JP2019091529A - 燃料電池システム - Google Patents

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Takashi Koyama
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良 吉岡
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良 吉岡
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Takahiro Santo
考弘 山藤
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Abstract

【課題】燃料電池の温度が高温になった場合においても、ポンプの内部に配置されたシール部材の熱劣化を抑制可能な燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システム100は、燃料電池1と、冷却水により燃料電池1を冷却するラジエータ4と、燃料電池1で発生した水分を回収する気液分離器10と、気液分離器10の貯留部11に貯留された水を貯留タンク13に移送する第1ポンプ20と、貯留タンク13内部の水を移送する第2ポンプ40と、第2ポンプ40にて移送された水をラジエータ4に散布する為の散布用流路42と、第2ポンプ40にて移送された水を貯留部11に還流させる還流流路45と、散布用流路42側へ流れる散布流量Qdと還流流路45側へ流れる還流流量Qrを調整する流量調整弁41と、制御装置50を有している。還流条件を満たした場合、還流流量Qrが散布流量Qdよりも大きくなるように、流量調整弁41が制御される。【選択図】図1

Description

本発明は、水素と酸素(空気)との化学反応を利用して発電を行う燃料電池と、燃料電池を冷却する為の冷却装置とを有する燃料電池システムに関する。
従来、水素と酸素(空気)との化学反応を利用して発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが種々開発されている。燃料電池では、発電時の化学反応により水分および熱が発生する。燃料電池は発電効率のため定温(80℃程度)に維持する必要があり、発電時に発生する熱のほとんどを、水等の熱媒体を介してラジエータ(空冷式の冷却装置)から大気に放出している。
このような燃料電池システムに関する技術として、特許文献1に記載された発明が知られている。特許文献1に記載された燃料電池システムは、燃料電池の化学反応で発生する水を気液分離器で回収し、回収した水をポンプの作動によってラジエータに散布するように構成されている。当該燃料電池システムは、ラジエータに散布された水の蒸発潜熱により、ラジエータの冷却性能を向上させている。
特開2001−313054号公報
特許文献1に記載された燃料電池システムにおいて、燃料電池の作動温度が高温になった場合には、発電時の化学反応による排気も高温になる。この為、気液分離器の周辺も当該排気の影響を受けて高温となり、ポンプ自体の温度も上昇してしまう。
ここで、ポンプの内部には、水の吸入及び吐出動作の駆動源となる駆動機構部と、駆動機構部の作動によって水が送出される流路部とが区画されている。当該ポンプにて、流路部を流れる水が駆動機構部に浸入すると駆動機構部の故障要因となる為、駆動機構部と流路部とを区画する部分には、所定の弾性を有するシール部材が配置されている。
上述したように、燃料電池の作動温度が高温になると、ポンプ自体の温度が上昇してしまう。これに伴い、ポンプ内部に配置されたシール部材の温度も上昇してしまう為、シール部材の熱劣化が生じる虞がある。
シール部材に熱劣化が生じると、流路部の水が駆動機構部に浸入して、ポンプの故障を引き起こす場合があり、燃料電池システムの不具合の要因となってしまう。
本発明は、これらの点に鑑みてなされており、燃料電池の温度が高温になった場合においても、ポンプの内部に配置されたシール部材の熱劣化を抑制可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の燃料電池システムは、
水素と酸素とを化学反応させて電力を得る燃料電池(1)と、
熱媒体を用いて熱交換することで燃料電池を冷却する冷却装置(4)と、
化学反応で発生した気体及び水を含む混合気体から水を分離する気液分離部(10)と、
気液分離部にて分離された水を貯留する貯留部(11)と、
貯留部に接続された貯留タンク(13)と、
貯留部及び貯留タンクに接続され、貯留部に貯留されている水を貯留タンクに移送する第1ポンプ(20)と、
貯留タンクに接続され、当該貯留タンクに貯留された水を移送する第2ポンプ(40)と、
第2ポンプによって移送された水を貯留部へ導く還流流路(45)と、
第2ポンプによって移送された水を冷却装置に散布する散布部(43)と、
第2ポンプによって移送された水を散布部へ導く散布流路(42)と、
第2ポンプによって移送される水に関して、還流流路を流れる水の流量(Qr)と、散布流路を流れる水の流量(Qd)とを調整する流量調整部(41)と、
制御部(50)と、を有し、
第1ポンプは、
貯留部から貯留タンクへ水が流れる流路部(26)と、
流路部の内部の水を送出する為の駆動機構部(22)と、
流路部から駆動機構部に対する水の浸入を防止するシール部材(30)と、を有して構成されている。
当該燃料電池システムによれば、燃料電池にて水素と酸素とを化学反応させて電力を得ることができ、この化学反応で生成された水分を、気液分離部によって分離して利用することができる。
当該燃料電池システムによれば、散布流路を介して、気液分離部によって分離した水分を冷却装置に散布することができ、水の蒸発潜熱によって冷却装置の冷却性能を向上させることができる。即ち、当該燃料電池システムは、冷却装置によって燃料電池の温度を一定の範囲を維持するように制御することができるので、燃料電池における安定発電を実現することができる。
燃料電池における化学反応に際して熱が生じる為、この熱の影響によって、第1ポンプの内部の温度が高温になる場合が想定される。ここで、第1ポンプは、流路部と、駆動機構部と、シール部材とを有している為、第1ポンプの内部の温度が高温になると、シール部材に熱劣化が生じることが想定される。
この点、当該燃料電池システムは、第2ポンプにて貯留タンクから移送される水を、還流流路を介して、貯留部に還流させることができる。貯留タンクは気液分離部で分離された水の流れとして貯留部よりも下流側に位置している為、貯留タンクの内部の水は、貯留部の内部の水よりも低温になっている。
従って、当該燃料電池システムによれば、還流流路を介して、貯留タンクの水を貯留部に還流させることで、貯留部の内部における水の温度を下げることができる。当該燃料電池システムは、こうして温度の下がった水を第1ポンプによって貯留部から貯留タンクへ移送させることで、第1ポンプの内部の温度上昇を抑制することができ、シール部材の熱劣化を防止することができる。
尚、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る第1ポンプの構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムにおける制御処理の内容を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る制御マップの一例を示す説明図である。
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の実施形態において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る燃料電池システム100の構成について、図1を参照しつつ説明する。第1実施形態に係る燃料電池システム100は、燃料電池1を電源として走行する電気自動車(即ち、燃料電池車両)に適用されている。燃料電池システム100は、走行用電動モータやバッテリ等の電気機器(図示せず)に対して、燃料電池1で発電された電力を供給するように構成されている。
図1に示すように、第1実施形態に係る燃料電池システム100は、水素と酸素との化学反応を利用して電力を発生する燃料電池(FCスタック)1を有している。当該燃料電池1は、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)であり、多数のセルを組み合わせて構成されている。各セルは、電解質膜を一対の電極で挟み込んで形成されている。
燃料電池1には、空気通路2を介して、酸素を含む空気が供給される。この空気通路2には、エアポンプ6が配置されており、エアポンプ6の作動によって空気を送出して、燃料電池1に供給することができる。又、燃料電池1には、水素通路3を介して水素が供給される。
そして、燃料電池1では、以下の水素と酸素の電気化学反応が起こり、電気エネルギが発生する。従って、当該燃料電池1は、本発明における燃料電池として機能する。この電気化学反応に用いられなかった未反応の酸素及び水素は、排気ガス及び排気水素として燃料電池1から排出される。
(負極側)H→2H+2e
(正極側)2H+1/2O+2e→H
当該電気化学反応の為には、燃料電池1内の電解質膜は、水分を含んだ湿潤状態となっている必要がある。当該燃料電池システム100は、燃料電池1に供給される空気及び水素に加湿を行い、これらの加湿されたガスを燃料電池1に供給することで、燃料電池1内の電解質膜を加湿するように構成されている。
又、燃料電池1では、発電の際の電気化学反応により熱及び水分が発生する。当該燃料電池1の発電効率を考慮すると、燃料電池1は、燃料電池システム100が作動している間、一定温度(例えば80℃程度)に維持されている必要がある。又、燃料電池1内部の電解質膜は、所定の許容上限温度を超えると、高温により破壊されてしまう。この為、燃料電池1の温度が許容温度以下となるようにしておく必要がある。
図1に示すように、当該燃料電池システム100には、冷却水回路が配置されている。当該冷却水回路は、熱媒体としての冷却水を用いて、燃料電池1を冷却して当該燃料電池1の温度を調整している。この熱媒体である冷却水としては、低温時における凍結を防止する為に、例えば、エチレングリコールと水の混合溶液を用いることができる。
当該冷却水回路は、ラジエータ4と、ファン5と、冷却水流路7と、ウォータポンプ8とを有して構成されている。当該冷却水回路は、燃料電池1とラジエータ4の間で冷却水を循環させることで、燃料電池1で発生した熱を系外へ放出するように構成されている。
ラジエータ4は、燃料電池1で発生した熱を系外に放熱するように構成された熱交換器である。当該燃料電池システム100においては、冷却水回路の冷却水は、燃料電池1を流れる過程で、電気化学反応で発生した熱を吸熱して流出し、冷却水流路7を介して、ラジエータ4へ流入する。ラジエータ4では、冷却水と外気との熱交換が行われ、冷却水の熱が大気に放熱される。その後、冷却水は、ラジエータ4から燃料電池1へ向かって流れ、冷却水回路の冷却水流路7を循環する。
即ち、ラジエータ4は、熱媒体としての冷却水と大気との熱交換によって、燃料電池1の電気化学反応で生じた熱を放熱して、燃料電池1を冷却している。従って、当該ラジエータ4は、本発明における冷却装置として機能する。
又、当該ラジエータ4は、ファン5を有している。ファン5は、ラジエータ4における熱交換対象である外気をラジエータ4に送風することで、ラジエータ4における冷却水の熱交換を補助している。
ウォータポンプ8は、燃料電池1とラジエータ4を含む循環径路としての冷却水流路7に配置されており、冷却水を送出することで、冷却水流路7において冷却水を循環させている。当該燃料電池システム100では、冷却水回路における冷却水の温度制御は、ウォータポンプ8による流量制御、ファン5の送風量制御によって行われる。
当該燃料電池システム100において、燃料電池1による発電の際に発生した水分は、燃料電池1から空気通路2を介して、空気に含まれた状態で排出される。この為、空気通路2における燃料電池1の下流側には、気液分離器10が配置されている。
当該気液分離器10は、燃料電池1での発電の際に発生した水分を、空気通路2から排出された空気と共に回収し、水蒸気と水に分離する。即ち、ここでいう空気は、本発明における気体に相当し、水蒸気は本発明における混合気体に相当する。又、気液分離器10は、本発明における気液分離部として機能する。
当該気液分離器10で分離された水蒸気は、燃料電池システム100の外部に排出される。一方、気液分離器10の内部には、貯留部11が形成されている。当該貯留部11は、気液分離器10にて分離された水を一旦貯留する部分である。当該貯留部11は、本発明における貯留部として機能する。
気液分離器10の下部には、接続流路12が配置されている。当該接続流路12は、気液分離器10の貯留部11と貯留タンク13を接続しており、貯留部11内に貯留された水を貯留タンク13へ移送する際の流路を構成している。
そして、当該接続流路12には、第1ポンプ20が配置されている。当該第1ポンプ20は、気液分離器10の貯留部11に貯留されている水を吸込み、貯留タンク13へ送出する流体機械である。つまり、当該第1ポンプ20は、本発明における第1ポンプに相当する。
ここで、第1ポンプ20の具体的構成について、図2を参照しつつ説明する。図2に示すように、第1ポンプ20の外殻を構成するハウジング21の内部には、駆動機構部22と、流路部26が形成されている。
駆動機構部22は、第1ポンプ20により水を送出する為の駆動源として機能し、本発明における駆動機構部に相当する。当該駆動機構部22は、電動機である駆動モータ23を有して構成されている。駆動モータ23は、円筒状に形成されたステータの内部において、当該ステータと同軸上に配置された駆動軸24と、駆動軸24に固定されたロータとを有している。
当該駆動モータ23のステータには、コネクタ32が接続されており、コネクタハウジング31を介して、第1ポンプ20の外部に延出されている。従って、駆動モータ23は、コネクタ32を介した電力供給によって、ロータ及び駆動軸24を回転させることができる。
図2に示すように、流路部26は、第1ポンプ20における下部に配置されており、流入口部27と、流出口部28とを有している。流路部26は、流入口部27と流出口部28を接続する流路を有している。当該流路部26は、本発明における流路部に相当する。
流入口部27には、気液分離器10の貯留部11側にあたる接続流路12が接続されている。そして、流出口部28には、貯留タンク13側にあたる接続流路12が接続されている。従って、流路部26においては、貯留部11から流入口部27を介して流入した水は、流出口部28を介して貯留タンク13へ流出する。
そして、当該ハウジング21においては、連通部29が配置されている。当該連通部29は、駆動機構部22と流路部26の間を連通している。当該連通部29には、駆動モータ23の駆動軸24が挿通されている。これにより、駆動モータ23における駆動軸24の先端は、流路部26の流路内に配置される。
駆動軸24の先端部分には、インペラ25が固定されている。即ち、当該インペラ25は、駆動モータ23の駆動軸24に固定された状態で、流路部26における流路内に配置されている。当該インペラ25は、駆動モータ23の駆動によって駆動軸24と共に回転し、流入口部27側の水を吸込みつつ、当該水を流出口部28側へ送出する。
ここで、図2に示すように、連通部29の内周面と駆動軸24の外表面との間を密閉するように、シール部材30が配置されている。当該シール部材30は、例えば、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等のゴム材料にて構成されている。
これにより、当該シール部材30は、これらゴム材料の弾性力を利用して、連通部29の内周面と駆動軸24の外表面との間を密閉し、流路部26を流れる水の駆動機構部22への漏出を防止している。そして、当該シール部材30は、本発明におけるシール部材に相当する。
この点、当該シール部材30は、ゴム材料にて構成されている為、第1ポンプ20の内部温度が高温になると、熱劣化が生じる可能性を有している。シール部材30に熱劣化が生じてしまった場合、シール部材30による密閉性能が低下する。この場合、流路部26を流れる水が連通部29を介して、駆動機構部22内に浸入してしまい、駆動モータ23の作動に不具合を生じさせることが考えられる。
図1に示すように、第1ポンプ20の流出口部28に接続された接続流路12の他端部は、貯留タンク13の上部に接続されている。貯留タンク13は、ラジエータ4における放熱の影響を受けないように当該車両の前方側に配置されており、車両の走行風によっている内部の水を冷却可能に構成されている。
具体的には、車両前方における中央部分には、ラジエータ4が配置されているのに対して、当該貯留タンク13は、車両前側におけるラジエータ4の側方であって、フロントタイヤの前方側に配置されている。
当該貯留タンク13は、第1ポンプ20によって送出された水を貯留すると共に、車両の走行風によって冷却する機能を有している。当該貯留タンク13は、本発明における貯留タンクに相当する。
尚、貯留タンク13の配置は、上述した具体例に限定されるものではなく、ラジエータ4における放熱の影響が少ない位置であり、貯留タンク13内部の水を冷却可能な位置であれば、適宜変更することができる。
貯留タンク13の下部には、移送用流路35が接続されている。移送用流路35は、貯留タンク13と流量調整弁41とを接続しており、貯留タンク13に貯留されている水が流量調整弁41へ向かって流れる流路である。
移送用流路35には、第2ポンプ40が配置されている。当該第2ポンプ40は、移送用流路35を介して、貯留タンク13内部の水を流量調整弁41へ送出する為の流体機器である。第2ポンプ40は、本発明における第2ポンプに相当する。
当該第2ポンプ40は、第1ポンプ20とは異なり、ラジエータ4における放熱の影響が少ない位置に配置されている。尚、第2ポンプ40においては、第1ポンプ20と同様の構成が採用されている。
そして、第2ポンプ40の流出口側には、移送用流路35を介して、流量調整弁41の流入口側が接続されている。流量調整弁41は、一つの流入口と、二つの流出口と、これらに接続された弁室と、当該弁室の内部にて、図示しない電動アクチュエータにて移動する弁体とを有して構成されている。
当該流量調整弁41は、一方の流出口における弁開度と、他方の流出口における弁開度とを独立して調整可能に構成されている。従って、当該流量調整弁41は、一方の流出口から流出する流体(即ち、水)の流量と、他方の流出口から流出する流体の流量とを調整することができる。つまり、当該流量調整弁41は、本発明における流量調整部として機能する。
そして、当該流量調整弁41における一方の流出口には、散布用流路42が接続されている。当該散布用流路42の他端側は、ラジエータ4の熱交換部に近い位置まで伸びている。散布用流路42の他端部には、水を霧状に散布(噴射)する為の散布ノズル43が配置されている。当該散布用流路42は、本発明における散布流路に相当する。又、当該散布ノズル43は、本発明における散布部に相当する。
当該燃料電池システム100は、第2ポンプ40の作動に伴って、貯留タンク13内部の水を、流量調整弁41の一方の流出口及び散布用流路42を介して、ラジエータ4の熱交換部に散布することができる。
当該燃料電池システム100は、ラジエータ4に水を散布することで、水の蒸発潜熱によってラジエータ4の冷却性能を向上させることができる。この結果、当該燃料電池システム100は、ラジエータ4の冷却性能を向上させ、冷却水を介した燃料電池1の冷却を確実に行うことができる為、燃料電池1における安定発電を実現することができる。
そして、流量調整弁41における他方の流出口には、還流流路45が接続されている。当該還流流路45の他端部は、気液分離器10における貯留部11の上方側に接続されている。還流流路45は、本発明における還流流路に相当する。
当該燃料電池システム100によれば、第2ポンプ40の作動によって、貯留タンク13から流量調整弁41を介して送出された水を、還流流路45を介して、気液分離器10の貯留部11内部に還流させることができる。
上述したように、貯留タンク13内部の水は、気液分離器10の貯留部11における水よりも低温を示す。従って、燃料電池システム100は、還流流路45を介して、貯留タンク13の水を貯留部11に戻すことで、貯留部11内部の水の温度を下げることができる。
次に、第1実施形態に係る燃料電池システム100の制御系について説明する。図1に示すように、当該燃料電池システム100は、制御装置50を有している。当該制御装置50は、燃料電池システム100を構成する各制御対象機器の作動を制御する制御部である。
当該制御装置50は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置50は、本発明における制御部として機能する。
制御装置50の入力側には、冷却水温度センサ9と、貯留量センサ14と、タンク内水温センサ15が接続されている。従って、制御装置50は、これらのセンサによる検出値を取得することができる。
冷却水温度センサ9は、冷却水流路7における燃料電池1の出口側に配置されている。当該冷却水温度センサ9は、燃料電池1の出口側から流出する冷却水の温度を検出する。貯留量センサ14は、気液分離器10における貯留部11の内部に配置されており、貯留部11に貯留されている水の水位から、貯留部11内における水の貯留量を検出する。
そして、タンク内水温センサ15は、貯留タンク13に配置されており、当該貯留タンク13内部に貯留されている水の温度を検出する。当該タンク内水温センサ15は、本発明における水温検出部に相当する。
又、制御装置50の出力側には、燃料電池システム100を構成する各種制御対象機器が接続されている。従って、制御装置50は、当該制御装置50のROMに記憶されている制御プログラムに基づいて、燃料電池システム100の作動を制御することができる。具体的には、制御装置50の出力側には、第1ポンプ20と、第2ポンプ40と、流量調整弁41が接続されている。
当該制御装置50は、第1ポンプ20の作動を制御することで、気液分離器10の貯留部11から貯留タンク13へ移送される水の流量を調整することができる。又、制御装置50は、第2ポンプ40の作動を制御することで、貯留タンク13から流量調整弁41の流入口へ移送される水の流量を調整することができる。
そして、当該制御装置50は、流量調整弁41の作動を制御することで、流量調整弁41から散布用流路42等を介して、ラジエータ4に散布される水の流量を調整することができる。以下、この散布用流路42を流れる水の流量を、散布流量Qdという。
同様に、制御装置50は、流量調整弁41の作動を制御することで、流量調整弁41から還流流路45を介して、気液分離器10の貯留部11に還流する水の流量を調整することができる。以下、この還流流路45を流れる水の流量を、還流流量Qrという。
そして、制御装置50のROMには、気液分離器10で回収した水の利用に関する制御プログラムや各種制御マップが記憶されている。この制御プログラム等の内容については後述する。
続いて、第1実施形態に係る燃料電池システム100において、気液分離器10にて回収した水の利用に関する制御処理について、図面を参照しつつ説明する。
燃料電池システム100の作動が開始されると、制御装置50は、図3に示す制御プログラムをROMから読み出して、CPUによって実行する。燃料電池システム100の作動が開始されると、燃料電池1が図示しない加熱装置によって発電可能温度まで加熱される。
燃料電池1が発電可能温度になると、エアポンプ6の作動が開始され、空気通路2を介して、燃料電池1に酸素を含む空気の供給が開始される。同時に、水素通路3を介して、燃料電池1に対する水素の供給が開始される。これにより、燃料電池1における発電が開始される。
この発電時における電気化学反応によって燃料電池1では水分と熱が発生する。水分は空気通路2を介して空気に含まれた状態で燃料電池1から排出された後、気液分離器10で水蒸気と水に分離される。水蒸気は気液分離器10から燃料電池システム100の外部に排出される。
そして、気液分離器10にて分離された水は、気液分離器10における貯留部11の内部に貯留される。燃料電池1で発生した熱は、冷却水流路7を循環する冷却水を介して、ラジエータ4から大気中に放出される。
図3に示すように、先ず、ステップS1においては、貯留部11における水の貯留量が予め定められた基準値以上であるか否かが判定される。貯留部11における貯留量は、貯留量センサ14の検出値に基づいて特定される。基準値は、貯留部11内に十分に水が貯留されているか否かを判定する為の基準を示す。
ステップS1にて貯留部11における水の貯留量が基準値以上であると判定された場合は、ステップS2に進む。一方、貯留部11における水の貯留量が基準値以上でないと判定された場合、処理はステップS5に移行する。
ステップS2に移行すると、第1ポンプ20が作動される。これにより、気液分離器10の貯留部11内部の水は、接続流路12を介して、貯留タンク13内部に移送されていく。
ステップS3に移行すると、貯留部11における水の貯留量が予め定められた下限値以下であるか否かが判定される。この下限値は、貯留部11内に水が殆どない状態を示している。
貯留部11における水の貯留量が下限値以下であると判定された場合、ステップS4に進む。一方、貯留部11における水の貯留量が下限値以下でないと判定された場合、処理は、ステップS5に移行する。
ステップS4では、第1ポンプ20の作動が停止される。これにより、気液分離器10の貯留部11から貯留タンク13への水の移送が停止される。このステップS4で第1ポンプ20の作動を呈した状態で、燃料電池1における発電が継続されていれば、電気化学反応で生じた水分は、気液分離器10にて分離され、貯留部11内に貯留されていく。
ステップS5では、冷却水温度センサ9によって検出された冷却水温度が制御装置50によって取得される。ここで、冷却水温度センサ9は、冷却水流路7における燃料電池1の出口側に配置されている。この為、冷却水温度センサ9で検出される冷却水温度は、燃料電池1で発生している熱量に強い相関を有している。
当該燃料電池システム100において、第1ポンプ20は、気液分離器10と共に、燃料電池1の近くに配置されている。従って、第1ポンプ20の内部温度は、燃料電池1で生じる熱量と強い相関を有する。即ち、冷却水温度センサ9で検出される冷却水温度は、第1ポンプ20の内部温度に対して強い相関を有している。
ステップS6においては、還流条件を満たすか否かが判定される。還流条件とは、第1ポンプ20の内部温度がシール部材30に熱劣化を生じさせるほどに高温であることを意味する。本発明における第1温度は、シール部材30に熱劣化を生じさせる温度に相当する。
具体的には、冷却水温度センサ9で検出した冷却水温度が基準熱媒体温度以上であることを還流条件として用いている。この時の基準熱媒体温度は、第1ポンプ20の内部温度がシール部材30に熱劣化を生じさせる状態である場合の冷却水流路7における冷却水温度を示す。
検出した冷却水温度が基準熱媒体温度以上であり、還流条件を満たすと判定された場合、ステップS7に進む。一方、冷却水温度が基準熱媒体温度以上ではなく、還流条件を満たしていないと判定された場合、処理は、ステップS9に移行する。
ステップS7においては、還流流路45側へ流れる水の還流流量Qrの方が散布用流路42側へ流れる水の散布流量Qdよりも大きくなるように、流量調整弁41の作動が制御される。
ステップS8では、第1ポンプ20、第2ポンプ40が所定の流量で作動する。この第1ポンプ20の作動により、気液分離器10の貯留部11から貯留タンク13へ水が移送される。同時に、第2ポンプ40の作動により、貯留タンク13から流量調整弁41へ向かって、水が送出される。
この時、流量調整弁41では、ステップS7の調整によって、還流流量Qrの方が散布流量Qdよりも大きくなるように、水の流量配分が行われる。これにより、貯留タンク13内における低温の水が、より多く貯留部11へ還流することになる為、貯留部11内部の水の温度を低下させることができる。
そして、温度が低下した貯留部11内部の水は、第1ポンプ20の作動によって、貯留部11から第1ポンプ20の流路部26を介して、貯留タンク13へ移送される。当該水は、流路部26を通過する過程で、シール部材30及びその周辺の温度を低下させる。
即ち、当該燃料電池システム100によれば、第1ポンプ20内部の温度が高温であることを示す還流条件を満たす場合、貯留タンク13内の水を貯留部11に還流させて、貯留部11内の水の温度を下げる。
換言すると、これらの作動によって、気液分離器10における貯留部11内部の水と、貯留タンク13内部の水を入れ替えるのと同様の効果が生じる。そして、この場合には、温度が低下した水が第1ポンプ20の内部を通過することになる為、当該燃料電池システム100は、第1ポンプ20内部の温度を低下させて、シール部材30の熱劣化を防止することができる。
尚、この場合に、散布用流路42を用いたラジエータ4に対する水の散布は、散布流量Qdで実行されている。即ち、当該燃料電池システム100は、第1ポンプ20内の温度制御と同時に、ラジエータ4に対する水の散布も並行して行っている。
一方、還流条件を満たしていない場合のステップS9では、貯留部11における水の貯留量が予め定められた下限値以下であるか否かが判定される。この下限値は、貯留部11内に水が殆どない状態を示している。
貯留部11における水の貯留量が下限値以下であると判定された場合、ステップS10に進む。一方、貯留部11における水の貯留量が下限値以下でないと判定された場合、処理は、ステップS13に移行する。
ステップS10においては、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動が停止される。第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動を停止した後、ステップS13に移行する。
上述したように、還流条件は、冷却水温度センサ9における冷却水温度が基準熱媒体温度以上であることである。つまり、ステップS9に移行する場合は、燃料電池1で生じる熱量及び第1ポンプ20内部の温度が高温ではない状態を示す。従って、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動を停止した場合でも、燃料電池1の発電を安定して継続することができると同時に、第1ポンプ20内のシール部材30に熱劣化が生じることはない。
ステップS11に移行すると、散布優先条件を満たすか否かが判定される。散布優先条件とは、第1ポンプ20の内部温度が還流条件の場合よりも更に高い温度(即ち、本発明における第2温度)である状態を示している。上述したように、第1ポンプ20の内部温度は、燃料電池1で生じる熱量に強い相関を有している。即ち、散布優先条件とは、燃料電池1における熱量が還流条件の場合に比べて高く、早急に冷却する必要性がある状態を示している。
具体的には、冷却水温度センサ9で検出した冷却水温度が散布優先温度以上であることを散布優先条件として用いている。散布優先温度は、燃料電池1における熱量が還流条件の場合に比べて高く、早急に冷却する必要性がある状態の冷却水流路7における冷却水温度を示している。当該散布優先温度は、第1ポンプ20の内部温度が還流条件の場合よりも更に高い温度(即ち、本発明における第2温度)である状態の冷却水温度にも対応している。
検出した冷却水温度が散布優先温度以上であり、散布優先条件を満たすと判定された場合、ステップS12に進む。一方、冷却水温度が散布優先温度以上ではなく、散布優先条件を満たしていないと判定された場合、処理は、ステップS1に戻る。
ステップS12に移行すると、散布流量Qdの方が還流流量Qrよりも大きくなるように、流量調整弁41の作動が制御される。ステップS8にて、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動が開始されている為、還流流量Qrと散布流量Qdの配分比率の変更はすぐに適用される。
上述したように、散布用流路42を流れた水は、散布ノズル43からラジエータ4に対して散布される。ラジエータ4における放熱に際し、散布された水の蒸発潜熱を利用することができるので、ラジエータ4による冷却水の冷却性能を向上させることができる。当該冷却水は、冷却水流路7を循環して燃料電池1を冷却している。
つまり、ステップS12によって、ラジエータ4に対する水の散布量を増加させることで、ラジエータ4による冷却性能を上昇させることができ、もって、燃料電池1に対する冷却性能を向上させることができる。
即ち、当該燃料電池システム100によれば、散布優先条件を満たす場合、散布流量Qdを還流流量Qrよりも増大させることで、ラジエータ4による冷却性能を向上させ、高熱を発する燃料電池を迅速に冷却することができる。これにより、当該燃料電池システム100によれば、燃料電池1による発電の安定性を高めると共に、高温環境による燃料電池1に生じる不具合を抑制することができる。
尚、この場合においても、還流流量Qrを介した水の還流は、還流流量Qrで継続して行われている。従って、当該燃料電池システム100は、ラジエータ4に対する水の散布と同時に、第1ポンプ20内の温度制御も並行して行っている。
ステップS13では、燃料電池システム100の作動を停止するか否かが判断される。この判断処理は、例えば、燃料電池システム100の作動停止に関する操作が行われたか否かに基づいて判断される。作動停止に関する操作には、例えば、電気自動車(燃料電池車両)に対するキーオフ操作が含まれる。
燃料電池システム100の作動を停止させる場合には、この制御プログラムの実行を終了する。一方、燃料電池システム100の作動を停止させない場合には、ステップS1に戻り、上述した各ステップを実行する。
以上説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システム100によれば、燃料電池1にて水素と酸素とを化学反応させて電力を得ることができ、この化学反応で生成された水分を、気液分離器10によって分離して利用することができる。
当該燃料電池システム100によれば、流量調整弁41に接続された散布用流路42を介して、気液分離器10によって分離した水分をラジエータ4に散布することができ、水の蒸発潜熱によってラジエータ4の冷却性能を向上させることができる。
即ち、当該燃料電池システム100は、ラジエータ4によって燃料電池システム100の温度を一定の範囲を維持するように制御することができるので、燃料電池1における安定発電を実現することができる。
燃料電池1における化学反応に際して熱が生じる為、この熱の影響によって、第1ポンプ20の内部の温度が高温になる場合が想定される。ここで、第1ポンプ20は、流路部26と、駆動機構部22と、シール部材30とを有している為、第1ポンプ20の内部の温度が高温になると、シール部材30に熱劣化が生じることが想定される。
この点、当該燃料電池システム100は、第2ポンプ40によって貯留タンク13から移送される水を、還流流路45を介して、貯留部11に還流させることができる。貯留タンク13は気液分離器10で分離された水の流れとして貯留部11よりも下流側に位置している為、貯留タンク13の内部の水は貯留部11の内部の水よりも低温になっている。
従って、当該燃料電池システム100によれば、還流流路45を介して、貯留タンク13の水を貯留部11に還流させることで、貯留部11の内部における水の温度を下げることができる。当該燃料電池システム100は、こうして温度の下がった水を第1ポンプ20によって貯留部11から貯留タンク13へ移送させることで、第1ポンプ20の内部の温度上昇を抑制することができ、シール部材30の熱劣化を防止することができる。
当該燃料電池システム100によれば、ステップS6にて還流条件を満たすと判定された場合には、流量調整弁41の作動を制御して、還流流量Qrを散布流量Qdよりも大きく調整する。
即ち、当該燃料電池システム100は、第1ポンプ20の内部温度が高温になった状況に対応して、ラジエータ4に対する水の散布よりも、貯留部11への還流による第1ポンプ20内部の温度制御を優先することができ、シール部材30の熱劣化を防止することができる。
換言すると、当該燃料電池システム100は、ラジエータ4に対する水の散布と、貯留部11への還流による第1ポンプ20の温度制御とを、状況に応じて適切に実行することができる。
そして、第1実施形態においては、還流条件として、ラジエータ4における冷却水温度が予め定められた基準熱媒体温度よりも高いことを用いている。当該冷却水温度は、燃料電池1に生じる熱量と共に、第1ポンプ20の内部温度と強い相関を有している。
従って、この還流条件を用いることで、より測定の容易な物理量を用いて、第1ポンプ20の内部温度の状況を把握することができ、適切な状況で、貯留部11への水の還流流量Qrを増大させることができる。
当該燃料電池システム100によれば、ステップS11にて散布優先条件を満たすと判定された場合には、流量調整弁41の作動を制御して、散布流量Qdを還流流量Qrよりも大きく調整する。
即ち、当該燃料電池システム100は、燃料電池1における熱量が還流条件の場合に比べて高く、早急に冷却する必要性がある状況に対応して、貯留部11への還流による第1ポンプ20の温度制御よりも、ラジエータ4に対する水の散布を優先することができ、高温環境により燃料電池1に生じる不具合を防止することができる。
換言すると、当該燃料電池システム100は、ラジエータ4に対する水の散布と、貯留部11への還流による第1ポンプ20の温度制御とを、状況に応じて適切に実行することができる。
(第2実施形態)
続いて、上述した第1実施形態とは異なる第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。第2実施形態に係る燃料電池システム100は、制御プログラムの処理内容を除いて、基本的に第1実施形態と同様の構成である。従って、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態に係る燃料電池システム100において、気液分離器10にて回収した水の利用に関する制御処理について、図面を参照しつつ説明する。
第2実施形態における制御処理の内容は、ステップS7における処理内容を除いて、基本的に第1実施形態にて説明した内容と同様である。以下の説明においては、第1実施形態との相違点であるステップS7の処理内容について、図面を参照しつつ説明する。
第1実施形態と同様に、ステップS6で還流条件を満たすと判定されて、ステップS7に移行すると、還流流量Qrの方が散布流量Qdよりも大きくなるように、流量調整弁41の作動が制御される。
第2実施形態に係るステップS7では、これらの制御に加えて、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量に関する制御が行われる。第1ポンプ20及び第2ポンプ40にて送出される水の流量が第1ポンプ20の内部温度が高いほど大きくなるように、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量が決定される。
具体的には、第2実施形態においては、制御装置50のROMに格納されている制御マップを用いて、第1ポンプ20及び第2ポンプ40で送出される水の流量が決定される。図4に示すように、第2実施形態に係る制御マップは、第1ポンプ20及び第2ポンプ40による水の流量と、タンク内水温センサ15の検出値を対応付けて構成されている。
ここで、タンク内水温センサ15で検出される貯留タンク13内部の水は、第1ポンプ20の流路部26を通過した水である為、第1ポンプ20の内部温度に強い相関を有している。
つまり、第1ポンプ20の内部温度が高ければ、タンク内水温センサ15で検出される貯留タンク13内部の水温も高くなり、第1ポンプ20の内部温度が低ければ、貯留タンク13内部の水温も低くなる傾向にある。即ち、タンク内水温センサ15で検出される水温から、第1ポンプ20の内部温度を推定することができる。
そして、図4に示すように、当該制御マップにおいては、タンク内水温センサ15で検出された貯留タンク13内部の水温が高いほど、第1ポンプ20及び第2ポンプ40による流量が大きくなるように定められている。
従って、第2実施形態に係るステップS7では、流量調整弁41を制御して、散布流量Qdと還流流量Qrを調整すると同時に、タンク内水温センサ15の検出値と図4に示す制御マップを用いて、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量を決定する。
第2実施形態においては、その後のステップS8において、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動を開始する際に、ステップS7で定められた流量となるように、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動が制御される。第2実施形態におけるその後の処理内容については、第1実施形態と同様である為、その説明を省略する。
尚、ステップS7で定められた第1ポンプ20及び第2ポンプ40による流量は、還流条件を満たしている場合には有効である。
即ち、還流条件を満たさない場合(ステップS10)や散布優先条件を満たす場合(ステップS12)には、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動設定を初期値に戻す。この点、散布優先条件を満たす場合(ステップS12)には、新たに、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動設定を行っても良い。
第2実施形態に係る燃料電池システム100によれば、ステップS7で、第1ポンプ20及び第2ポンプ40による水の流量は、第1ポンプ20の内部温度が高いほど大きく設定される。
即ち、気液分離器10の貯留部11、貯留タンク13、還流流路45を介して循環する水の流量は、第1ポンプ20の内部温度が高いほど大きくなる。この為、貯留タンク13内部の水が、第1ポンプ20の内部温度が高いほど、気液分離器10における貯留部11内部の水と早期に入れ替えられることになる。
従って、第1ポンプ20の流路部26内に、より早期に低温の水を流すことができ、第1ポンプ20の温度上昇を抑制すると同時に、シール部材30の熱劣化を抑えることができる。
以上説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システム100によれば、還流条件を満たしている場合に、ステップS7にて、第1ポンプ20の内部温度が高いほど、第1ポンプ20及び第2ポンプ40によって移送される水の流量が大きくなるように、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量が決定される。
これにより、第1ポンプ20の内部温度が高いほど、気液分離器10における貯留部11内部の水と、貯留タンク13内部の低温の水とを早期に入れ替えることができ、低温の水を第1ポンプ20に供給することができる。この結果、第1ポンプ20の内部温度を早期に低下させることができるので、燃料電池システム100は、シール部材30の熱劣化を確実に防止することができる。
又、タンク内水温センサ15で検出される貯留タンク13内部の水温は、第1ポンプ20の内部温度に強い相関を有しており、第1ポンプ20の内部よりも測定が容易である。この為、図4に示す制御マップを用いることで、第1ポンプ20内部の温度に対応して、第1ポンプ20及び第1ポンプ20の作動量を設定することができる。
(他の実施形態)
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を適宜組み合わせても良いし、上述した実施形態を種々変形することも可能である。
(1)上述した実施形態においては、燃料電池1として、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)を用いていたが、この態様に限定されるものではない。本発明における燃料電池としては、リン酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)等を用いることも可能である。
(2)又、上述した実施形態においては、ステップS7にて、還流流量Qrを散布流量Qdよりも大きく調整していたが、この関係性を有していれば、他の調整態様を採用することができる。
例えば、ステップS7にて、散布流量Qdを0にして、第2ポンプ40により送出される水の全量を、還流流路45で貯留部11へ還流させても良い。この時、第1ポンプ20の内部温度が高いほど、還流流量Qrが散布流量Qdよりも大きくなるように調整しても良い。
又、散布優先条件を満たした場合に移行するステップS12にて、還流流量Qrを0にして、第2ポンプ40により送出される水の全量を、散布用流路42、散布ノズル43を介して、ラジエータ4に散布しても良い。
この構成によれば、ラジエータ4の冷却性能を迅速に向上させることができ、燃料電池1の温度を早期に低下させることが可能となる。つまり、燃料電池1が異常高温となった場合等に有効である。
そして、この場合において、燃料電池1の温度や発熱量に応じて、散布流量Qdと還流流量Qrの配分比率を調整しても良い。例えば、燃料電池1の温度が高いほど、散布流量Qdが還流流量Qrよりも大きくなるように調整しても良い。
(3)そして、上述した実施形態においては、気液分離器10の内部に貯留部11を配置していたが、この構成に限定されるものではない。例えば、別体に形成されたタンクを気液分離器10の下方に配置し、これを貯留部としても良い。この場合、当該タンクの下部には、接続流路12を介して第1ポンプ20が接続される。
(4)又、上述した第2実施形態では、図4に示すように、貯留タンク13内部の水温に応じて、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量を定めていたが、この態様に限定されるものではない。
例えば、気液分離器10における貯留部11内部の水温に応じて、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量を定めても良い。この場合、第1ポンプ20及び第2ポンプ40の作動量は、貯留部11内部の水温が高いほど大きくなるように定められる。
又、貯留部11内部の水温に限定されるものではなく、第1ポンプ20の内部温度に強い相関を有する物理量であれば、第1ポンプ20の外表面温度や燃料電池1で生じた電気エネルギ量など様々な物理量を用いることも可能である。
(5)そして、上述した実施形態においては、本発明における流量調整部として、流量調整弁41を採用していたが、還流流路45側への還流流量Qrと、散布用流路42側への散布流量Qdを調整可能であれば、種々の構成を採用することができる。
例えば、図1における第2ポンプ40を廃止して、還流用ポンプと、散布用ポンプとを配置してもよい。この場合、還流用ポンプは、移送用流路35から分岐する還流流路45に配置され、散布用ポンプは、移送用流路35から分岐する散布用流路42に対して配置される。
そして、還流用ポンプで送出される水量と、散布用ポンプで送出される水量とを制御することで、本発明と同様の効果を生じさせることができる。この構成において、何れか一方の作動を停止すれば、貯留タンク13からの水が流れる流路を切り替える流路切替部として機能する。
(6)又、上述した実施形態では、第1ポンプ20の内部におけるシール部材30は、駆動モータ23における駆動軸24の周囲に配置された軸シールに相当する部材であったが、この態様に限定されるものではない。
本発明におけるシール部材は、駆動機構部と流路部の間に配置され、流路部から駆動機構部への水の浸入を防止する為の部材であれば、種々の態様を採用することができる。例えば、第1ポンプがダイヤフラム式のポンプである場合には、ダイヤフラムは、本発明におけるシール部材に相当する。
(7)そして、上述した実施形態においては、ステップ6における還流条件、ステップS11における散布優先条件を判定する上で、冷却水温度センサ9による冷却水温度を用いていたが、この態様に限定されるものではない。
還流条件及び散布優先条件を判定する際に用いる物理量として、第1ポンプ20の内部温度や燃料電池1の温度を用いても良いし、第1ポンプ20の外表面温度や燃料電池1で生じた電気エネルギ量を用いても良い。
1 燃料電池
4 ラジエータ
10 気液分離器
11 貯留部
13 貯留タンク
20 第1ポンプ
30 シール部材
40 第2ポンプ
41 流量調整弁
50 制御装置

Claims (7)

  1. 水素と酸素とを化学反応させて電力を得る燃料電池(1)と、
    熱媒体を用いて熱交換することで前記燃料電池を冷却する冷却装置(4)と、
    前記化学反応で発生した気体及び水を含む混合気体から水を分離する気液分離部(10)と、
    前記気液分離部にて分離された水を貯留する貯留部(11)と、
    前記貯留部に接続された貯留タンク(13)と、
    前記貯留部及び前記貯留タンクに接続され、前記貯留部に貯留されている水を前記貯留タンクに移送する第1ポンプ(20)と、
    前記貯留タンクに接続され、当該貯留タンクに貯留された水を移送する第2ポンプ(40)と、
    前記第2ポンプによって移送された水を前記貯留部へ導く還流流路(45)と、
    前記第2ポンプによって移送された水を前記冷却装置に散布する散布部(43)と、
    前記第2ポンプによって移送された水を前記散布部へ導く散布流路(42)と、
    前記第2ポンプによって移送される水に関して、前記還流流路を流れる水の流量(Qr)と、前記散布流路を流れる水の流量(Qd)とを調整する流量調整部(41)と、
    制御部(50)と、を有し、
    前記第1ポンプは、
    前記貯留部から前記貯留タンクへ水が流れる流路部(26)と、
    前記流路部の内部の水を送出する為の駆動機構部(22)と、
    前記流路部から前記駆動機構部に対する水の浸入を防止するシール部材(30)と、を有して構成されている燃料電池システム。
  2. 前記制御部は、
    前記第1ポンプの内部温度が予め定められた第1温度よりも高いことを示す還流条件を満たした場合に、前記還流流路を流れる水の流量が前記散布流路を流れる水の流量よりも多くなるように、前記流量調整部を制御する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御部は、前記還流条件として、前記冷却装置における前記熱媒体温度が予め定められた基準熱媒体温度よりも高いことを用いる請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御部は、
    前記第1温度よりも高い第2温度に比べて前記第1ポンプの内部温度が高いことを示す散布優先条件を満たした場合に、前記散布流路を流れる水の流量が前記還流流路を流れる水の流量よりも多くなるように、前記流量調整部を制御する請求項2又は3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御部は、
    前記散布優先条件を満たして、前記散布部を介して前記冷却装置に水を散布する場合には、前記散布流路を流れる水の流量が前記第2ポンプによって移送される水の全量になるように、前記流量調整部を制御する請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御部は、
    前記還流条件を満たしている場合に、前記第1ポンプの内部温度が高いほど、前記第1ポンプ及び前記第2ポンプによって移送される水の流量が大きくなるように制御する請求項2ないし5の何れか1つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記貯留タンクの内部に貯留された水の温度を検出する水温検出部(15)を有し、
    前記制御部は、前記水温検出部で検出された前記貯留タンクにおける水の温度から推定される前記第1ポンプの内部温度が高いほど、前記第1ポンプ及び前記第2ポンプによって移送される水の流量が大きくなるように制御する請求項6に記載の燃料電池システム。
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