JP2019085882A - 扇風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外センサ等の温度検知手段5を用いて衣類等の被乾燥物17の位置を特定し、当該被乾燥物17に直接風を当てることで、低コストで効率よく被乾燥物17を乾かすことができる扇風機を提供する。【解決手段】扇風機が、扇風機本体1と、扇風機本体1に設けられた温度検知手段5とを備え、温度検知手段5の温度検知結果に基づいて被乾燥物17に向けて送風する構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば部屋干しされた衣類等の被乾燥物に向けて送風を行う扇風機に関する。
従来、天候や季節によって、また住宅環境等によってはオールシーズンで、洗濯物等の被乾燥物を室内に干す、いわゆる部屋干しを行わなければならない状況が存在する。このように部屋干しをする場合には、乾燥むらが生じないようにさせながら、効率よく短時間で洗濯物を乾燥させることが求められている。例えば、特許文献1に開示される洗濯物送風乾燥機では、被乾燥物である洗濯物の上部に扇風機を設置して、洗濯物の上部より風を送ることで、洗濯物を乾かす洗濯物送風乾燥機が提案されている。
特開2012−20097号公報
上記特許文献1に開示された構成では、洗濯物の位置によっては洗濯物に効率的に風が当たらない。そのため、十分な乾燥効率向上の効果が得られず、乾燥時間がかかり、コストが増大する原因となるおそれがあった。また、洗濯物全体に直接風を当てるためには、洗濯物を掛ける位置を工夫する等の必要があり、手間が掛かる問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、赤外センサ等の温度検知手段を用いて衣類等の被乾燥物の位置を特定し、当該被乾燥物に直接風を当てることで、被乾燥物を低コストで効率よく乾かすことができる扇風機を提供する。
本発明はかかる課題を解決するため、扇風機本体と、前記扇風機本体に設けられた温度検知手段とを備え、前記温度検知手段の温度検知結果に基づいて被乾燥物に向けて送風する構成とした扇風機を提供する。
前記扇風機は、前記扇風機本体が、送風部と、前記送風部を首振り運動させる首振り装置と、前記首振り装置を駆動させる首振り駆動部と、前記送風部の首振り角度を制御する制御部と、を備え、前記温度検知手段により前記被乾燥物およびその周囲の温度を検知し、前記温度検知手段の検知結果に基づいて前記被乾燥物の位置を特定し、特定された前記被乾燥物の位置に基づいて前記制御部により前記送風部の首振り角度を決定し、決定された前記首振り角度に基づいて前記首振り駆動部により前記首振り装置を駆動させ、前記送風部により前記被乾燥物に向けて送風する構成とする場合がある。
前記扇風機は、前記送風部から前記被乾燥物およびその周囲に送風し、前記被乾燥物で生じる気化熱による前記被乾燥物の温度変化に基づいて、前記被乾燥物とその周囲との間の温度差を検知し、前記被乾燥物の位置を特定する構成とする場合がある。
前記扇風機は、前記首振り装置により前記送風部を首振り運動させて、前記被乾燥物およびその周囲の温度を検知する構成とする場合がある。
前記扇風機は、前記被乾燥物を複数検知した場合、複数の前記被乾燥物の中間位置に前記送風部の首振り角度を設定する構成とする場合がある。
前記扇風機は、前記被乾燥物を複数検知した場合、前記被乾燥物が検知された範囲で前記送風部を首振り運動させて複数の前記被乾燥物に向けて送風する構成とする場合がある。
本発明の扇風機によれば、扇風機本体に赤外線センサ等の温度検知手段を設け、温度検知手段の検知結果に基づいて被乾燥物に向けて送風する構成とすることで、温度検知手段の検知結果に基づいて衣類等の被乾燥物に直接風を当て、低コストで効率よく被乾燥物を乾かすことができる。
本発明の実施形態に係る扇風機本体の斜視写真図である。 同上、扇風機本体の正面図である。 同上、扇風機本体の右側面図である。 同上、送風部を右方向に向けた扇風機本体の斜視図である。 同上、送風部を上方に向けた扇風機本体の斜視図である。 同上、扇風機本体の斜め左前方に被乾燥物を置いた様子を示す写真図である。 同上、扇風機本体の動作を説明するフローチャートである。 同上、同上、操作部および表示部が設けられたベース上面の写真図である。 同上、赤外線センサの検知視野および分割範囲を示す図である。 同上、扇風機の構成を示すブロック図である。 同上、携帯型情報端末装置としてタブレット端末を使用した場合の表示画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の扇風機の好ましい実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の実施形態における扇風機本体1の外観を示している。これらの各図において、2は室内の床面などに載置されるベースである。3はベース2から上方に向かう支柱である。4は風を送り出す送風部である。送風部4の上面前側には、被乾燥物およびその周囲の温度を検知する温度検知手段としての赤外線センサ5が設けられている。支柱3の上端部と送風部4との間には、送風部4を任意の方向に首振り運動させるための首振り装置6が装備され、当該首振り装置6を駆動させる駆動源である首振り駆動部27(図10を参照)が設けられる。
首振り装置6は、首振り駆動部27により、送風部4を、左右の水平方向、および、上下の垂直(俯仰)方向に、単独で、もしくは組み合わせて駆動することができる。図4は、送風部4を右方向に駆動させたときの状態を示している。図5は、送風部4を上方向に駆動させたときの状態を示している。送風部4の首振り角度は制御部18(図10を参照)により制御する。制御部18により、送風部4の駆動方向や駆動量を制御し、送風部4を所定の首振り角度に固定することができる。首振り駆動部27には、左右駆動用および上下駆動用の2つのステッピングモータを使用することができる。制御部18から当該ステッピングモータに適切なパルス駆動信号を与えることで、送風部4の首振り角度や首振り速度を容易に調整することができる。
ベース2は、その外形が平面視でほぼ円形をなす扁平上に形成される。ベース2の前方上面には、複数のキーやボタンによる操作部7と、LEDなどの表示体による表示部8が設けられている。ベース2の側面前側には、遠隔操作体としてのリモコン40(図6を参照)からの信号を受ける受光部9が設けられている。
支柱3は、首振り装置6を含めた送風部4を昇降させる昇降装置をなすものである。支柱3は、ベース2の後方上面から垂直に延びる筒状の支柱基部10と、この支柱基部10の内側に上下摺動自在に組み付けられた摺動杆11とからなる。支柱基部10の上部後方に設けたロック釦12を、図示しない弾性体の付勢力に抗して押動することにより、支柱基部10と摺動杆11との係合が解除されて、送風部4や首振り装置6を支持する摺動杆11が、支柱基部10に対して上下に摺動するようになっている。
送風部4は、送風駆動部28と、この送風駆動部28により回転駆動されるファン14と、ファン14を覆う網状のガードであるファンガード15とを備える。送風駆動部28としては、例えばDC(直流)モータを採用することができる。DCモータに供給するパルス駆動信号のデューティ比を制御することで、ファン14の回転数を任意に変更することができる。
送風部4の送風駆動部28は、前側を開口した駆動部カバー16により覆われている。駆動部カバー16の開口周縁には、ファンガード15が取り付けられる。
温度検知手段としての赤外線センサ5は、対象物が発する赤外線放射エネルギーを対象物から離れた位置で検出し、例えばADコンバータ付きマイコン等により温度換算した熱画像をデジタル出力し、検知温度に応じて設定した色で検知温度をカラー表示することができる。赤外線センサ5は、扇風機本体1に設けられる。赤外線センサ5が1画素センサの場合、当該赤外線センサ5は、送風部4を首振り運動しながら所定の首振り角度で検知温度を記憶する必要があるので、首振り運動可能な送風部4に設置されることが好ましい。例えば図1では、ファンガード15の上面前側に設けられている。ただし、多画素の赤外線アレイセンサを用いる場合には、当該赤外線センサ5をベース2や支柱3等に設置することもできる。赤外線センサ5としては、例えば、対象物から放射される赤外線を受けると入射エネルギー量に応じた熱起電力を発生して、対象物の温度を検知するサーモパイル型の赤外線センサを使用することができる。
扇風機本体1は、無線通信部20(図10を参照)をさらに備え、無線プロトコルを使用して携帯型情報端末装置41に連結されている。携帯型情報端末装置41は、例えば、扇風機本体1内の対応WiFi(登録商標)モジュール(図示せず)と信号を送受信して、扇風機本体1で検知した温度分布や風量等を表示する他、扇風機本体1の風量調節などの操作を遠隔で行うことができる。
上記扇風機本体1と、赤外線センサ5と、リモコン40および携帯型情報端末装置41とにより、本実施形態における扇風機が構成される。
以上のような構成の本実施形態に係る扇風機の動作について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
本実施形態の扇風機本体1は、図6に示すように、衣類等の被乾燥物17が首振り運動の範囲内に入るように載置される。同図では、扇風機本体1の斜め左前方の位置に、被乾燥物17としての濡れたタオルがハンガーに掛けられている。操作部7の部屋干しボタン31(図8を参照)等の操作、または、リモコン40の操作により、部屋干しモードが開始されると、送風部4を首振りしながら送風し、赤外線センサ5による温度検知を開始する(ステップS1)。以降、当該ステップS1の動作を「スキャン」とも呼ぶ。
赤外線センサ5は、図9に示すように、検知視野21を複数の範囲に分割した分割範囲22ごとの温度を検知する。検知視野21の範囲は、送風部4の首振り運動が可能な範囲内で、任意に設定することができる。個々の分割範囲22の大きさは、赤外線センサ5の視野角の範囲内に収まるように設定される。検知視野21をいくつに分割するかは任意であり、図9では上下方向に3分割、左右方向に9分割している。
送風部4は、予め設定された分割範囲22の温度を検知するため、各分割範囲22に対応した首振り角度で停止し、その各位置で赤外線センサ5による温度検知を行う。検知された温度は、分割範囲22の位置情報と併せて記憶部23に記憶され、温度分布図が作成される。送風部4の首振り角度の制御は、首振り制御部18から首振り駆動部27に送信される駆動信号に基づいて行われる。各分割範囲22をどの順序でスキャンするかは特に限定されない。
ステップS2では、温度検知手段5の検知結果に基づいて被乾燥物17の位置を特定する。ここでは、送風部4から濡れた被乾燥物17およびその周囲に送風し、被乾燥物17で生じる気化熱を利用して、被乾燥物の位置を特定する。濡れた被乾燥物17に風が当たると、被乾燥物17の水分が気化することにより、被乾燥物17の温度がその周囲の温度よりも低くなる。この被乾燥物17の温度変化17に基づいて、被乾燥物17とその周囲との間の温度差を赤外線センサ5により検知し、被乾燥物17の位置を特定する。
温度表示は、例えば温度が最も低い分割範囲22の温度を基準として、所定の温度差毎に例えば5段階で表示することができる。ここで、温度が最も低い分割範囲22(の一群(一塊))を被乾燥物17の位置と特定することが好ましい。しかしながら、最も低い分割範囲22とこれに隣接する分割範囲22との温度の差が1段階と小さく、当該隣接する分割範囲22とこれに隣接する分割範囲22との温度差が2段階或いは3段階と大きい場合には、温度が低い方から2段階までの分割範囲22の一群を被乾燥物17の位置と特定するようにしてもよい。
ステップS3では、ステップS2で特定された被乾燥物17の位置に基づいて制御部18により送風部4の首振り角度を決定する。
被乾燥物17が1つである場合や、被乾燥物17が検知視野21内の一部に偏っている場合、温度の低い分割範囲22は1個であるか、または、数個の分割範囲22が集り一塊になって一群を形成した状態である。温度の低い分割範囲22が1個である場合は、その分割範囲22に送風部4を向けて、被乾燥部17に直接風が当たるように首振り角度を決定する。被乾燥部17に直接風が当たることで、一例では、通常の部屋干しでは乾燥時間が約4時間であるところ、2時間程度に短縮することができる。温度の低い分割範囲22が数個集まり、温度の低い範囲が一塊になって一群を形成している状態である場合には、それらの分割範囲22のいずれかに送風部4を向けて、被乾燥物17に風が当たるように首振り角度を決定する。または、最も温度が低い分割範囲22に送風部4を向けるように首振り角度を決定する。
温度の低い分割範囲22の一群が複数個離れて検知された場合、または、温度の低い分割範囲22の一群が左右方向或いは上下方向に長く連続した状態で検知された場合、被乾燥物17が複数あると検知することができる。この場合、複数の被乾燥物17の中間位置に送風部4の首振り角度を設定し、各被乾燥物17の乾燥むらがないようにすることができる。例えば、被乾燥物17が2つ検知された場合、各被乾燥物17があると判断できる2つの分割範囲22の(一群の)中央の位置に存在する分割範囲22に送風部4の首振り角度を設定する。被乾燥物17が3つ以上ある場合には、被乾燥物17があると判断できるすべての分割範囲22から等しい距離にある分割範囲22に送風部4の首振り角度を設定すればよい。温度の低い分割範囲22の一群が左右方向或いは上下方向に長い状態で検知された場合には、温度の低い分割範囲22の一群の中央部分に送風部4の首振り角度を設定すればよい。
上述と同様に、被乾燥物17を複数検知した場合、被乾燥物17が検知された範囲で送風部4を首振り運動させて複数の被乾燥物17に向けて送風することもできる。このような構成により、各被乾燥物17に直接風を当てて、乾燥の効率を向上することができる。この場合、温度の低い分割範囲22の左右上下限を、首振り運動の左右上下限とすると、無駄のない範囲で被乾燥物17に向けて送風することができる。
ステップS4では、ステップS3で決定された首振り角度に基づいて、首振り駆動部27により首振り装置6を駆動させる。
ステップS5では、ステップS4で移動した首振り角度の位置で、送風部4により被乾燥物17に向けて送風する。送風の風量は、ステップS1での風量よりも弱くすることで、経済的に乾燥効率を上げることができる。ステップS5では、例えば、風速2m/s程度の風速とすることが好ましい。
被乾燥物17がどの程度乾燥したか、被乾燥物17を乾燥中に定期的に確認すると、乾燥するまでの時間が予測できたり、風量を調節することができ、効果的である。この場合、所定のスキャン間隔時間で、送風・首振り・温度検知(スキャン)を複数回行うことができる。
ステップS6およびステップS7では、スキャンを再度行うか判断される。予め設定されたスキャン間隔時間の経過後(ステップS6)、複数回スキャンを行うことが予め設定されている場合には(ステップS7、Yes)、ステップS8に進み、予め設定された送風を停止する時間が経過しているか、または、被乾燥物17の温度が周囲温度まで上昇したか或いは予め設定された温度に到達したか、判断が行われる。尚、これらの3つの条件は、単独で用いてもよいし、それぞれ2つまたは3つを組み合わせて用いてもよい。ステップS8で「Yes」の場合、送風は停止される。ステップS8で「No」の場合、ステップS1に戻って再度スキャンを行い、ステップS2の「被乾燥物位置特定」、ステップS3の「首振り角度決定」、ステップS4の「首振り装置駆動」、および、ステップS5の「送風」を行う。
被乾燥物17の温度が周囲温度まで上昇したか否かの判断は、被乾燥物17の温度を赤外線センサ5で測定し、測定した現在の温度を、ステップS1のスキャン時に記憶部23に記憶された周囲温度と比較することにより、行うことができる。被乾燥物17の温度測定は、送風中継続して測定してもよいし、一定時間ごとに測定するようにしてもよい。上記の再度のスキャン時に、被乾燥物17の温度と周囲温度が同程度である場合には、予め設定された送風を停止する時間が経過していなくても、送風を停止するようにしてもよい。
ステップS7において、複数回スキャンを行うことが予め設定されていないと判断された場合(No)は、ステップS9に進み、予め設定された送風を停止する時間が経過しているか、または、被乾燥物17の温度が周囲温度まで上昇したか或いは予め設定された温度に到達したか、判断が行われる。これらの3つの条件は、単独で用いてもよいし、それぞれ2つまたは3つを組み合わせて用いてもよい。ステップS9で「Yes」の場合、送風は停止される。ステップS9で「No」の場合、ステップS5に戻って送風を続ける。被乾燥物17の温度が周囲温度まで上昇したか否かの判断は、上記と同様にして行うことができる。尚、扇風機本体1において複数回スキャンを一切行わない場合には、ステップS6、ステップS7およびステップS8を省略することができる。
本実施形態の扇風機本体1の構成を図10に示すブロック図に基づいて説明する。
扇風機本体1の内部に設けられた制御部18は、操作部7の操作情報や受光部9が受けたリモコン40からの通信情報、携帯型情報端末装置41からの通信情報に基づいて、扇風機本体1の動作を制御する。制御部18は、温度検知手段である赤外線センサ5が測定した温度情報を保存する記憶部23と、記憶部23に保存された温度情報から、被乾燥物17の位置を特定する被乾燥物特定部24と、特定された被乾燥物17の位置から送風部4の首振り角度を決定する首振り角度決定部25と、決定した首振り角度および所定の設定風量や風量調節に基づいた風量を制御する首振り角度・風量制御部26を備える。
扇風機本体1の内部には、首振り角度・風量制御部26により制御される駆動部19が設けられる。駆動部19は、送風部4の首振り運動の駆動源であり、送風部4を首振り運動させる首振り装置6を駆動させる首振り駆動部27と、ファン14の回転運動の駆動源であり、風を送り出す送風部4を駆動する送風駆動部28とを備える。
扇風機本体1の内部にはさらに、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型情報端末装置41と無線通信を行うWiFiモジュール等の無線通信部20が設けられる。無線通信部20は、赤外線センサ5を用いて取得した検知視野21の範囲の温度分布情報や現在の風量情報を送信して携帯型情報端末装置41に表示したり、携帯型情報端末装置41から送信された風量調節等の指示信号を受信して制御部18に対して制御情報を送出する。
ベース2の上面には、扇風機本体1の動作状態をLEDなどの点灯によって表示する表示部8が設けられる。
携帯型情報端末装置41としてタブレット端末を使用した場合の表示画面42の一例を図11に示す。表示画面42の中央には温度分布表示部43が設けられている。温度分布表示部43は、赤外線センサ5によって検知した各分割範囲22の温度を表示し、同図では、検知視野21の範囲を3行×9列に分割して表示している。表示画面42の左方には、風量表示部44が設けられている。風量表示部44は、運転中の風量を表示することができる。表示画面の右方には、風量調節ボタン45が設けられている。風量調節ボタン45を操作することで、送風部4の風量の強弱をコントロールすることができる。
扇風機本体1の具体的な動作の一例について説明する。
使用者が操作部7またはリモコン40を操作して扇風機本体1の電源をオンにすると、表示部8に電源オン状態を示す表示がなされる。使用者がさらに、ベース2の操作部7またはリモコン40に設けられた部屋干しボタン31を押すと、部屋干しモードが開始され、送風部4を首振りしながら被乾燥物17とその周囲に向けて送風し、赤外線センサ5による温度検知を開始する。
赤外線センサ5は、検知視野21を複数の範囲に分割した分割範囲22ごとの温度を検知する。
送風部4は、予め設定された分割範囲22の温度を検知するため、各分割範囲22に対応した首振り角度で停止し、その各位置で赤外線センサ5の温度検知を行う。検知された温度は、分割範囲22の位置情報と併せて記憶部23に記憶される。当該情報は携帯型情報端末装置41に送信され、携帯型情報端末装置41に温度分布図(図11を参照)が表示される。
濡れた被乾燥物17に送風部4からの風が当たり、被乾燥物17の水分が気化することにより、被乾燥物17の温度がその周囲の温度よりも低くなるので、図11に示すように、この温度が低い分割範囲35,36,37,38の一群を被乾燥物17の位置であると特定する。
被乾燥物17の位置が特定されると、その位置に向けて送風するように送風部4の首振り角度を決定する。図11では、分割範囲35の位置に首振り角度を決定している。決定された首振り角度に基づいて、首振り駆動部27により首振り装置6を駆動させる。移動した首振り角度の位置で、送風部4により被乾燥物17(分割範囲35)に向けて送風する。送風の風量は、スキャン時の風量よりも弱くし、例えば、風速2m/s程度の風速とすることができる。この風量は、携帯型情報端末装置41からの遠隔操作で変更することができる。
予め設定された送風を停止する時間が経過したか、または、被乾燥物17の温度が周囲温度まで上昇したか或いは予め設定された温度に到達した場合には、送風は停止され、部屋干しモードが終了する。予め設定された送風を停止する時間は、室内の環境や被乾燥物17の量等を考慮して決定すればよく、例えば2時間とすることができる。予め設定された温度は、例えば室温と同じ温度とすることができる。室温は、例えば扇風機本体1に設けられた温度計(図示せず)で測定することができる。測定された室温は、例えば図8のように表示部8に表示することができる。
以上のように、本実施形態では、扇風機が、扇風機本体1と、扇風機本体1に設けられた温度検知手段5とを備え、温度検知手段5の温度検知結果に基づいて被乾燥物17に向けて送風する構成となっている。
この場合、温度検知手段5の検知結果に基づいて衣類等の被乾燥物17に直接風を当てることで、低コストで効率よく被乾燥物17を乾かすことができる。
本実施形態の扇風機は、扇風機本体1が、送風部4と、送風部4を首振り運動させる首振り装置6と、首振り装置6を駆動させる首振り駆動部27と、送風部4の首振り角度を制御する制御部18と、を備え、温度検知手段5により被乾燥物17およびその周囲の温度を検知し、温度検知手段5の検知結果に基づいて被乾燥物17の位置を特定し、特定された被乾燥物17の位置に基づいて制御部18により送風部4の首振り角度を決定し、決定された首振り角度に基づいて首振り駆動部27により首振り装置6を駆動させ、送風部4により被乾燥物17に向けて送風する構成とする場合がある。
この場合、温度検知手段5を用いて衣類等の被乾燥物17の位置を特定し、当該被乾燥物17に直接風を当てることで、低コストで簡単な構成で被乾燥物17の乾燥効率を向上することができる。
本実施形態の扇風機は、送風部4から被乾燥物17およびその周囲に送風し、被乾燥物17で生じる気化熱による被乾燥物17の温度変化に基づいて、被乾燥物17とその周囲との間の温度差を検知し、被乾燥物17の位置を特定する構成とする場合がある。
この場合、低コストで確実に被乾燥物17の位置を特定することができる。
本実施形態の扇風機は、首振り装置6により送風部4を首振り運動させて、被乾燥物17およびその周囲の温度を検知する構成とする場合がある。
この場合、検知視野21の範囲内で各分割範囲22の温度を効率よく検知し、温度分布を取得することができる。
本実施形態の扇風機は、被乾燥物17を複数検知した場合、複数の被乾燥物17の中間位置に送風部4の首振り角度を設定する構成とする場合がある。
この場合、複数の被乾燥物17に対しても、乾燥時間を短縮することができる。
本実施形態の扇風機は、被乾燥物17を複数検知した場合、被乾燥物17が検知された範囲で送風部4を首振り運動させて複数の被乾燥物17に向けて送風する構成とする場合がある。
この場合、複数の被乾燥物17の乾燥むらを抑え、すべての被乾燥物1の乾燥効率を均等に向上することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は種々の変形実施をすることができる。例えば、携帯型情報端末装置41の表示画面42で、送風する分割範囲22を任意に選択して送風部4の首振り角度を設定し、首振り装置6を遠隔操作できるようにしてもよい。また、携帯型情報端末装置41の表示画面42で、複数回スキャンを行うかどうか設定し、スキャン間隔時間を設定できるようにしてもよい。
1 扇風機本体
4 送風部
5 温度検知手段(赤外線センサ)
6 首振り装置
17 被乾燥物
18 制御部
27 首振り駆動部

Claims (6)

  1. 扇風機本体と、
    前記扇風機本体に設けられた温度検知手段とを備え、
    前記温度検知手段の温度検知結果に基づいて被乾燥物に向けて送風する構成としたことを特徴とする扇風機。
  2. 前記扇風機本体が、
    送風部と、
    前記送風部を首振り運動させる首振り装置と、
    前記首振り装置を駆動させる首振り駆動部と、
    前記送風部の首振り角度を制御する制御部と、を備え、
    前記温度検知手段により前記被乾燥物およびその周囲の温度を検知し、
    前記温度検知手段の検知結果に基づいて前記被乾燥物の位置を特定し、
    特定された前記被乾燥物の位置に基づいて前記制御部により前記送風部の首振り角度を決定し、
    決定された前記首振り角度に基づいて前記首振り駆動部により前記首振り装置を駆動させ、
    前記送風部により前記被乾燥物に向けて送風する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の扇風機。
  3. 前記送風部から前記被乾燥物およびその周囲に送風し、前記被乾燥物で生じる気化熱による前記被乾燥物の温度変化に基づいて、前記被乾燥物とその周囲との間の温度差を検知し、前記被乾燥物の位置を特定する構成としたことを特徴とする請求項2に記載の扇風機。
  4. 前記首振り装置により前記送風部を首振り運動させて、前記被乾燥物およびその周囲の温度を検知する構成としたことを特徴とする請求項2または3に記載の扇風機。
  5. 前記被乾燥物を複数検知した場合、複数の前記被乾燥物の中間位置に前記送風部の首振り角度を設定する構成としたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の扇風機。
  6. 前記被乾燥物を複数検知した場合、前記被乾燥物が検知された範囲で前記送風部を首振り運動させて複数の前記被乾燥物に向けて送風する構成としたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の扇風機。
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