可能となる。
本第2実施形態に係る電線の接続構造では、平角導体37の接続端末29が導体21の導体端面25の直径と略同一の幅を有している。そこで、導体端面25の直径部には、平板先端面33の全体を当接させることが可能となる。即ち、平板先端面33は、直径部以外の他の部分で導体端面25に当接する場合(図1参照)に比べ、最大面積で導体端面25に当接することができる。これにより、雄ねじ締結部15を中心とする接続端末29と導体21との相対回転をより確実に規制することができる。
図9は小径延出部13が導体端面25の下部から延設された変形例に係る電線の作用を説明する図である。
また、本発明に係る電線の接続構造は、図9に示すように、電線11Cの小径延出部13が、導体端面25の中心よりも下側に位置していてもよい。この場合でも、平板先端面33の一部分が導体端面25に当接することにより、雄ねじ締結部15を中心とする接続端末29と導体21との相対回転を規制することができる。
即ち、本発明に係る電線の接続構造では、小径延出部13が導体端面25のどこに配置されていても、接続端末29と導体21との間に回転防止機能が働く。このため、本発明に係る電線の接続構造では、小径延出部13を導体端面25に成形する際の位置精度を緩和でき、電線11(11A,11B,11C)の製造を容易とすることができる。
図10は導体端面25が前方側導体端面43と後方側導体端面45とからなる本発明の第3実施形態に係る電線の接続構造を表す縦断面図である。
本第3実施形態に係る電線の接続構造では、接続端末29の平板先端面33が当接する導体端面25は、小径延出部13が延出する導体端面25よりも小径延出部13の延出方向と反対側に平行に後退して形成されている。即ち、電線11Dは、導体端面25に段部49が形成されている。
本第3実施形態に係る電線の接続構造では、段部49を境に、小径延出部13の延出する導体端面25(前方側導体端面43)が電線11Dの前方側に位置し、平板先端面33の当接する導体端面25(後方側導体端面45)が電線11Dの後方側に位置する。そこで、この前方側導体端面43と後方側導体端面45とを接続する直交面は、導体21の延在方向に沿う平坦な締結座面51となる。この締結座面51は、平板先端面33に隣接する接続端末29の直交平面53と面接触した状態で当接する。
本第3実施形態に係る電線の接続構造によれば、相手電線17は、締結穴35に嵌入した雄ねじ締結部15にナット19が締め付けられると、この締結座面51に接続端末29の直交平面53が密着する。これにより、電線11Dと相手電線17とは、接触面積を拡大して通電面積を大きく確保することができる。
従って、上記各実施形態に係る電線の接続構造によれば、少ない部品点数で電線11(11A,11B,11C,11D)と相手電線17(平角導体37、端子部41)とを分離可能に、かつ、直線状に固定できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
ここで、上述した本発明に係る電線の接続構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 単芯の導体(21)を有する電線(11,11A,11B,11C,11D)と、
前記導体(21)の延在方向に対して直交する導体端面(25)から前記延在方向に沿って延出して前記導体(21)よりも小外径で形成された小径延出部(13)と、
前記導体(21)の延在方向に対して直交する方向へ曲げられた前記小径延出部(13)の延出先端に雄ねじ(27)が形成された雄ねじ締結部(15)と、
接続端末(29)が平板状に形成されるとともに前記雄ねじ締結部(15)が挿通される締結穴(35)が穿設され、前記締結穴(35)に前記雄ねじ締結部(15)が挿通されると同時に前記接続端末(29)の平板先端面(33)が前記導体端面(25)に当接する相手導体部材(相手電線17、平角導体37、端子部41)と、
前記締結穴(35)を貫通した前記雄ねじ締結部(15)に螺合して前記小径延出部(13)と前記相手導体部材(相手電線17、平角導体37、端子部41)の前記接続端末(29)を固定するナット(19)と、
を備えることを特徴とする電線の接続構造。
[2] 前記導体(21)が、アルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする上記[1]に記載の電線の接続構造。
[3] 前記平板先端面(33)が、前記導体端面(25)の直径部に当接することを特徴とする上記[1]または[2]に記載の電線の接続構造。
[4] 前記平板先端面(33)が当接する前記導体端面(25)は、前記小径延出部(13)が延出する前記導体端面(25)よりも前記小径延出部(13)の延出方向と反対側に平行に後退して形成されていることを特徴とする上記[1]〜[3]の何れか1つに記載の電線の接続構造。
11…電線
13…小径延出部
15…雄ねじ締結部
17…相手電線(相手導体部材)
19…ナット
21…導体
25…導体端面
27…雄ねじ
29…接続端末
33…平板先端面
35…締結穴

Claims (4)

  1. 単芯の導体を有する電線と、
    前記導体の延在方向に対して直交する導体端面から前記延在方向に沿って延出して前記導体よりも小外径で形成された小径延出部と、
    前記導体の延在方向に対して直交する方向へ曲げられた前記小径延出部の延出先端に雄ねじが形成された雄ねじ締結部と、
    接続端末が平板状に形成されるとともに前記雄ねじ締結部が挿通される締結穴が穿設され、前記締結穴に前記雄ねじ締結部が挿通されると同時に前記接続端末の平板先端面が前記導体端面に当接する相手導体部材と、
    前記締結穴を貫通した前記雄ねじ締結部に螺合して前記小径延出部と前記相手導体部材の前記接続端末を固定するナットと、
    を備えることを特徴とする電線の接続構造。
  2. 前記導体が、アルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の電線の接続構造。
  3. 前記平板先端面が、前記導体端面の直径部に当接することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電線の接続構造。
  4. 前記平板先端面が当接する前記導体端面は、前記小径延出部が延出する前記導体端面よりも前記小径延出部の延出方向と反対側に平行に後退して形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電線の接続構造。
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