JP2019086490A - 湿度検出装置、燃料電池システム - Google Patents

湿度検出装置、燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも応答性に優れると共に、結露の影響を受け難い湿度検出装置を提供する。【解決手段】湿度検出装置10は、燃料オフガスが流通する内部空間80を形成する気液分離器8の側壁面81に設置される熱流センサ20と、熱流センサ20の表面側に液膜を生じさせるための親水シート30と、を備える。湿度検出装置10は、熱流センサ20から出力される出力信号に基づいて、燃料オフガスの湿度を検出する検出処理を行う検出処理部120を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、気体の湿度を検出する湿度検出装置、および気体の湿度を検出する検出装置を備える燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池における発電を安定させるために、燃料電池に燃料ガスを供給する流路や燃料電池から排出される燃料オフガスが流れる流路に対して、気体の露点等を検出する検出手段を設けた燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、燃料ガスや燃料オフガスの露点を検出する検出手段として、静電容量式の露点計を採用することが記載されている。
特開2013−89335号公報
ところで、静電容量式の露点計は、センシング部が蒸気を吸収し、吸収した蒸気による静電容量の変化を出力する構成になっており、センシング部に蒸気を吸収する時間が必要となるのでセンサとして応答性が悪いといった欠点がある。また、静電容量式の露点計では、センシング部に結露が生ずると湿度を検出することができない。
本発明は上記点に鑑みて、従来よりも応答性に優れると共に、結露の影響を受け難い湿度検出装置、および燃料電池システムを提供することを目的とする。
湿度の検出対象となる気体が流通する内部空間に液体が存在する場合、気体の湿度に応じて液体の蒸発量が変化する。このように、気体の湿度と液体の蒸発量とは相関性を有するが、この液体の蒸発量の変化は、液体の気化潜熱により生ずる熱移動量の変化として捉えることができる。本発明者らは、気体の湿度と液体の蒸発による熱移動との間の相関性に着眼し、本発明を案出した。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
気体の湿度を検出する湿度検出装置であって、
気体が流通する内部空間(71、80)を形成する空間形成部(8、70)の内壁面(73、81)に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する熱流センサ(20)と、
熱流センサのうち内部空間に露出する表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部(30、30A)と、
熱流センサから出力される出力信号に基づいて、気体の湿度を検出する検出処理を行う検出処理部(100A、120)と、を備える。
これによると、熱流センサの表面に存在する液体が蒸発すると、液体の気化潜熱により熱流センサの表裏に温度差が生じ、熱流センサの表裏を通過する熱流が発生する。熱流センサの表裏を通過する熱流は、気体の湿度に相関性を有することから、熱流センサから出力される出力信号に基づいて気体の湿度を検出することが可能となる。
特に、本発明の湿度検出装置は、気体の湿度に相関して変化する熱流を熱流センサで検出する構成であり、静電容量式の露点計のように蒸気を吸収する時間が必要ないので、従来よりも湿度検出の応答性を向上させることができる。また、本発明の湿度検出装置は、熱流センサの表面側が液膜によって湿潤した状態になるので、結露が気体の湿度の検出精度に影響することが殆どない。
したがって、本発明によれば、従来よりも応答性に優れると共に、結露の影響を受け難い湿度検出装置を実現することができる。
また、請求項8に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部(8)と、
燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出装置(10)と、を備える。
湿度検出装置は、
オフガス流路形成部の内壁面(81)に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する熱流センサ(20)と、
熱流センサのうち燃料オフガス流路に露出する表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部(30)と、
熱流センサから出力される出力信号に基づいて、燃料オフガスの湿度を検出する検出処理を行う検出処理部(120)と、を含んで構成されている。
上記燃料電池システムでは、燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出装置が、燃料オフガスの湿度に応じた熱流の変化を熱流センサで検出する構成になっているので、静電容量式の湿度検出手段を用いる場合に比べて、湿度検出の応答性を向上させることができる。また、本発明の検出装置では、熱流センサの表面側が液膜によって湿潤した状態となるので、結露が燃料オフガスの湿度の検出精度に影響することが殆どない。
また、請求項9に記載の発明は、
燃料電池システムであって、
燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部(8)と、
燃料オフガスの湿度および燃料オフガス中の水素濃度を検出する検出装置(10A)と、を備える。
検出装置は、
オフガス流路形成部の内壁面(81)に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する第1熱流センサ(20)と、
オフガス流路形成部の内壁面(81)のうち、第1熱流センサとは異なる位置に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する第2熱流センサ(60)と、
第1熱流センサのうち燃料オフガス流路に露出する表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部(30)と、
第1熱流センサから出力される出力信号に基づいて燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出処理、第2熱流センサから出力される出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素濃度を検出する濃度検出処理を行う検出処理部(120)と、を含んで構成されている。
上記燃料電池システムでは、請求項8に記載の発明で得られる作用効果に加えて、以下の作用効果が得られるといった利点がある。すなわち、上記燃料電池システムでは、熱流センサという同種のセンサによって、燃料オフガスの湿度および燃料オフガス中の水素濃度を検出することができるので、異なるセンサを用いる場合に比べて、システム構成の共通化等が図り易くなる。このことは、システムのコストダウンやシステムの信頼性の向上に寄与する。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態の湿度検出装置を適用した気液分離器の概略図である。 図2の矢印IIIの方向における矢視図である。 図2のIV部分の拡大図である。 熱流センサの概略構成を示す模式図である。 熱流センサから出力される出力信号を説明するための説明図である。 各種センサからの出力信号を説明するための説明図である。 熱流センサおよび圧力センサの出力信号の振幅比と相対湿度との相関関係を説明するための説明図である。 第1実施形態の湿度検出装置の主要構成を示す模式的なブロック図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの制御装置が実行する調湿制御処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の熱流センサの周囲の構成を説明するための説明図である。 図11のXII−XII断面図である。 第3実施形態の湿度検出装置を適用した気液分離器の概略図である。 第3実施形態の湿度検出装置の主要構成を示す模式的なブロック図である。 第4実施形態の湿度検出装置を適用した気液分離器の概略図である。 各種センサからの出力信号を説明するための説明図である。 第2熱流センサおよび圧力センサの出力信号の振幅比と水素濃度との相関関係を説明するための説明図である。 第4実施形態の湿度検出装置の主要構成を示す模式的なブロック図である。 第5実施形態の湿度検出装置であって、ガス配管に対して湿度検出装置を適用した例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。本実施形態では、本発明の湿度検出装置10を燃料電池システム1に適用した例について説明する。本実施形態では、燃料電池システム1の全体構成について説明した後、湿度検出装置10の詳細について説明する。
燃料電池システム1は、例えば、電気自動車の一種である燃料電池車両に適用される。図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスである空気に含まれる酸素との電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池2を備える。
燃料電池2は、固体高分子型の燃料電池で構成されている。燃料電池2は、発電により生じた直流電力を、DC−DCコンバータ等を介して車両走行用の電動モータや二次電池等の電気負荷に供給する。
燃料電池2は、最小単位となる電池セルが複数積層されたスタック構造を有し、各電池セルが電気的に直列に接続された直列接続体として構成されている。燃料電池2を構成する電池セルは、電解質膜の両側に触媒層を挟んで構成される膜電極接合体、膜電極接合体の両側に配置された一対の拡散層、これらを挟持するセパレータを含んで構成されている。
各電池セルでは、以下に示すように、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギを出力する。
(アノード側)H→2H+2e
(カソード側)2H+1/2O+2e→H
燃料電池2には、各電池セルに空気を供給するための空気供給配管3が接続されるとともに、各電池セルを通過した空気を生成水や不純物とともに外部に排出する空気排出配管4が接続されている。
空気供給配管3には、その最上流部に大気中から吸入した空気を燃料電池2に圧送する空気ポンプ3aが設けられるとともに、空気ポンプ3aと燃料電池2との間に燃料電池2に空気を供給する空気の圧力を調整する空気調圧弁3bが設けられている。また、空気排出配管4には、燃料電池2から排出された空気を生成水や不純物とともに外部に排出するための電磁弁4aが設けられている。
燃料電池2には、各電池セルに燃料ガスを供給するための燃料供給配管5が接続されるとともに、各電池セルを通過した未反応水素を含む燃料オフガスを外部に排出するオフガス排出配管6が接続されている。
燃料供給配管5には、その最上流部に高圧水素が充填された図示しない水素タンクが設けられている。また、燃料供給配管5には、水素タンク5aと燃料電池2との間に水素供給弁5aおよびエジェクタ5bが設けられている。水素供給弁5aおよびエジェクタ5bは、燃料ガスを間欠的に噴射供給する手段である。また、エジェクタ5bは、高速で噴射する燃料ガス流の巻き込み作用によって、後述する還流配管7から燃料オフガスを吸引する吸引手段としての役割を有している。
オフガス排出配管6には、燃料オフガスに混在する水を分離する気液分離器8が設けられるとともに、気液分離器8の内部に貯留された水を燃料オフガスとともに外部に排出するための排気弁6aが設けられている。また、オフガス排出配管6には、燃料オフガスの圧力を検出するための圧力センサ101が設けられている。本実施形態では、圧力センサ101が燃料オフガスの状態量を検出する状態量検出部を構成する。
本実施形態の気液分離器8は、重力分離方式の気液分離器が採用されている。本実施形態の気液分離器8は、その内部空間80に燃料オフガスから分離された水が貯留される構成になっている。なお、気液分離器8は、遠心分離方式の気液分離器等で構成されていてもよい。
気液分離器8には、水が分離された燃料オフガスを燃料供給配管5に戻すための還流配管7が接続されている。還流配管7は、一端側が気液分離器8に接続され、他端側がエジェクタ5bのガス吸引口に接続されている。
気液分離器8で水が分離された燃料オフガスは、エジェクタ5bによって、再び燃料供給配管5に供給される。これにより、燃料電池システム1では、燃料電池2の運転時に、未反応水素を含む燃料オフガスが還流配管7を通って循環する。
ところで、固体高分子型の燃料電池2では、各電池セルの電解質膜が乾燥すると水素イオンであるプロトンの移動が阻害されることで発電性能が低下してしまう。また、固体高分子型の燃料電池2では、各電池セル内部の水分量が過剰になると、水によって燃料ガスの流れが阻害されることで発電性能が低下してしまう。このため、固体高分子型の燃料電池2では、各電池セル内部の電解質膜が適切な湿潤状態になるように、各電池セル内部の水分量を調整する必要がある。
このような背景もあり、燃料電池システム1は、各電池セル内部の水分量を把握するため、湿度検出装置10を備えている。燃料オフガスは、燃料電池2の各電池セルのアノード側を通過したガスであり、その相対湿度(以下、単に湿度とも呼ぶ。)は各電池セル内部の水分量に相関性を有する。
そこで、本実施形態の湿度検出装置10は、各電池セル内部の水分量に相関性を有する燃料オフガスの湿度を検出する構成になっている。以下、湿度検出装置10の具体的な構成等について説明する。
本実施形態の湿度検出装置10は、前述した圧力センサ101、気液分離器8に設けられた熱流センサ20、親水シート30、および後述する制御装置100の一部(検出処理部120)を含んで構成されている。
図2に示すように、燃料電池2から排出された燃料オフガスは、気液分離器8を介して流れる。このため、気液分離器8は、燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部を構成する。すなわち、本実施形態では、気液分離器8が湿度の検出対象となる気体が流通する内部空間を形成する空間形成部を構成する。
気液分離器8の内部空間80には、燃料オフガスから分離された水が貯留される。このため、気液分離器8の内部空間80は、気体が流通する内部空間を構成するとともに、気体から分離された液体を貯留する貯液部としての機能も果たす。気液分離器8は、内部空間80を形成する内壁面を有しており、当該内壁面における側壁面81に熱流センサ20が設置されている。
熱流センサ20は、板状に構成されており、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する。本実施形態の熱流センサ20は、両板面の一方を表面211、他方を裏面212とする薄板状のセンサ基板21を有する。センサ基板21は、気液分離器8の側壁面81に設置されている。
センサ基板21は、その裏面212が気液分離器8の側壁面81のうち内部空間80にて許容される許容貯液水位よりも上方側に位置する上方部位810に固定されている。また、センサ基板21は、その表面211が内部空間80に露出している。
これにより、熱流センサ20は、図3および図4に示すように、センサ基板21の表面211上を、熱(冷熱を含む)を有する燃料オフガスが流れるようになっている。センサ基板21では、基板厚さ方向に熱流が発生すると、この熱流により生ずる表面211と裏面212との間の温度差に起因して、ゼーベック効果による起電力が発生する。
具体的には、図5に示すように、センサ基板21は、絶縁性材料よりなる基板で構成されている。センサ基板21は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等で構成される。
センサ基板21には、異なる2種の金属221、222が直列的に接続されることで熱電対22が構成されている。熱電対22は、熱流を検知するための検知部を構成する。2種の金属221、222としては、例えば、固相焼結されたBi−Sb−Te合金と、Bi−Teとの組み合わせや、Cuとコンスタンタンとの組み合わせ等が挙げれられる。なお、熱電対22は、例えば、異なる半導体素子の直列接続体で構成されていてもよい。
熱流センサ20は、図6に示すように、センサ表裏に熱流qが通過すると、この熱流qによって生ずる表裏の温度差ΔTに起因してゼーベック効果による起電圧Vが発生する。
本実施形態の熱流センサ20の表面は、親水シート30で覆われている。親水シート30は、熱流センサ20の表面よりも高い親水性を有している。本実施形態では、親水シート30が、熱流センサ20の表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部を構成する。
図2に戻り、親水シート30は、多孔を有するシートで構成されている。具体的には、親水シート30は、熱流センサの表面を覆うセンサ被覆部31、気液分離器8の内部空間80に貯留された水に接する液接触部32、およびセンサ被覆部31と液接触部32とを接続する接続部33を有している。本実施形態の親水シート30は、センサ被覆部31が高親水性を有する薄膜状のPTFE(すなわち、ポリテトラフルオロエチレン)で構成され、液接触部32および接続部33がガーゼや不織布等の高吸水性を有する布材で構成されている。なお、親水シート30は、熱流センサ20の表面よりも高い親水性を有するものであれば、PTFEや上述の布材以外にものを適宜採用することができる。
このように構成される親水シート30は、気液分離器8の内部空間80に貯留された水を毛管現象によって熱流センサ20の表面まで吸い上げる。これにより、熱流センサ20の表面が湿潤状態に維持される。
本実施形態の熱流センサ20は、その表面が親水シート30によって覆われることで湿潤状態に維持される。このように、熱流センサ20の表面が湿潤状態になっている場合、燃料オフガスの湿度に応じて熱流センサ20の表面に存在する水が蒸発する。この際、水の気化潜熱により熱流センサ20の表裏に温度差が生じ、熱流センサ20の表裏を通過する熱流が発生する。この熱流は、燃料オフガスの湿度に相関性を有することから、熱流センサ20から燃料オフガスの湿度に相関性を有する出力信号(すなわち、起電圧)が出力される。本実施形態の熱流センサ20は、信号線SLを介して制御装置100の入力側に接続されている。制御装置100は、熱流センサ20から出力される出力信号に基づいて、燃料オフガスの湿度を検出する。
次に、燃料電池システム1の電気制御部である制御装置100について説明する。制御装置100は、プロセッサ、メモリ等を有する周知のマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。
制御装置100の入力側には、上述の熱流センサ20、およびオフガス排出配管6に設けられた圧力センサ101等の各種センサが接続されている。また、制御装置100の出力側には、制御対象機器として、空気ポンプ3a、空気調圧弁3b、電磁弁4a、水素供給弁5a、エジェクタ5b、排気弁6a等が接続されている。
このように構成される制御装置100は、入力側から入力された各種信号等を、予めメモリに記憶されたプログラムに従って演算処理し、当該演算処理の結果等に基づいて、出力側に接続された各種制御対象機器を制御する。
燃料電池2の運転中は、燃料電池2にて水素が消費されることで、燃料電池2内部の圧力が徐々に低下する。このため、制御装置100は、燃料電池2の運転中において、圧力センサ101で検出された圧力が所定の基準圧力よりも低下した際に燃料電池2に燃料ガスが供給されるように、水素供給弁5aおよびエジェクタ5bを制御する。これにより、燃料電池2には、間欠的に燃料ガスが噴射供給される。本実施形態では、制御装置100における各種制御対象機器を制御する構成(ソフトウェアおよびハードウェア)が機器制御部110を構成している。
また、制御装置100は、熱流センサ20等から出力される出力信号に基づいて、燃料オフガスの湿度を検出する検出処理を実行する。本実施形態では、制御装置100における燃料オフガスの湿度の検出処理を行う構成(ソフトウェアおよびハードウェア)が検出処理部120を構成している。
ここで、本実施形態の燃料電池2には、水素供給弁5aおよびエジェクタ5bによって間欠的に燃料ガスが噴射供給されるが、それに伴って燃料オフガスが燃料電池2から間欠的に排気される。これにより、オフガス排出配管6には、圧力脈動を伴う燃料オフガスが流れる。例えば、オフガス排出配管6では、図7の上段に示すように、燃料オフガスの圧力が周期的に変化する。
このように、燃料オフガスの圧力が周期的に変化すると、熱流センサ20上に配置された親水シート30に含まれる水分の蒸発量が燃料オフガスの圧力変化に同期して変化する。このため、熱流センサ20の出力信号であるセンサ出力は、例えば、図7の下段に示すように、燃料オフガスの圧力変化に同期して変動する。
この際、燃料オフガスの湿度が低い程、熱流センサ20上で蒸発が生じ易く、逆に、燃料オフガスの湿度が高い程、熱流センサ20上で蒸発が生じ難くなる。このため、燃料オフガスの湿度が低い場合には、熱流センサ20のセンサ出力の変化(すなわち、振幅ΔV)が大きくなり、燃料オフガスの湿度の高い場合には、熱流センサ20のセンサ出力の変化(すなわち、振幅ΔV)が小さくなり易くなる。
本発明者らの調査によれば、燃料オフガスの圧力の振幅ΔPに対する熱流センサ20のセンサ出力の振幅ΔVの振幅比AR(=ΔV/ΔP)が、図8に示すように、燃料オフガスの湿度に応じて変化することが判った。すなわち、振幅比ARは、燃料オフガスの湿度が低い程大きくなり、燃料オフガスの湿度が高い程小さくなる傾向がある。
本実施形態の制御装置100の検出処理部120では、上述の傾向を加味して、燃料オフガスの湿度を検出する。具体的には、検出処理部120は、図9に示すように、信号処理部122a、122bにて圧力センサ101の検出圧力の振幅ΔP、および熱流センサ20のセンサ出力の振幅ΔVを抽出する。各種センサのセンサ出力の振幅ΔP、ΔVは、例えば、エジェクタ5bによる燃料ガスの供給タイミングにおけるセンサ出力と、エジェクタ5bによる燃料ガスの供給停止タイミングにおけるセンサ出力との差分として抽出することができる。
また、検出処理部120では、信号処理部122a、122bで抽出された各振幅ΔP、ΔVの振幅比ARを演算処理部124で燃料オフガスの湿度Rhに換算する処理を行う。演算処理部124では、例えば、予め用意された振幅比ARと燃料オフガスの湿度Rhとの対応関係を規定した制御マップを参照して、信号処理部122a、122bで抽出された各振幅ΔP、ΔVの振幅比ARを燃料オフガスの湿度Rhに換算する処理を実行する。この際、演算処理部124では、図8の如く、振幅比ARの増大に伴って湿度Rhが小さくなるように、振幅比ARと燃料オフガスの湿度Rhとの対応関係が規定された制御マップを参照する。なお、振幅比ARを燃料オフガスの湿度Rhに換算する処理は、制御マップではなく、振幅比ARと燃料オフガスの湿度Rhとの対応関係を予め数式化したものを利用する処理になっていてもよい。
加えて、本実施形態の制御装置100は、機器制御部110が、燃料オフガスの湿度の検出結果に基づいて、燃料電池2内部の湿度を調整する調湿制御処理を実行する。以下、本実施形態の制御装置100が実行する調湿制御処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。制御装置100は、燃料電池2の運転中において、図10に示す制御処理を所定のタイミングで実行する。
図10に示すように、制御装置100は、まず、ステップS100にて、熱流センサ20から出力される出力信号等に基づいて燃料オフガスの湿度Rhを検出する。そして、制御装置100は、ステップS110にて、燃料オフガスの湿度Rhが予め定めた第1判定閾値Rhth1以上であるか否かを判定する。第1判定閾値Rhth1は、例えば、燃料電池2内部の水分量が各電池セルで燃料ガスの供給が阻害される状態になる際の燃料オフガスの湿度Rh(例えば、80%)に設定されている。
ステップS110の判定処理の結果、燃料オフガスの湿度Rhが第1判定閾値Rhth1以上である場合、燃料電池2内部の水分量が過剰になり易い状態と考えられる。このため、制御装置100は、ステップS120に移行して燃料電池2内部の湿度を低下させる湿度低下処理を実行する。
この湿度低下処理としては、排気弁6aを所定時間開放して燃料電池2内部の水分量を減少させる処理が挙げられる。但し、この処理では、燃料オフガスを循環させることができなくなってしまう。
このため、湿度低下処理としては、空気ポンプ3aの能力を増大させ、各電池セル内のカソード側の湿度を低下させることで、各電池セル内のアノード側の水分をカソード側に移動させる処理が採用されていてもよい。また、湿度低下処理としては、燃料電池2の温度を調整するための冷却水の温度を上昇させ、各電池セル内の湿度を低下させる処理が採用されていてもよい。
一方、ステップS110の判定処理の結果、燃料オフガスの湿度Rhが第1判定閾値Rhth1未満である場合、制御装置100は、ステップS130にて、燃料オフガスの湿度Rhが予め定めた第2判定閾値Rhth2以下であるか否かを判定する。第2判定閾値Rhth2は、第1判定閾値Rhth1よりも小さい値に設定されている。例えば、第2判定閾値Rhth2は、燃料電池2内でのプロトンの移動が阻害される状態になる際の燃料オフガスの湿度Rh(例えば、20%)に設定されている。
ステップS130の判定処理の結果、燃料オフガスの湿度Rhが第2判定閾値Rhth2よりも高い場合、燃料電池2内部の水分量が適正と考えられる。このため、制御装置100は、本処理を抜ける。
これに対して、ステップS130の判定処理の結果、燃料オフガスの湿度Rhが第2判定閾値Rhth2以下である場合、燃料電池2内部が乾燥し易い状態と考えられる。このため、制御装置100は、ステップS140に移行して燃料電池2内部の湿度を増加させる湿度増加処理を実行する。
この湿度増加処理としては、還流配管7における燃料オフガスの循環量を増加させ、各電池セル内のアノード側の湿度を低下させることで、各電池セル内のカソード側の水分をアノード側に移動させる処理が挙げられる。
ここで、エジェクタ5bの絞り開度を小さくすれば、エジェクタ5bのガス吸引口側の圧力が低下することで、還流配管7における燃料オフガスの循環量を増加させることができる。但し、上述の湿度増加処理では、燃料電池2に対する燃料ガスの供給量が変化してしまうことで、燃料電池2の発電性能への影響が大きくなってしまう。
このため、湿度増加処理としては、空気ポンプ3aの能力を低下させ、各電池セル内のカソード側の湿度を上昇させることで、各電池セル内のカソード側の水分をアノード側に移動させる処理が採用されていてもよい。また、湿度増加処理としては、燃料電池2の温度を調整するための冷却水の温度を低下させ、各電池セル内の湿度を上昇させる処理が採用されていてもよい。
以上説明した本実施形態の燃料電池システム1は、燃料オフガスの湿度を検出可能に構成されているので、上述の如く、燃料電池2内部の水分量を適正な状態に調整することができる。
特に、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出装置10が、燃料オフガスの湿度Rhに応じた熱流の変化を熱流センサ20で検出する構成になっている。これによれば、静電容量式の露点計のように、蒸気を吸収する時間が必要ないので、従来よりも湿度検出の応答性を向上させることができる。また、本実施形態の湿度検出装置10は、熱流センサ20の表面側が液膜によって湿潤した状態になるので、結露が燃料オフガスの湿度の検出精度に影響することが殆どない。
また、湿度検出装置10は、燃料オフガスが圧力脈動を伴った状態で流通する気液分離器8の内部空間80に熱流センサ20が設置されている。このような構成では、燃料オフガスの湿度に応じた熱流の変化が熱流センサ20からの出力信号の振幅として出力される。このため、本構成によれば、熱流センサ20における燃料オフガスの湿度に相関性を有する熱流の感度を高めて、湿度検出装置10における湿度検出の信頼性を向上させることができる。
さらに、湿度検出装置10は、気液分離器8の内部空間80に貯留された水が親水シート30を介して熱流センサ20の表面に供給される構成になっている。これによれば、熱流センサ20の表面を湿潤状態に維持することが可能になるので、燃料オフガスの湿度検出を継続的に実施することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、燃料オフガスの圧力変化による熱流センサ20の出力変動を加味した上で、燃料オフガスの湿度を検出する例について説明したが、これに限定されない。燃料オフガスの圧力変化による熱流センサ20の出力変動が予測可能であれば、制御装置100は、予測される圧力変化によって熱流センサ20からの出力信号を補正する構成になっていてもよい。この場合、圧力センサ101が不要となるので、システムの簡素化を図ることができる。このことは、以降の実施形態においても同様である。
上述の第1実施形態では、熱流センサ20の裏面を気液分離器8の側壁面81に固定する配置構成になっている。このような配置構成では、例えば、気液分離器8の側壁面81の厚みが薄いこと等によって熱容量が小さいと、熱流センサ20の表裏の温度差が確保し難く、熱流センサ20の感度が低下する虞がある。
このため、熱流センサ20は、気液分離器8の側壁面81の厚みが大きい箇所に固定することが望ましい。また、気液分離器8の側壁面81の厚みが全体として薄い場合等には、例えば、熱流センサ20の設置箇所に対して側壁面81よりも熱容量の高い熱緩衝体を設置し、熱流センサ20の裏面側における熱容量を確保する構成とすることが望ましい。それら以外にも、気液分離器8の側壁面81に温熱発生器を配置し、当該温調部材によって熱流センサ20の裏面側の温度を表面側よりも高い温度に維持する構成になっていてもよい。
これらによれば、熱流センサ20の表裏の温度差が確保されるので、熱流センサ20の感度を改善させて、湿度検出装置10の湿度検出性能の向上を図ることができる。なお、上述した配置構成等は、以降の実施形態において採用可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図11、図12を参照して説明する。本実施形態では、湿度検出装置10の構成が第1実施形態と相違している。本実施形態では、主に第1実施形態と相違する部分について説明し、第1実施形態と共通する部分についての説明を省略する。
図11および図12に示すように、湿度検出装置10には、熱流センサ20の周囲を流れる燃料オフガスを整流させる整流部材40と、親水シート30の一部を覆うカバー部材50とが追加されている。
整流部材40は、親水シート30のセンサ被覆部31の周囲を流れる燃料オフガスの流通方向を熱流センサ20の表裏の厚み方向に整流させる部材である。本実施形態の整流部材40は、板状の複数の整流板41が格子形状をなすように互いに連結されている。整流部材40には、複数の整流板41の間に、熱流センサ20の表裏の厚み方向に貫通する複数の整流流路42が形成されている。
整流部材40では、燃料オフガスが熱流センサ20の表裏の厚み方向に貫通する複数の整流流路42を通過する。この際、複数の整流流路42は、熱流センサ20の表裏の厚み方向に貫通し、細分化されているので、燃料オフガスの流通方向が熱流センサ20の表裏の厚み方向に整流される。
また、カバー部材50は、親水シート30の接続部33等における水の蒸発を抑えるための部材である。本実施形態のカバー部材50は、親水シート30の液接触部32および接続部33の双方を覆う構成になっている。なお、カバー部材50は、親水シート30の液接触部32および接続部33のうち接続部33だけを覆う構成になっていてもよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の湿度検出装置10は、熱流センサ20の周囲を流れる燃料オフガスを整流させる整流部材40を備えている。これによれば、燃料オフガスの流通方向の変化による熱流センサ20の出力変動が抑制されるので、熱流センサ20にて燃料オフガスの湿度に相関性を有する熱流を精度よく検出可能となる。
また、本実施形態の湿度検出装置10は、親水シート30における接続部33等がカバー部材50で覆われている。これによれば、親水シート30における接続部33での水の蒸発が抑制されるので、気液分離器8の内部空間80に貯留された身を親水シート30によって熱流センサ20の表面に供給し続けることができる。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、整流部材40およびカバー部材50の双方を備える湿度検出装置10を例示したが、これに限定されない。湿度検出装置10は、例えば、整流部材40およびカバー部材50のうち一方だけを備える構成になっていてもよい。
また、上述の第2実施形態では、整流部材40として整流板41を格子形状に連結したものが採用される例について説明したが、これに限定されない。整流部材40は、熱流センサ20周囲における燃料オフガスの流れを整流させることが可能なものであれば、上述したもの以外のものが採用されていてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図13、図14を参照して説明する。本実施形態では、燃料オフガスの湿度の算出方法が第1実施形態と相違している。本実施形態では、主に第1実施形態と相違する部分について説明し、第1実施形態と共通する部分についての説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態の制御装置100の入力側には、圧力センサ101に加えて、燃料オフガスの温度を検出する温度センサ102、燃料オフガスの流量を検出する流量センサ103が接続されている。本実施形態では、圧力センサ101、温度センサ102、および流量センサ103が燃料オフガスの状態量を検出する状態量検出部を構成する。
ここで、燃料オフガスの湿度Rhは、その温度に応じて変化する。具体的には、燃料オフガスの湿度Rhは、燃料オフガスの温度が上昇するにともなって低下し、燃料オフガスの温度が低下するにともなって上昇する。
また、燃料オフガスの流量が増加すると、燃料オフガスと熱流センサ20との熱交換量が増加し、熱流センサ20の表裏の温度差が拡大する。逆に、燃料オフガスの流量が減少すると、燃料オフガスと熱流センサ20との熱交換量が減少し、熱流センサ20の表裏の温度差が小さくなる。このように、熱流センサ20の表裏を通過する熱流は、燃料オフガスの湿度Rhだけでなく、燃料オフガスの流量に応じて変動する。例えば、燃料オフガスの表裏を通過する熱流は、燃料オフガスの流量が増加すると大きくなり、燃料オフガスの流量が減少すると小さくなる。
上述の傾向を加味して、本実施形態の制御装置100の検出処理部120では、上述の傾向を加味して、燃料オフガスの湿度を検出する。具体的には、検出処理部120は、図14に示すように、信号処理部122a、122bにて圧力センサ101の検出圧力の振幅ΔPおよび熱流センサ20のセンサ出力の振幅ΔVを抽出する。
また、検出処理部120は、信号処理部122c、122dにて温度センサ102のセンサ出力および流量センサ103のセンサ出力を読み込む。そして、検出処理部120では、信号処理部122a〜122dからの各種信号に基づいて、燃料オフガスの湿度Rhを算出する。検出処理部120では、例えば、第1実施形態と同様に各振幅ΔP、ΔVの振幅比ARを演算処理部124で燃料オフガスの湿度Rhに換算した後、当該湿度Rhを温度センサ102の検出温度および流量センサ103の検出流量で補正する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。本実施形態の湿度検出装置10は、熱流センサ20から出力される出力信号だけでなく、圧力センサ101、温度センサ102、および流量センサ103の検出信号に基づいて、燃料オフガスの湿度を検出構成になっている。これによれば、燃料オフガスの圧力、流量、温度等の変化による熱流センサ20の出力変動を加味した上で、燃料オフガスの湿度を検出することができる。
(第3実施形態の変形例)
上述の第3実施形態では、燃料オフガスの圧力、流量、温度等の変化による熱流センサ20の出力変動を加味した上で、燃料オフガスの湿度を検出する例について説明したが、これに限定されない。燃料オフガスの圧力、流量、温度等の変化による熱流センサ20の出力変動が予測可能であれば、制御装置100は、予測される圧力、流量、温度等の各種情報によって熱流センサ20からの出力信号を補正する構成になっていてもよい。この場合、圧力センサ101、温度センサ102、流量センサ103が不要となるので、システムの簡素化を図ることができる。
また、圧力、流量、温度の一部の状態量の変化による熱流センサ20の出力変動が予測できない場合、制御装置100は、予測できない状態量をセンサで検出し、当該センサの検出値によって熱流センサ20の出力信号を補正する構成になっていてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図15〜図18を参照して説明する。本実施形態の燃料電池システム1は、燃料オフガスの湿度に加えて、燃料オフガス中の水素濃度を検出可能に構成されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、主に第1実施形態と相違する部分について説明し、第1実施形態と共通する部分についての説明を省略する。
本実施形態の燃料電池システム1は、燃料オフガスの湿度および燃料オフガス中の水素濃度を検出する検出装置10Aを備えている。
検出装置10Aは、第1実施形態で説明した湿度検出装置10に対して、燃料オフガス中の水素濃度を検出するための熱流センサ60を備えている。本実施形態では、燃料オフガスの湿度を検出するための熱流センサを第1熱流センサ20と呼び、燃料オフガス中の水素濃度を検出するための熱流センサを第2熱流センサ60と呼ぶ。
第1熱流センサ20は、第1実施形態の熱流センサ20と同様に構成されている。すなわち、第1熱流センサ20は、気液分離器8の内部空間80を形成する側壁面81に設置されるとともに、その表面側が親水シート30で覆われている。
一方、第2熱流センサ60は、センサ基板等の基本構成が第1熱流センサ20と同様に構成されている。すなわち、第2熱流センサ60は、第1熱流センサ20と同様に、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する。
第2熱流センサ60は、気液分離器8の側壁面81のうち、第1熱流センサ20とは異なる位置に設置されている。具体的には、第2熱流センサ60は、気液分離器8の側壁面81のうち、内部空間80にて許容される許容貯液水位よりも上方側に位置する上方部位810に設置されている。
本実施形態の第2熱流センサ60は、第1熱流センサ20と異なり、気液分離器8の内部空間80に露出する表面が、保護膜62で被覆されている。保護膜62は、水素の透過を防止して、第2熱流センサ60を水素から保護するものであり、DLC(Diamond Like Carbonの略)薄膜、セラミック薄膜、高分子樹脂膜等で構成される。なお、保護膜62は、撥水性を有する膜で構成されていることが望ましい。
ここで、燃料オフガスには水素、窒素、水蒸気が含まれるが、このうち水素は、窒素や水蒸気に比べて熱伝導率が高い。このため、燃料オフガス中の水素濃度が高い程、燃料オフガスでは熱が伝わり易く、第2熱流センサ60を通過する熱流も大きくなり易い。逆に、燃料オフガス中の水素濃度が低い場合、燃料オフガスでは熱が伝わり難くなるので、第2熱流センサ60を通過する熱流が小さくなり易い。このように、燃料オフガス中の水素濃度と第2熱流センサ60を通過する熱流との間には相関性があり、第2熱流センサ60から出力される出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素濃度を検出することが可能となる。
上述の事項を鑑みて、本実施形態の制御装置100は、第1熱流センサ20の出力信号に基づいて燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出処理、および第2熱流センサ60の出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素濃度を検出する濃度検出処理を実行する。
ここで、オフガス排出配管6では、図16の上段に示すように、燃料オフガスの圧力が周的に変化する。このように、燃料オフガスの圧力が周期的に変化すると、圧縮に伴って燃料オフガスの温度が上昇するので、第2熱流センサ60の表裏を通過する熱流が変化する。このため、第2熱流センサ60の出力信号である第2センサ出力は、例えば、図16の下段に示すように、燃料オフガスの圧力変化に同期して変動する。
この際、燃料オフガス中の水素濃度が低い程、第2熱流センサ60の表裏を通過する熱流が小さくなり易く、逆に、燃料オフガス中の水素濃度が高い程、第2熱流センサ60の表裏を通過する熱流が大きくなり易い。このため、燃料オフガス中の水素濃度が低い場合には、第2熱流センサ60の第2センサ出力の変化(すなわち、振幅ΔV)が小さくなり、燃料オフガス中の水素濃度が高い場合には、第2熱流センサ60の第2センサ出力の変化が大きくなり易くなる。
本発明者らの調査によれば、燃料オフガスの圧力の振幅ΔPに対する第2熱流センサ60の第2センサ出力の振幅ΔV2の振幅比AR2(=ΔV2/ΔP)が、図17に示すように、燃料オフガス中の水素濃度に応じて変化することが判った。すなわち、振幅比AR2は、燃料オフガス中の水素濃度が低い程小さくなり、燃料オフガス中の水素濃度が高い程大きくなる傾向がある。
本実施形態の制御装置100の検出処理部120では、上述の傾向を加味して、燃料オフガスの湿度および燃料オフガス中の水素濃度の双方を検出する。具体的には、検出処理部120は、図18に示すように、信号処理部122a、122b、122eにて圧力センサ101の検出圧力の振幅ΔP、および各熱流センサ20、60のセンサ出力の振幅ΔV1、ΔV2を抽出する。各種センサのセンサ出力の振幅ΔP、ΔV1、ΔV2は、例えば、エジェクタ5bによる燃料ガスの供給タイミングにおけるセンサ出力と、エジェクタ5bによる燃料ガスの供給停止タイミングにおけるセンサ出力との差分として抽出することができる。
そして、検出処理部120では、信号処理部122a、122bで抽出された各振幅ΔP、ΔV1の振幅比AR1を演算処理部124で燃料オフガスの湿度Rhに換算する処理を行う。演算処理部124では、例えば、予め用意された振幅比AR1と燃料オフガスの湿度Rhとの対応関係を規定した制御マップを参照して、信号処理部122a、122bで抽出された各振幅ΔP、ΔV1の振幅比AR1を燃料オフガスの湿度Rhに換算する。
また、検出処理部120では、信号処理部122a、122eで抽出された各振幅ΔP、ΔV2の振幅比AR2を演算処理部124で燃料オフガス中の水素濃度に換算する処理を行う。演算処理部124では、例えば、予め用意された振幅比AR2と燃料オフガス中の水素濃度との対応関係を規定した制御マップを参照して、信号処理部122a、122eで抽出された各振幅ΔP、ΔV2の振幅比AR2を燃料オフガス中の水素濃度に換算する。この際、演算処理部124では、図17の如く、振幅比AR2の増大に伴って水素濃度が大きくなるように、振幅比AR2と燃料オフガス中の水素濃度との対応関係が規定された制御マップを参照する。なお、振幅比AR2を燃料オフガス中の水素濃度に換算する処理は、制御マップではなく、振幅比AR2と燃料オフガス中の水素濃度との対応関係を予め数式化したものを利用する処理になっていてもよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池システム1は、燃料オフガスの湿度を検出するだけでなく、燃料オフガス中の水素濃度についても検出することができる。特に、本実施形態の燃料電池システム1は、熱流センサという同種のセンサによって、燃料オフガスの湿度および燃料オフガス中の水素濃度を検出することができるので、異なるセンサを用いる場合に比べて、システム構成の共通化等が図り易くなる。このことは、システムのコストダウンやシステムの信頼性の向上に寄与する。
また、本実施形態の燃料電池システム1は、第2熱流センサ60の表面が撥水性を有する保護膜62で覆われている。これによると、第2熱流センサ60の表面側に結露が生じ難いので、結露の影響による水素濃度の検出精度の悪化を抑制することができる。
(第4実施形態の変形例)
上述の第4実施形態では、燃料オフガスの圧力変化による熱流センサ20の出力変動を加味した上で、燃料オフガス中の水素濃度を検出する例について説明したが、これに限定されない。燃料オフガスの圧力変化による熱流センサ20の出力変動が予測可能であれば、制御装置100は、予測される圧力変化によって熱流センサ20からの出力信号を補正する構成になっていてもよい。この場合、圧力センサ101が不要となるので、システムの簡素化を図ることができる。
また、上述の第4実施形態の如く、第2熱流センサ60の表面を保護膜62で覆う構成とすることが望ましいが、これに限定されない。第2熱流センサ60は、その表面が保護膜62で覆われてない構成になっていてもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図19を参照して説明する。本実施形態では、燃料電池システム1ではなく、何らかの気体が流通するガス配管70に対して本発明の湿度検出装置10Bを適用している点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、主に第1実施形態と相違する部分について説明し、第1実施形態と共通する部分についての説明を省略する。
図19に示すように、ガス配管70には、その内部に気体が流通するガス流路71が形成されている。本実施形態では、ガス配管70が、気体が流通する内部空間を形成する空間形成部を構成している。
ガス配管70には、下方側に窪んだ凹部72が形成されており、この凹部72に対してガス配管70を流れる気体に含まれる液体が貯留される構成になっている。これにより、ガス配管70は、気体から分離された液体をガス流路に貯留可能に構成されている。
ガス配管70の内壁面73には、熱流センサ20が設置されている。具体的には、熱流センサ20は、ガス配管70の内壁面73のうち、凹部72よりも上方側に位置する上方側部位730に設置されている。
熱流センサ20は、湿度検出装置10Bを構成するセンサであり、第1実施形態の熱流センサ20と同様に構成されている。すなわち、熱流センサ20は、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する。
熱流センサ20は、ガス配管70のガス流路71に露出する表面が親液性を有する親液シート30Aで覆われている。本実施形態の親液シート30Aは、第1実施形態と同様に、多孔を有するシートで構成されている。具体的には、親液シート30Aは、熱流センサ20の表面を覆うセンサ被覆部31A、ガス配管70の凹部72に貯留された液体に接する液接触部32A、およびセンサ被覆部31Aと液接触部32Aとを接続する接続部33Aを有している。
このように構成される親液シート30Aは、ガス配管70の凹部72に貯留された液体を毛管現象によって熱流センサ20の表面まで吸い上げる。これにより、熱流センサ20の表面が湿潤状態に維持される。
本実施形態の熱流センサ20は、その表面が親液シート30Aによって覆われることで湿潤状態に維持される。このように、熱流センサ20の表面が湿潤状態になっている場合、燃料オフガスの湿度に応じて熱流センサ20の表面に存在する液体が蒸発する。この際、液体の気化潜熱により熱流センサ20の表裏に温度差が生じ、熱流センサ20の表裏を通過する熱流が発生する。この熱流は、気体の湿度に相関性を有することから、熱流センサ20から気体の湿度に相関性を有する出力信号(すなわち、起電圧)が出力される。本実施形態の熱流センサ20は、信号線SLを介して制御装置100Aの入力側に接続されている。制御装置100Aは、熱流センサ20から出力される出力信号に基づいて、気体の湿度を検出する。
また、本実施形態のガス配管70の内部には、気体の温度を周期的に変化させるための熱付加装置90が設けられている。本実施形態の熱付加装置90は、通電により発熱する電気ヒータで構成されている。熱付加装置90によって気体が周期的に加熱されると、熱流センサ20の表裏に周期的な温度変化が生ずる。本実施形態では、熱付加装置90が熱流センサ20の表裏に周期的な温度変化を付与する熱付加部を構成する。
次に、制御装置100Aについて説明する。制御装置100Aは、プロセッサ、メモリ等を有する周知のマイクロコンピュータ、およびその周辺回路で構成されている。制御装置100Aは、熱付加装置90を制御するとともに、熱流センサ20から出力される出力信号に基づいて気体の湿度を検出する装置である。制御装置100Aは、熱流センサ20および親液シート30Aとともに湿度検出装置10Bを構成している。本実施形態では、制御装置100Aが、気体の湿度を検出する検出処理を行う検出処理部を構成している。
ここで、本実施形態では、熱付加装置90によって熱流センサ20の表裏に周期的な温度変化が付与される。このように、熱流センサ20の表裏に周期的な温度変化が付与されると、熱流センサ20上に配置された親液シート30Aに含まれる液体の蒸発量が温度変化に同期して変化する。このため、熱流センサ20のセンサ出力(すなわち、出力信号)は、熱流センサ20の表裏の温度変化に同期して変動する。
この際、燃料オフガスの湿度が低い程、熱流センサ20上で蒸発が生じ易く、逆に、燃料オフガスの湿度が高い程、熱流センサ20上で蒸発が生じ難くなる。このため、燃料オフガスの湿度が低い場合には、熱流センサ20のセンサ出力の変化(すなわち、振幅ΔV)が大きくなり、燃料オフガスの湿度の高い場合には、熱流センサ20のセンサ出力の変化が小さくなり易くなる。
本実施形態の制御装置100では、上述の傾向を加味して、気体の湿度を検出する。具体的には、制御装置100は、熱流センサ20のセンサ出力の振幅ΔVを抽出する。熱流センサ20のセンサ出力の振幅ΔVは、熱付加装置90による気体の加熱タイミングにおけるセンサ出力と、熱付加装置90による気体の加熱停止タイミングにおけるセンサ出力との差分として抽出することができる。
また、制御装置100では、予め用意された制御マップを参照して、熱流センサ20のセンサ出力の振幅ΔVを気体の湿度に換算する処理を行う。制御マップとしては、振幅ΔVの増大に伴って気体の湿度が小さくなるように、振幅ΔVと気体の湿度との対応関係が規定されたものを用意すればよい。なお、制御装置100では、制御マップではなく、振幅ΔVと気体の湿度との対応関係を予め数式化したものを利用する処理になっていてもよい。
本実施形態の湿度検出装置10Bは、気体の湿度に相関して変化する熱流を熱流センサ20で検出する構成であり、静電容量式の露点計のように蒸気を吸収する時間が必要ないので、従来よりも湿度検出の応答性を向上させることができる。また、本実施形態の湿度検出装置10Bは、熱流センサ20の表面側が液膜によって湿潤した状態になるので、結露が気体の湿度の検出精度に影響することが殆どない。したがって、本実施形態によれば、従来よりも応答性に優れると共に、結露の影響を受け難い湿度検出装置10Bを実現することができる。
(第5実施形態の変形例)
上述の第5実施形態では、本発明の湿度検出装置10Bを気体が流通するガス配管70に対して適用する例について説明したが、これに限定されない。本発明の湿度検出装置10Bは、ガス配管70に限らず、気体が流通する内部空間を形成するものに対して広く適用可能である。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、湿度検出装置は、熱流センサと、熱流センサの表面側に液膜を生じさせる液膜形成部と、熱流センサから出力される出力信号に基づいて気体の湿度を検出する検出処理を行う検出処理部と、を備える。
第2の観点によれば、湿度検出装置は、熱流センサの表裏に周期的な温度変化を付加する熱付加部を備える。そして、検出処理部は、熱流センサから出力される出力信号の振幅に基づいて、気体の湿度を検出する。このように、熱流センサの表裏に周期的な温度変化を付加する構成とすれば、気体の湿度に応じた熱流の変化が熱流センサからの出力信号の振幅として出力される。このため、本構成によれば、熱流センサにおける気体の湿度に相関性を有する熱流の感度を高めて、湿度検出装置における湿度検出の信頼性を向上させることができる。
第3の観点によれば、湿度検出装置の適用対象となる空間形成部は、気体が圧力脈動を伴った状態で内部空間を流通する構成になっている。そして、検出処理部は、熱流センサから出力される出力信号の振幅に基づいて、気体の湿度を検出する。
気体が圧力脈動ともなった状態で内部空間を流通する構成では、気体の湿度に応じた熱流の変化が熱流センサからの出力信号の振幅として出力される。このため、本構成によれば、熱流センサにおける気体の湿度に相関性を有する熱流の感度を高めて、湿度検出装置における湿度検出の信頼性を向上させることができる。
第4の観点によれば、湿度検出装置の適用対象となる空間形成部は、気体から分離された液体を内部空間に貯留可能に構成されている。液膜形成部は、熱流センサの表面よりも高い親液性を有する親液シートで構成されている。そして、親液シートは、熱流センサの表面を覆うセンサ被覆部、内部空間に貯留された液体に接する液接触部、およびセンサ被覆部と液接触部とを接続する接続部を有している。これによれば、空間形成部の内部空間に貯留された液体が親液シートを介して熱流センサの表面に供給される構成になるので、熱流センサの表面を湿潤状態に維持して、気体の湿度検出を継続的に実施することができる。
第5の観点によれば、湿度検出装置は、センサ被覆部の周囲を流れる気体の流通方向を所定の一方向に整流させる整流部材を備える。これによれば、気体の流通方向の変化による熱流センサの出力変動が抑制されるので、熱流センサにて気体の湿度に相関性を有する熱流を精度よく検出可能となる。
第6の観点によれば、湿度検出装置は、親液シートのうち少なくとも接続部を覆うカバー部材を備える。これによると、親液シートにおける接続部での液体の蒸発が抑制されるので、空間形成部の内部空間に貯留された液体を親液シートによって熱流センサの表面に供給し続けることが可能になる。
第7の観点によれば、湿度検出装置は、検出処理部が、熱流センサから出力される出力信号だけでなく、気体の圧力、流量、温度の少なくとも1つを検出する状態量検出部で検出される気体の状態量に基づいて気体の湿度を検出する。これによれば、気体の圧力、流量、温度等の変化による熱流センサの出力変動を加味した上で、気体の湿度を検出することができる。
第8の観点によれば、燃料電池システムは、燃料電池と、燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部と、燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出装置と、を備える。湿度検出装置は、熱流センサと、熱流センサの表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部と、熱流センサから出力される出力信号に基づいて、燃料オフガスの湿度を検出する検出処理を行う検出処理部と、を含んで構成されている。
第9の観点によれば、燃料電池システムは、燃料電池と、燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部と、燃料オフガスの湿度および燃料オフガス中の水素濃度を検出する検出装置と、を備える。検出装置は、第1熱流センサと、第2熱流センサと、第1熱流センサの表面側に液膜を生じさせる液膜形成部と、を有する。さらに、検出装置は、第1熱流センサから出力される出力信号に基づいて燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出処理、第2熱流センサから出力される出力信号に基づいて燃料オフガス中の水素濃度を検出する濃度検出処理を行う検出処理部と、を有する。
第10の観点によれば、燃料電池システムは、第2熱流センサが、燃料オフガス流路に露出する表面側が撥水性を有する保護膜で覆われている。これによると、第2熱流センサの表面側に結露が生じ難いので、結露の影響による水素濃度の検出精度の悪化を抑制することができる。
1 燃料電池システム
8 気液分離器
80 内部空間
10 湿度検出装置
20 熱流センサ
30 親水シート(液膜形成部)
100 制御装置
120 検出処理部

Claims (10)

  1. 気体の湿度を検出する湿度検出装置であって、
    前記気体が流通する内部空間(71、80)を形成する空間形成部(8、70)の内壁面(73、81)に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する熱流センサ(20)と、
    前記熱流センサのうち前記内部空間に露出する表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部(30、30A)と、
    前記熱流センサから出力される出力信号に基づいて、前記気体の湿度を検出する検出処理を行う検出処理部(100A、120)と、
    を備える湿度検出装置。
  2. 前記熱流センサの表裏に周期的な温度変化を付加する熱付加部(90)を備え、
    前記検出処理部は、前記熱流センサから出力される出力信号の振幅に基づいて、前記気体の湿度を検出する請求項1に記載の湿度検出装置。
  3. 前記空間形成部は、前記気体が圧力脈動を伴った状態で前記内部空間を流通する構成になっており、
    前記検出処理部は、前記熱流センサから出力される出力信号の振幅に基づいて、前記気体の湿度を検出する請求項1に記載の湿度検出装置。
  4. 前記空間形成部は、前記気体から分離された液体を前記内部空間に貯留可能に構成されており、
    前記液膜形成部は、前記熱流センサの表面よりも高い親液性を有する親液シート(30、30A)で構成されており、
    前記親液シートは、前記熱流センサの表面を覆うセンサ被覆部(31、31A)、前記内部空間に貯留された液体に接する液接触部(32、32A)、および前記センサ被覆部と前記液接触部とを接続する接続部(33、33A)を有している請求項1ないし3のいずれか1つに記載の湿度検出装置。
  5. 前記センサ被覆部の周囲を流れる前記気体の流通方向を所定の一方向に整流させる整流部材(40)を備える請求項4に記載の湿度検出装置。
  6. 前記親液シートのうち少なくとも前記接続部を覆うカバー部材(50)を備える請求項4または5に記載の湿度検出装置。
  7. 前記検出処理部は、前記熱流センサから出力される出力信号だけでなく、前記気体の圧力、流量、温度の少なくとも1つを検出する状態量検出部(101、102、103)で検出される前記気体の状態量に基づいて前記気体の湿度を検出する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の湿度検出装置。
  8. 燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
    前記燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部(8)と、
    前記燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出装置(10)と、を備え、
    前記湿度検出装置は、
    前記オフガス流路形成部の内壁面(81)に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する熱流センサ(20)と、
    前記熱流センサのうち前記燃料オフガス流路に露出する表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部(30)と、
    前記熱流センサから出力される出力信号に基づいて、前記燃料オフガスの湿度を検出する検出処理を行う検出処理部(120)と、を含んで構成される燃料電池システム。
  9. 燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池(2)と、
    前記燃料電池から排出された燃料オフガスが流れる燃料オフガス流路を形成するオフガス流路形成部(8)と、
    前記燃料オフガスの湿度および前記燃料オフガス中の水素濃度を検出する検出装置(10A)と、を備え、
    前記検出装置は、
    前記オフガス流路形成部の内壁面(81)に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する第1熱流センサ(20)と、
    前記オフガス流路形成部の内壁面(81)のうち、前記第1熱流センサとは異なる位置に設置され、表裏を通過する熱流に応じた信号を出力する第2熱流センサ(60)と、
    前記第1熱流センサのうち前記燃料オフガス流路に露出する表面側に液膜を生じさせるための液膜形成部(30)と、
    前記第1熱流センサから出力される出力信号に基づいて前記燃料オフガスの湿度を検出する湿度検出処理、前記第2熱流センサから出力される出力信号に基づいて前記燃料オフガス中の水素濃度を検出する濃度検出処理を行う検出処理部(120)と、を含んで構成される燃料電池システム。
  10. 前記第2熱流センサは、前記燃料オフガス流路に露出する表面側が撥水性を有する保護膜(62)で覆われている請求項9に記載の燃料電池システム。
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