以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図59を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)1に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機1の正面図であり、図2はパチンコ機1の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機1の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112A(図4参照)やその球発射ユニット112Aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5Cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機1の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112A(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5Cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機1においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機1の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機1においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5Cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機1の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112Aの駆動を許可するためのタッチセンサ51Aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51Bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51Aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51Aおよび発射停止スイッチ51Bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5C(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112A(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機1の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機1が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機1の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機1では、第1入賞口64,第2入賞口140のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機1は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機1が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する第1電動役物140Aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物140Aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物140Aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する第1電動役物140Aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物140Aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する第1電動役物140Aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物140Aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する第1電動役物140Aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物140Aおよび第2電動役物82を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口140のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機1では、球が第1スルーゲート66を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機1は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された第1電動役物140Aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の第1電動役物140Aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物140Aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140および第3入賞口へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物140Aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には第1電動役物140Aが付随されている。この第1電動役物140Aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物140Aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物140Aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物140Aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物140Aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような第1電動役物140Aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第1スルーゲート66に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する第1電動役物140Aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第1スルーゲート66を通過させて第1電動役物140Aを開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、パチンコ機1の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65Aが設けられている。パチンコ機1においては、第1入賞口64,第2入賞口140のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65Aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65Aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65Aが所定時間開放される。この特定入賞口65Aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65Aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65Aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65Aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65Aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65Aが所定時間開放され、その特定入賞口65Aの開放中に、球が特定入賞口65A内へ入賞することを契機として特定入賞口65Aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65Aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65A,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機1を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機1の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機1の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機1の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65Aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112Aを制御するものである。球発射ユニット112Aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51Aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51Bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、各駆動モータ481,491,661,880が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機1の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機1の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図59を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図7及び図8は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、変位ユニット400の左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485と上下変位ユニット800の変位部材850とがそれぞれ退避位置に変位された状態が、図8では、スライドユニと400の左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485と上下変位ユニット800の変位部材850とがそれぞれ張出位置に変位された状態が、それぞれ図示される。
図5から図8に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、変位ユニット400、投影ユニット600、上下変位ユニット800がそれぞれ順に収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301Aが開口形成され、その開口301Aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301に配設される正面視額縁形状のベース部材410と、そのベース部材410に変位可能に配設される左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485とを備え、これら左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485を、投影ユニット600の背面側に退避する退避位置と、背面ケース300の開口301A(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側に張り出す張出位置との間で変位させることができる(図7及び図8参照)。
この場合、変位ユニット400には、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を駆動する駆動手段(第1駆動モータ481及び第2駆動モータ491)が2個設けられ、駆動する駆動手段を選択することで、変位部材の変位態様を異ならせる(複数種類の変位態様を形成する)ことができる。かかる構造の詳細については後述する。
投影ユニット600は、変位ユニット400の正面に配設される正面視円環形状のベース部材610と、そのベース部材610の内周側に配設される円板状の投影板部材620と、投影板部材620の外周面から光を入射させる複数のLED651とを備える。投影板部材620は、光透過性材料からなり、第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認可能とされると共に、LED651から光が入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす態様で、投影板部材620の正面から出射させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
この場合、投影ユニット600には、LED651から照射された光の投影板部材620への入射の効率を高める構造が採用され、投影板部材620の正面から出射される光を強くする(模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる)ことができる。また、複数のLED651(照射ユニット650)をベース部材610に組み付ける際の作業性を高める構造が採用される。これらの構造の詳細については後述する。
上下変位ユニット800は、投影ユニット600のベース部材610における上部に配設される正面ベース820及び背面ベース830と、それら両ベース部材820,830に一端が回転可能に軸支される変位部材850とを備え、変位部材850の他端側を、背面ケース300の開口301A(即ち、第3図柄表示装置81)の上方となる退避位置および正面側に張り出す張出位置の間で変位させることができる(図7及び図8参照)。
この場合、上下変位ユニット800は、変位部材850を付勢する付勢ばねSPを備え、退避位置および張出位置の間の所定位置において、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とをつり合わせることで、つり合い位置(所定位置)を中心として、重力の作用と付勢ばねSPの弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材850に行わせる構造が採用される。かかる構造の詳細については後述する。
次いで、図9から図28を参照して、変位ユニット400について説明する。図9は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図10は、変位ユニット400の背面図である。
変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に締結固定されるベース部材410と、そのベース部材410に変位可能に配設される変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)と、その変位部材に駆動力を付与する複数(本実施形態では2個)の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)とを主に備え、上述したように、下駆動機構480(第1駆動モータ481)の駆動により変位部材を変位させる場合、上駆動機構490(第2駆動モータ491)の駆動により変位部材を変位させる場合、或いは、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)の両者の駆動により変位部材を変位させる場合で、変位部材を異なる態様で変位させることができるように形成される。以下、その構造の詳細について、図11から図18を参照して説明する。
まず、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、左変位部材420L及び右変位部材420Rの正面斜視図であり、図12は、左変位部材420L及び右変位部材420Rの背面斜視図である。
図11及び図12に示すように、変位ユニット400は、変位による演出を行う変位部材として形成される左変位部材420L及び右変位部材420Rを備え、それら左変位部材420L及び右変位部材420Rには、左従動部材430L及び右従動部材430Rと、台車部材440と、上部左ラック450L及び上部右ラック450Rとが連結される。
左変位部材420Lは、縦姿勢で配設される長尺状の部材であり、背面から突設される連結軸421と、上端に穿設される連結孔422と、下端に穿設される摺動溝423とを備える。連結軸421は、断面円形の軸であり、左従動部材430Lの連結孔431が回転可能に軸支される。即ち、左変位部材420Lの背面側には、左従動部材430Lの上端が回転可能に連結される。
なお、連結軸421は、左従動部材430Lの背面から先端が突出される長さ寸法に設定され、その突出された連結軸421の先端は、上駆動機構490の駆動アーム494における駆動溝494C(図17及び図18参照)に摺動可能に挿通される。即ち、上駆動機構490の駆動アーム494が駆動(回転)されると、駆動溝494Cの内壁面が連結軸421に作用して、左変位部材420Lが変位される。
連結孔422は、断面円形の孔であり、後述する台車部材440の2本の連結軸441のうちの一方の連結軸441が回転可能に挿通される。即ち、左変位部材420Lは、台車部材440Lに対する相対的な姿勢変化(連結孔422の軸心を回転中心とする回転)が許容された状態で連結される。
摺動溝423は、左変位部材420Lの長手方向に沿って延設される溝であり、後述する下部左ラック488Lの駆動ピン488B(図15参照)が回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、下部左ラック488Lが停止された状態で、上駆動機構490のみが駆動される場合、又は、その逆の場合のいずれにおいても、ベース部材410に対する左変位部材420Lの姿勢の変化(回転)を形成可能とできる。
左従動部材430Lは、ベース部材410と左変位部材420Lとの間に架設されることで、左変位部材420Lの変位に従動される部材であり、一端(上端)に穿設される連結孔431と、背面から突設される摺動ピン432とを備える。
連結孔431は、断面円形の孔であり、上述したように、左変位部材420Lの連結軸421が回転可能に挿通される。摺動ピン432は、断面円形のピン(棒状体)であり、ベース部材410の側方に穿設される摺動溝410Aに回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、左変位部材420Lが変位されると、その左変位部材420Lに対する相対姿勢を変化させつつ、左従動部材430Lを従動させることができる。
台車部材440は、ベース部材410の上側部分(上部中間部分410F及び上部正面部分410G、図17及び図18参照)に左右方向(幅方向)に沿って延設される被転動面を転動する部材であり、平行に並設される2本の連結軸441と、それら各連結軸441の両端にそれぞれ回転可能に軸支される4輪の転動輪442とを備える。よって、左変位部材420Lの上端は、台車部材440の各転動輪442が被転動面を転動することで、かかる台車部材440を介して、左右方向(幅方向)に沿って変位される。
なお、ベース部材410の被転動面は、鉛直方向上側を臨む略水平な平坦面として形成され、その被転動面に台車部材440の各転動輪442が載置される。即ち、左変位部材420は、台車部材440を介して、ベース部材410の被転動面に吊り下げられて状態で支持される。
上部左ラック450Lは、ベース部材410の上側部分(上部中間部分410F及び上部正面部分410G、図17及び図18参照)に左右方向(幅方向)に沿って延設される案内部を摺動する長尺板状の部材であり、台車部材440の2本の連結軸441がそれぞれ回転可能に挿通される2の連結孔451と、上部左ラック450Lの背面に長手方向に沿って刻設されるラックギヤ452とを備える。
ここで、右変位部材420Rは左変位部材420Lに対して、右従動部材430Rは左従動部材430Lに対して、上部右ラック450Rは上部左ラック450Lに対して、それぞれ略左右対称の形状に形成され、実質的に同一の構成とされるので、同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
但し、上部右ラック450Rは、その正面にラックギヤ452が刻設される。また、上部右ラック450Rは、連結孔451の形成部分が正面側へオフセットされ、上部左ラック450Lと前後方向の位置を違えて配設される。よって、上部左ラック450Lのラックギヤ452と上部右ラック450Rのラックギヤ452とは所定間隔を隔てて対向配置される。この場合、両ラックギヤ452には、ベース部材410に回転可能に軸支されるピニオンギヤ459が歯合される。
従って、左変位部材420Lの変位に伴って、上部左ラック450Lがベース部材410の案内部(図示せず)に沿って左右方向(幅方向、図19左右方向)へ変位(摺動)されると、その上部左ラック450Lの変位が、ピニオンギヤ459を介して、上部右ラック450Rに伝達されるので、右変位部材420Rを変位させることができる。
なお、本実施形態では、上部左ラック450L及び上部右ラック450Rの間に介設されるピニオンギヤ459の配設数が奇数個(即ち、1個)なので、左変位部材420L及び右変位部材420Rの変位方向を逆方向(互いが近接し合う又は離間し合う方向)とできる。但し、ピニオンギヤ459の配設数を偶数個として、左変位部材420L及び右変位部材420Rの変位方向を同方向としても良い。
次いで、複数の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)のうちの下駆動機構480について、図13から図16を参照して説明する。
図13及び図15は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図14及び図16は、変位ユニット400の背面斜視図である。なお、図13及び図14では、背面カバー412が装着された状態が図示され、図15及び図16では、背面カバー412が取り外された状態が図示される。また、図13から図16では、嵩上げカバー413の図示が省略される。
図13から図16に示すように、下駆動機構480は、第1駆動モータ481と、その第1駆動モータ481の駆動軸に取着されるピニオンギヤ482と、そのピニオンギヤ482が歯合される駆動ギヤ483と、その駆動ギヤ483と共にクランク機構を形成する駆動アーム484と、その駆動アーム484により駆動される突出部材485と、その突出部材485の背面に配設されるラックギヤ486と、そのラックギヤ486に先頭の歯車487Aが歯合される歯車列(歯車487A〜487E)と、その歯車列の末尾の歯車487Eに歯合される下部左ラック488L及び下部右ラック488Rと、を主に備える。
第1駆動モータ481は、左正面カバー411Lの正面に取着され、その左正面カバー411Lの背面から突出された第1駆動モータ481の駆動軸には、ピニオンギヤ482が取着(固設)される。駆動ギヤ483は、左正面カバー411Lの背面に、駆動アーム484は、ベース部材410の正面に、それぞれ回転可能に軸支される。
駆動ギヤ483は、その回転中心から偏心して位置すると共に背面から突設される偏心ピン483Aを備える。駆動アーム484は、ベース部材410の支持軸が回転可能に挿通される軸支孔484Aと、駆動ギヤ483の偏心ピン483Aが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝484Bと、それら軸支孔484A及び摺動溝484Bが形成される側と反対側の端部における正面から突設される駆動ピン484Cとを備える。
よって、第1駆動モータ481の駆動力により、ピニオンギヤ482を介して駆動ギヤ483が正方向または逆方向へ回転されると、その駆動ギヤ483の偏心ピン483Aから駆動アーム484の摺動溝484Bの一方または他方の内壁面が作用を受けることで、駆動アーム484が軸支孔484Aを回転中心として正方向または逆方向へ回転され、駆動アーム484の駆動ピン484Cが上昇または下降される。
突出部材485は、駆動アーム484の駆動ピン484Cが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝485Aを備え、スライドレールSLを介して、ベース部材410の正面に配設される。スライドレールSLは、伸縮式の直線案内機構であり、その伸縮方向を鉛直方向に沿わせた縦姿勢で配設される。なお、スライドレールSLは、ベース部材410の正面に配設される基端レールと、突出部材485の背面に配設される先端レールと、それら基端レール及び先端レールの間に介設され基端レール及び先端レールを互いに長手方向へ相対変位可能とする中間レールとを備える。
よって、駆動アーム484が回転され、その駆動アーム484の駆動ピン484Cによって、突出部材485の摺動溝485Aの内壁面が押し上げられる又は押し下げられると、スライドレールSLが伸縮され、突出部材485がベース部材410に対して鉛直方向に昇降される。
ラックギヤ486は、突出部材485の昇降方向に沿って刻設され、歯車列(歯車487A〜487E)は、先頭の歯車487Aをラックギヤ486に歯合させた状態で、ベース部材410の正面と右正面カバー411Rの背面との間にそれぞれ回転可能に軸支される。よって、突出部材485が昇降されることで、ラックギヤ486の直線運動を利用して、歯車列(歯車487A〜487E)を回転させることができる。
下部左ラック488L及び下部右ラック488Rは、長尺板状の部材であり、その長手方向に沿って側面に刻設されるラックギヤ488Aと、長手方向端部における正面から突設される駆動ピン488Bとをそれぞれ備える。これら下部左ラック488L及び下部右ラック488Rは、上下方向に位置を違え、互いのラックギヤ488Aを対向させた状態で、ベース部材410の背面と背面カバー412の正面との間に左右方向(幅方向、図19左右方向)に沿って摺動可能に保持される。
なお、歯車列の末尾の歯車487Eは、隣接する歯車487Dに同軸に固着され、ベース部材410に穿設される開口410Bを介して背面側に突出されることで、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rのそれぞれのラックギヤ488Aに歯合される。よって、上述したように、突出部材485の昇降に伴って、歯車列(歯車487A〜487E)が回転されると、その末尾の歯車487Aの回転により、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rを互いに逆方向(互いが近接し合う又は離間し合う方向)へ直線運動させることができる。
下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488Bは、ベース部材410に穿設される直線状の挿通溝410Cを介して正面側に突出されることで、上述したように、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423に回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rが直線運動されることで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)を変位させることができる。
なお、挿通溝410Cの延設方向は、台車部材440の転動輪442が転動する被転動面と略平行に形成される。即ち、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの直線運動の方向は、後述する上部左ラック450L及び上部右ラック450Rの直線運動の方向と略平行とされる。
次いで、複数の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)のうちの上駆動機構490について、図17及び図18を参照して説明する。
図17は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図18は、変位ユニット400の背面斜視図である。なお、図17及び図18では、理解を容易とするために、ピニオンギヤ459及び上部右ラック450Rが上部中間部分410F及び上部正面部分410Gの対向間に図示される。
図17及び図18に示すように、上駆動機構490は、第2駆動モータ491と、その第2駆動モータ491の駆動軸に取着されるピニオンギヤ492と、そのピニオンギヤ492が歯合される駆動ギヤ493と、その駆動ギヤ493と共にクランク機構を形成する駆動アーム494と、を主に備える。
ベース部材410は、その上部(正面視略額縁形状に形成される上辺部分)が、上部背面部分410Eと、上部中間部分410Fと、正面部分410Gとを順に正面側に重ね合わせた分割構造として形成される。
第2駆動モータ491は、上部中間部分410Fの上方へ張り出された部分の正面に取着され、その張り出された部分の背面から突出された第2駆動モータ491の駆動軸には、ピニオンギヤ492が取着(固設)される。駆動ギヤ493及び駆動アーム494は、上部中間部分410Fの背面に回転可能に軸支される。
駆動ギヤ493は、その回転中心から偏心して位置すると共に背面から突設される偏心ピン493Aを備える。駆動アーム494は、上部中間部分410Fの支持軸が回転可能に挿通される軸支孔494Aと、駆動ギヤ493の偏心ピン493Aが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝494Bと、それら軸支孔494A及び摺動溝494Bが形成される側と反対側の端部に位置する直線状の駆動溝494Cとを備える。
よって、第2駆動モータ491の駆動力により、ピニオンギヤ492を介して駆動ギヤ493が正方向または逆方向へ回転されると、その駆動ギヤ493の偏心ピン493Aから駆動アーム494の摺動溝494Bの一方または他方の内壁面が作用を受けることで、駆動アーム494が軸支孔494Aを回転中心として正方向または逆方向へ回転され、駆動アーム494の駆動溝494Cが左右に変位される。
上述したように、駆動アーム494の駆動溝494Cには、左変位部材420Lの連結軸421の先端が摺動可能に挿通される。よって、駆動アーム494を駆動(軸支孔494Aを中心として回転)させ、左右に変位される駆動溝494Cの内壁面を連結軸421に作用させることで、台車部材440(転動輪442)を被転動面に沿って転動させ、左変位部材420Lの上端側を左右に変位させることができる。
この場合、左変位部材420Lが左右に変位され、台車部材440(転動輪442)が被転動面を転動されると、上述したように、上部左ラック450Lがベース部材410の案内部に沿って左右方向(幅方向、図19左右方向)へ変位(摺動)され、その上部左ラック450Lの変位が、ピニオンギヤ459を介して、上部右ラック450Rに伝達されることで、右変位部材420Rを変位させることができる。なお、台車部材440の転動輪442が転動する被転動面は、上部中間部分410Fと上部正面部分410Gとに形成される。
次いで、上述のように構成された変位ユニット400の動作について、図19から図28を参照して説明する。
まず、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)の両者を駆動して、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を変位させる第1の態様について、図19から図24を参照して説明する。
図19、図21及び図23は、第1の態様における変位ユニット400の正面図であり、図20、図22及び図24は、図19、図21及び図23の背面視における変位ユニット400の背面図である。
なお、図19及び図20は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が退避位置に配置された状態に対応し、図23及び図24は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が第1の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
図19及び図20に示すように、退避位置に配置された状態では、左変位部材420L及び右変位部材420Rが最外方(互いが左右方向に最も離間される位置)に配置されると共に、突出部材485が最下方に配置される。
この状態から下駆動機構480の第1駆動モータ481及び上駆動機構490の第2駆動モータ491がそれぞれ駆動されると、図21及び図22に示す状態を経た後、図23及び図24に示す状態(第1の態様における張出位置)まで、左変位部材420L及び右変位部材420Rが左右方向(幅方向)において互いに近接する方向へ変位されると共に、突出部材485が上昇される。なお、第1の態様における張出位置では、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が合体状態(三者の側面どうしが密着した状態)に形成される。
詳細には、図19の状態から、下駆動機構480の第1駆動モータ481が駆動されると、駆動アーム484が回転され、その駆動アーム484の駆動ピン484Cが突出部材485の摺動溝485Aの内壁面を押し上げることで、突出部材485が上昇される(図13及び図14参照)。
また、突出部材485が上昇されると、ラックギヤ486、歯車列(歯車487A〜487E)及びラックギヤ488Aを介して、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rが変位(直線運動)され(図15及び図16参照)、それら下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488Bが、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423の内壁面に作用することで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)がベース部材410の挿通溝410Cに沿って互いに近接する方向へ変位(直線運動)される。
一方、図19の状態から、上駆動機構490の第2駆動モータ491が駆動されると、駆動アーム494が回転され、その駆動アーム494の駆動溝494Cの内壁面が左変位部材420Lの連結軸421に作用される。これにより、台車部材440が被転動面を転動され、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が右変位部材420Rへ近接する方向へ変位(直線運動)される(図17及び図18参照)。
また、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が変位されると、その変位が、上部左ラック450Lからピニオンギヤ459を介して上部右ラック450Rへ伝達されることで、右変位部材420Rの上端側(台車部材440)が左変位部材420Lへ近接する方向へ変位(直線運動)される(図11及び図12参照)。
なお、本実施形態では、左変位部材420L及び右変位部材420Rの左右方向(幅方向、図20左右方向)の変位量は、下端側の変位量が上端側の変位量よりも小さくされる(即ち、駆動ピン488Bの可動範囲(挿通溝410Cの延設長さ)が、台車部材440の可動範囲(被転動面の延設長さ)よりも短くされる)。
この場合、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側と上端側とが、退避位置(図19及び図20参照)から略同時に変位を開始し、かつ、第1の態様における張出位置(図23及び図24参照)に略同時に到達されるように、下駆動機構480及び上駆動機構490が駆動される。即ち、下端側(駆動ピン488B)よりも上端側(台車部材440)の左右方向の変位速度が速くされる。
これにより、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、縦姿勢に維持したまま非回転で左右方向へ平行に変位させるのではなく、その姿勢を回転させつつ左右方向へ変位させることができる。即ち、このように、姿勢を回転させつつ変位させることは、1の駆動手段の駆動力でスライド溝に沿って変位部材を摺動させる構成では不可能であり、本実施形態のように、2の駆動手段を利用することが始めて可能となったものである。
また、下端側(駆動ピン488B)よりも上端側(台車部材440)の左右方向の変位速度が異なる場合、駆動ピン488Bと台車部材440との距離が変化されるところ、本実施形態では、摺動溝423が駆動ピン488Bの直径よりも大きな長さで上下方向に延設される長穴形状とされるため、両者の距離の変化を吸収することができる。即ち、複雑な機構を設ける必要がなく、摺動溝423及び駆動ピン488Bを回転可能かつ摺動可能に形成すれば良いので、製品コストの削減に加え、動作の信頼性と耐久性とを図ることができる。
図23及び図24に示す状態から下駆動機構480の第1駆動モータ481及び上駆動機構490の第2駆動モータ491がそれぞれ上述した場合と逆方向へ駆動されると、図21及び図22に示す状態を経た後、図19及び図20に示す状態(退避位置)まで、左変位部材420L及び右変位部材420Rが左右方向(幅方向)において互いに離間する方向へ変位されると共に、突出部材485が下降される。
次いで、下駆動機構480(第1駆動モータ481)のみを駆動して(即ち、上駆動機構490(第2駆動モータ491)は非駆動状態に維持して)、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を変位させる第2の態様について、図25及び図26を参照して説明する。なお、第2の態様の説明では、図19及び図20も適宜参照する。
図25は、第2の態様における変位ユニット400の正面図であり、図26は、図25の背面視における変位ユニット400の背面図である。なお、図25及び図26は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が第2の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
ここで、図19及び図20に示す状態(退避位置に配置された状態)では、上駆動機構490の駆動アーム494は、左変位部材420Lがその上端側(連結孔422の軸心)を回転中心として回転することを許容する姿勢で配置される。即ち、左変位部材420Lの連結軸421が駆動アーム494の駆動溝494Cに沿って摺動することが許容される。
よって、この状態(図19及び図20に示す状態)から、下駆動機構480の第1駆動モータ481のみが駆動されると、図25及び図26に示すように、図駆動アーム484の駆動ピン484Cが突出部材485の摺動溝485Aの内壁面を押し上げることで、突出部材485が上昇されると共に、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488Bが、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423の内壁面に作用することで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)が互いに近接する方向へ変位(直線運動)される。即ち、第2の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、その上端側(連結孔422の軸心)を回転中心として、回転させることができる。
次いで、上駆動機構490(第2駆動モータ491)のみを駆動して(即ち、下駆動機構480(第1駆動モータ481)は非駆動状態に維持して)、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)を変位させる第3の態様について、図27及び図28を参照して説明する。なお、第3の態様の説明では、図19及び図20も適宜参照する。
図27は、第3の態様における変位ユニット400の正面図であり、図28は、図27の背面視における変位ユニット400の背面図である。なお、図27及び図28は、左変位部材420L及び右変位部材420Rが第3の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
ここで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423は、駆動ピン488Bの直径よりも大きな長さで上下方向に延設される長穴形状とされ、左変位部材420L及び右変位部材420Rが上方へ持ち上げられることが許容される。
よって、図19及び図20に示す状態(退避位置に配置された状態)から、上駆動機構490の第2駆動モータ491のみが駆動されると、図27及び図28に示すように、駆動アーム494の駆動溝494Cの内壁面が左変位部材420Lの連結軸421に作用され、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が右変位部材420Rへ近接する方向へ変位(直線運動)される共に、その変位が、上部左ラック450Lからピニオンギヤ459を介して上部右ラック450Rへ伝達されることで、右変位部材420Rの上端側(台車部材440)が左変位部材420Lへ近接する方向へ変位(直線運動)される。
即ち、第3の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、その下端側(摺動溝423側)を回転中心として、回転させることができる。また、第3の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rのみを変位させ、突出部材485は停止状態に維持することができる。
ここで、従来の遊技機では、ベース部材410に案内手段(例えば、案内溝)が延設され、その案内手段に沿って変位部材が変位(案内)可能に形成されるものであるため、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定されていた。そのため、変位部材の変位による演出がワンパターンとなり、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。駆動手段(例えば、駆動モータ)の駆動力(駆動速度)に強弱をつけて変化を設けたとしても、変位部材の変位速度が増減するだけであり、その変位態様(軌跡)は相変わらず一定であるため、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難である。
これに対し、本実施形態の変位ユニット400によれば、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)を備え、その駆動状態を選択(変更)することで、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を3種類の態様(第1の態様、第2の態様および第3の態様)で変位させることができる。即ち、変位部材の変位態様が一通りに限定される従来品のように、演出がワンパターンとならず、変位部材を少なくとも3通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
特に、第1の態様では(図19から図24参照)では、左変位部材420L及び右変位部材420Rに平行移動(直線運動)が支配的な変位を行わせることができる一方、第2の態様および第3の態様(図19、図25から図28参照)では、左変位部材420L及び右変位部材420Rに回転(回転運動)のみの変位を行わせることができ、その変位の運動形態を異ならせることができる。その結果、変位部材の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
この場合、従来品では、回転中心は一定のままで、その回転方向のみを異ならせることで、変位態様を異ならせるものは存在するが、本実施形態における第2の態様および第3の態様は、同一の回転中心でその回転方向のみが異なるというものではなく、回転方向が異なり、且つ、回転中心も異なって形成されるので(第2の態様では上端側が回転中心とされ、第3の態様では下端側が回転中心とされる)、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
また、第1の態様では、回転と平行移動(直線運動)とを組み合わせた形態で変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)が変位されるところ、かかる回転の方向が第3の態様における回転の方向と同方向とされる。そのため、第1の態様および第3の態様の初期段階(例えば、図21及び図27参照)では、変位部材どうしが近接する方向へ変位されるように遊技者に視認させることができ、その区別をつき難くできる。一方で、第1の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rの近接する方向への変位に伴い、突出部材485が上昇されるのに対し、第3の態様では、突出部材485を停止状態に維持することができる。即ち、左変位部材420L及び右変位部材420Rが互いに近接する方向へ変位された初期段階において、突出部材485が上昇されている場合には、第1の態様における張出位置まで変位部材が変位されることを遊技者に期待させることができる。
変位ユニット400は、台車部材440、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rがそれぞれ直線変位可能にベース部材410に配設(保持)されると共に、台車部材440に左変位部材420L及び右変位部材420Rの上端側(連結孔422)が回転可能に連結されると共に、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488Bが左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423)に回転可能かつ摺動可能に挿通される。
これにより、上述したように、左変位部材420L及び右変位部材420Rに、回転成分を含む直線運動(第1の態様)や、回転運動(第2及び第3の態様)を行わせるための構造を簡素化できる。例えば、曲線状の案内溝を設け、その案内溝に沿って変位部材を変位させることも考えられるが、このような曲線状の軌跡でスライド変位させる場合には、複雑な構造が必要となる(即ち、曲線状の軌跡であると、台車部材440に対応する部材、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rに対応する部材をそれぞれ曲線状に案内するための機構だけでなく、これら各部材440,488L,488Rに駆動力を継続して付与可能とする機構を設ける必要が生じる)。
これに対し、本実施形態では、台車部材440、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rを直線方向へ案内すれば良く、よって、台車部材440は平坦面としての被転動面により案内すれば良く、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rはラック・ピニオン機構を利用することができるので、それらの構造を簡素化することができる。よって、製品コストの削減と共に、耐久性と動作の信頼性の向上を図ることができる。
また、変位ユニット400によれば、第1の態様、第2の態様および第3の態様のいずれにおいても、左変位部材420L及び右変位部材420Rを案内する機構が共通とされ、具体的には、各変位部材420L,420Rの一端側(上端側)は、台車部材440が被転動面を転動することで案内され、他端側(下端側)は、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rがベース部材410と背面カバー412との間で摺動(直線運動)することで案内される。即ち、各態様に応じて異なる案内機構をそれぞれ設ける必要がなく、従って、異なる案内機構を切り替える構造も採用する必要がない。その結果、構造を簡素化して、動作の信頼性と耐久性とを高めることができると共に、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図29から図46を参照して、投影ユニット600について説明する。
初めに、図29から図32を参照して、投影ユニット600の全体構成について説明する。図29は、投影ユニット600の正面図であり、図30は、投影ユニット600の背面図である。また、図31は、投影ユニット600の分解正面斜視図であり、図32は、投影ユニット600の分解背面斜視図である。
図29から図32に示すように、投影ユニット600は、正面視円環形状のベース部材610と、そのベース部材610に回転可能に配設される円板形状の投影板部材620と、その投影板部材620の外周側を取り囲んで配設される複数の照射ユニット650と、投影板部材620を回転させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材620に伝達するための歯車列(歯車662〜664)と、を主に備えて形成される。
ベース部材610は、円環形状の背面ベース611と、その背面ベース611の正面に配設される円環形状の正面ベース612とを備え、それら背面ベース611及び正面ベース612の対向面間に形成される内部空間に、投影板部材620、照射ユニット650及び歯車列(歯車662〜664)が収納される。
なお、正面ベース612の正面視における内周縁より内側の領域(以下、「表示領域」と称す)では、投影板部材620が遊技者から視認可能であり、正面ベース612の内周縁より外側の領域(即ち、正面ベース612で遮蔽される領域)(以下、「表示領域外」と称す)では、投影板部材620が遊技者から視認不能とされる。
投影板部材620は、光透過性材料からなり、背面側に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)の表示を透過させて遊技者に視認させると共に、照射ユニット650から照射された光が外周面から入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす態様で、投影板部材620の正面から出射させ、遊技者に視認させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
投影板部材620の外周縁部には、ギヤ部材630及び溝形成部材640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。これらギヤ部材630及び溝形成部材640は、正面視円環状に形成され、投影板部材620と同心に配設される。
ギヤ部材630には、外周面に沿って複数の歯が刻設され、歯車列の末尾の歯車664が歯合される。溝形成部材640は、投影板部材620との間に周方向に連続する断面コ字状の案内溝641を形成するための部材であり、ベース部材610に回転可能に軸支される複数のカラーCが案内溝641に案内されることで、投影板部材620がベース部材610に回転可能に保持される。なお、ギヤ部材630及び溝形成部材640の詳細構成については後述する。
照射ユニット650は、投影板部材620の外周面から光を入射させるための発光手段(LED651)を複数備えるユニットであり、各LED651が投影板部材620の外周面を臨む(外周面に対向する)姿勢で複数(本実施形態では5個)が配設される。詳細には、本実施形態では、各LED651の照射方向の延長線が投影板部材620の略中心を通過する姿勢とされる。なお、照射ユニット650のベース部材610への取り付け構造の詳細については後述する。
駆動モータ661は、背面ベース611の背面側に配設され、その駆動モータ661の駆動軸には、歯車列の先頭の歯車662が連結(固着)される。また、歯車列の末尾の歯車664には、投影板部材620に配設されたギヤ部材630が歯合される。よって、駆動モータ661の駆動軸が回転されると、その回転が、歯車列(歯車662〜歯車664)を介して、ギヤ部材630に伝達され、投影板部材620が回転される。
次いで、図33から図38を参照して、投影板部材620の保持構造について説明する。図33は、背面ベース611の正面図である。図34は、正面ベース612及び照射ユニット650の背面図であり、図35は、正面ベース612の背面図である。
図33に示すように、背面ベース611は、円環形状の板部材の内縁部に立設される内側立設部と611Aと、円環形状の板部材の外縁部に立設される外側立設部611Cと、内側立設部611A及び外側立設部611Cの間から立設される中間立設部611Bと、その内側立設部611B及び内側立設部611Aに取り囲まれる領域の内側凹溝611Dと、内側立設部611B及び外側立設部611Cに取り囲まれる領域の外側凹部611Eと、所定の間隔を隔てて円環状の板部材から突設される規制突起611Fと、を主に備えて形成される。
内側立設部611Aは、円環形状の板部材の内縁部から正面側(図33紙面手前側)に立設されると共に、径方向に一定の厚みを備える。
外側立設部611Cは、円環形状の板部材の外縁部から正面側(図33紙面手前側)に立設されると共に、径方向に一定の厚みを備える。
中間立設部611Bは、内側立設部611A及び外側立設部611Bの中間位置に立設される。また、中間立設部611Bは、軸周りに7分割して形成され、それぞれの分割端部は外側立設部611Cに連結される。
内側凹溝611Dは、後述する投影板部材620の外縁部を内部に配置するための領域であり、円環形状の板部材と内側立設部611Aと中間立設部611Bとの3方向を取り囲まれて形成される。
外側凹溝611Eは、後述する照射ユニット650を内部に配置するための領域であり、円環形状の板部材と外側立設部611Cと中間立設部611Bとの3方向を取り囲まれて形成される。
規制突起611Fは、正面ベース612に軸支されるカラーCが、背面側にがたつくことを抑制する突起であり、カラーCの軸心に開口された穴の内径よりも大きい内径の円環状に形成されると共に、正面側に突出形成される。なお、本実施形態では、規制突起611Fは、所定の間隔を空けて6か所形成される。
図34及び図35に示すように、正面ベース612の背面には、背面ベース611の内側立設部611A、中間立設部611B、外側立設部611C及び規制突起611Fに対応して、内側立設部612A、中間立設部612B、外側立設部612C及び軸部612Fが立設される。即ち、ベース部材610が組み立てられた状態では、背面ベース611の各立設部611A〜611Cの立設先端面に、正面ベース612の各立設部612Aから612Cの立設先端面がそれぞれ重ね合されると共に、規制突起611Fに軸部612Fの先端が挿通される。
正面ベース612の背面であって、中間立設部611B及び外側立設部612Cとの間の領域には、複数の保持ピン612Gが立設される。保持ピン612Gは、照射ユニット650の位置決め及び保持を行うための断面円形の軸状態であり、周方向に所定の間隔を隔てて配置される。
照射ユニット650は、上述したように、複数のLED651を備え、それら各LED651から照射された光を投影板部材620の外周面から入射させるためのユニットであり、投影板部材620の周囲に沿って配設される。即ち、投影板部材620は、その外周側が複数の照射ユニット650に取り囲まれる。
照射ユニット650は、正面ベース612の背面であって、中間立設部611B及び外側立設部612Cとの間の領域に装着され、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合されることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に収容される。
図36は、図34の矢印XXXVI方向視における正面ベース612及び照射ユニット650の部分拡大断面図である。
図36に示すように、正面ベース612の中間立設部612Bには、その立設先端側に略半円形状の切り欠き部612B1が切り欠き形成される。同様に、背面ベース611の中間立設部611Bの立設先端側にも、切り欠き部612B1と同位相となる位置に、略半円形状の切り欠き部611B1が切り欠き形成される(図33参照)。
即ち、中間立設部611B,612Bの立設先端面どうしが重ね合わされた状態(即ち、ベース部材610の組み立て状態)では、互いの切り欠き部611B1,612B2により正面視略円形の開口が形成される。これら円形の開口は、照射ユニット650の各LED651に対面する位置(同位相となる位置)にそれぞれ形成される。
よって、照射ユニット650の各LED651から照射された光は、中間立設部611B,612Bの切り欠き部611B1,612B1により形成される円形の開口を通過して、投影板部材620の外周面へ入射される。なお、円形の開口は、LED651の発光部の直径よりも大きな直径に設定される。
次いで、図37及び図38を参照して、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640について説明する。
図37は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の正面図である。図38は、図37のXXXVIII−XXXVIII線における投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の部分断面図である。なお、図38では、上述した表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図37及び図38に示すように、投影板部材620は、正面視円形の板状体に形成される。投影板部材620は、外縁の一部に切り欠き部621と、光を乱反射させる反射部622を備える。
切り欠き部621は、カラーCを背面ベース611の規制突起611Fに配置しやすくするため部分であり、投影板部材620の外縁の一部を径方向と直交する方向の直線状に切り欠いて形成される。
反射部622は、投影板部材620の内部がレーザー加工等により粗面加工された部分であり、投影板部材620の正面視における全域に模様や図柄等の形状に加工される。これにより、投影板部材620の内部に入射された光が反射部622に照射されると、反射部622の粗面により乱反射して遊技盤の表面側から出射される。
その結果、遊技者は、乱反射された光を視認しやすくなり、反射部622の形状を視認することができる。即ち、投影板部材620に光が入射されることで、反射部622の形状を投影板部材620の正面側に表示することができる。
ギヤ部材630は、投影板部材620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状の板状体から形成されると共に、外径寸法が投影板部材620の外径寸法よりも大きく設定されて、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。また、ギヤ部材630は、投影板部材620の背面側(図37紙面奥側)に配置されると共に、その軸が投影板部材620の軸と同軸上に配置される。
ギヤ部材630は、外周面に沿って刻設される歯部631と、背面側の側面の背面部632と、その背面部632の内周側(図38左側)の端部から正面側に傾斜される傾斜面部633と、を備える。
歯部631は、上述したように歯車664が歯合される歯面であり、ギヤ部材630の外周面に全周に亘って刻設される。
傾斜面部633は、背面部632の内周側(図38左側)の端部634から連設されると共に、正面側に傾斜する面である。また、傾斜面部633の正面側への傾斜角度は、LED651の光源A及び端部634を結んだ仮想線Bと背面部632との交差角度Θ1が、背面部632を内周側に延長した仮想線C及び傾斜面部633の交差角度Θ2と略同一に設定される(Θ1=Θ2)。
溝形成部材640は、投影板部材620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状に形成されると共に、断面が略L字に屈曲した形状に形成され、屈曲した内側が投影板部材620側に配置される。また、溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。さらに、溝形成部材640は、投影板部材620の正面側(図38上側)に配置されると共に、その軸が投影板部材620の軸と同軸上に配置される。
溝形成部材640は、断面略L字に屈曲した内側部分の一方の面の側面部641Aと、断面略L字に屈曲した内側部分の他方の面の当接面641Bと、正面側の側面の正面部642と、その正面部642の内周側(図38左側)の端部から背面側に傾斜される傾斜面部643と、を備える。
側面部641Aは、投影板部材620の正面側(図38上側)の側面との対向間にカラーCを挟む面であり、投影板部材620の正面側の平面と軸周りに一定の対向間隔を隔てて形成される。
当接面641Bは、側面部641Aと投影板部材620との対向間に配置されるカラーCと当接して、投影板部材620を回転可能に保持する面であり、断面が側面部641Aと直交すると共に、軸周りに円形に形成される。
よって、側面部641A及び当接面641Bは、投影板部材620に配置されることで、カラーCを案内する案内溝641を形成することができる。即ち、案内溝641は、投影板部材620と溝形成部材640とを組み付けることで、投影板部材620と溝形成部材640との間に形成される。
傾斜面部643は、正面部642の内周側(図38左側)の端部644から連設されると共に、背面側に傾斜する面である。また、傾斜面部643の背面側への傾斜角度は、LED651の光源A及び端部644を結んだ仮想線Dと正面部642との交差角度Θ3が、正面部642を内周側に延長した仮想線E及び傾斜面部643の交差角度Θ4と略同一に設定される(Θ3=Θ4)。
次いで、図39及び図40を参照して、投影板部材620及びカラーCの説明をする。図39(A)は、投影ユニット600の背面図であり、図39(B)は、図39(A)のXXXIXB−XXXIXB線における投影ユニット600の部分拡大断面図である。図40(A)から図40(C)は、投影ユニット600の部分拡大断面図である。なお、図40(A)から図40(C)は、カラーCを正面ベース612の軸部612Fへ取り付ける際の遷移状態が図示される。また、図39及び図40では、投影ユニット600から背面ベース611を取り外した状態が図示される。
図39(A)及び図39(B)に示すように、カラーCが軸部612Fに配置された状態では、その径方向外側に突出した突出部C1が、投影板部材620の正面側(図39(B)下側)の側面と溝形成部材640の側面部641Aとの対向間(案内溝641)に配置される。
また、カラーCの突出部C1の先端面と溝形成部材640の側面部641Aとの間の距離寸法L1が、カラーCの軸部分と溝形成部材640の外周面との間の距離寸法L2よりも小さく設定される(L1<L2)。
よって、投影板部材620を回転可能にするために、溝形成部材640とカラーCとが所定の隙間を開けた状態で配置される際に、投影板部材620がその隙間の分、上下左右方向にずれたとしても、溝形成部材640の当接面641BをカラーCの突出部C1の先端と当接させることができる。その結果、カラーCの突出部C1の先端で投影板部材620を回転可能に保持することができ、投影板部材620をスムーズに回転させることができる。
次に、図40(A)からを図40(C)参照して、正面ベース612の軸部612FへのカラーCの取り付けを説明する。
図39(A)及び図40(A)に示すように、カラーCを軸部612Fへ配置する際には、正面ベース612に投影板部材620を配置した状態で行われる。
ここで、正面ベース612への投影板部材620の配置は、正面ベース612の内側凹溝612Dの内側に、溝形成部材640を配置することで行われる。即ち、内側凹溝612Dの径方向の距離寸法は、溝形成部材640の径方向の距離寸法よりも大きく形成されており、内側凹溝612Dの内側に溝形成部材640を配置することで投影板部材620の位置決めして配置できる。
次に、投影板部材620を回転させて、投影板部材620の切り欠き部621をカラーCを配置する軸部612F側に変位させる。即ち、切り欠き部621の位置を軸部612Fと合わせることで、投影板部材620が配置された状態の正面ベース612にカラーCを配置することができる。
次に、軸部612FへのカラーCの配置は、カラーCの軸を軸部612Fの軸に対して、背面側(図40(A)上側)を内周側(図40(A)左側)に傾倒させた状態で行われる。この状態で、カラーCの軸を軸部612Fの先端に挿入すると共に、投影板部材620に対して内側に位置する突出部C1を切り欠き部621及び案内溝641の内側に挿入する。
この状態から、図40(B)に示すように、投影板部材620の内側に位置する突出部C1の先端を軸として反対側を正面側(図40(B)下側)に回転させる。これにより、カラーCの軸を軸部612Fの軸と同心に配置することができる。
次に、図40(C)に示すように、カラーCを正面側(図40(C)下側)に変位させることで、カラーCの突出部C1の先端面と溝形成部材640の当接面とが対向する位置に配置される。この後、投影板部材620を回転させることで、カラーCを案内溝641の内側に配置することができる。
ここで、円形の回転部材の外縁に溝を形成して、その溝の内側に複数個のカラーを配置するものであると、カラーを配置するために、回転部材を持ち上げて(操作して)カラーを配置する必要があり、その組み付けに両手を使うため組み付けの効率が悪いという問題点があった。
これに対し、投影ユニット600では、投影板部材620に切り欠き部621が形成されることで、上述したように、カラーCを配置する際に、投影板部材620を持ち上げる(操作する)必要がない。よって、投影ユニット600の組み付けの効率を向上することができる。
このように組み付けられた投影ユニット600に、背面側から背面ベース611を覆設することで、投影ユニット600を組み立てることができる。
次に、図41から図43を参照して、LED651(光源A)から照射された光について説明する。
図41(A)から図43(B)は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の断面模式図である。なお、図41(B)、図42(B)及び図43(B)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図41(B)、図42(B)及び図43(B)では、光源Aからの光が投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図41から図43では、上述した表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図41(A)及び図41(B)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち投影板部材620の外面を照射する照射角度Αの光は、投影板部材620にその外縁部の側面から入射される。投影板部材620に入射された光は、投影板部材620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で反射される。これにより、投影板部材620に入射された光は、投影板部材620の縁側から中央部に向かって進行することができる。よって、照射角度Α1に照射された光源Aの光は、投影板部材2620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側(図41(B)上側)に出射される。
なお、この場合、投影板部材620の内部を進行する光が、投影板部材620と溝形成部材640又はギヤ部材630とが隣合う位置で投影板部材620の正面または背面に照射された際に、投影板部材620の正面または背面の側面から溝形成部材640又はギヤ部材630に入射して、投影板部材620の内部を進行する光の量が減少することが考えられる。
これに対し、本実施形態では、溝形成部材640及びギヤ部材630が、投影板部材620の光透過性材量の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、投影板部材620を進行する光は、投影板部材620と溝形成部材640又はギヤ部材630とが隣合う位置で投影板部材620の正面または背面に照射された際にも、投影板部材620の正面または背面の側面で全反射させることができる。よって、投影板部材620の縁部から入射された光の量が減少することを抑制できる。
即ち、屈折率の高い媒体を通過する光は、屈折率の低い媒体へ進む場合、入射角度が大きくされると屈折率の低い媒体へ入射されずに全反射される。投影ユニット600では、投影板部材620が板状体に形成され、その端面(縁部)から光が入射されるので、光の入射角度は十分に大きくされている。よって、投影板部材620から屈曲率の低い溝形成部材640及びギヤ部材630へ光は入射されず、投影板部材620の内側で全反射させることができる。その結果、投影板部材620を進行する光の量が減少することを抑制できる。
また、投影板部材620と空気との関係も同様に、空気の屈折率は、透過性材量よりも十分に小さい値(屈折率1)であることから、投影板部材620の内部を進行する光は、投影板部材620から空気中(大気中)に入射されず、投影板部材620の内側で全反射させることができる。その結果、投影板部材620を進行する光の量が減少することを抑制できる。
次に、図42(A)及び図42(B)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち溝形成部材640を照射する照射角度Βの光は、溝形成部材640に入射される。
溝形成部材640に入射された光は、溝形成部材640の内部で反射させて、投影板部材620の軸心側に進行させることができる。この場合、溝形成部材640の側面と投影板部材620とが隣合う(面する)位置では、溝形成部材640の内部を反射させられていた光を投影板部材620側へ入射させることができる。
即ち、溝形成部材640と投影板部材620とが隣合わない位置では、溝形成部材640が、空気(大気)と隣合う様態であるため、側面に照射された光を反射させることができる。一方、溝形成部材640と投影板部材620とが隣合う位置では、投影板部材620の光透過性材量の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、照射された光を投影板部材620に入射させることができる。
溝形成部材640から投影板部材620に入射される光は、照射角度Αの光と同様に、投影板部材620の内側側面に全反射されて進行することができる。なお、その理由は上記照射角度Αの場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
よって、照射角度Βに照射された光源Aの光も、投影板部材620を通過させ、反射部622で乱反射させて、遊技機正面側に出射できる。その結果、投影板部材620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材620から出射される光の強さ(光量)を増加することができる。
即ち、LED651の光源Aから照射される光は、投影板部材620の側端面から入射されるだけでなく、溝形成部材640に照射される光も投影板部材620の側端面から入射させることができ、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光源Aから照射された光のうちの投影板部材620の反射部622までの到達する光を増加させることができるので、反射部622で反射され投影板部材620の正面から出射される光の量を増加させて、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、LED651の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱影響を抑制できる。
また、溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認し難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
ここで、光源Aから溝形成部材640に入射する光は、上記した光源Aから投影板部材620に入射する光に比べて、溝形成部材640が光源Aと正面方向(図42(A)上方向)に位置がずれて配置される分、溝形成部材640の内側側面に照射される際の光の入射角度が小さくなる。これにより、溝形成部材640の内部を進行する光をその内側側面で、全反射させることが困難となるが、少なくとも光源Aから溝形成部材640に入射される光の一部は反射されて、上記した状態(光を溝形成部材640の内側側面で反射させる状態)を形成することできる。
また、溝形成部材640は、傾斜面部643を備えるので、照射角度Βに照射されて投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。即ち、傾斜面部643は、上述したように、その交差角度Θ4が、LED651の光源A及び端部644を結んだ仮想線Dと正面部642との交差角度Θ3と同一に形成される(図38参照)ので、端部644に向かってLED651(光源A)から照射された光を反射させたあと、その光を傾斜面部643に沿って進行させることができ、照射角度Βの光を投影板部材620側に反射させる面積を増加させることができる。その結果、投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。
さらに、溝形成部材640の外径は、投影板部材620の外径よりも大きく形成されるので、その分、光源Aからの照射角度Βを大きくすることができる。よって、光源Aから照射された光を、溝形成部材640の外縁部で反射させて、投影板部材620の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。
図43(A)及び図43(B)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうちギヤ部材630を照射する照射角度Γの光は、ギヤ部材630に入射される。
ギヤ部材630に入射された光は、ギヤ部材630の内部で反射されて、投影板部材620の軸心側に進行させられる。この場合、ギヤ部材630の側面と投影板部材620とが隣合う(面する)位置では、ギヤ部材630の内部を反射する光を、投影板部材620に入射させることができる。
即ち、ギヤ部材630と投影板部材620とが隣合わない位置では、ギヤ部材630が空気と隣合う(大気と接する)状態であるため、ギヤ部材630の内側側面に照射される光を反射させることができる。一方、ギヤ部材630と投影板部材620とが隣合う位置では、ギヤ部材630が投影板部材620の光透過性材料の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、照射された光を投影板部材620に入射させることができる。
ギヤ部材630から投影板部材620に入射される光は、照射角度Αの光と同様に、投影板部材620の内部で全反射され、投影板部材620の軸心側に進行させられる。なお、その理由は、上記照射角度Αの場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
よって、照射角度Γに照射される光源Aの光は、投影板部材620を通過して、反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に出射される。その結果、投影板部材620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の量(光量)を増加することなく投影板部材620から出射される光の量を増加することができる。
即ち、LED651の光源Aから照射される光は、投影板部材620の側端面入射されるだけでなく、ギヤ部材630に照射される光も投影板部材620の側端面から入射させることができ、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光源Aから照射された光のうちの投影板部材620の反射部622までの到達する光を増加させることができるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光の量を増加させて、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、LED651の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱影響を抑制できる。
また、ギヤ部材630は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認され難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
さらに、光源Aからギヤ部材630に入射される光は、上記した光源Aから投影板部材620に入射した光に比べて、ギヤ部材630が光源Aと背面方向(図43(A)下方向)に位置がずれて配置される分、ギヤ部材630の内側側面を照射する際の入射角度が小さくされる。これにより、ギヤ部材630の内部を進行する光をその側面で、全反射させることが困難となるが、少なくとも光源Aからギヤ部材630に入射される光の一部は反射されて、上記した状態(光をギヤ部材630の内側側面で反射させる状態)を形成することができる。
ギヤ部材630は、傾斜面部633を備えるので、照射角度Γに照射されて投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。即ち、傾斜面部633は、上述したように、その交差角度Θ2が、LED651の光源A及び端部634を結んだ仮想線Bと背面部632との交差角度Θ1と同一に形成される(図38参照)ので、端部634に向かってLED651(光源A)から照射された光を反射させたあと、その光を傾斜面部633に沿って進行させることができ、照射角度Γに照射される光を投影板部材620側に反射させる面積を増加させることができる。その結果、投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。
また、ギヤ部材630の外径は、投影板部材620の外径よりも大きく形成されるので、その分、光源Aからの照射角度Βを大きくすることができる。よって、光源Aから照射された光を、ギヤ部材630の外縁部で反射させて、投影板部材620の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。
次いで、照射ユニット650の詳細構成およびベース部材610への取り付け構造について、図44から図46を参照して説明する。
図44(A)は、照射ユニット650の上面図であり、図44(B)は、図44(A)の矢印XLIVB方向視における照射ユニット650の正面図である。また、図45(A)は、図44(A)の矢印XLVA方向視における照射ユニット650の背面図であり、図45(B)は、図44(B)のXLVB−XLVB線における照射ユニット650の断面図である。なお、図44及び図45では、ベース部材610(正面ベース612)に取り付けられる前の状態(即ち、基板部材652が弾性変形されていない状態)が図示される。
図44及び図45に示すように、照射ユニット650は、複数(本実施形態では8個)のLED651と、それら複数のLED651が正面に搭載される基板部材652と、その基板部材652の背面に配設される複数(本実施形態では各2個)の第1ブロック653及び第2ブロック654と、を備える。
基板部材652は、弾性変形可能な素材から正面視横長の帯状に形成される。LED651は、上述したように、投影板部材620の外周面から入射させるための光を照射する発光手段であり、基板部材652の正面へ照射面を向けた姿勢で複数が基板部材652の長手方向(図44(B)左右方向)に沿って等間隔に配設される。
第1ブロック653及び第2ブロック654は、基板部材652とベース部材610との間に介設される部材であり、基板部材652の長手方向中央側に2個の第1ブロック653が配設されると共に、それら第1ブロック653を挟んで基板部材652の長手方向両側に第2ブロック654がそれぞれ配設される。
第1ブロック653及び第2ブロック654は、樹脂材料から直方体状に形成され、基板部材652よりも高い剛性(弾性変形し難くい特性)を備える。そのため、ベース部材610(正面ベース612)への取り付け状態では、基板部材652の各ブロック653,654の隣接間に位置する部分のみを弾性変形させることができる。ここで、図46を参照して、第1ブロック653及び第2ブロック654について説明する。
図46(A)は、第1ブロック653の正面図であり、図46(B)は、図46(A)のXLVIB−XLVIB線における第1ブロック653の断面図である。また、図46(C)は、第2ブロック654の正面図であり、図46(D)は、図46(C)のXLVID−XLVID線における第2ブロック654の断面図である。
第1ブロック653は、正面視横長矩形の底壁部653Aと、その底壁部653Aの4辺から正面側へ向けて立設される側壁部653Bとから、正面側(図46(A)紙面手前側)が開放された箱状に形成される。
4枚の側壁部653Bのうちの対向する(底壁部653Aの短辺から立設される)側壁部653Bには、その正面側の端面に締結孔Hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。また、締結孔Hが凹設される側壁部653Bとは別の側壁部653Bどうしは、連結壁653Cにより連結され、その連結壁653Cの正面側の端面からは、突起653C1が突設される。
第2ブロック654は、正面視矩形の底壁部654Aと、その底壁部654Aの4辺から正面側へ向けて立設される側壁部654Bとから、正面側(図46(C)紙面手前側)が開放された箱状に形成される。底壁部654Aには、正面視矩形の開口654A1が穿設され、電気的な接続線が挿通可能とされる。
4枚の側壁部654Bのうちの底壁部654Aの短辺から立設される側壁部654Bには、その正面側の端面に締結孔Hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。また、底壁部654Aの長辺から立設される側壁部653Bどうしは、連結壁654Cにより連結され、その連結壁654Cには、その正面側の端面に締結孔Hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。
第1ブロック653及び第2ブロック654には、底壁部653A,654Aの長辺から立設される側壁部653B,654Bのそれぞれの2カ所に挿通孔653B1,654B1が穿設される(図45(A)及び図46(B)参照)。挿通孔653B1,654B1には、正面ベース612の保持ピン612Gが挿通される。これにより、正面ベース612に対する両ブロック653,654の配設位置の位置決め及びその配設位置での保持を行うことができる。
なお、第1ブロック653は、上下方向(図46(A)上下方向)中央を通る第1の仮想面(即ち、2か所の締結孔Hの軸心をそれぞれ含む仮想平面)に対して対称、かつ、長手方向(図46(A)左右方向)中央を通ると共に第1の仮想面に垂直となる第2の仮想面に対して対称となる形状に形成される。
よって、1の基板部材620に対して2の第1ブロック653が配設される照射ユニット650において、第1ブロック653を共通化できるので、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、基板部材620に第1ブロック653を組み付ける際には、基板部材620に対して第1ブロック653が上下方向および長手方向の方向性を共に有さないので、組み立て作業時の作業性の向上を図ることができる。
同様に、第2ブロック654は、上下方向(図46(C)上下方向)中央を通る第1の仮想面(即ち、2か所の締結孔Hの軸心をそれぞれ含む仮想平面)に対して対称となる形状に形成される。
よって、1の基板部材620に対して2の第2ブロック654が配設される照射ユニット650において、第2ブロック654を共通化できるので、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、基板部材620に第2ブロック654を組み付ける際には、基板部材620に対して第2ブロック654が上下方向の方向性を共に有さないので、組み立て作業時の作業性の向上を図ることができる。
図44及び図45に戻って説明する。第1ブロック653及び第2ブロック654は、それらの長手方向を基板部材652の長手方向に沿わせ、隣接するものとの間に所定間隔を隔てつつ、基板部材652の背面側にそれぞれ配設される。
詳細には、第1ブロック653及び第2ブロック654は、その正面を基板部材652の背面に重ね合わせ、基板部材652に穿設された挿通孔から挿通されたねじS1が締結孔Hに螺合されることで、基板部材652の背面側に締結固定される。この場合、第1ブロック653の突起653C1は、基板部材652に穿設された挿通孔から正面側に突出される。
基板部材652には、LED651のみが正面に配設(搭載)され、他の電子部品やコネクターは、基板部材652の背面に配設(搭載)される。この場合、上述したように、第1ブロック653及び第2ブロック654は、正面が開放された箱状に形成され、その開放された側を基板部材652の背面に重ね合わせて配設される。即ち、両ブロック653,654は、基板部材652に重ね合わされる(配設される)側の面に凹部を備えるので、その凹部(内部空間)に、基板部材652に搭載される電子部品やコネクターを収容することができる。よって、電子部品やコネクターを両ブロック653,654により覆って保護することができるので、周囲の変位する部材(例えば、投影板部材620)が当接されて電子部品やコネクターが破損することを抑制できる。
また、基板部材652に形成される回路(パターン)は、その背面に形成される。よって、かかる回路についても、両ブロック653,654により覆って保護することができるので、周囲の変位する部材(例えば、投影板部材620)が当接されて回路が破損(断線)することを抑制できる。また、基板部材652のうちの両ブロック653,654が配設されない部分は、背面側へ凸となる湾曲形状に弾性変形される(曲げられる)ので(図34参照)、その分、回路を投影板部材620から離間させることができる。これにより、両ブロック653,654が配設されない部分についても、回路が破損(断線)することを抑制できる。
このように構成された照射ユニット650のベース部材610への配設方法(組み付け方法)について説明する。まず、照射ユニット650を、正面ベース612の背面であって、中間立設部611B及び外側立設部612Cの間の領域に装着する。この場合、基板部材652を弾性変形させ(曲げ)つつ、正面ベース612の背面から立設される各保持ピン612Gを、第1ブロック653及び第2ブロック654の各挿通孔653B1,654B1に挿通させる。
これにより、正面ベース612の背面に両ブロック653,654(即ち、照射ユニット650)を保持させると共に照射ユニット650の配設位置(即ち、LED651の照射方向)を所定の位置に位置決めできる(図34参照)。その後、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合わされることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に照射ユニット650が収容される。即ち、照射ユニット650がベース部材610に配設(組み付け)られる。
なお、本実施形態では、ベース部材610に照射ユニット650が配設された状態では、各LED651は、上述したように、投影板部材620の外周側に周方向等間隔に配設される。即ち、一の照射ユニット650におけるLED651の周方向間隔だけでなく、その一の照射ユニット650とその一の照射ユニット650に隣接する照射ユニット650とにおけるLED651の周方向間隔も他と同一の間隔とされる。
ここで、投影ユニット600は、複数のLED651から照射された光を投影板部材620の外周面から入射させる。そのため、複数のLED651を投影板部材620の外周面に沿って配設する必要がある。かかるLED651の配設(取り付け)は、その数が多いことに加え、各LED651の照射面(照射方向)をそれぞれ投影板部材620の中心へ向けた姿勢に調整して、各LED651をそれぞれ配設する必要があり、配設作業の手間が嵩む。
これに対し、本実施形態によれば、複数(本実施形態では8個)のLED651が、弾性変形可能に形成される基板部材652に搭載されるので、1の基板部材652(照射ユニット650)を正面ベース612(ベース部材610)に配設する(取り付ける)ことで、複数(本実施形態では8個)のLED651の配設作業を一度に完了することができる(図34参照)。よって、その分、LED651の配設作業の手間を抑制することができる。
また、第1ブロック653及び第2ブロック654の挿通孔653B1,654B1に背面ベース612の保持ピン612Gが挿通されることで、基板部材652を、弾性変形された所定の姿勢に保持でき、LED651の照射面の方向を規定することができる(図34参照)。即ち、複数のLED651を、それらの照射面をそれぞれ個別に調整しつつ背面ベース612へ組み付ける必要がなく、両ブロック653,654の挿通孔653B1,654B1への保持ピン612Gの挿通のみで、各LED651の姿勢(照射方向)を設定(調整)できるので、この点からもLED651の配設(取り付け)作業の手間を抑制できる。
この場合、照射ユニット650は、基板部材652よりも剛性が高く形成される第1ブロック653及び第2ブロック654を備え、それら両ブロック653、654が背面ベース612に保持されるので、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制して、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正して、かかる基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることを抑制して、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きを維持しやすくできる。
特に、各LED651は、基板部材652のうちの第1ブロック653又は第2ブロック654が配設される領域(即ち、正面視において4枚の側壁部653B,654Bに囲まれる領域の内側)に配設される。よって、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制しやすくできる、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正しやすくできるので、基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制でき、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
また、各LED651は、基板部材652の正面に搭載される一方、第1ブロック653及び第2ブロック654は、基板部材652の背面に配設されるので、両ブロック653,654による基板部材652の姿勢を安定化する効果を得つつ、LED651をより投影板部材620の外周面へ近接させることができる。
ここで、LED651は、基板部材652の長手方向(図44及び図45左右方向)に沿って等間隔に配設される。即ち、照射ユニット650のベース部材610(正面ベース612)への取り付け状態では、投影板部材620の外周側にLED651を周方向等間隔に配設できるので(図34参照)、投影板部材620の外周面から入射される光の均一性を確保できる。
この場合、本実施形態では、第2ブロック654は、2か所に形成される締結孔Hのうちの一方が、連結壁654Cに形成されるので、その分、第2ブロック654の長手方向寸法を短くできる。また、第2ブロック654は、締結孔Hが形成される側壁部653Bを第1ブロック653側とする姿勢で基板部材652に配設される。即ち、締結孔Hが形成されない側壁部653Bを、基板部材652の長手方向両端側に位置させる。
これにより、LED651を基板部材652の長手方向に等間隔に配設して、投影板部材620へ入射させる光の均一性を確保しつつ、照射ユニット650の長手方向(図44及び図45左右方向)の全長を短くして、隣接する照射ユニット650の間に間隔を空ける(スペースを設ける)ことができる。この場合、かかるスペースを利用して、軸部612Fを配設することができ、その結果、LED651と投影板部材620の外周面との距離を近接させやすくできる。
一方、第1ブロック653は、2か所に形成される締結孔Hの両者が連結壁654Cに形成されるので、かかる締結孔HとLED651との間の距離を短くできる。即ち、ねじS1による基板部材652の第1ブロック653への締結固定の位置を、LED651に近接させることができる。その結果、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みの影響をLED651に作用させ難くでき、また、基板部材652自身が有する反りや撓みをLED651近傍において特に矯正しやすくできる。よって、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制できるので、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
この場合、第1ブロック653では、2か所に形成される締結孔Hの間隔が大きくなるため、それら2カ所の締結孔Hの間での基板部材652の拘束が弱くなるおそれがある。これに対し、本実施形態では、締結孔Hが形成される側壁部653Bの間に連結壁653Cを設け、その連結壁653Cから突設される突起653C1を、基板部材652に穿設された挿通孔に挿通させる。よって、突起653C1及び挿通孔の係合により、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制しやすくできる、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正しやすくできるので、基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、ねじS1を別途設けることを不要として、部品点数を削減できるので、その分、製品コストの削減を図りつつ、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
なお、基板部材652の長手方向両端(長手方向の最外方、図45(B)の左端および右端)は、自由端とされる(即ち、第2ブロック654に拘束されない)ため、かかる長手方向両端に位置するLED651の姿勢が不安定となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、基板部材652の背面側に第1ブロック653及び第2ブロック654を配設し、基板部材652をその正面側に円弧中心が位置する方向に弾性変形させる(曲げる)ので(図34参照)、基板部材652の弾性回復力を、基板部材652の長手方向両端の背面を第2ブロック654の正面に押し付ける方向の力として作用させることができる。その結果、基板部材652の長手方向両端に位置するLED651の姿勢を安定化できる。
次いで、図47から図50を参照して、上下変位ユニット800について説明する。
図47は、上下変位ユニット800の正面図であり、図48は上下変位ユニット800の背面図である。また、図49は、上下変位ユニット800の正面斜視図であり、図50は、上下変位ユニット800の背面斜視図である。
図47から図50に示すように、上下変位ユニット800は、正面視矩形状の背面ベース830と、その背面ベース830の正面側に重ね合される正面ベース820と、背面ベース830の背面側に配置される駆動モータ880と、その駆動モータ880の駆動力により背面ベース830及び正面ベース820に対して回転させられる変位部材850と、その変位部材850へ駆動モータ880の駆動力を伝達する伝達機構860と、伝達機構860及び変位部材850とを連結する連結部材870と、変位部材850の軸孔851の前方に配置されると共に正面ベース820に取着されるカバー部材840と、を主に備える。
背面ベース830は、駆動モータ880に連結される伝達機構860の伝達ギヤ861が挿通可能な大きさに開口形成される開口831と、伝達機構860の伝達ギヤ862,863のそれぞれの軸心に突出形成される軸部832,833と、正面側に突設されると共に湾曲した形状に延設される背面側規制部834と、を主に備える。
開口831は、背面ベース830の背面側に取着される駆動モータ880の軸部が挿通される。これにより、背面ベース830の正面側に配置される伝達機構860に駆動モータ880の駆動力を伝達させることができる。
また、開口831は、伝達機構860の伝達ギヤ861の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、伝達ギヤ861が破損した際には、駆動モータ880を背面ベース830から取り外すことで、伝達ギヤ861を上下変位ユニット800から取り外すことができる。その結果、伝達ギヤ861が破損した際の部品交換の作業工程を少なくすることができる。
軸部832,833は、後述する伝達機構860の伝達ギヤ862、863がそれぞれ軸支され回転可能に保持されるための軸であり、背面ベース830から正面側に円柱状に突出形成される。
背面側規制部834は、後述する連結部材870の背面方向(図47紙面奥方向)の変位を規制する突起であり、背面ベース830の正面側に突設されると共に、後述する連結部材870の変位に沿った湾曲形状に延設される。
正面ベース820は、背面ベース830よりもやや大きい外形の正面視横長矩形状に形成される。正面ベース820は、正面側から背面側(図47紙面手前側から紙面奥側)に向かって凹設される軸支部821と、背面側の縁部に立設した側壁822と、背面側に突出する突起823と、背面側に突設されると共に湾曲した形状に延設される正面側規制部824と、背面側に突出する膨出部825と、を主に備える。
軸支部821は、後述するピン部材890の一端が挿入される軸孔であり、正面ベース820の正面視右側下方に凹設される。
側壁822は、背面ベース830と正面ベース820との間に後述する伝達機構860及び連結部材870を配置する隙間を形成するための壁部であり、伝達機構860及び連結部材870の前後方向の厚み寸法よりも大きな寸法で正面ベース820の上及び左右(下端以外の)の縁部に立設される。これにより、正面ベース820と背面ベース830とを締結した際に、その間に伝達機構860及び連結部材870を変位可能な状態で配置できる。
突起823は、後述する付勢ばねSPの一端側(図48上側)が係合される突起であり、円柱状に形成されると共に、正面ベース820の背面側に突出形成される。
正面側規制部824は、連結部材870の正面方向(図47紙面手前方向)への変位を規制する突起であり、正面ベース820の背面側に突設されると共に、連結部材870の変位に沿った湾曲形状に延設される。
膨出部825は、後述する付勢ばねSPと所定の間隔を空けて横隣りに配置される突壁であり、正面ベース820の下側端部から背面側に突出して形成される。
伝達機構860は、伝達ギヤ861〜863により構成される歯車列であり、それぞれ直列に歯合し合うことで、駆動モータ880から付与される駆動力が伝達ギヤ861,862を介して伝達ギヤ863まで伝達される。
伝達ギヤ863は、伝達ギヤ862と歯合する歯部863Aと、連結部材870に連結される軸部863Bと、軸を中心とした円弧状に突設される突設部863Cと、その回転位置を検出するための板状体のセンサ検出板863Dと、を主に備える。
歯部863Aは、伝達ギヤ863の円形状の側面の3分の2程度に形成される歯合面であり、これにより、伝達ギヤ862から駆動力を伝達ギヤ863に伝達させることができる。
軸部863Bは、連結部材870に連結される軸であり、背面側に円柱状に突出されると共に、伝達ギヤ863の回転軸と異なる位置(偏心した位置)に軸が配置される。
突設部863Cは、連結部材870が正面方向に変位することを抑制するための突起であり、伝達ギヤ863の背面側の外縁部分に突出形成されると共に、伝達ギヤ863の軸を中心とした円形状に湾曲して形成される。
センサ検出板863Dは、伝達ギヤ863の回転位置を検出するために、正面ベースに配置される位置検出用センサ(図示しない)の検出領域を遮る板であり、伝達ギヤ863の歯部863Aが形成されない側面に径方向外側に突出形成される。
連結部材870は、伝達機構860の回転の駆動力を変位部材850に伝達する部材であり、正面視略C字状に湾曲して形成され、湾曲形状の一端(図48上端)に前後方向に貫通形成されたギヤ側連結穴871と、湾曲形状の他端(図48下端)に前後方向に貫通形成された変位側連結穴872と、湾曲部分の外側から上方に突出して形成された当接部873と、を備える。
ギヤ側連結穴871は、伝達ギヤ863の軸部863Bが挿入される貫通孔であり、軸部863Bの外径よりも大きい内径の円形状に形成される。これにより、伝達ギヤ863と連結部材870とを連結することができ、伝達ギヤ863の駆動力を連結部材870に伝達することができる。
変位側連結穴872は、後述する変位部材850の軸部853が挿入される貫通孔であり、軸部853の外径よりも大きい内径の円形状に形成される。これにより、連結部材870と変位部材850とを連結することができ、連結部材870の駆動力を変位部材850に伝達することができる。
当接部873は、変位部材850の前後方向の変位を規制するための突起であり、先端が背面ベース830の背面側規制部834と正面ベース820の正面側規制部824との対向間に配置される。
また、当接部873は、先端の前後方向の幅寸法が、背面ベース830の背面側規制部834と、正面ベース820の正面側規制部824との対向間の距離寸法よりもやや小さい寸法に形成される。よって、連結部材870が変位される際には、当接部873を、背面側規制部834と正面側規制部824との間隙の変位させることで、連結部材870が変位する際の抵抗が大きくなることを抑制できる。一方、連結部材870が前後方向に変位した際には、正面ベース820又は背面ベース830に当接することで、連結部材870の変位を安定させることができる。
カバー部材840は、変位部材850の一端側(図47右側端部)を保持する部材であり、正面視縦長矩形に形成され、間にピン部材890を介した状態で正面ベース820に締結される。また、カバー部材840には、背面側から正面側に向かって円形状に凹設された軸支部841が形成される。
軸支部841は、ピン部材890の正面側の端部を挿入することで、ピン部材890を回転可能な状態で保持(軸支)する溝であり、正面ベース820の軸支部821と対向する位置に形成される。これにより、ピン部材890が、正面ベース820の軸支部821とカバー部材840の軸支部841との対向間に配置されるので、上下変位ユニット800から脱落することを抑制することができる。
変位部材850は、正面側に装飾が施された部材であり、一端側(図47右側)が正面視横長矩形に形成され、他端側(図47左側)が正面視円形に形成される。変位部材850は、ピン部材890が挿通される軸孔851と、付勢ばねSPが連結される突起852と、連結部材870の駆動力を伝達する軸部853と、を備えて形成される。
軸孔851は、上述したように内部にピン部材890が挿通される貫通孔であり、変位部材の一端側端部に前後方向に貫通形成されると共に、その内径がピン部材890の外径よりも大きく形成される。よって、変位部材850は、軸孔851にピン部材890が挿通された状態で、ピン部材890が正面ベース820の軸支部821とカバー部材840の軸支部841との対向間に配置されることで、変位部材850を軸孔851の軸を中心に回転可能な状態で正面ベース820の前方に配置できる。
突起852は、付勢ばねSPの他端(図50下端)が係合される突起であり、変位部材850の背面側から突出形成される。また、突起852は、変位部材850が正面ベース820に配置されると、正面ベース820の突起823の下方から背面側に突出する位置に形成されると共に、その突出距離が、背面ベースの正面側の側面と略一致する位置まで形成される。よって、付勢ばねSPの長手方向を重力方向と平行にすることができる。その結果、変位部材850は、正面ベース820に対して常に重力方向上方に付勢される。
軸部853は、上述したように、連結部材870の変位側連結穴872に挿入される軸であり、変位部材850が正面ベース820に配置された状態では、正面ベース820よりも下方(図50下側)の位置に突出形成される。よって、変位部材850と連結部材870とを連結させることができ、変位部材850の駆動力を連結部材870に伝達させることができる。
ピン部材890は、上述したように、変位部材850の軸孔851に挿入される軸であり、変位部材850よりも硬度の金属の棒状体から形成される。これにより、変位部材850が変位する際に回転軸に力がかかった際に、回転軸が破損することを抑制することができる。
また、変位部材850が回転する際の軸部分の抵抗を、ピン部材890がそれぞれの軸支部821,841対して回転する際の抵抗と、変位部材850がピン部材890に対して回転する際の抵抗との2つに分割することができるので、一箇所の抵抗が大きくなることで部品が破損することを抑制できる。
次いで、以上のように構成された上下変位ユニット800の動作について、図51から図56を参照して説明する。図51は、第1位置における上下変位ユニット800の正面図であり、図52は、中間位置における上下変位ユニット800の正面図であり、図53は、第2位置における上下変位ユニット800の正面図である。
図54は、第1位置における上下変位ユニット800の背面図であり、図55は、中間位置における上下変位ユニット800の背面図であり、図56は、第2位置における上下変位ユニット800の背面図である。なお、図54から図56では、理解を容易とするために、背面ベース830を取り外した状態が図示される。
図51及び図54に示すように、変位部材850の他端側(図52左側)が上昇に配置された(第1位置)状態では、伝達ギヤ863の軸部863Bが上方に配置されて、軸部863Bに連結される連結部材870が上方に配置される。これにより、連結部材870の変位側連結穴872に挿入された変位部材850の軸部853が上方に配置されるので、変位部材850を上方に吊り上げた姿勢とされる。
また、第1位置では、伝達ギヤ863の軸心および軸部863Bの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863Cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872を結んだ直線とが同一の直線上に配置される。
よって、第1位置では、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。その結果、変位部材850が第1位置に配置されたあとは、変位部材850のがたつきを抑制して、耐久性を向上することができる。
図51及び図54に示す状態から、駆動モータ880に電力が供給されて駆動モータ880が回転駆動され、各伝達ギヤ861,862,863(伝達機構860)が回転されると、伝達ギヤ863の軸部863Bが下方に変位する。よって、伝達ギヤ863の軸部863Bに連結された連結部材870のギヤ側連結穴871が、軸部863Bの回転駆動に伴って下方に押し下げられる。その結果、連結部材870の他端側(図54及び図55下側)に形成された変位側連結穴872が変位部材850の軸部853を押し下げて、変位部材850を回転させることができる。
この場合、伝達ギヤ863が回転されることで、伝達ギヤ863の軸心および軸部863Bの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863Cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872を結んだ直線とが公差する状態とされる。よって、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を解除できる。その結果、変位部材850を変位させる回転方向(図54右回転)に伝達ギヤ863が回転し始めた際には、変位部材850の重力により連結部材780のギヤ側連結穴871が引っ張られる力を、伝達ギヤ863が回転する方向に付与させることができる。その結果、第1位置からの変位の際にかかる駆動モータ880の消費エネルギーを抑制することができる。
次に、図52及び図55を参照して、変位部材850が図51及び図54に示す状態(即ち、死点に位置する状態)から変位させられたあと、駆動モータ880への電力の供給をオフした場合の説明をする。
図52及び図55に示すように、第1位置から変位させたのちに駆動モータ880への電力の供給をオフにした状態では、伝達ギヤ863の軸心(回転中心)と伝達ギヤ863の軸部863Bとを結ぶ方向と、連結部材870のギヤ側連結穴871と変位側連結穴872とを結ぶ方向とが略直交する位置で、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とがつり合った状態(中間位置)とされる。
よって、第1位置から、後述する第2位置に変位部材850を変位させる際に、駆動モータ880への電力の供給をオフすることで、中間位置(つり合い位置)を中心として、変位部材850に作用する重量と付勢ばねSPの弾性回復力とによる往復変位を変位部材850に行わせることができる。即ち、変位部材850の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
一方、駆動モータ880へ電力を供給して、伝達機構860から連結部材870を介して変位部材850へ駆動力を付与すれば、上述した変位(等速円運動の正射影の運動)とは異なる態様で、変位部材850を第1位置および第2位置との間で変位させることができ、その分、変位のバリエーションを増やすことができる。即ち、駆動モータ880への電力供給をオンまたはオフして、伝達機構860から変位部材850へ駆動力を付与するか否かを切り替えるのみで、変位のバリエーションを増やすことができ、構造や制御を複雑化する必要がないので、製品コストの低減と信頼性の向上とを図ることができる。
また、上述したように、変位部材850は、軸孔851を軸とした回転変位とされるので、伝達機構860から変位部材850の駆動力の付与を解除して、変位部材850の重力の作用と付勢ばねSPの弾性回復力とよる往復変位を変位部材850に行わせる場合には、かかる変位部材850の他端側(図52左側)の変位を、鉛直方向の直線運動だけでなく、軸孔851を回転中心とする回転運動も組み合わせた変位とすることができる。その結果、かかる変位部材850に興趣のある変位を行わせることができる。
この場合、変位部材850に連結される連結部材870は、変位部材850の変位に伴って押し引き(上下方向に変位)されて、伝達ギヤ863を回転させるところ、その押し引きに伴って伝達ギヤ863の姿勢が変化されるため、押し引き方向のうちの回転部材を回転させる方向の力の成分の大きさを変化させることができる。即ち、変位部材850が、往復変位される際に、変位部材850が伝達機構860及び連結部材870から受ける抵抗の大きさを変化させることができる。その結果、変位部材850の往復変位の変位速度に変化を付与することができ、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
さらに、上述したように、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とがつり合った状態(中間位置)では、伝達ギヤ863の軸心および伝達ギヤ863の軸部863Bの軸心を結んだ直線と、連結部材870のギヤ側連結穴871の軸心および変位側連結穴872の軸心を結んだ直線とが略直交する位置とされるので、押し引き方向の力のうちの伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分の大きさを、つり合い位置(中間位置)において最大とし、その力成分を、つり合い位置から押し引きのいずれの方向へ向かう場合も減少させることができる。即ち、変位部材850が往復変位される際に、変位部材850が伝達機構860及び連結部材870から受ける抵抗をつり合い位置を中心として、略対称に変化させることができるので、変位部材850の往復変位を継続させやすくできる。
図52及び図55に示す状態から、駆動モータ880に電力が供給されて、各伝達ギヤ861,862,863(伝達機構860)がさらに回転させられると、伝達ギヤ863の軸部863Bがさらに下方に変位される。よって、軸部863Bに連結された連結部材870のギヤ側連結穴871は、軸部863Bの回転駆動に伴ってさらに下方に押し下げられる。その結果、連結部材870の他端側に形成された変位側連結穴872が変位部材850の軸部853を押し下げて、変位部材850を回転させることができる。
図53及び図56に示すように、変位部材850の他端側(図53左側)が下降位置に配置された(第2位置)状態では、伝達ギヤ863の軸部863Bが下方に配置されて、軸部863Bに連結された連結部材870が下方に配置される。これにより、連結部材870の変位側連結穴872に挿入された変位部材850の軸部853が下方に配置されるので、変位部材850を下方に押し下げた姿勢とさせることができる。
また、第2位置では、伝達ギヤ863の軸心および伝達ギヤ863の突設部863Cの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863Cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872の軸心を結んだ直線とが同一の直線長に配置される。
よって、第2位置では、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。その結果、変位部材850が第2位置に配置された後は、変位部材850のがたつきを抑制して、耐久性を向上することができる。
次に、図57を参照して、伝達ギヤ863と連結部材870とについて説明する。図57(A)は、第1位置のおける伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図であり、図57(B)は、中間位置における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図であり、図57(C)は、第2位置における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図である。なお、図57(A)から図57(C)では、伝達ギヤ863の一部(連結部材870の前方に位置した伝達ギヤ863の突設部863C)が破線で図示される。
図57(A)に示すように、第1位置では、伝達ギヤ863の突設部863Cが、連結部材870と前後方向に対向する位置に配置される。よって、背面ベース830と伝達ギヤ863との間に配置された連結部材870の前後方向の間隙を小さくできるので、連結部材870を背面ベース830又は伝達ギヤ863と当接させやすくできる。
従って、第1位置では、変位部材850を駆動させる際の抵抗を増やすことができる。その結果、第1位置では、変位部材850を上方に配置して、第3図柄表示装置81を遊技者から視認可能な退避状態を形成するため、変位部材850を停止した状態とすることが好ましいところ、変位部材850を駆動させる抵抗を増やして停止した状態を維持させやすくできる。
一方、図57(B)及び図57(C)に示すように、駆動モータ880に電力が付与されて伝達ギヤ863が一定以上回転させられた状態(伝達ギヤ863の突設部863Cが第2駆動範囲Θ6を駆動している状態)では、連結部材870と伝達ギヤ863の突設部863Cとが前後方向に対向しない状態とされる。
よって、伝達ギヤ863が、一定以上回転させられると、伝達ギヤ863と背面ベース830との間に配置される連結部材870の前後方向の間隙を大きくできるので、連結部材870を変位させる際の抵抗を小さくすることができる。
従って、変位部材850を第1位置から第2位置に変位させる際には、第3図柄表示装置81の前方に短時間で変位させることが好ましいところ、連結部材870を変位させる抵抗を小さくして、変位部材850を第1位置から第2位置へ短時間で変位させることができる。
また、図57(C)示すように、第2位置では、連結部材870の当接部873Cを伝達ギヤ863の歯部863Aと当接させることができる。
ここで、上下に変位する変位部材を下方に変位させて停止させる際には、その変位部材の重力が停止の際の慣性力に付加させるので、変位部材を素早く停止させることができないという問題点があった。
これに対し、上下変位ユニット800は、変位部材850を第2位置へ変位させた際に、連結部材870の当接部873Cを伝達ギヤ863に当接させることができるので、変位部材850の変位を停止させる際の力を、連結部材870が伝達ギヤ863と当接することで停止される力と、伝達ギヤ863の回転(駆動モータ880の駆動)を停止させることで停止される力との2つに分散することができる。その結果、変位部材850の第1位置から第2位置へ変位させられた変位部材850を第2位置で素早く停止させることができる。
次に、図58(A)から図58(C)を参照して、第1位置から変位する際の伝達ギヤ863と連結部材870とについて説明する。図58(A)から図58(C)は、第1駆動範囲Θ5における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図である。なお、図58(A)から図58(C)は、第1位置からの遷移状態が図示される。また、図58(A)から図58(C)では、伝達ギヤ863の一部(連結部材870の前方に位置した伝達ギヤ863の突設部863C)が破線で図示される。
図58(A)から図58(C)に示すように、伝達ギヤ863が回転されて、伝達ギヤ863の軸部863Bが第1駆動範囲Θ5を変位する際には、第1位置から第2位置に変位するに従って、伝達ギヤ863の突設部863Cと連結部材870とが対向した部分を少なくすることができる。
よって、伝達ギヤ863を、第1位置から回転させる際には、変位部材850を変位させる抵抗をその変位に伴って小さくさせることができるので、変位部材850の変位をスムーズに行うことができる。
また、第2位置から第1位置に変位部材850を変位させる際には、退避位置の第1位置に変位させつつ変位部材850の摺動抵抗を増やすことができるので、変位部材850を第1位置に変位させて停止させた際に変位部材850を素早く停止状態とすることができる。
即ち、変位部材850を変位させて停止させる際には、動作を停止させる慣性力により素早く停止状態を形成しにくいところ、停止する際の変位部材850の抵抗を大きくできるので、素早く停止状態を形成することができる。
一方で、伝達ギヤ863の軸部863Bが、第2駆動範囲Θ6を変位する際には、伝達ギヤ863の突設部863Cと連結部材870とが前後方向に対向した位置に配置されていない状態を形成できるので、変位部材850を変位させる抵抗を小さくすることができる。その結果、伝達ギヤ863の軸部863Bが、第2駆動範囲Θ6を駆動する際には、変位部材850を素早く変位させることができ、変位部材850の張り出し動作による演出効果を高めることができる。
また、第2駆動範囲Θ6において、伝達機構860からの変位部材850への駆動力を解除して、変位部材850を中間位置(つり合い位置)中心とする往復変位を行わせる場合には、突設部863Cによる抵抗の発生を回避して、変位部材850の往復変位をスムーズに行うことができる。
次に、図59(A)から図59(C)を参照して、当接部873と正面ベース820及び背面ベース830とについて説明する。図59(A)は、図54のLIXA−LIXA線における上下変位ユニット800の断面模式図であり、図59(B)は、図55のLIXB−LIXB線における上下変位ユニット800の断面模式図であり、図59(C)は、図56のLIXC−LIXC線における上下変位ユニット800の断面模式図である。
図59(A)及び図59(B)に示すように、連結部材870の当接部873の先端は、正面ベース820の正面側規制部824及び背面ベース830の背面側規制部834との間に配置される。
即ち、正面ベース820の正面側規制部824及び背面ベース830の背面側規制部834は、連結部材870の当接部873の先端の変位に伴った湾曲形状に形成される。これにより、連結部材870の前後方向の変位が規制される。
ここで、連結部材870と変位部材850とは、軸部853を変位側連結穴872に挿入した状態とされるので、軸と孔との隙間の分、変位部材850の重力により前後方向に傾くことで、変位側連結穴872又は軸部853が変形するという問題点があった。
これに対し、上下変位ユニット800は、当接部873により前後方向に傾くことが抑制されるので、変位部材850をスムーズに変位させることができる。
また、図59(C)に示すように、変位部材850が第2位置に変位させられた際には、背面ベース830の背面側規制部834が連結部材870の当接部873と対向する位置に配置されていない状態とすることができる。
これにより、第2位置における連結部材870の当接部873と正面ベース820及び背面ベース830との間隙を大きくできる。その結果、第2位置から第1位置へ変位部材850を変位させる際の抵抗を小さくして、変位部材850を第2位置から変位させやすくできる。
さらに、上下変位ユニット800は、当接部873が変位部材850の軸部853の軸心と連結部材870のギヤ側連結穴の軸心とを結んだ略直線上であって、伝達ギヤ863及び連結部材870のギヤ側連結穴の軸心を挟んで変位部材850の軸孔851の軸心と反対側に配置される(図54参照)。
よって、正面ベース820及び背面ベース830に対して連結部材870が、がたつく場合に、正面ベース820及び背面ベース830に連結部材870の当接部873が当接されることで、伝達ギヤ863の軸部863B及び連結部材870のギヤ側連結穴871の傾きを抑制させやすくできる。その結果、駆動モータ880の駆動力を伝達機構860及び連結部材870を介して変位部材850にスムーズに伝達させることができる。
次いで、図60から図63を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、投影板部材620の外径寸法が、ギヤ部材630及び溝形成部材640よりも小さく設定される場合をしたが、第2実施形態では、投影板部材620の外径寸法がギヤ部材630及び溝形成部材640の外径寸法と同一に設定される。
初めに、図60及び図61を参照して、投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60(A)は、第2実施形態における投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の正面図であり、図60(B)は、図60(A)のLXB−LXB線における投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の断面模式図である。
図60(A)及び図60(B)に示すように、投影板部材2620の外周縁部には、ギヤ部材630及び溝形成部材2640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。投影板部材2620は、正面視円形の板状体に形成されると共に、その外径がギヤ部材630及び溝形成部材2640の外径と同一寸法に形成される。また、投影板部材2620は、外縁の一部に切り欠き部621と、光を乱反射させる反射部622を備える。
溝形成部材2640は、投影板部材2620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状に形成されると共に、その断面が外縁側から内縁側に凹となるコ字状に形成された案内溝2641を備える。また、溝形成部材2640は、投影板部材2620の正面側(図60(B)上側)に配置されると共に、その軸が投影板部材2620の軸と同軸上に配置される。さらに、溝形成部材2640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。
案内溝2641は、内側にカラーCを案内する溝であり、カラーCの突出部C1の軸方向寸法よりも、凹設幅が大きく形成される。よって、ベース部材610に回転可能に軸支される複数のカラーCが案内溝2641に案内されることで、投影板部材2620がベース部材610に回転可能に保持される。
次に、図61から図63を参照して、LED651(光源A)から照射された光について説明する。
図61から図63は、投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の断面模式図である。なお、図61(B)、図62(B)及び図63(B)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図61(B)、図62(B)及び図63(B)では、第1実施形態と同様に、光源Aからの光が投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図61から図63では、第1実施形態と同様に、表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図61(A)及び図61(B)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち投影板部材2620の外面を照射する照射角度Α2の光は、投影板部材620にその外縁部の側面から入射される。投影板部材2620に入射された光は、投影板部材2620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で反射される。これにより、投影板部材2620に入射された光は、投影板部材2620の縁側から中央部(軸心)に向かって進行することができる。よって、照射角度Α1に照射された光源Aの光は、投影板部材2620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に出射される。
なお、この場合、投影板部材2620は、第1実施形態における投影板部材620よりも、外形の寸法が大きく形成される。これにより、投影板部材2620の縁部をLED651(光源A)の近くに配置することができる。よって、第1実施形態の照射角度Α1よりも、第2実施形態の照射角度Α2を大きくすることができるので、その分、投影板部材2620に投射される光の量(光量)を増やすことができる。その結果、投影板部材2620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の量を増加することなく投影板部材2620から出射される光の量を増加させることができる。
図62(A)及び図62(B)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち案内溝641から正面側(図62(A)上側)の溝形成部材640を照射する照射角度Β2の光は、溝形成部材2640の正面側の縁部に入射される。
照射角度Β2の範囲に照射されて溝形成部材2640に入射される光は、溝形成部材2640の内部で反射されて投影板部材2620の軸心側に進行される。この場合、第1実施形態と同様に、溝形成部材2640の側面と投影板部材2620とが隣合う(面する)位置では、溝形成部材2640の内側側面に照射された光を投影板部材2620へ入射させることができる。
図63(A)及び図63(B)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち案内溝641の背面側(図62(A)下側)の溝形成部材2640を照射する照射角度Δ2の光は、溝形成部材2640の背面側の縁部から入射される。
照射角度Δ2の範囲に照射されて溝形成部材2640に入射される光は、溝形成部材2640の案内溝2641の側面に照射されて反射される。反射された光は、溝形成部材2640の側面と投影板部材2620とが隣合う(面する)位置の側面に照射されることで投影板部材2620へ入射させることができる。
即ち、案内溝2641を溝形成部材2640の外縁の側面に凹設することにより、案内溝2641と投影板部材2620との間から溝形成部材2640に入射される光を、案内溝2641の側面で反射させて、投影板部材2620へ入射させることができる。
よって、案内溝2641を、溝形成部材2640の外縁の側面に凹設して形成することで、そのカラーCを保持する役割と、光を投影板部材2620に集める役割とを兼用させることができる。
また、第1実施形態に比べて、照射角度Δが追加される分、溝形成部材2640から投影板部材2620に入射される光の量(光量)を増やすことができる。よって、投影板部材2620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材2620から出射される光の強さ(光量)を増加させることができる。
さらに、溝形成部材2640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認し難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
なお、LED651の光源Aから照射される光のうち、ギヤ部材630を照射する光については第1実施形態と同様であるのでその詳しい説明は省略する。
次に、図64から図66を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、ギヤ部材630及び溝形成部材640が、投影板部材620の外縁部全周に亘って接地した状態を説明したが、第3実施形態におけるギヤ部材3630及び溝形成部材640は、投影板部材3620に対して浮いた面が形成される。
初めに、図64及び図65を参照して、投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の形状について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64(A)は、第3実施形態における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640の正面図であり、図64(B)は、図64(A)のLXIVB−LXIVB線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面模式図である。
図65(A)は、図64(A)の矢印LXVA方向視における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の側面図であり、図65(B)は、図65(A)のLXVB−LXVB線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面図であり、図65(C)は、図65(A)のLXVC−LXVC線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面図である。
図64及び図65に示すように、第3実施形態における投影板部材3620は、正面視円形の板状体に形成され、その外周縁部にギヤ部材3630及び溝形成部材3640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。また、投影板部材3620は、その外径がギヤ部材3630及び溝形成部材3640よりも大きく形成され、その外側縁部に正面側および背面側に突出する突部3623が形成される。
突部3623は、外側縁部に向かうほど正面側(図64(B)上側)又は背面側(図64(B)下側)に突出する断面略三角形状に形成される。また、正面側に突出する突部3623は、その先端部がLED651の光源Aと、後述する溝形成部材3640に形成される凹溝3645の外縁端部とを連結する仮想線Fの線上に設定される。一方、背面側に突出する突部3623は、その先端部がLED651の光源Aと、後述するギヤ部材3630に形成される凹溝3635の外縁端部とを連結する仮想線Gの線上に設定される。
ギヤ部材3630は、正面視円環状の板状体に形成され、投影板部材620の軸と同軸上に配置される。また、ギヤ部材3630は、正面側(図64(B)上側)の側面に所定の間隔を隔てて凹設される凹溝3635と、周方向に所定の間隔を隔てて貫通形成されるねじ止め用の止め穴636と、を備える。
凹溝3635は、径方向に亘って凹設される溝であり、各止め穴636の周方両側に形成される。これにより、ギヤ部材3630を投影板部材3620に配置した際に、投影板部材3620とギヤ部材3630との間に隙間を形成することができる(図64(B)参照)。
溝形成部材3640は、正面視円環形状の板状体に形成され、投影板部材620の軸と同軸上に配置される。また、溝形成部材3640は、背面側(図64(B)下側)の側面に所定の間隔を隔てて凹設される凹溝3645と、周方向に所定の間隔を隔てて貫通形成されるねじ止め用の開口646とを備える。
凹溝3645は、径方向に亘って凹設される溝であり、ギヤ部材3630に形成された凹溝3636と対向する位置に形成される。これにより、溝形成部材3640を投影板部材3620に配置した際に、投影板部材3620とギヤ部材3630との間に隙間を形成することができる。
この場合、投影板部材3620と溝形成部材3640とが接地する面は、図65に示すように、投影板部材3620、溝形成部材3640及びギヤ部材3630を締結するボルトTを挿入する開口646と径方向に重なる面とされる。これにより、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640との間に隙間を形成した際に、その保持力が低下することを抑制することができる。即ち、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640との間に隙間を形成する際に、開口646の直径分、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640を接地することができるので、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640を挟持する保持面を確保することができる。
次に、図66を参照して、LED651(光源A)から照射される光について説明する。
図66(A)及び(B)は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の断面模式図である。なお、図66(B)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図66(B)では、第1実施形態と同様に、光源Aからの光が投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図66では、第1実施形態と同様に表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図66(A)及び図66(B)に示すようにLED651の光源Aから照射される光のうち、投影板部材3620の外面を照射する照射角度Α3の光は、投影板部材3620の外縁の側面から入射される。
投影板部材3620に入射された光は、投影板部材3620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で全反射される。これにより、投影板部材3620に入射された光は、投影板部材3620の縁部から中央側(軸心側)に向かって、進行することができる。よって、照射角度Α3に照射された光源Aの光は、投影板部材3620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に射出される。
この場合、第3実施形態では、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との間に隙間が形成されるので、投影板部材3620の側端面から入射された光を、反射部622に到達させやすくできる。その結果、投影板部材3620の側端面から入射された光を反射部622に到達させやすくできるので、反射部622で反射され投影板部材3620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
一方、照射角度Α3以外の照射角度に照射される光は、溝形成部材3640又はギヤ部材3630に入射される。この場合、溝形成部材3640及びギヤ部材3630と投影板部材とは、上述したように隙間を隔てて配置されているため、溝形成部材3640又はギヤ部材3630に入射された光は、第1実施形態のように投影板部材620側に入射されない。
よって、LED651の光源A以外の光源の光が投影板部材3620側に投射された光を、溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射させることにより、投影板部材3620に光源A以外の光源の光が入射されることを抑制することができる。これにより、投影板部材3620の反射部622に施した表示が、LED651以外の光で浮かび上がる(表示される)ことを抑制することができる。
また、上述したように、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面(図65(C)参照)であるため、通常光が入射されない箇所を接地面とすることができる。
即ち、開口646には、ボルトTが挿入されるため、開口646の径方向外側から光を入射すると光はボルトTにより遮られ、LED651の光が反射部622側に入射されない。よって、LED651から溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射された光が、投影板部材3620側に入射されること確実に抑制することができる。
さらに、この場合、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面の全域に形成できるので、その接地面を確保でき、投影板部材3620に対して溝形成部材3640及びギヤ部材3630がずれることを抑制できる。
ここで、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との間に隙間を形成するものであると、その隙間から、LED651の光が投影板部材3620の軸心側に挿通されて、投影板部材3620の縁部から中央部に光が漏れ出す恐れがあった。
これに対し、第3実施形態の投影板部材3620の縁部には突部3623が形成されるので、LED651の光源Aの光が、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との隙間に照射されない。よって、投影板部材3620の縁部から中央部に光が漏れ出すことを抑制できる。
さらに、突部3623により、投影板部材3620の縁部側面の前後方向(図66(A)上下方向)の寸法を長くすることができるので、照射角度Α3の角度を大きくすることができる。よって、投影板部材3620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材3620から出射される光の強さ(光量)を増加させることができる。
次いで、図67及び図68を参照して、第4実施形態における照射ユニット4650について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図67(A)は、第4実施形態における照射ユニット4650の上面図であり、図67(B)は、照射ユニット4650の断面図である。また、図68(A)は、第1ブロック653近傍における投影ユニット4600の部分拡大模式図であり、図68(B)は、第2ブロック654近傍における投影ユニット4600の部分拡大模式図である。なお、図67(B)は、図44(B)に対応する。また、図68では、照射ユニット4650がベース部材610に配設された状態が模式的に図示される。
図67に示すように、第4実施形態における照射ユニット4650では、第1ブロック653及び第2ブロック654が基板部材620に対してねじS2により締結固定される。この場合、ねじS2は、頭部の高さ寸法(図67上下方向寸法)が、LED651の高さ寸法よりも大きな寸法に設定される。即ち、基板部材620の正面からのねじS2の突出量が、LED651の突出量よりも大きくされる。
より詳細には、図68に示すように、ねじS2の頭部の高さ寸法は、一のねじS2とその一のねじS2に隣接するねじS2とのそれぞれの頭部に投影板部材620の外周面が当接(外接)された際に、それら2カ所のねじS2の間に配設されるLED651に投影板部材620の外周面が当接不能な寸法に設定される。
これにより、LED651をねじS2の頭部によって保護することができる。即ち、投影板部材620が回転される際に、例えば、寸法公差や組み付け公差に基づく径方向のがたつきにより、照射ユニット2650へ近接された場合には、投影板部材620の外周面をねじS2の頭部に当接させることで、LED651への当接を回避することができ、その結果、LED651が破損することを抑制できる。
特に、本実施形態では、投影板部材620が樹脂材料から形成されるのに対し、ねじS2が金属材料から形成されるので、投影板部材620が径方向へがたついた際にLED651を保護する効果を高めることができる。また、投影板部材620がねじS2に当接されたまま回転される形態が継続的に行われる場合には、投影板部材620が摩耗されるため、投影板部材620が径方向へがたついても、LED651へ当接されることを回避できる。
このように、ねじS2を利用して、LED651を保護できることで、中間立設部611B,612Bの形成を省略することができる。よって、この場合には、複雑な形状が省略できることで、背面ベース611及び正面ベース612の形状を簡素化でき、その樹脂成形における成形性の向上を図ることができる。その結果、歩留りの向上を図ることができる。
また、ねじS2を利用して、LED651を保護できることで、部品の寸法公差や組立公差に起因する径方向のがたつきの許容量を緩やかとできるので、設計の自由度を高めることができる。即ち、LED651と投影板部材620の外周面とをより近接させることができ、その結果、LED651から照射される光を、投影板部材620の外周面へ効率的に入射させることができる。
次いで、図69から図76を参照して、第5実施形態の投影ユニット5600について説明する。第1実施形態では、投影板部材620が正面視円盤形状に形成され、その円の中心を軸に回転される場合を説明したが、第5実施形態では、投影板部材5620が正面視縦長矩形に形成され、一方向にスライド変位される場合を説明する。
初めに、図69から図71を参照して、投影ユニット5600の全体構成について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図69は、第5実施形態における投影ユニット5600の正面図である。図70は、投影ユニット5600の分解正面斜視図である。図71は、正面ベース5612の背面図である。図72は、投影ユニット5600の背面図である。なお、図72では、背面ベース5611を取り外した状態が図示される。
図69から図72に示すように、投影ユニット5600は、正面視円形状に形成されると共にその中央部分が開口されたベース部材5610と、そのベース部材5610の開口部分にスライド変位可能に配置される投影板部材5620と、投影板部材5620の外周面から光を入射させる照射ユニット650と、投影板部材5620をスライド変位させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材5620に伝達するための歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)と、を主に備えて形成される。
ベース部材5610は、正面視円形状に形成され、その中央部が横長矩形状に開口される背面ベース5611と、その背面ベース5611の正面に配設されると共に背面ベース5611と外形が略同一に形成される正面ベース5612とを備え、それら背面ベース5611と正面ベース5612との対向面間に形成される内部空間に、投影板部材5620、照射ユニット650及び歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)が収納される。
正面ベース5612は、上述したように、正面視円形状に形成される板部材であり、背面側の外側縁部に立設される外側立設部612Cと、中央部に正面視横長矩形に開口される中央開口部5612Hと、その中央開口部5612Hの背面側縁部に立設される内側立設部612Aと、中央開口部5612Hの上方両端に突出形成される左右一対の保持部5612Iと、その一対の保持部5612Iの間から背面側に突出形成される2つの軸部5612Kと、中央開口部5612Hの下方から背面側に突出形成される摺動突起5612Mと、を主に備えて形成される。
中央開口部5612Hは、正面ベース5612の正面視中央部に横長矩形状に開口される。遊技者は、中央開口部5612Hを介して投影ユニット5600の背面側に配設される第3図柄表示装置81の模様や図柄を視認できる。
保持部5612Iは、後述する棒部材5625を保持するための突出部であり、中央開口部5612Hの上方両端に正面ベース5612の背面側(図71紙面手前側)に突出形成される。また、保持部5612Iは、その突出面に正面側(図71紙面奥側)に凹となる様態で凹んだ凹溝5612I1が形成される。
凹溝5612I1は、正面ベース5612の左右方向(図71左右方向)中央部から端部側に向かって断面円弧形状に凹設され、その凹溝5612I1の内径が、後述する棒部材5625の外径よりも大きく形成される。また、一対の凹溝5612I1は、上下方向(図71上下方向)の高さが同じ位置に形成され、その左右方向(図71左右方向)の端部間の距離寸法は、棒部材5625の軸方向寸法よりも大きく設定される。よって、凹溝5612I1の内周面に棒部材5625を配設したあとで、背面側(図71紙面手前側)から凹溝5612I1と対向する位置に棒部材5625の外径よりも大きい半径の溝を備えた保持部カバー5628を両端に配設することで、棒部材5625を正面ベース5612に配設できる(図72参照)。
軸部5612Kは、後述する回転部材5670の回転軸となる突起であり、中央開口部5612Hの上方に円盤形状の正面ベース5612の中心を通過する垂線を軸に対称の位置に配置される。
摺動突起5612Mは、後述するラック5627の変位を案内する突起であり、中央開口部5612Hの下側から背面側に円柱状に突出形成される。また、一対の摺動突起5612Mは、円盤形状の正面ベース5612の中心を通過する垂線を軸に対称の位置に配置される。
投影板部材5620は、光透過性材料からなり、第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認可能とされると共に、LED651の光が入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で、投影板部材5620の正面から出射させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
投影板部材5620は、下方側の端部に左右方向に延設されたラック5627と、投影板部材5620の内部に形成される反射部622と、を備える。ラック5627は、ベース部材610の中央部の開口(正面ベース5612の中央開口部5612H)よりも下方に配設され、組み立て状態の投影ユニット5600の正面側から視認不可能な位置に配置される。また、ラック5627は、正面視横長矩形に形成され、その長手方向寸法が投影板部材5620の左右方向(図72左右方向)の寸法よりも長く設定される。これにより、投影板部材5620のスライド変位の可動範囲を投影板部材5620の左右方向寸法よりも大きくすることができる。
ラック5627は、歯車5668と歯合されるラックギヤ5627Aがその下面に刻設されると共に、中央部に前後方向に貫通する摺動溝5627Bが形成される。
ラックギヤ5627Aは、駆動モータ661の駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介して伝達された際に、ラック5627(投影板部材5620)を左右方向に変位させるギヤ歯面であり、ラック5627の下面側の全域に形成される。
摺動溝5627Bは、駆動モータ661の駆動によりラック5627が左右方向に変位された際に、ラック5627が傾くことを抑制するための溝であり、左右方向に長く開口され、その内部に、正面ベース5612の一対の摺動突起5612Mが挿入される。これにより、ラック5627が背面ベース5611に対して変位される際に、その変位方向が規制されて、ラック5627がスライド変位される。なお、ラック5627(投影板部材5620)の詳しい動作の説明は後述する。
投影板部材5620の背面側の上方には、左右方向(図72左右方向)に延びる円柱状の棒部材5625と、その棒部材5625を挟んで投影板部材5620と対向する位置に正面視横長矩形状の正面カバー5626と、が配設される。
棒部材5625は、投影板部材5620の左右方向の長さ寸法よりも、左右方向に長く形成されると共に、背面ベース5611の外径よりも短く形成され、正面カバー5626と投影板部材5620との間に挟まれて、投影板部材5620に配設される。
正面カバー5626は、棒部材5625に案内される板部材であり、左右方向(図72左右方向)の長さ寸法が投影板部材5620の左右方向の長さ寸法と略同一に設定され、投影板部材5620との間に棒部材5625を挟んだ状態で、投影板部材5620に配設される。
正面カバー5626は、投影板部材5620と対向する側面に、正面側(図72紙面奥側)に凹むと共に、左右方向に亘って凹設された溝部5626Aを備える。溝部5626Aは、内側に棒部材5625が配置される溝であり、断面略U字状に凹設され、上下方向および正面側への凹設寸法が、棒部材5625の外径寸法よりも大きく設定される。
これにより、溝部5626Aの内側に棒部材5625を配設することができる。これにより、棒部材5625に対して投影板部材5620を棒部材5625の軸方向にスライド変位可能に配設できる。
また、棒部材5625は、正面カバー5626の前方側の側面よりも、背面側に配置される。即ち、正面カバー5626の前面から棒部材5625が突出しない様態とできるので、投影板部材5620に凹設部分を形成することなく、投影板部材5620に正面カバー5626を配設できる。
ここで、正面カバー5626の前面から棒部材5625が突出した状態であると、投影板部材5620の背面側に棒部材5625を挿入するための溝を形成する必要がある。しかしながら、投影板部材5620は、その内部に入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で投影板部材5620の正面から出射させる部材であるところ、投影板部材5620に溝を形成して、その厚み寸法を部分的に小さくすると、厚み寸法が小さくされる分、投影板部材5620の内部に入射された光が進み難くなり、投影板部材5620の正面から出射される光量が減少するという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、投影板部材5620の厚みを変更することなく、内部に棒部材5625を配置した状態の正面カバー5626に投影板部材5620を配置することができる。その結果、投影板部材5620の内部に入射された光が進み難くなることを抑制して、投影板部材5620の正面から出射される光量が減少することを抑制できる。
また、棒部材5625は、上述したように、その両端が正面ベース5612に脱落不能に配設されるので、投影板部材5620は、正面ベース5612に対して棒部材5625の軸方向に摺動可能保持される。即ち、投影板部材5620は、左右方向(図72左右方向)にスライド変位可能な様態で棒部材5625に吊り下げられて配置される。
よって、駆動モータ661に駆動力が付与されると、その駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介してラック5627に伝達され、ラック5627が、左右方向にスライド変位される。ラック5627が左右方向にスライド変位されると、ラック5627に連結された投影板部材5620がそのスライド方向に変位できる。
照射ユニット650は、第1ブロック653が、投影板部材5620の上端面に沿った略直線状に配置されると共に、第1ブロックの前方に配設されたLED651が投影板部材5620の上端面と対向する位置に配置される。これにより、照射ユニット650のLED651から照射される光を、投影板部材5620の上端面から入射させて、投影板部材5620の反射部622の模様や図柄を浮かび上がらせることができる。
また、照射ユニット650の第1ブロック653が配設される正面ベース5612の側面は、背面側(図71紙面手前側)に背面視略矩形状に膨出する膨出部5612Nが形成される。膨出部5612Nは、第1ブロック653を背面側に嵩上げするための部分であり、その嵩上げ寸法が、後述する回転部材5670の板厚よりも大きく設定される。これにより、第2ブロック654と正面ベース6512との間の隙間に後述する回転部材5670を配設することができる。
また、膨出部5612Nには、突起612Gが形成される。照射ユニット650の第1ブロック653は、挿通孔653B1に突起612Gが挿入されると共に正面ベース5612及び背面ベース5611に挟持されることで、照射ユニット5600に配設される。
照射ユニット650の両端に配設される第2ブロック654には、その正面側に回転部材5670が取着される。
回転部材5670は、正面視L字状に屈曲形成される板部材であり、屈曲部分を左右方向中央側に位置する状態で正面ベース5612に配設されると共に、長手側の一側に照射ユニット650の第2ブロック654が取着される。また、回転部材5670の屈曲部分には前後方向に貫通された貫通孔5671が形成される。
貫通孔5671は、正面ベース5612の軸部5612Kが挿入される開口であり、軸部5612Kの外径よりも大きい内径に形成される。よって、回転部材5670は、正面ベース5612に配設されると、正面ベース5612に対して軸部5612Kを軸に回転できる。
ここで、回転部材5670には、照射ユニット650が取着されるので、正面ベース5612に対して回転部材5670が回転されると、照射ユニット650を変位させることができる。即ち、回転部材5670を変位させることで、照射ユニット650の基盤部材652を屈曲させて第2ブロック654を第1ブロック653に対して変位させることができる。
回転部材5670は、回転部材5670と正面ベース5612との間に介設された図示しない付勢ばねにより軸部5612Kに対して一側の先端部分を下方に変位させる方向に付勢されて正面ベース5612に配設される。また、回転部材5670が配設される正面ベース5612の軸部5612Kの下側には、背面側に突出する変位規制突起5612Jが形成される。
変位規制突起5612Jは、回転部材5670の一端側の下方への変位を規制する部材であり、その突出先端が正面ベース5612に配置された状態の回転部材5670よりも後方(背面ベース5611側)に位置すると共に、回転部材5670に取着された照射ユニット650のLED651よりも前方側(正面ベース5612側)に位置して形成される。これにより、回転部材5670の一端側の下方への変位は、回転部材5670が変位規制突起5612Jによって規制されると共に、照射ユニット650のLED651から投影板部材5620側に照射された光が変位規制突起5612Jに遮られることを抑制することができる。
次に、図73から図76を参照して、投影ユニット5600の動作について説明する。図73(A)は、第1状態における投影ユニット5600の正面図であり、図73(B)は、第2状態における投影ユニット5600の正面図である。図74(A)は、第1状態における投影ユニット5600の背面図であり、図74(B)は、第2状態における投影ユニット5600の背面図である。
図75(A)は、第1状態における投影ユニット5600の正面図であり、図75(B)は、第3状態における投影ユニット5600の正面図である。図76(A)は、第1状態における投影ユニット5600の背面図であり、図76(B)は、第2状態における投影ユニット5600の背面図である。なお、図74及び図76では、背面ベース5611を取り外した状態が図示される。また、第1状態から第3状態への変位動作は、第1状態から第2状態への変位動作と変位方向が左右反転しただけであるので、その詳しい説明は省略する。
図73(A)及び図74(A)に示すように、投影板部材5620が中央開口部5612Hの左右方の略中央部に配置された第1状態では、左右方向両側に配設された回転部材5670が図示しない付勢ばねにより付勢されて一端側が下方に変位された状態とされる。これにより、回転部材5670に配設された照射ユニット650の第2ブロック654を、第1ブロック653に対して変位させることができ、第2ブロック654の前面に配設されるLED651の照射方向を投影板部材5620側に傾倒させることができる。その結果、投影板部材5620の左右側(図74(A)左右側)の側面から第2ブロック654の前面に配設されたLED651の光を入射させることができ、その分、投影板部材5620の正面から出射される光の光量を増加でき、投影板部材5620の模様や図柄をはっきりと表示することができる。
図73(A)及び図74(A)に示す状態から、駆動モータ661に駆動力が付与されて、その駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介して、ラック5627が正面視右方向(図73右方向)にスライド変位されると、ラック5627に連結された投影板部材5620も同様に右方向にスライド変位される(図73(B)及び図74(B)参照)。これにより、投影板部材5620が中央開口部5612Hに対して正面視右側に配置された第2状態が形成される。
この場合、投影板部材5620の上端部正面側に配設された正面カバー5626が、スライド方向に配置される回転部材5670の正面視L字の他端側の側面と当接される。これにより、回転部材5670に対して、回転軸となる軸部5612Kの軸周りに一端側を上方に押し上げる方向の回転モーメントを作用させることができる。よって、回転部材5670の一端側が上方に押し上げられるので、回転部材5670に配設される第2ブロック654も同様に第1ブロック653に対して変位されて、第1ブロック653の長手方向(図74(B)左右方向)と第2ブロック654の長手方向とが略同一の直線上となる位置まで変位される。
これにより、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配置されるLED651の照射方向を変位させて、投影板部材5620の上端面から入射される光量を多くすることができる。その結果、投影板部材5620の正面側から出射される光の光量を増加でき、投影板部材5620の模様や図柄をはっきりと表示することができる。
また、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配設されるLED651の照射方向を変位させることができるので、投影板部材5620の正面から出射される光の光量を変化させることができる。即ち、投影板部材5620に表示される模様や図柄の様態を変化させることができる。その結果、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
ここで、投影板部材を変位させた際に、その変位に伴って、別の位置に配設したLEDを点灯させることで、投影板部材の光量を一定に保つものであると、その変位に伴って、LEDの点灯または消灯とを制御する必要があり、投影板部材の変位が複雑になるほどLEDの制御が複雑になり、製品の信頼性が低下するという問題点があった。さらに、別の位置にLEDを配設する分、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、投影板部材5620の変位に伴って、LED651の照射する方向を変位させることができるので、投影板部材5620の位置を検出して、別の位置に配設したLEDを点灯または消灯するといった制御が必要ないので、LED651の制御を簡易とすることができ、製品の信頼性を向上できると共に、製品コストが嵩むことを抑制できる。
また、変位する被照射体(投影板部材)に光を照射するため、固定された照射体(LED)を被照射体の周囲に複数個配設したものであると、各照射体の照射範囲の間に光量の弱い部分ができてしまい、被照射体が変位した際に明暗ができてしまい遊技者の興趣を下げるという問題点があった。ここで、照射体の配置間隔を狭くすることで、上記した問題を解決することも考えられるが、この場合は、照射体を配設する個数が増加するために、製品コストが増加するという問題点があった。
しかしながら、第5実施形態では、投影板部材5620の変位に伴って、LED651の照射方向を変位させることができるので、投影板部材5620の変位動作にLED651の照射方向を追従させることができる。従って、投影板部材5620をその変位位置に関わらず常に安定して投影させることができる。その結果、投影板部材5620の変位に伴って光の明暗ができることを抑制して、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。さらに、LED651を配設する数を増加する必要がないので、製品コストが増加することを抑制できる。
また、上述したように投影板部材5620のスライド変位により、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の照射方向を変更させることができるので、駆動モータ661の駆動力を投影板部材5620のスライド変位させる駆動と、第2ブロック654を回転させる駆動とに兼用させることができ、第2ブロック654を変位させるための駆動手段を新たに設けることを不要とできる。その結果、製品のコストが嵩むことを抑制することができる。
さらに、照射ユニット650は、弾性変形可能な素材から形成される基盤部材652及び各ブロック653、654によって形成されるので、変位する第2ブロック654を別部材で形成する必要がない。よって、ユニットとして組み上げた照射ユニット650を正面ベース5612に配設したのちに配線を連結することで正面ベースに照射ユニット650を配設できるので、組み付けの際の工程を簡素化することができる。
一方、第2状態から第1状態に変位させる際には、駆動モータ661の駆動を反転させることで、ラック5627を中央開口部5612Hの左右方向中央位置に変位される。よって、ラック5627に連結された投影板部材5620も同様にスライド変位されて第1状態が形成される。
この場合、第2状態への変位により一端が押し上げられた側(図74(B)左側)の回転部材5670は、正面ベース5612との間に介設された図示しない付勢ばねにより、投影板部材5620が左右方向中央位置にスライド変位するに従って、回転部材5670の正面視L字の一端側が下方に押し下げられて、軸部5612Kを軸心に回転される。また、下方に変位される回転部材5670は、上述したように、変位規制突起5612Jと当接されることで、その回転範囲が規制される。
図7及び図8に示す、第1状態から第3状態への変位は、上述したように、第1状態から第2状態への変位動作と変位方向が左右反転しただけであるので、その詳しい説明は省略する。なお、第3状態とは、投影板部材5620が中央開口部5612Hに対して正面視左側に配置された状態(図75(B)及び図76(B)参照)である。
次に、図77から図80を参照して第6実施形態の投影ユニット6600について説明する。第1実施形態では、投影板部材620の中央部分全域が常に遊技者から視認可能に配設される場合を説明したが、第6実施形態では、投影板部材6620が部分的に遊技者から視認可能に配設される。
初めに、図77から図79を参照して、投影ユニット6600の全体構成について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図77は、第6実施形態における投影ユニット6600の正面図である。図78は、投影ユニット6600の正面分解斜視図である。図79は、正面ベース6612及び照射ユニット650を組み付けた状態における正面ベース6612の背面図である。
図77から図79に示すように、投影ユニット6600は、正面視円環状に形成されるベース部材6610と、そのベース部材6610に形成される開口から部分的に視認可能に配置される投影板部材6620と、その投影板部材6620の外周面から光を入射させる照射ユニット650と、投影板部材6620を回転させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材6620に伝達するための歯車列(歯車662〜664)と、を主に備えて形成される。
ベース部材6610は、円環形状の背面ベース611と、その背面ベース611の正面に配設される円環形状の正面ベース6612とを備え、それら背面ベース611及び正面ベース6612の対向間面に形成される内部空間に、投影板部材6620、照射ユニット650及び歯車列(662〜664)が収納される。
正面ベース6612は、第1実施形態の円環形状の正面ベース612の内縁部に正面視円環形状の遮蔽部材6612Rが形成され、その遮蔽部材6612Rの一部に前後方向に扇状に開口する開口部6612Pが形成される。
開口部6612Pは、その開口から背面に配置される投影板部材6620を視認可能にするための開口であり、正面視円環状に形成される正面ベース6612の軸を中心とした扇状に形成され、遮蔽部材6612Rの全周の略1/6程度の長さで形成され、正面視右側に形成される。
照射ユニット650は、正面ベース6612の背面であって、開口部6612Pの外縁部の中間立設部612B及び外側立設部612Cとの間の領域に装着され、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合されることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に収容される。
投影板部材6620は、正面視円環形状に形成され、その内径が円環形状の正面ベース6612の内径よりも大きく形成される。また、投影板部材6620は、正面ベース6612の軸と同軸上に配設される。よって、投影ユニット6600が組み上げられた状態では、投影板部材6620の内縁部が遊技者から視認できないように配設される。
また、投影板部材6620に配設されるギヤ部材630及び溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612(遮蔽部材612R)の背面側に配設される)ので、遊技者から視認され難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
投影板部材6620は、光透過性材料からなり、背面側に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)の表示を透過させて、正面ベース6612の開口部6612Pを通して遊技者に視認させると共に、照射ユニット650から照射された光が外周面から入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で、投影板部材620の正面から出射させ、正面ベース6612の開口部6612Pを通して遊技者に視認させる。即ち、正面ベース6612の開口部6612Pの内部空間に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
また、投影板部材6620は、その内部に光を乱反射する反射部6622を備える。反射部6622は、内部がレーザー加工等により粗面加工された部分であり、投影板部材6620の正面視における全域に模様や図柄等が投影板部材6620の周方向に複数個分割して形成される。なお、本実施形態では、反射部6622の模様や図柄等の形状が周方向に6分割して形成され、6形態の模様や図柄等の反射領域6622A〜6622Fが形成される(図80参照)。
さらに、投影板部材6620は、外周縁部にギヤ部材630及び溝形成部材640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。これにより、第1実施形態と同様に、駆動モータ661の駆動力が歯車列(662〜664)を介してギヤ部材630に伝達することで、投影板部材6620を回転させることができる。
次に、図80を参照して、投影ユニット6600の動作を説明する。図80(A)から図80(C)は、投影ユニット6600の背面図である。なお、図80(A)〜図80(C)は、投影板部材6620の遷移状態が図示される。また、図80では、背面ベース611が取り外された状態が図示される。また、正面ベース6612の開口部6612P及び投影板部材6620の反射部6622(反射領域6622A〜6622F)が鎖線で図示される。
図80(A)に示すように、投影板部材6620が初期位置に配置された状態では、正面視(紙面奥から手前方向視)において正面ベース6612の開口部6612Pの内側に投影板部材6620の反射領域6622Aが配置される。よって、投影板部材6620の外縁部から照射ユニット650のLED651の光を入射させると、開口部6612Pの内側に反射領域6622Aの模様や図柄を表示させることができる。即ち、遊技者は、開口部6612Pの内部に浮かび上がる模様や図柄を視認することができる。
この場合、LED651の光は、反射領域6622Aと隣り合う反射領域6622B、6622Fにも照射されるが、反射領域6622B、6622Fの前面には正面ベース6612が配設されるため、遊技者が、反射領域6622B、6622Fの表示を視認することはできない。よって、開口部6612Pを通して投影板部材6620の模様や図柄を表示させることで、表示面以外の表示を遊技者が視認することがなくなり、他の領域が視認できることで遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
次に、図80(B)及び図80(C)に示すように、駆動モータ661に駆動力を付与すると、上述したように、その駆動力が歯車列(歯車662〜664)を介して投影板部材に伝達されて、投影板部材6620が回転される。投影板部材6620が回転することで、正面視における正面ベース6612の開口部6612Pの内側に配置された、反射領域6622A〜6622Fの模様や図柄が切替えられる。これにより、開口部6612Pの内側に、複数の異なる模様や図柄を表示することができる。
ここで、被照射体(投影板部材6620)の前面に模様や図柄が印刷して、被照射体を変位させてその表示面を切り替えるものであると、被照射体の視認可能領域(開口部6612P)から、被照射体の模様や図柄の切替が見えてしまい、遊技者が、次にどの表示がされるのかを模様や図柄を切り替え終える前に分かることで、遊技者に被照射体の変位を最後まで楽しませることができないという問題点があった。
また、仮に被照射体に光を照射する光源(LED651)の電力をオフして、被照射体の表示面を暗くしたとしても、他の装置や店内の蛍光灯の光により、被照射体が照射されることで、遊技者から被照射体の模様や図柄が視認可能となっていた。
本願では、投影板部材6620が、光透過性材料から形成されており、照射ユニット650のLED651の光をオフすることで、投影板部材6620の模様や図柄を視認し難くして透明状態とすることができる。よって、投影板部材6620を回転させる際に、LED651の照射をオフすることで、投影板部材6620の模様や図柄の切替を遊技者から視認し難くすることができるので、遊技者に投影板部材6620の変位を最後まで楽しませることができる。
また、第6実施形態では、投影板部材6620が、正面視円環状に形成され、その中心を回転軸として回転されるので、投影板部材6620が、スライド変位する場合と比較して、正面ベース6612の開口部6612Pを介して遊技者に視認させる模様や図柄の数を確保しつつ、投影板部材6620の配設に要するスペースを抑制できる。
即ち、投影板部材6620がスライド変位するものでは、左右または上下方向の配設スペースが限られるため、投影板部材6620の模様や図側の数を確保することが困難となるところ、円環形状に形成することで、模様や図柄の数を確保しつつ、投影板部材6620の配設に要するスペースを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600の照射ユニット650において、基板部材652に合計4個の第1ブロック653及び第2ブロック654が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1ブロック653及び第2ブロック654の合計の個数は、3個以下であっても良く、5個以上であっても良い。この場合、第1ブロック653及び第2ブロック654の割合は任意であり、第1ブロック653のみであっても良く、第2ブロック654のみであっても良い。
上記第1及び第2実施形態では、基板部材652の正面にLED651が配設されると共に背面に第1ブロック653及び第2ブロック654が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、LED651、第1ブロック653及び第2ブロック654を基板部材652の正面に配設しても良い。この場合には、第1ブロック653及び第2ブロック654の内部にLED651を収容すると共に、そのLED651から照射された光を、第1ブロック653及び第2ブロック654の正面に形成された開口から投影板部材620の外周面へ入射させる。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600のギヤ部材630及び溝形成部材640,2640が光透過性材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ギヤ部材630及び溝形成部材640,2640は、光透過性材料と非透過性材料との2層から形成されていてもよい。
例えば、ギヤ部材630の背面部632側および溝形成部材640,2640の正面部642側が非透過性材料の層で形成され、ギヤ部材630及び溝形成部材640,2640の投影板部材620,2620側が透過性材料の層で形成されていてもよい。この場合、非透過性材料の層により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材620,2620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、非透過性材料の層により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材620,2620に光を入射させず、投影板部材620,2620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材620,2620に入射されて投影板部材620,2620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
また、この場合、非透過性材料から形成される層が、反射率の高い金属材料や可撓性材料で形成される、或いは、非透過性材料の層と透過性材料の層との間に反射率の高い金属性材料や可撓性材料を介設することが好ましい。これにより、LED651からギヤ部材630及び、溝形成部材640,2640に入射された光をより投影板部材620,2620に反射させやすくできる。その結果、反射部622で反射され投影板部材620,2620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600のギヤ部材630の背面部632及び溝形成部材640,2640の正面部642が、空気(大気)と接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、背面図632及び正面部642にギヤ部材630及び溝形成部材640よりも反射率の高い部材(例えば、銀箔やアルミなど)のシールを添付、或いは、反射率の高い色(例えば白色等)の印刷を施してもよい。
この場合、シール又は印刷により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材620,2620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、シール又は印刷により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材620,2620に光を入射させず、投影板部材620,2620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材620,2620に入射されて投影板部材620,2620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
さらに、シール又は印刷により、LED651からギヤ部材630及び、溝形成部材640,2640に入射された光をより投影板部材620,2620に反射させやすくできる。その結果、反射部622で反射され投影板部材620,2620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
なお、シールを添付する場合は、そのシールをギヤ部材630の背面部632及び溝形成部材640,2640の正面部642から外縁側に突出させた様態で添付するものであってもよい。この場合、LED651から照射されて扇状に広がる光を、突出させたシール部分で反射させることができるので、LED651から照射される光を投影板部材620,2620に集光させやすくできる。
上記第3実施形態では、ギヤ部材3630と投影板部材3620との間および溝形成部材3640と投影板部材3620との間に空気層が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ギヤ部材3630と投影板部材3620との間および溝形成部材3640と投影板部材3620との間にギヤ部材630及び溝形成部材640よりも反射率の高い非透過性材料の板部材を介設してもよい。
この場合、投影板部材3620に入射された光は、反射率の高い非透過性材料の板部材により確実に全反射されて、投影板部材3620の縁部から中央側に向かって進ませることができる。よって、照射角度Α3に照射された光の強さ(光量)が減少することを抑制することができ、反射部622で反射され投影板部材3620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
また、反射率の高い非透過性材料の板部材により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材3620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、反射率の高い非透過性材料の板部材により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材3620に光を入射させず、投影板部材3620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材3620に入射されて投影板部材3620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
上記第1実施形態では、上下変位ユニット800の変位部材850を付勢する手段がコイルばねである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ゴム状体の弾性体、ねじりバネ、板バネであっても良い。なお、その取り付け方法は、突起852と突起823とを連結して取り付ける様態、または、変位部材850の回転軸とベース部材820の軸支部821との間に取り付けられる様態が例示される。
上記第1実施形態では、上下変位ユニット800の変位部材850が一端に形成された軸孔851を軸に回転運動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位部材850が、正面ベース820に形成された案内溝をスライド変位するものであってもよい。なお、この場合、正面ベース820の案内溝の両端部が上下方向(重力方向)で異なる位置に形成される様態であれば、第1実施形態と同様に、変位部材850の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材850に興趣のある変位を行わせることができる。
上記第1から第3、6実施形態では、LED651の光の照射面を投影板部材620,2620,3620,6620の側端面と対向する位置に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、LED651の光の照射面をギヤ部材630,3630又は溝形成部材640,2640,3640の側端面と対向する位置に配設しても良い。
この場合も上記第1から第3、第5及び第6実施形態と同様に、ギヤ部材630,3630又は溝形成部材640,2640,3640の側端面から、LED651の光を入射させて、投影板部材620,2620,3620,6620の表面に模様や図柄を表示することができる。
また、LED651の光の照射面を投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面と、対向しない位置(即ち、LED651の光の照射面が投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面と前後方向に異なる位置)に配設して、LED651の照射する光の一部が、投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面に入射するように配置してもよい。
この場合、LED651の照射面と直交する方向に照射される光で投影板部材620,2620,3620,6620とは異なる他の非照射部材を照射しつつ、LED651の照射面から斜めに照射される光の一部を投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面に入射させることができる。即ち、LED651に投影板部材620,2620,3620,6620に模様や図柄を表示させる光と他の被照射体を照射させる光とを兼用させることができる。
上記第1から第3、第5及び第6実施形態では、LED651の光の照射面と投影板部材620,2620,3620,6620の側端面とが平行に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、LED651の光の照射面を、投影板部材620,2620,3620,6620に対して傾倒させても良い。
具体的には、LED651の光の照射面を背面側に向けて配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に照射される位置としてもよい。この場合、投影板部材620,2620,3620,6620の表面に模様や図柄などが表示された際に、LED651の光が正面視円環形状に形成された正面ベース612,6612の内縁から漏れ出すことを抑制できる。
また、LED651の光の照射面を正面側に向けて配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に照射される位置としてもよい。
さらに、LED651の光の照射面を背面側または正面側に向けて投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に対して傾倒させた状態で配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が溝形成部材640,2640,3640の側端面またはギヤ部材630,3630の側端面に照射される位置としてもよい。
他に、LED651の光の照射面を背面側または正面側に向けて投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に対して傾倒させた状態で配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が溝形成部材640,2640,3640の正面部632又はギヤ部材630,3630の背面部632に照射される位置としてもよい。
上記第5実施形態では、第2ブロック654の前面に配設されるLED651から照射される光を投影板部材5620の左右の側面から投影板部材5620に入射させることで投影板部材5620の正面から出射される光量を増加する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、投影板部材5620の左右から入射される光により投影板部材5620に表示される模様や図柄を、投影板部材5620の上端面から入射される光により投影板部材5620に表示される模様や図柄と異なるものとしても良い。
即ち、投影板部材5620の内部に空気層や非光透過性の材料を備えて形成して、反射部622の領域を分ける(例えば、3つの領域に分ける)ことで、投影板部材5620の上端部から入射される光は、第1の領域の反射部622により正面側から出射され、左側側面から入射される光は、第2の領域の反射部622により正面側から出射され、右側側面から入射される光は、第3の領域の反射部622により正面側から出射される様態とすることができる。これにより、投影板部材5620に表示される模様や図柄のパターンを複数個形成することができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
この場合、第1〜第3の領域を照射する光源(LED651)を被照射体(投影板部材5620)の周囲に複数個備えて、第1〜第3の領域を照射する(例えば、上部に配置された光源は上端部から光を入射させて第1の領域を照射し、左側に配置される光源は左端面から入射させて第2の領域を照射し、右側に配置される光源は右端面から入射させて第3の領域を照射する)こともできるが、その分、光源を複数個配設する必要があり、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、第2ブロック654の前方に配設されるLED651は、投影板部材5620のスライド変位により、第1ブロック653に対して回転されることで、第2ブロックの前方に配設したLED651の光の照射方向を変更させることができるので、第2又は第3の領域を照射する場合と、第1の領域を照射する場合との2つの領域を照射することができるので、その分、LED651の配設する数を減らすことができ、製品コストが嵩むことを抑制することができる。
上記第5実施形態では、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の光の照射方向を変更する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回転部材5670を新たに配設する駆動モータの軸部と連結して回転させても良い。
この場合、回転部材5670を投影板部材5620のスライド位置に関わらず回転させて、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の光の照射方向を変更することができるので、投影板部材5620の前方から出射される光量を部分的に多くする又は少なくすることができる。即ち、投影板部材5620に入射される光の方向を変位させて、投影板部材5620に表示される模様や図柄の表示の濃淡の変更を操作することができる。
上記第1実施形態では、正面ベース612及び背面ベース611の対向面間に、投影板部材620と、投影板部材620を照射する複数の照射ユニット650と、駆動モータ661の駆動力を伝達する歯車列(歯車662〜664)と、を1のユニットとして配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、正面ベース612及び背面ベース611の対向面間に、上述したユニット(投影板部材620、照射ユニット650、歯車列(歯車662〜664))を前後方向に2つ以上重ねた様態で配設しても良い。
この場合、それぞれの投影板部材620に模様や図柄を表示させることで、遊技者にそれぞれの投影板部材620の模様や図柄の表示を組み合わせた状態で視認させることができる。その結果、それぞれの投影板部材620の回転位置を変化させることで、複数の模様や図柄の表示パターンを形成することができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
上記第1実施形態では、投影板部材620を回転変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、投影板部材620を固定して照射ユニット650を変位させるものであっても良い。
上記第3実施形態では、ボルトTが配置された位置の投影板部材3620の側端部からは、LED651の光が中央側に入射されない様態とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボルトTを金属材料(例えば、鉄やステンレス)から形成して、その側面に投射される光を投影板部材3620の中央側に反射させるものであってもよい。この場合、投影板部材3620の中央部にLED651から照射された光を集光させやすくできる。
また、ボルトTを一定の間隔で複数個配設し、投影板部材3620の表面に模様や図柄が表示されない(LED651の光が入射されない)箇所を部分的に形成して、投影板部材3620の表示を区切るようにしてもよい。
また、上述したように、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面(図65(C)参照)であるため、通常光が入射されない箇所を接地面とすることができる。
即ち、開口646には、ボルトTが挿入されるため、開口646の径方向外側から光を入射すると光はボルトTにより遮られ、LED651の光が反射部622側に入射されない。よって、LED651から溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射された光が、投影板部材3620側に入射されること確実に抑制することができる。
この場合、照射ユニット650に配設されたLED651の光を照射した状態で照射ユニット650を変位させることで、遊技者に投影板部材620が変位(回転)しているように視認させることができる。
なお、この場合の照射ユニット650の変位は、スライド変位でも、回転変位であっても良く、第1ブロック653及び第2ブロック654に配設された各LED651の照射方向をそれぞれ異なる方向に変位させるものであっても良い。
<第1制御例>
次に、上述した各実施形態におけるパチンコ機10の第1制御例について、図81〜図123を参照して説明する。本第1制御例では、本パチンコ機10の主制御装置110において実行される特別図柄の抽選結果を示すための演出(変動演出)や、大当たり遊技が実行されていることを示すための演出(大当たり演出)を、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示させる構成としている。
本制御例では、大当たり遊技中の演出として、大当たり遊技が所定期間の間に複数回実行される場合において、その複数回の大当たり遊技に跨がった大当たり演出(連続大当たり演出)が実行されるように構成している。具体的には、第1入球口64や第2入球口140へ球が入球した場合に入球情報を記憶可能に構成し、大当たり遊技が実行される場合に、記憶されている入球情報に大当たりに当選している入球情報が存在しているかを判別し、大当たりに当選している入球情報が存在していると判別した場合に、複数の大当たり遊技に跨がるように連続大当たり演出が実行される。
このように構成することで、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容によって、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技結果を遊技者に示唆することができるため、遊技者に対して大当たり演出に興味を持たせることができる。
さらに、本制御例では、大当たり遊技が実行されるタイミングで記憶されている入球情報だけではなく、大当たり遊技中に新たに記憶された入球情報に基づいて大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。このように構成することで、より多くの入球情報を参照することができ、連続大当たり演出を実行させやすくすることができ、遊技者に対して大当たり演出に興味を持たせることができる。
加えて、本制御例では、大当たり連続演出として、大当たり遊技が実行される時点における入球情報の記憶数(保留記憶数)に基づいて、大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。
また、本制御例では、遊技状態が通常状態(低確率、電サポなし)よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態(高確率、電サポあり)、時短状態(低確率、電サポあり))となった場合に、その遊技状態が継続していることを示すための演出(バトル演出)が実行される構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が継続していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、上述したバトル演出を、遊技者に有利な遊技状態が終了するか否かを示唆する演出(バトルリーチ)と、そのバトルリーチの演出態様を決定するための演出(バトル前演出)とから構成している。このように構成することで、実際に遊技者に有利な遊技状態が終了する場合、例えば、大当たりの終了後に遊技状態が通常状態へ移行する通常大当たりに当選した場合以外の期間においてバトル演出を継続して実行させることができるため、遊技者に有利な遊技状態が継続していることに対する期待感や、遊技者に有利な遊技状態が終了したのではと思わせる不安感を遊技者に継続して抱かせながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示唆するための演出として、大当たり期待度の異なる複数の演出が実行されるように構成されている。これにより、どの演出が実行されるかによって遊技者に対して大当たりへの期待感を異ならせることができる。さらに、1つの変動演出の中に大当たりの期待度を段階的に示唆可能な期待度示唆態様を複数表示可能にし、1回の変動演出中に期待度示唆態様が可変するように構成されている。
加えて、本制御例では、1回の変動演出中に複数の期待度示唆態様が段階的に可変する量を合算して遊技者に示唆する期待度可変示唆演出が実行されるように構成している。このように構成することで、期待度可変示唆演出の演出内容を把握した遊技者に対して、どの期待度示唆態様がどの程度可変するのかを予測しながら遊技を行わせることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本制御例では、1回の変動演出中に実行される特定演出(例えば、枠ボタン22を操作させるPUSH表示演出)が実行されるタイミングを示唆する示唆演出として、特定演出(PUSH表示演出)が実行されるタイミングを具体的に報知するカウントダウン演出と、そのカウントダウン演出が実行されることを報知する前兆演出と、が実行されるように構成している。そして、1回の変動演出中において、上述した前兆演出の開始タイミング、特定演出の実行タイミング、及び、カウントダウン演出の期間を複数から決定可能に構成し、それぞれ決定された内容に基づいて前兆演出の演出態様及びカウントダウン演出の演出態様が設定されるように構成している。
このように構成することで、予め定められた一定期間の間、示唆演出を実行する構成に比べて、示唆演出を設定する自由度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
まず、図81を参照して、本第1制御例における第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(特別図柄1または特別図柄2)は、「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本第1制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
具体的には、主表示領域DMは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域DMには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本第1制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
主表示領域DMにおける正面視左上には、小表示領域DN1が形成されている。この小表示領域DN1は、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図85(A)参照)。つまり、本制御例では、小表示領域DN1を案内表示領域DN1として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域DN1に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
主表示領域DMにおける正面視右上には、小表示領域DN2が形成されている。この小表示領域DN2は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域DN2において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域DMにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域DMで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域DN2に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図81(A)に示すように、主表示領域DMの下方には、副表示領域DSが形成される。この副表示領域DSには、図81(B)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留される。副表示領域DSに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第1制御例では、保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表示領域DSには、保留図柄が最大4個表示される。
なお、本制御例では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としてもよい。
さらに、本制御例では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域DMにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域DSに表示されるように構成されており、副表示領域DSに表示する内容によって、主表示領域DMと副表示領域DSとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64或いは第2入球口140に対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、第2入球口140のいずれにも入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本制御例のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、第2入球口140のいずれかに対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域DSは、主表示領域DMよりも下方に横長に設けられており、第1入球口64、第2入球口140に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。尚、詳細は後述するが、この副表示領域DSは、第1表示領域DS1と、その他、遊技内容や演出内容を遊技者に表示する第2表示領域DS2とに区画されている(図102(A)参照)。この副表示領域DSに表示された保留図柄は、実行中の変動表示が終了し、次の変動が開始される場合には、次の変動に対応する保留図柄(図81(B)の正面視で一番左に表示される保留図柄)を消去し、残りの保留図柄が左方向にシフトして表示される。
ここで、実行中の変動表示に対応する図柄(前回の変動中に一番左に表示されていた保留図柄)は、実行中図柄表示領域(図102の期待度表示態様DK1が表示される領域)に表示される。これにより、実行中の変動表示がどの保留図柄に対応した変動表示であるのかを遊技者に報知することができる。
実際の表示画面では、図81(B)に示すように、主表示領域DMに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。加えて、主表示領域DMの右端および左端(有効ライン外)には、第3図柄の主図柄と副図柄との一部がそれぞれ3個ずつ表示される。
一方、第3図柄表示装置81にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、または第2入球口140へ入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域DSにおいても表示される。本制御例においては、第1入球口64への入球と、第2入球口140への入球とを、それぞれ最大4回まで保留可能に構成したが、保留球数の上限値は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値と、第2入球口140への入球に対する保留球数の上限値とは同一に限られない。第1入球口64への入球に対する保留球数の上限値を第2入球口140への入球に対する保留球数の上限値よりも多くしてもよいし、逆に少なくしてもよい。また、副表示領域DSにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図82(A)および図82(B)を参照して、本第1制御例において実行される各演出の流れについて大まかに説明をする。図82(A)および図82(B)は、パチンコ機10に設定される遊技状態と第3図柄表示装置81にて実行される演出内容との関係を模式的に示したタイミングチャートである。
図82(A)に示したように、本制御例では、パチンコ機10の遊技状態に応じて異なる演出が実行されるように構成されている。具体的には、遊技状態が「通常」である場合、即ち、遊技状態が大当たり中や、確変状態又は時短状態中では無い通常状態である場合には通常演出が実行され、遊技状態が「大当たり」である場合は、大当たり中演出が実行され、遊技状態が「確変又は時短」である場合、即ち、遊技状態が確変状態または時短状態である場合は、確変中(確変状態中、または時短状態中)演出が実行される。
このように構成することで、実行されている演出を見るだけで現在設定されている遊技状態を容易に把握することができ、分かり易い遊技機を提供することができる。なお、本制御例では、遊技状態に対応付けて各演出が実行されるように構成しているが、例えば、複数の遊技状態が設定されている場合に実行され得る共通演出を設けてもよい。これにより、実行されている演出を視認することで、現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となり、遊技者に有利な遊技状態が設定されていることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、図82では第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出内容(表示内容)が遊技状態に応じて異なることを説明しているが、演出内容に含まれる態様は、第3図柄表示装置81に表示される表示態様に限られるものでは無く、例えば、音声出力装置226により出力される音声の出力態様や、ランプ表示装置227により実行されるランプの発光態様も当然含まれるものである。
まず、大当たり遊技中に実行される演出について、図83〜図89を参照して説明する。まず、本制御例では、大当たり遊技が実行される時点における特別図柄保留球数および保留記憶されている入球情報の内容(例えば、当たりに当選している入球情報があるか否かの判別結果)に基づいて、大当たり遊技中に実行される演出の内容が設定されるように構成している。
具体的には、複数の大当たり遊技が連続して実行される場合には、先の大当たり遊技(1回目の大当たり遊技)の内容を部分的に報知する演出(例えば、15ラウンドの大当たり遊技を実行する場合に、ラウンド数を5ラウンド分報知する演出)を複数の大当たりに跨いで連続して実行することで、複数の大当たり遊技が継続して実行されているように演出する大当たり中演出1と、個々の大当たり遊技に対応する演出を実行し、その複数の大当たり遊技間(先の大当たり遊技が終了し、次の大当たり遊技が実行されるまでの期間に行われる特別図柄変動期間中)に先の大当たり遊技のエンディング演出を継続して表示させることで、複数の大当たり遊技が継続して実行されているように演出する大当たり中演出2と、先の大当たり遊技が実行された時点で、次の大当たり遊技が実行されることを報知し、複数の大当たり遊技に対して継続した演出を実行する大当たり中演出3とが設定可能に構成されている。
ここで、図83(A)を参照して、上述した大当たり中演出1の内容について説明をする。図83(A)は、大当たり中演出1の流れを模式的に示したタイミングチャートである。この大当たり中演出1は、図83(A)に示したように、大当たり遊技(大当たり1)実行時において、保留球数が「3」(大当たり遊技中に新たな保留球を獲得可能な状態)で、且つ、既に獲得している保留球の中に当たりに当選している入球情報が含まれている場合に設定可能となる大当たり中演出である。
大当たり中演出1が設定された場合には、先の大当たり遊技(大当たり1((15ラウンド(R)))が実行される場合に、まず、大当たり1のラウンド数の一部(5ラウンド(R))を示す大当たり遊技演出(5R演出)が実行される。その後、次の大当たり遊技(大当たり2(10ラウンド(R)))が終了するまでの間、5R演出が継続して実行され、合計で25R分の大当たり遊技演出が実行されるように設定されている。
つまり、1回の大当たり遊技中に実行される演出内容(演出シナリオ)を一連の演出内容(演出シナリオ)として設定するのでは無く、所定期間(例えば、5ラウンド)単位で設定するように構成し、新たな演出内容(シナリオ)をその時点において保留記憶されている入球情報に基づいて設定するように構成している。
図83(A)を用いて具体的に説明をすると、大当たり1(15R)が開始されると、5R演出1(図85(A)参照)が実行される。この5R演出が開始されると、少なくとも5ラウンドは大当たり遊技が続くことを遊技者に報知する演出(確定ラウンド数報知)が実行される。そして、4R目まで大当たり遊技が進行すると、次の5R演出が実行されるか否かを示唆する示唆演出(図85(B)参照)が実行され、5R目において、次に5R演出が実行されるか否かの結果を報知する報知演出(図86(A)参照)が実行される。
図83(A)に示した例では、1回目の大当たりとして15ラウンドの大当たりが設定されているため、5R演出が3回実行される。ここで、3回目に実行される5R演出(5R演出3)は、次に実行される2回目の大当たりが開始されるまでの期間、即ち、1回目の大当たりのエンディング期間と、1回目の大当たり終了後に実行される特別図柄変動の変動期間中も実行されるように設定されている(図87(A)、図88(A)参照)。そして、2回目の大当たりの開始(2回目の大当たりのオープニング期間の開始)とともに、5R演出4が実行される。
これにより、大当たり遊技中に新たな保留記憶が発生し、その保留記憶に特別図柄の大当たりに対応する入球情報が含まれている場合には、その入球情報(例えば、ラウンド数)に基づいた新たな演出(上乗せラウンド数表示)を設定することが可能となる。よって、大当たり開始時にその大当たり中に実行される大当たり演出の内容を一連の演出シナリオとして設定する構成に比べて、大当たり中に実行される演出(上乗せラウンド数表示)を容易に可変することができる。
なお、図83(A)には、大当たり遊技中に5ラウンドの期間を1つの演出単位とした例が示されているが、1ラウンド毎に演出内容を設定するように構成しても良い。また、1ラウンド毎に入球情報の内容を判別する判別管理処理を行い、所定ラウンド毎(例えば5ラウンド毎)に演出内容を設定するように構成しても良い。また、新たな入球情報が発生した場合に、その入球情報の内容を判別し、大当たり中の演出内容を設定する際に用いる情報(大当たりの有無、ラウンド数)を記憶エリアに格納するように構成しても良い。
これにより、大当たり遊技中の演出内容を設定するタイミング(図83(A)では5ラウンド毎)において、一時的に処理負荷が増加してしまうことを抑制することができる。
ここで、大当たり中演出1の表示内容について、図85〜図88を参照して説明する。図85(A)は、大当たり中演出1が実行された直後に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であり、図85(B)は、大当たり中演出1にて実行される5R演出が継続するか否かを示すための演出表示の一例を模式的に示した模式図であり、図86(A)は、新たな5R演出が実行されることを示すための演出表示の一例を模式的に示した模式図であり、図86(B)は、大当たり1が終了する1つ前のラウンドにおける表示画面の一例を示した模式図であり、図87(A)は、大当たり1のエンディング期間中における大当たりが継続する旨を示した表示画面の一例を示した模式図であり、図87(B)は、大当たり1のエンディング期間中における大当たりが終了する旨を示した表示画面の一例を示した模式図であり、図88(A)は、大当たり1終了後の特別図柄変動中における表示画面の一例を示した模式図である。
図85(A)に示したように、大当たり中演出1が実行されると、大当たりとなったことを示す「大当たり」の文字と、特別図柄の抽選で大当たりに当選したことを示す「777」で停止表示される第3図柄が主表示領域DMに表示される。そして、主表示領域DMの小表示領域(案内表示領域)DN1には、球を右打ち領域に発射させることを案内するために「右打ち」の文字が表示され、主表示領域DMの正面視右上側には、大当たり遊技のラウンド数を遊技者に報知するためのラウンド数表示領域DM2に、現在実行中のラウンド数を示す実行中ラウンド数表示態様DM3と、実行されることが確定している確定ラウンド数を示す確定ラウンド数表示態様DM4とが表示される。
本制御例では、大当たり中演出1として、少なくとも5ラウンド分の大当たり遊技が実行されることを遊技者に予め報知する5ラウンド(R)演出が実行されるため、図85(A)に示したように、確定ラウンド数表示態様DM4として「5」が表示される。
そして、大当たり遊技のラウンド数(実行中ラウンド数表示態様DM3)が「4」になると、図85(B)に示したように、次のラウンド(5ラウンド目)に実行される上乗せ演出(図86(A)参照)の内容を示唆する演出(大当たり継続演出)が実行される。本制御例では、大当たり継続演出として、遊技者が選択可能な表示態様として「宝箱」を模した被選択画像DM5〜DM7が表示され、「矢印」を模した選択画像DM8が被選択画像DM5〜DM7のそれぞれに対応するように表示される。遊技者は、被選択画像DM5〜DM7のそれぞれに対応するように表示される選択画像DM8のうち、一の選択画像を選択することで3つ表示されている「宝箱」のうち、1つの「宝箱」を選択する。
詳細な説明は省略するが、本制御例では選択画像DM8である3つの「矢印」のうち、1つの「矢印」の表示態様が規則的に可変されるように表示される。その可変された表示態様(可変表示態様DM9)に対応する被選択画像DM5〜DM7が、遊技者が選択した被選択画像となり、遊技者は、任意の「矢印」が可変表示態様DM9となった場合に枠ボタン22を操作することで、任意の被選択画像を選択するように構成されている。
なお、任意の被選択画像を遊技者が選択する手法は上述した内容に限られるものでは無く、それ以外の構成を用いても良い。例えば、第3図柄表示装置81に表示される被選択画像DM5〜DM7のうち任意の被選択画像の表示領域をタッチすることで選択可能となるように構成してもよいし、遊技者が枠ボタン22を操作することで、可変表示態様DM9となる選択画像DM8を選択できるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、被選択画像DM5〜DM7の表示態様として同一の表示態様を表示しているが、被選択画像毎に異なる表示態様を表示してもよい。この場合、通常とは異なる表示態様の被選択画像が表示される場合は、次の5R演出が実行され易くなるように構成するとよい。これにより、被選択画像が表示される段階で大当たり遊技が継続する期待感を高めることができ、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
被選択画像DM5を選択した状態で、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンド目に突入すると、図86(A)に示した画面が表示される。図86(A)では、大当たり遊技の4ラウンド目に実行された大当たり継続演出にて選択した「宝箱」(被選択画像DM5)のみが表示され、その「宝箱」の中から、確定ラウンド数表示態様DM4に加算される上乗せラウンド数表示態様DM10として「+5」が表示され、確定ラウンド数表示態様DM4の値が「5」から「10」へと可変表示される上乗せ演出が表示されている。
このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技が少なくとも後5ラウンドは継続することを報知することができる。なお、図86(A)では、上乗せラウンド数表示態様DM10として「+5」が表示される場合の表示画面を示したが、大当たり継続演出(図85(B)参照)において、選択した被選択画像に応じて、上乗せ用ラウンド数表示態様DM10の内容が異なるように設定されている。これにより、遊技者を大当たり継続演出に意欲的に参加させることができる。
また、本制御例では、確定ラウンド数表示態様DM4をラウンド数に対応する数値で表示しているが、内部的に設定されている大当たり遊技の残ラウンド数のうち、表示画面に表示させるラウンド数に対応して可変する表示態様であればよく、キャラクタの動作や色や大きさといった抽象的な表現を用いた表示態様を用いても良い。このように確定ラウンド数表示態様DM4として抽象的な表示態様を用いることで、遊技者に対して大当たり遊技の残ラウンド数を予測させる楽しみを増やすことができる。
加えて、長期間遊技を行っている遊技者は、抽象的な表現を用いた表示態様の規則性を把握することができるため、他の遊技者よりも大当たり遊技の内容を把握しやすくなり、満足度を高めることができる。なお、この場合の大当たり遊技の内容としては、1回目の大当たりと2回目の大当たりとが継続して実行されているような演出が実行される大当たり中演出において、各大当たり遊技のラウンド数を表示態様の規則性によって把握できるようにするとよい。
このように構成することで、特に2回目の大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態が設定されるか否かを、2回目の大当たり遊技のラウンド数によって予測することができる。よって、長期間遊技を行っている遊技者に対して他の遊技者よりも有利な遊技情報を提供することが可能となり、長期間継続して遊技を行う意欲を高めることができる。
なお、図86(A)では、5ラウンド目のラウンド遊技が実行されている最中に確定ラウンド数表示態様DM4に加算される上乗せラウンド数表示態様DM10として「+5」が表示され、確定ラウンド数表示態様DM4の値が「5」から「10」へと可変表示される例を示しているが、上乗せラウンド数表示態様DM10が表示されるタイミングが、ラウンド遊技中以外のタイミング、即ち、5ラウンド目のラウンド遊技が終了し、6ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまでの間であるラウンド間インターバル期間となるように演出内容を設定しても良い。
また、図85(B)で示した大当たり継続演出において遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングを判別する手段を設け、操作タイミングが所定期間(例えば、枠ボタン22の操作が有効となってから3秒)以内である場合は、5ラウンド目のラウンド遊技中に上乗せラウンド数表示態様DM10を表示し、操作タイミングが所定期間(例えば、枠ボタン22の操作が有効となってから3秒)を超えている場合、或いは、操作されなかった場合は、5ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間に上乗せラウンド数表示態様DM10を表示するように構成しても良い。
このように、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングや操作の有無に基づいて上乗せラウンド数表示態様DM10を表示するタイミングを異ならせることで、遊技者が演出に対して意欲的に参加することになり、演出効果を高めることができる。なお、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングや操作の有無に基づいて上乗せラウンド数表示態様DM10を表示するタイミングを異ならせる構成であれば良く、例えば、所定のタイミング(4ラウンド目のラウンド遊技中の特定の1秒間)に遊技者が枠ボタン22を操作したか否かを判別する判別手段を設け、その判別結果に基づいて上乗せラウンド数表示態様DM10を表示するタイミングを異ならせても良い。また、枠ボタン22に対する操作内容が所定の操作条件(例えば、4ラウンド目のラウンド遊技中の特定の1秒間の間に枠ボタン22を操作する)を満たした場合のみ、上乗せラウンド数表示態様DM10に表示される値を異ならせるように構成しても良い。
次に、複数(2つ)の大当たり遊技が継続して実行されるように見せるための演出内容、つまり、1回目の大当たり遊技が終了してから2回目の大当たり遊技が開始されるまでの特別図柄変動期間中の演出内容について、図86(B)および図87(A)を参照して説明する。
まず、図86(B)に示したように、1回目の大当たり遊技の最終ラウンドの1つ前のラウンド(14ラウンド目)が開始されたことに基づいて、大当たり継続演出が実行される。図86(B)では、図85(B)に示した大当たり継続演出とは異なる演出態様が示されており、表示画面に表示される被選択画像の数と表示態様を異ならせている。具体的には、被選択画像の数を3つから2つに変更し、被選択画像DM5の表示態様として通常よりも豪華な表示態様が設定されている。このように、大当たり継続演出の演出態様を異ならせることにより、実行される大当たり継続演出の演出態様によって大当たり遊技が継続する期待度を示すことができる。よって、遊技者が演出内容に注視することになり演出効果を高めることができる。
図86(B)では、大当たり継続演出のバリエーションを説明するために、図85(B)とは異なる演出態様を示しているが、1回目の大当たり遊技の最終ラウンドに対応する大当たり継続演出(14ラウンド目に実行される大当たり継続演出)として図85(B)と同一の演出態様も当然実行されるように設定されている。このように、1回目の大当たり遊技の途中に実行される大当たり継続演出と、1回目の大当たり遊技の最後に実行される大当たり継続演出とで同一の演出態様を用いることで、どのタイミングで1回目の大当たり遊技が終了したのか(1回目の大当たりが何ラウンドの大当たりであったのか)を、遊技者に分かり難くすることができる。
なお、上述した大当たり継続演出の設定方法以外にも、例えば、大当たり継続演出にて選択した被選択画像(「宝箱」)に応じて、今回の大当たり継続演出が大当たり遊技の最終ラウンドにて実行された大当たり継続演出であることを遊技者に示唆するように構成してもよい。
図86(B)に示した大当たり継続演出にて被選択画像DM5を選択した状態で、最終ラウンド(15ラウンド目)に移行すると、図86(A)に示した上乗せ演出と同様の表示が実行され、その表示が図87(A)に示した通り、最終ラウンド終了後のエンディング期間の間も継続して表示される。そして、大当たりのエンディング期間が終了し(大当たりが終了し)、特別図柄の変動が開始されると、図88(A)に示した表示画面が表示される。
この図88(A)は、1回目の大当たり遊技が終了し、特別図柄が変動している期間中の表示画面の一例である。図88(A)に示したように、1回目の大当たり遊技が終了した後(特別図柄の変動が開始された後)も、上乗せ演出の表示が継続して実行される。小表示領域DN2には、特別図柄の変動に対応する第3図柄の変動が表示される。そして、大当たり当選している特別図柄の変動が停止すると、小表示領域DN2に大当たりに当選したことを示すための図柄の組み合わせ(例えば、「777」)が停止表示され、上乗せ演出表示が実行された状態を維持しながら次の大当たり遊技が開始される。
本制御例では、大当たり中の演出として上乗せ用演出が設定された場合には、実行中の大当たりに設定されているラウンド数と、保留内連荘となる次の大当たり(保留記憶されている大当たり)に設定されているラウンド数と、を合算して上乗せ演出の表示態様を設定可能に構成しているため、保留内連荘となる次の大当たりが開始されるよりも前に、即ち、1回目の大当たり中に次の大当たりに設定されているラウンド数も含めた上乗せラウンド数表示態様DM10を表示することができる。
なお、上述した例では、大当たりの最終ラウンドから次の大当たりに当選するまでの期間(次の大当たりに当選し、その大当たりのオープニング期間を経過して1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるまでの期間)中、継続して上乗せ演出を表示する演出例を示したが、それ以外の演出を用いても良く、例えば、最終ラウンド(15ラウンド目)に上乗せ演出を完了させ、エンディング期間中(図87(A)参照)、及び、特別図柄変動期間中(図88(A)参照)は、ラウンド数が上乗せされたことを祝福する祝福演出を実行するようにしても良いし、最終ラウンド(15ラウンド目)、及び、エンディング期間中(図87(A)参照)に上乗せ演出を完了させ、特別図柄変動期間中(図88(A)参照)は、ラウンド数が上乗せされたことを祝福する演出を実行するようにしても良いし、最終ラウンド(15ラウンド目)は、14ラウンド目に実行される大当たり継続演出(図86(B)参照)を継続して表示し、エンディング期間中(図87(A)参照)、及び、特別図柄変動期間中(図88(A)参照)に上乗せ演出を実行するようにしても良い。
上述した祝福演出を実行する場合には、1回の大当たり中に上乗せ演出(例えば、5ラウンド目に実行される上乗せ演出(図86(A)参照))が実行されるラウンドの次のラウンド(例えば、6ラウンド目)にも同様の祝福演出を実行するように構成すると良い。これにより、上乗せ用演出が実行されている間に、何回の大当たりに当選したのかを遊技者が把握し難い演出、即ち、1回の大当たり中に実行される上乗せ演出の演出態様と、2つの大当たり間に実行される上乗せ演出の演出態様と、を同一(遊技者が識別困難な程度の誤差を除いて同一)にすることができる。
一方、上乗せ演出によって上乗せされるラウンド数が無い場合は、図87(B)に示した通り、上乗せラウンド数表示態様DM10として「+0」が表示され、確定ラウンド数表示態様DM4の値が「15」から可変されず、主表示領域DMに「残念大当たり終了」のコメントが表示されて大当たりが終了する。
また、本制御例は、大当たり遊技中に実行される各ラウンド遊技間のインターバル期間(ラウンド間インターバル期間)として所定期間(例えば、1秒)が設定されるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、当選した大当たり種別に応じて大当たりラウンド数が同一であっても、ラウンド間インターバルの期間を異ならせるように構成しても良い。この場合、1回の大当たり中に設定されるラウンド間インターバルとして、5の倍数のラウンドが終了する前のラウンド間インターバル(例えば、5ラウンドと6ラウンドの間に設定されるラウンド間インターバル)を5秒とし、それ以外のラウンド間インターバルを2秒と設定する大当たり種別と、5の倍数のラウンドが開始される2つ前のラウンド間インターバル(例えば、3ラウンドと4ラウンドの間に設定されるラウンド間インターバル)を5秒とし、それ以外のラウンド間インターバルを2秒と設定する大当たり種別と、を設けるように構成すると良い。
また、上述したようにラウンド間インターバルを異ならせた大当たり種別を用いる場合は、長期間のラウンド間インターバルが設定されるタイミングで大当たり中の演出を切り替えるように構成すると良い。さらに、本制御例のように所定期間(5ラウンド分)を1単位として大当たり中の演出を実行する場合には、大当たりの開始(大当たりのオープニング期間の開始、或いは、1ラウンド目の開始)から最初に長期間のラウンド間インターバルが設定される(例えば、3ラウンド目の終了)までの間隔が大当たり中の演出の1単位分に満たないため、上乗せ演出以外の演出が実行されるように構成すると良い。
さらに、本制御例では、大当たり種別に関わらず、大当たりのエンディング期間として一定期間(例えば、1秒)が設定されるように構成しているが、このエンディング期間に対しても、設定される大当たり種別毎に異なるように構成しても良いし、大当たりのオープニング期間に対しても、設定される大当たり種別毎に異なるように構成しても良い。
このように、大当たり遊技の内容(大当たり遊技のラウンド数)は同一であるが、その大当たりに設定されるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間を、設定された大当たり種別に応じて異ならせるように構成し、且つ、複数の大当たり遊技を跨ぐように大当たり中演出を設定することで、遊技者に対して、1回の大当たり中演出が実行されている間に、大当たりに何回当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、先の大当たりが終了してから、次の大当たりに当選するまでの期間が異なる場合、即ち、先の大当たりの終了後、1回転目の特別図柄変動にて次の大当たりに当選する場合と、3回転目の特別図柄変動にて次の大当たりに当選する場合とで、大当たり間に実行される特別図柄変動期間が異なったとしても、大当たりに設定されるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間を、設定された大当たり種別に応じて異ならせるように構成することにより、遊技者に違和感を与えることが無く大当たり中演出を実行することができる。
次に、図83(B)に戻り、上述した大当たり中演出2の内容について説明をする。図83(B)は、大当たり中演出2の流れを模式的に示したタイミングチャートである。この大当たり中演出2は、図83(B)に示したように、大当たり遊技(大当たり1)実行時において、保留球数が「2」(大当たり遊技中に新たな保留球を獲得可能な状態)で、且つ、既に獲得している保留球の中に当たりに当選している入球情報が含まれていない場合に設定可能となる大当たり中演出である。
大当たり中演出2が設定された場合には、先の大当たり遊技(大当たり1((15ラウンド(R)))が実行される場合に、今回の大当たりが15Rであることを示す大当たり遊技演出(15R演出)が実行される。そして、大当たり遊技の終盤に設定されるエンディング期間中に表示されるエンディング演出を、大当たり1が終了してから、次の大当たり(大当たり2(10ラウンド(R)))が実行されるまでの間継続して(延長して)実行する。そして、大当たり2が実行される場合に、エンディング演出から10R演出へと演出内容が切り替わる。
この大当たり中演出2は、大当たり遊技中に新たに獲得した保留球に当たりに対応した入球情報が含まれている場合に、連続して実行される複数の大当たり遊技が継続して実行されるように演出するものである。つまり、大当たり1に対応する大当たり遊技演出は通常の大当たり遊技演出(15R演出)とし、大当たり遊技中に新たに獲得した保留球の入球情報に基づいて、エンディング演出の内容を可変させるだけで連続して実行される複数の大当たり遊技が継続して実行されるように演出することができる。
このように構成することで、複数の大当たり遊技機が継続して実行される演出(連続大当たり演出)を、大当たり遊技中に獲得した保留球に基づいて設定することができるため、連続大当たり演出を実行しやすくすることができ、演出効果を高めることができる。また、通常の大当たり遊技演出が実行されたとしても、遊技者が連続大当たり演出へと移行することを期待しながら大当たり遊技を行うことができる。
ここで、大当たり中演出2(図83(B)参照)における2つの大当たり間に表示される演出内容について、図88(B)〜図89(B)を参照して説明をする。図88(B)は、大当たり1回目のエンディング期間中に表示されるエンディング表示を模式的に示した図であり、図89(A)は、大当たり1回目が終了し、特別図柄の変動が開始された状態における表示画面を模式的に示した図であり、図89(B)は、特別図柄の大当たりに当選した状態における表示画面を模式的に示した図である。
図88(B)に示した通り、大当たり1回目のエンディング期間中に表示されるエンディング表示では、主表示領域DMに今回の大当たりのラウンド数と、大当たり中に獲得した球数を示すための情報(獲得ポイント)が表示される。そして、大当たり遊技が終了し、特別図柄の変動が開始されると、図89(A)に示した通り、エンディング表示が継続して表示されると共に、大当たり遊技のラウンド数を遊技者に示唆するためのラウンド数表示領域DM2に、現在実行中のラウンド数を示す実行中ラウンド数表示態様DM3と、実行されることが確定している確定ラウンド数を示す確定ラウンド数表示態様DM4とが大当たり中と同様に継続して表示される。加えて、第3図柄の変動を表示する小表示領域DN2や、保留実行領域DN3や、保留図柄表示領域DN4が表示される。なお、図89(A)では、保留図柄表示領域DN4のうち、左から2つ目の保留図柄(次々回に変動表示される丸印に3が付された保留図柄)が、大当たりに当選している状態を示している。
そして、特別図柄の大当たりに当選すると(丸印に3が付された保留図柄の変動表示が停止すると)、図89(B)に示した通り、主表示領域DMに大当たりが継続することを(新たな大当たりが開始されることを)報知するための「大当たりはまだまだ続くよ」のコメントが表示されると共に、2回目の大当たりのラウンド数「10」を示すように確定ラウンド数表示態様DM4の値が「15」から「25」へ可変表示される。また、小表示領域DN2には大当たりに当選したことを示す第3図柄の組み合わせ「777」が停止表示される。
以上、大当たり中演出2において実行される演出の内容を説明したが、同様の演出を大当たり中演出1に用いてもよい。つまり、上述した大当たり中演出1では、大当たり継続演出として複数のラウンドを用いた演出を実行しているため、例えば、1回目の大当たりの最終ラウンドや、最終ラウンド終了後のエンディング期間中に、大当たりに当選する入球情報を含む新たな保留球を獲得した場合において、複数の大当たりを跨ぐように大当たり中演出を実行することが困難であった。このような場合において、上述した大当たり中演出2と同様の演出を実行することにより、複数の大当たりを跨ぐように大当たり中演出を円滑に実行することができる。
次に、図84(A)を参照して、上述した大当たり中演出3の内容について説明をする。図84(A)は、大当たり中演出3の流れを模式的に示したタイミングチャートである。この大当たり中演出3は、図84(A)に示したように、大当たり遊技(大当たり1)実行時において、保留球数が「4」(大当たり遊技中に新たな保留球を獲得不可能な状態)で、且つ、既に獲得している保留球の中に当たりに当選している入球情報が含まれている場合に設定可能となる大当たり中演出である。
大当たり中演出3が設定された場合には、先の大当たり遊技(大当たり1((15ラウンド(R)))が実行される場合に、次の大当たり遊技(大当たり2(10ラウンド(R)))の遊技内容も融合した大当たり遊技演出(25R演出)が実行される。
この大当たり中演出3は、大当たり遊技中に新たに保留球を獲得することができない状態、つまり、大当たり1が実行されるタイミングで既に、連続して大当たりに当選するか否かを判別可能な状態において実行される演出である。大当たり中演出3が実行された場合には、連続して大当たりに当選したことをいち早く遊技者に報知することができ、遊技者に安心感を与えることができるとともに、大当たり遊技中に新たに保留球を獲得することができない状態で、上述した大当たり中演出2が実行されてしまい、連続して大当たりに当選することに対して遊技者が過度に期待してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本制御例では、所定期間内(保留記憶内)で連続して大当たりに当選した場合に、複数の大当たり遊技が継続して実行されているように見せるための大当たり中演出を複数用意し、先の大当たり遊技が実行される時点での特別図柄保留球数や、保留記憶されている入球情報の判定結果に基づいて実行する大当たり中演出を設定するように構成している。
さらに、複数の大当たり中演出は、連続して大当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミングをそれぞれ異ならせている。これにより、連続して大当たりに当選したことを期待しながら大当たり遊技を最後まで楽しむことができる。
本制御例は、特別図柄の保留記憶数に空きがある状態(大当たり遊技中に新たに保留記憶可能な状態)で大当たり遊技が実行される場合は、大当たり遊技中に特別図柄の大当たりに対応する保留図柄が保留記憶されたとしても、複数の大当たり遊技が継続して実行されるように見せるための大当たり中演出を実行することができるため、大当たり遊技が実行される時点で保留記憶されている情報に基づいて、大当たり中演出を決定する場合に比べて、複数の大当たり遊技が継続して実行されるように見せるための大当たり中演出が実行され易くなり、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり中演出の1つとして、先の大当たり遊技にて実行されるラウンド数を複数回に分けて部分的に遊技者に報知可能としているため、今回の大当たり中演出が1回の大当たり遊技にて実行された演出なのか、複数回の大当たり遊技を跨いで実行された演出なのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、大当たり遊技が長く継続することを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技終了後の特別図柄変動期間中において、通常の特別図柄変動期間中と同様に、第3図柄の変動を表示する小表示領域DN2や、保留実行領域DN3や、保留図柄表示領域DN4を第3図柄表示装置81に表示する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄変動期間中において大当たり継続演出が実行される条件が成立しているかを判別する手段を設け、その手段により大当たり継続演出が実行される条件が成立していると判別した場合には、特別図柄変動期間中でも、第3図柄の変動表示や上述した保留図柄関連の表示を行わない処理を実行したり、遊技者が内容を把握することが困難な態様(例えば、縮小表示や表示領域の移動)で表示させる処理を実行したりすると良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容に基づいて、1回目の大当たり遊技の終了タイミングと2回目の大当たり遊技の開始タイミングとを遊技者に把握され難くすることができる。
また、1回目の大当たり遊技におけるラウンド間インターバル中に、疑似エンディング表示と、第3図柄を模した疑似図柄を変動させる疑似変動表示と、変動中の疑似図柄を大当たりに対応する組み合わせで停止させる疑似停止表示と、疑似停止表示後に、疑似大当たり開始表示を実行する疑似遊技実行手段を設け、1回の大当たり遊技が実行されている間に、複数回の大当たりが実行されているように疑似的な演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、1回目の大当たりに当選した時点で第1図柄表示装置37A,37Bに表示される特別図柄(本図柄)が、何ラウンドの大当たり遊技に対応した特別図柄(本図柄)であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、第3図柄表示装置81にて実行される大当たり中演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
次に、図84(B)を参照して、大当たり中演出1の別例について説明をする。図84(B)は大当たり中演出1の別例の内容を示したタイミングチャートである。本別例では、図83(A)に示した内容に対して、上乗せ用演出の内容が5R演出から10R演出に変更されている点と、大当たり開始時における当たり入賞(入賞情報格納エリア223Aの当たりを示す入賞情報)の有無が異なる点と、で相違している。
具体的には、図84(B)に示した例では、特別図柄の保留球数(特別図柄2の保留球数)が「1」で当たり入賞が無い状態で大当たり1(15R)が開始され、最初の上乗せ用演出として10R演出1が実行される。そして、その10R演出1が実行されている間に、当たりに当選している入球情報が含まれている新たな保留球を獲得し(保留球数が「2」となり)、10R演出1の大当たり継続演出において、大当たり2に対応するラウンド数を合算したラウンド数を用いて10R演出2が実行されることを示す演出が実行される。
このような演出を実行することで、1つの上乗せ用演出が複数の大当たりを跨ぐように実行されるため(大当たり1の11R〜大当たり2の5Rまでの期間で1つの上乗せ用演出が実行されるため)、1回の大当たりに設定されているラウンド数を遊技者に把握させ難くすることができる。また、図84(B)に示した例によれば、複数の大当たりを跨ぐように実行される上乗せ用演出として10R分の演出を実行しているため、10R演出1と10R演出2を実行した後に、上述した図83(A)と同一の5R演出5を実行することができ、上乗せ用演出に用いるデータを共通化することができる。
なお、図83(A)、或いは図84(B)では上乗せ用演出の一例を示したものであり、上記例示した内容以外の上乗せ用演出も実行されるように構成されている。具体的には、上乗せ用演出は、5ラウンド分の期間を用いた5R演出、10ラウンド分の期間を用いた10R演出以外にも、7ラウンド分の期間を用いた7R演出や8ラウンド分の期間を用いた8R演出等が実行可能に構成されている。
このように上乗せ用演出として異なるラウンド数に対応させた複数の演出を用いることで、1回の大当たり中に実行されるラウンド数を遊技者に把握させ難くすることができ、遊技者に対して今回の大当たりがいつまで(何ラウンドまで)継続するのかを予測させながら、長く継続することを期待して遊技を行わせることができる。
また、単数又は複数の大当たりに対応して実行される大当たり中演出1が終了した時点において設定される遊技状態、即ち、大当たり中演出1に対応する最後に実行される大当たりの大当たり種別(確変大当たり、通常大当たり)に基づいて、実行される上乗せ用演出を可変させるように構成しても良く、例えば、大当たり中演出1が終了した時点において設定される遊技状態が確変状態であると判別した場合には、大当たり中演出1の序盤に実行される上乗せ用演出として、長いラウンド数に対応させた上乗せ用演出(例えば、10R演出)を設定し易くしたり、大当たり中演出1が終了した時点において設定される遊技状態が確変状態である場合にのみ実行される上乗せ用演出(例えば、7R演出)を実行したりするように構成しても良い。
このように構成することで、実行される上乗せ用演出によって、遊技者に対して大当たり中に実行されるラウンド数、および大当たり終了後に設定される遊技状態の両方を予測させることができ、演出効果を高めることができる。
図82に戻り、説明を続ける。本制御例では、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態又は時短状態)となった場合に、特定の演出(確変中演出、又は、時短中演出(以下、高確中演出と称す))が実行される。この高確中演出が実行されている期間は、所定の演出(バトル演出)が繰り返し実行される期間であり、バトル演出の結果に基づいて、遊技者に有利な遊技状態が終了するか否かを遊技者に報知する演出が実行される。
ここで、図90〜図97を参照して、高確中演出(継続演出)の内容について詳細に説明する。図90は、遊技状態が有利状態(確変状態又は時短状態)である場合に実行される高確中演出(継続演出)の流れのうち、大当たりに当選するまで継続して実行される高確中演出(継続演出)を示したタイミングチャートである。図90に示した通り、高確中演出(継続演出)中にはバトル演出が繰り返し実行されるように構成されている。バトル演出は、有利状態(確変状態又は時短状態)が終了するか否かを報知するための演出が特図変動1回転分の期間で実行されるバトルリーチ(図93〜図96参照)と、そのバトルリーチが実行される際の表示態様を可変させるための演出が特図変動複数回転分の期間で実行されるバトル前演出(図91、及び図92参照)とから構成されている。
詳細な演出内容は後述するが、バトルリーチでは、自身のキャラクタと相手のキャラクタが互いのHP値(継続値)を減少させる演出(攻撃演出)が複数回(3回)実行され、自身のキャラクタのHP値(継続値)が「0」となると(敗北パターンのバトルリーチの場合)、有利状態の終了条件(有利状態が終了する大当たりに当選、或いは、特別図柄の変動回数が設定された時短回数に到達)が成立したことを示し、相手のキャラクタのHP値(継続値)が「0」になると(勝利パターンのバトルリーチの場合)、有利状態が継続する大当たりに当選したことを示し、互いのHP値(継続値)が「0」にならない(引き分けパターンのバトルリーチの場合)場合は、高確中演出が継続して続行されることを示している。
また、バトル前演出では、バトルリーチが開始される時点での相手のキャラクタのHP値(継続値)を増減させる演出が実行される。このバトル前演出は、保留図柄の先読み結果や、バトル演出が繰り返し設定される回数に基づいて演出態様が設定されるように構成されており、その演出態様に基づいて、複数の特別図柄変動を用いたHP管理が実行される。
図91(A)は、高確中演出(継続演出)としてバトル演出が開始された場合における第3図柄表示装置81の表示内容を示した模式図である。バトル演出が開始されると、まず、バトル演出の前半パートであるバトル前演出が実行される。このバトル前演出は、バトル演出の後半パートであるバトルリーチの対戦相手の継続値(HP値)を増減させるための演出が実行される。
図91(A)に示したように、バトル前演出が実行されると、主表示領域DMの中央左側に男の子のキャラクタDM11が表示されると共に、バトルリーチの対戦相手候補を選択するための相手選択態様が表示される。この相手選択態様には、バトルリーチの対戦相手となる相手候補として4種類のキャラクタA〜Dに対応する選択部DM13〜DM16が表示され、そのうちの一の選択部が選択される。なお、図91(A)では、キャラクタAに対応する選択部DM13が選択されている状態を示している。
さらに、主表示領域DMの右下側には、4種類のキャラクタA〜Dのそれぞれに対応する継続値(HP値)を示すHP表示領域DM17が表示される。このHP表示領域DM17は、HP値を横長のゲージで示す表示部と、数値で示す表示部(DM18)とから形成されている。このHP表示領域DM17に表示される値(表示態様)は、バトル前演出中の相手への攻撃に応じて可変(減少)するように可変表示される。
バトル前演出において、対戦する相手が選択されると、次に図92(A)に示す画面が表示され、相手のHP値を減少させる演出が実行され、HP表示領域DM17には、選択表示された相手キャラクタに対応するHP表示を識別するための表示(キャラクタAに丸印)が為される。これにより、現在選択されている相手キャラクタのHP値がどれくらいであるかを遊技者に容易に把握させることができる。
また、このバトル前演出中は、相手キャラクタのHP値を減少させる演出のみが実行され、自身(キャラクタDM11)のHP値が減少することは無い。これにより、バトルリーチが実行するまでの間は、相手に攻撃を仕掛ける演出の結果、自身のHP値が減少してしまうことがないため、相手に攻撃を仕掛ける演出が多く実行されることを期待しながら遊技を行うことができる。また、バトル前演出中は自身(キャラクタDM11)のHP値が画面に表示されないため、実行される演出の結果、自身のHP値が減少してしまう不安感を遊技者に与えてしまう事態を抑制することができる。
なお、バトル前演出の演出態様は上述した内容に限るものではなく、自身のHP値を表示し、自身のHP値を減少させる演出を実行しても良いし、自身のHP値、或いは、相手のHP値を増加させる演出を実行しても良い。また、バトル演出の前半パートであるバトル前演出において相手のHP値が「0」になるまで減少させて、バトル演出の後半パートであるバトルリーチを実行しないまま大当たり(大当たり終了後に確変状態、又は、時短状態が付与される大当たり)を実行するように構成しても良い。
図92(A)では、キャラクタADM13に対してHPを「200」減少させる攻撃(主攻撃演出)を行ったため、HP表示領域DM17のうちキャラクタAに対応する表示部DM18Aが、主表示領域DMの演出内容に対応して「800」に可変表示される。
一方、図92(B)に示した表示例では、自身(キャラクタDM11)が攻撃を加える演出(主攻撃演出)以外に、猫のキャラクタDM20が登場し、追加攻撃(副攻撃演出)を行う演出も実行される。この場合、図92(B)に示した通り、キャラクタADM13に対してHPを「230」減少させる攻撃が行われ、HP表示領域DM17のうちキャラクタCに対応する表示部DM18Cが、主表示領域DMの演出内容に対応して「770」に可変表示される。
図92(B)に示した通り、このバトル前演出中は、対戦相手が途中で変更されることがあり、対戦相手が変更された場合には、現在の対戦相手が識別可能となるようにHP表示領域DM18の表示(キャラクタAに丸印)が為される。
ここで、攻撃演出により減少するHPの値の設定方法について、簡単に説明をする。本制御例では、特別図柄の抽選結果や、保留記憶されている入球情報の事前判別結果(先読み結果)に基づいて、継続値管理手段によってバトル演出の結果や大まかな演出内容(HP値の減少値(100の位)、及び主攻撃演出)が決定されるように構成されている。そして、継続値管理手段により決定された演出内容(HP値の減少値、及び主攻撃演出)に対して、演出種類の多様化を図ることを目的として、演出設定手段によって抽選結果や先読み結果に影響を受けること無く詳細な演出内容(HP値の減少値(10の位)、及び副攻撃演出)が決定されるように構成されている。
そして、継続値管理手段によって決定された継続値(HP値)を記憶し、その記憶した継続値(HP値)に対して継続値管理手段を用いて継続値(HP値)を増減させるように構成している。
具体的には、上述した図92(A)では、継続値管理手段により継続値(HP値)を200減少させる演出(主攻撃演出)が設定され、演出設定手段によって継続値(HP値)の値を増減させない内容が設定された場合の表示例を示しており、バトル前演出として相手キャラクタADM13の継続値(HP値)を200減少させる主攻撃演出(キャラクタDM11の攻撃演出)が実行されている。
一方、上述した図92(B)では、継続値管理手段により継続値(HP値)を200減少させる演出(主攻撃演出)が設定され、演出設定手段によって継続値(HP値)の値を20減少させる演出(副攻撃演出)が設定された場合の表示例を示しており、相手キャラクタADM13の継続値(HP値)を200減少させる主攻撃演出(キャラクタDM11の攻撃演出)に加え、相手キャラクタADM13の継続値(HP値)を30減少させる副攻撃演出(猫のキャラクタDM20の攻撃演出)が実行され、合計でバトル前演出として相手キャラクタADM13の継続値(HP値)を230減少される演出が実行されている。
このように構成することで、継続値管理手段により設定される演出の数に対して第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される演出の数を増加させることができる。換言すれば、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される演出の数に対して、連続して継続値(HP値)の増減を行う演出の管理数を減少することができ、遊技制御の負担を軽減させることができる。
また、1回のバトル前演出中の対戦相手が変更された場合は、変更前の相手キャラクタのHPの値はそのまま継続表示される。よって、対戦相手が変更されて、再度、同じ相手キャラクタが選択される場合に、以前のHPの値から継続して演出を実行することができる。このように、バトル前演出中にバトルリーチの対戦相手になり得る相手キャラクタのHPを徐々に減少させてからバトルリーチを実行させるようにすることで、高確中演出において、頻繁にバトルリーチを発生させなくても、一連の演出を実行することができる。
加えて、バトル前演出中に、複数の対戦相手候補のHPの減少具合が偏った場合には、なるべくHPの値が少ない対戦相手とバトルリーチが実行されるように期待しながら演出を注視させることができる。
バトル演出の前半パートであるバトル前演出が終了すると、次に、特定の対戦相手とバトルを行うバトルリーチが実行される。このバトルリーチに勝利した(相手のHPを「0」にした)場合には遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たりに当選したことを示し、敗北した(自身のHPが「0」となる)場合には、遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定される当たりに当選したことを示す。また、特別図柄の抽選結果が当たりでは無いタイミングでバトルリーチが実行された場合には引き分け(自身も相手もHPが「0」にならない)となり、高確中演出が継続される。
このバトルリーチは、高確中(確変、時短中)に大当たりに当選した場合、または、高確中に所定条件が成立した場合(例えば、特図変動回数が所定回数に到達した場合や、バトルリーチ演出抽選に当選した場合)に実行されるように構成されており、バトルリーチの結果が引き分けの場合は、再度、バトル前演出に移行する。この場合、相手キャラクタのHPの値は全て初期値に設定される。つまり、バトル前演出は相手キャラクタのHPの値を減少させる演出が実行されることから、例えば、確変状態中に特別図柄の当たりに当選しない期間が長期間継続してしまうと、バトル前演出中に相手キャラクタのHPが「0」になることを防ぐために、相手キャラクタのHPを減少させる演出(攻撃演出)が実行され難くする必要があり、バトル前演出の演出効果を低下させてしまう虞があった。
本制御例では、特別図柄が当たりに当選した場合以外にもバトルリーチを発生させ、そのバトルリーチの結果として「引き分け」を設け、バトルリーチにて「引き分け」となった場合には、相手キャラクタのHPの値を初期値に戻してバトル前演出を再開するようにしているため、1回のバトル前演出が長期間実行されることで、バトル前演出の演出効果が低下してしまうという問題を解決することができる。また、バトルリーチの結果に「引き分け」を設けたことで、バトルリーチ中に期待度が低い演出が実行された場合においても、「引き分け」の可能性を残すことができる。
ここで、図93(A)〜図96(B)を参照して、バトルリーチ中に表示される第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。まず、図93(A)は、バトルリーチが開始された直後の表示画面の一例を示した模式図である。ここで、バトルリーチの演出内容について説明をする。本制御例のバトルリーチでは、自身或いは相手の攻撃が計3回実行され、最終的なHPの値によって結果が表示される演出が実行される。攻撃の種類には「強攻撃」、「中攻撃」、「弱攻撃」の3種類があり、それぞれ減少させるHPの値が異なるように設定されている。
バトルリーチが開始されると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域DMの上部に「バトル開始」の文字と、バトルリーチの今回のバトル回数を示す「一回目」の文字が表示される。その下側には自身のHPの値を示すHPゲージDM21と、相手のHPの値を示すHPゲージDM22が表示される。HPゲージDM21には、上限値である「1000」が表示され、HPゲージDM22にはバトル前演出にて減少させた値である「500」が表示される。
HPゲージDM21の下側には、蓄積ゲージDM23が表示される。この蓄積ゲージDM23は、相手に攻撃されたことに基づいて値が蓄積され、蓄積値が「MAX」に到達すると逆転演出が実行されバトルリーチに勝利する演出が実行される。この逆転演出を実行可能とすることで、3回のバトルが繰り広げられるバトルリーチ中において、相手側が優勢な演出が実行されたとしても最後まで大当たりへの期待を持たせることができる。
そして、主表示領域DMの下方にはバトルリーチの進捗を示すための進捗表示領域DM24が形成され、バトルリーチ中の攻撃演出の履歴が表示される。
次に、図93(B)を参照して、バトルリーチ中の1回目の攻撃が自身の場合の表示内容を説明する。図93(B)に示したように、主表示領域DMにて自身のキャラクタ(男の子のキャラクタ)DM11が相手のキャラクタDM15を攻撃(弱攻撃)する演出が実行され、HPゲージDM22の値が「500」から「300」へと減少する。そして、進捗表示領域DM24にはバトル1回目が自身の攻撃であったことを示す「丸印」が表示される。
図93(B)に示したバトル1回目の演出に続き、バトル2回目の演出が実行されると、図94(A)に示した通り、バトル2回目の演出が表示される。ここで、図94(A)では、バトル2回目の演出として相手のキャラクタDM15が攻撃を行う演出が実行され、自身のキャラクタDM11の継続値(HP値)を示すHPゲージDM21の値が「1000」から「700」へと減少すると共に、蓄積ゲージDM23の値が半分(50)貯まる演出が表示される。そして、進捗表示領域DM24には、バトル2回目が相手の攻撃であったことを示す「バツ印」が表示される。
次に、バトル3回目(最後のバトル)の演出が実行されると、図94(B)に示した通り、バトル3回目の演出が表示される。ここで、図94(B)では、バトル3回目の演出として主表示領域DMにて自身のキャラクタ(男の子のキャラクタ)DM11が相手のキャラクタDM15を攻撃(中攻撃)する演出が実行され、HPゲージDM22の値が「300」から「0」へと減少し、今回のバトルリーチが遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たりに当選したことを示すバトルリーチであったことを報知する。そして、小表示領域DN2では、今回の特別図柄の抽選が大当たりであることを示すための第3図柄の組み合わせ表示として「777」が表示される。
本制御例におけるバトルリーチは、図94(B)に示したバトルリーチ(勝利パターン)以外にも、上述したように、引き分けパターンと、敗北パターンが設けられており、引き分けパターンのバトルリーチが設定されている場合は、例えば、図94(B)に示したバトル3回目の演出の代わりに、図95(A)に示した演出が表示される。図95(A)に示した表示例では、バトル3回目の演出として相手のキャラクタDM15が攻撃を行う演出が実行される。引き分けパターンのバトルリーチの場合は、自身のキャラクタDM11のHPゲージDM21の値が0まで減少せず(500まで減少)、自身も相手も継続値(HP値)が0にならないままバトルリーチが終了する。この場合は、新たなバトル演出が実行され、再度バトル前演出(図91参照)が実行される。
図95(A)に示した通り、バトルリーチの最終攻撃(3回目の攻撃)が相手の攻撃の場合であっても、自身の継続値(HP値)が0まで減少しない引き分けパターンを設けることで、バトルリーチの最後まで、遊技者に期待を持たせることができる。なお、図95(A)では、引き分けパターンのバトルリーチとして3回目の攻撃を相手が行うパターン、即ち、3回目の攻撃の時点で、遊技者に今回のバトルリーチが敗北または引き分けの何れかのパターンと思わせる演出を例示したが、それ以外に、引き分けパターンのバトルリーチとして3回目の攻撃を自身が行うパターン、即ち、3回目の攻撃の時点で、遊技者に今回のバトルリーチが勝利または引き分けの何れかのパターンと思わせる演出も実行される。この場合は、3回目の攻撃が行われる時点で、今回のバトルリーチで敗北することが無いため、遊技者を安心させることができる。
また、敗北パターンのバトルリーチが設定されている場合は、例えば、図94(B)に示したバトル3回目の演出の代わりに、図95(B)に示した演出が表示される。図95(B)に示した表示例では、バトル3回目の演出として相手のキャラクタDM15が攻撃を行う演出が実行され、自身のキャラクタDM11のHPゲージDM21の値が0まで減少し、蓄積ゲージDM23の値が上限(MAX)まで蓄積されることなくバトルリーチが終了する。
一方、図96(A)に示した通り、自身のキャラクタDM11のHPゲージDM21の値が0まで減少した場合であっても、蓄積ゲージDM23の値が上限(MAX)まで到達した場合は、主表示領域DMの上部中央に「復活」の文字が表示され、自身のキャラクタDM11が立ち上がり、図96(B)に示した通り、相手のキャラクタDM15を倒す復活演出が実行される。
上述した通り、本制御例におけるバトルリーチ演出は、自身のキャラクタDM11のHPゲージDM21と相手のキャラクタDM15のHPゲージDM22の減少具合に加え、蓄積ゲージDM23の値によっても演出結果が可変するように構成しているため、バトルリーチの最後まで大当たりに期待を持たせることができる。
また、本第1制御例では、バトル前演出の内容(演出態様)を、バトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいて可変可能に構成している。具体的には、図97に示したように、HP表示領域DM17の表示態様を可変させるように構成している。
ここで、図97を参照して、HP表示領域DM17の表示態様について説明をする。図97(A)〜(D)は、バトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいて可変設定されるHP表示領域DM17の表示態様を示した図である。
図97(A)は、HP表示領域DM17の表示態様の一例を示した模式図であって、バトル演出中に相手のキャラクタが入れ替わらないパターンのHP表示領域DM17の表示態様を示した模式図である。図97(A)に示した通り、HP表示領域DM17には、同一の相手のキャラクタ(キャラクタADM13)のみが継続値(HP値)を異ならせて(「700」〜「1000」の4段階)表示されている。このようなHP表示領域DM17が表示された場合には、バトル前演出の相手として必ずキャラクタADM13が設定されることになり、バトル前演出にて実行する自身の攻撃(図92(A)参照)によって、HP表示領域DM17に表示される全てのHP値が減少する演出が実行される。
このような表示態様を用いることで、一度に複数のHP値が減少することになることから、実行される演出を派手にすることができる。また、同一のキャラクタADM13であっても、継続値(HP値)の初期値を異ならせているため、バトルリーチ発展時において、低い継続値(HP値)のキャラクタADM13が選択されることを期待させながら遊技を行うことができる。また、同一のキャラクタADM13に対して、継続値(HP値)の初期値を異ならせることで、同一のキャラクタADM13に対して、大当たりに対する期待度を複数設定することができるため、例えば、大当たり期待度毎に異なる相手キャラクタを設定する場合に比べて、キャラクタを表示するための画像データの種類を削減することができる。
次に、図97(B)に示した模式図は、通常のHP表示領域DM17の表示態様(図91参照)と比べて、各キャラクタA〜Dの表示される順番を異ならせた表示態様を示した模式図である。このような表示態様を用いる場合は、例えば、バトル演出中に相手キャラクタとしての選択度合いをHP表示領域DM17に表示される位置によって異ならせるように構成した場合において、バトル演出中に選択され易い相手キャラクタを可変させることができる。さらに、バトル演出が実行されている間も、HP表示領域DM17に表示されている各キャラクタA〜Dの表示順番を可変するように構成しても良い。
図97(C)は、通常のHP表示領域DM17の表示態様(図91参照)とは異なる相手キャラクタが表示される表示態様を示した模式図である。図97(C)に示した通り、相手キャラクタE及びFが表示される本表示態様では、通常の相手キャラクタA及びBよりも継続値(HP値)の初期値が低い特別相手キャラクタとして相手キャラクタE及びFが選択可能に表示される。このように構成することで、今回のバトル演出において、バトルリーチに勝利することを遊技者に期待させることができる。
また、図97(D)は、通常のHP表示領域DM17の表示態様(図91参照)に対して、選択可能な相手キャラクタの数を減少させた表示態様を示した模式図である。このような表示態様を用いることで、バトル前演出において選択される相手キャラクタの選択肢を減少するため、バトルリーチ発展時の相手キャラクタの継続値(HP値)を予め(バトル前演出中に)減少させやすくすることができる。
以上、説明をしたように、本制御例ではバトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいてHP表示領域DM17の表示態様を可変設定するように構成することで、バトル演出のバリエーションを増加させ、演出効果を高めるようにしているが、例えば、HP表示領域DM17の表示態様によって、遊技者に対して今後の遊技結果を示唆するように構成しても良い。
例えば、図97(C)にて上述した特別相手キャラクタEがバトルリーチの相手に選択された場合には、敗北パターンのバトルリーチが実行されない用に構成すると良い。これにより、バトル前演出において相手キャラクタの継続値(HP値)を減少させる演出に加えて、バトルリーチにて選択される相手キャラクタに対しても遊技者に興味を持たせることができる。また、図97(A)に示した表示態様において相手キャラクタAの代わりに相手キャラクタEが設定される場合には、バトル演出が実行されたタイミングで今回のバトル演出期間中に敗北パターンのバトルリーチが実行されることが無くなるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、バトル演出設定時における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に勝利パターンのバトルリーチが実行される入球情報が含まれている場合には、選択されることで勝利パターンのバトルリーチが実行される特定相手キャラクタが含まれる表示態様を表示するようにしても良い。
また、遊技者が操作可能な枠ボタン22に対する操作結果に基づいてHP表示領域DM17の表示態様を可変設定させるように構成しても良い。この場合、枠ボタン22の操作を受け付けるまでは図91に示した通常のHP表示領域DM17の表示態様が表示され、バトル前演出中に枠ボタン22を操作させる操作演出を実行し、その操作演出に対する操作結果に基づいてHP表示領域DM17の表示態様を、例えば図97(A)〜(D)に上述した表示態様へと可変させるように構成すると良い。
なお、図97(A)〜(D)を参照して上述した例では、異なる継続値(HP値)が設定された場合であってもHPゲージの長さを一定の長さに構成しているため、例えば継続値(HP値)を「100」減少させる場合に、設定されている継続値(HP値)に応じてHP値ゲージの減少割合が異なるように可変表示されるが、そのような表示態様に限ること無く、設定された継続値(HP値)に対応した長さでHPゲージを表示するように構成してもよい。また、HPゲージの長さで残りの継続値(HP値)を容易に把握させるために、HPゲージの長さに応じて、HP値ゲージの表示態様(例えば、色)を可変させるように構成しても良い。
以上説明をしたように構成することで、遊技者に対してバトル演出が繰り返して実行される場合であっても、その演出態様を異ならせることができ、遊技者が演出内容に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、バトル演出が繰り返し実行された回数、及び、バトル演出設定時(バトル前演出設定時)における特別図柄の保留記憶情報(入球情報)に基づいてバトル前演出の演出態様を可変設定するように構成しているが、それ以外の条件を用いて演出態様を可変設定しても良く、例えば、バトル演出を実行可能な遊技状態として、第1遊技状態(例えば、確変状態)と、第1遊技状態よりは遊技者に不利となる第2遊技状態(例えば、時短状態)と、を判別可能に構成し、バトル演出設定時(バトル前演出設定時)における遊技状態が第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかを判別した結果に基づいて演出態様を設定しても良いし、バトル演出設定時(バトル前演出設定時)において保留記憶されている入球情報を判別し、その判別結果として、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態へと移行することを示す入球情報があるか否かの判別結果に基づいて演出態様を設定しても良い。
次に、図98〜図101を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の遊技状態が通常状態に設定されている場合に実行される演出である示唆演出について説明をする。この示唆演出は、特別図柄の変動に対応して第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動演出にて大当たり期待度の高さを示すための特定演出が実行されることを遊技者に事前に示唆するための演出であり、前半パートの前兆演出と、後半パートのカウントダウン演出とから構成される演出である。
まず、図98及び図99を参照して、示唆演出中に第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される内容について説明をする。図98(A)は、示唆演出の前半パートである前兆演出が開始された時点における表示画面の一例を示した模式図であり、図98(B)は、前半パートである前兆演出が終了し、後半パートであるカウントダウン演出が開始された時点における表示画面の一例を示した模式図であり、図99は、示唆演出(カウントダウン演出)が終了し、特定演出が開始された時点における表示画面の一例を示した模式図である。
図98(A)に示した通り、示唆演出が開始されると、副表示領域DSにて前兆演出が実行される。図98(A)に示した例では、「車」を模したキャラクタDC1が、左から右方向に進行する動的演出が実行され、キャラクタDC1が「ゴール」の文字が表示される到着地点DC3に到着することで、カウントダウン演出に切り替わるよう演出が実行される。
そして、キャラクタDC1が到着地点DC3まで移動する際の移動経路として、直線上の経路を示す第1経路DC2Aと、蛇行した経路を示す第2経路DC2Bの何れかが設定されるように構成されており、図98(A)に示した例では、第2経路DC2Bが選択され、キャラクタDC1が蛇行した経路に沿って移動する動的演出が実行されている。
ここで、詳細な説明は図100を参照して後述するが、本第1制御例では、示唆演出のうち前半パートである前兆演出の開始タイミングを複数の地点から選択可能に構成されており、前兆演出が実行される期間が不定であるため、前兆期間演出が実行される期間の長さに応じてキャラクタDC1の経路が選択されるように構成している。これにより、前兆演出が実行された場合において、カウントダウン演出が開始されるタイミングを視覚的に把握することができる。
なお、図98(A)では、前兆演出として、カウントダウン演出が開始されるタイミングを示唆する演出を用いているが、それ以外の演出を前兆演出として用いても良く、例えば、カウントダウン演出が実行されることを遊技者に示唆する演出や、カウントダウン演出の期間を示唆する演出や、カウントダウン演出の対象となる特定演出の種類を示唆する演出を用いてもよい。つまり、示唆演出として今後実行される演出に関する情報を事前に報知する演出であれば良い。
前兆演出が終了すると、図98(B)に示した通り、主表示領域DMの上方に「カウントダウン開始」のコメントが表示され、副表示領域DSでは、キャラクタDC1が到着地点DC3に到着し、カウントダウン期間が3秒間であることを示す「3」の文字がカウントダウン表示領域DC4に表示される。これにより、遊技者に対して、今回のカウントダウン演出が「3」から始まる演出である点、及び、特定演出が実行されるタイミングを具体的に報知することができる。
なお、図98(B)に示した例では、カウントダウン期間が3秒間であるカウントダウン演出を示しているが、本第1制御例では、それ以外のカウントダウン期間(例えば、7秒間)が設定されているカウントダウン演出も有しており、カウントダウン期間が長い程大当たり期待度が高くなるように設定されている。このように構成することで、示唆演出のうち前半パートである前兆演出中は、カウントダウン演出が開始されるタイミングと今回の変動パターンを予測しながら、長いカウントダウン期間が設定されたカウントダウン演出が実行されることを期待させることができる。
図98(B)に示したカウントダウン演出が終了すると、図99に示した通り、副表示領域DSのカウントダウン表示領域DC4にカウントダウン期間が終了したことを示す「0」の文字が表示され、主表示領域DMでは、特定演出として枠ボタン22を模した画像が表示される操作演出が実行される。
次に、図100及び図101を参照して、本第1制御例の示唆演出として実行される前兆演出およびカウントダウン演出を設定する流れについて説明をする。本第1制御例では、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に報知するために示唆演出が実行され、その示唆演出の後半パートに実行されるカウントダウン演出では、対象となる特定演出の実行タイミングを正確(具体的)に報知する演出(図98(B)参照)が実行され、前半パートに実行される前兆演出では、特定演出が実行される旨を直接的、或いは間接的に示唆する演出(図98(A)参照)が実行される。
ここで、従来から第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動演出において、所定タイミングで特定演出が実行されることを遊技者に示唆(報知)するための示唆演出を予め定められた所定期間実行する構成が用いられていた。このように示唆演出が実行される期間を予め定めてしまうと、変動演出において実行される他の演出(例えば、示唆演出よりも高い当たり期待度を示唆する演出)と実行期間が重複してしまう場合に禁則処理を施して示唆演出が実行されないようにする場合があった。また、示唆演出が実行される期間を確保できないタイミングで実行される特定演出に対して示唆演出を実行することが出来ないという問題があった。
上述した問題を解決するために、予め定められた所定期間を異ならせた複数の示唆演出データを用意してしまうと、記憶容量が増加し、更に、変動演出を設定する際の処理が煩雑になるという新たな問題が発生する。
そこで、本制御例では、示唆演出の実行タイミングと終了タイミングとを別々に設定し、示唆演出が実行される期間が調整可能となるように構成している。具体的には、示唆演出の対象となる特定演出の実行タイミングに基づいて示唆演出の終了タイミング(後半パートであるカウントダウン演出の終了タイミング)を設定し、示唆演出の開始タイミング(前半パートである前兆演出の開始タイミング)を複数の地点から設定可能に構成している。
このように構成することで、実行される期間を予め設定することなく示唆演出を実行することができる。また、示唆演出の開始タイミングを複数の地点から設定可能に構成しているため、例えば、特別図柄の抽選結果に基づいて示唆演出が実行される期間を可変(例えば、大当たりに当選した場合には示唆演出が実行される期間を長く設定)したり、他の演出の実行タイミングに応じて示唆演出の開始タイミングを可変させたりすることが可能となる。よって、示唆演出を設定する際の自由度を高めることができる。
図100(A)は、60秒の変動時間が設定されている変動演出において示唆演出を実行する流れを示したタイミングチャートである。図100(A)に示した例では、変動開始から10秒後或いは20秒後に示唆演出を開始可能なタイミングが設定され、変動開始から33秒後に特定演出である「PUSH演出」が実行されるように設定されている。そして、特定演出が実行されるタイミング(変動開始から33秒後)で、カウントダウン演出(実行期間3秒)が終了するように、カウントダウン期間(変動開始から30〜33秒)が設定される。そして、今回の変動が大当たりに当選した場合であるため、複数の開始タイミングの中から、示唆演出期間をより長く設定可能なタイミング(変動開始から10秒後のタイミング)を、示唆演出の開始タイミングとして設定する。
これにより、図100(A)に示した例では、変動開始から10秒後に前兆演出(演出期間20秒)が実行された後に(変動開始から30秒経過後に)、カウントダウン演出(演出期間3秒)が実行される。そして、カウントダウン演出の演出期間の終了タイミングで特定演出(「PUSH演出」)が実行される。なお、今回の変動が大当たりに当選していない場合は、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)として、示唆演出期間が短くなるタイミング(変動開始から20秒後のタイミング)が設定される。
このように、所定の変動演出の特定タイミングで実行される特定演出を対象に示唆演出を実行する場合において、特別図柄の抽選結果に基づいて示唆演出の開始タイミングを設定する構成を用いることで、示唆演出期間の長さを特別図柄の抽選結果に基づいて可変させることが可能となり、遊技者に対して演出期間の長さを意識させることができる。よって、演出効果を高めることができる。
また、示唆演出期間の長さを可変させる場合であっても、示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出期間、つまり、特定演出の実行タイミングを具体的(正確)に報知する演出を実行する期間は、特定演出の実行タイミングに基づいて設定されるように構成しているため、示唆演出の効果が低下することを抑制することができる。
即ち、示唆演出期間の長さを可変する場合には、示唆演出の前半パートである前兆演出が実行される期間のみが可変するように構成している。この前兆演出は、上述したように特定演出が実行される旨を直接的、或いは間接的に示唆するものであり、その演出期間の長さを変更しても、示唆演出の後半パートに実行されるカウントダウン演出によって特定演出が実行されるタイミングを遊技者に確実に報知することができる。
次に、図100(B)を参照して、図100(A)を参照して上述した変動演出Aとは異なる変動演出Bにて実行される示唆演出の流れについて説明をする。図100(B)は、変動演出Bにて実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図100(B)に示した変動演出Bは、上述した変動演出Aとは異なり、示唆演出の対象にし得る特定演出が複数設定されている変動演出である。この変動演出Bにて実行される変動演出の設定方法について、上述した変動演出Aと相違する点を中心に説明する。変動演出Bには、変動開始から10秒後或いは20秒後に示唆演出を開始可能なタイミングが設定され、変動開始から26秒後或いは30秒後に特定演出を実行可能なタイミングが設定されている。
変動演出Bでは、変動開始から26秒後に実行可能な特定演出として男の子のキャラクタが第3図柄表示装置81の表示画面全体を覆うように大きく表示される「カットイン演出」(図示せず)と、変動開始から30秒後に実行可能な特定演出として「PUSH演出」(図99参照)と、が設定可能に構成されている。この2つの特定演出は大当たり期待度が同一に設定されており、設定される示唆演出に対応した方の特定演出が実行される。
図100(B)に示した変動演出では、上述した図100(A)と同様に、特別図柄の抽選結果に基づいて示唆演出が実行される期間が設定されるように構成され、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、示唆演出の開始タイミングとして変動開始から10秒後のタイミングが、特定演出として、変動開始から40秒後に実行される「PUSH演出」が設定され易くなるように構成している。
より具体的には、大当たり期待度が高い順に、上述した示唆演出が最も大当たり期待度が高いパターンであって、次いで、変動開始から17秒後のタイミングを示唆演出の開始タイミングとして設定し、「PUSH演出」を特定演出として設定するパターン、変動開始から10秒後のタイミングを示唆演出の開始タイミングとして設定し、「カットイン演出」を特定演出として設定するパターン、変動開始から17秒後のタイミングを示唆演出の開始タイミングとして設定し、「カットイン演出」を特定演出として設定するパターンの順で大当たり期待度に対応して示唆演出が設定される。
さらに、図100(B)に示した変動演出Bでは、設定された示唆演出期間の長さに応じて、カウントダウン演出の開始タイミング(カウントダウン期間の長さ)も可変可能に構成しており、最も大当たり期待度の高い演出パターンが設定された場合には、カウントダウン演出の開始タイミングを、特定演出が実行される7秒前に設定し、カウントダウン演出を開始した直後に第3図柄表示装置81の副表示領域DSのカウントダウン表示領域DC4(図98(B)参照)に「7」の文字を表示するカウントダウン演出が実行される。
また、本第1制御例では、複数の変動演出を跨いだ示唆演出を実行可能に構成している。この複数の変動演出を跨いで実行される示唆演出の流れについて図101を参照して説明をする。図101は、連続する特別図柄変動2回分に対応した変動演出を跨いで示唆演出が設定される場合の演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図101に示した通り、本制御例では、変動演出実行中に新たな保留記憶を獲得した場合に、新たに獲得した保留記憶に含まれる情報(当否判定結果、変動パターン等)を事前に判別(先読み)し、その判別結果に基づいて該当する保留記憶に対応する変動演出よりも前に実行される変動演出の演出態様を設定可能に構成している。
具体的には、保留記憶が無い状態で変動演出C(変動時間30秒)の変動が開始され、変動開始から15秒経過したタイミング(変動演出Cの残期間が15秒の状態)で、第1入球口64或いは第2入球口140に球が入球し、新たな保留記憶(次回の変動演出に対応する保留記憶)を獲得すると、その新たな保留記憶に含まれる情報に基づいて、示唆演出を実行するか否かを判別する。
ここで、次回の変動演出が示唆演出を実行する変動演出であると判別した場合には、現在の変動演出の残期間が所定期間(例えば、10秒)以上であるかを判別する。図101に示した例では、新たな保留記憶を獲得したタイミングが変動演出Cの残期間が15秒のタイミングであるため、現在の変動演出の残期間が所定期間以上であると判別し、現在の変動演出における所定タイミング(変動開始から20秒経過したタイミング)に示唆演出の開始タイミングを設定し、次回の変動演出(変動演出D)において、変動開始から5秒後に実行される特定演出(特定演出C)を対象としてカウントダウン演出(演出期間3秒)を設定する。
上述したように、連続して実行される変動演出(変動演出C,D)を跨いで示唆演出の開始タイミング及び示唆演出の終了タイミング(特定演出の開始タイミング)を設定することで、変動演出Cが変動開始から20秒経過すると、示唆演出の前半パートである前兆演出が、変動演出Cが終了するまでの期間(10秒間)実行される。そして、変動演出Dの変動開始タイミングからカウントダウン演出が実行されるまでの期間(2秒間)も前兆演出が継続して実行され、その後(変動演出Dの変動開始から2秒後)、カウントダウン演出が3秒間実行された後に、特典演出Cが実行される。
図101に示した例によれば、特定演出が実行される変動演出の前に実行される変動演出において示唆演出を実行することができるため、変動演出の序盤(例えば、変動開始から5秒後)に実行される特定演出に対しても示唆演出を実行することができる。よって、示唆演出の自由度をより高めることができる。
さらに、図101に示した例において、新たな保留記憶を獲得したタイミングが変動演出Cの残期間が所定期間未満(10秒未満)の場合(例えば、図101に示した追加入賞Bのタイミングの場合)には、変動演出Dの特定演出Cを対象に示唆演出を実行する期間を確保することが出来ないため、特定演出Cを対象とした示唆演出が設定されないように構成している。
なお、上述した例では、追加入賞したタイミング(新たな保留記憶を獲得したタイミング)に基づいて、次回以降の変動演出において実行される特定演出を対象に示唆演出を実行するか否かを判別する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、追加入賞したタイミング(新たな保留記憶を獲得したタイミング)に基づいて、次回以降の変動演出において特定演出を実行するタイミングを可変させるように構成してもよい。
このように構成することで、複数の変動演出を跨いで実行される示唆演出を設定し易くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、図101では、複数の変動演出を跨いで実行される示唆演出の一例として、変動演出実行中に、次回の変動演出の開始条件が成立した場合における示唆演出の流れについて説明をしたが、それ以外の条件で複数の変動演出を跨いだ示唆演出を実行するようにしても良い。
例えば、次回の変動演出の開始条件が成立している状態で、次々回の変動演出の開始条件が成立した場合において、次々回の変動演出内の何れのタイミングを特定演出の実行タイミングとして設定し、現在実行中の変動演出の残期間、或いは、次回の変動演出が実行される期間の何れかのタイミングに示唆演出を実行するタイミングを設定するように構成しても良い。
この場合、現在実行中の変動演出において実行される演出、および、次回の変動演出中に実行される演出の内容を判別し、その判別結果、及び、次々回の変動演出に対応する特別図柄の抽選結果に基づいて、示唆演出の開始タイミングを設定するように構成すると良い。このように構成することで、例えば、現在変動中の変動演出と、次回の変動演出とを一連の演出とする連続演出が設定されている場合には、次々回の変動演出に向けて示唆演出を実行せず、現在変動中の変動演出の終了タイミング、即ち、次回の変動演出の開始タイミングにおいて、特別な演出を実行することが設定されている場合には、次回の変動演出期間内で示唆演出の開始タイミングを設定し、現在変動中の変動演出、および、次回の変動演出において、示唆演出の設定を禁止する要因が無い場合には、現在変動中の変動演出の残期間、或いは次回の変動演出の期間の何れかに示唆演出の開始タイミングを設定することができる。
また、次回(次々回)の変動演出の開始条件が成立した場合に、その変動演出が大当たり当選に対応する変動演出であるかを判別し、その判別結果に基づいて示唆演出の開始タイミングを実行中の変動演出の残期間、或いは、次回(次々回)の変動演出の実行期間の何れかに設定するようにしても良い。これにより、1回の変動演出期間よりも長い期間の示唆演出期間を容易に設定することができる。
なお、本第1制御例では、1つの特定演出を対象に示唆演出を実行する構成としているが、複数の特定演出を対象に示唆演出を実行するように構成してもよい。この場合、共通の前兆演出が実行される前兆期間と、複数の特定演出のそれぞれに対応してカウントダウン演出を実行するカウントダウン期間と、を設定するように構成するとよい。このように構成することで、幾つの特定演出を対象に示唆演出が実行されたのかを予測しながら遊技を行うことができ、演出効果を高めることができる。
加えて、前兆演出が実行されている間に、特定演出を対象としない疑似的なカウントダウン演出(疑似カウントダウン演出)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、どのタイミングで実行される特定演出に対して、示唆演出が実行されたのかを分かり難くすることができる。
次に、図102〜図104を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の遊技状態が通常状態に設定されている場合に実行される演出である期待度示唆演出について説明をする。この期待度示唆演出は、大当たりの当選期待度を段階的に報知可能な期待度表示態様を複数表示する期待度表示演出と、その期待度表示態様の表示態様を可変させる(大当たりの当選期待度が高い表示態様に可変させる)ための期待度上昇演出とから構成される演出である。
まず、図102(A)を参照して、本第1制御例の期待度示唆演出に用いられる期待度表示態様について説明をする。図102(A)は、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される期待度表示態様の一例を模式的に示した模式図である。図102(A)に示した通り、本制御例では、複数の期待度表示態様DK1〜DK3が表示される。
期待度表示態様DK1は、実行中の変動演出に対応する情報を示す実行中表示を用いて大当たり期待度を示しているものであって、図102(A)では、大当たり期待度を示す「LV2」が表示されている。この期待度表示態様DK1は、詳細は後述するが、変動演出が開始されてから10秒後に表示されるものであり、複数の期待度表示態様DK1〜DK3の中で最も早く表示画面に表示される。
期待度表示態様DK2は、変動演出中に登場するキャラクタを用いて大当たり期待度を示しているものであって、図102(A)では、大当たり期待度を示す「LV1」が表示されている。この期待度表示態様DK2は、詳細は後述するが、変動演出が開始されてから24秒後に表示される。
期待度表示態様DK3は、変動演出の内容や進捗情報を示すセリフ表示を用いて大当たり期待度を示しているものであって、図102(A)では、大当たり期待度を示す「LV2」が表示されている。この期待度表示態様DK3は、詳細は後述するが、変動演出が開始されてから36秒後に表示される。
なお、図102(A)では、各期待度表示態様を段階的に示すLV表示で示しているが、大当たり期待度を段階的に報知可能な態様であれば良く、例えば、大当たり期待度に対応させて各表示態様の色や、動的演出の速度や、出力される音量や光量の大きさを段階的に可変させる構成を用いても良い。また、成長過程や変身過程を示す演出態様を最終態様に向けて段階的に可変させる構成を用いても良い。
また、期待度表示態様DK1に表示される実行中表示については、例えば、副表示領域DSの第1表示領域DS1に表示される保留図柄表示の表示態様を継続して表示するように構成してもよい。これにより、保留図柄表示中にその保留図柄の表示態様を可変させる演出(保留図柄予告演出)が実行された場合に、可変された保留図柄の表示態様を継続して実行中表示として用いることができるため、遊技者に対して実行中の変動表示と、保留図柄表示との関係を分かり易くすることができる。
期待度示唆演出が実行されると、図102(A)に示した期待度表示態様DK1〜DK3が表示される期待度表示演出に加え、期待度表示態様DK1〜DK3の表示態様を可変(上昇)させるための期待度上昇(上乗せ)演出が実行される(図102(B)参照)。
図102(B)に示した通り、期待度上昇(上乗せ)演出が実行されると、まず、期待度設定演出として、異なる上昇(上乗せ)値が表示される選択領域DK4A〜DK4Cを有した表示態様(ルーレット)DK4が回転表示され、ルーレットDK4が停止した際に矢印DK5に指定された選択領域に表示されている上昇(上乗せ)値が設定される。
この上昇(上乗せ)値は、期待度示唆演出中に表示される各期待度表示態様の表示態様を可変させる可変量を示すものであり、上昇(上乗せ)値として「1UP」が設定された場合は、各期待度表示態様の何れか1つに対して、現在表示されている表示態様よりも、大当たり期待度が段階的に1つ高い表示態様へと可変される演出が実行されることを示している。
このように構成することで、期待度上昇(上乗せ)演出が実行されることで、今回の期待度示唆演出中に表示される各期待度表示態様の可変量のみを報知することが可能となる。よって、遊技者は、既に高い大当たり期待度に対応する表示態様が表示されている期待度表示態様の期待度が更に可変(上昇)することを期待しながら期待度上昇(上乗せ)演出を楽しむことができる。
なお、本制御例では、期待度上昇(上乗せ)演出にて設定される上昇(上乗せ)値として、今回の期待度上昇(上乗せ)演出が実行されている間に可変(上昇)する各期待度表示態様の可変量を合算した値が設定されるように構成している。これにより、例えば、上昇(上乗せ)値として「3UP」が設定された場合に、1つの期待度表示態様の表示態様が3段階分可変するのか、3つの期待度表示態様がそれぞれ1段階分可変するのかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、遊技者に対して期待度示唆演出の演出結果を早期に把握されてしまうことを抑制し、演出効果を高めることができる。
次に。図103(A)を参照して上昇(上乗せ)値として「3UP」が設定された場合における演出内容について説明をする。図103(A)は、設定された上昇(上乗せ)値を用いて各期待度表示態様の表示態様を可変(上昇)させる場合の一例を示した模式図である。
図103(A)に示した例によれば、上昇(上乗せ)として「3UP」が設定され、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される期待度表示態様DK1〜DK3のそれぞれが1段階ずつ可変表示される。具体的には、期待度表示態様DK1の表示態様が「LV2」から「LV3」に可変し、期待度表示態様DK2の表示態様が「LV1」から「LV2」に可変し、期待度表示態様DK3の表示態様が「LV2」から「LV3」に可変する。
なお、上述した図103(A)では、全ての期待度表示態様DK1〜DK3の表示態様を同時に可変させるパターンを例示しているが、各期待度表示態様DK1〜DK3の表示態様を異なるタイミングで可変させるように構成してもよい。この場合は、期待度上昇(上乗せ)演出にて設定された上昇(上乗せ)値のうち、何れかの期待度表示態様の表示態様を可変させた可変量に対応する値を減算した上昇(上乗せ)値を残上昇(上乗せ)として表示画面に表示される。このように構成することで、表示画面に表示される残上昇(上乗せ)値と、表示態様が可変されていない期待度表示態様とに基づいて演出結果を具体的に予測することができ、演出効果を高めることができる。さらに、同一の期待度表示態様に対して、タイミングを異ならせて複数回、表示態様を可変させるように期待度上昇(上乗せ)演出を実行するように構成しても良い。このようにすることで、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
また、本制御例では、1つの変動演出において異なるタイミングで表示される複数の期待度表示態様DK1〜DK3のそれぞれが継続して表示されることで、図103(A)に示したように表示画面に同時に表示されるように構成しているが、各期待度表示態様DK1〜DK3が同時に表示される期間を設けなくても良いし、複数の期待度表示態様DK1〜DK3の表示タイミングのうち、少なくとも一部の表示タイミングを同時に設定してもよい。
さらに、期待度上昇(上乗せ)演出において、上昇(上乗せ)値が設定される対象となる期待度表示態様を遊技者に報知するように構成しても良い(図103(B)参照)。この場合は、図103(B)に示したように、主表示領域DMの上方に対象となる期待度表示態様を示唆する「少年のレベルを上げるよ」のコメントが表示される。このコメントが表示されることにより、遊技者は、今回の期待度示唆演出の対象となる期待度表示態様が何であるかを把握することができ、今後の演出の進展を予測しながら楽しんで遊技を行うことができる。
次に、図104を参照して、本制御例で実行される期待度表示演出の流れについて説明をする。図104は期待度表示演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。図104に示した通り、1つの変動パターン(スーパーリーチ60秒)において、大当たり当選の期待度を段階的に示す期待度表示態様DK1〜DK3がタイミングを異ならせて表示される。具体的には、期待度表示態様DK1(期待度1表示)が変動開始から12秒後に表示され、期待度表示態様DK2(期待度2表示)が変動開始から24秒後に表示され、期待度表示態様DK3(期待度3表示)が変動開始から36秒後に表示される。
そして、各期待度表示態様DK1〜DK3の表示態様を上昇(上乗せ)させる期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が変動開始から5秒、17秒、29秒の何れかのタイミングで表示される。ここで、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)は、表示される(実行される)タイミングに応じて、期待度を上昇させる対象となる期待度表示態様が異なるように構成されており、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が実行された後に表示される期待度表示態様が対象となるように構成している。
具体的には、変動開始から5秒後に期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が表示された場合は、期待度表示態様DK1〜DK3の全てを対象とし、変動開始から17秒後に期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が表示された場合は、期待度表示態様DK2,DK3を対象とし、変動開始から29秒後に期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が表示された場合は、期待度表示態様DK3のみを対象とした演出が実行される。
このように構成することで、表示タイミング(実行タイミング)を異ならせるだけで、同一の演出態様である期待度上昇演出の演出内容を異ならせることができる。また、複数の期待度表示態様を対象として期待度上昇演出が実行されるため、期待度上昇演出にて報知される期待度が、どの期待度表示態様の期待度をどれくらい上昇させるのかを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、上述したように、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)の対象を表示タイミングが後に設定されている期待度表示態様としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が実行された時点で第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている期待度表示態様を対象としても良いし、上述した期待度表示態様を組み合わせたものを対象としても良い。このように構成することで、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)によってどの期待度表示態様の表示態様が可変するのか(期待度が上昇するのか)を遊技者が予測し難くすることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)の演出効果を高めるために、複数の期待度表示態様のうち少なくとも1つを遊技者が選択可能な選択手段と、その選択手段により選択された期待度表示態様が、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)により表示態様が可変される対象であるかを判別する対象判別手段と、選択手段により選択された期待度表示態様が期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)により表示態様が可変される対象であると対象判別手段により判別された場合に、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)によって表示態様を可変する可変制御手段と、を設けても良い。このように構成することで遊技者参加型の演出を提供することができ、意欲的に遊技に参加させることができる。
この場合、例えば、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)の対象となる期待度表示態様を示唆する示唆報知を、遊技者が選択手段により期待度表示態様を選択する期間よりも前の期間に実行する示唆報知手段を設けると良い。これにより、遊技者に対して選択手段により選択する対象範囲を限定することができ、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)が実行される確率を高めることができる。
また、選択手段により選択された期待度表示態様が、期待度表示態様が期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)により表示態様が可変される対象ではないと対象判別手段により判別された場合に、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)にて設定された上昇(上乗せ)値を用いた異なる演出を実行する演出切替手段を設けた構成すると良い。これにより、既に表示画面に表示された上昇(上乗せ)値を遊技者に違和感を与えることなる消化することができる。
上述した異なる演出としては、例えば、保留記憶されている入賞情報の内容を遊技者に事前に報知するための演出や、特典を得るために遊技者が貯めている値(例えば、遊技レベルや経験値)を上昇させるための演出といった遊技者に有利となる演出でも良いし、期待度表示態様の期待度が下がるように演出態様を可変させる演出(期待度下降演出)といった遊技者に不利となる演出でも良い。
加えて、期待度上昇演出(期待度上乗せ表示)にて設定された上昇(上乗せ)値に対応させて、演出切替手段により切替られた演出の表示態様を可変させるように構成する手段を設けても良い。さらに、遊技者が選択手段による期待度上昇態様の選択を行わなかった場合には、対象ではない期待度表示態様が自動的に選択される構成にしても良いし、対象となる期待度表示態様が自動的に選択される構成にしても良い。なお、対象となる期待度表示態様が自動的に選択される場合であれば、選択手段により対象とならない期待度表示態様を選択した方が遊技者に有利となる演出が実行されるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して積極的に選択手段による期待度表示態様の選択を行わせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図105から図125を参照して、第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、パチンコ機10に設けられた主制御装置110の詳細について説明する。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図113参照)が設けられている。
ここで、まず、図113を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図126参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図136参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄1保留球格納エリア203Aと第2入球口140に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄2保留球格納エリア203Bとが設けられている。上述した通り、本制御例では、第1入球口64、および第2入球口140に対し、保留球がそれぞれ最大4個まで設けられている。このため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納され、第2入球口140のいずれかに球が入賞すると、各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。その後、特別図柄1保留球格納エリア203A、および特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納された各カウンタ値のうち、時間的に最も古いカウンタ値が実行エリアに移動されて、特別図柄1、または特別図柄2を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中等の特別図柄1の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64、または第2入球口140に入賞し、且つ、入賞した入球口に対応する保留球数が上限値(本制御例では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、特別図柄1保留球格納エリア203A、または特別図柄2保留球格納エリア203Bに記憶される。また、対応する保留個数が上限値(本制御例では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、3個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本制御例では、保留球数の上限値は、第1入球口64、および第2入球口140に対してそれぞれ4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、第1入球口64と第2入球口140とで保留球数の上限値を異ならせてもよいし、上限値を設けない構成としてもよい。さらに、第1入球口64と、第2入球口140の何れかに対してのみ保留球格納エリアを設け、何れか一方のみ保留球を格納できるようにしてもよい。
図113を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜238)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜238の値を取り得るカウンタの場合は238)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜238の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜238の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図126参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図136参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口140に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に設けられた第1当たり乱数テーブル202A(図106(A)参照)に規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202Aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定される。
ここで、図106(A)を参照して、第1当たり乱数テーブル202Aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202Aは、特別図柄1または特別図柄2の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図106(A)に示した通り、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、特別図柄1、または特別図柄2の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるかが判別されて、「7」であれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、特別図柄1、または特別図柄2の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「5〜9」の範囲内であるか判別されて、「5〜9」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。
ここで、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜238の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「7」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202Aに格納されている。このように乱数値の総数が239ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/239」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は5個あり、その乱数値である「5〜9」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202Aに格納されている。このように乱数値の総数が239ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/47.8」となる。
図113に戻って説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜199の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202C(図107参照)とに基づいて、大当たりA〜Kのいずれかの大当たり種別が選択されることとなる。
ここで、図107を参照して、第1当たり種別選択テーブル202Cの詳細について説明する。図107に示した通り、この第1当たり種別選択テーブル202Cには、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲毎に、選択される大当たり種別が対応付けて規定されている。より具体的には、図107に示した通り、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な確変状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が20個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
また、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜79」の範囲には、「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別である。大当たり中に実行されるラウンド数は、「大当たりA」よりも少ないが大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な確変状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が60個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は30%である。
対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜114」の範囲には、「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が100回設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が35個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は17.5%である。
また、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「115〜164」の範囲には、「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりD」が選択される乱数値が50個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が選択される割合は25%である。
そして、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「165〜199」の範囲には、「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態が低確率状態で且つ時短状態では無い場合(通常状態である場合)には、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が設定され、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外(高確率状態または時短状態)の場合には、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が100回設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりE」が選択される乱数値が35個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が選択される割合は17.5%である。
次に、対応する図柄種別が特別図柄2(特図2)の場合も、上述した特図2の場合と同様に、第1当たり種別選択テーブル202Cに規定されている内容に基づいて「大当たりF」〜「大当たりK」が選択される。なお、詳細な説明は省略するが、対応する図柄種別が特図2の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)は、対応する図柄種別が特図1の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)に対して、ラウンド数が15ラウンドの大当たり(「大当たりF」)が選択される割合が高くなるように設定(選択割合が80%)されている。これにより、特別図柄の大当たりに当選した場合に、1回の大当たりにおいて遊技者が多量の球を獲得可能となる大当たりは、特図1よりも特図2で大当たりに当選したほうが高くなるため、特図1の抽選と特図2の抽選とで、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。
一方、対応する図柄種別が特図2の場合には、対応する図柄種別が特図1の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)よりも不利となる大当たり種別(第1当たり種別)が選択される場合がある。具体的には、「大当たりI」〜「大当たりK」が選択された場合には、特図1の場合に選択される大当たり種別の中で最も少ないラウンド数である5ラウンドよりも少ない2ラウンドが設定される。
加えて、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が付与される大当たり種別である「大当たりH」、「大当たりJ」、「大当たりK」が選択された場合には、対応する図柄種別が特図1の場合に選択される大当たり種別(第1当たり種別)において、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が付与される場合に設定される回数(時短回数)(100回)よりも少ない回数(50回や25回)が設定される。
このように、特図1の抽選で大当たりになった場合と、特図2の抽選で大当たりになった場合とで、実行される大当たり遊技の内容(ラウンド数)や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることにより、遊技を複雑にすることができるとともに、遊技者に常時過剰な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
さらに、大当たりに当選した時点における遊技状態に基づいて、大当たり終了後に設定される遊技状態が異なるように構成しているため、特別図柄の大当たりを目指す遊技において、設定されている遊技状態を意識しながら遊技を行うことになる。具体的には、同一の確率(例えば、低確率状態)で大当たり抽選が行われる遊技状態であっても、時短状態である場合と通常状態である場合とで大当たり終了後に設定される遊技状態が異なり、時短状態である場合のほうが遊技者に有利となる遊技状態が設定される。これにより、特定期間中(時短中)において特別図柄の大当たりに当選することを強く期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、特図1で大当たりに当選した場合と、特図2で大当たりに当選した場合とで、大当たり終了後に大当たり確率が向上する高確率状態が設定される割合が同一となるように第1当たり種別選択テーブル202Cを規定しているが、これに限ること無く、高確率状態が設定される割合を異ならせても良い。また、第1当たり種別選択テーブル202Cに基づいて大当たり種別(第1当たり種別)を選択し、その大当たり中に球を特定領域に通過させることで、大当たり終了後に確変状態(高確率状態)を付与する遊技機においては、特図1で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技と、特図2で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技とで、上述した特定領域への球の通過のし易さを異ならせるように構成してもよい。これにより、大当たりに当選した特別図柄によって、遊技者に付与される特典をより異ならせることができる。
さらに、大当たりに当選した特別図柄によって、遊技者に付与される特典を異ならせる方法として、例えば、大当たり遊技中に球が入賞可能となる可変入賞装置65(図2参照)を複数設け、実行される大当たりによって、その大当たり遊技中に球が入賞可能となる可変入賞装置65が異なるように構成してもよい。この場合、複数の可変入賞装置65への球の入賞のし易さや、球が入賞した場合に払い出される賞球数や、1回の開放動作を終了させる終了条件(入球数や制限時間)を異ならせるようにするとよい。これにより、大当たりに当選した特別図柄によって、遊技者に付与される特典をより異ならせることができる。
図113に戻って説明を続ける。停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64、または第2入球口140に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203A、または特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本制御例ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターンテーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図136参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202D(図108、図109参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202Dには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図108、図109参照)。この変動パターン選択テーブル202Dには、遊技状態に応じた複数の変動パターンテーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターンテーブルが設定されている。各変動パターンテーブルの詳細については、図108、および図109を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理(図126参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)66,67(以下、普通入球口(スルーゲート)67と称す)を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cに格納される。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202B(図106(B)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202Bに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。この第2当たり乱数テーブル202Bの詳細について、図106(B)を参照して説明する。
図106(B)は、第2当たり乱数テーブル202Bの内容を模式的に示した模式図である。この第2図柄当たり乱数テーブル202Bにおいて、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は2個あり、その範囲は「5〜6」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が2個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/120」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜6」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口140に付随する電動役物140Aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口140に付随する電動役物140Aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物140Aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口140へ球が入球し易い状態となる。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物140Aが「1秒間×2回」だけ開放される構成としたが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
なお、詳細は、後述する普通図柄変動処理(図132参照)を参照して後述するが、本制御例では、普通図柄の抽選時(当たり判別時)における普通図柄の状態(低確率または高確率)に応じて、普通図柄の変動表示時間が決定され、普通図柄の変動が停止したタイミングにおける普通図柄の状態(低確率または高確率)に応じて、普通図柄が当たりに当選した場合に付与される特典の内容、即ち、電動役物140Aの開放動作内容が決定されるように構成されている。
つまり、普通図柄の高確率中(時短状態中)に普通図柄の変動が開始される場合は、普通図柄の変動時間として短変動時間(例えば、3秒)が設定され、その短変動中に普通図柄の状態が低確率状態へと移行した場合(時短状態から通常状態へと移行した場合)は、短変動終了後に当たりを示す普通図柄が停止表示されたとしても、電動役物140Aは普通図柄の低確率中(通常状態中)の開放動作(例えば、「0.2秒間×1回」)が実行される。
このように構成することにより、特別図柄の変動と、普通図柄の変動とが別個独立して実行されるパチンコ機10であって、特別図柄の抽選結果や抽選回数によって可変し得る遊技状態に基づいて普通図柄の変動時間や、当たり当選時の特典内容が決定される場合において、普通図柄の変動時間を普通図柄の抽選時の遊技状態に基づいて決定し、普通図柄の当たり当選時の特典内容を普通図柄の変動停止時(電動役物140Aの開放動作時)の遊技状態に基づいて決定することができるため、普通図柄の動作内容と、設定されている遊技状態と、が相違する事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動制御としては、上述した本制御例の内容に限られることなく、他の制御を用いても当然良く、例えば、普通図柄の抽選時の遊技状態に基づいて、変動時間および特典内容(電動役物140Aの開放動作内容)を設定するようにしてもよい。また、普通図柄の抽選時および普通図柄の変動停止時(電動役物140Aの開放動作時)の何れも普通図柄の高確率状態(時短状態)である場合のみ、普通図柄の当たり当選時の特典(電動役物140Aの開放動作内容)が遊技者に有利となる特典(例えば「1秒間×2回」)を設定するようにしてもよいし、普通図柄の抽選時および普通図柄の変動停止時(電動役物140Aの開放動作時)が共に普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合のみ、普通図柄の当たり当選時の特典を遊技者に不利となる特典(例えば「0.2秒間×1回」)が設定されるようにしてもよい。
また、上述した複数の設定方法を切り替えて実行するように構成してもよく、例えば、普通図柄の高確率状態である確変状態中は、最も遊技者に有利となる組み合わせ(普通図柄の抽選時および普通図柄の変動停止時(電動役物140Aの開放動作時)が共に普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合以外は全て遊技者に有利な特典が付与される組み合わせ)を設定し、普通図柄の高確率状態である時短状態中は、確変状態中よりは遊技者に不利となる組み合わせ(普通図柄の変動停止時(電動役物140Aの開放動作時)が普通図柄の高確率状態である場合に遊技者に有利な特典が付与される組み合わせ)を設定するように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の高確率状態の中にさらに有利不利を設定することができ、遊技の興趣を高めることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図126参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図136参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図105(A)を参照して、本第1制御例におけるROM202の内容について説明する。図105(A)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202A、第2当たり乱数テーブル202B、第1当たり種別選択テーブル202C、変動パターン選択テーブル202D、大当たり移行設定テーブル202E、および状態移行テーブル202Fが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202A(図106(A)参照)は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。第2当たり乱数テーブル202B(図106(B)参照)は、上述した通り、第2当たり乱数カウンタC4の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。第1当たり種別選択テーブル202C(図107参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、上述した通り、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。これらの各テーブルについては、各種カウンタの説明と共に既に詳述したので、ここではその説明を省略する。
変動パターン選択テーブル202Dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。この変動パターン選択テーブル202Dの詳細について、図108、および図109を参照して説明する。
図108(A)は、本第1制御例における変動パターン選択テーブル202Dの構成を示したブロック図である。図108(A)に示した通り、本第1制御例における変動パターン選択テーブル202Dは、遊技状態に関わらず大当たりに当選した場合の変動パターンを選択するために用いられる大当たり用変動パターンテーブル202D1と、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であって、外れに当選した場合の変動パターンを選択するために用いられる外れ用(通常)変動パターンテーブル202D2と、通常状態以外の遊技状態(確変状態、または時短状態)であって、外れに当選した場合の変動パターンを選択するために用いられる外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3と、特別図柄の抽選結果に関わらず特殊条件が成立した場合の変動パターンを選択するために用いられる特殊変動パターンテーブル202D4と、から構成されている。
まず、図108(B)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202D1の詳細について説明する。図108(B)に示した通り、大当たり用変動パターンテーブル202D1には、変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図108(B)に示した通り、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「50〜179」の範囲に変動時間が60秒の当たりスーパーリーチ各種が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「180〜198」の範囲に変動時間が90秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。このように、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選した場合には、変動パターンとして、変動時間が30秒、60秒、90秒の何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
図108(B)に示した通り、大当たり用変動パターンテーブル202D1にて選択される変動パターン(変動時間)は、60秒(選択割合が約55%)、30秒(選択割合が約25%)、90秒(選択割合が約20%)の順で選択され易くなるように規定されている。これは、後述する特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される変動パターンテーブルの規定内容と関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、本制御例では、当選した大当たり種別に関わらず、大当たり用変動パターンテーブル202D1を用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が確変大当たりを示す大当たり種別である場合と、通常大当たりを示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図108(C)を参照して、外れ用(通常)変動パターンテーブル202D2の詳細について説明する。図108(C)に示した通り、外れ用(通常)変動パターンテーブル202D2には、停止種別が「完全外れ」、「リーチ共通」の場合における変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図108(C)に示した通り、停止種別が「完全外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「99〜198」の範囲に変動時間が10秒の長外れが対応付けて規定されている。この、停止種別として「完全外れ」が選択された場合は、第3図柄表示装置81上に表示される第3図柄がリーチ状態になること無く停止表示される。
また、停止種別が「リーチ共通」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「149〜197」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ各種が対応付けて規定され、「198」の範囲に変動時間が90秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図108(D)を参照して、外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3の詳細について説明をする。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3は、特別図柄の抽選結果が外れであって、遊技状態が確変状態(時短状態)である場合に参照される。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3には、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202D2と同様に、停止種別が「完全外れ」、「リーチ共通」の場合における変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図108(D)に示した通り、停止種別が「完全外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」の範囲に変動時間が3秒の超短外れが対応付けて規定され、「191〜198」の範囲に変動時間が5秒の短外れが対応付けて規定されている。
また、停止種別が「リーチ共通」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」の範囲に変動時間が30秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「191〜198」の範囲に変動時間が60秒のスーパーリーチ各種が対応付けて規定されている。つまり、遊技状態が確変状態(時短状態)の場合には、特別図柄の抽選結果が外れの場合において、90秒の変動時間が選択されることが無いように規定されている。よって、遊技状態が確変状態(時短状態)に、90秒の変動時間(変動パターン)が選択された場合は、特別図柄の大当たりに当選した場合のみとなる。なお、この場合には、第3図柄表示装置81にて大当たりを祝福する特典演出が実行される。これにより、遊技者に有利な遊技状態である確変状態(時短状態)中に長時間の変動パターンが実行された後に特別図柄の外れが報知され遊技者に不満を与えてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をしたように、遊技状態として確変状態(時短状態)が設定され、外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3が用いられる場合には、遊技状態として通常状態が設定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202D2が用いられる場合よりも、特別図柄の変動時間が短くなるように設定しているため、遊技者に有利な遊技状態である確変状態(時短状態)中における特別図柄の抽選を効率良く行うことができる。なお、詳細な説明は省略したが、遊技状態として確変状態(時短状態)が設定されている場合は、通常状態が設定されている場合よりも、特別図柄が外れの際に、停止種別がリーチ外れとなる割合が低くなるように設定されている。よって、遊技状態が確変状態(時短状態)中は、リーチ外れの出現頻度が低下するため(変動時間が長い外れ変動が実行され難くなるため)、遊技者に有利な遊技状態である確変状態(時短状態)中における特別図柄の抽選をより効率良く行うことができる。
次に、図109を参照して、特殊変動パターンテーブル202D4の詳細について説明する。この特殊変動パターンテーブル202D4は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態または時短状態となる場合における特図変動4回転分の変動パターンを選択するための変動パターンテーブルであって、上述した連続大当たり演出中の特図変動(図89(A)参照)の変動パターンを選択する際に参照される。
図109に示した通り、特殊変動パターンテーブル202D4は、大当たり終了後の特別図柄(特図)変動回数、特別図柄の抽選結果、および、変動種別カウンタCS1の値に対応付けて変動パターンが規定されている。具体的には、大当たり終了後の1回目〜3回目の特別図柄変動では、特別図柄の抽選結果、及び、変動種別カウンタCS1の値に関わらず変動時間が0.5秒の超短外れ(超短当たり)が規定される。
大当たり終了後の4回目の特別図柄変動では、特別図柄の抽選結果が外れの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず変動時間が0.5秒の超短外れが規定され、特別図柄の抽選結果が当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲に変動時間が0.5秒の超短当たりが規定され、「180〜198」の範囲に変動時間が32.5秒の特殊当たりが規定される。
このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が確変状態または時短状態の場合に、特別図柄4回転分の変動を即座に実行することができる。これにより、上述した連続大当たり演出のように、複数回の大当たり遊技を用いて一連の大当たり演出を実行する場合に、大当たり遊技間に実行される特別図柄の変動期間を短縮することができ、演出効果を高めることができる。
また、詳細は後述するが、本制御例では、遊技状態として確変状態または時短状態が設定されている状態(連荘モード中)において、大当たり終了後に再度確変状態または時短状態が設定される大当たりに当選した場合に、特殊変動パターンテーブル202D4を用いて変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、確変状態(時短状態)が継続して実行される状態でのみ、大当たり終了後の所定回数(4回)分の特別図柄変動時間を短縮することができる。
これにより、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態にて、大当たり終了後に確変状態または時短状態が設定される大当たり(例えば、大当たりA〜大当たりD)に当選した場合、つまり、大当たり終了後に、特別図柄1の保留記憶が存在し、且つ、特別図柄2の保留記憶が無いため、特別図柄1の図柄変動が実行され易くなる状態では、大当たり用変動パターンテーブル202D1または外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3を参照して変動パターンが設定される。
一方、確変状態(時短状態)が設定されている状態にて、大当たり終了後に確変状態または時短状態が設定される大当たり(例えば、大当たりF〜大当たりK)に当選した場合、つまり、大当たり終了後に、特別図柄2の保留記憶が存在し、特別図柄2の図柄変動が実行され易くなる状態では、特殊変動パターンその特別図柄変動が0.5秒の超短変動に設定されることになる。
さらに、図109の特殊変動パターンテーブル202D4に示した通り、本制御例では、大当たり終了後の4回転目に当たり当選した場合の一部(約10%)の割合で、特殊当たりに対応する変動パターン(変動時間32.5秒)が選択されるように構成している。
このように構成することで、特殊変動パターンテーブル202D4を参照して変動パターンが選択される状態において大当たりに当選した場合に、前回の大当たり遊技から継続した一連の大当たり演出(連続大当たり演出)とは別に、連続して大当たりに当選したことを祝福する特別な演出を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して様々な大当たり演出を提供することができ演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、大当たり終了後の変動回数が4回目の一部において特殊当たり変動(32.5秒)が選択されるように特殊変動パターンテーブル202D4を規定しているが、これに限ること無く、大当たり終了後の変動回数が1〜3回目の一部においても特殊当たり変動(32.5秒)が選択されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選結果が外れの場合に、0.5秒以外の変動時間が設定される変動パターン(例えば、変動時間10秒)が選択されるように特殊変動パターンテーブル202D4を規定してもよい。このように構成することで、大当たり終了後の変動回数が4回に到達するまでに0.5秒以上の変動が実行された場合に、遊技者に対して大当たり当選に期待を持たせることができるため、特別図柄の変動時間を意識した遊技を行わせることができる。
次に、図110を参照して、大当たり移行設定テーブル202Eの詳細について説明する。この大当たり移行設定テーブル202Eは、大当たり終了後に設定される遊技状態を規定するためのテーブルであって、第1当たり種別選択テーブル202Cを参照して選択された大当たり種別(大当たりA〜大当たりK)と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに対応付けて、状態移行ステータス(状態移行1〜状態移行9)が規定されている。
この大当たり移行設定テーブル202Eは、後述する大当たり制御処理(図134参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合(S1211:YES)に、参照され(S1213)、選択された状態移行ステータスにより、後述する状態移行テーブル202Fに規定されている規定内容に則って遊技状態が設定される。
大当たり移行設定テーブル202Eの内容について具体的に説明すると、大当たり種別が「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりF」、「大当たりG」、「大当たりH」の何れかであって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行1」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行2」が設定される。
状態移行ステータスとして「状態移行1」が設定された場合は、後述する状態移行テーブル202F(図111参照)の状態移行1テーブル202F1に規定される内容に基づいて遊技状態が設定され、「状態移行2」が設定された場合は、状態移行2テーブル202F2に規定される内容に基づいて遊技状態が設定される。
次に、大当たり種別が「大当たりC」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行3」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行4」が設定され、大当たり種別が「大当たりE」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行5」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行4」が設定される。
さらに、大当たり種別が「大当たりH」或いは「大当たりJ」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行6」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行7」が設定され、大当たり種別が「大当たりK」であって、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態(ST1)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行8」が設定され、「確変状態(高確率時短あり)(ST2)」、或いは「時短状態(低確率時短あり)(ST3)」の場合は、状態移行ステータスとして「状態移行9」が設定される。
状態移行ステータスとして「状態移行3」〜「状態移行9」の何れかが設定された場合は、後述する状態移行テーブル202F(図111参照)の状態移行3テーブル202F3〜状態移行9テーブル202F9のうち、対応するテーブルに規定される内容に基づいて遊技状態が設定される。
ここで、図111(A)を参照して、状態移行テーブル202Fの内容について詳細に説明をする。この状態移行テーブル202Fは、特別図柄の変動回数に基づいて遊技状態や変動パターンテーブルといった状態ステータスを移行させるために用いられるテーブルであって、主制御装置110のRAM203に記憶される規定回数カウンタ203Jの値に基づいて状態ステータスを移行させるものである。この状態移行テーブル202Fは、大当たり制御処理(図137参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1211:YES)、規定回数カウンタ203Jを取得する際に参照され(S1214)、変動回数減算処理(図129参照)において、規定回数カウンタ203Jの値が0であると判別した場合に(S409:YES)、次の状態ステータスを設定するために参照される(S410)。
図111(A)は、本第1制御例における状態移行テーブル202Fの構成を示したブロック図である。図111(A)に示した通り、本第1制御例における状態移行テーブル202Fは、上述した大当たり移行設定テーブル202Eを用いて設定された状態移行ステータス(「状態移行1」〜「状態移行9」)に対応した状態移行テーブル(「状態移行1テーブル202F1」〜「状態移行9テーブル202F9」)により構成されている。
まず、図111(B)を参照して、状態移行1テーブル202F1の詳細について説明する。状態移行1テーブル202F1は、状態移行ステータスとして「状態移行1」が設定された場合に参照されるテーブルであり、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST2(確変状態)」が規定されている。つまり、状態移行1テーブル202F1が用いられる状態(「状態移行1」が設定される状態)では、確変状態が次回大当たりに当選するまで継続して設定される。
次に、図111(C)を参照して、状態移行2テーブル202F2の詳細について説明する。状態移行2テーブル202F2は、状態移行ステータスとして「状態移行2」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行2テーブル202F2には、規定回数カウンタ203Jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST2A(確変状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST2(確変状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST2A」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST2」が設定される。
ここで、状態ステータスとして「ST2A」が設定されている場合は、特別図柄の変動パターンを選択する際に、変動パターン選択テーブル202Dのうち特殊変動パターンテーブル202D4が用いられるように設定されている。このように構成することで、継続して同一の遊技状態(確変状態)が設定されている状態において、特定期間のみ特殊変動パターンテーブル202D4を用いて変動パターンを選択する規則を予め設定することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減させることができる。
図111(D)は、状態移行3テーブル202F3の規定内容を示したブロック図である。状態移行3テーブル202F3は、状態移行ステータスとして「状態移行3」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行3テーブル202F3には、規定回数カウンタ203Jの値として「100」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST3」が設定され(時短状態で特別図柄の変動回数が100回となるまで時短状態が設定され)、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。
図111(E)は、状態移行4テーブル202F4の規定内容を示したブロック図である。状態移行4テーブル202F4は、状態移行ステータスとして「状態移行4」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行4テーブル202F4には、規定回数カウンタ203Jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3A(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「96」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで(特別図柄が4回変動するまで)状態ステータスとして「ST3A」が設定され、その後、特別図柄が96回変動するまで状態ステータスとして「ST3(時短状態)」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。これにより、大当たり終了後に時短状態(100回)が設定される場合において、最初に実行される4回分の特別図柄変動のみ特殊変動パターンテーブル202D4を参照して変動パターンを選択することができる。
図111(F)は、状態移行5テーブル202F5の規定内容を示したブロック図である。状態移行5テーブル202F5は、状態移行ステータスとして「状態移行5」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行5テーブル202F5には、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」が規定されている。つまり、大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されること無く、通常状態が設定される。
図112(A)は、状態移行6テーブル202F6の規定内容を示したブロック図である。状態移行6テーブル202F6は、状態移行ステータスとして「状態移行6」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行6テーブル202F6には、規定回数カウンタ203Jの値として「50」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST3」が設定され(時短状態で特別図柄の変動回数が50回となるまで時短状態が設定され)、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。
図112(B)は、状態移行7テーブル202F7の規定内容を示したブロック図である。状態移行7テーブル202F7は、状態移行ステータスとして「状態移行7」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行7テーブル202F7には、規定回数カウンタ203Jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3A(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「46」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで(特別図柄が4回変動するまで)状態ステータスとして「ST3A」が設定され、その後、特別図柄が46回変動するまで状態ステータスとして「ST3(時短状態)」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。これにより、大当たり終了後に時短状態(50回)が設定される場合において、最初に実行される4回分の特別図柄変動のみ特殊変動パターンテーブル202D4を参照して変動パターンを選択することができる。
図112(C)は、状態移行8テーブル202F8の規定内容を示したブロック図である。状態移行8テーブル202F8は、状態移行ステータスとして「状態移行8」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行8テーブル202F8には、規定回数カウンタ203Jの値として「25」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで状態ステータスとして「ST3」が設定され(時短状態で特別図柄の変動回数が25回となるまで時短状態が設定され)、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。
図112(D)は、状態移行9テーブル202F9の規定内容を示したブロック図である。状態移行9テーブル202F9は、状態移行ステータスとして「状態移行9」が設定された場合に参照されるテーブルである。この状態移行9テーブル202F9には、規定回数カウンタ203Jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3A(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「21」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された状態ステータス「ST1(通常状態)」とが規定されている。つまり、大当たり終了後にまず、規定回数カウンタ203Jの値が「0」となるまで(特別図柄が4回変動するまで)状態ステータスとして「ST3A」が設定され、その後、特別図柄が21回変動するまで状態ステータスとして「ST3(時短状態)」が設定され、その後、状態ステータスとして「ST1(通常状態)」が設定される。これにより、大当たり終了後に時短状態(25回)が設定される場合において、最初に実行される4回分の特別図柄変動のみ特殊変動パターンテーブル202D4を参照して変動パターンを選択することができる。
以上、説明をしたように、本第1制御例では、特別図柄の大当たりに当選した場合に、当選した大当たりの大当たり種別と、大当たりに当選した時点において設定されている遊技状態と、に基づいて、大当たり終了後に設定される遊技状態や、大当たり終了後の特別図柄の変動パターンを選択するために用いる変動パターンテーブルを異ならせることができる。これにより、遊技の内容をより複雑にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、特殊変動パターンテーブル202D4を用いて変動パターンを選択する期間を、大当たり終了後の特別図柄変動1〜4回転分としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、大当たり終了直後に実行される特別図柄変動ではなく、大当たりが終了してから11回転目〜14回転目にて特殊変動パターンテーブル202D4を用いるように構成しても良い。このように構成する場合は、状態移行テーブルを、規定回数カウンタ203Jの値として「10」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「4」が設定された状態ステータス「ST3A(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「46」が設定された状態ステータス「ST3(時短状態)」と、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定された「ST1(通常状態)」とが規定されるように構成するとよい。このように構成することで、大当たり終了後11回転〜14回転目の変動パターンを、特殊変動パターンテーブルを用いて選択することができる。
このように、上述した状態移行テーブルの構成を用いることで、大当たりの終了を起点として設定される状態ステータスと、その状態ステータスが継続する特別図柄の変動回数(規定回数)とを対応付けて設定するだけで、遊技仕様を容易に設定することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、遊技仕様を変更する場合においても、状態移行テーブルの内容を変更すれば良いため、遊技仕様の変更を容易に行うことができる。
さらに、本第1制御例では、遊技状態として通常状態が設定される場合には(状態ステータスとしてST1が設定される場合には)、規定回数カウンタ203Jの値として「0」が設定され、常に同一の変動パターンテーブル(大当たり用変動パターンテーブル202D1或いは外れ用(通常)変動パターンテーブル202D2)が参照されるように構成しているが、遊技状態が通常状態の場合に参照可能な変動パターンテーブルを複数設け、規定回数カウンタ203Jの値に対応させて異なる変動パターンテーブルを参照するように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として時短状態が設定されている状態で、時短終了条件が成立し(例えば、特別図柄の変動回数が50回に到達し)、遊技状態が通常状態へと移行する場合に(状態移行6テーブル202F6にて規定回数カウンタ203Jの値が「0」となった場合に)、状態ステータスST1に対応させて、規定回数カウンタ203Jの値を「10」に設定する。
そして、状態ステータスST1が設定されている状態で規定回数カウンタ203Jの値が「0」より大きい場合は、特殊変動(通常)パターンテーブルを参照して変動パターンを選択するように構成すれば良い。このように構成することで、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した直後に、いつもとは異なる変動パターンを選択可能となるため、遊技者に対して、遊技者に有利な遊技状態が未だ継続していると思わせることができる。
なお、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、特殊な変動パターンテーブルを参照する期間は、第3図柄表示装置81に表示される変動演出の演出態様や、音声出力装置226から出力される音声態様や、ランプ表示装置227から出力される発光態様がその期間に対応した特殊な態様となるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対してより特別感を提供することができる。また、特殊な変動パターンテーブルが参照されている期間中に大当たりに当選した場合にも、通常の大当たり中の演出とは異なる特殊な演出態様を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して特殊な期間中に大当たりに当選したことを実感させることができ、演出効果を高めることができる。
本第1制御例では、個々の状態移行ステータスに対応させて、状態移行テーブルを設けているが、状態移行テーブルの設定内容が共通する箇所については、共通の状態移行テーブルを用いても良い。このように構成することで、主制御装置110のROM202が記憶するデータ量を削減することができる。
加えて、本第1制御例では、規定回数カウンタ203Jの値に基づいて状態ステータスを可変させることで参照される変動パターンテーブルを切り替える構成を用いているが、それ以外の要素に用いて状態ステータスを可変させるようにしても良い。例えば、状態移行6テーブル202F6を参照している状態において、状態ステータスST3が設定され、規定回数カウンタ203Jの値が「40」の場合に、特別図柄の抽選結果は外れではあるが、少量の特典(可変入賞装置65を短期間(例えば、3秒)開放する特典)を付与可能な抽選結果(所謂、小当たり)に当選すると、状態ステータスをST3からST3Bに可変させ、規定回数カウンタ203Jの値を「4」に設定し、状態ステータスST3Bが設定し、規定回数カウンタ203Jの値が「0」よりも大きい場合(「1」〜「4」の場合)は、小当たり後専用の変動パターンテーブルを参照する。参照する変動パターンテーブルを切り替えるようにしても良い。このように構成することで、小当たりに当選した後の所定期間(特別図柄が4回変動するまでの期間)のみ、専用の変動パターンを選択することができる。
なお、状態ステータスST3Bが設定されている状態で、規定回数カウンタ203Jの値が「0」になると、再度状態ステータスST3が設定されるように構成し、規定回数カウンタ203Jの値として、状態ステータスST3Bが設定されている間にカウントされた値分減算した「35」を設定するように構成することで、遊技状態として時短状態が設定される期間(特別図柄が50回変動するまでの期間)を変えることなく、その時短状態中に当選した小当たりに基づいて所定期間(特別図柄が4回変動するまでの期間)の間、専用の変動パターンを選択し、実行することができる。
また、詳細は図129を参照して後述するが、特別図柄の変動が実行される場合に規定回数カウンタ203Jの値が減算するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果として上述した小当たりを有するパチンコ機10であれば、小当たりに当選した回数に基づいて規定回数カウンタ203Jの値を減算するように構成してもよい。このように、特別図柄の変動回数ではなく、特別図柄の抽選結果に基づいて(特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果となった回数に基づいて)参照する変動パターンテーブルを切り替えることで、時短状態における特別図柄の変動回数の推移とは異なるタイミングで参照する変動パターンテーブルを可変することができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
次に、RAM203の詳細について、図105(B)を参照して説明する。図105(B)は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図105(B)に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203Aと、特別図柄2保留球格納エリア203Bと、普通図柄保留球格納エリア203Cと、特別図柄1保留球数カウンタ203Dと、特別図柄2保留球数カウンタ203Eと、普通図柄保留球数カウンタ203Fと、確変フラグ203Gと、時短中カウンタ203Hと、状態ステータス記憶エリア203Iと、規定回数カウンタ203Jと、その他メモリエリア203Zとを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203Aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、および変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3,CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203Aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3,CS1の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3,CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203Aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3,CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3,CS1の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223Aに格納する。
特別図柄2保留球格納エリア203Bは、特別図柄1保留球格納エリア203Aと同様に、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有している。この特別図柄2保留球格納エリア203Bには、第2入球口140への始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が格納される。
普通図柄保留球格納エリア203Cは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203Aや特別図柄2保留球格納エリア203Bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203Aや特別図柄2保留球格納エリア203Bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄1の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値N1は、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して特別図柄1の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図130のS504参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、新たに特別図柄1の変動表示が実行される毎に、1減算される(図127のS210参照)。
特別図柄2保留球数カウンタ203Eは、第2入球口140への入球に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄1の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値N2は、特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同様に、初期値がゼロに設定されており、第2入球口140へ球が入球して特別図柄2の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図130のS510参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203Eは、新たに特別図柄1の変動表示が実行される毎に、1減算される(図127のS205参照)。
これらの特別図柄1保留球数カウンタ203D(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)、および特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図127のS206,S211、図130のS505,S511参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値、および特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203D、および特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された特別図柄1、および特別図柄2の変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223B1、特別図柄2保留球数カウンタ223B2によって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに保留図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203Fは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203Fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図133のS804参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fは、新たに普通図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図132のS705参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203Cに記憶される(図133のS805)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203Fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203Cには新たに何も記憶されない(図133のS803:NO)。
確変フラグ203Gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203Gの値がオンの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示す。一方、確変フラグ203Gがオフの状態であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203Gは、初期状態がオフに設定されており、「大当たりA,B,D,F,G,I」の終了タイミングとなる度にオンに設定される(大当たり制御処理(図137参照)のS1212)。一方、確変フラグ203Gは、パチンコ機10の電源が遮断されるか、大当たりの開始が設定される度にオフとなる(特別図柄変動処理(図127参照)のS218)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図128参照)が実行されると、特別図柄1、或いは特別図柄2の抽選が実行される。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203Gが参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄1、或いは特別図柄2の抽選が行われる。一方、確変フラグ203Gがオフであれば、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄1、或いは特別図柄2の抽選が行われる(図128のS303,S304参照)。
なお、本制御例では、遊技状態として確変状態が設定されている間は、普通図柄の時短状態も設定される。このため、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、確変フラグ203Gと、時短中カウンタ203Hの値と、が参照されて、普通図柄の時短状態であるか否かが判別される。具体的には、時短中カウンタ203Hの値が1以上であるか、または、確変フラグ203Gがオンであれば(時短状態、または確変状態であれば)、普通図柄の時短状態と判別されて、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる。一方、時短中カウンタ203Hの値が0で、且つ、確変フラグ203Gがオフであれば(時短状態でも確変状態でもなければ)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図132のS709,S710参照)。
時短中カウンタ203Hは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203Hの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203Hの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203Hは、初期値が0に設定されており、主制御装置110において特別図柄の大当たりに当選し、その大当たりの終了時に大当たり種別に対応した値が設定される(図137のS1212)。具体的には、大当たり種別が「大当たりC」の場合には、大当たりの終了時に時短中カウンタ203Hの値として「100」が設定され、「大当たりH,J」の場合には、大当たりの終了時に時短中カウンタ203Hの値として「50」が設定され、「大当たりK」の場合には、大当たりの終了時に時短中カウンタ203Hの値として「25」が設定される。
なお、大当たり種別が「大当たりE」の場合には、大当たりに当選した時点の遊技状態によって、大当たり終了時に設定する時短中カウンタ203Hの値が異なるように設定されており、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態(低確率時短あり)または確変状態(高確率時短あり)であれば、時短中カウンタ203Hの値として「100」が設定され、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態(低確率時短なし)であれば、時短中カウンタ203Hの値が設定されることがない。
その後、時短中カウンタ203Hの値が0になるまで、特別図柄1、または特別図柄2の変動表示が終了する毎に1が減算される(図129のS402)。また、時短中カウンタ203Hの値が1以上の場合であっても、大当たりに当選した場合には、その値が0にリセットされる(図127のS218)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203Hの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203Hの値が0であり、且つ、後述する確変フラグ203Gがオフであれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図132のS709,S710参照)。
状態ステータス記憶エリア203Iは、状態移行テーブル202Fによって設定される現在の状態ステータス(ST)の情報を格納するための記憶領域である。この状態ステータス記憶エリア203Iには、大当たり制御処理(図137参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1211:YES)、つまり、大当たりの終了時点で、取得した状態ステータスが格納され、その後、変動回数減算処理(図129参照)において、特別図柄が変動する度に減算される規定回数カウンタ203Jの値が0となった場合に(S409:YES)、新たに設定された状態ステータスが格納される。
規定回数カウンタ203Jは、特別図柄の変動回数が規定回数に到達したことを計測するためのカウンタである。この規定回数カウンタ203Jは、大当たり制御処理(図137参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1211:YES)、つまり、大当たりの終了時点で、取得した規定回数に対応する値が設定され(S1213)、その後、変動回数減算処理(図129参照)において、特別図柄が変動する度に減算される(S407)。この規定回数カウンタ203Jの値が「1」から「0」となった場合に、対応する状態移行テーブル202Fに規定されている内容に基づいて新たな状態ステータスが設定される。
その他メモリエリア203Zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
次に、図114から図119を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図114(A)は、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した模式図である。図114(A)に示した通り、ROM222は、変動パターンテーブル222Aと、保留ランク選択テーブル222Bと、大当たり中演出選択テーブル222Cと、上乗せ数選択テーブル222Dと、継続演出モード選択テーブル222Eと、継続値主選択テーブル222Fと、継続値副選択テーブル222Gと、最終態様選択テーブル222Hと、期待度選択テーブル222Iと、期待度演出選択テーブル222Jとを少なくとも有している。
変動パターンテーブル222Aは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動演出(変動表示)の態様に基づいて、変動演出(変動表示)の詳細な態様を選択するために参照されるテーブルである。この変動パターンテーブル222Aから選択された変動演出の態様に基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される(図147のS3812参照)。
保留ランク選択テーブル222Bは、特別図柄の保留状況に基づいた保留ランクを選択するためのテーブルであって、選択された保留ランクに基づいて大当たり中の演出が決定される。ここで、この保留ランク選択テーブル222Bの詳細について、図115(B)を参照して説明する。
図115(B)は、保留ランク選択テーブル222Bの規定内容を示した図である。図115(B)に示した通り、この保留ランク選択テーブル222Bは、特別図柄2の保留球数(特別図柄の保留球数)と、特別図柄2の保留球に大当たりを示す入賞情報があるか否かの判別結果とに基づいて保留ランクが対応付けて規定されている。このように構成することで、大当たり中に実行される演出を、大当たり終了後に実行される特別図柄(特別図柄2)の変動結果(抽選結果)に基づいて決定することができる。
ここで、本制御例は、特別図柄1の保留球と特別図柄2の保留球とが両方存在する場合において、特別図柄2の保留球を優先して消化する処理が実行される(図127参照)ように構成している。つまり、特別図柄1の保留球が消化されるタイミングは不定となる。
よって、本制御例では、大当たり終了後に優先して変動する特別図柄2の保留球(大当たり終了後の変動順が確定している保留球)及び特別図柄2の保留球に含まれる入賞情報に基づいて保留ランクが選択されるように構成し、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動結果(抽選結果)に基づいた大当たり演出を実行可能としている。
なお、特別図柄1の保留球と特別図柄2の保留球とが両方存在する場合において、保留された順番(第1入球口64、第2入球口140に入球した順番)に保留球を消化する構成(所謂、入賞順消化)を用いたパチンコ機10であれば、特別図柄2の保留球数ではなく、全ての保留球数や、消化順に所定球数(例えば、4個)を対象として保留ランクを選択するように構成すれば良い。これにより、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動結果(抽選結果)に基づいた大当たり演出を実行可能とすることができる。
図115(B)を参照して、保留ランク選択テーブル222Bの内容を具体的に説明すると、特別図柄(特別図柄2)の保留球数が「1〜3」であって、その中に当たりを示す入賞情報が「ある」場合は保留ランク「3」が選択され、当たりを示す入賞情報が「ない」場合は保留ランク「2」が選択される。
また、特別図柄(特別図柄2)の保留数が「4」であって、その中に当たりを示す入賞情報が「ある」場合は保留ランク「4」が選択され、当たりを示す入賞情報が「ない」場合は保留ランク「1」が選択される。なお、特別図柄(特別図柄2)の保留数が「0」の場合は、保留ランク選択テーブル222Bを用いることなく保留ランク「1」が選択される。
保留ランク選択テーブル222Bを参照して選択された保留ランクは後述する大当たり中演出選択テーブル222Cにおいて参照される。次に、図115(C)を参照して大当たり中演出選択テーブル222Cについて説明をする。この大当たり中演出選択テーブル222Cは、大当たり中に実行される演出を選択するためのテーブルであって、当たり関連コマンド処理(図142参照)においてオープニングコマンドを受信し(S3301:YES)、大当たり中演出設定処理(図143参照)を実行する場合に参照される(S3406)。
この大当たり中演出選択テーブル222Cには、保留ランク選択テーブル222Bにて選択された保留ランクと、第1演出カウンタ223Y1とに対応付けて大当たり中演出が規定されている。具体的には、保留ランクが「1」であって、第1演出カウンタ223Y1の値が「0〜99」の範囲には「通常当たり用演出」が規定されている。この「通常当たり用演出」は、1回の大当たり遊技中に完結する演出(図83(B)参照)であり、実行される大当たりの大当たり種別に対応した演出が実行される。
保留ランクが「1」であって、第1演出カウンタ223Y1の値が「100〜149」の範囲には、「上乗せ用演出」が規定されている。この「上乗せ用演出」は、図83(A)にて上述したように、1回の大当たりにて実行されるラウンド遊技の数を部分的に表示(例えば、15ラウンド当たりの場合に、先に5ラウンド分表示)し、大当たり遊技が進行することで、残りのラウンド数(未表示分のラウンド数)を表示する演出である。
大当たり中に「上乗せ用演出」が実行された場合は、現在実行中の大当たりが何ラウンドの大当たりであるのかを遊技者に分かり難くすることができ、大当たり遊技中における演出を注視させることができる。さらに、本第1制御例の「上乗せ用演出」は、複数の大当たりに短期間で当選した場合(先の大当たり終了時に取得している入賞情報(保留図柄)に次の大当たりが含まれている場合)において、次の大当たりのラウンド数を先の大当たりのラウンド数に合算することにより、複数の大当たりを跨いで実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、「上乗せ用演出」が実行されている間に、大当たりに何回当選したのかを分かり難くすることができる。よって、「上乗せ用演出」によって、合計で何ラウンド分の表示がされるのかを楽しみながら遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例の「上乗せ用演出」では、1回の大当たりで実行されるラウンド数を分割して表示可能とし、且つ、複数の大当たりで実行されるラウンド数を合算して表示可能としているため、1回の「上乗せ用演出」が実行されている間に当選した大当たりの回数や、各大当たりで実行されるラウンド数を遊技者に分かり難くすることができる。これにより、例えば、1回の大当たり中に実行されるラウンド数が15ラウンドの場合に、大当たり終了後の遊技状態として必ず確変状態が設定されるパチンコ機10において、15ラウンドの大当たりに当選したことを分かり難くし、大当たり終了後にどの遊技状態が設定されるのかを予測させながら遊技を行わせることができる。
加えて、大当たり中に実行される演出として、大当たり終了後に設定される遊技状態を示唆する演出を用いる場合において、その演出の結果が表示されるよりも前に、1回の大当たり中に実行されるラウンド数を把握することで、大当たり終了後に設定される遊技状態が特定されてしまい演出効果が低下してしまう事態を抑制することができる。
次に、保留ランクが「2」であって、第1演出カウンタ223Y1の値が「0〜49」の範囲には「通常当たり用演出」が規定されており、第1演出カウンタ223Y1の値が「50〜149」の範囲には「上乗せ用演出」が規定されている。保留ランクが「3」であって、第1演出カウンタ223Y1の値が「0〜49」の範囲には「通常当たり用演出」が規定されており、第1演出カウンタ223Y1の値が「50〜99」の範囲には「上乗せ用演出」が規定されており、第1演出カウンタ223Y1の値が「100〜149」の範囲には、「連続当たり用演出」が規定されている。
この「連続当たり用演出」は、図84にて上述したように、複数の大当たりに当選していることを先の(1回目の)大当たり遊技が開始された時点で遊技者に報知する演出(図84参照)である。ここで実行される「連続当たり用演出」としては、例えば、1回目の大当たりのラウンド数(例えば15ラウンド)と、2回目の大当たりのラウンド数(例えば10ラウンド)とを合算した値(例えば25ラウンド)が、1回の大当たり遊技が開始された(1回目の大当たりの1ラウンド目が開始された)時点で報知される演出が実行される。
このように「連続当たり用演出」を実行することで、遊技者に対して複数の大当たりに当選したことを早期に報知することができ、遊技者に優越感を与えながら安心して大当たり遊技を行わせることができる。
保留ランクが「4」であって、第1演出カウンタ223Y1の値が「0〜49」の範囲には、「通常当たり用演出」が規定されており、「50〜149」の範囲には、「連続当たり用演出」が規定されている。
以上、説明をしたように、本制御例では、選択された保留ランクと、取得した第1演出カウンタ223Y1の値に基づいて、大当たり中に異なる演出(大当たり中演出)を実行するように構成しているため、大当たり中に実行される演出に遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、選択される大当たり中演出によって、保留内に次の大当たりが含まれていることを遊技者に報知するタイミングを異ならせているため、例えば、先の大当たり遊技が終了したタイミングにおいて、次の大当たりに当選する保留図柄の有無(保留内連荘の有無)を報知するパチンコ機のように、特定のタイミングでのみ保留内連荘の有無を報知する場合に比べて、次の大当たり当選に対して期待を持たせながら大当たり遊技を実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、保留ランクに応じて選択される大当たり中演出の内容や割合を異ならせているため、遊技者に過度な期待を持たせることを抑制し、且つ、大当たり遊技中に第2入球口140に入賞した球の先読み結果も考慮可能な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
具体的には、保留ランクが「1」の場合、つまり、大当たり当選時に保留図柄数が上限値であって、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報が無い場合は、保留内連荘が実行されることが無いため、通常当たり用演出または上乗せ用演出の何れかが選択されるように規定し、通常当たり用演出が選択されやすくなるように選択割合を規定している。つまり、大当たりに当選した時点で保留ランクが「1」の場合は、遊技者に対して、保留内連荘への過度な期待を持たせることの無い「通常当たり用演出」、または、今回の大当たりが何ラウンドの大当たりであるのかを分かり難くする「上乗せ用演出」の何れかが実行される。
保留ランクが「2」の場合、つまり、大当たり当選時に保留図柄数が上限ではなく、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報が無い場合は、保留ランクが「1」とは異なり、大当たり遊技中に新たな保留図柄を獲得する可能性がある。よって、大当たり当選時において保留内連荘が確定していなくても、大当たり遊技中に保留内連荘が確定する場合に対応するために、保留ランクが「1」の場合よりも、「上乗せ用演出」が選択される割合が高く設定されている。これにより、大当たり遊技中に大当たりに当選する保留図柄を獲得した場合には、その旨を「上乗せ用演出」によって、遊技者に報知することができる。
保留ランクが「3」の場合、つまり、大当たり当選時に保留図柄数が上限ではなく、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報がある場合、即ち、保留図柄が上限ではなく、保留内連荘が確定している状態で大当たり遊技が実行される場合は、上述した「通常当たり用演出」と「上乗せ用演出」に加え、保留内連荘が確定していることを早期に報知可能な「連続当たり用演出」を選択可能にし、保留ランクが「4」の場合、つまり、保留図柄が上限で、且つ、その保留図柄内に大当たりに対応する入賞情報がある場合は、「通常当たり用演出」、「連続当たり用演出」の何れかが選択されるように規定している。
即ち、既に、保留内連荘が確定している保留ランク「3」、「4」において、保留ランク「3」は、大当たり遊技中に新たな保留球(入賞情報)を獲得可能な状態であることから、「上乗せ用演出」を選択可能とすることで、あたかも、大当たり遊技中に獲得した保留球(入賞情報)によって、次の大当たりに当選したと遊技者に思わせることができる。
一方で、保留ランク「4」の場合は、大当たり遊技中に新たな保留球(入賞情報)を獲得することができず、大当たり遊技中に次の大当たりに当選することが無いため、「上乗せ用演出」が選択されず「連続当たり用演出」による演出が実行される。このように構成することで、大当たりに当選した時点の保留球数が上限の場合と、それ以外の場合、即ち、大当たり遊技中に新たな保留球を獲得可能な状態か否かの判別結果に基づいて大当たり中に実行される演出の選択肢を異ならせることにより、実際の保留状況に対して違和感のある演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、どの保留ランクが選択された場合であっても、「通常当たり用演出」が選択されるように規定しているため、「通常当たり用演出」が実行された場合であっても、保留内連荘の可能性を残すことができる。よって、最後まで遊技者に保留内連荘を期待させながら大当たり中遊技を実行させることができる。
次に、図116(A)を参照して、上乗せ数選択テーブル222Dについて説明する。この上乗せ数選択テーブル222Dは、大当たり中に実行される演出として、「上乗せ用演出」が選択された場合に、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される確定ラウンド数表示態様DM4(図86(A)参照)に加算する値(上乗せラウンド数)を選択するためのテーブルである。
この上乗せ数選択テーブル222Dは、当たり関連コマンド処理(図142参照)において、新たなラウンド数コマンドを受信した場合(S3304:YES)であって、上乗せ演出フラグ223Hがオンに設定されている場合(S3306:YES)に実行される上乗せ演出中処理(図144参照)の一部処理にて参照される(S3506)。選択された上乗せ数は表示ラウンド数格納エリア223Gのうち、確定ラウンド数表示態様DM4に加算するための値を格納する領域に格納される(S3506)。
そして、実行中ラウンド数表示態様DM3に表示される値(現在実行中の大当たりラウンド数)と確定ラウンド数表示態様DM4に表示される値(実行されることが確定しているラウンド数)とが同じになった場合に、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている上乗せ数をラウンド数表示態様DM10に表示する(図86(A)参照)。
図116(A)に示した通り、この上乗せ数選択テーブル222Dは、大当たりの残ラウンド数と、当たり入賞の有無(保留内連荘が確定しているか否か)と、第2演出カウンタ223Y2とに対応付けて上乗せ数が規定されている。具体的には、残ラウンド数の値が「5」の場合は、当たり入賞の有無、及び第2演出カウンタ223Y2の値に関わらず、上乗せ数として「5」が選択される。
本第1制御例では、全ての大当たりのラウンド数(大当たり演出が実行される大当たりのラウンド数)が5の倍数(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)に設定されており、残ラウンド数が5ラウンドの場合は、このタイミングで残ラウンド数を確定ラウンド数表示態様DM4に表示する必要があるためである。
残ラウンド数の値が「10,15」、当たり入賞が「あり」で、第2演出カウンタ223Y2の値が「0〜49」の範囲には上乗せ数「5」が、「50〜99」の範囲には上乗せ数「10」が、「100〜149」の範囲には上乗せ数「15」が規定され、残ラウンド数の値が「10,15」、当たり入賞が「なし」で、第2演出カウンタ223Y2の値が「0〜49」の範囲には上乗せ数「5」が、「50〜99」の範囲には上乗せ数「15」が、「100〜149」の範囲には上乗せ数「10」が規定される。
上述したように、残ラウンド数が同一の場合(例えば、「15」)は、当たり入賞の有無によって、選択される上乗せ数の割合が異なるように規定している。これにより、「上乗せ用演出」中に上乗せされる値に基づいて保留内連荘の有無を遊技者に予測させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
残ラウンド数の値が「20〜」、当たり入賞が「あり」で、第2演出カウンタ223Y2の値が「0〜49」の範囲には上乗せ数「5」が、「50〜99」の範囲には上乗せ数「10」が、「100〜149」の範囲には上乗せ数「15」が規定されている。なお、本第1制御例では、1回の大当たり遊技で実行される大当たりラウンド数の最大値が「15ラウンド」に設定されているため、残ラウンド数の値が「20〜」であって、当たり入賞が「なし」となることが無い。よって、残ラウンド数の値が「20〜」であって、当たり入賞が「なし」の場合は、上乗せ数「−」が規定されており、選択された場合には、エラーコマンドが設定される。
ここで、エラーコマンドが設定された場合、即ち、実際に実行されるラウンド数の残りと、音声ランプ制御装置113が管理している残ラウンド数とが相違した場合には、上乗せ用演出を継続させた場合に遊技者に違和感を与える演出が実行される可能性が高いため、上乗せ用演出の実行を中止し、現在実行されている大当たりに対して主制御装置110から受信した情報に基づいて、現在実行されている大当たりに設定されているラウンド数と、現在実行しているラウンド数と、を第3図柄表示装置81の表示画面に表示する演出の実行を開始するように構成すると良い。これにより、遊技者に違和感を与えてしまう大当たり中演出が継続して実行されてしまう事態を抑制することができる。
次に、継続演出モード選択テーブル222Eについて図116(B)を参照して説明する。図116(B)は、継続演出モード選択テーブル222Eの内容を模式的に示した図である。この継続演出モード選択テーブル222Eは、本制御例のパチンコ機10の確変、時短中に実行されるバトル演出(図90参照)のうち、バトルリーチ(最終態様)が実行されるまでの演出態様(バトル前演出の演出態様)を設定するための継続演出モードを選択するためのテーブルであって、変動表示設定処理(図147参照)の継続演出設定処理(S3806)において参照され(図149のS4005)、S4005の処理において選択された継続演出モードが継続演出モード格納エリア223Mに格納される(S4006)。そして、継続演出モード格納エリア223Mに格納された継続演出モードに基づいてバトル前演出の演出態様が設定される。
図116(B)に示した通り、この継続演出モード選択テーブル222Eには、後述する継続演出設定カウンタ223Qの値と、当たり入賞の有無(保留内連荘が確定しているか否か)と、第3演出カウンタ223Y3の値とに対応付けて異なる継続演出モードが規定されている。
ここで、継続演出設定カウンタ223Qは、1回の確変状態、または時短状態において継続演出が設定された回数をカウントするためのカウンタであり、確変状態または時短状態が長期間継続することにより、バトル演出が複数回実行されたことを判別するために用いられる。なお、この継続演出設定カウンタ223Qの詳細な内容については図114(B)を参照して後述する。
継続演出モード選択テーブル222Eに規定されている内容を具体的に説明すると、継続演出設定カウンタ223Qの値が「1」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」に設定されている場合であって、第3演出カウンタ223Y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「1」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「2」が規定されている。
一方で、継続演出設定カウンタ223Qの値が「1」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」の場合には、第3演出カウンタ223Y3の値に関わらず、継続演出モード「5」が規定されている。この継続演出モード「5」に該当するパターンとしては、大当たり終了後の最初にバトル演出が実行される1回転目が大当たりに当選した場合であり、遊技者に対して、特別感を提供するために、専用の継続演出モードが設定されている。
次に、継続演出設定カウンタ223Qの値が「2〜5」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「なし」の場合は、第3演出カウンタ223Y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「2」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「3」が規定され、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」の場合は、第3演出カウンタ223Y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「2」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「1」が規定されている。
そして、継続演出設定カウンタ223Qの値が「6以上」で、保留情報(入賞情報)に当たりが「なし」の場合は、第3演出カウンタ223Y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「3」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「4」が規定され、保留情報(入賞情報)に当たりが「あり」の場合は、第3演出カウンタ223Y3の値が「0〜99」の範囲には継続演出モード「4」が規定され、「100〜149」の範囲には、継続演出モード「3」が規定されている。
本制御例では、継続演出モード選択テーブル222Eを参照して選択された継続演出モードに基づいてバトル前演出の演出態様が設定されるように構成されており、例えば、バトル前演出(図91参照)において、自身のキャラクタの種類、選択可能に表示される相手キャラクタの種類や並び順、実際に選択される相手キャラクタの種類やHP値といったバトルリーチ発展時における表示態様に関係する演出態様や、バトル前演出中に表示される背景の種類や色、相手キャラクタへの攻撃パターンといったバトルリーチ発展時における表示態様には関係しない演出態様が選択された継続演出モードに基づいて設定される。
例えば、継続演出モード「5」が選択された場合(即ち、最初のバトル演出が実行される場合に、保留内に当たり入賞がある場合)は、遊技者に対して間もなく大当たりに当選することを報知するための演出態様が設定される。具体的には、保留内に大当たりに当選する入賞情報がある場合に設定されるプレミアキャラを自身や相手のキャラクタとして設定したり、相手キャラクタのHP値の初期値または途中経過値として特定の値(例えば、「777」や「333」)を表示したり、選択可能な相手キャラクタの組み合わせとして、全て同一のキャラクタを表示したりする。このような表示を行うことで、遊技者に対して、大当たりに当選することを複数の変動期間を用いて示唆することができる。
次に、図117(A)を参照して、継続値主選択テーブル222Fの内容について説明をする。図117(A)は、継続値主選択テーブル222Fの内容を模式的に示した図である。ここで、本制御例における継続値について説明をする。本制御例では遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態、又は時短状態)が設定されている状態では、その遊技状態が継続していることを示すための継続演出としてバトル演出が実行される。
このバトル演出では、有利な遊技状態が終了するか否かを示すためのバトルリーチ(最終態様)演出と、そのバトルリーチが実行されるまでの期間継続して実行されるバトル前演出とが実行され、バトルリーチ演出の結果、有利な遊技状態が終了しない場合には、再度バトル前演出が実行される。
バトル前演出中には、図92を参照して上述したように相手のHP値(継続値)を減少させる演出が第3図柄表示装置81にて実行される。このバトル前演出中に減少させた継続値に基づいてバトルリーチの演出態様(バトルリーチ開始時の相手のHP(継続値))が決定される。
本第1制御例では、このバトル前演出中に減少される継続値は、継続値主選択テーブル222Fにより選択された値と、継続値副選択テーブル222Gにより選択された値とを合算することで算出されるように構成されている。このように複数の値を組み合わせることで第3図柄表示装置81に表示する継続値を設定することで、継続値のバリエーションを増加させる場合の処理負荷を軽減することができる。
図117(A)に戻り、説明を続ける。継続値主選択テーブル222Fでは、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に基づいて、大当たりに当選する特別図柄の変動が実行されるまでの残変動回数を判別した結果、及び現在表示されている継続値に対応付けて選択する継続値が規定されている。
つまり、継続値主選択テーブル222Fでは、特別図柄の抽選結果に基づいて継続値が選択されるように規定されている。これにより、バトル前演出中に可変される相手のHP(継続値)を引き継いでバトルリーチ演出を実行した場合に、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、ここで、バトル前演出中に実行される継続値の増減表示のバリエーションを豊富にするために、継続値主選択テーブル222Fの内容をより複雑に設定した場合、例えば、本制御例では百の単位で継続値の管理を行っているが、それよりも細かい単位(十の単位)で継続値の管理を行ったり、特別図柄の抽選結果をより細分化し、その細分化した各抽選結果に対応付けて継続値を規定したりする場合では、継続値を選択するための処理負荷が高くなるという問題があった。しかしながら、バトル前演出の演出効果を高めるために継続値の増減表示のバリエーションを増加させる必要があった。
そこで、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fにて、継続値が選択された場合に、継続値主選択テーブル222Fとは独立したテーブルである継続値副選択テーブル222Gを用いて継続値主選択テーブル222Fで選択した継続値をさらに可変させるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81に表示される継続値のバリエーションを増加させることができる。
また、詳細は後述するが、本第1制御例では継続値主選択テーブル222Fを用いて選択された継続値の差分値に基づいて、第3図柄表示装置81の主表示領域DMにて継続値(HP値)を減少させる演出(攻撃演出)の演出態様が設定されるように構成している。そして、第3図柄表示装置81の主表示領域DMには継続値主選択テーブル222Fおよび継続値副選択テーブル222Gを用いて選択された継続値が減少後(更新後)の継続値として表示されるように構成している。
そして、継続値主選択テーブル222Fを参照して選択した値(継続値)で管理される攻撃演出と、継続値主選択テーブル222Fおよび継続値副選択テーブル222Gを参照して設定される継続値(HP値)の差分値とが相違することが無いように、継続値副選択テーブル222Gにて選択される値の範囲を設定している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の主表示領域DMにて継続値(HP値)を減少させる演出(攻撃演出)の演出態様を継続値主選択テーブル222Fにて選択される大まかな継続値のみで管理したとしても、遊技者に違和感を与えることなく演出を実行することができる。
継続値主選択テーブル222Fを用いて選択された継続値の差分値に基づいて設定される攻撃演出としては、具体的に、差分値が「0〜200」であれば「弱攻撃」(図92(A)参照)、「201〜400」であれば「中攻撃」、「401以上」であれば「強攻撃(図92(B)参照)」に該当する演出が実行されるように設定される。
これにより、例えば、継続値主選択テーブル222Fにより選択される継続値の差分値が「中攻撃」の範囲(例えば、300)であるにも関わらず、表示される継続値の差分値が「弱攻撃」の範囲(例えば、200)となってしまい、特別図柄の抽選に基づく継続値の範囲と、実際に表示される継続値の範囲とが異なることを抑制することができる。
図117(A)に示した通り、継続値主選択テーブル222Fには、当たり変動までの残変動回数と前回選択された継続値(現在表示されている継続値のうち、継続値主選択テーブル222Fにて選択された値)とに対応付けて継続値が規定されている。具体的には、残変動カウンタ222Tの値が「3」であって、前回選択された継続値が「1000」であれば「800」が選択され、「900」であれば「700」が選択されるように、差分値が「200」となる値が選択される。以下、同様に前回選択された継続値が「400」〜「800」であれば、差分値が「200」となる値がそれぞれ選択される。前回選択された継続値が「300」であれば、「200」が選択され(差分値「100」)、前回選択された継続値が「100」または「200」の場合は、差分値が「0」となる値が選択される。
次に、残変動カウンタ222Tの値が「2」の場合は、前回選択された継続値が「300」〜「700」であれば、差分値が「100」となる値がそれぞれ選択され、前回選択された継続値が「100」または「200」の場合は、差分値が「0」となる値が選択される。残変動カウンタ222Tの値が「1」の場合、即ち、次回の変動が当たり変動である場合は、前回選択された継続値が「300」〜「700」の場合は、差分値が「200」となる値が選択され、前回選択された値が「200」の場合は、差分値が「0」となる値(「200」)が選択され、前回選択された値が「100」の場合は、差分値が「100」となる値「0」が選択される。
以上、説明をしたように、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fに基づいて、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される継続値(HP値)のうち、大まかな(百の単位)値を選択するように構成されており、その差分値に基づいて攻撃演出の演出態様を設定しているため、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される継続値(HP値)、即ち、継続値主選択テーブル222Fおよび継続値副選択テーブル222Gを用いて選択された継続値(HP値)に基づいて攻撃演出の演出態様を設定するよりも、参照する値のパターンを減少することができ、演出を設定する際の処理負荷を軽減することができる。
次に、図117(B),(C)を参照して、継続値副選択テーブル222Gとして用いられる第1継続値副選択テーブル222G1および第2継続値副選択テーブル222G2の内容について説明をする。図117(B)は、第1継続値副選択テーブル222G1の内容を模式的に示した図であり、図117(C)は、第2継続値副選択テーブル222G2の内容を模式的に示した図である。
継続値副選択テーブル222Gは、上述したように、継続演出中における継続値の可変パターンを増加させるために用いられるものであって、継続値主選択テーブル222Fにより継続値が選択された後に参照されるテーブルである。本制御例では、継続値主選択テーブル222Fを用いて選択された継続値に、継続値副選択テーブル222Gで選択された値を合算することで、第3図柄表示装置81に表示される継続値(演出上の継続値)が設定される。
本制御例では、継続値主選択テーブル222Fを参照して選択された継続値が所定値(例えば、200)以下であるかを判別し、その判別結果に基づいて異なる継続値副選択テーブル222Gを参照するように構成しており、継続値主選択テーブル222Fを参照して選択された継続値が所定値(例えば、200)以上の場合は、図117(B)に示した第1継続値副選択テーブル222G1が参照され、所定値(例えば、200)未満の場合は、図117(C)に示した第2継続値副選択テーブル222G2が参照される。
図117(B)に示した第1継続値副選択テーブル222G1は、第4演出カウンタ223Y4の値に対応付けて継続値が規定されている。具体的には、第4演出カウンタ223Y4の値が「0〜39」の範囲では、継続値「0」が選択され、「40〜79」の範囲では、継続値「−10」が選択され、「80〜119」の範囲では、継続値「−20」が選択され、「120〜149」の範囲では、継続値「+20」が選択される。
これにより、継続値主選択テーブル222Fを用いて選択された継続値に、第1継続値副選択テーブル222G1を用いて選択された継続値を合算させ、表示上の継続値の種類を増加させることができる。具体的には、継続値主選択テーブル222Fを参照して、継続値を「1000」から「800」に減少(更新)させる場合には、選択された継続値(「800」)が所定値(例えば、200)以上であるため、第1継続値副選択テーブル222G1が参照される。第1継続値副選択テーブル222G1にて、「+20」の値が選択された場合は、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに継続値(HP値)として「820」が表示される(図92(A)参照)。一方、第1継続値副選択テーブル222G1にて、「−20」の値が選択された場合は、継続値(HP値)として「780」が表示される。
このように、継続値主選択テーブル222Fで選択された継続値に継続値副選択テーブル222Gで選択された値を加算することで、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される継続値(HP値)のバリエーションを増加させることができる。
ここで、継続値主選択テーブル222Fで選択された継続値が所定値(例えば、200)以下となった場合に、上述した第1継続値副選択テーブル222G1を参照して表示上の継続値(HP値)を設定してしまうと、継続値主選択テーブル222Fにおいて継続値として「0」が選択された状態で、第1継続値副選択テーブル222G1にて「+20」の値が選択されてしまうと、攻撃演出としては相手キャラクタのHP値を「0」にする攻撃演出が実行されるのに対して、表示上の継続値(HP値)が「20」となる問題があった。
そこで、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fにおいて選択された継続値が所定値(例えば、200)以下であるかを判別し、所定値以下であると判別した場合は、第2継続値副選択テーブル222G2を参照するように構成している。この第2継続値副選択テーブル222G2は、図117(C)に示した通り、選択される値として「−20」〜「0」の範囲が規定されている。
図117(B)に示した第1継続値副選択テーブル222G1は、第4演出カウンタ223Y4の値に対応付けて継続値が規定されている。具体的には、第4演出カウンタ223Y4の値が「0〜39」の範囲では、継続値「0」が選択され、「40〜99」の範囲では、継続値「−5」が選択され、「100〜149」の範囲では、継続値「−10」が選択される。
ここで、上述した第1継続値副選択テーブル222G1と第2継続値副選択テーブル222G2との相違点について説明をする。第1継続値副選択テーブル222G1は選択され得る値として、継続値主選択テーブル222Fにて選択された継続値(例えば、500)を加算する値(「+20」)と、減算する値(「−10」,「−20」)との何れも選択可能に構成している。一方で、第2継続値副選択テーブル222G2は選択され得る値として、継続値主選択テーブル222Fにて選択された継続値(例えば、100)を減算する値(「−5」,「−10」)のみ選択されるように構成している。
このように構成することで、継続値主選択テーブル222Fにて選択された継続値が所定値(例えば、200)より大きい場合は、表示される継続値(HP値)の範囲を広く設定することができ、継続値主選択テーブル222Fにて選択された継続値が所定値(例えば、200)以下の場合は、表示される継続値(HP値)を遊技者に違和感を与えない範囲で設定することができるため、遊技者に違和感を与えない範囲で演出のバリエーションを増加させることができる。
上述した第1制御例の内容に加え、第1継続値副選択テーブル222G1により選択された値を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された値がプラスの値かマイナスの値かを判別する判別手段と、その判別手段の判別結果に基づいて、第1継続値副選択テーブル222G1と、第2継続値副選択テーブル222G2の何れを用いて値を選択するかを決定する決定手段と、を設けても良い。これにより、継続値副選択テーブル222Gにより選択される値がプラス方向、或いはマイナス方向へと偏ってしまうことを抑制することができる。
本第1制御例では上述したように、継続値主選択テーブル222Fにより選択される継続値に基づいて攻撃演出の態様を選択する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば継続値主選択テーブル222Fにて選択された継続値が所定値(例えば、200)以下の場合に、実際に表示画面に表示されている継続値(HP値)と、継続値主選択テーブル222Fおよび継続値副選択テーブル222Gに基づいて設定された継続値(HP値)との差分値を算出する算出手段と、その算出手段により算出された差分値に基づいて攻撃演出の態様を選択する選択手段と、を用いた構成としても良い。
本第1制御例では、継続値副選択テーブル222Gを音声ランプ制御装置113が有する構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、音声ランプ制御装置113には継続値主選択テーブル222Fのみを設け、継続値副選択テーブル222Gを表示制御装置114側に設ける構成としても良いし、攻撃演出の態様を選択する処理を表示制御装置114が行うように構成しても良い。このように構成することで音声ランプ制御装置113は継続値主選択テーブル222Fを用いた継続値の更新管理のみを行えば良く、処理負荷をより低下させることができる。
なお、本第1制御例では、保留図柄の先読み結果として大当たりに対応する入賞情報があった場合に実行される上述した継続値主選択テーブル222Fまたは継続値副選択テーブル222Gを用いた継続値の設定以外にも、即ち、保留図柄の先読み結果として大当たりに対応する入賞情報が無い場合においても、演出的に継続値を可変させる処理が実行される。この演出上の継続値可変処理は、詳細な説明は省略するが、継続演出(バトル前演出)が継続して実行される期間や、主制御装置110から送信された変動パターンコマンドの種類によって可変後の継続値が選択されるように構成されている。
このように構成することで、継続演出(バトル前演出)が実行されている間に、継続値を減少させる演出を頻繁に実行することができ、遊技者が演出内容に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第1制御例では、継続演出(バトル前演出)としてバトルリーチ時に対戦し得る相手候補として4体(A〜D)の継続値が表示される(図91(A)参照)ため、例えば、継続演出(バトル前演出)にて演出的に特定の相手の継続値(HP)が大きく減少した場合であっても、他の相手を選択することで継続演出(バトル前演出)を継続して実行することができる。
このように構成することで、継続演出(バトル前演出)が長期間に渡って実行される場合(例えば、確変中に当たりに当選しない場合に)において、継続値のみが減少し続けてしまい。バトルリーチ演出の演出態様が乏しくなってしまうことを抑制することができる。
また、本第1制御例では、バトル前演出が長期間継続してしまうことを抑制するために、特別図柄が当たりに当選していない場合であっても、所定条件(例えば、特別図柄が10回以上変動する間バトル前演出が継続し、且つ、特別図柄の抽選結果として60秒の外れ変動パターンである場合)を満たした場合には、バトルリーチが実行されるように構成し、バトルリーチの結果として当たりに当選していなかった場合は、再度継続演出(2回目)が実行されるように構成し、継続値を初期化するようにしている。これにより、継続演出(バトル前演出)が長期間に渡って実行される場合(例えば、確変中に当たりに当選しない場合に)において、継続値のみが減少し続けてしまい。バトルリーチ演出の演出態様が乏しくなってしまうことを抑制することができる。
次に、図118(A)を参照して、最終態様選択テーブル222Hについて説明をする。この最終態様選択テーブル222Hは、上述した継続演出中に実行されるバトルリーチの演出態様を選択するためのテーブルであって、バトルリーチが実行される特別図柄変動の当否判定結果と、第5演出カウンタ223Y5の値とに対応付けて異なる最終態様が規定されている。
具体的には、特別図柄の当否判定結果が大当たりで、且つ、その大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態または時短状態)が付与される場合は、第5演出カウンタ223Y5の値が「0〜49」の範囲に最終態様「1」が、「50〜129」の範囲に最終態様「2」が、「130〜149」の範囲に最終態様「3」が規定されている。
特別図柄の当否判定結果が大当たりで、且つ、その大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態が付与されない場合は、第5演出カウンタ223Y5の値が「0〜129」の範囲に最終態様「4」が、「130〜149」の範囲に最終態様「5」が規定され、特別図柄の当否判定結果が外れの場合は、第5演出カウンタ223Y5の値が「0〜129」の範囲に最終態様「6」が、「130〜149」の範囲に最終態様「7」が規定されている。
また、特別図柄の当否判定結果が外れで、且つ、時短終了条件が成立する特図変動の場合は、第5演出カウンタ223Y5の値が「0〜129」の範囲に最終態様「4」が、「130〜149」の範囲に最終態様「5」が規定されている。
ここで、最終態様選択テーブル222Hを用いて選択される各最終態様の演出内容について、図118(B)を参照して説明をする。図118(B)は、最終態様選択テーブル222Hを用いて選択された各最終態様の演出内容を説明した図である。本制御例では、バトル演出の最終態様(バトルリーチ)として図93〜図96を参照して上述したように、主人公のキャラクタ又は相手のキャラクタの何れかが合計で3回攻撃を行う演出が実行されるように構成されており、選択された最終態様に応じて異なる攻撃パターンが選択される。
具体的には、最終態様「1」〜「3」は、主人公のキャラクタが勝利する勝利バトルが実行される攻撃パターンが選択され、最終態様「1」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて主人公のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択され、最終態様「2」の場合は、1回目と3回目の攻撃機会で主人公が攻撃を行い、2回目の攻撃機会で相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択される。最終態様「3」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて相手のキャラクタが攻撃を行った後に、主人公が復活して相手のキャラクタを倒す攻撃パターン(復活演出(図96参照))が選択される。
なお、詳細な説明は省略するが、最終態様選択テーブル222Hは、実行される変動演出の変動パターン(変動時間)毎に設けられており、例えば、変動時間が60秒の変動パターンでは、3回の攻撃で完結する最終態様(最終態様「1」および「2」)が選択され易く規定されており、変動時間が90秒の変動パターンでは、復活演出が選択され易く規定されている。ここで、変動時間が90秒の変動パターンで実行される復活演出では、最初の3回分の攻撃の演出データとして、変動時間が60秒の変動パターン(最終態様「5」)の演出データと同一のものが用いられる。これにより、演出データの共有化を図りデータ容量の削減を図ると共に、勝利バトルが実行される演出の前半(最終態様「3」の前半)と、敗北バトルが実行される演出(最終態様「5」)と、で同一の演出を実行することで、遊技者に対して演出の途中で演出結果を把握されてしまう事態を確実に抑制することができる。
図118に戻り説明を続ける。最終態様「4」,「5」は、主人公のキャラクタが敗北する敗北バトルが実行される攻撃パターンが選択される。この敗北バトルでは、バトルリーチの結果として主人公の継続値(HP)を示すHPゲージDM21が最終的に0になる演出が実行されるものである。最終態様「4」の場合は、1回目の攻撃機会で主人公のキャラクタが攻撃を行い、2回目と3回目の攻撃機会で相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択され、最終態様「5」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択される。このように、本制御例にて設定される敗北バトルの攻撃パターンでは、最後の1回の攻撃(3回目の攻撃)が実行されるまで、その他のバトル(勝利バトル、後述する引き分けバトル)と同一の演出が実行されるため、遊技者に対して演出の途中で演出結果を把握されてしまう事態を確実に抑制することができる。
最終態様「6」,「7」は、主人公の継続値を示すHPゲージDM21も、相手キャラクタの継続値を示すHPゲージDM22も0にならない引き分けバトルが実行される攻撃パターンが選択される。この引き分けバトルが実行されると、バトルリーチが終了し、次のバトル前演出が実行される。最終態様「6」の場合は、1回目の攻撃機会で主人公のキャラクタが攻撃を行い、2回目と3回目の攻撃機会で相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択され、最終態様「7」の場合は、3回の攻撃機会の全てにおいて相手のキャラクタが攻撃を行う攻撃パターンが選択される。このように、本制御例にて設定される引き分けバトルの攻撃パターンでは、攻撃パターンとして他のバトル(敗北バトル)と同一の演出が実行されるため、遊技者に対して攻撃パターンだけでは無く、HPゲージの減少具合に注視させることが出来、演出の途中で演出結果を把握されてしまう事態を確実に抑制することができる。
なお、本制御例では引き分けバトル中に実行される攻撃パターンとして敗北バトルと同一の攻撃パターンが実行される演出が選択されるように構成しているが、その他のバトル(勝利バトル)と同一の攻撃パターンが実行される演出が選択されるように構成しても良い。これにより、3回目のバトルが実行された場合に、各攻撃機会(1〜3回目の攻撃機会)にて実行された攻撃パターンによって、今回のバトルリーチが勝利バトル或いは引き分けバトルの何れか(即ち、敗北が無いバトル)であることを遊技者に把握させることができ、遊技状態が通常状態に移行する心配をすること無く演出(バトルリーチ)を見ることができる。
次に、図114(B)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図114(B)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223Aと、特別図柄保留球数カウンタ223Bと、変動開始フラグ223Cと、停止種別選択フラグ223Dと、状態格納エリア223Eと、大当たり情報格納エリア223Fと、表示ラウンド数格納エリア223Gと、上乗せ演出フラグ223Hと、表示延長フラグ223Iと、変動回数カウンタ223Jと、経過時間カウンタ223Kと、継続演出モード格納エリア223Mと、継続値格納エリア223Nと、継続期間カウンタ223Pと、継続演出設定カウンタ223Qと、継続演出フラグ223Rと、前兆設定フラグ223Tと、演出カウンタ群223Yと、その他メモリエリア223Zが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223Aは、1つの実行エリアと、特別図柄1に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)と、特別図柄2に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64、または第2入球口140に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223Aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、入球を検出した入球口の種別(第1入球口64、または第2入球口140)に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
なお、本第1制御例では、主制御装置110において、始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)に基づいて入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞に対応して予測された各種情報に、既に、特別図柄1保留球格納エリア203A或いは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されている各種情報を加えて入賞情報コマンドを設定する設定手段と、入賞情報コマンドを受信した場合に、既に、入賞情報格納エリア223Aに格納されている各種情報(入賞情報)と、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種情報(入賞情報)とが合致するかを判別する判別手段とを設ける構成としてもよい。これにより、入賞情報格納エリア223Aに格納されている各種情報(入賞情報)が適切に格納されているかを判別することが可能となる。
また、本第1制御例では、新たな始動入賞が発生した場合に入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知するタイミングは、上述したタイミング(入賞情報コマンドを設定したタイミング)に限定されるものでは無く、例えば、入賞情報コマンドを一時的に記憶する記憶手段を設け、始動入賞したタイミングに加え、定期的(例えば、5秒間隔)、遊技条件可変時(例えば、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合や、大当たり遊技が開始又は終了した場合等)、または、特別図柄の変動開始(又は停止)時に、記憶手段に記憶されている入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いても良い。このように構成することで、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を用いた演出(所謂、先読み演出)を適切に実行することができる。
本制御例では、入賞情報格納エリア223Aに格納された各入賞情報に基づいて、先読み演出として、大当たり演出、バトル演出、期待度表示演出等の演出態様の設定等が実行される。このように、入賞情報格納エリア223Aに格納された各入賞情報に基づいて各種演出(先読み演出)を実行することで、変動表示が開始されるよりも前から各保留球に対して遊技者に大当たりとなる期待感を抱かせることができる。また、複数回の変動表示期間を用いた長期間の演出を実行することも可能となる。
特別図柄保留球数カウンタ223Bは、図115(A)に示した通り、特別図柄1の保留球数をカウントするための特別図柄1保留球数カウンタ223B1と、特別図柄2の保留球数をカウントするための特別図柄2保留球数カウンタ223B2と、を有しており、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて各カウンタの値を更新する。
特別図柄1保留球数カウンタ223B1は、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄1の変動表示であって、主制御装置110において保留されている特別図柄1の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。同様に、特別図柄2保留球数カウンタ223B2は、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄2の変動表示であって、主制御装置110において保留されている特別図柄2の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203Dや特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223B1、および特別図柄2保留球数カウンタ223B2にて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203D、または特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203D、または特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223B1、または特別図柄2保留球数カウンタ223B2のうち、コマンドに対応するカウンタに格納する(図140のS3208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223B1、および特別図柄2保留球数カウンタ223B2の値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203D、および特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223B1、および特別図柄2保留球数カウンタ223B2の値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223B1、または特別図柄2保留球数カウンタ223B2に格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223B1、または特別図柄2保留球数カウンタ223B2の値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223B1、または特別図柄2保留球数カウンタ223B2の値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223B1は、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同期しながら、その値が変更され、特別図柄2保留球数カウンタ223B2は、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203Eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223Cは、主制御装置110から送信される特別図柄1の変動パターンコマンド、または特別図柄2の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図140のS3202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図147のS3802参照)。変動開始フラグ223Cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223Dは、主制御装置110から送信される特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図140のS3204参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図147のS3814参照)。停止種別選択フラグ223Dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
大当たり情報格納エリア223Fは、実行される大当たりに関する情報を格納するためのエリアであって、今回実行される大当たりに関する情報(例えば、ラウンド数や大当たり終了後に移行する遊技状態等)を、主制御装置110から受信した場合に格納するためのエリアである。本制御例では、この大当たり情報格納エリア223Fに格納されている情報に基づいて大当たり中に実行される演出の態様を設定している。
表示ラウンド数格納エリア223Gは、大当たり中に表示されるラウンド数に関する情報を格納するためのエリアである。本制御例では図85(A)を参照して上述したように、大当たり中に上乗せ用演出が実行された場合に、実行中のラウンド数を示す実行中ラウンド数表示態様DM3と、内部的に設定されているラウンド数を部分的に確定表示する確定ラウンド数表示態様DM4とが、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されているラウンド数に関する情報に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示されるよう構成されている。
この表示ラウンド数格納エリア223Gは、初期値として0が格納されており、主制御装置110から送信される当たり関連コマンドのうちラウンド数コマンドを受信し(図142のS3304:YES)、上乗せ演出フラグ223Hがオンに設定されている場合に(図142のS3306:YES)実行される上乗せ演出中処理(図143参照)において、格納されている値(ラウンド数)を参照して、内部的に設定されているラウンド数と、確定ラウンド数との差分を算出し、その差分値に基づいて新たに決定された確定ラウンド数の値(ラウンド数)が格納される。
ここで格納されたラウンド数は、上乗せ表示処理(図145参照)において、ラウンド数が所定ラウンド数(ラウンド数N)である場合に、確定ラウンド数表示態様DM4として表示されるように表示用上乗せ表示コマンドを設定する際に用いられる(図145のS3604参照)。そして、上乗せ用演出が終了した場合に、格納されている値が初期化される。
このように、本制御例では、新たなラウンドが開始される場合に上乗せ演出中処理(図144参照)を実行し、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納される確定ラウンド数を更新し、所定数(本制御例では5の倍数)のラウンドが開始される場合に確定ラウンド数表示態様DM4の表示態様を更新するための表示処理が実行される。よって、常に(毎ラウンド)確定ラウンド数を更新しているため、確定ラウンド数表示態様DM4の表示態様を更新する条件を追加したり、遊技者の操作に基づいて確定ラウンド数表示態様DM4の表示態様を更新するか否かを選択したりすることで、確定ラウンド数の表示タイミングを異ならせた場合でも確実に対応することができる。
さらに、本制御例では、大当たり中に発生した追加入賞が大当たりに当選している場合には、その追加入賞に対応する入賞情報に基づいてラウンド数を事前に特定し、その事前特定結果の示すラウンド数情報も含めた合算ラウンド数により表示ラウンド数を設定するように構成している。
上乗せ演出フラグ223Hは、上乗せ用演出が実行されていることを示すためのフラグであって、大当たり中演出として上乗せ用演出が選択された場合にオンに設定される。この上乗せ演出フラグ223Hは、大当たり中演出設定処理(図143参照)において、大当たり中演出として上乗せ用演出を読み出した場合にオンに設定され(図143のS3408参照)、当たり関連コマンド処理(図142)においてラウンド数コマンドを受信した場合に(図142のS3304)、設定状態が判別される(図142のS3306)。そして、大当たり後演出設定処理(図146参照)において、保留内連荘が無いと判別された場合に(図146のS3703:NO)、オフに設定される。
表示延長フラグ223Iは、大当たり中の演出(大当たりのエンディング表示)を大当たり終了後に実行される特別図柄の変動期間中も延長して表示する状態を示すためのフラグであって、大当たり中の演出(大当たりのエンディング表示)を延長して表示する場合にオンに設定される。この表示延長フラグ223Iがオンに設定されている状態、即ち、大当たり中の演出(大当たりのエンディング表示)を実行している間に、新たな大当たりに当選した場合は、その大当たりに関する情報(獲得球数やラウンド数)が、前回の大当たりに関する情報(獲得球数やラウンド数)から継続した表示態様で表示される。
この表示延長フラグ223Iは、大当たり後演出設定処理(図146参照)において、今回実行された大当たり演出が通常当たり用演出であって、大当たり終了後の遊技状態が確変状態または時短状態の場合に(図146のS3709:YES)、オンに設定される(図146のS3710)。そして、表示延長フラグ223Iがオンに設定されてから特別図柄が4回変動した場合(図148のS3904:YES)、或いは、経過時間が4秒となった場合に(図154のS5103:YES)、オフに設定される(図148のS3905、図154のS5104)。
上述したように、本制御例では、表示延長フラグ223Iはオンに設定されてから特別図柄の変動回数が所定回数(4回)に到達、或いは、所定時間(4秒)経過の何れかの条件が成立した場合にオフに設定されるように構成されている。これは、表示延長フラグ223Iがオンに設定されている期間は、大当たり中の演出が継続して実行される期間であり、且つ、その期間中に大当たりに当選した場合には大当たり中の演出が継続する(前回の大当たり演出を継続実行する)期間であるためである。
詳細に説明すると、表示延長フラグ223Iをオフに設定する条件として、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、4回)に到達することのみを設定した場合では、大当たり終了時点で特別図柄の保留球数の値(特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数とを合算した値)が上述した所定回数(4回)未満であり、大当たり終了後に遊技者が球の打ち出しを中断してしまうと、大当たり終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(4回)に到達することなく遊技が中断することになり、大当たり中の演出が長期間継続してしまう事態が発生する虞がある。さらに、このような状態で遊技者が遊技を止めてしまった場合には、誰も遊技を行っていない状態であるにも関わらず大当たり中の演出が表示されてしまうため、新たな遊技者がそのパチンコ機10で遊技を行うことを躊躇してしまい、パチンコ機10の稼働を低下させてしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、特別図柄の変動回数に加え、時間経過(4秒)も、表示延長フラグ223Iをオフに設定する条件として設けている。これより、大当たり中の演出が継続して表示され、且つ、複数の大当たりを跨いだ演出を実行可能とする期間を限定的な期間として設定することができる。これにより、表示延長フラグ223Iがオンに設定されている限定的な期間において大当たりに当選しようと、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
変動回数カウンタ223Jは、表示延長フラグ223Iがオンに設定されている期間における特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この変動回数カウンタ223Jは、表示延長フラグ223Iがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図147参照)を実行し、延長管理処理(図148参照)が実行された場合に「5」の値が設定される(図148のS3902参照)。
経過時間カウンタ223Kは、表示延長フラグ223Iがオンに設定されている期間における経過時間をカウントするものである。この経過時間カウンタ223Kは、大当たり後演出設定処理(図146参照)において、表示延長フラグ223Iがオンに設定される場合に、カウンタ値として「4000(4秒相当)」が設定され(図146のS3711参照)、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図139参照)の演出更新処理(S3112)が実行される毎にカウンタ値が「1」減算される(図154のS5102参照)。
そして、演出更新処理(図154参照)において、経過時間カウンタ223Kのカウンタ値が「0」となった場合に、表示延長フラグ223Iをオフに設定する(図154のS5104参照)。このように構成することで、大当たり終了後の経過時間が所定時間(4秒)を経過した場合に、大当たり中の演出を終了し、各遊技状態に対応した通常の演出を実行することができ、限られた期間中で大当たりに当選しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、経過時間カウンタ223Kのカウンタ値として4秒に相当する「4000」を設定しているが、設定する時間はこれに限られることは無く、例えば、3秒間であっても良いし、表示延長フラグ223Iがオンに設定される毎に、複数の時間の中から1つを選択し、その期間を設定するように構成してもよい。また、経過時間カウンタ223Kのカウンタ値に設定する値としては、大当たり終了後に実行される特別図柄2の4回転分の変動期間の合算よりも長く設定すると良い。このように構成することで、大当たり中に優先的に消化される特別図柄2の保留球数分の変動を、表示延長フラグ223Iがオンに設定されている間に実行させることができる。
継続演出モード格納エリア223Mは、継続演出が実行される場合に選択された継続演出モードを格納するための記憶領域である。この継続演出モード格納エリア223Mは、変動表示設定処理(図147参照)において、表示延長フラグ223Iがオフに設定されており、且つ、遊技状態が時短状態又は確変状態であると判別した場合に実行される継続演出設定処理(図149参照)において、継続演出モード選択テーブル222Eにより選択された継続演出モードが格納され、最終態様選択テーブルにより清秋態様が選択されるまでの間(バトルリーチが実行されるまでの間)、継続演出モード格納エリア223Mに格納されている継続演出モードに対応した演出(バトル前演出)が実行される。
継続値格納エリア223Nは、本制御例にて実行される継続演出中に増減される継続値(HP値)のうち、継続値主選択テーブル222Fにより選択された値を格納するための記憶領域であって、継続値格納エリア223Nに格納されている継続値に基づいて、継続演出中の継続値(HP値)の更新(増減)処理が実行される。
なお、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fに基づいて継続値(HP値)を大まかに選択し、継続値副選択テーブル222Gに基づいて継続値(HP値)の詳細な値を選択するように構成することで、継続演出中に表示される継続値の増減パターンを増加させているが、音声ランプ制御装置113内での継続値(HP値)の管理を継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択された継続値のみで実行するように構成しているため、継続演出中に表示される継続値(HP値)の種類に対して、管理対象となる継続値(HP値)の種類を削減することができる。
継続期間カウンタ223Pは、継続演出フラグ223Rがオンに設定されている期間を計測するためのカウンタであって、継続演出において最終態様(バトルリーチ)が頻繁に実行されてしまうことを抑制するために、用いられるカウンタである。
この継続期間カウンタ223Pは、継続演出フラグ223Rがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図147参照)が実行される毎に、即ち、特別図柄の変動が実行される毎に、継続演出設定処理(図149参照)において1加算される(図149のS4009参照)。そして、継続演出設定処理(図149参照)において、そのカウンタ値が「6」未満であると判別された場合には(図149のS4003:NO)、最終態様(バトルリーチ)が選択されないように構成している。このように構成することで、継続期間カウンタの値が6以上、即ち、バトル前演出が実行されてから特別図柄の変動が6回実行されるまでは、最終態様(バトルリーチ)の選択が抑制される。
継続演出設定カウンタ223Qは、遊技状態が確変状態または時短状態に設定されている間に、バトル演出が繰り返し設定された回数(継続演出フラグ223Rをオンに設定した回数)を計測するためのカウンタであり、継続演出設定カウンタ223Qの値に基づいて異なる継続演出モードが選択され易くなるように設定されている。これにより、継続演出が長期間実行され、バトル演出が繰り返し設定される場合において、同一態様のバトル演出が頻繁に実行されることを抑制することができる。また、継続演出設定カウンタ223Qの値が特定の値(例えば、1)の場合にのみ実行される継続演出モードを設定することで、希少価値のある演出を遊技者に提供することができる。
この継続演出設定カウンタ223Qは、継続演出設定処理(図149参照)において新たな継続演出モードを選択する際に参照され(図149のS4005参照)、継続演出モードを選択した場合に1加算される(図149のS4007参照)。そして、継続演出が終了した場合(遊技状態が通常状態に移行した場合、或いは、大当たりに当選した場合)に、そのカウンタ値が0にクリアされる。
継続演出フラグ223Rは、継続演出の実行中において、継続演出モードが選択されていること(バトル前演出が実行されていること)を示すためのフラグであって、継続演出モードを選択した場合にオンに設定される。この継続演出フラグ223Rがオンに設定されている間は新たな継続演出モードが選択されることなく、同一の継続演出モードにてバトル前演出が実行される。
この継続演出フラグ223Rは、継続演出設定処理(図149参照)が実行される当初はオフに設定されており、継続演出モードが選択された場合にオンに設定され(図149のS4008参照)、オンに設定されている間は継続演出モードを選択するための処理がスキップされる(図149のS4004:YES)。そして、最終態様選択テーブル222Hに基づいて最終態様が選択された場合(即ち、バトルリーチが選択されバトル前演出が終了した場合)に、オフに設定される(図149:S4015参照)。
前兆設定フラグ223Tは、複数変動を跨いでカウントダウン演出を実行する場合(図101参照)に、用いられるフラグであって、前兆演出期間中に変動表示が切り替わる場合にオンに設定される。この前兆設定フラグ223Tがオンに設定されている場合は、変動表示設定処理(図147参照)にて実行されるカウントダウン演出設定処理(図152参照)において、新たな変動演出を設定する場合に、変動開始時から前変動の前兆演出が継続して実行されるように制御される。
この前兆設定フラグ223Tは、入賞情報コマンド処理(図141参照)において、先読み情報として特定演出C(図101参照)を有するカウントダウン演出があり(図141のS3232,S3233参照)、現在実行中の変動表示の残変動期間が10秒以上であると判別された場合に(図141のS3234:YES)、オンに設定される(図141のS3236参照)。
そして、カウントダウン演出設定処理(図152参照)において、演出態様を設定する際に参照され(図152のS4301参照)、S4301の処理において前兆演出フラグ233Mがオンに設定されていると判別された場合に実行される複数変動演出設定処理(図153参照)において、演出態様を設定した後にオフに設定される(図153のS4405参照)。
演出カウンタ群223Yは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ群223Yには、少なくとも第1演出カウンタ223Y1〜第6演出カウンタ223Y6を有しており、何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続された乱数生成用のIC(図示せず)から取得した0から198の範囲の乱数値が格納される。乱数生成用のICの動作クロック(動作周波数)は、少なくとも各演出カウンタのそれぞれに対して、別々の乱数値に更新して判定を実行できる程度の動作クロック(例えば、1MHZ)で動作可能なICが採用される。この演出カウンタ群223Yの値は、連続予告演出の実行可否や、通常押下演出の予告種別の決定等、音声ランプ制御装置113で実行される各種判定を実行する場合に用いられる。
その他メモリエリア223Zは上述したデータ以外のデータを格納する領域や状態を設定するための上述したフラグ以外のフラグが設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。具体的には、例えば、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられる電源断フラグが設けられている。この電源断フラグは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図138参照)において、電源断フラグがオンである場合は(図138の3008:YES)、電源断フラグがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図138のS3009参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
次に、図120を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図120は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231Aを内蔵しており、命令ポインタ231Aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231Aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231Aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231Aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリ234Aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリ234Aは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(DYNAMIC RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234A1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234A2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234A、ROMコントローラ234B、バッファRAM234C、NOR型ROM234Dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234Aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234A1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234A2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234Aは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234A2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234Aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234A2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234Bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234A等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234Aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234Bは、NAND型フラッシュメモリ234Aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234Aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234Bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234Aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234BによってNAND型フラッシュメモリ234Aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234Aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234Cは、NAND型フラッシュメモリ234Aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234Bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234Cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234A(またはNOR型ROM234D)より読み出してバッファRAM234Cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234Bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234Cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234Bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234Aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234Dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234Aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234Aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234Dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234D1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234D1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234Cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234D1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234Cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231Aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231Aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231Aを1だけ加算し、命令ポインタ231Aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234Dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234DからバッファRAM234Cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234Cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234Aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234Dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234Aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234Aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出してバッファRAM234Cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234Aの性質上、その読み出しからバッファRAM234Cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234Dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233Aやデータテーブル格納エリア233Bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234D1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234Cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234Cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムがバッファRAM234Cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234Cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233Aに転送する場合は、バッファRAM234Cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムを再度バッファRAM234Cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送すると、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233A内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送されると、命令ポインタ231Aがプログラム格納エリア233Aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233Aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234A1を有するNAND型フラッシュメモリ234Aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233Aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234A1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233Aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231Aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233Aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234A1から所定量ずつプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233A内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233Aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図155のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図155のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231Aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234Aを参照することなく、プログラム格納エリア233Aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234Dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233Aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234Dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図125参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図157(B)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリ234Aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237Aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237Aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237Aに格納された画像データを常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237Aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237Aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234Cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235A、背面画像エリア235C、キャラクタ図柄エリア235E、エラーメッセージ画像エリア235Fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235B、第3図柄エリア235Dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235Aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235Bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口140への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。この電源投入時画像は、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される画像である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235Aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図155のS6003,S6004参照)。
ここで、図121を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図121は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて、図121(A)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図22(B)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図22(C)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図121(B)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図121(C)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口140に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235Bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図121(B)及び(C)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235Bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球1640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
背面画像エリア235Cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図122を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235Cに格納される背面画像の範囲について説明する。図122は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図122(A)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図122(B)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図122に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置Aおよび位置Cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置Cから位置Dの間の画像および位置Aから位置A’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置Cから位置Dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置Aから位置A’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置Aから位置A’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置Cから位置Dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置Aから位置A’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置A〜位置Cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235Cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図122(A)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置Aから位置Dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235Cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図122(B)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置Aから位置Bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置Aから位置A’の範囲(または図122(A),(B)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置Aから位置Bの間の画像(または図122(A),(B)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐された画像データを用いて位置Aから位置Bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置B’から位置Dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置Aから位置Bの範囲が設定されている。これにより、位置Aから位置Bの範囲をスクロールさせる間に位置B’から位置Dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納された画像データを用いて位置Aから位置Bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置B’から位置Dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236A(図120参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置B’から位置Bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納された画像データを用いて位置Bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置B’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置Cから位置Dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cの画像データを用いて、位置Aから位置A’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置A〜位置Cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
第3図柄エリア235Dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235Dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の9種類の主図柄(図81(B)参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口140への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235Dには、数字が付されていない副図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない副図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235Eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「青年」や「女性」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235Eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235Eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235Fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235Fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235Fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236A、第1フレームバッファ236B、第2フレームバッファ236Cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236Aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236Aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237Aを介して、画像格納エリア236Aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233A、データテーブル格納エリア233B、簡易画像表示フラグ233C、表示データテーブルバッファ233D、転送データテーブルバッファ233E、ポインタ233F、描画リストエリア233G、計時カウンタ233H、格納画像データ判別フラグ233I、描画対象バッファフラグ233J、合算値格納エリア233K、前兆演出フラグ233Mを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233Aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233Aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233Aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233Bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに設けられた第2プログラム記憶エリア234A1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233Bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233Bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233Bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、大当たる中演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113が特別図柄変動1回分の期間(主制御装置110にて選択された変動パターン(変動時間))に対応する表示用変動パターンコマンドを表示用停止種別コマンドと併せて出力し、表示制御装置114が受信した各コマンドに対応した演出態様を設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、音声ランプ制御装置113が特別図柄変動1回分の期間(例えば、60秒)に対応する表示用変動パターンコマンドを複数個に分割(例えば、前半変動パターン(30秒)と後半変動パターン(30秒)して表示制御装置114に出力するように構成しても良い。このように構成することで、前半変動パターンが実行されている期間中に発生した遊技内容(例えば、遊技者による枠ボタン22に対する操作、新たな入球情報の獲得)に基づいて後半変動パターンに対応する表示用変動パターンコマンドを設定することができる。
加えて、上述した構成を用いることで、特別図柄変動1回分の期間に対応する表示用変動パターンコマンドを一旦出力した後に、追加の表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、追加の表示用変動パターンコマンドに対応させて演出内容を書き換える処理を行う必要が無くなり、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、上述したように音声ランプ制御装置113が特別図柄変動1回分の期間(例えば、60秒)に対応する表示用変動パターンコマンドを複数個に分割(例えば、前半変動パターン(30秒)と後半変動パターン(30秒)して表示制御装置114に出力する場合には、最初に出力される表示用変動パターンコマンドに併せて表示用停止種別コマンドを出力するように構成すると良い。
また、本制御例では、遊技状態が遊技者に有利な有利状態である場合に継続して実行される継続演出(図96参照)を実行するための表示用演出コマンドや、継続演出が終了するか否かを報知する演出(バトルリーチ)を実行するための表示用最終態様コマンドや、その他、遊技者に対して大当たりに当選している期待度を高めるための各種コマンドが音声ランプ制御装置113から出力されるように構成されており、それぞれ各種コマンドを受信した場合には、各種コマンドに対応する演出が表示される。
さらに、所定の表示用コマンドを受信したことに基づいて既に演出内容が設定されている場合であっても、その後に追加の表示用コマンドを受信した場合には、追加の表示用コマンドに対応する内容に演出内容を上書きするように構成している。これにより、表示用変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、所定期間(特別図柄の変動期間)に対応した期間分の演出を予め設定(作成)している状態で、その期間中に追加の表示用コマンド(例えば、遊技者による枠ボタン22に対する操作、新たな入球情報の獲得を示すための表示用コマンド)を受信した場合に、円滑に演出の表示内容を変更することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65Aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「1」から「9」の数字が付されていない副図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233Bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図123を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図123は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。Αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のΑブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、青年の画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「朝ステージ」、「夕方ステージ」、「夜ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像(特殊背面A〜C等)を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「START」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図75の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「END」情報が記載されている。そして、「START」情報が記載されたアドレス「0000H」と「END」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに格納すると共に、ポインタ233Fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233Fを1加算し、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図125参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233Fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図124を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図124は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233Bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図124のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNULLデータが規定される(図124のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「START」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図124の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「END」情報が記載されている。そして、「START」情報が記載されたアドレス「0000H」と「END」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233Eに格納する。そして、ポインタ233Fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図125参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図124の例では、ポインタ233Fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233Fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、NULLデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236Aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233Cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233Cは、電源投入時画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235A又は電源投入時変動画像エリア235Bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図155参照)の中でオンに設定される(図155のS6005参照)。そして、転送設定処理の常駐画像転送設定処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図170(B)のS8005参照)。
この簡易画像表示フラグ233Cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図157(B)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233Cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図157(B)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図157(B)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233Cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図158〜図166参照)および表示設定処理(図157〜図169参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233Cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図170(A)のS7901参照)、簡易画像表示フラグ233Cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図170(B)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233Cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図171参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233Dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図125参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図125参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233Eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233Eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233Dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、NULLデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図125参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233Fは、表示データテーブルバッファ233Dおよび転送データテーブルバッファ233Eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233Fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図167(B)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図169のS7305参照)が実行され、ポインタ233Fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233Fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図125参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233Dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233Gは、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図125を参照して、描画リストの詳細について説明する。図125は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図125示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、Αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233Jで指定される第1フレームバッファ236B又は第2フレームバッファ236Cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233Fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236Aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233Hは、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図157(B)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233Hが1ずつ減算される(図167のS7607参照)。その結果、計時カウンタ233Hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233Iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233Iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図155のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233Iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236Aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233Iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図171参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236Aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233Iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを判断する(図171のS8113参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図171のS8114参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233Jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236C)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233Jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236Bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236Cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図172のS8202参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233Jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233Jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236Bと第2フレームバッファ236Cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図157(B)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
合算値格納エリア233Kは、上述した継続演出(図91参照)において可変表示される継続値(HP値)として表示(合算値として表示)した履歴を格納(記憶)するためのエリアである。この合算値格納エリア233Kに格納(記憶)された値(合算値)と、新たに受信した継続値(HP値)との差分に基づいて継続演出における表示内容(例えば、図92(A)に示した、減少値DM12、HP表示領域DM17の表示態様や、攻撃演出の演出態様)が決定され表示される。
つまり、本制御例では、音声ランプ制御装置113側で、前回設定した合算値を記憶せずに、表示制御装置114側に前回設定した合算値を記憶する手段(合算値格納エリア233K)を設けており、前回の合算値と今回の合算値との差分を表示制御装置114が算出し、算出結果に基づいた表示態様を表示するように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の構成を簡素化することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113側に継続値(HP値)の表示バリエーションを増加させるための演出値を設定する手段(継続値副選択テーブル222G、及び、図150のS4105〜S4107の処理)を設けているが、この演出値を設定する手段を表示制御装置114に設けても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の構成を簡素化することができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷をより軽減することができる。
前兆演出フラグ233Mは、前兆演出が複数の特図変動を跨いで実行されるか否かを判別するためのフラグである。この前兆演出フラグ233Mがオンであれば、前兆演出が複数の特図変動を跨いで実行される状態であることを意味し、オフであれば、前兆演出が複数の特図変動を跨いで実行されない状態であることを意味する。前兆演出フラグ233Mは、音声ランプ制御装置113から送信される表示用追加前兆コマンドを受信した場合にオンに設定される(図166のS7505参照)。また、この前兆演出フラグ233Mは、変動パターンこまんど処理の中で参照され(図159のS6501参照)、複数の特図変動を跨いで実行される前兆演出に対応する表示データテーブルを設定した後に、オフに設定される(図159のS6503参照)。これにより、複数の特図変動を跨いで前兆演出を実行することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、複数の特図変動を跨いで前兆演出を実行する場合は、前回の特図変動において実行された前兆演出の演出データ及びその演出データのうち実行済みの時点を記憶する記憶手段を有しており、今回の特図変動に対応する演出を設定する際には(図159のS6502)、上述した記憶手段に記憶されている演出データを参照して、前回の特図変動において実行された前兆演出が継続して表示されるように構成している。これにより、複数の特図変動を跨いで実行される前兆演出を遊技者に違和感を与えること無く表示することができる。
また、本制御例では、表示用変動パターンコマンドを受信したことに基づいて前兆演出を設定するように構成(即ち、変動パターンの一部として前兆演出を実行するように構成)しているが、これに限ること無く、前兆演出を実行することを示す表示用コマンドを受信した場合に、変動表示内容に関わらず、前兆演出をそのコマンドが示す期間中、或いは、前兆演出の停止を示す表示用コマンドを受信するまで表示するように構成しても良い。
<第1制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図126から図137のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2M秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図126は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では238)に達した場合に0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、238,199,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、及び始動入賞処理の詳細は、図127〜図131を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図132および図133を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51Aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51Bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図127を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図127は、特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:YES)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:NO)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:NO)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0よりも大きいと判別した場合は(S204:YES)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223B1、特別図柄2保留球数カウンタ223B2にそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203Bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図128を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:NO)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)の値を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S209)。S209の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0であると判別された場合は(S209:NO)、本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0でないと判別された場合は(S209:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納されたデータをシフトし(S212)、処理をS213へと移行する。
以上、説明をしたように、本制御例では、特別図柄の変動を開始する処理を実行する場合に、先ず、特別図柄2保留球数カウンタの値(N2)を取得し、特別図柄2保留球数カウンタの値(N2)が0の場合、即ち、特別図柄2の保留球数が0の場合に、次いで、特別図柄1保留球数カウンタの値(N1)を取得するように構成している。このように構成することで、特別図柄2の変動を優先して実行することができる。
なお、特別図柄の変動を開始する処理としては、本制御例の構成に限られることは無く、例えば、特別図柄1の変動を優先して実行するように構成しても良いし、特別図柄1および特別図柄2に優先順位を設定せず、例えば、球が第1入球口64或いは第2入球口140に入球した順番に従って特別図柄の変動を実行するように構成しても良い。この場合は、球が第1入球口64或いは第2入球口140に入球した順番を記憶する記憶エリアを設け、その記憶エリアに記憶されている順番(入球順)に従って特別図柄1保留球数カウンタ或いは特別図柄2保留球数カウンタの値を取得するように構成しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで共通の保留球数カウンタを用いるように構成しても良い。
さらに、特別図柄1と特別図柄2とが独立して同時に変動するように構成しても良い。なお、この場合は、何れか一方の特別図柄が大当たり中であると判別した場合に、他方の特別図柄の変動を停止(変動時間の減算を一方の大当たりが終了するまで停止)したり、他方の特別図柄の変動を破棄(変動時間が経過していない状態であっても、抽選結果を外れに書き換えて強制的に停止)したりするように構成すると良い。このように構成することで、同時に複数の特別図柄を変動させる構成において、一方が遊技者に有利な状態となった場合に、他方の特別図柄の変動を気にすること無く遊技を行うことができる。
図127に戻り説明を続ける。S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:YES)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、S214の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S214:YES)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図128を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、特別図柄の種別(特別図柄1或いは特別図柄2)、および第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別(大当たりA〜K)が決定される。
本制御例では、大当たり種別(大当たりA〜K)に対応して第1図柄表示装置37のLEDの点灯パターンを異ならせることで、当選した大当たり種別を識別可能に構成している。具体的には、第1図柄表示装置37に設けられる複数のLED(例えば7個)のそれぞれを点灯又は消灯させることで、複数の点灯パターンを構成している。なお、第1図柄表示装置37の点灯パターンとして、点灯色を異ならせるように構成しても良い。さらに、第1図柄表示装置37は、複数のLEDの少なくとも1つを点滅表示させることで、特別図柄が変動していることを外部に報知するように構成しており、この点滅表示において用いられるLEDの点灯期間よりも、特別図柄が停止してから次の特別図柄の変動が実行されるまでに表示される点灯期間(特別図柄の停止状態を示すための点灯期間)の方が長くなるように構成している。これにより、遊技者に対して特別図柄が変動している状態であるか停止している状態であるかを把握させることができる。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:YES)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口65Aの開放シナリオを設定する(S217)。その後、確変フラグ203Gをオフにリセットすると共に、時短中カウンタ203Hの値を0にリセットして(S218)、大当たりの開始を設定する(S219)。S219の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図136参照)の大当たり制御処理(S1104)が実行された場合に、S1201:YESへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
そして、S219の処理を終えると、次に、停止図柄に関する情報を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:NO)、変動回数減算処理を実行する(S221)。なお、変動回数減算処理については、図129を参照して後述する。その後、上述したS220処理へ移行し、本処理を終了する。
次に、図128を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図128は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図126参照)の特別図柄変動処理(図127参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203Aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S213)では、まず、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203Aあるいは特別図柄2保留球格納エリア203B)の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203Gがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203Gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203Gがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203Gがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。
確変フラグ203Gがオンである場合は(S302:YES)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5〜9」の5個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本実施例では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を共通にしているが、特別図柄1の抽選か、特別図柄2の抽選かに応じて大当たりとなる判定値を異ならせても良い。このように構成することで、特別図柄1では外れと判定される乱数値が特別図柄2では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本制御では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を同じ個数に設定しているが、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで大当たりとなる判定値の個数を異ならせてもよい。このように構成することで、特別図柄1と特別図柄2とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、確変フラグ203Gがオフである場合は(S302:NO)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」のみが設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7」に一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定した場合には(S305:YES)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202Cに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA〜K)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、対応する図柄種別が特別図柄1(特図1)であって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲にあれば、大当たりA(ラウンド数が15ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別)であると判定し(図107参照)、「20〜79」の範囲にあれば、大当たりB(ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別)であると判定する。
また、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜114」の範囲にあれば、大当たりC(ラウンド数が10ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が100回設定される大当たり種別)であると判定し、「115〜164」の範囲にあれば、大当たりD(ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に設定される大当たり種別)であると判定する。
さらに、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「165〜199」の範囲にあれば、大当たりE(ラウンド数が5ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態が低確率状態で且つ時短状態では無い場合(通常状態である場合)には、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が設定され、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外(高確率状態または時短状態)の場合には、大当たり終了後の遊技状態として、時短状態が100回設定される大当たり種別であると判定する(図107参照)。
また、対応する図柄種別が特別図柄2(特図2)の場合も、上述した特図1の場合と同様に、第1当たり種別選択テーブル202C(図107参照)に規定されている内容に基づいて大当たりF〜大当たりKが判定される。
このS306の処理では、判定した大当たり種別(大当たりA〜K)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37Aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜K)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、上述した通り、変動パターン選択テーブル202D(図108参照)に規定されている。S307の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
一方、S305の処理において、特別図柄の大当たりではない(外れである)と判定した場合には(S305:NO)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203Aあるいは特別図柄2保留球格納エリア203B)の実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択テーブル202D(図108参照)の規定内容とを比較することにより、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。S309の処理が終了すると、処理をS310へと移行する。
S307の処理またはS309の処理が終了した後で実行されるS310の処理では、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを音声ランプ制御装置113へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を音声ランプ制御装置113へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図136参照)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理(図127参照)へ戻る。
次に、図129のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動回数減算処理(S221)を説明する。図129は、この変動回数減算処理(S221)を示すフローチャートである。この変動回数減算処理(S221)では、時短中カウンタ203H、および規定回数カウンタ203Jが特別図柄の変動終了に基づいて減算される。
時短中カウンタ203Hは時短状態が設定される残回数を計測するカウンタであって、大当たり終了後に遊技状態が時短状態へと移行する場合に時短回数が設定される。規定回数カウンタ203Jは、状態移行テーブル202F(図111および図112参照)に設定される各シナリオを更新するためのカウンタであって、大当たり終了後に設定される状態移行テーブルの内容に基づいて規定回数が設定される。
図129の処理が実行されると、まず、時短中カウンタ203Hの値が0よりも大きいかを判別する(S401)。時短中カウンタ203Hの値が0よりも大きいと判別した場合(S401:YES)、即ち、現在が時短状態である場合は、時短中カウンタ203Hの値を1減算し(S402)、時短中カウンタ203Hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S403)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図136参照)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドの一部として受信した残時短回数コマンドから、現在の遊技状態、即ち、時短状態の残時短回数を抽出し、状態格納エリア223Eに格納する。
S403の処理を終えると、次に、時短中カウンタ203Hの値が0であるか、つまり、S402の処理によって時短中カウンタ203Hの値を1減算した結果、時短中カウンタ203Hの値が0になったかを判別する(S404)。S404の処理において、時短中カウンタ203Hの値が0であると判別した場合は(S404:YES)、遊技状態を通常状態にし、対応する状態コマンドを設定し(S405)、S406の処理へ移行する。
一方、S404の処理において、時短中カウンタ203Hの値が0ではない(1以上)であると判別した場合は(S404:NO)、S405の処理をスキップしてS406の処理へ移行する。また、S401の処理において、時短中カウンタ203Hの値が0より大きくない(0である)と判別した場合は、時短中カウンタ203Hに関する処理(S402〜S405)をスキップしてS406の処理へ移行する。
S406の処理では、規定回数カウンタ203Jの値が0よりも大きいかを判別する(S406)。S406の処理において、規定回数カウンタ203Jの値が0よりも大きいと判別した場合は(S406:YES)、時短中カウンタ203Hの値を1減算し(S407)、規定回数カウンタ203Jの値を示す残変動回数コマンドを設定する(S408)。ここで設定された残変動回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図136参照)のS1101の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドの一部として受信した残変動回数コマンドから、各状態ステータスの残変動回数、即ち、遊技状態や参照する変動パターン選択テーブルが切り替わるまでの残変動回数を抽出し、状態格納エリア223Eに格納する。
S408の処理を終えると、次に、規定回数カウンタ203Jの値が0であるか、つまり、S407の処理によって規定回数カウンタ203Jの値を1減算した結果、規定回数カウンタ203Jの値が0になったかを判別する(S409)。規定回数カウンタ203Jの値が0であると判別した場合は(S409:YES)、状態移行テーブル202Fに応じた状態移行を行い、対応する状態コマンドを設定する(S410)。
このS410の処理では、例えば、状態移行テーブル202Fとして状態移行4テーブル202F4が設定されており、状態ステータスST3Aに対して設定された規定回数カウンタ203Jの値「4」が減算され「0」となり、状態ステータスがST3AからST3へ状態移行した場合に、状態ステータスST3を示す情報と、新たに設定される規定回数「96」を示す情報とを状態コマンドとして設定する。
そして、S410の処理を終えると、設定されている状態移行テーブル202Fに応じて規定回数カウンタ203Jの値を設定し(S411)、本処理を終了する。なお、S406の処理において、規定回数カウンタ203Jの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S406:NO)、規定回数カウンタ203Jに関する処理(S407〜S411)をスキップして本処理を終了する。
次に、図130のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図130は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、第1入球口64または第2入球口140への入賞(始動入賞)の有無を判別し、始動入賞があった場合に、各特別図柄の保留球数の加算し、対応する各種カウンタの値を各保留球格納エリアに格納する処理と、その格納された各種カウンタの値から、特別図柄における抽選結果を事前に判別する先読み処理を実行する。
始動入賞処理(S105)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S501)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別すると(S501:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S502)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が上限値(本第1制御例では4)未満であるか否かを判別する(S503)。
S503の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満であれば(S503:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1加算する(S504)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S505)。
ここで設定された保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223B1に格納する。
S505の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S506)。なお、S506の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
一方、S501の処理において、球が第1入賞口(入球口)64に入賞(入球)していないと判別した場合(S501:NO)、或いは、S503の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満ではない(4である)と判別した場合(S503:NO)は、特別図柄1に関する始動入賞処理をスキップして、S507の処理へ移行する。
次いで、S507〜S512の各処理では、S501〜S506の各処理と同様の処理が第2入球口140への入賞(入球)に対して実行される。S507〜S512の各処理では、第2入球口140の入賞に対応する保留球を保留する処理が実行される点が異なっているのみであり、その他の処理についてはS501〜S506の各処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、S507〜S512の各処理が終了すると、先読み処理を実行し(S513)、本処理を終了する。
次に、図131を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図130参照)内の1処理である先読み処理(S513)について説明する。図131は、この先読み処理(S513)を示すフローチャートである。この先読み処理(S513)では、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)があった場合に、その入賞(入球)に対する特別図柄の抽選結果を事前に判別(先読み)し、その事前判別(先読み)結果音声ランプ制御装置113へ出力するためのコマンドを設定する処理が実行される。ここで設定されたコマンド(入賞(入球)情報コマンド)を音声ランプ制御装置113が受信することで、保留記憶されている入賞(入球)情報に対する演出を当該入賞(入球)情報に基づく特別図柄変動が実行されるより前の時点で実行することが可能となる。
この先読み処理(図131,S513)では、まず、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)があるかどうかが判別する(S601)。判別の結果、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)がない場合は(S601:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64または第2入球口140に新たな入賞(入球)があると判別した場合は(S601:YES)、特別図柄保留球格納エリアから、(特別図柄1保留球格納エリア203A、特別図柄2保留球格納エリア203B)今回の入賞に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、停止種別選択カウンタC3の値、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S602)。
次に、第1当たり乱数テーブル202A(図106(A)参照)に規定されている判定結果のうち、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に対応する当たり判定結果を取得し(S603)、第1当たり種別選択テーブル202C(図107参照)に規定されている判定結果のうち、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別判定結果を取得する(S604)。
S604の処理を終えると、次いで、停止種別テーブルに規定されている判定結果のうち、取得した停止種別選択カウンタC3の値に対応する停止種別判定結果を取得し(S605)、変動パターン選択テーブル202D(図108参照)に規定されている判定結果のうち、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応する変動種別判定結果を取得する(S606)。
そして、上述したS603〜S606の処理において取得した、当たり判定結果を示す当たり判定結果情報、当たり種別判定結果を示す当たり種別情報、停止種別判定結果を示す停止種別情報、変動種別判定結果を示す変動種別情報を含む入賞情報コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
上述したS602の処理でおいて取得される入賞(入球)情報とは、新たな入賞(入球)に対して特別図柄の抽選が実行された場合における抽選結果を事前に示すための情報であれば良く。特別図柄の抽選に用いられる各種選択テーブルを用いて事前に抽選結果を選択しても良いし、上述した各種選択テーブルと同一の選択テーブルを先読み処理用に設ける構成にしても良い。
また、S607の処理において入賞(入球)情報コマンドに、今回の先読み処理の対象となる入賞(入球)情報に基づく特別図柄変動が実行される際の遊技状態を示すための遊技状態情報を含めても良い。ここで、遊技状態情報について説明をする。本制御例では、遊技状態として通常状態と確変状態と時短状態とを設定可能に構成しており、各遊技状態に応じて、特別図柄の抽選結果(大当たり判定結果、大当たり種別、及び、変動パターン)や、音声ランプ制御装置113にて設定される第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される表示態様が異なるように構成されている。
さらに、本制御例では特別図柄の変動回数に基づいて遊技状態が移行されるように構成されている。具体的には、遊技状態として時短状態(100回)が設定された場合は、その状態で特別図柄の変動回数が100回に到達したことを条件に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行される。
このように構成された本制御例では、先読み処理の対象となる入賞(入球)に基づく特別図柄の抽選が時短状態中に実行されるか否かを判別し、その判別結果を遊技状態情報として入賞(入球)情報コマンドに含めて音声ランプ制御装置113へ通知するように構成している。これにより、遊技状態が時短状態中に、第1入球口64または第2入球口140に入賞(入球)した球に基づく特別図柄の抽選(変動)が、遊技状態が通常状態へと移行された後に実行される場合であっても、特別図柄の抽選(変動)が実行される際の遊技状態に対応した入賞(入球)情報コマンドを設定することができる。さらに、入賞(入球)情報コマンドとして、その入賞(入球)情報コマンドに対応する特別図柄の抽選(変動)が実行される場合の遊技状態に対応した入賞情報コマンドのみを設定し、音声ランプ制御装置113に出力することができるため、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するデータの容量を軽減することができる。
なお、先読み処理による入賞(入球)情報コマンドの設定方法は、本制御例の内容に限られること無く、受信した入賞(入球)情報コマンドの内容に基づいて音声ランプ制御装置113にて設定される演出(先読み演出)の内容が、遊技状態の移行により可変される特別図柄の抽選(変動)結果に対して矛盾してしまうという不具合を抑制することができる構成であれば良い。
例えば、主制御装置110の先読み処理において入賞(入球)情報コマンドを設定する場合に、複数の遊技状態に対応した入賞(入球)情報コマンドを設定可能に構成し、音声ランプ制御装置113にて入賞(入球)情報コマンドに対応する特別図柄の抽選(変動)が実行される際の遊技状態を判別し、その判別結果に対応した入賞(入球)情報に基づいて先読み演出の設定を行うように構成してもよい。これにより、主制御装置110の先読み処理において、遊技状態を先読みする処理を行う必要が無くなるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
加えて、上述した複数の遊技状態に対応した入賞(入球)情報コマンドとしては、例えば、大当たりの判定結果として、どの遊技状態であっても大当たりに当選する第1判定結果、遊技状態が確変状態の場合のみ大当たりに当選する第2判定結果、何れの遊技状態であっても大当たりに非当選である第3判定結果の何れかを設定し、音声ランプ制御装置113側で遊技状態に対応させて大当たりの判定結果を取得することができるように構成しても良いし、先読み処理にて取得した各カウンタの値を示す情報をそのまま入賞(入球)情報コマンドとして出力し、音声ランプ制御装置113が、受信した情報(主制御装置110が先読み処理にて取得した各カウンタの値を示す情報)に基づいて抽選結果を判別可能となるように構成しても良い。
次に、図132を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図132は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口140に付随する電動役物140Aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口140に付随する電動役物140Aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:YES)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:NO)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:NO)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0であれば(S704:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0でなければ(S704:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203Cに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203Cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、現在が普通図柄の時短状態中であるかを判別する(S708)。具体的には、RAM203の時短中カウンタ203Hの値が1以上であるか、または、確変フラグ203Gがオンの場合に普通図柄の時短状態であると判別し、時短中カウンタ203Hの値が0、且つ、確変フラグ203Gがオフであれば、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別する。
S708の処理において、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S708:YES)、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202Bとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S709)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202Bに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図106(B)の202B参照)。
一方、S708の処理において、普通図柄の時短状態中ではないと判別した場合は(S708:NO)、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202Bとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202Bに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜6」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,7〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図106(B)の202B参照)。
次に、S709またはS710の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S711)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(S711:YES)、当たり時の表示態様を設定する(S712)。このS712の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS714へと移行する。
一方、S711の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S711:NO)、外れ時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S714の処理へ移行する。
S714の処理では、普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S714)、普通図柄の時短状態中であれば(S714:YES)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S715)、本処理を終了する。一方、S714の処理において、普通図柄の通常状態であると判別した場合は(S714:NO)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S716)、本処理を終了する。このように、普通図柄の高確率時(時短状態時)には、普通図柄の低確率時(通常状態時)と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなるので、普通図柄の抽選頻度が高くなる。よって、普通図柄の抽選で当たりとなる頻度が高くなることにより、第2入球口140に付随する電動役物140Aが開放され易くなるので、第2入球口140へ球が入球し易い状態となる。
なお、詳細な説明は省略するが、普通図柄の遊技状態は特別図柄の大当たり中に当選した場合に、通常状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技者にとって有利となる大当たり中において、普通図柄の遊技状態も有利状態となり、遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。また、可変入賞装置65が開放し易い期間(特別図柄の大当たり期間)と、電動役物140Aが開放し易い期間(普通図柄の当たり期間)とが重複し、遊技者にとって最も有利となる可変入賞装置65への球の入賞を、開放中の電動役物140Aが阻害してしまう事態を抑制することができる。
上述した内容について、詳細に説明をすると、可変入賞装置65に入賞可能となるように球が流下する第1流路に電動役物140Aを設けた場合、大当たり期間中に電動役物140Aが開放されることで、第1流路を流下した球が電動役物140Aに入賞してしまい、大当たり期間中に可変入賞装置65へ十分に球を入賞できなくなるという問題があった。そこで、例えば、可変入賞装置65の下方位置(下流側)に電動役物140Aを配置し、大当たり期間中に(可変入賞装置65が開放している期間中に)第1流路を流下した球を可変入賞装置65に入賞させ易くする構成を用いることで上述した問題を解決することが可能となるが、この場合、パチンコ機10の構成に制限が掛かってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例は特別図柄の大当たり中に普通図柄を低確率状態(通常状態)へと移行するため、大当たり期間中に電動役物140Aが開放し難くなり、上述した問題を解決することができる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:YES)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S717)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S715の処理またはS716の処理によって予め設定された時間である。
S717の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S717:NO)、本処理を終了する。一方、S717の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過したと判別した場合は(S717:YES)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S718)。S718の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S712の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S718の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図136参照)の第2図柄表示更新処理(S1107参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S712の処理またはS713の処理で設定された表示態様で、停止図柄(普通図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示される。
次に、第2図柄表示装置83において現在実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S719)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S719:YES)、次に、現在が普通図柄の時短状態中であるか否かを判別し(S720)、時短状態中であると判別した場合は(S720:YES)、第2入球口140に付随する電動役物140Aの開放時間、および開放回数として、「1秒間×2回」を設定し(S722)、S723の処理へと移行する。一方、S720の処理において、普通図柄の通常状態である(時短状態でない)と判別した場合は(S720:NO)、第2入球口140に付随する電動役物140Aの開放時間、および開放回数として、「0.2秒間×1回」を設定し(S721)、S723の処理へと移行する。
S723の処理では、S721、又はS722の処理で設定された時間および開放回数の、電動役物140Aの開閉制御開始を設定し(S723)、本処理を終了する。S723の処理によって、電動役物140Aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図136参照)の電動役物開閉処理(S1105参照)が実行された場合に、電動役物140Aの開閉制御が開始され、S721の処理またはS722の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物140Aの開閉制御が継続される。一方、S719の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S719:NO)、S720〜S723の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図133のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図133は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図126参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判別し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判別した場合は(S801:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が上限値(本第1制御例では4)未満であるか否かを判別する(S803)。
球が普通入球口67を通過していない(S801:NO)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満でなければ(S803:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S801:YES)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満であれば(S803:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。なお、S805の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図134を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図134は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図135を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図135は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本第1制御例では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:YES)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:NO)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:NO)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:YES)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:NO)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図136のS1114の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:NO)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:YES)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:YES)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図136を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図136は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4M秒周期の定期処理としてS1101〜S1107の各処理が実行され、その残余時間でS1110,S1111のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図126参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図126参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図127参照)や始動入賞処理(図130参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図130参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図137参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第1制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65Aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1104)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65Aを開放し、特定入賞口65Aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65Aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65Aを閉鎖する。この特定入賞口65Aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本第1制御例では、大当たり制御処理(S1104)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口140に付随する電動役物140Aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1105)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図132参照)のS723の処理によって電動役物140Aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物140Aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物140Aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS721の処理またはS722の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1106)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図128参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本第1制御例では、第1図柄表示装置37のLED37Aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4S毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図128参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図128参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図132参照)のS715の処理またはS716の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図132参照)のS718の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図132参照)のS712の処理またはS713の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1108)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1108:NO)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本第1制御例では4M秒)が経過したか否かを判別し(S1109)、既に所定時間が経過していれば(S1109:YES)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1109:NO)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1110,S1111)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1110)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第1制御例では238、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1111)。
ここで、S1101〜S1107の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1108の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1108:YES)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図134のNMI割込処理が実行されたということなので、S1112以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1112)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1113)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1114)、RAM203のアクセスを禁止して(S1115)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1108の処理は、S1101〜S1107で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1110とS1111の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図135のS1001参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図137のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1104)を説明する。図137は、この大当たり制御処理(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1104)は、メイン処理(図136参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65Aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判別する(S1201)。具体的には、特別図柄変動処理(図127参照)のS219の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判別する。S1201の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1201:YES)、オープニングコマンドを設定して(S1202)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1201の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1201:NO)、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S1203)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1203の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1203:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1203の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1203:YES)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1204)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1204:YES)、特定入賞口(大開放口)65Aを開放し(S1205)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1206)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1204の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合は(S1204:NO)、特定入賞口(大開放口)65Aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1207)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65Aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65Aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1207の処理において、特定入賞口(大開放口)65Aの閉鎖条件が成立した場合には(S1207:YES)、特定入賞口(大開放口)65Aを閉鎖して(S1208)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65Aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1207:NO)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1209)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(大当たりに設定されている全てのラウンド遊技(例えば15ラウンド))が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。
S1209の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1209:YES)、エンディングコマンドを設定し(S1210)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1209の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1209:NO)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1211)、エンディング演出の終了タイミングで無いと判別した場合は(S1211:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1211の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合(S1211:YES)、即ち、大当たり遊技が全て終了したタイミングであると判別した場合は、第1当たり種別選択テーブル202Cに基づいて、確変フラグ203Gおよび時短中カウンタ203Hの内容を設定する(S1212)。このS1212の処理によって、当選した大当たり種別に対応した大当たり終了後の遊技状態(確変状態の有無、時短状態の有無および時短回数の設定)が設定される。
次いで、大当たり移行設定テーブル202Eを参照し、今回当選した大当たり種別と、当選時の遊技状態とに基づいて状態移行先を選択し(図110参照)、選択された状態移行先に対応した状態移行テーブル202Fに基づいて、状態ステータスと規定回数カウンタ203Jを取得する(S1213)。例えば、遊技状態として「高確率時短あり(確変状態)」が設定されている状態で、大当たり種別として「大当たりG」に当選した場合は、状態移行先として「状態移行2」が選択され、状態移行テーブル202F(図111(A)参照)のうち、「状態移行2」に対応する状態移行2テーブル202F2(図111(C)参照)が参照される。
その後、大当たりが終了した後の特別図柄の遊技状態(高確率状態(確変状態)、低確率状態(通常状態))を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態指定コマンドを設定し(S1214)、大当たりの終了を設定して(S1215)、本処理を終了する。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図138から図154を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図138を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図138は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S3001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S3118の電源断処理(図139参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3002)。図139を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図139のS3115:YES)、S3118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S3118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S3002:NO)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であって図139のS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3006の処理によって「55AAH」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAH」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAH」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3003:YES)、S3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3003:NO)、S3008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAH」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3003:YES)、S3004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAH」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3003:NO)、S3008へ移行する。
一方、S3002の処理において、電源断処理中フラグがオンであると判断した場合は(S3002:YES)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S3118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFH」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFH」であるか否かを確認し、「0FFH」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFH」に次いで、「55H」、「0AAH」、「00H」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3005:YES)、RAM223の特定領域に「55AAH」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3006)。この特定領域に書き込まれた「55AAH」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3005:NO)、RAM223の異常を報知して(S3007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3008)。電源断フラグは図139のS3118の電源断処理の実行時にオンされる(図139のS3117参照)。つまり、電源断フラグは、S3118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3008:YES)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S3009)、処理をS3010へと移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3008:NO)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3009をスキップして、処理をS3010へ移行する。
なお、S3009のクリア処理をスキップするのは、S3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至った場合には、S3004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
S3010の処理では、RAM223の初期値を設定する(S3010)。次いで、割込み許可を設定し(S3011)、時間演出の実行期間(特定の時間帯)を判別するための基準の計時情報(基準時刻)を設定するための時間設定処理を実行して(S3012)、メイン処理へ移行する。
次に、図139を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図139は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS3101の処理が実行されてから1M秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1M秒以上経過していなければ(S3101:NO)、S3102〜S3112の処理を行わずにS3113の処理へ移行する。S3101の処理で、1M秒経過したか否かを判別するのは、S3102〜S3112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1M秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3113のコマンド判定処理、S3114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3114の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S3101の処理で1M秒以上経過していれば(S3101:YES)、まず、S3103〜S3114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223B1および特別図柄2保留球数カウンタ223B2の値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押下されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を設定するための処理である。ここで枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)の内容について説明をする。
この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)では、まず、枠ボタン22の押下を有効に扱う期間であることを示す有効期間フラグがオンに設定されているかを判別する。ここで、有効期間フラグがオンに設定されている場合は、次に、枠ボタン22の押下を検出したかを判別する。枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し、本処理を終了する。
なお、上述した有効期間フラグは、枠ボタン22の押下に基づいて実行される演出毎にそれぞれ設けられている。例えば、枠ボタン22の押下に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域DMの背景を可変可能な期間であれば、その旨を示すための有効期間フラグ(第1有効期間フラグ)をオンに設定し、枠ボタン22の押下に基づいて第3図柄の変動演出態様を可変させる操作演出が実行されている期間(操作演出において枠ボタン22の押下を有効に受け付ける期間)であれば、その旨を示すための有効期間フラグ(第2有効期間フラグ)をオンに設定する。
さらに、上述した複数の有効期間フラグには、遊技者が枠ボタン22を押下した場合に付与される特典価値に対応して優先順位が予め定められており、複数の有効期間フラグがオンに設定されている場合は、オンに設定されている複数の有効期間フラグのうち優先順位が高い有効期間フラグに基づいて枠ボタン22の押下に基づく処理が実行されるように構成している。
このように構成することで、枠ボタン22の押下を有効に受け付ける期間が重複する場合、例えば、背景を可変可能な期間(第1有効期間フラグがオンに設定されている期間)と、操作演出が実行される期間(第2有効期間フラグがオンに設定されている期間)とが重複する場合に、優先順位が高く設定されている第2有効期間フラグに基づいて枠ボタン22の押下に基づく処理が実行されるため、遊技者に対して特典価値の高い演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
加えて、第3図柄表示装置81の主表示領域DMにて実行される演出も同様に、第2有効期間フラグがオンに設定されていることを示すための演出が実行されるように構成されており、優先順位が高く設定されている有効期間に対応した演出のみが実行されるため、遊技者は第3図柄表示装置81の主表示領域DMにて実行されている演出を見ながら操作タイミングを間違えること無く枠ボタン22を押下することができる。よって、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。
なお、本制御例では各有効期間フラグに優先順位を設定する方法として、予め各有効期間フラグに優先順位を設定する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)において、高い優先順位から順に有効期間フラグがオンに設定されているかを判別するように構成してもよい。これにより、例え、同時に複数の有効期間フラグがオンに設定されている場合であっても、優先順位の高い有効期間フラグに基づいて枠ボタン22の押下に基づく処理が実行されるため、遊技者に対して特典価値の高い演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)が終わると、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S3110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S3110の処理が終了すると、各種カウンタ更新処理が実行される(S3111)。この各種カウンタ更新処理は、音声ランプ制御装置113にて用いられる各種カウンタを更新するための処理が実行される。具体的には、演出カウンタ群223Yに含まれる第1演出カウンタ223Y1〜第6演出カウンタ223Y6の各カウンタ値が同期することが無いように更新される。この第1演出カウンタ223Y1〜第6演出カウンタ223Y6は、それぞれ変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この第1演出カウンタ223Y1〜第6演出カウンタ223Y6は、0から149の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図136参照)が実行される毎に(1M秒毎に)、異なる値となるように更新処理が実行される。
なお、本第1制御例では、複数の演出を演出カウンタの値に基づいて選択する際に、更新値が異なる複数の演出カウンタを用いているため、メイン処理内で複数の演出を選択する場合であっても、同一のカウンタ値を参照してしまい、選択される演出が偏ってしまうことを抑制しているが、例えば、1回のメイン処理内の異なる処理において選択される複数の演出態様を同期させたい場合は、同一の演出カウンタを用いて演出態様を選択するように構成すればよい。
また、本第1制御例では、更新パターンが異なる複数のカウンタ(第1演出カウンタ223Y1〜第6演出カウンタ223Y6)を用いているが、例えば、1つの演出カウンタの更新値を用いてランダムな値を算出し、その算出値を用いて各演出を選択するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113が有するカウンタの数を削減することができる。この場合、例えば、演出カウンタの更新値のうち、下1桁目の値と、下2桁目の値と、1桁目の値に2桁目の値を乗じた値の下1桁と下2桁目の値を加算した値というように、各値が規則性を有さないように算出するとよい。
S3111の処理が終了すると、次に、演出更新処理(S3112)が実行される。この演出更新処理は、音声ランプ制御装置113にて設定された各種演出を、経過期間に基づいて更新する処理である。この演出更新処理(S3112)では、特別図柄の変動に関わらず実行される演出(例えば、大当たり終了後に実行される表示延長演出)に対する制御が実行される。この演出更新処理(S3112)の詳細な説明については、図154を参照して後述する。
S3113の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S3113)。このコマンド判定処理の詳細については、図140を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S3114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において特別図柄変動に対応した演出(第3図柄の変動演出や、その他演出)を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図147を参照して後述する。
S3114の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3115の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S3115:YES)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3117)、電源断処理を実行する(S3118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3115:NO)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3116)、RAM223が破壊されていなければ(S3116:NO)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3116:YES)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図140を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3113)について説明する。図140は、このコマンド判定処理(S3113)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3113)は、メイン処理(図136参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S3201)。変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S3201:YES)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Cをオンに設定し(S3202)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S3203)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図147参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を決定するために参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S3201の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S3201:NO)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S3204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S3204:YES)、RAM223の停止種別選択フラグ223Dをオンに設定し(S3205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S3206)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図147参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S3204の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合は(S3204:NO)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S3207)。そして、保留球数コマンドを受信していると判別した場合には(S3207:YES)、受信した保留球数コマンドに対応する特別図柄(特別図柄1、または特別図柄2)の保留球数カウンタに、受信した保留球数コマンドに含まれている値を格納し(S3208)、本処理を終了する。具体的には、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄1に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223B1に格納する。一方、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄2に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223B2に格納する。
なお、S3208の処理で特別図柄1保留球数カウンタ223B1、および特別図柄2保留球数カウンタ223B2の何れかの値が変更された場合には、更新後のカウンタ値を表示制御装置114に通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。この表示用保留球数コマンドにより、実際の保留球数を表示制御装置114に対して通知することができるので、第3図柄表示装置81の保留表示エリアDN4において、常に正確な個数の保留図柄を表示させることができる。
一方、S3207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合には(S3207:NO)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S3209)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S3209:YES)、入賞情報コマンド処理を実行し(S3210)、本処理を終了する。
ここで、入賞情報コマンド処理(S3210)について図141を参照して説明をする。図141は入賞情報コマンド処理(S3210)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理(S3210)は、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であって、受信した入賞情報コマンドに含まれる情報を入賞情報格納エリア223Aのうち対応する領域(入賞情報コマンドに対応する保留記憶エリア)に格納するための処理を実行する。
ここで、入賞情報コマンドに含まれる情報としては、特別図柄の当否判定結果に関する情報、停止種別に関する情報、変動パターンに関する情報といった、入賞球を対象とした情報となるが、それ以外の情報を含めても良く、例えば、既に入賞済みの球(過去に入賞情報コマンドを受信した)に関する入賞情報を含めてもよい。
入賞情報コマンド処理(S3210)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドの情報(先読み情報)を対応する入賞情報格納エリア223Aに格納する(S3231)。入賞情報格納エリア223Aは、上述したように、特別図柄1の入賞情報コマンドを最大で4個、特別図柄2の入賞情報コマンドを最大で4個、合計で8個の入賞情報コマンドを格納可能に構成されており、入賞情報コマンドを受信した順番に応じて指定の記憶領域に入賞情報コマンドが格納される。
次に、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる情報(先読み情報)として、変動時間が60秒以上の変動種別情報(リーチ以上の変動パターン情報)があるかを判別する(S3232)。S3232の処理において、変動時間が60秒以上の変動種別情報(リーチ以上の変動パターン情報)が無いと判別した場合は(S3232:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、変動時間が60秒以上の変動種別情報(リーチ以上の変動パターン情報)があると判別した場合は(S3232:YES)、次いで、特定演出C(図101参照)、即ち、変動開始から所定期間以内(例えば、5秒以内)に実行される特定演出(例えば、遊技者に枠ボタン22を操作させるための演出)を示す変動種別情報が有るかを判別する(S3233)。
ここで、特定演出Cがあると判別した場合は(S3233:YES)、その後、現在実行されている変動表示の残変動時間が10秒以上あるかを判別する(S3234)。このS3234の処理では、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図139参照)において実行される液晶演出実行管理処理(S3110)によって管理される時間(設定されている変動時間に対する経過時間)に基づいて変動表示の残変動時間が判別される。
S3234の処理において、残変動時間が10秒以上あると判別した場合は(S3234:YES)、実行中の変動表示に前兆演出を追加可能な期間が確保されている場合であるため、表示用追加前兆コマンドを設定し(S3235)、前兆設定フラグ223Tをオンに設定し(S3236)、本処理を終了する。上述した処理を実行することにより、次回以降の変動表示にて実行される特定演出Cを対象とした示唆演出として、複数の変動表示を跨いだ前兆演出を実行することが可能となる。これにより、変動表示の序盤に実行される特定演出(例えば、変動開始から5秒後に実行される特定演出C(図101参照))、即ち、1つの変動表示だけでは示唆演出を実行する期間を確保できないタイミングで実行される特定演出に対しても複数の変動表示を用いて示唆演出を実行することができるため、示唆演出の発生頻度を高めることが出来ると共に、特定演出を設定可能な範囲を広げることが可能となり、変動表示に関する演出の自由度を高めることができる。
なお、S3234の処理において、残変動時間が10秒未満であると判別した場合(S3234:NO)、即ち、実行中の変動表示に示唆演出を追加可能な期間を確保できない場合は、実行中の変動表示の表示態様を可変することなく、本処理を終了する。ここで、実行中の変動表示に示唆演出を追加可能な期間を確保できない場合は(S3234:NO)、今回の入賞情報コマンド処理(S3210)においてカウントダウン演出があると判別した入賞情報に対応する変動表示を設定する際に、1つの変動表示だけで示唆演出が実行可能となる範囲(例えば、変動開始から15秒以上経過した範囲)内に特定演出を設定し、示唆演出を設定する。
このように構成することで、カウントダウン演出を実行することを示すための入賞情報が付与された変動に対して、その入賞情報が発生したタイミング(第1入球口64、或いは第2入球口140に球が入球したタイミング)によって、カウントダウン演出の演出態様を異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
本制御例では、変動表示の序盤に設定される特定演出(例えば、変動開始から5秒後に実行される特定演出C(図101参照))を、他の期間に設定される特定演出(例えば、変動開始から20秒後に実行される特定演出)よりも大当たり期待度が高いことを示す演出となるように規定している。つまり、特別図柄の大当たり当選に対応した変動パターンの方が、特定演出Cを実行可能な変動パターンが選択されやすくなるように規定している。
これにより、複数の変動表示を跨いで示唆演出が実行される場合に、遊技者に対して次回以降の変動で大当たりに当選する期待感を高めさせることができる。さらに、複数の変動を跨いだ示唆演出が実行されるように、遊技者に対して特別図柄の保留を意欲的に貯めさせることができる。
なお、本制御例では上述したように受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報、及び、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行するか否かを判別しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するか否かを判別し、実行すると判別した場合に、示唆演出として前兆演出を実行し、次の変動表示を開始するタイミングにおいて、特定演出の設定を行うように構成しても良いし、前兆演出が実行されている期間中における遊技者の枠ボタン22の操作内容に基づいて特定演出を設定(複数の特定演出から示唆演出の対象となる特定演出を設定)するように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出が開始された後の遊技状況(次変動の抽選結果や変動パターン、或いは、操作手段(枠ボタン22)への操作内容)に基づいて、示唆演出の演出態様を設定することができる。よって、示唆演出の演出態様を予め定めてから実行する構成に比べて演出の自由度を高めることができる。
また、本制御例では、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する例として、実行中の変動表示と、その変動表示中に入賞した入賞情報に基づいて次回実行される変動表示と、を用いた示唆演出を説明しているが、それに限ること無く、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する構成であれば良く、例えば、変動表示中に入賞した入賞情報が次々回に実行される変動表示の場合であれば、実行中の変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良いし、次回に実行される変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良い。この場合、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するタイミングを実行中の変動表示に設定するか、次回の変動表示に設定するかを判別する手段を設けると良い。
入賞情報格納エリア223Aに格納された入賞情報は、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出の内容を選択する際に参照され、例えば、特別図柄の保留球数が表示される保留表示エリアDN4において、大当たりを示す入賞情報に対応する保留表示(保留図柄)を示唆するために、保留表示の表示態様を変化させる保留変化予告演出を設定したり、大当たりを示す入賞情報に対応する特別図柄よりも前に変動が開始される特別図柄の演出として大当たりを期待させる連続予告演出を設定したりする場合に参照される。
また、本第1制御例では、大当たりに当選した時点や、大当たり遊技中、大当たり終了時に入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を参照し、保留内に大当たりを示す入賞情報が含まれているか(保留内連荘の有無)を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中や大当たり終了後の演出を設定するように構成している。加えて、確変状態中に実行される継続演出においても、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に基づいて、演出内容が選択されるよう構成している。
詳細な説明は省略しているが、本制御例では、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を参照した演出(先読み演出)を実行している場合には、その旨を示すフラグ(例えば、先読み演出中フラグ)をオンに設定し、その先読み演出中フラグがオンに設定されている場合には、新たな入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいた新たな先読み演出が実行されないように構成している。これにより、複数の先読み演出が間を開けること無く連続して実行されてしまい遊技者に違和感を与えてしまうという問題が発生することを抑制している。
なお、上述した問題を解決するための上述した内容以外の制御を用いても良く、例えば、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に基づいて設定される複数の先読み演出に優先ランクを付与し、現在実行されている先読み演出の優先ランクと、新たな入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいて設定可能な先読み演出の優先ランクとを比較して、優先ランクが高い先読み演出を実行するように制御しても良い。この場合、新たな先読み演出の優先ランクの方が、優先ランクが高いと判別した場合には、実行中の先読み演出が途中で終了することを遊技者に報知するための先読み演出切替報知を実行した後に、新たな先読み演出を実行させたり、実行中の先読み演出の演出態様を、当初設定していた終了タイミングよりも早めた短縮先読み演出態様に可変した後に、新たな先読み演出を実行させたりしても良い。
また、先読み演出の優先ランクとしては、大当たりに当選していることを示す入賞情報に対応する先読み演出の優先ランクは最も高くなるように、大当たりに当選している期待度が高い程、優先ランクが高くなるように設定するとよい。これにより、実行中の先読み演出が途中で終了した場合に、遊技者に大当たりに対する期待感を持たせることができ、次に実行される新たな先読み演出を注視させることができる。
図140に戻り説明を続ける。S3209の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S3209:NO)、次に、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S3211)、当たり関連コマンドを受信した場合は(S3211:YES)、当たり関連コマンド処理(S3212)を実行し、当たり関連コマンド処理の終了後、本処理を終了する。
ここで、当たり関連コマンド処理(S3212)の内容について、図142を参照して説明する。図142は、当たり関連コマンド処理(S3212)の内容を示したフローチャートである。当たり関連コマンド処理では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S3301)。そして、オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S3301:YES)、大当たり中演出設定処理を実行し(S3302)、次いで、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を実行させるための、表示用オープニングコマンドを設定して(S3303)、本処理を終了する。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
ここで、オープニングコマンドを受信した場合(S3301:YES)に実行される大当たり中演出設定処理(S3302)について、図143を参照してその内容を説明する。図143は、大当たり中演出設定処理(S3302)の内容を示したフローチャートである。この大当たり中演出設定処理(S3302)では、大当たり当選時の保留状況(入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報の内容や特別図柄2保留球数カウンタ223B2のカウンタ値(保留球数))に基づいて大当たり中に実行される演出を設定するための処理が実行される。
具体的には、特別図柄の大当たりに当選したことを示す入賞情報の有無を判別した結果と、特別図柄2の保留球数が上限値(4個)に到達しているか否かを判別した結果とに基づいて大当たり中演出選択テーブル222C(図115(C)参照)を用いて大当たり中に実行される演出が選択される。
大当たり中演出設定処理(S3302)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を抽出し(S3401)、次いで、特別図柄2保留球数カウンタ223B2の値に基づいて現在の保留球数(特別図柄2の保留球数)を抽出し(S3402)、その抽出した保留球数(特別図柄2の保留球数)が0であるかを判別する(S3403)。
ここで、保留球数が0ではない(1以上)と判別した場合は(S3403;NO)、抽出した入賞情報および保留球数に対応する保留ランクを保留ランク選択テーブル222Bから読み出し(S3404)、後述するS3406の処理へ移行する。一方、S3403の処理において、保留球数が0であると判別した場合は、保留ランクとして「1」を読み出して、S3406の処理へ移行する。
保留ランク選択テーブル222Bでは、大当たり終了時の保留内に再度大当たりに当選する(保留内連荘する)入賞情報が存在し得る期待度に基づいて保留ランクを選択するために、大当たり当選時において格納されている入賞情報に大当たり当選情報が含まれているか否かを判別した結果と、大当たり中に新たな入賞情報が格納される可能性があるか否か(保留球数が上限であるか否か)を判別した結果とに基づいて保留ランクが選択される。また、大当たり当選時において、保留球数が「0」の場合は、入賞情報が無いため、保留ランク選択テーブル222Bを用いること無く、保留ランク「1」が設定される。
上述したように、本制御例では、大当たり中に実行される演出を選択する際に、入賞情報格納エリアに格納されている入賞情報の数、即ち、保留球数と、入賞情報の内容、即ち、当否判定結果とに基づいて保留ランクを選択するように構成している。ここで選択された保留ランクに基づいて後述するS3406の処理にて大当たり中に実行される演出が選択される。
このように構成することで、入賞情報格納エリアに格納されている入賞情報の数、即ち、保留球数と、入賞情報の内容、即ち、当否判定結果とに対応した演出を大当たり中に実行することができ、遊技者に対して大当たりに当選したことを祝福する演出に加え、大当たり終了後の遊技内容について示唆する演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たり中に実行される演出を、上述した内容で選択される保留ランクを参照する構成を用いているが、それ以外にも、例えば、入賞情報に含まれる大当たり数や、変動パターンの種別や、遊技状態(確変状態、時短状態、通常状態)の推移(保留球に対応する特別図柄の変動が全て終了した場合に決定され得る遊技状態)といった情報に基づいて保留ランクを選択するようにしてもよい。
さらに、上述した保留ランクに加え、今回実行されている大当たり種別や、大当たりの当選が所定期間内(例えば、特別図柄の変動回数が50回以内)に継続されている回数や、遊技者が有利な遊技状態が継続している状態で当選した大当たり回数といった、所謂連荘回数や、遊技者の操作手段に対する操作内容を示す操作情報を用いても良い。これにより、より様々な演出を大当たり中に実行することができる。
また、本制御例では上述した保留ランクに基づいて選択される大当たり中の演出が第3図柄表示装置81の主表示領域DM全体を用いて実行されるが(図86(A)参照)、演出態様については遊技者が大当たり中に内容を把握できる態様であれば、これに限ることなく、主表示領域DMの全体を用いて共通の大当たり中演出を実行し、主表示領域DMの一部領域を用いて実行される副演出として上述した保留ランクに基づいて選択される大当たり中の演出を実行するようにしても良いし、第3図柄表示装置81以外の装置(例えば、サブ表示装置、ランプ装置、パチンコ機10の枠、音声出力装置)を用いて実行するようにしてもよい。これにより、大当たりに当選したことを示すための演出(大当たり中であることを示すための演出)を共通化しながら、保留ランクに基づいて、大当たり終了後の遊技内容を遊技者に示唆することができるため、大当たり中であることを遊技者に分かり易く報知し、且つ、大当たり終了後に期待を持たせる演出を実行することができる。
図143に戻り、説明を続ける。S3406の処理では、読み出した保留ランクと第1演出カウンタ223Y1の値とに基づいて、大当たり中演出選択テーブル222Cを参照して大当たり中演出を読み出す(S3406)。次いで、今回読み出した大当たり中演出が上乗せ用演出であるかを判別し(S3407)、上乗せ用演出であると判別した場合は(S3407:YES)、上乗せ演出フラグ223Hをオンに設定し(S3408)、読み出した大当たり中演出に対応する表示用大当たり中演出コマンドを設定し(S3409)、本処理を終了する。一方、S3407の処理において、今回読み出した大当たり中演出が上乗せ用演出ではないと判別した場合は(S3407:NO)、S3408の処理をスキップして上述したS3409の処理へ移行する。
図142に戻り説明を続ける。S3301の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3301:NO)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S3304)。ここで、ラウンド数コマンドを受信した場合は(S3304:YES)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S3305)、その後、上乗せ演出フラグ223Hがオンに設定されているかを判別する(S3306)。
ここで、上乗せ演出フラグ223Hがオンに設定されている場合は(S3306:YES)、新たなラウンドが開始されるタイミング(即ち、ラウンド数コマンドを受信したタイミング)において、上乗せ用演出に関する処理を実行する必要があるため、上乗せ演出中処理を実行し(S3307)、その後、表示用上乗せ演出コマンドを設定し(S3308)、今回抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S3309)、本処理を終了する。ここで設定された表示用上乗せ演出コマンドおよび表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
ここで、上乗せ演出中処理(S3307)の内容について、図144を参照して説明する。図144は、上乗せ演出中処理(S3307)の内容を示したフローチャートである。この上乗せ演出中処理(S3307)は、上述した大当たり中演出設定処理(図143参照)において、大当たり中の演出として上乗せ用演出が選択された場合に実行される処理であって、上乗せ用演出が実行されている場合に表示されるラウンド数表示態様DM10(図86(A)参照)の表示態様を選択するための処理である。
この上乗せ演出中処理(S3307)は、当たり関連コマンド処理(図142参照)において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合(S3304:YES)に実行される処理である。つまり、大当たり中において、新たなラウンドが開始される度に上述した上乗せ演出中処理が実行されるように構成されている。これにより、既に第3図柄表示装置81に表示されている確定ラウンド数表示態様DM4及び実行中ラウンド数表示態様DM3の進行具合に対応したラウンド数表示態様DM10を選択することができる。
また、本制御例では、上乗せ用演出において表示するラウンド数として、実行中の大当たりに設定されるラウンド数(例えば、10ラウンド)に、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に含まれる大当たりのラウンド数(例えば、15ラウンド)を合算するように構成している。このように構成されている本制御例において、新たなラウンドが開始される度に上乗せ演出中処理(S3307)を実行することで、大当たり中に新たに格納された入賞情報が大当たりに対応している場合であっても、即座にその内容を反映させた上乗せ用演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
上乗せ演出中処理(S3307)が実行されると、まず、大当たり情報格納エリア223Fに格納されている大当たりラウンド数、つまり、現在実行中の大当たりに設定されているラウンド数を読み出し(S3501)、次に、入賞情報格納エリア223Aに格納されている全ての入賞情報を読み出す(S3502)。そして、その入賞情報の中に大当たりに対応する入賞情報があるかを判別する(S3503)。
ここで、大当たりに対応する入賞情報があると判別した場合は(S3503:YES)、S3501の処理によって読み出されたラウンド数(現在実行中の大当たりに設定されているラウンド数)と、入賞情報の中に含まれている大当たりに対応するラウンド数と、を合算する合算処理(S3508〜S3511)を実行する。なお、合算処理については後述する。
一方、大当たりに対応する入賞情報がないと判別した場合は(S3503:NO)、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている表示ラウンド数、即ち、第3図柄表示装置81の主表示領域DMの確定ラウンド数表示態様DM4として表示されている表示ラウンド数(図86(A)の場合では「10」)を読み出し(S3504)、S3501の処理にて読み出した当たりラウンド数からS3506の処理にて読み出した表示ラウンド数を減算する(S3505)。このS3505の処理によって、内部的に実行されることが確定しているラウンド数から、遊技者が認識可能に表示されているラウンド数(確定ラウンド数)を差し引いたラウンド数、即ち、遊技者が認識していないラウンド数(残ラウンド数)が算出される。
次いで、S3505の処理にて算出した残ラウンド数、および大当たりに対応する入賞情報の有無に基づいて上乗せ数選択テーブル222Dを参照して表示ラウンド数を選択し、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納し(S3506)、上乗せ表示処理を実行し(S3507)、本処理を終了する。
一方、S3503の処理において、大当たりに対応する入賞情報があると判別した場合は(S3503:YES)、合算処理が実行される。この合算処理では、まず入賞情報格納エリア223Aに格納されている当たり入賞に対応するラウンド数を読み出し(S3508)、その後、S3501の処理において読み出したラウンド数と、S3508の処理において読み出したラウンド数とを合算した合算ラウンド数を算出する(S3509)。
次に、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている表示ラウンド数、即ち、第3図柄表示装置81の主表示領域DMの確定ラウンド数表示態様DM4として表示されている表示ラウンド数(図86(A)の場合では「10」)を読み出し(S3510)、S3509の処理にて合算した合算ラウンド数からS3510の処理にて読み出した表示ラウンド数を減算する(S3511)。このS3511の処理によって、内部的に実行されることが確定しているラウンド数から、遊技者が認識可能に表示されているラウンド数(確定ラウンド数)を差し引いたラウンド数、即ち、遊技者が認識していないラウンド数(残ラウンド数)が算出される。そして、上述したS3506の処理を実行した後に、上乗せ表示処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした上乗せ演出中処理(S3307)のうち、S3501の処理〜S3511の処理は、上乗せ用演出の実行中において、ラウンド数表示態様DM10の表示態様を設定するための処理であり、上述したように大当たり中に新たなラウンドが開始(新たなラウンド遊技が開始)された場合に実行されるように構成している。これにより、ラウンド数に関する演出の表示態様を設定するための処理を最適なタイミングで実行することができる。
なお、ラウンド数表示態様DM10として表示させるための表示態様を設定するための処理の実行タイミングや処理内容については、本制御例の内容に限られるものでは無く、例えば、本制御例では新たなラウンドが開始された場合に、上乗せ演出中処理を実行するように構成することで、入賞情報の判定処理(S3502,S3503の処理)と、表示ラウンド数の設定処理(S3504〜S3506、SS3510〜S3506の処理)と、を一体的に実行する構成としているが、入賞情報コマンドを受信したタイミングで上述した入賞情報の判定処理を予め実行し、その結果を一時的に格納し、その格納した結果を用いて上述した表示ラウンド数の設定処理を実行するように構成しても良い。
また、本制御例ではラウンド数コマンドを受信した場合(図142のS3304:YES)に、上乗せ演出中処理を実行するように構成しているが、ラウンド遊技間(インターバル期間)中に、上乗せ演出中処理を実行するように構成してもよい。このように構成することで、様々な制御処理が実行される大当たり中において比較的処理量が少ないラウンド遊技間(インターバル期間)中に上乗せ演出中処理を実行することができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷が一時的に増大してしまうことを抑制することができる。
なお、この場合、既に受信している入賞情報コマンドに基づいて、次に実行されるラウンドのラウンド数を判別し、その判別結果に基づいて上述した上乗せ演出中処理を実行するように構成すればよい。さらに、本制御例では、新たなラウンドが開始される度に上乗せ演出中処理を実行するように構成しているが、特定のラウンド(例えば、偶数ラウンド、5の倍数ラウンド)が開始される場合にのみ実行されるように構成してもよいし、上乗せ演出中処理を実行するか否かの抽選を行い、その抽選結果に基づいて実行するようにしても良い。
本制御例では、新たなラウンドが開始される毎にS3501〜S3511の処理を実行するように構成しているが、例えば、S3502の処理の後に、前回のラウンドが開始された時点から新たな入賞情報が追加されているかを判別する処理を設け、新たな入賞情報が追加されていない場合は、S3503〜S3511の処理をスキップするようにしてもよい。これにより、毎ラウンド実行される処理を軽減することができる。
図144に戻り説明を続ける。S3506の処理を終えると、次に、S3506の処理において設定した表示ラウンド数に関する演出表示を実行するための処理である上乗せ表示処理(S3507)を実行し、本処理を終了する。ここで、上乗せ表示処理(S3507)について、図145を参照して説明する。
図145は上乗せ表示処理(S3507)の内容を示したフローチャートである。この上乗せ表示処理(S3507)は、上乗せ演出中処理(図144参照)において決定した表示ラウンド数(図144のS3508参照)に対応した上乗せ用演出の表示用コマンドを設定するための処理である。本制御例では、大当たり中のラウンド数が所定ラウンド数N(5の倍数のラウンド数、即ち、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)となった場合に、表示ラウンド数(確定ラウンド数表示態様DM4)を更新し、所定ラウンド数N(5の倍数のラウンド数)の1つ前のラウンド数(即ち、4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)となった場合に、次のラウンド(所定ラウンド数N)において表示ラウンド数(確定ラウンド数表示態様DM4)が更新されることを示唆する前兆演出(図85(B)参照)が実行される。
上乗せ表示処理(S3507)が実行されると、まず、今回のラウンド数がラウンド数の更新タイミング(確定ラウンド数を上乗せ表示するタイミング)となるラウンド数N(具体的には、5ラウンド、10ラウンド、15ラウンドといった5の倍数)より1少ないラウンド数N−1(4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)であるかを判別する(S3601)。今回がラウンド数N−1(4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)であると判別した場合は(S3601:YES)、次のラウンドで確定ラウンド数を上乗せ表示するための前兆演出(図85(B)参照)を実行するために、対応する表示用上乗せ選択コマンドを設定し(S3602)、本処理を終了する。
本制御例では、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている表示ラウンド数に基づいて、上述した前兆演出(図85(B)参照)の演出態様を設定しており、例えば、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている表示ラウンド数が10以上の場合は、前兆演出中に表示される「宝箱」の数を減らした演出態様(図86(B)参照)や、前兆演出中に表示される「宝箱」の表示態様を豪華にした演出態様(図86(B)参照)が表示される。このように構成することで、前兆演出が実行された時点で、遊技者に対して上乗せ表示演出の演出内容を予測させることが可能となる。
なお、本制御例では表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている表示ラウンド数に基づいて前兆演出の演出態様が設定される構成としているが、それ以外に、例えば、内部的に確定しているラウンド数(保留内連荘が確定している場合は、保留内大当たりに設定されているラウンド数も合算したラウンド数)に基づいて前兆演出の演出態様を設定するように構成してもよい。これにより、前兆演出の演出態様と、表示ラウンド数を上乗せする上乗せ演出の演出態様とに基づいて内部的に確定しているラウンド数を遊技者に予測させることができ、大当たり中に実行される演出に対して継続して興味を持たせることができる。
さらに、本制御例では、前兆演出中に表示される「宝箱(被選択画像DM5〜DM7)」の表示態様を異ならせることにより、大当たり中に実行される上乗せ用演出の今後の展開を遊技者に示唆する構成を用いているが、それ以外の構成に対する表示態様を可変させても良く、例えば、「宝箱(被選択画像DM5〜DM7)」を選択する「矢印(選択画像DM8)」の表示態様(例えば、色や大きさ)を可変させても良いし、音声やLEDの点灯パターンを可変させても良い。また、前兆演出が実行される期間を異ならせるように構成しても良い。
一方、S3601の処理において、今回のラウンド数がN−1ラウンド(4ラウンド、9ラウンド、14ラウンド)では無いと判別した場合は(S3601:NO)、次に、今回のラウンド数がNラウンド(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)目であるかを判別し(S3603)、Nラウンド(5ラウンド、10ラウンド、15ラウンド)目であると判別した場合は(S3603:YES)、表示ラウンド数格納エリア223Gに格納されている表示ラウンド数に対応する表示用上乗せ表示コマンドを設定し(S3604)、本処理を終了する。また、S3603の処理において、今回のラウンド数がNラウンド目では無いと判別した場合(S3603:NO)も、そのまま本処理を終了する。
上述したS3604の処理において設定された表示用上乗せ表示コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用上乗せ表示コマンドを受信すると、そのコマンドの内容に対応したラウンド数表示態様DM10を第3図柄表示装置81に表示する。
なお、本制御例では、特定のラウンド(ラウンド数N)中に上乗せ演出中処理にて設定した表示ラウンド数を表示する(確定ラウンド数表示態様DM4の表示態様を可変させる(上乗せさせる))構成としているが、それ以外のタイミングで確定ラウンド数表示態様DM4の表示態様を可変させる(上乗せさせる)構成としてもよく、例えば、確定ラウンド数表示態様DM4を上乗せ更新するか否かを決定するための抽選手段が、新たなラウンドが開始する度に抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、確定ラウンド数表示態様DM4を上乗せ更新させる演出を実行するタイミングを設定してもよい。これにより、確定ラウンド数表示態様DM4の内容が更新されるタイミングを不規則にすることが可能となり、遊技者に期待感を持たせながら継続して大当たり中の遊技を行わせることができる。
図142に戻り説明を続ける。S3306の処理において、上乗せ演出フラグ223Hがオンではない(オフである)と判別した場合は(S3306:NO)、上乗せ演出中処理(S3307)を実行する必要がないため、S3307,S3308の処理をスキップして上述したS3309の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S3304の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S3304:NO)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S3310)。そして、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S3310:YES)、表示用エンディングコマンドを設定し(S3311)、大当たり演出設定処理を実行し(S3312)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
ここで、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S3310:YES)に実行される大当たり後演出設定処理(S3312)について、図146を参照して説明をする。図146は大当たり後演出設定処理(S3312)の内容を示したフローチャートである。この大当たり後演出設定処理(S3312)では、大当たりが終了して特別図柄の変動が実行される期間において、大当たり中に実行された演出を継続して実行するための処理であって、大当たり中に実行された演出に対応した大当たり後演出を設定するための処理である。
大当たり後演出設定処理(S3312)が実行されると、まず、状態格納エリア223Eに格納されている情報から大当たり後の遊技状態を読み出し(S3701)、次に、上乗せ演出フラグ223Hがオンに設定されているか否か、即ち、今回の大当たり中に実行された演出が上乗せ用演出であるかを判別する(S3702)。上乗せ用演出であると判別した場合は(S3702:YES)、次いで、入賞情報格納エリア223Aに大当たりに当選した入賞情報があるか(保留内連荘するか)を判別する(S3703)。
S3703の処理において、大当たりに当選した入賞情報があると判別した場合は(S3703:YES)、表示用上乗せ演出大当たり後コマンドを設定し(S3704)、本処理を終了する。つまり、S3703の処理において、大当たりに当選した入賞情報があると判別した場合(S3703:YES)は、図144の上乗せ演出中処理(S3307)のS3505の処理において算出した合算ラウンド数の全てが表示ラウンド数として表示されていない場合であるため、次の大当たりが実行されるまでの間(大当たり情報を含む入賞情報に対応する特別図柄の変動が終了するまでの間)、上乗せ用演出が継続して表示されるように表示用上乗せ演出大当たり後コマンドを設定する。
ここで設定された表示用上乗せ演出大当たり後コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用上乗せ演出大当たり後コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を実行しながら、上乗せ用演出を継続して実行する表示を開始する(図88(A)参照)。このように構成することで、大当たりが終了した後も、大当たり中に実行した演出を継続して実行することができる。
なお、本制御例では、1回の大当たりに設定されるラウンド数(例えば15ラウンド)に対しても表示ラウンド数(確定ラウンド数表示態様DM4)を部分的に表示(例えば5ラウンド)するように構成しているため、第3図柄表示装置81に表示される上乗せ用演出の演出内容からは1回の大当たり中に実行されている上乗せ用演出なのか、複数の大当たり間(1回目の大当たりが終了してから2回目の大当たりが開始されるまでの間に実行される特別図柄変動期間)に実行されている上乗せ用演出なのかを把握し難くしている。このように構成することで、上乗せ用演出が継続して実行している間に当選した大当たりの回数、或いは、1回の大当たりに設定されたラウンド数を遊技者に分かり難く報知することができるため、上乗せ用演出が長く継続する(大当たりが長く継続する)ことを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
図146に戻り説明を続ける。S3703の処理において、大当たりに当選した入賞情報が無いと判別した場合(S3703:NO)は、図144の上乗せ演出中処理(S3307)のS3505の処理において算出した合算ラウンド数の全てが表示ラウンド数として表示された状態であるため、上乗せ演出フラグ223Hをオフに設定し(S3705)、表示ラウンド数格納エリア223Gをクリアして(S3706)、本処理を終了する。
一方、S3702の処理において、今回の大当たり中に実行された演出が上乗せ用演出ではないと判別した場合は(S3702:NO)、次に、今回の大当たり中に実行された演出が連続当たり用演出(図84参照)であるかを判別する(S3707)。ここで、連続当たり用演出であると判別した場合は(S3707:YES)、表示用連続当たり用演出大当たり後コマンドを設定し(S3708)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用連続当たり用演出大当たり後コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用連続当たり用演出大当たり後コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を実行しながら、連続当たり用演出を継続して実行する表示を開始する。このように構成することで、大当たりが終了した後も、大当たり中に実行した演出を継続して実行することができる。
S3707の処理において、連続当たり用演出では無いと判別した場合は(S3707:NO)、つまり、大当たり中に通常当たり用演出が実行された場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変又は時短状態であるかを判別し(S3709)、確変または時短状態であると判別した場合は(S3709:YES)、表示延長フラグ223Iをオンに設定し(S3710)、経過時間カウンタ223Kの値に「4000」を設定し(S3711)、本処理を終了する。
ここで、S3710およびS3711の処理にて実行される内容について説明をする。本制御例では、図115(C)に示した大当たり中演出選択テーブル222Cを参照して、大当たり中の演出が選択される。図115(C)に示した通り、通常当たり用演出は、保留ランク「1」〜「4」全ての状態、つまり、大当たりに当選した時点での入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報(保留図柄)に大当たりに当選している情報が含まれている場合(保留内連荘する場合)も、含まれていない場合(保留内連荘しない場合)も実行し得る演出として構成されている。
そして、通常当たり用演出が実行された大当たり終了後の遊技状態が確変又は時短状態である場合は、表示延長フラグ223Iをオンに設定し、大当たり中に表示されるエンディング表示を大当たり終了後の所定条件が成立するまで表示させるようにする(図89(A)参照)。このように構成することで、大当たりのエンディング表示が表示されている状態で特別図柄の変動が実行され、大当たりに当選した場合は、エンディング表示画面に大当たりに当選した旨を表示する(図89(B)参照)。これにより、通常当たり用演出が実行された場合であっても、保留内連荘に期待を持たせると共に、保留内連荘する場合に、大当たり中の演出を継続させて実行することができる。
さらに、本制御例では、大当たり終了後にも継続して大当たりエンディング表示を実行する期間として、特別図柄の変動回数が4回或いは大当たり終了後から4秒間のうち、何れかの条件が成立するまでの期間を設定しており、S3711の処理において、経過時間カウンタ223Kに「4000」の値を設定することで、大当たり終了後から(特別図柄の変動が可能となる状態となってから)の時間経過をカウントするようにしている。
このように大当たりエンディング表示を実行する期間を、特別図柄の変動回数(例えば、4回)に基づいて設定するのではなく、大当たり終了後からの経過時間に基づいて設定することで、例えば、大当たり終了後に特別図柄の変動が実行されない場合(特別図柄の保留が無い場合)においても限られた期間のみ大当たりエンディング表示を実行させることができる。
なお、本制御例では、大当たり終了後に特別図柄の変動が実行されずに、大当たり終了後からの経過時間が所定期間(4秒)を経過した場合には、第3図柄表示装置81にデモ画面が表示されるように構成されている。
S3709の処理において、大当たり終了後の遊技状態が確変または時短状態では無いと判別した場合は(S3709:NO)、大当たり後に実行される特別図柄の変動期間中に大当たり中に実行された演出を継続して表示する処理を実行することなく、表示ラウンド数格納エリア223Gの値をクリアし(S3712)、本処理を終了する。
図142に戻り説明を続ける。S3310の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S3310:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S3313)、本処理を終了する。
図140に戻り、説明を続ける。S3211の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S3211:NO)、次に、状態コマンドを受信したかを判別し(S3213)、状態コマンドを受信したと判別した場合は(S3213:YES)、受信したコマンドから、現在の遊技状態を抽出し、状態格納エリア223Eに格納する(S3214)。
なお、S3214の処理では、図137を参照して上述した主制御装置110が実行する大当たり制御処理(S1104)のS1214の処理において設定される状態指定コマンドを受信した場合には、現在の遊技状態とは別に、大当たり終了後に設定される遊技状態を格納する処理が実行される。このように構成することで、現在の遊技状態を示す状態コマンドと、所定条件が成立した場合(大当たりが終了した場合)に設定される遊技状態(予定遊技状態)を示す状態指定コマンドとを区分けして記憶することができる。また、大当たり終了後には、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信することになるが、その際に、現在の遊技状態を示す状態コマンドの内容と、予定遊技状態を示す状態指定コマンドの内容とが一致するかを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果に基づいて遊技状態の設定が適正に行われているかを判定する構成を用いても良い。これにより、例えば、大当たり終了後の遊技状態を不正に遊技者に有利な遊技状態に可変設定する不正行為を抑制することができる。
S3213の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S3213:NO)、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S3216)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図147を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S3114)について説明する。図147は、この変動表示設定処理(S3114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S3114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図136参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S4014)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Cがオンか否かを判別する(S3801)。そして、変動開始フラグ223Cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3801:NO)は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3813の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223Cがオンであると判別された場合(S3801:YES)は、変動開始フラグ223Cをオフに設定し(S3802)、次いで、コマンド判定処理(図140参照)のS3203の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する。
次に、表示延長フラグ223Iがオンに設定されているかを判別し(S3803)、オンに設定されていると判別した場合は(S3803:YES)、延長管理処理を実行し(S3804)、S3811の処理へ移行する。延長管理処理(S3804)は、大当たり中のエンディング表示を大当たり終了後も継続(延長)して表示する延長表示演出の終了タイミングを管理するための処理である。この延長管理処理(S3804)については、図148を参照して詳細な説明を後述する。
一方、S3803の処理において、表示延長フラグ223Iがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3803:NO)、次に、状態格納エリア223Eに格納されている遊技状態を示す情報を読み出し、現在の遊技状態が確変又は時短状態であるかを判別する(S3805)。確変又は時短状態であると判別した場合は(S3805:YES)、継続演出設定処理を実行し(S3806)、その後、S3811の処理へ移行する。継続演出設定処理(S3806)は、確変又は時短状態に実行される継続演出(バトル演出)(図91参照)の演出態様を設定するための処理である。この継続演出設定処理(S3806)については、図149を参照して詳細な説明を後述する。
S3805の処理において、遊技状態が確変又は時短状態では無いと判別した場合は(S3805:NO)、抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンが期待度演出を実行する変動パターンであるかを判別する(S3807)。S3807の処理において、期待度演出を実行する変動パターンであると判別した場合は(S3807:YES)、期待度演出設定処理を実行し(S3808)、S3811の処理へ移行する。期待度演出設定処理(S3808)は、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度を示唆するための演出(図102参照)の演出態様を設定する処理である。この期待度演出設定処理については、図151を参照して詳細な説明を後述する。
一方、S3807の処理において、今回の変動パターンが期待度演出を実行しない変動パターンであると判別した場合は(S3807:NO)、抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンがカウントダウン演出を実行する変動パターンであるかを判別し(S3809)、今回の変動パターンがカウントダウン演出を実行する変動パターンであると判別した場合は(S3809:YES)、カウントダウン演出設定処理(S3810)を実行し、S3811の処理へ移行する。カウントダウン演出設定処理(S3810)は、特別図柄の変動表示中に、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度が高いことを示唆するための特定演出が実行されるタイミングを遊技者に報知するための演出(図98参照)の演出態様を設定する処理である。このカウントダウン演出設定処理については、図152を参照して詳細な説明を後述する。
S3809の処理において、今回の変動パターンがカウントダウン演出を実行しない変動パターンであると判別した場合(S3809:NO)、或いは、S3804,S3806,S3808,S3810の処理を終えた場合には、抽出した変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113の変動パターンテーブル222Aから今回の変動表示態様を決定し(S3811)、対応する表示用変動パターンコマンドを設定する(S3812)。
S3812の処理を終えると、次に、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223Dがオンか否かを判別する(S3813)。そして、停止種別選択フラグ223Dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3813:NO)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理(S3114)を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223Dがオンであると判別された場合(S3813:YES)、停止種別選択フラグ223Dをオフし(S3814)、次いで、コマンド判定処理(図140参照)のS3206の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3815)。
次に、S3815の処理において、取得した停止種別が大当たりを示す大当たり種別であるかを判別し(S3816)、大当たり種別であると判別した場合は(S3816:YES)、大当たり情報格納エリア223Fに取得した大当たり種別に対応する当たり情報(大当たりのラウンド数、大当たり後に設定される遊技状態に関する情報)を格納し(S3817)、S3818の処理へ移行する。一方、S3816の処理において、大当たり種別ではないと判別した場合は(S3816:NO)、そのままS3818の処理へ移行する。
S3818の処理では、S3815の処理により抽出した停止種別を設定し(S3818)、その設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ送信するための表示用停止種別コマンドを設定して(S3819)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、変動表示設定処理(図147のS3114)において実行される延長管理処理(S3804)について、図148を参照して説明する。図148は延長管理処理(S3804)の内容を示したフローチャートである。この延長管理処理(S3804)では、大当たり終了後に継続して表示される大当たりエンディング表示の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に関する終了条件の成立の有無を管理する処理が実行される。
延長管理処理(S3804)が開始されると、まず、変動回数カウンタ223Jの値が0であるかを判別する(S3901)。変動回数カウンタ223Jの値が0であると判別した場合(S3901:YES)、即ち、表示延長フラグ223Iがオンに設定されてから1回目の変動表示を設定するタイミングである場合は、変動回数カウンタ223Jの値に大当たりエンディング表示の表示終了条件(表示延長終了条件)として「5」を設定し(S3902)、本処理を終了する。
一方、S3901の処理において、変動回数カウンタ223Jの値が0では無い(1以上である)と判別した場合(S3901:NO)、即ち、表示延長フラグ223Iがオンに設定されてから2回目〜4回目の変動表示を設定するタイミングである場合は、変動回数カウンタ223Jの値を1減算し(S3903)、その後、変動回数カウンタ223Jの値が「1」であるかを判別する(S3904)。変動回数カウンタ223Jの値が「1」であると判別した場合は(S3904:YES)、即ち、表示延長フラグ223Iがオンに設定されてから5回転目の変動表示を設定するタイミングであると判別した場合は、表示延長の終了条件の1つである「特別図柄の変動4回まで」が成立している状態であるため、表示延長フラグ223Iをオフに設定し(S3905)、本処理を終了する。
S3904の処理において、変動回数カウンタの値が「1」では無い(「2」以上である)と判別した場合は(S3904:NO)、表示用延長演出コマンドを設定し(S3906)、本処理を終了する。このように構成することで、大当たりのエンディング表示が延長して実行されている間に、特別図柄の変動回数が表示延長の終了条件を満たした場合には、次の特別図柄変動に対応する変動表示が実行されるタイミングで表示延長フラグ223Iがオフに設定され、延長演出(エンディング表示)を終了することができる。よって、特別図柄の変動表示中にエンディング表示が終了してしまい遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
本制御例では、大当たり終了後に確変又は時短状態が設定される場合に、専用の変動パターンテーブル(特殊変動パターンテーブル202D4)を用いることで、所定期間(大当たり終了後の1〜4回転)の間、特別図柄の変動パターン(変動時間)として短い変動時間(0.5秒)が選択されるように構成している(図109参照)。これにより、大当たり終了後に特別図柄の保留球の数が上限(4個)である場合には、延長演出の終了条件として経過時間(4秒)よりも、特別図柄の変動回数(4回転)に基づく終了条件が先に成立する。
よって、大当たりのエンディング表示が延長して実行されている期間中に多くの特別図柄を変動させ、特殊な演出(図89(B)参照)を見ようと、常に、保留球を確保した状態で遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、延長演出の終了条件の1つである経過時間に基づく管理については、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図136参照)において、定期的(1M秒毎)に実行される演出更新処理(S3112)において実行される。この演出更新処理(S3112)については、図154を参照してその詳細な説明を後述する。
次に、図149を参照して、変動表示設定処理(図147参照)において実行される継続演出設定処理(S3806)について説明する。図149は、継続演出設定処理(S3806)の内容を示したフローチャートである。この継続演出設定処理(S3806)は、確変又は時短状態中に実行される継続演出(バトル演出)の演出態様を設定するための処理である。具体的には、継続演出(バトル演出)として、確変又は時短状態が終了するか否かを報知する最終態様演出(バトルリーチ)の演出態様と、その最終態様演出(バトルリーチ)が実行されるまでの演出(バトル前演出)の演出態様とを、特別図柄の当否判定結果、変動パターン(変動時間)、および、バトル前演出の継続期間に基づいて、音声ランプ制御装置113のROM222に記憶されている継続演出モード選択テーブル222E、継続値主選択テーブル222F、継続値副選択テーブル222G、最終態様選択テーブル222Hを参照して設定する処理が実行される。
本制御例は、確変又は時短状態が終了するまでの間、上述した継続演出(バトル演出)が繰り返し実行されるように構成している。このように構成することで、確変又は時短状態が長期間継続した場合に、1回の継続演出(バトル演出)が間延びしてしまい継続演出(バトル演出)中に実行される各演出(例えば、継続値(HP値)を増減させる演出)の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、継続演出(バトル演出)が繰り返し実行される場合、即ち、遊技状態が確変又は時短状態から移行することが無いタイミングで最終態様演出(バトルリーチ)が発生した場合には、最終態様演出(バトルリーチ)の演出結果として「引き分け」が選択され、再度バトル前演出が開始するように構成しているが、このように、継続演出を繰り返し実行する構成において、1回の継続演出期間が長期化することを抑制しようとした場合には、遊技状態が移行することを示すための最終態様演出(勝敗が付くバトルリーチ)、以外の最終態様演出(引き分けバトルリーチ)が頻繁に実行されてしまい、遊技者が最終態様演出に早期に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、前回最終態様演出(引き分けバトルリーチ)が実行されてからの経過期間(特別図柄の変動回数)を計測し、その計測結果が所定期間以内(例えば、特別図柄の変動回数が6回未満)の場合には、勝敗が付かない最終態様演出(引き分けバトルリーチ)が実行されないように構成している。これにより、短期間の間に頻繁に引き分けバトルリーチが実行されてしまい、遊技者が演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、引き分けバトルリーチの演出態様によって、特別図柄の保留内の当否判定結果や、確変又は時短状態の残期間を遊技者に示唆するように構成している。このように構成することで、引き分けバトルリーチに対しても遊技者に興味を持たせることが可能となり、継続演出全体の演出効果を高めることができる。
加えて、本制御例では継続演出(バトル演出)が繰り返し実行される回数を計測し、その計測結果に基づいて継続演出(バトル演出)の演出態様を設定するように構成している。これにより、確変又は時短状態が長期間継続し、継続演出(バトル演出)が繰り返し実行される場合において、異なる演出態様の継続演出(バトル演出)を実行させることができ、遊技者が演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、本制御例の継続演出設定処理(図149のS3806参照)で実行される処理を簡単に説明すると、まず、今回の変動表示にて、継続演出としてバトルリーチを実行するか、バトル前演出を実行するかを判別する処理(実行演出選択処理)を実行し、その実行演出選択処理による判別結果に基づいて、バトル前演出の演出態様を設定する処理(第1演出態様設定処理)或いは、バトルリーチの演出態様を設定する処理(第2(最終)演出態様設定処理)と、が実行される。
上述したように、本制御例では継続演出設定処理(S3806)が実行される毎に、今回の変動表示にてバトル前演出或いはバトルリーチを実行するかを判別するように構成しているため、バトル前演出からバトルリーチへの演出の切替を円滑に行うことができる。
図149に示した通り、継続演出設定処理(S3806)が実行されると、まず、今回の変動表示が当たり変動(特別図柄の大当たりに当選した変動)であるかを判別する(S4001)。ここで、当たり変動では無いと判別した場合は(S4001:NO)、次に、今回の変動パターンが、変動時間が60秒又は90秒の変動パターンであるか(バトルリーチを実行可能な変動パターン)を判別し(S4002)、60秒又は90秒の変動パターンであると判別した場合は(S4002:YES)、継続期間カウンタ223Pの値が6以上であるかを判別する(S4003)。
S4003の処理において、継続期間カウンタ223Pの値が6以上では無い(6未満である)と判別した場合は(S4003:NO)、継続演出フラグ223Rがオンに設定されているかを判別し(S4004)、継続演出フラグ223Rがオンでは無いと判別した場合は(S4004:NO)、つまり、継続演出が実行されていない場合は、継続演出モード選択テーブル222Eに基づいて継続演出モードを選択し(S4005)、選択された継続演出モードを継続演出モード格納エリア223Mに格納し(S4006)、継続演出設定カウンタ223Qの値を1加算し(S4007)、継続演出フラグ223Rをオンに設定する(S4008)。
上述したS4004の処理において継続演出フラグ223Rがオンでは無いと判別する場合は、遊技状態として確変又は時短状態が設定されてから1回目の変動表示を設定する場合、或いは、前回の変動表示が最終態様演出(バトルリーチ)であり、今回の変動表示にて新たな継続演出(バトル前演出)を設定する場合である。
このような場合には、S4005の処理において、継続演出モード選択テーブル222Eに基づいて、今回の変動表示から実行されるバトル前演出の演出態様(演出モード)が選択される。ここで、継続演出モード選択テーブル222Eは、図116(B)に示した通り、継続演出が繰り返し実行された回数(継続演出設定カウンタ223Qの値)、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報、第3演出カウンタ223Y3の値に基づいて継続演出モード(モード1〜モード5)が設定されており、次回の最終態様演出(バトルリーチ)が実行されるまでの間、選択された継続演出モードに基づいたバトル前演出が実行される。
なお、本制御例では、継続演出フラグ223Rがオフに設定されている場合に、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいて継続演出モードを設定し、特別図柄の変動が実行される毎に設定された継続演出モードに基づいて変動表示態様を設定する処理を実行する構成を用いているが、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいた演出を実行する構成であれば、本制御例で用いた構成以外でも良く、例えば、継続演出フラグ223Rがオフに設定されている場合に、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいて今回実行される変動表示の表示態様から入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に対応する変動表示の表示態様までを予め設定するように構成しても良い。
一方、S4004の処理において、継続演出フラグ223Rがオンに設定されていると判別した場合(S4004:YES)、或いは、S4008の処理を終了すると、継続期間カウンタ223Pの値を1加算する(S4009)。これにより、次回継続演出モードを選択する際の、継続演出設定カウンタ223Qの値を異ならせることができ、連続して同一の継続演出モードが選択されることを抑制することができる。
なお、本制御例では、同一の継続演出モードが連続して選択されることを抑制し、且つ、特定のタイミング(継続演出設定カウンタ223Qの値が1のタイミング)において、特定条件(保留内当たり)が成立した場合に、特定の演出(継続演出モード5)を実行可能とするために、継続演出設定カウンタ223Qの値を1加算する構成を用いているが、同一の継続演出モードが連続して選択されることを抑制する目的を達成するために、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、継続演出設定カウンタ223Qの値を加算する値を抽選(例えば、−5〜5までの値を抽選)で決定するように構成しても良い。このように構成することで、継続演出モードが選択される規則性を遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、遊技者による枠ボタン22への操作結果に基づいて継続演出設定カウンタ223Qの値を加算するように構成しても良いし、大当たりの連荘回数(遊技状態が通常状態へと移行することなく大当たりに連続して当選した回数)や、継続演出モード選択時の特別図柄の抽選結果に基づいて継続演出設定カウンタ223Qの値を加算するように構成しても良い。
S4009の処理を終えると、次に継続値設定処理を実行する(S4010)。S4010の処理において実行される継続値設定処理については、図150を参照してその詳細を後述する。S4010の継続値設定処理にて設定した差分継続値に対応する表示用演出コマンドを設定し(S4011)、本処理を終了する。S4011の処理では、継続演出のうちバトル前演出として第3図柄表示装置81に表示される表示内容を示す演出コマンドが設定される。具体的には、S4005の処理にて選択された継続演出モードに対応した表示態様と、S4010の処理にて設定された差分継続値に対応した表示態様とをまとめて表示用演出コマンドとして設定する。
S4011の処理にて設定された表示用演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、変動パターンコマンドとして表示用演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、バトル前演出の表示を実行する。
以上説明をした継続演出設定処理(S3806)におけるS4001〜S4003までの処理が実行演出選択処理に該当し、S4004〜S4011までの処理が、バトル前演出の演出態様を設定する処理(第1演出態様設定処理)に該当する。
一方で、S4001の処理において、今回の変動が当たり変動であると判別した場合(S4001:YES)は、継続演出設定カウンタ223Qの値をリセットし(S4012)、S4013の処理に移行する。また、S4003の処理において、継続期間カウンタの値が6以上であると判別した場合(S4003:YES)、つまり、バトル前演出が特別図柄変動6回分以上継続している場合も、S4013の処理へ移行する。
S4013の処理では、バトルリーチ(最終態様)の演出態様を最終態様選択テーブル222Hに基づいて選択し(S4013)、対応する表示用最終態様コマンドを設定する(S4014)。ここで設定された表示用最終態様コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用最終態様コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、バトル前演出にて表示された継続値(HP値)を用いたバトルリーチ(図93(A)参照)が実行される。このように構成することで、バトル前演出からバトルリーチへと遊技者に違和感を与えることなく演出を切り替えることができる。
S4014の処理を終えると、次に、継続演出フラグ223Rをオフに設定し(S4015)、継続演出モード格納エリア223Mをクリアし(S4016)、継続期間カウンタ223Pの値を0にクリアし(S4017)、本処理を終了する。
以上説明をしたように、本制御例では遊技状態として確変又は時短状態が設定されている間に実行される複数の特別図柄変動に対応する変動表示としてバトル前演出を実行し、特定の1つの特別図柄変動(特別図柄の当たり変動や、60秒または90秒の変動時間が選択された外れ変動)に対して最終態様演出(バトルリーチ)を実行するように構成しているが、それ以外にも、例えば、複数の特別図柄変動に対応する変動表示を用いて最終態様演出(バトルリーチ)を実行するように構成しても良い。この場合は、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報(保留内の当否判定結果や変動パターン)に基づいて(先読み結果に基づいて)最終態様(バトルリーチ)の演出態様を各変動表示に対応させて設定するように構成すると良い。これにより、複数の特別図柄変動に跨がって実行される最終態様演出(バトルリーチ)を円滑に実行することができる。
また、複数の特別図柄変動に跨がって最終態様演出(バトルリーチ)を実行する構成を用いる場合は、最終態様演出(バトルリーチ)にて表示される全ての表示態様を対象となる複数の特別図柄変動毎に予め定めて設定するように構成しても良いし、バトルリーチの演出内容、即ち、攻撃パターンや演出結果のみを予め設定しておき、継続値(HP値)の増減表示制御は特別図柄の変動表示が実行される毎に設定するように構成しても良い。これにより、先読み結果に基づいて予め設定する最終態様演出(バトルリーチ)の種類を削減することができる。
次に、図150を参照して、継続値設定処理(S4010)について説明をする。図150は継続値設定処理(S4010)の内容を示したフローチャートである。この継続値設定処理(S4010)では、継続演出中に可変表示される継続値(バトル演出におけるHP値)の値を設定するための処理である。本制御例では、この継続値の値(可変後の継続値の値)を設定する際に、特別図柄の抽選に基づいて選択される値(相手のHPの百の位の値)と、演出用の抽選に基づいて選択される値(相手のHPの十の位の値)とを合算するようにして設定している。これにより、表示される継続値のバリエーションを増加させることができる。
継続値設定処理(S4010)が実行されると、まず、継続値を変更するタイミングであるかを判別する(S4101)。なお、詳細な説明は省略するが、S4101では、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113の変動パターンテーブル222Aより抽出した変動パターンが継続値を変更するパターンであるかを判別する。
なお、本制御例では、上述したように継続値(HP値)を変更させるタイミングを音声ランプ制御装置113の変動パターンテーブル222Aより抽出した変動パターンに基づいて判別する構成を用いているが、これに加えて、継続値を変更しない変動パターンが連続して選択された回数を計測する計測手段を設け、その計測手段によって計測された回数が所定回数(例えば4回)となった場合に、強制的に継続値を変更させる強制変更手段や、上述した計測手段によって計測された回数が特定回数(例えば1回)の場合には、抽出した変動パターンに関わらず継続値を変更させない変更規制手段を設けても良い。このように構成することで、継続演出中(バトル前演出中)において継続値(HP値)が全く変更されずに遊技者が演出(バトル前演出)に飽きてしまう事態や、頻繁に継続値(HP値)が変更されてしまい演出内容が分かり難くなってしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、遊技者の枠ボタン22に対する操作結果や、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報の先読み結果に基づいて継続値変更タイミングを設定しても良い。また、第3図柄表示装置81に表示されている継続値(HP値)や、継続値主選択テーブル222Fにより選択された継続値(HP値)の値に基づいて、継続値変更タイミングが設定される頻度を可変させても良い。
S4101の処理において継続値変更タイミングではないと判別した場合は(S4101:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、継続値変更タイミングであると判別した場合は(S4101:YES)、継続値主選択テーブル222Fに基づいて継続値の百の位の値を選択し(S4102)、選択した継続値(継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択した継続値)を継続値格納エリア223Nに格納する(S4103)。詳細な説明は後述するが、本制御例では、継続値が可変した場合に実行される演出(攻撃演出)の演出態様を、継続値格納エリア223Nに格納されている値、即ち、継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択された継続値を参照して設定するように構成している。
次いで、S4102の処理において選択された継続値の値(百の位の値)が200以上であるかを判別し(S4104)、200以上であると判別した場合は(S4104:YES)、第1継続値副選択テーブル222G1(図117(B)参照)に基づいて演出値(十の位の値)を選択し(S4105)、200未満であると判別した場合は(S4104;NO)、第2継続値副選択テーブル222G2(図117(C)参照)に基づいて演出値(十の位の値)を選択する(S4106)。S4102の処理で選択された値とS4103の処理で選択された値とを合算した継続値を算出する(S4104)。
ここで、図117(B)及び図117(C)に示した通り、第1継続値副選択テーブル222G1と第2継続値副選択テーブル222G2とは、選択される演出値(十の位の値)が異なる様に構成されており、第1継続値副選択テーブル222G1は選択可能な演出値の範囲が「−20〜+20」に規定されており、第2継続値副選択テーブル222G2は選択可能な演出値の範囲が「−10〜0」に規定されている。つまり、第2継続値副選択テーブル222G2では、演出値として正の値(プラスの値)が選択されないように構成している。これは、バトル前演出において、例えば、継続値主選択テーブル222Fに基づいて継続値(百の位の値)として「0」が選択された場合に、内部的には(継続値格納エリア223Nに格納している値として)「0」が設定されているにも関わらず、演出値によって第3図柄表示装置81に表示される継続値(HP値)として「0」では無い(例えば、「20」)値が表示されてしまい遊技者に違和感を与える演出を実行してしまうことを抑制するための構成である。
このように、継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択された継続値(百の位の値)の値を判別し、その判別結果に基づいて選択可能な演出値の範囲を変える構成を用いることで、通常時(継続値が200以上)の場合は、継続値(HP値)の値をプラス方向にもマイナス方向にも可変させることが可能とし、演出のバリエーションを増加させると共に、継続値が200未満の場合は、継続値(HP値)の値をマイナス方向にのみ可変させるようにし、演出に矛盾が発生することを抑制している。
そして、S4105又はS4106の処理を終えると、次に、S4102の処理で選択した継続値(百の位の値)と、S4105又はS4106の何れかで選択した演出値(十の位の値)とを合算して継続値(HP値)を算出し(S4107)、算出した継続値(HP値)に対応した表示用合算コマンドを設定し(S4108)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本制御例では継続演出が実行されている間に可変表示(増減表示)される継続値(HP値)の可変管理を、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)、即ち、継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択された継続値(百の位の値)と、継続値副選択テーブル222Gに基づいて選択された継続値(十の位の値)と、を合算した値では無く、継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択された継続値(百の位の値)のみで行うように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)の表示パターンに対して、継続値(HP値)の可変管理を行うパターンを少なくすることができ、処理負荷を軽減することができる。
さらに、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fに基づいて選択された継続値(百の位の値)のみで継続値(HP値)の可変管理を行ったとしても、継続値(HP値)の管理内容と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)の表示内容とが相違しないように構成しているため、処理負荷を軽減しながら好適に継続演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
また、本制御例の音声ランプ制御装置113では、継続値主選択テーブル222Fおよび継続値副選択テーブル222Gに基づいて継続値を選択し、選択された継続値を示す情報(コマンド)を表示制御装置114へ出力する。そして、継続値主選択テーブル222Fを参照して選択した継続値のみを継続値格納エリア223Nに格納し、格納した継続値に基づいて継続値の増減管理を繰り返し実行する。
詳細な説明は図164を参照して後述するが、本制御例では第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される継続演出の表示態様、具体的には、実行される攻撃パターン表示態様と、継続値(HP値)の可変(増減)表示態様と、を表示制御装置114が設定し、表示するように構成している。つまり、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から出力された継続値に関するコマンドを表示制御装置114が受信した場合に、その合算した継続値を記憶する領域(合算値格納エリア)を有しており、その合算値格納エリアに格納されている合算値と、今回受信した継続値に関するコマンドより算出した合算値との差分を算出し、その算出した差分値に基づいて攻撃パターン表示態様と、継続値(HP値)の可変(増減)表示態様とを設定し、表示するように構成している。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減しながら好適に継続演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、演出用の継続値を選択する継続値副選択テーブル222Gを音声ランプ制御装置113に設け、音声ランプ制御装置113が演出用の継続値を選択するように構成しているが、演出用の継続値を選択する構成(例えば、継続値副選択テーブル222G)を表示制御装置114に設けても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷をより軽減することができる。
また、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fにより継続値が選択された場合に、併せて継続値副選択テーブル222Gを参照して演出用の継続値を選択する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、継続値主選択テーブル222Fによる継続値の選択が為されない場合(例えば、図149のS4104:NOの場合)であっても、演出用の継続値(十の位の値)のみを増減させるように構成してもよい。これにより、継続演出中に実行される継続値(HP値)の増減表示をより細かく設定することができ、演出効果を高めることができる。
本制御例では、継続値主選択テーブル222Fにより選択される継続値として、現在の継続値(継続値格納エリア223Nに格納されている継続値)よりも減少した値のみが選択されるように構成しているが、それに限ることなく、現在の継続値よりも増加した値が選択されるように構成してもよい。この場合、現在の継続値よりも増加した値が選択された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される継続演出の演出態様として、通常の攻撃演出ではなく、継続値(HP値)が回復する回復演出が実行されるように構成すると良い。このように、継続演出中に継続値(HP値)を増加させる構成を用いることで、継続演出中に実行される継続値(HP値)の増減表示のバリエーションを増加させることができると共に、継続値(HP値)を頻繁に可変(増減)させたとして継続値(HP値)が下限値(例えば「0」)に到達してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、継続演出中に可変表示される継続値としてキャラクタのHPを用いているが、それ以外にも、所定状態(例えば、遊技者に有利な有利状態(確変又は時短状態))が設定されているか否かを可変する値に基づいて遊技者に示唆する構成であれば良く、例えば、実行される演出の成功率(%)や、枠ボタン22に対する操作内容に基づいて設定される操作回数(回)を用いても良い。
さらに、本制御例では、継続値主選択テーブル222Fにより選択された継続値の値が「0」の場合に、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される継続値(HP値)として「0」よりも大きな値が設定されてしまうことを防止するために、継続値主選択テーブル222Fにより選択された継続値の値が所定値(例えば、200)未満の場合には、演出用の継続値としてプラスの値が選択されないように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、継続値主選択テーブル222Fにより選択された継続値の値が「0」の場合には、演出用の継続値の選択(継続値副選択テーブル222Gを用いた選択)を実行しないように構成しても良い。
また、本制御例のように、異なる制御装置(音声ランプ制御装置113、及び表示制御装置114)のうち、第1の制御装置(音声ランプ制御装置113)で大まかな演出内容を設定する処理を実行し、第2の制御装置(表示制御装置114)で具体的な演出の表示態様を設定する処理を実行することで所定の演出を繰り返し表示する構成においては、第2の制御装置(表示制御装置114)の処理結果を、第1の制御装置(音声ランプ制御装置113)へと出力し、次に、第1の制御装置(音声ランプ制御装置113)が大まかな演出内容を設定する処理を実行する場合には、第2の制御装置(表示制御装置114)から出力された処理結果が許容範囲内であるかを判別し、許容範囲内である場合は、そのまま次の演出内容を設定する処理を実行し、許容範囲外である場合は、前回の演出内容設定時に設定した大まかな演出内容に関する情報を補正し、その補正結果に基づいて、次の演出内容を設定する処理を実行し、次の演出内容を設定するタイミングにおいて、第2の制御装置(表示制御装置114)から出力されて処理結果を受信していない場合は、次の演出内容を設定するタイミングを延期する処理を実行するように構成してもよい。
このように構成することで、第2の制御装置(表示制御装置114)にて実行される処理により既に表示された演出態様に対応させて、次の演出を設定することができ、遊技者に違和感を与えること無く継続して演出を実行することができる。なお、この場合、第2の制御装置(表示制御装置114)から出力された処理結果が許容範囲外であると判別した場合に、その処理結果が許容範囲として設定された誤差範囲よりも広い範囲である限度範囲内であるかを判別し、その判別結果が限度範囲内である場合には、上述した補正を行うことで引き続き演出を設定可能にし、限度範囲外である場合には、上述した補正を行うこと無く演出を強制的に終了させるようにすると良い。
次に、図151を参照して、期待度演出設定処理(S3808)について説明をする。図151は、期待度演出設定処理(S3808)の内容を示したフローチャートである。この、期待度演出設定処理(S3808)は、特別図柄の変動演出中に表示される期待度表示態様の表示態様を可変させることで、今回の特別図柄変動が大当たりに当選しているか否かを遊技者に示唆する演出である(図102、及び図103参照)。
本制御例では、期待度演出として特別図柄変動の時間経過に対応して3種類の期待度表示態様DK1〜DK3(図102(A)参照)が表示されるように構成されている。そして、各期待度表示態様のうち、何れかの表示態様を期待度の高い表示態様に可変させるための期待度上昇態様DK4を表示させて、期待度表示態様DK1〜DK3の何れかの表示態様が可変するよう演出を実行する。また、期待度上昇態様DK4が表示されるタイミングを設定する表示タイミングを設定する処理も実行される。
ここで、本制御例では、上述した3種類の期待度表示態様DK1〜DK3が表示されるタイミングが異なるように構成しているため、期待度上昇態様DK4が表示されるタイミングによって、期待度上昇態様DK4によって表示態様が可変する期待度表示態様の対象を異ならせることができる。これにより、同一の期待度上昇態様DK4を用いた場合であっても、その期待度上昇態様DK4を表示させるタイミングを異ならせるだけで異なる演出内容とすることができ、画像データの記憶容量を軽減することができる。
なお、この場合、画像データ量の少ない静止画像(例えば、文字画像)のみ、期待度を上昇させる期待度表示態様に対応させて表示するように構成するとよい。これにより、少ないデータ量で分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本制御例では、期待度演出態様レベルに応じて3種類の期待度表示態様DK1〜DK3の基準となる表示態様を予め定めている。これにより、複数の組み合わせから構成される3種類の期待度表示態様DK1〜DK3の表示態様をセット化することができ、表示処理の処理負荷を軽減することができる。また、期待度演出態様レベルに応じて基準となる表示態様(基準表示態様)を定めているため、期待度の上昇具合が偏ってしまうことを抑制することができる。
加えて、変動パターンに基づいて設定される3種類の期待度表示態様DK1〜DK3の最終表示態様(期待度演出の終了後に表示され得る表示態様)と、期待度演出態様レベルに応じて設定される基準表示態様とにおいて、何れかの期待度表示態様に差がある場合に、期待度上昇態様DK4が表示されるように構成しているため、遊技者に対して、既に高い期待度を示す期待度表示態様の表示態様がさらに高い期待度を示す表示態様へと可変することを期待させながら演出を実行することができる。
期待度演出設定処理(S3808)が実行されると、まず、期待度選択テーブル222Iに基づいて今回の期待度を選択し(S4201)、次いで、期待度演出選択テーブル222Jに基づいて、基準表示態様を設定するための期待度演出態様レベルを選択する(S4202)。期待度演出態様レベルを選択した後に、期待度演出態様レベルに予め定められている各期待度表示態様の表示態様と、実際の期待度演出態様(変動パターンに基づいて設定される各期待度表示態様の表示態様)との差分を抽出する(S4203)。
S4203の処理を終えると、差分があるかを判別し(S4204)、差分があると判別した場合は、期待度表示態様毎に差分を算出し(S4205)、その算出した差分の有無に基づいて期待度上昇態様DK4の表示タイミングを決定する(S4206)。次いで、期待度表示態様毎の差分を合算し(S4207)、合算した差分に基づいて期待度上昇態様の表示内容(表示態様、表示タイミング)を決定し(S4208)、期待度演出を表示するための表示用期待度演出コマンドを設定し(S4209)、期待度上昇態様の対象となる期待度表示態様を報知するための表示良い期待度対象態様報知コマンドを設定する(S4210)。
上述したS4208の処理について具体的に説明をすると、まず、S4207の処理により合算された差分の値に対応する表示態様(例えば、「3UP」)を決定する表示態様決定処理が表示態様決定手段により実行される。また、差分が発生している期待度表示態様を差分判別手段により判別し、その判別結果に基づいて期待度表示態様を設定可能な複数のタイミングを決定し、その決定された複数のタイミングの中から1つのタイミングを、期待度選択テーブル222Iを参照して選択された期待度に基づいて選択するように構成している。これにより、S4202の処理で設定された期待度表示態様の表示内容と、S4203の処理で設定された期待度表示態様の表示内容との差分を期待度上昇演出により補完可能な複数のタイミングの中から、一のタイミングを設定して期待度上昇態様DK4を設定することができるため、遊技者に違和感を与えることなく演出のバリエーションを増加させることができる。
なお、上述した例では、各期待度表示態様の表示態様を先に決定し、その差分に対応した値に基づいて期待度表示態様DK4の内容を設定する構成としているが、それ以外の構成として、先に期待度選択テーブル222Iを参照して選択された期待度に基づいて期待度表示態様DK4の表示態様を設定し、その設定内容に基づいて、各期待度表示態様の表示内容を決定するように構成しても良い。
次に、図152を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカウントダウン演出設定処理(S3810)について説明する。図152は、カウントダウン演出設定処理(S3810)の内容を示したフローチャートである。このカウントダウン演出設定処理(S3810)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図140参照)の中で実行され、受信した変動パターンがカウントダウン演出を実行する変動パターンであると判別した場合に実行される処理であって、変動表示中に実行される特定演出の実行タイミングを遊技者に示唆するための示唆演出として、特定演出の実行タイミングを正確に報知するカウントダウン演出の演出態様を設定する処理と、カウントダウン演出が実行されることを示唆するための前兆演出の演出態様を設定する処理と、カウントダウン演出の対象となる特定演出を決定する特定演出決定処理と、を実行する。
カウントダウン演出設定処理(S3810)が実行されると、まず、前兆設定フラグ223Tがオンに設定されているかを判別する(S4301)。前兆設定フラグ223Tがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S4301:NO)は、今回の変動パターンに含まれる複数の特定演出のうち、示唆演出を実行可能なタイミングに設定されている特定演出を1つ設定する(S4302)。つまり、示唆演出を実行することが困難なタイミングで実行される特定演出(特定演出C(図101参照))以外の特定演出(特定演出A,B(図100(B)参照))のうち、何れかを設定する。
S4302の処理を終えると、次に、今回の変動パターンが当たりに当選している変動パターンであるかを判別する(S4303)。今回の変動パターンが当たりに当選している変動パターンであると判別した場合は(S4303:YES)、前兆演出の開始タイミングとして前兆表示A(変動開始から10秒後のタイミング(図100(B)参照))を設定し(S4304)、S4303の処理において、今回の変動パターンが当たりに当選していない(外れ)変動パターンであると判別した場合は(S4303:NO)、前兆演出の開始タイミングとして前兆表示B(変動開始から17秒後のタイミング(図100(B)参照))を設定する(S4305)。つまり、本制御例では、特定演出の実行タイミングを示唆する示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を当該変動の抽選結果(当否判定結果)に基づいて設定することができる。
なお、上述した例では、当該変動の抽選結果(当否判定結果)に基づいて、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を設定する構成を用いているが、それ以外の条件に基づいて示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を設定するように構成しても良く、例えば、遊技者の枠ボタン22に対する操作結果や、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報の判別結果(先読み結果)や、時刻を計時する計時手段(例えば、リアルタイムクロック)の計時結果や、過去の遊技履歴等に基づいて示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)を設定するように構成しても良い。
このように、1つの変動表示(変動パターン)に、示唆演出(前兆演出)の開始タイミングとして設定可能なタイミング(示唆演出開始可能地点)を複数用意しておき、上述した様々な条件の成立に基づいて複数の示唆演出開始可能地点の中から1つを設定する構成を用いることで、実行される示唆演出の自由度を増すことができ、遊技の興趣を向上することができる。
S4304、或いはS4305の処理において、前兆演出(示唆演出)の開始タイミングを設定すると、次に、特定演出の開始タイミングと前兆演出(示唆演出)の開始タイミングとに基づいて、カウントダウン期間を設定する(S4306)。
本処理について図100(B)を参照して具体的に説明をすると、S4302の処理において今回の変動表示で示唆演出の対象とする特定演出が、特定演出A(変動開始から30秒後に実行される特定演出)に設定され、S4304の処理において前兆演出の開始タイミングとして前兆表示A(変動開始から10秒後のタイミング(図100(B)参照))が設定された場合は、カウントダウン期間として7秒が設定され、S4302の処理において今回の変動表示で示唆演出の対象とする特定演出が、特定演出A(変動開始から30秒後に実行される特定演出)に設定され、S4305の処理において前兆演出の開始タイミングとして前兆表示B(変動開始から17秒後のタイミング(図100(B)参照))が設定された場合は、カウントダウン期間として3秒が設定される。
次に、特定演出の開始タイミングと、設定されたカウントダウン期間とに基づいてカウントダウン演出が開始されるタイミング(カウントダウン演出の表示タイミング)を算出し、前兆演出の開始タイミングとカウントダウン演出の表示タイミングとの間隔、即ち、前兆演出が実行される前兆演出期間を算出する(S4307)。次いで、S4307の処理において、算出された間隔(前兆演出期間)が15秒以内であるかを判別し(S4308)、15秒以内である場合は(S4308:YES)、前兆演出の演出態様(前兆演出態様)として短演出態様を設定し(S4309)、間隔(前兆演出期間)が15秒以内ではない(15秒よりも長い)と判別した場合は(S4308:NO)、前兆演出態様として長演出態様を設定する(S4310)。
S4309、或いはS4310の処理を終えると、設定した態様(特定演出態様、カウントダウン演出態様、前兆演出態様)に対応する表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S4311)、本処理を終了する。
一方、前兆設定フラグ223Tがオンに設定されていると判別した場合(S4301:YES)、即ち、入賞情報コマンド処理(図141のS3210参照)において、既に前兆演出が実行されている場合(複数の変動表示を跨いで前兆演出が実行される場合)は、複数変動演出設定処理(S4312)を実行し、その後、上述したS4311の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図153を参照して、複数変動演出設定処理(S4312)の内容について説明をする。図153は、複数変動演出設定処理(S4312)の内容を示したフローチャートである。この複数変動演出設定処理(S4312)では、前回の変動表示中に実行された前兆演出を継続して実行する前兆演出継続実行処理と、その前兆演出に対応した特定演出に対したカウントダウン演出を設定する処理とが実行される。
複数変動演出設定処理(S4312)が実行されると、まず、特定演出として特定演出C(図101参照)を設定し(S4401)、カウントダウン期間を3秒に設定する(S4402)。そして、表示用前兆コマンドを設定する(S4403)。ここで設定された表示用前兆コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用前兆コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、今回の変動の開始と同時(遊技者が識別不能な程度の時間差を含む)に前兆演出を表示する。このように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く前回の変動表示から継続して前兆演出を表示することができる。
詳細な説明は省略するが、本制御例の表示制御装置114は、変動表示が終了するタイミングにおいて前兆演出を表示しているかを判別する手段(音声ランプ制御装置113から前兆設定フラグ223Tがオンに設定されていることを示すコマンドを受信していることを判別する手段)と、その判別手段により変動表示が終了するタイミングにおいて前兆演出を表示していると判別した場合に、実行中の前兆演出データを、当該変動が終了したタイミングを示す時間データとともに一時的に格納する演出データ格納エリアと、表示用前兆コマンドを受信した場合に、演出データ格納エリアに格納されている前兆演出データを、前回の変動表示が終了した時点から再開して表示する再開表示手段と、を有しており、複数の変動を跨いで前兆演出を実行した場合に、一連の前兆演出(例えば、車を目的地に向けて走らせる演出(図98(A)参照))を途切らせること無く実行することができる。
さらに、本制御例では、特別図柄の変動表示を示す表示用変動パターンコマンドとして、表示用前兆コマンドを出力するように構成しているため、特別図柄の変動表示に対応させて複数の変動を跨いで実行される演出(連続演出)の表示処理を行うことができる。よって、従来の表示制御装置114の処理、即ち、特別図柄の変動表示が実行される毎に受信する変動パターンコマンドの内容に基づいて当該特別図柄変動が終了するまでの期間の演出態様を表示する処理を用いて連続演出を実行することができ、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。なお、このような構成において、特別図柄の停止期間(図柄確定期間(例えば、0.5秒))中にも動的表示を継続させる連続演出を実行する場合には、変動パターンコマンドに基づいて算出した変動時間に上述した図柄確定期間を加えた長さの連続演出が設定される。これにより、特別図柄の図柄確定期間中、即ち、連続する変動パターンの間の期間中も連続演出を円滑に実行することができる。
なお、複数の変動を跨いで前兆演出を実行した場合に、一連の前兆演出を途切らせないよう実行することができる構成であれば、本制御例以外の構成を用いても良く、例えば、前回の変動表示において前兆演出期間(前兆演出の終了タイミング)を設定することなく前兆演出を実行し、今回の変動表示においてカウントダウン演出が実行されるタイミングに基づいて前兆演出の終了タイミングを設定するように構成しても良い。
図153に戻り説明を続ける。S4403の処理を終えると、次に、表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S4404)、前兆設定フラグ223Tをオフに設定し(S4405)、本処理を終了する。
次に、図154を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理(S3112)について説明する。図154は、演出更新処理(S3112)を示したフローチャートである。この演出更新処理(S3112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)の中で実行され、特別図柄の変動に関わらず、経過時間に基づいて制御される演出を設定するための処理である。
演出更新処理(S3112)が実行されると、まず、経過時間カウンタ223Kの値が0よりも大きいかを判別する(S5101)。経過時間カウンタ223Kの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S5101:NO)、即ち、経過時間のカウントが実行されていない場合は、経過時間の計測に関わる処理をスキップしてS5108の処理へ移行する。
一方、経過時間カウンタ223Kの値が0よりも大きいと判別した場合は(S5101:YES)、経過時間カウンタ223Kの値を1減算し(S5102)、次いで、減算後の経過時間カウンタ223Kの値が0であるかを判別する(S5103)。ここで、経過時間カウンタ223Kの値が0ではない(1以上である)と判別した場合は(S5103:NO)、そのままS5108の処理へ移行する。
S5103の処理において、経過時間カウンタ223Kの値が0であると判別した場合は(S5103:YES)、次に、表示延長フラグ223Iをオフに設定し(S5104)、現在が特別図柄の変動中であるかを判別する(S5105)。S5105の処理において、現在が特別図柄の変動中では無いと判別した場合は(S5105:NO)、大当たりのエンディング表示の延長表示を終了することを表示制御装置114に通知するための表示用通常演出コマンドを設定し(S5106)、S5107の処理へ移行する。
一方、S5105の処理において、現在が特別図柄の変動中であると判別した場合は(S5105:YES)S5106の処理をスキップしてS5107の処理へ移行する。このように構成することで、大当たり終了後に延長演出(大当たりのエンディング表示を延長して表示する演出)が実行されている場合において、延長演出の終了条件の1つである時間条件(4秒経過)が成立した場合に、特別図柄が変動していない場合は、即座に延長演出を終了し、特別図柄が変動している場合は表示延長フラグ223Iをオフに設定し、次回の特別図柄変動開始時に延長演出が終了する。よって、特別図柄の変動中に急に延長演出が終了してしまい遊技者を困惑させる事態を抑制することが出来ると共に、特別図柄の変動中に延長演出が終了する場合における複雑な演出設定処理を実行する必要が無くなるため、処理負荷を軽減することができる。
S5108の処理では、その他演出の更新に関する処理が実行される。具体的には、例えば、リアルタイムクロック(RTC)より取得した時間情報に基づいた演出に関する処理が実行される(S5108)。その後、本処理を終了する。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図155から図172を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図155を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図155は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231Aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231Aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出してバッファRAM234Cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234Aの性質上、その読み出しからバッファRAM234Cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234Dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図156を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図156は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234Aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233Aやデータテーブル格納エリア233Bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1より読み出されバッファRAM234Cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233Aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233Aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234A1を有するNAND型フラッシュメモリ234Aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233Aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231Aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231Aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233Aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233Bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図155のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図155のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(図155のS6001参照)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233A及びデータテーブル格納エリア233Bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231Aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234Aを参照することなく、プログラム格納エリア233Aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233A及びデータテーブル格納エリア233Bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234Dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233Aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234Dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図156に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233Aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233Aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233Aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233Aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233Aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234D1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234D1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101、およびS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233Aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233Aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図155の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235Aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235Aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235Aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235Bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235Bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235Bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235Bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235Bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233Cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233Cがオンの間は、後述する転送設定処理(図170(A)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図170(A)のS7702参照)。
また、簡易画像表示フラグ233Cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図157(B)参照)において、電源投入時画像が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図157(B)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図157(B)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64または第2入球口140へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図157(A)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図157(A)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図157(B)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図157(B)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図125参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図157(B)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233Cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233Cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:NO)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233Eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図158〜図166を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図167〜図169を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233Cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233Cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233Eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図170および図171を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図125に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図172を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233Cがオンであると判別されると(S6301:YES)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図158〜図166を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。図158は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図158に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:NO)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:YES)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:YES)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図159(A)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図159(A)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、前兆演出フラグ233Mがオンに設定されているかを判別する(S6501)。ここで、前兆演出フラグ233Mがオンに設定されていると判別した場合(S6501:YES)、即ち、前回の変動から継続して前兆演出が実行される場合は、変動開始時から前兆演出を実行するために、前兆演出に対応した変動表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定し(S6502)、前兆演出フラグ233Mをオフに設定する(S6503)。
具体的には、前回の変動中に設定された表示データテーブル、および、その表示データテーブルに設定されている時間データから、前回の変動中に表示された期間を示すための表示済み期間情報を抽出した抽出情報を一時的に記憶する記憶手段を設け、S6502の処理において、前回の特図変動中に実行された前兆演出の続きが今回の特図変動において実行されるように構成している。これにより、前兆演出が複数の変動を跨いで実行される場合であっても円滑に前兆演出を表示することができる。
なお、本制御例では、前回の変動中に実行された前兆演出の内容を記憶し、その記憶された前兆演出の続きを今回の変動において実行する構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、前兆演出に対応する表示データテーブルを時間の経過に対応させた複数の演出ブロックに分け、前回の変動中に実行された演出ブロックを判別し、今回の変動において、前回の変動中に実行された演出ブロックの次に設定されている演出ブロックを実行するように構成しても良い。これにより、複数の変動を跨いで実行される前兆演出の管理を簡素化することができる。
また、本制御例では、複数の変動を跨いで実行される前兆演出として、2変動分の前兆演出のみ実行可能に構成しているため、S6501の処理において、前兆演出フラグ233Mがオンに設定されていると判別した場合は、今回の変動が前兆演出の終了変動となるため、S6503の処理にて前兆演出フラグ233Mをオフに設定しているが、例えば、前兆演出が特別図柄3変動分以上に跨がって実行されるように構成している場合であれば、前兆演出フラグ233Mがオンに設定されている期間(特別図柄の変動回数)を判別可能なカウンタ(例えば、前兆演出カウンタ)と、実行されている前兆演出が何変動分継続するのかを記憶する記憶手段(例えば、演出継続回数記憶手段)と、を設け、変動パターンコマンド処理が実行される毎に、前兆演出カウンタの値を更新し、更新した値が演出継続回数記憶手段に記憶されている値に合致するかを判別し、合致すると判別した場合に、前兆演出フラグ233Mをオフに設定するように構成すればよい。
S6501の処理において、前兆演出フラグ233Mがオンではない(オフである)と判別した場合(S6501:NO)、或いは、S6503の処理を終えると、次に、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bの変動演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S6504)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233Dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6504で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S6505)。
次いで、S6504の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S6506)、ポインタ233Fを0に初期化する(S6507)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6508)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理(図159(A)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S6507の処理によって初期化されたポインタ233Fを更新しながら、S6504の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6505の処理によって転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233Hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
なお、本制御例では、前兆演出フラグ233Mがオンに設定されている場合に(S6501:YES)、前兆演出に対応した変動表示データテーブルと、変動パターンコマンドに対応した変動表示データテーブルとのそれぞれが対応する表示データテーブルバッファに設定され、表示データが重複する箇所については、前兆演出に対応した表示データが優先して表示されるように構成している。具体的には、前兆演出が実行表示されるレイヤが通常の変動演出が実行表示されるレイヤよりも優先して設けられており、それぞれのレイヤに対して表示処理が実行された場合に、前兆演出用のレイヤに表示された内容が遊技者に視認可能となる。
なお、前兆演出に対応する態様が通常演出に対応する態様よりも優先して表示される構成であればよく、上述した例以外の方法として、前兆演出用の表示データと、受信した変動パターンコマンドに基づいて設定される通常演出用の表示データと、を判別し、遊技者に視認させる表示データのみを表示データテーブルバッファに設定するように構成してもよい。
ここで、図158の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S6406:YES)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図159(B)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図159(B)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図157(B)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S6603)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235Dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図158に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用当たり関連コマンドがあるかを判別する。この表示用当たり関連コマンドは、大当たりに当選した場合に参照されるコマンドであって、具体的には、大当たりの開始を示すための表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンド等を受信した場合に実行される。
ここで、図160を参照して、当たり関連コマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図160は、当たり関連コマンド処理(S6409)の内容を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理(S6409)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドや、表示用ラウンド数コマンドや、表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
当たり関連コマンド処理(S6409)が実行されると、まず、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6701)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6701:YES)、オープニングコマンド処理を実行して(S6702)、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理については、図161(A)を参照して詳細な説明を後述する。一方、S6701の処理において、表示用オープニングコマンドが無いと判別した場合は(S6701:NO)、次に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別する(S6703)。
S6703の処理において、表示用ラウンド数コマンドがあると判別した場合は(S6703:YES)、ラウンド数コマンド処理を実行し(S6704)、本処理を終了する。このラウンド数コマンド処理(S6704)については、図161(B)を参照して詳細な説明を後述する。そして、S6703の処理において、表示用ラウンド数コマンドが無いと判別した場合は(S6703:NO)、表示用エンディングコマンドがあるかを判別し(S6705)、表示用エンディングコマンドがある場合は(S6705:YES)、エンディングコマンド処理を実行し(S6706)、本処理を終了する。このエンディングコマンド処理については、図162を参照して詳細な説明を後述する。S6705の処理において、表示用エンディングコマンドが無いと判別した場合は(S6705:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図161(A)を参照して、図160の当たり関連コマンド処理において実行されるオープニングコマンド処理(S6702)について説明をする。図161(A)は、オープニングコマンド処理の内容を示したフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bのオープニング演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S6801)。次いで、S6801の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S6803)、ポインタ233Fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、オープニングコマンド処理を終了し、本処理を終了する。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6804の処理によって初期化されたポインタ233Fを更新しながら、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S8702の処理によって転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(例えば、15ラウンド分、10ラウンド分、5ラウンド分、2ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本制御例では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(16ラウンド分、または2ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本制御例では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
次に、図161(B)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6704)について説明をする。図161(B)はラウンド数コマンド処理の内容を示したフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数ド処理では、まず、ラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bのラウンド数演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。そして、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S6903)、ポインタ233Fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、本処理を終了する。
次に、図162を参照して、エンディングコマンド処理(S6706)について説明をする、図162はエンディングコマンド処理(S6706)の内容を示したフローチャートである。このエンディングコマンド処理(S6706)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理(S6706)では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bのエンディング演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S7001)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7002)。そして、S7001の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S7003)、ポインタ233Fを0に初期化する(S7004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S7005)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このエンディングコマンド処理を実行することにより、特別図柄の大当たりが終了する際にエンディング演出を第3図柄表示装置81に対して表示させることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して認識させることができる。
ここで、図158の説明に戻る。S6408の処理において、表示用当たり関連コマンドがないと判別されると(S6408:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、背面画像変更コマンドがあれば(S6410:YES)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図163を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図163は、背面画像変更コマンド処理(S6411)を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理(S6411)は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理(S6411)では、まず、背面画像変更フラグをオンに設定する(S7101)。これにより、通常画像転送設定処理(図171のS7603参照)において背面画像の変更を判別することができる。そして、背面画像種別(背面A〜C、および時間演出に対応する特殊背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S7102)、背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理(図171のS7603参照)では、S7101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B、または背面Cである場合は、それらの背面画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐されていないので、画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。なお、変更後の背面画像種別が背面Aの場合は、全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されているので、画像の転送は行わない。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜C、および時間演出に対応する特殊背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7102の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納される場合はない。しかし、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7102の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233Xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値へ直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定することが好ましい。
ここで、図158の説明に戻る。S6410の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6410:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、エラーコマンドがあれば(S6412:YES)、エラーコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図163(B)を参照して、エラーコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図163(B)は、エラーコマンド処理(S6413)を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理(S6413)は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(S6413)では、まず、エラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラをオフに設定して(S7202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7202の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
図158の説明に戻る。S6412の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6412:NO)、次いで、継続値関連コマンドがあるかを判別し(S6414)、継続値関連コマンドがあると判別した場合は(S6414:YES)、継続値関連コマンド処理(S6415)を実行し、S6401その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6420)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図164を参照して、継続値関連コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図164は、継続値関連コマンド処理(S6415)を示すフローチャートである。この継続値関連コマンド処理(S6415)は、音声ランプ制御装置113より受信した継続値関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
継続値関連コマンド処理(S6415)では、まず、受信したコマンドに対応した継続値表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定し(S7301)、合算値格納エリア233Kに格納されている合算値(前回のコマンド受信時に設定した合算値)を読み出し(S7302)、今回受信したコマンドが示す合算値との差分を算出する(S7303)。
そして、S7303の処理において算出された差分に対応した攻撃パターンを示す表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7304)、今回受信したコマンドの値を合算値格納エリア233Kに格納する(S7305)。なお、合算値格納エリア233Kは、継続演出が実行されている期間中に受信したコマンドが示す合算値を、そのコマンドを受信した順番に記憶可能に構成されている。さらに、S7303の処理において算出された差分の値も記憶可能に構成されている。
これにより、例えば、受信した合算値の値が連続して所定条件を満たしている場合(例えば、連続して合算値のいずれかに7が付されている場合)や、S7303の処理において算出された差分の値が連続して所定数(例えば、300以上)である場合に、特別な攻撃パターン表示データテーブルを設定することができる。
S7305の処理を終えると、次に、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7306)。そして、S7301,S7304の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S7307)、ポインタ233Fを0に初期化する(S7308)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S7309)、継続値関連コマンド処理を終了し、本処理を終了する。
上述したように、本制御例では、音声ランプ制御装置113からは継続値(HP値)の合算値を示すコマンドが出力されるだけであり、前回の継続値関連コマンド処理において設定された合算値、および、その差分の値を、表示制御装置114側で判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81に表示する表示態様(演出態様)を表示制御装置114にて実行するように実行している。このように構成することで、継続演出(バトル演出)において、継続値(HP値)の表示の多様化を図りながら、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113が合算値を設定する手段を有し、表示制御装置114が前回設定された合算値と今回設定された合算値との差分を算出する差分算出手段と、その差分算出手段により算出された差分に対応する表示態様(攻撃パターン、減算数表示)を設定する手段を有する構成としているが、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる構成であればよく、例えば、音声ランプ制御装置113が、継続値(HP値)を可変させるため第1継続値(継続値主選択テーブル222Fを用いて選択される継続値)を設定する手段を有し、それ以外の手段を全て(継続値(HP値)を可変させるための第2継続値(継続値副選択テーブル222Gを用いて選択される継続値)を設定する手段、前回設定された合算値と今回設定された合算値との差分を算出する差分算出手段と、その差分算出手段により算出された差分に対応する表示態様(攻撃パターン、減算数表示)を設定する手段)表示制御装置114が有する構成としても良いし、上述した各手段のうち、攻撃パターンのみ音声ランプ制御装置113にて設定するように構成しても良い。
図158の説明に戻る。S6414の処理において、継続値関連コマンドがないと判別されると(S6414:NO)、次いで、期待度演出関連コマンドがあるかを判別し(S6416)、期待度演出関連コマンドがあると判別した場合は(S6416:YES)、期待度演出関連コマンド処理(S6417)を実行し、S6401の処理へ戻る。
ここで、図165を参照して、期待度演出関連コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図165は、期待度演出関連コマンド処理(S6417)を示すフローチャートである。この期待度演出関連コマンド処理(S6417)は、音声ランプ制御装置113より受信した期待度えんしゅつ関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
期待度演出関連コマンド処理(S6417)では、まず、受信した期待度演出関連コマンドが示す演出に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S7401)。次いで、S7401で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S7402)。
S7402の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S7403)、ポインタ233Fを0に初期化し(S7404)、コマンド判定処理に戻る。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて設定実行される期待度演出設定処理(図151のS3803参照)において、期待度演出の開始時点における表示態様(図102(A)参照)と、演出結果(最終表示態様)である表示態様(図103(A)参照)と、を示すための表示用期待度演出コマンドと、期待度演出において報知対象となる期待度表示態様を報知するための表示態様(図103(B)参照)を示すための表示用期待度対象態様報知コマンドと、が表示タイミングを示す情報を含めて設定される。
そして、期待度演出関連コマンド処理(図165のS6417)では、受信した各コマンドに対応する表示態様が各コマンドに含まれる表示タイミング情報に対応した表示タイミングで表示されるように表示設定される。具体的には、期待度演出が開始されるタイミングに対応して、期待度演出の開始時点における表示態様(図102(A)参照)が表示され、その後、期待度上昇演出に対応する表示態様(図102(B)参照)が表示される。その後、今回の期待度上昇演出を示すコマンドに、報知対象となる期待度表示態様を報知するための情報が含まれている場合は、その表示態様をコマンドに含まれる表示タイミング情報に対応した表示タイミングで表示する。その後、演出結果(最終表示態様)である表示態様(図103(A)参照)を表示する。
なお、複数表示される期待度表示態様のうち、期待度上昇演出の対象となる期待度表示態様が何れであるかを遊技者が選択可能に構成している場合は、その選択結果(正解または不正解)を示すためのコマンドが音声ランプ制御装置113から出力され、受信したコマンドの内容に基づいて、最終表示態様の表示の有無を決定する。つまり、遊技者の選択結果が正しい場合は、表示用期待度演出コマンドに含まれる各情報(表示態様を示すための情報、表示タイミングを示すための情報)を期待度演出関連コマンド処理(S6417)にて設定した通り実行し、遊技者の選択結果が正しくない場合は、表示用期待度演出コマンドに含まれる各情報(表示態様を示すための情報、表示タイミングを示すための情報)のうち、最終表示態様の表示に関する設定情報をクリアし、最終表示態様が表示されないように表示処理を実行する。
図158に戻り説明を続ける。S6416の処理において、期待度演出関連コマンドが無いと判別した場合は(S6416:NO)、次に、カウントダウン演出関連のコマンドがあるかを判別する(S6417)。S6417の処理において、カウントダウン演出関連のコマンドがあると判別した場合は(S6417:YES)、カウントダウン演出関連コマンド処理を実行し(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図166を参照して、カウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)について説明をする。図166は、カウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)の内容を示したフローチャートである。このカウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)は、音声ランプ制御装置113より受信したカウントダウン演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。
カウントダウン演出関連コマンド処理(S6419)では、まず、表示用追加前兆コマンドがあるかを判別し(S7501)、表示用追加前兆コマンドがあると判別した場合は(S7501:YES)、即ち、前回の変動表示から継続した前兆演出を実行する場合は、その表示用追加前兆コマンドが示す演出に対応する追加前兆データテーブルを表示データテーブルバッファに設定し(S7502)、S7502で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S7503)。
S7503の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S7504)、ポインタ233Fを0に初期化し(S7509)、コマンド判定処理に戻る。
一方、S7501の処理において、表示用使い前兆コマンドが無いと判別した場合は(S7501:NO)、受信した表示用カウントダウン演出コマンドに対応したカウントダウン演出データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7506)、S7506で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S7507)。
S7507の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S7508)、ポインタ233Fを0に初期化し(S7509)、コマンド判定処理に戻る。
図158に戻り説明を続ける。S6418の処理において、カウントダウン演出関連コマンドが無いと判別した場合は(S6418:NO)、その他の表示用コマンドがあるかを判別し、その他の表示用コマンドがあると判別した場合は、各コマンドに対応する処理を実行する(S6420)。ここで、その他の表示用コマンドとしては、例えば、保留球数の増減を示す表示用保留球数コマンドや、複数の変動を跨いで特定の変動を対象とした演出(所謂、連続予告)を示す表示用連続予告コマンドや、音声ランプ制御装置113が有する時間計測手段(所謂、リアルタイムクロック)による計測結果に基づく時間演出を示す表示用時間演出コマンドがある。
表示用保留球数コマンドを受信した場合には、新規保留球数フラグをオンに設定する。そして、受信した表示用保留球数コマンドから保留球数を抽出し、抽出した保留球数に基づいて保留球数カウンタを更新することで、第3図柄表示装置81に表示される保留球数を更新表示する。また、表示用連続予告コマンドを受信した場合は、新規連続予告コマンドフラグをオンに設定する。そして、表示用連続予告コマンドから魚群背面と泡背面との配分を抽出する。次いで、抽出した配分に基づいて、連続予告情報格納エリアを更新し、更新内容に対応した連続予告を表示する。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:YES)、再びS6402〜S6420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6420の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図157(B)参照)において簡易画像表示フラグ233Cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図159(A)参照)、および停止種別コマンド処理(図159(B)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図159(A)参照)では、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233Dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233EにはNULLデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図167〜図169を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図167は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図167に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7601)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7601:NO)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S7602およびS7603の処理をスキップし、S7604の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7601:YES)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7602)、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別し(S7603)、エラー発生フラグがオンであれば(S7603:YES)、エラー判別フラグに基づき警告画像設定処理を実行する(S7604)。
ここで、図168を参照して警告画像設定処理について説明をする。図168は警告画像設定処理の内容を示したフローチャートである。警告画像設定処理が実行されると、エラー判別フラグに基づいて警告画像データを展開し(S7701)、エラー発生フラグをオフに設定し(S7702)、表示設定処理へ戻る。一方、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7603:NO)、S7604の処理をスキップし、S7605の処理へ移行する。
図167のS7605では、ポインタ更新処理を実行する(S7605)。ここで、図169を参照して、ポインタ更新処理(S7605)の詳細について説明する。図169は、ポインタ更新処理(S7605)を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233Dおよび転送データテーブルバッファ233Eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233Fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233Fに1を加算する(S7801)。即ち、ポインタ233Fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、START情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233Dに格納されるのに合わせてポインタ233Fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7801の処理によって、ポインタ233Fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233Fで示されるアドレスのデータがEND情報であるか否かを判別する(S7802)。その結果、END情報であれば(S7782:YES)、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233Fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233Dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7803)、デモ用表示データテーブルであれば(S7803:YES)、表示データテーブルバッファ233Dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S7804)、ポインタ233Fを1に設定して初期化し(S7805)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7803の処理において、表示データテーブルバッファ233Dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7803:NO)、ポインタ233Fの値を1だけ減算して(S7806)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233Dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、END情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7802の処理において、更新後のポインタ233Fで示されるアドレスのデータがEND情報でなければ(S7802:NO)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図167に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233Dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233Fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S7606)。ここでは、先に展開された警告画像などと共に、S7606の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233Hの値を1だけ減算し(S7607)、減算後の計時カウンタ233Hの値が0以下であるか否かを判別する(S7608)。そして、計時カウンタ233Hの値が1以上である場合は(S7608:NO)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233Hの値が0以下である場合は(S7608:YES)、表示データテーブルバッファ233Dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233Dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7609)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7609:NO)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、第3図柄の確定表示を設定するため、S7610〜S7615の処理を実行する。S7610の処理では、確定表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bの確定表示演出用テーブル格納エリアから読み出して表示データテーブルバッファ233Dに設定し(S7610)、次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7611)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233Hに設定する(S7612)。
S7612の処理が終了すると、ポインタ233Fの値を0に初期化する(S7613)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7614)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7615)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233Dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233Dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7615の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7615の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7609の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7609:YES)、デモ演出の表示態様を設定するため、S7616〜S7621の処理を実行する。S7616の処理では、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7616)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7616:NO)、デモ用表示データテーブルを読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定し(S7617)、次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7618)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233Hに設定する(S7619)。
S7619の処理が終了すると、ポインタ233Fを0に初期化し(S7620)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7621)、本処理を終了してV割込処理に戻る。
これにより、第3図柄の確定表示を開始してから所定時間(例えば、15秒間)が経過しても、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、表示用オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
次いで、図170、および図171を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図170(A)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233Cがオンか否かを判別する(S7901)。そして、簡易画像表示フラグ233Cがオンであれば(S7901:YES)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7902)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図170(B)を参照して後述する。
一方、S7901の処理の結果、簡易画像表示フラグ233Cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7901:NO)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7903)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図171を参照して後述する。
次いで、図170(B)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7902)について説明する。図170(B)は、この常駐画像転送設定処理(S7902)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S8001)、転送指示を送信していれば(S8001:YES)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S8002)。このS8002の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S8002の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S8002:NO)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S8002:YES)、S8003の処理へ移行する。また、S8001の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S8001:NO)、S8003の処理へ移行する。
S8003の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S8003)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S8003:NO)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S8004)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237Aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
一方、S8003の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S8003:YES)、簡易画像表示フラグ233Cをオフに設定して(S8005)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図157(B)参照)において、簡易コマンド判定処理(図157(B)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図157(B)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図158〜図166参照)、および表示設定処理(図167〜図169参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図171参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図170(A)のS7901:NO参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図171を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7903)について説明する。図171は、この通常画像転送設定処理(S7903)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233Eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7605)によって更新されたポインタ233Fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S8101)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S8102)、転送データ情報であれば(S8102:YES)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S8103)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S8104)、S8105の処理へ移行する。
また、S8102の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、NULLデータであれば(S8102:NO)、S8103、およびS8104の処理をスキップして、S8105の処理へ移行する。S8105の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S8105)、転送指示を設定していれば(S8105:YES)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S8106)。
このS8106の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S8106の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S8106:NO)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S8106:YES)、S8107の処理へ移行する。また、S8105の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S8105:NO)、S8107の処理へ移行する。
S8107の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S8107)、転送開始フラグがオンであれば(S8107:YES)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S8108)、S8103の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S8113の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S8107:NO)、次いで、背面画像変更フラグ233Wはオンか否かを判別する(S8109)。そして、背面画像変更フラグ233Wがオンではなく、オフであれば(S8109:NO)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233Wがオンであれば(S8109:YES)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233Wをオフに設定した後(S8110)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233X対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S8111)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233Xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S8112)、S8113の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S8111の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S8113の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S8113)。このS8113の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233Iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233Iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S8113の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S8113:YES)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S8113の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S8113:NO)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S8114)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S8114の処理の後、格納画像データ判別フラグ233Iを更新し(S8115)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233Iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236Aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、大当たり演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233Dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルのポインタ233Fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図172を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図172は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、および転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、図125に示す描画リストを生成する(S8201)。即ち、S8201の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、または通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233Jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S8202)。ここでは、描画対象バッファフラグ233Jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236Bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233Jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236Cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237Aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237Aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S8202の処理の後、描画対象バッファフラグ233Jを更新する(S8203)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233Jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236Bと第2フレームバッファ236Cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図157(B)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をしたように、本第1制御例では、特別図柄の抽選結果を遊技者に示すための第3図柄変動表示において、特定演出(例えば、枠ボタン22を操作させるための「PUSH表示」)が発生するタイミングを報知するための示唆演出として、特定演出が設定されるタイミングに基づいて設定されるカウントダウン演出と、その示唆演出が開始されてから、カウントダウン演出が開始されるまでの期間に設定される前兆演出と、を実行するように構成している。
よって、特定演出が発生するタイミングを報知するための示唆演出を予め定められた期間実行する場合に比べて、示唆演出を実行する期間(前兆演出を実行する期間)を自由に設定することができる。
本第1制御例では、示唆演出を開始するタイミングと、示唆演出の対象となる特定演出とを、複数の中から選択可能に構成している。このように構成することで、様々な組み合わせにより、示唆演出が実行される期間を多彩に設定することができる。
さらに、示唆演出を開始するタイミングと、特定演出が実行されるタイミングとの間隔が所定期間(例えば、15秒)あるかを判別し、その判別結果に基づいて、前兆演出やカウントダウン演出の態様が可変するように構成している。これにより、実行される演出内容に基づいて遊技者が今後実行される演出を予測しながら遊技を行うことができる。
加えて、対応する特別図柄の抽選結果に基づいても、前兆演出やカウントダウン演出の態様が可変するように構成している。具体的には、特別図柄の抽選結果が当たりの場合には、カウントダウン演出が実行される期間として長い期間(例えば、7秒)が設定され易くなるように構成している。これにより、カウントダウン演出の態様により今回の変動表示が当たりに当選した特別図柄に対応するものであることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される演出の態様として、本第1制御例の態様以外を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が当たりの場合に、示唆演出期間が長くなる態様が設定されるようにしても良い。この場合、示唆演出が実行される期間(示唆演出期間)に応じて演出態様の一部が可変するように構成し、遊技者に対して示唆演出期間が長さと、特別図柄の抽選結果とが対応していることを分かり易く報知すれば良く、例えば、示唆演出中に表示されるキャラクタ等の表示態様の色が、経過期間の長さに応じて可変(青→黄→赤→虹色)するように構成したり、示唆演出中に表示される段階指標(例えば、期待度)を経過期間の長さに応じて可変するように構成したりしてもよい。
また、複数の特定演出のそれぞれを大当たり期待度が異なるように設定し、対象とする特定演出によって大当たり期待度を異ならせても良い。この場合、可変表示期間中の複数の地点に、特定演出を実行可能な箇所を設けておき、その複数の地点のうち、示唆演出の対象となる地点において実行される特定演出を特別図柄の抽選結果に基づいて設定するように構成しても良い。これにより、カウントダウン演出が開始され、遊技者に対してどのタイミング(可変表示期間中の地点)で実行される特定演出を対象にカウントダウン演出が実行されているかを把握された後にも、特定演出としてどの演出が実行されるかを分かり難くすることができ、最後まで示唆演出を楽しませることができる。
なお、本第1制御例では、示唆演出のうち前兆演出として実行される演出を、前兆演出の期間を示すための演出態様(カウントダウン演出の実行タイミングを示唆する演出態様)を用いているが、このように、遊技者に対して演出期間を示すための演出以外にも、例えば、今回の示唆演出の対象となる特定演出の内容を遊技者に示唆するための演出態様や、今回の変動表示において、カウントダウン演出が実行されることを遊技者に報知するための演出態様(報知態様)を設定するように構成してもよい。
また、本第1制御例では、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)と、示唆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の終了タイミング)とが別々に設定されるように構成しているため、複数の変動表示を跨ぐように示唆演出を実行することができる。これにより、変動表示の初期(例えば、変動開始から5秒)の地点に設定される特定演出に対しても、その1つ前の変動表示中に示唆演出の開始タイミングを設定することができる。これにより、示唆演出を設定する際の自由度を大きくすることができる。
上述した技術を用いる場合においては、既に保留記憶されている複数の入賞情報の内容に基づいて、複数の変動表示を跨ぐように示唆演出を設定しても良いし、特別図柄の変動表示が実行されている間に入賞した球(次変動となる入賞球)を判別する手段を設け、その判別手段により、残変動期間が所定期間以上ある場合に、複数の変動表示を跨ぐように示唆演出を設定してもよい。後者の場合は、保留記憶が貯めにくい場合(特別図柄の変動時間が短い場合や、第1入球口64、第2入球口140に球が入球し難い場合)であり、特別図柄が変動中に、1つ目の保留記憶(次変動に用いられる保留記憶)が発生する場合においても、複数の変動表示を跨ぐ示唆演出を実行することができる。これにより、示唆演出を実行する機会を増やすことができ、演出効果を高めることができる。
特別図柄の変動時間は、一般的に大当たりに当選した場合に長い変動時間が選択されやすく構成されおり、これに対応するように示唆演出が実行される示唆演出期間が長いほど、大当たり期待度が高くなるように構成されている。このように構成されている従来型パチンコ機10では、示唆演出が開始されるタイミングによって、今回の変動表示に対する大当たり期待度を予測されてしまうという問題があった。これに対し、本第1制御例では、示唆演出が開始されるタイミングと、示唆演出が終了するタイミングとをそれぞれ複数地点設けており、示唆演出が開始されるタイミングから示唆演出期間が予測できないように構成している。また、示唆演出期間が同一であったとしても、前兆演出が実行される期間と、カウントダウン演出が実行される期間とを可変可能に構成している。さらに、示唆演出の対象となる特定演出として、大当たり期待度の異なる特定演出のうち何れかの特定演出を選択可能に構成している。
このように構成された本第1制御例では、示唆演出が開始された後であっても、今回の示唆演出期間や、対象となる特定演出、さらには、前兆演出の期間やカウントダウン演出の期間を早期に予測されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
本第1制御例では、カウントダウン演出中に実行される演出態様として、数字が規則的(例えば、1秒毎)に減少されるカウントダウン表示を用いているが、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に正確に報知可能な構成であればよく、例えば、複数個に区画された領域が規則的(例えば、1秒毎)に埋まっていき所定期間経過後に特定演出が実行されるように構成してもよい。この場合は、区画された領域の数がカウントダウン演出の期間を示すための表示態様となる。また、これ以外の構成であってもよい。
本第1制御例では、カウントダウン演出中に表示される表示データとして、所定秒数(例えば、10秒)分の表示データを表示制御装置114のキャラクタROM234の記憶領域に格納しておき、今回実行される示唆演出に設定されるカウントダウン演出の期間を示す期間情報に基づいて、対応する分の表示データを表示するように構成している。このように表示データを有することで、記憶容量を軽減することができる。
なお、本第1制御例では、示唆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の終了タイミング)を、対象の変動演出に設定される特定演出の開始タイミングに基づいて設定するように構成しているが、カウントダウン演出の終了タイミングが特定演出の開始タイミングと合致すればよく、例えば、特定演出が一定期間(例えば、10秒)実行されるものである場合では、特定演出の終了タイミングに基づいて設定するように構成してもよい。
上述したように、本第1制御例では、示唆演出として実行されるカウントダウン演出の終了タイミングが特定演出の開始タイミングと合致するように、特定演出の実行タイミングに基づいてカウントダウン演出の終了タイミングを設定し、その設定された終了タイミングからカウントダウン演出を実行する期間(時間)を逆算してカウントダウン演出期間を設定している。これにより、所定期間のカウントダウン演出を特定演出の実行タイミングに対応させて容易に設定することができる。
上述した本第1制御例では、示唆演出を実行する期間として、前兆演出が実行される前兆演出期間とカウントダウン演出が実行されるカウントダウン演出期間とを、示唆演出が実行される前に、予め設定しているが、それ以外の方法を用いても良く、例えば、示唆演出が開始するタイミング(前兆演出が開始されるタイミング)と、示唆演出が終了するタイミング(カウントダウン演出が終了するタイミング、即ち、特定演出が開始されるタイミング)のみ予め設定しておき、前兆演出からカウントダウン演出へと切り替わるタイミングを、示唆演出が実行されてから設定する構成を用いても良い。
この場合、例えば、前兆演出中に枠ボタン22に対して所定の操作が実行されたことに基づいて前兆演出からカウントダウン演出に切り替わるように表示制御を実行するとよい。これにより、いち早くカウントダウン演出を実行させようと、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。また、特別図柄の抽選結果に基づいて、カウントダウン演出を実行可能な期間を予め定めておき、前兆演出中に枠ボタン22に対して所定の操作が実行されたタイミングが、カウントダウン演出を実行可能なタイミングである場合にのみ前兆演出をカウントダウン演出に切り替えるように構成し、前兆演出中に枠ボタン22を操作させる操作演出が様々なタイミングで実行されるように構成すると良い。このように構成することで、前兆演出中に実行される操作演出に対して遊技者を意欲的に参加させることができ、演出効果を高めることができる。
また、前兆演出中に特定演出を対象としない疑似的なカウントダウン演出(疑似カウントダウン演出)を実行するように構成しても良い。この疑似カウントダウン演出を実行することで、遊技者に対して前兆演出が終了したと思わせることができ、演出の今後の展開を予測し難くすることができる。このように疑似カウントダウン演出は、大当たりに当選している場合に実行し易く構成することで、実行されたカウントダウン演出が疑似的なものであることを期待させながら遊技を行わせることができるため、カウントダウン演出(疑似カウントダウン演出)が終了するまでの間、継続して実行されている演出に注視させることができる。
上述した第1制御例では、示唆演出として実行される前兆演出期間の長さを判別し、その判別結果に基づいて前兆演出期間の演出態様を設定するように構成しているが、前兆期間が実行される長さを判別しない構成を用いても良く、例えば、示唆演出が実行されるタイミングに基づいて、前兆演出の演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、前兆演出期間の長さを判別していないため、前兆演出として実行される演出態様として、どのタイミングで終了しても遊技者に違和感を与えることの無い演出態様を用いると良く、例えば、道路を車が一定速度で走り続ける演出といった一定の規則で実行される動的表示態様を用いると良い。
このような演出態様を用いることで、前兆演出期間の長さを判別せずに前兆演出を実行したとしても、遊技者に違和感を与えることなくスムーズにカウントダウン演出に切り替えることができる。なお、このような演出態様を用いた場合であっても、上述したように前兆演出の経過期間に応じて演出態様の一部(上述した例では、車)の表示態様(例えば、色)が可変するように構成しても当然良い。
また、前兆演出が実行される前兆演出期間の長さの全てを予め判別するのでは無く、一部の期間の長さのみ判別するように構成しても良い。例えば、前半部分の第1前兆演出期間と、後半部分の第2前兆演出期間とに分け、第2前兆演出期間のみ、その期間の長さを予め判別するように構成しても良い。このように構成することで、前兆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の開始タイミング)から遡及する所定期間(第2前兆演出期間)の間のみ特定の前兆演出を実行することが可能となり、より円滑に前兆演出からカウントダウン演出へと演出を切り替えることができる。
以上、説明をしたように、上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(低確率、電サポなし)よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態(高確率、電サポあり)、時短状態(低確率、電サポあり))が設定されていることを示すための演出(バトル演出)が実行される構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が継続していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、上述したバトル演出を、遊技者に有利な遊技状態が終了するか否かを示唆する演出(バトルリーチ)と、そのバトルリーチの演出態様を決定するための演出(バトル前演出)とから構成している。このように構成することで、実際に遊技者に有利な遊技状態が終了する場合(例えば、特別図柄の抽選によって、遊技状態が通常状態へ移行することが決定された場合)以外の期間においてバトル演出を継続して実行させることができるため、遊技者に有利な遊技状態が継続していることに対する期待感や、遊技者に有利な遊技状態が終了したのではと思わせる不安感を遊技者に抱かせながら継続して遊技を行わせることができる。
さらに、上述したバトル演出中には、遊技者に有利な遊技状態(有利状態)が継続して設定されるか否かを示唆するための継続値(HP値)が増減する演出が実行される。この継続値(HP値)は、現在設定されている遊技状態、特別図柄の抽選結果、又は有利状態が設定される残期間等に基づいてその値が増減するように構成されている。
ここで、上述した継続値(HP値)の増減パターンを増やし、バリエーションに富んだ演出を実行するようにした場合、現在設定されている遊技状態、特別図柄の抽選結果、又は有利状態が設定される残期間と、表示される継続値(HP値)とを対応付けた複雑な管理をする必要があった。このような管理はパチンコ機10の処理負荷を増加させるものであり、処理負荷を軽減させながら演出のバリエーションを増加させることが求められている。
そこで、第1制御例では、上述した期待値(HP値)を、現在設定されている遊技状態、特別図柄の抽選結果、又は有利状態が設定される残期間等に基づいて設定される値(主継続値(例えば、100の位の値))と、演出バリエーションを増加させることを目的として設定される値(副継続値(例えば、10の位の値)と、を合算したものを、継続値(HP値)として表示するように構成した。
このように、実際に管理して設定される値と、演出的に設定される値とを合算させることにより、第3図柄表示装置81に表示される演出の表示パターンを増加させることができる。
また、上述した第1制御例では、継続値の差分量に対応した表示態様(攻撃パターン)が表示されるように構成されている。この表示態様を表示することにより、遊技者に対して、継続値の増減具合を視覚的に報知することができるため、分かり易い演出を実行することができる。
第1制御例では、継続値の差分量に対応した表示態様(攻撃パターン)として、少ない差分量(例えば、50〜150の範囲)に対応した表示態様として「弱攻撃」と、大きい差分量(例えば、350〜550の範囲)に対応した表示態様として「強攻撃」と、その間の差分量(例えば、151〜349の範囲)に対応した表示態様として「中攻撃」と、を有しており、設定された表示態様(攻撃パターン)が実行されると、表示態様毎に異なる演出が実行され、その後、継続値が更新される。
つまり、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を把握することで、継続値(HP)の減少量(差分値)を大凡把握し、その後、更新された継続値によって具体的な数値を把握することになる。このような順序で表示することで、遊技者に対して遊技に関する情報を段階的に報知することが可能となり演出効果を高めることができる。
また、上述した第1制御例では、演出の制御負荷を軽減させるために、上述した表示態様(攻撃パターン)を設定する場合に、合算された継続値(HP)の差分値では無く、主継続値の差分値に基づいて表示態様(攻撃パターン)を設定するように構成している。このように構成することで、表示態様(攻撃パターン)を設定する際に用いられる継続値(更新前の継続値、更新後の継続値)或いは、差分値のパターンを減らすことができる。
なお、上述したように、継続値(HP値)の差分値に基づく表示態様(攻撃パターン)を、主継続値の差分値に基づいて設定する場合には、表示上の継続値(第3図柄表示装置81に表示される主継続値と副継続値とを合算した継続値)の差分値と、主継続値の差分値とが合致せず、見た目上の差分値の範囲とは異なる表示態様(攻撃パターン)が設定されてしまう事態が発生する問題があった。
上述した問題を解決するために、本第1制御例では、継続値(HP)の値を継続して複数回更新する場合において、表示上の継続値(HP)の差分値と、主継続値の差分値とが、設定される表示態様(攻撃パターン)が同一となるように構成している。このように構成することで、上述した問題を解決することができる。
さらに、第1制御例では、設定されている主継続値の値を判別する主継続値判別手段を設け、主継続値判別手段の判別結果に基づいて、演出用に設定される副継続値を選択するための選択テーブルを異ならせるように構成している。具体的には、主継続値の値が所定値(例えば、200)以上の場合は、副継続値として選択可能な範囲として「−20〜+20」が規定されている選択テーブルが参照され、所定値(例えば、200)未満の場合は、副継続値として選択可能な範囲として「−30〜0」が規定されている選択テーブルが参照される。
このように構成することで、主継続値が0となる場合において、副継続値としてプラスの値が選択されることを抑制することができる。
第1制御例では、上述したように、遊技者に有利な遊技状態が設定されている期間(有利期間)を示すための演出として第1演出(バトル前演出)と、第2演出(バトルリーチ)とから構成される単位演出(バトル演出)を実行するように構成している。第1演出では第2演出の演出態様を示唆するための演出が実行され、第2演出では有利期間が終了するか否かを遊技者に報知するための演出が実行される。
さらに、第1制御例では、有利期間が設定されている間に上述した単位演出が繰り返し実行されるように構成している。このように構成することで、有利期間中に第2演出を複数回実行することが可能となるため、遊技者に対して緊張感を持たせたまま有利期間中の遊技を行わせることができる。
また、有利期間が設定されている間に複数回の単位演出を実行可能とすることで、1つの単位演出が長期間継続してしまう事態が発生することを抑制することができる。これにより演出内容が間延びしてしまうことを抑制することができる。
なお、本第1制御例では、1つの単位演出が終了する条件(第2演出を実行させる条件)として、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(有利期間が終了してしまうことの契機となる抽選結果)である場合や、有利期間の残期間が0となる場合に加え、特別図柄の変動回数が所定回数以上となった場合を用いている。これにより、有利期間が終了する場合以外であっても第2演出が実行されるように構成しているが、それ以外の条件が成立した場合に第2演出が実行されるように構成してもよい。
加えて、有利期間が終了するか否かを報知するための第2演出が短期間の間に複数回実行されてしまうと、遊技者が第2演出に早期に飽きてしまうため、第1制御例では、演出を目的として実行される第2演出(疑似第2演出)が所定期間内に複数回実行されることを抑制している。具体的には、単位演出が実行されてからの特別図柄の変動回数をカウントし、そのカウンタ値が所定回数未満の場合には疑似第2演出を実行しないように構成している。これにより、遊技者が第2演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
上述した第1制御例では、変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待度を段階的に示唆するための期待度演出態様を複数設け、期待度演出態様として表示されている何れかの演出態様を、その演出態様よりも大当たりである期待度を高く設定した演出態様へと可変させる期待度可変(上昇)演出が実行されるように構成している。
そして、上述した複数の期待度演出態様のうち少なくとも1つは表示されるタイミングが異なるように構成され、期待度可変(上昇)演出は、どの期待度演出態様の期待度が可変されるのかを遊技者が把握困難な表示態様で実行される。
このように構成された第1制御例では、期待度可変(上昇)演出が実行されることで、何れかの期待度演出態様の演出態様が可変(上昇)することが報知される。この状態において、遊技者は所望の期待度演出態様(例えば、既に大当たりである期待度が高く設定されている期待度演出態様)が更に可変(上昇)することを期待しながら演出を注視させることができる。
なお、第1制御例では、期待度可変(上昇)演出が実行されるタイミングを異ならせることで、対象となる期待度演出態様を可変させるように構成している。具体的には、期待度可変(上昇)演出が実行されるよりも後に表示される期待度演出態様が対象となるように構成している。これにより、期待度可変(上昇)演出が実行されるタイミングを遊技者に注視させることができる。
また、第1制御例では、期待度可変(上昇)演出が複数の期待度演出態様の演出態様を可変させることが可能となるように構成し、各期待度演出態様に対して可変させる可変量(段階)を合算した値を示すための可変量を表示するように構成している。これにより、期待度可変(上昇)演出が実行され、いずれかの期待度演出態様が可変することを把握した後に、今回の演出で期待度演出態様が可変する量を遊技者に把握させることができる。
さらに、期待度可変(上昇)演出が実行されてから、今回の演出において期待度を上昇させる対象を遊技者に報知する報知態様が表示されるので、遊技者に対象となる期待度演出態様を容易に把握させることができる。
上述した第1制御例では、大当たり期待度を段階的に表示可能な演出態様を有する期待度演出態様を複数設け、それぞれの期待度演出態様が異なる段階を表示可能となるように構成し、表示されている各期待度演出態様の表示内容を複合して把握することで今回の変動が大当たりに当選しているか否かを予測させるように構成している。
このように構成することで、大当たり期待度を示唆する態様を複雑にすることができ、遊技者に予測させる楽しみを提供することができるのだが、一方で、各期待度演出態様の表示内容を制御するための処理負荷が増加してしまうという問題があった。さらに、期待度を上昇させる演出態様が偏ってしまった場合、具体的には、複数の期待度演出態様のうち、1の期待度演出態様のみが大当たり期待度が高いことを示す演出態様に可変され、残りの期待度演出態様が、大当たり期待度が低いことを示す演出態様のままである場合に、大当たり当選に対して遊技者に過度な期待を持たせてしまい、演出内容に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、第1制御例では、複数の期待度演出態様において、期待度可変(上昇)演出により可変される前の期待度演出態様を複数のパターンで設定するように構成し、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される期待度に応じて、パターンで設定された期待度演出態様の期待度を可変(上昇)させるように構成している。このように構成することで、上述した複数の問題を解決することができる。
<第1制御例の演出追加例>
次に、図173から図181を参照して、第1制御例の演出追加例について説明する。本追加例では、上述した第1制御例に、枠ボタン22に対する操作内容に基づいて進行する演出(称号付与演出)を追加している。この称号付与演出は、枠ボタン操作を必要とする操作演出の発生回数と、その操作演出に対する枠ボタン22の操作回数(有効操作回数)と、操作演出が実行されていない期間中に操作された枠ボタン22の操作回数(無効操作回数)と、に基づいて、遊技者に付与する特典(称号)を異ならせるように実行される。
このような演出を用いることで、遊技者が枠ボタン22を指示通りに操作するだけではなく、それ以外の操作(非操作含む)をする楽しみを提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本追加例では、遊技者に付与された特典(称号)に基づいて、枠ボタン22を操作させる操作演出(例えば、役物ユニット(変位部材)450を落下させる演出)の出現頻度を可変させるように構成している。これにより、枠ボタン22を意欲的に操作している遊技者に対しては、操作演出を頻繁に出現させ、枠ボタン22を操作したくない遊技者に対しては、操作演出の出現頻度を低くすることが可能となる。
また、操作演出の出現頻度を予め遊技者が選択する技術を用いる場合に比べ、遊技中に実行される操作演出の操作結果に基づいて操作演出の出現頻度を遊技者の好みに合わせることができるため、遊技者が行う操作を軽減させることができる。
ここで、図173及び図174を参照して、本追加例で実行される操作演出について説明する。図173(A)は、本追加例で実行される操作演出の1つである会話演出を示す模式図であり、図173(B)は、会話演出において、枠ボタン22を操作した場合の演出内容を示した模式図である。
図173(A)に示した通り、本追加例では第3図柄表示装置81の表示画面の上方一部分を覆うように役物ユニット(変位部材)450が設けられている(詳細は、図2参照)。そして副表示領域DSに枠ボタン22の操作を促す「ボタンPUSHでお話しできるよ」の文字が表示される。ここで、枠ボタン22を操作すると、図173(B)に示した通り、役物ユニット450がコメントをしているかのように主表示領域DMに「こんにちは」の文字が表示される。このように、本追加例では役物ユニット450と会話を行える会話演出が実行される。なお、役物ユニット450は図173(B)に示した位置(初期位置)以外の位置(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の中央部を覆うように下降した位置)へと移動可能に構成されているため、例えば、役物位置を判別する判別手段と、その判別手段により判別された役物位置に対応する表示領域にコメントを表示させるコメント表示位置設定手段とを設けても良い。これにより、役物位置に関わらず、常に役物ユニット450がコメントをしているかのように主表示領域DMに「こんにちは」の文字を表示することができる。
また、役物位置を判別する判別手段としては、近接センサを用いて役物ユニット450の位置を直接検知する手段でも良いし、役物ユニット450を駆動させるための駆動モータや、駆動モータの駆動力を伝達する伝達手段(プーリー等)の駆動状況(例えば、ステップ数)を検知する検知手段を設け、その検知手段の検知結果に基づいて役物位置を判別する手段でも良いし、役物ユニット450が動作シナリオに基づいて駆動する場合においては、その動作シナリオの進行状況に基づいて役物位置を判別する手段を用いても良い。最後者の構成を用いる場合は、動作シナリオの内容に基づいて現在の役物位置に加え、今後の役物位置も把握することが可能となるため、役物位置に合わせたコメントの表示位置を予め設定することができる。さらに、役物ユニット450の動作シナリオにコメントの表示位置に関する情報を予め対応付けて記憶させるように構成しても良いし、上述した手段を複数組み合わせても良い。
主表示領域DMの右下側には、現在のレベル(設定値)を示すためのレベル表示領域DR1と、現在の称号を示すための称号表示領域DR2が表示される。ここで、レベル(設定値)とは、遊技履歴(遊技期間、遊技結果、演出内容等)に基づいて加算(上昇)される値であって、本追加例では「3級」〜「仙人」までのレベルが段階的に設けられており(図176(C)参照)、図173(A)では最も低い段階である「3級」が表示されている。
称号とは、上述したレベル(設定値)と、枠ボタン22に対する操作内容とに基づいて設定される特典である。詳細な説明は後述するが、この称号には複数の系統が設定されており、遊技内容(枠ボタン22の操作内容)により1つの系統が設定される。そして、各系統には各レベルに対応した固有の特典(称号)が設定されており、図173(A)では「初心者」が表示されている。
図173(B)では、図173(A)の状態で枠ボタン22が操作されたことに基づいて、役物ユニット450からコメントが表示されるとともに、レベル表示領域DR1に表示されるレベルが上昇し「2級」が表示され、称号表示領域DR2には「半人前」が表示されている。なお、役物ユニット450のコメント内容は、レベルや称号に応じて可変設定され、レベルや称号が高位になるほど、遊技者に有利となる情報(例えば、変動中の当たり期待度や現在の遊技状態といった遊技に関する情報)が表示されやすくなるように設定されている。これにより、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、本追加例で実行される操作演出の1つである、役物駆動演出の内容について、図174(A)を参照して説明する。図174(A)は役物駆動演出の内容を模式的に示した模式図である。図174(A)に示した通り、役物駆動演出が実行されると、枠ボタン22の操作を促す演出として、主表示領域DMに「ボタンを押して役物を落下させろ」という文字が表示されるとともに、枠ボタン22を模した画像が表示される。
また、副表示領域DSの第1表示領域DS1に、役物駆動演出の検出結果を示唆する「落下したらチャンス」の文字が表示される。この役物駆動演出が実行されている期間中(枠ボタン22の操作有効期間中)に、枠ボタン22を操作し、役物が主表示領域DMを覆う位置まで落下した場合に、変動中の特別図柄が大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する。このように、枠ボタン22を操作する操作演出において、枠ボタン22を操作することで、大当たりに当選したことをいち早く察知することができるように構成することで、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
本追加例では、上述したように意欲的に枠ボタン22を操作する場合と、操作しない場合とで異なる特典(称号)が付与されるように構成しているため、操作演出が実行された場合に、意欲的に枠ボタン22を操作するか否かを遊技者に選択させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本追加例では上述したように設定された称号系統に応じて異なる特典(称号)が付与されるように構成しているため、1つの称号系統で継続して遊技を行ったとしても、全ての特典(称号)を得ることができないように構成している。これにより、遊技者に付与される特典(称号)を全て獲得することを困難にし、早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、称号系統は、枠ボタンの操作内容によって設定されるため、枠ボタン22の操作内容を工夫しなければ、全ての特典(称号)を獲得することができないよう構成している。これにより、遊技者に付与される特典(称号)を全て獲得することを困難にし、且つ、枠ボタン22の操作内容に基づいて実行される様々な演出を遊技者に提供することができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、上述したように様々な特典(称号)を得るためには、異なる称号系統を設定する必要があるため、現在の称号系統を初期化(枠ボタン22の操作内容の履歴を初期化)することが可能に構成しているが、今まで継続して行ってきた遊技に基づく全ての履歴を初期化してしまうと、遊技者のモチベーションが低下してしまうという問題が発生する虞があった。
そこで、本追加例では、全ての履歴を初期化するか、異なる称号系統が設定可能な段階まで履歴を消去するかを遊技者が選択することができる変更操作を有している。図174(B)は、この変更操作中の表示画面を模式的に示した模式図である。
図174(B)に示した通り、主表示領域DMには、全ての履歴を初期化する際に選択する選択部を示す全消去選択態様DR3として「最初から」の文字と、一部の履歴を消去する際に選択する選択部を示す一部消去選択態様DR4として「途中から」の文字が表示される。ここで、全消去選択態様DR3を選択すると、レベル表示領域DR1に表示されるレベル(設定値)と、称号表示領域DR2に表示される称号と、が初期値に設定される。この全消去選択態様DR3は主に、異なる遊技者の操作履歴を消去する際に選択される。
一方で、一部消去選択態様DR4を選択すると、異なる称号系統を設定可能となる段階まで遡った表示が、レベル表示領域DR1及び称号表示領域DR2に表示される。詳細な説明は後述するが本制御例では、レベル(設定値)が低位のうちは、どの称号系統であっても同一の特典(称号)が付与されるように構成され、レベル(設定値)が高位になると、複数の称号系統のうち1の称号系統がさらに複数の称号系統に分岐するように構成されている。
これにより、一部消去選択態様DR4を選択した場合に遡って表示される内容は、一部消去選択態様DR4を選択した際のレベル(設定値)や称号によって異ならせることができる。なお、この一部消去選択態様DR4を選択しなければ設定されることが無い称号系統を設けても良い。これにより、レベル(設定値)を加算(上昇)させるだけではなく、減算(下降)させることも必要となるため、よりバリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
以上説明をしたように、本第1制御例では、大当たり遊技中の演出として、大当たり遊技が所定期間の間に複数回実行される場合において、その複数回の大当たり遊技に跨がった大当たり演出(連続大当たり演出)が実行されるように構成し、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容によって、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技結果を遊技者に示唆するように構成したが、大当たり遊技以外の特別遊技状態を有する遊技機、例えば、大当たり遊技よりも遊技者に付与可能な特典が少なく設定されている小当たり遊技を有する遊技機であれば、所定期間の間に小当たり遊技或いは大当たり遊技(以下、当たり遊技と称す。)が複数回実行される場合において、その複数回の当たり遊技に跨がった当たり演出(連続当たり演出)が実行されるように構成しても良い。このように、上述した第1制御例において、大当たりに当選したことを対象に説明をした内容については、大当たり以外の遊技結果(例えば、小当たり)を対象に実行しても良く、大当たり以外の遊技結果としては、従来周知構成として存在する種々の遊技結果が含まれる。
また、本第1制御例では、現在実行されている大当たり遊技が終了した後の遊技結果として、所定期間内(保留記憶内)で再度大当たりに当選するか否かを遊技者に示唆する構成としているが、それ以外の遊技結果を当たり遊技中に実行される当たり演出によって遊技者に示唆しても良く、例えば、保留記憶内で大当たり(小当たり含む)に当選する数や、当選する大当たり(小当たり含む)の特典内容(ラウンド数)や、保留記憶内で当選する大当たり(小当たり含む)終了後の遊技状態(確変状態又は時短状態)や、複数の遊技結果(大当たり、小当たり)を対象とする場合であればその遊技結果の種別や、実行される順番を示唆するように構成しても良い。
さらに、第1制御例では、大当たり遊技が実行されるタイミングで記憶されている入球情報だけではなく、大当たり遊技中に新たに記憶された入球情報に基づいて大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。このように構成することで、より多くの入球情報を参照することができ、連続大当たり演出を実行させやすくすることができ、遊技者に対して大当たり演出に興味を持たせることができる。
加えて、本制御例では、大当たり連続演出として、大当たり遊技が実行される時点における入球情報の記憶数に基づいて、大当たり演出の内容を可変させることができるように構成している。具体的には、大当たり遊技が実行される時点における入球情報の記憶数に基づいて、所定期間内(保留記憶内)で再度大当たりに当選することを示唆(報知)するタイミングが異なるように複数の大当たり演出が実行されるように構成している。
そのうち、特別図柄の保留球数(入球情報数)が上限ではない場合に実行され得る特定大当たり演出(上乗せ用演出)では、大当たり遊技中に新たな入球情報を獲得し、その入球情報が大当たりに当選している場合に、大当たり演出の内容を遊技者に気付かれないように可変することができる。
上述した特定大当たり演出では、1回の大当たり中に実行される大当たり遊技(複数回のラウンド遊技(例えば、15ラウンド遊技))を、部分的に報知(例えば、5ラウンド分報知)するように大当たり演出が実行されるため、特定大当たり演出が実行されている間に、何ラウンドの大当たり遊技が何回実行されたのかを遊技者に分かり難く報知することができる。よって、大当たり遊技に設定されたラウンド数によって、大当たり後の遊技状態を遊技者に事前に把握されることを抑制することができる。
本制御例では上乗せ用演出による大当たり遊技の上乗せ表示(ラウンド数の上乗せ表示)を所定ラウンド毎(5ラウンド毎)に実行するように構成している。そして、所定ラウンドにおけるラウンド間インターバル期間の長さを、他のラウンド間インターバル期間の長さよりも長く設定している。これにより、所定ラウンド毎(5ラウンド毎)に大当たりが終了するか否かを煽る演出を実行することができる。また、大当たり終了後に実行される所定回数分(4回転分)の特別図柄の変動が短縮時間(0.5秒)で実行されるように構成しているため、所定ラウンド毎(5ラウンド毎)のインターバル期間と、大当たり間の特別図柄変動期間とを遊技者に識別し難くすることができる。
なお、大当たり終了後に実行される所定期間分の特別図柄の変動期間が大当たりの当選の有無に関わらず常に一定となるように構成すると良い。具体的には、大当たり終了後4回転分の特別図柄の変動パターンを選択する変動パターンテーブルを、抽選結果が外れの場合は全期間0.5秒変動に規定し、抽選結果が大当たりの場合は、1回転目は2秒変動、2回転目は1.5秒変動、3回転目は1秒変動、4回転目は0.5秒変動が選択されるように規定すると良い。これにより、大当たり終了後4回転分の特別図柄の抽選結果に関わらず、所定期間(特別図柄が4回変動するまでの期間、或いは、大当たりに当選するまでの期間)を固定(2秒)することができる。この場合、所定ラウンド毎(5ラウンド毎)のインターバル期間も上述した所定期間(2秒)と合致させるように構成することで、より所定ラウンド毎(5ラウンド毎)のインターバル期間と、大当たり間の特別図柄変動期間とを遊技者に識別し難くすることができる。
また、第1制御例は、大当たり中に実行される大当たり演出として、大当たり遊技中(ラウンド遊技実行中)には、所定期間内(保留記憶内)で再度大当たりに当選することを示唆しない通常大当たり演出を有している。この通常大当たり演出が実行された場合は、大当たり遊技中の最終期間(ラウンド遊技終了後のエンディング期間)にて表示される終了表示態様が大当たり終了後の所定期間(特別図柄4変動分、或いは、4秒間)継続して表示される。そして、大当たり終了後に継続して終了表示態様が表示されている期間内に再度大当たりに当選した場合は、終了表示態様を経由して再度大当たり演出が開始される連続当たり用演出が実行される。
このように構成することで、大当たり遊技終了後の所定期間(特別図柄4変動分、或いは、4秒間)中に実行される特別図柄変動に対応する入球情報を、大当たり遊技終了後に獲得し、その獲得した入球情報が大当たりに当選していた場合にも連続当たり用演出を実行することができる。つまり、大当たりが連続して実行されることを示す連続大当たり演出の実行条件として、大当たり終了後に獲得した入球情報を含めることができるため、連続大当たり演出が実行される割合を増加させることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本第1制御例では、保留記憶内に大当たりに当選する入球情報があるか否かに基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しているが、それ以外に、保留記憶内に大当たりに当選する入球情報がある場合において、その大当たりが遊技者に有利な大当たりであるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良いし、保留記憶内の大当たりが実行された後の遊技状態として遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良い。さらに、今回実行される大当たり終了後に一旦遊技者に不利となる遊技状態(通常状態(低確率状態))が設定された後に、保留記憶内の大当たりが実行された後の遊技状態として遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良い。
このように構成することで、連続大当たり演出が実行された場合における遊技者へと付加価値をより高めることができ、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、上述した第2制御例のように、転落抽選の構成を有する遊技機においては、大当たりに当選した場合における遊技状態を遊技者が把握し難いため、上述した連続大当たり演出を用いて転落抽選の抽選結果を遊技者に報知するように構成しても良い。
具体的には、今回の大当たりに当選した時点における遊技状態を判別する手段と、今回の大当たり終了後に設定される遊技状態を判別する手段と、次の大当たりに当選するまでに実行される転落抽選の抽選結果を判別する手段と、を設け、上述した各判別手段の判別結果に基づいて連続大当たり演出を実行するか否かを決定しても良く、例えば、今回の大当たりに当選した場合の遊技状態が特別図柄の低確率状態、即ち、転落抽選によって特別図柄の遊技状態が転落していた場合にのみ連続大当たり演出が実行されるように構成したり、今回の大当たり終了後には特別図柄の高確率状態が設定され、次の大当たりに当選するまでに、転落抽選によって特別図柄の遊技状態が低確率状態に移行すると判別した場合にのみ、連続大当たり演出が実行されるように構成したり、転落抽選によって特別図柄の遊技状態が低確率状態へ移行することなく、今回の大当たりに当選した遊技状態も次の大当たりに当選する場合も特別図柄の高確率状態である場合に連続大当たり演出が実行されるように構成しても良い。
本制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容を決定するために用いられる入賞情報として、大当たり遊技が実行される時点の入賞情報を用いているが、大当たり遊技が実行される時点としては、大当たり遊技が実行されることが確定した後のタイミングであれば何れのタイミングでもよく、例えば、大当たりに当選したことを示すための図柄が停止表示されたタイミングや、大当たり遊技が開始されたタイミングや、大当たり遊技が開始されてから大当たり演出が実行されるまでの期間(オープニング期間)内の所定タイミングでもよい。また、大当たりに当選した特別図柄の変動が開始されたタイミングや、その変動が実行されている期間内の所定タイミングでもよい。
また、本制御例では、遊技状態が通常状態(低確率、電サポなし)よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態(高確率、電サポあり)、時短状態(低確率、電サポあり))となった場合に、その遊技状態が継続していることを示すための演出(バトル演出)が実行される構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が継続していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第1制御例の追加例における電気的構成について>
次に、図175〜図177を参照して、第1制御例の追加例における音声ランプ制御装置113のROM222及びRAM223の構成について説明する。図175(A)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図175(A)に示した通り、本追加例におけるROM222は、上述した第1制御例におけるROM222の構成(図114参照)に対して、変動パターンテーブル222Aの内容を一部変更した点と、称号系統選択テーブル222AA、称号選択テーブル222AB、役物動作レベル選択テーブル222ACを追加した点で相違している。その他の構成については、第1制御例におけるROM222と同一である。
まず、図176(A)を参照して、本追加例にて追加した役物動作用の変動パターンテーブル222Aの内容について説明をする。図176(A)は、変動パターンテーブル222A(役物用)の内容を模式的に示した図である。図176(A)に示した通り、変動パターンテーブル222A(役物用)は、後述する役物動作レベル選択テーブル222ACにより選択された役物動作レベル(1〜3)と、抽出した変動パターン(A〜Z)とに対応付けて役物動作頻度(低)〜(高)、及び(無)が規定されている。このように構成することで、同一の変動パターンが選択された場合であっても、役物動作頻度を可変させることができる。
次に、図176(B)を参照して、称号系統選択テーブル222AAの内容について説明をする。図176(B)は、称号系統選択テーブル222AAの内容を模式的に示した図である。この称号系統選択テーブル222AAは、枠ボタン22の有効操作と無効操作との割合と、操作演出実行時におけるボタン操作割合とに対応付けて複数の称号系統(1〜3)が規定されている。
図176(C)は、称号選択テーブル222ABの内容を模式的に示した図である。この称号選択テーブル222ABは、現在のレベル(設定値)(「3級」〜「仙人」)と、称号系統(1〜3)に対応付けて遊技者に付与する特典である称号が規定されている。ここで選択された称号が称号表示領域DR2(図173(A)参照)に表示される。
図176(C)に示した通り、レベル(設定値)が低位(3級〜初段)の間は、どの称号系統が設定されていても、同一の称号が設定されるため、遊技者が現在設定されている称号系統を把握することができない。よって、遊技を開始してから直ぐに現在設定されている称号系統が把握されてしまい、称号系統を変更する操作が実行されることを抑制することができる。
次に、図177(A)を参照して、役物動作レベル選択テーブル222ACの内容について説明をする。図177(C)は、役物動作レベル選択テーブル222ACの内容を模式的に示した図である。この役物動作レベル選択テーブル222ACにおいて設定された役物動作レベルは、図176(A)を参照して上述した変動パターンテーブル222A(役物用)を用いる際に参照される。
図177(A)に示した通り、役物動作レベル選択テーブル222ACは、設定値(レベル)と、称号系統とに対応付けて役物動作レベルが規定されており、特に、複数の称号系統のうち、唯一、設定値が「仙人」まで到達可能な称号系統3において、役物動作レベル3が選択可能に構成されている。このように、特定の称号系統が設定されている状態でレベル(設定値)を上昇させた場合にのみ選択される役物動作レベルを設けることで、変動演出中に実行される役物動作に特別感を付与することが可能となり、演出効果を高めることができる。
図175(B)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図175(B)に示した通り、本変形例におけるRAM223は、上述した第1制御例におけるRAM223の構成(図114参照)に対して演出設定群223AAが設けられている点で相違している。その他の構成については、第1制御例におけるRAM223と同一である。
ここで、演出設定群223AAの内容について、図177(B)を参照して説明する。図177(B)に示した通り、演出設定群223AAには、操作演出回数カウンタ223AA1、有効操作回数カウンタ223AA2、操作割合格納エリア223AA3、称号系統格納エリア223AA4、設定値格納エリア223AA5、無効操作回数カウンタ223AA6、変更フラグ223AA7、役物動作レベル格納エリア223AA8が記憶されている。
操作演出回数カウンタ223AA1は、枠ボタン22の操作を必要とする操作演出が実行された回数をカウントするためのカウンタである。この操作演出回数カウンタ223AA1は、変動表示設定処理2(図178参照)において、操作演出を実行する変動パターンであると判別した場合に(図178のS3851:YES)、1加算され、枠ボタン入力監視・演出処理2(図179参照)においてボタン操作割合を算出する際に参照される(図179のS5060)。そして、変更処理(図180参照)において、操作演出の履歴を変更(消去)する場合に、クリアされる(図180のS5103参照)。
有効操作回数カウンタ223AA2は、操作演出中に枠ボタン22が操作された回数をカウントするためのカウンタである。本制御例では、操作演出中の有効期間中に枠ボタン22を操作した回数分、有効操作回数カウンタ223AA2の値が加算されるように構成されており、枠ボタン入力監視・演出処理2(図179参照)において、操作演出の有効期間中に枠ボタン22を押下した場合に1加算され(図179のS5054参照)、ボタン操作割合を算出する際に参照され(図179のS5060参照)、さらに、有効操作割合を算出する際にも参照される(図179のS5061参照)。そして、変更処理(図180参照)において、操作演出の履歴を変更(消去)する場合に、クリアされる(図180のS5103参照)。
なお、本追加例では、操作演出中の有効期間中に枠ボタン22を操作した回数分、有効操作回数カウンタ223AA2の値が加算されるように構成されているが、例えば、枠ボタン22を連打させる操作演出であれば所定回数(例えば、20回)の押下、枠ボタン22をタイミング良く複数回操作される操作演出であれば成功率(例えば、50%)といった操作条件を満たしているかを判別し、その判別結果が操作条件を満たしている場合に有効操作回数カウンタ223AA2の値を1加算するように構成しても良い。これにより、実行される操作演出の内容に関わらず、公正にカウンタの値を加算することができる。
さらに、本追加例では、枠ボタン22に対する操作演出の指示内容(押下、連打、タイミング押し、長押し等)に関わらず、1つの有効操作回数カウンタ223AA2の値を加算するように構成しているが、例えば、枠ボタン22に対する操作演出の指示内容毎に有効操作回数カウンタ223AA2を設け、対応する有効操作回数カウンタ223AA2の値を加算するように構成しても良い。このように構成することで、枠ボタン22への遊技者の操作内容を示す操作履歴をより細かく分類することができるため、操作演出の内容、頻度をより遊技者に適したものに可変することができる。
操作割合格納エリア223AA3は、有効操作回数カウンタ223AA2の値(有効操作回数の値)と、後述する無効操作回数カウンタ223AA6の値(無効操作回数の値)とに基づいて、枠ボタン22の全操作回数のうち、有効操作回数が占める割合(ボタン操作割合)を格納するためのエリアである。この操作割合格納エリア223AA3は、枠ボタン入力監視・演出処理2(S4007)のS5060により算出されたボタン操作割合と、S5061の処理により算出された有効操作割合とが格納される(S5062参照)。
称号系統格納エリア223AA4は、上述した称号系統選択テーブル222AAを用いて選択された称号系統を格納するためのエリアである。
設定値格納エリア223AA5は、遊技内容や、変更操作に基づいて設定されるレベル(設定値)を格納するためのエリアである。
無効操作回数カウンタ223AA6は、枠ボタン22を操作有効期間(操作演出中の枠ボタン22の操作有効期間)以外のタイミングで操作した回数をカウントするためのカウンタである。
変更フラグ223AA7は、変更操作により、一部消去選択態様DR4を選択した場合にオンに設定されるフラグである。このフラグがオンに設定されることにより、遊技者に対して、異なる称号系統が設定されるための枠ボタン22の操作方法を示唆する演出が実行される。
役物動作レベル格納エリア223AA8は、上述した役物動作レベル選択テーブル222ACを用いて選択された役物動作レベルを格納するためのエリアである。この役物動作レベル格納エリア223AA8に格納されている役物動作レベルを参照して変動パターンテーブル222A(役物用)により役物動作演出(操作演出)の出現頻度が可変設定される。
<第1制御例の追加例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図178〜図181を参照し、第1制御例の追加例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。なお、第1制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図178を参照して、本追加例における変動表示設定処理2について説明する。
図178は、本追加例における変動表示設定処理2を示したフローチャートである。この本追加例における変動表示設定処理2のうち、S3801〜S3810、およびS3812〜S3817の各処理では、それぞれ第1制御例における変動表示設定処理(図147参照)と同一の処理が実行される。
変動表示設定処理2(図178参照)が実行されると、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3801〜S3810の処理を実行し、その後、今回の変動パターンが操作演出を有する変動パターンであるかを判別し(S3851)、操作演出を有する変動パターンであると判別した場合は(S3851:YES)、操作演出回数カウンタ223AA1の値を1加算し(S3852)、S3853へ移行する。一方、S3851の処理において、今回の変動パターンが操作演出を有する変動パターンでは無いと判別した場合は(S3851:NO)、S3852の処理をスキップしてS3853へ移行する。
S3853の処理では、抽出した変動パターンと役物動作レベルとに基づいて今回の変動表示態様を決定する(S3851)。具体的には、役物動作レベル選択テーブル222ACに基づいて選択された役物動作レベルと、抽出した変動パターン(A〜Z)とに基づいて、役物動作用の変動パターンテーブル(図176(A)参照)に規定されている役物動作頻度を設定し、今回の変動表示態様(変動演出表示と、役物動作の有無)を決定する。ここで決定された変動表示態様のうち、第3図柄表示装置81に表示される内容については、S3812の処理によって表示用変動パターンコマンドが設定され、音声ランプ制御装置113の各種処理で設定される表示用コマンドと同様に、表示制御装置114へと通知される、また、役物動作に関する内容については、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図139参照)において実行されるコマンド出力処理(図139のS3102参照)によって、役物ユニット450を駆動制御する装置(その他装置228(図4参照))へと通知される役物動作コマンドが設定される。S3853の処理を終えると、上述した第1制御例と同一のS3812〜S3817の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図179を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理2(S3107)の内容について説明をする。図179は、枠ボタン入力監視・演出処理2(S3107)の内容を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理2(S3107)が実行されると、まず、枠ボタン22が押下されたことを検出したかを判別する(S5051)。ここで、押下を検出していない場合は(S5051:NO)、このまま本処理を終了する。一方、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(S5051:YES)、次に、現在が操作演出のうち会話演出(図173参照)の有効期間であるかを判別する(S5052)。会話演出の有効期間であると判別した場合は(S5052:YES)、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S5053)、有効操作回数カウンタの値を1加算して(S5054)、S5060の処理へ移行する。
S5053の処理において設定される表示用押下コマンドは、役物ユニット450の位置、役物動作レベル、選択される称号に基づいてそのコマンドの内容が設定されるように構成されており、具体的には、役物ユニット450の位置を判別した結果に基づいて会話演出のコメント表示位置を設定し、役物動作レベルと選択される称号に基づいて表示されるコメントの内容を決定した表示用押下コマンドが設定される。ここで設定された表示用押下コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図136参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用押下コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、役物ユニット450の位置に対応した表示領域にコメントを表示するため、遊技者に違和感を与えること無く役物ユニット450と会話をしているような演出を表示することができる。
なお、本制御例では、会話演出の会話有効期間中に枠ボタン22を押下した場合に、表示用押下コマンドを設定し、役物ユニット450の位置に対応した表示領域にコメントを表示するように構成しているが、役物ユニット450が第3図柄表示装置81の表示画面の覆う複数位置に移動可能に構成されている場合は、役物ユニット450の位置と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている表示内容とを判別し、その判別結果に基づいて会話演出(コメント表示)を実行するタイミングを枠ボタン22の押下タイミングに対して異ならせるように構成しても良い。つまり、役物ユニット450の位置に対応して表示されるコメントの表示領域と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出の主要部分(例えば、大当たり期待度を示す表示や、停止する図柄を示す表示が為される表示領域)とが、重複すると判別された場合には、上述した各表示領域が重複しないタイミング、即ち、役物ユニット450の位置が移動することに基づいてコメントの表示領域が可変する、或いは、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出が進行して主要部分の表示領域が可変することで各表示領域が重複しないタイミングとなるまでコメントの表示を遅らせるように構成しても良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出と操作演出の1つである会話演出との何れも好適に実行することができ、演出効果を高めることができる。なお、上述した構成を用いること無く、役物ユニット450の位置に対応して表示されるコメントの表示領域と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される変動演出の主要部分(例えば、大当たり期待度を示す表示や、停止する図柄を示す表示が為される表示領域)とが、重複すると判別された場合には、会話演出を中止するように構成しても良い。
一方、S5052の処理において、会話演出の有効期間では無いと判別した場合は(S5052:NO)、現在が操作演出のうち、役物動作演出の有効期間であるかを判別する(S5055)。役物動作演出の有効期間であるかと判別した場合は(S5055:YES)、ボタン押下に対応した表示用押下コマンドを設定し(S5056)、有効操作回数カウンタの値を1加算して(S5054)、S5060の処理へ移行する。
S5055の処理において、役物動作演出の有効期間では無いと判別した場合は(S5055:NO)、次いで、変更有効期間であるかを判別し(S5057)、変更有効期間である場合は(S5057:YES)、変更処理を実行し(S5058)、その後S5060へ移行する。尚、変更処理(S5058)の内容については、図180を参照して後述する。
ここで、S5057の処理において、変更有効期間ではないと判別した場合は(S5057:NO)、今回の押下操作が操作演出の有効期間中ではないため、無効操作回数カウンタ223AA6の値を1加算して(S5059)、S5060の処理へ移行する。
S5060の処理では、操作演出回数カウンタ223AA1の値と、有効操作回数カウンタ223AA2の値とに基づいてボタン操作割合を算出する(S5060)。次に、有効操作回数カウンタ223AA2の値と、無効操作回数カウンタ223AA6の値とに基づいて、有効操作割合を算出し(S5061)、算出したボタン操作割合と有効操作割合とを操作割合格納エリア223AA3に格納する(S5062)。その後、称号設定処理を実行し(S5063)、本処理を終了する。
次に、図180を参照して変更処理(S5058)の内容について説明をする。この変更処理(S5058)は、変更操作の有効期間中(図174(B)参照)に枠ボタン22が操作された場合に実行される処理であって、遊技者の操作内容に基づいて各種情報(称号系統、設定値(レベル)、及び、称号系統を選択する際に参照されるボタン操作割合に関する情報、有効操作割合に関する情報)をクリアするための処理である。
変更処理(S5058)が実行されると、まず、今回の操作内容が全リセットか(全消去選択態様DR3を選択したか)を判別する(S5101)。全リセットであると判別した場合は(S5101:YES)、設定値格納エリア223AA5の情報を全てクリアし(S5102)、操作演出回数カウンタ223AA1、有効操作回数カウンタ223AA2。無効操作回数カウンタ223AA6、の値を全てクリアし(S5103)、称号系統格納エリア223AA4の情報をクリアし(S5104)、本処理を終了する。これにより、遊技者の操作内容に基づく全ての情報がクリアされ、レベル表示領域DR1には初期値である「3級」が表示し、称号表示領域DR2には初期値である「初心者」が表示される(図173(A)参照)。
一方、S5101の処理において、全リセットでは無いと判別した場合は(S5101:NO)、操作内容が一部リセットか(一部消去選択態様DR4を選択したか)を判別する(S5105)。一部リセットであると判別した場合は(S5105:YES)、変更フラグ223AA7をオンに設定し(S5106)、設定値格納エリア223AA5の情報を初段に設定し(S5107)、S5103の処理へ移行する。S5105の処理において、一部リセットでは無いと判別した場合は(S5105:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、称号設定処理(S5063)について、図181を参照して説明する。図181は称号設定処理(S5063)の内容を示したフローチャートである。この称号設定処理(S5063)が実行されると、まず、称号系統選択テーブル222AAに基づいて称号系統を選択する(S5201)。そして、選択された称号系統を称号系統格納エリア223AA4に格納し(S5202)、次いで、操作演出回数カウンタ223AA1の値に基づいて設定値を決定し、設定値格納エリア223AA5に格納する(S5203)。
その後、表示用設定値コマンドを設定し(S5204)、称号選択テーブル222ABに基づいて称号を選択し(S5205)、表示用称号コマンドを設定する(S5206)。次いで、変更フラグ223AA7がオンに設定されているかを判別し(S5207)、オンに設定されていると判別した場合は(S5207:YES)、表示用操作指示コマンドを設定し(S5208)、変更フラグ223AA7をオフに設定し(S5209)、本処理を終了する。一方、S5207の処理において、変更フラグ223AA7がオンでは無い(オフである)と判別した場合は(S5207:NO)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をしたように、上述した追加例では、枠ボタン22を操作させるための演出である操作演出の演出態様(例えば、出現頻度や演出内容)を、枠ボタン22の操作内容(操作履歴)に基づいて可変設定可能に構成している。これにより、操作演出の頻度を遊技者が所望する頻度に変更するための変更操作を遊技とは別に実行する場合に比べて、遊技者に煩わしさを感じさせることなく所望の演出態様を設定することができる。
このような遊技者の操作履歴に基づいて操作演出の演出態様を可変させるパチンコ機10においては、様々なタイプの遊技者に適した操作演出の演出態様を設定可能とするために、操作演出の演出態様を複数用意するものであるが、枠ボタン22に対して同一の操作(例えば、操作演出が実行される場合に、必ず必要量以上枠ボタン22を操作)を繰り返し実行している間は、同一の演出態様のみが設定されてしまい、遊技者に対して様々な操作演出を提供することができないという問題があった。
そこで、上述した追加例では、遊技内容を蓄積することにより異なる特典(称号)が遊技者に付与されるように構成し、さらに、その特典(称号)の種別を、少なくとも遊技者の枠ボタン22への操作内容(操作履歴)に対応させて異ならせるように構成している。
このように構成することで、異なる特典(称号)を獲得するために、枠ボタン22に対して様々な操作を実行することになる。そして、枠ボタン22に対して実行された様々な操作の内容に基づいて操作演出の演出態様が可変設定される。よって、遊技者に対して、枠ボタン22の操作内容(操作履歴)に基づいて可変設定可能に構成される様々な操作演出を提供することができる。
また、遊技内容を蓄積することにより異なる特典(称号)を付与させる構成を有するパチンコ機10においては、遊技内容の蓄積状況に応じて設定値(例えば、レベル)を段階的に可変設定し、設定された設定値(レベル)に対応した特典(称号)を付与する構成を用いることが一般的だが、設定値(レベル)が上限に到達した場合に、それ以上の特典(称号)を獲得することができなくなってしまい遊技意欲が低下してしまう虞があった。また、設定値(レベル)が上限に到達してしまうことを防ぐために、設定値(レベル)の上限を高く設定してしまうと、演出に対する記憶容量が増加するという問題があった。
そこで、上述した追加例では、枠ボタン22への操作内容(操作履歴)に基づいて、付与される特典(称号)が異なる複数の系統(称号系統)のうち、何れかの系統が設定されるようにし、設定値(レベル)と設定系統とに基づいて遊技者に付与する特典(称号)を決定するように構成している。これにより、単に遊技内容を蓄積しただけでは全ての特典(称号)を獲得することができないため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうこと抑制することができる。
さらに、上述した追加例では、過去の遊技内容を消去する消去手段を有しているため、現在設定されている系統とは異なる系統を設定させる場合に、過去に実行した操作内容(操作履歴)に基づいて系統が設定されることを抑制することができる。なお、本追加例では、過去に実行した操作内容(操作履歴)に基づいて系統が設定されることを抑制するために、過去の操作内容(操作履歴)を消去する消去手段を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、異なる系統の設定を希望する旨を入力し(枠ボタン22に対して所定の操作を実行することで入力し)、その場合には、所定期間(系統を設定する際に参照される操作履歴の期間)が経過するまでは、新たな系統の設定を行わないように構成しても良い。
また、上述した追加例では消去手段として、過去の遊技内容と操作内容とを全て消去する全消去手段と、一部を消去する部分消去手段とを有している。部分消去手段は、現在設定されている系統から異なる系統を設定する際に用いられるものであり、系統を設定する際に参照される過去の操作内容(操作履歴)を、異なる系統が設定可能な状態まで消去するように構成されている。これにより、異なる系統を設定する場合に、遊技を最初からやり直す必要が無くなるため、遊技者に対して異なる系統を意欲的に設定させることが可能となる。
なお、本追加例では、部分消去手段を操作した場合に、過去の操作内容(操作履歴)の一部を消去し、設定値(レベル)として初期値を設定する処理を実行する構成を用いているが、部分消去手段を操作することにより、遊技を最初からやり直すよりも(全消去手段を操作するよりも)、現在設定されている系統とは異なる系統が設定され易くなればよく、例えば、設定値(レベル)は継続した状態で過去の操作内容(操作履歴)の一部のみを消去するようにしてもよい。また、遊技者が所望する系統を指定し、指定された系統が設定可能な状態まで過去の操作内容(操作履歴)の一部を消去するようにしてもよい。
ここで、現在設定されている系統とは異なる系統を設定しようと、遊技者が部分消去手段を操作し、過去の操作内容(操作履歴)の一部を消去したとしても、後に実行される操作演出に対して、枠ボタン22を適切に操作しなければ異なる系統が設定されず、遊技者に不満感を与える虞がある。具体的には、部分消去手段を操作した後に、従来と同じ操作態様で操作演出を消化してしまうと、部分消去手段を操作する前に設定された系統と同一の系統が設定されてしまう虞がある。
そこで、本追加例では、部分消去手段を操作した後に、異なる系統が設定されるように遊技者による枠ボタン22の操作内容を案内する案内報知手段を設けている。この案内報知手段により報知される内容に基づいて操作演出を消化することで、容易に異なる系統を設定させることができる。加えて、案内報知手段は、異なる系統を設定するために、従来の操作内容とは異なる操作内容が報知されるため、案内報知手段による報知内容に従って操作演出を消化することにより、操作演出の演出内容も可変設定される。よって、遊技者に対して、今までとは異なる操作演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。
なお、案内報知手段により遊技者に報知される内容としては、単に、操作演出に対して今までとは異なる操作を促す内容でも、具体的に実行すべき操作内容を示す内容でもよい。また、案内報知手段による報知に加え、異なる系統が設定される条件が成立するまでの進捗を遊技者に報知するための進捗報知手段を設けても良い。これにより、異なる系統が設定されるように操作演出を消化しているかを遊技者が容易に把握することができる。
さらに、上述した追加例に設定されている系統に、設定されている系統と設定値(レベル)とが所定条件を満たしている場合に、所定の消去手段を操作した場合にのみ設定可能となる系統を加えても良い。このような系統を設けることで、例えば、設定値が上限に到達している状態で、全消去手段を操作した場合にのみ専用の系統を設定可能としたり、設定値として上限値より1つ下の設定値である場合に、部分消去手段を操作した場合にのみ専用の系統が設定されるようにしてもよい。
また、消去手段による消去タイミングに基づいて、設定可能となる系統を異ならせも良く、具体的には、大当たり遊技中や特定の変動演出が実行されている最中に消去手段を操作した場合にのみ、特別な系統が設定可能となるようにしてもよい。この場合、特別図柄の抽選結果に基づいて実行される変動演出が所定条件を満たした場合にのみ、上述した特定の変動演出が実行されるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、消去手段を操作するタイミングによって異なる系統を設定させることが可能となり、意欲的に遊技に参加させることができる。
上述した追加例では、各系統の各設定値(レベル)に対応させて特典(称号)を予め設定している構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、既に獲得済みの特典(称号)を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている特典(称号)に基づいて、付与する特典(称号)を設定するようにしてもよい。
上述した追加例では、遊技者に付与される特典(称号)の内容(称号の内容)として、現在設定されている系統の設定条件を示唆する内容を用いている。これにより、獲得した特典(称号)の内容を把握することで、異なる系統を設定するために必要な条件を予測することができる。
さらに、所定の遊技条件を満たした場合に、所望の系統を設定するために必要な条件を遊技者に報知するようにしても良いし、獲得可能な特典(称号)のうち、既に獲得した特典(称号)の数や割合を遊技者に報知するようにしても良い。これにより、全ての特典(称号)を獲得しようと遊技者の参加意欲を高めることができる。
上述したように、枠ボタン22への操作内容(操作履歴)に基づいて、付与される特典(称号)が異なる複数の系統(称号系統)のうち、何れかの系統が設定されるようにし、設定値(レベル)と設定されている系統とに基づいて遊技者に付与する特典(称号)を決定するように構成した場合では、付与された特典(称号)に基づいて現在設定されている系統を遊技者に把握され易くなるという問題があった。
これに対して、上述した追加例は、どの系統が設定されている場合であっても、設定値(レベル)が所定段階に到達するまでの間は、同一の特典(称号)が付与されるように構成している。これにより、設定値(レベル)が所定段階に到達するまでは(所定の系統が設定されてから一定期間の遊技を実行しなければ)、どの系統が設定されているのかを遊技者に把握され難くすることができる。
なお、上述した追加例において参照される枠ボタン22への操作内容(操作履歴)としては、例えば、操作演出が実行された回数を示すための操作演出回数情報、実行された操作演出に対する枠ボタン22への操作の有無を示すための操作実行回数情報、操作演出の成功回数(所定の操作条件を満たした回数)を示すための操作成功回数情報、操作演出が実行されていない期間中(操作有効期間外)に枠ボタン22を操作した回数を示すための無効操作回数情報、といった枠ボタン22に対する遊技者の操作状況を示すための情報であれば良い。
さらに、操作演出の内容として、単に所定期間内に枠ボタン22を押下させる押下演出以外にも、枠ボタン22を所定タイミングで操作させるタイミング操作演出や、所定期間内に枠ボタン22を所定回数以上操作させる連打操作演出、所定期間以上連続して枠ボタン22を押し続ける長押し操作演出を設けても良い。この場合、枠ボタン22への操作内容(操作履歴)を、実行された操作演出の種別毎に管理するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者が単に枠ボタン22を操作することを嫌っているか、それとも枠ボタン22に対する所定操作(連打、長押し、タイミング押し)を嫌っているかを詳細に判別することが可能になる。よって、操作内容(操作履歴)に対応した操作演出を設定する際に、より遊技者に適した操作演出を提供することが可能となり、遊技者に不満感を与えることを抑制することができる。
また、操作手段が複数設けられているパチンコ機10の場合は、各情報を操作手段毎に管理できるように構成しても良いし、全ての操作手段に対する操作内容を合算して管理できるように構成しても良い。さらに、大当たり期待度に応じて異なる操作手段を操作させる操作演出が実行される場合には、操作演出の実行回数や、操作手段の操作回数を示すための情報を大当たり期待度に対応させて管理しても良いし、大当たりに当選した場合に実行された操作演出のみを対象に操作内容(操作履歴)を管理するようにしても良い。
上述した追加例では、操作演出に対する操作手段(枠ボタン22)の操作内容に基づいて、操作演出の態様(実行頻度、演出態様等)と、付与する特典(称号)を決定する際に参照される系統と、設定値(レベル)とが設定されるように構成しているが、操作手段(枠ボタン22)の操作内容に基づいて、操作演出の態様(実行頻度、演出態様等)以外に、上述した系統或いは設定値(レベル)のうち何れか一方のみを設定するように構成しても良い。
上述した追加例では、遊技者が操作可能な操作手段として遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良いし、上述した操作手段を複数設けても良い。
上述した追加例のように、遊技者の操作内容(操作履歴)に基づいて操作演出の態様を可変させたり、所定の特典(称号)を付与したりする構成を用いる場合には、別の日に行った遊技の操作内容(操作履歴)を継続した状態で遊技を行えるように構成すると良く、具体的には、遊技を終了する際に所定の操作(終了操作)を行うことで、当日の遊技内容や操作内容に関する情報を遊技者が取得可能となるように構成(パスワード発行処理)し、その取得した情報に関連する出力情報をパチンコ機10に入力させることで、取得した情報から継続した状態の遊技を行わせることができるように構成すると良い。
<第2制御例について>
次に、図182から図188を参照して、本パチンコ機10の第2制御例について説明する。上述した第1制御例では、特別図柄の大当たりに当選し、その大当たり終了後に確変状態が設定される場合には、次の大当たりに当選するまでは確変状態が継続する遊技機について説明した。
これに対し、本第2制御例では、特別図柄の当否判定を行う大当たり抽選とは別に、確変状態(即ち、大当たり確率が高い高確率状態)から通常状態(即ち、大当たり確率が低い低確率状態)へと移行(転落)させる移行抽選(以降、転落抽選と称す。)が特別図柄の当否判定が行われる条件が成立する度に実行される遊技機について説明する。このように転落抽選の機能を有する遊技機では、確変状態(高確率状態)が設定されたとしても、その高確率状態が確実に継続する期間が設定されないため、特別図柄の変動が実行される度に遊技者に緊張感を与えることができる。
さらに、本第2制御例では、上述した第1制御例と同様に、確変状態が設定された場合は、大当たり確率が高確率になる高確率状態と、電動役物140Aが開放しやすい時短状態とが設定されるように構成しており、たとえ、転落抽選に当選し、高確率状態から低確率状態に転落したとしても、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回に到達するまで)は時短状態が設定されるように構成した。これにより、大当たり終了後、直ぐに(例えば、3回転)転落抽選に当選したとしても、所定期間(100回転)は時短状態が設定されるため、電動役物140Aの動作状況によって転落抽選に当選したことが遊技者に把握されることを抑制することができる。
また、詳細は後述するが、転落抽選は、特別図柄の大当たり抽選よりも前に実行されるように構成されており、転落抽選に当選した際の特別図柄の大当たり抽選は、低確率状態として実行される。つまり、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で転落抽選に当選した場合は、その特別図柄変動が開始される時点では遊技状態として通常状態(低確率状態、且つ、非時短状態)が設定されることになる。
この場合、転落抽選に当選した特別図柄の変動時間を用いて、転落抽選に当選したか否かを遊技者に示唆する演出を実行したとしても、電動役物140Aの動作状況を見るだけで転落抽選の当否を容易に判別できてしまうという問題があった。そこで、本第2制御例では、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、転落抽選よりも先に大当たり抽選に当選した場合は、特別図柄の変動が開始されるよりも前に、遊技状態を通常状態へと移行させるように構成した。
このように構成することで、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、急に電動役物140Aの動作内容が非時短状態の動作内容となった場合に、転落抽選に当選したのか、或いは、大当たり抽選に当選したのかを遊技者に把握させ難くすることができ、その特別図柄の変動が終了するまで遊技者に期待感を持たせることができる。
また、本第2制御例では、上述した第1制御例にて説明した継続演出を用いて、転落抽選の当否状況を遊技者に示唆可能な演出態様を設定することができるようにした。このように構成することで、遊技者が実行される演出をより注視することになり演出効果を高めることができる。
<第2制御例における電気的構成について>
次に、図182から図184を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2制御例におけるパチンコ機10では、第1制御例におけるパチンコ機10に対し、主制御装置110に設けられているROM202の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の内容とRAM223の内容とを一部変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図182(A)は、主制御装置110のROM202の内容を模式的に示したブロック図である。図182(A)に示した通り、本制御例におけるROM202は、第1制御例におけるROM202に対し、転落抽選テーブル202BA、転落用状態移行テーブル202BBを追加した点と、第1当たり種別選択テーブル202C(図107参照)において、大当たり終了後の遊技状態として「確変時短次回」と規定されていた内容を、「転落抽選当選まで確変、転落抽選当選或いは100回まで時短」と規定した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
転落抽選テーブル202BAは、特別図柄の確変状態において、確変状態から通常状態へ転落させるか否かの判定(転落抽選)を実行する際に参照されるテーブルであり、転落と判定される乱数値(カウンタ値)が格納されている。特別図柄の確変状態では、特別図柄の抽選を実行する際に、毎回、この転落抽選テーブル202BAが参照されて、通常状態へと転落させるか否かが判定される。ここで、この転落抽選テーブル202BAの詳細について、図182(B)を参照して説明する。
図182(B)は、転落抽選テーブル202BAの内容を模式的に示した図である。図182(B)に示した通り、転落抽選において転落と判定される乱数値(カウンタ値)が格納されている。具体的には、特別図柄の確変状態(高確率状態)において、通常状態(特別図柄の低確率状態)への転落に対応する判定値として「100,101」の2個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選を実行する際に、転落抽選カウンタ(図示なし)の値と、転落抽選テーブル202BAに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とが比較され、値が一致した場合に通常状態へと転落する。なお、転落抽選カウンタ(図示なし)は、「0〜299」の範囲で定期的に(例えば、メイン処理(図136参照)が実行される毎に)更新されるループカウンタで構成されている。転落抽選カウンタの取り得る300個の乱数値(カウンタ値)のうち、転落と判定される乱数値が2個規定されているので、1回の転落抽選で転落と判定される確率は1/150である。なお、確変状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)は、「5〜9」の5個(図106(A)参照)であり、確変状態中に大当たりとなる確率は1/48なので、確変状態中に転落抽選で転落と判定される確率よりも、大当たりとなる確率の方が高くなるように設定されている。よって、1度確変状態に移行すると、通常状態へと転落するまでに複数回大当たりとなることを遊技者に期待させることができるので、確変状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
転落用状態移行テーブル202BBは、確変状態中において転落抽選に当選した場合に参照される状態移行テーブルである。なお、第1制御例において説明した状態移行テーブル202Fと同一の要素についてはその説明を省略する。
図182(C)は、転落用状態移行テーブル202BBの内容を示した模式図である。図182(C)に示した通り、転落用状態移行テーブル202BBには、転落用状態移行1テーブル202BB1と、転落用状態移行2テーブル202BB2とが記憶されている。ここで、転落用状態移行1テーブル202BB1の内容について図182(D)を参照して説明する。
図182(D)は、転落用状態移行1テーブル202BB1の内容を模式的に示した模式図である。この転落用状態移行1テーブル202BB1は、第1制御例で説明した状態移行1テーブル202F1に対して、各状態ステータス中に転落抽選に当選した場合の状態ステータスを追加した点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0よりも大きい(最大で100)場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST3(低確時短あり)が設定され、規定回数カウンタの値はそのまま継続される。また、状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0の場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST1(低確時短なし)が設定される。
つまり、規定回数カウンタの値に100が設定され、その規定回数カウンタの値が0まで減算されるまでに転落抽選に当選したとしても、期待回数カウンタの値が0に減算されるまでは、時短状態が付与される。
次に、図182(E)を参照して、転落用状態移行2テーブル202BB2について説明をする。図182(E)は、転落用状態移行2テーブル202BB2の内容を模式的に示した模式図である。この転落用状態移行2テーブル202BB2は、第1制御例で説明した状態移行2テーブル202F2に対して、各状態ステータス中に転落抽選に当選した場合の状態ステータスを追加した点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、状態ステータスが「ST2A」で、規定回数カウンタが0よりも大きい(最大で4)場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST3A(低確時短あり特殊)が設定され、規定回数カウンタの値はそのまま継続される。また状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0よりも大きい(最大で96)場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST3(低確時短あり)が設定され、規定回数カウンタの値はそのまま継続される。また、状態ステータスが「ST2」で、規定回数カウンタが0の場合に、転落抽選に当選すると、状態ステータスはST1(低確時短なし)が設定される。
つまり、規定回数カウンタの値に100が設定され、その規定回数カウンタの値が0まで減算されるまでに転落抽選に当選したとしても、期待回数カウンタの値が0に減算されるまでは、時短状態が付与される。
図183(A)は、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の内容を模式的に示した模式図である。図183(A)に示す通り、本制御例におけるROM222は、第1制御例におけるROM222に対し、継続演出モード選択テーブル222Eに代えて継続演出モード選択3テーブル222Eを設けた点、及び最終態様選択テーブル222Hに代えて最終態様選択3テーブル222Hを設けた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図184(A)を参照して、継続演出モード選択3テーブル222Eについて説明をする。図184(A)は、継続演出モード選択3テーブル222Eの内容を示した模式図である。この継続演出モード選択3テーブル222Eは、上述した第1制御例の継続演出モード選択テーブル222Eに対し、残期間格納エリア223BBに格納されている残期間(残変動回数)の値に対応付けて、継続演出モードの対応が選択される点で相違する。また、転落当選時の保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある場合は、転落抽選に当選後、即座に大当たりに当選(低確状態で大当たり)という特別な状態であるため、残期間に関わらず、特殊モードBを選択し、遊技者に特典演出を付与することができる。
次に、図184(B)を参照して、最終態様選択3テーブル222Hの内容について説明をする。図184(B)は。最終態様選択3テーブル222Hの内容を示した模式図である。この最終態様選択3テーブル222Hは、上述した第1制御例で用いた最終態様選択テーブル222Hに対して、転落フラグ222BAの設定状況に応じて最終態様を異ならせている点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図184(B)に示した通り、当否判定結果は外れの場合であっても、保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある場合は、今回の最終態様でその旨を示唆することができる。
図183(B)に戻り説明を続ける。図183(B)は、本第2制御例における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図183(B)に示す通り、本第2制御例におけるRAM223は、第1制御例におけるRAM223に対し、転落フラグ223BA、残期間格納エリア223BBを設けた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
転落フラグ223BAは、転落抽選に当選したことを示すためのフラグであって、主制御装置110から転落抽選に当選したことを示す状態コマンドを受信した場合にオンに設定される。
<第2制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図185を参照して、本第2制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例の特別図柄変動開始処理(図128参照)に代えて、特別図柄変動開始処理3(S213)を用いた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特別変動開始処理3(S213)が実行されると、まず、第1制御例の特別変動開始処理(図128参照)と同様にS301,S302の処理が実行され、その後、転落抽選カウンタの値と、転落抽選テーブル202BAに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とを比較し(S351)、転落抽選カウンタの値が転落に対応する乱数値に一致したか(転落に対応する抽選結果となったか)を判別する(S352)。
S352の処理において、転落に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S352:YES)、確変フラグ203Gをオフに設定することで遊技状態を通常状態に転落させ(S353)、転落したこと(遊技状態が通常状態に変更されたこと)を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S354)。
そして、第1制御例の特別変動開始処理(図128参照)と同様に、S303〜S307の処理を実行した後に、今回の大当たりは時短期間以降に当選したかを判別する(S355)。ここで、時短期間以降に当選した場合は(S355:YES)、時短中カウンタ203Hをリセットし(S356)、その後、第1制御例の特別変動開始処理(図128参照)と同様にS310,S311の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2制御例では、遊技者に有利な有利状態(確変状態)が設定されている場合に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、特別図柄の抽選(大当たり抽選)が実行される前に、遊技状態を有利状態から通常状態(有利状態よりは不利となる遊技状態)へと移行させるか否かを判別する転落抽選を実行するように構成している。
さらに、本制御例では電動役物140Aが開放し易い状態(確変状態又は時短状態(以下、普通図柄の高確率状態と称す。))中において特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、対象となる特別図柄の変動を開始する前に普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成している。
以上説明をした第2制御例における主制御装置110の制御処理によれば、普通図柄の高確率状態を終了させる終了条件を2つ有することになる。具体的には、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数が所定回数(設定されている状態に付与される時短回数)に到達したことを1つ目の終了条件とし、遊技状態として確変状態が設定された場合に転落抽選に当選したことを2つ目の終了条件とし、上述した2つの終了条件が共に成立した場合に、普通図柄の高確率状態が終了するように構成している。なお、上述した2つの終了条件の成立の有無に関わらず、特別図柄の大当たりに当選した場合は、時短条件の終了条件が成立する。
つまり、例えば、大当たり終了後に遊技状態として確変状態(次回)、且つ時短回数100回が設定される大当たりに当選した場合であれば、特別図柄が100回変動したことが上述した1つ目の終了条件となり、転落抽選に当選したことが上述した2つ目の終了条件となる。具体的には、上述した例において、大当たり終了後の特別図柄変動10回転目で転落抽選に当選した場合は、その時点で2つ目の終了条件が成立するが、1つ目の終了条件が成立していないため、1つ目の終了条件が成立する(特別図柄が100回変動する)までは(2つの終了条件が共に成立するまでは)、普通図柄の高確率状態を継続する。そして、特別図柄の変動回数が100回に到達すると、2つの終了条件が共に成立し、普通図柄の高確率状態から低確率状態へ移行する。
一方、大当たり終了後からの特別図柄変動回数が100回を超えた状態(1つ目の終了条件が成立した状態)において、転落抽選に当選していない(2つ目の終了条件が成立していない)場合は、転落抽選に当選するまでの間、普通図柄の高確率状態を継続する。そして、転落抽選に当選した場合に(2つ目の終了条件が成立した場合に)、普通図柄の高確率状態から低確率状態へ移行する。
このように、普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるために必要な条件を複数(2つ)設けることで、普通図柄の状態移行タイミングを多様化することができる。加えて、上述した2つ目の終了条件のみが成立していない場合は(上述した例では、特別図柄変動回数が100回を超えている状態で普通図柄の高確率状態を設定している場合は)、どのタイミングで普通図柄が低確率状態へと移行されるか(転落抽選に当選するか)を遊技者が把握困難となるため、遊技者に対してなるべく長い間普通図柄が高確率状態となるように期待させながら遊技を行うことができる。
なお、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態(時短状態)を低確率状態(通常状態)へと移行させるための条件の1つとして、特別図柄変動回数100回を設定しているが、その回数を大当たり種別に応じて複数設定しても良く、例えば、「1回」,「25回」,「50回」と段階的に複数設定しても良い。このように構成することで、転落抽選の当選の有無と併せて、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了するタイミングを複数設けることができる。具体的には、大当たり終了後の特別図柄変動回数が所定回数(例えば、25,50,100回)に到達する前に、転落抽選に当選している場合は、特別図柄変動回数が所定回数(例えば、1,25,50,100回)に到達した際に、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了し、大当たり終了後の特別図柄変動回数として例えば25回が設定された場合は、特別図柄変動回数が25回を超えた時短で、転落抽選に当選した場合に即座に普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了する。
これにより、遊技者に対して普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了するタイミングを分かり難くすることができる。
さらに、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了する条件の1つとして、特別図柄の変動回数を用いているが、それ以外の終了条件を設けても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が、外れではあるが可変入賞装置65を短期間開放させる遊技が実行される抽選結果(所謂、小当たり当選)となった回数(可変入賞装置65が動作した回数)や、特別図柄の変動回数を特別図柄1と特別図柄2とで分けて計測し、特別図柄1の変動回数が10回、或いは、特別図柄1と特別図柄2の合算変動回数が100回に到達したことを終了条件として設定しても良い。
<第2制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図186及び図187を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対し、コマンド判定処理(図140参照)に代えてコマンド判定処理3(図186参照)を実行する点と、コマンド判定処理3(図186参照)のサブ処理として状態判別処理(図187参照)を追加した点で相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図186のフローチャートを参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理3について説明する。コマンド判定処理3では、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理(図140参照)と同様に、S3201〜S3214の処理を実行する。
S3214の処理を終えると、次に、状態判別処理(S3251)を実行し、その後、S3215の処理を実行し、本処理を終了する。ここで、図187のフローチャートを参照して、状態判別処理(S3251)の詳細について説明する。この状態判別処理(S3251)では、転落抽選に当選した場合における音声ランプ制御装置113側の各種処理が実行される。
状態判別処理(S3251)が実行されると、まず転落を示すコマンドを受信したかを判別する(S3252)。この転落を示すコマンドは、主制御装置110の特別図柄変動開始処理3(図185参照)によって転落抽選に当選した場合(図185のS352:YES)、設定される(図185のS354参照)。S3252の処理において転落を示すコマンドを受信していない場合は(S3252:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方で、転落を示すコマンドを受信した場合は(S3252:YES)、現在が時短期間中であるかを判別する(S3253)。ここで、時短期間中であると判別した場合は(S3253:YES)、次に、転落フラグ223BAをオンに設定し(S3254)、残時短回数を算出する(S3255)。そして、算出した残時短回数を残期間格納エリア223BBに格納し(S3256)する。
次いで、保留内に大当たりに当選した入賞情報があるかを判別し(S3257)、あると判別した場合は(S3257:YES)、残期間格納エリア223BBに特殊条件成立情報を格納する(S3258)。ここで残期間格納エリア223BBに特殊条件成立情報が格納されると、継続演出モード選択3テーブル222E(図184参照)を用いて継続演出モードを設定する場合に、特殊モードBが選択される。
S3258の処理を終えると、次に、遊技状態が通常状態であることを示すコマンドを受信したかを判別し(S3260)、通常状態を示すコマンドを受信したと判別した場合は(S3260)、転落フラグ223BAがオンに設定されているかを判別する(S3261)。S3261の処理において、転落フラグ223BAがオンに設定されていると判別した場合(S3261:YES)、即ち、転落抽選に当選した状態で遊技状態が時短状態から通常状態へと移行したタイミングであると判別した場合は、転落フラグ223BAをオフに設定し(S3262)、本処理を終了する。一方、S3260の処理において、通常状態を示すコマンドを受信していないと判別した場合(S3260:NO)、或いは、S3261の処理において転落フラグ223BAがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3261:NO)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第2制御例は、特別図柄の当否判定を行う大当たり抽選とは別に、確変状態(即ち、大当たり確率が高い高確率状態)から大当たり確率が低い低確率状態へと移行(転落)させる移行抽選(以降、転落抽選と言う)。を特別図柄の当否判定が行われる条件が成立する度に実行される遊技機について説明する。このように転落抽選の機能を有する遊技機では、確変状態(高確率状態)が設定されたとしても、その高確率状態が確実に継続する期間が設定されないため、特別図柄の変動が実行される度に遊技者に緊張感を与えることができる。
さらに、本第2制御例では、上述した第1制御例と同様に、確変状態が設定された場合は、大当たり確率が高確率になる高確率状態と、電動役物140Aが開放しやすい時短状態とが設定されるように構成しており、例え、転落抽選に当選し、高確率状態が低確率状態に転落したとしても、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回に到達するまで)は時短状態が設定されるように構成した。これにより、大当たり終了後、直ぐに(例えば、3回転)転落抽選に当選したとしても、所定期間は時短状態が設定されるため、電動役物140Aの動作状況によって転落抽選に当選したことが遊技者に把握されることを抑制することができる。
また、詳細は後述するが、転落抽選は、特別図柄の大当たり抽選よりも前に実行されるように構成されており、転落抽選に当選した際の特別図柄の大当たり抽選は、低確率状態として実行される。つまり、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で転落抽選に当選した場合は、その特別図柄変動が開始される時点では遊技状態として通常状態(低確率状態、且つ、非時短状態)が設定されることになる。
この場合、転落抽選に当選した特別図柄の変動時間を用いて、転落抽選に当選したか否かを遊技者に示唆する演出を実行したとしても、電動役物140Aの動作状況を見るだけで転落抽選の当否を容易に判別できてしまうという問題があった。そこで、本第2制御例では、上述した所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、転落抽選よりも先に大当たり抽選に当選した場合は、特別図柄の変動が開始されるよりも前に、遊技状態を通常状態へと移行させるように構成した。
このように構成することで、所定期間(例えば、大当たり終了後、特別図柄の変動回数が100回)を超えた状態で、急に電動役物140Aの動作内容が非時短状態の動作内容となった場合に、転落抽選に当選したのか、或いは、大当たり抽選に当選したのかを遊技者に把握させ難くすることができ、その特別図柄の変動が終了するまで遊技者に期待感を持たせることができる。
また、本第2制御例では、上述した継続演出を用いて、転落抽選の当否状況を遊技者に示唆可能な演出態様を設定することができるようにした。このように構成することで、遊技者が実行される演出をより注視することになり演出効果を高めることができる。
なお、上述した第2制御例では、確変状態中に転落抽選に当選した場合であって、その転落タイミングが時短期間中であれば、転落後も継続して時短中に用いられる変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択するように構成することで、転落抽選に当選したか否かを遊技者に分かり難くしていたが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、図188に示すように、転落抽選に当選したことを契機に特別な変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択するような別例を用いてもよい。
ここで、図188を参照して、上述した別例の内容を説明する。図188(A)は、上述した別例を用いる場合における主制御装置110のROM202に設けられる変動パターン選択テーブル202Dを模式的に示したブロック図である。図188(A)に示した通り、上述した別例では、転落後変動パターンテーブル202D5が追加される。
この転落後変動パターンテーブル202D5の内容を、図188(B)を参照して説明する。図188(B)は、転落後変動パターンテーブル202D5の内容を示した模式図である。図188(B)に示した通り、転落後変動パターンテーブル202D5は、時短期間中に転落抽選に当選した後、特別図柄の4回転の間用いられる変動パターンテーブルである。この転落後変動パターンテーブル202D5では、外れの場合であっても60秒の変動パターンが選択されやすく構成されている。よって、転落抽選に当選した直後は、バトルリーチが発生しやすくなる。これにより、バトルリーチが発生する度に、遊技者に緊張感を持たせながら演出を注視させることができる。
なお、この場合、バトルリーチの演出態様によって、転落抽選に当選していないことを報知する演出を所定の割合で遊技者に報知するように構成するとよい。具体的には、選択されるバトルリーチの対戦相手(相手キャラ)によって、転落抽選の当選の有無を示唆しても良いし、バトルリーチ中に実行される演出(攻撃パターン)によって、転落抽選の当選の有無を示唆しても良いし、バトルリーチの結果(引き分けバトルリーチ時の残りHPの値)によって、転落抽選の当選の有無を示唆しても良い。これにより、バトルリーチの結末として、大当たりに当選したか否かに加え、転落抽選に当選したか否かも気にすることになり、演出効果を高めることができる。
さらに、転落後変動パターンテーブルを用いている期間中に大当たりに当選した場合は、特殊当たりとして専用の演出態様が実行されるように構成するとよい。これにより、特殊当たりとして実行される演出態様を遊技者が見ることにより、転落抽選に当選した直後に低確率状態で大当たりに当選したことを容易に把握することができる。なお、この場合、特殊当たりに対応する変動パターンの変動時間を、その他の変動パターンテーブルでは設定され得ない変動時間にするとよい。これにより、変動時間の相違による違和感によって遊技者に転落後の即当たりを報知することができる。
<第1制御例にて説明した示唆演出の別例の説明>
次に、上述した第1制御例にて説明した示唆演出の別例について説明をする。上述した第1制御例では、前兆演出と、カウントダウン演出とから構成される示唆演出の演出態様を、特図変動が開始されるタイミングにおいて実行される変動表示設定処理(図147のS3114参照)の一部処理であるカウントダウン演出設定処理(図152のS3810)にて設定する構成を用いていた。これに対し、本別例では、特図変動が開始されるタイミングにおいて実行されるカウントダウン演出設定処理3(図189参照)にて、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)のみ設定し、前兆演出中に実行される枠ボタン22への操作に基づいて今回の示唆演出の対象となる特定演出を設定するように構成している。
このように構成することで、示唆演出の開始契機となる前兆演出の開始タイミングを特図変動の開始タイミングに設定し、その前兆演出が実行されている間(示唆演出が実行されている間)に、示唆演出の対象となる特定演出を設定することが可能となる。よって、予め定められた特定演出に対して示唆演出を実行する場合に比べて、示唆演出の演出態様を自由に設定することができ、演出効果を高めることができる。
さらに、上述した第1制御例と同様に、示唆演出として、特定演出が実行されるタイミングを大まかに報知する前兆演出と、特定演出が実行されるタイミングを具体的に報知するカウントダウン演出と、を実行可能に構成しているため、示唆演出が実行された後(前兆演出実行中)に特定演出が設定されたとしても、遊技者に違和感を与えることなく示唆演出を実行することができる。
<示唆演出の別例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図189及び図190を参照して、本別例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明をする。本別例では、上述した第1制御例に対して、カウントダウン設定処理(図152参照)に代えてカウントダウン演出設定処理3(図189)を用いた点と、枠ボタン入力監視・演出処理(図139のS3107)において実行される処理内容を、枠ボタン入力監視・演出処理3(図190参照)の処理内容に変更した点で相違する。それ以外の要素は上述した第1制御例と同一であり、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図189を参照して、本別例において実行されるカウントダウン演出設定処理3(S3810)について説明をする。図189は、カウントダウン演出設定処理3(S3810)の内容を示したフローチャートである。図189に示した通り、カウントダウン演出設定処理3(S3810)が実行されると、上述した第1制御例と同一のS4301〜S4305の処理を実行し、その後、今回の変動パターンに設定されている変動時間と、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)と、に基づいて前兆演出の演出態様を設定し(S4351)、表示用前兆演出開始コマンドを設定し(S4352)、本処理を終了する。一方、S4301の処理において前兆設定フラグ223Tがオンであると判別した場合は(S4301:YES)、上述した第1制御例と同様に複数変動演出設定処理を実行し(S4321)、その後本処理を終了する。
以上説明をしたように、本追加例では、特別図柄の変動開始時に実行される変動表示設定処理(図147のS3114参照)にて実行されるカウントダウン演出設定処理3(S3810)において、示唆演出の開始契機となる前兆演出の開始タイミングが設定される。これにより、示唆演出の対象となる特定演出を設定することなく前兆演出が設定される。
なお、本追加例では、今回の特図変動が大当たりに当選した変動パターンであるか否かに応じて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を可変させるように構成しているが、それ以外の条件を用いて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定しても良く、例えば、実行される変動パターンの長さに応じて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定しても良いし、1つの変動パターンに対して設定可能な示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を複数設け、その複数の示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)の中から1の示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を決定するための抽選を行う抽選手段を設け、その抽選手段の抽選結果に基づいて設定しても良い。さらに、今回の特別図柄の変動が開始されるよりも前に遊技者が枠ボタン22を操作した操作内容に基づいて示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定しても良い。
さらに、現在設定されている遊技状態に基づいて、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を可変させても良い。具体的には、例えば、現在設定されている遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)である場合には、結果的に長い示唆演出を実行し易くするために前兆A(変動開始からの期間が短い地点(図100(A)に示す前兆パターンA参照))を設定するように構成するとよい。これにより、示唆演出の演出態様によって、当該変動の抽選結果に加え、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆することができるため、実行される示唆演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。また、上述した第2制御例のように、遊技者が気付かないうちに遊技状態が最も遊技者に有利な確変状態から時短状態へと移行(転落)する移行(転落)手段を有するパチンコ機10においては、その遊技状態を示唆するための演出となるため、より遊技者に興味を持たせることができる。
加えて、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)を設定する方法として、変動パターンとしてスーパーリーチ、或いはスペシャルリーチに対応する変動パターンが設定された場合において、変動開始からの所定タイミング(例えば、5秒後、10秒後)のうち何れかのタイミングで示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)が設定されるように構成しても良い。
本追加例のように、示唆演出の終了契機(カウントダウン演出の終了タイミング)、即ち、示唆演出の対象となる特定演出の開始契機(開始タイミング)が設定されていない状態で示唆演出を開始する場合は、当該示唆演出の演出期間が設定されていない状態であるため、上述した第1制御例のように、設定される演出期間に基づいて前兆演出の演出態様を設定することができないという問題がある。
これに対して、本追加例では、S4351の処理において、今回実行される変動パターンの変動時間と、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)と、に基づいて前兆演出の演出態様を設定するように構成している。具体的には、今回の変動パターンが60秒以上であって、且つ、示唆演出の開始契機(前兆演出の開始タイミング)が前兆Aの場合には、前兆演出の演出態様として、長期間の前兆演出に対応する長演出態様(図98(A)の第2経路DC2B)が設定され、それ以外の場合には、短期間の前兆演出に対応する短演出態様(図98(A)の第1経路DC1A)が設定される。
このように示唆演出が実行し得る期間(示唆演出の開始契機と当該変動の変動時間とに基づく演出実行可能期間)に基づいて前兆演出の演出態様を大まかに設定することで、後に設定される特定演出(示唆演出の演出期間)に対して遊技者に違和感を与えることの無い演出態様を設定することができる。
次に、図190を参照して、本別例において実行される枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)について説明をする。図190は、枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)では、図189の処理において設定された前兆演出が実行されている間に実行される枠ボタン22への押下操作に基づいて示唆演出の演出態様を設定する処理が行われる。
図190に示した通り、枠ボタン入力監視・演出処理3(S3107)が実行されると、まず、枠ボタン22が押下されたかを判別し(S5051)、押下されていない場合は(S5051:NO)、このまま本処理を終了する。一方、S5051の処理において枠ボタン22が押下されたと判別した場合は(S5051;YES)、次に、現在が前兆演出期間中であるかを判別する(S5071)。
S5071の処理において、現在が前兆演出期間中では無いと判別した場合は(S5071:NO)、その他枠ボタン操作に関する処理を実行し(S5078)、本処理を終了する。一方、S5071の処理において、現在が前兆演出期間中であると判別した場合は(S5071:YES)、次に、枠ボタン22の押下内容に対応した特定演出を設定する(S5072)。
ここで、S5072の処理について具体的に説明する。本追加例では前兆演出が実行されている場合(即ち、図98(A)の表示がされている場合)に、第3図柄表示装置81の主表示領域DMにて遊技者に枠ボタン22を操作させる操作演出が実行される。この操作演出では、枠ボタン22の操作に基づいて前兆演出として副表示領域DSにて表示されている車を模したキャラクタDC1の移動態様(移動速度や移動位置)を可変させる演出が実行される。そして、キャラクタDC1の移動に対応してスクロールする副表示領域DSに、今回の示唆演出にて設定される特定演出の種類を示すための特定演出示唆態様が表示されキャラクタDC1が獲得した特定演出示唆態様に対応する特定演出が設定される。
ここで、前兆演出中に副表示領域DSに表示される特定演出示唆態様は対応する特定演出の内容(例えば、PUSH演出)を遊技者が把握可能な態様(例えば、「PUSH」の文字が付された態様)で表示される。そして、この特定演出表示態様は、今回の特図変動パターンにおいて設定可能な特定演出(特別図柄の大当たり抽選の結果に対応した特定演出)に基づいて設定され、具体的には、図100(B)を参照して示したように、変動開始から26秒後に実行される「カットイン演出」と、変動開始から30秒後に実行される「PUSH表示演出」とに対応する特定演出表示態様が表示される。
なお、本追加例では、特定演出の態様と、その特定演出が実行されるタイミングとが対応付けられているが、特定演出の態様と、その特定演出が実行されるタイミングとを別々で設定可能に構成しても良い。このように構成することで、前兆演出中に実行される操作演出において表示される複数の特定演出表示態様のうち、どの特定演出態様を獲得すれば示唆演出の期間が長く設定されるのかを遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。よって、操作演出が終了した後にも、示唆演出の全容を分かり難くすることができ、遊技者に対して継続して示唆演出を楽しませることができる。
また、今回の特別図柄の変動パターンの内容(変動時間や大当たり抽選結果)に基づいて、操作演出中に獲得した特定演出表示態様に対応する特定演出の実行タイミングを設定するように構成しても良い。これにより、遊技者が所望する特定演出を選択することが可能となり遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。このような構成を用いた場合であっても、遊技者が選択した特定演出が実行されるタイミングを上述したように今回の特別図柄の変動パターンの内容(変動時間や大当たり抽選結果)に基づいて設定することで、特別図柄の変動中に実行される演出に対して遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
図190に戻り説明を続ける。S5072の処理を終えると、次いで、現時点からカウントダウン演出の開始タイミングまでの期間を算出する(S5073)。このS5073の処理では、S5072の処理において設定された特定演出の実行タイミングから逆算してカウントダウン演出(本追加例では3秒間)の開始タイミングを算出し、現時点からカウントダウン演出の開始タイミングまでの期間を算出する。つまり、前兆演出中に実行される操作演出中にいち早く枠ボタン22を操作することで、S5073の処理において算出される期間を長くすることができる。
次に、S5073の処理において算出された間隔が15秒以内であるかを判別し(S5074)、15秒以内であると判別した場合は(S5074:YES)、現在実行されている前兆演出の演出態様を短演出態様に設定し(S5075)、一方、15秒以内では無い(15秒よりも長い)と判別した場合は(S5074:NO)、現在実行されている前兆演出の演出態様を長演出態様に設定する(S5076)。
つまり、本追加例では、特別図柄の変動開始タイミングにおいて、まず、今回の変動パターンの内容(変動時間、大当たり抽選結果)に基づいて、大まかに前兆演出の演出態様を設定し(図189のS4351)、その設定した演出態様に沿って前兆演出が実行される。そして、その前兆演出が実行されている間であって、今回の示唆演出の対象となる特定演出が設定された時点において、示唆演出の残期間(前兆演出の残期間)に基づいて前兆演出の演出態様を可変させるように構成している。
このように構成することで、変動表示中に実行される特定演出に向けて示唆演出を違和感無く表示させることができる。また、操作演出中の操作内容に基づいて前兆演出の表示態様も可変させることが可能となるため、例えば、意図的に前兆演出態様として短演出態様が設定され易い(前兆演出の残期間が短い)タイミングである操作演出中の終盤に枠ボタン22を操作し、長演出態様が設定されるか否か(今回の変動パターンが長時間の変動時間であるか否か)を楽しんだり、逆に、意図的に前兆演出態様として長演出態様が設定され易い(前兆演出の残期間が長い)タイミングである操作演出中の序盤に枠ボタン22を操作し、長演出態様にて実行される前兆演出を楽しんだり、遊技者の要望に応じた演出を実行することができる。
S5075或いはS5076の処理において前兆演出態様を設定した後は、設定した演出態様に対応する表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S5077)、上述したS5078の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本追加例では、特図変動が開始されるタイミングにおいて実行されるカウントダウン演出設定処理3(図189参照)にて、示唆演出の開始タイミング(前兆演出の開始タイミング)のみ設定し、前兆演出中に実行される枠ボタン22への操作に基づいて今回の示唆演出の対象となる特定演出を設定するように構成している。
このように構成することで、示唆演出の開始契機となる前兆演出の開始タイミングを特図変動の開始タイミングに設定し、その前兆演出が実行されている間(示唆演出が実行されている間)に、示唆演出の対象となる特定演出を設定することが可能となる。よって、予め定められた特定演出に対して示唆演出を実行する場合に比べて、示唆演出の演出態様を自由に設定することができ、演出効果を高めることができる。
さらに、上述した第1制御例と同様に、示唆演出として、特定演出が実行されるタイミングを大まかに報知する前兆演出と、特定演出が実行されるタイミングを具体的に報知するカウントダウン演出と、を実行可能に構成しているため、示唆演出が実行された後(前兆演出実行中)に特定演出が設定されたとしても、遊技者に違和感を与えることなく示唆演出を実行することができる。
加えて、本追加例では、示唆演出の一部演出(前半に実行される演出)である前兆演出の演出態様を段階的に可変設定することが可能であるため、示唆演出全体の演出態様を違和感無く設定することができる。なお、本追加例では、示唆演出の一部演出(後半に実行される演出)として実行されるカウントダウン演出の演出態様を固定(3秒間のカウントダウン表示)しているが、これに限ること無く、今回実行される特定演出が設定されるタイミング(図190のS5073参照)における特定演出が実行されるまでの間隔を判別し(図190のS5074参照)、その判別結果に基づいて、カウントダウン演出の演出期間を設定(例えば、3秒または7秒)するように構成しても良い。
以上説明をした本追加例に、上述した第1制御例にて説明した構成や技術思想のそれぞれを追加しても良く、また、上述した第1制御例の内容と、本追加例の内容とをそれぞれ有するパチンコ機10を設けても良い。
<第1制御例にて説明した各種演出を第2制御例に用いた場合の説明>
次に、第1制御例の内容と第2制御例の内容とを組み合わせた場合における内容について説明をする。具体的には、転落抽選の抽選結果、或いは、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて事前判別される転落抽選の事前判別結果に基づいて、上述した第1制御例にて説明した各種演出の演出態様を設定する場合の内容について説明をする。
上述した第1制御例では、大当たり中の演出を設定する大当たり中演出設定処理(図143のS3302参照)において、特別図柄2の保留球数と、その保留球内に大当たりに当選する入球情報があるか否かの判別結果に基づいて、大当たり中演出選択テーブル222Cを参照して連続大当たり演出を設定可能に構成しているが、転落抽選の構成を有する遊技機では、転落抽選の抽選結果、或いは、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて事前判別される転落抽選の事前判別結果も参照して大当たり中演出を設定するように構成すると良い。
具体的には、先読み情報として大当たりに当選する入賞情報と、転落抽選に当選する入賞情報と、を特別図柄変動が実行される順番に対応付けて判別可能な第2事前判別手段を設け、その判別結果として、大当たりに当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行された後に転落抽選に当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行されると判別した場合には、連続大当たり演出を設定しないように構成すると良い。これにより、連続大当たり演出が実行される場合には、その時点において保留記憶されている入賞情報には転落抽選に当選する入賞情報が無いことになるため、連続大当たり演出が実行された場合における付加価値をより高めることができる。
また、第2事前判別手段により、転落抽選に当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行された後に大当たりに当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が実行されると判別した場合に、連続大当たり演出を設定するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して、転落抽選に当選したことを示唆する転落示唆演出を実行することなく大当たり連続演出を実行することが可能となる。よって、転落示唆演出が実行されることにより遊技者に不安感を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、大当たり当選時における先読み情報のうち、大当たり終了後の1回転目に対応する入賞情報に転落抽選に当選することを示す情報が含まれていると判別した場合には、その大当たり中の演出として大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定されることを示唆する演出を実行しないように構成すると良い。つまり、大当たり終了後の1回転目の特別図柄変動の開始タイミングにおいて転落抽選に当選した場合は、遊技者に有利となる高確率状態で特別図柄の大当たり抽選を一度も受けることが無い。このような状態において、大当たり中に大当たり終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定されることを示唆する演出を実行してしまうと、遊技者に過度な期待感を与えてしまうことになる。上述した構成を用いた場合には、遊技者に過度な期待感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に、上述した第1制御例では、遊技者に有利な遊技状態(確変状態又は時短状態)が継続して設定される期間を報知するための継続演出(バトル演出)を実行可能に構成し、その継続演出の演出態様(バトル前演出の演出態様、及び、バトルリーチの演出態様)を今回の特別図柄の抽選結果、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)、及び、1回の有利状態中(確変状態中又は時短状態中)に繰り返し実行されるバトル演出の実行回数に基づいて、継続演出(バトル演出)の表示態様が設定されるように構成しているが、転落抽選の構成を有する遊技機では、転落抽選の抽選結果、或いは、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて事前判別される転落抽選の事前判別結果も参照して継続演出の演出態様を設定するように構成すると良い。
上述した各制御例では、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図147参照)が実行されるタイミングで変動パターン(変動演出)を設定するように構成している。つまり、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいた変動パターン(変動演出)の設定も、特別図柄の変動開始タイミングで実行されるように構成している。この場合、特別図柄の変動を開始させるために特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ203D或いは特別図柄2保留球数カウンタ203E)の値を1減算した状態であることから、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)が上限数に到達している状態で変動パターン(変動演出)を設定することが出来ないという問題があった。
上述した問題を解決するために、音声ランプ制御装置113によって変動パターン(変動演出)を設定する構成として、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に関わらず、共通して実行される第1変動パターン(例えば、第3図柄を変動させる演出)を設定する第1変動パターン設定手段と、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて実行される第2変動パターン(例えば、保留内に当たりがあることを示唆する示唆演出)を設定する第2変動パターン設定手段と、を有し、変動開始タイミング、即ち、以下の構成を用いると良い。即ち、コマンド判定処理(図140参照)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動表示設定処理(図147参照)では上述した第1変動パターンのみを設定する。
そして、第1変動パターンに基づいて変動演出が実行されてから所定時間後(例えば、5秒後)に、第2変動パターン設定手段により、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて第2変動パターンを設定し、第1変動パターンで実行されている変動演出に対して、第2変動パターンを示す情報を追加した変動演出を実行する。このように構成することで、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて変動パターン(変動演出)を設定するタイミングを特別図柄の変動開始タイミングよりも遅らせることができる。
よって、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)が上限数に到達している状態で先読み情報に基づく変動パターン(変動演出)を設定することができ、先読み情報に基づく演出(先読み演出)を実行し易くすることができる。
なお、上述した第2変動パターン設定手段により、第2変動パターンを設定する処理が実行されるタイミングを、特別図柄の変動が開始されてから一定時間(例えば、3秒)経過後に設定しても良いし、第1変動パターン設定手段により選択された変動パターンに対応させて第2変動パターンの設定タイミングを異ならせるようにしても良い。このように構成することで、実行される変動パターンによって先読み演出を設定するタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して意欲的に保留球を貯留させることができる。
ここで、第1変動パターン設定手段により選択された第1変動パターンに対応して設定される実行タイミングとしては、例えば、第1変動パターンとして比較的長い変動時間(60秒以上の変動時間)が設定された場合は、第2変動パターンの設定タイミングを変動開始から15秒後に設定し、第1変動パターンとして比較的短い変動時間(30秒の変動時間)が設定された場合は、第2変動パターンの設定タイミングを変動開始から5秒後に設定すると良い。
加えて、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間が所定期間(例えば10秒)未満の場合は、第2変動パターン設定手段を実行しないように構成しても良い。このように構成することで、先読み演出を実行困難な変動時間が設定された場合には、当該変動中に対して先読み演出が追加されることが無く、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制することができる。
また、第2変動パターン設定手段により設定され得る第2変動パターン(先読み演出)として、短期間(例えば、2秒)で実行される短演出(例えば、コメント表示予告)と、長期間(例えば、20秒)で実行される長演出(例えば、チャンス目停止予告)と、を設定可能に構成している場合であっても、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間が所定期間(例えば10秒)未満の場合には、第2変動パターン設定手段を実行しないように構成することで、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間が所定期間(例えば10秒)以上の場合に第2変動パターン設定手段により第2変動パターン(先読み演出)が実行され易くすることができる。
なお、上述したように、第1変動パターン設定手段により設定された第1変動パターンの変動時間に応じて、第2変動パターン設定手段を実行しないように構成する場合は、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報のうち、既に第2変動パターン設定手段により第2変動パターンを設定するか否かの判別が実行された入賞情報と、実行されていない入賞情報とを識別可能に記憶するように構成し、第2変動パターン設定手段が実行される場合に、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報のうち、既に第2変動パターン設定手段により第2変動パターンを設定するか否かの判別が実行された入賞情報を除外して第2変動パターンの設定判別を実行するように構成すると良い。
また、上述した例に加え、第2変動パターン設定手段により設定された第2変動パターン(先読み演出)が表示制御装置114によって実行されたことを示す先読み演出実行コマンドを表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113が第2変動パターン(先読み演出)を設定したにも関わらず、先読み演出実行コマンドを受信できない場合(先読み演出が実行されなかった場合)は、次の変動において、再度、同一の入賞情報に対して第2変動パターン設定手段を実行するように構成すると良い。
特別図柄の始動入賞(第1入球口64、或いは第2入球口140)を複数記憶(保留記憶)可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された情報(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選(変動)が実行されるよりも前に(記憶手段に記憶された入賞情報に基づく特別図柄の抽選条件が成立するよりも前に)、記憶手段に記憶されている入賞情報の内容を事前に判別する事前判別手段(先読み手段)と、を有した遊技機において、事前判別手段の判別結果に基づいた変動演出(先読み演出)を実行する場合には、特別図柄の変動開始時に、事前判別手段の判別結果に基づいて今回の特別図柄変動の演出態様を設定する演出態様設定手段を設ける構成がある。
上述した構成を有した遊技機によれば、特別図柄の変動時間に対応した演出態様として事前判別手段の判別結果に基づいた演出態様を設定することができるため、実行される演出態様を、今回の特別図柄の抽選結果、及び、記憶手段に記憶されている入賞情報の判別結果の両方を示唆する内容とすることができ、遊技者に興味を持たせる演出を実行することができる。しかしながら、特別図柄の変動開始時に事前判別結果の判別結果に基づいた演出態様が決定されるため、記憶手段に記憶される入賞情報の数が上限数に到達していない状態で演出態様を設定しなければならないという問題があった。つまり、演出態様を設定するタイミングが、記憶手段に記憶されている最古の入賞情報(次の特別図柄変動に用いられる入賞情報)を用いて特別図柄の変動を実行するタイミング(記憶手段に記憶されている入賞情報が1つ減ったタイミング)であるため、記憶手段に記憶されている入賞情報の数が上限数に到達している状態で演出態様を設定することができず、事前判別手段の判別結果に基づいた変動演出(先読み演出)の実行頻度が低下してしまうという問題があった。
さらに、上述した構成では、特別図柄の変動を開始するタイミングに、記憶手段に記憶されている入賞情報の内容を判別する処理と、特別図柄の変動に対応する演出態様を設定する処理と、を実行する必要があり、短期間に処理が集中してしまい処理負荷が増大してしまうという問題があった。
また、事前判別手段の判別結果に基づいた変動演出(先読み演出)を実行する構成として、上述した構成以外にも、記憶手段に新たな入賞情報が記憶されたことに基づいて上述した事前判別手段による判別を実行し、その判別結果に基づいて、特別図柄の変動表示とは異なる事前判別結果を示すための演出(先読み演出)を実行する遊技機もある。
このような構成では、新たな入賞情報が記憶手段に記憶されるタイミングで先読み演出を実行することができるため、事前判別手段の判別結果に基づいた演出を円滑に行うことができる。しかしながら、実行される演出が事前判別手段の判別結果を示すための演出となってしまうことから、現在実行中の特別図柄の判別結果を示す演出と表示内容が重複してしまい、遊技者に対して分かり難い表示となってしまうという問題があった。また、新たな入賞情報が記憶手段に記憶されるタイミングで先読み演出を実行する制御を行うため、一時的に処理負荷が増大してしまうという問題がった。
上述した問題を解決するために、音声ランプ制御装置113によって変動パターン(変動演出)を設定する構成として、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に関わらず、共通して実行される第1変動パターン(例えば、第3図柄を変動させる演出)を設定する第1変動パターン設定手段と、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて実行される第2変動パターン(例えば、保留内に当たりがあることを示唆する示唆演出)を設定する第2変動パターン設定手段と、を有し、変動開始タイミング、即ち、以下の構成を用いると良い。即ち、コマンド判定処理(図140参照)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動表示設定処理(図147参照)では上述した第1変動パターンのみを設定する。
そして、第1変動パターンに基づいて変動演出が実行されてから所定時間後(例えば、5秒後)に、第2変動パターン設定手段により、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて第2変動パターンを設定し、第1変動パターンで実行されている変動演出に対して、第2変動パターンを示す情報を追加した変動演出を実行する。このように構成することで、入賞情報格納エリア223Aに格納されている情報(先読み情報)に基づいて変動パターン(変動演出)を設定するタイミングを特別図柄の変動開始タイミングよりも遅らせることができる。
<第3制御例>
次に、上述した第1制御例にて説明した継続演出の別制御例について説明をする。上述した第1制御例は、図90に示した通り、高確中(確変状態中、或いは時短状態中)にバトル演出(バトル前演出およびバトルリーチ)が繰り返し実行されるように構成されている。上述した第1制御例の制御内容では、特別図柄の抽選結果によってはバトルリーチを実行し得る変動パターン(変動時間が60秒以上となる変動パターン)や、バトルリーチを実行することができない変動パターン(変動時間が5秒となる変動パターン)が連続して選択されてしまう場合があった。上述した第1制御例では、遊技者の演出に対する興趣が低下してしまうこと抑制するために、バトルリーチを実行し得る変動パターン(変動時間が60秒以上となる外れ変動パターン)が所定期間内(例えば特別図柄が6回変動する間隔内)に複数選択された場合には、後者の変動パターンに対してバトルリーチを実行しないように構成することで、バトルリーチが無用に実行されてしまい、演出効果の低下を招くという問題を解決するように構成しているが、バトルリーチを実行し得る変動パターンと、バトルリーチを実行し得ない変動パターンと、を特別図柄の抽選結果に基づいてランダムに選択する第1制御例では、特別図柄の抽選結果次第では、バトルリーチを実行することができない変動パターン(変動時間が5秒となる変動パターン)が連続して選択されてしまい、バトル前演出が長期間継続してしまうという問題が残ったままであった。
そこで、本第3制御例では、遊技状態として確変状態中に継続演出(バトル演出)が実行されるように構成し、その確変状態中に実行される特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを選択する際に用いる変動パターンテーブルとして、バトル前演出が実行される(され易い)変動パターンテーブルと、バトルリーチが実行される(され易い)変動パターンテーブルとを予め定められた規則(変動シナリオ)に沿って用いるように構成している。
このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に、特別図柄変動回数が所定回数目(例えば、大当たり終了から14回転目)である場合に、必ずバトルリーチを実行することができ、上述した問題を解決することができる。さらに、本第3制御例では、確変状態が設定されている間に用いられる変動シナリオを内容の異なる複数の変動シナリオから選択して用いるように構成している。これにより、予め定められた変動シナリオに沿って変動パターンが選択される構成を用いた場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第3制御例では、同一の価値(大当たり遊技の内容、大当たり終了後に設定される遊技状態)を提供する大当たりに対して複数種類の大当たり種別を用意しておき、選択された大当たり種別に対応する変動シナリオに基づいて、大当たり終了後に実行される変動パターンを選択するように構成している。これにより、大当たりの種別に応じてその大当たり終了後に実行される変動シナリオを設定することができるため、大当たり終了後の1回転目の特別図柄変動から確実に変動シナリオに沿った変動パターンを選択することができる。
<第3制御例における電気的構成について>
次に、図191から図202を参照して、本第3制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第3制御例におけるパチンコ機10では、第1制御例におけるパチンコ機10に対し、主制御装置110に設けられているROM202の内容とRAMの203の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の内容とRAM223の内容とを一部変更した点と、表示制御装置114に設けられているキャラクタROM234の内容とを一部変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図191(A)は、主制御装置110のROM202の内容を模式的に示したブロック図である。図191(A)に示した通り、本制御例におけるROM202は、第1制御例におけるROM202に対し、変動シナリオ設定テーブル202CAを追加した点と、第1当たり種別選択テーブル202Cの内容を一部変更した点と、変動パターン選択テーブル202Dの内容を一部変更した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図192を参照して本第3制御例における第1当たり種別選択テーブル202Cの内容について説明をする。図192は本第3制御例における第1当たり種別選択テーブル202Cの内容を模式的に示した模式図である。なお、上述した第1制御例にて用いた第1当たり種別選択テーブル202Cと同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
本第3制御例における第1当たり種別選択テーブル202Cでは、大当たり遊技の内容(ラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、に対応した大当たり種別(大当たりA〜大当たりK)を更に細分化した大当たり種別(大当たりAA〜AJ)が規定されている。具体的には、「大当たりA」が対応付けて規定されている第1当たり種別カウンタC2の値「0〜19」のうち、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,1」の範囲には、「大当たりAA」が対応付けて規定されており、「2,3」の範囲には、「大当たりAB」が対応付けて規定されており、「4,5」の範囲には、「大当たりAC」が対応付けて規定されており、「6,7」の範囲には、「大当たりAD」が対応付けて規定されており、「8,9」の範囲には、「大当たりAE」が対応付けて規定されており、「10,11」の範囲には、「大当たりAF」が対応付けて規定されており、「12,13」の範囲には、「大当たりAG」が対応付けて規定されており、「14,15」の範囲には、「大当たりAH」が対応付けて規定されており、「16,17」の範囲には、「大当たりAI」が対応付けて規定されており、「18,19」の範囲には、「大当たりAJ」が対応付けて規定されている。
つまり、本第3制御例では、第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される20個の乱数値に対して、10種類の大当たり種別(大当たりAA〜大当たりAJ)が均等に割り振られるように規定されており、それぞれの大当たり種別(大当たりAA〜大当たりAJ)が選択される割合が1%となるように構成されている。
なお、詳細な説明は後述するが、本第3制御例では、「大当たりAA」〜「大当たりAJ」の何れかが選択された場合には、「大当たりA」に規定される大当たり遊技(15ラウンド遊技)が実行され、その大当たり遊技終了後には「大当たりA」に規定される遊技状態が設定される。そして、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動の変動パターン(変動時間)が、選択された大当たり種別(大当たりAA〜大当たりAJ)によって異なるように構成されている。
このように構成することで、特定の大当たり遊技が設定された場合において、その大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動の変動パターンを異ならせることができるため、例えば、大当たり種別として「大当たりAA」が選択された場合よりも、「大当たりAJ」が選択されたほうが、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され易くすることができる。即ち、同一の大当たり遊技内容で同一の遊技状態が設定される大当たり種別であっても、その大当たり遊技終了後の特別図柄変動における単位時間当たりの変動回数を大当たり種別によって異ならせることができるため、いち早く次の大当たりに当選したい遊技者に対して、大当たり遊技終了後の特別図柄変動が実行されるタイミングまで当選した大当たり種別に対する期待感を持たせることができる。
上述した「大当たりA」と同様に、第1当たり種別選択テーブル202Cに規定されている「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりG」、「大当たりI」、即ち、大当たり遊技終了後に高確率状態、且つ時短状態(以下、確変状態と称す)が付与される大当たり種別に対しては、それぞれの大当たり種別の小分類である「A〜J」が均等に割り振られるように規定されている。一方、「大当たりC」、「大当たりH」、「大当たりJ」、「大当たりK」、即ち、大当たり遊技終了後に高確率状態、且つ時短状態が付与されない(低確率状態、且つ時短状態が付与される)大当たり種別に対しては、大当たり種別の小分類(A〜J)を規定せず、その大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)として共通の変動パターンが選択されるように構成している。
次に、図193(A)を参照して、本第3制御例における変動パターン選択テーブル202Dの内容について説明をする。図193(A)は本第3制御例における変動パターン選択テーブル202Dの内容を模式的に示した模式図である。図193(A)に示した通り、本第3制御例では、第1制御例に対して、特殊変動パターンテーブル202D4を削除した点と、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202DC1、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2、第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3、特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4を追加した点で相違している。
ここで、図193(B)を参照して、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202DC1について説明をする。図193(B)は、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202DC1の内容を模式的に示した模式図である。この大当たり用(確変)変動パターンテーブル202DC1は、遊技状態が確変状態であり、且つ、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルである。
図193(B)に示した通り、変動時間が60秒又は90秒の変動パターンのうち、何れかの変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲には、変動時間が60秒の変動パターン(スーパーリーチ各種)が対応付けて規定されており、「180〜198」の範囲には、変動時間が90秒の変動パターン(スペシャルリーチ各種)が対応付けて規定されている。本第3制御例では、変動時間が60秒の変動パターンが選択された場合には、音声ランプ制御装置113によって3回の攻撃が繰り広げられるバトルリーチ(勝利バトル)が実行され(図94参照)、90秒の変動パターンが選択された場合には、3回の攻撃が繰り広げられた後に復活演出が行われるバトルリーチ(勝利バトル)が実行される(図96参照)。
次に、図193(C)を参照して、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2について説明をする。図193(C)は、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2の内容を模式的に示した模式図である。この第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2は、遊技状態が確変状態であって、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルの1つである。
図193(C)に示した通り、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2では、短い変動時間(例えば、3秒、5秒)の変動パターンが、長い変動時間(例えば、60秒)の変動パターンよりも選択され易くなるように構成されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲には、変動時間が3秒の変動パターン(短外れA)が対応付けて規定されており、「150〜197」の範囲には、変動時間が5秒の変動パターン(短外れB)が対応付けて規定されており、「198」には、変動時間が60秒の変動パターン(長外れA)が対応付けて規定されている。
つまり、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2では、変動種別カウンタC1の取り得る199個のカウンタ値(乱数値)のうち、198個の乱数値(「0〜197」の範囲)に対して、変動時間が短い変動パターンである短外れ(短外れA、短外れB)が規定され、残りの1個の乱数値(「198」)に対して、変動時間が長い変動パターンである長外れ(長外れA)が規定されていることから、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2を参照して変動パターンを選択する場合の殆ど(約99.5%)において、変動時間が短い変動パターンが選択される。
本第3制御例では、変動時間が3秒の変動パターン(短外れA)或いは5秒の変動パターン(短外れB)が選択された場合には、音声ランプ制御装置113によってバトル前演出(図91、図92参照)が実行され、そのうち、「短外れB」が選択された場合に、相手の継続値(HP値)を増減させる攻撃演出(図92参照)が実行される。なお、「短外れA」が選択された場合には、相手の継続値(HP値)を増減させる演出を実行することなく、例えば、自身のキャラクタと相手のキャラクタが会話をする演出や、相手のキャラクタを切り替える演出が実行される。また、「長外れA」が選択された場合は、3回の攻撃が繰り広げられるバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される(図94参照)。
次に、図193(D)を参照して、第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3の内容について説明をする。図193(D)は、第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3の内容を模式的に示した模式図である。この第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3は、遊技状態が確変状態であって、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルの1つであって、図193(D)に示した通り、変動時間が60秒又は90秒の変動パターンのうち、何れかの変動パターンが選択されるように構成されている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜197」の範囲には、変動時間が60秒の変動パターン(長外れA)が対応付けて規定されており、「198」には、変動時間が90秒の変動パターン(長外れB)が対応付けて規定されている。
図193(E)は、特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4の内容を模式的に示した模式図である。この特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4は、大当たり遊技状態が確変状態である場合の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルであって、特別図柄の抽選結果に関わらず、変動時間が0.5秒の変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れの場合は変動種別カウンタCS1の値の全範囲(「0〜198」)に、変動時間が0.5秒の変動パターン(超短外れ)が対応付けて規定されており、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合は変動種別カウンタCS1の値の全範囲(「0〜198」)に、変動時間が0.5秒の変動パターン(超短当たり)が対応付けて規定されている。
図191(A)に戻り説明を続ける。変動シナリオ設定テーブル202CAは、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照する変動パターン選択テーブル202D(図193(A)参照)を、特別図柄の変動回数に対応させて規定した変動シナリオが、大当たり種別に対応付けて規定されているものである。この変動シナリオ設定テーブル202CAは、主制御装置110が実行する大当たり制御処理(図137のS1104参照)において、エンディング演出の終了タイミング、即ち、大当たり遊技の終了タイミングであると判別した場合に(図137のS1211:YES)、今回当選した大当たり種別に対応する変動シナリオを設定するために参照され、今回当選した大当たり種別に対応した変動シナリオが読み出され、変動シナリオ格納エリア203CAに格納される。
ここで、変動シナリオ設定テーブル202CAに規定されている変動シナリオの内容について、図194〜196を参照して説明をする。図194(A)は、変動シナリオ設定テーブル202CAの内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ設定テーブル202CAは、図194(A)に示した通り、大当たり種別(大当たり種別の小分類(A〜J))と、大当たり当選時の遊技状態とに対応付けて各変動シナリオ(変動シナリオ1〜変動シナリオ11)が規定されている。
つまり、本第3制御例では、当選した大当たり種別と、大当たりに当選した際の遊技状態とに応じて、大当たり終了後に実行される特別図柄変動の変動パターン(大当たり終了後に実行される特別図柄変動の変動パターンを選択する範囲)を異ならせることができる。よって、大当たりに当選した場合に、大当たり遊技の内容(ラウンド数)と、大当たり遊技後に設定される遊技状態と、に加え、大当たり遊技後に設定される変動パターンをも異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図194(A)に示した通り、大当たりに当選した際の遊技状態によって、大当たり終了後に設定される変動シナリオが異なるように構成されている。具体的には、大当たりに当選した際の遊技状態が時短なし状態(特別図柄の高確率状態、低確率状態共通)の場合は、何れの大当たり種別(大当たり種別の小分類(A〜J))が設定された場合であっても共通の変動シナリオ(変動シナリオ1)を設定し、大当たりに当選した際の遊技状態が時短あり状態(特別図柄の高確率状態、低確率状態共通)の場合は、設定された大当たり種別(大当たり種別の小分類(A〜J))に対応した変動シナリオ(変動シナリオ2〜11)を設定するように構成している。
このように構成することで、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合よりも、時短あり状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合のほうが、単位時間当たりの特別図柄変動回数を多くすることが可能となる。よって、遊技者に対して大当たりに当選した際の遊技状態をより意識させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第3制御例では、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ1)よりも、時短あり状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ2〜変動シナリオ11)のほうが、単位時間当たりの特別図柄変動回数が多くなるように各変動シナリオを構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選したほうが単位時間当たりの特別図柄変動回数が多くなるように各変動シナリオを構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短あり状態において確変大当たりに当選した場合にのみ設定され得る演出モードにおいて、特典映像を長く実行させることができる。
また、時短あり状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ2〜変動シナリオ11)のうち、一部の変動シナリオを、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に設定される変動シナリオ(変動シナリオ1)よりも単位時間当たりの特別図柄変動回数が少なくなるように設定しても良いし、時短なし状態で大当たり(確変大当たり)に当選した場合に、大当たり種別(大当たり種別の小分類(A〜J))に基づいて複数の変動シナリオが設定されるように構成しても良い。
次に、図194(B)〜図196(D)を参照して、変動シナリオ設定テーブル202CAに規定されている各変動シナリオの内容について説明をする。図194(B)は、変動シナリオ1の内容を示した模式図である。まず、変動シナリオに規定されている内容について図194(B)を参照して説明する。変動シナリオは、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄の変動回数(即ち、大当たり遊技終了後の1回の特別図柄変動が変動回数1となる)と、その変動の変動パターンを選択する際に参照される変動パターンテーブルと、が対応付けて規定されている。
また、本第3制御例では、上述した通り、大当たり遊技終了後に遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別に当選した場合に、変動シナリオ設定テーブル202CAにより対応する変動シナリオが設定され、変動シナリオに規定されている内容に従って変動パターンの選択が行われるように構成している。
図194(B)に示した通り、変動シナリオ1では変動回数が「1〜4」の場合に参照される変動パターンテーブルとしてテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4)が規定され、変動回数が「5〜」の場合に参照される変動パターンとしてテーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3)が規定されている。
この変動シナリオ1は、図194(A)にて示した通り、遊技状態として時短状態が付与されていない状態において、大当たり種別(小分類)が付与されている全ての大当たりに当選した場合に設定される。変動シナリオ1が設定されると、大当たり終了後の特別図柄変動1〜4回転の間は、特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4(テーブルA)(図193(E)参照)が用いられ、特別図柄の抽選結果に関わらず変動時間が0.5秒の変動パターンが選択される。
そして、大当たり終了後の特別図柄変動5回転目以降は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3(テーブルB)(図108(D)参照)が用いられ、変動時間が7秒〜90秒の外れ変動パターンが変動種別CS1の取得値に基づいて選択される。なお、変動シナリオ1は遊技状態が確変状態である場合に設定されるシナリオであるため、変動シナリオ1が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合は、上述したように、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202DC1を用いて変動パターンが選択される。
次に、図194(C)を参照して、変動シナリオ2の内容について説明をする。図194(C)に示した通り、変動シナリオ2では変動回数が「1〜4」の範囲に、上述した変動シナリオ1と同様にテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜13」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が規定され、変動回数が「14」の場合にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定される。
以後、変動回数が「199」に到達するまで、変動回数9回分にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が対応付けて規定され、変動回数1回分にテーブルD(第2外れ(確変)変動パターンテーブル202DC3)が対応付けて規定される。つまり、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が「5〜199」の期間は、テーブルCを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動を9回実行した後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるシナリオが繰り返し実行される。
このように構成することで、遊技状態として確変状態が設定されている期間中に実行されるバトル演出において、バトル前演出が実行される特別図柄変動(テーブルCを用いて短外れ(短外れA、短外れB)が選択された特別図柄変動)と、バトルリーチが実行される特別図柄変動(テーブルDを用いて長外れ(長外れA、長外れB)が選択された特別図柄変動)と、を予め設定することができるため、バトルリーチが実行される特別図柄変動に向けてバトル前演出の演出態様を可変させることができる。
また、本第3制御例では、テーブルCを用いて変動パターンを選択する場合に、僅かではあるが長外れA(60秒の外れ変動)が選択されるように構成している。これにより、予め変動シナリオを設定する場合において、意外性のあるタイミングでバトルリーチを実行可能に構成している。これにより、意外性のあるタイミングでバトルリーチが実行された場合(即ち、バトルリーチを実行可能な変動時間(60秒以上の変動時間)が選択された場合)において、遊技者に対して大当たりに当選したことを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、上述したように、変動シナリオを設定し、バトル前演出とバトルリーチとが実行される期間を予め設定可能とすることで、遊技者に対して違和感を与えることなく長期間(例えば、保留記憶の上限数よりも多い数の特別図柄変動が実行される期間)におけるバトル前演出の演出態様を設定することが可能となるが、バトル演出が実行される度に、毎回同一の変動シナリオに基づく演出が実行されてしまうと、遊技者がバトル演出そのものに飽きてしまうという問題があった。
そのような問題を解決するために、本第3制御例では、大当たりの遊技内容(ラウンド数)と、大当たり終了後に設定される遊技状態と、が同一の大当たり種別(例えば、「大当たりA」)に対して、異なる変動シナリオが規定されている複数の大当たり種別(例えば、「大当たりAA」〜「大当たりAJ」)を設け、バトル演出中における変動シナリオの内容を遊技者が用意に把握できないように構成している。
これにより、変動パターンのシナリオ化によるメリット(遊技者に違和感を与えることの無い長期間演出の提供)を持ちながら、シナリオ化によるデメリット(演出の単調化)を抑制することができる。また、大当たりの遊技内容(ラウンド数)と、大当たり終了後に設定される遊技状態と、が同一の大当たり種別(例えば、「大当たりA」)に対して、複数の変動シナリオに構成しているため、大当たりの遊技内容や、大当たり終了後に設定される遊技状態を遊技者が把握した場合であっても、大当たり終了後にどの変動シナリオで特図変動が実行されているのかを把握し難くすることができる。よって、バトルリーチが実行された場合に、変動シナリオに基づく予め定められたバトルリーチ(引き分けバトル)なのか、大当たりに当選したことに基づくバトルリーチ(勝利、又は敗北バトル)なのかを分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、「大当たりA」,「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりG」、「大当たりI」の全てに対して、「A〜J」が付与された大当たり種別を規定しているが、各大当たりに対して規定される大当たり種別を異ならせても良く、例えば、「大当たりA」に対応する大当たり遊技が実行された場合には、特定の変動シナリオ(例えば、変動シナリオ2)のみ設定可能となるように構成しても良い。これにより、長期間遊技を行っている遊技者に対して、大当たりの遊技内容と、変動シナリオとの関係を把握させやすくすることができる。よって、特定の大当たり遊技(例えば「大当たりA」に対応する大当たり遊技)の終了後に、いつもとは異なるタイミングでバトルリーチが実行された場合に、大当たりへの期待感を高めることができる。
そして、特別図柄の変動回数が「200〜」の範囲に、テーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3)が対応付けて規定されている。このように構成することで、本制御例のように次回大当たりまで確変状態が継続するパチンコ機10において、変動シナリオを無限に作成する必要が無くなるため、主制御装置110のデータ容量を削減することができる。なお、本第3制御例では、確変状態における特別図柄の大当たり確率(約1/48(図106(A)参照)に対して、その確率の4倍以上の抽選を実行した場合に到達する変動回数「200」を超えると、テーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3)が実行されるように構成しているが、それ以上の変動回数に到達した場合にテーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3)が実行されるように構成しても良く、例えば、大当たり確率の10倍以上の抽選を実行した場合に到達する変動回数「500」を超えた場合に、テーブルBを用いた変動パターンの選択が実行されるように構成しても良い。
また、本第3制御例では、変動シナリオの上限である変動回数「200」を超えた場合に、テーブルBを用いた変動パターンの選択が実行されるように構成しているが、それ以外のテーブルを用いても良く、例えば、テーブルAを用いた変動パターンの選択が次回大当たりに当選するまで実行されるように構成しても良いし、変動シナリオの上限である変動回数「200」から変動回数「399」の期間はテーブルAを用いた変動パターンの選択が実行され、変動回数が「400」を超えた場合に、テーブルBを用いた変動パターンの選択が次回大当たりに当選するまで実行されるように構成しても良い。
なお、上述したように、本第3制御例では通常であれば大当たりに当選し得る抽選回数の範囲内における特別図柄変動に対してバトル演出を変動シナリオに基づいて実行するように構成しているが、変動シナリオの上限(変動回数「200」)を超えた場合には、第3図柄表示装置81において、バトル演出以外の演出が実行されるように構成すると良い。この場合、通常では遊技者が見ることのできない映像や音声が提供されたり、遊技者が収集しているポイントが付与されたりする特典演出が実行されるように構成すると良い。これにより、長期間に渡って大当たりに当選できなかった遊技者に対して特別な特典を付与することが可能となる。加えて、本第3制御例では、確変状態中に実行されるバトル演出を円滑に実行するために設定された変動シナリオに対応する変動パターンとは異なる変動パターンを用いて上述した特典演出を実行することが可能となるため、特典演出の自由度を高めることができる。
次に、図194(D)を参照して変動シナリオ3の内容について説明をする。図194(D)は、変動シナリオ3の規定内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ3は上述した変動シナリオ2(図194(C)参照)に対して、テーブルC、及びテーブルDを用いて変動パターンが選択される期間が異なるように構成されている。具体的には、変動シナリオ3では変動回数が「1〜4」の範囲に、上述した変動シナリオ2と同様にテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜9」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が規定され、変動回数が「10」の場合にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定される。
以後、変動回数が「190」に到達するまで、変動回数5回分にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が対応付けて規定され、変動回数1回分にテーブルD(第2外れ(確変)変動パターンテーブル202DC3)が対応付けて規定される。つまり、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が「5〜190」の期間は、テーブルCを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動を5回実行した後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるシナリオが繰り返し実行される。
このように構成することで、設定される変動シナリオの種別によって、変動シナリオに基づくバトルリーチ(引き分けバトル)が実行されるタイミングを異ならせることができるため、大当たりに当選したことに基づくバトルリーチ(勝利、又は敗北バトル)なのかを分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
そして、上述した変動シナリオ2と同様に、変動回数が「190〜198」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が規定され、変動回数が「199」の場合にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定され、変動回数が「200〜」の範囲に、テーブルB(外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3)が規定されている。
このように、最後のバトルリーチ(変動回数が「199」の場合に実行されるバトルリーチ)に対応するバトル前演出の期間(変動回数が「190〜198」の期間)を大当たり種別に関わらず統一することで、どの大当たり種別が設定されている場合であっても実行される演出内容を統一させ易くすることができる。よって、バトル演出が終了することを遊技者に示唆する演出(バトル前演出やバトルリーチの演出態様を通常とは異ならせる演出)を大当たり種別毎に用意する必要が無くなるため、演出データの容量を削減することができる。
なお、全ての大当たり種別に対して、バトル演出が終了することを遊技者に示唆する演出(バトル前演出やバトルリーチの演出態様を通常とは異ならせる演出)を統一する必要は無く、少なくとも2つの大当たり種別に対してバトル演出が終了することを遊技者に示唆する演出(バトル前演出やバトルリーチの演出態様を通常とは異ならせる演出)が統一されるように変動シナリオを構成していれば、演出データの容量を削減することができる。
次に、図195(A)を参照して、変動シナリオ4の内容について説明をする。図195(A)は、変動シナリオ4の内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ4は、変動回数が「1〜14」までの期間において、上述した変動シナリオ2(図194(C)参照)と同一の内容が規定されており、それ以降に規定されている内容が変動シナリオ2とは異なるように構成されている。このように、複数の変動シナリオが大当たり終了後から所定期間の間、同一の内容を規定し、所定期間経過後に内容を異ならせるように構成することで、遊技者に対して、今回設定されている変動シナリオが何であるかをより分かり難くすることができる。
図195(B)は、変動シナリオ5の内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ5は、変動シナリオ2〜4とは異なり、テーブルAを用いて変動パターンが選択される変動回数「1〜4」の後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行される。つまり、バトル前演出を実行することなく、バトルリーチ(引き分けバトル)が実行される。このように構成することで、他の変動シナリオが設定された場合に比べてバトル演出に対して遊技者に大きな違和感を与えることができる。よって、バトル演出開始直後に実行されるバトルリーチに対して大当たりの期待感を高めさせることができる。その他の内容については、上述した変動シナリオ2〜4と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図195(C)は、変動シナリオ6の内容を模式的に示した模式図である。この変動シナリオ6は、図195(C)に示した通り、テーブルAを用いて変動パターンが選択される期間を有していない点と、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が連続して設定されている点とで、その他の変動シナリオとは相違している。その他の要素については、上述した変動シナリオ2〜4と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、上述した変動シナリオ6に対しても、遊技者に変動シナリオを容易に把握されてしまうことを防ぐために、変動シナリオに規定される変動パターンテーブルを同一にし、各変動パターンテーブルに対応付けられた変動回数のみを異ならせた変動シナリオ7(図195(D)参照)を設けている。これにより、大当たり終了後にテーブルCを用いて変動パターンが選択される場合(即ち、大当たり終了直後にバトル演出が開始される場合)であっても、遊技者に対して、今回設定されている変動シナリオが何であるかを分かり難くすることができる。
次に、図196(A)を参照して、変動シナリオ8の内容について説明をする。図196(A)は、変動シナリオ8の内容を示した模式図である。変動シナリオ8は、図196(A)に示した通り、上述した変動シナリオ1〜7に対して、テーブルAを用いて変動パターンが選択される期間を長く設定している点で相違している。具体的には、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動回数が「1〜10」の範囲にテーブルAが対応付けて規定されている。このように構成することで、特別図柄の抽選結果に関わらず変動時間が0.5秒の変動パターンが選択されるテーブルAを用いて変動パターンを選択する期間を長くすることができるため、複数の大当たりを短期間に提供することができる。
また、このテーブルAが対応付けて規定されている期間中は、第3図柄表示装置81において、上述した第1制御例の延長表示と同様の表示、即ち、大当たり遊技の終了を示すエンディング画面が表示されるように構成している。これにより、複数回の大当たり遊技に対して一連の大当たり演出を実行することができる。
次に、図196(B)を参照して、変動シナリオ9について説明をする。図196(B)は、変動シナリオ9の内容を示した模式図である。この変動シナリオ9は図196(B)に示した通り、大当たり終了後に最初に規定される変動パターンテーブルを、テーブルAに替えてテーブルBとしている点で他の変動シナリオと相違している。このように構成することで、遊技者に対して大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定されていないと思わせることができる。その後、テーブルBが対応付けて規定されている期間(変動回数「1〜4」の期間)を経過すると、他の変動シナリオと同様にテーブルC及びテーブルDを用いた変動パターンが選択されるように構成し、選択された変動パターンに対応させてバトル演出が第3図柄表示装置81に表示されるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
図196(C)は、変動シナリオ10の内容を示した模式図である。図196(C)に示した通り、変動シナリオ10では、テーブルDを用いて変動パターンを選択する期間が設定されていない点で他の変動シナリオと相違している。つまり、この変動シナリオ10では、バトル演出が実行される期間中においてテーブルDを用いて変動パターンを選択されることがないため、変動シナリオに基づいて予め定められたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行されることが無い。
本変動シナリオ10では、テーブルCを用いて変動パターンを選択する際の変動種別カウンタCS1の取得値が「198」であり、変動時間が60秒の変動パターン(長外れA)が選択された場合、或いは、特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、大当たり用(確変)変動パターンテーブル202DC1を用いて変動時間が60秒或いは90秒の変動パターンが選択された場合にバトルリーチが実行されることになる。よって、本変動シナリオ10が設定されている場合は、他の変動シナリオが設定されている場合に比べて、バトルリーチが実行された場合に大当たりに当選している確率を高くすることができる。
また、本第3制御例では、上述した第1制御例と同様に、特別図柄の抽選結果が大当たりであって、その大当たり終了後の遊技状態として確変状態が付与される確変大当たりと、その大当たり終了後の遊技状態として通常状態が付与される通常大当たりとを有しており、バトル演出中に実行されるバトルリーチでは、確変大当たりに当選した場合に勝利バトルが実行され、通常大当たりに当選した場合に敗北バトルが実行されるように構成されており、特別図柄の抽選結果が外れの場合に引き分けバトルが実行されるように構成されている。
つまり、本変動シナリオ10が設定されている場合は、他の変動シナリオが設定されている場合に比べて引き分けバトルが実行される頻度を低下させることができる。よって、バトルリーチが実行された場合の演出内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。なお、変動シナリオ10のようにテーブルDを用いることなく変動シナリオを設定する場合には、バトル前演出が長期間実行される虞があるため、例えば、テーブルCを用いて選択され得る変動パターン(変動時間が3秒〜5秒の変動パターン)よりも変動時間が短い変動パターン(例えば、変動時間が0.5秒〜1秒の変動パターン)が選択され得るテーブル(テーブルC2)を用いると良い。これにより、バトル前演出が継続して実行される期間を短縮することができる。
次に、図196(D)を参照して、変動シナリオ11について説明をする。図196(D)は変動シナリオ11の内容を示した模式図である。この変動シナリオ11は、図196(D)に示した通り、大当たり終了後に最初に規定される変動パターンテーブルを、テーブルCとしている点、大当たり終了後から所定期間経過後(特別図柄が249回変動した後)にテーブルAを規定している点、変動シナリオの上限回数を「400」としている点で他の変動シナリオと相違している。
変動シナリオ11によれば、上述した変動シナリオ10と同様にテーブルDを用いて変動パターンが選択される期間を有していないため、バトルリーチが実行された場合に大当たりに当選している可能性(勝利または敗北バトルが実行される可能性)を高めることができ、遊技者をバトルリーチの演出内容に注視させることができる。
また、大当たり終了後からの特別図柄変動回数が所定回数(399回)を超えた場合に、単位時間当たりの変動回数が最も高くなるテーブルAを規定しているため、遊技状態として確変状態が設定されているにも関わらず、大当たりに当選しない期間が長期間(例えば、大当たり確率の分母の値の10倍の回数の特別図柄変動が実行される期間)継続した場合に、遊技者が感じる不満感を抑制することができる。
以上、説明をしたように本第3制御例では、同一の大当たりが実行される大当たり種別に対して、複数(10種類)の変動シナリオを設定可能に構成し、変動シナリオに基づくバトルリーチ(引き分けバトル)と、特別図柄の大当たりに当選したことに基づくバトルリーチ(勝利、或いは敗北バトル)と、を分かり難くしているが、変動シナリオの種類はこれに限ることは無く、さらに多くの種類から変動シナリオを設定可能に構成しても良い。
また、本第3制御例では、バトル演出が実行される全ての期間に対して変動シナリオを定めて、バトル演出(バトル前演出、バトルリーチ)の内容を予め判別可能に構成しているが、バトル演出が行われる一部の期間(例えば、大当たり終了後から特別図柄変動が50回実行されるまでの間の期間や、バトル演出が終了するタイミングから逆算した特別図柄変動10回分の期間)のみ変動シナリオを定めるように構成しても良い。
本第3制御例では、当選した大当たり種別に基づいて特別図柄変動の変動シナリオを設定する構成を用いているが、それ以外に変動シナリオを設定(可変)する要素を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果は外れではあるが、遊技者に大当たりよりも少量の特典を付与する抽選結果(所謂、小当たり)となった場合に変動シナリオを設定(可変)するように構成しても良いし、上述した第2制御例にて用いた転落抽選手段により、転落に当選した場合に変動シナリオを設定(可変)するように構成しても良い。さらに、特別図柄変動の変動回数が所定回数(例えば、100回)に到達した場合に、変動シナリオを可変させるための抽選を行う手段を設け、その抽選結果に基づいて変動シナリオを設定(可変)するように構成しても良い。
次に、図191(B)を参照して、本第3制御例に用いられる主制御装置110のRAM203の内容について説明をする。図191(B)は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図191(B)に示した通り、本第3制御例のRAM203は、上述した第1制御例のRAM203に対して、変動シナリオ格納エリア203CAを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動シナリオ格納エリア203CAは、変動シナリオ設定テーブル202CAを用いて設定された変動シナリオを格納するためのエリアである。本第3制御例では、変動シナリオ格納エリア203CAに格納されている変動シナリオに基づいて特別図柄の変動パターンを選択している。この変動シナリオ格納エリア203CAは、特別図柄の大当たりに当選した場合に、その当選した大当たり種別に対応する変動シナリオが格納され、特別図柄の変動が行われる毎に実行される変動回数減算処理4(図204参照)によって更新される(図204のS452参照)。このように、大当たりに当選してから(大当たりに当選したことを示すための特別図柄の変動を開始させる処理が実行されてから)、その大当たり終了後の特別図柄の変動が実行されるまでの間に変動シナリオが格納されるため、大当たり終了後に実行される特別図柄の変動パターンを、変動シナリオ格納エリア203CAに格納されている変動シナリオに基づいて確実に選択することができる。
次に、図197を参照して、第3制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図197(A)は、第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した模式図である。図197(A)に示した通り、本第3制御例のROM222は、上述した第1制御例のROM222に対して、継続値主選択テーブル222Fと、継続値副選択テーブル222Gと、を削除した点と、変動シナリオ記憶エリア222CAと、第1継続値主選択テーブル222CBと、第2継続値主選択テーブル222CCと、第3継続値主選択テーブル222CDと、継続演出モード選択2テーブル222CEと、が追加されている点で相違している。なお、本第3制御例では、上述した第1制御例の継続演出(バトル演出)の変形例を示すものであるため、上述した第1制御例のROM222に設けられた各要素のうち、継続演出とは関連しない要素については、その記載を省略し、それ以外の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動シナリオ記憶エリア222CAは、主制御装置110の変動シナリオ設定テーブル202CAに規定されている複数の変動シナリオの内容を示すための情報が記憶されている領域であって、主制御装置110から出力される変動シナリオの設定状況を示すためのコマンド(例えば、大当たり種別を示すためのコマンドや、設定されている変動シナリオを示すためのコマンド)に基づいて、音声ランプ制御装置113側で変動シナリオを更新管理する際に用いられる情報が記憶されている。
この変動シナリオ記憶エリア222CAは、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理4(図205参照)において変動シナリオに関連する関連情報を含む状態コマンドを受信したと判別した場合に(図205のS3271:YES)、受信したコマンドに対応する変動シナリオが読み出され、変動シナリオ更新エリア223CAに設定される(図205のS3272参照)。
このように構成することで、主制御装置110にて設定される変動シナリオと音声ランプ制御装置113で管理する変動シナリオとを同期させることができるため、主制御装置110により将来選択される変動パターン(設定されている変動シナリオに基づいて選択される変動パターン)を、音声ランプ制御装置113側で予め把握することが可能となる。よって、長期的な演出を遊技者に違和感を与えることなく容易に設定することが可能となる。
つまり、従来型の遊技機では、入賞情報格納エリア223Aに格納されている複数の入賞情報の内容を判別し、その判別結果に基づいて、特定の入賞情報(例えば、入賞情報のうち3番目に特別図柄変動が実行される入賞情報)に対して、それよりも前に実行される特別図柄変動(入賞情報のうち1番目と2番目に実行される特別図柄変動)の変動期間を用いて長期的な演出を実行することを可能とするものであったが、例えば、入賞情報格納エリア223Aに複数の入賞情報が格納されていない場合には、長期的な演出を実行することが困難となると共に、長期的な演出を実行可能な範囲の最大値が入賞情報格納エリア223Aに格納可能な最大数の入賞情報に対応する特別図柄変動の変動期間となるため、演出期間に制限がかかるという問題があった。
これに対して、本第3制御例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)をシナリオ管理し、将来的に実行される特別図柄の変動パターン(変動時間)を容易に判別することができる。よって、長期的な演出に対して自由度を高めることができる。
また、本第3制御例では、音声ランプ制御装置113が変動シナリオ記憶エリア222CAを有しているため、主制御装置110が設定される変動シナリオの内容を全て出力する必要が無く、設定される変動シナリオを示すための情報(例えば、当選した大当たり種別を示す情報や、設定される変動シナリオを複数の変動シナリオの中から指定可能な識別情報)を出力すれば良いため、主制御装置110が出力する情報のデータ量を削減することができる。
加えて、詳細な説明は省略しているが、本第3制御例では、パチンコ機10への電源供給が絶たれた場合(停電した場合)において、電源供給が復旧した場合に主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと電源供給が絶たれる寸前(或いは、電源供給が絶たれてから主制御装置110の処理が停止するまでの間)に記憶した遊技状態を出力する復旧処理を実行するように構成しており、その復旧処理において出力される遊技状態を示すための情報に、現在設定されている変動シナリオを示すための情報として、少なくとも、前回当選した大当たり種別、現在設定されている変動シナリオの何れかを示すための情報と、現在設定されている変動シナリオの更新状況、前回の大当たりが終了してから実行された特別図柄の変動回数の何れかを示すための情報と、含まれるように構成している。これにより、遊技中に停電等でパチンコ機10への電源供給が途絶えたとしても、その復旧後に主制御装置110に設定されている変動シナリオの更新内容と、音声ランプ制御装置113で管理する変動シナリオの更新内容とを容易に同期させることができる。
この場合、復旧処理として主制御装置110から出力された情報に基づいて音声ランプ制御装置113による変動シナリオの更新管理処理が復旧した後の所定期間(例えば、特別図柄が複数回(5回)変動するまでの期間や、変動シナリオに規定されている変動パターンテーブルが切り替わるまでの期間)の間を、主制御装置110に設定されている変動シナリオの更新内容と、音声ランプ制御装置113で管理する変動シナリオの更新内容とが正しく更新されているかを判別するための確認期間として用いると良い。これにより、より正確に変動シナリオの更新管理処理を復旧することができる。なお、上述した確認期間中は、変動シナリオに基づくこと無く、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて特別図柄の変動パターンに対応した変動演出と、復旧中であることを示すための復旧表示が実行されるように構成すると良い。これにより、実行中の特別図柄変動に対応した変動演出を第3図柄表示装置81に表示することができるため、遊技者に不快感を与えることを抑制することができる。
第1継続値主選択テーブル222CBは、継続演出(バトル演出)が実行されている場合における継続値(HP値)の更新処理を行う場合に参照するテーブルであって、バトルリーチが実行されるまでの期間(残期間)が所定期間以上の場合(例えば、バトルリーチに対応する特別図柄変動が実行されるまでの特別図柄変動回数が4回以上の場合)に、参照されるテーブルである。
ここで、本第3制御例における継続値の設定方法について、上述した第1制御例との相違点を中心に説明をする。上述した第1制御例は、音声ランプ制御装置113において継続値の更新管理を行うための主継続値と、第3図柄表示装置81に表示させる演出用の継続値(HP値)を設定するための副継続値とをそれぞれ対応するテーブルを参照して設定し、設定された主継続値と副継続値とを合算した合算値を算出し、その合算値を示すための情報コマンドを表示制御装置114へと出力するものであるのに対して、本第3制御例では音声ランプ制御装置113で主継続値の値のみを設定し、音声ランプ制御装置113にて設定された主継続値を示すための情報を含む情報コマンドを表示制御装置114へ出力し、表示制御装置114側で受信した情報コマンドに基づいて、副継続値を設定し、合算値を算出するように構成している。
つまり、本第3制御例では、継続値を繰り返し増加、減少させる場合において、特別図柄の抽選結果や変動シナリオに対応させるために管理する値である主継続値のみを音声ランプ制御装置113で選択、記憶するように構成し、それ以外の全ての処理を表示制御装置114で実行するように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を大きく軽減することができる。
ここで、図198を参照して第1継続値主選択テーブル222CBの内容について説明をする。図198は第1継続値主選択テーブル222CBに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第1継続値主選択テーブル222CBには、現在の継続値(継続値格納エリア223N)に格納されている値(主継続値)に対して、選択される選択値(主継続値)が異なる割合となるように規定されている。
なお、この選択割合は、専用の演出カウンタ(図示せず)の値が取り得る範囲(例えば、0〜199)に対して、それぞれの値を振り分けることにより割合を設定している。また、第1継続値主選択テーブル222CBは、選択可能な選択値の下限が「400」に規定されている。これは上述したように、第1継続値主選択テーブル222CBは、残回数カウンタの値が4以上の場合、即ち、変動シナリオによって定められたバトルリーチが実行されるまでに少なくとも4回は特別図柄変動を行う必要がある場合に用いられるテーブルであることから、無用に低い選択値が設定されてしまい、継続値の増減演出の進行が滞ることを抑制するためである。これにより、残回数カウンタ223CBの値が3以下になった場合、即ち、間もなくバトルリーチが開始される場合において、継続値を増減させる演出を違和感無く実行することができる。
図198に示した内容を説明すると、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「1000」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「1000」が選択される割合が5%、「900」が選択される割合が50%、「800」が選択される割合が30%、「700」が選択される割合が10%、「600」が選択される割合が3%、「500」が選択される割合が2%に規定されている。
ここで、継続値(主継続値)の増減に対応して第3図柄表示装置81にて表示される演出の内容について説明をする。本第3制御例では、音声ランプ制御装置113にて選択された主継続値と、表示制御装置114にて選択された副継続値とを合算した合算値の増減に対応した演出が実行される。実行される演出は、上述した第1制御例と同様に主継続値の増減範囲と、合算値の増減範囲とが同一となるように副継続値が選択されるように構成されているため、実質、第1継続値主選択テーブル222CBを用いて選択された選択値(主継続値)によって第3図柄表示装置81にて表示される演出の内容が決定される。
具体的には、現在の主継続値が「1000」で、選択値が「1000」の場合は、「けん制」演出が実行され、表示画面上の継続値(HP値)が増減しない演出が実行される。なお、第1継続値主選択テーブル222CBにて主継続値を減少させない選択値が選択された場合は、その旨を示すコマンドが表示制御装置114に出力され、そのコマンドを受信した場合には、表示制御装置114にて副継続値の選択が行われないように構成している。これにより主継続値が減少しないにも関わらず、副継続値が選択されてしまい、表示上の継続値(HP値)が増減してしまう事態を抑制することができる。
次に、現在の主継続値が「1000」で、選択値が「900」〜「500」の場合は相手の継続値(HP値)を減少させる「攻撃」演出が実行される。この「攻撃」演出の詳細な演出態様は、現在の主継続値と、選択値との差分値によって設定され、差分値が100の場合は「弱攻撃」、200の場合は「中攻撃」、300の場合は「強攻撃」、400の場合は「強強攻撃」、500の場合は「最強攻撃」が設定される。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出内容により継続値(HP値)の減少幅を予測することができるので、遊技者に対して演出内容に興味を持たせることができる。
同様に、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「900」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「900」が選択される割合が10%、「800」が選択される割合が50%、「700」が選択される割合が30%、「600」が選択される割合が5%、「500」が選択される割合が5%に規定され、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「800」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「800」が選択される割合が20%、「700」が選択される割合が50%、「600」が選択される割合が20%、「500」が選択される割合が10%に規定されている。
また、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「700」の場合には、選択される選択値(主継続値)として、「900」が選択される割合が10%、「700」が選択される割合が30%、「600」が選択される割合が40%、「500」が選択される割合が20%に規定され、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「600」の場合には、「800」が選択される割合が10%、「600」が選択される割合が40%、「500」が選択される割合が40%に規定され、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「500」の場合には、「900」が選択される割合が10%、「700」が選択される割合10%、「500」が選択される割合が80%に規定され、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「400」の場合には、「900」が選択される割合が30%、「700」が選択される割合が20%、「500」が選択される割合が10%、「400」が選択される割合が40%に規定されている。
上述したように、継続値格納エリア223Nに格納されている値が「700」〜「400」の場合においては、選択値が現在の継続値よりも高くなる場合がある。この場合は、表示画面上で実行される演出として、相手の継続値(HP値)が上昇する「回復」演出が実行される。この回復演出を実行することにより、予想外に継続値(HP値)が減少した場合において、再度、継続値(HP値)を増減させる演出を継続して実行することができる。
以上、説明をしたように、残回数カウンタ223CBの値が4以上の場合に用いられる第1継続値主選択テーブル222CBは、主継続値を徐々に減少させる演出(弱攻撃)が選択される割合を他の演出が選択される割合よりも高く設定している。これにより、長期間に渡ってバトル前演出が実行される場合でも継続値の増減演出を進展させることができる。また、「弱攻撃」が選択される割合を高く設定したとしても、上述した第1制御例と同様に、選択された副継続値に対応して表示画面上で実行される演出態様を可変させることができるため、遊技者に多彩な演出態様を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図197に戻り説明を続ける。第2継続値主選択テーブル222CCは、保留内当たりフラグ223CCがオンに設定されている場合、即ち、特別図柄が数回変動した後に大当たりとなる場合におけるバトル前演出の演出態様を選択する際に用いられるテーブルである。次に、図199を参照して、第2継続値主選択テーブル222CCの内容について説明をする。図199は、第2継続値主選択テーブル222CCに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図199に示した通り、第2継続値主選択テーブル222CCは、図198を用いて説明した第1継続値主選択テーブル222CBに対して、選択可能な選択値として「777」、「333」、「300」〜「0」を追加した点で大きく相違している。以下、第1継続値主選択テーブル222CBと相違する点を中心に説明をする。なお、第2継続値主選択テーブル222CCに規定されている内容のうち、第1継続値主選択テーブル222CBと同一、或いは、選択割合を異ならせただけの要素については、詳細な説明を省略する。
第2継続値主選択テーブル222CCは、保留内に大当たりに対応する入賞情報が存在することを事前に報知するために主継続値の値として「777」、「333」を選択可能に構成している。選択値として「777」、「333」が選択された場合は、その旨を示す専用のコマンドが表示制御装置114に出力され、そのコマンドを受信した場合には、表示制御装置114にて副継続値の選択が行われないように構成している。これにより第2継続値主選択テーブル222CCを用いて大当たりに当選することを示すための主継続値が選択されたにも関わらず、副継続値が選択されてしまい、表示上の継続値(HP値)が増減してしまう事態を抑制することができる。
なお、本第3制御例では、大当たりに当選することを示すための主継続値が選択された場合に、副継続値が値を選択することを禁止することで、遊技者に対して主継続値の値(「777」、「333」)を報知可能に構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、大当たりに当選することを示すための主継続値に関するコマンドを受信した場合に、表示制御装置114にて専用の選択テーブルを用いて副継続値を選択するように構成し、その専用の選択テーブルを用いて選択された値(副継続値)が「0」の場合にのみ、表示画面上の継続値(HP値)として、「777」、「333」を表示するように構成しても良い。この場合、上述した専用の選択テーブルが取り得る値として、例えば、主継続値が「777」の場合であれば、「23」、「13」を加算する値や、「7」、「17」を減算する値を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、副継続値として「0」以外の値が選択された場合には、継続値(HP値)の下一桁の値を「0」にすることが出来るため、主継続値として「777」が選択されたことを遊技者に把握させ難くすることができ、表示画面上に大当たりに当選することを示すための継続値(HP値)が表示されることの付加価値を高めることができる。
また、第2継続値主選択テーブル222CCでは、第1継続値主選択テーブル222CBとは異なり、選択値として「300」〜「0」を選択可能に構成している。これにより、バトル前演出において表示画面上に表示される継続値(HP値)が「300」よりも少なくなった場合には、間もなくバトルリーチが実行されることを遊技者に予測させることができる。なお、詳細は後述するが、第3継続値主選択テーブル222CD(残回数カウンタ223CBの値が3以下の場合に用いられるテーブル)においても、選択値として「300」〜「0」を、第2継続値主選択テーブル222CCよりも低い選択割合で選択可能に構成している。このように構成することで、さらに、大当たりに対する期待度を高めさせることができる。
なお、図199では現在の継続値や選択値として「1000〜800」のように複数の値をまとめて記載したが、実際には「1000」、「900」、「800」とで独立した内容が規定されているものであり、それぞれに規定されている内容が同一であるため、複数の値をまとめて記載しているものである。
また、第2継続値主選択テーブル222CCでは復活演出が実行される場合に、選択される値として、現在設定されている主継続値の値に関わらず「1000〜800」の値が選択される割合を高く設定している。これは、本第2継続値主選択テーブル222CCは大当たりに当選することを示すための主継続値として「777」、「333」が選択可能に構成されており、継続値(HP値)が復活した後のバトル前演出において、大当たりに当選することを示すための主継続値が選択可能な範囲まで継続値(HP値)を増加させることで、遊技者に対して再度大当たりに当選することを示すため主継続値が選択されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
図197に戻り説明を続ける。第3継続値主選択テーブル222CDは、残回数カウンタ223CBの値が3以下の場合、即ち、変動シナリオに基づいて設定されるバトルリーチが実行されるまでの残変動回数が3回以下の場合におけるバトル前演出の演出態様を選択する際に用いられるテーブルである。次に、図200を参照して、第3継続値主選択テーブル222CDについて説明をする。図200は第3継続値主選択テーブル222CDに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図200に示した通り、第3継続値主選択テーブル222CDは、図199に示した第2継続値主選択テーブル222CCと類似する内容となっており、具体的には、大当たりに当選することを示すための主継続値(「777」、「333」)が選択される割合を「0」にした点と、選択値として「0」が選択される割合を「0」にした点と、全体的に選択値として低い値(「300」〜「0」)が選択される割合を低くした点と、で相違し、それ以外の内容については若干の選択割合の相違がある程度で同様である。
図197に戻り説明を続ける。継続演出モード選択4テーブル222CEは、継続演出におけるバトル前演出の演出態様(演出モード)を選択するためのテーブルである。ここで、図201を参照して、継続演出モード選択4テーブル222CEの内容について説明をする。図201は継続演出モード選択4テーブル222CEに規定されている内容を模式的に示した模式図である。継続演出モード選択4テーブル222CEは、上述した第1制御例の継続演出モード選択テーブル222Eに対し、変動シナリオの上限に到達した場合(確変状態が設定されている状態で特別図柄の変動回数が200回を超えた場合)に専用の演出(モード6)が選択される点で相違する。それ以外の要素については同一であり、その詳細な説明を省略する。
つまり、本第3制御例では、大当たり終了後の特別図柄変動について、変動シナリオを設定し、設定された変動シナリオに規定されている変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。そして、主制御装置110のデータ容量を鑑み、変動シナリオは特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、大当たり確率の分母の数値を5倍した数値分の回数)となる範囲まで設定し、それ以降は次の大当たりに当選するまで特定の変動パターテーブル(テーブルB)を用いて変動パターンが選択されるように構成している(図194参照)。
このように構成された本第3制御例では、特別図柄の変動回数が上述した所定回数を超えた場合に、変動シナリオを用いた継続演出を実行することが困難となるため、特別な演出モードとして「モード6」が選択される。「モード6」が選択された場合には、バトル演出が終了し、外れ用(確変)変動パターンテーブル202D3(テーブルB)に規定されている変動パターン(図108(D)参照)に対応した特定演出が実行される。この特定演出としては、例えば、バトル演出中に決着が付かなかった相手と和解しパーティが行われる演出のように、通常では見ることの出来ない演出が実行される。
なお、本第3制御例では、変動シナリオの上限となる特別図柄の変動回数を「200」、または「400」に設定し、確変状態において大当たりに当選しない期間が長期間となった場合にのみ上述した特定演出を実行し、遊技者に満足感を与えるように構成しているが、それ以外に、例えば、特定の大当たり種別(例えば、小分類「K」)で大当たりに当選した場合に設定される特定変動シナリオのみ変動シナリオの上限となる特別図柄の変動回数を「20」とし、上述した特典演出を容易に見えるようにしても良い。これにより、同一の大当たり遊技が実行される大当たり(例えば大分類「大当たりA」)に対して複数の大当たり種別(小分類「A」〜「K」)を設けた場合に、小分類毎に遊技者に付与する特典(特定演出の実行し易さ)を異ならせることができ、大当たりに当選した後も、当選した大当たり種別に興味を持たせることができる。
次に、図197(B)を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図197(B)は、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第3制御例のRAM223は、第1制御例のRAM223に対して、継続期間カウンタ223Pを削除した点と、変動シナリオ更新エリア223CA、残回数カウンタ223CB、保留内当たりフラグ223CC、継続設定フラグ223CDを追加した点で相違している。なお、本第3制御例では、上述した第1制御例の継続演出に関する別制御例を説明しているため、RAM223に規定されている各要素のうち、継続演出に関与しない要素については、その記載を省略している。
変動シナリオ更新エリア223CAは、主制御装置110に設定される変動シナリオ、及び、その変動シナリオの更新状況を、音声ランプ制御装置113側で把握するために更新管理される領域である。この変動シナリオ更新エリア223CAは、コマンド判定処理4(図205参照)において、主制御装置110に設定される変動シナリオを示すための変動シナリオ関連情報を受信したと判別した場合に(図205:S3271:YES)、変動シナリオ記憶エリア222CAに記憶されている複数の変動シナリオから、受信した変動シナリオ関連情報に対応する変動シナリオが選択され、その選択された変動シナリオが設定され、変動表示設定処理(図147参照)が実行される毎に、変動シナリオの進行状況が更新される。この変動シナリオ更新エリア223CAに設定された変動シナリオの更新状況に基づいて、継続演出設定処理4(図207参照)において、残回数カウンタ223CBの値が設定される。そして、大当たりに当選した場合に、設定された変動シナリオがクリアされる(図示せず)。
残回数カウンタ223CBは、変動シナリオに基づいて次にバトルリーチが実行されるまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、設定された値が0となった場合に、バトルリーチが実行されるように構成されている。この残回数カウンタ223CBは、継続演出設定処理4(図207参照)において、変動シナリオ更新エリア223CAの情報に基づいて次にバトルリーチが実行されるまでの特別図柄の変動回数を算出し、その算出した値が残回数カウンタ223CBの値として設定される(図207のS4052)。
残回数カウンタ223CBに設定された値は、継続演出設定処理4(図207参照)が実行される毎に1減算され(図207のS4057参照)、継続演出としてバトルリーチを実行するかバトル前演出を実行するかを判別する場合に参照される。また、入賞情報コマンド処理(図206参照)において、保留内に当たり入賞があると判別した場合に(図206のS3251:YES)、残回数カウンタ223CBの値が参照され、保留内の当たり入賞に対応する特別図柄変動と、残回数カウンタ223CBの値が0となった場合に実行されるバトルリーチに対応する特別図柄変動と、で先に実行される特別図柄変動が何れであるかを判別する(図206のS3253)。そして、バトルリーチが実行される場合にその値が0に設定(クリア)される(図207のS4060)。
保留内当たりフラグ223CCは、入賞情報格納エリア223Aに、大当たりに当選する入賞情報が存在しているか否かを示すためのフラグであって、オンに設定されている場合に、入賞情報格納エリア223A内に大当たりに当選する入賞情報が存在していることを示している。
この保留内当たりフラグ223CCは入賞情報格納エリア223A内に大当たりに当選する入賞情報が存在している場合に必ずオンに設定されるものでは無く、大当たりに当選する入賞情報に対応する特別図柄変動が、残回数カウンタ223CBの値が「0」となるよりも前に実行されると判別した場合(図206のS3253:YES)に、オンに設定される。継続値設定処理4(図208参照)において、保留内当たりフラグ223CCがオンに設定されているかが判別され(図208のS4151参照)、オンに設定されていると判別した場合に(図208のS4151:YES)、第2継続値主選択テーブル222CCに基づいて継続値の百の位が実行される。
継続設定フラグ223CDは、確変状態において、残回数カウンタ223CBの値が設定されているか否かを判別するためのフラグであって、オンに設定されている場合に残回数カウンタ223CBの値が設定されていることを示すものである。
この継続設定フラグ223CDは、継続演出設定処理4(図207参照)において、設定状況が判別され(図207のS4051参照)、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合に(図207のS4051:NO)、残回数カウンタ223CBの値が設定された後、オンに設定される(図207のS4053)。一方、図207のS4051の処理において、オンに設定されていると判別した場合には(図207のS4051:YES)、残回数カウンタ223CBの値を設定する処理がスキップされる。そして、バトルリーチが実行される場合に、残回数カウンタ223CBの値が0にクリアされる(図207のS4060参照)。
このように構成することで、残回数カウンタ223CBに既に値が設定されている状態において残回数カウンタ223CBの値を再設定してしまうことを防ぐことができる。これにより、残回数カウンタ223CBの値を設定した後は、継続演出設定処理4(図207参照)が実行される毎に、残回数カウンタ223CBの値を1減算する処理(図207のS4057参照)を実行するだけで主制御装置110に設定されている変動シナリオの更新状況と音声ランプ制御装置113が管理する変動シナリオの更新状況とを容易に同期させることができる。
また、入賞情報コマンド処理4(図206参照)にて実行されるS3254の処理において変動シナリオに対応しない値、即ち、大当たりに当選する入賞情報が実行されるまでの特別図柄変動回数を示す値が残回数カウンタ223CBに設定された場合に、その値に基づく減算を確実に実行することができる。
次に、図202を参照して、第3制御例における表示制御装置114の電気的構成の詳細について説明する。図202は、第3制御例における表示制御装置114のMPU221に設けられた電気的構成を模式的に示した模式図である。図202に示した通り、本第3制御例の表示制御装置114は、上述した第1制御例の表示制御装置114に対して、ワークRAM233に継続値格納エリア233CAを追加した点と、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに第1継続値副選択テーブル234A3と、第2継続値副選択テーブル234A4とを追加した点で相違している。
継続値格納エリア233CAは、音声ランプ制御装置113から受信した表示用継続値コマンドに基づいて算出した継続値を格納するための領域であって、継続値関連コマンド処理4(図210参照)において、算出した継続値が格納される(図210のS7305参照)。そして、最終態様コマンド処理(図211参照)において、今回実行される最終態様が勝利バトルではないと判別した場合に(図211のS8305:NO)、格納されている値が参照される(図211のS8306参照)。
第1継続値副選択テーブル234A3および第2継続値副選択テーブル234A4は、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のROM222に設けられる第1継続値副選択テーブル222G1(図117(B)参照)及び第2継続値副選択テーブル222G2(図117(C)参照)と同一内容のテーブルであって、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている第4演出カウンタ223Y4に替えて表示制御装置114のワークRAM233に設けられる演出カウンタ(図示せず)を用いている点で相違している。
<第3制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図203,204を参照して、本第3制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図127参照)に代えて、特別図柄変動処理4(図203参照)を用いた点、変動回数減算処理(図129参照)に代えて、変動回数減算処理4(図204参照)を用いた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図203を参照して、本第3制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理4(S104)について説明をする。図203は特別図柄変動処理4(S104)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理4は上述した第1制御例の特別図柄変動処理(図127参照)に対して、特別図柄の変動時間が経過し(S214:YES)、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合(S216:YES)に実行される処理の内容が一部異なっている点で相違し、その他の要素については同一の処理が実行される。同一の要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理4が実行されると、まず、上述した特別図柄変動処理(図127参照)と同一のS201〜S216の処理が実行される。そして、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S216:YES)、次いで、第1当たり種別選択テーブル202C(図192参照)を参照して選択された大当たり種別に基づいて特定入賞口の開放シナリオを設定する。具体的には、今回実行される大当たりの遊技内容(例えば、15ラウンド)、大当たりが開始されてから1ラウンド目が開始されるまでのオープニング期間、各ラウンド間のインターバル期間、最後のラウンド(例えば、15ラウンド目)が終了してから大当たりが終了するまでのエンディング期間を含めて、今回の大当たりにおいて特定入賞口が開放するシナリオが設定される。
S217の処理を終えると、次に、確変フラグ203G、時短中カウンタ203Hをリセットし(S218)、大当たりの開始を設定し(S219)、大当たり種別に基づく状態コマンドを設定する(S251)。そして、上述した第1制御例と同一のS220の処理を実行して本処理を終了する。一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではない(外れである)と判別した場合も(S216:NO)、上述した第1制御例と同一のS221の処理を実行し、S220の処理を実行し、本処理を終了する。
上述したS251の処理では、少なくとも今回当選した大当たりの大当たり種別を示すための情報が含まれる状態コマンドが設定される。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図136参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その状態コマンドから大当たり種別に関する情報を抽出し、抽出した情報に基づいてROM222の変動シナリオ記憶エリア222CAに記憶されている変動シナリオから対応する変動シナリオを選択し、選択された変動シナリオを、変動シナリオ更新エリア223CAに格納する。
このように構成することで、大当たり遊技が開始されるタイミングでその大当たり終了後にどの変動シナリオを用いて特別図柄の変動パターンが選択されるのかを音声ランプ制御装置113側にて把握することができる。これにより、例えば、大当たりが終了し特別図柄の変動が開始されるタイミングで変動パターンを示す情報コマンドと、今回設定される変動シナリオを示すためのコマンドを同時に出力する場合に比べて、確実に変動シナリオに対応した演出を設定することができる。
また、本第3制御例では、大当たり遊技が開始されるタイミングで設定される状態コマンドに、大当たり終了後に設定される変動シナリオを示すための情報を含めているため、その状態コマンドの内容に対応して大当たり中の演出を設定することもできる。よって、大当たり中に実行される演出によって遊技者に対して大当たり終了後に設定される変動シナリオを示唆することができるため、遊技者に対して大当たり中に実行される演出に興味を持たせることができる。
次に、図204を参照して、本第3制御例にて実行される変動回数減算処理4の内容について説明をする。図204は、変動回数減算処理4の内容を模式的に示したフローチャートである。変動回数減算処理4は、上述した第1制御例の変動回数減算処理(図129参照)に対して、変動シナリオ更新エリア223CAに格納された変動シナリオを更新するための処理(S451,S452)が追加された点で相違し、その他は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図204に示した通り、変動回数減算処理4が実行されると、上述した第1制御例の変動回数減算処理(図129参照)と同一のS3709の処理401〜S411の処理を実行する。次いで、変動シナリオ更新エリア223CAに変動シナリオが格納されているかを判別し(S451)、変動シナリオを格納していると判別した場合は(S451:YES)、格納されている変動シナリオを更新し(S452)、本処理を終了する。一方、S451の処理において、変動シナリオを格納していないと判別した場合は(S451:NO)、S452の処理を実行すること無く、本処理を終了する。
ここで、S452の処理において実行される変動シナリオの更新内容について、詳細に説明をする。まず、変動回数減算処理4(S204参照)は、特別図柄変動処理(S203参照)のサブルーチンとして実行されるものである。これにより、特別図柄の変動が開始されると判別した場合に確実に変動シナリオを更新することができる。
<第3制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図205〜図208を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図140参照)に代えて、コマンド判定処理4(S205)を用いた点、入賞情報コマンド処理(S141参照)に代えて、入賞情報コマンド処理4(図203参照)を用いた点、変動回数減算処理(図129参照)に代えて、変動回数減算処理4(図204参照)を用いた点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図205の処理が実行されると、上述した第1制御例と同一のS3201〜S3214の処理が実行される。そして、S3214の処理を終えると、次に、受信した状態コマンドに変動シナリオを設定するための関連情報が含まれているかを判別し(S3271)、変動シナリオを設定するための関連情報が含まれていると判別した場合は(S3271:YES)、受信した状態コマンドに含まれる変動シナリオ関連情報に対応する変動シナリオを変動シナリオ記憶エリア222CAから選択し、変動シナリオ更新エリア223CAに格納する(S3272)。そして、表示用状態コマンドを設定し(S3215)、本処理を終了する。一方、S3271の処理において、変動シナリオを設定するための関連情報が含まれていないと判別した場合は(S3271:NO)、S3272の処理をスキップして、S3215の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図206を参照して、入賞情報コマンド処理4について説明をする。図206は入賞情報コマンド処理4の内容を示したフローチャートである。
入賞情報コマンド処理4が実行されると、まず、受信した入賞コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリアに格納し(S3231)、今回受信した入賞コマンドに大当たりに対応する情報が含まれているか(当たり入賞であるか)を判別する(S3251)。S3251の処理において、当たり入賞であると判別した場合は(S3251:YES)、入賞情報格納エリアの今回受信した入賞情報が格納された箇所に基づいて、今回受信した入賞情報に対応する特別図柄変動が実行される順番を算出する(S3252)。
そして、残回数カウンタ223CBの値が、S3252の処理にて算出された変動順よりも大きいかを判別し(S3253)、残回数カウンタ223CBの値のほうが大きいと判別した場合は(S3253:YES)、残回数カウンタ223CBに設定されている値即ち、設定されている変動シナリオの内容に基づいてバトルリーチが実行されるまでの残回数(特別図柄変動回数)を示す値を、大当たりに当選したことに基づいてバトルリーチが実行されるまでの残回数に対応する値に可変設定する(S3254)。
これにより、実際にバトルリーチが実行されるまでの期間を柔軟に設定、判別することができるため、バトル演出中において、バトルリーチが実行されるまでの間継続して実行されるバトル前演出の内容(継続値の増減内容)を次回バトルリーチが実行されるまでの残期間に基づいて設定することができる。よって、演出効果を高めることができる。
S3254の処理を終えると、保留内当たりフラグ223CCをオンに設定し(S3255)、その他先読み処理を実行し(S3256)、本処理を終了する。一方で、S3251の処理において、今回受信した入賞コマンドが当たり入賞ではないと判別した場合には(S3251:NO)、S3252〜S3255の処理をスキップし、S3256の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図207を参照して、本第3制御例における継続演出設定処理4の内容を説明する。図207は、継続演出設定処理4の内容を示したフローチャートである。この継続演出設定処理4(図207のS3806)は、継続演出中に実行される複数の演出の演出態様を設定するためのものである。継続演出設定処理4が実行されると、まず、継続設定フラグ223CDがオンに設定されているかを判別する(S4051)。継続設定フラグ223CDがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4051:YES)、次に、変動シナリオ更新エリア223CAに格納されている情報に基づいて残回数カウンタ223CBの値を設定する(S4052)。
ここで、S4052の処理について説明をする。変動シナリオ更新エリア223CAには、主制御装置110が設定する変動シナリオに対応した(同期した)変動シナリオが格納されている。そして、次にテーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるまでの特別図柄の変動回数を算出し、その算出した回数を残回数カウンタ223CBにセットする。これにより、残回数カウンタ223CBの値が変動シナリオに基づいて次にバトルリーチが実行されるまでの特別図柄の変動回数を示すことになる。
本第3制御例では、この残回数カウンタ223CBの値を判別し、その判別結果に基づいて継続値を設定する際のテーブルを可変させるように構成している。これにより、次回のバトルリーチが実行されるまでの期間(特別図柄の変動回数)に対応して設定される継続値を異ならせることができる。よって、当分バトルリーチが実行されない状況(残回数カウンタ223CBの値が大きい状況)であるにも関わらず、継続値が大きく減少してしまうといった事態が発生することを抑制することができる。
また、バトルリーチが間もなく実行される状況(残回数カウンタ223CBの値が小さい状況)では、バトルリーチにて勝利バトルが実行されることを遊技者に期待させるために継続値を大きく減少させることができる。
さらに、本第3制御例では、変動シナリオに規定されている情報(変動パターン情報)に基づいてバトルリーチが実行される特別図柄変動までの特別図柄の変動回数を予め判別するように構成しているため、特別図柄の保留球数や保留記憶された入賞情報の内容に関わらずバトルリーチが実行される特別図柄の変動を判別することができる。よって、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。
なお、詳細は後述するが、保留記憶された変動パターンの中に、変動シナリオを用いて予め判別されるバトルリーチ(引き分けバトル)が実行されるよりも前に実行される特別図柄変動において、変動時間が60秒で特別図柄の抽選結果が外れの変動パターン(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル(テーブルC)において変動種別カウンタCS1の値「198」を取得した場合に選択される変動パターン)や、特別図柄の抽選結果が大当たりであって、且つ、その特別図柄変動が実行されるまでに所定回数(2回)以上の特別図柄が実行されると判別した場合には、その特別図柄が変動されるまでの特別図柄変動回数に対応した値が残回数カウンタ223CBの値に設定される。これにより、変動シナリオに基づくこと無くバトルリーチが実行される場合、即ち、特別図柄の抽選結果に基づいてバトルリーチが実行される場合でも、そのバトルリーチまでに実行される特別図柄変動において(バトル前演出において)、適切に継続値を増減させることができる。
図207に戻り説明を続ける。S4052の処理を終えると、次に、継続設定フラグ223CDをオンに設定する(S4053)。上述したように、継続設定フラグ223CDがオンに設定されている間は、S4051の判別処理によって、S4052の処理が実行されないように構成している。これにより、既に残回数カウンタ223CBに値がセットされている状態において、残回数カウンタ223CBの値が再度設定されてしまうことを禁止している。よって、変動シナリオに基づかない残回数カウンタ223CBの値(特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、その大当たりとなる特別図柄変動に対応させて設定した残回数カウンタ223CBの値)が設定されている場合であっても、その値を継続して維持することができる。
S4053の処理を終えると、次いで、今回の変動(特別図柄変動)が大当たりに対応する当たり変動であるかを判別し(S4054)、当たり変動であると判別した場合は(S4054:YES)、バトル演出の最終態様であるバトルリーチの演出態様を設定するために後述するS4013の処理へ移行する。一方、当たり変動ではない(外れ変動である)と判別した場合は(S4054:NO)、次に、残回数カウンタ223CBの値が0であるかを判別する(S4055)。
ここで、残回数カウンタ223CBの値が0であると判別した場合(S4055:YES)、即ち、今回の特別図柄変動が、変動シナリオに基づいてバトルリーチが実行される特別図柄変動(テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動)である場合は、後述するS4013の処理へ移行し、残回数カウンタ223CBの値が0ではない(1以上である)と判別した場合(S4055:NO)は、次に今回の変動パターンが、変動時間が60秒の変動パターンであるかを判別する(S4056)。
S4056の処理では、第1外れ用(確変)変動パターンテーブル(テーブルC)を用いて変動時間が60秒の変動パターン(長外れA)が選択されたかが判別され、変動時間が60秒の変動パターンであると判別した場合は(S4056:YES)、後述するS4013の処理へ移行する。一方、60秒の変動パターン(長外れA)ではないと判別した場合は(S4056:NO)、S4057の処理へ移行する。
つまり、上述したS4054〜S4056の判別処理では、今回の特別図柄変動に対応して設定する変動演出(第3図柄表示装置81に表示する演出)として、バトル前演出を設定するのか、バトルリーチを設定するのかが判別されており、S4054では、特別図柄抽選において大当たりに当選しているか否かを判別し、S4055では、特別図柄の変動シナリオに基づいてバトルリーチが設定されるか否かを判別し、S4056では、特別図柄の抽選において、外れに当選しているが特定の抽選結果であるか否かを判別している。
今回の特別図柄変動に対応して実行する変動演出がバトル前演出である場合には、残回数カウンタ223CBの値を1減算し(S4057)、次に、上述した第1制御例と同様にS4004〜S4008の処理を実行し、その後、継続値設定処理2を実行し(S4058)、本処理を終了する。この継続値設定処理2(S4058)の内容については、図208を参照して後述する。
一方、今回の特別図柄変動に対応して実行する変動演出がバトルリーチである場合(S4054,S4055,S4056の何れかにおいてYESの判別をした場合)には、最終態様選択テーブル222Hに基づいて最終態様を選択し(S4013)、対応する表示用最終態様コマンドを設定し(S4014)、継続演出フラグ223R、継続設定フラグ223CD、保留内当たりフラグ223CCをオフに設定し(S4059)、残回数カウンタ223CBの値を0に設定し(S4060)、継続演出モード格納エリア223Mに格納されている内容をクリアし(S3709の処理4016)、本処理を終了する。
次に、継続演出設定処理4(図207のS3806参照)において実行される継続値設定処理4(S4058)について図208を参照して説明する。図208は継続値設定処理4(S4058)の内容を示したフローチャートである。この継続値設定処理4(S4058)では、残回数カウンタ223CBの値および保留内当たりフラグ223CCの設定状況に応じて継続値を選択するための選択テーブルを決定する処理が実行される。このように、バトル前演出の演出態様として設定される継続値の選択範囲を、遊技状況に応じて異ならせることで、第3図柄表示装置81に表示される継続値(HP値)に対して遊技者に興味を持たせることができる。
継続値設定処理4が実行されると、まず、今回の変動が継続値変動タイミングであるかを判別する。本第3制御例では第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2(テーブルC)において、変動時間が5秒である短外れBが選択された場合に、継続値変動タイミングであると判別される。なお、本第3制御例では特別図柄の変動パターンとして、継続値変動タイミングであると判別される変動パターン(短外れB)と、継続値変動タイミングではないと判別される変動パターン(短外れA)と、を設けているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113に継続値を変動させるか否かを抽選する抽選手段を設け、同一の変動パターンに対して継続値を変動させる場合とさせない場合とを設定可能に構成してもよい。また、遊技者が枠ボタン22(操作手段)に対して所定の操作を行ったことが判別された場合に、継続値変動タイミングであると判別するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して遊技に意欲的に参加させることができる。
S4101の処理において、継続値変更タイミングであると判別した場合は(S4101:YES)、今回の変動演出において継続値を増減(可変)させる演出態様を設定するための処理を実行するためにS4151の処理へ移行する。一方、継続値変更タイミングではないと判別した場合は(S4101:NO)、そのまま本処理を終了する。
S4151の処理では、保留内当たりフラグ223CCがオンに設定されているかを判別する(S4151)。ここで、保留内当たりフラグ223CCがオンに設定されていると判別した場合は(S4151:YES)、即ち、大当たりに当選する特別図柄に対応する入賞情報が保留内に存在する場合は、第2継続値主選択テーブル222CCに基づいて主継続値の値(HPの百の位)を選択し(S4157)、選択された主継続値の値が特定の値(「333」或いは「777」)であるかを判別する(S4158)。
S4158の処理において、選択された主継続値の値が特定の値であると判別した場合は(S4158:YES)、その選択した値をそのまま第3図柄表示装置81に表示するために、表示制御装置114にて演出用の継続値(副継続値)が加算されない表示用特定継続値コマンドを設定し(S4159)、本処理を終了する。なお、図206を用いて上述した通り、特別図柄の保留内に大当たりに当選する特別図柄が存在する場合であっても、対応する特別図柄の変動が実行されるまでに、変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される場合は保留内当たりフラグ223CCがオンに設定されないため、第2継続値主選択テーブル222CCを用いた主継続値の選択がされることがない。これにより、変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行された直後にバトルリーチ(勝利又は敗北バトル)を実行することができる。よって、遊技者に意外性のある演出を実行することができる。
上述したように、本第3制御例では、保留内に存在する大当たりに当選した特別図柄と、変動シナリオに基づいてバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される特別図柄との変動順に基づいて、具体的には、先に実行される特別図柄変動に対応した内容で主継続値の値が選択されるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、保留内に存在する大当たりの種別を事前に判別し、その判別結果が所定の判別結果(例えば、勝利バトルが実行される確変大当たりに対応する判別結果)である場合と、所定の判別結果(例えば、敗北バトルが実行される通常当たりに対応する判別結果)である場合と、で主継続値の値を選択する選択テーブルを異ならせても良い。
具体的には、例えば、保留内に存在する確変大当たりに対応する特別図柄の変動よりも変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される特別図柄の変動のほうが先に実行される場合は、確変大当たりに対応する特別図柄の変動が実行されるまでの変動回数を残回数カウンタ223CBの値に新たに設定し、保留内に存在する通常当たりに対応する特別図柄の変動よりも変動シナリオに基づいたバトルリーチ(引き分けバトル)が実行される特別図柄の変動のほうが先に実行される場合は、既に設定されている残回数カウンタ223CBの値を変更しないように構成する。このように、実行される大当たりの種別(確変大当たり、或いは通常大当たり)に基づいて、当該バトルリーチが実行されるまでの間に選択され得る主継続値の値を異ならせることで、バトル前演出の演出態様によって大当たりの種別を予測させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
また、引き分けバトルとなるバトルリーチにおいて最終的に表示された継続値をそのまま引き継いで次のバトル演出の演出態様を設定するように構成してもよい。これにより、複数回繰り返して実行されるバトル演出に対して関連性を持たせることができ、遊技者に対して長期間に渡って実行される演出に興味を持たせることができる。
一方、S4151の処理において、保留内当たりフラグ223CCがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4151:NO)、次に、残回数カウンタ223CBの値が4以上であるかを判別し(S4152)、4以上であると判別した場合は(S4152:YES)、第1継続値主選択テーブル222CBに基づいて主継続値の値(HPの百の位)を選択し(S4153)、S4154の処理へ移行する。
また、S4152の処理において、残回数カウンタ223CBの値が4以上ではない(3以下である)と判別した場合は(S4152:NO)、第3継続値主選択テーブル222CDに基づいて主継続値の値(HPの百の位)を選択し(S4156)、S4154の処理へ移行し、今回選択された主継続値の値に対応する表示用継続値コマンドを設定し(S4154)、S4155の処理へ移行する。
S4155の処理では、上述したS4153,S4156,S4159の処理において選択された主継続値の値を継続値格納エリア223Nに格納する。これにより、次に継続値を設定するタイミングにおいて、今回選択された主継続値の値を読み出して新たな継続値を選択することができる。S4155の処理を終えると、本処理を終了する。
<第3制御例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図209〜図211を参照して、本第3制御例における表示制御装置114内のMPU231により実行される制御処理を説明する。本制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図158参照)に代えて、コマンド判定処理4(図209参照)を用いた点、継続値関連コマンド処理(図164参照)に代えて、継続値関連コマンド処理4(図210参照)を用いた点、最終態様コマンド処理(図211参照)を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、継続演出中(バトル前演出、バトルリーチ)に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)の値を表示制御装置114にて設定するように構成している点で相違している。このように、表示制御装置114にて表示画面に表示される継続値(HP値)の値を設定することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。なお、上述したように、特別図柄の抽選結果や、変動シナリオに基づいて設定される主継続値は音声ランプ制御装置113にて設定し、その設定した主継続値を示すためのコマンドを表示制御装置114に対して出力するように構成しているため、表示制御装置114に対して必要以上の情報(例えば、特別図柄の抽選結果を示すための情報や、変動シナリオの更新状況を示すための情報)を示すためのコマンドを出力する必要が無い。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理(継続値を設定するための処理、表示制御装置114へ出力するコマンドを設定するための処理)の負荷を軽減することができる。
まず、図209を参照して、コマンド判定処理4の内容について説明をする。図209はコマンド判定処理4の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理4では、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図158参照)に対して、継続値関連コマンドがある場合に実行される処理と、表示用最終態様コマンドがあるか否かを判別する処理を追加した点で相違する。
コマンド判定処理4が実行されると、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図158参照)と同一のS6401〜S6414の処理を実行し、S6414の処理において、継続値関連コマンドがあると判別した場合(S6414:YES)は、継続値関連コマンド処理4を実行し(S6451)、S6401の処理へ移行する。S6451の処理において実行される継続値関連コマンド処理4については、図210を参照してその詳細な説明を後述する。
一方、S6414の処理において継続値関連コマンドが無いと判別した場合は(S6414:NO)、次に表示用最終態様コマンドがあるかを判別し(S6452)、表示用最終態様コマンドがあると判別した場合は(S6452:YES)、表示用最終態様コマンド処理を実行し(S6453)、その後、S6401へ移行する。
S6453の処理において実行される表示用最終態様コマンド処理については、図211を参照してその詳細な説明を後述する。一方、S6452の処理において表示用最終態様コマンドが無いと判別した場合は(S6452:NO)、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図158参照)と同一のS6420の処理を実行した後に、S3709の処理6401へ移行する。
次に、図210を参照して、上述したコマンド判定処理4(図209参照)において実行される継続値関連コマンド処理4(S6451)の内容について説明をする。図210は継続値関連コマンド処理4の内容を示したフローチャートである。この継続値関連コマンド処理4では、継続演出が実行されている間に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)を設定し、表示するための処理と、継続演出中に実行される演出を表示するための処理とが実行される。
継続値関連コマンド処理4が実行されると、まず、今回受信したコマンドに表示用特定継続値コマンドがあるかを判別する(S7351)。この表示用特定継続値コマンドは、音声ランプ制御装置113において実行される継続値設定処理4(図208のS4058参照)において、主継続値として大当たりに当選することを示すための特定値(「333」、「777」)が選択された場合に出力されるものである。詳細な説明は後述するが、本処理において、表示用特定継続値コマンドがあると判別した場合には、音声ランプ制御装置113から出力された主継続値がそのまま表示画面に表示されるように構成している。これにより、主継続値として大当たりに当選することを示すための特定値(「333」、「777」)が選択された場合に、表示制御装置114にて副継続値を設定し、主継続値と副継続値とを合算された継続値を表示画面に表示してしまい、大当たりに当選することを示すための特定値(「333」、「777」)を遊技者に報知できない事態を防ぐことができる。
S7351の処理において、表示用特定継続値コマンドがないと判別した場合は(S7351:NO)、即ち、表示用継続値コマンドを受信した場合は、今回受信したコマンドに対応する継続値(主継続値)を算出し(S7352)、算出した継続値(主継続値)が0であるかを判別する(S7353)。S7353の処理において、継続値(主継続値)が0ではない(100以上である)と判別した場合は、第1継続値副選択テーブル234A3に基づいて副継続値を選択し、S7356の処理へ移行する。なお、第1継続値副選択テーブル234A3に規定されている各副継続値については、上述した第1制御例の第1継続値副選択テーブル222G1(図117(B)参照)と同一であるため、その説明を省略する。
一方、S7353の処理において、継続値(主継続値)が0であると判別した場合は(S7353:YES)、第2継続値副選択テーブル234A4に基づいて副継続値を選択し、S7356の処理へ移行する。なお、第2継続値副選択テーブル234A4に規定されている各副継続値については、上述した第1制御例の第2継続値副選択テーブル222G2(図117(C)参照)と同一であるため、その説明を省略する。
そして、S7356の処理において、受信したコマンドに対応する継続値(主継続値)と、S7354、或いはS7355の処理により選択された副継続値とを合算する(S7356)。上述したように、受信したコマンドに対応する継続値(主継続値)が0である場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)が0よりも大きい値となり得ない(即ち、副継続値として正の値を選択し得ない)副継続値が規定されている第2継続値副選択テーブル234A4を用いるように構成しているため、音声ランプ制御装置113にて選択された継続値(主継続値)の示す内容(相手の継続値(HP値)を「0」にし、今回のバトル演出にて確変大当たりに当選することを示す内容)に対して、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される継続値(HP値)が矛盾してしまう(「0」以外の値が表示されてしまう)事態を抑制することができる。
S7356の処理を終えると、次に、合算値格納エリア233Kに格納されている合算値を読み出し(S7357)、S7356の処理にて算出した合算値と、S7357の処理にて読み出した合算値との差分を算出する(S7358)。そして、算出した差分に対応した攻撃パターン表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7359)、今回算出した合算値を、合算値格納エリア233Kに格納し(S7360)、S7365の処理へ移行する。
一方、S7351の処理において、表示用特定継続値コマンドがあると判別した場合は(S7351:YES)、次に、合算値格納エリア233Kから合算値を読み出し(S7361)、S7352の処理において算出した継続値と、S7361の処理において読み出した合算値との差分を算出し(S7362)、算出した差分に対応した攻撃パターン表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定し(S7359)、今回算出した継続値を、合算値格納エリア233Kに格納し(S7360)、S7365の処理へ移行する。
上述したS7360の処理、或いは、S7364の処理を終えると、次いで、S7352の処理で算出した継続値を継続値格納エリア233CAに格納し(S7365)、その後、上述した第1制御例の継続値関連コマンド処理(図164参照)と、同一のS7306〜S7309の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図211を参照して、上述したコマンド判定処理4(図209参照)において実行される最終態様コマンド処理(S6453)の内容について説明をする。図211は最終態様コマンド処理の内容を示したフローチャートである。この最終態様コマンド処理では、継続演出(バトル演出)の結果を示すためのバトルリーチの演出態様(継続値(HP値)の表示態様)を設定する処理と、設定された演出態様を表示画面に表示するための処理と、が実行される。
最終態様コマンド処理(S6453)が実行されると、まず、受信したコマンドに対応した最終態様データテーブルを決定する(S8301)。受信したコマンドには、音声ランプ制御装置113において実行される継続演出設定処理(図149のS3806参照)において最終態様選択テーブル222H(図118(A)参照)に基づいて選択された最終態様を示すための情報が含まれており、その情報に対応する最終態様データテーブルをキャラクタROM234から読み出して決定する。
次に、合算値格納エリア233Kに格納されている合算値、即ち、現在表示画面に表示されている継続値(HP値)を読み出し(S8302)、S8301の処理において決定した最終態様データテーブルの初期値データとして設定する(S8303)。このように、予め定められたパターン数のバトルリーチの演出態様(攻撃パターンの態様)に対応する演出データに対して、様々な値を設定可能な継続値(HP値)に関するデータを追加で設定可能に構成することで、バトルリーチの演出態様に関するデータ量を削減することができる。
S8303の処理を終えると、次いで、受信したコマンドに含まれる最終結果情報を読み出し(S3709の処理8304)、読み出した最終結果が勝利を示す情報であるかを判別する(S8305)。ここで、受信したコマンドに含まれる最終結果情報として、最終態様選択テーブル222H(図118(A)参照)に基づいて選択された最終態様を示すための情報を用いて、最終結果を判別するようにしても良いし、バトルの最終結果を示すための専用の情報を含めて表示用最終態様コマンド処理を実行するようにしても良い。
S8305の処理において、最終結果が勝利ではない(敗北、或いは引き分けである)と判別した場合は(S8305:NO)、継続値格納エリア233CAに格納されている継続値と、合算値格納エリアに格納されている合算値との差分を算出し(S8306)、決定した最終態様データテーブルの演出データのうち、1回目の自身の攻撃演出データの減算値を、算出した差分を加算した減算値に変更し(S8307)、S8308の処理へ移行する。
ここで、上述したS8306,S8307の処理内容について説明をする。本第3制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される継続値(HP値)を、音声ランプ制御装置113にて特別図柄の抽選結果に基づいて設定される主継続値と、表示制御装置114にて演出用に設定される副継続値とを合算することで作成するように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させながら、表示画面に表示される継続値(HP値)のバリエーションを増加させることができ、演出効果を高めることができる。しかしながら、継続演出(バトル演出)の結果を表示するバトルリーチにおいては、表示画面に表示される継続値(HP値)が限りなく「0」に近くなる状況が発生する場合がある。
このような場合において、例えば、音声ランプ制御装置113では特別図柄の抽選結果に基づいて相手の継続値(HP値)が「0」にならない主継続値が設定されたとしても、表示制御装置114にて設定される演出用の副継続値によって、表示画面に表示される相手の継続値(HP値)が「0」になってしまう虞があった。つまり、表示される継続値(HP値)が大きい間は、音声ランプ制御装置113にて設定、管理される主継続値と、表示画面上に表示される継続値(HP値)とに誤差があったとしても、演出面での悪影響は無く、寧ろ演出のバリエーションを増加させるという好影響を与えるものであるのに対して、表示される継続値(HP値)が小さくなると、音声ランプ制御装置113にて設定、管理される主継続値と、表示画面上に表示される継続値(HP値)との誤差が演出結果に矛盾を生じさせてしまい、遊技者に不信感を与える演出を実行してしまう虞があるという問題があった。
そこで、本第3制御例では、継続演出(バトル演出)の最終態様(バトルリーチ)の演出態様を設定する際に、今回の継続演出(バトル演出)の最終結果を判別し、その判別結果が勝利以外の場合、即ち、相手の継続値(HP値)が「0」にならない場合において、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差をバトルリーチ中の攻撃演出によって解消するようにしている。
これにより、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差を残したまま継続演出(バトル演出)の結果が表示されることにより発生する上述した問題を抑制することができる。なお、本第3制御例では、継続演出(バトル演出)の最終態様(バトルリーチ)として設定される1回目の自身の攻撃パターンにおいて、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差を解消するように構成しているため、残りの自身の攻撃パターン(例えば、2回目や3回目)の演出態様を共通化することができる。
また、今回選択されている最終態様(バトルリーチ)の演出態様として、自身の攻撃パターンが0回の演出態様が設定された場合は、バトルリーチ中に相手の継続値が減少することが無い演出態様であるため、主継続値と表示画面に表示されている継続値(HP値)との誤差を解消しなくても、表示画面上に表示される継続値(HP値)との誤差が演出結果に矛盾を生じさせてしまうという問題が発生することが無いため、S8307の処理において、攻撃演出データの変更処理が実行されないように構成している。
一方、S8305の処理において、最終結果が勝利であると判別した場合は(S8305:YES)、S8306及びS8307の処理をスキップして、S8308の処理へ移行する。
S8038の処理では、S8301の処理において決定した最終態様データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bのカウントダウン演出用テーブル格納エリア(図示せず)から読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S8308)。次いで、S8308の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S8309)。
そして、S8309の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された最終態様データテーブルに含まれる攻撃パターン表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S8310)、ポインタ233Fを0に初期化する(S8311)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S8312)、最終態様コマンド処理を終了し、本処理を終了する。
<第3制御例の別制御例について>
次に、図212〜図214を参照して、上述した第3制御例の別制御例について説明をする。上述した第3制御例では、大当たり種別に基づいて変動シナリオを設定し、設定された変動シナリオに基づいて変動パターンを選択することで、継続演出が実行されている期間中に、バトル前演出と、バトルリーチとを、効果的に実行することができるように構成していた。また、予め定められた変動シナリオに沿って実行される継続演出に対して遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制するために、変動シナリオを複数用意しておき、大当たり種別に対応して異なる変動シナリオを選択するように構成していた。
このように構成された第3制御例は、継続演出の演出効果を高めることができる構成ではあったが、複数の変動シナリオを記憶する記憶容量と、複数の変動シナリオに対応させて設定される複数の大当たり種別を記憶する記憶容量が増加してしまうという問題があった。特に、主制御装置110は、限られた記憶容量の中で遊技に関する様々な処理や、データの記憶をする必要があることから、記憶容量が増加することにより、他の処理やデータ記憶量を圧迫してしまい、結果として、遊技の興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して、本第3制御例の別制御例では、変動シナリオの数を削減したとしても、バリエーション豊富な継続演出を提供可能にするために、上述した第3制御例と同様に大当たり種別に対応して設定される変動シナリオに加え、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、所定期間(例えば、特別図柄変動10回転分)の間、異なる変動シナリオを用いた変動パターンの選択が行われるように構成した。
このように構成することで、1の変動シナリオが設定されている場合であっても、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となるタイミングによって、実行される継続演出の内容を異ならせることができる。また、複数の変動シナリオの組み合わせによって継続演出中の演出態様が設定されるため、記憶される変動シナリオの数を減らしたとしても、バリエーション豊富な継続演出を実行することができる。
<第3制御例の別制御例における電気的構成について>
ここで、図212〜図214を参照して、本別制御例における電気的構成について説明をする。本別制御例は、上述した第3制御例に対して、主制御装置110のROM202の内容を一部変更した点と、主制御装置110のRAM203の内容を一部変更した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図212(A)は、本第3制御例の別制御例における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図212(A)に示した通り、本別制御例では、上述した第3制御例に対して、小当たり種別選択テーブル202DAを追加した点と、第1当たり乱数テーブル202Aの内容を一部変更した点と、変動シナリオ設定テーブル202CAの内容を一部変更した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本別制御例における第1当たり乱数テーブル202Aは、特別図柄の抽選結果として外れであった場合の一部に「小当たり」と判別する範囲を設けている。この本別制御例における第1当たり乱数テーブル202Aについて、図213(A)を参照して説明をする。図213(A)は、本別制御例における第1当たり乱数テーブル202Aに規定されている内容を示した模式図である。
図213(A)に示した通り、上述した第3制御例では、抽選結果として遊技状態が確変状態の場合に「外れ」が規定されていた第1当たり乱数カウンタ値C1の範囲(「5〜299」)の一部である「295〜299」の範囲に対して「小当たり」が規定されている。特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選した場合には、上述した大当たりよりは少ないが遊技者に有利となる特典が付与されるように構成している。
具体的には、特定入賞口65Aに球が入球し得るように可変入賞装置65が短期間だけ開放動作される制御が実行される。なお、上述したように、「小当たり」は特別図柄の抽選結果が大当たりではない場合に選択され得るものであることから、「小当たり」に当選した場合に、パチンコ機10に設定される遊技状態が設定されることを無くすことができる。
次に、小当たり種別選択テーブル202DAの内容について図213(B)を参照して説明をする。図213(B)は、小当たり種別選択テーブル202DAの内容を示したものである。図213(B)に示した通り、本第3制御例の別制御例では、小当たり種別が複数から設定されるものである。具体的には、「0」〜「99」の合計で100個のカウンタ値のうち、何れかの値を取得し得る小当たり種別カウンタ値C5の取得値が「0〜49」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されており、「50〜99」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。
そして、「小当たりA」に当選した場合には、特定の変動パターンを実行するための変動シナリオが追加設定され、「小当たりB」に当選した場合には、特定の変動パターンを実行するための変動シナリオが追加設定されないように構成している。
次に、図214(A)及び図214(B)を参照して、本別制御例における変動シナリオ設定テーブル202CAの内容を説明する。図214(A)は、変動シナリオ設定テーブル202CAに記憶されている変動シナリオA1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図214(B)は、変動シナリオ設定テーブル202CAに記憶されている小当たり後変動シナリオに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
本別制御例における変動シナリオ設定テーブル202CAには、上述した2つの変動シナリオのみが記憶されており、特別図柄の抽選において確変大当たりに当選した場合には、その大当たり終了後に変動シナリオA1が設定され、変動シナリオ格納エリア203CAに格納されるように構成している。また、確変状態中に実行される特別図柄2の抽選において小当たりに当選した場合には、小当たり後変動シナリオが設定され、変動シナリオ格納エリア203CAに格納されるように構成している。そして、小当たり終了後に、小当たり後変動シナリオに規定されている特別図柄変動回数分、小当たり後変動シナリオに規定された内容に基づいて特別図柄の変動パターンが選択されるように構成している。
なお、詳細な説明は省略するが、本別制御例においても、上述した第3制御例と同様に変動回数減算処理4(図204参照)が実行され、特別図柄変動が実行される毎に(特別図柄変動処理4(図203参照)において、特別図柄の変動時間が経過したと判別される毎に)、変動シナリオ格納エリア203CAに設定されている変動シナリオが更新されるように構成されている。
変動シナリオ格納エリア203CAは、変動シナリオA1と小当たり後変動シナリオとが共に格納可能に構成されており、確変状態中に小当たりに当選した場合には、両方の変動シナリオが変動回数減算処理4(図204参照)により更新される。よって、確変状態中における小当たり当選回数に関わらず、変動シナリオA1を更新することができ、大当たり終了後からの特別図柄変動回数が200回に到達した場合に、テーブルBを設定することができる。
図214(A)に示した通り、変動シナリオA1は、変動回数が「1〜4」の範囲に、上述したテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜13」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が規定され、変動回数が「14」にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定される。
以後、変動回数が「195」に到達するまで、変動回数9回分にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が対応付けて規定され、変動回数1回分にテーブルD(第2外れ(確変)変動パターンテーブル202DC3)が対応付けて規定される。つまり、大当たり終了後の特別図柄の変動回数が「5〜195」の期間は、テーブルCを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動を9回実行した後に、テーブルDを用いて変動パターンが選択される特別図柄変動が実行されるシナリオが繰り返し実行される。
そして、変動回数が「195〜198」の範囲にテーブルC(第1外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC2)が規定され、変動回数が「199」にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定される。そして、変動回数が「200〜」の範囲には、上述した第3制御例と同様にテーブルBが対応付けて規定される。
図214(B)に示した通り、小当たり後変動シナリオは、変動回数が「1〜9」の範囲に、上述したテーブルA(特殊(確変)変動パターンテーブル202DC4)が対応付けて規定され、変動回数が「5〜13」の範囲にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定され、変動回数が「10」にテーブルD(第2外れ用(確変)変動パターンテーブル202DC3)が規定される。そして、変動回数が10回を超えた場合に変動シナリオが終了するように構成している。なお、小当たり後変動シナリオが終了した場合は、同時に変動シナリオが更新されている変動シナリオA1に規定されている内容に沿って引き続き特別図柄の変動パターンが選択される。
以上説明をしたように、本第3制御例の別制御例では、特別図柄の抽選結果として小当たりに当選した場合に、所定期間(例えば、特別図柄10変動分)の間、異なる変動シナリオが設定されるように構成したため、小当たりに当選するタイミングに応じて、特別図柄の変動パターンを選択する際に用いられる変動パターンテーブルを異ならせることができる。よって、上述した第3制御例のように複数の変動シナリオを予め用意しなくても、様々なパターンの継続演出を提供することができる。
また、小当たりに当選した場合に用いられる変動シナリオの最後には、バトルリーチが実行される(され易い)変動パターンテーブル(テーブルD)が規定されているため、小当たりに当選したことにより、バトルリーチが長期間実行されなくなるという事態が発生することを防ぐことができる。
なお、本別制御例では、確変大当たり終了後に設定される変動シナリオとして1つの変動シナリオ(変動シナリオA1)を有する構成を用いたが、上述した第3制御例のように複数の変動シナリオを有する構成を用いても良い。このように構成することで、より多くのパターンの継続演出を提供することができる。加えて、本別制御例では、小当たりに当選した場合に、異なる変動シナリオを設定する小当たり種別(小当たりA)と、異なる変動シナリオを設定しない小当たり種別(小当たりB)とが同一の割合(50%)となるように構成しているが、を有しているが、各小当たり種別の振り分け割合は適宜設定すれば良く、小当たりに当選する確率、変動シナリオA1においてバトルリーチが実行される(され易い)変動パターンテーブル(テーブルD)が規定される間隔、小当たり当選時に提供される特典(賞球)の内容に基づいて設定すれば良い。
また、本別制御例では、特別図柄の大当たりに当選した場合と、小当たりに当選した場合とで、同一の可変入賞装置(可変入賞装置65)が開放される構成を用いているが、パチンコ機10に小当たり当選時にのみ開放される第2可変入賞装置を設けても良い。この場合、第2可変入賞装置が開放されたことを、可変入賞装置65が開放されたことよりも把握され難く構成すると良い、このように構成することで、継続演出中に小当たりに当選したことを遊技者に把握され難くすることができるため、多様なパターンの継続演出を違和感無く遊技者に提供することができる。加えて、この場合、小当たりに当選したことを示すための第3図柄の表示も遊技者に把握され難い表示態様、例えば、第3図柄停止タイミングにおいて、第3図柄を縮小表示したり、第3図柄表示装置81の主表示領域DMにて第3図柄よりも目立つ賑やかし演出を表示したりすると良い。
本別制御例では、特別図柄2のみ小当たりに当選するように第1当たり乱数テーブル202Aを構成しているが、特別図柄1も小当たりに当選するように構成しても良い。この場合、特別図柄1と特別図柄2とで、小当たりに当選する確率を異ならせても良い。
以上説明をした第3制御例の別制御例では、特別図柄の抽選結果に基づいて予め定められた変動シナリオ(変動シナリオA1)とは異なる変動シナリオ(小当たり後変動シナリオ)を設定する条件として、特別図柄が小当たりに当選した場合を示しているが、それ以外の条件が成立した場合に、異なる変動シナリオを設定するように構成しても良く、例えば、上述した第2制御例にて用いた転落抽選に当選した場合に異なる変動シナリオを設定するように構成しても良い。
<第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例について>
次に、図215及び図216を参照して、上述した第1制御例で説明をした示唆演出(図100参照)の別制御例について説明をする。上述した第1制御例では、示唆演出の実行タイミングと終了タイミングとを別々に設定し、示唆演出が実行される期間が調整可能となるように構成している。具体的には、示唆演出の対象となる特定演出の実行タイミングに基づいて示唆演出の終了タイミング(後半パートであるカウントダウン演出の終了タイミング)を設定し、示唆演出の開始タイミング(前半パートである前兆演出の開始タイミング)を複数の地点から設定可能に構成し、実行される期間を予め設定することなく示唆演出を実行することで、示唆演出を設定する際の自由度を高めるように構成した。上述した第1制御例の示唆演出では、示唆演出の対象となる特定演出が実行されるタイミングを複数のタイミングから設定し、その示唆演出の実行タイミングに基づいて示唆演出の終了タイミング(カウントダウン演出の終了タイミング)を設定し、示唆演出の実行期間を設定することで、様々な組み合わせの示唆演出を実行することができるものであった。
これに対し、本別制御例では、示唆演出の終了タイミングを設定しない状態で示唆演出を実行し、その示唆演出が実行されている期間中に成立する所定条件(枠ボタン22への操作内容)に基づいて、示唆演出の対象となる特定演出を決定し、決定された特定演出に向けてカウントダウン演出を実行するように構成している。このように構成することで、示唆演出実行中における遊技者の枠ボタン22への操作内容によって示唆演出の演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して意欲的に遊技に参加させることができる。
まず、図215を参照して、本別制御例における示唆演出の流れについて説明をする。図215は、示唆演出実行中の枠ボタン22への操作内容によって示唆演出の演出態様を可変させる場合の演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第1制御例における示唆演出の流れを示すタイミングチャート(図100参照)と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図215に示した通り、示唆演出を実行可能な特別図柄の変動が開始されると、変動開始から10秒後に示唆演出の前半パートである前兆表示(図98(A)参照)が13秒間実行される。この前兆表示がされている表示期間のうち後半の8秒間に対して枠ボタン22への押下操作を有効に判別するボタン操作有効期間が設定されており、このボタン操作有効期間中における枠ボタン22への操作内容によって、示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出の演出態様(表示態様、表示期間)が決定される。
具体的には、ボタン操作有効期間中は第3図柄表示装置81の表示画面に、「ボタンをタイミング良く押せ」というコメントが表示され、その表示に対して遊技者が枠ボタン22を操作した操作タイミングを操作タイミング判別手段により判別する。操作タイミング判別手段は枠ボタン22に対する遊技者の操作タイミングを複数段階に判別可能に構成されており、最もタイミング良く(例えば、指定のタイミングから前後に0.2秒の範囲で)枠ボタン22が操作(以下、ボタン操作Bと称す)されたと場合と、ボタン操作Bよりも指定のタイミングからずれた範囲(例えば、指定のタイミングから前後に1秒の範囲のうち、ボタン操作Bの範囲を除いた範囲)で枠ボタン22が操作(以下、ボタン操作Aと称す)されたと場合と、それ以外のタイミングでの枠ボタン22の操作、或いは枠ボタン22が操作されなかった(以下、ボタン操作なしと称す)場合と、に少なくとも判別することができる。
ここで、操作タイミング判別手段により、ボタン操作Aと判別された場合、即ち、ボタン操作有効期間中にボタン操作を行ったものの、操作タイミングが若干ずれていた場合は、今回の変動演出中に実行される特定演出のうち、特定演出B(変動開始から26秒後に実行されるカットイン表示)を対象としたカウントダウン演出が設定される。具体的には、カウントダウン演出として3秒間のカウントダウン表示が実行される(図98(B)の表示画面の第2表示領域に表示される値が「3」、「2」、「1」、「0」の順にカウントダウンする演出が実行される)。そして、そのカウントダウン演出にて表示される数値が「0」となるタイミングで特定演出Bであるカットイン表示が表示される。
次に、操作タイミング判別手段により、ボタン操作Bと判別された場合、即ち、ボタン操作有効期間中にタイミング良くボタン操作された場合は、今回の変動演出中に実行される特定演出のうち、特定演出A(変動開始から30秒後に実行されるPUSH表示(図99参照))を対象としたカウントダウン演出が設定される。具体的には、カウントダウン演出として7秒間のカウントダウン表示が実行される。そして、そのカウントダウン演出にて表示される数値が「0」となるタイミングで特定演出AであるPUSH表示が表示される。
また、操作タイミング判別手段により、ボタン操作なしと判別された場合、即ち、ボタン操作有効期間中にボタン操作をしなかった、或いは、大きくずれたタイミングでボタン操作された場合は、カウントダウン演出を実行することなく、前兆演出が終了したタイミングで示唆演出が終了する(ガセ示唆演出)。
以上説明をしたように、本別制御例は、上述した第1制御例と同様に示唆演出の実行タイミングと終了タイミングとを異なるタイミング(条件)で設定するものであり、さらに、示唆演出のうち、前半パートである前兆演出実行期間中に成立する所定条件(枠ボタン22への操作内容の判別結果)に基づいて実行中の示唆演出の対象となる特定演出を決定し、示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出の演出態様(表示態様、表示期間)を設定するように構成している。これにより、遊技者に対して意欲的に遊技に参加させることができる。
また、本別制御例では、複数のタイミングで実行される特定演出(特定演出A、特定演出B)が実行されるタイミングが遅いほど、今回の特別図柄変動が大当たりに当選している期待度が高くなるように構成されている。よって、ボタン操作有効期間中にタイミング良くボタン操作を行ったほうが、大当たり期待度の高い特定演出を対象にカウントダウン演出が実行されるため、遊技者を安心させることができる。
つまり、図215では、特定演出Aおよび特定演出Bが実行される変動パターンを例に示しているが、本パチンコ機10に設定される複数の変動パターンの中には、特定演出Bのみが実行される外れ変動パターンも存在していることから、図215に示した変動パターンにおいて、ボタン操作Aを行った場合には、示唆演出の対象が特定演出Bになってしまい、遊技者に対して、今回の変動パターンが特定演出A、特定演出Bが共に実行される変動パターンであるか否かを予め報知することができず、遊技者に不安感を持たせたまま演出が進行することになる。
しかしながら、ボタン操作有効期間中にタイミング良く枠ボタン22を操作した場合には、特定演出Aを対象としたカウントダウン演出が実行されるため、遊技者に不安感を与えることなく、安心して遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作する遊技に参加させることができる。
なお、本別制御例では、1つの変動パターンとして特定演出Aおよび特定演出Bが実行される変動パターンにおいて、示唆演出の対象となる特定演出を、示唆演出が実行されてから成立する所定条件(枠ボタン22の操作内容)に基づいて決定するように構成しているが、示唆演出の対象とならなかった特定演出を表示しないように構成しても良い。また、1つの変動パターンとして特定演出Aのみが実行される変動パターンにおいて、示唆演出の対象となる特定演出Aが実行されるタイミングを、示唆演出が実行されてから成立する所定条件に基づいて決定するように構成しても良い。このように構成することで、枠ボタン22をタイミング良く操作できなかった場合に、タイミング良く操作できた場合に実行される示唆演出の内容を予測させ難くすることができるため、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
以上説明をした別制御例では、示唆演出が開始されてからの枠ボタン22の操作内容として、示唆演出の前半パートである前兆演出中に枠ボタン22をタイミング良く操作させるための操作演出を実行し、その操作演出中に枠ボタン22が操作されたタイミングに基づいて示唆演出の対象となる特定演出を決定し、決定された特定演出に対応するカウントダウン演出の演出態様を設定するように構成している。
この場合、操作演出として、第3図柄表示装置の表示画面に、操作演出の内容を示す表示態様として「タイミング良くボタンを押せ」という文字を表示し、操作演出の指定タイミングを示すための指標表示態様と、時間経過に伴って移動する移動表示態様とを表示し、移動表示態様が指標表示態様と重複したタイミングが最もタイミングが良いことを遊技者に示すように表示すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易く操作演出の内容を報知することができる。
また、操作演出に対する枠ボタン22の操作結果として、実際に枠ボタン22を操作したタイミングで移動表示態様を停止表示させ、指標表示態様との誤差を遊技者が視認できるように表示すると共に、その誤差範囲が許容範囲内であるか否か(ボタン操作Aに該当するか、ボタン操作Bに該当するか)を報知するための「エクセレント」や「グッド」の文字を表示すると良い。これにより、遊技者に対して操作演出の結果を分かり易く報知することができる。
以上説明をした例によれば、枠ボタン22の操作内容に基づいて示唆演出の演出態様を可変させるために、枠ボタン22の操作タイミングと、予め指定された指定タイミングとの誤差を判別する構成を示したが、予め定められた指定条件と、実際の操作内容とに基づいて示唆演出の演出態様を可変出来ればそれ以外の構成を用いても良く、例えば、操作演出が実行される期間内に枠ボタン22を操作(押下)した回数を判別し、その判別結果に基づいて示唆演出の演出態様を可変させるように構成しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段として、枠ボタン22以外の操作手段を設け、複数の操作手段のうち特定の操作手段を操作したか否かを判別し、その判別結果に基づいて示唆演出の演出態様を可変させるように構成しても良い。
図215に示した別制御例では、ボタン操作有効期間中の枠ボタン22に対する操作内容に基づいて示唆演出の演出態様(示唆演出の後半パートであるカウントダウン演出の演出態様)を設定するように構成しているが、同様の効果を奏するために、ボタン操作有効期間中における押下操作が実行されたタイミングに基づいて示唆演出の演出態様を設定するように構成しても良い。ここで、図216を参照して、詳細に説明をする。
図216(A)は、示唆演出実行中の枠ボタン22への操作タイミング(押下タイミング)によって示唆演出の演出態様を可変させる場合の演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第1制御例および別制御例における示唆演出の流れを示すタイミングチャート(図100或いは図215参照)と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図216に示した通り、本別制御例では、示唆演出の前半パートである前兆演出期間中に設定されるボタン操作有効期間(8秒)が前半(2秒)、後半(6秒)に判別可能に区分けされている。ここで、ボタン操作有効期間中における枠ボタン22の操作タイミング(押下タイミング)に基づいて設定される示唆演出の演出態様について、図216(B)〜(D)を参照して説明をする。
図216(B)は、ボタン操作有効期間のうち前半(2秒)の期間内に枠ボタン22を操作(押下)した場合における示唆演出の演出態様を示したタイミングチャートであり、図216(C)は、ボタン操作有効期間のうち後半(6秒)の期間内に枠ボタン22を操作(押下)した場合における示唆演出の演出態様を示したタイミングチャートであり、図216(D)は、ボタン操作有効期間中に枠ボタン22を操作(押下)しなかった場合における示唆演出の演出態様を示したタイミングチャートである。
まず、図216(B)に示した通り、ボタン操作有効期間のうち前半(2秒)の期間内に枠ボタン22が操作(押下)されたと判別した場合は、示唆演出の対象を特定演出Aとし、ボタン操作有効期間のうち前半(2秒)が経過してから1秒後までを前兆期間(8秒)に設定し、ボタン操作有効期間のうち、後半(6秒)が開始されてから1秒後から特定演出Aが開始されるタイミングまでのカウントダウン演出の実行期間(12秒)として設定する。
このように、ボタン操作有効期間(8秒)に規定されている前半(2秒)、後半(6秒)の切替タイミングに対して、前半(2秒)の間に枠ボタン22を操作した場合に示唆演出の演出態様を切り替える(前兆演出からカウントダウン演出に切り替える)タイミングを1秒遅らせるように構成することで、前半(2秒)の終了間際に枠ボタン22を操作したと判別された場合であっても、演出を切り替えるまでの期間(1秒)を用いて円滑に演出を切り替える処理を実行することができる。
なお、この場合は、予め設定したボタン操作有効期間(8秒)のうち、後半(6秒)の期間に対して枠ボタン22の操作を無効とするボタン操作有効期間変更処理を実行する。これにより、予めボタン操作有効期間が設定されていた期間中にカウントダウン演出が実行したとしても、その最中の枠ボタン22への操作を無効にすることができる。
次に、図216(C)に示した通り、ボタン操作有効期間のうち後半(6秒)の期間内に枠ボタン22が操作(押下)されたと判別した場合は、示唆演出の対象を特定演出Bとし、ボタン操作有効期間が終了するタイミングから特定演出Bが開始されるタイミングまでのカウントダウン演出の実行期間(3秒)として設定する。そして、ボタン操作有効期間中に枠ボタン22への操作が無かった場合は、図216(D)に示した通り、示唆演出の対象となる特定演出を設定することなく、ボタン操作有効期間中に前兆演出(13秒)が実行され、その後、カウントダウン演出をすることなく示唆演出を終了する(ガセ示唆演出)。
以上、図216を参照して説明をしたように、ボタン操作有効期間中における枠ボタン22への操作タイミングに基づいて示唆演出の対象となる特定演出を設定するように構成したとしても、上述した図215と同様の効果を奏することができる。
なお、図216を参照して説明をした例では、ボタン操作有効期間(8秒)を、2つの期間(前半、後半)に区分けし、区分けされたそれぞれの期間に対して異なる時間(前半(2秒)、後半(6秒))を設定するように構成しているが、ボタン操作有効期間中における枠ボタン22への操作タイミングを識別可能に構成されていれば良く、例えば、ボタン操作有効期間を2以上の期間に区分け(例えば、3つに区分け)しても良いし、区分けされた期間に対して同一の時間を設定しても良い。また、ボタン操作有効期間(8秒)を、2つの期間(例えば、期間A(1秒)、期間B(1秒))に区分けし、期間Aと期間Bとを交互に設定するように構成しても良い。これにより、枠ボタン22に対してボタン操作を行ったタイミングが少しずれるだけで異なる示唆演出が実行されることとなり、演出効果を高めることができる。
以上、図215および図216を用いて説明をした第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例では、示唆演出実行中に成立する所定条件として、枠ボタン22に対する遊技者の操作態様(操作の有無、操作内容、操作タイミング)を設定しているが、それ以外の条件を設定しても良く、例えば、示唆演出実行中に発生した入賞(第1入球口64、第2入球口140への球の入球や、一般入賞口63への球の入球、スルーゲート67への球の入球(通過))情報の発生タイミングや、発生内容を所定条件として設定しても良い。これにより、特別図柄の変動中に遊技者が球の発射を停止してしまうという事態が発生することを抑制することができる。
また、図215および図216を用いて説明をした第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例では、1回の特別図柄変動中に示唆演出が完結する例を示しているが、例えば、上述した第1制御例の図101に示した通り、複数の特別図柄変動を跨いで示唆演出を実行するように構成しても良い。
<第1制御例で説明をした示唆演出の別制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図217〜図219を参照して、本別制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本別制御例では、上述した第1制御例に対して、カウントダウン演出設定処理(図152参照)に代えて、カウントダウン演出設定処理5(図217参照)を設けた点、枠ボタン入力監視・演出処理5(図218参照)を設けた点で相違する。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図217を参照して、カウントダウン演出設定処理5の内容について説明をする。図217はカウントダウン演出設定処理5の内容を示したフローチャートである。カウントダウン演出設定処理5が実行されると、まず、今回の変動パターンが当たりであるかを判別し(S4303)、当たりであると判別した場合は(S4303:YES)、変動開始から26秒後に特定演出B(カットイン)を、30秒後に特定演出A(PUSH)を設定し(S4371)、S4373の処理へ移行する。
一方、S4303の処理において、今回の変動パターンが当たりではないと判別した場合は(S4303:NO)、変動開始から26秒後に特定演出B(カットイン)を設定し(S4372)、S4373の処理へ移行する。
S4373の処理では、変動開始から15秒〜23秒の期間にボタン操作有効期間を設定し(S4373)、今回の変動パターンに対応する前兆演出を設定し(S4374)、表示用前兆演出コマンドを設定し(S4375)、本処理を終了する。
次に、図218を参照して枠ボタン入力監視・演出処理5の内容について説明をする。図218は、枠ボタン入力監視・演出処理5の内容を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理5が実行されると、まず、枠ボタン22の押下を検出したかを判別し(S5051)、検出していないと判別した場合は(S5051:NO)、本処理を終了する。一方、検出したと判別した場合は(S5051:YES)、現在が第1前兆演出の有効期間中であるかを判別し(S5081)、第1前兆演出の有効期間中であると判別した場合は(S5081:YES)、第1前兆演出中における枠ボタン操作関連の処理(S5082〜S5088)を実行し、第1前兆演出の有効期間中ではないと判別した場合は(S5081:NO)、第2前兆演出中の有効期間中であるかを判別し(S5089)、第2前兆演出の有効期間中であると判別した場合は(S5089:YES)、第2前兆演出中における枠ボタン操作関連の処理が実行される第2前兆演出設定処理を実行する(S5090)。一方、第2前兆演出中の有効期間中では無いと判別した場合は(S5089:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、第1前兆演出中における枠ボタン操作関連の処理(S5082〜S5088)について説明をする。まず、枠ボタン22を操作したタイミングと、前兆演出に設定された指定タイミングとの誤差を算出し(S5082)、その誤差が0.1秒以内であるかを判別する(S5083)。誤差が0.1秒以内である場合は(S5083:YES)、特定演出Aを演出対象に設定し(S5084)、変動開始から23秒〜30秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5085)、設定した態様に対応する表示用カウントダウン演出コマンドを設定し(S5077)、本処理を終了する。
一方、誤差が0.1秒以内では無いと判別した場合は(S5083:NO)、次に、誤差が0.5秒以内であるかを判別し(S5086)、0.5秒以内であると判別した場合は(S5086:YES)、特定演出Bを演出態様に設定し(S5087)、変動開始から23秒〜26秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5088)、上述したS5077の処理へ移行し、本処理を終了する。S5086の処理において、0.5秒以内ではないと判別した場合は(S5086:NO)、そのまま上述したS5077の処理へ移行し、本処理を終了する。
次に、枠ボタン入力監視・演出処理5(図218参照)において実行される第2前兆演出設定処理について図219を参照して説明をする。図219は第2前兆演出設定処理の内容を示したフローチャートである。第2前兆演出設定処理が実行されると、まず、現在が前半期間であるか、即ち、枠ボタン22が操作された期間が前半期間であるかを判別する(S5091)。S5091の処理において、前半期間であると判別した場合は(S5091:YES)、特定演出Aを演出対象に設定し(S5092)、前兆演出期間を8秒に設定し(S5093)、変動開始から18秒〜30秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5094)、本処理を終了する。
一方、前半期間ではないと判別した場合は(S5091:NO)、次に、現在が後半期間であるか、即ち、枠ボタン22が操作された期間が後半期間であるかを判別し(S5095)、後半期間であると判別した場合は(S5095:YES)、特定演出Bを演出対象に設定し(S5096)、前兆演出期間を13秒に設定し(S5097)、変動開始から23秒〜26秒までの期間をカウントダウン演出期間に設定し(S5098)、本処理を終了する。一方、S5095の処理において後半期間ではないと判別した場合は(S5095:NO)、前兆演出期間を13秒に設定し(S5099)、本処理を終了する。
<第1制御例で説明をした延長表示における音声ランプ制御装置113の制御処理の別例について>
次に、図220を参照して、大当たり終了後に設定される延長表示処理(大当たりのエンディング表示を大当たり終了後の特別図柄変動期間中も延長して表示する処理)の別例について説明をする。上述した第1制御例では、延長表示が実行されてから特別図柄の変動回数が所定回数(4回)に実行された場合、或いは、延長表示が実行されてから所定期間(4秒)が経過した場合に延長表示の終了条件が成立したと判別する構成を用いており、特別図柄の変動回数に基づく終了条件よりも先に、経過期間に基づく終了条件が成立した場合には、第3図柄表示装置81にてデモ表示を行い、短期間(0.5秒)の変動時間が設定される特別図柄変動が終了するまでデモ表示を継続するように構成していた。
これに対し、本別例では、特別図柄の変動回数に基づく終了条件よりも先に、経過期間に基づく終了条件が成立し、延長表示が終了した後に、短期間(0.5秒)の変動時間が設定される特別図柄変動が実行される場合において、短期間(0.5秒)の変動時間が設定される特別図柄変動の残り変動回数に基づいて変動演出を設定するように構成している。
具体的には、実際の特別図柄変動期間(0.5秒)よりも長い期間の変動演出が実行される特定期間演出が設定され、例えば、特別図柄の残り変動回数が2回(今回の変動を含む)の場合は、2秒の変動演出が設定され、特別図柄の残り変動回数が3回(今回の変動を含む)の場合は、3秒の変動演出が設定され、特別図柄の残り変動回数が4回(今回の変動を含む)の場合は、4秒の変動演出が設定される。
そして、特定期間演出である変動演出が実行されている間に次の特別図柄変動が実行される場合には、既に実行されている変動演出の残期間が新たに実行される変動演出の演出期間となるように変動演出が書き換えられるように設定される。
このように構成することにより、大当たり終了後に延長表示を実行し、大当たり終了後の所定期間(特別図柄変動4回、或いは、4秒間)の間に実行された特別図柄変動が大当たりに当選した場合に対して、違和感無く大当たり中の演出を継続させるために、大当たり終了後の所定回数分の特別図柄変動に対して短期間(0.5秒)の変動時間を設定した場合において、大当たり終了後の所定期間(4秒間)内に所定回数(4回)の特別図柄変動が実行されなかったとしても、遊技者に違和感を与えること無く特別図柄変動に対応する変動演出を実行することができる。
ここで、本別例における音声ランプ制御装置113の制御処理について、上述した第1制御例と相違する点について、図220を参照して説明をする。本別例では、上述した第1制御例に対して変動表示設定処理(図147参照)の内容を一部変更した点で相違し、その他の処理は同一である。同一の要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図220は本別例における変動表示設定処理6の内容を示したフローチャートである。変動表示設定処理6が実行されると、まず、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3801〜S3804の処理を実行する。S3803の処理において表示延長フラグ223Iがオンではない(オフである)と判別した場合は(S3803:NO)、次に、変動回数カウンタ223Jの値が1以上であるかを判別する(S3871)。つまり、大当たり終了後に延長表示が実行されてから特別図柄が所定回数(4回)変動するまでの間に、所定期間(4秒)が経過している状態であるかを判別する。
S3871の処理において、変動回数カウンタ223Jの値が1以上では無い(0である)と判別した場合は、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3811〜S3817の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S3871の処理において、変動回数カウンタ223Jの値が1以上であると判別した場合は(S3871:YES)、次に、変動回数カウンタ223Jの値に対応する特定期間演出を決定し(S3872)、表示用特定期間演出コマンドを設定し(S3873)、変動回数カウンタ223Jの値を1減算し(S3874)、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図147参照)と同一のS3812〜S3817の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本別例では、大当たり終了後に延長表示が実行されてから特別図柄が所定回数(4回)変動するまでの間に、所定期間(4秒)が経過した状態において、特別図柄変動が開始される場合には、残りの特別図柄変動回数(変動回数カウンタの値)に対応する特定期間演出を実行するように構成しているため、大当たり終了後の所定期間(4秒間)内に所定回数(4回)の特別図柄変動が実行されなかったとしても、遊技者に違和感を与えること無く特別図柄変動に対応する変動演出を実行することができる。
なお、上述した別例の構成を用いる場合には、延長表示を実行する期間(特別図柄変動回数)を、特別図柄2の保留上限数(4個)よりも多くしても良く、例えば、延長表示の終了条件の1つである経過期間(4秒)が経過するまでに実行し得る最大数の特別図柄変動回数(例えば、0.5秒変動を8回)を延長表示の終了条件に設定しても良い。これにより、大当たり中の演出を継続させる機会を増加させることができ、演出効果を高めることができる。
また、詳細な説明は省略するが、大当たり終了後に延長表示が実行されてから特別図柄が所定回数(4回)変動するまでの間に、所定期間(4秒)が経過した状態において、実行される特別図柄変動で大当たりに当選した場合は、0.5秒変動の特別図柄変動が実行された後に、大当たり遊技が開始されるが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、0.5秒の特別図柄変動期間に加え、大当たり遊技のオープニング期間を用いた変動演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、0.5秒以上の期間を用いて変動演出を実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第1制御例で説明をした期待度示唆演出の別制御例について>
次に、図221〜図225を参照して、上述した第1制御例の期待度示唆演出の別制御例について説明をする。本別制御例では、上述した第1制御例と同様に、1回の変動演出にて表示される期待度表示態様である期待度1表示DK1〜期待度3表示DK3がそれぞれ表示され得る演出期間と、各期待度表示態様が変動演出中に可変される可変量を合算した期待度上昇態様DK4を表示可能な期間と、を1つの変動演出中に設定し(図221参照)、各演出期間に対して枠ボタン22の操作を有効にする操作有効期間を設定可能に構成している。
さらに、変動演出を設定する際に、3つの期待度表示態様を表示しない演出態様が選択された場合において、期待度上昇態様DK4により獲得したポイントを用いて、保留図柄の表示態様を可変可能に構成している。このように構成することで、期待度上昇態様DK4により獲得したポイントを実行中の特別図柄変動に対応する抽選結果以外の遊技結果に対して用いることが可能となるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
次に、図221〜図223を参照して、本別制御例における演出内容について説明をする。図221は、本別制御例における期待度示唆演出の流れを示すタイミングチャートである。なお、上述した第1制御例の期待度示唆演出と同一の要素については、その説明を省略する。
図221に示した通り、期待度示唆演出が行われる変動演出が実行されると、変動開始から15秒経過した時点から10秒間、今回の変動演出における期待度上昇態様DK4を報知するための期待度可変示唆演出が実行される(図102(B)参照)。そして、図221(B)に示すタイミングにおいては、図222(A)に示す表示画面が表示される。ここで、図222(A)を参照して、期待度示唆演出中に表示される表示内容について説明をする。
図222(A)は、期待度上昇態様DK4が報知されてから期待度上昇演出が実行されるまでの期間における表示例を模式的に示した図である。図222(A)に示した通り、期待度上昇態様DK4として獲得した値(本図では「3UP」)が、第2副表示領域DS2に表示される。図221に戻り説明を続ける。その後、変動開始から33秒が経過した時点で5秒間の第1操作有効期間が設定される期待度上昇演出が実行される(図221(C)。この状態においては、図222(B)に示した表示画面が表示される。
そして、第1操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22を操作すると、図223(A)に示したように、期待度1表示DK1の表示態様が可変されると共に、期待度上昇態様DK4の値が減算表示される。このように各操作有効期間中に枠ボタン22を操作することで、対応する期待度表示の表示態様を可変させることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることが可能となる。また、図221に示した通り、期待度1表示は、複数の操作有効期間に跨がって表示されるものであることから、どの操作有効期間において枠ボタン22を操作した場合であっても、その表示態様が可変する可能性がある。これにより第1操作有効期間中に枠ボタン22を操作した場合に、期待度1表示DK1の表示態様が可変しなかった場合や、可変量が少なかった場合、即ち、変動演出の途中段階(第1操作有効期間中)に、遊技者が早期に大当たりへの期待を無くしてしまうことを抑制することができる。
次に、図224及び図225を参照して、本期待度示唆演出の別制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。図224は、期待度演出設定処理7の内容を示したフローチャートである。期待度演出設定処理7が実行されると、まず、上述した第1制御例と同様に期待度選択テーブル222Iに基づいて期待度を選択する(S4251)。そして、選択された期待度に基づいて期待度上昇態様DK4にて付与するポイントを設定し(S4252)、期待度に基づいて第1期間、第2期間、第3期間のそれぞれにおいて実行される演出態様を設定する(S4253)。
S4253の処理を終えると、各期間(第1期間、第2期間、第3期間)において演出態様が設定されていない期間(空き期間)があるかを判別し(S4254)、演出態様が設定されていない期間(空き期間)がある場合は(S4254:YES)、次いで、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に当たりを示す入賞情報があるかを判別する(S4255)。ここで、当たりを示す入賞情報があると判別した場合は(S4255:YES)、演出態様が設定されていない期間(空き期間)に、保留図柄を可変させるための保留図柄可変演出態様を設定し(S4256)、S4257の処理へ移行する。一方、S4254の処理において、演出態様が設定されていない期間がない場合(S4254:NO)、或いはS4255の処理において、当たりを示す入賞情報がないと判別した場合は(S4255:NO)、そのままS4257の処理へ移行する。
S4257の処理では、演出態様が設定された各期間に対して、枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間(第1操作有効期間、第2操作有効期間、第3操作有効期間)を設定し(S4257)、表示用期待度演出コマンドを設定し(S4258)、本処理を終了する。
以上説明をしたように、期待度演出設定処理7(S3808)では、期待度選択テーブル222Iに基づいて選択された期待度を用いて、今回の変動演出にて用いる付与ポイントと、その付与ポイントを用いた演出態様とを設定するように構成している。そして、付与ポイントを用いた演出態様は、今回実行される変動演出の変動パターンに対応付けて規定されている複数の期間(第1期間〜第3期間)のそれぞれに、選択された設定の有無(演出態様を設定するか否か)、及び、演出態様の内容(設定する期待度表示態様の種別、表示態様)に基づいた演出態様で設定される。
このように構成することで、どの期間(第1期間〜第3期間)に、どの演出態様が実行されるのかを遊技者が把握することを困難にすることができる。また、期待度可変示唆演出期間中に期待度上昇態様DK4として獲得した値を用いて表示態様を可変可能な期待度表示態様が表示される数も不定となるため、期待度上昇態様DK4として獲得した値が少ない場合(例えば、2UP)であっても、実行される期待度表示態様の表示数が少なければ、その期待度表示態様に対して期待度上昇態様DK4として獲得した値を使用することができるため、期待度可変示唆演出期間中の演出結果によって遊技者の遊技意欲を低下させてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本期待度示唆演出の別制御例では、図221に示した通り、期待度可変示唆演出期間が変動演出の序盤に1回実行される構成を用いているが、これに限ること無く、変動演出の中盤(例えば、第2操作有効期間(図221(D)参照)と、第3操作有効期間(図221(E)参照)との間)に設けても良い。このように構成することで、期待度可変示唆演出中に期待度上昇態様DK4として獲得した値を用いた演出の対象となる期間を減少させることができるため、期待度上昇態様DK4として大きな値(例えば3)を獲得した際に、大当たりへの期待度をより高めることができる。また、1回の変動演出中に期待度可変示唆演出を複数回(例えば、2回)実行するように構成しても良い。
さらに、本期待度示唆演出の別制御例では、操作有効期間が設定可能な複数の期間に対して、付与ポイントを用いた演出態様が設定されていない場合に、追加演出として保留図柄の表示態様を可変させる演出を追加する構成を用いているが、それ以外の内容を追加演出として用いても良く、例えば、遊技者が収集している値(例えば、上述した第1制御例の別例にて説明をした蓄積値(図176(C)参照)を加算するための演出や、現在の遊技状態を示唆するための演出を追加するように構成しても良い。
また、操作有効期間が設定可能な複数の期間の全てに対して、付与ポイントを用いた演出態様が設定されている場合であっても、遊技者が実行される演出を選択可能な演出選択手段(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に実行される演出を選択するための選択画面を表示し、遊技者が操作可能な操作手段により実行される演出を選択する手段)の選択結果に基づいて、実行される演出を可変させても良い。
図224を参照して説明をした期待演出設定処理7では、期待度可変示唆演出期間が変動演出の固定期間(図221に示す変動開始から15秒〜25秒の期間)に規定された表示用期待度演出コマンドが設定されるように構成しているが、それ以外の構成として、例えば、期待度選択テーブル222Iを参照して選択された期待度を判別する判別手段の判別結果に基づいて、期待度可変示唆演出を実行する期間を複数の期間(例えば、図221に示す変動開始から15秒〜25秒の期間、図221に示す第1期間よりも後の期間(変動開始から40秒〜50秒の期間))のうち、何れかの期間を設定する期待度可変示唆演出期間設定手段を設けても良い。これにより、期待度可変示唆演出が実行されるタイミングを複数設定することができ、演出効果を高めることができる。
また、期待度選択テーブル222Iを参照して選択された期待度以外の要素に基づいて上述した期待度可変示唆演出期間設定手段により期待度可変示唆演出が実行される期間を設定するように構成しても良く、例えば、遊技者が操作手段を操作した操作内容に基づいて期待度可変示唆演出が実行される期間を設定するようにしても良いし、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に含まれている情報に基づいて期待度可変示唆演出が実行される期間を設定するように構成しても良い。
次に、図225を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理7について説明をする。図225は、枠ボタン入力監視・演出処理7の内容を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理7が実行されると、まず、枠ボタン22の操作(押下)を検出したかを判別し(S5051)、検出した場合は(S5051:YES)、次いで保留可変演出設定期間中であるかを判別し(S5901)、保留可変演出設定期間中であると判別した場合は(S5901:YES)、保留図柄を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5902)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
一方、S5901の処理において、保留可変演出設定期間中ではないと判別した場合は(S5901:NO)、第1操作有効期間であるかを判別し(S5904)、第1操作有効期間であると判別した場合は(S5904:YES)、第1期待度表示(期待度1表示)DK1を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5905)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
S5904の処理において、第1操作有効期間ではないと判別した場合は(S5904:NO)、第2操作有効期間であるかを判別し(S5906)、第2操作有効期間であると判別した場合は(S5906:YES)、第2期待度表示(期待度2表示)DK2を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5907)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
S5906の処理において、第2操作有効期間ではないと判別した場合は(S5906:NO)、第3操作有効期間であるかを判別し(S5908)、第3操作有効期間であると判別した場合は(S5908:YES)、第3期待度表示(期待度3表示)DK3を可変させるための表示用可変コマンドを設定し(S5909)、減算後の付与ポイントを示す表示用コマンドを設定し(S5903)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本別制御例では、上述した第1制御例と同様に、1回の変動演出にて表示される期待度表示態様である期待度1表示DK1〜期待度3表示DK3がそれぞれ表示され得る演出期間と、各期待度表示態様が変動演出中に可変される可変量を合算した期待度上昇態様DK4を表示可能な期間と、を1つの変動演出中に設定し(図221参照)、各演出期間に対して枠ボタン22の操作を有効にする操作有効期間を設定可能に構成している。
さらに、変動演出を設定する際に、3つの期待度表示態様を表示しない演出態様が選択された場合において、期待度上昇態様DK4により獲得したポイントを用いて、保留図柄の表示態様を可変可能に構成している。このように構成することで、期待度上昇態様DK4により獲得したポイントを実行中の特別図柄変動に対応する抽選結果以外の遊技結果に対して用いることが可能となるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。
なお、本別制御例にて付与される付与ポイントは全ての操作有効期間において枠ボタン22を操作した場合に、全て使用可能となるよう設定し、枠ボタン22を操作しなかった分が変動終了時の残るように構成し、変動終了時の残った付与ポイントに対して、上述した称号付与演出の付与内容を可変させるようにしても良い。
<第A1実施形態>
以下、本発明の第A1実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、上記した各実施例、制御例で説明と同一の構成についても再度便宜上説明する。まず、図226から図296を参照し、第A1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図226は、第A1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図227は第A1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図228は第A1実施形態におけるパチンコ機10の後面図である。
図226に示すように、第A1実施形態におけるパチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図226参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図227参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112A(図229参照)やその球発射ユニット112Aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図226参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14Cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図226参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112A(図229参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図227参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14Cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図226参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図227参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14Cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112Aの駆動を許可するためのタッチセンサ51Aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51Bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51Aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51Aおよび発射停止スイッチ51Bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図227に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図226参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14C(図226参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図227を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図226参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112A(図229参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図227の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図227の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図227の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図229参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
第1入賞口64は、可変表示ユニット80の下方に配置されている。可変表示ユニット80が遊技盤13上の遊技領域を左右に区画するように配置されており、可変表示ユニット80の左側を遊技球が流下可能な左側流路と、可変表示ユニット80の右側を遊技球が流下可能な右側流路とが形成されている。左側流路を流下した遊技球は、右側流路を流下しないように構成されている。第1入賞口64は、左側流路を流下した遊技球も、右側流路を流下した遊技球も入球可能な位置に配置されている。
第2入賞口640は、右側流路を流下した遊技球が、左側流路を流下した遊技球よりも入球し易い位置に配置されている。第2入賞口640は、遊技盤13に横長矩形状の開口部が形成されており、その開口部に遊技球が流下することが可能な流路が形成されており、開口部に入球した遊技球を検知するフォトセンサが設けられている。開口部の前面側には開口部を塞ぐことが可能な横長矩形状の開閉板として電動役物640Aが付随して設けられており、その開閉板の可変を軸として正面側に開閉駆動するための開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2入賞口640の開口部は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。普通図柄(第2図柄)の当たりの際には開放口ソレノイドを駆動して電動役物640Aを正面下側に傾倒し、球が第2入賞口640の開口部に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を遊技状態により定められた所定回数繰り返すように作動する。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、第1入賞口64に入賞した場合に変動表示される第1特別図柄に対応して設定されている5R時短(95回)大当たり(大当たりA)、5R時短(3回)大当たり(大当たりB)、15R通常大当たり(大当たりC)が用意されている。また、第2入賞口640に入賞した場合に変動表示される第2特別図柄に対応して設定されている15R時短(95回)大当たり(大当たりD)が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「5R時短(95回)大当たり(大当たりA)」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が95回変動されて、95回目の変動が停止するまでの期間、普通図柄(第2図柄)の抽選確率が高確率状態へ移行し、普通図柄(第2図柄)の短い変動時間が選択され易い時短遊技状態が設定される大当たりのことである。「5R時短(3回)大当たり(大当たりB)」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が3回変動されて、3回目の変動が停止するまでの期間、普通図柄(第2図柄)の抽選確率が高確率状態へ移行し、普通図柄(第2図柄)の短い変動時間が選択され易い時短遊技状態が設定される大当たりのことである。また、「15R通常大当たり(大当たりC)」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態が設定され、時短遊技状態が設定されない大当たりのことである。
時短中(時短遊技状態中)は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640Aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640Aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640Aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640Aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640Aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640Aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640Aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640Aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640Aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示ユニット80が配設されている。可変表示ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図238参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図238参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640Aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選(第2図柄の変動表示回数)を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640Aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、第2入賞口640に球が入球することで、賞球として遊技者に4個の球が上皿17に払い出されるので第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となることで、遊技者の持ち球が減少することを抑制しながら遊技を行うことができ、追加で球を貸し出す為の投資を抑制させることができながら、特別図柄の抽選を時短期間中行わせることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640Aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640Aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示ユニット80の左側流路の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左側を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図229参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。なお、本実施形態では、普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過した場合には、賞球は払いだされない構成としたが、それに限らず、例えば、1球等の所定数の賞球を払い出すように構成してもよい。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると4個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640Aが付随されている。この電動役物640Aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640Aが閉鎖状態となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640Aが開放状態となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640Aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640Aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として第2入賞口640へ球が入賞した(第2特別図柄に対応する抽選で大当たりとなった)場合には、100%の割合で15R時短(95回)大当たり(大当たりD)が選択され、第1入賞口64へ球が入賞した(第1特別図柄に対応する抽選で大当たりとなった)場合には、時短遊技状態が付与される大当たりは、最大5Rの大当たり(大当たりとなった場合に61%の割合)であり第2入賞口640に球が入賞した場合の方が遊技者に有利となる大当たり種別が選択されるように構成されている。このように構成することで、通常遊技状態(低確率遊技状態で時短が付与されていない状態)では、第1入賞口64に球が第2入賞口640よりも入賞し易くなっており、第1入賞口64に遊技球を入賞させることで、時短が付与される大当たり(大当たりAまたは大当たりB)が選択される割合を低くして設定し、時短が付与されて第2入賞口640に球が入賞し易い状態となった場合に、第2特別図柄で大当たりをさせ易くでき、時短状態が容易に継続するように構成できる。よって、時短が付与されることへの価値を高めることができる。
第1入賞口64の下方右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65Aが設けられている。また、可変表示ユニット80の右側には、V入賞装置620のV入球口600Aへと球を誘導することが可能なV入賞扉600が配置されている。V入賞扉600は、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりBとなった場合か、小当たりとなった場合に、直立してV入球口600Aへと球が入球しないように直立した閉鎖状態から右側に約90度回動した開放状態に可変してV入球口600Aへと球が入球可能に構成されている。
小当たりである場合には、V入賞扉600が1.2秒間または球が10球、V入球口600Aに入賞するまで開放状態となる1R(ラウンド)の小当たり遊技が実行される。一方、大当たりBである場合には、1R目までは、小当たり遊技と同様に、V入賞扉が開放状態となり、2R目からは、可変入賞装置65が開放状態に可変される。ここで、2R目からは、特定入賞口65Aの前面側に配置されているV入賞扉が30秒または特定入賞口65Aに球が10球入賞するまでを1R(ラウンド)として予め設定されている大当たり種別に対応したラウンド数まで繰り返しラウンド遊技が実行される。
このように構成されることで、小当たりである場合にも、大当たりBである場合にも、第3図柄表示装置81等により小当たりであるか大当たりBであるかを報知せず、小当たり遊技または大当たり遊技へ移行させるように構成することで、同様にV入賞装置620へ遊技球を入球させて、後述するV入賞口624へと遊技球が入球することを期待して遊技を行うことができる。本実施形態では、小当たりである場合には、後述するV入賞装置620のV入賞口624に遊技球が入球することで、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行されるように構成されている。なお、小当たり遊技中にV入賞口624へ遊技球が入球して開始される大当たりは、1R目から可変入賞装置65が開放されるように構成されている。
大当たりBにおける大当たり遊技である場合には、1R目の大当たり遊技において、V入賞装置620に遊技球が入球するとV入賞口624へと遊技球が入球するように入賞制御が実行されるように構成されている。これにより、大当たりBにおける大当たり遊技である場合にも、V入賞口624に入賞したことで、その後に可変入賞装置65が開放されたかのように思わせることができる(実際には、大当たり遊技における2R目が実行されている)。なお、V入球口600A、特定入賞口65Aに球が入賞すると、球1球に対して賞球として15球が遊技者に払い出されるように構成されている。なお、大当たりB以外の大当たり遊技においては、1R(ラウンド)目から可変入賞装置65が開放状態となるように構成されているので、小当たりでなく大当たり遊技が開始されたことを大当たり遊技の内容によっても識別が可能に構成されている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、停止図柄(例えば、333等のぞろ目図柄)を第3図柄表示装置81に表示される。また、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が小当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、停止図柄(例えば、333等のぞろ目図柄)を第3図柄表示装置81に表示される。
本実施形態では、小当たりである場合にも、大当たりBである場合にも、第3図柄表示装置81には、同様に第3図柄がリーチ表示態様(左図柄と中図柄とが同一の第3図柄で構停止された表示態様)で停止表示され、中図柄がチャンス図柄(「CHANCE」という文字が付された第3図柄)が停止表示される組み合わせで構成されたチャンス目図柄が停止表示されることで報知される。これにより、遊技者は、チャンス目図柄で第3図柄が停止表示されることで、1RのV入賞扉600が開放動作される遊技(小当たり遊技または大当たり遊技に相当)が最低限実行されることを認識でき、V入賞口624へと球を入球させることを期待することができる。なお、第3図柄の内、特定の図柄(例えば、777のぞろ目図柄)が停止表示された場合には、大当たり遊技が実行されることを報知するものとするようにして、特定の図柄が表示されることで、遊技者に付加価値の高い大当たり遊技が実行されることを早期に認識させるように構成してもよい。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65Aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65Aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりBの際には2R目より、大当たりB以外の場合には1R目より大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が特定入賞口65Aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
次に、図229から図231を参照して、V入賞装置620について説明する。V入賞装置620は、可変表示ユニット80に配置されており、第3図柄表示装置81の前面側となる位置に取り付けされている。図229および図231に示すように、V入賞装置620は可動誘導部材622、回転振分部材621、V入賞口624、左排出路623A、右排出路623B、第1滞留部材622D、流路切替部材622Eにより構成されている。
通常時は、V入賞装置620の回転振分部材621が遊技者に視認可能に構成されており、回転振分部材621は、電源が投入されると、常時一定周期で左右方向に回動されるように構成されている。V入賞扉600が小当たり遊技または大当たり遊技の開始を契機に開放状態となると、V入賞装置620のV入球口600Aへと遊技球が流入可能となる。V入賞扉600とV入賞装置620との突き合わせ部には、遊技球が入球可能なV入球口600Aが形成されており、そのV入球口600AよりV入賞装置620内へと遊技球を誘導するための誘導路が形成されている。V入球口600Aには、球の通過を検知可能なフォトセンサが配置されており、V入賞装置620(V入球口600A)への入賞数をカウントすることが可能に構成されている。このフォトセンサに球が検知されることに基づいて、遊技者に賞球(3球)が払い出されるように構成されている。
ここで、図253を参照して、小当たり遊技におけるV入賞装置620の作動制御のタイミングチャートに従って、V入賞装置620の詳細な説明をする。小当たり遊技が開始されると、オープニング期間(T1:0.1秒)が経過した後に、開放期間(T2:1.2秒)V入賞口ソレノイドが作動(ONに作動)することでV入賞扉600が開放状態に可変される。開放状態となり、V入球口600Aに遊技球が入賞すると誘導路を流下した遊技球は、図231に示す第1滞留部材622Dにより球の流下が規制されて滞留するように構成されている。この第1滞留部材622Dは、小当たり遊技の開始に基づいて球を上部に滞留させるように前面側に突出するように滞留1ソレノイドが4秒間作動(ONに作動)するように構成されている。なお、第1滞留部材622Dに球が1球滞留されると、その後に流下する遊技球は、滞留された球に衝突して左右のどちらかに排出されるように構成されている。V入賞扉600の開放期間の1.2秒間が経過することで、V入賞口ソレノイドがオフに作動してV入賞扉600が開放状態から閉鎖状態に可変された後の2.7秒後に、滞留1ソレノイド209Aがオフに作動されて、第1滞留部材622Dがパチンコ機10の後面側方向へと退避して、上部に滞留していた球が下方へと流下するように構成されている。第1滞留部材622Dの下方には、常時左右方向に作動する流路切替部材622Eが配置されている。
この流路切替部材622Eは、流路ソレノイド209Bにより0.4S間隔でオン、オフされることで、左右に作動するように構成されている。オフされることで、可動誘導部材622の流入口を塞ぐ位置に可動して、可動誘導部材622内へと球が入球できないように構成されている。オフされた状態では、上流から流下する球は流路切替部材622Eの上部に形成された傾斜部により右側へと誘導されてV入賞装置外へと排出されるように構成されている。一方、流路ソレノイドがオンに作動している状態で、流路切替部材が流入口の左側へと退避した状態である場合には、可動誘導部材622内へと球が流入可能となるように構成されている。
第1滞留部材622Dが退避して、滞留していた遊技球が流下したタイミングで、流路切替部材622Eが開放状態(流路ソレノイドがオンとなり流路切替部材が左側へ退避した状態)であると、可動誘導部材622に球が流入する。図231に示すように可動誘導部材622は、球が1球流下可能な筒形状で構成されており、一端側に球が流入する流入口が形成され、他端側には球が排出される排出口622Aが形成されている。排出口622Aの手前(上流側)には、球が1球保持される凹部622Cが形成されており、凹部622Cの下流側には凹部622Cに入球した球の流下を阻止する第2滞留部材622Bが配置されている。この第2滞留部材622Bは、滞留2ソレノイド612が作動(オンする)により上方に突出して凹部622Cに入球した球の流下を阻止する規制状態と、滞留2ソレノイド612がオフとなり第2滞留部材622Bが左方向へ回動して凹部622Cに入球している球の流下を許容する解除状態とに可変される。
図253に示すように、第2滞留部材622Bは、小当たり遊技の開始から5秒後に2秒間(T6)、滞留2ソレノイド612が作動(オン)となることで規制状態に可変された状態となり、凹部622Cに入球した球が流下することを規制する。可動誘導部材622は、小当たり遊技の開始から5秒後(T4)に滞留2可動モータ610Aにより図231(B)に示すように流入口側が上昇するように左方向に回動される。その後、1.5秒間(T5)、滞留2可動モータ610Aが作動して可動誘導部材622を上昇させて最大可動位置(図231(B)参照)まで可動するように制御される。先に説明したように、滞留2ソレノイド612は、小当たり遊技の開始より6秒後のタイミングでオフに制御されるので、可動誘導部材622が上昇している途中で第2滞留部材622Bが解除状態となり、可動誘導部材622が左下方に傾斜した状態であり、さらに傾斜角度が大きくなっている場合に、凹部622Cに入球している球が左下方へと流下し易く構成されている。
図229(A)に示すように、凹部622Cに入球した球が流下を開始すると、凹部622Cに入球していた球が回転振分部材621へと排出口622Aより排出される。排出された球は、回転振分部材621上を転動して、下流へと排出される。回転振分部材621は、パチンコ機10に電源が投入されてから一定周期で左右に回動されており、回転振分部材621の下流に配置されたV入賞口624と回転振分部材621の下流排出口621Aとが並列に一致したタイミングで下流排出口621Aから球が排出されると、V入賞口624へと球が入球し易くなる。一方、下流排出口621AとV入賞口とが並列に一致しない状態で下流排出口621Aより球が排出されると、左右に配置された左排出路623Aまたは右排出路623BによりV入賞装置620の外部へと排出されるように構成されている。
本実施形態では、図253に示すように、小当たりの開始から5秒後から2秒間(T7)V入賞口624に球が入球したことを有効と判断するV有効期間を設定するように構成されている。このV有効期間中にV入賞口624に球が入球したとフォトセンサが検知した場合にのみ、入賞検知を有効として、それ以外の期間に入賞した場合には無効として制御処理するように構成している。このように構成することで、V入賞口624へ入賞可能となる期間のみを判別することができ、磁石等で球を操作して不正にV入賞口624へ入賞させた場合等の不正による被害を低減することができる。本実施形態では、V有効期間中にV入賞口624への入賞が検知されると、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行されるように構成されている。小当たり遊技におけるV入賞口624に球が正常に通過した場合に付与される大当たり遊技は、実行された小当たり遊技の種別(小当たりAまたは小当たりB(図244(B)〜(C)参照))に対応した大当たり種別が設定されるように構成されている。
なお、小当たりにおいてVに通過しない場合については、図254に示すタイミングチャートを示した。図254に示した例では、流路切替部材622Eが閉鎖状態である場合に、第1滞留部材622Dが解除されたことにより、可動誘導部材622へと遊技球が誘導されなかったことによりV入賞しなかった例を示している。同様に、図254は、大当たりBである場合にV入賞口624へ入賞するタイミングチャートの一例であり、図255は、大当たりBである場合に、V入賞口624へ入賞しない場合のタイミングチャートの一例である。また、図252は、本実施形態における大当たりまたは小当たりした場合に設定される遊技状態を示した遊技フローである。
図244(B)に示すように、特図1における小当たりAが実行された場合には、5R(時短95回)大当たりが設定され、小当たりBが実行された場合には、10R通常(時短無し)大当たりが設定される。また、図244(C)に示すように、特図2における小当たりCが実行された場合には、15R(時短95回)大当たりが設定され、小当たりDが実行された場合には5R(時短95回)が設定され、小当たりEが実行された場合には5R(時短無し)大当たりが設定される。なお、上記した各大当たりの名称の時短とは時短遊技状態が設定されることを示しており、その後の回数表示は、時短遊技状態が設定される期間として特別図柄の変動回数を示している。通常とは、時短遊技状態が設定されない大当たりであることを示している。
本実施形態では、小当たり遊技が実行された場合に、V入賞口624に入賞することで小当たり種別に対応した大当たり種別が実行されるように構成したが、それに限らず、V入賞口624に入賞したタイミングでカウンタ値(例えば、第1当たり種別カウンタ値C2)を取得して、所定の選択テーブルより選択するように構成してもよい。所定の選択テーブルは、遊技状態毎(通常遊技状態、時短遊技状態)に異なる選択テーブルを設定してもよいし、特別図柄の種別により異なる選択テーブルを設定してもよいし、実行された小当たり種別により異なる選択テーブルを設定してもよい。
なお、ここで、第1特別図柄(特図1)、第2特別図柄(特図2)で小当たりまたは大当たりと判定された場合の変動表示が停止表示された場合には、その小当たり種別、大当たり種別に対応した点灯態様で第1図柄表示装置37AのLEDが点灯表示される。複数のLEDが組み合わされて表示される表示態様であるので、遊技者が第1図柄表示装置37Aを視認しても、小当たり種別、大当たり種別の詳細について一見して識別が困難なように構成されている。さらに、大当たりである場合には、その大当たり種別に対応するラウンド数に対応して第1図柄表示装置37のLEDが表示されるように構成されている。ラウンド数の報知についても、文字等でラウンド数が報知されている訳で無く、大当たり種別を示すLEDの点灯と共に表示されるので、より遊技者が識別し難いように構成されている。これにより、大当たり種別、小当たり種別、大当たりのラウンド数を遊技者に第1図柄表示装置37で報知して、遊技の公平性を保てるように構成しても、遊技者には分かり難い報知とすることで、小当たり遊技と大当たり遊技との識別をその実行前に遊技者に識別し難くして、小当たり遊技、大当たりBにおける大当たり遊技中においても遊技者が小当たり種別、大当たり種別等の予測をしながら遊技ができるように構成されている。これにより、遊技の興趣をより向上することができる。
さらに、本実施形態では、小当たり遊技が実行される場合には、その小当たり種別によりV入賞口624へ入賞した場合に付与される大当たり遊技の種別が異なるので、遊技者に不利となる大当たり種別が付与される小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行された場合には、遊技球の発射を停止させてV入球口600Aへ遊技球が入球しないように遊技をすることで、遊技店側の不利益が増大するという虞があるが、本実施形態の構成では、第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81等で小当たりの種別が分かり難い報知態様に構成しているので、上記した不利益を被る遊技の仕方を抑制できる。
さらに、小当たりと判定された第1特別図柄または第2特別図柄の変動が停止表示された後に、0.1秒後には、V入賞扉600が開放状態となり、1.2秒間開放状態が維持されるのみであるので、第1図柄表示装置37の表示態様を解析して識別ができる遊技者であったとしても、識別してから遊技球の発射を操作してもV入球口600Aまで遊技球を到達させるように発射させることが困難なように構成されている。詳細には、本実施形態では、1分間に100発の遊技球を等間隔に発射強度に関係なく発射するように構成されているので、0.6秒に一発発射するように構成されており、発射装置から発射されてからV入球口600Aまで遊技球が到達するには約2秒を要することから、遊技球を継続して右側領域へ発射させていないと、V入球口600Aへ入球させることは困難となり、小当たり時にV入球口600Aへ入球させない制御をした場合には、いかなる小当たり種別に対応する小当たり遊技に対してもV入球口600Aへ遊技球を入球させることができなくなってしまう。よって、遊技者は、第3図柄が停止表示して、右打ち報知(右側領域へ遊技球を発射させることを遊技者に報知する報知態様)がされた場合には、速やかに右打ちを開始するように遊技を行わせることができる。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図226参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65A,600A,640にも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、可変入賞装置65の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本実施形態においては、風車の内の一つ(可動部材310と称す)が遊技盤13の正面視左側上方に配設され、図227において図示されている。
図228に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図229参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図229参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入賞口64または第2入賞口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。なお、第3図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示に対して、共通して変動表示が行われる。また、第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して、変動表示されるように構成されており、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動表示することがないように構成されている。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されない構成としたが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示をさせることが可能な構成としてもよい。このように構成することで、同じ時間で、より多くの抽選遊技を実行させることができ、遊技の効率を向上させることができる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。なお、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄は、「0」から「9」の数字よりなる10種類の主図柄により構成されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81の表示領域には、主図柄が3つの図柄列が表示される。各図柄列には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。図柄列は、表示領域の左側に表示される左図柄列、左図柄列の右隣に表示される中図柄列、中図柄列の右隣に表示される右図柄列で表示される。
また、各図柄列毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この第3図柄の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81の表示領域の下方には、第1入賞口64または第2入賞口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数が保留球1つに対して「丸図柄」の識別図柄(保留図柄)が一つ表示されて遊技者に報知される。遊技者は、この保留図柄の個数により現在の保留球数を判別することができる。なお、第1入賞口64と第2入賞口640に対して保留球はそれぞれ最大4個に設定されており、それぞれの保留球は、第1入賞口64と第2入賞口640との保留球が区別可能に異なる色で第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている(例えば、第1入賞口64に対しては黒色、第2入賞口640に対しては、赤色)。
第3図柄表示装置81の表示領域には、第3図柄や保留図柄以外にも、第3図柄の変動表示(動的表示)中に表示される予告表示態様として、キャラクタ図柄や文字等が表示される。また、所定期間遊技が行われない場合には、パチンコ機10の機種名やリーチ表示態様のダイジェスト等の待ち受け表示画像が表示される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64と第2入賞口640とへの入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域DS1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成について>
次に、図239を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図239は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110のROM202には、第1当たり乱数テーブル202A、第1当たり種別選択テーブル202B、普通図柄当たり乱数テーブル202C、変動パターンテーブル202D、小当たり種別選択テーブル202E、大当たりシナリオテーブル202AA、小当たりシナリオテーブル202ABがそれぞれ設定されている。なお、他の遊技に必要なデータ等についても記憶されているが、本実施形態における発明の説明においては、不要であるので、説明を省略する。
第1当たり乱数テーブル202A、第1当たり種別選択テーブル202B、普通図柄当た乱数テーブル202C、変動パターンテーブル202D、小当たり種別選択テーブル202Eについては、図を参照して詳細な説明は後述する。
大当たりシナリオテーブル202AAは、大当たり遊技中の動作内容が設定された大当たりシナリオが規定されているデータテーブルであり、大当たり遊技のオープニング期間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるまでの期間)、ラウンド期間(1ラウンドのラウンド遊技が設定される最大期間)、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの期間)が大当たり種別に対応して規定されており、大当たり遊技が開始される場合に設定され、周期的(主制御装置110のメイン処理が実行される毎に)値が1加算されるシナリオカウンタ203AAの値に対応した動作制御が実行される。
この大当たりシナリオテーブル202AAには、当選した大当たり種別に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。ここで、大当たりシナリオテーブル202AAの詳細な内容について、図248(A)を参照して説明をする。図248(A)は、大当たりシナリオテーブル202AAに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図248(A)に示した通り、大当たりシナリオテーブル202AAには、大当たり種別(大当たりA〜大当たりD)に対応して異なるシナリオが規定されている。
具体的には、図248(A)に示したように特定入賞口65Aを開放する大当たり遊技が実行される大当たり種別A,Cには5R分の大当たり遊技に対応した大当たりシナリオA202AA1が、大当たり種別Dには15R分の大当たり遊技に対応した大当たりシナリオ202AA6が規定されている。
また、図248(A)に示したように大当たり遊技中のラウンド数に応じてV入賞口624或いは特定入賞口65Aを開放する大当たり種別Bには大当たり遊技の1ラウンド目に対応するシナリオとして、1ラウンド目の前半の動作内容を示す当たりシナリオA202AA2と、1ラウンド目の後半の動作内容を示す当たりシナリオB202AA3、当たりシナリオC202AA4と、及び、2ラウンド目から5ラウンド目までのラウンド遊技の動作内容を示す大当たりシナリオB202AA5が規定されている。
大当たり種別Bに対応する大当たり遊技は、図254及び図255を参照して後述するように、1ラウンド目のラウンド遊技の内容が、小当たり遊技の遊技内容と同一(遊技者が識別困難な誤差も含む)となるようにシナリオが規定されており、大当たり種別Bに対応する大当たり遊技が開始されると、V入賞扉600を開放し、V入賞口624を狙うラウンド遊技(Vチャレンジ)が実行される。
さらに、このVチャレンジ中にV入賞扉600を開放することによりV入球口600Aに遊技球が入球し易い状態となり、そのV入球口600Aに入球した遊技球が、流路切替部材622Eを通過し、可動誘導部材622の第2滞留部材622Bにより遊技球が滞留されている状態(図231(A)参照)か否かを第2滞留センサ(図示せず)の検知結果に基づいて判別し、その判別結果に基づいて、1ラウンド目のラウンド遊技の後半の動作内容を異ならせるように構成している。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図241を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図262参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図274参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入賞口64への入賞に対応する特別図柄1保留球格納エリア203Aと第2入賞口640への入賞に対応する特別図柄2保留球格納エリア203Bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入賞口64または第2入賞口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203Cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
図240を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図262参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図274参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル(図242(A)〜(C)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。ここで、第1当たり乱数テーブル202A1は、第1特別図柄に対応する特別図柄1乱数テーブル202A1と、第2特別図柄に対応する特別図柄2乱数テーブル202A2とがそれぞれ設定されている。
ここで、第1当たり乱数テーブル202Aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202Aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図242(B)に示すように第1特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」のいずれであるか判別されて、「0〜3」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。一方、「0〜3」以外であると判別された場合(即ち、大当たり抽選は外れと判定された場合)には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「4」であるか判別されて、「4」であれば小当たりであると判別される。ここで、小当たりでないと判別された場合には、抽選結果は外れであると判別される。
図242(C)に示すように第2特別図柄の抽選において、第1特別図柄と同様に取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」のいずれであるか判別されて、「0〜3」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。一方、「0〜3」以外であると判別された場合(即ち、大当たり抽選は外れと判定された場合)には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「4〜997」のいずれかであるか判別されて、「4〜997」のいずれかであれば小当たりであると判別される。ここで、小当たりでないと判別された場合には、抽選結果は外れであると判別される。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との大当たり抽選における大当たり確率は同じに設定されているが、小当たり確率については、第2特別図柄は、第1特別図柄よりも小当たり確率が高く設定されている。これにより、第2入賞口640へ遊技球の入球が容易となる時短遊技状態では、第2特別図柄で抽選が実行されやすいので、小当たりとなる確率が高くなり、V入賞口624へ入賞させることができる機会を増大させることができる。よって、時短遊技状態中をより遊技者に対して有利に設定することができるので、通常遊技状態が設定されている場合にも、時短遊技状態が付与される大当たり遊技が実行されることを期待して遊技を行わせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納され、球が第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりまたは小当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は4個あり、その乱数値である「0〜3」は、前述したように特別図柄1当たり乱数テーブル202A1、特別図柄2当たり乱数テーブル202A2に格納されている。このように、乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/250」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第1特別図柄、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が大当たりである場合に、実行される大当たりの種別を決定するための第1当たり種別選択テーブル202B(図241(A)参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。第1当たり種別選択テーブル202Bには、図243(A)に示すように第1特別図柄に対する大当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図1大当たり種別選択テーブル202B1と、第2特別図柄に対する大当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図2大当たり種別選択テーブル202B2とがそれぞれ設定されている。
図243(B)は、特図1大当たり種別選択テーブル202B1の内容を模式的に示した模式図である。第1特別図柄の大当たり種別としては、上記した大当たりA〜大当たりCまでの3種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜44」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA(5R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「0〜44」の値が設定されている。取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「45〜60」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB(5R時短3回大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「45〜60」の値が設定されている。取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「61〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりC(10R時短無大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「61〜99」の値が設定されている。
このように、通常遊技状態では、第1入賞口64へ主に遊技球を入賞させて遊技を行うこととなるが、第1特別図柄の大当たりに対して、61%の割合で時短遊技状態が付与される大当たり(大当たりAおよび大当たりB)となっている。よって、第1特別図柄で大当たりとなった場合にも、必ずしも時短遊技状態が付与されないので、遊技者は、大当たりとなった場合にも、時短遊技が付与される大当たり種別であるかについて興味を持つことができ、遊技の興趣を向上できる。
図243(C)は、特図2大当たり種別選択テーブル202B2の内容を模式的に示した模式図である。第2特別図柄の大当たり種別としては、上記した大当たりDの1種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりD(15R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として第1当たり種別カウンタC2の「0〜99」の値が設定されている。
このように、第2特別図柄に対して(第2入賞口640への入賞に対する大当たり判定により)大当たりとなった場合には、必ず時短遊技が付与される大当たりが付与されるように構成されている。さらに、時短回数は95回に設定されており、大当たりBよりも有利となっており、実行されるラウンド回数も15Rで設定されており、大当たりA〜Cよりも遊技者に有利となるように構成されている。これにより、主に時短遊技状態で実行され易い第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、第1特別図柄よりも有利となる大当たり遊技が実行されるように構成されており、時短遊技状態が実行された場合の価値が高くなるように構成されている。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納され、球が第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。
また、本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第1特別図柄、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択テーブル202E(図244(A)参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。小当たり種別選択テーブル202Eには、図244(A)に示すように第1特別図柄に対する小当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図1小当たり種別選択テーブル202E1と、第2特別図柄に対する小当たり遊技の種別を決定するためのデータテーブルである特図2小当たり種別選択テーブル202E2とがそれぞれ設定されている。
図244(B)は、特図1小当たり種別選択テーブル202B1の内容を模式的に示した模式図である。第1特別図柄の小当たり種別としては、上記した小当たりAおよび小当たりBの2種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜64」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時5R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「0〜64」の値が設定されている。取得している小当たり種別カウンタC5の値が「65〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時10R時短無大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「65〜99」の値が設定されている。
ここで、小当たりAおよび小当たりBには、それぞれ小当たり遊技においてV入賞口624へ遊技球が入球した場合に、その後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、5R時短95回大当たりが設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短遊技状態として95回の時短遊技(特別図柄の変動が95回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、10R時短無大当たりが設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が10R開放状態に設定される大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技後には、時短遊技状態が設定されず、通常遊技状態が設定されるように構成されている。このように、小当たりBは、大当たり遊技における実行されるラウンド数は多く、小当たりAよりも有利に設定されているが、大当たり遊技後に時短遊技状態が設定されないことから、大当たり後に遊技者に有利となる第2特別図柄での抽選が実行され難く、総合的には、小当たりAの方が小当たりBよりもV入賞口624に入賞した場合には遊技者に有利となるように設定されている。
図244(C)は、特図2小当たり種別選択テーブル202B2の内容を模式的に示した模式図である。第2特別図柄の小当たり種別としては、上記した小当たりC〜小当たりDの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜49」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時15R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「0〜49」の値が設定されている。取得している小当たり種別カウンタC5の値が「50〜79」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりD(V通過時5R時短95回大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「50〜79」の値が設定されている。取得している小当たり種別カウンタC5の値が「80〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりE(V通過時5R時短無大当たり)」となる。即ち、判定値として小当たり種別カウンタC5の「80〜99」の値が設定されている。
ここで、小当たりCから小当たりEには、それぞれ小当たり遊技においてV入賞口624へ遊技球が入球した場合に、その後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりCの場合には、15R時短95回大当たりが設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短遊技状態として95回の時短遊技(特別図柄の変動が95回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりDの場合には、5R時短95回大当たりが設定されており、小当たりDの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たり遊技が実行され、その後に可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短遊技状態として95回の時短遊技(特別図柄の変動が95回実行され停止表示されるまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりEの場合には、5R時短無大当たりが設定されており、小当たりEの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技後には、時短遊技状態が設定されず、通常遊技状態が設定されるように構成されている。
このように、第2特別図柄に対する小当たり種別については、第1特別図柄に対する小当たり種別よりもV入賞口624に入賞した場合に、遊技者に有利となる時短遊技状態が設定される小当たり種別が選択される割合が高く設定されている。これにより、時短遊技状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選が実行され易くなり、第1特別図柄の抽選よりも小当たりと判定される確率も高く設定されていることから、小当たりと判定され、V入賞口624に入賞させることで再び時短遊技状態が設定される大当たり遊技を実行させやすくできる。これにより、時短遊技状態を継続させながら、大当たり遊技を遊技者に付与することができ、より時短遊技状態の価値を高めることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄、第2特別図柄が小当たりと判定されて、変動表示が停止した場合に、第1図柄表示装置37の小当たり種別に対応したLEDが点灯表示されるように構成されている。よって、遊技者は、時短遊技中である場合には、残りの時短回数を有効に使ってより有利な大当たり遊技(時短遊技状態が設定される大当たり遊技)が実行されるように遊技を行いたい。そして、第1図柄表示装置37に表示された小当たり遊技種別を判別して、時短遊技状態が付与されない小当たり種別である場合に限り、遊技球の発射を停止させてV入球口600Aへ遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技店側に不利益となる遊技方法が実行される虞がある。しかしながら、本実施形態では、第1特別図柄、第2特別図柄における小当たりと判定された変動表示が停止表示された後に0.1秒後に、V入賞扉600が1.6秒開放状態に設定されるのみであるので、0.6秒間隔で発射され、V入球口600Aまで2秒を要する本実施形態の構成では、第1図柄表示装置37を確認した後に、遊技球を発射していては、V入球口600Aへと入球させることは困難であり、第1特別図柄、第2特別図柄が小当たりと判定されて変動が停止し、右打ち報知が第3図柄表示装置81で実行されたら直ちに遊技球を右側領域へと発射させて遊技を行わないと、すべての小当たり種別における小当たり遊技においてV入球口600Aへと遊技球を入球させることは困難であるように構成されている。これにより、遊技店側が著しく不利益となる遊技方法の実行を抑制できる。
ここで、図247を参照して、各当たり種別と当たり遊技の動作について説明する。大当たりAおよび大当たりCは、1Rを可変入賞装置65に10球、遊技球が入賞するまで、または、29秒開放状態が継続されるまで継続するラウンド遊技が5R繰り返し実行される。
大当たりBは、1R目のラウンド遊技では、V入賞扉600が開放状態となり、V入球口600Aが1.2秒開放される。なお、1R目に10球入賞した場合には、1.2秒が経過する前に閉鎖状態とされるが、1.2秒では、現実的に10球入球することが不可能な開放時間となっている。2R目〜5R目のラウンド遊技では、可変入賞装置65に10球、遊技球が入賞するまで、または、29秒開放状態が継続されるまで継続するラウンド遊技が実行される。
大当たりDは、1Rを可変入賞装置65に10球、遊技球が入賞するまで、または、29秒開放状態が継続されるまで継続するラウンド遊技が15R繰り返し実行される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1と抽選結果(外れ、大当たり種別、小当たり)によって、いわゆる短外れ(7秒)、ガセ外れ(30秒)、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ各種(90秒)、疑似発展無演出(30秒)、疑似発展1回演出(34秒)、疑似発展2回演出(38秒)、疑似発展3回演出(42秒)の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図274参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図245(A)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
図245(A)に示すように、変動パターンテーブル202Dは、通常遊技状態である場合に使用される通常用変動パターンテーブル202D1と時短遊技状態である場合に使用される時短用変動パターンテーブル202D2とがそれぞれ設定されている。
図245(B)は、通常用変動パターンテーブル202D1の内容を模式的に示した模式図である。通常用変動パターンテーブル202D1は、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に選択される変動パターンとして、短外れ(7秒)、ガセ外れ(30秒)、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ各種(90秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜139」である場合には短外れ(7秒)が選択され、「140〜149」である場合にはガセ外れ(30秒)が選択され、「150〜179」である場合にはノーマルリーチ各種(30秒)が選択され、「180〜194」である場合にはスーパーリーチ各種(60秒)が選択され、「195〜198」である場合にはスペシャルリーチ各種(90秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が大当たりであり、大当たり種別として大当たりA,C〜D(即ち、大当たりB以外)である場合に選択される変動パターンとして、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ各種(90秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。ここでは、変動停止時にぞろ目で第3図柄が停止表示(図柄揃い大当たり)することで遊技者に大当たりであることが報知されるように構成されている。なお、「777」のぞろ目については、大当たり遊技後に時短遊技状態が設定される大当たり種別である場合にのみ表示される。なお、大当たり遊技後に時短遊技状態が設定される大当たり種別である場合には、第3図柄の停止図柄の決定抽選により「777」のぞろ目以外のぞろ目についても決定されるように構成されており、大当たり遊技後にならないと時短遊技が付与されるか分からないようにも構成されている。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜40」である場合にはノーマルリーチ各種(30秒)が選択され、「41〜179」である場合にはスーパーリーチ各種(60秒)が選択され、「180〜198」である場合にはスペシャルリーチ各種(90秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
なお、大当たりである場合に選択される各変動パターンは、外れである場合に選択される各変動パターンと同一変動時間で構成されており、最終的に大当たりを示す停止図柄(ぞろ目)で表示されるか否かにより異なるように構成されている。これにより、遊技者は、判定結果が外れであっても、大当たりの場合にも選択される同様の変動パターン(リーチとなる変動パターン)が選択されることで大当たりへの期待を持たせることができる。
第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりまたは大当たりであり、大当たり種別として大当たりBである場合に選択される変動パターンとして、疑似発展無演出(30秒)、疑似発展1回演出(34秒)、疑似発展2回演出(38秒)、疑似発展3回演出(42秒)がそれぞれ設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。ここでは、変動停止時にチャンス目(図238参照)が停止表示されることで遊技者に少なくとも小当たりに当選していることが報知される。これにより、大当たりBであっても小当たりと同様の停止図柄で表示されるので、遊技者は、小当たり遊技においてV入賞口624へ遊技球を入賞させることを期待して遊技を行うことができる。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜49」である場合には疑似発展無演出(30秒)が選択され、「50〜99」である場合には疑似発展1回演出(34秒)が選択され、「100〜149」である場合には疑似発展2回演出(38秒)が選択され、「150〜198」である場合には疑似発展3回演出(38秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
ここで、図232から図236を参照して、本実施形態におけるガセ外れ(30秒)、疑似発展無演出(30秒)、疑似発展1回演出(34秒)における第3図柄表示装置81で表示される演出態様について説明する。図232〜図233は、ガセ外れ(30秒)における第3図柄の変動態様の流れについて示した図である。外れと判定された第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始契機となると、図232(A)に示すように第3図柄表示装置81に表示されていた各第3図柄(左、中、右図柄)が縦方向にスクロール表示が開始される。また、第3図柄表示装置81の表示領域の右下領域には、第3図柄が表示される領域(各第3図柄が表示される領域)よりも小さい表示領域で第4図柄が「丸図柄」と「×図柄」とが交互に変動表示される図柄として左右に2列表示で表示されるように構成されている。この第4図柄は、第1図柄表示装置37で表示される特別図柄の変動表示期間と同期して変動表示されるように構成されており、変動期間の終了タイミングで判定結果に対応する表示態様(外れ:左列に丸図柄、右列に×図柄の組み合わせ、大当たり:左列に丸図柄、右列に丸図柄の組み合わせ、小当たり:左列に×図柄、右列に×図柄の組み合わせ)で停止表示されるように構成されている。なお、図232(A)〜(B)に示すように第4図柄の上に三本の線が記載されている状態は、第4図柄が変動表示されていることを示している。
ガセ外れ(30秒)では、変動開始から30秒経過すると、図233に示すように仮停止されていた第3図柄が確定停止(揺れ変動から停止表示)されて、それと同期して第4図柄も停止表示されるように構成されている。
疑似発展無演出(30秒)では、ガセ外れ(30秒)の変動表示に対して、仮停止される図柄が図237(A)に示すように左右図柄がリーチ表示態様で、中図柄に「CHANCE」という文字が表示されたチャンス目図柄が表示される点で相違する。
次に、図234〜236は、疑似発展1回演出(34秒)における第3図柄の変動態様の流れについて示した図である。小当たりまたは大当たりBと判定され、疑似発展1回演出が選択されると、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始契機に、疑似発展無演出で説明したのと同様に、図232(A)に示すように第3図柄表示装置81に表示されていた各第3図柄(左、中、右図柄)が縦方向にスクロール表示が開始される。その後、高速でスクロール表示(第3図柄の種別が識別困難な速度または態様)で表示された後に、図232(B)のようにチャンス目図柄が仮停止(例えば、「354」の組み合わせで停止表示した後に、上下にそれぞれの第3図柄を揺れ変動)する。
この後、疑似発展1回演出では、図234(A)に示すように、中図柄の「5」図柄と、右図柄の「4」図柄とが入れ替わるように変動表示される。ここで、本実施形態では、第3図柄が「345」の組み合わせで仮停止表示された場合には、再変動が実行されることを遊技者に報知する組み合わせの図柄として設定されている。図234(B)で示すように「345」の組み合わせに移動して表示されることで、縦方向に再度スクロール表示が開始される。その後、高速スクロール表示を経て、図237(A)に示すようにチャンス目が仮停止表示されて、変動時間(変動期間)の34秒が経過したタイミングで停止表示されるように構成される。ここで、疑似発展2回演出(38秒)、疑似発展3回演出(42秒)である場合には、さらに、仮停止した後に、疑似発展2回演出であれば、もう1度再変動し、疑似発展3回演出であれば、もう2度再変動が実行される演出が実行された後にチャンス目図柄が仮停止表示されるように構成されている。このように、疑似変動が複数回実行されることで、小当たり遊技または大当たりBの開始となるタイミングを分かり難くすることができる。
次に、図235〜図236を参照して、ガセ外れ、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出におけるSW(スイッチ)演出について説明する。音声ランプ制御装置113側で、変動パターンコマンドに従って選択される演出の一つとして、枠ボタン22を使用した演出が設定されている。ガセ外れ、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出を示す変動パターンコマンドに基づいて詳細な演出内容が抽選により音声ランプ制御装置113により選択される。演出の一つとして、仮停止表示された場合に、図235(A)に示すように、第3図柄表示装置81に枠ボタン22を示す図柄が表示されて、枠ボタン22を押下することを遊技者に促す演出が実行される。
枠ボタン22が押下されると、図235(B)に示すように、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出のいずれかが選択されていれば、再変動されることを示唆する「345」の図柄が表示されて再変動が実行される。一方、ガセ外れが選択されている場合には、図236に示すように仮停止されていた図柄が変化することはなく、そのまま変動期間が経過したタイミングで停止表示されるように構成されている。
なお、本実施形態では、再変動した最終の停止図柄としてチャンス目の「CHANCE」図柄が表示されるように構成したが、それに限らず、中図柄に「CHANCE」図柄と他の図柄(例えば、「4」図柄)が交互や、両方の図柄を表示させてスクロールすることにより「CHANCE」図柄が停止表示位置まで表示されるかの演出を表示するようにしてもよい。この場合には、「CHANCE」図柄が中図柄で停止しない場合には、その停止した図柄から再変動させる場合には再変動させればよい。このように構成することで、それぞれの変動パターンを遊技者が確定停止されるよりも前に判別することが困難となり、小当たり遊技、大当たりBの開始タイミングを分かり難くすることができる。よって、第4図柄で小当たり、大当たりが識別可能な態様で表示される構成であったとしても、第3図柄の演出により第4図柄への注意が低下させることができ、小当たり遊技の開始を識別し難くすることができる。さらに、第4図柄では、小当たりの種別までは識別できないように構成されているので、第1図柄表示装置37を確認せねばならず、特定の小当たり遊技における遊技球の発射を停止する等の特殊な遊技方法(攻略打ち)を抑制できる。
次に、図237〜238を参照して、小当たりまたは大当たりBにおける確定停止図柄されるまでの第3図柄表示装置81における演出態様(変動パターン)について説明する。先に、疑似発展無演出、疑似発展1回演出、疑似発展2回演出、疑似発展3回演出で説明したように、最終停止図柄を示すチャンス目図柄が仮停止すると、チャンス目図柄が揺れ変動された状態で、チャンス目図柄の上部に「右を狙う準備だ」という文字が表示される。さらに、第3図柄表示装置81の表示領域右上に右側領域へと遊技球を発射させる発射強度で発射ハンドルを操作するように報知する右打ち報知図柄Nの輪郭が薄く表示される。変動時間が経過して、変動時間が経過する2秒前となると、「さあ、右を狙うぞ」という文字が表示されて、右打ち報知図柄Nの輪郭の濃度が濃く表示される(図237(B)参照)。その後、変動時間が経過したタイミングで、図238に示すように、右打ち報知図柄Nが輪郭だけでなく中まで色つきで表示されて、その左側に「右打ち」の文字が表示される。
このように、右打ち報知を確定停止する前から段階的に報知することで小当たり遊技が開始されたタイミングに合わせて遊技球を右側領域に発射させて、V入賞扉600が開放状態となっている期間に遊技球の発射が間に合わない不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、再変動が規定の回数実行された後に、確定図柄で表示された場合に、右打ち報知図柄を段階的に表示するように構成したが、それに限らず、仮停止するタイミングで毎回、右打ち報知図柄Nの段階表示を開始して、外れまたは再変動させる場合には、確定した右報知図柄N(図238参照)の表示態様に切り替える手前で、右打ち報知図柄Nを非表示にして、再度、第3図柄を再変動させるように構成してもよい。この場合には、毎回の仮停止時に中図柄に「CHANCE」図柄を表示して、再変動させる場合には確定表示させずに、再度スクロール表示して、外れである場合には、他の第3図柄と差し替えて確定停止(例えば、1コマスクロール(ズレ)させて停止)させて外れを報知する確定停止図柄としてもよい。このように構成することで、さらに、小当たり開始時期を分かり難くして、仮停止する毎に、右打ちの準備を遊技者にさせて、特定の小当たり種別で発射させない等の特殊な遊技を抑制することができる。
次に、図246を参照して、時短用変動パターンテーブル202D2について説明する。図246は、時短用変動パターンテーブル202D2の内容を模式的に示した模式図である。時短用変動パターンテーブル202D2は、遊技状態が時短遊技状態である場合に特別図柄の変動パターンを選択するために用いられるデータテーブルである。時短用変動パターンテーブル202D2では、時短遊技状態における第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に選択される変動パターンとして、短外れ(2秒)、短外れ疑似1回(6秒)、短外れ疑似2回(9秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜90」である場合には短外れ(2秒)が選択され、「91〜189」である場合には短外れ疑似1回(6秒)が選択され、「190〜198」である場合には短外れ疑似2回(9秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
短外れ(2秒)は、変動時間が2秒で設定されている変動パターンであり、変動開始から1秒間の高速変動後に、チャンス目(中図柄が「CHANCE」図柄が大きく揺れ変動)で揺れ変動して1秒間仮停止した後に、外れ図柄(中図柄が「CHANCE」図柄から1コマ下方にスクロール(滑った)図柄)に切り替わり確定停止して外れであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。なお、仮停止中の中図柄は、大きく揺れて、「CHANCE」図柄とその1コマ次に配置されている図柄「例えば、「1」図柄」とが交互に停止表示位置に表示されることで、遊技者が小当たり等の抽選結果であると勘違いしないように構成されている。
短外れ疑似1回(6秒)の変動パターンは、変動時間が6秒で設定されている変動パターンであり、上述した短外れ(2秒)の1秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で2秒間仮停止(短外れ(2秒)と同様の仮停止態様)した後に、外れ図柄(中図柄が「CHANCE」図柄から1コマ下方にスクロール(滑った)図柄)に切り替わり確定停止して、外れであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
短外れ疑似2回(9秒)の変動パターンは、変動時間が9秒で設定されている変動パターンであり、上述した短外れ疑似1回の2秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で1秒間仮停止(短外れ(2秒)と同様の仮停止態様)した後に、外れ図柄(中図柄が「CHANCE」図柄から1コマ下方にスクロール(滑った)図柄)に切り替わり確定停止して、外れであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
時短用変動パターンテーブル202D2では、時短遊技状態における第1特別図柄または第2特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に選択される変動パターンとして、短小当たり(2秒)、短小当たり疑似1回(6秒)、短小当たり疑似2回(9秒)、短小当たり疑似3回(12秒)が設定されており、取得している変動種別カウンタCS1の値と設定されている判定値とを照合して対応する変動パターンが選択される。
詳細には、変動種別カウンタCS1の値が、「0〜67」である場合には短小当たり(2秒)が選択され、「68〜136」である場合には短小当たり疑似1回(6秒)が選択され、「137〜167」である場合には短小当たり疑似2回(9秒)が選択され、「168〜198」である場合には短小当たり疑似3回(12秒)が選択されるようにそれぞれ判定値が設定されている。
短小当たり(2秒)は、変動時間が2秒で設定されている変動パターンであり、変動開始から1秒間の高速変動後に、チャンス目(中図柄が「CHANCE」図柄が大きく揺れ変動)で揺れ変動して1秒間仮停止した後に、確定停止して小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。なお、仮停止中の中図柄は、大きく揺れて、「CHANCE」図柄とその1コマ次に配置されている図柄「例えば、「1」図柄」とが交互に停止表示位置に表示される。
短小当たり疑似1回(6秒)の変動パターンは、変動時間が6秒で設定されている変動パターンであり、上述した短小当たり(2秒)の1秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で2秒間仮停止(短小当たり(2秒)と同様の仮停止態様)した後に確定停止して、小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
短小当たり疑似2回(9秒)の変動パターンは、変動時間が9秒で設定されている変動パターンであり、上述した短小当たり疑似1回の2秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で1秒間仮停止(短小当たり(2秒)と同様の仮停止態様)した後に確定停止して、小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
短小当たり疑似3回(12秒)の変動パターンは、変動時間が12秒で設定されている変動パターンであり、上述した短小当たり疑似2回の1秒間仮停止後から再度図柄が2秒間高速変動を開始して再変動した後、チャンス目で1秒間仮停止(短小当たり(2秒)と同様の仮停止態様)した後に確定停止して、小当たりであることが報知される変動演出が実行される変動パターンである。
このように、本実施形態では、時短遊技中には、抽選結果が外れである場合と小当たりである場合とで同様の変動時間で構成され、同様の変動タイミング(変動時間の経過タイミング)で第3図柄をチャンス目で仮停止させるように構成した。これにより、抽選結果が外れである場合にも、毎変動小当たりとなるかのように思わせることができ、小当たり遊技の開始に備えて右打ちの準備を遊技者にさせることができる。さらに、特定の小当たり種別(例えば、小当たり種別の中で遊技者に不利となる小当たり種別である小当たりE)であるかを第1図柄表示装置37により確認して遊技球の発射を停止させてV入球口600Aへ遊技球が入球するのを回避する特殊な遊技方法がされる不具合を抑制できる。
なお、通常遊技状態における右打ち報知図柄の段階的報知を時短遊技中にも仮停止毎に実行するように構成してもよい。このように構成することで、より外れの変動であっても小当たりであることを期待させて遊技を行わせることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図262参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202C(図242(D)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202Cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202Cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図242(D)は、上述した第2当たり乱数テーブル202Cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202Cでは、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202Cに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202Cに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入賞口640が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入賞口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入賞口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入賞口640が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図262参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図274参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図240に戻り、説明を続ける。RAM203は、図240に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図274参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図273参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図272参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図241(B)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203A、特別図柄2保留球格納エリア203B、普通図柄保留球格納エリア203C、特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203E、普通図柄保留球数カウンタ203F、時短中カウンタ203G、大当たり開始フラグ203H、大当たり中フラグ203I、小当たり開始フラグ203J、小当たり中フラグ203K、V通過地大当たり種別値203M、Vフラグ203N、その他メモリエリア203Zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203Aは、図240に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入賞口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3,C5の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203Aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203Aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203Bは、特別図柄1保留球格納エリア203Aに対して、第2入賞口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203Cは、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203Aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203Aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、第1入賞口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図266のS304参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図263のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図263のS211、図266のS305参照)。特別図柄1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特別図柄1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223Bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203Eは、特別図柄1保留球数カウンタ203Dに対して、第2入賞口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値が変更されると、特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203Fは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203Fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される。
球が左右何れかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203Cに記憶される。一方、球が左右いずれかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203Fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203Cには新たに何も記憶されない。
時短中カウンタ203Gは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。時短中カウンタ203Gに時短回数に対応したカウンタ値が設定され、特別図柄の変動が停止するタイミングで1ずつ減算されることで、時短遊技状態で設定された特別図柄の変動回数が終了するまで時短遊技状態が設定されるように構成されている。
大当たり開始フラグ203Hは、大当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。抽選結果が大当たりと判定されている特別図柄の変動が停止する場合に、大当たり開始フラグ203Hがオンに設定される(図263:S219参照)。大当たり開始フラグ203Hがオンであることが判別されて、大当たりの開始タイミングであることが識別されると、オフに設定される。なお、大当たり開始フラグ203Hは、初期状態ではオフに設定されるものであり、電源断等が発生した場合には、バックアップされて電源断直前の状態が保持されるように構成されている。
大当たり中フラグ203Iは、大当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が大当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図263:S219)。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている大当たり種別に対応するラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定されるように構成されている。この大当たり中フラグ203Iは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり開始フラグ203Jは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される。小当たり開始フラグ203Jがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される。この小当たり開始フラグ203Jは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203Kは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定されるように構成されている。この小当たり中フラグ203Kは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過時大当たり種別値203Mは、小当たり遊技が実行されている場合に、V有効期間内にV入賞口624に球が入賞すると設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過時大当たり種別値203Mは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される。V有効期間中にV入賞口624に球が入賞すると、V通過時大当たり種別値203Mに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203Nがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過時大当たり種別値203Mに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過時大当たり種別値203Mは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203Nは、小当たり遊技におけるV有効期間中にV入賞口624に球が入球した場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定される。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203Nがオンであるか判別されることにより、V有効期間中にV入賞口624への入賞があったことが識別されて、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される。このVフラグ203Nは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
その他メモリエリア203Zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
シナリオカウンタ203AAは、大当たり遊技又は小当たり遊技の動作制御内容を規定している各種シナリオ(大当たりシナリオ、当たりシナリオ)を進行させるためのカウンタであって、大当たり遊技又は小当たり遊技が開始された場合に、カウンタ値として「1」が設定され、その後、主制御装置110のメイン処理(図274参照)にて実行される大当たり制御処理(図275のS1004参照)、或いは、小当たり制御処理(図278のS1005参照)が実行される毎にその値が「1」加算される。そして、各種シナリオ(大当たりシナリオ、当たりシナリオ)が終了する値まで加算された場合に、カウンタ値として「0」がリセットされるように構成されている。
特定制御済フラグ203ABは、大当たり種別として大当たりBが設定された場合に実行される特定大当たり制御処理(図276のS1118参照)が終了したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、特定大当たり制御処理(図276のS1118参照)が終了したことを示すものである。
この特定制御済フラグ203ABは、特定大当たり制御処理(図276のS1118参照)が終了した場合にオンに設定され(図276のS1212参照)、フラグの設定状況が大当たり制御処理(図275のS1004参照)で参照される(図275のS1118参照)。ここで、特定制御済フラグ203ABがオンに設定されていると判別した場合は(S1118:YES)、大当たり種別として大当たりBが設定された場合において、特殊なラウンド遊技が実行される1ラウンド目が終了したものと判別し、2ラウンド目以降の通常のラウンド遊技(特定入賞口65Aを開放させるラウンド遊技)を実行する。そして、大当たり遊技が終了する場合にオフに設定される(図277のS1307参照)。
図239に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65Aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図272参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112Aを制御するものである。球発射ユニット112Aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51Aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51Bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図251(A)に示すように、変動パターン選択テーブル222Aその他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222Aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
図251(B)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図251(B)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223A、特別図柄1保留球数カウンタ223Bと、特別図柄2保留球数カウンタ223C、変動開始フラグ223D、停止種別選択フラグ223E、演出カウンタ223F、SW有効時間カウンタ223G、その他メモリエリア223Zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223Aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223Aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223Bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223Bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223Bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223Bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223Bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223Bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223Bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223Bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域DS1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223Bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223Cは、特別図柄1保留球数カウンタ223Bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223Dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。変動開始フラグ223Dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図281参照)のコマンド出力処理(S2002)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223Eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図282のS2105参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図284のS2226参照)。停止種別選択フラグ223Eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
演出カウンタ223Fは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0〜198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図281参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
SW有効時間カウンタ223Gは、枠ボタン22が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(FIRST IN FIRST OUT)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図282参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、詳細について後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図228参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図272参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図228参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第A1制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図257〜図261を参照して、本制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図257は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231Aを内蔵しており、命令ポインタ231Aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231Aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231Aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231Aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(DYNAMIC RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234A1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234A2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234A、ROMコントローラ234B、バッファRAM234C、NOR型ROM234Dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234Aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234A1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234A2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234A2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234Aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234A2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234Bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234A等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234Aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234Bは、NAND型フラッシュメモリ234Aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234Aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234Bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234Aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234BによってNAND型フラッシュメモリ234Aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234Aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234Cは、NAND型フラッシュメモリ234Aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234Bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234Cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234A(またはNOR型ROM234D)より読み出してバッファRAM234Cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234Bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234Cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234Bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234Aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234Dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234Aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234Aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234Dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234D1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234D1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234Cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234D1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234Cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231Aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231Aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231Aを1だけ加算し、命令ポインタ231Aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234Dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234DからバッファRAM234Cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234Cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234Aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234Dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234Aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234Aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出してバッファRAM234Cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234Aの性質上、その読み出しからバッファRAM234Cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234Dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233Aやデータテーブル格納エリア233Bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234D1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234Cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234Cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムがバッファRAM234Cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234Cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233Aに転送する場合は、バッファRAM234Cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムを再度バッファRAM234Cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送すると、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233A内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送されると、命令ポインタ231Aがプログラム格納エリア233Aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233Aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234A1を有するNAND型フラッシュメモリ234Aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233Aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234A1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233Aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231Aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233Aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234A1から所定量ずつプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233A内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233Aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図286のS3001参照)の終了後に実行される初期化処理(図286のS3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231Aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234Aを参照することなく、プログラム格納エリア233Aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234Dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233Aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234Dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図261参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図288(B)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237Aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237Aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237Aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237Aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237Aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234Cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235A、背面画像エリア235C、キャラクタ図柄エリア235E、エラーメッセージ画像エリア235Fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235B、第3図柄エリア235Dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235Aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235Bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入賞口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235Aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図286のS3003,S3004参照)。
電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235Bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235Bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図257に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235Dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235Dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235Eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235Eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235Eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235Fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235Fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235Fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236A、第1フレームバッファ236B、第2フレームバッファ236Cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236Aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236Aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237Aを介して、画像格納エリア236Aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233A、データテーブル格納エリア233B、簡易画像表示フラグ233C、表示データテーブルバッファ233D、転送データテーブルバッファ233E、ポインタ233F、描画リストエリア233G、計時カウンタ233H、格納画像データ判別フラグ233J、描画対象バッファフラグ233Kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233Aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233Aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233Aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233Bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233Bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233Bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233Bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりであれば、その大当たり種別に応じた停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球がスルーゲート67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、第1入賞口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入賞口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期間感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233Bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図259を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図259は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。Αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のΑブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「START」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図259の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「END」情報が記載されている。そして、「START」情報が記載されたアドレス「0000H」と「END」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに格納すると共に、ポインタ233Fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233Fを1加算し、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図261参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233Fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図260を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図260は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233Bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図260のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNULLデータが規定される(図260のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「START」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図260の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「END」情報が記載されている。そして、「START」情報が記載されたアドレス「0000H」と「END」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233Eに格納する。そして、ポインタ233Fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図261参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図260の例では、ポインタ233Fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233Fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、NULLデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236Aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233Cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233Cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235A又は電源投入時変動画像エリア235Bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図286参照)の中でオンに設定される(図286のS3005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図288(B)のS3305参照)。
この簡易画像表示フラグ233Cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図288(B)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233Cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図288(B)のS3308参照)および簡易表示設定処理(図288(B)のS3309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233Cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図289〜図296参照)および表示設定処理(図167〜図169参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233Cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図170(A)のS7901参照)、簡易画像表示フラグ233Cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図170(B)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233Cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図171参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233Dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図261参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図261参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233Eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233Eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233Dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、NULLデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図261参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233Fは、表示データテーブルバッファ233Dおよび転送データテーブルバッファ233Eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233Fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図288(B)のS3303参照)の中で、ポインタ更新処理(図169のS7605参照)が実行され、ポインタ233Fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233Fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図261参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233Dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233Gは、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図261を参照して、描画リストの詳細について説明する。図261は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図261に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、Αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233Kで指定される第1フレームバッファ236B又は第2フレームバッファ236Cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233Fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236Aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233Hは、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図288(B)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233Hが1ずつ減算される(図288(B)のS3307参照)。その結果、計時カウンタ233Hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233Jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233Jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図286のS3002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233Jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236Aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233Jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図171参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236Aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233Jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを判断する(図171のS8113参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図171のS8114参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233Kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236C)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233Kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236Bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236Cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図172のS8202参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233Kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233Kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236Bと第2フレームバッファ236Cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図288(B)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図172のS8202参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第A1制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図262から図279のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2M秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図262は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図263〜図267を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行する(S106)。尚、普通図柄変動処理の詳細は、図268を参照して後述する。普通図柄変動処理を実行した後は、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、スルーゲート通過処理の詳細は、図269を参照して後述する。
スルーゲート通過処理を実行した後は、V入口通過処理を実行し(S108)、その後、V通過処理(S109)を実行する。ここで、V入口通過処理、V通過処理の詳細については図270及び図271を参照して後述する。
V通過処理(S109)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51Aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51Bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図263を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図263は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:YES)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:NO)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S202:NO)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0でなければ(S204:YES)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223B、特別図柄2保留球数カウンタ223Cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203Bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図264を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:NO)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)の値を取得し(S208)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0より大きいか判別する(S209)。特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0であると判別された場合(S209:NO)、即ち、新たに特別図柄変動を開始させるための保留球が存在しない場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0でなければ(S209:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を減算し(S210)、S210の処理により変更(減算)された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納されたデータをシフトする(S212)。その後、S213の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S202の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S202:YES)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:NO)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:YES)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図264を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合は、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜大当たりDの何れかを決定し、特別図柄の抽選結果が小当たりの場合は、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たりA〜Eの何れかを決定する。
尚、本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様(点灯態様)によって、今回の特別図柄の抽選結果(各種別カウンタの決定結果)を遊技者に報知するように構成しており、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させ、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。
そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであり、且つ、大当たりAが決定された場合は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを、大当たりAを示す態様(例えば、アルファベットの「A」を模した態様)で点灯させ、大当たりBが決定された場合は、大当たりBを示す態様(例えば、アルファベットの「B」を模した態様)で点灯させ、大当たりCが決定された場合は、大当たりCを示す態様(例えば、アルファベットの「C」を模した態様)で点灯させ、大当たりDが決定された場合は、大当たりDを示す態様(例えば、アルファベットの「D」を模した態様)で点灯させる。
また、特別図柄の抽選結果が小当たりである場合にも、上述した大当たりに当選した場合と同様に、赤色のLEDを各小当たり種別(小当たりA〜小当たりE)に応じた態様で点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。また、本実施形態では上述したように決定された各当たり種別(大当たり種別や小当たり種別)を遊技者が把握できるように各当たり種別の内容を示す態様(特別図柄の抽選結果に対応した色、各当たり種別に対応した点灯態様から形成される態様)で第1図柄表示装置37A,37Bを点灯させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、抽選結果や、決定された当たり種別が異なっている場合であっても第1図柄表示装置37A,37Bの点灯態様として同一の点灯態様を用いるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bの点灯態様を確認することで、今回の特別図柄の抽選結果や決定される当たり種別を把握することが可能となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が異なるものであることを遊技者が判別可能な程度に区分けされた点灯態様で表示するように構成しても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:YES)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口(特定入賞口65A、V入賞口624)へ球が入賞可能とするために、V入賞扉600を開閉させるための開放シナリオを設定し(S217)、その後、今回の大当たりにおいて決定された大当たり種別に対応させて大当たりの開始の設定(15ラウンド等の大当たりの設定)を実行する(S218)。
S218の処理を終えると、次に、大当たり開始フラグ203H、大当たり中フラグ203Iをオンに設定し(S219)、時短中カウンタ203Gの値を0に設定し(S220)、停止コマンドを設定し(S225)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別した場合は(S216:NO)、次に、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S221)、小当たりであると判別した場合は(S221:YES)、小当たり開始設定処理(S222)を実行した後に上述したS225の処理を実行し、本処理を終了する。なお、小当たり開始設定処理(S222)の詳細については、図265を参照して後述する。
S221の処理において、今回の抽選結果が小当たりではない(外れである)と判別した場合は(S221:NO)、次に、時短中カウンタ203Gの値が1以上であるか判別する(S223)。時短中カウンタ203Gの値が1以上では無い(0である)と判別した場合には(S223:NO)、上述したS225の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203Gが1以上であると判別した場合(S223:YES)、即ち、現在が時短状態中である場合には、時短中カウンタ203Gの値を1減算し(S224)、S225の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図264を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図264は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図262参照)の特別図柄変動処理(図263参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203Aと特別図柄2保留球格納エリア203Bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」、或いは「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203A、特別図柄2保留球格納エリア203B)の共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、停止種別カウンタCN1の各値を取得する(S231)。次に、特別図柄の種別(特別図柄1、特別図柄2)に対応した特別図柄大当たり乱数テーブル(特別図柄1乱数テーブル202A1、特別図柄2乱数テーブル202A2)に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(S232)、S233の処理へ移行する。
具体的には、今回の処理で実行される特別図柄変動が第1特別図柄の場合は、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄1乱数テーブル202A1(図242(B)参照)に設定された4つの乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜3」の4個が設定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄1乱数テーブル202A1(図242(B)参照)に設定される小当たりとなる乱数値「4」とが一致する場合には、特別図柄の小当たりであると判定する。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしているが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、小当たりと判定される判定値の数が異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて抽選結果が小当たりとなる確率を異ならせることができ、小当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との何れも小当たりに当選するように第1当たり乱数テーブル202Aを設定しているが、何れか一方の特別図柄のみ小当たりに当選するように第1当たり乱数テーブル202Aを設定しても良い。具体的には、第1特別図柄に対応する特別図柄1乱数テーブル202A1には特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定せず、第2特別図柄に対応する特別図柄2乱数テーブル202A2にのみ特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定するように設定すると良い。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて遊技者に付与可能な特典(小当たり遊技)を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値の所定範囲(0〜3)に、特別図柄の大当たりを対応させ、それ以外の範囲(4〜999)内に特別図柄の種別に応じて特別図柄の小当たりを対応させているが、それ以外の構成として、例えば、第1特別図柄では大当たりとなる範囲の一部(例えば、0〜2)の値を、第2特別図柄では小当たりとなる範囲として設定しても良い。
さらに、本実施形態では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202Aとを用いて特別図柄の抽選(大当たり、小当たり、外れ)を行うように構成しているが、それ以外の構成として、複数の当たり乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うように構成しても良く、例えば、1つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、1つ目の乱数テーブルを用いた抽選結果が大当たりでは無い場合に、2つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。このように複数の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うことにより、特別図柄の抽選結果をよりランダムに設定することができ、特別図柄の抽選結果を操作する不正行為を抑制することができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選を行う場合に第1当たり乱数カウンタC1の値を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、複数の乱数カウンタの値と、第1当たり乱数テーブル202Aとを用いて特別図柄の抽選を行っても良い。この場合、例えば、1つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、2つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。
図264に戻り説明を続ける。S233の処理ではS232の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S233)。特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S233:YES)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に対応した大当たり種別選択テーブルに基づいて大当たり種別を取得し(S234)、特別図柄と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定し(S235)、変動種別カウンタの値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(S236)、今回決定した大当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(S243)、本処理を終了する。
一方、S233の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S233:NO)、次に、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S237)、小当たりであると判別した場合は(S237:YES)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に応じた小当たり種別選択テーブルに基づいて小当たり種別を取得し(S238)、特別図柄と小当たり種別とに対応した小当たり時の表示態様を設定し、変動種別カウンタの値に基づいて小当たり変動パターンを決定し、今回決定した小当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(S243)、本処理を終了する。
また、S237の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合(S237:NO)、即ち、今回の抽選結果が外れであると判別した場合は、特別図柄の種別に対応した外れ時の表示態様を設定し(S241)、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定し(S242)、今回決定した外れ時の変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(S243)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりである場合には、保留球数に関わらず変動パターンが決定されるのに対して、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、保留球数に応じて変動パターンが異なるように構成している。具体的には、特別図柄変動開始処理(S213)が実行されるタイミングにおける保留球数が多い程、変動時間が短い変動パターンが決定され易くなるように構成している。これにより、特別図柄の抽選結果が遊技者に特典を付与することの無い抽選結果(外れ)が表示されるまでの期間を保留球数が多い程短くすることが出来るため、単位時間当たりに実行される特別図柄の抽選回数を増加させるために、多くの保留球数を常に確保しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、多くの保留球数を確保することが出来ない場合には、1回の特別図柄変動時間を長くすることができるため、遊技中において特別図柄が変動していない状態が発生することを抑制することができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、特別図柄変動開始処理(S213)の処理が実行されるタイミングにおける保留球数に基づいて変動パターンを異ならせるように構成しているが、それ以外にも、例えば、特別図柄が変動している最中に保留球数が所定数(例えば、3個)以上になったことを条件に、実行中の変動パターンに設定されている変動時間を短縮させるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄が変動している間も多くの保留球数を確保しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が外れの場合のみ、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせているが、特別図柄の抽選結果が大当たりや小当たりの場合にも、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせても良いし、保留球数が多い程、長い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しても良い。さらに、変動パターンを決定する際に参照する保留球数については、第1特別図柄の保留球数と、第2特別図柄の保留球数とを合算した値でも良いし、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、優先して特別図柄変動開始処理が実行される第2特別図柄の保留球数の値のみでも良いし、今回実行される特別図柄変動開始処理の対象となる側の特別図柄の保留球数の値のみでも良い。
次に、図265を参照して、小当たり開始設定処理(S222)について説明をする。図265は、小当たり開始設定処理(S222)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理では、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にV入賞扉600を開放させるためのソレノイド(V入口ソレノイド)209や、開放したV入賞扉600を通過した球がV入賞口624に向けて流下する流路に設けられた第1滞留部材622D(図231参照)、可動誘導部材622(図231参照)、第2滞留部材622B(図231参照)、回転振分部材621(図231参照)のそれぞれを動作させるためのソレノイドを駆動させるためのシナリオを設定する処理が実行される。
小当たり開始設定処理(S244)では、まず、小当たりシナリオテーブル202AB(図248(B)参照)に基づいて、設定された小当たり種別に対応するシナリオ(当たりシナリオA)を設定する(S241)。次いで、V通過時大当たり種別値に決定された小当たり種別に応じた小当たり種別を設定し(S242)、小当たり種別に対応した小当たりの開始を設定し(S243)、小当たり開始フラグ203J、小当たり中フラグ203Kをオンに設定し(S244)、本処理を終了する。
次に、図266を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図266は、本実施形態におけるタイマ割込処理(図262参照)の中で実行される始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行され、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理(図266,S105)が実行されると、まず、球が第1入賞口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S301)。ここでは、第1入賞口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入賞口64に入賞したと判別されると(S301:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S302)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S303)。
そして、第1入賞口64への入賞がないか(S301:NO)、或いは、第1入賞口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満でなければ(S303:NO)、S307の処理へ移行する。一方、第1入賞口64への入賞があり(S301:YES)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満であれば(S303:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1加算する(S304)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223Bに格納する。
S305の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S306)。尚、S306の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S307〜S312までの処理では、S301〜S306までの処理に対して、同様の処理が第2入賞口640の入賞に対しても実行される。第2入賞口640の入賞に対して、第2特別図柄に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、S307の処理において球が第2入賞口へ入賞していないと判定された場合(S307:NO)と、S312の処理の後、先読み処理を実行する(S313)。その後、この処理を終了する。
次に、図267を参照して、先読み処理(S313)について説明する。図267は先読み処理(S313)を示すフローチャートである。先読み処理(S313)が実行されると、まず新たな入賞があったか否かを判定する(S321)。新たな入賞がない場合は(S321:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、新たな入賞があった場合は(S321:YES)、次いで、その入賞が第1特別図柄の入賞であるか否かを判別する(S322)。
S322の処理において、入賞が第1特別図柄の入賞であると判別された場合は(S322:YES)、特別図柄1乱数テーブル、特別図柄1大当たり選択テーブルおよび特別図柄1小当たり選択テーブルに基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(S323)、S325の処理へ移行する。
一方、S322の処理において、入賞が第2特別図柄の入賞であると判別された場合は(S322:NO)、特別図柄2乱数テーブル、特別図柄2大当たり選択テーブルおよび特別図柄2小当たり選択テーブルに基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(S324)、S325の処理へ移行する。S325の処理では、上述したS323、或いはS324の処理において取得した各抽選結果(大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり判定結果、小当たり種別)を示すための情報を含む入賞情報コマンドを設定する(S325)。そして、本処理を終了する。
次に、図268を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図268は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、電動役物640Aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S401)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物640Aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S401:YES)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S401:NO)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S402)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S402:NO)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S403)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S404)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0であれば(S404:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0でなければ(S404:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1減算する(S405)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203Cに格納されたデータをシフトする(S406)。S406の処理では、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203Cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S407)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203Gの値が1以上であるかを判定する(S408)。尚、時短中カウンタ203Gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203Gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203Gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203Gの値が1以上である場合は(S408:YES)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S409)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S409:YES)、S411の処理に移行する。
S409の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S409:NO)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S407の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S410)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(B)参照)。
S408の処理において、時短中カウンタ203Gの値が0である場合は(S408:NO)、S411の処理へ移行する。S411の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S407の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S411)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(B)参照)。
次に、S410またはS411の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S412)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S412:YES)、当たり時の表示態様を設定する(S413)。このS413の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203Gの値が1以上であるかを判定し(S414)、時短中カウンタ203Gの値が1以上であれば(S414:YES)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S415)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S415:YES)、S417の処理に移行する。
S415の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S415:NO)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、電動役物640Aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S416)、S419の処理へ移行する。S414の処理において、時短中カウンタ203Gの値が0である場合は(S414:NO)、S417の処理へ移行する。S417の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、電動役物640Aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S417)、S419の処理へ移行する。
S412の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S412:NO)、外れ時の表示態様を設定する(S418)。このS418の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S419の処理へ移行する。
S419の処理では、時短中カウンタ203Gの値が1以上であるかを判定し(S419)、時短中カウンタ203Gの値が1以上であれば(S419:YES)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S420)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203Gの値が0であれば(S419:NO)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S421)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640Aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。
S402の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S402:YES)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S422)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S420の処理またはS421の処理によって予め設定された時間である。
S422の処理において、変動時間が経過していなければ(S422:NO)、本処理を終了する。一方、S422の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S422:YES)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S423)。S423の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S413の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S418の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S423の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S413の処理またはS418の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S424)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S424:YES)、電動役物640Aの開閉制御開始を設定し(S425)、本処理を終了する。S425の処理によって、電動役物640Aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物640Aの開閉制御が開始され、S416の処理またはS417の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S424の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S424:NO)、S425の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図269を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)について説明をする。このスルーゲート通過処理は、この普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
具体的には、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S431)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S431:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S432)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S433)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S431:NO)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満でなければ(S433:NO)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満であれば(S433:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1加算する(S434)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S435)、本処理を終了する。
尚、普通図柄保留球格納エリア203Cの空き保留エリアのうち最初のエリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する際には、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図270を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108)について説明する。図270は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S108)では、まず第1滞留センサ622Fがオンであるかを判定し(S501)、オンでなければ(S501:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、第1滞留センサ622Fがオンであると判定した場合は(S501:YES)、次に、V入賞口開放期間中、即ち、大当たり種別として大当たりBが設定されている大当たり遊技の1ラウンド目のラウンド遊技中、或いは小当たり遊技中であるか否かを、設定されているシナリオが当たりシナリオA202AA2であるかに基づいて判定する(S502)。S502の処理において、V入賞口開放期間中であると判別された場合は(S502:YES)、V入口通過コマンドを設定し(S503)、本処理を終了する。小当たり中ではない場合は(S502:NO)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置620へ遊技球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定し(S504)、本処理を終了する。
S503の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した遊技球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置620への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。
次に、図271を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109)について説明する。図271は、タイマ割込処理(図262参照)の中で実行されるV通過処理(S109)を示すフローチャートである。
V通過処理(S109)が実行されると、まず、V通過ありか、即ち、V入賞口624に遊技球が入賞したかを判別し(S601)、入賞したと判別した場合は(S601:YES)、次いで、現在がV有効期間中であるかを判別する(S602)。S602の処理では、小当たり遊技中、或いは、大当たり種別Bに設定されているシナリオ(当たりシナリオB222AA3)の進行をカウントするシナリオカウンタ203AAの値が、「1」〜「501」である場合に、V有効期間中であると判別し、それ以外の場合に、V有効期間中では無いと判別する。
S602の処理において、V有効期間中であると判別した場合は(S602:YES)、次に、現在が小当たり遊技中であるかを判別し(S603)、小当たり遊技中であれば(S603:YES)、今回の小当たり遊技の小当たり種別に対応するV通過時大当たり種別値を取得し(S604)、大当たり種別に対応したVフラグをオンに設定し(S605)、時短中カウンタを0に設定し(S606)、S607の処理へ移行する。
つまり、S604〜S606の処理では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口624へ入賞したことに基づいて、大当たり遊技を実行するための処理が実行される。一方、S603の処理において、小当たり遊技中では無い(大当たり種別Bに対応する大当たり遊技中である)と判別した場合は(S603:NO)、新たに大当たり遊技を実行するための処理を行う必要が無いため、S604〜S606の処理をスキップして、S607の処理へ移行する。
S607の処理では、V通過コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。ここで設定されるV通過コマンドは、主制御装置110の制御処理で設定される他のコマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113がV通過コマンドを受信した場合、例えば、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中に実行されるVチャレンジに成功し、小当たり遊技に続いて、大当たり遊技が実行されることを示すための演出を実行する。また、大当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合と同様の演出を実行する。
一方で、小当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、Vチャレンジに失敗したことを示すための残念演出を実行し、大当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、残念演出からの復活演出を実行し、継続して大当たり遊技が実行されることを遊技者に報知する。
なお、本実施形態では、V入賞口624に遊技球が入賞したことを示すためのコマンド(V通過コマンド)のみを設定する構成を示したが、V入賞口624に遊技球が入賞しなかったことを示すためのコマンド(例えば、V非通過コマンド)を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、本実施形態ではV入賞口624に入球可能な遊技球は、第2滞留部材622Bにより滞留されている遊技球(例えば、1個)だけであるため、第2滞留部材622Bにより滞留されている遊技球の個数を計測する個数計測手段と、回転振分部材621から流下した遊技球が流下可能な左排出路623Aと右排出路623B(図229参照)に遊技球の通過を検知する検知手段と、を設け、個数計測手段により計測された個数分の遊技球が検知手段により検知された場合に、上述したV非通過コマンドを設定するように構成すれば良い。これにより、音声ランプ制御装置113にて適切な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、上述した構成を用いることで、V入賞装置620内で遊技球が詰まったことを迅速に判別することができる。
一方、S602の処理において、現在がV有効期間中では無いと判別した場合は(S602:NO)、エラーコマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。S607の処理を行うことで、V有効期間外に遊技球がV入賞口624に入賞した状態、即ち、不正に遊技球をV入賞口624に入賞させる遊技が行われた場合、或いは、V入賞口624に付設された部材(例えば、第2滞留部材622B)の不具合が発生している場合を迅速に外部に報知することができる。
次に、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について図272を参照して説明をする。図272は、NMI割込処理の内容を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される(S801)。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について図273を参照して説明する。図273は、立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:YES)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:NO)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:NO)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:YES)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:NO)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理を実行する(S914)。RAMの初期化処理では、RAM203の使用領域を0クリア、その後、RAM203の初期値を設定する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず、電源断の発生情報が記憶されており、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:YES)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信する(S909)。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
そして、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(S910)、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S911)。次いで、割込みを許可して後述するメイン処理に移行する。
次に、図274を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図274は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4M秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図274参照)においては、まず、タイマ割込処理(図262参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図262参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図263参照)や始動入賞処理(図266参照)やV入口通過処理(図270参照)やV通過処理(図271参照)で設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図275参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドや後述する小当たり制御処理(図278参照)で設定される各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65Aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65Aを開放し、特定入賞口65Aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65Aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65Aを閉鎖する。この特定入賞口65Aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理(図274参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図262参照)において実行しても良い。
次に、小当たり制御処理(S1005)を実行する。この小当たり制御処理(S1005)については、図278を参照して詳細な説明を後述する。その後、第2入賞口640に付随する電動役物640Aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図268参照)のS425の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS416の処理またはS417の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図264参照)のS236の処理、S240の処理またはS242の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4S毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図264参照)のS236の処理、S240の処理またはS242の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図264参照)のS235,S239,S241の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図268参照)のS420の処理またはS421の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図268参照)のS423の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図268参照)のS413の処理またはS418の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:NO)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4M秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:YES)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1010:NO)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:YES)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図275のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図275は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図274参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65Aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図263参照)のS217の処理、または、後述する小当たりエンディング制御処理(図279参照)のS1406の処理を実行し、大当たりシナリオが設定されているかを判別する。つまり、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなり、その抽選結果に基づいて大当たりシナリオが設定されたか、或いは、小当たり遊技中に特定領域(V入賞口624)を通過したことに基づいて大当たりシナリオが設定されたかを判別する。S1101の処理において、大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(S1101:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(S1101:YES)、大当たり開始フラグ203Hをオフに設定し、次いで、設定されているシナリオが大当たりBのものであるか否かを判別する(S1102)。
S1102の処理において、大当たりBの大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(S1102:YES)、特定制御済フラグ203ABがオンであるか否かを判別する(S1117)。
S1117の処理において、特定制御済フラグ203ABがオフであると判別された場合は(S1117:NO)、特定大当たり制御処理(S1118)の処理を実行して、大当たり制御処理を終了する。この特定大当たり制御処理(S1118)の処理については、図276を参照して後述する。
一方、S1102の処理において大当たりB以外の大当たりシナリオが設定されていると判別された場合(S1102:NO)や、S1117の処理において特定制御済フラグ233ABがオンであると判別された場合(S1117:YES)は、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値に1を加算し(S1103)、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S1104)。例えば、大当たりシナリオAが設定されている場合(図示せず)、オープニング開始(オープニングスタート)に該当するシナリオカウンタ203AAのカウンタ値は1であるため、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値が1であるかを判別する。
S1104の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がオープニング開始に対応する値(大当たりシナリオAであれば、カウンタ値が1)であると判別された場合は(S1104:YES)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1105)、本処理を終了する。一方、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がオープニング開始に対応しない値であると判別した場合は(S1104:NO)、次いで、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がラウンド開始に対応する値(大当たりシナリオAであれば、カウンタ値が1251)であるかを判別する(S1106)。
S1106の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がラウンド開始に対応する値であると判別した場合は(S1106:YES)、S1107の処理にて特定入賞口65Aが開放されるよう設定し(特定入賞口65Aの開閉扉65Bが開状態となるよう特定入賞口ソレノイドをオンに設定し)、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1108)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図274参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1105の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がラウンド開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1106:NO)、次に、特定入賞口65Aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1109)。ここで、本実施形態における特定入賞口65Aの閉鎖条件としては、特定入賞口65Aが開放されてから29秒が経過した場合、または、特定入賞口65Aが開放されてから、球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1109の処理において、特定入賞口65Aの閉鎖条件が成立していると判別した場合は(S1109:YES)、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値を、現在実行されているラウンドのラウンド終了に対応するカウンタ値から1減算した値まで更新し(S1110)、本処理を終了する。なお、S1109の処理で閉鎖条件が成立していると判別された場合は、その閉鎖条件はクリアされ、次回以降の大当たり制御処理において再度閉鎖条件が成立していると判別されないよう構成されている。
ここで、大当たりシナリオは、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値を更新(加算)し、その更新(加算)されたカウンタ値に対応する動作を実行させるように構成されている。よって、特定入賞口65Aに球が所定数(例えば、10個)入賞したことで閉鎖条件が成立する場合、つまり、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で特定入賞口65Aを閉鎖する場合には、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値を対応する動作制御が実行されるカウンタ値の1つ前の値まで更新するよう構成している(次回の大当たり制御処理にて動作制御が実行されるよう構成している)。
このようにすることで、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で実行される動作制御(例えば、球が所定数入賞したことにより特定入賞口を閉鎖させる動作制御)を大当たりシナリオに基づいて実行することが可能となる。よって、特定入賞口(第1特定入賞口)65Aの閉鎖条件として、所定時間が経過した場合は大当たりシナリオに基づいて動作制御を行い、所定数の入賞があった場合は大当たりシナリオに基づくことなく動作制御を実行するといった複雑な制御を行う必要がなくなり、設計を容易にすることができるとともに両方の動作制御が混在してしまうという事態を防ぐことができるという効果がある。
S1109の処理において、特定入賞口65Aの閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1109:NO)、つぎに、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がラウンド終了に対応する値(大当たりシナリオAであればカウンタ値が8750)であるかを判別する(S1111)。
S1111の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がラウンド終了に対応する値であると判別した場合は(S1111:YES)、S1112の処理にて特定入賞口65Aが閉鎖されるよう設定し(特定入賞口65Aの開閉扉65Bが閉状態となるよう特定入賞口ソレノイド65F2をオフに設定し)、本処理を終了する。なお、上述したS1106〜S1111までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
一方、S1111の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がラウンド終了に対応する値ではないと判別した場合は(S1111:NO)、次いで、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がインターバル開始に対応する値(大当たりシナリオAであればカウンタ値が8751)であるかを判別する(S1113)。S1113の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がインターバル開始に対応する値であると判別した場合は(S1113:YES)、インターバルコマンドを設定し(S1114)、本処理を終了する。
一方、S1113の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がインターバル開始に対応する値ではないと判別した場合には(S1113:NO)、次に、大当たりエンディング制御処理(S1115)を実行する。この大当たりエンディング制御処理は、大当たり遊技におけるエンディング期間、つまり大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから特別図柄の変動が開始されるまでの所定期間(例えば5秒)の間に実行される処理である。
この大当たりエンディング制御処理の内容については、図277を参照して後述する。大当たりエンディング制御処理(S1115)を終えると、次に、その他シナリオに基づく動作処理を実行し(S1116)、本処理を終了する。ここで、S1116の処理としては、例えば、回転振分部材621を駆動するためのV振り分けモータ620Aを大当たりシナリオに基づいて駆動制御する場合には、そのモータの動作処理を実行する。
次に、図276のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特定大当たり制御処理(S1118)を説明する。図276は、この特定大当たり制御処理(S1118)を示すフローチャートである。この特定大当たり制御処理(S1118)は、大当たり制御処理(図275参照)の中で実行される処理であり、大当たり種別として大当たり種別Bが設定された場合に実行される処理である。
特定大当たり制御処理では、まず、設定されているシナリオが当たりシナリオAであるか否かを判別する(S1201)。S1201の処理において、当たりシナリオAの設定があると判別された場合には(S1201:YES)、シナリオカウンタ203AAに1を加算し(S1202)、加算後のシナリオカウンタ203AAの値に対応した動作を実行する(S1203)。
次いで、シナリオカウンタ203AAの値に基づいて、当たりシナリオAの終了タイミングであるか否かを判別する(S1204)。S1204の処理において、当たりシナリオAの終了タイミングではないと判別された場合には(S1204:NO)、そのまま大当たり制御処理へと戻る。
一方、S1204の処理において、当たりシナリオAの終了タイミングであると判別された場合には(S1204:YES)、シナリオカウンタ203AAの値を0に設定し(S1205)、第2滞留部材622Bに滞留している遊技球(滞留球)があるか否かを判別する(S1206)。
S1206の処理において、第1滞留部材622Dに滞留球があると判別された場合には、当たりシナリオBを設定し(S1207)、S1209の処理へ移行する。一方、第1滞留部材622Dに滞留球がないと判別された場合には、当たりシナリオCを設定し(S1208)、S1209の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオAの終了タイミングにおいて、第2滞留部材622Bに滞留球があるか否かに応じて、その後に設定される当たりシナリオの種別を異ならせることができる。
S1209の処理では、シナリオカウンタ203AAの値に応じた動作を実行し(S1209)、次いで、当たりシナリオBまたはCの終了タイミングであるか否かを判別する(S1210)。
S1210の処理において、当たりシナリオBまたはCの終了タイミングであると判別された場合には(S1210:YES)、大当たりシナリオBを設定し(S1211)、特定制御済フラグ233ABをオンに設定して(S1212)、本処理を終了する。
一方、S1210の処理において、当たりシナリオBまたはCの終了タイミングでないと判別された場合には(S1210:NO)、S1211およびS1212の処理をスキップして、本処理を終了する。
S1201の処理において、当たりシナリオAの設定がないと判別された場合には(S1201:NO)、次いで、当たりシナリオBまたはCの設定があるか否かを判別する(S1213)。S1213の処理において、当たりシナリオBまたはCの設定があると判別された場合には(S1213:YES)、S1209の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオAが設定されている場合には、S1202からS1208の処理が実行され、その後当たりシナリオBまたはCが設定された場合には、S1202からS1208の処理をスキップしてS1209の処理以降を実行することができる。
一方、S1213の処理において、当たりシナリオBおよびCのいずれも設定されていないと判別された場合には(S1213:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図277のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たりエンディング制御処理(S1115)を説明する。図277は、この大当たりエンディング制御処理(S1115)を示すフローチャートである。この大当たりエンディング制御処理(S1115)は、大当たり制御処理(図275参照)の中で実行される処理である。
大当たりエンディング制御処理では、まず、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(大当たりシナリオAであればカウンタ値が40751)であるかを判別する(S1301)。S1301の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1301:YES)、大当たりエンディングコマンドを設定し(S1302)、本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1301:NO)、次いで、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(大当たりシナリオAであれば、カウンタ値が42000)であるかを判別する(S1303)。S1303の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1303:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1303の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合には(S1303:YES)、大当たりシナリオの設定をクリアし(S1304)、次に、シナリオカウンタ203AAを0にリセットする(S1305)。つまり、大当たりシナリオに基づく大当たり遊技の動作制御を終了する。
次いで、大当たり中フラグ203Iをオフに設定し(S1306)、特定制御済フラグ203ABをオフに設定する(S1307)。そして、大当たり種別に対応した時短中カウンタ203Gの値を設定し(S1308)、大当たり終了コマンドを設定して(S1309)、本処理を終了する。
次に、図278のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1005)を説明する。図278は、この小当たり制御処理(S1005)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1005)は、メイン処理(図274参照)の中で実行され、小当たりに応じた各種演出を音声ランプ制御装置113にて実行させるためのコマンドの設定や、V入球口600Aに付随するV入賞扉600を開閉するためのV入賞ソレノイドや、流路ソレノイド209Bの動作を制御する処理である。なお、本実施形態では、小当たり遊技中に設定されるシナリオが、図276を参照して上述した特定大当たり制御処理(S1118)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理では、まず、当たりシナリオAが設定されているか否かを判別する(S1401)。S1401の処理において、当たりシナリオAの設定があると判別された場合には(S1401:YES)、シナリオカウンタ203AAに1を加算し(S1402)、加算後のシナリオカウンタ203AAの値に対応した動作を実行する(S1403)。
次いで、シナリオカウンタ203AAの値に基づいて、当たりシナリオAの終了タイミングであるか否かを判別する(S1404)。S1404の処理において、当たりシナリオAの終了タイミングではないと判別された場合には(S1404:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1404の処理において、当たりシナリオAの終了タイミングであると判別された場合には(S1404:YES)、シナリオカウンタ203AAの値を0に設定し(S1405)、第2滞留部材622Bに滞留している遊技球(滞留球)があるか否かを判別する(S1406)。
S1406の処理において、第2滞留部材622Bに滞留球があると判別された場合には、当たりシナリオBを設定し(S1407)、S1409の処理へ移行する。一方、第2滞留部材622Bに滞留球がないと判別された場合には、当たりシナリオCを設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオAの終了タイミングにおいて、第2滞留部材622Bに滞留球があるか否かに応じた演出を設定することができる。
S1409の処理では、シナリオカウンタ203AAの値に応じた動作を実行し(S1409)、次いで、当たりシナリオBまたはCの終了タイミングであるか否かを判別する(S1410)。
S1410の処理において、当たりシナリオBまたはCの終了タイミングであると判別された場合には(S1410:YES)、小当たりエンディング制御処理を実行して(S1411)、本処理を終了する。この小当たりエンディング制御処理(S1411)の詳細については、図279を参照して後述する。
一方、S1410の処理において、当たりシナリオBまたはCの終了タイミングでないと判別された場合には(S1410:NO)、S1411の処理をスキップして、本処理を終了する。
S1401の処理において、当たりシナリオAの設定がないと判別された場合には(S1401:NO)、次いで、当たりシナリオBまたはCの設定があるか否かを判別する(S1412)。S1412の処理において、当たりシナリオBまたはCの設定があると判別された場合には(S1412:YES)、S1409の処理へ移行する。これにより、当たりシナリオAが設定されている場合には、S1402からS1408の処理が実行され、その後当たりシナリオBまたはCが設定された場合には、S1402からS1408の処理をスキップしてS1409の処理以降を実行することができる。
一方、S1412の処理において、当たりシナリオBおよびCのいずれも設定されていないと判別された場合には(S1412:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図279のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たりエンディング制御処理(S1411)を説明する。図279は、この小当たりエンディング制御処理(S1411)を示すフローチャートである。この小当たりエンディング制御処理(S1411)は、小当たり制御処理(図278参照)の中で実行される処理である。
小当たりエンディング制御処理では、まず、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(シナリオカウンタ203AAのカウンタ値が751)であるかを判別する(S1501)。S1501の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1501:YES)、小当たり終了コマンドを設定し(S1502)、本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1501:NO)、次いで、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(シナリオカウンタ203AAであれば、カウンタ値が1500)であるかを判別する(S1503)。S1503の処理において、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1503:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ203AAのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合は(S1503:YES)、小当たりシナリオの設定をクリアし、シナリオカウンタ203AAを0にリセットする(S1504)。そしてS1505の処理に移行する。
S1505では、Vフラグ203Nがオンに設定されているかを判別する(S1505)。S1505の処理において、Vフラグ203Nがオンに設定されていないと判別された場合は(S1505:NO)、本処理を終了する。一方、Vフラグ203Nがオンに設定されていると判別された場合は(S1505:YES)、次いで、図30のS705にて設定されたVフラグ203Nの値が示す大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定する(S1506)。そして、大当たり開始フラグ203Hおよび大当たり中フラグ203Iをオンに設定し(S1507)、Vフラグ203Nをオフに設定して(S1508)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では小当たり遊技をすべて1ラウンドの遊技として設定しているため、大当たり遊技の動作制御を実行する大当たりシナリオと異なり、ラウンド数に関するコマンドを設定する処理、及び、インターバル期間(ラウンド間インターバル期間)に対応したシナリオを有していないが、複数ラウンドを有する小当たり遊技を設ける場合には、上述した大当たり遊技にて用いた大当たりシナリオと同様なシナリオを設定すればよい。
また、本実施形態では小当たり遊技が実行される期間を対象に小当たりシナリオが設定されるよう構成しているが、例えば、小当たり遊技終了後、所定期間(例えば1秒)が経過するまでの間を対象に小当たりシナリオを設定してもよい。このように構成することにより、例えば、小当たり遊技終了後1秒経過するまでをV通過有効期間と設定することが可能となる。よって、異なる遊技状態を跨って設定される期間を1つのシナリオによって設定することが可能となり、制御処理の容量を削減することができるという効果がある。
なお、本実施形態では、小当たり遊技においてV入賞口624により遊技球が検出された場合には、その小当たりに対応して予め設定された大当たり種別に対応する大当たり遊技が実行されるように構成したが、それに限らず、V入賞口624により遊技球が検出されたことに基づいて第1当たり種別カウンタC2の値を取得して大当たり種別を決定するように構成してもよい。
<第A1実施形態における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図280から図285を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図280を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図280は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1401)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2018の電源断処理(図281参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1402)。図281を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図281のS2015参照)、S2018の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2018の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1402:NO)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1514の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1403)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAH」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAH」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAH」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1403:YES)、S1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1403:NO)、S1408へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAH」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1403:YES)、S1404へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAH」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1403:NO)、S1408へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1402:YES)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2018の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1404の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1404)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFH」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFH」であるか否かを確認し、「0FFH」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFH」に次いで、「55H」、「0AAH」、「00H」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1405:YES)、RAM223の特定領域に「55AAH」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1406)。この特定領域に書き込まれた「55AAH」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1405:NO)、RAM223の異常を報知して(S1407)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1408の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1408)。電源断フラグはS1516の電源断処理の実行時にオンされる(図281のS2017参照)。つまり、電源断フラグは、S2018の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2018の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1408:YES)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1409)、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1408:NO)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1409をスキップして、処理をS1410へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。
なお、S1409のクリア処理をスキップするのは、S1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至った場合には、S1404の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図281を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図281は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2001の処理が実行されてから1M秒以上が経過したか否かが判別され(S2001)、1M秒以上経過していなければ(S2001:NO)、S2002〜S2012の処理を行わずにS2013の処理へ移行する。S2001の処理で、1M秒経過したか否かを判別するのは、S2002〜S2012が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1M秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2014の変動表示設定処理や、S2013のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2013の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2014の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2001の処理で1M秒以上経過していれば(S2001:YES)、まず、S2003〜S2012の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2008の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2003)、その後電源投入報知処理を実行する(S2004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2005の処理へ移行する。
S2005の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1506)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223Bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2007)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、図285を参照して後述するが、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理の詳細については、図285を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2008)、その後音編集・出力処理を実行する(S2009)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2009の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2010)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2008のランプ編集処理が実行される。なお、S2009の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S2011の各種カウンタ更新処理では、音声ランプ制御装置113のMPU221の制御処理で使用する各種カウンタが更新される。S2012の演出更新処理では、演出等の更新処理が実行される。
演出更新処理の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2013)。このコマンド判定処理の詳細については、図282を参照して後述する。
次に、S2014の処理へ移行する。S2014の処理では、変動表示設定処理が実行される(S2014)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図284を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2015)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2015の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2015:YES)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2017)、電源断処理を実行する(S2018)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2019)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2015の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2015:NO)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2016)、RAM223が破壊されていなければ(S2016:NO)、S2001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2016:YES)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図282を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2013)について説明する。図282は、このコマンド判定処理(S2013)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図281参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理(図280,S2013)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2101)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2101:YES)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Dをオンし(S2102)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S2103)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図284参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2101:NO)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2104)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2104:YES)、RAM223の停止種別選択フラグ223Eをオンに設定し(S2105)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2106)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図284参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2104:NO)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2107)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2107:YES)、受信した保留球数コマンドから第1特別図柄、第2特別図柄の保留球数を抽出して、対応する特別図柄1保留球数カウンタ223B、特別図柄2保留球数カウンタ223Cにそれぞれ格納する。尚、S2108の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223B、特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2107の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2107:NO)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S2109)。入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S2109:YES)、受信した入賞情報コマンドに対応した入賞情報を入賞情報格納エリア223Aに格納する(S2110)。その後、この処理を終了する。
一方、S2109の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合には(S2109:NO)、大当たり、小当たり等に関する当たり関連のコマンドを受信したか判別する(S2111)。当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S2111:YES)、当たり関連処理を実行する(S2112)。この当たり関連処理(S2112)については、図283を参照して、後述するが、大当たり、または小当たりにおいて主制御装置110から出力される各コマンドに基づいた処理が実行される。その後、この処理を終了する。
S2111の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S2111:NO)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2115)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図283を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S2112)について説明する。図283は、この当たり関連処理(S2112)を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図282参照)の中で実行される。
当たり関連処理(S2112)では、まず、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2201)。大当たり開始コマンドを受信した場合には、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S2202)。なお、省略したが、音声ランプ制御装置113においても、大当たり開始コマンドを受信すると、各種ランプ、音声等の大当たりの開始で必要な処理が実行される。その後、この処理を終了する。
大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2201:NO)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2203)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S2203:YES)、受信したコマンドが示すラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定する(S2204)。その後、この処理を終了する。
ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2203:NO)、大当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2205)。大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S2205:YES)、大当たりの終了タイミングであることを示す表示用大当たり終了コマンドを設定する(S2206)。その後、この処理を終了する。
大当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2205:NO)、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S2207)。小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S2207:YES)、小当たり遊技の開始タイミングであることを示す表示用小当たり開始コマンドを設定する(S2208)。その後、この処理を終了する。
小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S2207:NO)、小当たり終了コマンドを受信したか判別する(S2209)。小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S2209:YES)、小当たり遊技の終了タイミングであることを示す表示用小当たり終了コマンドを設定する(S2210)。その後、この処理を終了する。
小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S2209:NO)、V入口通過コマンドを受信したか判別する(S2211)。V入口通過コマンドを受信したと判別した場合には(S2211:YES)、第1滞留センサがオンであることを示す表示用V入口通過コマンドを設定する(S2212)。その後、この処理を終了する。第1滞留センサがオンであるということは、V入球口600Aを遊技球が入球したことを示している。
V入口通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S2211:NO)、V通過コマンドを受信したか判別する(S2213)。V通過コマンドを受信したと判別した場合には(S2213:YES)、V入賞口624を遊技球が通過してV演出(第3図柄表示装置81に「V」等の文字を表示する演出)を実行するタイミングであることを示す表示用V演出コマンドを設定する(S2214)。その後、この処理を終了する。
次に、図284を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2014)について説明する。図284は、この変動表示設定処理(S2014)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2014)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図281参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Dがオンか否かを判別する(S2221)。そして、変動開始フラグ223Dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2221:NO)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2226の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223Dがオンであると判別された場合(S2221:YES)、変動開始フラグ223Dをオフし(S2222)、次いで、コマンド判定処理(図282参照)のS2003の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2223)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2224)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
S2225の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223Eがオンか否かを判別する(S2225)。そして、停止種別選択フラグ223Eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2225:NO)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223Eがオンであると判別された場合(S2225:YES)、停止種別選択フラグ223Eをオフし(S2226)、次いで、コマンド判定処理(図282参照)のS2006の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2227)。主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2228)、S2229の処理へ移行する。S2229の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2229)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図285を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S2007)について説明する。図285は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2007)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2007)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図281参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理(図285,S2007)では、まず、SW有効時間が0より大きいか、即ち、SW有効時間(SW有効時間カウンタ223G>0)が設定されているか判別する(S2301)。なお、このSW有効時間は、選択された変動パターンは、図235に示すように、枠ボタン22を使用する変動パターンの演出が選択されている場合に対応するタイミングで自動的にSW有効時間が設定される。SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S2301:YES)、SW有効時間カウンタ223Gの値を経過に対応する値減算して更新する(S2302)。枠ボタン22が押下されたか判別する(S2303)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S2303;YES)、設定されている変動パターンと押下タイミングとに基づいて表示用チャンス目コマンドを設定する。この表示用チャンス目コマンドにより第3図柄表示装置81に再変動(図235参照)が実行されたり、再変動されずに再度揺れ変動の仮停止表示が実行される演出が実行される。SW有効時間カウンタ223Gをリセット(0に設定)する(S2305)。一方、S2301の処理において、SW有効時間カウンタ223Gの値が0であると判別した場合(S2301:NO)、S2303の処理において枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S2303:NO)、S2306の処理を実行する。S2306の処理では、その他のSW演出に関する処理(背景変更等)が実行される。
<第1制御処理例における表示制御装置が実行する制御処理について>
次に、図286から図296を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図286を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図286は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231Aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231Aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出してバッファRAM234Cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234Aの性質上、その読み出しからバッファRAM234Cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234Dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S3001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図287を参照して、ブート処理(S3001)について説明する。図287は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S3001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリ234Aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234Aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233Aやデータテーブル格納エリア233Bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1より読み出されバッファRAM234Cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233Aへ転送する(S3101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233Aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスに設定する(S3102)。これにより、MPU231は、S3101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S3102の処理により命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234A1を有するNAND型フラッシュメモリ234Aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233Aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S3102の処理により命令ポインタ231Aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231Aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233Aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bへ転送する(S3103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233Bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S3104)した後、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図286のS3001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図286のS3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S3105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S3001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233A及びデータテーブル格納エリア233Bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231Aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234Aを参照することなく、プログラム格納エリア233Aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233A及びデータテーブル格納エリア233Bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234Dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233Aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234Dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図287に示すブート処理では、S3101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S3101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送される所定量の制御プログラムは、S3102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233Aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S3101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233Aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を、S3101及びS3102の処理を含めて複数回繰り返した後、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233Aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233Aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233Aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234D1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234D1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S3101及びS3102の処理を行わずに、S3103〜S3105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233Aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233Aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図286の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S3002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理(S3002)では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S3003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235Aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235Aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S3003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235Aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235Bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S3004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235Bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235Bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235Bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S3004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235Bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233Cをオンする(S3005)。これにより、簡易画像表示フラグ233Cがオンの間は、後述する転送設定処理(図288(B)のS3305参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233Cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図288(B)参照)において、電源投入時画像である電源投入時主画像や電源投入時変動画像が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図288(B)のS3308参照)および簡易表示設定処理(図288(B)のS3309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入賞口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S3005の処理の後、割込許可を設定し(S3006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S3006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図288(A)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図288(A)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S3201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図288(B)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図288(B)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図261参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図288(B)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233Cがオンであるか否かを判別し(S3301)、簡易画像表示フラグ233Cがオンではない、即ち、オフであれば(S3301:NO)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S3302)を実行し、次いで、表示設定処理(S3303)を実行する。
コマンド判定処理(S3302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233Eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図289〜図296を参照して後述する。
表示設定処理(S3303)では、コマンド判定処理(S3302)などによって表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、第1制御例の表示設定処理(図167〜図168参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
表示設定処理(S3303)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S3304)。このタスク処理では、表示設定処理(S3303)もしくは簡易表示設定処理(S3309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S3305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233Cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233Cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233Eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、第1制御例の転送設定処理(図170および図171参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、描画処理を実行する(S3306)。この描画処理では、タスク処理(S3304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S3305)により設定された転送指示とから、図261に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、第1制御例の描画処理(図172参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S3307)。そして、V割込処理を終了する。S3307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理(S3302)において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S3301の処理において、簡易画像表示フラグ233Cがオンであると判別されると(S3301:YES)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S3308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S3309)を実行して、S3304の処理へ移行する。
次いで、図289〜図296を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S3302)の詳細について説明する。まず、図289は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図289に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3401)、未処理の新規コマンドがなければ(S3401:NO)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S3401:YES)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S3303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3404:YES)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3405)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図290(A)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3405)の詳細について説明する。図290(A)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233Dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S3501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S3502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3503)。表示設定処理では、S3503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3501の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3504)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3506)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3505の処理によって初期化されたポインタ233Fを更新しながら、S3501の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3502の処理によって転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S3504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233Hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図289の説明に戻る。S3404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3404:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S3406:YES)、停止種別コマンド処理を実行して(S3407)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図290(B)を参照して、停止種別コマンド処理(S3407)の詳細について説明する。図290(B)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜D、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S3601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図288(B)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S3602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S3602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S3603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S3602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S3304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S3603によって設定された停止図柄判別フラグからS3602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235Dに格納されている。
上述したように、本実施形態では、キャラクタROM234を、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しているが、第3図柄表示装置81において描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送することができる。よって、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、第3図柄表示装置81における描画の応答性を高く保つことができる。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS3602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
ここで、図289の説明に戻る。S3406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S3406:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S3408)、背面画像変更コマンドがあれば(S3408:YES)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S3409)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図291(A)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S3409)の詳細について説明する。図291(A)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(図171参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3701)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3702)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3701の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3702の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S3304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3702によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3702の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図289の説明に戻る。S3408の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S3408:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3410)、エラーコマンドがあれば(S3410:YES)、エラーコマンド処理を実行して(S3411)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図291(B)を参照して、エラーコマンド処理(S3411)の詳細について説明する。図291(B)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3801)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3802)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3801の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3802の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3802の処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図289の説明に戻る。S3410の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3410:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり関連コマンドがあるか否かを判別し(S3412)、当たり関連コマンドがあれば(S3412:YES)、当たり関連コマンド処理を実行して(S3413)、S3401の処理へ戻る。
次いで、図292を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される当たり関連コマンド処理(S3413)の詳細について説明する。まず、図292は、この当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。
この当たり関連コマンド処理では、図292に示すように、まず、当たり関連コマンドの中に、まず、表示用大当たり開始コマンドがあるか否かを判別し(S3901)、表示用大当たり開始コマンドがあれば(S3901:YES)、大当たり開始コマンド処理を実行して(S3902)、S3903の処理へ移行する。
ここで、図293(A)を参照して、大当たり開始コマンド処理(S3902)の詳細について説明する。図293(A)は、大当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用大当たり開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり開始コマンド処理では、まず、受信した表示用大当たり開始コマンドに対応した大当たり開始表示データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3921)。次いで、S3921で設定された大当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S3922)。
そして、S3921の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された大当たり開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3923)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3924)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3925)、大当たり開始コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この大当たり開始コマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3924の処理によって初期化されたポインタ233Fを更新しながら、S3921の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された大当たり開始表示データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3922の処理によって転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された大当たり開始表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、この大当たり開始コマンド処理が実行されると、大当たり開始表示データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81において大当たり開始演出が行われている最中に、ラウンド演出および大当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(大当たり開始演出、ラウンド演出、大当たり終了演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81における大当たり開始演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、大当たり開始演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、大当たり終了演出の開始を指示する表示用大当たり終了コマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用大当たり終了コマンドを受信してから、大当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してから大当たり終了演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用大当たり開始コマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出および大当たり終了演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出および大当たり終了演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たり開始演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できる。また、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において大当たり終了演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
尚、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこから大当たり終了演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、大当たり開始演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において大当たり開始演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
ここで、図292の説明に戻る。S3901の処理において、表示用大当たり開始コマンドがないと判別されると(S3901:NO)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3903)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3903:YES)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3904)、S3906の処理へ移行する。
ここで、図293(B)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3904)の詳細について説明する。図293(B)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3931)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3932)。
そして、S3931の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3933)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3934)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3935)、ラウンド数コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3903の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S3903:NO)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用大当たり終了コマンドがあるか否かを判別し(S3905)、表示用大当たり終了コマンドがあれば(S3905:YES)、大当たり終了コマンド処理を実行して(S3906)、S3907の処理へ移行する。
ここで、図294(A)を参照して、大当たり終了コマンド処理(S3906)の詳細について説明する。図294(A)は、大当たり終了コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり終了コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用大当たり終了コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり終了コマンド処理では、まず、表示用大当たり終了コマンドによって示される大当たり終了演出の表示態様に対応した大当たり終了表示データテーブルを決定し、その決定した大当たり終了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3941)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3942)。なお、S3941の処理によって設定された大当たり終了表示データテーブルを判別可能としてもよい。具体的には、S3941の処理によって設定された大当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の大当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する。これにより、このデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示設定処理などの処理において表示データテーブルバッファ233Dに設定された大当たり終了表示データテーブルが、どの大当たり終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3941の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された大当たり終了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3943)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3944)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3945)、大当たり終了コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3905の処理において、表示用大当たり終了コマンドがないと判別されると(S3905:NO)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用小当たり開始コマンドがあるか否かを判別し(S3907)、表示用小当たり開始コマンドがあれば(S3907:YES)、小当たり開始コマンド処理を実行して(S3908)、その後、S3909の処理へ移行する。
ここで、図294(B)を参照して、小当たり開始コマンド処理(S3908)の詳細について説明する。図294(B)は、小当たり開始コマンド処理を示すフローチャートである。この小当たり開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用小当たり開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
小当たり開始コマンド処理では、まず、受信した表示用小当たり開始コマンドに対応した小当たり開始表示データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3951)。次いで、S3951で設定された小当たり開始表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(S3952)。
そして、S3951の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された小当たり開始表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3953)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3954)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3955)、小当たり開始コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この小当たり開始コマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3954の処理によって初期化されたポインタ233Fを更新しながら、S3951の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された小当たり開始表示データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3952の処理によって転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された小当たり開始表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、この小当たり開始コマンド処理が実行されると、小当たり開始表示データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81において小当たり開始演出が行われている最中に、ラウンド演出および小当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、小当たり演出(小当たり開始演出、ラウンド演出、小当たり終了演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81における小当たり開始演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、小当たり開始演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、小当たり終了演出の開始を指示する表示用小当たり終了コマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用小当たり終了コマンドを受信してから、小当たり終了演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してから小当たり終了演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用小当たり開始コマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出および小当たり終了演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において小当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出および小当たり終了演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において小当たり開始演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において小当たり終了演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
尚、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこから小当たり終了演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、小当たり開始演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において小当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81において小当たり開始演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
ここで、図292の説明に戻る。S3907の処理において、表示用小当たり開始コマンドがないと判別されると(S3907:NO)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用小当たり終了コマンドがあるか否かを判別し(S3909)、表示用小当たり終了コマンドがあれば(S3909:YES)、小当たり終了コマンド処理を実行して(S3910)、その後、S3911の処理へ移行する。
ここで、図295(A)を参照して、小当たり終了コマンド処理(S3910)の詳細について説明する。図295(A)は、小当たり終了コマンド処理を示すフローチャートである。この小当たり終了コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用小当たり終了コマンドに対応する処理を実行するものである。
小当たり終了コマンド処理では、まず、表示用小当たり終了コマンドによって示される小当たり終了演出の表示態様に対応した小当たり終了表示データテーブルを決定し、その決定した小当たり終了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3961)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3962)。そして、各小当たり終了演出の表示態様に対応する小当たり終了表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3961の処理によって設定された小当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の小当たり終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する。表示設定処理では、S2703の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233Dに設定された小当たり終了表示データテーブルが、どの小当たり終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3961の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された小当たり終了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3963)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3964)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3965)、小当たり終了コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3909の処理において、表示用小当たり終了コマンドがないと判別されると(S3909:NO)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用V入口通過コマンドがあるか否かを判別し(S3911)、表示用V入口通過コマンドがあれば(S3911:YES)、V入口通過コマンド処理を実行して(S3912)、その後、S3913の処理へ移行する。
ここで、図295(B)を参照して、V入口通過コマンド処理(S3912)の詳細について説明する。図295(B)は、V入口通過コマンド処理を示すフローチャートである。このV入口通過コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用V入口通過コマンドに対応する処理を実行するものである。
V入口通過コマンド処理では、まず、表示用V入口通過コマンドによって示されるV入口通過演出の表示態様に対応したV入口通過表示データテーブルを決定し、その決定したV入口通過表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3971)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3972)。なお、V入口通過演出の表示態様を判別可能となるようにしてもよい。具体的には、V入口通過演出の表示態様に対応するデータテーブル判別フラグを設け、S3971の処理によって設定されたV入口通過表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他のV入口通過表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する。これにより、S2703の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示設定処理などの処理において表示データテーブルバッファ233Dに設定されたV入口通過表示データテーブルが、どのV入口通過終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3971の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたV入口通過表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3973)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3974)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3975)、V入口通過コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図292の説明に戻る。S3911の処理において、表示用V入口通過コマンドがないと判別されると(S3911:NO)、次いで、当たり関連コマンドの中に、表示用V演出コマンドがあるか否かを判別し(S3913)、表示用V演出コマンドがあれば(S3913:YES)、V演出コマンド処理を実行して(S3914)、その後、当たり関連コマンド処理を終了する。
ここで、図296を参照して、V演出コマンド処理(S3914)の詳細について説明する。図296は、V演出コマンド処理を示すフローチャートである。このV演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用V演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
V演出コマンド処理では、まず、表示用V演出コマンドによって示されるV演出の表示態様に対応したV演出表示データテーブルを決定し、その決定したV演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3981)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3982)。
次いで、S3981の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたV演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3983)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3984)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3985)、V演出コマンドを終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、図289の説明に戻る。S3412の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S3412:NO)、次いで、表示用チャンス目コマンドがあるか否かを判別し(S3414)、表示用チャンス目コマンドがあれば(S3414:YES)、チャンス目コマンド処理を実行して(S3415)、S3401の処理へ戻る。
ここで、図291(C)を参照して、チャンス目コマンド処理(S3415)の詳細について説明する。図291(C)は、チャンス目コマンド処理を示すフローチャートである。このチャンス目コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用チャンス目コマンドに対応する処理を実行するものである。
チャンス目コマンド処理では、まず、表示用チャンス目コマンドによって示されるチャンス目の表示態様に対応したチャンス目表示データテーブルを決定し、その決定したチャンス目表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(S3851)。次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3852)。
次いで、S3851の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定されたチャンス目表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(S3853)、ポインタ233Fを0に初期化する(S3854)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3855)、チャンス目コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図289の説明に戻る。S3414の処理において、チャンス目コマンドがないと判別されると(S3414:NO)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3416)、S3401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3401:YES)、再びS3402〜S3416の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3401〜S3416の処理が繰り返し実行され、S3401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図288(B)参照)において簡易画像表示フラグ233Cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S3308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像(図示せず)を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図290(A)参照)および停止種別コマンド処理(図290(B)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図290(A)参照)では、S3501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233Dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bに格納されているので、S3502の処理では、転送データテーブルバッファ233EにはNULLデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
<第A2実施形態>
次に、図297〜図299を参照して、第A2実施形態における遊技盤13の構成について説明をする。図297は、本第A2実施形態における遊技盤13の正面図である。図297に示したように、本第A2実施形態のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第A1実施形態と比較して可変表示ユニット80の右側の領域(以下、右打ち領域と称す)の構成を異ならせた点で相違している。具体的には、右打ち領域に振分装置B700を設け、右打ち領域を流下する遊技球のうち、第1流路B701Aを流下し振分装置B700へ流入した遊技球を2つの流路(第2流路B701B、第3流路B701C)に振り分けるための構成を有している。
次に、本第A2実施形態の遊技盤13の右打ち領域に設けられた振分装置B700について、図298及び図299を参照して詳細に説明する。
図298は、遊技盤13の右打ち領域を拡大した模式図である。右打ち領域に発射され、第1流路B701Aを流下した球は、振分装置B700を通過し、第2流路B701Bまたは第3流路B701Cに振り分けられる。この振分装置B700の詳細な構成については、後述する図114を参照して説明するが、第1流路B701Aを流下した球が、第2流路B701Bと第3流路B701Cとに3:1の割合で振り分けられるように構成されている。このように構成することで、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600Aに確実に遊技球を入球させるためには、複数の遊技球を発射させる必要があるため、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。また、振分装置B700へ流入した球のうち少なくとも4球に1球は第3流路701Cを流下させることができるため、継続して複数の遊技球を発射させる通常の遊技を行った場合において、V入賞扉600が開放している期間中に遊技球をV入球口600Aに入球させることができないという事態が発生することを抑制することができる。
第2流路B701Bは、流下した球がスルーゲート67を通過可能な領域へと流下するように構成されており、第3流路B701Cは、流下した球がV入球口600Aに入球可能となるように形成されており、第2流路B701Bから流出した球は、V入賞扉600が開放している場合には、開状態のV入賞扉600を通過してV入球口600A内へ流入(入球)する。一方、V入賞扉600が閉鎖している場合には、スルーゲート67を通過可能な領域へと流下するように構成されている。
なお、本実施形態では、V入賞扉600が開放している場合に、第3流路B701Cから流出した球は必ずV入球口600Aに入球するように構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく例えば、第3流路B701Cの流出口と、V入賞扉600との間に球の流下方向を振り分ける振分部材(釘や振分装置等)を設け、V入賞扉600が開放している場合に、第3流路B701Cから流出した球の一部のみがV入球口600Aに入球するように構成してもよい。
このように構成することで、振分装置B700により規則的に(3:1の割合)で振り分けられた遊技球のうち、V入球口600Aへと流入する遊技球を不規則に発生させることができるため、V入賞扉600が開放している間に遊技球をV入球口600Aへと入球させるために、より意欲的に継続して遊技球を発射させることができる。
次に、流入した球を2つの流路に振り分ける振分装置B700の構造について、図299(A)〜(D)を参照して説明する。図299(A)及び(B)は、振分装置B700の構成を模式的に示す模式図であって、図114(C)及び(D)は、第1流路B701Aの球流下と振分装置B700との関係を模式的に示した模式図である。
図299(A)に示したように、振分装置B700は、軸心を中心に回動可能に構成された回転体であって、その回転体の4方向(90度間隔で4方向)に球と当接し得る羽根部材(第1羽根部材B700A、第2羽根部材B700B)が設けられている。第1羽根部材B700Aは、振分装置B700に流下してきた球が第3流路B701Cへ流下するように(振分装置B700の回転体の横側方向へ流下するように)扁平な形状で構成されており、第2羽根部材B700Bは、振分装置700に対して流下してきた球が第2流路B701Bへ流下するように(振分装置B700の回転体の直下方向へ流下するように)平面板状の形状で構成されている。
本実施形態では振分装置B700として、第1羽根部材B700Aを1個、第2羽根部材B700Bを3個有した回転体を用いているため、第2流路B701Bに振り分ける球数と第3流路B701Cに振り分ける球数とが3:1の割合になるように構成されている。さらに、振分装置B700の回転体の側面には金属片B700Cが埋設されており、図示しない検知センサによって、回転体が回転しているか否かを判別可能に構成されている。これにより、振分装置B700を不正に改造し、流路ユニットB720に流入した球を一方の流路(第2流路B701B或いは第3流路B701C)にのみ流下させる行為が実行されていることを容易に判別することができる。
次に、図299(C)及び(D)を参照して、第1流路B701Aと振分装置B700との配置関係について説明する。図299(C)は、第2羽根部材B700Bが流路内に位置している状態を示す模式図である。この状態において第1流路B701Aを球が流下した場合は、その球が第2羽根部材B700Bに当接し、第3流路B701Cへと振り分けられる。そして球に当接した第2羽根部材B700Bは球の流下方向(図299(C)の下方向)に沿って90度回転(下方向に90度回転)し、第1羽根部材B700Aが流路内に位置することになる。
図299(C)に示した状態から、振分装置B700に球が2球通過すると、図299(D)に示した状態(第1羽根部材B700Aが流路内に位置する状態)へと移行する。
このように振分装置B700を流下する球と、回転体に設けられた羽根部材とを当接させることで、球の流下方向を変更するとともに、回転体を回転させる構成を用いることで、球が通過する度に回転体が回転させて球と当接し得る羽根部材を変更させることができるため、確実に球を振り分けることができる。
以上、説明をしたように、本実施形態では、右打ち領域に振分装置B700を設け、V入球口600Aに入球可能な流路(第3流路701C)と、V入球口600Aに入球不可能(困難)な流路(第2流路701B)とに、遊技球を振り分ける構成を有しているため、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600Aに確実に遊技球を入球させるためには、複数の遊技球を発射させる必要があるため、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
また、振分装置B700へ流入した球のうち少なくとも4球に1球は第3流路701Cを流下させることができるため、継続して複数の遊技球を発射させる通常の遊技を行った場合において、V入賞扉600が開放している期間中に遊技球をV入球口600Aに入球させることができないという事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をした第A2実施形態では、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制するために振分装置B700を有する構成を用いたが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、遊技球を発射してからV入球口600Aへと到達するまでの期間が不規則となるように右打ち領域に遊技球の流下期間を不規則にするための遅延手段を設け、遊技球を発射してからV入球口600Aへと到達するまでの期間を容易に把握されないようにすることで、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制する構成を用いても良いし、複数の遊技球が連続して流下しない限り、V入球口600Aへと遊技球が到達しないように、右打ち領域に遊技球を所定期間滞留させる滞留手段を設け、その滞留手段に遊技球が滞留している場合に、後続の遊技球が滞留している遊技球に衝突することでV入球口600Aに入球可能な流路へ流入するように構成しても良い。
なお、本実施形態では、振分装置B700の構成は、4球に1球の割合で第3流路701へ振り分けるように構成したがそれに限らず、他の割合であっても良いし、振分装置B700を風車等で構成して、ランダムな割合で振り分けるように構成してもよい。
<第A3実施形態>
次に、図300〜図301を参照して、第A3実施形態における遊技盤13の構成について説明をする。図300は、本第A3実施形態における遊技盤13の正面図である。図300に示したように、本第A3実施形態のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第A1実施形態と比較して可変表示ユニット80の右側の領域(以下、右打ち領域と称す)の構成を異ならせた点で相違する。具体的には、右打ち領域のV入賞扉600の上方に遊技球の流下を遅延させるためのクルーン部材1700を設けるようにした点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、クルーン部材1700を設けたことにより、右打ち領域を流下する遊技球の経路として、クルーン部材1700の内部を流下することにより、遊技球の流下が遅延されてV入賞扉600へと流下する遅延経路と、クルーン部材1700の外部(右側)を流下してV入賞扉600へと流下する通常経路とを有する。
このように構成することで、遊技者が遊技球の発射を停止した後も、遅延経路を流下している遊技球がV入賞扉600へと到達可能となる。
ここで、例えば、遊技者が小当たり種別を判別し、遊技者にとって不利な小当たり種別の小当たりが発生した場合に、V入賞扉600へ遊技球を流下させないように発射を控えるような不正遊技が考えられる。この場合、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞が発生しないことにより、遊技店の損害が大きくなってしまう。
これに対し、上述した構成により、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を停止したとしても、クルーン部材1700(遅延経路)により流下が遅延されている遊技球がV入賞扉600へと流下することになるため、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞が発生しないといった事態を防止できる。
また、遅延経路を流下するか、通常経路を流下するかによって、発射した遊技球がV入賞扉600へと到達するタイミングが大きく変化する。よって、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600Aに確実に遊技球を入球させる(即ち、遊技球が遅延経路を流下したとしても入球させる)ためには、V入賞扉600が開放されるよりも前から遊技球を発射しておく必要がある。これにより、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
ここで、図301を参照して、クルーン部材1700の詳細について説明する。クルーン部材1700は、円錐形状で構成されており、上部に右打ち領域を流下する遊技球が入球する入球部1710Aを有している。この入球部1710Aは、遊技球1球よりも若干大きい(本実施形態では、直径12MM)開口部となっている。
クルーン部材1700の内部には、入球部1710Aに入球した遊技球をクルーン部材1700の内壁に沿って螺旋状に流下させる螺旋流路1710Dが形成されており、螺旋流路1710Dの終端部には緩やかに中央へとすり鉢状に傾斜した底面部1710Cが形成されている。螺旋流路1710Dは、入球部1710Aに入球した遊技球を底面部1710Cの外側端部へ、遊技球が底面部1710Cの内周面に沿って、らせん状に流下するように構成されている。底面部1710Cは、既に公知であるクルーンの底面形状と同一であり、底面の内周に沿って遊技球を円運動させながら序々に中心部へと遊技球を誘導するものである。底面部1710Cの中心には、遊技球1球よりも若干大きい(本実施形態では、直径12MM)球出口1710Bが下方に円柱形状に突出して構成されている。さらに、球出口1710Bの内部には、螺旋状に流路が0.5MMの突出した流路壁により形成され、遊技球が球出口1710Bの内部を螺旋状に回転しながら球出口1710B外部へと排出されるように構成されている。
なお、本実施形態では、クルーン部材1710の内部には、螺旋流路1710Dを形成する構成としたが、それに限らず、螺旋流路1710Dを設けない構成であってもうよいし、クルーン形状の底面を形成せず、螺旋流路1710Dのみで構成してもよい。また、螺旋流路1710Dでなく、遊技球の流下速度を減速させる摩擦係数の高い素材等で構成した減速部を形成するように構成してもよい。遊技球の流下を遅延させるものであれば、適宜選択してよい。
これにより、クルーン部材1700の入球部1710Aに入球した遊技球は、螺旋流路1710Dでクルーン部材1700の内周壁に沿ってゆっくりと転動して底面部1710Cへと案内される。底面部1710Cに案内された遊技球は、底面部1710C上を外周側から中心へと円運動をしながら序々に球出口1710Bへと案内される。また、球出口1710Bの直径は、遊技球よりも若干大きい直径となっており、さらに内部に形成された螺旋状の流路により、下方へ突出した球出口1710B内部を遊技球が螺旋状に回転しながら球出口1710Bの外部へと排出される。このように構成することで、クルーン部材1700の入球部1710Aに入球した遊技球は、球出口1710Bより排出されるまで、約6秒かかるように構成されている。
ここで、本実施形態では、小当たり種別が表示されてから、V入賞扉600が開放されるまでの時間は1秒に設定されている。よって、小当たり種別が表示されてから新たな遊技球の発射を控えたとしても、クルーン部材1700の内部を遅延されて流下している遊技球がV入賞扉600へと流下する。これにより、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を控え、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞を発生させないようにする不正遊技を防止できる。
また、本実施形態では、小当たりの変動時間はクルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間が多く選択されるように構成されている。これにより、小当たりの変動演出よりも前(または変動演出中)にクルーン部材1700の入球部1710Aへ入球した遊技球が、その小当たり変動演出が終了しV入賞扉600が開放されるタイミングで、球出口1710Bより排出されやすくなる。これにより、遊技者によるV入球口600Aへの遊技球の入球制御を困難にして不正遊技を抑制すると共に、通常の遊技においてV入球口600Aへ遊技球が入球し易くなることで、遊技者の興趣を向上できる。なお、クルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間が選択され難く構成しても当然良い。
さらに、本実施形態では、小当たりの変動時間として複数の変動時間(2秒、6秒、9秒、12秒)が選択されるように構成している。よって、V入賞扉600が開放されるタイミングを見計らって遊技球を発射し、V入球口600Aへ遊技球を入球させることが困難となる。加えて、本実施形態では、右打ち領域を流下する遊技球は遅延経路と通常経路とのいずれを流下するかにより、V入球口600Aへ遊技球が到達するタイミングが大きく変化する。よって、V入賞扉600が開放されるタイミングを見計らって遊技球を発射することを一層困難にすることができる。その結果、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、小当たりの変動時間は上述したものに限られず、クルーン部材1700を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間のみとしても良いし、長い変動時間のみとしても当然良い。
また、本実施形態では、遅延経路と通常経路との2経路を設けることにより、遊技者に対しV入球口600Aへ遊技球が到達するタイミングを予測し難くしたが、流下速度の異なる経路を3経路以上設けるようにしても当然良い。
以上、説明したように、本第A3実施形態では、V入賞扉600(V入球口600A)の上部にクルーン部材1700を設けることで、右打ち領域を流下する遊技球がV入球口600Aへ入球する経路として、流下時間の異なる遅延経路と通常経路とを設けるようにした。
この遅延経路により、遊技者が遊技球の発射を停止した後も、遅延経路を流下している遊技球がV入賞扉600へと到達可能となる。即ち、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を停止したとしても、クルーン部材1700(遅延経路)により流下が遅延されている遊技球がV入球口600Aへと入球することになる。これにより、遊技者が小当たり種別を判別して、遊技者にとって不利な小当たり遊技時にV入球口600Aへ遊技球を入球させないようにするとの不正遊技を抑制できる。
また、本実施形態では、遅延経路を流下するか、通常経路を流下するかによって、発射した遊技球がV入賞扉600へと到達するタイミングが大きく変化する。よって、V入賞扉600が開放している期間中において、V入球口600Aに確実に遊技球を入球させる(即ち、遊技球が遅延経路を流下したとしても入球させる)ためには、V入賞扉600が開放されるよりも前から遊技球を発射しておく必要がある。これにより、遊技球を単発で発射させる遊技を抑制することができ、遊技の稼働を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、小当たり種別が表示されてから、V入賞扉600が開放されるまでの時間よりも、クルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が流下する時間が長くなるように構成している。よって、小当たり種別が表示されてから新たな遊技球の発射を停止したとしても、クルーン部材1700の内部を遅延されて流下している遊技球がV入賞扉600へと流下する。これにより、遊技者が小当たり種別を判断した後に遊技球の発射を停止し、遊技者にとって不利な小当たり遊技によるV入賞を発生させないようにする不正遊技を防止できる。
また、本実施形態では、小当たりの変動時間はクルーン部材1700(遅延経路)を遊技球が通過する時間(6秒)よりも短い(または同じ)変動時間が多く選択されるように構成されている。これにより、小当たりの変動演出よりも前(または変動演出中)にクルーン部材1700の入球部1710Aへ入球した遊技球が、その小当たり変動演出が終了しV入賞扉600が開放されるタイミングで、球出口1710Bより排出されやすくなる。これにより、遊技者によるV入球口600Aへの遊技球の入球制御を困難にして不正遊技を抑制すると共に、通常の遊技においてV入球口600Aへ遊技球が入球し易くなることで、遊技者の興趣を向上できる。
<第A4実施形態>
次に、図302〜図319を参照して本パチンコ機10の第A4実施形態について説明する。本第A4実施形態では、第A1実施形態に対して、可変表示ユニット80の右側流路に、遊技球を振り分ける振分装置720を配置して、右側流路を流下する球を交互に振り分けるように構成し、振り分けられる一方の通路に小当たりまたは大当たりと判定された特別図柄の変動が停止表示された後に、小当たりまたは大当たり遊技の開始となるゲートを配置して、球を右側流路に発射し続けることで、小当たりまたは大当たりの開始時にV入賞装置620へ球を入球させることが可能に構成した点で相違する。その他の構成については同一であるのでその他の構成については省略する。
図302よび図303を参照して、第A4実施形態における遊技盤13の構成について説明する。本第A4実施形態では、可変表示ユニット80の右側領域にV入賞扉600よりも上流側の位置に振分装置720が配置されている。振分装置720は、上部に右側流路を流下する球が入球可能な入球口720Cが1球の遊技球が通過可能な幅で形成されており、入球口720Cを通過した球が流下すると、左右に回動して交互に流下してくる球を左側流路720Dと右側流路720Eとに振り分けるように構成されている。右側流路720Eの下端部には、球の通過を検知することが可能なフォトセンサで構成された開始ゲート720Aが配置されている。この開始ゲート720Aを球が通過することで、小当たり遊技または大当たり遊技の開始が設定されるように構成されている。このように、本第2実施形態では、小当たりまたは大当たりの判定がされた特別図柄の変動が停止した場合にも、小当たり遊技または大当たり遊技へは移行せずに、開始ゲート720Aを球が通過するまで小当たり遊技または大当たり遊技の実行が待機される状態となる。
振分回動部材720Bは、入球した遊技球を左右に配置された左収容部または右収容部で受ける。左収容部で遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振分回動部材720Bは、正面視左回りに回転して、遊技球を左側流路720Dへと誘導する。ここで、振分回動部材900は、それぞれ左右周りに約90度回動可能に構成されており、左収容部と右収容部との境界壁には磁石が設けられている。
振分装置720の背面側に設けられるベース体には、振分回動部材720Bの磁石が通過口の中央線上の位置にベース側磁石が配置されている。振分回動部材720Bの磁石とベース側磁石とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石は、先端部を振分回動部材720B側に向くように配置されて固定されている。
磁石もベース側磁石と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石側に向くように、振分回動部材720Bに固定されている。振分回動部材720Bが回動し、左収容部と右収容部の境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石と振分回動部材の磁石とが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振分回動部材の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振分回動部材は、磁石が通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石とベース側磁石とが反発することにより、振分回動部材720Bが左右どちらかに回転し、左収容部と右収容部とのどちらかが、振分装置720に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が左収容部と右収容部との境界壁と当接して、球詰まりが発生するのを防止することができる。
また、磁石とベース側磁石とが反発することで、例えば、左収容部が遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を左側流路720Dへ誘導した後に、振分回動部材720Bが右回転する(左収容部が上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を左側流路720Dへ誘導した後には、右収容部が上方を向いた状態となり、次に振分装置720に入球した遊技球は、右収容部が受けて、遊技球の重さにより振分回動部材720Bが右に約180度回転して、遊技球を右側流路720Eへ誘導する。このように、振分回動部材720Bは、振分装置720に入球する遊技球を左側流路720Dと右側流路720Eとに交互に誘導することができる。よって、均等に左側流路720Dと右側流路720Eとに遊技球を振り分けて誘導させることができる。
振分回動部材720Bにより右側流路720Eへと振り分けられた後に、入球口720Cを通過した球は、振分回動部材720Bが左方向へと回動することで左側流路720Dへと振り分けられる。左側流路720Dに振り分けられると、V入球口600Aに入球可能な流路へと誘導される。開始ゲート720Aを球が通過すると、小当たりまたは大当たり遊技が開始され、V入賞扉600が開放状態へと可変されるので、その後に左側流路へと振り分けられた球はV入球口600Aへと入球可能となる。ここで、V入賞扉600は、小当たりまたは大当たりBにおける大当たり遊技の開始タイミング(開始ゲート720Aを球が通過したタイミング)から1秒後に3秒間開放される。ここで、球は発射装置により1分間に100発同じ間隔で発射されるので、1発0.6秒の間隔で発射される。よって、球が連続して右側領域に発射されている場合には、開始ゲート720Aを通過した後に、約0.6秒後に左側流路720Dより遊技球が排出されることとなる(振分装置720の左側流路720Dと右側流路720Eとの球が流下する時間は同一となるように流路が形成されている)。
左側流路720Dの下端部よりV入球口600Aまでの流下時間は、約0.1秒であるので、その球は、V入賞扉600が開放状態となるまえに流下することとなり、次に、左側流路720Dより排出される球(先に左側流路720Dより排出されてから1.2秒後)は、V入賞扉600が開放状態であることからV入球口600Aに入賞可能となる。また、その次に、左側流路720Dより排出される球までV入球口600Aに入賞可能となる。
このように、開始ゲート720Aに球を通過させてから、球の発射を停止させて小当たり種別を第1図柄表示装置37で確認して、時短回数の少ない大当たり種別が選択される小当たり遊技におけるV入賞口624への入賞を回避しようとしても、入賞させることができる球は連続で発射していても2球に限られ、確認した後に発射してもV入球口600Aへ入賞させることは困難である。
なお、本実施形態では、左側流路720Dを通過した遊技球がV入球口600A内に入球可能とする構成としたが、右側流路720Eを通過した遊技球が入球可能な構成としてもよいし、右側流路を流下する遊技球のうち、振分装置720内に入球しなかった遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
また、本実施形態における振分装置720は入球した遊技球を交互に振り分ける構成としたが、振分回動部材720Bを風車等で構成して左右にランダムに振り分けるように構成してもよい。
<第A4実施形態における電気的構成について>
本第A4実施形態では、第A1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201のRAM203の内容が変更されている点で相違する。その他の点については、第1制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図307(A)は、第A4実施形態における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第A4制御における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM203は、第A1実施形態に対して、条件装置フラグ203ACが追加されている点で相違する。その他の構成については、第A1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
条件装置フラグACは、開始ゲート720Aを通過したことを示すフラグである。電源断等が発生した場合に、電源復帰した場合に参照して開始ゲート720Aを通過した後であるかを判別するためのフラグである。大当たり遊技の終了に基づいてオフに設定される。
次に、図304〜図306,図308〜図309を参照して本実施形態における小当たり時または大当たりBと判定された場合の第3図柄表示装置81で表示される演出態様について説明する。
図308(A)は、小当たり遊技におけるV入賞口624を通過する場合の主制御装置110で制御される内容と、第3図柄表示装置81で表示される表示態様のタイミングチャートを示した図である。
特別図柄が停止表示されている状態から当否判定が実行されて、小当たりが判定されると、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置で第3図柄(特別図柄)の変動表示が開始される。変動開始時には、図304(A)に示すように「ルーレットチャンス開始」という文字が表示される。その3秒後には、図304(B)に示すように、第3図柄が右上に縮小して表示され、ルーレット表示が開始される。ルーレット表示には、矢印図柄が左側に表示されて、その矢印位置で停止したルーレット図柄によって、当否判定結果(大当たり、外れ、小当たり)とV入賞口624に入賞したことを示す「V」図柄と、V入賞口624に入賞しなかったものの、大当たり遊技が開始されていることを示す「BIG」図柄、外れであることを示す「どくろ」図柄が配置されている。その後、特別図柄の変動時間中は、図305(A)に示すようにルーレット表示が高速回転で表示される。その後、図305(B)に示すように変動期間が経過して第3図柄の変動が停止した場合に、ルーレット表示のスクロール(回転表示)がスロー表示されて、左上方に右打ち報知図柄が表示されて、右打ちする期間であることが遊技者に報知される。
次に、図306(A)に示すようにV入賞口624に遊技球が入球したタイミングでルーレット表示の「V」図柄の位置が矢印図柄と一致する位置で停止表示される。また、V入賞口624に遊技球が入球しなかった場合には、V有効期間が経過したタイミングで当否判定結果が外れであれば、図306(B)に示すように「どくろ」図柄の位置が矢印図柄と一致する位置で停止表示される。また、図示は省略したが、V入賞口624に遊技球が入球しない場合に、当否判定結果が大当たり(大当たりB)であれば、「BIG」図柄の位置が矢印図柄と一致する位置で停止表示されて、実は実行されている遊技は、大当たり遊技であることが報知される。
このように構成することで、当否判定結果が大当たりであるか、小当たりであるかをV入賞口624に入球可能な期間が経過するまで一連の演出で構成して、V入賞までの期間を使用して演出することで遊技の興趣を向上できる。
次に、図310〜図311を参照して、第A4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第A1実施形態では、特別図柄の変動期間が経過した後に、当否判定結果が大当たりであれば、0.1秒後に大当たり遊技が開始されたが、本実施形態では、開始ゲート720Aを遊技球が通過することで大当たり遊技が開始される点で相違する。なお、第A1実施形態と同一の構成については、その説明を省略する。
図310を参照して、本実施形態における特別図柄変動処理2(S140)について説明する。図310は、この特別図柄変動処理2(S140)の内容を示したフローチャートである。特別図柄変動処理2(S140)では、第A1実施形態における特別図柄変動処理(S104:図263参照)に対して、S217〜S220までの処理が削除され、条件装置判定処理(S250)が追加されている点で相違する。その他の処理については、同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図311を参照して、本第A4実施形態における条件装置判定処理(S250)について説明する。図311は、この条件装置判定処理(S250)の内容を示したフローチャートである。条件装置判定処理(S250)では、まず、開始ゲート720Aを遊技球が通過したか判別する(S251)。開始ゲート720Aを遊技球が通過したと判別した場合には(S251:YES)、大当たり種別に基づいて特定入賞口の開放シナリオを設定する(S252)。大当たり開始フラグ203J、大当たり中フラグ203K、条件装置フラグ203ACをオンに設定する(S254)。時短中カウンタ203Gを0に設定して(S255)、この処理を終了する。一方、S251の処理において、開始ゲート720Aを遊技球が通過していないと判別した場合には(S251:NO)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、開始ゲート720Aを通過することで大当たり遊技を開始するように構成したので、大当たり遊技を遊技者の意図で開始することができる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の開始のみを開始ゲート720Aを通過させることで開始するように構成したが、小当たり遊技も開始ゲート720Aを通過させることで開始させるように構成してもよい。このように構成することで、開始ゲート720Aを通過させた遊技球がV入球口600Aに入賞させ易くでき、特定の小当たり遊技種別を遊技球が入球しないように回避させて遊技球を発射させることを困難とすることができる。
また、本実施形態では、左側流路720Eに開始ゲート720Aを設けたが、それに限らず、右側流路720Dに配置してもよい。このように構成する場合には、開始ゲート720Aを遊技球が通過してから、V入賞扉600が開放状態となるまでの期間を、開始ゲート720Aの通過からV入球口600Aに入球可能となる期間とするように構成してもよい。このように構成することで、小当たり遊技において、V入球口600Aへ遊技球を入球させることができ、特定の小当たり種別における遊技球の入賞回避の遊技方法を抑制できる。
<第A5実施形態>
次に、図312〜図314を参照して、本第A5実施形態とその変形例について説明する。第A1実施形態では、V入賞装置620における回転振分部材621の制御は常時一定としたが、本実施形態では、大当たりBである場合に回転振分部材621の制御を変更するように構成した点で相違する。
図312(A)は、本第A5実施形態における大当たりBが実行され、V入球口600Aに遊技球が入球して、可動誘導部材622により回転振分部材621へと遊技球が誘導される場合を示した図である。可動誘導部材622が上昇を開始するタイミングで、回転振分部材621が中心位置(V入賞口624へと遊技球を誘導する位置)で停止しするように構成されている。
また、図313は、本第A5実施形態における特定大当たり制御処理3(S1118)の内容を示したフローチャートである。第A1実施形態における特定大当たり制御処理(S1118:図276参照)に対して、S1281〜S1282の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第A1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
S1203の処理において、シナリオカウンタの値に対応した動作が実行された後に、S1281の処理が実行される。S1281の処理では、V入賞口ソレノイド(V入賞扉600を開閉するソレノイド)をOFFとなるタイミングであるか判別する(S1281)。V入賞ソレノイドがOFFとなるタイミングであると判別した場合には(S1281:YES)、V振り分けモータを中心位置3.7秒停止するデータを当たりシナリオAに設定する(S1282)。その後、S1204の処理へ移行する。一方、V入賞口ソレノイドをOFFするタイミングでないと判別した場合には、S1204の処理へ移行する。
このように、本実施形態では、大当たりBである場合には、回転振分部材がV入賞タイミングに合わせて中心位置で停止するように構成されるので、小当たり遊技であると思っていた遊技者に対して新鮮味のある演出を行うことができる。さらには、V入賞口624へ必ず大当たりBでは入賞させることができるので、V入賞口624に入賞したことで、2R目が開始されたかのように思わせることができる。
次に、図312(B)を参照して、第A5実施形態における変形例について説明する。第A5実施形態では、回転振分部材621の制御を大当たりBである場合には変更したが、それに限らず、回転振分部材621の制御は変更せずに、大当たりBである場合には、確定流路660が新たに突出して可動誘導部材622が途中位置で滞留2ソレノイドを解除して、可動誘導部材622上に遊技球を落下させて、確定流路660がV入賞口624へと遊技球を誘導するように構成した点で相違する。確定流路660はモーターにより突出されるように構成されており、V入賞口624へと高確率または100%で遊技球を誘導するように構成されている。
図314は、本第A5実施形態の変形例における特定大当たり制御処理4(S1118)の内容を示したフローチャートである。第A1実施形態における特定大当たり制御処理(S1118:図276参照)に対して、S1283の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第A1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
S1207の処理において、当たりシナリオBが設定されると、即ち、可動誘導部材622の上昇が開始されると、確定流路がモータにより2秒間動作され、前方へ突出して、可動誘導部材622から落下する遊技球を上面に受けることが可能な位置へと可変される(S1283)。その後、S1209の処理が実行される。なお、図示は省略したが、可動誘導部材622も途中位置で滞留2ソレノイドがオフとなるように設定される。
これにより、大当たりBである場合には、小当たりである場合と異なる誘導路を経由してV入賞口624へと入賞することができる。これにより、小当たりの場合と、大当たりBの場合とでV入賞口への入賞制御を切り替えることができ、遊技の興趣を向上できる。
上述した各制御例および各実施形態を説明する際に用いた「大当たり(大当たり遊技)の開始時(実行時)」という文言は、特別図柄の大当たり抽選に当選し、大当たり遊技が開始されることが確定しているタイミングを示す概念として用いているものであり、具体的には、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示すための図柄の組み合わせで特別図柄が停止表示(確定表示)したタイミングや、大当たりのオープニング期間が開始されるタイミングや、大当たりのラウンド遊技が開始されるタイミングなどが含まれる概念である。
上述した各制御例および各実施形態を説明する際に用いた「大当たり(大当たり遊技)の終了時」という文言は、大当たり遊技が終了するタイミングを示す概念として用いているものであり、具体的には、大当たりの最終ラウンドが終了したタイミングや、大当たりのエンディング期間が終了したタイミングや、大当たり終了後の1回目の特別図柄の抽選を行うタイミングなどが含まれる概念である。
このような概念で用いた各文言に対して、上述した各制御例および各実施形態において特定のタイミングを指定していない場合には、上述した各タイミングの何れかを適宜採用するように構成しても良い。
上述した各制御例および各実施形態において説明をしたパチンコ機10の構成について、適宜組み合わせて実施しても良く、例えば、上述した第2制御例にて用いた転落抽選を実行する転落抽選手段を有するパチンコ機10に対して、上述した第3制御例にて用いた小当たり抽選を実行する小当たり抽選手段を設けても良い。
また、上述した第2制御例にて用いた転落抽選手段は、特別図柄の大当たり確率を高確率状態から低確率状態へと移行(転落)させるための抽選を実行するものであるが、それ以外の要素に対して設定されている内容を移行(転落)させるために用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の当たり確率を高確率状態から低確率状態へと移行(転落)させるための抽選や、時短状態を通常状態へと移行(転落)させるための抽選を実行するように構成しても良い。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として遊技者が押下操作可能な枠ボタン22を用いているが、操作手段として枠ボタン22とは異なる構成を設けても良く、例えば、遊技者が前後方向に操作可能なレバー形状の操作手段や、遊技者が接触(或いは、近接)したことを検知するタッチセンサ式の操作手段や、遊技者の動きを撮影する撮影手段の撮影結果を判別するカメラ式の操作手段等を設けても良い。また、操作手段の数も1つに限られること無く、複数個設けても良い。
上述した各制御例では、実行される様々な演出を第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行する構成を用いているが、パチンコ機10の複数の表示手段を設け、複数の表示手段を用いて上述した様々な演出を実行するように構成しても良いし、上述した各制御例にて説明をした様々な演出のうち、少なくとも2以上の演出を実行可能なパチンコ機10においては、実行可能な2以上の演出から、実際に実行される演出を遊技者が選択可能に構成してもよい。
<第5制御例>
次に、本発明の第5制御例について、添付図面を参照して説明する。なお、上述した各制御例、および各実施形態と同一の要素についても、説明の便宜上繰り返し説明をする。本第5制御例の遊技機は、上述した第A1実施形態(図226参照)と同様に、遊技者が有利となる特典遊技(大当たり遊技)が実行される契機として、特別図柄の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される契機(第1契機)と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり遊技中に遊技球が特定領域(小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650(図315参照)内に設けられたV領域(図示せず))を通過したことに基づいて大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される契機(第2契機)と、の2つの契機を有している。
このように構成することで、遊技者に対して様々な契機で大当たり遊技を提供することが可能となるたるため、遊技性を向上させた遊技を提供することができる。さらに、本第5制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選よりも、第2特別図柄(特図2)の抽選のほうが、小当たりに当選し易いように構成している。そして、大当たり遊技の終了後に設定され得る遊技状態である時短状態中は、特図2の抽選が実行され易くなるように構成している。これにより、時短状態が設定された場合には、通常状態が設定されている場合よりも大当たり遊技が実行され易くすることができる。即ち、通常状態では特図1の抽選が主に実行されるのに対して、時短状態では特図2の抽選が主に実行されるため、上述した第2契機を成立させ易くすることができる。よって、時短状態を遊技者に有利な遊技状態とすることができるため、遊技者に対して時短状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第5制御例では、通常状態が設定されている状態において、特図2の抽選が実行され易くなる期間を一時的に現出させることができるように構成している。詳細な説明は、図315を参照して後述するが、通常状態における普通図柄抽選によって、特定の当たり(ロング開放当たり)に当選した場合に、電動役物640Aを長期間(1.5秒間)開放させるようにし、特図2抽選の実行契機である第2入球口(入賞口)640へ球が入球し易い期間を設定するよう構成している。これにより、通常状態の遊技を行っている遊技者に対しても、特図2抽選を実行させることができるため、特図2抽選を実行すること無く(時短状態に移行すること無く)、遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の継続条件(終了条件)として、少なくとも第1条件(例えば、時短状態中に特図2変動を5回実行、或いは、小当たり遊技終了)と、その第1条件よりも時短状態を継続し易い(終了させ難い)第2条件(例えば、時短状態中に特図変動(特図1変動と特図2変動との累計)を99回実行、或いは、小当たり遊技終了)と、を設定可能に構成している。そして、通常状態で実行された特図2抽選に基づいてV大当たり遊技が実行される場合と、時短状態で実行された特図2抽選に基づいてV大当たり遊技が実行される場合とで、時短状態の継続条件(終了条件)の設定割合を異ならせている。具体的には、通常状態中の特図2抽選に基づいて実行されたV大当たり遊技の終了後のほうが、時短状態中の特図2抽選に基づいて実行されたV大当たり遊技の終了後よりも、時短状態が継続し易い(終了し難い)継続条件(終了条件)が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄(特図)の抽選結果だけでは無く、特図抽選が実行された場合における遊技状態に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、本第5制御例では上述した通り、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定されている場合よりも、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)が設定されている場合のほうが、V大当たり遊技終了後に継続し易い時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、通常状態が設定されている場合も、時短状態が設定されている場合も、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第5制御例では、第2特別図柄(特図2)の入賞情報を最大で4個、保留記憶可能に構成しており、時短状態における特図2最終変動の抽選結果を示す変動演出を用いて保留記憶されている特図2の入賞情報の先読み結果を遊技者に報知するように構成している。つまり、時短状態中に実行される変動演出の演出結果として、当該特図変動の抽選結果に加え、時短状態から通常状態へと遊技状態が移行した後に実行される特図2抽選(通常状態に移行した時点で保留記憶されている特図2の入賞情報に対する抽選)の結果を報知するように構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が当たり(例えば、小当たり)に当選したことを示す演出結果である場合に、今回の小当たり当選が、時短状態で当選したのか、通常状態で当選したのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、上述した通り、本第5制御例では、時短状態で小当たり当選した場合と、通常状態で小当たり当選した場合とで、小当たり遊技を経由して実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)の終了後に設定される時短状態の継続のし易さを異ならせており、具体的には、通常状態中の特図2抽選で小当たりに当選した場合のほうが、時短状態中の特図2抽選で小当たりに当選した場合よりも、時短状態が継続し易い(終了し難い)継続条件(終了条件)が設定され易くなるように構成しており、さらに、通常状態へと移行した後に実行される特図2抽選に対応する先読み結果が、時短状態が継続し易い小当たりに当選するとの判別結果である場合に、時短状態における特図2最終変動の抽選結果を示す変動演出にて、先読み結果(時短状態から通常状態へと移行した後に実行される特図2抽選の先読み結果)を報知するように構成している。
このように構成することで、時短状態中に実行される変動演出によって、小当たりに当選したことが報知された場合に、当選した小当たりが、時短状態が継続し易い小当たりである割合を高めることができる。ここで、近年の遊技機(例えば、パチンコ機10)では、遊技の健全化を図るために、遊技者に有利な遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)が大当たり遊技終了後に設定される割合(所謂、継続率)を低く(例えば、65%以下)設定することにより遊技の射幸性を抑えるものがある。このような遊技機では、例えば、遊技者に有利な有利遊技状態が設定されている状態で当たり(例えば、大当たり、小当たり)に当選したとしても、その当たり遊技終了後に再度、有利遊技状態が設定される割合が抑えられてしまうため、有利遊技状態中における当たり報知演出に期待感を抱かせることが困難になるという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、有利遊技状態(時短状態)中に実行される当たり報知演出(変動演出)にて、有利遊技状態(時短状態)中に当選した当たり(小当たり)の報知に加え、有利遊技状態(時短状態)から不利遊技状態(通常状態)へと移行した後に実行される特図2抽選の先読み結果にて、時短状態が継続し易い小当たりに当選すると事前判別された場合の報知も行うように構成している。これにより、有利遊技状態(時短状態)中に当たり報知演出が実行された場合における時短状態が継続し易い小当たりの当選割合を高めることができ、有利遊技状態中における当たり報知演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
さらに、本第5制御例では、時短状態の最終変動(特図2変動)、或いは、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)の何れで小当たりに当選したのかを遊技者に分かり難くする変動演出が実行されるように構成している。詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、時短状態の最終変動期間に対応して実行される変動演出によって、当該変動の抽選結果に加え、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)の先読み結果も報知するように構成し、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)の変動時間を短時間(例えば、0.5秒)とし、その短時間変動が終了するまで、時短状態の最終変動期間に対応して実行される変動演出の演出結果を表示するように構成している。このように、時短状態の最終変動と、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2変動(通常状態移行時に存在する残特図2保留に対応する特図2変動)と、が実行される期間を用いて一連の演出を実行し、その一連の演出の演出結果を、複数変動に跨がって表示させることで、今回の一連の演出がどの特図変動に対応する特図抽選の結果を報知しているのかを遊技者に分かり難くすることができる。
次に、図315を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図315は、本第5制御例における遊技盤13の正面図である。図315に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第A1実施形態のパチンコ機10の遊技盤13(図227参照)に対して、可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域(左側遊技領域)にも、普通図柄(第2図柄)の抽選契機となる普通図柄始動口(スルーゲート)67を設けた点と、可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域(右側遊技領域)に設けられるV入賞口600A、V入賞扉600、及び、V入賞口600Aに入球した球が流下する流路を削除した点と、特図抽選で当たり(大当たり、小当たり)に当選した場合に開放動作される可変入賞装置65、及び、V入賞装置650を右側遊技領域の下流側に配置した点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、本第5制御例のパチンコ機10の遊技盤の左側遊技領域の構成について、上述した第A1実施形態と異なる点を中心に説明をする。上述した通り、本第5制御例では、左側遊技領域の中流部(可変表示ユニット80の左側)に、球が通過可能なスルーゲート67が形成されている。これにより、遊技者が左側遊技領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)を行っている間も、普通図柄(普図)の抽選が実行される。詳細な説明は後述するが、本制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている間に、特定の普図当たりに当選すると、第2入賞口640に球を容易に入球させることができる普図当たり遊技が実行されるように構成している。
このように、通常状態中に第2入賞口640へ球を入球させ易い期間(状態)を提供可能に構成することにより、遊技状態を時短状態に移行させなくとも特図2抽選を用いた遊技性、即ち、小当たり当選に基づいて大当たり遊技を実行させる遊技性を遊技者に提供することができる。よって、通常状態中の遊技を長時間実行している遊技者が、特図2抽選を用いた遊技性を体験することなく遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、通常状態中の遊技として、第1入賞口64への球の入賞に基づいて実行される第1特別図柄(特図1)の抽選にて大当たりを狙う遊技と、スルーゲート67への球の通過に基づいて第2特別図柄(特図2)の抽選にて大当たりを狙う遊技と、を同時に実行させることができるため、通常状態中における遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図315を参照して、本第5制御例のパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。本第5制御例では、上述した第A1実施形態と同様に、遊技状態として時短状態が設定されると、特図2抽選が実行され易くなるため(特図2抽選の契機となる第2入賞口640に球が入賞し易くなるため)、第2入賞口640が配設されている右側遊技領域を狙う遊技(右打ち遊技)が行われる。
本第5制御例では、右側遊技領域に、スルーゲート67、第2入賞口640(電動役物640A)、可変入賞装置65、V入賞装置650を配設し、普通図柄(普図)の抽選を行う遊技、第2特別図柄(特図2)の抽選を行う遊技、及び、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中の遊技を、右打ち遊技にて実行することが可能に構成している。これにより、時短状態中の遊技と小当たり遊技と大当たり遊技とが繰り返し実行される期間中において、遊技者に球の発射方向(左側遊技領域方向、右側遊技領域方向)を変更させる必要が無くなる。よって、球の発射方向の変更が煩雑に行われてしまうことを抑制し、快適に遊技を行わせることができる。また、本第5制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合よりも、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態、小当たり遊技状態、大当たり遊技状態)が設定されている場合に、右打ち遊技を行わせるように構成しているため、遊技者に対して、右打ち遊技中は有利な状態であると分かり易く報知することができる。
V入賞装置650は、小当たり遊技が実行される場合に開放動作される入賞装置であって、V入賞口650Aに球が入賞可能な開放状態と、入賞困難な閉鎖状態とに可変可能なV入賞扉650Bを有している。このV入賞扉650Bは、閉鎖状態に位置している場合にその上面に球流路が形成されるように構成しており、V入賞装置650が閉鎖状態中は、右打ち遊技によって発射された球がV入賞扉650Bの上面を、可変入賞装置65方向に向かって流下するように構成している。また、V入賞口650Aの内部に、図示しない特定領域(V領域)を有しており、小当たり遊技中(小当たり遊技終了後の球捌け期間も含む)にV入賞口650Aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過した場合に、大当たり遊技が実行されるように構成している。
なお、V入賞装置650内に設けられる特定領域(V領域)の構成については、当業界において周知一般的な技術であるため、その詳細な説明を省略するが、例えば、上述した第A1実施形態のように、V入賞装置650内に球が通過可能な流路を複数設け、そのうち特定の流路を通過した球のみが特定領域(V領域)を通過できるように構成しても良いし、V入賞装置650内を流下する球の流下方向を振り分ける振分部材、例えば、パチンコ機10の電源投入時から予め定められた規則で常時駆動する振分部材や、大当たり遊技が開始されてから予め定められた規則で常時駆動する振分部材や、大当たり遊技の特定数のラウンド遊技が開始されてから予め定められた規則で常時駆動する振分部材等を設け、その振分部材によって振り分けられた球が特定領域(V領域)を通過した場合に大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。
さらに、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の種類を複数設け、例えば、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特定領域(V領域)を球が通過し易い小当たり遊技が実行される小当たり種別と、特定領域(V領域)を球が通過し難い小当たり遊技が実行される小当たり種別とを設定可能に構成しても良い。この場合、当選した小当たりの種別に応じて、V入賞扉650Bの開放パターンを異ならせ、特定領域(V領域)を球が通過し難い小当たり遊技を実行する場合には、V入賞口650Aに球が入球し難くなるV入賞扉650Bの開放パターンが設定されるように構成したり、V入賞装置650内に設けられた振分部材によって球が特定領域(V領域)以外に振り分けられるタイミングで球が振分部材に到達するようにV入賞扉650Bの開放パターンを設定されるように構成したりしても良い。加えて、小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技として、V入賞装置650では無く、可変入賞装置65を開放動作させる小当たり遊技を設定可能に構成し、その小当たり遊技が実行された場合には、物理的にV入賞装置650内の特定領域(V領域)を球が通過できないように構成しても良い。
可変入賞装置65は、大当たり遊技中の開放動作される入賞装置であって、特定入賞口65Aに球が入賞し易い開放状態と、入球し難い閉鎖状態と、に可変可能な入賞扉65Bを有している。この入賞扉65Bは、閉鎖状態に位置している場合にその上面に球流路が形成されるように構成しており、可変入賞装置65が閉鎖状態中は、右打ち遊技によって発射された球が入賞扉65Bの上面を、アウト口66方向に向かって流下するように構成している。
<第5制御例におけるパチンコ機10のゲーム性について>
次に、図316を参照して、本第5制御例のパチンコ機10のゲーム性について説明をする。図316は、本第5制御例の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図316に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)のいずれかが設定されるように構成している。
そして、通常状態中に左打ち遊技を行い、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選(大当たり確率1/250)すると、その大当たり遊技終了後には必ず時短状態が設定される。ここで、通常状態中に特図1大当たりに当選した場合に設定される時短状態の設定内容について説明をする。詳細な内容は図335を参照して後述するが、通常状態中に特図1大当たりに当選した場合には、3種類の大当たり種別のうち何れかの大当たり種別が設定され、各大当たり種別に対して異なる時短終了条件が規定されている。時短終了条件とは、時短状態を終了させる条件のことであり、その時短終了条件が成立した場合に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行する。
通常状態で特図1大当たりに当選した場合は、図316に示した通り、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAA)が1%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が5回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAB)が15%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAC)が84%の割合で設定されるように構成している。つまり、通常状態中に特図1大当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定されるが、設定された大当たり種別に応じて、その時短状態の継続のし易さ(時短終了条件)を異ならせている。
なお、詳細は後述するが、本第5制御例では、特図2の入賞情報を最大で4個保留記憶させることができるように構成しているため、時短終了条件として時短1回が設定された場合であっても、1回目の特図2変動が実行されている最中は(1回目の特図2変動が停止するまでは)時短状態が設定され、電動役物640Aが開放し易い状態であることから、特図2の入賞情報を保留記憶させ易くすることができる。よって、時短1回の時短終了条件が設定された場合でも、時短状態中の特図2変動が1回実行されている期間中に、特図2の入賞情報(特図2保留)を保留記憶させる遊技を行うことにより、時短状態から通常状態へと移行した後の特図2変動を最大で4回実行することができる。このように構成することで、大当たりに当選した場合に、特図2抽選を数多く実行させることができるため、小当たり当選経由の大当たり遊技を遊技者に体験させ易くすることができる。
一方、通常状態中に特図1抽選で特小当たりに当選(小当たり確率1/500)した場合は、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域)を通過することで実行される大当たり遊技の終了後に、必ず時短状態が設定される。具体的には、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAA)が10%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が5回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAB)が40%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAC)が50%の割合で設定されるように構成している。
上述した通り、本第5制御例では、通常状態が設定されている状態で実行される特図1抽選によって、大当たりに当選した場合(図柄大当たりに当選した場合)と、小当たりに当選し、その小当たり遊技中に特定領域を球が通過し大当たり遊技が実行される場合(V大当たりした場合)と、の何れの契機で大当たり遊技が実行された場合であっても、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されるように構成しており、特図1抽選に基づいて実行される大当たり遊技であっても、その大当たり遊技の実行契機によって時短状態の継続のし易さを異ならせている。上述した通り、大当たり遊技の実行契機のうち、成立し易い実行契機(特図1抽選による大当たり当選)の場合は、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の平均継続回数が2.58回となり、成立し難い実行契機(特図1抽選による小当たり当選)の場合は、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の平均継続回数が12.4回となる。
このように、大当たり遊技の実行契機を複数有するパチンコ機10において、実行契機の成立のし易さと、成立後に設定され得る有利遊技状態(時短状態)の継続のし易さとを関連付けることにより、何れの実行契機で大当たり遊技が実行されたとしても、遊技者に期待感を抱かせることができる。
本第5制御例では、図315を参照して上述した通り、通常状態中の左打ち遊技を実行している最中も普通図柄(普図)の抽選が実行されるように構成しており、1/10の確率で普図当たりに当選しているように構成している。そして、普図当たりに当選した場合の1/100の割合で電動役物640Aを長期間(1.5秒間)開放させる普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行されるように構成している。つまり、通常状態が設定されている間に実行される普図抽選の約1/1000の確率で特図2抽選を実行可能な状態(ロング開放当たり遊技)が設定される。
ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させると、通常状態における特図2抽選が実行される。ここで、通常状態中における特図2抽選で大当たりに当選した場合の遊技の流れについて図316を参照して説明する。本第5制御例では、特図1抽選と特図2抽選とで、大当たりに当選する確率が同一(1/250)に設定されている。そして特図2抽選で大当たりに当選した場合には、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAD〜AF)の何れかが設定される(図335参照)。つまり、通常状態では、大当たり確率が同一の特図1抽選と特図2抽選のうち、特図抽選の実行契機が成立し難い(対応する始動入賞口に球を入賞させ難い)特図2抽選のほうが、大当たり遊技終了後に時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。このように構成することにより、普図抽選によって当たりに当選し、ロング開放当たり遊技が実行された場合(1/1000)に、遊技者に対して意欲的に特図2抽選を実行させることができる。
次に、通常状態中における特図2抽選で小当たりに当選した場合の遊技の流れについて説明をする。本制御例では、特図2抽選で小当たりに当選する確率(約1/7.1)が、特図1抽選で小当たりに当選する確率(1/500)よりも高確率になるように構成している(図334参照)。そして、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域)を通過することで実行される大当たり遊技の終了後に、必ず時短状態が設定される。具体的には、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAD)が40%の割合で設定され、第2特別図柄(特図2)の変動回数が5回に到達した場合に時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりAE)が60%の割合で設定されるように構成している。つまり、通常状態において、特図2抽選の小当たり経由で設定される時短状態の平均継続回数が42.6回となり、通常状態における特図1抽選の小当たり経由で大当たり遊技が実行される場合よりも時短終了条件が成立し難い(継続し易い)時短状態が設定され易くなる。
このように、通常状態中の遊技では、低確率ではあるが普図抽選によって当たりに当選し、ロング開放当たり遊技が実行された場合(1/1000)に、特図抽選で大当たりに当選するよりも遊技者に有利となる時短状態が設定されやすく構成することにより、通常状態を遊技している遊技者に対して、特図1抽選で大当たり、或いは小当たりを目指す遊技を行わせながら、普図抽選の当たり当選を契機に、特図2抽選で大当たり、或いは小当たりを目指す遊技を行わせることができる。
また、図315に示した通り、第1入賞口64に球を入賞させようと左打ち遊技を行った場合に遊技領域に発射される球(左側遊技領域を流下する球)が通過可能な位置にスルーゲート67を配設しているため、通常状態を遊技している遊技者に対して、球の発射方向を変更させること無く、特図1抽選を行う遊技と、普図抽選を行う遊技とを並行して行わせることができる。
なお、本制御例では、成立し難い契機で大当たり遊技が実行される程、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成しているが、これに限ること無く、成立し易い契機で大当たり遊技が実行された場合のほうが、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成しても良いし、予め定められた特定の契機(例えば、特図1抽選の小当たり当選)で大当たり遊技が実行された場合に、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成しても良い。
なお、上述した小当たり遊技(特図1抽選、或いは特図2抽選にて小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技)中に、球が特定領域(V領域)を通過しなかった場合は(非V入賞の場合は)、小当たり遊技終了後に通常状態が設定される(図315の点線で示した流れに相当)。これにより、小当たり遊技が実行されている間に意図的に特定領域(V領域)に球を入球させない不正遊技を行う遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができる。
次に、図316を参照して、時短状態が設定されている場合における遊技の流れについて説明をする。本制御例では、時短状態が設定されると電動役物640Aが開放され易くなり、第2入賞口640に球を入賞させ易くなるため、主として特図2抽選を実行させる右打ち遊技が実行される。
この時短状態は、所定の時短終了条件が成立するまで継続し、時短終了条件が成立すると通常状態へと移行するように構成している。この時短終了条件は特図抽選で当選した大当たりに対して設定される大当たり種別、或いは、当選した小当たりに対して設定される小当たり種別に応じて異なる条件が設定されるように構成している。具体的には、どの当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)が設定された場合であっても、共通条件として設定される共通時短終了条件と、当たり種別に応じて異なる条件が設定される対応時短終了条件と、が規定されており、共通時短終了条件としては、大当たり当選時(大当たり遊技開始時)に成立する第1終了条件と、小当たり遊技終了時に成立する第2終了条件と、時短状態中に実行された特別図柄(特図)変動の回数(特図1変動の回数と特図2変動の回数の累積)が99回に到達した場合に成立する第3終了条件が設定され、対応時短終了条件としては、時短状態中に実行される特図2変動回数が1回となった場合に成立する短終了条件、特図2変動回数が5回となった場合に成立する中終了条件が当たり種別に応じて設定される。
上述した通り、対応時短終了条件は、時短状態中において主に変動される特図2変動の回数に基づいて終了条件が設定されているため、例えば、時短状態が設定された時点で存在している特図1変動の保留記憶に基づいて、時短状態中に特図1変動が実行されたとしても、対応時短終了条件が成立することが無い。よって、遊技者に有利な時短状態が設定されたにも関わらず、特図2抽選が実行されること無く、時短状態が終了してしまうことを抑制することができる。また、特図2変動の回数に基づいて対応時短終了条件が成立するように構成しているため、時短状態中に実行される特図2変動の回数を容易に規定することができ、遊技者に過剰な特典(特図2抽選)を提供してしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では時短終了条件として、共通時短終了条件と、対応時短終了条件と、を上述した内容で設定可能に構成しているが、本制御例の設定内容に限ること無く、例えば、本第5制御例では共通時短終了条件に既定されている小当たり遊技に関する終了条件として、小当たり遊技が実行された回数が特定回数(例えば、3回)となった場合に終了条件が成立するように構成しても良いし、小当たり遊技に関する終了条件を対応時短終了条件とし、当たり種別に応じて、小当たり遊技に関する終了条件が成立する小当たり遊技の実行回数を異ならせるように構成しても良い。また、本制御例では、小当たり当選時に設定される小当たり種別に関わらず、小当たり遊技が実行された場合に第2終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特定の小当たり種別に応じた小当たり遊技が実行された場合に第2終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、本制御例では小当たり遊技が終了した時点で第2終了条件が成立するように構成されているが、これに限らず、小当たり遊技開始時(小当たり当選時)に第2終了条件が成立するように構成しても良い。
このように構成することにより、時短状態中の小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くすることができるため、時短状態がいつまで継続するのか緊張感を持たせて遊技を行わせることができる。
図316に戻り、時短状態中の遊技の流れについて説明をする。時短状態中に特図2抽選で大当たりに当選した場合には、通常状態と同様に、第1特別図柄(特図1)の変動回数、及び、第2特別図柄(特図2)の変動回数が99回に到達した場合に時短終了条件が成立する大当たり種別(大当たりAD〜AF)の何れかが設定される(図335参照)。つまり、時短終了条件として、共通時短終了条件のみが設定される。
一方、時短状態中に特図2抽選で小当たりに当選した場合には、小当たり当選を経由して実行される大当たり遊技終了後に、上述した共通時短終了条件に加え、小当たり種別に応じた対応時短終了条件が設定された時短状態が設定される。具体的には、時短状態中に特図2抽選で小当たりに当選し、小当たり当選を経由して実行される大当たり遊技終了後には、10%の割合で対応時短終了条件として特図2変動回数5回が設定され、90%の割合で対応時短終了条件設定されない(実質99回が設定される)ように構成している。
上述した通り、本第5制御例では、特図2抽選の小当たり当選に基づく大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件(時短終了条件)の設定割合を、小当たり当選時における遊技状態に応じて異ならせており、通常状態中に特図2抽選で小当たり当選したほうが、時短状態中に特図2抽選で小当たりに当選した場合よりも、時短終了条件が成立し難い(対応時短終了条件が設定されない)時短状態が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、例えば、特図2抽選を実行させ易い有利遊技状態である時短状態が終了し、通常状態へと移行した時点で保留記憶されている特図2抽選によって小当たり当選することで、遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるため、時短状態が終了する直前まで特図2の保留記憶を多く獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本制御例では、時短状態の最終変動(対応時短終了条件が成立する特図2変動)に対応させて実行される変動演出(最終変動演出)によって、当該変動の抽選結果に加え、保留記憶されている特図2の入賞情報の先読み結果も報知するように構成している。このように構成することで、最終変動演出の演出結果が最大で5回の特図2抽選の抽選結果を報知することが可能となる。よって、最終変動演出の演出結果として当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)が報知される確率を、1回の特図2抽選の抽選結果のみを報知する変動演出よりも高く設定することが可能となり、遊技者に演出内容を興味深く注視させることができる。
また、時短状態中の特図2抽選と、通常状態中の特図2抽選との抽選結果(先読み結果含む)を一度に報知するように構成しているため、今回の最終変動演出によって当たり当選が報知された場合に、当たり当選した特図2抽選が、時短状態中の特図2抽選なのか通常状態中の特図2抽選なのかを、遊技者に分かり難くすることができる。このように構成することで、本制御例のように、小当たり当選時における遊技状態に応じて異なる割合で時短終了条件が設定される場合に、今回の小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後にどのような時短終了条件を有する時短状態が設定されるのかを、変動演出の演出態様(演出タイミング)によって遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、本制御例では、時短状態から通常状態へと移行した後に実行される特図2変動の変動時間として短時間(0.5秒)の変動時間が設定されるように構成し、その短時間変動の変動演出として、上述した最終変動演出の演出結果を表示するように構成している。これにより、時短状態の最終変動に対応させて実行される最終変動演出にて、保留記憶されている特図2の入賞情報の先読み結果も報知するように構成したとしても、その先読み結果の対象となる特図2変動が終了するまで最終変動演出を継続して表示させることができる。そして、時短状態終了後の特図2残保留に対応した特図2変動(通常状態中の特図2変動)が終了すると(特図2保留記憶数が0になると)、特図1抽選の実行を狙う左打ち遊技が行われる。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、通常状態が設定されている場合であっても、所定条件が成立することにより(普図抽選にてロング開放当たりに当選することにより)、特図2抽選を実行することができるように構成し、特図2抽選は、特図1抽選よりも小当たりに当選する確率が高くなるように構成している。これにより、通常状態において、第1入賞口64を狙うことで特図1抽選を実行させる遊技と並行して普図抽選を実行させる遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第5制御例における演出の流れについて>
次に、図317〜図331を参照して、本第5制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。本第5制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている場合は、第3図柄表示装置81の表示画面にて特図1変動に対応した変動演出が実行されるように構成されており、その特図1変動の実行中において、普図抽選にてロング開放当たりに当選した場合には、その特図1変動の変動演出に割り込むように普図変動演出が表示されるように構成されている。
ここで、普図変動演出は、普図変動の開始タイミングから、普図当たり遊技(電動役物640Aの開放)期間を経て、第2入賞口640に球を入賞させ、その入賞球に対応した特図2変動によって小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行されるまでの期間を用いた一連演出の一部として実行される。
ここで、近年、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中に電動役物640Aを長期間(例えば、1.5秒間)開放させる普図当たり(ロング開放当たり)に当選し得るように普図抽選の抽選内容を設定し、通常状態中において一時的に有利な特図抽選(例えば、特図2抽選)を実行させようとするものがある。このような遊技機では、通常状態中の遊技を長期間実行している遊技者に対して、有利な特図抽選を実行させることができ遊技の興趣を向上させることができるものであった。また、このような遊技機において、普図変動の抽選結果を示すための普図変動演出を実行し、遊技者に対してロング開放当たりの当たり遊技が実行されるまでに、普図抽選の結果を予測させる楽しみを提供可能な演出を、第3図柄表示装置81の表示画面の一部(特図変動に対応する変動演出が実行される表示領域よりも小さな表示領域)を用いて実行するものもある。
しかしながら、ロング開放当たりの当たり遊技が実行される旨を遊技者に報知可能な普図変動演出のみを実行する近年の遊技機では、その当たり遊技によって獲得した特図2抽選の変動演出と、上述した普図変動演出とに関連性が無く、ロング開放当たりの当たり遊技によって遊技者に付与される特典、即ち、ロング開放当たりの当たり遊技が実行されたことにより、特図2抽選が実行されたことを分かり易く報知することが出来ず、普図変動演出の演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
これに対し、本第5制御例では、普図変動の開始タイミングから、普図当たり遊技(電動役物640Aの開放)期間を経て、第2入賞口640に球を入賞させ、その入賞球に対応した特図2変動によって小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行されるまでの期間を用いて一連演出を実行するように構成している。これにより、一連演出を実行することにより、普図抽選の抽選結果に基づいて、大当たり遊技が実行されるまでの遊技の流れを遊技者に分かり易く報知することができ、演出効果を高めることができる。
ここで、上述した一連演出を実行する場合において、普図ロング開放当たりの当たり遊技中、即ち、電動役物640Aを長期間開放させている間に第2入賞口640に球を入賞させた場合に、その入賞に基づいた特図2変動が開始されるタイミングが、特図1変動の変動状況に応じて大きく異なるという問題が発生する。具体的には、例えば、第2入賞口640に球を入賞させた時点で、特図1変動が実行中であり、且つ、その特図1変動の変動残時間が120秒である場合には、第2入賞口640に球を入賞させてから特図2変動が開始されるまでの期間(待機期間)が120秒になる。このような状況において一連演出を継続して実行してしまうと、一連演出の演出態様が間延びしてしまい、遊技者が演出に飽きてしまうという問題があった。
このような問題に対して、本第5制御例では、上述した待機期間が60秒以上である場合には、一連演出を疑似的に終了させた後に、再度疑似的に一連演出を実行させる演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、一連演出の演出態様が間延びしてしまう事態を抑制することができる。
ここで、図317を参照して、通常状態中に実行される特図変動に関する変動演出と、普図変動に関する変動演出との流れを説明する。図317(A)は、第2入賞口640に球が入賞してから特図2変動が開始されるまでの待機期間が所定期間未満(60秒未満)である場合に実行される演出の流れを示したタイミングチャートであり、図317(B)は、第2入賞口640に球が入賞してから特図2変動が開始されるまでの待機期間が所定期間以上(60秒以上)である場合に実行される演出の流れを示したタイミングチャートである。
図317(A)に示した通り、普図変動にて普図ロング開放当たりに対応する変動(ロング開放変動)が実行されるまでは、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域DMの全面を用いて特図1変動に対応した変動演出(特1演出)が実行される。ここで、図319(A)を参照して、特図1変動に対応した変動演出の表示画面について説明をする。図319(A)は、特図1変動に対応した変動演出(特図1変動演出)の一例を示した模式図である。図319(A)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面は、主表示領域DMと、副表示領域DSとに上下方向で区画形成されており、主表示領域DMにおける正面視右上(主表示領域DMの中心から見て右上方向側)には、小表示領域DM1,DM2が形成されている。この小表示領域DM1,DM2は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)が小表示領域DM1に表示され、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域DM2に表示されるように構成している。
このように小表示領域DM1,DM2を設けることにより、特別図柄の抽選状況を表示することができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第4図柄を、数字を用いた表示態様で示しており、小表示領域DM1,DM2にて第4図柄を変動表示(図319(A)では下方向の矢印で表示)させることで、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域DM1,DM2にて第4図柄を停止表示させることで(図322(A)参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として図形を模した表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、図形を変形させる表示態様や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図319(A)に示した通り、本制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域DM1,DM2)を、主表示領域DMの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域DMの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて異ならせても良い。
具体的には、主表示領域DMの全面を用いて実行される変動演出において、実行中の変動演出が特図1変動に対応しているのか、特図2変動に対応しているのかを分かり難くするための演出態様が設定されている場合には、第4図柄表示領域(小表示領域DM1,DM2)を遊技者が視認困難となるように可変させると良い。また、例えば、各特別図柄に対応する第4図柄の表示領域の位置を切り替えたり、一方のみの表示領域のみを表示したりすることで、遊技者が第4図柄表示領域の表示態様を見ただけでは実行中の特別図柄の種別を容易に判別できないように構成しても良い。このように構成することで、第4図柄表示領域の表示態様によって、現在実行中の特別図柄の種別が把握されてしまい主表示領域DMにて実行される変動演出の演出効果が低下してしまうという事態が発生することを抑制できる。
なお、上述した通り、特別図柄(特図)が変動している期間に対応する第4図柄表示領域の表示態様によって特図が変動していることは報知するが、変動している特図の種別を判別し難い表示態様で変動表示されるように構成した場合は、その変動表示終了後の停止表示態様によって、対応する特図変動(抽選)の結果と、特図種別と、を報知できるように構成すると良く、例えば、停止表示された第4図柄の表示態様(停止表示態様)として、赤色の停止表示態様が表示された場合は特図1に対応する第4図柄(特1第4図柄)で、青色の停止表示態様が表示された場合は特図2に対応する第4図柄(特2第4図柄)であることを報知するように構成すれば良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域DMから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成すると良い。
さらに、小表示領域DM1の近傍(左側)には小表示領域DM1Aが形成され、特図1の保留球数を示す表示態様が表示される。また、小表示領域DM2の近傍(左側)には小表示領域DM2Aが形成され、特図2の保留球数を示す表示態様が表示される。なお、本実施形態では、後述する図319(A)に示した通り、保留数表示領域(小表示領域DM1A,DM1B)にて、各特図の保留球数を、数字を用いた表示態様で表示するように構成しているが、これに限ること無く、獲得図の保留球数が識別できるような色や記号を用いた表示態様を表示するように構成しても良い。
主表示領域DMにおける正面視左上(主表示領域DMの中心から左上方向)には、小表示領域DM4が形成されている。この小表示領域DM4には、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示される(図320(B)参照)。
本第5制御例では、小表示領域DM4を案内表示領域として用いている。このように構成することで、遊技者は案内表示領域DM4に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤13のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
この案内表示領域(小表示領域DM4)には、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成されており、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、時短状態中、及び、大当たり遊技中、小当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成している。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成している。
図319(A)に戻り説明を続ける。詳細な説明は省略するが、上述した小表示領域DM1A,DM2Aは、対応する特別図柄の保留球数を示すための値以外に、保留記憶されている入賞情報を事前に判別した結果(先読み結果)を遊技者に示唆報知可能な表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して今後実行される遊技(保留記憶されている特別図柄の抽選結果)に対して期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、小表示領域DM1,DM2の下方には、小表示領域DM3が形成される。この小表示領域DM3は、普通図柄(普図)の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための第4図柄(普図第4図柄)が小表示領域DM3に表示されるように構成している。
加えて、小表示領域DM3の近傍には、小表示領域DM3Aが形成され、普通図柄の保留球数が表示される。なお、上述した小表示領域DM3Aは、対応する普通図柄の保留球数を示すための値以外に、保留記憶されている入賞情報を事前に判別した結果(先読み結果)を遊技者に示唆報知可能な表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して今後実行される遊技(保留記憶されている普通図柄の抽選結果)に対して期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、主表示領域DMの下方には、副表示領域DSが形成される。この副表示領域DSは、図319(B)に示す通り、実行中の遊技内容に対するコメントが表示されるように構成されている。このように構成することで、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。なお、副表示領域DSを別の目的に用いても良く、例えば、小表示領域DM1A,DM2Aに示した各特別図柄の保留球数を示すための情報を、副表示領域DSに表示するように構成しても良い。
この場合、例えば、副表示領域DSに、各特別図柄の保留球数を個々に示すための保留表示態様(例えば、円形からなる保留図柄表示態様)を表示するように構成すると良い。そして、保留表示態様の表示数によって、現在の特別図柄の保留球数を遊技者が把握できるように構成すると良い。さらに、保留記憶されている各特別図柄に対応する入賞情報を事前に判別し、その判別結果に基づいて、対応する保留表示態様を可変させるように構成すると良い。
このように構成することで、複数存在し得る保留図柄のうち、表示態様が可変された保留図柄に対応する特別図柄の抽選にて、大当たりに当選するのではと期待を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、本実施形態とは異なり、個々の保留記憶数に対応する保留図柄表示するように構成しているため、複数ある保留図柄のうち、遊技者に有利となり得る遊技結果を示すための表示態様に可変された保留図柄表示を容易に表示する結果表示を設定することができる。
さらに、本実施形態では、その他に、遊技者に対して遊技結果(各図柄の抽選結果)を示唆するための遊技結果示唆態様や、主表示領域DMにて実行されている演出表示の内容を説明するための演出説明態様や、枠ボタン22を操作するタイミングや操作した結果を示すための枠ボタン関連表示態様や、大当たり遊技に関する情報が表示される当たり関連情報表示態様が副表示領域DSに表示されるように構成されており、副表示領域DSに表示する内容によって、主表示領域DMと副表示領域DSとの表示領域の割合が異なるように設定されている。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、抽選結果が外れであることを示す表示態様で第3図柄を1秒間停止表示させた後に確定表示し、その後、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入賞口64、第2入賞口640に対して球が入賞するまで。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入賞口64、第2入賞口640の何れにも入賞(入球)が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。
よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入賞口64、第2入賞口640に球が入賞した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
なお、図319(A)では、説明の便宜上、小表示領域(案内表示領域)DM4が主表示領域DMに表示されているように示しているが、遊技者に対して遊技方法(方向)を案内する表示態様が表示されていない場合は、小表示領域DM4自体が表示されないように構成されている。このように、遊技方法(方向)を案内する必要が無い状態では、案内表示領域が表示される表示領域を削除することにより、その他の表示態様(例えば、変動演出表示態様)を表示させる領域を広くすることができるため、演出効果を高めることができる。
図317(A)に戻り説明を続ける。特図1変動が実行されている最中に、スルーゲート67を球が通過し、普図ロング開放変動が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域DMの一部を用いて普通図柄(普図)変動を示すための普図変動演出が実行される(図317(A)の地点A参照)。なお、図317(A)の地点Aのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図319(B)を参照して後述する。
その後、普図ロング開放変動の変動時間が所定時間を経過すると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域DMにて表示される特図変動演出と、普図変動演出の表示領域の大きさが切り替わる処理が実行され、主表示領域DMの全面を用いて普図変動演出が実行され、主表示領域DMの一部の領域で特図変動演出が実行される(図317(A)の地点B参照)。なお、図317(A)の地点Bのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図320(A)を参照して後述する。
本制御例では、特図変動演出と、普図変動演出との表示領域の大きさを切り替えるタイミングとして普図変動演出の開始から10秒経過後を設定している。詳細な説明は後述するが、本制御例では、普図抽選の結果が外れである場合の一部において、10秒間の変動時間が設定されるように構成しており、その10秒間の普図外れ変動が設定された場合においても普図変動演出(図319(B)参照)が実行されるように構成している。
このように構成することにより、普図外れ変動(10秒)に基づいて普図変動演出が実行された場合は、特図変動演出と普図変動演出との表示領域が切り替わること無く、普図変動演出が終了する演出が実行される。よって、普図変動演出が実行された後に、特図変動演出と普図変動演出との表示領域が切替表示されることで(図320(A)参照)、実行中の普図変動演出が普図ロング開放変動である期待度を高めることができる。
その後、普図ロング開放変動の変動時間が経過すると、普図当たり遊技(ロング開放遊技)が実行され、普図当たり遊技中の表示画面が表示される(図317(A)の地点C参照)。なお、図317(A)の地点Cのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図320(B)を参照して後述する。
ここで、普図変動に基づいて実行される普図変動演出の表示内容について図319(B)〜図320(B)を参照して説明をする。図319(B)は、普図変動演出が開始された直後(図317(A)の地点A参照)に表示される演出内容の一例を示した模式図である。図319(B)に示した通り、普図変動演出が実行されると、主表示領域DMの右下側(主表示領域DMの中心から見て右下方向)に小表示領域DM5が形成され、普図変動演出が開始される。
つまり、小表示領域DM5は、普図変動演出が実行される普図変動演出表示領域となる。そして、普図変動演出として、キャラクタ851が宝箱852を見つけ、近づいていく演出が実行される。なお、図319(B)に示した状態では、特図1変動と普図変動が実行中であるため、小表示領域DM1にて特図1が変動表示されていることを示す表示態様(図319(B)では、「下方向の矢印」で表示)が表示され、小表示領域DM3にて普図が変動表示されていることを示す表示態様(図319(B)では、「下方向の矢印」で表示)が表示されている。
そして、副表示領域DSには、普図変動演出が実行された旨と、普図変動演出の演出内容を示すためのコメントとして「宝箱発見!!たどり着けるとチャンス!!」の文字が表示される。これにより、主表示領域DMの一部分で実行された普図変動演出が今後どのような演出に進展すれば良いのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
その後、普図変動演出の開始から10秒が経過すると、図320(A)に示した表示画面が表示される。図320(A)は、普図変動演出の表示領域が切り替わった直後(図317(A)の地点B参照)に表示される演出内容の一例を示した模式図である。図320(A)に示した通り、普図変動演出の開始から10秒が経過すると、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域全面を用いて普図変動演出が実行され、第1特別図柄(特図1)の変動表示演出が、主表示領域DMの一部分(左下部分)に形成される小領域DM6にて表示される。そして、副表示領域DSには、普図変動演出が進展したことを示す(普図抽選の結果が普図外れ変動では無かったことを示す)「大チャンス」のコメントが表示される。
図319(B)、及び図320(A)に示した通り、複数の図柄抽選(特図抽選、普図抽選)の抽選結果を示すための変動演出(特図変動演出、普図変動演出)が同時に実行される場合において、各変動演出が実行される表示領域の大きさを、各図柄抽選の抽選結果の示唆状況に応じて可変させることにより、遊技者に対して複数の図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出が同時に実行されていることを報知すると共に、各変動演出が実行される表示領域の大きさによって、何れの変動演出を注視すればよいのかを分かり易く報知することができる。
なお、図示は省略するが、実行された普図変動演出が普図外れ変動(10秒)の場合は、図319(B)の表示画面から、小表示領域DM5が徐々に小さくなり最終的に小表示領域DM5が表示されなくなる演出が実行され、今回の普図変動演出に対応する普図抽選の抽選結果が外れであることが遊技者に報知される。このように普図外れ変動に基づいて普図変動演出が実行される場合には、特図変動表示演出よりも小さい表示領域を用いた普図変動演出のみが実行されるため、外れ用の普図変動演出が特図変動演出を阻害することが無い。
つまり、上述した例によれば、普図変動演出の演出結果(普図変動演出の実行契機となった普図抽選の結果)として外れ(普図外れ変動(10秒))が選択されている可能性がある期間、即ち、普図変動演出が開始されてから10秒が経過するまでの期間は、図319(B)に示した表示態様を実行することで、特図変動演出と普図変動演出が同時に実行されていることを遊技者に報知し、普図変動演出が開始されてから10秒が経過すると、普図変動演出の演出結果(普図変動演出の実行契機となった普図抽選の結果)として外れ(普図外れ変動(10秒))が選択されている可能性が無くなる分、今回の普図抽選が当たりである可能性が高くなることから、図320(A)に示した通り、普図変動演出の表示領域が大きく(特図変動演出が実行される表示領域よりも大きく)なる表示態様が実行される。
これにより、普図変動演出の抽選結果として遊技者に有利となる抽選結果、即ち、電動役物640Aがロング開放する当たり遊技が実行される抽選結果である可能性が高くなるにつれて、普図変動演出が実行される表示領域を大きくすることができるため、遊技者に対して普図変動演出を適切に注視させることができる。また、例えば、普図外れ変動(10秒)に基づいて普図変動演出が実行させた場合は、特図変動演出よりも小さい表示領域(図319(B)参照)で実行される普図変動演出のみで終了するため、特図変動演出の視認性を妨げること無い。加えて、普図抽選の抽選結果に関わらず、普図変動演出開始時における表示領域の大きさを統一させているため、普図変動演出が開始された直後の表示態様によって普図抽選の抽選結果を遊技者に予測されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では、図319(B)、及び図320(A)に示した通り、普図変動演出が実行される表示領域として、特図変動演出が実行される表示領域よりも小さい表示領域(小表示領域DM5(図319(B)参照))と、特図変動演出が実行される表示領域(小表示領域DM6(図320(A)参照)よりも大きい表示領域(図320(A)参照)と、の2種類の大きさを設けているが、これに限ること無く、普図変動演出の表示領域の大きさを3種類以上設けても良く、例えば、特図変動演出が実行される表示領域と同程度の大きさの表示領域を用いても良い。
また、本第5制御例では、普図変動演出が進展するにつれて、その普図変動演出が実行される表示領域が徐々に大きくなるように構成しているが、これに限ること無く、普図変動演出が実行される表示領域を初期範囲(図319(B)参照)よりも縮小させた後に、最終範囲(図320(A)参照)の大きさへと可変するように構成しても良い。このように構成することにより、遊技者に対して、普図変動演出が終了してしまうと思わせながら、普図変動演出を継続させることができるため、意外性のある演出を提供することができる。
さらに、本第5制御例では、特図変動演出と普図変動演出とが同時に実行される場合において、各変動演出が実行される表示領域の大きさを可変させることで、遊技者が注視すべき変動演出を示すように構成しているが、これに限ることなく、例えば、各変動演出が実行される表示領域の態様(例えば、表示領域の外郭の色や、表示領域の背景の色を可変させた態様)や、各変動演出に対応する音声の出力態様(例えば、一方の変動演出に対応する音声のみを出力させたり、各変動演出に対応する音声の出力レベル(音量)を可変させる出力態様)を設定することにより、複数の変動演出のうち、何れかの変動演出を遊技者に注視させるように構成しても良い。
加えて、本第5制御例では、普図変動演出の進展状況(経過時間)に応じて、普図変動演出が実行される表示領域の範囲を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対する操作内容に基づいて普図変動演出が実行される表示領域の範囲が可変するように構成し、普図変動演出の進展状況(経過時間)や、普図抽選の抽選結果(当否判定結果)に基づいて、普図変動演出が実行される表示領域の可変可能な範囲を設定するように構成しても良い。
このように構成することにより、普図変動演出中において普図抽選の抽選結果をいち早く把握したい遊技者に対しては、操作手段の操作に基づいて可変する表示領域の範囲に基づいて普図抽選の抽選結果をいち早く把握させることができ、普図変動演出の演出結果をもって普図抽選結果を把握したい遊技者に対しては、操作手段を操作させないことで普図変動演出が実行される表示領域の範囲を可変させることなく普図変動演出を実行させることができる。
そして、普図ロング開放変動の変動時間が経過し、普図抽選の抽選結果がロング開放当たりであることが表示されると、その後、ロング開放当たりが実行され、図320(B)に示した表示画面が表示される。図320(B)は、普図ロング開放当たりに当選し、ロング開放当たり遊技が実行されている場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
図320(B)に示した通り、普図ロング開放当たりに当選すると、主表示領域DMにてキャラクタ851が宝箱852を開け、宝箱852の中から普図ロング開放当たりに当選したことを示すためのカプセル853が出現する演出が実行される。そして、小表示領域DM3には、普図抽選の結果がロング開放当たりであることを示すための表示態様(図では、「3つの丸印)で表示)が表示され、小表示領域DM4には、第2入賞口640に球を入賞させる遊技(右打ち遊技)を行わせるために「右打ち」が表示され、小表示領域DM5には、右打ち遊技によって球を入賞させる位置を視覚的に報知するための案内表示態様として、遊技盤13の右側遊技領域の一部(第2入賞口640近傍)を模式的に示した案内図が表示される。
なお、図320(B)に示した例では、普図ロング開放当たり遊技が実行されている最中も特図1変動が実行中であるため、小表示領域DM1には特図1が変動中であることを示す表示態様で特図1第4図柄が表示され、主表示領域DMの左下側に形成された小表示領域DM6にて特図変動演出が縮小表示(図320(A)の表示画面よりも縮小表示)されている。このように、普図変動演出が実行される表示領域の大きさを変更しなくても、特図変動演出が実行される表示領域を縮小することにより、特図変動演出が実行される表示領域に対して普図変動演出が実行される表示領域を相対的に大きくすることができるため、遊技者に対して普図変動演出の演出内容をより目立たせることができる。
そして、副表示領域DSには、「チャレンジGET」のコメントが表示され、普図変動演出がさらに進展することを遊技者に報知している。ここで、本第5制御例では、普図抽選の抽選結果が当たりの場合の一部において、普図ロング開放当たり当選時に設定される変動時間(60秒)と同一の変動時間である普図ショート開放変動(60秒)が設定されるように構成している。この普図ショート開放変動に対応して普図変動演出が実行された場合は、図320(B)に示した表示画面と同様の表示態様が表示されるまで普図変動演出が進行し、宝箱852の中から普図抽選の抽選結果が外れであることを示すための外れ態様が表示される演出が実行される。
つまり、普図抽選で当たりに当選し、当たり遊技としてショート開放動作が実行された場合は、球が第2入賞口640に入賞し得ない程度に電動役物640Aが開放されるように構成している。この場合、右打ち遊技を実行したとしても球を第2入賞口640に入賞させることが出来ない(困難である)ため、小表示領域DM4に「右打ち」のコメントが表示されることが無い。
なお、本制御例では、普図抽選で当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(電動役物640Aを開放動作させる遊技)として、第2入賞口640に球を入賞可能なロング開放当たり遊技と、第2入賞口640に球を入賞させ難いショート開放当たり遊技と、の2種類の当たり遊技を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、3種類以上の当たり遊技を実行可能に構成しても良く、例えば、第2入賞口640に球を入賞可能なロング開放当たり遊技として、電動役物640Aの開放タイミングや開放時間を異ならせた当たり遊技を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、普図ロング開放遊技中における電動役物640Aの開放タイミングを遊技者に把握させ難くすることができるため、当たり遊技中において所定のタイミングでのみ球を発射させて第2入賞口640に球を入賞させる遊技が行われることを抑制することができる。また、同様に効果を奏するために、例えば、普図変動演出の実行タイミング(普図当たり遊技が開始されることを報知する表示態様を表示するタイミング)を、異ならせるように構成しても良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される演出態様に基づいて第2入賞口640に入賞可能な球発射タイミングを把握させ難くすることができる。
図317(A)に戻り、演出の流れについて説明をする。普図当たり遊技が実行されている最中に、右打ち遊技が行われ、球が第2入賞口640に入賞すると(図317(A)の地点C参照)その旨を示す表示態様が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。なお、図317(A)の地点Cのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図321(A)を参照して後述する。
ここで、本第5制御例では、特図1抽選の抽選結果を示すための特図1変動と、特図2抽選の抽選結果を示すための特図2変動と、を同時に(並行して)実行することができず、特図1変動に対して特図2変動を優先的に実行するように構成している。
よって、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した時点で、特図1変動が実行されている場合は、特図2の入賞情報が保留記憶され、実行中の特図1変動が終了するまでの期間(待機期間)、特図2変動の実行が待機される。その後、実行中の特図1変動が終了すると、保留記憶されている入賞情報に基づいた特図2変動が優先的に実行され、上述した普図変動演出の演出態様を進展させた特図2変動演出が実行される(図317(A)の地点D参照)。なお、図317(A)の地点Dのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図321(B)を参照して後述する。
その後、特図2変動が終了し、小当たり当選を示す表示態様で特図2が停止表示した場合には(図317(A)の地点E参照)、小当たり当選を示すための特図2変動演出が実行される。なお、図317(A)の地点Eのタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容については、図322(A)を参照して後述する。そして、小当たり遊技が実行されている間に、V入賞装置650内に設けられた特定領域(Vゲート(V領域))を球が通過すると(図317(A)の地点F参照)、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されることを示す表示態様が表示される(図322(B)参照)。
ここで、図321(A)から図322(B)を参照して、通常状態中に普図ロング開放当たり遊技が実行され、その当たり遊技に基づいて大当たり遊技が実行されるまでに第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出内容について説明をする。
本第5制御例では、通常状態において普図ロング開放変動が実行されてから大当たり遊技が実行されるまでの一連の遊技(普図変動、普図当たり、特図2変動、特図2小当たり、大当たりの流れで実行される遊技)に対して、ストーリー性を持たせた一連演出を実行するように構成している。具体的には、図319(B)から図320(B)を参照して説明した普図変動演出の演出内容が進展し、その演出の進展状況によって大当たり遊技が実行される旨を遊技者に示唆することが可能となる。
このように構成することにより、大当たり遊技の実行契機として、特別図柄(特図)の抽選で大当たりに当選した場合に成立する実行契機よりも複雑な実行契機の成立の有無を、一連演出を用いて示唆することが可能となるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
図321(A)は、図320(B)に示した状態、即ち、特図1変動中に実行されたロング開放当たり遊技が実行されている状態において、第2入賞口640に球が入賞したことを示すための表示画面を模式的に示した模式図である。図321(A)に示した通り、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞すると、カプセル853が割れて、カプセル853の中から今後実行される遊技内容を示唆する示唆態様として「チャレンジゲーム」を記載されたチケット854が表示される。そして、副表示領域DSには、今後、チャレンジゲームが実行されることを報知する「チャレンジゲームGET」のコメントが表示される。
ここで、図321(A)で示した例によれば、特図1変動が実行中であるため、第2入賞口640に球が入賞したことに基づいて、即座に特図2変動が実行されること無く、特図2の入賞情報が保留記憶されることになる。よって、小表示領域DM2Aには特図2の入賞情報を1つ獲得したことを示す「1」が表示される。そして、図321(A)の状態で実行されていた特図1変動が終了すると、次いで、特図2変動が開始されると共に、第3図柄表示装置81の表示画面にてチャレンジゲームが開始される(図321(B)参照)。
図321(B)は、チャレンジゲーム中の表示画面を模式的に示した模式図である。図321(B)に示した通り、一連演出の実行中に特図2変動が実行されると、チャレンジゲームが開始される。このチャレンジゲームは、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域DMにて実行される演出であり、図321(A)に示した通り、演出結果を示すための複数の結果表示態様861A〜861Eが順に回転し、結果表示領域860内に停止表示された結果表示態様861A〜861Eが今回の演出結果となる演出が実行される。
本第5制御例では、結果表示態様として、特図2抽選の抽選結果が「外れ」であることを示すための「バツ印」が付された結果表示態様861Aと、「小当たり」であることを示すための「V」が付された結果表示態様861Dと、「大当たり」であることを示すための「777」が付された結果表示態様861Cと、特図2の抽選結果を報知しない「?」が付された結果表示態様861Bと、再度、チャレンジゲームが実行されることを示す「NEXT」が付された結果表示態様861Eとを有している。
ここで、チャレンジゲームの演出結果として、「?」が付された結果表示態様861Bは、特図2抽選の抽選結果が、「大当たり」、「小当たり」、「外れ」の何れかである場合に選択され得るものであり、チャレンジゲームにて特図2抽選の抽選結果を報知しない演出が実行される。なお、この結果表示態様861Bが結果表示領域860に停止表示された場合にも小領域DM4に「右打ち」が表示される。
このように構成することで、チャレンジゲームの演出結果として結果表示態様861Bが結果表示領域860に停止表示された場合には、特図2抽選の抽選結果を把握すること無く、右打ち遊技を行うことになるため、右打ち遊技によって発射された球が、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650に入賞するのか、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65に入賞するのか、普図当たり遊技中に開放動作される第2入賞口640に入賞するのか、それとも、特図当たり(大当たり、小当たり)、及び普図当たりに当選しておらず、どの入賞口にも入賞しないのかを、実際の球の流下挙動を見ながら判別することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第5制御例では、結果表示態様861Bが結果表示領域860に停止表示された場合に、チャレンジゲームの演出結果を遊技者が把握できないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、結果表示態様861Bが結果表示領域860に停止表示された後に、結果表示態様861Bの表示態様を可変させることにより、チャレンジゲームの演出結果として今回の特図2抽選の抽選結果を報知することができるようにしてもよい。
このように構成することにより、チャレンジゲームの実行中は結果表示態様861Bがどの特図2抽選の抽選結果に対応しているのかを遊技に分かり難く報知することができ、且つ、チャレンジゲームが終了すると、今回のチャレンジゲームの演出結果、即ち、特図2の抽選結果を遊技者に報知することができる。
また、図321(B)に示した結果表示態様861E(「NEXT表示」)は、チャレンジゲームが再度実行される場合に結果表示領域860に停止表示されるものである。本第5制御例では、ロング開放当たり遊技中に特図2の入賞情報を複数獲得した場合には、特図2の抽選で大当たり又は小当たりに当選するまで、特図2の抽選が継続して実行される。この場合、例えば、一回目の特図2抽選の抽選結果が外れの場合は、引き続き二回目の特図2抽選が実行されるため、1回目の特図2変動に対応して実行されるチャレンジゲームの演出結果として結果表示態様861Eが結果表示領域860に停止表示され、2回目の特図2変動が開始される。一方、一回目の特図2抽選の抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)である場合は、その抽選結果を示すための結果表示態様861B〜861Dの何れかが結果表示領域860に停止表示される。
このように構成することで、ロング開放当たり遊技中に獲得した特図2の入賞情報の数に対応した演出(チャレンジゲーム)を遊技者に違和感無く提供することができる。また、詳細な説明は省略するが、通常状態における特図2抽選において設定される変動時間として、チャレンジゲーム1回分に対応する変動時間(10秒)と、2回分に対応する変動時間(20秒)とが設定可能に構成されており、特図2抽選の抽選結果が外れである場合には、20秒の変動時間が、10秒の変動時間よりも選択され難く構成している。
これにより、1回の特図2変動の変動演出でチャレンジゲームが2回実行された場合には、特図2抽選で当たり(大当たり、小当たり)に当選する可能性を高く設定することができる。また、チャレンジゲームによって「NEXT」が付された結果表示態様861Eが結果表示領域860に停止表示され、再度チャレンジゲームが実行された場合に、その2回目のチャレンジゲームが、1回の特図2変動時間内で実行されたのか、2回の特図2変動に跨がって実行されたのかを分かり難くすることができる。
図321に示した状態は、特図2変動が実行されている状態であるため、小表示領域DM1には、図321(A)で示した時点で変動していた特図1変動が外れを示す表示態様「451」で停止表示され、小表示領域DM2にて、特図2変動が実行中であることを示す表示態様(図では下方向の矢印で表示)で特図2第4図柄が表示されている。また、図321(A)で示した時点で保留記憶されていた特図2の入賞情報を用いて特図2変動が実行されたため、小表示領域DM2Aに表示されている値として「0」が表示されている。
そして、一連演出として、普図変動演出が実行されていた表示領域を用いて特図2変動演出が実行されるため、図321(A)で特図変動演出(特図1変動演出)が実行されていた小表示領域DM6が主表示領域DMから消去される。また、小表示領域DM4には、遊技者に右打ち遊技を行わせるための「右打ち」の文字が継続して表示され、副表示領域DSには、今回のチャレンジゲームの演出を煽るための「何が出るかな?」のコメントが表示される。
なお、図321(B)に示した模式図によれば、現在の遊技状況を説明するために、小表示領域DM1〜DM3、及びDM1A〜DM3Aを視認可能な大きさで表示しているが、実際には、遊技者が視認困難な表示態様で表示されている。これにより、連続主表示領域DMにて実行されている演出態様(チャレンジゲーム)の演出効果をより高めることができる。
また、図321(B)に示した状態は、上述した通り、普図ロング開放当たり遊技が終了し、特図2変動が実行されている状態であるため、そのタイミングでは右側遊技領域に設けられた各入賞口(第2入賞口640、特定入賞口65A、V入賞口650A)の何れも球の入賞が容易になっていない状態である。しかしながら、図321(B)に示した状態の直前までは、普図ロング開放当たり遊技により第2入賞口640に球が入賞し易い状態であり、例えば、実行中の特図2抽選によって小当たりに当選した場合、或いは、大当たりに当選した場合には、V入賞口650A、或いは特定入賞口65Aに球が入賞し易い状態となる。
このように、瞬間的には、右側遊技領域に球を流下させる右打ち遊技を行ったとしても遊技者に有利な遊技方法とはならない場合であっても、継続して右打ち遊技を行わせる「右打ち」の文字を小表示領域DM4に表示させることにより、遊技者が右打ち遊技と左打ち遊技とを頻繁に切り替える煩わしさを解消すると共に、遊技方法の切替操作が遅れてしまい、例えば、小当たり遊技が実行された状態で右打ち遊技が行えず、小当たり遊技中にV入賞口650Aに球を入賞させることができなくなるという事態が発生することを抑制することができる。
本制御例では、上述した理由により、所定間隔(特図2変動が実行されている期間)を空けて右打ち遊技を実行し得る場合において、その所定間隔の間も連続して小表示領域DM4に「右打ち」の文字を表示するように構成しているが、これに限ること無く、実際に右打ち遊技が遊技者に有利となる状態のみ小表示領域DM4に「右打ち」の文字を表示するように構成しても良いし、実際に右打ち遊技が遊技者に有利となる状態(普図ロング開放当たり期間、小当たり遊技期間)と、その状態の間の期間(特図2変動期間)と、で異なる表示態様で小表示領域DM4に「右打ち」の文字を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、遊技に馴れていない遊技者に対しては、連続して右打ち遊技を行わせ、遊技者に不利な遊技状況(小当たり遊技中にV入賞口650Aに球を入賞させることが出来ない状況)が発生し難くし、熟練の遊技者に対しては、小表示領域DM4に表示される「右打ち」の表示態様に応じて遊技方法を選択させることができる。よって、遊技者の技量に応じた遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、チャレンジゲームの演出結果として「V」が付された結果表示態様861Dが結果表示領域860に停止表示された場合、即ち、小当たりに当選した場合に表示される表示内容について図322(A)を参照して説明する。図322(A)は、チャレンジゲームで小当たり当選が報知された場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。
図322(A)に示した通り、特図2変動が小当たりを示す表示態様で停止表示されると、小表示領域DM2に小当たり当選を示す表示態様「341」で特図2第4図柄が表示され、結果表示領域860に結果表示態様861Dが停止表示される。そして、副表示領域DSには小当たりに当選したことを示す「小当たりGET!!」のコメントが表示され、主表示領域DMの小表示領域DM7には、小当たり遊技中に遊技者が狙うV入賞装置650を視覚的に案内するための案内表示態様として、V入賞装置650近傍を拡大表示した模式図が表示される。
そして、小当たり遊技中に球がV入賞口650A内の特定領域(Vゲート(V領域))を通過すると、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される権利を獲得したことを報知するための表示画面として図322(B)に示した表示画面が表示される。図322(B)は、小当たり遊技中に大当たり遊技の権利を獲得した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図322(B)に示した通り、主表示領域DMに大当たり遊技が実行されることを示す「777」の文字が表示され、副表示領域DSには遊技者を祝福する「大当たり!!おめでとう!!」のコメントが表示される。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、通常状態にて普通図柄(普図)のロング開放当たり変動が開始された場合に実行される普図変動演出(図319(B)参照)、電動役物640Aが開放動作される普図当たり遊技中に実行される普図当たり遊技演出(図320(B)参照)、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させ、特図2の入賞情報を獲得した場合に実行される特図2保留獲得演出(図321(A)参照)、特図2変動(抽選)が開始された場合に実行される特図2変動演出(図321(B)参照)、特図2変動(抽選)で小当たりに当選したことを示す小当たり当選演出(図322(A)参照)、小当たり遊技中に大当たり遊技の権利を獲得した場合に実行される小当たり遊技中演出(図322(B)参照)を、ストーリー性を持たせて一連演出として実行するように構成しているため、複数の条件を満たした場合に成立する大当たり遊技の実行契機を有するパチンコ機10において、その遊技性を遊技者に分かり易く報知することが出来る。
図317に戻り説明を続ける。上述した通り、図317(A)で示した遊技の流れによれば、一連演出を実行することにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することが可能になるものであるが、普図当たり遊技中において第2入賞口640に球を入賞させた際の遊技状態によっては、上述した一連演出の演出態様では、遊技者に遊技の進行状況を分かり易く報知することが出来ない場合があった。
具体的には、図317(A)の地点Cのタイミングでは、特図1変動が実行中であるため、特図2変動の開始タイミングが所定期間(実行中の特図1変動の残期間)待機される場合の表示画面(図321(A)参照)が表示される一連演出の演出態様を用いているが、例えば、特図1変動が実行されていない状態で、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させた場合には、即座に特図2変動が開始されることになる。よって、上述した一連演出の演出態様を用いた場合には、図320(B)の表示画面から、直接、図321(B)の表示画面へと移行してしまい、一連演出として実行される各演出の関連性が弱くなってしまうという問題があった。
そこで、本第5制御例では、一連演出が実行されている期間中に特図2の入賞情報を取得したタイミングにおいて、特図1変動が実行されているか否かを判別し、その判別結果に基づいて、特図2の入賞情報を取得した後の演出態様を可変させるように構成している。ここで、一連演出が実行されている期間中に特図2の入賞情報を取得したタイミングにおいて、特図1変動が実行されていない場合の演出内容を、図323を参照して説明する。
図323(A)は、特図1非変動中に特図2の入賞情報を取得した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図323(B)は、図323(A)にて取得した入賞情報に基づいて実行される特図2抽選の抽選結果が小当たりである場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図323(A)に示した通り、特図1変動が実行されていない状態で、第2入賞口640に球が入賞すると、即座に特図2変動が開始されるため、図320(B)に示した演出によって、宝箱852の中から現れたカプセル853をキャラクタ851がハンマー851AAを用いて破壊する演出が実行される。そして、特図2変動が停止するタイミングに到達すると、図323(B)に示した表示画面が表示される。図323(B)は、特図1変動が非変動中に球が第2入賞口640に入賞したことに基づいて実行された特図2変動が停止した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図323(B)に示した通り、特図2変動が停止すると、その特図2変動の抽選結果を示す結果表示態様855がカプセル853の中から現れる演出が実行される。図323(B)で示した例では、特図2変動の抽選結果が小当たりであるため、小当たり当選を示す「V」を付した結果表示態様855が表示される。なお、結果表示態様855の表示態様は、特図2変動の抽選結果に応じて可変するように構成されており、具体的には、図321(B)にて示したチャレンジゲームの演出結果を示す表示態様と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した通り、一連演出中において、特図1変動中に第2入賞口640に球が入賞した場合には、宝箱852の中からカプセル853が現れる演出が普図当たり期間に対応(第1段階演出)し、そのカプセル853の中からチケット854を獲得する演出が特図2保留獲得期間(特図1の残変動期間)に対応(第2段階演出)し、チャレンジゲーム演出が特図2変動期間に対応(第3段階演出)するように演出態様が設定されるのに対し、特図1非変動中に第2入賞口640に球が入賞した場合には、宝箱852の中からカプセル853が現れる演出が普図当たり期間に対応(第1段階演出)し、そのカプセル853を破壊する演出が特図2変動期間に対応(第2段階演出)するように演出態様が設定されるように構成している。
このように、一連演出中の遊技状況に応じて、特図2変動の待機期間が発生する場合としない場合とで異なる演出態様を設定可能に構成することで、遊技者に対して違和感を与えること無く分かり易い一連演出を実行することができる。
図317に戻り、演出の流れについて説明を続ける。図319〜図323を参照して上述した一連演出では、一連演出が実行されている状態において正常な遊技が実行された場合に表示され得る演出内容について説明をした。具体的には、普図ロング開放当たり遊技中に正常に球が第2入賞口640に入賞した場合の演出内容や、小当たり遊技中に球がV入賞口650Aに入賞した場合の演出内容について説明をした。
ここで、一連演出が実行されている状態において正常な遊技が実行されなかった場合に実行される演出内容について説明をする。まず、図324を参照して、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞しなかった場合の演出内容について説明をする。図324(A)は、普図ロング開放当たり遊技が開始されてから1秒が経過した時点で球が第2入賞口640に入賞していない場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図324(B)は、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞すること無く、普図ロング開放当たり遊技が終了した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図324(A)に示した通り、普図ロング開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞するまでは、カプセル853が転がってキャラクタ851から離れていく演出が主表示領域DMにて実行されると共に、副表示領域DSには第2入賞口640に球を急いで入賞させることを注意喚起するための「急げ!!、急げ!!「」のコメントが表示される。また、普図ロング開放当たり遊技が所定期間経過しても球が第2入賞口640に入賞していない事態が発生する要因として、遊技者が右打ち遊技を行っていない場合が考えられるため、小表示領域DM4にて表示される「右打ち」の案内表示態様が、通常よりも強調させた表示態様(図324(A)では、小表示領域DM4の外郭を二重線で表示)で表示される。加えて、音声出力装置226からも、右打ち遊技を行う旨を報知するための音声が出力される。
なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たり遊技として、電動役物640Aが1秒間開放した後に、1.5秒間の閉鎖期間を経て、再度0.5秒間電動役物640Aが開放する当たり遊技(開放動作)が実行されるように構成している。よって、普図ロング開放当たり遊技開始から1秒が経過した時点で、図324(A)に示した注意喚起画面を表示し、その表示に気付いた遊技者が右打ち遊技を行えば、後半の開放期間(0.5秒)の間に球を第2入賞口640に入賞させることができるように構成している。これにより、注意喚起画面の表示内容を視認してから右打ち遊技を行った遊技者に対して、第2入賞口640に球を入賞させる機会を提供することができる。
その後、第2入賞口640に球が入賞すること無く、普図ロング開放当たり遊技の遊技時間(3秒間)が経過した場合には、図324(B)に示した通り、一連演出が終了したことを示す演出が実行される。図324(B)に示した通り、カプセル853を獲得することができず悔しがるキャラクタ851が主表示領域DMに表示され、副表示領域DSには一連演出が終了したことを示す「終了」のコメントが表示される。また、小表示領域DM4には、通常状態において特図1抽選を実行させる通常の遊技を実行させるための「左打ち」の文字が表示される。このように構成することで、一連演出の途中段階で正常な遊技(普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞させる遊技)が実行されなかった場合には、一連演出が終了する演出が実行されるため、例えば、特図2の入賞情報を獲得していない状態で一連演出が最後まで進展し、遊技者に過度な期待を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、連演出が実行されている状態において正常な遊技が実行されなかった場合に実行される演出内容として、小当たり遊技中に球がV入賞口650Aに入賞しなかった場合、或いは、特定領域(Vゲート(V領域))を通過しなかった場合の演出内容について、図325を参照して説明をする。図325(A)は、小当たり遊技が開始されてから3秒が経過した時点で球がV入賞口650Aに入賞していない場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図325(B)は、小当たり遊技中に球がV入賞口650Aに入賞すること無く、小当たり遊技が終了した場合に表示される表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
図325(A)に示した通り、小当たり遊技が開始されてから3秒が経過した時点でV入賞口650Aに球が入賞していないと、主表示領域DMの一部に形成される小表示領域DM8にて小当たり遊技の残期間を示すための残期間情報として「ラスト5秒!!」の文字が表示され、時間の経過と共に、その値が減少するカウントダウン表示が実行される。そして、主表示領域DMでは、小当たり遊技の遊技結果を示すための表示態様が煙りに巻かれている状況が表示される。また、上述した図324(A)と同様に小表示領域DM4にて右打ち遊技の案内を強調した強調表示態様が表示され、副表示領域DSには、現在が小当たり遊技中であることと、急いで遊技を行うことを示すための「小当たり中!!急げ!!」のコメントが表示される。
そして、小当たり遊技中にV入賞口650Aに球を入賞させること無く、小当たり遊技が終了すると、上述した図324(B)と同一の一連演出が終了する画面が表示される(図325(B)参照)。このように、一連演出の各時点において、一連演出が終了する事態が発生した場合に、同一の画像データを用いることで、パチンコ機10のデータ容量を削減することができる。また、正常な遊技を行っている場合には、表示され得ないものであるため、同一の画像データを用いたとしても、遊技者に対して同一の画像データを使い回していると思われ難いものである。
図317に戻り説明を続ける。一連演出中における特図1の変動状況に応じて、特図2変動の待機期間が設定される状態と設定されない状態とが発生し、各状態における一連演出の演出態様については上述したが、特図2変動の待機期間が設定される状態においても、新たな問題が発生した。
つまり、特図2変動の待機期間は、実行中の特図1変動の残変動時間に対応して設定されるものであり、且つ、第2入賞口640への球の入賞タイミングは、特図1の変動タイミングとは無関係に設定されるものである。さらに、特図1変動の変動時間の長さは様々であることから、例えば、一連演出中における特図2変動の待機期間が100秒を越えてしまう事態が発生する可能性もある。このような状況において、特図2変動の待機期間を示す表示画面(図321(A)参照)が継続して表示されてしまうと、同一の表示態様が100秒間も表示され続けることになり、遊技者に違和感を与えてしまうと共に、一連演出が間延びしてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、一連演出中において第2入賞口640に球が入賞した時点で特図1変動の有無、及び、特図1変動の残変動時間を判別し、特図1変動の残変動時間が所定時間(60秒)以上である場合には、特殊一連演出を実行するように構成している。
ここで、図317(B)を参照して、特殊一連演出を実行する場合の遊技の流れについて説明をする。図317(B)は、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞してから特図2変動が実行されるまでの期間(実行中の特図1残変動期間)が60秒以上である場合において実行される演出(特殊一連演出)の流れを示したタイミングチャートである。なお、図317(A)に示した流れと同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
図317(B)に示した通り、普図ロング開放変動に基づいて一連演出(普図変動演出)が実行される際に、特図1変動(図では特1変動と示す)として特図1ロング外れ変動(特1ロング変動(外れ))が実行されており、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入球した時点で、実行中の特図1変動の残期間が60秒以上であると判別されると、実行中の一連演出を疑似的に外れ演出で終了させる(図317(B)の地点G参照)。その後、実行中の特図1ロング外れ変動の残時間が10秒に到達すると、疑似的な一連演出が実行され、特図2変動の開始タイミングに合わせてチャレンジゲーム(図321(B)参照)が開始される演出態様が設定される(図317(B)の地点H参照)。
ここで、図326を参照して、上述した特殊一連演出の演出内容について説明をする。図326(A)は、図317(B)の地点Gにおいて第3図柄表示装置81の表示画面にて表示される一例を模式的に示した模式図である。図317(B)に示した通り、第2入賞口640に球が入賞した時点において実行中の特図1変動の残変動時間が60秒以上であると判別した場合は、小表示領域DM2Aにて特図2の入賞情報を1つ保留記憶していることを示す「1」が表示された状態にも関わらず、主表示領域DMに、一連演出が終了したことを示す終了画面が表示される。
その後、特殊一連演出として、一旦、一連演出を終了した後には、実行中の特図1変動に対応した特図変動演出が特図1変動の残時間が10秒に到達するまで実行される。そして、特図1変動の残時間が10秒に到達すると(10秒後に特図2変動が実行されるタイミングになると)、図326(B)に示した表示態様が表示される。
次に、図318を参照して、本第5制御例のパチンコ機10において時短状態中に実行される演出内容について説明をする。図318は(A)は、通常状態において特図1抽選で大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態(1回)が設定された場合に実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートであり、図318(B)は、時短状態中において特図2抽選で小当たりに当選し、その小当たりに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に時短状態(5回)が設定された場合に実行される演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図318(A)に示した通り、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された時点で特図1保留(以下、特1保留ともいう。)があり、特図2保留(以下、特2保留ともいう)が無い場合、即ち、特図1抽選を実行させる遊技(左打ち遊技)によって大当たりに当選した場合には、時短状態中に右打ち遊技を行うことで特図2抽選が実行されるよりも前に、保留記憶されている特図1抽選が全て実行されるように構成している。
具体的には、時短状態が設定された状態で実行される普図変動時間(普通図柄の高確率状態中に設定される普図変動時間)よりも、時短状態が設定された状態で実行される特図1の変動時間のほうが短くなるように構成している。このように構成することにより、特図1保留を有している状態で時短状態中の遊技が進行していくことを抑制することができる。よって、時短状態中における各種演出が実行されている最中に、特図2変動よりも小当たり当選し難い特図1変動が実行されてしまい、各種演出の演出バランスが崩れてしまうという問題を抑制することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、時短状態中に特図1抽選が実行された場合には、その特図1抽選の抽選結果に関わらず、0.2秒の変動時間が設定されるように構成している。そして、大当たり遊技の終了を示す大当たり遊技終了画面が、大当たり遊技が終了してから所定期間(3秒)が経過するまで、或いは、特図2変動が実行されるまで表示されるように構成している。
よって、大当たり遊技終了後に、大当たり遊技開始時点で既に獲得していた特図1保留に基づく特図変動(特図1変動)が実行される期間(特図1保留数が4の場合で約1秒)は、第3図柄表示装置81の表示画面にて大当たり遊技終了を示す表示態様が表示されることになる。このように構成することにより、遊技者に対して違和感を与えることなく特図1保留を消化することができる。
また、上述した特図1変動(大当たり遊技終了直後に実行される特図1変動)において、大当たりに当選、或いは、V通過可能な小当たりに当選した場合は、大当たり遊技終了画面から再度大当たり遊技中の表示画面が表示されるように構成し、大当たり遊技内容を示す遊技情報(例えば、1回の大当たり遊技中に実行されるラウンド数を示すラウンド数情報や、1回の大当たり遊技中に獲得した球数を示す獲得球数情報)として、前回の大当たり遊技の遊技情報との累積値を示す遊技情報を設定し、その設定された遊技情報に対応する表示態様が表示されるように構成している。
このように構成することにより、遊技者に対して、複数回の大当たり遊技をあたかも1回の大当たり遊技と思わせることができるため、2回目の大当たり遊技(大当たり遊技終了画面が表示されている期間中に新たに実行された大当たり遊技)に対応する特図変動(特図1変動)を遊技者が識別困難な変動表示態様(短時間(0.2秒)変動、且つ、第3図柄の変動表示無し)で実行したとしても、遊技者に違和感を与えることが無い。
加えて、1回の大当たり遊技の遊技情報として表示可能な値の上限値を高めることができるため、遊技者に対して、大当たり当選に対する期待感をより強く抱かせることができる。さらに、本第5制御例は、大当たり遊技も時短状態中の遊技も右打ち遊技が適切な遊技となるように構成されているため、内部的には大当たり遊技が終了し時短状態が設定されている特図1変動期間中(大当たり遊技終了画面が表示されている特図1変動期間中)に第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域DM4には「右打ち」の文字が表示される。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域DM4の表示態様によって、現在が大当たり遊技中なのか時短状態中なのかを遊技者に判別されてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、本第5制御例のパチンコ機10は、特図1保留よりも特図2保留のほうが優先して消化されるように構成している。よって、時短状態が設定されている状態において、例えば、遊技者が遊技操作を誤り、特図2保留がある状態で特図1保留を獲得したとしても、特図2保留が無くなるまで特図1保留に基づく特図変動(特図1変動)が実行されることが無い。そして、時短状態中は右打ち遊技を継続して実行する限り、特図2保留が無くならないように構成している。このように構成することで、時短状態中に無用に特図1変動が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本第5制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件の一部である対応時短終了条件として、特図2変動の実行回数に基づいて成立する終了条件を設定しているため、大当たり遊技終了後に特図1変動が所定回数(最大で4回)実行されたとしても、その特図1変動の変動回数に基づいて、対応時短終了条件が成立するまでの遊技状況が更新されることが無い。
なお、上述した通り、本第5制御例では、特図2変動のほうが特図1変動よりも優先して実行するように構成し、時短状態が設定されている状態において特図2変動が実行されていない期間中に特図1変動を短時間変動させることで時短状態中に特図1保留が無くなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1変動のほうが特図2変動よりも優先して実行されるように構成しても良い。
大当たり遊技終了後に対応時短終了条件として、「特図2変動1回」が設定された場合には、時短状態中に実行される特図2変動の変動期間を用いて、当該特図2変動の抽選結果と、当該時短状態中に獲得した特図2保留の先読み結果に対応する演出態様で時短最終変動演出が実行される。
ここで、図327〜図331を参照して、本第5制御例における時短状態中に実行される演出の内容について説明をする。上述した通り、本第5制御例のパチンコ機10では、時短状態中の演出として、時短状態の特図最終変動以外の特図2変動に対応して設定される第1時短変動演出と、特図最終変動となる特図2変動に対応して設定される第2時短変動演出と、を実行するように構成している。
そして、第1時短変動演出は、当該変動の抽選結果を示すための変動演出が実行され、第2時短変動演出が、当該変動の抽選結果と、特図2保留の先読み結果と、を示すための変動演出が実行される。まず、図327(A)を参照して、第1時短変動演出の表示内容について説明をする。図327(A)は、時短状態中の変動演出における表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図327(A)に示した表示内容は、時短回数「5回」が設定された時短状態において、最初の特図2変動が実行されている場合の表示画面である。
図327(A)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域DMには、現在が時短状態であることを示すための「時短モード」の文字が表示され、ウサギを模したキャラクタ851が走りながら今回の特図抽選の結果を示す抽選結果態様871A〜871Cの何れかをゲットする演出が実行される。本第5制御例では、図340を参照して後述するが、時短状態中(時短最終変動を除く)に設定される変動時間に応じてキャラクタ851が抽選結果態様871A〜871Cをゲットしようとするゲット演出が1回の変動期間中に複数回実行されるように構成されており、1回の変動期間中に実行されるゲット演出の回数が増えるほど今回の特図変動の抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果である確率が高くなるように構成している。このように構成することにより、個々のゲット演出の演出結果は勿論のこと、ゲット演出の実行回数にも遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、小表示領域DM4には、時短状態中の遊技方法を案内するための「右打ち」の文字が表示され、しょう表示領域DM20には、時短状態が終了するまでの期間を示す「ラスト4回」の文字が表示される。つまり、特図2変動が後4回実行されたら時短状態が終了することを報知している。なお、本第5制御例では、特図変動回数に基づいて成立する時短終了条件を複数設定可能に構成しているが第3図柄表示装置81の表示画面には、複数の時短終了条件のうち、最も成立し易い時短終了条件が成立するまでの残期間を表示するように構成している。
このように構成することで、複数存在する時短終了条件の全てを表示し、さらに表示された全ての時短終了条件が成立するまでの期間(残期間)を表示する場合に比べて、最も成立し易い時短終了条件を遊技者に分かり易く報知することができる。また、時短終了条件の成立のし易さが重複した場合には、重複する時短終了条件を全て表示するように構成しても良いし、重複する時短終了条件のうち、何れか一方のみを表示するように構成しても良い。
なお、本制御例は、図327(A)では、抽選結果態様871A〜871Cとして、大当たり当選を示す「777」が付された第1抽選結果態様871Aと、小当たり当選を示す「V」が付された第2抽選結果態様871Bと、外れを示す「バツ印」が付された第3抽選結果態様871Cと、が表示され、ゲット演出が実行される毎に、キャラクタ851が何れかの抽選結果態様871A〜871Cを獲得するが獲得できないアクションが行われ、最終的に何れかの抽選結果態様871A〜871Cを獲得して当該変動の抽選結果を報知する演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ゲット演出で遊技者に有利となる抽選結果を示す抽選結果態様871A,871Bを獲得する期待度が高いことを示す「チャンス」を付した抽選結果示唆態様や、ゲット演出が実行される残回数を示唆する「ネクスト」を付した演出回数示唆態様を表示し、キャラクタ851が、抽選結果示唆態様や演出回数示唆態様を獲得するゲット演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、キャラクタ851が何れかの表示態様を獲得するアクションを1回の変動表示演出中に複数回実行することができるため、遊技者が演出に飽きてしまいことを抑制することができる。また、特図変動期間の途中段階で今回の特図変動の抽選結果を予測することが可能となるため、遊技者に演出を注視させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
また、図327(A)に示した表示画面では、時短状態が設定される残期間として特図2変動の残実行回数を示すための表示態様が小表示領域DM20に表示されているが、これに限ること無く、例えば、特図2変動の変動時間に基づいて時短状態が設定される残時間を示すための表示態様を表示しても良いし、今回の時短状態中に実行されるゲット演出の残回数を示すための表示態様を表示しても良い。さらに、時短状態が設定された時点における特図2変動の残実行回数、即ち、今回の時短状態で設定された時短終了条件(特図2変動回数)や、時短状態中に実行された特図2変動の回数を示す表示態様を表示画面に表示するように構成しても良い。
次に、図327(B)を参照して、時短状態の最終変動にて実行される時短最終変動演出(第2時短変動演出)の表示内容について説明をする。図327(B)は、時短最終変動演出の前半期間に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。本第5制御例では、時短最終変動に変動演出として、遊技者に特図2保留球を獲得させるための保留球獲得演出と、当該変動の抽選結果と、特図2保留の先読み結果と、を遊技者に報知するための第2時短変動演出と、を実行可能に構成しており、時短最終変動演出の前半期間(例えば、5秒間)に保留球獲得演出を実行し、後半期間(例えば、25秒間)に第2時短変動演出を実行するように構成している。
時短最終変動演出の前半期間にて保留球獲得演出が実行されると、図327(B)に示した通り、副表示領域DSにて前半期間の遊技性を説明する「キャラクタを集合させろ!!」とのコメントが表示され、主表示領域DMにてキャラクタ851の周辺に味方キャラクタが集合する演出が実行される。図327(B)では、「カメ」を模した味方キャラクタ851Aと、「ゾウ」を模した味方キャラクタ851Bとが集合している状態が表示されている。そして、小表示領域DM20には今回の特図変動が時短状態の最終変動であることを遊技者に報知するために「ラスト」の文字が表示される。
この味方キャラクタ851は、獲得済の特図2保留球数に対応付けて可変表示されるものであり、小表示領域DM2Aに「2」が表示されていることから、図327(B)では、特図2保留を2つ獲得している状態を示しているため、味方キャラクタ851が2個集合していることになる。そして、小表示領域DM7には、集合した味方キャラクタ851の集合した順に表示される集合履歴表示が表示され、第1履歴872Aとして「カメ」、第2履歴872Bとして「ゾウ」が表示されている。
この小表示領域DM7では、集合履歴表示が表示されるが、ここの表示される順序は、特図2保留の消化順に対応付けられており、後述する第2時短変動演出にて用いられる味方キャラクタ851の種類と、集合履歴表示の表示順序とに基づいて、例えば、当たり当選した場合に、どの特図2保留が当たり当選したのかを示唆可能に構成している。
そして、保留球獲得演出の実行中に特2保留数が上限値(4個)に到達すると、図328(A)に示した通り、特図2保留球数が4個となったことを示す演出態様が表示される。具体的には、キャラクタ851の周辺に、新たに、「ヘビ」を模した味方キャラクタ851Cと、「ライオン」を模した味方キャラクタ851Dと、が増え、合計で4個の味方キャラクタ851A〜851Dが集合した演出が表示される。また、小表示領域DM21には、第3履歴872Cに「ヘビ」、第4履歴872Dに「ライオン」が表示されており、副表示領域DSには特図2保留球数が上限に到達したことを示す「全員集合!!」のコメントが表示される。なお、上述した通り、保留球獲得演出の実行中は、味方キャラクタ851の集合個数が特図2保留球数に対応付けられているため、小表示領域DM2Aには、特図2保留球数が上限値(4個)であることを示す「4」が表示されている。
その後、時短最終変動演出の前半期間が経過し、後半期間に到達すると、図328(B)に示した第2時短変動演出が開始される。図328(B)は、時短最終変動演出の後半期間が開始された場合に表示される表示内容(第2時短変動演出)の一例を模式的に示した模式図である。図328(B)に示した通り、第2時短変動演出では、時短最終変動演出の前半期間にて獲得した味方キャラクタの何れかが、ミッションに挑み、ミッション成功で当たり当選を報知し、ミッション失敗で当たり非当選を報知する演出が実行される。そして、この第2時短変動演出の演出結果は、時短最終変動演出の前半期間が経過した時点で獲得している特図2保留の先読み結果までを反映させて設定されるように構成している。
図328(B)に示した例によれば、第2時短変動演出として実行されるミッション演出として「カメ」を模した味方キャラクタ851Aを用いたミッション演出が実行されている。ここで、実行されるミッション演出の内容(図328(B)では、「落石に耐えろ」)は、複数パターン設定可能に構成してあり、ミッション演出の内容と、選択された味方キャラクタ851の種類と、に応じて、ミッション成功期待度を異ならせている。このように構成することで、第2時短変動演出の演出結果だけでは無く、演出結果が表示されるまでの演出過程に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
そして、ミッション演出に成功すると、図329(A)に示した通り、ミッション成功の演出が実行される。なお、図329(A)に示した例では、1個目の特図2保留(次に実行される特図2保留)、即ち、通常状態へ移行してから1回転目の特図2変動で小当たりに当選することを先読みし、その先読み結果を第2時短変動演出の演出結果として用いているため、図329(A)に示した通り、第2時短変動演出の演出結果としてミッション成功表示がされている時短最終変動の変動停止タイミングでは、小表示領域DM2には、今回の特図2抽選の結果が外れであることを示す「351」の表示態様が表示されている。
この後、図329(B)に示した通り、主表示領域DMにて当たり当選することを報知するための疑似図柄「VVV」を揺動表示させたまま、小当たり当選する特図2変動が終了するまで、第2時短変動演出の演出結果を遊技者に報知するための報知画面が表示される。なお、図329(B)の時点では、遊技状態として通常状態が設定され、特図2変動中(非大当たり遊技中、非小当たり遊技中)であるため、実際には右打ち遊技を行っても遊技者に有利な遊技を行うことが出来ない状態であるが、直後に小当たり遊技が実行される状態であるため、時短状態中から継続して右打ち遊技を案内する「右打ち」の表示が小表示領域DM4に表示されている。これにより、遊技者に球の発射方向を変更させる行為を行わせること無く円滑な遊技を行わせることができる。
そして、第2時短変動演出が実行されている時点で1個目の特図2保留に格納されていた入賞情報に基づく特図2変動が停止表示されると、図330(A)に示した通り、小当たり当選を遊技者に表示する表示態様が表示されると共に、主表示領域DMには、第3図柄が今回の小当たり当選で設定された小当たり種別を示すための「777」の表示態様で表示される。
一方、図328(B)を参照して上述したミッション演出の演出結果として失敗演出が設定された場合は(当該変動の抽選結果、特図2保留の先読み結果が何れも外れであった場合は)、図330(B)に示したミッション失敗演出が表示され、その後、通常状態にて特図2保留に対応する特図2変動が終了するまでの期間、図331に示した時短状態終了画面が表示される。
なお、詳細は後述するが、時短最終変動演出の前半期間が終了したタイミングにて、特図2保留が上限値に到達しておらず、第2時短変動演出が開始されてから(第2時短変動演出の演出結果が設定された後に)、新たに特図2保留を獲得した場合には、時短最終変動終了後、通常状態における1回目の特図2変動開始タイミングで、新たに獲得した特図2保留(第2時短変動演出の演出結果に反映されていない特図2保留)に対して先読み処理を実行し、その先読み処理の結果が、当たり当選である場合には、図331の表示画面から急に小当たり当選画面(図330(A)参照)が表示される演出が実行される。
次に、図332を参照して、本第5制御例におけるカウンタ用バッファの構成について説明をする。図332は、第5制御例における各種カウンタの構成を模式的に示した図である。図332に示した通り、本第5制御例では、上述した第4制御例におけるカウンタ用バッファ(図240参照)に対して、第2当たり種別カウンタC6、第2変動種別カウンタCS2を追加した点と、特別図柄1保留球格納エリア203A、特別図柄2保留球格納エリア203Bに、変動種別カウンタCS1の値を格納するための変動種別カウンタ格納エリアを設けた点と、普通図柄保留球格納エリア203Cに、第2当たり種別カウンタC6の値を格納するための第2当たり種別カウンタ格納エリア、第2変動種別カウンタCS2の値を格納するための第2変動種別カウンタ格納エリアを設けた点と、各保留球格納エリアに格納されるカウンタ値に対応させて、特別図柄保留球実行エリア、普通図柄保留球実行エリアの構成を変更した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的に(本制御例では主制御装置のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入賞口64または第2入賞口640に入賞したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cに格納される。そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に設けられた普通図柄当たり乱数5テーブル202EC(図334(D)参照)に規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECに規定された普図当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定される。
ここで、図334(D)を参照して、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECについて説明する。普通図柄当たり乱数5テーブル202ECは、普通図柄の抽選において、各遊技状態(普通図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図334(D)に示した通り、遊技状態が普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合には、普通図柄の抽選において、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲内であるかが判別されて、「5〜28」の範囲内であれば、普図当たりであると判別される。また、遊技状態が普通図柄の高確率状態(時短状態)である場合には、普通図柄の抽選において、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲内であるか判別されて、「5〜204」の範囲内であれば、普図当たりであると判別される。
つまり、本第5制御例では、普通図柄の低確率状態(通常状態)では、1/10の確率で当たりに当選し、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、5/6の確率で当たりに当選するように構成している。そして、詳細な説明は後述するが、通常状態中は、普通図柄の当たり(普図当たり)に当選した場合の1/100の確率で普図当たり遊技として球が第2入賞口640に入賞し易いロング開放当たり遊技が実行されるように構成している。また、時短状態中は、普図当たりに当選した場合に必ずロング開放当たり遊技が実行されるように構成している。
このように構成することで、通常状態中であっても、1/1000の確率で第2入賞口640に球を入賞させることが可能な当たり遊技を実行することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特図1抽選を実行させる遊技と、特図2抽選を実行させる遊技(普図抽選にて特定の当たり当選を狙う遊技)と、を同時に実行させることができる。
第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり999)に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2によって、設定されている普図変動パターン選択テーブル202EFより1の普図変動パターンが決定される。この普図変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、第2変動種別カウンタCS2は、変動時間を決定するカウンタでもある。第2変動種別カウンタCS2の値は、上述した主制御装置110のメイン処理(図136参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、普通図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した普図変動パターン選択テーブル202EF(図338参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
図332に戻り、説明を続ける。本第5制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203A、特別図柄2保留球格納エリア203Bに変動種別カウンタ格納エリアを設け、保留記憶に記憶されている入賞情報を事前に(特図変動する前に)判別することにより、実際に実行される変動パターン(変動時間)を先読み可能に構成している。このように構成することで、保留記憶している特別図柄の入賞情報に対応する特図変動が実行されるタイミングを判別することが可能となる。
また、本第5制御例では、普通図柄の入賞情報、即ち、スルーゲート67を球が通過した際に取得される各カウンタ値の種類として、普通図柄の当たり抽選に用いられる第1当たり乱数カウンタC2と、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する際に用いられる第2変動種別カウンタCS2と、普図当たりの当たり遊技の種別を設定する際に用いられる。
<本第5制御例のパチンコ機10の電気的構成について>
次に、図333(A)を参照して、本第5制御例における主制御装置110のMPU201の有するROM202の電気的構成について説明をする。図333は、本第5制御例における主制御装置110のMPU201の有するROM202の電気的構成の規定採用を模式的に示した模式図である。図333(A)に示した通り、上述した第A1制御例に対して、第1当たり乱数テーブル202A(図242(A))に替えて第1当たり乱数5テーブルC202EAを、第1当たり種別選択テーブル202Bに替えて第1当たり種別選択5テーブル202EBを設け、普通図柄当たり乱数テーブル202Cに替えて普通図柄当たり乱数5テーブル202ECを、変動パターンテーブル202Dに替えて変動パターン5テーブル202EEを、小当たり種別選択テーブル202Eに替えて小当たり種別選択5テーブル202EGを、大当たりシナリオテーブル202AAに替えて大当たりシナリオ5テーブル202EHを、小当たりシナリオテーブル202ABに替えて小当たりシナリオ5テーブル202EIを設けた点と、新たに、普図当たり種別選択5テーブル202EDと、普図変動パターン選択テーブル202EFを設けた点で相違している。
第1当たり乱数5テーブル202EAは、上述した第1当たり乱数テーブル202A(図242参照)に対して、大当たりと判別される規定値を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
ここで、図334を参照して、第1当たり乱数5テーブル202EAに規定されている内容について説明をする。図334(A)は、第1当たり乱数5テーブル202EAの内容を模式的に示した模式図である。図334(A)に示した通り、第1当たり乱数5テーブル202EAは、第1特別図柄(特図1)の当たり抽選の際に参照される特別図柄1乱数5テーブル202EA1と、第2特別図柄(特図2)の当たり抽選を実行する際に参照される特別図柄2乱数5テーブル202EA2とを有している。
次に、図334(B)を参照して、特別図柄1乱数5テーブル202EA1に規定されている内容について説明をする。図334(B)は、特別図柄1乱数5テーブル202EA1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図334(B)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」の範囲に「大当たり」が規定され、「10,11」に「小当たり」が規定されている。即ち、本第5制御例では、特図1の抽選で大当たりに当選する確率が1/250で、小当たりに当選する確率が1/500となる。
次いで、図334(C)を参照して、特別図柄2乱数5テーブル202EA2に規定されている内容について説明をする。図334(C)は、特別図柄2乱数5テーブル202EA2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図334(C)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜3」の範囲に「大当たり」が規定され、「10〜149」に「小当たり」が規定されている。即ち、本第5制御例では、特図2の抽選で大当たりに当選する確率が1/250で、小当たりに当選する確率が約1/7.1となる。
即ち、本第5制御例では、特図1抽選と、特図2抽選とで同一の大当たり確率が設定され、小当たり確率は特図2抽選のほうが高くなるように構成している。上述した通り、本第5制御例では、小当たり当選が大当たり遊技の実行契機となり得るように構成しているため、特図1抽選よりも特図2抽選のほうが、大当たり遊技が実行され易い特図抽選となる。
なお、本第5制御例では、上述した通り、特図1抽選と特図2抽選とで、同一の大当たり確率を設定しているが、これに限ること無く、特図1抽選と特図2抽選とで異なる大当たり確率を設定しても良い。また、大当たり確率と、小当たり確率とを遊技状態に関わらず一定値にしているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて、大当たり或いは小当たりに当選する確率が高くなる高確率状態(特別図柄の高確率状態)と、低くなる低確率状態(特別図柄の低確率状態)と、を設定するように構成しても良い。
第1当たり種別選択5テーブル202EBは、上述した第1当たり種別選択テーブル202B(図243参照)に対して、大当たりに当選した際に設定される大当たり種別を異ならせた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図335(A)を参照して、第1当たり種別選択5テーブル202EBの内容について説明をする。図335(A)は、第1当たり種別選択5テーブル202EBの内容を模式的に示した模式図である。図335(A)に示した通り、第1当たり種別選択5テーブル202EBには、特図1抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり種別選択5テーブル202EB1と、特図2抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり種別選択5テーブル202EB2と、を有している。
ここで、図335(B)を参照して、特図1大当たり種別選択5テーブル202EB1に規定されている内容について説明をする。図335(B)は、特図1大当たり種別選択5テーブル202EB1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第5制御例のパチンコ機10では、特図1抽選で大当たりに当選した場合に、大当たりAA〜大当たりACまでの3種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0」に、大当たり種別として「大当たりAA(15R時短99回大当たり)」が規定され、「1〜15」の範囲に「大当たりAB(7R時短5回大当たり)」が規定され、「16〜99」の範囲に「大当たりAC(7R時短1回大当たり)」が規定されている。
つまり、左打ち遊技を行い特図1抽選が実行される通常状態では、特図1抽選にて大当たりに当選すると、その大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定(付与)されるように構成している。そして、設定された大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定しているように構成している。
具体的には、大当たり種別として大当たりAAが設定された場合は、上述した共通時短終了条件のみが設定されるため、特図抽選で当たり(大当たり、又は小当たり)に当選するか、特図変動(特図1変動と特図2変動との合算)が99回に到達するまで時短状態が継続する。本第5制御例では、時短状態中に特図2抽選を実行させる右打ち遊技が行われ、特図2抽選において、大当たりに当選する確率が1/250、小当たりに当選する確率が1/7.1となるように設定しているため、例えば、大当たりAAに基づく時短状態が設定された場合において、特図2抽選にて当たり当選すること無く特図変動が所定回数(99回)に到達する確率は0.01%以下となる。よって、大当たりAAが選択された場合は、実質、次回大当たり遊技が実行されるまで時短状態が設定される遊技状態となる。
次に、大当たり種別として大当たりABが設定された場合は、上述した共通時短終了条件に加え、対応時短終了条件として「特図2変動の変動回数が5回」が設定される。よって、特図2抽選にて当たり当選すること無く特図変動が所定回数(5回)に到達する確率(対応時短終了条件が成立し時短状態が終了してしまう確率)は約46%となる。つまり、大当たりABが設定された場合、即ち、時短終了条件として特図2変動回数5回が設定された場合には、その時短終了条件が成立するまでに当たりに当選する確率(連チャン確率)が約54%となる。
また、大当たり種別として大当たりACが設定された場合は、上述した共通時短終了条件に加え、対応時短終了条件として「特図2変動の変動回数が1回」が設定される。よって、特図2抽選にて当たり当選すること無く特図変動が所定回数(1回)に到達する確率(対応時短終了条件が成立し時短状態が終了してしまう確率)が85%となる。つまり、大当たりACが設定された場合、即ち、時短終了条件として特図2変動回数1回が設定された場合には、その時短終了条件が成立するまでに当たりに当選する確率(連チャン確率)が約15%となる。
以上、説明をした通り、特図1で大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、設定される時短状態の有利度合い(連チャン確率)が異なる様に構成されており、大当たりAAが最も有利な大当たり種別となり、次いで、大当たりABが有利な大当たり種別となり、大当たりACが最も不利な大当たり種別となる。
また、大当たり遊技として実行されるラウンド遊技の数も大当たり種別に応じて異なる値が規定されており、大当たりAAは「15R」、大当たりAB、及びACは「7R」のラウンド遊技が実行されるように規定されている。1回の大当たり遊技においてラウンド遊技の数が多いほど、遊技者が獲得可能な球数(賞球数)が多くなることから、実行される大当たり遊技の点においても、大当たりAAは最も遊技者に有利な大当たり種別となる。
なお、本第5制御例では、連チャン確率が最も高い大当たり種別(大当たりAA)が、最も多いラウンド数(15R)の大当たり遊技を実行するように構成しているが、これに限ること無く、連チャン確率が最も高い大当たり種別と、ラウンド数が最も多い大当たり遊技が実行される大当たり種別と、を異ならせても良い。
このように構成することにより、遊技状況に応じて最も有利な遊技状態を異ならせることが可能となる。例えば、遊技場の閉店間際に大当たりに当選した場合は、連チャン確率が高い時短状態が付与(設定)される大当たり種別よりも、1回の大当たり遊技で多くの賞球を獲得可能な大当たり種別のほうが有利な大当たり種別となるし、大当たり遊技を跨いで時短状態が設定される回数に制限値(リミット)を設けたパチンコ機10であれば、リミット到達直前の大当たり当選において1回の大当たり遊技で多くの賞球を獲得可能な大当たり種別のほうが有利な大当たり種別となる。一方、例えば、連チャン回数(一度も通常状態へと移行すること無く、大当たり遊技が実行された回数)が所定回数(例えば、5回)に到達した場合に、遊技者に特典(例えば、貴重画像)を付与可能なパチンコ機10において、特典を獲得しようとする遊技者であれば、連チャン確率が高い時短状態が付与(設定)される大当たり種別のほうが有利な大当たり種別となる。
なお、上述した連チャン確率は、時短状態中に実行される特図2抽選に基づいて当たり当選する確率を示したものであるが、本第5制御例は、特図2抽選を、所定個数(4個)を上限に保留記憶可能に構成している。よって、時短終了条件が成立し、通常状態へと移行した後も、保留記憶されている特図2保留の数(残特図2保留数)だけ特図2抽選を実行することができ、その特図2抽選によって小当たり当選を狙うことが可能となるように構成している。上述した通り、本第5制御例では特図2抽選によって小当たりに当選する確率が約1/7.1と高確率に設定されているため、残特図2保留数(最大で4)に対応した回数の特図2抽選によって、小当たり当選を十分に狙うことが可能となる。
具体的には、残特図2保留数が1個の場合は、残特図2保留に基づく特図2抽選で小当たりに当選する確率(引き戻し確率)は約14%であり、残特図2保留数が2個の場合は、引き戻し確率が約28.5%で、残特図2保留数が3個の場合は、引き戻し確率が約39.6%で、残特図2保留球数が4個の場合は、引き戻し確率が約49%となる。
このように、特図2抽選を保留記憶可能に構成し、時短状態から通常状態へと移行した後も、残特図2保留に基づく特図2抽選が実行されるように構成することで、時短状態中の特図2抽選結果に関わらず、時短状態が終了する最後まで、特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技の稼働を向上させることができる。
また、一度時短状態が設定された場合には、上述した時短状態中の遊技期間(連チャン期間)と、通常状態中における残特図2保留に基づく特図2抽選が実行される期間(引き戻し期間)と、の2つの期間において、特図2抽選で小当たり当選を狙うことが可能となるため、時短状態が設定されたにも関わらず、一度も大当たり遊技が実行されること無く特図1抽選を狙う通常状態へと移行してしまう確率を低減させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本第5制御例では、時短状態中に特図2抽選で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技(連チャン大当たり遊技)が実行される場合よりも、通常状態中に特図2抽選で小当たりに当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技(引き戻し大当たり遊技)が実行される場合のほうが遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。これにより、連チャン期間が経過したとしても、引き戻し期間中に小当たり当選することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図335(C)を参照して、特図2大当たり種別選択5テーブル202EB2に規定されている内容について説明をする。図335(C)は、特図2大当たり種別選択5テーブル202EB2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第5制御例のパチンコ機10では、特図2抽選で大当たりに当選した場合に、大当たりAD〜大当たりAFまでの3種類が第1当たり種別カウンタC2の値により選択されるように設定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲に、大当たり種別として「大当たりAD(15R時短99回大当たり)」が規定され、「20〜69」の範囲に「大当たりAE(12R時短99回大当たり)」が規定され、「70〜99」の範囲に「大当たりAF(7R時短99回大当たり)」が規定されている。
つまり、特図2抽選によって、大当たりに当選した場合は、その大当たり遊技終了後に必ず特図変動が99回に到達するまで時短状態が継続する有利遊技状態が設定されるように構成している。これにより、特図1抽選よりも実行頻度が低下する特図2抽選にて、小当たりに当選する確率よりも3倍以上低確率に設定される大当たりに当選した場合に、遊技者に有利な遊技状態を確実に提供することができる。よって、特図2抽選で大当たり当選という発生頻度が低い特別な体験をした遊技者に対して、遊技者に不利となる遊技(例えば、時短1回の設定)を設定してしまい、遊技意欲を著しく低下させてしまうことを抑制することができる。
なお、特図2大当たり種別選択5テーブル202EB2に規定されている各大当たり種別も、上述した特図1大当たり種別選択5テーブル202EB1と同様に、大当たり種別に応じて1回の大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数を異ならせており、大当たりADは「15R」、大当たりAEは「12R」、大当たりAFは「7R」のラウンド遊技が実行されるように規定されている。1回の大当たり遊技においてラウンド遊技の数が多いほど、遊技者が獲得可能な球数(賞球数)が多くなることから、実行される大当たり遊技の点において、大当たりADは最も遊技者に有利な大当たり種別となる。
普通図柄当たり乱数5テーブル202ECは、上述した普通図柄当たり乱数テーブル202C(図242(D)参照)に対して、普図当たりに対応して規定される第2当たり乱数カウンタC4の値を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。ここで、図334(D)を参照して、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECの内容について説明をする。図334(D)は、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図334(D)に示した通り、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECには、普通図柄の低確率状態において普図当たり抽選を実行する場合に参照される値と、普通図柄の高確率状態において普図当たり抽選を実行する場合に参照される値と、が規定されており、具体的には、普通図柄の低確率状態では、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲に「当たり」が規定され、普通図柄の高確率状態では、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲に「当たり」が規定されている。
普図当たり種別選択5テーブル202EDは、普図当たり種別を選択するためデータテーブルであって、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECを参照して普通図柄(普図)抽選を実行し、当たり当選した場合に参照されるものである。本第5制御例では、普通図柄の低確率状態で普図当たりに当選した場合に実行される普図当たり遊技として、球が第2入賞口640に入賞可能となるように電動役物640Aを開放動作させるロング開放当たり遊技と、そのロング開放当たり遊技よりも第2入賞口640に球が入賞困難となるように電動役物640Aを開放動作させるショート開放当たり遊技と、を実行可能に構成しており、普図当たり当選時に選択される普図当たり種別に応じて異なる当たり遊技が実行される。
ここで、図336を参照して、普図当たり種別選択5テーブル202EDに規定されている内容について説明をする。図336(A)は、普図当たり種別選択5テーブル202EDに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図336(A)に示した通り、普図当たり種別選択5テーブル202EDは、普通図柄の確率状態と、取得した第2当たり種別カウンタC6の値とに応じて、2種類の普図当たり種別(普図当たりA、普図当たりB)が選択されるように構成されている。
具体的には、普通図柄の確率状態が低確率状態(普図低確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0」に「普図当たりA」が規定され、「1〜99」の範囲に「普図当たりB」が規定されている。また、普通図柄の確率状態が高確率状態(普図高確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0,1」の範囲に「普図当たりA」が規定され、「2〜99」の範囲に「普図当たりB」が規定されている。
次に、普図当たり種別選択5テーブル202EDにて選択される普図当たり種別と、普図当たり遊技が実行される時点における遊技状態との関係性について、図336(B)を参照して説明をする。図336(B)は、普図当たり種別と遊技状態とに基づく電動役物640Aの開放動作内容との関係性を示した図である。
本第5制御例のパチンコ機10では、普通図柄(普図)の当たり抽選を実行するタイミング(普図変動開始タイミング)において設定されている遊技状態に応じた普図当たり抽選を実行し、当たりに当選した場合は、普図当たり遊技を実行するタイミング(普図変動停止タイミング)において設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技内容を設定するように構成している。つまり、本第5制御例のパチンコ機10では、特別図柄(特図)の抽選状況、変動状況に応じて遊技状態が移行するように構成されているため、特図抽選遊技とは独立して実行される普図抽選遊技において、普図抽選を実行するタイミングと、その普図抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技を実行するタイミングと、で異なる遊技状態が設定されているケースがある。
例えば、時短終了条件が成立している状態の特図変動(時短最終変動)中に普図抽選が実行された場合は、普通図柄当たり乱数5テーブル202ECの普通図柄の高確率状態(普図高確)に規定されている判定値を用いて当たり抽選が実行される。そして、当たり当選した場合には、所定の普図変動時間(例えば、2秒)経過後に、普図変動が停止し、その後、普図当たり遊技が実行される。ここで、普図変動中に時短最終変動が終了し、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合には、普図当たり遊技が実行されるタイミングでは遊技状態として通常状態が設定されることになる。
このような場合において、普図抽選が実行された時点において設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技の遊技態様を設定してしまうと、通常状態が設定されているにも関わらず、普図当たり遊技として時短状態中に実行される普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行されてしまい、遊技者に過剰に有利な特典(特図2抽選)を提供してしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、普図当たり遊技を実行するタイミングにおいて設定されている遊技状態を判別し、その判別結果に基づいて普図当たり遊技の内容を設定しているため、上述した例のように、普図変動中に遊技状態が通常状態へと移行した場合において、普通図柄の低確率状態に対応した普図当たり遊技を実行することができる。よって、遊技者に過剰に有利な特典(特図2抽選)を提供してしまうことを抑制することができる。
具体的には、普図当たり種別として普図当たりAが選択(設定)されている場合には、普図当たり遊技の実行タイミング(電動役物640Aの開放動作時)に設定されている遊技状態に関わらず、普図ロング開放当たり遊技が実行される。一方、普図当たり種別として普図当たりBが選択(設定)されている場合には、普図当たり遊技の実行タイミング(電動役物640Aの開放動作時)に設定されている遊技状態が普通図柄の低確率状態(普図低確)である場合は、普図ショート開放当たり遊技が、普通図柄の高確率状態(普図高確)である場合は、普図ロング開放当たり遊技が実行されるように規定されている。
ここで、普図当たり遊技である普図ロング開放当たり遊技と、普図ショート開放当たり遊技と、の当たり遊技内容について説明をする。普図ロング開放当たり遊技は、第2入賞口640に球が容易に入賞し得るように電動役物640Aを長期間開放させる(開放状態に位置させる)普図当たり遊技であって、0.1秒の閉鎖状態(オープニング期間)を経て、電動役物640Aを1秒間開放させ(第1開放期間)、その後、1.5秒の閉鎖状態(待機期間)を経て、再度0.5秒間開放させる(第2開放期間)普図当たり遊技が実行される。この開放動作の流れは、図示しない普図当たりシナリオに規定されており、普図当たり遊技を実行する際に、普図当たり種別と遊技状態とに対応した普図当たりシナリオが設定され、主制御装置110のメイン処理において普図当たりシナリオを定期的に更新することで、上述した普図当たり遊技の流れに対応させて電動役物640Aの開放動作が実行される。
なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行された場合に、球が第2入賞口640に入賞可能な程度の期間を確保した2つの開放期間が設定されるように構成している。そして、2つの開放期間のうち、第1開放期間が経過した時点で、第2入賞口640に球が入賞したかを判別し、その判別結果が第2入賞口640に球が入賞していないと判別した場合に、遊技者に対して第2入賞口640に球を入賞させる遊技を行わせることを注意喚起するための注意画面(図324(A)参照)を表示するように構成している。
このように構成することにより、通常状態が設定されている状態(左打ち遊技を行っている状態)において、普図ロング開放当たり遊技(右打ち遊技)が実行されたことに気付いていない遊技者に対して、再度、右打ち遊技を実行させるための報知を行うことができ、遊技者が不利な遊技結果となることを抑制することができる。また、本第5制御例では、注意画面(図324(A)参照)を表示してから所定期間(1.5秒)の待機期間を経て、2回目の開放動作(0.5秒)が実行されるように構成している。
この待機期間(1.5秒)は、遊技者が右打ち遊技を行うことで発射された球が第2入賞口640に到達するまでの時間(約0.5秒)よりも長い期間が設定されている。これにより、注意画面(図324(A)参照)の表示を見てから右打ち遊技を実行した遊技者が第2入賞口640に球を入賞させ易くすることができる。
また、本第5制御例では、時間の経過に伴って普図当たりシナリオが更新され終了を示すシナリオに到達した場合に普図当たり遊技を終了させる場合と、普図当たり遊技中に第2入賞口640へ入賞した球数が所定個数(例えば、1個)に到達した場合に普図当たり遊技を終了させる場合の2種類の普図当たり終了条件が設定されている。
そして、第1開放期間中に球が第2入賞口640に入賞した場合と、第2開放期間中に球が第2入賞口640に入賞した場合とで、球が第2入賞口640に入賞したことを示すための報知態様が異なるように構成している。具体的には、第2開放期間中に球が第2入賞口640に入賞した場合は、普図当たり遊技の開始段階から適正な遊技(右打ち遊技)が実行されていない可能性が高いため、次回の普図当たり遊技時に適正な遊技が行えるよう遊技説明(「普図ロング開放当たり遊技中は必ず右打ちして下さい」といったコメント)を表示するように構成している。これにより、遊技者に遊技内容を分かり易く報知することができる。また、第1開放期間中に第2入賞口640に球を入賞させた遊技者には上述した遊技説明を報知することが無いため、遊技者が把握済の遊技内容を繰り返し報知してしまい遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。
一方、普図ショート開放当たり遊技は、0.1秒の閉鎖状態(オープニング期間)を経て、電動役物640Aを0.1秒間開放させる普図当たり遊技が実行される。この開放動作の流れは、図示しない普図当たりシナリオに規定されており、普図当たり遊技を実行する際に、普図当たり種別と遊技状態とに対応した普図当たりシナリオが設定され、主制御装置110のメイン処理において普図当たりシナリオを定期的に更新することで、上述した普図当たり遊技の流れに対応させて電動役物640Aの開放動作が実行される。
上述した普図ショート開放当たり遊技は、電動役物640Aの開放期間が0.1秒と短いため、実質的に球を第2入賞口640へと入賞させることが出来ない普図当たり遊技となる。また、この普図ショート開放当たり遊技は、図336(B)にて示した通り、普通図柄の低確率状態(普図低確)中にのみ実行される普図当たり遊技であって、上述した通り、普図ショート開放当たり遊技が開始されてから0.2秒経過後に普図当たり遊技が終了するため、遊技者が左打ち遊技を実行している状態で普図ショート開放当たり遊技が実行され、右打ち遊技を行ったとしても、右打ち遊技で発射された球が第2入賞口640に到達するまでに(0.5秒)、普図当たり遊技が終了することになる。このように構成することにより、普図ショート開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞させ難くすることができる。
なお、普図ショート開放当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞し得ないように電動役物640Aを構成しても良く、例えば、電動役物640Aの構成を、電動役物640Aが開放状態である場合に、その電動役物640Aの上面を球が一端側から他端側へと流下可能に構成し、電動役物640Aの上面の他端側から流出した球のみが入賞し得る位置に第2入賞口640を配置し、電動役物640Aの上面を球が流下する期間が最短でも0.5秒となるように構成すると良い。このように構成することで、普図ショート開放当たり遊技が実行された場合には、電動役物640Aが開放状態となる期間(0.1秒)中に電動役物640Aの上面を流下する球が他端側に到達し得ないため、球が第2入賞口640に入賞することを確実に抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第5制御例のパチンコ機10では、普図当たり遊技が実行されるタイミングにて設定されている遊技状態に応じて普図当たり遊技の当たり遊技内容が設定されるため、例え、高確率で普図当たりに当選する時短状態(普図高確状態)にて普図当たりに当選し、その普図当たり当選に基づく普図当たり遊技が通常状態(普図低確状態)にて実行されたとしても、普図ロング開放当たり遊技が実行され難くすることができる。
なお、図336(A)に示した通り、本第5制御例では、遊技状態に関わらず、普図ロング開放当たり遊技が実行される普図当たり種別(普図当たりA)が選択される割合を普通図柄の低確率状態(普図低確)と、普通図柄の高確率状態(普図高確)とで、異ならせており、普図低確時は1%の確率で、普図高確率時は2%の確率で選択されるように構成している。このように構成することにより、普図低確時に普図当たりに当選し、普図低確時に普図当たり遊技が実行される場合よりも、普図高確時に普図当たりに当選し、普図低確時に普図当たり遊技が実行される場合のほうが、普図低確時における普図ロング開放当たり遊技が実行される確率を高めることができる。よって、普図当たり遊技が実行されるタイミングにおける遊技状態に応じて普図当たり遊技の遊技内容を設定する構成を用いた場合であっても、時短状態から通常状態へと移行した際に実行される普図当たり遊技が普図ロング開放当たり遊技となる確率を高めることができ、遊技者に普図当たり遊技がどの遊技内容で実行されるかを注視させることができる。
変動パターン5テーブル202EEは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、取得した変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄の種別と、特別図柄抽選(特図抽選)の抽選結果と、設定されている遊技状態と、に基づいて、様々な変動パターン(変動時間)が選択されるように構成している。なお、変動パターン5テーブル202EEの基本的な技術思想は、上述した各制御例、或いは、各実施形態にて用いられている各種変動パターンと同一であるため詳細な説明を省略し、本第5制御例で用いられる変動パターン5テーブル202EEの特徴的な内容を中心に説明を続ける。
ここで、図339(A)を参照して、変動パターン5テーブル202EEの内容について説明をする。図339(A)は、変動パターン5テーブル202EEに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図339(A)に示した通り、変動パターン5テーブル202EEは、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用変動パターン5テーブル202EE1と、遊技状態が時短状態である場合に参照される時短用変動パターン5テーブル202EE2と、を有しており、特別図柄の変動パターンを選択する際に設定されている遊技状態に対応したデータテーブルを用いて特別図柄の変動パターンが選択される。
次に、図339(B)を参照して、変動パターン5テーブル202EEが有する通常用変動パターン5テーブル202EE1の内容について説明をする。図339(B)は、通常用変動パターン5テーブル202EE1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図339(B)に示した通り、変動パターン5テーブル202EEは、特別図柄の図柄種別と、通常状態が設定されてからの特別図柄変動回数と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに応じて異なる変動パターンが規定されている。
上述した通り、本第5制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合は、特図1抽選が主に実行される遊技が行われるように構成しており、第2特別図柄(特図2)の抽選が実行されるパターンとしては、時短状態終了時点で保留記憶されている特図2保留に応じた特図2抽選が実行されるパターンと、普図抽選にてロング開放当たりに当選し、ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞することに基づいて特図2抽選が実行されるパターンと、がある。
さらに、本第5制御例では、時短状態の最終変動に対応する変動演出として、時短最終変動開始時に保留記憶されている特図2保留の先読み結果を報知可能な時短最終変動演出を実行するように構成している。そして、時短最終変動演出の演出結果を、時短状態が終了した後に(通常状態に)実行される特図2変動が終了するまで継続して表示するように構成している。
変動パターン5テーブル202EEは、通常状態中に実行される第2特別図柄(特図2)変動の変動パターンとして、特図変動回数1〜4回の間に実行される特図2抽選に対応する変動パターンが特殊変動パターンとなるように構成している。
具体的には、通常状態が設定されてからの特別図柄変動1回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり(大当たり、小当たり)」の場合は、「短当たりA(2秒)」が選択される。また、通常状態が設定されてからの特別図柄変動2回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり」の場合は、「短当たりB(1.5秒)」が選択され、通常状態が設定されてからの特別図柄変動3回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり」の場合は、「短当たりC(1秒)」が選択される。そして、通常状態が設定されてからの特別図柄変動4回目が特図2変動である場合は、その特図2変動の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「短外れA(0.5秒)」が選択され、「当たり」の場合は、「短当たりD(0.5秒)」が選択される。
このように構成することで、時短状態が終了した時点で特図2保留数が最大数(4個)である場合には、その特図2保留に対応する特図2抽選で当たり(小当たり、大当たり)に当選するまでの期間(当たりを示す表示態様で第2特別図柄(特図2)が停止表示される期間)と、特図2保留に対応する特図2抽選の抽選結果が全て外れとなるまでの期間と、を2秒間に統一することができる。
よって、例えば、特図2保留内に当たりとなる入賞情報がある場合も、無い場合も、時短最終変動が終了してから2秒間の結果表示を行うように制御するだけで、遊技者に違和感を与えること無く通常状態中の特図2変動を実行することができる。また、特図2保留の何個目で当たり当選した場合であっても、その当たり当選を示す識別情報が停止表示されるタイミングを統一(通常状態が設定されてから2秒後)することができるため、遊技者に対して、何個目の特図2保留で当たりに当選したのかを分かり難くすることができる。
また、図339(B)に示した通り、通常状態における特図2変動の変動時間として、特別図柄変動回数が「5回以上」の場合は、時短状態が終了した時点における特図2保留数を越えているため、通常状態にて普図ロング開放当たり遊技が実行され、第2入賞口640に球が入賞したことに基づいて実行される特図2抽選であることから、上述した一連演出を適正に実行するための変動パターン(変動(10秒))が選択され、選択された変動パターンに基づいて、現在が一連演出中における特図2変動期間であることを示すための表示態様(演出態様)が設定される。
次に、時短状態が設定されている場合に参照される時短用変動パターン5テーブル222EE2の内容について説明する。図340は、時短状態が設定されている場合に実行される特図抽選の変動パターン模式的に示した模式図である。
本第5制御例では、時短状態が設定されると、特図1抽選に対して遊技者に有利な抽選結果となり易い特図2抽選が、通常状態よりも実行され易くなるため、時短状態が設定されると特図2抽選を実行されるための右打ち遊技が実行される。そして、図315に示した通り、右打ち遊技を行った場合に、特図1抽選の実行契機となる第1入賞口64に球が入賞し難くなるように遊技盤13が構成されている。よって、右打ち遊技が実行される時短状態中に実行される特図1抽選は、時短状態が設定される大当たり遊技終了タイミングにおいて既に獲得している特図1保留に基づいて実行される特図1抽選となる。
具体的には、通常状態が設定されている状態で大当たりに当選し、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された状態(時短初設定状態)では、第2入賞口640に球が入賞し易い遊技が行われていないことから特図2保留を獲得できず、その時点で特図1保留がある場合には、特図1抽選が実行されることになる。
この場合、時短初設定状態にて特図2抽選が実行されるまでの期間中に実行される特図1抽選の変動パターン(変動時間)として、長時間(例えば、60秒)の変動時間が設定されてしまうと、その特図1変動が終了するまで特図2変動を実行させることが出来ず、時短状態中の遊技を円滑に行うことができないという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、時短状態中に実行される特図1変動の変動時間として短時間(0.2秒)が設定されるように構成している。これにより、特図1保留を最大数(4個)確保している状態で時短状態が設定されたとしても、特図2変動を阻害すること無く特図1変動を実行することができる。
また、本第5制御例では、大当たり遊技の終了画面を、大当たり遊技が終了してからも特図2変動が実行されるまで継続表示させるように構成している。これにより、時短状態中に特図1変動が短時間で変動していることを遊技者に分かり難くすることができる。さらに、時短状態中に実行される特図1抽選の抽選結果が大当たりである場合は、継続表示されている大当たり遊技の終了画面を大当たり遊技画面へと移行させるように構成している。
普図変動パターン選択テーブル202EFは、普通図柄変動(普図変動)の変動パターン(変動時間)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、普図変動を実行する時点の遊技状態と、普図変動の抽選結果と、取得した第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。
ここで、図338を参照して、普図変動パターン選択テーブル202EFの内容について説明をする。図338は、普図変動パターン選択テーブル202EFに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図338に示した通り、本第5制御例では、普図変動の変動時間として、短い変動時間が設定されるショート変動(2秒)と、ショート変動よりも長い変動時間が設定されるロング変動(30秒〜60秒)と、が選択されるように構成している。
そして、普図変動の変動時間としてロング変動が選択された場合に、普図変動演出が実行されるように構成している。なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たりに当選し難い通常状態が設定されている期間中のみ、普図ロング開放当たりに当選したことを示唆するための普図変動演出を実行するように構成しているため、通常状態中に参照されるデータテーブルにのみロング変動(30秒〜60秒)が規定されている。
具体的には、普図変動が実行される時点の遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)であって、普図変動の抽選結果が「普図当たりA」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜499」の範囲に「普図ロング変動A(30秒)」が、「500〜999」の範囲に「普図ロング変動B(60秒)」が、それぞれ規定されており、普図変動の抽選結果が「普図当たりB」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜999」の範囲に「普図ショート変動A(2秒)」が規定されている。また、普図変動の抽選結果が「外れ」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜996」の範囲に「普図ショート変動A(2秒)」が、「997,998」に「普図ロング変動A(30秒)」が、「999」に「普図ロング変動B(60秒)」が、それぞれ規定されている。一方、普図変動が実行される時点の遊技状態が時短状態(普通図柄の高確率状態)である場合は、普図変動の抽選結果、及び、第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず、「普図ショート変動A(2秒)」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、普図変動の抽選結果が「普図当たりA」、即ち、普図ロング開放当たりである場合に、普図変動時間として普図ロング変動が選択され易くなるように構成している。よって、普図変動演出が実行されることで遊技者に普図ロング開放当たりに当選したことを期待させることができる。また、普図変動演出が実行されるロング変動として、異なる変動時間(30秒、或いは60秒)が選択され得るように構成している。これにより、普図変動演出が実行されてから普図ロング開放当たり遊技が開始されるまでの期間を遊技者に予測させ難くすることができるため、例えば、普図変動演出が開始された時点で球の発射を止め、特定期間(例えば、60秒)の経過を待ってから再度球を発射させるという遊技が行われ難くすることができる。
また、僅かではあるが、普図変動の抽選結果が外れの場合であっても、普図ロング変動が選択されるように構成しているため、普図変動演出が実行されたとしても、普図ロング開放当たりに当選していない可能性を残すことができる。よって、遊技者に対して普図変動演出を最後まで楽しませることができる。
なお、本第5制御例では、普図ロング開放当たりとなる「普図当たりA」に当選した場合に、必ずロング変動(30秒、或いは60秒)が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「普図当たりA」に当選した場合の一部において「ショート変動」や、「ショート変動」よりも長く「ロング変動」よりも短い「ミドル変動(10〜15秒)も選択可能となるように構成しても良い。そして、「ロング変動」以外の変動パターンが選択された場合は、普図変動演出が実行されないように構成すると良い。
このように構成することで、普図変動演出が実行されること無く普図ロング開放当たり遊技を実行させることが可能となるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができると共に、普図ロング開放当たり遊技の実行タイミングを予測し、その予測タイミングに合わせて球を発射する遊技を行われ難くすることができる。
また、本第5制御例では、普図変動の抽選結果が、普図当たり遊技として「普図ショート当たり遊技」が実行される「普図当たりB」である場合には、「ロング変動」が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、「ロング変動」が選択されるように構成しても良い。
小当たり種別選択5テーブル202EGは、特図抽選にて小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択5テーブル202EGは、上述した第A1実施形態の小当たり種別選択テーブル202E(図244参照)に対して、規定される小当たり種別の内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図337を参照して、小当たり種別選択5テーブル202EGについて説明をする。図337(A)は、小当たり種別選択5テーブル202EGの内容を示した模式図であって、図337(B)は、特図1小当たり種別選択5テーブル202EG1に規定されている内容を模式的に示した模式図であって、図337(C)は、特図2小当たり種別選択5テーブル202EG2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
大当たりシナリオ5テーブル202EH、及び、小当たりシナリオ5テーブル202EIは、上述した第A1実施形態の大当たりシナリオテーブル202AA、小当たりシナリオテーブル202ABに対して、各シナリオに規定されている内容を、本第5制御例にて実行される大当たり遊技、或いは、小当たり遊技の内容に対応させた点で相違するだけであり、それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図333(B)を参照して、本第5制御例の主制御装置110のRAM203の構成について説明をする。本第5制御例の主制御装置110のRAM203は、上述した第A1実施形態の主制御装置110のRAM203(図241(B)参照)に対して、シナリオカウンタ203AA、特定制御フラグ203ABを削除し、特図2変動回数カウンタ203EAを追加した点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図2変動回数カウンタ203EAは、第2特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、時短状態が設定される場合に特定のカウンタ値が設定される。そして、時短状態中に特図2変動が実行されると、カウンタ値が減算され、減算後のカウンタ値が0になると時短状態が終了する。つまり、特図2変動回数カウンタ203EAは、時短状態を終了させるか否かを判別する際に参照されるものであり、複数設定される時短終了条件の一部を構成するものである。
本第5制御例では、当選した大当たり種別に応じて、特図2変動回数カウンタ203EAに設定されるカウンタ値を異ならせるように構成している。これにより、大当たり種別に応じて、時短状態の終了のし易さを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、大当たり当選の有無だけでは無く、設定される大当たり種別についても興味を持たせることができる。
次に、図341を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。図341(A)は、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を模式的に示した模式図である。図341(A)に示した通り、本制御例におけるROM222は、上述した第A1実施形態のROM222(図251(A)参照)に対して、変動パターン選択テーブル222Aに替えて変動パターン選択5テーブル222EAを設けた点で相違している。なお、ここでは、上述した変動パターン選択テーブル222Aと相違する点について主に説明し、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図342を参照して、変動パターン選択5テーブル222EAの内容について説明をする。図342(A)は、変動パターン選択5テーブル222EAの構成を模式的に示した模式図であって、図342(B)は、変動パターン選択5テーブル222EAが有する時短最終用変動パターン選択5テーブル222EA3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図342(A)に示した通り、変動パターン選択5テーブル222EAは、遊技状態や変動状況に対応付けて3つの変動パターン選択テーブルを有しており、具体的には、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用変動パターン選択5テーブル222EA1、時短状態である場合に参照される時短用変動パターン選択5テーブル222EA2、及び、時短状態の最終変動である場合に参照される時短最終用変動パターン選択5テーブル222EA3と、を有している。
上述した、通常用変動パターン選択5テーブル222EA1、及び、時短用変動パターン選択5テーブル222EA2については、上述した各制御例、或いは、各実施形態にて説明をした変動パターン選択テーブルと同一の技術思想に基づくものであり、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターン(変動時間、抽選結果、図柄種別)に対応した表示用変動パターン(演出態様)が選択されるデータテーブルであり、その詳細な説明を省略する。
時短最終用変動パターン選択5テーブル222EA3は、時短状態における最終変動、即ち、当該変動が実行されることにより時短終了条件が成立する場合における特図変動に対する変動演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、当該変動の図柄種別、抽選結果、に加え、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)、保留内当たりの有無(入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に当たりを示す入賞情報が含まれているかの判別結果)に基づいて異なる変動パターン(演出態様)が選択されるように構成している。
具体的には、図342(B)に示した通り、時短最終変動が特図1である場合、即ち、時短終了条件のうち、共通時短終了条件の1つである「特図変動回数99回」が成立する際の特図変動が特図1変動である場合には、当該変動の抽選結果、特図2保留球数、に関わらず、変動パターンとして「特図1用時短最終」が選択される。
次に、時短最終変動が特図2であって、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「当たり」で、特図2保留球数が「0」の場合は、変動パターンとして「時短最終A」が選択され、特図2保留球数が「1,2」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終A」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終B」が選択される。
そして、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「当たり」で、特図2保留球数が「3」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終C」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終D」が選択される。
一方、時短最終変動が特図2であって、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「外れ」で、特図2保留球数が「0」の場合は、変動パターンとして「時短最終E」が選択され、特図2保留球数が「1,2」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終B」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終F」が選択される。
また、当該変動の抽選結果(当否判定結果)が「外れ」で、特図2保留球数が「3」で、その特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれている場合は、変動パターンとして「時短最終D」が選択され、特図2保留内に当たりを示す入賞情報が含まれていない場合は、変動パターンして「時短最終E」が選択される。
次に、図341(B)を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図341(B)は、第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図341(B)に示した通り、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第A1実施形態のRAM223(図251(B)参照)に対して、状態格納エリア223EA、一連演出フラグ223EB、疑似一連演出フラグ223EC、時短最終変動フラグ223ED、小当たり注意フラグ223EE、非変動時入賞フラグ223EF、特図変動時間カウンタ223EG、普図変動時間カウンタ223EH、連続一連演出フラグ223EJ、一連演出カウンタ223EKを追加した点で相違している。
状態格納エリア223EAは、現在の遊技状態を一時的に記憶するための記憶領域であって、主制御装置110から出力された状態コマンドに含まれる情報が記憶されるものである。本制御例では、状態格納エリア223EAに、遊技状態(通常状態、時短状態)を示す情報と、時短状態の時短終了条件を示す情報と、大当たり当選した場合に設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)を示す情報と、が記憶されるように構成されている。そして、この状態格納エリア223EAに格納された各種情報に基づいて、演出態様を可変設定するように構成している。
また、詳細な説明は省略するが、状態格納エリア223EAには、現在の遊技状態を示す情報以外に、過去に設定された遊技状態も一時的に記憶するように構成している。このように構成することで、遊技状態の移行状況(どの遊技状態からどの遊技状態へ移行したのか)に基づいた変動を実行することが可能となる。
一連演出フラグ223EBは、一連演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、一連演出の実行条件が成立した場合にオンに設定されるものである。ここで、本制御例では、通常状態中において、当たり当選した特図抽選の変動パターンとして一連演出が設定された場合、或いは、普通図柄のロング変動が実行される場合に、一連演出の実行条件が成立するように構成している。
この一連演出フラグ223EBは、普図演出設定処理(図371のC4112参照)において、一連演出が設定される場合(図371のC4207)、或いは、当たり変動演出設定処理(図373のC4112参照)において、一連演出が設定される場合(図373のC4402:YES)に、オンに設定され(図371のC4208、図373のC4403)、小当たり関連コマンド処理(図366(A)のC3504参照)において、小当たり遊技中の演出態様を設定する場合に参照される(図366(A)のC3701)。また、変動演出設定処理(図370のC4004)や普図用演出設定処理(図371のC4117参照)において、新たな一連演出を実行可能か否かの判別を行う際に参照される。そして、一連演出更新処理(図375のC4503参照)において、一連演出の継続実行条件が成立していないと判別した場合にオフに設定される(図375のC4613参照)。
上述した通り、本制御例では、複数の契機(特図抽選、普図抽選)によって一連演出が実行されるように構成している。このように構成している場合であっても、一連演出フラグ223EBを用いることで、一連演出が重複して設定(実行)されてしまうことを抑制することができる。
疑似一連演出フラグ223ECは、特図変動の抽選結果が外れであって一連演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、特図外れ変動の変動演出として一連演出が設定された場合にオンに設定されるものである。この疑似一連演出フラグ223ECは、上述した一連演出フラグ223EBよりも優先度が低く設定されており、同一の一連演出が実行されている状態において、一連演出フラグ223EBがオンに設定されている場合と、疑似一連演出フラグ223ECがオンに設定されている場合とで、異なる演出設定処理が実行されるように構成している。
具体的には、普図用演出設定処理(図371のC4117参照)において、一連演出フラグ223EBがオンに設定されている場合(例えば、特図変動の当たり変動演出として一連演出が実行されている場合)は、普図変動が一連演出の実行条件を満たしている場合であっても、新たな一連演出が実行されないように構成しているのに対して、疑似一連演出フラグ223ECがオンに設定されている場合(例えば、特図変動の外れ変動演出として一連演出が実行されている場合)は、普図変動が一連演出の実行条件を満たしている場合で、且つ、特殊条件を満たしている場合に、新たな一連演出(特殊一連演出)を実行可能に構成している(図371のC4211参照)。
このように、同一の一連演出が実行されている状態において、実行中の一連演出の実行契機に基づいて、新たな一連演出を実行する処理(実行中の一連演出の演出態様を差し替える処理)を行うか否かを可変させることができるため、一連演出の演出内容を多様化させることができる。また、実行中の一連演出の演出結果よりも遊技者に有利となる演出結果を表示可能な場合のみ、一連演出の演出態様を差し替えるように構成しているため、実行中の一連演出の演出態様が可変することを期待しながら遊技者に一連演出を注視させることができる。
時短最終変動フラグ223EDは、今回の特図変動が時短状態の最終変動であることを示すためのフラグであって、今回の特図変動が時短状態の最終変動である場合にオンに設定される。この時短最終変動フラグ223EDをオンに設定することにより、時短最終変動用の演出態様を設定することができる。
小当たり注意フラグ223EEは、小当たり遊技中に所定期間が経過しても特定領域を球が通過していないことを示すフラグであって、小当たり遊技が開始されてから所定期間(1秒)が経過しても球が特定領域を通過していない場合にオンに設定される。そして、小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されることにより、小当たり遊技中に右打ち遊技を行わせるための案内表示態様(図325(A)参照)が表示される。そして、小当たり遊技が終了するタイミングでオフに設定される。
非変動時入賞フラグ223EFは、通常状態においてスルーゲート67を球が通過した時点で特図1変動が実行されていないことを示すためのフラグであって、スルーゲート67を球が通過した時点で特図1変動が実行されていない場合にオンに設定される。本制御例のパチンコ機10は、通常状態では左打ち遊技を行い、第1入賞口64に球を入賞させ特図1抽選を実行させるように構成している。そして、左側遊技領域に設けられたスルーゲート67を球が通過したことに基づいて普図抽選を実行し、その普図抽選の抽選結果が普図ロング開放当たりである場合に、電動役物640Aがロング開放する普図ロング開放当たり遊技が実行されるため、第2入賞口640に球を入賞させるために右打ち遊技が行われる。
つまり、正常に遊技を行っている場合は、スルーゲート67に球を通過させたタイミングにおいて、特図1変動が実行されていることになる。一方、例えば、通常状態が設定されている状態で、遊技盤13の右側遊技領域に設けられたスルーゲート67に球を通過させるだけの遊技を行っている場合は、スルーゲート67に球を通過させたタイミングにおいて特図1変動が実行されていないことになる。ここで、本第5制御例の遊技盤13の盤面構成として、左打ち遊技によって発射された球が左側遊技領域に設けられたスルーゲート67を通過する割合よりも、右打ち遊技によって発射された球が右側遊技領域に設けられたスルーゲート67を通過する割合のほうが高くなるように構成している。
このように通常状態中において、右打ち遊技を行い普図抽選のみを実行しようとする悪意のある遊技を行う場合には、普図抽選によってロング開放当たりに当選した場合であっても、普図変動演出を実行しないように構成している。このように構成することにより、通常状態において右打ち遊技を行う遊技者に対して、普図ロング開放当たり遊技が実行されるタイミングを分かり難くすることができる。
特図変動時間カウンタ223EG、及び普図変動時間カウンタ223EHは、各図柄変動時間を計測するためのカウンタであって、図柄変動が実行される場合に、今回の変動時間に対応する値が設定される。そして、音声ランプ制御装置113のメイン処理において定期的にその値が減算される。この特図変動時間カウンタ223EG、及び普図変動時間カウンタ223EHの値を用いることで、図柄変動中における各図柄変動時間の残時間を判別することができる。
連続一連演出フラグ223EJは、一連演出が実行されている期間中において、特図2変動の待機期間が所定期間(30秒)以上である場合に実行される連続一連演出(図317(B)参照)が設定されていることを示すためのフラグであって、連続一連演出が実行される場合にオンに設定される。
一連演出カウンタ223EKは、一連演出の演出シナリオを更新するためのカウンタであって、一連演出が設定された場合に、今回実行される一連演出の演出期間に対応する値が設定され、その値が、音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で定期的に実行される演出更新処理5(図374のC3112参照)にて更新される。なお、この一連演出カウンタ223EKは、一連演出が最後まで完遂(大当たり遊技が実行される演出(図322(B)参照)が実行される)までの期間を示すための値が設定されるように構成されており、更新後のカウンタ値に応じた演出態様が設定される。そして、一連演出の実行中において、演出終了条件(例えば、普図当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞せず、特図2保留を獲得出来なかった場合に成立する条件)が成立し、一連演出を終了させる場合には、一連演出の終了を示すための演出態様を設定すると共に、一連演出カウンタ223EKの値が0にリセットされる。
再先読みフラグ223EMは、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に対して、再度先読み処理を実行する必要があることを示すためのフラグであって、再度先読み処理を実行する必要がある場合にオンに設定される。本第5制御例では、時短状態の最終特図変動に対応する変動演出として、特図2保留の先読み結果に基づく演出態様が設定された変動演出(時短最終変動演出)を実行するように構成しており、最終特図変動期間の特定タイミングにおいて獲得済の特図2保留に対して先読み処理を実行し、その先読み結果に対応する演出態様を設定するように構成している。
上述した再先読みフラグ223EMは、最終特図変動の実行中で、且つ、最終特図変動期間の特定タイミング経過後に新たな特図2保留を獲得した場合にオンに設定され、オンに設定された場合は、時短状態終了後1回転目の特図2変動の実行タイミングにおいて、特図2保留に対する先読み処理を再度実行し、その先読み処理の結果に基づく変動演出が実行される。
保留上限フラグ223ENは、特図2保留球数が上限値(4)に到達しているかを判別するためのフラグであって、特図2保留球数が上限値(4)に到達した場合にオンに設定される。そして、時短最終変動演出の演出態様を設定する際に参照される。具体的には、本第5制御例では、時短状態の最終特図変動に対応する変動演出として、最終特図変動期間のうち、第1期間中に特図2保留を獲得させるための保留球獲得演出を実行可能にし、第1期間よりも後の第2期間中に、当該変動の抽選結果、及び、特図2保留の先読み結果を示すための時短最終変動演出を実行可能にするように構成されており、第1期間の開始時点において保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合は、第1期間と第2期間とを用いて時短最終変動演出を実行するように構成している。
このように構成することにより、既に特図2保留を上限まで獲得している遊技者に対して、新たな特図2保留を獲得させるための演出(保留球獲得演出)が実行されることを抑制することができると共に、特図2保留を常に上限値近くまで獲得し続ける遊技、即ち、右打ち遊技を継続して実行している遊技者に対して、時短最終変動演出の実行期間を長く設定することができる。よって、遊技者に対して継続して遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
実行済フラグ223EQは、最終特図変動に対応する変動演出として、時短最終変動演出が実行されていることを示すためのフラグであって、通常、時短最終変動期間の第2期間から実行される時短最終変動演出が、第2期間よりも前に設定される第1期間から実行されている場合にオンに設定されるものである。つまり、時短最終変動期間の第1期間開始時点において、特図2保留数が上限に到達しており、第1期間中に時短最終変動演出(第1期間と第2期間とを用いた演出)を実行させると判別した場合にオンに設定され、第2期間開始時点において実行済フラグ223EQがオンに設定されているかが判別され、オンに設定されていると判別した場合には、既に第2期間中に実行される演出態様が設定されていることから、新たな演出態様を設定する処理がスキップされるように構成している。そして、時短最終変動に対応する停止コマンドを受信した場合にオフに設定される。
特2入賞フラグ223ERは、普図当たり遊技中(電動役物640Aの開放動作中)に、第2入賞口640に球が入賞したことを示すためのフラグであって、普図当たり遊技中(電動役物640Aの開放動作中)に、第2入賞口640に球が入賞した場合にオンに設定されるものである。この特2入賞フラグ223ERは、普図当たり遊技中更新処理(図376(A)参照)において、第2入賞口640に球が入賞したと判別された場合に(図376(A)のC4701:YES)、オンに設定され(図376(A)のC4705参照)、一連演出を継続するか否かの判別をするために、一連演出更新処理(図375のC4503参照)において参照される(図375のC4608)。C4608の処理において、オンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(図375のC4608:NO)、特図2変動が実行されない状態となり、一連演出の終了条件が成立するため、一連演出を終了させるための処理(C4612)が実行される。
<第5制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図343から図359のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2M秒間隔で)起動されるタイマ割込処理5と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。なお、本第5制御例では、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容についても説明の便宜上、異なる符号を付して重複して説明している箇所があるが、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした技術思想については、本第5制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした変形例や追加例についても本第5制御例に当然適用されるものである。
図343は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。タイマ割込処理5は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理5では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(C101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(C102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、第2当たり種別カウンタC6の更新を実行する(C103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、及び第2当たり種別カウンタC6をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、999,99,239,239,99,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C6の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理5を実行する(C104)。その後、第1入賞口64または第2入賞口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理5を実行する(C105)。尚、特別図柄変動処理5、始動入賞処理5の詳細は、図344〜図349を参照して後述する。
始動入賞処理5(C105)を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理5を実行する(C106)。尚、普通図柄変動処理5の詳細は、図350を参照して後述する。普通図柄変動処理5を実行した後は、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理5を実行する(C107)。尚、スルーゲート通過処理5の詳細は、図351及び図352を参照して後述する。
スルーゲート通過処理5を実行した後は、V入口通過処理5を実行し(C108)、その後、V通過処理5(C109)を実行する。ここで、V入口通過処理5、V通過処理5の詳細については図353及び図354を参照して後述する。
V通過処理5(C109)を実行した後は、発射制御処理を実行し(C110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(C111)、タイマ割込処理5を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51Aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51Bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図344を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理5(C104)について説明する。図344は、この特別図柄変動処理5(C104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理5(C104)は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理5では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(C201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(C201:YES)、特別図柄変動(特図変動)を実行することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(C201:NO)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中(特図変動中)であるか否かを判定し(C202)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中(特図変動中)でなければ(C202:NO)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(C203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(C204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0でなければ(C204:YES)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を1減算し(C205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(C206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223B、特別図柄2保留球数カウンタ223Cにそれぞれ格納する。
C206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されたデータをシフトする(C207)。C207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203Bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理5を実行する(C213)。なお、特別図柄変動開始処理5については、図345を参照して後述する。
一方、C204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0であると判別した場合には(C204:NO)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)の値を取得し(C208)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0より大きいか判別する(C209)。特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0であると判別した場合(C209:NO)、即ち、新たに特別図柄変動を開始させるための保留球が存在しない場合は、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が0でなければ(C209:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を減算し(C210)、C210の処理により変更(減算)された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(C211)。C211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納されたデータをシフトする(C212)。その後、C213の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、新たな特別図柄変動(特図変動)を実行する際に、特別図柄1保留球数カウンタ(N1)の値よりも先に、特別図柄2保留球数カウンタ(N2)の値を判別するように構成し、特別図柄2保留球数カウンタ(N2)の値が0よりも大きいと判別した場合に、第2特別図柄(特図2)の特別図柄変動(特図変動)を開始するための処理(特別図柄変動開始処理5(C213参照))を実行するように構成している。これにより、第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させることができる。
また、C202の処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(C202:YES)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(C214)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(C214:NO)、本処理を終了する。
一方、C214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(C214:YES)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(C215)。停止図柄の設定は、図345を参照して後述する特別図柄変動開始処理5(C213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理5が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合は、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAA、大当たりAB、大当たりAC、大当たりAD、大当たりAE及び大当たりAFの何れかを決定し、特別図柄の抽選結果が小当たりの場合は、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たりAA、小当たりAB、小当たりAC、小当たりAD、小当たりAE及び小当たりEの何れかを決定する。
尚、本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様(点灯態様)によって、今回の特別図柄の抽選結果(各種別カウンタの決定結果)を遊技者に報知するように構成しており、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させ、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。
そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであり、且つ、大当たりAAが決定された場合は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを、大当たりAAを示す態様(例えば、アルファベットの「A」を模した態様)で点灯させ、大当たりABが決定された場合は、大当たりABを示す態様(例えば、アルファベットの「B」を模した態様)で点灯させ、大当たりACが決定された場合は、大当たりACを示す態様(例えば、アルファベットの「C」を模した態様)で点灯させ、大当たりADが決定された場合は、大当たりADを示す態様(例えば、アルファベットの「D」を模した態様)で点灯させる。
また、特別図柄の抽選結果が小当たりである場合にも、上述した大当たりに当選した場合と同様に、赤色のLEDを各小当たり種別(小当たりAA、小当たりAB、小当たりAC、小当たりAD、小当たりAE及び小当たりE)に応じた態様で点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。また、本実施形態では上述したように決定された各当たり種別(大当たり種別や小当たり種別)を遊技者が把握できるように各当たり種別の内容を示す態様(特別図柄の抽選結果に対応した色、各当たり種別に対応した点灯態様から形成される態様)で第1図柄表示装置37A,37Bを点灯させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、抽選結果や、決定された当たり種別が異なっている場合であっても第1図柄表示装置37A,37Bの点灯態様として同一の点灯態様を用いるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bの点灯態様を確認することで、今回の特別図柄の抽選結果や決定される当たり種別を把握することが可能となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の抽選結果が異なるものであることを遊技者が判別可能な程度に区分けされた点灯態様で表示するように構成しても良い。
C215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(C216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(C216:YES)、大当たり種別に基づいて、大当たりシナリオを設定し(C217)、その後、今回の大当たりにおいて決定された大当たり種別に対応させて大当たりの開始の設定(15ラウンド等の大当たりの設定)を実行する(C218)。
なお、C217の処理で大当たりシナリオが設定されると、大当たりシナリオテーブル202EHに規定されている各大当たりシナリオテーブルのうち、今回の大当たりに対応する大当たりシナリオテーブルが設定される。なお、大当たりシナリオテーブルの更新方法については、第A1制御例の図248を参照して上述した内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
C218の処理を終えると、次に、大当たり開始フラグ203H、大当たり中フラグ203Iをオンに設定し(C219)、時短中カウンタ203Gの値を0に設定し(C220)、停止コマンドを設定し(C225)、本処理を終了する。
一方、C216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別した場合は(C216:NO)、時短更新処理を実行する(C221)。この時短更新処理の詳細については、図346を参照して後述するが、時短状態が設定されている場合に、時短終了条件を成立させるための各種パラメータ(第2特別図柄(特図2)の変動回数、特別図柄の合計変動回数)を更新する処理が実行される。C221の処理を実行後、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(C222)、小当たりであると判別した場合は(C222:YES)、小当たり開始設定処理5(C223)を実行し、後に上述したC225の処理を実行し、本処理を終了する。なお、小当たり開始設定処理5(C223)の詳細については、図347を参照して後述する。
一方、C222の処理において、今回の抽選結果が小当たりではない(外れである)と判別した場合は(C222:NO)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、特別図柄変動が終了したタイミング(特図変動時間が経過したタイミング)で時短更新処理を実行するように構成している。このように構成することで、例えば、時短終了条件の一部である対応時短終了条件として「特図2変動回数1回」を設定した場合において、時短状態が設定され、特図2変動が実行されたとしても、その特図2変動が停止するまでの期間を時短状態とすることができるため、特図2保留を獲得する期間を確保することができる。
なお、本第5制御例の構成に限ること無く、特別図柄の変動開始時に時短更新処理を実行するように構成しても良く、この場合、特図2変動1回分の期間を時短状態として確保するためには、対応時短終了条件として「特図2変動回数2回」を設定するように構成すれば良い。
次に、図345を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理5(C213)について説明する。図345は、特別図柄変動開始処理5(C213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理5(C213)は、タイマ割込処理5(図343参照)の特別図柄変動処理5(図344参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203Aと特別図柄2保留球格納エリア203Bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」、或いは「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理5では、まず、特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203A、特別図柄2保留球格納エリア203B)の共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(C231)。次に、特別図柄の種別(特別図柄1、特別図柄2)に対応した特別図柄大当たり乱数テーブル(特別図柄1乱数5テーブル202EA1、特別図柄2乱数5テーブル202EA2)に基づいて特別図柄の抽選結果を取得し(C232)、C233の処理へ移行する。
具体的には、今回の処理で実行される特別図柄変動が第1特別図柄(特図1)の場合は、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄1乱数5テーブル202EA1(図334(B)参照)に設定された4つの乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜3」の4個が設定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄1乱数5テーブル202EA1(図334(B)参照)に設定される小当たりとなる乱数値「10,11」の2個とが一致する場合には、特別図柄の小当たりであると判別する。
なお、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりと判定される判定値を同じとしているが、それに限らず、異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、大当たり乱数値の個数を同じに設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりと判定される乱数値の数を異なるように設定してもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、小当たりと判定される判定値の数が異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて抽選結果が小当たりとなる確率を異ならせることができ、小当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄との何れも小当たりに当選するように第1当たり乱数5テーブル202EAを設定しているが、何れか一方の特別図柄のみ小当たりに当選するように第1当たり乱数5テーブル202EAを設定しても良い。具体的には、第1特別図柄に対応する特別図柄1乱数5テーブル202EA1には特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定せず、第2特別図柄に対応する特別図柄2乱数5テーブル202EA2にのみ特別図柄の小当たりとなる乱数値を設定するように設定すると良い。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて遊技者に付与可能な特典(小当たり遊技)を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値の所定範囲(0〜3)に、特別図柄の大当たりを対応させ、それ以外の範囲(4〜999)内に特別図柄の種別に応じて特別図柄の小当たりを対応させているが、それ以外の構成として、例えば、第1特別図柄では大当たりとなる範囲の一部(例えば、0〜2)の値を、第2特別図柄では小当たりとなる範囲として設定しても良い。
さらに、本制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数5テーブル202EAとを用いて特別図柄の抽選(大当たり、小当たり、外れ)を行うように構成しているが、それ以外の構成として、複数の当たり乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うように構成しても良く、例えば、1つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、1つ目の乱数テーブルを用いた抽選結果が大当たりでは無い場合に、2つ目の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。このように複数の乱数テーブルを用いて特別図柄の抽選を行うことにより、特別図柄の抽選結果をよりランダムに設定することができ、特別図柄の抽選結果を操作する不正行為を抑制することができる。
本制御例では、特別図柄の抽選を行う場合に第1当たり乱数カウンタC1の値を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、複数の乱数カウンタの値と、第1当たり乱数5テーブル202EAとを用いて特別図柄の抽選を行っても良い。この場合、例えば、1つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し、2つ目の乱数カウンタの値に基づいて特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別するように構成しても良い。
図345に戻り説明を続ける。C233の処理ではC232の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(C233)。特別図柄の大当たりであると判別した場合には(C233:YES)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に対応した第1当たり種別選択5テーブル202EBに基づいて大当たり種別を取得し(C234)、特別図柄と大当たり種別とに対応した大当たり時の表示態様を設定し(C235)、変動種別カウンタCS1の値に基づいて大当たり変動パターンを決定し(C236)、今回決定した大当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(C243)、本処理を終了する。
一方、C233の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(C233:NO)、次に、今回の抽選結果が小当たりであるかを判別し(C237)、小当たりであると判別した場合は(C237:YES)、今回の特別図柄抽選に対応する特別図柄の種別に応じた小当たり種別選択5テーブル202EGに基づいて小当たり種別を取得し(C238)、特別図柄と小当たり種別とに対応した小当たり時の表示態様を設定し(C239)、変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定し(C240)、今回決定した小当たり変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(C243)、本処理を終了する。
また、C237の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合(C237:NO)、即ち、今回の抽選結果が外れであると判別した場合は、特別図柄の種別に対応した外れ時の表示態様を設定し(C241)、保留球数に基づいて外れ時の変動パターンを決定し(C242)、今回決定した外れ時の変動パターンに対応する変動パターンコマンドを設定し(C243)、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は後述するが、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりである場合には、保留球数に関わらず変動パターンが決定されるのに対して、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、保留球数に応じて変動パターンが異なるように構成している。具体的には、特別図柄変動開始処理5(C213)が実行されるタイミングにおける保留球数が多い程、変動時間が短い変動パターンが決定され易くなるように構成している。これにより、特別図柄の抽選結果が遊技者に特典を付与することの無い抽選結果(外れ)が表示されるまでの期間を保留球数が多い程短くすることが出来るため、単位時間当たりに実行される特別図柄の抽選回数を増加させるために、多くの保留球数を常に確保しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、多くの保留球数を確保することが出来ない場合には、1回の特別図柄変動時間を長くすることができるため、遊技中において特別図柄が変動していない状態が発生することを抑制することができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本制御例では、特別図柄変動開始処理5(C213)の処理が実行されるタイミングにおける保留球数に基づいて変動パターンを異ならせるように構成しているが、それ以外にも、例えば、特別図柄が変動している最中に保留球数が所定数(例えば、3個)以上になったことを条件に、実行中の変動パターンに設定されている変動時間を短縮させるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄が変動している間も多くの保留球数を確保しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が外れの場合のみ、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせているが、特別図柄の抽選結果が大当たりや小当たりの場合にも、保留球数に基づいて変動パターンを異ならせても良いし、保留球数が多い程、長い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しても良い。さらに、変動パターンを決定する際に参照する保留球数については、第1特別図柄の保留球数と、第2特別図柄の保留球数とを合算した値でも良いし、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、優先して特別図柄変動開始処理が実行される第2特別図柄の保留球数の値のみでも良いし、今回実行される特別図柄変動開始処理の対象となる側の特別図柄の保留球数の値のみでも良い。
次に、図346を参照して、時短更新処理(C221)について説明をする。図346は、時短更新処理(C221)を示したフローチャートである。
時短更新処理(C221)では、まず、RAM203の時短中カウンタ203Gの値が1以上であるかを判別する(C251)。尚、時短中カウンタ203Gは、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203Gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態であることを示し、時短中カウンタ203Gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の低確率状態であることを示す。なお、本第5制御例では、2つの遊技状態を設定可能に構成されている。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)との2つの遊技状態を設定可能に構成している。つまり、本制御例では、特別図柄の確率状態は常に一定で、普通図柄の確率状態のみ可変設定することができるように構成している。よって、普通図柄の高確率状態を示す用語として時短状態、普通図柄の低確率状態を示す用語として通常状態を用いる場合がある。
時短中カウンタ203Gの値が0である場合は(C251:NO)、時短状態が設定されていないため、そのまま本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203Gの値が1以上である場合は(C251:YES)、即ち、現在が時短状態中であると判別した場合は、時短中カウンタ203Gの値を1減算し(C252)、次に、今回の特図変動が第2特別図柄(特図2)の変動であるか否かを判別する(C253)。今回の特図変動が特図2の変動である場合は(C253:YES)、特図2変動回数カウンタ203EAの値を1減算し(C254)、各種カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定し(C255)、C256の処理へ移行する。
C255の処理では、時短中カウンタ203Gの値と、特図2変動回数カウンタ203EAの値とを示す残時短回数コマンドが設定される。ここで設定された残時短回数コマンドは、後述するメイン処理(図357参照)の外部出力処理(図357のC1001参照)によって、遊技状態を示す状態コマンドの一部として音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、コマンド判定処理5(図360のC3113参照)にて状態コマンド(残時短回数コマンド)を受信したと判別した場合に(図360のC3212)、受信したコマンドに含まれる情報を抽出し、状態格納エリア223EAに現在の遊技状態(残時短回数)を格納する。これにより、音声ランプ制御装置113にて現在設定されている時短状態の残期間を予測(判別)することができ、時短状態の残期間に応じた演出態様を設定することができる。
なお、本制御例では、時短更新処理(図346のC221参照)が実行される毎に、主制御装置110から残時短回数を示すための残時短回数コマンドを出力するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態が設定された時点(大当たり遊技が終了した時点)で設定される時短終了条件を示すための時短終了条件コマンドを音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した時短終了条件コマンドから時短終了条件を抽出し、その後、主制御装置110側から出力される特図変動を示すコマンド(変動パターンコマンド)の受信回数を累積し、累積後の値によって時短終了条件が成立するか否かを判別するように構成しても良い。このように構成することにより、主制御装置110側の処理負荷を軽減することができる。
C253の処理において、今回の特図変動が特図2の変動ではない場合は(C253:NO)、C254及びC255の処理を行わず、C256の処理へ移行する。
C256の処理では、時短中カウンタ203Gの値が0であるか否かを判別する(C256)。時短中カウンタ203Gの値が0である場合は(C256:YES)、時短終了条件(共通時短終了条件)が成立した場合であるため、時短終了条件のうち対応時短終了条件の成立具合を判別するための特図2変動回数カウンタ203EAの値を0にリセットし(C257)、C260の処理へ移行する。
C256の処理において、時短中カウンタ203Gの値が0ではない場合は(C256:NO)、次に、特図2変動回数カウンタ203EAの値が0であるか否かを判別する(C258)。特図2変動回数カウンタ203EAの値が0である場合は(C258:YES)、時短終了条件(対応時短終了条件)が成立した場合であるため、時短終了条件のうち共通時短終了条件の成立具合を判別するための時短中カウンタ203Gの値を0にリセットし(C259)、その後、C260の処理へ移行する。一方、C258の処理において特図2変動回数カウンタ203EAの値が0ではない場合は(C258:NO)、そのまま本処理を終了する。
C260の処理では、遊技状態を通常状態に設定し(C260)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(C261)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、時短更新処理(図346のC221)は、時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて成立し得る複数の時短終了条件(共通時短終了条件の一部、及び対応時短終了条件)の成立状況を判別可能に構成し、何れかの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件を成立させるためのパラメータの値もリセットするように構成している。これにより、どのパラメータの値に基づいて時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させた後の状態を統一化することができる。
なお、本制御例では、時短終了条件として、どの大当たり種別に基づいて設定された時短状態であっても共通して設定される共通時短終了条件(大当たり当選時に成立する第1終了条件、小当たり遊技終了後に成立する第2終了条件、特図変動回数(特図1と特図2の累計)が99回に到達した場合に成立する第3終了条件)と、大当たり種別に対応して設定される対応時短終了条件(特図2変動回数が所定回数に到達した場合に成立する条件)と、を設定するように構成しているが、時短状態を終了させるための条件はこれに限ること無く、例えば、小当たり当選の回数が所定回数に到達した場合や、特定の小当たり種別が選択された回数が所定回数に到達した場合に成立する小当たり終了条件を設定しても良い。この場合、小当たり終了条件を共通時短終了条件として設定しても良いし、対応時短終了条件として設定しても良い。加えて、特別図柄変動(特図変動)の実行に基づいて時短状態を終了させるか否かを抽選する終了抽選手段を設け、終了抽選手段の抽選結果が時短状態を終了させる抽選結果である場合に、時短状態を終了させるように構成しても良い。
このように構成することで、どのタイミングで時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技者に対してドキドキ感を持たせながら時短状態の遊技を実行させることができる。また、時短状態中に所定の継続条件(例えば、特別図柄の抽選結果として特定の外れを示す抽選結果となった場合に成立する条件)が成立した場合に、時短終了条件に関する各種パラメータが所定期間更新されないように構成しても良い。さらに、特定の大当たり種別が選択された場合に設定される時短状態のみ、時短状態が設定されてから所定期間が経過するまでは(例えば、特図変動回数が30回に到達するまでは)、時短終了条件に関する各種パラメータが更新されないように構成しても良い。このように構成することで、確実に時短状態が継続する期間を設定することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、小当たり遊技が実行されたにも関わらず、V入賞口650Aに球が入賞しなかったことを判別可能な判別手段を設け、その判別手段により、V入賞口650Aに球が入賞しなかったことが判別された場合に成立する時短強制終了条件を共通時短終了条件として設定するように構成しても良い。このように構成することで、小当たり当選した際に設定される小当たり種別を判別し、その判別結果が遊技者にとって不利となる小当たり種別(例えば、V入賞口650A内の特定領域に球を通過させた場合に遊技者に不利となる大当たり遊技(ラウンド数が少ない大当たり遊技や、終了後に遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定されない大当たり遊技)であると判別した場合に、小当たり遊技中に球を発射させず、次の小当たり当選を目指すといった不正な遊技を行う遊技者に対してペナルティーを課すことができる。
次に、図347を参照して、小当たり開始設定処理5(C223)について説明をする。図347は、小当たり開始設定処理5(C223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理5(C223)では、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にV入賞扉650Bを開放させるためのソレノイド(V入口ソレノイド)209を開閉動作させるためのシナリオを設定する処理が実行される。
小当たり開始設定処理5(C223)では、まず、小当たりシナリオ5テーブル202EIに基づいて、設定された小当たり種別に対応するシナリオ(当たりシナリオ)を設定する(C291)。次いで、V通過時大当たり種別値に決定された小当たり種別に応じた小当たり種別を設定し(C292)、小当たり種別に対応した小当たりの開始を設定し(C293)、小当たり中フラグ203Kをオンに設定し(C294)、本処理を終了する。なお、本処理における小当たりシナリオ(当たりシナリオ)の詳細な更新方法については、上述した第A1実施形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。
次に、図348を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理5(C105)について説明する。図348は、本実施形態におけるタイマ割込処理5(図343参照)の中で実行される始動入賞処理5(C105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理5(C105)は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行され、第1入球口(入賞口)64または第2入球口(入賞口)640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理5(図348のC105参照)が実行されると、まず、球が第1入球口(入賞口)64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(C301)。ここでは、第1入球口(入賞口)64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口(入賞口)64に入賞したと判別されると(C301:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(C302)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が上限値(本制御例では4)未満であるか否かを判別する(C303)。
そして、第1入球口(入賞口)64への入賞がないか(C301:NO)、或いは、第1入球口(入賞口)64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満でなければ(C303:NO)、C307の処理へ移行する。一方、第1入球口(入賞口)64への入賞があり(C301:YES)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満であれば(C303:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1加算する(C304)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(C305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223Bに格納する。
C305の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理5(図343参照)のC103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(C306)。尚、C306の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、C307〜C312までの処理では、C301〜C306までの処理に対して、同様の処理が第2入球口(入賞口)640の入賞に対しても実行される。第2入球口(入賞口)640の入賞に対して、第2特別図柄(特図2)に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、C307の処理において球が第2入球口(入賞口)640へ入賞していないと判別した場合(C307:NO)と、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が4未満でない場合(C309:NO)と、C312の処理の後、先読み処理5を実行する(C313)。その後、この処理を終了する。
次に、図349を参照して、先読み処理5(C313)について説明する。図349は先読み処理5(C313)を示すフローチャートである。先読み処理5(C313)が実行されると、まず新たな入賞があるか否かを判別する(C321)。新たな入賞がない場合は(C321:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、新たな入賞がある場合は(C321:YES)、次いで、その入賞が第1特別図柄(特図1)の入賞であるか否かを判別する(C322)。
C322の処理において、入賞が第1特別図柄(特図1)の入賞であると判別した場合は(C322:YES)、始動入賞処理5(図348のC105参照)のC306、或いはC312の処理によって取得した各種カウンタ値を用いて、特別図柄1乱数5テーブル202EA1(図334(B)参照)、特図1大当たり種別選択5テーブル202EB1(図335(B)参照)および特図1小当たり種別選択5テーブル202EG1(図337(B)参照)に基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(C323)、C325の処理へ移行する。
一方、C322の処理において、入賞が第2特別図柄(特図2)の入賞であると判別した場合は(C322:NO)、特別図柄2乱数5テーブル202EA2(図334(C)参照)、特図2大当たり種別選択5テーブル202EB2(図335(C)参照)および特図2小当たり種別選択5テーブル202EG2(図337(C)参照)に基づいて抽選結果、大当たり種別および小当たり種別を取得し(C324)、C325の処理へ移行する。C325の処理では、上述したC323、或いはC324の処理において取得した各抽選結果(大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり判定結果、小当たり種別)を示すための情報を含む入賞情報コマンドを設定する(C325)。そして、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例における先読み処理5(図349のC313参照)では、上述した先読み結果に加え、対応する入賞情報に基づく特図変動が実行される場合に設定される変動パターン(変動時間)も事前に判別可能に構成している。具体的には、始動入賞処理5(図348のC105参照)のC306、或いはC312の処理によって変動種別カウンタCS1の値も取得するように構成し、先読み処理5(図349のC313参照)のC323、或いはC324の処理において、変動パターン5テーブル202EE(図339参照)に基づいて変動パターン(変動時間)を事前に判別し、その判別結果をC325の処理で入賞情報に含ませるように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113側にて、保留記憶されている入賞情報に対応する特図変動がどのタイミングで(何秒後に)実行されるのかを予測することが可能となる。
次に、図350を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理5(C106)について説明する。図350は、この普通図柄変動処理5(C106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理5(C106)は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、電動役物640Aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理5では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(C601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物640Aの開閉制御がなされている最中が含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(C601:YES)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(C601:NO)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(C602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(C602:NO)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(C603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(C604)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0であれば(C604:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0でなければ(C604:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1減算する(C605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203Cに格納されたデータをシフトする(C606)。C606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203Cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(C607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203Gの値が1以上であるかを判別する(C608)。尚、時短中カウンタ203Gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203Gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203Gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203Gの値が1以上である場合は(C608:YES)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、C607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202EC(図334(D)参照)に基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(C609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202ECに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図334(D)参照)。
C608の処理において、時短中カウンタ203Gの値が0である場合は(C608:NO)、C610の処理へ移行する。C610の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、C607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202EC(図334(D)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(C610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数5テーブル202ECに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図334(D)参照)。
次に、C609またはC610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(C611)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(C611:YES)、次に、普図当たり種別選択5テーブル202EDを用いて普図当たり種別(普図当たりA,普図当たりB)を設定する(C612)。具体的には、第2当たり種別カウンタC6の値と、普図当たり種別選択5テーブル202EDに格納されている乱数値と比較する。上述したように、現在の遊技状態が時短状態(普図の高確率状態)の場合は、第2当たり種別カウンタC6の値が「0,1」の範囲にあれば、普図当たりAであると判定し、「2〜99」の範囲にあれば、普図当たりBであると判別する(図336(A)参照)。または、現在の遊技状態が通常状態(普図の低確率状態)の場合は、第2当たり種別カウンタC6の値が「0」の範囲にあれば、普図当たりAであると判定し、「1〜99」の範囲にあれば、普図当たりBであると判別する(図336(A)参照)。
次に、C612の設定結果に基づいた当たり時の表示態様を設定し(C613)、C615の処理へ移行する。このC613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。一方、C611の処理において、普通図柄の当たりでは無いと判別した場合は(C611:NO)、今回の普通図柄抽選(普図抽選)が外れの場合であるため、外れ時の表示態様を設定し(C614)、C615の処理へ移行する。
C615の処理では、時短中カウンタ203Gの値が1以上であるかを判定し(C615)、時短中カウンタ203Gの値が1以上であれば(C615:YES)、普図変動パターン選択テーブル202EFのうち、時短状態(普図高確)に対応する規定内容を用いて普図変動時間(2秒)を設定し(C617)、その後、本処理を終了する。C615の処理において、時短中カウンタ203Gの値が0である場合は(C615:NO)、普図変動パターン選択テーブル202EFのうち、通常状態(普図低確)に対応する規定内容を用いて普図変動時間(2〜60秒)を設定し(C616)、その後、今回の処理にて設定された各種内容(普通図柄保留球数カウンタ203Fの値、普通図柄の抽選結果、普通図柄の変動時間)に対応するコマンドを設定し(C623)、本処理を終了する。
一方、C602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(C602:YES)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(C618)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、C616の処理またはC617の処理によって予め設定された時間である。
C618の処理において、変動時間が経過していなければ(C618:NO)、C623へ移行し、本処理を終了する。一方、C618の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(C618:YES)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(C619)。C619の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、C613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、C614の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。C619の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図357参照)の第2図柄表示更新処理(C1008参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、C613の処理またはC614の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理5によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(C620)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(C620:YES)、普図当たり種別と遊技状態に応じて電動役物の開放パターンを設定し(C621)、電動役物の開閉制御処理を設定し(C622)、その後、C623へと移行し、C621の処理によって設定された普図当たり遊技の内容を示すためのコマンドを設定し、本処理を終了する。C621の処理によって、電動役物640Aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図357参照)の電動役物開閉処理(C1006参照)が実行された場合に、電動役物640Aの開閉制御が開始され、C616の処理またはC617の処理で設定された開放時間が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、C620の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(C620:NO)、C621及びC622の処理をスキップして、C623の処理へ移行し、普通図柄の外れ変動停止したことを示すコマンドを設定し、本処理を終了する。
次に、図351を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理5(C107)について説明をする。このスルーゲート通過処理5(C107)は、この普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
具体的には、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(C431)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(C431:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(C432)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(C433)。
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(C431:NO)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満でなければ(C433:NO)、C437の処理へ移行する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満であれば(C433:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1加算し(C434)、普図保留球数コマンドを設定する(C435)。そして、上述したタイマ割込処理5のC103で更新した第2当たり乱数カウンタC4、第2当たり種別カウンタC6の値、及び、後述するメイン処理(図357参照)のC1002の処理で更新した第2変動種別カウンタCS2の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(C436)、C437の処理へ移行する。
尚、普通図柄保留球格納エリア203Cの空き保留エリアのうち最初のエリアに第2当たり乱数カウンタC4の値を格納する際には、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
C437の処理では、普図先読み処理を実行し(C437)、その後、本処理を終了する。また、この普図先読み処理の詳細については図352を参照して後述するが、取得した普図保留に対してC436の処理で対応する普通図柄保留球格納エリア203Cに格納した各カウンタ値に基づいて、普通図柄変動(普図変動)が実行されるまでに、その普図保留の抽選結果や変動パターンを事前に判別する処理が実行される。
次に、図352を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普図先読み処理(C437)について説明する。図352は、スルーゲート通過処理5(図351参照)の中で実行される普図先読み処理(C437)を示すフローチャートである。
普図先読み処理(C437)では、まず、普通図柄当たり乱数5テーブル202EC(図334(D)参照)と、普図当たり種別選択5テーブル202ED(図336(A)参照)と、普図変動パターン選択テーブルに基づいて抽選結果を取得し(C451)、各抽選結果を示すための入賞情報コマンドを設定し(C452)その後、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンド(普図の先読み結果を示す入賞情報コマンド)は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、受信した入賞情報コマンドが特図変動に関する入賞情報コマンドか、普図変動に関する入賞情報コマンドかを判別し、対応する入賞情報格納エリア223A格納する。ここで格納された入賞情報は、実際に、その入賞情報コマンドに対応する図柄変動(特図変動、或いは、普図変動)が実行されるよりも前のタイミングで、その図柄変動の抽選結果を示唆する示唆演出を設定する際に参照する。
次に、図353を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理5(C108)について説明する。図353は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行されるV入口通過処理5(C108)を示すフローチャートである。なお、このV入口通過処理5(C108)は、上述した第A1実施形態のV入口通過処理(図270のS108参照)と同一の処理内容であるため、その詳細な説明を省略する。
V入口通過処理5(C108)では、まず現在が当たり遊技中(小当たり遊技中)であるか否かを判定し(C501)、現在が当たり遊技中(小当たり遊技中)でなければ(C501:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が当たり遊技中(小当たり遊技中)であると判定した場合は(C501:YES)、次に、V入賞口開放期間中、即ち、小当たり遊技中であるか否かを判別する(C502)。C502の処理において、V入賞口開放期間中であると判別した場合は(C502:YES)、V入口通過コマンドを設定し(C503)、本処理を終了する。小当たり遊技中ではないと判別した場合は(C502:NO)、小当たり遊技で無いにも関わらず、V入賞装置650のV入賞口650Aに球が入賞した場合であるので、エラーコマンドを設定し(C504)、本処理を終了する。
C503の処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した遊技球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入賞に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。
次に、図354を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理5(C109)について説明する。図354は、タイマ割込処理5(図343参照)の中で実行されるV通過処理5(C109)を示すフローチャートである。なお、このV通過処理5(C109)は、上述した第A1実施形態のV通過処理(図271のS109参照)と同一技術思想の処理内容であるため、その詳細な説明を省略する。
V通過処理5(C109)が実行されると、まず、V通過ありか、即ち、V入賞口650A内の特定領域(Vゲート(V領域))に球が入賞したかを判別し(C601)、入賞していないと判別した場合は(C601:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、入賞したと判別した場合は(C601:YES)、次いで、現在がV有効期間中であるかを判別する(C602)。C602の処理では、小当たり遊技中に設定される小当たりシナリオの進行状況が特定期間内である場合に、V有効期間中であると判別し、それ以外の場合に、V有効期間中では無いと判別する。
C602の処理において、V有効期間中であると判別した場合は(C602:YES)、次に、現在が小当たり遊技中であるかを判別し(C603)、小当たり遊技中であれば(C603:YES)、今回の小当たり遊技の小当たり種別に対応するV通過時大当たり種別値を取得し(C604)、大当たり種別に対応したVフラグをオンに設定し(C605)、時短中カウンタ203Gを0に設定し(C606)、特図2変動回数カウンタ203EAを0に設定し(C607)、C608の処理へ移行する。
つまり、C604〜C607の処理では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞口650Aへ入賞したことに基づいて、大当たり遊技を実行するための処理が実行される。一方、C603の処理において、小当たり遊技中では無いと判別した場合は(C603:NO)、新たに大当たり遊技を実行するための処理を行う必要が無いため、C604〜C607の処理をスキップして、C608の処理へ移行する。
C608の処理では、V通過コマンドを設定し(C608)、本処理を終了する。ここで設定されるV通過コマンドは、主制御装置110の制御処理で設定される他のコマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113がV通過コマンドを受信した場合、例えば、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中に実行されるVチャレンジに成功し、小当たり遊技に続いて、大当たり遊技が実行されることを示すための演出を実行する。また、大当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合は、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合と同様の演出を実行する。一方で、小当たり遊技中の所定タイミングでV通過コマンドを受信しなかった場合は、小当たり遊技中に球が特定領域を通過しなかったことを示す残念演出を実行する。
なお、本実施形態では、V入賞口650A内の特定領域を球が入賞(通過)したことを示すためのコマンド(V通過コマンド)のみを設定する構成を示したが、V入賞口650Aに遊技球が入賞しなかったことを示すためのコマンド(例えば、V非通過コマンド)を設定するように構成しても良い。これにより、音声ランプ制御装置113にて適切な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、上述した構成を用いることで、V入賞装置650内で遊技球が詰まったことを迅速に判別することができる。
一方、C602の処理において、現在がV有効期間中では無いと判別した場合は(C602:NO)、エラーコマンドを設定し(C609)、本処理を終了する。C609の処理を行うことで、V有効期間外に遊技球がV入賞口650Aに入賞した状態、即ち、不正に遊技球をV入賞口650Aに入賞させる遊技が行われた場合、或いは、V入賞口650A内の球流路の不具合(玉詰まり等)が発生している場合を迅速に外部に報知することができる。
次に、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について図355を参照して説明をする。図355は、NMI割込処理の内容を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される(C801)。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について図356を参照して説明する。図356は、立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(C901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(C902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(C903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(C904)、オンされていれば(C904:YES)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(C912)。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(C904:NO)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(C905)、記憶されていなければ(C905:NO)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(C912)。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(C905:YES)、RAM判定値を算出し(C906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(C907:NO)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(C912)。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし(C913)、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理を実行し、(C914)。その後、C910の処理へ移行する。RAMの初期化処理では、RAM203の使用領域を0クリア、その後、RAM203の初期値を設定する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず、電源断の発生情報が記憶されており、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(C907:YES)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(C908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信する(C909)。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
そして、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し(C910)、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(C911)。次いで、割込みを許可して後述するメイン処理に移行する。
次に、図357を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図357は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4M秒周期の定期処理としてC1001〜C1008の各処理が実行され、その残余時間でC1011,C1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図357参照)においては、まず、タイマ割込処理5(図343参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(C1001)。具体的には、タイマ割込処理5(図343参照)におけるC101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理5(図344参照)や始動入賞処理5(図348参照)やV入口通過処理5(図353参照)やV通過処理5(図354参照)で設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理5(図358参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドや後述する小当たり制御処理5(図359参照)で設定される各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1、及び第2変動種別カウンタCS2の値を更新する(C1002)。具体的には、各種変動種別カウンタ(変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2)を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、各種変動種別カウンタの更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、変動種別カウンタCS1の値は特別図柄変動(特図変動)の変動パターンを参照する際に用いられ、第2変動種別カウンタCS2の値は普通図柄変動(普図変動)の変動パターンを参照する際に用いられる。そして、特図変動と普図変動とは別個独立した契機の成立によって実行されるように構成している。これにより、変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2の値を更新するタイミングや更新する内容を同期させたとしても、実際に各図柄変動を実行する際に用いられるカウンタ値が同期することは無い。よって、遊技に影響を与えること無く主制御装置110における処理内容を簡素化することができる。
なお、これに限らず、各種変動種別カウンタの値を更新する処理が同期しないように構成しても良く、例えば、メイン処理が実行される所定回数実行される毎に一方の変動種別カウンタの値のみを更新し、上述した所定回数とは異なる特定回数実行される毎に他方の変動種別カウンタの値のみを更新するように構成しても良い。このように各種変動種別カウンタの更新内容を異ならせることにより、一方の変動種別カウンタの取得値に基づいて、他方の変動種別カウンタの値が判別されてしまうことを抑制することができる。
また、本第5制御例では、特図変動の変動パターンを選択する際に参照する変動種別カウンタCS1と、普図変動の変動パターンを選択する際に参照する第2変動種別カウンタCS2と、を別に設け、それぞれのカウンタ値を定期的に更新するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、特図変動、及び普図変動の変動パターンを選択するように構成しても良い。
変動種別カウンタCS1、及び第2変動種別カウンタCS2の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(C1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65Aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理5を実行する(C1004)。大当たり制御処理5では、大当たり状態のラウンド毎に入賞扉65Bを開放動作させることで特定入賞口65Aを開放し、特定入賞口65Aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65Aに球が規定数入賞したかを判別する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65Aを閉鎖する。この特定入賞口65Aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理5(C1004)をメイン処理(図357参照)において実行しているが、タイマ割込処理5(図343参照)において実行しても良い。また、この大当たり制御処理5の詳細については図358を参照して後述する。
次に、小当たり制御処理5(C1005)を実行する。この小当たり制御処理5(C1005)については、図359を参照して詳細な説明を後述する。その後、第2入球口(入賞口)640に付随する電動役物640Aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(C1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理5(図350参照)のC622の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理5におけるC616の処理またはC617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(C1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理5(図345参照)のC236の処理、C240の処理またはC242の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4S毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理5(図345参照)のC236の処理、C240の処理またはC242の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理5(図345参照)のC235,C239,C241の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(C1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理5(図350参照)のC616の処理またはC617の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理5(図350参照)のC619の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理5(図350参照)のC613の処理またはC619の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(C1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(C1009:NO)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4M秒)が経過したか否かを判別し(C1010)、既に所定時間が経過していれば(C1010:YES)、処理をC1001へ移行し、上述したC1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(C1010:NO)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(C1011,C1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(C1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1、及び第2変動種別カウンタCS2の更新を、C1002の処理と同一の方法によって実行する(C1012)。
ここで、C1001〜C1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に各種変動種別カウンタについてもランダムに更新することができる。
なお、本第5制御例のように変動種別カウンタCS1と、第2変動種別カウンタCS2とを更新する構成において、各種変動種別カウンタの更新タイミングを異ならせるためには、例えば、メイン処理のC1002の処理では何れの変動種別カウンタも更新処理を実行し、C1012の処理では一方の変動種別カウンタ(例えば、変動種別カウンタCS1)のみを更新するように構成すれば良い。
また、C1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(C1009:YES)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということなので、C1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(C1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(C1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(C1015)、RAM203のアクセスを禁止して(C1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、C1009の処理は、C1001〜C1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるC1011とC1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をC1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をC1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、C1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図358のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理5(C1004)を説明する。図358は、この大当たり制御処理5(C1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理5(C1004)は、メイン処理(図357参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65Aを開放又は閉鎖するための処理である。なお、本第5制御例のパチンコ機10にて実行される大当たり制御処理5(C1004)では、上述した第A1実施形態における大当たり制御処理(図275参照)と同一の制御処理が実行される箇所がある。よって、上述した大当たり制御処理(図275参照)にて説明をした内容、及び、変形例、追加例について詳細な説明を省略するが、上述した各制御例或いは各実施形態において説明をした内容についても当然適用されるものである。
大当たり制御処理5(C1004)では、まず、大当たり開始フラグ203Hがオンであるかを判別する(C1201)。大当たり開始フラグ203Hがオンであると判別した場合は(C1201:YES)、オープニングコマンドを設定し(C1202)、大当たり中フラグ203Iをオンに設定し、大当たり開始フラグ203Hをオフに設定し(C1203)、その後、本処理を終了する。
一方、C1201の処理において、大当たり開始フラグ203Hがオフであると判別した場合は(C1201:NO)、次いで、大当たり中フラグ203Iがオンであるか否かを判別する(C1204)。
C1204の処理において、大当たり中フラグ203Iがオフであると判別した場合は(C1204:NO)、そのまま本処理を終了する。大当たり中フラグ203Iがオンであると判別した場合は(C1204:YES)、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(C1215)。C1205の処理において現在が新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(C1205:YES)、ラウンド数に対応する特定入賞口が開放されるよう設定し(C1206)(特定入賞口65Aの開閉扉65Bが開状態となるよう特定入賞口ソレノイドをオンに設定し)、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(C1207)、その後、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図357参照)の外部出力処理(C1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、複数回の大当たり遊技が所定の連続条件を満たした状態で実行された場合に、複数回の大当たり遊技中に実行されるラウンド数を累積した累積ラウンド数を第3図柄表示装置81の表示画面に表示するように構成している。そしてこの累積ラウンド数は、音声ランプ制御装置113側で大当たり遊技が開始されたことを(大当たりに当選したこと)を示すコマンドを受信した場合に、連続条件が成立しているかを判別し、連続条件が成立していると判別した場合には、受信したラウンド数コマンドを累積する累積ラウンド数カウンタの値をクリアせずに新たに受信したラウンド数コマンドに基づいて累積ラウンド数カウンタの値を更新し、その更新結果を示す表示態様で累積ラウンド数を表示するように構成している。
このように構成することにより、遊技者に対して連続して実行された大当たり遊技が1回の大当たり遊技であると思わせることができるため、遊技者に対して1回の大当たり遊技で設定されるラウンド数の最大値を多く見せることができる。よって、1回の大当たり遊技によって提供される特典(賞球数)の大きさに期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113側で連続条件の成立の有無判別処理と、ラウンド数の累積処理と、を実行するように構成しているが、これに限ること無く、累積ラウンド数表示を実行するための処理の一部を主制御装置110側で実行するように構成しても良く、例えば、累積ラウンド数表示を実行するための連続条件として、大当たり遊技終了後に実行される特図変動の回数が所定回数(例えば、特図2変動5回)以内に大当たり遊技が実行される場合に成立する連続条件を設定し、主制御装置110側に大当たり遊技の累積ラウンド数を計測する累積ラウンド数カウンタを設け、累積ラウンド数カウンタの値を示すコマンドをラウンド数コマンドとして設定する。そして、大当たり遊技終了後に特図2変動が5回実行された場合に累積ラウンド数カウンタの値をクリアするように構成する。
このように構成することで、大当たり遊技が実行された場合に連続条件が成立している場合は、累積ラウンド数カウンタの値として、前回の大当たり遊技のラウンド数を累積した値が設定されるため、音声ランプ制御装置113はラウンド数コマンドを受信した場合に、そのコマンドが含むラウンド数(累積ラウンド数)情報に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示させるラウンド数表示態様を設定するだけで、累積ラウンド数を遊技者に報知することができる。
なお、複数回の大当たり遊技にて実行されるラウンド数を累積表示させるための連続条件として、他の条件を設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後も所定期間(例えば、特図2変動が実行されるまでの期間、大当たり遊技が終了してから10秒が経過するまでの期間)継続して表示される大当たり遊技終了画面が表示されている期間中に大当たり遊技が実行される場合(例えば、特図1抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行される場合)に成立する条件や、遊技状態として特定遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている期間中に大当たり遊技が実行された場合に成立する条件を設定するように構成しても良い。加えて、第3図柄表示装置81の表示画面に、上述した累積ラウンド数カウンタの値(累積ラウンド数)と、今回の大当たり遊技のラウンド数(単独ラウンド数)と、の両方を表示するように構成しても良い。
C1205の処理において、現在が新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(C1205:NO)、次いで、特定入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判別する(C1208)。特定入賞口の閉鎖条件が成立していると判別した場合は(C1208:YES)、特定入賞口を閉鎖し(特定入賞口65Aの開閉扉65Bが閉状態となるよう特定入賞口ソレノイド65F2をオフに設定し)(C1209)、その後、本処理を終了する。C1208の処理において、特定入賞口の閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(C1208:NO)、次いで、現在がエンディング演出の開始タイミングであるか否かを判別する(C1210)。現在がエンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(C1210:YES)、エンディングコマンドを設定し(C1211)、その後、本処理を終了する。
なお、C1208の処理で閉鎖条件が成立していると判別した場合は、その閉鎖条件はクリアされ、次回以降の大当たり制御処理において再度閉鎖条件が成立していると判別されないよう構成されている。
一方、C1210の処理において、現在がエンディング演出の開始タイミングではないと判別した場合は(C1210:NO)、現在がエンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別する(C1212)。現在がエンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(C1212:YES)、大当たり種別に対応する時短終了条件を、時短中カウンタ203G及び特図2変動回数カウンタ203EAに設定し(C1213)、大当たり後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(C1214)、大当たりの終了を設定し(C1215)、その後、本処理を終了する。
ここで、C1213の処理にて各カウンタの値に設定される値は、実行中の大当たり遊技に対応する大当たり種別に応じて異ならせており(図335、図337参照)、大当たり種別AA、大当たり種別AD〜AFが設定されている場合には、時短中カウンタ203Gに「99」が設定され、特図2変動回数カウンタ203EAには未設定であることを示す「−」が設定される。これにより、大当たり種別AAに基づく大当たり遊技の終了後には、時短終了条件として、特図2変動回数に基づいて成立する対応時短終了条件が設定されず、共通時短終了条件(大当たり当選、小当たり遊技の終了、特図変動回数が99回に到達)のみが設定されることになる。
大当たり種別として大当たりABが設定されている場合は、時短中カウンタ203Gに「99」、特図2変動回数カウンタ203EAに「5」が設定され、大当たりACが設定されている場合は、時短中カウンタ203Gに「99」、特図2変動回数カウンタ203EAに「1」が設定される。
また、小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行される場合は、設定される小当たり種別に対応する大当たり種別の値が参照されるように構成しており、図337に示した通り、小当たり種別AA、AEが設定された小当たり当選に基づいた大当たり遊技の終了時には、時短中カウンタ203Gに「99」、特図2変動回数カウンタ203EAに「5」が設定され、小当たり種別AB、ADが設定された小当たり当選に基づいた大当たり遊技の終了時には、時短中カウンタ203Gに「99」、特図2変動回数カウンタ203EAには未設定であることを示す「−」が設定される。一方で、小当たり種別ACが設定された小当たり当選に基づいた大当たり遊技の終了時には、時短中カウンタ203Gに「0」、特図2変動回数カウンタ203EAに「0」が設定される。
一方、C1212の処理において、現在がエンディング演出の終了タイミングではないと判別した場合は(C1212:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図359のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理5(C1005)を説明する。図359は、この小当たり制御処理5(C1005)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理5(C1005)は、メイン処理(図357参照)の中で実行され、小当たりに応じた各種演出を音声ランプ制御装置113にて実行させるためのコマンドの設定や、V入賞口650Aに付随するV入賞扉600Bを開閉するためのV入賞ソレノイドの動作を制御する処理である。
小当たり制御処理5(C1005)では、まず、小当たり遊技の開始タイミングであるかを判別する(C1301)。C1301の処理では、小当たり開始設定処理5(図347のC223参照)のC291の処理にて設定された小当たりシナリオが、小当たり遊技開始を示す内容であるかが判別される。小当たり遊技の開始タイミングであると判別した場合は(C1301:YES)、小当たり用オープニングコマンドを設定し(C1302)、小当たり中フラグ203Kをオンに設定し(C1303)、小当たり用の動作シナリオの開始を設定し(C1304)、その後、本処理を終了する。
一方、C1301の処理において、小当たり遊技の開始タイミングでは無いと判別した場合は(C1301:NO)、次いで、小当たり中フラグ203Kがオンであるか否かを判別する(C1305)。小当たり中フラグ203Kがオフであると判別した場合は(C1305:NO)、現在が小当たり遊技中では無い場合であるため、そのまま本処理を終了する。C1305の処理において小当たり中フラグ203Kがオンであると判別した場合は(C1305:YES)、次いで、小当たり遊技の終了タイミングであるか否かを判別する(C1306)。小当たり遊技の終了タイミングではないと判別した場合は(C1306)、そのまま本処理を終了する。
一方、C1306の処理において、小当たり遊技の終了タイミングであると判別した場合は(C1306:YES)、小当たり中フラグ203Kをオフに設定し(C1307)、時短中カウンタ203Gの値を0にリセットし(C1308)、Vフラグ203Nがオンに設定されているかを判別する(C1309)。上述した通り、本第5制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過したか否かに関わらず、小当たり遊技の終了後に時短中カウンタ203Gの値として「0」が設定されるように構成している。
このC1308の処理によって時短終了条件(共通時短終了条件)の一条件が設定される。つまり、時短状態中において小当たり遊技が実行された場合には、その小当たり遊技の終了と共に時短状態も終了するため、例えば、時短状態中において、実行中の小当たり遊技が遊技者に不利な小当たり種別(例えば、遊技者に不利な大当たり遊技が実行され得る小当たり種別)であると判別した場合に、実行中の小当たり遊技に基づく大当たり遊技が実行されないように、小当たり遊技中に球を発射しない(特定領域に球を通過させない)遊技が行われてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では、小当たり遊技が終了した場合に必ず時短中カウンタ203Gの値を「0」に設定(リセット)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特定の小当たり種別に基づく小当たり遊技が実行された場合に、その小当たり遊技終了後に時短中カウンタ203Gの値を「0」に設定(リセット)するように構成しても良い。
C1309の処理において、Vフラグ203Nがオフであると判別した場合は(C1309:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、Vフラグ203Nがオンであると判別した場合は(C1309:YES)、次いで、大当たり種別格納エリアのデータに対応する大当たりの開始を設定し(C1310)、Vフラグ203Nをオフに設定して(C1311)、その後、本処理を終了する。
なお、本制御例では小当たり遊技をすべて1ラウンドの遊技として設定しているため、大当たり遊技の動作制御を実行する大当たりシナリオと異なり、ラウンド数に関するコマンドを設定する処理、及び、インターバル期間(ラウンド間インターバル期間)に対応したシナリオを有していないが、複数ラウンドを有する小当たり遊技を設ける場合には、上述した大当たり遊技にて用いた大当たりシナリオと同様なシナリオを設定すればよい。
また、本制御例では小当たり遊技が実行される期間を対象に小当たりシナリオが設定されるよう構成しているが、例えば、小当たり遊技終了後、所定期間(例えば1秒)が経過するまでの間を対象に小当たりシナリオを設定してもよい。このように構成することにより、例えば、小当たり遊技終了後1秒経過するまでをV通過有効期間と設定することが可能となる。よって、異なる遊技状態を跨って設定される期間を1つのシナリオによって設定することが可能となり、制御処理の容量を削減することができるという効果がある。
なお、本制御例では、小当たり遊技においてV入賞口650Aにより遊技球が検出された場合には、その小当たりに対応して予め設定された大当たり種別に対応する大当たり遊技が実行されるように構成したが、それに限らず、V入賞口650Aにより遊技球が検出されたことに基づいて第1当たり種別カウンタC2の値を取得して大当たり種別を決定するように構成してもよい。
<第5制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図360から図375を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、本第5制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理のうち、上述した各制御例、或いは、各実施形態と同一の処理を実行する箇所については、その詳細な説明や図示を省略する。
本第5制御例では、図317に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面にて、特別図柄変動(特図変動)に応じた特図変動演出と、普通図柄変動(普図変動)に応じた普図変動演出と、を実行可能に構成している。
そして、普図変動演出は、普図変動期間、普図当たり遊技期間、特図2変動期間、小当たり遊技期間を跨いで一連の演出が実行される一連演出として実行されるように構成している。このように構成することで、普図抽選によって特定の普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選した場合の遊技、即ち、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞させ、その入賞に基づいて実行される特図2抽選によって小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球がV入賞口650A内の特定領域を通過することにより大当たり遊技が実行される遊技の流れを一連演出の演出態様によって遊技者に分かり易く報知することができる。
また、上述した一連演出は、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点における遊技状況(特図1変動の有無)に応じて実行期間が大きく異なるため、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点における遊技状況(特図1変動の有無)に応じて、異なる演出態様を設定するように構成している。つまり、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点において、特図1変動が実行されている場合は、実行中の特図1変動が終了した後に特図2変動が実行されるため、その特図1変動の残変動期間(待機期間)の長さに応じた演出態様が設定される。具体的には、待機期間が所定期間未満である場合は、通常一連演出に対応する演出態様が設定され、待機期間が所定期間以上である場合は、一連演出を疑似的に終了させ、実行中の特図1変動の残変動期間(待機期間)が特定期間に到達した場合に、再度疑似的に一連演出を実行させる連続一連演出が設定される。このように、一連演出の演出態様を、待機期間の長さに応じて可変設定可能に構成することにより、遊技者に対して違和感を与えることの無い一連演出を提供することができるため、一連演出の実行期間が無駄に長くなり、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
一方、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点において、特図1変動が実行されていない場合は、球が第2入賞口640に入賞した直後に特図2変動が実行されるため、通常一連演出よりも短い短縮一連演出が設定される。
即ち、本第5制御例は、遊技状態として通常状態が設定されている場合には左打ち遊技によって特図1抽選を実行させる遊技が行わせるように構成しており、上述した一連演出は、通常状態中に実行される普図抽選(スルーゲート67を球が通過したことに基づいて実行される抽選)の抽選結果が特定の抽選結果(普図ロング開放当たり)である場合に実行されるように構成しているため、一連演出が実行されている間は、特図1変動が実行されている可能性が高い状態となる。よって、通常の一連演出は、普図変動期間、普図当たり遊技期間、待機期間(実行中の特図1変動の終了まで待機する期間)、特図2変動期間、小当たり遊技期間と、を跨がって実行され、各期間を移行する段階に応じて演出内容を可変させるように構成している。
ここで、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行されていない場合は、上述した一連演出が実行される各期間のうち、待機期間が発生しないことから、普図当たり遊技期間の経過後、特図2変動期間が設定されることになる。このような状態が発生し得える中で、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点における遊技状況(特図1変動の有無)に関わらず同一の演出態様を設定してしまうと、不要な演出(例えば、待機期間が設定されないにも関わらず、待機期間中であることを示す演出)が実行されてしまい、演出効果の低下を招いてしまう虞があった。
これに対して、本第5制御例では、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行されていない場合は、上述した待機期間中の演出をスキップさせた一連演出が実行されるように構成している。また、待機期間の演出をスキップしたとしても演出効果が低下することが無いように普図当たり遊技期間から特図2変動期間へとスキップした場合に、遊技者に違和感を与えることの無い演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、普図抽選の抽選結果に基づいて実行される普図変動演出(一連演出)を分かり易く報知することができる。
さらに、本第5制御例では、図318に示した通り、時短状態中の特図2抽選の抽選結果を示す変動演出として、当該特図2抽選の抽選結果のみを示唆報知する第1示唆演出と、当該特図2抽選の抽選結果に加え、特図2保留に含まれる入賞情報に対応する特図2抽選の抽選結果を事前に判別する事前判別の判別結果も含めて示唆報知する第2示唆演出と、を実行可能に構成している。
具体的には、時短状態中において、今回実行される特図変動(特図2変動)が時短状態中の最終変動であるかを判別し、その判別結果が最終変動(時短最終変動)では無いと判別した場合は、その特図2変動に対応する変動演出として上述した第1示唆演出(図327(A)参照)を実行し、時短最終変動であると判別した場合は、その特図2変動に対応する変動演出として上述した第2示唆演出(図327(B)〜図329(A)参照)が実行される。
このように構成することで、時短最終変動に対応する変動演出では、時短状態中に実行される特図2抽選と、時短状態終了後(通常状態移行後)に実行される特図2抽選と、の抽選結果(事前判別結果)に基づいた第2示唆演出が実行されるため、遊技者に対して時短状態終了後に実行される特図2抽選の抽選結果を、あたかも時短状態中に実行される特図2抽選の抽選結果を思わせることができるため、時短状態中における当たり確率(大当たり確率、小当たり確率)を実際の設定値よりも高く思わせることができる。
また、時短状態中に実行される専用演出(例えば、図328(B)に示したミッション演出)にて当たり当選を示す演出態様(図329(A)に示した成功演出態様)が設定され易くなるため、専用演出の演出効果を高めることができる。
さらに、本第5制御例では、時短状態が終了した後に実行される特図2変動(時短状態終了時に保留記憶されていた特図2保留に対応する特図2変動)の変動時間(通常状態中に実行される特図2変動の変動時間)として短い変動時間(0.5秒)が設定されるように構成しており、当該特図2変動の変動期間中は、時短最終変動に対応して実行される第2示唆演出の演出結果が表示されるように構成している。このように構成することで、第2示唆演出として特図2保留内に当たり(小当たり)当選を示す入賞情報が含まれていることに基づいて成功演出を実行した場合に、小当たり当選する特図2変動が停止表示するまでの間、遊技者に違和感を与えること無く第2示唆演出を継続して実行することができる。
加えて、本第5制御例では、時短最終変動に対応して実行される変動演出の演出期間を複数の演出期間に区分けし、各演出期間を異なる目的で用いるように構成している。具体的には、時短最終変動が実行されてから所定期間(例えば、10秒)が経過するまでの第1期間中は、当該変動が終了するまでに多くの特図2保留を遊技者に獲得させるための演出(保留獲得演出)を実行し、第1期間よりも後に設定される第2期間中は、上述した第2示唆演出を実行するように構成している。
そして、時短最終変動の第2期間中に実行される第2示唆演出の演出態様は、第2期間が設定されるよりも前の特定タイミング(例えば、第1期間の終了タイミング)における特図2保留の数、及び事前判別結果に基づいて設定されるように構成している。
このように構成することで、例え時短状態が終了した場合(時短最終変動の抽選結果が外れの場合)であっても、通常状態中に特図2抽選を最大回数(4回)実行させることができるため、遊技者に不利な遊技が実行されることを抑制することができる。
上述した通り、本第5制御例では、時短最終変動において、保留獲得演出と第2示唆演出とを実行するように構成している。これは、時短最終変動よりも前に実行される特図2変動中に保留獲得演出を実行し、保留獲得演出が実行されている最中に特図2保留を上限数(4個)獲得したとしても、時短最終変動として特図2変動が実行される場合に、特図2保留が減算されてしまうため、遊技者に通常状態中に特図2抽選を最大回数(4回)実行させることが出来ないという問題を解決するためである。
なお、本第5制御例では、時短最終変動において実行される第2示唆演出として、演出の対象となる複数の特図2抽選(時短最終変動の特図2抽選、特図2保留に対応する特図2抽選)の抽選結果に当たり当選が含まれているか否かを遊技者に示唆するための演出態様が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、演出の対象となる複数の特図2抽選の中に含まれる当たり当選となる抽選結果の数を遊技者に示唆報知する演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、第2示唆演出の演出態様として、演出の対象となる複数の特図2抽選の中に当たり当選が少なくとも1つは含まれていることを、通常の第2示唆演出の演出態様よりも早く遊技者に報知可能な特殊演出態様を設定し、その特殊演出態様の中で当たり当選個数を遊技者に示唆報知する当たり個数示唆演出を実行するように構成しても良い。このように、当たり当選が含まれていることを遊技者にいち早く報知することで遊技者に対して安心感を与えながら、当たり当選が幾つ含まれているのかを示唆する演出を楽しませることができる。
まず、図360を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)について説明する。図360は、このコマンド判定処理5(C3113)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理5(C3113)は、第1制御例におけるコマンド判定処理(図140参照)に替えて実行される処理であり、メイン処理(図139参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
コマンド判定処理5では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(C3201)。そして、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(C3201:YES)、入賞情報コマンド処理5を実行し(C3202)、本処理を終了する。
ここで、入賞情報コマンド処理5(C3202)について図361を参照して説明をする。図361は入賞情報コマンド処理5(C3202)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理5(C3202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で主制御装置110より入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であって、受信した入賞情報コマンドに含まれる情報をRAM223に設けられた入賞情報格納エリア223Aのうち対応する領域(入賞情報コマンドに対応する保留記憶エリア)に格納するための処理を実行する。
入賞情報コマンドに含まれる情報としては、当否判定結果に関する情報、停止種別に関する情報、変動パターンに関する情報、今回の入賞情報が対応する図柄種別(特図1、特図2、普図)といった、今回の入賞球を対象とした情報となるが、それ以外の情報を含めても良く、例えば、既に入賞済みの球(過去に入賞情報コマンドを受信した)に関する入賞情報を含めてもよい。また、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、主制御装置110が普通図柄の先読み結果を示すための入賞情報コマンドを設定するように構成しているため(図352参照)、入賞情報格納エリア223Aには、特別図柄の入賞情報を格納するエリアに加え、普通図柄の入賞情報を格納エリアも形成されている。
入賞情報コマンド処理5(C3202)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドの情報(先読み情報)を対応する入賞情報格納エリア223Aに格納し(C3401)、入賞状況判別処理(C3402)を実行する。入賞情報格納エリア223Aは、上述したように、第1特別図柄(特図1)の入賞情報コマンドを最大で4個、第2特別図柄(特図2)の入賞情報コマンドを最大で4個、普通図柄の入賞コマンドを最大で4個、合計で12個の入賞情報コマンドを格納可能に構成されており、入賞情報コマンドを受信した順番に応じて指定の記憶領域に入賞情報コマンドが格納される。
ここで、入賞状況判別処理(C3402)について図362を参照して説明をする。図362は入賞状況判別処理(C3402)の内容を示したフローチャートである。この入賞状況判別処理(C3402)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞情報コマンド処理5(C3202)の中で実行される処理であって、普通図柄(普図)の入賞情報コマンドを受信した時点における遊技状態を判別し、その判別結果に基づいて異なる演出態様を設定するための処理と、通常状態において、適正な遊技(左打ち遊技)が行われていることを判別するための処理が実行される。
入賞状況判別処理(C3402)では、まず、普図入賞の有無(今回受信した入賞情報コマンドが普図に対応するコマンドであるか)を判別する(C3451)。普図入賞では無いと判別した場合は(C3451:NO)、後述するC3458の処理へ移行する。普図入賞であると判別した場合は(C3451:YES)、次に、RAM223に設けられた状態格納エリア223EAから現在の遊技状態を読み出し(C3452)、その遊技状態が通常状態であるかを判別する(C3453)。遊技状態が通常状態ではないと判別した場合(C3453:NO)、即ち、時短状態であると判別した場合は、そのまま本処理を終了し、入賞情報コマンド処理5へ戻る。
一方、C3453の処理において、遊技状態が通常状態であると判別した場合は(C3453:YES)、次に、現在が第1特別図柄(特図1)の変動中であるかを判別する(C3454)。ここでは、特図1変動に対応する特図変動時間カウンタ223EGの値が0よりも大きいかを判別することにより現在が特図1変動中であるか判別する。現在が特図1の変動中ではないと判別した場合は(C3454:NO)、通常状態中に特図1変動が実行されていない状態で普図変動が実行された状態であるため、RAM223に設けられた非変動時入賞フラグ223EFをオンに設定し(C3455)、C3458の処理へ移行する。
C3455の処理において非変動時入賞フラグ223EFをオンに設定することにより、通常状態中で、且つ、特図1非変動中に普図の入賞情報コマンドを受信したことを記憶することができ、今回の普図の入賞情報コマンドに対応する普図変動パターンコマンドを受信した場合に、非変動時入賞フラグ223EFの設定状況を判別することで、普図入賞(スルーゲート67通過)時における特図1変動状況に応じて異なる変動演出態様を設定することが可能となる。
なお、本第5制御例では、図360を参照して上述した通り、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理5(C3113)において変動パターンコマンドを受信した場合に実行する処理(図360のC3203,C3204)よりも優先して入賞情報コマンドを受信した場合に実行する処理(図360のC3201,C3202)を実行するように構成している。
ここで、主制御装置110のメイン処理(図357参照)の外部出力処理(図357のC1001)にて、普図入賞に対する入賞情報コマンドと、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対する変動パターンコマンドと、が同一の処理で出力されたとしても、具体的には、普図変動が実行されていない状態で、普図入賞が発生した場合には、主制御装置110のタイマ割込処理(図343参照)のC105の処理にて入賞情報コマンドを設定し、その次(2ミリ秒後)に実行されるタイマ割込処理(図343参照)のC104の処理にて変動パターンコマンドが設定される。そして、4ミリ秒毎に実行される主制御装置110のメイン処理(図357参照)のC1001の処理(外部出力処理)にて、音声ランプ制御装置113へと出力可能なコマンドが出力されることから、タイマ割込処理の実行タイミングと、メイン処理の実行タイミングとによっては、普図入賞に対する入賞情報コマンドと、変動パターンコマンドと、が同一の処理で音声ランプ制御装置113へと出力される場合がある。
このような場合において、本第5制御例では、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図360のC3113参照)において、入賞情報コマンド処理5(図361のC3202)、変動パターンコマンド処理5(図363のC3204)の順で処理が実行されるため、主制御装置110から入賞情報コマンドと変動パターンコマンドとが同時に出力されたとしても、普図変動の変動パターンを設定する際に、非変動時入賞フラグ223EFの設定状況を取りこぼすこと無く判別に用いることができる。
C3454の処理において、現在が特図1の変動中であると判別した場合は(C3454:YES)、次に、特図1の変動時間が30秒以上であるか否かを判別する(C3456)。特図1の変動時間が30秒以上ではないと判別した場合は(C3456:NO)、その後、C3458の処理へ移行する。
C3456の処理において、特図1の変動時間が30秒以上であると判別した場合は(C3456:YES)、入賞情報に対応する先読み演出を示す表示用コマンドを設定し(C3457)、その後、C3458の処理へ移行する。
C3458の処理に移行すると、今回受信した入賞情報コマンドが第1特別図柄(特図1)に対応する入賞情報コマンドであるかを判別し(C3458)、特図1の入賞情報コマンドであると判別した場合は(C3458:YES)、次に、非変動時入賞フラグ223EFがオンに設定されているかを判別し(C3459)、オンに設定されていると判別した場合は(C3459:YES)、非変動時入賞フラグ223EFをオフに設定し(C3460)、本処理を終了する。
一方、C3458の処理において、今回受信した入賞情報コマンドが特図1の入賞情報コマンドでは無いと判別した場合は(C3458:NO)、左打ち遊技を行っていることを示す情報を受信したかを判別する(C3461)。C3461の処理では、例えば、遊技盤13の左側遊技領域に設けられた各入賞口(一般入賞口63)への球の入賞を示す入賞情報を受信したかが判別される。
C3461の処理において、左打ち遊技を検知したと判別した場合は(C3461:YES)、上述したC3459の処理へ移行し、左打ち遊技を検知していないと判別した場合は(C3461:NO)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例は、普図入賞(スルーゲート67を球が通過)した時点で特図1変動が実行されているかを判別し、特図1変動が実行されていないと判別した場合には、その旨を示すための非変動時入賞フラグ223EFをオンに設定するように構成している。また、非変動時入賞フラグ223EFがオンに設定されている状態で特図1入賞、或いは、左打ち遊技を行っていることを示す情報を受信した場合に非変動時入賞フラグ223EFをオフに設定するように構成している。
そして、詳細は後述するが、非変動時入賞フラグ223EFがオンに設定されている状態で普図ロング変動が実行される場合には、その普図ロング変動に対応する変動演出(一連演出)を実行しないように構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態で、左打ち遊技を行うこと無く普図変動を実行させている遊技状況(右打ち遊技によって、右側遊技領域に設けられたスルーゲート67に球を通過させる遊技状況)を判別し、その場合には普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)を実行させないようにすることができる。
また、本第5制御例では、適正に左打ち遊技を実行している場合であっても、第1入賞口64への球の入賞具合によっては、普図入賞が発生したタイミングで特図1変動が実行されていない場合があるため、普図入賞時にオンに設定した非変動時入賞フラグ223EFを、左打ち遊技によってオフに設定可能に構成している。これにより、例えば、普図入賞してから普図変動が開始されるまでの所定期間内に左打ち遊技が実行されることで、普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)を正常に実行させることが可能となる。よって、適正な遊技を行っている遊技者に対して不利となる演出態様が設定されることを抑制することができる。
なお、適正な遊技(通常状態中における左打ち遊技)が行われていることを判別可能な構成であれば、上述した第5制御例の構成に限ること無く、例えば、操作ハンドル51の回転操作量、或いは、回転操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器の抵抗値(発射強度)に基づいて左打ち遊技が実行されているかを判別可能に構成しても良いし、遊技盤13の左側遊技領域の一部(左側遊技領域を流下する球の殆どが通過する上流域)に球の通過を検知する検知手段を設け、その検知手段に検知結果に基づいて左打ち遊技が実行されているかを判別可能に構成しても良い。
また、上述した第5制御例では、左打ち遊技が実行されているか否かを判別する構成を用いているが、これに限らず、右打ち遊技が実行されているか否かを判別する構成を用い、右打ち遊技が実行されていると判別されている状態で、所定の普図変動(普図ロング変動)が実行される場合に、普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)の実行を制限するように構成しても良い。なお、この場合において右打ち遊技が実行されていることを判別するための構成としては、右側遊技領域に設けられた所定領域(例えば、スルーゲート67)を球が通過したことを検知した場合に右打ち遊技が実行されていると判別する構成や、操作ハンドル51の回動操作量、或いは、回転操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)の抵抗値(発射強度)に基づいて右打ち遊技が実行されているかを判別可能に構成しても良い。
さらに、本第5制御例では、普図入賞してから普図変動が開始されるまでの期間にて遊技者が適正な遊技を実行しているか否かの判別を行うように構成しているが、これに限ること無く、適正な遊技を実行しているか否かの判別に用いる期間(判別対象期間)を長く設定しても良い。この場合、例えば、遊技状況を一時的に記憶可能な遊技状況記憶手段を設け、遊技者が左打ち遊技を行っているか否かの遊技状況(過去履歴)を遊技状況記憶手段に記憶させるように構成し、普図入賞したタイミングにおいて、遊技状況記憶手段に記憶されている遊技状況に基づいて適正な遊技中に普図入賞したかの判別を実行するように構成すると良い。
さらに、普図入賞した場合に設定される入賞情報コマンド(普図入賞情報コマンド)として、左側遊技領域に配設されているスルーゲート67を球が通過したことを示す入賞情報コマンド(左普図入賞情報コマンド)と、右側遊技領域に配設されているスルーゲート67を球が通過したことを示す普図入賞情報コマンド(右普図入賞情報コマンド)と、を音声ランプ制御装置113側で識別可能に構成し、受信した普図入賞情報コマンドの種別と、遊技状況とに基づいて、普図ロング変動に対応する変動演出(普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出)の実行制限を可変設定するように構成しても良い。
図361に戻り説明を続ける。今回受信した入賞情報コマンドに含まれる情報(先読み情報)として、特2当たり情報があるかを判別する(C3403)。C3403の処理において、特2当たり情報が無いと判別した場合は(C3403:NO)、その後、C3406の処理へ移行する。一方、特2当たり情報があると判別した場合は(C3403:YES)、次いで、RAM223に設けられた時短最終変動フラグ223EDがオンであるか否かを判別する(C3404)。時短最終変動フラグ223EDがオフであると判別した場合は(C3404:NO)、C3405の処理をスキップし、C3406の処理へ移行する。
C3404の処理において時短最終変動フラグ223EDがオンであると判別した場合は(C3404:YES)、対応する入賞情報格納エリア223Aに当たり報知を示す情報をセットし(C3405)、その後、C3406の処理へ移行する。
C3406の処理において、その他入賞情報に関する演出態様を設定し(C3406)、設定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(C3407)、その後、本処理を終了しコマンド判定処理5に戻る。
本制御例では、変動表示の序盤に設定される特定演出(例えば、変動開始から5秒後に実行される特定演出C(図101参照))を、他の期間に設定される特定演出(例えば、変動開始から20秒後に実行される特定演出)よりも大当たり期待度が高いことを示す演出となるように規定している。つまり、特別図柄の大当たり当選に対応した変動パターンの方が、特定演出Cを実行可能な変動パターンが選択されやすくなるように規定している。
これにより、複数の変動表示を跨いで示唆演出が実行される場合に、遊技者に対して次回以降の変動で大当たりに当選する期待感を高めさせることができる。さらに、複数の変動を跨いだ示唆演出が実行されるように、遊技者に対して特別図柄の保留を意欲的に貯めさせることができる。
なお、本制御例では上述したように受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報、及び、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行するか否かを判別しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するか否かを判別し、実行すると判別した場合に、示唆演出として前兆演出を実行し、次の変動表示を開始するタイミングにおいて、特定演出の設定を行うように構成しても良いし、前兆演出が実行されている期間中における遊技者の枠ボタン22の操作内容に基づいて特定演出を設定(複数の特定演出から示唆演出の対象となる特定演出を設定)するように構成しても良い。このように構成することで、示唆演出が開始された後の遊技状況(次変動の抽選結果や変動パターン、或いは、操作手段(枠ボタン22)への操作内容)に基づいて、示唆演出の演出態様を設定することができる。よって、示唆演出の演出態様を予め定めてから実行する構成に比べて演出の自由度を高めることができる。
また、本制御例では、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する例として、実行中の変動表示と、その変動表示中に入賞した入賞情報に基づいて次回実行される変動表示と、を用いた示唆演出を説明しているが、それに限ること無く、複数の変動表示を跨いで示唆演出を実行する構成であれば良く、例えば、変動表示中に入賞した入賞情報が次々回に実行される変動表示の場合であれば、実行中の変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良いし、次回に実行される変動表示から次々回に実行される変動表示に跨がるように示唆演出を実行しても良い。この場合、入賞情報コマンドを受信したタイミング(実行中の変動表示の残期間)に基づいて示唆演出を実行するタイミングを実行中の変動表示に設定するか、次回の変動表示に設定するかを判別する手段を設けると良い。
入賞情報格納エリア223Aに格納された入賞情報は、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出の内容を選択する際に参照され、例えば、特別図柄の保留球数が表示される保留表示エリアDN4において、大当たりを示す入賞情報に対応する保留表示(保留図柄)を示唆するために、保留表示の表示態様を変化させる保留変化予告演出を設定したり、大当たりを示す入賞情報に対応する特別図柄よりも前に変動が開始される特別図柄の演出として大当たりを期待させる連続予告演出を設定したりする場合に参照される。
また、本第5制御例では、大当たりに当選した時点や、大当たり遊技中、大当たり終了時に入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を参照し、保留内に大当たりを示す入賞情報が含まれているか(保留内連荘の有無)を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中や大当たり終了後の演出を設定するように構成している。加えて、確変状態中に実行される継続演出においても、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に基づいて、演出内容が選択されるよう構成している。
詳細な説明は省略しているが、本制御例では、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を参照した演出(先読み演出)を実行している場合には、その旨を示すフラグ(例えば、先読み演出中フラグ)をオンに設定し、その先読み演出中フラグがオンに設定されている場合には、新たな入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいた新たな先読み演出が実行されないように構成している。これにより、複数の先読み演出が間を開けること無く連続して実行されてしまい遊技者に違和感を与えてしまうという問題が発生することを抑制している。
なお、上述した問題を解決するための上述した内容以外の制御を用いても良く、例えば、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報に基づいて設定される複数の先読み演出に優先ランクを付与し、現在実行されている先読み演出の優先ランクと、新たな入賞情報コマンドに含まれている入賞情報に基づいて設定可能な先読み演出の優先ランクとを比較して、優先ランクが高い先読み演出を実行するように制御しても良い。この場合、新たな先読み演出の優先ランクの方が、優先ランクが高いと判別した場合には、実行中の先読み演出が途中で終了することを遊技者に報知するための先読み演出切替報知を実行した後に、新たな先読み演出を実行させたり、実行中の先読み演出の演出態様を、当初設定していた終了タイミングよりも早めた短縮先読み演出態様に可変した後に、新たな先読み演出を実行させたりしても良い。
また、先読み演出の優先ランクとしては、大当たりに当選していることを示す入賞情報に対応する先読み演出の優先ランクは最も高くなるように、大当たりに当選している期待度が高い程、優先ランクが高くなるように設定するとよい。これにより、実行中の先読み演出が途中で終了した場合に、遊技者に大当たりに対する期待感を持たせることができ、次に実行される新たな先読み演出を注視させることができる。
図360に戻り説明を続ける。C3201の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(C3201:NO)、次に、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(C3203)。変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(C3203:YES)、変動パターンコマンド処理5を実行し(C3204)、その後、メイン処理に戻る。変動パターンコマンド処理5において抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理5(図369参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を決定するために参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。また、本第5制御例では、音声ランプ制御装置113が、特別図柄(特図)用の変動パターンと、普通図柄(普図)用の変動パターンとを設定するように構成しており、今回受信した変動パターンコマンドが特図用か普図用かを判別し、判別結果に基づく処理も実行される。
ここで、変動パターンコマンド処理5(C3204)について図363を参照して説明をする。図363は変動パターンコマンド処理5(C3204)の内容を示したフローチャートである。この変動パターンコマンド処理5(C3204)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で主制御装置110より変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理である。
変動パターンコマンド処理5(C3204)では、まず、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが特図変動パターンコマンドであるか否かを判別する(C3301)。主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが特図変動パターンコマンドでないと判別した場合は(C3301:NO)、C3302,C3303の処理をスキップし、C3304の処理へ移行する。一方、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが特図変動パターンコマンドであると判別した場合は(C3301:YES)、RAM223に設けられた特図用の変動開始フラグ223Dをオンに設定し(C3302)、受信した特図用変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(C3303)、その後、C3304の処理へ移行する。
C3304の処理では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが普図用変動パターンコマンドであるか否かを判別する(C3304)。主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが普図用変動パターンコマンドではないと判別した場合は(C3304:NO)、C3305,C3306の処理をスキップし、コマンド判定処理5へ戻る。
一方、C3304の処理において、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが普図用変動パターンコマンドであると判別した場合は(C3304:YES)、RAM223に設けられた普図用の変動開始フラグ223Dをオンに設定し(C3305)、受信した普図用変動パターンコマンドから変動パターンを抽出し(C3306)、その後、本処理を終了しコマンド判定処理5へ戻る。
図360に戻り説明を続ける。C3203の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(C3203:NO)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(C3205)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(C3205:YES)、RAM223の停止種別選択フラグ223Eをオンに設定し(C3206)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(C3207)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理5(図369参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、C3205の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合は(C3205:NO)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(C3208)。そして、保留球数コマンドを受信していると判別した場合には(C3208:YES)、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、特別図柄(特別図柄1、または特別図柄2)の特別図柄保留球数カウンタ、又は、普通図柄の普通図柄保留球数カウンタ203Fから受信した保留球数コマンドに含まれている値を格納し(C3209)、その後、メイン処理へ戻る。具体的には、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄1に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄1保留球数カウンタ223Bに格納する。一方、今回受信した保留球数コマンドが特別図柄2に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄2保留球数カウンタ223Cに格納する。
図360に戻り説明を続ける。C3208の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(C3208:NO)、次に、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(C3210)、当たり関連コマンドを受信した場合は(C3210:YES)、当たり関連コマンド処理5(C3211)を実行し、当たり関連コマンド処理5(C3211)の終了後、本処理を終了する。
ここで、当たり関連コマンド処理5(C3211)の内容について、図364を参照して説明する。図364は、当たり関連コマンド処理5(C3211)の内容を示したフローチャートである。当たり関連コマンド処理5(C3211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で実行される処理である。当たり関連コマンド処理5では、まず、主制御装置110より大当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(C3501)。そして、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(C3501:YES)、大当たり関連コマンド処理を実行し(C3502)、その後、C3503の処理へ移行する。
ここで、大当たり関連コマンド処理(C3502)の内容について、図365を参照して説明する。図365は、大当たり関連コマンド処理(C3502)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連コマンド処理(C3502)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連コマンド処理5(C3211)の中で実行される処理である。大当たり関連コマンド処理(C3502)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判別する(C3601)。そして、オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(C3601:YES)、表示用のオープニングコマンド処理を実行し(C3602)、その後、C3608の処理へ移行する。
ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
C3601の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(C3601:NO)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(C3603)。ここで、ラウンド数コマンドを受信した場合は(C3603:YES)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(C3604)、その後、今回抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(C3605)、その後、C3608の処理へ移行する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
ここで、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、所定の連続条件が成立している状態で大当たり遊技が実行された場合に、前回の大当たり遊技にて実行されたラウンド遊技の数に、今回実行される大当たり遊技のラウンド遊技の数を累積して表示するように構成している。具体的には、時短状態が設定されている期間、及び、時短状態から通常状態へと移行した後に特図1変動が実行されるまでの期間オンに設定される期間フラグを設ける。そして、大当たり遊技が開始される場合に、期間フラグがオンに設定されているかを判別し、オンに設定されていると判別した場合には、前回の大当たり遊技にて実行されたラウンド遊技の数(ラウンド数)に今回の大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。
一方、C3603の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(C3603:NO)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(C3606)。そして、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(C3606:YES)、表示用エンディングコマンドを設定し(C3607)、その後、C3608の処理へ移行する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
C3606の処理において、エンディングコマンドを受信していない判定した場合は(C3606:NO)、C3608の処理へ移行する。C3608の処理では、その他のコマンドに応じた処理を実行し(C3608)、本処理を終了し、当たり関連コマンド処理5に戻る。
図364に戻り説明を続ける。C3501の処理において、主制御装置110より大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(C3501:NO)、次に、主制御装置110より小当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(C3503)。そして、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(C3503:YES)、小当たり関連コマンド処理を実行し(C3504)、その後、C3505の処理へ移行する。
ここで、小当たり関連コマンド処理(C3504)の内容について、図366(A)を参照して説明する。図366(A)は、小当たり関連コマンド処理(C3504)の内容を示したフローチャートである。小当たり関連コマンド処理(C3504)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連コマンド処理5(C3211)の中で実行される処理である。小当たり関連コマンド処理(C3504)では、まず、RAM223に設けられた一連演出フラグ223EBがオンであるか否かを判別する(C3701)。一連演出フラグ223EBがオフである(オンではない)と判別した場合は(C3701:NO)、通常小当たり処理を実行し(C3702)、その後、本処理を終了して当たり関連コマンド処理5に戻る。
上述した通り、本第5制御例では、小当たり遊技が実行される場合の演出態様を、小当たり遊技実行タイミングが一連演出中であるか否かに応じて可変設定するように構成している。つまり、一連演出中に小当たり遊技が実行される場合は、一連演出の一環として小当たり遊技演出(図324参照)が実行されるように構成している。このように構成することにより、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
ここで、通常小当たり処理(C3702)の内容について、図366(B)を参照して説明する。図366(B)は、通常小当たり処理(C3702)の内容を示したフローチャートである。通常小当たり処理(C3702)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり関連コマンド処理(C3504)の中で実行される処理である。通常小当たり処理(C3702)では、まず、主制御装置110より小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別する(C3801)。そして、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(C3801:YES)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(C3802)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
C3801の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(C3801:NO)、次に、主制御装置110より小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(C3803)。小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(C3803:YES)、表示用小当たり終了コマンドを設定し(C3804)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
C3803の処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(C3803:NO)、次に、主制御装置110よりV通過コマンドを受信したか否かを判別する(C3805)。V通過コマンドを受信したと判別した場合には(C3805:YES)、表示用V通過コマンドを設定し(C3806)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
図366(A)に戻り説明を続ける。C3701の処理において一連演出フラグ223EBがオンであると判別した場合は(C3701:YES)、今回の小当たり遊技が一連演出中に実行される小当たり遊技であるため、一連演出用小当たり処理を実行し(C3703)、その後、本処理を終了して当たり関連コマンド処理5に戻る。
ここで、一連演出用小当たり処理(C3703)の内容について、図367を参照して説明する。図367は、一連演出用小当たり処理(C3703)の内容を示したフローチャートである。一連演出用小当たり処理(C3703)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり関連コマンド処理(C3504)の中で実行される処理である。一連演出用小当たり処理(C3703)では、まず、主制御装置110より小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別する(C3901)。そして、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(C3901:YES)、一連演出用当たり開始コマンドを設定し(C3902)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
C3901の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(C3901:NO)、次に、主制御装置110よりV通過コマンドを受信したか否かを判別する(C3903)。V通過コマンドを受信したと判別した場合には(C3903:YES)、次いで、RAM223に設けられた小当たり注意フラグ223EEがオンであるか否かを判別する(C3904)。小当たり注意フラグ223EEがオフであると判別した場合は(C3904:NO)、一連演出表示用V演出コマンドを設定し(C3905)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
ここで、小当たり注意フラグ223EEは、小当たり遊技が実行されているにも関わらず、所定期間(例えば、3秒)が経過しても球がV入賞口650A内の特定領域を通過していない場合にオンに設定されるフラグである。本第5制御例では、右打ち遊技を行うことで発射された球がV入賞装置650に到達するまでに要する期間が約1秒となるように遊技盤13を構成しているため、小当たり遊技が実行されたことに基づいて右打ち遊技を行う場合には、小当たり注意フラグ223EEはオンに設定されないように構成している。
一方で、小当たり遊技が実行されていることに気付かず左打ち遊技を行っている場合や、小当たり遊技中に発射する球数を意図的に少なく(0含む)する不適切遊技を行っている場合には、小当たり遊技が開始されてから3秒経過後の時点で球がV入賞口650A内の特定領域を通過していない状態が発生し得るため、小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されやすくなる。この小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されることにより、第3図柄表示装置81の表示画面にて遊技者に右打ち遊技を行わせるための強調案内表示(図325(A)参照)が実行される。また、V入賞口650A内の特定領域を球が通過したタイミングでも小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されている場合と、オフに設定されている場合とで、異なる表示態様が設定されるように構成しており、例えば、小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されている状態でV通過コマンドを受信した場合は、次回の小当たり遊技にて、いち早く右打ち遊技を行わせるための案内演出が実行される。
C3904の処理において、小当たり注意フラグ223EEがオンであると判別した場合は(C3904:YES)、一連演出表示用特殊V演出コマンドを設定し(C3906)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。ここで設定された一連演出表示用特殊V演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、一連演出表示用特殊V演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、一連演出の一環として、今回の小当たり遊技にて球がV通過したタイミングが遅かったことを示す演出態様(例えば、「次回はもっと早くから右打ちしよう」のコメント)を含むV演出を開始する。
一方、C3903の処理において、V通過コマンドを受信していないと判別した場合には(C3903:NO)、次に、主制御装置110より小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(C3907)。小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(C3907:YES)、次いで、V通過があるかを判別し(C3908)、V通過があると判別した場合は(C3908:YES)、一連演出表示用小当たり終了コマンドを設定し(C3909)、その後、小当たり注意フラグ223EEをオフに設定し(C3912)、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
一方、C3908の処理において、V通過がないと判別した場合は(C3908:NO)、一連演出終了を示す表示用コマンドを設定し(C3910)、一連演出フラグ223EBをオフに設定し(C3911)、小当たり注意フラグ223EEをオフに設定し(C3912)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
つまり、一連演出中の小当たり遊技において球が特定領域を通過しなかった場合には、一連演出の演出結果として大当たり遊技の発生を示す演出結果を表示することができないため、一連演出の終了(失敗)を示す演出態様(図325(B)参照)が設定される。また、C3907の処理において小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合も(C3907:NO)、その後、本処理を終了して小当たり関連コマンド処理に戻る。
図364に戻り説明を続ける。C3503の処理において、主制御装置110より小当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(C3503:NO)、次に、主制御装置110より普図当たり関連コマンドを受信したか否かを判別する(C3505)。そして、普図当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(C3505:YES)、普図当たり関連コマンドに対応する表示用コマンドを設定し(C3506)、その後、本処理を終了してコマンド判定処理5に戻る。
図360に戻り、説明を続ける。C3210の処理において、主制御装置110より当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(C3210:NO)、次に、主制御装置110より状態コマンドを受信したかを判別し(C3212)、状態コマンドを受信したと判別した場合は(C3212:YES)、受信したコマンドから、現在の遊技状態を抽出し、状態格納エリア223EAに格納し(C3213)表示用状態コマンドを設定し(C3214)、その後、本処理を終了する。
なお、C3213の処理では、上述した第1制御例における図137を参照して上述した主制御装置110が実行する大当たり制御処理(S1104)のS1214の処理において設定される状態指定コマンドを受信した場合には、現在の遊技状態とは別に、大当たり終了後に設定される遊技状態を格納する処理が実行される。このように構成することで、現在の遊技状態を示す状態コマンドと、所定条件が成立した場合(大当たりが終了した場合)に設定される遊技状態(予定遊技状態)を示す状態指定コマンドとを区分けして記憶することができる。また、大当たり終了後には、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信することになるが、その際に、現在の遊技状態を示す状態コマンドの内容と、予定遊技状態を示す状態指定コマンドの内容とが一致するかを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果に基づいて遊技状態の設定が適正に行われているかを判別する構成を用いても良い。これにより、例えば、大当たり終了後の遊技状態を不正に遊技者に有利な遊技状態に可変設定する不正行為を抑制することができる。
C3212の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(C3212:NO)、次に、停止コマンドを受信したかを判別し(C3215)、停止コマンドを受信した場合は(C3215:YES)、停止コマンド処理5(C3216)を実行し、停止コマンド処理5の終了後、本処理を終了する。
ここで、停止コマンド処理5(C3216)の内容について、図368を参照して説明する。図368は、停止コマンド処理5(C3216)の内容を示したフローチャートである。停止コマンド処理5(C3216)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理5(C3113)の中で実行される処理である。停止コマンド処理5では、まず、特図用停止コマンドを受信したかを判別し(C3951)、特図用停止コマンドを受信したと判別した場合は(C3951:YES)、次いで、特図変動時間カウンタ223EGの値を0にリセットし(C3952)、疑似一連演出フラグ223ECがオンに設定されているかを判別する(C3953)。
C3953の処理において、疑似一連演出フラグ223ECがオンに設定されていると判別した場合は(C3953:YES)、今回受信した停止コマンドが、特図外れ変動の変動演出として一連演出を実行した特図変動であるため、疑似一連演出フラグ223ECをオフに設定し(C3954)、S3955の処理へ移行する。一方、C3953の処理において、疑似一連演出フラグ223ECがオンに設定されていないと判別した場合は(C3953:NO)、C3954の処理をスキップしてC3955の処理へ移行する。
C3955の処理では、時短最終変動フラグ223EDがオンに設定されているかを判別し(C3955)、オンに設定されていると判別した場合は(C3955:YES)、再先読みフラグをオン設定し(C3956)、時短最終変動フラグをオフに設定し(C3957)、本処理を終了する。一方、C3955の処理において、時短最終変動フラグ223EDがオンに設定されていないと判別した場合は(C3955:NO)、そのまま本処理を終了する。
図360に戻り、説明を続ける。C3215の処理において、主制御装置110より停止コマンドを受信していないと判定した場合には(C3215:NO)、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(C3217)、本処理を終了する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
本処理により、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置114に対して各種設定を行うためのコマンドを設定することができる。
次に、図369を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理5(C3114)について説明する。図369は、この変動表示設定処理5(C3114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理5(C3114)は、第1制御例において音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
本第5制御例の変動表示設定処理5(C3114)は、上述した各制御例、或いは、各実施形態にて用いられる変動表示設定処理に対して、普通図柄の表示用変動パターンコマンドを設定するように構成した点と、設定される変動演出の内容を変更した点と、で大きく相違しており、それ以外の要素(技術思想)については同一である。上述した各制御例、或いは、各実施形態にて用いられる変動表示設定処理と同一の要素(技術思想)についてはその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理5(C3114)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Dがオンか否かを判別する(C4001)。C4001の処理では、上述した変動パターンコマンド処理5(図363のC3204参照)のC3302、及びC3305の処理にて特図用の変動開始フラグ223D、或いは、普図用の変動開始フラグ223Dの何れかがオンに設定されているかを判別する。
そして、変動開始フラグ223Dがオンではない(即ち、特図用の変動開始フラグ223D、普図用の変動開始フラグ223Dが両方ともオフである)と判別した場合(C4001:NO)は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、C4006の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223Dがオンであると判別した場合(C4001:YES)は、対応する変動開始フラグ223Dをオフに設定し(C4002)、次いで、変動パターンコマンド処理5(図363参照)のC3303およびC3306の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得し(C4003)、変動演出設定処理を実行する(C4004)。変動演出設定処理の詳細については、図370を参照して後述する。
そして、取得した変動パターン種別、変動演出設定処理(図370のC4004)にて設定された変動パターンに基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(C4005)。その後、C4006の処理へ移行する。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
C4006の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223Eがオンか否かを判別する(C4006)。そして、停止種別選択フラグ223Eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(C4006:NO)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223Eがオンであると判別された場合(C4006:YES)、対応する停止種別選択フラグ223Eをオフし(C4007)、次いで、コマンド判定処理5(図360のC3207)処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(C4008)。次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(C4009)、C4010の処理へ移行する。C4010の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(C4010)、その後、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図370を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(C4004)について説明する。図370は、この変動演出設定処理(C4004)を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(C4004)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理5(図369参照)の中で実行される処理であって、特別図柄の変動演出態様、或いは、普通図柄の変動演出態様を設定するための処理が実行される。
変動演出設定処理(C4004)では、まず、今回の変動演出設定処理が特別図柄変動(特図変動)の変動演出を設定するものであるかを判別する(C4101)。このC4101の処理では、変動表示設定処理5(図369のC3114参照)のC4001の処理において、特図用変動開始フラグ223Dがオンに設定されていると判別した場合に、今回の変動演出設定処理が特図変動の変動演出を設定するものであると判別する。ここで、特図変動演出を設定しない(普図変動演出を設定する)と判別した場合は(C4101:NO)、普図用演出設定処理を実行し(C4117)、その後、本処理を終了する。普図用演出設定処理の詳細については、図371を参照して後述するが、所定の実行条件が成立している場合に、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される普図変動に基づく変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
C4101の処理において、特図変動演出を設定すると判別した場合は(C4101:YES)、状態格納エリア223EAに格納されている遊技状態を示す情報を読み出し(C4102)、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する(C4103)。現在の遊技状態が通常状態ではない(時短状態である)と判別した場合は(C4103:NO)、時短用演出設定処理を実行し(C4104)、その後、C4116の処理へ移行する。時短用演出設定処理(C4104)は、時短状態に実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。この時短用演出設定処理(C4104)については、図372を参照して詳細な説明を後述する。
一方、C4103の処理において、遊技状態が通常状態であると判別した場合は(C4103:YES)、再先読みフラグ223EMがオンに設定されているかを判別し(C4105)、再先読みフラグ223EMがオンに設定されていると判別した場合(C4105:YES)、即ち、今回の変動演出が、時短状態が終了してから1回転目の特図変動に対応する変動演出であって、且つ、時短状態中に獲得した特図2保留のうち、時短最終変動にて実行される時短最終変動演出に先読み結果が反映されていない特図2保留がある場合は、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報(特図2に対応する入賞情報)のうち、先読み処理が実行されていない入賞情報(特図2に対応する入賞情報)を抽出し(C4106)、抽出した入賞情報の中に当たり当選情報を含む入賞情報があるかを判別する(C4107)。
C4107の処理において、当たり当選情報を含む入賞情報があると判別した場合は(C4107:YES)、時短変動演出の結果表示態様を復活当たり表示態様に差し替えるための表示用コマンドを設定し(C4108)、再先読みフラグ223EMをオフに設定し(C4109)、C4110の処理へ移行する。一方、C4105の処理において、再先読みフラグ223EMがオンに設定されていないと判別した場合は(C4105:NO)、今回の変動演出設定処理が、時短変動演出の結果表示態様を可変させるタイミングで実行されるものでは無いため、C4106の〜C4109の処理をスキップし、C4110の処理へ移行する。また、C4107の処理において、抽出した入賞情報の中に当たり当選情報を含む入賞情報が無いと判別した場合は(C4107:NO)、今回の変動演出設定処理が、時短変動演出の結果表示態様を可変させるタイミングではあるが、結果表示態様を可変させる条件(新たな先読み結果が当たりを含む)が成立していない場合であるため、C4108の処理をスキップし、C4109の処理を実行し、C4110の処理へ移行する。
C4110の処理では、現在が時短状態中に実行される時短変動演出の延長表示期間内であるかを判別し(C4110)、延長表示期間内である、即ち、時短状態中の遊技結果が表示される終了画面(図331参照)が表示されている状態であると判別した場合は(C4110:YES)、当該変動に対応する変動演出を設定すること無く本処理を終了する。一方、延長表示期間内では無いと判別した場合は(C4110:NO)、次に、図369のC4003の処理にて取得した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンが当たりの変動パターンであるかを判別する(C4111)。
C4111の処理において、今回の変動パターンが当たりの変動パターンであると判別した場合は(C4111:YES)、当たり変動演出設定処理を実行し(C4112)、その後、C4116の処理へ移行する。この当たり変動演出設定処理(C4112)では、今回の特図変動演出として一連演出を実行するか否かの判別処理と、普図変動演出として一連演出が実行されている場合に、当該一連演出の演出結果を差し替え処理と、が実行される。この当たり変動演出設定処理(C4112)については、図373を参照して詳細な説明を後述する。
一方、C4111の処理において、今回の変動パターンが当たりの変動パターンではないと判別した場合は(C4111:NO)、次に、一連演出フラグ223EBがオンであるか否かを判別し(C4113)、一連演出フラグ223EBがオンであると判別した場合は(C4113:YES)、その後、C4116の処理へ移行する。
C4113の処理において、一連演出フラグ223EBがオフであると判別した場合(C4113:NO)、抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであるか否かを判別する(C4114)。今回の変動パターンが一連演出の変動パターンではないと判別した場合は(C4114:NO)、その後、C4116の処理へ移行する。
一方、C4114の処理において、今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであると判別した場合は(C4114:YES)、疑似一連演出フラグ223ECをオンに設定し(C4115)、その後、C4116の処理へ移行する。
C4116の処理では、特図変動時間カウンタ223EGを設定し(C4116)、その後、本処理を終了して変動表示設定処理5に戻る。
次に、図371を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される普図用演出設定処理(C4117)について説明する。図371は、この普図用演出設定処理(C4117)を示したフローチャートである。この普図用演出設定処理(C4117)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(図370参照)の中で実行されるものであり、普図変動に基づく変動演出(一連演出)を設定するための処理が実行される。
普図用演出設定処理(C4117)では、まず、RAM223に設けられた状態格納エリア223EAより、現在の遊技状態を読み出し(C4201)、読み出した現在の遊技情報が通常状態であるか否かを判別する(C4202)。現在の遊技情報が通常状態ではないと判別した場合は(C4202:NO)、その後、本処理を終了する。
C4202の処理において、現在の遊技情報が通常状態であると判別した場合は(C4202:YES)、次に、変動時間が30秒以上であるか否かを判別する(C4203)。変動時間が30秒以上ではないと判別した場合は(C4203:NO)、その後、本処理を終了する。変動時間が30秒以上であると判別した場合は(C4203:YES)、次に、一連演出フラグ223EBがオンであるか否かを判別する(C4204)。
C4204の処理において一連演出フラグ223EBがオンであると判別した場合は(C4204:YES)、その後、本処理を終了する。一方、一連演出フラグ223EBがオフであると判別した場合は(C4204:NO)、次に、非変動時入賞フラグ223EFがオンであるか否かを判別する(C4205)、非変動時入賞フラグ223EFがオフであると判別した場合は(C4205:NO)、次に、疑似一連演出フラグ223ECがオンであるか否かを判別する(C4206)。疑似一連演出フラグ223ECがオフであると判別した場合は(C4206:NO)、一連演出を設定し(C4207)、一連演出フラグ223EBをオンに設定し(C4208)、その後、本処理を終了する。
C4206の処理において、疑似一連演出フラグ223ECがオンであると判別した場合は(C4206:YES)、特図変動時間の残期間に対応した普図変動パターンを設定し(C4209)、その後、本処理を終了する。
一方、C4205の処理において、非変動時入賞フラグ223EFがオンであると判別した場合は(C4205:YES)、次に、特図変動時間カウンタ223EGの値が0よりも大きいかを判別し(C4210)、特図変動時間カウンタ223EGの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(C4210:NO)、特図変動が実行されていない状態で普図変動が実行される場合であるため、普図変動の抽選結果を示すための普図変動演出を設定すること無くそのまま本処理を終了する。
なお、本第5制御例では、特図変動が実行されていない場合には普図変動演出を設定しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図変動演出を通常とは異なるタイミングで実行させる普図変動演出を実行するように構成しても良く、実行される普図変動演出に基づいて、今回の普図抽選の抽選結果に応じて電動役物640Aがロング開放するタイミングを遊技者に容易に判別され難くなるように構成すれば良い。
C4210の処理において、特図変動時間カウンタ223EGの値が0よりも大きいと判別した場合は(C4210:YES)、特殊一連演出を設定し(C4211)、一連演出フラグ223EBをオンに設定し(C4212)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第5制御例では、普図変動時間が所定時間(30秒)以上である場合において、一連演出の実行状況、及び、実行中の特図変動の状況に基づいて普図変動演出(普図用演出)を設定するように構成している。このように構成することで、特図変動の抽選結果を表示するための特図変動演出として遊技者に有利な抽選結果を報知し易い演出が実行されている場合に、普図用演出がその特図変動演出を阻害してしまう事態を抑制することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図372を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短用演出設定処理(C4104)について説明する。図372は、この時短用演出設定処理(C4104)を示したフローチャートである。この時短用演出設定処理(C4104)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(図370参照)の中で実行される。
時短用演出設定処理(C4104)では、まず、今回の特図変動が特図2の変動であるか否かを判別する(C4301)。今回の特図変動が特図2の変動ではないと判別した場合は(C4301:NO)、そのまま本処理を終了する。今回の特図変動が特図2の変動であると判別した場合は(C4301:YES)、次に、今回の特図変動が時短最終変動であるか否かを判別する(C4302)。今回の特図変動が時短最終変動ではないと判別した場合は(C4302:NO)、そのまま本処理を終了する。今回の特図変動が時短最終変動であると判別した場合は(C4302:YES)、時短最終変動フラグ223EDをオンに設定し(C4303)、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を読み出し(C4304)、当該変動の抽選結果と入賞情報に含まれる抽選結果とに基づいて、最終変動の変動パターンを設定し(C4305)、その後、本処理を終了する。
次に、図373を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり変動演出設定処理(C4112)について説明する。図373は、この当たり変動演出設定処理(C4112)を示したフローチャートである。この当たり変動演出設定処理(C4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出設定処理(図370参照)の中で実行される。
当たり変動演出設定処理(C4112)では、まず、一連演出フラグ223EBがオンあるか否かを判別する(C4401)。一連演出フラグ223EBがオフであると判別した場合は(C4401:NO)、次に、今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであるか否かを判別する(C4402)。今回の変動パターンが一連演出の変動パターンではないと判別した場合は(C4402:NO)、そのまま本処理を終了する。今回の変動パターンが一連演出の変動パターンであると判別した場合は(C4402:YES)、一連演出フラグ223EBをオンに設定し(C4403)、その後、本処理を設定する。
一方、C4401の処理において、一連演出フラグ223EBがオンであると判別した場合は(C4401:YES)、変動停止タイミングと一連演出分岐タイミングとを分析し(C4404)、次に、結果差替可能であるか否かを判別する(C4405)。結果差替可能ではないと判別した場合は(C4405:NO)、そのまま本処理を終了する。結果差替可能であると判別した場合は(C4405:YES)、一連演出の演出結果を差替える変動パターンを示す表示用差替コマンドを設定し(C4406)、その後、本処理を終了する。
次に、図374を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理5(C3112)について説明する。図374は、演出更新処理5(C3112)を示したフローチャートである。この演出更新処理5(C3112)は、第1制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)の中で実行され、特別図柄の変動に関わらず、経過時間に基づいて制御される演出を設定するための処理である。
演出更新処理5(C3112)が実行されると、まず、各種変動時間カウンタの値を更新し(C4501)、次に、一連演出フラグ223EBがオンであるか否かを判別する(C4502)。一連演出フラグ223EBがオフであると判別した場合は(C4502:NO)、次に、疑似一連演出フラグ223ECがオンであるか否かを判別する(C4504)。疑似一連演出フラグ223ECがオフであると判別した場合は(C4504:NO)、C4505の処理へ移行する。
C4502の処理において、一連演出フラグ223EBがオンであると判別した場合(C4502:YES)と、C4504の処理において、疑似一連演出フラグ223ECがオンであると判別した場合(C4504:YES)は、一連演出更新処理を実行し(C4503)、その後、C4505の処理へ移行する。また、一連演出更新処理の詳細については、図375の処理を参照して後述する。
C4505の処理では、時短最終変動フラグ223EDがオンであるか否かを判別する(C4505)。時短最終変動フラグ223EDがオンであると判別した場合は(C4505:YES)、最終変動演出更新処理を実行し(C4506)、C4507の処理へ移行する。
一方、C4505の処理において、時短最終変動フラグ223EDがオンであると判別した場合は(C4505:YES)、その他演出更新処理を実行し(C4507)、その後、本処理を終了する。
次に、図375を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される一連演出更新処理(C4503)について説明する。図375は、この一連演出更新処理(C4503)を示したフローチャートである。この一連演出更新処理(C4503)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理5(図374参照)の中で実行される。
一連演出更新処理(C4503)では、まず、一連演出カウンタの値が0であるか否かを判別する(C4601)。一連演出カウンタの値が0ではないと判別した場合は(C4601:NO)、一連演出カウンタの値を更新し(C4603)、次に、一連演出カウンタの値が0であるか否かを判別する(C4604)。一連演出カウンタの値が0ではないと判別した場合は(C4601:NO)、C4605の処理へ移行する。一方、一連演出カウンタの値が0ではないと判別した場合は(C4604:YES)、一連演出フラグ223EBをオンに設定し(C4612)、その後、本処理を終了する。
一方、C4601の処理において、一連演出カウンタの値が0であると判別した場合は(C4601:YES)、一連演出カウンタに今回の一連演出に対応する値を設定し(C4602)、C4605の処理へ移行する。
C4605の処理では、現在が普図当たりの遊技中であるか否かを判別する(C4605)。現在が普図当たりの遊技中であると判別した場合は(C4605:YES)、普図当たり遊技中更新処理を実行し(C4606)、その後、本処理を終了する。
一方、C4605の処理において、現在が普図当たりの遊技中ではないと判別した場合は(C4605:NO)、次に、普図当たり遊技が終了したか否かを判別する(C4607)。普図当たり遊技が終了したか否かを判別する(C4607)。普図当たり遊技が終了していないと判別した場合は(C4607:NO)、C4609の処理へ移行する。普図当たり遊技が終了したと判別した場合は(C4607:YES)、次に、特2入賞フラグがオンであるか否かを判別する(C4608)。特2入賞フラグがオフであると判別した場合は(C4608:NO)、一連演出フラグ223EBをオンに設定し(C4612)、その後、本処理を終了する。C4608の処理において、特2入賞フラグがオンであると判別した場合は(C4608:YES)、C4609の処理へ移行する。
C4609の処理では、現在が小当たりの遊技中であるか否かを判別する(C4609)。現在が小当たりの遊技中であると判別した場合は(C4609:YES)、小当たり遊技中更新処理を実行し(C4610)、その後、本処理を終了する。
一方、C4609の処理において、現在が小当たりの遊技中ではないと判別した場合は(C4609:NO)、一連演出カウンタの値に対応する表示用コマンドを設定し(C4611)、その後、本処理を終了する。
次に、図376を参照して、一連演出更新処理(図375のC4503参照)において実行される普図当たり遊技中更新処理(C4606)の内容について説明をする。図376は、普図当たり遊技中更新処理(C4606)の内容を示したフローチャートである。この普図当たり遊技中更新処理(C4606)では、普図当たり遊技中であるにも関わらず、所定期間の間、球が第2入賞口640に入賞しない場合に遊技者に対して注意喚起を行うための処理が実行される。
普図当たり遊技中更新処理(C4606)が実行されると、まず、第2入賞口640に球が入賞したかを判別し(C4701)、第2入賞口640に球が入賞していないと判別した場合は(C4701:NO)、次に、普図当たり遊技開始から1秒が経過したかを判別する(C4702)。ここで、1秒が経過したと判別した場合は(C4702:YES)、表示用注意喚起コマンドを設定し(C4703)、本処理を終了する。一方、C4702の処理において、普図当たり遊技が開始されてから1秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合は(C4702:NO)、そのまま本処理を終了する。
ここで、C4703の処理において、表示用注意喚起コマンドが設定されると、普図当たり遊技が終了するまでに第2入賞口640に球を入賞させるための注意喚起画面(図324(A)参照)が表示される。なお、本制御例では普図当たり遊技として、普図ロング開放当たり遊技が実行されると、電動役物640Aを1秒間開放させた後に、1.5秒間の閉鎖期間を経て、再度0.5秒間電動役物640Aを開放させる普図当たり遊技が実行されるように構成している。そして、図324(A)に示した注意喚起画面は、普図当たり遊技が開始されてから1秒経過後に表示される。このように構成することで、注意喚起画面を見た遊技者が右打ち遊技を行った場合に、その右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に入賞し易くすることができる。
一方、C4701の処理において、第2入賞口640に球が入賞した(特2入賞があった)と判別した場合は(C4701:YES)、特2入賞を示すための表示用コマンドを設定し(C4704)、特2入賞フラグ223ERをオンに設定し(C4705)、本処理を終了する。ここで、C4704の処理において表示用コマンドが設定されると、第3図柄表示装置81の表示画面に特2入賞を報知する表示態様が表示される。これにより、遊技者に対して特2入賞が発生したことを分かり易く報知することができる。
次に、図376(B)を参照して、小当たり遊技中更新処理(C4610)の内容について説明をする。図376(B)は、小当たり遊技中更新処理(C4610)の内容を示したフローチャートである。この小当たり遊技中更新処理(C4610)では、小当たり遊技中に球がV入賞口650A内の特定領域を通過したかを判別し、小当たり遊技が開始されてから所定期間(3秒)が経過したにも関わらず、球がV入賞口650A内の特定領域を通過していない場合に、遊技者に注意喚起を行うための処理が実行される。
小当たり遊技中更新処理(C4610)が実行されると、まず、小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されているかを判別し(C4751)、小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されていないと判別した場合は(C4751:NO)、次に、小当たり遊技開始から3秒が経過したかを判別する(C4752)。ここで小当たり遊技から3秒が経過したと判別した場合は(C4752:YES)、現時点でV入賞口650A内の特定領域を球が通過しているかを判別し(C4753)、通過していないと判別した場合は(C4753:NO)、小当たり注意フラグ223EEをオンに設定し(C4754)、表示用注意喚起コマンドを設定し(C4755)、本処理を終了する。
一方、C4751の処理において、既に小当たり注意フラグ223EEがオンに設定されていると判別した場合(C4751:YES)、C4752の処理において、小当たり遊技開始から3秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合(C4752:NO)、C4753の処理において、球がV入賞口650A内の特定領域を通過したと判別した場合(C4753:YES)は、C4754、及びC4755の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図377を参照して、最終変動演出更新処理(C4506)の内容について説明をする。図377は、最終変動演出更新処理(C4506)の内容を示したフローチャートである。この最終変動演出更新処理(C4506)では、時短状態の最終変動に対応する変動演出を設定するための処理が実行される。上述した通り、本制御例では、時短状態中の変動演出として、当該変動の変動結果(抽選結果)のみを示唆する第1示唆演出と、当該変動の変動結果(抽選結果)に加え、特図2保留の先読み結果を示唆する第2示唆演出と、を実行可能に構成しており、時短状態の最終変動では、第2示唆演出が実行されるように構成している。
さらに、本制御例の時短状態の最終変動では、時短状態が設定されている期間中に、特図2保留を上限値(4個)まで獲得することを遊技者に促すための保留獲得演出も実行可能に構成しており、最終変動の変動期間の前半期間にて保留獲得演出を実行し、後半期間にて第2示唆演出(時短最終変動演出)を実行するように構成している。そして、前半期間の終了タイミングにおいて獲得している特図2保留の先読み結果が第2示唆演出の演出結果に反映されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に多くの特図2保留を獲得させた後に、その獲得した特図2保留に対する先読み結果を反映させた第2示唆演出(時短最終変動演出)を実行させることができるため、時短最終変動演出の演出態様として当たり当選を示す演出態様が設定され易くすることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、保留獲得演出を実行するまでのタイミング(前半期間の開始タイミング)にて、獲得済の特図2保留球数が上限数(4個)以上である場合には、保留獲得演出を実行させず、前半期間から第2示唆演出を実行するように構成している。これにより、遊技者に対して無用な演出、つまり、既に特図2保留球数が上限に到達しているにも関わらず特図2保留を獲得させようとする保留獲得演出が実行されることを防ぎ、遊技者が演出内容に困惑してしまう事態を抑制することができる。さらに、前半期間から第2示唆演出を実行させることにより、第2示唆演出の演出期間を長くすることができるため、より興趣に富んだ第2示唆演出を実行することができる。そして、興趣に富んだ第2示唆演出を実行させようと、遊技者に対して意欲的に遊技(右打ち遊技)を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。
図377を参照して説明をする最終変動演出更新処理(図377のC4506)では、演出更新処理5(図374のC3112参照)のC4501の処理にて更新された時短状態の最終変動に対応して実行される最終変動演出の経過期間(特図2変動の経過期間)を判別し、その判別結果に基づいた処理が実行される。最終変動演出更新処理(C4506)で実行されると、まず、現在のタイミングが待機期間経過タイミングであるかを判別し(C4801)、待機期間経過タイミングであると判別した場合は(C4801:YES)、次に、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が上限値である「4」であるかを判別する(C4802)。
C4802の処理において、特図2保留球数が「4」であると判別した場合は(C4802:YES)、保留上限フラグ223ENをオンに設定し(C4803)、そのまま本処理を終了する。一方、C4802の処理において、特図2保留球数が「4」では無い、即ち、「3」以下であると判別した場合は(C4802:NO)、保留上限フラグ223ENをオンに設定すること無く本処理を終了する。
C4801の処理において、現在が待機期間経過タイミングでは無いと判別した場合は(C4801:NO)、次に、現在が第1期間開始タイミングであるかを判別し(C4804)、第1期間開始タイミングであると判別した場合は(C4804:YES)、保留上限フラグ223ENがオンに設定されているかを判別し(C4805)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、第1期間の開始タイミングにおいて特図2保留球数を上限数である所定数(4個)確保していると判別した場合は(C4805:YES)、時短最終変動演出として第1期間、第2期間を用いた時短変動演出を示す表示用演出コマンドを設定し(C4806)、保留上限フラグ223ENをオフに設定し、実行済フラグ223EQをオンに設定し(C4808)、本処理を終了する。
一方、C4805の処理において、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていないと判別した場合は(C4805:NO)、特図2保留を上限値(4)まで獲得させるための保留球数獲得演出を示す表示用演出コマンドを設定し(C4809)、そのまま本処理を終了する。このように構成することにより、待機期間経過タイミングにおける特図2保留球数に応じて、第1期間中に実行される演出の演出態様を可変させることができ、遊技者に多様な演出を提供することができる。
C4804の処理において、現在が第1期間開始タイミングでは無いと判別した場合は(C4804:NO)、次に、現在が第2期間の開始タイミングであるかを判別し(C4810)、第2期間の開始タイミングであると判別した場合は(C4810:YES)、実行済フラグ223EQがオンに設定されているかを判別する(C4811)。
ここで、実行済フラグ223EQがオンに設定されていると判別した場合、即ち、第1期間の開始タイミングにおいて、第2期間中に実行する演出の演出態様が設定されていると判別した場合は(C4811:YES)、新たに演出態様を設定する必要が無いため、実行済フラグ223EQをオフに設定し(C4812)、本処理を終了する。
一方、C4811の処理において、実行済フラグ223EQがオンに設定されていないと判別した場合は(C4811:NO)、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報を読み出し(C4813)、当該変動の抽選結果(当たり判定結果)と、読み出した入賞情報に含まれる先読み結果(事前判別結果)と、に基づく時短変動演出を示す表示用演出コマンドを設定し(C4814)、本処理を終了する。
このように、時短最終変動の実行タイミングでは無く、時短最終変動が実行されてから所定時間経過後のタイミング(第2期間が設定されるタイミング)で、特図2保留の先読み結果に基づく演出態様を設定することにより、当該変動を実行する際に減算される特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)を、再加算させた状態で特図2保留の先読み結果に基づく演出態様を設定することができる。よって、先読みされる特図2保留の数を増加させることができるため、第2期間中に実行される演出(時短最終変動演出)において、当たりを示す演出結果が表示され易くすることができ、演出効果を高めることができる。
C4810の処理において、現在が第2期間開始タイミングでは無いと判別した場合は(C4810:NO)、次に、現在が第2期間の終了タイミングであるかを判別する(C4815)。第2期間の終了タイミングであると判別した場合は(C4815:YES)、第2期間中に新たな特2保留を獲得したかを判別し(C4816)、新たな特2保留を獲得したかを判別した場合は(C4816:YES)、再先読みフラグ223EMをオンに設定し(C4817)、本処理を終了する。
ここで、C4816で実行される処理の内容について説明をすると、入賞情報格納エリア223Aには、各図柄保留に対応する格納エリアが形成されており、本制御例では、第1特別図柄(特図1)用の格納エリアと、第2特別図柄(特図2)用の格納エリア、普通図柄(普図)用の格納エリアとが、各図柄の上限保留記憶数(4個)に対応する個数形成されている。そして、各格納エリアは主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる先読み情報と、音声ランプ制御装置113にて各種演出を設定する際に先読み結果が参照されたか否かを示す参照済情報とが記憶されるように構成している。
つまり、C4816の処理では、C4806、或いはC4814の処理によって参照された特図2保留(特2保留)以外に新たな特2保留が入賞情報格納エリア223Aに格納されているかを、各格納エリアに記憶される参照済情報の有無に基づいて判別し、入賞情報格納エリア223Aの特図2保留(特2保留)に対応する格納エリア(4個)に、先読み情報が記載され、且つ、参照済情報が記憶されていない格納エリアがあると判別した場合に、新たな特2保留があると判別する。
そして、C4817の処理において再先読みフラグ223EMをオンに設定することにより、次に実行される特図変動(時短終了後1回目の特図変動)に対応する変動演出として、再度、特図2保留の先読み結果に基づく変動演出が実行される。
一方、C4816の処理において、新たな特2保留が無いと判別した場合は(C4816:NO)、現在獲得している特図2保留の全てが先読みされ、その先読み結果に基づく演出態様で第2期間中の時短最終変動演出が実行されている場合であるため、そのまま時短変動演出の結果を示す表示用演出結果コマンドを設定し(C4818)、本処理を終了する。C4815の処理において、第2期間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(C4815:NO)、次に、その他更新内容に対応する表示用コマンドを設定し(C4819)、本処理を終了する。C4819の処理では、最終変動演出の経過期間に基づく演出態様の設定や、最終変動の残期間を示すための残期間表示態様の更新設定や、最終変動の経過期間を示すための経過期間表示態様の更新設定や、最終変動中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作したことに基づいて実行される操作表示態様の設定等が実行される。
<第6制御例>
次に、図378から図385を参照して、第6制御例について説明をする。上述した第5制御例では、第2特別図柄の保留球数を最大で4個記憶可能に構成し、時短状態が終了し、通常状態へと移行した時点で保留記憶されている特図2保留(最大4個)に対して、通常状態の抽選確率で特図2抽選を実行するように構成していた。
さらに、上述した第5制御例は、時短状態中の特図2抽選よりも、通常状態中の特図2抽選のほうが、遊技者に有利な抽選結果となり易くなるように構成したため、時短状態が終了する時点で多くの特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせるものであった。
上述した第5制御例では、時短状態の最終変動中に継続して右打ち遊技を行うだけで、容易に特図2保留を最大数獲得することができるため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができるものであったが、時短状態終了後に実行され得る特図2抽選の回数に差を持たせることができず、更なる技術改良が求められた。
これに対して、本第6制御例では、第2特別図柄(特図2)の最大保留球数を「1」に設定し、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い期間を、時短状態の種別、及び、時短状態中の特図変動回数に応じて設定可能に構成し、さらに、時短状態中に実行される普図当たり遊技として、当たり遊技期間が長いロング開放当たり遊技を複数種類設定可能に構成している。また、時短状態終了後に実行される特図2変動の変動時間として、短時間変動(0.1秒変動)が設定され易い状態を設定可能に構成している。
このように構成することにより、時短状態終了後(通常状態設定後)に実行可能な特図2抽選の回数を、様々な遊技条件の成立具合に応じて異ならせることができる。よって、遊技者に対して、時短状態が終了する時点でどのような遊技条件が成立するのかを楽しませることができる。
まず、図378を参照して、本第6制御例のおけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図378は、本制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。本第6制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第5制御例のパチンコ機10の遊技盤に対して、第2入賞口640に付随する電動役物640Aの構成を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図378に示した通り、本第6制御例では、第2入賞口640に球が入賞し難い閉鎖状態(図378の実線で表示)と、入賞し易い開放状態(図378の点線で表示)と、に可変可能な電動役物640Aを設けている。この電動役物640Aは、上述した第5制御例の電動役物640A(図315参照)に対して、開放状態となった場合に、複数の球を第2入賞口640に入賞させ易くなるように構成されている。また、詳細な説明は省略するが、球の流下状況によって、開放状態である電動役物640Aを通過してから第2入賞口640に入賞するまでの期間が異なるように構成している。例えば、第2入賞口640を有する構造体に沿って流下し電動役物640Aの基部(第2入賞口640を有する構造体側)付近に到達した球と、電動役物640Aの先端部(第2入賞口640を有する構造体から離れた側)付近に到達した球とで、第2入賞口640に入賞し得る流下位置に位置してから第2入賞口640に入賞するまでに要する球流下期間の差が0.1秒よりも大きくなるように構成している。
このように構成することで、電動役物640Aを開放状態へと位置させる普図当たり遊技中において、0.1秒以上の時間差を設けて球を第2入賞口640に入賞させ易くすることができる。詳細は後述するが、本制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合における特図2変動の変動時間として、最短で0.1秒の変動時間が設定されるように構成している。
つまり、本制御例では、1回の普図当たり遊技中における複数入賞球の発生タイムラグよりも、短い変動時間で特図2変動が実行され得るように構成している。よって、1回の普図当たり遊技中に複数の球が第2入賞口640に入賞したとしても、その入賞数に応じた回数分、特図2抽選を実行させ易くすることができる。
なお、本制御例では、図378に示した通り、開放状態に位置する電動役物640Aに対して、電動役物640Aのどの部位に球が到達するかによって、入賞球のタイムラグを発生させる構成としているが、これに限ること無く、例えば、第2入賞口640へ連通する開口部を複数(第1開口部、第2開口部)設け、各開口部に流入した球が第2入賞口640に到達するまでの期間を少なくとも0.1秒以上異ならせるように構成し、さらに、1回の普図当たり遊技にて、各開口部を開放させる普図当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように構成することにより、普図当たり遊技中において、略同タイミングで第1開口部を通過した球と、第2開口部を通過した球とで第2入賞口640に到達するまでの期間を異ならせることができるため、より確実に、入賞数に応じた回数分、特図2抽選を実行させることができる。
また、この場合、各開口部に対して電動役物640Aを設けても良いし、1つの電動役物640Aが複数の開口部を開放状態、閉鎖状態へと移行するように構成しても良い。
<第6制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について>
次に、図379を参照して、本第6制御例における表示画面の表示内容について説明をする。本制御例では、時短状態終了タイミングにおいて所定の遊技条件が成立すると、時短状態終了後も所定期間の間、特図2抽選を実行し易い状態(サポート状態)が設定されるように構成されており、時短状態の最終変動(時短最終変動演出)において、時短終了後にサポート状態が設定されることを示唆する示唆演出を実行するように構成している。
図379(A)は、時短状態の最終変動中の時短最終変動演出にて表示される表示内容の一例を示した模式図である。図379(A)に示した通り、本第6制御例では、上述した第5制御例とは異なり、時短状態の最終変動においても、当該変動の抽選結果を示すための変動演出(第1示唆演出)が実行されるため、上述した第5制御例の時短状態中の非最終変動に対応して実行される変動演出(図327(A)参照)と同様の演出画面が表示される。なお、上述した第5制御例の表示画面(図327(A)参照)と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第6制御例では、上述した第5制御例の表示画面(図327(A)参照)に対して、抽選結果態様871A〜871Cに加え、時短終了後にサポート状態が設定されることを示唆する「サポート」の文字が付された状態示唆態様871Dが表示される点で相違している。この状態示唆態様871Dは、時短状態の終了が近づく毎に表示され易くなるように構成されており、時短最終変動の抽選結果が外れで、且つ、時短終了後にサポート状態が設定される場合において、キャラクタ851が状態示唆態様871Dをゲットする演出態様が設定される。なお、時短最終変動の抽選結果が当たりの場合は、当たりを示す抽選結果態様871A〜871Bをゲットする演出態様が設定される。
時短状態終了後にサポート状態が設定されると、図379(B)に示す表示画面が表示される。図379(B)は、サポート状態中に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。詳細は後述するが、本制御例では、時短状態中に当選した普図当たり遊技がロング開放当たり遊技であって、時短状態終了後もロング開放当たり遊技が継続して実行され、通常状態中に球が第2入賞口640に入賞し得る場合にサポート状態が設定される。
このサポート状態中は、通常状態であるが、球が第2入賞口640に入賞し得るため、小表示領域DM4では「右打ち」が強調表示される。そして、小表示領域DM31には、第2入賞口640に球を入賞させる遊技を行うことを遊技者に視覚的に報知させる案内表示態様が表示され、副表示領域DSには、サポート状態が設定されていることを示す「サポートタイム突入」のコメントが表示される。
また、小表示領域DM6では、実行中の特図2変動に対応する第3図柄が変動表示されると共に、今回のサポート状態中に実行された特図2変動回数を示す情報が小表示領域DM30に「サポート回数」として表示される。図379(B)に示した例では、サポート状態が設定されてから1回目の特図2変動が実行されている状態であるため、「サポート回数×1」が表示されている。主表示領域DMではキャラクタ851が立ち上がろうとする演出が実行され、「ガンバレ」のコメントが表示されている。このサポート状態中は、特図2変動として短変動(0.1秒変動)が実行可能となるように構成されており、場合によっては数多くの特図2変動が実行される。サポート状態中の特図2変動において当たりに当選した場合は、キャラクタ851が立ち上がる演出が実行される。
<第6制御例の電気的構成について>
次に、図380から図383を参照して、本制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例のパチンコ機10の電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を変更した点と、特図2保留の上限数を1に変更したことに伴い主制御装置110のMPU201が有するRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203B、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの構成を変更した点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、RAM203の相違点についても、その詳細な説明を省略する。
図380は、本第6制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図380に示した通り、上述した第5制御例に対して、普図当たり乱数5テーブル202EDに替えて普図当たり6テーブル202FDを、変動パターン5テーブル202EEに替えて変動パターン6テーブル202FEを、普図変動パターン選択テーブル202EFに替えて普図変動パターン選択6テーブル202FFを、設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図381(A)を参照して、普図当たり種別選択6テーブル202FDの内容について説明をする。図381(A)は、普図当たり種別選択6テーブル202FDの内容を模式的に示した模式図である。本第6制御例では、図381(A)に示した通り、普図当たり種別として、普図当たりAと普図当たりB1と普図当たりB2とを設けた点で、上述した普図当たり種別選択5テーブル202EDと相違している。
具体的には、普通図柄の確率状態が低確率状態(普図低確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0」に「普図当たりA」が規定され、「1〜50」の範囲に「普図当たりB1」が規定され、「51〜99」の範囲に「普図当たりB2」が規定されている。また、普通図柄の確率状態が高確率状態(普図高確)であって、取得した第2当たり種別カウンタC6の値が「0,1」の範囲に「普図当たりA」が規定され、「2〜50」の範囲に「普図当たりB1」が規定され、「51〜99」の範囲に「普図当たりB2」が規定されている。
次に、普図当たり種別選択6テーブル202FDにて選択される普図当たり種別と、普図当たり遊技が実行される時点における遊技状態との関係性について、図381(B)を参照して説明をする。図381(B)は、普図当たり種別と遊技状態とに基づく電動役物640Aの開放動作内容との関係性を示した図である。
本第6制御例では、上述した第5制御例に対して、普図当たり種別として「普図当たりB」に替えて「普図当たりB1」と「普図当たりB2」とを設けた点で相違しているが、本制御例の「普図当たりB1」に対する電動役物640Aの開放動作内容は、上述した第5制御例の「普図当たりB」の開放動作内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
普図当たり種別が「普図当たりB2」であって、普図当たり遊技が開放される時点での遊技状態が時短状態(普図高確)である場合には、普図当たり遊技として「ロング開放B」の開放動作が実行される。この「ロング開放B」が設定されると、0.1秒の閉鎖状態(オープニング期間)を経て、電動役物640Aを1.5秒間開放させる普図当たり遊技が実行される。この開放動作の流れは、図示しない普図当たりシナリオに規定されており、普図当たり遊技を実行する際に、普図当たり種別と遊技状態とに対応した普図当たりシナリオが設定され、主制御装置110のメイン処理において普図当たりシナリオを定期的に更新することで、上述した普図当たり遊技の流れに対応させて電動役物640Aの開放動作が実行される。
つまり、本第6制御例では、時短状態中に普図当たりに当選すると、普図ロング開放当たり遊技として「ロング開放A」と「ロング開放B」との何れかの普図当たり遊技が実行される。何れの普図当たり遊技が実行されたとしても、電動役物640Aが開放している期間は1.5秒と共通であり、時短状態中に普図当たり遊技が実行される場合は、何れの普図当たり遊技が実行されたとしても遊技者に対して同一の特典を付与可能な状態を提供することができるように構成している。
しかし、「ロング開放A」と「ロング開放B」とでは、普図当たり遊技が開始されてから、電動役物640Aが開放状態(第2入賞口640に球を入賞させ易い状態)となる期間が異なっており、「ロング開放A」が設定された場合には、普図当たり遊技が開始されてから、2.6秒後(0.1秒のオープニング期間含む)〜3.1秒後までの期間で電動役物640Aを開放状態に開放動作させるように構成している。
よって、時短状態が終了する間際において、「ロング開放A」の開放動作が実行される普図当たりに当選した場合には、同タイミングで「ロング開放B」の開放動作が実行される普図当たりに当選する場合よりも、時短状態が終了し、通常状態が設定された後に電動役物640Aが開放状態となり易くすることができる。
次に、図382を参照して、変動パターン6テーブル202FEが有する通常用変動パターン6テーブル202FE1の内容について説明をする。図382は、通常用変動パターン6テーブル202FE1に規定されている内容を模式的に示した模式図であって、上述した第5制御例の通常用変動パターン5テーブル202EE1(図339(B)参照)に対して、第2特別図柄(特図2)の変動パターンとして選択される内容を異ならせている点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
本第6制御例では、大当たり終了後に設定された時短状態の種別(時短A、時短B)に応じて、大当たり終了後からの特図変動回数が所定回数に到達するまでに実行される特図2変動の変動パターン(変動時間)を異ならせるように構成している。
具体的には、時短状態として時短A(時短1回、或いは時短99回)が設定された場合は、大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「1〜99回目」の範囲で通常状態中における特図2変動が実行された場合には、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定され、「100〜151回目」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特図2抽選の結果が「外れ」の場合は「超短外れ(0.1秒)」が、「当たり(大当たり、小当たり)」の場合は「ロング当たり(20秒)」が設定され、「152回目以降」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定されるように規定されている。
ここで、本第6制御例では、上述した第5制御例と同様に、時短状態を終了させる時短終了条件として複数の時短終了条件(共通時短終了条件、対応時短終了条件)が設定されるように構成されており、例えば、時短99回が設定される時短状態(特図2変動の変動回数が99回に到達した場合に成立する対応時短終了条件が設定された時短状態)であっても、小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に球がV入賞口650A内の特定領域を通過せず、大当たり遊技が実行されなかった場合に、共通時短終了条件が成立し時短状態が終了するように構成している。よって、時短99回が設定された場合であっても、大当たり終了後からの特図変動回数が2回目移行に通常状態における特図2抽選が実行される可能性がある。
図382に示した通り、時短Aが設定された場合は、大当たり終了後からの特図変動回数が「100〜151回目」において特図2変動が実行される場合に0.1秒の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態が設定された状態で当たり当選すること無く時短99回を完走した場合には、その時点で保留記憶されている特図2保留に対する変動時間として0.1秒の変動時間が設定される。また、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行される場合には、通常状態中に球が第2入賞口640に入賞し、0.1秒の変動時間で特図2変動が実行されるため、普図当たり遊技中に複数の球が第2入賞口640に入賞したとしも、その入賞数に応じた回数の特図2変動が実行され易くなるように構成している。
一方、時短回数1回の時短状態が設定された場合は、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行される場合であっても、特図2変動として10秒の変動時間が設定されるため、普図当たり遊技中に複数の球が第2入賞口640に入賞したとしも、その特図2保留の記憶数を上限とした回数しか特図2変動が実行されないように構成している。
また、時短B(時短5回が設定される時短状態)が設定された場合は、大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「1〜5回目」の範囲で通常状態中における特図2変動が実行された場合には、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定され、「6〜20回目」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特図2抽選の結果が「外れ」の場合は「超短外れ(0.1秒)」が、「当たり(大当たり、小当たり)」の場合は「ロング当たり(20秒)」が設定され、「21回目以降」の範囲では、変動種別カウンタCS1の値、及び、特図2抽選の結果に関わらず「短変動(10秒)」が設定されるように規定されている。
以上、説明をした通り、本制御例では、異なる時短終了条件が設定される3つの時短状態(時短1回、時短5回、時短99回)のうち、時短5回が設定される時短状態と、時短99回が設定される時短状態と、の2種類の時短状態において、特図変動回数が規定する時短回数に到達することにより時短状態が終了し通常状態が設定される場合に、0.1秒の特図2変動を実行可能に構成している。
そして、特図2変動として設定される0.1秒は、上述した通り、普図ロング開放当たり遊技における電動役物640Aの連続開放期間(0.5秒、1秒、1.5秒)よりも短いため、1回の普図ロング開放当たり遊技において、複数の球を第2入賞口640に入賞させることで多くの特図2変動を実行させることが可能となる。
よって、設定された時短状態、及び、成立した時短終了条件に応じて、時短状態終了後における特図2抽選の実行のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態が終了する場合における遊技意欲の低下を抑制することができる。
加えて、本制御例では、時短1回の時短状態が設定された場合において、大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「100〜151」となる期間内に特図2変動が実行された場合、即ち、時短1回の時短状態が終了し、その後、通常状態の左打ち遊技を実行している最中に、普図ロング開放当たりに当選し、特図2抽選が実行されるタイミングが大当たり遊技終了後からの特図変動回数が「100〜151」となる場合には、特図2抽選の抽選結果が外れの場合に0.1秒の短変動が実行されるように構成しているため、通常状態中の普図ロング開放当たり当選時に複数回の特図2変動が実行可能となる。
このように構成することで、時短状態終了後だけでは無く、通常状態における普図ロング開放当たり当選時においても、特図2抽選を有利に実行可能な期間を設定することができるため、遊技者に対して、特図変動回数を意識させて通常状態の遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、長期間遊技を行っている遊技者は、前回の時短状態の内容(時短回数)を把握することができ、更に、通常状態中の普図ロング開放当たり当選にて特図2抽選を有利に実行可能な特図変動回数(大当たり遊技終了後からの特図変動回数)を予測することができ、他の遊技者よりも有利に遊技を行うことができることから、継続して遊技を行う意欲を高めさせることができる。
なお、本第6制御例では、特定の時短状態が設定された場合において、その時短状態が特定の時短終了条件の成立によって終了した場合において、特図2変動の変動時間として短時間(0.1秒)の変動パターンが選択されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態中の普図ロング開放当たりに当選したタイミングに応じて、短時間(0.1秒)の変動パターンが選択される範囲を別途設けるように構成しても良い。これにより、どのタイミングで普図ロング開放当たりに当選した場合に特図2抽選を有利に実行させることができるのかを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本制御例では、特図2変動の変動パターンを、時短状態の種別、及び、大当たり遊技終了後からの特図変動回数に基づいて選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態の種別と、時短状態が終了してからの特図変動回数とに基づいて特図2変動の変動パターンを選択するように構成しても良い。このように構成することで、どの時短終了条件で時短状態が終了したとしても、時短状態終了後における特図2変動の変動パターンとして同一の変動パターンを選択することが可能となり、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、同一の時短状態の種別が設定された場合に、異なる変動パターンが選択されるように構成しても良く、例えば、時短状態として時短5回が設定される時短種別を複数設け、その複数の時短種別のうち、特定の時短種別が設定された場合にのみ、時短状態終了後に短時間(0.1秒)の特図2変動が実行され得るように構成しても良い。これにより、時短状態が設定された時点で(残時短回数を把握した時点で)、時短状態終了後の遊技内容を遊技者に予測され難くすることができる。
加えて、本制御例では、特図2抽選が有利に実行される状態(サポート状態)として、0.1秒の変動時間が設定されるように構成しているが、普図当たり遊技における電動役物640Aの開放時間よりも短い変動時間が設定されるように構成していれば良く、複数種類の変動時間(例えば、0.1秒の他に、0.2秒、0.3秒)の中から一の変動時間が選択されるように構成しても良い。このように構成することで、特図2抽選が有利に実行される状態(サポート状態)において設定される特図2変動時間の長さによって、サポート状態中に実行可能な特図2抽選の回数が可変することになるため、遊技者にサポート状態中の遊技内容を注視させることができる。
次に、普図変動パターン選択6テーブル202FFの内容について、図383を参照して説明をする。図383(A)は、普図変動パターン選択6テーブル202FFの内容を模式的に示した模式図であり、図383(B)は、普図変動パターン選択6テーブル202FFが有する時短A用普図変動パターンテ−ブル202FF2に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図383(C)は、普図変動パターン選択6テーブル202FFが有する時短B用普図変動パターンテーブル202FE3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図383(A)に示した通り、普図変動パターン選択6テーブル202FFは、遊技状態として通常状態が設定された場合に参照される通常用普図変動パターンテーブル202FF1と、時短状態の種別として「時短A」が設定された場合に参照される時短A用普図変動パターンテ−ブル202FF2と、「時短B」が設定された場合に参照される時短B用普図変動パターンテ−ブル202FE3、を有している。
通常用普図変動パターンテーブル202FF1に規定されている内容については、上述した第5制御例における普図変動パターン選択テーブル202EFの通常状態(普図低確)時に参照される内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。一方、時短状態(普図高確)時に参照される普図変動パターンテーブルは、上述した第5制御例の普図変動パターン選択テーブル202EFに対して、設定される時短状態の種別、及び、大当たり終了後の特図変動回数に基づいて選択される普図変動パターンを異ならせるように構成している点で相違している。
ここで、図383(B)を参照して、時短A用普図変動パターンテ−ブル202FF2に規定されている内容について説明をする。この時短A用普図変動パターンテ−ブル202FF2は、時短状態の種別として「時短A」、即ち、時短回数1回、或いは99回が設定された場合に参照されるデータテーブルであって、図383(B)に示した通り、大当たり終了後からの特図変動回数と、取得した第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて様々な普図変動パターン(変動時間)が規定されている。
具体的には、大当たり終了後からの特図変動回数が「1〜98回」であって、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜629」の範囲には、「短変動(2秒)」が、「630〜999」の範囲には、「超短変動(0.1秒)」が規定されており、特図変動回数が「99回」であって、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜709」の範囲には、「超短変動(0.1秒)」が、「710〜989」の範囲には、「中変動(10秒)」が規定され、「990〜999」の範囲には、「短変動(2秒)」が規定されている。
つまり、時短1回が設定された場合における時短最終変動では、普図変動パターンとして、63%が2秒、37%が0.1秒を選択するように構成され、時短99回が設定された場合における時短最終変動では、普図変動パターンとして、71%が0.1秒、28%が10秒、1%が2秒を選択するように構成されている。ここで、普図変動パターンとして短い変動時間が設定される程、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行され易くなることから、時短1回が設定された時短状態よりも、時短99回が設定された時短状態のほうが、時短状態終了後に第2入賞口640に球を入賞させ易い状態(サポート状態)が設定され易くすることができる。
一方、特図変動回数が「99回」の場合では、28%の確率で10秒の普図変動時間が選択されるように構成しており、この10秒の普図変動時間が選択された場合には、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行され難くなる。また、本制御例では、時短終了条件として時短99回が設定された場合において、その時短終了条件が成立する特図変動(99回目の特図変動)の実行中における普図変動時間として、他の期間よりも0.1秒の普図変動時間が選択され易くなるように構成しているため、時短状態の最終変動を実行させること無く、0.1秒の普図変動を継続して実行させることで過剰に特典(第2入賞口640に球を入賞させることにより払い出される賞球)を獲得する遊技を行われ難くすることができる。
また、時短最終変動として設定される特図変動と、普図変動とが異なる契機で設定され、且つ、右打ち遊技によって発射された球により何れかの実行契機が成立し得るように遊技盤13を構成しているため、特図変動の終了タイミングに合わせて普図変動(普図当たり変動)を実行させる遊技を行われ難くすることができる。
次に、図383(C)を参照して、時短B用普図変動パターンテ−ブル202FE3に規定されている内容について説明をする。時短B用普図変動パターンテ−ブル202FE3は、時短状態の種別として「時短B」、即ち、時短回数5回が設定された場合に参照されるデータテーブルであって、図383(C)に示した通り、大当たり終了後からの特図変動回数と、取得した第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて様々な普図変動パターン(変動時間)が規定されている。
具体的には、大当たり終了後からの特図変動回数が「1〜4回」であって、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜629」の範囲には、「短変動(2秒)」が、「630〜999」の範囲には、「超短変動(0.1秒)」が規定されており、特図変動回数が「5回」である場合は、取得した第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず「超短変動(0.1秒)」が規定されている。なお、時短状態は最高で5回に設定されているため、特図変動回数6回目以降に対応する値は設定されていない。
上述した通り、時短5回の時短状態が設定された場合には、その時短最終変動中は必ず0.1秒の変動時間で普図変動が実行されるように構成されている。よって、時短状態の終了タイミングを跨ぐように普図当たり遊技が実行され易くなる。
以上、説明をした通り、本制御例では設定された時短状態の種別(時短A、B)に応じて、特別図柄の変動時間、及び、普通図柄の変動時間を異ならせて設定可能に構成しており、時短5回が設定される時短種別(時短B)が最も時短状態終了後に特図2抽選を実行し易い状態(サポート状態)を設定し易くし、次いで、時短99回、時短1回の順となるように構成している。
これにより、時短状態中に大当たり遊技を実行させる条件が成立しなかった場合に、遊技者に対して特典(サポート状態)を付与可能とし、さらに、設定された時短状態の種別に応じて、特典付与確率を異ならせることで、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、特図2変動の変動パターンを選択する際、或いは、普図変動の変動パターンを選択する際に、大当たり遊技終了後の特図変動回数を参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図2変動の変動回数のみを参照して各変動パターンを選択するように構成しても良いし、普図変動の変動回数を参照するように構成しても良い。また、設定された時短終了条件の成立具合を参照して各変動パターンを選択するように構成しても良い。
また、本制御例では、特図2変動の変動パターンを選択する際、或いは、普図変動の変動パターンを選択する際に、大当たり遊技終了後の特図変動回数を参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に当選した小当たり種別に基づいて、各変動パターンを選択する際に用いる変動パターンテーブルを可変させても良いし、小当たり遊技終了後の特図変動回数や普図変動回数に基づいて各変動パターンを選択するように構成しても良い。
<第6制御例における制御処理について>
次に、図384、図385を参照して、本第6制御例における制御処理の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して、普通図柄変動処理5(図350のC106参照)に替えて普通図柄変動処理6(図384のC136参照)を実行する点と、主制御装置110における各種判別処理において参照するデータテーブルの内容(図380〜図383参照)が異なる点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、参照するデータテーブルの内容を変更した点、及び、参照するデータテーブルの内容を変更したことに対応して変更される各種処理内容についても、単に数値を変更しただけであり技術思想的には同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図384を参照して、普通図柄変動処理6(C136)の内容について説明をする。図384は、普通図柄変動処理6(C136)の内容を示したフローチャートである。普通図柄変動処理6(C136)が実行されると、上述した第5制御例の普通図柄変動処理5(図350のC106参照)と同一のC601〜C611の処理を実行し、C611の処理において、今回の普通図柄の抽選が当たりであると判別した場合は(C611:YES)、普図当たり種別選択6テーブル202FDを参照して今回の普図当たり種別を設定し(C641)、当たり時(普図当たり時)の表示態様を設定し(C613)、C642の処理へ移行する。一方、C611の処理において、今回の普通図柄の当たり抽選が外れであると判別した場合は(C611:NO)、外れ時の表示態様を設定し(C614)、C642の処理へ移行する。
C642の処理では、普図変動パターン選択6テーブルに基ついて今回の普図変動パターンを設定し(C642)、各設定内容(当たり抽選の当否判定、普図変動パターン)に対応するコマンドを設定し(C623)、本処理を終了する。一方、C602の処理において、現在が普図変動中であると判別した場合は(C602:YES)、上述した第5制御例の普通図柄変動処理5(図350のC106参照)と同一のC618〜C623の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図385を参照して、本第6制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理内容は、上述した第5制御例の音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、普図用演出設定処理(図371のC4117参照)に替えて普図用演出設定処理6(図385のC4167参照)を実行するように構成した点で相違している。それ以外の制御処理は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図385は、普図用演出設定処理6(C4167)の内容を示したフローチャートである。図385に示した通り、普図用演出設定処理6(C4167)では、上述した普図用演出設定処理(図371のC4117参照)に対して、時短状態の特図最終変動期間中に実行される演出態様を設定するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一であり、同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
普図用演出設定処理6(C4167)が実行されると、上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371のC4117参照)と同一のC4201〜C4212の処理を実行し、本処理を終了する。また、C4202の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合は(C4202:NO)、次に、現在が時短状態の最終変動中であるかを判別し(C4251)、最終変動中では無いと判別した場合は(C4251:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、C4251の処理において、現在が時短状態の最終変動中であると判別した場合は(C4251:YES)、特図変動時間カウンタ223EGの値を取得し、実行中の特図変動の残期間を抽出する(C4252)。
そして、実行中の特図変動の終了タイミングが普図ロング当たり遊技中となるかを判別し(C4253)、普図ロング開放当たり遊技中となると判別した場合は(C4253:YES)、今回の時短状態終了タイミングを跨ぐ用に普図ロング開放当たり遊技が実行されるため、時短終了後に特図2変動ゾーン(サポート状態)が設定されることを示唆するための表示用コマンドを設定し(C4254)、本処理を終了する。C4254の処理によって表示用コマンドが設定されると、その表示用コマンドが他の表示用コマンドと同様の処理で表示制御装置114へと出力され、図379(A)に示す演出画面が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。
C4253の処理において、時短終了タイミングでロング開放されないと判別した場合は(C4253:NO)、そのまま本処理を終了する。なお、本制御例ではC4253の処理において時短終了タイミングでロング開放されないと判別した場合に(C4253:NO)そのまま本処理を終了するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定された時短状態はサポート状態を設定し易い時短状態(例えば、時短B)であったが、特図変動と普図変動との実行タイミングが悪くサポート状態が設定されなかったのか、そもそも、サポート状態を設定し難い時短状態(例えば、時短A)が設定されていたのかを判別する手段を設け、遊技者にその判別結果を報知(示唆)可能な表示態様を表示するように構成しても良い。また、今回の普図変動の終了タイミング、及び、今回の普図変動に基づいて実行される普図当たり遊技の終了タイミングにおいて、時短状態の最終変動が終了しているか否かを判別する手段を設け、今回の普図変動の終了タイミング、及び、今回の普図変動に基づいて実行される普図当たり遊技の終了タイミングにおいて、時短状態の最終変動が終了していないと判別した場合は、その判別結果を示唆(報知)するように構成しても良い。
以上、説明をした通り、本第6制御例は、上述した第5制御例と同様に、第1特別図柄抽選(特図1抽選)よりも、第2特別図柄抽選(特図2抽選)のほうが小当たりに当選し易くなるように設定し、遊技状態として時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定された場合よりも、特図2抽選が実行され易くなるように構成している。そして、小当たり遊技中に開放状態となるV入賞口650Aに球を入賞させ、その球が特定領域(Vゲート)を通過した場合に、大当たり遊技の実行契機が成立するように構成している。
そして、時短状態を終了させるための時短終了条件として第1終了条件(特図変動回数(特図2変動回数)が規定回数(例えば、5回))に到達した場合に成立する条件)と、第2終了条件(時短状態中における特図抽選によって、特定の小当たりに規定回数(例えば、1回)当選した場合に成立する条件)と、を少なくとも有し、第1終了条件が成立する場合にのみ、遊技者に有利な有利状態を付与可能に構成している。具体的には、第1終了条件が成立する特図変動中において、普通図柄の変動時間を極端に短く(普図変動時間0.1秒)し、1回の特図変動期間内に多くの普図変動を実行可能に構成している。
これにより、第1終了条件が成立したことに基づいて時短状態が終了する場合には、その時短状態の最終変動(特図最終変動)にて、実行される普図変動の変動期間を短くすることができる。これにより、時短状態の最終変動(特図最終変動)中に普図ロング開放当たり遊技を実行させ易くすることができ、ひいては、普図ロング開放当たり遊技の実行中に時短状態が終了し、通常状態が設定された後も、普図ロング開放当たり遊技を継続させ易くすることができる。
つまり、本制御例では、時短状態(1回、5回、99回)が設定されている状態において、特図2抽選を実行し、第1特典(小当たり当選(小当たり当選確率約1/7))が付与されることを目指す遊技を行わせる一方、時短状態中に実行される特図2抽選にて小当たりに当選すること無く所定回数の特図2抽選が実行される場合において、第1特典とは異なる第2特典(普図変動として短変動が実行される期間)が付与されるように構成している。このように構成することで、時短状態中における遊技結果(特図2抽選結果)として小当たりに当選する場合も、当選しない場合も遊技者に有利な特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
さらに、本制御例では、特定の時短状態(例えば、時短5回)における特図最終変動の実行期間中に普図変動として短変動が実行される期間が設定されるように構成しているため、時短状態が終了した時点で、第2特別図柄(特図2)の保留記憶数を上限(4個)まで獲得させ易くすることができる。さらに、普図変動時間を短くすることで、単位時間当たりにおいて電動役物1640Aが開放している期間が占める割合を増加させることができるため、普図当たり遊技が実行されている状態(電動役物1640Aが開放している状態、或いは、電動役物1640Aが開放する期間を残した状態)で通常状態が設定され易くすることができる。
これにより、通常状態が設定された後にも第2入賞口1640に球を入賞させ易くすることができるため、第2特典が付与された場合には、第2特典が付与されなかった場合よりも多くの特図2抽選を実行させることができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第6制御例におけるパチンコ機10は、特定遊技(例えば、小当たり遊技)中に、球が入球し難い第1状態(閉鎖状態)から、その第1状態よりも球が入球し易い第2状態(開放状態)へと可変される特定入球手段(V入賞口650A)を設け、その特定入球手段(V入賞口650A)に入球した球が特定領域(Vゲート)を通過したことに基づいて、大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技が実行された場合に開放動作されるV入賞口650Aに球が入球した場合に、遊技者に所定数の賞球を払い出す特典が付与されるパチンコ機10に本制御例にて説明をした技術を適用しても良い。この場合においても、特図1抽選に対して特図2抽選のほうが小当たりに当選する確率が高くなるように構成することで、上述した第2特典が付与された場合に遊技者に有利な遊技状態を提供することができる。
さらに、本第6制御例では、図383を参照して説明をした通り、上述した第2特典が付与される期間が、時短状態の最終変動が実行されている期間(特定の時短終了条件が成立する期間)としているが、これに限ること無く、例えば、時短99回が設定されている場合において、時短状態が設定された直後(例えば、時短状態が設定されてからの特図変動回数が1〜5回の期間)や、時短状態が設定されてから所定期間経過後(例えば、時短状態が設定されてからの特図変動回数が45〜50回の期間)の期間において第2特典が付与されるように、普図変動パターン6テーブル202FEに規定されている内容を構成しても良い。また、同一の時短終了条件が設定される時短状態に対して、複数の時短種別を設け、設定される時短種別に応じて、第2特典が付与される期間を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された場合において、どのタイミングで第2特典が付与されるのかを遊技者に分かり難くさせることができるため、第2特典が付与されることを期待させながら時短状態中の遊技を行わせることができる。
<第6制御例の変形例について>
次に、上述した第6制御例の変形例について説明をする。上述した第6制御例では、時短状態において所定条件が成立すると、即ち、特定の時短状態(時短5回の時短状態)が設定されている状態で、5回目の特図変動が実行されると、普通図柄(普図)の変動時間として短時間(0.1秒)の変動時間が選択され易い有利遊技が実行されるように構成し、時短状態の終了間際、或いは、時短状態の終了直後において球を第2入賞口640に入賞させ易くするように構成していた。そして、上述した第6制御例では、図378に示した通り、遊技盤13の右側遊技領域に電動役物640Aが付随する第2入賞口640を設け、右打ち遊技を実行した場合に、第2入賞口640には入賞し得るが、第1入賞口64には球が入賞し得ないように構成していた。
これに対し、本変形例では、右側遊技領域に設けられた第2入賞口640の下方位置、具体的には、電動役物640Aが閉鎖状態である場合は、右打ち遊技によって発射された球が入賞可能であって、電動役物640Aが開放状態である場合は、右打ち遊技によって発射された球が入賞困難となる位置に、第1入賞口64が配設された遊技盤13を用いている。なお、それ以外の遊技盤13の構成は、上述した第6制御例と同一であるためその説明を省略する。
さらに、本変形例では、第1特別図柄(特図1)と、第2特別図柄(特図2)と、が取得情報を取得した順(対応する入賞口に球が入賞した順)で変動(抽選)が実行されるように構成している点と、特図2の取得情報を保留記憶する構成を削除した点と、で上述した第6制御例と相違している。それ以外の内容については上述した第6制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
このように構成された本変形例では、時短状態中に第2特典(普図変動時間として短時間(0.1秒)が設定され易い遊技期間)が付与され、普図当たり遊技中に通常状態が設定された場合には、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に入賞し易くなり、第1入賞口64に入賞し難くすることができる。よって、通常状態中に特図2変動を実行させ易くすることができる。一方、普図当たり遊技中以外のタイミングで通常状態が設定された場合には、右打ち遊技によって発射された球が第1入賞口64に入賞し易くなる。そして、特図2の保留を記憶するための構成を有していないことから、特図1変動が実行されている最中に第2入賞口640に球が入賞したとしても特図2変動が実行されないように構成されている。
つまり、本変形例では、電動役物640Aの開放動作が、第2入賞口640へ球を誘導するための誘導手段と、第1入賞口64への球の入賞を制限するための制限手段として機能するように構成している。このように構成することで、時短状態中に第2特典が付与された場合と、付与されなかった場合とで、時短状態が終了し、通常状態が設定された場合において遊技者に付与される特典を大きく異ならせることができる。よって、遊技者に対して、第2特典が付与されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
<第7制御例>
次に、図386から図397を参照して、第7制御例について説明をする。上述した第5制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選結果、或いは、普通図柄の抽選結果に基づいて実行される変動演出として一連演出を実行可能に構成し、一連演出が実行された場合に、今回の一連演出の実行契機が特図抽選なのか普図抽選なのかを分かり難くし、遊技者に演出結果(抽選結果)を予測させる楽しみを提供するように構成していた(図317参照)。
しかしながら、実行される当たり遊技(普図当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)によって、左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を可変させるための報知態様(主表示領域DMの小表示領域DM4の表示態様)が表示されるタイミングによって、今回の一連演出がどの図柄抽選に基づくものであるのかを判別されてしまう虞があった。
これに対して、本第7制御例では、特別図柄抽選(特図抽選)、或いは普通図柄抽選(普図抽選)を契機に実行される演出(セット演出)にて、何れの図柄抽選であっても、同一タイミングで左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を可変させるための報知態様(主表示領域DMの小表示領域DM4の表示態様)を表示可能に構成している。以下、本第7制御例の特徴的な構成、及び制御内容について説明をする。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
<第7制御例のパチンコ機10における遊技盤構成について>
まず、図386〜図388を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成について説明をする。本第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第5制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成(図315参照)に対して、右側遊技領域の構成を異ならせており、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図386は、本第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13を模式的に示した模式図である。本第7制御例では、遊技者が右打ち遊技を行うことで右側遊技領域を流下する球が、各当たり遊技(普図当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)によって入賞可能となる各入賞口(第2入賞口640、V入賞口650A、特定入賞口65A)へと到達する時間が異なるように構成されており、具体的には、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に到達するまでの時間が約4秒、V入賞口650Aに到達するまでの時間が約2秒、特定入賞口65Aに到達するまでの時間が約6秒となるように構成している。
ここで、本制御例の右側遊技領域の構成について、図386〜図388を参照して詳細に説明をする。図386に示した通り、右側遊技領域の上方には、球を複数の球経路に振分可能な振分手段700が設けられており、振分手段700によって振り分けられた球が第1経路701と、第2経路702とに交互に振り分けられるように構成されている。
第1経路701は、蛇行状の球通路によって形成されており、球が第1経路701を通過するのに約3秒要するように構成されている。そして、第1経路701を通過した球は、可変入賞装置65、と、電動役物640Aとが設けられた流路ユニットの上面に到達する。流路ユニットは、その上面がアウト口66方向に向けて下り傾斜となるように構成されており、その上面に形成される流路の一部として、電動役物640A、及び、入賞扉65Bが設けられている。電動役物640A、及び、入賞扉65Bが共に閉鎖状態である場合は、流路ユニットの上面を流下した球が流路ユニットの上面の最下端(アウト口66側の端)から流出し、アウト口66に流入するように構成されている。
第1経路701を通過した球が電動役物640Aの上面に到達するまでに要する時間が約1秒となるように構成し、さらに、電動役物640Aの上面(流路ユニットの上面の球流路を形成している面)には、球の流下を遅延させるための遅延部材が設けられており、電動役物640Aの上面を球が流下するのに要する時間が約2秒となるように構成している。ここで、本第7制御例では、電動役物640Aの上面を球が直線上に流下しないように奥行き方向に蛇行させた蛇行流路が電動役物640Aの上面に構成されている。これにより、球の流下を遅延させることが可能となる。
一方、振分手段700によって、第2経路702へと振り分けられた球は第1経路の奥行き方向に形成された直線上の通過流路の開口部704Aに流入し、通過流路出口付近に設けられたV入賞口650Aに向けて流下するように構成しており、右打ち遊技によって発射された球が約2秒でV入賞口650Aに到達するように構成している。
以上説明をした通り、本制御例のパチンコ機10では、右打ち遊技によって発射された球が各当たり遊技(普図当たり遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)によって入賞可能となる各入賞口(第2入賞口640、V入賞口650A、特定入賞口65A)へと到達する時間が異なるように構成されており、具体的には、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に到達するまでの時間が約4秒、V入賞口650Aに到達するまでの時間が約2秒、特定入賞口65Aに到達するまでの時間が約6秒となるように構成している。
このように構成することにより、右打ち遊技によって発射された球がどの入賞口に入賞するのかを順を追って確認することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、詳細は後述するが、本制御例では、特図抽選において小当たり当選した場合と、大当たり当選した場合とで異なる特図変動時間が設定されるように構成し、各当たり遊技が実行された直後に球を当たり遊技によって開放された入賞口に入賞させるために、特図変動時間中に右打ち遊技を案内する報知を行うように構成している。そして、小当たり当選した場合も、大当たり当選した場合も、特図変動が開始されてからセット演出を実行し、特定時間が経過した同一タイミングで右打ち遊技を案内する報知を行うように構成している。これにより、右打ち遊技を案内する報知が行われたタイミングによって、今回の抽選結果を遊技者に判別されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
加えて、本制御例では、普図抽選によって普図ロング開放当たりに当選した場合において、セット演出の特定タイミングで右打ち遊技を案内する報知を行うようにセット演出の実行タイミングを設定するように構成している。このように構成することにより、セット演出が実行され、右打ち遊技を案内する報知が行われたとしても、今回のセット演出の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
次に、図389を参照して、本第7制御例における各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)の変動演出として用いられる一連演出と、右打ち遊技を案内する右打ち報知の表示タイミングとの関係について説明をする。図389は、各図柄変動における実行演出(報知)の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図389に示した通り、本制御例では、図柄変動が開始されてから所定期間(54秒)の演出(一連演出)が実行され、その後、遊技者に対して右打ち遊技を案内する案内報知(右打ち報知)が実行される。そして、案内報知が実行されたことに基づいて遊技者が右打ち遊技を実行すると、右打ち遊技によって発射された球が、今回実行されている図柄変動の抽選結果に応じて開放動作される各入賞口(第2入賞口640、V入賞口650A、特定入賞口65A)に入賞するように構成されている。
具体的には、大当たり当選している特図1変動(60秒)に基づいて一連演出(54秒)が実行された場合は、変動開始から54秒後(特図1変動中)に右打ち報知が実行される。そして、右打ち遊技によって発射された球が特定入賞口65Aに到達するタイミング(右打ち遊技を行ってから6秒後)で大当たり遊技が開始される。
また、小当たり当選している特図1変動(58秒)に基づいて、一連演出(54秒)が実行された場合は、変動開始から54秒後(特図1変動中)に右打ち報知が実行される。そして、右打ち遊技によって発射された球がV入賞口650Aに到達するタイミング(右打ち遊技を行ってから4秒後)に小当たり遊技が開始される。なお、本制御例では、小当たり遊技中に球がV入賞口650Aに入賞した場合に、必ずVゲートを通過するように構成されており、小当たり遊技中に球がV入賞口650Aに入賞した場合には、小当たり遊技の開始から2秒後に大当たり遊技が開始されるように構成されている。これにより、特図1変動で大当たりに当選した場合と、小当たりに当選した場合とで、変動開始から実行される変動演出(一連演出)の演出態様、及び、右打ち遊技を案内する案内報知の実行タイミング、に加え、変動開始から大当たり遊技が開始されるタイミングまで同一にすることが可能となる。よって、遊技者に対して、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
さらに、当たり当選している普図変動(54秒)に基づいて、一連演出(54秒)が実行された場合は、変動開始から54秒後(普図変動停止時)に右打ち報知が実行される。そして、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640に到達するタイミング(右打ち遊技を行ってから2秒後)で普図当たり遊技が開始される。なお、この普図変動に基づいて一連演出が実行された場合も、普図当たり遊技を経由した大当たり遊技の開始タイミングを、上述した特図1抽選で大当たり当選した場合、小当たり当選した場合と同一にすることができるように構成している。よって、遊技者に対して、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
また、本制御例では、右打ち遊技を案内するための案内報知(右打ち報知)が実行されてから、大当たり遊技が開始されるまでの期間(右打ち球流下期間)の複数タイミングにおいて、今回の演出結果が失敗(大当たり遊技が実行されない)であることを報知する失敗演出を実行可能に構成している。具体的には、右打ち報知が実行された2秒後、4秒後、6秒後に失敗報知タイミングを設定している。
つまり、詳細な説明、及び図示は省略するが、特図1抽選の結果が外れである場合の一部において、変動時間が56秒、58秒、60秒の変動パターンを設定するように構成し、その変動パターンが選択された際に、上述した内容と同一の変動演出を実行し、変動時間が経過したタイミングで失敗報知を実行するように構成している。そして、上述した失敗報知タイミングは、普図当たり遊技中に球を第2入賞口640へ入賞させることができなかったことが確定するタイミング、第2入賞口640に球を入賞させたことに基づいて実行される特図2変動の抽選結果が報知されるタイミング、或いは、特図2抽選の結果、小当たりに当選し、その小当たり遊技が終了するタイミングと一致するように構成している。
このように構成することで、特図1抽選の結果が外れである場合に実行される外れ一連演出の演出態様と、普図当たり当選に基づいて実行される一連演出であって、普図当たり遊技後の遊技過程において、大当たり遊技の実行に至らなかった場合に設定される演出態様とを、同一にすることが可能となる。よって、遊技者に対して、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
さらに、本制御例では、例えば、特図1変動で大当たりに当選し、60秒の特図変動が実行されている場合であっても、上述した失敗報知が実行されるか否かを煽るための煽り演出を実行するように構成している。この場合、内部的には特図1大当たり当選している状態であるため、煽り演出の結果として、失敗しないことを遊技者に報知するための成功演出態様が設定され、演出として実行される。
このように、煽り演出を実行することで、実際に失敗報知が実行される一連演出と、失敗報知が実行されない一連演出との演出態様の差異を減らすことができ、今回の変動演出(セット演出)の演出結果がどの当たり遊技を示しているのかを遊技者に分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。また、遊技者に対して実行される演出(第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出)を注視させることができるため、右側遊技領域の球流れ状況に基づいて、今回の演出結果が何であるかを事前に判別され難くすることができる。
<第7制御例における電気的構成について>
次に、図390〜図392を参照して、本制御例における電気的構成について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を一部変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図390(A)を参照して、本第7制御例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容について説明をする。図390(A)は、本第7制御例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。本制御例では、上述した第5制御例に対して、変動パターン5テーブル202EEに替えて変動パターン7テーブル202GEを、普図変動パターン選択テーブル202EFに替えて普図変動パターン選択7テーブル202GFを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図391を参照して、変動パターン7テーブル202GEの内容について説明をする。図391(A)は、変動パターン7テーブル202GEの内容を模式的に示した模式図である。図391(A)に示した通り、変動パターン7テーブル202GEは、通常用変動パターン7テーブル202GE1と、時短用変動パターン5テーブル202EE2を有しており、上述した第5制御例に対して、通常状態が設定されている状態で参照される変動パターンテーブルの内容を異ならせている。
ここで、図391(B)を参照して、通常用変動パターン7テーブル202GE1の内容について説明をする。図391(B)は、通常用変動パターン7テーブル202GE1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図391(B)に示した通り、通常用変動パターン7テーブル202GE1は、上述した第5制御例の通常用変動パターン5テーブル202EE1(図339(B)参照)に対して、第1特別図柄(特図1)の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルに規定されている内容を異ならせており、第2特別図柄(特図2)の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルに規定されている内容は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
通常用変動パターン7テーブル202GE1では、特図1抽選の抽選結果が「外れ」、「大当たり」、「小当たり」の何れであっても、セット演出を実行するための専用の変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されており、具体的には、特図1の抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に「短外れ(7秒)」が、「140〜179」の範囲に「外れ(30秒)」が、「180〜189」の範囲に「短セット演出(30秒)」が、「190〜194」の範囲に「スーパーリーチ各種(60秒)」が、「195〜198」の範囲に「「セット演出(60秒)」が規定されている。
また、特図1の抽選結果が「大当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に「ノーマルリーチ各種(30秒)」が、「30〜39」の範囲に「短セット演出(30秒)」が、「40〜179」の範囲に「スーパーリーチ各種(60秒)」が、「180〜198」の範囲に「セット演出(60秒)」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲に「スーパーリーチ各種(60秒)」が、「100〜198」の範囲に「小当たりセット演出(56秒)」が規定されている。
以上、説明をした通り、本制御例では、特図1の抽選結果に関わらず、所定の割合でセット演出を実行するための変動パターンが選択されるように構成している。そして、小当たり当選時と大当たり当選時とでセット演出として設定される変動パターン(変動時間)が異なるように構成している。具体的には、大当たり当選時はセット演出として60秒の変動時間が選択され得るようにし、小当たり当選時はセット演出として56秒の変動時間が選択され得るようにしている。つまり、大当たり当選時のセット演出の変動時間よりも、小当たり当選時のセット演出の変動時間のほうが4秒短くなるように構成している。
ここで、図386を参照して後述した通り、本制御例の遊技盤13は、右打ち遊技を実行した場合に、小当たり遊技中に開放状態となるV入賞口650Aに球が到達するのに要する時間(約2秒)よりも、大当たり遊技中に開放状態となる特定入賞口65Aに球が到達するのに要する時間(約6秒)のほうが、4秒長くなるように構成している。そして、後述するが、本制御例では、セット演出(60秒)が実行された場合に、設定されている変動時間(特図変動時間)に関わらず、セット演出が実行されてから54秒後に右打ち遊技を案内する報知(右打ち報知)を実行するように構成している。
このように構成することで、セット演出が実行されてから右打ち報知が実行されるまでのタイミングを大当たり当選、小当たり当選共に同一にすることができるため、遊技者にセット演出の演出結果を分かり難くすることができる。さらに、セット演出が実行されてから54秒経過後に右打ち報知を行い、その右打ち報知に基づいて遊技者が右打ち遊技をした場合に、今回のセット演出の実行契機となる特図抽選結果が何れ(大当たり、小当たり)であったともして、右打ち遊技によって発射された球を開放状態となる何れかの入賞口に入賞させることができる。
次に、普図変動パターン選択7テーブル202GFの内容について、図392を参照して説明をする。図392は、普図変動パターン選択7テーブル202GFの内容を示した模式図である。図392に示した通り、普図変動パターン選択7テーブル202GFは、上述した第5制御例の普図変動パターン選択テーブル202EF(図338参照)において普図ロング変動B(60秒)が規定されていた範囲に、普図ロング変動C(58秒)を規定した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
普図変動パターン選択7テーブル202GFに示した通り、遊技状態が通常状態(普図低確)で普図抽選の結果が普図当たりAで、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「500〜999」の範囲、及び、遊技状態が通常状態(普図低確)で普図抽選の結果が外れで、取得した第2変動種別カウンタCS2の値が「800〜999」の範囲に、変動パターンとして「普図ロング変動C(58秒)」が規定されている。
そして、普図ロング変動Cが選択された場合には、セット演出が実行され得るように構成している。つまり、普図ロング変動Cに基づいてセット演出が実行された場合にも、そのセット演出が実行されてから54秒経過後に右打ち報知が実行される。そして、その右打ち報知に基づいて遊技者が右打ち遊技を行った場合に、発射された球が第2入賞口640に入賞するように構成している。
このように構成することで、セット演出が実行されてから右打ち報知が実行されるまでのタイミングを大当たり当選、小当たり当選、普図当選で同一にすることができるため、遊技者にセット演出の演出結果を分かり難くすることができる。さらに、セット演出が実行されてから54秒経過後に右打ち報知を行い、その右打ち報知に基づいて遊技者が右打ち遊技をした場合に、今回のセット演出の実行契機となる図柄抽選結果が何れ(大当たり、小当たり、普図当たり)であったともして、右打ち遊技によって発射された球を開放状態となる何れかの入賞口(特定入賞口65A、V入賞口650A、第2入賞口640)に入賞させることができる。
さらに、本制御例では、特図保留及び普図保留を先読みし、特図変動の開始タイミングが、所定期間(例えば、70秒)の間、特図抽選で当たり当選とならない場合で、且つ、その特図変動の開始タイミングから所定範囲期間後(例えば、58秒〜62秒後)に普図抽選で当たり当選し、当たりロング開放当たり遊技が実行されるタイミングであると判別した場合に、その特図変動の開始タイミングからセット演出を実行するように構成し、その特図変動の開始タイミングから実行されるセット演出が開始されてから54秒後に普図ロング開放当たり遊技に対応した右打ち報知を実行するように構成している。
このように、特図変動の内容と普図変動の内容とを先読みし、何れかの図柄変動開始タイミングにてセット演出を実行可能と判別した場合にセット演出を実行可能にすることで、セット演出が実行される頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。また、特図変動の開始タイミングで実行されたセット演出の演出結果が普図ロング開放当たり当選を示すものとすることができるため、遊技者に以外性のある遊技を行わせることができる。
なお、セット演出の開始タイミングと、右打ち報知の実行タイミングとの関係が大きく逸脱しなければ良く、例えば、通常セット演出が実行されてから54秒後に実行される右打ち報知の実行タイミングを、数秒(2秒)前後にずらしても良いし、実際にはセット演出を実行が実行されてから58秒後に右打ち遊技により発射された球が入賞口に入賞するタイミングとなるが、セット演出が実行されてから54秒後に右打ち報知を実行しても良い。このように若干のズレを許容してセット演出を実行可能とすることにより、よりセット演出を実行可能な条件が成立し易くなり演出効果を高めることができる。
また、本制御例では図柄変動の開始タイミングにセット演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、上述したセット演出を実行条件が成立する場合であれば、例えば、特図変動の実行中からセット演出を実行するように構成しても良い。この場合、セット演出が実行される前に、遊技者に対して特図変動が終了したと思わせるための疑似停止表示態様を表示するように構成すると良い。これにより、特図変動の実行途中から開始されるセット演出を、遊技者に違和感無く実行させることができる。
次に、図390(B)を参照して、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して演出禁止フラグ223GAを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出禁止フラグ223GAは、新たなセット演出の設定を禁止するためのフラグであって、新たなセット演出の設定を禁止する場合にオンに設定されるものである。本制御例では、セット演出が実行されている期間に加え、特図変動に基づいて特定のスーパーリーチ演出(外れ含む)が実行されている期間中もセット演出が実行されないように構成しており、特定のスーパーリーチ演出が実行される期間中においても演出禁止フラグ223GAがオンに設定される。このように構成することで、実行中の演出(特に、当たり期待度の高い演出)が途中でセット演出に切り替わってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第7制御例における制御処理について>
次に、図393〜図397を参照して、本第7制御例における制御処理内容について説明をする。本第7制御例では、上述した第5制御例における制御処理内容に対して、主制御装置110では各種判別処理(当たり判別処理等)や各種選択処理(当たり種別選択処理、変動パターン選択処理等)にて参照されるデータテーブルを異ならせているため、処理結果が異なる点、及び、処理結果に基づいて実行される各種処理(コマンドを設定する処理、処理結果を記憶する処理等)の具体的な内容について相違しているが、技術思想としては同一であるため、その詳細な説明を省略する。
また、音声ランプ制御装置113の制御処理では、停止コマンド処理5(図368のC3216参照)に替えて停止コマンド処理7(図393のC3246参照)を、変動表示設定処理5(図369のC3114参照)に替えて変動表示設定処理7(図394のC3144参照)を、演出更新処理5(図374のC3112参照)に替えて演出更新処理7(図397のC3142参照)を、実行する点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図393を参照して、停止コマンド処理7(C3246)の内容について説明をする。図393は、停止コマンド処理7(C3246)の内容を示したフローチャートである。図393に示した通り、停止コマンド処理7(C3246)は、上述した停止コマンド処理5(図368のC3216参照)に対して、演出禁止フラグ223GAの設定処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
停止コマンド処理7(C3246)が実行されると、まず、上述した停止コマンド処理5(図368のC3216参照)と同一のC3951〜C3956の処理を実行し、その後、今回の停止コマンドが演出禁止フラグ223GAをオンに設定した対象変動の停止を示すものであるかを判別し(C3971)、対象変動の停止を示すものであると判別した場合は(C3971:YES)、演出禁止フラグ223GAをオフに設定し(C3972)、本処理を終了する。一方、C3971の処理において、対象変動の停止を示すものでは無いと判別した場合は(C3972:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図394を参照して、変動表示設定処理7(C3144)の内容について説明をする。図394は、変動表示設定処理7(C3144)の内容を示したフローチャートである。図394に示した通り、変動表示設定処理7(C3144)は、上述した変動表示設定処理5(図369のC3114参照)に対して、セット演出の演出態様を設定するための処理を追加した点と、取得した変動パターンがスーパーリーチである場合に演出禁止フラグ223GAをオンに設定する処理を追加した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理7(C3144)が実行されると、上述した変動表示設定処理5(図369のC3114参照)と同一のC4001〜C4004の処理を実行し、その後、セット演出設定処理(C4041)を実行する。このセット演出設定処理(C4041)については、図395を参照して後述するが、今回の変動表示設定処理が特図変動に基づいて実行されたのか普図変動に基づいて実行されたのかを判別し、その判別結果に基づいて、それぞれセット演出の実行条件が成立しているかの判別を実行し、セット演出の実行条件が成立している場合にセット演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
図394に戻り説明を続ける。C4041の処理を終えると、次いで、今回取得した変動パターンがスーパーリーチであるかを判別し(C4042)、スーパーリーチであると判別した場合は(CS24042:YES)、演出禁止フラグ223GAをオンに設定し(C4043)、表示用変動パターンコマンドを設定し(C4044)、上述した変動表示設定処理5(図369のC3114参照)と同一のC4006〜C4010の処理を実行し本処理を終了する。一方、C4042の処理において、今回取得した変動パターンがスーパーリーチでは無いと判別した場合は(C4042:NO)、C4043の処理をスキップしてC4044の処理へ移行する。
次に、図395を参照して、セット演出設定処理(C4041)の内容について説明をする。図395はセット演出設定処理(C4041)の内容を示したフローチャートである。セット演出設定処理(C4041)では、特図変動、或いは、普図変動に開始タイミングにおいて、セット演出を設定するための処理が実行される。
セット演出設定処理(C4041)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(C4901)、通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(C4901)、セット演出を実行する遊技状態では無いため、そのまま本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(C4901:YES)、次に、今回の変動表示設定処理7(図394のC3144参照)が特図変動の変動表示を設定する(演出を設定する)処理であるかを判別し(C4902)、特図変動の変動表示を設定する処理であると判別した場合は(C4902:YES)、変動表示設定処理7(図394のC3144参照)のC4003の処理で取得した変動パターンがセット演出に対応する変動パターンであるかを判別する(C4903)。
C4903の処理において、セット演出に対応する変動パターンでは無いと判別した場合は(C4903:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、セット演出に対応する変動パターンであると判別した場合は(CS24903:YES)、次いで、演出禁止フラグ223GAがオンに設定されているかを判別し(C4904)、オンに設定されていないと判別した場合は(C4904:NO)、現在が普図当たりロング変動中であるかを判別する(C4905)。
C4905の処理において、現在が普図当たりロング変動中であると判別した場合は(C4905:YES)、普図変動時間カウンタ223EHの値と、特図変動時間カウンタ223EGの値と、を比較し(C4906)、普図変動の残期間が今回の特図変動時間よりも短いかを判別する(C4907)。そして、今回の特図変動時間のほうが長いと判別した場合は(C4907:NO)、入賞情報格納エリア223Aに格納されている普通図柄の入賞情報を読み出し(C4908)、読み出した入賞情報の中に普図ロング変動に対応する入賞情報があるかを判別し(C4909)、普図ロング変動に対応する入賞情報があると判別した場合は(C4909:YES)、今回の変動パターンに応じたセット演出を設定し(C4910)、演出禁止フラグ223GAをオンに設定し(C4911)、本処理を終了する。
一方、C4909の処理において、C4908の処理にて読み出した入賞情報の中に普図ロング変動が無いと判別した場合は(C4909:NO)、そのまま本処理を終了する。また、C4907の処理において、普図変動の残期間のほうが長いと判別した場合は(C4907:YES)、普図変動停止タイミングに合わせたセット演出を設定し(C4912)、演出禁止フラグ223GAをオンに設定し(C4920)、本処理を終了する。
なお、C4905の処理において、普図当たりロング変動中であると判別する状態、即ち、C4904の処理で演出禁止フラグ223GAがオンに設定されていないと判別したにも関わらず、普図当たりロング変動中である場合としては、例えば、実行中の普図当たりロング変動の開始タイミングにおいて、特図変動の変動演出としてスーパーリーチ演出が実行されている場合である。
上述した通り、本制御例では、C4909の処理を設け、入賞情報の中に普図ロング変動がある場合に、セット演出を設定するように構成している。このように構成することで、入賞情報の中に普図ロング変動があると判別した場合は、特図変動に基づくセット演出の実行中に普図ロング変動が実行されるため、セット演出の実行中に普図変動が短時間で複数回実行されてしまい、例えば、普図ショート当たり遊技が実行されることにより、今回のセット演出が特図変動に基づいて実行されたセット演出であることを遊技者に容易に把握されることを抑制することができる。なお、本制御例ではC4909の処理を設けているが、これに限ること無く、セット演出を設定するように構成しても良い。
また、C4912の処理において設定されるセット演出では、特図変動の開始タイミングでは無く、普図変動停止タイミングに合わせたタイミングでセット演出が実行されるため、セット演出の演出結果として普図ロング開放当たりを報知することになる。なお、今回の特図変動開始時点における普図変動の残期間がセット演出の演出態様を実行可能な期間(15秒)よりも短い場合は、セット演出を設定するのでは無く、普図ロング開放当たりを示す専用の演出態様が設定されるように構成すると良い。これにより、普図ロング開放当たりに当選したことを遊技者に確実に報知することができる。
一方、C4904の処理において、演出禁止フラグ223GAがオンに設定されていると判別した場合(C4904:YES)、或いは、C4905の処理において、普図当たりロング変動中では無いと判別した場合(C4905:NO)は、現在実行されている普図抽選の抽選結果を取得し(C4913)、普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選しているかを判別し(C4914)、普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選していない(或いは、普図抽選が実行されていない)と判別した場合は(C4914:NO)、上述したC4910の処理へ移行する。
C4914の処理において、普図当たりに当選していると判別した場合は(C4914:YES)、次いで、今回の特図変動が当たり変動であるかを判別し(C4915)、当たり変動であると判別した場合は(C4915:YES)、普図変動時間カウンタ223EHの値と、特図変動時間カウンタ223EGの値と、を比較し(C4916)、普図変動の残期間が今回の特図変動時間よりも短いかを判別する(C4917)。そして、実行中の普図変動の残期間よりも今回の特図変動の変動時間のほうが短いと判別した場合は(C4917:YES)、普図変動を対象に実行されているセット演出を、今回の特図変動の抽選結果を示すセット演出に設定し(C4918)、本処理を終了する。
一方、C4915の処理において、今回の特図変動が当たり変動では無いと判別した場合(C4915)、或いは、C4917の処理において、実行中の普図変動の残期間よりも今回の特図変動の変動時間のほうが長いと判別した場合は(C4917:YES)、今回の特図変動に対応するセット演出を設定すること無く、本処理を終了する。
また、C4902の処理において、今回の変動表示設定処理7(図394のC3144参照)が、普通図柄の変動表示を設定する処理であると判別した場合は(C4902:NO)、普図セット演出設定処理を実行し(C4919)、本処理を終了する。
ここで、図396を参照して普図セット演出設定処理(C4919)の内容について説明をする。図396は、普図セット演出設定処理(C4919)の内容を示したフローチャートである。普図セット演出設定処理(C4919)が実行されると、まず、今回の変動パターンがセット演出であるかを判別し(C5001)、セット演出であると判別した場合は(C5001:YES)、次に、演出禁止フラグ223GAがオンに設定されているかを判別する(C5002)。
C5002の処理において演出禁止フラグ223GAがオンに設定されていないと判別した場合は(C5002:NO)、今回の変動パターンに応じたセット演出を設定し(C5003)、演出禁止フラグ223GAをオンに設定し(C5004)、本処理を終了する。一方、C5002の処理において、演出禁止フラグ223GAがオンに設定されていると判別した場合は(C5002:YES)、今回の普図変動が当たり変動(ロング開放当たり変動)であるかを判別し(C5005)、ロング開放当たり変動であると判別した場合は(C5005:YES)、実行中の特図抽選結果を取得し(C5006)、特図当たりであるかを判別する(C5007)。即ち、特図外れ変動に基づいて演出禁止フラグ223GAがオンに設定されているかを判別する。
C5007の処理において、特図当たりでは無いと判別した場合は(C5007:NO)、次いで、普図変動時間カウンタ223EHの値と、特図変動時間カウンタ223EGの値と、を比較し(C5008)、今回の普図変動時間が実行中の特図変動の残時間よりも短いかを判別し(C5009)、今回の普図変動時間のほうが短いと判別した場合は(C5009:YES)、実行中の特図演出(特図変動に基づいて実行されるセット演出)によって、普図抽選結果(ロング開放当たり)を報知するための差替演出(セット演出)を設定し(C5010)、本処理を終了する。一方、C5007の処理において、実行中の特図変動が当たり変動であると判別した場合(C5007:YES)、或いは、C5009の処理において、今回の普図変動時間が実行中の特図変動の残時間よりも長いと判別した場合(C5009:NO)は、そのまま本処理を終了する。
次に、図397を参照して、演出更新処理7(C3142)の内容について説明をする。図397は、演出更新処理7(C3142)の内容を示したフローチャートである。図397に示した通り、演出更新処理7(C3142)は、上述した第5制御例の演出更新処理5(図374のC3112参照)に対して、セット演出が実行された場合における右打ち報知処理を追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容については詳細な説明を省略する。
演出更新処理7(C3142)が実行されると、まず、上述した第5制御例の演出更新処理5(図374のC3112参照)と同一のC4501〜C4506の処理を実行する。そして、C4505の処理において時短最終変動フラグ223EDがオンに設定されていないと判別した場合(C4505:NO)、或いは、最終変動演出更新処理(C4506)を終えた場合に、セット演出が実行されているかを判別する(C4541)。このC4541の処理では、セット演出が実行された場合に、その演出時間を計測するためにセットされる演出時間計測カウンタ(図示せず)の値を参照することで判別が行われる。
C4541の処理において、セット演出の実行中である(演出時間計測カウンタの計測中である)と判別した場合は(C4541:YES)、セット演出が開始されてから54秒が経過したタイミングであるかを判別し(C4542)、54秒が経過したタイミングであると判別した場合には(C4542:YES)、右打ち遊技を示す表示用案内コマンドを設定し(C4543)、C4507の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。一方、C4541の処理において、セット演出の実行中では無いと判別した場合(C4541:NO)、或いは、C4542の処理において、54秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合には(C4542:NO)、C4543の処理を行うこと無く、C4507の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。
なお、図397で示した演出更新処理7(C3142)では、セット演出が実行されていると判別した場合にのみ、演出開始から54秒の経過タイミングにて右打ち遊技を示すように構成しているが、実際にはそれ以外のタイミングでも右打ち遊技を示すための表示用案内コマンドを設定するように構成している。具体的な図示は省略しているが、例えば、図391(B)の通常用変動パターン7テーブル202GE1にて示した通り、30秒のセット演出が設定された場合は、セット演出が実行されてから24秒が経過したタイミングで右打ち遊技を示すための表示用案内コマンドを設定が設定される。また、実行中のセット演出の演出結果を途中で差し替える場合には、さらに異なるタイミングで右打ち遊技を示すための表示用案内コマンドを設定するように構成しても良い。これにより、通常とは異なるタイミングで右打ち遊技が報知されるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
<第8制御例>
次に、図398から図410を参照して、第8制御例について説明をする。本第8制御例では上述した第5制御例に対して一連演出の演出態様の設定方法を異ならせた点で相違している。まず、上述した第5制御例における一連演出の設定方法について図398を参照して説明をする。図398は、上述した第5制御例における一連演出設定の流れを模式的に示した模式図である。
図398に示した通り、上述した第5制御例では、普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選した場合と、第1特別図柄(特図1)抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合とで、一連演出が設定可能に構成しており、一連演出の演出データを複数のシナリオ種別に区分けして格納している。
具体的には、普図変動中に実行される演出態様(図319(B)、図320(A)参照)に対応するシナリオ1と、普図当たり遊技中に実行される演出態様(図320(B)参照)に対応するシナリオ2と、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した際に実行される演出態様(図323(A)参照)に対応するシナリオ3と、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞してから、その入賞した球に基づく特図2抽選が実行されるまでの期間(待機期間)が10〜30秒の場合に実行される演出態様(図321(A)参照)に対応するシナリオ3−1と、特図2変動中に実行される演出態様(図321(B)参照)に対応するシナリオ4と、小当たり遊技中に実行される演出態様(図322(B)参照)に対応するシナリオ5と、一連演出が途中で終了する際に実行される演出態様(図324(B)、図325(B)参照)に対応するシナリオ7と、が格納されている。
そして、特図1抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合は、対応する特図1変動の変動パターンコマンドに対応させて複数の演出データを用いた一連演出を一括で設定するように構成している。具体的には、特図1抽選で大当たりに当選した場合は、上述したシナリオ1〜シナリオ5までの演出データを一括に設定した変動演出(一連演出)を実行し、特図1抽選で小当たりに当選した場合は、上述したシナリオ1〜シナリオ4までの演出データを一括に設定した変動演出(一連演出)を実行するように構成している。
一方、普図当たり当選に基づいて設定される一連演出は、一連演出を構成する各シナリオを個々に設定し、一のシナリオに対してシナリオ移行条件の成立に基づいて次のシナリオを設定するように構成している。具体的には、普図抽選によって普図ロング開放当たりに当選した場合で、一連演出の実行条件が成立した場合には、一連演出の開始を示すシナリオ1が設定され、普図ロング開放当たりを示す停止コマンドを受信した場合に、次いで、シナリオ2が設定される。なお、第5制御例では、普図ロング開放当たりに当選していない状態で、シナリオ1が設定される場合(所謂、ガセ演出)があり、その場合は、シナリオ1の経過時間が終了すると共に、一連演出が終了する。
次に、シナリオ2に対応する演出態様が普図ロング開放当たり遊技中に実行され、球が第2入賞口640に入賞した場合には、その旨を示す特図2(特2)入賞コマンドが主制御装置110から出力され、一連演出が実行される表示レイヤとは異なるレイヤに球が第2入賞口640に入賞したことを示す報知態様が表示される(図321(A)の副表示領域DS参照)。そして、特図2入賞コマンドを受信した場合に、シナリオ3が設定される。なお、シナリオ2が設定されている期間中に球が第2入賞口640に入賞しなかった場合は、一連演出を終了させるため、シナリオ7が設定され、所定期間(3秒間)の終了画面が表示される。
上述した第5制御例では、シナリオ3に移行する際、即ち、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞する際に特図2抽選が実行されるまでの期間(待機期間)が、第1特別図柄(特図1)の変動状況に基づいて判別され、待機期間の長さに応じて異なるシナリオが設定されるように構成している。具体的には、待機期間が10秒未満の場合は、シナリオ3(図323(A)参照)が設定され、待機期間が4〜30秒の場合は、シナリオ3−1(図321(A)参照)が設定される。ここで、待機期間が30秒以上の場合は、実行中の一連演出を疑似的に終了させ(シナリオ7を設定し)、所定期間経過後に再度一連演出を開始させる特殊一連演出(連続一連演出)が実行される(図326参照)。また、シナリオ3−1が設定された場合は、シナリオ移行条件が成立するまでシナリオ3−1に対応する演出態様が継続して表示される。
次いで、シナリオ3、或いはシナリオ3−1が設定された状態で特図2変動パターンコマンドを受信すると、次のシナリオへの移行条件が成立し、シナリオ4が設定される。シナリオ4は特図2変動の停止を示す特図2停止コマンドを受信するまで設定されるものであり、特図2変動の変動時間(15秒)と同一の長さの演出態様が実行される。そして、特図2停止コマンドを受信した際に、今回の特図2変動が当たりを示すものであれば、シナリオ5へ移行する。一方、特図変動が外れを示すものであれば、シナリオ7へ移行し、一連処理を終了する。
ここで、本制御例では、シナリオ4が設定されている状態において実行中の特図2変動が小当たりである場合も大当たりである場合も同一の変動時間が設定され、シナリオ5へ移行させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、通常状態中における特図2変動で大当たりに当選した場合に、変動時間として小当たり変動時間(15秒)と小当たり遊技時間(10秒)とを合算させた25秒の変動時間を設定するように構成し、特図2の大当たり変動中にシナリオ4からシナリオ5へ移行させ、特図2の大当たり変動の停止タイミングに合わせて、大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。
特図2変動が小当たりである場合においてシナリオ5が設定されると、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信するまで、或いは、小当たり遊技が終了するまでシナリオ5に対応する演出態様が実行され、V通過コマンドを受信した場合は、その旨を示す報知態様を一連演出が実行される表示レイヤとは異なるレイヤに表示し、大当たり遊技へと移行する。一方、小当たり遊技期間(10秒間)が経過した状態でV通過コマンドを受信していない場合は、一連演出を終了させるためにシナリオ7に移行する。
以上、説明をした通り、第5制御例では、特図1変動に基づいて一連演出を実行する際には、特図1変動の変動パターンに対応させて一連演出シナリオを一括で設定し、普図変動に基づいて一連演出を実行する際には、各シナリオに応じた移行条件の成立具合に応じて一連演出の演出態様を更新するように構成している。よって、同一の演出態様で一連演出を実行する場合において、演出態様の更新が確定している場合には一連演出を設定する処理を簡素化できると共に、演出態様の更新内容が遊技状況によって可変する場合には、各遊技状況に応じて柔軟に演出態様を可変させることができる。
なお、本第5制御例では、普図抽選に基づいて一連演出を実行する場合において、一連演出のシナリオを個々に設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図抽選に基づいて実行される一連演出のうち、演出態様の更新が確定している部分については、複数のシナリオを纏めて設定するように構成しても良い。これにより、は一連演出を設定する処理を簡素化することができる。
図398を参照して上述した第5制御例における一連演出の設定方法は、同一の演出態様で一連演出を実行する場合において、演出態様の更新が確定している場合には一連演出を設定する処理を簡素化できると共に、演出態様の更新内容が遊技状況によって可変する場合には、各遊技状況に応じて柔軟に演出態様を可変させることができるものであったが、待機期間の長さに応じて可変設定可能な演出態様がシナリオ3に対応する演出態様だけであるため、所定期間で実行される一連演出の他のシナリオに基づく演出態様と比較して遊技者が違和感を覚えてしまうという問題があった。
ここで、上述した問題を解決するために、本第8制御例では、普図変動が実行される際に、普図当たり遊技中における特別図柄(第1特別図柄)の変動状況を予測し、その予測結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。つまり、普図変動が実行される際に、今回実行される普図変動の変動時間と普図抽選結果、及び、普図当たり遊技の遊技時間(最大時間)と、を算出し、算出結果に基づいて、普図当たり遊技中に現在実行中の特図1変動が終了するか否かを判別し、その判別結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。
このように構成することで、例えば、実行中の特図1変動の変動終了タイミングが、第2入賞口640に球が入賞し得る期間、即ち、普図当たり遊技期間(最大期間)よりも後である場合は、特図2変動が実行し得るタイミング(待機期間の長さ)を、普図変動を実行する時点で予測することが可能となる。これにより、待機期間中に実行される各種演出態様として、待機期間の長さに基づいた演出態様を設定することができる。よって、上述した第5制御例に対して、待機期間の長さに応じて一連演出の演出態様のうち、可変設定可能な期間を長くすることができるため、一連演出の長さに応じた一連演出を実行させ易くすることができる。
<第8制御例における電気的構成について>
次に、図399、及び図400を参照して、本第8制御例における電気的構成について説明をする。本第8制御例では、上述した第5制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の一部構成と、RAM223の一部構成と、を変更した点で相違している。具体的には、ROM222に一連演出シナリオテーブル222HAを追加した点と、RAM223に普図当たり中フラグ223HA、演出シナリオ格納エリア223HB、常時監視フラグ223HCを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図399(A)を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図399(A)は、第8制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図399(A)に示した通り、第8制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、一連演出シナリオテーブル222HAを追加した点で第5制御例と相違している。
一連演出シナリオテーブル222HAは、進行する遊技状況に対応させて実行される一連演出の演出態様が規定されているデータテーブルである。ここで、図400を参照して一連演出シナリオテーブル222HAのうち、普図変動に基づいて設定される一連演出の演出シナリオが規定されている普図シナリオテーブル222HA1の内容について説明をする。
図400は、一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている内容を模式的に示した模式図である。なお、図400では、一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている内容のうち、本第8制御例の特徴的な内容(普図変動に基づいて設定される一連演出の演出シナリオ)についてのみ示しており、上述した第5制御例と同一の内容、即ち、特図変動の変動期間に対応させて設定される一連演出の演出態様の内容についてはその記載および説明を省略している。
図400に示した通り、本第8制御例では、普図変動に基づいて一連演出の演出態様を設定する際に、複数の普図当たりシナリオ(普図当たりシナリオ1〜4)を設定可能に構成しており、普図変動時において実行される第1予測(一連演出実行中に発生し得る待機期間の長さについての予測)の結果に基づいて、異なる普図当たりシナリオを設定するように構成している。
具体的には、普図ロング開放当たりに当選した普図変動の開始時において、第1特別図柄(特図1)変動中であるかを判別し、特図1変動中であると判別した場合に、実行中の特図1変動の残期間を判別する。次いで、今回の普図変動に基づいて実行される普図ロング開放当たり遊技の遊技期間と、実行中の特図1変動の残期間とを比較し、実行中の特図1変動の終了タイミングが今回の普図変動に基づいて実行される普図ロング開放当たり遊技の終了時間よりも後であるかを判別し、後であると判別した場合に、普図ロング開放当たり遊技の終了時点から特図1変動が終了するまでの待機期間(特図2変動が実行され得るまでの期間)を判別する。そして、上述した処理で判別された待機期間の長さに対応した普図当たりシナリオを設定するように構成している。
このように構成することで、普図変動開始時点において、特図2変動が実行されることが無い待機期間の長さを事前に予測することが可能となるため、待機期間の長さに応じた演出態様で一連演出を実行させることが可能となる。
なお、上述した第1予測では、普図変動の開始タイミングにおいて、特図1変動が実行中で無い場合、或いは、実行中の特図1変動の終了タイミングが、普図ロング当たり遊技期間よりも前である場合には、待機期間を事前に予測することができないため、普図変動開始時に、普図変動時間に対応する一連演出の演出態様のみが設定される。
図400に示した通り、一連演出シナリオテーブル222HAには、普図変動開始時に実行される第1予測の予測結果に基づいて設定される複数の普図当たりシナリオが規定されており、第1予測の予測結果として待機期間(特図2待機期間)が、「2秒未満」である場合には「普図当たりシナリオ1」が設定され、「2秒以上で30秒未満」である場合には「普図当たりシナリオ2」が設定され、「30秒以上」である場合には「普図当たりシナリオ3」が設定されるように規定されている。また、第1予測の予測結果が「予測不可」である場合には「普図当たりシナリオ4」が設定されるように規定されている。
ここで、各普図当たりシナリオの内容について説明をする。「普図当たりシナリオ1」が設定されると、一連演出の演出態様として、「普図変動中」に「シナリオ1」、「普図当たり遊技中」に「シナリオ2」、「特図2変動中」に「シナリオ3」に対応する演出態様が設定されるように当たりシナリオ内容が規定されている。つまり、「普図当たりシナリオ1」が設定される場合、即ち、特図2待機期間が短い場合は、特図2待機期間専用の演出態様を設定すること無く、普図当たり遊技を示す演出態様から特図2変動を示す演出態様へと移行する一連演出が実行される。
このように構成することで、特図2待機期間を示す演出態様が短期間(例えば、0.5秒間)設定されることにより、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、普図当たりシナリオ1が設定された場合において、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した場合に発生する2秒未満の特図2待機期間中に、普図当たり遊技中に設定され得る演出態様が継続して設定されるように構成しているが、これに限ること無く、2秒未満の特図2待機期間中に特図2変動中に設定され得る演出態様を設定するように構成しても良い。
「普図当たりシナリオ2」が設定されると、一連演出の演出態様として、「普図変動中」に「シナリオ1」、「普図当たり遊技中」に「シナリオ2」、「特図2変動待機中」に「シナリオ3」、「特図2変動中」に「シナリオ4」に対応する演出態様が設定されるように当たりシナリオ内容が規定されている。つまり、「普図当たりシナリオ2」が設定される場合、即ち、特図2待機期間が所定期間存在する場合は、特図2待機期間専用の演出態様を設定するように構成している。
このように構成することで、特図2待機期間が所定期間発生した場合において、遊技者に違和感(間延び感)を与えることの無い一連演出を実行することができる。さらに、本制御例では、「普図当たりシナリオ1」が設定された場合では「特図2変動中」に設定される「シナリオ3」を、「普図当たりシナリオ2」が設定された場合には「特図2待機中」に対応させて設定するように構成している。このように構成することで、特図2待機期間の有無に関わらず、一連演出として「シナリオ2」から「シナリオ3」へと移行する演出態様を設定することが可能となる。よって、遊技者に対してより違和感を与えることが無い一連演出を実行することができる。
次に、「普図当たりシナリオ3」が設定されると、一連演出の演出態様として、「普図変動中」に「シナリオ1」、「普図当たり遊技中」に「シナリオ2」、「特図2変動待機中」に「シナリオ2」、「シナリオ3」、「特図2変動中」に「シナリオ4」に対応する演出態様が設定されるように当たりシナリオ内容が規定されている。つまり、「普図当たりシナリオ3」が設定される場合、即ち、特図2待機期間が所定期間以上である場合は、普図当たり遊技中に対応する「シナリオ2」が設定される期間が、他の普図当たりシナリオよりも長くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、特図2待機期間が長い場合であっても、その一期間が普図当たり遊技中であると思わせることが可能となる。よって、特図2待機期間が長いと思わせ難くすることができる。また、普図当たり遊技中に対応する演出態様(シナリオ2)を長期間表示するように構成しているため、遊技者に対して特図2待機期間では無く、普図当たり遊技が長時間実行されていると思わせることができる。
また、「普図当たりシナリオ4」が設定される場合は、普図ロング開放当たり遊技中における特図1変動の変動状況を、普図変動開始時に予測することができない場合であるため、「普図変動中」に対応する「シナリオ1」のみを設定し、本処理を終了する。尚、「普図当たりシナリオ4」が設定された場合は、上述した第5制御例の様にシナリオ切替タイミングにおいてシナリオ移行条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づくシナリオが設定されるように構成している。
また、普図当たりシナリオとして異なる普図当たりシナリオが設定された場合であっても小当たり遊技中、及び、大当たり遊技中は同一の演出態様が設定されるように構成している。
次に、図401、および、図402を参照して、本第8制御例の一連演出として、普図当たりシナリオ2が設定される場合における流れについて説明をする。図401は、一連演出として普図当たりシナリオ2が設定される場合における流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図401に示した通り、普図変動が実行される時点で待機期間(特図2待機期間)の長さを判別するための第1予測処理が実行される。そして、第1予測処理の処理結果として待機期間「20秒」と判別されると、普図変動開始時に、一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている「普図当たりシナリオ2」に対応する演出データを設定し、後述する演出シナリオ格納エリア223HBに格納する。そして、時間の経過に基づいて演出シナリオ格納エリア223HBに格納されている演出データに対応する演出態様で一連演出が実行される。
このように、普図変動開始時において、今後の遊技内容を予測可能な場合は、複数の演出データ(シナリオ)をまとめて設定するように構成することで、一連演出の演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
次に、図402を参照して、一連演出として普図当たりシナリオ4が設定される場合における流れについて説明をする。図402は、一連演出として普図当たりシナリオ4が設定される場合における流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図402に示した通り、普図変動が実行される時点で待機期間(特図2待機期間)の長さを判別するための第1予測処理が実行される。そして、第1予測処理の処理結果として実行中の特図1変動の停止タイミングが、普図当たり変動の停止タイミングよりも前であると判別した場合は、待機期間の長さを予測することが不可能であるため、第1予測処理の処理結果が「予測不可」と判別され、普図変動開始時に、一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている「普図当たりシナリオ4」に対応する演出データが設定される。
つまり、図402に示した例によれば、実行中の特図1変動が停止してから、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞するまでの期間において、新たな特図1変動が実行されるか否かを予測することができないため、待機期間の長さを予測することが出来ない状況である。このような場合は、普図変動開始時において、一連演出の演出態様として普図変動に対応する期間中の演出態様(シナリオ1)のみが設定され、普図変動停止時(普図当たり開始時)に第2予測処理が実行される。
第2予測処理は、普図変動停止時(普図当たり開始時)において、再度、待機期間の長さを判別するためのものであり、第1予測処理において待機期間の長さが判別できなかった場合に実行される処理である。この第2予測処理では、普図変動停止時(普図当たり開始時)において特図1変動が実行されているかを判別し、特図1変動中であると判別した場合は、実行中の特図1変動の残期間と、普図ロング開放当たり遊技の遊技期間とを比較し、待機期間の長さが判別される。そして、その判別結果に基づいて、一連演出の演出態様を一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている内容に基づいて設定する。
図402に示した通り、第2予測処理においても待機期間を予測することができなかった場合は(第2予測処理が実行されるタイミングにて特図1変動が実行されていない場合は)、現時点においても、待機期間を判別することができない状態であるため、普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)中における特図1変動の開始、或いは、特図2変動の開始を常時監視するための常時監視処理が実行される。そして、常時監視処理によって、新たな特図1変動が実行される前に特図2変動が実行されることが判別された場合には、その特図2変動の開始に対応させて特図2変動中に対応する演出態様(シナリオ3)が設定される。
以上、説明をした通り、本第8制御例では、普図変動に基づいて実行される一連演出の演出態様を設定する際に、遊技状況に応じて不定期な期間が設定される待機期間の長さを予測し、その予測結果に応じた一連演出を実行するように構成している。このように構成することにより、一連演出が実行される期間中において長い待機期間が設定されたとしても、遊技者に違和感の無い一連演出を提供することができる。
また、本第8制御例では、一連演出が実行されるタイミングにおいて、待機期間を予測するように構成しているため、実際に待機期間が設定される時点よりも前に実行される一連演出の演出態様を、待機期間の長さに応じて可変設定することが可能となる。よって、一連演出の演出態様のうち、待機期間に対応して設定される演出態様のみが待機期間の長さに応じて可変される場合に比べて、違和感の無い一連演出を実行することができる。
さらに、本第8制御例では、待機期間が設定されている状態において、待機期間以外の期間(例えば、普図当たり遊技期間)であることを示す演出態様を設定可能に構成しているため、遊技者に対して長い待機期間が設定されていることを分かり難くすることができる。なお、本第8制御例では、上述した第5制御例と同様に、一連演出中に右打ち遊技を行わせるように構成しているため、遊技方法によって現在が待機期間であるか否かを遊技者に判別され難くすることができる。
加えて、本第8制御例では、普図変動開始時において、待機期間の長さを予測困難(不可能)である場合に、異なるタイミング(普図当たり遊技開始タイミング)にて、再度待機期間の長さを予測するための処理(第2予測処理)を実行するように構成している。このように、待機期間が設定されるまでの期間において、待機期間の長さを予測するタイミングを複数設けることにより、待機期間の長さに対する予測精度を高めることができる。
また、待機期間を予測する処理において、待機期間を予測することができない場合にのみ、普図当たり遊技中の遊技状況を常時監視するように構成し、常時監視の結果に基づいて待機期間に対応する演出態様を設定するように構成しているため、一連演出の演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
なお、本第8制御例では、待機期間を予測するための処理(第1予測処理、第2予測処理)において、実行中の特図1変動の残変動時間を用いて待機期間の長さを予測(判別)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、入賞情報格納エリア223Aに格納されている特図1保留の入賞情報を先読みし、その先読み結果に基づいて、次に実行される特図1変動の変動時間も用いて待機期間の長さを予測するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、図402に示した例のように、実行中の特図1変動の停止タイミングが、普図当たり遊技の開始タイミングよりも前である場合、即ち、実行中の特図1変動が終了した時点で特図2変動の開始条件(第2入賞口640への球の入賞)が成立し得ない場合に、次に実行される特図1変動の変動時間を先読みし、その先読み結果に基づいて待機期間の長さを予測することが可能となる。よって、待機期間の長さに対する予測精度を高めることができる。
さらに、本第8制御例では、上述した第5制御例と同様に、特図1変動よりも優先して特図2変動が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1入賞口64、第2入賞口640への球の入賞順序に従って特図1変動と特図2変動とが実行されるように構成しても良いし、特図2変動よりも優先して特図1変動が実行されるように構成しても良い。
<第8制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図403から図410のフローチャートを参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して、入賞情報コマンド処理5(図361参照)に替えて入賞情報コマンド処理8(図403参照)を実行する点と、一連演出判別処理(図404参照)を実行する点と、当たり関連コマンド処理5(図364参照)に替えて当たり関連コマンド処理8(図405参照)を実行する点と、普図当たり関連コマンド処理(図406参照)を実行する点と、変動演出設定処理5(図369の参照)に替えて変動演出設定処理8(図407参照)を実行する点と、常時監視中演出設定処理(図408参照)を実行する点と、普図用演出設定処理(図371の参照)に替えて普図用演出設定処理8(図409参照)を実行する点と、一連演出予測設定処理(図410参照)を実行する点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、参照するデータテーブルの内容を変更した点、及び、参照するデータテーブルの内容を変更したことに対応して変更される各種処理内容についても、単に数値を変更しただけであり技術思想的には同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図403を参照して、入賞情報コマンド処理8(C3242)の内容について説明をする。図403は、本第8制御例において実行される入賞情報コマンド処理8(C3242)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理8(C3242)では、上述した入賞情報コマンド処理5(図361参照)に対して、一連演出実行中に入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理(一連演出判別処理(図404のC3441参照))を追加した点で相違し、それ以外は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
入賞情報コマンド処理8(C3242)が実行されると、上述した第5制御例の入賞情報コマンド処理5(図361参照)と同一のC3401〜C3405の処理を実行した後、C3403の処理において、特2当たり情報が無いと判別した場合は(C3403:NO)、C3441の処理を実行する。C3441の処理では、一連演出判別処理を実行する(C3441)。この一連演出判別処理(C3441)の詳細については、図404を参照して後述する。
C3441の処理を実行後、C3406,C3407の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
次に、図404を参照して、一連演出判別処理(C3441)の内容について説明をする。図404は、本第8制御例において入賞情報コマンド処理8(図403)の中で実行される一連演出判別処理(C3441)の内容を示したフローチャートである。この一連演出判別処理(C3441)では、現在が一連演出実行中であるかが判別され、一連演出実行中であると判別された場合に、今回受信した入賞コマンドの種別(特図1、特図2、普図)に対応した処理が実行される。
一連演出判別処理(C3441)が実行されると、まず、一連演出カウンタ223EKの値を取得し(C5101)、次いで、一連演出カウンタ223EKの値が0であるかを判別する(C5102)。C4101の処理で取得される一連演出カウンタ223EKは、一連演出が実行される場合にその演出期間に対応した値が設定され、定期的に実行される演出更新処理において減算(更新)され、カウンタ値が「0」となる場合に一連演出が終了するように構成されるものである。つまり、C5102の処理では、一連演出が実行されているかを判別することになる。
C5102の処理において、一連演出カウンタ223EKの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(C5102:NO)、現在が一連演出中では無いため、一連演出実行中における各種表示態様を設定するためのC5103〜C5110の処理をスキップしてC5111の処理へ移行する。
一方、一連演出カウンタ223EKの値が0よりも大きいと判別した場合は(C5102:YES)、一連演出実行中であるため、次いで、今回受信した入賞情報コマンドが特図2入賞(特2入賞)に関するコマンドであるかを判別し(C5103)、特2入賞であると判別した場合は(C5103:YES)、演出シナリオ格納エリア223HBの情報を読み出し(C5104)、次いで、常時監視フラグ223HCがオンであるかを判別する(C5105)。常時監視フラグ223HCがオフであると判別した場合は(C5105:NO)、C5108の処理へ移行する。
一方、常時監視フラグ223HCがオンであると判別した場合(C5105:YES)、即ち、今回の一連演出が実行される演出期間のうち、特図2変動の実行が待機される待機期間を事前に予測できていない状態である場合は、待機期間を算出する(C5106)。
ここで、C5106の処理において実行される算出内容について説明をする。C5106の処理は、特図2入賞(特2入賞)を示す入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であることから、現時点が第2入賞口640(特図2変動の始動入賞口)に球が入賞し、特図2変動の実行契機の一部である条件が成立している状態となる。本制御例では、特図1変動と特図2変動とが同時に(重複して)実行されることが無いように構成しており、更に、特図1変動よりも特図2変動が優先して実行されるように構成している。
つまり、現時点で特図1変動が実行されている場合は、実行中の特図1変動が終了した後に、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図2変動が実行されることになる。よって、現時点で実行中の特図1変動の残時間を特図変動時間カウンタ223EGの値を用いて抽出し、その抽出結果を待機期間として算出する。また、現時点で特図1変動が実行されていない場合は、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図2変動が即座に実行されることになるため、待機期間として「0」が設定される。
なお、本制御例では、1回の一連演出の実行中に(1回の普図ロング開放当たり遊技中に)、第2入賞口640に入賞する球数が1個となるように構成しているため、C5103の処理において特図2入賞(特2入賞)を示す入賞情報コマンドを受信した場合に、必ず、待機期間を算出するための処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、1回の一連演出の実行中に(1回の普図ロング開放当たり遊技中に)第2入賞口640に2個以上の球が入賞可能となるように構成する場合には、C5106の処理において待機期間を算出したことを示すフラグ(算出済フラグ)をオンに設定するようにし、C5105の処理にて常時監視フラグ223HCがオンであると判別した後に(C5105:YES)、上述した算出済フラグがオンに設定されているかを判別するように構成し、算出済フラグがオンに設定されている場合は、C5106,C5107の処理をスキップして、C5108の処理へ移行するように構成すると良い。
このように構成することで、一連演出が実行されている間に、複数の球が第2入賞口640に入賞し、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを複数回受信した場合であっても、最初に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに基づいてのみ待機期間を算出することができるため、不要な処理が実行されてしまうことを抑制することができる。つまり、本制御例では、一連演出実行中において最初に特図2入賞したタイミングから特図2変動が実行されるまでの期間を待機期間として設定し、その待機期間の長さに応じた演出態様を設定することで、特図2入賞したにも関わらず特図2変動が実行されない期間(待機期間)が長い場合であっても、一連演出の途中段階で実行される演出(待機期間中に実行される演出)が間延びしてしまい演出効果を低下してしまうことを抑制するように構成しているため、一連演出が実行されている間に、複数の球が第2入賞口640に入賞し、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを複数回受信した場合であっても、2回目以降に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに基づく待機期間の長さを算出する処理は不要な処理となる。
なお、本制御例のように、一連演出が実行されている期間中において、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信する毎に、待機期間を算出するように構成する場合は、最初に特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した場合は、特図1変動の実行の有無、及び、実行中であれば、その残期間を判別し、待機期間を算出すれば良く、2個目の特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した場合は、実行中の特図変動が特図1変動であるか特図2変動であるかを判別し、特図1変動の実行中であれば、実行中の特図1変動の残期間と、先に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドと、に基づいて、待機期間を算出すれば良い。
この場合、先に受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに対応する特図2変動の抽選結果を先読みし、その先読み結果が外れである場合に、今回受信した特図2入賞を示す入賞情報コマンドに対応する特図2変動が実行されるまでの残期間、即ち、実行中の特図1変動の残期間と、次に実行される外れ変動の変動時間とを合算した期間を待機期間として設定するように構成すると良い。このように構成することで、特図2の外れ変動が実行されている期間を待機期間として設定することができるため、特図2抽選で外れに当選したことを遊技者に分かり難くすることができる。
図404に戻り説明を続ける。C5108の処理では、特図2入賞に対応する表示用コマンドを設定し(C5108)、C5109の処理へ移行する。このC5108の処理では、特図2入賞したことを示す表示用コマンドが設定される。ここで設定される表示用コマンドとしては、例えば、特図2入賞したことを直接的に表示する直接表示態様や、当該入賞に対応する特図変動が実行されるまでの残期間を示唆する表示態様、即ち、特図2入賞したことを間接的に表示する間接表示態様と、が表示される。
なお、本制御例では、特図2入賞に対応する表示用コマンドを用いて、上述した直接表示態様と、間接表示態様と、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、当該変動の抽選結果に基づいて、演出態様を設定するように構成しても良いし、一連演出の待機期間の長さに基づいて構成しても良い。また、一連演出中に最初に第2入賞口640に球が入賞したことを示す報知態様と、2回目以降の第2入賞口640に球が入賞したことを示す報知態様と、を異ならせても良い。
次に、C5109の処理では、V入賞口650Aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過したか(V入賞があったか)を判別する(C5109)。V入賞口650Aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過したと判別した場合は(C5109:YES)、V入賞に対応する表示用コマンドを設定し(C5110)、C5111の処理へ移行する。V入賞口650Aに入賞した球が特定領域(V領域)を通過していないと判別した場合は(C5109:NO)、その後、C5111の処理へ移行する。
C5111の処理では、その他入賞情報に関する演出態様を設定し(C5111)、設定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(C5112)、その後、本処理を終了する。
次に、図405を参照して、当たり関連コマンド処理8(C3261)の内容について説明をする。図405は、本第8制御例において実行される当たり関連コマンド処理8(C3261)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連コマンド処理8(C3261)では、一連演出が実行されている期間中における普図当たり遊技が実行されることに基づいて、一連演出の各期間における演出態様が設定される。
当たり関連コマンド処理8(C3261)が実行されると、上述した第5制御例の当たり関連コマンド処理5(図364参照)と同一のC3501〜C3504の処理を実行し、C3505の処理において、主制御装置110より普図当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(C3505:YES)、普図当たり関連コマンド処理を実行し(C3551),その後、本処理を終了する。この普図当たり関連コマンド処理(C3551)の詳細については、図406を参照して後述する。
次に、図406を参照して、普図当たり関連コマンド処理(C3551)の内容について説明をする。図406は、本第8制御例において実行される普図当たり関連コマンド処理(C3551)の内容を示したフローチャートである。この、普図当たり関連コマンド処理(C3551)は、普図当たりに関する当たり関連コマンドを受信した場合(図405のC3505:YES)に実行されるものであり、普図当たり遊技の開始タイミング、及び終了タイミングにおいて、一連演出の演出態様を設定するための各種処理が実行される。
普図当たり関連コマンド処理(C3551)では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判別する(C5201)。そして、オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(C5201:YES)、一連演出カウンタ223EKの値が0よりも大きいか、即ち、現在が一連演出の実行中であるかを判別する(C5202)。一連演出カウンタ223EKの値が0よりも大きくないと判別した場合は(C5202:NO)、表示用のオープニングコマンド処理を実行し(C5203)、普図当たり中フラグ223HAをオンに設定し、C5215の処理へ移行する。
ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、第5制御例においてMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、C5202の処理において、一連演出カウンタ223EKの値が0よりも大きいと判別した場合は(C5202:YES)、演出シナリオ格納エリア223HBに格納されている情報を読み出し(C5205)、次いで、演出シナリオ格納エリア223HBに格納されている情報が普図当たりシナリオ4であるか否かを判別する(C5206)。
ここで、演出シナリオ格納エリア223HBには、普図変動(普図抽選)を実行する場合に行われる一連演出予測設定処理(図410のC4251)において設定される普図当たりシナリオを示す情報が格納されており、C5206の処理において、普図当たり遊技中の期間に対応する演出態様が設定されない普図当たりシナリオである「普図当たりシナリオ4(図400参照)」であると判別した場合には、一連演出における普図当たり遊技中の演出態様を設定するための処理が実行される。
C5206の処理において、演出シナリオ格納エリア223HBに格納されている情報が普図当たりシナリオ4ではない(普図当たりシナリオ1〜3である)と判別した場合は(C5206:NO)、既に、普図当たり遊技中の演出態様が設定されているため、即ち、普図変動(普図抽選)を実行する場合に行われる一連演出予測設定処理(図410のC4251)において、予め、普図当たり遊技中の期間に対応させた演出態様が設定されている場合であるため、今回の処理にて普図当たり遊技中の期間に対応させた演出態様を設定すること無く(C5207〜C5210の処理をスキップして)C5204の処理へ移行する。
一方、C5206の処理において、演出シナリオ格納エリア223HBに格納されている情報が普図当たりシナリオ4であると判別した場合は(C5206:YES)、特図変動時間カウンタ(特図1変動時間カウンタ)223EGの値と普図当たり遊技期間とを比較する(C5207)。C5207の処理内容について詳細に説明をすると、まず、特図変動時間カウンタ223EGの値を用いて、第1特別図柄(特図1)の残変動時間を算出する。例えば、60秒の特図1変動が実行される場合には、当該特図1変動の開始タイミングにて変動時間60秒に対応する値(本制御例では、特図変動時間カウンタ223EGの値が、メイン処理(図281参照)内で1ミリ秒毎に実行される演出更新処理7(図397のC3142参照))にて1減算するように構成しているため、60秒に対応する値として「60000」)が設定される。そして、特図1変動が開始されてから30秒が経過した時点で本処理が実行された場合には、特図1変動の変動時間を示す特図変動時間カウンタ223EGの値が「30000」であるため、特図1変動の残変動時間として「30秒」を算出する。次いで、今回実行される普図当たり遊技の種別に基づいて算出する。本制御例では、主制御装置110から出力されたオープニングコマンドに今回実行される普図当たり遊技の種別を示す情報が含まれているため、その情報に基づいて普図当たり遊技期間を算出する。なお、ここでは、普図当たり遊技期間として、時間経過に基づいて成立する終了条件として規定されている時間が算出される。
具体的には、普図当たり遊技が開始されてから3秒が経過した場合、或いは、第2入賞口640への球の入賞数が10個に到達した場合に普図当たり遊技が終了するように終了条件が予め設定されている場合には、普図当たり遊技が継続し得る最大時間である「3秒」が普図当たり遊技期間として設定される。これにより、一連演出の演出態様を設定するために事前に待機期間(特図2入賞してから特図2変動が実行されるまでの期間)を予測する処理において、予測に用いた普図当たり遊技期間よりも実際に実行される普図当たり遊技期間のほうが長くなってしまう事態が発生することを防ぐことが可能となるため、第2入賞口640へ球が入賞可能な期間として予測した期間の経過後に第2入賞口640へ球が入賞し、特図2変動が実行される事態を回避することができる。よって、予測結果に基づいて予め演出態様を設定した場合であっても実際の遊技内容と、実行される演出内容とを乖離し難くすることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、上述したように普図当たり遊技期間を算出した場合には、算出した普図当たり遊技期間よりも短い期間で普図当たり遊技が終了する、即ち、普図当たり遊技期間内に所定個数(10個)の球が第2入賞口640に入賞したことによって普図当たり遊技が終了する場合がある。この場合は、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した場合となり、普図当たり遊技が終了する時点では、待機期間に対応する演出、或いは、特図2変動期間に対応する演出が実行されるため、遊技者に違和感を与えることが無いように構成している。
図406に戻り説明を続ける。C5207の処理を終えると、次いで、C5207の比較結果に基づいて、特図1残期間(特図1変動の残期間)が普図当たり遊技期間より大きい(長い)か、即ち、実行中の特図1変動が終了するタイミングが、今回実行する普図当たり遊技の終了タイミングよりも後であるかを判別する(C5208)。C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間よりも短いと判別した場合は(C5208:NO)、普図当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行されていない可能性があるため、常時監視フラグ223HCをオンに設定し(C5209)、C5210の処理へ移行する。
一方、C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間より長い、即ち、実行中の特図1変動が今回実行される普図当たり遊技中に終了しないと判別した場合は(C5208:YES)、普図当たり遊技中に球が第2入賞口640に入賞した時点で特図1変動が実行中となることが確定するため、常時監視フラグ223HCを設定する処理(C5209)をスキップし、C5210の処理へ移行する。
C5210の処理では、対応する普図当たり遊技中一連演出シナリオを設定し(C5210)、その後、C5204の処理へ移行する。C5204の処理では、普図当たり中フラグをオンに設定し(C5204)、その後、C5215の処理へ移行する。ここで、上述したC5210の処理内容について詳細に説明をすると、C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間より長いと判別した場合(C5208:YES)は、その差分期間、つまり、普図当たり遊技が終了してから特図1残変動が終了するまでの期間を算出する。そして、その算出結果を特図2待機期間として用いて、一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている普図当たりシナリオテーブルのうち、特図2待機期間が該当する普図当たりシナリオを選択し、演出態様を設定する。
一方、C5208の処理において、特図1残期間が普図当たり遊技期間より短いと判別した場合は(C5208:NO)、実際に第2入賞口640に球が入賞したタイミングで演出態様(一連演出における待機期間に応じた演出態様)を設定することになるため、上述した第5制御例と同一の演出態様を設定する。
次に、C5201の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(C5201:NO)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したかを判別する(C5211)。そして、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(C5211:YES)、普図当たり中フラグ223HAをオフに設定し(C5212)、常時監視フラグ223HCをオフに設定し(C5213)、表示用エンディングコマンドを設定し(C5214)、その後、C5215の処理へ移行する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、第5制御例においてMPU221により実行されるメイン処理(図139参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、C5211の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(C5211:NO)、C5215の処理へ移行する。C5215の処理では、その他のコマンドに応じた処理を実行し(C5215)、本処理を終了する。
次に、図407を参照して、変動演出設定処理8(C4044)の内容について説明をする。図407は、本第8制御例において実行される変動演出設定処理8(C4044)の内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理8(C4044)では、常時監視フラグ223HCがオンに設定されている場合(一連演出中に実行される普図当たり遊技中であって、待機期間の長さが設定されていない場合)において実行される変動演出を設定するための処理を追加した点と、普通図柄の変動演出を設定するための処理の内容を変更した点と、で上述した第5制御例の変動演出設定処理5(図370参照)と相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
変動演出設定処理8(C4044)が実行されると、上述した第5制御例の変動演出設定処理5(図370参照)と同一のC4101の処理を実行し、特図変動演出を設定しない(普図変動演出を設定する)と判別した場合は(C4101:NO)、普図用演出設定処理8を実行し(C4167)、その後、本処理を終了する。この普図用演出設定処理8(C4167)の詳細については、図409を参照して後述する。
一方、C4101の処理において、特図変動演出を設定すると判別した場合は(C4101:YES)、次いで、常時監視フラグ223HCがオンに設定されているかを判別する(C4151)。常時監視フラグ223HCがオンであると判別した場合は(C4151:YES)、常時監視中演出設定処理を実行し(C4152)、C4102の処理へ移行する。この常時監視中演出設定処理(C4152)の詳細については図408を参照して後述する。一方、C4151の処理において、常時監視フラグ223HCがオンに設定されていないと判別した場合は、C4152の処理をスキップしてC4102の処理へ移行する。C4152の処理を実行後は、上述した第5制御例の変動演出設定処理5(図370参照)と同一のC4102〜C4116の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
次に、図408を参照して、常時監視中演出設定処理(C4152)の内容について説明をする。図408は、本第8制御例において実行される常時監視中演出設定処理(C4152)の内容を示したフローチャートである。この常時監視中演出設定処理(C4152)では、変動演出設定処理8(図407のC4044参照)にて実行されるものであり、特別図柄変動に対応する変動パターンコマンドを受信した場合に実行されるものである。
常時監視中演出設定処理(C4152)では、まず、特図1変動に対応する変動パターンコマンドを受信したか(特1変動の開始であるか)を判別し(C5301)、特図1変動に対応する変動パターンコマンドを受信した(特1変動の開始である)と判別した場合は(C5301:YES)、変動パターンコマンド処理5(図363のC3204参照)のC3303の処理にて抽出した変動パターンに基づいて、今回の特図1変動の変動時間(特図1変動時間)を抽出する(C5302)。次いで、特図1変動時間が普図当たり期間より大きい(長い)かを判別する(C5303)。
C5303の処理では、C5302の処理にて抽出した特図1変動時間と、実行中の普図当たり遊技の残期間(普図当たり期間)とを比較し、特図1変動時間の終了タイミングが、普図当たり期間の終了タイミングよりも後であるかを判別する。本制御例では、常時監視中演出設定処理(C4152)が、常時監視フラグ223HCがオンに設定されている場合、即ち、少なくとも普図当たり遊技中に実行されるように構成しているため、C5303の処理は、普図当たり遊技中に実行されることになるが、普図当たり遊技が実行されていない状態でC5303の処理を実行可能に構成する場合には、普図当たり遊技が実行されていない状態として、普図当たり期間「0」を用いて特図1変動時間と普図当たり期間とを比較するように構成すれば良い。
C5303の処理において、特図1変動時間が普図当たり遊技期間より長い(特図1変動の終了タイミングが普図当たり遊技の終了タイミングよりも後である)と判別した場合は(C5303:YES)、普図当たり遊技中に特図1変動が終了することが無いため、C5303の判別結果に基づいて普図当たり遊技中の演出態様(一連演出の演出シナリオ)を設定し(C5304)、常時監視フラグ223HCをオフに設定し(C5305)、C5306の処理へ移行する。
ここで、C5304の処理について詳細に説明をする。まず、特図1変動時間が普図当たり遊技期間より長い(特図1変動の終了タイミングが普図当たり遊技の終了タイミングよりも後である)と判別した場合は(C5303:YES)、その差分期間、即ち、普図当たり遊技が終了してから特図1変動が終了するまでの期間を算出し、その算出した期間を第2特別図柄(特図2)変動の待機期間(特図2待機期間)とし、一連演出シナリオテーブル222HAに規定されている普図当たりシナリオ1〜3のうち、今回算出された特図2待機期間に対応する普図当たりシナリオに基づいて演出態様を設定する。一方、C5303の処理において、特図1変動時間が普図当たり期間よりも長くない(特図1変動の終了タイミングが普図当たり遊技の終了タイミングよりも先である)と判別した場合は(C5303:NO)、今回の特図1変動が実行されたとしても、特図2待機期間を予測することができないため、即ち、今回の特図1変動中に第2入賞口640に球が入賞しなかった場合では、今回実行される特図1変動が終了した後も、普図当たり遊技が実行中であることから、残りの普図当たり遊技中に特図1変動が実行されるか、特図2変動が実行されるかを予測できないため、C5304とC5305の処理をスキップし、C5306の処理へ移行する。この場合、常時監視フラグ223HCがオフに設定されないため、引き続き、常時監視中演出設定処理(C4152)が実行される。
本第8制御例では、図401および図402を参照して上述した通り、普図変動が実行されてから大当たり遊技が実行されるまでの期間を用いて関連性を持たせた期間演出(一連演出)を実行する場合において、先の遊技内容(特図2待機期間の長さ)を複数タイミング(普図変動開始タイミング、普図当たり遊技開始タイミング)で予測し、その予測結果に基づいて演出態様を設定するように構成している。そして、各予測タイミングにおいて、予測不能と判別された場合にのみ、常時監視中演出設定処理(C4152)を実行し、普図当たり遊技中に特図変動が実行されるかを常時監視するように構成している。
このように構成することで、予め先の遊技内容(特図2待機期間の長さ)を予測可能な範囲に対しては一括で一連演出の演出態様を設定することができるため、一連演出の演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。また、先の遊技内容を予測するための処理を複数タイミングで実行可能に構成しているため、予測精度を高めることができる。さらに、複数の予測タイミングにて先の遊技内容を予測することができなかった場合は、実際の遊技内容に基づいて一連演出の演出態様を実行するように構成しているため、一連演出の演出態様を確実に設定することができる。
図408に戻り、説明を続ける。C5301の処理において、特図1変動に対応する変動パターンコマンドを受信していない(特1変動の開始では無い)と判別した場合は(C5301:NO)、次いで、特図2変動に対応する変動パターンコマンドを受信したか(特2変動の開始であるか)を判別し(C5306)、特図2変動に対応する変動パターンコマンドを受信した(特2変動の開始である)と判別した場合は(C5306:YES)、普図当たり遊技中に特図2変動が実行された状態であるため、図402を参照して上述した通り、普図当たり遊技中であっても特図2変動期間に対応する一連演出の演出態様としてシナリオ3を設定し(C5307)、常時監視フラグ223HCをオフに設定し(C5308)、表示用特2変動コマンドを設定し(C5309)、その後、C5310の処理へ移行する。
なお、上述したC5307の処理は、普図変動に基づいて一連演出が実行される場合であり、普図変動開始タイミングにおいて実行される第1予測処理、及び、普図当たり遊技開始タイミングにおいて実行される第2予測処理の何れにおいても特図2待機期間を予測することができず、普図当たり遊技中に常時監視中演出設定処理が実行されている期間中に、特図2変動が実行される場合に行われるものである。つまり、特図2待機期間を予測すること無く特図2変動が実行される場合である。このように、特図2待機期間を予測できない状態において特図2変動が実行される場合には、C5307の処理において、特図2変動期間に対応する演出態様が設定されるように構成することにより、複数の予測タイミングにて先の遊技内容を予測することができない場合であっても、実際の遊技内容に基づいて一連演出の演出態様を実行するように構成しているため、一連演出の演出態様を確実に設定することができる。
一方、C5306の処理において、特図2の変動が開始されていないと判別した場合は(C5306:NO)、C5310の処理へ移行する。C5310の処理では、その他のコマンドに応じた処理を実行し(C5310)、その後、本処理を終了する。
次に、図409を参照して、普図用演出設定処理8(C4167)の内容について説明をする。図409は、本第8制御例において実行される普図用演出設定処理8(C4167)の内容を示したフローチャートである。この普図用演出設定処理8(C4167)は、普図変動の一連演出を実行する条件が成立した場合において、後の遊技内容を予測して一連演出を設定するための一連演出予測設定処理処理(第1予測処理)を実行する点で上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と相違している。それ以外の内容は上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
普図用演出設定処理8(C4167)では、まず、上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と同一のC4201〜C4206の処理を実行し、C4206の処理において、疑似一連演出フラグ223ECがオフであると判別した場合は(C4206:NO)、一連演出予測設定処理を実行し(C4251)、その後、C4208の処理へ移行する。この一連演出予測設定処理(C4251)の詳細については図410を参照して後述する。次いで、上述した第5制御例の普図用演出設定処理(図371参照)と同一のC4208〜C4212の処理を実行後、非変動時入賞フラグ223EFをオフに設定し(C4252)、その後、本処理を終了する。
次に、図410を参照して、一連演出予測設定処理(C4251)の内容について説明をする。図410は、本第8制御例において実行される一連演出予測設定処理(C4251)の内容を示したフローチャートである。この一連演出予測設定処理(C4251)では、普図変動開始時において今後の遊技内容(特図2待機期間)を予測(第1予測)し、その予測結果(第1予測結果)に基づいて一連演出が実行される期間中の演出態様を設定するための処理が実行されるものであり、第1予測結果として特図2待機期間の長さを予測した場合と、予測できなかった場合とで、一連演出が実行される期間のうち、異なる期間に対して演出態様を設定するための処理が実行されるものである。
一連演出予測設定処理(C4251)では、まず、今回の普図変動が当たり変動であるかを判別する(C5401)。今回の普図変動が当たり変動では無いと判別した場合は(C5401:NO)、一連演出を実行するための条件が成立していないため、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普図変動が当たり変動であると判別した場合は(C5401:YES)、特図変動時間カウンタ(特図1変動時間カウンタ)223EGの値を読み出し(C5402)、特図変動時間カウンタ223EGの値が0より大きいかを判別する(C5403)。
C5403の処理において、特図変動時間カウンタ223EGの値が0である、即ち、現時点が特図1変動中ではない状態であると判別した場合は(C5403:NO)、そのまま本処理を終了する。つまり、本制御例では、普図当たり変動が実行される場合において一連演出を実行するための条件、具体的には、図409に示した通り、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)で、今回の普図変動時間が30秒以上で、一連演出カウンタ223GAがオフに設定されており、非変動時入賞フラグ223EFがオフに設定されており、疑似一連演出フラグ223ECがオフに設定されている状態であって、さらに、図410に示した通り、今回の普図変動が、普図当たり変動である場合に成立する条件が成立していたとしても、本処理が実行される時点で特図1変動が実行されていない場合は、一連演出を実行(設定)しないように構成している。
このように構成することで、普図当たり変動に基づいて実行され得る一連演出の実行の有無を、特別図柄変動(特図1変動)の実行状況に応じて設定することができるため、通常状態において右打ち遊技を実行し、普図変動のみを実行させる遊技を行っている遊技者に対して、一連演出を実行させないようにすることができる。
C5403の処理において、特図変動時間カウンタ223EGの値が0より大きいと判別した場合(C5403:YES)、即ち、特図1変動中であると判別した場合は、特図変動時間カウンタ223EGの値に基づいて特図1残変動時間を算出し(C5404)、今回の普図変動時間と、今回の普図変動終了後に実行される普図当たり遊技時間とを抽出し、合算する(C5405)。このC5405の処理では、普図変動時間と、普図当たり遊技期間とを合算することで、現時点(普図変動開始時点)から普図当たり遊技が終了するまでの期間(普図当たり終了期間)を算出するための処理が実行される。
そして、C5404の処理において算出した特図1残変動時間と、C5405の処理において合算(算出)した合算時間(普図当たり合算時間)と、を比較し(C5406)、その比較結果が特図1残変動時間のほうが普図当たり合算時間より大きい(長い)か否かを判別する(C5407)。特図1残変動時間が普図当たり合算時間より大きい(長い)と判別した場合は(C5407:YES)、実行中の特図1変動が終了するまでに、普図当たり遊技が終了する場合であるため、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞した際の特図2待機期間を予測可能となる。よって、一連演出シナリオテーブル223HAを参照し、特図1残変動時間と普図当たり合算時間との差分時間(特図2待機期間)に基づく普図当たりシナリオを設定し(C5408)、その後、本処理を終了する。
一方、C5407の処理において、特図1残変動時間が普図当たり合算時間よりも短いと判別した場合は(C5407:NO)、現時点において、特図2待機期間の有無、および長さを予測することができないため、普図当たりシナリオ4を設定し(C5409)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第8制御例では、普図変動が実行される際に、普図当たり遊技中における特別図柄(第1特別図柄)の変動状況を予測し、その予測結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。つまり、普図変動が実行される際に、今回実行される普図変動の変動時間と普図抽選結果、及び、普図当たり遊技の遊技時間(最大時間)と、を算出し、算出結果に基づいて、普図当たり遊技中に現在実行中の特図1変動が終了するか否かを判別し、その判別結果に基づいて普図変動に対応する一連演出の演出態様を設定するように構成している。
このように構成することで、例えば、実行中の特図1変動の変動終了タイミングが、第2入賞口640に球が入賞し得る期間、即ち、普図当たり遊技期間(最大期間)よりも後である場合は、特図2変動が実行し得るタイミング(待機期間の長さ)を、普図変動を実行する時点で予測することが可能となる。これにより、待機期間中に実行される各種演出態様として、待機期間の長さに基づいた演出態様を設定することができる。よって、上述した第5制御例に対して、待機期間の長さに応じて一連演出の演出態様のうち、可変設定可能な期間を長くすることができるため、一連演出の長さに応じた一連演出を実行させ易くすることができる。
なお、上述した第8制御例は、上述した第5制御例と同様に、普図当たり遊技として、ショート開放当たり遊技(閉鎖期間(オープニング期間)が0.1秒、開放期間が0.1秒)と、ロング開放当たり遊技(閉鎖期間(オープニング期間)が0.1秒、第1開放期間が1秒、閉鎖期間(待機期間)が1.5秒、第2開放期間が0.5秒)と、を実行可能に構成していることから、普図変動時において実行される第1予測処理(一連演出予測設定処理(図410のC4251参照))において、今回の普図変動にて当選した普図当たりの当たり種別を判別し、その判別結果に基づいて、第1予測の予測範囲(第2入賞口640に球が入賞可能な期間)を設定するように構成しても良い。加えて、今回判別された普図当たり種別に対応する予測範囲の態様(第2入賞口640に球が入賞可能な期間の長さやタイミング)、即ち、実行される普図当たり遊技の遊技態様に基づいて、普図当たり遊技中における第2入賞口640への球の入賞のし易さを判定し、第1予測処理において、待機期間(第2入賞口640に球が入賞してから、その入賞に基づく特図2変動が実行されるまでの期間)を予測することができなかった場合には、第2入賞口640への球の入賞のし易さを判定するための入賞難度判定手段の判定結果に基づいて、普図変動期間中の演出態様を設定するように構成しても良い。
具体的には、入賞難度判定手段により、入賞難度が低い(正常な遊技を行うことで、略第2入賞口640に球を入賞させることが可能)と判定された普図当たり遊技(例えば、普図ロング開放当たり遊技)に対応する普図当たり種別(例えば、普図当たりA(図336(B)参照))が設定される場合には、普図変動期間中に設定される演出態様として、一連演出として設定される次の演出態様へと移行し易い演出態様を設定し、入賞難度が高い(正常な遊技を行ったとしても、第2入賞口640に球を入賞させることが困難)と判定された普図当たり遊技(例えば、普図ショート開放当たり遊技)に対応する普図当たり種別(例えば、普図当たりB(図336(B)参照))が設定される場合には、普図変動期間中に設定される演出態様として、一連演出が終了することを示唆する演出態様(一連演出として設定される次の演出態様へと移行し難い演出態様)を設定するように構成すると良い。このように、第1予測処理を実行するタイミングで待機期間を予測できない場合において、実行される普図当たり遊技の種別に基づいて普図変動期間中に実行される演出の演出態様を可変させることにより、普図変動が開始された時点で、遊技者に対して今回の普図変動を契機に大当たり遊技が実行され易いか否かを予測させることが可能となるため、第1予測処理を実行するタイミングで待機期間を予測できない場合に実行される演出の演出効果を高めることができる。
また、入賞難度が高い(正常な遊技を行ったとしても、第2入賞口640に球を入賞させることが困難)と判定された普図当たり遊技(例えば、普図ショート開放当たり遊技)に対応する普図当たり種別(例えば、普図当たりB(図336(B)参照))が設定される場合には、一連演出に対応する演出態様を設定しないように構成しても良い。このように構成することで、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させることができず、大当たり遊技に向けての遊技(特図2変動、小当たり当選、小当たり遊技)が進行し難い場合に一連演出が実行されることを抑制することができる。なお、この場合、入賞難度が高い普図当たり遊技中に第2入賞口640に球が入賞したと判別した場合には、その入賞タイミングから一連演出を実行するように構成すると良く、例えば、第2入賞口640に球が入賞した時点における待機期間(今回の入賞に基づく特図2変動が実行されるまでの期間)の長さが所定期間以上(例えば、30秒以上)である場合には、第2入賞口640に球が入賞した時点から所定期間(例えば、30秒)を用いて、通常、普図変動期間中に設定される演出態様を設定するように構成すると良い。
このように、入賞難度が高い普図当たり遊技が実行される場合には、一連演出の開始タイミングを普図変動開始タイミングでは無く、第2入賞口640に球が入賞したタイミングとすることで、一連演出が実行されたにも関わらず、その一連演出の途中段階で一連演出が終了してしまう頻度を抑制することができる。
さらに、本制御例では、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別を1つ設けた例を示したが、これに限ること無く、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別を複数設定可能に構成し、各普図当たり種別に対応して実行される普図当たり遊技の遊技態様を異ならせても良く、例えば、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別として普図当たり種別Αと、普図当たり種別Βと、を少なくとも設定可能に構成し、普図当たり種別Αに対応する普図当たり遊技(普図当たり遊技Α)の遊技態様として、閉鎖期間0.1秒、開放期間3秒の遊技態様を設定し、普図当たり種別Βに対応する普図当たり遊技(普図当たり遊技Β)の遊技態様として、閉鎖期間0.1秒、第1開放期間0.1秒、閉鎖期間(待機期間)3秒、第2開放期間(2.9秒)の遊技態様を設定するように構成しても良い。
この場合、入賞難度が低い普図当たり遊技が実行される場合において、設定される普図当たり種別に応じて、第2入賞口640に球が入賞し易い期間が異なることから、普図変動開始タイミングにおいて実行される第1予測処理において、普図当たり種別に基づいて第2入賞口640に球が入賞し易い期間を判別し、その判別手段の判別結果に基づいて第1予測処理にて実行する予測の範囲を異ならせるように構成すると良い。具体的には、上述した普図当たり遊技Αが実行される場合は、第1予測処理にて実行する予測の範囲を普図当たり遊技の開始から0.1秒から3.1秒の範囲(開放期間の範囲)に基づいて設定し、普図当たり遊技Βが実行される場合は、第1予測処理にて実行する予測の範囲を普図当たり遊技の開始から3.3秒から6.1秒の範囲(第2開放期間の範囲)に基づいて設定するように構成すると良い。
このように、実行される普図当たり遊技の遊技態様(入賞難度、入賞可能期間の設定タイミング)に基づいて、予測する範囲を対応付けて設定することにより、第1予測処理にて実行する予測の範囲を狭くすることが可能となる。これにより、第1予測処理において待機期間を予測し易くすることができる。よって、一連演出を実行させ易くし、演出効果を高めることができる。
さらに、入賞難度が低い普図当たり遊技に対応する普図当たり種別として普図当たり種別Γ設定可能に構成し、普図当たり種別Γに対応する普図当たり遊技(普図当たり遊技Γ)の遊技態様として、閉鎖期間0.1秒、第1開放期間1.5秒、閉鎖期間(待機期間)3秒、第2開放期間(1.5秒)の遊技態様を設定するように構成した場合、即ち、第2入賞口640に球が入賞し得る開放期間が複数設定される普図当たり遊技が実行される場合には、第1予測処理において、まず、後に設定される第2開放期間に対応する範囲と実行中の特図1変動の残期間(残変動期間)と、を比較し、特図1変動の残期間(残変動期間)が第2開放期間よりも後であるかを判別し、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングが第2開放期間の終了タイミングよりも後であると判別された場合には、第2開放期間の終了タイミングから実行中の特図1変動の終了タイミングまでを待機期間として設定するように構成し、一方、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングが第2開放期間の終了タイミングよりも前であると判別された場合には、次に、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングと、第1開放期間に対応する範囲と、を比較する。
そして、第1開放期間の経過タイミングが、特図1変動の残期間(残変動期間)の経過タイミングよりも前であると判別した場合は、第1開放期間の終了タイミングから実行中の特図1変動の終了タイミングまでを待機期間として設定するように構成し、一方、第1開放期間の経過タイミングよりも、第1開放期間の経過タイミングのほうが後であると判別された場合、即ち、第1開放期間が経過するまでに実行中の特図1変動が停止表示される場合は、第1予測処理において待機期間を予測することができなかったとして、上述する第2予測処理が実行されるように構成すると良い。
<第9制御例>
次に、図411〜図420を参照して、第9制御例について説明をする。本第9制御例は、上述した第5制御例に対して、時短状態の最終変動において実行される最終変動演出に対する制御処理を異ならせた点で相違している。
上述した第5制御例では、時短状態の最終変動において実行される最終変動演出を用いて、当該変動の抽選結果、及び、当該変動後に実行される特図2変動(時短状態が終了し、通常状態が設定されている状態で実行される特図2変動)に対する事前判別結果を示唆するように構成していた。このように構成することで、時短状態が終了した後に実行される特図2変動によって当たり(大当たり、小当たり)に当選する場合に、その旨を最終変動演出で示唆することが可能となる。
本第9制御例では、上述した第5制御例に対して、最終変動演出の演出態様を設定するための処理を詳細に説明している点で相違している。具体的には、時短状態の最終変動を実行する場合に、当該変動の抽選結果および、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)に基づいて、最終変動演出の演出態様を設定するように構成している。
さらに、時短状態の最終変動が外れ変動である場合は、特図2保留球数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)に基づいて最終変動演出の演出期間を設定するように構成している。つまり、時短状態の最終変動が外れ変動である場合は、当該変動終了後に最終変動演出の示唆対象となる次の特図2変動(通常状態中に実行される特図2変動)が実行されることから、時短状態の最終変動が外れ変動である場合は、時短状態の最終変動の開始タイミングにて、既に獲得している特図2保留に対応する特図2変動の変動期間に対して予め演出態様(最終変動演出)を設定するように構成している。
<第9制御例の電気的構成について>
次に、図411〜図415を参照して、本第9制御例における電気的構成について説明をする。本第9制御例は、上述した第5制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222および、RAM223の内容を一部変更している点で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図411(A)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図411(A)は、第9制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図411(A)に示した通り、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のROM222に対して、最終変動演出テーブル222IA、及び最終演出可変設定テーブル222IBを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
最終変動演出テーブル222IAは、最終変動演出の演出態様を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短状態の最終変動(特図2変動)に対応する変動パターンコマンドを受信した場合に参照されるものである。ここで、最終変動演出テーブル222IAの内容について、図412及び図413を参照して説明をする。
図412(A)は、最終変動演出テーブル222IAの内容を模式的に示した模式図である。図412(A)に示した通り、最終変動演出テーブル222IAは、当該変動の抽選結果が当たりである場合に参照される当たり用最終テーブル222IA1と、当該変動の抽選結果が外れである場合に参照される外れ用最終テーブル222IA2と、を有している。
ここで、最終変動演出における演出期間について説明をする。本第9制御例では、上述した第5制御例と同様に、最終変動演出の演出期間として、「待機期間」、「第1期間」、「第2期間」、「第3期間」が形成されるように構成しており、各期間に対して演出態様を設定可能に構成している。上述した第5制御例では、当該変動(時短最終変動)の抽選結果に関わらず、「待機期間」に、最終変動演出が始めることを報知するための演出態様(待機演出)が設定され、「第1期間」に、特図2保留を多く獲得させるための演出態様(獲得演出)が設定され、「第2期間」に、当該変動の抽選結果、及び、特図2保留の先読み結果を示唆するための演出態様(ミッション演出)が設定され、「第3期間」に、ミッション演出の演出結果を示すための演出態様(結果演出)が設定されるように構成していた。
さらに、「待機期間」経過時における特図2保留球数に基づいて、「第1期間」中に実行される演出として獲得演出を実行するか、ミッション演出を実行するかを判別するように構成し、「待機期間」経過時における特図2保留球数が所定数以上であれば(上限数(4)であれば)、「第1期間」にてミッション演出を実行するように構成していた。
これに対して、本第9制御例では、時短最終変動(特図2変動)が実行されるタイミングにおける特図2保留球数に基づいて、最終変動演出の演出態様を設定するように構成している点で上述した第5制御例と相違している。また、当該変動の抽選結果に基づいて、時短最終変動(特図2変動)が実行されるタイミングにおいて設定される最終変動演出の演出態様を異ならせている点で上述した第5制御例と相違している。さらに、最終変動演出の演出態様を設定するタイミングを複数設けた点でも上述した第5制御例と相違している。
まず、図412(B)を参照して、最終変動演出テーブル222IAが有する当たり用最終テーブル222IA1に規定されている内容について説明をする。図412(B)は、当たり用最終テーブル222IA1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図412(B)に示した通り、当たり用最終テーブル222IA1には、特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値(特図2保留球数)と、取得した演出カウンタ223Fの値とに応じて、最終変動演出の各演出期間に設定される演出態様が規定されている。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値が「0」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜169」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンAが規定され、「170〜189」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンBが規定され、「190〜198」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンCが規定されている。また、特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値が「1,2」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜169」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンAが規定され、「170〜198」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンBが規定されている。さらに、特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値が「3」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜109」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンAが規定され、「110〜198」の範囲には、最終変動演出の演出パターンとして演出パターンBが規定されている。
ここで、当たり用最終テーブル222IA1に規定されている各種演出パターンの詳細な内容について説明をする。演出パターンAは、上述した第5制御例と同様の最終変動演出が実行されるものであり、図318を参照して上述した通り、最終変動演出が実行される演出期間のうち、最初に設定される待機期間(第0期間)に、最終変動演出が実行される旨を示すための演出態様である「待機演出(演出A)」が設定され、待機期間が経過した後の第1期間に、遊技者に対して、後の遊技を有利に実行させる(特図2保留を獲得させる)遊技方法を案内するための演出態様である「獲得演出(演出B)」が設定され、第1期間が経過した後の第2期間に、最終変動演出の対象となる図柄の抽選結果(時短最終変動となる特図2変動の抽選結果、現時点で獲得している特図2保留に対する先読み結果)を示唆するための演出態様である「ミッション演出(演出C)」が設定され、第2期間が経過した後の第3期間に、第2期間中に実行された「ミッション演出(演出C)」の演出結果(抽選結果)を示すための演出態様である「結果演出(演出D)」が設定される。
演出パターンBは、時短最終変動が当たり(大当たり、小当たり)に当選している場合に設定される演出パターンであって、最終変動演出として、遊技者に当たりに当選したことを報知するための演出態様である「特殊演出1(演出E)」が設定される。
演出パターンCは、最終変動演出を設定する際の特図2保留数が所定数以下(0)である場合に設定される演出態様であって、最終変動演出の演出期間のうち、待機期間(第0期間)に「待機演出(A)」が設定される。この演出パターンCが設定された場合は、待機期間(第0期間)終了後に、再度、最終変動演出の演出態様(第1期間〜第3期間のそれぞれで実行される演出態様)を設定するための処理(最終演出可変処理)が実行されるように構成している。
この最終演出可変処理についての詳細な内容は後述するが、最終演出可変処理では、待機期間(第0期間)中に獲得した特図2保留数、及び、待機期間(第0期間)終了時点における特図2保留数に応じて異なる演出態様を第1期間〜第3期間のそれぞれに設定するための処理が実行される。
以上、説明した通り、本第9制御例では、上述した第5制御例における最終変動演出の設定方法に対して、最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて最終変動演出の演出態様を設定するように構成している点、及び、最終変動演出の対象となる抽選結果(先読み結果)を、当該変動の抽選結果と、最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて獲得済の特図2保留の先読み結果と、に限定している点で相違している。
このように構成することで、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させることができるため、時短最終変動が実行される前(時短状態中)に実行する特図2保留を獲得するための遊技に多様性を持たせることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本制御例のように、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させる場合には、時短最終変動が実行される時点において獲得している特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)である場合にのみ設定可能な演出態様を設けると良い。このように構成することで、時短最終変動が実行される時点で特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)となるように、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した当たり用最終テーブル222IA1は、当該変動(時短最終変動)が当たりに当選している場合に参照されるデータテーブルであるため、当たり用最終テーブル222IA1を参照して設定する最終変動演出の実行期間は、時短最終変動の変動パターン(変動時間)に対応した期間となる。つまり、当たり用最終テーブル222IA1を参照して設定された最終変動演出の終了後に、当該変動の抽選結果に対応した当たり遊技が実行される。このように、時短最終変動が当たり当選している場合は、特図2保留に基づいて実行される特図2変動の変動時間を考慮すること無く、当該変動の変動時間に対応させて最終変動演出の演出態様を一括で設定することができるため、演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
上述した通り、本第9制御例で用いられる当たり用最終テーブル222IA1は、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が少ないほど、演出パターンCが選択され易くなるように規定されている。つまり、時短最終変動が実行される時点で特図2保留数が少ないほど、待機期間(第0期間)中に獲得可能な特図2保留数を増やすことができるため、待機期間(第0期間)中に獲得した特図2保留数に応じて演出態様を可変設定可能な演出パターンCが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、特図2保留数が少ない状態で時短最終変動が実行される場合において、異なる最終変動演出を実行させることが可能となる。
また、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が多いほど、最終変動演出として演出パターンBが選択され易くなるように規定されている。このように構成することで、特図2保留数が多い状態で時短最終変動が実行されるほうが、当たり当選したことを示す特殊演出1を実行させ易くすることができる。よって、遊技者に対して意欲的に特図2保留数を獲得するための遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
次に、図413を参照して、最終変動演出テーブル222IAが有する外れ用最終テーブル222IA2の内容について説明をする。図413は、外れ用最終テーブル222IA2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用最終テーブル222IA2は、時短最終変動である特図2変動の抽選結果が外れである場合に参照されるデータテーブルであって、当該変動の変動期間に、保留記憶されている特図2保留に対応する特図2変動の変動時間を加えた期間を演出期間とした最終変動演出の演出態様を設定するために用いられるものである。
本第9制御例では、上述した第5制御例と同様に、時短状態の最終変動(時短最終変動)において実行される最終変動演出を用いて、当該変動の抽選結果、及び、当該変動後に実行される特図2変動(時短状態が終了し、通常状態が設定されている状態で実行される特図2変動)に対する事前判別結果を示唆するように構成している。そして、時短最終変動の抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)当選している場合は、当該変動の終了後に当たり遊技が実行されるため、当該変動の変動期間に対応した期間で最終変動演出が実行されるように構成している。
一方、時短最終変動の抽選結果が外れである場合には、当該変動の終了後に保留記憶されている特図2保留に対応する特図2変動が実行される。本制御例では、時短最終変動が終了した時点において保留記憶されている特図2変動の変動期間も含めて最終変動演出を実行するように構成している。
図413に示した通り、外れ用最終テーブル222IA2は、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)と、特図2保留に対する先読み結果と、取得した演出カウンタ223Fの値と、に応じて最終変動演出の演出態様が規定されている。また、最終変動演出が実行される演出期間として、時短最終変動の変動期間と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了し、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)にて実行される特図2変動(時短状態中に獲得した特図2保留に対応する特図2変動)の変動期間と、が規定されている。
そして、時短最終変動の実行タイミングにおいて、既に獲得している特図2保留数に対応して実行される特図2変動の変動期間に対しても最終変動演出の演出態様を設定するように構成している。このように構成することで、複数の特図変動(特図2変動)に跨がって実行される演出(最終変動演出)の演出態様を一括で設定することができるため、各特図変動が実行される毎に最終変動演出の演出態様を設定する場合に比べて、演出態様を設定するための処理を簡素化することができる。
さらに、本制御例では、最終変動演出の演出態様を設定する時点で獲得済の特図2保留の中に、当たり当選を示す入賞情報がある場合(先読み結果が当たりである場合)と、当たり当選を示す入賞情報がない場合(先読み結果が外れである場合)と、で、最終変動演出中に実行される獲得演出の実行内容(実行の有無、実行される期間)を異ならせるように構成しており、獲得済の特図2保留の中に、当たり当選を示す入賞情報がある場合(先読み結果が当たりである場合)は、それ以外の場合に比べて、獲得演出が実行され難く、或いは、実行された場合であっても実行期間が短くなるように構成している。
このように構成することで、最終変動演出として実行される変動演出の演出態様に応じて、特図2保留の先読み結果を遊技者に予測させることができるため、演出効果を高めることができる。また、時短状態が終了し得る状態、即ち、時短最終変動に対応する特図2変動が外れ変動であり、且つ、時短最終変動が実行される時点で獲得済の特図2保留の先読み結果が外れである状態において、時短状態が終了した後に実行される有利遊技(通常状態中の特図2抽選)の実行回数を増加させるための演出態様(獲得演出(演出B))を、其れ以外の場合に比べて強調させることが可能となる。よって、時短状態が終了した後に実行される有利遊技の実行回数を増加させ易くすることができる。
ここで、外れ用最終テーブル222IA2に規定されている内容について図413を参照して具体的に説明をすると、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が0であって、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜159」の範囲の場合に、待機期間に「演出A」が、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が設定される演出データが規定されている。また、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が0であって、取得した演出カウンタ223Fの値が「160〜179」の範囲の場合に、待機期間、および、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が設定される演出データが規定されている。また、取得した演出カウンタ223Fの値が「180〜198」の範囲の場合に、待機期間に「演出A」が設定される演出データが規定されている。
なお、本外れ用最終テーブル222IA2では、現時点における最終変動演出の最終演出期間で実行される演出態様を設定しない(図413では、未設定であることを示す表示態様として「○」を表示)ように構成している。つまり、時短最終変動の実行タイミングにて把握可能な特図抽選結果(先読み結果)に当たりが含まれていない場合は、時短最終変動の実行タイミング以降に獲得した特図2保留に対応する特図2変動が、時短最終変動の実行タイミングにて先読み処理の対象となった特図2変動の後に実行される場合がある。
このように、最終変動演出が実行されてから当該最終変動演出が終了するまでの期間において実行され得る特図変動の抽選結果によって最終変動演出の演出結果(演出態様)を可変させる必要がある場合は、時短最終変動の実行タイミング以外のタイミングでも最終変動演出の演出態様を可変設定することができるように構成している。よって、様々な演出態様で最終変動演出を実行させることができる。
図413に戻り、説明を続ける。特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が1であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれており「保留内当たりあり」である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、次に実行される特図2変動(通常状態が設定されてから最初に実行される特図2変動)が当たり変動となる場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出A」が、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が、第3期間、及び通常状態が設定されてから1回目の特図2変動(以下、通常特図2変動1と称す)の変動期間(通1)に「演出D」が設定される演出データが規定されている。
一方、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が1であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれておらず「保留内当たりなし」である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、次に実行される特図2変動(通常状態が設定されてから最初に実行される特図2変動)も外れ変動となる場合は、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜189」の範囲である場合に、待機期間に「演出A」が、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が、第3期間に「演出C(ミッション演出)」の演出結果が表示されることを遅延させるための表示態様である「継続演出(演出F)」が設定される演出データが規定されている。
ここで、上述した「継続演出」とは、ミッション演出(図328(B)参照)が実行された後に、表示される演出態様であって、ミッション演出の演出結果を示す演出態様(図329(A)参照)、即ち、結果演出(演出D)が、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるまでの期間を延長する場合に実行される演出態様である。
詳細な表示内容についてはその説明を省略するが、例えば、ミッション演出として図328(B)に示した演出態様が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される場合には、落石873の落下速度を低下させることで実行中のミッション演出の演出結果(成功又は失敗)が表示されるまでの過程を示す期間を延長させたり、実行中のミッション演出の演出結果として、ミッション演出が継続する(2回目のミッション演出が実行される)ことを示すための表示態様(例えば、「継続!」の文字)が表示されるように構成し、1回の最終変動演出にて複数回のミッション演出を実行したり、ミッション演出の演出結果として、実際の演出結果とは異なる演出結果を示唆する表示態様を一時的に表示する疑似結果表示演出を実行したりする演出態様が設定される。
このように、最終変動演出として「継続演出」を実行するように構成することで、例えば、最終変動演出が実行された後に、特図2保留を獲得し、実行中の最終変動演出の実行期間を延長させる場合において、遊技者に違和感を与えること無く、最終変動演出の演出期間を延長させることができる。
次に、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が2であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれており(保留内当たり「あり」)である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、獲得済の2つの特図2保留のうち少なくとも何れかに対応する特図変動が当たり変動となる場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出A」が、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が、第3期間、及び、通常状態が設定されてから1回目の特図2変動(以下、通常特図2変動1と称す)の変動期間(通1)、2回目の特図2変動(以下、通常特図2変動2と称す)の変動期間(通2)のうち、当たり変動が終了するまでの期間に「演出D」が設定される演出データが規定されている。
一方、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が2であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれておらず「保留内当たりなし」である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、次に実行される特図2変動(通常状態が設定されてから最初に実行される特図2変動)も外れ変動となる場合は、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜189」の範囲である場合に、待機期間に「演出A」が、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が、第3期間に「演出C(ミッション演出)」の演出結果が表示されることを遅延させるための表示態様である「継続演出(演出F)」が設定される演出データが規定されている。
次に、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が3であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれており(保留内当たり「あり」)である場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、獲得済の3つの特図2保留のうち少なくとも何れかに対応する特図変動が当たり変動となる場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出A」が、第1期間に「演出B」が、第2期間に「演出C」が、第3期間、及び、通1変動期間、通2変動期間、通3変動期間のうち、当たり変動が終了するまでの期間に「演出D」が設定される演出データが規定されている。
また、特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値)が3であって、特図2保留内に当たり当選を示す入賞情報が含まれていない(保留内当たり「なし」)場合、即ち、今回実行される特図2変動(時短状態最後の特図2変動)が外れ変動で、獲得済の3つの特図2保留に対応する特図2変動がいずれも外れ変動となる場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず(0〜198の全範囲に対応させて)、待機期間に「演出A」が設定される演出データが規定されている。
図411(A)に戻り説明を続ける。最終演出可変設定テーブル222IBは、時短状態の最終変動(特図2変動)において実行される最終変動演出の演出態様を選択するために用いられるデータテーブルであって、最終変動演出の演出態様を、最終変動演出テーブル222IAを用いて設定する際に、演出態様が設定されなかった演出期間(未設定期間)がある場合において、最終変動演出の実行中に未設定期間に対して演出態様を設定するために用いられるものである。具体的には、最終変動演出更新処理9(図420のC4566)において、待機期間(第0期間)が終了したと判別し(図420のC4863:YES)、演出可変フラグ223ICがオンに設定されていると判別した場合(図420のC4864:YES)、即ち、演出態様が設定されなかった演出期間(未設定期間)がある場合に、参照される(図420のC4865参照)。
ここで、図414、及び図415を参照して、最終演出可変設定テーブル222IBの内容について説明をする。図414(A)は、最終演出可変設定テーブル222IBの内容を模式的に示した模式図である。図414(A)に示した通り、最終演出可変設定テーブル222IBは、実行中の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動である場合に参照される当たり用設定テーブル222IB1と、実行中の特図2変動(時短最終変動)が外れ変動である場合に参照される外れ用設定テーブル222IB2と、を有しており、実行中の特図2変動(時短最終変動)の抽選結果に応じて、異なる演出態様が設定されるように構成している。また、詳細な説明は後述するが、実行中の特図2変動(時短最終変動)の抽選結果が当たりの場合と、外れの場合とで、演出態様を設定する際に参照される要素を異ならせている。
このように構成することで、最終変動演出として設定される演出態様を、実際の遊技内容(特図抽選結果と、保留球数の増加具合)に対応させて設定することができるため、遊技者に対して実行される最終変動演出の演出内容に興味を持たせることができる。
次に、図414(B)を参照して、当たり用設定テーブル222IB1の内容について説明をする。図414(B)は、当たり用設定テーブル222IB1の内容を模式的に示した模式図である。図414(B)に示した通り、当たり用設定テーブル222IB1は、保留数増加カウンタ223IAの値、即ち、最終変動演出が実行されてから待機期間(第0期間)が終了するまでの期間中に獲得した特図2保留数と、取得した演出カウンタ223Fの値と、に基づいて異なる演出態様が規定されている。
具体的には、保留数増加カウンタ223IAの値が「0,1」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜198」の範囲である場合には、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3期間に「演出D」を設定するように規定されている。なお、最終変動演出の実行時において既に演出態様が設定されている期間に対して新たな演出態様を設定すること無く、最終変動演出の実行時において演出態様が設定されていない未設定期間(図412(B)の「○」で示した期間)に対してのみ本テーブルを参照して演出態様が設定される。
次に、保留数増加カウンタ223IAの値が「2」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜149」の範囲である場合には、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3期間に「演出D」を設定するように規定され、「150〜198」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に、実行中の最終変動演出の演出結果が特別図柄(特図2)の当たり当選を示す演出結果となる可能性が高いことを示すための高期待度報知態様である「特殊演出2(演出G)」を設定するように規定されている。
上述した「特殊演出2(演出G)」とは、通常、最終変動演出として実行されるミッション演出(図328(B)参照)とは異なる演出が実行される演出態様であって、詳細な説明は後述するが、ミッション演出が実行されるよりも今回の最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果となり易くなるように選択割合が規定されている。
この「特殊演出2」の詳細な表示内容についてはその説明を省略するが、例えば、待機演出が実行された後に、第3図柄表示装置81の表示画面が暗くなり、当たり当選を示す演出結果である当たり表示態様(「V」の文字を模した表示態様)と、外れ当選を示す演出結果である外れ表示態様(「バツ印」を模した表示態様)とが表示され、最後まで表示されていた表示態様が最終変動演出の演出結果となる演出が実行される。このように、待機期間が終了した直後から、通常とは異なる演出が実行されることを遊技者に分かり易く報知することにより、遊技者に対して、当たり当選を期待させながら実行される演出を注視させることができる。
なお、「特殊演出2」の演出内容としては、上述した内容に限ること無く、例えば、図328(A)に示した例によれば、ミッション演出に用いる味方キャラクタ(851A〜851D)の種別として、小表示領域DM21に表示されていないキャラクタ(例えば、クジラを模したキャラクタ)を設定し、通常とは異なるミッション演出が実行されるように構成しても良いし、同一の味方キャラクタ(851A〜851D)を用いて特殊ミッションが実行される演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、「特殊演出2」として実行される演出の画像データの一部として、通常のミッション演出で用いられる画像データを流用することができるため、パチンコ機10の画像データ容量を削減することができる。
次に、保留数増加カウンタ223IAの値が「3」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜119」の範囲である場合には、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3期間に「演出D」を設定するように規定され、「120〜198」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に「演出G」を設定するように規定されている。
最後に、保留数増加カウンタ223IAの値が「4」で、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜149」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に「演出G」を設定するように規定され、「150〜198」の範囲である場合には、第1期間、第2期間、第3期間に、実行中の最終変動演出の演出結果が特別図柄(特図2)の当たり当選を示す演出結果となることを報知するための確定報知態様である「特殊演出3(演出H)」を設定するように規定されている。
上述した「特殊演出3(演出H)」とは、通常、最終変動演出として実行されるミッション演出(図328(B)参照)とは異なる演出が実行されるものであって、時短最終変動(特図2変動)の抽選結果が当たりである場合にのみ実行されるものである。この「特殊演出3」の詳細な表示内容についてはその説明を省略するが、例えば、待機演出が実行された後に、第3図柄表示装置81の表示画面が暗くなり、当たり当選を示す演出結果である当たり表示態様(「V」の文字を模した表示態様)が表示される演出が実行される。このように、最終変動演出の待機期間が終了した直後から、遊技者に対して、当たり当選を報知することで当たり遊技に向けての心の準備を遊技者に行わせることができる。また、特殊演出2開始時の表示態様と、特殊演出3開始時の表示態様と、を同一(第3図柄表示装置81の表示画面が暗く(ブラックアウト)する態様)にすることで、遊技者に対して、今回の最終変動演出が特殊演出2或いは特殊演出3であることを先に報知することができる。これにより、遊技者は、特殊演出3が実行されることを期待しながら最終変動演出を注視することになるため、演出効果を高めることができる。
なお、本第9制御例では、特殊演出3に対応する演出が実行される場合に遊技者に付与される特典として、最終変動演出が終了する前の時点で最終変動演出の演出結果を報知する特典を付与するように構成しているが、それ以外の特典を付与するように構成しても良く、例えば、特殊演出3が設定されるタイミングにおいて獲得済の特図2保留の先読み結果に基づいて当たり当選する回数を遊技者に報知する特典を付与するように構成しても良い。具体的には、4つの特図2保留のうち、先読み結果が当たり当選となる特図2保留が2つある場合には、特殊演出3の演出態様として、第3図柄表示装置81の表示画面が暗くなり、当たり当選を示す演出結果である当たり表示態様(「V」の文字を模した表示態様)が複数表示される演出が実行され、最終的に第3図柄表示装置81の表示画面に表示された当たり表示態様の数が当たり当選する回数を示すように構成すれば良い。このように、特別な演出条件が成立した場合に実行される特別演出(特殊演出3)として、当該特別演出が実行されたことに基づいて遊技者に第1特典(当たり当選の報知)を付与し、その第1特典が付与された後に、第1特典よりも遊技者に有利な第2特典(当たり当選回数の報知)を付与可能とすることにより、第1特典が付与された後も、遊技者に対して実行される特別演出(特殊演出3)の演出内容に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図415を参照して。外れ用設定テーブル222IB2の内容について説明をする。図415は、外れ用設定テーブル222IB2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用設定テーブル222IB2は、時短状態における最終変動(特図2変動)に対応して実行される最終変動演出を設定する際に、外れ用最終テーブル222IA2を用いた場合(図419のC4364参照)において、演出態様が設定されない未設定期間(図413の「○」で表示した期間)に対して演出態様を設定するために用いられるデータテーブルであって、最終変動演出更新処理9(図420のC4566参照)において、待機期間(第0期間)の終了タイミングであると判別された場合(図420のC4863:YES)に参照される(図420のC4865参照)。
図415に示した通り、外れ用設定テーブル222IB2には、保留球数増加カウンタ223IAの値(待機期間中に獲得した特図2保留の数)と、追加当たりの有無(待機期間中に獲得した特図2保留の先読み結果に基づく当たり当選の有無)と、保留上限フラグ223ENの設定状況と、取得した演出カウンタ223Fの値とに基づいて、最終変動演出の各演出期間に対して設定される演出態様が規定されている。
なお、時短状態における最終変動(特図2変動)に対応して実行される最終変動演出を、外れ用最終テーブル222IA2を用いて設定した際に(図419のC4364参照)、既に演出態様が設定されている演出期間に対しては新たな演出態様を設定すること無く、未設定期間に対してのみ外れ用設定テーブル222IB2を参照して演出態様が設定されるように構成している。
次に、外れ用設定テーブル222IB2に規定されている内容について、図415を参照して具体的に説明をする。まず、保留球数増加カウンタ223IAの値が「0」の場合、即ち、待機期間中に、新たな特図2保留を獲得しなかった場合は、追加当たりの有無や保留上限フラグ223ENの設定状況、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3期間〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、最終変動演出が開始された時点と、特図2保留数に変化が無い状態であるため、専用の演出態様を設定すること無く、最後の結果演出(演出D)として、外れを示す演出結果が設定される。
次に、保留球数増加カウンタ223IAの値が「1」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が3で、獲得済の特図2保留(3個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した特図2保留の先読み結果が当たりである場合は、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜169」の範囲には、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行しないように規定されている。このように構成することで、遊技者に対して、無用な演出(特図2保留数が上限に到達しているにも関わらず、特図2保留を獲得させる遊技を行わせる獲得演出)が行われてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が実行される演出内容に不信感を持ってしまい、演出効果が低くなってしまうことを抑制することができる。また、取得した演出カウンタ223Fの値が「170〜198」の範囲には、第1期間、第2期間、第3〜通4期間に「演出G」を設定するように各種演出態様が規定されている。
また、保留球数増加カウンタ223IAの値が「1」で、追加当たりが「なし」の場合は、保留上限フラグ223ENの設定状況、及び取得した演出カウンタ223Fの値の範囲に関わらず、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3期間〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、最終変動演出が開始された時点に対して、新たな特図2保留を1個獲得し、その特図2保留の先読み結果が外れである場合には、専用の演出態様を設定すること無く、最後の結果演出(演出D)として、外れを示す演出結果が設定される。
次に、保留球数増加カウンタ223IAの値が「2」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が2で、獲得済の特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果として、少なくとも何れかの特図2保留の先読み結果が当たりである場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行しないように規定されている。
このように構成することで、遊技者に対して、無用な演出(特図2保留数が上限に到達しているにも関わらず、特図2保留を獲得させる遊技を行わせる獲得演出)が行われてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が実行される演出内容に不信感を持ってしまい、演出効果が低くなってしまうことを抑制することができる。
一方、保留球数増加カウンタ223IAの値が「2」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が2で、獲得済の特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れである場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行しないように規定されている。
また、保留球数増加カウンタ223IAの値が「2」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223ENがオフに設定されている場合、即ち、最終変動演出の待機期間中に獲得した特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れであり、さらに、現在の特図2保留数が上限数(4)に到達していない場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオフに設定されていることから、第1期間を用いて新たに特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行するように構成している。
次に、保留球数増加カウンタ223IAの値が「3」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜109」の範囲には、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されているにも関わらず、獲得演出(演出B)が実行されるように構成している。このように、最終変動演出の演出結果として当たり当選を示す演出結果が表示される場合において、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている状態、即ち、これ以上新たな特図2保留を獲得することができない状態であっても、意図的に獲得演出を実行するように構成することで、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせることができる。
また、本第9制御例では、最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果である場合にのみ上述した演出(保留上限フラグ223ENがオンに設定されているにも関わらず、獲得演出(演出B)が実行される演出)が実行されるように構成しているため、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせた演出が実行されることで、最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果となることを報知することができる。よって、実際の遊技内容と実行される演出内容とに差異が生じているか否かを遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留球数増加カウンタ223IAの値が「3」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223Fの値が「110〜198」の範囲には、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行しないように規定されている。
次に、保留球数増加カウンタ223IAの値が「3」で、追加当たりが「あり」で、保留上限フラグ223ENがオフに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオフに設定されているにも関わらず、獲得演出(演出B)が実行されないように構成している。このように、最終変動演出の演出結果として当たり当選を示す演出結果が表示される場合において、保留上限フラグ223ENがオフに設定されている状態、即ち、新たな特図2保留を獲得することができる状態であっても、意図的に獲得演出を実行しないように構成することで、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせることができる。
この場合においても、実際の特図2保留球数と、実行される演出態様とに差異を持たせた演出が実行されることで、最終変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果となることを報知することができる。よって、実際の遊技内容と実行される演出内容とに差異が生じているか否かを遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
保留球数増加カウンタ223IAの値が「3」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されている場合、即ち、最終変動演出の開始時における特図2保留数が2で、獲得済の特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れである場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行しないように規定されている。
また、保留球数増加カウンタ223IAの値が「3」で、追加当たりが「なし」で、保留上限フラグ223ENがオフに設定されている場合、即ち、最終変動演出の待機期間中に獲得した特図2保留(2個)の先読み結果が何れも外れである状態において、待機期間中に新たに獲得した2個の特図2保留の先読み結果も外れであり、さらに、現在の特図2保留数が上限数(4)に到達していない場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間に「演出B」、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオフに設定されていることから、第1期間を用いて新たに特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行するように構成している。
最後に、保留球数増加カウンタ223IAの値が「4」の場合、即ち、最終変動演出が実行される時点における特図2保留数が「0」で、待機期間中に4個の特図2保留を新たに獲得した場合は、追加当たりが「あり」で取得した演出カウンタ223Fの値が「0〜99」の範囲には、第1期間、第2期間、第3〜通4期間に「演出G」を設定するように各種演出態様が規定され、「100〜198」の範囲には、第1期間、第2期間、第3〜通4期間に「演出H」を設定するように各種演出態様が規定されている。そして、追加当たりが「なし」の場合は、取得した演出カウンタ223Fの値に関わらず、第1期間、第2期間に「演出C」、第3〜通4期間に「演出D」を設定するように各種演出態様が規定されている。即ち、待機期間が終了した時点で、保留上限フラグ223ENがオンに設定されていることから、新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(演出B)を実行しないように規定されている。
次に、図411(B)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。本第9制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した本第5制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成に対して、保留数増加カウンタ223IAと、変動期間格納エリア223IBと、演出可変フラグ223ICとを追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留数増加カウンタ223IAは、特定期間(時短状態の最終変動に対応して実行される最終変動演出の演出期間の一部として設定される待機期間、及び第1期間)内に獲得した特図2保留の数を計測するためのカウンタであって、特定期間内に新たな特図2保留を獲得する毎にそのカウンタの値が1加算されるものである。この保留数増加カウンタ223IAは、入賞情報コマンド処理9(図417のC3262参照)にて実行される最終入賞処理(図418のC3461参照)にて特図2入賞に対応する入賞情報コマンドを受信したと判別し(C5501:YES)、演出可変フラグ223ICがオンに設定されていると判別した場合(C5502:YES)、即ち、最終変動演出の演出態様を設定するために、待機期間中獲得した特図2保留の数をカウントする必要がある場合に、カウンタ値が1加算される(図418のC5503参照)。
そして、最終変動演出更新処理9(図420のC4566参照)において、待機期間が終了したと判別した場合に(図420のC4863:YES)、カウンタ値に対応する演出態様が最終演出可変設定テーブル222IBを参照して設定される(図420のC4865参照)。さらに、第1期間が終了したと判別した場合に(図のC4866:YES)、最終変動演出中に獲得した特図2保留の変動期間を、最終変動演出の演出期間とする演出延長処理を実行ために、カウンタ値が参照され(C4868)、その後、カウンタ値が初期値(0)にリセットされる。
このように、特定期間中(例えば、待機期間中)に獲得した特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成を設けることにより、特定期間の終了時における特定の保留記憶数だけでは無く、特定期間中に獲得した特定の保留記憶数に基づいて特定期間以降の演出態様を設定することができるため、多種多様な演出態様を設定することが可能となる。また、遊技者に対して、所定期間内に多くの保留記憶を獲得させるという新たな遊技性を提供することができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、特定期間中(例えば、待機期間中)に獲得した特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成として、専用のカウンタ(保留数増加カウンタ223IA)を用いているが、これに限ること無く、例えば、特定期間の開始時点における保留記憶数を一時的に記憶する記憶手段を設け、特定期間の終了時点における保留記憶数と、記憶手段に記憶された保留記憶数とを比較することにより、特定期間中に獲得した保留記憶の数を算出するように構成しても良い。
また、本制御例では、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の獲得数を計測する特定期間(例えば、待機期間)を、1回の特図変動期間内(例えば、特図2変動期間内)に設定しているため、特定期間内に保留記憶の数が減少することが無く、単純に獲得した保留記憶の数を加算するだけの構成を用いているが、特定の保留記憶の獲得数を計測する特定期間として、特定の保留記憶の獲得数が減少し得る期間(例えば、複数回の特図2変動を跨いで設定される期間)を設定するように構成しても良く、この場合は、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成として、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)を獲得する毎にカウンタ値を1加算し、特定の保留記憶が減少する毎に(例えば、特図2保留を用いた特図2変動が実行される毎に)カウンタ値を1減算するように構成すれば良い。加えて、この場合は、特定期間の開始時点よりも、特定期間の終了時点のほうが特定の保留記憶の数が少なくなる場合も考えられるため、特定の保留記憶(例えば、特図2保留)の数をカウントする構成として、特定の保留記憶を記憶可能な上限数よりも大きな値をカウンタの初期値として設定しておくと良い。このように構成することにより、特定期間中における特定の保留記憶の増減に対応させてカウンタ値を増減させた場合に、そのカウンタ値が0よりも小さくなることを確実に防止することができる。
また、特定の保留記憶の獲得数を計測する特定期間として、特定の保留記憶の獲得数が減少し得る期間(例えば、複数回の特図2変動を跨いで設定される期間)を設定するように構成した場合において、上述したように特定の保留記憶が特定期間内において実際に増加した数をカウントする構成では無く、特定期間内で新たに獲得した特定の保留記憶の数を加算するだけの構成を用いても良い。
さらに、本第9制御例では、予め定められた特定期間内(待機期間内)における特定の保留記憶(特図2保留)の増加数に基づいて、特定期間経過後の演出態様を設定するように構成しているが、これに限ること無く、遊技内容(各図柄の抽選結果や遊技状態等)や遊技者の操作手段(例えば、枠ボタン22)への操作内容に応じて、特定期間を可変させるように構成しても良く、例えば、連続しない複数の期間を特定期間として設定しても良いし、1つの特定期間の長さを可変させるように構成しても良い。この場合、遊技者に対して特定期間が設定されているタイミングを報知しないように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで保留記憶された値がカウントされているのかを分かり難くすることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
また、所定の削除条件(例えば、遊技者が操作手段を用いて、特定期間を設定しない旨を示す操作を行った場合に成立する条件)が成立したことに基づいて特定期間を設定しないように構成しても良い。このように構成することで、各遊技者に応じた態様で演出を実行させることができる。
変動期間格納エリア223IBは、時短状態の最終変動(時短最終変動)において実行される最終変動演出の演出態様を一時的に記憶するための記憶領域である。この変動期間格納エリア223IBには、時短状態の最終変動期間に対応付けた待機期間(第0期間)、第1期間、第2期間、第3期間と、時短状態の終了後(通常状態の設定後)に実行される特図2変動(時短状態中に獲得した特図2保留に基づく特図2変動)に対応付けた通1期間(通常状態が設定されてから1回目の特図2変動期間)、通2期間(通常状態が設定されてから2回目の特図2変動期間)、通3期間(通常状態が設定されてから3回目の特図2変動期間)、通4期間(通常状態が設定されてから4回目の特図2変動期間)の各期間に対して設定された演出態様を記憶するために、各期間に対応した記憶領域が形成されている。
そして、時短用演出設定処理9(図419のC4164参照)において設定された最終変動演出の演出態様を示す情報が、対応する記憶領域に記憶され(図419のC4365参照)、最終変動演出更新処理(図420のC4566参照)において、待機期間の終了タイミングと判別された場合(図420のC4863:YES)に、設定された演出態様(C4865)や、第1期間の終了タイミングと判別された場合(図420のC4866:YES)に、設定された演出態様が対応する記憶領域に記憶される(図420のC4869参照)。そして、図示は省略するが、最終変動演出が終了した場合に、各記憶領域に記憶されている演出態様を示す情報がクリアされる。
このように、所定期間を用いて実行される期間演出の演出態様を複数のタイミング(期間演出を開始するタイミング、期間演出の実行中の所定タイミング)で設定可能な構成を用いる場合において、期間演出の演出態様が設定される毎に、その設定された演出態様を記憶する記憶領域を設けることにより、先に設定された演出態様の内容に基づいて、後の演出態様を設定することが可能となる。よって、複数のタイミングで設定された演出態様を用いて1の期間演出を実行する場合において、違和感の無い演出態様を設定することができる。
演出可変フラグ223ICは、時短状態の最終変動(時短最終変動)において実行される最終変動演出の演出態様として、演出態様が設定されていない期間(未設定期間)があることを示すためのフラグであって、未設定期間があると判別された場合にオンに設定されるものである。具体的には、時短用演出設定処理9(図419のC4164参照)にて、最終変動演出の演出態様を設定し(図419のC4362,C4364参照)、演出態様が設定されていない未設定期間があると判別した場合に(図419のC4366:YES)、オンに設定される(図419のC4367参照)。
そして、最終変動演出更新処理9(図420のC4566)において、待機期間が終了したタイミングである(図420のC4863:YES)、第1期間が終了したタイミングである(図420のC4866:YES)、即ち、最終変動演出の演出態様を設定することが可能なタイミングであると判別した場合に、設定状況が判別され(図420のC4864,C4867)、オンに設定されていると判別した場合に、未設定期間に対して新たな演出態様が設定される(図420のC4864,C4867)。そして、未設定期間に対して演出態様を設定した後にオフに設定される(図420のC4871参照)。
<第9制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図416から図420のフローチャートを参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理の内容について説明をする。本制御例では、上述した第5制御例に対して、コマンド判定処理5(図360参照)に替えてコマンド判定処理9(図416参照)を実行する点と、入賞情報コマンド処理5(図361参照)に替えて入賞情報コマンド処理9(図417参照)を実行する点と、最終入賞処理(図418参照)を実行する点と、時短用演出設定処理(図372の参照)に替えて時短用演出設定処理9(図419参照)を実行する点と、最終変動演出更新処理(図377参照)に替えて最終変動演出更新処理9(図420参照)を実行する点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、参照するデータテーブルの内容を変更した点、及び、参照するデータテーブルの内容を変更したことに対応して変更される各種処理内容についても、単に数値を変更しただけであり技術思想的には同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図416を参照して、コマンド判定処理9(C3163)の内容について説明をする。図416は、本第9制御例において実行されるコマンド判定処理9(C3163)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理9(C3163)が実行されると、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図360参照)と同一のC3201〜C3209の処理を実行した後、特2保留数(特図2保留数)が上限であるかを判別する(C3261)。ここで、C3261の処理では、特別図柄2保留球数カウンタ223Cの値が上限値である「4」であるかを判別する。
C3261の処理において、特2保留数(特図2保留数)が上限であると判別した場合は(C3261:YES)、保留上限フラグ223ENをオンに設定し(C3262)、その後、本処理を終了する特2保留数(特図2保留数)が上限ではないと判別した場合は(C3261:NO)、C3262の処理を実行せず、本処理を終了する。
また、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図360参照)と同一のC3210〜C3217の処理を実行した後、本処理を終了する。
次に、図417を参照して、入賞情報コマンド処理9(C3262)の内容について説明をする。図417は、本第9制御例において実行される入賞情報コマンド処理9(C3262)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報コマンド処理9(C3262)では、上述した入賞情報コマンド処理5(図361参照)に対して、時短最終変動フラグ223EDがオンに設定されていると判別した場合に実行される処理の内容を変更した点で相違している。
入賞情報コマンド処理9(C3262)が実行されると、上述した第5制御例の入賞情報コマンド処理5(図361参照)と同一のC3401〜C3402の処理を実行した後、C3403の処理を実行せず、C3404の処理において、時短最終変動フラグ223EDがオンであると判別した場合は(C3404:YES)、最終入賞処理を実行し(C3461)、C3406の処理へ移行する。この最終入賞処理(C3461)の詳細については図418を参照して後述する。
一方、C3404の処理において、時短最終変動フラグ223EDがオフであると判別した場合は(C3404:NO)、C3461の処理をスキップし、C3406の処理へ移行する。その後、C3406とC3407の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図418を参照して、最終入賞処理(C3461)の内容について説明をする。図418は、本第9制御例において実行される最終入賞処理(C3461)の内容を示したフローチャートである。この最終入賞処理(C3461)では、時短状態の最終変動(特図2変動)が実行されている最中に第2入賞口640に球が入賞し、新たな特図2保留(入賞情報)を獲得したことを示す入賞情報コマンドを受信した場合における演出態様を設定するための処理が実行される。
最終入賞処理(C3461)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報コマンドが、第2入賞口640に球が入賞したことを示す入賞情報コマンドか(特図2入賞があったか)を判別し(C5501)、第2入賞口640に球が入賞したことを示す入賞情報コマンドを受信していない(特図2入賞では無い)と判別した場合は(C5501:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、第2入賞口640に球が入賞したことを示す入賞情報コマンドを受信した(特図2入賞である)と判別した場合は(C5501:YES)、次いで、演出可変フラグ223ICがオンであるかを判別する(C5502)。演出可変フラグ223ICがオンであると判別した場合は(C5502:YES)、保留数増加カウンタ223IAの値に1を加算し(C5503)、C5504の処理へ移行する。演出可変フラグ223ICがオフであると判別した場合は(C5502:NO)、C5503の処理をスキップし、C5504の処理へ移行する。
C5504の処理では、変動期間格納エリア223IBの情報を読み出し(C5504)、次いで、現在が獲得演出中であるかを判別する(C5505)。現在が獲得演出中であると判別した場合は(C5505:YES)、獲得演出中の保留獲得を示す表示用コマンドを設定し(C5506)、その後、本処理を終了する。C5505の処理において、現在が獲得演出中ではないと判別した場合は(C5505:NO)、保留獲得を示す表示用コマンドを設定し(C5507)、その後、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本制御例では、時短状態の最終変動(特図2変動)に対応させて最終変動演出を実行可能とし、その最終変動演出の一部として新たな特図2保留を遊技者に獲得させるための獲得演出(図327(B)参照)を実行するように構成している。そして、新たな特図2保留を獲得したタイミング(特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信したタイミング)が獲得演出の実行中である場合に専用の演出が実行されるように構成している。このように構成することにより、実行されている演出の内容と、実際の遊技状況とに関連性を持たせることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本制御例では、新たな特図2保留を獲得したタイミング(特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信したタイミング)において実行中の演出内容に基づいて特図2保留を獲得したことを示す演出態様を異ならせるように構成しているが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、新たな特図2保留を獲得したタイミングと時短状態の残期間(時短最終変動の残変動時間)とに基づいて演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信したことを示す入賞判別手段と、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した時点における時短状態の残時間を判別する残時間判別手段と、を設け、入賞判別手段により特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した(特図2入賞があった)と判別された時点における時短状態の残期間、即ち、特図2保留を容易に獲得できる残期間が所定期間(例えば、3秒)以上であった場合には、特図2入賞によって特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「プラス1」のコメント)を表示し、所定期間未満であった場合には、特図2入賞によって特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「プラス1」のコメント)に加え、特図2保留を容易に獲得できる残期間が少ない状態で特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「ギリギリセーフ」のコメント)を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、新たな特図2保留を獲得したタイミングが余裕のあるタイミングであるか否かを判別させることができるため、今後の遊技の参考とすることができる。また、この場合、時短状態の残期間、即ち、特図2保留を容易に獲得できる残期間を遊技者に報知しないように構成すると良い。これにより、遊技者は、特図2保留を獲得した際に表示される表示態様に基づいて時短状態の残期間を判別することになるため、特図2保留を獲得した際に表示される表示態様を注視させることができる。加えて、特図2保留を獲得した際に表示される表示態様を、特図2保留数に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、獲得済の特図2保留の数が所定数以下(例えば、「2」以下)の状態で、特図2入賞を示す入賞情報コマンドを受信した際の、時短状態の残期間、即ち、特図2保留を容易に獲得できる残期間が所定期間(例えば、3秒)未満であった場合には、特図2入賞によって特図2保留数が増加したことを示す表示態様(例えば、「プラス1」のコメント)に加え、特図2保留の数を上限数にすることが困難であることを示唆する表示態様(例えば「厳しいかも」のコメント)を表示するように構成しても良い。
また、時短状態の残期間を判別する方法としては、時短終了条件が成立するまでの期間(例えば、時短状態の最終特図変動が終了するまでの期間)を時短状態の残期間として設定しても良いし、時短状態において実行される最後の普図当たり遊技が終了するまでの期間を時短状態の残期間として設定するように構成しても良い。
つまり、本制御例では、時短状態中に特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、第2特別図柄(特図2)の変動回数が1回、5回)に到達した場合に時短状態が終了するように構成している。よって、時短状態が終了するまでの残期間を特別図柄の変動回数および変動時間に基づいて算出することが可能となる。また、時短状態が設定されている状態では、普通図柄の変動時間として2秒の変動時間が設定され、さらに、第2入賞口640に球が入賞し易い普図当たり(普図ロング開放当たり)に当選し易くなるように構成している。また、普通図柄は、抽選が実行される時点の遊技状態と、普図当たり遊技が実行される時点の遊技状態と、に応じて遊技態様が設定されるように構成されており、具体的には、普通図柄抽選(普図抽選)が実行される際に時短状態が設定されていれば、普通図柄の高確率状態として普図抽選および普図変動時間の設定が実行され、普図当たり遊技が実行される際に時短状態が設定されていれば、普通図柄の高確率状態として普図当たり遊技が実行されるように構成されている。よって、時短状態中に実行された普図抽選によって普図当たりに当選したとしても、その普図当たりに基づく普図当たり遊技が実行される時点で通常状態が設定されている場合には、普通図柄の低確率状態として普図当たり遊技が実行されることになる。
このように構成された本制御例では、特別図柄の変動タイミングと、普通図柄の変動タイミングによっては、時短状態中に実行される最後の特図変動(特図2変動)が終了するよりも前に、第2入賞口640に球が入賞し易い状態が終了する場合がある。この場合において、時短状態中に実行される最後の特図変動(特図2変動)が終了するまでの期間を時短状態の残期間として判別してしまうと、その残期間内に、第2入賞口640に球が入賞し易い状態では無い期間が含まれてしまうことになり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題が発生する。
そこで、時短状態の残期間を判別する際に、第2入賞口640に球が入賞し易い状態が終了するまでの期間、即ち、時短状態中に普図当たり遊技が実行され得る期間を判別するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態に残期間として、遊技者に有利な期間(第2入賞口640に球が入賞し易い状態が設定され易い期間)を正確に判別することが可能となるため、時短状態の残期間を報知する演出を実行する場合において、その報知内容の精度を高めることができる。また、このように時短状態の残期間を判別する場合には、時短状態が終了し、通常状態が設定された後であっても、遊技者に有利な期間(第2入賞口640に球が入賞し易い状態が設定され易い期間)が継続している場合は、その期間が終了するまでを時短状態の残期間として判別するように構成すると良い。即ち、時短状態中に実行された普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)が、時短状態と通常状態とを跨いで実行される場合には、その普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)が終了するまでの期間を時短状態の残期間として判別するように構成すると良い。これにより、遊技者に有利な期間(第2入賞口640に球が入賞し易い状態が設定され易い期間)を正確に判別することが可能となるため、時短状態の残期間を報知する演出を実行する場合において、その報知内容の精度をより高めることができる。
次に、図419を参照して、時短用演出設定処理9(C4164)の内容について説明をする。図419は、本第9制御例において実行される時短用演出設定処理9(C4164)の内容を示したフローチャートである。この時短用演出設定処理9(C4164)は、上述した第5制御例の時短用演出設定処理(図372参照)に対して、時短最終変動として特図2変動が実行される場合の演出態様を設定するための処理を変更した点で相違している。
時短用演出設定処理9(C4164)が実行されると、上述した第5制御例の時短用演出設定処理(図372参照)と同一のC4301およびC4302の処理を実行した後、C4302の処理において、今回の特図変動が時短最終変動であると判別した場合は(C4302:YES)、今回の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動であるかを判別する(C4361)。今回の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動であると判別した場合は(C4361:YES)、最終変動演出テーブル222IAが有する当たり用最終テーブル222IA1を参照して演出態様を設定し(C4362)、C4365の処理へ移行する。また、C4301の処理において、今回の特図変動が特図2変動では無いと判別した場合(C4301:NO)、或いは、C4302の処理において、今回の特図変動が時短状態の最終変動では無いと判別した場合(C4302:NO)は、そのまま本処理を終了する。
一方、今回の特図2変動(時短最終変動)が当たり変動ではない(外れ変動である)と判別した場合は(C4361:NO)、入賞情報格納エリア223Aに格納されている入賞情報(第2特別図柄(特図2)に関する入賞情報を読み出し(C4363)、最終変動演出テーブル222IAが有する外れ用最終テーブル222IA2を参照して演出態様を設定し(C4364)、C4365の処理へ移行する。
C4365の処理では、上述したC4362の処理、及びC4364の処理によって設定した演出内容(演出態様)を対応する変動期間格納エリア223IBに格納し(C4365)、次いで、演出未設定期間があるか否かを判別する(C4366)。演出未設定期間があると判別した場合は(C4366:YES)、演出可変フラグ223ICをオンに設定し(C4367)、その後、本処理を終了する。また、演出未設定期間がないと判別した場合は(C4366:NO)、C4367の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
ここで、図420を参照して、最終変動演出更新処理9(C4566)の内容について説明をする。図420は、本第9制御例において実行される最終変動演出更新処理9(C4566)の内容を示したフローチャートである。最終変動演出更新処理9(C4566)では、第5制御例における演出更新処理5(図374のC3112参照)のC4501の処理にて更新された時短状態の最終変動に対応して実行される最終変動演出の経過期間(特図2変動の経過期間)を判別し、その判別結果に基づいた処理が実行される。
最終変動演出更新処理9(C4566)が実行されると、まず、変動期間格納エリア223IBの情報を読み出し(C4861)、読み出した変動期間格納エリア223IBの情報(設定されている演出期間)と特図変動時間カウンタ223EGの値(特図2変動の変動時間を示す値)とに基づいて現在の演出状況を抽出し(C4862)、次いで、現在のタイミングが待機期間終了タイミングであるか否かを判別し(C4863)、待機期間終了タイミングであると判別した場合は(C4863:YES)、次に、演出可変フラグ223ICがオンであるか否かを判別する(C4864)。演出可変フラグ223ICがオンであると判別した場合は(C4864:YES)、当該変動の当否判定結果に対応する最終演出可変設定テーブルを用いて演出態様を設定し(C4865)、その後、本処理を終了する。一方、演出可変フラグ223ICがオフであると判別した場合は(C4864:NO)、C4865の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
C4863の処理において、現在が待機期間終了タイミングではないと判別した場合は(C4863:NO)、次に、現在が第1期間終了タイミングであるかを判別し(C4866)、第1期間終了タイミングであると判別した場合は(C4866:YES)、次に、演出可変フラグ223ICがオンであるか否かを判別する(C4867)。演出可変フラグ223ICがオンであると判別した場合は(C4867:YES)、次いで、保留数増加カウンタ223IAの値が0より大きいか否かを判別する(C4868)。保留数増加カウンタ223IAの値が0より大きいと判別した場合は(C4868:YES)、増加分に対応する演出期間を変動期間格納エリア223IBに格納し(C4869)、C4870の処理へ移行する。C4868の処理において、保留数増加カウンタ223IAの値が0であると判別した場合は(C4868:NO)、C4869の処理をスキップし、C4870の処理へ移行する。
C4870の処理では、演出最終期間の演出態様を設定し(C4870)、演出可変フラグ223ICをオフに設定し(C4871)、C4872の処理へ移行する。また、演出可変フラグ223ICがオフであると判別した場合も(C4867:NO)、C4872の処理へ移行する。C4872の処理では、保留数増加カウンタ223IAの値をクリアし(C4872)、その後、本処理を終了する。
一方、C4866の処理において、現在が第1期間終了タイミングでは無いと判別した場合は(C4866:NO)、次に、現在が第2期間終了タイミングであるか否かを判別する(C4873)。第2期間終了タイミングであると判別した場合は(C4873:YES)、第2期間中に新たな特2保留を獲得したかを判別し(C4874)、新たな特2保留を獲得したかを判別した場合は(C4874:YES)、再先読みフラグ223EMをオンに設定し(C4875)、本処理を終了する。
ここで、C4874で実行される処理の内容について説明をすると、入賞情報格納エリア223Aには、各図柄保留に対応する格納エリアが形成されており、本制御例では、第1特別図柄(特図1)用の格納エリアと、第2特別図柄(特図2)用の格納エリア、普通図柄(普図)用の格納エリアとが、各図柄の上限保留記憶数(4個)に対応する個数形成されている。そして、各格納エリアは主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる先読み情報と、音声ランプ制御装置113にて各種演出を設定する際に先読み結果が参照されたか否かを示す参照済情報とが記憶されるように構成している。
つまり、C4874の処理では、C4806、或いはC4814の処理によって参照された特図2保留(特2保留)以外に新たな特2保留が入賞情報格納エリア223Aに格納されているかを、各格納エリアに記憶される参照済情報の有無に基づいて判別し、入賞情報格納エリア223Aの特図2保留(特2保留)に対応する格納エリア(4個)に、先読み情報が記載され、且つ、参照済情報が記憶されていない格納エリアがあると判別した場合に、新たな特2保留があると判別する。
そして、C4875の処理において再先読みフラグ223EMをオンに設定することにより、次に実行される特図変動(時短終了後1回目の特図変動)に対応する変動演出として、再度、特図2保留の先読み結果に基づく変動演出が実行される。
一方、C4874の処理において、新たな特2保留が無いと判別した場合は(C4874:NO)、現在獲得している特図2保留の全てが先読みされ、その先読み結果に基づく演出態様で第2期間中の時短最終変動演出が実行されている場合であるため、そのまま時短変動演出の結果を示す表示用演出結果コマンドを設定し(C4876)、本処理を終了する。
一方、C4873の処理において、第2期間終了タイミングでは無いと判別した場合は(C4873:NO)、次に、その他更新内容に対応する表示用コマンドを設定し(C4877)、本処理を終了する。C4877の処理では、最終変動演出の経過期間に基づく演出態様の設定や、最終変動の残期間を示すための残期間表示態様の更新設定や、最終変動の経過期間を示すための経過期間表示態様の更新設定や、最終変動中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作したことに基づいて実行される操作表示態様の設定等が実行される。
以上、説明をした通り、本第9制御例では最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて最終変動演出の演出態様を設定するように構成している点、及び、最終変動演出の対象となる抽選結果(先読み結果)を、当該変動の抽選結果と、最終変動演出の設定時(時短最終変動の開始時)にて獲得済の特図2保留の先読み結果と、に限定している点で相違している。
このように構成することで、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させることができるため、時短最終変動が実行される前(時短状態中)に実行する特図2保留を獲得するための遊技に多様性を持たせることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本制御例のように、時短最終変動が実行される時点における特図2保留の獲得状況に応じて実行される最終変動演出の演出態様を可変させる場合には、時短最終変動が実行される時点において獲得している特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)である場合にのみ設定可能な演出態様を設けると良い。このように構成することで、時短最終変動が実行される時点で特図2保留数が特定数(例えば、上限数である3)となるように、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第9制御例では、時短状態の最終変動が実行されるタイミングから上述した最終変動演出を開始するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の残期間が所定期間となった場合、例えば、残時短回数が2回となった場合に最終変動演出を実行するように構成しても良い。また、本第9制御例では、時短状態中の特図変動1回分の期間と、通常状態中の特図変動数回分の期間と、を用いて最終変動演出を実行する構成について説明をしており、最終変動演出が実行されている最中における特図2保留数の増減状況として、時短状態中の特図変動が終了するまでは、特図2保留数が増加し、通常状態中の特図変動が開始されてからは、特図2保留数が減少するパターンのみを説明したが、それ以外のパターンとして、例えば、時短状態中に実行された普図ロング開放当たり遊技の実行中に時短状態が終了し(時短状態の最終変動(特図2変動)が停止し)、通常状態中の特図変動(特図2変動)が開始された後に、第2入賞口640に球が入賞する場合が有る。このような場合においては、例えば、最終変動演出を実行するタイミングにおいて、普通図柄の抽選状況(実行中の普図抽選の当否結果、及び実行される当たり遊技の種別と、保留記憶されている普図情報(当否結果、当たり遊技種別))を判別可能に構成し、その判別結果に基づいて、通常状態移行後に第2入賞口640に球が入賞し得る状態であるかを判定し、その判定結果に基づいて最終変動演出の演出態様を可変させるように構成しても良く、例えば、通常状態移行後に第2入賞口640に球が入賞し得る(し易い)状態であると判定した場合には、通常状態移行後の第2入賞口640への入賞に基づく特図2抽選の抽選結果、及び変動期間を、最終変動演出に反映させ易い演出態様(演出期間を延長し易い静止画像を用いた演出態様や、演出結果を急に変更可能な演出態様)を設定するように構成しても良い。
また、時短状態における複数の特図2変動期間を用いて最終変動演出を実行する場合には、最終変動演出を実行する際における残時短回数(時短状態中に実行可能な残特図2変動回数)を判別し、その判別結果に基づいて、最終変動演出中に実行可能な特図2変動回数の最大数を算出し、その算出結果に基づいた演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、最終変動演出中に実際に実行される特図2変動の回数が、算出した最大数よりも多くなることは無いが少なくなる場合がある(例えば、最終変動演出中に遊技を止めてしまい、特図2保留が0となる場合)。よって、上述した算出結果に基づく演出態様としては、急に特図2変動回数が減ったとしても演出効果が低下しない演出態様を設定するように構成すると良い。
さらに、特図2変動を対象に最終変動演出が実行されている状態において、特図1変動が実行された場合は、その特図1変動の変動期間に対しても最終変動演出を継続して実行させても良いし、最終変動演出を一時中断させ、その中断期間中に特図1変動に対応する演出を実行させるように構成しても良い。
<第10制御例>
次に、図421及び図422を参照して、第10制御例について説明をする。上述した第5制御例では、図315を参照して上述した通り、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合における遊技(左打ち遊技)にて普図抽選を実行可能に構成し、通常状態中に実行された普図抽選にて特定の当たり(普図ロング開放当たり)に当選したことを示唆する示唆演出(一連演出)を実行するように構成していた。
そして、遊技者に対して普図ロング開放当たり遊技の実行タイミングに合わせて右側遊技領域に設けられた第2入賞口640に球を入賞させるための案内表示態様(右打ち表示)を表示(一連演出実行中に表示)し、普図ロング開放当たり遊技中に遊技者が第2入賞口640に球を容易に入賞させることができるように構成していた。さらに、遊技者により不適切な遊技(例えば、通常状態中に右打ち遊技)が行われている間は普図ロング開放当たりに当選した場合に、上述した示唆演出や案内表示態様の表示を行わず、普図ロング開放当たり遊技中に遊技者が第2入賞口640に球を入賞させ難くするように構成していた。
これに対して、本第10制御例では、普図抽選によって普図ロング開放当たり遊技が行われている間に、左打ち遊技によって発射された球(左側遊技領域を流下する球)も、右打ち遊技によって発射された球(右側遊技領域を流下する球)も入賞可能な位置に、普図当たり遊技中に開放動作される電動役物1640Aと、第2入賞口1640とを配設した点で相違している。
さらに、左打ち遊技によって発射された球のうち電動役物1640Aに到達する球の割合と、右打ち遊技によって発射された球のうち電動役物1640Aに到達する球の割合とが異ならせ、右打ち遊技のほうが、左打ち遊技よりも高い割合で電動役物1640Aに球が到達するように構成している。
加えて、本第10制御例では、通常状態中に普図ロング開放当たりに当選した場合の一部において、普図ロング開放当たりに当選した旨を普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前(例えば、当たり当選した普図変動中や、当たり当選する普通図柄(普図)の入賞情報を取得してから当該普図変動が実行されるまでの期間)に遊技者に報知可能な報知演出を実行するように構成している。
このように構成することで、普図ロング開放当たりに当選した場合において、報知演出が実行されるか否かによって、第2入賞口640への球の入賞のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して実行される演出に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、左打ち遊技によって発射された球も入賞可能な位置に第2入賞口1640を配設しているため、報知演出が実行されない場合であっても、第2入賞口1640に球を入賞させることが可能となる。よって、報知演出が実行されない場合であっても、遊技者に極端に不利な遊技が実行させることを抑制することができる。
<第10制御例のパチンコ機の構成について>
次に、図421を参照して、本第10制御例のパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図421は、第10制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成を模式的に示した正面図である。本第10制御例では上述した第5制御例に対して、右側遊技領域に配設された各構成の位置を異ならせており、具体的には、スルーゲート67、電動役物1640A、及び第2入賞口1640の配設位置を異ならせている。
図421に示した通り、本第10制御例の遊技盤13では、第1入賞口64の下方に電動役物1640Aが付随する第2入賞口1640が設けられており、左打ち遊技によって左側遊技領域を流下した球と、右打ち遊技によって右側遊技領域を流下した球とが、何れも第2入賞口1640に到達し得るように構成している。
具体的には、第1入賞口64と、開放状態の電動役物1640A(図421では黒色で記載)の左端側(図421正面視で左側)と、の間の領域に規制部材(釘)を植設し、当該領域を球が通過困難となるように構成している。これにより、左側遊技領域を流下した球のうち、遊技盤13に植設された釘に誘導され、第1入賞口64の上方領域を通過した球のみが第2入賞口1640に到達するように構成される。本第10制御例では、左側遊技領域を流下する球のうち、第2入賞口1640に到達する球の割合が約10%となるように遊技盤13を構成している。
一方、右打ち遊技によって発射され、右側遊技領域を流下する球は、閉鎖状態に位置しているV入賞扉650B、及び、閉鎖状態に位置している入賞扉65Bの上面に形成される球流路を流下し、その殆ど(約100%)が第2入賞口1640に到達するように遊技盤13を構成している。
このように構成することで、普図ロング開放当たり遊技中、即ち、球が第2入賞口1640に入賞可能な状態では、左側遊技領域を流下する球よりも、右側遊技領域を流下する球のほうが第2入賞口1640に入賞させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、左打ち遊技を行うか右打ち遊技を行うかを選択させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図421に示した通り、本制御例では、通常状態において、右側遊技領域を流下する球が入賞可能な入賞口(遊技者に特典(賞球)を付与可能な入賞口)よりも、左側遊技領域を流下する球が入賞可能な入賞口(遊技者に特典(賞球、抽選)を付与可能な入賞口)のほうが多くなるように構成している。具体的には、右側遊技領域を流下する球は、スルーゲート67、或いは、第2入賞口1640に入賞(通過)可能であるのに対して、左側遊技領域を流下する球は、スルーゲート67、第1入賞口64、第2入賞口1640、一般入賞口63に入賞(通過)可能となるように構成している。
このように構成することにより、通常状態において、第2入賞口1640に球が入賞可能な期間(普図ロング開放当たり遊技期間)以外は、右側遊技領域に向けて球を発射させる右打ち遊技よりも、左側遊技領域に向けて球を発射させる左打ち遊技のほうが、遊技者に有利な遊技方法となる。これにより、通常状態中において、遊技者に継続して右打ち遊技が行われることを抑制し、左打ち遊技を行わせることができる。よって、通常状態中に、右打ち遊技をどのタイミングで行うかを予測する楽しさを提供することができる。
また、本第10制御例では、左打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する時間(左打ち到達時間)が、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する時間(右打ち到達時間)よりも長くなるように構成している。具体的には、左打ち到達時間が約4秒となるのに対し、右打ち到達時間が約3秒となるように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技によって発射された球と、その左打ち遊技の後に実行される右打ち遊技によって発射された球(例えば、前に実行された左打ち遊技の1秒後に実行される右打ち遊技によって発射された球)と、を同一タイミングで第2入賞口1640に到達させることが可能となる。
よって、普図ロング開放当たり遊技が実行される場合において、左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を切り替えるタイミングによって、普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口1640への球の入賞のし易さを異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、詳細な説明は省略するが、本第10制御例では、上述した第5制御例と同様に普図ロング開放当たり遊技の当たり遊技期間が3秒(開放期間1秒、閉鎖期間1.5秒、開放期間0.5秒)となるように構成している。つまり、普図ロング開放当たり遊技が実行されてから右打ち遊技を実行した場合には、その右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に入賞し難い、即ち、第2入賞口1640に球が到達する時点で普図ロング開放当たり遊技が終了している可能性があるように構成している。
これにより、普図ロング開放当たり遊技が実行されるまで球の発射を行わず、普図ロング開放当たり遊技が開始されてから球を右打ち遊技を行う遊技者に対して特典(第2入賞口1640へ球を入賞させることにより付与される特典(賞球、特図2抽選))を付与させ難くすることができるため、遊技者に対して継続的に球を発射させることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、上述した通り、本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技の当たり遊技期間を3秒に設定し、普図ロング開放当たり遊技が開始されてから右打ち遊技を実行したとしても、球が第2入賞口1640に入賞し難くなるように構成しているが、これに限ること無く、普図ロング開放当たり遊技の当たり遊技期間を、右打ち到達時間(右打ち遊技で発射した球が第2入賞口1640に到達するまでに要する時間)よりも長くする(例えば、5秒(開放期間1秒、閉鎖期間1秒、開放期間3秒))ように構成しても良い。これにより、普図ロング開放当たり遊技中の遊技を遊技者に安心して行わせることができる。
<第10制御例における演出内容について>
次に、第10制御例において実行される特徴的な演出の内容について、図422を参照して説明をする。図421を参照して説明をした遊技盤13の構成を用いた本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行されている最中に球を第2入賞口1640に入賞させ易くするために、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内報知(例えば、右打ち報知)を実行可能に構成しており、その案内報知の報知態様として、遊技者が遊技方法を識別し易い第1案内報知態様と、その第1案内報知態様よりも遊技者が遊技方法を識別し難い第2案内報知態様と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、実行された案内報知の報知態様が第1案内報知態様であるか、第2案内報知態様であるかによって、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口1640に入賞させ易い状態と、させ難い状態とを設定することが可能となる。
第1案内報知態様は、特図変動に対応して実行される特図変動演出の一部として設定される報知態様であって、普図ロング開放当たりに当選している普図変動中において、特定の変動パターン(例えば、90秒以上の変動時間が設定される変動パターン)で特図変動が実行されている場合に設定されるものであって、第3図柄表示装置81の表示画面にて上述した特定の変動パターンに対応する変動演出が実行されている場合に、第3図柄表示装置81の表示画面の一部(例えば、主表示領域DMの小表示領域DM4)を用いて遊技者に遊技方法を案内するための案内表示態様(例えば、「右打ち」のコメント)が表示される(図320(B)参照)。
さらに、本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前に(例えば、普図ロング開放当たりに当選している普図変動期間中、当該普図変動が終了し普通図柄が停止表示(確定表示)されている期間中、或いは、普通図柄の入賞情報コマンドとして普図ロング開放当たりに当選する入賞情報コマンドを受信してから普図ロング開放当たり遊技が実行されるまでの期間中)第1案内報知態様を表示可能に構成している。このように構成することで、第1案内報知態様が表示されていることを認識してから第1案内報知態様の表示内容(例えば、「右打ち」)に応じた遊技を実行したとしても、普図ロング開放当たり遊技によって球が入賞し易い開放状態となっている第2入賞口1640に容易に球を到達させることができる。
一方、第2案内報知態様は、普図ロング開放当たり遊技が実行された際に必ず表示されるものであり、上述した第1案内報知態様よりも、遊技者が識別困難な表示態様で表示されるものである。具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面の端部に、小表示領域DM4に表示される第1案内報知態様よりも小さく遊技方法を案内するための案内表示態様(例えば「右打ち」を示すアイコン)が表示される。
上述した通り、本第10制御例では、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間が約3秒となるように遊技盤13が形成されているため、第2案内報知態様の報知内容を認識した後に、報知内容に応じた遊技方法(例えば、右打ち遊技)を行った場合、球の流下状況によっては、普図ロング開放当たり遊技中に球を第2入賞口1640へ到達させることができない状態が発生する。
よって、遊技者に対して、第1案内報知態様の報知条件が成立した状態で、普図ロング開放当たりに当選させるために意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第10制御例では、第1案内報知態様の報知条件が成立した状態で、普図ロング開放当たりに当選した場合に、その当たり当選に基づいて普図ロング開放当たり遊技が実行される3秒前に第1案内報知態様が表示され、普図ロング開放当たり遊技が実行された時点で第2案内報知態様が表示されるように構成している。このように構成することで、実際に普図ロング開放当たり遊技が実行される前に第1案内報知態様を表示させた場合であっても、普図ロング開放当たり遊技の実行中であることを第2案内報知態様にて遊技者に報知することができる。
なお、本第10制御例では、90秒以上の変動時間が設定された変動パターンで特別図柄変動が実行されていることを、第1案内報知態様の報知条件として設定しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対して、所定の操作が行われたことを報知条件として設定しても良いし、遊技状態の移行状況、具体的には、時短状態が終了して通常状態へと移行したことを報知条件として設定しても良い。
また、報知条件が成立したことを示すフラグ(報知条件成立フラグ)を設け、報知条件が成立した場合に報知条件成立フラグをオンに設定し、報知条件成立フラグがオンに設定されている期間中は上述した第1案内報知態様、及び第2案内報知態様を表示可能に構成し、報知条件成立フラグがオフに設定されている場合は、第2案内報知態様のみを表示するように構成しても良い。この場合、オンに設定されている報知条件成立フラグをオフに設定するための報知終了条件を設定し、報知終了条件が成立した場合に、報知条件成立フラグをオフに設定するように構成すると良い。
具体的には、報知条件成立フラグがオンに設定されてから所定期間(特図変動回数が所定回数(例えば10回に到達、或いは、経過時間が所定時間(例えば3分)に到達))が経過した場合に報知終了条件が成立するように設定しても良いし、所定の実行契機(例えば、特図抽選の実行、各入賞口への球の入賞)が成立した場合に実行される抽選が所定の抽選結果となった場合に報知終了条件が成立するように構成しても良い。
さらに、普図ロング開放当たりに複数の種別(例えば、普図ロング当たりA、普図ロング当たりB)を設け、当選した普図ロング開放当たりの種別に応じて、報知条件と報知終了条件とを異ならせることで、第1案内報知態様が表示され易い普図ロング開放当たりと、表示され難い普図ロング開放当たりとを設定可能に構成しても良い。
また、遊技者の遊技状況に基づいて報知条件を可変させても良く、例えば、前回の大当たり遊技(小当たり遊技)からの経過期間(特図変動回数、経過時間)が所定条件を満たしている場合(例えば、特図変動回数が大当たり確率の逆数に対応する回数に到達した場合)は、普図ロング開放当たりに当選した場合に必ず第1案内報知態様を表示するように構成しても良い。
加えて、遊技者が不適切な遊技(例えば、通常状態が設定されている場合に行う右打ち遊技(右打ち遊技が行われる遊技状態(時短状態)から通常状態へと移行した後の所定期間を除く))が行われている場合に、遊技者に対して遊技方法を修正するための注意喚起表示(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域DM4にて「左打ちに戻して下さい」とのコメントを表示)を行った後にも不適切な遊技を継続していると判別した場合には、報知条件が成立しないように構成しても良い。
以上、説明をした第1案内報知態様、及び第2案内報知態様を表示させるための技術については、本第10制御例に限ること無く、上述した各実施形態、及び各制御例に適用しても良く、例えば、上述した第5制御例のように、右打ち遊技を実行しなければ第2入賞口640に球を入賞させることができないように遊技盤13が形成されているパチンコ機10に適用しても良い。この場合、第1案内報知態様が表示されるか否かによって、遊技者に付与される特典が大きく異なることになるため、報知条件を成立させるための遊技を遊技者に対して意欲的に行わせることができる。
また、報知条件を成立させるための遊技方法を遊技者に報知する報知手段を設けても良く、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域DSにて報知条件を成立させるために必要な必要情報(例えば、スーパーリーチを出してね)を表示するように構成すると良い。さらに、この必要情報の表示の有無を、特別図柄の抽選結果を示唆するための示唆情報としても共有するように構成すると良い。このように構成することで、必要情報として表示された表示内容に応じた遊技が実行された場合に、第1案内報知態様を表示させるための報知条件が成立するのか、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、大当たり当選を示す抽選結果)となったのかを遊技者に分かり難く報知することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、現在が第1案内報知態様を報知可能な状態(報知条件が成立している状態)であることを遊技者に報知可能な報知手段を設けても良い。これにより、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
また、本第10制御例では、普図ロング開放当たり遊技が実行される旨を示唆する案内報知態様として、第1案内報知態様と、その第1案内報知態様よりも遊技者が報知内容を判別し難い第2案内報知態様と、を設定可能に構成しているが、第1案内報知態様を報知可能な状態において、さらに特別な実行条件(例えば、操作手段(枠ボタン22)へ特別な操作が行われた場合に成立する条件)が成立した場合に、第1案内報知態様よりも遊技者に有利となる特別案内報知態様を設定するように構成しても良い。
ここで、特別案内報知態様とは、遊技者に対して報知内容に応じた遊技方法(例えば、右打ち遊技)を実行するタイミングを報知する案内報知態様であり、その案内報知態様にて案内されたタイミングで報知内容に応じた遊技方法を実行することにより、遊技者により有利な特典が付与され易くなる遊技を行わせることができるものである。上述した通り、本第10制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、左打ち遊技によって発射された球も、右打ち遊技によって発射された球も、第2入賞口1640に到達可能に構成されており、左打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間が約4秒、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間が約3秒、となるように構成している。そして、操作ハンドル51を操作することで、1分間に100発の球を発射可能に構成している。
よって、普図ロング開放当たり遊技の実行タイミングに合わせて、左打ち遊技から右打ち遊技へと遊技方法を変更することで、左打ち遊技によって発射された球と、右打ち遊技によって発射された球とを略同一のタイミングで第2入賞口640へ到達させることができるように構成している。上述した特別案内報知態様は、普図ロング開放当たり遊技が実行されるタイミングに基づいて、遊技者に対して実行中の遊技方法(例えば、左打ち遊技)から報知内容に応じた遊技方法(例えば、右打ち遊技)へと変更するタイミングや、実行中の遊技方法(例えば、左打ち遊技)の球の発射タイミングとして、第2入賞口640に複数の球が略同時到達し得るタイミングを遊技者に報知するための報知態様が設定されている。
このように構成することで、遊技者は、より有利な案内報知態様が表示されるように意欲的に遊技を行うことになるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上述した例では、第1案内報知態様の報知条件が成立している場合に、上述した特別案内報知態様を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、第1案内報知態様の報知条件が成立していない場合であっても、特別案内報知態様を設定するための特別な実行条件が成立し得るように構成しても良く、その特別な実行条件は、第1案内報知態様の報知条件が成立している場合のほうが、第1案内報知態様の報知条件が成立していない場合よりも成立し易くなるように構成しても良い。
また、各種案内報知態様を設定するための報知条件(実行条件)として、複数の条件を設定しておき、そのうち所定数(例えば、2個)の条件が成立した場合に、対応する案内報知態様を設定するように構成しても良い。さらに、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果に基づいて各種案内報知態様を設定するための報知条件(実行条件)の成立のし易さを異ならせても良く、遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行する毎に、各種案内報知態様を設定するための報知条件(実行条件)が成立し易くなるように各報知条件(実行条件)を可変設定するように構成しても良い。これにより、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、第2入賞口1640に球を入賞可能とする普図当たり遊技(普図ロング開放当たり遊技)が実行されることを、普図当たり遊技が実行されることになる抽選結果である普図変動の実行中に遊技者に報知するための案内報知(例えば、右打ち報知)を実行するように構成し、普図当たり遊技が開始されるよりも前(普図変動が停止表示されるよりも前)の時点で、遊技者が実行する遊技方法を左打ち遊技から右打ち遊技へと可変させるように構成し、普図当たり遊技が開始されるよりも前に右打ち遊技によって発射された遊技球を普図ロング開放当たり遊技中に第2入賞口1640に入賞させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図ロング開放遊技のオープニング期間として所定期間(例えば、4秒)を設定し、上述した案内報知(例えば、右打ち報知)を、普図ロング開放当たり遊技のオープニング期間(普図当たり遊技が開始されてから、電動役物1640Aが開放動作されるまでの期間)中に実行するように構成しても良い。
このように構成することで、当たり当選する普図変動が停止表示(確定表示)されてから案内報知(右打ち報知)を実行することができるため、案内報知(右打ち報知)が実行されたにも関わらず、普図当たり遊技が実行されないという事態を防止することができる。なお、この場合も、第10制御例と同様に、第1案内報知態様の報知条件が成立しているかを判別し、成立していると判別した場合にのみ第1案内報知態様が設定された案内報知を実行するように構成すると良い。また、第1案内報知態様の報知条件が成立していないと判別した場合は、普図変動期間と、普図当たり遊技のオープニング期間とを用いて、普図抽選の抽選結果を示すための演出を実行し、その演出結果として普図当たりに当選したことを示す表示態様を普図当たり遊技のオープニング期間終了タイミング(電動役物640Aの開放動作タイミング)にて表示するように構成すると良い。
これにより、第1案内報知態様の報知条件が成立していない場合には、普図当たり遊技として電動役物640Aの開放動作が実行されるタイミングにて普図当たりに当選したことが報知されるため、その報知により普図当たりに当選したことを識別した遊技者が右打ち遊技を行ったとしても、右打ち遊技によって発射された球を第2入賞口1640に入賞させ難くすることができる。なお、上述した例では、第1案内報知態様の報知条件が成立していないと判別した場合に、普図当たり遊技として電動役物1640Aの開放動作が実行されるタイミングで普図当たりに当選したことを報知する例を示したが、これに限ること無く、普図当たり遊技のオープニング期間において、そのオープニング期間の残期間が所定期間(例えば、1秒)未満となった場合に普図当たりに当選したことを報知するように構成しても良い。つまり、普図当たりに当選したことを認識した遊技者が右打ち遊技を行ったとしても、普図当たり遊技中に第2入賞口1640に球を入賞させ難くなるタイミング、例えば、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口1640に到達するまでに要する期間よりも、普図当たりに当選したことを報知してから普図当たり遊技が終了(球を第2入賞口1640に入賞可能な期間が終了)するまでの期間が短くなるように構成すると良い。
さらに、第1特別図柄(特図1)の変動が実行されていることに基づいて、第1案内報知態様の報知条件が成立している場合には、普図当たり遊技が実行されるまでの期間における特図1変動に対応する変動演出にて、普図当たりに当選する旨を示唆する演出を実行し、普図当たり遊技のオープニング期間にて第1案内報知態様が設定された演出を実行するように構成しても良く、特図変動の変動演出の演出態様と、普図当たり遊技のオープニング演出の演出態様とを融合させることで、遊技者に右打ち遊技を行わせるタイミングを報知するように構成しても良い。
加えて、特図変動に基づいて実行される特図演出によって特図抽選の抽選結果を示すための第1報知を実行し、普図変動に基づいて実行される普図演出によって普図抽選の抽選結果を示すための第2報知を実行し、さらに、第1報知と第2報知とを関連性を持たせて実行(連続させて実行、或いは、重複させて実行)することにより、普図当たり遊技に対して遊技者に右打ち遊技を実行される右打ちタイミングを示すための第3報知を実行するように構成しても良い。
また、実行される普図当たり遊技の種別に応じて、設定されるオープニング期間の長さを異ならせ、オープニング期間として所定期間(例えば、3秒)以上の期間が設定される普図当たり遊技と、オープニング期間として所定期間(例えば、3秒)未満の期間が設定される普図当たり遊技と、で普図当たり遊技中に第2入賞口640への球の入賞のし易さを異ならせても良いし、設定された案内報知態様(第1案内報知態様)の種別と、実行される普図当たり遊技の種別とが所定の組合せ条件を満たす場合に、その組合せ条件を満たさない場合よりも、普図当たり遊技中に第2入賞口640に球を入賞させ易くするための案内報知が実行されるように構成しても良い。これにより、実行される普図当たり遊技の種別、設定される案内報知態様の種別、第1案内報知態様の報知条件の成立の有無によって、遊技者に対して異なる特典(第2入賞口640への球の入賞のし易さ)を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第6制御例では、普図当たり遊技中に第2入賞口640へ球を入賞させ易くするための案内報知態様の設定方法について説明をしたが、特定の当たり遊技(例えば、普図当たり遊技)が実行されることに基づいて、一の発射強度で球を発射させる遊技(例えば、左打ち遊技)から、一の発射強度とは異なる所定の発射強度で球を発射させる遊技(例えば、右打ち遊技)へと可変させることで特定の入賞口(例えば、第2入賞口640)へ球を入賞させ易くするものであれば良く、例えば、左打ち遊技中に実行される特図抽選によって小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技として、右打ち遊技によって発射された球が入賞可能な位置(例えば、右側遊技領域)に小当たり遊技中に開放状態となる入賞口(例えば、V入賞口650A)を設けた構成であれば、特図変動期間と、小当たり遊技のオープニング期間とを用いて、本制御例と同一思想の案内報知態様を設定するように構成しても良い。
<第7制御例の変形例について>
次に、図423、及び図424を参照して、第7制御例の変形例について説明をする。図423は、第7制御例の変形例におけるパチンコ機10の盤面13を模式的に示した正面図である。本変形例のパチンコ機10の盤面13は、上述した第7制御例のパチンコ機10の盤面13に対して、右側遊技領域の構成を変更している点で相違している。それ以外の構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図423に示した通り、本変形例におけるパチンコ機10では、第1流路701の流路に球の流下速度を低下させる(球が第1流路701を通過するのに要する時間を遅延させる)ための遅延部材701Y、及び701Zを配設しており、第1流路701を球が通過するのに要する時間(球通過時間)が約4秒となるように構成している。そして、第1流路701の流下端部に作動ゲート670を設けている。
ここで、作動ゲート670について説明をする。上述した各制御例では、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合は、所定時間の特別図柄変動(特図変動)を経て、大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示(確定表示)されると、大当たり遊技が実行されるように構成している。これに対して、本変形例では、特別図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示(確定表示)された後、球が作動ゲート670を通過したと判別された場合に、大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、作動ゲート670は、大当たり実行条件が成立している場合(特別図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示されている場合)において、大当たり遊技を実行させるための実行手段として用いられる。
このように構成することで、特別図柄の抽選結果だけでは無く、実際に遊技者が球を所定領域(作動ゲート670)に向けて発射させることにより大当たり遊技を実行させることができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本変形例に用いられる作動ゲート670は、上述した第A4実施形態の開始ゲート720Aに対して、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のみ大当たり遊技を実行させるための実行条件の1つとして用いる点で相違しているだけであり(開始ゲート720Aは、小当たり遊技、大当たり遊技の何れにおいても実行条件として設けている)、それ以外の構成(ゲートの構造、及び、主制御装置110の処理内容(条件装置判定処理(図311のS250参照)))は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、本変形例では、上述した第7制御例に対し、電動役物640Aと、V入賞装置650の配置位置を変更している点で相違している。また、第2入賞口640の構成を球が通過可能なゲート形状に変更している点で相違している。遊技盤13のそれ以外の構成については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
また、本変形例のパチンコ機10では、上述した第7制御例のパチンコ機に対して、選択される特別図柄の変動時間、及び、普通図柄の変動時間が異なるように構成している。具体的には、通常状態における第1特別図柄(特図1)抽選にて大当たりに当選した場合、或いは小当たりに当選した場合に選択され得る変動パターンとして、変動時間が50秒の特殊特図1変動パターンを選択可能にし、通常状態における第2特別図柄(特図2)抽選にて小当たりに当選した場合に選択され得る変動パターンとして、変動時間が1秒の特殊特図2変動パターンを選択可能にし、さらに、普通図柄のロング開放当たりに当選した場合に選択され得る普図変動パターンとして、変動時間が50秒の特殊普図変動パターンを選択可能に構成している。
そして、小当たり遊技の終了条件として、球の入賞数が1個に到達した場合に成立する第1終了条件と、小当たり遊技にてV入賞口650Aが開放されている期間が1.5秒に到達した場合に成立する第2終了条件と、が規定されている。
このように構成された本変形例のパチンコ機10では、特殊特図1変動パターンが設定された特図変動が停止表示した場合、或いは、特図普図変動パターンが設定された普図変動が停止表示した場合に、遊技者に対して遊技方法として右打ち遊技を行わせるための案内報知(図320(B)参照)を実行するように構成している。
ここで、実行された案内報知(右打ち報知)が、大当たり当選に基づく場合は、右打ち遊技によって発射された球が第1流路701を流下し、作動ゲート670を通過することで、大当たり遊技が開始される。上述した通り、右打ち遊技によって発射された球が作動ゲート670に到達するまでに要する時間は約5秒であることから、右打ち遊技を行ってから約5秒後に大当たり遊技が開始されることになる。
また、実行された案内報知(右打ち報知)が、小当たり当選に基づく場合は、右打ち遊技によって発射された球が第2流路702を流下し、V入賞口650Aに入賞することで、大当たり遊技が開始される。上述した通り、右打ち遊技によって発射された球がV入賞口650Aに到達するまでに要する時間は約4秒であり、小当たり遊技中に球が1個入賞することで小当たり遊技が終了し、且つ、V入賞口650Aに球が入賞した場合に、その入賞した球がVゲート(V領域)を必ず通過するように構成していることから、右打ち遊技を行ってから約5秒後に大当たり遊技が開始されることになる。
さらに、実行された案内報知(右打ち報知)が、普図当たり当選に基づく場合は、右打ち遊技によって発射された球が第2流路702に流入し、第2入賞口640を通過し、その通過に基づいて実行される特図2抽選が小当たりである場合には、1秒の変動時間を経て小当たり遊技が実行される。第2入賞口640を通過した球が、V入賞口650Aに到達するまでの時間が約2秒となるように第2流路702が形成されているため、特図2抽選で小当たりに当選した場合は、第2入賞口640を通過した球がV入賞口650Aに入賞することになる。よって、右打ち遊技を行ってから約5秒後に大当たり遊技が開始されることになる。
つまり、本変形例では、通常状態における第1特別図柄(特別図柄)の抽選で大当たりに当選した場合と、小当たりに当選した場合とで同一の変動時間を設定し、その変動時間が経過したタイミングで遊技方法を変更させるための案内報知(右打ち報知)を実行した場合において、その案内報知に基づいて遊技者が右打ち遊技を行うことで、同タイミングで大当たり遊技を実行させることが可能に構成されている。
このように構成することで、遊技者に対して、今回の大当たり遊技が大当たり当選に基づいて実行されたものなのか、小当たり当選を経由して実行されたものなのかを分かり難くすることができる。さらに、上述した制御例のように、特別図柄の大当たり当選に当選した場合に実行される大当たり遊技と、小当たり当選を経由して実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)とで、遊技者に付与される特典(大当たり遊技中の賞球数、大当たり終了後に設定される有利遊技状態(時短状態))の大小を異ならせている場合には、何を契機に大当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることで、大当たり遊技中、や大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に期待を抱きながら遊技を行わせることができる。
さらに、本変形例では、上述した通り、普通図柄の抽選で特定の当たり(普図ロング開放当たり)に当選した場合にも、案内報知(右打ち報知)が実行されてから大当たり遊技が開始されるまでの期間が、特別図柄の大当たり当選、或いは小当たり当選時と同一となるように構成している。よって、より遊技者に大当たり遊技の実行契機を分かり難くすることができる。
加えて、本変形例では、大当たり遊技が実行され得る抽選結果(特図抽選結果、普図抽選結果)となった場合に、同一の変動時間(50秒)が選択されるように構成しているため、その変動時間を用いた演出として同一の演出態様を用いた特殊変動演出を設定することが可能となる。これにより、特殊変動演出が実行されている最中も、実行中の特殊変動演出が特図変動に基づく特殊変動演出なのか、普図変動に基づく特殊変動演出なのかを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、上述した例では、50秒の変動時間が設定された特殊変動パターンに対して特殊変動演出を設定する場合について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、50秒以上の変動時間が設定される変動パターンに対応した変動演出のうち、その変動時間の残変動時間が50秒となった場合に上述した特殊変動演出を実行するように構成しても良い。さらに、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、変動時間が50秒の特殊外れ変動パターンを設定可能に構成し、特殊変動演出の演出結果として変動時間経過後に右打ち遊技の案内報知が実行されない演出パターン(失敗演出)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、特殊変動演出が実行された場合であっても、右打ち遊技が案内されないパターン(ガセパターン)を設けることができるため、遊技者を特殊変動演出の内容に注目させることができる。
また、各制御例で上述した通り、普通図柄の抽選で特定の当たり(普図ロング開放当たり)に当選し、右打ち遊技を案内する案内報知が実行され、右打ち遊技によって球を第2入賞口640に入賞(通過)させた場合において、特図1変動が実行中である場合には、即座に特図2変動が実行されない、即ち、実行中の特図1変動が終了するまで特図2変動が実行されない待機期間が設定されることになる。この場合は、案内報知が実行されたにも関わらず、大当たり遊技が実行されない失敗パターンとして失敗演出を実行すると良い。また、右打ち遊技によって球を第2入賞口640に入賞(通過)させ、即座に特図2抽選が実行された場合において、特図2抽選の結果が外れである場合にも上述した失敗演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、特図2抽選で外れに当選した場合と、特図2抽選の待機期間が設定された場合とで同一の演出態様を設定することが可能となる。そして、待機期間が所定時間(例えば、3秒)以内で、且つ、待機期間経過後に実行される特図2抽選の抽選結果が小当たり当選である場合には、上述した失敗演出から小当たり当選したことを示す演出態様へと切り替える演出(復活演出)が実行されるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して最後まで期待を抱かせることが可能な演出を実行することができる。
なお、特図2抽選の待機期間については、上述した各制御例にて用いた各種技術を用いて算出、予測すれば良く、各制御例にて用いた各種技術を適宜組み合わせれば良い。さらに、普図当たり当選に基づいて右打ち遊技を行わせる場合、或いは、小当たり当選に基づいて小当たり遊技を行わせる場合には、上述した各制御例と同様に、球が特定の入賞口(第2入賞口640、V入賞口650A)に入賞(通過)しない場合がある。この場合についても、上述した第5制御例にて説明をした演出態様(例えば、図324(B)参照)を表示するように構成すれば良い。また、特図抽選で大当たりに当選している場合においても、所定タイミング、例えば、右打ち遊技によって発射された球が第2入賞口640付近を通過し得るタイミング(案内報知態様が表示されてから約1秒後)や、球がV入賞口650Aに到達し得るタイミング(案内報知態様が表示されてから約4秒後)に疑似的に失敗演出を実行するように構成しても良い。
上述した変形例では、複数の契機によって大当たり遊技を実行可能なパチンコ機10において、遊技者に対して大当たり遊技を実行可能な条件が成立したことを報知(本変形例では「右打ち報知」)してから実際に大当たり遊技が実行されるまでの期間を、大当たり遊技が実行されるまでの契機に関わらず同一とすることで、遊技者に対して、大当たり遊技が実行されることを事前に報知しながらも、どの契機で大当たり遊技が実行されるのかを分かり難くするように構成しているため、実際にどの遊技態様の大当たり遊技が実行されるか、或いは、大当たり遊技終了後の遊技状態としてどの遊技状態が設定されるのか、を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
なお、大当たり遊技を実行可能な条件が成立したことを報知する報知態様としては、本変形例の構成に限ること無く、例えば、各図柄変動に対応して実行される変動演出の演出態様を、大当たり遊技を実行可能な条件が成立していることを示す演出態様に設定しても良く、当該報知態様に基づく報知が実行されてから実際に大当たり遊技が実行されるまでの期間を統一することができるものであれば、その報知タイミングや報知態様は適宜設定すれば良い。
また、小当たり遊技を介して大当たり遊技を実行する契機を用いる場合は、小当たり遊技中のどのタイミングでV入賞口650Aに球が入賞したとしても、小当たり遊技が開始されてから予め定められた時間が経過した後に大当たり遊技が実行されるように構成すると良い。これにより、当該報知態様に基づく報知が実行されてから実際に大当たり遊技が実行されるまでの期間をより統一させることができる。
さらに、小当たり遊技中において球が特定領域(Vゲート)を通過した時点で、後に実行される大当たり遊技の種別(大当たり種別)を設定する構成を用いるパチンコ機10においては、小当たり遊技中に球が入賞可能となるV入賞口650A内に複数の特定領域(Vゲート)を設け、その上流側に、V入賞口650Aに入賞した球を複数の特定領域(Vゲート)の何れかに振り分ける振分可動部材を設け、その振分可動部材を、小当たり遊技開始からの経過時間に応じて可動させるように構成することで、小当たり遊技が開始されてから、V入賞口650A内の振分可動部材に球が到達するまでの時間に応じて異なる特定領域(Vゲート)を球が通過するように構成する。そして、各特定領域(Vゲート)を通過した場合にそれぞれ異なるオープニング期間が設定される大当たり遊技が実行される大当たり種別が設定されるように構成することで、各特定領域(Vゲート)を球が通過したことに基づいて大当たり遊技が実行される構成を用いた場合でも、大当たり遊技において特定入賞口65が開放状態となるタイミングが統一されるように構成しても良い。
<各制御例の電断時における演出対応例について>
次に、上述した各制御例にて実行される各種演出のうち、主制御装置110にて異なる遊技制御(特図変動遊技、普図変動遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)が行われる複数期間に跨がって実行される期間演出(一連演出、最終変動演出)の実行中にパチンコ機10への電力供給が遮断された場合における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。上述した通り、各制御例のパチンコ機10は、主制御装置110の制御処理内容(RAM203に記憶される各種情報)は、パチンコ機10への電力供給が遮断された場合であっても、その情報を一時的に保持可能(バックアップ可能)に構成されている一方で、音声ランプ制御装置113の制御処理内容(RAM223に記憶される各種情報)は、パチンコ機10への電力供給が遮断された場合に消去されるように構成している。
このように構成されたパチンコ機10において、音声ランプ制御装置113の制御処理に基づいて上述した期間演出を実行している最中にパチンコ機10への電力供給が遮断されてしまう(電断状態になる)と、パチンコ機10への電力供給が再開された際に(復電時)、電断状態の直前にどのような期間演出を実行していたかを読み出すことが不可能となるため、期間演出を再開させることができないという問題があった。
そこで、本対応例では、復電時の遊技状況を示す復帰時コマンドを主制御装置110の立ち上げ処理(図356参照)にて設定するように構成し(図356のC910の後に設定)、その復帰時コマンドとして、特図変動の有無、普図変動の有無、現在の遊技状態、大当たり遊技の有無、小当たり遊技の有無、右打ち報知の有無の、遊技状態が移行するまでの残期間情報の各情報を含むコマンドを設定するように構成し、音声ランプ制御装置113が上述した復帰時コマンドを受信した場合に、現在(復電時)が、期間演出を実行し得る状態(電断直前に期間演出を実行していた可能性がある状態)であるか否かを判別する判別処理(電断前演出判別処理)を実行可能に構成している。
そして、電断前演出判別処理において、現在が期間演出を実行し得ない状態(例えば、大当たり遊技中)であると判別した場合は、主制御装置110から出力されるコマンドに応じた演出を実行するようにし、電断前演出判別処理において、現在が期間演出を実行し得る状態であると判別した場合は、後に、主制御装置110から出力されるコマンドに基づいて期間演出を再開させるための準備処理状態を設定し、遊技者に対して演出が再開する可能性があることを示す演出準備中のコメントが表示されるように構成している。
そして、準備処理状態が設定されている状態で、主制御装置110から当たり関連コマンドとして一連演出が実行される小当たり当選(普図ロング開放当たり遊技)を示す小当たり種別の情報を含むコマンドが出力されたと判別した場合に、その小当たり遊技の開始時から、期間演出を再開するように構成している。このように構成することで、主制御装置110にて異なる遊技制御(特図変動遊技、普図変動遊技、小当たり遊技、大当たり遊技)が行われる複数期間に跨がって実行される期間演出(一連演出、最終変動演出)の実行中にパチンコ機10への電力供給が遮断された場合において、その期間演出の全てが破棄されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本対応例では、準備処理状態が設定されている間に、新たな演出(期間演出)の実行条件が成立したとしても、新たな演出(期間演出)の実行を制限する制限手段を有している。つまり、電断前に実行されていた演出(期間演出)の再開処理のほうが、復電後に新たに演出(期間演出)を実行させる処理よりも優先して実行されるように構成している。このように構成することで、既に遊技者に提供(一部を提供)した演出(期間演出)を優先して実行されることができるため、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。また、電断前に実行中の演出(期間演出)の演出態様と、その演出(期間演出)とは無関係に新たに設定された演出(期間演出)の演出態様とを組み合わせた場合に、遊技者に有利な演出結果となってしまうことを確実に防止することができる。
また、準備処理状態が設定されている状態では、主制御装置110から受信される様々なコマンドを受信する毎に、電断直前に演出(期間演出)を実行していた可能性がある状態であるか否かを判別する判別処理を繰り返し実行するように構成しており、その判別結果に基づいて、電断直前が演出(期間演出)を実行し得ない状態であると判別した場合は、遊技者に対して演出(期間演出)が再開する可能性があることを示す演出準備中のコメントを消去し、通常の音声ランプ制御装置113の制御処理を実行するように構成している。
さらに、準備処理状態が設定されている状態が所定期間(例えば、主制御装置110から受信したコマンド数が10に到達するまでの期間、復電時後、20秒)継続した場合には、電断前に実行されていた可能性がある演出(期間演出)を再開不能と判別し、遊技者に対して、電断前の演出(期間演出)を再開させることができない旨の表示態様(例えば、「停電前の演出内容は全て無効になりました」のコメント)を表示し、通常の音声ランプ制御装置113の制御処理を実行するように構成している。
このように構成することで、電断前に実行されていた演出(期間演出)を再開させることができない場合であっても、再開できなかったことを遊技者に報知することができるため、例えば、電断前に「10回転以内に3のリーチが発生すると大当たり!」といったミッション演出が実行されており、復電後に、電断前に実行されていた演出内容とは無関係に「3のリーチ」を実行してしまい、遊技者を困惑させてしまうことを抑制することができる。また、上述した課題を解決するために、復電後の所定期間(例えば、ミッション演出が設定され得る最大期間(特図変動回数が30回等))は、ミッション演出に演出結果と重複し得る演出態様が設定されないように構成しても良い。具体的には、ミッション演出として特定のリーチ態様(例えば、「3」,「5」,「7」のリーチ)の何れかを成立させるためのミッションを設定可能な遊技では、復電後の所定期間において、特図抽選の結果が外れである場合には、上述した特定のリーチ態様が設定されないように構成し、特図抽選の結果が当たりである場合には、上述した特定のリーチ態様が設定され得るように構成すると良い。このように構成することで、復電後の所定期間内にも制限範囲内で演出を実行させることができる。また、特図抽選の結果が当たりである場合には、特定のリーチ態様が設定可能となるため、電断前にミッション演出(例えば、「3」のリーチを発生させろ)が実行されており、偶然、復電後の所定期間内に「3のリーチ」が発生したとしても、その抽選結果が当たりとなるため、遊技者に違和感を与えることが無い。
以上、説明をした通り、上述した各制御例では、遊技者が有利となる特典遊技(大当たり遊技)が実行される契機として、特別図柄の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される契機(第1契機)と、特別図柄の抽選で小当たりに当選し、その小当たり遊技中に遊技球が特定領域(小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650(図315参照)内に設けられたV領域(図示せず))を通過したことに基づいて大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される契機(第2契機)と、の2つの契機を有する遊技機を用いているが、これに限ること無く、遊技者が有利となる特典遊技(大当たり遊技)が実行される契機として、特別図柄の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される契機(第1契機)のみを有する遊技機に対して、上述した各制御例の技術を転用しても良い。
また、上述した各制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の終了後に特別図柄の当たり当選確率を高くした特別図柄の高確率状態を設定可能に構成し、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)や潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成しても良い。
そして、遊技状態として特定の遊技状態(潜確状態)が設定された場合に、他の遊技状態が設定されている場合よりも特定の特図抽選(特図2抽選)を実行させ易く(特図2抽選の実行契機となる始動口へ球を入賞させ易くする。または、特図2抽選の変動時間を短くする)し、特図2抽選の小当たり当選に基づく小当たり遊技を頻繁に現出させる遊技を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、特図抽選で大当たりに当選しなくても、多くの賞球を獲得可能な遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、説明をした通り、上述した第5制御例から第10制御例では、大当たり遊技を実行させるための大当たり実行契機を複数有するパチンコ機10を用いており、具体的には、第1特別図柄(特図1)の抽選によって大当たりに当選したことを契機とする第1大当たり実行契機と、第1特別図柄(特図1)の抽選によって小当たりに当選し、小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技に開放状態となるV入賞口650A(図315参照)に球を入賞させることを契機とする第2大当たり実行契機と、を有している。加えて、特別図柄の抽選を実行させるための特図変動実行契機として、第1入賞口64に球を入賞させることを契機とする第1特図変動実行契機と、スルーゲート67に球を通過させることにより普通図柄(普図)の抽選を実行し、その普図抽選で当たりに当選した場合に実行される普図当たり遊技によって開放状態となる第2入賞口640(図315参照)に球を入賞させることを契機とする第2特図変動実行契機と、を有している。そして、各大当たり実行契機、及び各特図変動実行契機の成立具合に応じて、様々な遊技過程を経て大当たり遊技を実行させるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、様々な遊技過程を経て大当たり遊技を実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
上述した第5制御例では、特定の抽選権利(特図2抽選の実行契機となる第2入賞口640への球の入賞)を得やすい一の遊技状態(時短状態)から、その一の遊技状態よりも特定の抽選権利を得にくい他の遊技状態(通常状態)へと移行する移行条件が成立する場合に、一の遊技状態中に特定の抽選権利を獲得させるための獲得案内報知を実行し、他の遊技状態へと移行した後に、特定の抽選を実行させ易くするように構成することで、一の遊技状態の終了間際まで遊技者に意欲的に遊技を行わせることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中のほうが、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態よりも特定の抽選権利を獲得し易い場合であれば、大当たり遊技中に獲得案内報知を実行し、大当たり遊技終了後に特定の抽選が実行され易くなるように構成しても良い。
また、特定の抽選権利となる入賞口(始動入賞口)への球の入賞のし易さを可変させることにより特定の抽選権利の獲得のし易さを異ならせてもよいし、遊技状態の設定期間の長さを異ならせることにより、その遊技状態中における特定の抽選権利の獲得のし易さを異ならせても良い。
さらに、上述した第5制御例では、一の遊技状態と他の遊技状態とで特定の抽選権利の獲得のし易さを異ならせるように構成しているが、遊技者に付与される特典の度合いを異ならせ、一の遊技状態中に獲得した特典に基づいて他の遊技状態における遊技内容を可変できるものであれば良く、例えば、遊技盤13の所定領域に球を貯留(滞留)可能な貯留部材(滞留部材)を設け、一の遊技状態が設定されている場合のほうが、他の遊技状態が設定されている場合よりも、貯留部材に球を貯留させ易くなるように構成する。そして、他の遊技状態では貯留部材に球を貯留させた状態で遊技を行う方が、貯留部材に球を貯留させていない状態で遊技を行うよりも遊技者に有利となるように構成しても良い。
<第11制御例>
次に、図425〜図505を参照して、本発明の第11制御例について説明する。なお、第11制御例は、上述した各実施形態に対して、一部構成を変更して、その制御例について説明するものであり、上記各実施形態と同様の構成については、その詳細な説明は省略する。
図425は第11制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図425に示すように、第11制御例における遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80、振分装置700等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80、振分装置700の開口部710Aは、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。また、詳細については後述するが、振分装置700の内部には、球が入球し得る第1入球口64、および右第2入球口640Rが設けられている。開口部710Aへと入球した球は、振分装置700によって第1入球口64、および右第2入球口640Rのいずれかに振り分けられる(図426参照)。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5C(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図425を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112A(図436参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図425の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図425の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図425の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図436参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第11制御例では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640または右第2入球口640Rへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640または右第2入球口640Rへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たり(大当たりA,C)に対応した図柄か通常大当たり(大当たりB)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64,第2入球口640,右第2入球口640Rのいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、16R時短100回大当たり(大当たりA)、16R確変奇数図柄大当たり(大当たりB1)、16R確変偶数図柄大当たり(大当たりB2)、2R確変大当たり(大当たりC)が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R時短100回大当たり」(大当たりA)とは、第3図柄が同一の偶数図柄のぞろ目で停止表示することで大当たりであることが報知された後に、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技の後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。「16R確変奇数大当たり」(大当たりB1)とは、第3図柄が最終的に同一の奇数図柄のぞろ目で停止表示することで大当たりであることが報知され、その後最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行すると共に、次の大当たり遊技が実行されるまでの間は電サポ状態となる確変大当たりのことである。「16R確変偶数図柄大当たり」(大当たりB2)とは、第3図柄が最終的に同一の偶数図柄のぞろ目で停止表示することで大当たりであることが報知され、その後最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する(次の大当たり遊技が実行されるまでの間)と共に、次の大当たり遊技が実行されるまでの間は電サポ状態となる確変大当たりのことである。「2R確変大当たり」(大当たりC)とは、第3図柄が最終的に特定の図柄の組み合わせ(チャンス目)で表示され、その後、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する(次の大当たり遊技が実行されるまでの間)確変大当たりのことである。なお、大当たりCである場合には、大当たり遊技の後に電サポ状態は設定されない。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。また、「高確率状態」における「電サポ状態」とは、第2図柄の抽選確率が高く設定され、第2図柄の変動時間も短く設定される状態をいう。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中における電サポ中(電サポ遊技状態中)や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640Aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640Aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640Aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中における電サポ中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640Aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640Aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640Aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640Aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640Aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、第2入球口640、右第2入球口640Rのいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、センターフレーム86は、遊技盤13の前面側に突出して第3図柄表示装置81の周囲を囲んでおり、第3図柄表示装置81に遊技球が当接することを防止している。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図436参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図456参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図425参照))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640Aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中における電サポ中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中における電サポ中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640Aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中における電サポ中および時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中における電サポ中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640Aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640Aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の両側の領域において遊技盤に組み付けられる。スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤13を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る振分装置700が配設されている。この振分装置700に対して、開口部710Aを介して球が入賞(入球)すると、その入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640Rへと交互に振り分けられる。球が第1入球口64へ入賞(入球)すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図436参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。また、球が右第2入球口640へ入賞すると、右第2入球口640Rの場合と同様に、遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図456参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
一方、振分装置700の正面視下方には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。第2入球口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図456参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。この第2入球口640は、通常時は羽根形状で構成された左右の電動役物640Aが直立した状態で遊技球が入球することを規制することにより遊技球が入球しない(し難い)構成とされ、後述する普通図柄の当たりとなった場合に、一定の動作パターンで電動役物640Aが開放動作として外側方向に約45度回動して逆八の字となることで、第2入球口640へと遊技球を誘導して、第2入球口640へ遊技球が入球し易く構成している。
また、第1入球口64および右第2入球口640Rは、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出され、第2入球口640は、2個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と、右第2入球口640Rへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数に構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と右第2入球口640Rへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じ数として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640Aが付随されている。この電動役物640Aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640Aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640Aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中における電サポ中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640Aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、電動役物640Aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、基本的に開口部710Aへと球が入球し、その入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640Rへと振り分けられることで大当たり抽選が実行される。
一方、確変中における電サポ中や時短中は、左右どちらかのスルーゲート67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640Aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、開口部710Aへと入球した球が第1入球口64、または右第2入球口640Rへと振り分けられることに加えて、第2入球口640へと入球したことに伴う大当たり抽選も実行され易くなる。従って、通常中よりも大当たり抽選の機会が多くなるので、通常中に比較して遊技者に有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中における電サポ中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
振分装置700の下側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65Aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、第2入球口640、右第2入球口640Rのいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65Aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65Aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65Aが所定時間開放される。この特定入賞口65Aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65Aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65Aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65Aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65Aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65Aが所定時間開放され、その特定入賞口65Aの開放中に、球が特定入賞口65A内へ入賞することを契機として特定入賞口65Aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65Aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も振分装置700の正面視下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入球口63,64,65A,640,640Rにも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、振分装置700の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図456参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図456参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図436を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図436は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図473)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図472)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図471)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65Aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112Aを制御するものである。球発射ユニット112Aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51Bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、タッチセンサ290、設定スイッチ291、RTC292、発射センサ293、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図456参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図426を参照して、振分装置700について説明する。図426は、振分装置700の部分拡大正面図である。図426に示すように、振分装置700は、遊技盤13の可変表示装置ユニット80の下側に配設される。遊技盤13に形成された貫通孔に開口部710Aに入球した遊技球が流下する流路部と、第2入球口640に入球した遊技球が流下する流路部とが納められて振分装置700のベース部材により遊技盤13に前面側よりビス留めされるように構成されている。
入賞部材730は、正面視横長矩形に形成されると共に、左右方向中央上部に位置する上述した開口部710Aと、開口部710Aの下側に位置する電動役物640Aと、その電動役物640Aの左右方向両側に位置し前後方向に貫通形成される貫通孔(図示せず)と、その貫通孔の下側に位置し前後方向に貫通形成される下側挿通孔(図示せず)と、を主に備えて形成される。
振分け部材760は、正面視横長矩形に形成されると共に、正面側が開放された箱状体に形成される。また、振分け部材760は、正面視において左右方向略中央位置で屈曲されており、左右方向略中央位置から左右方向外側に向かうに従って下側に傾斜して形成される。また、振分け部材760の左右方向の両端部は、上述した入賞部材730の貫通孔731と対向する位置に設定される。
振分け部材760は、正面視における左右方向中央位置から左右両側へ向けて下方傾斜する一対の傾斜面761と、その互いの傾斜面761の中央に配置される振分部材762と、振分部材762の上方に形成される送球口と、を主に備えて形成される。
振分部材762は、円環形状に形成されると共に、その外縁部から軸周りに90度の間隔を隔てて外側に突設される3つの突起762Aと、円環形状の内側に挿通される軸部762Bと、を備えて形成される。
軸部762Bは、振分部材762を軸周りに回転させるための軸支部であり、円柱形状に形成されると共に、振分部材762の円環内側に挿通される。この状態で、軸部762Bが、介設部材と振分部材760との間に挟持されることで、振分部材762は軸部762Bを軸に回転可能に配置される。
突起762Aは、開口部710Aを通過した球が送球される際に、球を左右の傾斜面761に交互に一球ずつ振り分けるための突起であり、中央部の突起762Aの先端が位置する方向と左右方向反対側に球が送球される。即ち、中央部の突起762Aにより開口部710Aより送球される球を左右方向に送球することができる。両端に突設される突起762Aは、振分部材762の変位を規制すると共に、球の通過した際にかかる重みにより、中央部の突起762Aの先端が位置する方向を変位させる(振分部材762を回転させる)部材であり、突起762Aの先端面と傾斜面とが当接することで振分部材762の回転が規制される。一方、傾斜面と当接していない突起762Aは、球が中央部の突起762Aに案内されると、案内された球がその突起762Aと衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762Aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762Aの先端が傾斜面と当接してその変位が規制される。
傾斜面は、上述した振分部材762によって左右に振り分けられた球が転動して送球される経路(以下、「第3送球経路KR3」と称す)の転動面であり、振分け部材760の左右方向中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、振分け部材760の振分部材762によって左右に振り分けられた球は、傾斜面761上を転動されて、傾斜面761の下降側の端部に送球(転動)される。
傾斜面761の下降側の端部には、その端部に向かうに従って、背面側の側面が前方に厚みを増すように介設部材へ近接する方向へ傾斜して形成される。これにより、傾斜面761を転動してその端部まで送球された球を、振分け部材760の前方に配設される介設部材の第1入球口64、または右第2入球口640Rに送球することができる。より具体的には、振分部材762によって正面視左側に振り分けられ、傾斜面761を転動した球が、第1入球口64へと送球される(入球する)。一方、振分部材762によって正面視右側に振り分けられ、傾斜面761を転動した球が、右第2入球口640Rへと送球される(入球する)。
介設部材は、正面視横長矩形状に形成されると共に、正面視における左右方向の中央下部に上述した可変入賞装置65と、左側に前後方向に貫通される第1入球口64と、右側に前後方向に貫通される右第2入球口640Rと、これらの第1入球口64を主に備えて形成される。
第1入球口64、および右第2入球口640Rは、それぞれ振分け部材760の左右両端部の正面側に形成されると共に、入賞部材730の貫通孔731の背面側に形成される。よって、振分け部材760の左右両端部の空間と、入賞部材730の貫通孔の内部空間とが第1入球口64、および右第2入球口640Rを介して連結される。従って、上述した振分け部材760の傾斜面761の上部を転動する球を、第1入球口64を通過させて、入賞部材730の貫通孔に送球する経路と、右第2入球口640Rを通過させて、入賞部材730の貫通孔に送球する経路とを形成することができる。
以上のように構成される振分装置700は、次のように送球される。開口部710Aから入る球は、振分け部材760に送球されて振分け部材760の振分部材762により左右方向どちらか一方の第3送球経路KR3に送球される。左方向の第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると、正面側に配置される介設部材750の第1入球口64の内部の第4送球経路KR4に送球される。ここで、第1入球口64に入球した遊技球は、検出スイッチ(センサ)により検出されて、第1入球口64に遊技球が入球したことが検出される。
一方、左方向の第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると、正面側に配置される介設部材750の右第2入球口640Rの内部の第4送球経路KR4に送球される。ここで、第2入球口640に入球した遊技球は、検出スイッチ(センサ)により検出されて、右第2入球口640Rに遊技球が入球したことが検出される。
このように、開口部710Aに入球した遊技球は、振分け部材762により交互に第1入球口64と右第2入球口640とに振分けられるので、均等に第1入球口64と右第2入球口640Rとに遊技球を入球させて、保留球を均一に発生させることが可能となる。これにより、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを均等に発生させることができ、一方の保留球数が上限となり、保留球として記憶されないオーバーフローを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とは同時に変動しない構成としたが、それに限らず、同時に変動するように構成してもよい。このように構成することで、より多くの遊技の抽選が短時間で実行されて、その判定結果を表示することができるので、より時間効率よく遊技をすることができる。
第3図柄は、「0」から「9」の数字の主図柄により構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図456参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB1」であれば、奇数番号である「1,3,4,7,9」の主図柄のうち、いずれかがぞろ目で揃って停止表示される変動表示が行われる。また、「大当たりA」または「大当たりB2」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」の主図柄のうちいずれかがぞろ目で揃う変動表示が行われる。また、大当たりCである場合には、「341」の組み合わせで構成されたチャンス目が表示されるように構成されている。なお、このチャンス目の組み合わせは、抽選結果が外れである場合には選択されないように構成されている。本実施形態では、チャンス目を特定の第3図柄の組み合わせで表示するように構成したが、それに限らず、0〜9までの通常の第3図柄とは異なる特殊図柄(例えば、金色の魚図柄)を一つまたは、複数の組み合わせで表示するように構成してもよいし、「チャンス」等の文字を表示して報知するように構成してもよい。
次に、図427〜図435を参照して、本第11制御例における第3図柄表示装置81で表示される演出表示態様について説明する。図427(A)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域DM、それ以外の下側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域DSとなっている。
主表示領域DMは、左・中・右の3つの表示領域DM1〜DM3に区分けされており、その3つの表示領域DM1〜DM3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。この主表示領域DMの略中央が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域DSは、主表示領域DMよりも下方に横長に設けられており、さらに左右方向に2つの小領域DS1〜DS2に区分されている。このうち、小領域DS1は、主表示領域DMにおいて保留されていた保留球が変動表示(動的表示)される場合に、変動が実行される保留図柄が移動して表示される実行表示領域である。実行表示領域へと移動された保留図柄は、対応する特別図柄の変動が実行中であることが識別できるように、保留図柄よりも大きい図柄で表示される。なお、変動が実行される場合に、図柄の色を可変させたり、図柄の模様を可変させたりすることで、変動している特別図柄の抽選結果を示唆するように構成されている。
小領域DS2は、第1入球口64または右第2入球口640R、第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数や予告演出画像を表示する領域である。小領域DS2には、保留球が所定個数以上となるとキャラクタの予告演出画像が表示されるキャラクタ表示領域Cが設定されている。
実際の表示画面では、図427(B)に示すように、主表示領域DMに第3図柄の主図柄が合計3個停止表示される。なお、変動表示される場合には、中央部に表示される主図柄以外にも、その前後に配置された主図柄が視認可能に表示されるので、最大で合計9個主図柄が表示される場合もある。副表示領域DSにおいては、小領域DS1には、実行中の特別図柄に対応する保留球が移動して表示されるエリアであることを示す実行中台座図柄M0が表示されており、図428(A)に示すように特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動が実行される場合には、丸図柄が表示される。なお、小領域DS2に表示されていた保留図柄(丸図柄)のうち、最も保留された順序が先であることを示す一番左側に表示されている丸図柄が非表示となり、その後に小領域DS1に保留図柄よりも直径が大きい丸図柄が表示される。この場合、小領域DS2に表示されていた保留図柄は、非表示となった一番左側の保留図柄が表示されていた位置へとその後に続けて並べて表示されている保留図柄が移動して表示される。保留図柄が小領域DS1へと移動して実行中の図柄として表示される場合には、変動開始される特別図柄の抽選結果や、選択されている変動パターン等に基づいて所定の演出抽選が実行されて、実行中の図柄の色や図柄が決定されて表示される。このように構成することで、小領域DS1に表示される実行中の図柄により、変動開始される特別図柄の抽選結果や選択されている変動パターンを早期に遊技者が判別することができ、遊技の興趣を向上できる。なお、小領域DS1に表示される実行中の図柄は、変動開始時に色や模様等を可変させる演出に限らず、特別図柄が変動している期間内に可変させる演出も実行される。例えば、第3図柄が高速変動から低速変動に切り替わるタイミングや、リーチ表示態様(左図柄と右図柄とが同一の図柄で仮停止表示されて中図柄がスクロール表示されている表示態様)となったタイミングや、特定の演出(例えば、所定のムービー演出が実行される場合等)が実行されるタイミング等に実行される。
図427(B)に示すように、小領域DS2には、最も変動順序が先となる保留順序であることを示す保留図柄が表示されるエリアであることを示す第1保留図柄用台座M1が左端に表示されている。第1保留図柄用台座M1の右側には、保留順序が2番目であることを示す第2保留図柄用台座M2、保留順序が3番目であることを示す第3保留図柄用台座M3、保留順序が4番目であることを示す第4保留図柄用台座M4、保留順序が5番目であることを示す第5保留図柄用台座M5、保留順序が6番目であることを示す第6保留図柄用台座M6、保留順序が7番目であることを示す第7保留図柄用台座M7、保留順序が8番目であることを示す第8保留図柄用台座M8がそれぞれ保留図柄の表示されていない状態であっても表示されている。
第5保留図柄用台座M5〜第8保留図柄用台座M8の上部には、保留図柄が所定個数以上表示されていない状態である場合には、それぞれ保留個数示唆図柄Pが表示されている。保留個数示唆図柄Pは、第5保留図柄用台座M5の上部には、保留順序が5番目である事を示す「5」の文字が表示された可変蓋形状で構成されている。同様に、第6保留図柄用台座M6の上部には、保留順序が6番目である事を示す「6」の文字が表示され、第7保留図柄用台座M7の上部には、保留順序が7番目である事を示す「7」の文字が表示され、第8保留図柄用台座M8の上部には、保留順序が8番目である事を示す「8」の文字がそれぞれ表示された可変蓋形状の図柄で構成されている。
図427(B)に示すように、保留個数が0個である場合には、第5保留図柄用台座M5から第8保留図柄用台座M8までの領域に跨がって保留個数示唆図柄Pが表示されており、遊技者が最大の保留個数は、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて8個であることを認識できるように構成されている。なお、本実施形態では、第1特別図柄に対して最大4個、第2特別図柄に対して最大4個が設定されている。また、本制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ最大個数を設定したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄との保留数を合わせた最大個数を設定するようにして、オーバーフローが発生するのを抑制されるように構成してもよい。
第8保留図柄用台座M8の右側には、予告用キャラクタが表示される領域であることを示すキャラクタ表示台座C1が表示されている。このように構成することで、予告用キャラクタが表示されていない場合にも、遊技者がキャラクタの表示されるエリアを事前に確認することができ、分かりやすく遊技を行うことができる。
図428(A)に示すように、主領域DMで第3図柄(特別図柄)が変動表示されている場合(特別図柄の変動表示期間中である場合)に、第1入球口64または右第2入球口640R、第2入球口640に遊技球が入球すると、入球した特別図柄に対応する保留個数が最大値未満である場合には、保留順序に対応した台座表示の上部に保留図柄が表示される。図428(A)では、保留個数が3個である場合の保留図柄の表示が示されている。
図428(A)に示すように、保留球数が3個である場合までは、5個目から8個目までの保留図柄が表示される表示領域に保留個数示唆図柄Pが表示されている。また、図428(B)に示すように、保留数が4個となると、保留個数示唆図柄Pの5個目の保留が表示される可変蓋図柄が非表示となって可変して表示される。このように構成することで、可変蓋図柄の近傍まで保留図柄が表示されると非表示となり、可変蓋図柄を遊技者が保留図柄と勘違いして、実際の保留球数を勘違いする不具合を抑制できる。また、図428(B)に示すように、保留球数が4個となると、保留球数5個目の表示エリアにおける可変蓋図柄が非表示となるだけでなく、キャラクタ表示領域Cに女の子のキャラクタ図柄が表示されるように構成されている。
なお、キャラクタ表示領域Cに表示されたキャラクタは、保留球数の上限値までの残り球数を示唆するコメント表示を吹き出しによって表示するように構成しており、遊技者に最大の保留球数までの残り個数を分かりやすく報知できる。具体的には、保留個数が7個となった場合には、コメント表示にて、「あと1個」という文字を表示して、あと1個保留球が記憶されると、保留個数の上限個数である8個の保留球が記憶された状態となることを示唆している。このように構成することで、遊技者は、保留個数の上限数までの個数を認識し易くなり、保留個数が上限数の状態で、第1入球口64または第2入球口640、右第2入球口640Rのいずれかに入球(保留上限となっていない特別図柄に対応した入球口)することで、保留記憶されることのないオーバーフローの発生を抑制することができる。
なお、本制御例では、振分装置700の開口部710Aに遊技球が入球すると、入窮した遊技球は、振分装置700の振分部材762により交互に第1入球口64(第1特別図柄に対応)と右第2入球口640R(第2特別図柄に対応)とに振分られる。これにより、第1特別図柄と、第2特別図柄との保留球は、交互に均等に貯まりやすく構成されている。これにより、遊技者は、全体(第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた)の保留球数が7個となった場合にも、オーバーフローを気にせずに、開口部710Aへと遊技球を入球させるように遊技を継続することができる。
さらに、保留球数の上限値となると、上限値まで保留球が記憶されていることを示す「MAX」の文字が表示されて、保留球数が上限値に達しているにも関わらず遊技者が遊技球を発射させ続けて、保留球のオーバーフローが発生してしまう不具合を抑制できる。
図429(A)では、4個目の保留球が記憶され、その保留球を図466の始動入賞処理(Z105)内の先読み処理(Z320:図467参照)で判定された当否判定結果と、選択される変動パターン種別との情報が音声ランプ制御装置113に対して入賞コマンドとして出力され、その情報に基づいて、例えば、大当たりや、外れスーパーリーチ各種であると判定された場合に、遊技者に大当たりへの期待を持たせる演出として保留球の表示態様を可変(例えば、白色の保留図柄を赤色に可変)させて表示させて、保留個数示唆図柄Pの5個目の可変蓋図柄も非表示にせずそのまま表示させる。さらに、キャラクタ表示領域Cに女の子を表示させて、「そのまま」という文字を表示させて、保留個数をこれ以上増加させないように示唆する演出が実行される。ここで、5個目の保留球が記憶されると、図429(B)に示すように、「OVER」という文字がキャラクタ表示領域Cの女の子より吹き出しで表示されることにより、オーバーフローしてなくともあたかもオーバーフローしたかのような報知がされる。これにより、遊技者に、4個目の保留球が変動表示することに対して期待を持たせることができ、大当たりへの期待度が高い保留球が記憶されているのに、さらに持ち玉(遊技球)を無駄に遊技者が発射して消費させることを抑制できる。
図430(A)に示したように、短期間(例えば、5秒間)で0個の保留球数が4個まで記憶された場合には、4個目の保留球が記憶されたタイミングで、保留個数示唆図柄Pの可変蓋図柄Pの5個目と6個目を非表示にして、キャラクタ表示領域Cに女の子を表示して、「早い」という文字を表示させて、保留された期間が短いために保留個数示唆図柄Pが特殊に可変して表示されていることを示唆する報知が実行される。ここでは、通常では、保留球が4個である場合には、保留個数示唆図柄Pの可変蓋図柄は、5個目が非表示となるが、5秒以内の間に、0個の保留球数が4個となるまで増加したことで、5個目および6個目の可変蓋図柄が非表示として表示される特殊な表示規則となっている。このように構成することで、保留球数の増加期間または保留球が記憶される間隔によって、実行される演出を可変させることができ、保留球が短期間で所定個数以上発生したことを遊技者が容易に認識できる。また、本制御例では、可変蓋図柄Pの表示態様を通常とは異なるように構成したが、それに限らず、可変蓋図柄Pの表示態様は可変させずに、保留図柄の表示態様(たとえば、保留図柄の色、模様、形状を可変)を可変するように構成してもよい。
次に、図430(B)を参照して、時短遊技状態における可変蓋図柄Pの可変表示例について説明する。時短遊技状態(普通図柄の当否判定確率が高確率)では、通常遊技状態(普通図柄の当否判定確率が低確率)と異なり、4個目の保留球が記憶されると、図430(B)に示すように、5個目(M5)、6個目(M6)の可変蓋図柄Pが非表示となる。そして、女の子のキャラクタが表示されて、吹き出しによって「6まで入れて」という6個目の保留球まで記憶するように遊技を遊技者に促す報知を行う文字が表示される。時短遊技状態では、普通図柄の当否判定確率が高確率に設定され、普通図柄の変動時間も短時間に設定されるので、普通電動役物(電サポ)640Aが開放状態に設定され易くなり、第1入球口64または右第2入球口640Rに遊技球が入球し易くなる。よって、時短遊技中には、保留球のオーバーフローが発生し易くなるので、時短遊技中には、通常遊技中と異なり、可変蓋図柄Pを多く非表示にして、保留球の上限値である8個よりも少ない6個となるように遊技することを遊技者に促すことで、上限値まで保留球が記憶されてオーバーフローが発生し易くなる状態になることを抑制させるように遊技をさせることができる。なお、時短遊技状態では、保留球が5個目となると、7個目(M7)の可変蓋図柄Pが非表示となり、保留球が7個目となると8個目(M8)の可変蓋図柄Pが非表示となる。
なお、本制御例では、時短遊技中には、保留球が5個目となると7個目の可変蓋図柄Pを非表示としたが、それに限らず、保留球が6個までは、7個目および8個目の可変蓋図柄Pを表示した状態に維持するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が6個以上の保留球を発生させようと遊技を行うことを抑制できる。
なお、4個目の保留球が記憶された場合に、可変蓋図柄の6個目と7個目が入賞コマンドの内容によって非表示となり、女の子が6個目まで保留球を増やすように促すことを示唆する「6まで入れて」という文字が表示されるように構成してもよい。このように、6まで入れることにより遊技者に特典として、大当たり遊技の種別(確変当たりであるか通常当たり)であるかを事前に報知することで、遊技者に保留球を貯めることへの意欲を増大させることができる。
図431(A)〜(B)に示したように、キャラクタ表示エリアCに表示されている女の子の種別が記憶されている保留球の先読み結果(入賞コマンドが示す情報)によって可変するように構成されている。図432(A)に示した例では、通常、保留球が4個となった場合に表示される女の子のキャラクタが表示された例であり、図431(B)に示した例では、4個目の保留球が記憶された場合に、その先読み結果の抽選結果が特定の結果となったことに基づいて、通常時とは異なる特殊な女の子のキャラクタが選択されて表示された例を示している。ここで、特定の結果とは、通常時とは異なる女の子の種別を決定する抽選に当選した結果であり、先読み結果が大当たりや外れスーパーリーチである場合には、当選確率が高く設定されている。このように構成することで、遊技者に表示された女の子のキャラクタ種別によって、大当たりへの期待度を予測することが可能となり、遊技の興趣を向上できる。
また、図432(A)〜(B)を参照して、保留個数が最大値となり、その後、オーバー入賞した場合の表示態様について説明する。図432(A)は、保留個数が上限値まで記憶された場合に、キャラクタ表示領域Cに表示されている女の子のキャラクタJ1が吹き出しコメントにより、保留個数が上限値であることを示す「MAX」の文字が表示される。その後、第1入球口64または第2入球口640に遊技球が入球してオーバーフローが発生した場合には、キャラクタ表示領域Cに表示されていた女の子のキャラクタJ1がキャラクタJ2に可変して表示されて、オーバーフローしたことを示す「オーバーしたわね」という文字が表示される。このように、オーバーフローした場合には、遊技者にオーバーフローが発生していることを分かりやすく報知することで、オーバーフローが頻繁に発生することを抑制できる。
また、本制御例では、オーバーフローを抑制する目的でキャラクタの種別を可変して表示したが、遊技店側の利益を増大する目的とする場合には、オーバーフローを発生させることで、表示されるキャラクタの種別やコメントの内容によって、変動表示されている特別図柄の当否判定結果や、記憶されている保留球の先読み結果(当否判定結果等)また、現在の遊技状態(通常遊技状態か確変遊技状態)の種別の報知を行うように構成してもよい。このように構成することで、オーバーフローを発生させながら遊技を行うことで、遊技者が多様な演出を楽しむことができ、遊技者に不利となるオーバーフローを楽しみながら発生させることができる。
図433(A)〜(B)を参照して、リーチ中保留演出が実行される場合の表示態様について説明する。図433(A)に示すように、リーチ表示態様となる変動パターン(ノーマルリーチ各種、スーパーリーチ各種)の変動が実行される場合に、所定の抽選(図480のZ2324参照)が実行され、抽選により特殊保留演出を実行すると判定されると、図433に示すように、リーチ表示態様となった時に、リーチ中保留演出の表示態様が設定される。リーチ中保留演出が実行されると、保留球数にかかわらず、5個目と6個目の可変蓋図柄Pが非表示となり、女の子のキャラクタJ1が表示されて、吹き出しコメントにより「6まで貯める」という保留球をリーチ変動中に6個貯めるように遊技者に示唆する文字が表示される。
図433(B)に示すように、実際にリーチ表示中に保留球を6個まで貯めると、偶数図柄「6」のリーチ図柄が遊技者に有利となる図柄種別である奇数図柄「7」に可変されて表示される。さらに、女の子のキャラクタJ1より吹き出しで「よくやった」という文字が表示されて、6個目の保留図柄の色が可変(例えば、青色から赤色等)されて表示される。このように構成することで、リーチ中であっても、遊技球の発射を遊技者が止めて遊技することを抑制でき、遊技店側の利益を増大させることができる。
なお、本制御例では、保留球が指定された数(6個)となった場合に、リーチ図柄を可変させる例を示したが、当否判定結果が当たりで、偶数図柄に対応する当たり種別である場合には、リーチ図柄を奇数図柄に可変する演出ではなく、魚の群れを主表示領域DMに右から左へと泳ぐ演出等を表示させて、その魚の数や色等により大当たりの期待度を報知したり、「おめでとう」等の当否判定結果を示唆するような予告表示を行うように構成されている。
図434(A)〜(B)を参照して、ラッキー保留演出における表示態様について説明する。特定の変動(ラッキー保留演出を実行する予告抽選に当選した変動)が実行されている場合前回大当たりした場合に、その変動に対応する保留球が記憶された時の保留球数を記憶しておき、その保留球数に対応する可変蓋図柄Pに図434(A)に示すようなマーク図柄N6が表示され、キャラクタ表示領域Cの女の子のキャラクタJ1より「6をねらえ」というマーク図柄N6に対応した保留個数まで保留球を貯めるように遊技者に促す報知が実行される。図434(B)に示すように、ラッキー保留演出中に6個まで保留球が記憶されると、「よくやった」という文字が表示されて、枠ボタン22を押下することで主表示領域DMに「確変確定」という変動中の特別図柄において確変大当たりが付与されることを示す文字(予告表示態様)が表示される。
このように、大当たり遊技となった場合の大当たり種別までを報知するように構成した。本制御例では、大当たりである場合に本演出が実行されるように構成したが、それに限らず、外れであっても、取得している大当たり種別の判定値によって、もし、大当たりした場合の大当たり種別を判定して、その種別を報知して、大当たりすることを期待させるように構成してもよい。
なお、ラッキー保留演出は、可変蓋図柄P(保留5個〜8個)に記憶された保留球が当たりとなる場合に、その保留球数が記憶され、次回の大当たり変動が実行される時にラッキー保留ナンバーとして表示されるように構成されている。このように構成することで、遊技者に、前回の大当たりが発生した場合に、記憶された保留数がいくつであったかを意識させることができ、なるべく保留数を多く貯めた状態にして、ラッキー保留演出が実行されやすいように遊技を行うようにさせることができる。
また、図434(A)に示すように保留図柄には、入賞時の保留球数(第1特別図柄、第2特別図柄の保留数の合計値)に対応する数字(入賞時保留数:図434に示すIで示した数字)が付与されて表示される。この入賞時保留数は、保留図柄が消化された(保留図柄に対応する特別図柄の変動が開始された)場合に、一つ変動順序が若い保留図柄表示領域へとスライドして移動(可変)して表示されても同様の数字で表示される。このように構成することで、変動開始となった場合にも、その変動における入賞時の保留数を確認することができる。
なお、大当たりとなった場合には、大当たり遊技中における演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)で実行されている大当たり遊技の入賞時の保留数を数字や図柄等で表示して報知するように構成してもよい。
次に、図435(A)〜(B)を参照して、普通図柄の当たり種別の一つである長時間当たり(電動役物640Aが通常の当たり時よりも長い期間開放状態となる当たり遊技)におけるロング開放演出が実行される場合の保留演出の表示態様について説明する。図435(A)に示すように、普通図柄の長時間当たりに当選し、長時間当たり遊技が開始されると、主表示領域DMに「開放中だよ」というコメント表示がされる。この表示により長時間当たり遊技が実行中であることが遊技者に報知され、遊技者に有利となる長時間当たり遊技中に遊技球を発射せずに第1入球口64または右第2入球口640Rに遊技球が入球させる機会を逃してしまう不具合を抑制できる。また、この長時間当たり遊技中に第1入球口64または右第2入球口640Rに遊技球が入球した場合には、その入球に対応する保留図柄は通常時とは異なる黒色の保留図柄で表示される。このように構成することで、長時間当たり遊技中に記憶された保留球と、それ以外の期間に記憶された保留球とを識別することができる。
図435(B)に示すように、長時間当たり遊技中に記憶された保留図柄に対応する特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄のスクロール表示が開始されるのに同期して、主表示領域DMに宝箱の図柄が表示されて、「宝箱が開いたら大チャンス!!」という文字が表示されて、第3図柄の変動中に宝箱が開く演出がされることで、変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりである期待が高いことを遊技者に示唆される。
このように構成することで、普通図柄の長時間当たりが実行されると、保留球の演出が可変され、その保留球に対応する特別図柄の変動表示中についても特殊な演出が実行されるので、長時間当たりが実行されることで遊技の演出を大きく可変させることができ、新鮮味のある遊技を提供できる。
図425に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示し、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、電動役物640Aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64または右第2入球口640Rに球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、第1入球口64、右第2入球口640Rと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、振分装置700が配置されており、振分装置700の内部には、開口部710Aに入球した遊技球が振分部材762により交互に振分けられて球が入球し得る第1入球口64、右第2入球口640Rが配設されている。この第1入球口64、右第2入球口640Rへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で第1特別図柄、第2特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37Aで示される。また、第1入球口64、右第2入球口640Rは、球が入球するとそれぞれ5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
なお、本実施形態では、第1入球口64と第2入球口640とにそれぞれ入球した場合の賞球の数は、同じとしたが、それに限らず、異なる賞球の数としてもよい。例えば、第1入球口64に入球した場合に、3個の賞球として、右第2入球口640Rに入球した場合に4個の賞球として右第2入球口640Rに対する賞球の数を第1入球口64に対する賞球の数よりも多く設定するようにもよい。
振分装置700の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65Aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37Aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65Aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65Aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65Aが所定時間開放される。この特定入賞口65Aの開閉動作は、実行される大当たり遊技の種別に設定された回数(例えば、大当たりAであれば、16回(16ラウンド))繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65Aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65Aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65Aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65Aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37Aが点灯した場合に、特定入賞口65Aが所定時間開放され、その特定入賞口65Aの開放中に、球が特定入賞口65A内へ入賞することを契機として特定入賞口65Aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65Aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図436参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図436参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<パチンコ機10における電気的構成について>
次に、図436を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図436は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図437を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する特別当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する特別当たり種別カウンタC2と、特別図柄の停止種別(リーチ当たり種別、リーチ以外外れ(外れ長A、外れ短A)、リーチ外れ種別)を決定するための停止種別選択カウンタC3、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図461参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図473参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、第1特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203Aと、第2特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄2保留球格納エリア203Bとがそれぞれ設けられており、第1特別図柄と第2特別図柄との共通の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄1保留球格納エリア203Aの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。同様に、特別図柄2保留球格納エリア203Bの各エリアについても、右第2入球口640Rへの入球タイミングに合わせて、同様の値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203Cが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、普通当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜957)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜957の値を取り得るカウンタの場合は957)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0〜957の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜957の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図461参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図473参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または右第2入球口640Rに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル202A(図439(A)参照)によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブル202Aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202A(図439(A)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202A(図439(A)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
特別当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または右第2入球口640Rに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されている特別当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA」、「大当たりB1」、「大当たりB2」、「大当たりC」との4種類が設定されており、特別当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」、「大当たりB1」、「大当たりB2」、「大当たりC」とのいずれかが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり乱数カウンタC1は、0〜957の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この特別当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「0〜2」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が958ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「3/958」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は27個あり、その値である「0〜26」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が958ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が27なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「27/958」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図440(A)に示すように、大当たり種別を決定するための大当たり種別選択テーブル202Dには、第1特別図柄の抽選に対応して参照される特図1大当たり種別選択テーブル202D1と第2特別図柄の抽選に対応して参照される特図2大当たり種別選択テーブル202D2とがそれぞれ設定されている。
特図1大当たり種別選択テーブル202D1は、第1特別図柄の変動が停止する場合に、その変動における抽選結果が大当たりであると、特別図柄保留球実行エリアに設定(取得され記憶)されている特別当たり種別カウンタC2の値と照合(判定)するための判定値が大当たり種別に対応させて記憶されている。
図440(B)は、この特図1大当たり種別選択テーブル202D1の内容を模式的に示したデータテーブルである。特図1大当たり種別選択テーブル202D1では、取得している特別当たり種別カウンタにおける乱数値が「0〜39」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「40〜75」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB1」、「76〜79」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB2」、「80〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」がそれぞれ設定されている。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)が決定されるように構成されている。
また、特図2大当たり種別選択テーブル202D2は、第2特別図柄の変動が停止する場合に、その変動における抽選結果が大当たりであると、特別図柄保留球実行エリアに設定(取得され記憶)されている特別当たり種別カウンタC2の値と照合(判定)するための判定値が大当たり種別に対応させて記憶されている。
図440(C)は、この特図2大当たり種別選択テーブル202D2の内容を模式的に示したデータテーブルである。特図2大当たり種別選択テーブル202D2では、取得している特別当たり種別カウンタにおける乱数値が「0〜39」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「40〜87」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB1」、「88〜91」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB2」、「92〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」がそれぞれ設定されている。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)が決定されるように構成されている。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで判定結果が大当たりとなった場合に選択される大当たり種別の選択割合が異ならせてあるので、遊技者に第1特別図柄、第2特別図柄とのどちらで抽選が実行されているかに興味を持たせることができる。また、第1特別図柄、第2特別図柄ともに確変が付与される確変大当たりの選択割合は同一(60%)としたので、第1特別図柄と第2特別図柄とで確変割合が異なり、遊技機全体として確変割合が一定とならない不具合を抑制できる。また、第2特別図柄における大当たりCの選択割合を低く設定したので、第1特別図柄よりも16R確変大当たりが選択される確率が高く設定されており、遊技者に有利となるように構成されている。
変動種別カウンタCS1は、0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。上述した停止種別選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1とによって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図473参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202B(図438B参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
図439(B)に示すように、変動パターン選択テーブル202Bには、普通図柄の当否判定確率が低確率である場合の遊技状態(通常遊技状態)に使用される通常用変動パターン選択テーブル202B1と、普通図柄の当否判定確率が高確率である場合の遊技状態(高確率遊技状態または時短遊技状態)に使用される時短用変動パターンテーブル202B2とがそれぞれ設定されている。なお、後述する音声ランプ制御装置113における変動パターンの選択についての説明でさらに詳細に説明するが、主制御装置110では、当否判定結果と、保留球数と、停止種別選択カウンタC3の値と、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、大まかな変動パターンの内容(リーチ、スーパーリーチ、非リーチ等)と変動時間とが決定されて、その決定内容を示した変動パターンコマンドが設定される。
次に、図441〜図442を参照して、主制御装置110が変動パターンを選択する場合に使用する変動パターン選択テーブル202Bについて説明する。図441は、通常用変動パターン選択テーブル202B1の内容を模式的に示したデータテーブルである。通常用変動パターン選択テーブル202B1では、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ設定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、停止種別選択カウンタC3の値と、変動種別カウンタCS1との値が割り付けされている。また、当否判定結果が当たりである場合には、決定される大当たり種別(取得している特別当たり種別カウンタC2の値により大当たり種別選択テーブル202Dより決定される大当たり種別)に対応してそれぞれ変動パターンが設定されている。さらに、当否判定結果が外れである場合には、変動開始時の保留球数(1個〜4個または5個〜8個のいずれか)に対して、それぞれ変動パターンが設定されている。
具体的には、図441に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、大当たり種別が「大当たりA」である場合には、保留球数1個〜8個(即ち、保留球数に関わらない)に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜50」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、ノーマルリーチ大当たりA(変動NO1)が選択される。停止種別選択カウンタC3の値が「51〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜100」に対してスーパーリーチ大当たりA(変動NO2)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「101〜159」に対してスーパーリーチ大当たりB(変動NO3)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「160〜198」に対してスーパーリーチ大当たりC(変動NO4)が選択される。
大当たり種別が「大当たりB1」または「大当たりB2」である場合には、保留個数1個〜8個(即ち、保留球数に関わらない)に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜60」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、ノーマルリーチ大当たりA(変動NO1)が選択される。停止種別選択カウンタC3の値が「61〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜100」に対してスーパーリーチ大当たりA(変動NO2)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「101〜159」に対してスーパーリーチ大当たりB(変動NO3)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「160〜198」に対してスーパーリーチ大当たりC(変動NO4)が選択される。
大当たり種別が「大当たりC」である場合には、保留個数1個〜8個(即ち、保留球数に関わらない)に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜100」に対して、スーパーリーチ大当たりD(変動NO5)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「101〜198」に対してスーパーリーチ大当たりE(変動NO6)が選択される。
このように、当否判定結果が大当たりである場合には、保留個数に関係なく長い変動時間であるノーマルリーチやスーパーリーチとなる変動パターンが選択されるように構成されている。よって、変動時間の長い変動パターンが実行されることで、当否判定結果が大当たりであることを遊技者に期待させることができる。
一方、当否判定結果が外れである場合には、保留球数1個〜4個に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜209」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、外れ長A(変動NO7)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「210〜239」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してノーマルリーチ外れA(変動NO8)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「240〜245」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れA(変動NO9)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「246〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れB(変動NO.10)が選択される。
また、保留球数5個〜8個に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜209」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、外れ短A(変動NO.11)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「210〜239」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してノーマルリーチ外れA(変動NO8)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「240〜245」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れA(変動NO9)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「246〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れB(変動NO.10)が選択される。
このように、当否判定結果が外れである場合には、保留球数が少ない(1個〜4個である場合)と変動時間が長い変動パターンが選択され易く設定されているので、その間に第1入球口64または右第2入球口640Rに遊技球を入球させることで、保留球が発生し易くなり、特別図柄の変動が停止している期間が発生(抽選遊技が行われない期間が発生)することで遊技者が遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるように構成している。また、保留球数が多いときには、ノーマルリーチや、スーパーリーチの選択率を低く設定しておくことで、保留球が多い時にノーマルリーチやスーパーリーチの変動が実行されることで、遊技者に当否判定結果が当たりであることを期待させることができる。
次に、図442を参照して、時短用変動パターンテーブル202B2の内容を模式的に示したデータテーブルである。時短用変動パターンテーブル202B2では、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ設定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、停止種別選択カウンタC3の値と、変動種別カウンタCS1との値が割り付けされている。また、当否判定結果が当たりである場合には、決定される大当たり種別(取得している特別当たり種別カウンタC2の値により大当たり種別選択テーブル202Dより決定される大当たり種別)に対応してそれぞれ変動パターンが設定されている。さらに、当否判定結果が外れである場合には、変動開始時の保留球数(1個〜2個または3個〜8個のいずれか)に対して、それぞれ変動パターンが設定されている。
具体的には、図442に示すように、当否判定結果が当たりである場合には、大当たり種別が「大当たりA」である場合には、保留球数1個〜8個(即ち、保留球数に関わらない)に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜90」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、ノーマルリーチ大当たりA(変動NO1)が選択される。停止種別選択カウンタC3の値が「91〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜100」に対してスーパーリーチ大当たりA(変動NO2)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「101〜159」に対してスーパーリーチ大当たりB(変動NO3)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「160〜198」に対してスーパーリーチ大当たりC(変動NO4)が選択される。
大当たり種別が「大当たりB1」または「大当たりB2」である場合には、保留個数1個〜8個(即ち、保留球数に関わらない)に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜100」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、ノーマルリーチ大当たりA(変動NO1)が選択される。停止種別選択カウンタC3の値が「101〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜100」に対してスーパーリーチ大当たりA(変動NO2)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「101〜159」に対してスーパーリーチ大当たりB(変動NO3)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「160〜198」に対してスーパーリーチ大当たりC(変動NO4)が選択される。
大当たり種別が「大当たりC」である場合には、保留個数1個〜8個(即ち、保留球数に関わらない)に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜100」に対して、スーパーリーチ大当たりD(変動NO5)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「101〜198」に対してスーパーリーチ大当たりE(変動NO6)が選択される。
このように、当否判定結果が大当たりである場合には、保留個数に関係なく長い変動時間であるノーマルリーチやスーパーリーチとなる変動パターンが選択されるように構成されている。よって、変動時間の長い変動パターンが実行されることで、当否判定結果が大当たりであることを遊技者に期待させることができる。
一方、当否判定結果が外れである場合には、保留球数1個〜2個に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜209」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、外れ長A(変動NO7)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「210〜229」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してノーマルリーチ外れA(変動NO8)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「230〜239」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れA(変動NO9)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「240〜250」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れB(変動NO.10)が選択される。
また、保留球数3個〜8個に対して、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜199」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、外れ短B(変動NO.12)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「200〜229」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してノーマルリーチ外れA(変動NO8)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「200〜229」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れA(変動NO9)が選択され、停止種別選択カウンタC3の値が「230〜239」のいずれかである場合には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」に対してスーパーリーチ外れB(変動NO.10)が選択される。
ここで、外れ短Bの変動パターンにおける変動時間(変動期間)は2000MS(2秒)に構成されており、通常用変動パターン選択テーブル202B1で選択され得る変動時間よりも短い変動時間で構成されている。これにより、当否判定結果が外れであり、保留球数が3個以上である場合には、高確率で外れ短Bが選択されることで、特別図柄の変動を短時間で多く行うことができ、大当たりと判定されるまでの期間(大当たり間の期間)を短くし易くして、遊技の効率化を計ることができる。
普通当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202Cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ普通当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物640Aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物640Aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。一方、長時間当たりは、遊技状態に関わらず、2秒間の開放時間で電動役物640Aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
なお、本実施形態では、通常当たりにおける時短中、確変期間で実行される電動役物640Aの開放動作と長時間当たりにおける開放動作とを同じに設定したが、それに限らず、長時間当たりを別の開放動作としてもよい。具体的には、例えば3秒間の間、開放状態となる動作を1回行うようにしてもよい。このように構成することで、長時間当たり時に、より第1入球口64または右第2入球口640Rへ球を入球させることができ、通常遊技中に、第2特別図柄での変動表示を実行させ易くすることができ、新鮮味のある予告表示等が表示される第2特別図柄の変動表示により遊技者に遊技演出の変化を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、図439(C)に示すように、普通図柄の低確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から6のいずれかであれば、普通図柄の通常当たりであると判別される。また、7から8のいずれかであれば、普通図柄の長時間当たりであると判別される。一方、普通図柄の高確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から204のいずれかであれば、普通図柄の通常当たりであると判別される。なお、普通図柄の高確率時には、普通図柄の長時間当たりが設定されない構成としたが、普通図柄の高確率時においては、電動役物640Aの開放動作が長時間当たりと同一であるので、通常当たりでも長時間当たりと実質同一である。
このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。よって、低確率時には、電動役物640Aが動作される頻度を低くして、第1入球口64または右第2入球口640Rへ入球する頻度を少なくすることができる。従って、遊技者の遊技球の消費を多くして、遊技店側の利益を増大させることができる。一方、高確率となる時短中と確変期間では、電動役物640Aが動作する機会を「1/1.2」の確率で与えることができ、第1入球口64または右第2入球口640Rへの入球機会を増大させることができる。よって、遊技者の遊技球の消費を抑制して、遊技者に有利な遊技状態を設定することができる。従って、遊技者が、高確率での遊技を目指して遊技をすることができ、より多くの時間遊技を行わせることができる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜8」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜6」であれば、通常当たりとして、電動役物640Aが「0.2秒間×1回」だけ開放(開放作動)される。なお、本制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640Aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。また、普通当たり乱数カウンタC4の値が「21〜28」であれば、長時間当たりとして、右第2入球口640Rが「2秒×2回」だけ開放される。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640Aが「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、右第2入球口640Rの開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64または右第2入球口640Rへ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら右第2入球口640Rが「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図461参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図473参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図436に戻り、説明を続ける。RAM203は、図437に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図473参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図472参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図471参照)が即座に実行される。
図438(A)に示すように、主制御装置110のMPU201のROM202には、上記説明した特別図柄大当たり乱数テーブル202A(図439参照)、変動パターン選択テーブル202B(図439(B)参照)、普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)、大当たり種別選択テーブル202D(図440(A)〜(C)参照)の他に、入賞コマンドテーブル202Eが設定されている。また、本制御例では省略したが、ROM202には、上記したものの他、遊技に必要な各種データや、プログラム等が記憶されている。
図443は、入賞コマンドテーブル202Eの内容を模式的に示したデータテーブルである。入賞コマンドテーブル202Eは、主制御装置110のMPU201が実行する先読み処理(Z320:図467)において、記憶された保留球が変動開始時に選択される変動パターン等の判定結果が判別されて、その判定結果に対応した入賞コマンドを決定するためのテーブルである。図443に示すように、先読みにおける抽選結果が大当たりである場合には、決定される大当たり種別と選択される変動パターン種別とに対応した入賞コマンドが決定される。これにより、入賞コマンドにより変動パターン種別、当否判定結果だけでなく、大当たり種別まで通知することができ、より詳細な情報を通知することができる。また、抽選結果が外れである場合には、各変動パターン種別に対応した入賞コマンドが決定される。なお、変動パターン種別が、外れ長A、外れ短A、外れ短Bは、いずれも外れとして入賞コマンドテーブル202Eでは同一の「C100」という入賞コマンドが設定される。
また、主制御装置110のMPU201のRAM203は、図438(B)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203Aと、特別図柄2保留球格納エリア203Bと、普通図柄保留球格納エリア203Cと、特別図柄1保留球数カウンタ203Dと、特別図柄2保留球数カウンタ203E、普通図柄保留球数カウンタ203Fと、開放回数カウンタ203Gと、長時間開放フラグ203Iと、時短中カウンタ203Jと、変動実行フラグ203Kと、確変フラグ203Mと、大当たり中フラグ203N、変動序格納エリア203P、その他メモリエリア203Zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203Aは、第1特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203Aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203Aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。また、特別図柄2保留球格納エリア203Bは、特別図柄1保留球格納エリア203Aに対して、第2特別図柄に対応する記憶エリアであることが相違するのみである。
普通図柄保留球格納エリア203Cは、特別図柄1保留球格納エリア203Aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、普通当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203Aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203Aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図466のZ305参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203Dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図462のZ206参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図462のZ207、図466のZ306参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
特別図柄2保留球数カウンタ203Eは、右第2入球口640Rに入賞したことに基づく保留球をカウントするカウンタであり、その他の構成については、特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同一であるのでその詳細な説明は省略する。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223A、特別図柄2保留球数カウンタ223Bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域DS1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203Fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203Fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図470のZ504参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図468のZ406参照)。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203Cに記憶される(図470のZ505)。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203Fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203Cには新たに何も記憶されない(図470のZ503:NO)。
開放回数カウンタ203Gは、電動役物64Cの開放回数をカウントするためのカウンタである。開放時間カウンタ203Hは、電動役物64Cの開放時間をカウントするためのカウンタである。
長時間開放フラグ203Iは、長時間当たり中であることを示すフラグである。この長時間開放フラグ203Iは、主制御装置110のMPU201により実行される普通図柄変動開始処理(Z408:図469)内のZ429の処理においてオンに設定される。また、普通図柄変動処理(Z106:図468)内のZ403の処理において、新たに普通図柄の変動が開始される場合(長時間当たり遊技が実行された後に、次の普通図柄の変動が開始された場合)にオフに設定される。
時短中カウンタ203Jは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203Jの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203Jの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203Jは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203Jの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
変動実行フラグ203Kは、第1特別図柄の変動を実行するか、第2特別図柄の変動を実行するかを識別するためのフラグである。本制御例では、第1入球口64と右第2入球口640Rとにそれぞれ入球した順序(保留記憶された順序)に従って変動が開始される。ここで、特別図柄の変動が停止して、保留球に対応する次の特別図柄の変動が開始される場合には、主制御装置110のMPU201が実行する変動実行判定処理(Z204:図463)により後述する変動順格納エリア203Pに記憶されている保留記憶の順序データに基づいて次に記憶されている変動が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応した保留データであるか判別されて、その判別結果に従って対応する変動実行フラグ203Kがオンに設定される(図463のZ245,Z247)。
確変フラグ203Mは、現在の遊技状態が確変遊技状態であるかを判別するためのフラグである。この確変フラグ203Mは、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(Z1104:図474)内のZ1113の処理において、実行されていた大当たり遊技が大当たりA以外であると判別された場合(Z1111:NO)に、オンに設定される。また、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(Z104:図462)内のZ220の処理において、大当たりとなる特別図柄の変動表示を停止する場合にオフに設定される。
大当たり中フラグ203Nは、遊技状態が大当たり遊技中であることを示すフラグである。この大当たり中フラグ203Nは、主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理(Z104:図462)のZ221の処理において、大当たり遊技の開始が設定されるとオンに設定される。また、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(Z256:図474)のZ1114の処理において、大当たり遊技の終了タイミングとなるとオフに設定される。
変動順格納エリア203Pは、第1入球口64または右第2入球口640Rに遊技球が入球し、保留球として記憶される場合に、その保留順序が記憶されるエリアである。本制御例では、特別図柄の変動は、保留記憶された順に実行されるように構成されており、どちらか一方の特別図柄が優先して実行されるものではない。また、本制御例では、振分装置700により、第1入球口64と右第2入球口640Rとに交互に振分けられるように構成されているので、保留記憶された順に変動を開始することで、特別図柄の変動においても、第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に実行されることとなり、どちらか一方の保留球のみが消化されることで、その特別図柄の保留球がオーバーフローしてしまう不具合を抑制することができる。
その他メモリエリア203Zには、主制御装置110のMPUが実行するその他の制御処理における必要なフラグ、カウンタ、記憶データ等が設定されるが、詳細については省略する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65Aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図471参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112Aを制御するものである。球発射ユニット112Aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51Bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される背景モードを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、図444(A)に示すように、変動パターン選択テーブル222A、保留変化選択テーブル222B、保留演出モード選択テーブル222C、保留蓋範囲選択テーブル222D、保留蓋コマンド選択テーブル222E、保留蓋色変化選択テーブル222F、ラッキー保留コマンドテーブル222G、背景モード選択テーブル222H、保留キャラ選択テーブル222I、保留キャラ変更テーブル222J、吹き出し選択テーブル222K、リーチ中演出抽選テーブル222M、リーチ開始時間算出テーブル222N、ラッキー保留抽選テーブル222Pが格納されている。
変動パターン選択テーブル222Aは、主制御装置110より出力された変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを決定するための選択テーブルである。変動パターンコマンドに対応した変動時間、変動パターン種別に対応してそれぞれ複数の変動パターンが設定されており、図示しない選択用のカウンタ値を取得して1の変動パターンを決定する。
保留変化選択テーブル222Bは、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄を受信した入賞コマンドに基づいて可変して表示するか否かを決定し、その変化内容に応じて実行する演出に必要な保留変化値を取得するための選択テーブルである。
図445(A)は、この保留変化選択テーブル222Bの内容を模式的に示したものである。保留変化選択テーブル222Bは、受信した入賞コマンドの種別に対して、演出カウンタ223Hの値が振分けられており、演出カウンタ223Hの値(範囲)に対して副表示領域DSの保留図柄を変化させる表示態様(図429(A)参照)と、保留変化値が設定されている。尚、取得した保留変化値については、後述する保留演出モード選択テーブル222Cにおいて、その詳細を説明する。
具体的には、入賞コマンド種別が外れである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜180」のいずれかである場合には、保留図柄の表示態様が通常の保留図柄から変化させないことが決定され、保留変化値は0を取得する。演出カウンタ223Hの値が「181〜198」のいずれかである場合には、保留図柄の表示態様が白色の丸図柄(通常の保留図柄の表示態様)から青色の丸図柄(変化A)に可変させることが決定され、保留変化値は1を取得する。
入賞コマンド種別がノーマルリーチ外れである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜50」のいずれかである場合には、変化なしが決定され、保留変化値は0を取得する。「51〜100」のいずれかである場合には、変化Aが決定され、保留変化値は1を取得する。「101〜198」のいずれかである場合には、白色の丸図柄を緑色の丸図柄に可変させて表示させることが決定され、保留変化値は2を取得する。
入賞コマンド種別がスーパーリーチ外れである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜30」のいずれかである場合には、変化なしが決定され、保留変化値は0を取得する。「31〜90」のいずれかである場合には、変化Aが決定され、保留変化値は1を取得する。「91〜198」のいずれかである場合には、変化Bが決定され、保留変化値は2を取得する。
入賞コマンド種別がノーマルリーチ大当たりである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜20」のいずれかである場合には、変化なしが決定され、保留変化値は0を取得する。「21〜90」のいずれかである場合には、変化Aが決定され、保留変化値は1を取得する。「91〜198」のいずれかである場合には、変化Bが決定され、保留変化値は2を取得する。
入賞コマンド種別がスーパーリーチ大当たりである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜10」のいずれかである場合には、変化なしが決定され、保留変化値は0を取得する。「11〜100」のいずれかである場合には、変化Aが決定され、保留変化値は1を取得する。「101〜189」のいずれかである場合には、変化Bが決定され、保留変化値は2を取得する。「190〜198」のいずれかである場合には、白色の丸図柄を赤色の丸図柄に可変させて表示させることが決定され、保留変化値は3が取得する。
このように、入賞コマンドを受信することで、その内容により保留図柄の色が可変されて表示されるので、変動表示中の特別図柄だけでなく、表示されている保留図柄からも保留記憶されている保留図柄に対応する当否判定結果を予測することができる。また、変化Bで可変して表示されるとリーチ表示態様となることが事前に遊技者に報知することができるので、特別図柄が変動する前の状態であっても、保留記憶がされていれば、その変動が開始されることを遊技者に期待させることができ、その間に外れとなる特別図柄の変動が実行されたとしても、遊技に飽きてしまうことを抑制できる。さらに、リーチ種別ごとに保留変化値を設定することで、同一の保留変化であっても異なる実行演出を経由してリーチ演出に発展させることが可能であり、意外性のある演出で遊技者をひきつけることが可能である。
保留演出モード選択テーブル222Cは、第3図柄表示装置81に表示される保留変化に応じて用意された複数のモードを選択するためのテーブルである。
図445(B)は、この保留演出モード選択テーブル222Cの内容を模式的に示したものである。保留演出モード選択テーブル222Cは、保留変化選択テーブル222Bにて取得した保留変化値の値(範囲)によって、保留演出モードが設定される(図484のZ2404参照)。具体的には、保留変化値が「0」の場合には、保留演出モードはノーマルモードが決定(選択)される。ノーマルモードとは、表示中の保留図柄が全て変化されていない場合(状態)で、保留球数が4個以上となる場合に、保留図柄と可変蓋図柄Pの表示範囲の間隔が1つで可変して表示されるモードである(図428(B)参照)。
保留変化値が「1〜2」のいずれかである場合には、保留演出モードは予告Aモードが決定(選択)される。予告Aモードとは、表示中の保留図柄にいずれかの変化(変化A〜変化Cのいずれか)が設定されている場合(状態)で、保留球数が4個以上となる場合に、保留図柄と可変蓋図柄Pの表示範囲の間隔がなく表示される保留演出モードである(図429(A)参照)。なお、図429(A)は、厳密には、予告Aモードを表した表示態様ではなく、後述する予告Bモードの保留演出モードの表示態様の一例である。予告Aモードでは、図429(A)の状態における表示されるコメントの内容が相違する。予告Aモードでは、色が可変した保留図柄よりも後に保留球が発生して保留図柄が表示されると、それに合わせて可変蓋図柄Pも一つ非表示(例えば、図429(A)の状態から保留球が1個増加(発生)することで、5の文字が付された可変蓋図柄Pが非表示となる)にされて、色が可変した保留図柄に対する大当たりへの期待度を示すコメント表示が吹き出しによって実行される。このように、予告Aモードは、保留図柄の色が可変された後に、保留球を発生させるように遊技を行わせるようにするために、保留球が発生する毎に、可変した保留球に対する大当たりの期待度を報知するように構成したものである。
保留変化値が「3」の場合には、保留演出モードは予告Bモードが決定される。予告Bモードとは、表示中の保留図柄に変化がある場合で、保留球数が4個以上となる場合に、予告Aモードと同様に、表示中の保留図柄にいずれかの変化(変化A、変化B、変化Cのいずれか)が設定されている場合(状態)で、保留球数が4個以上となる場合に、保留図柄と可変蓋図柄Pの表示範囲の間隔がなく表示されるか(図429(A)参照)、可変蓋図柄Pの表示範囲上に保留図柄が表示される(図429(B)参照)モードである。
このように構成することで、保留図柄の色の可変のみならず、保留球数の増減によって可変蓋図柄Pの表示範囲が様々に変化させることができ、その変化内容によって、当否判定結果を予測する楽しみが広がり、遊技者をひきつけることが可能である。また、予告Aモードとは違い、遊技者にこれ以上、保留球を発生させないように遊技を行わせる保留演出であり、遊技者に遊技(遊技球の発射操作)を中断させて、色が可変した保留図柄に対応する特別図柄の変動(動的表示)が開始されるのに集中させて期待を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上できる。
保留蓋範囲選択テーブル222Dは、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される可変蓋図柄Pの表示範囲を設定するために必要な保留蓋範囲値を取得するためのデータテーブルが複数設定されている。
ここでノーマルモード中に行われる特別演出について説明をする。ノーマルモードには特別演出として、短期入賞演出、リーチ中保留演出、ラッキー保留演出が設けられている。
短期入賞演出とは、保留球数が0個の状態から保留球が記憶され1個となってから4個となるまでの所要時間が5秒未満である場合に実行される演出であり、ノーマルモードでは保留蓋図柄Pと保留図柄との間隔は保留球1個分となるように設定される(保留蓋図柄Pが可変して表示される)が、短期入賞演出では、図430(A)のように保留蓋図柄Pと保留図柄との間隔が2個となるように保留蓋図柄Pの数が可変して表示され、短期入賞演出であることを示す女の子のキャラクタJ0が表示されて「早い」というコメントが表示される演出である。短期入賞演出では、遊技状態が通常状態の場合に、他の特別演出が実行されておらず(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)、保留球数の値が0から1以上となった場合に、経過時間を計測する短期入賞タイマ223Qが5秒を経過する以前に、保留球数が4個となった場合に特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1に設定(図485のZ2425参照)されて実行を開始(図430(A)参照)し、短期入賞タイマ223Qが5秒を経過すると、特別演出ステータス記憶エリアに0を設定(図488のZ2606参照)し、実行を終了する演出である。
リーチ中保留演出とは、リーチ変動中に保留個数を所定個数(例えば、図433(A)では6個)まで貯めるように遊技を行うように遊技者に促す予告表示態様を設定する演出である。このリーチ中保留演出は、変動種別がリーチであった場合に、後述するリーチ中演出抽選テーブル222Mに基づいて実行の可否が抽選され、実行が可となった場合に、後述するリーチ開始時間算出テーブル222Nによって変動種別に基づいて設定される保留演出開始タイマ223Rの値が、一定時間(例えば10秒)が経過して0となり、リーチ演出が開始したタイミングにて、他の特別演出が実行されていない(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)場合に、特別演出ステータス記憶エリアを2に設定(図480のZ2327参照)することで実行を開始(図433(A)参照)し、当該変動終了時に終了となる演出である。
ラッキー保留演出とは、保留球(保留図柄)が記憶(表示)された場合における保留個数を記憶しておき、大当たり(特定の判定結果)となった場合に、その大当たりとなった保留球が入球口に入球した時点における記憶されている保留数に対応する保留図柄表示領域に所定のマーク図柄(図434(A)参照)を表示して、そのマーク図柄まで保留球を貯めるように遊技者に遊技を行うように促す予告表示態様を表示させる演出である。マーク図柄まで保留図柄を貯めた場合には、図434(B)に示すように、枠ボタン22を押下することで現在の遊技状態(確変遊技状態(特別遊技状態)であるか、低確率遊技状態(通常遊技状態))を報知する演出が実行される。ラッキー保留演出では、他の特別演出が実行されておらず(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)、過去に始動入賞した当否判定結果にて大当たりとなった際に、保留球数の値が5以上であった場合に記憶される、ラッキー保留記憶値223Pが記憶されている場合に、後述するラッキー保留抽選テーブル222Pに基づいて実行の可否が抽選され、実行が可となった場合に、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3に設定(図479のZ2307参照)することで実行を開始(図434(A)参照)し、次変動開始時に終了となる演出である。
このように、保留変化がないノーマルモード中においても、保留図柄に関連する保留演出を、始動入賞の時間間隔や、リーチ変動中の保留球数の個数や、過去の始動入賞による当否判定結果の記憶内容等によって、様々な演出を提供でき演出効果を高めることができる。
図446(A)は、保留蓋範囲選択テーブル222Dの構成を示した図である。保留蓋範囲選択テーブル222Dには、ノーマル保留蓋範囲選択テーブル222D1、予告Aモード保留蓋範囲選択テーブル222D2、予告Bモード保留蓋範囲選択テーブル222D3、短期入賞時保留蓋範囲選択テーブル222D4、リーチ演出中保留蓋範囲選択テーブル222D5、時短用保留蓋範囲選択テーブル222D6が設けられている。
ノーマル保留蓋範囲選択テーブル222D1は、保留演出モードがノーマルモードである場合に、保留蓋範囲値を取得するために用いられるテーブルである。図446(B)は、ノーマル保留蓋範囲選択テーブル222D1の内容を模式的に示したものである。ノーマル保留蓋範囲選択テーブル222D1は、保留球数の値(範囲)に対して、保留蓋範囲値が取得される。また、ノーマルモードである場合とは、特別演出が実行中でなく(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)、かつ遊技状態が通常状態(低確率遊技状態(大当たり確率が低確率で非時短遊技状態))で保留蓋範囲値を取得(図481のZ2354参照)する場合と、ラッキー保留演出中(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3)の場合に保留蓋範囲値を取得(図481のZ2346参照)する場合とがある。
具体的には、保留球数の値が「0〜3」の場合には、保留蓋範囲値は4が取得される。保留球数の値が「4」の場合には、保留蓋範囲値は3が取得される。保留球数の値が「3」の場合には、保留蓋範囲値は2が取得される。保留球数の値が「2」の場合には、保留蓋範囲値は1が取得される。保留球数の値が「1」の場合には、保留蓋範囲値は0が取得される。保留球数の値が「0」の場合には、保留蓋範囲値は0が取得される。
予告Aモード保留蓋範囲選択テーブル222D2は、保留演出モードが予告Aモードの場合に保留蓋範囲値を取得するために用いられるテーブルである。図446(C)は、予告Aモード保留蓋範囲選択テーブル222D2の内容を模式的に示したものである。予告Aモード保留蓋範囲選択テーブル222D2は、保留球数の値(範囲)に対して、保留蓋範囲値が取得(図481のZ2351参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜3」の場合には、保留蓋範囲値は4が取得される。保留球数の値が「4」の場合には、保留蓋範囲値は4が取得される。保留球数の値が「3」の場合には、保留蓋範囲値は3が取得される。保留球数の値が「2」の場合には、保留蓋範囲値は2が取得される。保留球数の値が「1」の場合には、保留蓋範囲値は1が取得される。保留球数の値が「0」の場合には、保留蓋範囲値は0が取得される。
予告Bモード保留蓋範囲選択テーブル222D3は、保留演出モードが予告Bモードの場合に保留蓋範囲値を取得するために用いられるテーブルである。
図446(D)は、予告Bモード保留蓋範囲選択テーブル222D3の内容を模式的に示したものである。予告Bモード保留蓋範囲選択テーブル222D3は、保留球数の値(範囲)と、保留予告カウンタの値(範囲)とに対して、保留蓋範囲値が取得(図481のZ2349参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜4」の場合には、保留予告カウンタの値が「0〜4」の場合に、保留蓋範囲値は4が取得される。保留球数の値が「5〜8」の場合には、保留予告カウンタの値が「1〜4」の場合に、保留蓋範囲値は4が取得され、保留予告カウンタの値が「5」の場合に、保留蓋範囲値は3が取得され、保留予告カウンタの値が「6」の場合に、保留蓋範囲値は2が取得され、保留予告カウンタの値が「7」の場合に、保留蓋範囲値は1が取得され、保留予告カウンタの値が「8」の場合に、保留蓋範囲値は0が取得される。
短期入賞時保留蓋範囲選択テーブル222D4(図447(A))は、短期入賞演出を実行する場合に保留蓋範囲値を取得するために用いられるテーブルである。図447(A)は、短期入賞時保留蓋範囲選択テーブル222D4の内容を模式的に示したものである。短期入賞時保留蓋範囲選択テーブル222D4は、保留球数の値(範囲)に対して、保留蓋範囲値が取得(図481のZ2342参照)される。
具体的には、保留球数の値が「4」の場合には、保留蓋範囲値は2が取得される。保留球数の値が「5」の場合には、保留蓋範囲値は1が取得される。保留球数の値が「6〜8」の場合には、保留蓋範囲値は0が取得される。
リーチ演出中保留蓋範囲選択テーブル222D5は、リーチ中保留演出の場合に保留蓋範囲値を取得するために用いられるテーブルである。図447(B)は、リーチ演出中保留蓋範囲選択テーブル222D5の内容を模式的に示したものである。リーチ演出中保留蓋範囲選択テーブル222D5は、保留球数の値(範囲)に対して、保留蓋範囲値が取得(図481のZ2344参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜8」の場合には、保留蓋範囲値は2が取得される。
時短用保留蓋範囲選択テーブル222D6は、特別演出が実行中でなく(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)保留演出モードがノーマルモードかつ遊技状態が時短状態(時短中カウンタの値が0以外)にて保留蓋範囲値を取得するために用いられるテーブルである。
図447(C)は、時短用保留蓋範囲選択テーブル222D6の内容を模式的に示したものである。時短用保留蓋範囲選択テーブル222D6は、保留球数の値(範囲)に対して、保留蓋範囲値が取得(図481のZ2353参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜6」の場合には、保留蓋範囲値は2が取得される。保留球数の値が「7」の場合には、保留蓋範囲値は1が取得される。保留球数の値が「8」の場合には、保留蓋範囲値は0が取得される。
このように構成することで、始動入賞時の当否判定や変動種別に応じて切替られた保留演出応じて、表示される可変蓋図柄Pの表示範囲を様々に変化させることで、遊技者に対して参加性を高めるような演出効果を表現することができる。
保留蓋コマンド選択テーブル222Eは、保留蓋範囲選択テーブル222Dにて取得された保留蓋範囲値より、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される可変蓋図柄Pの表示範囲を設定するためのコマンドを選択するために用いられるテーブルである。
図448(A)は、保留蓋コマンド選択テーブル222Eの内容を模式的に示したものである。保留蓋コマンド選択テーブル222Eは、保留蓋範囲選択テーブル222Dにより取得された保留蓋範囲値(範囲)に対して、表示制御装置へ送信する保留蓋コマンドを設定する。
具体的には、保留蓋範囲値が「0」の場合には、保留蓋コマンドはBF00が決定され、可変蓋図柄Pの表示範囲は最短の表示(図432(A)参照)となる。保留蓋範囲値が「1」の場合には、保留蓋コマンドはBF01が決定され、可変蓋図柄Pの表示範囲は1(保留8の領域のみ)となる。保留蓋範囲値が「2」の場合には、保留蓋コマンドはBF02が決定され、可変蓋図柄Pの表示範囲は2(保留7から8の領域(図430(A)参照))となる。保留蓋範囲値が「3」の場合には、保留蓋コマンドはBF03が決定され、可変蓋図柄Pの表示範囲は3(保留6から8の領域(図431(A)参照))となる。保留蓋範囲値が「4」の場合には、保留蓋コマンドはBF04が決定され、可変蓋図柄Pの表示範囲は4(保留5から8の領域(図429(A)参照))となる。
保留蓋コマンドの設定は、始動入賞時には入賞コマンド受信処理(Z2209)の中で実行される保留蓋設定処理(Z2229)にて行われ、変動開始時には変動パターン受信処理(Z2202)の中で実行される保留蓋設定処理(Z2229)にて行わる。よって、可変蓋図柄Pの表示は、保留球数が変化する毎に、保留蓋範囲値に基づいて表示用保留蓋コマンドを設定(図481のZ2355参照)し、変化させることができる。
保留蓋色変化選択テーブル222Fは、図429(A)に示す保留個数を増加させないことを示唆する予告演出が実行されている場合に、指示した個数(図429(A)に示した例では、4個)を越えて保留球が発生した場合に、その保留図柄が表示される領域に対応する保留蓋図柄Pを判別するためのデータテーブルである。保留蓋色変化選択テーブル222Fで判別された保留蓋図柄Pは、通常(通常時は、黒色の枠で内部は透明度のある白色で、内部に保留表示領域に対応する保留個数を示す数字が表示された表示態様)とは異なる特定色(内部の色を透明度のある緑色)で可変して表示される。保留蓋色変化選択テーブル222Fでは、後述する色変化させた保留図柄の表示位置を認識するための保留予告カウンタ223Gと、現在の保留球数とに基づいて、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される保留蓋図柄Pの色変化の範囲を設定するためのコマンドを選択するテーブルである。
図448(B)は、保留蓋色変化選択テーブル222Fの内容を模式的に示した図である。保留蓋色変化選択テーブル222Fは、保留演出モードが予告Bモードの場合に、保留予告カウンタ223Gの値(範囲)と、保留球数の値(範囲)に対して、色変化範囲が指定されており、その変化範囲に応じて可変蓋図柄Pの表示範囲を通常の白色の表示態様から緑色に可変させる(図429の(B)参照)ための保留蓋コマンドを設定(図481のZ2348参照)する。
具体的には、保留予告カウンタ223Gの値が「0〜4」のいずれかである場合には、保留球数の値が「0〜4」のいずれかである場合には、保留蓋コマンドは設定されず、色変化範囲はない。保留球数の値が「5」である場合には、保留蓋コマンドはBF10が決定され、色変化範囲は保留球数が5の領域で指定される。保留球数の値が「6」である場合には、保留蓋コマンドはBF11が決定され、色変化範囲は保留球数が5から6の領域で指定される。保留球数の値が「7」である場合には、保留蓋コマンドはBF12が決定され、色変化範囲は保留球数が5から7の領域で指定される。保留球数の値が「8」である場合には、保留蓋コマンドはBF13が決定され、色変化範囲は保留球数が5から8の領域で指定される。
保留予告カウンタ223Gの値が「5」の場合には、保留球数の値が「5」の場合には、保留蓋コマンドは設定されず、色変化範囲はない。保留球数の値が「5」である場合には、保留蓋コマンドはBF20が決定され、色変化範囲は保留球数が6の領域で指定される。
保留球数の値が「6」である場合には、保留蓋コマンドはBF21が決定され、色変化範囲は保留球数が6から7の領域で指定される。保留球数の値が「7」である場合には、保留蓋コマンドはBF22が決定され、色変化範囲は保留球数が6から8の領域で指定される。
保留予告カウンタ223Gの値が「6」の場合には、保留球数の値が「6」の場合には、保留蓋コマンドは設定されず、色変化範囲はない。保留球数の値が「7」である場合には、保留蓋コマンドはBF30が決定され、色変化範囲は保留球数が7の領域で指定される。保留球数の値が「8」である場合には、保留蓋コマンドはBF31が決定され、色変化範囲は保留球数が7から8の領域で指定される。
保留予告カウンタ223Gの値が「7」の場合には、保留球数の値が「7」の場合には、保留蓋コマンドは設定されず、色変化範囲はない。保留球数の値が「8」である場合には、保留蓋コマンドはBF40が決定され、色変化範囲は保留球数が8の領域で指定される。
保留予告カウンタ223Gの値が「8」の場合には、保留球数の値が「8」の場合には、保留蓋コマンドは設定されず、色変化範囲はない。
このように、先の入賞での当否判定結果の判別(先読み判別)によって可変した保留図柄とは別の領域での表示態様を可変させることで、遊技者への注目をより高めることができると同時に、打ち出しを止めるか否かによって、保留球数を増やす度合を遊技者が自由に判断することで、保留図柄の態様や、後の変動予告演出を幅広く楽しむことが可能となる。
ラッキー保留コマンドテーブル222Gは、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される可変蓋図柄Pの表示態様を、対象となる保留球数に基づいて可変させるコマンドを選択するテーブルである。
図449は、ラッキー保留コマンドテーブル222Gの内容を模式的に示したものである。ラッキー保留コマンドテーブル222Gは、ラッキー保留演出中の場合に、対象となる保留球数の領域がラッキー保留記憶値223Pによって記憶されており、その値に基づいて表示用保留蓋コマンドが設定(図479のZ2306参照)される。
具体的には、ラッキー保留記憶値223Pが5の場合には、保留蓋コマンドFB50が決定され、可変蓋図柄Pの5の領域を丸印で囲むように可変させる。ラッキー保留記憶値223Pが6の場合には、保留蓋コマンドFB51が決定され、可変蓋図柄Pの6の領域を丸印で囲むように可変させる(図434(A)参照)。ラッキー保留記憶値223Pが7の場合には、保留蓋コマンドFB52が決定され、可変蓋図柄Pの7の領域を丸印で囲むように可変させる。ラッキー保留記憶値223Pが8の場合には、保留蓋コマンドFB53が決定され、可変蓋図柄Pの8の領域を丸印で囲むように可変させる。
このように、先の始動入賞にて当否判定結果が大当たりとなった保留球数を報知することで、遊技の興趣を高めると同時に、保留球数が少ない場合(5未満)は、遊技者に対して入賞を促すよう働きかけることができ、稼動を向上させる演出が実現できる。
背景モード選択テーブル222Hは、第3図柄表示装置81に表示される背景を、背景モード記憶エリア223Iに基づいて選択するためのテーブルである。図450(A)は、背景モード選択テーブル222Hの内容を模式的に示したものである。背景モード選択テーブル222Hは、背景モード記憶エリア223Iの値に対して、背景モードが選択される。
具体的には、背景モード記憶エリア223Iの値が0の場合には、背景A(海背景)が決定され、背景モード記憶エリア223Iの値が1の場合には、背景B(山背景)が決定され、背景モード記憶エリア223Iの値が2の場合には、背景C(川背景)が決定され、背景モード記憶エリア223Iの値が3の場合には、背景D(街背景)が決定さる。
保留キャラ選択テーブル222Iは、第3図柄表示装置81の副表示領域DSのキャラクタ表示領域Cに表示される保留キャラ(女の子)の内容(種別)を、背景と保留演出モードと演出カウンタ223Hに基づいて選択(決定)するためのテーブルである。
図450(B)は、保留キャラ選択テーブル222Iの内容を模式的に示したものである。保留キャラ選択テーブル222Iは、背景モード記憶エリア223Iに記憶された背景モードと、保留演出モード記憶エリア223Mに記憶された保留演出モードと、演出カウンタ223Hの値(範囲)とに対して、保留キャラの内容が設定(図482のZ2363参照)される。また、保留キャラは、J0が髪の短い女の子(図428(B)参照)、J1が髪を結わいた女の子(図431(A)参照)、J2が髪の長い女の子(図431(B)参照)、J3が髪の長い金髪の女の子(図示せず)のように、遊技者が容易に識別可能な画像が用意されている。
具体的には、背景モードが「背景A」の場合には、保留演出モードが「ノーマルモード」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜150」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0(図428(B)参照)が決定される。演出カウンタ223Hの値が「151〜189」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1(図431(A)参照)が決定される。演出カウンタ223Hの値が「190〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2(図431(B)参照)が決定される。保留演出モードが「予告Aモード」または「予告Bモード」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜50」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定される。演出カウンタ223Hの値が「51〜99」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定される。演出カウンタ223Hの値が「100〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2が決定される。
背景モードが「背景B」、「背景C」、「背景D」のいずれかの場合には、保留演出モードが「ノーマルモード」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜150」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定される。演出カウンタ223Hの値が「151〜189」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定される。演出カウンタ223Hの値が「190〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ3が決定される。保留演出モードが「予告Aモード」または「予告Bモード」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜50」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定される。演出カウンタ223Hの値が「51〜99」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定される。演出カウンタ223Hの値が「100〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ3が決定される。
このように、始動入賞から変化した保留演出モードと背景の違いによって、期待度の高い保留キャラをそれぞれ決定することで、背景演出の雰囲気を損なうことなく、期待度の高い保留演出の表示態様が可能となる。また、保留図柄の変化内容や、保留キャラの変化を併せて、遊技者は期待度の高い予告を認識することが可能となる。
また、遊技を行うにつれて実行された変動回数や、大当たり回数、スーパーリーチの実行回数、遊技演出中に、枠ボタン22を押下することで表示されるポイントが付与された図柄やキャラクタを取得したことにより得られたポイント数等の履歴情報を記憶しておき、その履歴情報も加味して選択されるキャラクタを可変されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技を行う程、選択されるキャラクタを変えることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、RTC(リアルタイムクロック)を備えて、その日時情報等により選択されるキャラクタを可変するように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10が導入されてからの時間の経過によって、選択されるキャラクタを可変させることができ、遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
保留キャラ変更テーブル222Jは、第3図柄表示装置81の副表示領域DSのキャラクタ表示領域Cに表示される保留キャラ(女の子)の内容を、背景と保留演出モードと現在の保留キャラと演出カウンタ223Hに基づいて選択するためのテーブルである。
図451は、保留キャラ変更テーブル222Jの内容を模式的に示したものである。保留キャラ選択テーブル222Iは、背景モード記憶エリア223Iに記憶された背景モードと、保留演出モード記憶エリア223Mに記憶された保留演出モードと、表示態様中の現在の保留キャラと、演出カウンタ223Hの値(範囲)に対して、変更する保留キャラの内容が設定されている。保留キャラの変更は、保留球数が上限値の際に始動入賞して、オーバー入賞となった場合(Z2366:YES)に選択され、表示用キャラコマンドが設定(図482のZ2267参照)される。また、選択されたキャラが現在表示中の保留キャラと異なる場合は、キャラが変更(可変)することになり、選択されたキャラが現在表示中のキャラと同一である場合は、保留キャラは変更(可変)しない態様となる。
具体的には、背景モードが「背景A」の場合には、保留演出モードが「ノーマルモード」の場合には、現在の保留キャラが「J0」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜180」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「181〜189」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更される。演出カウンタ223Hの値が「190〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2(図432(B)参照)が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J1」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜190」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「191〜189」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J2」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2が決定されて変更はない。保留演出モードが「予告A」、「予告B」のいずれか場合には、現在の保留キャラが「J0」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜80」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「81〜189」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J1」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜90」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「91〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J2」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ2が決定されて変更はない。
背景モードが「背景B」、「背景C」、「背景D」のいずれかの場合には、保留演出モードが「ノーマルモード」の場合には、現在の保留キャラが「J0」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜150」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「151〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J1」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜170」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「171〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ3が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J3」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ3が決定されて変更はない。保留演出モードが「予告A」、「予告B」のいずれか場合には、現在の保留キャラが「J0」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜50」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ0が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「51〜189」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J1」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜70」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ1が決定されて変更はない。演出カウンタ223Hの値が「71〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ3が決定されて変更される。現在の保留キャラが「J3」の場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜199」のいずれかである場合には、保留キャラとしてJ3が決定されて変更はない。
このように、オーバー入賞によって、保留キャラが変更されることで、現在の保留球数内の当否結果を、遊技者はオーバー入賞によって、確かめる手段を持つことができ、遊技に関する関心を高めることができる。また、変更する保留キャラは、変更前よりも変更後の方が期待度の高いキャラが設定されおり、保留演出モードがノーマルモード中以外の場合は、保留キャラの変更する割合が高く設定されているので、保留演出モードに変化があった際に、遊技者はオーバー入賞を意図的に発生させる手段を通じて、当否判定結果を知り得る手段を持つことができ、稼動を高める遊技性の提供が可能となる。
吹き出し選択テーブル222Kは、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される吹き出し(コメント)内容(図429(A)参照)を設定するためのデータテーブルが複数設定されている。
図452(A)は、吹き出し選択テーブル222Kの構成を示した図である。吹き出し選択テーブル222Kには、ノーマル吹き出し選択テーブル222K1、予告A吹き出し選択テーブル222K2、予告B吹き出し選択テーブル222K3、短期入賞時吹き出し選択テーブル222K4、リーチ演出中吹き出し選択テーブル222K5、ラッキー保留吹き出し選択テーブル222K6、時短用吹き出し選択テーブル222K7が設けられている。また、設定される吹き出し内容とは、キャラクタ表示領域Cにある保留キャラが発するコメント表示の内容である。
ノーマル吹き出し選択テーブル222K1は、特別演出が実行中でなく(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)、保留演出モードがノーマルモード(図428(B)参照)かつ遊技状態が通常状態の場合に、吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図452(B)は、ノーマル吹き出し選択テーブル222K1の内容を模式的に示したものである。ノーマル吹き出し選択テーブル222K1は、保留球数の値(範囲)に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2393参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜4」のいずれかである場合には、吹き出し内容は取得されず(図428(B)参照)、保留球数の値が「5」の場合には、吹き出し内容はYESが取得され、保留球数の値が「6」の場合には、吹き出し内容はあと2個が取得され、保留球数の値が「7」の場合には、吹き出し内容はあと1個が取得され、保留球数の値が「8」の場合には、吹き出し内容はMAX(図432(A)参照)が取得される。
予告A吹き出し選択テーブル222K2は、保留演出モードが予告Aモード(図429(A)参照)の場合に吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図452(C)は、予告A吹き出し選択テーブル222K2の内容を模式的に示したものである。予告A吹き出し選択テーブル222K2は、保留球数の値(範囲)と入賞情報コマンドの当否判定結果に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2390参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜3」のいずれかである場合には、吹き出し内容は取得されず、保留球数の値が「4」の場合には、当否判定結果が当たりの場合には、吹き出し内容はドキドキが取得され、外れの場合には、吹き出し内容はドキドキが取得される。保留球数の値が「5」の場合には、当否判定結果が当たりの場合には、吹き出し内容は期待してねが取得され、外れの場合には、期待してねが取得される。保留球数の値が「6」の場合には、当否判定結果が当たりの場合には、吹き出し内容は期待度70%?が取得され、外れの場合には、吹き出し内容は期待度60%?が取得される。保留球数の値が「7」の場合には、当否判定結果が当たりの場合には、吹き出し内容は期待度80%?が取得され、外れの場合には、吹き出し内容は期待度70%?が取得される。保留球数の値が「8」の場合には、当否判定結果が当たりの場合には、吹き出し内容は激熱よ!が取得され、外れの場合には、吹き出し内容は何かが起きる!が取得される。
このように構成したが、予告A吹き出し選択テーブル222K2は、保留球数の値(範囲)と入賞情報コマンドの当否判定結果に加え、演出カウンタ223Hの値(範囲)も参照して、吹き出し内容を更に設けて、様々な期待感を表現する演出としてもよい。
予告B吹き出し選択テーブル222K3は、保留演出モードが予告Bモード(図429(B)参照)の場合に吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図452(D)は、予告B吹き出し選択テーブル222K3の内容を模式的に示したものである。予告B吹き出し選択テーブル222K3には、保留球数の値(範囲)と、保留演出カウンタの値(範囲)に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2388参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜4」のいずれかである場合には、吹き出し内容はそのまま(図429(A)参照)が取得され、保留球数の値が「5」の場合には、保留演出カウンタの値が「0〜4」のいずれかの場合には、吹き出し内容はOVER(図429(B)参照)が取得され、保留演出カウンタの値が「5」の場合には、吹き出し内容はSTOPが取得され、保留球数の値が「6」の場合には、保留演出カウンタの値が「0〜5」のいずれかの場合には、吹き出し内容はOVERが取得され、保留演出カウンタの値が「6」の場合には、吹き出し内容はSTOPが取得され、保留球数の値が「7」の場合には、保留演出カウンタの値が「0〜6」のいずれかの場合には、吹き出し内容はOVERが取得され、保留演出カウンタの値が「7」の場合には、吹き出し内容はSTOPが決定され、保留球数の値が「8」の場合には、吹き出し内容はMAXが取得される。
このように構成することで、期待度の高い保留図柄の変化が発生した際の入賞を吹き出し内容によって認識することができ、現在の保留球数の値より更に打ち出しを継続させて保留球数を増加させるか否かの判断を遊技者へ報知させることができ、無駄な打ち出しを発生させることを抑制させ、効率良く遊技を行うことが可能となる。また、期待度の高い保留図柄の変化が発生した場合にも、吹き出し内容の設定を変えて、打ち出しを継続させるような設定としても良い。
短期入賞時吹き出し選択テーブル222K4は、短期入賞時(図430(A)参照)の場合に吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図453(A)は、短期入賞吹き出し選択テーブル222K4の内容を模式的に示したものである。短期入賞吹き出し選択テーブル222K4は、保留球数の値(範囲)に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2382参照)される。
具体的には、保留球数の値が「4」の場合には、吹き出し内容は早い!(図430(A)参照)が取得され、保留球数の値が「5」の場合には、吹き出し内容はとても早い!が取得され、保留球数の値が「6」の場合には、吹き出し内容は超早い!が取得され、保留球数の値が「7」の場合には、吹き出し内容は音速ね!!が取得され、保留球数の値が「8」の場合には、吹き出し内容は高速ね!!!が取得される。
このように構成することで、始動入賞の間隔が短く、保留球数が多く増加した度合を遊技者が保留キャラの吹き出しによって認識することができ、演出効果を高めることができる。
リーチ演出中吹き出し選択テーブル222K5は、リーチ演出中(図433(A)参照)の場合に吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図453(B)は、リーチ演出中吹き出し選択テーブル222K5の内容を模式的に示したものである。リーチ演出中吹き出し選択テーブル222K5は、保留演出カウンタの値(範囲)と、保留球数の値(範囲)に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2384)される。
具体的には、保留演出カウンタの値が「0」の場合には、保留球数の値が「0〜4」のいずれかの場合には、吹き出し内容は6まで貯める!(図433(A)参照)が取得され、「5」の場合には、吹き出し内容はあと1個が取得され、「6」の場合には、吹き出し内容はOKが取得され、「7〜8」のいずれか場合には、吹き出し内容はOVERが取得され、保留演出カウンタ223Hの値が「0以外」の場合には、保留球数の値が「0〜4」のいずれかの場合には、吹き出し内容は6まで貯める!が取得され、「5」の場合には、吹き出し内容はあと1個が取得され、「6」の場合には、吹き出し内容はよくやった(図433(B)参照)が取得され、「7〜8」のいずれか場合には、吹き出し内容はOVERが取得される。
このように構成することで、リーチ演出中に保留キャラの吹き出しを変化させることで、保留球数が少ない場合は、打ち出しを促すことができ、また、保留演出実行中のリーチ演出では、吹き出しを変化させて、退屈することなく遊技を行うことができる。
ラッキー保留吹き出し選択テーブル222K6は、ラッキー保留演出中(図434(A)参照)の場合に吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図454(A)は、ラッキー保留吹き出し選択テーブル222K6の内容を模式的に示したものである。ラッキー保留吹き出し選択テーブル222K6には、過去に入賞した当否判定結果が大当たりとなった際に、保留球数値に該当する値をラッキー保留球数として設定(Z268のZ2444参照)したラッキー保留記憶値223Pの値と、保留球数の値(範囲)と、保留変化値の値(範囲)に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2386)される。
具体的には、ラッキー保留記憶値223Pの値が「5」の場合には、保留球数の値が「0〜4」のいずれかの場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容は5をねらえが取得され、保留球数の値が「5」の場合には、保留変化値が「0」の場合には、吹き出し内容はOKが取得され、保留変化値が「1〜2」のいずれかの場合には、吹き出し内容はGOODが取得され、保留変化値が「3」の場合には、吹き出し内容はよくやったが取得され、保留球数の値が「6〜8」のいずれか場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容はOVERが取得される。
ラッキー保留記憶値223Pの値が「6」の場合には、保留球数の値が「0〜5」のいずれかの場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容は6をねらえ(図434(A)参照)が取得され、保留球数の値が「6」の場合には、保留変化値が「0」の場合には、吹き出し内容はOKが取得され、保留変化値が「1〜2」のいずれかの場合には、吹き出し内容はGOODが決定され、保留変化値が「3」の場合には、吹き出し内容はよくやったが取得され、保留球数の値が「7〜8」のいずれか場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容はOVERが取得される。
ラッキー保留記憶値223Pの値が「7」の場合には、保留球数の値が「0〜6」のいずれかの場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容は7をねらえが取得され、保留球数の値が「7」の場合には、保留変化値が「0」の場合には、吹き出し内容はOKが取得され、保留変化値が「1〜2」のいずれかの場合には、吹き出し内容はGOODが取得され、保留変化値が「3」の場合には、吹き出し内容はよくやったが取得され、保留球数の値が「8」の場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容はOVERが取得される。
ラッキー保留記憶値223Pの値が「8」の場合には、保留球数の値が「0〜7」のいずれかの場合には、保留変化値が「0〜3」のいずれか場合には、吹き出し内容は8をねらえが取得され、保留球数の値が「8」の場合には、保留変化値が「0」の場合には、吹き出し内容はOKが取得され、保留変化値が「1〜2」のいずれかの場合には、吹き出し内容はGOODが取得され、保留変化値が「3」の場合には、吹き出し内容はよくやったが取得される。
このように、ラッキー保留球数の違いによって、吹き出し内容を変化させることで、遊技者は入賞させるべき保留球数をねらって遊技を楽しむことができる。こうして始動入賞させた保留球数の当否判定結果が、保留5個から保留8個の範囲内で抽選結果が大当たりをした場合は、ラッキー保留の表示態様を更新することができ、飽きさせることなく遊技を継続することができる。
時短用吹き出し選択テーブル222K6は、特別演出が実行中でなく(特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0)保留演出モードがノーマルモードかつ遊技状態が時短状態(時短中カウンタの値が0以外)にて吹き出し内容を取得するために用いられるテーブルである。
図454(B)は、時短用吹き出し選択テーブル222K7を模式的に示したものである。時短用吹き出し選択テーブル222K7は、保留球数の値(範囲)に対して、吹き出し内容が取得(図483のZ2392)される。
具体的には、保留球数が「0〜5」のいずれかの場合には、吹き出し内容は6まで入れて(図430(B)参照)が取得され、保留球数が「6〜7」のいずれかの場合には、吹き出し内容はOKが取得される。
このように構成することで、時短中での最適な保留球数が報知でき、遊技者はその報知態様によって保留球数の遷移状況を把握することができる。最適な保留球数の状況を維持できれば、変動が途切れて待機状態となって時間の効率が悪い状況や、保留球数の上限を超えて始動入賞したオーバー入賞の発生を回避でき、持ち球で効率よく遊技を行うことができる判断基準とすることができる。
リーチ中演出抽選テーブル222Mは、第3図柄表示装置81に表示されるリーチ中の保留表示演出(図433(A)参照)を実行するか否かを選択するためのテーブルである。
図455(A)は、このリーチ中演出抽選テーブル222Mの内容を模式的に示したものである。リーチ中演出抽選テーブル222Mは、保留球数の値(範囲)と、演出カウンタ223Hの値(範囲)に対してリーチ中保留演出の実行可否が決定される。(図480のZ2324参照)具体的には、保留球数の値が「0〜3」のいずれかである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜99」の場合には、リーチ中保留演出の表示は行われず、「100〜199」の場合には、リーチ中保留演出の表示が可能となる。保留球数の値が「4〜5」のいずれかである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜140」の場合には、リーチ中保留演出の表示は行われず、「141〜199」の場合には、リーチ中保留演出の表示が可能となる。保留球数の値が「6〜8」のいずれかである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜199」の場合には、リーチ中保留演出の表示は行われない。このように、保留球数が少ない場合にリーチ中保留演出の表示を行う割合を高く設定することで、保留が少ない場合には保留を貯めるように遊技者に促す演出が実行される。
リーチ開始時間算出テーブル222Nは、実行するリーチ表示態様(左右図柄列の図柄が同一の第3図柄で停止表示(仮停止表示)される表示態様)の変動パターン(動的表示態様)において、リーチ表示態様となる時間(期間)におけるリーチ中保留演出を開始する開始時間(開始期間)を判別するためのデータテーブルである。リーチ開始時間算出テーブル222Nでは、リーチ中演出抽選テーブル222Mによって取得されたリーチ中保留演出(図433(A)参照)の実行可否と、変動種別とに基づいて、保留演出開始タイマを選択する。
図455(B)は、このリーチ開始時間算出テーブル222Nの内容を模式的に示したものである。リーチ開始時間算出テーブル222Nは、リーチ中演出抽選テーブル222Mによって取得されたリーチ中保留演出の実行が可であると判定された場合に、変動種別に基づいて保留演出開始タイマが設定する(図480のZ2326参照)。
具体的には、変動種別がノーマルリーチ大当たりAである場合には、保留演出開始タイマは10000MSが決定され、変動種別がスーパーリーチ大当たりAである場合には、保留演出開始タイマは10000MSが決定され、変動種別がスーパーリーチ大当たりBである場合には、保留演出開始タイマは10000MSが決定され、変動種別がスーパーリーチ大当たりCである場合には、保留演出開始タイマは12000MSが決定され、変動種別がスーパーリーチ大当たりDである場合には、保留演出開始タイマは12000MSが決定され、変動種別がスーパーリーチ大当たりEである場合には、保留演出開始タイマは20000MSが決定され、変動種別がノーマルリーチ外れAである場合には、保留演出開始タイマは10000MSが決定され、変動種別がノーマルリーチ外れBである場合には、保留演出開始タイマは10000MSが決定され、変動種別がノーマルリーチ外れCである場合には、保留演出開始タイマは10000MSが決定される。
ラッキー保留抽選テーブル222Pは、保留球数と演出カウンタ223Hとに基づいて、ラッキー保留演出(図434(A)参照)の実行可否が取得される。図455(C)は、このラッキー保留抽選テーブル222Pの内容を模式的に示したものである。ラッキー保留抽選テーブル222Pは、保留球数の値と、演出カウンタ223Hの値(範囲)に対して、ラッキー保留演出の実行可否が取得(図479のZ2304参照)される。
具体的には、保留球数の値が「0〜2」のいずれかである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜99」のいずれかである場合には、ラッキー保留演出の実行は行われず、「100〜199」のいずれかである場合には、ラッキー保留演出の実行が可能となる。保留球数の値が「3〜4」のいずれかである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜189」のいずれかである場合には、ラッキー保留演出の実行は行われず、「190〜199」のいずれかである場合には、ラッキー保留演出の実行が可能となる。保留球数の値が「5〜8」のいずれかである場合には、演出カウンタ223Hの値が「0〜199」のいずれかである場合には、ラッキー保留演出の実行は行われない。このように、保留球数が少ない場合にラッキー保留演出を行う割合を高く設定することで、保留が少ない場合には保留を貯めるように遊技者に促す演出が実行される。
また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、図444(B)に示すように、特別図柄1保留球数カウンタ223A、特別図柄2保留球数カウンタ223B、変動開始フラグ223D、停止種別選択フラグ223E、入賞情報格納エリア223F、保留予告カウンタ223G、演出カウンタ223H、背景モード記憶エリア223I、SW有効時間カウンタ223K、保留演出モード記憶エリア223M、特別演出ステータス記憶エリア223N、ラッキー保留記憶値223P、短期入賞タイマ223Q、保留演出開始タイマ223R、センサ有効時間カウンタ223S、タッチカウンタ223T、その他メモリエリア223Zが少なくとも設けられている。
特別図柄1保留球数カウンタ223Aは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
特別図柄2保留球数カウンタ223Bは、特別図柄1保留球数カウンタ223Aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタで、入賞情報コマンドを受信した場合や、変動パターンコマンドを受信した場合といった保留球数が増減するタイミングに合わせて更新する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203Dや特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223A、および特別図柄2保留球数カウンタ223Bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、始動入賞を検出して変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203D、または特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203D、または特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223A、または特別図柄2保留球数カウンタ223Bのうち、コマンドに対応するカウンタに格納する(図477のZ2207参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223A、および特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203D、および特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223A、および特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223A、または特別図柄2保留球数カウンタ223Bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223A、または特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223A、または特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223Aは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203Dと同期しながら、その値が変更され、特別図柄2保留球数カウンタ223Bは、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203Eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203D、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223Dは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、または第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図478のZ2221参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図487のZ2502参照)。変動開始フラグ223Dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図476参照)のコマンド出力処理(Z2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223Eは、主制御装置110から送信される特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図4770のZ2204参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図487のZ2506参照)。停止種別選択フラグ223Eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
入賞情報格納エリア223Fは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)と、第2特別図柄に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64、または第2入球口640に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223Fに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、入球を検出した入球口の種別(第1入球口64、または第2入球口640)に対応する4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
なお、本第11制御例では、主制御装置110において、始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)に基づいて入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、始動入賞が発生した場合に、その始動入賞に対応して予測された各種情報に、既に、特別図柄1保留球格納エリア203A或いは特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されている各種情報を加えて入賞情報コマンドを設定する設定手段と、入賞情報コマンドを受信した場合に、既に、入賞情報格納エリア223Fに格納されている各種情報(入賞情報)と、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種情報(入賞情報)とが合致するかを判別する判別手段とを設ける構成としてもよい。これにより、入賞情報格納エリア223Fに格納されている各種情報(入賞情報)が適切に格納されているかを判別することが可能となる。
また、本第11制御例では、新たな始動入賞が発生した場合に入賞情報コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いているが、入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知するタイミングは、上述したタイミング(入賞情報コマンドを設定したタイミング)に限定されるものでは無く、例えば、入賞情報コマンドを一時的に記憶する記憶手段を設け、始動入賞したタイミングに加え、定期的(例えば、5秒間隔)、遊技条件可変時(例えば、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合や、大当たり遊技が開始又は終了した場合等)、または、特別図柄の変動開始(又は停止)時に、記憶手段に記憶されている入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113へ通知する構成を用いても良い。このように構成することで、入賞情報格納エリア223Fに格納されている入賞情報を用いた演出(所謂、先読み演出)を適切に実行することができる。
本制御例では、入賞情報格納エリア223Fに格納された各入賞情報に基づいて、先読み演出として、保留図柄の表示色の変更等の演出態様の設定等が実行される。このように、入賞情報格納エリア223Fに格納された各入賞情報に基づいて各種演出(先読み演出)を実行することで、変動表示が開始されるよりも前から各保留球に対して遊技者に大当たりとなる期待感を抱かせることができる。また、複数回の変動表示期間を用いた長期間の演出を実行することも可能となる。
保留予告カウンタ223Gは、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の保留色の変化を実行した場合に、保留個数が変化(保留球が消化されて保留色が変化した保留図柄の表示位置も変化)しても、その表示色が可変された保留図柄の位置を判別するためのカウンタである。保留予告カウンタ223Gは、主制御装置110より送信される特別図柄の入賞コマンドを受信した際に実行される入賞コマンド受信処理(図484のZ2209参照)にて、保留予告カウンタ223Gの値が0である場合(Z2403:YES)に、受信した特別図柄の入賞コマンドの変動種別より取得された保留変化値が、0以外(Z2405:NO)で保留図柄に変化がある場合(図429(A)参照)に、保留球数値が設定(図484のZ2406参照)される。例えば、図429(A)に示す通り、始動入賞した際の保留球数の値が4である場合には、保留予告カウンタ223Gは4が設定される。設定された保留予告カウンタ223Gは、変動開始時に実行される変動パターン受信処理(図478のZ2202参照)にて、特別図柄の変動開始毎に1ずつ減算され、減算された値が0であった場合(Z2225:YES)は、保留変化値に0を設定し保留演出モード記憶エリアをクリア(Z2226)することで、上述した保留演出モードをノーマルモードに設定する。
演出カウンタ223Hは、各種演出の選択に使用されるカウンタである。メイン処理が実行される毎に0から198の範囲で1ずつ加算されて繰り返し更新される。具体的には、演出カウンタ223Hを用いて選択される各種演出の選択テーブルには、保留変化選択テーブル222B、保留キャラ選択テーブル222I(保留キャラ)、保留キャラ変更テーブル222J(保留キャラ)、リーチ中演出抽選テーブル222M(リーチ中保留演出の実行可否)、ラッキー保留抽選テーブル222P(ラッキー保留演出の実行可否)があり、演出カウンタ223Hの値(範囲)によって各種演出が選択される。
また、これらの選択を行う際に、演出カウンタ223Hと、その他のカウンタやタイマ値との更新周期が同期することを避けるために、更新範囲を素数(199)としており、選択結果が一部の選択結果に偏らないようにしている。
背景モード記憶エリア223Iは、第3図柄表示装置81に表示される、背景モードを判別するために必要な数値が記憶される記憶エリアである。背景表示態様の切替については、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)において、デモ画面が表示された待ち受け状態であるか判別(Z2801)し、待ち受け状態であると判別した場合(Z2801:YES)には、枠ボタン22が押下されたか判別(Z2802)し、枠ボタン22が押下されたと判別した場合(Z2802:YES)には、背景モード記憶エリア223Iの内容は1加算して設定(Z2804)され、設定した背景モードに対応した表示用切替コマンドを設定(Z2804)し、表示制御装置114に表示用切替コマンドが送信されると、背景画像が表示される。背景画像には、例えば背景Aが海、背景Bが山、背景Cが川、背景Dが街などのように、遊技者が認識可能な異なる背景画像が用意されている。
SW有効時間カウンタ223Kは、特別図柄の変動中等に行われる枠ボタン22の押下を伴う演出において、その操作が可能となる有効時間(有効期間)を計数するためのカウンタである。SW有効時間カウンタ223Kには、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)において、SW有効時間カウンタ223Kの値が0であった場合(Z2801:NO)に、枠ボタン22の押下を伴う変動パターンが設定された場合(Z2803:YES)に、設定された変動パターンに基づいて、SW有効時間が設定(Z2804)される。設定されたSW有効時間カウンタ223Kは、0でない場合(Z2801:YES)は、SW有効時間カウンタ223Kの値が減算(Z2802)され、枠ボタン22が押下された場合(Z2805:YES)に、SW有効時間カウンタ223Kの値が0でない場合(Z2806:YES)に、予告演出中であれば(Z2809:YES)、SW有効時間カウンタ223Kの値をリセット(0を設定)し、表示用予告表示コマンドを設定(Z2811)して、所定の演出が実行される。
保留演出モード記憶エリア223Mは、第3図柄表示装置81にて表示される保留図柄に関する予告演出を実行する際に、保留変化に応じて用意された複数の保留予告モードを判別するための情報が記憶されている。
保留演出モード記憶エリア223Mは、主制御装置110より送信される特別図柄の入賞コマンドを受信した際に実行される入賞コマンド受信処理(図484のZ2209参照)にて、保留予告カウンタ223Gが0の場合(Z2403:YES)に、受信した特別図柄の入賞コマンドの変動種別に対して取得された保留変化値の値(範囲)によって、保留演出モードが設定(Z2404)される。上述したように、保留変化値が「0」ならば保留演出モードはノーマルモードが設定され、保留変化値が「1〜2」ならば予告Aモードが設定され、保留変化値が「3」ならば予告Bモードが設定される。
保留演出モード記憶エリア223Mの内容は、特別図柄の変動開始時に実行される変動パターン受信処理(図478のZ2202参照)にて、特別図柄の変動開始毎に1減算される保留予告カウンタ223Gの値が0となった場合(Z2225:YES)に、保留変化値に0を設定し保留演出モード記憶エリア223Mをクリア(Z2226)することで、保留演出モードをノーマルモードに変更する。
特別演出ステータス記憶エリア223Nは、保留演出モードがノーマルモードである場合に実行される特別演出の内容を判別するための情報が記憶されている。特別演出とは、上述したように、短期入賞演出(図430(A)参照)と、リーチ中保留演出(図433(A)参照)と、ラッキー保留演出(図434(A)参照)とがあり、特別演出ステータス記憶エリア223Nの変化に応じて、特別演出が実行される。なお、特別演出ステータスは、実行されている保留演出の種別を示す(判別する)ためのステータス(状態データ)である。
短期入賞演出は、入賞コマンドの受信時に実行される短期入賞判定処理(Z2407)にて、遊技の状態が通常状態である場合(Z2421:YES)に、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であり(Z2422:YES)、特別図柄の保留球数が4個(Z2423:YES)で、特別図柄の保留球数が0個の時より発生した時間(5秒間)を計数している短期入賞タイマの値が0以外(Z2424:YES)である場合に、特別演出ステータス記憶エリア223Nに1が設定(Z2425)され、短期入賞演出が実行を開始する。一方、短期入賞演出中は、短期入賞管理処理(Z2111)にて、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1であり(Z2604:YES)、短期入賞タイマが0である場合(Z2605:YES)に、特別演出ステータス記憶エリア223Nを0に設定(Z2606)して、短期入賞演出が終了する。
リーチ中保留演出は、特別図柄の変動開始時に実行される変動パターン受信処理(Z2202)の中で実行されるリーチ中保留演出設定処理(Z2228)にて、特別図柄の変動種別がリーチ変動であった場合(Z2321:YES)に、保留演出モードがノーマルモード中(Z2322:YES)で、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0である場合(Z2323:YES)に、リーチ中演出抽選テーブル222Mによって実行演出が可と判定された場合(Z2325:YES)に、変動種別に基づいて保留演出開始タイマ223Rを設定(Z2326)し、特別演出ステータス記憶エリア223Nを2に設定(Z2327)すると、その後の時間経過にて、リーチ中保留演出管理処理(Z2112)にて、保留演出開始タイマ223Rが0となった場合(Z2704:YES)に、リーチ中保留演出を行う予告用表示コマンドを設定(Z2706)すことで、リーチ中保留演出が実行を開始する。リーチ中保留演出が実行中は、特別図柄の変動終了のタイミング(Z2707:YES)にて、特別演出ステータス記憶エリア223Nを0に設定(Z2708)して、リーチ中保留演出が終了する。
ラッキー保留演出は、ラッキー表示判定処理(Z2227)にて、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0である場合(Z2301:YES)に、ノーマルモード中であり(Z2302:YES)、ラッキー保留記憶値が0である場合(Z2303:YES)に、ラッキー保留抽選テーブル222Pに基づいて抽選された実行演出の結果が可とされた場合(Z2305:YES)に、特別演出ステータス記憶エリア223Nに3が設定(Z2307)され、ラッキー保留演出が実行を開始する。ラッキー保留演出実行中は、当該演出が開始された次の変動開始時において、ラッキー表示判定処理(Z2227)にて、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3である場合(Z2308:YES)に、特別演出ステータス記憶エリア223Nを0に設定(Z2309)して、ラッキー保留演出が終了する。
ラッキー保留記憶値223Pは、始動入賞したタイミングにより出力される入賞情報コマンドの当否判定結果が大当たりと判別された(先読み判別された)場合に、その大当たりと判別された保留球に該当する入賞時の保留球数の値が記憶される記憶領域である。ラッキー保留記憶値223Pは、始動入賞時に実行される入賞コマンド受信処理(Z2209)の中で実行されるラッキー保留記憶処理(Z2408)にて、当該入賞の抽選結果が大当たりである場合(Z2442:YES)に、保留球数の値が5以上(Z2443:YES)であれば、ラッキー保留記憶値223Pに保留球数の値を設定(Z2444)する。また、上述したように、保留演出モードがラッキー保留演出となった場合に、ラッキー保留記憶値223Pに基づいて、表示用保留蓋コマンドが設定(図479のZ2306参照)され、ラッキー保留演出が表示(図434(A)参照)される。
短期入賞タイマ223Qは、特別図柄の保留球数の値が0から1以上となった時から、4個以上となるまでの経過時間を計数するためのタイマである。短期入賞タイマ223Qは、特別図柄の保留球数が0である場合(Z2601:YES)は、タイマ値として5秒が設定され、0以外である場合(Z2601:NO)は、0になるまで短期入賞タイマ223Qを1減算(Z2602)する。上述したように、保留演出モードが短期入賞演出(図430(A)参照)となった場合に、短期入賞タイマ223Qが0となるまで、短期入賞演出が表示される。このように、短期入賞演出を短期入賞タイマ223Qの残時間(残期間)で行うことで、4個入賞するまでの期間が短い(早い)ほど、短期入賞演出の実行期間が長くなり、遊技者に4個入賞するまでに要した期間の早さを認識させることができる。
なお、短期入賞演出は、4個入賞した後に、所定期間(例えば、3秒間)実行するように構成してもよい。このようにすることで、5秒以内に4個入賞したことを遊技者に認識させやすくできるという効果がある。
保留演出開始タイマ223Rは、特別図柄のリーチ変動中に、保留図柄に関する演出であるリーチ中保留演出(図433(A)参照)を実行させるタイミングを計数するためのタイマである。
保留演出開始タイマ223Rは、特別図柄の変動開始時に実行される変動パターン受信処理(Z2202)の中で実行されるリーチ中保留演出設定処理(Z2228)にて、特別図柄の変動種別がリーチ変動である場合(Z2321:YES)に、保留演出モードはノーマルモードであって(Z2322:YES)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0である場合(Z2323:YES)に、リーチ中演出抽選テーブル222Mより取得した実行演出の可否が可であった場合(Z2325:YES)に、リーチ開始時間算出テーブル222Nによりタイマ値が設定(Z2326)される。
保留演出開始タイマ223Rにタイマ値が設定されると、リーチ中保留演出管理処理(Z2112)にて、リーチ中保留演出が実行開始されるまで、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2でない場合(Z2701:YES)に、保留演出開始タイマ223Rが0でない場合(Z2702:NO)は1減算される。また、上述したように、減算後のタイマの値が0となり(Z2704:YES)、その他の特別演出が行われておらず、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2である場合(Z2705:YES)に、リーチ中保留演出を行う予告用表示コマンドを設定(Z2706)することで、リーチ中保留演出が実行を開始する。
センサ有効時間カウンタ223Sは、タッチセンサ290の検出が有効となる時間を計数するカウンタである。センサ有効時間カウンタ223Sは、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)の中で実行されるセンサ入力処理(Z2813)にて、センサ有効時間カウンタ223Sが0である場合(Z2821:NO)に、予告演出表示が設定されている場合(Z2822:YES)に、予告演出に設定されたセンサ有効時間をセンサ有効時間カウンタ223Sに設定(Z2823)する。設定されたセンサ有効時間カウンタ223Sは、0でない場合は減算され(Z2824)、その間にタッチセンサの検出が有効となる。また、センサ有効時間カウンタ223Sの値が0でない場合(Z2821:YES)に、タッチセンサがオンされ(Z2825:YES)、タッチカウンタ223Tが1加算(Z2826)された値が上限値に達した場合(Z2828:YES)に、リセット(Z2809)される。
タッチカウンタ223Tは、タッチセンサ290の検出が有効となる期間中に、タッチセンサ290の検出がオンとなっている回数をカウントするためのカウンタである。タッチカウンタ223Tは、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)の中で実行されるセンサ入力処理(Z2813)にて、センサ有効時間カウンタ223Sが0でない場合(Z2821:YES)に、タッチセンサ290がオンとなっている場合(Z2825:YES)に、1加算(Z2826)され、加算された値が上限値である場合(Z2828:YES)にリセット(Z2829)される。
その他メモリエリア223Zは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理における各種データ、フラグ、カウンタ等が設定または記憶される領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(FIRST IN FIRST OUT)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図477参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図456を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図4参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図471参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図456を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図456は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231Aを内蔵しており、命令ポインタ231Aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231Aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231Aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231Aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(DYNAMIC RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234A1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234A2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234A、ROMコントローラ234B、バッファRAM234C、NOR型ROM234Dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234Aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234A1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234A2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234A2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234Aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234A2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234Bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234A等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234Aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234Bは、NAND型フラッシュメモリ234Aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234Aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234Bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234Aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234BによってNAND型フラッシュメモリ234Aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234Aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234Cは、NAND型フラッシュメモリ234Aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234Bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234Cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234A(またはNOR型ROM234D)より読み出してバッファRAM234Cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234Bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234Cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234Bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234Aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234Dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234Aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234Aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234Dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234D1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234D1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234Cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234D1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234Cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231Aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231Aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231Aを1だけ加算し、命令ポインタ231Aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234Dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234DからバッファRAM234Cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234Cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234Aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234Dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234Aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234Aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出してバッファRAM234Cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234Aの性質上、その読み出しからバッファRAM234Cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234Dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233Aやデータテーブル格納エリア233Bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234D1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234Cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234Cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムがバッファRAM234Cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234Cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233Aに転送する場合は、バッファRAM234Cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234D1のブートプログラムを再度バッファRAM234Cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送すると、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233A内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送されると、命令ポインタ231Aがプログラム格納エリア233Aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233Aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234A1を有するNAND型フラッシュメモリ234Aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233Aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234A1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233Aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231Aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233Aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234A1から所定量ずつプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233A内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233Aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図493のZ3001参照)の終了後に実行される初期化処理(図492のZ3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231Aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234Aを参照することなく、プログラム格納エリア233Aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234Dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233Aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234Dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図460参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図494(B)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237Aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237Aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237Aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237Aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237Aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234Cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235A、背面画像エリア235C、キャラクタ図柄エリア235E、エラーメッセージ画像エリア235Fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235B、第3図柄エリア235Dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235Aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235Bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235Aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図492参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像(図457参照)を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、それを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合はそれを示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235Aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235Bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」、「×」を示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235Bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図456に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235Cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。第3図柄エリア235Dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235Dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図427参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64または右第2入球口640Rまたは第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
キャラクタ図柄エリア235Eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」、「女の子」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235Eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235Eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235Fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235Fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235Fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236A、第1フレームバッファ236B、第2フレームバッファ236Cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236Aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236Aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237Aを介して、画像格納エリア236Aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233A、データテーブル格納エリア233B、簡易画像表示フラグ233C、表示データテーブルバッファ233D、転送データテーブルバッファ233E、ポインタ233F、描画リストエリア233G、計時カウンタ233H、格納画像データ判別フラグ233I、描画対象バッファフラグ233Jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233Aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233Aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233Aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233Bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに設けられた第2プログラム記憶エリア234A1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233Bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233Bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233Bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入球口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されている主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233Bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図458を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図458は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。Αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のΑブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。
MPU231は、この背面種別によって、背景モードに対応した背景(海中、浜辺、準備期間の背景、時間演出専用の背景)のいずれかを表示させることが特定される場合は、背景のうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「START」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図458の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「END」情報が記載されている。そして、「START」情報が記載されたアドレス「0000H」と「END」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに格納すると共に、ポインタ233Fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233Fを1加算し、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図460参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233Fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図459を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図459は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233Bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図459のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNULLデータが規定される(図459のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「START」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図459の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「END」情報が記載されている。そして、「START」情報が記載されたアドレス「0000H」と「END」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233Eに格納する。そして、ポインタ233Fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図461参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図461の例では、ポインタ233Fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233Fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、NULLデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236Aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233Cは、第3図柄表示装置81に、図457に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233Cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235A又は電源投入時変動画像エリア235Bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図492参照)の中でオンに設定される(図492のZ3005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図503(B)のZ4705参照)。
この簡易画像表示フラグ233Cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図494(B)のZ3301参照)、簡易画像表示フラグ233Cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図494(B)のZ3308参照)および簡易表示設定処理(図494(B)のZ3309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233Cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図495〜図500参照)および表示設定処理(図501〜図502(B)参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233Cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図503(A)のZ4601参照)、簡易画像表示フラグ233Cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図503(B)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233Cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図504参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233Dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図460参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図460参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233Eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233Eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233Dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233Fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233Fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、NULLデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図460参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233Fは、表示データテーブルバッファ233Dおよび転送データテーブルバッファ233Eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233Fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図501のZ3303参照)の中で、ポインタ更新処理(図502(B)のZ4305参照)が実行され、ポインタ233Fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233Fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233Fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図460参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233Dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233Gは、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図460を参照して、描画リストの詳細について説明する。図460は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図460に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、Αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233Jで指定される第1フレームバッファ236B又は第2フレームバッファ236Cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233Fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236Aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233Hは、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図494(B)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233Hが1ずつ減算される(図501のZ4307参照)。その結果、計時カウンタ233Hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233Iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233Iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図492のZ3002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233Iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236Aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233Iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図504参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236Aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233Iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを判断する(図504のZ4809参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図504のZ4810参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233Jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236C)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233Jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236Bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236Cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図505のZ4902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233Jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233Jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236Bと第2フレームバッファ236Cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図494(B)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図505のZ4902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図461から図474のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2M秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図461は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(Z101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(Z102)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(Z103)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(Z104)、その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(Z105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図462〜図474を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(Z106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(Z107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図469および図470を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(Z108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(Z109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51Bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図462を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(Z104)について説明する。図462は、この特別図柄変動処理(Z104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(Z104)は、タイマ割込処理(図461参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(Z201)。ここでは、大当たり中フラグ203Nがオンであるか判別され、オンであれば、大当たり中であると判別される。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(Z201:YES)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(Z201:NO)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(Z202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(Z202:NO)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)と特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を取得する(Z203)。各カウンタの値を取得した後、変動実行判定処理を実行する(Z204)。尚、変動実行判定処理の詳細は図463を参照して、後述するが、この変動実行判定処理(Z204)では、次に変動する順序となる特別図柄が判別される処理が実行される。
次に、変動実行判定処理(Z204)で判定された次の変動順序が特図1(第1特別図柄)であるか判断し(Z205)、特図1(第1特別図柄)での変動実行であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1減算し(Z206)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す保留球数コマンドを設定する(Z207)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図476参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223Aに格納する。
Z207の処理により、保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納されたデータをシフトする(Z208)。Z208の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203Aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(Z209)。尚、特別図柄1変動開始処理(Z209)については、図464を参照して後述する。特別図柄1変動開始処理(Z209)では、第1特別図柄の変動を開始する上で必要な変動パターン(変動期間)の選択等の処理が実行される。
Z205の処理で、変動実行判定処理(Z204)において判別された次の変動順序が特図1での変動実行ではないと判別された場合には(Z205:NO)、特図2(第2特別図柄)での変動実行か否か判別する(Z210)。尚、特図2の変動実行でなければ(Z210:NO)、即ち、第1特別図柄、第2特別図柄共に保留球が記憶されていない状態であるので、本処理は終了する。一方、特図2での変動実行であれば(Z210:YES)、特別図柄2の保留球について、上述した特別図柄1の保留球についての処理と同様の処理を行う。
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)の値を1減算し(Z211)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を示す保留球数コマンドを設定する(Z212)。ここで設定された保留球数コマンドにより、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図476参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223Bに格納する。
Z212の処理により、保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203Bに格納されたデータをシフトする(Z213)。Z213の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203Bの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄2変動開始処理を実行する(Z214)。尚、特別図柄2変動開始処理については、図465を参照して後述する。
Z202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(Z202:YES)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(Z215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(Z215:NO)、第1図柄表示装置の表示を更新し(Z216)、本処理を終了する。
一方、Z215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(Z215:YES)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(Z217)。停止図柄の設定は、図464を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(Z209)または、図465を参照して後述する特別図柄2変動開始処理(Z214)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203Aと特別図柄2保留球格納エリア203Bとに共通して設けられた実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、第1特別図柄の大当たりである場合には、特別当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりB1となるか、大当たりB2、大当たりCとなるかが決定され、第2特別図柄の大当たりである場合には、特別当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりB1となるか、大当たりB2、大当たりCとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
Z217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(Z218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(Z218:YES)、大当たり開始を設定し(Z219)、確変フラグ203Mをオフにし、時短中カウンタ203Jの値を0に設定する(Z220)。その後、大当たり中フラグ203Nをオンに設定し(Z221)、停止コマンドを設定し(Z224)、本処理を終了する。即ち、大当たり遊技中には、低確率の遊技状態が設定されて、電サポ遊技状態(時短遊技状態)も解除されて非電サポ遊技状態が設定される。
一方、Z218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(Z218:NO)、時短中カウンタ203Jの値が1以上であるかを判別し(Z222)、時短中カウンタ203Jの値が1以上であれば(Z222:YES)、時短中カウンタ203Jの値を1減算して(Z223)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203Jの値が0であれば(Z222:NO)、Z223の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図463を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動実行判定処理(Z204)について説明する。図463は変動実行判定処理(Z204)を示したフローチャートである。この変動実行判定処理(Z204)は、タイマ割込処理(図461参照)の特別図柄変動処理(図462参照)の中で実行される処理であり、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄1保留球格納エリア203Aまたは特別図柄2保留球格納エリア203Bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理では、まず、変動実行フラグ203Kをオフ(値として「0」)に設定することで、初期化を行い(Z241)、RAM203内に格納された変動順格納エリア203Pのデータを取得する(Z242)。次に、変動順格納エリア203Pのデータをシフトする(Z243)。次に、実行エリアのデータは特図1であるか否かを判別する(Z244)。実行エリアのデータが特図1であれば(Z244:YES)、変動実行フラグ203Kを特図1で変動実行に設定し(Z245)、本処理を終了する。
Z244の処理において、実行エリアのデータが特図1での変動実行でなければ(Z244:NO)、実行エリアのデータは特図2での変動実行あるか判別し(Z246)、特図2での変動実行であれば(Z246:YES)、変動実行フラグ203Kを特図2で変動実行に設定し(Z247)、本処理を終了する。尚、Z246の処理で、実行エリアのデータは特図2での変動実行ではないと判別された場合には(Z246:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図464を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(Z209)について説明する。図464は、特別図柄1変動開始処理(Z209)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(Z209)は、タイマ割込処理(図461参照)の特別図柄変動処理(図462参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203Aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄1変動開始処理(Z209)では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203Aの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を取得する(Z251)。次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(Z252)。なお、確変期間であるか否かの判断は、確変フラグ203Mがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグ203Mは、大当たりB1、大当たりB2、大当たりCに基づく大当たり遊技終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
確変中であると判別された場合には(Z252:YES)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、Z253の処理に移行する。Z253の処理では、Z251の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202A(図439(A)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(Z253)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに格納されている958の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、確変遊技状態(特別遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜26」の27個が設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、Z255の処理へ移行する。
一方、Z252の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常遊技状態であると判別した場合には(Z252:NO)、Z254の処理を実行する。Z254の処理では、Z251の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(Z254)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに格納されている978の乱数値と1つ1つ比較する。通常遊技状態(低確率遊技状態)における特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜2」の3個が設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、Z255の処理へ移行する。
Z255の処理では、Z253またはZ254の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるか(即ち、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに設定されている判定値と一致するか)を判別し(Z255)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(Z255:YES)、Z251の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(Z256)。より具体的には、Z251の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、特図1大当たり種別選択テーブル202D1に格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0〜39」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、時短100回)であると判別し、「40〜75」の範囲にあれば、大当たりB1(16R確変奇数図柄大当たり)であると判別し、「76〜79」の範囲にあれば、大当たりB2(16R確変偶数図柄大当たり)であると判別し、「80〜99」の範囲にあれば、大当たりCであると判別する(図440(B)参照)。
このZ256の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37Aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを通常用変動パターン選択テーブル202B1に基づき決定する(Z257)。Z257の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、停止種別選択カウンタC3の数値と図柄変動の種別との関係は、通常用変動パターン選択テーブル202B1に規定されている。具体的には、今回の判別された大当たり種別が大当たりAであった場合、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜50」の範囲であればノーマルリーチ、「51〜250」の範囲にあればスーパーリーチの変動パターンを決定する。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。大当たりA・大当たりB・大当たりB2・大当たりC共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種、が規定されている。
一方、Z255の処理において、特別図柄の外れであると判別された場合には(Z255:NO)、外れ時の表示態様を設定する(Z258)。Z258の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203Aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(Z259)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、Z258の処理と同様に、特別図柄1保留球格納エリア203Aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
Z257の処理またはZ259の処理が終わると、次に、Z257の処理またはZ259の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(Z260)。次いで、Z275の処理またはZ259の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(Z261)。Z261の処理が終わると、特別図柄変動処理(Z104)へ戻る。
次に、図465を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄2変動開始処理(Z214)について説明する。図465は、特別図柄2変動開始処理(Z214)を示したフローチャートである。この特別図柄2変動開始処理(Z214)は、タイマ割込処理(図461参照)の特別図柄変動処理(図462参照)の中で実行される処理であり、特別図柄2保留球格納エリア203Bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この特別図柄2変動開始処理(Z214)では、特別図柄1変動開始処理(Z209)と同様に、まずZ271の処理によって取得した、特別図柄2保留球格納エリア203Bの実行エリアに格納されている特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値を取得する(Z271)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(Z272)確変期間中であると判別された場合には(Z272:YES)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、Z273の処理に移行する。Z273の処理では、Z271の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(Z273)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに格納されている958の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜26」の27個が設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。特別図柄の抽選結果を取得したら、Z275の処理へ移行する。
一方、Z272の処理において、パチンコ機10が確変状態でないと判別した場合には(Z272:NO)、Z274の処理を実行する。Z274の処理では、Z271の処理で取得した特別当たり乱数カウンタC1の値と、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(Z254)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1の値を、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに格納されている978の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜2」の3個が設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判別する。特別図柄の抽選結果を取得したら、Z275の処理へ移行する。
Z275の処理では、Z273またはZ274の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判別し(Z275)、特別図柄の大当たりであると判別された場合には(Z275:YES)、Z271の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(Z276)。より具体的には、Z271の処理で取得した特別当たり種別カウンタC2の値と、特図2大当たり種別選択テーブル202D2に格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)のうち、大当たり種別が何であるかを判別する。上述したように、特別当たり種別カウンタC2の値が「0〜39」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、時短100回)であると判別し、「40〜87」の範囲にあれば、大当たりB1(16R確変奇数図柄大当たり)であると判別し、「88〜91」の範囲にあれば、大当たりB2(16R確変偶数図柄大当たり)であると判別し、「92〜99」の範囲にあれば、大当たりCであると判別する(図440(C)参照)。
このZ276の処理では、判別された大当たり種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37Aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを通常用変動パターン選択テーブル202B1に基づき決定する(Z277)。Z277の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、停止種別選択カウンタC3の数値と図柄変動の種別との関係は、通常用変動パターン選択テーブル202B1に規定されている。具体的には、今回の判別された大当たり種別が大当たりAであった場合、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜50」の範囲であればノーマルリーチ、「51〜250」の範囲にあればスーパーリーチの変動パターンを決定する。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。大当たりA・大当たりB・大当たりB2・大当たりC共用の変動パターンとしては、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種、が規定されている。
Z275の処理において、特別図柄の外れである判別された場合には(Z275:NO)、外れ時の表示態様を設定する(Z278)。Z278の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203Aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(Z279)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、Z278の処理と同様に、特別図柄2保留球格納エリア203Bの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値を確認し、停止種別選択カウンタC3の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
Z277の処理またはZ279の処理が終わると、次に、Z277の処理またはZ279の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(Z280)。次いで、Z277の処理またはZ279の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(Z281)。Z281の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図466を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(Z105)を説明する。図466は、この始動入賞処理(Z105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(Z105)は、タイマ割込処理(図461参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理(Z105:図466参照)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(Z301)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(Z301:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(Z302)。そして、第1特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(Z303)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(Z301:NO)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満でなければ(Z303:NO)、オーバー入賞情報コマンドを設定し(Z304)、Z309の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(Z301:YES)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が4未満であれば(Z303:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1加算する(Z305)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す第1特別図柄の保留球数コマンドを設定する(Z306)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図473参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223Aに格納する。
Z306の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のZ103で更新した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203Aの空き保留エリア(保留エリア1〜保留エリア4)のうち最初のエリアに格納する(Z307)。尚、Z307の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を参照し、その値が0であれば、保留エリア1を最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留エリア2を、その値が2であれば保留エリア3を、その値が3であれば保留エリア4を、それぞれ最初のエリアとする。次に変動順格納エリア203Pの最下位に特図1を設定し(Z308)、先読み処理(Z320)を実行する。先読み処理(Z320)については、図467を参照して後述する。
次に、Z309〜Z316については、上記説明したZ301〜Z320の各処理について、第1入球口64に入賞したことに対する処理が右第2入球口640Rまたは第2入球口640に入賞したことに対する処理に変更されるのみで、同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。なお、右第2入球口640Rまたは第2入球口640に遊技球が入賞した場合に、保留球として記憶される場合にも、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2の各値が取得されて、対応する特別図柄2保留球格納エリア203Bの空き保留エリアに記憶される。
このように、右第2入球口640Rまたは第2入球口640への入球に基づく、第2特別図柄に対しても第1特別図柄と同様の特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別選択カウンタCS1の各値を取得することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の乱数を用いて抽選が実行できるので、第1特別図柄と第2特別図柄とでも当たり確率を一定にすることができる。
Z308の処理、または、Z316の処理を実行した後には、先読み処理(Z320)を実行する。先読み処理(Z320)についての詳細は、上述したように、図467を参照して、詳細について説明するが、第1入球口64または右第2入球口640R、第2入球口640への入球に対して取得された各種カウンタの値に基づいて、変動開始時に実行される各抽選結果を事前に判定する処理を実行する。
なお、本実施形態では、各カウンタの値を入球に基づいて、選択するように構成したが、変動開始時に選択するように構成してもよい。このように構成することで、変動開始時まで、各カウンタの値を記憶しておく記憶領域が必要なく、RAM203の記憶領域の使用を抑制できる。また、各カウンタのうち、一部のカウンタ(例えば、変動種別カウンタCS1のみ)を変動開始時に取得するように構成してもよい。このように構成することで、入球時に当否判定に関わるカウンタを取得し、当否判定に関わらないカウンタについては、後から取得することができ、遊技の公平性を保ちつつ、記憶するデータ量を抑制することができる。
次に、図467を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(Z105)内の一処理である先読み処理(Z320)について説明する。図467は、この先読み処理(Z320)を示したフローチャートである。
先読み処理(Z320)では、まず、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、変動開始時の当否判定を判定する(Z351)。この当否判定では、上述した特別図柄1変動開始処理(Z209:図464参照)におけるZ255の処理、特別図柄2変動開始処理(Z214:図465参照)におけるZ275の処理と同様の処理が実行される。なお、この当否判定は、変動開始時の当否判定(判別)(特別図柄1変動開始処理(Z209:図464参照)におけるZ255の処理、特別図柄2変動開始処理(Z214:図465参照)におけるZ275の処理)よりも先に実行される事前当否判定(事前判別)に該当する。次に、Z351の処理において実行した判別結果が当たり(特定の判別結果とも言う)であるか判別する(Z352)。判別結果が当たりであると判別した場合には(Z352:YES)、取得した停止種別カウンタC3と変動種別カウンタCS1とに基づいて、通常用変動パターン選択テーブル202B1より変動パターン種別を取得(判別)する(Z353)。次に取得した変動パターン種別に基づいて、入賞コマンドテーブル202Eより当たり入賞情報コマンドを設定(選択または生成)し(Z354)、本処理を終了する。一方、Z352の処理で、当否判定結果は外れと判別した場合には(Z352:NO)、取得した停止種別カウンタC3と変動種別カウンタCS1とに基づいて、通常用変動パターン選択テーブル202B1より変動パターン種別を取得する(Z355)。次に取得した変動パターン種別に基づいて、入賞コマンドテーブル202Eより外れ入賞情報コマンドを設定し(Z356)、本処理を終了する。
このように、変動開始となる前に、事前に当否判定をした結果が、保留球が成立した毎に音声ランプ制御装置113に対して入賞コマンドとして出力されるので、音声ランプ制御装置113は、事前に当否判定結果とその当たり種別を認識できる。よって、音声ランプ制御装置113によって、入賞コマンドに基づいて、遊技者に事前に保留球に対する当否判定結果を報知する予告演出(例えば、保留図柄の色について当否判定結果を報知する色に可変させる、保留球の中の当否判定結果を報知するための報知音を出力する等の演出)を実行させることができる。また、入賞コマンドは、保留球が成立した毎にその保留球に対して一つの入賞コマンドが出力されるので、音声ランプ制御装置113では、保留球の成立に対しても認識することができる。
次に、図468を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(Z106)について説明する。図468は、この普通図柄変動処理(Z106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(Z106)は、タイマ割込処理(図461参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(Z401)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(Z401:YES)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(Z401:NO)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判別し(Z402)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(Z402:NO)、長時間開放フラグ203Iをオフに設定し(Z403)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(Z404)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(Z405)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0であれば(Z405:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が0でなければ(Z405:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1減算する(Z406)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203Cに格納されたデータをシフトする(Z407)。Z407の処理では、普通図柄保留球格納エリア203Cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203Cの実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(Z408)。
次に、普通図柄変動開始処理を実行して(Z409)、本処理を終了する。尚、普通図柄変動開始処理は図469を参照して後述するが、普通図柄(第2図柄)の当否判定を実行して、その当否判定結果に基づいて、普通図柄の変動期間(変動時間または動的表示時間)を決定して、当否判定結果が当たりである場合には、その当たり種別に対応して電動役物640Aの開放動作(普図当たり遊技の動作パターン)を設定する処理等が実行する。
Z402の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(Z402:YES)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(Z410)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、図469のZ437の処理またはZ438の処理によって予め設定された時間である。
一方、Z410の処理において、変動時間が経過していなければ(Z410:NO)、本処理を終了する。一方、Z410の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(Z410:YES)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(Z411)。Z411の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、図469のZ427の処理またはZ431の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、図469のZ435の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。Z411の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図473参照)の第2図柄表示更新処理(Z1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、図469のZ427の処理またはZ431の処理またはZ435の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。なお、本制御例では、長時間当たり、通常当たりである場合にも「○」図柄を点灯表示するように構成したが、それに限らず、普通図柄の当たり種別に応じた図柄を点灯表示(例えば、長時間当たりであれば「◎」、通常当たりであれば「○」)するように構成してもよい。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(Z412)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(Z412:YES)、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開閉制御開始を設定し(Z413)、本処理を終了する。Z412の処理によって、電動役物640Aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図473参照)の電動役物開閉処理(Z1005参照)が実行された場合に、電動役物640Aの開閉制御が開始され、図469のZ430の処理またはZ434の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640Aの開閉制御が継続される。なお、後述する普通図柄変動開始処理(Z408:図469参照)にて、普通図柄の当たり種別に対応した電動役物640Aの開放動作データが設定されているので、Z413では、普通図柄の当たり種別に対応した開閉制御が設定されるように構成されている。一方、Z412の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(Z412:NO)、Z413の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図469のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動開始処理(Z408)を説明する。図469は、この普通図柄変動開始処理(Z408)を示すフローチャートである。この普通図柄変動開始処理(Z408)は、タイマ割込処理(図461参照)の中で実行される普通図柄変動処理(図469参照)の中で実行される普通図柄の変動開始時の設定を実行するための処理である。
今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(Z421)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(Z421:YES)、Z424の処理に移行する。Z421の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(Z421:NO)、確変または時短中であるか否かを判別する(Z422)。確変でも時短中でもなければ(Z422:NO)、Z424の処理に移行する。
確変または時短中であれば(Z422:YES)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、図468のZ407の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)と基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(Z423)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図439(C)参照)。
Z424の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、図468のZ407の処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(Z424)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通当たり乱数テーブル202C(図439(C)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜6」の範囲にあれば、普通図柄の通常当たりであると判別し、「0〜4,7〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する(図439(C)参照)。
本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65Aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640Aが開放されて、特定入賞口65Aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特定入賞口65Aは、第2入球口640の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第2入球口640に球が入ることを抑制していても、第2入球口640には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第2入球口640についての保留球数は最大(4回)になる。
次に、Z423またはZ424の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(Z425)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(Z425:YES)、普通図柄の当たりの種別は長時間当りか判別する(Z426)。この普通図柄の当たり種別については、図示しないスルーゲート67を通過した場合に取得される普通当たり種別カウンタの値と、予め設定されている判定値とを照合して決定される。本制御例では、普通当たり種別カウンタの値は、0〜198までの範囲で、他の特別当たり種別カウンタC2と同期したタイミングで繰り返し更新されるものであり、取得した普通当たり種別カウンタの値が「0〜3」のいずれかであれば、長時間当たりと判別されて、「4〜198」のいずれかであれば通常当たりと判別されるように構成されている。
普通図柄の当たりの種別が長時間当りと判別された場合には(Z426:YES)、長時間当たり時の表示態様を設定する(Z427)。このZ427の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。次に、長時間当り開始コマンドを設定し(Z428)、長時間開放フラグ203Iをオンする(Z429)。そして、Z430の処理へ移行する。
Z426の処理で、普通図柄の当たりの種別は通常当たりであると判別されると(Z426:NO)、通常当たり時の表示態様を設定する(Z431)。次に、確変または時短中であるか否かを判別する(Z432)。そして、確変または時短中であれば(Z432:YES)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(Z433)。判別の結果、特別図柄の大当たり中であれば(Z433:YES)、Z434の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640Aの開放回数および開放時間が設定される。
Z433の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(Z433:NO)、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(Z430)、Z436の処理へ移行する。Z430の処理では、開放回数カウンタ203Gに2を設定し、開放時間カウンタ203Hに2秒に相当する値を設定する。
Z432の処理において、確変でも時短中でもなければ(Z432:NO)、Z434の処理へ移行する。Z432の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(Z434)、Z436の処理へ移行する。Z434の処理では、開放回数カウンタ203Gに1を設定し、開放時間カウンタ203Hに0.2秒に相当する値を設定する。
一方、Z425の処理において、普通図柄の外れであると判別された場合には(Z425:NO)、外れ時の表示態様を設定する(Z435)。このZ435の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、Z436の処理へ移行する。
Z436の処理では、確変中か否かを判別し(Z436)、確変中であれば(Z436:YES)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(Z437)、本処理を終了する。一方、Z436の処理で確変中でなければ(Z436:NO)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(Z438)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
なお、本実施形態では、長時間当たりにおける開放時間や開放回数を確変状態、時短状態で普通図柄の当たりとなった場合と同一の動作としたが、それに限らず、異なる開放時間、開放回数で設定するように構成してもよい。
次に、図470を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(Z107)を説明する。図470は、このスルーゲート通過処理(Z107)のを示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(Z107)は、タイマ割込処理(図461参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判別する(Z501)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判別されると(Z501:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(Z502)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(Z503)。
球がスルーゲート67を通過していないか(Z501:NO)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満でなければ(Z503:NO)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(Z501:YES)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)が4未満であれば(Z503:YES)、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値(M)を1加算する(Z504)。そして、上述したタイマ割込処理のZ103で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203Cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(Z505)、本処理は終了する。尚、Z505の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203Fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図471は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(Z801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図472を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図472は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(Z901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(Z902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(Z903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図426参照)がオンされているか否かを判別し(Z904)、オンされていれば(Z904:YES)、処理をZ913へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(Z904:NO)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(Z905)、記憶されていなければ(Z905:NO)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をZ913へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(Z905:YES)、RAM判定値を算出し(Z906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(Z907:NO)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をZ913へ移行する。なお、図473のZ1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
Z913の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(Z913)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(Z914,Z915)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(Z914,Z915)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(Z914,Z915)を実行する。RAMの初期化処理(Z914,Z915)では、RAM203の使用領域を0クリアし(Z914)、その後、RAM203の初期値を設定する(Z915)。RAM203の初期化処理の実行後は、Z911の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(Z904:NO)、電源断の発生情報が記憶されており(Z905:YES)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(Z907:YES)、長時間開放フラグ203Iに基づいて状態コマンドを送信する(Z908)。次に、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(Z909)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(Z910)、Z911の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
Z911の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(Z912)、メイン処理に移行する。
次に、図473を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図473は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4M秒周期の定期処理としてZ1001〜Z1007の各処理が実行され、その残余時間でZ1010,Z1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図461参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(Z1001)。具体的には、タイマ割込処理(図461参照)におけるZ101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図462参照)や始動入賞処理(図466参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理や先読み処理(図467参照)で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(Z1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(Z1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65Aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(Z1004)。尚、大当たり制御処理(Z1004)の詳細については図474を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640Aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(Z1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図468参照)のZ412の処理によって電動役物640Aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640Aの開閉制御を開始する。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(Z1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図464参照)のZ257の処理またはZ259の処理、または特別図柄2変動開始処理(図465参照)のZ277の処理またはZ279の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37Aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4S毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(Z1006)では、特別図柄1変動開始処理(図464参照)のZ257の処理またはZ259の処理、または特別図柄2変動開始処理(図465参照)のZ277の処理またはZ279の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄1変動開始処理(図464参照)のZ256の処理またはZ258の処理、または特別図柄2変動開始処理(図465参照)のZ276の処理またはZ278の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(Z1007)。第2図柄表示更新処理(Z1007)では、普通図柄変動開始処理(図469参照)のZ437の処理またはZ438の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図468参照)のZ410の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図469参照)のZ427の処理またはZ431の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(Z1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(Z1008:NO)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4M秒)が経過したか否かを判別し(Z1009)、既に所定時間が経過していれば(Z1009:YES)、処理をZ1001へ移行し、上述したZ1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(Z1009:NO)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(Z1010,Z1011)。
まず、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(Z1010)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、Z1002の処理と同一の方法によって実行する(Z1011)。
ここで、Z1001〜Z1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、Z1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(Z1008:YES)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図471のNMI割込処理が実行されたということなので、Z1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(Z1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(Z1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(Z1014)、RAM203のアクセスを禁止して(Z1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、Z1008の処理は、Z1001〜Z1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるZ1010とZ1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をZ1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をZ1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(Z901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、Z1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図474のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(Z1004)を説明する。図474は、この大当たり制御処理(Z1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(Z1004)は、メイン処理(図473)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65Aを解放または閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(Z1104:図474参照)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判別する(Z1101)。特別図柄変動処理(図462)のZ219の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始を設定し、特別図柄の大当たりが開始される場合には(Z1101:YES)、オープニングコマンドを設定して(Z1115)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図473参照)の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって、表示用オープニングコマンドを受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、Z1108の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(Z1101:NO)、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(Z1102)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。Z1102の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(Z1102:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、Z1102の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(Z1102:YES)新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(Z1103)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(Z1103:YES)、特定入賞口(大開放口)65Aを解放し(Z1104)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(Z1105)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203内に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図473参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、Z1103の処理において、新たなラウンド数開始のタイミングでなければ(Z1103:NO)、特定入賞口(大開放口)65Aの閉鎖条件が成立したかを判別する(Z1106)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65Aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65Aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
Z1106の処理において、特定入賞口(大開放口)65Aの閉鎖条件が成立した場合には(Z1106:YES)、特定入賞口(大開放口)65Aを閉鎖して(Z1107)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65Aの閉鎖条件が成立していない場合には(Z1106:NO)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(Z1108)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドまたは2ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判別する。
Z1108の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(Z1108:YES)、エンディングコマンドを設定し(Z1109)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図473参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223Fに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、Z1108の処理において、エンディング開始タイミングではなければ(Z1108:NO)、大当たり終了のタイミングかどうか判別される(Z1110)。大当たり終了タイミングとは、所定のエンディング期間(例えば、10秒)が経過したタイミングである。大当たり終了のタイミングではないと判別された場合には(Z1110:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、Z1110の処理において、大当たり終了のタイミングであると判別された場合には(Z1110:YES)、Z1111の処理において、今回の大当たり種別が大当たりAであるか判別する(Z1111)。今回の大当たり種別が大当たりAであれば(Z1111:YES)、時短中カウンタ203Jの値を100に設定する(Z1112)。次に大当たり中フラグ203Nをオフに設定し(Z1114)、本処理を終了する。
一方、今回の大当たり種別が、大当たりAではない場合には(Z1111:NO)、確変フラグ203Mをオンに設定し(Z1113)、次に、大当たり中フラグ203Nをオフに設定し(Z1114)、本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図475から図491を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図475を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図475は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(Z2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、Z2118の電源断処理(図476参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(Z2002)。図476を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図476のZ2115参照)、Z2118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、Z2118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(Z2002:NO)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってZ2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(Z2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、Z2006の処理によって「55AAH」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAH」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAH」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(Z2003:YES)、Z2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(Z2003:NO)、Z2008の処理へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAH」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(Z2003:YES)、Z2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってZ2118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAH」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(Z2003:NO)、Z2208の処理へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(Z2002:YES)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、Z1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をZ2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
Z2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(Z2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFH」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFH」であるか否かを確認し、「0FFH」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFH」に次いで、「55H」、「0AAH」、「00H」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(Z2005:YES)、RAM223の特定領域に「55AAH」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(Z2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAH」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(Z2005:NO)、RAM223の異常を報知して(Z2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
Z2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(Z2008)。電源断フラグはZ2118の電源断処理の実行時にオンされる(図476のZ2117参照)。つまり、電源断フラグは、Z2118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でZ2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってZ2118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(Z2008:YES)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(Z2009)、RAM223の初期値を設定した後(Z2010)、割込み許可を設定して(Z2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でZ2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにZ2004からZ2006の処理を経由してZ2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(Z2008:NO)、RAM223の作業領域のクリア処理であるZ2009をスキップして、処理をZ2010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(Z2010)、割込み許可を設定して(Z2011)、メイン処理へ移行する。その後、主制御装置110より状態コマンドを受信したか判別する(Z2012)。なお、この状態コマンドは、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図472参照)のZ908の処理において、長時間開放フラグ203Iに基づいて普通図柄の長時間当たり中であるかを示すコマンドである。Z2012の処理において、状態コマンドを受信していると判別された場合には(Z2012:YES)、受信した状態コマンドに基づいて、長時間開放フラグ203Iを設定し、本処理を終了する(Z2013)。ここでは、受信した状態コマンドが長時間当たり中であることを示している場合には、長時間開放フラグ203Iをオンに、長時間当たりでないと示している場合には、長時間開放フラグ203Iをオフに設定する。
このように、電源投入時に、普通図柄の長時間当たり中であるか否かを判別できるコマンドが主制御装置110より出力されることで、音声ランプ制御装置113側も、その状態を判別することができる。
なお、Z2009のクリア処理をスキップするのは、Z2004からZ2006の処理を経由してZ2008の処理へ至った場合には、Z2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図476を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図476は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のZ2101の処理が実行されてから1M秒以上が経過したか否かが判別され(Z2101)、1M秒以上経過していなければ(Z2101:NO)、Z2102〜Z2112の処理を行わずにZ2113の処理へ移行する。Z2101の処理で、1M秒経過したか否かを判別するのは、Z2102〜Z2112が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1M秒以内)で編集する必要がないのに対して、Z2113のコマンド判定処理や、Z2114の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。Z2111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、Z2112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
Z2101の処理で1M秒以上経過していれば(Z2101:YES)、まず、Z2103〜Z2114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(Z2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するZ2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(Z2103)、その後電源投入報知処理を実行する(Z2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにZ2105の処理へ移行する。
Z2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(Z2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(Z2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)については、図490を参照して、詳細について後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(Z2108)、その後音編集・出力処理を実行する(Z2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
Z2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(Z2110)、Z2111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてZ2108のランプ編集処理が実行される。なお、Z2109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
Z2110の処理が終わると、短期入賞管理処理を実行する(Z2111)。この短期入賞管理処理(Z2111)については、図488を参照して、詳細について後述するが、所定数の保留球が発生した期間を計測して、所定期間以内であれば特定の演出(予告演出)を実行する処理が実行される。
短期入賞管理処理(Z2111)を実行した後には、リーチ中保留演出管理処理(Z2112)の処理を実行する。このリーチ中保留演出管理処理(Z2112)については、図489を参照して、詳細について後述するが、第3図柄(特別図柄)の変動態様がリーチ表示態様である期間に、保留球を所定数まで貯めるように遊技することを遊技者に報知する特定の演出(予告演出)を設定する処理が実行される。
Z2112の処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(Z2113)。このコマンド判定処理(Z2113)については、図477を参照して、詳細について後述する。コマンド判定処理(Z2113)を実行した後には、変動表示設定処理が実行される(Z2114)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図487を参照して後述する。
Z2114の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(Z2115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。Z2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(Z2115:YES)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(Z2117)、電源断処理を実行する(Z2118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(Z2119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、Z2115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(Z2115:NO)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(Z2116)、RAM223が破壊されていなければ(Z2116:NO)、Z2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(Z2116:YES)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図477を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(Z2113)について説明する。図477は、このコマンド判定処理(Z2113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(Z2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図476参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(Z2113:図477)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(Z2201)。変動パターンコマンドを受信した場合には(Z2201:YES)、変動パターン受信処理を実行し(Z2202)、本処理を終了する。変動パターン受信処理(Z2202)の詳細については、図478を参照して、後述する。
一方、Z2201の処理において、変動パターンコマンドを受信しなかった場合には(Z2201:NO)、停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(Z2203)。停止種別コマンドを受信した場合には(Z2203:YES)、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223Eをオンにし(Z2204)、受信したコマンドから停止種別を抽出し(Z2205)、本処理を終了する。
Z2203の処理において、停止種別コマンドを受信しなかった場合には(Z2203:NO)、保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(Z2206)。保留球数コマンドを受信した場合には(Z2206:YES)、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留球数カウンタに格納する(Z2207)。その後、本処理を終了する。ここでは、第1特別図柄に対応する保留球数については、特別図柄1保留球数カウンタ223Aに格納され、第2特別図柄に対応する保留球数については、特別図柄2保留球数カウンタ223Bに格納される。
一方、Z2206の処理において、保留球数コマンドを受信しなかった場合には(Z2206:NO)、特別図柄の入賞コマンドを受信したか否かを判別する(Z2208)。特別図柄の入賞コマンドを受信した場合には(Z2208:YES)、入賞コマンド受信処理を開始し(Z2209)、本処理を終了する。入賞コマンド受信処理(Z2209)の詳細については、図484を参照して、後述するが、主制御装置110より出力された入賞コマンドに基づいて、保留された特別図柄の当否判定結果や変動種別等を判別する事前判別を実行して、その事前判別結果に基づいて実行すると決定された各保留演出を実行するための設定処理が実行される。一方、Z2208の処理において、特別図柄の入賞コマンドを受信しなかった場合には(Z2208:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(Z2261)、本処理を終了する。
ここで、図478を参照して、コマンド判定処理(Z2113:図477)内の一処理である変動パターン受信処理(Z2202)の詳細について説明する。図478は、この変動パターン受信処理を示したフローチャートである。この変動パターン受信処理(Z2113)では、受信した変動パターンコマンドに基づいて、詳細な特別図柄の変動パターン(演出態様)や予告表示態様、保留予告の表示態様等が設定される。
変動パターン受信処理(Z2202:図478)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Dをオンに設定し(Z2221)、受信したコマンドから変動パターンを抽出する(Z2222)。その後、変動パターンに表示用予告表示コマンドを設定し(Z2223)、RAM223に設けられた保留予告カウンタ223Gの値を1減算する(Z2224)。ここで、表示用予告表示コマンドは、変動パターンに基づいて決定された各種予告演出(例えば、当否判定結果を示唆するコメント予告やミニキャラ予告等)を表示することを指示するためのコマンドである。
Z2224の処理が終わると、保留予告カウンタ223Gの値が0であるか否か判別する(Z2225)。保留予告カウンタ223Gの値が0であると判別された場合には(Z2225)、保留変化値に0を設定し、保留演出モード記憶エリア223Mをクリアする(Z2226)。尚、保留予告カウンタ223Gの値が1以上であった場合には(Z2225:NO)、Z2226の処理をスキップし、Z2227の処理に移行する。次に、ラッキー表示判定処理(Z2227)を実行する。このように構成することで、図431(B)に示すように、先読み判別結果に基づいて保留球の色を変化させる演出を行った場合にも、保留予告カウンタ223Gの値により、保留球の消化に合わせて表示位置を追随させて可変させ、保留球の色が可変された保留球に対応する特別図柄の変動が開始された後に、その変動が停止したことにより非表示となり、保留変化値も初期値である0に設定することができる。よって、保留球の色が変化された場合にも、その保留球の変動表示が開始される順序を正しく遊技者に報知できる。
ここで、図479を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン受信処理内で実行されるラッキー表示判定処理(Z2227)について説明する。図479は、このラッキー表示判定処理(Z2227)を示したフローチャートである。このラッキー表示判定処理(Z2227)では、過去の大当たりとなった入賞時の保留球数を判別して、その保留球数に対応した表示領域にマーク図柄(保留演出)を表示設定する処理等を実行する。
ラッキー表示判定処理(Z2227:図479)では、まず、RAM223に設けられた特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であるか否か判別する(Z2301)。即ち、特殊な保留演出が実行されていない通常状態であるか判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であると判別された場合には(Z2301:YES)、ノーマルモード中か判別する(Z2302)。ノーマルモード中ではない場合には(Z2302:NO)、本処理を終了する。Z2302の処理において、ノーマルモード中であると判別された場合には(Z2302:YES)、RAM223に設けられているラッキー保留記憶値223Pの値が、0であるか否か判別する(Z2303)。ラッキー保留記憶値223Pが0であると判別された場合には(Z2303:YES)、そのまま本処理を終了する。ここで、ラッキー保留記憶値223Pの値が0である場合には、大当たりと判定された特別図柄の入賞時の保留球数が記憶されていないことを示している。
ラッキー保留記憶値223Pの値が1以上であると判別された場合には(Z2303)、ROM222に設けられているラッキー保留抽選テーブル222P(図455(C)参照)に基づいて、演出の可否を取得する(Z2304)。ここで、ラッキー保留抽選テーブル222Pでは、現在の保留球数に対応して設定されている演出カウンタ223Hの判定値によりラッキー保留演出を実行するかを演出カウンタ223Hの値を取得して判別する処理が実行される。
Z2304の処理に基づいて、ラッキー保留演出(実行演出)は実行可能か判別する(Z2305)。可能ではない場合には(Z2305:NO)、そのまま本処理を終了する。実行演出が可能であると判別された場合には(Z2305:YES)、ラッキー保留記憶値223Pの値に基づいて、ラッキー保留コマンドテーブル222G(図449)より表示用保留蓋コマンドを設定する(Z2306)。次に、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値を3に設定して(Z2307)、本処理を終了する。
一方、Z2301の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0ではないと判別された場合には(Z2301:NO)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3であるか判別する(Z2308)。即ち、前変動でラッキー保留演出が実行されていたかを判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3であると判別された場合には(Z2308:YES)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値をクリア(初期値として0を設定)し(Z2309)、本処理を終了する。尚、Z2309の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3ではないと判別された場合には(Z2308:NO)、そのまま本処理を終了する。このように、ラッキー保留演出は、変動開始時に設定されて、次変動の開始時に特別演出ステータスが初期値に設定されることで終了される。なお、本制御例では、ラッキー保留演出は特別図柄が1回変動される期間の間実行される演出としたが、それに限らず、複数回の変動が実行される期間で実行するように構成してもよい。ラッキー保留演出の開始時に実行する特別図柄の変動回数を決定しておいて、その回数の変動が実行されたことにより終了するようにしてもよいし、毎変動ラッキー保留演出を終了するかの抽選を実行して、その終了抽選に当選した場合に終了したり、保留球が全て消化されたり、デモ表示となる場合に演出を終了するように設定してもよい。
図478に戻り説明を続ける。ラッキー表示判定処理(Z2227)を実行した後には、リーチ中保留演出設定処理(Z2228)を実行する。リーチ中保留演出設定処理(Z2228:図480)では、リーチ表示態様となる特別図柄の変動が実行される場合に、そのリーチ表示態様中に保留球を貯めさせるように遊技を行わせるリーチ中保留演出(特殊な保留演出の一つ)を実行するための処理を実行する。
ここで、図480を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるリーチ中保留演出設定処理(Z2228)について説明する。図480は、このリーチ中保留演出設定処理(Z2228)を示したフローチャートである。
リーチ中保留演出設定処理(Z2228:図480)では、まず、リーチ変動中か判別する(Z2321)。リーチ変動中でないと判別された場合には(Z2321:NO)、本処理は終了する。リーチ変動中であった場合には(Z2321:YES)、その変動がノーマルモード中であるか判別する(Z2322)。ノーマルモードではないと判別された場合には(Z2322:NO)、そのまま本処理を終了する。その変動がノーマルモードであった場合には(Z2322:YES)、RAM223内に設けられている特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が、0であるか判別する(Z2323)。即ち、特殊な保留演出が実行されていない通常状態であるか判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1以上であった場合には(Z2323:NO)、本処理を終了する。ここでは、特別演出ステータスが1以上である場合には、他の特殊な保留演出が実行されている状態であるので、さらに保留演出が重複しないようにするためにZ2323の判別が実行されている。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であった場合には(Z2323:YES)保留球数と演出カウンタ223Hの値に基づいて、リーチ中演出抽選テーブル222M(図455(A)参照)により実行演出の可否を取得する(Z2324)。ここで、リーチ中演出抽選テーブル222Mでは、現在の保留球数に対して演出カウンタ223Hの判定値が設定されており、その判定値によりリーチ中保留演出の実行可否が判断される。
Z2324の処理によりリーチ中保留演出(実行演出)は実行可能か判別する(Z2325)。実行演出は実行可能ではないと判別された場合には(Z2325:NO)、本処理は終了する。実行演出が実行可能であると判断された場合には(Z2325:YES)、特別図柄の変動パターン種別(変動種別)に基づいてリーチ開始時間算出テーブル222N(図455(B))より、保留演出開始タイマ223Rの値を設定し(Z2326)、特別演出ステータス記憶エリア223Nに特別演出ステータス2を示すデータを設定させて(Z2327)、本処理を終了する。
このように、リーチ中保留演出設定処理(Z2228)によれば、リーチ表示態様となる変動パターン種別(動的表示態様種別)が決定されており、他の特殊な保留演出が実行されていない状態であれば、リーチ中保留演出を実行するかの抽選が実行されて、抽選に当選することによりリーチ中保留演出を実行開始するタイミングが設定されるので、リーチ表示態様となる特別図柄の変動が開始される場合には、リーチ中保留演出が現在の保留球数が少ない程実行頻度が高く設定されており、リーチ中に遊技者が遊技球の発射を止めることを抑制でき、遊技店側の利益を増大させることができる。また、遊技の効率を向上することができる。
次に、図478に戻り説明を続ける。リーチ中保留演出設定処理(Z2228)を実行した後、保留蓋設定処理(Z2229)を実行する。この保留蓋設定処理(Z2229)では、副表示領域DSに表示される可変蓋図柄Pの表示をするために必要な処理が実行される。
ここで、図481を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留蓋設定処理(Z2229)について説明する。図481は、この保留蓋設定処理(Z2229)を示したフローチャートである。
保留蓋設定処理(Z2229:図481参照)では、まず、RAM223に設けられている特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が、1であるか判別する(Z2341)。即ち、特殊な保留演出の一つである短期入賞演出(短期入賞保留演出)が設定されているか判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1であると判別された場合には(Z2341:YES)、ROM222に設けられている保留蓋範囲選択テーブル222D(図446(A)参照)における短期入賞時保留蓋範囲選択テーブル222D4(図447(A)参照)に基づいて保留蓋範囲値を取得する(Z2342)。Z2342の処理で取得した保留蓋範囲値の値に基づいて表示用保留蓋コマンドを設定し(Z2355)、本処理を終了する。このように、特別演出ステータスの値が1であり、短期入賞演出(図430(A)参照)の実行が設定されている場合には、現在の保留球に対応した可変蓋図柄Pの表示範囲値(表示態様)が短期入賞時保留蓋範囲選択テーブル222D4(図447(A)参照)より選択されて設定されることで、通常時とは異なる可変蓋図柄Pの表示態様(通常時は保留図柄と1個の保留図柄分空けの間隔で表示する規則を2個の保留図柄分空けて表示させる規則で表示する表示態様)を設定させることができる。
これにより、保留球が1個から4個まで記憶されるのに要した期間が所定期間以内である場合には、通常時とは異なる規則で可変蓋図柄Pが表示されるので、可変蓋図柄Pの表示態様からも保留球が記憶されるのに要した期間が短期間であることを認識させることができる。よって、より早く保留球を記憶させるように遊技者に遊技を行わせるように仕向けることができ、遊技の効率を向上できる。また、遊技の興趣も向上できる。
一方、Z2341の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1でないと判別された場合には(Z2341:NO)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2であるか判別する(Z2343)。即ち、リーチ中保留演出の実行が設定されているか判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が、2であると判別された場合には(Z2343:YES)、保留蓋範囲選択テーブル222D(図446参照)内の、リーチ演出中保留蓋範囲選択テーブル222D5(図447(B)参照)に基づいて保留蓋範囲値を取得する(Z2344)。Z2344の処理で取得した保留蓋範囲値に基づいて、表示用保留蓋コマンドを設定し(Z2355)、本処理を終了する。ここで、リーチ演出中保留蓋範囲選択テーブル222D5で取得された保留蓋範囲値を示す表示用保留蓋コマンドを表示制御装置114が受信すると、リーチ中保留演出を実行するタイミングであることを示すリーチ中保留予告演出を行う予告用表示コマンドを受信することにより、可変蓋図柄Pを表示用保留蓋コマンドに対応した表示態様に可変して表示する。
このように、リーチ中保留演出の実行が決定されている場合には、可変蓋図柄Pの表示を可変する態様が設定されて、リーチ中保留演出の実行タイミングに合わせて設定されている表示態様で可変蓋図柄Pが可変して表示されるので、可変蓋図柄Pにより通常時とは異なる特殊な保留演出が実行されたことを判別できる。
一方、Z2343の処置において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2ではないと判別された場合には(Z2343:NO)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3であるか判別する(Z2345)。即ち、特殊な保留演出の一つであるラッキー保留演出の実行が設定されているか判別する。Z2345の処理において、特別演出ステータスの値が3であると判別された場合には(Z2345:YES)、保留蓋範囲選択テーブル222D(図446参照)内の、ノーマル保留蓋範囲選択テーブル222D1(図446(B)参照)に基づいて、保留蓋範囲値を取得する(Z2344)。その後、上述したZ2355の処理を実行し、本処理を終了する。このように、ラッキー保留演出(図434(A)〜(B)参照)の実行が設定されている場合には、通常状態の保留演出の実行と同様の可変蓋図柄Pの表示態様(表示されている最後尾の保留図柄から1個分の保留図柄を空ける規則で表示させる表示態様)が設定される。
一方、Z2345の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が、3ではないと判別された場合には(Z2345:NO)、予告Bモードであるか判別する(Z2347)。即ち、図429(A)〜(B)に示すように、保留球が4個以上であり、保留図柄の色が可変した状態で、それ以上保留球を入球させないように遊技者に示唆する保留演出が実行されているか判別する。予告Bモードであった場合には(Z2347:YES)、ROM222に設けられている保留蓋色変化選択テーブル222F(図448(B)参照)に基づいて、可変蓋図柄Pの色変化を示す表示用保留蓋コマンドを設定する(Z2348)。ここでは、図429(B)に示すように、保留図柄に色が可変して表示されており、それ以上の保留球の増加を規制するように遊技を行うことを遊技者に報知する予告Bモード(保留球数は4個以上)の遊技が行われている状態で、それ以上の保留球が記憶された場合に、可変蓋図柄Pと表示された保留図柄とが重なる位置における可変蓋図柄Pの表示色を通常時とは異なる色(例えば、緑色等)に可変して表示する設定が実行される。これにより、遊技者に保留球を記憶させないように遊技をするように報知した報知態様とは反した遊技を行ったことを分かり易く認識させることができる。
Z2348の処理を実行した後、予告Bモード保留蓋範囲選択テーブル222D3(図446(D)参照)に基づいて、保留蓋範囲値を取得し(Z2349)、上述したZ2355の処理を実行し、本処理を終了する。予告Bモード保留蓋範囲選択テーブル222D3(図446(D)参照)によって、図429(A)に示すように保留球が4個である場合のようにノーマルモードの保留演出であれば保留球5個目の位置に対応する可変蓋図柄Pが非表示にされるものが、表示状態となるような特殊な規則で表示されるように構成できる。これにより、保留球を増加させないように指示する保留演出が行われる予告Bモードでは、可変蓋図柄Pを利用して、あたかも4個の保留球が上限値であるかのように遊技者に思わせることができる。よって、可変蓋図柄Pの表示態様により保留球の上限値が可変するように報知することができる。
一方、Z2347の処理において、予告Bモードでないと判別された場合には(Z2347:NO)、予告Aモードであるか判別される(Z2350)。即ち、保留球が4個以上であり、保留図柄の色が可変されて設定されているまたは設定されており、可変蓋図柄Pをノーマルモード(通常状態)とは異なる規則である保留図柄との間隔を空けずに表示させる保留演出が実行されている状態であるか判別する。
予告Aモードが設定されていると判別された場合には(Z2351:YES)、予告Aモード保留蓋範囲選択テーブル222D2(図446(C)参照)に基づいて、保留蓋範囲値を取得する(Z2351)。その後、上述したZ2355の処理を実行して、本処理を終了する。
一方、Z2350の処理において、予告Aモードではないと判別された場合には(Z2350)、時短中かどうか判別される(Z2352)。ここで、時短中であるかどうかの判別は、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドに付される遊技状態データによって判別される。主制御装置110から出力される変動パターンコマンドには、変動種別(リーチ外れ、当たり)データの他に、現在の遊技状態が時短遊技状態(電サポ遊技状態)であるか、確変遊技状態(高確率電サポ有り遊技状態)でありか、通常遊技状態(低確率電サポなし遊技状態)であるかを示すデータも付されて出力される。
時短中(時短遊技状態または確変遊技状態が設定されている状態)であると判別された場合には(Z2352:YES)、時短用保留蓋範囲選択テーブル222D6(図447(C)参照)に基づいて、保留蓋範囲値を取得する(Z2353)。その後、上述したZ2355の処理を実行し、本処理を終了する。なお、時短中(電サポが有る状態)では、通常遊技状態とは異なり、保留球が0から6個までの状態では、可変蓋図柄Pは、保留球7個目、8個目の保留図柄が表示される位置のみ表示され、保留球が7個となることで、7個目の保留図柄が表示される位置に表示されている可変蓋図柄Pが非表示となり、保留球が8個となることで8個目の保留図柄表示される位置に表示されていた可変蓋図柄Pが非表示に設定される。これにより、電動役物640Aが開放状態となり易い電サポ有りの時短中では、可変蓋図柄Pは、通常遊技状態よりも少なく表示するように構成して、保留球が頻繁に多く発生する状態において、可変蓋図柄Pの表示制御の負荷が増大することを抑制している。
一方、Z2352の処理で、時短中ではないと判別された場合には(Z2352:NO)、即ち、ノーマルモードの保留演出中であると判別した場合には、ノーマル保留蓋範囲選択テーブル222D1(図446(B)参照)に基づいて、保留蓋範囲値を取得し(Z2354)、上述したZ2355の処理を実行して、本処理を終了する。
図478に戻り説明を続ける。保留蓋設定処理(Z2229)を実行した後、保留キャラ設定処理(Z2230)を実行する。この保留キャラ設定処理(Z2230)では、副表示領域DSのキャラクタ表示領域Cに表示する女の子のキャラクタ等を決定する処理等を実行する。
ここで、図482を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン受信処理(Z2202;図478)内で実行される保留キャラ設定処理(Z2230)について説明する。図482は、この保留キャラ設定処理(Z2230)を示したフローチャートである。
保留キャラ設定処理(Z2230)では、まず、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であるか判別する(Z2361)。即ち、保留演出の状態として通常状態であるノーマルモードが設定されている状態であるか判別する。特別演出ステータスの値が0でないと判別された場合には(Z2361:NO)、本処理を終了する。一方、特別演出ステータスの値が0であると判別された場合には(Z2361:YES)、保留球数が3個から4個へ変化した状態であるかどうか判別する(Z2362)。ここで、保留球数が3個から4個へ変化した状態である場合は、保留球が新たに変動を開始することにより1個消化された上でも、始動口である第1入球口64、右第2入球口640R、第2入球口640のいずれかに入球することにより保留球数が3個であった(特別図柄1保留球数カウンタ223Aと特別図柄2保留球数カウンタ223Bとの値の合計が3である)状態から、保留球数が4個(特別図柄1保留球数カウンタ223Aと特別図柄2保留球数カウンタ223Bとの値の合計が4である)である状態へと変化している状態である。
保留球数が3個から4個へ変化した状態であると判別された場合には(Z2362:YES)、RAM223に設けられている背景モード記憶エリア223Iの内容と、設定されている保留演出モードと演出カウンタ223Hとに基づいて、保留キャラ選択テーブル222I(図450(B)参照)より保留キャラを選択し、表示用キャラコマンドを設定し(Z2363)、本処理を終了する。このように、保留球が4個となると、キャラクタ表示領域Cに選択されている背景モードと、設定されている保留演出モードとに基づいて抽選により女の子のキャラクタ種別が決定されて表示設定される。これにより、背景種別や、保留演出モードによって表示されるキャラクタを異ならせることができ、保留演出を多様にすることができる。また、本制御例の構成に加えて、変動中の特別図柄の当否判定結果や変動パターン種別(例えば、スーパーリーチ等)によって、決定されるキャラクタの種別が可変するように構成してもよい。このように構成することで、当否判定結果が当たりである場合に選択率を高くしたキャラクタを設定しておけば、キャラクタ種別により、変動中の特別図柄や、保留されている中に当たりと事前判定されている保留球が記憶されていることを遊技者が認識することができる。また、キャラクタ種別によりスーパーリーチで表示される場合に選択率が高いキャラクタを設定しておけば、そのキャラクタが表示されることで、大当たりへの期待度の高い変動パターンであるスーパーリーチが実行されることを早期に期待することができる。
また、本制御例においても、予告Aモード、予告Bモードは、先読み判定により大当たりの期待度の高い変動パターン種別(例えば、スーパーリーチ種別)や、事前の当否判定結果大当たりである場合に設定されやすいので、J2のキャラクタやJ3のキャラクタが表示されることで、スーパーリーチ種別の実行や、当否判定結果が大当たりであること等を遊技者に期待させることができる。
一方、保留球数は3個から4個へ変化した状態ではないと判別された場合には(Z2362:NO)、保留球数は4個未満か判別される(Z2364)。保留球数は4個未満であると判別された場合には(Z2364:YES)、保留キャラをクリアする表示用キャラコマンドを設定し(Z2365)、本処理を終了する。このように、保留球数が4個未満となったタイミングでキャラクタが非表示に設定されるので、保留数の減少を遊技者に分かり易く報知することができる。
Z2364の処理において、保留球数が4個以上であると判別された場合には(Z2364:NO)、オーバー入賞の発生した状態であるか判別される(Z2366)。ここで、オーバー入賞の発生した状態であるかは、主制御装置110から保留球数の上限値を越えて始動入賞した場合に出力されるオーバー入賞情報コマンドを受信しているかの判別により実行される。オーバー入賞の発生した状態であると判別された場合には(Z2366:YES)、背景モード記憶エリア223Iの内容と、保留演出モードと演出カウンタ223Hとに基づいて、保留キャラ変更テーブル222Jによって変更する保留キャラを選択し、表示用キャラコマンドを設定し(Z2267)、本処理を終了する。尚、Z2366でオーバー入賞が発生した状態ではないと判別された場合には(Z2366:NO)、そのまま本処理を終了する。このように、本制御例では、オーバー入賞が発生すると、キャラクタ表示領域Cに表示されるキャラクタの変更が実行される。キャラクタの変更は、保留キャラ変更テーブル222J(図451参照)からも明らかなように、現在設定されているキャラクタに基づいて決定されるように構成されており、例えば、保留球の事前判定で当否判定結果が大当たり(当たり)または変動パターン種別で大当たりの期待度が高い場合に設定され易い予告Aモードや予告Bモードが決定されている状態で決定され易いJ3のキャラクタが選択されている場合には、J3以外のキャラクタが選択されないように構成されている。また、J2のキャラクタが選択されている場合には、また、予告Aモードまたは予告Bモードでは、選択され難いJ0またはJ1のキャラクタが選択されている場合には、J2またはJ3のキャラクタが選択され易くなるように構成されている。即ち、大当たりや期待度の高い変動パターン種別が選択される期待度として高く設定されているJ3へのステップアップが可能に構成されており、オーバー入賞を発生させることで遊技者が保留演出を楽しむことができるように構成されている。このキャラクタが変更されることは、遊技者にとって有利な特典に該当する。
図478に戻り説明を続ける。保留キャラ設定処理(Z2230)を実行した後、吹き出し設定処理(Z2231)を実行し、本処理を終了する。この吹き出し設定処理(Z2231)では、キャラクタ表示領域Cに表示されるキャラクタより吹き出しで表示されるコメントの内容を選択する処理等が実行される。
次に、図483を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される吹き出し設定処理(Z2231)について説明する。図483は、この吹き出し設定処理(Z2231)を示したフローチャートである。
吹き出し設定処理(Z2231)では、まず特別演出ステータス記憶エリア223Nの値として1が設定されているか判別される(Z2381)。即ち、短期入賞保留演出が設定されているか判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1であると判別された場合には(Z2381:YES)、ROM222に設けられている吹き出し選択テーブル222K(図452(A)参照)内の短期入賞時吹き出し選択テーブル222K4(図453(A)参照)に基づいて、吹き出し内容を取得する(Z2382)。Z2382の処理を実行した後取得した吹き出し内容に基づいて、表示用吹き出しコマンドを設定し(Z2394)、本処理を終了する。
一方、Z2381の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1ではないと判別された場合には(Z2381:NO)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2であるか判別される(Z2383)。即ち、リーチ中保留演出が設定されているか判別される。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が、2であれば(Z2383:YES)リーチ演出中吹き出し選択テーブル222K5(図453(B)参照)に基づいて吹き出し内容を取得し(Z2384)、上述したZ2394の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、Z2383の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2でないと判別された場合には(Z2383:NO)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3であるか判別される(Z2385)。即ち、ラッキー保留演出が設定されているか判別される。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3であれば(Z2385:YES)、ラッキー保留吹き出し選択テーブル222K6(図454(A)参照)に基づいて吹き出し内容を取得し(Z2386)、上述したZ2394の処理を実行し、本処理を終了する。
Z2387の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が3でないと判別された場合には(Z2385:NO)、予告Bモードが設定されているか判別される(Z2387)。予告Bモードが設定されていると判別された場合には(Z2387:YES)、予告B吹き出し選択テーブル222K3(図452(D)参照)に基づいて吹き出し内容が取得され(Z2388)、上述したZ2394の処理が実行され、本処理を終了する。
Z2387の処理において、予告Bモードが設定されていないと判別された場合には(Z2387:NO)、予告Aモードが設定されているか判別される(Z2389)。予告Aモードが設定されていると判別された場合には(Z2389:YES)、予告A吹き出し選択テーブル222K2(図452(C)参照)に基づいて吹き出し内容が取得され(Z2390)、上述したZ2394の処理が実行され、本処理を終了する。
Z2389の処理において、予告Aモードが設定されていないと判別された場合には(Z2389:NO)、時短中(時短遊技状態または確変遊技状態)が設定されているか判別する(Z2391)。時短中が設定されていると判別された場合には(Z2391)、時短用吹き出し選択テーブル222K7(図454(B)参照)に基づいて吹き出し内容を取得し(Z2392)、上述したZ2394の処理を実行し、本処理を終了する。
Z2391の処理において、時短中が設定されていないと判別された場合には(Z2391:NO)、ノーマル吹き出し選択テーブル222K1(図452(B)参照)に基づいて吹き出し内容を取得し(Z2393)、上述したZ2394の処理を実行し、本処理を終了する。
このように、各保留演出モード毎にそれぞれ対応する内容のコメントが選択されるように制御されるので、保留演出モードに合わせたコメント内容を表示させて、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図484を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(Z2113:図477参照)内の一処理である入賞コマンド受信処理(Z2209)について説明する。図484は、この入賞コマンド受信処理(Z2209)を示したフローチャートである。この入賞コマンド受信処理(Z2209)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図477参照)の中で実行される。
入賞コマンド受信処理(Z2209)では、まず受信したコマンドが示す入賞情報を、RAM223に設けられている入賞情報格納エリア223Fに設定する(Z2401)。次に、受信したコマンドの変動種別と取得した演出カウンタ223Hの値とに基づいて、ROM222に設けられている保留変化選択テーブル222B(図445(A))より保留変化値を取得する(Z2402)。
次に、RAM223に設けられている保留予告カウンタ223Gの値が0であるか判定される(Z2403)。即ち、保留図柄の色が可変される予告Aモードまたは予告Bモードが設定されているか判別される。保留予告カウンタ223Gの値が0ではない場合には(Z2403:NO)、Z2404〜Z2406の処理をスキップしてZ2407の処理を実行する。一方、保留予告カウンタ223Gの値が0であると判別された場合には(Z2403:YES)、保留変化値に基づいて、保留演出モード選択テーブル222C(図445(B)参照)より保留演出モードを設定する(Z2404)。次に、保留変化値が、0であるか判別される(Z2405)。保留変化値が0であると判別された場合には(Z2405:YES)、Z2406の処理をスキップしてZ2407の処理を実行する。一方、保留変化値が0でないと判別された場合には(Z2405:NO)、保留予告カウンタ223Gに現在の保留球数値(特別図柄1保留球数カウンタ223Aと特別図柄2保留球数カウンタ223Bとの合計値)を設定する(Z2406)。
Z2406の処理を終えると、短期入賞判定処理を実行する(Z2407)。短期入賞判定処理(Z2407)の詳細については、図485を参照して後述するが、短期入賞保留演出を実行するタイミングであるか判別して、実行するタイミングであれば(実行する条件が成立していれば)短期入賞保留演出の実行を設定する処理が実行される。次に、ラッキー保留処理を実行する(Z2408)。ラッキー保留記憶処理(Z2408)の詳細については、図486を参照して後述するが、ラッキー保留演出を実行するタイミング(条件が成立しているか)であるか判別して、実行タイミングであれば、ラッキー保留演出の実行を設定する。次に、上述した保留蓋設定処理(Z2409)、保留キャラ設定処理(Z2410)、吹き出し設定処理(Z2411)を実行して、本処理を終了する。なお、保留蓋設定処理(Z2409)は、図481を参照して既に説明した内容と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、吹き出し設定処理(Z2411)は、図483を参照して既に説明した内容と同一であるのでその詳細な説明は省略する。
次に、図485を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される短期入賞判定処理(Z2407)について説明する。図485は、この短期入賞判定処理(Z2407)を示したフローチャートである。この短期入賞判定処理(Z2407)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞コマンド受信処理(図484参照)の中で実行される。
短期入賞判定処理(Z2407)では、まず、現在の遊技状態が、確変遊技状態または時短遊技状態であるか判別する(Z2421)。確変遊技状態または時短遊技状態(時短中)であると判別された場合には(Z2421:YES)、本処理を終了する。一方、確変遊技状態または時短遊技状態ではないと判別された場合には(Z2421:NO)、RAM223に設けられている特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であるか判別される(Z2422)。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0でないと判別された場合には(Z2422:NO)、本処理を終了する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が0であると判別された場合には(Z2422:YES)、保留球数が4個であるか判別される(Z2423)。保留球数が4個ではないと判別された場合には(Z2423:NO)、本処理を終了する。一方、保留球数が4個である判別された場合には(Z2423:YES)、短期入賞タイマ223Qの値が0でないか判別される(Z2424)。短期入賞タイマ223Qの値が0であると判別された場合には(Z2424:NO)、本処理を終了する。一方、短期入賞タイマ223Qの値が0でないと判別された場合には(Z2424:YES)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値を1に設定し(Z2425)、本処理を終了する。このように、4個の保留球が成立するまでに要した期間が5秒未満である場合には、短期入賞保留演出の実行を設定することを示す特別演出ステータス1が設定される。
次に、図486を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるラッキー保留記憶処理(Z2408)について説明する。図486は、このラッキー保留記憶処理(Z2408)を示したフローチャートである。このラッキー保留記憶処理(Z2408)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞コマンド受信処理(図484参照)の中で実行される。
ラッキー保留記憶処理(Z2408)では、まず、RAM223に設けられている入賞情報格納エリア223Fの内容により当該入賞の抽選結果を取得する(Z2441)。次に、Z2441の処理において、取得した抽選結果が大当たりであるか判別される(Z2442)。取得した抽選結果が大当たりでないと判別された場合には(2442:NO)、本処理を終了する。一方、取得した抽選結果が大当たりであると判別された場合には(Z2442:YES)、保留球数が4個以上であるか判別される(Z2443:NO)。4個以上であると判別された場合には(Z2443:YES)、ラッキー保留記憶値223Pに現在の保留球数の値を設定し(Z2444)、本処理を終了する。一方、現在の保留球数の値が4個以下であると判別された場合には(Z2443:NO)、そのまま本処理は終了する。
次に、図487を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(Z2114)について説明する。図487は、この変動表示設定処理(Z2114)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(Z2114)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図476参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(Z2114:図487)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223Dがオンか否かを判別する(Z2501)。そして、変動開始フラグ223Dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(Z2501:NO)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、Z2505の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223Dがオンであると判別された場合には(Z2501:YES)、変動開始フラグ223Dをオフし(Z2502)、表示用変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(Z2503)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(Z2504)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、図示は省略したが、入賞情報格納エリア223Fに格納されたデータをシフトする。この処理では、入賞情報格納エリア223Fの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、Z2505の処理へ移行する。
Z2505の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223Eがオンか否かを判別する(Z2505)。そして、停止種別選択フラグ223Eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(Z2505:NO)、本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223Eがオンであると判別された場合には(Z2505:YES)、停止種別選択フラグ223Eをオフし(Z2506)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(Z2507)。次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(Z2508)、Z2509の処理へ移行する。
Z2509の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(Z2509)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。Z2509の処理が実行された後、本処理を終了する。
次に、図488を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図476参照)内の一処理である短期入賞管理処理(Z2111)について説明する。図488は、この短期入賞管理処理(Z2111)を示したフローチャートである。この短期入賞管理処理(Z2111)では、短期入賞保留演出を実行するか否かの判別をするために必要な保留球が4個発生するまでの期間を計測する処理等が実行される。
短期入賞管理処理(Z2111)では、まず、現在の保留球数が0であるか判別する(Z2601)。保留球数が0ではないと判別された場合には(Z2601:NO)、短期入賞タイマ223Qの値を1減算する(Z2602)。一方、保留球数が0であると判別された場合には(Z2601:YES)、短期入賞タイマ223Qの値を5秒に設定し(Z2603)、Z2604の処理に移行する。
Z2604の処理では、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1であるか判別する(Z2604)。即ち、既に短期入賞保留演出が設定されているか判別される。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1ではないと判別された場合には(Z2604:NO)、本処理を終了する。一方、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1であると判別された場合には(Z2604:YES)、保留球数が4より少ないか判別される(Z2605)。保留球数が4より少ないと判別された場合には(Z2605:YES)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値を0に設定し(Z2605)、本処理を終了する。一方、Z2604の処理において、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が1ではないと判別された場合には(Z2604:NO)、或いは、Z2605の処理において、保留球数が4より多いと判別された場合には(Z2605:NO)、Z2606の処理をスキップし、本処理を終了する。
このように、既に短期入賞保留演出が設定されている場合には、保留球が4球未満となったことに基づいて、特別演出ステータスが0に設定されて初期値に設定される。なお、それに限らず、短期入賞保留演出の実行が終了したタイミング(5秒未満に4球まで保留球が入球して、その残り期間が経過したタイミング)で特別演出ステータスを0に設定するように構成してもよい。
次に、図489を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図476参照)内の一処理であるリーチ中保留演出管理処理(Z2112)について説明する。図489は、このリーチ中保留演出開始処理(Z2112)を示したフローチャートである。このリーチ中保留演出管理処理(Z2112)では、リーチ中保留演出の実行タイミングを判別して、実行タイミングにおいてリーチ中保留演出の表示態様を設定するための処理が実行される。
リーチ中保留演出管理処理(Z2112)では、まず、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2であるか判別する(Z2701)。即ち、リーチ中保留演出の実行が設定されているか判別する。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2でないと判別された場合には(Z2701:NO)、この処理を終了する。一方、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2であると判別された場合には(Z2701:YES)、RAM223に設けられている保留演出開始タイマ223Rの値が0であるか判別される(Z2702)。保留演出開始タイマ223Rの値が1以上であると判別された場合には(Z2702:NO)、保留演出開始タイマ223Rの値を1減算する(Z2703)。次に、Z2703の処理で演算した保留演出開始タイマ223Rの値が0であるか判別される(Z2704)。演算後の保留演出開始タイマ223Rの値が1以上であると判別された場合には(Z2704:NO)、本処理を終了する。一方、減算後の保留演出開始タイマ223Rの値が0であると判別された場合には(Z2704:YES)、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2であるか判別される(Z2705)。特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2でないと判別された場合には(Z2705:NO)、本処理を終了する。一方、特別演出ステータス記憶エリア223Nの値が2であると判別された場合には(Z2705:YES)、リーチ中保留演出を実行することを示す予告用表示コマンドが設定される(Z2706)。その後、この処理を終了する。
Z2702の処理において、保留演出開始タイマ223Rの値が0であると判別された場合には(Z2702:YES)、変動中の特別図柄の変動時間(変動期間)が終了するタイミング(変動期間が経過するタイミング)であるか判別される(Z2707)。変動終了タイミングであると判別された場合には(Z2707:YES)、特別演出ステータス記憶エリア223Nに0が設定され(Z2708)、その後、この処理を終了する。一方、Z2707の処理において、変動終了タイミングでないと判別された場合には(Z2707:NO)、この処理を終了する。このように、リーチ中保留演出は、リーチ変動態様となる特別図柄の変動時間が経過するタイミングで特別演出ステータスが0に設定されて、ノーマルモードへと保留演出が初期設定される。
次に、図490を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図476参照)内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)について説明する。図490は、この枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)では、枠ボタン22の押下動作が判別されて、押下されたことに基づいて、予告演出等の実行が設定される。
枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107:図490参照)では、まず、SW(スイッチ)有効時間(有効期間)としてSW有効時間カウンタ223Kに0よりも大きい値が設定されているか判別される(Z2801)。SW有効時間カウンタ223Kの値が0であると判別された場合には(Z2801:NO)、SW有効時間カウンタ223Kが0よりも大きい値が設定されていると判別された場合には(Z2801:YES)、SW有効時間カウンタ223Kの値と1減算して更新される(Z2802)。その後、枠ボタン22が押下(操作)されたか判別される(Z2805)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(Z2805:YES)、SW有効時間カウンタ223Kの値が0よりも大きい値であるか判別される(Z2806)。SW有効時間カウンタ223Kの値が0であると判別された場合には(Z2806:NO)、背景モードを1加算して、RAM223に設けられている背景モード記憶エリア223Iに設定する(Z2807)。次に、Z2807の処理で設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示用切替コマンドを設定する(Z2808)。次に、センサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。このセンサ入力処理(Z2813)については、図491を参照して後述する。
一方、Z2806の処理において、SW有効時間カウンタ223Kの値が0よりも大きいと判別された場合には(Z2806:YES)、予告演出が実行されている状態(予告演出中)であるか判別する(Z2809)。予告演出中であると判別された場合には(Z2809:YES)、RAM223に設けられているSW有効時間カウンタ223Kの値をリセットし(Z2810)、抽選で決定された予告演出を示す表示用予告コマンドを設定する(Z2811)。次に、センサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図491を参照して、センサ入力処理(Z2813)について説明する。図491は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(Z1307:図490)内の一処理であるセンサ入力処理(Z2813)を示したフローチャートである。このセンサ入力処理(Z2813)では、タッチセンサ290の操作(入力)状態を判別して、操作されたことに基づいて、各種演出等の実行が設定される。
センサ入力処理(Z2813:図491)では、まず、センサ有効時間カウンタ223Sが0より大きい値に設定されているか判別する(Z2821)。即ち、タッチセンサ290の操作(入力)が有効な期間であるか判別される。センサ有効時間カウンタ223Sの値が0であると判別した場合には(Z2821:NO)、タッチセンサ290を使用する予告演出表示が設定されているか判別する(Z2822)。予告演出表示が設定されていると判別した場合には(Z2822:YES)、予告演出に設定されたセンサ有効時間をセンサ有効時間カウンタ223Sに設定し(Z2823)、本処理を終了する。一方、Z2822の処理において、予告演出表示が設定されていないと判別した場合には(Z2822:NO)、この処理を終了する。
一方、Z2821の処理において、センサ有効時間カウンタ223Sが0より大きい値であると判別した場合には(Z2821:YES)、センサ有効時間カウンタ223Sの値を時間経過分だけ減算して更新する(Z2824)。タッチセンサ290はオンであるか、即ち、タッチセンサ290に遊技者が手等を近づけて操作したか判別する(Z2825)。タッチセンサ290がオンであると判別した場合には(Z2825:YES)、タッチカウンタ223Tの値を1加算して更新し(Z2826)、その更新したタッチカウンタ223Tの値に対応した、表示用予告表示コマンドを設定する(Z2827)。タッチカウンタ223Tの値が選択しているタッチ予告演出表示に設定されている上限値であるか判別する(Z2828)。タッチカウンタ223Tの値が上限値であると判別した場合には(Z2828:YES)、タッチカウンタ223Tの値を初期値である0にリセットする(Z2829)。一方、タッチカウンタ223Tの値が上限値でないと判別した場合には(Z2828:NO)、この処理を終了する。
図490に戻って説明を続ける。Z2801の処理において、待ち受け中ではない場合には(Z2801:NO)、或いは、Z2802の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(Z2802:NO)、SW有効時間カウンタ223Kの値が1以上であるか判別する(Z2805)。SW有効時間カウンタ223Kの値が1以上であった場合には(Z2805:YES)、SW有効時間カウンタ223Kを減算する(Z2806)。次に、枠ボタン22が押下されたか判別する(Z2807)。枠ボタン22が押下されたと判別した場合には(Z2807:YES)、予告演出が実行されている状態(予告演出中)であるか判別する(Z2808)。予告演出中であると判別された場合には(Z2808:YES)、RAM223に設けられているセンサ有効時間カウンタ223Sの値をリセットし(Z2809)、抽選で決定された予告演出を示す表示用予告コマンドを設定する(Z2810)。次に、センサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。なお、センサ入力処理(Z2813)については、図491を参照して既に詳細について説明したので、その詳細な説明は省略する。
Z2808の処理において、予告演出中でないと判別された場合には(Z2808:NO)、既に説明したZ2803,Z2804の処理が実行された後に、本処理を終了する。また、Z2807の処理において枠ボタン22が押下されなかったと判別した場合には(Z2807:NO)、Z2808〜Z2810の処理をスキップし、既に、図491を参照して説明したセンサ入力処理(Z2813)を実行し本処理を終了する。
一方、Z2805の処理において、SW有効時間カウンタ223Kの値が0であると判別された場合には(Z2805:NO)、変動パターンが設定されたか判別される(Z2811)。変動パターンが設定されたと判別された場合には(Z2811:YES)、設定された変動パターンに基づいて、SW有効時間カウンタ223KにSW有効時間を設定し(Z2812)、センサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。尚、Z2811の処理において、変動パターンが設定されていない場合には(Z2811:NO)、Z2812の処理をスキップしてセンサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。ここで、変動パターンには、枠ボタン22を使用した演出が設定されているものと設定されていないものがあり、設定されていない場合には、SW有効時間カウンタ223Kには「0」が設定される。
<表示制御装置114における制御処理について>
次に、図492から図505を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図492を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図492は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231Aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231Aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234Bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234Aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234Aから読み出してバッファRAM234Cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234Aの性質上、その読み出しからバッファRAM234Cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234Dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234Cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(Z3001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図493を参照して、ブート処理(Z3001)について説明する。図493は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(Z3001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234Aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233Aやデータテーブル格納エリア233Bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234Dの第1プログラム記憶エリア234D1より読み出されバッファRAM234Cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233Aへ転送する(Z3101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233Aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(Z3102)。これにより、MPU231は、Z3101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、Z3102の処理により命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234A1を有するNAND型フラッシュメモリ234Aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233Aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
Z3102の処理により命令ポインタ231Aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231Aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233Aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233A又はデータテーブル格納エリア233Bへ転送する(Z3103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233Bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(Z3104)した後、命令ポインタ231Aをプログラム格納エリア233Aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図493のZ3001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図492のZ3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(Z3105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(Z3001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233A及びデータテーブル格納エリア233Bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231Aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234Aを参照することなく、プログラム格納エリア233Aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233A及びデータテーブル格納エリア233Bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234Dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234Aの第2プログラム記憶エリア234A1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234A1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233Aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234Dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図493に示すブート処理では、Z3101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、Z3101の処理によってプログラム格納エリア233Aに転送される所定量の制御プログラムは、Z3102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233Aに格納された残り全てのブートプログラムによって、Z3103〜Z3105の処理を実行するようにしてもよい。
また、Z3101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233Aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233Aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233Aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231Aに設定する処理を、Z3101及びZ3102の処理を含めて複数回繰り返した後、Z3103〜Z3105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233Aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233Aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233Aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234D1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234D1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、Z3101及びZ3102の処理を行わずに、Z3103〜Z3105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233Aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233Aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図492の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233Aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(Z3002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(Z3003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235Aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235Aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。Z3003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235Aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235Bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(Z3004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235Bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235Bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235Bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
Z3004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235Bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233Cをオンする(Z3005)。これにより、簡易画像表示フラグ233Cがオンの間は、後述する転送設定処理(図503(A)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図503(A)のZ4602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233Cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図494(B)参照)において、図457に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図494(B)のZ3308参照)および簡易表示設定処理(図494(B)のZ3309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234Aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図示を省略した電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
Z3005の処理の後、割込許可を設定し(Z3006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、Z3006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図494(A)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図494(A)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(Z3201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図494(B)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図494(B)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図460参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図494(B)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233Cがオンであるか否かを判別し(Z3301)、簡易画像表示フラグ233Cがオンではない、即ち、オフであれば(Z3301:NO)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図457に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(Z3302)を実行し、次いで、表示設定処理(Z3303)を実行する。
コマンド判定処理(Z3302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233Eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図495を参照して後述する。
表示設定処理(Z3303)では、コマンド判定処理(Z3302)などによって表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図501〜図502を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(Z3304)。このタスク処理では、表示設定処理(Z3303)もしくは簡易表示設定処理(Z3309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(Z3305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233Cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233Cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233Eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンド(図示省略)を受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図503および図504を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(Z3306)。この描画処理では、タスク処理(Z3304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(Z3305)により設定された転送指示とから、図460に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図505を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(Z3307)。そして、V割込処理を終了する。Z3307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、Z3301の処理において、簡易画像表示フラグ233Cがオンであると判別されると(Z3301:YES)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像(図457)を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(Z3308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(Z3309)を実行して、Z3304の処理へ移行する。
次いで、図495〜図500を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(Z3302)の詳細について説明する。まず、図495は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(Z3302:図495)では、図495に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(Z3401)、未処理の新規コマンドがなければ(Z3401:NO)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(Z3401:YES)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(Z3303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(Z3402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(Z3403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(Z3404)、表示用変動パターンコマンドがあると判別した場合には(Z3404:YES)、変動パターンコマンド処理を実行して(Z3405)、Z3401の処理へ戻る。
ここで、図496(A)を参照して、変動パターンコマンド処理(Z3405)の詳細について説明する。図496(A)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理(Z3405:図496(A))では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233Bから読み出して、表示データテーブルバッファ233Dに設定する(Z3501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。Z3501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233Dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、Z3501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(Z3502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、Z3501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(Z3503)。表示設定処理では、Z3503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、Z3501の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z3504)、ポインタ233Fを0に初期化する(Z3505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(Z3506)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、Z3505の処理によって初期化されたポインタ233Fを更新しながら、Z3501の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、Z3502の処理によって転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233Fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、Z3504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233Hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図495の説明に戻る。Z3404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(Z3404:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(Z3406)、表示用変動種別コマンドがあれば(Z3406:YES)、停止種別コマンド処理を実行して(Z3407)、Z3401の処理へ戻る。
ここで、図496(B)を参照して、停止種別コマンド処理(Z3407)の詳細について説明する。図496(B)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(Z3407:図496(B))では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりC)に対応する停止種別テーブルを決定し(Z3601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図494(B)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(Z3602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、Z3602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(Z3603)。その後、図495のZ3401の処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、Z3602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(Z3304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、Z3603によって設定された停止図柄判別フラグからZ3602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235Dに格納されている。
図495に戻り、説明を続ける。Z3406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(Z3406:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用予告表示コマンドがあるか判別する(Z3408)。表示用予告表示コマンドを受信していると判別した場合には(Z3408:YES)、予告演出表示処理を実行する(Z3409)。予告演出表示処理(Z3409)の詳細については、図497(A)を参照して、詳細について説明するが、特別図柄の変動表示中において、第3図柄表示装置81に表示する大当たりへの期待度や大当たりであることの報知等を遊技者に予告報知する予告表示態様の設定を実行する。
ここで、図497(A)を参照して、予告演出表示処理(Z3409)について説明する。図497(A)は、この予告演出表示処理(Z3409)を示したフローチャートである。
予告演出表示処理(図497(A)、Z3409)では、まず、受信した表示用予告表示コマンドに対応した表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定する(Z3701)。受信した表示用予告表示コマンドが示す予告表示の表示タイミングに基づいた表示タイミングで表示するための設定した予告用の表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定して転送データテーブルバッファ233Eに設定する(Z3702)。
次いで、データテーブル判別フラグをオンに設定し(Z3703)、表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z3704)、ポインタ233Fを0に初期化する(Z3705)。
このように、音声ランプ制御装置113より出力された表示用予告表示コマンドに基づいて、予告表示が設定され、指示されたタイミングで第3図柄表示装置81に表示される。よって、多様な表示態様を第3図柄表示装置81に表示させることができ、同じ変動パターンであっても異なる表示態様であるかのように遊技者に見せることができる。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221により予告表示の内容や、表示タイミングを選択したが、それに限らず、表示制御装置114のMPU231によって、予告表示の選択を実行するように構成してもよい。
また、本実施形態では、予告用の表示データテーブルを設定するように構成したが、それに限らず、すでに設定されている表示データテーブルに予告表示の設定をして上書きするように構成してもよい。
図495に戻って説明を続ける。Z3408の処理において、表示用予告表示コマンドがないと判別した場合には(Z3408:NO)、未処理のコマンドの中に、表示用切替コマンドがあるか判別する(Z3410)。表示用切替コマンドがあると判別した場合には(Z3410:YES)、モード切替処理を実行する(Z3411)。このモード切替処理(Z3411)については、図497(B)を参照して、詳細について説明するが、枠ボタン22の操作に基づいて、背景モードに対応した表示態様に切り替える処理が実行される。
ここで、図497(B)を参照して、モード切替処理について説明する(Z3411)。図497(B)は、このモード切替処理(Z3411)を示したフローチャートである。モード切替処理(Z3411)では、まず、受信したコマンドに対応する背景モードを背景モード記憶エリア223Iに設定する(Z3801)。特別図柄の変動中であるか判別する(Z3802)。特別図柄の変動中であると判別した場合には(Z3802:YES)、受信したコマンドに対応する背景モードに対応した背景モードの表示データテーブルバッファをアクティブに設定する(Z3803)。一方、特別図柄の停止中であると判別した場合には(Z3802:NO)、背景データを受信したコマンドに対応する背景データに変更して設定する(Z3804)。
このように、特別図柄の変動中であれば、背景モードに対応した変動パターンの表示態様に切り替える。一方、特別図柄の停止中であれば、待機状態の表示態様の背景を設定された背景で表示するように設定する。
なお、背景モードに対応して背景等を変更する処理としては以下のように構成してもよい。
背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図495に戻って説明を続ける。Z3410の処理において、表示用切替コマンドがないと判別した場合には(Z3410:NO)、表示用保留蓋コマンドがあるか判別する(Z3412)。表示用保留蓋コマンドがあると判別した場合には(Z3412:YES)、保留蓋コマンド処理を実行する(Z3413)。
ここで、図498を参照して、保留蓋コマンド処理(Z3413)について説明する。図498は、この保留蓋コマンド処理(Z3413)を示したフローチャートである。
保留蓋コマンド処理(Z3413:図498)では、まず、受信した表示用保留蓋コマンドに対応した表示演出の保留蓋用の表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定されている表示データテーブルに追加して設定する(Z3901)。ここで、表示データテーブルは、選択されている背景モードに対応する表示データテーブルが設定されている(現在、アクティブに設定されている表示データテーブルバッファ233Dの表示データテーブル)に追加して設定される。追加される位置としては、ENDデータの前に、追加して設定される。
次いで、Z3901で設定された保留蓋用の表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(Z3902)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、Z3901の処理によって設定された保留蓋用の表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の保留蓋用の表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンに設定する(Z3903)。
次いで、Z3901の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された保留蓋用の表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z3904)、ポインタ233Fを0に初期化し、(Z3905)コマンド判定処理に戻る。
なお、保留蓋コマンドを受信した場合には、その保留蓋コマンドが示す時間データと設定されている変動パターン、背景モードとに基づいて、加算時間に対応して設定する変動パターンの表示態様を特定して、表示データテーブルを設定する。このように構成することで、複数のモードで異なる表示態様を切り替える必要がある場合でも、加算時間以降の表示態様については、設定されている背景モードに対応した表示態様を設定すればよく、表示制御装置114のMPU231の制御負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、設定されている表示データテーブルに追加して設定するように構成したが、新たに表示データテーブルを設定するように構成してもよい。
図495に戻って説明を続ける。Z3412の処理において、表示用保留蓋コマンドがないと判別した場合には(Z3412:NO)、表示用保留キャラコマンドがあるか判別する(Z3412)。表示用保留キャラコマンドがあると判別した場合には(Z3412:YES)、保留キャラコマンド処理を実行する(Z3413)。
ここで、図498(B)を参照して、保留キャラコマンド処理(Z3415)について説明する。図498(B)は、この保留キャラコマンド処理(Z3415)を示したフローチャートである。
保留キャラコマンド処理(Z3413:図498)では、まず、受信した表示用保留キャラコマンドに対応した表示演出の保留キャラ用の表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定されている表示データテーブルに追加して設定する(Z4001)。ここで、表示データテーブルは、選択されている背景モードに対応する表示データテーブルが設定されている(現在、アクティブに設定されている表示データテーブルバッファ233Dの表示データテーブル)に追加して設定される。追加される位置としては、ENDデータの前に、追加して設定される。
次いで、Z4001で設定された保留キャラ用の表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(Z4002)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、Z4001の処理によって設定された保留キャラ用の表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の保留キャラ用の表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(Z4003)。
次いで、Z4001の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された保留キャラ用の表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z4004)、ポインタ233Fを0に初期化して(Z4005)、コマンド判定処理に戻る。
なお、保留キャラコマンドを受信した場合には、その保留キャラコマンドが示す時間データと設定されている変動パターン、背景モードとに基づいて、加算時間に対応して設定する変動パターンの表示態様を特定して、表示データテーブルを設定する。このように構成することで、複数のモードで異なる表示態様を切り替える必要がある場合でも、加算時間以降の表示態様については、設定されている背景モードに対応した表示態様を設定すればよく、表示制御装置114のMPU231の制御負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、設定されている表示データテーブルに追加して設定するように構成したが、新たに表示データテーブルを設定するように構成してもよい。
図495に戻って説明を続ける。Z3414の処理において、表示用保留キャラコマンドがないと判別した場合には(Z3414:NO)、表示用吹き出しコマンドがあるか判別する(Z3416)。表示用吹き出しコマンドがあると判別した場合には(Z3416:YES)、吹き出しコマンド処理を実行する(Z3417)。
ここで、図499を参照して、吹き出しコマンド処理(Z3417)について説明する。図499は、この吹き出しコマンド処理(Z3417)を示したフローチャートである。
吹き出しコマンド処理(Z3417:図499)では、まず、受信した表示用吹き出しコマンドに対応した表示演出の吹き出し用の表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定されている表示データテーブルに追加して設定する(Z4101)。ここで、表示データテーブルは、選択されている背景モードに対応する表示データテーブルが設定されている(現在、アクティブに設定されている表示データテーブルバッファ233Dの表示データテーブル)に追加して設定される。追加される位置としては、ENDデータの前に、追加して設定される。
次いで、Z4101で設定された吹き出し用の表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233Bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233Eに設定する(Z4102)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、Z4101の処理によって設定された吹き出し用の表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の吹き出し用の表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(Z4103)。
次いで、Z4101の処理によって表示データテーブルバッファ233Dに設定された吹き出し用の表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z4104)、ポインタ233Fを0に初期化して(Z4105)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、吹き出しコマンドを受信した場合には、その吹き出しコマンドが示す時間データと設定されている変動パターン、背景モードとに基づいて、加算時間に対応して設定する変動パターンの表示態様を特定して、表示データテーブルを設定する。このように構成することで、複数のモードで異なる表示態様を切り替える必要がある場合でも、加算時間以降の表示態様については、設定されている背景モードに対応した表示態様を設定すればよく、表示制御装置114のMPU231の制御負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、設定されている表示データテーブルに追加して設定するように構成したが、新たに表示データテーブルを設定するように構成してもよい。
ここで、図495の説明に戻る。Z3414の処理において、表示用吹き出しコマンドがないと判別されると(Z3416:NO)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(Z3414)、エラーコマンドがあれば(Z3414:YES)、エラーコマンド処理を実行して(Z3415)、Z3415の処理へ戻る。
ここで、図500を参照して、エラーコマンド処理(Z3415)の詳細について説明する。図500は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(Z3415:図500)では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(Z4201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(Z4202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、Z4201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、Z4202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、Z4202に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図495の説明に戻る。Z3414の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(Z3414:NO)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(Z3416)、Z3401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるZ3401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(Z3401:YES)、再びZ3402〜Z3416の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、Z3401〜Z3416の処理が繰り返し実行され、Z3416の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図494(B)参照)において簡易画像表示フラグ233Cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(Z3308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図457に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図496(A)参照)および停止種別コマンド処理(図496(B)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図496(A)参照)では、Z3501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233Dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bに格納されているので、Z3502の処理では、転送データテーブルバッファ233EにはNULLデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図501〜図502を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(Z3303)の詳細について説明する。図501は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図501に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(Z4301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(Z4301:NO)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、Z4302〜Z4304の処理をスキップし、Z4305の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(Z4301:YES)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(Z4302)、Z4303〜Z4304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
Z4303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(Z4303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(Z4303:YES)、警告画像設定処理を実行する(Z4304)。
ここで、図502(A)を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図502(A)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(Z4401)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、Z4401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(Z4402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図501の説明に戻る。警告画像設定処理(Z4304)の後、又は、Z4303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(Z4303:NO)、次いで、Z4305の処理へ移行する。
Z4305では、ポインタ更新処理を実行する(Z4305)。ここで、図502(B)を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図502(B)は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233Dおよび転送データテーブルバッファ233Eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233Fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233Fに1を加算する(Z4501)。即ち、ポインタ233Fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、START情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233Dに格納されるのに合わせてポインタ233Fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
Z4501の処理によって、ポインタ233Fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233Fで示されるアドレスのデータがEND情報であるか否かを判別する(Z4502)。その結果、END情報であれば(Z4502:YES)、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233Fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233Dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(Z4503)、デモ用表示データテーブルであれば(Z4503:YES)、表示データテーブルバッファ233Dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z4504)、ポインタ233Fを1に設定して初期化し(Z4505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、Z4503の処理において、表示データテーブルバッファ233Dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(Z4503:NO)、ポインタ233Fの値を1だけ減算して(Z4506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233Dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、END情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、Z4502の処理において、更新後のポインタ233Fで示されるアドレスのデータがEND情報でなければ(Z4502:NO)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図502に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233Dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233Fで示されるアドレスの描画内容を展開する(Z4306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、Z4306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233Hの値を1だけ減算し(Z4307)、減算後の計時カウンタ233Hの値が0以下であるか否かを判別する(Z4308)。そして、計時カウンタ233Hの値が1以上である場合は(Z4308:NO)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233Hの値が0以下である場合は(Z4308:YES)、表示データテーブルバッファ233Dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233Dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(Z4309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(Z4309:NO)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定し(Z4310)、次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Z4311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z4312)、更に、ポインタ233Fの値を0に初期化する(Z4313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(Z4314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(Z4315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233Dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233Dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、Z4315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(Z3304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、Z4315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、Z4309の処理において、確定表示フラグがオフではなくオンであれば(Z4309:YES)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(Z4316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(Z4316:NO)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233Hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定し(Z4317)、次いで、転送データテーブルバッファ233EにNULLデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Z4318)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233Hに設定する(Z4319)。そして、ポインタ233Fを0に初期化し(Z4320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(Z4321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
Z4316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(Z4316:YES)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図494(B)参照)において簡易画像表示フラグ233Cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(Z3309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図457)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233Dに設定する処理が行われる。
次いで、図503及び図504を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(Z3305)の詳細について説明する。まず、図503(A)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233Cがオンか否かを判別する(Z4601)。そして、簡易画像表示フラグ233Cがオンであれば、(Z4601:YES)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(Z4602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図503(B)を参照して後述する。
一方、Z4601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233Cがオンではない、即ち、オフであれば、(Z4601:NO)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(Z4603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図504を参照して後述する。
次いで、図503(B)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(Z3305)の一処理である常駐画像転送設定処理(Z4602)について説明する。図503(B)は、この常駐画像転送設定処理(Z4602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(Z4701)、転送指示を送信していれば(Z4701:YES)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(Z4702)。このZ4702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、Z4702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合には(Z4702:NO)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合には(Z4702:YES)、Z4703の処理へ移行する。また、Z4701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(Z4701:NO)、Z4703の処理へ移行する。
Z4703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(Z4703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(Z4703:NO)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(Z4704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237Aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
Z4703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(Z4703:YES)、簡易画像表示フラグ233Cをオフに設定して(Z4705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図494(B)参照)において、簡易コマンド判定処理(図494(B)のZ3308参照)および簡易表示設定処理(図494(B)のZ3309参照)ではなく、コマンド判定処理(図495〜図500参照)および表示設定処理(図501〜図502(B)参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図504参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図503(A)のZ4601:NO参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図504を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(Z3305)の一処理である通常画像転送設定処理(Z4603)について説明する。図504は、この通常画像転送設定処理(Z4603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233Eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(Z3303)のポインタ更新処理(Z4305)によって更新されたポインタ233Fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(Z4801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(Z4802)、転送データ情報であれば(Z4802:YES)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(Z4803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(Z4804)、Z4805の処理へ移行する。
また、Z4802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、NULLデータであれば(Z4802:NO)、Z4803及びZ4804の処理をスキップして、Z4805の処理へ移行する。Z4805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(Z4805)、転送指示を設定していれば(Z4805:YES)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(Z4806)。
このZ4806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、Z4806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合には(Z4806:NO)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合には(Z4806:YES)、Z4807の処理へ移行する。また、Z4805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(Z4805:NO)、Z4807の処理へ移行する。
Z4807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(Z4807)、転送開始フラグがオンであれば(Z4807:YES)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(Z4808)、Z3603の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、Z4809の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(Z4807:NO)、この処理を終了する。
Z4809の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(Z4809)。このZ4809の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233Iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233Iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、Z4809の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(Z4809:YES)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、Z4809の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(Z4809:NO)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(Z4810)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
Z4810の処理の後、格納画像データ判別フラグ233Iを更新し(Z4811)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233Iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236Aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233Dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233Eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブルのポインタ233Fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236Aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236Aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236Aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図505を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(Z3306)の詳細について説明する。図505は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(Z3304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、Αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(Z3305)により設定された転送指示から、図460に示す描画リストを生成する(Z4901)。即ち、Z4901の処理では、タスク処理(Z3304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(Z3305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233Jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(Z4902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233Jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236Bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233Jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236Cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237Aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237Aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、Z4902の処理の後、描画対象バッファフラグ233Jを更新する(Z4903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233Jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236Bと第2フレームバッファ236Cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図494(B)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236Bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236Cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236Bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236Cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236Cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236Bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236Bおよび第2フレームバッファ236Cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
また、上記制御例では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記制御例では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
また、上記制御例では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237Aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237Aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237は第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233Eに設定された転送データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233Fで示されるアドレスにNULLデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記制御例において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記制御例では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモリ234Aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記制御例では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモリ234Aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記制御例で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記制御例では、キャラクタROM234にNOR型ROM234Dを設け、その第1プログラム記憶エリア234D1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234Aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234Dに代えて、FERAM(FERROELECTRIC RAM)、MRAM(MAGNETORESISTIVE RAM)又はPRAM(PHASE CHANGE RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
また、上記制御例では、内部バス(バスライン240)に接続されたNOR型ROM234Dに第1プログラム記憶エリア234D1を設け、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234Aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリを内部バス(バスライン240)に接続し、そのメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234Dに代えて、FERAM(FERROELECTRIC RAM)、MRAM(MAGNETORESISTIVE RAM)又はPRAM(PHASE CHANGE RAM)などを内部バス(バスライン240)に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記制御例では、ROMコントローラ234Bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234Cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234Cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234Bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234Bが第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234Cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234Bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234Cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234Cに第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234Bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234D1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234Aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における補助演出部または第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234D1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM234Cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記制御例では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記制御例では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記制御例では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延するおそれを抑制することができる。
また、上記制御例では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記制御例における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記制御例では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記制御例では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御装置110または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237Aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237Aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237Aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237Aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記制御例において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234Aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記制御例では、バッファRAM237Aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記制御例では、バッファRAM237Aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモリ234Aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237Aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237Aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237Aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記制御例では、バッファRAM237Aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記制御例では、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて、電源投入時主画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
同様に、上記制御例では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記制御例では、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237Aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237Aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像に対応する画像データを用いて電源投入時主画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237Aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237Aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
同様に、上記制御例では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237Aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237Aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237Aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237Aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記制御例では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235Cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
また、上記制御例では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、振動センサの出力信号を表示制御装置114に入力し、表示制御装置114にて振動エラーの有無を検出するように構成してもよい。そして、振動エラーが検出された場合、エラー発生フラグをオンにし、更に、振動エラーに対応するエラー判別フラグをオンすることによって、表示設定処理(図501参照)においてエラー発生フラグがオンであることを判別した場合に警告画像設定処理(図502(A)参照)を実行することで、第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させてもよい。この場合、これにより、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へのエラーコマンドの送受信が不要となるため、より早く警告画像を第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
また、上記制御例では、振動センサが遊技盤13の裏面に取り付けられている場合について説明したが、振動センサに代えて、若しくは、振動センサと共に、磁石センサが遊技盤13の裏面に取り付けられてもよい。この磁石センサは、磁石などの磁界によって球の流れが変えられ、意図的に入球口への入球が行われることを抑制するために、遊技盤に加えられた磁界を検出するためのセンサであり、磁石センサの出力信号は、主制御装置110,音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかに入力されるようにしてもよい。そして、磁石センサの出力信号が主制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき主制御装置110によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113経由で、または、直接、表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が音声ランプ制御装置113に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき音声ランプ制御装置113によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。そして、表示制御装置114の常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235Fには、磁界エラーを第3図柄表示装置81の表示によって報知するためのエラーメッセージ画像に対応する画像データが常駐されるように構成し、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113から磁界エラーを伝えるエラーコマンドを受信すると、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が表示制御装置114に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき表示制御装置114によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、表示制御装置114は、エラー発生フラグをオンすると共に、磁界エラーに対応するエラー種別フラグをオンに設定することで、第3図柄表示装置81にその警告画像を表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113からのエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234Aで構成した場合であっても、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235Fに常駐されているエラーメッセージ画像を用いて、遅滞なく磁界エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者により遊技盤に対して磁界が加えられると、第3図柄表示装置81によるエラーメッセージ画像の表示によって、その磁界エラーが即座に報知されるので、遊技者に対して不正な行動を抑止させることができる。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233Fにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233Fにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が表示データテーブルによって規定される場合、その表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233Fにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233Fにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
また、上記制御例では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234AによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記制御例では、遊技者にスーパーリーチを選択させる変動パターンに対応する表示テーブルにおいて、遊技者により選択され得る全てのスーパーリーチに対応する描画内容を表示データテーブル内に規定しておき、遊技者によって選択されたスーパーリーチに対応する描画内容だけを特定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、選択されたスーパーリーチに対応する描画内容を、表示データテーブルに追記するようにしてもよい。これによって、遊技者により選択されたスーパーリーチの描画内容を容易に特定することができる。また、表示データテーブルに全てのスーパーリーチに対応する描画内容を規定しておく必要がないので、表示データテーブルのデーターサイズが大きくなることを抑制できる。
上記制御例では、表示データテーブルに、描画内容と、転送データ情報とを含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルには、描画内容と転送データ情報とを規定し、追加して表示すべき演出の追加描画内容は、追加データテーブルに規定してもよい。この場合、ワークRAM233には、追加データテーブルバッファを設け、追加して表示すべき演出が決定された場合に、その演出に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。また、その追加データテーブルは、追加描画内容だけでなく、その追加描画内容に従って行われる画像の描画に必要な画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めて規定するものであってもよい。これにより、追加データテーブルを用いて追加して表示すべき演出の描画内容と、その描画に必要な画像の転送データ情報とを特定することができるので、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
上記制御例では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」といった各要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。
上記制御例では、表示データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233Fを用いて、そのポインタ233Fによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記制御例では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記制御例では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記制御例では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記制御例では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233Dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233Dに再設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記制御例では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記制御例では、表示制御装置114において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aおよび電源投入時変動画像エリア235Bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御装置114において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235Aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235Bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235Bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235Bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235Bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記制御例において、表示データテーブルおよび転送データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30FPS、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記制御例では、表示制御装置114のワークRAM233に格納画像データ判別フラグ233Iを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236Aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233に記憶された画像格納エリア236Aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236Aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236Aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記制御例では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像データ判別フラグ233Iに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像データ判別フラグ233Iと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236Aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記制御例では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235Cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記制御例では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233Fで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記制御例では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
上記制御例では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(特別当たり乱数カウンタC1,特別当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(特別当たり乱数カウンタC1,特別当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記制御例では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記制御例において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記制御例では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記制御例においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
ここで、第11制御例について、概要を説明する。遊技盤13には、始動口(入球手段、始動手段)として第1入球口64、右第2入球口640R、第2入球口640が配置されており、遊技球が始動口のいずれかに入球することで、所定の抽選確率で当たり、外れの抽選(判定)が実行される。抽選結果(判定結果)が当たり(特定の判定結果)である場合には、大当たり遊技(遊技者に有利となる特典遊技)が実行される。その大当たり遊技は、複数の種別が設定されており、種別により遊技者に付与される特典が異なるように設定されている。例えば、大当たりラウンド数の違い、大当たり遊技後に高確率遊技状態(第1特別遊技状態)が設定される当たり種別、大当たり遊技後に時短遊技状態(第1特別遊技状態よりも遊技者の利益が小となる第2特別遊技状態)が設定される当たり種別等が設定されている。
当否判定結果は、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄(特別図柄(識別情報))または、第1図柄表示装置37で表示される第1図柄(特別図柄(識別情報))を所定の変動表示期間(動的表示期間)で変動表示(動的表示)させた後に、当否判定結果(判定結果)を示すための表示態様で停止表示させて遊技者に判定結果が報知される。変動表示期間に始動口に遊技球が入球した場合には、その入球に対する抽選は、保留球として抽選される権利が記憶される。保留球は、第1入球口64に対する入球(第1特別図柄の抽選)に対して4球まで、右第2入球口640Rと第2入球口640とに対する入球(第2特別図柄の抽選)に対して合わせて4球までが上限値としてそれぞれ記憶されるように構成されている。
保留球が記憶されると、保留球1つに対して、保留図柄(識別図柄、識別情報)が一つ表示されるように構成されている。保留球に対しては、その保留球に対応する抽選結果を示す特別図柄が変動表示されるよりも前に、変動開始時に判定される当否判定結果(判定結果)や、特別図柄の変動表示態様(変動パターン種別)が事前に判別される事前判別が実行される。その事前判別結果が特定の判別結果(例えば、当たりやスーパーリーチ種別が決定される等)である場合には、保留図柄の色が可変(特定の表示態様に可変)して表示される。保留図柄の色が可変して表示された場合には、その設定された色等により特殊な保留演出の種別が設定される。特殊な保留演出の一つとして、保留図柄の色が可変した場合に、保留球をさらに発生させる、または始動口に保留球の上限数以上入球させるオーバーフロー入賞を発生させることで、可変した保留球対する当たりの期待度や、実行される変動パターンの種別等を示唆するコメント表示(予告表示態様、示唆態様)が表示される(予告Aモード)。これにより、遊技者に始動口へ遊技球をより多く入賞させるようにでき、遊技店の利益を増大させることができる。また、始動口に遊技球を入球させることで、コメント表示が表示されて、そのコメント内容により当否判定結果や変動種別等を判別可能であるので、遊技者に特典(特典となる情報)を付与することができ、遊技の興趣を向上できる。
また、特殊な保留演出の一つとして、保留球の色が可変した状態から保留球を発生させないように遊技を行わせるように実行する保留演出(予告Bモード)が設定されている。この保留演出では、保留図柄が表示される表示領域に、可変蓋図柄Pを表示させて、その可変蓋図柄Pを色が可変した保留図柄の次に入賞した場合に表示される保留図柄の位置に表示させることで、保留球が発生しないように遊技を行うことを遊技者に報知する。さらに、コメント表示により保留球を増加させないことを示唆する内容も表示される。
また、第1特別図柄の保留球数として4個、第2特別図柄の保留球数として4個であり、合わせて8個までの保留図柄が第3図柄表示装置81(表示手段の表示領域)には表示され、その保留図柄が表示される領域が予め確保されて設定されている。保留図柄が表示される領域には、保留図柄が表示される位置にそれぞれ台座図柄が表示されており、保留図柄が表示される領域であることを保留図柄が表示されていない状態であっても識別可能に構成されている。5個目から8個目までの保留図柄が表示される領域には、通常時にも可変蓋図柄Pが4個それぞれ保留図柄の表示される位置に対応して表示されており、それぞれの可変蓋図柄Pには、保留球数に対応する個数が識別可能となるように保留球数に対応した数字が表示されている。
このように、可変蓋図柄Pを表示されることで、保留球数の上限値が8個であることが、可変蓋図柄Pの数字情報により保留図柄が表示されていない状態であっても判別することができる。さらに、保留球が発生して保留図柄が表示されることで、可変蓋図柄Pの表示態様も可変される。通常時のノーマルモードとなる保留演出では、可変蓋図柄Pは、保留球が3個となると、5個目の保留図柄が表示される位置に表示されている可変蓋図柄Pを非表示に可変し、その後、同様に、保留球4個で6個目の可変蓋図柄Pを非表示、保留球5個で7個目の可変蓋図柄Pを非表示、保留球6個で8個目の可変蓋図柄Pを非表示となるように可変され、即ち、3個以上の保留球に対して保留図柄に対して2個の保留図柄分が空くように可変蓋図柄Pが可変して表示される。このように構成することで、保留球の数によって、保留図柄の表示領域が可変するように遊技者に見せることができる。
また、保留球の発生する期間により、可変蓋図柄Pの可変規則を変えたり、変動表示される変動種別によって可変規則を変える特殊な保留演出が実行されるように構成されている。このように構成することで、可変蓋図柄Pの可変規則により、特殊な保留演出が実行されていることを認識させることができる。さらに、特殊な保留演出は、保留されている事前判別の当否判定結果や、変動種別、また、変動表示されている特別図柄の当否判定結果や実行している変動種別によっても設定されるので、可変蓋図柄Pの可変規則が可変されることで、当たりを期待させたり、変動種別を予測させたりすることができる。
なお、本制御例では、第3図柄表示装置81の左側または右側に遊技球を発射させても、第1入球口64、右第2入球口640R、第2入球口640(電動役物640Aが開放状態)へは同様に入球する構成としたがそれに限らず、第2入球口640に入球し易いルート、第1入球口64または右第2入球口640Rに入球し易い流路を形成するように釘の配置等を設定してもよい。このように構成することで、第2特別図柄のみで抽選を行う演出や、第2入球口640へ遊技球を入球させないように遊技をおこなう等の遊技が可能となる。さらには、演出として、第2入球口へ入球させるように遊技者に示唆する演出を実行することができる。
<第12制御例>
次に、図506〜図542を参照して、第12制御例におけるパチンコ機10について説明する。第11制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第1特別図柄が交互に変動が実行されるよう構成したが、本第12制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄が優先に変動される状態と、第1特別図柄と第1特別図柄が遊技状態によって順番を変えて、変動する点で第11制御例に対して相違している。その他の構成については、第11制御例と同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
図506を参照して、第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図506は、本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。第11制御例では、振分装置700の内部に第1入球口64、第2入球口640を設置し、開口部710Aから球が入球すると、振分装置700によって、第1入球口64と第2入球口640に球が振り分けられるよう構成したが、本第12制御例では、振分装置700を設置せず、そのまま第1入球口64、第2入球口640を設置するよう構成している点で相違する。その他の構成については、第11制御例と同一の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
<第12制御例の電気的構成について>
次に、図507〜図511を参照して、本第12制御例における主制御装置110と音声ランプ制御装置の電気的構成について説明する。本第12制御例では、上述した第11制御例に対して、第3図柄表示装置81で表示される演出表示態様を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のROM222の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を一部変更した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図507〜図509を参照して、本第12制御例における、第3図柄表示装置81の表示態様について説明する。第11制御例では、変動開始が実行される特別図柄を第1特別図柄と第2特別図柄が交互に行われるよう構成したが、本第12制御例では、第2特別図柄から優先して変動実行が行われるよう変更している点が相違している。
図507(A)および図507(B)は、本第12制御例における特別図柄変動と連続演出の流れを模式的に示した図である。本第12制御例では、図509(A)が示すように、特別図柄変動が、第1特別図柄での変動実行が続いた場合、図509(B)が示すように、演出表示は連続演出を実行する。連続演出は複数の変動に対して、設定される期間である。また、この連続演出は、連続演出の実行中の入賞に基づいて延長可能である。
図509(A)は、連続演出中に第3図柄が変動している様子を示した図である。図509(A)に示した通り、本第12制御例では、第3図柄表示装置81の下に設けられた副表示領域DSの小領域DS1には、実行中台座図柄M0が表示され、小領域DS2には、第1保留図柄用台座M1〜第8保留図柄用台座M8と保留図柄が表示される。また、表示領域DMの隅にはキャラG1〜G3などが表示される。このキャラG1〜G3で、ストーリー性を持たした演出を実行することで、遊技者に連続演出が実行されていることを容易に認識させることが出来る。また連続演出期間中でも、遊技者が枠ボタン22を操作することで背景モードを変更することが出来る。連続演出期間中の背景モード変更についての詳細な説明は、図508、図510を参照して後述する。
次に、連続演出中に第2特別図柄変動を実行した場合の演出の流れを説明する。図509(C)(D)は、連続演出中に第2特別図柄変動を実行した場合の演出の流れを示す図である。本第12制御例では、図507(C)が示すように、第1特別図柄変動実行中に第2特別図柄変動を実行した場合、図507(D)に示すように、第1特別図柄での連続演出期間が中断され、その中断期間中で第2特別図柄変動での特殊演出が行われる。次に、特殊演出期間が終了すると、また第1特別図柄での連続演出期間が再開される。
図509(B)は、連続演出期間が中断し、特殊演出期間中に第3図柄が変動している様子を示した図である。特殊演出期間中では、図509(B)に示したように、保留球を赤色に可変させて表示する。また、表示領域DMには、貝K1、貝K2、貝K3が表示され、ストーリー性をもつ表示態様で表示されている。これにより、遊技者が特殊演出実行期間であることを容易に認識することができる。更に、第3保留図柄用台座M3〜第5保留図柄用台座M5には、白色保留図柄が表示され、第3保留図柄用台座M3の白色保留図柄が小領域DSへと移動して実行中図柄として表示される際に、特殊演出期間により中断された連続演出期間が再開される。
次に、連続演出期間中に第2特別図柄変動を実行した場合の演出の流れを、図507(C)(D)を参照して説明する。本第12制御例では、第1特別図柄での変動実行中であっても、第2入球口640に入球すれば、優先して第2特別図柄での変動実行が行われる。図507(C)が示すように、第1特別図柄での連続演出が実行されている間、特図2での変動実行があった場合、図507(D)が示すように第1特別図柄の変動実行中の連続演出を中断し、第2特別図柄での変動実行の間、特殊演出を実行する。具体的には、図509(B)が示すように、第2特別図柄での変動実行があり、特殊演出が開始された場合、保留球数が特殊演出期間中だけ色を変えるよう構成されている。また表示領域DMの隅には貝のようなキャラK1〜K3を表示し、ストーリー性を持たした演出を実行する。このように構成することで、遊技者が連続演出期間から特殊演出期間に入ったと分かりやすくなっており、遊技の興趣を高めることができる。また、実行されていた第1特別図柄での連続演出は、第2特別図柄での特殊演出の開始期間と同時に中断され、特殊演出期間が終了次第再開される。具体的には、第3保留図柄用台座M3〜第5保留図柄用台座M5の保留球は、中断されていた連続演出期間を実行するために待機している。特殊演出期間である実行中台座図柄M0〜第2保留図柄用図柄M2での変動実行が終了し、第3図柄保留図柄用台座M3の保留球が実行用台座M0に移動し、特殊演出期間によって中断されていた連続演出期間が再開される。
図508を参照して、連続演出と背景表示の関係について説明する。図508(A)〜(C)は特別図柄変動中の演出表示態様とその際の背景表示の流れを示した図である。上述したように、連続演出の期間中であっても、遊技者が枠ボタン22を操作することで背景を変更することができる。本第12制御例では、連続演出が実行されている背景モードから、他の背景モードに変更する場合、変更された背景モード用の通常演出を表示する。
図510は、連続演出期間中に背景変更がされた時の表示態様を示した図である。図510に示した通り、第3図柄の変動中の第3図柄表示装置81の表示領域DMには、連続演出の期間であった海モードから、背景モードとして山モードに設定されている。上述したように山モードでは連続演出ではなく、山モードの通常演出を表示するが、遊技者が枠ボタン22を操作し背景が海モードに再度変更された場合、海用の連続演出が復帰する。本第12制御例では、海モードが連続演出の期間中である場合、表示領域DMBに「海モードで連続演出実行中!!」と表示され、遊技者に海モードが連続演出期間中であると容易に認識させることができるよう構成されている。また、表示領域DMAには、「ボタンPUSHで背景が変わるよ」と表示され、遊技者に第3図柄が変動している状態でも背景が変更可能であることを容易に認識させることができる。
<第12制御例における音声ランプ制御装置の電気的構成について>
次に、図511を参照して本第12制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。本第12制御例では、上述した第11制御例に対しておける音声ランプ制御装置113のROM222の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を一部変更して点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図511(A)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図511(A)は、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第12制御例では連続演出実行選択テーブル222AAを追加した点で上述した第11制御例と相違している。
連続演出実行選択テーブル222AAは、連続演出(図509(A))を行うか否かを判定(決定)するためのデータテーブルである。入賞情報関連処理(図518のZ2255参照)において、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値が2以上であり(図518のZ5003:YES)、且つ、演出設定禁止フラグ223AGがオフに設定されている場合(図518のZ5004:NO)に読み出され(図518のZ5005)、連続演出の実行を判定するのに使用される(図518のZ5006)。
この連続演出実行選択テーブル222AAには、演出カウンタ群223AAが有する1の演出カウンタの値と、現在の保留球数と、今回受信した入賞情報に含まれる特別図柄の抽選結果と、に対応して連続演出の実行の有無が規定されている。具体的には、現在の保留球数が多い程連続演出が実行され易く、又、今回受信した入賞情報に含まれる特別図柄の抽選結果が大当たりを示す抽選結果である方が、抽選結果が外れを示す場合よりも連続演出が実行され易くなるように規定されている。
このように構成することで、実行期間(実行対象となる特別図柄変動回数)が長い連続演出が実行され易くなると共に、連続演出が実行された場合に、遊技者に対して大当たりへの期待感を高めさせることができる。よって、遊技者が大当たりに対して期待感を高めた状態で長い間遊技を行わせることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本制御例では、連続演出が終了した場合、即ち、連続演出を実行すると判別した入賞情報に対応する変動演出が終了した場合(図519のZ5102:YES)に、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値を読み出し(図519のZ5104)、読み出したカウンタ値が2以上であると判別すると(図519のZ5105:YES)、連続演出を再度実行するかの判定を行うように構成しており、この場合においても連続演出実行選択テーブル222AAを参照して連続演出を実行するか否かが判別される(図519のZ5109)。
このように構成することで、連続演出実行中に新たに入賞した遊技球に対しても連続演出を実行させることが可能となるため、連続演出が実行される頻度を高めることができる。また、連続演出が実行される期間を特別図柄1の保留上限数(4個)よりも長くすることが可能となるため、どの保留図柄を対象に連続演出が実行されているのかを遊技者に把握させ難くすることができ、遊技を予測させる楽しみを遊技者に提供することができる。
なお、本制御例では、連続演出を実行するか否かを判定する際に参照される連続演出実行選択テーブル222AAを上述した内容に規定しているが、それ以外の内容を規定しても良く、例えば、音声ランプ制御装置113に現在の時刻を計時する計時手段(例えば、リアルタイムクロック(RTC))を設け、その計時手段の計時内容に対応付けて連続演出が実行される割合を変更するように規定しても良い。
この場合、所定期間(例えば、午前10時からの1時間)の間は、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合のみ連続演出が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、同一の連続演出が実行される場合であっても、その連続演出が実行されるタイミング(時刻)によって大当たりへの期待度が可変するため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、上述した所定期間中は、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合のみ連続演出が実行される旨を遊技者に報知する案内報知手段と、上述した所定期間の残期間(或いは、経過期間)を報知する期間報知手段とを設けると良い。これにより、遊技者に対して連続演出が実行されるよう期待させながら遊技を行わせることができる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)への操作内容を判別する手段や、遊技球の発射状況(或いは、入球状況)を判別する判別手段を設け、それら判別手段の判別結果に対応付けて連続演出が実行される割合を変更するように規定しても良いし、上述した複数の内容をそれぞれ適宜組み合わせたり、それぞれを個々に用いたりしても良い。
さらに、本制御例では、入賞情報関連処理(図518参照)において連続演出を実行するか否かを判定する際に参照される連続演出実行選択テーブル222AAを用いて停止コマンド処理(図519参照)でも連続演出を実行するか否かを判定する構成としているが、入賞情報関連処理(図518参照)と、停止コマンド処理(図519参照)とで連続演出を実行するか否かを判定する際に参照する選択テーブルを異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、停止コマンド処理(図519参照)において参照する選択テーブルのほうが、入賞情報関連処理(図518参照)において参照する選択テーブルよりも、連続演出が実行された場合における特別図柄の大当たり期待度が高くなるように選択テーブルの内容を規定すると良い。これにより、連続演出が連続して実行される期間が長い程、大当たりの期待度を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図511(B)を参照して、本第12制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図511(B)は、本第12制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223を模式的に示した模式図である。本第12制御例では、上述した第11制御例に対して、演出カウンタ群223AAと、連続演出フラグ223ABと、連続演出中フラグ223ACと、連続演出中断フラグ223ADと、連続演出更新エリア223AEと、演出回数カウンタ223AFと、演出設定禁止フラグ223AGと、設定禁止解除フラグ223AHと、時短カウンタ223AIと、変動回数カウンタ223Jと、操作無効フラグ223AKと、状態格納エリア223AZと、を追加した点で相違している。
演出カウンタ群223AAは、複数の演出用のカウンタ手段で構成されている。この演出カウンタ群223AAは、演出用変動パターン(第3図柄の変動パターン)の選択や、各種予告演出の選択等に使用される複数のカウンタである。この演出カウンタ群223AAが有する複数のカウンタは、何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続された乱数生成用のIC(図示せず)から取得した0から198の範囲の乱数値が格納される。乱数生成用のICの動作クロック(動作周波数)は、少なくとも各演出カウンタのそれぞれに対して、別々の乱数値に更新して判定を実行できる程度の動作クロック(例えば、1MHZ)で動作可能なICが採用される。
この演出カウンタ群223AAが有する複数のカウンタの値は、演出用変動パターン(第3図柄の変動パターン)や、連続演出の実行可否や、各種予告演出種別の決定等、音声ランプ制御装置113で実行される各種判定を実行する場合に用いられるものであり、各カウンタ値が同期することが無いように更新される。演出カウンタ群223AAが有する複数のカウンタは、0から149の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、音声ランプ制御装置113のメイン処理2(図516参照)が実行される毎に(1M秒毎に)、異なる値となるように更新処理が実行される。
なお、本制御例では、複数の演出を演出カウンタの値に基づいて選択する際に、更新値が異なる複数の演出カウンタを用いているため、1回のメイン処理内で複数の演出を選択する場合であっても、同一のカウンタ値を参照してしまい、選択される演出が偏ってしまうことを抑制しているが、例えば、1回のメイン処理内の異なる処理において選択される複数の演出態様を同期させたい場合は、同一の演出カウンタを用いて演出態様を選択するように構成すればよい。
また、本制御例では、カウンタ値の更新パターンが異なる複数のカウンタを用いているが、例えば、1つの演出カウンタの更新値を用いてランダムな値を算出し、その算出値を用いて各演出を選択するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113が有するカウンタの数を削減することができる。この場合、例えば、演出カウンタの更新値のうち、下1桁目の値と、下2桁目の値と、1桁目の値に2桁目の値を乗じた値の下1桁と下2桁目の値を加算した値というように、各値が規則性を有さないように算出するとよい。
連続演出フラグ223ABは、連続演出を実行する条件が成立したことを示すためのフラグであって、連続演出を実行する条件が成立した場合にオンに設定される。具体的には、音声ランプ制御装置113の入賞情報関連処理(図518参照)において、連続演出を実行すると判別した場合や(図518のZ5007:YES)、音声ランプ制御装置113の停止コマンド処理(図519参照)において、連続演出を実行すると判別した場合(図519のZ5110:YES)にオンに設定され(図518のZ5111)、変動表示設定処理2(図521参照)の演出設定処理(図522のZ5204)において連続演出設定処理(図523のZ5306)が実行されるとオフに設定される(図523のZ5401参照)。
つまり、この連続演出フラグ223ABは、第1入球口64に新たな遊技球が入球した場合に主制御装置110から出力される入賞コマンドに含まれる入賞情報に基づいて連続演出を実行するかを判別し、その判別結果が連続演出を実行するとなったことを次回の特別図柄1の変動に対応する変動表示を設定するタイミングまで保持するものである。
なお、本制御例では、入賞情報関連処理(図518参照)において、連続演出を実行すると判別し(図518のZ5007:YES)、連続演出フラグ223ABをオンに設定した状態で(図518のZ5008)、変動表示設定処理2(図521参照)が実行された場合に連続演出を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、連続演出フラグ223ABがオンに設定されている状態で、変動表示設定処理2(図521参照)が実行された場合に、今回の変動表示において連続演出を開始するか否かの抽選を行い、その抽選結果に基づいて連続演出を開始する変動表示を決定するように構成しても良い。このように構成することで、第1入球口64に新たな遊技球が入球したタイミングと、連続演出が開始されるタイミングとを異ならせる(遊技球が第1入球口64に入球してから連続演出を実行しない変動表示を挟んで連続演出を開始する)ことができ、遊技者に対して連続演出の実行タイミングを予測させ難くすることができる。
また、入賞情報関連処理(図518参照)において、連続演出を実行すると判別した場合において実行中の変動表示に対応する演出を連続演出に変更するように構成しても良い。このように構成することで、第1入球口64に新たな遊技球が入球したタイミングと、連続演出が開始されるタイミングとを近づけることができるため、連続演出の対象となる入球を遊技者に容易に把握させることができる。よって、連続演出を実行させるために、特別図柄の変動中(変動表示実行中)に意欲的に第1入球口64に遊技球を入球させることができ、遊技の稼働を高めることができる。
なお、実行中の変動表示に対応する演出を連続演出に変更する場合には、実行中の変動表示の表示内容又は経過期間を判別し、演出を変更可能な条件(例えば、第3図柄表示装置81に表示されている変動表示が、遊技者が視認困難な表示態様(高速変動中)である)が成立している場合にのみ、実行中の変動表示に対応する演出を連続演出に変更するように構成すると良い。これにより、実行中の演出が急に変更したことにより遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。
また、実行中の変動表示に対応する演出を連続演出に変更するのではなく、実行中の変動表示に対応する演出に、連続演出を追加して表示するように構成しても良い。この場合、連続演出専用の表示領域を設けると良い。これにより、急に連続演出が実行されたとしても遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。
連続演出中フラグ223ACは、連続演出が実行されていることを示すためのフラグであって、連続演出が実行されている場合にオンに設定される。具体的には、変動表示設定処理2(図521参照)の演出設定処理(図522のZ5204参照)において、連続演出設定処理(図522のZ5306参照)が実行され、表示用連続演出コマンドを設定した場合(図523のZ5406)、オンに設定される(図523のZ5408)。
そして、第2特別図柄の変動表示に対応する演出を設定するための特殊演出設定処理(図522のZ5311)において参照され(図524のZ5505)、停止コマンド処理(図519参照)において、これ以上連続演出が継続しないと判別した場合(図519のZ5106:NO、或いは、Z5110:NO)にオフに設定される(図519のZ5116参照)。
連続演出中断フラグ223ADは、連続演出が中断していることを示すためのフラグであって、連続演出を中断する場合にオンに設定される。ここで、連続演出が中断する事象について簡単に説明をする。本制御例では、遊技状態が通常状態(確変状態や時短状態では無い状態)において実質的に実行される特別図柄変動である第1特別図柄(特図1)に関する入賞情報に基づいて連続演出を実行するように構成している。また、本制御例では、第1特別図柄(特図1)よりも第2特別図柄(特図2)のほうが優先して消化されるように構成されており、第2入球口640Aに遊技球が入球し易くなる確変状態や時短状態と、通常状態とで遊技性(実行される特別図柄変動の種別)を異ならせているように構成している。
加えて、本制御例では遊技状態が通常状態であっても一時的に第2特別図柄(特図2)の抽選を受け易くするために、普通図柄の抽選結果が当たりである場合の一部において第2入球口640Aに付設され、遊技球が第2入球口640Aに入球することを規制する電動役物640Aが通常(0.2秒)よりも長期間(2秒)開放する当たり遊技を実行するように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、第1特別図柄に関する複数の入賞情報を用いて連続演出を実行している最中に、第2入球口640Aに遊技球が入球してしまい、第1特別図柄よりも優先して第2特別図柄の変動(抽選)が実行されてしまう事態が発生する場合があった。このような事態が発生してしまうと、第1特別図柄の入賞情報に基づいて実行される連続演出が実行されているにも関わらず、第2特別図柄の変動(抽選)が実行されてしまい、実行中の演出内容と、特別図柄の抽選結果とが相違してしまい遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、連続演出が実行されている最中に第2特別図柄(特図2)の変動が実行される場合には、実行中の連続演出を中断し、第1特別図柄(特図1)の変動が実行される場合に中断していた連続演出を再開させるように構成している。これにより、実行中の演出内容と、特別図柄の抽選結果とが相違してしまう事態を抑制することができ、遊技者に不信感を与えてしまうことを防ぐことができる。
この連続演出中断フラグ223ADは、第2特別図柄の変動表示に対応する演出を設定するための特殊演出設定処理(図522のZ5311参照)において、連続演出中フラグ223ACがオンに設定されていると判別した場合(図524のZ5505:YES)に、オンに設定される(図524のZ5507)。そして、この連続演出中断フラグ223ADがオンに設定されると、第3図柄表示装置81に連続演出が中断していることを示すための「待機中」表示(図509(B)の中断表示態様MA参照)を実行するための表示用中断コマンドを設定する(図524のZ5508)。そして、演出設定処理(図522参照)において、対象となる特別図柄が第1特別図柄(特図1)である場合(図522のZ5301:YES)に、オフに設定される(図522のZ5304)。
このように構成することで、第1特別図柄(特図1)の変動を対象にして設定される連続演出の実行中に、第1特別図柄(特図1)よりも優先して変動(抽選)が行われる第2特別図柄(特図2)の変動(抽選)が開始された場合に連続演出を中断し、第1特別図柄(特図1)の変動が実行されるタイミング(特図2の変動が終了したタイミング)で中断していた連続演出を再開することができるため、第2特別図柄(特図2)の変動状況に関わること無く、第1特別図柄(特図1)の変動に対応させて連続演出を実行することができる。
また、連続演出実行中に第2特別図柄(特図2)の変動が行われることに基づいて、連続演出を中断させている場合には、遊技者に対して連続演出を中断している旨を報知するように構成しているため、連続演出が急に終了したのではと遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制し、且つ、連続演出が再開することを期待しながら遊技を行わせることができる。
連続演出更新エリア223AEは、連続演出実行期間中において連続演出が第3図柄表示装置81に表示されない場合、即ち、連続演出実行期間中に枠ボタン22を操作し、表示画面の背景を「海背景」から別の背景(「山背景」、「川背景」)に変更した場合に、連続演出を内部的に更新させるためのデータを格納するための領域である。
図560(A)を参照して上述したように、本制御例では第3図柄表示装置81の表示画面の背景として「海背景(海モード)」が選択されている場合に限り、連続演出が実行されるように構成されている。この表示画面の背景は遊技者が枠ボタン22を操作することにより可変設定可能に構成されており、例えば、特別図柄変動が実行されていない状態(待機状態)や、特別図柄変動の開始直後(高速変動中)において、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、表示画面の背景が「海背景(海モード)」、「山背景(山モード)」(図560参照)、「川背景(川モード)」の順に切り替わるように構成されている。
そして、設定された背景に対応した変動演出として、各背景専用の変動演出や、複数背景共通の変動演出が実行される。このように構成することで、遊技者が可変設定可能な表示態様(背景)に基づいて特別図柄の変動(抽選)結果を示すための変動演出の演出態様を異ならせることができるため、遊技者に対して多彩な演出を提供することができ遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
このように構成されたパチンコ機10では、海モードが設定されている状態において海モード専用の変動演出(例えば、連続予告)が実行されている最中に、表示画面の背景を可変設定した場合に、可変設定された後の背景に対応する変動演出が第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるように変動演出に関する表示データを書き換える処理が実行される。
よって、連続演出の実行中に遊技者が誤って枠ボタン22を操作してしまい表示画面の背景を「海モード」から「山モード」へと切り替えてしまうと、連続演出に関する表示データが消去されてしまい、再度、枠ボタン22を操作し表示画面を「海モード」へと切り替えたとしても連続演出が実行されず、演出効果を低下させてしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、本制御例では、連続演出更新エリア223AEを設け、連続演出の実行中に表示画面の背景を「海モード」以外に切り替えた場合であっても、連続演出の実行データを連続演出更新エリア223AEに一時的に格納するように構成し、連続演出の実行中に表示画面の背景を「海モード」以外に切り替えた後に、再度、表示画面の背景を「海モード」に切り替えた場合に、残りの連続演出を実行することができるように構成している。これにより、遊技者の誤操作により連続演出が消滅してしまう事態を抑制することができる。
この連続演出更新エリア223AEには、連続演出設定処理(図523参照)において、連続演出の演出態様を決定した後に(図523のZ5403,Z5404)、背景モードが「海モード」では無いと判別した場合に(図523のZ5405:NO)、決定した演出態様に関する表示データが格納される(図523のZ5409参照)。
そして、枠ボタン入力監視・演出処理2(図525参照)の演出復帰処理(図526参照)において、背景モードを「海モード」に切り替えた場合に(図526のZ2871:YES)、格納されている情報が参照され、その格納されている情報に対応する表示用演出コマンドを設定する(図526のZ2874)。その後、連続演出が終了した場合にエリア内に格納されている情報(演出態様を示す表示データ)が消去される(図522のZ5310参照)。
演出回数カウンタ223AFは、連続演出が実行される期間(特図変動回数)を示すためのカウンタである。この演出回数カウンタ223AFは、入賞情報関連処理(図518参照)において連続演出を実行すると判別した場合に(図518のZ5007:YES)、受信した入賞コマンドに対応する特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値が設定される(図518のZ5010)。そして、変動表示設定処理2(図521参照)の演出設定処理(図522参照)において、カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合に(図522のZ5305:YES)、連続演出を設定するための連続演出設定処理が実行される(図522のZ5306)。
この演出回数カウンタ223AFは、連続演出設定処理(図523参照)が実行される毎にそのカウンタの値が1減算される(図523のZ5407)。このように構成することで、入賞情報関連処理(図518参照)により、連続演出を実行すると判別した入賞コマンドに対応する変動表示が実行されるまでの期間、即ち、連続演出フラグ223ABがオンに設定されている状態で実行される変動表示から連続演出を実行すると判別した入賞コマンドに対応する変動表示が実行されるまでの期間を用いて連続演出を実行することができる。
なお、本制御例では、上述した期間を用いて連続演出を実行するように構成しているが、連続演出を実行するための期間としてそれ以外の期間を設定しても良く、例えば、連続演出を実行すると判別したタイミングにおいて実行中の変動表示の演出態様を可変させて連続演出を開始しても良いし、連続演出フラグ223ABがオンに設定されている状態における第1特別図柄(特図1)の変動回数が2回となった場合に連続演出を実行するようにしても良い。また、連続演出フラグ223ABがオンに設定されている状態において、新たな変動表示の表示態様を設定する場合(変動表示設定処理2を実行する場合)に、連続演出を実行するか否かを判別する実行判別手段を設け、その実行判別手段により連続演出を実行すると判別した場合に連続演出を実行するよう構成しても良い。このように構成することで、連続演出が開始されるタイミングを遊技者に予測され難くすることができ、意外性のある演出を提供することができる。
演出設定禁止フラグ223AGは、連続演出実行中に新たな連続演出が設定されることを防止するためのフラグであって、連続演出を実行している期間中にオンに設定されるものである。この演出設定禁止フラグ223AGは、入賞情報関連処理(図518参照)において連続演出を実行すると判別した場合には(図518のZ5007:YES)、オンに設定される(図518のZ5011)。演出設定禁止フラグ223AGがオンに設定されると、入賞情報関連処理(図518参照)において連続演出を実行するか否かを判別する処理(図518のZ5005〜Z5007の処理)がスキップされる。これにより、新たな連続演出が設定されることを防止することができる。よって、連続演出の進展に遊技者が注視している状態で新たな連続演出を開始してしまい、遊技者に不満感を与えてしまうことを抑制することができる。そして、停止コマンド処理(図519参照)において、連続演出が終了した(設定禁止解除フラグ223AHがオンに設定されている)と判別した場合(図519のZ5102:YES)に、オフに設定される(図519のZ5103)。
なお、本制御例では、連続演出を実行するか否かの判別を、新たな入賞コマンドを受信したタイミング、即ち、入賞情報関連処理(図518参照)が実行されるタイミングに加え、連続演出が終了する場合の停止コマンドを受信したタイミング、即ち、停止コマンド処理(図519のZ2259)において、設定禁止解除フラグ223AHがオンに設定されていると判別した場合(図519のZ5102:YES)にも実行するように構成している。よって、停止コマンド処理(図519参照)において、連続演出を実行すると判別した場合にもオンに設定される(図519のZ5111)。
時短カウンタ223AIは、遊技状態として時短状態が設定された場合において、その時短状態が設定される残回数(特別図柄の残変動回数)を把握するためのカウンタである。この時短カウンタ223AIは、遊技状態が時短状態へと移行したことを示す状態コマンドを主制御装置110から受信した場合に、設定される時短回数に対応する値(本制御例では100)が設定され、停止コマンド処理(図519参照)において、現在の遊技状態が時短中であると判別した場合(図519のZ5101:YES)に実行される時短中処理(図520参照)が実行される毎に1減算される(図520のZ5151参照)。
そして、時短中処理(図520参照)において、時短カウンタ223AIの値が0であるかを判別し(図520のZ5152)、0であると判別した場合に(図520のZ5152:YES)、変動回数カウンタ223AJの値に5が設定される。
変動回数カウンタ223AJは時短状態が終了してからの特別図柄の変動回数を把握するためのカウンタである。本制御例では、遊技状態が通常状態の場合において第2特別図柄(特図2)の変動(抽選)が実行された場合に特殊演出(図509(B)参照)を実行するように構成している。これは、第2入球口640に遊技球が入球し難い通常状態において、第2入球口640に遊技球が入球し、第2特別図柄(特図2)が変動したことに対して特典と付与するためのものである。しかしながら、遊技状態が時短状態、即ち、第2入球口640に遊技球が入球し易い状態(電動役物640Aが開放し易い状態)である場合に特図2の保留を獲得し、その保留(特図2保留)に対応する第2特別図柄の変動が時短終了後の通常状態で実行される場合がある。このような場合においても特殊演出を実行してしまうと、時短終了後に特殊演出が頻繁してしまい、遊技者に対して特殊演出の特別感を付与することが困難になるという問題があった。
上述した問題に対して、本制御例では時短終了後の所定期間内に実行される第2特別図柄の変動表示では特殊演出が実行されないように構成している。具体的には、時短終了後に実行される特別図柄の変動回数が所定回数(本制御例では5回)に到達したかを判別する判別処理を行い、所定回数(5回)に到達していないと判別した場合は特殊演出を設定しないように構成している。これにより、時短終了後に特殊演出が頻発してしまう事態を抑制することができる。
なお、本制御例では、時短終了後に実行される特別図柄の変動回数が5回、即ち、第2特別図柄(特図2)の保留球数の上限(4個)よりも多い値を所定回数として設定しているため、第2特別図柄(特図2)の保留球数が上限の状態で時短状態が終了したとしても、時短状態中に獲得した特図2の保留球によって特殊演出が実行されることを確実に防止しているが、特殊演出が実行されない条件として上述した本制御例以外の条件を設定しても良く、例えば、第2特別図柄(特図2)の保留球数の上限(4)よりも少ない値(例えば、3)を所定回数として設定しても良い。このように構成することで、時短終了時に特図2の保留球数が上限に到達していれば特殊演出が実行されることになるため、遊技者に意欲的に特図2の保留球を貯めさせることができ、遊技の稼働を高めることができる。
また、本制御例では、特殊演出を設定しない条件として特別図柄の変動回数を用いた条件を設定しているが、それ以外の条件を設定しても良く、例えば、時短状態が終了してからの経過時間を計測する計測手段を設け、その計測手段により計測された経過時間が所定時間(例えば、30秒)を経過していないことを、特殊演出を設定しない条件として設定しても良い。このように経過時間に基づいて条件を設定することで、例えば、時短状態が終了して直ぐに遊技を終了した場合(時短状態が終了し、通常状態となってから特別図柄を変動させることなく遊技を終了した場合)において、次の遊技者が行う遊技に対して特殊演出の実行が規制されることを防止することができる。
加えて、第2入球口640に遊技球が入球したタイミングにおける遊技状態を判別する遊技状態判別手段を設け、遊技状態判別手段により時短状態中に第2入球口640に遊技球が入球したと判別した場合には、その入球に対する変動表示として特殊演出が実行されることを規制(禁止)するように構成しても良い。
この変動回数カウンタ223AJは、時短中処理(図520参照)において時短カウンタ223AIの値が0であると判別した場合に(図520のZ5152:YES)、特殊演出の実行を規制(禁止)する特別図柄の変動回数を示す値(本制御例では5)が設定され(図520のZ5153)、変動表示設定処理2(図521参照)が実行される毎にその値が1減算される。そして、特殊演出を設定するための特殊演出設定処理(図524参照)において、変動回数カウンタ223AJの値が参照され、その値が0では無いと判別した場合には(図530のZ5502:NO)、特殊演出の演出態様を設定すること無く通常演出の演出態様が設定される(図530のZ5510)。
操作無効フラグ223AKは、表示画面の背景を切り替える操作を無効にする期間を示すためのフラグであって、表示画面の背景を切り替える操作を無効にする期間中はオンに設定される。本制御例では、上述したように、第2特別図柄の変動表示中に特殊演出を実行可能に構成しており、この特殊演出が実行されている期間中は表示画面の背景を切り替えることが出来ないように構成している。このように構成することで、実行されにくい演出(特殊演出)が実行されている期間中に遊技者が誤って枠ボタン22を操作してしまい。特殊演出が実行されている最中に表示画面の背景が切り替わってしまうことを抑制することができる。
この操作無効フラグ223AKは、特殊演出設定処理(図524参照)において特殊演出の演出態様を設定した場合にオンに設定され(図524のZ5504)、演出設定処理(図522)において第1特別図柄(特図1)の変動演出を設定する場合に(図522のZ5301:YES)、オフに設定される(図522のZ5302)。そして、この操作無効フラグ223AKがオンに設定されている間は、枠ボタン入力監視・演出処理2(図525参照)において表示画面の背景を変更する処理(図525のZ2803〜Z2852の処理)がスキップされる。
状態格納エリア223AZは、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を示すための状態情報を格納するためのエリアである。具体的には、コマンド判定処理2(図517参照)において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(図517のZ2256:YES)、状態情報を格納する(図517のZ2257)。なお、本制御例では音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている各情報はパチンコ機10の電源がオフになった場合にその情報が消去されるように構成されているが、本パチンコ機10では、パチンコ機10の電源をオンにした場合に、主制御装置110から現在の遊技状態を示すための状態コマンドは出力されるように構成しているため、電源がオフされた場合(停電等)であっても、音声ランプ制御装置113側で遊技状態を適切に判別することができる。
<第12制御例における主制御装置による制御処理について>
次に、図512〜図515を参照して、本第12制御例における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第12制御例では、特別図柄変動処理(図462)が特別図柄変動処理2(図512)に、特別図柄1変動開始処理(図464)と特別図柄2変動開始処理(図465)が特別図柄変動開始処理2(図513)に、始動入賞処理(図466)が始動入賞処理2(図514)に、先読み処理(図467)が先読み処理2(図515)に変更されている点が主な相違点である。
図512を参照して、本第12制御例における主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理2(Z154)について説明する。図512は、この特別図柄変動処理2(Z154)の内容を示したフローチャートである。本第12制御例における特別図柄変動処理2(Z256:図513)では、第11制御例における特別図柄変動処理(Z104:図462)に対して、Z203〜Z214の処理がZ330〜Z340の処理に変更されている点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
この特別図柄変動処理2(Z256:図513)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(Z201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(Z201:YES)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(Z201:NO)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(Z202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(Z202:NO)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を取得する(Z330)。
次に、取得した特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が1以上であるか判別する(Z331)。1以上であると判別された場合(Z331:YES)、特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)の値を1減算し(Z332)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)を示す保留球数コマンドを設定する(Z333)。ここで設定された保留球数コマンドにより、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図476参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223Bに格納する。
Z333の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203Aに格納されたデータをシフトする(Z265)。Z265の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203Aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理2を実行する(Z340)。
一方、Z331の処理において、取得した特別図柄2保留球数カウンタ203Eの値(N2)が0であると判別された場合(Z331:NO)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を取得する(Z335)。
次に、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)が1以上であるか判別する(Z336)。1以上であると判別された場合(Z336:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N1)を1減算し(Z337)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を示す保留球数コマンドを設定する(Z338)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図476参照)の外部出力処理(Z1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223Aに格納する。
Z338の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203Aに格納されたデータをシフトする(Z339)。Z339の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203Aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第一図柄表示装置にて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理2を実行する(Z340)。尚、特別図柄変動開始処理2については、図513を参照して後述する。一方、Z336の処理において、特別図柄1保留球数カウンタの値が0であった場合(Z336:NO)、本処理を終了する。
ここで、図513を参照して、本第12制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理2(Z340:図513)について説明する。本第12制御例における特別図柄変動開始処理2(Z340:図513)では、第11制御例における特別図柄1変動開始処理(Z209:図464)と特別図柄2変動開始処理(214:図465)の処理をまとめて行うことが相違している。処理内容については、第11制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図514を参照して、本第12制御例における主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理2(Z155:図514)について説明する。本第12制御例における始動入賞処理2(Z155:図514)では、第11制御例における始動入賞処理(Z105:図466)に対して、Z308,Z316の処理を実行しない点、また、Z320の処理をZ360の処理でまとめて実行することが相違している。処理内容については、第11制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図515を参照して、本第12制御例における主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理2(Z155)内の一処理である先読み処理2(Z360)について説明する。図515は、この先読み処理2(Z360)の内容を示したフローチャートである。
先読み処理2(Z360)では、まず、新たな入賞情報があったか判定する(Z361)。新たな入賞情報がないと判定された場合(Z361:NO)、そのまま本処理を終了する。新たな入賞情報があると判定された場合(Z361:YES)、特別図柄保留球格納エリアから今回の入賞に対応する特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1のそれぞれの値を取得する(Z362)。次に、特別図柄大当たり乱数テーブル202Aに規定されている判定結果のうち、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値に対応する当たり判定結果を取得する(Z363)。次に、大当たり種別選択テーブル202Dに規定されている判定結果のうち、取得した特別当たり種別カウンタC2の値に対応する当たり種別判定結果を取得する(Z364)。
次に、停止種別選択テーブルに規定されている判定結果のうち、取得した停止種別選択カウンタC3の値に対応する停止種別判定結果を取得する(Z365)。次に、変動パターン選択テーブル202Bに規定されている判定結果のうち、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応する変動種別判定結果を取得する(Z366)。次に、取得した当たり判定結果を示す当たり判定結果情報、当たり種別判定結果を示す当たり種別情報、停止種別判定結果を示す停止種別情報、変動種別判定結果を示すための変動種別情報を含む入賞情報コマンドを設定し(Z367)、本処理を終了する。
<第12制御例における音声ランプ制御装置による制御処理について>
次に、図516〜図526を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第12制御例では、第11制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理内の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)を枠ボタン入力監視・演出処理2(Z2151)に、コマンド判定処理(Z2113)をコマンド判定処理2(Z2152)に、変動表示設定処理(Z2114)を変動表示設定処理2(Z2153)の処理に変更されている点が主な相違点である。
図517を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理2内のコマンド判定処理2(Z2152)について説明する。図517は、このコマンド判定処理2(Z2152)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理2(Z2152)では、まず変動パターンコマンドを受信したか判別する(Z2201)。受信したと判別された場合(Z2201:YES)、RAM223に設けられている変動開始フラグ223Dをオンに設定し(Z2251)、受信したコマンドから変動パターンを抽出して(Z2252)、本処理を終了する。尚、Z2203〜Z2207の処理については、第11制御例と同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、Z2206の処理において保留球数コマンドを受信しなかったと判別された場合(Z2206:NO)、入賞コマンド情報を受信したか判別する(Z2253)。入賞情報コマンドを受信した場合(Z2253:YES)、受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア223Fに格納する(Z2254)。次に、入賞情報関連処理(Z2255)を実行して、本処理を終了する。入賞情報関連処理の詳細については、図518を参照して、後述する。
Z2253の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合(Z2253:NO)、状態コマンドを受信したか判別する(Z2256)。状態コマンドを受信したと判別した場合(Z2256:YES)、受信した状態コマンドに対応する遊技状態を示す状態情報を状態格納エリア223AZに格納し(Z2257)、本処理を終了する。
Z2256の処理において、状態コマンドを受信しなかったと判別された場合(Z2256:NO)、停止コマンドを受信したか判別する(Z2258)停止コマンドを受信したと判定された場合(Z2258:YES)、停止コマンド処理(Z2259)を実行する。停止コマンド処理(Z2259)の詳細については、図519を参照して後述する。次に、第3図柄の停止表示を設定し(Z2260)、本処理を終了する。一方、Z2258の処理において、停止コマンドを受信しなかったと判別された場合(Z2258:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(Z2261)、本処理を終了する。
ここで、図518を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(Z2152)内の一処理である入賞情報関連処理(Z2255)について説明する。図518は、この入賞情報関連処理(Z2255)の内容を示したフローチャートである。
入賞情報関連処理(Z2255)は、まず、受信した入賞情報コマンドの情報を対応する入賞情報格納エリア223Fに格納する(Z5001)。次に、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値の読み出しを実行する(Z5002)。次に、読み出した特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値は、2以上であるか判別する(Z5003)。2以上でなければ(Z5003:NO)、本処理を終了する。
Z5003の処理において、読み出した特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値が、2以上であった場合(Z5003:YES)、演出設定禁止フラグ223AGはオンであるか判別する(Z5004)。演出設定禁止フラグ223AGがオンであると判別された場合(Z5004:YES)、そのまま本処理を終了する。
一方、演出設定禁止フラグ223AGがオフであった場合(Z5004)、連続演出実行選択テーブル222AAを読み出し(Z5505)、連続演出の実行を判定する(Z5006)。次に、連続演出を実行するか判別する(Z5007)。連続演出を実行しない場合(Z5007:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、連続演出を実行する場合(Z5007:YES)、連続演出フラグ223ABをオンに設定し(Z5008)、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値を読み出し(Z5009),読み出したカウンタの値を、演出回数カウンタ223AFの値として設定する(Z5010)。次に、演出設定禁止フラグ223AGをオンに設定し(Z5011)、本処理を終了する。
図519を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(Z2152)内の一処理である停止コマンド処理(Z2259)について説明する。図519は、この停止コマンド処理(Z2259)の内容を示したフローチャートである。
停止コマンド処理(Z2259)では、まず、現在の遊技状態が、時短中であるか判別する(Z5101)。時短中であると判別した場合(Z5101:YES)時短中処理(Z5115)を実行し、本処理を終了する。時短中処理(Z5115)の詳細については、図520を参照して後述する。一方、Z5101の処理において、時短中ではないと判別された場合(Z5101:NO)、RAM223に設けられている設定禁止解除フラグ223AHはオンであるか判別する(Z5102)。設定禁止解除フラグ223AHがオフである場合(Z5102:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、演出禁止解除フラグAHがオンである場合には(Z5102:YES)、演出設定禁止フラグ223AG、設定禁止解除フラグAHをオフに設定し(Z5103)、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値を読み出す(Z5104)。次に、読み出した特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値が2以上であるか判別する(Z5105)。2以上でないと判別された場合(Z5105:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、Z5105の処理において、読み出したカウンタの値が2以上であると判別された場合(Z5105:YES)、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値が2以上に対応する入賞情報を、入賞情報格納エリア223Fから読み出しを実行する(Z5106)。次に、大当たりの入賞情報があるか判別する(Z5107)。大当たり入賞がないと判別された場合(Z5107:NO)、連続演出中フラグ223ACをオフに設定し(Z5116)、そのまま本処理を終了する。大当たり入賞情報がると判別された場合には(Z5107:YES)、ROM222に設けられている連続演出実行選択テーブル222AAの読み出しを実行し(Z5108)、連続演出の実行を判定する(Z5109)。Z5109の処理を実行した後、連続演出を実行するタイミングであるか判別する(Z5110)。連続演出を実行するタイミングでなければ(Z5110:NO)、上述したZ5116の処理を実行し、そのまま本処理を終了する。
一方、連続演出を実行するタイミングであれば(Z5110:YES)、連続演出フラグ223ABをオンに設定し(Z5111)、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値の読み出しを実行する(Z5112)。次に、大当たり入賞に対応する特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値を、演出回数カウンタ223AFの値として設定し(Z5113)、演出設定禁止フラグ223AGをオンに設定し(Z5114)、本処理を終了する。
図520を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される停止コマンド処理(Z2259)内の一処理である時短中処理(Z5115)について説明する。図520は、この時短中処理(Z5115)の内容を示したフローチャートである。
時短中処理(Z5115)では、まず、RAM223に設けられている時短カウンタ223AIの値を1減算する(Z5151)。次に、演算により変更された値が、0であるか判別する(Z5152)。変更された値が0であると判別された場合(Z5152:YES)、変動回数カウンタAJの値を5に設定し(Z5153)、本処理を終了する。一方、Z5152の処理において時短カウンタ223AIの値が、0より大きいと判別された場合(Z5153:NO)、Z5153の処理をスキップし、本処理を終了する。
図521を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理2(図516)内の一処理である変動表示設定処理2(Z2153)について説明する。図521は、変動表示設定処理2(Z2153)の内容を示したフローチャートである。本第12制御例における変動表示設定処理2(Z2153)は、第11制御例における変動表示設定処理(Z2114)に対して、Z5204〜Z5208の処理が追加されている点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。
Z5202の処理で、抽出した変動パターンを取得する(Z5203)。次に、演出設定処理(Z5204)を実行する。演出設定処理(Z5204)の詳細については、図522を参照して後述する。
次に表示用変動パターンコマンドを設定し(Z5205)、入賞情報格納エリア223Fのデータをシフトし(Z5206)、変動回数カウンタ223AJの値が1より大きいか判別する(Z5207)。変動回数カウンタ223AJの値が1より大きいと判別された場合(Z5207:YES)、変動回数カウンタ223AJの値を1減算する(Z5208)。Z5207の処理において、変動回数カウンタ223AJの値が0であると判別された場合(Z5207:NO)、Z5208の処理をスキップし、Z5209の処理に移行する。
図522を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動表示設定処理2(Z2153)内の一処理である演出設定処理(Z5204)について説明する。図522はこの演出設定処理(Z5204)の内容を示したフローチャートである。
演出設定処理(Z5204)では、まず、今回の変動は第1特別図柄での変動か判別する(Z5301)。第1特別図柄での変動であれば(Z5301:YES)、RAM223に設けられている操作無効フラグ223AKをオフに設定する(Z5302)。次に、連続演出中断フラグ223ADはオンに設定されているか判別する(Z5303)。連続演出中断フラグ223ADがオンに設定されていると判別された場合(Z5303:YES)、連続演出中断フラグ223ADをオフに設定する(Z5304)。一方、Z5303の処理において、連続演出中断フラグ223ADがオフに設定されていると判別された場合(Z5303:YES)、上述したZ5304の処理をスキップする。
Z5304の処理を実行した後、演出回数カウンタ223AFの値が0より大きいか判別する(Z5305)。0より大きいと判別された場合(Z5305:YES)、連続演出設定処理(Z5306)を実行し、本処理を終了する。連続演出設定処理(Z5306)の詳細については、図523を参照して後述する。
一方、Z5305の処理において、演出回数カウンタ223AFの値が0であった場合(Z5305:NO)、連続演出を伴わない態様の変動パターンを決定する(Z5307)。次に、演出設定禁止フラグ223AGはオンに設定されているか判別する(Z5308)。演出設定禁止フラグ223AGがオフに設定されている場合(Z5308:NO)、そのまま本処理を終了する。演出設定禁止フラグ223AGがオンに設定されていると判別された場合(Z5308:YES)、設定禁止解除フラグ223AHをオンに設定する(Z5309)。次に、連続演出更新エリア223AEに格納されている情報をクリアし(Z5310)、本処理を終了する。一方、Z5301の処理において、今回の変動が第1特別図柄での変動ではないと判別された場合(Z5301:NO)、特殊演出設定処理(Z5311)を実行する。特殊演出設定処理(Z5311)の内容の詳細については、図524を参照して後述する。
図523を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出設定処理(Z5204)内の一処理である連続演出設定処理(Z5306)について説明する。図523は、連続演出設定処理(Z5306)の内容を示したフローチャートである。
連続演出設定処理(Z5306)では、まず、連続演出フラグ223ABをオフに設定する(Z5401)。次に、演出回数カウンタ223AFの値が1であるか判別する(Z5402)。演出回数カウンタ223AFの値が1であると判別された場合(Z5402:YES)、特別図柄の抽選結果に対応する連続演出最終態様を決定する(Z5403)。一方、演出回数カウンタ223AFの値が1以外であった場合(Z5402:NO)、連続演出継続態様を決定し(Z5404)、Z5405の処理を実行する。
次に、現在背景モードは海モードに設定されているか判別する(Z5405)。設定が海モードであると判別した場合(Z5405:YES)、決定した演出態様を示すための表示用連続演出コマンドを設定する(Z5406)次に、演出回数カウンタ223AFの値を1減算し(Z5407)、連続演出中フラグ223ACをオンに設定し(Z5408)、本処理を終了する。一方、設定されたモードが海モードではないと判別された場合(Z5405:NO)、決定した演出態様を連続演出更新エリア223AEに格納し(Z5409)、連続演出待機中を示す表示用報知コマンドを設定する(Z5410)。その後、上述したZ5407〜Z5408の処理を実行し、本処理を終了する。
図524を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出設定処理(Z5204)の一処理である特殊演出設定処理(Z5311)について説明する。図524は、特殊演出設定処理(Z5311)の内容を示すフローチャートである。
特殊演出設定処理(Z5311)では、まず、現在の遊技状態が、時短中であるか判別する(Z5501)。時短中でないと判別された場合(Z5501:NO)、変動回数カウンタ223AJの値が0であるか判別する(Z5502)。変動回数カウンタ223AJの値が0であると判別された場合(Z5502:YES)、特別図柄の抽選結果に対応する特殊演出の演出態様を設定し(Z5503)、操作無効フラグ223AKをオンに設定する(Z5504)。
次に、連続演出中フラグ223ACがオンに設定されているか判別する(Z5505)。オンに設定されている場合(Z5505:YES)、次に、連続演出中断フラグ223ADはオンに設定されているか判別する(Z5506)。オフに設定されている場合(Z5506:NO)、連続演出中断フラグ223ADをオンに設定し(Z5507)、表示用中断コマンドを設定する(Z5508)。次に、決定した演出態様に対応する表示用演出コマンドを設定し(Z5509)、本処理を終了する。
一方、Z5501の処理において、時短中であると判別された場合(Z5501:YES)、或いは、Z5502の処理において、変動回数カウンタ223AJの値が0ではないと判別された場合(Z5502:NO)、特別図柄の抽選結果に対応する通常演出の演出態様を設定し(Z5510)、上述したZ5509の処理を実行し、本処理を終了する。また、Z5505の処理において、連続演出中フラグ223ACがオフであると判別された場合(Z5505:NO)、或いは、Z5506の処理において連続演出中断フラグ223ADがオンに設定されたと判別した場合(Z5506:YES)、上述したZ5507〜Z5508の処理をスキップし、Z5509の処理を実行し本処理を終了する。
図525を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理内の枠ボタン入力監視・演出処理2(Z2151)について説明する。図525は、枠ボタン入力監視・演出処理2(Z2151)の内容を示したフローチャートである。本第12制御例では、第11制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)に対して、Z2851の処理とZ2852の処理が追加されている点で相違する。その他の処理は、第11制御例と同一であるので、詳細な説明は省略する。
Z2851の処理は、操作無効フラグ223AKがオンに設定されているか判別する(Z2851)。操作無効フラグ223AKがオフであると判別された場合(Z2851:NO)、第11制御例のZ2803〜Z2804と同一の処理を実行し、次に、演出復帰処理(Z2852)を実行する。
ここで、図526を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理2(Z2151)内の一処理である演出復帰処理(Z2852)について説明する。図526は、演出復帰処理(Z2852)の内容を示したフローチャートである。
演出復帰処理(Z2852)では、まず、設定した背景モードは「海モード」であるか判別する(Z2871)。背景モードが「海モード」でない場合(Z2871:NO)、本処理を終了する。背景モードが「海モード」であると判別された場合(Z2871:YES)、連続演出更新エリア223AEに格納されている演出態様の読み出しを実行する(Z2872)。次に、格納情報があるか判別する(Z2873)。格納情報がない場合(Z2873:NO)、本処理を終了する。格納情報があると判別された場合(Z2873:YES)、格納されている演出態様に対応する表示用演出コマンドを設定し(Z2874)、本処理を終了する。
図525に戻り説明を続ける。演出復帰処理(Z2852)を実行し、次にセンサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。一方、操作無効フラグ223AKがオンに設定されていると判別した場合(Z2851:YES)、センサ入力処理(Z2813)を実行し、本処理を終了する。
<第13制御例>
次に、図527〜図530を参照して、上述した第13制御例について説明をする。上述した第13制御例では、連続演出が実行されている最中に第2特別図柄(特図2)の変動が開始された場合に、実行中の連続演出を中断し、特図2の変動が終了した後の第1特別図柄の変動開始時に中断していた連続演出を再開させる構成を用いていた。これにより、第1特別図柄の変動に対応させて連続演出を実行することができ、連続演出を最後まで楽しませることができるものであった。
しかしながら、上述した第12制御例の構成では、連続演出が中断した場合は、所定期間経過後(特図2変動終了後)に必ず連続演出が再開されるため、連続演出が再開するか否かを遊技者にドキドキさせることができないことから、演出効果をさらに高めることが求められていた。これに対して、本第13制御例では、連続演出が中断している場合における遊技内容(特図2の変動回数)や、連続演出の対象となる特図1の抽選結果に基づいて、中断中の連続演出を再開させるか否かを判別し、その判別結果に基づいて連続演出を再開させるように構成している。このように構成することで、連続演出が中断された場合において、特図2の変動演出として実行される特殊演出を楽しみながらも、連続演出が再開されるか否かを予測させることができ演出効果を高めることができる。
さらに、本第13制御例では、連続演出の対象となる特図1の抽選結果が大当たりの場合に連続演出が再開され易くなるように構成している。これにより、遊技者に対して連続演出が再開されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、第13制御例では連続演出が中断している間に実行される特図2変動回数(特殊演出実行回数)が少ないほど、連続演出が再開され易くなるように構成している。これにより、連続演出が中断されてから再開されるまでの期間が短い場合には、連続演出が再開され易くすることができ、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
一方で、連続演出が中断されてから長期間が経過し、且つ、連続演出の対象となる特図1の抽選結果が外れの場合には、遊技者に大当たりに対する無用な期待感を持たせないようにするために、連続演出が再開され難くなるように構成している。
<第13制御例における電気的構成について>
次に、図527を参照して本変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図527は本変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第13制御例では、上述した第12制御例のRAM223に加え、特図2変動カウンタ223BAを追加した点で相違している。それ以外の要素については、第12制御例と同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図2変動カウンタ223BAは、第2特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、特殊演出設定処理2(図530)が特殊演出の演出態様を設定した場合に、カウンタの値が1加算され(図530のZ5551)、演出設定処理2(図528参照)における連続演出復帰処理(図529参照)においてカウンタの値が参照される(図529のZ5602)。Z5602の処理において、特図2変動カウンタ223BAの値が3よりも小さいと判別した場合は(図529のZ5602:YES)、特図2変動カウンタ223BAの値が0に設定される(図529のZ5603)。一方で、特図2変動カウンタ223BAの値が3以上と判別した場合は(図529のZ5602:NO)、つまり、連続演出が中断している間に、第2特別図柄変動が3回以上実行された場合には、第1特別図柄に対応する入賞情報の中に大当たりを示す入賞情報があるかを判別し(図529のZ5605)、無いと判別した場合は(図529のZ5605:YES)、演出回数カウンタ223AFの値を0に設定し(図529のZ5606)、上述したZ5603の処理を実行する。
即ち、連続演出復帰処理(図529参照)では、中断されていた連続演出を復帰させる際に、連続演出中断中に実行された特図2の変動回数が所定回数(3回)以上であると、その時点の特図1の入賞情報に含まれる抽選結果に基づいて、連続演出を再開するか否かの判別が実行され、連続演出の演出結果が外れの場合には、連続演出を再開したとしても遊技者をがっかりさせるだけであるため、演出回数カウンタ223AFの値を0に設定し、連続演出が再開されないように構成している。これにより、連続演出が中断されてから長期間が経過し、且つ、連続演出の対象となる特図1の抽選結果が外れの場合には、遊技者に大当たりに対する無用な期待感を持たせてしまうことを抑制することができるとともに、連続演出が再開された場合において大当たりに対して期待を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
<第13制御例における音声ランプ制御装置による制御処理について>
次に、図528〜図530を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第13制御例では、第12制御例に対して、変動表示設定処理2(Z2153:図521)内の一処理である演出設定処理(Z5204:図522)の内容を一部変更した点で主に相違している。それ以外の処理は同一であり、その詳細な説明は省略する。
図528を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動表示設定の一処理である演出設定処理3(Z5204)について説明する。本第13制御例における演出設定処理3(Z5204:図528)は、第12制御例における演出設定処理(Z5204:図522)に対して、Z5310の処理を実行しない点と、特殊演出処理(Z5311)の処理内容を変更した点と、連続演出復帰処理(Z5351)を追加した点で相違している。その他の処理については、第12制御例と同一であり、その詳細な説明は省略する。
図529を参照して、連続演出復帰処理(Z5351)について説明する。図529は連続演出復帰処理(Z5351)の内容を示したフローチャートである。
連続演出復帰処理(Z5351)では、まず、特図2変動カウンタ223BAの値の読み出しを実行する(Z5601)。次に、読み出した特図2変動カウンタの値が3より少ないか判別される(Z5602)。3より大きいと判別された場合には(Z5602:YES)、特図2変動カウンタ223BAの値を0に設定し(Z5603)、本処理を終了する。一方、特図2変動カウンタ223BAの値が、3より少ないと判別された場合には(Z5602:NO)、入賞情報格納エリア223Fに格納されている特図1に対応する入賞情報の読み出しを実行する(Z5604)。次に読み出した入賞情報に当たり入賞があるか判別される(Z5605)。当たり入賞がないと判別された場合には(Z5605:NO)、演出回数カウンタ223AFの値を0に設定し(Z5606)、次に、上述したZ5603の処理を実行し本処理を終了する。一方、Z5605の処理において、当たり入賞があると判別された場合には(Z5605:YES)、Z5603の処理を実行し、本処理を終了する。
図530を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される特殊演出設定処理2(Z5320)について説明する。本第13制御例における特殊演出設定処理2(Z5320:図530)は、第12制御例における特殊演出設定処理(Z5311)に対して、Z5504の処理を実行した後、特図2変動カウンタ223BAの値を1加算する(Z5551)処理を追加する点で相違する。その他の処理については、第12制御例と同一の処理であり、その詳細な説明は省略する。
<第14制御例>
次に、図531〜図542を参照して、第14制御例について説明をする。本第14制御例では、上述した各制御例に対して、パチンコ機10の音量を遊技者が調整可能な調整手段を有している点で相違している。
まず、図531を参照して、本第14制御例のパチンコ機10について説明する。図531は、第13制御例のパチンコ機10の正面図である。図531に示した通り、本第14制御例のパチンコ機10は、音量を調整するための音量ボタン23(左音量ボタン23A、右音量ボタン23B)を設けた点で上述した第11制御例と相違し、その他の構成は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、音声ランプ制御装置113に設けられているリアルタイムクロック(RTC)292について説明をする。RTC292は、音声ランプ制御装置113に接続され、現在時刻を計時することができるリアルタイムクロックで構成されている。このRTC292は、入出力ポートと、装置制御部と、レジスタとを有している。また、RTC292には、RTC用電源が接続されている。このRTC用電源は、パチンコ機10の電源とは異なるRTC292専用の電源であり、パチンコ機10の電源が遮断された電断状態でもRTC292に電力を供給することができる。このRTC用電源353としては、例えば、ボタン型電池が用いられ、少なくとも3年間はRTC292に電力を供給することができるように構成されている。
RTC292の装置制御部には、入出力ポートと、レジスタとが接続されている。入出力ポートは音声ランプ制御装置113と相互通信可能に接続されている。装置制御部は、レジスタを制御して、現在時刻の計時やデータの書き込みなどの各種制御を行う。
レジスタは、データを一時的に記憶したり、記憶したデータに対して演算を行ったりすることができる記憶領域である。レジスタには、計時レジスタと、時刻情報格納エリアとが少なくとも設けられている。
計時レジスタは、現在時刻を計時するためのレジスタであり、所定時間毎(例えば、1/4096秒毎)にレジスタ値が更新される。この計時レジスタおいて計時される計時情報に基づいて、時間演出の実行期間であるか否かが判別される。
なお、本実施形態では、電源投入時にRAM消去スイッチ122を押下されたか否かに基づいて、RAM223の投入時刻格納エリアに対して、計時レジスタの値(RTC292が計時する現在時刻に対応する計時情報)を記憶するか、時刻情報格納エリアに記憶された計時情報を記憶するかを判断するように構成している。即ち、RAM消去スイッチ122が押下された状態で電源が投入された場合は、投入時刻格納エリアに対して時刻情報格納エリアに記憶された計時情報を記憶するように構成されている。一方、RAM消去スイッチ122が押下されずに電源が投入された場合は、計時レジスタの値(RTC292が計時する現在時刻に対応する計時情報)を投入時刻格納エリアに記憶するように構成されている。
これにより、ホールの店員は、ホールの開店時間等に各パチンコ機10のRAM消去スイッチ122を押下せずに一斉に電源投入を行うことにより、各パチンコ機10の把握する電源投入からの経過時間を一致させることができる。よって、各パチンコ機10において、時間演出の実行期間を一致させることができる。一方、ホールの営業時間中に一部のパチンコ機10の電源を遮断する場合(例えば、エラーを解除する場合等)には、再度電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10の電源を投入することにより、時刻情報格納エリアに記憶された計時情報を投入時刻格納エリアに格納することができる。よって、電源が遮断されたパチンコ機10と、他のパチンコ機10とで時間演出の実行タイミングがずれてしまうことを抑制することができる。
次に、図532及び図533を参照して、第3図柄表示装置81に表示される音量調整に関する表示画面について説明する。図532(A)は、パチンコ機10に電源を投入した直後の第3図柄表示装置81の表示画面を模式的に示した模式図であり、図532(B)は、遊技が行われていない待機状態における第3図柄表示装置81の表示画面(客待ち画面)を模式的に示した模式図であり、図533(A)は、パチンコ機10に電源が投入されてから特別図柄変動が実行されていない状態における客待ち画面を示した模式図であり、図533(B)は、パチンコ機10に電源が投入されてから1回目の特別図柄変動中の表示画面を模式的に示した模式図である。
図532(A)に示した通り、パチンコ機10に電源が投入されると第3図柄表示装置81の表示画面に主制御装置110や音声ランプ制御装置113等の制御装置の復帰処理が終了するまでの期間を報知する「しばらくお待ちください」のコメントが復帰中表示態様S1として表示されるとともに、現在設定されている音量を示すための音量ゲージS2が表示される。この音量ゲージS2は、現在の音量を視覚的に表示する横長のゲージと、そのゲージの右側に現在の音量を数値で示す設定値表示とで形成されており、図532では、設定値として「1」が表示されており、ゲージには設定値「1」に対応する斜線領域が表示されている。詳細は後述するが、本制御例では電源投入時には音量の設定値の初期値として設定値「1」が設定されるように構成されている。
次に、図532(B)に示した通り、通常の客待ち画面が表示されている状態で左音量ボタン23A或いは右音量ボタン23Bを押下すると、音量ゲージS2と、音量切替表示S3が表示される。音量切替表示S3は、音量を切替可能であることを示すための「切替」表示と、左音量ボタン23Aを押下すると音量が下がることを示す音量低下表示態様S3Aと、右音量ボタン23Bを押下すると音量が上がることを示す音量上昇表示態様S3Bとから形成されている。この音量切替表示S3が表示されている状態で、左音量ボタン23A、右音量ボタン23Bを押下することでパチンコ機10の音量を調整することができる。
ここで、従来型の遊技機では、パチンコ機10に対して不正行為(例えば、主制御装置110の制御内容を不正に操作し大当たりを狙う行為)を行う際に、パチンコ機10の電源を一旦オフにし、不正行為を行うものがある。このような不正行為を発見し易くするために、パチンコ機10の電源投入時には大きな音が発せられるように対策したものがある。
しかしながら、近年のパチンコ機10は演出効果を高める手法として一時的に大きな音を発するものが多く存在し、複数のパチンコ機10が稼働している遊技場の中で、電源投入時に発せられる大音量を遊技場の店員が聞き逃してしまうという問題があった。これに対して、本第14制御例では、パチンコ機10に電源が投入されてから1回目の特別図柄変動が終了するまでの間、遊技者が可変設定可能な音量の設定範囲の最小値よりも小さな音が出力されるように構成している。このように構成することで、通常遊技中において大きな音が発せられる遊技機において、必要以上に小さな音を発することにより、周りの遊技機と比較して違和感のある状態を作り出すことが可能となり、遊技場の店員に発見され易くすることができる。
また、本制御例では、パチンコ機10に電源が投入されてから1回目の特別図柄変動が終了するまでの間は遊技者が音量を調整することが出来ないように構成しているため、不正行為を行った遊技者が電源投入後に音量ボタン23を操作して周りのパチンコ機10と同一の音量を出力するようにパチンコ機10の音量を調整することを防止することができる。
具体的には、図533(A)に示した通り、電源投入後の客待ち画面には、上述した図532(B)と同一の音量ゲージS2が表示され、音量切替表示S3が表示されないように構成している。このように、内部的には音量の設定値「1」よりも小さな音量が出力される状態ではあるが、表示画面には設定値「1」に対応する音量ゲージS2を表示させることで、不正行為を行う遊技者に対して、第3図柄表示装置81の表示画面を見て不正対策が施されているパチンコ機10であることが察知されてしまうことを抑制することができる。
同様に、図533(B)に示した通り、電源投入後1回転目の特別図柄変動中(設定値「1」よりも小さな音量が出力されている状態)において、音量ボタン23を押下したとしても、音量切替表示S3が表示されず、音量ボタン23を操作して音量の設定値を可変することができない。
<第14制御例における電気的構成について>
次に、図534〜図536を参照して、本第14制御例における電気的構成について説明をする。なお、上述した各制御例と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図534を参照して本パチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第14制御例のパチンコ機10では。上述した各制御例に対して、音量ボタン23(左音量ボタン23A、右音量ボタン23B)を設けた点で相違し、それ以外は同一である。
次に図535(A)を参照して、本第14制御例の音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図535(A)は、音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第14制御例の音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した各制御例のROMに対して、音量テーブル222CAを設けた点で大きく相違している。それ以外の要素については同一である。
音量テーブル222CAは、音量ボタン23を操作することで設定可能な音量の設定値が規定されているデータテーブルである。ここで、音量テーブル222CAの内容について図536を参照して説明をする。図536は、音量テーブル222CAの内容を模式的に示した模式図である。図536に示した通り、音量テーブル222CAには、音量ボタン23を操作することで設定可能な設定値(設定値「1」〜「4」)に加え、電源投入後の所定条件が成立している場合に設定される設定値(設定値「A」)が規定されており、状態に応じて所定の設定値が設定される。
具体的には、電源投入後1回転目の特別図柄変動(特図変動)が終了するまでは設定値「A」が設定される。設定値「A」が設定されると、15DB(デシベル)の大きさの音が出力される。また、音量ボタン23を操作して設定値「1」が設定されると、30DB(デシベル)の大きさの音が出力され、設定値「2」が設定されると、75DB(デシベル)の大きさの音が出力され、設定値「3」が設定されると、85DB(デシベル)の大きさの音が出力され、設定値「4」が設定されると、95DB(デシベル)の大きさの音が出力される。
なお、本制御例では、電源投入後の初期値として設定値「1」が設定されるように構成しているが、様々な条件に対応させて音量の初期値を設定するように構成しても良く、例えば、パチンコ機10を出荷後初めて電源を投入した場合にのみオンに設定されるフラグを設け、そのフラグがオンに設定されている場合は、初期値として設定値「3」が設定されるように構成したり、電源投入時の時刻を判別し、その判別結果に基づいて初期値として異なる設定値を設定するように構成しても良い。
次に、図535(B)を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。本第13制御例では、上述した第12制御例に対して、おける音声ランプ制御装置113のRAM223に設定音量記憶エリア223CAと、音量操作無効フラグ223CBと、音量変更待機フラグ223CCと、を追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
設定音量記憶エリア223CAは、現在設定されている設定音量を記憶(格納)するための領域であって、立ち上げ処理4(図537参照)の初期音量設定処理(図538参照)において、設定された設置値が格納される(図538のZ6003,Z6004)。また、音声ランプ制御装置113のメイン処理4(図539参照)の音量設定処理(図540参照)において設定された設定値が格納される(図540のZ6106)。
音量操作無効フラグ223CBは、音量ボタン23の操作に基づく音量の変更(設定値の変更)を無効にする期間を示すためのフラグであって、音量ボタン23の操作に基づく音量の変更(設定値の変更)が無効となる期間中にオンに設定されるものである。この音量操作無効フラグ223CBは、初期音量設定処理(図538参照)において、RTCの計時時間が営業時間中(例えば、午前10時〜午後10時)であると判別した場合(図538のZ6002:YES)に、オンに設定され(図538のZ6005)、音量設定処理(図540参照)で参照される(図540のZ6107)。Z6107の処理でオンに設定されていると判別した場合は(図540のZ6107参照)、音量切替表示S3(図532(B)参照)を表示させずに音量ゲージS2(図532(A)参照)のみを表示させるための表示用音量コマンドを設定する(図540のZ6110)。そして、停止コマンド処理4(図541)において実行される音量関連処理(図542参照)においてオフに設定される(図542のZ5122)。つまり、特別図柄変動が停止する場合に音量操作無効フラグ223CBがオンに設定されている場合に、オフに設定される。
音量変更待機フラグ223CCは、音量ボタン23を操作することで音量の調整が可能な状態であることを示すためのフラグであって、音量の調整が可能な状態である場合にオンに設定されるものである。本第13制御例では、パチンコ機10の音量を調整する際に、まず、音量ボタン23を押下し第3図柄表示装置81に音量切替表示S3を表示させる必要がある。そして、音量切替表示S3が表示されている状態で音量ボタン23(左音量ボタン23A、或いは右音量ボタン23B)を操作することで音量を調整するように構成している。このように構成することで、遊技中に誤って音量ボタン23を押下した場合に、パチンコ機10の音量が変更されることを防止することができる。
なお、電源投入時にRAMクリアスイッチ122が操作された状態(押下された状態)で電源投入動作が実行されることによりパチンコ機10の制御状態が初期化される場合には、操作設定される最大音量または、操作設定される最大音量よりも大きい音量でRAMクリアされたことを示す効果音を出力するように構成してもよい。このように構成することで、RAMクリアを不正に実行して当たり乱数値を狙い打ちするような不正を防ぐことができる。
また、本制御例では、電源投入時の1変動が終了するまで、操作設定される最小音量よりも小さい音量で遊技の音声を出力するように構成したが、それに限らず、電源投入後は、操作設定される最小音量よりも小さい音量で、特別図柄が変動表示される際の、BGM等の音声や効果音(演出用音声)を出力させて、第3図柄表示装置81に音量の設定状態を示す表示を表示させて、遊技者が音量ボタン23を操作するまでその音量を維持して出力するように構成してもよい。このように構成することで、電源投入後となる遊技店の開店の際における遊技開始時等に、前回の遊技者の音量設定(前日の音量設定)によって音声が出力されることで、大音量で出力されて遊技者が驚いてしまう不具合を抑制できる。さらに、最小音量よりも小さい音量とすることで、遊技者に音量が小さいことに遊技者に害を与えることを抑制しつつ気づかせることができ、音量の調整が音量ボタン23の操作により可能に構成されていることを気づかせることができる。なお、電源投入時に関わらず、デモ画面に切り替わることで、音量を最小よりも小さい音量に切り替えて、音量設定画面を表示するように構成してもよい。さらに、遊技を開始した後(特別図柄の変動が開始)に、音量ボタン23が操作されずに、最小音量よりも小さい音量の設定が継続されている期間には、変動されている特別図柄の当たり抽選結果や、保留記憶されているものの、抽選結果(先読み結果)によって、音量設定画面における表示色(音量図柄や音量ボタン(右操作で音量アップ、左操作で音量ダウン)の図柄)を可変させて当たりの期待度を報知するように構成してもよい。このように構成することで、期待度が高い変動や保留記憶がされるまでは、静かな音量で遊技を楽しみ、期待度が高くなったタイミングで音量を上げて遊技を行うことができる。
<第14制御例における音声ランプ制御装置による制御処理について>
次に、図537〜Z324を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行される制御処理について説明する。本第14制御例では、第11制御例に対して、立ち上げ処理に初期音量設定処理(Z2051)を追加した点、メイン処理に音量設定処理(Z2171)、音編集・出力処理(Z2109)の処理を追加した点、またコマンド判定処理内の一処理である停止コマンド処理に音量関連処理(Z5120)を追加した点が、主な相違点である。
図537を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理について説明する。本第14制御例における立ち上げ処理(図537)は、第11制御例における立ち上げ処理(図493)に対して、初期音量設定処理(Z2051)が追加されている点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
ここで、図538を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理(図537)の一処理である初期音量設定(Z2051)について説明する。図538は、この初期音量設定(Z2051)の内容を示したフローチャートである。
初期音量設定では、まず、RTCの計算時間の読み出しを実行する(Z6001)。次に、現在が営業時間中であるか判別する(Z6002)。営業時間中ではないと判別された場合(Z6002:NO)、ROM222に設けられている音量テーブル222CAより設定値2を読み出し、RAM223に設けられている設定音量記憶エリア223CAに格納し(Z6003)、本処理を終了する。一方、営業時間中であると判別された場合(Z6004)、音量テーブル222CAより設定値1を読み出し、設定音量記憶エリア223CAに格納し(Z6004)、次に音量操作無効フラグ223CBをオンに設定し(Z6005)、本処理を終了する。
図539を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理4について説明する。図539は、メイン処理4の内容を示したフローチャートである。本第14制御例におけるメイン処理(図539)は、第12制御例におけるメイン処理(図476)に対して、音量設定処理(Z2171)が追加されている点で相違する。その他の処理については、第12制御例と同一の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
ここで、図540を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理4(図539)の一処理である音量設定処理(Z2171)について説明する。図540は、この音量設定処理(Z2171)の内容を示したフローチャートである。
音量設定処理(Z2171)では、まず、音量ボタンが操作されたか判別する(Z6101)。音量ボタンが操作されていないと判別した場合(Z6101)、本処理を終了する。音量ボタンの操作があった場合(Z6101:YES)、RAM223に設けられている音量変更待機フラグ223CCはオンに設定されているか判別する(Z6102)。音量変更待機フラグ223CCがオンに設定されていると判別された場合(Z6102:YES)、操作内容に対応した設定値を音量テーブル222CAから読み出す(Z6103)。次に、読み出した設定値に対応する音量ゲージを表示するための表示用音量変更コマンドを設定する(Z6104)。次に、読み出した設定値を示すための音声用設定コマンドを設定し(Z6105)、読み出した設定値を設定音量記憶エリア223CAに格納し(Z6106)、本処理を終了する。
一方、Z6102の処理において、音量変更待機フラグ223CCがオフに設定されていると判別された場合(Z6102:NO)、音量操作無効フラグ223CBがオンに設定されているか判別する(Z6107)。音量操作無効フラグ223CBがオフに設定されていると判別した場合(Z6107:NO)、音量ゲージと調整表示とを示すための表示用音量変更コマンドを設定する(6108)。次に、音量変更待機フラグ223CCをオンに設定し(Z6109)、本処理を終了する。一方、Z6107の処理において、音量操作無効フラグ223CBがオンに設定されている場合(Z6107:YES)、音量ゲージを示すための表示用音量コマンドを設定し(Z6110)、本処理を終了する。
図541を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する停止コマンド処理4(Z2259)について説明する。図541は、この停止コマンド処理4(Z2259)の内容を示したフローチャートである。本第14制御例における停止コマンド処理4(Z2259)は、第12制御例における停止コマンド処理(図519)に対して、音量関連処理(Z5120)が追加されている点で相違する。その他の処理については、第12制御例と同一の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
図542を参照して、本第14制御例における停止コマンド処理4(Z2259)内の一処理である音量関連処理(Z5120)について説明する。図542は、音量関連処理(Z5120)の内容を示したフローチャートである。
音量関連処理(Z5120)では、まず、RAM223に設けられている音量操作無効フラグ223CBはオンに設定されているか判別する(Z5152)。音量操作無効フラグ223CBがオンに設定されていると判別された場合(Z5121:YES)、音量操作無効フラグ223CBをオフに設定し(Z5122)、本処理を終了する。一方、Z5121の処理において、音量操作無効フラグがオフであると判別された場合(Z5121:NO)、Z5122の処理を実行せず、本処理を終了する。
<第15制御例について>
次に、図543〜図563を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第15制御例では、操作デバイス300(図707参照)に備えられている傾倒装置310(図707参照)の動作に関する制御処理について説明する。なお、第11制御例に対して相違点のみを説明して、同一の構成についてはその説明を省略する。
本第15制御例では、主に、パチンコ機10に電源が投入された場合に、傾倒装置310の初期動作および初期動作時のエラー処理、通常遊技中において傾倒装置310の動作における制御処理とエラー処理について説明する。
図543(A)〜(B)を参照して、傾倒装置310の動作において異常が検出された場合に表示される異常報知の表示態様について説明する。図543(A)は、電源投入時の初期動作(音声ランプ制御装置110のMPU221が実行する傾倒初期動作処理(Z2907:図560))において、傾倒装置310が後述する傾倒動作タイマ223DBが0(初期動作を終えて原点位置まで到達する初期動作期間の経過タイミング)となっても原点位置で検出されない場合に第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される異常報知の表示態様(エラー表示)を示した図である。
図543(A)に示すように、傾倒装置310の初期動作が終了する動作期間が経過しても操作デバイス300の原点センサにより傾倒装置310が原点位置まで移動したことが検出されないことに基づいて「ボタン戻りエラーA 係員をお呼びください」という文字が第3図柄表示装置81に表示されて、傾倒装置310の初期動作により異常が発生したことをホールの従業員等に知らせるように構成されている。本制御例では、初期動作時には、初期動作期間が終了するタイミングで原点位置まで傾倒装置310が可動されていない場合には、図543(A)に示すようなエラー表示をするように構成している。また、詳細は後述するが、遊技者が傾倒装置310の動作を手等で押さえつける等の行為をして妨げることで、予め演出等で定められている正常な動作ができない場合がある通常の遊技中には、傾倒装置310の動作に異常を検出しても直ぐにはエラー表示をせずに、予め定められた特定条件(例えば、特別図柄の3変動毎に傾倒装置310を動作させて4回連続して、傾倒装置310の動作で異常を検出した場合等)を満たすまで異常が検出された場合に、エラーを報知するように構成して、遊技の進行を機構的な異常でもないにも関わらず妨げてしまう不具合を抑制できるように構成されている。
なお、初期動作時におけるエラー表示には、図543(A)に示すように「ボタン戻りエラーA」として識別可能な表示とすることで、機構的(制御的な異常を含む)な異常であることが容易に判別できるように構成されている。
図543(B)に示すように、通常遊技中(傾倒装置310の初期動作が完了した後の遊技中)に遊技の演出において傾倒装置310を動作させた後に、傾倒装置310を原点位置へと可動させる動作をする場合に、原点位置への移動が完了する期間となっても原点センサにより原点位置への可動(移動)が検出されないと、直ぐにはエラーを表示せずに、内部的に異常を検知した状態を示すステータスにしておき、その後、特別図柄の3変動毎に原点位置へ可動させる動作を行い、4連続して原点位置へと移動させることができければ、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに「ボタン戻りエラーB 係員をお呼びください」という文字を表示して、遊技者およびホール従業員等に傾倒装置310に異常が発生していることを報知するエラー表示が実行される。
ここで、「ボタン戻りエラーB」という初期動作時とは異なる文字表示をすることで、通常遊技中の異常であることを分かりやすく識別できるように構成している。このように、本制御例では、通常遊技中であれば、遊技者が傾倒動作310の動作を妨げるような遊技をしていることも考慮して、エラー表示を実行することで、エラー表示が頻繁に実行される不具合を抑制できるように構成している。また、通常遊技中にエラー表示が実行されて、傾倒装置310に異常がないことが確認された時には、遊技者が長期に渡って傾倒装置310の動作を妨げるような遊技方法を行っていることになるので、ホール従業員等が遊技方法について確認することで傾倒装置310のエラー動作を早期に防ぐことができる。
次に、図544〜図546を参照して、傾倒装置310の動作と、特別図柄の変動、タッチセンサ演出との関係について説明する。図544は、特別図柄(第3図柄)の変動パターンとしてノーマルリーチ外れAの変動が実行される場合に、傾倒装置310の動作演出が実行され、傾倒装置310が原点位置へと可動する期間(原点復帰が完了する期間)となっても原点センサにより検出されない例におけるタイミングチャートである。
ノーマルリーチ外れA(変動時間(変動期間)30000MS)の変動表示が決定されると、演出カウンタ223Hの値を取得して、後述する操作演出選択テーブル222DAに設定されている判定値「0〜149」のいずれかと照合され、取得している演出カウンタ223Hの値と一致すれば、後述する傾倒動作シナリオAテーブル222DB1(図551(A)参照)が決定される。傾倒動作シナリオAテーブル222(図551(A)参照)は、傾倒装置310が最上昇位置(図734参照)まで上昇した後、煽り動作として、図735に示す位置に傾倒装置310が下降した位置と、最上昇位置(図734参照)とを0.5秒間隔で繰り返す動作が実行された後に、原点位置である図724に示す位置まで下降される動作が実行(設定)される。
ノーマルリーチ外れAが実行された場合には、特別図柄の変動開始から18秒後(T1)に第3図柄がリーチ表示態様(左図柄列と右図柄列との第3図柄が同じ種別の図柄で仮停止(停止)される)となる。リーチ表示態様となると、特別図柄の変動開始から20秒後に第3図柄表示装置81に枠ボタン22を押下することを示唆するための枠ボタン22を模した図柄が表示される。ここで、特別図柄の変動開始から23.3秒後(T3)から26.8秒後(T4)までの3.5秒間、傾倒動作320が押下操作されて枠ボタン22を押下したことが後述する検出センサ324によって検出された場合にその検出が有効として判別される操作有効期間(T5)が設定される。
図544および図551(A)に示すように、ノーマルリーチ外れAの変動が開始されてから18秒(18000MS)後(T1)に駆動モータ342が後転方向(図724における右回り方向)に210ステップ回転することで、円盤カム344が原点位置(図724の位置)から右回りに210度回転し、図732に示すカム外し位置まで移動される(動作ポインタ1(図551(A)参照))。その後、3秒(3000MS)間、駆動モータ342が停止状態となる(動作ポインタ2(図551(A)参照))。3秒間の停止期間の後、駆動モータ342が前転方向(図732における反時計回り方向)に20ステップ回転することで、円盤カム344が反時計回り方向に20度回転して係止外し位置(図734参照)まで移動される(動作ポインタ3(図551)(A)参照)。
ここで、カム外し位置から係止外し位置へと移動する場合には、第18実施形態で既に説明したように、図733で示すように、解除部材346が下方(反時計回り方向)へと回動されることで、回転爪部材347が時計回り方向へと回動されて、傾倒部材320と回転爪部材347との係止(係合)が解除されて、傾倒装置310がねじりばね315による付勢力により上昇される。この場合に、ボイスコイルモータ352も駆動動作されることにより、前後方向の助力が傾倒装置320に付与されて、上昇力が増加されて上昇スピードが向上するように構成されている。0.5秒間、駆動モータ342が停止動作されて、傾倒装置320が最上昇位置へと移動するまでの期間が待機される(動作ポインタ4(図551(A)参照))。その後、駆動モータ342が前転方向(図734の反時計回り)に50ステップ駆動することで円盤カム344が反時計回りに50度回転して最上昇位置(図734参照)から50度下方へ回動した煽り下降位置(図735参照)へと移動される(動作ポインタ5(図551(A)参照))。その後、0.5秒後に再び、駆動モータ342が後転方向(図735における時計回り方向)に50ステップ駆動することで円盤カム344が時計回り方向に50度回転されて、再び傾倒装置320が最上昇位置(図734参照)へと移動される(動作ポインタ6(図551(A)参照))。
その後、再度、0.5秒後に、最上昇位置から煽り下降位置へと傾倒装置320が駆動され(動作ポインタ7(図551(A)参照))、その0.5秒後に煽り下降位置から最上昇位置へと傾倒装置320が駆動される(動作ポインタ8(図551(A)参照))。その後、1秒間、駆動モータ342が停止される(動作ポインタ9(図551(A)参照))。傾倒動作シナリオAテーブル222DB1の動作が終了すると、演出後戻り動作処理(Z2911:図558)が実行されることにより、後述する原点検出動作Aテーブル222D3(図552(A)参照)に基づいて、駆動モータ342が前転方向(図734における反時計回り方向)に駆動されることにより、円盤カム344が反時計回りに回動されて、傾倒装置320が原点位置へと下降する方向へと駆動力が伝達される。
ここで、図544で示した例では、傾倒装置320が最上昇位置で遊技者に下降しないように保持されて固定されている。このような場合には、既に第18実施形態で説明したように、可動クラッチ343Cが伝達ギア343Bから離反し、伝達ギア343Bを空回りさせることで、駆動モータ342が駆動している状態であっても、円盤カム344が回転しないように構成されている。
ここで、駆動モータ342が原点検出動作Aテーブル222DB3(図552(A)参照)で設定されている傾倒動作タイマ223DB(1900MS)が経過しても、検出センサ324により原点位置であることが検出されない場合には、後述する内部的(外部へと報知する状態ではない異常状態)な傾倒装置310の異常を示すデータとして傾倒動作ステータスを「4」に設定する。
このように、傾倒装置320が遊技者により保持される等によって、最上昇位置から原点位置へ復帰できない虞がある構成であっても、可動クラッチ343Cの構成により駆動モータ342(伝達ギア343B)を空回りさせて駆動モータ342や伝達ギア343B等の破損を抑制できる。また、原点復帰動作に異常があったことを傾倒動作ステータスにより判別できるように構成することで、内部的に異常状態であることが識別できるように構成されている。
次に、図545を参照して、傾倒装置310が上昇する演出(例えば、図544で示した演出)が実行された場合に、原点検出動作期間(例えば、1900MS)を経過しても原点センサがオンとならずに、傾倒動作ステータスが「4」に設定された後に実行される制御について説明する。図545は、傾倒動作ステータスが「4」に設定されている場合に、特別図柄(特図)の変動が3変動実行される毎に、傾倒装置310を原点位置へと復帰させるリトライ動作が実行される場合におけるタイミングチャートである。
傾倒動作ステータスが「4」に設定されると、図545に示すように特別図柄の変動3変動毎に傾倒装置310を原点位置へと可動させるように駆動モータ342が動作されるリトライ動作が実行される。この場合に原点センサが検出されるまで傾倒動作ステータスの値として「4」を維持したまま、4回(3変動毎のリトライ動作が4回)連続してリトライ動作で原点センサがオンとならないと、図543(B)に示したエラー表示が実行される。
これにより、傾倒装置310が上昇する演出が実行され、傾倒装置310の原点検出動作が実行されても、その動作を妨げるように遊技者が傾倒装置310を保持する等の遊技を行って原点位置への移動がされない異常が発生した場合にも、初期動作時の異常のように直ぐに異常報知を行わずに、リトライ動作を特別図柄の変動が規定回数(3回)実行される毎にリトライ動作をして、それでも連続して原点位置へと移動できていないと判断した場合に、エラー表示をすることで、遊技者によるいたずら等で頻繁にエラー表示がされて遊技店の従業員による業務が多忙になる不具合を抑制することができる。
次に、図546を参照して、傾倒動作ステータスが「4」に設定されている場合に、タッチセンサ290を使用した予告演出が選択されて実行される場合に、そのタッチセンサ290がオンとなったタイミングに基づいて原点検出動作(リトライ動作)を実行する場合における制御について説明する。図546は、タッチセンサ290を使用する演出が実行された場合に、実行される傾倒装置310の動作を示したタイミングチャートである。特別図柄の変動が開始して、タッチセンサ290の操作が有効となる予告演出が選択されておりタッチセンサ290の有効期間が設定されて、遊技者がタッチセンサ290の上部に手をかざす等の操作を実行して、タッチセンサ290がオンを検出したと判断したタイミングで傾倒装置310の駆動モータ342が駆動されて原点検出動作が実行される。図546では、原点センサがオンされたタイミングで駆動モータ342の駆動が停止され、傾倒動作ステータスが「0」に設定された場合が示されている。一方、原点検出期間(例えば、3600MS)が経過しても原点センサがオンとならない場合には、駆動モータ342の駆動が停止されて、傾倒動作ステータスが「4」に設定されたままで維持される。これにより、引き続きリトライ動作が3変動毎に実行されることとなり、傾倒装置310の異常を解消するための制御を実行できる。
遊技者は通常、発射ハンドルを右手で操作して、タッチセンサ290や枠ボタン290の操作等は左手で行うこととなる。傾倒装置310が原点位置に戻らないように遊技者が保持しながら遊技を行っている場合には、左手により傾倒装置310を保持していることが考えられることから、タッチセンサ290がオンしたタイミングで傾倒装置310を原点検出動作させることで、傾倒装置310の保持が解除された状態で原点検出動作が実行されることとなり、傾倒装置310を原点位置へと移動させることができる。なお、本制御例では、タッチセンサ290がオンしているタイミングで原点検出動作を実行するように構成したが、発射ハンドルのタッチセンサがオンしている状態でタッチセンサ290がオンした場合のみに原点検出動作を実行するように構成して、より確実に遊技者の保持が解除されている状態で原点検出動作がされるようにしてもよい。また、タッチセンサ290に限らず、枠ボタン290でもよいし、第3図柄表示装置81により両手を使用する予告演出(例えば、「両手を挙げろ」等の文字表示等)を実行しても良いし、携帯等で3次元コード等を読み取らせる演出を実行して、その期間に原点検出動作を実行するように構成してもよい。音声で両手を使用するように報知する演出であっても当然良い。
<第15制御例における電気的構成について>
次に、図547から図552を参照して、本第15制御例における電気的構成について説明する。図547は、本第15制御例におけるパチンコ機10のブロック図である。本第15制御例では、第11制御例に対して、傾倒装置310と、駆動モータ342、ボイスコイルモータ352、検出センサ324がそれぞれ追加されている。その他の構成については、第11制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。傾倒装置310の詳細な構成については、図707〜図746を参照して、後述する。
駆動モータ342は、ステッピングモータで構成されており、傾倒装置310が下限位置にあるときは、傾倒装置310が下限位置で上昇を妨げるように係止されているのが解除されるように駆動され、係止が解除されると、駆動モータ342と同期して駆動される後述するボイスコイルモータ352のパチンコ機10の前後方向への振動力が助力となりバネの付勢力によって最上昇位置まで上昇する。
一方、最上昇位置に傾倒部材310が位置する状態では、駆動モータ342が上昇させる場合とは逆回転に回動させることで傾倒装置310を下方へと移動させて原点位置へと移動させる。傾倒装置310は、原点位置へと移動されると、回転爪部材347(図724参照)により底板部311Aが係止されて傾倒装置310が上昇するのが規制される。
検出センサ324は、既に図715を参照して説明した透過型の検出センサで構成されており、左側検出センサ324Lと右側検出センサ324Rで構成されており、図724に示す傾倒装置310が下限位置で規制されている状態では、左側検出センサ324Lは、左側検出片311GLを検出しており(ON状態)、右側検出センサ324Rは、右側検出片311GRを検出していない(OFF状態)となることで、傾倒装置310が下限位置へと移動されたことを検出可能にしている。また、傾倒装置310が下限位置において、遊技者にさらに押下されると、右側検出センサ324Rが右側検出片311GRを検出して(ON状態)、左側検出センサ324Lとの双方がON状態となるので、傾倒装置310が遊技者によって下限位置で操作されたことが判別できる構成となっている。
これにより、傾倒装置310は、最上昇位置に移動されている場合だけでなく、最下限位置で規制されている場合にも、遊技者により押下(操作)される演出で使用することができ、多様な演出に利用することができる。例えば、傾倒装置310が上昇し、押下する演出は、当否判定結果が当たりである特別図柄の変動中に実行される確率が高く設定しておけば、傾倒装置310により当否判定結果の期待度を表すことができる。
ボイスコイルモータ352は、傾倒装置310の背面側に配置されており、駆動することで、傾倒装置310の背面側方向から前面側方向への振動を繰り返すものであり、傾倒装置310を振動させて、遊技者が傾倒装置310に触れた場合に振動を感じることができる演出を実行するためのものである。さらに、傾倒装置310が上昇する場合には、重力に反してバネの付勢力により上昇するが、傾倒装置310の自重により上昇力が弱まるが、ボイスコイルモータ352を上昇する場合に駆動させることで、ボイスコイルモータ352からの振動により上昇力が付与され、上昇力が自重により弱まってしまう不具合を抑制できる。
<第15制御例における電気的構成について>
次に、図548を参照して本第15制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。本第15制御例では、上述した第11制御例に対しておける音声ランプ制御装置113のROM222の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を一部変更して点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図548(A)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図548(A)は、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本第15制御例では操作演出選択テーブル222DA、傾倒動作シナリオテーブルDB、原点検出動作Aテーブル222DCC、原点検出動作Bテーブル222DD、傾倒初期動作テーブル222DEを追加した点で上述した第11制御例と相違している。
操作演出選択テーブル222DAは、特別図柄の変動種別に応じて傾倒装置310を動作させるための動作データ(動作内容)を選択するためのテーブルである。図550(A)は、操作演出選択テーブル222DAの内容を模式的に示した図である。操作演出選択テーブル222DAは、特別図柄の変動種別によって所定の確率で傾倒装置310を使用した操作演出を実行するか否か決定する演出カウンタ223Hの判定値が設定されている。操作演出を実行する判定値に対して傾倒動作シナリオの種別が設定されている。傾倒動作シナリオには、特別図柄の変動時間の経過に伴って、傾倒装置310の操作演出が開始となる契機を判定するタイマ値となる操作演出開始時間(操作演出開始期間)と、傾倒装置310の動作時間(動作期間)を設定するための傾倒動作タイマ223DBのタイマ値と、傾倒装置310の操作が有効となる開始時間(開始期間)を判定するタイマ値である操作有効開始時間(操作有効開始期間)と、傾倒装置310の操作が有効となる期間が終了することを判定するためのタイマ値となる操作有効終了時間(操作有効終了期間)とが設定されている。即ち、操作演出選択テーブル222DAより選択される動作データによって、傾倒装置310を使用する演出の実行可否と、実行する場合には、傾倒装置310を使用した操作演出の開始タイミングと傾倒装置310を遊技者が押下した場合における操作を有効に判別する有効期間(T5)の設定が実行される。
具体的には、特別図柄の変動パターンが、「ノーマルリーチ大当たりA」または、「ノーマルリーチ外れA」であった場合には、演出カウンタ223Hの値を取得して操作演出を実行するかの判定が操作演出選択テーブル222DAより実行されて、操作演出を実行すると判定された場合には(取得した演出カウンタ223Hの値が「0〜149」のいずれかである場合)、傾倒装置320の動作シナリオとして、後述する傾倒動作シナリオAテーブル222BD1が選択され、傾倒動作タイマ223DB(T2)に8800MSが設定(図559のZ2923)され、操作演出開始時間(T1)に18000MSが設定され、操作有効開始時間(T3)に23300MSが設定され、操作有効終了時間(T4)に26800MSが設定される。
また、特別図柄の変動パターンが、「スーパーリーチ大当たりA」または、「スーパーリーチ外れA」であった場合には、演出カウンタ223Hの値を取得して操作演出を実行するかの判定が操作演出選択テーブル222DAより実行されて、操作演出を実行すると判定された場合には(取得した演出カウンタ223Hの値が「0〜149」のいずれかである場合)、傾倒装置の動作シナリオとして後述する傾倒動作シナリオBテーブル222BD2が選択され、傾倒動作タイマ223DB(T2)に7900MSが設定(図559のZ2923)され、操作演出開始時間(T1)に38000MSが設定され、操作有効開始時間(T3)に41500MSが設定され、操作有効終了時間(T4)に45900MSが設定される。このように、特別図柄の変動種別に応じて、傾倒装置310の実行動作とその操作が有効となる期間があらかじめ設定されており、時間の経過に伴って動作が行われる。
傾倒動作シナリオテーブル222DBは、操作演出選択テーブル222DAにて選択された傾倒動作シナリオの種別や傾倒動作シナリオを実行した後に、傾倒装置320を原点へ復帰させるための原点検出動作テーブルAおよびBを設定するためのデータテーブルが設定されている。
図550(B)は、傾倒動作シナリオテーブル222DBの構成を示した図である。傾倒動作シナリオテーブル222DBには、傾倒動作シナリオAテーブル222DB1、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2、原点検出動作Aテーブル222DB3、原点検出動作Bテーブル222DB4、が設けられている。
傾倒動作シナリオAテーブル222DB1は、傾倒動作シナリオAにおける動作内容が定義されたテーブルで、変動パターン種別がノーマルリーチA外れまたはノーマルリーチA当たりの場合に選択されうるものであり、傾倒装置310が可動する場合の動作データが記憶されている。上述したように、傾倒動作シナリオAテーブル222DB1は、特別図柄の変動開始時に、操作演出選択テーブル222DAの抽選により設定される。図551(A)は、傾倒動作シナリオAテーブル222DB1の内容を模式的に示した図である。特別図柄の変動が開始されてから、操作演出選択テーブル222DAにて設定した操作演出開始時間の契機となった場合に、傾倒動作シナリオAテーブル222DB1の動作が開始される。
傾倒動作シナリオAテーブル222DB1の動作は、動作ポインタが「1」から順に、傾倒動作タイマ223DBの時間の経過に対応された所要時間の間、動作ポインタに対応する動作内容を読み出し(図561のZ2953)て、動作ポインタが「10」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)まで、定義された動作を行う。
具体的には、特別図柄の変動を開始してから、操作演出開始時間の契機(18000MS)となった場合に、動作ポインタが「1」の動作データ(2100MSの間は210ステップを後転方向へ可動)が実行され、カム外し動作(円盤カム344の第2引込部344C4により解除部材346が時計回り方向に回動されて第2張出部344C3が解除部材34の上部(図732参照)まで移動される動作(即ち、回転爪部材347を動作させずに、第2張出部344C3が解除部材34の上部(図732参照)まで移動させる動作))されてカム外し位置となる。次に、動作ポインタが「2」の動作データ(3000MSの間は停止)が実行されることにより待機動作が行われる。動作ポインタが「3」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、係止外し動作(第2張出部344C3が解除部材346を下方へ回動させることで、回転爪部材347を回動させて傾動装置320との係止を解除させる動作)することにより係止外し位置へと円盤カム344が移動されて、傾倒装置320の上昇が開始される。
次に、動作ポインタが「4」の動作データ(500MSの間は停止)が実行され、上昇待ちを行い、動作ポインタが「5」の動作データ(500MSの間は50ステップを前転方向へ可動)が実行され図735の位置となり、動作ポインタが「6」の動作データ(500MSの間は50ステップを後転方向へ可動)が実行され図734の位置となる煽り動作が実行される。動作ポインタが「7」の動作データ(500MSの間は50ステップを前転方向へ可動)が実行され再び図735の位置となり、動作ポインタが「8」の動作データ(500MSの間は50ステップを後転方向へ可動)が実行され再び図735の位置となり、この動作ポインタ「4」から「8」の2回反復した動作を煽り動作として、動作ポインタが「9」の動作データ(1000MSの間は停止)が実行され、図734の位置で停止を行い、動作ポインタが「10」となり動作を終了する。
このように、傾倒動作シナリオAテーブル222DB1に従って実行される傾倒装置320の動作は、傾倒装置320が原点位置にある状態から、最上昇位置へと移動された後に、傾倒装置320が最上昇位置で煽り動作を実行した後に、原点位置へと復帰する動作が実行される。ここで、図544に示すように、傾倒装置320が上昇を開始してから、3.5秒間の間、傾倒装置320が押下操作されて検出スイッチ324により検出された場合にその検出が有効として判別されて、第3図柄表示装置81に特定の予告演出(例えば、当たりの期待度等を報知する演出)が表示され、音声出力装置226、ランプ表示装置27からも予告演出に合わせた効果音やランプ点灯態様が点灯される。傾倒装置320が上昇を開始した後に、遊技者によって、操作有効期間(T5)の3.5秒間が経過するよりも前に、傾倒装置320が押下操作されると、傾倒装置320は、原点検出動作Aテーブル222DB3による復帰動作が実行されるよりも前に、押下操作により原点位置へと移動して、回転爪部材347により傾倒装置320が係止されて原点位置に保持されると、原点検出動作Aテーブル222DB3に基づく動作が実行されて、円盤カム344が初期位置(原点位置)へと移動される。
なお、傾倒装置320が上昇した位置等で遊技者に保持されて伝達ギア343Bが空回りした場合には、左側検出センサ353LがONとなったことにより初期位置と判断して、円盤カム344の位置を原点位置へと復帰させる制御動作が実行される。
傾倒動作シナリオBテーブル222DB2は、傾倒動作シナリオBにおける動作内容が定義されたテーブルで、変動パターン種別がスーパーリーチAの場合に、傾倒装置310が可動する場合の動作データが記憶されている。上述したように、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2は、特別図柄の変動開始時に、操作演出選択テーブル222DAの抽選により設定さる。図551(B)は、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2の内容を模式的に示した図である。特別図柄の変動が開始されてから、操作演出選択テーブル222DAにて設定した操作演出開始時間の契機となった場合に、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2の動作が開始される。
傾倒動作シナリオBテーブル222DB2は、動作ポインタが「1」から順に、傾倒動作タイマ223DBの時間の経過に対応された所要時間の間、動作ポインタに対応する動作内容を読み出し(図561のZ2953)て、動作ポインタが「11」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)まで、定義された動作を行う。
具体的には、特別図柄の変動を開始してから、操作演出開始時間の契機(38000MS)となった場合に、動作ポインタが「1」の動作データ(500MSの間は50ステップを前転方向へ可動)が実行され、係止外しとなり、動作ポインタが「2」の動作データ(3000MSの間は停止)が実行され、待機を行い、動作ポインタが「3」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「4」の動作データ(200MSの間は20ステップを後転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「5」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「6」の動作データ(200MSの間は20ステップを後転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「7」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「8」の動作データ(200MSの間は20ステップを後転方向へ可動)が実行され、この動作ポインタ「3」から「8」の3回の反復した動作を煽り動作として、動作ポインタが「9」の動作データ(1200MSの間120ステップを前転方向へ可動)が実行され、図740の位置まで最上昇をし、動作ポインタが「10」の動作データ(2000MSの間は停止)が実行され、図740の位置で停止を行い、動作ポインタが「11」となり動作を終了する。
このように構成することで、リーチ演出中に傾倒装置310が煽り動作を行い、遊技者への操作を促すとともに、変動種別に応じてその煽り動作を変化させ、操作演出が実行されている間に、上昇する高さ(長さ)を異なるところで停止させることで、操作することへの関心が生まれ、遊技の興趣を高めるとことができる。
なお、本制御例では、変動パターンの種別により傾倒動作シナリオの種別を対応させて設定したが、それに限らずに、当否判定結果が当たりの場合と外れの場合とでそれぞれ傾動動作シナリオAおよびBが演出カウンタ223Hの判定値を振分けて設定することで、選択率を当否判定結果により変えて設定しておくように構成してもよい。このように構成することで、例えば、当否判定結果が当たりである場合に外れの場合よりも選択される確率が高く設定されている傾倒動作シナリオが実行されることで、遊技者に当否判定結果が当たりであることを期待させることができる。
また、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2のように、動作開始時に煽り動作をした後に、最上昇位置まで上昇させずに、原点位置へと移動させるように動作させる傾倒動作シナリオ種別を設定しておいてもよい。このように構成することで、例えば、傾倒動作シナリオBを当否判定結果が当たりの場合に選択されやすく設定しておき、当否判定結果が外れである場合には、煽り動作のみの傾倒動作シナリオが選択されやすく設定しておくことで、煽り動作がされることで、大当たりへの期待を高く持たせることができる。
原点検出動作Aテーブル222DB3は、傾倒装置310が傾倒動作シナリオAの動作を行った後に、検出センサ324にて原点検出がされなかった場合に、傾倒装置310を元の位置(原点)に収納するための動作データが記憶されている。
図552(A)は、原点検出動作Aテーブル222DB3の内容を模式的に示した図である。傾倒動作シナリオテーブルの動作と同様に、動作ポインタが「1」の動作データから順に、動作ポインタが「2」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)まで行われる。
具体的には、動作ポインタが「1」の動作データ(1900MSの間は190ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「2」となり動作を終了する。
原点検出動作Aテーブル222DB3は、傾倒動作シナリオAテーブルの動作が終了し、操作有効の期間中に遊技者が傾倒装置310の操作を行い、傾倒操作フラグがオンであった場合(Z2957:YES)、または、検出センサ324の原点検出がなかった場合(Z2961:NO)に、原点検出動作Aテーブル222DB3に基づいて、傾倒動作タイマ223DBの値として1900MSを設定し、傾倒動作ステータス223DAに3を設定(Z2959)することで、演出後戻り動作処理(図562、Z2911)にて、傾倒動作タイマ223DBが0になるまで、原点検出動作Aテーブル222DB3の動作内容の読み出し(Z2974)を行い、原点検出がある(Z2971:YES)または、傾倒動作タイマ223DBが0になる(Z2973:NO)まで、原点復帰動作が行われる。
原点検出動作Bテーブル222DB4は、傾倒装置310が傾倒動作シナリオBの動作を行った後に、検出センサ324にて原点検出がされなかった場合に、傾倒装置310を元の位置(原点)に収納するための動作データが記憶されている。
図552(B)は、原点検出動作Bテーブル222DB4の内容を模式的に示した図である。傾倒動作シナリオテーブルの動作と同様に、動作ポインタが「1」の動作データから順に、動作ポインタが「2」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)まで行われる。
具体的には、動作ポインタが「1」の動作データ(1900MSの間は190ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「2」となり動作を終了する。
原点検出動作Bテーブル222DB4は、傾倒動作シナリオBテーブルの動作が終了し、操作有効の期間中に遊技者が傾倒装置310の操作を行い、傾倒操作フラグがオンであった場合(Z2957:YES)、または、検出センサ324の原点検出がなかった場合(Z2961:NO)に実行される。原点検出動作Bテーブル222DB4に基づいて、傾倒動作タイマ223DBの値として1900MSを設定し、傾倒動作ステータス223DAに3を設定(Z2959)することで、演出後戻り動作処理(図562、Z2911)にて、傾倒動作タイマ223DBが0になるまで、原点検出動作Bテーブル222DB3の動作内容の読み出し(Z2974)を行い、原点検出がある(Z2971:YES)または、傾倒動作タイマ223DBが0になる(Z2973:NO)まで、原点復帰動作が行われる。
リトライ動作テーブル222DCは、傾倒装置310が傾倒動作シナリオを行った後に、原点検出動作を行ったにもかかわらず、原点検出がなかった場合に、原点検出を繰り返し行うための動作データが記憶されている。
図552(C)は、リトライ動作テーブル222DCの内容を模式的に示した図である。リトライ動作テーブル222DCは、上述した傾倒動作シナリオテーブルの動作と同様に、動作ポインタが「1」の動作データから順に、動作ポインタが「2」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)か、原点検出がある(Z2989:YES)まで行われる。
具体的には、リトライ動作テーブル222DCは、上述した原点検出動作において、傾倒動作タイマ223DBが0となった場合(Z2973:NO)に終了し、傾倒動作ステータス223DAに4を設定(Z2975)し、検出変動カウンタ223DCに3を設定(Z2976)し、検出チェックカウンタ223DDに4を設定(Z2977)することで実行されるリトライ動作処理(Z2913)において、特別図柄の変動開始タイミング(Z2981:YES)に、検出チェックカウンタ223DDが1以上である場合(Z2982:YES)に、1減算をした(Z2983)検出変動カウンタ223DCが0である場合(Z2984:NO)に、リトライ動作テーブルの内容に基づいてリトライ動作時間(900MS)が傾倒動作タイマ223DBに設定(Z2985)され、検出チェックカウンタ223DDを1減算(Z2986)し、減算後の値が1以上(Z2987:YES)であれば、検出変動カウンタ223DCを3に設定(Z2988)する。そして、検出センサ324が原点位置でない(Z2989:NO)場合に、傾倒動作タイマ223DBが0でない場合(Z2990:YES)に、対応する動作内容が読み出し(Z2991)され、リトライ動作は、傾倒動作タイマ223DBが0となるか、検出センサ324が原点位置となる(Z2989:YES)まで行われる。以上の動作を、図545にも示した通り、特別図柄の変動の3回に1回に動作設定が行われ、原点検出が行われなければ、最大4回行われる。
傾倒初期動作テーブル222DDは、電源投入時における傾倒装置310の初期動作設定を行うための動作データが記憶されている。
図552(D)は、傾倒初期動作テーブル222DDの内容を模式的に示した図である。傾倒初期動作テーブル222DDは、上述した傾倒動作シナリオテーブルの動作と同様に、動作ポインタが「1」の動作データから順に、動作ポインタが「2」となり、傾倒動作タイマ223DBが0(Z2931:YES)となるか、原点検出がある(Z2933:YES)まで行われる。
具体的には、電源投入時に実行される立ち上げ処理(図553)にて、RAMの内容が正常であった(Z2205:YES)場合に、傾倒初期動作テーブル222DDに基づいて、動作時間(7200MS)が傾倒動作タイマ223DBに設定(Z2061)され、傾倒動作ステータスを1に設定(Z2062)することで、動作を開始する。
次に、図549を参照して、本第13制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図549は、本第13制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223を模式的に示した模式図である。本第12制御例では、上述した第11制御例に対して、傾倒動作ステータス223DAと、傾倒動作タイマ223DBと、検出変動カウンタ223DCと、検出チェックカウンタ223DDと、傾倒操作フラグ223DEと、押下予告有効タイマ223DFと、を追加した点で相違している。
傾倒動作ステータス223DAは、傾倒装置310の動作状態を判別するための情報が記憶されている。傾倒動作ステータス223DAは、電源投入時に実行される立ち上げ処理(図553)にて、傾倒装置310の初期動作設定を行った場合に1が設定(Z2062)され、初期動作状態となる。
傾倒動作ステータス223DAは、枠ボタン入力監視・演出処理3(Z2161)の中で実行される、傾倒装置制御処理(Z2891)にて、傾倒動作ステータス223DAの値に応じて実行する処理が決定される。具体的には、傾倒動作ステータス223Dの値が「0」の場合(Z2904:YES)は、操作演出設定処理(Z2905)が実行され、傾倒動作は操作開始待ちの待機状態である。傾倒動作ステータス223Dの値が「1」の場合(Z2906:YES)は、傾倒初期動作処理(Z2907)が実行され、傾倒動作は電源投入後の初期動作の実行中である。傾倒動作ステータス223Dの値が「2」の場合(Z2908:YES)は、操作演出中処理(Z2909)が実行され、傾倒動作は特別図柄変動中における操作演出中の状態である。傾倒動作ステータス223Dの値が「3」の場合(Z2910:YES)は、演出後戻り動作処理(Z2911)が実行され、傾倒動作はシナリオ動作後の戻り動作中である。
傾倒動作ステータス223Dの値が「4」の場合(Z2912:YES)は、リトライ動作処理(Z2913)が実行され、傾倒動作は原点検出を行うためのリトライ動作実行中である。傾倒動作ステータス223Dの値がそれ以外(Z2912:NO)の場合は、傾倒動作ステータス223Dの値が「5」の場合で、本処理内の実行を終了するが、上述した初期動作や戻り動作を行った際に、原点検出をすることができない場合のエラー状態であるが、エラー状態となった場合は、電源を再投入するまで傾倒動作の変化はない。
操作演出設定処理(Z2905:図559)では、上述した通り、特別図柄の変動を開始してから、操作演出開始時間の契機となった場合(Z2921:YES)に、傾倒動作ステータス223DAは2に設定(Z2922)され、傾倒動作は特別図柄の変動動作中における操作演出中の状態となる。
傾倒初期動作処理(Z2907:図560)では、初期動作が傾倒動作タイマ223DBが0になった場合(Z2933:YES)に、検出センサ324の原点検出がある場合(Z2933:YES)に0が設定され、傾倒動作は待機状態となり、検出センサ324の原点検出がない場合(Z2933:NO)は5が設定されエラー状態となる。
操作演出中処理(Z2909:図561)では、傾倒動作タイマ223DBが0となり(Z2951:NO)、傾倒操作フラグがオフである場合(Z2957:NO)に、検出センサ324の原点検出がある場合(Z2961:YES)に、傾倒動作ステータス223DAに0が設定(Z2962)され、傾倒動作は待機状態となる。
演出後戻り動作処理(Z2911:図562)では、検出センサ324の原点検出がある場合(Z2971:YES)に、傾倒動作ステータス223DAに0が設定(Z2972)され、傾倒動作は待機状態となり、この処理を終了する。
検出センサ324の原点検出がない場合(Z2971:NO)に、傾倒動作タイマ223DBが0となった場合(Z2973:NO)は、傾倒動作ステータス223DAに4を設定し、傾倒動作はリトライ動作実行中となる。
リトライ動作処理(Z2913:図563)では、特別図柄の変動開始後(Z2981:NO)に、検出センサ324の原点検出がある場合(Z2989:YES)は、傾倒動作ステータス223DAに0が設定(Z2972)され、傾倒動作は待機状態となり、検出センサ324の原点検出がない場合(Z2989:NO)に、検出チェックカウンタ223DDが0の場合(Z2992:YES)は、傾倒動作ステータス223DAに5が設定(Z2994)され、傾倒動作はエラー状態となる。
傾倒動作タイマ223DBは、傾倒装置310の動作を計数するためのタイマである。傾倒動作タイマ223DBは、電源投入時には、初期動作時間が設定(Z2061)され、メイン処理(図554)が実行される毎に、1ずつ加算されて繰り返し更新される。
傾倒動作ステータスの値が「0」である場合の待機状態では、傾倒動作シナリオテーブルに応じた動作時間が設定(Z2923)される。傾倒動作ステータスの値が「2」である場合の、操作演出中の状態では、傾倒動作タイマ223DBが0(Z2951:NO)となり、傾倒操作フラグがオンである場合(Z2957:YES)に、原点検出動作テーブルに基づいて、原点検出動作の時間が設定される。傾倒動作ステータスの値が「4」である場合の、リトライ動作実行中では、リトライ動作テーブル222DCの内容に基づいてリトライ動作時間が設定(Z2985)される。
検出変動カウンタ223DCは、傾倒装置310がシナリオ動作後の戻り動作にて、原点検出がされなかった場合に行うリトライ動作を実行する間の、変動回数を計数するカウンタである。検出変動カウンタ223DCは、傾倒動作ステータスの値223DAが「3」である場合に実行される演出後戻り動作処理(Z2911)にて、検出センサ324の原点検出がない場合(Z2971:NO)に、傾倒動作タイマ223DBが0(Z2973:NO)となった場合に3が設定(Z2976)され、傾倒動作はリトライ動作中となる。
リトライ動作中は、特別図柄の変動開始のタイミング(Z2981:YES)にて、検出チェックカウンタ223DDが0でない場合(Z2982:YES)は、リトライ動作が残っていると判断し、以下の判定処理を行う。まず、検出変動カウンタ223DCを1減算(Z2983)し、その減算結果が0である場合(Z2984:NO)は、リトライ動作を行う変動と判断し、リトライ動作テーブルの内容に基づいて傾倒動作タイマの設定(Z2985)が行われた後に、検出チェックカウンタ223DDを1減算(Z2986)した結果が0でない場合(Z2987:YES)は、リトライ動作が規定回数(最大4回)に到達していないものとして、検出変動カウンタ223DCを3に設定(Z2988)する。
検出チェックカウンタ223DDは、傾倒装置310がシナリオ動作後の戻り動作にて、原点検出がされなかった場合に行うリトライ動作回数を計数するカウンタである。検出チェックカウンタ223DDは、傾倒動作ステータス223DAの値が「3」である場合に実行される演出後戻り動作処理(Z2911)にて、検出センサ324の原点検出がない場合(Z2971:NO)に、傾倒動作タイマ223DBが0(Z2973:NO)となった場合に、4が設定(Z2976)され、傾倒動作はリトライ動作中となる。よって、リトライ動作は、原点検出がなければ最大4回行われる。
傾倒操作フラグ223DEは、傾倒動作シナリオAまたは傾倒動作シナリオBが実行されている場合に、操作有効期間中に傾倒装置320が遊技者によって押下操作されて原点位置へと移動されて、回転爪部材347によって係止されたことを示すフラグである。この傾倒操作フラグ223DEは、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される操作演出中処理(Z2909)のZ2956の処理によって、操作有効期間中に傾倒装置320が押下操作されて検出スイッチ324により検出された場合にオンに設定される。一方、Z2957の処理により傾倒操作フラグ223DEがオンである判別された後に、傾倒動作ステータスが3に設定されて、原点復帰動作が実行された後にオフに設定される(Z2960参照)。
押下予告有効タイマ223DFは、傾倒装置320が上昇動作されない場合(即ち、原点位置で回転爪部材347により保持されている場合)に、傾倒装置320を演出用のスイッチとして押下動作されたことによる検出スイッチ324の検出を有効に判別する有効期間を判別するためのタイマである。この押下予告有効タイマ223DFは、変動パターンが決定される場合に、予告演出として、傾倒装置320を演出用のスイッチとして使用する予告演出が決定された場合に、有効期間の開始タイミングに基づいて、定められている有効期間に対応したデータが記憶される。なお、この押下予告有効タイマ223DFに有効期間に対応するデータが設定される(Z2877:図555参照)場合に、カム外し動作が実行される。これにより、カム外しが実行される動作音やパチンコ機10より遊技者に伝わる振動等により傾倒動作シナリオAテーブル222DB1が実行されるのではないかという期待感を持たせることができる。また、押下予告有効タイマ223DFは、押Z2873(図555参照)により1ずつ減算されて更新される。
<第15制御例における主制御装置による制御処理について>
次に、図553〜345を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113による制御処理について説明する。本第15制御例では、第11制御例に対して、立ち上げ処理(図553)とメイン処理(図554)の一部の処理を追加した点、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107:図490)を枠ボタン入力監視・演出処理3(Z2161:図555)、センサ入力処理(Z2813:図491)をセンサ入力処理2(Z2890:図556)に変更した点、タッチ入力中リトライ処理(Z2860:図557)、傾倒装置制御処理(Z2891:図558)、操作演出設定処理(図559)、傾倒初期動作処理(Z2907:図560)、操作演出中処理(Z2909:図561)、演出後戻り動作処理(Z2911:図562)、リトライ動作処理(Z2913:図563)を追加した点点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一の処理であるため、その詳細な説明は省略する。
図553を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理(図553)について説明する。本第15制御例における立ち上げ処理(図553)は、第11制御例における立ち上げ処理(図475)に対して、Z2061〜Z2062の処理を追加した点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
本第15制御例における、立ち上げ処理(図553)では、Z2012の処理、或いは、Z2013の処理を実行した後、ROM222に設けられている傾倒初期動作テーブル222DE(図552(D)参照)に基づいて、RAM223に設けられている傾倒動作タイマ223DBを設定する(Z2061)。次に、RAM223に設けられている傾倒動作ステータス223DAの値を1に設定し(Z2062)、後述するメイン処理(図554)を実行する。
このように、電源投入時に傾倒動作ステータスが1に設定されるので、傾倒装置320の初期動作が電源投入時に後述する傾倒初期動作処理(Z2907:図560)により実行される。よって、電源投入時に初期動作を実行して、原点位置へと移動させた状態で遊技を開始することができる。さらに、図示は、省略したが、初期動作により円盤カム344を動作させて、左側検出センサ353Lがオンとなったことに基づいて、ステップカウンタ等が初期値に設定されるので、駆動モータ342の制御を安定して行うことができる。
図554を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図554)について説明する。本第15制御例におけるメイン処理(図554)では、第11制御例におけるメイン処理(図476)に対して、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107)を枠ボタン入力監視・演出処理3(Z2161)に変更する点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図555を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図554)の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理3(Z2161:図555)について説明する。図555は、枠ボタン入力監視・演出処理3(Z2161)の内容を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理3(Z2161:図555)では、まず、本パチンコ機10が、今現在、押下予告の実行が決定された特別図柄の変動中(押下予告の設定中)か判別される(Z2881)。即ち、押下予告の実行が決定されているか判別される。押下予告の設定中であると判別された場合には(Z2881:YES)、押下予告有効期間中か判別される(Z2882)。即ち、押下予告の実行中であるか判別され、押下予告有効タイマ223DFが0より大きい値であるか判別される。押下予告有効期間中であると判別された場合には(Z2882:YES)、RAM223に設けられている押下予告有効タイマ223DFを1減算して更新する(Z2883)。次に、遊技者によって傾倒装置320が押下され、検出スイッチ324がオンであるか判別される(Z2884)。傾倒装置320が押下されたと判別された場合には(Z2884:YES)、表示用押下予告態様コマンドを設定し(Z2885)、Z2890の処理に移行する。尚、Z2881の処理において、押下予告の実行中ではない場合には(Z2881:NO)、或いは、Z2884の処理において、遊技者によってボタン押下がされていないと判別した場合には(Z2884:NO)、その他の処理をスキップし、Z2890の処理に移行する。
一方、Z2882の処理において、押下予告有効期間中ではないと判別された場合には(Z2882:NO)、押下予告を実行する開始タイミングである押下予告有効期間の開始タイミングであるか判別される(Z2886)。なお、押下予告の開始タイミングは、特別図柄の変動開始時に図示しない開始タイマが設定され、その開始タイマの値(特定の値である「0」まで更新された場合)により判別される。
有効期間の開始タイミングであると判別された場合には(Z2886:YES)、押下予告有効タイマ223DFの値として定められている有効期間(例えば、5秒)が設定され、カム外し動作として2100MSの駆動モータ342の後転動作が設定される(Z2887)。このように構成することで、傾倒装置320が上昇動作されない押下予告であってもカム外し動作が必ずされるので、遊技者に上昇演出が実行されることを期待させることができる。
尚、押下予告有効期間の開始タイミングではない場合には(Z2886:NO)、Z2887の処理をスキップしてZ2888の処理を実行する。次に、押下予告有効期間の終了タイミングか判別される(Z2888)。なお、ここでは、押下予告有効期間タイマ223DFの値が0であるか判別される。押下予告有効期間の終了タイミングであると判別された場合には(Z2888:YES)、押下予告有効タイマ223DFの値をリセットして、原点戻し動作として1500MS後転動作を設定する(Z2889)。一方、Z2888の処理において、有効期間の終了タイミングではないと判別された場合には(Z2888:NO)、Z2889の処理をスキップしてセンサ入力処理2(Z2890)の処理を実行する。
このセンサ入力処理2(Z2890)の詳細については、図556を参照して後述する。次に、傾倒装置制御処理(Z2891)を実行し、本処理を終了する。傾倒装置制御処理(Z2891)の詳細については、図558を参照して後述する。
図556を参照して、本第15制御例におけるセンサ入力処理2(Z2890:図556)について説明する。本第15制御例におけるセンサ入力処理2(Z2890:図556)では、第11制御例におけるセンサ入力処理(Z2813:図491)に対して、Z2826〜Z2829の処理を実行せず、タッチ入力中リトライ処理(Z2860)を追加する点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図557を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるタッチ入力中リトライ処理(Z2860)について説明する。図557はタッチ入力中リトライ処理(Z2860)の内容を示したフローチャートである。
タッチ入力中リトライ処理(Z2860:図557)では、まず、RAM223に設けられている傾倒動作ステータス223DAの値が4であるか判別される(Z2861)。傾倒動作ステータス223DAの値が4ではないと判別された場合には(Z2861:NO)、本処理を終了する。一方、傾倒動作ステータス223DAの値が4であると判別された場合には(Z2861:YES)、RAM223に設けられている傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいか判別される(Z2862)。傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいと判別された場合には(Z2862:YES)、本処理を終了する。一方、傾倒動作タイマ223DBの値が0であると判別された場合には(Z2862:YES)、検出センサは原点検出か判別される(Z2863)。検出センサは原点検出ではないと判別された場合には(Z2863:NO)、駆動モータを1ステップ後転方向へ設定し(Z2864)、本処理を終了する。一方、検出センサは原点検出であると判別された場合には(Z2863:YES)、傾倒動作ステータス223DAの値を0に設定し(Z2865)、本処理を終了する。
図558を参照して、傾倒装置制御処理(Z2891)について説明する。図558は、傾倒装置制御処理(Z2891)の内容を示したフローチャートである。
傾倒装置制御処理(Z2891:NO)では、傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいか判別される(Z2901)。傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいと判別した場合には(Z2901:YES)、傾倒動作タイマ223DBの値を1減算する。尚、Z2901の処理において、傾倒動作タイマ223DBの値が0であると判別された場合には(Z2901:NO)、Z2902の処理をスキップし、Z2904の処理を実行する。次に、傾倒動作ステータス223DAの値が0であるか判別される(Z2904)。傾倒動作ステータス223DAの値の値が0であると判別された場合には(Z2904)、操作演出設定処理(Z2905)を実行し、本処理を終了する。
このように、タッチセンサ290がオンとなったタイミングで、傾倒装置320の原点復帰異常を示す傾倒動作ステータスが「4」である場合に、原点復帰のリトライ動作が実行されるので、遊技者が両手を使用(片手は、発射ハンドル、もう一方の手は、タッチセンサ290を操作)している確率の高いタイミングで原点復帰のリトライ動作をすることで、傾倒装置320を原点復帰させ易くすることができる。
ここで、図559を参照して、傾倒装置制御処理(Z2891:図558)の一処理である操作演出設定処理(Z2905)について説明する。図559は、操作演出設定処理(Z2905)の内容を示したフローチャートである。
操作演出設定処理(Z2905)では、操作演出開始時間に達したかどうか判別される(Z2921)。操作時間演出開始時間に達していないと判別された場合には(Z2921:NO)、本処理を終了する。操作演出開始時間に達していると判別された場合には(Z2921:YES)、傾倒動作ステータス223DAの値を2に設定する(Z2922)。次に、ROM222に設けられている傾倒動作シナリオテーブル222DBに基づいて、傾倒動作タイマ223DBの値を設定し(Z2923)、傾倒操作フラグ223DEをオフに設定し(Z2924)、本処理を終了する。
図558に戻り説明を続ける。Z2904の処理で、傾倒動作ステータス223DAの値が0ではないと判別された場合には(Z2904:YES)、傾倒動作ステータス223DAの値が1であるか判別される(Z2906)。傾倒動作ステータス223DAの値が1であると判別された場合には(Z2906:YES)、傾倒初期動作処理(Z2907)を実行し、本処理を終了する。
図560を参照して、傾倒装置制御処理(Z2891:図558)の一処理である傾倒初期動作処理(Z2907)について説明する。図560は傾倒初期動作処理(Z2907)の内容を示したフローチャートである。
傾倒初期動作処理(Z2907)では、まず、傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいか判別される(Z2931)。傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいと判別された場合には(Z2391:YES)、傾倒初期動作テーブル222DEの動作内容を読み出し(Z2932:YES)、本処理を終了する。一方、Z2931の処理において、傾倒動作タイマ223DBの値が0であるか判別された場合には(Z2931:NO)、検出センサは原点位置か判別される(Z2933)。検出センサが原点位置だと判別された場合には(Z2933:YES)、傾倒動作ステータス223DAに0を設定し(Z2934)、本処理を終了する。一方、検出センサが原点位置ではないと判別された場合には(Z2933:NO)、傾倒動作ステータスに5を設定する(Z2935)。次に、表示用エラーコマンドとして傾倒エラーAコマンドを設定し(Z2936)、本処理を終了する。
このように、電源投入時に実行される初期動作における原点復帰時の異常では、遊技中とは異なり、直ぐにエラー表示(異常処理)をさせることで、傾倒装置320の不具合を早期に発見することができる。
図558に戻り説明を続ける。Z2906の処理において、傾倒動作ステータス223DAの値が1ではないと判別した場合には(Z2906:NO)、傾倒動作ステータス223DAの値が2であるか判別される(Z2908)。傾倒動作ステータス223DAの値が2であると判別された場合には(Z2908:YES)、操作演出中処理(Z2909)を実行する。
図561を参照して、傾倒装置制御処理(Z2891:図558)の一処理である操作演出中処理(Z2909)について説明する。図561は、操作演出中処理(Z2909)の内容を示したフローチャートである。
操作演出中処理(Z2909)では、まず、傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいか判別される(Z2951)。傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいと判別された場合には(Z2951:YES)、RAM223に設けられている傾倒操作フラグ223DEはオンにされているか判別される(Z2952)。オンに設定されていると判別した場合には(Z2952:YES)、そのまま本処理を終了する。傾倒操作フラグ223DEがオンに設定されていないと判別した場合には(Z2952:NO)、傾倒動作シナリオテーブル222DBに対応する動作内容の読み出しを実行する(Z2953)。次に、操作有効期間中か判別される(Z2945)。操作有効期間中ではないと判別された場合には(Z2954:NO)、本処理を終了する。操作有効期間中であると判別された場合には(Z2954:YES)、押下検出があるかどうか判別される(Z2955)。押下検出がないと判別された場合には(Z2955)、本処理を終了する。押下検出があったと判別された場合には(Z2955:YES)、傾倒操作フラグ223DEをオンに設定し(Z2956)、本処理を終了する。
一方、Z2951の処理において、傾倒動作タイマ223DBの値が0であると判別された場合には(Z2951:NO)、傾倒操作フラグ223DEはオンに設定されているか判別される(Z2957)。傾倒操作フラグ223DEがオンに設定されていると判別された場合には(Z2957:YES)、ROM222に設けられている原点検出動作Bテーブル222DDに基づいて、傾倒動作タイマ223DBの値を設定する(Z2958)。次に、傾倒動作ステータス223DAの値を3に設定し(Z2959)、傾倒操作フラグ223DEをオフに設定し(Z2960)、本処理を終了する。一方、Z2957の処理において、傾倒操作フラグ223DEがオンに設定されていないと判別された場合には(Z2957:NO)、検出センサは原点位置か判別される(Z2961)。検出センサが原点位置ではない場合には(Z2961:NO)、上述したZ2958〜Z2960の処理を実行し、本処理を終了する。尚、検出センサが原点位置であると判別された場合には(Z2861:YES)、傾倒動作ステータス223DAの値を0に設定し(Z2962)、本処理を終了する。
図558に戻り説明を続ける。Z2908の処理において、傾倒動作ステータス223DAの値が2ではないと判別された場合には(Z2908:NO)、傾倒動作ステータス223DAの値が3であるか判別される(Z2910)。傾倒動作ステータス223DAの値が3であると判別された場合には(Z2910:YES)、演出後戻り動作処理(Z2911)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図562を参照して、傾倒装置制御処理(Z2891:図558)の一処理である演出戻り動作処理(Z2911)について説明する。図562は演出後戻り動作処理(Z2911)の内容を示したフローチャートである。
演出後戻り動作処理(Z2911)では、まず、検出センサは原点位置か判別される(Z2971)。検出センサが原点位置であると判別された場合には(Z2971:YES)、傾倒動作ステータス223DAの値に0を設定し(Z2972)、本処理を終了する。一方、Z2971の処理において、検出センサが原点位置ではないと判別された場合には(Z2971:NO)、傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいか判別される(Z2973)。傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいと判別された場合には(Z2973:YES)、原点検出動作Bテーブル222DDに対応する動作内容を読み出し(Z2974)、本処理を終了する。一方、Z2973の処理において、傾倒動作タイマ223DBの値が0であると判別された場合には(Z2973:NO)、傾倒動作ステータス223DAに4を設定する(Z2975)。次に、RAM223に設けられている検出変動カウンタ223DCに3を設定し(Z2976)、検出チェックカウンタ223DDに4を設定し(Z2977)、本処理を終了する。
図558に戻り説明を続ける。Z2910の処理において、傾倒動作ステータス223DAの値が3ではないと判別された場合には(Z2910:NO)、傾倒動作ステータス223DAの値が4であるか判別される(Z2912)。傾倒動作ステータス223DAの値が4であると判別された場合には(Z2912:YES)、リトライ動作処理(Z2913)を実行し、本処理を終了する。一方、Z2912の処理において、傾倒動作ステータス223DAの値が4ではないと判別された場合には(Z2912)、そのまま本処理を終了する。
図563を参照して、傾倒装置制御処理(Z2891:図558)の一処理であるリトライ動作処理(Z2913)について説明する。図563は、リトライ動作処理(Z2913)の内容を示したフローチャートである。
リトライ動作処理(Z2913)では、まず、変動開始タイミングかどうか判別される(Z2981)。変動開始タイミングであると判別された場合には(Z2981:YES)、検出チェックカウンタ223DDの値が0より大きいか判別される(Z2982)。検出チェックカウンタ223DDの値が0であると判別された場合には(Z2982:NO)、本処理を終了する。一方、検出チェックカウンタ223DDの値が0より大きいと判別された場合には(Z2982:YES)、検出変動カウンタ223DCの値を1減算する(Z2983)。次に、演算により変更された検出変動カウンタ223DCの値が、0より大きいか判別される(Z2984)。検出変動カウンタ223DCの値が0より大きいと判別された場合には(Z2984:YES)、本処理を終了する。一方、検出変動カウンタ223DCの値が0であると判別された場合には(Z2984:NO)、ROM222に設けられている原点検出動作Aテーブル222DCの内容に基づいて、傾倒動作タイマ223DBを設定し(Z2985)、検出チェックカウンタ223DDの値を1減算する(Z2986)。次に、演算により変更された検出チェックカウンタ223DDの値は0より大きいか判別される(Z2987)。検出チェックカウンタ223DDの値が0であると判別された場合には(Z2987:NO)、本処理を終了する。一方、Z2987の処理において、検出チェックカウンタ223DDの値が、検出変動カウンタ223DCの値を3に設定し、本処理を終了する。
一方、Z2981の処理において、変動開始タイミングではないと判別された場合には(Z2981:NO)、検出センサは原点位置か判別される(Z2989)。検出センサが原点位置ではないと判別された場合には(Z2989:NO)、傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいか判別される(Z2990)。傾倒動作タイマ223DBの値が0より大きいと判別された場合には(Z2990:YES)、原点検出動作Aテーブル222DCに対応する動作内容を読み出し(Z2991)、本処理を終了する。
一方、Z2990において、傾倒動作タイマ223DBの値が0であると判別された場合には(Z2990:NO)、検出チェックカウンタ223DDの値が0より大きいか判別される(Z2992)。検出チェックカウンタ223DDの値が0より大きいと判別された場合には(Z2992:YES)、本処理は終了する。検出チェックカウンタ223DDの値が0であると判別された場合には(Z2992:NO)、表示用エラーコマンドとして、傾倒エラーBコマンドを設定する(Z2993)。次に、傾倒動作ステータス223DAの値を5に設定し(Z2994)、本処理を終了する。一方、Z2989の処理において、検出センサが原点位置だと判別された場合には(Z2989:YES)、傾倒動作ステータス223DAの値をクリアし(Z2995)、本処理を終了する。
なお、本制御例における傾倒動作シナリオAテーブルに基づく動作では、動作開始時に傾倒装置320を遊技者が押さえつけるまたは押下する操作していると、係止外しの動作がされても直ぐに回転爪部材347により傾倒装置320が係止されてしまい上昇されない不具合が起きてしまう。このような対処として、係止外しの動作である動作ポインタ3(図551(A)参照)の動作データとして可動ステップ数を10(前転;所要時間100MS)とすることで、係止外し動作が図733に示す位置で維持されるように構成し、煽り動作をしないように構成することで、手を離したタイミングで傾倒装置320が上昇するように構成できる。
さらに、別の方法としては、傾倒動作ステータスAが実行される場合または係止外し動作が実行されている場合に、検出スイッチ324により傾倒装置320が押下されているかまたは、傾倒装置320の上面にタッチセンサを配置して、タッチセンサがオンに鳴っているか判別して、オンであれば(押下されていれば)、係止外し動作をせずに待機して、オフ状態となるまで待機させて、オフとなったタイミングで係止外し動作を実行するように構成してもよい。また、傾倒装置320が押下されたり、遊技者が触っていると判別した場合には、表示報知や音声等によって、傾倒装置320から手を離す(遊技者による上昇動作の妨げを解除する)ように報知するように構成してもよい。
<第16制御例>
次に、図564〜図588を参照して、本パチンコ機10における第16制御例について説明する。第11制御例では、大当たり遊技後に当否判定の確率が低確率(電サポは100回まで付与)に設定される大当たりAが実行された場合には、偶数図柄のぞろ目で表示して、大当たりAであることが報知されたが、本第23実施形態では、大当たりAが実行される場合に、保留球の中に大当たりとなる保留球が記憶されていれば、先に実行される大当たりAの停止図柄や、大当たり中の演出等をあたかも大当たりB1または大当たりB2であるかのように見せて、大当たり遊技後も高確率遊技状態(確変遊技状態)が設定されているかのような演出を実行する点で、第11制御例とは相違する。また、第16制御例では、大当たりAを示す偶数図柄の第3図柄が表示された場合にも、その大当たり遊技中に実は大当たりB1またはB2の確変遊技状態が設定される大当たり種別であったことを報知する昇格演出を複数設定しておき、大当たり遊技の開始時にその昇格演出の種別を抽選して決定して、昇格演出の実行内容(例えば、昇格の有無等)により、その後に実行する昇格演出の種別を切り替えて設定する点で第11制御例と相違する。なお、第11制御例と同一の点については、その詳細な説明は省略する。
図564を参照して、本制御例における大当たりAとなる当否判定結果の特別図柄の停止表示態様の一例について説明する。図564(A)は、1個目の保留球として記憶されている保留図柄H1の先読み結果(事前判別結果)が大当たりAであり、3個目に表示されている保留球の保留図柄H2の先読み結果も大当たりAである場合を示した例である。この場合に、保留図柄H1に対応する特別図柄の変動が実行されると、通常であれば、偶数図柄のぞろ目で表示されるが、変動開始時に奇数図柄のぞろ目が停止表示されるように切り替えて表示される。即ち、大当たりB1となる特別図柄の変動が実行された場合と同様の停止図柄が表示される。また、図564(B)に示すように、「スーパー大当たり!!次も期待してね!!」と短期間に大当たり遊技が実行されることを示唆すると共に、あたかも確変遊技状態が設定される大当たりであるかのような報知が実行される。これにより、実際は、大当たりAとなる保留球が大当たりAの実行される場合にも記憶されていることで、大当たりAが実行される場合にも大当たりB1が実行されたかのような演出を実行することで、大当たりB1が実行される割合が設計値よりも高いように遊技者に感じさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
図565(A)を参照して、図564に示した例における大当たり遊技後の時短遊技状態(低確率電サポあり遊技状態)における特別図柄の変動が実行される場合の演出態様について説明する。図565(A)は、大当たりAとなる保留球が記憶されている状態(保留図柄H2)で大当たりAに対応する大当たり遊技が実行された後に、時短遊技状態が設定されている状態における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。
図565(A)に示すように、第3図柄表示装置81の主表示領域DMには時短遊技状態であるにも関わらず、確変遊技状態である場合に表示される「スーパータイム中」という文字が表示され、さらに「大当たり期待度UP中」という文字を表示して、実際には当否判定確率が高く設定されているわけでなく、期待度が高いことを示唆する表示態様が表示される。これにより、遊技者に実際とは異なる虚偽の報知をすることで、遊技者の信頼を著しく損ねる不具合を抑制するように構成されている。このように、確変遊技状態と略近似する報知を疑似報知態様と称すこともできる。
図565(B)は、図565(A)で保留されていた保留図柄H2に対応する特別図柄の停止表示態様を示した例である。保留図柄H2は、大当たりAの当否判定結果であり、保留球の中にも大当たり(大当たりA、大当たりB1、大当たりB2、大当たりCのいずれか)となる保留球が記憶されていないので、通常時と同様に偶数図柄のぞろ目で停止表示させて、大当たりAであることを示す報知が実行される。
図566(A)は、図565(B)で示した例における大当たりAの大当たり遊技が実行された後に設定される時短遊技状態が設定されている場合に、第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例を示した図である。時短遊技状態を示す表示態様としては、図566(A)に示すように、「チャンス(100回)」という文字が表示されて特別図柄の変動が100回変動されて停止するまでの間、時短遊技中が設定されることが報知される。また、特別図柄の変動が1回終了する毎に数字(回数)が1ずつ減算されて表示される。
図566(B)は、大当たりB1または大当たりB2における大当たり遊技が実行された後に、第3図柄表示装置81で表示される表示態様である。確変遊技状態が設定されていることを示唆する表示態様として「スーパータイム中(確変中)」という文字が表示されて、遊技状態が確変遊技状態であることが遊技者に報知される。
なお、本実施形態では、大当たりとなる保留球が記憶されている状態で時短遊技状態が設定される場合と、確変遊技状態が設定されている場合とで、一部のみ相違する表示態様としたが、それに限らず、同一の文字(例えば、スーパータイム中のみ)を表示するように構成してもよい。また、文字を表示せずに、背景色で遊技状態を報知するように構成して、確変遊技状態と、大当たりとなる保留球が記憶されている状態で時短遊技状態が設定される場合とで、近似する色(例えば、赤色の背景色(確変遊技状態)、ピンクの背景色(大当たりとなる保留球が記憶されている状態における時短遊技状態))で表示するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に時短遊技状態をあたかも確変遊技状態であるかのように思わせることができる。
次に、図567から図568を参照して、本制御例における第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技中に実行される昇格演出について説明する。図567(A)は、大当たり遊技が開始される場合に実行されるオープニング演出の表示態様の一例である。大当たり遊技が開始されると、特定入賞口65Aが開放状態となるまでの期間、「大当たり!!スタート!!」という文字が表示されて大当たり遊技の開始であることが遊技者に報知される。
図567(B)は、昇格演出の一つであるオーバー入賞昇格演出における表示態様の一例を示した図である。オーバー入賞昇格演出とは、1ラウンドで特定入賞口65Aに10球入賞することで、1ラウンドの終了条件となるが、特定入賞口65Aに10球の遊技球が入球したことに基づいて、開閉扉65Bが閉鎖状態に可変されるまでの期間にさらに遊技球が特定入賞口65Aに入賞したことに基づいて、大当たり種別に関する情報が報知される昇格演出が実行される演出である。
オーバー入賞昇格演出では、第3図柄表示装置81に「アタッカーに球を入れてカギをGET!!」という文字を表示して、特定入賞口65A(アタッカーに相当)へ遊技球をいれてカギの図柄が表示される(遊技者に付与される)ことを示唆する表示がされている。さらに、「カギが11個貯まったら宝箱チャンス!!」という文字が表示されることにより、カギを11個貯めると「宝箱チャンス!!」が示す昇格演出(オーバー入賞昇格演出)が実行されることを遊技者に報知している。カギは、特定入賞口65Aに入賞する毎に1個表示されるように構成されているので、11個のカギが表示されたタイミングでは、1個オーバー入賞が発生していることとなる。よって、オーバー入賞が発生することで「宝箱チャンス!!」が実行されることとなる。ここで、「宝箱チャンス!!」は、宝箱が空いて中に財宝が入っている表示がされると、実行されている大当たり遊技の種別が大当たりB2または上述した大当たりとなる保留球が記憶されている状態における大当たりAであること(昇格したこと)が報知される。また、宝箱の中に財宝が表示されない場合には、実行されている大当たり遊技の種別の報知が行われない。大当たりとなる保留球が記憶されておらず、実行されている大当たり遊技の種別が大当たりAである場合には、昇格したことが報知される演出は実行されない。しかしながら、大当たり遊技の最中に大当たりとなる保留球が記憶されることに基づいて、昇格したことが報知する表示態様(宝箱の中に財宝が表示される演出)が表示されるように構成してもよい。
次に、図568を参照して、昇格演出の一つであるラウンド中昇格演出における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について説明する。図568(A)は、ラウンド中昇格演出が選択されている場合に、特定のラウンド(本制御例では5ラウンド目)となるとラウンド遊技中に「昇格チャンス!!ボタンを押して魚群が出たらラッキー!!」というコメントが表示されることで、ラウンド中昇格演出が実行され、枠ボタン22を押下することで、大当たり遊技種別に関する情報が報知されることが示唆(報知)される。ここで、枠ボタン22を遊技者が押下すると、図568(B)に示すように、実行されている大当たり遊技の種別が大当たりB2または上述した大当たりとなる保留球が記憶されている状態における大当たりAであれば、魚の群れが第3図柄表示装置81の右方向から左方向へと泳ぐ表示態様が表示され、「確変GET!!」という高確率遊技状態が大当たり遊技後に設定されることが報知される。なお、上述した大当たりとなる保留球が記憶されている状態における大当たりAである場合には、遊技者にあたかも確変遊技状態が設定されるかのような報知として「確変GET!!」という文字が表示される。
次に、図569を参照して、昇格演出の一つであるエンディング昇格演出における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について説明する。図568(A)は、大当たり遊技の終了時(16ラウンドの大当たりラウンドが終了(16ラウンド目の特定入賞口65Aの閉鎖条件(10球入賞または30秒経過)が成立))した後に、実行される大当たり遊技の終了を示す通常のエンディング演出における表示態様の一例である。
一方、図569(B)は、昇格演出の一つであるエンディング昇格演出における表示態様の一例である。エンディング昇格演出が選択されている場合に、大当たり遊技の終了時(16ラウンドの大当たりラウンドが終了(16ラウンド目の特定入賞口65Aの閉鎖条件(10球入賞または30秒経過)が成立))した後に、実行される大当たり遊技の終了を示すエンディング演出が実行されている期間に、「LUCY!!スーパーチャンスタイム!!」という文字が表示されて、第3図柄表示装置81の左方向から右方向へと魚の群れ(魚群)が泳ぐ特殊な表示態様(通常時とは異なる演出態様)が表示され、大当たり遊技後に確変遊技状態または上述した大当たりとなる保留球が記憶されている状態で時短遊技状態が設定されることを示唆する表示態様が表示される。
<第16制御例における電気的構成について>
次に、図570〜図571を参照して、本第16制御例における主制御装置110による制御処理について説明する。
図570(A)を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のROMについて説明する。本第16制御例では、第11制御例に対して、昇格抽選テーブル222DFが追加されている点で第11制御例とは相違する。その他の構成については、第11制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図570(B)を参照して、昇格抽選テーブル222DFの内容について説明する。図570(B)は、この昇格抽選テーブル222DFの内容を示した模式図である。昇格抽選テーブル222DFは、ラウンド中に特定入賞口65Aへのオーバー入賞が発生したことに基づいて取得した演出カウンタ223Hの値により、オーバー入賞昇格演出として昇格したことを報知するか否かを決定するための抽選テーブルである。具体的には、実行している大当たり遊技種別が大当たりB2であるか、大当たりAの実行を大当たりB2が実行されたように遊技者に示唆することを示す疑似確変フラグ223DMがオンである場合に、演出カウンタ223Hの値が「0〜59」のいずれかであれば、昇格したことを示す昇格演出(本制御例では、宝箱の中に財宝が表示される演出)が実行される。
次に、図571を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113のRAMの内容について説明する。図571は、第16制御例における音声ランプ制御装置113のRAMの内容を示した模式図である。第16制御例では、第11制御例に対して、当たり変動中フラグ223DG、停止図柄差替フラグ223DH、大入賞カウンタ223DI、昇格済みフラグ223DJ、昇格演出種別記憶エリア223DK、疑似確変フラグ223DMがそれぞれ追加されている点で相違する。第11制御例と同一の構成については、その詳細な説明について省略する。
当たり変動中フラグ223DGは、大当たりAとなる特別図柄の変動が、大当たりとなる保留球が記憶されていない状態で実行されていることを判別するためのフラグである。この当たり変動中フラグ223DGがオンである場合に、入賞コマンドにより大当たりとなる保留球が新たに記憶されたタイミングで特別図柄の変動表示が差替可能な期間であれば、奇数図柄のぞろ目図柄に切り替える処理が実行される。これにより、大当たりAとなる特別図柄の変動であっても、大当たりB1であるかのように遊技者に思わせることができる。
停止図柄差替フラグ223DHは、大当たりAとなる特別図柄の変動を開始させる場合に、既に大当たりとなる保留球が記憶されている状態であれば、所定確率で実行される差替抽選に当選することで、停止図柄を奇数のぞろ目図柄に切り替えることを指示するためのフラグである。この停止図柄差替フラグ223DHがオンであることに基づいて、特別図柄の変動開始時に、奇数図柄のぞろ目に切り替えられて設定される。
大入賞カウンタ223DJは、大当たり遊技における1のラウンド中に特定入賞口65Aに入賞した個数をカウントするためのカウンタである。
昇格済みフラグ223DJは、大当たり遊技中に実行されるオーバー入賞昇格演出において、昇格した演出(宝箱から財宝が表示される演出)が実行されたことを示すフラグである。このフラグにより、昇格した演出が実行された後にも、再度昇格演出が実行される不具合を抑制できる。
昇格演出種別記憶エリア223DKは、大当たり遊技が実行される場合に、大当たり遊技中に実行される昇格演出の種別が決定され、その決定された昇格演出の種別データが記憶される記憶エリアである。
疑似確変フラグ223DMは、大当たりAとなる特別図柄の変動が開始される場合に、既に、大当たりとなる保留球が記憶されている状態において、特別図柄の停止図柄を奇数図柄のぞろ目で停止表示させるように制御する差替抽選に落選したことを示すフラグである。大当たり遊技中に昇格演出が実行されたり、大当たり遊技後に設定される時短遊技状態を確変遊技状態が設定されているかのような演出(図565(A)参照)が実行される。
<第16制御例における主制御装置による制御処理について>
図572を参照して、本第16制御例における、主制御装置による制御処理について説明する。本第16制御例では、第11制御例に対して、大当たり制御処理(Z1004:図474)を大当たり制御処理2(Z1004:図572)に変更することが相違している。他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図572を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201が実行する大当たり制御処理2(Z1004:図572)について説明する。本第16制御例における大当たり制御処理2(Z1004)では、第11制御例における大当たり制御処理(Z1006:図474)に対して、Z1120とZ1121の処理を追加する点で相違している。それ以外の処理は、第11制御例と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
Z1110の処理において、大当たり終了のタイミングではない場合には(Z1110:NO)、大入賞口に入球があったか判別される(Z1120)。入球があった場合には(Z1120:YES)、入球コマンドを設定し(Z1121)、本処理を終了する。尚、Z1120の処理で、入球がないと判別された場合には(Z1120:NO)、そのまま本処理を終了する。この入球コマンドにより音声ランプ制御装置113においてもラウンド中に特定入賞口65Aに入賞した遊技球の数を判別でき、オ−バー入賞の判別も可能となる。
<第16制御例における音声ランプ制御装置による制御処理について>
図572〜図584を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113による制御処理について説明する。本第16制御例では、第11制御例に対して、コマンド判定処理(Z2113:図477)をコマンド判定処理3(Z2113:図574)、変動パターン受信処理(Z2202:図478)を変動パターン受信処理2(Z2240:図573)、入賞コマンド受信処理(Z2209:図484)を入賞コマンド受信処理2(Z2270:図576)、変動表示設定処理(Z2114:図487)を変動表示設定処理2(Z2114:図583)、枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107:図490)を枠ボタン入力監視・演出処理4(Z2107:図584)に変更した点と、停止図柄切替処理(Z2450:図575)、停止図柄変更処理(Z2460:図577)、大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図577)、オープニング処理(Z2282:図578)、大入賞入球処理(Z2284:図580)、ラウンド処理(Z2286:図581)、エンディング処理(Z2288:図582)を追加した点で相違している。その他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図573を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(Z2113)について説明する。図572は、コマンド判定処理3(Z2113)の内容を示したフローチャートである。本第16制御例におけるコマンド判定処理3(Z2113)は、第11制御例におけるコマンド判定処理(Z2113)に対して、Z2279とZ2280の処理を追加した点と、Z2240とZ2270の処理を変更した点で相違する。
Z2208の処理において、特別図柄の入賞コマンドを主制御装置110より受信していないと判別された場合には(Z2208:NO)、主制御装置110より大当たり関連のコマンドを受信したか判別される(Z2279)。大当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合には(Z2279:YES)、大当たり関連コマンド受信処理(Z2280)を実行する。大当たり関連コマンド受信処理については、図578を参照して、後述する。一方、Z2279の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別された場合には(Z2279:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(Z2261)、本処理を終了する。
図573を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(図572参照)内の一処理である変動パターン受信処理2(Z2240:図573)について説明する。図573は、変動パターン受信処理2(Z2240)の内容を示したフローチャートである。本第16制御例における変動パターン受信処理2では、第11制御例における変動パターン受信処理に対して、Z2430,Z2431,Z2450の処理を追加した点で、相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
Z2226の処理を実行した後、遊技状態に変更があるか判別される(Z2430)。ここで、遊技状態については、変動パターンコマンドに付されて主制御装置110から出されるように構成される。遊技状態としては、低確率電サポ無し遊技状態(通常遊技状態)、確変遊技状態(電サポあり)、時短遊技状態(低確率電サポあり遊技状態)が設定される。遊技状態に変更があると判別された場合には(Z2430:YES)、対応する遊技状態を背景モード記憶エリア223Iに設定し、表示用状態コマンドを設定し(Z2431)、Z2227の処理を実行する。一方、Z2430の処理において、遊技状態に変更がない場合には(Z2430:NO)、上述したZ2431の処理を実行せず、そのままZ2227の処理に移行する。
図575を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動パターン受信処理2(図574)内の一処理である停止図柄切替処理(Z2450:図575)について説明する。図575は、停止図柄切替処理(Z2450)の内容を示したフローチャートである。
停止図柄切替処理(Z2450:図575)では、まず、今回の変動は、大当たりAの変動か判別される(Z2451)。大当たりAの変動ではないと判別された場合には(Z2451:NO)、本処理は終了する。一方、今回の変動が大当たりAの変動であると判別された場合には(Z2451:YES)、入賞情報格納エリア223Fに他の当たりがあるか判別される(Z2452)。他の当たりがあると判別された場合には(Z2452:YES)、演出カウンタ223Hの値を取得し、差替抽選を実行する(Z2453)。
Z2453の処理を実行した後、差替抽選に当選したか判別される(Z2454)。差替抽選に当選していないと判別した場合には(Z2454:NO)、RAM223に設けられている疑似確変フラグ223DMをオンに設定し(Z2455)、本処理を終了する。一方、差替抽選に当選したと判別された場合には(Z2454:YES)、停止図柄切替フラグをオンに設定し(Z2456)、本処理を終了する。一方、Z2452の処理において、入賞情報格納エリア223Fに他の当たりがないと判別された場合には(Z2452:NO)、当たり変動中フラグ223DGをオンに設定し(Z2457)、本処理を終了する。
このように、大当たりAとなる特別図柄の変動を開始させる時点で、大当たりとなる保留球が記憶されている場合には、停止図柄を差し替えるかの抽選(判別)が実行され、差し替えると抽選(判別)された場合には、図柄の差替を実行することを示す停止図柄差替フラグ223DHがオンに設定される。一方、差替抽選に落選した場合には、偶数のぞろ目で停止表示して、大当たり遊技を開始させて、大当たり遊技中に昇格演出を実行したり、大当たり遊技後に確変遊技状態であるかのような特殊報知がされる。
図576を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される入賞コマンド受信処理2(Z2270:図576)について説明する。本第16制御例における入賞コマンド受信処理2(Z2270)は、第11制御例における入賞コマンド受信処理(Z2209:図484)に対して、停止図柄変更処理(Z2460)を追加する点で相違する。その他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図577を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される入賞コマンド受信処理2(Z2270:図575)内の一処理である停止図柄変更処理(Z2470)について説明する。図577は、停止図柄変更処理(Z2470)の内容を示したフローチャートである。
停止図柄変更処理(Z2460:図577)は、まず、RAM223に設けられている当たり変動中フラグ223DGがオンに設定されているか判別される(Z2461)。当たり変動中フラグ223DGがオンではない(即ちオフである)と判別された場合には(Z2461:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、当たり変動中フラグ223DGがオンに設定されていると判別された場合には(Z2461:YES)、受信した入賞情報コマンドは大当たりか判別される(Z2462)。受信した入賞情報コマンドが大当たりではないと判別された場合には(Z2642:NO)、本処理を終了する。一方、受信した入賞情報コマンドが大当たりであると判別された場合には(Z2462:YES)、疑似確変フラグ223DMをオンに設定する(Z2463)。Z2463の処理を実行した後、高速変動期間か判別される(Z2464)。高速変動期間であると判別された場合には(Z2464:YES)、表示用図柄差替コマンドを設定し(Z2465)、本処理を終了する。一方、Z2464の処理において、高速変動期間ではないと判別された場合には(Z2464:NO)、Z2465の処理を実行せず、そのまま本処理を終了する。
このように、大当たりAとなる特別図柄を変動開始させる時点では、大当たりとなる保留球が記憶されていない状態であっても、その後の変動中(当該変動中)に大当たりとなる保留球が新たに記憶された場合には、特別図柄の高速変動期間であれば、停止図柄の差替(奇数図柄のぞろ目への差替)が実行される。このように、高速変動期間中に限ったので、違和感のない差替を行うことができる。
なお、高速変動期間が終了している場合であっても、滑り等の演出を行うことで、停止図柄を差し替えるように制御してもよい。
図578を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(Z2113:図574)内の一処理である大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図578)について説明する。図578は、大当たり関連コマンド受信処理(Z2280)の内容を示したフローチャートである。
大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図578)では、まず、オープニングコマンドを受信したか判別される(Z2281)。オープニングコマンドを受信したと判別された場合には(Z2281:YES)、オープニング処理(Z2282)を実行し、本処理を終了する。オープニング処理(Z2282)の詳細については、図578を参照して、後述する。
ここで、図579を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図578)内の一処理であるオープニング処理(Z2282:図579)について説明する。図579は、オープニング処理(Z2282)の内容を示したフローチャートである。
オープニング処理(Z2282:図579)では、まず、演出カウンタ223Hの値を取得する(Z2291)。次に、Z2291の処理で取得した演出カウンタ223Hの値に基づいて、ROM222に設けられた昇格抽選テーブル222DFより昇格演出種別を選択する(Z2292)。次に、Z2292の処理で選択された昇格演出種別に対応するオープニング演出を抽選により設定する(Z2293)。次に、Z2293の処理において設定されたオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(Z2294)、Z2295の処理に移行する。
Z2294の処理を実行した後、疑似確変フラグ223DMはオンに設定されているか判別される(Z2295)。疑似確変フラグ223DMがオンに設定されていると判別された場合には(Z2295:YES)、入賞情報格納エリア223Fに大当たりがあるか判別される(Z2296)。大当たりがあると判別された場合には(Z2296:YES)、遊技状態を大当たり中に設定し(Z2297)、表示用状態コマンドを設定し(Z2300)、本処理を終了する。Z2295の処理において、Z2295がオフであると判別された場合には(Z2295:NO)、Z2296の処理をスキップしてZ2297の処理に移行する。一方、Z2296の処理において、入賞情報格納エリア223Fに大当たりがないと判別された場合には(Z2296:NO)、疑似確変フラグ223DMをオフに設定し(Z2298)、遊技状態を疑似確変フラグ223DMがオフの状態である大当たり遊戯中に設定し(Z2299)、上述したZ2300の処理を実行し、本処理を終了する。
図578に戻り説明を続ける。Z2281の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合には(Z2281:NO)、入球コマンドを受信したか判別される(Z2283)。入球コマンドを受信したと判別された場合には(Z2283:YES)、大入賞入球処理(Z2284)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図580を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図578)内の一処理である大入賞入球処理(Z2284)について説明する。図580は、大入賞入球処理(Z2284)の内容を示したフローチャートである。
大入賞入球処理(Z2284:図580)では、まず、RAM223に設けられている大入賞カウンタ223DIの値を1加算する(Z2311)。次に、昇格演出種別はオーバー入賞か判別される(Z2312)。昇格演出種別は、オーバー入賞ではないと判別された場合には(Z2312:NO)、大入賞カウンタ223DIの値を示す表示用大入賞コマンドを設定し(Z2313)、本処理を終了する。一方、昇格演出種別はオーバー入賞であると判別された場合には(Z2312:YES)、大入賞カウンタ223DIの値が10より大きいか判別される(Z2314)。大入賞カウンタ223DIの値が10より小さいと判別された場合には(Z2314:NO)、オーバー入賞演出中に対応した大入賞カウンタ223DIの値を示す表示用大入賞コマンドを設定し(Z2315)、本処理を終了する。一方、大入賞カウンタ223DIの値が10より大きいと判別された場合には(Z2314:YES)、演出カウンタ223Hの値を取得して、疑似確変フラグ223DMまたは大当たり種別に基づいて、昇格抽選テーブル222DFより昇格抽選を実行する(Z2316)。
Z2316の処理を実行した後、昇格演出に当選したか判別される(Z2317)。昇格演出に当選したと判別された場合には(Z2317:YES)、大入賞カウンタ223DIの値と昇格演出の当選とを示す表示用大入賞コマンドを設定し(Z2318)、本処理を終了する。一方、昇格演出に当選しなかったと判別された場合には(Z2317:NO)、大入賞カウンタ223DIの値と昇格演出との外れを示す表示用大入賞コマンドを設定し(Z2319)、本処理を終了する。
図578に戻り説明を続ける。Z2283の処理において、入球コマンドを受信していないと判別された場合には(Z2283:NO)、ラウンド数コマンドを受信したか判別される(Z2285)。ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合には(Z2285:YES)、ラウンド処理(Z2286)を実行する。
ここで、図581を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図578)内の一処理であるラウンド処理(Z2286)について説明する。図581はラウンド処理(Z2286)の内容を示したフローチャートである。
ラウンド処理(Z2286:図581)は、まず、昇格演出種別はオーバー入賞かどうか判別される(Z2331)。昇格演出種別がオーバー入賞ではないと判別された場合には(Z2331:NO)、昇格演出種別はエンディングかどうか判別される(Z2332)。昇格演出種別がエンディングではないと判別された場合には(Z2332:NO)、ラウンド数は12Rか判別される(Z2333)。ラウンド数が12Rであると判別された場合には(Z2333:YES)、大当たり種別又は疑似確変フラグ223DMに対応した表示用ラウンドコマンドを設定し(Z2334)、ラウンド演出に対応したSW有効時間カウンタ223Kに対応した値を設定し(Z2335)、本処理を終了する。一方、Z2331の処理において昇格演出種別はオーバー入賞であると判別された場合には(Z2331:YES)、或いは、Z2332の処理において、昇格演出種別はエンディングであると判別された場合には(Z2332:YES)、或いは、Z2333の処理において、ラウンド数が12Rではないと判別された場合には(Z2333:NO)、ラウンド数に対応した表示用コマンドを設定し(Z2336)、本処理を終了する。
図578に戻り説明を続ける。Z2285の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合には(Z2285:NO)、エンディングコマンドを受信したか判別される(Z2287)。エンディングコマンドを受信した場合には(Z2288:YES)、エンディング処理(Z2288)を実行し、本処理を終了する。エンディング処理(Z2288)の詳細については、図582を参照して、後述する。一方、Z2287の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別された場合には(Z2287:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(Z2289)、本処理を終了する。
図582を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される大当たり関連コマンド受信処理(Z2280:図578)内の一処理であるエンディング処理(Z2288:図582)について説明する。図582は、エンディング処理(Z2288)の内容を示したフローチャートである。
エンディング処理(Z2288:図582)では、まず、昇格演出の種別はエンディングであるかどうか判別される(Z2371)。昇格演出種別がエンディングではないと判別された場合には(Z2371:NO)、RAM223内に設けられている昇格済みフラグ223DJはオンに設定されているか判別される(Z2372)。昇格済みフラグ223DJがオフに設定されていると判別された場合には(Z2372:NO)、今回の大当たり種別が大当たりB2であるか判別される(Z2373)。今回の大当たり種別が大当たりB2であった場合には(Z2373:YES)、昇格を示す表示用エンディングコマンドを設定する(Z2375)。一方、Z2373の処理において、大当たり種別が大当たりB2以外であると判別された場合には(Z2373:NO)、疑似確変フラグ223DMはオンに設定されているか判別される(Z2374)。疑似確変フラグ223DMがオフに設定されている場合には(Z2374:NO)、今回の大当たり種別に対応した表示用エンディングコマンドを設定する(Z2376)。尚、Z2372の処理において、昇格済みフラグ223DJがオンに設定されていると判別された場合には(Z2372:YES)、上述したZ2376の処理を実行する。一方、Z2374の処理において、疑似確変フラグ223DMがオンに設定されていると判別された場合には(Z2374:YES)、上述したZ2375の処理を実行する。Z2375の処理、或いは、Z2376の処理を実行した後、遊技状態を大当たり終了時に設定し(Z2377)、表示用状態コマンドを設定し(Z2378)、本処理を終了する。
このように、本制御例では、大当たり遊技の実行タイミングで昇格演出の種別が決定される。そして、オーバー入賞昇格演出が決定されている場合に、大当たり遊技中に、オーバー入賞昇格演出により昇格した内容が報知されたかの判別が実行され、実行されていなければ、エンディング昇格演出やラウンド中昇格演出へと切り替える処理が実行される。
これにより、オーバー入賞昇格演出が決定されても、特定入賞口65Aへと入球頻度が低い場合にも異なる昇格演出へと切り替えることで昇格演出を実行させることができる。
図583を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行する変動表示設定処理2(Z2114)について説明する。図583は、変動表示設定処理2(Z2114)の内容を示したフローチャートである。本第16制御例における変動表示設定処理2(Z2114)では、第11制御例における変動表示設定処理(Z2114:図487)に対して、Z2508及びZ2509の処理を実行せず、Z2511〜Z2515の処理を追加した点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
Z2507の処理を実行した後、停止図柄差替フラグ223DHはオンに設定されているか判別される(Z2511)。停止図柄差替フラグ223DHがオフに設定されていると判別された場合には(Z2511:NO)、抽出した停止種別をそのまま設定し(Z2512)、表示用停止種別コマンドを設定し(Z2513)、本処理を終了する。一方、Z2511の処理において、停止図柄差替フラグ223DHはオンに設定されていると判別された場合には(Z2511:YES)、奇数大当たり図柄を停止図柄とする停止種別を設定する(Z2514)。次に、停止図柄差替フラグ223DHをオフに設定し(Z2515)、上述したZ2513の処理を実行し、本処理を終了する。
図584を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行する枠ボタン入力監視・演出処理4(Z2107:図584)について説明する。図584は枠ボタン入力監視・演出処理4(Z2107)の内容を示したフローチャートである。本第16制御例における枠ボタン入力監視・演出処理4(Z2107)は、第11制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(Z2107:図490)に対して、Z2808〜Z2810の処理を実行せず、Z2830,Z2831,Z2840の処理を追加した点で相違する。その他の処理については同一であるため、詳細な説明は省略する。
Z2807の処理において、枠ボタンが押下されたと判別された場合には(Z2807:YES)、演出設定中かどうか判別される(Z2830)。演出設定中であると判別された場合には(Z2830:YES)、設定されている演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(Z2831)、センサ入力処理を実行する(Z2813)。センサ入力処理を実行した後、その他のSW処理を実行し(Z2840)、本処理を終了する。一方、Z2830の処理で、演出設定中ではないと判別された場合には(Z2830:NO)、上述したZ2803〜2804の処理を実行し、センサ入力処理(Z2813)、その他のSW処理(Z2840)を実行し、本処理を終了する。
<第16制御例における表示制御装置による制御処理について>
次に、図585〜図588を参照して、本第16制御例における表示制御装置114による制御処理について説明する。本第16制御例では、第11制御例に対して、コマンド判定処理(Z3302:図495)をコマンド判定処理2(Z3302:図585)に変更した点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図585を参照して、コマンド判定処理2(Z3302:図585)について説明する。図585はコマンド判定処理2(Z3302)の内容を示したフローチャートである。本第16制御例におけるコマンド判定処理2(Z3302)は、第11制御例におけるコマンド判定処理(Z3302:図495)に対して、Z3430〜Z3435の処理を追加した点で相違する。その他の処理は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
Z3408の処理において、表示用予告表示コマンドがないと判別された場合には(Z3408:NO)、表示用図柄差替コマンドがあるか判別される(Z3430)。表示用図柄差替コマンドがあると判別された場合には(Z3430:YES)、図柄差替設定処理(Z3431)を実行する。
ここで、図586(A)を参照して、図柄差替設定処理(Z3431)について説明する。図586(A)は、図柄差替設定処理(Z3431)の内容を示したフローチャートである。
図柄差替設定処理(Z3431)では、まず、奇数大当たり図柄の停止種別テーブルに差し替えて設定する(Z3441)。次に、停止種別テーブルと停止図柄カウンタとを比較して、停止図柄を設定する(Z3442)。次に、設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(Z3443)、本処理を終了する。
図585に戻り説明を続ける。Z3430の処理において、表示用図柄差替コマンドがないと判別された場合には(Z3430:NO)、表示用状態コマンドがあるか判別される(Z3432)。表示用状態コマンドがあると判別された場合には(Z3432:YES)、遊技状態設定処理(Z3433)を実行する。
ここで、図586(B)を参照して、遊技状態設定処理(Z3433)について説明する。図586(B)は、遊技状態設定処理(Z3433)の内容を示したフローチャートである。
遊技状態設定処理(Z3433)では、まず、コマンドが示す遊技状態を背景モード記憶エリア223Iに設定する(Z3451)。次に、Z3451の処理において、背景モード記憶エリア223Iに設定された遊技状態に対応した背景色を表示データテーブルに設定し(Z3452)、本処理を終了する。
図585に戻り説明を続ける。Z3432の処理において、表示用状態コマンドがないと判別された場合には(Z3432:NO)、表示用大当たり関連コマンドがあるか判別される(Z3434)。表示用大当たり関連コマンドがあると判別された場合には(Z3434:YES)、大当たり関連表示処理(Z3435)を実行する。
ここで、図587を参照して、大当たり関連表示処理(Z3435)について説明する。図587は、大当たり関連表示処理(Z3435)の内容を示したフローチャートである。
大当たり関連表示処理(Z3435)では、まず、表示用オープニングコマンドを受信したか判別される(Z3461)。表示用オープニングコマンドを受信したと判別された場合には(Z3461:YES)、コマンドに対応したオープニングに対応した表示データテーブルを設定し(Z3462)、本処理を終了する。一方、表示用大入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(Z3461:NO)、表示用大入賞コマンドを受信したか判別される(Z3463)。表示用大入賞コマンドを受信したと判別された場合には(Z3463:YES)、大入賞処理(Z3464)を実行し、本処理を終了する。大入賞処理(Z3464)の詳細については、図587を参照して、後述する。
一方、Z3463の処理において、表示用大入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(Z3463:NO)、ラウンド数コマンドを受信したか判別される(Z3465)。ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合には(Z3465:YES)、コマンドのラウンド数に対応したラウンド表示の表示データテーブルを設定し、本処理を終了する。一方、Z3465の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合には(Z3465:NO)、表示用昇格ラウンドコマンドを受信したか判別される(Z3467)。表示用昇格ラウンドコマンドを受信したと判別された場合には(Z3467:YES)、受信したコマンドに対応する種別の昇格ラウンド演出の表示データテーブルを設定し(Z3468)、本処理を終了する。
一方、Z3467の処理において、表示用昇格ラウンドコマンドを受信していないと判別された場合には(Z3467:NO)、表示用エンディングコマンドを受信したか判別される(Z3469)。表示用エンディングコマンドを受信したと判別された場合には(Z3469:YES)、受信したコマンドに対応したエンディング種別の表示データテーブルを設定し(Z3470)、本処理を終了する。一方、Z3469の処理において、表示用エンディングコマンドを受信していないと判別された場合には(Z3469:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(Z3471)、本処理を終了する。
図588を参照して、大当たり関連表示処理(Z3435:図587)内の一処理である大入賞処理(Z3464:図588)について説明する。図588は、大入賞処理(Z3464)の内容を示したフローチャートである。
大入賞処理(Z3464)では、まず、大当たり関連表示処理(Z3435:図587)のZ3463の処理で、受信した表示用大入賞コマンドは、昇格演出に当選したかどうか判別される(Z3480)。昇格演出に当選したと判別された場合には(Z3480:YES)、受信したコマンドが示す入賞数と当選演出に対応した表示データテーブルを設定し(Z3481)、本処理を終了する。一方、昇格演出に当選していないと判別された場合には(Z3480:NO)、受信したコマンドは昇格演出の外れか判別される(Z3482)。受信したコマンドが昇格演出の外れであると判別された場合には(Z3482:YES)、コマンドが示す入賞数と外れ演出に対応したオーバー入賞の表示データテーブルを設定し(Z3483)、本処理を終了する。
一方、Z3482の処理において、受信したコマンドが昇格演出の外れではないと判別された場合には(Z3482:NO)、受信したコマンドはオーバー入賞演出に対応したコマンドか判別される(Z3484)。受信したコマンドがオーバー入賞演出に対応したコマンドであると判別された場合には(Z3484:YES)、コマンドが示す入賞数に対応したオーバー入賞の表示データテーブルを設定し(Z3485)、本処理を終了する。一方、Z3484の処理において、受信したコマンドはオーバー入賞演出に対応したコマンドではないと判別された場合には(Z3484:NO)、受信したコマンド数が示す入賞数は10より大きいか判別される(Z3486:NO)。入賞数が10より大きいと判別された場合には(Z3486:YES)、通常オーバー入賞演出に対応した表示データテーブルを設定し(Z3487)、本処理を終了する。一方、Z3486の処理において、受信したコマンド数が示す入賞数が10より少ないと判別された場合には(Z3486)、そのまま本処理を終了する。
<第17制御例>
次に、図589〜図597を参照して、本パチンコ機10における第17制御例について説明する。第11制御例では、第1特別図柄に基づく抽選(変動)の契機となる入賞口と、その第1特別図柄よりも抽選結果が遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄に基づく抽選(変動)の契機となる入賞口と、に交互に球を入賞させる振分装置700に加え、第2特別図柄普通図柄の当否判定の結果、長時間当たりに当選した場合に電動役物640Aを長期間(2秒間)開放させ、第2入賞口640に球が入賞し易くするように構成していた。そして、普通図柄の長時間当たりに当選した場合には、その旨を第3図柄表示装置81の表示画面にて演出表示することで、遊技者に対して第2入賞口640に球を入賞させる遊技を意欲的に行わせるように構成していた(図425参照)。
また、第12制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、第2入賞口640に球が入賞し難いように電動役物640Aを制御するように構成し、通常状態中に第2特別図柄の変動が開始された場合には、特殊演出(図509(B)参照)を実行し、遊技者に対して特別感を提供するように構成していた。さらに、第12制御例では、時短状態が終了してからの所定期間(特別図柄の5変動分)は、遊技状態として通常状態が設定されている場合であっても、特殊演出が実行されないように構成していた。これにより、第2特別図柄の保留球を所定個数(最大で4個)確保した状態(時短状態中に確保した第2特別図柄の保留を残した状態で)、時短状態が終了した場合に実行される第2特別図柄変動において上述した特殊演出が実行されないように構成している。これにより、特殊演出の特別感を維持することができる。
これに対して、本第17制御例では、普通図柄の抽選の結果、長時間当たりに当選した場合に、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間(動的表示期間)を用いて、遊技者に対して普通図柄の抽選にて長時間当たりに当選したことを示唆する演出(長時間開放演出)を実行するように構成した点で、第11制御例とは相違する。
また、普通図柄の抽選の結果、長時間当たりに当選したタイミングに応じて長時間開放演出の演出態様を異ならせるように構成している点で、第11制御例とは相違する。なお、上述した各制御例と同一の点については、その詳細な説明は省略する。
図589を参照して、第17制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図589は、本第17制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図589に示した通り、本第17制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第11制御例に対して、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)に球を流下させるための遊技(左打ち遊技)を行う際に、球を発射させる位置の目安となる案内表示態様ZR1として「魚」を模したキャラクタが遊技盤13の表面(或いは、遊技盤13の表面を形成する部材が透過性の高いアクリル樹脂の場合は遊技盤13の内部)に装飾(配設)されており、遊技者が案内表示態様ZR1を容易に視認できるように構成している。
また、可変表示装置ユニット80の右側の領域(右側領域)に球を流下させるための遊技(右打ち遊技)を行う際に、球を発射させる位置の目安となる案内表示態様ZR2として「亀」を模したキャラクタが遊技盤13の表面(或いは、遊技盤13の表面を形成する部材が透過性の高いアクリル樹脂の場合は遊技盤13の内部)に装飾(配設)されており、遊技者が案内表示態様ZR1を容易に視認できるように構成している。
このように構成することで、遊技者は遊技盤13のどこを狙って球を発射することで右打ち遊技或いは左打ち遊技を実行することができるのかを容易に把握することができる。また、遊技盤13の表面に右打ち遊技や左打ち遊技を案内するためのキャラクタ(魚、亀)を装飾しておくことで、第3図柄表示装置81の表示画面にて遊技者に遊技方向(右打ち遊技、或いは左打ち遊技)を案内する演出(案内演出)を実行する場合において、遊技者に対して視覚的に容易に把握し易い演出を実行することができる。
また、本第17制御例のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第11制御例に対して、左打ち遊技を行った場合に、第2入賞口640に入賞し得る領域(電動役物640Aが開放動作中であれば、第2入賞口640に入賞する領域)を球が流下する割合が低くなるように規制釘ZK1を植設している。一方で、右打ち遊技を行った場合に、振分装置700の開口部710を球が通過する割合が低くなるように釘を植設している点で相違している。このように構成することで、振分装置700を狙い、第1特別図柄と第2特別図柄とを変動(抽選)させる左打ち遊技(第1遊技)と、第2入賞口640を狙い、第2特別図柄のみを変動(抽選)させる右打ち遊技(第2遊技)と、を遊技者に提供することができる。
なお、上述した第11制御例同様に、遊技状態として通常状態が設定されている場合は、第2入賞口640に付設される電動役物640Aが開放し難い状態であるため、遊技者は必然的に左打ち遊技を行い、時短状態が設定されている場合は、電動役物640Aが開放し易い状態であるため、遊技者は必然的に右打ち遊技を行うことになる。加えて、例えば、遊技状態として時短状態が設定されている場合であっても、第2特別図柄の保留球数が上限(4個)に到達している場合は、それ以上右打ち遊技を行ったとしても特別図柄の保留(特別図柄を抽選(変動)させる権利)を獲得することができないため、左打ち遊技を行い、第1特別図柄の保留球を獲得する遊技も行うこともできる。
次に、図590(A)を参照して、本第17制御例において、普通図柄の長時間当たりに当選した場合における普通図柄変動中に表示される演出態様について説明をする。図590(A)は、長時間当たりに当選した普通図柄変動中における第3図柄表示装置81の表示態様(ロング開放演出)の一例を示した図である。なお、上述した第11制御例と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図590(A)に示した通り、第3図柄表示装置81の主表示領域DMには、普通図柄の長時間当たりに当選したことを示唆する演出(ロング開放演出)として「もうすぐOPENするよ」の文字が表示され、開放動作される電動役物640Aを模した開放対象態様ZA2と、遊技者に指示する遊技方向を示す「亀」を模した案内表示態様ZA1とが表示される。これにより、遊技者に対して電動役物640Aが開放するので右打ち遊技を行わせる旨を視覚的に容易に把握させることができる。
また、ロング開放演出が第3図柄表示装置81に表示されている場合には、第3図柄が縮小表示領域ZA3に表示される。なお、本第17制御例では、ロング開放演出が実行される場合に、第3図柄を縮小表示領域ZA3に表示するように構成しているが、この構成に替えて、例えば、現在実行中の特別図柄変動の抽選結果が遊技者に有利な抽選結果(大当たり、小当たり等)であるかを判別する判別手段と、その判別手段の判別の結果に基づいて、ロング開放演出と第3図柄の変動演出との何れを優先して表示するかを判別する優先表示判別手段と、その優先表示判別手段の判別結果に基づいて第3図柄表示装置81の表示態様を制御する表示制御手段と、を設けても良い。このように構成することで、遊技者にとって有利となる遊技結果を示すための演出表示を優先して表示することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、上述した例においては、優先して表示すると判別された演出(優先演出)を主表示領域DMの中央部分にて表示し、優先して表示しないと判別された演出(非優先演出)を縮小表示領域ZA3に表示すればよいが、それ以外にも、例えば、縮小表示領域の領域を異ならせて複数用意しておき、非優先演出と判別された演出が示す遊技結果に応じて非優先演出を表示する領域の大きさを可変させるように構成しても良い。また、非優先演出と判別された側の演出表示を第3図柄表示装置81に表示しないように構成しても良い。
さらに、上述した例では、変動中の特別図柄の抽選結果と変動中の普通図柄の抽選結果とに基づいて、各演出(変動演出、ロング開放演出)の表示領域を可変させる構成を示したが、それ以外にも、例えば、第2特別図柄の保留球数が所定数(例えば3個)以上であるかを判別する保留球数判別手段を設け、その保留球数判別手段の判別結果に基づいてロング開放演出の表示領域を可変させるように構成しても良い。
次に、図590(B)を参照して、普通図柄の長時間当たり遊技中(ロング開放中)の演出態様について説明をする。図590(B)は、長時間当たり中における第3図柄表示装置81の表示態様(ロング開放中演出)の一例を示した図である。なお、上述した第11制御例と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図590(B)に示した通り、現在がロング開放中であることを示す「OPEN」の文字が主表示領域DMの中央部に表示され、開放動作中の電動役物640Aを模した開放対象態様ZA2が開放状態を示す表示態様で表示される。また、図590(A)と同様に、遊技者に指示する遊技方向を示す「亀」を模した案内表示態様ZA1が表示され、縮小表示領域ZA3に第3図柄が表示される。
次に、図591を参照して、ロング開放演出が規制されている場合における第3図柄表示装置81の表示態様について説明をする。図591は、長時間当たり中における第3図柄表示装置81の表示態様のうち、ロング開放演出が規制されている場合における表示態様の一例を示した図である。なお、上述した第11制御例と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ここで、本第17制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、図590(A)を参照して上述したロング開放演出が実行されるように構成し、通常状態(第2入賞口640に球を入賞させ難い状態)において、第2入賞口640に球が入賞し易くなる場合(普通図柄の長時間当たりに当選した場合)に、遊技者に有利な状態(第1特別図柄よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄の変動(抽選)を行い易くなる状態)を遊技者に確実に報知するように構成している。
このように構成した場合には、時短状態が終了した直後の通常状態であって、例えば、第2特別図柄の保留球数が上限数(4個)に到達している状態において、普通図柄の長時間当たりに当選した場合にも、上述したロング開放演出が実行されることになる。このように、第2特別図柄の保留球が上限である状態においては、電動役物640Aがロング開放し、第2入球口640に球を複数入賞させたとしても、新たな保留球を獲得することができず、ロング開放演出の特別感を遊技者に提供することができないという問題があった。
そこで、本第17制御例では、時短状態が終了してからの所定期間(特別図柄の変動が5回実行されるまでの期間)は、普通図柄の長時間当たりに当選したとしても、上述したロング開放演出が実行されない(ロング開放演出規制中の演出が実行される)ように構成している。これにより、ロング開放演出が実行されたことに対する遊技者の期待感を高めさせることができる。
図591に示した通り、ロング開放演出が規制されている状態では、図590(A)に示したロング開放演出が実行されず、主表示領域DMの中央部分にて第3図柄の変動演出が表示される。そして、遊技者に指示する遊技方向として右打ち遊技を示す「魚」を模した案内表示態様ZA1が表示される。このように、遊技状態として通常状態が設定されている状態において普通図柄の長時間当たりに当選した場合であっても、そのタイミングが所定期間(時短状態が終了してから特別図柄変動が5回実行されるまでの期間)内である場合には、ロング開放演出が実行されないようにすることで、遊技者に対して無意味なロング開放演出を提供してしまうことを確実に抑制することができる。また、第2特別図柄の変動が主となる時短状態を終えた直後に、再度多数の第2特別図柄の保留球を獲得させることで過剰に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、第2特別図柄の保留球数が上限(4個)の場合にロング開放演出が実行されることを抑制するために、ロング開放演出を規制する期間(規制期間)を、時短状態の終了後、特別図柄の変動が5回実行されるまでの期間としているが、それ以外にも、例えば、時短状態が終了してから所定時間、即ち、特別図柄の変動が連続して5回実行されるのに要する時間が経過するまでの期間としても良いし。また、上述した規制期間中において、第2特別図柄の保留球数が所定数以下(例えば、2個以下)となった場合には、上述した規制期間をクリアしてロング開放演出が実行させるように構成しても良い。
さらに、本制御例では、時短終了後の所定期間内はロング開放演出を規制するように構成しているが、それ以外の条件によってロング開放演出を規制するように構成しても良く、例えば、実行中の特別図柄変動が大当たりに当選している場合や、複数の特別図柄変動に跨がるように連続演出が設定されている場合や、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の保留球に大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合等を判別した場合に、ロング開放演出を規制するように構成しても良い。
<第17制御例における電気的構成について>
次に、図592を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。本第17制御例では、第12制御例に対して、ロング開放演出フラグ223E1が追加されている点で相違する。その他の構成については、第12制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
なお、本第17制御例における主制御装置110のMPU211のROM202およびRAM203の構成は同一であるため、本第17制御例のパチンコ機10の出玉に関わる各種制御処理は上述した第11制御例と同一である。一方、本第17制御例の演出に関わる各種制御処理(音声ランプ制御装置113の制御例)については、上述した点を除いて第12制御例と同一である。よって、出玉に関わる各種制御処理について第11制御例と同一の箇所は同一の符号を付してその説明を省略し、演出に関わる各種制御処理については第12制御例と同一の箇所は同一の符号を付してその説明を省略する。
変動回数カウンタ223AJは、第12制御例にて上述しているため、詳細な説明は省略するが、時短状態が終了した場合に所定の値(5)が設定され、第3図柄の変動表示を設定する場合に(特別図柄の変動が行われた場合に)、1減算されるカウンタである。本第17制御例では、この変動回数カウンタ223AJの値が0となるまでは、ロング開放演出が実行されないように構成している。
ロング開放演出フラグ223E1は、ロング開放演出が実行中であることを示すためのフラグであって、オンに設定されることでロング開放演出が実行されていることを示すものである。このロング開放演出フラグ223E1は、主制御装置110から送信される長時間当たり開放コマンドを受信した場合であって、変動回数カウンタ223AJが0では無いと判別した場合(図595のZ2904:NO)に、オンに設定され(図595のZ2907参照)、普通図柄の長時間当たり終了コマンドを受信した場合にオフに設定される(図595のZ2911)。
<第17制御例における主制御装置による制御処理について>
次に、本第17制御例における、主制御装置による制御処理について説明する。本第17制御例では、第11制御例に対して、普通図柄変動処理(Z106:図468参照)を普通図柄変動処理2(Z171:図593参照)に変更することが相違している。他の処理については、第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図593を参照して、本第17制御例における主制御装置110のMPU201が実行する普通図柄変動処理2(Z171)について説明する。本第17制御例における普通図柄変動処理2(Z171)では、第11制御例における普通図柄変動処理(Z106:図468参照)に対して、Z451〜Z453の処理を追加する点で相違している。それ以外の処理は、第11制御例と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図593に示すように、普通図柄変動処理2(Z171)が実行されると、第11制御例と同一のZ401,Z402の処理を実行し、Z402の処理において普通図柄の変動中では無いと判別した場合には(Z402:NO)、長時間開放フラグ203Iがオンに設定されているかを判別する(Z451)。この長時間開放フラグ203Iは、第11制御例にて上述した通り、普通図柄変動開始処理(Z408:図469)において、普通図柄が長時間当たりに当選したと判別した場合に(Z426:YES)、オンに設定され(Z428)るフラグである。
Z451の処理において、長時間開放フラグ203Iがオンに設定されていると判別した場合は(Z451:YES)、長時間開放フラグ203Iをオフに設定し(Z403)、長時間当たり終了コマンドを設定し(Z452)、Z404の処理へ移行する。一方、Z451の処理において、長時間開放フラグ203Iがオンではない(オフである)と判別した場合は(Z451:NO)、上述したZ403,Z452の処理をスキップしてZ404の処理へ移行する。そして、上述した第11制御例と同一のZ404〜Z409の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、上述した通り、長時間開放フラグ203Iは、長時間当たりに当選した普通図柄の変動が開始されるタイミングから、その長時間当たりが終了するまでの間オンに設定されるフラグである。
Z402の処理において、現在が普通図柄の変動中であると判別した場合は(Z402:YES)、上述した第11制御例と同位置のZ410〜Z413の処理を実行し、次に、長時間当たり中コマンドを設定し(Z453)、本処理を終了する。Z453で設定された長時間当たり中コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図473)の外部出力処理(Z1001)によって音声ランプ制御装置113へと出力される。長時間当たり中コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、現在が長時間当たり中(ロング開放中)であることを遊技者に示すための表示用コマンドを作成し、表示制御装置114へと送信する。そして、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81の表示画面にロング開放中を示す演出表示が表示される(図590(B)参照)。
<第17制御例における音声ランプ制御装置による制御処理について>
図594および図595を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113による制御処理について説明する。本第17制御例では、第12制御例に対して、コマンド判定処理2(Z2152:図517)をコマンド判定処理4(Z2181:図594)に変更した点と、ロング開放演出処理(Z2272)を追加した点で相違している。その他の処理については、第12制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図594を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(Z2181)について説明する。図594は、コマンド判定処理4(Z2181)の内容を示したフローチャートである。本第17制御例におけるコマンド判定処理4(Z2181)は、第12制御例におけるコマンド判定処理2(Z2152:図517)に対して、Z2271〜Z2277の処理を追加した点で相違する。
ここで、コマンド判定処理4(Z2181)が実行されると、まず、上述した第12制御例のコマンド判定処理2(Z2152:図517)と同一のZ2201〜Z2209の処理を実行する。Z2208の処理において特別図柄の入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(Z2208:NO)、次に、長時間当たり関連コマンドを受信したかを判別し(Z2271)、受信したと判別した場合は(Z2208:YES)、後述するロング開放演出処理を実行し(Z2272)、本処理を終了する。このロング開放演出処理(Z2272)では、普通図柄が長時間当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81の表示画面に表示する演出の表示態様を設定するための処理が実行される。
一方、Z2271の処理において、長時間当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(Z2271:NO)、上述した第12制御例のコマンド判定処理2(Z2152:図517)のZ2256〜Z2260と同様のZ2273〜Z2277の処理を実行し、本処理を終了する。つまり、本制御例では、主制御装置110にて普通図柄の抽選結果に基づいて設定されたコマンドを受信するように構成し、所定のコマンド(普通図柄の抽選において長時間当たりに当選したことを示すコマンド)を受信した場合に、その旨を遊技者に報知するための演出を設定できるように構成している。よって、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
次に、図595を参照して、ロング開放演出処理(Z2272)の内容について説明をする。図595は、ロング開放演出処理(Z2272)の内容を示したフローチャートである。このロング開放演出処理(Z2272)は、普通図柄の長時間当たりに当選した場合におけるロング開放演出の演出態様を設定するための処理を実行するものであり、現在の遊技状態(通常状態、時短状態、或いは、時短状態終了後の所定期間内)や、普通図柄の動作状態(変動中、当たり遊技中)に応じた演出態様が設定される。
ロング開放演出処理(Z2272)が実行されると、まず、今回受信した長時間当たり関連コマンドが長時間当たり開放コマンドであるかを判別する(Z2901)。この長時間当たり開放コマンドは、主制御装置110の普通図柄変動開始処理(Z408:図469)において、普通図柄の長時間当たりに当選した場合に設定されるコマンドである。Z2901の処理において長時間当たり開放コマンドであると判別した場合は(Z2901:YES)、次に、状態格納エリア223AZから現在の遊技状態を抽出する(Z2902)。そして、抽出した遊技状態が時短中である(時短状態が設定されている)かを判別し(Z2903)、時短中であると判別した場合は(Z2903:YES)、ロング開放演出を実行する対象期間では無いためそのまま本処理を終了する。
一方、Z2903の処理において、時短中ではない(通常状態中である)と判別した場合は(Z2903:NO)、次に変動回数カウンタ223AJが0よりも大きいか(1以上か)を判別する(Z2904)。上述した第12制御例にて詳細な説明を行っているので簡単に説明をするが、この変動回数カウンタ223AJは、時短状態が設定されている最終変動が停止表示された場合に所定数(5)が設定され、変動表示設定処理が実行される度に値が1減算されるカウンタであって、時短状態が終了してから特別図柄の変動が所定回数(5回)実行されるまでの期間を判別するために参照されるカウンタである。
Z2904の処理において、変動回数カウンタ223AJの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(Z2904:NO)、即ち、時短状態が終了してから少なくとも特別図柄の変動が5回実行されている状態であると判別した場合は、遊技状態として通常状態が設定されている状態の中で、ロング開放演出を実行可能な期間であるため、表示用ロング演出コマンドを設定し(Z2906)、ロング開放演出フラグ223E1をオンに設定し(Z2907)、本処理を終了する。
ここで、設定された表示用ロング演出コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図476参照)のコマンド出力処理(Z2102:図476)によって、表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用ロング演出コマンドを受信すると、ロング開放演出を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示画面に表示する(図590(A)参照)。
一方、Z2904の処理において、変動回数カウンタ223AJの値が0よりも大きいと判別した場合(Z2904:YES)、即ち、時短状態が終了してから特別図柄の変動が5回実行されていない状態であると判別した場合は、遊技状態として通常状態が設定されている状態の中で、ロング開放演出を実行不可能な期間であるため、表示用左打ちロング演出コマンドを設定し(Z2905)、本処理を終了する。
ここで、設定された表示用左打ちロング演出コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図476参照)のコマンド出力処理(Z2102:図476)によって、表示制御装置114へと送信される。表示制御装置114は表示用ロング演出コマンドを受信すると、ロング開放演出規制中を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示画面に表示する(図591参照)。
Z2901の処理において、今回受信した長時間当たり関連コマンドが長時間当たり開放コマンドでは無いと判別した場合は(Z2901:NO)、次に、長時間当たり中コマンドを受信したかを判別する(Z2908)。この長時間当たり中コマンドは、主制御装置110の普通図柄変動処理2(Z171:図593)において、電動役物の開閉制御開始を設定した後に設定されるものであり、長時間当たり遊技中であることを示すコマンドである。
Z2908の処理において、長時間当たり中コマンドを受信したと判別した場合は(Z2908:YES)、次に、ロング開放演出フラグ223E1がオンに設定されているかを判別し(Z2909)、ロング開放演出フラグ223E1がオンに設定されていると判別した場合は(Z2909:YES)、表示用ロング開放コマンドを設定し(Z2910)、本処理を終了する。一方、Z2909の処理において、ロング開放演出フラグ223E1がオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Z2909:NO)、Z2910の処理をスキップして本処理を終了する。
ここで、Z2909の処理について説明をする。本第17制御例では、上述した第11制御例と同様に、普通図柄の変動を開始するタイミング(普通図柄変動開始処理が実行されるタイミング)で当たり抽選と、当たり当選時における電動役物640Aの動作態様(ロング開放か否か)を決定するように構成し、そのタイミングで長時間当たり開放コマンドを設定するように構成している。そして、長時間当たり開放コマンドを設定してから普通図柄の変動時間(最短で3秒、最長で30秒)が経過した後に、普通図柄(第2図柄)の停止表示を設定し、その後、電動役物640Aの動作制御を開始するように構成している。
よって、長時間当たり開放コマンドと、長時間当たり中コマンドとを受信する間に、最短で3秒、最長で30秒のタイムラグが発生するため、時短状態が設定されている状態や、変動回数カウンタ223AJの値が0よりも大きい状態において、長時間当たり開放コマンドが設定され、その後、変動回数カウンタ223AJの値が0であるタイミングで長時間当たり中コマンドを受信する虞がある。
本第17制御例では、そのような状態において、電動役物640Aのロング開放動作に合わせてロング開放演出が実行されてしまうことを防ぐために、長時間当たり開放コマンドを受信した場合の処理においてロング開放演出フラグ223E1をオンに設定していない状態では、長時間当たり中コマンドを受信したとしても、表示用ロング開放コマンドを設定しないように構成している。このように構成することで、例えば、表示用左打ちロング演出コマンドに基づいた表示態様の演出(図591参照)が急に表示用ロング開放コマンドに基づいた表示態様の演出(図590(B)参照)に切り替わってしまい遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
図595に戻り説明を続ける。Z2908の処理において、長時間当たり中コマンドを受信していないと判別した場合は(Z2908:NO)、次に、長時間当たり終了コマンドを受信したかを判別し(Z2911)、長時間当たり終了コマンドを受信したと判別した場合は(Z2911:YES)、ロング開放演出フラグ223E1をオフに設定し(Z1912)、表示用ロング開放終了コマンドを設定し(Z1913)、本処理を終了する。
Z2208の処理において、特別図柄の入賞コマンドを主制御装置110より受信していないと判別された場合には(Z2208:NO)、主制御装置110より大当たり関連のコマンドを受信したか判別される(Z2279)。大当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合には(Z2279:YES)、大当たり関連コマンド受信処理(Z2280)を実行する。大当たり関連コマンド受信処理については、図578を参照して、後述する。一方、Z2279の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別された場合には(Z2279:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(Z2261)、本処理を終了する。
<第17制御例における表示制御装置による制御処理について>
次に、図596および図597を参照して、本第17制御例における表示制御装置114による制御処理について説明する。本第17制御例では、第16制御例に対して、コマンド判定処理2(Z3302:図585)をコマンド判定処理3(Z3321:図596)に変更した点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
図596を参照して、コマンド判定処理3(Z3321:図596)について説明する。図596はコマンド判定処理3(Z3321)の内容を示したフローチャートである。本第17制御例におけるコマンド判定処理3(Z3321)は、第16制御例におけるコマンド判定処理2(Z3302:図585)に対して、Z3441〜Z3442の処理を追加した点で相違する。その他の処理は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
Z3408の処理において、表示用予告表示コマンドがないと判別した場合に(Z3408:NO)、Z3441の処理を実行する。このZ3441の処理において、表示用ロング開放関連コマンドがないと判別した場合は(Z3441:NO)、表示用状態コマンドがあるかを判別する(Z3432)。一方、表示用ロング開放関連コマンドがあると判別した場合には(Z3441:YES)、ロング開放関連処理(Z3442)を実行する。
ロング開放関連処理(図597、Z3442)では、まず、受信した表示用ロング開放演出コマンドに対応したロング開放演出用の表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファに設定する(Z6201)。次いで、設定したロング開放演出用の表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定して転送データテーブルバッファ233Eに設定する(Z6202)。
次に、データテーブル判別フラグをオンに設定し(Z6203)、設定表示データテーブルバッファ233Dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233Hに設定し(Z6204)、ポインタ233Fを0に初期化する(Z6205)。
以上、説明をしたように本第17制御例では、遊技状態として通常状態(第2特別図柄の抽選(変動)が実行され難い状態)が設定されている場合において、普通図柄の長時間当たりに当選すると、その普通図柄の変動時間中にロング開放演出を実行するように構成している。よって、遊技者に対して電動役物640Aが長時間開放し、第2入賞口640に球を入賞させる遊技を確実に行わせることができる。
さらに、本第17制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合あっても、通常状態において第2特別図柄の保留球を多く獲得している可能性の高い時短終了後の所定期間内である場合には、上述したロング開放演出の実行を規制するように構成している。これにより、ロング開放演出が実行された場合における遊技者に付与する特典(第2特別図柄の保留球を容易に確保させる特典)の質を高めることができる。
なお、本制御例では、第2特別図柄の保留球数が上限(4個)の場合にロング開放演出が実行されることを抑制するために、ロング開放演出を規制する期間(規制期間)を、時短状態の終了後、特別図柄の変動が5回実行されるまでの期間としているが、それ以外にも、例えば、時短状態が終了してから所定時間、即ち、特別図柄の変動が連続して5回実行されるのに要する時間が経過するまでの期間としても良いし。また、上述した規制期間中において、第2特別図柄の保留球数が所定数以下(例えば、2個以下)となった場合には、上述した規制期間をクリアしてロング開放演出が実行させるように構成しても良い。
さらに、本制御例では、時短終了後の所定期間内はロング開放演出を規制するように構成しているが、それ以外の条件によってロング開放演出を規制するように構成しても良く、例えば、実行中の特別図柄変動が大当たりに当選している場合や、複数の特別図柄変動に跨がるように連続演出が設定されている場合や、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の保留球に大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合等を判別した場合に、ロング開放演出を規制するように構成しても良い。
具体的には、例えば、ロング開放演出処理(図595参照)のZ2903の処理において、Z2903:NOと判別した後に、連続演出中フラグ223ACがオンに設定されているかを判別する処理を設け、連続演出中フラグ223ACがオンに設定されていると判別した場合には、ロング開放演出を実行しないようにそのまま本処理を終了するように構成するとよい。このように構成することで、他に実行される演出との優先順位を崩すことなく適切な演出を遊技者に提供することができる。
また、本第17制御例では、ロング開放演出を規制している場合と、ロング開放演出を実行する場合とで、異なる遊技方法を表示画面に表示するように構成している。具体的には、ロング開放演出が実行される場合には、第2入賞装置640へ球を入賞させるために右打ち遊技を行わせ、ロング開放演出が規制されている場合は、振分装置700へと球を入賞させるために左打ち遊技を行わせるように第3図柄表示装置81の表示画面が設定される。これにより、第2特別図柄の保留球数が上限(多い)場合は、左打ち遊技により第1入賞口64、右第2入賞口640を狙わせ、第2特別図柄の保留球数が少ない場合は右打ち遊技により第2入賞口640を狙わせる遊技を行わせることができる。
なお、本第17制御例では、右打ち遊技と左打ち遊技とにより、振分装置700と、第2入賞口640と、への球の流下のし易さを異ならせる様に遊技盤13を構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技の中で弱めに球を発射することで、第2入賞口640へ球が到達し易くなり、強めに左打ち遊技を行うことで、振分装置700に球が到達し易くなるように遊技盤13を構成しても良い。これにより、発射装置に対する若干の操作変更により遊技結果を大きく異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第17制御例は、上述した第11制御例における主制御装置110の制御内容に基づいた構成について説明をしているが、上述した第11制御例に用いた主制御装置110の制御内容に限ること無く、第12制御例の主制御装置110の制御内容、即ち、第1特別図柄よりも優先して第2特別図柄の抽選(変動)を実行するタイプの遊技機に用いても良い。
なお、電サポ有り遊技状態の終了時(低確率電サポ有り遊技状態(時短遊技状態)または高確率電サポ有り(確変遊技状態))に所定個数以上(例えば、3個以上)の保留球が第2特別図柄に対して記憶されている場合を条件にして、普通図柄の長時間当たりの演出を禁止(実行しない)または、第1入球口64へ遊技球を入球させるように促す演出に切り替えて実行するように構成してもよい。このように構成することで、通常遊技状態に切り替えられる場合でも第2特別図柄の保留球が少ない場合には、普通図柄の長時間当たりの演出が実行されるように構成でき、遊技者に第2特別図柄への入賞機会を奪ってしまう不具合を抑制できる。
また、本制御例では、通常遊技状態に切り替わる場合に、特別図柄の変動が所定回数(本実施形態では、5回)終了するまで、普通図柄の長時間当たりの演出をしないまたは、通常時とは異なる演出に切り替えるように構成したが、それに限らず、遊技状態に関わらず、第2特別図柄の保留球数が所定数以上(例えば、3個以上)である場合に、普通図柄の長時間当たりの演出をしないまたは、通常時とは異なる演出に切り替えるように構成してもよい。このように、構成することで、遊技の状態に合わせて遊技者に有利な遊技を行わせることができる。さらに、普通図柄の長時間当たりの演出をしないまたは、通常時とは異なる演出に切り替える条件としては、第2特別図柄の保留球数に関わらず、特定の変動パターンが実行されている場合(例えば、大当たりの変動パターンまたは、スーパーリーチの変動パターン)等に設定してもよい。また、RTCからの時間情報を取得して、閉店間近の特定時間であれば(例えば、5分前等)切り替える条件に設定してもよい。切り替える条件については、本制御例であげた条件を組み合わせて設定してもよい。
<第18制御例>
次に、図598〜図638を参照して、第18制御例について説明をする。本第18制御例では、上述した第11制御例に対して、遊技機の電源投入時(図457参照)に実行される音声ランプ制御装置113の制御と、枠ボタン22Aを操作したことに基づいて背景モードを変更する際に実行される音声ランプ制御装置113の制御と、特別図柄の保留球数が特定数(上限数である8個)となった場合に実行される演出内容と、を異ならせた点と、枠ボタン22に関する音声ランプ制御装置113の制御内容と、パチンコ機10の音量を調節する機能と、について詳細な説明を追加した点で相違している。
なお、詳細な説明は図598を参照して後述するが、本第18制御例のパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として複数の操作手段(枠ボタン22A、左ボタン22B、右ボタン22C)を有しているため、上述した第11制御例にて枠ボタン22と示した構成を枠ボタン22Aと称しているが、その意味するところは同一であるため、本制御例における枠ボタン22Aの詳細な説明を省略する。よって、上述した各制御例において、枠ボタン22を用いて説明をした各種技術思想についても、本制御例の枠ボタン22Aに適用されるものである。
上述した第11制御例では、パチンコ機10に電源が投入されると、主制御装置110の立ち上げ処理(図472参照)と、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図475参照)と、が実行され、各立ち上げ処理が実行されている期間(電源投入期間)中は、図457を参照して上述した通り、第3図柄表示装置81に専用の表示画面(電源投入中画面)を表示させると共に、現在が電源投入中(電源投入に基づく各立ち上げ処理の実行中)であることを示すための報知(電源投入期間中報知)を、音声出力装置226を用いて実行するように構成していた。
このように構成された第11制御例では、例えば、特別図柄の変動表示中にパチンコ機10の電源が落ち(オフとなり)、その後、電源を投入する(オンする)と、主制御装置110のRAM202に記憶されている(バックアップされている)情報に基づいて、電源断直前の状態から特別図柄変動が再開されるが、第3図柄表示装置81の表示画面、及び、音声出力装置226から出力される報知音が電源投入期間であることを遊技者に強調して報知するように構成しているため、特別図柄の変動表示中であることを遊技者が気づき難く、電源断前に実行されていた特別図柄変動が消去されたのではと思わせてしまうという問題があった。
これに対して、本第18制御例では、パチンコ機10の電源投入時に、電源を断した時点で特別図柄変動(特図変動)が実行中であった場合、即ち、電源を断した時点で実行されていた特別図柄変動(特図変動)が電源投入後に再開される場合に、電源投入期間中において特別図柄が変動していることを示すBGM(特図変動効果音)を出力するように構成している。このように構成することで、電源断時に実行されていた特図変動が再開されたことを遊技者に対して容易に把握させることができる。また、第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる特別図柄変動に対応する表示画像(第3図柄の変動画像)のデータを作成するよりも、音声出力装置226から出力される音声データを作成するほうが、データ処理量が少ないため、電源投入直後から即座に特別図柄が変動していることを遊技者に報知することができる。なお、電源投入時における音声出力制御の詳細については、図601を参照して後述する。
さらに、本第18制御例では、特別図柄の変動中であっても、枠ボタン22Aを操作することにより、背景モードを変更可能に構成している。加えて、背景モードを変更するために遊技者が枠ボタン22Aを操作した時点における特別図柄(第3図柄)の変動速度に応じて、背景モードを変更するタイミングを可変させるように構成している。具体的に説明をすると、本制御例では、特別図柄の抽選結果を示すために、特別図柄の変動表示期間に対応して第3図柄表示装置81の表示画面に変動表示される第3図柄の変動表示速度を可変させることが出来るように構成しており、その第3図柄の変動表示速度が速い高速変動中に枠ボタン22Aを操作した場合は直ぐに背景モードを変更し、第3図柄の変動速度が高速変動よりも遅い低速変動中に枠ボタン22Aを操作した場合は、特別図柄の当該変動が終了した後(特別図柄停止表示後、或いは、次の特別図柄変動開始時)に背景モードを変更するように構成している。
一般的に、パチンコ機10で実行される第3図柄の変動表示は、変動開始後の所定期間(前半期間)は高速変動し、その後(後半期間)低速変動するように構成されており、第3図柄が低速度で変動表示される期間を用いて、特別図柄の抽選結果を示すための示唆演出を実行するように構成している。よって、本第18制御例のように第3図柄の低速変動中に枠ボタン22Aを操作しても背景モードが変更されないように構成することで、現在設定されている背景モードに対応した専用演出(特別図柄の抽選結果に基づいた示唆演出)が実行されている間に、背景モードが変更されてしまい、その示唆演出の演出内容(演出結果)を遊技者が見られなくなる事態が発生することを抑制することができる。
加えて、実行中の第3図柄の変動表示が高速変動であるか低速変動であるかを遊技者に報知するための変動報知手段を有しているため、現段階で背景モードを移行させるための操作を行った場合に、どのタイミングで背景モードが切り替わるのかを分かり易く報知することができる。なお、本制御例では第3図柄の変動速度を遊技者に報知可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、現在が背景モードを即座に移行可能な期間であるか否かを遊技者に報知するように構成しても良い。
さらに、実行中の第3図柄の変動表示が高速変動であるか低速変動であるかを遊技者に報知するための変動報知手段は、操作手段を用いた演出(操作演出)の実行期間中であるか否かを遊技者に把握させるための報知も実行するように構成している。これにより、操作手段を操作可能な期間である操作有効期間が設定された場合に、その操作有効期間が、操作演出が実行されたことにより設定される操作有効期間であるのか、背景モードを移行させるための操作が可能な操作有効期間であるのかを遊技者に分かり易く報知することができる。よって、遊技者が操作手段を操作した場合に、意図しない表示態様が現出することを抑制することができる。
本第18制御例では、上述した変動報知手段を遊技者が背景モードを移行させる場合に操作する操作手段(枠ボタン22A)に設けている(操作手段の近傍に設けている)。よって、遊技者が背景モードを移行しようと枠ボタン22Aを操作する場合に、変動報知手段の報知態様を容易に確認することができる。
また、本第18制御例では、特別図柄の保留球数が特定数(例えば、上限数である8個)となった場合に、保留記憶されている特定数の入賞情報(保留図柄)に対応する特別図柄の変動時間を用いて特定の期間演出(8個保留演出)を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄の変動表示期間に対応して実行される演出よりも長い期間を用いた期間演出を実行することができるため、多彩な演出を実行することが可能となり演出効果を高めることができる。よって、特別図柄の保留球数を特定数とし、特定の期間演出が実行されるように遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、本第18制御例のように予め定められた範囲内(保留記憶されている特定数の入賞情報に対応する特別図柄の変動時間内)で期間演出を実行するように構成した場合において、上述した第11制御例にて図427(B)を参照して説明をしたように、現在の特別図柄の保留球数(上限数8個)を遊技者に報知するために第3図柄表示装置81の副表示領域DSの小領域DS2に、第1保留図柄用台座M1から第8保留図柄用台座M8を形成し、特別図柄の保留球数に応じて第1保留図柄用台座M1から順に保留図柄を表示させる(図428(A)参照)構成を用いてしまうと、期間演出実行中に新たに取得した入賞情報に対応する保留図柄が小領域DS2に表示されてしまうため、どの保留図柄までが期間演出の対象であるのかを遊技者が把握し難くなり、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという問題があった。
これに対して、本第18制御例では、期間演出が実行されていない場合は、上述した第11制御例と同様に小領域DS2に特別図柄の保留球数を示す保留図柄を表示し、期間演出が実行されると、期間演出の対象となる保留球数のみを演出保留図柄として小領域DS2に表示するように構成している。このように構成することで、期間演出中に新たな入賞情報を取得したとしても小領域DS2に表示される演出保留図柄が増加しないため、遊技者に対して期間演出の対象となる保留図柄を分かり易く報知することができる。なお、本第18制御例における期間演出の詳細な内容については、図607から図609を参照して後述する。
さらに、第3図柄表示装置81の表示画面とは別の表示領域(発光領域)を用いて現在の特別図柄の保留球数を遊技者に報知することができるように構成している。よって、期間演出が実行されている最中であっても遊技者に対して現在の保留球数を把握させることができる。
加えて、本第18制御例は、遊技者が枠ボタン22Aを操作した(押下した)場合に、操作された(押下された)枠ボタン22Aが振動するように構成しており、且つ、その振動量を可変させることができるように構成している。このように、枠ボタン22Aが振動するように構成することで、遊技者が枠ボタン22Aを押下した際に、枠ボタン22Aを押下した遊技者に振動を伝達することができ演出効果を高めることができる。さらに、枠ボタン22Aを押下した際に実行される振動の振動量(振動レベル)を示唆するための演出を実行するように構成している。
ここで、従来より、遊技者が枠ボタン22Aを押下した場合に、その枠ボタン22Aを振動させることで遊技者に対して意外性のある演出を提供することができるパチンコ機10があるが、このような従来型のパチンコ機10では、遊技者が枠ボタン22Aを押下するまで、枠ボタン22Aを押下した際に振動が付与されるか否かを遊技者が予測することができず、遊技者に対して積極的に枠ボタン22Aを操作(押下)させることが出来ないという問題があった。
これに対して、本第18制御例では、枠ボタン22Aを操作(押下)する前に遊技者に対して枠ボタン22Aを操作(押下)した際に振動が付与されるか否か、及び振動する際の振動レベルを示唆することができるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して枠ボタン22Aを操作(押下)した際の振動態様を予測させた状態で枠ボタン22Aを操作させることができるため、遊技者に対して積極的に枠ボタン22Aを操作(押下)させることができる。
さらに、枠ボタン22Aの振動レベルを可変可能に構成しているため、遊技者が枠ボタン22Aを押下した際に所定レベルの振動が付与されたとしても、その後に枠ボタン22Aを操作(押下)することで、所定レベル以上の振動レベルで枠ボタン22Aを振動させることが可能となる。よって、遊技者に対して、枠ボタン22Aを意欲的に複数回操作させることができ、演出効果を高めることができる。
また、本第18制御例は、上述した第11制御例と同様に、複数の背景モードを表示可能に構成しており、所定の移行条件(例えば、枠ボタン22Aの押下)が成立した場合に、第3図柄表示装置81の表示画面の背景を可変するように構成している。そして、遊技者がタッチセンサ2900を操作(タッチセンサ2900の検知エリア内に手をかざす操作)した場合に、現在設定されている背景モードが報知されるように構成している。
ここで、従来より、所定の移行条件が成立(例えば、枠ボタン22Aを押下)した場合に、第3図柄表示装置81の表示画面の背景を可変させるパチンコ機10がある。この場合、遊技者に対して、背景モードが可変したことを容易に把握させることが可能であるが、表示画面に表示される背景が可変したことによって設定された背景モード(移行後の背景モード)がどの背景モードであるかを遊技者に分かり易く報知することが困難であるという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に現在設定されている背景モードを常時表示させるように構成する技術も考えられるが、この場合、第3図柄表示装置の表示画面という限られた領域の一部を、背景モードを報知するためだけに用いてしまうことになるため、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出に用いられる領域が減少してしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。また、第3図柄表示装置81の表示画面の全体を用いて特定演出(例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりである可能性が高いことを示唆する演出)が実行されている最中に背景モードが表示されてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第18制御例では、操作手段(タッチセンサ2900)を操作することにより遊技者が所望する任意の期間のみ背景モードを報知することができるように構成しているため、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出効果が低下してしまう事態を抑制することができる。また、本第18制御例では、第3図柄表示装置81とは異なる表示手段(発光手段)を用いて現在の背景モードを報知するように構成しているため、第3図柄表示装置81の表示画面という限られた領域を、各種演出のために有効活用することができる。
また、本第18制御例では、タッチセンサ2900の操作を用いる演出(操作演出)を実行可能に構成しており、タッチセンサ2900が、背景モードを報知させるための操作手段としての役割と、操作演出を実行する(操作演出に参加する)ための操作手段としての役割との両方を担うように構成している。言い換えれば、タッチセンサ2900の役割を、状況に応じて可変させる構成としている。そして、例えば、タッチセンサ2900を用いる操作演出が実行されている最中であっても、特殊操作(左ボタン22B、右ボタン22Cを押下したままタッチセンサ2900を操作)を実行することにより、操作演出に対するタッチセンサ2900の操作が行われること無く、背景モードを報知することができるように構成している。よって、複数の用途で操作手段(タッチセンサ2900)が用いられる構成を用いたとしても、遊技者が所望する目的に合致した操作態様で遊技者に操作手段を操作させることができる。
<第18制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について>
まず、図598を参照して、本第18制御例のパチンコ機10の構成について説明をする。図598は、第18制御例におけるパチンコ機10の正面図である、図598に示した通り、本第18制御例のパチンコ機10は、上述した第11制御例のパチンコ機10(図1参照)に対して、遊技者が操作可能な操作手段を変更した点で相違している。
具体的には、上述した第11制御例のパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として枠ボタン22を設けているが、本第18制御例のパチンコ機10では、図598に示した通り、操作手段として枠ボタン22A、左ボタン22B、右ボタン22Cを設けている。枠ボタン22Aは、上述した第11制御例のパチンコ機10で用いられる枠ボタン22と同一の用途で用いられる操作手段であり、例えば、特別図柄の抽選結果を示すための操作演出の演出態様を可変させるために用いられたり、背景モードを移行する際に用いられたりする操作手段である。なお、枠ボタン22Aの具体的な内容については、上述した第11制御例における枠ボタン22と同一であるため、その詳細な説明を省略する。よって、枠ボタン22Aも、上述した第11制御例の枠ボタン22と同様に傾倒装置310の駆動によってその態様が可変するように構成されているものであるが、上述した枠ボタン22と同一の内容であるため、その詳細な説明や図示を省略する。
左ボタン22B、及び右ボタン22Cは、枠ボタン22Aの左側に設けられた操作手段であって、主に、パチンコ機10のスピーカー450から出力される音量を調整するための調整手段として用いられる。本第18制御例では、第3図柄表示装置81にて第3図柄が変動表示されていない期間、及び、第3図柄の変動速度が高速変動中である期間中に左ボタン22B、及び右ボタン22Cを操作することで、パチンコ機10の音量を調節できるように構成している。なお、音量調整に関する詳細な内容については、上述した第14制御例と同一であるため、その説明を省略する。
また、本制御例では、第3図柄の低速変動中に左ボタン22B、及び右ボタン22Cを操作することにより、他の操作手段(タッチセンサ2900)に対する操作を部分的に無効にすることができるように構成している。このように、パチンコ機10に設けられる操作手段のうち、特定条件が成立している状態(第3図柄が変動していない状態、或いは、第3図柄が高速変動している状態)でのみ操作に基づく制御(音量調節)が実行される操作手段を、特定条件が成立していない状態で操作した場合に、別の用途で用いるように構成することで、1つの操作手段を複数の用途で用いることができるため、パチンコ機10に設けられる操作手段の数を減少させることができ、製造コストの削減を図ることができる。
次に、図599を参照して、本第18制御例のパチンコ機10の盤面構成について説明をする。図599は、第18制御例のパチンコ機10の遊技盤を模式的に示した正面図である。図599に示した通り、本第18制御例のパチンコ機10の盤面構成は、上述した第11制御例のパチンコ機10の盤面構成に対して、第3図柄表示装置81の下方位置に保留用LED900を設けた点と、可変表示装置ユニット80にモードランプ1910A〜1910Dを設けた点と、第3図柄表示装置の表示画面に臨む位置にタッチセンサ2900を設けた点と、で相違しており、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留用LED900は、特別図柄の保留球数を示すために用いられるものであり、8個のLEDから構成されている。この8個のLEDは、左から順に点灯するように構成されており、主制御装置110から出力される特別図柄の保留球数が増加することを示す保留球数コマンド、或いは、減少することを示す保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113が受信したことに基づいて、増加後、減少後の特別図柄保留球数に対応させて点灯制御される。
このように第3図柄表示装置81の表示領域外に特別図柄の保留球数を報知する領域を設けることにより、第3図柄表示装置81の副表示領域DSに表示される保留図柄表示(図600(B)参照)を、一時的に消去したり、別の目的で用いたりしたとしても、現在の特別図柄の保留球数を確実に報知することができる。なお、詳細な説明は省略するが、この保留用LED900は、フルカラーLEDを用いており、少なくとも3色以上の発光態様を現出させることができるように構成されており、特図1の保留球と、特図2の保留球と、が識別可能となるように点灯制御される。これにより、複数の特別図柄種別を設けた場合であっても、各図柄種別に対応した保留球数を遊技者に認識させることができる。
加えて、保留記憶された入賞情報に対して実行した事前判別(先読み)の結果に基づいて実行される先読み演出として、保留図柄の色を可変させる場合には、保留用LED900の対応位置にLEDを通常時とは異なる色で発光させるように制御している。さらに、この保留用LED900の表示態様(発光態様)は、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される保留図柄表示よりも目立たなくなるように構成されている。
なお、本第18制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面外である第3図柄表示装置81の下方位置に特別図柄の保留球数を示す表示領域(点灯領域)を設けているが、この点灯領域は遊技者が視認可能な場所であればどこに設けても良く、例えば、遊技盤13の右下領域に設けても良い。また、本第18制御例では特別図柄の保留球数を最大で8個記憶することが可能となるように構成しているため、保留用LED900に保留記憶の上限数と同一の8個のLEDを用いているが、これに限ること無く、4つのLEDで特別図柄の保留球数を報知するように構成しても良い。さらに、本第18制御例では、保留用LED900に対して常に特別図柄の保留球数を表示させるための制御を行っているが、それ以外に、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される保留図柄を消去したり、別の演出に用いたりする場合、即ち、第3図柄表示装置81に表示される表示内容だけでは遊技者が特別図柄の保留球数を容易に把握できない状態となった場合に、保留用LED900に対する点灯制御を実行するように構成しても良い。
モードランプ1910A〜1910Dは、4つのLEDから構成される発光手段であって、現在設定されている背景モードを遊技者に報知するための報知手段として用いられるものである。本制御例では、特図抽選の結果を示すための変動演出(第3図柄の変動演出)を実行する背景モードを複数のモードから設定されるように構成している。具体的には、第3図柄表示装置の表示画面の背景として海を模した表示態様(例えば、珊瑚を模した表示態様)が表示される「海モード」と、第3図柄表示装置81の表示画面の背景として山を模した表示態様(例えば、木を模した表示態様)が表示される「山モード」と、のうち何れかの背景モードを遊技者が選択可能に構成している。
そして、モードランプ1910A〜1910Dは、現在設定されている背景モードを遊技者に報知可能な発光態様で発光可能に構成されている。これにより、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面の全体を用いた第3図柄の変動演出が実行され、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている表示内容を把握したとしても現在の背景モードを把握できない状態になったとしても、モードランプ1910A〜1910Dの発光態様に基づいて遊技者に容易に現在の背景モードを把握させることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本制御例では、特図変動の前半段階(第3図柄が高速変動中)では、モードランプ1910A〜1910Dが現在の背景モードを報知する発光態様で発光し、特図変動の後半段階(第3図柄の高速変動が終了してから停止表示されるまでの期間)では、モードランプ1910A〜1910Dが現在の背景モードでは無く、抽選結果を示唆する示唆態様で発光するように構成している。そして、特図変動の後半段階においても、遊技者が操作手段(枠ボタン22)に対して特定の操作を実行することにより、モードランプ1910A〜1910Dが現在の背景モードを報知する報知態様で発光するように構成している。
このように構成することで、遊技者が所望する情報(現在の背景モード、特図抽選結果)に対応させてモードランプ1910A〜1910Dの発光制御を行うことができるため、遊技者に有益な情報を分かり易く提供することが出来る。なお、このモードランプ1910A〜1910Dは、音声ランプ制御装置113の処理に基づいて発光制御されるものである。
タッチセンサ2900は、所定の検知範囲を有する非接触型の検知手段(操作手段)であって、遊技者の手が所定の検知範囲内に所定期間侵入している(配置されている)ことを検知した場合に、遊技者による操作が行われたと判別されるものである。このタッチセンサ2900の検知範囲を遊技者が直接視認することは出来ないが、タッチセンサ2900の背面側に位置する第3図柄表示装置81の表示画面にタッチセンサ2900の検知範囲を示す枠線を表示させることにより、遊技者がタッチセンサ2900を操作し易く(タッチセンサ2900の検知範囲内に手を侵入させ易く)することができるように構成している。
また、詳細な説明は省略するが、本制御例のタッチセンサ2900は、検知範囲内に侵入して(配置されて)いる手の動き(方向)を判別可能に構成しており、例えば、手を右から左に動かしたり、下から上に動かしたりすることで、手の動きに対応した演出表示が第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるように構成している。これにより、遊技者の操作手段(タッチセンサ2900)への操作動作に対応した演出動作を実行することができるため、遊技者に興味を持たせながら遊技を行わせることができる。
次に、本第18制御例における第3図柄表示装置81の表示内容について図600を参照して説明する。図600(A)および(B)は本制御例における第3図柄表示装置81の表示内容を模式的に示した模式図である。本第18制御例における第3図柄表示装置81の表示内容は、上述した第11制御例における第3図柄表示装置81の表示内容に対して、第3図柄(特別図柄と同期して変動表示される装飾図柄)のスクロール方向を、縦方向から横方向(右から左方向)へと変更した点と、特別図柄の抽選結果を示すための有効ラインの数を1つ(図427(A)参照)から5つ(図600(A)参照)に変更した点と、遊技に関わる情報の報知態様を異ならせた点で相違している。また、第11制御例と同一(同様)の要素であるが説明の便宜上異なる符号を付しているものもある。それ以外は、同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(Z1〜Z3)が表示される(図600(A)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。
本制御例のパチンコ機10では、主図柄が数字を模した識別情報毎に異なる種類のキャラクタ(魚等)を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させたキャラクタを用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
主表示領域DMは、上・中・下のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって左右方向へスクロールして変動表示が行われる。
具体的には、上図柄列Z1と中図柄列Z2は右から左に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されており、下図柄列Z3は左から右に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されている。さらに、各図柄列は、主図柄の間に特別図柄の抽選結果を示さない副図柄(ブランク図柄)が形成されている。
そして、図600(A)に示した通り、主表示領域DMは、上下方向に形成される3つの有効ラインL1〜L3、及び、斜め方向に形成される2つの有効ラインL4,L5を有しており、各図柄列Z1〜Z3が停止表示された状態で、第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
図600(A)に示した通り、本制御例では、各有効ライン(L1〜L5)が、各図柄列Z1〜Z3の図柄表示位置を含むように形成されているため、第3図柄表示装置81の主表示領域DMに表示される各図柄列V1〜V3の全てが停止表示されるまで、対応する特別図柄の抽選結果を分かり難くすることができる。よって、最後の図柄列(本制御例では、中図柄列V2)が停止表示されるまでの間、主表示領域DMにて実行される第3図柄の変動表示に興味を持たせることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図600(B)を参照して説明をする。図600(B)に示した通り、主表示領域DMにおける正面視左上には小表示領域DM1が形成され、正面視右上には小表示領域DM2が形成されている。この小表示領域DM1,DM2は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)が小表示領域DM1に表示され、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域DM2に表示されるように構成している。
このように小表示領域DM1,DM2を設けることにより、特別図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、第4図柄を、丸印とバツ印といった図形を模した表示態様で示しており、小表示領域DM1,DM2にて第4図柄を変動表示させることで(図600(B)の小表示領域DM1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域DM1,DM2にて第4図柄を停止表示させることで(図600(B)の小表示領域DM2参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として数字を用いた表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本制御例では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図600(B)に示した通り、本制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域DM1,DM2)を、主表示領域DMの左上側、右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域DMの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて異ならせても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域DMから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成すると良い。
副表示領域DSに表示される表示内容については、第11制御例と略同一であるため詳細な説明は省略するが、第11制御例では図427(B)に示した通り、副表示領域DSを左右方向に2つの小領域DS1,DS2に区画しているが、本第18制御例では、副表示領域DSの表示領域を小領域DS1のみとし、その小領域DS1内に、実行中領域DS1Aと、待機中領域DS1Bとを形成するように構成している。実行中領域DS1Aの表示内容については、上述した第11制御例の小領域DS1と同一であるため詳細な説明を省略する。
次に、待機中領域DS1Bの表示内容について説明をする。本制御例では、待機中領域DS1Bに8つの台座M1〜M8が表示され、通常時は上述した第11制御例と同じく特別図柄の保留球数を示すための保留図柄が表示されるように構成している。一方、本第18制御例では、台座M8に保留図柄が表示されると、即ち、特別図柄の保留球数が上限値(8)に到達した場合に、保留記憶されている8個の保留図柄を用いた専用演出(期間演出)が実行されるように構成している(図607参照)。この期間演出が実行されている間は、待機中領域DS1Bには、特別図柄の保留球数を示すための保留図柄では無く、期間演出が実行される期間(期間演出の対象となる保留図柄)のみを示す演出用保留図柄が表示されるように構成している。
このように構成することで、期間演出中に新たな保留球を獲得したとしても、待機中領域DS1Bに新たな保留図柄が表示されることが無いため、遊技者に期間演出がいつまで続くのかを分かり易く報知することができる。
なお、図600では図示を省略したが、第3図柄表示装置81の表示画面には、以下の表示内容を示す表示態様も表示される。具体的には遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示されるように構成している。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
この案内表示領域には、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成されており、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、確変状態、時短状態中及び、大当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成している。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に、右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成している。
<第18制御例における演出内容について>
次に、図601から図610を参照して、本第18制御例にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図601、図602を参照して、電源投入時における演出内容について説明をする。図601は特別図柄が変動パターンAで変動している間に電源が落ち(電断し)、その後、電源を投入した場合における音声演出の流れを示したタイミングチャートである。
本制御例では、特別図柄変動(特図変動)中に電断が発生し、その後、電源を投入した場合に、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を実行している間(復帰処理期間中)、第3図柄表示装置81の表示画面に電源投入中を示す表示態様が表示される(図602(A)参照)。そして、復帰処理期間中に特別図柄変動が実行されている場合は、音声出力装置226から特図変動中のBGMが出力されるように構成している。このように構成することで、復帰処理期間中に特図変動が実行されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。
詳細に説明をすると、音声ランプ制御装置113のRAM223に、電断しても一時的に各種設定情報を記憶する記憶エリア(バックアップエリア)を設け、電断発生時に、その記憶エリアに、電断前の遊技情報(演出用の変動パターン、BGM情報、背景モード、残変動時間等)を記憶する電断処理を実行するように構成している。本制御例のパチンコ機10は、外部からの電力供給が断された状態となってから、上述した記憶エリアに各種情報を記憶させるために十分な内部電力(コンデンサ)を有しているため、電断が発生した場合にのみ記憶エリアに遊技情報を記憶するように構成している。そして、電断発生時に出力されていたBGMのパート(図601では、「B」)を記憶し、電源投入後の復帰処理期間中に電断発生時に出力されていたBGMのパート(「B」)から音声を出力するように構成している。
なお、図601に示した例では、電断時に出力されていたBGMの進行具合を記憶し、電断時に停止した箇所からBGMを再生する流れを示しているが、これに限ること無く、電断時に出力されていたBGMのパートの開始位置から再生するように構成しても良い。このように構成することで、電断発生時における記憶エリアへの記憶処理を簡素化することができる。
さらに、本制御例では、主制御装置110の立ち上げ処理が終了(初期設定が完了)したことを示す復帰コマンドに、電断前に実行されていた特図変動に関する遊技情報(選択した変動パターン、残変動時間、抽選結果)を含ませて音声ランプ制御装置113に出力するように構成している。これにより、立ち上げ処理が終了した時点で(初期設定完了を示すコマンドが出力された時点で)、第3図柄表示装置81の表示画面を初期画面(図602(A)参照)から、通常画面(図602(B)参照)へと表示態様を移行させることが可能となる。これにより、遊技者に対して電断前に実行されていた特図変動が再開したことを分かり易く報知することができる。
ここで、図602を参照して、電源投入後における第3図柄表示装置81の表示画面の表示内容について説明をする。図602(A)は、電源投入直後の表示内容を示した模式図であり、図602(B)は、初期設定完了後の表示内容を示した模式図である。なお、図602(A)に示した内容は、上述した制御例の図457(B)に示した表示内容と同一であるため、その詳細な説明を省略するが、本第18制御例では、この初期設定中の画面が表示されている状態で特図変動が実行されている場合は、その変動パターンに対応するBGM(変動音声)が、電断時の続きから出力される(図601参照)。
そして、初期設定が完了すると、図601(B)に示した通り、実行中の特図変動の残期間に基づいた復帰専用の変動パターンが実行される。本制御例では、初期設定完了時における残変動時間が、2秒未満であるかを判別する第1判別と、2秒以上で5秒未満であるかを判別する第2判別と、5秒以上であるかを判別する第3判別と、を実行するように構成している。
ここで第1判別により、2秒未満であると判別した場合は、復帰専用の変動パターンを設定することなく、残変動時間が経過するまで(実行中の特図変動が終了するまで)、初期設定画面(図602(A)参照)を継続して表示する。これにより、遊技者が識別困難である短時間の変動表示が実行されてしまうことを防止することができる。
また、残変動時間が2秒から5秒の間である場合は、リーチ状態(有効ライン上に図柄列Z1と、図柄列Z3とが同一図柄で停止し、図柄列Z2のみ変動表示している状態)から変動表示が実行される復帰専用リーチ演出が実行される。この復帰専用リーチ演出は、通常の変動パターンのうち、ノーマルリーチ、即ち、リーチ状態となる変動パターンのうち、最も大当たりとなる割合が少なく設定されている変動パターンの変動データを用いた演出となる。
そして、残変動時間の長さに対応した時間分の変動データが再生される。このように構成することで、電源投入時に実行中の特図変動が大当たりである場合には、通常では遭遇し難い変動パターンで大当たり当選を報知することができるため遊技者に付加価値を提供することができる。また、予め記憶されている画像データのうち、実際に用いられることが少ない画像データ(ノーマルリーチで大当たりとなる変動パターンを示す画像データ)を用いることで、画像データを有効活用することができる。
次に、図603から図604を参照して、特図変動中における背景モードの変更操作内容について説明をする。図603は、特図変動中における背景変更操作タイミングに応じた背景変更(背景チェンジ)の流れを模式的に示したタイミングチャートである。
図603に示した通り、本第18制御例では特別図柄変動に同期して実行される第3図柄の変動表示において、その変動速度を可変させるように構成している。具体的には、第3図柄の変動速度が「高速、中速、低速」の順に徐々に低下するように構成している。これにより、第3図柄が停止するタイミングを遊技者に予測させながら遊技を行わせることができる。本第18制御例では、上述した第11制御例と同様に、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、抽選結果が外れである場合よりも、長い変動時間が選択され易くなるように構成していることから、今回の特別図柄の抽選結果(変動時間の長さ)を、第3図柄の変動速度の推移を基に予測させることができる。
本制御例では、特別図柄の変動表示中に遊技者が枠ボタン22Aを操作することで、第3図柄表示装置81の表示画面の背景を変更可能(背景チェンジ可能)に構成しており、遊技者が枠ボタン22Aを操作するタイミングに応じて背景チェンジを行うタイミングを異ならせている。
具体的には、図603に示した通り、特図の変動状態(第3図柄の変動速度)が高速である場合に背景変更操作(枠ボタン22の押下)を行った場合には、背景変更操作直後に背景チェンジが実行される。例えば、図603(A)に示した通り、現在の背景モードが「海」であり、且つ、特図の変動状態が高速変動である場合に、背景変更操作を行うと、その直後に背景チェンジが実行され、背景モードが「山モード」へと移行する(図604(B)参照)。
一方で、図603(B)に示した通り、特図の変動状態が高速変動では無い場合(中速変動、低速変動、停止)に背景変更操作を行った場合には、特図の当該変動が終了するまで背景チェンジを行わず、次の特図変動が開始されるタイミングで背景チェンジが実行される。この場合、図604(A)に示した通り、第3図柄表示装置81の主表示領域DMの情報に設けられたモード表示領域DM1Aに現在の背景モードを示す「海モード」が表示され、モード表示領域DM1Aの右に設けられたコメント表示領域DM2Aに、背景変更操作が行われたことを示すための「次変動で背景チェンジ」の文字が表示される。これにより、特図変動中に背景変更操作を行ったことを(パチンコ機10が背景変更操作を正式に受け付けたことを)遊技者に報知することができるため、操作直後に背景チェンジが実行されないため、背景変更操作が繰り返し実行されてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第18制御例では、特図変動中における背景変更操作に対して、特図の変動状態(第3図柄の変動速度)に応じて、背景チェンジを行うタイミングを異ならせるように構成している。これにより、例えば、今回の特別図柄の抽選結果が当たりである可能性が高い演出(例えば、リーチ演出)が実行されている際中に背景チェンジが行われてしまうことを抑制しながらも、今回の特別図柄の抽選結果を示唆する演出が実行され難い期間(高速変動期間)であれば、即座に背景チェンジを実行することができるため、遊技者に対して様々な演出(背景)を体験させることができる。
なお、図603を参照して説明をした背景チェンジの流れでは、特図変動中であって特図の高速変動中以外に背景変更操作を実行した場合に、次の特図変動が開始されるタイミングで背景チェンジを実行する例を示しているが、これに限ること無く、例えば、第3図柄が特図の抽選結果を示すための停止表示態様(3つの第3図柄の組合せ)で停止表示されたタイミング(特図の抽選結果を示唆する演出が終了したタイミング)で背景チェンジを実行するように構成しても良い。
さらに、本第18制御例では、特図変動中であって特図の高速変動中以外に背景変更操作を実行した場合に、少なくとも、今回の特図抽選の結果が停止表示される後まで背景チェンジを実行しないように構成しているが、背景チェンジが実行されることにより特図抽選の結果を示唆する演出が分かり難くなることを抑制するように構成すればよく、特図の当該変動における所定タイミングまで背景チェンジの実行を遅延させるように構成しても良い。具体的には、特図の変動状態が中速変動である場合に背景変更操作を実行した場合には、特図の変動状態が低速変動に切り替わるタイミングで背景チェンジを実行するように構成すると良い。
加えて、特図変動中であって特図の高速変動中以外に背景変更操作を実行した場合に、背景チェンジが実行されるタイミングを、今回の特図抽選の結果に基づいて切り替えるように構成しても良く、例えば、変動中の特図変動が大当たり変動である場合には、特図変動が外れ変動である場合よりも、当該変動期間中の所定タイミング(例えば、低速変動に切り替わるタイミング)で背景チェンジを実行し易くなるように構成すると良い。さらに、特図の高速変動中に背景変更操作を実行した場合にも、今回の特図抽選の結果に基づいて背景チェンジを実行するタイミングを切り替えるように構成しても良い。
これにより、背景変更操作を行うことで、新たな演出(背景)を用いた新しい演出を遊技者に提供することができると共に、遊技者に対して意欲的に背景変更操作を実行させることができる。
なお、図603では、背景変更操作を実行した場合における背景チェンジの実行タイミングを決定する要素として、実行中の第3図柄(特図)の変動速度を用いているが、これに限ること無く、例えば、特図変動中に第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出表示の過程を複数段階(例えば、5段階)に区分けし、背景変更操作時の演出表示の過程に応じて背景チェンジの実行タイミングを決定するように構成しても良い。
具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出表示を順に「変動開始期間」、「リーチ成立期間」、「リーチ演出期間」、「発展演出期間」、「演出結果報知期間」と区分けし、例えば、「変動開始期間」、「リーチ成立期間」を本第18制御例の特図の変動状態「高速変動」に対応させ、「リーチ演出期間」、「発展演出期間」、「演出結果報知期間」を、本第18制御例の特図の変動状態「中速変動」、「低速変動」、「停止」に対応させるように構成しても良い。
このように、第3図柄(特図)の変動速度では無く、演出表示の進行度合いに応じて背景変更操作後に実行される背景チェンジのタイミングを可変させるように構成したとしても、本制御例と同様の効果を奏することができる。
さらに、本第18制御例では、特図変動中であって特図の高速変動中以外に背景変更操作を実行した場合に、今回の特図抽選の結果が停止表示された後に背景チェンジを実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次の特図変動(背景変更操作を実行した特図変動の次の特図変動)の抽選結果や、次以降の特図変動の抽選結果(保留記憶されている入賞情報に対する事前判別(先読み)結果)に基づいて、背景チェンジの実行の有無や、背景チェンジの移行先(背景モード)を可変するように構成しても良い。
このように構成することにより、特図の抽選結果を事前に把握するために遊技者に対して意欲的に背景変更操作を実行させることができる。そして、背景変更操作を意欲的に実行させることで、多彩な演出を遊技者に提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図605、及び図606を参照して、第3図柄の高速変動期間を可変させる可変演出(タッチ演出)の内容について説明をする。図605は、第3図柄の変動速度と、タッチ演出の流れと、を示したタイミングチャートである。図605に示した通り、本制御例では、特図変動の変動期間に対応させて第3図柄がその変動速度を可変させながら第3図柄表示装置81の表示画面に変動表示されるように構成している。そして、第3図柄の高速変動期間中に、タッチ演出(図606(A)参照)が実行されるように構成している。
このタッチ演出が実行されている期間中(第3図柄の高速変動期間中)に、遊技者がタッチセンサ2900を操作すると(タッチセンサ2900の検知領域内に所定時間の間、遊技者が手を侵入させると)、第3図柄が低速変動となる変動演出(リーチ演出)が実行されるように構成している(図606(B)参照)。
つまり、本制御例では、タッチ演出中に遊技者がタッチセンサ2900を操作することにより、第3図柄の変動速度を強制的に低速変動へと切り替えることができるように構成している。このように構成することにより、低速変動中に実行される変動演出(特別図柄の抽選結果を示唆するための演出)の実行期間を長くすることができるため、遊技者に対して、変動演出により興味を持たせることができる。
また、第3図柄の高速変動期間中にタッチ演出を実行するように構成しているため、例えば、タッチ演出が実行されている期間中に、枠ボタン22Aを操作し、背景モードを移行させることが可能に構成している。このタッチ演出は、背景モードが可変しても継続して実行されるように構成していることから、背景モードを可変させてからタッチ演出を実行することが可能となる。
よって、例えば、第3図柄の高速変動中にタッチ演出が実行され、当該変動にてリーチ演出が実行されることを遊技者が把握した時点で、遊技者が所望する背景モードとなるように枠ボタン22Aを操作し、その後、タッチセンサ2900を操作することで、遊技者が所望する背景モードにおけるリーチ演出を容易に体感することができる。
ここで、上述したタッチ演出中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容の一例について図606を参照して説明する。図606(A)は、タッチ演出が実行された直後(図605(A)のタイミング)の表示画面の一例を示した模式図であって、図606(B)は、タッチ演出にてタッチセンサ2900を操作した後(図605(B)のタイミング)の表示画面の一例を示した模式図である。
図606(A)に示した通り、タッチ演出が実行された状態では、第3図柄表示装置の表示画面にて第3図柄が高速度で変動表示されており(図では左方向の矢印で表現)、その高速変動中の変動表示領域の左側(主表示領域DMの左側約1/3)の小領域DM3にて、第3図柄の変動表示を覆うようにタッチ演出が実行中であることを示すタッチ表示が実行される。具体的には、遊技者が手をかざす箇所を案内するためのタッチ箇所案内表示態様DM31と、タッチ演出の演出期間(操作有効期間)を示すための期間表示態様DM32と、が表示されると共に、遊技者にタッチセンサ2900を操作(タッチ)させることを促す「タッチ」のコメントが表示される。
なお、図606に図示した通り、第3図柄の高速変動中は、個々の第3図柄を遊技者が視認困難な程度の速度で変動しているため、変動表示領域の一部を覆うようにタッチ表示が実行されたとしても、遊技者に分かり難い演出(変動表示中の第3図柄が把握出来なくなる演出)が実行されるものでは無い。
そして、期間表示態様DM32が示すタッチ演出の演出期間中に、遊技者がタッチセンサ2900を操作すると、図606(B)に示した通り、タッチ演出が終了し、第3図柄表示装置81の主表示領域DM全体を用いたリーチ演出(第3図柄の低速度変動表示)が実行される。
以上、説明をした通り、本第18制御例では、第3図柄の高速変動中に遊技者が操作手段(タッチセンサ2900)を操作することにより、第3図柄の変動速度を強制的に低速変動へと切り替えることができるように構成している。このように構成することにより、低速変動中に実行される変動演出(特別図柄の抽選結果を示唆するための演出)の実行期間を長くすることができるため、遊技者に対して、変動演出により興味を持たせることができる。
また、第3図柄の高速変動期間中にタッチ演出を実行するように構成しているため、例えば、タッチ演出が実行されている期間中に、枠ボタン22Aを操作し、背景モードを移行させることが可能に構成している。このタッチ演出は、背景モードが可変しても継続して実行されるように構成していることから、背景モードを可変させてからタッチ演出を実行することが可能となる。
よって、例えば、第3図柄の高速変動中にタッチ演出が実行され、当該変動にてリーチ演出が実行可能であることを遊技者が把握した時点で、遊技者が所望する背景モードとなるように枠ボタン22Aを操作し、その後、タッチセンサ2900を操作することで、遊技者に対して所望する背景モードにおけるリーチ演出を容易に体感させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図607から図609を参照して、宝箱演出(8個保留演出)の演出内容について説明をする。本制御例では、特別図柄の保留球数が上限数である8個となった場合に、8個の保留を用いた連続演出(期間演出)である8個保留演出が実行されるように構成している。この8個保留演出は、8個の保留図柄を用いた専用の演出であり、各保留図柄に対応する演出用保留図柄として、宝箱を模した表示態様の演出用保留図柄が待機中領域DS1Bに表示される(図607(A)参照)。
そして、8個保留演出の対象となる保留図柄に対応する特図変動が実行されると、図607(B)に示した通り、実行中領域DS1Aに1個目の演出用保留図柄TB0が表示され、その中から当該変動の抽選結果を示す宝箱の中身TB10が表示される。詳細は後述するがこの中身TB10は、特図の抽選結果に応じて異なる色が表示されるように構成している。
その後、8個保留演出が実行されている期間中に、新たな入賞情報を保留記憶した場合には、図608(A),(B)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面の待機中領域DS1Bには新たな入賞情報に対応した保留図柄を表示することなく、保留ランプ900のみで新たな保留図柄900Zが表示される。これにより、8個保留演出が継続して実行される期間(演出期間)がどの保留図柄までかを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、8個保留演出の対象となる最後の特図変動が実行されると、図609に示した通り、演出用保留図柄TB7が実行中領域DS1Aに表示させるとともに、待機中領域DS1Bに現在の保留記憶数に対応した保留図柄が表示される。つまり、8個保留演出の対象となる保留図柄が無くなった時点で、現在保留記憶している保留球数を示す保留図柄を表示させるように構成している。これにより、8個保留演出の終了時において、現時点で獲得している保留球数が分からずに遊技者が困惑してしまう事態を抑制することができる。
なお、本制御例では、図607〜図609を参照して示した8個保留演出が実行されるものであるが、これに限ること無く、例えば、8個保留演出中であって、演出用保留図柄が待機中領域DS1Bに表示されている期間中であっても、遊技者が操作手段に対して特定の操作を行った場合に、待機中領域DS1Bに演出用保留図柄では無く、現在の保留球数を示す保留図柄を表示させるように構成しても良い。また、8個保留演出中に実行される事前判別処理において大当たりに当選する入賞情報があると判別した場合に、その入賞情報に対応する特図変動が実行されるまで8個保留演出を継続させるように構成しても良い。
また、本制御例では、複数の特図変動(保留図柄)に跨がって一連の変動演出が実行される期間演出(8個保留演出)において、実行される特図変動に対応する抽選結果に基づいた演出態様(宝箱の中身TB10)が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、期間演出の対象となる保留図柄内に大当たり当選となる入賞情報が含まれているか否かを、当該保留図柄に基づく特図抽選が実行されるよりも前に事前に判別(先読み)し、その事前判別結果(先読み結果)に基づいて期間演出の演出態様を設定するように構成しても良い。この場合、例えば、大当たりに当選する期待度を複数段階で設定可能に構成し、期間演出中において、大当たりに当選する期待度が低下しないように段階的に上昇する演出態様を設定すると良い。これにより、期間演出の進行に合わせて大当たりに対する期待感を高めさせることができ、最後まで期間演出に注視させることができる。
次に、図610を参照して、本第18制御例におけるタッチセンサ2900を用いた演出中の表示内容について説明をする。図610(A)は、第3図柄の低速変動中(リーチ表示中)に実行されるタッチ演出中にタッチセンサ2900を操作した場合の表示例を示した表示画面であって、図610(B)は、第3図柄の低速変動中(リーチ表示中)に実行されるタッチ演出中に特殊操作を行った場合の表示例を示した表示画面である。
図610(A)に示した通り、第3図柄の低速変動中(リーチ表示中)に、タッチ演出が実行されると、図606(A)にて説明したタッチ演出と同様に、主表示領域DMの左側約1/3に小領域DM3が形成されタッチ表示が実行される。図610(A)の状態では、第3図柄が低速変動中(リーチ表示中)であるため、小領域DM3に覆われていない主表示領域DMの表示領域のみでリーチ表示態様が遊技者に視認可能な状態で縮小表示されており、タッチセンサ2900が操作されたことを示す態様でタッチ箇所案内表示態様DM31が表示される(図では、斜線で表示)。
そして、コメント表示領域DM2Aには、タッチ演出の演出結果である「大チャンス」のコメントが表示される。本制御例は、第3図柄のリーチ表示中にタッチ演出を実行可能に構成し、そのタッチ演出中にタッチセンサ2900を操作することで、実行中の特図変動の抽選結果が大当たりであるか否かを示唆する演出(コメント表示)が実行されるように構成しているため、大当たりである可能性が高いコメント(例えば、大チャンス)が表示されることを期待しながらタッチセンサ2900を操作することができ、遊技者の操作演出への参加意欲を高めることができる。
なお、特別図柄の抽選結果をいち早く察知したいと考えている遊技者であれば、上述したタッチ演出が実行されることにより、タッチセンサ2900を積極的に操作し、コメント表示領域DM2Aにタッチ演出の演出結果であるコメントを積極的に表示させようとするが、一方で、第3図柄の変動演出の演出態様を楽しみたい(第3図柄が停止表示されるまでは、特別図柄の抽選結果を示唆する他の演出を実行させたくない)と考える遊技者はタッチ演出が実行されたとしても、タッチセンサ2900を操作することなくコメント表示領域DM2Aに特別図柄の抽選結果を示唆するコメントを表示させないようにする遊技を行うことが考えられる。
この場合、タッチ演出の実行中(タッチ演出中に設定される操作手段(タッチセンサ2900)の操作有効期間中)は、タッチセンサ2900を操作して現在の背景モードを把握することが出来なくなるという問題があった。そこで、本第18制御例では、枠ボタン22Aの左側に配設されている左ボタン22B、及び右ボタン22C(図598参照)を押下しながらタッチセンサ2900を操作することで、タッチ演出中であっても現在の背景モードを報知させることができるように構成している。このように構成することで1つの操作手段(タッチセンサ2900)を用いた操作制御が重複したとしても、遊技者に対して所望する操作のみを容易に実行させることができる。
具体的には、図610(B)に示した通り、第3図柄の低速変動中(リーチ表示中)にタッチ演出が実行された状態で、左ボタン22B、及び右ボタン22Cを押下すると(図610(B)の下枠線内では左ボタン22B、及び右ボタン22Cを模した表示態様を塗り潰すことで表現)、コメント表示領域DM2Aに「モードランプに注目」のコメントが表示される。これにより、現段階でタッチセンサ2900を操作した場合に、タッチ演出の演出結果が表示されるのでは無く、現在の背景モードが報知される状態であることを遊技者に分かり易く報知することができる。そして、その状態でタッチセンサ2900を操作すると、実行中の特図変動の抽選結果を示唆する示唆演出では無く、背景モードを報知するためのモードランプ1910のうち、現在設定されている背景モードに対応するモードランプ1910Aが点灯表示される。
なお、本制御例では、第3図柄の低速変動中(リーチ表示中)にタッチ演出が実行された状態で、左ボタン22B、及び右ボタン22Cを押下した場合に、その押下期間中は、タッチセンサ2900を操作しても、タッチ演出の演出結果が表示されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、タッチ演出中に左ボタン22B、及び右ボタン22Cを押下することで、タッチ演出を強制的に終了させるように構成しても良い。つまり、操作手段に対して特殊操作を実行することで、実行中の操作演出をキャンセルするように構成しても良い。
<第18制御例における電気的構成について>
次に、図611を参照して本第18制御例における音声ランプ制御装置113のROM222、及びRAM223の構成について説明をする。図611(A)は本第18制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図であり、図611(B)は本第18制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。本第18制御例では、上述した第11制御例に対して、ROM222に8個保留抽選テーブル222FA、特殊演出選択テーブル222FB、バイブパターンデータ222FCを追加した点、RAM223に次背景変更フラグ223FA、保留演出実行中フラグ223FB、保留演出カウンタ2223FCを追加した点で相違している。それ以外の要素については、第11制御例と同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
8個保留抽選テーブル222FAは、8個保留演出(宝箱演出)を実行するか否かの抽選(判別)を行う際に用いられるデータテーブルであって、保留数制御処理(図621のZ2243参照)において、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値と、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値と、を合算した値(以下、特別図柄保留球数カウンタの値と称す)が上限値である「8」である場合に(図621のZ2473:YES)、8個保留演出を実行するか否かを判別するために参照される(図621のZ2475)。8個保留演出の実行が決定されると、図607から図609を参照して上述した8個保留演出が実行される。
ここで、図612(C)を参照して、8個保留抽選テーブル222FAの内容について説明をする。図612(C)は、8個保留抽選テーブル222FAに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図612(C)に示した通り、8個保留抽選テーブル222FAは、特図の保留内(8個保留演出に用いられる保留内)に遊技者に有利となる抽選結果(当たり当選)を示す入賞情報が含まれているかを判別し、その判別結果に基づいて8個保留演出の実行確率が可変するように構成されている。
具体的には、特図の保留内に当たり当選を示す入賞情報がある場合(保留内判定結果が「当たりあり」の場合)は、取得した保留演出カウンタ223FCの値が「0〜140」である場合に8個保留演出を実行し、「141〜198」である場合に8個保留演出を実行しないように規定している。一方、保留内判定結果が「外れのみ」である場合は、取得した保留演出カウンタ223FCの値が「0〜90」である場合に8個保留演出を実行し、「91〜198」である場合に8個保留演出を実行しないように規定している。
つまり、本制御例では、8個保留演出の対象となる保留内に遊技者に有利となる抽選結果(当たり当選)を示す入賞情報が含まれている場合のほうが、含まれていない場合よりも8個保留演出が実行され易くなるように構成している。これにより、8個保留演出が実行されることで、遊技者に対してもうすぐ大当たりに当選するのではと思わせることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、特別図柄の保留球数が上限数である8個となった場合に、8個の保留を用いた連続演出(期間演出)である8個保留演出を実行するか否かの抽選を行うように構成しているが、保留球数が上限に到達した場合では無く、所定数(例えば、7個)に到達した場合に連続演出(期間演出)を実行するか否かの抽選を行うように構成しても良い。この場合、例えば、7個の保留のうち、一方の特別図柄種別に対応する保留球数が3個の場合と、4個の場合とで8個保留演出の実行確率を可変させても良い。
また、複数の特別図柄種別を有するパチンコ機10では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技において遊技者に付与される特典(賞球数、大当たり遊技後に設定される遊技状態)が大きい大当たり遊技が実行され易い側の特別図柄種別(有利特別図柄)と、他方の特別図柄種別(不利特別図柄)との事前判別結果を区分けして8個保留演出の実行確率が異なるように設定してもよく、この場合は、有利特別図柄の保留内に大当たり当選を示す入賞情報が有る場合に、他の条件よりも8個保留演出が実行され易くなるように構成すると良い。これにより、8個保留演出に対する遊技者の期待度をより高めることができる。
特殊演出選択テーブル222FBは、特別図柄の抽選結果に応じて、枠ボタン22操作時における枠ボタン22の振動量を設定する際に参照されるデータテーブルであって、保留内の抽選結果(事前判別結果)に基づいて異なる振動量が設定されるものである。
ここで、図612(A)を参照して、特殊演出選択テーブル222FBの内容について説明をする。図612(A)は、特殊演出選択テーブル222FBに規定されている内容を模式的に示した模式図であって、図612(B)は、特殊演出選択テーブル222FBに規定されている振動量シナリオ(バイブ種別)を有するバイブパターンデータ222FCの内容を示した図である。
本第18制御例では、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、枠ボタン22が振動するように構成されており、枠ボタン22の振動量も3段階に可変させることができるように構成されている。さらに、特別図柄の抽選結果、或いは、特別図柄の事前判別結果が遊技者に有利となる場合に、より大きな振動量で枠ボタン22が振動し易くなるように構成されている。加えて、枠ボタン22を振動させるための振動手段(SWモータ)は、枠ボタン22が押下されたと判別された場合に駆動するように振動制御手段(SWモータ制御装置)により制御されるように構成されている。
よって、遊技者は枠ボタン22を押下しない限り枠ボタン22が振動するか否か、振動する場合の振動量を認識することができないため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を押下させることができる。さらに、本制御例は、1回の振動量シナリオ(バイブ種別)として、複数回の枠ボタン押下に対応させた振動量が規定されるように構成しており、枠ボタン22の押下回数が増えるほど、より大きな振動量で枠ボタン22が振動し易くなるように構成している。これにより、遊技者に対して枠ボタン22を意欲的に複数回押下させることができる。
本第18制御例では、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて変動表示用の変動パターンを設定する際に(図624参照)、枠ボタン22を操作させる演出(操作演出)の有無や、操作演出の種別も設定するように構成している。そして、枠ボタン22を振動させる特殊演出(操作演出の一部)が設定されると、枠ボタン22を押下した場合に特殊演出選択テーブル222FBに基づいて振動量シナリオ(バイブ種別)が設定され、設定されたバイブ種別に応じた枠ボタン22の振動動作が実行される。
特殊演出選択テーブル222FBは、図612(A)に示した通り、特図の保留内に当たりが含まれている場合であって、演出カウンタの値が「0〜79」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブA」が規定され、「80〜139」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブB」が規定され、「140〜175」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブC」が規定され、「176〜198」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブD」が規定されている。
また、特図の保留内に当たりが含まれていない(外れのみの)場合であって、演出カウンタの値が「0〜49」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブB」が規定され、「50〜90」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブC」が規定され、「91〜198」の範囲には振動量シナリオ(バイブ種別)として「バイブD」が規定されている。
次に、図612(B)を参照して、特殊演出選択テーブル222FBに規定されている各バイブ種別(振動量シナリオ)の詳細な内容について説明をする。図612(B)に示した通り、本第18制御例は、4種類のバイブ種別(バイブA〜バイブD)が設定可能であり、各バイブ種別のそれぞれに枠ボタン22の操作回数(PUSH回数)に対応させた振動量が規定されている。
具体的には、バイブ種別の「バイブA」には、PUSH回数1回目に「なし(振動させない)」が、2〜4回目に「強」が規定されており、「バイブB」にはPUSH回数1回目に「弱」、2回目に「中」、3,4回目に「強」が規定されており、「バイブC」にはPUSH回数1回目に「なし(振動させない)」、2回目に「弱」、3回目に「中」、4回目に「強」が規定されており、「バイブD」にはPUSH回数1回目に「弱」、2〜4回目に「中」が規定されている。
このように、設定されたバイブ種別に応じて、枠ボタン22を操作した際の振動量を異ならせ、且つ、PUSH回数に応じて振動量の可変の有無を異ならせることにより、遊技者に対して次に枠ボタン22を押下した場合にどの振動量で枠ボタン22が振動するのかを楽しませることができる。よって、遊技者が操作演出に積極的に参加することになり演出効果を高めることができる。
なお、本第18制御例では、各バイブ種別に対して規定されている振動量をPUSH回数が増加することに大きくなるように(小さくならないように)構成しているが、コレに限ること無く、振動量が小さくなるように構成しても良い。この場合、実行中の特図変動が大当たり変動である、或いは、特図の保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある場合に、特殊演出内で枠ボタン22の振動量が途中で小さくなり易くなるように構成すると良い。これにより、振動量が小さくなった場合の特別感を遊技者に提供することができる。
さらに、本第18制御例では、いずれのバイブ種別が設定された場合であっても、特定のPUSH回数(4回)に対して振動量を設定するように構成しているが、これに限ること無く、バイブ種別に応じて振動量を設定するPUSH回数を異ならせても良い。
詳細な説明は省略するが、本第18制御例では、通常の操作演出(変動表示(リーチ変動)の過程に応じて遊技者に枠ボタン22を複数回操作させる演出)と同一の操作演出が第3図柄表示装置81にて表示されるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81にて実行される変動表示の演出(操作演出)に沿って枠ボタン22を操作するだけで、規定回数(4回)の枠ボタン操作を実行することができる。
加えて、本第18制御例は、特殊演出専用の表示演出も有している。この特殊演出専用の表示演出は、特図変動期間内の特定期間中(例えば、特図変動が開始してから2〜12秒の10秒間)に表示態様が段階的(最大で4段階)にステップアップ可能な演出が実行される。この演出は、枠ボタン22を押下し、枠ボタン22の振動量が可変(上昇)することを示唆可能な演出態様で構成されている。
このような専用演出を用いることで、遊技者に対して、枠ボタン22の振動量がさらに大きくなることを期待させながら積極的に枠ボタン22を操作させることができる。また、枠ボタン22の振動量がさらに大きくなる振動量シナリオ(バイブ種別)が設定されているにも関わらず、設定されているバイブ種別に規定されている最大の振動量で枠ボタン22を振動させることなく特殊演出が終了してしまうことを抑制することができる。
なお、この場合、上述した特殊演出専用の表示演出の演出態様を、設定されているバイブ種別だけでは無く、当該変動の抽選結果に基づいて設定するように構成し、枠ボタン22の振動量が可変していないにも関わらず、表示態様がステップアップする演出パターンを設けても良い。
ここで、枠ボタン22の振動量の定義について説明をする、本制御例では、振動量として、振動の強さを示す定義である「単位時間あたりの振動の数を示す振動数(周波数)」、「振動のふれ幅を示す振幅」、「振動の一単位にかかる時間を示す(周期)」のうち、振幅の大きさに基づいて振動量の大きさを定義している。よって、振動量の大きさによって、枠ボタン22を押下した際に感じる振動のふれ幅を異ならせるため、遊技者に分かり易く振動量の可変状況を識別させることができる。
なお、上述した特殊演出では、枠ボタン22を複数回押下した場合に、遊技者が異なる振動を感じることができるように構成すれば良く、振動態様(振幅、周波数や、振動の継続時間や、枠ボタン22を押下してから振動を開始するまでの期間等)を可変させるものであれば何れでもよく、それぞれを組み合わせて用いても良い。また、一つの操作手段(枠ボタン22)に対して振動を付与可能な振動手段(モータ等)を複数設け、複数の振動手段に対して駆動制御を行うことで、枠ボタン22を振動させる振動源の位置を可変させても良いし、各振動手段の駆動開始タイミングを異ならせることにより、遊技者が感じる振動態様を可変させるように構成しても良い。また、振動態様の可変内容を遊技者が選択可能に構成しても良い。
さらに、本第18制御例では、特殊演出が設定されている状態において遊技者が枠ボタン22を押下しない限り枠ボタン22が振動することが無いように構成しているが、これに限ること無く、例えば、枠ボタン22が押下されていない状態であっても、特殊演出にて設定される枠ボタン22の振動量よりも小さい振動量で枠ボタン22を振動させるように構成しても良い。このように枠ボタン22を軽く振動させることにより、現在が特殊演出中であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
バイブパターンデータ222FCは、特殊演出選択テーブル222FBに規定されているバイブ種別(バイブA〜バイブD)のそれぞれの内容が格納されているデータテーブルである。その内容は、特殊演出選択テーブル222FBの説明にて上述したため省略する。
次に、図611(B)を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容について、上述した第11制御例との相違点を中心に説明をする。上述した通り、本第18制御例のRAM223は、第11制御例のRAM223に対して、次背景変更フラグ223FA、保留演出実行中フラグ223FB、保留演出カウンタ2223FC、SW特殊演出カウンタ223FDを追加した点で相違している。
次背景変更フラグ223FAは、第3図柄表示装置81の表示画面の背景を変更するための背景変更条件が成立している状態であることを示すためのフラグであって、背景変更条件が成立している場合にオンに設定される。本制御例では、背景モードを変更させようと背景変更操作を実行した場合であっても、背景変更操作を実行したタイミングによって、背景を変更するタイミングを異ならせるように構成している。このような場合では、背景変更操作を行うことで背景変更条件が成立したタイミングと、実際に背景(背景モード)が変更(移行)するタイミングと、でタイムラグが生じることになる。そこで、背景変更条件が成立したことを一時的に記憶するために、次背景変更フラグ223FAをオンに設定するように構成している。
具体的には、背景変更処理(図629のZ2949参照)において、背景変更操作(枠ボタン22への操作)が実行された時点における特図の変動状態(第3図柄の変動表示の速度)が高速変動中ではないと判別した場合に(図629のZ2964:NO)、オンに設定される(図629のZ2965参照)。そして、特図変動の停止を示す停止コマンドを受信した場合に実行される変動停止処理8(図620のZ2242参照)において、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されていると判別された場合(図620のZ2266:YES)は、次いで、特図の保留記憶の有無を判別し(図620のZ2267)、保留が無いと判別した場合は(図620のZ2267:NO)、特図変動の停止タイミングで背景チェンジが実行される。一方で、特図の保留があると判別した場合は(図620のZ2267:YES)、次の特図変動が開始されるタイミングで背景チェンジが実行される(図619のZ2258参照)。
保留演出実行中フラグ223FBは、8個保留演出(図607参照)が実行中であることを示すためのフラグであって、8個保留演出が実行される場合にオンに設定されるものである。そして、8個保留演出が終了するとオフに設定される(図624のZ2534参照)。なお、詳細な図示は省略するが、この保留演出実行中フラグ223FBがオンに設定されている間は、特別図柄保留球数カウンタの値(特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値と、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値とを合算した値)が上限数(8)に到達したとしても、新たな8個保留演出を実行するかの抽選を実行しないように構成している。
具体的には、保留球数制御処理(図621のZ2243参照)において、特別図柄保留球数カウンタの値が8であると判別された場合に(図621のZ2473:YES)、次いで、保留演出実行中フラグ223FBがオンに設定されているかを判別し、オンに設定されていない(オフである)と判別された場合に、図621のZ2474,Z2475の処理を実行するように構成している。
このように構成することにより、8個保留演出が必要以上に長時間継続してしまうことを抑制することができるため、8個保留演出の価値観を高めることができる。なお、本制御例の構成とは異ならせ、8個保留演出中に再度特別図柄保留球数カウンタの値が上限数(8)に到達した場合に、新たな8個保留演出を実行するかの抽選を実行するように構成しても良い。この場合、新たな8個保留演出を実行するか否かの抽選として、初回の8個保留演出を実行するか否かの抽選とは異なる抽選を実行するように構成すると良い。具体的には、新たな8個保留演出は、初回の8個保留演出よりも、対象となる保留内に大当たりが含まれている場合に実行され易くなるように構成すると良い。これにより、8個保留演出が8個よりも多くの特図変動を対象として実行された場合に、大当たりへの期待感をより高めることができる。また、8個保留演出中においても再度上限数まで保留球を貯めようと意欲的に遊技を行わせることができる。
保留演出カウンタ223FCは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図617参照)が実行される毎に(1ミリ秒毎に)、異なる値となるように更新処理が実行されるものである。この保留演出カウンタ223FCの値は、保留数制御処理(図621のZ3343参照)において8個保留演出を実行するか否かを、8個保留抽選テーブル222FAを参照して抽選する際に取得される(図621のZ2474参照)。
SW特殊演出カウンタ223FDは、特殊演出が設定されている期間中において枠ボタン22を操作した回数を計測するためのカウンタであって、SW演出処理(図628のZ2841参照)において特殊演出が設定された場合に(Z2944参照)、設定された特殊演出に対応する値が設定される(図628のZ2945参照)。ここで、本制御例ではどの種別の特殊演出が設定されたとしても、枠ボタン操作4回分の特殊演出が設定されるため、SW特殊演出カウンタ223FDには4の値が設定される。
そして、特殊演出中に枠ボタン22が操作(押下)される毎に、SW特殊演出カウンタ223FDの値が1減算され(図628のZ2948参照)、減算後のSW特殊演出カウンタ223FDの値に対応する演出を実行するためにSWモータデータが設定される(図628のZ2947参照)。
復帰状態格納エリア223FEは、電断状態から復帰した際に、主制御装置110より受信した復帰コマンドに含まれる復帰変動(実行途中に電源が断された特図変動)の残時間情報を格納するための記憶領域である。具体的には、変動復帰処理(図622のZ2252)において、受信した復帰コマンドに含まれる残変動時間情報を格納する処理(図622のZ2281)で用いられる。
本制御例では、電源復帰後に復帰状態格納エリア223FEに格納された特図変動の残変動時間に基づいて、復帰処理終了後の表示態様(変動表示態様)を設定するように構成している。詳細な説明は後述するが、復帰処理終了後の残変動時間が所定時間(2秒)よりも長い場合は、その残変動時間に対応した第3図柄の変動表示を実行し、所定時間(2秒)以下である場合は、復帰処理画面を継続して表示するように構成している。これにより、電源復帰後の特図変動を遊技者に分かり易く表示することができる。
復帰変動中フラグ223FFは、電源断時に中断された特図変動が、電源復帰後に変動(復帰変動)していることを示すためのフラグであって、復帰変動中である場合にオンに設定されるものである。この復帰変動中フラグ223FFは、変動復帰処理(図622参照)において残変動時間カウンタ223FGに対応する値が設定された場合(図622のZ2283参照)、オンに設定され(図622のZ2284)、復帰変動に対応する表示用コマンドが設定された後に、オフに設定される(図623のZ2296)。
残変動時間カウンタ223FGは、第3図柄の変動の残り時間をカウントするためのカウンタである。この残変動時間カウンタ223FGの値は、変動表示設定処理8(図624参照)において取得した変動パターンの変動時間に対応する値が設定され(図624のZ2511)、カウンタ更新処理(図633参照)で設定されている値が0以上であると判別した場合に(Z2861:YES)、1減算される。
高速変動中フラグ223FHは、第3図柄の変動が高速変動期間であるかを示すためのフラグであって、高速変動中である場合にオンに設定されるものである。この高速変動中フラグ223FHは、カウンタ更新処理(図633のZ2176参照)において、残変動時間カウンタ223FGの値が高速変動期間を示している場合にオンに設定され(図633のZ2863)、高速変動期間を示していない場合にオフに設定される(図633のZ2865)。また、枠ボタン入力監視・演出処理8(図626のZ2172参照)にて実行されるセンサ入力処理8(図630のZ2842参照)において、タッチセンサ2900が操作(オンと判別)され(図630のZ2825:YES)、第3図柄の変動速度を低速度に切り替えた場合にもオフに設定される(Z549のZ2833)。また、高速変動中フラグ223FHの設定状況は、背景変更処理(図629のZ2949参照)において、背景モードを移行させるタイミングを決定する際に参照される(図630のZ2964参照)。
特殊操作フラグ223FIは、遊技者が操作手段(左ボタン22B、右ボタン22C)に対して特殊な操作を実行したことを示すためのフラグであって、遊技者が特殊操作を実行した場合にオンに設定される。具体的には、枠ボタン入力監視・演出処理8(図626のZ2172参照)にて実行される左右ボタン入力処理(図627のZ2843参照)において、左ボタン22B、及び右ボタン22Cを押下した場合(図627のZ2851:YES)であって、特別図柄の変動中で高速変動中フラグ223FHがオフである場合に(図627のZ2853:NO)、オンに設定される(図627のZ2855)。
そして、センサ入力処理8(図630のZ2842参照)において、設定状況が判別され(図630のZ2831参照)、オンに設定されている場合は(図630のZ2831:YES)、タッチ演出に関する処理を実行すること無く、モード識別処理(図630のZ2968)が実行される。本制御例では、遊技者が左ボタン22B、及び右ボタン22Cを継続して操作(押下)している間、特殊操作フラグ223FIがオンになるように設定され、左ボタン22B、及び右ボタン22Cの操作を止めると、特殊操作フラグ223FIがオフに設定される(図627のZ2857参照)。つまり、左ボタン22Bと右ボタン22Cを押下した状態で、タッチセンサ2900を操作した場合には、その操作結果に基づいてタッチ演出の演出態様が可変すること無く、現在設定されている背景モードの報知が実行される。
本制御例のパチンコ機10では図598を参照して説明をした通り、左ボタン22Bと右ボタン22Cとが、遊技者が片手で同時に操作可能な程度の離間距離(約3センチ)で配設されている。よって、左ボタン22Bと右ボタン22Cを一方の手で操作した状態で他方の手でタッチセンサ2900を操作することができる。なお、各操作手段の配置関係は本制御例の配置関係に限定されるものでは無く、例えば、左ボタン22Bと右ボタン22Cとタッチセンサ2900とを同時に片方の手で操作可能となるように構成しても良いし、左ボタン22Bと右ボタン22Cとを操作ハンドルを操作している一方の手で操作できるように構成し、他方の手でタッチセンサ2900を操作できるように構成しても良い。
<本第18制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図613、及び図614を参照して、本第18制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明をする。本第18制御例では、上述した第11制御例に対して表示制御装置114のワークRAM233に規定されている内容と、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aに規定されている内容と、を異ならせており、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図613は、本第18制御例における表示制御装置114の電気的構成を模式的に示した模式図である。図613に示した通り、本第18制御例のワークRAM233には、8個表示設定フラグ233FA、表示8個演出カウンタ233FB、表示保留球数格納エリア233FC、表示演出カウンタ233FDが追加されている点で上述した第11制御例と相違している。
8個表示設定フラグ233FAは、8個保留演出が実行されていることを示すためのフラグであって、8個保留演出が実行される場合にオンに設定されるものである。この8個表示設定フラグ233FAがオンに設定されている間は、第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域DSの待機中領域DS1B(図602(B)参照)にて、特別図柄の保留球数では無く、8個保留演出の対象となる保留図柄の残個数(演出用保留図柄)が表示される(図609参照)。これにより、複数の特図変動を跨がるように実行される連続演出(期間演出)である8個保留演出の実行期間を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本第18制御例では、8個保留演出の対象となる保留図柄の残個数と、演出用保留図柄の個数と、を同期させて表示するように構成しているが、8個保留演出の実行期間を遊技者に分かり易く報知できるように演出用保留図柄の個数を表示すれば良く、例えば、8個保留演出中に第3図柄が停止、或いは、仮停止する回数に対応させて演出用保留図柄の個数を設定しても良いし、2つ以上の特図変動に対して1つの演出用保留図柄を設定するように構成しても良い。このように構成することにより、8個保留演出の進行具合(現在が何個目の保留図柄に対応する変動表示中であるか)を分かり難くすることができる。
表示8個演出カウンタ233FBは、8個保留演出中に第3図柄表示装置81の表示画面の副表示領域DSの待機中領域DS1B(図602(B)参照)に表示させる演出用保留図柄の個数を計測するためのカウンタである。本制御例では、8個保留演出の対象となる保留図柄の残個数に対応させて演出用保留図柄の個数を可変させるように構成しているため、音声ランプ制御装置113から表示用8個演出保留コマンドを受信した場合に実行される8個表示設定処理(図636のZ3493参照)において、カウンタの値に8を設定する(図636のZ5707参照)。
そして、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド処理8(図635のZ3491参照)において、カウンタの値が減算され(図635のZ3522)、減算後のカウンタの値が0であるかが判別される(図635のZ3524)。表示用8個演出カウンタ233FBの値が0となると8個保留演出の対象となる保留図柄を全て使用した場合であるため、演出用保留図柄の表示を終了するために8個表示設定フラグ233FAがオフに設定され(図635のZ3525参照)、保留表示処理(図637のZ3495参照)において、待機中領域DS1Bに保留図柄が表示される(図609参照)。これにより、8個保留演出の対象となる最後の特図変動が実行される場合に、特図の保留球数を示す保留図柄が待機中領域DS1Bに表示されるため、8個保留演出が終了する際に、特図の保留球数をどの程度蓄積しているかを遊技者に分かり易く報知することができる。
表示保留球数格納エリア233FCは、現在の特図保留球数を表示制御装置114側で記憶するための記憶エリアであって、音声ランプ制御装置113から出力される表示用保留球数コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応した保留球数が記憶される。
表示演出カウンタ233FDは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、表示制御装置114コマンド判定処理(図634のZ3302参照)が実行される毎に、異なる値となるように更新処理が実行されるものである。この表示演出カウンタ233FDの値は、保留数制御処理(図621のZ3343参照)において8個保留演出を実行するか否かを、8個保留抽選テーブル222FAを参照して抽選する際に取得される(図621のZ2474参照)。
次に、本第18制御例のキャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234Aの内容について説明をする。図613に示した通り、本第18制御例のNAND型フラッシュメモリ234Aは、上述した第11制御例のNAND型フラッシュメモリ234Aに対して、8個演出シナリオ選択テーブル234A3を追加した点で相違している。
8個演出シナリオ選択テーブル234A3は、8個保留演出の演出結果を選択するためのデータテーブルであって、8個保留演出の対象となる保留図柄の残個数と、特別図柄の抽選結果とに基づいて8個保留演出の演出態様を選択する際に参照されるものである。
ここで、8個演出シナリオ選択テーブル234A3の詳細な内容について、図614を参照して説明をする。図614は8個演出シナリオ選択テーブル234A3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図607から図609を参照して上述した通り、本第18制御例では8個保留演出が実行されると特図変動が開始される時点で、実行中領域DS1Aの表示された宝箱が開き中から当該変動の抽選結果を示すための示唆態様が表示されるように構成されており、その示唆態様が8個演出シナリオ選択テーブル234A3を参照して選択されるように構成されている。
この8個演出シナリオ選択テーブル234A3には、当該変動結果(今回実行される特図変動の抽選結果)が当たり(大当たり)であって、表示8個演出カウンタ233FBの値が「7〜4」の場合、即ち、待機中領域DS1Bに宝箱を模した演出用保留図柄が4〜7個表示されている場合には、表示演出カウンタ233FDの値が「0〜50」の範囲に示唆態様「レインボー」が規定され、「51〜90」の範囲に示唆態様「赤」が規定され、「91〜150」の範囲に示唆態様「青」が規定され、「151〜198」の範囲に「白」が規定されている。
また、表示8個演出カウンタ233FBの値が「3〜0」の場合、即ち、待機中領域DS1Bに宝箱を模した演出用保留図柄が0〜3個表示されている場合には、表示演出カウンタ233FDの値が「0〜89」の範囲に示唆態様「レインボー」が規定され、「90〜149」の範囲に示唆態様「赤」が規定され、「150〜179」の範囲に示唆態様「青」が規定され、「180〜198」の範囲に「白」が規定されている。
一方、当該変動結果(今回実行される特図変動の抽選結果)が外れであって、表示8個演出カウンタ233FBの値が「7〜4」の場合、即ち、待機中領域DS1Bに宝箱を模した演出用保留図柄が4〜7個表示されている場合には、表示演出カウンタ233FDの値が「0〜39」の範囲に示唆態様「赤」が規定され、「40〜149」の範囲に示唆態様「青」が規定され、「150〜198」の範囲に「白」が規定されている。また、表示8個演出カウンタ233FBの値が「3〜0」の場合、即ち、待機中領域DS1Bに宝箱を模した演出用保留図柄が0〜3個表示されている場合には、表示演出カウンタ233FDの値が「0〜59」の範囲に示唆態様「赤」が規定され、「60〜159」の範囲に示唆態様「青」が規定され、「160〜198」の範囲に「白」が規定されている。
以上説明をした通り、本第18制御例では、8個保留演出として表示される示唆態様として、抽選結果が当たりである場合に選択可能な当たり示唆態様「レインボー」を有していることから、示唆態様「レインボー」が表示された場合に、特図変動が開始されるタイミングで遊技者に有利な抽選結果が報知されるため、安心して遊技を行わせることができる。
また、表示8個演出カウンタ233FBの値が少ないほど、即ち、8個保留演出が進行するほど、8個保留演出の示唆態様として様々な色が表示され易くなるように構成しているため、複数の特図変動に跨がって実行される連続演出である8個保留演出に対して最後まで飽きること無く演出を楽しませることができる。
なお、本第18制御例では、8個保留演出が実行された場合に、対象となる特図変動を示すための演出用保留図柄(宝箱)が待機中領域DS1Bに表示され、演出の対象となる特図変動が実行される場合には、実行中領域DS1Aに表示された宝箱が開き中から当該変動の抽選結果を示唆するための示唆態様が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、待機中領域DS1Bに演出用保留図柄(宝箱)を表示する際に、各保留図柄に対する事前判別結果に基づいて、表示される宝箱の色を設定するように構成しても良い。
具体的には、各保留図柄に対応する入賞情報に大当たりを示す情報が含まれている場合のほうが、大当たりを示す情報が含まれていない場合よりも選択され易い宝箱の色を複数設定可能に構成すると良い。このように構成することで、8個保留演出中に実行される特図変動に対して、その特図変動が実行される前段階から当該変動に対して期待感を持たせることができる。
加えて、待機中領域DS1Bに表示される演出用保留図柄の態様(宝箱の色)を可変させる演出(先読み演出)と、実行中領域DS1Aに表示される宝箱の中身の表示態様を可変させる演出(当該変動演出)と、を組み合わせて実行させる場合は、先に実行される先読み演出よりも後に実行される当該変動演出に遊技者が注視するように可変態様を設定すると良い。この場合、先読み演出の演出態様(宝箱の色)を設定する際に、その演出態様が設定された保留図柄に対応する当該変動演出の演出態様も予め設定するように構成しても良いし、当該変動演出を選択する際に、今回の当該変動演出に対応する保留図柄に対して設定されていた先読み演出の演出態様に基づいて当該変動演出を選択するように構成しても良い。これにより、1つの保留図柄(入賞情報)に対して、異なるタイミングで実行される複数の演出(先読み演出、当該変動演出)の演出態様に関連性を持たせることができ、遊技者に違和感を与えることの無い連続演出を実行することができる。
<第18制御例における主制御装置による制御処理について>
次に、図615を参照して、本第18制御例における主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理8について説明する。図615は、この立ち上げ処理8を示すフローチャートである。この本第18制御例における立ち上げ処理8は、第11制御例における立ち上げ処理に対して、Z910の処理を実行した後、実行中の特図変動の残時間を示す変動復帰コマンドを設定する(Z951)処理が追加されている点で相違する。本第18制御例では、復帰変動の残りの残時間を示すコマンドを設定する。その他の処理については、第11制御例における立ち上げ処理と同一であるためその詳細な説明は省略する。
<第18制御例における音声ランプ制御装置による制御処理について>
次に、図616〜図633を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第18制御例では、上述した第11制御例に対して、立ち上げ処理(図475参照)を立ち上げ処理8(図615参照)、メイン処理(図476参照)をメイン処理8(図617参照)、コマンド判定処理(図477の2113)をコマンド判定処理8(図618のZ2174)、変動パターン受信処理(図478のZ2202)を変動パターン受信処理8(図619のZ2241)、変動表示設定処理(図487のZ2114)を変動表示設定処理8(図624のZ2175)、保留個数表示更新処理(図476のZ2106)を保留個数表示更新処理8(図625のZ2171)、枠ボタン入力監視・演出処理(図490のZ2107)を枠ボタン入力監視・演出処理8(図626のZ2172)に変更し、新たな処理として変動復帰処理(図622のZ2252)、表示立ち上がり処理(図623のZ2245)、左右ボタン入力処理(図627のZ2843)、SW演出処理(図628のZ2841)、背景変更処理(図629のZ2949)、モード識別処理(図631のZ2968)、ランプ設定処理(図632のZ2173)、カウンタ更新処理(図633のZ2176)を追加した点で主に相違している。それ以外の処理は同一であり、その詳細な説明は省略する。
まず、図616を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理(図616参照)について説明をする。この立ち上げ処理は、上述した第11制御例の立ち上げ処理(図475参照)に対して、状態コマンドを受信した場合における処理(図475のZ2012,Z2013)を削除した点で相違している。さらに、初期設定(Z2001)において実行される処理の内容を変更している点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
立ち上げ処理(図616参照)が実行されると、上述した第11制御例と同様にZ2001〜Z2011の処理を実行し、本処理を終了する。ここで、第18制御例における初期設定(Z2001参照)について、上述した第11制御例と異なる点について説明をする。本第18制御例では、図601を参照して上述した通り、初期設定が実行されている期間中において、特図変動が実行されている場合には、特図変動のBGMが出力されるように構成している。つまり、立ち上げ処理(図616参照)の初期設定(Z2001)において、電源断時点の遊技情報を読み出す処理を実行し、その処理によって読み出された電源断時点の遊技情報が特図変動中であると判別した場合には、特図変動のBGMを音声出力装置226から出力させるための音声用変動コマンドを設定する。
なお、詳細は後述するが、本第18制御例では、パチンコ機10にて電源断が発生した場合に、音声ランプ制御装置113の内部に設けられた内部電源からの電力の供給を受け、電断時における遊技情報(特図変動の有無、当該変動の抽選結果、変動用BGM、残変動時間等)が一時的に表示記憶エリアに格納されるように構成している。これにより、立ち上げ処理(図616参照)の初期設定(Z2001)において、表示記憶エリアに記憶されている遊技情報を読み出すことが可能となる。
次に、図617を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理8の内容について説明をする。図617は、本第18制御例の音声ランプ制御装置113のメイン処理8を示した模式図である。
本第18制御例のメイン処理8は、上述した第11制御例のメイン処理(図476参照)に対して、保留個数表示更新処理(図476のZ2106)に替えて保留個数更新処理8(図625のZ2171)を、枠ボタン入力監視・演出処理(図476のZ2107)に替えて枠ボタン入力監視・演出処理8(図625のZ2172)を、コマンド判定処理(図476のZ2113)に替えてコマンド判定処理8(図618のZ2174)を、変動表示設定処理(図476のZ2114)に替えて変動表示設定処理8(図624のZ2175)を設けた点、及び、短期入賞管理処理(図476のZ2111)、リーチ中保留演出管理処理(図475のZ2112)を削除し、ランプ設定処理(図617のZ2173参照)を追加した点で相違している。それ以外の処理は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
メイン処理8(図617参照)が実行されると、まず、上述した第11制御例のメイン処理(図476参照)と同一のZ2101〜Z2105の処理を実行する。そして、Z2105の処理を終えると、次に、保留個数表示更新処理8を実行する(Z2171)。この保留個数表示更新処理8(Z2171)の詳細な内容については、図625を参照して後述する。Z2171の処理を終えると、次いで、枠ボタン入力監視・演出処理8の処理を実行する(Z2172)。この枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)の詳細な内容については、図626を参照して後述する。
Z2172の処理を終えると、上述した第11制御例のメイン処理(図476参照)と同一のZ2108〜Z2110の処理を実行し、その後、ランプ設定処理を実行する(Z2173)。このランプ設定処理(Z2173)は、可変表示装置ユニット80の上側に設けられたモードランプ1910A〜1910Dの発光態様を設定するための処理である。本処理の詳細な内容については、図632を参照して後述する。Z2173の処理を終えると、次いで、カウンタ更新処理(Z2176)を実行する。この、カウンタ更新処理(Z2176)の詳細な内容については、図633を参照して後述する。
そして、Z2176の処理を終えた場合、或いは、Z2101の処理において1ミリ秒以上経過していないと判別した場合(Z2101:NO)は、コマンド判定処理8を実行し(Z2174)、次に変動表示設定処理8を実行する(Z2175)。そして、上述した第11制御例と同一のZ2115〜Z2119の処理を実行する。なお、コマンド判定処理8(Z2174)の詳細な内容については図618を参照して後述し、変動表示設定処理8(Z2175)の詳細な内容については図624を参照して後述する。
次に、図618を参照して、コマンド判定処理8(Z2174)の内容について説明をする。図618は、コマンド判定処理8(Z2174)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理8(Z2174)は、上述した第11制御例のコマンド判定処理(図477のZ2113参照)に対して、主制御装置110から出力される変動パターンコマンド、保留球数コマンドを受信した場合に実行する処理の内容を異ならせた点と、主制御装置110から出力される停止コマンドを受信した場合に実行する処理(変動停止処理8)を追加した点と、表示制御装置114から出力される表示立ち上がりコマンドを受信した場合に実行する処理を追加した点と、変動復帰コマンドを受信した場合に実行する処理を追加した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、上述した第11制御例のコマンド判定処理(図477のZ2113参照)において、図示をした停止種別コマンドを受信した場合に実行される処理(図477のZ2204,Z2205)については、本第18制御例においても同一の処理が実行されるものであるが、説明の便宜上、その他のコマンドに応じた処理(図618のZ2261)にて実行されるものとする。
コマンド判定処理8(Z2174)が実行されると、まず、変動パターンコマンドを受信したかを判別し(Z2201)、受信したと判別した場合は(Z2201:YES)、次に、変動パターン受信処理8を実行し(Z2241)、本処理を終了する。この変動パターン受信処理8(Z2241)の詳細な内容については図619を参照して後述するが、上述した第11制御例の変動パターン受信処理(図478のZ2202参照)に対して、変動開始時における背景チェンジ用に処理を実行するように構成した点で相違している。
図618に戻り説明を続ける。Z2201の処理において変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(Z2201:NO)、停止コマンドを受信したかを判別し(Z2203)、停止コマンドを受信したと判別した場合は(Z2203:YES)、変動停止処理8を実行し(Z2242)、本処理を終了する。この変動停止処理8(Z2242)は、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄の停止表示を設定する処理と、特図停止時の背景チェンジを実行するための処理を行うものであり、その詳細な内容については図620を参照して後述する。
Z2203の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(Z2203:NO)、次に、保留球数コマンドを受信したかを判別し(Z2205)、保留球数コマンドを受信したと判別した場合は(Z2205:YES)、保留数制御処理を実行し(Z2243)、本処理を終了する。この保留数制御処理(Z2243)の詳細な内容については図621を参照して後述する。
一方、2205の処理で保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(Z2205:NO)、上述した第11制御例のコマンド判定処理(図477のZ2113参照)と同一のZ2207,Z2208の処理を実行し、次いで、変動復帰コマンドを受信したか判別し(Z2251)、変動復帰コマンドを受信したと判別した場合には(Z2251:YES)、変動復帰処理を実行し(Z2252)、本処理を終了する。この変動復帰処理(Z2252)の詳細な内容については図622を参照して後述する。
一方、Z2251の処理で、変動復帰コマンドを受信していないと判別した場合には(Z2251:NO)、次いで、表示立ち上がりコマンドを受信したかを判別する(Z2244)。この表示立ち上がりコマンドは、表示制御装置114が電源投入後の初期設定処理を終えた場合に設定するものであり、表示制御装置114が実行するコマンド出力処理(図示せず)によって、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へと出力されるものである。
Z2244の処理において表示立ち上がりコマンドを受信したと判別した場合、即ち、表示制御装置114の初期設定処理が完了し、音声ランプ制御装置113から出力される表示用コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に任意の画像データを表示することが可能となった場合は(Z2244:YES)、表示立ち上がり処理を実行し(Z2245)、本処理を終了する。この表示立ち上がり処理(Z2245)の詳細な内容については図623を参照して後述する。
このZ2245の処理では、電源断時に表示記憶エリアに記憶された遊技情報(音声データ)を読み出して、音声出力装置226へとその音声データを出力するための処理が実行される。これにより、図601を参照して上述した通り、表示制御装置114により第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容が初期画面から通常画面に切り替わるタイミングに合わせて、音声出力装置226から表示記憶エリアに記憶されていた音声データに基づく音声を出力することができる。
なお、本制御例では、電源断時に表示記憶エリアに記憶された遊技情報として、特図変動中であるか否かを示す情報(特図変動中情報)、特図変動中に実行されている音声(BGM)の種別を示す情報(BGM種別情報)を記憶可能にしており、Z2245の処理で音声データを設定する際には、特図変動中情報、BGM種別情報を読み出し、読み出した情報に基づいて、立ち上がり音声データが設定される。
Z2244の処理において、表示立ち上がりコマンドを受信していないと判別した場合は(Z2244:NO)、その他のコマンドに応じた処理(停止種別コマンドを受信した場合の処理を含む)を実行し(Z2261)、本処理を終了する。
次に、図619を参照して、変動パターン受信処理8(Z2241)の内容について説明をする。図619は、変動パターン受信処理8(Z2241)の内容を示したフローチャートである。この変動パターン受信処理8(Z2241)は、上述した第11制御例の変動パターン受信処理(図478のZ2202参照)に対して、Z2225〜Z2231の処理を削除し、変動開始時における背景チェンジの処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、同一の処理内容に対して同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
変動パターン受信処理8(図619のZ2241)は実行されると、上述した第11制御例の変動パターン受信処理(図478のZ2202参照)と同一のZ2221〜Z2224の処理を実行し、その後、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されているかを判別する(Z2256)。ここで、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されていると判別した場合は(Z2256:YES)、背景モードを1加算して背景モード記憶エリア223Iに設定し(Z2257)、設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示用切替コマンドを設定し(Z2258)、次背景変更フラグ223FAをオフに設定し(Z2259)、本処理を終了する。
つまり、特図変動中の第3図柄高速変動期間外に背景変更操作を実行し、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されている状態で変動パターン受信処理8(図619のZ2241参照)が実行されると、前の特図変動中に実行された背景変更操作に基づいて背景モードが切り替わる。一方、Z2256の処理において、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Z2256:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図620を参照して、変動停止処理8(Z2242)の内容について説明をする。図620は、変動停止処理8(Z2242)の内容を示したフローチャートである。変動停止処理8(Z2242)が実行されると、まず、第3図柄の停止表示を設定する(Z2265)。
次に、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されているかを判別し(Z2266)、オンに設定されていると判別した場合は(Z2266:YES)、特図の保留があるかを判別する(Z2267)。この処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値を読み出して判別を行う。Z2267の処理で、特図の保留が無いと判別した場合は(Z2267:NO)、次の特図変動で背景チェンジを実行する条件が成立しているにも関わらず、次の特図変動が実行されない状態であることから、今回の特図変動の停止を契機に背景チェンジを実行するために、背景モードを1加算して背景モード記憶エリア223Iに設定し(Z2268)、設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示用切替コマンドを設定し(Z2269)、次背景変更フラグ223FAをオフに設定し(Z2270)、Z2271の処理に移行する。
一方、Z2266の処理で、次背景変更フラグ223FAがオンに設定されていないと判別した場合(Z2266:NO)、或いは、Z2267の処理で、特図の保留があると判別した場合(Z2267:YES)は、本処理を実行するタイミング(特図の変動停止タイミング)で背景チェンジを実行しないため、Z2268〜Z2270の処理をスキップしてZ2271の処理に移行する。
Z2271の処理では、復帰変動中フラグ223FFがオンであるかどうか判別する(Z2271)即ち、今回の変動が復帰変動であるかどうかを判別する。復帰変動中フラグがオンであると判別した場合には(Z2271:YES)、復帰変動中フラグ223FFをオフに設定し(Z2272)、残変動時間カウンタ223FGの値を0にクリアし(Z2273)、本処理を終了する。一方、復帰変動フラグ223FFがオンではないと判別した場合には(Z2271:NO)、今回の変動が復帰変動ではないため、Z2272,Z2273の処理をスキップして本処理を終了する。
本制御例では、上述した通り、次背景変更フラグ223FAがオンの状態で次の特図変動が実行される条件が成立していない場合(今回の特図変動が停止するタイミングで特図の保留が無い場合)は、今回の特図変動の停止タイミングで背景チェンジを実行するように構成しているため、背景チェンジを所望する遊技者に対して、切替後の背景モードを早期に提供することができる。
また、上述した本制御例の構成に限ること無く、例えば、次の特図変動が実行されるまで次背景変更フラグ223FAのオン状態を継続させても良い。この場合は、次の特図変動が開始されるまでの期間として所定の有効期間(例えば、1分)を設定し、所定の有効期間内に次に特図変動が実行されない場合は、次背景変更フラグ223FAをオフに設定するように構成すると良い。
このように構成することで、例えば、前の遊技者が背景変更操作を実行し、次背景変更フラグ223FAをオンに設定した状態で遊技を終了したとしても、次の遊技者が遊技を開始した直後に背景チェンジが実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図621を参照して、保留数制御処理(Z2243)の内容について説明をする。図621は、保留数制御処理(Z2243)の内容を示したフローチャートである。この保留数制御処理(Z2243)では、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて音声ランプ制御装置113側で特図保留球数を管理するための処理と、特図保留球数が所定数に到達することを実行条件としている演出(8個保留演出)の実行処理と、が行われる。
保留数制御処理(Z2243)では、まず、受信した保留球数コマンドから特図の保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223A、特別図柄2保留球数カウンタ223B)に格納し(Z2471)、Z2471の処理で格納した特別図柄保留数カウンタの値に対応した表示用保留球数コマンドを設定する(Z2472)。そして、特別図柄保留球数カウンタの値(特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値と、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値と、を合算した値)が上限値である8であるかを判別する(Z2473)。
Z2473の処理で、カウンタの値(特図保留球数)が8であると判別した場合は(Z2473:YES)、演出カウンタ223Hの値を取得し(Z2474)、取得した演出カウンタ223Hの値に基づいて8個保留抽選テーブル222FAより抽選結果を取得すし(Z2475)、その抽選結果が8個保留演出を実行することを示す抽選結果であるかを判別する(Z2476)。
8個保留演出を実行することを示す抽選結果であると判別した場合は(Z2476:YES)、対応する8個保留演出を設定し(Z2477)、表示用8個保留演出コマンドを設定し(Z2478)、保留演出実行中フラグ223FBをオンに設定し(Z2479)、保留演出カウンタ223FCの値に8を設定し、本処理を終了する。一方で、Z2476の処理で、8個保留演出を実行しないことを示す抽選結果であると判別した場合は(Z2476:NO)、8個保留演出を実行しないため、Z2477〜Z2480の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図622を参照して、変動復帰処理(Z2252)の内容について説明をする。図622は変動復帰処理(Z2252)の内容を示したフローチャートである。この変動復帰処理(Z2252)は、主制御装置110より受信した復帰変動コマンドに基づいて、その復帰変動の残時間を更新する処理を実行する。
変動復帰処理(Z2252)では、まず、主制御装置110より受信した変動復帰コマンドに含まれる残変動時間情報を復帰状態格納エリア223FEに格納する(Z2281)。次に、その残変動時間が0であるかどうか、即ち、復帰変動中であるかどうかを判別する(Z2282)。残変動時間が0ではないと判別した場合には(Z2282:NO)、残変動時間カウンタ223FGに対応する値を設定し(Z2283)、復帰変動中フラグ223FFをオンに設定する(Z2284)。次いで、RAM223のバックアップエリアから、電源断が発生した時点の特図変動のBGMの再生位置を示すBGM情報を読み出して(Z2285)、その読み出したBGM情報が示す再生位置から、特図変動のBGMが開始するように設定して(Z2286)、本処理を終了する。一方、Z2282の処理において残変動時間が0である。即ち、復帰変動終了のタイミングであると判別した場合には(Z2282:YES)、そのまま本処理を終了する。
この変動復帰処理(図622参照)を実行することにより、電源復帰時が変動表示の実行中である場合に、電源が遮断された時点におけるBGMの再生位置から、特図変動のBGMを再開させることができる。これにより、特図変動の実行中に、瞬間的に電源が遮断された場合(所謂、瞬停が発生した場合等)に、電源復帰後のBGMが、電源遮断時のBGMの続きからBGMを出力することができる。よって、電源が遮断された後も、電源遮断時の抽選状況がそのまま保持されているということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、特図変動のっこうちゅうに電源が瞬間的(一時的)に遮断されてしまった場合であっても、遊技者に対して、実行中の特図変動が破棄されてしまったのではないか、等の疑念を抱かせてしまうことを抑制できるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
なお、本第18制御例では、電断時に出力されていたBGMの進行具合を音声ランプ制御装置113においてバックアップしておく構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110において、変動復帰コマンドに、実行中の特図変動の残変動時間情報に加えて、少なくとも変動種別(変動時間)の情報を含める構成としてもよい。そして、実行中の特図変動の変動時間と、残変動時間情報とから、BGMを再生済みの期間(電源断の発生前に経過した変動時間)を算出して、BGMのトータルの再生時間との差分から電源断が発生した時点のBGMの再生位置を逆算することにより、電源復帰時のBGMの再生位置を特定する構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113においてバックアップ手段を設ける必要がなくなるため、音声ランプ制御装置113の構成を簡素化することができる。よって、パチンコ機10の部品点数を削減することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
次に、図623を参照して、表示立ち上がり処理(Z2245)の内容について説明をする。図623は表示立ち上がり処理(Z2245)の内容を示したフローチャートである。この表示立ち上がり処理(Z2245)では、表示制御装置114より表示立ち上がりコマンドを受信した場合、即ち、表示制御装置114の初期設定が完了した場合に残変動時間カウンタの値に基づき、残変動時間に対応した表示用変動パターンコマンドを設定する処理を実行する。
表示立ち上がり処理(Z2245)では、まず、復帰変動中フラグ223FFがオンか、即ち、復帰変動中であるかどうかを判別する(Z2291)。復帰変動中フラグ223FFがオンでないと判別した場合には(Z2291:NO)、復帰変動中ではないため、そのまま本処理を終了する。一方、復帰変動中フラグ223FFがオンであると判別した場合には(Z2291:YES)、残変動時間カウンタ223FGの値の読み出しを実行し(Z2292)、Z2293の処理に移行する。
Z2292の処理を実行した後、次いで、Z2292の処理で読み出した残変動時間が5秒以上かどうかを判別する(Z2293)。残変動時間が5秒以上であると判別した場合には(Z2293:YES)、変動パターン選択テーブル222Aが有する各種表示用変動パターンを用いて、残変動時間に対応させた表示用変動パターンコマンドを設定し(Z2294)、設定されている音声データを立ち上げ設定する(Z2295)。次に、復帰変動中フラグ223FFをオフに設定し(Z2296)、本処理を終了する。
一方、Z2293の処理において、残変動時間が5秒以上ではないと判別した場合には(Z2293:NO)、残変動時間が2秒以上かどうか判別する(Z2297)。残変動時間が2秒以上であると判別した場合には(Z2297:YES)、ノーマルリーチ用の表示変動パターンを残変動時間に対応させ、表示用変動パターンコマンドを設定し(Z2298)上述したZ2295、及び、Z2296の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、Z2297の処理において、残変動時間が2秒以上ではないと判別した場合には(Z2297:NO)、残変動時間が経過するまで、復帰中画面を表示させる表示用コマンドを設定し(Z2299)、Z2296の処理を実行し、本処理を終了する。
上述したように本第18制御例では、残変動時間に対応させて復帰変動の表示用変動パターンコマンドを設定し、音声データを設定することで遊技者に対し、違和感なく復帰変動の結果を報知することができる。尚、本第18制御例では、復帰変動時にも規定されている変動パターンテーブルを用いて表示用変動パターンコマンドを設定するよう構成したが、復帰変動用の変動パターンテーブルを設け、復帰変動時にはその復帰変動パターンテーブルを用いて表示用変動パターンコマンドを設定してもよい。このように構成することで、より多くの変動パターンを遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図624を参照して、変動表示設定処理8(Z2175)の内容について説明をする。図624は変動表示設定処理8(Z2175)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理8(Z2175)は、上述した第11制御例の変動表示設定処理(図487のZ2114参照)に対して、保留演出(8個保留演出)に関する制御処理と残変動時間カウンタ223FGを設定する処理とを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理8(Z2175)が実行されると、まず、変動開始フラグ223Dがオンに設定されているかを判別し(Z2501)、変動開始フラグ223Dがオンに設定されていないと判別した場合は(Z2501:NO)、第11制御例と同様にZ2505の処理へスキップする。一方、変動開始フラグ223Dがオンに設定されていると判別した場合は(Z2501:YES)、次に、保留演出カウンタ223FCの値が0よりも大きいかを判別し(Z2531)、0よりも大きいと判別した場合は(Z2531:YES)、保留演出カウンタ223FCの値を1減算し(Z2532)、減算後の保留演出カウンタ223FCの値が0であるかを判別する(Z2533)。
Z2533の処理において、保留演出カウンタ223FCの値が0であると判別した場合は(Z2533:YES)、8個保留演出の終了タイミングであるため、保留演出実行中フラグ223FBをオフに設定し(Z2534)、上述した第11制御例と同一のZ2502の処理へ移行する。
一方、Z2531の処理において、保留演出カウンタ223FCの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Z2531:NO)、現在が8個保留演出中では無い場合であるため、Z2532〜Z2534の処理をスキップしてZ2502の処理へ移行する。
また、Z2533の処理において、保留演出カウンタ223FCの値が0では無いと判別した場合は(Z2533:NO)、8個保留演出の実行中であり、且つ、8個保留演出の終了タイミングでは無い場合であるため、Z2534の処理をスキップしてZ2502へ移行する。Z2502の処理へ移行すると、上述した第11制御例の変動表示設定処理(図487のZ2114参照)と同一のZ2502〜Z2504の処理を実行し、取得した変動パターンの変動時間に対応する値を残変動時間カウンタ223FFに設定する(Z2511)。そして、上述した第11制御例の変動表示設定処理(図487のZ2114参照)と同一のZ2502〜Z2504の処理を実行し、本処理を終了する。
また、本第18制御例における変動表示設定処理8(図624参照)では、Z2511の処理が終了すると、次に、特図変動BGMの開始を設定して(Z2535)、本処理を終了する。
次に、図625を参照して、保留個数表示更新処理8(Z2171)の内容について説明をする。図625は、保留個数表示更新処理8(Z2171)の内容を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理8(Z2171)では、遊技盤13に設けられた保留用LED900を、特別図柄の保留球数を示すための点灯態様で点灯制御するための処理が行われる。
保留個数表示更新処理8(Z2171)が実行されると、まず、特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223A、特別図柄2保留球数カウンタ223B)の値に対応した個数分の保留用LED900を点灯設定し(Z2631)、次いで、特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223A、特別図柄2保留球数カウンタ223B)の値に対応した表示用保留球数コマンドを設定し(Z2632)、本処理を終了する。
なお、本制御例では、Z2631の処理において、特図1の保留球数と、特図2の保留球数と、を合算した値に対応させて保留用LED900を同一態様で点灯させるように点灯設定を行うように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1の保留球数と、特図2の保留球数と、を遊技者が識別可能な態様で保留用LED900を点灯させるように点灯設定しても良いし、現在の遊技状態に応じて、何れか一方の特図の保留球数のみに対応させて保留用LED900を点灯させるように点灯設定を行うように構成しても良い。
さらに、本制御例では、保留用LED900に対して常に特図保留球を示す点灯設定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特定の遊技条件が成立する期間(例えば、8個保留演出が実行されている期間や、第3図柄表示装置81の表示画面が見え難くなるように演出用の可動部材(役物)が可動する期間や、第3図柄表示装置81の表示画面全体を用いて変動表示が実行される期間といった、第3図柄表示装置81にて特図の保留球数を視認することが困難となる期間)のみ、保留用LED900を点灯させるように構成しても良い。
次に、図626を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)の内容について説明をする。図626は枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)は、上述した第11制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図490のZ2107)に対して、枠ボタン22を押下した場合に実行される処理内容を変更している点と、タッチセンサ2900を操作した場合に実行される処理内容を変更している点と左右ボタンを入力した場合に実行される処理を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)が実行されると、上述した第11制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図490のZ2107)と同一のZ2801〜Z2805の処理を実行し、Z2805の処理で枠ボタン22を押していないと判別した場合は(Z2805:NO)、枠ボタン22を押した場合に実行される各種演出に関する処理をスキップしてZ2843へ移行する。Z2843の処理では、左ボタン22B、或いは、右ボタン22C(以下、左右ボタン22)の操作に対する処理を実行する。
一方、Z2805の処理で枠ボタン22を押したと判別した場合は(Z2805:YES)、SW演出処理を実行し(Z2841)、その後、Z2842へ移行する。ここで、Z2805では、枠ボタン22が押下された際に接触するスイッチが所定期間(例えば、0.1秒)継続してオン出力している場合に枠ボタン22が押されたと判別する。つまり、本制御例では、枠ボタン22を物理的に押下しスイッチがオン状態となってから(枠ボタン22が押下位置に移動してから)、枠ボタン22が初期位置へと復帰する動作を行う際に、少なくとも0.2秒の復帰期間を要するように構成しており、その復帰動作のうち、0.15秒の間は、スイッチがオンとなる位置に枠ボタン22が位置するように構成している。
このように構成することで、枠ボタン22が物理的に移動したことに基づいてスイッチがオンとなった場合には、最短でも0.15秒間継続してスイッチがオンとなるため、オン状態を所定期間(0.1秒)継続して検知した場合に、枠ボタン22が押されたと判別することができる。よって、例えば、ノイズ等により短期間(例えば、0.01秒)のオン状態を示す出力が発生した場合に、枠ボタン22が押されたと誤って判別してしまうことを抑制することができる。
次に、図627を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)内の一処理である左右ボタン入力処理(Z2843)の内容について説明をする。図627は、左右ボタン入力処理(Z2843)の内容を示したフローチャートである。この左右ボタン入力処理(Z2843)では、特別図柄の高速変動か低速変動かどうかを判別し左右ボタン22の操作態様を切り替える処理を実行する。
左右ボタン入力処理(Z2843)では、まず、左ボタン22B、或いは、右ボタン22Cの操作があったかどうか判別する(Z2851)。左右ボタン22の操作があったと判別した場合には(Z2851:YES)、残変動時間カウンタ223FGの値が0以上であるか、即ち、特別図柄の変動中であるかどうか判別する(Z2852)。特別図柄の変動中であると判別した場合には(Z2852:YES)、高速変動中フラグ223FHがオンであるかどうか判別する(Z2853)。高速変動中フラグ223FHがオンであると判別した場合には(Z2853:YES)、左右ボタン22の操作結果に応じた音量レベルを設定し(Z2854)、本処理を終了する。
一方、Z2853の処理において高速変動中フラグ223FHがオフであると判別した場合には(Z2853:NO)、特殊操作フラグ223FIをオンに設定し(Z2855)、本処理を終了する。このように、構成することで特別図柄の変動状態に応じて、左右ボタン22の操作態様を変更することが出来る。
一方、Z2851の処理において、左右ボタン22の操作がないと判別した場合には(Z2851:NO)、特殊操作フラグ223FIがオンであるかどうか判別する(Z2856)。特殊操作フラグ223FIがオンであると判別した場合には(Z2856:YES)、特殊操作フラグ223FIをオフに設定し(Z2857)、本処理を終了する。一方、Z2856の処理において特殊操作フラグ223FIがオフであると判別した場合には(Z2856:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図626のZ2841の処理で実行されるSW演出処理(Z2841)の内容について、図628を参照して説明をする。図628は、SW演出処理(Z2841)の内容を示したフローチャートである。このSW演出処理(Z2841)では、枠ボタン22を押下した際に枠ボタン22を振動させる特殊演出に関する制御処理と、枠ボタン22を押下することで背景モードを変更する背景変更処理と、上述した第11制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図490のZ2107参照)内の一部処理と同一の処理とが実行される。なお、上述した第11制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図490のZ2107参照)内の一部処理と同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
SW演出処理(Z2841)が実行されると、まず、SW演出として特殊演出が設定されているかを判別する(Z2941)。ここでは、今現在が、変動表示設定処理(図624のZ2175参照)のZ2504の処理にて表示用変動パターンコマンドを設定する際に、SW演出として特殊演出を含む変動パターンが設定され、且つ、枠ボタン入力監視・演出処理8(図626のZ2172参照)のZ2804の処理にて、特殊演出に対応したSW有効時間が設定されているタイミングであるかを判別する。
Z2941の処理において、特殊演出であると判別した場合は(Z2941:YES)、今回の枠ボタン22への操作が、特殊演出中における枠ボタン22への操作であるため、特殊演出用の制御処理(Z2942〜Z2947)を実行する。まず、Z2942では、SW特殊演出カウンタ223FDの値が0よりも大きいかを判別する(Z2942)。
このSW特殊演出カウンタ223FDは、特殊演出が実行された際に値がセットされるものであり、特殊演出が設定されてから1回目の枠ボタン操作の時点ではSW特殊演出カウンタ223FDの値は0である。Z2942の処理でカウンタの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Z2942:NO)、演出カウンタ223Hの値を取得し(Z2943)、取得した演出カウンタ223Hの値に基づいて特殊演出選択テーブル222FBより特殊演出を設定する(Z2944)。そして、設定した特殊演出に基づいてSW特殊演出カウンタ223FDの値を設定する(Z2945)。
本制御例では、どの特殊演出が選択されたとしても、特殊演出に対応する枠ボタン22の操作回数が4回であるため、Z2945の処理では、SW特殊演出カウンタ223FDの値に4が設定される。
次いで、SW特殊演出カウンタ223FDの値に対応した表示用特殊演出コマンドを設定し(Z2946)、SW特殊演出カウンタ223FDの値に対応したSWモータデータを設定し(Z2947)、本処理を終了する。一方、Z2942の処理において、SW特殊演出カウンタ223FDの値が0よりも大きい、即ち、既に特殊演出が実行されていると判別した場合は(Z2942:YES)、SW特殊演出カウンタ223FDの値を1減算し(Z2948)、減算後のSW特殊演出カウンタ223FDの値に対応させて、Z2946,Z2947の処理を実行して本処理を終了する。
ここで、上述した特殊演出の処理を、特殊演出の種別(バイブ種別C)が選択された場合を、図612(B)を参照しながら具体的に説明する。まず今回の変動パターンに特殊演出が含まれている状態で1回目の枠ボタン22操作を行い、Z2944の処理により、特殊演出の種別(バイブ種別C)が選択される。そして、Z2945の処理でSW特殊演出カウンタ223FDの値に4が設定され、Z2447の処理では、バイブ種別Cの1回目の枠ボタン操作に対応した振動量(なし)が設定される(図612(B)参照)。
併せて、Z2946の処理では、遊技者に次の枠ボタン操作を促すための操作示唆表示態様(例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に枠ボタン22を模したボタン表示態様と、そのボタン表示態様を押下するアクションを実行する押下示唆表示態様)が表示される。ここで、上述した操作示唆表示態様は、今回の特図変動に対応する抽選結果と、選択された特殊演出の種別に応じて可変設定されるように構成されており、例えば、次の枠ボタン操作時に、今回の枠ボタン操作時に発生した振動量よりも大きな振動が付与される場合には、今回の枠ボタン操作時に発生した振動量よりも大きな振動が付与される場合には、大きな振動が付与されない場合よりも操作示唆を強調させた表示態様が表示され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して次の枠ボタン操作を行わせ易くすることができる。また、今回の特図抽選結果が大当たりである場合は、抽選結果が大当たりでは無い(外れ)である場合よりも操作示唆を強調させた表示態様が表示され易くなるようにも構成されており、次の枠ボタン操作時に、今回の枠ボタン操作時に発生した振動量よりも大きな振動が付与される場合であって、且つ、特図抽選結果が大当たりである場合に、次の枠ボタン操作を最も強調させた表示態様が表示され易くなるように構成している。
これにより、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される操作示唆態様と、枠ボタン22を押下した際に発生する振動量との両方に基づいて今回の特図抽選結果を予測することができる。さらに、次の枠ボタン操作時に発生する振動量が今回の枠ボタン操作時に発生した振動の大きさよりも大きくなる場合に操作示唆を強調するため、遊技者が枠ボタン22を押し忘れてしまうことを抑制することができ、設定された演出を十分に楽しませることができる。
次いで、特殊演出中に2回目の枠ボタン操作を行うと、Z2942の処理において、SW特殊演出カウンタ223FDの値が0よりも大きい(3である)と判別し(Z2942;YES)、SW特殊演出カウンタ223FDの値を1減算する。そして、SW特殊演出カウンタ223FDの値が2である場合の振動量(弱)をSWモータデータに設定する。以降、SW特殊演出カウンタ223FDの値が0になるまで同様の処理が繰り返される。そして、SW特殊演出カウンタ223FDの値が0の状態でZ2946,Z2947の処理を終えると、特殊演出の設定をクリアする。
つまり、本制御例では、特殊演出が設定された状態では、予め定められた回数(SW特殊演出カウンタ223FDに設定された値分)の枠ボタン操作が行われるまで、特殊演出が実行されるように構成されている。なお、本制御例では、変動パターンを設定に対応させてSW演出として特殊演出を設定可能に構成しているため、特殊演出の実行期間が、1回の特図変動期間内に収まるように構成されるが、変動パターンの設定に関わらず(特図変動期間に関わらず)特殊演出を設定するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技の開始時や、大当たり遊技の終了時に特殊演出を実行するか否かの判別を行い、その判別結果に基づいて特殊演出を設定するように構成しても良い。また、遊技者が操作手段(枠ボタン22)に対して特殊な操作を行った場合に、特殊演出が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、設定される特図の変動時間に関わること無く特殊演出を実行することが可能となる。加えて、この場合における枠ボタン22の振動量については、変動中の特図抽選の結果や、保留内の当選情報や、設定されている遊技状態に応じて可変するように構成すれば良い。
図628に戻り説明を続ける。Z2941の処理において、設定されているSW演出が特殊演出では無い(SW演出が設定されていない)と判別した場合は(Z2941:NO)、次に、上述した第11制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図490のZ2107参照)の、Z2806,Z2809,Z2810,Z2811と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、Z2806の処理において、SW有効時間カウンタ223Kの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合、即ち、現在が、SW演出が設定されていないタイミングであると判別した場合は(Z2806:NO)、今回の枠ボタン22が背景モードを変更するための背景変更操作となるため、背景変更処理を実行し(Z2949)、本処理を終了する。
ここで、図629を参照して、背景変更処理(Z2949)の内容について説明をする。図629は、背景変更処理(Z2949)の内容を示したフローチャートである。この背景変更処理(Z2949)は、背景変更操作(背景モードを変更するための枠ボタン22への操作)が行われた場合に実行するものであり、背景変更操作の操作タイミングに基づいて背景チェンジを実行するタイミングを可変させるための処理が実行される。
背景変更処理(図629のZ2949)では、まず、背景変更操作が実行されたタイミングが、残変動時間カウンタ223FGの値が0より大きい値であるかどうか、即ち、特図の変動期間(特別図柄の変動中)であるかを判別し(Z2963)、残変動時間カウンタ223FGが0より大きい値であると判別した場合は(Z2963:YES)、次に、高速変動中フラグ223FHがオンであるか、即ち、高速変動期間(第3図柄の変動表示速度が高速の期間)であるかを判別する(Z2964)。ここで、高速変動期間では無い(中速、低速期間、或いは、停止期間)と判別した場合は(Z2964:NO)、直ちに背景モードを変更することが出来ない状態であるため、次背景変更フラグ223FAをオンに設定し(Z2965)、本処理を終了する。
一方、Z2963の処理において、残変動時間カウンタの値が0以上ではない(Z2963:NO)、現在が特図の変動期間では無い(例えば、客待ち期間である)と判別した場合(Z2963:NO)、或いは、Z2964の処理において、現在が高速変動期間であると判別した場合(Z2964:YES)は、直ちに背景モードを変更することができる状態であるため、背景モードを1加算して背景モード記憶エリア223Iに設定し(Z2966)、設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示切替コマンドを設定し(Z2967)、本処理を終了する。
次に、図626の枠ボタン入力監視・演出処理8(Z2172)において実行されるセンサ入力処理8(Z2842)の内容について、図630を参照して説明をする。図630は、センサ入力処理8(Z2842)の内容を示したフローチャートである。このセンサ入力処理8(Z2842)では、遊技者がタッチセンサ2900を操作した場合における各種制御処理が実行される。
このセンサ入力処理8(Z2842)は、上述した第11制御例のセンサ入力処理(図491のZ2813)に対して、特殊操作フラグ223FIがオフであり、更に、センサ有効時間カウンタ223Sの値が0であって、予告演出表示が設定されていない場合にモード識別処理(Z2968)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。なお、上述した第11制御例では、センサ有効時間カウンタ223Sの値が0よりも大きい場合にのみタッチセンサ2900への操作を有効に判別するように構成していたが、本制御例では、タッチセンサ2900への操作を有効に判別可能な期間のうち、変動パターンに基づいて設定される演出に対応する有効期間を計測するためにセンサ有効時間カウンタ223Sを用いている点で相違している。よって、センサ有効時間カウンタ223Sが0である場合であっても、タッチセンサ2900への操作を有効に判別することができるものである。また、本第18制御例においても、図示しない期間カウンタを設け、上述した第11制御例と同様にタッチセンサ2900への操作を有効に判別しない期間を設けているがその説明は省略する。
センサ入力処理8(Z2842)が実行されると、まず、特殊操作フラグ223FIがオンであるかどうか判別する(Z2831)、特殊操作フラグ223FIがオンではないと判別した場合には(Z2831:YES)、上述した第11制御例のセンサ入力処理(図491のZ2813)と、同一のZ2821〜Z2829の処理を実行し、本処理を終了する。一方、Z2831の処理において特殊操作フラグ223FIがオンである(Z2831:YES)、或いは、Z2822の処理において、予告演出表示が設定されていないと判別した場合(Z2822:NO)には、モード識別処理を実行し(Z2968)、本処理を終了する。このモード識別処理(Z2968)では、図631を参照して後述するが、タッチセンサ2900への操作に基づいて現在の背景モードを第3図柄表示装置81の表示画面に表示させるための処理が実行される。
一方、Z2821の処理において、センサ有効時間カウンタ223Sが0であると判別した場合には、センサ有効時間カウンタ223Sの値を減算し(Z2824)、タッチセンサがオンであるか判別する(Z2825)。タッチセンサがオンではないと判別した場合には(Z2825:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、タッチセンサがオンであると判別した場合には(Z2825:YES)、第3図柄の変動速度が低速変動となるコマンドを設定し(Z2832)、高速変動中フラグ223FHをオフに設定する(Z2833)。次いで、タッチセンサ有効時間をリセットし(Z2829)、本処理を終了する。
次に、図631を参照して、モード識別処理(Z2968)の内容について説明をする。図631は、モード識別処理(Z2968)の内容を示したフローチャートである。モード識別処理(Z2968)が実行されると、まず、タッチセンサ2900がオンであるかを判別し(Z2969)、オンであると判別した場合は(Z2969:YES)、現在の背景モードに対応したモード表示コマンドを設定し(Z2970)、本処理を終了する。一方、Z2969の処理において、タッチセンサ2900が操作されていないと判別した場合は(Z2969:NO)、Z2970の処理をスキップして本処理を終了する。
つまり、本第18制御例では、タッチセンサ2900を操作するだけで、遊技者に対して現在の背景モードを報知することができるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面という限られたスペース内に常に現在の背景モードを表示しておく必要がなくなるため、第3図柄表示装置81の表示画面内で変動表示の演出に用いる領域を広く確保することができる。
本第18制御例では、タッチセンサ2900への操作に基づいて現在の背景モードを表示させる際に、モード表示領域DM1A(図604(A)参照)に背景モードを表示するように構成しているが、これに限ること無く、タッチセンサ2900への操作に基づいて現在の背景モードを表示させるタイミングにおいて実行中の変動表示演出の演出態様を判別し、その判別結果に基づいて、演出の表示態様が表示されていない表示領域を決定し、その表示領域に背景モードを表示するように構成すれば良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行されている変動表示演出の邪魔をすることなく背景モードを表示することができる。
次に、図632を参照して、ランプ設定処理(Z2173)の内容について説明をする。図632は、ランプ設定処理(Z2173)の内容を示したフローチャートである。このランプ設定処理(Z2173)では、枠ランプ(枠ボタン22を点灯させるランプ)及びモードランプ1910A〜1910D(図599参照)の点灯態様を遊技状況に応じて可変させるための制御が実行される。
ランプ設定処理(Z2173)が実行されると、まず、現在が特図変動中であるかを判別し(Z2131)、特図変動中では無いと判別した場合は(Z2131:NO)、枠ランプを緑色に点灯させるための枠点灯コマンドを設定し(Z2135)、次いで、現在設定されている背景モードを報知するようにモードランプ1910A〜1910Dを点灯させるモード点灯コマンドを設定し(Z2134)、本処理を終了する。
ここで、枠ランプの点灯内容について説明をする。本制御例では枠ボタン22に発光手段である枠ランプ(LED)が埋設されており、その発光手段を点灯させることで枠ボタン22の表面を任意の色に発光させることができるように構成している。そして、枠ランプの点灯色によって様々な情報を遊技者に報知するように構成している。
具体的には、特図変動が実行されていない状態を示す点灯態様として緑色が規定されており、特図(第3図柄)が高速変動中であることを示す点灯態様として青色が規定されており、特図(第3図柄)が高速変動以外の変動中であることを示す点灯態様として赤色が規定されている。このように構成することで、遊技者は枠ランプの点灯態様を視認することにより、現在の特図変動状態(第3図柄の変動速度)を容易に把握することができる。
さらに、背景変更操作を実行する際に操作することとなる枠ボタン22の表面(遊技者が接触する面)を枠ランプによって発光させるため、背景変更操作を実行しようとする遊技者に対して、現在の特図変動状態(第3図柄の変動速度)を容易に把握させることができるため、背景変更操作が実行された際の特図変動状態に応じて、背景チェンジを実行するタイミングを異ならせる制御を行ったとしても、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第18制御例では、第3図柄の変動速度に応じて背景チェンジを実行するタイミングを異ならせており、表示画面に実行されている第3図柄の変動表示がどの速度であるのかを遊技者が識別することが困難であるという問題があったが、枠ランプの点灯態様を特図変動状態(第3図柄の変動速度)に応じて可変させることにより上述した問題を解決することができる。
なお、本制御例では、枠ランプが枠ボタン22の表面を直接発光させる構成を用いているが、枠ランプの配設位置はこれに限ること無く、背景変更操作を行う遊技者の視点に入り得る位置であれば良い。例えば、枠ボタン22の近傍に枠ランプを設けても良い。
図632に戻り説明を続ける。Z2131の処理において、特図が変動していると判別した場合は(Z2131:YES)、次に、高速変動中フラグ223FHがオンであるかを判別し(Z2132)、高速変動中フラグ223FHがオンであると判別した場合は(Z2132:YES)、枠ランプを青色に点灯し(Z2133)、Z2134の処理へ移行し、本処理を終了する。
一方、Z2132の処理において、特図が高速変動中では無いと判別した場合は(Z2131:NO)、枠ランプを赤色に設定し(Z2136)、その後、全モードランプを全て点灯させるための点灯コマンドを設定し、本処理終了する。
次に、図633を参照して、メイン処理(図617参照)内の一処理であるカウンタ更新処理(Z2176)について説明する。図633は、カウンタ更新処理(Z2176)の内容を示したフローチャートである。このカウンタ更新処理(Z2176)では、各種カウンタの値を更新する処理を実行する。
カウンタ更新処理(Z2176)では、まず、残変動時間カウンタ223FGの値が0以上であるかどうか判別する(Z2861)。残変動時間カウンタ223FGの値が0以上である場合には(Z2861:YES)、残変動時間カウンタ223FGの値を1減算し(Z2862)、Z2863の処理に移行する。一方、残変動時間カウンタ223FGの値が0以上ではない、即ち、0であると判別した場合には(Z2861:NO)、Z2862の処理をスキップし、Z2863の処理に移行する。
Z2863の処理では、Z2861の処理で読み出した残変動時間カウンタ223FGの値が、特図(第3図柄)の高速変動期間を示す値であるかどうか判別する(Z2863)。高速変動期間であると判別した場合には(Z2863:YES)、高速変動中フラグ223FHをオンに設定し(Z2864)、その他カウンタの値の更新を実行し(Z2866)、本処理を終了する。一方、残変動時間カウンタ223FGの値が特図(第3図柄)の高速変動期間ではないと判別した場合には(Z2863:NO)、高速変動中フラグ223FHをオフに設定し(Z2865)、上述したZ2866の処理を実行し、本処理を終了する。
<第18制御例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図634〜図638を参照して、本第18制御例の表示制御装置114の制御処理について説明をする。本第18制御例では、上述した第11制御例に対して、コマンド判定処理(図495のZ2302参照)に替えてコマンド判定処理8(図634のZ3302参照)を、変動パターンコマンド処理(図496のZ3405参照)に替えて変動パターンコマンド処理8(図635のZ3491参照)を、常駐画像転送設定処理(図503(B)のZ4602参照)に替えて常駐画像転送設定処理8(図638のZ4631参照)を実行する点、及び、8個表示設定処理(図636のZ3493参照)、保留表示設定処理(図637のZ3495参照)を追加した点で相違している。それ以外の制御内容は同一であり、同一の制御内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図634を参照して、コマンド判定処理8(Z3302)の内容について説明をする。図634は、コマンド判定処理8(Z3302)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理8(Z3302)では、上述したコマンド判定処理(図495のZ2302参照)に対して、表示用8個演出保留コマンドを受信した場合に実行される処理と、本処理をループする際に表示演出カウンタの値を更新する処理と、を追加し、表示用変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理の内容と、保留球数コマンドを受信した場合に実行される処理の内容と、を変更した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理8(Z3302)が実行されると、上述した第11制御例のコマンド判定処理(図495のZ2302参照)と同一のZ3401〜Z3404の処理を実行し、Z3404の処理において表示用変動パターンコマンドを受信したと判別した場合は(Z3404:YES)、変動パターンコマンド処理8を実行し(Z3491)、その後、Z3496の処理へ移行する。この変動パターンコマンド処理8(Z3491)の詳細な内容については、図635を参照して後述する。
Z3496の処理では、表示用演出カウンタの値を更新する処理が実行される。本第18制御例では、コマンド判定処理8(Z3302)が1回実行される毎に、表示演出カウンタの値を更新するように構成している。そして、このコマンド判定処理8(Z3302)は、表示制御装置114が受信したコマンド(表示用コマンド)の種別に応じて様々な処理を実行するように構成している。よって、Z3496の処理が実行されるタイミングを常に不定期にすることができる。よって、表示演出カウンタの値がどのタイミングで更新させるのかを遊技者に予測させることを困難にすることができる。そして、Z3496の処理を終えると、Z3401の処理へ移行し、コマンド判定処理8が繰り返し実行される。
一方、Z3404の処理で表示用変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(Z3404:NO)、上述したコマンド判定処理(図495のZ2302参照)と同一のZ3406〜Z3411の処理を実行し、上述したZ3496の処理へ移行する。Z3410の処理において、表示用切替コマンドを受信していないと判別した場合は(Z3410:NO)、次に、表示用8個演出保留コマンドを受信したかを判別し(Z3492)、受信したと判別した場合は(Z3492:YES)、8個表示設定処理を実行し(Z3493)、その後、Z3496の処理へ移行する。
この8個表示設定処理(Z3493)は、8個保留演出(図607参照)に関する画像データを作成するための処理であって、その詳細な内容については図636を参照して後述する。Z3492の処理において、表示用8個演出保留コマンドを受信していないと判別した場合は(Z3492:NO)、次いで、保留球数コマンドを受信したかを判別し(Z3414)、保留球数コマンドを受信したと判別した場合は(Z3414:YES)、保留表示処理を実行し(Z3495)、Z3496の処理へ移行する。この保留表示処理(Z3495)は、第3図柄表示装置81の表示画面の待機中領域DS1Bに表示する表示態様を設定するための処理を実行するものであり、その詳細な内容については、図637を参照して後述する。
Z3414の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(Z3414:NO)、上述した第11制御例のコマンド判定処理(図495のZ2302参照)と同一のZ3418〜Z3420の処理を実行し、その後、Z3496の処理へ移行する。
次に、図635を参照して、変動パターンコマンド処理8(Z3491)の内容について説明をする。図635は、変動パターンコマンド処理8(Z3491)の内容を示したフローチャートである。この変動パターンコマンド処理8(Z3491)は、上述した変動パターンコマンド処理(図496のZ3405参照)に対して、8個保留演出が実行されている場合における制御処理を追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動パターンコマンド処理8(Z3491)が実行されると、まず、上述した変動パターンコマンド処理(図496のZ3405参照)と同一のZ3501〜Z3506の処理を実行し、その後、8個表示設定フラグ233FAがオンに設定されているかを判別する(Z3521)。そして、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、8個保留演出の実行中では無いと判別した場合は(Z3521:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方で、8個表示設定フラグ233FAがオンに設定されていると判別した場合は(Z3521:YES)、表示8個演出カウンタ233FBの値を1減算し(Z3522)、減算後の表示8個演出カウンタを参照して8個演出シナリオ選択テーブル234A3を用いて演出態様(宝箱の中身)を選択する(Z3524)。そして、表示8個演出カウンタ233FBの値が0であるかを判別し(Z3525)、0であると判別した場合は(Z3525:YES)、8個表示設定フラグ233FAをオフに設定し(Z3526)、本処理を終了する。また、Z3525の処理において、表示8個演出カウンタ233FBの値が0では無い、即ち、8個保留演出が次以降の特図変動でも継続する状態である場合も(Z3525:NO)そのまま本処理を終了する。
次に、図636を参照して8個表示設定処理(Z3493)の内容について説明をする。図636は、8個表示設定処理(Z3493)の内容を示したフローチャートである。8個表示設定処理(Z3493)が実行されると、8個表示設定フラグ233FAをオンに設定し(Z5701)、コマンドに対応した8個演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定する(Z5702)。
そして、設定した8個演出表示用のデータテーブルを決定して転送データテーブルバッファに設定する(Z5703)。次いで、データテーブル判別フラグをオンに設定し(Z5704)、データテーブルを基に時間データを計時カウンタの設定し(Z5705)、ポインタを初期化し(Z5706)、表示8個演出カウンタに8を設定し、本処理を終了する。
次に、図637を参照して保留表示処理(Z3495)の内容について説明をする。図637は、保留表示処理(Z3495)内容を示しフローチャートである。保留表示処理(Z3495)が実行されると、まず、今回受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて表示保留球数格納エリア233FCに保留球数を設定する(Z5801)。
そして、8個表示設定フラグ233FAがオンに設定されているかを判別し(Z5802)、オンに設定されていると判別した場合は(Z5802:YES)、現在が8個保留演出中であるため、表示8個演出カウンタ233FBの値に対応したポインタを設定し(Z5803)、本処理を終了する。即ち、8個保留演出が実行されている間は、第3図柄表示装置81の表示画面の待機中領域DS1Bに演出用保留図柄(宝箱)が、表示8個演出カウンタ233FBの値に対応した数で表示される。
一方、Z5802の処理において、8個表示設定フラグ233FAがオンに設定されていないと判別した場合は(Z5802:NO)、表示保留球数格納エリア233FCの値に対応したポインタを設定し(Z5804)、本処理を終了する。即ち、8個保留演出が実行されていない間は、第3図柄表示装置81の表示画面の待機中領域DS1Bに特図の保留球数に対応した保留図柄(丸印)が表示される。
次に、図638を参照して、常駐画像転送設定処理8(Z4631)の内容について説明をする。図638は、常駐画像転送設定処理8(Z4631)の内容を示したフローチャートである。この常駐画像転送設定処理8(Z4631)では、全ての常駐対象画像データを転送したことを示すためのコマンド(表示立ち上がりコマンド)を設定する点で、上述した第11制御例の常駐画像転送設定処理と相違している。それ以外は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
常駐画像転送設定処理8(Z4631)が実行されると、上述した常駐画像転送設定処理(図503(B)のZ4602参照)と同一のZ4701〜Z4705の処理を実行し、Z4705の処理を終えると、表示立ち上がりコマンドを設定し(Z4721)、本処理を終了する。このように、表示制御装置114のメイン処理(図492参照)にて初期設定処理(図492のZ3002参照)の後に実行される各種画像データの転送処理を終えたことを示すためのコマンド(表示立ち上がりコマンド)を、音声ランプ制御装置113に出力するように構成することで、音声ランプ制御装置113側で、表示制御装置114が正常に動作可能となったタイミングを把握することができる。
また、本第18制御例では、表示制御装置114の初期設定が他の各種装置(主制御装置110、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226)の中で最も時間がかかるように構成しているため、表示制御装置114から表示立ち上がりコマンドが出力されることにより、電源投入後に通常画面を表示させる指示と、各種音声(BGM)を出力させる指示と、を同期して実行することができる。
本第18制御例では、保留記憶されている8個の保留図柄を用いた専用演出(期間演出)が実行されている間、待機中領域DS1Bに対して、期間演出が実行される期間(期間演出の対象となる保留図柄)のみを示す演出用保留図柄が表示されるように構成していた。即ち、期間演出の実行中は、新たな始動入賞を検出したとしても、待機中領域DS1Bに対して新たな保留図柄が表示されないように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、新たな始動入賞に基づく先読み結果が特定の抽選結果(例えば、スーパーリーチに発展する抽選結果や大当たりの抽選結果等)である場合に、当該特定の抽選結果に対応する始動入賞を示す保留図柄まで、演出用保留図柄の表示範囲を拡大する(若しくは、表示範囲を拡大する割合が高くなるように)構成としてもよい。このように構成することで、演出用保留図柄の表示範囲が拡大された場合には、特定の抽選結果に対応する保留球が含まれているということを遊技者に認識させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感をより向上させることができる。また、これに代えて、または加えて、例えば、期間演出の対象となる保留図柄の中に、特定の抽選結果(例えば、スーパーリーチに発展する抽選結果や大当たりの抽選結果等)に対応する保留図柄が含まれている状態で、新たな始動入賞が検出された場合にも、当該新たな始動入賞に対応する保留図柄まで、演出用保留図柄の表示範囲を拡大する(若しくは、表示範囲を拡大する割合が高くなるように)構成としてもよい。このように構成することで、表示範囲が拡大されたとしても、期間演出開始当初の範囲内で特定の抽選結果となり得る構成とすることができるので、いつ特定の抽選結果に対応する変動表示が実行されるのか分からない遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第18制御例では、タッチセンサ2900を用いる操作演出が実行されている最中であっても、特殊操作(左ボタン22B、右ボタン22Cを押下したままタッチセンサ2900を操作)を実行した場合には、操作演出に対するタッチセンサ2900の操作として扱われずに、背景モードを報知させるための操作として扱われるように構成していたが、これに加えて、特殊操作を誤った場合に操作演出に対するタッチセンサ2900の操作として扱われない(扱われ難くなる)ように構成してもよい。より具体的には、例えば、操作演出の実行期間の間に左ボタン22B、または右ボタン22Cのどちらか一方が押下された状態においてタッチセンサ2900に対する操作を検出した場合には、タッチセンサ2900に対する操作として扱わない(タッチ演出におけるタッチ操作として扱わない)ように構成してもよい。このように構成した場合、特殊操作を行おうとして誤って左ボタン22Bとタッチセンサ2900のみ、若しくは右ボタン22Cとタッチセンサ2900のみを操作してしまったとしても、遊技者の意に反して第3図柄表示装置81の主表示領域DM全体を用いたリーチ演出(第3図柄の低速度変動表示)に発展してしまう(タッチセンサ2900の操作がタッチ演出に対する操作と判別されてしまう)ことを抑制することができる。よって、遊技者の意に反する演出態様が実行されてしまい、遊技者に対して不快感を抱かせてしまうことを抑制することができる。また、特殊操作を行ったつもりで誤操作をしてしまった遊技者に対して、モードランプ1910A〜1910Dの点灯態様が変化しないことにより、誤操作に容易に気付かせることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。更に、タッチ演出に対する操作としてタッチセンサ2900を操作しようとした遊技者が、操作を誤って左ボタン22B、または右ボタン22Cのどちらか一方をタッチセンサ2900と共に操作してしまったという場合にも、遊技者の意に反してモードランプ1910A〜1910Dの点灯態様による背景モードの表示が行われることを回避することができる。よって、タッチ演出に参加しようとして誤って左ボタン22B又は右ボタン22Cをタッチセンサ2900と一緒に操作してしまった遊技者に対して、意に反する表示内容が表示されることによる不快感を抱かせてしまうことを防止できる。また、誤操作により何らの表示態様の変更も生じないので、遊技者に対して誤操作に容易に気付かせることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
本第18制御例では、枠ボタン22Aの振動を伴う特殊演出において、枠ボタン22Aを押下する毎に場合に発生する振動の態様(バイブ種別)を抽選により決定する構成とし、保留内に大当たりが存在することが確定する態様(バイブ種別)や、大当たりの期待度が高くなる態様を設ける構成としていたが、特殊演出におけるバイブ種別を振動以外でも遊技者に報知する構成としてもよい。即ち、例えば、遊技者が特殊演出において枠ボタン22Aを短い間隔で連続して操作してしまった場合、押下回数と振動態様との対応関係を遊技者が感じ取ることが困難になってしまう可能性がある。この場合、例えば、大当たりにならない可能性が比較的高い態様(バイブC)の特殊演出が実行されたにもかかわらず、大当たりが確定する態様(バイブA)の特殊演出が実行されたと勘違いしてしまう場合があり、遊技者に対して不信感を抱かせてしまう虞がある。この問題は、枠ボタン22Aを押下した遊技者の指に伝達される振動の態様以外にも、特殊演出において実行されたバイブ種別を報知する手段を設けることにより解消し得る。より具体的には、例えば、1の特殊演出における枠ボタン22Aの押下回数と、押下に基づいて実行されたバイブの種別との対応関係(バイブの履歴)を第3図柄表示装置81において表示させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が振動態様を識別することができなかったり、誤認してしまったとしても、第3図柄表示装置81に表示されるバイブの履歴を確認することにより、容易に今回のバイブ種別を識別することができる。よって、遊技者にとってより分かり易い演出を実現することができる。また、履歴表示に変えて、例えば振動強度の経時変化をグラフによって表示させる構成としてもよい。このように構成することで、振動強度の推移を遊技者に対して容易に理解させることができるので、より分かり易い演出態様を実現することができる。なお、第3図柄表示装置81における履歴やグラフによる表示は、特殊演出が実行される毎に行ってもよいし、遊技者の操作間隔が所定間隔以下(例えば、振動強度を識別することが困難となる0.5秒間隔以下)の場合にのみ実行する構成としてもよい。更に、例えば、特殊演出における規定の押下回数(4回)が終了した後も、枠ボタン22Aを押下する毎に再度、バイブパターンが最初から設定される(4回押下する毎にバイブパターンが繰り返される)ように構成してもよいし、規定の押下回数(4回)が終了した後は、枠ボタン22Aを押下した状態に維持する(所謂、長押しを行う)ことにより、長押しの間バイブパターンが繰り返されるように構成してもよい。言い換えれば、枠ボタン22Aに対する操作に応じた振動態様(バイブ種別)の実行が終了した後も、枠ボタン22Aに対して所定の操作を行うことにより、振動態様(バイブ種別)を再確認することが可能に構成してもよい。このように構成することで、バイブ種別を識別することができなかった遊技者に対して、容易にバイブ種別の再確認を行わせることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
本第18制御例では、高速変動期間において背景変更操作を行うと、背景モードの変更が即座に実行される一方で、中速変動期間や低速変動期間の間に背景変更操作を行った場合は、次の変動表示の開始時に背景モードの変更が行われる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特定条件下では、中速変動期間や低速変動期間の間に背景変更操作を行った場合に即座に背景モードの変更が実行される構成としてもよい。具体的には、例えば、一旦中速変動期間や低速変動期間になった後で、再度、高速変動が実行される変動表示態様が実行されている場合(例えば、ノーマルリーチが発生して中速変動期間となった後で、スーパーリーチに発展して再度高速変動に戻る場合等)は、スーパーリーチに発展する際の高速変動期間までは、背景変更操作に応じて即座に背景モードの変更を行う構成としてもよい。このように構成することで、中速変動期間や低速変動期間における背景変更操作で背景モードの変更が即座に実行されるか否かを確認することにより、スーパーリーチ演出に発展するか否かを前もって知ることができるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者に対して中速変動期間や低速変動期間において積極的に背景変更操作を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第18制御例では、中速変動期間や低速変動期間の間に背景変更操作を行った場合は、次の変動表示の開始時に背景モードの変更が行われるのみであったが、これに限られるものではない。例えば、中速変動期間や、低速変動期間の間に背景変更操作を行った場合は、次の変動表示の開始時まで背景モードの変更が持ち越される代わりに、所定割合で所定の報知を行う構成としてもよい。このように構成することで、次の変動まで背景モードの変更が持ち越されてしまい、遊技を行いたい背景モードに変わるまでに時間を要することで遊技者に対してストレスを与えてしまうことを抑制することができる。この場合において、報知内容としては、例えば、実行中の変動表示における大当たり期待度や、スーパーリーチに発展する期待度、保留内に大当たり(若しくはスーパーリーチ対応する変動表示)が含まれている期待度、所謂潜伏確変状態となっていることに対する期待度等を報知すればよい。このように構成することで、敢えて中速変動期間や低速変動期間の間に背景変更操作を行うことで、通常とは異なる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第18制御例では、第3図柄の変動表示の速度が異なる3種類の期間を設ける構成としていたが、第1図柄の変動表示の速度を第3図柄の変動表示の速度に同期させてもよい。また、逆に、第1図柄の変動表示の速度として、高速変動期間、中速変動期間、および低速変動期間を少なくとも設ける構成とし、第3図柄の変動表示の速度を第1図柄の変動表示の速度に同期させる構成としてもよい。
本第18制御例では、特別図柄の保留球数が上限(8個)になったことに基づいて、特定の期間演出を実行する構成としていたが、期間演出の実行条件は必ずしも上限の保留球数に限られるものではなく、任意に定めることができる。実行条件となる保留球数を少なくするほど、期間演出の実行機会を多くすることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。また、実行条件となる保留球数を多くするほど、期間演出の実行期間が長くなり易くなるので、1の期間演出における遊技者の興趣をより向上させることができる。また、同様にして、期間演出の終了条件についても、期間演出の開始時点における保留球が全て消化された場合に限られず、任意に定めてもよい。
<第19制御例>
次に、図639〜図647を参照して、第19制御例について説明をする。本第19制御例のパチンコ機10は、上述した第14制御例のパチンコ機10(図532参照)で用いた、音量を調整するための音量ボタン23(左音量ボタン23A、右音量ボタン23B)を設けた点と、音声ランプ制御装置113の電気的構成、および制御内容の一部において上述した第18制御例と相違し、その他の構成は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第18制御例は、遊技者が背景モードを変更させるために枠ボタン22を操作(背景変更操作)した場合に、その操作タイミングに応じて背景モードを変更するタイミング(背景チェンジを実行するタイミング)を可変させるように構成することで、例えば、特定の背景モード専用の演出が実行されている際中に背景モードが切り替わってしまう事態を抑制することができるものであった。よって、遊技者に対して安心して背景変更操作を実行させることができ、背景変更操作を積極的に行わせることができるものであった。
しかしながら、上述した第18制御例の技術では、背景変更操作に基づいて実行される背景チェンジのタイミングを異ならせるだけであり、実行される演出態様が同一であることから、背景変更操作によって実行される演出(背景チェンジ演出)に遊技者が飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第19制御例では、背景変更操作が実行されてから実際に背景チェンジが実行されるまでの間に移行後の背景モードを示唆する背景予告演出を実行するように構成し、且つ、背景変更操作を実行するタイミング(例えば、特図非変動中タイミング、特図変動中)に応じて背景予告演出の演出態様を可変させるように構成している。このように構成することにより、背景変更操作を実行するタイミングによって異なる演出態様を遊技者に提供することができるため、遊技者が実行される演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第19制御例では、特別図柄の抽選結果に基づいて背景予告演出の演出態様を可変させるように構成している。これにより、背景予告演出を見ようと遊技者に対して意欲的に背景変更操作を実行させることができる。
また、本第19制御例では、上述した第14制御例と同様に、特図変動が実行されていない期間中(客待ち期間中)にパチンコ機10の音量を調節し得るように構成している。ここで、従来のパチンコ機は、特図変動が実行され易い遊技状態(例えば、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態))と、特図変動が実行され難い遊技状態(例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態))と、を設定可能に構成し、さらに、時短状態が設定されている場合は、通常状態が設定されている場合よりも特図変動時間として短い変動時間が設定され易くなるように構成していた。
つまり、従来のパチンコ機では、時短状態中に特図変動が実行されていない期間が発生したとしても直ぐに新たな特図変動が開始され易く、通常状態中に特図変動が実行されていない期間が発生した場合には、時短状態中よりも新たな特図変動が開始され難くなる。
このように構成された従来のパチンコ機において、設定されている遊技状態を考慮すること無く特図変動が実行されていない期間(客待ち期間)中の客待ち用表示(例えば、遊技機の名称を示すタイトル表示)や、客待ち期間中機能(例えば、音量調節機能、光量調節機能)を実行してしまうと、時短状態中において無用に第3図柄表示装置81の表示画面の表示内容が切り替わってしまい遊技者に分かり難い表示を提供してしまうという問題があった。また、表示画面に表示される各画像データを作成するための処理が煩雑に実行されることになり、パチンコ機10の制御負荷を高めてしまうという問題があった。さらに、時短状態中は、継続して球を発射することで効率良く特図変動を実行することが出来る状態であることから、例え、客待ち期間中機能(音量調節機能、光量調節機能)を一時的に有効にしたとしても、その機能を用いた調節操作を完了するまでに新たな特図変動が開始されてしまい遊技者に不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対し、例えば、特図変動が停止してから新たな特図変動が実行されない状態が所定期間(例えば、10秒)経過した場合に、上述した客待ち期間中機能を有効にするように構成することで、上述した問題を解決することは可能だが、通常状態を遊技している遊技者が音量や光量を調節しようとする際に、遊技を所定期間中止する必要があるため、遊技者に煩わしさを感じさせるとともに、遊技の稼働が低下してしまうという新たな問題が発生するものであった。
上述した各種問題を解決するために、本第19制御例では、設定されている遊技状態に応じて特図変動が実行されなくなってから客待ち期間中機能が実行可能となるまでの期間を異ならせるように構成している。これにより、例えば、特図変動が実行され易い普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)中は、特図変動が実行されなくなってから所定期間(例えば、5秒)経過した後に客待ち期間中機能を実行可能とし、特図変動が実行され難い普通図柄の低確率状態(通常状態)中は、特図変動が実行されなくなってから直ちに客待ち期間中機能を実行可能とすることができる。
<第19制御例の演出内容について>
次に、図641を参照して、本第19制御例のパチンコ機10で実行される演出のうち、背景予告演出について説明をする。図641(A)は、背景モードが海モードに移行した直後に表示される表示画面の一例を示した模式図であり、図641(B)は、次変動で背景モードが移行する状態における表示画面の一例を示した模式図である。なお、表示画面の各要素のうち、上述した第18制御例と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第19制御例では、背景変更操作を実行した場合に、背景モードが切り替わるよりも前に、移行先の背景モードを示唆する予告演出が実行されるように構成している。この予告演出の表示態様について具体的に説明をすると、背景モードが移行する直前に移行先の背景モードをコメントで示す表示態様である「モード表示」と、背景モードが移行する直前に移行先の背景モードをキャラクタのシルエットで示唆する表示態様である「シルエット表示」と、を表示可能に構成している。
そして、背景変更操作を実行するタイミングが、特図変動期間外(例えば、客待ち期間中)である場合は「モード表示」のみが選択され、特図変動期間中である場合は「モード表示」と、「シルエット表示」と、の何れかが選択されるように構成している。このように構成することにより、背景変更操作を実行するタイミングに応じて実行される演出(背景予告演出)を異ならせることができるため、遊技者に対して様々なタイミングで背景変更操作を行わせることができる。
さらに、本第19制御例では、特図変動期間中に背景変更操作を実行した場合は、その特図変動の抽選結果に応じて、「モード表示」と「シルエット表示」との選択割合を異ならせている。加えて、背景予告演出にて示唆表示される背景モードと、実際の移行先となる背景モードとが相違するパターンの表示態様が選択された場合には大当たり当選している可能性が高くなるように(他の背景予告演出の表示態様よりも高くなるように)している。よって、遊技者に対して、特図の抽選結果を予測しようと積極的に背景変更操作を行わせることができる。また、積極的に背景変更操作を行わせることにより、様々な背景モードに対応した演出を遊技者に提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図641(A)に示した表示画面では、背景変更操作によって背景モードが海モードに移行し、背景予告演出として海モードを示唆する魚を模したシルエットK100が表示されている。このように、本制御例では、背景予告演出にて表示された表示態様が、背景モード移行後にも表示画面に継続して表示されるため、遊技者が、背景予告演出にて表示された表示態様と、実際に移行した背景モードと、を視認比較することができるように構成している。
次に、図641(B)に示した表示画面では、背景変更操作が実行されて次の特図変動開始時に背景モードが移行することを示すコメント「次変動で背景チェンジ」がコメント表示領域DM2Aに表示されている。そして、背景予告演出として山モードを示唆する木を模したシルエットK100が表示されている。つまり、図641(B)に示した状態は、現在が「山モード」であって、次変動で背景モードが移行(海モードに移行)する状態であり、移行後の背景モードを示唆する背景予告演出として山モードを示唆するシルエットK100が表示されている状態である。このように実際の背景モード移行先と、背景予告演出の示唆表示態様とに矛盾が生じる場合は、当該変動で大当たりに当選している可能性が高い状態となる。
<第19制御例における電気的構成について>
次に、図639及び図640を参照して、本第19制御例の電気的構成について説明をする。図639(A)は、本第19制御例における音声ランプ制御装置113のROM222に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図639(B)は、本第19制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図639(A)に示した通り、本第19制御例のROM222は、上述した第18制御例のROM222に対して、バイブパターンデータ222FCを削除し、背景予告選択テーブル222GAを追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
背景予告選択テーブル222GAは、背景変更操作を実行した場合において、背景予告演出の演出態様を選択する際に参照するものである。ここで、図640を参照して、背景予告選択テーブル222GAの内容について説明をする。図640は、背景予告選択テーブル222GAに規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図640に示した通り、背景予告選択テーブル222GAは、当否判定結果(背景変更操作を実行した時点で実行中の特図変動の抽選結果)と、取得した演出カウンタ223Hの値と、移行後の背景モードと、に応じて異なる表示態様の背景予告を選択可能に構成している。
具体的には、当否判定結果が当たりで、移行後の背景モードが「海モード」の場合は、演出カウンタ223Hの値が「0〜69」の範囲に「シルエットA」が、「70〜159」の範囲に「シルエットB」が、「160〜169」の範囲に「山モード表示」が、「170〜198」の範囲に「海モード表示」がそれぞれ規定されており、移行後の背景モードが「山モード」の場合は、演出カウンタ223Hの値が「0〜69」の範囲に「シルエットB」が、「70〜159」の範囲に「シルエットA」が、「160〜169」の範囲に「海モード表示」が、「170〜198」の範囲に「山モード表示」がそれぞれ規定されている。
一方、当否判定結果が外れで、移行後の背景モードが「海モード」の場合は、演出カウンタ223Hの値が「0〜119」の範囲に「シルエットB」が、「120〜198」の範囲に「海モード表示」がそれぞれ規定されており、移行後の背景モードが「山モード」の場合は、演出カウンタ223Hの値が「0〜119」の範囲に「シルエットA」が、「120〜198」の範囲に「山モード表示」がそれぞれ規定されている。さらに、背景変更操作が実行されたタイミングが、客待ち期間中である場合は、移行後の背景モードが「海モード」の場合は、演出カウンタ223Hの値が「0〜198」の範囲に「海モード表示」が、移行後の背景モードが「山モード」の場合は、演出カウンタ223Hの値が「0〜198」の範囲に「山モード表示」が規定されている。
ここで、背景予告演出の表示態様として選択される各表示態様について説明をする。本制御例では、背景予告演出の表示態様として、移行後の背景モードを示唆するキャラクタのシルエットを表示する「シルエット表示」と、移行後の背景モードを示す文字を表示する「モード表示」と、を設定可能に構成している。
そして、「シルエット表示」のうち、「シルエットA」は、図641(B)に示した山モードを示唆する木を模したキャラクタのシルエットであり、「シルエットB」は、図641(A)に示した海モードを示唆する魚を模したキャラクタのシルエットである。なお、本制御例では、シルエット表示として、静止画で形成される表示態様を表示するように構成しているが、移行後の背景モードを遊技者に示唆する表示態様であれば動的に変化する表示態様を用いても良く、例えば、示唆表示態様が表示された直後では何れの背景モードを示唆しているのかを遊技者に分かり難くし、時間の経過、或いは、遊技者による操作手段(枠ボタン22やタッチセンサ2900)への操作に基づいて徐々に移行先の背景モードを把握し易い表示態様へと可変するように構成しても良い。このように構成することで、背景予告演出の演出結果をいち早く判別しようと遊技者を演出に注視させることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、背景予告演出の表示態様として、「シルエット表示」と、「モード表示」とを表示可能に構成しており、特図が変動していない期間に背景変更操作を実行した場合には「モード表示」のみが選択され、特図が変動している期間中に背景変更操作を実行した場合には「シルエット表示」を選択され得るように構成している。これにより、特図変動中に背景変更操作を実行することにより、特別な演出態様(シルエット表示)を表示することができるため演出効果を高めることができる。
さらに、本制御例では、背景予告演出として、移行先の背景モードとは異なる背景モードを示唆する表示態様を設定可能に構成しており、その表示態様は当否判定結果が当たりの場合にのみ選択されるように構成している。よって、背景予告演出の内容と、実際の背景モード移行状況とに違和感を与えることで遊技者に有利な抽選結果を事前に報知(示唆)することができるため、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、2つの背景モード(海モード、山モード)を用いた例を示しているが、背景モードの種類は3つ以上でも良く、更に、背景変更操作によって移行する背景モードをランダムに設定しても良い。また、背景変更操作を行った結果、移行前と同一の背景モードに移行するように構成しても良い。このように構成することで、移行前の背景モードと、背景予告演出にて表示された移行後の背景モードの示唆内容と、に基づいて今回の背景予告演出の表示態様と、移行後の背景モードとが合致するか否かを予測する楽しみを提供することができる。
加えて、本第19制御例では、上述した第18制御例と同様に背景変更操作を実行してから、背景モードが移行するまでの期間を、背景変更操作を実行したタイミングに応じて異ならせるように構成している。そして、上述した背景予告演出は、背景変更操作を実行したことに基づいて表示されるように構成している。よって、背景変更操作を実行したタイミングに応じて背景予告演出のみが表示される表示期間を異ならせることができる。
なお、本第19制御例では、背景予告演出の表示態様を選択する際に、実行中の特図変動の抽選結果に基づいて表示態様を選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図保留に含まれる入賞情報を事前判別した結果に基づいて表示態様を選択するように構成しても良い。この場合、例えば、背景変更操作を実行した特図変動中に背景モードを移行(変更)可能な場合は、当該変動の抽選結果に基づいて背景予告演出の表示態様を選択し、背景変更操作を実行した特図変動の次の特図変動にて背景モードを移行(変更)する場合には、次の特図変動の抽選結果(事前判別結果)に基づいて背景予告演出の表示態様を選択するように構成すると良い。
図639(B)に戻り説明を続ける。本第19制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第18制御例のRAM223に対して、客待ちフラグ223GA、遅延カウンタ223GBを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
客待ちフラグ223GAは、現在が客待ち期間であることを示すためのフラグであって、客待ち期間となる場合にオンに設定されるものである。この客待ちフラグ223GAは、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)である場合には、変動停止処理9(図645のZ2651参照)で実行される客待ち設定処理(図646のZ2652参照)においてオンに設定される(図646のZ2734参照)。また、遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、或いは、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合には、客待ち演出処理9(図647のZ2181参照)において、遅延カウンタ223GBの値が0となった場合にオンに設定される(図647のZ2761参照)。そして、特図変動が開始される場合にオフに設定される。
本第19制御例では、客待ちフラグ223GAがオンに設定されている期間中に、パチンコ機10の音量が調節可能に構成されており、音量が調節可能な状態になったことを遊技者に報知する報知表示が第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるように構成されている。即ち、客待ちフラグ223GAは、音量を調節可能な期間を示すためのフラグでもある。さらに、詳細な説明は後述するが、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて、客待ちフラグ223GAがオンに設定されるタイミングを異ならせており、遊技状態が通常状態である場合よりも、時短状態、或いは確変状態である場合のほうが、客待ちフラグ223GAがオンに設定され難くなるように構成している。
このように構成することで、確変状態や時短状態中に音量が調節可能な状態になったことを遊技者に報知する報知表示が第3図柄表示装置81の表示画面に表示され難くすることができる。つまり、時短状態や確変状態は、通常状態に比べて短い特図変動時間が設定され易く構成されており、一時的に特図変動が実行されない期間が設定される場合がある。しかしながら、時短状態や確変状態は、通常状態に比べて新たな特図変動が実行され易い遊技状態でもあるため、特図変動が実行されない期間は短期間で終了し易いものである。このような状態において、頻繁に客待ちフラグ223GAがオンに設定されてしまうと、第3図柄表示装置81の表示画面の表示内容が煩雑に切り替わってしまい遊技者を不快な気分にさせてしまう虞があった。
これに対して、本第19制御例では、時短状態や確変状態中は特図変動が実行されない期間が所定期間(例えば5秒)経過しない限り客待ちフラグ223GAがオンに設定されないように構成しているため、上述した問題を解決することができる。なお、時短状態や確変状態中に客待ちフラグ223GAをオンに設定するために要する所定期間(例えば5秒)としては、例えば、普通図柄の高確率状態において実行される普通図柄の変動時間(電動役物640Aが開放し、球が第2入球口640に入球するまでの期間)よりも長い期間を設定すると良い。このように構成することで、確変状態、時短状態中に継続して遊技を行うだけで、客待ちフラグ223GAがオンに設定されることを抑制することができる。
遅延カウンタ223GBは、特図変動が終了してから客待ちフラグ223GAをオンに設定するまでの期間を計測するためのカウンタであって、確変状態、時短状態中において客待ちフラグ223GAをオンに設定するタイミングを遅延させるためのものである。
この遅延カウンタ223GBは、特図変動が停止する際に実行される変動停止処理9(図645のZ2651参照)で実行される客待ち設定処理(図646のZ2652参照)において、遊技状態が確変状態、或いは時短状態である場合に遅延期間である所定期間(5秒)が設定される(図646のZ2733)。そして、客待ち演出処理9(図647のZ2181)が実行される毎に減算され(図647のZ2759)、カウンタの値が0となった場合に客待ちフラグ223GAがオンに設定される(図647のZ2761)。これにより、確変状態、或いは時短状態において客待ちフラグ223GAがオンに設定されるタイミングを、通常状態において客待ちフラグ223GAがオンに設定されるタイミングよりも遅らせることができる。
<第19制御例の音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図642〜図647を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第19制御例では、上述した第18制御例に対して、メイン処理9(図642参照)内で実行される客待ち演出処理に替えて客待ち演出処理9(図647のZ2181参照)を、枠ボタン入力監視・演出処理8に替えて枠ボタン入力監視・演出処理9を、コマンド判定処理8に替えてコマンド判定処理9(図643のZ2174)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図642を参照して、本第19制御例のメイン処理9について説明をする。図642はメイン処理9の内容を示したフローチャートである。図642に示した通り、メイン処理9は、メイン処理8(図617参照)に対して、客待ち演出処理9(Z2181)、枠ボタン入力監視・演出処理9(Z2182)、コマンド判定処理9(Z2183)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。
なお、枠ボタン入力監視・演出処理9(Z2182)の内容については、上述した第18制御例の枠ボタン入力監視・演出処理8(図626のZ2172参照)に対して、背景変更処理(図629のZ2949参照)に替えて背景変更処理9(図644のZ2541参照)を実行する点でのみ相違しているため、枠ボタン入力監視・演出処理9(Z2182)のサブルーチンである背景変更処理9のみ図644を参照して説明し、それ以外の制御内容(第18制御例と同一の制御内容)については図示も省略する。
次に、図643を参照して、コマンド判定処理9(Z2174)の内容について説明をする。図643は、コマンド判定処理9(Z2174)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理9(Z2174)は、上述した第18制御例のコマンド判定処理(図477のZ2113参照)に対して、変動パターンコマンドを受信した場合に客待ちフラグをオフに設定する処理を追加した点と、変動停止処理8(図620のZ2242)を変動停止処理9(図643のZ2651)に変更した点で相違する。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、上述した第11制御例のコマンド判定処理(図477のZ2113参照)において、図示をした停止種別コマンドを受信した場合に実行される処理(図477のZ2204,Z2205)については、本第18制御例においても同一の処理が実行されるものであるが、説明の便宜上、その他のコマンドに応じた処理(図643のZ2261)にて実行されるものとする。
コマンド判定処理9(Z2174)が実行されると、まず、変動パターンコマンドを受信したかを判別し(Z2201)、受信したと判別した場合は(Z2201:YES)、客待ちフラグ223GAがオンであるかどうか判別する(Z2253)。客待ちフラグ223GAがオンであると判別した場合には(Z2254:YES)、変動パターンコマンドを受信し、客待ち演出終了のタイミングであるため、客待ちフラグ223GAをオフに設定し(Z2254)、遅延カウンタ223GBの値を0に設定し(Z2255)、上述した変動パターン受信処理8(Z2241)を実行し本処理を終了する。一方、Z2253の処理において、客待ちフラグ223GAがオンではないと判別した場合には(Z2253:NO)、Z2254の処理をスキップし、Z2255の処理に移行する。
一方、Z2201の処理において変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(Z2201:NO)、停止コマンドを受信したかどうか判別する(Z2203)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(Z2203:YES)、変動停止処理9(Z2651)を実行し、本処理を終了する。変動停止処理9(Z2651)の詳細については、図645を参照して後述する。
図643に戻り説明を続ける。Z2201の処理において変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(Z2201:NO)、停止コマンドを受信したかを判別し(Z2203)、停止コマンドを受信したと判別した場合は(Z2203:YES)、変動停止処理8を実行し(Z2242)、本処理を終了する。この変動停止処理8(Z2242)は、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄の停止表示を設定する処理と、特図停止時の背景チェンジを実行するための処理と客待ち演出を設定するための処理とを行うものであり、その詳細な内容については図645を参照して後述する。
Z2203の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(Z2203:NO)、上述した第18制御例のコマンド判定処理(図618のZ2174)と同一のZ2207〜Z2261を実行し、本処理を終了する。
次に、図644を参照して、背景変更処理9(Z2541)の内容について説明をする。図644は、背景変更処理9(Z2541)の内容を示したフローチャートである。この背景変更処理9(Z2541)は、上述した第18制御例の背景変更処理(図629のZ2949)に対して。背景予告演出の表示態様を設定するための処理を追加した点で相違している。
背景変更処理9(Z2541)が実行されると、上述した背景変更処理(図629のZ2949参照)と同一のZ2963〜Z2967の処理を実行し、その後、演出カウンタ223Hの値を取得し(Z2978)、取得した演出カウンタ223Hの値に基づいて背景予告選択テーブル222GAを用いて背景予告演出の演出態様を選択する(Z2979)。そして、Z2979の処理で選択した演出態様を示す表示用背景予告コマンドを設定し、本処理を終了する。
なお、詳細な説明は省略するが、Z2967の処理で設定される表示用切替コマンドと、Z2980の処理で設定される表示用背景予告コマンドとは、同一の処理内で設定されるものであり、同一のタイミングで表示制御装置114へと出力されるものであるが、表示制御装置114にて表示用背景予告コマンドに基づく画像データを用いた表示を先に実行し、その後、0.5秒の間隔を開けて表示用切替コマンドに基づく画像データを用いた表示を実行するように構成している。これにより、背景予告演出を背景移行よりも先に実行させることができる。
次に、図645を参照して、変動停止処理9(Z2651)の内容について説明をする。図645は、変動停止処理9(Z2651)の内容を示したフローチャートである。この変動停止処理9(Z2651)は、上述した第18制御例の変動停止処理(図620のZ2242参照)に対して、Z2266,Z2264,Z2270の処理を終えた後に、客待ち設定処理(Z2652)を実行する点で相違し、それ以外の内容は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、客待ち設定処理(Z2652)の内容について図646を参照して説明をする。図646は客待ち設定処理(Z2652)の内容を示したフローチャートである。この客待ち設定処理(Z2652)では、特図変動が停止した後に客待ち期間を設定するための処理が実行される。
客待ち設定処理(Z2652)が実行されると、まず、特図保留が存在しているかを判別する(Z2731)。このZ2731の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223Aの値と、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値と、が共に0であるかを判別する。
Z2731の処理において、特図保留が存在していると判別した場合は(Z2731:YES)、次の特図変動が直ぐに実行される状態であるため、客待ち期間を設定するための処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。一方、Z2731の処理において、特図保留が存在していないと判別した場合は(Z2731:NO)、次に、現在の遊技状態が時短状態、或いは確変状態であるかを判別し(Z2732)、時短状態、或いは確変状態では無い(通常状態である)と判別した場合は(Z2732:NO)、客待ちフラグ223GAをオンに設定し(Z2734)、表示用客待ちコマンドを設定し(Z2735)、本処理を終了する。
一方、Z2732の処理で、現在が時短状態、或いは確変状態であると判別した場合は(Z2732:YES)、次いで遅延カウンタ223GBに5秒に対応する値を設定し(Z2733)、本処理を終了する。ここで設定された遅延カウンタ223GBの値は、1ミリ秒毎に実行されるメイン処理にて減算される。
次に、客待ち演出処理9(Z2181)の内容について、図647を参照して説明をする。図647は、客待ち演出処理9(Z2181)の内容を示したフローチャートである。この客待ち演出処理9(Z2181)では、客待ち設定処理(図646のZ2652参照)にて設定された遅延カウンタ223GBの値の減算が実行され、遅延カウンタ223GBの値が0となった場合に客待ちフラグ223GAをオンに設定する処理と、客待ちフラグ223GAがオンに設定されている状態で音量ボタンが操作された場合の音量調節処理とが実行される。
客待ち演出処理9(Z2181)では、まず、客待ちフラグ223GAがオンに設定されているかを判別し(Z2751)、オンに設定されていると判別した場合は(Z2751:YES)、音量ボタンのうち、音量を上げる右ボタン(上ボタン)が操作(押下)されたかを判別する(Z2764)。右ボタンが押下されたと判別した場合は(Z2764:YES)、次に、音量レベルが1上がるように音量レベルを設定し(Z2753)、設定後の音量を示す表示用コマンドを設定し(Z2754)、本処理を終了する。
また、Z2764の処理で、右ボタンを押下していないと判別した場合は(Z2764:NO)、音量ボタンのうち、音量を下げる左ボタン(下ボタン)が操作(押下)されたかを判別する(Z2765)。左ボタンが押下されたと判別した場合は(Z2765:YES)、次に、音量レベルが1下がるように音量レベルを設定し(Z2756)、設定後の音量を示す表示用コマンドを設定し(Z2757)、本処理を終了する。
一方、Z2751の処理において、客待ちフラグ223GAがオンに設定されていないと判別した場合は(Z2751:NO)、遅延カウンタ223GBの値が0よりも大きい(1以上)であるかを判別し(Z2758)、0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Z2758:NO)、現在が、特図変動の停止中では無いため、そのまま本処理を終了する。
Z2758の処理で、遅延カウンタ223GBの値が0よりも大きいと判別した場合は(Z2758:YES)、次に、遅延カウンタ223GBの値を1減算し(Z2759)、減算後の遅延カウンタ223GBの値が0であるかを判別する(Z2760)。減算後の遅延カウンタ223GBの値が0では無いと判別した場合、即ち、遊技状態が確変状態、或いは時短状態であって、前回の特図変動が停止してから5秒が経過していない状態である場合は(Z2760:NO)、そのまま本処理を終了する。
Z2760の処理において、遅延カウンタ223GBの値が0であると判別した場合は(Z2760:YES)、遊技状態が確変状態、或いは時短状態であって、前回の特図変動が停止してから5秒が経過タイミングであるため、客待ちフラグ223GAをオンに設定し(Z2761)、表示用客待ちコマンドを設定し(Z2762)、次に、左または右ボタンが押下されたかどうか判別する(Z2763)。左または右ボタンが押下されたと判別した場合には(Z2763:YES)、上述したZ2764の処理を実行する。一方、Z2763の処理において、左または右ボタンが押下されていないと判別した場合には(Z2763:NO)、そのまま本処理を終了する。
<第20制御例>
次に、図648から図659を参照して、第20制御例について説明をする。本第20制御例は、上述した第19制御例に対して、遊技者の枠ボタン22への操作内容に基づいて演出態様を可変させる操作演出(ヒビ割れ演出)を実行する点と、第3図柄表示装置81の表示画面に停止表示される第3図柄(特別図柄(特図)の変動と同期して変動表示され、その停止表示態様によって特図の抽選結果を遊技者に分かり易く報知するための装飾図柄)の停止表示態様に基づいて背景モードを移行(変更)させる演出(背景チェンジ演出)を実行する点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<第20制御例の演出内容について>
ここで、本第20制御例のパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第20制御例のパチンコ機10では、上述した各制御例と異なり、ヒビ割れ演出と、停止図柄の表示態様に基づく背景チェンジ演出と、が実行される。
まず、ヒビ割れ演出について図648から図650を参照して説明をする。ヒビ割れ演出とは、所定の演出期間内に遊技者が操作手段(枠ボタン22A)を複数回操作することにより、第3図柄表示装置81の表示画面上の表示態様を段階的に可変させる操作演出である。本第20制御例では、演出期間終了時における表示画面上の表示態様に基づいて、演出期間後の演出態様が設定されるように構成している。このように構成することにより、様々な演出態様で演出を実行させるために遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができる。
ここで、図648を参照して、本第20制御例におけるヒビ割れ演出の流れについて説明をする。図648は、ヒビ割れ演出の流れを模式的に示したタイミングチャートである。本制御例では、所定の演出期間中に操作手段が操作されたことに基づいて第3図柄表示装置81の表示画面上に可変表示態様であるヒビ820が表示され、その演出期間内における操作手段への操作内容(操作回数)に基づいてヒビ820の本数が可変(増加)するヒビ割れ演出が実行される。そして、上述した演出期間中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作するタイミングと、操作回数と、に基づいて可変表示態様を可変させることができるように構成されている。
具体的には、60秒の変動パターンのうち、変動開始から5秒経過してから15秒の間、操作手段である枠ボタン22Aへの操作が有効に判別される操作有効期間(ボタン演出期間)が設定される。そして、ボタン演出期間に到達すると、第3図柄表示装置81の表示画面にてヒビ割れ演出が実行される(図649(A)参照)。
そして、ヒビ割れ演出が実行されるボタン演出期間として、前半期間である第1期間と、その第1期間よりも後の後半期間である第2期間と、が設定され、ボタン演出期間の第1期間中に枠ボタン22Aを操作することで、1本のヒビ820が表示画面に表示される(図649(B)参照)と共に、第1期間の残期間を第2期間に可変設定する。このように構成することで、第1期間が設定されてから即座に枠ボタン22Aを操作することにより、第2期間が設定される期間を長くすることができる。
加えて、第1期間中に枠ボタン22Aを押下することにより、その押下タイミングに基づいて、第2期間中に2本目移行のヒビ820が表示させる条件、即ち、可変表示態様として表示されるヒビ820の本数を可変させるための枠ボタン22Aへの操作回数を異ならせるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、操作手段への操作タイミングと、操作回数の両方に基づいた演出を提供することができ、演出効果を高めることが出来る。また、第1期間が設定されてから即座に枠ボタン22Aを操作することで、第2期間を長く設定したとしても、その操作タイミングに基づいて2本目以降のヒビ820が表示される条件(枠ボタン22Aへの操作回数)として、操作回数が多い条件が設定される場合があるため、第1期間が設定されてから即座に枠ボタン22Aを操作することが、より多くのヒビ820を表示させることに直結することが無い。
よって、第1期間中のどのタイミングで枠ボタン22Aを操作するのかを遊技者に楽しませながら操作演出に参加させることができる。なお、本第20制御例では、ヒビ割れ演出中に実行される1回目の枠ボタン操作のタイミングに応じて、可変表示態様の可変パターンを選択するように構成しているが、これに限ること無く、2回目以降の枠ボタン操作のタイミングに応じて、それ以降の可変表示態様の可変パターンを選択するように構成しても良い。また、本制御例では1回の枠ボタン操作(1回目の枠ボタン操作)のタイミングによって、演出期間中の可変表示態様の全可変パターン(可変シナリオ)を選択するように構成しているが、部分的に選択するように構成しても良い。
そして、第2期間が設定されると、遊技者に対して枠ボタン22Aへの操作を複数回実行させることを促すための表示画面が表示され(図649(B)参照)、第1期間終了時に設定された表示条件(2本目以降のヒビ820が表示される条件)が成立した場合に、表示画面に表示されるヒビ820の本数が可変表示され、第2期間経過後(変動開始から20秒経過後)に表示されているヒビ820の本数に基づいた演出が表示される(図650(A)参照)。
なお、本制御例のヒビ割れ演出では、ヒビ820の本数(可変表示態様)を増加(可変)させる表示条件(可変シナリオ)を選択する要因となる1回目の枠ボタン操作が実行された場合に、どのタイミングで枠ボタン操作が実行されたとしても、ヒビ820が1本(同一の可変表示態様が)表示されるように構成している。つまり、本制御例のヒビ割れ演出では、1回目の枠ボタン操作によって、ヒビ割れ演出が実行されたことを遊技者に分かり易く報知するものであり、且つ、1回目の枠ボタン操作に基づいて選択された可変表示態様の可変シナリオを遊技者が把握し難くなるように構成しているものである。
これにより、ヒビ割れ演出がどのように進展していくのかを注視しながら遊技を行わせることができる。加えて、本制御例のヒビ割れ演出は、特別図柄の抽選結果に基づいて、可変表示態様の可変シナリオが選択される割合を異ならせている。よって、遊技者をヒビ割れ演出に注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本制御例のヒビ割れ演出では、遊技者が操作手段(枠ボタン22A)を操作可能な(操作手段への操作が有効に判別される)ボタン演出期間が、第1期間(5秒)と、その第1期間経過後の第2期間(10秒)と、から形成されており、第1期間中に可変表示態様(ヒビ820の本数)の可変シナリオを選択するための操作(1回目の枠ボタン操作)を実行することで、可変表示態様の可変パターンが選択されるように構成している。よって、第1期間中に枠ボタン操作が実行されなかった場合は、その時点でヒビ割れ演出を終了させる(第2期間中における操作有効期間の設定をクリアし、操作演出以外の演出に切り替える)ように構成している(図648(B)参照)。これにより、枠ボタン22Aを操作したくないと感じる遊技者に対して、枠ボタン22Aの操作を促す演出を長時間報知してしまうことを抑制することができる。
ここで、ボタン演出期間の第1期間中に枠ボタン22Aが操作されない場合の演出の流れについて図648(B)を参照して具体的に説明をすると、予め定められた第1期間(5秒)が経過するまで、枠ボタン22Aへの操作を促す表示画面(図649(A)参照)が表示され、第1期間終了時に操作有効期間をクリアし、第1期間終了後に、枠ボタン22Aが1回も押されなかったことを示す表示態様(残念表示)が、予め定められた第2期間(10秒)が経過するまで表示される(図650(B)参照)。その後、ヒビ820が表示されなかった場合(ヒビ0本)に対応した演出が実行される。
なお、本制御例では、枠ボタン22Aが1回も押されなかったことを示す表示態様(残念表示)を、第2期間(10秒)が経過するまで表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、予め定められた第2期間(10秒)の開始2秒間だけ、枠ボタン22Aが1回も押されなかったことを示す表示態様(残念表示)を表示し、その後、ヒビ820が表示されなかった場合(ヒビ0本)に対応した演出が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、残念表示が表示される期間を短縮することができるため、遊技者が意図的に第1期間中に枠ボタン22Aを操作しなかった場合に、遊技者に不快感を与え難くすることができる。
また、第1期間中に枠ボタン操作(1回目の枠ボタン操作)を実行した場合には、その直後から(第1演出期間の残期間中も)2回目以降の枠ボタン操作を受け付けるように構成している。これにより、ヒビ割れ演出中に実行される複数の枠ボタン操作に連続性を持たせることができるため、演出効果を高めることができる。
次に、図649、及び図650を参照して、ヒビ割れ演出中に表示される表示内容の一例について説明をする。図649(A)は、ヒビ割れ演出が開始された直後に表示される表示内容の一例を示した表示画面で、図649(B)は、ヒビ割れ演出の第1期間中に枠ボタン22Aを操作した場合に表示される表示内容の一例を示した表示画面である。また、図650(A)は、ヒビ820が3本表示された状態でボタン演出期間が終了した後に実行される演出内容の一例を示した表示画面で、図650(B)は、ヒビ割れ演出の第1期間中に枠ボタン22Aを操作すること無く、第1期間が終了した場合に表示される表示内容の一例を示した表示画面である。
ヒビ割れ演出が実行されると、まず、図649(A)に示した通り、今回実行される演出が操作演出(操作手段(枠ボタン22A)を操作することにより演出態様が可変される演出)であることを遊技者に報知するために、主表示領域DMの右側に、枠ボタン22Aを模したボタン表示態様DM5Aと、ボタン演出期間のうち、第1期間(5秒)の残期間(4秒)を報知する残期間表示態様DM5Bと、が表示される。
ここで、ボタン表示態様DM5Aは、枠ボタン22Aを1回だけ押下するのでは無く、複数回押下(連打)させることを促すための表示態様(図では矢印2本で表現)で表示される。また、残期間表示態様DM5Bは、第1期間(5秒)の長さを示すインジケータに対して、残期間(図では斜線で表現)が動的に表示される。
そして、コメント表示領域DM2Aには、「ボタン連打で画面を砕け」のコメントが表示される。これにより、今回の操作演出中に枠ボタン22Aを複数回操作することで、表示画面が破壊されるような演出が実行される旨を遊技者に分かり易く報知することができる。また、主表示領域DMの左上側に、小表示領域DM4を形成し、今回のヒビ割れ演出の進行状況(ヒビの本数)を遊技者に分かり易く表示するように構成している。なお、図649(A)では、ヒビ割れ演出が実行された直後であり、1度も枠ボタン22Aが操作されていない状態であるため、小表示領域DM4には、進行状況表示態様DM4Aとして「0」が表示されている。
そして、ヒビ割れ演出の第1期間中に枠ボタン22Aを操作すると、図649(B)に示した通り、主表示領域DMにヒビ820が1本表示されると共に、小表示領域DM4の進行状況表示態様DM4Aとして「1」が表示される。また、第1期間中に枠ボタン22Aが操作されたことにより、第1期間が終了し、第2期間が設定されるため、第1期間の残期間を示すための残期間表示態様DM5Bに替えて、第2期間の残期間を示すための残期間表示態様DM5Cが表示される。また、コメント表示領域DM2Aには「もっと連打しろ」のコメントが表示される。
図649(B)の表示画面が表示された状態で、枠ボタン22Aを複数回操作(連打操作)し、ヒビ820の本数を増加させるための表示条件が成立すると、その表示条件に対応した本数のヒビ820が表示画面に表示される。そして、ボタン演出期間の第2期間が終了した時点においてヒビ820の本数が3本である場合には、図650(A)に示した通り、主表示領域DMの中央部が破壊され奥から魚を模したキャラクタ822が大量に出現する演出が実行され、コメント表示領域DM2Aに、今回実行された演出態様を示す「魚群リーチ」が表示される。なお、本制御例では、ボタン演出期間が終了した後も、小表示領域DM4に進行状況表示態様DM4Aが表示されるように構成しており、ヒビ820が3本表示された状態でボタン演出期間が終了したことを示す「3」の値が表示されている。これにより、今回実行された「魚群リーチ」に対応するヒビ割れ演出の演出結果が何であったのかを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、上述したように、第1演出(ヒビ割れ演出)の演出結果に基づいて、その第1演出の後に実行される第2演出の演出態様を設定可能とし、第2演出が実行される際に、第1演出の演出結果を表示する構成を用いる場合には、例えば、第1演出の演出結果表示として、実際の第1演出の演出結果とは異なる演出結果を表示し得るように構成しても良い。この場合、当該特図変動の抽選結果が大当たりである場合に実際の第1演出の演出結果とは異なる演出結果を表示するように構成すると良い。これにより、遊技者に違和感のある演出を提供することができると共に、その違和感のある演出が実行された場合に大当たりに当選し易くすることができるため、斬新な演出を提供することができる。
一方、ヒビ割れ演出のボタン演出期間のうち、第1期間中に枠ボタン22Aを操作しなかった場合は、第1期間の終了時に、図650(B)に示した通り、小表示領域DM4の進行状況表示態様DM4Aとして「0」が表示され、枠ボタン22Aへの操作を促すことの無いボタン表示態様DM5Aが表示され、残期間表示態様DM5Bとして残期間が0の表示態様が表示される。そして、コメント表示領域DM2Aに「残念、終了」のコメントが表示され、第1期間の終了をもってヒビ割れ演出が終了したことを遊技者に報知する表示画面が表示される。
なお、本制御例では、第1期間中に枠ボタン22Aが操作されなかった場合に、枠ボタン22Aに対する操作を好まない遊技者が遊技を行っていたとしても不快感を与えないようにするために、第1期間の終了時に図650(B)に示した表示画面を表示し、ボタン演出期間(操作有効期間)を終了させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1期間終了時にヒビ820の本数を抽選で決定し、その決定した本数のヒビ820を表示画面に表示させるように構成しても良い。これにより、枠ボタン22Aを操作しない遊技者に対しても、様々なヒビ820の本数に対応した演出を提供することができる。また、この場合、第1期間中に遊技者が操作手段を複数回操作した場合に表示され難い本数のヒビ820(例えば、0.5本)を表示し得るように構成すると良い。これにより、遊技者に対して、様々な演出を体感するために、第1期間中に枠ボタン22Aを操作するか否かを考えさせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、背景チェンジ演出とは、第3図柄表示装置81の表示画面に停止表示された第3図柄の組合せが特定の組合せである場合に、背景モードを変更する演出のことである。本制御例では、表示制御装置114が音声ランプ制御装置113から停止種別コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄の停止態様(停止図柄の組合せ)を決定するように構成している。
よって、表示制御装置114にて決定した停止態様を示すための背景変更図柄種別コマンドを音声ランプ制御装置113が受信できるように構成し、背景変更図柄種別コマンドを受信した場合に、そのコマンドに含まれている停止図柄情報に基づいて背景モードを変更するか否かの判別をするように構成している。このように構成することで、特図の抽選結果が外れであったとしても、どの停止態様で外れが表示されるのかについて遊技者に興味を持たせることができるため、第3図柄表示装置81の表示画面で実行される演出を最後まで楽しませることができる。
さらに、背景モードを変更するか否かを事前に判別しておき、その判別が背景モードを変更するとの判別結果となったことに基づいて、背景変更することを遊技者に報知するための第3図柄を停止表示させる(背景変更報知図柄を停止表示させる)といった従来のパチンコ機とは異なり、実際に停止表示された第3図柄の停止態様に応じて背景変更を実行するかを判別するように構成している、即ち、第3図柄の停止態様が背景変更抽選の契機となるように構成している。よって、例えば、第3図柄の停止態様と、設定されている遊技状態と、に基づいて背景変更のし易さを可変させたり、背景変更先を可変させたりする制御を行い易くすることができる。
なお、本制御例では、表示制御装置114にて第3図柄の停止態様を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図抽選が外れの場合において、遊技者が操作手段を操作することにより、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄の停止態様を可変選択できるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者の操作結果に基づいて、停止態様を可変させることができるため、遊技への参加意欲を高めることができる。また、この場合、遊技者が操作手段を全く操作しない場合よりも、操作手段を操作した場合のほうが、背景変更し易くなるようにすると良く、例えば、操作手段を操作した場合にのみ、背景変更が実行されることになる第3図柄の停止態様が表示されるように構成すると良い。これにより、遊技者をより意欲的に演出に参加させることができる。
<第20制御例の電気的構成について>
まず、図651及び図653を参照して、本第20制御例の電気的構成について説明をする。図651(A)は、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のROM222に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図651(B)は、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図651(A)に示した通り、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第19制御例のROM222に対して、ヒビ割れ演出の演出態様を選択する際に用いられるヒビ割れ演出選択テーブル222HAを追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ヒビ割れ演出選択テーブル222HAは、操作手段(枠ボタン22A)への操作を実行させる操作演出の1つであるヒビ割れ演出の演出態様(2本目以降のヒビを表示させる表示条件)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22Aを押下した場合に実行されるSW演出処理10(図658のZ2897参照)において、実行中のSW(スイッチ)演出がヒビ割れ演出であると判別した場合に(図658のZ7101:YES)、参照される(図658のZ7105)。
ここで、図653を参照して、ヒビ割れ演出選択テーブル222HAの内容について説明をする。図653はヒビ割れ演出選択テーブル222HAに規定されている内容を示した模式図である。図653に示した通り、ヒビ割れ演出選択テーブル222HAには、ヒビ割れ演出が実行される特図変動の抽選結果(当否判定結果)と、ヒビ割れ演出のSW有効期間中における枠ボタン操作1回目の操作(押下)タイミングと、取得したSW特殊演出カウンタ223HAの値と、に応じて、異なるヒビ割れ演出の演出態様(ヒビの本数が増加する枠ボタン操作回数)が規定されている。
具体的には、当否判定結果が当たり(大当たり)で、SW特殊演出カウンタ223HAの値が、0〜1秒、或いは3〜4秒に該当する値の場合は、SW特殊演出カウンタHAの値が「0〜39」の範囲に、演出種別Aが規定され、「40〜89」の範囲に、演出Bが規定され、「90〜99」の範囲に、演出Cが規定されている。
ここで、ヒビ割れ演出選択テーブル222HAに規定されている各演出種別の具体的な内容について説明をする。演出種別Aは、2本目のヒビが入るまでに必要な枠ボタン操作回数が「5」、3本目(MAX)のヒビが入るまでに必要な枠ボタン操作回数が「10」に設定されているシナリオであり、演出種別B、2本目のヒビが入るまでに必要な枠ボタン操作回数が「7」、3本目(MAX)のヒビが入るまでに必要な枠ボタン操作回数が「15」に設定されているシナリオで演出種別Cは、2本目のヒビが入るまでに必要な枠ボタン操作回数が「10」、3本目(MAX)のヒビが入るまでに必要な枠ボタン操作回数が「25」に設定されているシナリオである。
つまり、1回目の枠ボタン操作のタイミングに基づいて設定されるヒビ割れ演出の演出態様に応じて、2回目以降の枠ボタン操作によってヒビの本数が可変する回数が可変することになる。よって、遊技者に対してどの程度の枠ボタン操作を実行することでヒビが可変するのかを分かり難くすることができ演出効果を高めることができる。
なお、図653に示したヒビ割れ演出選択テーブル222HAでは、遊技者が枠ボタン22を必要回数操作することで必ず3本目のヒビが表示される演出種別のみを示しているが、実際には、枠ボタン22を何回操作しても、2本目のヒビが表示されない演出種別や、3本目のヒビが表示されない演出種別も規定されている。このように、ヒビが可変し難い演出種別と、ヒビが可変しない演出種別と、を規定することにより、たとえヒビが可変しない演出種別が設定されたとしても最後まで期待を持たせて枠ボタン操作を行わせることができる。
図653に戻り説明をする。当否判定結果が当たり(大当たり)で、SW特殊演出カウンタ223HAの値が、0〜1秒、或いは3〜4秒以外(1秒〜3秒、4秒〜5秒の範囲)に該当する値の場合は、SW特殊演出カウンタHAの値が「0〜19」の範囲に、演出種別Aが規定され、「20〜79」の範囲に、演出Bが規定され、「80〜99」の範囲に、演出Cが規定されている。
また、当否判定結果が外れで、SW特殊演出カウンタ223HAの値が、0〜1秒、或いは3〜4秒に該当する値の場合は、SW特殊演出カウンタHAの値が「0〜29」の範囲に、演出種別Aが規定され、「30〜89」の範囲に、演出Bが規定され、「90〜99」の範囲に、演出Dが規定されている。そして、当否判定結果が外れで、SW特殊演出カウンタ223HAの値が、0〜1秒、或いは3〜4秒以外(1秒〜3秒、4秒〜5秒の範囲)に該当する値の場合は、SW特殊演出カウンタHAの値が「0〜4」の範囲に、演出種別Aが規定され、「5〜79」の範囲に、演出Bが規定され、「80〜99」の範囲に、演出Dが規定されている。
次に、図652を参照して、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図652に示した通り、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第19制御例のRAM223に対して、SW演出カウンタ223HAと、ボタン押下カウンタ223HBと、ヒビ割れ情報記憶エリア223HCを追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
SW演出カウンタ223HAは、ヒビ割れ演出の選択に使用されるカウンタであって、音声ランプ制御装置113メイン処理(図654参照)が実行される毎に0から198の範囲で1ずつ加算されて繰り返し更新される。なお、詳細な内容については、上述した演出カウンタ223Hと同一であるためその詳細な説明を省略する。
ボタン押下カウンタ223HBは、枠ボタン22の押下回数を計測するためのカウンタであって、枠ボタン22を操作する毎に値が1加算されるものである。本第20制御例で実行されるヒビ割れ演出では、このボタン押下カウンタ223HBの値に基づいて、設定されている演出種別に対応する演出態様(ヒビの本数可変表示)が実行される。
ヒビ割れ情報記憶エリア223HCは、ヒビ割れ演出選択テーブル222HAを用いて選択した演出種別を一時的に記憶するための記憶エリアである。
<第20制御例の音声ランプ制御装置の制御内容について>
次に、図654〜図658を参照して、本第20制御例の音声ランプ制御装置113の制御内容について説明をする。なお、上述した各制御例と同一の制御内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図654を参照して、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のメイン処理10について説明をする。図654は、メイン処理10の内容を示したフローチャートである。図654に示した通り、メイン処理10では、上述した第18制御例のメイン処理8に対して、枠ボタン入力監視・演出処理8を枠ボタン入力監視・演出処理10に変更した点と、コマンド判定処理8をコマンド判定処理10に変更した点で相違し、それ以外は同一である。
次に、図655を参照して、コマンド判定処理10の内容について説明をする。図655はコマンド判定処理10の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理10は、上述したコマンド判定処理8に対して、表示背景変更図柄コマンドを受信した場合の制御処理を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。この表示背景変更図柄コマンドの詳細については後述するが、このコマンドは、表示制御装置114から出力されるコマンドであって、第3図柄表示装置81の表示画面に停止表示させる第3図柄の停止態様(停止時の各第3図柄の組合せ位置)を示すための情報が含まれているものである。
コマンド判定処理10が実行されると、上述したコマンド判定処理8と同一のZ2201〜Z2208の処理を実行し、その後、表示背景変更図柄コマンドを受信したかを判別する(Z7201)。Z7201の処理で、表示背景変更図柄コマンドを受信したと判別した場合は(Z7201:YES)、背景モードを1加算して背景モード記憶エリア223Iに設定し(Z7202)、設定した背景モードに対応した変動パターンへの表示用切替コマンドを設定し(Z7203)、本処理を終了する。
つまり、本第20制御例では、表示制御装置114が設定した第3図柄の停止態様に基づいて、音声ランプ制御装置113側で背景モードを変更する処理を実行するように構成している。このように、実際に停止表示された第3図柄の停止態様によって背景モードを切り替えるか否かの判別を行うようにすることで、たとえ、特図抽選の結果が外れであったとしても、どの停止態様で第3図柄が停止表示されるのかを遊技者に注視させることができる。
次に、図656を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理10の内容について説明をする。図656は、枠ボタン入力監視・演出処理10の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理10は、上述した枠ボタン入力監視・演出処理8に対して、実行されるSW特殊処理を、SW演出処理10に変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、枠ボタン入力監視・演出処理10にて実行されるヒビ割れ演出終了処理(Z2896)について、図657を参照して説明をする。図657は、ヒビ割れ演出終了処理(Z2896)の内容を示したフローチャートである。このヒビ割れ演出終了処理(Z2896)では、ヒビ割れ演出において特定期間が経過した場合に、以降の演出態様を設定するための処理が実行される。
ヒビ割れ演出終了処理(Z2896)が実行されると、まず、SW有効時間カウンタの値を取得し、ヒビ割れ演出の開始から5秒が経過したか(経過時間が5秒に到達したか)を判別し(Z7002)、5秒では無いと判別した場合は(Z7002:NO)、次に、15秒が経過したか(経過時間が15秒に到達したか)を判別する(Z7006)。ここで、15秒が経過していないと判別した場合は(Z7006:NO)、そのまま本処理を終了する。
一方、Z7002の処理で、経過時間が5秒であると判別した場合は(Z7002:YES)、ボタン押下カウンタ223HBの値が0よりも大きいかを判別し(Z7003)、0よりも大きくないと判別した場合は(Z7003:NO)、ヒビ割れ演出終了を示す表示用演出コマンドを設定し(Z7004)、SW有効時間カウンタ223K、ボタン押下カウンタ223HBの値をクリアし(0に設定し)、本処理を終了する。
Z7003の処理で、ボタン押下カウンタ223Bの値が0よりも大きいと判別した場合は(Z7003:YES)、そのまま本処理を終了する。また、Z7006の処理で15秒が経過したと判別した場合は(Z7006:YES)、ボタン押下カウンタ223HBの値に対応する表示用切替コマンドを設定し(Z7007)、ボタン押下カウンタ223HBの値をクリアし(Z7008)、本処理を終了する。
次に、図658を参照して、SW演出処理10の内容について説明をする。図658はSW演出処理10の内容を示したフローチャートである。このSW演出処理10は、上述したSW演出処理に対して、ヒビ割れ演出に関する処理を追加した点で相違している。それ以外は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
SW演出処理10が実行されると、まず、現在設定されているSW演出がヒビ割れ演出であるかを判別し(Z7101)、ヒビ割れ演出では無いと判別した場合は(Z7101:NO)、上述した第18制御例のSW演出処理と同一の制御を実行する。一方、Z7101の処理で、設定されているSW演出がヒビ割れ演出であると判別した場合は(Z7101:YES)、次に、ヒビ割れ情報記憶エリア223HCにヒビ割れ演出の演出態様を示す情報(データ)が記憶されているかを判別する(Z7102)。
Z7102の処理において、既に、ヒビ割れ情報記憶エリア223HCにヒビ割れ演出の演出態様を示す情報(データ)が記憶されていると判別した場合は(Z7102:YES)ボタン押下カウンタ223HBの値を1加算し(Z7106)、ヒビ割れ情報記憶エリア223HCに設定されているヒビ割れ演出種別を読み出し(Z7107)、読み出した演出種別と、ボタン押下カウンタ223HBの値とに対応した演出態様(ヒビ本数可変演出、煽り演出)を示すための表示用演出コマンドを設定し、本処理を終了する。
また、Z7102の処理でデータが無いと判別した場合は(Z7102:NO)、次に、SW演出カウンタ223HAの値を取得し、ヒビ割れ演出選択テーブル222HAを読み出し(Z7104)、ボタン押下時のSW有効時間カウンタの値と取得したSW演出カウンタ223HAの値に基づいて対応したヒビ割れ演出種別を決定しヒビ割れ情報記憶エリアに設定し(Z7105)、対応する表示用演出コマンドを設定し(Z7108)、本処理を終了する。
<第20制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図659を参照して、本第20制御例の表示制御装置114の制御処理について説明をする。本制御例の表示制御装置114の制御内容は、上述した第18制御例の制御内容に対して、停止種別コマンド処理8を、停止種別コマンド処理10に変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図659は、停止種別コマンド処理10(Z3496)の内容を示したフローチャートである。この停止種別コマンド処理10(Z3496)では、音声ランプ制御装置113に設定した停止図柄に関する情報を出力するためのコマンド(表示背景変更図柄コマンド)が設定される。
停止種別コマンド処理10(Z3496)が実行されると、まず、上述した停止種別コマンド処理8と同一のZ3601、Z3602の処理を実行し、その後、Z3602の処理で設定された停止図柄が、背景チェンジを示す停止図柄であるかを判別する(Z8001)。Z8001の処理において、背景チェンジを実行する停止図柄では無いと判別した場合は、停止図柄判別フラグをオンに設定し、本処理を終了する。
一方、Z8001の処理で、停止図柄が背景チェンジを示すものであると判別した場合は、表示背景変更図柄コマンドを設定し(Z8002)、停止図柄判別フラグをオンに設定し(Z3603)、本処理を終了する。
<第21制御例>
次に、図660から図673を参照して、第21制御例について説明をする。上述した各制御例では、特別図柄の抽選結果を、第3図柄表示装置81を用いた液晶演出と、枠ボタン22を可動させる可動役物(例えば、傾倒装置310)を用いた役物演出と、を用いて遊技者に示唆する示唆演出を実行するように構成していた。
具体的には、主制御装置110が特別図柄の抽選結果を示す情報が含まれている変動パターンコマンドを設定し、その変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、受信した変動パターンコマンドに含まれる特図の抽選結果を示す情報に基づいて音声ランプ制御装置113が液晶演出の演出態様と、役物演出の演出態様と、を設定するように構成している。
ここで設定された液晶演出は、表示用の演出コマンドとして表示制御装置114へと出力され、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81の表示画面に表示される各種画像データが作成される。一方、役物演出については、音声ランプ制御装置113にて可動役物を所定の動作で駆動させるための駆動シナリオを設定し、設定された駆動シナリオに基づいて可動役物(例えば、傾倒装置310)を可動させるための駆動手段(例えば、ボイスコイルモータ352)に対して駆動制御が実行される。
このように、1つの情報(変動パターンコマンド)に基づいて、液晶演出用のデータと、役物演出用のデータと、をそれぞれ作成し、その作成されたデータに基づいて複数の演出装置(第3図柄表示装置81、可動役物)に対する演出を実行する場合には、各演出装置にて実行される演出を同期させることにより、より興趣に富んだ演出を実行することが可能となるのだが、上述した各制御例では、音声ランプ制御装置113が各演出装置(表示制御装置114、及び、傾倒装置310)に対してそれぞれ演出に関するデータを出力するため、各演出装置で実行される演出内容を同期させることが困難であるという問題があった。
特に、傾倒装置310のように初期位置と可動位置との間を移動可能に構成された可動役物を可動させる役物演出においては、特定の役物演出を実行するために、可動役物を初期位置から演出開始位置へと移動させるための準備動作や、役物演出終了後に、可動役物を初期位置へと移動させる終了動作を行う必要があるため、1つの情報(変動パターンコマンド)に基づいて複数の演出装置に対する演出を実行する場合に、その変動パターンコマンドに対応する演出が実行される時点の可動役物の位置を考慮すること無く演出を実行してしまうと、液晶演出と、役物演出とずれてしまうという問題があった。
そこで、本第21制御例では、液晶演出(表示演出)と役物演出(駆動演出)とを複合させて実行する複合演出の内容(演出態様)を、その複合演出の実行タイミングにおける可動役物の動作状況に基づいて設定するように構成している。具体的には、複合演出の実行タイミングにおいて、可動役物が所定位置(初期位置)に位置している場合にのみ、複合演出を実行するように構成している。このように構成することで、液晶演出(表示演出)に関する制御指示と、役物演出(可動演出)に関する制御指示とを別個実行したとしても、複合演出として、表示演出と役物演出とがずれてしまうことを抑制することができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本第21制御例では、複合演出の実行タイミングにおいて、可動役物が初期位置に位置していない状況、即ち、前回実行された役物演出によって駆動された可動役物が初期位置へと戻ってきていない状況で複合演出の実行タイミングが到来した場合に、複合演出の演出結果と同等の演出結果を示す表示演出が実行されるように構成している。このように構成することで、複合演出を用いてまで遊技者に報知するべき演出結果を遊技者が認識できないまま遊技を継続する事態を確実に抑制することができる。
ここで、本第21制御例では、上述した複合演出を、大当たり遊技のエンディング期間中に実行するように構成している。演出の詳細な内容については後述するが、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)が実行されることで、大当たり遊技終了後に即座に次ぎの大当たりに当選すること(当選する可能性が高いこと)を遊技者に示唆(報知)するように構成している。
さらに、本制御例では、大当たり遊技中に上述した複合演出(ラスト演出)以外にも、可動役物(傾倒装置310)を駆動させる役物演出が実行されるように構成されており、例えば、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に有利となる確変状態であるか、その確変状態よりも遊技者に不利な遊技状態である通常状態(時短状態)であるか、を報知する役物演出(確変昇格演出)が実行されるように構成している。また、大当たり遊技中の期間を賑やかすための装飾演出としても、傾倒装置310を駆動可能に構成している。加えて、傾倒装置310が様々な動作パターン(動作シナリオ)で可動するように構成している。このように、大当たり遊技中に複数の目的で一つの可動役物(傾倒装置310)を様々な動作態様で駆動させるようにすることで、一の可動役物を複数の用途で用いることができ、演出効果を効率良く高めることができる。
しかしながら、上述したように演出効果を効率良く高めるように構成すればするほど、可動役物が駆動している期間中に、他の役物演出が設定され易くなり(役物演出の実行期間が重複し易くなり)、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。また、可動役物を用いた役物演出が重複して実行されることが無いように、複数の役物演出の実行期間を予め固定してしまうと、役物演出が単調になってしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、役物演出の実行期間が重複してしまう場合には、一方の役物演出を他の演出(例えば、液晶表示装置を用いた表示演出)に切り替えるように構成している。これにより、役物演出の実行期間が重複し得るように演出内容を設定可能にしても、遊技者に分かり易い演出を提供することができ、さらに、多彩な役物演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
次に、図660を参照して、本第21制御例における複合演出を設定する流れについて説明をする。図660は、大当たり遊技中における表示演出と役物演出(操作演出)との流れを示したタイミングチャートである。なお、図660に示した演出の流れのうち、大当たり遊技のオープニング期間に表示されるOP演出、通常のラウンド遊技期間中に表示されるラウンド演出、インターバル期間中に表示されるインターバル演出、の内容については、上述した各制御例にて説明をした内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図660に示した通り、本制御例では、大当たり遊技中に複数の役物演出(操作演出)が実行されるように構成されている。具体的には、大当たり遊技の特定ラウンド(1,8,16の何れかのラウンド)中に、枠ボタン22Aに付随する傾倒装置310(図707参照)が開放(上昇)する動作が実行され、傾倒装置310が完全に開放(上昇)した場合に、枠ボタン22を押下させる第1操作演出と、大当たり遊技のエンディング期間中に、枠ボタン22Aに付随する傾倒装置310(図707参照)が開放(上昇)する動作が実行され、傾倒装置310が完全に開放(上昇)した場合に、枠ボタン22を押下させる第2操作演出と、が実行されるように構成している。
ここで、第1操作演出は、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に報知するための演出結果が付与される演出である確変昇格演出が、第2操作演出は、特別図柄の保留記憶内に、抽選結果が確変大当たり(大当たりB1、或いは、大当たりB2(図440参照))であることを示す入賞情報があるか否かを遊技者に報知するための演出結果が付与される演出である保留連演出が、実行されるように構成している。
例えば、図660(A)に示した流れによれば、大当たり遊技の16ラウンド(最終ラウンド)目に第1操作演出(確変昇格演出)が実行される。ここで、第1操作演出(確変昇格演出)は、傾倒装置310(図707参照)が完全に開放(上昇)するか否かを煽る第1演出期間(約6秒)と、第1演出期間中に傾倒装置310が完全に開放(上昇)し、遊技者が枠ボタン22を押下可能になる第2演出期間(約2秒)と、第2演出期間中に遊技者が枠ボタン22を押下した場合、或いは、第2演出期間が経過した場合に、傾倒装置310を初期位置へと移動させる第3演出期間(約2秒)と、で形成されている。
一方、大当たり遊技中のラウンド遊技は、30秒の経過、或いは、特定入賞口65Aに球が10個入賞した場合に終了するように構成されている。よって、ラウンド遊技中の入賞具合によっては、図660(A)に示したように、16ラウンド(最終ラウンド)終了時点で第1操作演出(確変昇格演出)が終了していない場合(傾倒装置310が初期位置に位置していない場合)がある。また、例えば、16ラウンド(最終ラウンド)の終了条件が成立した時点で、途中段階であったとしても第1操作演出を強制的に終了するように構成したとしても、強制的に終了した状態の傾倒装置310を初期位置まで移動させるための期間が必要となることから、16ラウンド(最終ラウンド)終了時点で傾倒装置310を初期位置に位置させることができない。
このように、16ラウンド(最終ラウンド)終了時点、或いは、エンディング期間の開始時点において、操作演出の対象となる可動役物(傾倒装置310)が、初期位置に位置していない場合は、エンディング期間中に第2操作演出である保留連演出(ラスト演出)を実行する条件が成立していたとしても、傾倒装置310を用いた操作演出を実行すること無く、第3図柄表示装置81を用いた表示演出のみでラスト演出を実行するように構成している。
これにより、第1操作演出(確変昇格演出)に対応する操作演出が完全に終了していない(第1操作演出によって駆動した可動役物(傾倒装置310)が初期位置に位置していない)状態で、保留連演出(ラスト演出)の実行タイミングになったとしても、表示演出のみを用いてラスト演出を実行することができるため、遊技者に保留連演出を体感させることができる。
また、本制御例では、先に実行される第1操作演出よりも、後に実行される第2操作演出のほうが、遊技者に対して有利な特典が付与される演出結果となり得る演出が実行されるように構成している。よって、本制御例のように構成することで、先に実行される第1操作演出の実行状況によって、その第1操作演出よりも遊技者に有利な演出結果となり得る第2操作演出が実行されなくなる、或いは、第2操作演出における操作演出と表示演出とがズレてしまい演出効果が低下してしまうという問題が発生することも抑制することができる。
加えて、詳細は後述するが、本制御例では、大当たり遊技中に確変昇格演出よりも、保留連演出のほうが実行され難くなるように各演出の実行条件が設定されている。よって、本制御例のように構成することで、実行され易い演出によって、実行され難い演出の実行が阻害されてしまうという問題が発生することも抑制することができる。
一方、図660(B)に示した通り、大当たり遊技の1ラウンド目に第1操作演出(確変昇格演出)が実行される場合は、1ラウンド目からの所定期間を用いて確変昇格演出を遂行し、その後、傾倒装置310を初期位置に位置させた状態で16ラウンド(最終ラウンド)を終了することができるため、エンディング期間中に実行される保留連演出(ラスト演出)を、可動役物(傾倒装置310)を用いた第2操作演出と、第3図柄表示装置81を用いた表示演出と、を同期させて実行することができる。
次に、図661から図663を参照して、上述した大当たり遊技中の操作演出(第1操作演出、第2操作演出)が実行される場合における第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図661から図663を用いて説明をする一例では、大当たりB2(16ラウンド確変で偶数図柄(666)の大当たり)に基づく大当たり遊技中における表示例を示している。なお、図661から図663は、大当たり中の表示画面の一例を示すものであり、本制御例における特徴的な表示態様のみを記載し、上述した各制御例において説明をした大当たり遊技中の表示画面に表示される各要素(例えば、大当たり中の賞球数や、確変状態、或いは、時短状態中に大当たりに当選した累積回数(連チャン回数)を示す要素)については、同一の内容であるため、その記載を省略している。
図661(A)は、確変昇格演出の第1演出期間中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される一例を示した模式図であって、図661(B)は、確変昇格演出の第2演出期間中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される一例を示した模式図である。そして、図662は、確変昇格演出の第2演出期間中に遊技者が枠ボタン22Aを押下した場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される一例を示した模式図である。
まず、確変昇格演出(第1操作演出)が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面に「ボタンが飛び出せばチャンス」のコメントが表示される。そして、枠線内に示したように、傾倒装置310が開放方向(上方向)、閉鎖方向(下方向)へと小刻みに揺動動作される(図661(A)の枠線内では、説明の便宜上枠ボタン22Aが上下方向に小刻み揺動する状態を記載)。
そして、図661(A)の状態から、傾倒装置310が完全に開放(上昇)すると、図661(B)に示したように、第3図柄表示装置81の表示画面に上昇した枠ボタン22Aを示すボタン表示態様が表示されると共に、枠ボタン22Aを押下することを促す「押せ」のコメントが表示される。なお、図661(B)の枠線内では、説明の便宜上枠ボタン22Aが完全に突出した状態を記載することで、傾倒装置310が完全に開放(上昇)し、遊技者が枠ボタン22Aを押下可能な状態であることを示している。
図661(B)に示した状態で遊技者が枠ボタン22Aを押下すると、今回の大当たりが確変大当たりであったことを示すための確変昇格態様として、大当たり時の第3図柄表示「666」の近傍に、「超」の文字が大当たり遊技の終了まで表示される。そして、表示画面中央部に「ラッキー」の文字が表示される(図662参照)。そして、突出した状態の枠ボタン22Aを押下すると、図662の枠線内に示したとおり、枠ボタン22Aは、初期状態(下降状態)に位置する。このように、確変昇格態様(「超」)を表示画面に常に表示させておくことにより、遊技者に対して今回の大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、確変昇格演出が終了した後も遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本制御例では、確変昇格態様として「超」の文字を付す表示態様を用いているが、これに限ること無く、例えば、第3図柄「666」の表示色を大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す表示色(例えば、虹色)に可変させたり、表示画面に大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す表示色(例えば、虹色)の表示態様(例えば、キャラクタ)を表示したりするように構成しても良い。また、本制御例では、大当たり当選時の第3図柄「666」を可変させることなく、確変昇格態様を付すように構成することで、どの第3図柄の表示態様で大当たりに当選したのかを遊技者が分かり易くするように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選時の第3図柄「666」を、確変大当たりであることを示す表示態様(例えば「777」)に可変させるように構成しても良い。
詳細な図示は省略するが、本制御例では、今回の大当たりが大当たりA(16ラウンド、時短100回)である場合であっても、上述した確変昇格演出が実行されるように構成されており、この場合は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることが無いため、図661(B)の状態で遊技者が枠ボタン22Aを押下した場合に、図662に示した表示画面に替えて、確変昇格演出が失敗したことを示す「残念」の文字が表示される。なお、大当たりB2(16ラウンド確変で偶数図柄(666)の大当たり)である場合の一部においても、確変昇格演出が失敗したことを示す「残念」の文字が表示されるように構成しても良い。これにより、確変昇格演出が失敗したとしても、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合があるため、遊技者に対して大当たり遊技が終了するまで期待を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、確変昇格演出の失敗パターンとして、傾倒装置310(図707参照)が完全に開放(上昇)するか否かを煽る第1演出期間(約6秒)中に実行される演出のみを実行し、その後、傾倒装置310を初期位置へと移動(退避)させる煽り演出を実行するように構成している。そして、この煽り演出は、確変昇格演出の実行条件以外の演出条件(例えば、ラウンド遊技の開始タイミングで実行される演出抽選に当選した場合や、ラウンド遊技中に特定入賞口65Aに所定数以上の球が入賞した場合や、大当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22Aに対して特定の操作を行った場合に成立する条件)が成立した場合にも実行されるように構成している。
このように構成することで、確変昇格演出が実行されたか否かを遊技者に分かり難くすると共に、煽り演出が実行された時点で、傾倒装置310が完全に開放(上昇)することに対して、遊技者に期待を持たせることができる。また、煽り演出が実行される頻度を高めることができるため演出効果を高めることができる。なお、この場合、確変昇格演出の第1演出期間中、即ち、煽り演出中に図661(A)で示した表示態様(煽り演出表示)を実行する演出融合パターンと、可動役物(傾倒装置310)のみ煽り演出を実行させる役物演出パターンと、を実行可能に構成すると良い。これにより、今回の煽り演出が確変昇格演出の一部であるのか、確変昇格演出の実行条件以外の演出条件(例えば、ラウンド遊技の開始タイミングで実行される演出抽選に当選した場合や、ラウンド遊技中に特定入賞口65Aに所定数以上の球が入賞した場合や、大当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22Aに対して特定の操作を行った場合に成立する条件)が成立した場合に実行される煽り演出であるのかを遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図663を参照して、保留連演出中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容について説明をする。図663(A)は、保留連演出中において、傾倒装置310が完全に開放(上昇)した状態である場合に表示される表示画面の一例を示した模式図であって、図663(B)は、図663(A)の状態で枠ボタン22Aを押下した際に表示される表示画面の一例を示した模式図である。
本制御例では、大当たりのエンディング期間が開始されるタイミングで、保留記憶されている入賞情報を分析(判別)し、その分析(判別)結果として、確変大当たりに当選することを示す情報が保留記憶されている入賞情報に含まれている場合に、保留連演出を実行するように構成している。この保留連演出が実行されると、図663(A)に示した通り、エンディング期間中に傾倒装置310(枠ボタン22A)が完全に開放(上昇)し(図663の枠線内参照)、表示画面内に、完全に上昇した枠ボタン22Aを示すボタン表示態様と、枠ボタン22Aを押下することを遊技者に促すための「押せ」の文字が表示される。なお、図663(A)では、大当たり遊技中の状態がエンディング期間であることを示す「エンディング」の文字が表示画面の左上に表示される。
そして、図663(A)の状態で枠ボタン22Aを押下すると、保留連演出が成功したことを示す「超ラッキー」の文字が表示されると共に、表示画面内に多くの魚を模したキャラクタが画面を横切る動画が再生される。また、大当たり当選時の第3図柄「666」の縁が保留連演出の成功を示す成功表示態様に可変される。これにより、保留連演出が成功したことを(保留記憶内に確変大当たりがあることを)遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本制御例では、保留記憶内に確変大当たりがあると判別されることが保留連演出の実行条件として設定しており、実行中の大当たり遊技が確変大当たりであるか否かには関係無く保留連演出が実行可能としている。これにより、例えば、大当たり遊技中に確変昇格演出が実行され失敗したとしても(今回の大当たりが確変大当たりでは無い可能性が高い場合だとしても)、保留連演出が実行される可能性を残すことができるため、最後まで遊技者に期待を持たせながら遊技を行わせることができる。また、大当たり遊技中に実行された確変昇格演出が成功した場合は、大当たり遊技終了後に大当たり確率が高確率となる確変状態が設定されることから、保留記憶内に確変大当たりに当選する入賞情報が含まれ易くなる。よって、大当たり遊技中の確変昇格演出に成功した遊技者は、保留連演出が実行される期待感を高めながら大当たり遊技の最後まで遊技を行うことができる。
本制御例では、エンディング期間が開始する時点で保留記憶内に確変大当たりがあるこが保留連演出の実行条件としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時点や、特定のラウンド遊技が開始される時点や終了する時点といった、大当たり遊技中の所定タイミング、或いは、大当たり当選した特図変動が停止したタイミングにて保留記憶されている保留記憶内に確変大当たりがあることを保留連演出の実行条件として設定しても良い。また、保留記憶内に大当たりを示す入賞情報が複数存在する場合には、その大当たりが確変大当たりでは無くても保留連演出を実行するように構成しても良いし、保留連演出の演出態様を、保留記憶内に含まれる大当たりを示す入賞情報の数に応じて可変設定するように構成しても良い。
<第21制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図664から図668を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。本第21制御例では、上述した第15制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図664を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113のMPU211のROM222の内容について説明をする。図664は音声ランプ制御装置113のROM222に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図664に示した通り、本第21制御例のROM222は、上述した第15制御例のROM222(図548参照)に対して、特賞中操作演出選択テーブル222IAと、特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IBと、操作演出実行タイミング選択テーブル222ICと、を追加した点で相違している。それ以外は同一であるため、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特賞中操作演出選択テーブル222IAは、大当たり遊技中に操作演出(確変昇格演出)を実行するか否か、及び、実行される操作演出の演出態様を選択する際に用いられるデータテーブルであって、本制御例では、大当たり遊技中に確変昇格演出を実行するか否か、及び、確変昇格演出の演出態様(枠ボタン22Aを押下可能な状態まで進展する演出態様か、枠ボタン22Aを押下できないまま終了する煽り演出態様)を選択する場合に参照されるものである。
ここで、特賞中操作演出選択テーブル222IAの内容について、図666(A)を参照して説明をする。図666(A)は、特賞中操作演出選択テーブル222IAに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図666(A)に示した通り、特賞中操作演出選択テーブル222IAには、当選した大当たりの大当たり種別と、取得した演出カウンタ223Hの値と、に基づいて、異なる傾倒動作シナリオが規定されている。
具体的には、大当たり種別が「大当たりA(16ラウンド、時短当たり)」で、取得した演出カウンタ223Hの値が「0〜9」の範囲に「傾倒動作シナリオB」が規定され、「10〜99」の範囲に「傾倒動作シナリオC」が規定される。そして、「100〜199」の範囲は、傾倒動作シナリオを設定しないように規定されている。
ここで、特賞中操作演出選択テーブル222IAにて規定される傾倒動作シナリオについて簡単に説明をすると、この傾倒動作シナリオは、可動役物である傾倒装置310を駆動させるための動作シナリオを規定するものであって、傾倒動作シナリオが設定されてから傾倒装置310の駆動開始となる契機を判定するタイマ値となる操作演出開始時間(操作演出開始期間)T1と、傾倒装置310の動作時間(動作期間)を設定するための傾倒動作タイマ223DBのタイマ値T2とが設定されている。即ち、特賞中操作演出選択テーブル222IAより選択される動作データ(シナリオ)によって、傾倒装置310を使用する演出の実行可否と、実行する場合には、傾倒装置310を使用した操作演出の開始タイミングと、操作演出内容と、が設定される。
なお、詳細は後述するが、各傾倒動作シナリオには、傾倒装置310の動作態様を異ならせた情報を有しており、上述したタイマ値T2の進行に基づいて、様々な動作態様で傾倒装置310を動作可能に構成している。
図666に戻り、説明を続ける。大当たり種別が「大当たりB1(16ラウンド、確変、奇数図柄大当たり)」で、取得した演出カウンタ223Hの値が「0〜199」の範囲で傾倒動作シナリオを設定しないように規定されている。つまり、本制御例では、大当たり遊技中に実行される操作演出として、確変昇格演出(図661、及び図662参照)を実行可能に構成しており、この確変昇格演出は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりであることを遊技者に示唆(報知)するための演出である。
つまり、大当たり時(大当たりを示す表示態様で特別図柄が停止表示された時)に、第3図柄が確変大当たりであることを示す表示態様である奇数図柄で停止表示される「大当たりB1」では、大当たり遊技中に確変昇格演出を実行したとしても遊技者に対して意味の無い演出を提供するだけとなり遊技意欲の低下を招く虞があるため、特賞中操作演出選択テーブル222IAを用いて操作演出(傾動動作シナリオ)が選択されないように構成している。これにより、遊技者に対して意味の無い演出を実行することによる遊技意欲の低下を抑制することができる。
次に、大当たり種別が「大当たりB2(16ラウンド、確変、偶数図柄大当たり)」で、取得した演出カウンタ223Hの値が「0〜49」の範囲に「傾倒動作シナリオB」が規定され、「50〜149」の範囲に「傾倒動作シナリオC」が規定されている。そして、「150〜199」の範囲は、傾倒動作シナリオを設定しないように規定されている。また、大当たり種別が「大当たりC(2ラウンド、確変)」でが、取得した演出カウンタ223Hの値が「0〜199」の範囲、即ち、全範囲に「傾倒動作シナリオの設定無し」が規定されている。この「大当たりC」は、他の大当たり遊技よりも大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数が少なく(2ラウンド)設定されており、且つ、本制御例では、そのラウンド数(2ラウンド)の大当たり遊技が実行された後には、必ず確変状態が設定されるように構成している。
よって、「大当たりC」は、上述した「大当たりB1」と同様に、大当たり遊技の遊技態様を把握することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることが明確な大当たりであることから、特賞中操作演出選択テーブル222IAを用いて操作演出(傾動動作シナリオ)が選択されないように構成している。これにより、遊技者に対して意味の無い演出を実行することによる遊技意欲の低下を抑制することができる。また、少ないラウンド数内において、操作演出を実行することにより、大当たり遊技中の演出態様が煩雑になることを抑制することができる。
ここで、特賞中操作演出選択テーブル222IAに規定されている傾倒動作シナリオ種別の内容について簡単に説明をする。なお、傾動動作シナリオの内容のうち、上述した第15制御例と同一の箇所についてはその詳細な説明を省略する。本制御例では、特賞中操作演出選択テーブル222IAに規定されている傾倒動作シナリオ種別として、傾倒動作シナリオBと、傾倒動作シナリオCと、を有している。傾倒動作シナリオBは、上述した第15制御例制御例にて用いた傾倒動作シナリオBと同一の動作で傾倒装置310を可動させるものであって、傾倒装置310を可動させるための準備駆動を実行する準備期間、傾倒装置310を上下方向(開閉方向)に3回繰り返して可動させる煽り駆動を実行する煽り演出期間、傾倒装置310を完全に開放(上昇)させた状態で所定期間待機させる押下演出期間、が設定されるように傾倒装置310を可動させるためのシナリオが規定されている。
一方、傾倒動作シナリオCには、上述した傾動動作シナリオBの一部分のみを実行する動作シナリオが規定されており、傾倒装置310を可動させるための準備駆動を実行する準備期間、傾倒装置310を上下方向(開閉方向)に3回繰り返して可動させる煽り駆動を実行する煽り演出期間が設定された後に、傾倒装置310を初期位置へと可動させるシナリオを規定されている。つまり、傾倒動作シナリオBが設定された場合は、大当たり遊技中に、遊技者に枠ボタン22Aを押下させる確変昇格演出(図661(B)参照)が実行され、傾倒動作シナリオCが設定された場合は、大当たり遊技中に枠ボタン22Aを押下させない煽り演出(図661(A)参照)が実行されるように構成している。
そして、上述した通り、傾倒動作シナリオCが設定された場合に実行される傾倒装置310に対する準備駆動(準備期間)、及び、煽り駆動(煽り演出期間)は、傾倒動作シナリオBと同一内容となるように規定しているため、傾倒装置310(枠ボタン22A)の煽り駆動(煽り演出)が実行された場合に、その後、枠ボタン22Aを押下することができるのか否かを遊技者に分かり難くすることができる。よって、煽り演出が実行される旅に、確変昇格演出への期待感を持たせることができる。
また、特賞中操作演出選択テーブル222IAには、上述した第15制御例の操作演出選択テーブル222DAと同様に、各傾倒動作シナリオに対して、操作演出開始時間(操作演出開始期間)T1と、傾倒装置310の動作時間(動作期間)を設定するための傾倒動作タイマ223DBのタイマ値T2とが規定されており、傾倒動作シナリオBでは、操作演出開始時間TIとして1000ミリ秒(1秒)、タイマ値T2として7900ミリ秒(7.9秒)が規定され、傾倒動作シナリオCでは、操作演出開始時間TIとして1000ミリ秒(1秒)、タイマ値T2として5200ミリ秒(5.2秒)が規定されている。つまり、上述した第15制御例の操作演出選択テーブル222DAに規定されている各傾倒動作シナリオよりも、操作演出開始時間TIとして設定される期間が短くなるように規定されている。
つまり、上述した操作演出選択テーブル222IAを参照して選択された傾倒動作シナリオに基づく可動役物を用いた演出は、特図変動中に実行されるものであり、第3図柄表示装置81の表示画面上で実行される変動表示に併せて可動役物を可動させる必要があるため、操作演出開始時間TIに対して所定の猶予期間を設ける必要があったが、特賞中操作演出選択テーブル222IAを参照して選択された傾倒動作シナリオに基づく可動役物を用いた演出は、大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行されるものであるため、ラウンド遊技開始直後から実行したとしても遊技者に違和感を与えることが無いためである。このように構成することで、ラウンド遊技が開始された直後から可動役物を可動させる演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。また、早期に可動役物を可動させる演出を実行することで、特定期間(ラウンド遊技期間)内に可動役物を用いた演出を終了させ易くすることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、特賞中操作演出選択テーブル222IAを用いて選択される傾倒動作シナリオとして、傾倒動作シナリオBが選択される割合を、大当たり種別が「大当たりA」である場合よりも「大当たりB2」である場合のほうが高くなるように設計している。具体的には、選択割合が5倍高くなるように構成している。このように構成することで、傾倒動作シナリオBが設定され、枠ボタン22Aが押下可能な状態が提供された時点で、今回の大当たりが確変大当たりである可能性を高めることができる。
よって、大当たり遊技中に煽り演出が実行されると、その煽り演出(図661(A)参照)が進展して、枠ボタン22Aの押下可能状態(図661(B)参照)へと移行することを遊技者に期待させながら大当たり中の遊技を行わせることができる。さらに、枠ボタン22Aの押下可能状態となった場合に、高い確率で確変昇格演出を成功させることができるため、意欲的に枠ボタン22Aを押下させることができ、遊技者の演出に対する参加意欲を高めることができる。
また、詳細な説明は省略するが、本制御例では、上述した特賞中操作演出選択テーブル222IAを参照して傾倒動作シナリオCを選択する以外にも、特定の演出条件が成立した場合(例えば、ラウンド遊技の開始タイミングで実行される演出抽選に当選した場合や、ラウンド遊技中に特定入賞口65Aに所定数以上の球が入賞した場合や、大当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22Aに対して特定の操作を行った場合等)に傾動動作シナリオCを設定可能に構成している。これにより、確変昇格演出が設定された場合(特賞中操作演出選択テーブル222IAにより傾動動作シナリオを選択する場合)以外にも、煽り演出を実行することが可能となるため、確変昇格演出が煽り演出で終了したのか、確変昇格演出以外の煽り演出が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、大当たり遊技の最後まで確変昇格演出が成功する演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IBは、大当たり遊技中に実行される傾倒装置310に対する動作内容が格納されたデータテーブルである。具体的な内容について、上述した第15制御例と同一の箇所については、その詳細な説明を省略するが、特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IB、特賞中操作演出選択テーブル222IAにて選択された傾倒動作シナリオの種別や傾倒動作シナリオを実行した後に、傾倒装置320を原点へ復帰させるための原点検出動作テーブルBを設定するためのデータテーブルが設定されている。
ここで、図666(B)を参照して特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IBの内容について説明をする。図666(B)は、特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IBに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図666(B)に示した通り、特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IBには、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1、原点検出動作Bテーブル222DB4、エンディング用シナリオテーブル222IB2を有している。このうち、特賞中傾倒動作シナリオテーブル222IB、及び、原点検出動作Bテーブル222DB4については、上述した第15制御例と同一の内容であるためその詳細な説明を省略する。
傾倒動作シナリオCテーブル222IB1は、傾倒装置310(枠ボタン22A)が上下方向に小刻みに揺動する煽り演出を実行した後に、初期位置へと移動する動作シナリオが規定されているものであって、上述した第15制御例の傾倒動作シナリオBテーブル222DB2に規定されている動作シナリオを部分的に転用した内容である。
ここで、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1に規定されている内容について、図667(A)を参照して説明をする。図667(A)は、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この傾倒動作シナリオCテーブル222IB1は、大当たり遊技の開始時に、特賞中操作演出選択テーブル222IAの抽選により設定される。そして、傾倒動作シナリオCが設定されてから、特賞操作演出選択テーブル222IAにて設定した操作演出開始時間を経過した場合に、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1の動作が開始される。
傾倒動作シナリオCテーブル222IB1は、動作ポインタが「1」から順に、傾倒動作タイマ223DBの時間の経過に対応された所要時間の間、動作ポインタに対応する動作内容を読み出し(図561のZ2953参照)て、動作ポインタが「10」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)まで、定義された動作を行う。
具体的には、操作演出開始時間(1000ミリ秒)経過した場合に、動作ポインタが「1」の動作データ(500MSの間は50ステップを前転方向へ可動)が実行され、係止外しとなり、動作ポインタが「2」の動作データ(3000MSの間は停止)が実行され、待機を行い、動作ポインタが「3」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「4」の動作データ(200MSの間は20ステップを後転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「5」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「6」の動作データ(200MSの間は20ステップを後転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「7」の動作データ(200MSの間は20ステップを前転方向へ可動)が実行され、動作ポインタが「8」の動作データ(200MSの間は20ステップを後転方向へ可動)が実行され、この動作ポインタ「3」から「8」の3回の反復した動作を煽り動作(煽り演出)として、動作ポインタが「9」の動作データ(500MSの間は50ステップを後転方向へ可動)が実行され、傾倒装置310を初期位置まで移動させ、動作ポインタが「10」となり動作を終了する。
このように構成することで、大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に傾倒装置310が煽り動作(煽り演出)を行い(図661(A)参照)、遊技者に対して、この後、傾倒装置310が完全に開放(上昇)することを示唆することができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本制御例では、煽り演出として特定の煽り動作(動作ポインタ「3」から「8」の動作)のみ規定しているが、これに限ること無く、例えば、反復動作の回数や、反復動作される位置(傾倒装置310の開放状態)を異ならせた複数の煽り演出を実行するように構成しても良い。この場合、確変昇格演出のうち、成功演出(図662参照)が実行される確変昇格演出として実行され易い煽り演出の演出態様(成功演出態様)、例えば、反復動作の回数が7回の煽り演出の演出態様を設定するように構成することで、実行される煽り演出の演出態様に対しても遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができる。
上述した通り、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1に定義されている内容は、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2に定義されている内容に対して、前半部分(煽り演出が終了する部分)までは同一内容とし、それ以降の定義内容を異ならせるように構成している。具体的には、煽り演出が終了した後に、そのまま傾倒装置310を初期位置へ位置させるように定義されている。
このように構成することで、煽り演出が実行されている最中までは、今回の煽り演出が期待度の高い確変昇格演出(枠ボタン22Aを押下可能となる確変昇格演出)であるか、期待度の低い確変昇格演出(枠ボタン22Aを押下することが出来ない確変昇格演出)であるかを遊技者に分かり難くすることができるため、演出結果を遊技者に先に把握されてしまうことを抑制することで、演出効果の低下を抑制することができる。
また、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2とは異なり、遊技者に枠ボタン22Aを押下させるための期間に対応させて傾倒装置310(枠ボタン22A)を特定位置(最も開放(上昇)した位置)で待機させておく必要がないため、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1内に傾倒装置310(枠ボタン22A)を初期位置まで戻すための動作も定義付けしておくことができる。よって、可動役物(傾倒装置310)の動作開始から動作終了までを一連の動作シナリオに基づいて実行することができ、役物動作を円滑に実行することができる。なお、本制御例では、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1にて傾倒装置310(枠ボタン22A)を初期位置まで戻すように構成しているが、これに限ること無く、傾倒動作シナリオBテーブル222DB2を用いた役物動作と同様に、初期位置(原点位置)に復帰させるための動作シナリオを別途設けても良い。
図666(B)に戻り説明を続ける。エンディング用シナリオテーブル222IB2は、大当たり遊技のエンディング期間中に実行される操作演出に対する傾倒装置310への動作内容を定義したシナリオテーブルであって、大当たり遊技のエンディング期間開始時に所定の演出条件が成立している場合に(保留記憶内に確変大当たりを示す入賞情報が含まれており、且つ、可動役物(傾倒装置310)が初期位置に位置している場合に)、設定される。
このエンディング用シナリオテーブル222IB2は、上述した傾倒動作シナリオの各種テーブルとは異なり、操作演出開始時間T1が設定されないため、エンディング用シナリオテーブルが設定されると(図673のZ8514)、傾倒動作タイマ223DBに対応する値が設定され、傾倒動作シナリオCテーブル222IB1の動作が開始される(図670のZ2992参照)。
エンディング用シナリオテーブル222IB2は、動作ポインタが「1」から順に、傾倒動作タイマ223DBの時間の経過に対応された所要時間の間、動作ポインタに対応する動作内容を読み出し(図561のZ2953参照)て、動作ポインタが「6」となる(傾倒動作タイマ223DBが0となる)まで、定義された動作を行う。
具体的には、上述した第15制御例の傾倒動作シナリオA222DB1の一部動作内容と同様の内容が定義されておりエンディング用シナリオが設定されると駆動モータ342が後転方向(図724における右回り方向)に210ステップ回転することで、円盤カム344が原点位置(図724の位置)から右回りに210度回転し、図732に示すカム外し位置まで移動される(動作ポインタ1(図667(B)参照))。その後、0.5秒(500MS)間、駆動モータ342が停止状態となる(動作ポインタ2(図667(A)参照))。0.5秒間の停止期間の後、駆動モータ342が前転方向(図732における反時計回り方向)に20ステップ回転することで、円盤カム344が反時計回り方向に20度回転して係止外し位置(図734参照)まで移動される(動作ポインタ3(図667(B)参照)。
ここで、カム外し位置から係止外し位置へと移動する場合には、上述した図733で示すように、解除部材346が下方(反時計回り方向)へと回動されることで、回転爪部材347が時計回り方向へと回動されて、傾倒部材320と回転爪部材347との係止(係合)が解除されて、傾倒装置310がねじりばね315による付勢力により上昇される。この場合に、ボイスコイルモータ352も駆動動作されることにより、前後方向の助力が傾倒装置310に付与されて、上昇力が増加されて上昇スピードが向上するように構成されている。0.5秒間、駆動モータ342が停止動作されて、傾倒装置320が最上昇位置へと移動するまでの期間が待機される(動作ポインタ4(図667(B)参照))。
その後、3秒間、駆動モータ342が停止され(動作ポインタ5(図667(A)参照))、傾倒装置310が最上昇位置に待機する。その後、1.9秒間、駆動モータ342が前転方向(図732における反時計回り方向)に190ステップ回転することで、傾倒装置310が初期位置(原点位置)へと移動(下降)する方向へと駆動力が伝達される。
このように、本制御例では、上述した第15制御例の傾倒動作シナリオAテーブル222DB1と同様に、傾倒装置310の上昇スピードを向上させることができるため、エンディング期間中に実行される可動役物(傾倒装置310)を用いた役物演出を迫力のある演出とすることができる。また、エンディング期間という限られた期間内において、いち早く可動役物(傾倒装置310)を、最上昇位置へと移動(上昇)させることができるため、最上昇位置へと移動させた後に実行される演出の期間を長くすることができ、多彩な演出を実行することができる。
なお、本制御例では、エンディング期間が開始されてからエンディング用シナリオを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、エンディング期間が設定されるよりも前にエンディング用シナリオを設定し、エンディング期間の開始時に、エンディング用シナリオの動作ポインタ2の動作が完了している状態となるように構成しても良い。このように構成することで、エンディング期間を開始してから、可動役物(傾倒装置310)が最上昇位置へと移動するまでの期間をより短縮することができる。
また、本第21制御例では、エンディング用シナリオテーブル222IB2が設定されることにより、傾倒装置310の動作開始(初期位置(原点位置)からの動作)から、動作終了(初期位置(原点位置)への動作)までの一連の動作を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、上述した第15制御例の各種シナリオテーブルのように、動作開始用のシナリオテーブルと、動作終了用のシナリオテーブルとを分けて設けても良い。
さらに、本第21制御例では、傾倒装置310が最上昇位置で待機している3秒間を、遊技者が枠ボタン22Aを押下可能な操作有効期間として設定するように構成しており、その操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22Aを押下した場合には、操作有効期間をクリア、エンディング用シナリオテーブル222IB2に対応する傾倒動作タイマ223DBの値を、3秒間の待機状態が終了する値まで減算するように構成している。このように構成することで、操作有効期間中に枠ボタン22Aを押下したことで操作有効期間が終了した場合と、操作有効期間中に枠ボタン22Aを押下すること無く、時間経過によって操作有効期間が終了した場合とで、共通のシナリオを用いて可動役物の終了動作を実行することができる。
図664に戻り説明を続ける。操作演出実行タイミング選択テーブル222ICは、大当たり遊技中のどのタイミング(ラウンド遊技)で操作演出(確変昇格演出)を実行するのかを判別するためのデータテーブルであって、大当たり遊技の開始時に参照され(図671のZ8301参照)、確変昇格演出の実行タイミングが選択される。ここで選択された実行タイミングは、特賞中動作情報記憶エリア223IBに格納され、大当たり遊技が進行し、実行タイミングとして設定されたラウンド遊技に到達した場合に、確変昇格演出が実行される。
ここで、図668を参照して、操作演出実行タイミング選択テーブル222ICの内容について説明をする。図668は操作演出実行タイミング選択テーブル222ICに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図668に示した通り、操作演出実行タイミング選択テーブル222ICには、大当たり種別と、演出タイミングカウンタ223IAの値と、に対応させて、異なる実行タイミングが規定されている。
具体的には、大当たり種別が「大当たりA」であり、演出タイミングカウンタ223IAの値が「0〜39」の範囲には、実行タイミングとして「1ラウンド目」が、「40〜109」の範囲には、実行タイミングとして「8ラウンド目」が、「110〜199」の範囲には、実行タイミングとして「16ラウンド目」が規定されている。つまり、大当たり種別が「大当たりA」の場合に、操作演出(確変昇格演出)が実行される場合には、20%の割合で1ラウンド目に、35%の割合で8ラウンド目に、45%の割合で16ラウンド目に操作演出(確変昇格演出)が実行されるように規定されている。
このように構成することで、大当たり遊技の終盤(16ラウンド目)に確変昇格演出が実行され易いように構成しているため、大当たり遊技の前半部分で確変昇格演出として失敗演出が実行されてしまい、大当たり遊技の残期間中における遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、確変昇格演出が実行されるタイミングを大当たり遊技の全般に渡って設定することができるため、どのタイミングで確変昇格演出が実行されるのかを遊技者に予測させ難くすることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に確変昇格演出を1回のみ実行するように構成しているが、これに限ること無く、確変昇格演出を複数回実行し得るように、操作演出実行タイミング選択テーブル222ICに、複数の実行タイミングを規定するように構成しても良い。この場合、例えば、特賞中操作演出選択テーブル222IAにて、大当たり遊技中に実行される確変昇格演出の演出態様を複数選択できるように構成し、大当たり遊技中に実行される確変昇格演出の演出態様を異ならせるように構成すると良い。これにより、より多彩な確変昇格演出を、様々なタイミングで実行することができるため、遊技者が大当たり遊技中の遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本制御例では、確変昇格演出の実行タイミングとして何れかのラウンド遊技の開始タイミングを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラウンド遊技間に設定されるインターバル期間の開始タイミングや、ラウンド遊技において特定入賞口65Aに入賞した球が所定数(例えば、5個)となった場合や、大当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22Aに対して特定の操作を実行した場合や、大当たり遊技中に一般入球口63に球を入球させた場合を開始タイミングの一つとして設定できるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対してより予測され難いタイミングで確変昇格演出を実行させることができるため、演出効果を高めることができる。
図668に戻り説明を続ける。大当たり種別が「大当たりB1」である場合は、取得した演出タイミングカウンタ223IAの値が「0〜199」の範囲、即ち、全範囲において、実行タイミングが設定されることが無いように規定している。つまり、本制御例では、特賞中操作演出選択テーブル222IAにおいて、大当たり種別が「大当たりB1」で有る場合には操作演出(確変昇格演出)が選択されないように構成しているため、操作演出実行タイミング選択テーブル222ICにおいても、実行タイミングが選択されないように構成している。このように構成することで、万が一、「大当たりB1」であるにも関わらず、確変昇格演出が選択されてしまったとしても、その確変昇格演出が実行されてしまうことを確実に防止することができる。
次に、大当たり種別が「大当たりB2」であり、演出タイミングカウンタ223IAの値が「0〜19」の範囲には、実行タイミングとして「1ラウンド目」が、「20〜99」の範囲には、実行タイミングとして「8ラウンド目」が、「100〜199」の範囲には、実行タイミングとして「16ラウンド目」が規定されている。つまり、大当たり種別が「大当たりB2」の場合に、操作演出(確変昇格演出)が実行される場合には、10%の割合で1ラウンド目に、40%の割合で8ラウンド目に、50%の割合で16ラウンド目に操作演出(確変昇格演出)が実行されるように規定されている。
つまり、確変昇格演出において成功演出が実行される「大当たりB2」では、上述した「大当たりA」よりも、大当たり遊技が進行するにつれて確変昇格演出が実行され易くなるように構成している。よって、確変昇格演出が実行されるタイミングが遅くなればなるほど、今回の大当たりが確変大当たり(「大当たりB2」)であることに期待を持たせることができる。
なお、本制御例では、「大当たりA」に基づく確変昇格演出の実行タイミング(1,8,16ラウンド)と、「大当たりB2」に基づく確変昇格演出の実行タイミング(1,8,16ラウンド)と、で同一のラウンド数の中から実行タイミングを選択するように構成しているが、これに限ること無く、「大当たりB2」に基づく確変昇格演出のみ実行し得るラウンド数(例えば、7ラウンド)を設定するように構成しても良い。このように構成することで、確変昇格演出がどのタイミングで実行されるかについて遊技者により注視させることができる。さらに、大当たり種別として「大当たりC」が設定されている場合は、上述した「大当たりB1」と同様に、実行タイミングが設定されないように構成している。
次に、図665を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容について説明をする。図665は、本第21制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図665に示した通り、本第21制御例におけるRAM223は、上述した第15制御例のRAM223(図549)に対して、演出タイミングカウンタ223IA、特賞中動作情報記憶エリア223IBを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
演出タイミングカウンタ223IAは、上述した演出カウンタ223Hと同様のループカウンタで形成されるものであり、音声ランプ制御装置113のメイン処理が実行される毎に(1ミリ秒毎)にその値が更新されるものである。演出タイミングカウンタ223IAは、大当たり遊技の開始時点で実行されるオープニング処理11(図671のZ8301)にて演出タイミングカウンタ223IAの値が取得され(図671のZ8314)、その取得した値に応じて、操作演出実行タイミング選択テーブルに基づいて大当たり遊技中の操作演出の実行タイミングが選択される。
なお、演出タイミングカウンタ223IAと、演出カウンタ223Hは、何れも「0〜199」の範囲を1ミリ秒毎に更新するループカウンタで形成されているものであるが、同一の値が取得され難くなるように、更新内容を異ならせている。具体的には、1回の更新により加算される値がそれぞれ異なる素数となるように構成している。これにより、演出タイミングカウンタ223IAの値と、演出カウンタ223Hの値とが、同期しながら更新されることを抑制することができる。
特賞中動作情報記憶エリア223IBは、大当たり遊技中に実行される操作演出(確変昇格演出)として、大当たり遊技の開始時に設定される確変昇格演出の演出態様と、確変昇格演出の実行タイミングと、を一時的に記憶するための記憶エリアである。具体的には、オープニング処理11(図671のZ8301参照)によって選択された傾倒動作シナリオ(図671のZ8312参照)と、選択された傾倒動作の実行タイミング(図671のZ8315参照)と、が格納される(図671のZ8316参照)。
そして、大当たり遊技中に実行されるラウンド処理11(図672のZ8302参照)にて読み出され(図672のZ8411参照)、今回のラウンド遊技が確変昇格演出の実行タイミングであるかを判別する際に参照され(図672のZ8412参照)、実行タイミングであると判別した場合に、特賞中動作情報記憶エリア223IBに記憶されている演出態様(動作シナリオ)に基づいた動作が開始される。
<第21制御例における音声ランプ制御装置113による制御処理について>
次に、図669から図673を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理の内容について説明をする。本第21制御例では、上述した第15制御例に対して枠ボタン入力監視・演出処理3(図555のZ2161)にて実行される傾倒装置制御処理(図558のZ2891参照)の操作演出中処理(図559のZ2905参照)の内容を変更した点と、コマンド判定処理(図553のZ2113)にて大当たり関連のコマンドを受信した場合に実行される処理内容を変更した点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図669を参照して、操作演出中処理11(Z2989)の内容について説明をする。図669は、操作演出中処理11(Z2989)の内容を示したフローチャートである。この操作演出中処理11(Z2989)は、傾倒動作ステータスが2に設定されている場合に実行されるものである。そして、上述した第15制御例の操作演出中処理(Z2905)に対して、大当たりのエンディング中である場合に実行されるエンディング中処理を追加した点で相違している。
操作演出中処理11(Z2989)が実行されると、まず、傾倒動作タイマ223DBの値が0よりも大きいか(1以上であるか)を判別し(Z2951)、0よりも大きいと判別した場合は(Z2951:YES)、次に、現在が大当たり遊技のエンディング期間中であるかを判別し(Z2991)、エンディング期間中であると判別した場合は(Z2991:YES)、エンディング中処理を実行し(Z2992)、Z2952の処理へ移行する。一方、Z2991の処理において、エンディング期間中では無いと判別した場合は(Z2991:NO)、Z2992の処理をスキップして、Z2952の処理へ移行する。
Z2992の処理において実行されるエンディング中処理については、詳細は図670を参照して後述するが、このエンディング中処理ではエンディング期間中に実行される傾倒装置310の動作中に枠ボタン22Aが押下された場合の処理が実行される。
図669に戻り説明を続ける。Z2991,Z2992の処理を終えると、上述した第15制御例の操作演出中処理(Z2905)と同一のZ2952〜Z2956の処理を実行し、その後、今回実行される動作に対応する表示用コマンドを設定し(Z2993)、本処理を終了する。Z2993の処理では、例えば、設定されている傾倒動作シナリオテーブルに基づく動作によって、傾倒装置310が最上昇位置(最も開放された位置)へと移動した場合に、第3図柄表示装置81の表示画面に枠ボタン22Aが押下可能な状態となったことを示すための表示態様(図661(B)参照)を表示するための表示用コマンドを設定したり、傾倒装置310が煽り動作をしている場合に、その動作内容に対応させた表示態様で第3図柄表示装置81の表示画面にボタン表示態様を表示させるための表示用コマンドを設定したりする。
このように、実際の傾倒装置310の動作内容に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様を設定する(表示用コマンドを設定する)ことで、可動役物(傾倒装置310)の動作態様と、演出表示の表示態様と、を同期させ易くすることができ、演出効果の高い演出を実行することができる。
一方、Z2951の処理で傾倒動作タイマ223DBの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Z2951:NO)、上述した第15制御例の操作演出中処理(Z2905)と同一のZ2957〜Z2961の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図670を参照して、エンディング中処理(Z2992)の内容について説明をする。図670は、エンディング中処理(Z2992)の内容を示したフローチャートである。エンディング中処理(Z2992)が実行されると、まず、傾倒動作タイマ223DBの値が3190であるかを判別し(Z8201)、傾倒動作タイマ223DBの値が3190であると判別した場合は(Z8201:YES)、SW有効時間カウンタ223Kの値に3000をセットし(Z8202)、Z8202の処理へ移行する。
つまり、エンディング用シナリオ(図667(B)参照)が設定されている状態で傾倒動作タイマ223DBの値が「3190」に到達すると、傾倒装置310は、3秒間の大義状態となり、その間、枠ボタン22Aの操作が有効となる操作有効期間が設定される。このように、傾倒装置310の動作シナリオの進行具合に併せて枠ボタン22Aの操作有効期間をセットすることで、傾倒装置310が最上昇位置へと位置したタイミングに合わせて操作有効期間を容易にセットすることができる。
なお、本制御例では、傾倒装置310の動作状況を動作シナリオの進行状況に基づいて管理するように構成しているが(傾倒動作タイマ223DBの値に基づいて判別するように構成しているが)、これに限ること無く、傾倒動作タイマ223DBの値が次の動作ポインタに移行する値となった場合に、今回の動作ポインタに基づく動作内容が正常に実行されたかを検知可能な検知手段(例えば、可動役物位置検知センサ)を設け、その検知手段が可動役物の正常動作を検知したことに基づいて傾倒装置310の動作状況を管理するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、傾倒装置310が最上昇位置へと移動するのに要する期間(本制御例のエンディング用シナリオでは、動作ポインタ4に対応する0.5秒)が経過した状態で傾倒装置310が最上昇位置への移動を完了していないと判別した場合に、傾倒動作タイマ223DBの値の更新を停止し、所定期間(例えば、1秒)のリトライ期間を設定することができる。そして、そのリトライ期間中に傾倒装置310が最上昇位置への移動が完了した場合には、傾倒動作タイマ223DBの値の更新を再開すると共に、枠ボタン22Aに対する操作有効期間を設定することができる。
これにより、例えば、傾倒装置310が上昇動作(弾性部材を用いた開放動作)をしている最中に遊技者が傾倒装置310の上昇動作に抗する力を付与する(例えば、傾倒装置310上に手を乗せる)ことで傾倒装置310が特定期間内(0.5秒内)に最上昇位置へと移動できなかったとしても、その後の所定期間(1秒)内に傾倒装置310が最上昇位置へと移動した場合には、そのタイミングに合わせて操作有効期間を設定することができ、遊技者に適切な演出を実行することができる。加えて、上述した所定期間(1秒)が経過しても傾倒装置310が最上昇位置へと移動しなかった場合には、操作有効期間を設定せずに別の演出(枠ボタン22Aを押下させない演出)へと切り替えることもできる。
一方、Z8201の処理において、現在の傾倒動作タイマ223DBの値が3190では無いと判別した場合は(Z8201:NO)、Z8202の処理をスキップしてZ8203の処理へ移行する。
次に、Z8203の処理では、傾倒操作フラグ223DEがオンに設定されているかを判別し(Z8203)、オンに設定されていると判別した場合は(Z8203:YES)、傾倒動作タイマ223DBの値を「190」に再設定し(Z8204)、SW有効時間カウンタ223Kの値を「0」にセットし(Z8205)、本処理を終了する。
つまり、今回の操作演出において設定される操作有効期間中(SW有効時間カウンタ223Kの値が0よりも大きい期間中)に枠ボタン22Aが押下され、傾倒操作フラグ223DEがオンとなった場合には、傾倒動作タイマ223DBの値が、エンディング用シナリオの待機状態、即ち、動作ポインタ5の状態(図667(B)参照)から、直ちに動作ポインタ6へと移行する値へと可変され、操作有効期間を終了させるために、SW有効時間カウンタ223Kの値が「0」へと可変される。これにより、操作有効期間中のどのタイミングで遊技者が枠ボタン22Aを押下したとしても、傾倒装置310が最上昇位置で待機する期間(3秒)をスキップすることができる。加えて、枠ボタン22Aを押下することにより操作有効期間が終了した場合も、時間経過によって操作有効期間が終了した場合も、不具合なくエンディング用シナリオを最後まで実行させることができる。
なお、本制御例では、操作有効期間中に枠ボタン22Aを押下した場合に、エンディング用シナリオの動作ポインタを「5」から「6」へと移行させるように傾倒動作タイマ223DBの値を可変させ、枠ボタン22Aの押下後に、傾倒装置310を初期位置(原点位置)へと移動させるための動作を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、枠ボタン22Aを押下することで、傾倒装置310が初期位置(原点位置)へと移動するような構成を用いる場合は、傾倒動作タイマ223DBの値を「0」まで可変させても良い。これにより、無用な動作処理を省略することが出来る。
一方、Z8203の処理において、傾倒操作フラグ223DEがオンに設定されていないと判別した場合は(Z8203:NO)、次に、現在設定されている動作シナリオ設定テーブル(エンディング用シナリオテーブル222IB2)に対応する動作内容を読み出し(Z8206)、次いで、SW有効時間カウンタ223Kの値が0よりも大きいかを判別し(Z8207)、0よりも大きいと判別した場合は(Z8207:YES)、次いで、枠ボタン22Aが押下されたかを判別する(Z8208)。
Z8208の処理において、枠ボタン22Aが押下されたと判別した場合は(Z8208:YES)、エンディング用シナリオが設定されている操作有効期間中に枠ボタン22Aが押下された場合であるため、超ラッキー表示(図663(B)参照)を示す表示用コマンドを設定し(Z8209)、傾倒操作フラグ223DEをオンに設定し(Z8210)、本処理を終了する。一方、Z8207の処理においてSW有効時間カウンタ223Kの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(Z8207:NO)、或いは、Z8208の処理において、枠ボタン22Aが押下されていないと判別した場合は(Z8208:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図671を参照して、音声ランプ制御装置113にて実行されるオープニング処理11(Z8301)の処理について説明をする。図671は、オープニング処理11(Z8301)の内容を示したフローチャートである。このオープニング処理11(Z8301)は、コマンド判定処理(図477のZ2113参照)において、大当たり遊技のオープニングコマンドを受信した場合に実行される処理であって、本制御例では、オープニング期間中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる表示態様を示す表示用オープニングコマンドを設定する処理に加え、今回の大当たり遊技中に操作演出(確変昇格演出)を実行するか否か、及び、確変昇格演出を実行する場合にはその演出態様を決定するための処理が実行される。
オープニング処理11(Z8301)が実行されると、まず、演出カウンタ223Hの値を取得し(Z8311)、取得した演出カウンタ223Hの値と、今回の大当たり種別とに基づいて特賞中操作演出選択テーブル222IAより傾倒動作シナリオを選択(実行の有無、及びシナリオ種別を選択)する(Z8312)。そして、Z8312の処理において傾倒動作シナリオが選択されたかを判別し(Z8313)、選択されたと判別した場合は(Z8313:YES)、次いで、演出タイミングカウンタ223IAの値を取得し(Z8314)、取得した演出タイミングカウンタ223IAの値と、今回の大当たり種別とに基づいて操作演出実行タイミング選択テーブル222ICより傾倒動作(確変昇格演出)の実行タイミングを選択する(Z8315)。
Z8315の処理を終えると、次に、Z8312の処理で選択された傾倒動作シナリオの種別を示すための情報と、Z8315の処理で選択された傾倒動作(確変昇格演出)の実行タイミングを示すための情報と、を特賞中動作情報記憶エリア223IBに格納し(Z8316)、表示用オープニングコマンドを設定し(Z8317)、本処理を終了する。一方、Z8313の処理において、Z8312の処理の結果、傾倒動作シナリオが選択されていないと判別した場合は(Z8313:NO)、そのまま本処理を終了する。
次に、図672を参照してラウンド処理11の内容について説明をする。図672は、ラウンド処理11の内容を示したフローチャートである。このラウンド処理11は、コマンド判定処理(図477のZ2113参照)において、大当たり遊技の新たなラウンドが開始されることを示すラウンドコマンドを受信した場合に実行される処理であって、本制御例では、ラウンド数に対応する表示用コマンドを設定する処理に加え、傾倒動作(確変昇格演出)を実行するか否かの判別処理が実行される。
ラウンド処理11(Z8302)が実行されると、まず、特賞中動作情報記憶エリア223IBに記憶されている情報(傾倒動作シナリオの種別を示すための情報、及び、実行タイミングを示すための情報)を読み出し(Z8411)、今回のラウンド遊技が、傾倒動作(確変昇格演出)を実行するラウンドであるかを判別し(Z8412)、実行タイミングであると判別した場合は(Z8412:YES)、記憶されている傾倒動作シナリオの種別に対応する傾倒動作シナリオを設定し(Z8413)、今回のラウンド数に対応した表示用コマンドを設定し(Z8414)、本処理を終了する。一方、Z8412の処理において、今回のラウンド遊技が傾倒動作(確変昇格演出)の実行タイミングでは無いと判別した場合は(Z8412:NO)、Z8413の処理をスキップしてZ8414の処理へ移行する。
次に、図673を参照して、エンディング処理11(Z8303)の内容について説明をする、図673は、エンディング処理11(Z8303)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理11(Z8303)は、コマンド判定処理(図477のZ2113参照)において、大当たり遊技のエンディングコマンドを受信した場合に実行される処理であって、本制御例では、エンディング期間中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示させる表示態様を示す表示用エンディングコマンドを設定する処理に加え、エンディング期間中に操作演出(保留連演出)を実行するか否かを判別するための処理が実行される。
エンディング処理11(Z8303)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223Fに格納されている入賞情報(保留記憶されている入賞情報)を読み出し(Z8511)、次いで、読み出した入賞情報の中に確変大当たりを示す入賞情報が含まれているかを判別する(Z8512)。ここで、確変大当たりを示す入賞情報が含まれていると判別した場合は(Z8512:YES)、次に、傾倒装置310が初期位置(原点位置)に位置しているかを判別し(Z8513)、原点位置に位置していると判別した場合は(Z8513:YES)、傾倒装置310を可動させるためのエンディング用シナリオを設定し(Z8514)する。
そして、傾倒動作ステータスに「2」を設定し(Z8515)、今回の判別結果に対応した表示用コマンドを設定し(Z2952の処理8516)、本処理を終了する。一方で、Z8513の処理において、傾倒装置310が原点位置に位置していないと判別した場合は(Z8513:NO)、保留内に確変大当たりがあることを示す表示用エンディングコマンドを設定し(Z8517)、本処理を終了する。また、Z8512の処理において、入賞情報の中に確変大当たりを示す入賞情報が無いと判別した場合(Z8512:NO)も、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本制御例では、液晶演出(表示演出)と役物演出(駆動演出)とを複合させて実行する複合演出の内容(演出態様)を、その複合演出の実行タイミングにおける可動役物の動作状況に基づいて設定するように構成している。具体的には、複合演出の実行タイミングにおいて、可動役物が所定位置(初期位置)に位置している場合にのみ、複合演出を実行するように構成している。このように構成することで、液晶演出(表示演出)に関する制御指示と、役物演出(可動演出)に関する制御指示とを別個実行したとしても、複合演出として、表示演出と役物演出とがずれてしまうことを抑制することができ、演出効果を高めることができる。
また、複合演出の実行タイミングにおいて、可動役物が初期位置に位置していない状況、即ち、前回実行された役物演出によって駆動された可動役物が初期位置へと戻ってきていない状況で複合演出の実行タイミングが到来した場合に、複合演出の演出結果と同等の演出結果を示す表示演出が実行されるように構成している。このように構成することで、複合演出を用いてまで遊技者に報知するべき演出結果を遊技者が認識できないまま遊技を継続する事態を確実に抑制することができる。
さらに、本制御例では、大当たり遊技中に上述した複合演出(ラスト演出)以外にも、可動役物(傾倒装置310)を駆動させる役物演出が実行されるように構成されており、例えば、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に有利となる確変状態であるか、その確変状態よりも遊技者に不利な遊技状態である通常状態(時短状態)であるか、を報知する役物演出(確変昇格演出)が実行されるように構成している。また、大当たり遊技中の期間を賑やかすための装飾演出としても、傾倒装置310を駆動可能に構成している。加えて、傾倒装置310が様々な動作パターン(動作シナリオ)で可動するように構成している。このように、大当たり遊技中に複数の目的で一つの可動役物(傾倒装置310)を様々な動作態様で駆動させるようにすることで、一の可動役物を複数の用途で用いることができ、演出効果を効率良く高めることができる。
しかしながら、上述したように演出効果を効率良く高めるように構成すればするほど、可動役物が駆動している期間中に、他の役物演出が設定され易くなり(役物演出の実行期間が重複し易くなり)、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。また、可動役物を用いた役物演出が重複して実行されることが無いように、複数の役物演出の実行期間を予め固定してしまうと、役物演出が単調になってしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、役物演出の実行期間が重複してしまう場合には、一方の役物演出を他の演出(例えば、液晶表示装置を用いた表示演出)に切り替えるように構成している。これにより、役物演出の実行期間が重複し得るように演出内容を設定可能にしても、遊技者に分かり易い演出を提供することができ、さらに、多彩な役物演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に確変昇格演出を1回のみ実行するように構成しているが、これに限ること無く、確変昇格演出を複数回実行し得るように構成しても良い。この場合、例えば、特賞中操作演出選択テーブル222IAにて、大当たり遊技中に実行される確変昇格演出の演出態様を複数選択できるように構成し、大当たり遊技中に実行される確変昇格演出の演出態様を異ならせるように構成すると良い。これにより、より多彩な確変昇格演出を、様々なタイミングで実行することができるため、遊技者が大当たり遊技中の遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本制御例では、確変昇格演出の実行タイミングとして何れかのラウンド遊技の開始タイミングを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラウンド遊技間に設定されるインターバル期間の開始タイミングや、ラウンド遊技において特定入賞口65Aに入賞した球が所定数(例えば、5個)となった場合や、大当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22Aに対して特定の操作を実行した場合や、大当たり遊技中に一般入球口63に球を入球させた場合を開始タイミングの一つとして設定できるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対してより予測され難いタイミングで確変昇格演出を実行させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本制御例では、確変昇格演出の実行タイミングとして何れかのラウンド遊技の開始タイミングを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラウンド遊技間に設定されるインターバル期間の開始タイミングや、ラウンド遊技において特定入賞口65Aに入賞した球が所定数(例えば、5個)となった場合や、大当たり遊技中に遊技者が枠ボタン22Aに対して特定の操作を実行した場合や、大当たり遊技中に一般入球口63に球を入球させた場合を開始タイミングの一つとして設定できるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対してより予測され難いタイミングで確変昇格演出を実行させることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、液晶演出と役物演出とを合わせて実行する演出(複合演出)の内容を、可動役物の位置に応じて異ならせて設定する場合には、例えば、可動役物が初期位置に位置していると判別した場合は、予め定められた複合演出(例えば、特図変動開始から10秒後に実行される複合演出)を実行し、可動役物が1秒以内に初期位置へと移動可能な位置(状態)であると判別した場合は、予め定められた複合演出(特図変動開始から10秒後に実行される複合演出)を1秒間遅延させて実行し、可動役物が1秒以内に初期位置へと移動可能な位置(状態)であると判別した場合は、可動役物を可動させず、液晶演出のみの示唆演出を実行するように各種演出を設定すれば良い。これにより、遊技者に違和感を与えること無く様々な演出を実行することができる。
さらに、可動役物を可動させる役物演出として、所定の第1位置を初期位置とし、その第1位置とは異なる第2位置を終了位置として実行される第1役物演出と、上述した第1位置、及び第2位置とは異なる第3位置を初期位置とし、上述した第2位置を終了位置として実行される第2役物演出と、を少なくとも実行可能なパチンコ機であれば、複合演出の内容を設定するタイミングにおける可動役物の位置に基づいて、第1役物演出を実行するか第2役物演出を実行するかを判別するように構成すれば良い。
また、この場合、特図変動に関わらず、枠ボタン22への操作に基づいて可動役物を第1位置または第3位置へと近づける煽り演出を実行可能に構成すると良い。これにより、複合演出が実行される際の可動役物の位置を遊技者が選択することが可能となる。よって、遊技者が所望する複合演出を実行させ易くすることができ演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に当選した大当たり種別を示唆するための示唆演出の内容を設定する例を挙げて説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果を示唆するための演出(変動演出)や普通図柄の抽選結果を示唆するための演出(普図変動演出)に、本制御例にて用いた技術思想を適用しても良い。また、本制御例では、可動役物として枠ボタン22Aの近傍に配設させる傾倒装置310を一例として用いたが、少なくとも、所定の第1位置(初期位置)と、その第1位置とは異なる第2位置(可動位置)との間を移動可能に構成される可動役物(可動部材)であれば良く、例えば、可変表示ユニット80に配設される装飾用の可動役物(可動部材)や、パチンコ機10の正面枠14に付設される装飾用の可動役物(可動部材)でも良い。
また、本制御例では、可動部材(傾倒装置310)を動作させる条件として、大当たり遊技中に成立し得る第1動作条件や、特別図柄の抽選結果に基づいて成立し得る第2動作条件を設定しているが、これに限ること無く、例えば、所定時刻となった場合に成立する第3動作条件や、遊技者が枠ボタン22Aを押下したことに基づいて成立する第4動作条件や、保留記憶数が所定数(例えば、8個)となったことに基づいて成立する第5動作条件等を、可動部材(傾倒装置310)を動作させる条件として設定しても良い。このように可動部材(傾倒装置310)の動作条件を複数設定することにより、様々なタイミングで可動部材を可動させることができ、演出効果を高めることができる。
このように演出効果を高めることを目的として、演出表示とは独立させて可動部材(傾倒装置310)を可動させる機会を増やしたとしても、本制御例によれば、可動部材を用いた役物演出と、第3図柄表示装置81を用いた表示演出とを複合させる複合演出を、遊技者に違和感無く提供することが出来る。
また、本制御例の構成に加え、特別図柄の抽選結果に関わらず、特定期間中(例えば、大当たり遊技中)に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することで可動役物が可動する演出(煽り演出)を設け、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させるように構成しても良い。この場合、上述した示唆演出を実行する際において、可動部材の位置が不定になることから、エンディング期間の開始時に可動部材が初期位置(原点位置)に位置していない状況が発生し易くなるものであるが、本制御例の術思想を用いることで、遊技者に違和感を与えること無くエンディング期間中の複合演出(保留連演出)を実行することができる。
さらに、大当たり遊技が開始されてから、実行中の大当たり遊技に対応する大当たり種別が確変大当たりであるか否かが操作手段を操作することにより報知される昇格演出が実行されるまでの期間に、保留連演出(ラスト演出)が実行されるか否かを判別し、保留連演出(ラスト演出)が実行されると判別した場合に、その旨を示唆する保留連示唆演出を実行するように構成しても良い。これにより、保留連示唆演出が実行された場合において、大当たり遊技中に昇格演出が実行されたとしても、操作手段を操作せずに(可動部材が可動しないようにし)、可動部材を用いた保留連演出が実行され易くすることができる。このように、保留連示唆演出を実行することにより、一の演出(昇格演出)で意図的に可動部材を可動させないようにし、他の演出(保留連演出)にて可動部材を可動させ易くすることが可能となる。よって、遊技者に対して可動部材を可動させないという選択肢を持たせることで実行される演出をより多彩なものにすることができ、演出効果を高めることができる。
<第22制御例>
次に、図674から図684を参照して、第22制御例について説明をする。上述した第21制御例では、液晶演出(表示演出)と役物演出とを合わせて実行する演出(複合演出)を実行する場合に、その複合演出の開始タイミングで役物演出に用いる可動部材(傾倒装置310)が初期位置に位置しているかを判別し、初期位置に位置していると判別した場合に、複合演出を実行するように構成し、初期位置に位置していないと判別した場合には、複合演出を実行しないように構成していた。これにより、複合演出を実行する際に、演出を制御する制御手段(音声ランプ制御装置113)側が、表示演出を制御する制御手段(表示制御装置114)と、可動役物を動作させる駆動手段(駆動モータ)と(以下、各装置と称す)に対して独立して複合演出に関する指令(コマンド)を出力したとしても、各装置にて実行される演出を容易に同期させることができ、演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、上述した第21制御例で用いた技術では、各装置に対して同時に複合演出を実行させるための指令(コマンド)を出力するため、例えば、複合演出に対応する初期位置まで可動部材を移動させるための動作(準備動作)が、複合演出を実行させるための指令(コマンド)を受信した後に実行されることになる。つまり、複数の装置(可動部材、液晶装置など)を用いて複合演出を実行する場合には、複合演出を実行可能な状態とするための準備動作をそれぞれの装置にて終了させるための(準備期間)を複合演出の前半期間に含ませるように構成する必要がある。
このような技術思想を用いた場合、液晶演出(表示演出)と役物演出とを同期させた複合演出を実行することは可能だが、準備期間を長く設ける必要があり、限られた時間内にて複合演出を実行する場合に、実際の複合演出(準備期間経過後に実行される演出)を設定可能な演出期間が短くなるという問題があった。また、複合演出を行う前段階である準備期間中における可動役物の移動状況(準備動作)によって実行される複合演出の演出内容が遊技者に気づかれてしまうという問題点があった。
特に、複合演出として第1位置に可動役物を位置させた状態で役物演出が実行される第1複合演出と、第2位置に可動役物を位置させた状態で役物演出が実行される第2複合演出と、を有し、特別図柄の抽選結果に応じて第1複合演出と第2複合演出との選択割合を異ならせるように構成したパチンコ機である場合、準備期間中に可動役物が第1位置へと移動するのか第2位置へと移動するのかを遊技者が容易に判別することができてしまうため、特別図柄の抽選結果まで遊技者に判別され易くなり演出効果(複合演出の演出効果)が低下してしまうという問題があった。
このような問題点を解決するために、本制御例では、複合演出の設定を行うよりも前の時点(複合演出が実行されるか否かの判別が実行されるよりも前の時点)で、可動役物を第1位置或いは第2位置へと移動させるための準備動作を実行させる制御を実行するように構成している。
このように、複合演出の設定とは別に準備動作を設定するように構成することで、遊技者に対して可動役物の準備動作が実行された際に、複合演出(役物演出)がこの後に実行されるのではと思わせることができる。また、複合演出(役物演出)の実行の有無に関わらず準備動作が実行されるため、準備期間中の可動役物の可動状況に応じて複合演出の実行の有無や特別図柄の抽選結果が遊技者に判別されてしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
また、上述した第21制御例では、表示制御装置114および可動部材(傾倒装置310)に対する制御を音声ランプ制御装置113が実行するように構成しているため、例えば、所定の演出期間(大当たりのラウンド期間、特別図柄の変動期間)の間、継続して演出が実行される表示演出に対しては、当該演出期間内に実行させる表示演出の演出態様を示す表示用コマンド(例えば、表示用ラウンドコマンド、表示用変動パターンコマンド)を、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと演出期間の開始タイミングで出力し、所定の演出期間(大当たりのラウンド期間、特別図柄の変動期間)のうち、特定期間(例えば、演出期間の開始から5〜10秒の期間)のみ演出が実行される役物演出に対しては、演出期間の開始から3秒経過後に、可動部材(傾倒装置310)に対して、準備動作(例えば準備期間が2秒間)を行わせるための指令(コマンド)を出力する必要がある。この場合、音声ランプ制御装置113側で可動部材に対して指令(コマンド)を出力するタイミングを計測するための計測手段(タイマ等)を設けることになるが、演出効果を高めるために演出期間の複数のタイミングで可動部材を用いた役物演出を実行可能に構成する場合には、複数の期間が計測可能となるように計測手段を設計する必要があり、音声ランプ制御装置113の処理が増大してしまうという問題があった。
これに対して、本第22制御例では、可動部材に対する動作制御を実行するための役物制御装置229を設け、表示制御装置114から役物制御装置229へと可動部材(例えば、傾倒装置310)を可動させるための指令(コマンド)を出力するように構成している。そして、演出期間の開始タイミングにおいて音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力される表示用コマンドに、表示制御装置114から役物制御装置229へ準備動作を実行させるためのコマンド(役物用コマンド)を出力するタイミングを示す情報を含ませるように構成している。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113は所定の演出期間に対応する表示用コマンドを、演出期間の開始時に表示制御装置114へと出力するだけで、適正なタイミングで可動部材の準備動作を行わせることができる。また、複合演出の実行タイミングを複数設定可能に構成し、設定された複合演出の実行タイミングに合わせて準備動作を実行させるタイミングを異ならせたとしても、表示制御装置114へと出力する表示用コマンドに含ませる役物用コマンドを出力するタイミングを可変設定するだけで良いため、音声ランプ制御装置113に複数の期間を計測するための計測手段(タイマー)を設ける必要を無くすことができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
<第22制御例におけるパチンコ機の電気的構成について>
次に、図674を参照して、本第22制御例における電気的構成について説明をする。図674は、本第22制御例のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図674に示した通り、本第22制御例のパチンコ機10では、上述した第21制御例のパチンコ機10に対して、可動役物の動作制御を実行する役物制御装置229を追加した点と、表示制御装置114から役物制御装置229、及び、音声出力装置226に対して動作指令(コマンド)を出力可能に構成した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、図674のブロック図では、説明の便宜上、パチンコ機10全体の電気的構成のうち、本制御例の特徴的な構成のみを記載しているが、記載されていない電気的構成(例えば、電源装置115、払出制御装置111等)については上述した第21制御例と同一の構成が適用されるものである。
図674に示した通り、本第22制御例では、表示制御装置114の出力ポート239から第3図柄表示装置81へと画像データに基づく画像を表示させるための指令(情報)が出力されると共に、役物制御装置229へと可動役物を動作させるための指令(コマンド)を出力するように構成している。ここで、役物制御装置229は、図674に示した通り、表示制御装置114から出力されるデータ(各種コマンド)を受信可能に接続されており、表示制御装置114から出力されるデータ(各種コマンド)を入力するための入力ポートY304と、演算装置である1チップマイコンとしてMPUY301と、各種可動役物(傾倒装置310、その他装置228)に対して動作に関するデータを出力するための出力ポートY306と、が搭載されている。MPUY301には、当該MPUY301により実行される各種の制御プログラムの実行に際して予め定められたプログラム情報(可動役物を動作させるための動作シナリオ(準備動作シナリオ等))が記憶されているROMY302と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMY303とが内蔵されている。
役物制御装置229のMPUY301は、入力ポートY305、および出力ポートY306と電気的に接続されている。表示制御装置114から役物制御装置229に対して、可動役物を可動させるための可動データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入力ポートY305、およびバスラインを介してMPUY301へ入力される。また、表示制御装置114によって指定された動作パターン(動作シナリオ)は、ROMY302から読み出されて、その読み出された動作パターンに対応する動作指示が出力ポートY306を介して各種可動役物に対して出力される。
さらに、本制御例は、役物制御装置229が傾倒装置310の動作状況を判別出来るように構成されている。具体的には、傾倒装置310を駆動させる駆動手段(モータ)が駆動しているか否かをモータに印可される電流を検知することで判別するように構成している。そして、音声ランプ制御装置113から動作指示を受けて傾倒装置310が動作している状況を判別し、傾倒装置310が可動していないと判別した場合に、傾倒装置310に対して動作データを出力することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113からも役物制御装置229からも可動役物を可動させるための動作データ(動作シナリオに規定されている各種モータを駆動させる回転方向及びステップ数に対応する電気的信号)を可動役物に対して出力するように構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113にて可動役物に対する動作シナリオのみを設定し、設定した動作シナリオを役物制御装置229へと出力するように構成し、役物制御装置229のみが可動役物に対して動作データ(動作シナリオに規定されている各種モータを駆動させる回転方向及びステップ数に対応する電気的信号)を出力するように構成しても良い。このように構成することで、可動役物に対して複数の制御装置から動作データが出力されることが無くなるため可動役物に対する動作制御が煩雑になることを抑制することができる。
また、本制御例では、表示制御装置114の出力ポート239から、音声出力装置226に対しても音声出力に関するデータ(コマンド)を出力可能に構成している。ここで、音声出力装置226は、表示制御装置114から出力されるデータ(各種コマンド)を受信可能に接続されている。なお、詳細な説明及び図示は省略するが、この音声出力装置226は、上述した各制御例と同様に音声ランプ制御装置113からも音声出力に関するデータ(コマンド)を受信可能に構成されている。
図674に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてMPUM301が搭載されている。MPUM301には、当該MPUM301により実行される各種の制御プログラムの実行に際して予め定められたプログラム情報(可動役物を動作させるための動作シナリオ(準備動作シナリオ等))が記憶されているROMM302と、当該MPUM301により実行される各種の制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMM303とが内蔵されている。
音声出力装置226のMPUM301は、入力ポートM305、およびアンプ部M306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113、或いは表示制御装置114から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入力ポートM305、およびバスラインM304を介してMPUM301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROMM302から読み出されて、アンプ部M306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。例えば、BGMに対応する音声データは、CN1に対して出力され、停止音に対応する音声データは、CN2に対して出力され、警告音に対応する音声データは、CN3に対して出力される。そして、アンプ部M306によって増幅され、スピーカー部450に入力される。これにより、スピーカー部450から、表示制御装置114によって指定された各種音声を出力することができる。
ここで、音声出力装置226のMPUM301に設けられているROMM302の構成について説明する。音声出力装置226のMPUM301のROMM302には、音声ファイル記憶エリア(図示せず)が少なくとも設けられている。
音声ファイル記憶エリアには、楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)が記憶されている記憶領域である。各種音声データの出力が表示制御装置114により指示された場合には、この音声ファイル記憶エリアから演出に対応する音声ファイルが読み出され、アンプ部M306の対応するチャンネルに出力される。
具体的には、音声ファイル記憶エリア(図示せず)には、楽曲(BGM)に関する楽曲用データと、停止音に関する停止音用データと、役物動作の準備駆動時に発生する音声を擬似的に再現した擬似音声に関する擬似音声データと、が記憶されている。本制御例では、可動役物が準備駆動を実行し得る準備期間中に、上述した擬似音声を出力することが可能に構成している。
このように構成することにより、準備期間中に実際に準備駆動が実行させる場合であっても、準備駆動が実行させない場合であっても、同一の擬似音声が出力されることから、遊技者に対して準備駆動の実行の有無を判別させ難くすることができる。具体的には、本制御例では、上述した第21制御例と同様に、可動役物として傾倒装置310を可動させる役物演出を実行するように構成しており、例えば、大当たり遊技のエンディング期間中に実行される役物演出であれば、エンディング用シナリオテーブル222IB2に規定されている動作ポインタ「1」,「2」の動作内容(図667(B)参照)が、準備駆動に該当する。
ここで、エンディング用シナリオテーブル222IB2に規定されている動作ポインタ「1」,「2」の動作内容(図667(B)参照)は、傾倒装置310内部の機構(カム等)を可動させる動作であることから、遊技者はその動作を視認することが出来ないが、準備駆動を行う際に駆動モータが駆動することから、その駆動音や、カムが外れる際に発生する音が遊技者に届いてしまう可能性がある。
そこで、本制御例のように、可動役物の準備駆動が実行され得るタイミングに合わせて擬似的に準備駆動時に発生する音声を出力することで、遊技者に準備駆動が実行されたか否かを判別させ難くすることができる。これにより、準備駆動が必要な役物演出を実行する場合において、その準備駆動が実行されている段階で遊技者に対して実行される操作演出の演出態様を判別されることを抑制することができ、操作演出の演出効果が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、準備駆動が実行される場合に発生する音声を出力することにより、実際には準備駆動が実行されていない場合であっても、準備駆動が実行されているように思わせることで、準備駆動の実行の有無を遊技者に判別させ難くするように構成しているが、遊技者が準備駆動の実行の有無を容易に判別出来ない構成であれば良く、例えば、実際に準備駆動が行われる場合に発生する音声を遊技者が識別困難となる音声(例えば、装飾用効果音)を出力するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、準備駆動が実行されている(された)ことを遊技者に判別され難くすることができ、同様の効果を奏することができる。
また、本制御例では、上述した通り、準備駆動が実行されていることを目視することが困難な構成を用いているため、準備駆動の実行の有無を分かり難くするために、擬似的な音声を出力するように構成しているが、これ以外に、例えば、準備駆動が実行されていることを目視可能な構成を用いる場合には、擬似的な音声の出力に加え、準備駆動が実行されていることを視覚的に判別されないように対策を施す必要がある。この場合、例えば、準備駆動が実行され得る準備期間が設定されると、準備駆動の実行の有無に関わらず、準備駆動によって可動する部材を遊技者が目視困難となるように覆う被覆可動部材を設けると良い。これにより、準備駆動が実行されることを視覚的にも聴覚的にも遊技者に判別されることを抑制することができる。
<第22制御例における大当たり遊技中の演出の流れについて>
次に、図675から図677を参照して、本制御例のパチンコ機10で実行される大当たり遊技中の演出の流れについて説明をする。本制御例では、上述した第21制御例に対して、表示制御装置114が役物制御装置229、及び音声出力装置226に対して演出の実行コマンドを出力するように構成した点、大当たり遊技の最終ラウンド(16ラウンド)中に実行される演出に対する制御内容、エンディング期間中に実行される演出に対する制御内容が異なるものであり、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図675を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に複合演出である保留連演出(ラスト演出)を実行する場合の流れを説明する。図675は、大当たり遊技のエンディング期間中に複合演出である保留連演出(ラスト演出)を実行する場合の流れを模式的に示したタイミングチャートである。図675に示した通り、大当たり遊技(大当たり遊技期間)が開始されると、その大当たり遊技期間を形成する特定期間(オープニング期間、ラウンド遊技期間、インターバル期間、エンディング期間)が開始されるタイミングで、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと、特定期間内の演出内容(液晶表示)の表示態様を示す表示用コマンドが出力される。
そして、表示制御装置114は音声ランプ制御装置113から表示用コマンドを受信すると、受信した表示用コマンドに基づいた画像データを作成し、第3図柄表示装置81に対して液晶表示(オープニング表示、ラウンド表示、インターバル表示、)を実行させる。なお、表示制御装置114が第3図柄表示装置81に各種表示を実行させるための詳細な制御内容については、上述した各制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
音声ランプ制御装置113は、最終ラウンド(16ラウンド)に対応する表示用コマンド(表示用最終ラウンドコマンド)として、その表示用コマンドに、特定のタイミング(例えば、ラウンド遊技開始から6秒経過後)を指定するための指定情報を含めて設定する。表示制御装置114は、表示用最終ラウンドコマンドを受信すると、最終ラウンド中の液晶表示を実行すると共に、その表示用最終ラウンドコマンドに含まれる指定情報が指定する特定タイミングにて、役物制御装置229、及び、音声出力装置226に対してコマンド(動作コマンド)を出力する。
役物制御装置229は、表示制御装置114から出力される動作コマンド(役物用コマンド)を受信すると可動役物(傾倒装置310)に対して準備駆動を実行する。また、音声出力装置226は、表示制御装置114から出力される動作コマンド(音声用コマンド)を受信すると擬似音声の出力を実行する。つまり、表示用最終ラウンドコマンドに含まれる指定情報に基づいて、エンディング期間中に実行され得る複合演出(ラスト演出)に向けての準備駆動(準備期間2秒)が実行される。
ここで、表示用最終ラウンドコマンドに含まれる指定情報が指定する特定のタイミングとしては、最終ラウンドが終了し得るタイミングの2秒前となるように設定されている。つまり、本制御例のパチンコ機10は上述した各制御例にて用いられるパチンコ機10と同様に、1回のラウンド遊技が、特定入賞口65Aへ10個の球が入賞する第1条件、或いは、ラウンド遊技が開始されてから30秒が経過する第2条件のうち、何れかが成立した場合に終了するように構成している。よって、本制御例では、第1条件が成立し得るタイミング(ラウンド遊技が開始されてから10秒が経過するタイミング)から2秒を差し引いたタイミング(ラウンド遊技が開始されてから8秒が経過するタイミング)を指定情報が指定するタイミングとして設定している。
この準備期間中は、役物制御装置229により傾倒装置310に対する準備駆動が実行され、音声出力装置226によりスピーカー450に対して擬似音声が準備期間の間出力される。そして、第3図柄表示装置81では遊技者に対して現在が準備期間中であることが判別されないように、最終ラウンドのラウンド表示が継続して実行される(待機状態)。その後、最終ラウンドのラウンド遊技が終了し、エンディング期間が開始される時点で、音声ランプ制御装置113にて、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)を実行するか否かを判別し、ラスト演出(保留連演出)を実行すると判別した場合は、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと、ラスト演出を実行する旨を含む表示用エンディングコマンドが出力される。
表示制御装置114は、ラスト演出を実行する旨を含む表示用エンディングコマンドを受信すると、ラスト演出に対応する液晶表示を第3図柄表示装置81に実行させると共に、役物制御装置229に対して、ラスト演出に対応する操作演出を実行させるための役物用コマンドを出力する。そして、ラスト演出に対応する操作演出を実行させるための役物用コマンドを役物制御装置229が受信すると、準備駆動が終了している傾倒装置310に対してラスト演出に対応する役物演出を実行させるための動作データ(動作シナリオに規定されている各種モータを駆動させる回転方向及びステップ数に対応する電気的信号)を出力する。
このように、本制御例では、エンディング期間中に実行する複合演出として実行する可動役物(傾倒装置310)の役物演出(演出駆動)に対する準備駆動を、大当たり遊技の最終ラウンド中に実行するように構成している。これにより、エンディング期間の開始時には傾倒装置310が準備駆動を完了した状態、即ち、エンディング用シナリオテーブル222IB2の動作ポインタ「2」の動作を完了させた状態(図667(B)参照)とすることができるため、エンディング期間の開始時から準備駆動を実行する場合に比べて、予め定められた期間が設定されるエンディング期間中において、操作演出期間を長く設定することができる。
また、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114へと出力する表示用コマンドに、可動役物を準備駆動させるためのタイミング情報を含ませ、表示制御装置114から役物制御装置229へと役物用コマンドを出力するように構成しているため、音声ランプ制御装置113側で、可動役物に準備駆動を実行させるタイミングを計測し、実行タイミングとなった場合に可動役物に対して準備駆動を実行させるための役物用コマンドを出力する必要が無い。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
さらに、表示制御装置114が役物制御装置229へ役物用コマンドを出力すると同時に音声出力装置226へ音声用コマンドを出力するように構成し、可動役物の準備駆動の実行期間に対応させて、スピーカー450から擬似音声が出力されるように構成しているため、可動役物の準備駆動中に発生する音声が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、上述した第21制御例と同様に、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)を実行するか否かをエンディング期間の開始時に決定するように構成している。よって、エンディング期間の開始時よりも前のタイミングとなる最終ラウンド(16ラウンド)の開始時点では、複合演出(ラスト演出)が実行されるか否かが決定されていない。このような状態、つまり、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)が実行されるか否かが決定されていない状態で、可動役物に対して準備駆動を実行させるタイミングを指定することで、複合演出(ラスト演出)が実行される場合も、されない場合も準備駆動が実行されることになる。これにより、準備駆動の有無によって、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)が実行されるか否かを遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
次に、図676を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に複合演出である保留連演出(ラスト演出)が実行されない場合の流れを説明する。図676は、大当たり遊技のエンディング期間中に複合演出である保留連演出(ラスト演出)が実行されない場合の流れを模式的に示したタイミングチャートである。なお、図676は、上述した図675に対して、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)が実行されない点が相違するだけであり、それ以外は同一である。同一の箇所についてはその詳細な説明を省略する。
図676に示した通り、エンディング期間が開始される時点で、音声ランプ制御装置113にて実行される判別の結果、ラスト演出(保留連演出)を実行しないと判別された場合は、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと、ラスト演出を含まない表示用エンディングコマンドが出力される。この場合、例えば、上述した第21制御例と同様に、ラスト演出(保留連演出)の実行条件が成立していない(保留図柄内に確変大当たりを示す入賞情報が無い)場合は、通常のエンディング表示を実行し、ラスト演出(保留連演出)の実行条件は成立しているが、可動役物の動作状況によって複合演出が実行できない場合は、保留連演出と同一の演出結果が表示される特殊演出表示を実行するように構成すると良い。
次に、図677を参照して、大当たり遊技の最終ラウンド(16ラウンド)中に設定される準備期間において可動役物(傾倒装置310)の準備駆動が実行されない場合の流れを説明する。図677は、大当たり遊技の最終ラウンド(16ラウンド)中に設定される準備期間において可動役物(傾倒装置310)の準備駆動が実行されない場合の流れを模式的に示したタイミングチャートである。なお、図677は、上述した図676に対して、最終ラウンド(16ラウンド)中に設定される準備期間において可動役物(傾倒装置310)の準備駆動が実行されない点が相違するだけであり、それ以外は同一である。同一の箇所についてはその詳細な説明を省略する。
図677に示した通り、最終ラウンド(16ラウンド)にて可動役物(傾倒装置310)を可動させる操作演出が実行され(ラウンド演出駆動が実行され)、その後の傾倒装置310を初期位置へと移動させる動作(復帰動作)中に、表示制御装置114から出力される役物用コマンドを役物制御装置229が受信すると、受信した役物用コマンドに基づく準備駆動を可動役物(傾倒装置310)に対して実行できない状態であると判別し、準備駆動を実行しないように構成している。この場合であっても、音声出力装置226は擬似音声を出力する。
よって、準備期間中に準備駆動が実行されていないことを遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。また、最終ラウンド(16ラウンド)中に準備駆動が実行されなかったため、エンディング期間中に複合演出(ラスト演出)が実行されない。なお、この場合も、図676を参照して説明をしたパターンと同様に、エンディング期間が開始される時点で、音声ランプ制御装置113にて実行される判別の結果、ラスト演出(保留連演出)を実行しないと判別された場合は、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと、ラスト演出を含まない表示用エンディングコマンドが出力される。この場合、例えば、上述した第21制御例と同様に、ラスト演出(保留連演出)の実行条件が成立していない(保留図柄内に確変大当たりを示す入賞情報が無い)場合は、通常のエンディング表示を実行し、ラスト演出(保留連演出)の実行条件は成立しているが、可動役物の動作状況によって複合演出が実行できない場合は、保留連演出と同一の演出結果が表示される特殊演出表示を実行するように構成すると良い。
以上、説明をした通り、本制御例では、特定の演出期間(エンディング期間)中に実行し得る特定操作演出に対する準備駆動を、特定操作演出が実行されるか否かが決定されていなくても実行するように構成している。よって、準備駆動の有無に応じて特定操作演出が実行されるか否かを特定操作演出が実行される前に遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
また、準備駆動が実行される準備期間を予め設定し、その準備期間中に、準備駆動が実行されているか否かを遊技者に判別させ難くするための妨害手段として、準備駆動が実行される場合に発生する音声を擬似的に出力する擬似音声出力手段を有している。これにより、準備駆動の有無に応じて特定操作演出が実行されるか否かを特定操作演出が実行される前に遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、準備期間中に所定の実行不可条件が成立した場合に、準備駆動を実行させないように構成しており、準備期間中に準備駆動が実行されない場合であっても、擬似音声出力手段によって擬似音声を出力するように構成している。これにより、準備駆動の有無に応じて特定操作演出が実行されるか否かを特定操作演出が実行される前に遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
<第22制御例の音声ランプ制御装置における制御処理について>
次に、図678を参照して、本制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本第22制御例は、上述した第21制御例に対して、ラウンド処理11(図672のZ8302参照)に替えてラウンド処理12(図678のZ8352参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
図678はラウンド処理12(Z8352)の内容を示したフローチャートである。このラウンド処理12(Z8352)は、上述した第21制御例のラウンド処理11(図672のZ8302参照)に対して、新たに実行されるラウンドが最終ラウンド(16ラウンド)であるかを判別する処理と、最終ラウンド(16ラウンド)であると判別した場合に、最終ラウンド(16ラウンド)専用の表示用コマンドを設定する処理を追加した点で相違している。
具体的には、ラウンド処理12(Z8352)が実行されると、上述した第21制御例のラウンド処理11(図672のZ8302参照)と同一のZ8411〜Z8413が実行され、その後、新たに実行されるラウンドが最終ラウンド(16ラウンド)であるかを判別する(Z8451)。Z8451の処理において、最終ラウンド(16ラウンド)であると判別した場合は(Z8451:YES)、次いで、表示用最終ラウンドコマンドを設定し(Z8452)、上述した第21制御例のラウンド処理11(図672のZ8302参照)と同一のZ8414の処理を実行する。一方、Z8451の処理において、最終ラウンド(16ラウンド)では無いと判別した場合は(Z8451:NO)、そのまま本処理を終了する。
ここで、Z8452の処理では、最終ラウンド(16ラウンド)に対応するラウンド表示を示すための情報と、可動役物(傾倒装置310)の準備駆動を実行するタイミングを示すための情報と、が含まれる表示用最終ラウンドコマンドが設定される。このように、新たなラウンドの開始タイミングで設定される表示用最終ラウンドコマンドに、準備駆動を実行するタイミングを示すための情報を含ませることにより、音声ランプ制御装置113に可動役物(傾倒装置310)の準備駆動を実行するタイミングを計測するための計測手段(タイマ)を設ける必要が無くなる。
また、表示制御装置114が表示用最終ラウンドコマンドを受信すると、受信したコマンドに対応した最終ラウンド用の表示データテーブルが設定され、その表示データテーブルの演出時間に対応する時間データが計時カウンタ233Hに設定され、更新される計時カウンタ233Hの値に対応した演出表示が第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるように構成されているため、表示用最終ラウンドコマンドに準備駆動を実行するタイミングを示すための情報を含ませることにより、第3図柄表示装置81の表示画面に画像を表示させるために用いる計時カウンタ233Hの計時情報を流用して準備駆動を実行するタイミングを判別することができる。よって、準備駆動を実行するタイミングを判別するために新たな計測手段(タイマ)を設ける必要が無く、製造コストを抑えることができる。
<第22制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図679、及び図680を参照して、本第22制御例のパチンコ機10における表示制御装置114の制御処理について説明をする。本第22制御例では、上述した第21制御例のパチンコ機10の表示制御装置114が実行する制御処理に対して、コマンド判定処理2(図448のZ3302参照)に替えて、コマンド判定処理12(図679のZ3392参照)を実行する点で相違している。
ここで、コマンド判定処理12(Z3392参照)の内容について、図679を参照して説明をする。図679は、コマンド判定処理12(Z3392参照)の内容を示したフローチャートである。コマンド判定処理12(Z3392参照)が実行されると、上述したコマンド判定処理2(図448のZ3302参照)と同一のZ3401〜Z3419までの処理を実行し、Z3418の処理においてエラーコマンドが無いと判別した場合には(Z3418:NO)、次に、表示用最終ラウンドコマンドがあるかを判別する(Z3491)。
Z3491の処理において、表示用最終ラウンドコマンドがあると判別した場合は(Z3491:YES)、最終ラウンド処理を実行し(Z3492)、Z3401の処理へと移行し、表示用最終ラウンドコマンドがないと判別した場合は(Z3491:NO)、上述したコマンド判定処理2(図448のZ3302参照)と同一のZ3420の処理へ移行する。
次に、図680を参照して、コマンド判定処理12(図679のZ3392参照)にて実行される最終ラウンド処理(Z3492)の内容について説明をする。この最終ラウンド処理(Z3492)では、受信した表示用最終ラウンドコマンドに基づく表示データテーブルを設定するための処理と、役物制御装置229、及び、音声出力装置226へとコマンドを出力するための処理と、が実行される。
コマンド判定処理12(Z3392参照)が実行されると、まず、受信した最終ラウンドコマンドに対応した最終ラウンド用の表示データテーブルを設定し(Z3495)、次いで、表示データテーブルに設定される待機表示タイミングに合わせて役物制御装置229に対して準備駆動を実行させるための役物用コマンドと、音声出力装置226に対して擬似音声を出力させるための音声用コマンドと、を出力する処理を設定し(Z3496)、本処理を終了する。
これにより、計時カウンタ233Hの値が待機表示タイミング(準備期間の開始タイミング)を示すための値となった場合に、役物用コマンドと音声用コマンドとを同期して出力することができる。
<第22制御例の音声出力装置における制御処理について>
次に、図681、及び図682を参照して、本第22制御例における音声出力装置226のMPUM301によって実行される各種制御処理について説明する。本第22制御例では、音声ランプ制御装置113、或いは表示制御装置114が設定した音声用コマンドが、音声ランプ制御装置113のコマンド出力処理、或いは表示制御装置114のコマンド出力処理によって音声出力装置226へと出力され、音声出力装置226は、受信した音声用コマンドに対応した音声データを出力するように構成している。
このように、主制御装置110により実行される特別図柄抽選の結果を示すためのコマンドを受信し得る音声ランプ制御装置113にて、表示制御装置114に対して出力する各種表示用コマンドと、音声出力装置226に対して出力する各種音声用コマンドと、を設定することにより、特別図柄の抽選結果を示すための複数の演出態様(第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出表示態様(視覚的表示態様)、音声出力装置226を介してスピーカー450から出力される演出音声態様(聴覚的音声態様))、を一元的に設定することが可能となる。よって、特別図柄の抽選結果を示すために複数の演出態様を実行した場合において、各演出態様の実行タイミングにズレが生じてしまうことを抑制することができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、特別図柄の抽選結果を示すための複数の演出態様として上述した視覚的表示態様と、聴覚的音声態様と、を用いているが、これに限るものでは無く、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を示すための演出を実行するものであれば良い。例えば、遊技者の体の一部(例えば、操作ハンドルを操作する手)に対して所定の圧力を与えるための触覚的押圧態様や、遊技者の嗅覚を刺激するための嗅覚的演出態様を用いて特別図柄の抽選結果を遊技者に示唆、報知するように構成しても良い。このように、複数種類の演出態様を適宜組み合わせて1つの演出を実行するように構成することにより、特別図柄の抽選結果を示すために実行される演出態様を多様に設定することができる。
また、本制御例では表示制御装置114も音声出力装置226に対して出力する音声用コマンド(擬似音声を出力させるためのコマンド)を設定するように構成している。このように構成することにより、表示制御装置114が実際に表示データを作成するタイミングに合わせて音声を出力することができるため、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容と、スピーカー450から出力される音声とをより同期させた演出を実行することができる。
加えて、例えば、表示制御装置114の制御処理異常により演出表示が適正に実行されなかった場合には、音声出力装置226へと音声用コマンドが出力されないため、演出表示が実行されていないにも関わらず、音声のみが出力されてしまったり、演出表示と音声の実行タイミングにズレが生じてしまうことを抑制することができる。
まず、図681(A)を参照して、音声出力装置226のMPUM301により実行されるメイン処理について説明する。図681(A)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(Z8501)。このコマンド判定処理(Z8501)の詳細については、図682を参照して後述するが、音声ランプ制御装置113、或いは表示制御装置114から出力された各種音声用コマンドを受信した場合に、その受信した音声用コマンドに対応させた音声を出力するための処理が実行される。Z8501の処理後は、その他の処理を実行する(Z8502)。このZ8502の処理では、音声データの再生および楽曲用ポインタの値の更新を実行するための処理が実行される。
Z8502の処理が終了すると、RAMM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(Z8503)。Z8503の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(Z8503:YES)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(Z8505)、電源断処理を実行する(Z8506)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(Z8507)、その後、処理を無限ループする。
一方、Z8503の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(Z8503:NO)、RAMM303に記憶されるキーワードに基づき、RAMM303が破壊されているか否かが判別され(Z8504)、RAMM303が破壊されていなければ(Z8504:NO)、Z8501の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAMM303が破壊されていれば(Z8504:YES)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図681(B)を参照して、音声出力装置226のMPUM301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図681(B)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。このコマンド割込処理(図681(B)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAMM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(Z8601)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、読み出されたコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図682を参照して、音声出力装置226のMPUM301により実行されるメイン処理(図681(A)参照)内の一処理であるコマンド判定処理(Z8501)について説明する。図682は、このコマンド判定処理(Z8501)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(Z8501)では、音声ランプ制御装置113、或いは表示制御装置114から受信した各種コマンドの種別に応じた制御が実行される。
コマンド判定処理(Z8501)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(Z8701)、未処理の新規コマンドが無いと判別した場合は(Z8701:NO)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあると判別すると(Z8701:YES)、新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(Z8702)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(Z8703)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示制御装置114から出力された音声用コマンド、即ち、擬似音声を出力させるための音声用コマンドがあるか否かを判別し(Z8704)、擬似音声を出力させるための音声用コマンドがあると判別した場合には(Z8704:YES)、コマンドにより通知された擬似音声を示す音声ファイル(擬似音声用データ)を、ROMM302の音声ファイル記憶エリアから読み出して、次に、楽曲用ポインタの値に擬似音声が再生されるタイミングに対応する値を設定し、擬似音声用データの再生時間に対応するタイマ値を設定し、擬似音声用データの再生を設定して(Z8706)、Z8707の処理へ移行する。
一方、Z8704の処理において、表示制御装置114から出力された音声用コマンドがないと判別した場合(Z8704:NO)、或いは、上述したZ8706の処理を実行した場合には、次いで、その他の音声用コマンド、即ち、音声ランプ制御装置113から受信した音声用コマンドがあるか否かを判別する(Z8707)。
Z8707の処理では、例えば、特別図柄変動演出や大当たり遊技中の大当たり遊技演出に対応する音楽用BGMや、特別図柄(第3図柄)の停止表示タイミングに対応する停止音用音声や、枠ボタン22Aの押下タイミングに対応する押下音用音声や、エラー報知に対応するエラー用音声等を示すための音声用コマンドが音声ランプ制御装置113から出力されたかを判別する。ここで、音声ランプ制御装置113から出力された各種音声用コマンドがあると判別した場合は(Z8707:YES)、受信した各種音声用コマンドが示す音声(楽曲)に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を音声ファイル記憶エリアから読出して、読み出した音声ファイル(楽曲用データ群)を、所定の格納エリアに格納する。そして、受信した各種音声用コマンドが示す音声データの再生時間に対応するタイマ値を所定の計時手段(タイマー)に設定し、各種音声用データの再生を設定して(Z8708)、Z8701の処理へ移行する。
Z8707の処理において、その他音声用データが無いと判別した場合は(Z8707:NO)、その他コマンド処理を実行し(Z8709)、Z8701へと移行し、上述した制御を繰り返し実行する。
<第22制御例における役物制御装置229の制御処理について>
次に、図683、及び図684を参照して、本第22制御例における役物制御装置229の制御処理内容について説明をする。本第22制御例では、表示制御装置114が設定した役物用コマンドが、表示制御装置114のコマンド出力処理によって役物制御装置229へと出力され、役物制御装置229は、受信した役物用コマンドに対応した動作データ(動作シナリオに規定されている各種モータを駆動させる回転方向及びステップ数に対応する電気的信号)を対応する可動役物に対して出力するように構成している。
このように、主制御装置110により実行される特別図柄抽選の結果を示すためのコマンドを受信した音声ランプ制御装置113から出力される表示用コマンドを、表示制御装置114が受信し、その表示制御装置114が役物制御装置229に対して出力する各種役物用コマンドを設定することにより、特別図柄の抽選結果を示すための複数の演出表示態様(第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出表示態様(視覚的表示態様)、と同期させて可動役物を動作させることが可能となる。よって、特別図柄の抽選結果に基づいて実行される演出として、各種装置(第3図柄表示装置81、可動役物、スピーカー450)を複合した複合演出を実行した場合において、各種装置のそれぞれが設定する各演出態様の実行タイミングにズレが生じてしまうことを抑制することができ、演出効果を高めることができる。
なお、本制御例では、特別図柄の抽選結果を示すための複数の演出態様として上述した視覚的表示態様と、聴覚的音声態様と、を用いているが、これに限るものでは無く、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を示すための演出を実行するものであれば良い。例えば、遊技者の体の一部(例えば、操作ハンドルを操作する手)に対して所定の圧力を与えるための触覚的押圧態様や、遊技者の嗅覚を刺激するための嗅覚的演出態様を用いて特別図柄の抽選結果を遊技者に示唆、報知するように構成しても良い。このように、複数種類の演出態様を適宜組み合わせて1つの演出を実行するように構成することにより、特別図柄の抽選結果を示すために実行される演出態様を多様に設定することができる。
まず、図683(A)を参照して、役物制御装置229のMPUY301により実行されるメイン処理について説明する。図683(A)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この役物制御装置229のメイン処理が実行されると、まず、表示制御装置114から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(Z9001)。このコマンド判定処理(Z9001)の詳細については、図684を参照して後述するが、表示制御装置114から出力された各種役物用コマンドを受信した場合に、その受信した役物用コマンドに対応させた動作データを出力するための処理が実行される。Z9001の処理後は、動作データの再生および動作シナリオを更新させるための動作タイマの値の更新を実行するためのその他の処理を実行する(Z9002)。
Z9002の処理が終了すると、RAMY303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(Z9003)。Z9003の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(Z9003:YES)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(Z9005)、電源断処理を実行する(Z9006)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(Z9007)、その後、処理を無限ループする。
一方、Z9003の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(Z9003:NO)、RAMY303に記憶されるキーワードに基づき、RAMY303が破壊されているか否かが判別され(Z9004)、RAMY303が破壊されていなければ(Z9004:NO)、Z9001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAMY303が破壊されていれば(Z9004:YES)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図683(B)を参照して、役物制御装置229のMPUY301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図683(B)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。このコマンド割込処理(図683(B)参照)は、表示制御装置114からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAMY303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(Z9101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、読み出されたコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図684を参照して、役物制御装置229のMPUY301により実行されるメイン処理(図683(A)参照)内の一処理であるコマンド判定処理(Z9001)について説明する。図684は、このコマンド判定処理(Z9001)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(Z9001)では、表示制御装置114から受信した各種コマンドの種別に応じた制御が実行される。
コマンド判定処理(Z9001)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(Z9201)、未処理の新規コマンドが無いと判別した場合は(Z9201:NO)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあると判別すると(Z9201:YES)、新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(Z9202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(Z9203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、役物用コマンドがあるか否かを判別し(S9204)、役物用コマンドがあると判別した場合には(Z9204:YES)、次に、今回受信した役物用コマンドの動作対象となる可動役物が動作中であるかを判別する(Z9205)。ここで、Z9205の処理では、まず、今回受信した役物用コマンドがどの可動役物に対しての動作シナリオを示すコマンドであるかを判別し、例えば、傾倒装置310を可動させるための動作シナリオを示すコマンドである場合には、傾倒装置310を可動させる駆動モータに対して印可される電流量の変位を判別する。この電流量が駆動モータを駆動させるのに十分な電流量である場合には、駆動モータが駆動している場合であるため、傾倒装置310が動作中であると判別する。
このように、駆動モータの駆動状況を直接把握するように構成することで、複数の制御装置から動作データが出力される構成を用いた場合であっても、可動役物の可動状況を確実に把握することができる。
Z9205の処理において、対象となる可動役物が動作中であると判別した場合は(Z9205:YES)、今回受信した役物用コマンドに基づく動作を実行することが出来ない状態であるため、動作データを出力すること無く、今回受信した役物用コマンドを破棄し(Z9206)、Z9201の処理へ移行する。一方、対象となる可動役物が動作中ではないと判別した場合は(Z9205:NO)、可動役物(傾倒装置310)に対して準備動作を実行させるための動作データ(エンディング用シナリオテーブル222IB2の動作ポインタ「1」、「2」(図667(B)参照)に対応する動作データ)を出力し(Z9207)、Z9201の処理へ移行する。
また、Z9204の処理において、役物用コマンドがないと判別した場合は(Z9204:NO)、その他コマンド処理を実行し(Z9207)、Z9201の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本第22制御例では、可動部材に対する動作制御を実行するための役物制御装置229を設け、表示制御装置114から役物制御装置229へと可動部材(例えば、傾倒装置310)を可動させるための指令(コマンド)を出力するように構成している。そして、演出期間の開始タイミングにおいて音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力される表示用コマンドに、表示制御装置114から役物制御装置229へ準備動作を実行させるためのコマンド(役物用コマンド)を出力するタイミングを示す情報を含ませるように構成している。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113は所定の演出期間に対応する表示用コマンドを、演出期間の開始時に表示制御装置114へと出力するだけで、適正なタイミングで可動部材の準備動作を行わせることができる。また、複合演出の実行タイミングを複数設定可能に構成し、設定された複合演出の実行タイミングに合わせて準備動作を実行させるタイミングを異ならせたとしても、表示制御装置114へと出力する表示用コマンドに含ませる役物用コマンドを出力するタイミングを可変設定するだけで良いため、音声ランプ制御装置113に複数の期間を計測するための計測手段(タイマー)を設ける必要を無くすことができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
また、本制御例は、役物制御装置229が傾倒装置310の動作状況を判別出来るように構成されている。具体的には、傾倒装置310を駆動させる駆動手段(モータ)が駆動しているか否かをモータに印可される電流を検知することで判別するように構成している。そして、音声ランプ制御装置113から動作指示を受けて傾倒装置310が動作している状況を判別し、傾倒装置310が可動していないと判別した場合に、傾倒装置310に対して動作データを出力することができる。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113からも役物制御装置229からも可動役物を可動させるための動作データ(動作シナリオに規定されている各種モータを駆動させる回転方向及びステップ数に対応する電気的信号)を可動役物に対して出力するように構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113にて可動役物に対する動作シナリオのみを設定し、設定した動作シナリオを役物制御装置229へと出力するように構成し、役物制御装置229のみが可動役物に対して動作データ(動作シナリオに規定されている各種モータを駆動させる回転方向及びステップ数に対応する電気的信号)を出力するように構成しても良い。このように構成することで、可動役物に対して複数の制御装置から動作データが出力されることが無くなるため可動役物に対する動作制御が煩雑になることを抑制することができる。
加えて、本制御例のように、可動役物の準備駆動が実行され得るタイミングに合わせて擬似的に準備駆動時に発生する音声を出力することで、遊技者に準備駆動が実行されたか否かを判別させ難くすることができる。これにより、準備駆動が必要な役物演出を実行する場合において、その準備駆動が実行されている段階で遊技者に対して実行される操作演出の演出態様を判別されることを抑制することができ、操作演出の演出効果が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、準備駆動が実行される場合に発生する音声を出力することにより、実際には準備駆動が実行されていない場合であっても、準備駆動が実行されているように思わせることで、準備駆動の実行の有無を遊技者に判別させ難くするように構成しているが、遊技者が準備駆動の実行の有無を容易に判別出来ない構成であれば良く、例えば、実際に準備駆動が行われる場合に発生する音声を遊技者が識別困難となる音声(例えば、装飾用効果音)を出力するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、準備駆動が実行されている(された)ことを遊技者に判別され難くすることができ、同様の効果を奏することができる。
また、本制御例では、上述した通り、準備駆動が実行されていることを目視することが困難な構成を用いているため、準備駆動の実行の有無を分かり難くするために、擬似的な音声を出力するように構成しているが、これ以外に、例えば、準備駆動が実行されていることを目視可能な構成を用いる場合には、擬似的な音声の出力に加え、準備駆動が実行されていることを視覚的に判別されないように対策を施す必要がある。この場合、例えば、準備駆動が実行され得る準備期間が設定されると、準備駆動の実行の有無に関わらず、準備駆動によって可動する部材を遊技者が目視困難となるように覆う被覆可動部材を設けると良い。これにより、準備駆動が実行されることを視覚的にも聴覚的にも遊技者に判別されることを抑制することができる。
このように、本制御例では、エンディング期間中に実行する複合演出として実行する可動役物(傾倒装置310)の役物演出(演出駆動)に対する準備駆動を、大当たり遊技の最終ラウンド中に実行するように構成している。これにより、エンディング期間の開始時には傾倒装置310が準備駆動を完了した状態、即ち、エンディング用シナリオテーブル222IB2の動作ポインタ「2」の動作を完了させた状態(図667(B)参照)とすることができるため、エンディング期間の開始時から準備駆動を実行する場合に比べて、予め定められた期間が設定されるエンディング期間中において、操作演出期間を長く設定することができる。
また、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114へと出力する表示用コマンドに、可動役物を準備駆動させるためのタイミング情報を含ませ、表示制御装置114から役物制御装置229へと役物用コマンドを出力するように構成しているため、音声ランプ制御装置113側で、可動役物に準備駆動を実行させるタイミングを計測し、実行タイミングとなった場合に可動役物に対して準備駆動を実行させるための役物用コマンドを出力する必要が無い。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
さらに、表示制御装置114が役物制御装置229へ役物用コマンドを出力すると同時に音声出力装置226へ音声用コマンドを出力するように構成し、可動役物の準備駆動の実行期間に対応させて、スピーカー450から擬似音声が出力されるように構成しているため、可動役物の準備駆動中に発生する音声が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に実行される複合演出を例に挙げたが、複合演出が実行されるタイミングは大当たり遊技中に限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果を示すための特図変動中であっても良い。この場合、特図変動中に実行される変動演出として、役物演出と、準備動作とを異ならせて設定する技術思想を用いる場合には、例えば、保留記憶している入賞情報を事前判別する事前判別手段の判別結果に基づいて、例えば、2変動後に実行される特図変動において複合演出を実行すると判別された場合、或いは、2変動度に実行される特図変動において複合演出を実行しないと判別された場合の一部において、2変動後の特図変動が実行されるよりも前に準備動作を実行するように事前準備動作を設定すると良い。
また、操作手段(枠ボタン22)に対して特定の操作を実行した場合に、準備動作を実行するか否かを決定する決定手段を設け、その決定手段により準備動作を実行すると決定された場合に準備動作を実行するように構成しても良い。この場合、操作演出を設定するタイミングにおいて可動役物が操作演出の初期位置に位置している場合のみ操作演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者による操作手段への操作の有無に応じて複合演出が実行される確率を可変させることができるため、遊技者に対してより積極的に操作手段を操作させることができる。さらに、上述した決定手段が用いられる操作手段への操作タイミングを、例えば、操作演出が実行される特図変動よりも前に実行される前特図変動の抽選結果を示唆する示唆演出として操作手段を操作させる演出と融合させ、操作手段を操作した結果、前特図変動の抽選結果が外れであることを示唆する演出が実行された場合に、決定手段が準備動作を実行すると決定するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して違和感無く準備動作を行うための操作手段への操作を行わせることができる。また、第3図柄表示装置81の表示画面にて前特図変動の抽選結果を示唆する示唆演出が実行されている間に可動役物の準備動作を実行することが可能となるため、可動役物が可動していることを遊技者に気付かれ難くすることができる。
<第23制御例>
次いで、図685から図696を参照して、第23制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第19制御例(および第18制御例)におけるパチンコ機10では、特図変動の実行中に電源が遮断された場合に、その電源断の発生時に、特図変動に伴って再生されていたBGMの再生位置をバックアップする構成とし、その後、電源が再投入されて特図変動を再開する際は、バックアップしておいた再生位置からBGMの再生を開始する構成としていた。これにより、電源が遮断される前に実行中であった特図変動が、電源の再投入後にそのまま再開されたということを遊技者に対して容易に理解させることが可能となるように構成していた。
これに対して第23制御例におけるパチンコ機10では、特図変動の実行中に電源が遮断され、その後に電源が再投入されて特図変動が再開される場合に、表示制御装置114の初期設定が完了してから(即ち、第3図柄表示装置81において通常の表示演出が実行可能となってから)、電源断により中断されていた特図変動に対応する変動表示演出を疑似的に開始する構成とした。この疑似的な変動表示演出は、電源が再投入されたことに基づいて再開された特図変動が、初期設定の完了よりも前に終了した場合にも実行される。即ち、初期設定の終了から所定期間の間は、実際の特図変動(第1図柄表示装置37において表示される第1図柄の変動表示)の変動開始タイミングや停止タイミングに同期せずに、第3図柄表示装置81において疑似的に実行される変動表示演出が実行させる構成とした。このように構成することで、初期設定が完了した後で第3図柄表示装置81において実行される疑似的な変動表示を確認することで、電源の遮断時に実行されていた変動表示の結果を遊技者に対して容易に理解させることができる。また、これに合わせて、本第23制御例では、初期設定の完了時に、特図変動BGMのメロディーの最後のパートが終了するように、電源投入時におけるBGMの再生開始位置を設定する構成とした。このように構成することで、擬似変動を開始させるタイミングで、切りよく特図変動BGMの先頭のパートから再生を行わせることができる。よって、擬似変動を通常の変動表示であるかのように見せることができるので、電源断の発生前に実行されていた変動表示の結果を、遊技者に対して違和感を抱かせること無く報知することができる。
また、上述した第19制御例におけるパチンコ機10では、特図変動の実行中において、背景変更操作(枠ボタン22Aに対する押下操作)が実行された場合に、所定の割合で、「シルエット表示」が選択され得るように構成していた。このシルエット表示は、基本的に当該変動が大当たり変動である場合の方が、外れ変動である場合よりも設定され易くなるように構成されているので、大当たりとなる期待度をシルエット表示の有無によって予測したいと考える遊技者に対して特図変動の実行中に積極的に背景モードの変更操作を行わせることができるという斬新な遊技性を実現していた。言い換えれば、遊技者に対して積極的に背景モードを変更させることが可能に構成したため、特図変動中に実行される演出態様(背景モードに対応する演出態様)も頻繁に変更される結果、遊技が単調となってしまうことを抑制することが可能となっていた。
これに対して本第23制御例におけるパチンコ機10では、背景変更操作を実行することにより、シルエット表示が設定され得る点までは第19制御例と共通しているが、このシルエット表示による示唆内容を第19制御例とは異ならせている。より具体的には、本第23制御例では、複数の形状(表示態様)のシルエットが設けられており、変動表示演出の実行中に表示されたシルエットの形状(表示態様)に応じて、当該変動表示の後半(所定期間)において実行される予告演出の種別(リーチ演出の種別)を示唆(報知)することが可能に構成している。このように構成することで、予告演出が開始されるよりも前に、予告演出の種別を予め知ることができるので、遊技者に対して積極的に背景変更操作を実行させることができる。また、シルエット表示が設定された時点で、リーチ演出に発展することが確定するので、リーチ演出(大当たりの期待度が高い演出)が実行されるか否かを早期に知りたいと考える遊技者に対して、より積極的に背景変更操作を実行させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。なお、本第23制御例では、シルエット表示を用いた演出のことを、「シルエット予告演出」と称する。
この第23制御例におけるパチンコ機10が、第19制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第19制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第19制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図685を参照して、本第23制御例において、特図変動中に電源が遮断された後で電源が再投入された場合におけるBGMおよび第3図柄表示装置81における表示態様の推移について説明する。図685(A)は、電源投入後に再開された特図変動の変動時間が、表示制御装置114の初期設定の期間よりも後に経過する場合のBGMおよび表示態様の推移を示した図である。図685(A)に示した通り、本第23制御例では、Aメロディー、Bメロディー、およびCメロディーから構成される特図変動BGMのうち、Cメロディーの終了タイミングと、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングとが一致するように特図変動BGMの再生開始位置が設定される。図685では、特図変動BGMをBメロディーの途中から開始させることにより、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングと、特図変動BGMのCメロディーの終了タイミングとを一致させた場合を例示している。初期設定の終了タイミングとBGMのCメロディーの終了タイミングとが一致するようにBGMの再生開始位置を設定することにより、以降は、通常時と同様に特図変動BGMを変動終了までループ再生させるだけで、表示制御装置114の復帰時タイミングで、特図変動BGMの先頭からBGMを開始させることができる。即ち、初期設定が終了して、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始させるタイミングと、特図変動BGMの先頭からBGMが再生されるタイミングとを一致させることができる。よって、初期設定の終了時点での残変動時間で実行する特図変動演出におけるBGMを、自然な音声態様で再生させることができる。よって、より好適な音声態様を実現することができる。また、初期設定の終了時にBGMの先頭位置から再生を設定する必要がないため、表示制御装置114の初期設定の終了時における音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングは、主として、特図変動の進行状況に応じて変化する。表示制御装置114は、初期設定を行っている間に、各種演出に用いる画像を常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する制御を実行する。ここで、特図変動が実行されていなければ、常駐用画像の転送のみを実行すればよく、初期設定の時間は比較的短くなるが、特図変動が実行されている場合、初期設定の終了時に、変動表示演出に使用される画像データを用意しておく必要がある。このため、特図変動に用いる画像データが多いほど、初期設定に要する期間は長期化する。本第23制御例では、特図変動の表示態様が、比較的用いる画像データが少ないリーチ発展前であるか、比較的用いる画像データが多いノーマルリーチ発展後であるか、用いる画像データが最も多いスーパーリーチ発展後であるかに応じて、初期設定に要する時間が可変する。具体的には、リーチ発展前であれば、1秒間で初期設定が終了するのに対し、ノーマルリーチに発展した後は、初期設定に2秒間を要し、スーパーリーチ発展後であれば、初期設定に4秒間を要する構成となっている。このため、本第23制御例では、電源投入時における変動表示の発展状況を、残変動時間および変動種別から判別して、初期設定に要する期間を予測し、その予測した初期設定の期間に応じて特図変動BGMの開始タイミングを設定する構成としている。これにより、確実に初期設定の終了タイミングと特図変動BGMの終了タイミングとを一致させることができる。
図685(B)は、初期設定が完了するよりも前に、電源断時に中断され、電源投入後に再開された特図変動が終了した場合におけるBGMおよび表示態様の推移を示した図である。図685(B)は、電源の遮断時に少なくとも1の保留球が存在する状況下で特図変動が実行されていた場合を例示している。図685(B)に示した通り、電源が再投入されて特図変動が再開されると、初期設定の終了タイミングを予測して、その予測した終了タイミングに合わせてBGMが終了するようにBGMの再生開始位置が設定される。即ち、図685(A)と同様に、Bメロディーの途中から再生が開始されることにより、初期設定の終了タイミングと、Cメロディーの終了タイミングとが一致する。
また、図685(B)に示した通り、表示制御装置114の初期設定の実行中に、特図変動が終了すると、電源断の時点で保留されていた保留球(保留球1)に基づく特図変動(第1表示装置37における第1図柄の変動表示)が開始される。図685(B)では、保留球1(保1)に基づく変動表示の変動停止タイミングが、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングよりも後の場合を例示している。電源断時点での保留球1に対応する第1図柄表示装置37における第1図柄の変動表示は、図685(B)に示した通り、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングを跨いで継続する。一方で、第3図柄表示装置81の表示態様としては、図685(B)に示した通り、初期設定が終了するまでの間、初期設定中の画面(電源投入時画像)が表示され続け、初期設定が完了した(通常の画像を表示させることが可能となった)ことに基づいて、まず、1秒間の疑似的な外れの変動表示を実行する。これは、電源断の発生時に中断された(初期設定の間に第1図柄表示装置37において結果が示された)変動表示の結果を、第3図柄表示装置81において擬似的に示すための変動表示演出である。この擬似変動演出を実行することにより、初期設定の実行中に終了した第1図柄表示装置37における変動表示および第3図柄表示装置81における電源投入時変動画像による簡易的な変動表示の結果(比較的確認し難い態様の変動表示の結果)を見逃した遊技者に対して、より視認し易い態様で変動表示の結果を報知することができる。よって、電源断時に実行中の特図変動の結果を、遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、電源断時に実行中であった特図変動の抽選結果が大当たりであった場合には、電源投入後に再開された特図変動の変動期間が経過すると共に(即ち、初期設定の実行中に)大当たりが開始される(擬似変動を実行する余地が無い)ため、擬似変動を実行しなかったとしても、遊技者に対して抽選結果が電源断により破棄された等の疑念を抱かせることはない。
図685(B)に示した通り、1秒間の疑似的な変動表示が終了した後は、残りの変動時間で第3図柄の変動表示を実行する。このように構成することで、表示制御装置114における初期設定の実行中に終了した変動表示の結果と、初期設定の実行中に開始された変動表示の結果との両方を、遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、初期設定の実行中に開始された変動表示の残変動時間が1秒未満(擬似変動の実行中に変動時間が経過してしまう)の場合には、電源断時に実行中であった変動表示に対応する1秒間の擬似変動が実行された後で、電源断時の保留1に対応する1秒間の擬似変動が実行される。また、初期設定の実行中に開始された変動表示の残変動時間が2秒未満の場合には、電断時に実行中であった変動表示に対応する擬似変動を残変動時間に渡って実行した後で、電源断時の保留1に対応する1秒間の擬似変動が実行される。このように構成することで、擬似変動をより好適に実行することができる。
<第23制御例における電気的構成>
次に、図686(A)を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図686(A)は、本第23制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図686(A)に示した通り、本第23制御例におけるROM222の構成は、第19制御例におけるROM222の構成(図639(A)参照)に対して、背景予告選択テーブル222GAが削除され、代わりにシルエット予告選択テーブル222JAが設けられている点で相違している。その他の構成については上述した第19制御例におけるROM222の構成と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
シルエット予告選択テーブル222JAは、本第23制御例におけるシルエット予告演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。ここで、本第23制御例におけるシルエット予告演出は、上述した通り、変動表示演出の実行中における背景変更操作に伴って表示されたシルエットの形状(表示態様)に応じて、当該変動表示の後半(所定期間)において実行される予告演出の種別(リーチ演出の種別)を示唆(報知)する演出である。より具体的には、本第23制御例におけるシルエット予告演出で表示され得るシルエットの態様(形状)として、泡の形状を模した泡型シルエット、魚の形状を模した魚型シルエット(図641(A)参照)、木の形状を模した木型シルエット(図641(B)参照)、および火山の形状を模した火山型シルエットの少なくとも4種類のシルエットを設けている。これらのシルエットは、それぞれ変動表示の後半において実行される予告演出の種別(予告種別)を示唆している。即ち、泡型シルエットは、スーパーリーチへと発展する際に多数の泡が表示画面内に発生する泡予告演出が実行されることを示唆するものであり、魚型シルエットは、スーパーリーチへと発展する際に魚群が表示画面内を横切る魚群予告演出が実行されることを示唆するものであり、木型シルエットは、スーパーリーチへと発展する際に強風によって木が揺らぐ表示態様が表示される風予告演出が実行されることを示唆するものであり、火山型シルエットは、スーパーリーチへと発展する際に山が噴火する表示態様が表示される噴火予告演出が実行されることを示唆するものである。
なお、泡予告演出および魚群予告演出は、背景モードが海モードに設定されている場合専用の予告演出であり、風予告演出および噴火予告演出は、背景モードが山モードに設定されている場合専用の予告演出である。魚群予告演出は、泡予告演出よりも大当たり期待度が高い(外れ変動の場合に選択される割合が低い)予告演出であり、噴火予告演出は、風予告演出よりも大当たり期待度が高い予告演出である。そして、泡予告演出と、風予告とは実行された場合の大当たり期待度が同等となるように構成されており、魚群予告演出と噴火予告演出も、大当たり期待度が同等となるように構成されている。このため、泡予告演出が設定された変動表示演出における高速変動期間の間に背景変更操作を行って山背景に変更すると、風予告演出を伴う変動表示演出に切り替わり、風予告演出が設定された変動表示演出における高速変動期間の間に背景変更操作を行って海背景に変更すると、泡予告演出を伴う変動表示演出に切り替わる。また、魚群予告演出が設定された変動表示演出における高速変動期間の間に背景変更操作を行って山背景に変更すると、噴火予告演出を伴う変動表示演出に切り替わり、噴火予告演出が設定された変動表示演出における高速変動期間の間に背景変更操作を行って海背景に変更すると、魚群予告演出を伴う変動表示演出に切り替わる。シルエット予告演出の演出態様を選択するためのシルエット予告選択テーブル222JAの詳細について、図687を参照して説明する。
図687は、本第23制御例におけるシルエット予告選択テーブル222JAの規定内容を示した図である。図687に示した通り、本第23制御例におけるシルエット予告選択テーブル222JAは、演出カウンタ223Hの値の範囲毎に、選択されるシルエット予告演出の種別が対応付けて規定されている。具体的には、図687に示した通り、スーパーリーチへの発展を伴わない予告種別が設定されている変動表示演出に対しては、背景変更操作によって変更された後の背景モードにかかわらず、演出カウンタ223Hの取り得る全範囲に対して、シルエット予告「無し」が対応付けて規定されている。よって、スーパーリーチへの発展を伴わない演出態様の変動表示演出が実行されている間に遊技者が背景変更操作を行った場合は、シルエット予告演出が実行されることはない。
また、図687に示した通り、背景変更操作による変更後の背景モードが海モードであり、且つ、実行中の変動表示が泡予告スーパーリーチを伴う変動表示であるという状況に対して、演出カウンタ223Hの値が「0〜149」の範囲に、シルエット予告「無し」が対応付けて規定され、「150〜198」の範囲に、「泡型シルエット」のシルエット予告演出が対応付けて規定されている。よって、背景変更操作により海モードへと変更され、泡予告スーパーリーチを伴う変動表示であった場合は、約24.6%(49/199)の割合で泡型シルエットが表示されるシルエット予告演出が実行される。シルエット予告演出が実行されることにより、泡予告を伴うスーパーリーチへと発展することを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。よって、シルエット予告演出を確認したいと希望する遊技者に対して積極的に背景モードの変更を行わせることができる。
図687に示した通り、背景変更操作による変更後の背景モードが海モードであり、且つ、実行中の変動表示が魚群予告スーパーリーチを伴う変動表示であるという状況に対して、演出カウンタ223Hの値が「0〜179」の範囲に、シルエット予告「無し」が対応付けて規定され、「180〜198」の範囲に、「魚型シルエット」のシルエット予告演出が対応付けて規定されている。よって、背景変更操作により海モードへと変更され、魚群予告スーパーリーチを伴う変動表示であった場合は、約9.5%(19/199)の割合で魚型シルエットが表示されるシルエット予告演出が実行される。シルエット予告演出が実行されることにより、魚群予告を伴うスーパーリーチへと発展することを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。また、大当たりとなる期待度が比較的高い魚群予告演出を伴うスーパーリーチ演出の方が、泡予告演出を伴うスーパーリーチ演出よりも、シルエット予告演出の実行割合を低く構成することにより、シルエット予告演出が発生しなかった場合に、魚群予告演出が実行されることを期待させることができる。よって、シルエット演出の実行有無、およびシルエットの種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図687に示した通り、背景変更操作による変更後の背景モードが山モードであり、且つ、実行中の変動表示が風予告スーパーリーチを伴う変動表示であるという状況に対して、演出カウンタ223Hの値が「0〜99」の範囲に、シルエット予告「無し」が対応付けて規定され、「100〜198」の範囲に、「木型シルエット」のシルエット予告演出が対応付けて規定されている。よって、背景変更操作により山モードへと変更され、風予告スーパーリーチを伴う変動表示であった場合は、約50.2%(100/199)の割合で木型シルエットが表示されるシルエット予告演出が実行される。シルエット予告演出が実行されることにより、風予告を伴うスーパーリーチへと発展することを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。また、海モードにおける泡予告スーパーリーチに対するシルエット予告演出の発生割合よりも、風予告スーパーリーチに対するシルエット予告演出の発生割合の方が高くなるように構成しているので、シルエット予告演出をより多く見たいと希望する遊技者に対して、積極的に山モードへの背景変更操作を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
図687に示した通り、背景変更操作による変更後の背景モードが山モードであり、且つ、実行中の変動表示が噴火予告スーパーリーチを伴う変動表示であるという状況に対して、演出カウンタ223Hの値が「0〜149」の範囲に、シルエット予告「無し」が対応付けて規定され、「150〜198」の範囲に、「火山型シルエット」のシルエット予告演出が対応付けて規定されている。よって、背景変更操作により山モードへと変更され、噴火予告スーパーリーチを伴う変動表示であった場合は、約24.6%(49/199)の割合で火山型シルエットが表示されるシルエット予告演出が実行される。シルエット予告演出が実行されることにより、噴火予告を伴うスーパーリーチへと発展することを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。また、海モードにおける魚群予告スーパーリーチに対するシルエット予告演出の発生割合よりも、噴火予告スーパーリーチに対するシルエット予告演出の発生割合の方が高くなるように構成しているので、シルエット予告演出をより多く見たいと希望する遊技者に対して、積極的に山モードへの背景変更操作を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
このように、本第23制御例では、特定の種別の予告演出が実行される変動表示演出の実行中において、遊技者が背景変更操作を行った場合に、予告演出の種別毎に予め定められた割合で、予告演出の実行を示唆するシルエット予告演出を実行する構成とした。このように構成することで、予告演出が開始されるよりも前に、予告演出の実行有無、および予告演出の種別を知ることができるので、これらを知りたいと考える遊技者に対して、積極的に背景変更操作を行わせることができる。また、本第23制御例では、シルエット予告演出が発生した時点で、比較的大当たり期待度が高いスーパーリーチまで発展することが確定するので、シルエット予告演出が発生することにより、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。また、本第23制御例では、予告演出の種別のみに応じて、シルエット予告演出の実行割合を異ならせる構成としている。つまり、当該変動が大当たりであるか、外れであるかによらず、シルエット予告演出を選択する構成としている。このように構成することで、シルエット予告演出が実行されなかったとしても、遊技者の大当たりに対する期待感を損ね難くすることができる。更に、本第23制御例では、海モードへと背景モードを変更した場合よりも、山モードへと背景モードを変更した場合の方が、シルエット予告演出の実行割合が高くなるように構成している。これにより、遊技者の好みのシルエット予告演出の実行割合を選択して遊技を行わせる遊技性を実現することができる。また、シルエット予告演出により、その後に実行されるスーパーリーチの予告演出の種別を予め報知する構成としているので、予告演出の種別をシルエット予告演出により知った後で、背景モードを維持することでシルエット予告演出により報知された予告演出をそのまま実行させるか、(高速変動期間の間に)再度背景変更操作を行うことにより、シルエット予告演出で報知された予告演出に相当する、変更後の背景に対応する予告演出を実行させるかを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第23制御例では、海モードと山モードとでシルエット予告演出の実行割合を異ならせる構成としていたが、シルエット予告演出の実行割合は共通化してもよい。このように構成することで、シルエット予告選択テーブル222JAの規定内容を簡素化することができるので、ROM222の記憶容量を削減することができる。
本第23制御例では、特定の種別の予告演出が実行されるか否かのみに応じて、シルエット予告演出の実行可否およびシルエットの種別を選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりであるか否かにも応じて、シルエット予告演出の実行割合を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、シルエット予告演出により大当たり期待度も示唆することができるので、遊技者に対してより積極的に背景変更操作を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図686(B)を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113内のRAM223の詳細について説明する。図686(B)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図686(B)に示した通り、本第23制御例におけるRAM223の構成は、第19制御例におけるRAM223の構成(図639(B)参照)に対して、擬似変動カウンタ223JAと、擬似変動時間カウンタ223JBと、シルエット抽選済フラグ223JCとが追加されている点でのみ相違している。
擬似変動カウンタ223JAは、電源の再投入後に実行された変動表示のうち、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動表示(電源投入時変動画像を除く)が未実行の変動表示の回数(擬似変動の実行回数)をカウントするためのカウンタである。この擬似変動カウンタ223JAは、表示制御装置114の初期設定の実行中に停止コマンドを受信する(変動停止タイミングになる)毎に値が1ずつ加算され(図688のZ2277参照)、擬似変動演出を実行する毎に、値が1ずつ減算される(図691のZ2316、図693のZ2560参照)。この擬似変動カウンタ223Jの値が1以上の場合には、変動若しくは擬似変動が終了する毎に、新たな擬似変動が実行される。
擬似変動時間カウンタ223JBは、擬似変動演出の変動時間をカウントするためのカウンタである。この擬似変動時間カウンタ223JBは、擬似変動の開始時に、擬似変動の変動時間に対応するカウンタ値が設定される(図691のZ2315,Z2321、図693のZ2257,Z2259)。この擬似変動カウンタ223JBの値が0になった場合に、上述した擬似変動カウンタ223JAの値が1以上の場合には擬似変動の実行を設定する。一方、変動表示の実行中に擬似変動時間カウンタ223JBの値が0になった場合は、残りの変動時間で通常の変動表示を実行し、変動停止状態(保留切れの状態)で擬似変動時間カウンタ223JBの値が0になった場合は、そのまま変動停止状態となる。
シルエット抽選済フラグ223JCは、1の変動表示においてシルエット予告選択テーブル222JAを用いた抽選が実行済みであるか否かを示すためのフラグである。このシルエット抽選済フラグ223JCがオンであれば、実行中の変動表示において、シルエット予告選択テーブル222JAを用いた抽選が既に実行済みであることを意味し、オフであれば、未実行であることを意味する。このシルエット抽選済フラグ223JCは、初期値がオフに設定されており、変動表示の実行中に背景変更操作が最初に行われたタイミングでオンに設定される(図694のZ2986参照)。また、変動停止時にオフに設定される(図688のZ2280参照)。
<第23制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図688から図696を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図688を参照して、第23制御例における変動停止処理13(Z2246)について説明する。この変動停止処理13(Z2246)は、第19制御例における変動停止処理9(図645参照)に代えて実行される処理であり、変動停止処理9(図645参照)と同様に、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄の停止表示の設定を行うための処理である。
この第23制御例における変動停止処理13(図688参照)のうち、Z2265からZ2269の各処理では、それぞれ第19制御例における変動停止処理9(図645参照)のZ2265からZ2269の各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における変動停止処理13(図688参照)では、まず、第3図柄の停止表示を設定して(Z2265)、処理をZ2266へと移行する。また、Z2269の処理が終了すると、次背景変更フラグ223FAをオフに設定して(Z2270)、処理をZ2273へと移行する。
Z2273の処理では、残変動時間カウンタ223FGの値を0にクリアし(Z2273)、次いで、復帰変動中フラグ223FFがオンであるか否かを判別する(Z2275)。Z2275の処理において、復帰変動中フラグ223FFがオフであると判別した場合は(Z2275:NO)、処理をZ2280へと移行する。一方、Z2275の処理において、復帰変動中フラグ223FFがオンであると判別した場合は(Z2275:YES)、大当たりの停止図柄を設定したか否かを判別する(Z2276)。Z2276の処理において、大当たりの停止図柄を設定したと判別した場合は(Z2276:YES)、擬似変動カウンタ223JAの値を0にクリアし(Z2278)、復帰変動中フラグ223FFをオフに設定して(Z2279)、処理をZ2280へと移行する。
これに対し、Z2276の処理において、大当たりの停止図柄を設定していないと判別した場合は(Z2276:NO)、表示制御装置114の初期設定中に外れの第1図柄を停止表示させたことを意味するので、擬似変動カウンタ223JAの値に1を加算して(Z2277)、処理をZ2280へと移行する。Z2280の処理では、シルエット抽選フラグ223JCをオフに設定して(Z2280)、本処理を終了する。
この変動停止処理13(図688参照)を実行することにより、表示制御装置114の初期設定中に外れの第1図柄が停止表示される毎に、擬似変動カウンタ223JAを1ずつ加算することができるので、初期設定中に実行された外れ変動の回数分の擬似変動演出を、初期設定の終了後に正確に実行することができる。よって、遊技者に対して電源断時に実行中だった変動表示、および電源断時の保留球に基づく変動表示と同じ回数の第3図柄の変動表示を初期設定の終了後に第3図柄表示装置81において実行することができる。これにより、遊技者に対して電源断により抽選結果が破棄された等の疑念を抱かせてしまうことを抑制できるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
次に、図689を参照して、本第23制御例における変動復帰処理13(Z2262)について説明する。この変動復帰処理13(Z2262)は、第19制御例(および第18制御例)における変動復帰処理(図622参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例(および第18制御例)における変動復帰処理(図622参照)と同様に、主制御装置110より受信した復帰変動コマンドに応じた制御を実行するための処理である。
この第23制御例における変動復帰処理13(図689参照)のうち、Z2281〜Z2284の各処理では、それぞれ第19制御例(および第18制御例)における変動復帰処理(図622参照)のZ2281〜Z2284の各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における変動復帰処理13(図689参照)では、Z2284の処理が終了すると、次に、変動復帰コマンドにより通知された残変動時間と、変動種別(変動時間)との差分により、ノーマルリーチ演出中に対応する残変動時間であるか否かを判別し(Z2331)、ノーマルリーチ演出の実行中に対応する残変動時間であると判別した場合は(Z2231:YES)、特図変動のBGMを、楽曲の終了2秒前に相当する再生位置から再生するように設定して(Z2332)、本処理を終了する。
一方、Z2331の処理において、ノーマルリーチ演出の実行中に対応する残変動時間ではないと判別した場合は(Z2331:NO)、次に、スーパーリーチ演出中に対応する残変動時間であるか否かを判別し(Z2333)、スーパーリーチ演出中であると判別した場合は(Z2333:YES)、特図変動のBGMを、楽曲の終了4秒前に相当する再生位置から再生するように設定して(Z2334)、本処理を終了する。これに対し、Z2333の処理において、スーパーリーチ演出の実行中ではないと判別した場合は(Z2333:NO)、特図変動のBGMを、楽曲の終了1秒前に相当する再生位置から再生するように設定して(Z2335)、本処理を終了する。
この変動復帰処理13(図689参照)を実行することにより、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングに合わせて特図変動のBGMを終了させることができる。即ち、特図変動の表示態様が、比較的用いる画像データが少ないリーチ発展前であるか、比較的用いる画像データが多いノーマルリーチ発展後であるか、用いる画像データが最も多いスーパーリーチ発展後であるかに応じて、特図変動BGMの開始タイミングを異ならせることで、確実に初期設定の終了タイミングと特図変動BGMの終了タイミングとを一致させることができる。
次に、図690を参照して、本第23制御例における表示立ち上がり処理13(Z2247)について説明する。この表示立ち上がり処理13(Z2247)は、第19制御例(および第18制御例)における表示立ち上がり処理(図623参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例(および第18制御例)における表示立ち上がり処理(図623参照)と同様に、表示制御装置114の初期設定が完了した場合に、残変動時間カウンタの値に応じて第3図柄の変動表示を設定するための処理である。
この第23制御例における表示立ち上がり処理13(図690参照)のうち、Z2291〜Z2294、およびZ2296〜Z2299の各処理では、それぞれ第19制御例(および第18制御例)における表示立ち上がり処理(図623参照)のZ2291〜Z2294、およびZ2296〜Z2299の各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における表示立ち上がり処理13(図690参照)では、S2291の処理において復帰変動中フラグ223FFがオンであると判別した場合に(Z2291:YES)、次いで、擬似変動カウンタ223JAの値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(Z2301)、擬似変動カウンタ223JAの値が0より大きいと判別した場合は(Z2301:YES)、表示制御装置114の初期設定の間に1回以上、特図変動が終了していることを意味するので、初期設定の間に終了した特図変動の結果を示す擬似変動演出を開始させるための擬似変動開始処理を実行して(Z2302)、本処理を終了する。この擬似変動開始処理(Z2302)の詳細については、図691を参照して後述する。一方、Z2301の処理において、擬似変動カウンタ223JAの値が0であると判別した場合は(Z2301:NO)、処理をZ2292に移行する。
次に、図691を参照して、上述した擬似変動開始処理(Z2302)の詳細について説明する。この擬似変動開始処理(Z2302)は、上述した通り、初期設定の間に終了した特図変動の結果を示す擬似変動演出を開始させるための処理である。図691に示した通り、擬似変動開始処理(Z2302)が実行されると、まず、残変動時間カウンタ223FGの値を読み出して(Z2311)、読み出した残変動時間カウンタ223FGの値から特定される残変動時間が0であるか否かを判別する(Z2312)。
Z2312の処理において、残変動時間が0でないと判別した場合は(Z2312:NO)、次に、残変動時間が2秒よりも長いか否かを判別する(Z2313)。そして、Z2313の処理において、残変動時間が2秒よりも長いと判別した場合(Z2313:YES)、およびZ2312の処理において残変動時間が0であると判別した場合は(Z2312:YES)、1秒間の擬似変動演出の開始を設定し(Z2314)、擬似変動時間カウンタ223JBの値に1秒間に対応するカウンタ値を設定する(Z2315)。次いで、擬似変動カウンタ223JAの値から1を減算することで更新して(Z2316)、本処理を終了する。
一方、Z2313の処理において、残変動時間が2秒以下であると判別した場合は(Z2313:NO)、次いで、残変動時間が1秒よりも長いか否かを判別し(Z2317)、残変動時間が1秒以下であると判別した場合は(Z2317:NO)、擬似変動を行うのに十分な残変動時間ではないことを意味するため、電源復帰中画面(電源投入時画像)の表示継続を設定し(Z2318)、擬似変動カウンタ223JAの値に1を加算して更新して(Z2319)、処理をZ2321へと移行する。これに対し、Z2317の処理において、残変動時間が1秒よりも長いと判別した場合は(Z2317:YES)、1秒間の擬似変動を設定してしまうと、擬似変動終了時の残りの変動時間が1秒以下となってしまい、特図変動を行う十分な時間が残っていないので、残変動時間に渡る擬似変動の開始を設定して(Z2320)、処理をZ2321へと移行する。Z2319、またはZ2320の処理後に実行されるZ2321の処理では、擬似変動時間カウンタ223JBに対して残変動時間に対応するカウンタ値を設定して(Z2321)、本処理を終了する。
この擬似変動開始処理(図691参照)を実行することにより、初期設定の実行中に終了した特図変動の結果を、初期設定の終了後に、第3図柄による擬似変動演出という形で分かり易く報知することができる。よって、遊技者にとってより分かり易い演出を実現することができる。
次に、図692を参照して、本第23制御例における変動表示設定処理13(Z2185)の詳細について説明する。この変動表示設定処理13(Z2185)は、第19制御例(および第18制御例)における変動表示設定処理8(図624参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例(および第18制御例)における変動表示設定処理8(図624参照)と同様に、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに応じた制御を実行するための処理である。
この第23制御例における変動表示設定処理13(図692参照)のうち、Z2501〜Z2503,Z2505〜Z2509、およびZ2531〜Z2534の各処理では、それぞれ第19制御例(および第18制御例)における変動表示設定処理8(図624参照)のZ2501〜Z2503,Z2505〜Z2509、およびZ2531〜Z2534の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第23制御例における変動表示設定処理13(図692参照)では、Z2503の処理が終了すると、次いで、変動パターンコマンドに応じた詳細な変動表示態様を決定して、その決定した変動表示態様に対応する表示用変動パターンコマンドを設定するための変動パターンコマンド設定処理を実行して(Z2521)、処理をZ2535へと移行する。この変動パターンコマンド設定処理(Z2521)の詳細について、図693を参照して説明する。
図693は、変動パターンコマンド設定処理(Z2521)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド設定処理(Z2521)では、まず、変動パターンコマンドから抽出した変動種別の変動時間に対応する値を残変動時間カウンタ223FGに設定し(Z2551)、次いで、擬似変動カウンタ223JAの値が0より大きい(1以上の)値であるか否かを判別し(Z2552)、擬似変動カウンタ223JAの値が0であると判別した場合は(Z2552:YES)、抽出した変動パターンに応じた変動表示態様を選択し(Z2553)、選択した変動表示態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定して(Z2554)、本処理を終了する。
一方、Z2552の処理において、擬似変動カウンタ223JAの値が0より大きい(1以上の)値であると判別した場合は(Z2552:YES)、次いで、残変動時間カウンタ223FGの値が示す残変動時間が2秒よりも長いか否かを判別し(Z2555)、2秒以下であると判別した場合は(Z2555:NO)、1秒間の擬似変動演出を設定してしまうと、擬似変動終了後の残りの変動時間が、変動表示演出を行うのに不十分な長さとなってしまうため、残変動時間に渡る変動時間の擬似変動演出の開始を示す表示用変動パターンコマンドを設定する(Z2556)。次いで、擬似変動時間カウンタ223JBに対して残変動時間に対応するカウンタ値を設定して(Z2557)、本処理を終了する。
これに対し、Z2555の処理において、残変動時間が2秒よりも長いと判別した場合は(Z2555:YES)、1秒間の擬似変動演出を実行したとしても、擬似変動終了後に十分な(少なくとも1秒よりも長い)時間を変動時間として確保することができるので、1秒間の擬似変動の開始を示す表示用変動パターンコマンドを設定する(Z2558)。次いで、擬似変動時間カウンタ223JBに1秒間に対応するカウンタ値を設定し(Z2559)、擬似変動カウンタ223JAの値から1を減算することで更新して(Z2560)、本処理を終了する。
この変動パターンコマンド設定処理(図693参照)を実行することにより、変動開始時に擬似変動の残り回数を加味して、好適に変動表示態様を設定することができる。
次に、図694を参照して、本第23制御例における背景変更処理13(図694参照)について説明する。この背景変更処理13(Z2541)は、第19制御例における背景変更処理9(図644参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例における背景変更処理9(図644参照)と同様に、背景変更操作が行われた場合に、その操作のタイミングに応じて背景変更を設定するための処理である。
この第23制御例における背景変更処理13(図694参照)のうち、Z2963〜Z2967の各処理では、それぞれ第19制御例における背景変更処理9(図644参照)のZ2963〜Z2967の各処理と同一の処理が実行される。また、第23制御例における背景変更処理13(図694参照)では、Z2967の処理、またはZ2968の処理が終了すると、次いで、シルエット抽選済フラグ223JCがオンであるか否かを判別し(Z2981)、シルエット抽選済フラグ223JCがオフであると判別した場合は(Z2981:NO)、今回実行中の変動表示において、シルエット予告演出の抽選が未実行であることを意味するため、シルエット予告演出の抽選および設定を行うための処理(Z2982〜Z2986の各処理)を実行する。より具体的には、演出カウンタ223Hの値を取得し(Z2982)、シルエット予告選択テーブル222JAから、取得した演出カウンタ223Hの値に対応するシルエット予告の予告態様を選択する(Z2983)。
Z2983の処理が終了すると、次いで、シルエット抽選済フラグ223JCをオンに設定し(Z2984)、Z2983の処理によるシルエット予告演出の抽選結果がシルエット予告演出の実行を示す結果であるか否かを判別する(Z2985)。Z2985の処理において、シルエット予告の実行を示す抽選結果であると判別した場合は(Z2986:YES)、選択したシルエット予告演出の実行を示す表示用シルエット予告コマンドを設定して(Z2986)、本処理を終了する。一方、Z2985の処理において、シルエット予告演出「無し」を示す抽選結果であると判別した場合は(Z2985:NO)、Z2986の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この背景変更処理13(図694参照)を実行することにより、変動表示の実行中における初回の背景変更操作に基づいて、シルエット予告演出の抽選を実行することができる。よって、シルエット予告演出を確認した遊技者に対して、大当たりに対する期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図695を参照して、本第23制御例におけるカウンタ更新処理13(Z2177)の詳細について説明する。このカウンタ更新処理13(Z2177)は、第19制御例(および第18制御例)におけるカウンタ更新処理(図633参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例(および第18制御例)におけるカウンタ更新処理(図633参照)と同様に、各種カウンタを更新するための処理である。
この第23制御例におけるカウンタ更新処理13(図695参照)のうち、Z2861〜Z2866の各処理では、それぞれ第19制御例(および第18制御例)におけるカウンタ更新処理(図633参照)のZ2861〜Z2866の各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例におけるカウンタ更新処理13(図695参照)では、Z2864、又はZ2865の処理が終了すると、次いで、擬似変動時間カウンタ223JBの値が0より大きい(1以上の)値であるかを判別して(Z2871)、擬似変動時間カウンタ223JBの値が0であれば(Z2871:NO)、処理をZ2866へと移行する。
一方、Z2871の処理において、擬似変動時間カウンタ223JBの値が0より大きい(1以上の)値であると判別した場合は(Z2871:YES)、擬似変動時間カウンタ223JBの値を1減算し(Z2872)、減算後の疑似変動カウンタ223JBの値が0になったかを判別する(Z2873)。Z2873の処理において、減算後のカウンタ値が0であると判別した場合は(Z2873:YES)、擬似変動カウンタ223JAの値に応じて、擬似変動を実行するか、通常の変動表示を実行するかを判別するための擬似変動設定処理を実行して(Z2874)、処理をZ2875へと移行する。この擬似変動設定処理(Z2873)の詳細については、図696を参照して後述する。一方、Z2873の処理において減算後の疑似変動時間カウンタ223JBの値が0ではないと判別した場合は(Z2873:NO)、Z2874の処理をスキップして、処理をZ2875へと移行する。
次に、図696を参照して、上述した擬似変動設定処理(Z2874)の詳細について説明する。この擬似変動設定処理(Z2874)は、上述した通り、擬似変動カウンタ223JAの値に応じて、擬似変動を実行するか、通常の変動表示を実行するかを判別するための処理である。この擬似変動設定処理(Z2874)では、まず、残変動時間カウンタ223FGの値を読み出して(Z2881)、次に、擬似変動カウンタ223JAの値が0であるか否かを判別する(Z2882)。
Z2882の処理において、読み出した擬似変動カウンタ223JAの値が0であると判別した場合は(Z2882:YES)、次いで、Z2881の処理で読み出したカウンタ値が示す残変動時間が0であるか否かを判別する(Z2883)。Z2883の処理において、残変動時間が0ではないと判別した場合は(Z2883:NO)、残変動時間に渡る変動表示の実行を設定し(Z2884)、特図変動BGMの開始を設定して(Z2885)、本処理を終了する。一方、Z2883の処理において、残変動時間が0であると判別した場合は、実際のパチンコ機10の遊技状態が変動停止状態であることを意味するため、変動表示の実行を設定せずに、そのまま本処理を終了する。
これに対し、Z2882の処理において、擬似変動カウンタ223JAの値が0ではない(1以上である)と判別した場合は(Z2882:NO)、次に、残変動時間が2秒よりも長いか否かを判別し(Z2886)、残変動時間が2秒以下であると判別した場合は(Z2886:NO)、残変動時間が0であるか否かを判別する(Z2887)。Z2887の処理において、残変動時間が0ではないと判別した場合は(Z2887:NO)、残変動時間に渡る擬似変動の開始を設定し(Z2888)、擬似変動時間カウンタ223JBに対して残変動時間に対応するカウンタ値を設定して(Z2889)、処理をZ2893へと移行する。
これに対し、Z2886の処理において、残変動時間が2秒よりも長いと判別した場合(Z2886:YES)、およびZ2887の処理において残変動時間が0であると判別した場合は(Z2887:YES)、1秒間の擬似変動演出の開始を設定し(Z2890)、擬似変動時間カウンタ223JBの値に対して1秒間に対応するカウンタ値を設定する(Z2891)。そして、擬似変動カウンタ223JAの値から1を減算して(Z2892)、処理をZ2893へと移行する。Z2893の処理では、特図変動BGMの開始を設定して(Z2893)、本処理を終了する。
この擬似変動設定処理(図696参照)を実行することにより、擬似変動の変動時間が経過した場合に、擬似変動カウンタ223JAの値に応じて、再度擬似変動を設定するか、通常の変動表示を実行するかを正確に判断することができる。
以上説明した通り、第23制御例におけるパチンコ機10では、特図変動の実行中に電源が遮断され、その後に電源が再投入されて特図変動(第1図柄表示装置37における第1図柄の変動表示)が再開された場合に、表示制御装置114の初期設定が完了してから(即ち、第3図柄表示装置81において通常の表示演出が実行可能となってから)、電源投入時に再開された特図変動の結果を示す疑似的な変動表示演出を第3図柄表示装置81において実行する構成とした。言い換えれば、電源投入に基づいて再開された第1図柄の変動表示の変動期間とは非同期の擬似変動演出を第3図柄表示装置81において実行する構成とした。このように構成することで、初期設定が完了した後で第3図柄表示装置81において実行される疑似的な変動表示を確認することで、電源の遮断時に実行されていた変動表示の結果を遊技者に対して容易に理解させることができる。また、これに合わせて、本第23制御例では、初期設定の完了時に、特図変動BGMのメロディーの最後のパートが終了するように、電源投入時におけるBGMの再生開始位置を設定する構成とした。このように構成することで、擬似変動を開始させるタイミングで、切りよく特図変動BGMの先頭のパートから再生を行わせることができる。よって、擬似変動を通常の変動表示であるかのように見せることができるので、電源断の発生前に実行されていた変動表示の結果を、遊技者に対して違和感を抱かせること無く報知することができる。従って、電源断時により中断された特図変動が、電源の再投入後に破棄されずに実行されたという印象を遊技者に与えることができるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
また、第23制御例におけるパチンコ機10では、変動表示の実行中に背景変更操作を実行した際に、特定条件が成立しいる場合は、その特定条件の成立を示唆可能なシルエット予告演出を所定の割合で実行可能に構成した。より具体的には、変動表示の後半(所定期間)において実行される予告演出の種別(リーチ演出の種別)をシルエット表示の表示態様により示唆(報知)するシルエット予告演出の実行可否を、背景変更操作が実行されたことに基づいて抽選する構成としている。このように構成することで、シルエット予告演出が実行された場合には、予告演出が開始されるよりも前に、予告演出の種別を予め知ることができるので、遊技者に対して積極的に背景変更操作を実行させることができる。また、シルエット表示が設定された時点で、リーチ演出に発展することが確定するので、リーチ演出(大当たりの期待度が高い演出)が実行されるか否かを早期に知りたいと考える遊技者に対して、より積極的に背景変更操作を実行させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。また、本第23制御例では、予告演出の種別のみに応じて、シルエット予告演出の実行割合を異ならせる構成としている。つまり、当該変動が大当たりであるか、外れであるかによらず、シルエット予告演出を選択する構成としている。このように構成することで、シルエット予告演出が実行されなかったとしても、遊技者の大当たりに対する期待感を損ね難くすることができる。更に、本第23制御例では、海モードへと背景モードを変更した場合よりも、山モードへと背景モードを変更した場合の方が、シルエット予告演出の実行割合が高くなるように構成している。これにより、遊技者の好みのシルエット予告演出の実行割合を選択して遊技を行わせる遊技性を実現することができる。また、シルエット予告演出により、その後に実行されるスーパーリーチの予告演出の種別を予め報知する構成としているので、予告演出の種別をシルエット予告演出により知った後で、背景モードを維持することでシルエット予告演出により報知された予告演出をそのまま実行させるか、(高速変動期間の間に)再度背景変更操作を行うことにより、シルエット予告演出で報知された予告演出に相当する、変更後の背景に対応する予告演出を実行させるかを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第23制御例では、海モードと山モードとでシルエット予告演出の実行割合を異ならせる構成としていたが、シルエット予告演出の実行割合は共通化してもよい。このように構成することで、シルエット予告選択テーブル222JAの規定内容を簡素化することができるので、ROM222の記憶容量を削減することができる。
本第23制御例では、特定の種別の予告演出が実行されるか否かのみに応じて、シルエット予告演出の実行可否およびシルエットの種別を選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりであるか否かにも応じて、シルエット予告演出の実行割合を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、シルエット予告演出により大当たり期待度も示唆することができるので、遊技者に対してより積極的に背景変更操作を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
本第23制御例では、特図変動の実行中に電源が遮断され、電源が再投入された場合に、表示制御装置114の初期設定の終了タイミングと、特図変動BGMの末尾が再生されるタイミングとが一致するように、電源投入時に初期設定の終了タイミングを判別して、その判別結果に応じて特図変動BGMの再生開始位置を調節する(可変させる)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、電源投入時に再開された特図変動の終了タイミングに合わせて特図変動BGMが終了するように再生開始位置を調節してもよい。
本第23制御例では、表示制御装置114の初期設定の実行中に終了した特図変動の回数をカウントしておき、初期設定の終了後に、カウント数分の疑似的な変動表示演出を、第3図柄表示装置81において順次実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、初期設定の終了後に、カウント数分の特図変動の結果を1の疑似的な変動表示演出によりまとめて報知する構成としてもよい。より具体的には、例えば、第3図柄表示装置81における表示画面を少なくともカウント数分だけ分割して、その分割した表示領域のそれぞれにおいて、初期設定の実行中に終了した特図変動の結果を示す擬似変動表示を実行する構成としてもよい。このように構成することで、初期設定の実行中に終了した特図変動の結果を報知するための擬似変動演出の演出時間を短縮することができるので、より早期に通常の第3図柄の変動表示を実行可能な状態に復帰させることができる。
本第23制御例では、シルエット予告演出を、実行中の変動表示において特定の種別のリーチ演出(泡予告スーパーリーチ、魚群予告スーパーリーチ、風予告スーパーリーチ、噴火予告スーパーリーチ)に発展することを予め報知するための演出として実行する構成としていたが、シルエット予告演出により報知する対象はこれに限られるものではない。例えば、実行中の変動表示だけでなく、保留されている変動表示の中対象となるリーチ演出に発展する保留球が存在する場合にも、シルエット予告演出を実行してもよい。このように構成することで、シルエット予告演出が実行された時点で実行中の変動表示だけでなく、シルエット予告演出が実行された時点の保留球にも期待感を抱かせることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感をより長く維持させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第23制御例では、電源投入に基づいて特図変動を再開させる場合に、表示制御装置114の初期設定に要する期間を予測して、その予測した期間で特図変動BGMが終了するように、電源投入時における特図変動BGMの開始位置を設定する構成としていたが、これに加えて、実際の初期設定の終了タイミングが予測結果からずれた場合に、初期画面(電源投入時画像の表示期間)を伸ばすことにより、特図変動BGMの終了タイミングと合わせる構成としてもよい。このように構成することで、特図変動BGMの終了タイミングと、初期画面の終了タイミングとをより確実に一致させることができる。
<第24制御例>
次に、図697から図706を参照して、第24制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第22制御例におけるパチンコ機10では、可動部材に対する動作制御を実行するための役物制御装置229に対して、表示制御装置114から可動部材(例えば、傾倒装置310)を可動させるための指令(コマンド)を出力するように構成していた。そして、演出期間の開始タイミングにおいて音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へと出力される表示用コマンドに、表示制御装置114から役物制御装置229へ準備動作を実行させるためのコマンド(役物用コマンド)を出力するタイミングを示す情報を含ませるように構成し、表示制御装置114側において、準備動作の実行タイミングになったか否かを判別する構成としていた。
これに対して第24制御例におけるパチンコ機10では、準備動作を実行させるためのコマンドを出力するタイミングを、表示データテーブルに予め規定しておく構成とし、表示データテーブルから描画内容を読み出す際に、コマンドの出力を示す情報が読み出されることにより、役物用コマンドを出力する構成とした。これにより、役物用コマンドを出力するタイミングを計時するためのタイマ手段等を別個に設ける必要がないため、表示制御装置114の構成を簡素化することができる。
また、本第24制御例では、興趣演出の一種として、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)を実行可能に構成した。このリーチライン示唆演出は、リーチ演出が発生するよりも前に、リーチが発生するか否か、およびリーチラインのライン等を遊技者に示唆するための演出である。リーチ演出が発生することで、大当たりの期待度が高くなる上に、リーチラインが増加する程、大当たりとなる期待度が高くなるので、リーチライン示唆演出の内容に注目して遊技を行わせることができる。
まず、図697および図698を参照して、リーチライン示唆演出の内容について説明する。このリーチライン示唆演出は、高速変動期間中に実行され得る演出である。図697(A)に示した通り、リーチライン示唆演出が実行されると、まず、第3図柄表示装置81の表示画面における高速変動中の第3図柄よりも奥側に、恐竜を模したキャラクタ810が表示されると共に、そのキャラクタ810の右側に、吹き出しを模した吹き出し画像810Aが表示される。この吹き出し画像810Aには、「同じ数字が並ぶほど期待大!」という文字が表示される。これらの表示内容により、数字が並ぶ予告演出が実行されること、および数字の並び方によって期待度が変わることを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、このリーチライン示唆演出では、9個の数字を3つずつ3回に分けて吹き出し画像810Aの内部に表示させる演出が実行される。吹き出し画像810Aの内部に表示される9個の数字のうち、2個の数字が縦に揃うことにより、ダブルラインのリーチ演出(シングルラインのリーチ演出よりも期待度が高い演出)以上の期待度の演出に発展するか、若しくは大当たりとなることが確定する。また、吹き出し画像810Aの内部に表示される9個の数字のうち、3個の数字が縦に揃うことにより、トリプルラインのリーチ演出(ダブルラインのリーチ演出よりも期待度が高い演出)に発展することか、若しくは大当たりとなることが確定する。更に、3個の数字が横に3個揃うことにより、大当たりとなることが確定する。このように、リーチライン示唆演出により、その後に発展するリーチ演出のリーチライン等を示唆することができるので、遊技者に対してリーチライン示唆演出の内容に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、以降の図では、演出の内容を分かり易くするために、高速変動中の第3図柄を示す画像(左向きの破線の矢印)の記載を省略する。
図697(B)は、リーチライン示唆演出において、9個の数字のうち最初の3個の数字が表示された状態を示した図である。図697(B)に示した通り、最初の3個の数字は、吹き出し画像810Aの上寄りに横並びで表示される。図697(B)は、「7」という数字を模した画像と、「6」という数字を模した画像と、「5」という数字を模した画像とが表示された状態を例示している。
図698(A)は、9個全ての数字が表示され、縦に3つの同一の数字が揃った状態を示した図である。図698(A)に示した通り、同一の数字が揃うと、その同一の数字を囲むエフェクト画像810Bが表示される。これにより、数字が揃ったこと、および揃った数字の個数を遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、リーチライン示唆演出において2個以上の数字が揃った場合は、揃った数字の個数に応じた専用の背景モードに移行する。具体的には、縦に2つの同一の数字が揃うことにより、ダブルラインのリーチ演出以上の期待度の演出に対応する「スーパー海モード」(リーチライン示唆演出の実行時点の背景モードが海モードの場合)、若しくは「スーパー山モード」(リーチライン示唆演出の実行時点の背景モードが山モードの場合)に移行する。また、縦又は横に3つの同一の数字が揃うことにより、トリプルラインのリーチ演出以上の期待度の演出に対応する「プレミアム海モード」(リーチライン示唆演出の実行時点の背景モードが海モードの場合)、若しくは「プレミアム山モード」(リーチライン示唆演出の実行時点の背景モードが山モードの場合)に移行する。なお、「スーパー海モード」や「スーパー山モード」において、ダブルラインのリーチ演出よりも期待度の低いシングルラインのリーチ演出に低確率で発展する可能性があるが、この背景モードと発生するリーチの種別とが矛盾するパターンは、大当たりの場合にしか選択されない。同様に、「プレミアム海モード」や「プレミアム山モード」に移行したにもかかわらずトリプルリーチに発展しなかった(シングルリーチやダブルリーチに発展した)場合も、大当たりが確定する。このように、通常時には大当たり期待度が比較的低くなるシングルリーチ演出やダブルリーチ演出が、特定条件下では発生した時点で大当たり確定となるので、リーチライン示唆演出において背景モードが昇格した後におけるリーチラインの数に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図698(B)は、海モードにおいて実行されたリーチライン示唆演出で縦に3つの数字が揃ったことにより、プレミアム海モードへと移行した場合の表示態様を示している。このプレミアム海モードでは、図698(B)に示した通り、モード表示領域DM1Aに対して「プレミアム海モード」という文字が表示される。また、図698(B)に示した通り、「プレミアム海モード」に移行すると、画面中央の縦の有効ラインL1、右上がりの有効ラインL2、および右下がりの有効ラインL3の3つの有効ラインにおいてリーチがかかるトリプルリーチ演出に発展する。上述した通り、トリプルリーチ演出は、シングルリーチ演出やダブルリーチ演出よりも大当たりとなる期待度が高い(外れの場合に選択される割合が低い)演出であるため、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。このように、リーチライン示唆演出は、リーチラインのライン数を示唆する演出であると共に、背面モードの昇格を示唆する演出(モード昇格演出)でもある。
<第24制御例における電気的構成>
次に、図699を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図699は、本第24制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図699に示した通り、本第24制御例におけるROM222の構成は、第22制御例におけるROM222の構成(図665参照)に対して、モード昇格演出選択テーブル222KAが追加されている点でのみ相違する。このモード昇格演出選択テーブル222KAは、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)の演出態様(吹き出し画像810Aにおいて揃う同一の数字の個数)を選択するために参照されるデータテーブルである。このモード昇格演出選択テーブル222KAの詳細について、図700、および図701を参照して説明する。
図700(A)は、本第24制御例におけるモード昇格演出選択テーブル222KAの構成を示したブロック図である。図700(A)に示した通り、モード昇格演出選択テーブル222KAには、大当たりの変動表示において、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)の実行可否、および演出態様を選択するための当たり用テーブル222KA1と、外れの変動表示において、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)の実行可否、および演出態様を選択するための外れ用テーブル222KA2とで少なくとも構成されている。
まず、図700(B)を参照して、当たり用テーブル222KA1の規定内容について説明する。図700(B)に示した通り、当たり用テーブル222KA1には、リーチ演出に発展した際のリーチライン数毎に、演出カウンタ223Hの値の範囲と、演出態様(吹き出し画像810A内で揃う数字の態様)との対応関係が規定されている。具体的には、図700(B)に示した通り、シングルラインリーチが発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「0〜149」の範囲に対して演出態様としてモード昇格演出「無し」が対応付けて規定されている。つまり、シングルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「0〜149」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されることはない。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「無し」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が150個なので、シングルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、モード昇格演出が実行されない割合は約75.4%(150/199)である。
また、図700(B)に示した通り、シングルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「150〜192」の範囲に対して演出態様として「バラけ目」が対応付けて規定されている。つまり、シングルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「150〜192」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦にも横にも並ばない態様(バラけ目)が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「バラけ目」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が43個なので、シングルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、バラけ目のモード昇格演出が実行される割合は約21.6%(43/199)である。
また、図700(B)に示した通り、シングルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「193,194」の範囲に対して演出態様として「縦2個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、シングルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「193,194」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦に2個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「縦2個揃い」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が2個なので、シングルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、縦2個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約1%(2/199)である。
また、図700(B)に示した通り、シングルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値「195」に対して演出態様として「縦3個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、シングルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「195」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦に3個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「縦3個揃い」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が1個なので、シングルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、縦3個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約0.5%(1/199)である。
また、図700(B)に示した通り、シングルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値「196〜198」に対して演出態様として「横3個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、シングルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「196〜198」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が横に3個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「横3個揃い」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が4個なので、シングルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、横3個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約2%(4/199)である。
このように、シングルラインのリーチが発生するリーチ演出では、約3/4の割合でモード昇格演出が実行されない(モード昇格演出が実行され難い)。よって、モード昇格演出が実行された時点で、大当たり期待度の高いダブルライン、若しくはトリプルラインのリーチ演出が発生することを遊技者に期待させることができる。
一方、図700(B)に示した通り、ダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「0〜99」の範囲に対してモード昇格演出「無し」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「0〜99」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されることはない。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「無し」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が100個なので、ダブルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、モード昇格演出が実行されない割合は約50.2%(100/199)である。
また、ダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「100〜119」の範囲に対して演出態様として「バラけ目」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「100〜119」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、バラけ目が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「バラけ目」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が20個なので、ダブルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、バラけ目のモード昇格演出が実行される割合は約10%(20/199)である。
また、ダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「120〜189」の範囲に対して演出態様として「縦2個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「120〜189」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦に2個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「縦2個」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が70個なので、ダブルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、縦2個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約35.2%(70/199)である。
また、ダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「190」に対して演出態様として「縦3個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「190」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦に3個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「縦3個」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が1個なので、ダブルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、縦3個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約0.5%(1/199)である。
また、ダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「191〜198」の範囲に対して演出態様として「横3個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「191〜198」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が横に3個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「横3個」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が8個なので、ダブルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、横3個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約4%(8/199)である。
このように、ダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動では、シングルラインのリーチ演出が発生する当たり変動よりも、モード昇格演出の実行割合が高く(約25%→約50%)なる。また、モード昇格演出が実行される場合は、高い割合で縦2個の演出態様が選択されるが、バラけ目の態様も約10%程度選択される。よって、バラけ目が表示された場合にも、ダブルラインのリーチ演出以上の期待度の演出を遊技者に期待させることができる。
更に、図700(B)に示した通り、トリプルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「0〜49」の範囲に対してモード昇格演出「無し」が対応付けて規定されている。つまり、トリプルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「0〜99」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されることはない。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「無し」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が50個なので、トリプルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、モード昇格演出が実行されない割合は約25.1%(50/199)である。
また、トリプルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「50〜69」の範囲に対して演出態様として「バラけ目」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「50〜69」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、バラけ目が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「バラけ目」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が20個なので、ダブルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、バラけ目のモード昇格演出が実行される割合は約10%(20/199)である。
また、トリプルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「70〜99」の範囲に対して演出態様として「縦2個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、トリプルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「70〜99」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦に2個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「縦2個」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が30個なので、トリプルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、縦2個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約15.1%(30/199)である。
また、トリプルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「100〜189」の範囲に対して演出態様として「縦3個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、トリプルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「100〜189」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が縦に3個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「縦3個」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が90個なので、トリプルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、縦3個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約45.2%(90/199)である。
また、トリプルラインのリーチ演出が発生する当たり変動において、演出カウンタ223Hの値が「190〜198」の範囲に対して演出態様として「横3個揃い」が対応付けて規定されている。つまり、ダブルラインのリーチ演出が発生する大当たり変動において、演出抽選カウンタ223Hの値が「190〜198」であれば、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)が実行されて、同じ数字が横に3個揃う態様が表示される。演出抽選カウンタ223Hの取り得る199個の値のうち、演出態様「横3個」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)の個数が9個なので、トリプルラインのリーチ演出が設定された大当たり変動において、横3個揃いのモード昇格演出が実行される割合は約4.5%(9/199)である。
このように、トリプルラインのリーチ演出が発生する当たり変動では、シングルラインやダブルラインのリーチ演出が発生する当たり変動よりも、モード昇格演出の実行割合が高くなる(約75%)。また、モード昇格演出が実行される場合は、高い割合で縦3個の演出態様が選択されるが、バラけ目や縦2個揃いの態様も約25%程度選択される。よって、バラけ目や縦2個揃いのモード昇格演出が表示された場合にも、トリプルラインのリーチ演出を遊技者に期待させることができる。
次に、図701を参照して、モード昇格演出選択テーブル222KAを構成する外れ用テーブル222KA2の詳細について説明する。この外れ用テーブル222KAは、上述した通り、外れ変動において、モード昇格演出の実行可否、および実行する場合の演出態様を抽選するために参照されるデータテーブルである。この外れ用テーブル222KAは、当たり用テーブル222KAと同様に、リーチのライン数毎に、演出カウンタ223Hの値の範囲と、演出態様との対応関係が規定されている。
図701に示した通り、リーチが発生しない非リーチの変動表示演出に対しては、演出カウンタ223Hの全範囲(0〜198)に対して、モード昇格演出「無し」が対応付けて規定されている。このため、リーチが発生しない変動演出では、モード昇格演出が実行されることはない。
また、図701に示した通り、シングルラインのリーチ演出に対しては、演出カウンタ223Hの値が「0〜155」の範囲に対して、モード昇格演出「無し」、が対応付けて規定され、「156〜198」の範囲に対して、「バラけ目」の演出態様が対応付けて規定されている。即ち、シングルラインのリーチ演出では、約78.4%(156/199)の割合でモード昇格演出が実行されず、約21.6%(43/199)の割合で「バラけ目」のモード昇格演出が実行される。つまり、当たりの場合でも、外れの場合でも、「バラけ目」が選択される割合は共通(21.6%)となる。また、当たり確定のパターン(縦2個又は3個揃いでシングルリーチに発展する演出パターンや、横3個揃いの演出パターン)が選択される割合の分(約3.5%)だけ、外れのシングルラインのリーチ演出の方がモード昇格演出の実行割合が低くなる。言い換えれば、「バラけ目」の演出態様が設定されてシングルラインのリーチ演出に発展した場合は、モード昇格演出の態様から大当たり期待度を推測することが困難になるので、リーチ演出の結果に最後まで注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図701に示した通り、ダブルラインのリーチ演出に対しては、演出カウンタ223Hの値が「0〜108」の範囲に対して、モード昇格演出「無し」、が対応付けて規定され、「109〜128」の範囲に対して、「バラけ目」の演出態様が対応付けて規定され、「129〜198」の範囲に対して「縦2個揃い」の演出態様が対応付けて規定されている。即ち、ダブルラインのリーチ演出では、約54.8%(109/199)の割合でモード昇格演出が実行されず、約10%(20/199)の割合で「バラけ目」のモード昇格演出が実行され、約35.2%(70/199)の割合で「縦2個揃い」の演出態様が実行される。つまり、ダブルラインのリーチ演出では、当たりの場合も、外れの場合も、「バラけ目」および「縦2個揃い」の選択率が共通となる。よって、「バラけ目」又は「縦2個揃い」のモード昇格演出が実行されてダブルラインのリーチ演出に発展した場合には、モード昇格演出自体の態様から大当たり期待度を推測することが困難になるため、リーチ演出における示唆内容により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図701に示した通り、トリプルラインのリーチ演出に対しては、演出カウンタ223Hの値が「0〜58」の範囲に対して、モード昇格演出「無し」、が対応付けて規定され、「59〜78」の範囲に対して、「バラけ目」の演出態様が対応付けて規定され、「79〜108」の範囲に対して「縦2個揃い」の演出態様が対応付けて規定され、「109〜198」の範囲に対して「縦3個揃い」の演出態様が対応付けて規定されている。即ち、トリプルラインのリーチ演出では、約29.6%(59/199)の割合でモード昇格演出が実行されず、約10%(20/199)の割合で「バラけ目」のモード昇格演出が実行され、約15.1%(30/199)の割合で「縦2個揃い」の演出態様が実行され、約45.2%(90/199)の割合で「縦3個揃い」の演出態様が実行される。つまり、当たりの場合でも、外れの場合でも、「バラけ目」、「縦2個揃い」、および「縦3個揃い」のそれぞれが選択される割合は共通となる。よって、「バラけ目」、「縦2個揃い」、および「縦3個揃い」のモード昇格演出が実行されてトリプルラインのリーチ演出に発展した場合には、モード昇格演出自体の態様から大当たり期待度を推測することが困難になるため、リーチ演出における示唆内容により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
このように、本第24制御例では、モード昇格演出により、変動演出の後半(所定期間)に実行される演出態様(リーチ演出のリーチライン)を示唆可能に構成した。ここで、リーチ演出では、リーチラインのライン数が多くなる程大当たりとなる期待度が高くなるので、より多くのリーチラインを示唆する演出態様となることを期待して、モード昇格演出の結果を確認させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図702を参照して、本第24制御例における表示データテーブルの規定内容について説明する。図702は、本第24制御例において、役物の準備駆動を伴うラウンドにおいて設定されるラウンド数表示データテーブルの一例を示した図である。図702に示した通り、本第24制御例における表示データテーブルには、描画内容に加えて、他の制御装置(例えば、役物制御装置229)へと出力するコマンドが規定されている。具体的には、図702に示した通り、アドレス「00FAH」に格納されている描画内容の末尾に対して、役物用コマンドとして、準備駆動用コマンドが規定されている。このため、V割込処理(図494(B)参照)が実行される毎(20ミリ秒毎)に更新されるポインタ233Fの値が、アドレス「00FAH」に対応するポインタ値になると、アドレス「00FAH」に規定されている描画内容に加えて、準備駆動用コマンドが読み出される。準備駆動用コマンドが読み出されると、表示制御装置114より役物制御装置229へと準備駆動用コマンドが出力される。このように構成することで、描画内容を取得する制御処理と、コマンドを出力する処理とをまとめて行うことができるので、制御処理を簡素化することができる。よって、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。また、描画内容を取得するために設けられていたポインタ233Fの値を用いて、コマンドを出力することができるので、コマンドの出力タイミングを判別するための専用のタイマ段等を設ける必要がない。よって、表示制御装置114の構成を簡素化することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
<第24制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図703、および図704を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図703を参照して、第24制御例における変動表示設定処理14(Z2187)について説明する。この第24制御例における変動表示設定処理14(Z2187)は、第22制御例(および第11制御例)における変動表示設定処理(図487参照)に代えて実行される処理であり、第22制御例(および第11制御例)における変動表示設定処理(Z2114)と同様に、変動パターンにより通知された変動種別(変動時間)に応じた変動表示演出の態様を決定するための処理である。
この第24制御例における変動表示設定処理14(図703参照)のうち、Z2501〜Z2513の各処理では、それぞれ第22制御例(および第11制御例)における変動表示設定処理(図487参照)のZ2501〜Z2509の各処理と同一の処理が実行される。また、本第24制御例における変動表示設定処理14(図703参照)では、Z2503の処理が終了すると、次いで、モード昇格演出(リーチライン示唆演出)の実行可否、および演出態様を抽選するためのモード昇格演出抽選処理を実行して(Z2571)、処理をZ2504へと移行する。このモード昇格演出抽選処理(Z2571)の詳細について、図704を参照して説明する。
図704は、モード昇格演出抽選処理(Z2571)を示すフローチャートである。このモード昇格演出抽選処理(Z2571)では、まず、今回の変動パターンが大当たりの変動パターンであるか否かを判別し(Z2771)、大当たりの変動パターンであると判別した場合は(Z2771:YES)、次いで、モード昇格演出選択テーブル222KAの当たり用テーブル222KA1(図700(B)参照)を読み出して(Z2772)、処理をZ2774へと移行する。一方で、Z2771の処理において、大当たりの変動パターンではない(即ち、外れの変動パターンである)と判別した場合は(Z2771:NO)、モード昇格演出選択テーブル222KAの外れ用テーブル222KA2(図701参照)を読み出して(Z2773)、処理をZ2774へと移行する。Z2774の処理では、Z2772、またはZ2773の処理により読み出されたテーブルから、今回の変動パターンに対して設定した演出態様(リーチライン数)と、演出カウンタ223Hの値とに対応する演出態様を決定して(Z2774)、本処理を終了する。
このモード昇格演出抽選処理(図704参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果、および変動表示演出において実行されるリーチ演出のリーチライン数に応じて、モード昇格演出の実行可否、および演出態様を好適に抽選することができる。
<第24制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図705、および図706を参照して、本第24制御例における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理について説明する。まず、図705を参照して、本第24制御例における表示設定処理14(Z3303)の詳細について説明を行う。この表示設定処理14(Z3303)は、第22制御例(および第11制御例)における表示設定処理(図501参照)に代えて実行される処理であり、第22制御例(および第11制御例)における表示設定処理(図501参照)と同様に、表示データテーブルバッファ233Dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定するための処理である。
この第24制御例における表示設定処理14(図705参照)のうち、Z4301〜Z4305、およびZ4307〜Z4321の各処理では、それぞれ第22制御例(および第11制御例)における表示設定処理(図501参照)のZ4301〜Z4305、およびZ4307〜Z4321の各処理と同一の処理が実行される。また、本第24制御例における表示設定処理14(図705参照)では、Z4305の処理が終了すると、次いで、表示データテーブルの内容から、1フレーム分の描画内容を取得するための描画内容取得処理を実行して(Z4331)、処理をZ4307へと移行する。この描画内容取得処理(Z4331)の詳細について、図706を参照して説明する。
図706は、描画内容取得処理(Z4331)を示すフローチャートである。この描画内容取得処理(Z4331)では、まず、表示データテーブルバッファ233Dに設定されている表示データテーブルのうち、ポインタ233Fにより示されるアドレスの描画内容を取得する(Z4351)。次いで、取得した描画内容の中に、役物用コマンドを示す規定内容が含まれているかを判別し(Z4352)、役物用コマンドを示す内容が取得されたと判別した場合は(Z4352:YES)、取得された内容の役物用コマンドを役物制御装置229へと出力するように設定して(Z4353)、本処理を終了する。これに対し、Z4352の処理において、表示データテーブルから役物用コマンドを示す内容が取得されなかったと判別した場合は(Z4352:NO)、Z4353の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この描画内容取得処理(図706参照)を実行することにより、描画内容を取得する制御処理と、コマンドを出力する処理とをまとめて行うことができるので、制御処理を簡素化することができる。よって、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。また、描画内容を取得するために設けられていたポインタ233Fの値を用いて、コマンドを出力することができるので、コマンドの出力タイミングを判別するための専用のタイマ段等を設ける必要がない。よって、表示制御装置114の構成を簡素化することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
以上説明した通り、本第24制御例におけるパチンコ機10では、興趣演出の一種として、モード昇格演出を実行可能に構成した。このモード昇格演出では、リーチ演出が発生するよりも前に、リーチが発生するか否か、およびリーチラインのライン数等を遊技者に示唆する内容の演出が実行されるで、実際のリーチ演出が実行されるよりも前に、大当たりとなることに対する期待感を向上させることができる。
また、本第24制御例では、各種演出における描画内容をフレーム毎に規定した表示データテーブルの規定内容に対して、役物制御装置229に対するコマンドの出力指示も含める構成とした。そして、表示データテーブルから描画内容を取得する際に、コマンドの種と力指示が取得された場合には、描画内容の取得と合わせて、表示制御装置114においてコマンドの出力を実行する構成とした。このように構成することで、表示制御装置114の制御処理を簡素化することができる。よって、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。また、描画内容を取得するために設けられていたポインタ233Fの値を用いて、コマンドを出力することができるので、コマンドの出力タイミングを判別するための専用のタイマ段等を設ける必要がない。よって、表示制御装置114の構成を簡素化することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
次に、図707〜図746を参照して、本第11制御例〜第24制御例におけるパチンコ機10の操作デバイス300(枠ボタン)の構成について説明する。
図707は、操作デバイス300の正面斜視図である。図707に示すように、操作デバイス300は、正面視における内枠12の左右方向中央部(即ち、パチンコ機10の左右方向中央部)に配置される。
操作デバイス300は、遊技者に押し込まれることにより傾倒動作可能に構成される傾倒装置310を備え、上皿17の外枠に沿って前後方向に凹設される収容凹部17Aによって構成される領域に配設される。遊技者が傾倒装置310を傾倒(回転)操作することにより、パチンコ機10(図1参照)に信号が入力される。
傾倒装置310と収容凹部17Aとの間には、少なくとも手の指が無理なく入る程度の隙間が空けられる。これにより、遊技者は、傾倒装置310の上面奥側に指先を配置する態様で傾倒装置310を操作する準備を行うことができる(図709参照)。
なお、遊技者は右手で操作ハンドル51を握るため、傾倒装置310の操作は左手で行
われることが多くなる。そのため、以下の説明では、遊技者が傾倒装置310を左手で操
作するという前提で、説明を行う。
図708(A)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図708(B)は、図708(A)のVIB−VIB線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、図709(A)は、パチンコ機10の部分正面図であり、図709(B)は、図709(A)のVIIB−VIIB線におけるパチンコ機10の部分断面図である。
図708及び図709では、パチンコ機10の、操作デバイス300付近が部分的に図示される。なお、図708では、傾倒装置310が操作面312A1が上下方向を向く第1状態(本実施形態における初期状態)に配置された状態が図示され、図709では、傾倒装置310が第1状態から軸部314を中心に起き上がることにより操作面312A1が上後方を向く第2状態に配置された状態が図示される。なお、図709では、傾倒装置310を操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
傾倒装置310は、第1状態と第2状態との間を駆動装置340の駆動力によって自動
動作可能に構成される。なお、駆動装置340の詳細については後述する。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。傾倒装置310の操作は、例えば、第3図柄表示装置81(図139参照)に特定の表示(例えば、「ボタンを押せ」という表示)が現れた時に遊技者が行うものである。
ここで、例えば、上下に進退動作するボタンを押し込む場合のように、手を下方に勢い
よく落とす方法で傾倒装置310の押し込み操作を行うと、傾倒の度合いによって操作面
312A1の位置が手前側へ向けてずれ、手の平と操作面312A1とが擦れ易い態様と
なっている。そのため、遊技者に違和感を与えることができ、遊技者が手を下方に勢いよ
く落とす方法で押し込み操作をすることを抑制することができる。
本実施形態では、図709に示すように、指先を傾倒装置310の軸部314付近に置いて、指先を支点として手の平を下方へ下ろすことにより、手の平を操作面312A1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、指先を支点として手の平を
下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。これにより、遊技
者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾倒装置310が損
傷する可能性を低減することができる。
図710及び図711を参照して、遊技者視点における傾倒装置310の見え方の違いについて説明する。図710は、図708の矢印VIII方向視における操作デバイス300の正面斜視図であり、図711は、図709の矢印IX方向視における操作デバイス300の正面斜視図である。なお、図710及び図711では、パチンコ機10の形状が想像線で部分的に図示される。また、図711では、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図710及び図711に示すように、傾倒装置310の操作面312A1は、遊技者視点において、第1状態では視認可能とされる一方、第2状態では、視認不能となる程度まで面積が縮小される(操作面312A1が、遊技者視点の外側へ向けられる)。これにより、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
本実施形態では、第1状態から第2状態へ変化する過程において、保護レンズ部材311Iの面積が次第に大きくなる態様で構成され、それに伴って操作デバイス300の内側に配置されるLED装置341F(図714参照)の光量が次第に大きく視認されるので、第1状態と第2状態とで遊技者が視認可能な光の光量の違い(明暗の度合い)が大きくなり、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
傾倒装置310の操作の一例について説明する。本実施形態では、図711に示すように、小指の外側の側面を傾倒装置310の軸部314(図709参照)付近に置いて、小指の外側の側面部分を支点として手の平を下方へ下ろすことにより(手首を軸に回転させることにより)、手の平を操作面312A1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、小指の外側の側面部分を支
点として手の平を下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。
これにより、遊技者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾
倒装置310が損傷する可能性を低減することができる。
次いで、図712及び図713を参照して、操作デバイス300について説明する。図712は操作デバイス300の正面斜視図であり、図713は操作デバイス300の背面斜視図である。図712に示すように、操作デバイス300は、傾倒装置310が後側端部に配置される軸部314を中心に回転可能に軸支される。
また、図713に示すように、傾倒装置310に対して直道方向の衝撃を与えるボイスコイルモータ352と、第1状態からの押し込み操作を検出する検出センサ324L,324Rと、が傾倒装置310を下側から囲う下枠部材320の外側に配置される。
このように、傾倒装置310の位置を検出するセンサや、駆動力を与えるボイスコイルモータ等を下枠部材320の外側に配置することにより、下枠部材320の内側の領域を大きく使って、傾倒装置310を下枠部材320に収容することができる。これにより、傾倒装置310の移動可能量を大きく確保することができる。
図714は、操作デバイス300の正面分解斜視図であり、図715は、操作デバイス300の背面分解斜視図である。図714及び図715に示すように、操作デバイス300は、背面側端部(図714紙面奥側端部)で左右端部にそれぞれ配設されるリング部材BR1を備える傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する下側軸受け部323を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を定める下枠部材320と、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下枠部材320と向かい合わせで配置される凹設部を有し中央部に大きな開口を有する部材であって、下枠部材320との間に傾倒部材310を配置する態様で下枠部材320に締結固定されると共に傾倒装置310の第2状態における配置を定める上枠部材330と、下枠部材320の下側に締結固定されると共に傾倒装置310とリンク機構を構成するアーム部材345を介して傾倒装置310に駆動力を伝達する駆動装置340と、その駆動装置340に締結固定されると共に駆動装置340を左右方向と後方との三方から覆うことで保護する保護カバー装置350と、を主に備える。
下枠部材320は、底面のうち左右部分が手前側へ向かうほど下降傾斜する態様で構成されるカップ形状の部材であって、手前側へ向かうほど下降傾斜する底板部321と、その底板部321の奥側上端部において水平に配置される板状部材から構成される水平部322と、その水平部322の後端部付近において上方に開放された半円形状の受け部であり傾倒装置310の軸部314を下側から受ける下側軸受け部323と、底板部321の下側において左右一対で配置される左側検出センサ324Lと、右側検出センサ324Rと、底板部321の左右方向中心位置において水平部322の下側に配置される部分が削られることで空けられる開口である開口部325と、を主に備える。
底板部321は、傾倒装置310と当接することにより傾倒装置310の移動終端を定めると共に、複数の開口部を有し、その開口部を通して傾倒装置310の部分が底板部321を通過可能に構成される。
底板部321は、手前側中央部において穿設される伝達用孔321Aと、左右の検出センサ324L,324Rの検出溝に沿って穿設される検出用孔321Bと、開口部325の左右において左右対称に穿設される挿通用孔321Cと、を主に備える。
伝達用孔321Aは、保護カバー装置350のボイスコイルモータ352の正面位置に配置されると共に、傾倒装置310の張出凸設部311Jが通過可能な大きさで形成される。傾倒装置310の張出凸設部311Jが底板部321の下側に張り出した状態においてボイスコイルモータ352を駆動させることにより、傾倒装置310に直動方向の駆動力を与えることができる。
検出用孔321Bは、傾倒装置310の下面から凸設される検出片311GL,311GRが挿通可能に構成される貫通孔である。検出用孔321Bから張り出した検出片311GL,311GRが検出センサ324L,324Rの検出溝に配置されることで、傾倒装置310の姿勢を検出可能に構成される。
挿通用孔321Cは、傾倒装置310のフランジに配設される軸部311Cや駆動装置340のアーム部材345を挿通可能な大きさで構成されると共に、駆動装置340を動作させた際にアーム部材345との干渉を避けることができる位置まで貫通孔が形成される。
水平部322は、下枠部材320と駆動装置340とを締結固定する平面を構成すると共に、その上面から上方へ延設されると共に断面が手前側に開放部を有するコ字形状から構成される係止部322Aを備える。
係止部322Aは、傾倒装置310のねじりバネ315の一端を後方へ移動しないように係止する部分である。係止部322Aがねじりバネ315を係止することにより、ねじりバネ322Aの付勢力が傾倒装置310を第2状態へ移動させる方向に作用する。
検出センサ324L,324Rは、傾倒装置310の位置を検出するフォトカプラ形式のセンサである。なお、検出センサ324L,324Rは、下枠部材320の底板部321からの離間距離(検出溝の位置)が左右で同等となる位置に配置される。
また、フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分を挿入可能な隙間(スリット、検出溝)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
開口部325は、駆動装置340のLED装置341Fや回転爪部材347等を下枠部
材320の内方に侵入可能とするための貫通孔である。そのため、その左右幅は一対の回
転爪部材347の左右幅よりも大きくされる。
一方で、上下幅に関しては、駆動装置340がLED装置341Fを上前側に張り出して配置する構成(図719(B)参照)とされるため、LED装置341Fが開口部325を通過した後に駆動装置340を上方に押し上げるようにすることで、LED装置341Fを開口部325の上方に配置することができ、LED装置341Fから回転爪部材347までを含んだ上下幅に比較して、開口部325の上下幅を短くする事ができる。
上枠部材330は、傾倒装置310の下端面から正面側へ延設される延設部311Hが
引っかかる大きさの開口である開口部331と、下枠部材320の下側受け部323と対
向配置されると共に下側が開放された半円形状から構成され傾倒装置310のリング部材
BR1を支持する上側軸受け部332と、を主に備える。
保護カバー装置350は、上下方向に分割可能に構成され手前側を除く3方向が覆われ
る態様で構成されると共に駆動装置340の下端部に締結固定される本体カバー351と
、その本体カバー351の底板に支持されると共に正面側に配置され斜め前上方向に振動
面が向けられるボイスコイルモータ352と、本体カバー351の底板の上側に検出溝を
有する検出センサである左側検出センサ353Lと、右側検出センサ353Rと、を主に
備える。
なお、図714では、左右中央に対して左側検出センサ353Lの反対側に配置される右側検出センサ353Rを視認可能とするために本体カバー351が部分的に破られた状態が図示される。
ボイスコイルモータ352は、組立状態(図712参照)において、振動面が下枠部材320の底板部321と略平行となる姿勢で配設される。これにより、傾倒装置310が伝達用孔321Aを通して張出凸設部311Jを下方に張り出した際にボイスコイルモータ352を駆動させることで、傾倒装置310に駆動力を効率良く伝達することができる。
検出センサ353L,353Rは、駆動装置340の円板カム344L,344Rの位
相を検出するフォトカプラ形式のセンサである。駆動装置340の円板カム344L,3
44Rが検出センサ353L,353Rの検出溝の内側に配置される態様で配置される。
円板カム344L,344Rの検出孔344EL,344ERが検出センサ353L,3
53Rの検出溝に配置されたか否かを検出し、円板カム344L,344Rが特定の位相
に配置されたことを検出することができる。
なお、本実施形態では、駆動装置340の左右の円板カム344L,344Rが、検出
孔344EL,344ERを異なった位相で備えているので、検出センサ353L,35
3Rによって検出可能な特定の位相は2種類となる。
次いで、図716から図718を参照して、傾倒装置310について説明する。図716(A)は、傾倒装置310の正面図であり、図716(B)は、図716(A)の矢印XIVB方向視における傾倒装置310の側面図であり、図716(C)は、図716(A)のXIVC−XIVC線における傾倒装置310の断面図である。図717は、傾倒装置310の正面分解斜視図であり、図718は、傾倒装置310の蓋312の背面分解斜視図である。
図716から図718に示すように、傾倒装置310は、側面扇型で上下に開口を有する箱状体から構成されるケース本体311と、そのケース本体311の上側の開口に蓋をする態様でケース本体311に締結固定される蓋312と、その蓋312の手前側端部に締結固定され下方に垂れ下げられる球状レンズ部材313と、ケース本体311と蓋312との後端部において挟まれる態様で配設される軸部314と、その軸部314に巻き付けられるねじりバネ315と、ケース本体311と蓋312との後端部においてケース本体311と蓋312とを分割不能に固定するリング形状のリング部材BR1と、を主に備える。
ケース本体311は、第1状態において奥側から手前側へ向けて下降傾斜する姿勢とされる底板部311Aと、その底板部311Aの中央に開口された開口部311Bと、その開口部311Bの左右の縁に沿って下方に張り出されるフランジから左右方向中央側へ延設される円柱形状の軸部311Cと、後方端部において軸部314を支える断面半円形状の凹みである凹設部311Dと、ねじりバネ315の両腕部315Aが挿通可能な位置に配置される溝である挿通溝311Eと、鉤形状に形成されると共にねじりバネ315の中央部315Bを係止する鉤状部311Fと、底板部311Aの下方に左右一対で延設される左側検出片311GLと、右側検出片311GR(図717参照)と、底板部311Aの手前側端部から所定量手前側に延設される延設部311Hと、底板部311Aの手前側端部の上側に配置され軸部314を中心とした円弧に沿った形状とされると共に光透過性材料から形成される保護レンズ部材311Iと、底板部311Aの手前側端部における左右方向中央部から下方へ凸設される張出凸設部311Jと、を主に備える。
底板部311Aは、傾倒装置310が遊技者から下方へ押し込まれた際に、下枠部材3
20の底板部321と面で当接する部分である。
開口部311Bは、駆動装置340のLED装置341F及び駆動装置340のアーム
部材345を挿通可能な開口として構成される。
軸部311Cは、駆動装置340のアーム部材345(図719(B)参照)の案内孔345Bに挿通される円柱部材であって、駆動装置340との間で駆動力を伝達する部分としての役割を備える。
左側検出片311GL及び右側検出片311GRは、それぞれ、下枠部材320の左側検出センサ324L及び右側検出センサ324R(図717参照)の検出溝に挿通される部分であって、左側検出片311GLの方が右側検出片311GRに比較して張出長さが長くされる。
なお、本実施形態では、右側検出片311GRの先端から、左側検出片311GLの先端までの、軸部314を中心とした角度がおよそ3°(第1状態(図724参照)から押し込み終端(図725参照)まで傾倒装置310が回転する回転角度)となるように、左側検出片311GLが右側検出片311GRに比較して張り出される。
延設部311Hは、保護レンズ部材311Iの下端部分から正面側に張り出す部分であって、組立状態(図712参照)において、上枠部材330の開口部331に係止される位置まで張り出す態様で構成される。
保護レンズ部材311Iは、上面視において湾曲した形状で構成される(図716(A)参照)と共に、左右方向視において湾曲した形状で構成される(図716(C)参照)ので、遊技者が傾倒装置310を押す際の負荷を逃がしやすい(流しやすい)構成とされる。これにより、傾倒装置310の耐久性を向上させることができる。
張出凸設部311Jは、底板部311Aの下面から直角に凸設されると共に、下枠部材320の伝達用孔321Aよりも小さな断面形状から構成され、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した状態(図731参照)において、伝達用孔321Aに挿通され、先端が下枠部材320の下方へ張り出される。
図718に示すように、蓋312は、操作面312A1を有する天板部材312Aと、その天板部材312Aの下面に締結固定される中間板部材312Bと、その中間板部材312Bを天板部材312Aに固定すると共に第1状態(図708参照)においてLED装置341Fを囲う大きさの円筒形状から構成される円筒部材312Cと、を主に備える。
円筒部材312Cは、軸方向の剛性により蓋312の強度を向上させながら、第1状態(図708参照)において、その位置関係から、LED装置341Fから傾倒装置310へ向けて照射される光を円筒部材312Cの内側に留める一方で、第2状態(図709参照)において、そのような限定を解除し広範囲にLED装置341Fからの光を照射可能とする態様で配設される。
レンズ部材313は、光透過性の材料から形成され、上下端部がフランジ状に前方へ延
設されると共にその延設端部が保護レンズ部材311Iの湾曲形状に合致した形状から構
成されると共に、中央部に球殻形状から形成される球殻部313Aを備える。
ねじりバネ315は、軸部314に左右一対のねじり部分で巻き付けられ、そのねじり
部分の左右外側端部から後方へ延設される両腕部315Aと、一対のねじり部分を連結す
る中央部315Bと、を備える。
次いで、図719及び図720を参照して、駆動装置340について説明する。図719(A)は、駆動装置340の正面図であり、図719(B)は、図719(A)の矢印XVIIB方向視における駆動装置340の側面図であり、図720は、駆動装置340の正面分解斜視図である。
図719及び図720に示すように、駆動装置340は、板状の板金部材を折り曲げることにより骨組みを構成する本体部材341と、その本体部材341に締結固定されると共に駆動力を発生する駆動モータ342と、その駆動モータ342の駆動力を伝達する伝達軸棒343と、その伝達軸棒343の両端に回転不能に固定される一対の円板カム344(左円板カム344L、右円板カム344R)と、その円板カム344の連結ピン344Dに軸支されるアーム部材345と、本体部材341の軸部341Cに軸支されると共に円板カム344の第1張出部344C1や第2張出部344C3と回転方向で当接する解除部材346と、その解除部材346と同軸で軸支され解除部材346の回転に伴って相対動作する回転爪部材347と、その回転爪部材347を下倒れさせる方向へ向けた付勢力を発生するコイルスプリング状のバネ部材である第1スプリングSP1と、解除部材346と回転爪部材347との間で互いに離反させる方向の付勢力を発生するねじりバネ状のバネ部材である第2スプリングSP2と、を主に備える。
本体部材341は、左右で後方へ折曲され上面視コ字形状に形成されるモータ収容部3
41Aと、そのモータ収容部341Aの対向配置される板部分の同じ位置に穿設されると
共に円板カム344を軸支する軸支孔341Bと、その軸支孔341Bの軸と平行な軸を
有する態様で軸支孔341Bから正面側にずれた位置において左右方向に凸設される軸部
341Cと、その軸部341Cの下方においてモータ収容部341Aから延設される延設
部341Dと、モータ収容部341Aから前上方向へ向けて延設される照明支持部341
Eと、その照明支持部341Eの上端部に配置されると共に内部にLED光源が配設され
るLED装置341Fと、を主に備える。
LED装置341Fは、その上面部に三角形状の部材であって、光を屈折させる部分(
光を屈折させる部分)を備える。これにより、LED装置341Fの光を上方にも前方に
も満遍なく照射可能となる。
駆動モータ342は、モータ収容部341Aのコ字状の内側においてモータ収容部34
1Aに締結固定される固定部材342Aを備える。
固定部材342Aは、駆動モータ342の回転ギアを軸支すると共に、その回転ギアに
伝達ギア343Bが歯合する態様で伝達軸棒343を支持する。
アーム部材345は、一方の端部に真円形状で穿設されると共に円板カム344の連結ピン344Dに軸支される軸支孔345Aと、他方の端部に長方形状で穿設されると共に傾倒装置310の軸部311C(図717参照)が挿通される案内孔345Bと、を主に備える。
案内孔345Bは、軸支孔345Aの反対側の端部が傾倒装置310の第1状態におい
て軸部311Cと当接する位置に形成され、その反対側の端部は円板カム344が一回転
以上回転可能となるのに十分な位置に形成される。
図721を参照して、伝達軸棒343について説明する。図721は、伝達軸棒343の正面分解斜視図である。伝達軸棒343は、両端部に円板カム344(図720参照)が固定される円柱部材343Aと、その円柱部材343Aに軸支されると共に駆動モータ342の回転ギアと歯合する伝達ギア343Bと、その伝達ギア343Bと円柱部材343Aとの間で駆動力を伝達するか否かを軸方向の移動により切替可能な可動クラッチ343Cと、その可動クラッチ343Cを伝達ギア343Bに押し付けるコイルバネ343Dと、を主に備える。
円柱部材343Aは、その両端部に円板カム344を固定する断面D字形状の固定部3
43A1,343A2を備え、右側の固定部343A2の方が左側の固定部343A1よ
りも中央側へ長く形成される。ここで、固定部343A2は、詳細には、可動クラッチ3
43Cがコイルバネ343Dの付勢力に抗して移動した場合に伝達ギア343Bと干渉し
ない位置まで移動できる長さで形成される。
伝達ギア343Bは、円柱部材343Aが挿通される真円形状の挿通孔343B1と、
可動クラッチ343Cと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿っ
た凹凸が形成されるクラッチ部343B2と、を備える。
挿通孔343B1が真円形状なので、円柱部材343Aが固定された場合にでも、伝達
ギア343Bは円柱部材343Aに対して回転(空回り)することができる。
可動クラッチ343Cは、円柱部材343Aが挿通される断面D字形状の角度固定孔3
43C1と、伝達ギア343Bと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方
向に沿った凹凸が形成されると共にクラッチ部343B2と係合可能に構成されるクラッ
チ部343C2と、を備える。
なお、本実施形態では、クラッチ部343B2,343C2は、頂部の角度が約100
°の山型の凸部および凹部から構成される。
角度固定孔343C1が断面D字形状とされることで、可動クラッチ343Cの円柱部材343Aに対する相対回転が不能となるので、伝達ギア343Bのクラッチ部343B2と可動クラッチ343Cのクラッチ部343C2との係合により、駆動モータ342から伝達ギア343Bに伝達される駆動力が、可動クラッチ343Cを介して円柱部材343Aに伝達される。これにより、駆動モータ342を回転させることにより、円板カム344(図720参照)を回転させることが可能になる。
なお、可動クラッチ343Cは、通常はコイルバネ343Dの付勢力により伝達ギア3
43Bに近接する位置に配置され、クラッチ部343B2,343C2の係合関係が保た
れる。一方で、可動クラッチ343Cに軸方向の負荷がかけられることにより、固定部3
43A2に沿って伝達ギア343Bから離反する態様で移動可能に構成される。
図722を参照して、円板カム344について説明する。なお、円板カム344は、左円板カム344Lと右円板カム344Rとが概略鏡写しの形状とされ、異なるのは検出孔344EL,344ERの位置のみであるので、左円板カム344Lのみ説明し、右円板カム344Rの説明は省略する。
図722(A)は、図720の矢印XXA方向視における左円板カム344Lの側面図であり、図722(B)は、図720の矢印XXB方向視における左円板カム344Lの側面図である。なお、図722(A)及び図722(B)では、図720に示すように駆動装置340が第1初期状態とされた状態が図示される。
図722(A)及び図722(B)に示すように、左円板カム344Lは、真円形状の円板の両面から凸設される部分を有する部材であって、円板の中心位置において内側方向へ円筒形状に凸設される中心軸部344Aと、その中心軸部344Aを中心としたリング形状のリブとして内側方向へ凸設される円形リブ344Bと、その円形リブ344Bの外側においてその円形リブ344Bよりも高さの低いリブとして内側方向へ凸設されると共に2箇所において径方向外側に張り出す部分を有する係合リブ344Cと、円形リブ344Bと係合リブ344Cとの間において外側方向へ円柱形状で凸設されると共にアーム部材345(図720参照)に連結される連結ピン344Dと、外周付近において穿設される検出孔344ELと、を主に備える。
右円板カム344Rは、検出孔344ERが、検出孔344ELと60°の角度を成す
位置に配置されることのみが異なり、その他は左円板カム344Lの形状を鏡写しした形
状から構成される。
中心軸部344Aは、内周が円柱部材343A(図721参照)の両端と係合する断面D字形状から構成され、外周が軸支孔341B(図720参照))に内嵌される形状で構成される。即ち、円板カム344は、軸支孔341Bに回転可能に軸支される。
円径リブ344Bは、円板カム344が軸支孔341Bに軸支された状態において、モータ収容部341A(図720参照)の左右壁面に当接可能な位置まで凸設される。これにより、円板カム344の芯ずれを抑制することができる。
係合リブ344Cは、第1初期状態において、検出孔344ELが配設される位置から後転方向(図722(A)時計回り)に80°ずれた位置において径方向外側へ張り出される第1張出部344C1と、その第1張出部344C1から角度Θ1(本実施形態では角度Θ1=50°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第1引込部344C2と、第1張出部344C1から角度Θ2(本実施形態では角度Θ2=150°)ずれた位置において、再度径方向外側へ張り出される第2張出部344C3と、その第2張出部344C3から角度Θ3(本実施形態では角度Θ3=20°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第2引込部344C4と、を主に備える。
連結ピン344Dは、駆動装置340の第1初期状態において、第1状態における傾倒装置310の軸部311Eと最も離間距離の長い位置に配置される(図724参照)。即ち、中心軸部344Aに対して第1状態における傾倒装置310の軸部311Eの反対側に連結ピン344Dが配設される。
図723を参照して、解除部材346と回転爪部材347とについて説明する。なお、解除部材346と回転爪部材347とは左右一対で配設され、それらの構成は左右で同一なので、一方のみを説明する。
図723(A)及び図723(B)は、解除部材346及び回転爪部材347の正面図である。なお、図723(A)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図723(B)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。
なお、円板カム344に当接されることにより解除部材346が回転する状態は、角度大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン346Bが案内長孔347Bの中間位置に配置された状態)となる(図737参照)。
図723(A)及び図723(B)に示すように、解除部材346は、概略矩形状の板部材から形成され、軸部341C(図720参照)に軸支される軸支孔346Aと、その軸支孔346Aの中心軸を中心とする円弧形状で板厚方向に凸設される凸設ピン346Bと、第2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔346Cと、軸支孔346Aから最大径で張り出す部分として構成される係合部346Dと、を主に備える。
係合部346Dは、組立状態(図712参照)において、円板カム344の係合リブ344C(図722参照)と当接可能に構成される部分である。本実施形態では、係合部346Dの外周が湾曲して形成されることにより、係合リブ344との当接を滑らかに行うことができる。
回転爪部材347は、概略長方形状の板部材から形成され、軸部341C(図720参照)に軸支される軸支孔347Aと、その軸支孔347Aの中心軸を中心とする円弧形状に沿って解除部材346の凸設ピン346Bを案内可能に穿設される(凸設ピン346Bの移動軌跡を内側に含む大きさで穿設される)案内長孔347Bと、第2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔347Cと、軸支孔347Aの反対側の端部において下方に鉤状に凸設される鉤状部347Dと、第1スプリング(図720参照)の端部を挿通可能に穿設される引下用孔347Eと、を主に備える。
本実施形態では、図723(A)に示す角度大状態において、解除部材346が回転爪部材347に対して後転方向(図723(A)時計回り方向)の終端位置に配置される。そのため、角度大状態において、係合部346Dに押し下げ方向の負荷がかけられると、解除部材346及び回転爪部材347が一体となって後転方向に回転する一方、角度大状態において、係合部346Dに押し上げ方向の負荷がかけられると、図723(B)に示す角度小状態に至るまでは解除部材346のみを回転させ回転爪部材347の姿勢を維持することができる。
次いで、操作デバイスの動作例について説明する。まず、図724から図726を参照して、傾倒装置310が第1状態に配置された状態において、遊技者が押し込み操作する場合の動作例について説明する。なお、以下の動作例の説明において、理解を容易にするために蓋312の図示が簡略化される。
図724から図726は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図724では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、図725では、図724に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、図726では、図725の状態から第1状態に至るまで傾倒装置310が復帰動作した後の状態が図示される。また、図724から図726において、傾倒装置310を連打操作する遊技者の手の一例が図示される。
図724に示すように、傾倒装置310は、ねじりバネ315により後転方向(図724時計回り)の付勢力を受けると共に、底板部311Aが回転爪部材347の鉤状部347Dに引っ掛けられる。これにより、第1状態で傾倒装置310が姿勢維持される。即ち、第1状態において、傾倒装置310には後転方向(図724時計回り)の付勢力が常時作用している。
図724に示す状態において、左側検出片311GLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、その一方、右側検出片311GRは右側検出センサ324Rの検出溝の手前に配置される(OFF状態、図713参照)。
図725に示すように、遊技者が傾倒装置310を押しこむ動作を行うと、傾倒装置310が前転方向(図725反時計回り)に約3°回転する。この状態において、左側検出片311GLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、同様に、右側検出片311GRは右側検出センサ324Rの検出溝に挿通される(ON状態)。
従って、左側検出センサ324L及び右側検出センサ324Rの検出状態の変化を判定
することにより、傾倒装置310が第1状態から遊技者に押し込み操作されたことを判定
することができる。
ここで、傾倒装置310を連打操作する場合、図724に示す状態と図725に示す状態とを交互に繰り返すことになるが、遊技者が連打する時間間隔によっては、ねじりバネ315による傾倒装置310の復帰が間に合わず、中途半端な位置で押し込み操作をすることになり、遊技者が違和感を覚える恐れがある。
従来は、ねじりバネ315のバネ定数を上げることで対処することができたが、本実施形態では、ねじりバネ315のバネ定数を上げると、ねじりバネ315の付勢力に抗して傾倒装置310を押し下げる駆動モータ342(図720参照)の駆動力を上昇させることが必要となり、駆動モータ342の大型化を図る必要性がある。そのため、製品コストが上昇したり、省スペース化ができなくなったりする問題点があった。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310が押し込み操作された状態において、傾
倒装置310の張出凸設部311Jと対面する位置に振動動作により演出が可能なボイス
コイルモータ352が配設される。
図726に示すように、このボイスコイルモータ352を、図725に示す状態から伸張方向に駆動することにより、ねじりバネ315のバネ定数を上げることなく、傾倒装置310の復帰動作を素早く行うことができる。
ここで、傾倒装置310が押し込み操作されると常にボイスコイルモータ352が駆動
する場合、例えば、遊技者が傾倒装置310を長押し操作する場合にボイスコイルモータ
352が駆動してしまい、遊技者に不要な負荷を与えることとなるので、遊技者が違和感
を覚える恐れがある。
これに対し、本実施形態では、左側検出センサ324LがON状態の時に、所定期間に
右側検出センサ324RがON状態とOFF状態とで切り替わる回数を算出し、その回数
が閾値以上の場合にボイスコイルモータ352を駆動させることで、遊技者が連打操作す
る場合にだけ傾倒装置310を復帰させる負荷を向上させることができる。これにより、
遊技者が傾倒装置310を快適に操作することができる。
次いで、図727から図732を参照して、傾倒装置310が第1状態から上下に往復する動作(煽り動作)を開始する場合(第1の動作態様)について説明する。図727から図732は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。
なお、図727では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、図728では、図727に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347が姿勢変化した状態が図示され、図729では、図728に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347の姿勢が戻った状態が図示され、図730では、傾倒装置310が往復回転動作する様子が図示され、図731では、図730の状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、図732では、図731に示す状態から円板カム344が、所定量だけ前転方向に回転することにより、係合リブ344Cの第2張出部344C3が解除部材346の係合部346Dに当接される第2初期状態に到達した状態が図示される。また、図730において図729の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、図731において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図727に示すように、傾倒装置310が第1状態である場合、蓋312の円筒部材312Cの内側にLED装置341Fの上端部(プリズム部分)が収容される。そのため、円筒部材312Cの径方向に照射される光の光量が円筒部材312Cの厚みにより抑えられる一方で、軸方向へ照射される光の光量は大きく確保することができる。これにより、円筒部材312Cが、蓋312のリブとして強度を向上させる効果と、傾倒装置310の第1状態においてLED装置341Fの光の照射強度を調節する効果とを奏することができる。
図728に示すように、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第1初期状態とされる図727に示す状態から、円板カム344を前転方向(図728反時計回り方向)に回転させると、円板カム344の第1張出部344C1が解除部材346の係合部346Dを押し下げることで解除部材346が後転方向(図728時計回り方向)に回転し、それに伴い回転爪部材347が傾倒装置310の底板部311Aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。
解除部材346の姿勢変化は、係合リブ344Cの第1引込部344C2と係合部34
6Dとが対面する状態まで円板カム344が回転されるまで持続されるので、その間に傾
倒装置310がねじりバネ315の付勢力で上昇する(図728時計回りに回転する)。
このとき、図727及び図728の状態において、傾倒装置310の軸部311Cがアーム部材345の案内孔345Bの一方の終端位置(円板カム344の回転軸から遠い側の終端位置)に配置され、傾倒装置310の上昇方向の動作はアーム部材345により規制されるので、傾倒装置310の上昇動作が、円板カム344の回転角度に対応した動作態様となる。
図729に示すように、円板カム344が前転方向(図729反時計回り方向)に回転し、円板カム344の第1引込部344C2が解除部材346の係合部346Dを通過すると、第1スプリングSP1の付勢力により、解除部材346と回転爪部材347とが前転方向(図729反時計回り方向)に回転し、回転爪部材347が傾倒装置310と係合可能な状態(図727に示す状態)に戻る。このとき、解除部材346と回転爪部材347との間の角度(図729における上側の角度)を大きくする方向へ向けて第2スプリングSP2の付勢力が作用するので、解除部材346と回転爪部材347とは、図728に示す状態(角度大状態)を維持したまま回転する。
この状態において、蓋312がLED装置341Fの上方に退避すると共に、保護レンズ部材311Iを遊技者視点で視認可能な面積が、第1状態とされる場合の傾倒装置310に比較して増加するので、LED装置341Fの光を正面方向(遊技者へ向けた方向)へも照射可能となる。従って、傾倒装置310の姿勢が変化する事により、LED装置341Fから照射される光の進行方向を変化させることができ、光の演出効果を向上させることができる。
この状態において、保護カバー装置350の右側検出センサ353RがON状態となり
、上下往復動作の開始点を検出することができる。
図730に示すように、図729に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図730反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(図730時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、図730に示す角度D1の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、角度D1の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して
、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。その
ため、LED装置341Fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認で
きる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾
倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注
目度を向上させることができる。
なお、図730に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313AがLED装置341Fの正面側(図730左側)に配置されるので、LED装置341Fから照射される光の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(図730紙面垂直方向)にも広げることができる。
本実施形態によれば、上述したように、傾倒装置310が第1状態に配置される場合には、LED装置341Fの光が上方へ向けて進行し、その照射範囲は円筒部材312Cによって絞られていた(図727参照)。これに対し、傾倒装置310が第1状態から上昇動作すると、LED装置341Fの光は遊技者へ向けた方向(正面方向)へも照射され、その照射範囲はレンズ部材313により広げられる。
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
図731に示すように、図730で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。図730の状態において、傾倒装置310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下降させる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311Cがアーム部材345の案内孔345Bを移動するのみであり、負荷が生じない)。
そのため、図730の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者に駆動モータ342(図720参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止することができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられる。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大きな負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作することができる。
図731に示すように、図730に示す状態から、傾倒装置310の押し込み終端まで至る過程において、傾倒装置310の底板部311Aが回転爪部材347の鉤状部347Dを押進することにより回転爪部材347が後転方向(図731時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311Aが鉤状部347Dを通過すると、回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
従って、図730に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置310を押し下げた後において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維持することができる。
図731に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動動作(伸張方向への移動と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、傾倒装置310を押し込み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置310に手を乗せ続けている遊技者に対して振動を伝える演出を行うことができる。
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置310の上昇を補助する駆動力を発生させる目的(図726参照)と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置310を振動させることにより振動演出を行う目的とに利用することができる。
なお、図732に示すように、遊技者が傾倒装置310から手を離して傾倒装置310が第1状態まで復帰した場合には、傾倒装置310の張出凸設部311Jが下枠部材320の下面に埋没し、ボイスコイルモータ352との当接が解除される。そのため、振動演出は、遊技者が傾倒装置310を押し込み終端に押し込んでいる状態でのみ有効となる。
そのため、操作ボタンが単に振動する遊技機に比較して、傾倒装置310を押し込み操
作する場合に押し込み終端でボイスコイルモータ352による振動が発生するか否かを、
傾倒装置310を押し込み操作した遊技者のみに把握させることができる。
ここで、抽選が大当たりか否かは、傾倒装置310の押し込み操作に左右されるもので
はない。そのため、遊技者によっては、傾倒装置310を全く操作しない恐れがあり、そ
の場合、傾倒装置310の操作手段としての価値は低くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込み操作することで初めてボイス
コイルモータ352の振動を遊技者が感じることができる態様で構成される。
ここで、例えば、大当たりが確定した場合にボイスコイルモータ352が振動演出する
ように制御することで、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する時の期待感を向上さ
せることができ、傾倒装置310の先読み手段としての価値を向上させることができる。
これにより、遊技者が傾倒装置310を操作し易くすることができ、傾倒装置310の操
作手段としての価値を高めることができる。
図732に示すように、図731に示す状態から、円板カム344を第2張出部344C1が解除部材346の係合部346Dに当接するまで円板カム344を前転方向(図731反時計回り方向)に所定量回転させることにより、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
第2初期状態は、第1初期状態と同様に係合リブ344Cと解除部材346とが回転方
向で当接する状態である。第1初期状態では第1張出部344C1が係合リブ344Cと
当接する一方で、第2初期状態では第2張出部344C3と係合リブ344Cとが当接す
る。
なお、図731の状態から、円板カム344を後転方向(図731時計回り方向)に回転させて係合リブ344Cの第1張出部344C1が係合部346Dを通過した後、逆回転させる方法で、駆動装置340を図731に示す状態から図727に示す第1初期状態に戻すことができる。この場合、解除部材346を押し上げる方向の負荷が解除部材346にかけられ、回転爪部材347の姿勢を維持した状態で解除部材346のみを前転方向(図731反時計回り方向)に回転させることができる。
次いで、図733から図736を参照して、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第2初期状態とされた状態から、傾倒装置310を上下動作(煽り動作)させる場合(第2の動作態様)について説明する。この場合、傾倒装置310は、第2状態を経て上下に往復する動作(煽り動作)を開始する。
図733から図736は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。図733では、図732に示す状態から円板カム344を前転方向(図733反時計回り)に回転させ解除部材346と回転爪部材347とを後転方向(図733時計回り)に回転させた状態が図示され、図734では、図733に示す状態から、円板カム344が所定量回転し傾倒装置310が第2状態へ到達した状態が図示され、図735では、図734に示す状態から円板カム344が往復回転動作する様子が図示され、図736では、図735に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示される。また、図735において図734の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、図736において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図733に示すように、図732に示す状態から円板カム344を前転方向(図733反時計回り)に回転させると、回転爪部材347と傾倒装置310との係合が解除され、傾倒装置310が上昇方向に動作する。
このとき、傾倒装置310の軸部311Cが移動する方向にアーム部材345の案内孔
345Bが延びている(空間を有している)ため、傾倒装置310がアーム部材345を
介して円板カム344に引っ張られることはなく、傾倒装置310を低抵抗で上昇動作さ
せることができ、傾倒装置310を第1状態から第2状態へ短時間で状態変化させること
ができる。
図734に示すように、図733に示す状態(傾倒装置310と回転爪部材347との係合を解除した状態)から約10度だけ回転させることにより、円板カム344の姿勢を、傾倒装置310を第2状態に配置可能な姿勢(第1初期状態から円板カム344を180°回転させた姿勢)にすることができる。そのため、傾倒装置310の上昇する速度が大きく、傾倒装置310が図732の状態から短期間で第2状態へ到達しようとする場合に、その状態変化を円板カム344が邪魔をする(円板カム344が所定角度回転するのが遅くて傾倒装置310が第2状態となるまでの期間が長くかかる)ことを予防することができる。
図735に示すように、図734に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図734反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(図734時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、図735に示す角度D2の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
また、角度D2の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して
、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。その
ため、LED装置341Fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認で
きる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾
倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注
目度を向上させることができる。
なお、図735に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313AがLED装置341Fの正面側(図735左側)に配置されるので、LED装置341Fから照射される光の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(図735紙面垂直方向)にも広げることができる。
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
図735に示す角度D2の範囲は、図730に示す角度D1の範囲とは異なっている。即ち、本実施形態では、傾倒装置310の上下動作の態様として、図730に示す上下動作と、図735に示す上下動作との2種類の上下動作(煽り動作)を、回転爪部材347による傾倒装置310の上昇方向への移動の規制の解除後、即座に行うことができる。従って、第1状態の傾倒装置310を駆動モータ342の駆動力により動作させる態様を2種類作ることができる。
これにより、操作部材310が毎回同じ動作をする場合に比較して、その動作態様に異なった意味(例えば、大当たりの期待感の違い)を持たせることができ、傾倒装置310に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
図735に示すように、図734で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。図735の状態において、傾倒装置310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下方へ引き下げる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311Cがアーム部材345の案内孔345Bを移動するのみであり、アーム部材345から軸部311Cを持ち上げる負荷は生じない)。
そのため、図735の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者に駆動モータ342(図720参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止することができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられる。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大きな負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作することができる。
図736に示すように、傾倒装置310を押し込み操作した状態に至る過程において、傾倒装置310の底板部311Aが回転爪部材347の鉤状部347Dを押進することにより回転爪部材347が後転方向(図736時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311Aが鉤状部347Dを通過すると。回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
従って、図735に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置310を押し下げた後(図736参照)において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維持することができる。
次いで、図737から図739を参照して、遊技者が押し込み操作した後に、回転爪部材347による傾倒装置310の規制を解除することなく、円板カム344を第2初期状態とする動作について説明する。この方法により、傾倒装置310の2種類の上下動作(煽り動作)を、交互に行ったり、片方を連続で行ったりすることが可能となる。
図737から図739は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。図737では、図736に示す状態から円板カム344を後転方向(図737時計回り)に回転させ解除部材346を前転方向(図737反時計回り)に回転させた状態が図示され、図738では、図737に示す状態以上に回転カム344が後転方向(図737時計回り)に回転してから円板カム344が解除部材346の係合部346Dに当接する位置まで前転方向(図737反時計回り)に回転した状態が図示され、図739では、図738に示す状態から円板カム344が前転方向(図738反時計回り)に回転し保護カバー装置350の左側検出センサ353LがON状態となった状態が図示される。なお、図737から図739において、傾倒装置310に上から振れる遊技者の手の一例が想像線で図示される。
図737に示すように、図736に示す状態から円板カム344を後転方向(図736時計回り)に回転させると、係合リブ344Cの第2引込部344C4が解除部材346の係合部346Dと当接する。この場合、係合リブ344Cが解除部材346を押し上げることにより解除部材346の姿勢は変化するが、解除部材346の凸設ピン346Bが回転爪部材347の案内長孔347Bの空間部分を移動するに留まり、回転爪部材347は図737に示す姿勢で維持される。
即ち、図737に示す状態から更に円板カム344を後転方向(図737時計回り)に回転させ、係合リブ344Cと解除部材346との係合を解除する過程において、回転爪部材347による傾倒装置310の上昇の規制を維持することができる。
図737に示す状態から、更に円板カム344を後転方向(図737時計回り)に回転させ、続けて回転カム344を前転方向(図737反時計回り)に回転させることで、図738に示すように、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
なお、本実施形態では、第2初期状態を検出するセンサが無いので、図738に示す状態で円板カム344を正確に停止させることは難しいが、図738に示す第2初期状態を経由することは可能である。従って、図738に示す状態から円板カム344を動作させることにより、上述したように、角度D2の範囲における、第2初期状態からの上下動作(煽り動作)を行うことが可能となる。
ここで、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者は、「長押し」等の特段の表示がさ
れていなくとも、押し込み操作したあとで手を傾倒装置310に置いたままにする動作を
行うことがある。
これは、例えば、演出に集中する余り傾倒装置310を押し込み操作した手を離すのを忘れることにより起きる動作であるが、この場合、回転爪部材347による規制が解除されても傾倒装置310が上昇しないので、円板カム344が傾倒装置310を角度D2の範囲で上下動作(煽り動作)させるための往復動作(正逆切替動作)を行ったとしても、傾倒装置310の姿勢を変化させることができない。この場合、駆動モータ342の回転は無駄となり、その回転を省略することができれば、駆動モータ342の寿命を延ばすことができる。
そこで、本実施形態では、図738に示す状態から円板カム344を前転方向(図738反時計回り)に回転させる状態において、下枠部材320の左側検出センサ324L(図717参照)がON状態を維持する間(傾倒装置310が第1状態以下に傾倒する間)は、円板カム344を逆回転させることはせず、図739に示すように、保護カバー装置350の左側検出センサ353L(図716参照)がON状態とされる駆動装置340の第1初期状態において円板カム344の回転を停止する(駆動モータ342の駆動を停止する)態様で制御される。
図738及び図739に示す状態において、遊技者の手が傾倒装置310の上側におかれることにより傾倒装置310が上昇動作しないので、この場合、図738に示す状態から図739に示す状態までの変化が駆動モータ342を一方向に回転させることで生じる。
そのため、図737から図739に示すように、遊技者の手が傾倒装置310の上側に置かれ続け、傾倒装置310を上下動作させることができないときにまで駆動モータ342を往復動作(正逆切替動作)させることを避けることができ、駆動モータ342にかけられる負担を低減し、モータ寿命を延ばすことができる。
なお、図738に示す状態から、円板カム344を所定量(図733に示す状態まで)回転させた際に、左側検出センサ324L(図717参照)がON状態を維持する場合に、そのまま円板カム344を回転させるのでは無く、即座に逆回転させて図738に示す状態に戻すように制御しても良い。これにより、駆動装置340を早期に第2初期状態に戻すことができ、駆動装置340に無駄な負荷をかけずに済むので、駆動モータ342(図720参照)のモータ寿命を延ばすことができる。
図740及び図741を参照して、駆動装置340の破壊防止の工夫について説明する。図740は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図であり、図741は、図740のXXXIX−XXXIX線における操作デバイス300の部分断面図である。なお、図740では、傾倒装置310が第2状態とされた状態で傾倒装置310を掴んで固定する遊技者の手が想像線で図示され、図741では、本体カバー351の上側部材の図示が省略される。
図740に示すように、遊技者が傾倒装置310を掴んで固定する場合、アーム部材345の移動が規制されるので、円板カム344を図740の状態から回転させることができない。そのため、駆動モータ342(図741参照)が回転を開始すると、駆動モータ342と伝達ギア343Bとの間で高負荷が生じ、放っておくと、駆動モータ342(図720参照)が故障する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、伝達ギア343Bが円板カム344を固定する伝達軸棒343Aに対して空回り可能に構成されるので、駆動モータ342が故障することを防止することができる。
即ち、図741に示すように、円板カム344が固定された状態で駆動モータ342が駆動を開始し、伝達ギア343Bが回転方向に付勢されることにより、クラッチ部343B2,343C2を介して動力が伝達され、可動クラッチ343Cが伝達ギア343Bから離反する方向へ移動する。これにより、伝達ギア343Bと可動クラッチ343Cとの係合を解除し、伝達ギア343Bを空回りさせることができる。これにより、駆動モータ342が故障することを防止することができる。
なお、遊技者が傾倒装置310を掴んでいない場合、操作デバイス300の構成上、円
板カム344を一回転させれば傾倒装置310は第1状態を経由する。そのため、本実施
形態では、駆動モータ342を所定角度(例えば、360°)回転させる間に下枠部材3
20の左側検出センサ324LがON状態とならない場合(傾倒装置310が第1状態と
ならない場合)に、遊技者が、傾倒装置310を把持固定するという不要な操作を故意に
行っていると判断して、その把持動作を止めるように、例えば、第3図柄表示装置81に
表示することにより報知しつつ、駆動モータ342の回転を停止する。
これにより、遊技者が故意に誤操作を行っている場合を選択して、その時にのみ、誤操
作を止めるよう報知することが可能となると共に、早期に駆動モータ342を停止して、
故障を防止することができる。
なお、伝達ギア343Bと可動クラッチ343Cとが離反して位相ずれが生じる場合、
駆動モータの初期位相と、可動クラッチ343Cと位相を同じくする円板カム344の初
期位相とがずれる。そのため、位相ずれが生じる以前の状態から継続して(ステップ数な
どで)駆動モータ342を制御すると、円板カム344を正確に動作させることができな
い(位相ずれを修正できない)。
これに対し、本実施形態では、保護カバー部材350の左側検出センサ353LがON
状態となったことを検出することにより、駆動装置340が第1初期状態となったことを
特定することができるので、その状態を初期位置として駆動モータ352の制御を再開す
る(駆動モータ342の初期位相を再設定する)ことにより、伝達ギア343Bと可動ク
ラッチ343Cとの間で位相ずれが生じた後においても、駆動モータ342の位相と円板
カム344の位相とを再度合わせた状態で制御を行うことができる。
これにより、傾倒装置310を動作させることで演出を行う場合に、駆動モータ342
の回転制御により傾倒装置310に行わせようとする動作と、実際に傾倒装置310が行
う動作との間にずれが生じることが防止される。従って、伝達ギア343Bと可動クラッ
チ343Cとの間で位相ずれが生じた後においても、傾倒装置310を適正に動作させて
演出を行うことができる。
ここで、図741に示すように、可動クラッチ343Cは、伝達ギア343Bの回転方向に関わらず、伝達ギア343Bに対して空回りする形状から構成される。その必要性について、以下において説明する。
図742、図743、図744及び図745は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図742では、図740に示す状態から円板カム344が前転方向(矢印CCW方向)に180度回転した状態が図示され、図743では、図742に示す状態から、更に円板カム344が矢印CCW方向に回転した状態が図示される。また、図744では、図740に示す状態から円板カム344が後転方向(矢印CW方向)に180度回転した状態が図示され、図745では、図744に示す状態から、更に円板カム344が矢印CW方向に回転した状態が図示される。
図743に示すように、円板カム344が矢印CCW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図742に示す第1状態を経由して、第2状態へ向けて起立動作する。一方で、図745に示すように、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図744に示す第1状態のまま、その状態を維持する態様で構成される。
これは、図744に示す状態から図745に示す状態へ向かうにつれて係合リブ344Cが解除部材346から離反する態様で動作すること、のみが原因ではなく、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344Cが解除部材346に当接しても、回転爪部材347による固定が解除されないことが原因である。即ち、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344Cが解除部材346に下方から当接するが、この場合、解除部材346が係合リブ344Cに持ち上げられることになり、回転爪部材347を押し上げる方向の負荷が生じない。そのため、回転爪部材347による固定が解除されることは無い。
ここで、傾倒装置310の動作を遊技者視点で見る場合、図740から図742及び図744に示す第1状態までは、どちらも同様の動作に見え、第1状態となってから以降の動きが図743又は図745のどちらか異なる動作となる。
例えば、第1状態に傾倒装置310が到達してからの動作の違いを、駆動モータ342(図741参照)の制御により発生させても良いが、駆動モータ342の回転数の変化による駆動音の変化の違いで、行っている制御の態様に遊技者が気付き、これから実行される演出が遊技者に把握されてしまい、遊技者の興味を削ぐおそれがある。また、傾倒装置310を急停止させる動作を駆動モータ342の急停止で行う場合、駆動モータ342にかけられる負担が大きくなり、駆動モータ342の耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、図740に示す状態から、傾倒装置310が第1状態へ向けて移動し、その後の傾倒装置310の動作を異ならせる場合に、駆動モータ342の回転は、その方向が異なるのみなので、その駆動態様(振動や、音など)で、その回転方向を遊技者が把握することを困難にすることができる。そのため、例えば、第1状態から傾倒装置310が起き上がるか、第1状態に傾倒装置310が維持されるかにより、演出の期待度が変化する場合に、傾倒装置310が第1状態へ向かう動作中に、その期待度の変化を、遊技者が把握してしまうことを防止することができる。これにより、傾倒装置310の動作への注目力を向上させることができる。
一方で、傾倒装置310が第1状態に到達して、更に駆動モータ342が回転することにより、傾倒装置310が起き上がるか、第1状態を維持するかを確認することにより、遊技者は演出の期待度の変化を把握することができるので、遊技者に、傾倒装置310が第2状態(図740参照)となり、駆動モータ342により第1状態へ向けて移動する際の、傾倒装置310の動きを見守るように仕向けることができる。
即ち、傾倒装置310が第2状態である場合に、遊技者が傾倒装置310を把持するこ
とを抑制することができるので、駆動モータ342の駆動時に遊技者が誤操作することに
より傾倒装置310及び駆動装置340に過負荷が与えられることを防止することができ
る。
また、傾倒装置310を急停止させる演出を行うために、駆動モータ342(図741参照)を急停止させる必要がないので、駆動モータ342を急停止する場合に駆動モータ342に与えられる負担を無くすことができ、駆動モータ342の耐久性を向上させることができる。
次いで、図746を参照して、遊技者が傾倒装置310を押し下げる動作をした場合にでも、傾倒装置310が回転爪部材347で規制されずに上下動作をおこなう場合(第3の動作態様)について説明する。
図746は、図708(A)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。なお、図746では、駆動装置340の第1初期状態(図727参照)から円板カム344が所定量前転方向(図746反時計回り)に回転された状態が図示されると共に、第1張出部344C1が解除部材346の係合部346Dを通過しない角度で円板カム344を後転方向(図746時計回り)に回転させた後における傾倒装置310の外形が想像線で図示される。
図746に示すように、円板カム344の第1張出部344C1により解除部材346が押し下げられた状態において、第1張出部344C1と第1引込部344C2とが解除部材346の係合部346Dを通過しない位置関係を保ちながら円板カム344を往復回転させることにより、解除部材346の姿勢を維持したまま、傾倒装置310を上下に往復動作させることができる。
この場合、回転爪部材347の姿勢が、解除部材346の姿勢変化に伴って後転方向(図746時計回り)に回転された状態で維持されるので、図746に示す態様で傾倒装置310が上下動作する場合に、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作したとしても、傾倒装置310と回転爪部材347とが係合せず、遊技者が手を離すことにより傾倒装置310が第1状態(回転爪部材347が傾倒装置310と係合する場合に傾倒装置310が上昇を規制される位置)よりも上方へ移動すると共に上下動作を継続する動作態様を実施することができる。
そのため、例えば、傾倒装置310の動作態様として、上述した第1の動作態様や、第2の動作態様と、図746に示す第3の動作態様とで、演出上の違いを設けることで、操作デバイス300の操作に従来とは違った意味を持たせることができる。即ち、本実施形態によれば、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作して、その後、傾倒装置310を離すことで初めて、傾倒装置310が第1の動作態様または第2の動作態様で上下動作していたのか、第3の動作態様で上下動作していたのかを知ることができる。
演出上の違いとして、第1の動作態様や、第2の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離すと傾倒装置310が第1状態で維持される場合)の方が、第3の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離しても傾倒装置310が上下動作を継続する場合)に比較して大当たりの期待度が高いという違いを設けたとすると、遊技者が傾倒装置310を押し込む時だけでなく、傾倒装置310から手を離すときにも、大当たりするか否かの期待度を認識する機会を得ることができるので、操作デバイス300を遊技者が注目するタイミングを多く設けることができる。これにより、操作デバイス300の注目度を向上させることができる。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
さらに、上述した各制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率(大当たり確率)を高低の2種類(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)設けたパチンコ機10を用いているが、これに限ることなく、例えば、複数種類の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定スイッチ)を設け、その設定手段により設定された設定値毎に異なる大当たり確率が設定される制御を主制御装置110が実行するように構成しても良い。
この場合、例えば、1〜6の6段階の設定値を用意しておき、設定値「1」が設定された場合に、大当たり確率が最も高くなるように構成し、設定値「6」が設定された場合に、大当たり確率が最も低くなるように順に各設定値に対して大当たり確率を設定するように構成すると良い。
加えて、各設定値に対して設定される大当たり確率として、特別図柄の低確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、上述した設定値に応じて、大当たり確率だけでは無く、例えば、各大当たり種別の選択割合を異ならせたり、小当たりに当選する確率を異ならせたり、特別図柄の変動パターンの選択割合や、変動時間を異ならせたりしても良い。この場合、例えば、特定の設定値が設定された場合にのみ選択され易い変動パターンや大当たり種別を設け、その変動パターンに基づく特別図柄変動や、その大当たり種別に基づく大当たり遊技が実行されたか否かを遊技者が注目することで、現在設定されている設定値を判別するように構成しても良い。
さらに、設定された設定値を示すための設定コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した設定コマンドに基づいて現在設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行するように構成しても良いし、主制御装置110から出力される大当たり種別を示すコマンド(抽選結果を示すためのコマンド)や、特別図柄の変動パターンを示すためのコマンド(変動時間を示すためのコマンド)を受信した場合に、その受信したコマンドの内容から現在設定されている設定値を判別し、その判別結果に基づいた設定示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110から出力されるコマンド数を削減することができる。
また、上述した各制御例とは異なり、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に実行可能なパチンコ機10を用いても良い。この場合において、上述した設定値を設定可能な構成を用いる場合は、設定された設定値に応じて、各特別図柄の変動(抽選)のし易さが可変するように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良いし、特定の設定値では一方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となる特定遊技状態が、特定の設定値とは異なる所定の設定値の場合は一方の特別図柄とは異なる他方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となるように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良い。この場合、特別図柄の抽選が遊技者に有利になるとは、特別図柄の抽選が実行され易くなる状態や、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果である場合に付与される特典(大当たり遊技内容、小当たり遊技内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)が遊技者に有利となることを含む概念である。
また、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
加えて、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件である時短終了条件を複数設定し、その複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数が特定の変動回数となった場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、変動回数終了条件が成立した場合と、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、当選回数終了条件が成立した場合とで、異なるタイミングで普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができるように構成してもよい。
この構成を用いて、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動を開始することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行し、当選回数終了条件が成立した場合には、小当たり遊技が終了することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように制御される遊技機を設けると良い。
これにより、成立する時短終了条件によって、同一の特別図柄の変動に基づいて時短状態が終了する場合であっても、特別図柄の変動時間と、小当たり遊技が実行される時間とを合算した範囲で時短状態が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、成立した時短終了条件の種別についても興味を持たせることができる。さらに、成立する時短終了条件によっては、遊技者に対して少量の特典を付与する小当たり遊技中にも、電動役物640Aを作動させ球を入球口へと入球させ易くすることで、小当たり遊技を遊技者にとってより有利な遊技状態とすることが可能となる。
加えて、小当たり遊技が実行される期間を異ならせた複数の小当たり種別を設け、当選回数終了条件が成立した場合であっても、当選回数終了条件が成立した小当たり種別に応じて遊技者に付与される特典を異ならせるようにすると良い。これにより、成立した時短終了条件の種別だけでは無く、時短終了条件のより詳細な内容について遊技者に興味を持たせることができる。
また、この場合、当選回数終了条件が成立した場合であっても、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態を終了させる場合と、小当たり遊技が終了するタイミングで時短状態を終了させる場合とが混在するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してどのタイミングで時短状態が終了するかを分かり難くすることができる。さらに、上述した実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、小当たりに当選したことに基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、を別々に実行する構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選(変動)に応じて更新される時短情報を一元的に管理し、成立した時短終了条件に基づいて時短状態を終了させるタイミングを設定する構成を用いても良い。
上記各制御例では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22B(1022B、1122B)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22Cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、上述した各制御例では、実行される各種演出の例として、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出を用いて説明をしたが、同様の目的効果を奏する演出態様であれば良く、第3図柄表示装置81以外の表示装置に表示する表示演出や、音声により遊技者に報知する音声演出や、パチンコ機10に付設される各種発光手段(LED)を用いて遊技者に報知する発光演出を用いても良い。
また、上述した各制御例において実行される各種演出として、遊技者に対して確実に内容を把握させる報知演出と、遊技者がその内容をそれとなく知らせる示唆演出とを用いているが、報知演出に替えて示唆演出を実行しても良いし、示唆演出に替えて報知演出を実行するように構成しても良い。
さらに、上述した各制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率(大当たり確率)を高低の2種類(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)設けたパチンコ機10を用いているが、これに限ることなく、例えば、複数種類の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定手段(例えば、設定スイッチ)を設け、その設定手段により設定された設定値毎に異なる大当たり確率が設定される制御を主制御装置110が実行するように構成しても良い。
この場合、例えば、1〜6の6段階の設定値を用意しておき、設定値「1」が設定された場合に、大当たり確率が最も高くなるように構成し、設定値「6」が設定された場合に、大当たり確率が最も低くなるように順に各設定値に対して大当たり確率を設定するように構成すると良い。
加えて、各設定値に対して設定される大当たり確率として、特別図柄の低確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態に対応する大当たり確率のみ、設定値に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、上述した設定値に応じて、大当たり確率だけでは無く、例えば、各大当たり種別の選択割合を異ならせたり、小当たりに当選する確率を異ならせたり、特別図柄の変動パターンの選択割合や、変動時間を異ならせたりしても良い。この場合、例えば、特定の設定値が設定された場合にのみ選択され易い変動パターンや大当たり種別を設け、その変動パターンに基づく特別図柄変動や、その大当たり種別に基づく大当たり遊技が実行されたか否かを遊技者が注目することで、現在設定されている設定値を判別するように構成しても良い。
さらに、設定された設定値を示すための設定コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した設定コマンドに基づいて現在設定されている設定値を示唆する設定示唆演出を実行するように構成しても良いし、主制御装置110から出力される大当たり種別を示すコマンド(抽選結果を示すためのコマンド)や、特別図柄の変動パターンを示すためのコマンド(変動時間を示すためのコマンド)を受信した場合に、その受信したコマンドの内容から現在設定されている設定値を判別し、その判別結果に基づいた設定示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110から出力されるコマンド数を削減することができる。
また、上述した各制御例とは異なり、第1特別図柄の抽選(変動)と、第2特別図柄の抽選(変動)と、を同時に実行可能なパチンコ機10を用いても良い。この場合において、上述した設定値を設定可能な構成を用いる場合は、設定された設定値に応じて、各特別図柄の変動(抽選)のし易さが可変するように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良いし、特定の設定値では一方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となる特定遊技状態が、特定の設定値とは異なる所定の設定値の場合は一方の特別図柄とは異なる他方の特別図柄の抽選が遊技者に有利となるように各設定値に対して各種パラメータを規定しても良い。この場合、特別図柄の抽選が遊技者に有利になるとは、特別図柄の抽選が実行され易くなる状態や、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果である場合に付与される特典(大当たり遊技内容、小当たり遊技内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)が遊技者に有利となることを含む概念である。
また、遊技状態に関わらず特図の種別に応じて遊技状態の移行先および振分率を統一しているが、これに限ること無く遊技状態に応じて遊技状態の移行先および移行振分率を変更してもよい。これにより、より複雑な遊技性を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、確変状態を、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)実行されるまで継続する仕様としたり、特図が変動する毎に通常遊技状態へと移行する抽選を実行し、その抽選に当選することで確変状態から通常遊技状態へと移行する構成にしてもよい。この場合、遊技者に有利な確変状態と不利な確変状態として、例えば、確変状態が終了する特別図柄の変動回数に差を設けたり、確変状態から通常遊技状態へと移行する抽選確率を異ならせたりするようにしてもよい。
加えて、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件である時短終了条件を複数設定し、その複数の時短終了条件のうち、特別図柄の変動回数が特定の変動回数となった場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、変動回数終了条件が成立した場合と、特別図柄の抽選により小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立した場合、即ち、当選回数終了条件が成立した場合とで、異なるタイミングで普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができるように構成してもよい。
この構成を用いて、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動を開始することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行し、当選回数終了条件が成立した場合には、小当たり遊技が終了することに基づいて遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように制御される遊技機を設けると良い。
これにより、成立する時短終了条件によって、同一の特別図柄の変動に基づいて時短状態が終了する場合であっても、特別図柄の変動時間と、小当たり遊技が実行される時間とを合算した範囲で時短状態が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対して、成立した時短終了条件の種別についても興味を持たせることができる。さらに、成立する時短終了条件によっては、遊技者に対して少量の特典を付与する小当たり遊技中にも、電動役物640Aを作動させ球を入球口へと入球させ易くすることで、小当たり遊技を遊技者にとってより有利な遊技状態とすることが可能となる。
加えて、小当たり遊技が実行される期間を異ならせた複数の小当たり種別を設け、当選回数終了条件が成立した場合であっても、当選回数終了条件が成立した小当たり種別に応じて遊技者に付与される特典を異ならせるようにすると良い。これにより、成立した時短終了条件の種別だけでは無く、時短終了条件のより詳細な内容について遊技者に興味を持たせることができる。
また、この場合、当選回数終了条件が成立した場合であっても、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態を終了させる場合と、小当たり遊技が終了するタイミングで時短状態を終了させる場合とが混在するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してどのタイミングで時短状態が終了するかを分かり難くすることができる。さらに、上述した実施形態では、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、小当たりに当選したことに基づいて時短終了条件が成立したか否かを判別する処理と、を別々に実行する構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の抽選(変動)に応じて更新される時短情報を一元的に管理し、成立した時短終了条件に基づいて時短状態を終了させるタイミングを設定する構成を用いても良い。
上記各制御例では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203Dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223Bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22B(1022B、1122B)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22Cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
さらに、上記各実施形態では、複数の特別図柄種別として第1特別図柄と第2特別図柄との2種類の特別図柄を用いているが、特別図柄の種別はこれに限ること無く、3つ以上の特別図柄種別を用いても良いし、1つの特別図柄種別のみ用いるように構成しても良い。また、上述した各実施形態では、複数の特別図柄が予め定められた規則に従って抽選(変動)が行われる遊技性と、個々に独立して抽選(変動)が行われる遊技性と、を説明したが、各実施形態にて説明をした遊技性のそれぞれを入れ替えたり、組み合わせたりしても良い。
本発明を上記各実施形態および各制御例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、上記各実施形態および各制御例の構成を全部または一部を組み合わせて実施するように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<投影ユニット600の投影板部材620を一例とする発明の概念について>
光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を有する光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備え、前記光透過部材の側端面から入射された光を前記反射部で反射させて前記光透過部材の正面から出射させる遊技機において、前記光照射手段から照射された光のうちの前記光透過部材の正面から出射される光の割合を高くする出射増加手段を備えると共に、その出射増加手段が表示領域外に配置されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を有する光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備え、光透過部材の側端面から入射された光を反射部で反射させて光透過部材の正面から出射させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−29735号公報)。この種の遊技機によれば、例えば、光透過部材を遊技領域における液晶表示装置の正面側に配設することで、通常の状態では、光透過部材を介して液晶表示装置の表示を遊技者に視認させる一方、所定の遊技状態が形成された場合には、光照射手段から照射した光を光透過部材の側端面から入射させ、光透過部材の内部を進行する光を反射部で反射させて、光透過部材の正面から出射させる。この場合、反射部は、複数の反射面から構成される群が複数配設され、各群が模様や図柄の形状をなす。よって、反射部で反射され、光透過部材の正面から出射される光を、模様や図柄として遊技者に認識させることができる。即ち、液晶表示装置の表示と共に、その液晶表示装置の正面に模様や図柄を浮かび上がさせる(表示する)ことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光が弱いという問題点があった。そのため、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことが困難となる。この場合、光照射手段の出力を大きくしたのでは、コストや消費電力が嵩むだけでなく、発熱量が大きくなり、他の部材や機器へ熱の影響を与えるという問題が生じる。
これに対し、遊技機A1によれば、光照射手段から照射された光のうちの光透過部材の正面から出射される光の割合を高くする出射増加手段を備えるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くできる。その結果、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、光照射手段の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱の影響を抑制できる。更に、出射増加手段は、表示領域外に配置されるので、遊技者から視認され難くでき、その分、外観を悪化することを抑制できる。
なお、光透過部材の反射部の形成位置は、例えば、光透過部材の背面であっても良く、或いは、光透過部材の内部であっても良い。
遊技機A1において、前記出射増加手段は、前記光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、出射増加手段は、光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えるので、光照射手段から照射され光透過部材の側端面に直接到達する光だけでなく、光照射手段から照射され外縁部材に反射された光も光透過部材の側端面から入射させることができ、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光照射手段から照射された光のうちの光透過部材の反射部まで到達する光を増加させることができるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、光照射手段の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱の影響を抑制できる。
更に、このように、出射増加手段が、光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えることで、遊技領域における他の装置が光を発光した場合には、かかる他の装置の光を外縁部材が遮って、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができる。よって、光照射手段を消灯させている場合(光透過部材に光を入射させず、光透過部材の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が光透過部材に入射されて光透過部材の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
遊技機A2において、前記外縁部材は、前記光透過部材の正面および背面のそれぞれに配設されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、外縁部材は、光透過部材の正面および背面にそれぞれ配設されるので、光照射手段から照射された光のうち、光透過部材の側端面に直接入射されず、光透過部材の正面側に外れる光および背面側に外れる光のそれぞれを、正面の外縁部材および背面の外縁部材によってそれぞれ反射させ、光透過部材の側端面から入射させることができる。よって、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率をより一層高めることができる。
更に、このように、光透過部材の正面または背面のそれぞれに外縁部材を備えることで、遊技領域における他の装置が発光した光が光透過部材の正面または背面のいずれの側から到達した場合でも、正面の外縁部材および背面の外縁部材のそれぞれによって遮ることができるので、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができる。よって、光照射手段を消灯させている場合(光透過部材に光を入射させず、光透過部材の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が光透過部材に入射されて光透過部材の正面に模様や図柄が表示されることをより確実に抑制できる。
遊技機A2又はA3において、前記外縁部材は、前記光透過部材の側端面よりも外方へ張り出して配設されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、外縁部材は、光透過部材の側端面よりも外方へ張り出して配設されるので、光照射手段から照射された光を、外縁部材の張り出した部分(光透過部材の側端面に連設される面)で反射させて、光透過部材の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率をより一層高めることができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記外縁部材は、前記光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果において、外縁部材は、光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材と外縁部材との境界で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
即ち、例えば、光透過部材と外縁部材とが同じ屈折率の材料から形成されると、光透過部材の側端面から入射された光が、光透過部材と外縁部材との境界で反射され難く、外縁部材へ透過されやすい。外縁部材へ透過された光は、その外縁部分の外面(空気との境界)で全反射(又は一部が反射)した後、光透過部材へ戻るが、外縁部材から光透過部材へ戻った光は、光透過部材の反射部へ向かう方向へ進行するものだけでなく、光透過部材の側端面へ向かう方向へ進行するものも含まれる。そのため、反射部に到達する光が減少される。これに対し、遊技機A4のように、外縁部材を、光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成することで、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材と外縁部材との境界で反射させやすくできる(又は、全反射させることができる)ので、反射部に到達する光を確保することができる。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて、前記外縁部材は、前記光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかの奏する効果において、外縁部材は、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
即ち、例えば、光透過部材と外縁部材との屈折率が同一または屈折率の差が比較的小さい場合に、それら光透過部材と外縁部材とが密着されていると、光透過部材の側端面から入射された光が、光透過部材と外縁部材との境界で反射され難く、外縁部材へ透過されやすい。外縁部材へ透過された光は、その外縁部分の外面(空気との境界)で全反射(又は一部が反射)した後、光透過部材へ戻るが、外縁部材から光透過部材へ戻った光は、光透過部材の反射部へ向かう方向へ進行するものだけでなく、光透過部材の側端面へ向かう方向へ進行するものも含まれる。そのため、反射部に到達する光が減少される。これに対し、遊技機A5のように、外縁部材を、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設することで、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる(又は、全反射させることができる)ので、反射部に到達する光を確保することができる。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、前記光透過部材を回転可能に支持すると共に前記光透過部材に回転駆動力を付与する回転機構を備え、前記外縁部材は、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面または内周面の周方向に沿って湾曲ラックギヤが刻設され、前記回転機構は、前記外縁部材の湾曲ラックギヤに歯合されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤを回転駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6のいずれかの奏する効果に加え、外縁部材が、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面または内周面の周方向に沿って湾曲ラックギヤが刻設され、その外縁部材の湾曲ラックギヤに歯合されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤを回転駆動する駆動手段とを回転機構が備えるので、駆動手段によりピニオンギヤを回転駆動することで、そのピニオンギヤの回転を湾曲ラックギヤを介して外縁部材に伝達でき、これにより、外縁部材と共に光透過部材を回転させることができる。よって、光透過部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、変位(回転)させた状態で遊技者に視認させることができる。
この場合、光照射手段から照射された光を光透過部材の側端面へ集光させる役割と、駆動手段の回転駆動力を光透過部材へ伝達して回転させる役割とを、外縁部材に兼用させることができるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減と構造の簡素化に伴う信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機A2からA7のいずれかにおいて、前記光透過部材を回転可能に支持すると共に前記光透過部材に回転駆動力を付与する回転機構を備え、前記外縁部材は、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面の周方向に沿って案内溝が凹設され、前記回転機構は、前記案内溝に沿って案内される複数の支持輪を備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A2からA7のいずれかの奏する効果に加え、外縁部材が、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面の周方向に沿って案内溝が凹設され、回転機構は、案内溝に沿って案内される複数の支持輪を備えるので、これら案内溝および支持輪の作用により、光透過部材の側端面を露出させた状態で、即ち、光透過部材の側端面から光を入射可能な状態で、光透過部材を回転可能に支持することができる。よって、光透過部材を回転させることで、光透過部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、変位(回転)させた状態で遊技者に視認させることができる。
この場合、光照射手段から照射された光を光透過部材の側端面へ集光させる役割と、光透過部材を支持輪と共に回転可能に支持する役割とを、外縁部材に兼用させることができるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減と構造の簡素化に伴う信頼性の向上とを図ることができる。
なお、支持輪は、回転可能に軸支されるものであっても良く、或いは、回転不能に固定されるものであっても良い。この場合、支持輪が案内溝に沿って案内される形態としては、回転可能に軸支された支持輪が案内溝に沿って転動する或いは摺動しつつ転動する形態や、回転不能に固定された支持輪が案内溝に沿って摺動する形態が例示される。
また、遊技機A7に従属する遊技機A8においては、湾曲ラックギヤが刻設される外縁部材を光透過部材の正面または背面の一方に、案内溝が凹設される外縁部材を光透過性部材の正面または背面の他方に、それぞれ配設することが好ましい。即ち、外縁部材が、光透過部材の正面および背面にそれぞれ配設されることで、光照射手段から照射された光のうち、光透過部材の側端面に直接入射されず、光透過部材の正面側に外れる光および背面側に外れる光のそれぞれを、正面の外縁部材および背面の外縁部材によってそれぞれ反射させ、光透過部材の側端面から入射させることができるからである。また、このように、光透過部材の正面または背面のそれぞれに外縁部材が配設されることで、遊技領域における他の装置が発光した光が光透過部材の正面または背面のいずれの側から到達した場合でも、正面の外縁部材および背面の外縁部材のそれぞれによって遮ることができ、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができるからである。
遊技機A8において、前記外縁部材は、その外周側が前記光透過部材の正面または背面と所定間隔を隔てて対向する形状に形成され、それら外縁部材と光透過部材との間の対向間が前記案内溝とされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、外縁部材は、その外周側が光透過部材の正面または背面と所定間隔を隔てて対向する形状に形成され、それら外縁部材と光透過部材との間の対向間が案内溝とされるので、光透過部材および外縁部材からなる構造体の小型化を図ることができる。即ち、光透過部材の正面または背面に案内溝の一方の内壁を担わせることで、外縁部材を断面コ字状に形成する必要がなく、外縁部材の厚み寸法を小さくできる。よって、その分、上述した構造体の小型化を図ることができる。
また、外縁部材は、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
遊技機A2からA9のいずれかにおいて、前記光透過部材の側端面は、前記光透過部材の正面および背面に直交して形成され、前記光照射手段は、その照射面からの光の照射方向が前記光透過部材の側端面に直交する姿勢で前記照射面を前記光透過部材の側端面に対向させて配設されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A2からA9のいずれかの奏する効果に加え、光透過部材の側端面は、光透過部材の正面および背面に直交して形成され、光照射手段は、その照射面からの光の照射方向が光透過部材の側端面に直交する姿勢で照射面を光透過部材の側端面に対向させて配設されるので、光照射手段から照射され光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
<投影ユニット600の照射ユニット650を一例とする発明の概念について>
光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へそれぞれが照射面を向けた姿勢で前記対象部材の周囲に分散配置される複数の発光手段とを備えた遊技機において、前記複数の発光手段のうちの少なくとも2以上の発光手段が搭載されると共に弾性変形可能に形成される1又は複数の基板部材と、その基板部材を弾性変形された所定の姿勢で保持するベース部材とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へそれぞれが照射面を向けた姿勢で配置される複数の発光手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−29735号公報)。この遊技機によれば、発光手段から光を照射して対象部材の外周面から入射させることで、その入射された光を、光透過部材の内部を進行させ、反射部で反射させることで、光透過部材の正面から出射させることができる。この場合、本願出願人は、対象部材を、光透過性材料から円板形状に形成すると共に反射部を形成する一方、複数の発光手段を、円板形状(対象部材)の外周面に照射面を向けた姿勢で、対象部材の周囲を取り囲むように配設し、各発光手段から照射された光を対象部材の外周面から入射させる構造を考案した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の発光手段を対象部材の周囲にそれぞれ配設する必要があるため、その配設作業の手間が嵩むという問題点があることを新たに見出した。特に、複数の発光手段は、それぞれの照射面を対象部材の外周面へ向けた姿勢(即ち、それぞれが異なる向き)で配設する必要があるため、この点からも配設作業の手間が嵩む。
これに対し、遊技機B1によれば、少なくとも2以上の発光手段が搭載されると共に弾性変形可能に形成される1又は複数の基板部材と、その基板部材を弾性変形された所定の姿勢で保持するベース部材とを備えるので、1の基板部材をベース部材に配設することで、少なくとも2以上の発光手段の配設作業を完了することができる。よって、その分、発光手段の配設作業の手間を抑制できる。
また、ベース部材に基板部材を配設すると、かかる基板部材が弾性変形された所定の姿勢に保持されるので、発光手段の照射面の方向を規定することができる。即ち、複数の発光手段を、それらの照射面をそれぞれ個別に対象部材の外周面へ向けた姿勢で配設する必要がないので、この点からも発光手段の配設作業の手間を抑制できる。
遊技機B1において、前記基板部材よりも剛性が高く形成されると共に前記基板部材に配設されるブロック体を備え、そのブロック体が前記ベース部材に保持されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、基板部材よりも剛性が高く形成されると共に基板部材に配設されるブロック体を備え、そのブロック体がベース部材に保持されるので、基板部材の反りや撓みを抑制して、かかる基板部材の姿勢を規定しやすくできる。その結果、発光手段の姿勢が、基板部材の反りや撓みの影響を受けることを抑制して、発光手段の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きを維持しやすくできる。
遊技機B2において、前記発光手段は、前記基板部材のうちの前記ブロック体が配設される領域に配設されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、発光手段は、基板部材のうちのブロック体が配設される領域に配設されるので、発光手段の姿勢が、基板部材の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制できる。よって、発光手段の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
遊技機B2又はB3において、前記ブロック体は、前記基板部材に複数が所定間隔を隔てつつ配設されると共に、前記ブロック体どうしの間に位置する前記基板部材を弾性変形させた姿勢で前記ベース体に保持されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、ブロック体は、基板部材に複数が所定間隔を隔てつつ配設されると共に、ブロック体どうしの間に位置する基板部材を弾性変形させた(曲げた)姿勢でベース体に保持されるので、弾性変形した姿勢の基板部材をベース部材に直接保持させる場合と比較して、発光手段の姿勢(照射面の向き)を安定させることができる。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記発光手段は、前記対象部材に対面する前記基板部材の正面に配設されると共に、前記ブロック体は、前記対象部材と反対側となる前記基板部材の背面に配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、対象部材に対面する基板部材の正面に配設されると共に、ブロック体は、対象部材と反対側となる基板部材の背面に配設されるので、ブロック体による基板部材の姿勢を安定化する効果を得つつ、発光手段をより対象部材へ近接させることができる。
遊技機B5において、前記ブロック体は、前記基板部材の正面からねじにより締結固定され、前記ねじの頭部が前記基板部材の正面に突出されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、ブロック体は、基板部材の正面からねじにより締結固定され、そのねじの頭部が基板部材の正面に突出されるので、発光手段をねじの頭部によって保護することができる。即ち、例えば、可動する部材が基板部材の正面へ変位された場合には、その部材にねじの頭部を当接させ、発光手段に当接して破損することを抑制できる。
遊技機B6において、前記ブロック体は、少なくとも2本の前記ねじにより締結固定され、前記発光手段は、前記2本のねじの頭部の間に配設されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、ブロック体は、少なくとも2本のねじにより締結固定され、発光手段は、2本のねじの頭部の間に配設されるので、発光手段をねじの頭部によって保護しやすくできる。
なお、2本のねじは、可動する部材の変位方向に沿って配設されることが好ましい。このように配設されるねじの頭部の間に発光手段が配設されることで、可動する部材をねじの頭部に当接させやすくでき、発光手段を保護しやすくできるからである。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、前記ベース体またはブロック体の一方には、突起が突設されると共に、その突起を受け入れて嵌合される嵌合孔が前記ベース体またはブロック体の他方に凹設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B2からB7のいずれかの奏する効果に加え、ベース体またはブロック体の一方には、突起が突設されると共に、その突起を受け入れて嵌合される嵌合孔がベース体またはブロック体の他方に凹設されるので、突起を嵌合孔に嵌合させることで、ベース体へブロック体を配設することができ、その配設作業の手間を抑制できる。特に、複数のブロック体が基板部材に配設され、それらブロック体どうしの間を弾性変形させた(曲げた)姿勢で配設する場合には、一方のブロック体を嵌合により位置決め(仮固定)しつつ、基板部材を弾性変形させて(曲げて)、他方のブロック体を嵌合させる態様で作業できるので、かかる配設作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機B2からB8のいずれかにおいて、前記ブロック体は、前記基板部材に配設される側の面に凹部を備え、そのブロック体の凹部に、前記基板部材に配設される電子部品が収納されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B2からB8のいずれかにおいて、ブロック体が、基板部材に配設される側の面に凹部を備え、そのブロック体の凹部に、基板部材に配設される電子部品が収納されるので、電子部品をブロック体により覆って保護することができる。よって、例えば、可動する部材が電子部品に当接して破損することを回避できる。
<上下変位ユニット800を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に配設され第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備えた遊技機において、前記変位部材が前記第1位置から第2位置へ変位されるに伴って弾性変形される弾性部材を備え、前記変位部材は、重力の作用により前記第1位置から第2位置へ向かう方向へ変位される形態で前記ベース部材に配設され、前記駆動手段から前記変位部材への駆動力の付与が解除された状態では、前記第1位置および第2位置の間の所定位置において、前記変位部材に作用する重力と前記弾性部材の弾性回復力とがつり合うことを特徴とする遊技機C1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に配設され第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この場合、例えば、通常の状態では、変位部材を、遊技者から視認不能または遊技領域の外縁側となる退避位置(例えば、第1位置または第2位置の一方)に配置する一方、所定の遊技状態が形成されると、遊技領域に張り出す張出位置(第1位置または第2位置の他方)へ向けて変位部材を変位させ、張出位置へ向けて変位される変位部材の動作を遊技者に視認させる演出が行われる。しかしながら、上述した遊技機では、駆動手段の駆動力により変位部材を変位させる構成であり、変位部材が一定の変位速度で変位されるため、変位部材に興趣のある変位を行わせることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、変位部材が第1位置から第2位置へ変位されるに伴って弾性変形される弾性部材を備え、変位部材は、重力の作用により第1位置から第2位置へ向かう方向へ変位される形態でベース部材に配設され、駆動手段から変位部材への駆動力の付与が解除された状態では、第1位置および第2位置の間の所定位置において、変位部材に作用する重力と弾性部材の弾性回復力とがつり合うので、このつり合い位置(所定位置)を中心として、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせることができる。即ち、変位部材の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
一方で、駆動手段から変位部材へ駆動力を付与すれば、上述した変位(等速円運動の正射影の運動)とは異なる態様で、変位部材を第1位置および第2位置の間で変位させることができ、その分、変位のバリエーションを増やすことができる。即ち、駆動手段から変位部材へ駆動力を付与するか否かを切り替えるのみで、変位のバリエーションを増やすことができ、構造や制御を複雑化する必要がないので、製品コストの低減と信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機C1において、前記変位部材は、一端側が前記ベース部材に回転可能に軸支され、前記第1位置および第2位置の間で他端側を昇降させる形態で形成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、一端側がベース部材に回転可能に軸支され、第1位置および第2位置の間で他端側を昇降させる形態で形成されるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせる場合には、かかる変位部材の他端の変位を、鉛直方向の直線運動だけでなく、一端側を回転中心とする回転運動も組み合わせた変位とすることができる。その結果、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
遊技機C2において、前記駆動手段の駆動力を前記変位部材へ伝達する伝達手段を備え、その伝達手段は、前記ベース部材に回転可能に配設され前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一端が回転可能に連結されると共に他端が前記変位部材に回転可能に連結される連結部材とを備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、伝達手段は、ベース部材に回転可能に配設され駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一端が連結されると共に他端が変位部材に連結される連結部材とを備えるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせる場合には、その変位部材が連結部材を押し引きして回転部材を回転させるところ、その押し引きに伴って回転部材に対する連結部材の姿勢が変化されるため、押し引き方向の力のうちの回転部材を回転させる方向の力成分の大きさを変化させることができる。即ち、変位部材が往復変位される際に、変位部材が伝達手段から受ける抵抗の大きさを変化させることができ、その結果、変位部材の往復変位の変位速度に変化を付与することができ、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
遊技機C3において、前記変位部材に作用する重力と前記弾性部材の弾性回復力とがつり合う前記所定位置では、前記回転部材の回転中心と前記回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ方向に対して、前記回転部材および連結部材の連結位置と前記連結部材および変位部材の連結位置とを結ぶ方向が略直交することを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位部材に作用する重力と弾性部材の弾性回復力とがつり合う所定位置では、回転部材の回転中心と回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ方向に対して、回転部材および連結部材の連結位置と連結部材および変位部材の連結位置とを結ぶ方向が略直交するので、押し引き方向の力のうちの回転部材を回転させる方向の力成分の大きさを、つり合い位置(所定位置)において最大とし、その力成分を、つり合い位置から押し引きのいずれの方向へ向かう場合も減少させることができる。即ち、変位部材が往復変位される際に、変位部材が伝達手段から受ける抵抗をつり合い位置を中心として略対称に変化させることができるので、変位部材の往復変位を継続させやすくできる。
遊技機C3又はC4において、前記回転部材または連結部材の一方は、他方へ向けて突設される突設部を備え、前記第1位置および第2位置の間の可動範囲のうちの前記所定位置を含む中央側範囲を前記変位部材が変位される際には、前記突設部が前記回転部材または連結部材の他方に非対向とされ、前記中央側範囲よりも前記第1位置または第2位置に近い外側範囲を前記変位部材が変位される際には、前記突設部が前記回転部材または連結部材の他方に当接可能に対向されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、回転部材または連結部材の一方は、他方へ向けて突設される突設部を備え、第1位置および第2位置の間の可動範囲のうちの所定位置を含む中央側範囲を変位部材が変位される際には、突設部が回転部材または連結部材の他方に非対向とされ、中央側範囲よりも第1位置または第2位置に近い外側範囲を変位部材が変位される際には、突設部が回転部材または連結部材の他方に対向されるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、つり合い位置(所定位置)を中心とする往復変位を変位部材に行わせる場合には、中央側範囲において、突設部の摺動による抵抗の発生を回避して、変位部材の往復変位をスムーズに行わせることができる一方、駆動手段の駆動力により変位部材を変位させる場合には、外側範囲において、突設部を、回転部材または連結部材の他方に当接可能に対向させて、それら回転部材および連結部材の間のがたつきを抑制できる。
遊技機C5において、前記外側範囲は、前記中央側範囲よりも前記第1位置に近い側に設定されると共に、前記中央側範囲は、前記所定位置および前記第2位置を含む範囲に設定されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、外側範囲は、中央側範囲よりも第1位置に近い側に設定されると共に、中央側範囲は、所定位置および第2位置を含む範囲に設定されるので、変位部材が第1位置に変位された状態では、突設部を利用して、回転部材および連結部材の間のがたつきを抑制することで、変位部材の姿勢を安定化できる一方、駆動手段の駆動力により変位部材を第1位置から第2位置へ向けて変位させる際には、突設部の摺動による抵抗の発生を回避できるので、変位部材に作用する重力も利用しつつ、変位部材の変位をスムーズに行わせることができる。
例えば、第1位置を、変位部材が遊技領域の外縁側に退避される退避位置とし、第2位置を、変位部材が遊技領域の中央側へ向けて張り出される張出位置とする場合には、第1位置(退避位置)では、変位部材のがたつきを抑制して、外観の向上や耐久性の向上を図ると共に、他の部材の演出が阻害されることを抑制できると共に、変位部材を第1位置から第2位置(張出位置)へ向けて変位させる際には、第2位置まで速やかに張り出させる(変位させる)ことができ、その張り出し動作による演出効果を高めることができる。
遊技機C6において、前記第2位置では、前記回転部材の回転中心と、前記回転部材および連結部材の連結位置と、前記連結部材および変位部材の連結位置とが略一直線上に位置することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第2位置では、回転部材の回転中心と、回転部材および連結部材の連結位置と、連結部材および変位部材の連結位置とが略一直線上に位置するので、変位部材が連結部材を押し引きして回転部材を回転させようとしても、その押し引き方向が回転部材の回転中心へ向かう方向となり、回転部材を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。よって、変位部材を第2位置へ向けて変位させる際には、突設部の摺動による抵抗の発生を回避して、変位部材をスムーズ(速やか)に変位させることを可能としつつ、第2位置に配置された後は、上述した死点の作用により、変位部材のがたつきを抑制して、外観の向上や耐久性の向上を図ることができる。
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記連結部材は、前記ベース部材に当接可能に形成される当接部を備え、その当接部は、前記変位部材およびベース部材の連結位置と前記回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ略直線上であって、前記回転部材および連結部材の連結位置を挟んで前記変位部材およびベース部材の連結位置と反対側に配置されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に当接可能に形成される当接部を連結部材が備え、その当接部は、変位部材およびベース部材の連結位置と回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ略直線上であって、回転部材および連結部材の連結位置を挟んで変位部材およびベース部材の連結位置と反対側に配置されるので、ベース部材に対して変位部材ががたつく場合に、ベース部材に連結部材の当接部が当接されることで、回転部材および連結部材の連結部分(回転部材と連結部材の一端とが回転可能に連結される部分の軸支孔に対する回転軸)の傾きを抑制しやすくできる。その結果、駆動手段の駆動力を伝達手段を介して変位部材にスムーズに伝達することができる。
<変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えた遊技機において、前記駆動手段は、第1駆動手段と、第2駆動手段とを備え、前記第1駆動手段から付与される駆動力により前記変位部材が変位される場合と、前記第2駆動手段から付与される駆動力により前記変位部材が変位される場合とで、前記変位部材が異なる態様で変位されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この場合、例えば、通常の状態では、変位部材を、遊技者から視認不能または遊技領域の外縁側となる退避位置に配置する一方、所定の遊技状態が形成されると、遊技領域に張り出す張出位置へ向けて変位部材を変位させ、張出位置へ向けて変位される変位部材の動作を遊技者に視認させる演出が行われる。
しかしながら、従来の遊技機では、変位部材の変位による演出の効果が不十分であるという問題点があった。具体的には、従来の遊技機では、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定されているため、変位部材の変位による演出がワンパターンとなり、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。駆動手段の駆動力に強弱をつけて変化を設けたとしても、変位部材の変位速度が増減するだけであり、その変位態様(軌跡)は相変わらず一定であるため、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。
これに対し、遊技機D1によれば、駆動手段が、第1駆動手段と、第2駆動手段とを備え、第1駆動手段から付与される駆動力により変位部材が変位される場合と、第2駆動手段から付与される駆動力により変位部材が変位される場合とで、変位部材が異なる態様で変位されるので、変位部材の変位による演出の効果を高めることができる。即ち、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定される従来品のように、演出がワンパターンとならず、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
遊技機D1において、前記ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に前記第1駆動手段により駆動される第1部材と、前記ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に前記第2駆動手段により駆動される第2部材とを備え、前記変位部材の第1の部分および第2の部分が前記第1部材および第2部材に少なくとも回転可能にそれぞれ連結されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に第1駆動手段により駆動される第1部材と、ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に第2駆動手段により駆動される第2部材とを備え、変位部材の第1の部分および第2の部分が第1部材および第2部材に少なくとも回転可能にそれぞれ連結されるので、第1駆動手段の駆動力により第1部材がスライド変位される場合には、第2部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様を形成できる一方、第2駆動手段の駆動力により第2部材がスライド変位される場合には、第1部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様を形成できる。即ち、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
特に、遊技機D2によれば、二通りの変位態様が、回転中心を同一としその回転方向を異ならせることで形成されるのではなく、回転方向が異なり、且つ、回転中心も異ならせて形成されるので、変位部材の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
遊技機D2において、前記第1部材および第2部材が前記ベース部材に直線変位可能に配設されると共に、前記変位部材の第1の部分または前記第1部材の一方から突出される連結ピンが他方に形成される案内溝に回転可能かつ摺動可能に挿通されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1部材および第2部材がベース部材に直線変位可能に配設されると共に、変位部材の第1の部分または第1部材の一方から突出される連結ピンが他方に形成される案内溝に回転可能かつ摺動可能に挿通されるので、第1駆動手段の駆動力により第1部材を直線変位させるか第2駆動手段の駆動力により第2部材を直線変位させるかに応じて、第2部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様と、第1部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様とを形成できる。即ち、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
この場合、第1部材および第2部材がベース部材に直線変位可能に配設されるので、曲線状の軌跡でスライド変位させる場合のように複雑な構造とする必要がなく(曲線状の軌跡であると、第1部材および第2部材を曲線状に案内する機構だけでなく、曲線状に変位する第1部材および第2部材に駆動力を継続して付与可能とする機構とを設ける必要が生じる)、例えば、ラック・ピニオン機構を利用することができ、その構造を簡素化することができる。よって、製品コストの削減と共に、耐久性と動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機D3において、前記第1部材の直線変位の方向と、前記第2部材の直線変位の方向とが略平行とされることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第1部材の直線変位の方向と、第2部材の直線変位の方向とが略平行とされるので、第1駆動手段または第2駆動手段の一方のみを駆動して、変位部材全体を回転させる変位態様に加え、第1駆動手段および第2駆動手段の両方を駆動して、変位部材全体を直線変位(例えば、横行)させる変位態様を形成することができる。即ち、一の変位部材を少なくとも三通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
特に、遊技機D4によれば、変位部材の変位態様として、変位の種類(回転)は同じだが、その回転方向と回転中心の位置とを異ならせるものに加え、変位の種類自体を異ならせることができる(即ち、回転と直線変位とを形成できる)ので、変位部材の変位態様の変化をより一層大きくでき、遊技者の意表をつく演出を更に行いやすくできる。
遊技機D4において、前記第1部材および第2部材が前記第1駆動手段および第2駆動手段によりそれぞれ駆動される場合に、前記第1部材の変位速度と第2部材の変位速度とが異なる変位速度とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、第1部材および第2部材が第1駆動手段および第2駆動手段によりそれぞれ駆動される場合に、第1部材の変位速度と第2部材の変位速度とが異なる変位速度とされるので、変位部材の変位に、回転運動と直線運動とを含ませることができる。即ち、変位部材を、その姿勢を維持したまま、第1部材および第2部材の直線変位の方向と平行に変位(直線運動)させるのみでなく、その姿勢を回転させつつ直線運動させることができるので、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
なお、かかる回転運動と直線運動とを組み合わせた変位態様で変位部材を変位させることは、1の駆動手段の駆動力でスライド溝に沿って変位部材を摺動させる従来の構成では不可能であり、本発明のように、2の駆動手段を利用することが始めて可能となったものである。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、前記ベース部材に変位可能に配設される第2変位部材を備え、前記第1駆動手段の駆動力により前記変位部材が変位される際には、その変位部材と共に前記第2変位部材が変位される一方、前記第2駆動手段の駆動力により前記変位部材が変位される際には、前記第2変位部材が停止状態に維持されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位可能に配設される第2変位部材を備え、第1駆動手段の駆動力により変位部材が変位される際には、その変位部材と共に第2変位部材が変位される一方、第2駆動手段の駆動力により変位部材が変位される際には、第2変位部材が停止状態に維持されるので、第1駆動手段による変位態様と第2駆動手段による変位態様との装置(変化)を大きくすることができる。よって、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
<投影ユニット5600を一例とする発明の概念について>
光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へ向けて光を照射する光照射手段とを備えた遊技機において、前記対象部材または前記光照射手段の少なくとも一方または両方が変位可能に形成され、前記一方または両方の変位によって前記光照射手段による前記対象部材の照射態様が変化されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この遊技機では、変位部材の内部に光照射手段(LED)が配設されると共に、変位部材の正面(遊技者側の面)に光透過性材料からなる透光部が設けられ、その透光部を光照射手段により背面から照射することで、変位部材の一部(透光部)が発光している形態を遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、光照射手段により対象部材の照射態様が一定であるため、遊技者が視認する態様の変化が乏しく、興趣を持たせ難いという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、対象部材または光照射手段の少なくとも一方または両方が変位可能に形成され、一方または両方の変位によって光照射手段による対象部材の照射態様が変化されるので、遊技者が視認する態様を変化させることができる。その結果、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
なお、光の照射態様が変化される形態としては、例えば、光照射手段により照射される対象部材の位置が変化される形態、光照射手段の照射面から対象部材の照射位置までの距離が変化される形態、これらを組み合わせた形態などが例示される。
遊技機E1において、ベース部材を備え、前記光照射手段は、前記ベース部材に固定されると共に、前記対象部材は、前記ベース部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、光照射手段は、ベース部材に固定されると共に、対象部材は、ベース部材に変位可能に配設されるので、光照射手段の電気的配線を固定状態とすることができ、その分、断線の発生を抑制できる。
遊技機E2において、開口部を有し前記ベース部材に配設される遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材の開口部から前記対象部材の一部を遊技者に視認させると共に、前記対象部材は、光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、前記光照射手段から照射され側端面から入射された光を前記反射部で反射して前記対象部材の正面から出射することを特徴とする遊技機E3。
ここで、反射部は、複数の反射面から構成される群が複数配設され、各群が模様や図柄の形状をなす。よって、反射部で反射され、光透過部材の正面から出射される光を、模様や図柄として遊技者に認識させることができる。
遊技機E3によれば、遊技機E2の効果に加え、開口部を有しベース部材に配設される遮蔽部材を備え、遮蔽部材の開口部から対象部材の一部を遊技者に視認させるので、対象部材が変位されることで、対象部材の異なる部分を遮蔽部材の開口部から遊技者に視認させることができる。
例えば、反射部を構成する複数の群のうちの第1の群が開口部を介して視認可能となる第1位置と、第1の群とは別の群となる第2の群が開口部を介して視認可能となる第2位置との間で対象部材が変位可能とされる場合、対象部材を第1位置に配置することで、遮蔽部材の開口部を介して、第1の群により形成される第1の模様や図柄を遊技者に視認させる一方、対象部材を第1位置から第2位置へ変位させることで、遮蔽部材の開口部を介して遊技者に視認させる模様や図柄を、第2の群により形成される第2の模様や図柄に変更することができる。
この場合、対象部材は、光透過性材料から形成されるので、遊技者が視認する模様や図柄を変更するために、対象部材を変位させる際には、光照射手段からの光を非照射とすることで、対象部材が変位していることを遊技者に認識させ難くできる。
遊技機E3において、前記対象部材は、正面視円形状または円環形状に形成され、その円形状または円環形状の中心を回転中心として前記ベース部材に回転可能に配設されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、対象部材は、正面視円形状または円環形状に形成され、その円形状または円環形状の中心を回転中心としてベース部材に回転可能に配設されるので、対象部材がスライド変位可能とされる場合と比較して、遮蔽部材の開口部を介して遊技者に視認させる模様や図柄の数を確保しつつ、対象部材の配設に要するスペースを抑制できる。
遊技機E2において、前記対象部材は、光透過性材料から正面視円形状の板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、前記光照射手段から照射され側端面から入射された光を前記反射部で反射して前記対象部材の正面から出射するものであり、前記光照射手段は、前記対象部材の側端面へ照射面を向けた姿勢で前記対象部材の周囲に複数が分散配置され、前記対象部材が前記円形状の中心を回転中心として前記ベース部材に回転可能に配設されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、対象部材は、光透過性材料から円形板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、光照射手段から照射され側端面から入射された光を反射部で反射して対象部材の正面から出射するものであり、光照射手段は、対象部材の側端面へ照射面を向けた姿勢で対象部材の周囲に複数が分散配置されるので、光照射手段から光を照射させつつ対象部材を回転させることで、対象部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、回転させた状態で遊技者に視認させることができる。
遊技機E5において、前記複数の光照射手段は、前記対象部材の回転中心から等距離となる位置において周方向に分散配置されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、複数の光照射手段は、対象部材の回転中心から等距離となる位置において周方向に分散配置されるので、対象部材の回転位置(位相)に関わらず、対象部材の正面から出射される光を一定としやすくできる。即ち、対象部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を安定して形成することができる。
遊技機E1において、ベース部材を備え、前記光照射手段および対象部材は、前記ベース部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、光照射手段および対象部材は、ベース部材に変位可能に配設されるので、両者の変位の組み合せによって、光照射手段による対象部材の照射態様の変化のバリエーションを多くすることができる。よって、遊技者が視認する態様をより変化させることができ、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
遊技機E7において、前記対象部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段を備え、前記光照射手段は、前記駆動手段から付与された駆動力により変位された前記対象部材が当接されることで、前記対象部材と共に変位されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、対象部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段を備え、光照射手段は、駆動手段から付与された駆動力により変位された対象部材が当接されることで、対象部材と共に変位されるので、対象部材を変位させるための駆動手段を兼用することができ、光照射手段を変位させるための駆動手段を別途設けることを不要とできる。
<特徴F群>(カウントダウン予告を自由設定)
異なる演出期間のうち、一の演出期間を設定する演出期間設定手段と、前記一の演出期間内に設定される特定期間において特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により前記特定演出が実行されることを事前に報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、所定の第1情報に基づいて前記報知演出の開始契機を設定し、前記第1情報とは異なる第2情報に基づいて前記報知演出の終了契機を設定する報知演出設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される演出のうち、特定の演出(例えば、カットイン演出)が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知する事前報知演出(カウントダウン演出)を実行可能に構成している遊技機がある。(例えば、特開2013−198568号公報)。
かかる従来型の遊技機では、特定の演出が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知することで、遊技者の大当たりに対する期待度を高めながら変動演出を実行することができるものであった。しかしながら、事前報知演出を実行すると判別した場合に、その事前報知演出を実行する期間(即ち、開始タイミングと終了タイミング)を設定するように構成されているため、演出内容が単調となってしまい、遊技者が演出に対して早期に飽きてしまうという問題があった。また、上述した構成を有する従来型の遊技機では、事前報知演出が実行されている間に、事前報知演出の演出態様を可変させる(例えば、事前報知演出の対象となる特定の演出を可変させる)ことが出来ず、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
遊技機F1によれば、特定演出が実行されることを報知するための報知演出の実行期間として、報知演出設定手段により、第1情報に基づいて開始契機が設定され、第2情報に基づいて終了契機が設定される。これにより、異なる複数の情報に基づいて報知演出を実行する期間が設定されるため、報知演出が実行される期間を自由に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記特定演出の実行情報を判別する実行情報判別手段を有し、前記報知演出設定手段は、前記実行情報判別手段により判別された前記特定演出の実行情報を前記第2情報とするものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、特定演出が実行されることを示すための実行情報を第2情報として報知演出の終了契機が設定されるため、特定演出の実行情報に対応した報知演出を設定することができる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定可能としながらも、実行される特定演出に対応した報知演出を実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記実行情報判別手段は、少なくとも、前記特定演出が実行されるタイミングを判別するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、特定演出が実行されることを示すための実行情報を第2情報として報知演出の終了契機が設定されるため、特定演出の実行タイミングに対応した報知演出を設定することができる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定可能としながらも、特定演出が実行されるタイミングを正確に報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F2またはF3において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出として、実行タイミングの異なる複数の前記特定演出のうち、1の前記特定演出を設定する特定演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2またはF3の奏する効果に加え、実行タイミングの異なる複数の特定演出に対して、その特定演出が実行されるタイミングに合わせた報知演出を容易に設定することができる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定可能としながらも、特定演出が実行される期間を正確に報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F1からF4において、前記報知演出設定手段は、前記第1情報に基づいて前記報知演出の開始契機を設定するタイミングとは異ならせて、前記第2情報に基づいて前記報知演出の終了契機を設定するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、前記報知演出の実行期間を異なるタイミングで設定することができるため、報知演出が実行される期間を自由に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記報知演出期間設定手段は、前記報知演出実行手段により前記報知演出が実行されている間に前記第2情報に基づいて前記報知演出の終了契機を設定するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、報知演出を実行してから、その報知演出の終了契機を設定可能とすることで、報知演出が実行されてから、その報知演出の実行期間を設定することになる。よって、報知演出が実行される期間を自由に設定することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。また、報知演出が実行された時点ではどのタイミングで実行される特定演出を対象とした報知演出であるかを設定していないため、報知演出の内容を遊技者に事前に予測されてしまうことを確実に防止することができる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を操作させるための操作演出を実行する操作演出実行手段と、その操作演出実行手段により実行される前記操作演出中に前記操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記報知演出設定手段は、前記操作判別手段の判別結果に基づいて前記報知演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、操作演出中における操作手段の操作内容に基づいて報知演出の演出期間が設定されるため、遊技者の演出に対する参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記報知演出設定手段は、前記報知演出が実行される期間として、第1報知演出期間と、その第1報知演出期間の後に設定される第2報知演出期間とを設定するものであり、少なくとも、前記第2報知演出期間は、前記第2情報に基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかにおいて、報知演出が実行される期間のうち第2報知演出期間を第2情報に基づいて設定することができるため、報知演出期間を自由に設定可能な遊技機において、第2情報に基づいた演出を実行する期間を確保することができ、遊技者に分かり易い演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F8において、前記報知演出実行手段は、前記第2報知演出期間中に前記特定演出が実行されるまでの期間を経時的に示唆する経時演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、第2報知演出期間中に計時演出を実行することができるため、特定演出が実行されるタイミングを遊技者に分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機F9において、前記報知演出設定手段により設定された前記報知演出の演出期間を判別する報知演出期間判別手段と、その報知演出期間判別手段により判別された前記演出期間の長さに基づいて、前記経時演出が実行される期間を設定する経時演出期間設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、報知演出が実行される演出期間の長さに基づいて、経時演出期間設定手段により、経時演出を実行する期間が一定期間実行される経時演出を実行する契機として、特定演出の実行タイミングから一定期間減算したタイミングが決定されるため、演出期間設定手段により異なる演出期間が設定された場合であっても、特定演出の開始タイミングを正確に遊技者に示唆することができるという効果がある。
遊技機F8からF10のいずれかにおいて、前記報知演出設定手段は、前記第1情報に基づいて前記第1報知演出期間中に実行される第1演出の演出態様を設定するものであり、前記第1報知演出期間中において所定の演出可変条件が成立した場合に、前記第1演出態様を可変させる第1演出態様可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F8からF10のいずれかの奏する効果に加え、第1報知演出期間中に実行される第1演出の演出態様が、第1演出が実行されている間に成立可能な演出可変条件が成立した場合に可変される。これにより報知演出が実行されてから、その報知演出の演出態様を可変することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F11において、前記演出可変条件は、前記報知演出設定手段により前記報知演出の終了契機が設定された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、報知演出の終了契機を設定し、報知演出の演出期間が確定した場合に、第1演出の演出態様を可変させることができる。よって、設定された終了契機に対応した第1演出を実行することができ、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を操作させるための操作演出を実行する操作演出実行手段と、その操作演出実行手段により実行される前記操作演出中に前記操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記操作演出実行手段は、前記報知演出実行手段により前記報知演出が実行されている間に前記操作演出を実行するものであり、前記報知演出設定手段は、前記操作判別手段による判別結果に基づいて、前記第2情報を設定するものであることを特徴とする遊技機F13。
遊技機F13によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、報知演出中に実行される操作演出に対する操作内容に基づいて報知演出の終了契機が設定される。よって、遊技者の操作によって報知演出の演出期間を可変させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機F13において、前記操作判別手段による判別結果に基づいて前記特定期間を設定する特定期間設定手段を有し、前記報知演出設定手段は、前記特定期間設定手段により設定される前記特定期間を示すための情報を前記第2情報とするものであることを特徴とする遊技機F14。
遊技機F14によれば、遊技機F13の奏する効果に加え、報知演出中に実行される操作演出に対する操作内容に基づいて特定演出が実行される特定期間が設定され、その設定された特定期間に基づいて報知演出の演出期間を可変させることができるため、実行される特定演出に対応した報知演出を実行することができるという効果がある。
遊技機F14において、前記特定期間設定手段は、複数の所定期間の中から1の所定期間を前記特定期間として設定するものであり、前記特定演出実行手段は、前記特定期間設定手段により設定された前記特定期間に対応する前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F15。
遊技機F15によれば、遊技機F14の奏する効果に加え、特定期間設定手段により設定された特定期間に対応した特定演出が実行されるため、操作手段の操作内容によって異なる特定演出を実行することができる。よって、遊技に意欲的に参加させることができるという効果がある。
遊技機F15において、前記報知演出設定手段は、前記報知演出が実行される期間として、第1報知演出期間と、その第1報知演出期間の後に設定される第2報知演出期間とを設定するものであり、前記操作演出実行手段は、前記第1報知演出期間中に前記操作演出を実行し、前記第2報知演出期間の長さを、前記特定期間設定手段により設定された前記特定期間に対応させて可変させる演出期間可変手段を有するものである。ことを特徴とする遊技機F16。
遊技機F16によれば、遊技機F15の奏する効果に加え、第1報知演出期間と、第2報知演出期間とから設定される報知演出において、第1報知演出期間中に操作演出を実行し、その操作演出中の操作手段への操作内容に基づいて、第2報知演出期間の長さを可変することで報知演出の長さが可変される。よって、報知演出の長さを可変させる場合において、操作演出が実行される期間を確保することがでるため、遊技者に操作手段を操作させ易い演出を実行することができるという効果がある。
<特徴G群>(HP表示のバリエーション)
演出情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて、演出値を可変させる可変演出を実行する可変演出実行手段と、その演出実行手段により前記可変演出が実行される場合に、前記演出値を可変させるための第1演出値を決定する第1演出値決定手段と、その第1演出値決定手段により前記第1演出値が決定された場合に、前記演出値を可変させることが可能な前記第1演出値とは異なる第2演出値を決定する第2演出値決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、変動演出として、自キャラと敵キャラとが対戦する演出(バトル演出)を実行し、演出終了時におけるそれぞれの体力ポイントの値によって大当たりに当選したか否かの結果を報知する遊技機がある。(例えば、特開2015−9075号公報)。
かかる従来型の遊技機では、バトル演出中に自キャラ或いは敵キャラの体力ポイントを減少させる演出が複数回行われ、減少する体力ポイントを遊技者に対して大当たりに当選したか否かを煽り特定の演出が実行されるタイミングを遊技者に事前に報知することで、遊技者の大当たりに対する期待度を高めながら変動演出を実行することができるものであった。さらに、バトル演出中に減少する体力ポイントを詳細に設定することにより、バトル演出の演出パターンを増加させ、バトル演出に対して遊技者が飽きてしまうことを抑制するものであった。しかしながら、従来型の遊技機では、表示画面に表示される詳細な体力ポイントを管理し、その管理した体力ポイントに基づいて次の体力ポイントを設定するように構成しているため、体力ポイントの減少管理を行うための処理量が膨大なものとなってしまうという問題があった。なお、バトル演出中に体力ポイントを減少させるパターンを少なくすることで、体力ポイントの減少管理を簡素化することは可能だが、この場合、バトル演出の演出パターンが減少してしまい、遊技者に早期に飽きられてしまうという問題があった。
遊技機G1によれば、複数の決定手段により決定された値に基づいて演出値を決定しているため、1の決定手段により演出値を決定させる場合よりも、演出値のバリエーションを増加させ易くすることができるという効果がある。
遊技機G1において、前記可変演出が継続して実行される特定演出状態を設定可能な演出状態設定手段と、その演出状態設定手段により前記特定演出状態が設定されている場合に、前記演出値を継続して可変更新する演出値更新手段と、前記第1演出値決定手段により決定された前記第1演出値を記憶可能な第1演出値記憶手段と、を有し、前記演出値更新手段は、前記第1演出値記憶手段に記憶された前記第1演出値に基づいて前記演出値を可変更新するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第1演出値と第2演出値とに基づいて決定される演出値を可変更新する場合に、その合算した演出値では無く、第1演出値のみを記憶し、その第1演出値に基づいて演出値が可変更新されるため、実際に表示される演出値(第1演出値と第2演出値とを合算した演出値)の表示パターンに対して、演出値更新手段により可変更新される値(第1演出値)のパターンを減らすことができ、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記演出値更新手段により可変更新される前記演出値の可変量に基づいた演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された演出態様を表示する演出態様表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、演出更新手段により可変更新された演出値の可変量に基づいた演出態様が表示されるため、実行される演出態様を見ることで、遊技者に演出値の可変量を分かり易く報知することができるという効果がある。
遊技機G3において、前記第1演出値は、演出値の一部であり、前記第2演出値は、前記第1演出値とは異なる値で構成されるものであり、前記第1演出と前記第2演出値と合算して前記演出値を算出する演出値合算手段を有しているものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、演出値の一部である第1演出値と、第1演出値とは異なる第2演出値とが演出値合算手段により合算されて演出値が決定されるので、より演出値を多様にできるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記判別手段による判別が実行された場合に、前記第1演出値決定手段により前記第1演出値が決定されるものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の奏する効果に加え、判別手段による判別が実行された場合に第1演出値が決定され、演出値が可変するため、その演出値の可変状況と判別手段の判別結果とに関連性があるように演出を実行することができる。よって、演出値の可変状況に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機G1からG5いずれかにおいて、前記第2演出値決定手段は、前記第1演出値決定手段が前記第1演出値を決定したことに基づいて前記第2演出値を決定するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、第1演出値が決定された場合に、第2演出値が決定されるため、第1演出値と第2演出値とを合算した演出値が表示される。よって、判別手段による判別が実行されたことで可変した演出値の可変量を遊技者に分かり難くさせることができ、予測する楽しさを提供することができるという効果がある。
遊技機G5またはG6において、前記第1演出値決定手段は、前記判別手段に判別結果に基づいて、前記第1演出値の可変量を異ならせるものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G5またはG6の奏する効果に加え、判別手段の判別結果に基づいて、演出値の可変量を異ならせることができるため、遊技者に対して演出値の可変量を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機G7において、前記第1演出値決定手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果である場合に、可変量が大きくなるように前記第1演出値を決定し易くするものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、演出値の可変量が大きい程、特典を付与させ易い状態となるため、遊技者に対して演出値の可変量を注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1からG8のいずれかにおいて、前記第2演出値決定手段により決定される前記第2演出値を選択可能な選択範囲として、第1範囲、或いは、その第1範囲とは異なる第2範囲を有する選択範囲記憶手段と、前記第1演出値決定手段により決定された前記第1演出値が所定値以上であるかを判別する決定値判別手段と、を有し、前記第2演出値決定手段は、前記決定値判別手段の判別結果に基づいて前記選択範囲記憶手段に記憶されている複数の選択範囲のうち1の選択範囲を選択して前記第2演出値を決定するものであることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G1からG8のいずれかの奏する効果に加え、第1演出値が所定値以上であるか否かに基づいて、第2演出値が選択される選択範囲を異ならせることができる。よって、演出値のバリエーションを増加させ易くすることができるという効果がある。
遊技機G9において、前記選択範囲記憶手段は、前記第2演出値として、前記第1演出値を増減可能な範囲が記憶されている第1選択範囲と、前記第1演出値を減少可能な範囲が記憶されている第2選択範囲とを有するものであり、前記第2演出値決定手段は、前記決定値判別手段の判別結果が、前記第1演出値が所定値未満であると判別した場合に、前記第2選択範囲を選択して前記第2演出値を設定するものであることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G9の奏する効果に加え、第1演出値が所定値未満の場合には、第1演出値を減少させる第2演出値が選択されることから、第1演出値と第2演出値とを合算させた演出値が、第1演出値よりも大きくなることを抑制することができる。これにより、例えば、第1演出値として下限値(例えば0)が決定される場合において、演出値として下限値よりも大きな値が決定されることを抑制することができ、遊技者に違和感を与えてしまう演出が実行されることを抑制することができるという効果がある。
<特徴H群>(転落抽選機の有利期間示唆報知)
所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果が所定の第1判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1判別手段による前記第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり易い高確率状態と、その高確率状態よりも前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果になり難い低確率状態と、を設定可能な確率設定手段と、前記確率設定手段により、前記高確率状態が設定されている状態において、前記所定の判別条件が成立した場合に、判別を実行する第2判別手段を有し、前記確率設定手段は、前記第2判別手段による第2判別結果が所定の前記第2判別結果である場合に、前記低確率状態を設定するものであり、遊技状態として、前記所定の判別条件が成立し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記所定の判別条件が成立し難い第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により、前記第1遊技状態が設定されている期間を報知するための期間演出を実行する期間演出実行手段と、を有する遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において、第1条件が成立した場合に前記第2遊技状態を設定するものであり、前記期間演出実行手段は、前記第1条件が成立したか否かを示すための第1演出と、その第1演出の演出態様を決定するための第2演出とから構成される前記期間演出を繰り返し実行するものであり、前記第1条件は、前記確率設定手段により前記低確率遊技が設定される第1要件と、前記第1遊技状態が設定される状態において前記第1判別手段により所定回数の判別が実行される第2要件と、を共に満たした場合に成立するものであり、前記第1要件または前記第2要件の成立情報に対応して、前記期間演出の演出態様を設定する期間演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したことに基づいて遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、当たりに当選する確率が高くなる確変状態)に設定し、その有利遊技状態が継続する期間が終了するか否かを演出(例えば、バトル演出)の結果によって遊技者に示唆する遊技機がある。(例えば、特開2011−143197号公報)。
かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態が継続する当たりに当選した場合に、自キャラが勝利する勝利パターンの演出結果が表示され、有利遊技状態が終了する当たりに当選した場合に、自キャラが敗北する敗北パターンの演出結果が表示され、当たりに当選していない場合(有利遊技状態が引き続き設定される場合)に、勝敗が付かない引き分けパターンの演出結果が表示されるようにバトル演出が実行されるため、バトル演出の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、有利遊技状態において長期間の間、当たりに当選することなく遊技が実行される場合には、結果として引き分けパターンの演出結果が表示されるバトル演出が実行され易くなり、バトル演出に対する遊技者の期待度が低下してしまうという問題があった。さらに、上述した従来型の遊技機では、抽選の結果、当たりに当選することなく特定の変動パターンが抽選された場合に、引き分けパターンのバトル演出が実行されるように構成されているため、その特定の変動パターンが連続して抽選された場合には、引き分けパターンのバトル演出が連続して実行されてしまいバトル演出に対する遊技者の期待度がより低下してしまうという問題があった。
遊技機H1によれば、第1遊技状態が設定されている状態において実行される期間演出のうち、第2演出の演出態様を第1要件と第2要件の成立情報に対応して設定することで、第2演出の演出態様に基づいて、第1要件と第2要件の成立の有無を予測することができる。これにより、期間演出が繰り返し実行される場合であっても、遊技者は、新たに実行される第2演出の演出態様に基づいて遊技状態を予測することができるようになる。よって、期間演出に対して早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機H1において、前記期間演出態様設定手段は、前記第1演出の演出態様を設定する第1演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1条件が成立したか否かを示すための第1演出の演出態様が、第2演出の演出結果に加え、第1要件または第2要件の成立の有無に基づいて設定されるため、第1演出の演出態様によって、第1条件が成立したか否かの結果と、第1条件が成立するまでの状況とを予測することができる。よって、第1演出の演出態様に遊技者をより注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、前記期間演出態様設定手段は、前記第2演出の演出態様を設定する第2演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、第1演出の演出態様を決定するための第2演出の演出態様が、第1要件または第2要件の成立の有無に基づいて設定されるため、第2演出の演出態様によって、第1条件が成立するまでの状況を予測することができる。よって、第2演出の演出態様に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件或いは前記第2要件のうち、何れかの要件が成立した場合に異なる演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、第1条件を成立させるための複数の要件のうち、何れかの要件が成立したことにより期間演出の演出態様が可変される。よって、期間演出の演出態様によって第1条件が成立するまでの期間を予測することができる。よって、期間演出の演出態様に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記第2要件が成立するまでの残期間を判別する残期間判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記第1要件が成立した場合における前記残期間判別手段の判別結果に対応した前記期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、第1条件が成立するまでの残期間に基づいて期間演出の演出態様が設定される。これにより、期間演出の演出態様によって第1条件が成立するまでの残期間を示唆することができる。よって、遊技者に対して危機感を持たせながら意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記期間演出実行手段は、所定の演出切替条件が成立した場合に実行中の期間演出を前記第2演出から前記第1演出へと切り替えるものであり、前記確率設定手段により前記高確率状態が設定されている場合と、前記低確率状態が設定されている場合とで、前記演出切替条件の成立のし易さを異ならせるものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、確率設定手段により高確率状態が設定されている場合と、低確率状態とが設定されている場合とで、第1演出が実行される頻度を異ならせることができるため、第1演出が実行される頻度に基づいて、現在設定されている確率状態を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記第1要件が成立してから所定期間の間、前記演出切替条件を成立し易くする条件設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、確率設定手段によって低確率状態が設定されてから所定期間の間は第1演出が実行され易くすることができる。よって、遊技者に対して、第1演出が実行される頻度に基づいて、現在設定されている確率状態を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH7のいずれかにおいて、前記期間演出実行手段は、前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果である場合に、前記第1演出を実行するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H1からH7のいずれかの奏する効果に加え、第1判別手段の判別結果が、特典遊技が実行される判別結果である場合にも、第1演出が実行されるため、第1演出が実行された場合に、特典遊技に当選したか否か或いは第1条件が成立したか否かの両方を意識しながら演出を注視することになる。よって、遊技者が実行される演出に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH8のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により継続して前記第1遊技状態が継続して設定されている間に実行される前記期間演出の回数を計測する回数計測手段を有し、前記第2演出態様設定手段は、前記回数計測手段により計測された前記期間演出の実行回数に基づいて前記第2演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H1からH8のいずれかの奏する効果に加え、期間演出が繰り返し実行される場合に、繰り返された回数に基づいて第2演出態様が設定されるため、第1遊技状態が継続して長期間設定される場合に、第2演出態様として同一の演出態様が繰り返し設定されることを抑制することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機H6からH9のいずれかにおいて、前記期間演出実行手段により前記第1演出が実行されてからの演出期間を判別する演出期間判別手段と、前記所定の演出切替条件が成立した状態において、前記演出期間判別手段により判別された演出期間が所定期間以内である場合には、前記期間演出実行手段により前記第1演出が実行されることを規制する演出規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H6からH9のいずれかの奏する効果に加え、演出切替条件が成立したとしても、前記第1演出が実行されてからの演出期間が所定期間以内であると判別された場合には、演出規制手段により第1演出の実行が規制される。これにより、頻繁に第1演出が実行されることを抑制することができるため、第1演出が実行されることに対して遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機H10において、前記第1判別手段による第1判別結果が前記所定の第1判別結果である場合に実行される前記第1演出は、前記演出規制手段による規制を受けないものであることを特徴とする遊技機H11。
遊技機H11によれば、遊技機H10の奏する効果に加え、特典遊技が実行される場合に実行される第1演出は、演出期間判別手段の判別結果に関わらず実行されるため、特典遊技が実行される場合の演出効果が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。また、前回の第1演出が実行されてから所定の演出期間内に再度第1演出が実行された場合に、特典遊技が実行される期待度を高めることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴J群>(期待度上昇演出の報知タイミングで対象演出を異ならせる)
所定条件が成立したことを示すための期待度を段階的に示唆可能な複数の期待度表示態様を表示手段に表示可能な期待度表示制御手段と、その期待度表示制御手段により表示された前記期待度表示態様を段階的に可変させる表示態様可変手段と、その表示態様可変手段により可変される可変情報を設定する可変情報設定手段と、前記複数の期待度表示態様のうち、少なくとも一の期待度表示態様が可変することを示唆する可変示唆演出を実行する可変示唆演出実行手段と、を有し、前記期待度表示制御手段は、前記複数の期待度表示態様のうち少なくとも何れかの期待度表示態様を異なるタイミングで前記表示手段に表示するものであり、前記可変示唆演出を実行するタイミングを設定する実行タイミング設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、その所定期間実行される演出にて表示画面に表示されるキャラクタの表示態様として、大当たりの期待度に対応した複数の表示態様を有し、今回の変動演出の大当たり期待度を、表示されるキャラクタの表示態様によって遊技者に報知する遊技機がある。(例えば、特開2013−248305号公報)。
かかる従来型の遊技機では、変動演出中に表示されるキャラクタの表示態様によって遊技者に対して大当たりの期待度を示すことができるため、実行される変動演出の演出内容に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。さらに、上述した従来型の遊技機では、複数の表示態様のうち、大当たりの期待度に対応した表示態様が表示される期待度表示態様を複数種類設け、各期待度表示態様の表示態様を複合的に判断することで遊技者に大当たり期待度を示唆することができるため、複数種類の期待度表示態様の表示態様に基づいて大当たり期待度を遊技者に予測させることができ、実行される演出内容に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができるものであった。また、上述した構成を有する遊技機においては、期待度表示態様の表示態様を示唆するための示唆演出を実行可能に構成し、期待度表示態様としてどの表示態様が表示されるかを示唆するように構成し、変動演出として期待度表示態様がどの表示態様で表示されるかを遊技者に予測させる期待度表示態様事前示唆演出を実行する遊技機もある。また、期待度表示態様の表示態様とを、表示画面に一旦表示させた表示態様から可変させる遊技機もある。
しかしながら、複数種類の期待度表示態様を有する遊技機において、特定の期待度表示態様に対応した期待度表示態様事前示唆演出を実行した場合には、期待度表示態様事前示唆演出の対象とならない期待度表示態様が可変することを暗に否定することになり、演出効果を低下させてしまうという問題があった。
遊技機J1によれば、異なるタイミングで表示手段に表示される複数の期待度表示態様のうち、何れかの期待度表示態様が可変されることを示唆する可変示唆演出が可変示唆演出実行手段により実行される。その可変示唆演出の実行タイミングが実行タイミング設定手段により設定されるため、可変示唆演出の実行タイミングを異ならせることができる。これにより、可変示唆演出として同一の演出態様を用いたとしても、可変示唆演出の示唆対象となる期待度表示態様を異ならせることができるという効果がある。
遊技機J1において、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果である場合に、前記所定条件が成立するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、特典が付与される場合に、期待度表示態様が高期待度を示し易くすることができるため、遊技者が期待度表示態様の表示内容を注視することになる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、前記可変示唆演出は、段階的に可変される期待度表示態様の可変情報を報知するものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、可変示唆演出によって、対象となる期待度表示態様の可変情報を報知することができるため、遊技者に対して可変示唆演出を注視させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記可変示唆演出は、前記期待度表示態様が実際に可変される程度を示すための可変量を少なくとも含む複数の可変量が表示されるものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、可変示唆演出として、複数の可変量が表示されるため、遊技者に対して表示されている複数の可変量のうち、より大きい可変量が実可変量となるように期待を持たせながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ4のいずれにおいて、前記可変示唆演出実行手段により実行される前記可変示唆演出の対象となる期待度表示態様を、前記可変示唆演出が終了する前に報知する対象報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4のいずれかの奏する効果に加え、今回実行される可変示唆演出の対象を事前に遊技者に報知することで、遊技者に対して実行される可変示唆演出を安心して楽しませることができるという効果がある。
遊技機J2からJ5のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果に基づいて、期待度種別を設定する期待度種別設定手段と、その期待度種別設定手段により設定された前記期待度種別に基づいて、前記複数の期待度表示態様のそれぞれに対して期待度を設定する期待度設定手段と、を有し、期待度表示制御手段は前記期待度設定手段により設定された前記複数の期待度表示態様の期待度のうち、少なくとも一部の期待度を示すための期待度表示態様を予め表示するものであり、前記可変示唆演出は、既に表示されている期待度と前記期待度設定手段により設定された期待度との差分を前記可変量として示唆するものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J2からJ5のいずれかの奏する効果に加え、既に表示されている期待度と、予め設定されていた期待度との差分を可変量として示唆する演出を実行するため、可変示唆演出として表示される可変量が少ない場合であっても、既に高い期待度が表示されている期待度表示態様を対象に、可変示唆演出が実行されていれば、特典が付与される可能性を高くすることができる。よって、可変示唆演出の演出内容だけではなく、現在の期待度表示態様の表示態様も抽選することになり演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J2において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段を操作させるための操作演出を実行する操作演出実行手段と、その操作演出実行手段により実行される前記操作演出中に前記操作手段が操作されたことを判別する操作判別手段と、を有し、前記表示態様可変手段は、前記操作判別手段による判別結果に対応して、前記期待度表示態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、操作手段への操作に対応して、期待度表示態様が可変されるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機J8において、所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の取得条件が成立した場合に、入球情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得した前記入球情報を、前記所定の判別条件が成立するまでの間、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記入球情報に基づいて事前判別を実行する事前判別手段と、前記記憶手段に記憶された前記入球情報の数を示す入球情報数を表示する入球情報数表示手段と、を有した遊技機において、所定の追加条件が成立した場合に、前記操作判別手段による判別結果に対応して、前記入球情報数表示手段により表示された前記入球情報数を示すための表示態様を可変させる追加演出を実行する追加演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J8の奏する効果に加え、操作手段への操作に対応して、実行される追加演出によって、入球情報数を示すための表示態様も可変させることができるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機J9において、前記期待度表示制御手段により表示される期待度表示態様が所定の演出条件を満たしているかを判別する演出条件判別手段を有し、前記演出条件判別手段により前記演出条件を満たしていないと判別した場合に、前記追加条件が成立するものであることを特徴とする遊技機J10。
遊技機J10によれば、遊技機J9の奏する効果に加え、表示手段に表示される期待度表示態様が所定の演出条件を満たしていない場合に、追加演出が実行されるため、複数の演出に関連性を持たせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J10において、前記演出条件判別手段は、前記期待度表示制御手段により前記期待度表示態様が所定数表示されない場合に、前記演出条件を満たしていないと判別するものであることを特徴とする遊技機J11。
遊技機J11によれば、遊技機J10の奏する効果に加え、追加演出を実行することにより、実行される演出の数を補完することができるため、実行される演出数が少ないことにより遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴K群>(保留連時の大当たり演出)
所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の取得条件が成立した場合に、入球情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得した前記入球情報を、前記所定の判別条件が成立するまでの間、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記入球情報に基づいて事前判別を実行する事前判別手段と、を有した遊技機において、前記事前判別手段は、少なくとも前記特典遊技中における事前判別条件が成立した場合に前記事前判別を実行するものであり、前記事前判別手段の判別結果に対応して前記特典遊技中の演出態様を設定する演出態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動口に入球したことに基づいて入球情報を取得し、その入球情報を抽選条件が成立するまで保留可能な保留手段と、抽選条件が成立した場合に入球情報に基づいて所定の抽選を実行する抽選手段と、抽選手段の抽選結果が当たりに当選している場合に遊技者に有利となる当たり遊技を実行する実行手段と、を有する遊技機がある。そして、保留手段に保留されている入球情報を抽選手段による抽選が行われる前に事前に判別する事前判別手段を有し、事前判別手段によって当たり遊技中の終了時点で保留内に当たりが有ると判別した場合に、当たり遊技中の表示態様(ラウンド数)を継続して表示する遊技機がある。(例えば、特開2014−30737号公報)。
かかる従来型の遊技機では、保留内で再度当たりに当選した場合に特殊な演出を2回目の当たり遊技中に実行することができ、遊技者に満足感を与えることができる。しかしながら、大当たり終了時に保留されている入賞情報を判別する構成であり、1回目の当たり遊技中は当たり当選時に設定された演出が実行されるだけであるため、例えば、1回目の当たり遊技中に当たりに当選する入賞情報が保留されたとしても1回目の当たり遊技に対する演出を可変することが出来ず、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
また、複数の当たり遊技に対して演出を連続させるように構成しているが、1回目の当たり遊技と2回目の当たり遊技との切れ目を遊技者が容易に識別できる演出が実行されるだけであるため、当たり遊技中に連続して実行される演出中にどの程度の当たり遊技が実行されるのかを容易に予測出来てしまうという問題があった。
遊技機K1によれば、特典遊技中の演出態様が、その特典遊技中に実行される事前判別手段の判別結果に基づいて設定されるため、予め特典遊技中の演出態様を設定する場合に比べて、事前判別結果に対応した演出態様を設定する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機K1において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技は、複数の小特典遊技が実行されるものであり、前記小特典遊技が実行される場合に前記事前判別条件が成立するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、小特典遊技が実行される場合に事前判別条件が成立し、特典遊技中の演出態様が設定されるため、小特典遊技の実行状況に合わせて特典遊技の演出態様を設定することができる。よって、特典遊技中にその特典遊技の演出態様を設定したとしても遊技者に違和感を与えることなく特典遊技を実行させることができるという効果がある。
遊技機K2において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、異なる数の小特典遊技が実行される複数の前記特典遊技のうち、一の特典遊技を選択する特典遊技選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、特典遊技として、異なる数の小特典遊技が実行される複数の特典遊技から一の特典遊技が選択されるため、特典遊技の内容に変化を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K3において、前記事前判別手段は、前記事前判別の結果が所定の事前判別結果である場合に、前記記憶手段に前記特典遊技が実行される前記入球情報が含まれていること事前判別するものであり、前記演出態様設定手段は、前記事前判別手段により事前判別された前記特典遊技において実行される小特典遊技の数に対応して、前記特典遊技中の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、事前判別手段により判別された小特典遊技の数に応じて特典遊技中の演出態様が設定されるため、遊技者を特典遊技中の演出態様に注視させることができるという効果がある。
遊技機K3またはK4において、前記特典遊技選択手段により選択された前記特典遊技の小特典遊技の数を記憶する実行数記憶手段と、その実行数記憶手段に記憶されている前記小特典遊技の数のうち、少なくとも一部を報知する小特典遊技数報知手段と、前記実行数記憶手段に記憶されている前記小特典遊技の数と、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数との差分を判別する第1差分判別手段と、前記第1差分判別手段の判別結果に基づいて、前記小特典遊技数報知手段により報知される前記小特典遊技の数を設定する報知数設定手段と、を有することを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K3またはK4の奏する効果に加え、特典遊技(大当たり)中に実行される小特典遊技(ラウンド遊技)の数を部分的に報知することにより、1回の特典遊技中に実行される小特典遊技の数を遊技者に把握させ難くすることができ、特典遊技が実行されている間も、より多くの小特典遊技が実行されるよう期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K5において、前記事前判別手段により事前判別された前記特典遊技において実行される前記小特典遊技の数を前記実行数記憶手段に加算する加算手段を有するものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、特典遊技(大当たり)中に、事前判別手段により特典遊技が実行されることを事前判別した場合は、その事前判別された特典遊技において実行される小特典遊技の数が加算手段によって実行数記憶手段に記憶される。これにより、短い間隔で複数回の特典遊技が実行される場合において、先の特典遊技が実行されている間に報知される小特典遊技の数を、後の特典遊技において実行される小特典遊技の数を加味して設定することができる。よって、小特典遊技数報知手段により特典遊技中に報知される小特典遊技の数を見ることで、次の特典遊技が実行されるか否かを予測することができ、1つの特典遊技が終了した後の遊技に対して期待感を持たせることができるという効果がある。
遊技機K5またはK6において、前記小特典遊技が実行される場合に、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数を更新するかを判別する更新判別手段を有するものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K5またはK6の奏する効果に加え、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数を更新するかが更新判別手段により判別されるため、報知数設定手段により小特典遊技の数が設定されたとしても小特典遊技の数を更新しないことがある。よって、新たな小特典遊技が実行される場合に、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数が更新されなかったとしても、次に小特典遊技が実行される際に、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数が更新される可能性を残すことができ、より多くの小特典遊技が実行されるよう期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K7において、前記第1差分判別手段による判別結果が第1条件を満たした場合には、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数を更新させる強制更新手段を有するものであることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、第1差分判別手段による判別結果が第1条件を満たした場合には、強制更新手段により、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数を強制的に更新することにより、遊技者に安心して特典遊技を実行させる期間を設定することができるという効果がある。
遊技機K7またはK8において、既に実行された前記小特典遊技の数を報知する実行済小特典遊技数報知手段と、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数と、前記実行済小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数との差分を判別する第2差分判別手段と、その第2差分判別手段による判別結果が第2条件を満たした場合に、前記小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数を更新させる強制更新手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K7またはK8の奏する効果に加え、第2差分判別手段による判別結果が第2条件を満たした場合には、強制更新手段により、小特典遊技数報知手段により報知されている小特典遊技の数を強制的に更新するため、小特典遊技数報知手段により報知される小特典遊技の数よりも、実行済小特典遊技の数が多くなってしまうことを防止することができるという効果がある。
遊技機K5からK9のいずれかにおいて、前記小特典遊技数報知手段は、前記特典遊技が実行されている期間のうち、特定期間中に前記取得手段が取得した前記入球情報の前記事前判別の結果が前記所定の事前判別結果の場合に、特定の小特典遊技数報知を実行するものであることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K5からK9のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技中が実行されている期間のうち、特定期間内に取得した入球情報が、事前判別の結果特典遊技に当選していた場合には、小特典遊技数報知手段により特定の小特典遊技数報知が実行される。よって、特典遊技中に入球情報を取得する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機K5からK10のいずれかにおいて、前記実行数記憶手段に記憶されている前記小特典遊技の数と、前記実行済小特典遊技数報知手段により報知されている前記小特典遊技の数との差分を判別する第3差分判別手段と、一の前記特典遊技が終了した状態で、前記第3差分判別手段の判別結果が第3条件を満たしている場合に、前記一の特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間、前記特典遊技中に実行される演出を継続する演出継続手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機K11。
遊技機K11によれば、遊技機K5からK10のいずれかの奏する効果に加え、第3差分判別手段による判別結果が第3条件を満たした場合には、演出継続手段により特典遊技中に実行される演出が継続して表示される。これにより、事前判別手段により前記特典遊技が実行されると判別された場合において、1回目の特典遊技が終了した後に継続して特典遊技中に実行される演出を表示することができるという効果がある。
遊技機K11において、前記特定条件は、少なくとも、次の前記特典遊技が実行されるまで成立しないものであることを特徴とする遊技機K12。
遊技機K12によれば、遊技機K11の奏する効果に加え、演出継続手段により、1回目の特典遊技が終了してから2回目の特典遊技が実行されるまでの期間において、特典遊技中に実行される演出を確実に実行することができる。よって、複数の特典遊技に対して一連の演出を実行することができるため、その演出が実行されている間により多くの小特典遊技が実行されるよう期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K5からK12のいずれかにおいて、前記判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、前記記憶手段に記憶された前記入球情報の数を判別する記憶数判別手段と、前記特典遊技中に実行される複数の演出態様を記憶する演出態様記憶手段と、を有し、前記記憶数判別手段が判別した前記入球手段の数に基づいて、前記演出態様記憶手段に記憶されている前記複数の演出態様から1の演出態様を選択する特典遊技演出態様選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機K13。
遊技機K13によれば、遊技機K5からK12のいずれかの奏する効果に加え、所定の判別結果である場合に、記憶手段に記憶されている入球情報数に基づいて特典遊技中の演出態様が選択されるため、特典遊技中において遊技者に様々な演出を提供することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機K13において、前記演出態様記憶手段は、前記複数の演出態様として、前記事前判別手段の事前判別の結果が前記所定の事前判別結果であることを前記特典遊技が開始された時点で遊技者に報知可能な第1演出態様と、前記特典遊技が終了した後に遊技者に報知可能な第2演出態様と、を少なくとも記憶するものであることを特徴とする遊技機K14。
遊技機K14によれば、遊技機K13の奏する効果に加え、特典遊技演出態様選択手段により選択される演出態様により、事前判別手段の事前判別の結果が所定の事前判別結果であることが報知されるタイミングを異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
<特徴L群>(遊技履歴で演出頻度を変更)
判定条件が成立した場合に判定を実行する判定手段と、その判定手段の判定結果を示すための演出を実行する演出実行手段と、その演出実行手段により特定の前記判定結果を示すための演出が実行された場合に遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、特定条件が成立した場合に、対応する遊技情報が履歴情報として記憶される記憶手段と、前記演出実行手段により実行される演出のうち、特定演出を実行させるかを前記履歴情報に基づいて決定する決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりに当選したか否かを遊技者に示唆するための変動演出を所定期間実行する遊技機がある。そして、所定期間実行される変動演出として、遊技者が操作可能な操作手段の操作結果に基づいて演出態様が可変する操作演出を実行する遊技機がある。(例えば、特開2012−249877号公報)。
かかる従来型の遊技機では、操作手段への遊技者の操作内容に基づいて演出態様が可変されるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができる。しかしながら、操作手段を意欲的に操作しない遊技者に対して、操作演出が頻繁に実行されてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機L1によれば、特定演出の実行が履歴情報に基づいて決定されるので、遊技の進捗等により特定演出の実行頻度を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機L1において、前記特定演出の選択率が異なるように設定された複数の演出選択テーブルが設定された演出選択テーブル記憶手段を有し、前記決定手段は、前記履歴情報に対応した前記演出選択テーブルを決定するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、対応する演出選択テーブルを選択することで特定演出の選択率を切り替えることができるので、容易な制御で特定演出の選択率を可変させることができるという効果がある。
遊技機L1またはL2において、遊技者が操作する操作手段と、その操作手段に対して所定の操作がされたことを判別可能な操作判別手段と、を有し、前記演出の一つとして、前記操作判別手段により前記所定の操作が判別された場合に、演出態様を可変させる操作演出が設定されており、前記特定条件は、前記操作判別手段により前記所定の操作が判別されたことが少なくとも1の条件に設定されているものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1またはL2の奏する効果に加え、操作演出において操作手段を操作することで、演出態様が可変されるだけでなく、特定条件が成立し易くなるので、履歴情報を可変させることができ特定演出の実行割合に影響を与えることができるという効果がある。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、少なくとも前記履歴情報を蓄積可能な蓄積手段と、その蓄積手段による蓄積結果に基づいて所定値を上限に蓄積値を設定可能な設定手段と、その設定手段により設定される前記蓄積値に対応する蓄積特典系統を複数の蓄積特典系統の中から選択する選択手段と、その選択手段により選択された前記蓄積特典系統に対応する蓄積特典を付与する蓄積特典付与手段と、を有し、前記蓄積特典付与手段は、前記設定手段により新たな前記蓄積値が設定された場合には、前記選択手段により選択された前記蓄積値特典に対応する新たな蓄積特典を付与するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて複数の蓄積特典系統の中から一の蓄積特典系統を選択するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかの奏する効果に加え、蓄積された履歴情報に基づいて蓄積特典系統が選択され、その蓄積特典系統に対応する蓄積特典が付与される。これにより、履歴情報に基づいて、特定演出が実行される頻度の設定と、蓄積特典の付与との両方が実行されることになる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機L4において、前記蓄積特典付与手段により付与される前記蓄積特典は、前記選択手段により選択される前記蓄積特典系統毎に異なるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、蓄積特典系統によって付与される蓄積特典を異ならせることができるため、操作手段の操作内容を異ならせながら様々な蓄積特典を獲得する楽しみを遊技者に提供することができる。さらに、操作手段の操作内容を異ならせることで、演出頻度も異ならせることが可能となるため、実行される演出に対しても新たな楽しみを遊技者に提供することができるという効果がある。
遊技機L5において、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報を、前記選択手段により異なる前記蓄積特典系統を選択可能な状態まで消去可能とする履歴情報消去手段を有するものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、履歴情報を、異なる蓄積特典系統が選択可能な状態まで消去することができるため、履歴情報を全て消去する場合に比べて、次の蓄積特典系統を選択されやすくすることができる。よって、他の蓄積特典を獲得する意欲を高めることができるという効果がある。
加えて、履歴情報消去手段により、履歴情報が部分的に消去されることに基づいて、設定手段により設定される蓄積値も可変(減少)することになるため、蓄積値が予め定められた上限値に到達してしまい演出効果が低下してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機L4からL6のいずれかにおいて、前記選択手段によって特定の蓄積特典系統を選択させるための遊技内容を案内する案内手段を有するものであることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L4からL6のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により案内される遊技内容に基づいて遊技を行うことで、特定の蓄積特典系統が選択されるようになるため、遊技者に様々な蓄積特典を付与することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機L7において、前記案内手段は、前記操作演出の演出態様を可変させることで、特定の蓄積特典系統を選択させるための遊技内容を案内するものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、操作演出の演出態様が案内手段により可変されるため、操作演出の演出態様に従って操作手段を操作するだけで、異なる蓄積特典系統が選択されるようになる。よって、遊技者に対して様々な特典を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L8において、前記案内手段は、前記操作演出の演出態様として、前記操作手段に対して前記所定の操作を行わせることを報知する報知演出態様と、報知しない非報知演出態様と、のいずれかを用いて遊技内容を案内するものであることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、操作演出として、操作手段に対して所定の操作が行われ易い演出態様と、行われにくい演出態様とを実行することができるため、操作演出の演出態様に従って操作手段を操作するだけで、異なる蓄積特典系統が選択されるようになる。よって、遊技者に対して様々な特典を付与することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L4からL9のいずれかにおいて、前記案内手段により案内される遊技内容に対応する前記特定の蓄積特典系統を、前記複数の蓄積特典系統の中から遊技者が選択可能な系統選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機L10。
遊技機L10によれば、遊技機L4からL9のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が所望する蓄積特典系統が選択されるように遊技内容を報知することができるため、演出効果をより高めることができるという効果がある。
<特徴M群>(小当たり確定時の判別対策)
遊技球を遊技者の操作に基づいて発射することが可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段による付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別を遊技者が識別可能な報知情報を報知する報知手段と、その報知手段により前記報知情報が報知された後から所定期間以上、前記発射手段による発射が停止された場合に、前記特定入球手段への入球が困難となるようにする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。この当たり遊技の種別は、抽選結果を図柄等で表示して報知する場合に、予め定められた報知態様で報知して遊技の公平性を保てるようにするものが知られている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技が実行されるようにして、その後に設定される遊技状態が先に実行されている当たり遊技の種別により決定される構成とすると、遊技者に不利となる遊技状態が付与される当たり種別であるかを判別して、特定の入球口や特定領域に遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技方法が行われることで、遊技店側の不利益が増大する虞があった。
本遊技機M1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技店側の不利益を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機M1によれば、特典種別決定手段により決定される特典の種別を示す報知情報を確認することで、特定の特典種別を付与されることを遊技者が回避しようとすると、他の特典種別である場合にも特定入球手段へと入球することが困難となるので、遊技店側の不利益を抑制できるという効果がある。
遊技機M1において、前記動的表示態様決定手段は、前記識別情報を動的表示させた後に仮停止させる疑似停止態様を組み合わせた異なる動的表示態様のうち、一の動的表示態様を決定するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、疑似停止態様により仮停止されることで、識別情報の最終的な停止タイミングが分かり難くなり、特定の特典遊技が実行される場合に、特定入球手段へと遊技球を入球させることを回避する遊技方法が実行されることを抑制できるという効果がある。
遊技機M1またはM2において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別により、前記特定領域へ入球する入球率を可変させる可変制御手段を有することを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1またはM2の奏する効果に加え、実行される特典遊技の種別により特定領域へ入球する入球率を可変させることができるので、特定領域へ入球させる確率を容易に制御することができるという効果がある。
<特徴N群>(直当たり演出その2)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報の動的表示の開始から前記特定入球手段へ入球するまでの期間に跨がった演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技までの演出が行われるのみうであり、遊技が単調となり遊技者が早期に遊技に飽きてしまうという問題点があった。
本遊技機N1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機N1によれば、特定の判定結果を示すための識別情報が表示される場合には、その識別情報の動的表示の開始から特定領域へ入球するまでの期間で演出が実行されるので、識別情報が特定の判定結果を示すことだけでなく演出により特定領域に入球するかを期待させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機N1において、前記演出実行手段は、複数の演出より付与される特典遊技の種別に基づいて1の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、多様な演出を実行できるという効果がある。
遊技機N1またはN2において、前記演出実行手段は、前記特定領域に予め設定された期間が経過しても遊技球が入球しない場合には、特定演出に切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、特定領域に入球しない場合には、特定演出に切り替えられるので、遊技者に特定領域に入球しなかったことを効果的に報知できるという効果がある。
<特徴P群>(Vアタッカー上部に遅延装置を設けてチョロ打ち対策)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段による付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記識別情報が停止表示される場合に、前記特典種別決定手段により決定される前記特典の種別に関する情報を報知する報知手段と、前記特定入球手段へと遊技球を誘導可能な位置に前記特定入球手段へ誘導される遊技球の所定期間に対する流下量を減少させる調整手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。この当たり遊技の種別は、抽選結果を図柄等で表示して報知する場合に、予め定められた報知態様で報知して遊技の公平性を保てるようにするものが知られている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技が実行されるようにして、その後に設定される遊技状態が先に実行されている当たり遊技の種別により決定される構成とすると、遊技者に不利となる遊技状態が付与される当たり種別であるかを判別して、特定の入球口や特定領域に遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技方法が行われることで、遊技店側の不利益が増大する虞があった。
本遊技機P1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技店側の不利益を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機P1によれば、特定入球手段へと誘導される所定期間に対する流下量が調整手段により減少されるので、報知手段により報知された情報を判別して特定入球手段へ遊技球を入球させるか否かを打ち分けることを困難にすることができるという効果がある。
遊技機P1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下する遊技球を前記特定入球手段へと入球可能な特定流路と前記特定入球手段へと入球困難となる流路とに所定の割合で振り分けるものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、第2流路を流下する遊技球のうち、特定入球手段へと誘導される遊技球の量を容易に減少させることができるという効果がある。
遊技機P1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下した遊技球を所定期間以上転動させて遊技球を前記特定入球手段へと誘導される流路へと排出することが可能な転動手段を有するものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、調整手段により所定期間以上第2流路を流下した遊技球が転動させられるので、遊技者が遊技球の発射を停止させたとしても、所定期間経過することで特定入球手段へと遊技球を誘導させることができるという効果がある。
遊技機P1からP3のいずれかにおいて、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特定入球手段が入球可能となるまでの期間は、前記第2流路へと遊技球を発射してから前記調整手段をへて特定入球手段へと到達するまでの期間よりも短く構成されているものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P1からP3のいずれかの奏する効果に加え、特定入球手段へと入球させるには、遊技球を継続して発射させるようにすることが必要となり、特定の特典遊技に特定入球手段へと入球させない遊技方法を規制できるという効果がある。
<特徴Q群>(チョロ打ち対策2)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段による付与される前記特典の種別を決定する特典種別決定手段と、前記特定入球手段へと遊技球を誘導可能な位置に前記特定入球手段へ誘導される遊技球の所定期間に対する流下量を減少させる調整手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特定の入球口や特定領域に遊技球が入球しないように遊技を行うという遊技方法が行われることで、遊技店側の不利益が増大する虞があった。
本遊技機Q1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技店側の不利益を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機P1によれば、特定入球手段へと誘導される所定期間に対する流下量が調整手段により減少されるので、報知手段により報知された情報を判別して特定入球手段へ遊技球を入球させるか否かを打ち分けることを困難にすることができるという効果がある。
遊技機Q1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下する遊技球を前記特定入球手段へと入球可能な特定流路と前記特定入球手段へと入球困難となる流路とに所定の割合で振り分けるものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第2流路を流下する遊技球のうち、特定入球手段へと誘導される遊技球の量を容易に減少させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射される発射強度を遊技者の操作により可変可能な発射強度可変手段と、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下困難となる第2流路と、を有し、前記調整手段は、前記第2流路を流下した遊技球を所定期間以上転動させて遊技球を前記特定入球手段へと誘導される流路へと排出することが可能な転動手段を有するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、調整手段により所定期間以上第2流路を流下した遊技球が転動させられるので、遊技者が遊技球の発射を停止させたとしても、所定期間経過することで特定入球手段へと遊技球を誘導させることができるという効果がある。
遊技機Q1からQ3のいずれかにおいて、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特定入球手段が入球可能となるまでの期間は、前記第2流路へと遊技球を発射してから前記調整手段をへて特定入球手段へと到達するまでの期間よりも短く構成されているものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1からQ3のいずれかの奏する効果に加え、特定入球手段へと入球させるには、遊技球を継続して発射させるようにすることが必要となり、特定の特典遊技に特定入球手段へと入球させない遊技方法を規制できるという効果がある。
<特徴R群>(小当たりと直当たりにおいてV通過までの演出)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定の判定結果を示すための前記識別情報の動的表示の開始から前記特定入球手段へ入球するまでの期間に跨がった演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記特定の判定結果を示すための識別情報が停止表示されるよりも前に段階的に遊技球の発射方法を切り替えることを示唆する示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりするものが提案されている。(例えば、特開2012−147965号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たり遊技までの演出が行われるのみうであり、遊技が単調となり遊技者が早期に遊技に飽きてしまうという問題点があった。
本遊技機N1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機N1によれば、特定の判定結果を示すための識別情報が表示される場合には、その識別情報の動的表示の開始から特定領域へ入球するまでの期間で演出が実行されるので、識別情報が特定の判定結果を示すことだけでなく演出により特定領域に入球するかを期待させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機R1において、前記演出実行手段は、複数の演出より付与される特典遊技の種別に基づいて1の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、多様な演出を実行できるという効果がある。
遊技機R1またはR2において、前記演出実行手段は、前記特定領域に予め設定された期間が経過しても遊技球が入球しない場合には、特定演出に切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1またはR2の奏する効果に加え、特定領域に入球しない場合には、特定演出に切り替えられるので、遊技者に特定領域に入球しなかったことを効果的に報知できるという効果がある。
<特徴S群>(小当たりと図柄当たりとで2種制御切替)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定入球手段へと入球した遊技球を前記特定領域へと誘導する誘導路を前記特定領域へと誘導可能な第1状態と前記特定領域へと誘導困難な第2状態とに切り替える切替手段と、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記切替手段により前記誘導路が切り替えられる第1切替情報を設定し、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記第1切替情報とは異なる第2切替情報を設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりし、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技等の特典付与が実行されるようにするものが提案されている。(例えば、特開2013−9795号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、さらに遊技の興趣向上が求められていた。
本遊技機P1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機S1によれば、第1特典遊技と第2特典遊技とで誘導路の制御方法が切り替えられるので、遊技者に異なる特定領域までの誘導態様を見せることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機S1において、前記第2切替情報により前記誘導路が切り替えられることで、前記第1状態に切り替えられるものであることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、第2切替情報により誘導路が第1状態に切り替えられるので、第2特典遊技では、特定領域に遊技球を入球させやすくでき、遊技者に第2特典遊技であっても、特定領域に入球したことにより第2特典が付与されているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機S1またはS2において、前記第1切替情報は、複数の異なる情報が設定されており、1の情報が所定の規則に基づいて決定されるものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1またはS2の奏する効果に加え、第1切替情報を多様にすることができ、多様に誘導路の誘導状態を切り替えることができるという効果がある。
<特徴T群>(小当たりと図柄当たりとで2種切替2)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球した場合に判定を実行することが可能な判定手段と、その判定手段による判定結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を決定する動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判定結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる第1特典遊技とその第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技において、前記特典遊技実行手段により前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されている期間に遊技球が入球可能となる特定入球手段と、その特定入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記第1特典遊技が実行され、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な第1特典を付与し、前記第2特典遊技が実行されている場合には、前記特定領域への入球に関わらず遊技者に有利となる第2特典を付与する特典付与手段と、前記特定入球手段へと入球した遊技球を前記特定領域へと誘導する誘導路を前記特定領域へと誘導可能な第1状態と前記特定領域へと誘導困難な第2状態とに切り替える切替手段と、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記切替手段により前記誘導路が切り替えられる第1切替情報を設定し、前記第2特典遊技が実行される場合には、前記第1状態に前記誘導路を切り替える第2切替情報を設定する設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入球することで抽選を実行して、その抽選結果が当たりであると遊技者に有利となる当たり遊技が実行され、その当たり遊技の種別により当たり遊技後の状態を遊技者に有利となる状態を設定したり、不利となる状態を設定したりし、当たり遊技中に特定の入球口や特定領域に遊技球が入球することで、さらに当たり遊技等の特典付与が実行されるようにするものが提案されている。(例えば、特開2013−9795号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、さらに遊技の興趣向上が求められていた。
本遊技機P1は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機S1によれば、第1特典遊技と第2特典遊技とで誘導路の制御方法が切り替えられるので、遊技者に異なる特定領域までの誘導態様を見せることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機T1において、前記第2切替情報により前記第1状態に切り替えられる場合と、前記第1切替情報により前記第1状態とに切り替えられる場合とでは、異なる誘導路により前記特定領域まで前記遊技球が誘導されるものである特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、異なる誘導により特定領域へと誘導されるので遊技者が早期に飽きることを抑制できるという効果がある。
遊技機T1またはT2において、前記第1切替情報は、複数の異なる情報が設定されており、1の情報が所定の規則に基づいて決定されるものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T1またはT2の奏する効果に加え、第1切替情報を多様にすることができ、多様に誘導路の誘導状態を切り替えることができるという効果がある。
<特徴群U>(特2入賞から特2変動までの期間の長さに基づいて演出態様を設定)
第1判別条件が成立した場合に、第1判別を実行する第1判別手段と、取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、第2判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報、又は、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間は、前記第2識別情報の動的表示が開始されないものであり、所定の演出条件が成立したことに基づいて期間演出を実行する期間演出実行手段と、前記第1識別情報が動的表示されている場合において、所定の開始条件が成立してから前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別する期間判別手段と、前記期間演出実行手段により実行される前記期間演出における演出態様を、前記期間判別手段の判別結果に基づいて設定する演出態様設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機U1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口を複数設け、遊技球が入球した始動口に応じて異なる抽選を実行するように構成したものがある。そして、各始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される当否抽選の結果を示唆する示唆演出を実行するものがある(例えば、特開2015−13075号公報)。このような遊技機は、一方の始動口への遊技球の入球に基づいて当否抽選が実行されている最中に、他方の始動口に遊技球が入球した場合に、実行中の当否抽選が終了するまでは、新たな当否抽選が実行されないようにすることで、遊技者に過度に当否抽選を実行させないようにすることができるものであった。
しかしながら、一方の始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づく当否抽選(示唆演出)が実行されるまでの期間は、他方の始動口への遊技球の入球に基づいて実行される当否抽選の状況に応じて異なるため、例えば、始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づいて実行される当否抽選の抽選結果を示すための示唆演出が実行されるまでの期間が長くなると、遊技者に対してどの入球に基づく示唆演出が実行されているのかが分かり難くなり、示唆演出の演出効果が低下してしまい、遊技意欲が低下するという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる演出を提供することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機U1によれば、所定の開始条件が成立してから第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間の長さに基づいて、期間演出実行手段により実行される期間演出の演出態様を設定することができるため、第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間が異なったとしても、遊技者に対して違和感を与えることの無い期間演出を実行することができる。よって、第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間が長い場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機U1において、前記第1識別情報の動的表示期間の残動的表示期間を判別する残期間判別手段を有し、前記期間判別手段は、前記残期間判別手段により判別された前記残期間に基づいて前記期間を判別するものであることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、期間判別手段が実行中の第1識別情報の残動的表示期間に基づいて、所定の開始条件が成立してから第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別することができるため、その判別結果の精度を高めることができる。よって、実際の遊技内容に沿った期間演出を実行することができ、演出効果を高めることができるいという効果がある。
遊技機U1またはU2において、前記所定の開始条件は、前記取得手段が前記取得情報を取得した場合に成立するものであり、前記期間判別手段は、前記所定の開始条件が成立してから、当該開始条件が成立した前記取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの前記期間を判別するものであることを特徴とする遊技機U3。
遊技機U3によれば、遊技機U1またはU2の奏する効果に加え、取得情報を取得してから、当該取得情報に基づいて第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間が期間判別手段によって判別されるため、その判別結果の精度を高めることができる。よって、実際の遊技内容に沿った期間演出を実行することができ、演出効果を高めることができるいという効果がある。
遊技機U3において、前記期間演出実行手段は、少なくとも、前記取得手段が前記取得情報を取得してから、当該取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を含む演出期間にて前記期間演出を実行するものであることを特徴とする遊技機U4。
遊技機U4によれば、遊技機U3の奏する効果に加え、期間演出が実行される演出期間として、少なくとも取得手段が取得情報を取得してから、当該取得情報に基づく第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を設定することができるため、実際の遊技状況に対応させた期間に、実際の遊技状況に対応させた演出態様を設定することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機U1またはU2において、所定の実行条件が成立した場合に、前記取得条件が成立し易い特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段を有し、前記期間判別手段は、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技が実行されてから前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別するものであり、前記期間演出実行手段は、少なくとも、前記所定の実行条件が成立してから、当該取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を含む演出期間にて前記期間演出を実行するものであることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U1またはU2の奏する効果に加え、取得条件が成立する前の時点で、第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別することが可能となるため、期間判別手段の判別結果に基づいてより長い期間の演出態様を設定することができる。よって、期間演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機U5において、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技が実行される場合に、前記第1識別情報が動的表示されているかを判別可能な動的表示判別手段と、前記動的表示判別手段により前記第1識別情報が動的表示されていないと判別した場合に、前記期間判別手段とは異なる第2期間の判別を実行する第2期間判別手段と、を有し、前記第2期間判別手段は、前記第1識別情報が動的表示されている状態において、前記取得情報を取得してから、当該取得情報に基づく前記第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を判別するものであることを特徴とする遊技機U6。
遊技機U6によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、期間判別手段により判別が実行され得るタイミングで第1識別情報が動的表示されていない場合に、そのタイミングとは異なるタイミングで第2期間判別手段の判別を実行させることができる。よって、所定の開始条件が成立してから第2識別情報の動的表示が開始されるまでの期間を複数のタイミングで判別することができるため、実際の遊技内容に沿った期間演出を実行し易くすることができるという効果がある。
遊技機U1からU6の何れかにおいて、前記期間演出実行手段は、前記期間演出として、所定の第1期間に実行される第1期間演出と、前記第1期間よりも後に実行される前記第2期間演出に実行される第2期間演出と、を少なくとも実行するものであり、前記演出態様設定手段は、前記第2期間演出の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機U7。
遊技機U7によれば、遊技機U1からU6の何れかの奏する効果に加え、期間判別手段の判別結果に関わらず、共通の第1期間演出を実行することができるため、遊技者に違和感を与えること無く期間演出を実行することができるという効果がある。
遊技機U7において、前記演出態様設定手段は、前記期間判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に、前記第2期間演出の演出態様として、前記第1期間演出の演出態様の一部を設定するものであることを特徴とする遊技機U8。
遊技機U8によれば、遊技機U7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2期間演出の演出態様として、第1期間演出の演出態様を設定することができるため、遊技者に対して第1期間演出が実行されているのか第2期間演出が実行されているのかを分かり難くすることができる。よって、期間判別手段によって第2期間が長いと判別された場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く期間演出を実行することができるという効果がある。
<特徴群V>(所定条件が成立している場合に、普図ロング開放示唆演出を実行)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に、遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、判定条件が成立した場合に判定を実行する判定手段と、その判定条件による判定の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、を有した遊技機において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている期間中に所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記識別情報が特定の表示態様で停止表示されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変させる特定遊技を所定期間実行可能な特定遊技実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、所定の演出条件が成立した場合に、前記識別情報が前記特定の表示態様で停止表示されることを示すための演出を実行するものであることを特徴とする遊技機V1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が第1抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口に可動部材を設け、始動ゲートを遊技球が通過した場合に実行される第2抽選で当たりに当選した場合に、可動部材を可動させることで、始動口に遊技球が入球し易くするものがある。加えて、第2抽選の抽選結果を遊技者に示唆するための示唆演出を実行するように構成したものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。このような遊技機では、示唆演出によって第2抽選の抽選結果を示唆することができるため、遊技者に対して始動口に遊技球を入球させ易くなることを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、示唆演出が実行されることにより、遊技者が遊技球の発射を停止し、その示唆演出の演出結果に基づいて遊技を再開する演出態様が当たり当選である可能性が高い演出態様である場合には、その示唆演出が終了するまで遊技を停止し、可動部材が可動するタイミングに合わせて遊技を再開したり、示唆演出の演出態様が外れである可能性が高い演出態様である場合には、その示唆演出が終了するまで遊技を一方の始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づく当否抽選(示唆演出)が実行されるまでの期間は、他方の始動口への遊技球の入球に基づいて実行される当否抽選の状況に応じて異なるため、例えば、始動口に遊技球が入球してから、その入球に基づいて実行される当否抽選の抽選結果を示すための示唆演出が実行されるまでの期間が長くなると、遊技者に対してどの入球に基づく示唆演出が実行されているのかが分かり難くなり、示唆演出の演出効果が低下してしまい、遊技意欲が低下するという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる演出を提供することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機V1によれば、所定の演出条件が成立した場合に、演出実行手段により実行される演出にて特定遊技実行手段により特定遊技が実行されることを報知することができる。よって、遊技者に対して演出条件を成立させるための遊技を意欲的に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V1において、前記特定遊技実行手段により実行される前記特定遊技の種別として、遊技者に有利となる第1特定遊技に対応する第1種別と、その第1特定遊技よりも不利となる第2特定遊技に対応する第2種別と、を設定可能な遊技種別設定手段を有し、前記演出実行手段は、前記遊技種別設定手段により前記第1種別が設定される場合に前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機V2。
遊技機V2によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、遊技者に有利となる第1特定遊技が実行される場合に、演出実行手段による演出が実行されるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機V1またはV2において、前記演出条件の成立の有無を判別可能な条件判別手段と、前記判別手段により実行される前記判別の結果を示すための特定識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、を有し、前記条件判別手段は、前記動的表示手段により前記特定識別情報が動的表示されている場合に前記演出条件が成立していると判別するものであることを特徴とする遊技機V3。
遊技機V3によれば、特定識別情報が動的表示されている場合に演出条件を成立させることができるため、遊技者に対して特定識別情報を動的表示させる遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
遊技機V3において、前記判別手段により前記判別が実行されたことを示す実行情報を保持可能な情報保持手段と、その情報保持手段により保持されている前記実行情報が有効条件を満たしているかを判別する有効条件判別手段と、を有し、前記条件判別手段は、前記有効条件判別手段により前記有効条件を満たしていると判別された場合も、前記演出条件が成立していると判別するものであることを特徴とする遊技機V4。
遊技機V4によれば、遊技機V3の奏する効果に加え、特定識別情報が動的表示されていなくても、その実行情報が有効条件を満たしている間は、演出条件を成立させることができるため、特定識別情報を動的表示させる遊技を行っているにも関わらず、特定識別情報が動的表示されていないタイミングが発生したとしても、演出実行手段による演出を実行させることが可能となる。よって、意欲的に遊技を行っている遊技者に対して安定して演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V3またはV4の何れかにおいて、取得条件が成立した場合に取得情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、を有し、前記判定手段は、前記判定条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報に基づいて前記判定を行うものであり、前記条件判別手段は、前記取得手段が前記取得情報を取得したことに基づいて第1条件判別を実行し、前記判定手段により前記判定が実行されることに基づいて第2条件判別を実行するものであり、前記演出実行手段は、前記第1条件判別の結果、或いは前記第2条件判別の結果の何れかにおいて前記演出条件が成立していると判別された場合に、前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機V5。
遊技機V5によれば、遊技機V3またはV4の奏する効果に加え、条件判別手段により複数のタイミングで演出条件の成立を判別することができるため、意欲的に遊技を行っている遊技者に対して安定して演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V1またはV5において、前記演出実行手段は、前記演出として、前記可変入球手段が前記第1状態となるタイミングを報知するタイミング報知演出を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機V6。
遊技機V6によれば、遊技機V1またはV5の奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出によって、判定手段の判定結果だけでは無く、可変入球手段が第1状態となるタイミングも遊技者に報知されることになるため、演出実行手段による演出が実行されるよう意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V6において、前記演出実行手段は、前記演出条件が成立していない場合に、前記可変入球手段が前記第1状態になるタイミングとは異なるタイミングを報知する擬似タイミング報知演出を実行可能となるものであることを特徴とする遊技機V7。
遊技機V7によれば、遊技機V6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出条件が成立していない場合は、可変入球手段が前記第1状態となるタイミングとは異なるタイミングが報知されるため、演出条件を成立させること無く、判定条件のみを成立させる遊技を行う遊技者に不利な遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機V1からV7の何れかにおいて、前記判定条件は、前記演出条件よりも成立し易いものであることを特徴とする遊技機V8。
遊技機V8によれば、遊技機V1からV7の何れかの奏する効果に加え、判定条件のほうが演出条件よりも成立し易いものであるため、演出条件を成立させるためにより意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴群W>(時短中の小当たり当選演出にて時短中の振分割合よりも高確率で有利小当たり当選を報知)
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が、第1判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典遊技を実行し、前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に前記第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により実行される前記第1特典遊技または前記第2特典遊技の終了後に第1遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記記憶手段に記憶された前記取得情報を、当該取得情報に基づく前記判別が実行されるまでに事前判別する事前判別手段と、前記第1特典遊技または前記第2特典遊技が実行されることを示すための示唆演出を、前記第1遊技状態中に実行可能な演出実行手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定するものであり、前記演出実行手段は、前記所定の終了条件が成立した後に前記判別が実行される前記取得情報に対応する前記事前判別の結果に基づいて前記示唆演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機W1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が第1抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、有利度合いの異なる複数の特典遊技を実行可能に構成し、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、特典遊技の選択割合を異ならせるものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。また、近年の遊技機では、遊技の健全化を図るために、遊技者に有利な遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)が大当たり遊技終了後に設定される割合(所謂、継続率)を低く(例えば、65%以下)設定することにより遊技の射幸性を抑えるものがある。
このような遊技機では、例えば、遊技者に有利な有利遊技状態が設定されている状態で当たり(例えば、大当たり、小当たり)に当選したとしても、その当たり遊技終了後に再度、有利遊技状態が設定される割合が抑えられてしまうため、有利遊技状態中における当たり報知演出に期待感を抱かせることが困難になり遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制しすることで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機W1によれば、第1遊技状態中に実行される示唆演出により、事前判別の結果に基づいて第1特典遊技、または、第1特典遊技よりも有利な第2特典遊技が実行されることが示唆される。そして、第2遊技状態が設定された後に実行される判別手段の判別結果に対応する事前判別結果に基づいて示唆演出を実行させることができるため、第1遊技状態中に特典遊技が実行されることを示唆し易くすることができる。よって、遊技者に対して示唆演出が実行されることに対して期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1において、前記演出実行手段は、前記所定の終了条件が成立した後に前記判別が実行される前記取得情報に対応する前記事前判別の結果が、前記第2判別結果を示すための前記事前判別結果となる場合のほうが、前記第1判別結果を示すための前記事前判別結果となる場合よりも前記示唆演出を実行し易いものであることを特徴とする遊技機W1。
遊技機W2によれば、第1遊技状態の終了条件が成立したことに基づいて第2遊技状態が設定された後に判別が実行される取得情報に対応する事前判別結果が第2判別結果を示す場合のほうが、第1判別結果を示す場合より演出実行手段による示唆演出が実行され易くなる。これにより、第1遊技状態中に示唆演出が実行された場合において、第1遊技状態中に実行される判別手段の判別結果に加え、第2遊技状態が設定された後に実行される判別手段の判別結果に対応する事前判別結果に基づいて示唆演出を実行する構成において、第1示唆演出が実行された場合における第2特典遊技が実行される割合を高めることができる。よって、遊技者に対して示唆演出が実行されることに対して期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W2において、前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果となる割合と、前記第2判別結果となる割合と、を設定可能な割合設定手段を有し、前記割合設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも、前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが、前記第2判別結果となる割合が多くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機W3。
遊技機W3によれば、遊技機W1の奏する効果に加え、第1遊技状態中よりも、第2遊技状態中のほうが、第2判別結果となり易くすることができる。これにより、第1示唆演出が実行された場合における第2特典遊技が実行される割合を高めることができる。よって、遊技者に対して示唆演出が実行されることに対して期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1からW3のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記事前判別手段により前記事前判別が行われた前記取得情報に対応する前記判別が実行されるまでの期間を演出期間として前記示唆演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機W4。
W4によれば、遊技機W1からW3のいずれかの奏する効果に加え、事前判別された取得情報に対応する判別が実行されるまでの期間を演出期間として示唆演出が実行されるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴X群>(時短状態から通常状態へと移行する条件が成立する場合に、通常状態で特図2変動を多く実行させるための報知を時短状態中に実行)
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記取得手段が前記取得情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、少なくとも、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の移行条件が成立した場合に、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報の数を判別可能な記憶数判別手段と、前記第1遊技状態が設定されている状態において前記記憶数判別手段の判別結果に基づく報知態様を設定可能な報知態様設定手段と、その報知態様設定手段により設定された前記報知態様で報知動作を実行可能な報知実行手段と、を有し、前記報知態様設定手段は、少なくとも前記第1遊技状態の特定タイミングにおける前記記憶数判別手段の判別結果に基づいて前記報知態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、有利度合いの異なる複数の特典遊技を実行可能に構成し、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、特典遊技の選択割合を異ならせるものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。また、このような遊技機において、特定の遊技状態が設定されている場合に、他の遊技状態が設定されている場合よりも入球し易くなる特定始動口を設け、その特定始動口に遊技球が入球したことに基づく抽選が実行された場合に、他の始動口に遊技球が入球した場合よりも、有利度合いの高い特典遊技が実行され易くなるように構成し、さらに、特定始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される抽選の権利を、所定数を上限に保留記憶可能に構成したものがある。このように構成された遊技機では、特定の遊技状態が設定されている場合に、特定始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される抽選を遊技者に効率良く実行させることができるため、特定の遊技状態が設定されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、特定の遊技状態の終了条件が成立すると、特定始動口に遊技球が入球したことに基づいて実行される抽選が行われ難くなるため、特定の遊技状態の終了が近づくにつれ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機X1によれば、報知実行手段により実行される報知の態様を、第1遊技状態の特定期間における記憶手段に記憶された取得情報の記憶数に応じて設定することができる。よって、報知実行手段により様々な態様の報知動作が実行されるように、取得情報の記憶数を可変させるための遊技を遊技者に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機X1において、前記報知実行手段は、前記第1遊技状態中に前記取得情報を取得させることを示唆する取得示唆報知を実行するものであり、前記報知態様設定手段は、前記記憶数判別手段により、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報が所定数以下であると判別された場合に前記取得示唆報知に対応する報知態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X2。
遊技機X2によれば、遊技機X1の奏する効果に加え、第1遊技状態における特定期間にて記憶手段に記憶されている取得情報の数が所定数以下である場合に取得示唆報知が実行されるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。また、第1遊技状態における特定期間にて記憶手段に記憶されている取得情報の数が所定数よりも多い場合、例えば、記憶手段に上限数の取得情報が記憶されている場合には取得示唆報知が実行されないように構成することができるため、報知実行手段により実行される報知の内容に対して遊技者が困惑してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機X1またはX2において、前記第1遊技状態が設定されている状態において前記判別手段により実行された前記判別の回数を計測する判別回数計測手段と、その判別回数計測手段による計測結果に基づいて、前記移行条件が成立するかを判別する移行条件判別手段と、を有し、前記報知実行手段は、前記移行条件判別手段により前記移行条件が成立すると判別されてから前記移行条件が成立するまでの特定期間内で前記報知演出を実行するものであることを特徴とする遊技機X3。
遊技機X3によれば、遊技機X2の奏する効果に加え、次の効果を奏するものである。即ち、移行条件が成立すると判別された後に報知演出が実行されるため、遊技者に対して限られた期間内に取得情報を取得させるための遊技を行わせることになる。よって、第1遊技状態が設定されている最後の期間まで遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機X3において、前記特定期間として、少なくとも、第1期間と、その第1期間よりも後に設定される第2期間と、を設定可能な期間設定手段を有し、前記報知実行手段は、少なくとも、前記第1期間において、前記報知演出を実行するものであり、前記第1期間の終了タイミングにおける前記記憶数判別手段の判別結果に基づいて、前記第2期間中に実行される第2期間演出の演出態様を設定する期間演出態様設定手段と、その期間演出態様設定手段により設定された前記演出態様で前記第2期間演出を実行する第2期間演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機X4。
遊技機X4によれば、遊技機X3の奏する効果に加え、報知演出が実行された後における前記記憶手段に記憶されている取得情報の数に基づいて第2期間演出の演出態様を設定することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機X4において、前記第1期間が設定された時点における前記記憶手段に記憶されている前記取得情報の数と、前記第1期間が終了した時点における前記記憶手段に記憶されている前記取得情報の数と、に基づいて、前記第1期間中に前記記憶手段に記憶された前記取得情報の数を判別可能な増加数判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記増加数判別手段の判別結果に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X5。
遊技機X5によれば、遊技機X4の奏する効果に加え、第1期間中に記憶された取得情報の数に基づいて第2期間演出の演出態様が設定されるため、第1期間が設定される時点の取得情報の記憶数を遊技者が調整することにより、第1期間中に記憶された取得情報の数を可変させることで、第2期間演出の演出態様を異ならせることが可能となる。よって、遊技者が実行する遊技内容に応じて異なる演出を実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機X4またはX5において、前記記憶手段に記憶されている前記取得情報を、当該取得情報に基づく前記判別が実行されるまでに事前に判別する事前判別手段を有し、前記期間演出態様設定手段は、前記事前判別手段の判別結果に基づいて前記演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X6。
遊技機X6によれば、遊技機X5の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている取得情報の事前判別結果に基づいて第2期間演出の演出態様を設定することができるため、遊技者に対して第2期間演出により興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機X6において、前記第2期間演出実行手段は、実行中の前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果以外の場合であって、前記事前判別手段の判別結果が特定の判別結果を示すものである場合には、前記特定の判別結果である前記取得情報に基づく前記判別手段の判別結果が報知されるまでの間、前記第2期間演出を実行するものであることを特徴とする遊技機X7。
遊技機X7によれば、遊技機X6の奏する効果に加え、事前判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に、その事前判別に対応する識別情報が停止表示されるまで演出実行手段による演出が実行される。よって、第2期間中に実行される演出に対して遊技者を注視させることができるという効果がある。
遊技機X7において、前記演出態様設定手段は、前記事前判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを、実行中の前記動的表示が停止表示されるまでに示唆する示唆演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機X8。
遊技機X8によれば、遊技機X7の奏する効果に加え、実行中の動的表示が停止表示されるまでに、示唆演出態様によって事前判別手段の判別結果が特定の判別結果であることが示唆されるため、遊技者に対して、どの判別が特定の判別結果となったのかを分かり難くすることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴Y群>(複数の時短終了条件を設定し、成立した時短終了条件に応じて異なる特典を付与)
所定の判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による前記判別が実行され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記判別が実行され難い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、少なくとも、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の移行条件が成立したことに基づいて、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記移行条件として、第1移行条件と、その第1移行条件とは異なる第2移行条件と、を設定可能な移行条件設定手段と、その移行条件設定手段により設定された前記移行条件が成立したことに基づいて遊技者に有利となる所定の特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1移行条件が成立した場合に第1特典を付与し、前記第2移行条件が成立した場合に前記第1特典とは異なる第2特典を付与するものであることを特徴とする遊技機Y1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が第1抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口に可動部材を設け、始動ゲートを遊技球が通過した場合に実行される第2抽選で当たりに当選した場合に、可動部材を可動させることで、始動口に遊技球が入球し易くするものがある。(例えば、特開2015−13075号公報)。加えて、上記遊技機では、特定の遊技状態が設定されている場合に、他の遊技状態が設定されている場合よりも、第2抽選の変動期間を短く設定することで、特定の遊技状態が設定されている期間中に第2抽選をより多く実行させるように構成している。
しかしながら、特定の遊技状態中において設定される第2抽選の変動期間が一定であるため、特定の遊技状態中における遊技が単調になってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機Y1によれば、取得情報を取得し易い第1遊技状態が設定された場合において、第1遊技状態から第2遊技状態へと移行させる複数の移行条件のうち、成立した移行条件によって異なる特典を付与することができる。よって、第1遊技状態が設定されたにも関わらず、特典を得ること無く第1遊技状態が終了してしまう事態を発生させ難くすることができるため、遊技者に対して第1遊技状態を設定させるための遊技を意欲的に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Y1において、前記移行条件設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段の判別回数が所定回数に到達したことに基づいて成立する条件を、前記第1移行条件として設定するものであることを特徴とする遊技機Y2。
遊技機Y2によれば、遊技機Y1の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定される期間中に実行される判別手段の判別回数に制限を設定することができるため、遊技者に過度な特典が付与されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機Y1またはY2において、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、所定の実行条件が成立した場合に、前記可変入球手段を前記第1状態へと所定期間可変可能な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、を有し、前記判別手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記判別を実行するものであり、前記遊技状態設定手段により設定される前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記特定遊技が実行され易い遊技状態であることを特徴とする遊技機Y3。
遊技機Y3において、前記特典付与手段は、前記第1移行条件が成立した場合に付与される前記第1特典として、前記第1遊技状態よりも前記特定遊技が実行され易い遊技状態を付与するものであることを特徴とする遊技機Y4。
遊技機Y4において、判定条件が成立した場合に判定を実行可能な判定手段と、その判定手段により実行される前記判定の結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間を設定可能な動的表示期間設定手段と、を有し、前記所定の実行条件は、前記識別情報が特定の表示態様で停止表示された場合に成立するものであり、前記動的表示期間設定手段は、前記第1特典が付与されている場合にほうが、前記第1特典が付与されていない場合よりも短い動的表示期間を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機Y5。
遊技機Y1またはY5において、前記移行条件設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段の判別結果が、前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果となる回数が所定回数に到達したことに基づいて成立する条件を、前記第2移行条件として設定するものであることを特徴とする遊技機Y6。
遊技機Y6によれば、遊技機Y1またはY2の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定される期間中に実行される判別手段の判別結果に応じて第1遊技状態が第2遊技状態へと移行されるため、第1遊技状態が継続する期間を不定にすることができる。よって、遊技者に対して第1遊技状態が長期間継続することを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴AA群>(大当たり遊技が実行されるまでの契機を遊技者に分かり難くする)
所定の実行条件が成立したことに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1判別条件が成立した場合に第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件が成立した場合に第2判別を実行する第2判別手段と、判定条件が成立した場合に判定を実行する判定手段と、遊技球が入球し難い第1状態から、その第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、前記判定手段による前記判定の結果が特定の判定結果である場合に前記可変入球手段を前記第2状態へと所定期間可変させる特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第2判別条件は、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第1判別手段の判別結果が特定の前記第1判別結果である場合に成立する第1実行条件、或いは、前記第2判別手段の判別結果に基づいて成立し得る第2実行条件が成立したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであり、前記第1判別手段の判別結果が前記特定の第1判別結果であることを示す第1情報または前記判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることを示す第2情報を報知するための演出を、同一の演出態様を用いて実行な演出実行手段を有し、前記演出実行手段は、前記演出が実行されてから前記第1実行条件が成立したことに基づいて前記特典遊技が実行されるまでの期間と、前記演出が実行されてから前記第2実行条件が成立したことに基づいて前記特典遊技が実行されるまでの期間と、が同一となるように前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機AA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選される第1抽選が実行され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、始動口に可動部材を設け、始動ゲートを遊技球が通過した場合に実行される第2抽選で当たりに当選した場合に、可動部材を可動させることで、始動口に遊技球が入球し易くするものがある。そして、第1抽選の抽選結果を遊技者に示唆するための第1示唆演出と、第2抽選の抽選結果を遊技者に示唆するための第2示唆演出と、を実行可能に構成されたものがある(例えば、特開2011−115411号公報)。このような遊技機では、第1示唆演出、および第2示唆演出を実行することで、遊技者に対して、第1抽選と、第2抽選との何れにも期待感を持たせながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができた。
しかしながら、第1示唆演出と第2示唆演出とで実行される演出の演出態様が異なるため、遊技者に遊技状況が判別され易くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機AA1によれば、どの実行条件が成立した場合であっても、演出実行手段により演出が実行されてから特典遊技が実行されるまでの期間を同一とすることができるため、遊技者に対して実行される特典遊技がどの実行条件の成立に基づくものなのかを分かり難くすることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA1において、前記演出実行手段により、前記判定手段の判定結果が前記特定の判定結果であることを示す第2情報を報知するための演出が実行された後に、前記第2実行条件が成立し得ない場合に、特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機Z2によれば、演出実行手段により演出が実行された後に、特典遊技が実行され得ない状態となった場合に特殊演出を実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機AA1からAA2において、遊技球が流下可能な遊技領域と、発射強度を可変可能であり、前記遊技領域へと遊技球を到達させることが可能な発射手段と、を有した遊技機において、前記遊技領域は、少なくとも、前記発射手段により一の発射強度で発射された遊技球が流下可能な第1遊技領域と、前記一の発射強度とは異なる所定の発射強度で発射された遊技球が流下可能な前記第1遊技領域とは異なる第2遊技領域と、を有し、前記第1遊技領域には、遊技球が入球することにより前記第1判別条件が成立する第1入球手段と、遊技球が入球することにより前記判定条件が成立する特定入球手段と、が配置され、前記第2遊技領域には、前記可変入球手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、遊技球が入球し難い第1状態から、その第1状態よりも遊技球が入球し易い第2状態へと可変可能な前記特定可変入球手段とが配置されるものであり、前記演出実行手段は、前記所定の発射強度で遊技球を発射させるための発射可変報知を含む演出態様で前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、演出実行手段により実行される演出に基づいて発射強度を可変させるための報知が実行されるため、発射強度を可変させるタイミングも同一にすることができる。よって、特定遊技の実行契機をより分かり難くすることができるという効果がある。
遊技機AA3において、前記第2遊技領域を流下する遊技球が前記可変入球手段に到達するまでに要する第1期間と、前記第2遊技領域を流下する遊技球が前記特定可変入球手段に到達するまでに要する第2期間と、を異ならせたことを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA3の奏する効果に加え、第2遊技領域を流下する球が第可変入球手段に入球するタイミングと、特定可変入球手段に入球するタイミングとが異なるため、第2遊技領域を流下する遊技球が可変入球手段に入球するか、特定可変入球手段に入球するかを、順を追って確認することが可能となる。よって、遊技球の流下状況をより楽しませることができるという効果がある。
遊技機AA1からAA4のいずれかにおいて、前記第1判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な動的表示手段を有し、前記特典遊技実行手段は、前記動的表示手段により動的表示される前記識別情報が、前記特定の判別結果を示す特定の表示態様で停止表示された場合に前記特典遊技を実行するものであり、前記演出実行手段は、前記動的表示手段が前記識別情報を動的表示させている期間中に、前記演出を実行するものであることを特徴とする遊技機AA5。
<特徴AB群>(1回の電チュー開放で実行可能な特図変動回数を増加させる期間を設ける)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、所定の実行条件が成立した場合に、前記可変入球手段を前記第1状態へと所定期間可変可能な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて成立し得る判別条件が成立した場合に、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、前記動的表示実行手段により動的表示された前記識別情報が、特定の表示態様で停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、前記特定遊技により前記可変入球手段が前記第1状態へと可変される所定期間よりも短い短動的表示期間が設定され易い特定期間を設定可能な特定期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機AB1。
遊技機AB1によれば、特定期間設定手段により、特定期間が設定されると、1回の特定遊技が実行される期間よりも短い動的表示期間が設定され易くなる。これにより、1回の特定遊技期間中に、判別手段の判別を複数回実行させることが可能となる。遊技者に対して特定期間が設定されることを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AB1において、所定の第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果を示すための第2識別情報を所定期間動的表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により実行される前記第2識別情報の動的表示期間として、複数の動的表示期間の中からいずれかの動的表示期間を設定可能な第2動的表示期間設定手段と、を有し、前記所定の実行条件は、前記第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が特定の第2判別結果である場合に成立するものであり、前記第2動的表示期間設定手段により、第1期間の動的表示期間が設定可能な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも、前記第1期間より長い第2期間が設定され易い第2遊技状態と、を少なくとも設定可能な状態設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、第1遊技状態のほうが第2遊技状態よりも、単位時間当たりの判定手段による判定回数を増加させることができるという効果がある。
遊技機AB1またはAB2において、前記遊技状態設定手段は、第1遊技状態として、第1期間の間設定可能な有利第1遊技状態と、その有利第1遊技状態よりも短い第2期間の間設定可能な不利第1遊技状態と、を少なくとも設定可能とするものであり、前記有利第1遊技状態が設定される場合ほうが前記不利第1遊技状態が設定される場合よりも前記実行条件が成立し易いものであることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB1またはAB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が長い期間設定されるほうが、特殊遊技を実行し易くすることができるため、長い期間第1遊技状態が設定されたにも関わらず第1遊技状態中に特典遊技が実行されない遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機AB1からAB3のいずれかにおいて、所定の移行条件が成立するかを判別可能な移行条件判別手段を有し、記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において、所定の移行条件が成立した場合に、前記第2遊技状態を設定するものであり、前記移行条件判別手段により特定の移行条件が成立すると判別された場合に、前記実行条件が成立するものであることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB1からAB3のいずれかの奏する効果に加え、特定の移行条件が成立し、第1遊技状態が終了する場合において、特殊遊技を実行することができるため、遊技者に対して最後まで意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AB4において、前記特定の移行条件が成立することを示唆する示唆演出を、前記第1遊技状態が設定されている間に実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1またはAB2の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されている間に特定の移行条件が成立することを示唆する示唆演出が実行されるため、示唆演出が実行された場合に、遊技者に安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴BA群> (電源復帰状態終了時にBGMをリセットする)
所定の電力を供給可能な電力供給手段と、その電力供給手段により前記電力が供給されたことを示すための報知を実行可能な報知手段と、その報知手段により実行される前記報知が終了した後に、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、所定期間の音声データに基づいた音声を出力可能な音声出力手段と、を有する遊技機において、前記音声出力手段は、前記報知手段により前記報知が実行される報知期間中に前記音声データの開始位置から前記音声を出力し、前記演出実行手段により前記演出が実行される場合に前記音声データの所定位置から前記音声を出力するものであることを特徴とする遊技機BA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動時間後、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、所定の変動時間中に電源が落ちた場合は変動時間の減算を停止し、電源投入後に復帰画面を表示すると共に、停止した変動時間の減算を再開するものがある(例えば、特開2016−005505号公報)。このような遊技機では、復帰画面を表示することにより電源が投入されたことを遊技者に分かり易く報知することができるものであったが、電源が復帰したことを強調して報知する分、変動時間の減算が再開されたことを分かり易く報知することができないという問題があった。上記した遊技機において、電源復帰時の遊技状況をより分かり易く遊技者に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BA1によれば、電源が供給されたことを示すための報知が実行されている間にも、所定の演出が実行されている期間中に出力される音声を出力可能に構成しているため、電源が供給されたことを報知する期間と、その後の期間とに関連性を持たすことができるという効果がある。また、電源が供給されたことを示すための報知が終了し、所定の演出が開始されるタイミングにて、所定期間の音声データに基づいた音声が、音声データの特定位置から出力されるように構成しているため、電源が供給されたことを示すための報知が終了した期間後に実行される演出に対応した内容で音声を出力することができる。よって、遊技者に違和感を与えること無く音声を出力することができるという効果がある。
なお、上述した遊技機BA1を用いる場合は、電源が断された時点で特図変動が実行されているか否かを判別する判別手段と、その判別結果を電源が断されている所定期間の間記憶可能な記憶手段と、をさらに設け、電源が供給された場合において、特図変動中に電源が断されたと判別した場合には、電源が供給されたことを報知する報知期間中に、特図変動中に出力されるBGMを出力するように構成すると良い。これにより、電源が供給されたことを示すための報知が実行されている間に、特図変動が実行されていることを音声を用いて遊技者に報知することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
また、電源が供給されたことを報知する期間を、パチンコ機10の各種制御装置に対して立ち上げ処理が終了するまでの間、継続して設定するように構成すると良い。このように構成することにより、電源が供給されたことを報知する期間を短くすることができる。なお、特図変動中に電源が断された場合や、電源が供給されたことを報知する期間中に特図変動が開始された場合では、電源が供給されたことを報知する期間が終了し、通常の表示画面となるタイミングを、特図変動が跨ぐ可能性がある。この場合、通常の表示画面が表示される時点から、実行中の特図変動が終了するまでの期間を判別し、その判別結果に基づいた変動演出(残変動時間対応演出)を設定するように構成すると良い。これにより、特図変動の抽選結果を示唆する示唆演出を遊技者に分かり易く実行することができる。
なお、残変動時間の判別結果が所定時間以内(例えば1秒以内)である場合は、電源が供給されたことを報知する演出の終了タイミングを所定時間(1秒)遅延させるように構成すると良い。これにより、遊技者が識別困難となる短期間のみの残変動時間対応演出が実行されることを抑制することができるため遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<特徴BB群> (ボタン操作時の図柄変動速度に応じて背景変更タイミングを異ならせる)
所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別状態が特定の表示態様で停止表示したことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様を可変させる演出態様可変手段と、その演出態様可変手段により可変された前記演出態様に対応する演出を実行可能な演出実行手段と、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたことが判別された場合における前記識別情報の動的表示速度に基づいて、前記演出態様を可変させるタイミングを設定する可変タイミング設定手段と、を有するものであることを特徴する遊技機BB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動時間後、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を設け、その操作手段に対する遊技者の操作内容に基づいて、各種演出を設定するものもあった(例えば、特開2016−18274号公報)。このような遊技機では、操作演出を実行することにより、遊技者が操作手段を操作するか否かの操作結果に応じて演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して操作手段を意欲的に操作させることができる、即ち、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるものであったが、遊技者が遊技に参加した場合(操作演出において操作手段を操作した場合)に実行される演出態様が乏しくなるため、より多彩な演出態様を設定可能にし、演出効果を高めることが望まれていた。
遊技機BBによれば、遊技者が操作手段を操作したタイミングにおける識別情報の変動速度に応じて演出態様を異ならせることが出来るため、多彩な演出を提供することができる。なお、上述した遊技機BBにおいて、演出態様可変手段により可変される演出態様としては、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される背景モードの表示態様が考えられる。これにより、識別情報の動的表示速度に応じて、背景モードを可変設定させるタイミングを可変することができる。よって、例えば、識別情報の動的表示速度が遅い状態、即ち、特別図柄の抽選結果が停止表示される直前の状態において背景モードが可変設定されることを抑制することができる。
また、遊技者に対して、現在の識別情報の動的表示速度を報知するための報知手段を設けると良い。これにより、演出態様を可変させるために操作手段を操作する場合に、直後に演出態様が可変するか否かを遊技者が判別することができる。さらに、遊技者が演出態様を可変させるために操作手段を操作してから演出態様が可変するまでの期間が所定期間以上である場合には、所定期間経過後に演出態様が可変することを遊技者に示すコメントを表示するように構成すると良い。これにより、演出態様を可変させるための操作を実行した場合に、その操作を遊技機が受け付けているか否かを遊技社に容易に把握させることができる。
さらに、操作手段を操作してから演出態様を可変させるまでに所定期間以上の間隔を設ける場合には、例えば、次の特図変動が実行されるタイミングまでが上述した所定期間となるように構成すると良い。このように構成することで、特図抽選の抽選結果を示すための識別情報の動的表示が実行されていない状態で演出態様を可変させることができる。
<特徴BC群> (ボタン操作タイミングと、操作回数に応じて発展演出を切り替える)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記所定の操作が行われたと判別されたタイミングを判別可能な操作タイミング判別手段と、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたと判別された回数を計測可能な操作回数計測手段と、前記操作タイミング判別手段の判別結果と、前記操作回数計測手段の計測結果と、に基づいて演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機BC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、所定の変動時間後、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を設け、その操作手段に対する遊技者の操作内容に基づいて、各種演出を設定するものもあった(例えば、特開2016−18274号公報)。このような遊技機では、操作手段に対する操作内容或いは操作回数に基づいて演出態様を設定するように構成されている。このように構成された遊技機では、操作手段への操作内容に応じて多彩な演出態様を設定することが困難となるため、演出効果を高めることができるものであったが、より多彩な演出態様を設定可能な遊技機が求められていた。
遊技機BC1によれば、操作手段に対する操作タイミングと、操作回数との両方に基づいて演出態様を可変させることができるため、より多彩な演出を設定することができ、演出効果を高めることができる。
なお、遊技機BC1の構成を有する遊技機において、複数回の操作手段への操作に対応して演出態様が可変する連続操作演出を実行可能に構成し、連続操作演出が実行されている期間のうち、所定回数目の操作タイミングに応じて、以降の連続操作演出の演出態様可変タイミングを設定するように構成すると良い。具体的には、連続操作演出が実行されている期間のうち1回目の操作手段への操作タイミングに基づいて、2回目以降の操作手段への操作に対する演出態様の可変され易さを異ならせるように構成すること良い。このように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く、様々な演出態様を設定することができる。
さらに、この場合、1回目の操作手段への操作タイミングに関わらず、1回目の操作手段への操作に対して設定される演出態様を同一に設定すると良い。これにより、1回目の操作手段への操作タイミングの違いを遊技者に分かり難くすることができる。
加えて、連続操作演出が終了した状態において表示されている連続操作演出の演出態様に応じて、連続操作演出後に実行される演出態様を可変させるように構成しても良い。これにより、遊技者に対して連続操作演出に意欲的に参加させることができる。また、特図変動に基づいて連続操作演出を実行可能に構成し、連続操作演出後に実行される演出態様を、連続操作演出の演出結果と、特図変動の抽選結果とに基づいて設定するように構成しても良いし、特図変動の抽選結果と、連続操作演出期間中の所定回数目(例えば、1回目)の操作タイミングと、に基づいて、連続操作演出の演出態様可変条件(操作手段の操作回数や、操作方法等)を設定するように構成しても良い。
<特徴BD群> (液晶に表示される保留数表示を、実際の保留球数に同期させる状態と、同期させない状態とを設ける)
取得条件の成立に基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判別条件の成立を契機に判別を実行する判別手段と、前記取得手段により取得された前記情報を、少なくとも当該情報に対する前記判別条件が成立するまで、第1の所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の演出を複数回実行可能な演出実行手段と、所定の数を示すための表示態様を表示手段に表示させる態様表示手段と、を有し、前記態様表示手段は、第1条件が成立している場合には、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数を示すための第1態様を前記表示態様として前記表示手段に表示させるものであり、前記第1条件とは異なる第2条件が成立している場合には、前記演出実行手段により実行される前記演出の回数を示すための第2態様を前記表示態様として前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機BD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選を実行する権利を複数個記憶可能に構成し、効率良く遊技が行われるようにするものであった。そして、抽選を実行する権利(保留)を複数個記憶可能に構成された遊技機においては、記憶されている保留個数を遊技者に示すための保留図柄を表示するものがあった。(例えば、特開2016−18274号公報)。このような遊技機では、現在の保留数を遊技者が容易に把握することができるため、保留数に基づいて遊技内容を決定することができ、効率の良い遊技を行うことができる。また、記憶されている保留に対して、実際に抽選が実行されるよりも前の時点で、事前に抽選結果を判別する機能を持たせ、且つ、記憶されている保留数が特定数となった場合に、その特定数の保留に対応する抽選が実行される期間を利用して一連の演出(連続演出)を実行するものがあった。このような連続演出では、複数の保留に対する事前判別の結果を一連の演出を用いて実行することができるため、1回の抽選結果に基づく演出よりも、対象となる抽選の中に当たりが含まれる可能性を高くすることができ、遊技者に演出を注視させることができるものであって。しかしながら、上述した遊技機では、連続演出が実行されている期間中に新たな保留を獲得した場合に、連続演出の対象となる保留を示す保留図柄に、新たな保留に対応する保留図柄を追加して表示することになるため、どの保留図柄までが連続演出の対象であるのかを遊技者が判別し難くなってしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、演出の対象となる保留図柄を分かり易く遊技者に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BD1によれば、表示手段に表示される記憶数を示す表示態様が、成立する条件に応じて記憶手段に記憶されている記憶数を表示する場合と、演出の回数を示す情報を表示する場合とに可変設定することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
さらに、遊技機BD1の構成を有する遊技機においては、記憶手段に記憶されている記憶数を常時表示可能な第2表示手段を、表示手段とは異ならせて設けると良い。これにより、遊技の結果に影響を与える記憶手段の記憶数を遊技者に確実に報知することができる。なお、この場合、第2表示手段を、上述した表示手段の近傍(例えば、同一の液晶表示装置内)に設けても良いし、LED等の発光手段の発光態様によって報知するように構成しても良い。
また、表示手段にて演出の回数を示す情報が表示されている期間中において第2表示手段にて記憶手段に記憶されている記憶数を表示するように構成しても良い。さらに、第2表示手段は、表示手段よりも目立たないように構成すると良い。このように構成することで、遊技者を表示手段に表示されている表示態様に注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
加えて、表示手段が演出の回数を示す情報を表示する場合には、演出期間中に実行される判別回数に対応する記憶手段の記憶数を表示するように構成しても良いし、演出期間の長さに基づく表示(例えば、30秒につき1つ表示)を行うように構成しても良い。また、演出期間中に第3図柄が停止(仮停止含む)する回数を示す表示を用いても良い。
<特徴BE群> (背景変更した場合にのみ実行される予告演出)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様を可変させる演出態様可変手段と、その演出態様可変手段により可変された前記演出態様に応じた演出を実行する演出実行手段と、前記演出態様可変手段により前記演出態様が可変される可変タイミングが特定条件を満たす場合に、特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段と、を有するものであることを特徴する遊技機BE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、その抽選結果が当たりであることを遊技者に期待させながら遊技を行わせるための示唆演出を実行するものがあった。そして、その示唆演出の演出態様のバリエーションを増加させるために、示唆演出が実行されるモードを可変可能に構成するものがあった(例えば、特開2010−213999号公報)。さらに、遊技者が操作手段を操作したことに基づいて示唆演出が実行されるモード(背景)を可変させるものもあった。このような遊技機では、設定されるモードに応じて、専用の示唆演出が実行されるようにすることで、遊技者に対して多彩な演出を提供することにより、演出効果を高めることができるものであったが、各モードに応じた専用演出を見た後には遊技者が意欲的に操作手段を操作し、モードを可変させる意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者に意欲的にモード変更を行わせることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BE1によれば、演出態様が可変される際に専用の演出を実行可能に構成しているため、各モードが設定されている期間中に長期間の遊技を行ったとしても体験することのできない演出を、モード切替タイミングにて実行することが可能となる。よって、様々な演出を体験しようとする遊技者に対して、意欲的に操作手段の操作を行わせることができる。
<特徴BF群> (現在のモードを報知する期間と、報知しない期間を設け、報知しない期間であってもボタン操作によって現在モードを把握可能にする)
複数の演出モードのうち何れかの演出モードを設定可能なモード設定手段と、そのモード設定手段により設定された前記演出モードに対応した演出を実行可能な演出実行手段と、前記モード設定手段により設定された演出モードを報知可能な演出モード報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、を有し、演出モード報知手段は、所定の第1期間、或いは、前記第1期間とは異なる第2期間中であって前記操作判別手段により前記操作手段に対して所定の操作が行われたことが判別された場合に、前記モード設定手段により設定された前記演出モードを示すための情報を報知するものであることを特徴とする遊技機BF1。遊技機BF1によれば、演出モードを報知する期間と、報知しない期間とを設定し、報知しない期間であっても操作手段への操作に基づいて演出モードを報知することができるようになる。よって、遊技者に対して演出モードを把握しようと意欲的に操作手段を操作させることができる。なお、この場合、第2期間中であって操作手段に対して所定の操作が行われていない場合は、遊技に関する別の情報を報知するように構成すると良く、例えば、識別情報の動的表示速度や、判別手段の判別結果を示唆する示唆情報を報知するように構成すると良い。これにより、第2期間中は、遊技者が所望する遊技情報を遊技者の操作手段への操作に基づいて選択することができる。
<特徴BG群> (ボタンバイブのステップアップ)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、前記操作手段を振動させることが可能な振動手段と、その振動手段により前記操作手段を振動させる振動量を異なる振動量に可変させることが可能な振動量可変手段と、前記操作判別手段の判別結果に基づいて前記振動量可変手段により前記振動量を可変させることが可能な可変期間を設定する期間設定手段と、その期間設定手段により前記可変期間が設定されていることを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BG1。遊技機BG1によれば、操作手段の振動量が可変することを示唆する示唆演出が実行されるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができる。
<特徴BH群> (ボタンの色で図柄変動の速度を報知)
所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別状態が特定の表示態様で停止表示したことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて所定の演出を実行可能な操作演出実行手段と、前記操作手段の態様を可変可能な態様可変手段と、を有し、前記態様可変手段は、前記動的表示実行手段により動的表示される前記識別情報の動的表示速度が、第1速度からその第1速度よりも遅い第2速度へと可変した場合に前記態様を可変するものであることを特徴とする遊技機BH1。遊技機BH1によれば、操作手段の態様によって、識別情報の動的表示速度を把握することができる。
<特徴BI群> (停止図柄の組合せ次第で背景が変わる)
所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合には、前記識別情報を特定の表示態様で停止表示させ、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果以外である場合には、前記識別情報を特定の表示態様とは異なる所定の表示態様で停止表示させる停止表示手段と、その停止表示手段により前記識別情報が前記特定の表示態様で停止表示されたことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、を有する遊技機において、前記停止表示手段は、前記所定の表示態様として複数の表示態様を停止表示させることができるものであり、前記停止表示手段により停止表示された前記所定の表示態様に基づいて演出態様を可変させる演出態様可変手段と、その演出態様可変手段により可変された前記演出態様に対応した演出を実行可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BI1。遊技機B11によれば、識別情報が所定の識別情報で停止表示されたとしてもその表示態様に注視させることができる。なお、この場合、遊技者が所定の停止表示態様で識別情報を停止表示させる場合に、その停止表示態様を選択できるように構成すると良い。具体的には、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで複数の停止表示態様の中から一の停止表示態様を選択できるように構成すると良い。
<特徴BJ群> (役物動作の準備駆動での先ばれ防止)
所定の演出表示が実行される表示手段と、所定の演出シナリオに基づいて前記表示手段に前記演出表示を実行させる演出表示制御手段と、所定の演出動作が実行される可動手段と、前記所定の演出シナリオに基づいて前記可動手段に前記演出動作を実行させる演出動作制御手段と、前記演出シナリオとして、複数の演出シナリオから一の演出シナリオを設定可能な演出シナリオ設定手段と、を有し、前記可動手段は、少なくとも、第1位置から、その第1位置とは異なる第2位置へと可動可能に構成されるものであり、前記可動手段を前記演出動作の初期位置へと可動させる準備可動を実行可能な準備可動制御手段を有し、前記準備可動制御手段は、前記演出シナリオに基づいて前記演出表示制御手段により前記演出表示が実行されるよりも前に前記準備可動を実行するものであることを特徴とする遊技機BJ1。遊技機BJ1によれば、予め準備可動を行うことで、確実に演出シナリオに基づいた演出を実行することができる。さらに、演出シナリオに基づく演出動作とは別に準備可動制御を行うように構成しているため、演出動作が実行される場合と、実行されない場合との何れの場合でも準備可動を行うことができるため、可動手段が準備可動をしたとしても演出動作が実行されるか否かを遊技者に分かり難くすることができる。
<特徴BK群> (役物の動作状態に応じて先読み結果を差し替える)
取得条件の成立に基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記識別情報が特定の表示態様で停止表示した場合に特典が付与される遊技機において、前記取得手段により取得された前記情報を、少なくとも当該情報に対する前記判別が実行されるまで、第1の所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を、当該情報に基づく前記識別情報の動的表示が開始されるまでに事前判別可能な事前判別手段と、その事前判別手段による前記事前判別の結果に基づいて特定演出の演出態様を設定可能な演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様に対応する前記特定演出を所定のタイミングで実行可能な特定演出実行手段と、その特定演出実行手段が前記特定演出を実行するタイミングにおいて特定条件が成立している場合に、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記演出態様設定手段により設定された前記演出態様とは異なる差替演出態様を設定する演出態様差替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BK1。遊技機BK1によれば、事前判別手段の判別結果に基づいて設定された演出態様を、差替演出態様に差し替えることができるため、状況に応じた演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。なお、この場合、演出態様設定手段が設定可能な演出態様として、所定の範囲を可動可能な可動手段の可動態様を用い、その可動手段の位置情報に基づいて演出態様差替手段により演出態様を差し替えるように構成すると良い。具体的には、可動手段の位置情報が可動態様を実行困難な位置、例えば、可動態様の初期位置とは異なる位置を示す位置情報を取得した場合に、演出態様差替手段により、可動手段を用いることの無い演出態様、例えば、表示手段のみを用いた演出態様を差替演出態様として設定するように構成すると良い。また、上述した可動手段を遊技者が操作可能な操作手段への操作に基づいて可動させる可動制御手段を設け、演出効果を高めた遊技機に上述した技術思想を用いることにより、演出態様差替手段に効果がより顕著に表れる。
<特徴BL群> (デモ中操作有効期間の設定タイミングを、遊技状態に応じて異ならせる)
所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間として第1期間が設定され易い第1遊技状態と、前記第1期間よりも短い動的表示期間である第2期間が設定され易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、前記動的表示実行手段による前記識別情報の動的表示が実行されていない状態で、所定の待機条件が成立している場合に待機状態を設定する待機状態設定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて所定の演出を実行可能な操作演出実行手段と、前記操作判別手段が前記操作手段に対して所定の操作が行われたこと有効に判別可能な操作有効期間を設定する有効期間設定手段と、を有し、前記有効期間設定手段は、前記遊技状態設定手段により前記第2期間が設定される場合のほうが、前記第1期間が設定される場合よりも、前記待機状態が設定されてから前記有効期間を設定するまでの期間が長くなるように前記有効期間の開始タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機BL1。遊技機BL1によれば、設定されている遊技状態に応じて操作手段への操作を有効に判別する操作有効期間の設定タイミングを異ならせることができるため、不用意に操作が実行されてしまうことを抑制することができる。また、操作有効期間が設定されたことを遊技者に報知するための報知手段を設けた場合においては、頻繁に報知手段による報知が行われてしまうことを抑制することができる。加えて、第2遊技状態が設定されている間は、判別手段による判別が実行され易くなるように構成すると良い。これにより、第2遊技状態を第1遊技状態よりも有利な遊技状態とすることができる。この場合、第2遊技状態中に待機状態が設定されたとしても短期間で待機状態を終了させることができる。
<特徴BM群>
遊技機に対して電力を供給可能な電力供給手段と、その電力供給手段による前記電力の供給が開始されたことに基づいて、所定の報知を実行可能な報知手段と、その報知手段により実行される前記報知が終了したことに基づいて、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記電力供給手段による前記電力の供給が開始されたことに基づいて、所定の音声データを再生可能な再生手段と、その再生手段により再生された前記音声データに対応する音声を出力可能な音声出力手段と、を有する遊技機において、前記再生手段により再生される前記音声データの再生開始位置として、前記報知手段による前記報知の態様に応じた再生開始位置を設定する再生開始位置設定手段を備えることを特徴とする遊技機BM1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、電源投入時に電源が投入されたことを遊技者に報知するための初期画面を表示するものがある(例えば、特開2016−005505号公報)。このような遊技機では、電源投入時の遊技状況をより分かり易くすることが求められていた。上記した遊技機において、遊技者に分かり易い遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BM1によれば、遊技機に対して電力を供給可能な電力供給手段と、その電力供給手段による前記電力の供給が開始されたことに基づいて、所定の報知を実行可能な報知手段と、その報知手段により実行される前記報知が終了したことに基づいて、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記電力供給手段による前記電力の供給が開始されたことに基づいて、所定の音声データを再生可能な再生手段と、その再生手段により再生された前記音声データに対応する音声を出力可能な音声出力手段と、を有するものであり、前記再生手段により再生される前記音声データの再生開始位置として、前記報知手段による前記報知の態様に応じた再生開始位置を設定する再生開始位置設定手段を備える。これにより、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
遊技機BM1において、前記再生開始位置設定手段は、前記報知の終了タイミングに合わせて前記音声データの末尾の再生位置が再生されるように前記再生開始位置を設定するものであることを特徴とする遊技機BM2。
遊技機BM2によれば、遊技機BM1の奏する効果に加え、音声をより好適に出力することができるという効果がある。
遊技機BM1またはBM2において、前記再生手段は、少なくとも前記所定の演出が終了するまでの間、前記音声データを繰り返し再生するものであることを特徴とする遊技機BM3。
遊技機BM3によれば、遊技機BM1またはBM2の奏する効果に加え、前記再生手段は、少なくとも前記所定の演出が終了するまでの間、前記音声データを繰り返し再生するので、音声をより好適に出力することができるという効果がある。
遊技機BM1からBM3のいずれかにおいて、前記電力供給手段による前記電力の供給が開始されたことに基づいて、前記所定の演出の実行条件が成立しているか否かを判別する実行判別手段を備え、前記再生手段は、前記実行判別手段により前記実行条件が成立していると判別されたことに基づいて、前記音声データを再生するものであることを特徴とする遊技機BM4。
遊技機BM4によれば、遊技機BM1からBM3のいずれかの奏する効果に加え、前記電力供給手段による前記電力の供給が開始されたことに基づいて、前記所定の演出の実行条件が成立しているか否かを判別する実行判別手段を備え、前記再生手段は、前記実行判別手段により前記実行条件が成立していると判別されたことに基づいて、前記音声データを再生するものであるので、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができるという効果がある。
<特徴BN群>
所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別情報が特定の表示態様で停止表示したことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、を有する遊技機において、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示速度として、少なくとも第1速度と、その第1速度よりも遅い第2速度とを設定可能な速度設定手段と、前記操作判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に、前記第1速度で前記識別情報を動的表示させる第1期間を短縮させる期間短縮手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BN1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BN1によれば、所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別状態が特定の表示態様で停止表示したことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて演出態様を可変させる演出態様可変手段と、その演出態様可変手段により可変された前記演出態様に対応する演出を実行可能な演出実行手段と、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたことが判別された場合における前記識別情報の動的表示速度に基づいて、前記演出態様を可変させるタイミングを設定する可変タイミング設定手段と、を有するものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BN1において、前記動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示されている期間中に所定の演出を実行可能な演出実行手段を有し、前記演出実行手段は、前記速度設定手段により設定される前記識別情報の動的表示速度に応じて異なる演出を実行するものであることを特徴とする遊技機BN2。
遊技機BN2によれば、遊技機BN1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示速度に応じて異なる演出が実行されるため、遊技者に対して積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN2において、前記操作手段とは異なる第2操作手段と、その第2操作手段に対して所定の第2操作が行われたことを判別可能な第2操作判別手段と、前記第1期間が設定されている状態で前記第2操作が行われた場合に特定の演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BN3。
遊技機BN3によれば、遊技機BN2の奏する効果に加え、第1期間中に操作手段を操作するか、第2操作手段を操作するかを遊技者に選択させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BO群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、所定の第1期間内に、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたと判別された操作タイミングを判別可能な操作タイミング判別手段と、前記操作タイミング判別手段の判別結果に基づいて、前記第1期間よりも後に設定される第2期間中の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記演出態様設定手段により設定される前記第2期間中の演出態様を示唆する示唆演出を、前記第1期間中に実行するものであることを特徴とする遊技機BO1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BO1によれば、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、所定の第1期間内に、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたと判別された操作タイミングを判別可能な操作タイミング判別手段と、前記操作タイミング判別手段の判別結果に基づいて、前記第1期間よりも後に設定される第2期間中の演出態様を設定する演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記演出態様設定手段により設定される前記第2期間中の演出態様を示唆する示唆演出を、前記第1期間中に実行するものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BO1において、前記第1期間内に前記所定の操作が行われたと判別された判別回数を計測する計測手段を有し、前記演出態様設定手段は、前記計測手段により計測された前記判別回数が特定回数となる前記操作タイミングに基づいて前記第2期間中の演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機BO2。
遊技機BO2によれば、遊技機BO1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示速度に応じて異なる演出が実行されるため、遊技者に対して積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BO2において、前記演出実行手段は、前記計測手段により計測された前記判別回数が前記特定回数よりも少ない所定回数である場合に、前記演出態様設定手段により設定される前記第2期間中の演出態様を示唆しない統一演出を実行するものであることを特徴とする遊技機BO3。
遊技機BO3によれば、遊技機BO2の奏する効果に加え、第2期間に設定される演出態様が遊技者に早期に把握されてしまうことを抑制することができる。よって、演出効果を高めることが出来るという効果がある。
<特徴BP群>
取得条件の成立に基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判別条件の成立を契機に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記取得手段により取得された前記情報を、少なくとも当該情報に対する前記判別条件が成立するまで、第1の所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の表示態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に表示させる表示態様として、前記記憶手段に記憶されている前記情報の情報数が前記第1の所定数以下の第2の所定数になったことに基づいて、特定の表示態様を表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により前記特定の表示態様が表示された時点で前記記憶手段に記憶されていた前記情報のうち、前記第2の所定数以下の第3の所定数の前記情報が少なくとも前記判別手段による判別に用いられたことに基づいて、前記特定の表示態様の表示を終了させる態様終了手段と、を備えることを特徴とする遊技BP1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BP1によれば、取得条件の成立に基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判別条件の成立を契機に判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記取得手段により取得された前記情報を、少なくとも当該情報に対する前記判別条件が成立するまで、第1の所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の表示態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に表示させる表示態様として、前記記憶手段に記憶されている前記情報の情報数が前記第1の所定数以下の第2の所定数になったことに基づいて、特定の表示態様を表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により前記特定の表示態様が表示された時点で前記記憶手段に記憶されていた前記情報のうち、前記第2の所定数以下の第3の所定数の前記情報が少なくとも前記判別手段による判別に用いられたことに基づいて、前記特定の表示態様の表示を終了させる態様終了手段と、を備えるものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BP1において、前記表示手段に対して、前記特定の表示態様の終了までに実行される残りの前記判別手段の判別回数を示唆する回数示唆態様を表示させる第2表示制御手段を備えるものであることを特徴とする遊技機BP2。
遊技機BP2によれば、遊技機BP1の奏する効果に加え、前記表示手段に対して、前記特定の表示態様の終了までに実行される残りの前記判別手段の判別回数を示唆する回数示唆態様を表示させる第2表示制御手段を備えるので、遊技者にとってより分かり易い表示態様を実現することができるという効果がある。
遊技機BP2において、前記特定の表示態様が表示されていない場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報の情報数を示唆する情報数示唆態様を、前記回数示唆態様と区別し難い態様で表示させる第3表示制御手段を備えるものであることを特徴とする遊技機BP3。
遊技機BP3によれば、遊技機BP2の奏する効果に加え、前記特定の表示態様が表示されていない場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報の情報数を示唆する情報数示唆態様を、前記回数示唆態様と区別し難い態様で表示させる第3表示制御手段を備えるので、回数示唆態様の意味を遊技者に対して容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機BP2またはBP3において、前記第2表示制御手段は、前記特定の表示態様が表示されている間に前記記憶手段に対して新たな前記情報が記憶された場合に、予め定められた特定条件が成立していれば、前記回数示唆態様により示唆される回数を増加させるものであることを特徴とする遊技機BP4。
遊技機BP4によれば、遊技機BP2またはBP3の奏する効果に加え、前記第2表示制御手段は、前記特定の表示態様が表示されている間に前記記憶手段に対して新たな前記情報が記憶された場合に、予め定められた特定条件が成立していれば、前記回数示唆態様により示唆される回数を増加させるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴BQ群>
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特定演出の種別を示唆することが可能な示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機BQ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BQ1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特定演出の種別を示唆することが可能な示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、を備える。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BQ1において、前記特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、前記特定演出の開始から少なくとも特定期間が経過した後で第1演出態様が実行される第1特定演出と、前記特定演出の開始から少なくとも前記特定期間が経過した後で前記第1演出態様とは異なる第2演出態様が実行される第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記示唆演出実行手段は、前記特定期間が経過するよりも前に前記特定条件が成立したことに基づいて、前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機BQ2。
遊技機BQ2によれば、遊技機BQ1の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、前記特定演出の開始から少なくとも特定期間が経過した後で第1演出態様が実行される第1特定演出と、前記特定演出の開始から少なくとも前記特定期間が経過した後で前記第1演出態様とは異なる第2演出態様が実行される第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記示唆演出実行手段は、前記特定期間が経過するよりも前に前記特定条件が成立したことに基づいて、前記示唆演出を実行するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BQ1またはBQ2において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記特定条件は、前記操作手段に対する操作が行われたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機BQ3。
遊技機BQ3によれば、遊技機BQ1またはBQ2の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記特定条件は、前記操作手段に対する操作が行われたことに基づいて成立するので、示唆演出を実行させたいと希望する遊技者に対して、積極的に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の好みに応じた演出態様を実現することができるという効果がある。
<特徴BR群>
複数の演出モードのうち何れかの演出モードを設定可能なモード設定手段と、そのモード設定手段により設定された前記演出モードに対応した演出を実行可能な演出実行手段と、前記モード設定手段により設定された前記演出モードを報知可能な演出モード報知手段と、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、前記演出モード報知手段による前記演出モードの報知が抑制される抑制期間を設定する抑制期間設定手段と、前記抑制期間の間に予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記演出モード報知手段に対して前記演出モードを報知させる報知制御手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機BR1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BR1によれば、複数の演出モードのうち何れかの演出モードを設定可能なモード設定手段と、そのモード設定手段により設定された前記演出モードに対応した演出を実行可能な演出実行手段と、前記モード設定手段により設定された前記演出モードを報知可能な演出モード報知手段と、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、前記演出モード報知手段による前記演出モードの報知が抑制される抑制期間を設定する抑制期間設定手段と、前記抑制期間の間に予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記演出モード報知手段に対して前記演出モードを報知させる報知制御手段と、を備えるものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BR1において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記演出実行手段により実行される演出の種別として、演出期間に含まれる特定期間の間に前記操作手段に対する第1の操作を検出したことに基づいて所定の演出態様が実行される特定演出を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する演出種別決定手段と、を備え、前記抑制期間設定手段は、少なくとも前記特定期間の間、前記抑制期間を設定するものであり、前記演出モード報知手段は、前記抑制期間とは異なる期間の間に前記操作手段に対する前記第1の操作を検出したことに基づいて前記演出モードを報知するものであることを特徴とする遊技機BR2。
遊技機BR2によれば、遊技機BR1の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段と、前記演出実行手段により実行される演出の種別として、演出期間に含まれる特定期間の間に前記操作手段に対する第1の操作を検出したことに基づいて所定の演出態様が実行される特定演出を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する演出種別決定手段と、を備え、前記抑制期間設定手段は、少なくとも前記特定期間の間、前記抑制期間を設定するものであり、前記演出モード報知手段は、前記抑制期間とは異なる期間の間に前記操作手段に対する前記第1の操作を検出したことに基づいて前記演出モードを報知するものである。これにより、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機BQ2において、前記第2条件は、前記操作手段に対して前記第1の操作とは異なる第2の操作が実行された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機BQ3。
遊技機BQ3によれば、遊技機BQ2の奏する効果に加え、前記第2条件は、前記操作手段に対して前記第1の操作とは異なる第2の操作が実行された場合に成立するので、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
<特徴BS群>
遊技者が操作可能な操作手段と、1の演出期間の間に、前記操作手段に対する操作を有効として扱う有効期間が設定される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記有効期間の間に前記操作手段に対する操作が行われたことに基づいて、特定の制御を実行する特定制御実行手段と、その特定制御実行手段により実行される特定の制御の種別として、第1制御と、第2制御と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する制御種別決定手段と、前記特定演出の種別として、1の前記有効期間において前記操作手段に対する特定回数の操作が行われた場合に、前記第1制御が実行され易い第1種別と、その第1種別よりも、前記特定回数の操作が行われた場合に前記第2制御が実行され易い第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する特定演出種別決定手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機BS1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特開2012−217766号公報)。このような遊技機では、更なる遊技の興趣向上が求められていた。上記した遊技機において、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BS1によれば遊技者が操作可能な操作手段と、1の演出期間の間に、前記操作手段に対する操作を有効として扱う有効期間が設定される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記有効期間の間に前記操作手段に対する操作が行われたことに基づいて、特定の制御を実行する特定制御実行手段と、その特定制御実行手段により実行される特定の制御の種別として、第1制御と、第2制御と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する制御種別決定手段と、前記特定演出の種別として、1の前記有効期間において前記操作手段に対する特定回数の操作が行われた場合に、前記第1制御が実行され易い第1種別と、その第1種別よりも、前記特定回数の操作が行われた場合に前記第2制御が実行され易い第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する特定演出種別決定手段と、を備える。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BS1において、前記特定演出は、前記有効期間の間における前記操作手段に対する操作回数と、前記制御種別決定手段により決定され易い制御の種別との対応関係が、前記特定演出の種別毎に予め定められているものであることを特徴とする遊技機BS2。
遊技機BS2によれば、遊技機BS1の奏する効果に加え、前記特定演出は、前記有効期間の間における前記操作手段に対する操作回数と、前記制御種別決定手段により決定され易い制御の種別との対応関係が、前記特定演出の種別毎に予め定められているので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BS1またはBS2において、前記第1制御は、前記操作手段を第1の振動強度で振動させるための制御であり、前記第2制御は、前記操作手段を前記第1の振動強度とは異なる第2の振動強度で振動させるための制御であることを特徴とする遊技機BS3。
遊技機BS3によれば、遊技機BS1またはBS2の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記操作手段を第1の振動強度で振動させるための制御であり、前記第2制御は、前記操作手段を前記第1の振動強度とは異なる第2の振動強度で振動させるための制御であるので、操作手段の振動強度を確認することで、特定演出の種別を容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機BS1からBS3のいずれかにおいて、前記特定演出は、前記有効期間の間における前記操作手段に対する操作回数と、前記制御種別決定手段により決定され易い制御の種別との対応関係が、前記特定演出の種別毎に予め定められているものであることを特徴とする遊技機BS4。
遊技機BS4によれば、BS1からBS3のいずれかの奏する効果に加え、表示態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に対して、1の特定演出の実行期間の間に前記特定制御実行手段により実行された制御の履歴を表示させる表示制御手段と、を備える。これにより、実行された特定演出の種別を遊技者に対して容易に理解させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴BT群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて所定の操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有する遊技機において、前記操作演出実行手段により実行される前記操作演出として、複数の前記操作演出から一の前記操作演出を設定する操作演出設定手段と、前記操作手段の態様を可変可能な態様可変手段と、を有し、前記態様可変手段は、前記操作手段の態様を、前記操作演出設定手段により設定される前記一の操作演出を示唆する態様に可変するものであることを特徴とする遊技機BT1。
ここで、従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。(例えば、特開2012−217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BT1によれば、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて所定の操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有するものであり、前記操作演出実行手段により実行される前記操作演出として、複数の前記操作演出から一の前記操作演出を設定する操作演出設定手段と、前記操作手段の態様を可変可能な態様可変手段と、を有し、前記態様可変手段は、前記操作手段の態様を、前記操作演出設定手段により設定される前記一の操作演出を示唆する態様に可変するものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BT1において、前記操作手段における遊技者が視認可能な領域を発光させる発光手段を有し、前記態様可変手段は、前記発光手段の発光態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機BT2。
遊技機BT2によれば、遊技機BT1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記操作手段における遊技者が視認可能な領域を発光させる発光手段を有し、前記態様可変手段は、前記発光手段の発光態様を可変させるものである。これにより、操作手段を操作しようとする遊技者に対して現在の状況を分かり易く報知することが出来るという効果がある。
遊技機BT1またはBT2において、所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別状態が特定の表示態様で停止表示したことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記操作演出設定手段は、前記識別情報が動的表示される期間中に異なる操作演出を設定可能なものであることを特徴とする遊技機BT3。
遊技機BT3によれば、遊技機BT1またはBT2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により動的表示された前記識別状態が特定の表示態様で停止表示したことに基づいて特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記操作演出設定手段は、前記識別情報が動的表示される期間中に異なる操作演出を設定可能なものである。
これにより、1回の動的表示期間中に異なる操作演出が設定されるため、遊技者に対して操作手段を操作するタイミングを楽しませることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BU群>
識別情報を表示可能な表示手段と、所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記動的表示の種別として、前記動的表示が開始されてから少なくとも特定期間が経過した後で第1態様が表示される第1動的表示種別と、前記特定期間が経過した後で前記第1態様とは異なる第2態様が表示される第2動的表示種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の態様を選択する態様選択手段と、前記識別情報の動的表示が開始されてから前記特定期間が経過するまでの間に特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、前記第1態様が表示されることを示唆可能な第1特定演出と、前記第2態様が表示されることを示唆可能な第2特定演出と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する特定演出種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BU1。
ここで、従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。(例えば、特開2012−217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BU1によれば、識別情報を表示可能な表示手段と、所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記動的表示の種別として、前記動的表示が開始されてから少なくとも特定期間が経過した後で第1態様が表示される第1動的表示種別と、前記特定期間が経過した後で前記第1態様とは異なる第2態様が表示される第2動的表示種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の態様を選択する態様選択手段と、前記識別情報の動的表示が開始されてから前記特定期間が経過するまでの間に特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、前記第1態様が表示されることを示唆可能な第1特定演出と、前記第2態様が表示されることを示唆可能な第2特定演出と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する特定演出種別決定手段と、を備える。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BU1において、前記特定演出実行手段は、1の前記特定演出の実行期間の間に、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示す外れ演出態様を複数回表示させることが可能に構成されているものであり、前記第1特定演出は、1の前記特定演出の実行期間の間に表示される前記外れ演出態様の組合せが第1の組合せとなるものであり、前記第2特定演出は、1の前記特定演出の実行期間の間に表示される前記外れ演出態様の組合せが前記第1の組合せとは異なる第2の組合せとなるものであることを特徴とする遊技機BU2。
遊技機BU2によれば、遊技機BU1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記特定演出実行手段は、1の前記特定演出の実行期間の間に、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示す外れ演出態様を複数回表示させることが可能に構成されているものであり、前記第1特定演出は、1の前記特定演出の実行期間の間に表示される前記外れ演出態様の組合せが第1の組合せとなるものであり、前記第2特定演出は、1の前記特定演出の実行期間の間に表示される前記外れ演出態様の組合せが前記第1の組合せとは異なる第2の組合せとなるものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴BV群>
所定の演出を実行させるための演出制御を実行可能な演出制御手段を有する遊技機において、前記演出制御手段は、前記演出の演出態様を設定するための演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示す演出情報を出力可能な出力手段と、を有するものであり、前記出力手段により出力された前記演出情報に基づいて、第1演出手段に対して所定の第1演出動作を実行させる第1演出制御手段と、前記出力手段により出力された前記演出情報に基づいて、前記第1演出手段とは異なる第2演出手段に対して所定の第2演出動作を実行させる第2演出制御手段と、を有し、前記第1演出制御手段は、前記出力手段により出力された前記演出情報に含まれる特定情報を前記第2演出制御手段へと出力可能な特定情報出力手段を有するものであることを特徴とする遊技機BV1。
ここで、従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。(例えば、特開2012−217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BV1によれば、所定の演出を実行させるための演出制御を実行可能な演出制御手段を有する遊技機において、前記演出制御手段は、前記演出の演出態様を設定するための演出態様設定手段と、その演出態様設定手段により設定された前記演出態様を示す演出情報を出力可能な出力手段と、を有するものであり、前記出力手段により出力された前記演出情報に基づいて、第1演出手段に対して所定の第1演出動作を実行させる第1演出制御手段と、前記出力手段により出力された前記演出情報に基づいて、前記第1演出手段とは異なる第2演出手段に対して所定の第2演出動作を実行させる第2演出制御手段と、を有し、前記第1演出制御手段は、前記出力手段により出力された前記演出情報に含まれる特定情報を前記第2演出制御手段へと出力可能な特定情報出力手段を有するものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BV1において、前記演出態様設定手段は、少なくとも前記第1演出動作と前記第2演出動作とを用いた重複演出態様を設定可能なものであり、前記出力手段は、前記重複演出態様を示す前記演出情報を前記第1演出制御手段に出力し、前記特定情報出力手段は、前記重複演出態様のうち、前記第2演出動作を示す情報を前記特定情報として前記第2演出制御手段に出力するものであることを特徴とする遊技機BV2。
遊技機BV2によれば、遊技機BV1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出態様設定手段は、少なくとも前記第1演出動作と前記第2演出動作とを用いた重複演出態様を設定可能なものであり、前記出力手段は、前記重複演出態様を示す前記演出情報を前記第1演出制御手段に出力し、前記特定情報出力手段は、前記重複演出態様のうち、前記第2演出動作を示す情報を前記特定情報として前記第2演出制御手段に出力するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BV2において、前記演出態様設定手段は、前記第1演出動作の開始タイミングが前記第2演出動作の開始タイミングよりも早くなるように前記重複演出態様を設定するものであることを特徴とする遊技機BV3。
遊技機BV3によれば、前記演出態様設定手段は、前記第1演出動作の開始タイミングが前記第2演出動作の開始タイミングよりも早くなるように前記重複演出態様を設定するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴BW群>
所定の演出期間を設定可能な演出期間設定手段と、その演出期間設定手段により第1演出期間が設定されている最中に、第1演出条件が成立した場合に、少なくとも第1位置から、その第1位置とは異なる第2位置へと可動可能な演出部材を用いた第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、前記第1演出期間が設定されている最中に、前記第1演出条件とは異なる第2演出条件が成立した場合に、表示手段を用いた前記第1演出とは異なる第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を有する遊技機において、前記第1演出期間内の特定演出期間において、前記演出部材と、前記表示手段と、を用いた特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、前記演出部材の可動状況を判別する可動状況判別手段と、前記可動状況判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に、前記特定演出期間中に前記特定演出とは異なる特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BW1。
ここで、従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。(例えば、特開2012−217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BW1によれば、所定の演出期間を設定可能な演出期間設定手段と、その演出期間設定手段により第1演出期間が設定されている最中に、第1演出条件が成立した場合に、少なくとも第1位置から、その第1位置とは異なる第2位置へと可動可能な演出部材を用いた第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、前記第1演出期間が設定されている最中に、前記第1演出条件とは異なる第2演出条件が成立した場合に、表示手段を用いた前記第1演出とは異なる第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を有する遊技機において、前記第1演出期間内の特定演出期間において、前記演出部材と、前記表示手段と、を用いた特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、前記演出部材の可動状況を判別する可動状況判別手段と、前記可動状況判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合に、前記特定演出期間中に前記特定演出とは異なる特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段と、を有するものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BW1において、前記可動状況判別手段は、前記演出部材が前記第1位置に位置していない場合に前記特定の判別結果と判別するものであることを特徴とする遊技機BW2。
遊技機BW2によれば、遊技機BW1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記可動状況判別手段は、前記演出部材が前記第1位置に位置していない場合に前記特定の判別結果と判別するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BW1またはBW2において、前記特殊演出実行手段は、前記表示手段を用いた前記特殊演出を実行するものであることを特徴とする遊技機BW3。
遊技機BW3によれば、前記特殊演出実行手段は、前記表示手段を用いた前記特殊演出を実行するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BW1からBW3のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、を有し、前記第1演出条件は、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたことが判別された場合に成立するものである。
遊技機BW4によれば、遊技機BW1からBW3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、を有し、前記第1演出条件は、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたことが判別された場合に成立するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BW4において、前記操作判別手段により前記操作手段に対して前記所定の操作が行われたことが有効に判別される操作有効期間を設定可能な有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により前記操作有効期間が設定されていることを前記表示手段に表示させる期間表示手段と、を有するものである。
遊技機BW5によれば、遊技機BW4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、を有し、前記第1演出条件は、前記操作判別手段により前記所定の操作が行われたことが判別された場合に成立するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BW4において、前記操作判別手段により前記操作手段に対して前記所定の操作が行われたことが有効に判別される操作有効期間を設定可能な有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により前記操作有効期間が設定されていることを前記表示手段に表示させる期間表示手段と、を有するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴BX群>
所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間として第1期間を設定可能な第1遊技状態と、前記第1期間よりも短い動的表示期間である第2期間を設定可能な第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、所定の待機条件が成立している場合に待機状態を設定する待機状態設定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて所定の演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有し、前記操作判別手段は、前記待機状態設定手段により前記待機状態が設定されている場合に、前記所定の操作が行われたことを有効に判別するものであり、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態に基づいて、前記待機条件を可変設定可能な待機条件可変設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機BX1。
ここで、従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。(例えば、特開2012−217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機BX1によれば、所定の判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に所定期間動的表示させる動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間として第1期間を設定可能な第1遊技状態と、前記第1期間よりも短い動的表示期間である第2期間を設定可能な第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、所定の待機条件が成立している場合に待機状態を設定する待機状態設定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいて所定の演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有し、前記操作判別手段は、前記待機状態設定手段により前記待機状態が設定されている場合に、前記所定の操作が行われたことを有効に判別するものであり、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態に基づいて、前記待機条件を可変設定可能な待機条件可変設定手段を有するものである。これにより、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BX1において、前記待機条件は、前記動的表示実行手段により前記識別情報が前記動的表示されていない期間の長さが所定期間となる場合に成立するものであり、前記待機条件可変設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも、前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが、前記待機条件が成立し難くなるように前記待機条件を可変設定するものであることを特徴とする遊技機BX2。
遊技機BX2によれば、遊技機BX1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記待機条件は、前記動的表示実行手段により前記識別情報が前記動的表示されていない期間の長さが所定期間となる場合に成立するものであり、前記待機条件可変設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも、前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが、前記待機条件が成立し難くなるように前記待機条件を可変設定するものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機BX1またはBX2において、前記第2遊技状態は前記第1遊技状態よりも前記判別手段による判別が実行され易いものであることを特徴とする遊技機BX3。
遊技機BX3によれば、前記第2遊技状態は前記第1遊技状態よりも前記判別手段による判別が実行され易いものである。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。