JP2019090656A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】感度を向上できる放射線検出器を提供する。【解決手段】実施形態によれば、放射線検出器は、第1導電層、第2導電層及び有機層を含む。前記有機層は、前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられる。前記第2導電層から前記第1導電層に向かう第1方向に沿った前記有機層の第1厚さは1μm以上である。前記有機層は、第1導電形の第1化合物と、第2導電形の第2化合物と、を含む。前記有機層のX線回折における第1ピークにおいて、第1ブラッグ角θ1(ラジアン)、2θ1のピークの第1半値全幅w1(ラジアン)、及び、X線波長λ(nm)から得られる、(0.9・λ)/(w1・cosθ1)の第1値は、13nm以上19nm以下である。前記2θ1は、0.0750ラジアン以上0.1100ラジアン以下である。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
放射線検出器において、感度の向上が望まれる。
Uladzimir Zhokhavets, Tobis Erb, Gerhard Gobsch, Maher Al-Ibrahim, Oliver Ambacher, Chemical Physics Letters, 418, (2006) pp. 347-350.
本発明の実施形態は、感度を向上できる放射線検出器を提供する。
本発明の実施形態によれば、放射線検出器は、第1導電層、第2導電層及び有機層を含む。前記有機層は、前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられる。前記第2導電層から前記第1導電層に向かう第1方向に沿った前記有機層の第1厚さは1μm以上である。前記有機層は、第1導電形の第1化合物と、第2導電形の第2化合物と、を含む。前記有機層のX線回折における第1ピークにおいて、第1ブラッグ角θ1(ラジアン)、2θ1のピークの第1半値全幅w1(ラジアン)、及び、X線波長λ(nm)から得られる、(0.9・λ)/(w1・cosθ1)の第1値は、13nm以上19nm以下である。前記2θ1は、0.0750ラジアン以上0.1100ラジアン以下である。
第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する模式的断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器に用いられる材料を例示する模式図である。 放射線検出器に含まれる有機層の特性を例示するグラフ図である。 放射線検出器に含まれる有機層の特性を例示するグラフ図である。 放射線検出器に含まれる有機層の特性を例示するグラフ図である。 放射線検出器の試料の特性を例示するグラフ図である。 第1実施形態に係る別の放射線検出器を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する回路図である。 第1実施形態に係る別の放射線検出器を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。 第2実施形態に係る放射線検出器の製造方法を例示するフローチャート図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る放射線検出器110は、第1導電層10、第2導電層20及び有機層30を含む。有機層30は、第1導電層10と第2導電層20との間に設けられる。
この例では、基板50がさらに設けられている。基板50と第1導電層10との間に第2導電層20が設けられる。
第2導電層20から第1導電層10に向かう方向を第1方向(Z軸方向)とする。第1方向に沿った有機層30の厚さ(第1厚さt1)は、1μm以上である。
例えば、放射線81が放射線検出器110に入射する。この例では、放射線81は、基板50及び第2導電層20を介して、有機層30に入射する。放射線81は、例えばβ線である。有機層30において、放射線81の入射により励起子が発生する。これにより、移動可能な電荷(電子及び正孔)が生じる。第1導電層10と第2導電層20との間に電圧(または電界)を印加することで、これらの電荷を取り出すことができる。例えば、入射した放射線81の強度に応じた電流が得られる。電荷の量(例えば電流の大きさ)を検出することで、放射線81を検出できる。
この例では、検出回路70、第1配線71、及び、第2配線72が設けられている。第1配線71の1つの端は、第1導電層10と電気的に接続される。第1配線71の別の端は、検出回路70と電気的に接続される。第2配線72の1つの端は、第2導電層20と電気的に接続される。第2配線72の別の端は、検出回路70と電気的に接続される。検出回路70から、放射線81の強度に応じた出力信号OSが得られる。
放射線検出器110は、第1配線71及び第2配線72を含んでも良い。放射線検出器110は、検出回路70をさらに含んでも良い。
図2は、第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する模式的断面図である。
図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る放射線検出器に用いられる材料を例示する模式図である。
図2は、有機層30を模式的に示している。有機層30は、第1化合物31及び第2化合物32を含む。第1化合物31は、第1導電形(例えばp形)である。第2化合物32は、第2導電形(例えばn形)である。
第1化合物31は、例えば、ポリチオフェンまたはポリチオフェンの誘導体などを含む。第1化合物31は、例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT:図3(a)参照)を含む。第1化合物31の例については、後述する。
第2化合物32は、例えば、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む。第2化合物32は、例えば、[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(60PCBM:図3(b)参照)を含む。第2化合物32の例については、後述する。
有機層30において、第1化合物31を含む領域(第1導電形領域)と、第2化合物32を含む領域(第2導電形領域)と、は、混ざり合っている。例えば、有機層30は、例えば、バルクヘテロ接合構造を有する。有機層30は、例えば、有機半導体層である。
既に説明したように、有機層30の第1厚さt1は1μm以上である。第1厚さt1が、1μm以上であることにより、放射線81(例えばβ線)の高い捕捉効率が得られる。有機層30において、放射線81(例えばβ線)が効果的に電荷に変換される。これにより、高い感度が得られる。第1厚さt1が過度に薄いと、例えば、β線の捕捉効率が低くなる。放射線81は、α線を含んでも良い。
第1厚さt1は、2000μm以下であることが好ましい。第1厚さt1が過度に厚いと、例えば、γ線に対する感度が高くなる。γ線に対する高い感度により、β線の検出が実質的に低下する。
実施形態において、第1厚さt1は、例えば、10μm以上1000μm以下であることが、さらに好ましい。β線の検出において、より高い感度が得られる。
第1参考例として、太陽電池などの光電変換層として、60PCBM及びP3HTが用いられる場合がある。このような光電変換層においては、光電変換層の厚さは、例えば、500nm以下である。光電変換層の厚さが500nm以下であることにより、太陽光における全ての波長範囲の光が吸収される。しかしながら、光電変換層が500nmよりも厚くなると、例えば、電荷の輸送距離が増え、失活による損失が増え、光電変換効率が低下する。さらに、内部抵抗が高くるため、光電変換効率が低下する。このため、太陽電池などの光電変換層の厚さは、500nm以下に設定される。
これに対して、実施形態においては、有機層30では、放射線81の入射により、電荷が生じる。例えば、放射線81から電荷への直接変換が行われる。放射線81の透過性は、光の透過性よりも高い。このため、放射線81を有機層30で直接変換する場合には、有機層30の第1厚さt1を1μm以上に、非常に厚くする。これにより、放射線81の高い補足効率が得られる。
なお、シンチレータを用いる第2参考例の放射線検出器がある。この場合、シンチレータに放射線81が入射して生じた光が光電変換層に入射する。例えば、間接変換が行われる。この第2参考例においては、光電変換層の厚さは、500nm以下である。第2参考例においては、放射線から光への変換と、光から電荷への変換と、の2つの変換が行われる。2つの変換が行われるため、第2参考例においては、高い変換効率を得ることが困難である。
これに対して、実施形態においては、有機層30の第1厚さt1を1μm以上とする。これにより、高い効率の直接変換が得られる。例えば、高い感度が得られる。
このような厚い有機層30を用いた場合に、有機層30に含まれる化合物において、特異的な現象が生じることが分かった。以下、この現象に関する実験結果について説明する。
第1実験では、基板50として、ガラス基板が用いられる。基板50の上に、第2導電層20が設けられる。第2導電層20は、ITO(厚さは、50nm)である。第2導電層20の上に、有機膜が形成される。有機膜は、溶液を塗布することにより形成される。溶液は、P3HT、60PCBM及び溶剤を含む。P3HTと60PCBMとの、重量比は、1:1である。溶剤は、クロロベンゼンである。溶液における、P3HT及び60PCBMの合計の濃度は、4wt%である。
上記の第2導電層20の上に、上記の溶液がドロップキャストされる。その後、約25℃で約10時間放置して、乾燥させる。溶媒の少なくとも一部が除去される。有機層30の厚さは、約25μmである。
この後、種々の温度で熱処理(例えばアニール)が行われる。熱処理の時間は、10分である。熱処理の後の有機層30について、X線回折(XRD:X‐ray diffraction)分析が行われる。
図4は、放射線検出器に含まれる有機層の特性を例示するグラフ図である。
図4は、第1実験の試料のXRD分析の結果を例示している。図4の横軸は、XRD分析における角度2θ(°)である。角度2θは、ブラッグ角θの2倍である。縦軸は、XRD分析において得られる強度Int(任意単位)である。図4には、熱処理の温度Taが互いに異なる6種類の試料に関する結果が記載されている。試料において、熱処理の温度Taは、25℃〜220℃である。温度Taが25℃の試料においては、熱処理が行われていない。
図4において、角度2θが約5.3°の位置において、ピーク(第1ピークp1)が観察される。第1ピークp1は、P3HTの(100)面に対応する。第1ピークp1は、P3HTの高分子の主鎖間の配列に対応すると考えられる。一方、熱処理の温度Taが140℃以上において、角度2θが約19.3°の位置において、ピーク(第2ピークp2)が観察される。第2ピークp2は、60PCBM(60PCBMの(311)面)に対応すると考えられる。
XRD分析で用いられるX線の波長をX線波長λ(nm)とする。XRD分析のプロファイルから、ブラッグ角θ(ラジアン)、及び、角度2θのピークの半値全幅w(ラジアン)が得られる。d=(0.9・λ)/(w・cosθ)の式により、値dが得られる。この式は、Scherrerの式に対応する。値dは、XRD分析の対象となる領域の平均のサイズに対応する。値dは、例えば、結晶とみなせる領域のサイズに対応する。
第1実験において、第1ピークp1に着目する。第1ピークp1において、角度2θ1が約5.3度である。誤差を考慮すると、第1ピークp1における角度2θ1は、4.3度以上6.3度以下としても良い。角度2θ1は、0.0750ラジアン以上0.1100ラジアン以下である。このような第1ピークp1から、第1ブラッグ角θ1(ラジアン)、及び、角度2θ1のピーク(第1ピークp1)の第1半値全幅w1(ラジアン)が得られる。これらの値に基づいて、d1=(0.9・λ)/(w1・cosθ1)の式により、第1値d1が得られる。
一方、第2ピークp2に着目する。第2ピークp2において、角度2θ2が約19.3度である。誤差を考慮すると、第2ピークp2における角度2θ2は、18.3度以上20.3度以下としても良い。角度2θ2は、0.3194ラジアン以上0.3543ラジアン以下である。このような第2ピークp2から、第2ブラッグ角θ2(ラジアン)、及び、角度2θ2のピーク(第2ピークp2)の第2半値全幅w2(ラジアン)が得られる。これらの値に基づいて、d2=(0.9・λ)/(w2・cosθ2)の式から、第2値d2が得られる。
これらの第1値d1及び第2値d2の測定値について説明する。
図5及び図6は、放射線検出器に含まれる有機層の特性を例示するグラフ図である。
図5及び図6の横軸は、熱処理の温度Ta(℃)である。図5の縦軸は、第1値d1(nm)である。図6の縦軸は、第2値d2(nm)である。
図5に示すように、熱処理の温度Taが上昇すると、第1値d1は大きくなる傾向になる。温度Taが140℃以下における第1値d1の温度Taに対する変化率は、比較的低い。温度Taが140℃から200℃に上昇すると、第1値d1は、急激に増大する。
図5に示すように、どの温度Taにおいても、第1値d1は、約13nm以上である。温度Taが25℃である試料(熱処理を行わない試料)でも、第1値d1は、約13nmである。
第1実験の試料において、第1値d1は、以下である。
温度Taが25℃のとき、第1値d1は13.5nmと算出される。
温度Taが60℃のとき、第1値d1は14.1nmと算出される。
温度Taが100℃のとき、第1値d1は14.5nmと算出される。
温度Taが120℃のとき、第1値d1は14.7nmと算出される。
温度Taが140℃のとき、第1値d1は14.9nmと算出される。
温度Taが150℃のとき、第1値d1は15.9nmと算出される。
温度Taが160℃のとき、第1値d1は16.5nmと算出される。
温度Taが170℃のとき、第1値d1は17.5nmと算出される。
温度Taが180℃のとき、第1値d1は19.0nmと算出される。
温度Taが190℃のとき、第1値d1は19.7nmと算出される。
温度Taが200℃のとき、第1値d1は21.2nmと算出される。
一方、有機層30の厚さが300nm以下(例えば100nm以下)の場合の参考例が知れている。この参考例においては、第1値d1に対応する値(P3HTにおける結晶サイズ)は、12.2nm以下である。
これに対して、第1実験における試料においては、第1値d1は、約13nm以上であり、明らかに大きい。第1実験における試料においては、第1厚さt1が約25μmであり、この厚さの差が第1値d1の違いに影響を与えていると考えられる。
例えば、第1厚さt1が厚いと(例えば1μm以上)、膜中での第1化合物31が動き易いと考えられる。第1厚さt1が厚いと、第1化合物31に含まれる分子鎖が配列し易くなると考えられる。第1値d1が13nm以上であるという構成は、有機層30の第1厚さt1が1μm以上の場合に特別に得られた構成であると考えられる。
第1実験の試料において、熱処理の温度Taが高くなると、第1値d1は増大する。これは、温度Taが高いと、熱処理中において、第1化合物31に含まれる分子鎖が動きやすくなることに起因していると、考えられる。温度Taが高くなると、例えば、配列性(結晶性)が高くなると考えられる。
図6に示すように、第2ピークp2に関して、熱処理の温度Taが上昇すると、第2値d2は大きくなる傾向になる。温度Taが100℃以下においては、第2ピークp2は生じないため、第2値d2が得られない。
第1実験の試料において、第2値d2は、以下である。
温度Taが140℃のとき、第2値d2は40.2nmと算出される。
温度Taが150℃のとき、第2値d2は44.8nmと算出される。
温度Taが170℃のとき、第2値d2は45.0nmと算出される。
温度Taが180℃のとき、第2値d2は45.1nmと算出される。
温度Taが190℃のとき、第2値d2は47.5nmと算出される。
温度Taが200℃のとき、第2値d2は49.4nmと算出される。
以下、変換効率に関する第2実験について説明する。放射線検出器110においては、放射線81の照射により、有機層30において電荷が生じて、電流が流れる。有機層30に光が照射されたときに得られる電流が大きいときには、有機層30に放射線81が照射されたときに得られる電流が大きい。従って、第2実験では、有機層30に光を照射して得られる電流の大きさが評価され、光に関する外部量子効率が評価される。光に関する外部量子効率が高いときに、有機層30に放射線81が照射されたときの変換効率が高くなる。
第2実験においては、基板50(ガラス基板)の上に、第2導電層20(ITO)が設けられる。その上に、ホール輸送層となる溶液が、スピンコート法により塗布される。空気中で、230℃で20分の熱処理を行うことで、ホール輸送層が得られる。このホール輸送層の上に、第1実験と同様の溶液(P3HT、60PCBM及びクロロベンゼンを含む溶液)が塗布される。約25℃で約10時間放置して、乾燥させて、有機層30が得られる。有機層30の厚さは、約25μmである。有機層30の上に、第1導電層10となるAl膜が蒸着により形成される。この後、種々の温度Taで熱処理が行われる。熱処理の時間は、10分である。このようにして、試料が得られる。これらの試料について、基板50側から光を照射して、そのときの外部量子効率が測定される。光の波長は770nmである。測定におけるバイアス電圧は、−100Vである。
図7は、放射線検出器の試料の特性を例示するグラフ図である。
図7において、横軸は、熱処理の温度Ta(℃)である。縦軸は、外部量子効率EQE(%)である。
図7に示すように、熱処理の温度Taが高くなると、外部量子効率EQEは低下する。温度が180℃を超えると、外部量子効率EQEは急激に低下する。図7の結果から、温度Taは、180℃以下であることが好ましい。温度Taは、例えば、170℃以下であることが好ましい。温度Taは、例えば、160℃以下であることがさらに好ましい。
図5に示したように、温度Taの上昇と共に、第1値d1は、上昇する。温度Taが180℃以下のときに、第1値d1は19nm以下である。第1値d1が過度に大きくなると、外部量子効率EQEが低下すると考えられる。
第1値d1が大きいことは、第1化合物31の領域(結晶性の領域)のサイズが大きいことに対応する。第1化合物31の領域が大きくなると、照射された光(及び放射線81)により生じた励起子が、第1化合物31と第2化合物32との間の界面に到達するまでに、不活性となる確率が高くなると考えられる。例えば、正の電荷と、負の電荷と、の再結合が生じる確率が高くなると考えられる。例えば、再結合により、外部量子効率EQEが低下する。
従って、第1値d1は、過度に大きくないことが好ましい。実施形態においては、第1値d1は、19μm以下であることが好ましい。この値は、熱処理の温度Taが180℃のときの値に対応する。1値d1は、17μm以下であることがさらに好ましい。この値は、熱処理の温度Taが約160℃であるときの値に対応する。
例えば、太陽電池などの光電変換層(厚さが500nm以下)においては、熱処理の温度Taが160℃以下の範囲において、温度Taの上昇とともに効率が高くなることが知られている。これに対して、図7に示すように、第2実験(有機層30の厚さが約25μ)においては、熱処理の温度Taが高いと外部量子効率EQEが低下する。このように、有機層30の厚さが薄いときと、厚いときと、で、逆の挙動が得られることが分かった。
実施形態においては、熱処理の温度Taが高いと外部量子効率EQEが低下する。従って、実施形態においては、第1値d1は、19nm以下であることが好ましい。第1値d1は、17.5nm以下であることがさらに好ましい。第1値d1は、16.5nm以下であることがさらに好ましい。これにより、高い外部量子効率EQEが得られる。例えば、放射線検出において、高い効率が得られ、高い感度が得られる。
例えば、太陽電池などの光電変換層(厚さが500nm以下)においては、温度Taと第1値d1(結晶領域のサイズ)との関係は明確ではない。
実施形態において、熱処理の温度Taが過度に低い(例えば、60℃未満)と、暗電流が上昇する傾向がある。このため、温度Taは、60℃以上(例えば、80℃以上)であることが好ましい。
既に説明したように、実施形態において、第1値d1は、約13nm以上である。第1値d1は、13nm以上19.0nm以下であることがより好ましい。
実施形態においては、第1値d1は、約13nmと比較的大きい。これにより、例えば、第1厚さt1が1μmの有機層30において、厚さ方向に、ミクロ相分離構造が形成されやすいと考えられる。例えば、相界面で正の電荷と負の電荷とが、第1導電層10または第2導電層20に到達し易くなる。
一方、温度Taが180℃のときに、第2値d2は、45.1nmとなる。このため、実施形態においては、第2値d2は、45.1nm以下であることが好ましい。温度Taが170℃のときに、第2値d2は45.0nmである。実施形態において、第2値d2は、45.0nm以下であることがさらに好ましい。これにより、例えば、相界面が効果的に形成されやすいと考えられる。正の電荷と負の電荷とが分離され易くなる。これにより、高い変換効率が得られる。これにより、高い感度が得られる。
以下、実施形態に係る放射線検出器110に含まれる要素について、いくつかの例を説明する。
第1導電層10及び第2導電層20の一方は、例えば、有機層30で生じた正孔を捕集する。第1導電層10及び第2導電層20の他方は、有機層30で生じた電子を捕集する。図1に示す例では、放射線81は、第2導電層20を通過して、有機層30に入射する。実施形態において、放射線81は、第1導電層10を通過して、有機層30に入射しても良い。
有機層30は、例えば、p形半導体(電子供与体)と、n形半導体(電子受容体)と、を含む。p形半導体は、例えば、第1化合物31を含む。n形半導体は、例えば、第2化合物32を含む。
第1化合物31は、例えば、ポリチオフェン及びポリチオフェンの誘導体の少なくともいずれかを含む。これらの化合物は、例えば、π共役構造を有する導電性高分子である。
ポリチオフェン及びポリチオフェンの誘導体は、例えば、優れた立体規則性を有する。これらの材料においては、溶媒への溶解性が比較的高い。ポリチオフェン及びポリチオフェンその誘導体は、チオフェン骨格を有する。
第1化合物31は、例えば、ポリアリールチオフェン、ポリアルキルイソチオナフテン及びポリエチレンジオキシチオフェンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
上記のポリアリールチオフェンは、例えば、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)等のポリアルキルチオフェン、ポリ(3−フェニルチオフェン)、及び、ポリ(3−(p−アルキルフェニルチオフェン))の少なくとも1つを含む。
上記のポリアルキルイソチオナフテンは、例えば、ポリ(3−ブチルイソチオナフテン)、ポリ(3−ヘキシルイソチオナフテン)、ポリ(3−オクチルイソチオナフテン)、及び、ポリ(3−デシルイソチオナフテン)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
第1化合物31は、例えば、ポリチオフェン誘導体を含む。このポリチオフェン誘導体は、例えば、カルバゾール、ベンゾチアジアゾール、及び、チオフェンの共重合体よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。このチオフェンの共重合体は、例えば、ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)](PCDTBT)を含む。
第1化合物31が、ポリチオフェン及びポリチオフェンの誘導体を含むことにより、例えば、高い変換効率が得られる。
第2化合物32は、例えば、フラーレン及びフラーレン誘導体を含む。フラーレン誘導体は、フラーレン骨格を有する。フラーレン及びフラーレン誘導体は、例えば、C60、C70、C76、C78及びC84よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。フラーレン誘導体は、酸化フラーレンを含む。酸化フラーレンにおいて、これらのフラーレンの炭素原子の少なくとも一部が酸化されている。フラーレン誘導体は、フラーレン骨格の一部の炭素原子が任意の官能基で修飾される。フラーレン誘導体は、これらの官能基どうしが互いに結合して形成された環を含んでも良い。フラーレン誘導体は、フラーレン結合ポリマーを含んでも良い。第2化合物32は、溶剤に親和性の高い官能基を有するフラーレン誘導体を含むことが好ましい。この化合物においては、溶媒への可溶性が高い。
フラーレン誘導体が含む官能基は、例えば、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、芳香族炭化水素基、及び、芳香族複素環基よりなる群から選択された少なくともいずれかを含んでも良い。ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子及び塩素原子よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。アルキル基は、例えば、メチル基及びエチル基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。アルケニル基は、例えば、ビニル基を含む。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基及びエトキシ基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基及びナフチル基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。芳香族複素環基は、例えば、チエニル基及びピリジル基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
フラーレン誘導体は、例えば、水素化フラーレンを含んでも良い。水素化フラーレンは、例えば、C6036及びC7036を含む。フラーレン誘導体は、例えば、酸化フラーレンを含む。酸化フラーレンにおいて、C60またはC70が酸化される。フラーレン誘導体は、例えば、フラーレン金属錯体を含んでも良い。
フラーレン誘導体は、例えば、[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(60PCBM)、[6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル(70PCBM)、インデン−C60ビス付加物(60ICBA)、ジヒドロナフチル−C60ビス付加物(60NCBA)、及び、ジヒドロナフチル−C70ビス付加物(70NCBA)よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。60PCBMは、未修飾のフラーレンである。60PCBMにおいては、光キャリアの移動度が高い。
有機層30(有機半導体層)は、例えば、バルクヘテロ接合構造を有する。バルクヘテロ接合構造は、例えば、p形半導体材料とn形半導体材料との混合物を有する。バルクヘテロ接合構造では、p形半導体とn形半導体との相界面を拡大することができる。バルクヘテロ接合型の有機半導体層は、p形半導体材料とn形半導体材料とのミクロ相分離構造を有する。有機半導体層内において、p形半導体の相とn形半導体の相とは互いに分離している。有機半導体層は、例えば、pn接合を含む。
有機層30(有機半導体層)に放射線81が照射される。有機層30において、放射線81が吸収される。上記の相界面で、正の電荷(正孔)と負の電荷(電子)とが分離される。これらの電荷は、第1導電層10または第2導電層20に輸送される。
有機層30は、例えば、第1化合物31、第2化合物32及び溶媒を含む溶液を塗布することにより形成される。例えば、印刷法などが用いられる。例えば、安価な装置を用いて、低コストで大面積の放射線検出装置を製造することができる。有機層30は、例えば、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビア・オフセット印刷法、ディスペンサー塗布法、ノズルコート法、キャピラリーコート法、及び、インクジェット法よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。これらの塗布法を組み合わせた方法が用いられても良い。
溶媒は、例えば、不飽和炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、及び、エーテル類よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。不飽和炭化水素系溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、及び、tert−ブチルベンゼンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒は、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、及び、トリクロロベンゼンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。ハロゲン化飽和炭化水素系溶媒は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、及び、クロロシクロヘキサンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。エーテル類は、例えば、テトラヒドロフラン、及び、テトラヒドロピランよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒は、単独または混合されて使用されても良い。
溶液において、第2化合物32の濃度(Cn(wt5))に対する第1化合物31の濃度(Cp(wt%))の比(Cn/Cp)は、0.05以上20以下であることが好ましい。この比(Cn/Cp)は、例えば、0.2以上5以下でもよい。
例えば、有機層30における第2化合物32の第2重量濃度に対する、有機層30における第1化合物31の第1重量濃度の比は、0.05以上20以下であることが好ましい。この比(Cn/Cp)は、例えば、0.2以上5以下でもよい。
第2導電層20は、例えば、導電性金属酸化物を含む。導電性金属酸化物は、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素を含む酸化錫(FTO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、及び、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。第2導電層20は、例えば、金属膜を含む。金属膜は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、チタン、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、インジウム、アルミニウム、錫、金、白金、銀、及び、銅よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2導電層20は、上記の金属を含む合金を含んでも良い。第2導電層20は、上記の金属の酸化物を含んでも良い。第2導電層20は、有機系の導電性ポリマーを含んでも良い。第2導電層20は、例えば、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体、ポリチオフェン及びポリチオフェンの誘導体よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。第2導電層20に含まれる膜の数は、1でも2以上でも良い。第2導電層20は、仕事関数が互い異なる複数の膜(積層膜)を含んでも良い。
第2導電層20は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、及び、塗布法よりなる群から選択された少なくとも1つを含む方法により形成されても良い。
第2導電層20の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、例えば、5nm以上1μm以下である。厚さは、好ましくは、15nm以上300nm以下である。第2導電層20の厚さが過度に薄いと、例えば、シート抵抗が高くなる。第2導電層20の厚さが過度に厚いと、放射線81の透過率が低下する。第2導電層20の厚さが過度に厚いと、可撓性が低くなり、応力によるひび割れ等が生じやすくなる。
第1導電層10は、例えば、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、及び、マグネシウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1導電層10は、これらの元素(金属)を含む合金を含んでも良い。第1導電層10は、例えば、無機塩を含んでも良い。無機塩は、例えば、フッ化リチウム及びフッ化セシウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、第1導電層10は、金属酸化物を含んでも良い。金属酸化物は、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、フッ素を含む酸化錫(FTO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化リチウム及び酸化セシウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
第1導電層10に含まれる膜の数は、1でも2以上でも良い。第1導電層10は、仕事関数が互いに異なる複数の膜(積層膜)を含んでも良い。
第1導電層10は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、及び塗布法よりなる群から選択された少なくとも1つを含む方法により形成されても良い。第1導電層10の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、例えば、1nm以上1μm以下である。この厚さは、1nm以上500nm以下がより好ましい。この厚さは、10nm以上300nm以下であることがさらに好ましい。第1導電層10が過度に薄すいと、シート抵抗が高くなる。第1導電層10が過度に厚いと、第1導電層10の形成において、有機層30に熱が加わり、特性が劣化する場合がある。第1導電層10のシート抵抗は、例えば、500Ω/square以下である。シート抵抗は、例えば、200Ω/square以下であることが好ましい。
基板50は、例えば、無機材料または有機材料を含む。この無機材料は、例えば、石英、ガラス、サファイア及びチタニアよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。この有機材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、及び、エポキシ樹脂よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
基板50は、例えば、板状、フィルム状、または、シート状である。基板50の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、例えば、5μm以上20mm以下である。
上記の記載において、材料または厚さなどは例であり、実施形態は、上記の記載に限定されない。
図8は、第1実施形態に係る別の放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、実施形態に係る別の放射線検出器110aにおいては、第1導電層10、第2導電層20及び有機層30に加えて、第1中間層35及び第2中間層36が設けられている。放射線検出器110aにおけるこれ以外の構成は、例えば、放射線検出器110の構成と同様である。放射線検出器110aにおいて、検出回路70、第1配線71及び第2配線72(図1参照)が設けられてもよい。
第1中間層35は、有機層30と第1導電層10との間に設けられる。第2中間層36は、有機層30と第2導電層20との間に設けられる。
第1中間層35は、例えば、電子輸送層及び正孔ブロック層の少なくともいずれかとして機能しても良い。第2中間層36は、例えば、正孔輸送層及び電子ブロック層の少なくともいずれかとして機能しても良い。
第1中間層35が、正孔輸送層及び電子ブロック層の少なくともいずれかとして機能し、第2中間層36が、電子輸送層及び正孔ブロック層の少なくともいずれかとして機能しても良い。
第1中間層35の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、例えば、5nm以上100nm以下である。第2中間層36の厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、例えば、5nm以上100nm以下である。
実施形態において、第1中間層35及び第2中間層36の少なくともいずれかが設けられても良い。
電子輸送層は、例えば、電子を効率的に輸送する機能を有する。電子輸送層は、例えば、ハロゲン化合物、金属酸化物、およびn形有機半導体よりなる群から選択されたの少なくとも1つを含む。ハロゲン化合物は、例えば、LiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI及びCsFよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記の金属酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウム、及び、酸化ニオブよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これらの混合物が用いられても良い。電子輸送層は、例えば、無機材料(例えば、金属カルシウムなど)の無機材料を含んでも良い。
n形有機半導体は、例えば、フラーレンおよびフラーレンの誘導体よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。n形有機半導体は、例えば、C60、C70、C76、C78、及びC84よりなる群から選択された少なくとも1つを含む骨格を含む。フラーレン誘導体において、例えば、フラーレン骨格における炭素原子が、任意の官能基で修飾されていても良い。フラーレン誘導体は、例えば、複数の官能基どうしが互いに結合した環を含んでも良い。フラーレン誘導体は、例えば、フラーレン結合ポリマーを含む。フラーレン誘導体は、例えば、溶媒に親和性の高い官能基を有しても良い。
フラーレン誘導体における官能基は、例えば水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、シアノ基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記のハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、及び塩素原子よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記のアルキル基は、例えば、メチル基及びエチル基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記のアルケニル基は、例えば、ビニル基等を含む。上記のアルコキシ基は、例えば、メトキシ基、及びエトキシ基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記の芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基、及びナフチル基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記の等の芳香族複素環基は、例えば、チエニル基、及びピリジル基よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
上記のフラーレン誘導体は、例えば、水素化フラーレン、オキサイドフラーレン、及びフラーレン金属錯体よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。水素化フラーレンは、例えば、C6036、及びC7036よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。フラーレン誘導体は、例えば、[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(60PCBM)及び[6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル(70PCBM)よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
n形有機半導体は、例えば、低分子化合物でも良い。低分子化合物は、蒸着により成膜することが可能である。上記の低分子化合物において、数平均分子量Mnは、重量平均分子量Mwと実質的に一致する。低分子化合物において、数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwの少なくともかが、1万以下である。n形有機半導体は、例えば、BCP(bathocuproine)、Bphen(4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline)、TpPyPB(1,3,5−tri(p−pyrid−3−yl−phenyl)benzene)、及びDPPS(diphenyl bis(4−pyridin−3−yl)phenyl)silane)よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
電子輸送層の厚さは、例えば、100nm以下である。例えば、電子輸送層の抵抗が低くなる。例えば、高い変換効率が得られる。電子輸送層の厚さは、例えば、5nm以上である。電子輸送層の厚さが5nm以上であるときに、例えば、孔ブロック効果を十分に得ることができる。例えば、発生した励起子が、電子と正孔とを放出する前に失活することが抑制できる。例えば、効率的に電流を取り出すことができる。
正孔輸送層は、例えば、正孔を効率的に輸送する機能を有する。正孔輸送層は、例えば、p形有機半導体材料及び金属酸化物よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。 上記のp形有機半導体は、例えば、ドナーユニットとアクセプタユニットとを含む共重合体を含む。ドナーユニットは、例えば、フルオレン及びチオフェンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。アクセプタユニットは、例えば、ベンゾチアジアゾール等を含む。
上記のp形有機半導体は、例えば、ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、ポリピロール、ポリピロールの誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン、オリゴチオフェンの誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールの誘導体、ポリシラン、ポリシランの誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン、ポルフィリンの誘導体、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンビニレンの誘導体、ポリチエニレンビニレン、ポリチエニレンビニレンの誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、及び、チエノ[3,2−b]チオフェン誘導体よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。上記のポリシロキサン誘導体の側鎖は、例えば、芳香族アミンを有する。上記のポリシロキサン誘導体の主鎖は、例えば、芳香族アミンを有する。
正孔輸送層は、上記から選択される複数の材料を含んでも良い。正孔輸送層は、上記の複数の材料を含む共重合体を含んでも良い。ポリチオフェンおよびポリチオフェンの誘導体は、優れた立体規則性を有し、また溶媒への溶解性が比較的高い。
正孔輸送層は、例えば、ポリ[N−9’−ヘプタデカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)](PCDTBT)を含んでも良い。この材料は、カルバゾール、ベンゾチアジアゾールおよびチオフェンを含む共重合体である。
正孔輸送層は、例えば、ベンゾジチオフェン(BDT)誘導体と、チエノ[3,2−b]チオフェン誘導体と、を含む共重重合体を含んでも良い。正孔輸送層は、例えば、ポリ[[4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル][3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル]](PTB7)を含んでも良い。正孔輸送層は、例えば、PTB7−Th(PCE10またはPBDTTT−EFTと呼ばれることもある)を含んでも良い。PTB7−Thにおいては、PTB7のアルコキシ基よりも電子供与性が弱いチエニル基が導入される。
正孔輸送層は、例えば、金属酸化物を含んでも良い。この金属酸化物は、例えば、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。この金属酸化物は、上記の複数の材料を含む混合物を含んでも良い。これらの材料は、安価である。正孔輸送層は、例えば、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸銅等)を含んでも良い。
正孔輸送層は、例えば、導電性高分子(例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンなど)を含んでも良い。正孔輸送層は、例えば、ポリチオフェン系ポリマー(PEDOT等)と、別の材料と、を含んでも良い。例えば、正孔輸送層としての適切な仕事関数が得られる。
電子輸送層および正孔輸送層の少なくともいずれかは、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、ゾルゲル法、塗布法、または、メッキ法等により形成される。
既に説明したように、有機層30に放射線81が照射され、第1化合物31(p形半導体領域)と、第2化合物32(n形半導体領域)と、の界面(相界面)で、移動可能な電荷が生じる。例えば、電子と正孔とが生成される。検出回路70(図1参照)により、第1導電層10と第2導電層20の間にバイアス電圧を印加することで、この電荷が取り出される。例えば、検出回路70において、この電荷が検出される。
図9は、第1実施形態に係る放射線検出器の一部を例示する回路図である。
図9は、検出回路70に設けられる電荷増幅器75を例示している。電荷増幅器75の2つの入力端子の一方に、第1配線71(すなわち、第1導電層10)が電気的に接続される。電荷増幅器75の2つの入力端子の他方に、第2配線72(すなわち、第2導電層20)が電気的に接続される。電荷増幅器75の負入力と、電荷増幅器75の出力端子との間に、キャパシタンス76が接続される。例えば、第1導電層10と第2導電層20との間に生じる電荷に応じた電圧が、出力信号OSとして得られる。
電荷増幅器75において、キャパシタンス76と並列に抵抗が設けられてとも良い。参照電圧の入力端子がさらに設けられても良い。
図10は、第1実施形態に係る別の放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、本実施形態に係る別の放射線検出器111においては、第1導電層10、第2導電層20、有機層30、基板50に加えて、封止部材60がさらに設けられる。基板50及び封止部材60には、例えば、ガラスが用いられる。封止部材60の外縁が、基板50の外縁と、接合される。基板50及び封止部材60により囲まれる空間に、第1導電層10、第2導電層20及び有機層30が設けられる。第1導電層10、第2導電層20及び有機層30は、基板50及び封止部材60により、気密に封止される。これにより、安定した特性が得やすくなる。高い信頼性が得られる。
第1導電層10、第2導電層20及び有機層30と、封止部材60との間には、空間65が設けられる。この空間65に、例えば、不活性ガス(例えば窒素ガスなど)が封入される。
図11は、第1実施形態に係る放射線検出器を例示する模式的断面図である。
図11に示すように、放射線検出器120においては、第1導電層10、第2導電層20及び有機層30が設けられる。基板50がさらに設けられても良い。図11においては、図の見やすさのために、放射線検出器120に含まれる要素の一部が互いに離されて描かれている。
放射線検出器120においては、複数の第2導電層20が設けられる。複数の第2導電層20は、有機層30から第1導電層10に向かう第1方向(Z軸方向)に対して交差する平面(例えばX−Y平面)に沿って並ぶ。X−Y平面は、Z軸方向に対して垂直である。
複数の第2導電層20は、例えば、X軸方向及びY軸方向に沿って並ぶ。複数の第2導電層20は、例えば、マトリクス状に並ぶ。
放射線検出器120においては、放射線81に応じた画像が得られる。放射線検出器120において、第1の実施形態に関して説明した構成、及び、その変形が適用できる。放射線検出器120においても、感度を向上できる放射線検出器が提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、放射線検出器の製造方法に係る。
図12は、第2実施形態に係る放射線検出器の製造方法を例示するフローチャート図である。
図12に示すように、膜を形成する(ステップS110)。この膜は、第1導電形の第1化合物31、第2導電形の第2化合物32、及び溶剤を含む溶液を含む。この膜は、例えば、第2導電層20の上方に形成される。第2導電層20の上に、他の層(例えば、ホール輸送層など)が設けられても良い。
上記の膜を、60℃以上180℃以下の温度Taで熱処理する(ステップS120)。上記の膜から有機層30を形成する。熱処理後に上記の膜から得られる有機層30の厚さ(第1厚さt1)は1μm以上である。
実施形態に係る製造方法においては、第1厚さt1が1μm以上であり、温度Taが60℃以上180℃以下である。これにより、例えば、高い外部量子効率EQEが得られる。高い感度で放射線を検出することができる。熱処理の温度Taは、160℃以下でも良い。温度Taは、150℃以下でも良い。熱処理の温度Taは、80℃以上でも良い。
例えば、第1厚さt1は、10μm以上1000μm以下であることが好ましい。
このようにして製造された有機層30において、既に説明した第1値d1が得られることが好ましい。例えば、実施形態に係る製造方法において、有機層30のX線回折における第1ピークp1において、第1ブラッグ角θ1(ラジアン)、2θ1のピークの第1半値全幅w1(ラジアン)、及び、X線波長λ(nm)が得られる。これらの値から得られる、(0.9・λ)/(w1・cosθ1)の第1値d1は、13nm以上19nm以下である。上記の2θ1は、0.0750ラジアン以上0.1100ラジアン以下である。高い感度で放射線を検出することができる。
有機層30のX線回折で第2ピークp2において、第2ブラッグ角θ2(ラジアン)、2θ2のピークの第2半値全幅w2(ラジアン)、及び、X線波長λ(nm)が得られる。これらの値から得られる、(0.9・λ)/(w2・cosθ2)の第2値d2は、45nm以下である。上記の2θ2は、0.3194ラジアン以上0.3543ラジアン以下である。
実施形態において、上記の熱処理は、例えば、上記の膜が、第1導電層10と第2導電層20との間に設けられた状態で行われても良い。
有機半導体層を用いた光電変換素子がある。光電変換素子は、例えば、太陽電池、光センサ、発光素子、光ダイオードまたは光メモリ等に用いられる。これらの用途においては、有機半導体層が薄い(例えば500nm以下)。
一方、実施形態においては、有機層30を含む放射線検出器において、有機層30の厚さ(第1厚さt1)が1μm以上に厚くされる。これにより、放射線81に対する高い捕捉効率が得られる。このような厚い有機層30においては、薄い有機半導体の層の場合には得られない大きな第1値d1が得られることが分かった。そして、第1値d1が過度に大きくなると効率が低下することが分かった。第1値d1が過度に大きくなると再結合が多くなるため、放射線検出器の感度が低下すると考えられる。太陽電池などのように、薄い有機半導体層を用いた場合とは異なる挙動が生じることが分かった。
実施形態においては、第1値d1を19μm以下とする。これにより、放射検出において、高い感度が得られる。
実施形態によれば、感度を向上できる放射線検出器及びその製造方法を提供することができる。
本願明細書において、電気的に接続される状態は、2つの導体が直接接する状態を含む。電気的に接続される状態は、2つの導体が、別の導体(例えば配線など)により接続される状態を含む。電気的に接続される状態は、2つの導体の間の経路の間にスイッチング素子(トランジスタなど)が設けられ、2つの導体の間の経路に電流が流れる状態が形成可能な状態を含む。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、放射線検出器に含まれる導電層、有機層、第1化合物、第2化合物及び検出回路などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した放射線検出器及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての放射線検出器及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1導電層、 20…第2導電層、 30…有機層、 31…第1化合物、 32…第2化合物、 35…第1中間層、 36…第2中間層、 50…基板、 60…封止部材、 65…空間、 70…検出回路、 71…第1配線、 72…第2配線、 75…電荷増幅器、 76…キャパシタンス、 81…放射線、 θ1、θ2…第1、第2ブラッグ角、 110、111、120…放射線検出器、 EQE…外部量子効率、 Int…強度、 OS…出力信号、 Ta…温度、 d1、d2…第1、第2値、 p1、p2…第1、第2ピーク、 t1…第1厚さ

Claims (12)

  1. 第1導電層と、
    第2導電層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層との間に設けられた有機層と、
    を備え、
    前記第2導電層から前記第1導電層に向かう第1方向に沿った前記有機層の第1厚さは1μm以上であり、
    前記有機層は、第1導電形の第1化合物と、第2導電形の第2化合物と、を含み、
    前記有機層のX線回折における第1ピークにおいて、第1ブラッグ角θ1(ラジアン)、2θ1のピークの第1半値全幅w1(ラジアン)、及び、X線波長λ(nm)から得られる、(0.9・λ)/(w1・cosθ1)の第1値は、13nm以上19nm以下であり、
    前記2θ1は、0.750ラジアン以上0.1100ラジアン以下である、放射線検出器。
  2. 前記有機層の前記X線回折における第2ピークにおいて、第2ブラッグ角θ2(ラジアン)、2θ2のピークの第2半値全幅w2(ラジアン)、及び、前記X線波長λ(nm)から得られる、(0.9・λ)/(w2・cosθ2)の第2値は、45nm以下であり、
    前記2θ2は、0.3194ラジアン以上0.3543ラジアン以下である、請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記第2化合物は、C6036、C7036、[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル、[6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル、インデン−C60ビス付加物、ジヒドロナフチル−C60ビス付加物、及び、ジヒドロナフチル−C70ビス付加物よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の放射線検出器。
  4. 前記第2化合物は、[6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステルを含む、請求項1または2に記載の放射線検出器。
  5. 前記第1化合物は、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3−(p−アルキルフェニルチオフェン))、ポリ(3−ブチルイソチオナフテン)、ポリ(3−ヘキシルイソチオナフテン)、ポリ(3−オクチルイソチオナフテン)、ポリ(3−デシルイソチオナフテン)、及び、ポリエチレンジオキシチオフェンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  6. 前記第1化合物は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)を含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  7. 前記有機層における第2化合物の第2重量濃度に対する、前記有機層における第1化合物の第1重量濃度の比は、0.1以上20以下である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  8. 前記第1厚さは、10μm以上1000μm以下である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  9. 前記第1導電層と前記有機層との間に設けられた第1中間層をさらに備え、
    前記第1中間層は、正孔輸送層及び電子ブロック層の少なくともいずれかとして機能する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  10. 前記第1導電層と前記有機層との間に設けられた第1中間層をさらに備え、
    前記第1中間層は、第1材料及び第2材料の少なくともいずれか1つを含み、
    前記第1材料は、ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、ポリピロール、ポリピロールの誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン、オリゴチオフェンの誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールの誘導体、ポリシラン、ポリシランの誘導体、ポリシロキサン誘導体、ポリアニリン、ポリアニリンの誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン、ポルフィリンの誘導体、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンビニレンの誘導体、ポリチエニレンビニレン、ポリチエニレンビニレンの誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、及び、チエノ[3,2−b]チオフェン誘導体よりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
    前記第2材料は、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、及び酸化アルミニウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  11. 前記第2導電層と前記有機層との間に設けられた第2中間層をさらに備え、
    前記第2中間層は、電子輸送層及び正孔ブロック層の少なくともいずれかとして機能する、請求項1〜10のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  12. 前記第2導電層と前記有機層との間に設けられた第2中間層をさらに備え、
    前記第2中間層は、ハロゲン化合物、金属酸化物、およびn形有機半導体よりなる群から選択されたの少なくとも1つを含み、
    前記ハロゲン化合物は、LiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI及びCsFよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
    前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウム、及び、酸化ニオブよりなる群から選択された少なくとも1つを含み、
    前記n形有機半導体は、フラーレンおよびフラーレンの誘導体よりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の放射線検出器。
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