JP2019089736A - 皮膚洗浄用ウエットシート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽い力で皮膚表面を拭いた場合でも、皮脂や、皮膚表面に塗布したメイクアップ化粧料の除去性能が高いウエットシートを提供すること。【解決手段】本発明の皮膚洗浄用ウエットシートは、疎水性繊維と、該疎水性繊維よりも太径の親水性繊維とを少なくとも含み、これらの繊維が交絡してなる繊維集合体を備え、皮膚を洗浄する面として用いられる第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面とを有する。疎水性繊維の存在割合が、第2の面よりも第1の面で高くなっており、親水性繊維の存在割合が、第1の面よりも第2の面で高くなっている。第1の面を構成する疎水性繊維の平均繊維径が0.1μm以上8μm以下である。洗浄液が繊維集合体に担持されている。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚洗浄用ウエットシート及びその製造方法に関する。
近年、1μm前後の繊維径を有する極細繊維が交絡した繊維集合体が、様々な用途に用いられている。例えば特許文献1には、繊度が0.2d〜3dの疎水性繊維と、親水性繊維とが水流交絡した不織布が開示されている。この不織布は、汗取りシートや肌着などに使用可能であり、汗や水等の吸水面に濡れ感やべたつき感がないものであると、同文献には記載されている。
また特許文献2には、繊度0.5dtex以下である極細繊維層と、親水性繊維層とが水流交絡によって一体化した被覆シートが開示されている。この被覆シートは、化粧料が含浸でき、且つ装着性の高いものであるので、フェイスマスク等に適したものであることが同文献には記載されている。
また特許文献3には、繊維太さが5〜100μmである繊維を有する第1層と、繊維太さが1〜80μmである繊維を有する第2層とが複合化された皮膚洗浄シートが開示されている。この皮膚洗浄シートは、いずれの層も親水性繊維から構成されており、落ちにくいメイクアップ化粧料も十分に落とすことができることが同文献には記載されている。
特開平09−31823号公報 特許3944526号公報 特開2014−231506号公報
上述した特許文献1及び2には極細繊維に関する技術が記載されているが、これらの文献に記載の極細繊維を含む不織布やシートは、吸汗シートやフェイスマスク等といった皮膚への当接や貼付を目的としており、皮膚表面の洗浄を目的とした場合の繊維集合体の機能性に関しては言及されていない。
また、特許文献3に記載の皮膚洗浄シートは、該シートを構成するいずれの層も親水性繊維から構成されていることに起因して、洗浄対象である皮膚表面の清拭回数が多くなってしまう可能性があった。このため、少ない清拭回数でメイクアップ化粧料等を除去する観点から、改善の余地があった。
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を解消する皮膚洗浄用ウエットシートを提供することにある。
本発明は、疎水性繊維と、該疎水性繊維よりも太径の親水性繊維とを少なくとも含み、これらの繊維が交絡してなる繊維集合体を備え、皮膚を洗浄する面として用いられる第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面とを有する皮膚洗浄用ウエットシートであって、
前記疎水性繊維の存在割合が、前記第2の面よりも、前記第1の面で高くなっており、
前記親水性繊維の存在割合が、前記第1の面よりも、前記第2の面で高くなっており、
前記第1の面の構成繊維の平均繊維径が0.1μm以上8μm以下であり、
洗浄液が前記繊維集合体に担持されている、皮膚洗浄用ウエットシートを提供するものである。
また本発明は、前記の皮膚洗浄用ウエットシートの製造方法であって、
疎水性繊維を含む疎水性繊維集合体と、該疎水性繊維よりも太径の親水性繊維を含む親水性繊維集合体との積層体に、該疎水性繊維集合体の側から水流を吹き付けて、該疎水性繊維と該親水性繊維とを交絡させるとともに、該親水性繊維を前記第1の面側に露出させる、皮膚洗浄用ウエットシートの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、軽い力で拭いた場合でも、皮脂や、皮膚表面に塗布したメイクアップ化粧料の除去性能が高いウエットシートを提供できる。
図1は、本発明の皮膚洗浄用ウェットシートの縦断面の模式図である。 図2は、本発明の皮膚洗浄用ウェットシートの製造に用いられる製造装置の模式図である。
以下、本発明の皮膚洗浄用ウエットシート(以下、単に「ウエットシート」とも言う。)をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明において皮膚洗浄とは、ヒトの肌(皮膚表面)を清拭することを指し、例えば顔、頭皮、腕、脚、関節、腋下などの清拭も含まれる。
本発明のウエットシートは繊維集合体からなり、皮膚表面を洗浄するための洗浄液が担持されているものである。また、洗浄液を担持するとは、繊維集合体及びその空隙に洗浄液を含む態様も含む。繊維集合体は、疎水性繊維と、疎水性繊維よりも太径の親水性繊維とを少なくとも含む。疎水性繊維及び親水性繊維は、疎水性繊維どうし、親水性繊維どうし、及び疎水性繊維と親水性繊維とが交絡して前記の繊維集合体を形成している。本発明のウエットシートは、洗浄液が担持された繊維集合体そのものであってもよく、或いは該繊維集合体に加えて他の部材を有するものであってもよい。ウエットシートに担持されている洗浄液については、後述する。
ウエットシートに使用する繊維集合体は、疎水性繊維及び親水性繊維の交絡を主体として複合化された繊維集合体である。ここで、ウエットシートにおける皮膚を洗浄する面(以下、皮膚洗浄面ともいう。)を表面又は第1の面、皮膚洗浄面と反対側の面を裏面又は第2の面とも称す。
図1には、本発明のウエットシートの一実施形態の縦断面が示されている。同図に示すとおり、ウエットシート1は、疎水性繊維2と、疎水性繊維2よりも太径の親水性繊維3とを含んで構成されている。またウエットシート1は、第1の面1Fと、第1の面1Fと反対側に位置する第2の面1Rとを有する。ウエットシート1における第1の面1Fは、ウエットシートの使用時における皮膚を洗浄する面として供される。図1に示すとおり、同図の上側に繊維径の細い繊維である疎水性繊維の繊維集合体が存在しており、これが皮膚を洗浄する面(第1の面1F)である。また、同図の下側には繊維径の太い繊維である疎水性繊維の繊維集合体が存在しており、第1の面1Fの反対側に位置する面(第2の面1R)を形成している。
図1に示すとおり、ウエットシート1は、その縦断面視において、疎水性繊維2と親水性繊維3との存在箇所が偏在している。詳細には、ウエットシートは、疎水性繊維2の存在割合が、皮膚洗浄面の反対側の面である第2の面1Rよりも、皮膚洗浄面である第1の面1Fで高くなっている。また第1の面1Fでは、疎水性繊維2がその存在割合が高い状態を維持しながら面方向にわたり散在している。この構成を採用することによって、ウエットシートによる皮膚表面の洗浄効果を高めることができる。これとともに、洗浄液をウエットシートに多量に且つ安定的に担持させることができる。
前記の利点を一層顕著にする観点から、空隙も含めたウエットシートの面のうち、第1の面1F(皮膚洗浄面)における疎水性繊維2の占める面積比率は、35%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、45%以上が更に好ましい。またその上限は、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましく、97%以下が更に好ましい。具体的には、第1の面1Fにおける疎水性繊維2の占める面積比率は、35%以上99%以下が好ましく、40%以上98%以下がより好ましく、45%以上97%以下が更に好ましい。一方、第2の面における疎水性繊維の占める面積比率は、0.5%以上40%以下が好ましい。第1の面1Fにおける疎水性繊維の占める面積は、例えば、第1の面1Fを撮像した画像もしくは写真等から繊維径の細い繊維の占める面積を測定することで求める。以下、繊維の占める面積は、前記と同様にして求めることができる。したがって、面積比は繊維の占める面積を測定対象となる面積で除した値となる。なお、%表示の場合は除した値の100倍となる。
ここで、例えば、前記面積比率35%以上99%以下における上限の99%のうちの残りの1%は空隙である。この空隙は、皮膚洗浄面に対してワイピング液が放出されるために必要である。この空隙の割合を調整することで、強く拭いても、皮膚洗浄面の汚れを拭き取るのに放出される洗浄液の量を必要十分に供給できる。また、皮膚洗浄面と反対側の面における疎水性繊維の占める面積比率を前記のようにすることで、結果的に空隙が多くなり、洗浄液の担持量が増加する。
ウエットシート1は、第1の面1Fと平行な仮想面を考えたときに、その仮想面において、疎水性繊維2の占める面積比率が、皮膚洗浄面の反対側の厚さ方向に向かって、階段状に、連続的に、又はその組み合わせで減少していることが好ましい。特に、皮膚洗浄面と反対側の面(第2の面1R)を基準として、ウエットシートの厚さ方向に沿って、ウエットシートの厚さの50%以上100%以下にわたる部位について、皮膚洗浄面と平行な面における疎水性繊維の占める面積比率を50%以上100%以下の範囲とすることで、ワイピング液の担持量を高めることができる。ここで、疎水性繊維の占める面積比率を50%以上100%以下の範囲とする前記の厚さの比率は、1%以上90%以下が好ましく、5%以上70%以下がより好ましく、7%以上50%以下が更に好ましい。この厚さの比率を調節することで、洗浄液をウエットシートに多量に且つ安定的に担持させることができる。
ここで、ウエットシートの内部の情報を得るには、共焦点レーザー顕微鏡が利用できる。共焦点レーザー顕微鏡を使用することで、試料内部のスペクトルが得られ、例えば、試料を深さ方向にラマンイメージングすることで、試料内部における成分分布を非破壊で観察することができる。
洗浄液が担持されている状態において、ウエットシートの厚みは、1.96kPa荷重下において0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上2.0mm以下であることが更に好ましい。ウエットシートの厚みをこの範囲内に設定することで、該シートが十分な強度を有するようになり、皮膚洗浄時における取り扱い性が良好になる。
ウエットシートにおいては、皮膚洗浄面側の毛管圧が、皮膚洗浄面の反対側より高いことが好ましい。これにより、軽い力で対象面を清拭した場合でも、洗浄対象面のメイクアップ化粧料や皮脂等を拭き取るのに放出される洗浄液の量を適切にコントロールできる。そのため、皮膚洗浄の途中に新たなウエットシートに交換する必要がないか、又は交換する回数を少なくすることが可能となる。
ここで、毛管圧は、以下の関係に従うことが知られている。
Pc = 2kγ/r×cosθ
式中、Pcは繊維集合体の毛管圧(N/m)であり、γは液の表面張力(N/m)であり、θは繊維と液体との接触角(rad)であり、rは繊維径(m)であり、kは補正係数である。
前記の式により導き出されるPcは繊維集合体の測定により導き出される要約統計量を用いた値である。Pcを測定するためには液の表面張力、繊維径、繊維と液体との接触角、及び補正係数を測定する必要がある。表面張力は協和界面科学社製DY−200のようなプレート法に基づく自動表面張力計で、20℃、65%R.H.の環境下で10回測定した平均値とする。繊維径は、走査型電子顕微鏡による観察から、観察倍率350倍で1観察あたり30本測定し、これをランダムに計5か所、150本の繊維径を測定した平均値とする。繊維と液体との接触角はフーリエ変換赤外分光法(FTIR)により繊維集合体の構成繊維を同定し、同一組成の樹脂プレート上における接触角を測定する。具体的には、協和界面科学社製DMo−901のような全自動接触角計で1μLを滴下した後に3秒経過したときの接触角をプレート上5か所で測定し、その平均値とする。なお、繊維の材質が複数存在する場合は、それぞれの材質ごとに同様に接触角を測定し、Pc計算時の値としては、各繊維成分の表面積比に基づき接触角を加重平均した値を式内のθとする。補正係数は、JIS P 8141に規定されるクレム吸水度の測定を行い、吸水高さから液の吸水重量を測定して、液の吸水重量を不織布を構成する毛管断面の総量で割ることで、毛管圧Pcを導出できる、このようにして測定したPcから、補正係数kを算出する。
前記式から明らかなように、繊維径を細くするほど、毛管圧は高くなる。本発明のウエットシートでは、皮膚洗浄面側の毛管圧を、該皮膚洗浄面側の主たる構成繊維の繊維径を細くして高めた。
ウエットシートを構成する繊維は、上述のとおり、疎水性繊維及び親水性繊維から少なくとも構成される。上述の毛管圧を適切に発現させる観点から、ウエットシートに用いられる疎水性繊維及び親水性繊維は、繊維径の異なるものを用いることが好ましい。疎水性繊維及び親水性繊維における繊維径の詳細は後述する。なお、本明細書において、25℃の環境下において繊維上に純水の液滴を滴下したときに、繊維表面と水との接触角が90度以上である繊維を疎水性繊維とし、繊維表面と水との接触角が90度未満である繊維を親水性繊維とする。接触角の測定は、例えば特開2015−142721号公報の記載の方法に従って行うことができる。
本発明に用いられる疎水性繊維としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース、各種金属、ガラス又は鉱物を原料とする繊維が挙げられる。これらの原料は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、生産効率の観点から、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維またはポリアミド系繊維を用いることが好ましい。
ポリオレフィン系繊維は、エチレン性不飽和基を有するモノマーから得られる繊維である。ポリオレフィン系繊維の原料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコールの環状アセタール、アクリル樹脂(アクリル樹脂、メタクリル樹脂を含む)、ポリ塩化ビニルが挙げられる。アクリル樹脂は、アクリル酸若しくはそのエステル、又はメタクリル酸若しくはそのエステルから得られる繰り返し単位を有するものが好ましい。ポリオレフィンは、上記のように、ホモポリマーでもコポリマーでも構わない。
ポリエステル系繊維は、ポリマー主鎖にエステル結合を有する構造を有する化合物からなる繊維である。ポリエステル系繊維の原料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が挙げられる。
ポリアミド系繊維は、ポリマー主鎖に、アミド結合を有する構造であればどのようなポリアミドでも構わない。例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12のような重縮合ナイロン、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5Tのような共縮合ナイロンが挙げられる。また、下記のジアミン成分とジカルボン酸成分で得られるポリアミドが挙げられる。
ジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物が挙げられる。また、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン化合物が挙げられる。更に、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボン酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸化合物が挙げられる。また、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物が挙げられる。更に、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上述の原料を混合した繊維を疎水性繊維として用いることができる。原料の組み合わせとしては、例えばポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ポリプロピレンなどが挙げられる。
本発明に用いられる親水性繊維としては、例えば木材パルプ、コットン、シルク等の天然繊維や、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、リヨセル等の精製繊維、上述の疎水性繊維に親水化処理を施した繊維等が挙げられる。これらの原料は単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、ウエットシートの生産効率及び柔軟性を両立する観点から、レーヨン繊維を含むことが好ましく、レーヨン繊維を主体として含むことが更に好ましい。
上述の毛管圧を適切に発現させる観点、及び清拭対象面の洗浄性を高める観点から、第1の面1Fの構成繊維の平均繊維径が0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.8μm以上が更に好ましく、またその上限は8μm以下が好ましく、7.5μm以下がより好ましく、7μm以下が更に好ましい。具体的には、0.1μm以上8μm以下が好ましく、0.5μm以上7.5μm以下がより好ましく、0.8μm以上7μm以下が更に好ましい。「第1の面1Fの構成繊維」とは、ウエットシートの第1の面1Fにおいて視認可能なすべての繊維を指す。ある面における構成繊維の平均繊維径は、例えば観察対象面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察して、その二次元画像から繊維の塊、繊維の交差部分を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さを繊維径としたときに、これらの測定値の平均値を平均繊維径とすることができる。
また同様の観点から、第2の面1Rの構成繊維の平均繊維径は、9μm以上が好ましく、9.3μm以上がより好ましく、9.5μm以上が更に好ましく、またその上限は30μm以下が好ましく、28μm以下がより好ましく、25μm以下が更に好ましい。具体的には、9μm以上30μm以下が好ましく、9.3μm以上28μm以下がより好ましく、9.5μm以上25μm以下が更に好ましい。「第2の面1Rの構成繊維」とは、ウエットシートの第2の面1Rにおいて視認可能なすべての繊維を指す。
ウエットシートを構成する繊維集合体は、その乾燥状態において、JIS L 1096に規定される剛軟度が、坪量1g/m当たり0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることが更に好ましく、またその上限は3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1.5mm以下であることが好ましい。具体的には、剛軟度が、坪量1g/m当たり0.1mm以上3mm以下であることが好ましく、0.2mm以上2mm以下であることがより好ましく、0.3mm以上1.5mm以下であることが更に好ましい。剛軟度は、ウエットシートのMD方向及びCD方向のいずれか一方で満たされていればよく、好ましくはMD方向及びCD方向の双方で満たされている。この剛軟度を満たすことによって、肌触りがよく、柔軟性に富むウェットシートを製造することができる。剛軟度は、その数値が低いほど、測定に供される繊維集合体が柔らかいことを意味する。なお「乾燥状態」とは、繊維集合体に含まれる水分量が3質量%以下であることをいう。
本発明のウエットシートは、洗浄液を含む。洗浄液は、皮膚表面に付着しているメイクアップ化粧料や皮脂等を除去しやすくするために用いられる。ウエットシートにおける洗浄液の担持量は、ウエットシートの寸法を例えば100mm×180mmとしたときに、0.4g/枚以上が好ましく、0.6g/枚以上がより好ましく、0.8g/枚以上が更に好ましい。洗浄液の担持量の上限は、20g/枚以下が現実的であり、16g/枚以下が好ましく、14g/枚以下が更に好ましい。
ウエットシートに用いられる洗浄液は、メイクアップ化粧料の化粧料落とし等に一般的に用いられる水性洗浄剤の組成と同様のものを用いることができる。このような洗浄液としては、例えば水単独で用いてもよく、また水を主体として、必要に応じて、界面活性剤、アルコール、塩、ビタミン、pH調整剤、保湿剤、防腐剤、湿潤剤、粘度調整剤、香料等の成分を含有した水溶液を用いることができる。
洗浄液に用いられる界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤のいずれでも構わないが、メイクアップ化粧料の除去性の向上と肌への刺激の抑制とを両立する観点から、例えばポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。洗浄液における界面活性剤の含有量は、1質量%以上20質量%以下とすることができる。
特に、皮膚表面に付着しているメイクアップ化粧料や皮脂等を効果的に除去する観点から、本発明に用いられる洗浄液は、メイクアップ化粧料のクレンジング剤を含むことが好ましい。メイクアップ化粧料のクレンジング剤としては、例えば上述の界面活性剤を含む水溶液等が挙げられる。メイクアップ化粧料のクレンジング剤には、界面活性剤の他に、必要に応じて、エタノール等のアルコール、クエン酸等のpH調整剤、1,3−ブチレングリコールやグリセリン等の保湿剤、安息香酸Na等の防腐剤、湿潤剤、粘度調整剤、香料等を含有していてもよい。
次に、本発明のウエットシートの好適な製造方法を、図2を参照しながら説明する。図2には、ウエットシートの製造に好適に用いられる製造装置10が示されている。製造装置10は、搬送方向(MD方向)に沿って、ウエブ形成部20と、第1交絡部30と、紡糸部40と、第2交絡部50とをこの順で備えている。
ウエブ形成部20は、親水性繊維3のウエブを形成するものである。ウエブ形成部20は、ウエットシートの原料である親水性繊維3からウエブを形成するカード機21を備えている。
上述の毛管圧を適切に発現させる観点から、本製造方法に用いられる親水性繊維3の平均繊維径は、9μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、11μm以上が更に好ましく、またその上限は30μm以下が好ましく、28μm以下がより好ましく、25μm以下が更に好ましい。具体的には、9μm以上30μm以下が好ましく、10μm以上28μm以下がより好ましく、11μm以上25μm以下が更に好ましい。親水性繊維の平均繊維径は、上述した繊維径の測定方法と同様に測定することができる。
第1交絡部30は、親水性繊維3のウエブを水流によって交絡させ、親水性繊維3の集合体(以下、「親水性繊維集合体」ともいう。)を形成するものである。第1交絡部30は、親水性繊維3のウエブに水流を吹き付ける第1水流ノズル31と、無端ベルトからなる第1支持ベルト32とを備えている。第1水流ノズル31は、親水性繊維3のウエブ及び第1支持ベルト32の上方に位置しており、親水性繊維3のウエブの幅方向(CD方向)全域にわたって高圧水流を吹き付けることができるようになっている。第1支持ベルト32は、第1水流ノズル31と対向して配されており、吹き付けられた水を透過させるために、格子状などの各種パターンで穴が空いた構造となっている(図示せず)。第1水流ノズル31からの水流の吹き付けによって交絡された親水性繊維3の集合体は、第1支持ベルト32によって、紡糸部40へ搬送される。
親水性繊維集合体の坪量は、20g/m以上が好ましく、25g/m以上がより好ましく、30g/m以上が更に好ましい。また親水性繊維集合体の坪量は、80g/m以下が好ましく、75g/m以下がより好ましく、70g/m以下が更に好ましい。具体的には、親水性繊維集合体の坪量は、20g/m以上80g/m以下が好ましく、25g/m以上75g/m以下がより好ましく、30g/m以上70g/m以下が更に好ましい。親水性繊維集合体の坪量がこの範囲であることによって、繊維集合体を製造する際に、親水性繊維と疎水性繊維とをより三次元的に交絡させることができる。その結果、ウエットシートにおける洗浄液の放出性と使用時の柔軟性の向上とを両立することができる。このような坪量を有する親水性繊維集合体は、例えば第1水流ノズル31から吹き付けられる水圧を5kg/cm以上90kg/cm以下とし、親水性繊維3のウエブのMD方向における搬送速度を3m/min以上80m/min以下とすることで製造することができる。
紡糸部40は、ナノファイバからなる疎水性繊維2を生成させ、第1交絡部30の第1水流ノズル31によって交絡された親水性繊維3の集合体の一面に堆積させるものである。紡糸部40は、疎水性繊維2の原料が溶解若しくは分散した液、又は原料を溶融した溶融液(以下、これらを単に「原料液」ともいう。)を噴射し紡糸する噴射部41を備えている。噴射部41は疎水性繊維2の原料液の供給部等を備えており、必要に応じて熱風の噴射部や、電圧印加部等を備えている(いずれも図示せず)。疎水性繊維2を紡糸する方法としては、生産効率を高める観点から、原料溶融液を用いて、メルトブローン法やエレクトロスピニング法などの溶融紡糸法を採用することが好ましい。つまり、疎水性繊維2は、溶融紡糸繊維であることが好ましい。
溶融紡糸法を例にとって説明すると、疎水性繊維2の原料溶融液は、噴射部41から噴射されるとともに、熱風の吹き付け(メルトブローン法)又は電界の作用に起因した原料液の自己反発等(エレクトロスピニング法)によって、ナノサイズレベルの細い繊維(ナノファイバ)として疎水性繊維2が生成される。生成した疎水性繊維2は、噴射部41の近傍を走行する親水性繊維3の集合体の一方の面にランダムに堆積し、疎水性繊維2の集合体(以下、「疎水性繊維集合体」ともいう。)を形成する。この工程を経ることによって、疎水性繊維2の繊維集合体及び親水性繊維3の繊維集合体からなる積層体5が形成される。得られた積層体5は第2交絡部50へ搬送される。
上述の毛管圧を適切に発現させる観点から、疎水性繊維2の平均繊維径は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましく、またその上限は8μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。具体的には、0.1μm以上8μm以下が好ましく、0.2μm以上7μm以下がより好ましく、0.3μm以上5μm以下が更に好ましい。疎水性繊維の平均繊維径は、上述した繊維径の測定方法と同様に測定することができる。
疎水性繊維集合体の坪量は、2g/m以上が好ましく、3g/m以上がより好ましく、5g/m以上が更に好ましく、またその上限は、30g/m以下が好ましく、25g/m以下がより好ましく、20g/m以下が更に好ましい。具体的には、疎水性繊維集合体の坪量は、2g/m以上30g/m以下が好ましく、3g/m以上25g/m以下がより好ましく、5g/m以上20g/m以下が更に好ましい。疎水性繊維集合体の坪量がこの範囲であることによって、繊維集合体を製造する際に、親水性繊維と疎水性繊維とをより三次元的に交絡させることができる。その結果、ウエットシートにおける洗浄液の放出性と使用時の柔軟性の向上とを両立することができる。このような坪量を有する疎水性繊維集合体は、例えばメルトブローン法では、溶融樹脂の吐出量、熱風の温度、熱風の吹き付け量等を適宜調整して製造することができ、エレクトロスピニング法では、溶融樹脂の吐出量、電位差、紡糸距離等を適宜調整して製造することができる。
洗浄液の放出性、使用時の柔軟性、並びに疎水性繊維及び親水性繊維の交絡性を兼ね備える観点から、親水性繊維集合体の坪量Bに対する疎水性繊維集合体の坪量Aの比(A/B)は、上述の坪量範囲を満たすことを条件として、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、またその上限は1以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.6以下が更に好ましい。具体的には、親水性繊維集合体の坪量Bに対する疎水性繊維集合体の坪量Aの比(A/B)は、上述の坪量範囲を満たすことを条件として、0.02以上1以下が好ましく、0.05以上0.8以下がより好ましく、0.1以上0.6以下が更に好ましい。
第2交絡部50では、疎水性繊維集合体及び親水性繊維集合体の積層体5に、疎水性繊維集合体側から水流を吹き付け、疎水性繊維2と親水性繊維3とを交絡させて、ウエットシートを構成する繊維集合体1Aを形成する。第2交絡部50は、積層体5に親水性繊維3側から水流を吹き付ける第2水流ノズル51と、搬送されている積層体5の下方に備えられている第2支持ベルト52から構成される。その他に、積層体5及び/又は繊維集合体1Aを下流の製造工程へ搬送するガイドロールや搬送ベルト等が備えられていてもよい(図示せず)。
図2に示すとおり、第2水流ノズル51は、積層体5の疎水性繊維2側に位置しており、積層体5の幅方向(CD方向)全域にわたって水流を吹き付けることができるようになっている。第2水流ノズル51から疎水性繊維2側の面に向かって吹き付けられた水流は、積層体5の親水性繊維3側の面を第2支持ベルト52の上面に密着するように押し当てる。このときに疎水性繊維2と親水性繊維3との交絡が起こる。これらの工程によって、親水性繊維3の一部が第1の面1F側に露出するように、疎水性繊維2と親水性繊維3とが三次元的に交絡してなる繊維集合体1Aを得ることができる。繊維集合体1Aにおいて、第1の面1Fの構成繊維の平均繊維径を上述の範囲とするためには、例えば第2水流ノズル51から積層体5に対して吹き付ける水圧を5kg/cm以上90kg/cm以下とし、積層体5のMD方向における搬送速度を3m/min以上80m/min以下とすることで製造することができる。
最後に、第2交絡部50によって形成された繊維集合体1Aを、下流に向けて搬送し、公知の乾燥手段によって該繊維集合体1Aを乾燥させた後、該繊維集合体1Aに洗浄液を供給して担持させる。この工程を経て、目的とするウエットシートが得られる。なお洗浄液を担持させた場合でも、繊維集合体1Aの三次元的な交絡度合は略変化しないので、第1の面1F及び第2の面1Rの構成繊維の平均繊維径は実質的に変化しない。
このようにして製造されたウエットシートは、ヒトの肌を清拭するために好適に用いられる。例えば清拭対象者の顔、頭皮、腕、脚、関節、腋下などの清拭に用いることができる。特に、本発明のウエットシートは、軽い力で皮膚表面を拭いた場合でも、皮脂や、皮膚表面に塗布したメイクアップ化粧料の除去性能が高いものである。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図2において、第1及び第2水流ノズル31,51の本数及び水圧などは同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
また、第2交絡部50での交絡の後で、繊維集合体1Aにおける親水性繊維3の面側から更に水流を吹き付けて交絡してもよい。
また、前記実施形態のウエットシートは、親水性繊維3の集合体の面上に疎水性繊維2を直接紡糸して積層体とし、その後構成繊維どうしを交絡させるという一連の工程で製造したが、繊維集合体1Aに疎水性繊維2及び親水性繊維3が含まれていれば、その製造方法は特に制限されない。例えば、メルトブローン法又はエレクトロスピニング法等で疎水性繊維2の集合体を別の工程で製造し、該集合体を親水性繊維3の集合体の面上に載置して積層体5とした後で構成繊維どうしを交絡させてもよい。
また、前記実施形態のウエットシートは、その皮膚洗浄面側に凸部が形成されていてもよい。凸部を形成する場合には、第2交絡部50において、積層体5と第2支持ベルト52との間に、パンチングメタルやプラスチックネット等といった複数の開孔部を有する凸部形成部材を備え、水流で交絡させることによって形成することができる。
また、前記実施形態のウエットシートは、疎水性繊維2の集合体及び親水性繊維3の集合体を交絡させて形成したが、これに加えて第3の繊維の集合体を更に交絡させて形成してもよい。この場合、第3の繊維の繊維径や、第3の繊維の集合体における坪量、疎水性/親水性の程度等は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に制限されず、適宜変更可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
上述した製造方法に従って、皮膚洗浄用ウエットシートを製造した。疎水性繊維として、エレクトロスピニング法(ES法)で得られた平均繊維径1.7μmのポリプロピレン繊維を、坪量が20g/mの疎水性繊維集合体として用いた。親水性繊維として、レーヨン:ポリエチレン/ポリプロピレン=8:2の質量割合で配合した平均繊維径14.6μmの繊維をスパンレース法(SL法)によって交絡させ、坪量が40g/mの親水性繊維集合体として用いた。これらの集合体を積層して積層体を形成した後、該積層体の搬送速度を5m/minとして、積層体における疎水性繊維2の面側から、水圧を20kg/cm、50kg/cm及び70kg/cmとした水流を順次吹き付けて交絡させて繊維集合体を得た。これらの水流の吹き付けは同じ条件で2回繰り返した。この繊維集合体に洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。
第1の面(皮膚洗浄面)における疎水性繊維の面積比率は、75%であった。また、第2の面における親水性繊維の面積比率は、68%であった。皮膚洗浄用ウエットシートは矩形のものであり、その寸法は100mm×180mmであった。洗浄液の担持量は4.3g/枚であった。洗浄液の含浸率は400%とした。洗浄液の組成は以下のとおりとした。
<洗浄液の組成>
・モノラウリン酸ポリエチレングリコール:9質量%
・1,3−ブチレングリコール:5質量%
・95%エタノール:5質量%
・安息香酸Na:0.2質量%
・クエン酸:0.16質量%
・香料:0.025質量%
・水:残部
〔実施例2〕
疎水性繊維集合体の坪量を7g/mとした他は、実施例1と同様に皮膚洗浄用ウエットシートを製造した。
〔実施例3〕
疎水性繊維として、メルトブローン法(MB法)で得られた平均繊維径1.5μmのポリプロピレン繊維を、坪量が7g/mの疎水性繊維集合体として用いた。親水性繊維として、平均繊維径12.8μmのレーヨン繊維をスパンレース法によって交絡させ、坪量が40g/mの親水性繊維集合体として用いた。これらの集合体を積層して積層体を形成した後、該積層体の搬送速度を5m/minとして、積層体における疎水性繊維2の面側から、水圧を20kg/cm、50kg/cm及び70kg/cmとした水流を順次吹き付けて交絡させて繊維集合体を得た。これらの水流の吹き付けは同じ条件で2回繰り返した。この繊維集合体に洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。
〔実施例4〕
疎水性繊維として、メルトブローン法で得られた平均繊維径4.2μmのポリプロピレン繊維を、坪量が9g/mの疎水性繊維集合体として用いた。親水性繊維として、

レーヨン:ポリエチレン/ポリプロピレン=8:2の質量割合で配合した平均繊維径14.6μmの繊維をスパンレース法(SL法)によって交絡させ、坪量が40g/mの親水性繊維集合体として用いた。これらの集合体を積層して積層体を形成した後、該積層体の搬送速度を5m/minとして、積層体における疎水性繊維2の面側から、水圧を20kg/cm、50kg/cm及び70kg/cmとした水流を順次吹き付けて交絡させて繊維集合体を得た。これらの水流の吹き付けは同じ条件で2回繰り返した。この繊維集合体に洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。
〔比較例1〕
疎水性繊維として、メルトブローン法(MB法)で得られた平均繊維径4.2μmのポリプロピレン繊維を、坪量が25g/mの疎水性繊維集合体として用いた。この疎水性繊維集合体に実施例1と同様の組成の洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。本比較例では親水性繊維を使用せず、単層のウエットシートとした。
〔比較例2〕
親水性繊維として、湿式スパンボンド法(湿式SB法)で得られた平均繊維径5.3μmのキュプラ繊維を、坪量が38g/mの親水性繊維集合体として用いた。この親水性繊維集合体に実施例1と同様の組成の洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。本比較例では疎水性繊維を使用せず、単層のウエットシートとした。
〔比較例3〕
親水性繊維として、スパンレース法(SL法)で得られたレーヨン:ポリエチレン/ポリプロピレン=8:2の質量割合で配合した平均繊維径14.6μmの繊維を、坪量が60g/mの親水性繊維集合体として用いた。この親水性繊維集合体に実施例1と同様の組成の洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。本比較例では疎水性繊維を使用せず、単層のウエットシートとした。
〔比較例4〕
親水性繊維として、スパンレース法(SL法)で得られた平均繊維径13.3μmのコットン繊維を、坪量が60g/mの親水性繊維集合体として用いた。この親水性繊維集合体に実施例1と同様の組成の洗浄液を担持させて、目的とする皮膚洗浄用ウエットシートとした。本比較例では疎水性繊維を使用せず、単層のウエットシートとした。
〔洗浄性能の評価〕
実施例及び比較例の皮膚洗浄用ウエットシートについて、人工皮革(商品名:「ソフトセミリーナ01003‐1 白」)を対象として、以下の<洗浄性能の評価手順>に従って、洗浄性能の評価を行った。結果を表1に示す。
<洗浄性能の評価手順>
(1)色彩色差計(コニカミノルタ社製、CR−210)を用いて、人工皮革自体のL*a*b*表色系による色差C0を測定した。
(2)人工皮革の55mm四方の範囲に、25mgの化粧下地(花王株式会社製、ソフィーナ プリマヴィスタ 皮脂くずれ防止化粧下地)を綿棒で均一に塗布した。
(3)前記手順(2)の化粧下地が塗布されている面上に、20mgのファンデーション(花王株式会社製、ソフィーナ プリマヴィスタ くずれにくい 化粧のり実感リキッドファンデーションUV(オークル05))を綿棒で均一に塗布した。
(4)化粧料塗布面に冷風を当てて、3分間乾燥した。
(5)化粧料塗布面における人工皮革の色差C1を、前記手順(1)と同様に測定した。
(6)実施例及び比較例の皮膚洗浄用ウエットシートに、軽荷重(3.5g/cm)又は重荷重(15.2g/cm)を負荷した状態で、該シートを2往復させて化粧料塗布面を清拭した。
(7)清拭後の人工皮革の色差C2を、前記手順(1)と同様に測定した。
(8)以下の<式1>から洗浄率(%)を算出し、以下の<評価基準>で洗浄性能を評価した。
<式1>
洗浄率(%)=((色差C2)−(色差C1))/((色差C0)−(色差C1))
<評価基準>
A:洗浄率が40%以上である。
B:洗浄率が20%以上40%未満である。
C:洗浄率が20%未満である。
〔剛軟度の評価〕
剛軟度の評価は、各実施例及び比較例のシートを乾燥させたあと、JIS L 1096に規定されるカンチレバー法に準じて行った。坪量1g/m当たりの剛軟度を、各実施例及び各比較例のシートにおける搬送方向(MD方向)及び幅方向(CD方向)についてそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
Figure 2019089736
疎水性繊維及び親水性繊維を含有する実施例のウエットシートは、どちらか一方の繊維のみ含有する比較例のウエットシートと比較して、洗浄性能が向上していることが判る。また実施例のウエットシートは、比較例のウエットシートと比較して、少なくともMD方向での剛軟度が低く、柔軟性が高いものであることが判る。以上より、実施例のウエットシートは柔軟性が高く、且つ軽い力で皮膚表面を拭いた場合でも皮膚表面のメイクアップ化粧料の除去性能が高いことが判る。
1 皮膚洗浄用ウエットシート
1A 繊維集合体
2 疎水性繊維
3 親水性繊維
5 積層体
10 製造装置
20 ウエブ形成部
30 第1交絡部
40 紡糸部
50 第2交絡部
MD 搬送方向

Claims (10)

  1. 疎水性繊維と、該疎水性繊維よりも太径の親水性繊維とを少なくとも含み、これらの繊維が交絡してなる繊維集合体を備え、皮膚を洗浄する面として用いられる第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面とを有する皮膚洗浄用ウエットシートであって、
    前記疎水性繊維の存在割合が、前記第2の面よりも、前記第1の面で高くなっており、
    前記親水性繊維の存在割合が、前記第1の面よりも、前記第2の面で高くなっており、
    前記第1の面の構成繊維の平均繊維径が0.1μm以上8μm以下であり、
    洗浄液が前記繊維集合体に担持されている、皮膚洗浄用ウエットシート。
  2. 前記第2の面の構成繊維の平均繊維径が9μm以上30μm以下である、請求項1に記載の皮膚洗浄用ウエットシート。
  3. 前記疎水性繊維がポリオレフィン系繊維又はポリエステル系繊維である、請求項1又は2に記載の皮膚洗浄用ウエットシート。
  4. 前記親水性繊維がレーヨンを含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の皮膚洗浄用ウエットシート。
  5. 前記皮膚洗浄用ウエットシートを乾燥状態にしたときのJIS L 1096に規定される剛軟度が、坪量1g/m当たり0.1mm以上3mm以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の皮膚洗浄用ウエットシート。
  6. 前記疎水性繊維が溶融紡糸繊維である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の皮膚洗浄用ウエットシート。
  7. 前記洗浄液がメイクアップ化粧料のクレンジング剤を含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の皮膚洗浄用ウエットシート。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の皮膚洗浄用ウエットシートの製造方法であって、
    疎水性繊維を含む疎水性繊維集合体と、該疎水性繊維よりも太径の親水性繊維を含む親水性繊維集合体との積層体に、該疎水性繊維集合体の側から水流を吹き付けて、該疎水性繊維と該親水性繊維とを交絡させるとともに、該親水性繊維を前記第1の面側に露出させる、皮膚洗浄用ウエットシートの製造方法。
  9. 前記親水性繊維集合体の坪量が20g/m以上80g/m以下である、請求項8に記載の皮膚洗浄用ウエットシートの製造方法。
  10. 前記親水性繊維集合体の坪量に対する前記疎水性繊維集合体の坪量の比が0.02以上1以下である、請求項8又は9に記載の皮膚洗浄用ウエットシートの製造方法。
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