JP2019091712A - 固体酸化物形燃料電池用セルモジュール及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用セルモジュール及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】単セルの作動限界温度を超え難くし、耐久性の低下を抑制することが可能な固体酸化物形燃料電池用セルモジュールを提供する。【解決手段】ガス透過性を有するセル基板と、セル基板上に形成される、燃料極及び空気極のいずれか一方の電極と、一方の電極上に形成される固体電解質と、固体電解質上に形成される他方の電極と、を備え、燃料ガスと酸化剤ガスとを並行して流す場合、ガス流れ方向におけるセル基板の出口部のガス透過率が、セル基板の出口部以外の部分のガス透過率よりも低い固体酸化物形燃料電池用セルモジュールである。【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池用セルモジュール及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池に関する。詳細には本発明は、過度な温度上昇を抑制した固体酸化物形燃料電池用セルモジュール及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池に関する。
地球環境問題への関心の高まりから、近年、各種燃料電池の自動車への利用が検討されている。そして、各種燃料電池の中でも固体酸化物形燃料電池(SOFC)は効率が高く、自動車用電源として注目されている。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、安定化ジルコニアやセリア系固溶体のような酸素イオン伝導性を備えた固体酸化物材料を電解質として用いている。さらにSOFCは、固体電解質の両面に、ガス透過性を備えた空気極と燃料極とをそれぞれ積層して単セルを構成している。そして、ガス不透過性の固体電解質を隔壁として、外部から燃料極側に水素や炭化水素等の燃料ガスを供給し、空気極側には空気等の酸化剤ガスを供給して電気を発生させる。なお、燃料ガスとしては、水素や炭化水素以外にも、各種液体燃料を改質して得られる改質ガスを用いる場合がある。
固体酸化物形燃料電池を自動車等に適用する場合、利用形態の特殊性として、高出力運転と高耐久性が同時に求められることがある。例えば、特許文献1では、固体電解質層、第1多孔質電極層、第2多孔質電極層、及びこれらを支持するための導電性多孔質支持体を備え、導電性多孔質支持体の表面とガスが接触した状態で流通するガス流通路が設けられた電気化学セルを開示している。そして、導電性多孔質支持体が気孔率の異なる部分を有し、かつ、気孔率の異なる部分が、ガス流通路のガス流れ方向の上流側で気孔率が低く下流側で気孔率が高くなっている構成を開示している。このように、ガス流通路の上流側で気孔率が低く下流側で気孔率を高める構成とすることで、電気化学セルの高性能化及び高効率化を図っている。
特許第5364477号公報
ここで、固体酸化物形燃料電池は、発電時において単セルに温度分布が発生する。つまり、単セルの面内で燃料ガスと酸化剤ガスとが同じ方向に流れる並行流の場合、燃料ガスと酸化剤ガスの出口において単セルの温度が最も高くなる。このため、特許文献1のように、単セルの下流側で気孔率を高くすると、そもそも単セル温度の高い下流部で気孔率を上げて発電を増加させるため、単セルの温度が過度に上昇してしまう。その結果、セル材料の特性で決まる作動限界温度を越え、単セルにダメージを与え、耐久性の低下を招く恐れがあった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、単セルの作動限界温度を超え難くし、耐久性の低下を抑制することが可能な固体酸化物形燃料電池用セルモジュール及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュールは、ガス透過性を有するセル基板と、セル基板上に形成された燃料極、固体電解質及び空気極を有する。そして、燃料ガスと酸化剤ガスとを対向して流す場合、セル基板の中央部のガス透過率が、入口部及び出口部のガス透過率よりも低い。また、燃料ガスと酸化剤ガスとを並行して流す場合、セル基板の出口部のガス透過率が、出口部以外の部分のガス透過率よりも低い。
本発明の固体酸化物形燃料電池用セルモジュールを用いることで、セル基板におけるガス透過率が減少した部分に対向する単セルの発電量が減少する。そのため、セルモジュールの最高温度を低くし、セルモジュールの耐久性の低下を抑制することが可能となる。
図1は、固体酸化物形燃料電池用セルモジュールを示す概略断面図である。(a)は燃料ガスと酸化剤ガスとが並行流の場合を示し、(b)は燃料ガスと酸化剤ガスとが対向流の場合を示す。 図2は、固体酸化物形燃料電池を示す斜視図である。 図3は、セルモジュールにおけるガス流れ方向の位置とセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。 図4は、燃料ガスと酸化剤ガスが並行流であるセルモジュールにおける、ガス流れ方向の位置とセル基板のガス透過率及びセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。(a)はセルモジュールにおけるガス流れ方向の位置とセル基板のガス透過率との関係を示すグラフであり、(b)はセルモジュールにおけるガス流れ方向の位置とセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。 図5は、燃料ガスと酸化剤ガスが並行流であるセルモジュールにおける、ガス流れ方向の位置とセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。 図6は、燃料ガスと酸化剤ガスが対向流であるセルモジュールにおける、ガス流れ方向の位置とセル基板のガス透過率及びセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。(a)はセルモジュールにおけるガス流れ方向の位置とセル基板のガス透過率との関係を示すグラフであり、(b)はセルモジュールにおけるガス流れ方向の位置とセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。 図7は、セル基板のガス透過率とセルモジュールの温度との関係を示すグラフである。 図8は、第一実施形態に係るセルモジュールの製造方法を示す図である。(a)は均一なガス透過率を有するセル基板を示す概略断面図であり、(b)は圧縮加工が施されたセル基板を示す概略断面図である。(c)は、圧縮加工が施されたセル基板に空気極、固体電解質及び燃料極を積層した状態を示し、(e)のC−C線に沿った概略断面図である。(d)は、(e)のD−D線に沿った概略断面図である。(e)は、本実施形態のセルモジュールを示す底面図である。 図9は、第二実施形態に係るセルモジュールの製造方法を示す図である。(a)は均一なガス透過率を有するセル基板を示す概略断面図であり、(b)は切り欠き加工が施されたセル基板を示す概略断面図である。(c)は、切り欠き加工が施されたセル基板に空気極、固体電解質及び燃料極を積層した状態を示し、(e)のC−C線に沿った概略断面図である。(d)は、(e)のD−D線に沿った概略断面図である。(e)は、本実施形態のセルモジュールを示す底面図である。 図10は、第三実施形態に係るセルモジュールの製造方法を示す図である。(a)は均一なガス透過率を有するセル基板を示す概略断面図であり、(b)は多孔質板をセル基板に貫入する前の状態を示す概略断面図である。(c)は、貫入部が設けられたセル基板に空気極、固体電解質及び燃料極を積層した状態を示す概略断面図である。(d)は、本実施形態のセルモジュールを示す平面図である。 図11は、第四実施形態に係るセルモジュールの製造方法を示す図である。(a)は均一なガス透過率を有するセル基板を示す概略断面図であり、(b)は多孔質板をセル基板に貫入する前の状態を示す概略断面図である。(c)は、貫入部が設けられたセル基板に空気極、固体電解質及び燃料極を積層した状態を示し、(e)のC−C線に沿った概略断面図である。(d)は、(e)のD−D線に沿った概略断面図である。(e)は、本実施形態のセルモジュールを示す底面図である。 図12は、第五実施形態に係るセルモジュールの製造方法を示す図である。(a)は低透過率構造体と高透過率構造体を接合する前の状態を示す概略断面図であり、(b)は低透過率構造体と高透過率構造体を接合してなるセル基板に、空気極、固体電解質及び燃料極を積層した状態を示す概略断面図である。 図13は、第六実施形態に係るセルモジュールの製造方法を示す図である。(a)は均一なガス透過率を有するセル基板を示す概略断面図であり、(b)はセル基板にガス侵入障害部材を接合した状態を示す概略断面図である。(c)は、ガス侵入障害部材が設けられたセル基板に、空気極、固体電解質及び燃料極を積層した状態を示し、(d)のC−C線に沿った概略断面図である。(d)は、本実施形態のセルモジュールを示す底面図である。
以下、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュール及びそれを用いた固体酸化物形燃料電池について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[第一実施形態]
本実施形態に係るセルモジュール10は、図1に示すように、ガス透過性を有するセル基板1を備えている。さらにセルモジュール10は、セル基板1上に形成される、燃料極及び空気極のいずれか一方の電極2と、当該一方の電極2上に形成される固体電解質3と、固体電解質3上に形成される他方の電極4とを備えている。
さらに図2に示すように、本実施形態の固体酸化物形燃料電池20において、セルモジュール10は、燃料極インターコネクター21(燃料極セパレーター)と、空気極インターコネクター22(空気極セパレーター)とにより挟持されている。燃料極インターコネクター21は複数の燃料ガス流路21aを備え、空気極インターコネクター22は複数の酸化剤ガス流路22aを備えている。そして、燃料ガス流路21a及び酸化剤ガス流路22aは、互いに並行して配置された多数の直線状の流路(パラレル型流路)となっている。
燃料極インターコネクター21及び空気極インターコネクター22に設けられた流路(燃料ガス流路21a,酸化剤ガス流路22a)の断面形状は、リブと呼ばれる凸部と、チャネルと呼ばれる凹部とからなる。このうち、燃料極インターコネクター21及び空気極インターコネクター22の一方のリブがセル基板1と接触することにより、インターコネクターとセル基板1との間で電子を導通させる。また、燃料極インターコネクター21及び空気極インターコネクター22の他方のリブが他方の電極4と接触することにより、インターコネクターと他方の電極4との間で電子を導通させる。
ここで、燃料ガス流路21aを流れる燃料ガス及び酸化剤ガス流路22aを流れる酸化剤ガスは、セルモジュール10の面内で対向して流れる対向流(カウンターフロー)であってもよい。また、燃料ガス及び酸化剤ガスは、セルモジュール10の面内で同じ方向に流れる並行流(コーフロー)であってもよい。
なお、以下、説明の便宜上、一方の電極2を燃料極とし、他方の電極4を空気極として、本実施形態に係るセルモジュール10を説明する。この場合、燃料極インターコネクター21がセル基板1と接触し、空気極インターコネクター22が空気極と接触する構成となる。
図1(a)に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスがセルモジュール10の面内で同じ方向に流れる並行流の場合、図3に示すように燃料ガス及び酸化剤ガスの出口部1cでセルモジュール温度が最も高くなる。つまり、並行流型の場合、電池反応による発熱とジュール熱によって発生する熱が、作動流体による対流熱伝達の効果で下流側に伝わる。そのため、ガス流路の入口から出口に至るにつれて、セルモジュールの温度が上昇する。
このような現象は、セル基板1の気孔率が全面で一定の場合でも、特許文献1のように、燃料ガス及び酸化剤ガスの出口部で気孔率を上げた場合でも同様である。このことは、実験上からも文献上からも明らかで、従来より各種の報告がある。例えば、K. Lai, B.J.Koeppel, K.S.Choi, et al., “A quasi-two-dimensional electrochemistry modeling tool for planar solid oxide fuel cell stacks,” Journal of Power Sources, vol.196, no.6, pp.3204-3222, 2011.では、温度分布の実験結果とシミュレーション結果の比較が記載されている。特に、特許文献1のように、ガス下流側でセル基板の気孔率を上げる、すなわち燃料極2の発電表面部に燃料ガスを侵入しやすくすると、燃料ガスの出口部1cでの発電量が入口部1aより増加する。そのため、セル基板1の気孔率が一定の場合に比べて、出口部1cにおけるセルモジュールの温度が集中的に上昇しやすくなる。
一方、図1(b)に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスがセルモジュール10の面内で対向して流れる対向流の場合、並行流の場合と異なる温度分布を示す。具体的には、対向流の場合、セルモジュール10における酸化剤ガス及び燃料ガスの入口部1a及び出口部1cでなく、中央部1bにセルモジュール温度が高くなる部分が生じる。これは、対向流の場合には酸化剤ガスの出口側が燃料ガスの入口側となり、酸化剤ガスの出口側で低温の燃料ガスが流入する。そのため、当該出口部1c及び入口部1aよりも中央部1bのセルモジュール温度が集中的に上昇しやすくなる。
このように、燃料ガス及び酸化剤ガスが並行流及び対向流のいずれの場合も、セルモジュール10の温度が部分的に上昇し、作動限界温度を超え、耐久性の低下を招く恐れがある。そのため、部分的な温度上昇を抑制するために、本実施形態では、セルモジュール10における高温部に対応する部分のセル基板1のガス透過率を低減している。つまり、並行流の場合、セル基板1における燃料ガスの出口部1cのガス透過率を、セル基板1における出口部1c以外の部分のガス透過率よりも低く設定している。このことにより、出口部1cでは、燃料極2の表面への燃料ガスの到達が抑制されるため、単セルの下流部(出口部1c)での発電量が低下する。この場合、単セルは同一出力を得るために、不足した発電量を上流側で賄うことから、上流部(入口部1a)の発電量が増加する。その結果、低温であった入口部1aで温度が上昇し、出口部1cで温度が低下することから、出口部1cの高温集中が緩和され、セルモジュール全体の温度を均一化することが可能となる。
より詳細に説明すると、図4(a)に示すように、特許文献1では、ガス流路の下流側で気孔率を上げ、ガス透過率を高めている。しかし、本実施形態では、ガス流路の下流側でガス透過率を低く設定している。そのため、図4(b)及び図5に示すように、特許文献1の構成と比較してセルモジュール10の出口部1cでの温度が低下することから、作動限界温度を下回る状態を維持することができる。その結果、セルモジュール10の熱劣化を抑制し、耐久性を向上させることが可能となる。
上述と同様に、対向流の場合には、図6(a)に示すように、ガス流れ方向におけるセル基板1の中央部1bのガス透過率を、セル基板1における燃料ガスの入口部1a及び出口部1cのガス透過率よりも低く設定している。このことにより、中央部1bでは、燃料極2の表面への燃料ガスの到達が抑制されるため、単セルの中央部1bでの発電量が抑制される。この場合、単セルは同一出力を得るために、不足した発電量を中央部1b以外の入口部1a及び出口部1cで賄うことから、中央部1b以外の発電量が増加する。その結果、図6(b)に示すように、中央部1b以外で温度が上昇し、中央部1bで温度が低下することから、中央部1bの高温集中が緩和され、単セル全体の温度を均一化することが可能となる。
図7では、セルモジュールの温度が高い部分における、セル基板のガス透過率と最高温度との関係を示す。具体的には、並行流の場合、セル基板1における燃料ガスの出口部1cのガス透過率と最高温度との関係を示している。また、対向流の場合、ガス流れ方向におけるセル基板1の中央部1bのガス透過率と最高温度との関係を示している。図7において、ガス透過率が1.0とは、セル基板の他の場所と同じガス透過率であることを示す。また、ガス透過率が0.6とは、6割のガスが透過する、つまりガスの透過量が4割減少することを示す。
図7に示すように、ガス透過率を下げた場合、セルモジュールの最高温度は低下する傾向を示すが、ガス透過率を更に下げた場合、セルモジュールの最高温度は逆に上昇する傾向を示す。このため、セルモジュールの最高温度が最も低くなるガス透過率は0.6前後となる。したがって、セル基板の製造条件やセルモジュールの温度低下効果を考慮した場合、ガス透過率は0.4〜0.8とすることが好ましく、0.5〜0.7とすることがより好ましい。言い換えれば、セル基板1において、ガス透過率が低い部分のガス透過率は、他の部分のガス透過率の高い部分の40〜80%であることが好ましく、50〜70%であることがより好ましい。
なお、セル基板1のガス透過率の測定方法は、ガス透過率が低い部分におけるガス透過率とその他の部分のガス透過率との相対値を求めることができれば特に限定されない。セル基板1のガス透過率は、例えば差圧式ガス透過率評価装置を用いて測定することができる。
次に、反応ガスの流れ位置により、セル基板1のガス透過率を変化させるための方法について説明する。なお、説明の便宜上、対向流の場合に適用される、セル基板1の中央部1bにおけるガス透過率を低下させる方法について説明する。また、並行流の場合に適用される、セル基板1の出口部1cにおけるガス透過率を低下させる方法も同様に行うことができる。
本実施形態において、セル基板1のガス透過率は、セル基板1を圧縮してなる緻密部を設けることで低下させることができる。つまり、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分を圧縮して凹ませ、ガス透過率に変化を持たせたものである。
具体的には、図8の(a)及び(b)に示すように、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分を、セル基板1の下面から圧縮して凹ませることにより、緻密部1dを形成する。そして、図8(c)に示すように、セル基板1における下面の反対側の平滑面(上面)上に、燃料極2、固体電解質3及び空気極4を積層することにより、セルモジュール10が得られる。なお、燃料極2、固体電解質3及び空気極4の積層方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
このような緻密部1dは、セル基板1が圧縮されて密度が高まるため、燃料ガスが侵入し難くなる。そのため、緻密部1dでは燃料ガスの透過率が低下し、燃料極2へ侵入する燃料ガスが減少している。よって、このような圧縮加工が施された緻密部に対向する単セルの発電量は減少することから、セルモジュールの最高温度を低下させることができる。また、緻密部1dの圧縮量、つまり緻密部の厚みや密度を調整することで、所望のガス透過率を容易に得ることが可能となる。
なお、緻密部1dは、ガス透過率を低減させたい部分の全体に形成してもよい。つまり、対向流の場合には、セル基板1の中央部1bの全体に緻密部1dを形成してもよい。また、並行流の場合には、セル基板1の出口部1cの全体に緻密部1dを形成してもよい。ただ、緻密部1dは、セル基板1の下面から圧縮して凹ませることにより形成しているため、凹ませた部分は燃料極インターコネクター21のリブと接触しておらず、セル基板1と燃料極インターコネクター21との間の導通が十分に確保できない可能性がある。
そのため、本実施形態では、図8の(c),(d),(e)に示すように、緻密部1dを燃料ガスの流通方向(Z軸方向)に沿って長尺状に形成し、さらに複数の緻密部1dを、Z軸方向に垂直な方向(X軸方向)に間隔をあけて設けることが好ましい。このように複数の緻密部1dを間隔をあけて設けることにより、ガス透過率を低減させたい部分においても、セル基板1と燃料極インターコネクター21との間が電気的に接続される。そのため、セル基板1と燃料極インターコネクター21との間の導通を確保することが可能となる。また、複数の緻密部1dを間隔をあけて設け、さらに緻密部1dの幅、間隔及び密度を調整することにより、所望のガス透過率を得ることが可能となる。
本実施形態において、セル基板1としては、ガス透過性を有し、支持体としての十分な強度を有するものであれば、特に限定されるものではないが、電気伝導度が高いものを用いることが好ましい。例えば、ニッケル(Ni)やクロム(Cr)を含有する耐食合金や耐食鋼、ステンレス鋼などからなり、多数の空隙を備えた板状のものを適用することができる。具体的には、上記材料により構成された、パンチングメタル基板、エッチングメタル基板、エキスパンドメタル基板、発泡金属体、金属粉末焼結体、金網等の金属メッシュ、金属不織布などを用いることができる。また、これらは、必要に応じて同種又は異種のものを積層してもよい。
燃料極2としては、還元雰囲気に強く、燃料ガスを透過し、電気伝導度が高く、水素分子をプロトンに変換する触媒作用を有するものを好適に用いることができる。燃料極の構成材料としては、例えば、ニッケル(Ni)などの金属が単独で適用される場合もあるが、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)に代表される酸素イオン伝導体を混在させたサーメットを適用することが好ましい。このような材料を用いることによって反応エリアが増加し、電極性能を向上させることができる。なお、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)に替えて、サマリアドープセリア(SDC)やガドリアドープセリア(GDC)のようなセリア固溶体を適用することもできる。
空気極4としては、酸化雰囲気に強く、酸化剤ガスを透過し、電気伝導度が高く、酸素分子を酸化物イオンに変換する触媒作用を有するものを好適に用いることができる。また、空気極4は、電極触媒からなるものであっても、電極触媒と電解質材料とのサーメットからなるものであってもよい。電極触媒としては、例えば、銀(Ag)や白金(Pt)などの金属が適用される場合もあるが、ランタンストロンチウムコバルタイト(La1−xSrCoO:LSC)やランタンストロンチウムコバルトフェライト(La1−xSrCo1−yFe:LSCF)、サマリウムストロンチウムコバルタイト(SmSr1−xCoO:SSC)、ランタンストロンチウムマンガナイト(La1−xSrMnO:LSM)などのペロブスカイト型酸化物を適用することが好ましい。しかしながら、これらに限定されるものではなく、従来公知の空気極材料を適用することができる。なお、これらは一種を単独で又は複数種を組み合わせて適用することができる。さらに、電解質材料としては、例えば、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ランタン(La)などを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、各種の安定化ジルコニアやセリア固溶体などの酸化物との混合体を好適に用いることができる。
固体電解質3としては、ガス不透過性と、電子を通さずに酸素イオンを通す性能を有するものを好適に用いることができる。固体電解質の構成材料としては、例えば、イットリア(Y)や酸化ネオジム(Nd)、サマリア(Sm)、ガドリア(Gd)、スカンジア(Sc)などを固溶した安定化ジルコニアを適用することができる。また、サマリアドープセリア(SDC)やイットリアドープセリア(YDC)、ガドリアドープセリア(GDC)のようなセリア固溶体や、酸化ビスマス(Bi)、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート(La1−xSrGa1−yMg:LSMG)などを適用することもできる。
このように、本実施形態のセルモジュール10は、ガス透過性を有するセル基板1と、セル基板1上に形成される、燃料極及び空気極のいずれか一方の電極2と、一方の電極2上に形成される固体電解質3と、固体電解質3上に形成される他方の電極4とを備える。そして、燃料ガスと酸化剤ガスとを対向して流す場合、ガス流れ方向におけるセル基板1の中央部1bのガス透過率が、セル基板1の入口部1a及び出口部1cのガス透過率よりも低い構成となっている。また、本実施形態のセルモジュール10は、燃料ガスと酸化剤ガスとを並行して流す場合、ガス流れ方向におけるセル基板1の出口部1cのガス透過率が、セル基板1の出口部1c以外の部分のガス透過率よりも低い構成となっている。そのため、セル基板1におけるガス透過率が減少した部分に対向する単セルの発電量が減少することから、セルモジュールの最高温度を低下させ、セルモジュールの耐久性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態のセルモジュール10において、セル基板1のガス透過率は、セル基板1を圧縮してなる緻密部1dを設けることで低下させている。このようにガス透過率を低下させたい部分を圧縮して凹ませることにより緻密部1dを形成しているため、簡易な方法でガス透過率を低下させることが可能となる。
なお、上述では、セル基板1をガス流れ方向(Z軸方向)に沿って三等分し、燃料ガスの上流側から、入口部1a、中央部1b及び出口部1cと規定して詳述した。しかし、本実施形態はこの態様に限定されない。つまり、セル基板1をガス流れ方向(Z軸方向)に三分割以上に分割し、燃料ガスの入口を包含する部分を入口部1aとし、燃料ガスの出口を包含する部分を出口部1cとし、入口部1aと出口部1cとの間における高温の箇所を中央部1bとして規定してもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュールについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のセルモジュールは、対向流の場合には、セル基板1の中央部1bのガス透過率を入口部1a及び出口部1cのガス透過率よりも低い構成とすることは、第一実施形態と同様である。また、並行流の場合には、セル基板1の出口部1cのガス透過率を出口部1c以外の部分のガス透過率よりも低い構成とすることも、第一実施形態と同様である。本実施形態は、セル基板1のガス透過率を変化させるための方法が第一実施形態と異なる。なお、説明の便宜上、セル基板1の中央部1bにおけるガス透過率を低下させる方法について説明するが、出口部1cにおけるガス透過率を低下させる方法も同様に行うことができる。
本実施形態において、セル基板1のガス透過率は、セル基板1に溝形状の切り欠きを設けることで調整することができる。つまり、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を上昇させたい部分(例えば、入口部1aと出口部1c)の表面を切除して溝を作製し、ガス透過率の変化を持たせたものである。
具体的には、図9(a)及び(b)に示すように、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を上昇させたい部分は下面から部分的に切除して切り欠きを設け、ガス透過率を低下させたい部分は切除せずにそのまま維持する。そして、図9(c)に示すように、セル基板1における下面の反対側の平滑面(上面)上に、燃料極2、固体電解質3及び空気極4を積層することにより、セルモジュール10が得られる。なお、燃料極2、固体電解質3及び空気極4の積層方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
このように、セル基板1を部分的に切除して切り欠き1eを設けることにより、切り欠き1eが設けられた入口部1a及び出口部1cのセル基板1は燃料ガスが侵入しやすくなり、ガス透過性が向上する。逆に、切り欠き1eが設けられない中央部1bのセル基板1は、ガス透過性がそのまま維持される。そのため、セルモジュール全体で見ると、セル基板1の中央部1bのガス透過率が相対的に減少する。よって、このような切り欠き加工が施されない中央部1bに対向する単セルの発電量は減少することから、セルモジュールの最高温度を低下させることができる。また、ガス透過率の低減量は、切り欠きの幅および切除深さを調整することで、容易に調整することが可能となる。
なお、切り欠き1eは、ガス透過率を上昇させたい部分の全体に形成してもよい。つまり、対向流の場合には、セル基板1の入口部1a及び出口部1cの全体に切り欠き1eを形成してもよい。また、並行流の場合には、セル基板1の入口部1a及び中央部1bの全体に切り欠き1eを形成してもよい。ただ、切り欠き1eは、セル基板1の下面を部分的に切除ことにより形成しているため、切除した部分は燃料極インターコネクター21のリブと接触しておらず、セル基板1と燃料極インターコネクター21との間の導通が十分に確保できない可能性がある。また、切り欠き1eが増加した場合、セル基板の強度が過度に低下する恐れがある。
そのため、本実施形態では、図9の(c),(d),(e)に示すように、切り欠き1eを燃料ガスの流通方向(Z軸方向)に沿って長尺状に形成し、さらに複数の切り欠き1eを、Z軸方向に垂直な方向(X軸方向)に間隔をあけて設けることが好ましい。このように複数の切り欠き1eを間隔をあけて設けることにより、セル基板1と燃料極インターコネクター21との間が電気的に接続され、これらの間の導通を確保することが可能となる。また、複数の切り欠き1eを間隔をあけて設け、さらに切り欠き1eの幅、間隔及び切除深さを調整することにより、所望のガス透過率を得ることが可能となる。
このように、本実施形態では、セル基板1のガス透過率は、セル基板1に溝形状の切り欠きを設けることで調整している。言い換えれば、セル基板1のガス透過率は、セル基板1の見かけ体積を下げることにより調整している。そのため、セル基板1の入口部1a及び出口部1cを切り欠き、多孔質体からなるセル基板1の見かけの体積を減少させることにより、入口部1a及び出口部1cのガス透過率を高め、相対的に中央部1bのガス透過率を低下させることが可能となる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュールについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、セル基板1のガス透過率を変化させるための方法が第一実施形態と異なる。なお、説明の便宜上、セル基板1の中央部1bにおけるガス透過率を低下させる方法について説明するが、出口部1cにおけるガス透過率を低下させる方法も同様に行うことができる。
本実施形態において、セル基板1のガス透過率は、セル基板1を構成する多孔体の気孔率を下げることにより低下させることができる。つまり、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分に多孔質板を追加圧縮してセル基板に貫入させ、ガス透過率に変化を持たせたものである。
具体的には、図10の(a)及び(b)に示すように、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分に、セル基板1の下面から多孔質板1fを圧縮し、セル基板1の内部に多孔質板1fを貫入することにより、貫入部1gを形成する。そして、図10(c)に示すように、貫入加工を施したセル基板1における下面は平滑にすることができるため、当該下面に燃料極2、固体電解質3及び空気極4を積層することにより、セルモジュール10が得られる。なお、燃料極2、固体電解質3及び空気極4の積層方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
このような貫入部1gは、セル基板1に多孔質板1fが貫入し、気孔率が低下するため、燃料ガスが侵入し難くなる。そのため、貫入部1gでは燃料ガスの透過率が低下し、燃料極2へ侵入する燃料ガスが減少している。よって、貫入部1gに対向する単セルの発電量は減少することから、セルモジュールの最高温度を低下させることができる。また、貫入部1gを形成するための多孔質板1fの厚みを調整することで、所望のガス透過率を容易に得ることが可能となる。
本実施形態では、セル基板1の表面から多孔質板1fを圧縮し、セル基板1の内部に多孔質板1fを貫入することにより、貫入部1gを形成している。そのため、セル基板1の上面及び下面の両方とも平滑面とすることができるため、図10(c)のように、燃料極2、固体電解質3及び空気極4をセル基板1の下面に形成することができる。なお、燃料極2、固体電解質3及び空気極4は、セル基板1の上面に形成してもよい。
そして、セル基板1の上面及び下面を平滑面とすることができるため、第一及び第二実施形態のセル基板と比較し、燃料極インターコネクター21のリブとの接触面積が多く確保される。そのため、本実施形態のセルモジュールは、第一及び第二実施形態と比べてより発電性能を向上させることが可能となる。
なお、多孔質板1fとしては、セル基板1と同様に、ニッケル(Ni)やクロム(Cr)を含有する耐食合金や耐食鋼、ステンレス鋼などからなり、多数の空隙を備えた板状のものを使用することができる。具体的には、上記材料により構成された、パンチングメタル基板、エッチングメタル基板、エキスパンドメタル基板、発泡金属体、金属粉末焼結体、金網等の金属メッシュ、金属不織布などを用いることができる。また、多孔質板1fの形状は図10のような錐台状に限定されず、例えば直方体状であってもよい。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュールについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第三実施形態と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態において、セル基板1のガス透過率は、第三実施形態と同様に、セル基板1を構成する多孔体の気孔率を下げることにより低下させている。具体的には、図11の(a)及び(b)に示すように、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分に、セル基板1の下面から多孔質板1fを圧縮し、内部に多孔質板1fを貫入することにより貫入部1gを形成する。そして、図11(c)に示すように、セル基板1の上面に燃料極2、固体電解質3及び空気極4を積層することにより、セルモジュール10が得られる。
ここで、本実施形態では、図11の(c),(d),(e)に示すように、貫入部1gを燃料ガスの流通方向(Z軸方向)に沿って長尺状に形成し、さらに複数の貫入部1gを、Z軸方向に垂直な方向(X軸方向)に間隔をあけて設けている。このように複数の貫入部1gを間隔をあけて設け、貫入部1gの幅及び間隔を調整することにより、所望のガス透過率を得ることが可能となる。
また、第三実施形態と同様に、セル基板1の上面及び下面を平滑面とすることができるため、第一及び第二実施形態のセル基板と比較し、燃料極インターコネクター21のリブとの接触面積が多く確保される。そのため、本実施形態のセルモジュールは、第一及び第二実施形態と比べてより発電性能を向上させることが可能となる。
[第五実施形態]
次に、第五実施形態に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュールについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、セル基板1のガス透過率を変化させるための方法が第一実施形態と異なる。なお、説明の便宜上、セル基板1の中央部1bにおけるガス透過率を低下させる方法について説明するが、出口部1cにおけるガス透過率を低下させる方法も同様に行うことができる。
本実施形態において、セル基板1のガス透過率は、セル基板1を構成する多孔体の気孔率を下げることにより低下させることができる。具体的には、図12の(a)及び(b)に示すように、セル基板1のガス透過率は、気孔率を変えてガス透過率を異ならせた二種類の多孔質構造体を用い、これらを重ね合わせることにより、ガス透過率を調整している。
図12(a)に示すように、本実施形態のセル基板1は、低透過率構造体1hと、低透過率構造体1hよりもガス透過量が少ない高透過率構造体1iとを用いている。そして、低透過率構造体1hにおける中央部1bの厚みを大きくし、高透過率構造体1iにおける中央部1bの厚みを小さくしている。つまり、中央部1bに関し、積層方向(Y軸方向)における低透過率構造体1hの厚みは、高透過率構造体1iの厚みよりも大きくなっている。また、相対的に、低透過率構造体1hにおける入口部1a及び出口部1cの厚みを小さくし、高透過率構造体1iにおける入口部1a及び出口部1cの厚みを大きくしている。つまり、入口部1a及び出口部1cに関し、積層方向(Y軸方向)における低透過率構造体1hの厚みは、高透過率構造体1iの厚みよりも小さくなっている。
そして、図12(a)に示すように、低透過率構造体1hにおける凸状の中央部1bを、高透過率構造体1iにおける凹状の中央部1bに挿入するように積層することで、本実施形態に係るセル基板1が得られる。このように、ガス透過率を低くしたい部分を厚くした低透過率構造体1hと、ガス透過率を低くしたい部分以外を厚くした高透過率構造体1iとを接合することで、容易にガス透過率を調整することが可能となる。
次いで、得られたセル基板1上に、燃料極2、固体電解質3及び空気極4を積層することにより、セルモジュール10が得られる。なお、燃料極2、固体電解質3及び空気極4の積層方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
このような構成により、低透過率構造体1hが厚い部分では燃料ガスの透過率が低下し、燃料極2へ侵入する燃料ガスが減少している。よって、低透過率構造体1hの厚い部分に対向する単セルの発電量は減少することから、セルモジュールの最高温度を低下させることができる。また、低透過率構造体1hの厚みや、低透過率構造体1h及び高透過率構造体1iのガス透過率を調整することで、所望のガス透過率を容易に得ることが可能となる。
また、図12に示すように、本実施形態では、セル基板1の上面及び下面を平滑面とすることができるため、第一及び第二実施形態のセル基板と比較し、燃料極インターコネクター21のリブとの接触面積が多く確保される。そのため、本実施形態のセルモジュールは、第一及び第二実施形態と比べてより発電性能を向上させることが可能となる。
[第六実施形態]
次に、第六実施形態に係る固体酸化物形燃料電池用セルモジュールについて、図面に基づき詳細に説明する。なお、第一実施形態と同一構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、セル基板1のガス透過率を変化させるための方法が第一実施形態と異なる。なお、説明の便宜上、セル基板1の中央部1bにおけるガス透過率を低下させる方法について説明するが、出口部1cにおけるガス透過率を低下させる方法も同様に行うことができる。
本実施形態において、セル基板1のガス透過率は、セル基板1にガス侵入障害部材を設けることで低下させることができる。つまり、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分の表面にガス侵入障害部材を設置し、当該部分のガス侵入を抑制することで、ガス透過率に変化を持たせたものである。
具体的には、図13の(a)及び(b)に示すように、均一なガス透過率を持つセル基板1に対し、ガス透過率を低下させたい部分の下面にガス侵入障害部材1jを接合する。そして、図13(c)に示すように、セル基板1の上面に燃料極2、固体電解質3及び空気極4を積層することにより、セルモジュール10が得られる。なお、燃料極2、固体電解質3及び空気極4の積層方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
このようなガス侵入障害部材1jを設けることで、セル基板1におけるガス侵入障害部材1jが接合された部分に、燃料ガスが侵入し難くなる。そのため、ガス侵入障害部材1jが設けられた部分では燃料ガスの透過率が低下し、燃料極2へ侵入する燃料ガスが減少している。よって、このようなガス侵入障害部材1jが設けられた部分に対向する単セルの発電量は減少することから、セルモジュールの最高温度を低下させることができる。
ガス侵入障害部材1jは、セル基板1に対して燃料ガスの侵入を抑制する部材ならば特に限定されない。ガス侵入障害部材1jは、例えば、セル基板1と同じ材質であるが、より緻密な構造体を用いてもよく、さらに板材に多数の貫通孔を設けたものであってもよい。具体的には、パンチングメタル基板、エッチングメタル基板、エキスパンドメタル基板、発泡金属体、金属粉末焼結体、金網等の金属メッシュ、金属不織布などを用いることができる。なお、ガス侵入障害部材1jは、セル基板1の下面に接合されていればよく、またセル基板1に部分的に埋め込まれていてもよい。
また、ガス侵入障害部材1jとして、セル基板1の表面に接触するインターコネクターを使用することも可能である。つまり、セル基板1におけるガス侵入を抑制したい場所に対して、インターコネクターの接触面積を増加させ、セル基板1の内部への燃料ガスの侵入量を抑制する。逆に、セル基板1におけるガス侵入を増加したい場所に対して、インターコネクターの接触面積を減少させ、セル基板1の内部への燃料ガスの侵入量を増加させる。このような構成により、単セルの発電量を調整し、セルモジュールの最高温度を低下させることが可能となる。
以上、複数の実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
1 セル基板
1a 入口部
1b 中央部
1c 出口部
1e 切り欠き
1j ガス侵入障害部材
2 燃料極
3 固体電解質
4 空気極
10 セルモジュール
20 固体酸化物形燃料電池
21 燃料極インターコネクター
22 空気極インターコネクター

Claims (8)

  1. ガス透過性を有するセル基板と、
    前記セル基板上に形成される、燃料極及び空気極のいずれか一方の電極と、
    前記一方の電極上に形成される固体電解質と、
    前記固体電解質上に形成される他方の電極と、
    を備え、
    燃料ガスと酸化剤ガスとを並行して流す場合、ガス流れ方向における前記セル基板の出口部のガス透過率が、前記セル基板の前記出口部以外の部分のガス透過率よりも低いことを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  2. 前記セル基板のガス透過率は、前記セル基板を圧縮してなる緻密部を設けることで低下させることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  3. 前記セル基板のガス透過率は、前記セル基板に溝形状の切り欠きを設けることで調整することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  4. 前記セル基板のガス透過率は、前記セル基板の見かけ体積を下げることにより調整することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  5. 前記セル基板のガス透過率は、前記セル基板を構成する多孔体の気孔率を下げることにより低下させることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  6. 前記セル基板のガス透過率は、前記セル基板にガス侵入障害部材を設けることで低下させることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  7. 前記セル基板において、ガス透過率が低い部分のガス透過率は、他の部分のガス透過率の高い部分の40〜80%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュール。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池用セルモジュールと、
    前記固体酸化物形燃料電池用セルモジュールを挟持するインターコネクターと、
    を備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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