JP2019090018A - シリコーン粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

シリコーン粘着剤組成物及び粘着テープ Download PDF

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Abstract

【課題】皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができるシリコーン粘着剤組成物を提供する。また、該シリコーン粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テープを提供する。【解決手段】ポリオルガノシロキサンと、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤とを含有するシリコーン粘着剤組成物であって、前記ポリオルガノシロキサンは、Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンと、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンとを含み、前記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.5重量部以上15重量部以下であるシリコーン粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン粘着剤組成物及び粘着テープに関する。
従来から、電子機器において部品を固定する際、粘着テープが広く用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために粘着テープが用いられている。このような電子機器部品の固定に用いられる粘着テープは、例えばアクリル粘着剤を含有する粘着剤層等を有しており、高い粘着性に加え、使用される部位の環境に応じて、耐熱性、熱伝導性、耐衝撃性等の機能が要求されている(例えば、特許文献1〜3)。
近年、電子機器の小型化、軽量化及び低コスト化によって、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末等の常に身に着けたり、手元に置いたりするタイプの電子機器が広く普及している。このような携帯型の電子機器は、頻繁に使用され、また、タッチパネル等により素手で操作が行われることから、粘着テープには、頻繁に手が触れる部分に用いられていても皮脂によって劣化しない性能が望まれている。
特開2015−052050号公報 特開2015−021067号公報 特開2015−120876号公報
本発明は、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができるシリコーン粘着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該シリコーン粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、ポリオルガノシロキサンと、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤とを含有するシリコーン粘着剤組成物であって、前記ポリオルガノシロキサンは、Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンと、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンとを含み、前記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.5重量部以上15重量部以下であるシリコーン粘着剤組成物である。
また、本発明は、アルコキシシリル基が(メタ)アクリル基に由来する構造を介してシロキサン骨格に結合しているポリオルガノシロキサンを含有する粘着剤層を有し、前記粘着剤層の乾燥重量100gあたりの前記アルコキシシリル基の含有量が4mmol以上160mmol以下である粘着テープである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、皮脂の主成分であるオレイン酸に対する耐性に優れる粘着剤として、ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン粘着剤組成物が有効であることを見出した。更に、本発明者らは、被着体との界面の接着強度を高めるために、シリコーン粘着剤組成物にシランカップリング剤を配合することを検討した。しかしながら、使用するシランカップリング剤の種類及び配合量によっては、充分な皮脂への耐性が得られなかった。
本発明者らは、各種シランカップリング剤のなかでも(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤を採用し、ポリオルガノシロキサンと、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤とを含有し、上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量が特定範囲に調整されたシリコーン粘着剤組成物を検討した。本発明者らは、このようなシリコーン粘着剤組成物であれば、ポリオルガノシロキサンにアルコキシシリル基を導入することができ、被着体との界面の接着強度を向上させることができることを見出した。本発明者らは、このようなシリコーン粘着剤組成物であれば、皮脂の主成分であるオレイン酸に対する耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、ポリオルガノシロキサンと、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤とを含有する。
上記ポリオルガノシロキサンは、Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンと、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンとを含む。上記ポリオルガノシロキサンは、Si−H結合及びアルケニル基の両方を有するポリオルガノシロキサンを含んでいてもよい。
なお、本明細書中、(メタ)アクリルとは、メタクリル基又はアクリル基のどちらを用いてもよいことを意味する。
上記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンは、シロキサン骨格を有し、かつ、分子中にSi−H結合を有する化合物であれば、特に限定されない。上記シロキサン骨格とは、シロキサン結合(−O−Si−O−)を含む骨格である。上記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンのSi−H結合以外の側鎖構造は特に制限されず、例えば、メチル基等のアルキル基や、フェニル基等のアリール基を有していてもよい。また、上記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンは、直鎖状化合物であってもよいし、分枝状化合物であってもよいし、環状化合物であってもよい。
上記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンに含まれるSi−H結合により、架橋構造を構築することができる。具体的には、白金触媒等を反応触媒として、上記Si−H結合と上記アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンに含まれるアルケニル基、又は、上記Si−H結合と上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の(メタ)アクリル基が反応して、架橋構造を構築することができる。
このような架橋構造においては、上記ポリオルガノシロキサンのシロキサン骨格に対して、アルコキシシリル基が共有結合を介して結ばれる。なお、ここでいうアルコキシシリル基とは、上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤に由来するものである。また、上記アルコキシシリル基が被着体表面と共有結合等の結合を形成することで、シリコーン粘着剤組成物から形成された粘着剤層と被着体表面とが共有結合等の結合を介して結ばれる。すなわち、シリコーン粘着剤組成物から形成された粘着剤層と被着体とが共有結合等の結合を介して強固に結ばれるため、皮脂の主成分であるオレイン酸に対する耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができる粘着剤層を形成することができる。
なお、過酸化物硬化型のポリオルガノシロキサンを用いた場合は、詳細な理由は不明であるが、シロキサン骨格とシランカップリング剤との結合がうまく形成されず、本発明のような架橋構造及び効果を得ることが難しい。
上記Si−H結合の含有量は特に限定されないが、本発明のシリコーン粘着剤組成物中に含有される上記ポリオルガノシロキサンの合計量に対して、好ましい下限が0.1重量%、好ましい上限が0.5重量%である。上記Si−H結合の含有量が0.1重量%以上であれば、上記Si−H結合と上記アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンに含まれるアルケニル基の架橋反応や、上記Si−H結合と上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の(メタ)アクリル基の反応が充分に進行し、皮脂への耐性が向上する。上記Si−H結合の含有量が0.5重量%以下であれば、上記Si−H結合による余剰の架橋反応を抑制できるため、シリコーン粘着剤組成物が過度に硬化して粘着力が損われてしまうことを防止できる。
上記アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンは、シロキサン骨格を有し、かつ、アルケニルを有する化合物であれば、特に限定されない。上記アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンのアルケニル基以外の側鎖構造は特に制限されず、例えば、メチル基等のアルキル基や、フェニル基等のアリール基を有していてもよい。また、上記アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンは、直鎖状化合物であってもよいし、分枝状化合物であってもよいし、環状化合物であってもよい。
上記ポリオルガノシロキサンは、M体とQ体のみからなるMQレジンを含有していてもよい。すなわち、Si−H結合及びアルケニル基のいずれも含まないMQレジンを含有していてもよい。このようなMQレジンを含有することで、シリコーン粘着剤組成物の初期粘着力が向上する。
上記M体とQ体のみからなるMQレジンの含有量は特に限定されないが、上記ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましい下限が16重量部、好ましい上限が50重量部である。このような範囲の含有量とすることで、シリコーン粘着剤組成物がより高い初期粘着力を発揮でき、皮脂への耐性が向上する。上記M体とQ体のみからなるMQレジンの含有量は、上記ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、より好ましい下限が28重量部、より好ましい上限が47重量部である。
上記ポリオルガノシロキサンの市販品は特に限定されないが、例えば、信越化学工業社製のKR3701、KR3700、東レ・ダウコーニング社製のSD4580、SD4584等が挙げられる。
本発明のシリコーン粘着剤組成物に上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤を配合することにより、被着体との界面の接着強度を高めることができる。
なお、上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の代わりに、例えば、ビニル基、エポキシ基、グリシジル基等を有するシランカップリング剤を配合した場合には、充分な皮脂への耐性が得られない。本発明者らは、ビニル基等を有するシランカップリング剤を用いた場合には、上記Si−H結合とシランカップリング剤との反応による結合の形成が難しいことを見出した。一方で、上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤を用いた場合は、上記ポリオルガノシロキサンのシロキサン骨格に対して、アルコキシシリル基が共有結合を介して結ばれる結果、得られる粘着剤層と被着体とが共有結合等の結合を介して強固に結びつくことができ、皮脂への耐性が向上することを見出した。
上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤は、(メタ)アクリル基を有していれば特に限定されない。具体的には例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、8−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、上記Si−H結合との反応性が良好で、かつ、被着体との界面の接着強度がより向上しやすいことから、メタクリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量は、上記ポリオルガノシロキサン100重量部に対して下限が0.5重量部、上限が15重量部である。
上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量が0.5重量部以上であれば、シリコーン粘着剤組成物と被着体との界面の接着強度が高くなり、シリコーン粘着剤組成物の皮脂への耐性が向上する。上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量が15重量部以下であれば、白金触媒等の触媒の活性が低下することがなく、充分な架橋構造が構築されるため、シリコーン粘着剤組成物の皮脂への耐性が向上する。上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は10重量部である。
上記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサン中のSi−H結合量に対する、上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の重量比は、好ましい下限が4、好ましい上限が130である。
上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の重量比が4以上であれば、シリコーン粘着剤組成物と被着体との界面の接着強度が高くなり、シリコーン粘着剤組成物の皮脂への耐性が向上する。上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の重量比が130以下であれば、白金触媒等の触媒の活性が低下することがなく、充分な架橋構造が構築されるため、シリコーン粘着剤組成物の皮脂への耐性が向上する。上記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサン中のSi−H結合量に対する、上記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の重量比のより好ましい下限は8、より好ましい上限は45である。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、触媒を含んでいてもよい。上記触媒は、触媒付加硬化型(付加型)のシリコーン粘着剤組成物に用いられるものであれば特に限定されないが、白金触媒が好ましい。
上記白金触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−アルコール配位化合物、ロジウム、ロジウム−オレフィン錯体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明のシリコーン粘着剤組成物は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の添加剤、フィラー、その他の樹脂等を含有していてもよい。
アルコキシシリル基が(メタ)アクリル基に由来する構造を介してシロキサン骨格に結合しているポリオルガノシロキサンを含有する粘着剤層を有し、前記粘着剤層の乾燥重量100gあたりの前記アルコキシシリル基の含有量が4mmol以上160mmol以下である粘着テープもまた、本発明の1つである。
上記粘着剤層は、本発明のシリコーン粘着剤組成物に、例えば白金触媒等の触媒を加え、加熱等により硬化させることで得ることができる。このようにして得られた粘着剤層は、アルコキシシリル基が共有結合を介してシロキサン骨格に結合しているポリオルガノシロキサンを含有する。
上記粘着剤層は、粘着剤層の乾燥重量100gあたりのアルコキシシリル基の含有量が10mmol以上であることが好ましい。また、上記粘着剤層は、粘着剤層の乾燥重量100gあたりのアルコキシシリル基の含有量が65mmol以下であることが好ましい。このようにすることで、被着体との相互作用(結合形成)により、初期粘着力及び皮脂への耐性をより向上させることができる。
なお、(メタ)アクリル基に由来する構造を介してシロキサン骨格に結合しているアルコキシシリル基の含有量は、例えばNMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)等により測定することができる。
上記アルコキシシリル基が(メタ)アクリル基に由来する構造を介してシロキサン骨格に結合しているポリオルガノシロキサンは特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを用いることができる。
Figure 2019090018
一般式(1)中、R、R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を、R、R及びRはそれぞれアルキル基を、Rはアルキル基又はオキシアルキレン基を、Xはアルキル基及びアルケニル基以外の官能基を表し、nは1以上3以下の整数である。
また、一般式(1)中、スラッシュ記号(/)は、該スラッシュ記号を挟む左右の構造が任意の割合で繰り返されていることを意味し、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンがブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよいことを意味している。
一般式(1)において、Xはエステル基又はアミド基のいずれかであることが好ましい。R、R及びRはメチル基、エチル基、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。R及びRはメチル基又はエチル基であることが好ましい。また、R及びRは分枝構造を有していてもよい。
上記粘着剤層は、ゲル分率が10重量%以上であることが好ましい。上記ゲル分率が10重量%以上であれば、粘着テープの皮脂への耐性を高め、人の手が頻繁に触れる部分に粘着テープを用いても粘着力を維持することができる。上記ゲル分率のより好ましい下限は20重量%である。
上記ゲル分率の上限は特に限定されないが、好ましい上限は99重量%、より好ましい上限は95重量%である。
なお、本明細書における「ゲル分率」とは、下記式(1)のように酢酸エチルに浸漬する前の粘着剤層の重量に対する酢酸エチルに浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。
ゲル分率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (1)
(W:基材の重量、W:酢酸エチル浸漬前の粘着テープ試験片の重量、W:酢酸エチル浸漬、乾燥後の粘着テープ試験片の重量)
上記粘着剤層は、60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が90重量%以上、115重量%以下であることが好ましい。上記膨潤率を上記範囲に調整することにより、粘着テープの皮脂への耐性を高め、人の手が頻繁に触れる部分に粘着テープを用いても粘着力を維持することができる。
なお、本明細書における「膨潤率」とは、下記式(2)のようにオレイン酸に浸漬する前の粘着剤層の重量に対するオレイン酸に浸漬し、乾燥した後の粘着剤層の重量の割合を百分率で表した値である。オレイン酸への粘着剤成分の溶出がある場合、膨潤率は100重量%を下回る。
膨潤率(重量%)=100×(W−W)/(W−W) (2)
(W:基材の重量、W:オレイン酸浸漬前の粘着テープ試験片の重量、W:オレイン酸浸漬、乾燥後の粘着テープ試験片の重量)
上記粘着剤層の60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が90重量%以上であれば、粘着テープに最低限必要な皮脂耐性が発揮される。上記粘着剤層の60℃、湿度90%の条件でオレイン酸に24時間浸漬した後の膨潤率が115重量%以下であれば、粘着テープの皮脂への耐性が向上する。上記膨潤率のより好ましい上限は110重量%であり、更に好ましい上限は105重量%である。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記粘着剤層の厚みが5μm以上であれば、粘着テープの粘着力が向上する。上記粘着剤層の厚みが100μm以下であれば、粘着テープの加工性が向上する。
本発明の粘着テープは、上記粘着剤層を有していれば、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に上記粘着剤層が形成されていてもよいし、両面に上記粘着剤層が形成されていてもよい。
上記基材は特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム等が挙げられる。また、上記基材として、ポリエチレン発泡体シート、ポリプロピレン発泡体シート等のポリオレフィン発泡体シート、ポリウレタン発泡体シート等も挙げられる。なかでも、PETフィルムが好ましい。また、耐衝撃性の観点からはポリオレフィン発泡体シートが好ましい。
また、上記基材として、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着された基材等も用いることができる。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、本発明の粘着テープが基材を有する両面粘着テープである場合は以下のような方法が挙げられる。
まず、ポリオルガノシロキサン、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤、必要に応じて触媒、添加剤等に溶剤を加えてシリコーン粘着剤組成物aの溶液を作製する。このシリコーン粘着剤組成物aの溶液を基材の表面に塗布し、加熱乾燥することで、溶液中の溶剤を完全に除去して粘着剤層aを形成する。加熱により、シリコーン粘着剤組成物a中のポリオルガノシロキサンの硬化反応が進行し、粘着剤層aを得ることができる。次に、形成された粘着剤層aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面にシリコーン粘着剤組成物bの溶液を塗布し、加熱乾燥することで、溶液中の溶剤を完全に除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層aが形成された基材の裏面に、粘着剤層bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得ることができる。
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムの粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた粘着テープを得てもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、皮脂への耐性に優れているため、人の手が頻繁に触れる電子機器の部品を固定するために特に好ましく用いることができる。具体的には、スマートフォンやタブレット端末等の携帯電子機器のタッチパネル部分を固定したり、カーナビ等の車載電子機器のディスプレイパネル部分を固定したりするのに本発明の粘着テープを好ましく用いることができる。
本発明の粘着テープの形状は特に限定されず、長方形等であってもよいが、上述のようにタッチパネル部分又はディスプレイパネル部分の固定に好適であることから、額縁状が好ましい。また、本発明の粘着テープは、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持できるため、粘着テープの幅が狭くても好ましく用いることができ、粘着テープの幅が5mm以下の場合に特に好ましく用いることができる。
本発明によれば、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができるシリコーン粘着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該シリコーン粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(片面粘着テープの製造)
ポリオルガノシロキサンとして白金付加型1(信越化学工業社製、KR3701)100重量部、メタクリル基を有するシランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、白金触媒(信越化学工業社製、CAT−PL−50T)1重量部を混合し、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を厚み75μmの離型処理したPETフィルム上に、乾燥後の粘着剤層の厚みが35μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させて粘着剤層を形成させた。この粘着剤層を、基材となる厚み50μmのコロナ処理したPETフィルムに転着させ、40℃で48時間養生し、片面粘着テープを得た。Si−H結合量に対するシランカップリング剤の重量比を算出した。粘着剤層の乾燥重量100gあたりのアルコキシシリル基の含有量を、原料組成から算出した。
(実施例2〜10、比較例1〜7)
ポリオルガノシロキサン、シランカップリング剤、及び、触媒の種類及び配合量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、片面粘着テープを得た。なお、下記に示す材料を用いた。また、触媒にベンゾイルパーオキサイドを用いた場合のみ、粘着剤溶液乾燥時の条件を次のように変更した:まず90℃で3分間乾燥させ、続けて190℃で3分間乾燥させた。
・ポリオルガノシロキサン 白金付加型2(信越化学工業社製、KR3700)
・ポリオルガノシロキサン 過酸化物硬化型(信越化学工業社製、KR101−10)
・触媒 ベンゾイルパーオキサイド(東京化成工業社製)
なお、ポリオルガノシロキサンとしての白金付加型1及び白金付加型2は、いずれもSi−H結合を有するポリオルガノシロキサン及びアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンを含有するものであった。一方、過酸化物硬化型は、Si−H結合を有するポリオルガノシロキサン及びアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンのいずれも含有しないものであった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた片面粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(180°引きはがし粘着力)
得られた片面粘着テープを5mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製し、離型フィルムを剥離除去して粘着剤層を露出させた。この試験片をステンレス板に、その粘着剤層がステンレス板に対向した状態となるように載せた後、試験片上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラを一往復させることにより、試験片とステンレス板とを貼り合わせ、その後、23℃で24時間静置して試験サンプルを作製した。
この試験サンプルをオレイン酸のバスに60℃、湿度90%の条件で24時間浸漬し、取り出した後水で洗浄し、24時間静置した。
オレイン酸のバスに浸漬する前(表1中、ブランク試験値)、及び、浸漬した後(表1中、オレイン酸浸漬後)の試験サンプルについて、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、180°引きはがし粘着力(N/5mm)を測定した。なお、180°引きはがし粘着力が機器の測定限界値未満であった場合は0とした。
オレイン酸浸漬後の180°引きはがし粘着力(N/5mm)が2.0N/5mm以上であった場合を◎、1.0N/5mmを超えて2.0N/5mm未満であった場合を○、1.0N/5mm以下であった場合を×とした。
Figure 2019090018
本発明によれば、皮脂への耐性に優れ、人の手が頻繁に触れる部分に用いても粘着力を維持することができるシリコーン粘着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該シリコーン粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着テープを提供することができる。

Claims (6)

  1. ポリオルガノシロキサンと、(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤とを含有するシリコーン粘着剤組成物であって、
    前記ポリオルガノシロキサンは、Si−H結合を有するポリオルガノシロキサンと、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンとを含み、
    前記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の含有量が、前記ポリオルガノシロキサン100重量部に対して0.5重量部以上15重量部以下である
    ことを特徴とするシリコーン粘着剤組成物。
  2. 前記Si−H結合を有するポリオルガノシロキサン中のSi−H結合量に対する、前記(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤の重量比が4以上130以下であることを特徴とする請求項1記載のシリコーン粘着剤組成物。
  3. 前記ポリオルガノシロキサンが、M体とQ体のみからなるMQレジンを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のシリコーン粘着剤組成物。
  4. アルコキシシリル基が(メタ)アクリル基に由来する構造を介してシロキサン骨格に結合しているポリオルガノシロキサンを含有する粘着剤層を有し、
    前記粘着剤層の乾燥重量100gあたりの前記アルコキシシリル基の含有量が4mmol以上160mmol以下である
    ことを特徴とする粘着テープ。
  5. 前記アルコキシシリル基が(メタ)アクリル基に由来する構造を介してシロキサン骨格に結合しているポリオルガノシロキサンが、下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項4記載の粘着テープ。
    Figure 2019090018
    一般式(1)中、R、R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を、R、R及びRはそれぞれアルキル基を、Rはアルキル基又はオキシアルキレン基を、Xはアルキル基及びアルケニル基以外の官能基を表し、nは1以上3以下の整数である。
  6. 電子機器の部品を固定するために用いられることを特徴とする請求項4又は5記載の粘着テープ。
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