JP2019089493A - 駆動輪及び台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単な駆動輪及び台車を提供する。【解決手段】第1入力傘歯車と、第1入力傘歯車を回転させる第1駆動部と、第1入力傘歯車と対向して配置され、第1入力傘歯車の回転軸を中心に回転可能な第2入力傘歯車と、第2入力傘歯車を回転させる第2駆動部と、第1入力傘歯車と第2入力傘歯車とにそれぞれ噛み合う第1出力傘歯車と、第1出力傘歯車と離して配置される車輪と、第1出力傘歯車と車輪とを連結し、第1出力傘歯車の回転を車輪に伝達する連結部と、第1入力傘歯車の回転軸を中心に連結部を回動させる操舵アームと、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、駆動輪及び台車に関する。
荷物を積載して自走する走行台車には、モータを備えた駆動輪が搭載される。例えば、特許文献1には、全方位に走行可能な無人搬送台車(Auto Guided Vehicle;AGV)が記載されている。特許文献1に記載されたAGVでは、長方形状の車体の底面の一方の対角位置に、走行用駆動モータ及びステアリング用モータを備えた操舵駆動輪が配置されている。また、差動入力方式の操舵車輪として、特許文献2に記載されたものがある。
特許文献2に開示された操舵車輪は、歯車の個数が多く、構造が複雑であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、構造が簡単な駆動輪及び台車を提供することを目的とする。
一態様に係る駆動輪は、第1入力傘歯車と、前記第1入力傘歯車を回転させる第1駆動部と、前記第1入力傘歯車と対向して配置され、前記第1入力傘歯車の回転軸を中心に回転可能な第2入力傘歯車と、前記第2入力傘歯車を回転させる第2駆動部と、前記第1入力傘歯車と前記第2入力傘歯車とにそれぞれ噛み合う第1出力傘歯車と、前記第1出力傘歯車と離して配置される車輪と、前記第1出力傘歯車と前記車輪とを連結し、前記第1出力傘歯車の回転を前記車輪に伝達する連結部と、前記第1入力傘歯車の回転軸を中心に前記連結部を回動させる操舵アームと、を備える。これによれば、第1入力傘歯車及び第2入力傘歯車の各回転方向と各回転速度とが制御されることによって、車輪が回転したり旋回したりするため、駆動輪の構造が簡単である。このため、構造が簡単な駆動輪を提供することができる。
望ましい態様として、前記回転軸の延長線は、前記車輪の軸部を通らないように、前記車輪の軸部から離れた位置にある。これによれば、車輪の回転と旋回とを同時に行うことができる。
望ましい態様として、前記第1出力傘歯車は前記操舵アームに回転可能に取り付けられる。これによれば、第1出力傘歯車の軸部は操舵アームによって回転可能に支持される。
望ましい態様として、前記第1入力傘歯車と前記第2入力傘歯車とにそれぞれ噛み合う第2出力傘歯車、をさらに備え、前記第2出力傘歯車は前記操舵アームに回転可能に取り付けられる。これによれば、第2出力傘歯車の軸部は操舵アームによって回転可能に支持される。
望ましい態様として、前記連結部は、前記第1出力傘歯車の回転が伝達される第1プーリと、前記車軸の軸部に取り付けられる第2プーリと、前記第1プーリの回転を前記第2プーリに伝達するベルトと、を有する。これによれば、第1出力傘歯車の回転は、第1プーリ、ベルト及び第2プーリを介して車輪に伝達される。
望ましい態様として、前記連結部は、前記第1出力傘歯車の軸部に取り付けられる第1はすば歯車と、前記操舵アームに回転可能に取り付けられ、前記第1はすば歯車と噛み合う第2はすば歯車と、を有し、前記第1プーリは、前記第2はすば歯車の軸部に取り付けられる。これによれば、第1出力傘歯車の回転軸の方向と、第1プーリの回転軸の方向とをを、異なる方向にすることができる。
望ましい態様として、前記第1出力傘歯車の軸部に前記第1プーリが取り付けられる。これによれば、第1出力傘歯車の回転を第1プーリに直接伝達することができる。
望ましい態様として、前記車輪は、第1車輪と、前記第1車輪と並んで配置される第2車輪とを有し、前記車輪の軸部は、前記第1車輪と前記第2車輪とに取り付けられる。これによれば、車輪の安定性が向上する。
望ましい態様として、前記車輪の軸部に取り付けられるデフレンシャルギア、をさらに備える。これによれば、駆動輪は、第1車輪と第2車輪とに回転速度差が生じても、第1出力傘歯車から第1車輪と第2車輪とにそれぞれ回転を伝えることができる。
一態様に係る台車は、上記の駆動輪と、前記駆動輪が取り付けられる基部と、を備える。これによれば、構造が簡単な台車を提供することができる。
本発明によれば、構造が簡単な駆動輪及び台車を提供することができる。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、下記実施形態において、前述したものと同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略することがある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図3は、図2に示した側面図をA−A’線で切断した断面図である。本実施形態を説明する各図では、駆動輪の高さ方向をZ軸方向で示す。また、Z軸方向と直交する平面において、一方向をX軸方向で示し、X軸方向と直交する方向をY軸方向で示す。
図1は、実施形態1に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図3は、図2に示した側面図をA−A’線で切断した断面図である。本実施形態を説明する各図では、駆動輪の高さ方向をZ軸方向で示す。また、Z軸方向と直交する平面において、一方向をX軸方向で示し、X軸方向と直交する方向をY軸方向で示す。
図1から図3に示すように、駆動輪100は、第1入力傘歯車1と、第2入力傘歯車2と、出力傘歯車3と、取付部4と、第1駆動部5と、第2駆動部6と、車輪7と、連結部8と、操舵アーム9と、を備える。
第1駆動部5は、第1モータ51と、第1モータ51に接続する第1減速器52と、第1減速器52に接続するカップリング(軸継手)53と、を有する。カップリング53の出力側の軸部(shaft)531は、第1入力傘歯車1の径方向における中心部に固定されている。これにより、第1駆動部5は、第1入力傘歯車1の回転軸(axis)を中心に、第1入力傘歯車1を回転させることが可能となっている。なお、第1入力傘歯車1の回転軸は、軸部531の軸心531cである。軸部531及び軸心531cは、Z軸に平行である。
第2駆動部6は、第2モータ61と、第2モータ61に接続する減速器62と、第3プーリ63と、第4プーリ64と、ベルト65と、円筒部材66と、を有する。円筒部材66は、中空の管である。円筒部材66の内側に軸部531が通されている。例えば、円筒部材66の内周面と、軸部531の外周面との間には、図示しない軸受が介在している。これにより、円筒部材66は、軸部531に対して回転可能となっている。円筒部材66の回転軸は、軸部531の軸心531cである。
第3プーリ63は、減速器62の出力側の軸部(shaft)621に固定されている。第3プーリ63は、軸部621とともに回転することが可能となっている。第3プーリ63の回転軸は、軸部621の軸心621cである。第4プーリ64は、円筒部材66の長手方向の一端部に固定されている。これにより、第4プーリ64は、円筒部材66とともに回転することが可能となっている。第4プーリ64の回転軸は、軸部531の軸心531cである。また、円筒部材66の長手方向の他端部には、第2入力傘歯車2の径方向における中心部が固定されている。
第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2は、互いに同一の形状で、かつ同一の大きさを有する。第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2は、例えば、歯すじが直線状である、すぐば傘歯車である。
ベルト65は、第3プーリ63と第4プーリ64とに架け渡されている。軸部621の回転に伴ってベルト65が移動し、ベルト65の移動に伴って円筒部材66が回転する。これにより、軸部621の回転は、第3プーリ63、ベルト65及び第4プーリ64を介して、円筒部材66に固定された第2入力傘歯車2に伝達される。第2入力傘歯車2の回転軸も、軸心531cである。
出力傘歯車3は、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2とにそれぞれ噛合っている。出力傘歯車3は、例えば、歯すじが直線状である、すぐば傘歯車である。出力傘歯車3の回転軸は、出力傘歯車3の軸部(shaft)31の軸心31cである。軸心31cは、X−Y平面に平行である。
車輪7は、出力傘歯車3と離して配置されている。車輪7は、例えば、鋼製の車輪本体71と、車輪本体71の外周に設けられた樹脂部72と、車輪本体71の経方向における中心部に固定された車軸(shaft)73と、を有する。これにより、車輪7は、車軸73の軸心を中心に回転することが可能となっている。
連結部8は、第1プーリ81と、第2プーリ82と、ベルト83と、クランク84と、第1はすば歯車85と、第2はすば歯車86と、軸部(shaft)87と、を有する。第1はすば歯車85は、出力傘歯車3の軸部31に取り付けられている。例えば、第1はすば歯車85の径方向の中心部が、軸部31に固定されている。これにより、第1はすば歯車85は、出力傘歯車3と一体となって回転する。第1はすば歯車85の回転軸は、軸部31の軸心31cである。
クランク84の長手方向の一端部には、軸部(shaft)87が回転可能に取り付けられている。例えば、軸部87は、クランク84の長手方向の一端部を貫通している。クランク84と軸部87との間には、図示しない軸受が配置されている。軸部31がX軸方向に平行なとき、軸部87はY軸方向に平行である。軸部31の長手方向と、軸部87の長手方向は、互いに直交している。
また、軸部87には、第2はすば歯車86の径方向における中心部と、第1プーリ81の径方向における中心部とがそれぞれ固定されている。第1プーリ81は、クランク84を挟んで第2はすば歯車86の反対側に配置されている。これにより、第1プーリ81、第2はすば歯車86及び軸部87は一体となって、クランク84に対して回転することができる。第1プーリ81及び第2はすば歯車86の回転軸は、軸部87の軸心である。第2はすば歯車86は、第1はすば歯車85と噛合っている。
クランク84の長手方向の他端部には、車軸73が回転可能に取り付けられている。例えば、車軸73は、クランク84の長手方向の他端部を貫通している。クランク84と車軸73との間には、図示しない軸受が配置されている。車軸73は、軸部87に平行である。
車軸73には、第2プーリ82の径方向の中心部が固定されている。第2プーリ82は、クランク84を挟んで車輪本体71の反対側に配置されている。これにより、車輪7及び第2プーリ82は一体となって、クランク84に対して回転することができる。車輪7及び第2プーリ82の回転軸は、車軸73の軸心である。以上の構成により、連結部8は、出力傘歯車3と車輪7とを連結し、出力傘歯車3の回転を車輪7に伝達する。
駆動輪100では、車輪7の両側に連結部8がそれぞれ配置されている。これにより、車輪7の一方の側にのみ連結部8が配置されている場合と比べて、車輪7と操舵アーム9との連結が強化されている。なお、本実施形態では、車輪7の一方の側にのみ連結部8が配置されていてもよい。
操舵アーム9は、取付部4に回転可能に取り付けられている。また、操舵アーム9には、円筒部材66が回転可能に取り付けられている。例えば、操舵アーム9と取付部4との間、及び、操舵アーム9と円筒部材66との間には、それぞれ、図示しない軸受が設けられている。
また、操舵アーム9は、出力傘歯車3の軸部31を回転可能に支持している。例えば、操舵アーム9の支持部9pが、軸部31を回転可能に支持している。また、操舵アーム9は、軸部87を回転可能に支持している。操舵アーム9と軸部31との間、及び、操舵アーム9と軸部87との間には、図示しない軸受がそれぞれ設けられている。
軸心531cを中心に出力傘歯車3が回動すると、出力傘歯車3の軸部31を支持する操舵アーム9が回動する。操舵アーム9が回動すると、操舵アーム9に支持されている軸部87が回動する。また、軸部87はクランク84に取り付けられているため、軸部87と共にクランク84も回動する。このようにして、操舵アーム9は、軸心531cを中心に連結部8を回動させる。
取付部4は、第1駆動部5、第2駆動部6及び操舵アーム9を支持すると共に、駆動輪100を台車200の基部120(図27参照)に取り付けるための部品である。取付部4は、例えば鋼製である。取付部4には、駆動輪100を台車200のフレームに固定するためのボルト穴(図示せず)が設けられている。
次に、駆動輪の動作例を説明する。図4は、第1入力傘歯車及び第2入力傘歯車が同一の方向に、且つ同一の回転速度で回転している状態を示す模式図である。図5は、第1入力傘歯車及び第2入力傘歯車が互いに逆方向に、且つ同一の回転速度で回転している状態を示す模式図である。図6は、第1入力傘歯車は一方向に回転し、且つ第2入力傘歯車は回転動作を停止している状態を示す模式図である。
図4では、第1入力傘歯車1は軸心531cを中心に一方向(例えば、時計周りの方向)に回転している。また、第2入力傘歯車2も軸心531cを中心に一方向に回転している。第1入力傘歯車1の回転方向と第2入力傘歯車2の回転方向は、互いに同一である。また、第1入力傘歯車1の回転速度と第2入力傘歯車1の回転速度は互いに同一である。これにより、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2との間に回転速度差はないため、出力傘歯車3は回転(自転)しない。
また、図4では、第1入力傘歯車1が出力傘歯車3を回動(公転)させようとする力と、第2入力傘歯車2が出力傘歯車3を回動させようとする力は、互いに同一の方向に作用している。このため、出力傘歯車3は、回転(自転)することなく、軸心531cを中心に回動(公転)する。
出力傘歯車3が軸心531cを中心に一方向に回動すると、出力傘歯車3と共に操舵アーム9も軸心531cを中心に一方向に回動する。つまり、操舵アーム9は、軸心531cを中心に旋回する。これにより、駆動輪100の進行方向が変更される。
図5では、第1入力傘歯車1は軸心531cを中心に一方向(例えば、反時計周りの方向)に回転している。また、第2入力傘歯車2は、軸心531cを中心に、一方向の反対方向(例えば、時計周りの方向)に回転している。第1入力傘歯車1の回転速度の絶対値と第2入力傘歯車2の回転速度の絶対値は互いに同一であるが、回転方向は互いに逆である。このため、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2との間には、相対的な回転速度差がある。出力傘歯車3には、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2との回転速度差による回転(自転)が生じる。
また、図5では、第1入力傘歯車1の回転速度の絶対値と第2入力傘歯車2の回転速度の絶対値は互いに同一である。このため、第1入力傘歯車1が出力傘歯車3を回動(公転)させようとする力と、第2入力傘歯車2が出力傘歯車3を回動させようとする力は、互いに打ち消し合ってゼロとなる。このため、出力傘歯車3は回動しない。出力傘歯車3は、回動することなく、軸心31cを中心に回転(自転)する。
出力傘歯車3が軸心31cを中心に回転すると、その回転は連結部8を介して車輪7に伝達される。これにより、車輪7が回転する。
図6では、第1入力傘歯車1は軸心531cを中心に一方向(例えば、時計周り)に回転している。また、第2入力傘歯車2は回転していない。このため、出力傘歯車3には、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2との回転速度差による回転(自転)及び回動(公転)が生じる。例えば、出力傘歯車3は、軸心31cを中心に回転しながら、軸心531cを中心に回動する。
以上説明したように、実施形態1に係る駆動輪100は、第1入力傘歯車1と、第1入力傘歯車1を回転させる第1駆動部5と、第1入力傘歯車1と対向して配置され、第1入力傘歯車1の回転軸531cを中心に回転可能な第2入力傘歯車2と、第2入力傘歯車2を回転させる第2駆動部6と、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2とにそれぞれ噛み合う出力傘歯車3と、出力傘歯車3と離して配置される車輪7と、出力傘歯車3と車輪7とを連結し、出力傘歯車3の回転を車輪7に伝達する連結部8と、第1入力傘歯車1の回転軸531cを中心に連結部8を回動させる操舵アーム9と、を備える。
第1入力傘歯車1の回転速度と第2入力傘歯車2の回転速度とが互いに同じで、かつ、それらの回転方向が互いに逆のとき、操舵アーム9は旋回せず、出力傘歯車3は軸心31cを中心に回転する。これにより、出力傘歯車3の回転は車輪7に伝達される。
また、第1入力傘歯車1の回転速度と第2入力傘歯車2の回転速度とが互いに同じで、かつ、それらの回転方向も互いに同じとき、出力傘歯車3は軸心31cを中心とする回転を停止した状態で、軸心531cを中心に回動する。これにより、操舵アーム9も軸心531cを中心に回動する。例えば、制御装置210(後述の図28参照)は、第1入力傘歯車1と第2入力傘歯車2の各回転方向と各回転速度とをそれぞれ制御することで、車輪7を任意の速度で回転させたり、任意の角度で旋回させたりすることができる。実施形態1に係る駆動輪100は、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2の各回転方向と各回転速度とが制御されることによって、車輪7が回転したり旋回したりするため、構造が簡単である。
また、第1入力傘歯車1、第2入力傘歯車2及び操舵アーム9の各回転軸は、軸心531cである。また、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。このため、軸心531cは、車輪7の旋回軸でもある。軸心531cの延長線は、車軸73を通らないように車軸73から離れた位置にあり、車輪7において走行面(例えば、床面又は地面)frと接する領域である接地領域7pから離れた位置にある。つまり、軸心531cは車軸73に対してオフセットされている。X−Y平面において、軸心531cの延長線と車軸73との間、及び、軸心531cの延長線と接地領域7pとの間には、オフセット距離Lofがそれぞれ存在する。これにより、駆動輪100は、車輪7の旋回と回転とを同時に行うことができ、車輪7の進行方向を短時間のうちに変更することができる。また、駆動輪100は、車輪7を回転させながら旋回させることによって、旋回に要する力を小さくすることができる。これにより、駆動輪100の旋回時の消費電力を低減できる可能性がある。この点については、後で図25及び図26を参照しながら説明する。
本実施形態の出力傘歯車3は、本開示の「第1出力傘歯車」に対応している。また、本実施形態の車軸73は、本開示の「車輪の軸部」に対応している。本実施形態の軸部87は、本開示の「第2はすば歯車の軸部」に対応している。
(実施形態1の変形例)
図7は、実施形態1の変形例に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図8は、実施形態1の変形例に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図9は、図8に示した側面図をB−B’線で切断した断面図である。
図7は、実施形態1の変形例に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図8は、実施形態1の変形例に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図9は、図8に示した側面図をB−B’線で切断した断面図である。
図7から図9に示すように、実施形態1の変形例に係る駆動輪100Aは、第1出力傘歯車3Aと、第2出力傘歯車3Bとを備える。第1出力傘歯車3Aは、駆動輪100が備える出力傘歯車3と同一の構成を有する。第1出力傘歯車3Aは、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2とそれぞれ噛合っている。また、第1出力傘歯車3Aの径方向における中心部には、第1軸部(shaft)31Aが固定されている。第1軸部31Aは、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の第1支持部9Apが、第1軸部31Aを回転可能に支持している。第1支持部9Apと第1軸部31Aとの間には、図示しない軸受が配置されている。
第1出力傘歯車3Aの回転軸は、第1軸部31Aの軸心31Acである。軸心31Acは、X−Y平面に平行である。第1出力傘歯車3Aが軸心31Acを中心に回転(自転)すると、その回転は連結部8を介して車輪7に伝達される。これにより、車輪7が回転する。また、第1軸部31Aが軸心531cを中心に回動(公転)すると、操舵アーム9の第1支持部9Apは第1軸部31Aが回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、第1軸部31Aが回動する方向と同じ方向に回動する。これにより、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。
第2出力傘歯車3Bは、第1出力傘歯車3Aと同一の形状で、同一の大きさを有する。第2出力傘歯車3Bは、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2とそれぞれ噛合っている。第2出力傘歯車3Bは、軸部531を挟んで第1出力傘歯車3Aと対向している。
また、第2出力傘歯車3Bの径方向における中心部には、第2軸部31Bが固定されている。第2軸部31Bは、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の第2支持部9Bpが、第2軸部31Bを回転可能に支持している。第2支持部9Bpと第2軸部31Bとの間には、図示しない軸受が配置されている。
また、第2出力傘歯車3Bの径方向における中心部には、第2軸部31Bが固定されている。第2軸部31Bは、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の第2支持部9Bpが、第2軸部31Bを回転可能に支持している。第2支持部9Bpと第2軸部31Bとの間には、図示しない軸受が配置されている。
第2出力傘歯車3Bの回転軸は、第2軸部31Bの軸心31Bcである。軸心31Bcは、X−Y平面に平行である。第2出力傘歯車3Bが軸心31Bcを中心に回転しても、その回転は連結部8には伝達されない。一方、第2軸部31Bが軸心531cを中心に回動すると、その回動は連結部8に伝達される。例えば、第2軸部31Bが軸心531cを中心に回動すると、操舵アーム9の第2支持部9Bpは第2軸部31Bが回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9及び連結部8は、第2軸部31Bが回動する方向と同じ方向に回動する。これにより、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。
駆動輪100Aでは、第1駆動部5及び第2駆動部6から車輪7への回転の伝達は、駆動輪100と同様に、1つの出力軸(第1軸部31A)を介して行われる。一方、第1駆動部5及び第2駆動部6から操舵アーム9への回動の伝達は、駆動輪100とは異なり、2つの出力軸(第1軸部31A及び第2軸部31B)を介して行われる。このため、駆動輪100Aは、車輪7を旋回させるときに出力軸にかかる負荷を分散することができる。
図9に示すように、駆動輪100Aにおいても、車輪7の旋回軸である軸心531cは車軸73に対してオフセットされている。これにより、駆動輪100Aは、車輪7の旋回と回転とを同時に行うことができ、車輪7の進行方向を短時間のうちに変更することができる。また、駆動輪100Aは、車輪7を回転させながら旋回させることによって、旋回に要する力を小さくすることができる。これにより、駆動輪100Aの旋回時の消費電力を低減できる可能性がある。
(実施形態2)
上述の実施形態1では、出力傘歯車3の軸部31の回転が、第1はすば歯車85、第2はすば歯車86及び軸部87を介して第1プーリ81に伝達されることを説明した。しかしながら、本実施形態において、軸部31の回転は第1プーリ81に直接伝達されてもよい。
上述の実施形態1では、出力傘歯車3の軸部31の回転が、第1はすば歯車85、第2はすば歯車86及び軸部87を介して第1プーリ81に伝達されることを説明した。しかしながら、本実施形態において、軸部31の回転は第1プーリ81に直接伝達されてもよい。
図10は、実施形態2に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図11は、実施形態2に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図12は、図11に示した側面図をC−C’線で切断した断面図である。
図10から図12に示すように、実施形態2に係る駆動輪100Bは、第1入力傘歯車1と、第2入力傘歯車2と、出力傘歯車3と、取付部4と、第1駆動部5と、第2駆動部6と、車輪7と、連結部8’と、操舵アーム9と、を備える。また、連結部8’は、第1プーリ81と、第2プーリ82と、ベルト83と、クランク84と、を有する。実施形態1の連結部8と異なり、実施形態2の連結部8’は、第1はすば歯車85及び第2はすば歯車86を備えていない。
駆動輪100Bにおいても、出力傘歯車3の軸部31は、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の支持部9pが、軸部31を回転可能に支持している。支持部9pと軸部31との間には、図示しない軸受が配置されている。
また、軸部31は、クランク84の長手方向の一端部を貫通している。軸部31とクランク84との間には、図示しない軸受が配置されている。また、第1プーリ81における径方向の中心部は、軸部31に固定されている。これにより、第1プーリ81は、出力傘歯車3と一体となって回転する。第1プーリ81cの回転軸は、軸部31の軸心である。
軸部31の軸心31cは、X−Y平面に平行である。出力傘歯車3が軸心31cを中心に回転(自転)すると、その回転は連結部8’を介して車輪7に伝達される。これにより、車輪7が回転する。また、軸部31が軸心531cを中心に回動(公転)すると、操舵アーム9の支持部9pは軸部31が回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、軸部31が回動する方向と同じ方向に回動する。これにより、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。
実施形態2に係る駆動輪100Bによれば、実施形態1に係る駆動輪100、100Aと同様に、第1入力傘歯車1の回転速度と第2入力傘歯車2の回転速度とが互いに同じで、かつ、それらの回転方向が互いに逆のとき、操舵アーム9は旋回せず、出力傘歯車3は軸心31cを中心に回転する。これにより、出力傘歯車3の回転は車輪7に伝達される。
また、第1入力傘歯車1の回転速度と第2入力傘歯車2の回転速度とが互いに同じで、かつ、それらの回転方向も互いに同じとき、出力傘歯車3は軸心31cを中心とする回転を停止した状態で、軸心531cを中心に回動する。これにより、操舵アーム9も軸心531cを中心に回動する。駆動輪100Bにおいても、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2の各回転方向と各回転速度とが制御されることによって、車輪7が回転したり旋回したりする。このため、駆動輪100Bは、構造が簡単である。
また、駆動輪100Bは、駆動輪100、100Aと比べて、第1はすば歯車85及び第2はすば歯車86が省かれている。このため、駆動輪100Bは、駆動輪100、100Aと比べて、部品点数を少なくすることができ、軽量化が可能である。
また、駆動輪100Bにおいても、車輪7の旋回軸である軸心531cは車軸73に対してオフセットされている。これにより、駆動輪100Bは、車輪7の旋回と回転とを同時に行うことができ、車輪7の進行方向を短時間のうちに変更することができる。また、駆動輪100Bは、車輪7を回転させながら旋回させることによって、旋回に要する力を小さくすることができる。これにより、駆動輪100Bの旋回時の消費電力を低減できる可能性がある。
(実施形態2の変形例)
図13は、実施形態2の変形例に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図14は、実施形態2の変形例に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図15は、図14に示した側面図をD−D’線で切断した断面図である。
図13は、実施形態2の変形例に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図14は、実施形態2の変形例に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図15は、図14に示した側面図をD−D’線で切断した断面図である。
図13から図15に示すように、実施形態2の変形例に係る駆動輪100Cは、第1出力傘歯車3Aと、第2出力傘歯車3Bとを備える。第1出力傘歯車3Aは、駆動輪100Bが備える出力傘歯車3と同一の構成を有する。第1出力傘歯車3Aは、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2とそれぞれ噛合っている。また、第1出力傘歯車3Aの径方向における中心部には、第1軸部31Aが固定されている。第1軸部31Aは、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の第1支持部9Apが、第1軸部31Aを回転可能に支持している。第1支持部9Apと第1軸部31Aとの間には、図示しない軸受が配置されている。
第1出力傘歯車3Aの回転軸は、第1軸部31Aの軸心である。第1軸部31Aの軸心は、X−Y平面に平行である。第1出力傘歯車3Aが第1軸部31Aの軸心を中心に回転(自転)すると、その回転は連結部8’を介して車輪7に伝達される。これにより、車輪7が回転する。また、第1軸部31Aが軸心531cを中心に回動(公転)すると、操舵アーム9の第1支持部9Apは第1軸部31Aが回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、第1軸部31Aが回動する方向と同じ方向に回動し、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。
第2出力傘歯車3Bは、第1出力傘歯車3Aと同一の形状で、同一の大きさを有する。第2出力傘歯車3Bは、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2とそれぞれ噛合っている。第2出力傘歯車3Bは、軸部531を挟んで第1出力傘歯車3Aと対向している。また、第2出力傘歯車3Bの径方向における中心部には、第2軸部31Bが固定されている。第2軸部31Bは、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の第2支持部9Bpが、第2軸部31Bを回転可能に支持している。第2支持部9Bpと第2軸部31Bとの間には、図示しない軸受が配置されている。
第2出力傘歯車3Bの回転軸は、第2軸部31Bの軸心である。第2軸部31Bの軸心は、X−Y平面に平行である。第2出力傘歯車3Bが第2軸部31Bの軸心を中心に回転しても、その回転は連結部8’には伝達されない。一方、第2軸部31Bが軸心531cを中心に回動すると、その回動は連結部8’に伝達される。例えば、第2軸部31Bが軸心531cを中心に回動すると、操舵アーム9の第2支持部9Bpは第2軸部31Bが回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9及び連結部8’は、第2軸部31Bが回動する方向と同じ方向に回動し、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。
駆動輪100Cでは、第1駆動部5及び第2駆動部6から車輪7への回転の伝達は、駆動輪100Bと同様に、1つの出力軸(第1軸部31A)を介して行われる。一方、第1駆動部5及び第2駆動部6から操舵アーム9への回転の伝達は、駆動輪100Bとは異なり、2つの出力軸(第1軸部31A及び第2軸部31B)を介して行われる。このため、駆動輪100Cは、車輪7を旋回させるときに出力軸にかかる負荷を分散することができる。
(実施形態3)
本実施形態に係る駆動輪は、車輪として、2つ以上の車輪を備えていてもよい。例えば、実施形態に係る駆動輪は、2つの車輪(双輪)を備えていてもよい。これにより、車輪7の安定性が向上する。
本実施形態に係る駆動輪は、車輪として、2つ以上の車輪を備えていてもよい。例えば、実施形態に係る駆動輪は、2つの車輪(双輪)を備えていてもよい。これにより、車輪7の安定性が向上する。
図16は、実施形態3に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図17は、実施形態3に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図18は、図17に示した側面図をE−E’線で切断した断面図である。
図16から図18に示すように、実施形態3に係る駆動輪100Dは、第1入力傘歯車1と、第2入力傘歯車2と、出力傘歯車3と、取付部4と、第1駆動部5と、第2駆動部6と、車輪7と、操舵アーム9と、デフレンシャルギア75と、第1はすば歯車85と、第2はすば歯車86と、を備える。
駆動輪100Dにおいても、出力傘歯車3の軸部31は、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の支持部9pが、軸部31を回転可能に支持している。支持部9pと軸部31との間には、図示しない軸受が配置されている。
また、第1はすば歯車85は、軸部31に取り付けられている。例えば、第1はすば歯車85の径方向の中心部が、軸部31に固定されている。これにより、第1はすば歯車85は、出力傘歯車3と一体となって回転する。第1はすば歯車85の回転軸は、軸部31の軸心31cである。デフレンシャルギア75は、車軸73に取り付けられている。第2はすば歯車86は、デフレンシャルギア75に取り付けられている。第2はすば歯車86は、第1はすば歯車85と噛合っている。
車輪7は、第1車輪7Aと、第1車輪7Aと並んで配置される第2車輪7Bとを有する。第1車輪7Aは、例えば鋼製の車輪本体71Aと、車輪本体71Aの外周に設けられた樹脂部72Aとを有する。第2車輪7Bは、例えば鋼製の車輪本体71Bと、車輪本体71Bの外周に設けられた樹脂部72Bとを有する。車軸73は、車輪本体71Aにおける径方向の中心部と、車輪本体71Bにおける径方向の中心部とにそれぞれ固定されている。
出力傘歯車3が軸心31cを中心に回転(自転)すると、その回転は第1はすば歯車85、第2はすば歯車86及びデフレンシャルギア75を介して第1車輪7A及び第2車輪7Bに伝達される。これにより、第1車輪7A及び第2車輪7Bに回転速度差が生じても、出力傘歯車3から第1車輪7A及び第2車輪7Bに回転が伝達されるので、第1車輪7A及び第2車輪7Bは回転する。また、軸部31が軸心531cを中心に回動(公転)すると、操舵アーム9の支持部9pは軸部31が回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、軸部31が回動する方向と同じ方向に回動する。これにより、第1車輪7A及び第2車輪7Bは軸心531cを中心に旋回する。
実施形態3に係る駆動輪100Dにおいても、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2の各回転方向と各回転速度とが制御されることによって、車輪7が回転したり旋回したりする。このため、駆動輪100Dは、構造が簡単である。
また、駆動輪100Dにおいても、車輪7の旋回軸である軸心531cは車軸73に対してオフセットされている。これにより、駆動輪100Dは、車輪7の旋回と回転とを同時に行うことができ、車輪7の進行方向を短時間のうちに変更することができる。また、駆動輪100Dは、車輪7を回転させながら旋回させることによって、旋回に要する力を小さくすることができる。これにより、駆動輪100Dの旋回時の消費電力を低減できる可能性がある。
(実施形態3の変形例)
図19は、実施形態3の変形例に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図20は、実施形態3の変形例に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図21は、図20に示した側面図をF−F’線で切断した断面図である。
図19は、実施形態3の変形例に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図20は、実施形態3の変形例に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図21は、図20に示した側面図をF−F’線で切断した断面図である。
図19から図21に示すように、実施形態3の変形例に係る駆動輪100Eは、第1出力傘歯車3Aと、第2出力傘歯車3Bとを備える。第1出力傘歯車3Aは、駆動輪100Dが備える出力傘歯車3と同一の構成を有する。
第1出力傘歯車3Aの回転軸は、第1軸部31Aの軸心31Acである。軸心31Acは、X−Y平面に平行である。第1出力傘歯車3Aが軸心31Acを中心に回転(自転)すると、その回転は第1はすば歯車85、第2はすば歯車86及びデフレンシャルギア75を介して第1車輪7A及び第2車輪7Bに伝達される。これにより、第1車輪7A及び第2車輪7Bが回転する。また、第1軸部31Aが軸心531cを中心に回動(公転)すると、操舵アーム9の第1支持部9Apは第1軸部31Aが回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、第1軸部31Aが回動する方向と同じ方向に回動し、第1車輪7A及び第2車輪7Bは軸心531cを中心に旋回する。
第2出力傘歯車3Bは、第1出力傘歯車3Aと同一の形状で、同一の大きさを有する。第2出力傘歯車3Bは、第1入力傘歯車1及び第2入力傘歯車2とそれぞれ噛合っている。第2出力傘歯車3Bは、軸部531を挟んで第1出力傘歯車3Aと対向している。また、第2出力傘歯車3Bの径方向における中心部には、第2軸部31Bが固定されている。第2軸部31Bは、操舵アーム9に回転可能に支持されている。例えば、操舵アーム9の第2支持部9Bpが、第2軸部31Bを回転可能に支持している。第2支持部9Bpと第2軸部31Bとの間には、図示しない軸受が配置されている。
第2出力傘歯車3Bの回転軸は、第2軸部31Bの軸心31Bcである。軸心31Bcは、X−Y平面に平行である。第2出力傘歯車3Bが軸心31Bcを中心に回転しても、その回転は第1はすば歯車85、第2はすば歯車86及びデフレンシャルギア75には伝達されない。一方、第2軸部31Bが軸心531cを中心に回動すると、その回動は操舵アーム9に伝達される。例えば、第2軸部31Bが軸心531cを中心に回動すると、操舵アーム9の第2支持部9Bpは第2軸部31Bが回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、第2軸部31Bが回動する方向と同じ方向に回動し、第1車輪7A及び第2車輪7Bは軸心531cを中心に旋回する。
駆動輪100Eでは、第1駆動部5及び第2駆動部6から車輪7への回転の伝達は、駆動輪100Dと同様に、1つの出力軸(第1軸部31A)を介して行われる。一方、第1駆動部5及び第2駆動部6から操舵アーム9への回転の伝達は、駆動輪100Dとは異なり、2つの出力軸(第1軸部31A及び第2軸部31B)を介して行われる。このため、駆動輪100Eは、車輪7を旋回させるときに出力軸にかかる負荷を分散することができる。
(実施形態4)
図22は、実施形態4に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図23は、実施形態4に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図24は、図23に示した側面図をG−G’線で切断した断面図である。
図22は、実施形態4に係る駆動輪の構成例を示す斜視図である。図23は、実施形態4に係る駆動輪の構成例を示す側面図である。図24は、図23に示した側面図をG−G’線で切断した断面図である。
図22から図24に示すように、実施形態4に係る駆動輪100Fは、第1入力傘歯車1と、第2入力傘歯車2と、出力傘歯車3と、取付部4と、第1駆動部5と、第2駆動部6と、車輪7と、連結部108と、操舵アーム9と、を備える。また、連結部108は、第1プーリ181と、第2プーリ182と、ベルト183と、クランク184と、を有する。
駆動輪100Fにおいても、出力傘歯車3の軸部31は、操舵アーム9に回転可能に支持されている。出力傘歯車3が軸部31の軸心を中心に回転(自転)すると、その回転は連結部108を介して車輪7に伝達される。これにより、車輪7が回転する。また、軸部31が軸心531cを中心に回動(公転)すると、操舵アーム9の支持部9pは軸部31が回動する方向に押される。これにより、操舵アーム9は、軸部31が回動する方向と同じ方向に回動する。これにより、車輪7は軸心531cを中心に旋回する。
なお、駆動輪100Fでは、車輪7の旋回軸である軸心531cは車軸73に対してオフセットされていない。X−Y平面において、軸心531cは車軸73と重なり、車輪7の接地領域7pと重なっている。
(比較)
図25は、実施形態1において車輪が旋回する様子を模式的に示す平面図である。図3に示したように、実施形態1に係る駆動輪100において、車輪7の旋回軸である軸心531cはオフセット位置にある。このため、図25のステップST1からST5に示すように、駆動輪100は、車輪7の回転と旋回とを同時に行いながら、車輪7の進行方向をX軸方向からY軸方向へ変更することができる。
図25は、実施形態1において車輪が旋回する様子を模式的に示す平面図である。図3に示したように、実施形態1に係る駆動輪100において、車輪7の旋回軸である軸心531cはオフセット位置にある。このため、図25のステップST1からST5に示すように、駆動輪100は、車輪7の回転と旋回とを同時に行いながら、車輪7の進行方向をX軸方向からY軸方向へ変更することができる。
同様に、上述の駆動輪100Aから100Eも、車輪7の旋回軸である軸心531cの延長線は、車軸73を通らないように車軸73から離れた位置にある。軸心531の延長線は、車輪7の接地領域7pから離れている。このため、駆動輪100Aから100Eも、車輪7の回転と回動とを同時に行いながら、車輪7の進行方向をX軸方向からY軸方向へ変えることができる。
図26は、実施形態4において車輪が旋回する様子を模式的に示す平面図である。図24に示したように、実施形態4に係る駆動輪100Fにおいて、車輪7の接地領域7pは、車輪7の旋回軸である軸心531cと重なる位置にある。このため、駆動輪100Fは、車輪7の回転と旋回とを同時に行うことはできない。駆動輪100Fは、車輪7の進行方向をX軸方向からY軸方向へ変更するときは、図26のステップST1’からST5’に示すように、まず、車輪7の回転を一旦停止した状態で、車輪7を軸心531cを中心に旋回させる。そして、ステップST5’に示すように、車輪7の旋回を終了した後で、駆動輪100Fは車輪7を回転させる。駆動輪100Fは、車輪7の旋回と回転とを別々に行う。このため、駆動輪100Fは、車輪7の進行方向の変更により多くの時間がかかってしまう。
図25を参照しながら説明したように、駆動輪100から100Eは、車輪7の旋回と回転とを同時に行うことができる。このため、駆動輪100から100Eは、駆動輪100Fと比べて、車輪7の進行方向を短時間で変更することができる。
また、駆動輪100Fは、駆動輪100から100Eと比べて、車輪7の旋回により大きな力を必要とする。すなわち、車輪7が停止している状態で車輪7の進行方向を変えるときは、静止摩擦力よりも大きな力で車輪7を旋回させる。一方、車輪7が回転している状態で車輪7の進行方向を変えるときは、動摩擦力よりも大きな力で車輪7を旋回させる。動摩擦力は、静止摩擦力よりも小さい。駆動輪100から100Eは、車輪7を回転させながら旋回させることができる。このため、駆動輪100から100Eは、駆動輪100Fと比べて、小さい力で車輪7を旋回させることができる。
(実施形態5)
図27は、実施形態5に係る台車の構成例を示す斜視図である。図28は、実施形態5に係る台車の構成例を示すブロック図である。図27及び図28に示すように、実施形態5に係る台車200は、駆動輪100と、従動輪110と、基部120と、取手部130と、制御装置210と、電源220とを備える。基部120は、例えば鋼製のフレームである。基部120に、駆動輪100と従動輪110とが取り付けられている。例えば、図27に示すように、台車200の進行方向の前方側において、基部120の両側部に従動輪110がそれぞれ1つずつ取り付けられている。また、進行方向の後方側において、基部120の両側部に駆動輪100がそれぞれ1つずつ取り付けられている。また、取手部130は、基部120の後方側の端部に取り付けられている。また、制御装置210及び電源220も、基部120にそれぞれ取り付けられている。
図27は、実施形態5に係る台車の構成例を示す斜視図である。図28は、実施形態5に係る台車の構成例を示すブロック図である。図27及び図28に示すように、実施形態5に係る台車200は、駆動輪100と、従動輪110と、基部120と、取手部130と、制御装置210と、電源220とを備える。基部120は、例えば鋼製のフレームである。基部120に、駆動輪100と従動輪110とが取り付けられている。例えば、図27に示すように、台車200の進行方向の前方側において、基部120の両側部に従動輪110がそれぞれ1つずつ取り付けられている。また、進行方向の後方側において、基部120の両側部に駆動輪100がそれぞれ1つずつ取り付けられている。また、取手部130は、基部120の後方側の端部に取り付けられている。また、制御装置210及び電源220も、基部120にそれぞれ取り付けられている。
図28に示すように、制御装置210は、受信部211と、制御部212とを有する。受信部211は、操作部300から送信されてくる操作信号Sigを受信する機能を有する。制御部212は、受信部211が受信した操作信号Sigに基づいて、駆動輪100を制御する機能を備える。例えば、制御部212は、配線を介して駆動輪100と電源220とにそれぞれ接続している。制御部212には電源220から電流が供給される。そして、制御部212は、受信部211が受信した操作信号Sigに基づいて、第1モータ51及び第2モータ61にそれぞれ電流を供給する。図28に示すように、台車200が複数の駆動輪100を有する場合、制御装置210は、複数の駆動輪100を個々に制御する。なお、操作部300は、台車200から離れた位置に配置されていてもよいし、台車200の取手部130等に取り付けられていてもよい。
なお、実施形態5では、台車200が駆動輪100を備えることを説明した。しかしながら、台車200が備える駆動輪は、駆動輪100に限定されるものではない。台車200が備える駆動輪は、上述した駆動輪100から100Fのいずれか1つ以上であってもよい。
以上、実施形態について説明したが、本開示は実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態1、3では、駆動輪100、100A、100D、100Eが第1はすば歯車85及び第2はすば歯車86を備えることを説明した。しかしながら、駆動輪100、100A、100D、100Eは、第1はすば歯車85及び第2はすば歯車86に変えて、出力傘歯車3(第1出力傘歯車3A)の回転軸の方向を90°変えることができる他の機構を備えていてもよい。このような他の機構として、傘歯車や磁石による伝達等が例示される。
1 第1入力傘歯車
2 第2入力傘歯車
3 出力傘歯車
3A 第1出力傘歯車
3B 第2出力傘歯車
4 取付部
5 第1駆動部
6 第2駆動部
7 車輪
7A 第1車輪
7B 第2車輪
73 車軸
75 デフレンシャルギア
8 連結部
9 操舵アーム
81 第1プーリ
82 第2プーリ
85 第1はすば歯車
86 第2はすば歯車
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F 駆動輪
200 台車
31、531 軸部
31c、31Ac、31Bc、531c、621c 軸心
2 第2入力傘歯車
3 出力傘歯車
3A 第1出力傘歯車
3B 第2出力傘歯車
4 取付部
5 第1駆動部
6 第2駆動部
7 車輪
7A 第1車輪
7B 第2車輪
73 車軸
75 デフレンシャルギア
8 連結部
9 操舵アーム
81 第1プーリ
82 第2プーリ
85 第1はすば歯車
86 第2はすば歯車
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F 駆動輪
200 台車
31、531 軸部
31c、31Ac、31Bc、531c、621c 軸心
Claims (10)
- 第1入力傘歯車と、
前記第1入力傘歯車を回転させる第1駆動部と、
前記第1入力傘歯車と対向して配置され、前記第1入力傘歯車の回転軸を中心に回転可能な第2入力傘歯車と、
前記第2入力傘歯車を回転させる第2駆動部と、
前記第1入力傘歯車と前記第2入力傘歯車とにそれぞれ噛み合う第1出力傘歯車と、
前記第1出力傘歯車と離して配置される車輪と、
前記第1出力傘歯車と前記車輪とを連結し、前記第1出力傘歯車の回転を前記車輪に伝達する連結部と、
前記第1入力傘歯車の回転軸を中心に前記連結部を回動させる操舵アームと、を備える駆動輪。 - 前記回転軸の延長線は、前記車輪の軸部を通らないように、前記車輪の軸部から離れた位置にある、請求項1に記載の駆動輪。
- 前記第1出力傘歯車は前記操舵アームに回転可能に取り付けられる、請求項1又は2に記載の駆動輪。
- 前記第1入力傘歯車と前記第2入力傘歯車とにそれぞれ噛み合う第2出力傘歯車、をさらに備え、
前記第2出力傘歯車は前記操舵アームに回転可能に取り付けられる、請求項3に記載の駆動輪。 - 前記連結部は、
前記第1出力傘歯車の回転が伝達される第1プーリと、
前記車輪の軸部に取り付けられる第2プーリと、
前記第1プーリの回転を前記第2プーリに伝達するベルトと、を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動輪。 - 前記連結部は、
前記第1出力傘歯車の軸部に取り付けられる第1はすば歯車と、
前記操舵アームに回転可能に取り付けられ、前記第1はすば歯車と噛み合う第2はすば歯車と、を有し、
前記第1プーリは、前記第2はすば歯車の軸部に取り付けられる、請求項5に記載の駆動輪。 - 前記第1出力傘歯車の軸部に前記第1プーリが取り付けられる、請求項5に記載の駆動輪。
- 前記車輪は、
第1車輪と、
前記第1車輪と並んで配置される第2車輪とを有し、
前記車輪の軸部は、前記第1車輪と前記第2車輪とに取り付けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動輪。 - 前記車輪の軸部に取り付けられるデフレンシャルギア、をさらに備える、請求項8に記載の駆動輪。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる基部と、を備える台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017220379A JP2019089493A (ja) | 2017-11-15 | 2017-11-15 | 駆動輪及び台車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017220379A JP2019089493A (ja) | 2017-11-15 | 2017-11-15 | 駆動輪及び台車 |
Publications (1)
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ID=66837071
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021062842A (ja) * | 2019-10-17 | 2021-04-22 | 日本精工株式会社 | 駆動輪、台車及び機器 |
WO2023157872A1 (ja) * | 2022-02-15 | 2023-08-24 | 日本精工株式会社 | 駆動輪及び台車 |
-
2017
- 2017-11-15 JP JP2017220379A patent/JP2019089493A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021062842A (ja) * | 2019-10-17 | 2021-04-22 | 日本精工株式会社 | 駆動輪、台車及び機器 |
JP7327074B2 (ja) | 2019-10-17 | 2023-08-16 | 日本精工株式会社 | 駆動輪、台車及び機器 |
WO2023157872A1 (ja) * | 2022-02-15 | 2023-08-24 | 日本精工株式会社 | 駆動輪及び台車 |
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