JP2016176481A - 扇風機 - Google Patents

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彰 熊木
Akira Kumaki
彰 熊木
小林 昭彦
Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
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Abstract

【課題】複数の人に対して効率よく無駄のない首振り送風運転を可能とする扇風機を提供する。【解決手段】本発明の扇風機本体は、送風部4と、送風部4を首振り運動させる首振り装置6と、首振り装置6を駆動させる送風駆動部74と、送風部4の首振り速度および角度を制御する制御部73と、人を検知する人感センサー71と、を備えた扇風機において、制御部73が、人感センサー71の検知結果に基づいて送風部4の首振り速度と首振り角度を制御する構成となっている。【選択図】図20

Description

本発明は、複数の運転モードを切り替え可能な扇風機に関する。
従来、温度センサーによって使用者の皮膚温を測定し、その測定温度に応じて風量を調節して使用者へ送風する機能を備えた扇風機が知られている(特許文献1)。
また、人体探知手段によって人体(使用者)の移動を検知し、風向を人体の移動に追随させる機能を備えた扇風機も知られている(特許文献2)。
特開平5−172095号公報 特開平7−180693号公報
近年、省エネなどの要請から、エアコンによって室内温度を調整し、扇風機の送風により室内の空気を循環させて、室内に生じる温度差を軽減すると共に、エアコンによって温度調整された空気を人に送風するという扇風機の使用方法が推奨されている。
また、室内に複数の人が居る場合には、扇風機の送風部を首振り運動させて送風することになるが、その際に、送風部が使用者の居ない場所を向いて送風している時間が無駄であり、その時間を短くしてそれぞれの人に対して効率よく送風することが望まれる。
しかしながら、上記特許文献1に開示された扇風機では、使用者に対して送風する風量を調節するのみで、室内に生じる温度差である温度ムラの解消を効率よくできないという問題があった。
また、上記特許文献2に開示された扇風機は、使用者が一人の場合にはその人に対して効率よく送風することができるが、室内に複数の人が居て、それぞれの人が離れた場所に居る場合には、人と人との間の誰も居ない場所に対しても同様に送風するため効率がよくないという問題があった。
本発明は、複数の人に対して効率よく無駄のない首振り送風運転を可能とする扇風機を提供することを目的とする。
請求項1の発明では、送風部と、前記送風部を首振り運動させる首振り装置と、前記首振り装置を駆動させる駆動源と、前記送風部の首振り速度および角度を制御する制御部と、人を検知する人検知手段と、を備えた扇風機において、前記制御部が、前記人検知手段の検知結果に基づいて前記送風部の首振り速度と首振り角度を制御する構成を有している。
請求項2の発明では、前記駆動源をステッピングモータとする構成を有している。
請求項1の発明によれば、送風部の首振り運転時に人が居ないところに向けて送風している時間を短縮し、人の居ないところに向けて送風するという無駄を軽減することができる。
請求項2の発明によれば、送風部の首振り速度と角度を的確に設定することができる。
本発明の第1実施例を示す扇風機本体の斜視図である。 同上、扇風機本体の正面図である。 同上、扇風機本体の右側面図である。 同上、送風部を右方向に向けた扇風機本体の斜視図である。 同上、送風部を上方に向けた扇風機本体の斜視図である。 同上、扇風機本体の動作を説明するフローチャートである。 同上、扇風機本体の構成を示すブロック図である。 第1実施例の赤外線センサーの検知視野および測定温度を示す図である。 第1実施例のファンの正面図である。 同上、ファンの背面図である。 同上、ファンの斜視図である。 同上、ファンを含む扇風機本体の要部縦断面図である。 本発明の第2実施例を示す扇風機本体の送風状態を示す図である。 第2実施例のファンガードの要部の斜視図である。 第2実施例のファンの回転方向に対する桟の形状の違いと、風速分布との関係を示したグラフである。 第2実施例の変形例である前ガード組立て体の正面図である。 同上、前ガード組立て体の背面図である。 同上、図16や図17とは異なる桟の形状の前ガード組立て体の正面図である。 同上、図18の前ガード組立て体の背面図である。 本発明の第3実施例を示す扇風機本体の斜視図である。 同上、扇風機本体の構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における扇風機の好ましい実施例を説明する。なお、以下に示す各実施例で、共通する箇所には共通する符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるため極力省略する。
図1〜図5は、本発明の第1実施例における扇風機本体1の外観を示している。これらの各図においては、2は室内の床面などに載置されるベース、3はベース2から上方に向かう支柱、4は風を送り出す送風部で、送風部4の上面前側には、人や室内の壁などの温度を検知する温度検知手段としての赤外線センサー5が設けられ、支柱3の上端部と送風部4との間には、送風部4を任意の方向に首振り運動させるための首振り装置6が装備されている。
ベース2は、その外形が平面視でほぼ円形をなす扁平状に形成され、前方上面には複数のキーやボタンによる操作部7と、LEDなどの表示体による表示部8が設けられている。また、ベース2の側面前側には、遠隔操作体としてのリモコン(図示せず)からの信号を受ける受光部9が設けられている。
支柱3は、首振り装置6を含めた送風部4を昇降させる昇降装置をなすもので、ベース2の後方上面から垂直に延びる筒状の支柱基部10と、この支柱基部10の内側に上下摺動自在に組み付けられた摺動杆11とからなり、支柱基部10の上部後方に設けたロック釦12を、図示しない弾性体の付勢力に抗して押動することにより、支柱基部10と摺動杆11との係合が解除されて、送風部4や首振り装置6を支持する摺動杆11が、支柱基部10に対して上下に摺動するようになっている。
なお、上記扇風機本体1とリモコンとにより、本実施例における扇風機が構成される。
送風部4は、送風駆動部28とこの送風駆動部28により回転駆動されるファン14と、ファン14を覆う網状のガードであるファンガード15とからなる。本実施例では、送風駆動部28としてDC(直流)モータを用いる。
また、送風部4の送風駆動部28は、前側を開口した駆動部カバー16により覆われており、この駆動部カバー16の開口周縁にファンガード15が取り付けられる。また、ファンガード15の上面前側には、赤外線センサー5が設けられている。赤外線センサー5は、例えば、対象物から放射される赤外線を受けると、入射エネルギー量に応じた熱起電力を発生して、対象物の温度を検知するサーモパイル型の赤外線センサーを使用する。
本実施例では、特に送風部4の駆動源としてAC(交流)モータではなく、DCモータを採用しているので、ファン14の回転数を任意に変更することができる。
以上のような構成の本実施例に係る扇風機の動作について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、本実施例の扇風機本体1は、操作部7またはリモコンの操作により電源がオンされたか否かを検出し(S1)、電源がオンされた場合(Yes)には、赤外線センサー5が図8に示す検知視野21を複数の範囲に分割した分割範囲22ごとの温度を検知する(S2)。全ての分割範囲22の検知が終了すると、全ての分割範囲22の温度の平均値が算出される(S3)。次に、算出された平均値と各分割範囲22との温度差の絶対値(以下、A値という)を算出し(S4)、A値が予め設定された規定値以上か否かの判定がなされる(S5)。A値が規定値以下の場合(No)には、温度ムラがないと判断され、再度分割範囲22ごとの温度の検知がなされる(S2)。一方、A値が規定値以上の場合(Yes)には、温度ムラがあると判断され、送風部4による送風が開始される(S6)。送風部4による送風中も分割範囲22ごとの温度が検知され(S7)、全ての分割範囲22の温度の平均値が算出される(S8)。そして、算出された平均値と各分割範囲22との温度からA値を算出(S9)し、A値が規定値以上か否かの判定がなされる(S10)。A値が規定値以上の場合(Yes)には送風が継続され(S6)、A値が規定値以下の場合(No)には送風が停止される(S11)。送風が停止された後、電源がオフにされたか否かを検出し(S12)、電源オフを検出した場合(Yes)には、扇風機本体1の動作が完全に停止し、電源オフが検出されない場合(No)には、再度分割範囲22ごとの温度の検知が開始される(S2)。
次に、本実施例の扇風機本体1の構成を図7に示すブロック図に基づいて説明する。扇風機本体1の内部に設けられた制御部17は、操作部7の操作情報や受光部9が受けたリモコンからの通信情報に基づいて、扇風機本体1の動作を制御する。
制御部17は、赤外線センサー5が測定した温度情報を保存する記憶部23と、記憶部23に保存された温度情報から平均温度やA値を算出する演算部24と、演算部24で算出したA値が規定値以上であるか否かを判定する判定部25と、判定部25の判定結果に基づいて運転モードを選択し、駆動部18に対して制御情報を送出する運転モード制御部26を備えている。
また、扇風機本体1の内部には、運転モード制御部26により制御される駆動部18が設けられている。駆動部18は、送風部4の首振り運動の駆動源である首振り駆動部27と、ファン14の回転運動の駆動源である送風駆動部28と、送風部4が送り出す風の幅を切り替える手段である風幅切替駆動部29とを備えている。
さらに、ベース2の上面には、扇風機本体1の動作状態をLEDなどの点灯によって表示する表示部8が設けられている。
次に、扇風機本体1の具体的な動作について説明する。まず、使用者が操作部7またはリモコンを操作して扇風機本体1の電源をオンにすると、表示部8に電源オン状態を示す表示がなされる。
また、電源オンと同時に上述のように赤外センサー5が分割範囲22の温度検知を開始する。赤外線センサー5は、検知視野21内に存在する人、物、床、壁などの温度を測定するが、室内に人が居る時と居ない時の測定について、図8に基づいて具体的に説明する。なお、図8(A)は室内に人が居ない状態を示し、図8(B)は室内に人が一人居る状態を示している。
まず、赤外線センサー5は、検知視野21を複数の分割範囲22に分割する。図8(A),(B)ではa〜h、i〜pのそれぞれ8つの分割範囲22に分割されている。赤外線センサー5によって測定された各分割範囲22の測定結果を同図の表に表示する。
次に、検知した温度値は分割範囲22の位置情報と対応させて、制御部17内の記憶部23に保存される。位置情報は、例えば図8に示すa〜pのように割り当てられる。その後、制御部17内の演算部24において、記憶部23に保存された全ての分割範囲22の温度の平均値が算出される。図8(A)の温度平均値は、22.39[℃]であり、図8(B)の温度平均値は、22.69[℃]である。
そして、記憶部23に保存された各分割範囲22の温度と演算部24で算出された温度の平均値の温度差の絶対値であるA値が算出される。a〜pのA値は、図8(A),(B)の表に示す通りである。
その後、制御部17内の判定部25においてA値が規定値以上であるか否か判定される。A値が規定値以上である場合には温度ムラがあると判断され、規定値未満である場合には温度ムラがないと判断される。規定値は、予め任意の値に設定可能であるが、本実施例は規定値を1.0と設定する。したがって、図8(A),(B)の中で規定値以上と判定されるのは、位置情報lの分割範囲22となる。
ここで、送風部4の上下方向の角度および赤外線センサー5の検知視野21の範囲から、温度ムラがあると判断された分割範囲22が所定の高さ、例えば送風部4を正面に向けた時の赤外線センサー5の高さよりも低い位置である場合には、温度ムラを生じさせている対象が人であると判断され、所定の高さよりも高い位置である場合には、温度ムラを生じさせている対象がエアコン31であると判断される。図8(A),(B)は、送風部4が下方を向いた状態での検知視野21を示しており、位置情報lの分割範囲22の温度ムラを生じさせている対象は人であると判断される。
そして、対象が人であると判断した場合には、制御部17内の運転モード制御部26において、第1の運転モードが選択され、第1の運転モードでの送風を行うための制御情報が運転モード制御部26から制御部18に送出され、第1の運転モードでの送風が開始される。一方、対象がエアコン31であると判断された場合には、運転モード制御部26において、第2の運転モードが選択され、第2の運転モードでの送風を行うための制御情報が運転モード制御部26から制御部18に送出され、第2の運転モードでの送風が開始される。
第1の運転モードは、赤外線センサー5が温度差により人を検知した位置情報に該当する分割範囲22に向けて送風するように送風部4を首振り運動させ、時間と共に送風量が変化するリズム風による送風を行なう。また、広がる風を送り出すことにより自然風のような心地よい風を送ることができる。
これに対して、第2の運転モードは、赤外線センサー5が温度差によりエアコン26を検知した位置情報に該当する分割範囲22に向けて送風部4の首振り運動をせずに直進性の風を送る。このように、温度ムラが生じている範囲に向けて直進性の風を送ることにより、その範囲の空気が撹拌されて、温度ムラを改善することができる。
ここで、広がる風と直進性の風の切り替えについて説明する。図9〜図12は、本実施例におけるファン14の外観を示している。ここでのファン14は、軸流型の第1羽根部41と、第1羽根部41よりも直径の小さな斜流型の第2羽根部42を組み合わせた構成を有している。回転ボス43の中心には、送風駆動部28の回転軸28A(図12を参照)と連結する金属製の連結部44が、ゴム製のダンパーとなる弾性部材45を介してファン14に取付け固定される。また、連結部44を取り囲むようにして、回転ボス43には複数の風洞46を有する第2羽根部42が配設される。
第2羽根部42の各風洞46は何れも同一形状で、回転ボス43の後面に吸気口47を有すると共に、回転ボス43の前面に排気口48を有し、吸気口47よりも排気口48がファン14の外周側に、且つファン14の回転方向Sに対して逆方向に配置されている。また、隣り合う風洞46,46を区画する第1翼49は、ファン14の回転方向Sに対して順方向に膨出しているのに対し、プロペラ形状をなす第1羽根部41の第2翼50は、ファン14の回転方向Sに対して逆方向に膨出している。ここでの第2羽根部42は、軸方向に吸い込んだ空気を斜め前方に送り出す斜流型ファンの形態を有するが、軸方向に吸い込んだ空気を横方向(遠心方向)に送り出す遠心型ファンの形態を有していてもよい。
図12は、上述したファン14を含む扇風機本体1の要部の縦断面図である。同図において、駆動部カバー16の前面と後面は、送風部4のファン14の後方から第2羽根部42の吸気口47に空気を取り入れるための通気孔51,52がそれぞれ設けられる。また53は、第2羽根部42の吸気口47を開閉するために、この吸気口47に対向して配置された通気孔51の開閉を切替える開閉手段としてのシャッターである。このシャッター53は、手動もしくは電動で動作が可能であり、本実施例では駆動部カバー16の内部で移動可能に設けられているが、吸気口47への空気の進入を可能にし、または遮断するものであれば、どのような構造でどの位置に設けられていても構わない。ここでは、斜流型の第2羽根部42が駆動部カバー16の前面に対向して配置される一方で、軸流型の第1羽根部41は駆動部カバー16の外方に配置される。その他、54はDCファンモータ13の回転軸13Aに螺着して、ファン14を回転軸13Aに取付け固定するスピンナーである。
そして本実施例では、操作部7や付属のリモコンを操作して、運転の開始を指示すると、DCファンモータ13への電力供給によってファン14が所定の回転方向Sに回転し、ファン14の後方から第1羽根部41に吸い込まれた風が、ファン14の軸方向に沿って前方に流れ、直進性のある風が第1羽根部41から送り出される。
ここで、通気孔51を開放する位置にシャッター53が移動していると、図12の白抜き矢印で示したように、ファン14の回転に伴って、通気孔52から駆動部カバー16の内部を通り、別な通気孔51から第2羽根部42の後方に形成された吸気口47へ向かう風の流れが、扇風機本体1の内部で形成される。これにより、第2羽根部42の吸気口47に吸い込まれた風は風洞46を通過し、ファン14の軸方向に対して斜め前方に流れ、第1羽根部41の排気口48から送り出され、第1羽根部41から送り出される風とぶつかって、広がりのある風を扇風機本体1の正面から提供することが可能になる。
それに対して、通気孔51を閉じる位置にシャッター53が移動していると、図12の白抜き矢印で示した風の流れが遮断され、ファン14の第1羽根部41から直線性のある風だけが送り出される。したがって、シャッター53の切替え動作により、通気孔51ひいては第2羽根部42の吸気口47を閉じた場合には、ファン14の全体から直進性のある風が送り出され、第2羽根部42の吸気口47を開いた場合には、ファン14の全体から横方向に広がる風を送り出すことができる。
以上のように、本実施例では、周囲の温度を検知する温度検知手段としての赤外線センサー5と、赤外線センサー5からの検知温度を受けて、人に向けて送風する第1の運転モードと室内の温度ムラを解消する第2の運転モードを制御し、かつ前記第1の運転モードと前記第2の運転モードとを切り替える運転モード制御部26と、を備えている。
この場合、人に向けて送風する場合には、自然で心地よい風を送ることができ、室内の温度ムラを解消する場合には、温度ムラのある場所に向けて送風することにより温度ムラを解消することができる。また、2つの運転モードを切り替え可能としていることから、使用用途に適応した送風をすることができる。
また、本実施例では、第1の運転モードは、赤外線センサー5によって人を検知し、人に向けてのみ送風する構成となっている。
この場合、送風部4を首振り運動させても人が居ない場所へは送風を行わず、人が居る場所に対してのみ自然で心地よい風を送ることができる。
また、本実施例では、第2の運転モードは、赤外線センサー5によって温度ムラを検知し、温度ムラがある場所へ向けて送風する構成となっている。
この場合、温度ムラがある場所に向けて的確に送風し、短時間で温度ムラを解消することができる。
また、本実施例では、第1の運転モードは広がる風を送風し、第2の運転モードは直進性の風を送風する構成となっている。
この場合、人に対しては、あたりの柔らかい自然で心地よい風を送ることができ、温度ムラがある場所には、直進性の風を送ることにより温度ムラを短時間で解消することができる。
本発明の第2実施例は、第1の運転モードと第2の運転モードをエアコン31の運転と連動させたものである。したがって、本実施例では、エアコン31による温度ムラを検知すればよく、赤外線センサー5による温度測定は検知視野21の所定の高さ、例えば送風部4を正面に向けた時の赤外線センサー5の高さよりも高い位置のみを検知する。
図13は、夏場と冬場の室内でのエアコン31の温度分布と扇風機の送風状態を示しており、夏場の室内の壁や床の温度は約25度〜30度、冬場の室内の壁や床の温度は約15度〜20度に想定してある。
夏場は、エアコン31を冷房運転させるため、エアコン31が冷風を送風している時は、エアコン31の吹出口32付近が周囲の壁や天井の温度と比べて低くなる。したがって、赤外線センサー5により分割範囲22の温度を測定すると、エアコン31の吹出口32に割り当てられた分割範囲22の温度が全ての分割範囲22の温度の平均値よりも一定値以上低くなる。この場合、判定部25においてエアコン31が冷房運転していると判断される。
そして、エアコン31が冷房運転をしていると判断した場合には、運転モード制御部26からの制御情報に基づいて第1の運転モードによる送風を行い、エアコン31によって冷却された空気を人に対して心地よい風を送ることができる。第1の運転モードは、送風部4を首振り運動させずに、エアコン31の吹出口32から送風された冷風に向けて送風してもよいし、送風部4を首振り運動させて、室内の床付近に対して広い範囲で送風を行うものとしてもよい。
一方、冬場は、エアコン31を暖房運転させるため、エアコン31が温風を送風している時は、エアコン31の吹出口32付近が壁や天井の周囲の温度と比べて高くなる。したがって、赤外線センサー5により分割範囲22の温度を測定すると、エアコン31の吹出口32に割り当てられた分割範囲22の温度が全ての分割範囲22の温度の平均値よりも一定値以上高くなる。この場合、判定部25においてエアコン31が暖房運転していると判断される。
そして、エアコン31が暖房運転をしていると判断した場合には、運転モード制御部26からの制御情報に基づいて第2の運転モードにより送風を行い、天井36付近に溜まった暖気を撹拌して人の居住空間である床面付近に移動させることができる。第2の運転モードは、送風部4を首振り運動させずに、エアコン31の吹出口32に向けて送風させてもよいし、送風部4を首振り運動させて室内の天井36付近に対して広く送風を行うものとしてもよい。
本実施例では、第1の運転モードと第2の運転モードの切替えを、判定部25の判定に基づいて運転モード制御部26が駆動部18に送出することにより自動で行っているが、使用者が操作部7またはリモコンを操作して手動で切り替えてもよい。
また、図14〜図19は本発明の第2実施例におけるファンガード15を示している。ファンガード15は、ファン14の前側を覆う前ガード61とファン14の後側を覆う後ガード62に分割可能な構成を有している。前ガード61の骨部63や外周部(図示せず)が金属のワイヤーである一方で、後ガード62は合成樹脂として構成されている。また、前ガード61が内接する送風切替えユニット64を設け、後ガード62の強度を確保するために、送風切替えユニット64が後ガード62の内側に嵌合する構成となっている。
送風切替えユニット64は、合成樹脂で形成されており、前ガード61を装着して構成される前ガード組立て体65が、後ガード62の前端開口に対してリバーシブルに着脱可能に設けられている。そして、前ガード組立て体65と後ガード62とにより、ガードとなるファンガード15が構成される。また、後ガード62の周縁部66に形成された骨部63は、ファンガード15の前後方向ではなく周方向に沿って、それぞれ適宜間隔を有して配置される。
送風切替えユニット64は、前ガード61の外周部を嵌合保持する中空円形の外周枠67と、外周枠67の中心に位置し、前ガード61の中心部に取付けられる円形基部68と、前ガード61の骨部63に対向し、円形基部68の外周から外周枠67に向けて、渦巻き状の隙間を形成するように配置された複数の曲線形の桟69とにより構成される。従って、本実施例における前ガード61とは、実質的に前ガード61や桟69を含む前ガード組立て体65となる。
そして本実施例では、操作部7やリモコンを操作して、運転の開始を指示すると、送風駆動部28への電力供給によってファン14が所定の回転方向Sに回転し、後ガード62を通してファン14の後方から吸い込まれた風が、ファン14の軸方向に沿って前方に流れ、前ガード組立て体65を通して送風部4から送風が行なわれる。
この場合、図14に示すように、桟69の基端から外周に向けた曲線形状が、ファン14の回転方向Sに対して逆方向となるように、前ガード組立て体65を後ガード62に装着すると、ファン14から前ガード組立て体65に向けて送り出された風が、桟69,69の間を通過する際にさほど拡散しなくなり、前ガード61の隙間を通して前ガード組立て体65の前方から直進性を有する風を送り出すことができる。一方、桟69の基端から外周に向けた曲線形状が、ファン14の回転方向Sに対して順方向となるように、前ガード組立て体65を後ガード62に装着すると、桟69,69の間を通過する際に拡がって、前ガード61の隙間を通して前ガード組立て体65の前方から拡散した風を送り出すことができる。つまりここでは、後ガード62に対して前ガード組立て体65をリバーシブルに着脱可能にする手段が、桟69の形状をファン14の回転方向Sに対して順方向と逆方向に切替える切替え手段として設けられている。
図15は、前ガード組立て体65に設けた渦巻き状リブとしての桟69の形状を、ファン14の回転方向Sに対して順方向に向けた「渦巻き右方向(ファン回転方向)」の場合と、ファン14の回転方向Sに対して順方向に向けた「渦巻き右方向(ファン回転逆方向)」の場合に、扇風機本体1の前方60cmで、ファン14の中心からの測定距離で風速がどのように分布しているのかをグラフで示している。この測定結果から、「渦巻き右方向(ファン回転方向)」の場合には、「渦巻き右方向(ファン回転逆方向)」の場合よりも、風が拡散して送り出されているのがわかる。
また、図16〜図19は、別な変形例の前ガード組立て体65を示している。ここでの前ガード組立て体65は、桟69の形状をファン14の回転方向Sに対して順方向と逆方向に切替える切替え手段として、各桟69の基端と先端が、それぞれ円形基部68と外周枠67に回動自在に取付けられていると共に、蓋70と円形基部68が同軸で回動可能に取付けられており、蓋70を回動操作するのに伴い、桟69の曲線形状が変化するように構成されている。
そしてこの変形例では、図16や図17に示すように、桟69の基端から外周に向けた曲線形状が、ファン14の回転方向Sに対して順方向となるように、蓋70を手動で回動操作すると、ファン14から前ガード組立て体65に向けて送り出された風が、桟69,69の間を通過する際に拡がって、前ガード61の隙間を通して前ガード組立て体65の前方から拡散した風を送り出すことができる。一方、図18や図19に示すように、桟69の基端から外周に向けた曲線形状が、ファン14の回転方向Sに対して逆方向となるように、蓋70を手動で回動操作すると、ファン14から前ガード組立て体65に向けて送り出された風が、桟69,69の間を通過する際にさほど拡散しなくなり、前ガード61の隙間を通して前ガード組立て体64の前方から直進性を有する風を送り出すことができる。また、このような風の切替えは、ファンガード15の外側から蓋70を操作するだけで可能になるため、後ガード62から前ガード組立て体65を着脱する手間も省ける。
以上のように本実施例では、回転するファン14と、ファン14を覆う網状のガードであるファンガード15とを備えた扇風機において、ファンガード15は、ファン15の前面に対向して配置される前ガード組立て体65に複数の同一形状の桟69を設けており、桟69の曲線形状を、ファン15の回転方向Sに対して順方向と逆方向に切替える切替え手段を備えている。
この場合、ファン15の回転速度を変えて風の強弱を変更するのではなく、前ガード組立て体65に設けた桟の形状を切替え手段によって切替えることで、桟69の形状がファン14の回転方向Sに対して順方向に向いている場合は、前ガード組立て体65で風を拡散して広がる風を送り出すことができ、また桟69の形状がファン14の回転方向Sに対して逆方向に向いている場合は、前ガード組立て体65から直進性の風を送り出すことが可能になる。従って、扇風機として広がる風と直進性の風を切替えて送り出すことが可能になる。
図20は、本発明の第3実施例に係る扇風機本体1を示しており、送風部4の上面前側に人の存在の有無を検知する人検知手段である人感センサー71を備えたものである。本実施例の人感センサー71には、焦電型赤外線センサーを使用しているが、人を検知できるものであればその他のものであってもよい。
本実施例の扇風機本体1の動作について、図21に示すブロック図に基づいて説明する。人感センサー71は、人の体温から検知視野21内における人の有無、数、位置を検知し、その検知結果は扇風機本体1内に設けられた検知結果処理部72において運転モード制御部73への送出情報に処理される。運転モード制御部73は扇風機本体1の内部に設けられており、検知結果処理部72からの情報を受けると、その情報に基づいて駆動源である送風駆動部74を駆動させて送風部4による送風を開始させる。
人感センサー71は、検知視野21内に人が存在すると、室内の壁などの背景温度と人の表面温度との温度差に対応した信号が得られるようになっており、その信号が検知結果処理部72に送出されると、検知結果処理部72において検知視野21内における人の位置が特定される。この位置情報が運転モード制御部73へ送出され、人の位置情報に対応した送風がなされる。
検知した人が一人の場合には、運転モード制御部73から送風駆動部74に一人の人に対応する角度で送風部4を一定の速度で首振り運動させるように制御情報が送出される。また、一人の人に送風する場合には、首振り速度を一定とするように制御情報が送出される。
これに対して、検知した人が複数の場合には、運転モード制御部73から送風駆動部74に対して、人が居る範囲全てに送風するように送風部4が首振り運動するように制御情報が送出される。また、人感センサー71が人を感知しない場所に送風部4が向いている時は首振り速度を速くし、人を感知する場所に送風部4が向いている時は首振り速度を一定にするように制御情報が送出される。
本実施例の送風駆動部74には、ステッピングモータが使用されており、運転モード制御部73から適切なパルス駆動信号を与えるだけで、送風部4の首振り速度や首振り角度を簡単に調整することができる。
以上のように、本実施例では、送風部4と、送風部4を首振り運動させる首振り装置6と、首振り装置6を駆動させる駆動源としての送風駆動部74と、送風部4の首振り速度および角度を制御する制御部としての運転モード制御部73と、人を検知する人検知手段としての人感センサー71と、を備えた扇風機において、運転モード制御部73が、人感センサー71の検知結果に基づいて送風部4の首振り速度と首振り角度を制御する構成となっている。
この場合、人感センサー71で人の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて送風部4が人の居る場所と居ない場所へ向いている時の送風部4の首振り速度を変更することにより、人の居ない場所への送風時間を短縮し、首振り送風運転の無駄を減らすことができる。
また、本実施例では、送風駆動部74にステッピングモータを用いた構成となっている。
この場合、送風部4の首振り速度や首振り角度を簡単に調整することができ、人感センサー71と組み合わせることにより、無駄のない首振り送風運転を行うことができる。
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、首振り角度・速度や風量は使用者が適宜設定することができるようにしてもよい。
4 送風部
6 首振り装置
71 人感センサー(人検知手段)
73 運転モード制御部(制御部)
74 送風駆動部(駆動源)

Claims (2)

  1. 送風部と、
    前記送風部を首振り運動させる首振り装置と、
    前記首振り装置を駆動させる駆動源と、
    前記送風部の首振り速度および角度を制御する制御部と、
    人を検知する人検知手段と、を備えた扇風機において、
    前記制御部が、前記人検知手段の検知結果に基づいて前記送風部の首振り速度と首振り角度を制御する構成としたことを特徴とする扇風機。
  2. 前記駆動源がステッピングモータであることを特徴とする請求項1記載の扇風機。
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